仮面ライダーカブト ANOTHER SPEED   作:星の道化師
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最近、暑過ぎやしませんか?

ライダーの撮影現場でもあの熱い地面に横たわる俳優さん達は凄いと思います。

それでは本編をどうぞ


第20話ー決着ー

『廃ビル:入り口』

 

現在、廃ビルの入口でハウンドのメンバー達はパニックに陥っていた。たび重なる謎の襲撃に加え、突如として現れたマスクドライダーシステム第9号スパイクの奇襲によって彼らはもはや集団戦闘を放棄し、震える手でマシンガンを乱射する。

 

「うわぁぁぁぁぁッ!!」

 

「・・・」

 

四方八方から弾丸の雨がスパイクに降り注ぐ。しかし只の弾丸がスパイクの装甲に通る筈もなく、全て弾かれてしまう。スパイクは視界に入ったマシンガンを乱射する男に近づくと銃口を掴み、その巨大な腕で殴り飛ばした。

 

「グハァッ!?」

 

殴られた男は数メートル先まで吹き飛び、コンクリートの壁にめり込んだ。それを見ていた他の者達は血の気が引いた様子で撃つ手を止めた。しかしスパイクは攻撃の手を止める事なく右腕に付いているウェブシューターから粘着性の高い糸を別の男に向かって発射した。発射された糸が男に付着するとスパイクは右腕を力任せに引っ張り、弧を描きながら飛んで着た男の顔面に向かって左腕を振りかぶりながら拳を握り、地面に叩き付けた。そして地面には叩き付けられた男の頭を中心に小さなクレーターが鈍い音と共に出来上がった。

 

「な、何なんだよこいつ・・・!?」

 

ハウンドのメンバー達にもはや戦意は無く、目の前にいる者からどうやったら逃げる事が出来るのかを必死で考えていた。しかしそうしているうちにも気絶した男の顔から拳を離したスパイクはゆっくりと身体を起こし、こちらへと近づいて来る。

 

「ボ、ボス!俺たちはどうすれば!?」

 

スパイクの気迫に恐怖した一人の男が背後の車に乗っていたサイモンに尋ねる。他の者達も恐怖心に支配され、もはや自分で考える事を放棄しサイモンの命令に耳を傾ける。しかしサイモンからの返事は無く、疑問に思った男が背後を振り返ってみる。

 

するとそこにサイモンは居らず、マシンガンブレードが入っていたトランクも無くなっていた。

 

「ボス?・・・ボス!!何処に居るんですか!?ボス!!」

 

必死にサイモンを呼び、周りを見渡すが返答は無い。男は一種のパニック状態に陥り必死に名前を叫び続ける。しかしその時、男の肩に硬い金属質の手が置かれ、男はハッとし叫ぶ事をピタリと辞めた。そしてゆっくりと恐る恐る振り返った。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」

 

そして、男が最期に見た光景は目の前まで迫って来ていた黒い金属の拳だった。

 

 

 

 

 

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『廃ビル:裏口』

 

「はぁッ・・・はぁッ・・・はぁッ・・・!!」

 

部下達を見捨てたサイモンは戦闘の混乱に乗じて廃ビルの裏口に駐車していた車の元まで全速力で走り抜けた。

 

サイモンは車に乗り込むと助手席にトランクを雑に置き、エンジンを掛けようとする。

 

だがその時、サイモンを追って来たスパイクがドアを車体から引き千切り、サイモンの胸ぐら掴んで車から引き離す。

 

「ガァッ!!」

 

放り投げられたサイモンは受け身を取る事が出来ずに地面に転がった。しかし背中から全身に突き抜ける痛みに耐えながらも必死にその場から逃げようする。しかしスパイクはそれを許す筈も無くサイモンの両脚に向かってウェブシューターから糸を発射し、サイモンの動きを封じ込めた。

 

スパイクは助手席に置かれていたトランクを持つとサイモンの元へと近づき、再び胸ぐらを掴むと顔を近づけ詰め寄る。

 

「これで何をするつもりだった?」

 

「な、何の話だ・・・?」

 

スパイクはサイモンの返答を聞くと頭突きをかました。サイモンは苦悶の声を上げるがスパイクは再び詰め寄る。

 

「何をするつもりだったんだ?」

 

「だ・・・誰が言うかクソッタレが・・・!」

 

額から血を流しながらもシラを切るサイモンに対しスパイクはもう一度先程よりも威力の高い頭突きをかまし、さらに身動きの出来ないサイモンを地面に叩きつけた。

 

「がぁ・・・!!」

 

悶絶するサイモンだったがスパイクは容赦無く再び、胸ぐらを掴んで引き起こすとまたしても詰め寄った。

 

「これが最後だ。マシンガンブレードを使って何をするつもりだったんだ・・・?」

 

「ク・・・クソ野朗・・・」

 

額から大量の血が流れ出て、意識が朦朧とし始めているにも関わらずサイモンは悪態をつき続ける。

 

「そうか」

 

スパイクはそう呟くと右腕を振りかぶり、今まで以上に拳を握る。そしてサイモンの顔面に目掛けて殴り掛かった。

 

「ま、待てッ!?わかった、話すッ!!」

 

拳が目の前まで迫って来た瞬間、とうとう恐怖に屈したのかサイモンは大声で叫んだ。それと同時にスパイクの手は止まり、ゆっくりと拳を顔から離した。

 

「はぁ・・・はぁ・・・ぎ、銀行だよ」

 

「銀行?」

 

「そうだ。街の大通りにある一番大きな銀行。そこの金庫を開けるのにマシンガンブレードが必要だったんだ。そんじゃそこらの銃や爆薬じゃビクともしねぇからな・・・」

 

サイモンは以前より市街地にある銀行の金を盗み出す計画を立てていた。しかしその銀行の金庫はZECTの協力を得て造られた厳重なセキュリティと金庫そのものが並みの兵器ではビクともしない硬度を誇るものであった。そこでサイモンはZECTの整備士であったフランクに目を付け、彼を利用して最新型のマシンガンブレードを手に入れようとした。ワームの甲殻を物ともしないマシンガンブレードならば金庫を破る事が出来ると考えたのだ。

 

「・・・そんな下らない事の為に彼を殺したのか?」

 

「え?」

 

「そんな・・・下らない事の為に!!!」

 

スパイクはサイモンを放り投げた。そして地面に転がり落ちると、サイモンに向かって怒りを露わにしながら拳を握り締め近づいて行く。その時サイモンは自身の死を覚悟した。

 

「ま、待て!!ちょっと待ってくれ!!頼む!!」

 

サイモンは後退しながら必死で助けを求めるがスパイクは止まる事は無い。

 

「頼む!!金なら出す!!いくらでも出すぞ!?」

 

遂には金を使っての命乞いを始めたサイモン。その姿にスパイクは呆れ果て更なる怒りを感じていた。そしてスパイクの拳が射程距離内まで近づくとスパイクは右腕を振りかぶり、真っ直ぐサイモン目掛けて拳を振り下ろした。

 

「ふ、ふざけんな!!マスクドライダーが人を殺すのかよ!?」

 

拳が当たる直前、サイモンが放った言葉にスパイクの動きが止まった。それを見たサイモンはチャンスだと思い込み言葉を続ける。

 

「マスクドライダーは人類の守護者だ!!そうだろ!?その守護者が非力な一人の人間を殺すってのか!?」

 

サイモンの苦し紛れに言っている事にも一理ある。そもそもマスクドライダーシステムはワームに対抗する為に作られた物であり、その矛先を人間に向ければマスクドライダー一人で一つの軍隊に匹敵する力を持つのだ。

 

「・・・確かにそうだ。マスクドライダーは人を殺す為に作られた物じゃない」

 

スパイクは拳をゆっくり下ろすとライダーブレスに装着しているスパイクゼクターを外し、変身を解除した。

 

「マスクドライダーは・・・スパイクは決してお前を殺さない」

 

それを聞いたサイモンは安堵の表情を浮かべ俯きながら自然と笑みをこぼす。

 

「・・・ただし」

 

その言葉を聞いたサイモンは再び顔を上げる。そこにはエドワードが拳銃の銃口をサイモンの眉間に向かって構えていた。

 

「俺は別だ・・・」

 

そして次の瞬間、廃ビルに一発の銃声が響き渡った。

 

 

 

 

 

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『ZECT北アメリカ支部:支部長室』

 

作戦を終えたスパイダーズはZECT北アメリカ支部へと戻っていた。そしてブラッドは作戦終了の報告の為に支部長室を訪れた。

 

「ご苦労。よくやってくれたな。もしもハウンドの連中が銀行を襲っていれば人々にとってとんでもない損害となるところだった。感謝しているよ」

 

「・・・あぁ。報酬はいつもの口座に振り込んどいてくれ」

 

ブラッドはそう言うとバーンズに背を向け、足速に部屋から退出しようとする。しかし扉の前まで進んだ時に足を止めた。

 

「・・・支部長」

 

「何かね?」

 

「もし二度とこんな事態に面したくなければここの職場全体の配給金額を見直すことだ。今回の作戦には犠牲が伴った。彼の死を無駄にしたくない」

 

「・・・わかった。検討しよう」

 

ブラッドはバーンズの返答を聞くと少し満足した様な表情を浮かべ、部屋から退出した。

 

その後、ZECT北アメリカ支部では初の給料の見直しが行われ、各部署の働きにあった金額が支給される様になった。もちろん職員達は大いに喜んだ。しかしこの見直しに一人の男の犠牲があった事は彼・・・フランクと同じ整備士の仲間達は彼の死を決して忘れる事は無かった。

 

 

 

 

 

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『ZECT日本支部から数百キロ離れた地点:荒野』

 

ZECT日本支部から数百キロ離れた位置に存在する荒野。かつては自然豊かな土地だったがワームと人類の激闘の末、草木は戦火に包まれ生物が住むことも出来なくなった不毛の地と変貌していた。

 

そんな荒野の真ん中にそれは居た。

 

全長は20メートルをゆうに超え、四足歩行で地響きを鳴らしながらゆっくりと歩くそれが向かう先は・・・ZECT日本支部がある方向だった。

 

 

 

 

 

to be continued...

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次回:仮面ライダーカブトANOTHER SPEED

 

剣が仲間に加わり、日々順調に任務をこなす特殊部隊シャドウ。

 

しかし裕介は自分自身の力の弱さに苦悩していた。

 

そんな中、巨大な足音と共にZECT日本支部にとっての最大の危機が訪れる。

 

 

次回:『第3章 巨大変異種襲撃篇』 『絶望の足音』

 

天の道を往き、全てを司る。








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