※この作品はR-18です。

新そっくりなアイツ   作:もっち~!

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三位一体

 

金曜日…雪姫先生公認の逢い引きの日である。夏美と共に、3人で先生の部屋へ向かっている。今宵はどんなプレイにするかな?妄想が脳裏で大変な事になっていくと。

 

「おい!待て!」

 

また、待ち伏せだよ。今日は誰?

 

「お前が、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだな。お命、頂戴する」

 

先生が危ないと、庇おうとしたのだが、何故か刺客は、脇目を見ずに俺に狙いを定めて…目測を誤った俺は、向けられた刃を避けられない…

 

 

 

---雪姫---

 

亜樹が私の代わりに斬られた。咄嗟のことで、私も夏美も動けないかった。しまった…取り返しの付かないことを…

 

「お兄ちゃぁぁぁぁ~ん!」

 

夏美が怒りで暴走した。マズい。いや、亜樹の器がもっとマズい。

 

「雪姫様!」

 

夏凜かぁ。

 

「夏美を正気に戻せ!」

 

敵は一人ではないようだ。マズい。囲まれている。

 

「亜樹!大丈夫か?」

 

「え?斬られているし…」

 

まゆこと狭霧か。なるほど、魔具により縛られ、亜樹の危機により、召喚されたのか。夏凜程度の攻撃では正気に戻らない夏美。私が攻撃をして、彼女を正気に戻した。

 

「おい!こっちだ。お前の妖力を貸せ!」

 

「うん」

 

「夏凜、狭霧、まゆこ!時間を稼げ、亜樹の状態がマズい」

 

頷いた二人が夏凜と共に、襲撃者達の相手をしてくれた。

 

亜樹の器が壊れ掛かっている。マズいなぁ。

 

『九重、修復の魔法陣を出す。妖力を撃ち込め』

 

亜樹の中の者が、夏美の中の者へ指示を出した。

 

「はい、お兄様」

 

亜樹の上に魔法陣が浮かび上がり、そこへ夏美が妖力を注ぎ込んでいく。

 

『エヴァ、亜樹を壊した奴を捕まえろ!』

 

エロ神からの命令だ。従わないと私が危ない。どいつだ?あの学ランを着た奴か?

 

「貴様もヴァンパイアか?」

 

私に刃を向ける学ラン男…

 

「私がエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ。お前は、違う相手を斬っただけだよ。このバカ者目!」

 

取り押さえると、コイツ、女のようだ。コイツを供物にするか。供物をエロ神に差し出した。

 

「コイツを供物にする、亜樹を助けろ、エロ神よ!」

 

亜樹が消えるとマズい。この世界に価値感を持たなくなった荒ぶる神は、この世界をリセットするに違いない。そんなことはさせられない。それでは、彼のした行為は無駄になるじゃないか。私にとっての勇者である彼の行為は…

 

『こいつじゃダメだ。夏美、魔具を付けておけ。エヴァ、回復の魔法陣を出す。そこへ魔力を注げ!』

 

亜樹の上に魔法陣が浮かんだ。そこへ全身全霊を載せて魔力を注ぎ込む。

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

離ればなれになっていた、俺の魂と自我と記憶が1つになっていく。それは現世で、何かが起きたってことだ。俺は何かを失敗したのか。ロスト直前なのか?俺は、咄嗟に逃亡した。最期に逢いたい者達に逢いに行く為に…ロストする前に一目だけでいいから…

 

まず、蘭の元へ…病室で横たわっている蘭。どうして、こんな事に?精神が壊れているようだ。なんで?新一君と幸せになったんじゃないのか?

 

次に美和子の元へ…彼女も精神が壊れ、病室で横たわっている。天職の刑事を続けていないのか?どうして…俺が悪いのか…

 

そして、デコの元へ…彼女までも精神を壊し、病室に横たわっていた。大学生として、生き生きとして欲しかったのに…俺のせいなのか…

 

紅子の元…彼女もか…なんでだよ~!

 

最後に瞳の元へ…病魔により病室に横たわっていた。俺が起因しているのか…みんな、病院に入院だって…どうして…俺が罪深い大罪人だからか?俺一人で罰を受けきれないから、蘭達にも罰が溢れたのか…俺は俺を呪った。産まれ無きゃ良かった。くそぉぉぉぉ~!

 

『お前のせいでは無い!』

 

脳裏に響く声…

 

『お願いです。もっと、俺に重い罰をたくさん科してください。その代わり、彼女達に幸を与えてください』

 

『お前が全てを背負うな!』

 

『もっと過酷な罰を科して下さい。だから、彼女達に幸せな人生を授けてください。お願いします』

 

俺は誠心誠意、神様に祈った。この身がボロボロになっても良い。彼女達が幸せになれば…俺なんか、産まれて来なければ良かったんだ…出逢わなきゃ良かった…

 

 

 

---雪姫---

 

襲撃者達は、実行犯を残して逃げていった。ひとまず、仙境館に亜樹を運び込む。夏美、夏凜、まゆこ、狭霧が付いて来た。あぁ、実行犯もだ。夏美に魔具『奴隷の首輪』を嵌められたから。

 

「亜樹はどうなんだ?ねぇ、先生」

 

心配そうな表情の狭霧に訊かれた。

 

「思わしくないなぁ。器はまだ完全に修復されていないから」

 

「雪姫様の血液を飲ませれば、どうですか?」

 

夏凜が提案してきた。私の血を飲めば、バンパイアとなり、再生能力が持てるのだが、生き物限定である。

 

「コイツは生物では無いから、効果は無い」

 

「生物では無い?」

 

怪訝な表情でまゆこが驚きの声を上げた。

 

「あぁ、コイツは単なるアイテムだ。人間を辞めた人札なんだよ」

 

無念だったろうな…この世を救った英雄なのに、行き末がこれでは。以前、エロ神が言っていた。『人間は愚かで醜い生き物だ』と。確かにそうだ。最厄なる存在を倒した瞬間には英雄だと持ち上げ、その直後にはゴミのような扱いで、歴史にも残らない存在だった。まったく愚かで、醜い扱い方である。

 

「あのヨルダを倒したと言う?」

 

「その英雄の残り滓だ…この世への未練の塊だよ」

 

「まさか、実在したとは…」

 

「魔力が足り無い…どうするか」

 

エロ神の魔法陣を発動できるのは、夏美の中の九尾の狐と私だけであるが、先程出し切った為、もう発動する程の力は残っていない。

 

『お待たせ♪チャージしてきたよ』

 

エロ神の声だ。どこかでエネルギーをチャージしてきたようだ。亜樹の身体が緑色の光に包まれていく。そして、徐々に光が霧散していく。

 

「ここは…」

 

亜樹の意識が戻って来たようだ。

 

 

 

---久賀秋音---

 

伝説級の英雄の残り滓…それが彼の正体だった。彼に魂は無い。魂の代わりにエロ神が憑依しているそうだ。彼の身体は、彼の精神と想いだけを収めるホムンクルスだそうだ。記憶は、魂を提供してくれる本物の鳥井亜樹の記憶をベースに、新しい器になってからの記憶しかなく、ねつ造された記憶で足り無い記憶を補っており、英雄だった頃の記憶は無い上、自分を人間だと思っているそうだ。

 

「まゆこ、コイツに真実を話すのはタブーだ。以前、話そうとして、エロ神に躾けられたよ」

 

って、雪姫先生。先生も伝説級のバンパイアらしい。同級生の夏凜は元聖女の不死者だと言う。あやか市は、こういう人外が普通に生活しているので、紛らわしいんだけど。先生は以前、エロ神と交戦という名の躾を受けているそうだ。先日も、心が折れる程のダメージを負わされたそうだ。そして、エロ神というのは自称であり、実際は、ラスボスクラスの荒ぶる神だという。

 

「夏美は何?」

 

って、狭霧が訊いた。彼女は、誅魔忍軍という悪い魔物を退治する組織の者だという。

 

「夏美の本体は、エロ神の義理の妹の九尾の狐が、人化した姿だ。夏美って言う名前は、実在した亜樹の妹の名前だったそうだ」

 

なるほど。ペットでは無く、亜樹君のガードなんだな。彼女も…

 

「ホムンクルスは安定したし、しばらく寝かしておけば、大丈夫だ。で、お前は、何故亜樹を斬ったんだ?」

 

実行犯の女を尋問する先生。って、この子、性同一性障害なのか?精神は男で身体は女性のようだけど…

 

「神鳴流の剣士で、『エヴァンジェリンの抹殺』の命を受けたんだ」

 

神鳴流とは、不死者狩りを生業とする組織である。

 

「貴様も不死者のようだが?」

 

神鳴流なのに、不死者なのか…

 

「あぁ、その通りだよ」

 

「名前はなんて言うんだ?」

 

「時坂 九郎丸だ」

 

「そうそう、まゆこよ、コイツは性同一性障害では無い。こいつは八咫の烏だ。成人になるまで、性別が未分化なんだ。要するに、こいつも人間では無い」

 

そうなんだ。まるで分からなかった。

 

「あやか市ならではだ。この程度の人外は人間に扱われるんだ」

 

ここは人外の巣窟だものね。

 

「九郎丸よ、お前の首には魔具が嵌められている。狭霧、まゆこにもだ。お前らは亜樹が危機の際に召喚される。亜樹の親衛隊みたいな物だ」

 

見た目には見えない。触っても何も無い。だけど、確実に嵌められている。さっき、いきなり召喚されたのは事実だ。

 

「逆らうことは出来ない。その魔具には、強制執行能力が付加されている。更に言うと、亜樹以外とは交われない。その上、亜樹の子供は身ごもれない。亜樹専用の肉便器になるのだ。まったく、あの鬼畜と来たら…」

 

亜樹君の守護神のエロ神は、鬼畜らしい。亜樹君の為には、手段や方法は選ばないようだ。

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

週末は潰れてしまった。気づいたら月曜の朝になっていた。先生の代わりに斬られて、そのまま、月曜の朝まで寝ていたらしい。なんか、損した気分である。目覚めると、全裸の幽奈と全裸の狭霧が抱きついて居た。なんか得した気分だ。

 

学校へ行くと、また転校生だという。面倒なのでモブ化している。

 

「時坂九郎丸だ。亜樹!気配を消すな!」

 

う~ん、先生に見付かるのが難点である。今日も呼び出しか?身構える俺。だけど、セーフらしい。金曜の夜に夜這いに行けなかったから、怒っているのか?

 

 

うん?

 

「なぁ、アイツの名前は何て言うんだ?」

 

放課後、千紗希に訊いた。

 

「田代 貴子さんよ。好み?」

 

「違うよ。アイツに死神が憑いているんだけど…」

 

「え!」

 

貴子は友達達と帰っていく。

 

「ねぇ、助けてあげてよ~」

 

って、千紗希。

 

「わかった」

 

「僕も行く」

 

って、九郎丸が何故か付いて来た。

 

商店街を歩く貴子。友達と別れて、一人で駅に向かっているようだ。

 

「九郎丸、死神がカマを振り上げたぞ」

 

周囲を警戒する九郎丸。が、貴子の方から衝撃音が聞こえた。前方から走ってきた車にはねられて、宙を浮く貴子。俺は咄嗟に走り出し、地面に激突する前に貴子をキャッチした。死神のカマが貴子と魂を繋ぐリンクを斬ろうとしている。そこに夏美の手刀が入り、死神のカマを破壊した。狼狽える死神。

 

貴子の容体は良く無い。

 

「千紗希!救急車を呼べ!」

 

「うん」

 

「九郎丸、夏美の援護を頼む。お前には見えるはずだ」

 

「わかった」

 

貴子に治癒術を掛ける。貴子の身体が緑色の光に包まれていく。救急車が来るまで、俺の魔力は保つかな。

 

 

結果、貴子は命を拾えたようだ。で、貴子を刎ねた車は、行方をくらました。たぶん、死神が操っていたのだろう。

 

「で?なんで?千紗希が男湯にいるんだ?」

 

疲れを癒やす為に、湯治している俺。その隣に千紗希がいた。

 

「ここの温泉、気になっていたのよ」

 

って、千紗希と九郎丸が入っている。まぁ、九郎丸は男だからいいけど。何故、千紗希は女湯に入らないんだ?何故、千紗希は全裸で、九郎丸はバスタオルを巻いているんだ?現実は希有なモノだ。

 

「ねぇ、効能は?」

 

「疲労回復、冷え性改善、美肌の湯だよ」

 

千紗希の問いに応える全裸の狭霧。ここの男湯の意味があるのか?これでは混浴では無いのか?まぁ、千紗希も狭霧も、全裸は見ているので、動揺はしないけど。

 

「いいなぁ、毎日入れて」

 

俺の腕に抱きついて、呟いた千紗希。

 

「九郎丸のとこも温泉あるだろ?」

 

「有るよ」

 

「みんな、ズルい!」

 

って、言われてもなぁ…腕が千紗希の谷間に…マズい、反応してきた。

 

 

千紗希と九郎丸は、夕食も食べていくようだ。

 

「どうです?仙境館の食事と比べて」

 

仲居さんが九郎丸に訊いている。ライバルの下宿屋の食事事情をリサーチしているようだ。

 

「ここの方が美味しいです」

 

「そうですか♪そうそう、亜樹君、今度、寿荘の食事をリサーチして来て下さいね」

 

って。それって、稲葉のいる下宿だっけ?秋音もいるか。

 

「あそこの食事はサイコーって呼び声が高いんですよ~」

 

ライバルなのか…

 

「わかりました。食べてきます」

 

食後、千紗希を送り、九郎丸を何故か送り、仙境館では夜這いをせずに帰った俺。性欲が湧いてこないし。疲労回復しきっていないのか?

 

 

翌日の放課後、秋音を探しに、上級生のクラスを訪れた。そこには、あの万年処女女がいた。そうか、クラスメイトだったのか。

 

「お前…何のようだ?」

 

戦々恐々とした夏凜が寄って来た。

 

「秋音は?」

 

夏凜が秋音を呼んでくれた。狭霧は隣のクラスか?いないなぁ…

 

「どうしたの?」

 

「今夜はお前の部屋に行く」

 

「え?なんで?」

 

目を見開いて俺を見る秋音。

 

「決定事項だよ♪」

 

「う~ん…何をするのよ~」

 

「色々と…」

 

まだ、ノープランではあるが、幽奈がこっそり付いてくる予定である。

 

「ご愁傷様」

 

って、夏凜が秋音に囁いた。

 

 

寿荘に秋音と訪れた。

 

「え!秋音ちゃんが男連れだと!」

 

ヤジ馬が群がっている。その中に稲葉もいる。

 

「鳥井…秋音さんとそういう関係なのか?」

 

頷く俺。

 

「違うって…」

 

真っ赤な顔で否定する秋音。で、二人で秋音の部屋へ…そこには幽奈が待機していて…

 

「何をするの?」

 

「食事前に軽く運動するか?」

 

秋音を引き寄せ、胸の感触を愉しむ。幽奈がこっそりと秋音に憑依した。

 

「いきなり…ダメ…感じる…」

 

秋音の顔は既に茹だっている。下腹部からフェロモンが漂っている。スカートとパンストを脱がした。

 

「もう、こんなだけど…」

 

「もうダメ…お願い…」

 

ゆっくりとグジュグジュなパンティーへモノをあてがっていく。

 

「焦らすの?ダメ…お願いだから」

 

涙目の秋音。悶悶としている上、幽奈が入っている為、積極的にスキンシップをしたくなっているはずだ。唇を重ね、彼女の呼吸とシンクロさせていく。徐々に一体感を感じる。交わらないでも、一体になっていく。これが三位一体って奴か?秋音の腰がリズミカルに動き出した。布地を透過して、秋音の中に入っていく。秋音のリズムは心地良い。疲れが吹き飛びそうだ。

 

「下さい…」

 

秋音の中で大量に放出して果てた。三人で川の字となり、しばしのお昼寝。その後、二人でお風呂に入り、食事タイムだ。

 

「旨い…」

 

「そう…美味しいって、るり子さん」

 

るり子さんは手首だけの幽霊のようだ。地縛霊なのか?

 

「るり子さんに惚れても、身体は無いからね」

 

って、秋音。

 

「秋音って彼女がいるのに、浮気はしないよ」

 

実際は、秋音の身体に入った幽奈がいるのに、浮気はしないであるが。

 

「えぇぇぇ~!秋音ちゃんの彼氏なの?」

 

ここでも注目を浴びる秋音。男運が無いのか?こんなにも気持ちの良い身体なのに。食べず嫌いなのか?ここのオス達は…

 

「彼氏じゃない~」

 

顔を真っ赤にして否定する秋音。

 

「じゃ、何?」

 

あれ?知り合いに似ているけど…

 

「一色先生?」

 

「あれ?鈴木君?」

 

1回出版社で会った気がする。

 

「おぉ~鈴木一郎君では無いか。奇遇だねぇ」

 

知り合いの一色黎明先生だ。童話作家であり、詩人として有名である。

 

「鈴木一郎?あの?純愛ラノベ作家の?」

 

秋音が驚いている。そう言えば、秋音の本名って、鈴木だっけ?

 

「そうだよ。え?知らないで付き合っていたのかい?」

 

「知らなかった…こんなにも鬼畜なのに、純愛物を書いているの?」

 

書いているんです。仕事ですから…

 

「ショック…」

 

「そうか、鈴木君の彼女だったのか。だから、秋音ちゃんの彼氏だからペンネームが鈴木なのか」

 

って、一色先生も気づいたようだ。

 

「うそっ!偶然ですよ…本当に…あぁ、なんて偶然なの…」

 

「なるほど…本名の亜樹から秋音にしたのかな?」

 

俺も気づかなかったことに気づく一色先生。更に顔が茹だって行く、俺の彼女ってことになった秋音。それ以上に俺が純愛物を書いていることがショックだったようだけど。

 

 

秋音の部屋…肉同士の叩き合う音がする。部屋は二人の汗と体液の臭いが充満している。突いても突いても、枯れない秋音の洞窟。幽奈は憑依し、愛し合い、幽奈が休んで秋音と愛し合う。一人の女体で二人の女性と愛し合えるとは…事実は奇なる物である。

 

明け方、幽奈が俺達の部屋に戻されていく。俺は秋音の身体を布団にして、しばしの睡眠を取った。

 

 

秋音と共に朝風呂を浴び、食堂へ。

 

「昨夜は激しかったですね」

 

って、稲葉。

 

「夕士君、コイツ、タフ過ぎるよ。寝たのは明け方だよ。朝から怠いよ」

 

う~ん、旨い。品数が多いし。仲居さんが嫉妬してしまうかな。

 

「なんで、タフなの?」

 

って、秋音。

 

「今夜もか?秋音は好き者なんだな」

 

「え?今夜?今夜はバイトだよ。ダメだって…」

 

ダメなのか。残念だ。秋音は真っ赤な顔をして、豪快に飯を食っていた。

 

そして、学校へ…

 

「亜樹!昨日はどこへ夜這いだ?」

 

って、雪姫先生。ホームルームで訊く話では無いだろうに。って、どうしてバレているんだ?

 

「また、夜這いしたの?」

 

って、千紗希。

 

「いや、明るい内から行ったから、夜這いでは無いと思う」

 

「問題はそこじゃ無いと思うよ」

 

って、九郎丸。

 

そして、放課後…夏美と二人だと待ち伏せが恐い。いや、雪姫先生がいても待ち伏せはされたか。クラブ活動した方がいいのかな?などと考えながら、夏美と九郎丸の3人で帰路に着いた。なんで、九郎丸が懐いたんだ?俺は男に興味は無いのだが。

 

「待て!」

 

今日は誰が待ち伏せだ?視線を向けると、うちの学校の制服である。見た事のない顔だが。

 

「お前、誰だ?」

 

「春原 菜々だ。鈴木まゆこのクラスメイトだよ」

 

秋音と夏凜のクラスメイトらしい。

 

「何の用?」

 

「まゆこの彼氏を奪おうと思ってね」

 

スルーして帰路に着く。

 

「おぉ~い、待て!」

 

俺の腕を掴むと、どこかへと連れて行かれる。危険性を感じ無いのか、夏美は付いて来ない。九郎丸は唖然としているし。

 

連れ込まれたのは菜々の家のようだ。ここも下宿屋か?『すのはら荘』って看板があった。

 

「菜々、お友達かしら?」

 

目の前に、巨大な物をお持ちでありながら、スタイル抜群の女性が現れた。俺はその巨大な物に目を奪われた。物理的に有り得ない大きさである。あんな大きな物が入るサイズのブラって存在するのか…

 

「どうしたの?私の顔に何かついているかしら?」

 

「おい!お前、まさか、姉ちゃんに惚れたのか?」

 

菜々の姉なのか?惚れた訳では無い。あの巨大な物に興味があるのだ。

 

「あらあら、どうしたの?」

 

俺は菜々の姉に抱きついていた。なんだ、この柔らかな物は…普通、こんだけデカいとジャマなのに、全然ジャマにならない。

 

「おい!私の彼氏だよ~」

 

菜々の彼氏になった覚えは無い。菜々の姉の頬に頬を重ねた。柔らかくて吸い付くようだ。

 

「えっ!そんな…」

 

下腹部からフェロモンの臭いが漂っている。彼女の太股辺りには震えている。ハグしただけで、こんなことになるのか?何かしたら、どうなるんだ?興味はソッチへと移っていく。

 

「ここでは…私の部屋に来てください」

 

恥ずかしそうに言う彼女。俺は彼女に、お持ち帰りされた。

 

 

 

---妃英里---

 

蘭が意識を取り戻した。もう混乱している様子も無い。だけど…

 

「亜樹君がねぇ、お見舞いに来てくれたの」

 

嬉しそうに話す蘭。有り得ない。彼はもう…

 

「私に謝るのよ。ごめん、俺のせいで…って。亜樹君のせいじゃないのに。早く元気になって、亜樹君の心配を取り除かないとねぇ。死にたがり病が再発する前にねぇ」

 

明るく抱負を語るけど、彼は既に…でも、真実を言えない。こんなにも、前向きな事を、口にしている娘に対して…

 

「そうね。早く元気にならないと。亜樹君が心配しまくるわよ」

 

「うん、がんばるよ、お母さん」

 

 

 

---佐藤美和子---

 

亜樹君が来てくれた。死にきれないのかな?私を心配して、傍にいてくれているのかな?傍に行きたいけど…拒否されちゃうかもしれない。こんなに弱々しい私は、彼の好みでは無いだろうし。

 

少しずつ、退院出来る様に努力をしていく。だけど、一度失った体力や筋力は元には戻らないらしい。日常生活は問題は無いらしいけど、刑事という仕事は無理なようだ。

 

亜樹君…どうしよう…あの時、刑事を辞めて、君の傍にいれば良かった。こんな事になるなら…休職扱いが退職に変わった。次の日から、塞ぎ込む日が続く。何を目標に生きて行けばいいのだろうか?生きる目的がわからない。たすけて…亜樹君…

 

 

 

 

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