アラガミ転生記〜ザイゴートからの成り上がり〜   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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今回は、サリエルさんが引っ越す際の準備を映します。


第9話 大食い大会

ブラッドを退けて4日、ゴッドイーターの数が偉く増えた。

 

完全に目を付けられたか。

 

仕方ない、では早いが引越しだ。

 

今回の準備は少しかかるだろう。

 

なんせ、食い物(荷物)が多いのだ。

 

ここで荷物を全部食べてしまおうと言うわけだ。

 

そう、この鉄塔の森全ての機械類を喰い尽くす。

 

まずは手短にあるこのジェネレーター的なのを喰おう。

 

一旦素手でバラバラにして、流し込むように食う。

 

この間10秒。速技だ。

 

さて、始めよう。

 

流れる様に機械類を分解しては喰い分解しては喰いを繰り返す。

 

酸で溶かしてタンクを器にして、呑み込んで器ごと食ったりした。

 

壁も鉄製の部分は食う。柱も崩して喰らい尽くす。

 

言ってなかったが、俺の口の中には今、唾液の様に酸が滴っている。

 

手から出すより何倍も強い酸で口に入れる物を瞬時に溶かしているのだ。

 

俺は某狩りゲーの〇ビ〇ジョー並に暴れ回る。

 

瓦礫を食っていると、何か出てきた。

 

取り上げて見ると、なんとコケシだった。

 

しかも、木製だ。

 

......木製!?

 

えぇ!?この荒廃した世界で、荒んだ世界で木製!?

 

木なんてまだあるの!?えぇっと.....あのブラッドの移動拠点だけかと思ったわ!!

 

珍しいこともあるんだな.....。

 

とりあえず懐に入れて、捕食の続きをする。

 

 

〜2時間後〜

 

なんとか全部食ったみたいだな。

 

いやぁ満腹だ。

 

「見つけたぞぉ!!応援を呼べ!!」

 

むっ、流石に暴れすぎた様だ。

 

ゴッドイーターだ。

 

俺は懐に入れて置いたコケシを、ゴッドイーターに投げつける。

 

コンッと良い音を立てて頭にぶつかる。

 

「痛っ!!なんだ!?」

 

痛みで振り返るゴッドイーター。

 

その時には、俺はもう飛び上がって居た。

 

 

 

〜上空〜

 

 

 

なんだか、普通のゴッドイーターじゃもう驚かなくなって来たぜ☆

 

だって、ねぇ?何回戦闘したと思ってるんだ。

 

なんだか機械類ばっかり食ってると、ヴァジュラ→ラーヴァナみたいに弱体化しそうで怖い。

 

いや、それは無いか。サリエルだし。

 

とりあえず遠くに飛ぶ。

 

どこか良い場所無いかな......。

 

今度は自然がたっぷりで、陽の光が暖かい場所が良いな。

 

だとしたら、あそこか。

 

ゲームでもあそこが一番好きだった。

 

目的地が決まった様だ。

 

では、いざ行かん!!

 

『黎明の亡都』へ!!!

 

 

あ、思い出した。あの移動拠点の名前、フライアだ。

 

考え事をしていると、雲に飛び込んでしまった。

 

視界が、『真っ赤』になる。

 

これは!!『赤乱雲』!!

 

やばい、これ身体に触れたらなんか起こるんじゃないの!?

 

ねぇ、やばくない!?

 

突っ込んでしまったのは仕方が無いので、全速力で進んだ。

 

規模が小さかったのかすぐに抜けた。

 

これから飛んでる時は考え事しないようにしよう。

 

そう誓った。

 

何か身体に変化が無いか見ると、異変がすぐに見つかった。

 

腕が、真っ赤になっていた。

 

 

 

 

 

sideフェンリル

 

あのα個体に関する報告書が来た。

 

らしくもなく、内心ウキウキしながら報告書を手に取った。

 

『〇月×日

捜索隊の一人が例のα個体に遭遇した。その時の情報を本人の供出を元に載せる。

 

発電所跡地内部で捕食をしていたα個体にいきなり遭遇し、戦闘体制を取った。

 

しかし、α個体は胸部に手を突っ込み、中にあった木の人形(?)を投げつけて来た。

 

頭部に当たり、痛みで一瞬目を離した隙に逃げられた。

 

この事を踏まえて、ある仮説が浮かんだので、勝手ながら載せさせて貰う。

 

現在残っている映像、戦闘をした者からの報告、今回の行動。

 

これらを踏まえて考えると、なんとも恐ろしい所に結論が着地した。

 

知能、または知性を有していることがあのアラガミから伺える。

 

人間の様に考え、行動し、しかしアラガミとして生きる。

 

例えば、自らが進化するため最適な行動をする。

 

神機の動きを覚え、それに瞬時に対応してくる。

 

はたまた、持ち主が死亡し、残された神機を自らが振るう。

 

これほど我らに脅威になり得るアラガミが今まで居ただろうか。

 

これはまだ仮説の段階であり、可能性の一つに過ぎない。

 

できれば、思い過ごしであってもらいたい物だ。

 

以上にて、報告を終える。

 

P.S 木の人形(?)は同封しています。』

 

ふむ、これか。

 

確かに、信じられないが木だ。

 

これを元に自然を再生できたりするかも知れない。

 

それに貴重なサンプルだ。後で保管しておこう。

 

それにしても、この報告書を書いたゴッドイーターは聡明な人物なのだろう。

 

研究者である私も同じ考えなのだから。

 

もし、本当にあのアラガミに知性があるのであれば、仲良くすることはできないだろうか?

 

いつしかの『あの娘』の様に、ね?




はい、サリエルさんのドタバタ引越し劇でした。
ちゃっかりミニ進化したサリエルさん。

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