distant day/dream   作:ナチュルの苗木

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 ワーム編までの短編集です。時系列は適当。
 実は進捗の都合で1つエピソードをカットしていまして、後日追加するかもしれません。ご了承お願い致します。


決闘者たちの日常

 

01.ノドカのぬいぐるみ

 

「ノドカの趣味、ぬいぐるみづくりなんだっけ?」

 

 ふと、思い出したようにナギが聞く。

 

「うん。小さいのだけどね。たまに作ったりするよ」

 

「そうなんだ。すごい」

 

 心なしか、眼を輝かせるナギ。普段活力を感じさせない眼が、好物のケーキを前にしたときのように生き生きとしていた。

 

 ぬいぐるみ。そう言えば、初めて出会った際にもそんな自己紹介をしていた。

 2人の会話を遠巻きに見ながらツカサは回想する。

 

 わざわざ初対面の相手に語るのだ、自分を相手に印象づけるに値するほどの趣味なのだろう。

 ツカサは彼女──ノドカに良く似た少女を知っているが、彼女は別段その類の趣味がある風ではなかった。

 

 初対面。やはりノドカはノドカであり、ウィンダはウィンダなのか。容姿が似通うのみ。性格や人柄も面影あるように思えるが、それはただの先入観でしかないのだろうか。

 ナギ然り。いくら外見が酷似しようとも、内面に積み重なったものが同じにはなり得ない。

 

 やはりこの世界で生まれた彼女たちと、あの世界で生きた者を比べ、重ねてしまうのは間違っているのだろうか。

 

「どんなの作る?」

 

「動物とか、かな。なんとなく思いついたのを作るんだけど、そうだね、動物かな。一番のお気に入りはうさぎ。あんまり上手くはないけど、それでも可愛く出来てる自信はあるよ!」

 

「……うさぎ! 今度見せて」

 

 ツカサが真面目な顔で彼女らを凝視する間にも、女の子らしい会話は続いていく。

 うさぎに食いついたナギへふと思うのは、ケーキが好きだったりぬいぐるみに興味を示したりと、案外少女趣味であることだった。

 

(女の子なんだよなぁ)

 

 あの世界の戦乱とは程遠い、普通の女の子。

 

 現代に生まれ現代に育った少女が2人。やはり、あの世界と同じであるはずがない。

 

「……実はね、キーホルダーサイズのなら持ち歩いてるんだ!」

 

 じゃーん、という風にポーチから取り出されたのはミニチュアサイズのぬいぐるみ。

 やや無骨な、手作り感溢れるぬいぐるみだ。

 

 それにツカサは驚き、目を見張る。

 

 うさぎだ。やや不細工なうさぎだ。造型の市販品に大きく劣る。デザインもまた拙い。

 

 しかしながらツカサはそれに衝撃を憶える。

 

 細身で、黄色いうさぎ。

 

 抱くは既視感。

 

 それは、あの世界で彼女(ウィンダ)が持っていたぬいぐるみと同じものだった。

 

「そ、それは……!」

 

 思わずツカサは割って入る。

 

「うさぎだよ! 私が作ったの!」

 

「作った……そのデザインって自分で考えて?」

 

「そうだよ。……なんでそんなに驚いてるの?」

 

 ノドカが首を傾げる。そこへ、ナギが呟いた。

 

「ツカサ、失礼」

 

「失礼って……あっ」

 

 数秒して、ノドカはナギの言葉の意味を悟ったようにして顔を背けた。

 

「あの……えっと、そうだよね、黄色いうさぎなんて変だよね。なんかふと思いついて……ナギちゃん私センスないのかな?」

 

「そんなことない。可愛いと思う。ツカサには女の子のことがまるで解ってない」

 

 慌てながら弁解しようとする直前でツカサは動きを止める。そして彼女らに向けるのは呆れたような半眼。

 

 ナギが浮かべるは悪戯な笑み。

 背けられたノドカの顔も僅かに綻んでいて。

 

「揶揄うなよ」

 

 なし崩し的にツカサも笑う。

 

 どこかで見たうさぎと、どこかであったような会話の流れ。

 

 あの世界はもうどこにもないはずなのに、時々に顔を見せる。どこまでがあの世界で、どこまでがこの世界で、どこからが『現象』なのか

 

 違えつつ違えない日常──。

 

 

   *

 

ツカサ「今日の最強カードは『奈落の落とし穴』だ!」

 

ノドカ「ツカサくんがよく使うやつだね」

 

ナギ「攻撃力1500以上のモンスターが召喚されたときに破壊して除外する汎用罠。大抵のモンスターはこれで破壊できる。

   ……ところで、汎用の割には私持ってなかったみたいだけど、どうして?」

 

ノドカ「私も持ってないね。実は貴重だったとか? ツカサくんは何枚持ってる?」

 

ツカサ「『落とし穴』なら僕に任せろ。そんなの家に山ほどある!」

 

ノドカ「すごい!」

 

ナギ(ツカサが買い占めてるだけじゃ……)

 

 

 

02.ティーブレイク・スルースキル

 

 その客は高い頻度で現れる。多いときで週に3回。最低でも2週間に1回。

 

 黒い髪に黒いパーカー、黒いジーンズと黒が多い配色に赤い瞳。

 そして彼が必ず注文するのが──

 

 ──『カップル限定ケーキセット』。

 

 男女の組でしか注文できないそれは発注から店長が拘った力の入ったメニューで、これを目当てに来るカップルの客も少なくないほどである。

 この街に存在すると言われているスイーツを愛好する謎の会合でも名前が上がるらしく、知る人ぞ知る裏看板メニューである。

 

 そんなものを注文するのだから当然のごとく黒い彼は女性を連れているのだが、その特筆すべきろくでもない点と言えば、その女性が毎回違うという事である。

 前前前回は青い髪の子。前前回は緑の髪の子ときて前回その両方を率いて入店。

 ハーレムか。ハーレムなのか。代わる代わる女の子を侍らせる女垂らしなのか。

 

 そして今回。また違う少女を連れている。それも明らかに年下、小中学生の年端もいかないであろう少女であった。

 ケーキなのか、ケーキで釣ったのか。

 

 彼女──そのファミレスでバイトをしている少女は顔をひきつらせ、無意識にも軽蔑した目を彼に向けるのだった。

 

   *

 

 呼び出されたのは公園。住宅街にある小さな公園だ。

 

「あ、ツカサさん。ごめんなさい、待ちました?」

 

「いや全然。待ってないよ」

 

 指定された時間数分前に到着したツカサの下へ、ほんのり息を見出したフレ子(暫定)がやってくる。

 

「ごめんなさい、服選ぶのに時間かかっちゃって。どうですどうです、似合います?」

 

 そういってターンする少女。桃色のパーカーに黒のスカートが浮き上がる。

 

「ああ。似合うんじゃないか?」

 

「見てください見てください、このあほ毛! なかなか立たなくて苦労しったんですよ!」

 

 頭を少し揺らすと頭の頂点から浮き立った髪の毛がピコピコと跳ねる。

 

「ああ、大変だったな?」

 

 適当に答えるツカサ。正直女の子の服装も髪型もわからない。決闘第一でその他に疎いツカサにとって硫酸のたまった落とし穴のイラストが2種類の違いの方が重要だ。

 

 蟲惑魔のイラスト違いも待ってます。

 

「このあほ毛ですね、なんと! ツカサさんの触角みたいなあほ毛を真似してるんです!」

 

「ああ。それは馬鹿にされてるな」

 

 小さく溜め息を吐く。嬉しそうに服や髪について語るあたり元気な子だ。

 

「でもあほ毛っていうと失礼ですよね。すいません。何か言い方ないですかね??」

 

「……癖っ毛とか、立ち毛とか……寝癖でいいだろ」

 

「寝癖なんですか!? その蟲の触角みたいなあほ毛!」

 

「やっぱ馬鹿にしてるだろ」

 

 ナギといい。ソウといいこの子といい。

 自分はこういう扱いを受けるポジションになっているらしい。ナギといっしょのときはノドカまでもが一緒になる。

 

 まあ、悪意があるわけではないのが救いか。

 

「うぅん、わたしもツカサさんへの尊敬、ツカサさんリスペクトに邁進すればいつかは自然と触角が……」

 

「生えるといいな」

 

 適当に話題を流す。

 

「で、どうするんだ?」

 

 公園で落ち合ってから話し込んでしまっている現状だが、きっかけは今朝のことだった。

 ツカサの携帯端末届いた1通のメール。ツカサの登録した送信主は"Flam"。

 件名は『デートしましょう!("▽"*) イヤン♪』。

 

 イヤンじゃねえよ。そんな突っ込みから読み進めた内容はカフェに行こうという話だった。

 

「そうですです、最近ワームがどうばっかりじゃないですかぁ。この前だってツカサさんがいるからってエースさんに呼ばれていったらツカサさんいませんしー。たまには構ってくれてもいいと思うんですよぅ」

 

 ツカサの知らないところでツカサは餌にされていた。そう言えばエースがぼやいていた気もする。

 

「……はぁ。まあ、たまにはいいよ。たまにはね」

 

「やったー!」

 

 

 

 そして連れて行かれたのはカフェ──ではなく、ファミレス。見慣れた、ファミレス。例の、ファミレス。

 

 少女が頼みたがったのはカップル限定ケーキセット。何となく渋るツカサだが注文されたのはカップル限定ケーキセット。

 

 

「……あのツカサさん、あの人に何かしたんですか?」

 

 注文後、女性店員の視線に気付いたのかフレ子(断定)は聞く。

 

「いや何もしてないけど……まあちょっと勘違いはありそうなんだよなぁ」

 

 ツカサは呆れ半分に頭を掻く。

 もはや準常連になる程度には通っているここだが、前回ノドカとナギ、ツカサ含め3人で一緒に行き、男女限定のメニューを2つ頼んでから店員さんの目線が辛くなっている。

 つまりは公然に2股を宣言したようなものなのだ。

 

 そして本日で3人目。ツカサの世間体が破壊されそうな勢いである。

 

「そのうち説明しなくちゃいけないな」

 

「頑張ってください」

 

 他人ごとだ。

 

 というか、来店する度に同じ店員が注文を取りにくるのは何の因果だろう。おそらく倍とであろう同年代の彼女。他にもウエイトレスはいるがツカサが注文したことがあるのは彼女だけだ。

 

 何の強制力だ。

 

「言ってくだされば無理にここには誘わなかったんですが……」

 

「カフェって言ってたからな。ここ一応ファミレスだから、結びつかなかった」

 

 勿論、この街には普通にカフェも存在するため、カフェと言われれば当然そっちを思い浮かべる。

 

「ああ、わたしたちの界隈じゃここがカフェ、普通のカフェ(あっち)がサ店です」

 

「そうなのか」

 

「まあ界隈と言ってもわたしはまだにわかなんですけどねっ。会にも入れていませんし……」

 

「会って?」

 

「スイーツを愛好する会です。ネット──んんっ、どこかにそんなのがあるらしくて、そこの人たちにとってここが『カフェ』なんです。今のカップル限定ケーキは店長が特別に取り寄せたもので……」

 

 どこかで聞いた話だった。

 

「とまぁ、この街と近隣の甘味所はみんな調査してるって話ですよ。本当はここのカップル限定ケーキのことも会の情報で会と従業員くらいしか知らないらしくって。わたしは掲示板で──知り合いに聞いたんです!」

 

「そうなんだぁ」

 

「その会の中でも上位、情報力と冷静さで慕われているというのがアリエルさん。文体からでもクールさが伝わってくる方で……」

 

 女の子は、好きな物になると話が長い。実感したのは2度目だった。

 

 

 運ばれたケーキと紅茶を頂きながら雑談の中、ふとツカサは切り出す。

 

「そうだ。なぁフレ子、聞きたいことがあったんだ」

 

「フレ子!? 今わたしのことなんて言いました!?」

 

「ああ、そうだったな。名前、聞くタイミングなかったから暫定的にフレ子って呼んでたんだ。いい機会だ、教えてくれないか?」

 

「名前ですか……うーん、わたし自分の名前が嫌いでして、そうですね、ここはとりあえずココちゃん……いえ、さっちゃんとお呼びください!」

 

 さっちゃん。まさかのさっちゃん。名前を聞いてさっちゃんと返される今日が。

 

「じゃあさっちゃん……なんか違和感。どうせ偽名なら違うのにしようぜ」

 

「違うのですか、でもあんまり違うのだと恥ずかしいですし」

 

(さっちゃんはいいのか……)

 

 女の子の感性はよくわからない。

 

「フレ子はどうだ。それかフー子、ベル子。フレ子ムー子ベル子。どれがいい」

 

「なんでそんな"子"で終わるのばっかりなんですか……」

 

「すまない、なんとなくだ」

 

「ゲシュタルト崩壊しそうです!」

 

 

 そして議論の末、フレ子で落ち着いたところでカフェ──もといファミレスを出る。

 

 本来の問い──フレ子(妥協)のデッキについて聞こうとしていたのを思い出したのは、彼女と別れたその帰路のことだった。

 

   *

 

ツカサ「今日の最強カードは『奈落の落とし穴』だ!」

 

ノドカ「2回目だね!」

 

ナギ「とりあえず伏せておけば相手の召喚を妨害できる。使いどころを間違えなければ相手は死ぬ」

 

ツカサ「そうだ。緊急時には手札からも発動できる。そしてどんなカードの効果でも無効にされない。頼れるカードだ」

 

ノドカ「それはツカサくんだけだよ!」

 

 

 

04.亀がアクセラレーションする話

 

 精霊の捜索を始めた初期のこと。

 

 なんとなくカットされた話が今ついに語られる──。

 

 

   *

 

(いた……!)

 

 ツカサが遠目に見つけたのは亀だった。

 

 大通りを挟んだ向こう側、ツカサの胸程の高さに輝く物体。

 

 緑色で、大きな、亀。

 

 宝石を連想させるような、緑に輝く甲羅は亀という自然界の生物を街に馴染ませる。

 作り物のような、自然界の生き物でない──実在しない生物であると結論付けるのにはそう時間はかからなかった。

 

 街中に顕れる、実在しないはずの生物──そう、カードの精霊だ。

 

 この街にはあるときからカードの精霊が顕れるようになった。それも実体化し、質量を持ったモンスターが、だ。

 もちろんそんなもの公衆に晒すわけにはいかない。ものによればそれは大問題になってしまう。亀ならともかく、龍だなんて行った日には社会問題となる。

 

 人の混乱もそうだが、ツカサが気にするのはモンスターの方、戸惑うような、まるでカードから出てきたかのような、()()()()()()()()()()かのような様子にツカサは気を使う。

 

 そう。

 

 まるで──あの世界から流れ込んで来てしまったかのような。

 

 だから、カードに還すことで彼らを安心させたい、そんな想いで動いている。

 

 亀の名は『ジェムタートル』。『ジェムナイト』の下級モンスターだ。

 

 当然なのかは知らないが、『ナチュル』使いであるツカサは『ジェムナイト』を持ち合わせてはいない。

 だから回収こそできないのだが、とりあえず今できることは捕獲して亀の安全を確保することだった。

 

 甲羅が宝石なのだ。そんな亀現実的に考えられないだろうから、始めは作り物、メッキにしか思われないだろう。だがそれが価値ある宝石と判断された場合、悪用されるのは目に見えている。

 

「よぅ、亀。えぇっと、おいで──」

 

 亀のところまで来たツカサが手を伸ばしたそのとき、亀が横へ流れるように移動した。

 

 平行移動だ。平行移動で直線移動で、亀らしからぬ速度で消えてゆく。

 

 それは亀が鎮座していた土台ごと。

 

 呆気に取られるツカサが最後に見たのは軽自動車タイプのトラックの後ろ姿。

 亀はトラックの荷台にのっかていたのだ。

 

(何やってんだ)

 

 ツカサ、渾身の手違い(ミステイク)。手違いではないがミステイク。

 

 亀という遅いが代名詞になりかねない動物に圧倒的速度で距離を離されるツカサ。

 

 無言のままに取り出す携帯端末。

 

『おう! ツカサどうした、決闘か? もちろんいいぜ!』

 

「すまない。違う。精霊だ。この前話した精霊がいて、イオの持つモンスターのカードなんだ。手伝ってくれないか?」

 

『なんだって!? 精霊!? しかも俺のか。わかった今すぐ行く! というか家出た! どこだ!?』

 

「市街地の駅とは反対側……ああ、イオの高校の方だ。あーっと……

 ……で、相手も移動してるから、このまま追ってみるけど……」

 

『オッケイ。10分以内にそっち着く。また電話してくれ!』

 

 そして15分、当初とは違う場所で合流。

 

「どこなんだ、その精霊ってのは!」

 

「ああいや、それが。すごい速度で移動している」

 

 それ、人力じゃ追いつけないような速度でだ。

 

「随分息切らしてるな……ツカサそこまでして追いつけないって、一体どんな精霊なんだ? 俺の『ジェムナイト』なんだろ、人型の精霊が爆走するなんて……いやそれ問題じゃないか? 目立ちすぎだろ」

 

 イオが言うのは宝玉の騎士が街中を駆ける光景。それは問題だ。人型だからコスプレで言い通せそうなものだが、人目に付いたそれがどう語られるかはわからない。

 

 悪い冗談だ、そう思うツカサだが、別の可能性に思い至る。

 

 もし人型だったら──それもかつての戦友である『ジェムナイト・パール』や『ダイガスタ・エメラル』だったならば。話ができるものならしたいものだ。

 

「で、なんの精霊なんだ? パールか? ジルコニアか?」

 

「亀だ」

 

「……え?」

 

「ジェムタートルだ」

 

 期待に満ちていたイオの顔が、固まる。

 

「亀に……置いてかれたの?」

 

「そうだよ! そんな目で見ないでくれ! 僕だって予想外だよ、亀がアクセラレーションするなんて思わねぇよ!」

 

「わかったよ、ごめん。一体なにがあったんだ?」

 

 経緯を語ればイオは神妙な顔で頷いた。

 

「そうだったのか。大変だったな。そのトラックっていうのはどんなやつだ? まだ街の中にいるのか?」

 

「すまん、正直わからない。一応運送会社の名前っぽいのは読み取れたけど……」

 

 名前を告げるなり、イオが急に他方を指指した。

 

「あれじゃね?」

 

「あれだ……」

 

 信号待ちした列の中にそのトラックがいた。

 

「よし追うぞ!」

 

 しかしさすが自動車、速い。遠ざかる亀がどこか腹立たしい。

 

 イオに自転車でも持ってきて貰えばよかったと後悔するのだが、そもそも持っていないということだった。

 

 

 一度止まったところに追いつくことがあった。

 

「いた。捕まえる」

 

『頼んだ。俺もすぐ合流するぜ!』

 

 端末を切り亀に向き直る。

 ふと回想するのが、以前の栗鼠の一件。誰かの言葉、『ツカサ、怖いから』。

 

「……」

 

「……」

 

「おいで!」

 

 ツカサの差し出した手を、亀が噛み付いた。

 

 

 そして逃げられて(トラックに)、街中を奔走し、イオと共に追いついたのは夕暮れのことだった。

 

 トラックがその日何をしていたのかは知らない。幸いなのか発注と取り違いが重なって街から出られずにいたのだ。手違い(ミステイク)はトラックもだったのだ。まあそんなこと、ツカサは知る由もない。

 

 ツカサにとって衝撃だったのは、亀はイオ相手なら無抵抗に捕らえられたことだった。

 

   *

 

ノドカ「やめて! 氷結界の龍 トリシューラの特殊能力で、アトラの蟲惑魔を凍り付かされたら、謎の絆で繋がってるツカサくんの精神まで凍り付いちゃう!」

 

ナギ「お願い、死なないでツカサ。あなたが今ここで倒れたら、ノドカや私との約束はどうなるの。ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、私に勝てるんだから」

 

ノドカ&ナギ「次回『ツカサ死す』。デュエルスタンバイ!」

 

 

ノドカ(……ナギちゃん強いもんね)

 

 

 

05.機械の正義と少女の想い

 

 この街で事が起き始めたのはおよそ1ヶ月前だった。

 

 決闘者が意識を失い倒れていたというものだ。通りかかった市民の通報で病院に搬送され、決闘者は病院に着くなり意識を取り戻した。

 決闘者に特筆すべき点と言えば、軽い外傷と決闘中の記憶がないということだった。

 

 医者はソリッドビジョンによる視覚的衝撃とそれ伴う錯乱と判断された。決闘者の外傷というのも、錯乱中に打ったと言われれば納得してしまうようなものだった。

 世間的には海馬コーポレーションに少々の問題指摘があった程度の、記憶にも残らないような小さな事件。

 

 この地方限定の電波や掲示板でしか取り上げられるないような些細なものだ。全国的な大手放送局が事件として騒ぎ立てるのは決闘ギャングがなんだったり決闘怪盗がどうといった、目立つ無駄なものばかり。

 

 この事件はすぐに薄れてこの街からも消えてくだろう──

 

 ──と思っていたが、違った。

 

 そう、事が大きくなっていったのはそれからだった。

 

 数日した頃に同じような事件が起こり、やがて週に1、2件頻発するようになっていた。

 

 いつしかそれは同一犯による『襲撃事件』として取り上げられることとなり、インターネット上では都市伝説や陰謀論が囁かれ始める。

 

 ソリッドビジョンの安全問題としてもメディアに上がったものだが、すぐにそれは静まり事件も収まっていった──

 ──かのように見えた。

 

 

 彼はこの街を愛好し、その日の出来事を収集するのがある種の日課であった。

 街で起きた事件が取り上げられたのをきっかけに、海馬コーポレーションの安全問題と事件を追っていた者がいた。

 

 彼の調査は広範囲に及び、海馬コーポレーションについては勿論、警察や病院周りの情報も視野に入れて収集を行っていた。

 情報を取り扱うのは元来彼の得意とするところであり、下手なマスコミを遥かに超える情報力を持っていた。

 

 だから、世間的に事件が収まってなお、彼は事件の収束を否定した。

 

 警察への通報、病院へ搬送される人数、それらは公表されないのみで潰えることはなかったのだ。

 

 情報を持ってしまった彼は、それを世間に伝えようとする。

 

 しかし、掲示板に書き込めば陰謀論や妄想扱いで一笑に伏せられる。

 マスメディアに情報を送りつけようと一向に公開されないし、警察も取り合うことはなかった。

 

 ──何かがおかしい。

 

 裏で何らかの情報統制が行われているのは確かだが、その動向までは調べることはなかった。

 そう、調べることは、なかった。

 

 彼の中で芽生えるのは正義感。何もしようとしない大人たちへの憤り。

 

 何よりも、自分の育ち、愛するこの街が標的にされていることに怒りを憶える。

 

 そうして彼──エースは自信の『正義』のため、立ち上がった。

 

  *

 

「最近なに怪しいことしてるの?」

 

 そう問うのは同じ大学に通う同期、ヒメであった。

 

「なんでもいいだろう」

 

「よくないわ。講義にも顔を出さなくなってきたし、また裏で何かしてるんでしょう。去年のJ事件を私は忘れないわ。貴方はまた無茶をする、そうでしょう?」

 

 J事件。大学の一部サークルと街の企業が関連した不祥事と、それと情報合戦の末に全てを暴いた"J"を名乗る人物の事件だ。

 

「無茶して何が悪い。ここは俺の通う大学で、俺の住む街だ。俺の大学で、俺の街だ。それを勝手に荒らされてたまるか」

 

「……全く。貴方はいつもそう、何か自分の『正義』を掲げてそれだけを見て進んでいく。聡明で誇らしいけど、悪く言えば周りが見えていないだけ」

 

「見えてるさ。俺はこの街全域の情報を視野に入れている。無論、関わりがあるなら外のものも集める。見えないものなんてない」

 

「本当に?」

 

「どういう意味だ」

 

 問い返すエースへ、そっぽを向いてヒメは言う。

 

「……もう少し、近くの人の気持ちにも気付いてもいいと思うんだけど」

 

「? ……まあ、わかった。灯台下暗しとも言う。気に留めておこう」

 

 エース。情報収集に秀で、情報に信頼を置く彼は不確定で朧気な情報を感じ取れない。

 

「……はぁ。まあいいわ。取りあえず、私は貴方──エースの味方だから。それだけは頭に入れておいて」

 

「ああ。それだけは俺の中のデータに入ってるさ」

 

 彼は薄く笑うと彼女と別れる。そして目の前を睨み付けながら前へと進む。

 確実にいるであろう『敵』の存在を、脳裏に抱いて。

 

   *

 

 事件を追い、そして事件の犯人を追い始めてから1週間。

 その邂逅は訪れる。

 

「お前がこの事件の犯人だな」

 

 黒いローブを目深に被ったその人物は、無言のままデュエルディスクを構えた。

 

「そうか、それは肯定と見ていいな? 容赦はしない。俺がお前を倒し、この事件を終わらせる」

 

『……』

 

   *

 

 

 決闘を終えて彼が目にしたのは、人に在らざるもの。黒い瘴気として消えていく、ローブの中の異形。

 

 ──実体化したモンスターそのもの。

 

 決闘中の異常、相手の発する言葉が頭の中に流れてくる感覚と、妙にリアリティを増した、実体化したかのようなソリッドビジョンは彼の思考を鈍らせる。

 

 日常に現れた非日常を追って、更なる非日常に辿り着いてしまった彼の、最後の分岐点はここだったのだろう。

 

 ただまあ、そこに『現象』があったのならば、それは避けようもない決断だったのだが。

 

 数日後、同じ事件が街で起こっている情報を捉えたところで彼の目的は変わる。

 犯人を探すことから、犯人を駆逐することに。

 

 

 それから彼は被害者にも聞き込みを重ねて。辛うじて微かに記憶を残した者に出会い、一つ事実を知る。それは彼以外に、自身のモンスターの実体化を経験していないというものだった。

 

 

   *

 

「ねぇ、本当に何をしているの?」

 

 白髪の彼女は問う。

 

「最近のエース、どこかおかしいわ。どこか躍起というか、必死というか、前の事件よりももっと、大きな物を相手にしてる気がする」

 

 抽象的な言い方。けれども、なかなかにエースの内心を見透かした内容であった。

 

「……うるさい。お前には関係ないだろう」

 

 素っ気なく言うとエースは講義室を後にする。だが、その後に着く彼女。

 

「何かあるなら話して。前回みたく、私も役に立てるかもしれないわ」

 

「……」

 

 前の事件。前回。J事件。

 エースが以前に関わった一件において、彼女もまたその一端を担っている。エースを補佐するように動き、確かに彼女の協力がなければ事はもっと長引いたかもしれない。

 

 彼女の手を借りることも、ない選択肢ではない。

 

 だが、今回はただの情報戦ではないのだ。院生を助けるために一般企業の不祥事を暴く、そんな事件とは次元の違う話だ。

 

「駄目だ。今回は俺1人だ。お前は関係ない」

 

「嘘。貴方が動くのは何時だって大学──いえ、街のこと。貴方がこの街を好きなのは知ってる。ここは貴方の住む、貴方の街かもしれない。けど、それなら私の街でもある。私だって無関係じゃないわ」

 

 どうして彼女がここまで必死に聞くのかエースにはわからなかった。

 段々避けるのも億劫になり、苛々が募る。そして──

 

「──うるさい。お前は旧市街の連中だろう、俺は『街』のことで動いてるんだ」

 

「……っ」

 

 それはただの詭弁だ。

 地区が違えど同じ街。無関係とは言えない。エースにとっては咄嗟に出た言い訳のようなものであったが、その言葉にヒメは顔を歪めた。

 

「どうしてそんなこと言うの……」

 

 旧市街は昔からこの土地に在住している者が多く、若干ではあるが、開発が始まってからここに来た市街地の者たちと若干の壁がある。郷土感といった本当に些細なものではあるが、しかしそれは僅かながらも差別を含む。

 

「貴方はそういうの、気にしない人だと思ってた。……ええ、わかった。決闘をしましょう。

 私が勝ったら今何をしているのか、教えて。代わりに貴方が勝てば……言うことを1つ、何でも聞くわ。貴方が関わるなというなら諦める。それでいい?」

 

 決闘の申し込みにエースは耳を疑う。ヒメは普段決闘をしない。それは決闘の技量が未熟であるからだと本人も語っていた。

 それを、あろうことか、挑んでくるとは。

 

「わかった、受けよう。そして比べよう──

 

 ──俺の正義と、お前の意志、どちらが上か」

 

 エースは嗤う。それは彼女の実力を知るいい機会でもあった。百聞は一見に如かずというか、能ある鷹は爪を隠すというか。彼女の実力は彼女の弁より高い可能性もある。

 

 対して彼女は真剣そのものだ。一点の淀みなく、真っ直ぐな想いがそこにあるのは嫌でも感じさせられる。

 それが何かまではまるでわからないが。

 

 

 そして始まった決闘。空き実習室を借りての決闘だ。

 

「俺はA・O・J D.D.チェッカーを召喚。そしてカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

「私のターン!」

 

 カードをドローする彼女を見て、エースは思案する。先ずは様子見だ。下級モンスターを前にどんな動きが出来るのか。

 

 そればかりを意識していたせいか、彼はまだ気付かない。

 ヒメが動いて、ようやく。

 

「私は氷結界の三方陣を発動。手札の『氷結界』モンスターを3枚見せる」

 

『氷結界の伝道師』『氷結界の大僧正』『氷結界の武士』

 

「そして相手のモンスターを1体破壊し、手札の『氷結界』を1体特殊召喚する! 私は『氷結界の大僧正』を召喚!」

 

「……何っ!?」

 

 そこでエースは驚きの声を上げる。カードの効果ではない。いやその発動条件を満たしたヒメの手札もだが──この場合は、フィールドにだ。

 

 発動された魔法カード。それに呼応するかのように、エースのモンスターが力を得ていく。

 ただ表示されるソリッドビジョンでなく、待機状態の機械を表した駆動音に振動音。モンスターが、実体化していた。

 

 突如その足下に紋章が浮かんだかと思えば、3人の人物が機械を取り巻く。その外見からしてヒメの扱った『氷結界』のモンスターであるようだった。

 

 そして機械が粒子として消え、入れ替わるようにそこへ新たな人物が顕れる。

 

『氷結界の大僧正』。おそらく彼女が召喚したモンスターであろう。

 

「おいヒメ、これはなんだ!?」

 

 まさか、彼女も事件の関係者なのか。それを問う意志は、彼女の反応を見て消え去る。

 

「何っ、これっ!?」

 

 そこにあったのは戸惑い。彼女自身も意図してやったことではないらしい。

 彼女の演技という線は、ない。ヒメとは少なからず時間を共にしているが、彼女が嘘を吐くのが苦手というのはよく知っていた。

 

 これが意図したものでないというなら、つまり彼女もまた、自身と同じ()であるということだ。

 

「エース、何が起こってるの!?」

 

 助けを求める声に、エースは笑う。

 

「そうか。ヒメ、お前は関係あるんだな。そうなんだな。いいか、よく見ておけば、これがお前の知りたがった、俺の追う事件の一端だ!

 俺と伴にするならこんな決闘が続く。モンスターの実体化する突飛で非常な決闘だ。お前は俺に──

 

 ──付いてこれるか?」

 

 その意味を察してか、怯えた表情を見せるヒメ。だが次第に、決意したような顔に変わる。

 

「私は──」

 

 ヒメが決闘の手を止めることはなかった。

 

 意志を曲げることは──なかったのだ。

 

   *

 

 結果から言えば、決闘はそこまで白熱するものではなかった。

 

 最初こそ最上級モンスターを1ターンで出したことに関心したものだったが、それはあくまで最初だけ。

 それ以降は終始エースの独壇場、為すがまま、為されるがまま。

 

 1体最上級モンスターを破壊された程度で不利に落ち込むなど、決闘が弱いというのも頷けるものだ。

 

 だが彼は失望することはなかった。むしろ、得るのは希望。

 

 自分以外にもモンスターの実体化できる者がいる。

 仲間が──いるのだ。

 

「俺が勝ったんだ。なんでも要求を飲む、そうだったな」

 

「……っ。わかったわ、もう貴方には、関わらないから──」

 

 顔を背ける彼女へ、彼は言う。

 

「ヒメ、俺と一緒に闘ってくれ」

 

「……え?」

 

「俺には『敵』がいる。それと闘うには戦力が足りない。まるで足りない。ヒメ。俺にはお前の力が必要だ」

 

「……いいの?」

 

「ああ。俺の相手取るもの、俺の追うもの、俺の敵について全て話そう。だから──お前の力を貸してくれ」

 

「エース……っ」

 

 目尻に涙を溜める彼女にエースは困惑する。それは所謂嬉し泣きと見られるものだが、むしろこちらは闘いへと誘っているのだ。非難されど、喜ばれることはないはずだ。

 

 ──少なくとも、このときの彼の中ではそうだった。

 

「なあ、1つだけ聞かせてくれ」

 

「何?」

 

「どうして俺に関わろうとした? 俺は何度も断った、なのにヒメは止めなかった。その理由だけ、教えてくれ」

 

 その問いに、ヒメは驚いたようにして。そして、顔を赤らめて。

 

 

「貴方が──好きだからよ」

 

 

「……っ、本気か? そんな──」

 

 そんな理由で。その一言を飲み込む。それが本当なら、彼女に失礼だからだ。

 

「私が嘘吐くの苦手なの、知ってるでしょ」

 

 

『A・O・J』と『氷結界』。機械兵と封印師は──いや。エースとヒメは、一度ぶつかり合ってそこで互いを知る。彼の目標と、彼女の想いを。

 

   *

 

「そっか、自警団、か」

 

「ああ。俺たちのような決闘者が他にいるなら、まずそいつらを集めようと思う。敵は巨大だ。おそらく。モンスターの実体化は必須ではないが──いつかそれが必要になる、気がする」

 

「何それ。気がするって。情報じゃないの」

 

 貴方らしくない。ヒメは意地悪げに笑う。

 

 

「ところで、名前は決めたの?」

 

「名前……?」

 

「自警団の名前よ。こういうの、大事なんでしょ。前の『J事件』のときだって、"J"なんて名乗りまで考えて。……悩んだ割には結局名前の一部だし」

 

「うるさい」

 

 なんて笑いつつ。

 

「『A・O・J(アーリー・オブ・ジャスティス)』!」

 

「な、何?」

 

「自警団の名前だ。どうだ?」

 

「どうって……エースのデッキそのままじゃない……」

 

 でも。ヒメは言う。

 

「エースらしい」

 

 そう白髪の少女は微笑んだ。

 

   *

 

「これからどうするんですか、エースさん」

 

 帽子を被った彼が問う。

 

 自警団を立ち上げて1月。紆余曲折の末にやっとの思いで数人の仲間が集まった。

 

 白髪の少女。帽子の彼に黒髪の少年。そして新しく入った1人の少女、そしてエースの計5人の団員が会する中で、彼は見回し言う。

 

「これまで通り、『敵』の駆逐と仲間の捜索だ。まだ俺たちのような決闘者がいるのかもしれない」

 

「捜索か。団長、その方法は?」

 

「とりあえず、第一に考えたいのが実力だ。実体化の有無もそうだが、実力がないのでは話にならん」

 

 団員を見やる。誰もがただ実体化するだけではなく、エースの求める最低ラインを超えている者たちだ。

 

「了解。俺も探しては見るが……団長、何かアテはあるのか?」

 

「ああ。近々この街で大きな大会がある。そこには多くの決闘者が集まる。実力だけなら申し分ない」

 

 目標は決まった。正義も誇りも、定まっている。

 

「実体化については──まあ、直に闘えば解るさ」

 

 いつかのように、決闘を通じて解るものがあると。

 

「──さぁ少しずつでもいい、進め。止まるな。俺たち『A・O・J』は、正義の名の下奴らを狩り尽くす」

 

 そしてその大会で、彼らは──彼らの物語は、彼と出会う。

 

 宝玉の戦士と、森の落とし穴。その出会いが──物語を──

 

 

 ──捻じ曲げた。

 




 次章予告

『ワーム・ゼロ』との決戦から数週間。街での『ワーム』による襲撃はなくなっていた。
 出没する精霊を回収する活動は続いているものの、大きな危険はなくなり平和ボケしていたツカサたち。

 そこへ満を持してやってくる。時期は夏。そう──

 ──夏休みが。

 ツカサたちの本分は学生。そして学生の本分は、遊ぶことだ!

 街を離れ、結海の別荘で仲間たちと過ごす数日間。ナギの告白と揺れ動くノドカの想い。そしてシンの突きつける衝撃の事実。
 裏で暗躍するは──『闇』。消えた『霞の谷』に、誤解されたままのツカサの3股疑惑。
 そして遅れてやってくるは──『光』。


 ──終わらない現象は、遠い世界を呼び起こす。

 全てはそう、遠い夢のようなあの日々を、繰り返すように──。

 遊戯王Distant day/dream『インヴェルズ編』近日更新開始!

 Into the HOLE!

 P.S.
 略称は『DDD』または『3D's』を推奨しています。
 

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