※r18小説を書きたいので停止   スタンドが手に入ったと思ったら、毎日ランダムでした ヒロイン全員ヤンデレなハーレム リリカルな冒険編   作:KEY(ドS)

74 / 74
また見たいと思われるプレーをするのが俺の仕事
                本田圭佑



十三話  鬼ごっこの始まり始まり

 

「あほですね」

うるさい。

 

バカを見るような目でじとっ、と見つめてくるエリオ君にそう返す。

 

勝ったには勝ったけども

 

「その腕じゃ、料理なんて食べれないじゃないですか。」

彼のいう通り、両腕がぺっきり折れていて、ギプスで固定された状態で首からつるされている状態だ。

 

あのゴリラ少女のパワーに腕を粉砕されてしまったのだ。

 

あああああ、俺のめしがあああああ

 

ご飯を食べられない俺を気にせずにばくばく料理を食べるエリオ君。

腕が治ったら覚えておけよ・・と報復を考えていると、横から料理をはさんだ箸が突き出される。

 

あ、ありがとう。

 

そういってその突き出してきた本人の方を見ると

 

「どういたしまして♡」

満面の笑みを浮かべて、こちらにあーんさせようとしているジークリンデさんの顔が見えた。

 

悲鳴を上げそうになる。

エリオ君は気にせずマイペースに食べている。

 

おい、ごらあっ!!

 

助けろよ、という意味をこめた視線を送ると、「僕、かかわりたくないんで。」という意味をこめた視線を送られる。

 

「どうしたの?食べへんの?」

不安そうな表情でこちら心配している彼女。

 

い、いや。いただくよ。

 

そういって差し出された料理にぱくつく。

 

あっ、おいし

 

「あっ、間接キスやね。」

 

息が止まりそうになった。

 

 

・・・・・・・

 

「大丈夫?」

 

そういいながらこちらの背中をさすってくれるジークちゃん。

さんではなく、ちゃん付けになっているのは彼女から「ジークさんなんて心の距離を感じるわー。じ・い・く・ちゃんってよんでーなー♡」

 

あれ、地球に置いてきた関西弁のたぬきちゃんに酷似しているぞ、とデジャヴを感じながらも素直にそう呼ぶ。

 

そして、どうしてここにいるのかを聞いてみた。

「いやー。戦いが終わってお兄さんと一緒にご飯食べたいなー、と思っていろんな場所を探していたんよ。ここにいるのを見つけて、こうして一緒にご飯を食べているわけや。

 

からから、と気持ちよく笑う彼女。

 

戦いのときはあんなバーサーカーだが、本当はこんな気さくでさっぱりしているのか。

驚かずにはいられなかった。

 

食べさせてもらいながらぱくつく。

おいしい。

 

まあ、見た目10歳の子供に料理を食べさせてもらっているのは恥ずかしいけど。

むしゃむしゃと咀嚼していく。

 

そういえば横腹は大丈夫?

 

先ほどの戦いでわきにちゃんとそらしたとはいえ彼女に傷を作ってしまった。

本当はまだ、安静にしていなくてはいけないのではないだろうか。

 

「へーきへーき。おいしいもの食べたら一分で治るし。」

どこの地上最強の生物だ。と恐怖を感じる。

 

「ところでちょっとこの後付き合ってほしいんやけど。」

横にいる置物と化したエリオ君をちら、と見ながらそういってくる。

 

二人っきりで話がしたい、ということに気が付きエリオ君にお金を渡して好きなものを買ってきていい、と告げて外に行かせる。

 

 

「エロ本でも買うか。」と言いながらすたすたと出て行った。

エリオ君・・・。いくら少女でも女性のまえでそういっちゃうのはどうよ、と思ったがジークちゃんはたいして気にしていないようだ。

 

「ああ、男の人ってそうなんやろ?気にせん、気にせん。」

男性への理解が深く、寛容なジークちゃんの話を聴く。

 

「あんな、うち。今まで負けたことなかってん。」

俺はいつもボロボロにやられている方が多いけどね、と軽く冗談めいて話す。

 

どうやら彼女の話は幾分かまじめなようだ。

 

「で、今日始めて負けた。」

 

どくん、と心臓が跳ねる。

 

あれ、なんか本能が警鐘を告げているぞ?

早く逃げろ、みたいな悲鳴を心と体があげている。

 

「なんちゅーか。ショック、というよりはやっと負けられたかー。みたいな気持ちがわいてきたんや。」

 

ぎゅっ、膝の上に乗っている拳を強く握りしめる。

 

「ありがとな。なんかやっと前に進めたような気がするわ。」

そういう彼女の顔つきは、年齢相応の子供らしい魅力的なものだった。

 

きっと、今まで孤立していたんだろう。

幼くして才能に恵まれ、強くなると、人はしばしば周りとうまくいかなくなる。

嫉妬、羨望、ねたみ、ひがみ。さぞかし多くの経験をしたのだろう。

 

あれだけの強さをこの年齢で持っているから大人の理解も得られなかったのかもしれない。

 

手を伸ばして何かを探し求めている赤ん坊のような、そんな純粋さが彼女から見て取れた。

 

とにかくよかった。

 

ここで話が追われた本当によかったんだけど。

 

「うちな、望みができたん。」

もじもじと体をくねらせてそういってくるジークちゃん。

 

の、望み?

 

特に意味も深い理由もないがすこしずつ彼女から距離をとる。

 

反対に俺にススス・・、と近寄ってくるジークちゃん。

 

「うちより強い人と恋愛結婚するっていう、ね♡」

 

ドアの前まで後ろ歩きで近寄る。

 

彼女もついてくる。

 

 

エリオ君にSOSを求めようとしたら、さっきまで彼が座っていた席から姿を消しており、

後ろの窓が開いている。

 

「だ・か・ら♡けっこん、しよ?♡」

 

その言葉が言い終えられるよりも先に、ドアから逃げだす。

 

両腕が折れて体のバランスがとりにくいが、必死に態勢を整えつつ全力疾走する。

 

「逃がさないで♡旦那様♡」

 

恋人さえいないっていうのにそれは早い!!と思いつつ駆け抜ける。

 

 

そして、彼女との鬼ごっこが始まった。

 

 

勝利と引き換えに、ストーカーにまとわりつかれるようになってしまった。

 

 

 

To be continued

 





こんにちはんこそば
KEY(仕事で執筆中なのでそちら優先)と申します
いつも感想ありがとうございます
あなたの一言がうれしいです

感想全部は返せませんが全部見ておりますので安心して書き込んでください

ジークちゃんを結果的に孤独から救ってしまった田中くん。

違うんだ、お金目当てだったんだ。と説明しても、うちのことをすくってくれたことにはかわりない、と言い切られて二の句が継げない状況です。

この時は地球にいるみんなの気持ちに答えていなかったので、それなのに後から気持ちを伝えてきた子に返事するのってどうよ、と思っていたので逃げ回っていました。

さすがに聖王のゆりかごにいたときは追跡できなかった模様。

今回の名言は本田圭佑さんから。
これがエンターテイメントにかかわらず、すべての仕事の目的だと思います。
もう一度買いたい、ほしい、見たいと思われるような価値をサービス、商品を通して提供していくのが真の仕事ですから。

KEY(仕事で執筆中なのでそちら優先)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。