アラガミ転生記〜ザイゴートからの成り上がり〜 作：トイレの紙が無い時の絶望を司る神
シエルと会ってから3日が経った。
その間に色々と起こった。
まず、ここら一帯のザイゴートが狩り尽くされた。
なので、ここら辺のザイゴートは俺一体だけになった。
その際に運悪くゴッドイーターに襲われた。
逃げ切ったのだが、良くなった耳に会話が聞こえてきた。
「っていうか、本当なのか?アラガミがバレットの弾丸喰ったとか。」
「映像も残ってるだろ?あれで変異起こされたらマズイから、こうやってザイゴート狩りしてるんだとさ。」
といった会話だ。つまり俺の自業自得だ。
なので、ココ最近は大人しくしていた。
そして、バレットを喰ったからか、体に変化が起きた。
まず空気砲に色が付いた。亜種みたいに。
紫色だから、毒だろう。
理由は恐らくだが、シエルがあの時撃ったバレットは、毒の状態異常を引き起こす物だったのだろう。
万事屋に売ってあるあれだ。
それを喰ったせいなのか、俺の身体の細胞がそれを取り込んだ、と言うのが自然だろう。
体の色も、なんだか青みがかって来た。
心做しか皮膚も固くなってきた。
亜種化なのか?これが。
とにかく、目立ちたくないのにこれでは『俺、バレット喰ったんだぜ!!』と言ってるような物だ。
なんとかしなければ。
普段の訓練も欠かさず、とにかく目立たないよう徹した。
していた筈なのだが.....。
「見つけたぞ!!α個体だ!!」
現在３人のゴッドイーターに追われている。
やはりこの体色は誤魔化せなかった様だ!!
「ｷｴｧｧｧｧｧｧｧｧｪｪｪｪ!!!」(もう嫌だぁぁぁぁ!!)
ロングブレードが俺に襲いかかる。
しかし、固くなった皮膚はそれをなんとか逸らし、空気砲(毒)を顔面に食らわしてやった。
「ぐあぁ!!こいつ、よくも....!?」
何か言おうとしていたが、毒が強かったのか膝を崩して地面に倒れた。
「こいつ、強力な毒を使うぞ!!気をつけろ!!」
「誰かこいつを治してやってくれ!!腕も動かないみたいだ!!」
どんだけ強力なんだよ.....空気砲当てた壁が溶けたりしたから、やっぱり強いのか。
流石ブラッド、良い物作るな(白目)
「なんで白目になったんだ!?馬鹿にしてんのか!!」
うわっ!!危な!!顔のスレスレをブレードが通り過ぎた。
とりあえず、勝てないから逃げる!!
毒を当てれば勝てるだろうが、いかんせん防御が柔らか過ぎる!!
できるだけ毒をばら撒きながら逃げる。
1人に当たった様で、倒れた。
残った1人が2人を治療してる間に、マイホームであるビルの残骸に逃げ込む。
あ、危なかった。
マジで死にそうだった。
だがわかったことがある。
俺はそれなりに強くなったみたいだ。
しかし、それは普通のゴッドイーター相手にはってことだ。
普通のゴッドイーターなら、コンゴウなんかでも死を覚悟するレベルだ。
主人公達が化物なのだ。あれを基準にするんじゃない。
最近大きな事が立て続けに起きて疲れた。
俺は保存していたオウガテイルの死体を食べる。
核を食べると、オラクル細胞が原型を留められずに崩れて消滅する。
確かな満腹感に満足しながら、眠りについた。
目が覚めると、更に身体の皮膚が固くなっていた。
ブレードには強くなったがハンマーとかには弱そうだった。
とりあえず、空気砲の訓練だ。
訓練と言っても、ただひたすら全力で壁に空気砲を撃つだけだ。
半日そうしていると、変化に気が付いた。
.....あれ?壁の溶けるスピード速くね!?
気が付いた時には、壁に穴が空いていた。
どうやら、１日過ぎただけで毒がまた強くなったようだ。
アラガミって成長速度速いんだな。
それはとても嬉しい発見だ。
この結果に満足して、今日もコンクリートを食べる。
.....虚しい。
主人公って本当に化物ですよね。
まぁだから面白いんですが。
あんな金色の猿公に負ける主人公とか見たくないですよね。