この小説を書き始めてとうとう2年が経ちました。殆ど私の投稿が遅いこともあり、皆さんにはご迷惑をお掛けしていますが、何卒よろしくお願いします。
そんなことより!マクロスΔの映画が完全新作で制作が発表されましたね!TVシリーズの新作も気になりますが、ほんとワルキューレもΔ小隊も止まらないし裏切らないですねぇ!Fみたいに二本立てで来るとは流石に予想していませんでした!楽しみです!はい!
今回はかなり短く駄文もりもりでお届けします、次回はその分長く書こうと構想を練る時間が欲しいため、また遅くなるとは思いますが、私の事は嫌いになっても、マクロスの事は嫌いにならないでください!←(言いたかっただけ)
この展開、主人公闇堕ちか
「疲れた・・・・・・」
花蓮はベッドに腰を下ろしため息を吐いた。まだ下からはみんなの騒ぎ声が聞こえてくる。酒を飲んだら止まらないアラドと艦長のアーネストによる何やらよく分からない『広報部に寄せられた苦情』を読むという催しから始まり、それに整備班が便乗し変な方向へと話が進んで行くのに付いていけず二階の自室へと逃げてきたのだが・・・・・
「寝たふりをしてやり過ごそう・・・・・」
そのままベッドに潜り込み、静かに目を閉じる。寝たふりのハズがみんなの騒ぎ声がだんだん遠くなり、次第に意識も遠のいていき、そのまま手放した。
時間にしてどれくらい経っただろう。まさかあのまま寝落ちしてしまうとは、自分でも驚く程に体や精神は疲れていたのだろう。ゆっくり覚醒していく意識を感じながら、ゆっくり目を開け、時計を見るとまだ夜中の三時を回ったばかりだった。
「変な時間に目が覚めちゃったな・・・・・」
ベッドから起き上がると物音を建てないようにそっと自室から出た。そのまま階段を降り、まだアルコールの匂いと歓迎会の余韻を残した一階に出た。Δ小隊はもちろん、まさかの《ワルキューレ》まで机に突っ伏して寝ていた。まさか未成年にアルコールを飲ませたのかと、試しにフレイアの顔を見るとどうやら騒ぎ疲れて眠ってしまったらしい。こんな年端も行かない少女が戦場で歌っているなんて誰が思うだろうか。
(みんなは怖くないのかな、死ぬかもしれないのに・・・・・・)
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「どうしたの?カナカナ」
「マキナ」
砂浜で酔いを冷ましていたカナメにマキナがそっと近づき、隣に腰を下ろした。
「少し涼んでたの」
「みんな騒いでたからねぇ」
二人は星空を見上げた。
「色んなことがあったね」
「・・・・・・そうね」
「《ワルキューレ》の結成からワクチンライブ・・・・・・」
「色んなこと星に行って、色んなものを見て・・・・・・・」
「カレンくんとフレイアとの出会いもあった」
「あれはびっくりだったよね」
アル・シャハルでの出来事は今でも思い出せる。白い騎士が戦場駆け抜けていたあの光景は、あの二人との出会いはΔ小隊と《ワルキューレ》に大きな影響を与えた。
「アラド隊長ったら、末っ子が入って来たー!って喜んじゃって」
「初々しいフレフレ可愛かったよねぇ」
『フ、フレイア・ヴィオン!命を燃やして、頑張ります!』
『命はちょっと大きすぎないかな、フレイアさん』
『それもそうやね・・・・・うーん、リンゴを燃やして、もおかしいし・・・・』
『リ、リンゴ?』
「フレフレ、喜怒哀楽がすごいからカレカレも困ってちゃってたもんね」
「今となっちゃあの末っ子も一人前」
「カレカレも、また戻ってきてくれた・・・・・」
「そうね・・・・・・」
カレンは自室から空を見上げた。
「初めての空、初めての景色、初めての空気、初めての人・・・・・・全部初めてなのに、なんでこんなにも懐かしく感じるんだろう・・・・・・」
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「ケイオスに入るん、ですか?僕と母さんが?」
「まあ、一時的にな。そっちの方が何かといいだろうとレディMが気を回してくれたらしい」
「とにかく二人には色んなこと部門を回ってもらいまーす」
「適正試験のようなものだ。よーし、最初はあっちからだな!」
「なんか楽しそうだね、花蓮くん」
「楽しいのかな・・・・・」
かくして二人のケイオスの各部門適正試験が始まった。
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「はぁー楽しかったぁ!」
「つ、疲れた・・・・・・」
「お疲れ様です」
カナメから飲み物とA~Dの適正ランクが記された一枚の紙を貰った。
「おー!見て見て、オールAだってさ!」
「すごいね、母さん」
「花蓮くんは?」
「このパイロット適正以外、全部Aだったよ」
「その、パイロット適正は?」
「D、適正なし、だってさそりゃそうだよ、僕は一般人で軍人じゃないんだからさ」
「・・・・・・・」
「母さん?」
「え?ああ、ううん。なんでもないよ」
「そう・・・・・・?」
確かに花蓮も疑問に思っていた。何故、パイロット適正だけがこんなに著しく低いのか。
(僕の記憶と何か関係があるのか?僕は一体、何者なんだ・・・・?)
妙な既視感、懐かしさ、いつも隣にいる赤い瞳の美しい女性。
『ーーーーー』
話しかけてくるのに言葉も声も聞こえない。ラグナに来てからそんな夢を見るのが毎日だ。明らかにここのみんなは自分に何かを隠している。
(なんか、気持ち悪いな。これ・・・・・・)
次第に花蓮の記憶は歪な形を帯びて現れようとしていた。
「あの、カナメさん」
「なに?カレンくん」
「実は相談があるんですが・・・・・」
“記憶”という深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている。