※この作品はR-18です。

新そっくりなアイツ   作:もっち~!

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工藤君への来訪者 Part4

 

---服部平次----

 

警視庁に連行された俺。ピンクトラップだと訴えたのだが、特殊警棒での攻撃は目撃されておるので、俺の主張は中々通らへん。

 

そんな取り調べの最中、親父から電話だ…

 

『ばっかもん!東京で何をしているんだ?!』

 

カミナリが落ちた。あっちゃ~。事情を説明をしたのだが、

 

『はぁ?和葉ちゃんを人質に取られた?何を言っておるのだ。彼女から連絡あったぞ。工藤君にホテルの部屋を取ってもらって、部屋でまったりしているそうだ。お前は何を言っているんだ?』

 

工藤の奴…完全に嵌められたのか…くそっ!

 

『あと、大事にしたくないってことで、婦女暴行に関しては取り下げてくるそうだ。まったく、彼女連れで東京に行って、他の女性と筆下ろしだと?お前のバカさ加減にはうんざりだ』

 

だから、不可抗力だと説明したのだが、受け入れてもらえない。工藤のやつ~!!

 

傷害未遂に関しては、親の立場を考慮してもらい、うやむやにしてくれた。これで、シャバに出らると思うたら、大阪へ強制送還やと言う。和葉が心配な俺は、俺を送還する役目の男の刑事二人を振り切って、工藤の元へ急いだ。

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

美和子から連絡があった。大阪へ輸送中の服部が、帯同していた白鳥刑事と高木刑事を振り切って、逃走したそうだ。未成年であり、大阪のお偉いさんの子供ってことで、手錠をされていなかったので、簡単に逃走できたそうだ。小説のネタにするかな?

 

ここまでは来られないだろう。セキュリティがしっかりしているし。

 

午後になり、蘭からメールが届いた。あれ?授業中で無いのか?不審に思いながら、メールを見ると、

 

『お前の女は預かった。返して欲しければ、誰にも言わずに、一人で来い』

 

というメッセージと共に、行き先の地図データが送られてきだ。送り主は誰だ?工藤君を狙う組織の残党か?それとも…

 

外へ行くための服に着替えた。姉妹も朱美も紅子もいない。学校へ行っている時間だから…一人でどうにかしないと…誰にも見られないように、従業員用の通路を使い、ホテルの勝手口から出た。

 

う~ん…行けるかな?体力的に難しい距離ではあるが、蘭が危ない。何か遭ったら、新一君に申し訳が立たない。それだけを心に秘め、呼び出された場所へと急ぐ。

 

 

呼び出されたのは、森の中だった。指定場所に着くと、スマホから着信音が鳴り、蘭からのメールが届いた。

 

『和葉はどないした?』

 

犯人は服部か?

 

『一人で来いって言ったのはお前だ。アホ!』

 

と、返信。しばらくすると、

 

『しもうた…orz』

 

だと。ふざけるなよ!

 

『蘭を返せ!』

 

次の瞬間、何かが頬を掠めた。手を頬で触ると血が出ていた。銃撃か?あの野郎!弾の飛んできた位置を想定して、身を隠せる場所に急いだ。

 

はぁ…はぁ…はぁ…

 

少し走っただけで、息が上がる。服部へメールをした。

 

『銃撃って、どういうことだ?』

 

しばらくすると、

 

『なんの話や?おい、和葉を連れて戻って来いや!』

 

と、返信があった。服部では無いのか。じゃ、誰が…何かの気配を感じ、身を捩ると、

 

カチッン!

 

鉄の部分に何かが当たった。音からして銃弾である。姉妹のケンカの仲裁を繰り返したことで、気配で攻撃が来るかがわかるようになっているようだ。銃弾の発射位置を想定して、次の安全地帯へ目がけて走る。

 

 

 

---服部平次---

 

工藤から妙なメールが来た後、しばらくすると、

 

『逃げろ!敵は銃を持っている。蘭を頼む!』

 

と、メールが届いた。敵?うん?微か銃声が聞こえる。マジか?俺は、工藤の女を監禁しているホテルへ急いだ。

 

ホテルの部屋に戻ると、彼女は俺を睨んで来た。

 

「工藤がヤバい!おいおい睨むなよ」

 

ベッドの上に縛り付けている工藤の女。なんかそそるんやけど…和葉を取られた恨みはコイツで晴らすか?そんな気にもなってくるほど、美人であり、色っぽい姿である。

 

「おい、大人しくしていろよ。暴れると痛い目に遭うで♪」

 

頬を重ねてみた。柔らかくて吸い付くようだ。

 

ドッスン!

 

え?股間に衝撃を受けて、俺はベッドからオチながら意識を飛ばした。

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

はぁ…はぁ…はぁ…苦しい…でも、工藤君を演じなきゃ…気配を探りながら、人気の無い方へ誘導していく。どこからつけられていたんだ?ホテルのフロントかな?

 

誰に助けを求めれば良いのか…美和子は危険に晒したくない。姉妹もだ…

 

パッシュッ!

 

目の前の壁が抉れた。まだ、追ってきているのか…相手は複数いる気がする。狙撃チームって3名一組だっけ?三点狙撃とか言うし。

 

目が霞む…もうダメかな…

 

「間に合った。大丈夫?ねぇ…」

 

知っている声が遠くから聞こえた。意識が遠くへと飛び立っていった。

 

 

意識が戻ると、知らない場所にいた。ここは?捕まったのか?

 

「亜樹君、大丈夫?」

 

知っている声が聞こえた。誰だっけ?名前が思い出せない。そうだ…

 

「シャロン…」

 

「意識が戻ったのね」

 

そうだシャロン・ヴィンヤード。姉妹、お兄さんに調教されて、寝返った黒い組織のメンバーだ。

 

「残党か?」

 

「そう。上では話が付いたけど、下の者は納得していないのよ。で、上は見ないようにしている。実質、何も状況は変わっていないの」

 

そうか…新一君はまだ危険なんだな。

 

「シャロン…逃げろ!僕を置いて…」

 

「逃げない。君だって、逃げなかったでしょ?工藤新一君の影武者として、逃げていたし」

 

見ていたのか。

 

「人混みに逃げれば、逃げ切れていた。でも、工藤君なら、君と同じ様に、人気の無い場所へ逃げていたと思うわ」

 

そうだと思う。

 

「ここは?」

 

「私の秘密のアジトよ。だから、しばらくは安心。だけど、ここから、君をホテルへ戻せない。監視されているようなの」

 

なるほど…新一君ならどうするかな…

 

「僕が一人で逃げればいいんだね?」

 

心配そうに僕を見るシャロン。

 

「無理だわ。動けないでしょ?君を見つけた時、呼吸が止まっていたし」

 

酸欠で脳がダメージを負った可能性があるのか。

 

「でも、シャロンが危険になるのはダメだ。そうだな、下水口は無いか?」

 

下水道を歩いて逃げる。よく映画などで見るベタなヤリ方だ。

 

「あるけど…」

 

「ここに僕がいたら、ダメなんだろ?」

 

「まぁ…」

 

重い身体を起き上がらせて、ヨロヨロと立ち上がった。

 

「で、どこにある?」

 

 

 

---佐藤美和子---

 

蘭ちゃんから『助けて』とメールが届いた。蘭ちゃんのスマホの位置情報から、居場所を特定して、踏み込んだ。ベッドの上に縛られている蘭ちゃん。ベッドの下で、意識が飛んでいる逃亡犯の服部平次がいた。

 

「蘭ちゃんを誘拐したのか、コイツ。工藤君を呼び出そうとしたのか」

 

って、高木君。私は蘭ちゃんの拘束を解いた。すると、泣きながら私に抱きついて来た。

 

「無理ヤリ、何かされそうになって…亜樹君だけって決めているのに…」

 

「はいはい」

 

私もそうよとは、この場では言えない。蘭ちゃんを気遣いながら、待機している救急車へと連れて行った。

 

「あれ?これ、どういうことかな?」

 

スマホをチェックしていた蘭ちゃんから声が上がった。亜樹君からのメール。

 

『銃撃って、どういうことだ?』

 

『逃げろ!敵は銃を持っている。蘭を頼む!』

 

と、ある。敵?銃撃?

 

「高木君、そのアホは銃を持っているの?」

 

「持っていませんよ。なんでですか?」

 

工藤君からのメールとして、蘭ちゃんのスマホを高木君に見せた。

 

「え?工藤君が銃撃されたんですか」

 

「俺、銃声を聞いたでぇ~」

 

て、服部平次。はぁ?聞いておいて、警察へ通報しないのか?

 

「どこで聞いたんだ?」

 

「工藤と待ち合わせをした森でだ」

 

森?杯戸町にある小さな森のようだ。蘭ちゃんを救急車へ乗せて、服部平次と共に森へ捜査へ向かった。鑑識さんと森の中を調べると、数カ所で弾着した痕や跳弾した痕が見付かった。

 

「おい!警察関係者の息子だろ?なんで、銃声を聞いて通報しないんだ?」

 

「はぁ?逃亡中の上、誘拐監禁したんやで、通報なんかできるか、ボケ!」

 

なんだ、その理由は?亜樹君はどこに逃げたんだ?それとも捕まって…

 

「銃弾が3種類有りますね」

 

って、白鳥刑事。

 

「これはプロの仕業かもしれない。工藤君を狙う組織の犯行でしょう」

 

って、結論付けた。くそっ!服部平次のエリ首を左手で掴み、右手を思いっきり握り締めた。

 

「あぁぁぁ、ダメですよ。美和子さん!殴っちゃ、ダメですって」

 

高木君、千葉君に取り押さえられた私。だって…コイツが通報していれば…

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

はぁ…はぁ…はぁ…下水道に逃げ込んだのは良いが、出口が見付からない。川への合流口にはゴミの流出を妨げる鉄柵があり、抜け出られない。映画のようには行かないな。身体が濡れて、寒い…でも、工藤君を演じる僕は、そんな素振りは見せられない。どこで、見られているかわからないから。

 

静かな下水道でスマホが振動した。着信があったようだ。相手の名前を見ると『江戸川コナン』とあった。通話モードにした。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「あぁ、生きているよ。はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「今、どこにいるんだ?」

 

「マンホールに入ったのはいいけど、出口が見付からない。映画のようには行かないな」

 

「何か目印とか無いか?」

 

「さっき、川に出る口があったけど、鉄柵があって出られなかった」

 

「川?どこのだ?」

 

「逃げた場所から判断して米花町かな?あっ!電車の通過音…地下鉄かな?」

 

「米花町の方に確か、出口があったはずだ。待てよ。スマホで会話が出来るってことは、電波の届く場所にいるはずだ」

 

「そうか。どこかに出口があるのか」

 

電波強度を見て、アンテナゲージの多い方へと進む。

 

「大丈夫か?」

 

「すまないと、蘭に伝えてくれ」

 

「弱気になるなよ」

 

会話の声で、居場所が割れたのか、銃声が聞こえた。目の前の水面に波紋が広がる。

 

「敵に感づかれた。切るよ。もう少し、足掻いてみるよ」

 

通話を切った。くそっ!アンテナゲージの高い方から撃って来たようだ。

 

 

漸く出られた…だけど、海だった…岸に上がるが、身体の寒さが激しい。体力の低下も激しい。でも演じないと…僕は工藤新一だ。どこか、休める場所、隠れる場所を探す。

 

いきなり、ヘリの音が聞こえた。普通のヘリでは無い。隠れないと…

 

ズッドーン!

 

はぁ?バズーカ砲?隠れようと狙っていた岩が消し飛んだ。見付かったようだ。工藤新一として、死なないとな。華麗なステップで逃げる。しかし、足がうまく蹴り出せない。くそっ!

 

バッキュン!

 

銃声が聞こえ、足元で跳弾した。どこへ逃げる?目に入ったビルへ逃げ込むが、ビルの窓にガトリング砲を撃ち込んで来た。関係無い人達の悲鳴が上がる。くそっ!そこまでして、新一君を殺さないといけないのか?

 

ビルから出て、大通りへと出た。ヘリは追いかけてきて、目の前のガソリンスタンドが爆発した。爆風で銃撃をされたビルの方まで飛ばされた。身体中が痛い。どこか折れたかもしれないな。

 

「やっと、見つけた。ネズミボウズ♪」

 

黒い服の男が、銃口を僕に向けている。咄嗟に起き上がり、首筋を極めて意識を狩った。接近戦なら勝ち目はあるんだよ。相手の男から銃を奪い、予備の弾を奪い、使えそうな物を奪った。

 

これでヘリを落とせる。ヘリのいた大通りへ戻り、狙撃手が座っているヘリの空いている扉へ、奪った手榴弾を投げ込んだ。コントロールはいい方なので、運良く、ヘリに飛び込めた手榴弾。そして、空中で大爆発をおこした軍用ヘリ。これだけの騒ぎである。警察は来てくれるのかな?そうだ…逃げないと…路地を逃げる。逃げ回る。

 

「おい、鳥井亜樹か?」

 

知らない男に声を掛けられた。

 

「シャロンの仲間だ。こっちへ来い」

 

僕の腕を掴み、車のトランクへ押し込んだ。

 

「少し我慢をしろ」

 

トランクの扉を閉められた。もうどうにもならない。もし敵だとしたら、車ごと爆発するんだろうな。諦めた途端、僕の意識は疲れとダメージにより刈り取られた。

 

 

意識が戻るとベッドらしき物の上にいた。色々なチューブが身体に刺さっている。殺されるのかな。寒い…身体が寒い…ベッドサイドにある装置から警報音が聞こえ、意識が途絶えていく。

 

 

 

---毛利蘭---

 

ポアロの安室さんが、亜樹君を見つけてきてくれた。銃撃戦が起きたという情報をいち早くキャッチして、助けに行ってくれたそうだ。

 

亜樹君の容体は良くなかった。今は人工心肺装置を付けて、無菌室のベッドの上で、生かされている亜樹君…

 

「低体温症になったらしい。濡れた服で逃げていたせいだよ」

 

って、美和子さん。ベッドの上の亜樹君は意識が無いのに震えている。

 

「徐々に体温を上げれば助かるそうだど…脳へのダメージが問題らしい」

 

誰がこんな目に遭わせたんだ。新一に間違われたのが要因であり、新一が間接的な加害者であるのは明白である。逆に言うと、新一は本当に命を狙われているってことだ。

 

「現場は酷い状況だ。無差別テロに近い。ビルの窓は蜂の巣で、近くのガソリンスタンドは爆撃により、大爆発だった。鑑識さんによると、軍用ヘリに襲われたらしいよ」

 

軍用ヘリ?どこかの国の暗部に触れたのか、新一のヤツ…

 

「亜樹…すまない…」

 

亜樹君の姿を見て泣き崩れる男性。亜樹君の実の父親だそうだ。佐田家の当主夫妻も見えていた。

 

「弟になんてことを…許さない…」

 

亜樹君の義兄さんが怒りを露わにしている。

 

「蘭ちゃん…」

 

世良ちゃんが、気遣って抱き締めてくれた。それまで気丈に振る舞っていたけど、彼女の胸で泣く私。

 

 

 

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