※この作品はR-18です。

新そっくりなアイツ   作:もっち~!

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1学期
証拠*


 

 

為す術も無く剣姫アイズが、俺を睨んでいる。

 

「性懲りも無く、俺に虐められに来たのか?」

 

「ふざけるな!お前だけは許さない」

 

今日の俺はタコ魔神である。八本の腕でアイズを翻弄していく。何度も地面に叩き付けていく。アイズの心が折れるまで。

 

「くそっ!」

 

目に涙を浮かべ始めたアイズ。では。四本の腕で、彼女の四肢を拘束し、左右に引っ張る。

 

「痛い…」

 

残りの4本の腕で、彼女のお召し物を剥がし、全身に吸盤触手攻撃を仕掛けていく。その刺激に、顔を紅潮させて、恍惚な表情を浮かべていく剣姫アイズ。

 

「魔物に犯されるのが、好きなんだろ?」

 

耳元で囁く俺。

 

「な訳有るか…」

 

言葉とは裏腹に、刺激を愉しんでいる彼女の身体。クネクネと腰が踊っている。

 

「なぁ、ここから出ている液体はなんだ?」

 

股間の割れ目に腕を巻き付け、無数の吸盤で割れ目の中を攻撃していく。

 

「それは…」

 

 

「亜樹さんって、こんな鬼畜な作品も書かれているのですか…」

 

幽奈の声で我に返った俺。いつの間にか、幽奈、狭霧が俺の書き上げたばかりのSSに目を通していた。

 

「お前、溜まりすぎか?あの純愛ラノベの作者と思えない」

 

って狭霧が、俺の作品集を俺の前に置いた。サインを入れろってことか?

 

「まぁ、溜まった欲望をSSで抜かないと、本業に影響が出るからな」

 

プロとしての作品では鬼畜性は出せない。純愛ラノベを書いている為だ。

 

「お前、女性をこんな視線で見ているのか?」

 

狭霧に訊かれた。

 

「見てはいないが、征服欲はあるよ。だけど…」

 

夏美に視線を落とす俺。すやすやと寝ている。

 

「問題を起こすと、こいつに迷惑が掛かる。だから、SSで発散しているんだ」

 

「う~ん、私でよければ、征服しても良いですよ」

 

って、幽奈。

 

「幽霊相手に陵辱って、犯罪になりませんから」

 

真っ赤な顔で、大胆なことを言う幽奈。だが、一理有る。

 

バキ!

 

不埒な考えをした俺に、狭霧の鉄拳制裁が入った。

 

「幽奈にはするな!」

 

「狭霧ならいいのか?」

 

「何?そういう意味では無い…」

 

真っ赤な顔で狼狽える狭霧。

 

「バカな考えを持つな…私は人間だぞ…」

 

「しないよ。夏美を一人には出来ない」

 

犯罪行為で、留置場はゴメンである。

 

 

目が覚めると、幽奈が全裸で抱きついていた。狭霧は半裸で抱きついているし。何かしようって気が起きない。俺は異常なのか?こんな可愛い子に抱きつかれているのに。

 

「おはよう、お兄ちゃん」

 

って、夏美。

 

「おお、おはよう」

 

夏美が、二人を排除してくれ、俺と二人で朝風呂へ。二人と言っても、男女別の風呂場ではあるけど。朝から温泉っていいものだ。疲れが吹き飛ぶ感じだ。

 

そして、朝食へ…仲居さんの手料理、まさに宿屋の朝飯って感じの焼き魚定食である。

 

「亜樹!」

 

飯を食っていたら、狭霧に声を掛けられた。

 

「どうしたんだ?」

 

「どうしたじゃないだろ…なんで、起こしてくれないんだ。遅刻するだろ!」

 

あぁ、学校へ行く時間だな。

 

「あぁ、忘れていました。今日から、亜樹君と夏美ちゃんも学校ですよ」

 

って、仲居さん。

 

「俺達中学出ていませんけど…」

 

「大丈夫です。私の旧友が理事長をしている高校ですので、問題は無いですよ」

 

って、制服をプレゼントしてくれた。

 

「え?私も行っていいんですか?」

 

夏美が仲居さんに縋り付いている。

 

「えぇ、兄妹仲良く、学校生活をしてくださいね。私は、書き下ろしたばかりの作品が読めることが嬉しいです」

 

俺の作品のファンなので、出版前の原稿が読めることに、喜びを感じているらしい。

 

 

学校…中学は俺が登校拒否していた。登校拒否して、小説を書いていたら、賞を貰いデビューしたのだ。俺の夢見る日常を書いた小説である。家族がいて、姉妹がいて、ごく普通に毎日を過ごすだけの話である。

 

夏美は始めての学生である。いや、俺が小学生の時、一緒に登校していたけど…

 

実の所、俺には記憶が無い。夏美がいつ妹になったか、記憶が曖昧である。両親の事も記憶が曖昧で、姉はいないって記憶だけが、はっきりとしている。両親の事故の内容を知らない。いつ事故に遭ったのかも、曖昧である。俺は何者なのだろうか?俺は俺を知らないのだった。

 

仲居さんの紹介で、湯煙高校に通うことになった俺達。夏美と並んで登校する。新鮮である。いつも背中に貼り付いていた記憶しか無いし。それが、いつからの記憶だったか、あいまいであるけど。

 

夏美と同じクラスらしい。で、転校生扱いらしい。担任の先生と、教室に入り、自己紹介をした。

 

「鳥井亜樹です。コイツは妹の鳥井夏美です。よろしく」

 

「よろしくお願いします。ブラコンの夏美です」

 

って、ブラコン宣言している夏美。みんな引いているんですが…まぁ、いいか。友達なんか、作る気は無いし。

 

俺と夏美は最後列で並んだ席になった。授業は、小卒なのだが、何故かついて行ける。何故だ?

 

「お兄ちゃん、深く考えちゃダメだよ」

 

って、夏美。まぁ、そうなんだが…。夏美は相手の心が読める能力がある。なので、隠し事は出来ない。

 

休み時間、一人の男子が近寄って来た。

 

「俺は兵藤聡だ。わからないことがあったら、何でも訊いてくれ」

 

って…

 

「あぁ、そうする」

 

特に知りたいことは無い。

 

「ねぇ、あの子、誰?」

 

夏美が訊いた。夏美の指差した先には、ヘアピンをつけたカーディナルレッドのミディアムヘアーの少女がいた。夏美より胸が大きいようだ。

 

「おぉ、お目が高いですねぇ、我が校のアイドル的存在の宮崎 千紗希さんですよ」

 

「ふ~ん…」

 

夏美が何かに気が付いたようだ。霊に取り憑かれているのか?夏美はそういうのに敏感であるから。

 

 

帰り道、その千紗希が待ち伏せをしていた。

 

「ねぇ、私に何か言いたいことでもあるの?」

 

夏美に訊いた。休み時間の会話が聞こえたようだ。

 

「監視されているよ。低級霊にね」

 

って、夏美。

 

「見えるの?」

 

頷く夏美。何故か、俺にも見えるんだが…

 

「ねぇ、祓えるの?」

 

必死に懇願する千紗希。

 

「お兄ちゃんの許可があれば」

 

千紗希が俺を見つめた。しょうが無いか。

 

「夏美、祓ってやれ」

 

「うん♪」

 

夏美は嬉しそうに手刀で何かを断ち切った。俺の頼みを叶えることが嬉しい、変な妹である。

 

「でも、元を立たないとダメだよ」

 

「元?う~ん…ちょっと、一緒に来て」

 

って、俺達は千紗希の部屋に連れ込まれた。千紗希の部屋には大量の人形があった。人形自体に霊は宿っていないのか、夏美は何も言わない。そうなると呪詛の札系か?人形を一つ一つ手にしていくと、気になる一体があった。

 

「千紗希、コイツに呪詛の札が仕込まれているようだぞ」

 

「呪詛の札?」

 

夏美には解除出来ないようだ。何も言わないし。どうするかな。って、考えていると空気が揺らめいた。札が発動したようだ。

 

部屋にある人形が一斉に、千紗希の服が斬り刻み始めた。俺よりもド変態がいるのか?現実世界で、これはダメだろう。俺でもやろうと思っていないのに。徐々に全裸になっていく千紗希。脳内保存でもしておくか?って、術者を特定しないとな。

 

「夏美、式神を」

 

「お兄ちゃんの方が向いているよ」

 

そうなのか?髪の毛を2、3本抜いて、霊力のラインを追わせる。髪の毛は人型になり、ラインを追っていく。いつ、こんな能力を得たんだ?

 

「じゃ、俺達も行こうか。夏美、ラインを斬っておいて」

 

「はぁ~い」

 

手刀で何かを斬ると、千紗希は全裸で、床に倒れ込んだ。俺は、人形に埋め込まれた札を灰にした。俺には浄化能力があるのだと夏美が言う。なので、あぁ言う札類は念じるだけで灰に出来るらしい。俺は人間なんだよな?少し疑問を持つ時はあるけど。

 

 

式神もどきからの連絡で、公園に向かうとフードを被った怪しい奴がいた。

 

「逃げられないよ!」

 

夏美が強力な結界で、俺達3人を囲った。逃げようとする怪しい奴は逃げられないで、パニクっている。

 

「うん?お兄ちゃん、コイツ狸だよ。狸鍋にしようよ♪」

 

って、狐って狸の親戚では無いのか?共食いには成らないのか?少し不安である。

 

「違うよ。だから、共食いにはならないよ」

 

なるほど。狸鍋か…幽奈は喜ぶかな?

 

「待って!ボクは…悪い狸では無いです」

 

って、小学生くらいの少女姿になった狸。

 

「信楽 こゆずって、言います。一人前の変化タヌキになるため、山から人里に修行に来たのですけど、千紗希ちゃんのような身体になりたくて…日々観察、研鑽をしていました」

 

って…コイツから悪意は感じられない。エロさも感じ無い。真面目に、千紗希の身体の研究をしていたようだ。

 

「だけど、放置は出来ない。もう悪さが出来ないようにする。いいな?」

 

って、ゆらぎ荘へ連行した。仲居さんに事情を話すと、仲居さんが飼うという。一人前のお女中狸に仕上げたいらしい。まぁ、懲役刑って感じだ。

 

 

翌日、帰り道で再び、千紗希の待ち伏せを食らった。

 

「まだ、何かあるのか?」

 

「ねぇ、見たよね?」

 

「細部までは見ていないぞ」

 

俺の言葉で真っ赤な顔になる千紗希。

 

「見たんだよね?」

 

「だから、割れ目の中は見ていないって」

 

手で触れないでも見える、体表面だけしか見えていなかったし。

 

「見たんだね…ねぇ、責任を取ってよ。異性に見せた事無いのに…見たんだから」

 

「責任って?」

 

「女性の裸を見た責任よ!」

 

うん?妙なことを言う千紗希。

 

「うん?毎朝見ているが…千紗希くらいだぞ。そんな事を言うのは」

 

幽奈は毎朝全裸だし、狭霧は何故か半裸だし。

 

「毎朝…見ているの…誰のを?」

 

唖然としている千紗希。

 

「同居している地縛霊と、同じアパートの住民だけど…」

 

「地縛霊と同居?はぁ?」

 

「説明は難しい。今夜泊まれよ。明日の朝、わかるから」

 

って、夏美と俺で千紗希を持ち帰った。千紗希の家には、夏美の部屋でお泊まりと伝えさせて…

 

 

「これって…どんな状況?」

 

翌朝…夏美と共に寝ていた千紗希が、目を覚ましたようだ。今朝も全裸1名半裸1名が俺に抱きついて寝ている。

 

「よぉ、おはよう。千紗希、この地縛霊は見えるか?」

 

左側にいる幽奈の頭を撫でる俺。

 

「見えないです」

 

まぁ、普通は見えないよな。添い寝をしている二人を起こさないように、布団から抜け出し、千紗希の頭の上に手を翳した。これで、一時的に見えない物が見えるはずだ。

 

「えっ!」

 

真っ赤な顔に染まっていく千紗希。全裸の幽奈を確認が出来たようだ。

 

「毎朝、こんな感じだよ。で、不埒なマネをすると夏美が恐いしな」

 

夏美をオンブして、あやしておく。コイツ、キレると危険が一杯だし。

 

「お兄ちゃん、幽奈ちゃんと千紗希ちゃんなら、問題は無いよ」

 

って、夏美がお墨付きをくれた。それは狭霧はダメってことだな。

 

「問題無いって…夏美ちゃんの許しが…」

 

更に真っ赤になっていく千紗希。

 

「おい!幽奈、朝だぞ」

 

幽奈を起こす。

 

「あぁ、おはようございます…って、全裸ですね、今朝も…すみません」

 

恥ずかしそうに顔を赤らめて、俯く幽奈。かわいい…だけど、地縛霊で有るのが難点である。幽奈から触る分には感じるが、俺から触ると透過してしまう理不尽さ。

 

「いいよ。慣れたし、夏美も幽奈ならいいって」

 

「そうなんだ、夏美ちゃん、ありがとう」

 

背中にいる夏美が、何となく照れている感じだ。

 

「じゃ、千紗希、朝風呂へ行こう。あぁ、男女別だから、問題は無い」

 

女湯に行く千紗希と幽奈に夏美を任せ、俺は男湯へと消えた。

 

 

 

---工藤新一---

 

ワトソン役に、高木刑事の従兄弟である、愛称デコがなってくれ、亜樹の最期を調査し始めた。

 

「従兄弟から情報は取れなかったよ」

 

「そうなのか…なぁ、あの家に入れるか?」

 

「入れるけど…亜樹君のお姉さんが住んでいるから」

 

「そうか…アイツの最後の作品を、スマホで撮影してきてくれないか?」

 

もし、誰かに会っていれば、スケッチを描いている可能性が高い。

 

「うん、わかった。それが、手がかりなんですね」

 

嬉しそうに、デコが去って行った。

 

翌日、デコに呼び出された。

 

「この女性のデッサンが最後の作品だそうです」

 

黒髪で中々のスタイルである。女優か?

 

「この人に殺されたの?」

 

デコの顔が強張っていく。

 

「可能性は否定しない。だけど、彼女だと特定は出来ない。俺の方も物証を手に入れて来た」

 

ビニール袋に入っている銃弾を2発見せた。亜樹の墓から拝借してきた。なんで、こんな重大な証拠を、あんな場所に入れたんだ?

 

「それって、亜樹君達を殺した銃弾?」

 

「そうだよ。これに付いているライフルマークから、持ち主を探って見る。たぶん、持ち主は女性だ」

 

女性が隠し持つことが多い、小型の拳銃の弾である。

 

「ねぇ、分かったら、犯人を教えてください」

 

「あぁ、デコは俺のワトソンだからな」

 

 

阿笠博士の家のパソコンから、警察のデーターベースに接続し、ライフルマークから持ち主を検索してみた。ダメ元であったが、ヒットした。怪盗キャッツアイが過去に放った銃弾と一致した。

 

そうなると、亜樹の家に、安芸桜関連のお宝を盗みに入って、亜樹と出くわせたのか?いや、亜樹に限ってそれは無いか。逆に制圧する気がする。じゃ、どんなシチュエーションが考えられるんだ?

 

待てよ…キャッツアイって、ドイツの画家であるミケール・ハインツの作品のみを狙う盗賊だよな。なんで、安芸桜の作品に手を出そうとしたんだ?誰かに、強請られて、盗みに入ったのか?何か、証拠を掴まれたのか?そんなことが出来る人物は、警察関係者か…何かの証拠を手に入れて、証拠物件から排除した上で、脅迫材料にした可能性がある。

 

これって、思ったより、闇が深そうだぞ。デコを危険に晒す訳にいかねぇな。どうするか…

 

 

 

 

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