---世良真澄---
夏休みに入り、デコちゃんへ連絡を取ると、無事に逢えたそうだ。あれ?そうなると、生きていたのか?どういうことだ?工藤君は死んだ原因を調べている。蘭ちゃんは生きていると思うと言っている。う~ん、何か訳有りなのか?早速、デコちゃんの元へ行こうとすると、工藤君に会ってしまった。
「よぉっ、世良。なぁ、ヒマか?」
「君もヒマだねぇ。ボクをナンパするとは」
まずジャブを放ち、様子を見る。
「なぁ、ワトソンをしてくれないか?高木刑事の従姉妹が捕まらないんだよ」
高木刑事の?あぁ、デコちゃんの事か。相棒にしていたのか…それで、病院送りにされたのか?
「やめておくよ。病院送りにされたくないからね」
「人聞きが悪い言い方はやめてくれよ」
全然、罪悪感が無いようだ。蘭ちゃんを数回、病院送りにしているのになぁ。
「何を調べているんだ?」
「鳥井亜樹の最期の瞬間だよ」
自信有り気に語る工藤君。自信満々に亜樹君が死んだと、目の前で言われたら、蘭ちゃんにしても、デコちゃんにしても、精神ダメージが大きそうだ。既に前提条件が崩れているんだけど。
「どうして、死んだといえるんだ?」
彼が生きている可能性が高いのに、何故自信有り気に、死んだと言い切れるのだろうか?
「死んだ証拠を見つけたからだ。事件の黒幕によって、その証拠品は消されてしまったけどな」
証拠…
「どこで見つけたんだ?」
「ワトソンになってくれたら、教えてやる」
「悪いが、こう見えてボクは忙しいんだよ」
「うん?世良は何を追っているんだ?」
言え無いなぁ。デコちゃんの見つけた幸せを壊しそうだし。
「依頼人のフォローだよ。追っている訳では無い」
「そうか…まぁ、近いうちに、犯人を特定してやる」
そう言って、工藤君は去って行った。犯人?死んでいないのにか?誰にえん罪を与えるんだ?
---鳥井亜樹---
阿良々木警部から連絡があった。事件では無く、事故として処理をして、捜査資料が廃棄されたそうだ。
『圧力が掛かったんだろうな。事故でも捜査した結果は残すのは常識だ』
って…神木は既に無いので、残留思念も読み取れないし…
『カルテが無くなっていたわ』
って、まゆこ。何かの力が、月宮あゆの事件を、もみ消しているようだ。
「月宮神社ですけど…今マンションが建っています」
って、小町。
「で、月宮あゆのご両親、祖父共に行方不明だそうです。ただ、行方不明になる以前に、所有権が雪ノ下不動産へ移って、再開発されています」
おかしいだろう…
「所有権が移ったのは、あゆの事故の前、後?」
「後です…」
そうなると、脅しに使われたのか?
「古地図を丹念に調べて、水瀬家の土地を見つけました」
って、いろは。
「月宮神社から歩いて5分くらいの住宅街です」
「まだ、住んでいるのか?」
「調べてきました。表札には相沢ってありました」
って、火憐。うん?水瀬名雪と、相沢祐一は結婚したのか?
「ちょっと出掛けてくる。真琴、来てくれ。訊いてみよう」
「うん」
真琴と二人で、いろはに訊いた場所に向かった。そこは戸建てで、2世帯住宅のように見える。インターホンを押してみるが、反応は無い。呼び鈴が鳴った形跡も無いが。家からは誰かの気配を感じる。風呂か?
一応、阿良々木警部を呼び出した。後で、問題になるとマズいから。
「この家か…何?相沢だと…亘君、どういうことだ?」
警部は俺の本名を鳥井亜樹、仕事上の名前を神代亘と思っている。
「わからないから、直接本人から訊きたいんです」
「そうだな」
インターホンを押しても反応は無い。だけど、室内に灯りは灯っている。カーテン越しに人影も見えているが、玄関に来る動きはしていない。
「踏み込もう」
部下に玄関ドアの解錠をさせている警部。そして、家の中に入った。
「え?誰?あなた達は?」
「警察だ!相沢祐一はどこだ?!」
「知らないわよ!勝手に部屋を見ないでよね!」
「名雪…」
「え?!真琴…なんで生きているの?祐一はどこ?」
生きているの?それは、真琴が危害を加えられた現場にいたってことでは…
「あゆを虐めたのは名雪?」
「直接、手は出していないわよ。雪ノ下陽乃が手を下したの」
雪乃の姉が実行犯か…コイツは傍観者ってことか。
「祐一も?」
「祐一には手を出さないって、言っていたのよ!まさか、手を下したの?真琴、あなたは、どうやって生き返ったの?」
なんで、真琴が死んだ事を知っているんだ?現状で知っているのは、賢者様、夏美、真琴本人と、賢者様から聞いた俺、そして実行犯サイドだけだ。
「おい!署に連行しろ。詳しい話を聞け」
「はっ!」
仏壇には写真と位牌がある。俗名、水瀬秋子とある。
「名雪のお母さんだよ。死んじゃったんだ…」
真琴が涙で濡れていく。没年は10年前である。警部も気づいたようだ。
「亘君は10年前に何が起きたと思う?」
「雪ノ下陽乃による虐め…三人はクラスメイトだった可能性があります」
卒業アルバムを見つけて、確認すると、陽乃、祐一、名雪、あゆの4人がクラスメイトだった。但し、祐一とあゆは、枠に入って集合写真に写っていた。それは、卒業時にいなかったってことだ。
「雪乃に聞いたことがあるのですが、姉の陽乃は、『興味のないものには何もせず、好きな者を構いすぎて殺すか、嫌いな者を徹底的に潰すことしかしない』そうです」
雪乃の姉は、過去に実際に殺しをしたのだろうか?
「名雪を協力者にして、あゆを消したんじゃないかと。月宮神社の広大な土地を手に入れる為に」
雪ノ下不動産から、月宮家からお金は渡らなかった。受け取り人が行方不明であったからだ。タダで手に入れ、膨大な富を手に入れたことだろう。同様に相沢家から、山を寄付名目で手に入れ、本来とは違う開発をした上で、二束三文で売り出していた。
ただおかしな点がある。真琴の死である。あゆより前に死んだらしい。それは、祐一よりも前で有り、その時点では山の所有者は相沢家である。そうなると、所有権が移る前から、金を掘っていたことになる。本格的に掘る為の発電所の建設を、所有権に関係無く進めていたことになる。それを、警部に話した。
「う~ん…時効案件だな。悔しいが…」
殺人については、今年時効が成立するかどうかだそうだ。
「死体だな。残る物証は…」
◇
う~ん…朝だ…幽奈をどかし、安眠している狭霧と共に、温泉へ転移した。そして、襲い掛かった。胸の谷間に顔を埋め、沢を舐める。良い塩梅である。後から狭霧にゆっくりと挿入した。そして、温泉へ入り、浮力を利用して、狭霧を上下に動かす。
「う~ん…え?!」
いつもの目覚めの景色と違い固まる狭霧、プチ膣痙攣か、締まりが良くなる。乳房を揉み混み、乳首を弄ぶ。徐々に引き締まる乳首…それを口でしゃぶる。
「ここはどこだ…亜樹…」
プチパニックな狭霧。その表情はかわいい。
「仙境館の露天風呂だよ。ここの住民は、朝風呂しないから」
「そんなこと無いんだよ…亜樹君のおかげでね」
湯煙の向こうから、恥ずかしそうな九郎丸の声がした。湯煙というスクリーンに、九郎丸のシルエットが浮かび上がる。ゴクリ…九郎丸もいいなぁ。
「ダメだよ…亜樹君…ダメ…あぁ…」
九郎丸と前から交わると、すんなりと果てた。普段、男性な分、女性的な刺激に弱いようだ。狭霧の身体に戻る。後から交わり、胸を弄り倒す。狭霧の胸…大好物である。
「溜まっているのか?」
「無心になりたいんだよ」
「そうか…」
体勢を変え、狭霧の方から、唇を重ねて来た。応じる僕。口の中に狭霧の香りと味が充満していく。
「止めろ~、外道め!」
突然、雪姫先生の叫び声。僕の幸せな時間が終わった…隣に何時の間にが先生と交わっている賢者様が転移していた。
「体内が痛い…止めろ~」
バンパイアの体内で聖属性攻撃をしているようだ。いやいや、聖属性の者が、バンパイアと交わってはダメだろう。
「なら、奉仕しろ」
「あぁ…」
舌で賢者様のアレを舐める先生。アレも痛そうだ。舌に激痛が走っているのだろう。見ている僕ですら痛くなってくる。
「調べて来たよ」
「何をですか?」
「相沢家の証言だよ。祐一の両親は海外にいてね。遺産相続で山を貰ったが、利用価値が無いので、売ろうとしていた。そんな時、雪ノ下陽乃が、祐一が見付かるように神社を、雪ノ下家で作るので、山を寄付して欲しいと持ち掛けた。ようするに、祐一も行方不明になっていたんだよ」
そんな…そうなると、所有権が移る前から採掘していたのは確定である。
「あゆの方は、意識が一度も戻っていないのに、遺書を書き、『祐一の元へ向かいます』って残したようだ」
そんな話は警部から聞いていない。
「県警まで情報が降りなかったんだ。全て、警察庁で処理され、あゆの捜査記録は、破棄されて、新たに祐一を殺した罪を被せて、被疑者死亡のまま、県警では無く、警察庁で書類送検されたそうだ。勿論、その事実は県警には知らされていない」
「酷い話ですね」
「だから、いつも言っているだろ?人間は愚かで醜い生き物だって」
確かに。
「亘が命を張って守った世界なのに、実情はこんな程度だよ。テンコも全人類を呪えば良かったんだよ」
それでは罪が…
「その方が、聖域的には罪は軽かったよ。だって、悪いのは人間だし」
そこまで言い切れない、いや言い切りたくない人間である僕。
「月宮あゆの真相は?」
「クリスマスくらいに現れるはずだ。その時に訊き取れ」
「招魂出来ないんですか?」
招魂の術は、死んだ者の魂を呼び出せる。但し、自殺した者、天寿を全うした者、魂のロストと転生後は無理らしい。
「あぁ、あゆのケースだとダメだ。本人に死んだ自覚が無い。まだ夢の世界にいる。夢の世界にいる魂は招魂が無理ぽいんだよ。呼べないことは無いが、失敗するとロストしてしまう」
そうなのか。
「月宮家の方々は?」
「もう10年も経つんだよ。転生しちゃっていたよ」
試したのか…
「今回の敵は手強い。10年っていう時が敵だからな」
そうか…下手にタイムリープをすると、僕が失敗した事にもなるのか。色々な並行世界に僕はいて、色々なラスボスクラスを封印しているが、人札の術の成功例は少ないそうだ。賢者様によると、僕で二人目らしい。
「そういうことだ。今回は時間を遡りたくない。とにかく、死体を見つけろ。それだけだよ、出来ることは…」
◇
狭霧とゆらぎ荘へ転移した。二人で遅い朝飯を食する。
「どこへ行っていたのかな?」
翼に訊かれた。
「賢者様に会いに、仙境館だよ」
「なんで、雨野先輩と?」
結衣が訊いてきた。
「外れなかったんだよ。って、お前、夜這いをするなよ!」
「ぷぅ~!」
怒っている。まぁ、スルーだな。新たに手に入った情報を、ノートへ書き込んでいく。
「酷い…殺人罪を被せられたの?」
「そうだって。賢者様が言うには、月宮家の行方不明な3名の遺体を見つけることが、鍵らしい」
「10年も見付かっていないんだろ?難しいなぁ」
魔乳ショックから、復活した駿河がいた。
「いや、10年間、探せない場所にいるとしたら?」
翼が何かに気づいた。
「例えば、10年前に建築されたマンションの敷地のどこかとか」
有り得る。だが、犯人を特定は出来ない気がする。
「そうか…相沢祐一が鍵なんだろう」
確か、失踪したのはあゆの事件の日である。あゆと会った時に何か遭ったのか?物見の丘…狐の生息地…もし、真琴を探しに行ったのであれば…あのほら穴に入っただろう。そして、息絶えた真琴を見つけ…関係者に…洞窟だ!
警部に連絡をして、洞窟内でルミノール反応が無いかを調べてもらう手配をした。もし、あそこが現場だとすると、あゆが犯人を見ている可能性がある。あゆは神木の枝に座り、街を見下ろすのが好きだったらしい。まさか、祐一の死体を運ぶのを目撃したのか?そして…そうか、絶対に調べない場所…合った!
◇
相沢祐一と思われる死体が、あのトイレ直下にあった下水パイプの中から見付かった。死体と言っても骨だけである。骨以外の部分は微生物による分解により、ロストしていた。このことから、あゆへの疑いは晴れた。しかし、送検されているので、警察の内部では事件としては終わっているらしい。
その為、祐一の両親は民事で争い、真実を明らかにして、あゆの名誉を回復したいらしい。亡き息子が愛した少女の名誉をだ。
だけど、訴えるべき加害者が、祐一の両親になる矛盾。登記簿的に、その当時の所有者は相沢家だったから。これも、サギ事件の時効になり、警察は事件として取り合わないらしい。なので被疑者不明のまま、民事裁判になる見通しだそうだ。但し、裁判所が受け付けない可能性もあるらしい。役所は雪ノ下家のコントロール下にあるらしいから。金山で得た金で、役人達を下僕にでもしたのであろうか?
おかしいだろ?このままでは、雪ノ下家の逃げ得で、終わりそうである。世の中は理不尽で出来ているのか?
後は月宮家の不明者事件だが、当たりを付けたマンションの所有者は、雪ノ下不動産で有り、捜査協力には応じられないと返答が来たそうだ。マンションは分譲なのだが、何故か、共用部分だけは雪ノ下不動産の所有だという。
地面から掘り返さずに、見つけないといけない上、非科学的な方法ではダメらしい。どうするかな…
『簡単だよ。そこで事件を起こせばいい。例えば爆発事件とか♪』
って、賢者様。言っている傍から、遠くで狼煙のような煙が上がっている。魔法を撃ち込んだのか…
◇
突然の爆発事件。警察が直ぐに動き、現場からコンクリートで固められた遺体3体を発見した。密封状態だった為、遺体の身元が直ぐに判明した。行方不明になっていた月宮家の3人だったそうだ。
だけど、事件後すぐに、雪ノ下不動産は破産手続きに入ってしまった。最大の債権者は雪ノ下家で、名義貸し代名目の債権だという。それは、雪ノ下家とは縁も所縁も無い企業だってことだ。
とかげの尻尾切り…人間は愚かで醜い生き物である。賢者様の言葉が脳裏で響き続けていく。
◇
一応、案件は終わった。後はクリスマスまで待ちってことだ。
「亜樹さん、沈んでいないで、温浴施設でも行って、気分転換して来て下さいね」
って、仲居さんが、『ゆ~とぴあ』と言う場所の割引券をくれた。
「賢者様から、遊行費を預かっています。それで、行って来て下さい」
無料ってこと…まさか、雪ノ下家からふんだくったお金か?
『行こうよ~』
って、幽奈。
「そうだね、気分転換は大事だな」
翼は即座に人数分の入場料を計算して、仲居さんから遊行費を貰い、翼が管理するらしい。
「うっ!出遅れた…」
ひたぎが呟いた。ライバル関係か?
「水着が無いや…」
って、火憐。
「レンタル水着代込みのようだよ」
って、割引券の裏面の細かい文字を読みながら、応対する翼。
「水着かぁ~」
唸っているデコ。
「って、いうか水着って、何?」
基本的な質問をする僕。
「あっちゃ~。そこからかぁ~」
頭を抱える翼。
「プールとか海で泳ぐ時に着る服だよ」
「普段着じゃダメなの?」
「う~ん…衛生的にダメな場所がほとんどだよ。海や川なら、大丈夫だけど、溺れるよ」
「戦闘中に着替えられないから、聖域では普段着で泳ぐように指導されたけど…」
聖域と、この世では違うのか?
「それはそうかもしれないけど…普通は戦闘しないからね」
あぁ、この世界は、平和ではあるのか…
◇
九尾の狐である九重様である夏美、人化狐である真琴と、化け狸であるこゆずはパスだと言う。
「あっ君♪」
現場に着くと、甘い声がした。この呼び方は…背中に巨大スライムが2匹貼り付いた。
「偶然ですねぇ。運命の赤い糸で繋がっているのかな?」
彩花だ…どうしてここに?
「あっ!亜樹…」
青ざめた表情の菜々がいる。アヒル隊長もだ…
「すのはら荘のみんなで、ここで遊ぼうってことになってだな…」
菜々の言い訳…ソレより、魔乳に吸い込まれて行く感覚の俺の背中…誰か助けてくれ~!駿河が固まっている。下級生組は全員恐怖に飲み込まれているようだ。翼、ひたぎクラスも何も言葉に出来ないようだ。それ程のインパクトのある魔乳…
そのまま、入館し、レンタル水着のコーナーへ…店員さんですら、固まっている。魔乳に合うサイズの水着ってあるのか?
「私は自前のを持って来ました。あっ君のを選んであげますね」
自前?オーダーメイドなのか?
「これなんか、どうかな?」
赤ふんを手にした彩花。どれでもいいや。着替えようとすると、
「あっ君、ここじゃダメ。着替えはこっちよ」
どこかの部屋へ連れて行かれた。個室のようだ。奥にベッドがあるし…全裸になった彩花が僕を全裸にしていく。水着は着ないのか?
僕のアレを口に含み、舌で転がし始めた。水着を着る前に1プレイなのか?亜樹にチェンジしておこう。
「あっ君…」
目がトローンといている。淫乱堕ちか?自分で媚薬でも飲んだのか?俺をベッドへ連れていく。俺を押し倒し、俺の上に載った。俺の上で、激しく踊る彩花。衝撃が下腹部を襲う。新手の攻撃か?その刺激により、ムクムクと更に大きくなっていく。その度に、彩花が喘ぎ、身を捩っている。感じまくっているようだ。
『亘!気を付けろ!』
朧の声が脳裏に響いた。彩花は、何かの術でも喰らったのか?
『亘をここへ釘付けにする作戦のようだ。私が探ってくる』
朧が、部屋の外を探りに行った。