原作のアイが死んだ後の警察対応があまりにも雑ではないかと、常々思っていたところ、そこを掘り下げるこの作品を見つけた。
なろう系や二次創作特有の詰めの甘さから来るゴリ押しご都合展開がなくちゃんと一つ一つ...
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原作のアイが死んだ後の警察対応があまりにも雑ではないかと、常々思っていたところ、そこを掘り下げるこの作品を見つけた。
なろう系や二次創作特有の詰めの甘さから来るゴリ押しご都合展開がなくちゃんと一つ一つの手がかりが繋がっていく様子が、本当の相棒を見ているようにも思え、とても楽しく読むことができる。
推しの子というよりは相棒なので、推しの子を期待して読むのは少し控えて頂きたい。





アイが死んだ後は駄作と呼ばれる推しの子だが、アイが死んでも面白い当作品はそう思っている読者にも必見の作品となっている。

『俺の青春ラブコメはまちがっている（俺ガイル）』と『推しの子』のクロスオーバー作品。両作品を知る人ならば誰しも一度は想像をしただろう物語がここにある。

〈ストーリー〉
八幡がアイにリボルバーでぶち...
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『俺の青春ラブコメはまちがっている（俺ガイル）』と『推しの子』のクロスオーバー作品。両作品を知る人ならば誰しも一度は想像をしただろう物語がここにある。

〈ストーリー〉
八幡がアイにリボルバーでぶち抜かれる話（意訳
（あらすじより引用）

物語は両原作の本編開始より1年程前の時期から始まる。
過去のトラウマから上っ面な「嘘」を嫌い、在るはずの無い「本物」を欲している捻くれボッチな高校生比企谷八幡。ある日、彼は妹である小町から最近話題のアイドルグループB小町のライブに誘われ、そこで目撃したB小町のセンターこと星野アイの言動に強烈なまでの「嘘」を感じ取り戦慄を覚える。一方のアイも今まで誰も見破れなかったアイドルとしての自身の「嘘」を直感的に見抜いた上に「愛を知りたい」という自身が求めている「本物」に奇しくも辿りついた八幡に興味を抱き執着し始める。これは完璧で究極のアイドルと称される少女と後に理性の化け物と呼ばれる少年が「嘘」から「本物」へと至るまでを描く青春群像劇である。

〈文章・描写〉
本作品の魅力は多くの読者が言及をしているが登場人物の解像度と心情表現の圧倒的クオリティの高さにある。特に人気があるもののその特異な人物像による描写の難しさから作者のオリキャラと化しやすい比企谷八幡や星野アイというキャラクターを原作そのままの状態で抜き出したかのように描写をしている点が素晴らしく、両原作を作者様が十分に読み込んだ上で登場人物の「行動」とそこへと至る「思考」について読者が考察を加える余地を残しつつ丁寧に描写をしている点からもクロスオーバー作品の白眉とも言える作品である。
本作品は『俺ガイル』本編と同じく基本的に比企谷八幡の一人称視点により物語が進行する形式であり、彼の視点と主観越しによる人物描写がなされている。彼の主観は、自覚・無自覚問わず誤解や偏見の混じった文字通り「まちがっている」場合があり、この彼と周辺の認識のズレと八幡と相対する登場人物達の心情を読み解いていくことが本作品の醍醐味であるといえる。

▼読む際の注意事項など

描写が丁寧なことから、必然的に物語の進行は遅いものである。しかし、展開を着実にゆっくりと進め、そのぶん手を抜かない丁寧な描写が本作品の魅力であることは先述した通りである。
また、『推しの子』が現時点で完結をしていないことから、未確定情報に対する作者様の独自設定及び解釈があることについて留意しておく必要がある。
さらに本作品が比企谷八幡と星野アイ二人の恋愛攻防戦に焦点を置いていること、両作品の本編開始より一年前という時間軸であることから雪ノ下雪乃を筆頭とした『俺ガイル』主要人物達や『推しの子』本編主役であるアクアとルビーは現時点で登場をしていない。特にアクアとルビーに関しては今後の物語の進行内容によっては『推しガイル』本編に登場できない可能性があるため八幡とアクア達の物語を期待して読むと肩透かしをくらう点は注意が必要である。

2023/9/27追記
32話「俺が引き返す訳が無い」より原作開始時に到達。しかし、アイとの出会いの影響により八幡の奉仕部への入部が流れており、結果として雪ノ下雪乃以下総武高校メンバーが八幡との関係を持つ機会や順序が原作から変化をしている点について付け加えておく。