ナザリック in オラリオ   作:タクミ( ☆∀☆)

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疲れたorz
神の真似事なんて荷が重いですわ。




【幕間】神会(その2)

「よっしゃー、始まったでーー!今回もウチが司会やらさせてもらうで!」

 

相変わらず暇を持てあまし、面白いことに目がないロキが勝手に進行を進めていく。

 

「第ウン千回神会(デナトゥス)を開催させてもらう!」

 

「前もウン千回って言ってたぞ」

 

「うるさいわ、ボケェー!」

 

細かい男神の突っ込みにドツキでかえすロキの芸は健在だ。円卓を見渡しヘスティアが居ないことを確認する。おそらくバイトで来れないのだろう。ヘスティアを弄れないのは残念だが、切り替えて進行を進める。

 

「じゃあ、早速今回のお題に行くで。今回はヘルメスファミリアでランクアップした眷属()らの命名式や。なんや一気に12人もおるとは、ヘルメス、何か隠しとらんか?」

 

「そんなことないさ、ロキ。今回はお手柔らかに頼むよ」

 

「そんなもんウチが決めることやない。なあ・・・」

 

ヘルメスは回りの神々を見渡すと明らかに含みのある笑みをしていた。

 

「じゃあ、早速行くで!先ずはコイツや!」

 

ロキは手元の資料を一枚持ち上げた。

 

「何々、モモンちゅうやつや」

 

円卓に座る神達も手元の資料からモモンの似顔絵を眺める。

 

「頼むよ、みんな。お手柔らかに・・・」

 

「「「「断るっ!!!」」」」

 

「っていうか甲冑着てちゃ良いアイデア出ないじゃん」

 

「ねぇねぇヘルメス!中はどうなのよ?」

 

ヘルメスの脳裏に骸骨の顔が浮かぶ。

 

「え、どうって言われても?神々(おれたち)と比べたら可愛そうなんじゃない」

 

「それはそうか。ということは醜男ってことだな・・・、そうだ、【厄災の箱(パンドラ)】ってのはどうだ?」

 

「実は裏があったりして、【破滅王(カタストロフィー)】ってのは?」

 

「いや、ここは【漆黒(ダーク・ウォーリアー)】だろ!」

 

「おお、久々にピッタリな案が出たな」

 

『異議なし!』

 

「よし、じゃあサクサク行くで!次はこの子や。えーと、おぉ、可愛い子やな。六人姉妹の長女、ユリちゃんや」

 

男神達のテンションがモモンの時とは違い気合いが入ってるのが分かる。

 

「僕っこキター!ここは俺に任せてくれ。あの僕って言った後に言い直す姿がたまらん。【慈愛の微笑(カタルシス)】だ」

 

「馬鹿野郎!眼鏡クイッの鞭でパンッはお決まりだろうが!【聖心の支配(サークレッド・ルーラー)】の方が良い」

 

「それならイタズラをした俺にお仕置きをして欲しいな。【激昂の鉄拳(パニッシュメント)】!」

 

『それだ!』

 

「よし次や、なんやこの子も可愛い子やな、ウェアウルフのルプスレギナちゃんや」

 

「くぅ、またしごいてほしいな。ルプーちゃん。ここは俺に任せてくれ。【駄犬(ケロベロス)】だ」

 

「お前はご褒美を頂いている時の顔を見ていなかったのか?【狂犬の冷笑(クレイジー・シニカル)】だろ」

 

「止められない、止まらない。癖になりそうだぜ。【狼の媚薬(ウルフズベイン)】が良い」

 

『決定!』

 

「よし、次!っておいぃ、ヘルメス。なんなんやこれは。お前は顔で選んで入れとんのか?」

 

「ロキ、よくぞ言ってくれた。おかしいだろ!ヘルメス!」

 

「そ、そんな訳ないだろ、たまたまだよ」

 

「ヘルメスの手に毒されるくらいなら・・・フヒヒッ」

 

「この女たらし野郎が!」

 

「まあ、ええ。次はナーベラルちゃんや」

 

「馬鹿野郎!」

突然、一柱の神が資料を眺めながら苦々し顔をして、円卓を叩いた。

「本物はこんな優しい目じゃねぇ。もっとこう俺を虫のように蔑むような目をしているんだ」

そう言いながら何かを思いだし恍惚な表情をしている。

 

「じゃあ、【絶対零度(アブソリュート・ゼロ)】ってのはどう?」

 

「電撃の魔法が得意みたいだし、俺の嫁になるから【稲妻(ライトニング)】がいいだろ」

 

「馬鹿か、お前は?ナーベラルちゃんは俺の嫁だ」

 

「はい、はい。不毛な話はその辺にしとき。他に案はないか?」

 

「お前らは何も分かっていない!表では酷いことを言っていても、二人きりでは甘えてくるんだよ。彼女こそ【天邪鬼(ツン☆デレ)】が一番似合う」

 

「俺もナーベラルちゃんがデレる所を見てみたい」

 

『それじゃあ、決定!』

 

「次、行くで!もう突っ込むのも疲れたわ。ソリュシャンちゃんや」

 

「金髪縦ロールか、レベル高いな」

 

「ソリュシャンちゃんは俺のことが好きに違いない。俺のファミリアに来たいって言ってくれたし、間違いない。期待に応えてやるぜ。【誘惑の小悪魔(テンプテーション)】!」

 

「それはお前の気のせいだ。俺にも言ってくれたしな。それよりも彼女に手を出したら後戻りができなくなりそうな気がするぜ。ってことで【禁断苹果(ユーサネイジア)】!それでも俺はソリュシャンちゃんを諦めないがな!」

 

「それでこそ、ファンクラブ会員第一号だな」

 

『よし、採用!』

 

「あほくさ、次、次。えーと、今度はエントマちゃんかな」

 

「この前、奢りまくってたら眷属(こども)達に怒られたよ。どれだけ持ってってもすぐ食べちゃうんだもん。・・・可愛かったけど。【暗黒空間(ブラックホール)】とかどう?」

 

「エントマちゃんの可愛さが伝わらねぇよ。あのしゃべり方、俺の荒んだ心を癒してくれるぜ。【天使甘言(エンジェル・フラッタリー)】」

 

「俺はエントマちゃんの笑顔を見てみたい。眷属(こども)達に何度言われようが俺がエントマちゃんの心を溶かしてやるぜ。【真実の仮面(ペルソナ)】」

 

『それで行こう!』

 

「次、えーと、今度は眼帯が特徴的なシズちゃんや」

 

「頼む、俺の推しメンなんだ。この子にはこれを採用してくれ。【零落聖女(ラストヒロイン)】」

 

「それ使い回しじゃねぇか。お前にはシズちゃんの癒し属性が分からないのか?【天の癒(シエスタ)】だろ」

 

「いや、シズちゃんの純粋で綺麗な目を推すべきだろ。あの眼帯をとったらどうなるか気になる。【翡翠の隻眼(ジェイド・アイ)】だな」

 

『分かるわ~』

 

「次は双子のダークエルフの姉弟や。先ずはお姉ちゃんのアウラちゃんからや」

 

「双子のダークエルフってのがポイント高いよな。【深緑の妖精(メロウ)】とかは?」

 

「俺はあのオッドアイが良いと思う。【緑青の麗人(ソレイユ・ジェミニ)】」

 

「お前らはアウラちゃんのことを何も分かっていない。それならマーレちゃんも同じじゃねぇか。」

「そうだそうだ。アウラちゃんの無邪気な明るさとお姉ちゃんとしての責任の狭間で揺れる感情の葛藤を。【太陽加護(サンライト・ブレス)】」

 

『良いね』

 

「次は双子の弟、マーレちゃんや。ってこの子、女装してるのか?どういう教育させてるんや」

 

「何言ってるんだ、ロキ」

「男の娘なんて親は分かってるぜ!」

 

「マーレちゃんが走る所見たことあるか?スカートを押さえながら走るんだぜ。凄く初々しいんだよ。【魔法少女(マジカル・ボーイ)】」

 

「マーレちゃんにはアウラちゃんとは対照的な輝きがある。【月虹(ルナ・ティンクル)】!」

 

「お前らの言いたいことは分かる。だが、マーレちゃんは決して汚れてはいけない。俺達の手で守っていくんだ。そう、【超♀神聖(スーパーノヴァ)】だ!」

 

「「「おおぉ!!!」」」

 

『決まったな』

 

「次はおっ、この子はなかなか渋い子やね」

 

それまで生塵(なまごみ)を見るような目で男神を見ていた女神が黄色い声をあげる。

 

「ケケケ、コイツには俺が引導を渡してやるぜ。【老召使(オールド・サーバント)】だ」

 

「「「あぁん!?」」」

 

女神達が一斉に男神を睨み付ける。

 

「すいませんでしたぁあぁぁ!」

 

男神(馬鹿)は放っておいて、シンプルに【女神の執事】ってのは?」

 

「それなら女神と執事の秘密の恋よ。【禁断の愛(ヒルドラ)】」

 

「でもあの服の上からでも分かる力強さが足りないわ。姫を守る騎士、理想的なシチュエーションだわ。【龍の忠義(ロイヤリティ・ドラゴン)】」

 

『それにしましょう』

 

「次は、シャルティアちゃんかな」

 

「本命キターーーー!!」

「触っちゃダメだ、触っちゃダメだ、触っちゃダメだ。イエス、ロリータ。ノー、タッチ!」

「俺の愛を受け止めてくれ!【狂愛者(ルナティク・ラバー)】」

 

「シャルティアちゃんの愛の奴隷になりたい。【欲望の暴君(デザイア・タイラント)】!」

 

「返り血も滴る良い女・・・、【鮮血姫(ブラディ・プリンセス)】」

 

「言っている意味は良く分からんが、凄いインパクトだ」

 

『じゃあ決定』

 

「よし、これで終いか?」

 

ロキが手元の資料に目を落とすと、一枚の申請書が落ちた。

 

「ん、まだ一枚残っとったんかいな。何々、アルベドちゃん・・・女の子やね」

 

ロキが資料に目を通すとモモンと変わらず全身鎧に包まれ顔を伺うことはできない。

 

「う~ん、なんかもう今日は疲れたわ」

 

明らかに回りの神達のやる気が無くなっている。それまでの美男美女があった後に全身鎧の彼女では乗り気になれなかった。

 

「さっきのモモンに似てるし、【漆黒の嫁(ダーク・ワイフ)】で良いんじゃね?」

 

『それでいこう』

 

あっさり決まったアルベドの二つ名だったが誰よりも本人が喜ぶのだった。

 




馬鹿野郎!そんな二つ名似合わねぇよ!!

甘んじて受け入れます(。´Д⊂)

お手柔らかに...

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