---高木渉---
退院した従兄弟のデコと共に、亜樹君のお墓に…
「本当に死んだの?」
デコの瞼は腫れていた。退院後、未だに毎日泣き濡れているらしい。
「実際のところ、生死は不明らしい」
嘘偽りない情報を伝える。
「誰も死体を見ていないからね」
いや、見たと思われる人はいる。あの日から、壊れてしまった美和子さん。彼女は最期の時を一緒に過ごしたのだろう。冷静沈着な彼女の、あの尋常では無い状態は、それを物語って居るように思えた。
「ねぇ、生きているかもしれないの?」
お墓に手をあわせながら、訊いて来たデコ。
「あぁ、その可能性は低いが、否定は出来ない。そもそも、このお墓には亜樹君が入っていないから」
彼が死んだという証の証拠物件は、工藤新一君の手により奪われて、その後行方不明になっている。生きた証は何も残っていないけど、唯一生きていた証だった、彼を死に至らしめた弾丸は、もう無いのだ。
「生きていた証が、死に至った物だけなんて…亜樹君がかわいそうだよ」
デコの目から、再び涙が湧き出した。俺もそう思う。二代目安芸桜や栗井鳥栖としての作品は多々残っているが、鳥井亜樹個人としての品物は何も残っていない。
「どこかで生きていて欲しいなぁ…亜樹君…」
デコは顔を上げ、遠くの青空を見上げていた。
---鳥井亜樹---
ホームルームの時間…いきなり、何の前触れも無く…
「おい!亜樹!お前、放課後に生活指導室へ行け!」
と雪姫先生。先生の部屋では無くて?
「生活指導って?」
「お前の異性関係に嫉妬した葉山が、生活指導の先生に密告したそうだ」
密告?葉山って誰?
「先生…名前を挙げるって、卑怯です」
知らない男子生徒が立ち上がって抗議している。アイツが葉山か…
「密告の方が卑怯だろ?まず、このホームルームの時間に問題を提起して、クラス内で討論すべきでは無いのか?」
「そんなレベルでは無いでしょ?高校生らしからぬ行動をしているんですよ、彼は!」
俺って、そんな高レベルな生活していたかな?
「それは、葉山。貴様の価値感だろ?亜樹に関して言えば、異性関係はだらしないが、それ以外の問題は無い。寧ろ、クラス内に蔓延る虐め問題の方が深刻だと思うがな」
「先生はおかしい!」
先生と葉山の口論が熱い。ここは静観だな。下手に介入すると、問題がこじれそうだ。
「今度は教育委員会に、私を密告するのかな?私からすれば、お前の方が問題児だ。クラス内カースト制度の頂点だと?それが虐めの温床だと、何故わからぬのだ?」
先生がいつになく熱い。
「うっ…」
葉山が痛い所を突かれたのか、次の言葉は出なかった。では、挙手をしてから
「先生!そこへ行けばいいんですね」
と、訊いてみた。
「そうだ」
まぁ、人間と人外では道徳観が違うからな。クラス内にカースト制度か。まったく、愚かな王様だな、葉山は…人間は皆平等であるべきである。格を重んじるバンパイアである先生が、唱えるなら問題は無いが。
◇
放課後、生活指導の先生の部屋へ。生活指導の先生は、平塚 静という女性である。黒髪ロングに巨乳である。魔乳を知ってしまうと、巨乳すら普通に見えてしまうのが問題であるが。静は見た目がきつそうで、強気のようだ。こういう女性の心を折りたい…妄想が広がっていく。
「お前が鳥井亜樹か?学内にセフレがいると、情報が入ったのだが。本当か?」
「男がいて、女がいて、心が合えば、そうなるのでは?」
瞬動術で先生の懐に入り込み、抱きついて退路を断ってから、唇を重ねた。俺の行動に、抵抗をする先生。背中に手を回し、ブラのホックを外し、胸を弄った。それでも抵抗をするので、股間に指を這わしていく。
「うっ!」
強気な女性の涙目…いい表情である。
「俺が先生の生活を指導してあげるよ」
「お前…」
「あれ?パンティーがグジョグジョだけど、どうしたの?まさか、生徒に発情したの?」
「貴様…」
怒りでワナワナ震えている先生のブラウスのボタンを外して、胸を観賞。
「乳首が立っていて、薄ピンクとは…あれあれ、未経験かな?」
「うっ!だから、なんだ…」
まだ、心が折れないようだ。では…谷間に顔を埋め、沢を舐めた。
「静ちゃんの味、悪く無いねぇ~」
と、耳元で囁くと、耳が薄紅色に染まっていく。それを舐め、ハムハムしていく。
「やめろ…」
消えそうな声で、抵抗する先生。グジョグジョなパンティを脱がして、ダイレクトに指を這わせていく。
「やめて…お願い…」
顔を横に向け、弱々しい声で抗議してきた。え?もう、折れたの?これからだよ。こ、れ、か、ら♪
静と交わり、気持ち良さを指導していく。
「あっ…うぅぅぅぅ~」
あれ?除幕式だったようだ。初めてなのか。ではソフトに。
グショ、グショ
と、突く度に音がする。体液の出は良いようだ。感じ易いのか…
「あぁぁぁぁぁぁ~…ダメ…気持ちいい…」
突起物が更に突起している。口を半開きにして、恍惚な世界へと旅立っている静。彼女から離れて、衣服を調えた。で、何をどう指導するつもりだったんだ?静の記憶を、亘が読み取ると、俺に奉仕部ってクラブ活動をさせて、社会復帰を目指すように仕向ける予定だったようだ。奉仕部って、何だ?生活指導を終えたので、取り敢えず部屋を出た。廊下にはデフォルトの夏美、九郎丸に千紗希と雪乃がいた。
「どんな指導?」
千紗希に訊かれた。
「奉仕部でクラブ活動だって。奉仕部って何だ?」
苦虫を潰したような千紗希の顔。対照的に、雪乃は喜んでいるけど。なんでだ?
「私と同じクラブです」
って、雪乃。
「ユキノン、ズルい~」
抗議する千紗希。それは、雪乃が問題児ってことか?
「部室はこちらです」
雪乃の案内で、奉仕部の部室を目指した。
◇
部室といっても、ただの空き教室のようだ。誰もいないし。
「好きな場所に座って。今、お茶を淹れるね」
雪乃が紅茶を淹れてくれた。
「で、活動内容は?」
「ここに持ち込まれた問題を解決することよ」
雪乃は、あの事件後に、このクラブへ飛ばされたらしい。静によるリハビリらしいのだが、これでは幽閉では無いのか?問題の隠蔽か?
ガラッ!
「やっはろ~!」
肩まで伸びる茶髪に、胸元を強調したような制服の着こなしをした生徒が入って来た
「お客さん?」
「部員よ」
「誰?」
「え?!クラスメイトですよ。彼女は由比ヶ浜 結衣さん」
雪乃の説明…見た事無いなぁ。
「どうして、鳥井兄妹と九郎丸君が?」
今度は、結衣が雪乃に訊いた。
「亜樹君が入部決定。たぶん、夏美ちゃんと九郎丸君も入部だろうね」
「夏美、こんなのいた?」
「いたかな?」
首を傾げる夏美。
「いたよ」
九郎丸が証言をした。なら、クラスにいるんだろうな。
「え?私って、そんなに存在感が無かったの…」
落ち込んでいる結衣。
「お兄ちゃんは顔じゃなくて、身体で覚えているから…」
苦笑いしている夏美。あれ?そうなのか?
「え!それって、雪乃は身体を見せたの?」
「うん?見られたよ。触られたし」
平然と応える雪乃。その言動にショックを受けた結衣。
「見られた上に触られた…それって、彼のセフレってこと?」
「私は違うわよ。まだ、そこまでの関係では無いわ」
「まだ?」
「千紗希だって、未だだし」
「え…千紗希…も見られたってこと?」
「一緒にお風呂入っているそうよ」
「ガーーーン!」
何にかにショックを受けているのだろうか?
コンコン!
ノックの後に扉が開き、狭霧と夏凜が入って来た。
「雪姫さ…いや先生に言われて、入部だ」
って夏凜。
「亜樹!学校内でやらかすな!」
って狭霧。なんか、やらかしたっけ?
「私達が、こいつの監視役になるように言われた」
って、夏凜。あぁ、静の件かな。雪姫先生にバレたのか…
「え?!結城先輩と雨野先輩と、知り合いなの?」
結衣が驚いている。
「お前、夏凜と狭霧を知っているのか?」
「2年生で1,2を争うお姉様キャラですよ。1年の女子の間では有名なんです。って、まさか…」
結衣の顔から血の気が引いていく。忙しい奴だな。
「お前が想像した通りだ」
って、夏凜。
「えぇぇぇぇぇぇ~!このケダモノのセフレなんですかぁぁぁぁぁ~!」
結衣の言葉で、耳を紅く染める夏凜と狭霧。
「内緒だぞ!」
ガラッ!
うん?今度は菜々が入って来た。
「入部希望です♪」
「春原先輩は生徒会副会長ですよ」
って、結衣。へぇ~、そんなに人望があるのか?
「だから?亜樹が寂しがると、可哀想だからさぁ」
菜々は、幽奈の優良な憑依先故、粗末には出来ない。
「そうか、ありがとう」
「なに、お前と私の仲だろ♪」
「まさか…」
結衣の顔から、再び血の気が失せていく。本当に忙しい奴だな。
「うん?まさか?そうだよ!亜樹の彼女だよ」
「ダウト!」
これは否定しておく。
「え?違う?あぁ、正確に言うと、亜樹の彼女の憑依先か」
「ビンゴ!」
これは正解だ。
「憑依先?鳥井君の彼女って?」
「地縛霊だけど、何か?」
ドスン!
うん?結衣が腰を抜かしたようだ。何を驚いているんだ?
その後、雪乃から、菜々を除いて、全員霊能者って説明がなされた。狭霧以外は違うのだけど、問題が更に大きくなるのでスルーした。
「霊能者だから、地縛霊が彼女なの?」
「そういう訳では無いが…たまたまだ」
「そうだ、亜樹!雪姫先生が夜、部屋に来いってよ。お前がやらかした件だと」
夏凜の目は鋭い。この場で襲い掛かりたい衝動が産まれるが、がまんする。目撃者が多すぎる。俺の雰囲気を読んで、夏凜の耳が朱く染まっていく。襲われたいのか…う~ん…
◇
客が来ないので、雪乃と話をしていると、マンションに一人暮らしで、夜は気が滅入っているようなことを言う。
「ならば、越してくれば?狭霧、部屋はまだあるだろ?」
「あぁ、女性なら問題は無い」
「いいの?亜樹君と同じ屋根の下で暮らしても」
雪乃は結衣へ挑発するような視線を送っている。
「え!同棲?それはまずいよ~」
「俺は下宿住まいだよ。狭霧と同じ下宿だし。俺の部屋には夏美と幽奈が一緒だし」
いや、狭霧も一緒と言っても、過言では無い気がする。毎朝、何故かいるし。
「いいな…」
「結衣は自宅住まいでしょ?」
「そうなんだよ~」
何故か残念そうな結衣。仲間外れ嫌い系かな?
「ねぇ、引っ越しを手伝ってくれる?」
「今日、引っ越すか?」
「え?今日?引っ越し業者さんは?」
「いらないよ。俺には転移術がある」
「「転移術?」」
雪乃と結衣が同時に疑問の声を上げた。
「転移術とは、人や物を行ったことのある場所へ、転移させる術だよ。これなら、引っ越し代は掛からないよ。ちょっと大家さんに訊いてくるね」
仲居さんの元へ転移して、事情を話し、部屋を割り当てて貰い、部室へ転移して戻った。
「雪乃、大丈夫だって。家賃は月2万でまかないと温泉付きだそうだよ」
「え!格安過ぎる上、温泉付きって…」
結衣が更に驚いている。でも俺の家賃の倍なんだけど…
「問題を起こすと厄介だ。私も付いて行くぞ」
って、夏凜。夏美、九郎丸、狭霧はデフォなのか、声を上げない。
◇
引っ越しは無事終わった。皆で温泉で疲れを取る。何故か、皆男湯にいるのは、どういう事だ?九郎丸以外は全裸だし…結衣は入らずに脱衣所にいるし。夏美は部屋で幽奈の膝枕で寝ている。人化姿って妖力を消費するらしい。
「これからは、毎日、亜樹君とお風呂タイムだわ♪」
嬉しそうに語る雪乃。
「そうなると、問題が起きないか、私も毎日一緒に入るぞ」
って、夏凜。お前の下宿にも温泉があるだろうに…
「私も引っ越そうかな?」
って、菜々。
「お前はダメだ。って、いうか、お前の家、下宿屋だろ?それに魔乳が越してきたら、どう責任を取るんだ?」
「あぁ~、姉ちゃんか…そうだな。そこが大問題だな」
彩花が参入すると、菜々の出番は消える運命である。どう姉を遠ざけるかを日々、考えているらしい。
お風呂から上がり、夕食タイム。結衣も一緒に食事していくらしい。
「スゴい…旅館みたいな食事だよ」
いや、ここは旅館の食事しか出ないんだよ。とは、言えず…
夕食後、結衣と夏凜、九郎丸を送りに行く。九郎丸と夏凜は送らないでも、問題無い気がするのだが…きっと、俺より強いだろうし。
仙境館に着くと、雪姫先生が待っていた。そう言えば、呼び出されていたような…
「どういうことかな?夏凜と九郎丸がいて、どうしてこんな時間になるんだ?あっ!お前ら…温泉と食事をしたのか!」
二人の顔から血の気が引いていく。二人共、任務を忘れていたようだ。
「そんなに怒るなよ」
先生に抱きつく俺。おぉぉぉぉ~♪ノーブラでノーパンでは無いか…
「おい!ここでは止せ!私の部屋へ来い!」
先生により、先生の部屋へ連れ込まれた。
「で、平塚先生にした行為は、なんだ?」
バレていた。いや、バレるか…
「男がいて、女がいれば、どうなるかを説明しただけです」
「説明?実演しただろ?学校では止めろ!いいな」
ここならいいのか?
「口で奉仕して」
先生に命令すると、跪いて、僕のアレを口に咥え、口全体を使って奉仕してくれた。
「谷間に包み込んで、気持ち良くしてくれる?」
全裸になった先生は、谷間に僕のアレを挟んで、先端を舌でレロレロしてくれた。
「先生の体内で、至福を与えてくれる?」
先生の体内に誘導して貰い、騎乗位状態で、僕のアレを噴火させてくれた。
「貴様…いつの間に魔具を…」
『随分、昔にだよ、エヴァ♪』
僕の中の人が、魔具を取り憑けていたようだ。なので、僕の命令に忠実だったようだ。
「おい、亜樹!学校ではするなよ!」
「もう1ラウンド、お願いします」
「へ?今日は金曜で無いぞ…」
困ったような顔の先生。なんか、かわいいんだけど…
◇
翌日、学校へ行くと千紗希が寄って来た。
「ユキノン、ズルいよ~」
って…結衣が密告したようだ、
「お家賃が節約できました♪」
嬉しそうな表情の雪乃。
「そういう問題はあるかもしれないけど…ズルい、ズルすぎるよ~」
「でも、朝は競争率激しいから、亜樹君との添い寝は無理みたい」
「鳥井と添い寝?」
兵藤が反応した。いや、教室内の男子全員が反応した気がする。耳を澄まして聞いているのか?
「うん♪亜樹君の彼女と雨野先輩がいるんだもの、入る余地が無いよ」
「彼女…雨野先輩…お前って奴は!一人締めするなぁぁぁぁぁ~!」
兵藤が無茶を言う。幽奈以外は、不可抗力である。あくまで、相手の意志による行動だし。俺も望んではいない。
「雨野先輩まで、毒牙に掛けたのかぁぁぁぁぁ~!」
狭霧が毒牙に掛かるとは思えない。
「雪ノ下さん、どういうことかな?」
葉山が訊いてきた。
「亜樹君と同じ下宿に引っ越しをしたの。これからは同じ屋根の下で、暮らすのよ」
葉山の表情が険しくなっていく。
「不純異性行為の温床だな、その下宿屋は」
どこに密告するんだ?たぶん、人間が人外地区に口出しは出来ないと思うが…
「即刻、鳥井君、そこからの退去を命じる」
「お前に命じられて、従う訳無いだろ?あんな格安物件は無いし」
「同じ条件の場所なら、退去してくれるのか?」
「あるならな。温泉、まかない付きで付き1万円だ。あるのか?」
「はぁ!なんだ、その格安感は…」
兵藤が驚きの声を上げ、葉山は絶句状態のようだ。
「え?!私の半額なの?夏美ちゃんの分込みでだよね?」
冷静な反応は雪乃だ。
「あぁ。幽奈との同居が条件だったから」
「あぁ~、なるほどね。確かに普通の人じゃ、無理だものね」
「えっ!部屋に彼女が付いていたのかぁぁぁぁぁぁ?」
兵藤は驚きの声を上げた。
「おい!やかましいぞ!」
いつの間にか雪姫先生がいた。昨晩、金曜では無いのに、やり過ぎたので、機嫌が悪そうだ。
「葉山、お前、いつから、そんなエラくなったんだ?鳥井に下宿からの退去を命じるだと!」
え?そんな前からいたのか…モブ化して拝聴してましたね。
「だって、そうでしょ!不純異性行為の温床ですよ!」
「気に入らない奴は、出て行けか…ふん!貴様が出て行け!」
「先生に何の権限があるのですか?」
「これでも私は、あやか市の教育委員会から招聘された身分でね、委員会で発言権があるんだよ。ふふふ」
あぁ、人外対策で招聘されたのかな。きっと…この世界に於ける、バンパイアの頂点だし。
「なんですって…」
先生の発言に、驚きを隠せない葉山。それを見た先生の表情は勝ち誇った顔付きになっていく。
「この学校にも厚遇で招聘されたんだよ。クラス内カースト制度のトップだからって、横暴な行為は許さない。そもそも、クラス内カースト制度なんか、学校では認めていない制度だ。それを葉山が作ったとなれば、それなりの処罰はある。追って沙汰を待て!」
葉山の顔から血の気が引いていく。