※この作品はR-18です。

新そっくりなアイツ   作:もっち~!

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再会 Part5

---高木渉---

 

特に事件らしい事件の無かった日…皆で世間話をしていると、

 

「そういえば、退職した佐藤君が、地方の警察署で復職したそうだぞ」

 

って、目暮警部。

 

「精神的にやられて、退職したはずですよね?」

 

白鳥刑事が聞き返した。

 

「そうなんだが…何か、思う所があったのか」

 

って、俺を見つめている。それは、調べて来いってことか…

 

「わかりました。調べてまいります」

 

「一人では、怪しまれるから、交通部の宮本君と調べて来てくれ。何故、古巣の警視庁では無く、地方の警察で復職したのか。その理由が知りたい」

 

俺も知りたい。なんでだ?

 

 

佐藤美和子さんは、警視庁の刑事部でアイドル的存在であった。だけど、ある事件を切っ掛けに精神を病んで退職し、静養していたのだった。産まれ代わったら、二度と刑事になりたくないって…それが警察官として復職って…まさかなぁ…

 

あの時、彼女は半狂乱だった。彼が事故で死に…いや、たぶん、何らかの事件で死んだのだろう。彼女の元へ駆けつけた時、既に彼の死体は無かった。美和子さんが消し去ったらしい。彼が行っていたのと、同様な方法で。

 

美和子さんの彼は、鳥井亜樹という歳下の青年だったが、彼はシリアルキラーとして公安にマークされていた。ただ、殺した相手の死体が無い為、事件として扱えず、監視対象になっていた。その彼が消え去ったのだ。

 

美和子さんの状況から、彼は死んだってことは、彼の関係者、警察、公安の共通の認識であった。が、死体が無いので、実際はどうなのか、美和子さんしか分からないのが、実情である。

 

「美和子が、刑事に復職かぁ。生きる希望を見つけたのかな」

 

今回の相棒の宮本由美さんは、美和子さんの親友であり、彼の事も知っていた。

 

「実際、どう思います?亜樹君は死んだのですかね?」

 

「死んだと思う。じゃなきゃ、美和子があんなに取り乱さないわ」

 

そうだと思う。どんな状況でも、冷静でいた美和子さんだ。失踪くらいで、半狂乱にはならない。過去にも彼は美和子さんの元を去っている。刑事は手を汚した者と一緒にはなれないって理由で、彼は美和子さんの元を去った。それは、彼が何かしらの犯罪に手を染めた証拠である。

 

「新しい男でも、出来たのか?」

 

新しい男?それはそれで気になる。俺も美和子さんのことが大好きだからな。

 

 

目的の警察署に着き、美和子さんを呼び出すと…笑顔で出て来た美和子さん。

 

「あれ?由美と高木君って、そういう関係だったんだ。おめでとう♪」

 

誤解されている。

 

「はぁ?私は高木君に興味はないわ。それより、なんで、復職したの?」

 

由美さんが否定してくれた。

 

「運命の人に再会出来たの。でね、彼に仕事を斡旋してもらったのよ」

 

嬉しそうに復職の理由を語る美和子さん。運命の人に再会?

 

「死んだのに…生き返っていたの。夏美ちゃんと共にね」

 

生き返った?

 

「ちょっと、オカルト染みているわよ。あんた、頭大丈夫?」

 

由美さんの言葉に同意である。それはオカルトすぎる。あり得ないことだ。死体すら無いのに…死体があれば、ゾンビってことは、あり得るかもしれないけど。

 

「由美も逢う?彼、蘭ちゃんとデコちゃんと同じ屋根の下で暮らしているわよ」

 

蘭ちゃんとは、元刑事で名探偵の毛利小五郎さんの娘さんである。その彼女と同居?

いやいや、デコと一緒だと…俺の従姉妹である。何も聞いていないんですが…なんで、言わないんだよ、デコ。

 

「マジ?蘭ちゃんと同居なのか…」

 

「私もそういう意味では、同居かな」

 

4人でハーレム生活?おいおい…

 

「本当に生き返ったの?」

 

由美さんが念を押している。

 

「うん、そうだよ。だって、若返っているもの。今、高校1年生なの。でね、あの傷跡が無いんだよ。だから、工藤新一君そっくりだよ」

 

傷跡が無い?確か自殺未遂をした際に、一生消えない傷跡を残していたはずだ。

 

「逢ったら、工藤君だったって、オチかな?」

 

「それは無いわよ。いくらソックリって言っても、工藤君には私はなびかないわ」

 

そうだろうな。

 

美和子さんの勤務は17時までだそう。勤務が終わるまで、由美さんと二人で署の周辺を散策する。

 

「何も無いわねぇ」

 

「資料によると、この辺りは新興住宅地のようですよ」

 

駅前はそれなりに栄えているが、駅前を離れると、似たような建物が多く、迷宮のような街である。店もランドマーク的な物も無い、住宅地であるようだ。

 

「待った?」

 

美和子さんが勤務を終えて、俺達と合流した。

 

「下宿先は隣の駅なの」

 

って、駅まで歩いて行く。

 

「車は?」

 

「あの新興住宅街っていう迷宮は、迷うと出て来られないらしいの。だから、歩きが基本かな。勤務中は、新興住宅地地図を持つナビ搭載のパトで移動しているけど」

 

そんな地図が無いと危険な街なのか…

 

「あの住宅地は樹海と一緒。迷うと方角さえも、分からなくなるらしいわ」

 

樹海って…などと、話していると、隣の駅で下車をしていた。そこは温泉街だった…はぁ?

 

「温泉街に住んでいるの?」

 

「うん。下宿先には温泉があって、入り放題なのよ。それも美肌の湯だし」

 

下宿先?そうなると、彼と蘭ちゃん、デコも同じ下宿に住んでいるのか。

 

「ここよ」

 

って…巨大な温泉旅館の前にいる俺達。え…温泉旅館に下宿?玄関を入り、3階へと行く。

 

「ここが私と蘭ちゃんの部屋よ」

 

10畳一間…ここで蘭ちゃんと?

 

「亜樹君の部屋は?」

 

「2階だよ」

 

「食事は?」

 

「大広間でみんなと食べるの。そうだ、由美達は泊まって行くでしょ?大家さんに言ってくるから、待っていて」

 

美和子さんが出て行った。なんか楽しそうだ。あの半狂乱の姿とは一変して…

 

「良かった。美和子が楽しそうで…」

 

由美さんも同じ感想を持ったようだ。

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

夏休み明け2日目から授業だった。1学期で習ったことを想い出すのに苦労したり。まぁ、苦手な教科は道徳と歴史程度だから、問題は少ないか。

 

聖域と道徳観が違うし、歴史も聖域で習った物と違うし。こればかりは、世界が違うんだからしょうがない。

 

俺のセフレになった麻衣は、週末にゆらぎ荘に越してくるそうだ。一人暮らしだと、また透明人間になりそうで恐いらしい。

 

ゆらぎ荘に帰り着くと、懐かしい顔がいた。

 

「由美…どうして、ここに?」

 

美和子の親友の宮本由美である。警視庁交通部の裏ボスと呼ばれていったっけ?

 

「亜樹君…逢いたかったよ~」

 

俺に抱きついて来た由美。

 

「先輩のセフレ?」

 

いろはに訊かれた。

 

「生前のね」

 

「ケダモノ君、否定はしないのね」

 

苦笑いしている結衣。あれ?こいつら、自宅通学組では無いのか?夕食も食っていくつもりか?

 

「何しに来たの?」

 

「あぁ、目暮警部がね、美和子の復職した理由を調べて来いって」

 

「一人で?」

 

「高木君と…あれ?どこに行ったのかな?」

 

「美和子とデートかな?」

 

「まさか…あっ!でも、有りかな?高木君は美和子にベタ惚れしているし」

 

まぁ、なるようになるかな。俺はテンコさんって女性を、探さないといけないし。

 

 

夕食時、呑子さんが、高木刑事とサシで飲み交わしている。

 

「いい男だよね」

 

呑子さんは高木刑事を気に入ったようだ。高木刑事も呑子さんにまんざらでも無いようだ。飲兵衛は放置して、温泉だな。

 

 

「何?どうして、男湯に全裸で?」

 

戸惑う由美。俺も戸惑いたい。ここ、男湯なんですが…美和子は、既にこの風景に馴染んでいる。

 

「裸の付き合いは、大切だからって」

 

恥ずかしそうな蘭。まだ、この状況になれていないようだ。デコは、いろは達と仲良く入浴しているし。

 

「亜樹って、生前はどんな奴だったんだ?」

 

狭霧が美和子に訊いた。

 

「どんなって…今とは違うかな。私的には今の亜樹君の方がいいかな」

 

俺って生前…碌でなしだったかもしれない。

 

「こんなに、のうのうとしていなかった。ストイックで思い詰めていた。見ていて、可哀想になる位」

 

それでは今の俺が、脳天気では無いか。間違ってはいないけど。

 

「亜樹君の罪は消えないんですか?」

 

翼が訊いた。

 

「消えない…そもそも、事件になっていないから、裁くことも出来ないわ」

 

死体無き殺人…事件にはならない。

 

「それって、生前は、本当のケダモノだったの?」

 

俺にビビリはじめた結衣。

 

「違うよ。亜樹君は私達を護る為に、手を汚してくれたの。ケダモノでは無いわよ」

 

蘭が言い訳をしてくれた。俺的にはどうでもいいことであるのに。護り切れたことに価値が有り、それ以外のことはどうでもいいことである。

 

「さすがは英雄だな」

 

って、夏凜が言った。いや、英雄なのは俺では無く亘だろう。

 

その夜、久しぶりに由美と美和子の3Pを愉しんだ。

 

 

翌日…怠い…学校、行きたく無い…

 

「昨夜は激しかったんですか?」

 

って、いろは。

 

「ちょっとねぇ…」

 

ダメだ…いろはの全裸を見ても、何も反応しない…兵藤によると、女性の全裸の写真だけで、抜けるらしい。俺、終わったかな…

 

「朝風呂かぁ~」

 

って、由美。美和子も入って来た。ここ、男湯ですが…

 

「生き返るなぁ~」

 

いやいや、由美は死んでいないから。大人の女性はタフだな。俺はもう出涸らし状態だと言うのに…静も雪姫先生もタフだし。

 

「なぁ、亜樹君。私も地元の警察で働きたいんだけど、斡旋してくれるかな?」

 

って、由美。斡旋は阿良々木警部に言えば、大丈夫だと思うけど。

 

「どうして?」

 

「ここで、君の成長を見たいんだよ」

 

毎晩3Pだと、俺が保たないぞ…

 

 

 

---高木渉---

 

一泊して帰還して、目暮警部に報告をした。

 

「何?生きていたのか」

 

「いえ、生き返ったのだと思います。あの傷跡が無い上、俺の知っている彼よりも若く見えました」

 

不思議なことだが、事実だった。

 

「昔の記憶があることから、彼で間違いは無いのですが、ほとんど別人です」

 

筋力不足で、車椅子生活だったはずが、今の彼は健康体だった。

 

「で、佐藤君は?」

 

「彼と同じ下宿屋に住んでいました。同室には蘭ちゃんが住んでいました」

 

「何?毛利君は知っていたのか…」

 

あぁ、そうなりますね。

 

「ちょっと、出掛けてくる」

 

毛利さんに事情聴取かな…デコも一緒って言いづらいなぁ。

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

「先生、運動会って何ですか?」

 

運動会が近いと、雪姫先生が話していたので、質問をした。

 

「お前…それも、わからないのか…」

 

なんで、絶句状態なんだ?

 

「何をするんですか?」

 

「綱引きとか、棒倒しとか、玉入れだ」

 

「ソレの何が楽しいんですか?」

 

頭を抱えている先生。

 

「羽川!説明をしておけ。あのバカが納得するようにだ」

 

翼に丸投げした先生。

 

 

放課後…部室にて。

 

「運動会って、どういえばいいかな」

 

僕へ運動会について説明を試みている翼。説明を聞く限り、運動性能を見せつける大会らしい。

 

「闘技大会みたいなもの?」

 

「殺し合いはしないぞ」

 

って、狭霧。そうなのか…

 

「乳繰り合いは?」

 

「するか!」

 

しないのか…う~ん、愉しみは無いなぁ。

 

「お前の能力って、どんな感じなんだ?」

 

って、夏凜。

 

「僕の能力をカットすると、普通の人間と同じだよ」

 

「まぁ、亜樹の特色は絵の才能程度だしな」

 

小説を書く能力は無くなったらしい。美和子達によると、俺の生前は、有名作家だったそうだ。

 

「栗井鳥栖って作家は、どの程度の作家さんだったんだ?」

 

「有名な作家だったわ。生き返る時に、その辺りの記憶は消えちゃったのね」

 

って、蘭。そうなのか。記憶にまるで無いし。

 

コンコン

 

扉がノックされた。お客さんのようだ。

 

「ここって、不思議な事件を解決してくれるの?」

 

誰?この人は?

 

「どかちゃん?」

 

いろはが声を掛けた。

 

「いろは…なんで、こんな場所にいるの?」

 

こんな場所?

 

「先輩を慕ってだよ」

 

「先輩って?」

 

いろはが俺を指差した。

 

「ふ~ん、こういうのが好みなの?」

 

「ふふふ、男は見た目じゃないのよ~」

 

「で、用件は?」

 

「あぁ、あのですね。お姉ちゃんを探して下さい」

 

或る日突然、姉が消えたそうだ。

 

「あれ?どかちゃんって、お姉さんっていたっけ?」

 

「いるの。だけど…お母さんはいないって言うの。そのことでお母さんとケンカをして、家出をして、お姉ちゃんのマンションに逃げ込んだんだけど…お姉ちゃんがいないの」

 

う~ん…これって、透明人間の件じゃないのか?

 

「その姉の名前は?」

 

「桜島麻衣です」

 

ビンゴだな。

 

「え?麻衣さんなら、そこにいるけど」

 

「え!どこに?」

 

見えていないようだ。高校の放送室のジャックでは、高校にいる者にしか効果がなかったようだ。始めから魔具を使えば良かったんじゃないのか?

 

『何事も経験だよ』

 

って、九重様から有り難いお言葉が、脳裏で響いた。

 

「夏美、魔具を付ければいいのか?」

 

「う~ん、どうだろう?お兄ちゃんのキャラクターを知らない人には、効果無いかもしれないよ」

 

なるほど、俺がセフレ大王って知らないと効果が無いのか…どうするかな?

 

「触れればいいのか?」

 

「ただ触れてもダメだと思うよ。存在価値の問題だし」

 

「ねぇ、どういうことよ!」

 

俺に掴みかかるどかちゃん。麻衣が止めに入るが、透過してしまった。

 

「いない存在だから、触れないんだよ」

 

って、夏美。これって、厄介でないのか?

 

 

「中学校でも放送室をジャックするとか」

 

って、結衣。

 

「それはダメだと思う。麻衣さんも亜樹君も、中学校と関係がないから、結び着かないと思うわ」

 

って、翼。

 

麻衣によると、マンションに妹が来たので話し掛けたのだが、見えていないようで、何も手を差し出せなかったそうだ。

 

「そうなると、麻衣の親も、認識出来ない可能性があるのか」

 

はっとした麻衣。

 

「そうなるわ。試せばわかることだけど、麻衣先輩へのダメージが大きすぎるから、試せないわね」

 

翼が的確にアドバイスをくれている。

 

「亜樹君が麻衣先輩の彼氏として、妹さんと親御さんに挨拶するのは?」

 

って、蘭。

 

「麻衣さんの存在が不明なのに、それでは認識はできないと思う」

 

蘭の案を一蹴する翼。夏凜が認識した手を使うか?肉親の前で公開レイプ…俺が捕まりそうだが…

 

「麻衣、無茶していいか?」

 

「亜樹君にまかせるわ。何をすればいいの?」

 

二人で、麻衣のマンションへと向かった。

 

 

 

 

 

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