魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

97 / 115
※この作品はイノセント要素を含んでいますが、オリジナル設定も多々あります。

なので今回登場した一部キャラクター(名前は伏せておきます)の年齢は原作と違う人物もいるのでご了承ください。

では少々遅くはなりましたが本編、どうぞ!


六十三、訓練も たまには休んで 遊ぶこと

NO SIDE

 

スバルたちナカジマ姉妹とティアナが訓練校に入ってからはや半年…訓練は順調に進んでいた。

 

SIDE:ティアナ

 

パシュッ、パシュッ!

 

わたしの放った誘導弾は木々の間をくぐり抜けその先の的に命中する。

 

『よーし、32番ティアナ・ランスター合格だ!次!』

 

ふぅ…なんとかギリギリうまくいったみたいね。

 

「ティアナ姉ちゃん、お疲れっす!」

 

背後から声を掛けられ振り向くとそこにいたのはウェンディ。

 

「お疲れウェンディ。あんたはどうだったの試験?」

 

「あんなの楽勝でクリアっすよ!」

そう言ってデバイスを構えポーズを取るウェンディ。

 

この子のデバイス…ライティングボードだっけ?

 

「あんたよくそんなゴツいデバイスで精密射撃できるわね…感心するわ。」

 

わたしの誉め言葉にウェンディはきょとんとしてる。

 

「ほぇ?でもディエチ姉ちゃんはこれよりもっとデカイ大砲みたいなデバイスで2km先の的に当てるっすからね~♪」

 

なによその人怖いっ?!

 

ドゴォォォンッ!

 

あ、今の音って…?

 

「スバル姉ちゃんっすね、見るまでもなく。」

 

あたしたちミッドチルダ組とは少し離れたところで、スバルたちベルカ組はミット打ちをしていた。

「いったぁ…こらナカジマ姉、少しは手加減しろよ?!」

 

「あは、ごめんねーっ。」

 

「まったくスバル姉ったら…次はあたしの番だよ?」

 

「あ、そんじゃあたしが ミット持つよ。」

 

…あの子達もうまくやってるみたいね。

 

『訓練生は全員集合、ミーティングを行うぞ!』

 

おっと、臨時集合だわ。

 

この訓練は咄嗟の事態に対応できるようにっていう事らしい。

 

「みんな集まったか?…明日は施設のメンテナンスの為訓練は全休日とする。自主練も禁止だから各自体を休めるなり、外出して気分転換するなりするように。…以上!」

休日かぁ…嬉しいのは嬉しいんだけど突然言われてもねぇ…

 

「ねぇねぇランスターさん!」

 

「わぁ?!…なんだスバルか。驚かさないでよ?」

 

後ろから声をかけてきたのはスバルとノーヴェ。

 

「「てへぺろ?」」

 

…うん、ノーヴェは可愛いけどあんたのそれは殺意を感じるわスバル。

 

「なんでっ?!…ま、それはそれとして、ランスターさんは明日の休みどうするの?」

 

それなのよね…別に予定はないし、ちょっとぶらぶらと買い物でも…

 

「ね、それならさぁ、あたしたちと一緒にいかない?」

 

「今ギンガお姉ちゃんに『訓練休み』って言ったら、明日会おうって。それで『ルームメイトの子にも会いたい』って…どうですか?」

そうねぇ…この子達のお姉さんにも興味があるし…

 

「そうね…たまにはいいかもね。」

 

「うん、それじゃギン姉にも伝えとくね!」

 

ま、たまにはあたしも羽を伸ばすとしますか。

 

 

 

そして翌日…あたしたちは銘々私服で駅前に集まっていた。

 

スバルは水色のパーカー、ウェンディは緑のタンクトップ。そしてノーヴェは…白と紺のセーラーにハーフパンツ。

 

「馬子にも衣装とはこのことね…」

 

こうしていると、みんな何処にでもいる普通の女の子なんだけどなぁ…

 

「スバル、ノーヴェ、ウェンディ!」

 

声のした方を見ると、髪の長い女の人…この人がスバルたちのお姉さんかな。

 

「…おい、そこにいるのはティアナか?」

 

「へっ?…え、えぇ~っ?!」

 

その女性の後ろにいた男性の姿を見てあたしは思わず叫んでしまう。だって、そこにいたのは…

 

「に、兄さんっ?!どうしてこんなところに?」

 

そう、そこにいたのはあたしの兄であるティーダ・ランスターその人だったのだから…

 

SIDE:スバル

 

「「「…えっ、ギン姉、この人と付き合ってるのっ?!」」」

 

とりあえず入った喫茶店であたしたちはいきなり衝撃的な話を聞いた。

「うん。ティーダさんには訓練校の時に指導して貰ったのが縁で、度々連絡は取ってたの。それで私が管理局に就職したのを切っ掛けに…」

 

「はぁ…」

 

いや、そんな「運命の出逢い」みたいに言われてもねぇ…?

 

「ま、それでギンガが今日妹たちに会うってんでそれじゃ挨拶でもと思って来たんだが…まさかティアナの友達だったとは、世間は狭いな。」

 

「それはあたしのセリフよ兄さん?!今まで特定の人と付き合わなかったのに、初めての彼女がルームメイトのお姉さんって…そんな偶然あるっ?!」

 

「まぁまぁランスターさん落ち着いて…」

 

あたしはいきり立つランスターさんをなだめる。

「ま、そういう事になったからよろしくね。」

 

「…ちなみにギン姉、うちのパパりんとママりんはこの事を…?」

 

ウェンディの質問にギン姉は照れながら答える。

 

「ティーダさん、こないだ挨拶に来てくれて…父さんはムスッとしてたんだけど母さんが0.1秒で『了承』って…」

 

「「「「早っ?!」」」」

 

なにその即決?!まるでどこかのオレンジ色の謎ジャム作る主婦?

 

「ま、まぁ…あたしたちはもちろん歓迎だよ。ね、ノーヴェ、ウェンディ?」

 

「うん!」「もちろんッス!」

 

「………………」

 

あれ?どうしたのランスターさん、苦虫噛み潰したような顔して…うちのお姉ちゃんが気に入らない?

「いや、そうじゃないんだけど…ティーダ兄さんとギンガさんが付き合うって事は、ゆくゆくはあたしとあんたたちって義姉妹になるって思ったら…」

 

あ。でも…

 

「それじゃあたしたちはランスターさんの事はなんて呼べば…?」

 

だってティーダさんもランスターさんだもんね。

 

「…別に呼びたいように呼べば?…ま、親しい友人にはティアって呼ばれてるけど。」

 

んじゃこれからはティア姉と呼ぶね…「いいでしょティア姉?」

 

「…嫌って言っても呼ぶんでしょ?…勝手にしなさいよ。」

 

うんする~!

 

「…さ、話が落ち着いた所でメシにしようか?スバルちゃんとウェンディちゃんはギンガ並みに喰うって話だから、安くて旨いレストラン予約してるから楽しみにしてなよ?」

やった~っ!さ、たくさん食べるぞ~っ!

 

「…兄さん、2人の食欲舐めてると財布の中身が…」

 

「…あぁ分かってる。ギンガからきいてるからな。…と言うかギンガもそれくらい喰うんだよ!だから支払いはゲンヤさんと折半の約束なんだ。」

 

ティーダさんの言葉にティア姉の顔が凍りつく。

 

「嘘でしょ…あんな大食いがまだいるのっ?!」

 

そっか、父さんが支払ってくれるなら安心だね!

 

こうしてあたしたちはレストランで昼食会。ちなみにあたしとウェンディ、ギン姉の3人でお店の食材を余裕で食べ尽くした。

 

その後はあたしたちはティーダさんに連れられてウィンドウショッピング。で、ギン姉はティア姉に話があるって…何の話かなぁ?!

SIDE:ティアナ

 

「コーヒーでよかった?」

 

「は、はい…。あの、お話って?」

 

あたしとギンガさんはスバルたちが買い物してる間ショッピングセンターの屋上で一休み…と思ってたらギンガさんは話があるみたい。いったい何が聞きたいんだろう?

 

「うん、あの子達が訓練校でちゃんと出来てるか心配で…ティアナさんに迷惑かけてないかと思って。」

 

あー、そういう事ね。

 

「心配いりませんよ?あの子達、訓練校では最年少組ですけど実技・座学共に上位…というよりトップクラスです。上手くやってますよ。」

 

実際…ウェンディは座学で少し劣るけど、あたしとスバル、ノーヴェの3人が主席の座を争っている…いわばライバルだったりする。

「そう…良かった…!」

 

「あたしからも聞きたい事が…どうしてあの子達は管理局員を?」

 

確かにミッドチルダは9歳から就労可能だけどそんなのは一部の例外だし、あの子達は両親も健在でしかも2人とも管理局の尉官らしい。

 

スバルやノーヴェならちゃんとした学校に通わせて花嫁修業させそうなもんなんだけどなぁ…?

 

「あ、あの子達話してないんだ…ティアナさんは1年前にあった空港火災覚えているかしら?」

 

それって空港まるごと壊滅したアレですよね?…それが何か?

 

「スバルとノーヴェはあの火災に巻き込まれたの。…まぁ、わたしもなんだけどね。」

えっ…(汗)…今なんかさらっとトンデモ発言聞いたよーな…

 

「3人で任務中のお父さんに会いに来て巻き込まれたの。しかも3人ともバラバラで1人きり…はっきり言って死を覚悟したし、スバルたちもそうだったと思う。でも…」

 

でも…なんですか?

 

「出会ったのよ、わたしの…わたしたちの憧れにね。」

 

 

ギンガさんはそう言うと胸元からロケットの付いたペンダントを出した。…あれって確かスバルたちも…?

 

ギンガさんがロケットを開くとそこには金髪の少女の写真。この人は…?

 

「フェイト・テスタロッサ執務官。…わたしの命の恩人で憧れで…目標なの。」

…フェイトさんはあたしでも知っている管理局のエースの1人だ。って事は…?

 

「そう、スバルを助けてくれたのは管理局の「エースオブエース」・高町なのは二等空尉。そしてノーヴェの恩人は「悪夢の女王/クイーン・オブ・ナイトメア、逢魔リナ一等空尉。…フェイトさんも含めてあの人たちを助けられるような魔導師になるのがあの子達の目標なの。」

 

あたしは知らなかった。あの子達にそんな過去があったなんて…だけどあたしだって!

 

「ふふっ…どうやら貴女も相当の負けず嫌いみたいね。…あの子達をお願いね、ティアナ?」

 

「はい、ギンガ姉さん!あたしの方こそ兄共々よろしくお願いします!」

あたしはギンガさんの手を取って答えた。…さ、そろそろあの子達帰って…

 

「おぉ、そこにいるのはギンガくんじゃないかね?!」

 

な、何?!唐突にかけられた声に振り向くとそこにいたのは…白衣に身を包んだ壮年の男性と秘書っぽい服を着た美人の女性。

 

「あら、ジェイルおじさまに一架さん!こんな所で会うなんて…」

 

どうもナカジマ家の知り合いみたいだけど…なんか胡散臭いなぁ。この時そう感じたあたしは悪くないと思う。

 

…でもまさかこの人が、「無限の欲望」と呼ばれるほどのマッドな科学者で、ましてや近い将来に義理の伯父になるなんて…思うわけ無いじゃない?!




現在活動報告にて各種募集を行っております。

ご感想、ご指摘、評価なども含めて皆様からのお言葉お待ちしています!

それでは次回「六十四、親戚の 伯父さん実は… 変わり者?」

次も見てくんないと…

「クロスファイア…シュートっ!」

(BY ティアナ)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。