Re:フラグから始める攻略生活   作:律乃

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第一章を更新するのは、久しぶりですね。

今回の話はスバルとハル二人だけの話となってます。まだ、ハルの設定として決めかねている所があるので、多くは書けませんでしたが…楽しんでいただければと思います(礼)


※お気に入り登録・789名!評価者・53名!そして、感想を一件新たに頂きました。本当にありがとうございます!

そして、UAが8万を超えました!!パチパチ

本当に、多くの方に読んで頂いているんですね。ありがとうございます(礼)


更新が遅くなったり、早くなったりするかもしれませんが応援の程をよろしくお願いします!


二十四話『死に戻りとメモ帳』

「で、スバル。俺になんか用?」

 

俺は特訓を中断して、庭園に配置されている屋根付きのベンチへとスバルと共に腰掛けると足を組んで、気だるげに隣へと問いかける。

すると、隣に座る黒髪を後ろへと持ち上げたような髪型と目つきの悪い茶色い目が特徴的な新米執事は、不満げに俺を見てくる。

 

「いや、なんでそんな嫌そうなんだよ」

 

「俺の貴重な特訓の時間を邪魔されたからだよ…」

 

俺がボソッと横を向いて呟くと、すかさずつっこんでくる新米執事・スバル。

 

「お前、そんなに筋トレフェチだったのっ!?」

 

「まぁね。で、本題は」

 

俺がスバルのツッコミをスルーして、先に進めるように仕向けると、スバルは俺へと向き直る。そして、緊張したようにスゥ〜ハァ〜と深呼吸を繰り返す。

そんな、スバルの様子をただ黙って見ていた俺がある事に気付いた。

 

“あれ?もしかして…これって……”

 

俺がある事を思い浮かべると共に、スバルが重い口を開くが、俺はそれに対して嫌な顔を浮かべる。

 

「ハル…、俺が今から言うことを信じてくれるか?」

 

「……」

 

「いや、なんでまた嫌そうなんだよっ!!」

 

俺は大声を上げるスバルの両肩へと、手を置くと、出来る限り真剣な表情作って言う。

 

「スバル、先に言っておくけど……告白ならノーサンキューだ」

 

「そうそう、今日の夜空は星が輝いてて綺麗だし。そして、こんな最高な日に二人っきりっていうのが、またロマンチックだよな〜。告白するなら今ーーってアホかっ!するわけねぇだろう!?男に!

俺の心はいつだって、エミリアたん一筋だ!!」

 

「おおぉ〜」

 

“ノリツッコミって初めて見たわ…。しかし、ヤバイな。スバルって面白い奴だな”

 

俺が関心しつつ、パチパチと手を叩くと、はぁ…はぁ…と肩で息をしているスバルが俺を睨む。

 

「何やらせんだよ、ハル。俺が言いたいのは……もっと違うことで、これからの俺の生死に関わることなんだよ!」

 

俺が首を傾げると、スバルが頷く。

 

「生死?」

 

「あぁ、生死だ。……もしかしたら、これで。ループを抜け出せるかもしれないからな…」

 

スバルの遠くを見る目が鋭さを増すのを見て、俺は足を組んでいたのを直すと、真剣な表情を作った。

 

「なら、真剣に聞かないとな」

 

俺のその言葉にズコッとコケるスバルは、本当にノリがいい。そんなにスバルの頭上には、あの謎のフラグがはためいている。

 

「今まで真剣じゃなかったのかよっ。まぁ…いいけど…、じゃあ言うぜ。ハル……俺ーー」

 

ゴクンと、俺が生唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえる。スバルはその間に、また深呼吸をすると決心したように、それを言葉にした。

 

「ーー死に戻りしてるんだ」

 

“………は?”

 

あんなに重要な話っぽい事いってて、結局はそんな事か。しかし、そのスバルの告白によりあのフラグの意味が分かってきた。

 

“ずっと生を司る白い旗と、死を司る黒い旗が互いを指差しあっているのが疑問だったけど…なるほど、そういう意味か。

なら、互いを指差しあっているのが理解できる”

 

ウンウンと1人納得したように頷く俺に、隣に座るスバルは困惑気味。

 

「……なるほど…、だからフラグがそんなんなのか」

 

「え?あれ?」

 

「3ってことは……。スバルは既に三回死んだって事か?それとも三回目って事?」

 

「何、ブツブツ言ってるんだよ、ハル。それより、もっと驚かないのか!?」

 

「いや、なんで…そんな事で驚かないといけないんだよ。それより、顔が近いんだが…キモいっ」

 

興奮と困惑により適切な距離感をはかれなかったのか、スバルの顔が近い事に俺も困惑と嫌悪を感じ、近づいてくるスバルを引き剥がす。俺が引き剥がしにかかる中、スバルはブツブツと何かを呟いていた。

 

「……そういえば、ハルってそういうのが見えるんだったよな。フラグっていうんだっけ?」

 

「フラグがどうしたよ、スバルさん」

 

「いや、ハルって見えるんだよな?」

 

「あぁ、見えるけど…」

 

俺が答えると、またしても飛びついてくるスバル。俺は両手を掴まれているため、引き剥がすにも剥がせず、されるがままである。

 

「その力を俺に貸してくれないか?この通り、頼むっ」

 

「まぁ、いいけど…」

 

スバルの必死な表情と特に断る理由も見つからなかった為に、俺が首を縦に振ると、スバルの表情がキラキラと輝いてくる。

そのキラキラ感に内心、うわぁ…と引きながらも黒髪の少年とはいい関係を結べるかもしれないと密かに思う。そんな俺の想いに気付かずに、スバルはニコニコと笑いながら立ち上がる。

 

「なら、早速。ハルの部屋へと行こうぜ!時間がないんだ」

 

「いや、今からって…俺忙しいんだが…」

 

「俺のこの問題は、この屋敷に暮らす人にも関係あるかもなの!!」

 

中断されていた特訓へと精を出そうする俺の背中を、有無を言わせない勢いでスバルが押してくる。俺も抵抗はしたが、スバルの思惑通りに部屋へと戻ってきてしまった。

 

“今日は…特訓は無しかな…”

 

ため息をつきながら、椅子へと腰掛けた俺は引き出しから『フラグについて』というメモ帳を取り出し、ベッドへと腰掛けるスバルへと差し出した……




変な終わり方ですが、ここで終わります。次回はスバル視点で書こうと思います。

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