※甘々なラムさんがこの本文に登場します。こんなのラムさんではない、ラムさんはこんなんじゃないと思われる方は読まれないことをお願いします。
「…」
「………」
赤い髪を短く切りそろえている少年・ハルイトは恐る恐るといった様子で、目の前に座る桃色のショートボブが似合う少女・ラムの表情をチラチラと確認している。
“ぅう〜っ、下手に怒鳴られるよりも怖いんだけど……”
そう、ラムは目の前に正座しているハルイトをにこやかな表情で見つめている。
「………え〜ぇと、ラムさん……?」
「……」
にこやかな表情が強張るのを感じて、ハルイトはヒィ〜と竦む。そして、腕を組み出すラムを見上げて、もう一度声を掛ける。
「ラム」
「何?ハル」
凛々しくも幼さが残る声音が鼓膜を擽るのを感じて、ハルイトはふぅーと張り詰めていた息を吐くと、床に頭をくっつけた。
「本当にごめん、ラム。大切なデートなのにすっぽかすみたいな事しちゃって。ラムが怒るのも分かるし、俺が悪いことも自覚してる。でも、これだけは信じて欲しい。俺もこのデートの事楽しーー」
「ーーハル。ハルは何か勘違いをしているわ」
「えへ?」
床に頭をくっつけながら、謝り続けるハルイトにラムは穏やかな表情でその謝罪の言葉を遮った。その言葉にハルイトは思わず、鳩がはと鉄砲を食らったような表情を浮かべる。そんな間抜けな表情を浮かべるハルイトを見て、クスっと笑うラム。
「真剣な表情も凛々しくていいけど、そんな表情も可愛らしくて……ラムはますますハルを愛おしく思うわ」
「……うん、俺もだよ……って、そうじゃなくてっ!俺、デートに遅れたんだよ!もっと怒っても……」
頬を染めて、そんなことを言ってくれるラムにハルイトは余りの破壊力に呆然としつつも、今はハルイトにデレデレなラムへとツッコミを入れる。そんなハルイトにラムはキョトンとしている。
「ラムはそんな事では怒らないわ。ラムにとって、ハルが全てなのだから。そんなハルの行いを何故、怒らなくてはいけないの?」
ラムのその発言にハルイトは苦笑を浮かべると
「でも、それじゃあ俺の気が済まないよ…」
「ハルは相変わらず生真面目なのね、そういうところもラムは好きよ」
照れたようにそう言うラムにクリティカルヒットしながら、ハルイトはブンブンと顔を振る。
「俺もラムの事は好きだよ。でも、それとこれは違うと思うんだ。だから、今から一つだけラムの言うことを聞くよ。あっ、もちろん、デートはまた違う日にするから」
ハルイトのその言葉にラムは困ったような表情を浮かべると、うーんと考えると前を向き、ハルイトを見た。
「それなら、ハル。ラムに……させて?」
「えへ?」
ハルイトの間抜けな声が部屋に響き渡った。
τ
「はい、ハル。あーん」
「あーん。むぐもぐ」
差し出されるスプーンに、大きな口を開けて迎え入れる。途端、口に広がる甘味にハルイトは頬を緩める。そんなハルイトを見て、頬を更に朱色に染めたラムを見て、ハルイトが頬を染めるという出来事が起き、二人が醸し出す甘酸っぱい雰囲気に周りは其々の反応を現しつつあった。
「ふふふ、ハル、美味しい?」
「あぁ、美味しいよ。こんな美味しいの初めて食べた。ラムも腕を上げたね」
「本当に?嬉しいわ」
「本当に美味しいよ。嘘だと思うなら、ラムも食べる?ほら、あーんして」
「あーん。もぐ……ん、本当に美味しい」
「でしょう?前に作った時と何が違うのかなぁ〜」
「それはラムのハルへの愛情の量よ」
「ッ!そっ、そっか……」
「えぇ、そうよ」
満面の笑みで尋ねてくるラムにハルイトも笑みを浮かべて、答える。二人が作り出す桃色のオーラを、遠く見ていた屋敷の人達の反応は三者三様だった。
黒髪を上へと持ち上げている少年はまた始まったかと溜息をつき、その黒髪の少年の傍らに居た美しい銀髪を背中へと流している少女は二人のやりとりに頬を染めながらもチラチラと二人を盗み見ていた。長い藍色の髪を持つ青年は微笑ましげに二人を見て、クリーム色の巻き毛をツインテールにしている少女は黒髪の少年によって目隠しされていた。理由は教育に悪いから、らしい。青髪をショートボブにしている少女は桃髪の少女を羨ましそうに見ながら、次は自分が赤髪の少年にしようと決意をしたらしい。
しかし、そんな周りの様子に気づかないで、二人の世界を作り出しているハルイトとラムのじゃれあいは暫くの間続くのだった……
L・M・T(ラムさん・マジ・天使)!!
L・M・Tっ!
L・M・Tっ!
L・M・Tっ!
L・M・Tっ!
さぁ、皆さんも一緒に!!
L・M・Tーー!!!
はぁ〜ぁ、ラムさん……可愛いですね……
※甘々ラムさんの感想を出れば、宜しくお願いします!