アラガミ転生記〜ザイゴートからの成り上がり〜   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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少し疲れている作者です。
今回は日常回っぽいあれです。


第13話 愚者の空母

愚者の空母に着いた。

 

空母というだけあってデカイな。

 

穴が空いていたから入ってみた。

 

広いな、暗いけど。

 

これなら俺達3匹でも充分暮らせそうだ。

 

「グルルル♪」「キヒヒヒ♪」

 

......なんでこの2匹はこんなに可愛く追いかけっこできるんだろうか。

 

「キシャァァァァァァ.......」

 

.....何か聞こえたな。

 

あの、サソリっぽい声が。

 

ズーン!!!と大きな音がした。

 

それと同時に、銀色の装甲が目に入る。

 

「キシャァァァァァァ!!!!」

 

ボルグカムランが先住していた様だ。

 

慣れた手付きで口に手を突っ込んで裂く。

 

よし、今日の晩御飯はこれで決まりだな!!

 

ほーれ、食っていいぞ。

 

「グルルルル〜♪」「キヒヒヒ♪」

 

仲良く分け合いながら食べる2匹を暖かく見守る俺。

 

......良いな、こういうの。

 

あらかた食い終わると、また2匹が残った物を咥えて持ってきた。

尻尾と胴体の一部か。

 

.....なんだろう、貢物を望んでもないのに渡される神様の心境が知れた気がする。

 

食うけどさ。可愛い家族は裏切れません。

 

パリパリしてて美味い。

 

その後も空母の中のアラガミをあらかた食い終わると、夜になっていたので眠りに就いた。

 

黒テイルを枕にして、黒ゴートを抱きしめて寝る。癒されるわぁ。

 

 

 

 

 

翌日、上が騒がしくて起きた。

 

2匹とも起きていたのだが、俺を起こさないようにしてくれてたのか。

 

本当に可愛い。

 

鉄と鉄がぶつかる音と、爆発物の音がする。

 

「グオォォォォォ!!!」

 

どこか機械的な叫び。相次ぐ爆発音。

 

これは多分、クアドリガか。

 

戦車のアラガミだっけか。

 

序盤は強かったなぁ。

 

なんて考えながら、じっとしている。

 

俺だって学んだ。出ていったら面倒事に巻き込まれるからな!!

 

今更感があるな、これ。

 

ズズーンと音がする。

 

同時に爆発音も止まる。

 

クアドリガ負けたのか。まぁ、ここ極東だもんな。

 

仕方ない。流石に仕方ない。

 

前より発達した聴覚で声を聞き取る。

 

「今回は比較的楽だったねぇ隊長!!」

 

「おぉ、ナナお前比較的なんて難しい言葉使えたんだな」

 

「ちょっとギル!?ひどいよ!?」

 

「まぁまぁお2人とも、依頼が終わったからって油断したらダメですよ?」

 

「シエルの言う通りだ。新しくアラガミが乱入して来るとか何回かあっただろ?」

 

「それもそうだな.....」

 

「ごめんなさーい」

 

聞き覚えのある声だ。

 

うん、これは出ない方が良いね!!!

 

どう聞いてもブラッドだもんね!!

 

よし、お前ら少し引きこもるぞ。

 

「グルルルル....」「キュゥ.....」

 

残念そうな顔すんなよ......。

 

しばらくして、足音も会話も聞こえなくなった。

 

ふぅ、良かった良かった。

 

奇跡的にレーダーにも引っかからなかったみたいだな。

 

なんでオペレーターってあんな優秀なの?怖いわ本当に。

 

出てみると、戦闘の後がチラホラ見えた。

 

派手にやったな。まぁクアドリガだとどうしても派手になるか。

 

周りを見渡し、後ろを見ると.....。

 

「.......」

 

「.......」

 

金色の猿と目が合った。

 

言わずと知れた筋肉ダルマ猿、コンゴウだ。

 

ど、どうもぉ。

 

「ウガァァァァァ!!!!」

 

「キエァァァァァァァァァァァ!!!!」(すいませぇぇぇぇん!!!!)

 

すぐさま空母に篭る。

 

び、ビックリした!!

 

心臓が一瞬止まったわ!!

 

俺は一旦落ち着いた。

 

よし、行くぞ!!

 

そう決意して蓋を開けると!!

 

「ウガァァァァァ!!??」

 

「グルルラァァァ!!」

 

「キィィィィァァァァ!!!」

 

お供の2匹がコンゴウをボッコボコにしていた。

 

あのさぁ、お前ら強くない!?

 

ザイゴートとオウガテイルだよね!?

 

その後、2匹は嬉しそうにコンゴウを差し出してきた。

 

だから、お前らが仕留めたんだからお前らで食っていいのよ!?

 

「グルゥ....」「キィィ.....」

 

俺はこの絶望した様な2匹の顔に、負けて分け合って食った。

 

2匹が嬉しそうだったので良いとした。




はい、ちょっとおかしい気がする日常回でした。

日常に殺し合いが入っても普通なのがこの世界ですよね。

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