Re:フラグから始める攻略生活   作:律乃

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お待たせしました!
前回で子犬で噛まれたハルですが、皆様の予想通りといいますか、今回の話で亡くなります。そんな彼がスバルへと書いたのが、タイトルにある置き手紙とメモ帳ですね。その二つがスバルにいい結果をもたらすことに期待してます

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ありがとうございます!


十六話『置き手紙とメモ帳』

「フゥー、今日はマジで疲れた……」

 

ベットに倒れこみながら、俺は今日で疲労困憊した精神と肉体を癒す。

思い返せば、本当に沢山のことがあった。ラムさんによるお仕置きから始まり、買い出しにて謎のフラグ登場からの、極めつけの可愛らしい子犬にカブリとされたというわけだ。

 

「あんなちっさいのに凄い力だったなぁ……。そして、現れたあのフラグって……」

 

“真っ赤な瞳がこちらを睨んでいるように見える、真っ黒に塗りつぶされた人間の上半身がプリントアウトされた旗……か……”

 

「いかにも悪党って感じだったから、スバルを守ったけど……大体、あの子犬に何が出るっていうだ?襲いかかるにもかかれないと思うし……うーん、まぁいいか……」

 

うーんと背伸びしてから、勉強机へと腰掛ける。右の引き出しから、『フラグについて』というメモ帳を取り出す。このメモ帳には今まで出てきたフラグを俺がこのメモ帳へと書いている。

 

「んーー、と、最後はそうそう。これこれ、スバルのフラグ。この横にあの矢印のフラグと子犬のフラグを書いとくか……」

 

サラサラっとフラグを書き足しながら、身体が不自然に気だるい感じがして、眉を顰める。

 

「ん?俺もまだまだってことだな……、あれくらいで弱音を吐くとは」

 

フラグを書き終え、気になった点を余ったスペースに書き足しながら、ロ文字の勉強会の時間になったので引き出しへとメモ帳を隠す。

それと同時にドアが空いたので、今日の勉強会の教師は誰かと期待を込めながら、振り返るとそこには予想に反して、桃髪のメイドが俺の顔を見て頭を押さえているところだった。

 

「おっ!今日はラムさんなの!?」

 

「ハル、その品性のない顔つきは何なの?発情期の犬みたいで見るに堪えないわ」

 

ニコニコと満面の笑みの俺にラムさんはうっとおしいって感じで、顔をしかめる。そんなラムさんが机の横へ立つのを見て、俺の笑みが更に深まる。

 

「それだけ、ラムさんに会えて嬉しいってことだよ」

 

「はぁ……、そう」

 

呆れた様子で俺の愛の囁きを受け流すラムさんは至って、普通通りで俺も普通通りめげずにラムさんを口説く。

 

「そういう冷たくも優しいところがラムさんのいいところだよね!」

 

「……張り倒されたいの?それとも、もう二度とその軽々しい口を開けないようにするために、首を落とされるのがハルのお好みかしら?」

 

「何故!?俺、そんなにラムさんを怒らせた!?」

 

「……」

 

「むぐっ…」

 

俺の悲鳴じみたツッコミにラムさんの表情が更に凍りつく。それを見て、ゾッとした俺はこれ以上余計な事を言わない方がいいと判断し、口元を塞ぐ。

そんな俺の様子にラムさんは首を横に振ると、手元のノートへとお手本を書き出していった……

 

 

τ

 

 

「………」

 

息苦しさを感じ、飛び起きた俺は強い疲労感が身体を包むのを感じた。

 

「うっ……げほ、うぇ……。ッ……なんだ?これ……」

 

汚物をベットへと吐き出しながら、クネクネと周りの景色が変な風に映る。まるで熱を加えたプラスチック容器のように溶けて合わさる景色に吐き気を感じながら、心臓を握りしめられる感覚に冷や汗をかく。

ボヤける視界の中、ポンポンとリズミカルに現れた三つの旗を交互に眺める。

右側にあるのは【真っ黒な布地を持つ旗】で、真ん中にあるのは【赤く癖っ毛の多い髪の少年が、黒髪を上に持ち上げている少年へと耳打ちをしているのがプリントアウトされている旗】。そして、一番左側に立つのが【赤く癖っ毛の多い髪の少年と黒髪を上に持ち上げている少年が肩を組んでいるのがプリントアウトされた旗】であった。

その三つのフラグを見た俺が最初の思ったことは、今更だった。

“今更、あなたは死にますっていわれたって……。それに最後の二つのフラグなんだよ……。こっちはもう死にかけっていうのに……無理難題押し付けんなよ……ッ”

 

「ふ」

 

俺は疲れたように笑うと、冷や汗と寒気を感じながらもフラフラしながら、勉強机へと座り、鍵のついた引き出しから『フラグについて』と書いてあるメモ帳を取り出す。震える手で最後のページを開きながら、真ん中にあったフラグと左にあったフラグを書く。

メモ帳を閉じた俺はボヤける視界の中、右にあったフラグを見て、苦笑する。

 

「あはは……俺……死ぬのか……。意味分かんねぇ……死に方だよな……」

 

黒い旗は【死亡フラグ】といい、そのフラグが立った者は近いうちに命を落とすといったいわく付きのフラグだ。そのフラグを折ることや回避することは出来ないと聞いている。

 

「そうだ……スバル……や、皆に手紙書かなきゃ……」

 

俺は机に置いてあったメモ帳へと震える字で手紙を書きながらも力尽き、深い眠りへと落ちていった……




次回はスバル視点で、オリジナル展開となってますので日にちが空く可能性があります…楽しみにしてくださっている皆様、本当にすいません…

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