提督の憂鬱   作:sognathus

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場所は金剛達の部屋。
ある一人の戦艦の影響でで明らかに部屋の雰囲気がいつもと比べて殺伐としていました。
その重圧に耐えかねた姉が心配の気持ち半分に妹に話しかけます。


第21話 「すれ違い」

金剛「は、榛名」

 

榛名「なんですか? お姉様」

 

金剛「何か嫌なコトでもあった?」

 

榛名「どうしてそんな事を訊くんです?」ニコ

 

金剛「ひっ」ビク

 

比叡「お姉様! ちょっと榛名! お姉様が怖がってるじゃない!」

 

榛名「私が何かしましたか? 比叡お姉様」ニコ

 

比叡「だ、だから怖がらせちゃ......」

 

榛名「榛名が何かしたんですか?」

 

比叡「こ、こわがらs」

 

榛名「だから具体的に私が何をしたと言うんです?」ニコ

 

比叡「ひぇぇぇぇぇ......」メソメソ

 

霧島「ちょっと榛名、やりすぎよ」

 

榛名「霧島まで......どうしたというの?」

 

霧島「榛名、貴女さっきからなんで言葉に威圧を込めてるの?」

 

榛名「何を言ってるの? 私はいつも通りだよ?」

 

霧島「じゃぁ、その張り付いた笑顔をやめなさいよ」

 

榛名「......チッ」

 

金剛「Noooooooo! 比叡見まシタカ? い、今......今、榛名が舌打ちしたヨ!」

 

比叡「な、何かの間違いじゃ......」

 

金剛「そ、そうネ。ワタシの可愛い妹が舌打ちなんてするワケ......」

 

榛名「お姉様達さっきから煩いですよ。いい年して何やってるんですか」

 

金剛「ああ、まるで霧島みたいだケド、それでもいいネ! 榛名が舌打ちなんかするくらいナラ......」

 

榛名「......チッ」

 

金剛「ノォォォォォ!」ブワッ

 

比叡「ひぇぇぇぇぇ!」ブワッ

 

霧島「っ、いい加減にしなさいよ、榛名!」

 

榛名「霧島だって、煩いからいい加減にしてよ!」

 

霧島「......」キッ

 

榛名「......」ギロッ

 

ゴゴゴゴゴゴゴ............

 

金剛「た、大佐......help me......」グス

 

比叡「うわぁぁぁぁん! 大佐ぁぁぁ!」ブワァ

 

榛名「っ、なんでそこで大佐が出てくるんですか!」

 

金剛「は、榛名......?」ビクッ

 

榛名「どうしてそんなにすんなり大佐の事を求められるんですか!?」

 

比叡「え、え?」ビクッ

 

榛名「榛名は......私は......今までいい子にしてたのに......どうして大佐は私のことを見てくれないんですか!!」

 

霧島「榛名、貴女......」

 

榛名「榛名は......いつもお姉様達のいう事を聞いていい子にしてきました......」

 

榛名「大佐の命令もちゃんと守って、ミスなんかした事ありませんでした......」

 

榛名「なのに......なのに......大佐が優しくしてくれるのはお姉様達......。真面目なのは変わらないのに霧島も良くされてる......」

 

金剛「榛名......」

 

榛名「それだけじゃない......。加賀さんや足柄さんも......矢矧さんとはデートまで......!」

 

榛名「なんで......なんで......榛名じゃ......ぐす」

 

比叡「そうだったんだ、榛名......」

 

金剛「榛名」

 

榛名「お姉様......ごめんなさい。榛名、悪い子でした......」グス

 

金剛「うーうン、そのなことないヨ。榛名は good girl デス。こんなになっちゃうまで我慢シテ......ホントウによく我慢したヨ」ナデ

 

榛名「お姉様ぁ......」ブワッ

 

比叡「そっか。私達、榛名に頼り切りな所あったもんね......」

 

霧島「まぁ、お姉様達と同じカテゴリにまとめられるのはちょっと納得いかないにしても」

 

金剛・比叡(えっ)

 

霧島「榛名、貴女頑張り過ぎたのよ。いつも優等生だったから大佐も安心して逆に榛名の事心配しなくなったのだと思うわ」

 

榛名「嬉しいけど、そんなのって......」

 

霧島「まぁ、それは信用の表れでもあるわけだけど。じゃぁ、我慢しなければいいじゃないの」

 

榛名「そんな......大佐に嫌われちゃう......」

 

霧島「ほら、それが駄目なのよ。そうやって気にして無理して、優等生しちゃうから大佐も榛名の事気づけないのよ?」

 

榛名「う......」

 

霧島「一度、我慢しないで思いっきり甘えてみなさい? そうすれば大佐も最初は驚くかもしれないけど、きっと榛名の苦労を理解して受け入れてくれるわ」

 

榛名「そう......かな」

 

霧島「ええ。私の計算に間違いはないわ。でしょ? 榛名」

 

榛名「霧島......うん。私頑張る! 大佐に思い切って打ち明けてみる!」

 

霧島「その意気よ。さぁ善は急げ、早速行ってらっしゃい!」

 

榛名「うん! そうする! お姉様達、さっきはごめんなさい! でも、もう榛名は大丈夫です!」

 

金剛「あ、ウン......」

 

比叡「そっか。良かったね......」

 

榛名「あの、それじゃあ榛名、少し大佐の所に行ってきますね。霧島、ありがとう!」

 

バタン

 

 

金剛「比叡......」

 

比叡「なんですかお姉様......」

 

金剛「ナンカ美味しいトコロ全部霧島に持っていかれたネ......」

 

比叡「そうですね......。姉ってなんなんでしょうね......」

 

金剛「ホントにそうネ......あはは」

 

比叡「あははは」

 

金剛・比叡「あはははははは......びぇぇぇぇぇぇん!」ブワッ

 

霧島(この姉達は......)

 

霧島「金剛お姉様、比叡お姉様、落ち込んでいるところ悪いのですが」

 

金剛「何ヨ霧島、ダメダメな sister は穴掘って埋まってるヨ......邪魔しないデ」

 

比叡「お姉様お供します......」

 

霧島「だから聞いて下さい!」ダン

 

金剛「ふぇ!?」ビク

 

比叡「ひぇっ!?」ビク

 

霧島「二人ともさっきの榛名の言葉をちょっと思い出して頂けますか?」

 

金剛「remember って何を? 辛い思いでしかないワ」

 

比叡「ダメな姉って自覚するだけだよ......」

 

霧島「その部分じゃないです! さっき榛名は大佐と仲が良い人たちを挙げてましたが、一人だけ明確にある事をしていたって言ってませんでしたか?」

 

金剛「あるコト? 霧島、下ジョークはダメヨ。男と女がする事なんテ決まってるじゃナイ」

 

比叡「そうですね。ヤルことなんてせk」

 

霧島「そうじゃなくて!」カァ

 

霧島「さっき榛名は矢矧さんと大佐がデートしていたって言ってませんでした?」

 

金剛「デート......? でーと......date!?」クワッ

 

比叡「な、なんですって......!?」シャキン

 

霧島「さぁ作戦会議です」ニヤリ

 

 

~その頃の執務室

 

提督「青葉、話ってなんだ?」

 

青葉「うふふ~、すっごい特ダネがあるんですよ! というか、大佐の命に係わるかもしれない重大なお知らせが!」

 

提督「そうか。期待は微塵もしてないが聞いてやろう。3単語で要約しろ」

 

青葉「短っ! というか、どれだけわたし信用無いんですか!? 本当に本当の特ダネなんですてば~」グイグイ

 

提督「分かったから服を引っ張るな」

 

青葉「ぐす......分かればいいんです! いいですか? 言いますよ?」

 

提督「早くしろ」

 

青葉「せっかちですね。まぁいいです。お知らせというのは――」

 

コンコン

 

榛名「榛名です。大佐、居ますか?」




提督逃げて~、な事態が着々と進行中です。
榛名だって根っからの良い子じゃないはずです。
偶にはこうやってガス抜きしないとやってられませんよね、多分。

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