吸血鬼は紅い血を吐いた   作:個人宇宙

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【02】第一章

 

 

 目が覚めると、紅い色の天井があった。

 状況が把握できず、しばらく卓郎は呆然とその天井を眺めていた。

 とりあえず起きてみようと体を動かした時、全身から痛みが発せられ、卓郎はわずかに顔をしかめる。起き上がって初めて、自分はベッドに寝ていたことに気付いた。

 

 ここはどこだろう。

 周囲の状況を確認して、ようやく彼はこの場所の大きな違和感に気付いた。

 部屋全体が紅く染められているのだ。

 壁、ベッドだけに留まらず、箪笥やカーテン、テーブルといった全ての物が紅色に染まっているのだ。

 非常に目がちかちかする環境だったが、その割に中にある家具は全て高級品のようである。自分の家にあるものとは比べ物にならないくらい、箪笥はきれいな装飾が施されていたし、カーテンやテーブルはそもそも家に存在していなかった。

 

 これは夢なのかと疑ったが、改めて自分の状態を確認して、それは消えた。

 手足の至るところに包帯が巻かれてあったからだ。ついでに左肩にも違和感を感じたので、着物をめくってみると、そこにも包帯が巻かれてあった。

 誰かが治療をしてくれたのだろうか。

 だが、肝心の記憶が曖昧でよく分からない。

 窓の外を見てみると、すでに空は明るくなっていた。

 

 ようやく目も慣れてきた。

 目を擦って、改めて部屋を見渡すと、正面のテーブルに視線が留まる。

 テーブルには何かを上で覆うように、布が敷かれてあったからだ。それをめくってみると、中には水の入った容器とパンの積まれたかごが置いてあった。

 

 おいしそうなパンを見た直後、彼の腹が大きく鳴った。

 そして勢いよく、まずは容器の水を飲み始めた。

 なにせ、昨日から飲まず食わずだったのだ。多少のためらいはあったものの、命には代えられない。水を一気に飲みきるや否や、今度はパンの方にもかぶりつく。小麦の香りと歯応えのある食感が食欲を増幅させ、さらにかごのパンを掴んでいく。

 卓郎にとって、パンを食べるのは久しぶりのことだった。

 空腹に加え、最近は米の少ないお粥ばかりの食事だったので、普通のパンがとてもおいしく感じられた。

 

 あっという間に全てを平らげ、卓郎は満足気に息を吐く。腹も膨れたことで、ようやくまともな思考ができそうな気がした。

 その時、部屋の扉が開かれる。

「あっ。目が覚めましたか?」

 中に入ってきたのは、おしゃれな服を着た少女だった。赤色の装身具を乗せた髪は雪のように白く、背中にはとんぼのような羽根が生えている。

 それを見て、瞬時にこの子は人間じゃないと分かった。おそらく妖精か何かの類だろう。卓郎はこれまで何度か、村の外で妖精に遭遇したことがあったのだ。

 

 その様子を見かねてか、少女は穏やかに微笑む。

「安心してください。危害を加えるつもりはありません」

 ここで少女の視線がテーブルのかごを捉える。

「――あっ、そこにあったパンはもう食べちゃったんですか?」

 はっ、としたような顔を卓郎は浮かべる。

「もしかして、食べちゃだめだった?」

「いえいえ。よっぽどお腹が空いていたんだなと思いまして」

 少女はおかしそうに笑う。

 

「申し遅れました。私、この紅魔館でメイドをしているユキといいます。見た目から分かるかと思いますが、人間ではありません」

「ということは、やっぱり妖精?」

「はい、そうです」

 ユキはそれを証明するように、羽根をひらひらと動かす。

「僕は卓郎。卓郎といいます」

「卓郎さんですね。よろしくお願いします」

 

 ひととおり挨拶を交わした後、卓郎は紅い部屋を見渡した。

「それにしても、これは一体どういうことなんですか」

「あら。もしかして覚えてないんですか」

 ユキの問いに、卓郎は目を丸くさせる。

「昨日、霧の湖の前であなたが倒れているのを、私とお嬢様が見つけたのです」

「……湖の前?」

 

 その瞬間、卓郎の脳裏に昨日の出来事が一気に蘇ってきた。

 自宅の床が血の色に染まっている中、倒れている母と兄。

 そして、その中心でたたずんでいる黒髪の少女。その右腕は赤色に染まっている。

 いつの間にか、卓郎の体はがたがたと震えていた。

 思い出すだけで、すぐ近くにその妖怪にいるのではないかという恐怖に駆られてしまう。

 

 突然の卓郎の変化に、ユキは戸惑いの表情を浮かべる。

「あ、あの、どうかしましたか」

「殺されたんだ」

 えっ、とユキは瞠目する。

「僕の母さんと兄さんが、妖怪に殺されたんだ」

 

 ※

 

 卓郎はユキに連れられて、大部屋の扉の前まで来ていた。

「くれぐれも失礼のないようにお願いしますね」

「あ、うん……」

 閉ざされた紅い扉を眺めながら、卓郎は不安げに頷く。

 この先には、紅魔館の主である『お嬢様』が彼の到着を待っている。

 

 卓郎は昨日の経緯をユキに話した後、お嬢様にも事情を説明してきますと言って、いったん部屋から出て行った。その間に卓郎はユキの命令で、新しい着物に着替えたり、体を布で拭いて清潔にしておいたりと準備を進めておいた。

 そしてユキが部屋に戻ってきて、お嬢様が来てもいいという許可をもらったので、こうして扉の前までやってきたのだ。

「それでは、入りますよ」

 ユキが扉を叩いて先に中に入り、卓郎もそれについていく。

 

 中には一人の少女が奥にある椅子に腰掛けていた。

 足を組み、椅子の縁を利用して膝枕をしている。その横にある小さな丸テーブルには、湯気の出たカップが置いてある。

「ユキ。ご苦労だったわ。後ろに下がってていいわよ」

「はい。失礼します」

 

 ユキは深くお辞儀をして、部屋の後ろに下がる。

 高級そうな椅子に腰掛けた少女は、そのまま卓郎の方に視線を合わせる。

 見かけは十歳前後の少女だった。しかし、背中から蝙蝠を彷彿とさせる羽根が生えており、人間ではないことは一目瞭然だった。髪は紫色に近く、桃色のふわふわとした帽子とおしゃれな服を着こなしている。

 ユキの言う通り、いかにもお嬢様と感じさせるような風貌だった。

 

「ユキから話は聞いたわ。卓郎っていう名前なのね」

「はい」

「歳はいくつなの」

「十五歳です」

「なにか特別な能力とか持ってるのかしら?」

 卓郎は首を傾げる。

「能力? どういうことでしょうか」

 

 幼い少女は何度も目を瞬かせる。

「ふうん。どうやらあなたは純粋に普通の人間のようね。そんな人間が妖怪の追跡から逃れられたなんて、ある意味、奇跡に近いね」

 感心するように言い、幼い少女は足を組み直した。

「名乗るのが遅れたわね。私はここの『紅魔館』の主人、レミリア・スカーレットよ。これでも四百八十七年生きてきた正真正銘の吸血鬼よ。何の能力も持たない人間が、私と出会えるだけでも奇跡だと思いなさい」

 

「……吸血鬼、ですか」

 ここでレミリアは口元を吊り上げ、ぺろっと唇を舐める。

「あなたの血、とてもおいしかったわよ」

「えっ」

「覚えているかしら。昨夜、偶然館の近くであなたは倒れている所を発見したのよ。私と、あなたの後ろにいるユキがね。もちろん、当初はあなたを血を全て吸い尽くすつもりでいたんだけど、途中で気が変わっちゃってね」

 

 レミリアは卓郎の包帯に向けて、指を差した。

「今は治療を済ませているからそこまで目立ってないけど、倒れている時のあなた、普通の状態ではなかったわ。体中に傷があって、泥まみれ、草まみれ。まるで何かから必死に逃げてきたような感じだったね」

 昨晩のことが脳裏によぎり、卓郎は視線を落とす。

「そう思った瞬間、急に興味が出てきたのよ。どうして、この人間はこんな状態で倒れているのかって。だから、あなたを生かしてここまで運んできたのよ」

「そんな理由で僕を生かしたんですか」

「あら、もしかして死ぬつもりだったの? だったら、すぐお望み通りにさせるけど」

 レミリアは、やたら鋭利に尖った爪を掲げる。

 

 殺気を感じて、卓郎は慌てて首を振った。

「い、いえ、そんなわけじゃないです」

「まあ、いいわ」レミリアは座る体制に戻る。

「話を戻すけど、私もここ最近いろいろと退屈していてね。なにか刺激的な話があればいいなって思って運んできたけど、どうやら私の予想は的中したようね。ユキの話を聞く限り、なかなか凄惨な話じゃないの。あなたを生かしておいて正解だったわ」

 卓郎は頭を抱えて、嘆く。

「そんな……もう思い出したくもありません」

「こっちは治療までしたのよ。事情を知る権利くらいはあるわ」

 

 先ほど布で拭いたばかりなのに、体はすでに汗でびしょ濡れである。

 しばらく迷った末、ついに卓郎は「分かりました」と頷いた。

「それでいいの。じっくりと説明してちょうだい」

 とはいえ、卓郎が知っている事実は少なく、記憶も曖昧な所が多かったので、説明自体はすぐに終わってしまった。

 

「卓郎の家族は、その殺された母親と兄の二人だけなのかしら」

 事情を聞き終えたレミリアが、膝枕をしながら問う。

「はい。父さんは、僕が生まれた後に病気で亡くなりました」

「で、その二人を殺した犯人が、どうしてすぐに妖怪と分かったわけ?」

「手、です」

「手?」レミリアは首を傾げる。

「右手が紅く染まっていたからです」

 

 卓郎は、自分の右手を掲げた。

「右手の手首まで、紅い塗料が塗られたように真っ赤に染まっていました。それに僕、見てしまったんです」

「何を?」

「逃げようとした時、持っていた農業用具をその妖怪に投げつけてやったんです。そうしたらその妖怪、右手を一振りして、用具を全て真っ二つにしてしまったんです。今、思いますと、それが時間稼ぎになって逃げられたのかもしれませんが」

 

 妖怪の能力に関しては、レミリアもわずかに関心の態度を示した。

「ふうん。素手で物を切り裂く妖怪ねえ。そんな妖怪っていたかしら」

 レミリアは、部屋の隅にいるユキに視線を移す。

 ユキも首を傾げた。

「聞いたことないですね」

「うん。私も聞いたことがないわ」

「ただ、卓郎さんの住んでいる村は人里からだいぶ遠い所にありますからね。この世界の決まりごとをよく知らない新参者の妖怪が、誤って人間を殺害してしまったのではないでしょうか」

 

「あり得るわね。まあ、事情はどうあれ二人の人間を殺してしまったんだから、奴らも黙っているはずないでしょ」

 レミリアはいったん言葉を止めて、ふんと鼻を鳴らした。

「事情がどうあれ、その妖怪は裁かれるのは間違いないわね」

「どういうことですか」卓郎が問う。

「人間が人間を裁くように、妖怪にも裁く者がいるのよ」

「妖怪を裁く者?」

 

「そう。人間には人間の世界の決まりごとがあるように、この世界にはこの世界の決まりごとが存在してるの。そして、あなたの親族を殺した妖怪は必ずこの世界の決まりごとに則って裁かれるわ。この世界のことを、私たちは『幻想郷』と呼んでいるの。だから、あなたの件に関しては『そちら側』の者たちに任せておきなさい」

「でも、それじゃあ僕は……」

「ただの人間が、妖怪を裁くことはできないわ」

 卓郎の言葉を遮るように、レミリアは断言した。

 

「まあ、当事者でもない私が言っても、納得できないのは仕方ないと思うけどね。でも、だからといって、何の能力もないあなたが復讐を果たすなんて現実的に無理な話ね。返り討ちにあってしまうのが目に見えているわ」

 彼女の指摘に、卓郎は無言でうつむく。

「悔しい気持ちはよく分かるわ。大切な親族が殺されているんだからね。でも、復讐なんてそんなくだらないことは考えないことね。死ぬ覚悟で行くのなら話は別だけど」

 ここでレミリアは立ち上がり、卓郎の目の前までやって来た。

 

 レミリアの身長は卓郎の肩までしかないので、どうしても彼女を見下ろす姿勢になる。だが、彼女から放たれる威圧感に、卓郎は目を合わせることすらできなかった。

 吸血鬼の少女は、右手の人差し指を卓郎の左胸に置く。

「卓郎、これだけは覚えておきなさい。あなたの周りには、知ってはならないことが多くあるわ。あなたは能力を持たない、ただの人間。この世界では下の方に属するわ。下層の種族は下層の種族らしく、おとなしくしておいたほうが身のためよ」

 

 卓郎は唾を飲み込む。

 彼女は吸血鬼であること以外、その具体的な能力は分からない。

 だが、もし少しでも彼女がその人差し指に力を込めれば、一瞬にして自分の心臓はその指に貫かれてしまうだろう――。そんな光景を容易に想像させてしまうような、圧倒的な力を肌で感じた。

 レミリアはふっと口角を上げて、人差し指を引っ込めた。

「この話はこれで終わりにしましょ。信じるか信じないかは、あなた次第よ」

 

 そう言って、レミリアは再び椅子の方に戻った。

「少し内容に欠ける所があったけど、なかなか刺激的な話だったわ。これなら合格点を与えてやったほうがいいね。ということで、今後の処遇に関して今回は特別にあなたに生かす選択肢を与えることにするわ」

「生かす選択肢?」卓郎は目を瞬かせる。

 

「そうよ。今日から一週間、あなたに自由な時間を与えるわ。とはいっても、紅魔館の中に限られる範囲だけどね。そして一週間後のこの時間、あなたは私がこれから言う選択肢の中から一つ選ぶのよ。まず、一つ目は紅魔館に残る選択肢。ただし、その場合はあなたの血を頂戴するよ」

「それってつまり……」

「あの時は私の気まぐれで生かしたけど、次は分かってるわね?」

 卓郎は昨晩のことを思い出し、わずかに震える。

 

「そして二つ目。これはさっきと逆で、紅魔館から出ていく選択肢よ。もちろん、出ていった後の行動は全てあなたの自由。故郷の家に戻ってもいいし、人里に行って職を探すのもいいんじゃないかしら。それでこれが一番重要だけど、もしここから出ていくんだったら、私はあなたに傷一つ与えないと約束するわ」

「えっ。無傷で済むんですか?」

「紅魔館の主、レミリア・スカーレットの名にかけて約束は守るわ」

 レミリアを眺めながら、卓郎は今までの言葉を頭の中で反芻させる。相手はあの吸血鬼だ。もしかしたら、今の選択肢には何か裏があるのではないか。

 

「来る者は拒まず、去る者は追わず」

 彼の様子を見かねてか、レミリアが言葉を付け加えてきた。

「紅魔館の掟の一つよ。本来は妖精メイドに対する掟だけどね。本当かどうかは、後でユキにでも確認しておきなさい」

 ここでレミリアはユキと視線を合わせる。ユキは無言で頷いた。

 

「さて、これで私の話は以上よ。今日から一週間、ゆっくり体を休ませながら今後の新しい人生について考えなさい。その末でやっぱり死にたいと望むなら、容赦なくあなたの血を吸わせてもらうわ。でも、生きたいのならその意思を尊重するわよ」

 吸血鬼は椅子から立ち上がる。

「私の寛大な措置に感謝しなさい。それじゃあ一週間後、楽しみにしてるわよ」

 そう言って、部屋から去っていった。

 

 ※

 

 ユキに連れられ、卓郎は先ほどの部屋まで戻ってきた。

「良かったですね。一週間も考えられる時間をいただきまして」

「うん。そうだけどね……」

 卓郎は浮かない顔で口ごもる。自分は生かされることになりそうで安堵している反面、納得いかない所もいくつかあったからだ。

 ユキはそれを察したのか、補足するように言った。

 

「確かに、お嬢様の言っていることは一方的な所もあったと思います。でも、お嬢様がそう判断なさったのなら、素直に応えるべきだと私は思います」

「そのお嬢様が、事件の当事者ではなかったとしても?」

「はい。お嬢様は人間以上に、この世界のことをよく知っておりますから」

 そう言われると、さすがの卓郎も反論できなかった。

 彼女は吸血鬼である。卓郎にとって、吸血鬼も妖怪も同じような感じの印象でしかない。その彼女が言うからには、人間には知り得ない何らかの根拠があるのだろう。

 

 その後、卓郎は食事の時間や睡眠の時間などについて、ユキから説明を受けた。

 途中で、先ほどレミリアから言われた紅魔館の掟についてユキに確認してみたところ、それは本当だと即座に答えてくれた。

「なにかありましたら、私を呼んでくださいね」

 説明を終えたユキは丁寧にお辞儀をして、部屋から出ていった。

 

 ようやく一人になった卓郎は、すぐに部屋のベッドに横になる。

 ベッドはふかふかで非常に心地が良く、生きている間にこんな高級寝具で寝ることができるとは夢にも思わなかった。

 その感触を確かめているうちに、改めて自分はこの一日で環境が劇的に変わってしまったんだと自覚した。一昨日までは、つぎはぎだらけの湿った毛布が卓郎の寝床だった。

 

 そのうちに、これまでの生活が頭に蘇ってきた。

 卓郎は人間の里から離れた場所にある、村の出身である。

 彼が生まれてからすぐに父親が病気で亡くなり、母親が女手一つで卓郎とその兄である拓馬を育ててきた。歳の離れた拓馬が農業を手伝うようになった頃は、家の生活も安定しており、母親たちの勧めもあって、卓郎は里の寺子屋に通うようになった。

 

 しかし、長年の心労が祟って母親は体を壊し、さらに拓馬も事故で足を負傷し、満足に仕事ができなくなってから、家の生活は少しずつ悪くなっていった。寺子屋も一年足らずで辞めざるを得なくなり、卓郎は家の農業を手伝うことになった。

 貧困で明日の生活もよく分からない中、昨日の事件が起こったのだ。

 

 一瞬にして、家族を失ってしまった。

 今までの生活を振り返っているうちに、自然と頬に涙が流れてきた。泣いている途中で、ようやく卓郎は実感する。

 

 もう二度と、自分は家族に会えないのだと。

 貧困に苦しんでいたのは事実だが、卓郎はこれまでの生活に大きな不満はなかった。

 母と兄はどちらも真面目すぎる性格であったが、優しく卓郎に接してくれて、卓郎も二人の負担を少しでも減らそうと仕事に励んだ。体を動かす作業は苦手であったが、母さんと兄さんを支えるのは自分しかいないんだと言い聞かせ、辛い作業にも耐えてきた。

 

 ふと、窓の外を見てみると、すでに空は暗くなっていた。

 これから自分はどうしていけばいいのだろう。

 家族を失った悲しみの涙を、卓郎はいつまでも流し続けた。

 

 


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