Re:フラグから始める攻略生活   作:律乃

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さて、今回の話で八話となりましたが。十話までに完結出来るかな?このプロローグと思ってます。まだ、出てないキャラクターも居ますし ラムさんの攻略は難儀ですし 最低でもあと五話くらいはいるかな?
話は変わりますが、ついに主人公の特異能力が現れます。どんな特異能力を持っているのか、それがラムさん攻略のキーになるのか?では、ご覧ください。

※お気に入り登録や評価、感想など本当にありがとうございます!皆さんのおかげで楽しく、この小説を書かせて頂いてます。ちなみに作者が好きなラムさんのセリフで一番好きなのは「食らうがいいわ」です。あっつあっつの蒸かし芋をスバルの口に入れた時に言ったセリフですね。深い意味は無いです、ただ自分も一度でいいのでラムさんにあぁやって食べさせてもらいたいな〜と思ったくらいで……あっつあっつは嫌ですけどね(笑)


七話『寝顔と治癒能力』

なんとか12文字を書き終えて、堪らず「ふぅ〜」と息を着く。それから、ベッドで終わるまで待っていてくれたラムさんへ、一つはお礼を言わなくてはいけないだろう。俺はベッドが鎮座してある方へと視線を向ける

 

「………」

 

「ぐう」

 

可愛らしい寝息を立てて、ベッドの上で眠りにつくこの勉強会の教師に俺は頭を抑えて ため息をつく。

“まぁ、仕方ないか……こんな時間まで俺が付き合わせてしまったんだし……”

 

「しかし、こうして見るとやっぱりラムさんって可愛いよな」

 

スヤスヤと眠りにつくラムさんの顔あたりに膝跪き、ベッドに上で両腕を組んで その上に顎を乗せる。

近くで見る桃色の髪は暗闇の中で柔らかな光を放っていた。そんな桃色のショートボブがサラサラと頬や瞑る目へと掛かるのを無意識にかきあげる。

“柔らかい……んだな”

そっと桃色の髪へと手を伸ばして、指入れて手櫛をしてみる。前にレムさんがラムさんの髪や服装を手入れしているって聞いたことがある。ラムさんからレムさんへは聞いたことはないけど、しているのではないかと思う。

 

「んぅ……っ」

 

「ッ!?」

 

身じろぎして艶かしい声を上げるラムさんに不意をつかれ、俺は伸ばしていた右手を引っ込めて 頬が赤くなっていくのを感じる。

“さっきのは反則だろ……っ”

何が反則なのか、それは目の前でまだスヤスヤと眠り続ける桃髪の少女に原因がある。そう、その少女の口元が些細、本当に僅かに笑みの形を形作っているのだ。起きてる時はまず拝むことさえ許されない彼女のレアな笑顔。それをこんなに形で見れるとは思ってみなかった。

“寝てるときはこんなに無防備なんだな……。信頼されてるのか単に自分の欲求に忠実なのか……まぁ、後者だろうな。ラムさんの事だから……”

それでも、俺はーー

 

「すぅ……ぅ」

 

ーーいいと思う。

ゆっくりとこうやって、彼女の知らない一面を知っていって 彼女を可愛い、美しいと思える。それはとても素晴らしいことなのではないかと思える。

“攻略するつもりが攻略されちゃったな”

照れ隠しにニコッと笑って、もう一度と彼女の可憐な寝顔を瞼に焼き付けようと彼女へと視線を向ける。

 

「……ッ!?この……痛みは……っ」

 

するとーーズキン、ズキンと心臓が暴れる。

“ッ……!あれか?”

身を覚えがある痛みから眉を顰める。すると、俺の正面にいるラムさんとそのおでこから伸びる白い旗が見えた。

【目をつぶる桃髪のショートボブを持つ少女のおでこへとキスする赤髪の少年】

の絵がプリントアウトさせている白い旗に顔を真っ赤になる。

“オイオイ、冗談だろ?”

さっきのを見せられた後でそれはかなり難易度のミッションだと……痛ッ……。

ズキンズキン、続けて脈立つ心臓。

ピコピコと現れる白い旗、それも二個。

【中央に大きなピンクのハートの中に赤い文字で+30と書かれている】と【赤髪の少年が大きな口を開けて、魔法を放っている】が描かれているその旗と前に現れた旗を組み合わせると

ーー寝ているラムさんのおでこに俺が唯一使える特異能力を使えというのだろう

 

「そんなっ、こといって……寝てる女の子にそんなこと……ッ、つべこべ言わずやれってか?分かったよ、分かりましたッ!」

 

ズキンズキン、ドクンドクン、カンカン。いつものあの騒がしい三つの音が聞こえて、俺はヤケクソになって バロールを唱える。

 

「燃える燃えて燃え上がれ、竜胆(りんどう)の光焔(こうえん)よ。不死鳥の名のもとに、この者の苦しみを焼き尽くせ!」

 

ラムさんの桃髪の髪をかき分けて、フラブが指差す何かの傷跡のようなところに唇をくっつけた。途端、俺の中に流れる力が唇を通して ラムさんへと送り込まれていく。それから数十分、俺はラムさんへと力を送り込んだ。

俺の特異能力は不死鳥ことフェニックスの力を借りて、聖なる炎で相手を癒す。即ち、治癒ということだ。この治癒能力は珍しいらしく、俺の余分な火力も手伝って この能力は重宝している。まぁ、使った後は無駄に疲れて 戦闘などには向かないのもまた事実である。

 

「……。本当にこんなにことして良かったのかな……」

 

しておいてなんだが、純粋に罪悪感が這い上がってくる。今だに眠り続けるラムさんが起きそうな気配は無いので、俺は今夜どこで寝ようかと思案するのだった……




作者は願います、寝てる時くらいガードが緩くてもいいのではないかと

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