推薦作品:犬吠埼樹(憑依)は勇者である 原作:原作:結城友奈は勇者である
原作においては一見控えめながらも芯の強い女の子だった犬吠埼樹。幼い頃の彼女にある男性の魂が憑依したことから、原作とは違う展開を見せる「勇者である」シリーズ世界を描いた作品です。 主人公の憑依樹ち... (全文表示)
原作においては一見控えめながらも芯の強い女の子だった犬吠埼樹。幼い頃の彼女にある男性の魂が憑依したことから、原作とは違う展開を見せる「勇者である」シリーズ世界を描いた作品です。 主人公の憑依樹ちゃんは男性的人格を保ちながらも芯は弱く、周囲に依存しやすいTS少女。何度も挫けそうになりながらも温かい姉や友人達に励まされ、少しずつ前に進んでいきます。大事な人たちとの暖かな交流を描くほのぼのパートと、周囲の大人達の思惑や四国結界の外から襲い来る怪物「バーテックス」達による影響を描くシリアスパートの落差がはっきりしており、緩急のついた展開で物語が牽引されていきます。TSモノとしては憑依樹ちゃんががなかなか男性的自意識を喪失せず、女の子同士のふれあいに相応に恥ずかしがる姿を見せるなど、TSモノとしての「おいしい」シーンも散見されます。初々しいTS少女が好きな方、温かな日常と厳しい状況の板ばさみを楽しみたい方にオススメです。▼読む際の注意事項など 作者様が「エ○ァのシン○を参考にした」と感想欄で仰るとおり、主人公は決して毅然と困難に立ち向かえる「強い」人ではありません。むしろ悩み、ネガティブな感情に何度も挫けそうになりながらも温かな日常と居場所を与えてくれる人たちに「繋ぎとめられている」少女です。なのでそういった後ろ向きな面を見せる主人公が苦手な方にはオススメはできません。が、「それでも前に進もうとするのが良い」「むしろTS少女がそうやって悶えるの可愛くね?」な方には大変良い作品となっています。興味があれば是非ご一読下さい!
推薦:八河 野蕪 評価:★ (参考になった:16/ならなかった:3)
推薦作品:エイシンフラッシュの娘。 原作:原作:ウマ娘プリティーダービー
本作はダービーと天皇賞を制覇し両親紹介RTA記録を保持する名ウマ娘のエイシンフラッシュ、その娘であるオリジナルウマ娘のフラッシュアデリナの葛藤、焦燥、諦観、そして決断を描いたウマ娘プリティーダービーの... (全文表示)
本作はダービーと天皇賞を制覇し両親紹介RTA記録を保持する名ウマ娘のエイシンフラッシュ、その娘であるオリジナルウマ娘のフラッシュアデリナの葛藤、焦燥、諦観、そして決断を描いたウマ娘プリティーダービーの二次創作である。本作の特徴は、偉大なる母親の期待を受けながらも必ずしもトレセン学園への入学を希望していたわけでは無かった少女の揺れ動く心の繊細な描写にある。フラッシュアデリナは父親でもあるトレーナーの指導の下でレースに挑むも勝利を得られず追い詰められて諦観を抱き、同室の未勝利ウマ娘に心を救われて遂に勝利を手にするがそれによって彼女の夢と願いを打ち砕いてしまい、得る物は少なく失うものは多いレースに疑問を抱き遂に引退を考え始める。そしてレースに勝利と栄光、そして最高の伴侶を見出したエイシンフラッシュとトレーナーは、家族という最も親しい関係で有るが故にフラッシュアデリナに道を示すことは出来なかった。あー俺も「あの子がわからない。もう、あの子が怖いんです……」と咽び泣くフラッシュさんを優しく抱きしめて慰めてーなー。だったら他人に頼ればいい。かつてエイシンフラッシュがトレーナーを頼ったように。かくしてとある引退した未勝利ウマ娘との出会いによって自らレースに戻ることを決断したフラッシュアデリナは、それまでとは打って変わって勝利を重ね遂にG1レースへの切符を手にする。母、父、新しい未来を手に入れたかつての同室のウマ娘に見守られフラッシュアデリナは遂に大舞台に挑んで行く。思春期のフラッシュアデリナの戸惑いと迷い、何故か根拠もなく娘の実力に自信を持つ母エイシンフラッシュの苦悩と愛情、二人のウマ娘の間で父として夫として奮闘するトレーナー。丁寧に積み上げられた描写が3人の内面に説得力を与え、家族という普遍的な関係の悲喜こもごもを見事に描き出している。また登場する複数のオリジナルウマ娘達も、少ない描写で鮮烈な印象を与えられ書き割りやモブでは決して有り得ない。フラッシュアデリナは取り敢えずG1出走余裕のオリ主ではない。レースに未来を見出した一人前のウマ娘である。▼読む際の注意事項など一話が長い。平均約9000文字である。そこを乗り越えてほしいとは思うが途中でブラバされてもやむ無しという気持ちがあるのは事実。
推薦:唐牛健一郎 評価:☆ (参考になった:2/ならなかった:0)
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