※この作品はR-18です。

新そっくりなアイツ   作:もっち~!

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時のループ

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

俺が入院している間に、事件は始まっていた。それは、入院している俺には、知らされずに…担当看護師であるまゆこの判断で退院をした俺。

 

退院した翌日、学校へ行くと、まだ、文化祭の撤収作業をしていた。文化祭が終わったのって、もう1週間くらい前で無いか?なのに、まだ撤収作業って?

 

「これ、どういうことだ?」

 

翼に訊いた。

 

「今日が訪れないで、昨日が繰り返し訪れているのよ」

 

って…それは人外地区、そこに住む者には影響は無いそうだ。俺の様に人間の地区にいる聖域の住民も影響は無いらしい。だから、まゆこ判断で、俺は退院したのか。昨日がループしているのであれば、俺は永遠に退院が出来ないから。

 

毎日登校すると、文化祭の撤収作業日で、前日に確実にした作業が、登校すると、手つかずな状態に戻っているそうだ。

 

「今日から片付けかぁ~。面倒だな」

 

って、結衣。今日から?

 

「そういうことよ」

 

って、蘭。そういうことか。結衣にとっては、昨日はループしているなんて、思ってもいないのか。

 

「これって、原因はなんだろう?」

 

「何かが、影響しているんだろうね」

 

その何かが問題である。

 

「おい!亜樹!何か、やらかしたのか?」

 

雪姫先生は、俺が原因と決めつけているし。

 

「何もしてませんよ。昨日、退院したばかりだし」

 

同じ作業を繰り返しても、埒が明かないので、善後策を考える為に、部室へ退避する俺達、人外地区組。雪姫先生もついてきた。

 

「あれ?先輩、サボりですか?」

 

って、いろはがやって来た。

 

「サボっている訳では無い。ちょっと問題が発生してね」

 

って言うか、いろはの相棒の小町がいないってことは、いろはがサボっているのでは?

 

「問題って言うと?」

 

問題を話した?

 

「え?昨日がループしているんですか?」

 

頷く俺達。

 

「う~ん、実感が湧かないです」

 

って、いろは。

 

「透明人間より厄介だな。原因がわからないし」

 

先生が頭を抱えている。本来は、今日が給料日だったらしい。それが、支給されないそうだ。既に7日経過しているという。まぁ、昨日だからな、今日は…

 

「あぁ、人外地区は結界で護られているから、妙な術は通らないんだよ。後、影響があるのは、一般人だけだよ」

 

って、夏美の中の九重様。

 

「では、これは何らかの妙な術の結果?」

 

翼がネットを駆使して調べてくれている。蘭に訊いたら、昨日までは、皆で俺が何かをしでかしたって結論だったらしい。おいおい…

 

「うん?これかな?都市伝説の思春期症候群に、『ラプラスの小悪魔』って言うのがあって、回避したい出来事の解決策が見付かるまで、同じ日を繰り返すってあるけど…」

 

まさに、この状態ではないか…

 

「術者は小悪魔なのか?」

 

「そんな種族はいない。一般的に小悪魔になるのは人間だ」

 

って、先生。

 

「それって、探すのが大変で無いの?」

 

回避したい出来事持ちなんか、探し出す術は無いし。

 

「いや、1つだけ手はある。人外地区に住まない一般人で、前日とは違う行動を取ったやつが、小悪魔だ」

 

先生が言い切った。あぁ、そうか。術者は解決策を探しているんだ。前日とは違う行動を取っているよな。って、どう探すんだ?俺達以外に、全世界人口って、何人いるんだ??

 

 

13日目の昨日を迎えた。

 

「おい!亜樹!どうにかしろ!」

 

って、雪姫先生。給料日が延々先延ばし状態らしい。人外地区では昨日はループしていない。それは、生活費は確実に減るってことである。

 

「先生、お金を貸そうか?」

 

「あぁ、助かる」

 

先生へ帯封のされた1万円札を渡した。

 

「こんなに、どうした?お前、強盗したのか?」

 

何故、先生は俺を犯罪者にしたがるんだ?

 

「貯金を下ろしたんですよ。あぁ、実験の為にね」

 

昨日が繰り返すってことは、お金を下ろしても1日経てば、預金残高は減らなかった。でも、人外地区へ持ち込んだ現金は、手元に残ったままであった。

 

「って、感じで、毎日100万円ずつ引き出して、手元に500万円ほどあるんですよ」

 

「お前…犯罪にならない犯罪者だな」

 

「えぇ、生前がそうでしたから」

 

って、俺の手元にある現金は、銀行ではどう処理されるんだ?札には通しナンバーがあるのだが…問題解決して今日が迎えられると、使途不明金扱いかな?

 

「亜樹君、お願い!早く解決してよ~!」

 

まゆこは、本来、今日から2日間、バイトがオフらしいのだが、いつまで経っても休日が、来ないで、バイトづけのタダ働き状態らしい。現状、緊急性の問題があるのは、この二人か?

 

「って、言われてもなぁ」

 

 

解決策が見付からないまま、14日目の昨日を迎えた…

 

まゆこはへたばっていた。前週から14日間、休み無しのタダ働きが継続中であるから。

 

「亜樹君…」

 

俺に身を預け、寝ている。何かしようと思えない程に、やつれているし。これは、マズいなぁ。

 

「あれ?先輩、サボりですか?」

 

いろはがやって来た。おおぉぉ~!昨日までとは違い、いろはは、友達を連れて来ていた。コイツか?いろはは予定行動だし。

 

「その子は?」

 

「あぁ、奉仕部に仕事の依頼だそうです。彼女は、私のクラスメイトの古賀朋絵です。ほら、古賀ちゃん、説明して。ここの先輩達は、役立つからさぁ」

 

いろはが、問題を話すように促した。

 

「あのですね。友達の彼氏から告白をされて、返事に困っているんです」

 

これが原因か?

 

「私としては、断りたいんですが、相手は強引で…」

 

「でね、先輩、古賀ちゃんの偽彼氏を演じてくれないかな?」

 

あ?俺が?

 

「なんで?」

 

「先輩なら、信用出来るからですよ」

 

「亜樹!受けろ!」

 

先生の目付きは鬼気迫っている。先生も彼女が原因だと踏んだようだ。

 

「亜樹君、お願いだよ~」

 

まゆこまでも懇願してきた。明日を迎えたいみんなからの後押しで、偽彼氏の件を引き受けた俺。

 

「ありがとう、先輩」

 

って、いろはが抱きついて来た。う~ん、押し倒したい。だが、耐える俺。人外地区の皆はヘロヘロで、そういうことが出来ない状態であったので、活きの良いいろはに食欲が…でも、ここは学校である。耐えよう。先生に何を言われるか、わからないし。

 

「で、どう振る舞えば良いんだ?」

 

「先輩は先輩でいいと思う。古賀ちゃんが先輩を彼氏と思う事が大事だよ」

 

「あの…お願いします」

 

 

15日目の昨日を迎えた。俺は朋絵の家に向かった。一緒に登校する為だ。

 

「おはようございます、先輩」

 

「おぉ、おはよう、朋絵」

 

二人で並んで歩き、いろは達が通う中学へ歩いて行く。

 

「おい!貴様は誰だ?」

 

ゴリラのような男子と、連れが数名現れた。朋絵が俺の後に隠れた。朝っぱらから告白タイムなのか?

 

「朋絵の彼氏だけど…」

 

「朋絵は俺の物だ!失せろ!」

 

これは悩むよな。告白っていうより、彼女にするって宣言のようだし。って、朋絵の友達は良く付き合ってられるな。

 

気に入らないのか、俺に殴り掛かっていたゴリラ男子。しゃがんで水面蹴りで左膝をケリ抜いた。

 

「うごぉ!」

 

夏美仕込みのマーシャルアーツの技だ。いや、空手だったかな?

 

「お前、舐めやがって!」

 

数名の男子が襲い掛かってきた。亘にスイッチし、意識を狩り取り、俺にスイッチした。

 

「朋絵、遅刻するぞ!」

 

「先輩って、強いんですね」

 

安心したのか、俺の腕に抱きついてきた朋絵。

 

「まぁ、そこそこだけど」

 

 

ゴリラ男子の仲間達が、俺達の学校に乱入して狼藉を働いている。ゴミの山に放火して、その周囲で踊ったり、タバコを吸ったり、酒を飲んでいるし。中には女性徒に抱きついたり、何かをしたり…いい迷惑である。

 

そこで、阿良々木警部補へ連絡した。すると、直ぐに生活安全課の皆さんが来て、クズ達を回収してくれたのだが…

 

「先輩!大変だよ~。朋絵ちゃんが連れて行かれたよ」

 

って、いろはが泣きながら、部室に走り込んできた。あれは陽動作戦で、ゴリラ男子がいる集団が中学校を襲ったそうだ。

 

「誰に、連れて行かれたんだ??」

 

「言い寄っていた男子だよ。後、本来の彼女のノリちゃんも、連れて行かれたんだよ~」

 

「拉致かよ~」

 

立派な犯罪では無いのか?

 

 

 

---古賀朋絵---

 

あの男に強引に、車に載せられて、ノリちゃんと共に連れ出されてしまった。そして、どこかの廃ビルに連れて行かれると、ノリちゃんに複数の男子が襲いかかった。

 

「おい、ノリ子!俺は朋絵と付き合う。お前はもういらないよ。ソイツらから、新しい彼氏を見つけろよ」

 

えっ!何かの薬を嗅がされた。頭がぼぉ~として、意識が朦朧としていく。

 

 

意識が戻ると、病院のベッドにいた。

 

「朋絵、大丈夫か?」

 

先輩がベッドサイドにいてくれた。

 

「先輩…私はどうなったんですか?」

 

「薬の解毒剤は打ってある。2,3日は頭痛が残るかもしれないが」

 

「アイツらは?」

 

「警察が引き取ってくれたよ。拉致、監禁、暴行などなどだ。まぁ、当分出て来られないと思うよ」

 

そうだ…

 

「ノリちゃんは?」

 

「あぁ、当分入院だ。薬物中毒と診断された。警察の聴取で、朋絵と同じように拉致されて、薬漬けにされて、あのヤローと付き合うっていうか、薬をエサに飼われていたようだ」

 

そんな…

 

 

 

---鳥井亜樹----

 

アイツらは、警察に引き渡さずに、聖域の参道に転移させてある。餓鬼達が処分してくれるだろう。人間の姿をしたケダモノ達を…

 

そして、翌日…待望の今日がやって来た。ラジオ放送で、今日が訪れたことを確認して、晴れやかな気分で男湯に行くと、全裸の小町、いろは、朋絵の中学生トリオに、駿河という変態中学生がオマケでいた。これは昨日までになかったことである。

 

「どうして、朋絵がいるんだ?」

 

「先輩にお礼がしたいって」

 

いろはが俺に抱きつき、朋絵の元にエスコートした。時差ボケに近い俺は、まったく性欲が湧かない。全裸の中学生達に囲まれているの、全然ダメだぁぁぁ~!

 

「お礼なんかいらないが、ここは男湯なんだが…」

 

疲れを取るために来たのに…

 

「先輩!ここは混浴だよ~」

 

って、駿河が妙なポージングをしながら、のたまっている。

 

「あ、ありがとうございました」

 

俺の頬に口付けをした朋絵。

 

「いや、役立って嬉しいよ」

 

柔らかくて気持ちの良い唇。だけど、俺のアレは反応すらしない。終わったのか…

 

学校に行くと、焦げ臭い。ゴミの山で、キャンプファイヤーしたバカ達がいたからだ。

 

「待ちに待った、今日が来た」

 

雪姫先生の給料が支給されたらしい。とても嬉しそうだな。まゆこも今日から2日ほど、バイトが休みになるそうだ。やはり、昨日が繰り返すのは良く無いなぁ。

 

 

片付けを終えて、皆で部室でまったりしている。

 

「で、お前の貯金ってどの位あるんだ?」

 

先生に訊かれた。

 

「1億以上はあるよ」

 

蘭の母親が、生前の俺の財産を管理していて、コレまでの印税をいれた通帳と判子を、俺に引き渡してくれたのだった。

 

「金庫破りでのしたのか?」

 

相変わらず、先生は俺を犯罪者にしたいらしい。

 

「違うって、印税だよ。生前の分のね」

 

「印税って?」

 

麻衣に訊かれた。

 

「元々小説家だったんだよ」

 

「ペンネームは?」

 

「栗井鳥栖と三田バードだけど…」

 

「えっ!超有名な小説家じゃない。問題作を連発した」

 

って、翼。

 

「後、ペンネームを数個持っているんだよ。逃亡しながら、作家活動していたしね」

 

って、前世を知る蘭。

 

「先輩って、お金持ち?」

 

いろはの目が輝いている。

 

「どうだろうな?あんまり、お金は使わないから、それなりに溜まるけど」

 

使うっていっても、画材関係だけだし。後、ロケハンの交通費くらいか。蘭母さんによると、それらは必要経費になるそうだし。

 

「先輩と結婚すれば、お金持ちになれるんですねぇ~」

 

って、いろはが抱きついて来た。

 

「話はそう簡単でないのよ」

 

蘭がいろはを引きはがした。

 

「亜樹君には戸籍が無いのよ」

 

戸籍が無いと結婚は無理だと思う。

 

「でも、前世では死亡が確認できていないんだよね?」

 

翼が異を唱えた。

 

「それは、鳥井亜樹でなくて、佐田亜樹だから。亜樹君は、養子縁組しているんだよ」

 

そうだ。生前は佐田家の養子で、紅子の兄だった。

 

「だから、鳥井亜樹として、戸籍は無いのよ」

 

みんなの目が、獲物狙うハイエナに見えるのは気のせいか?

 

 

 

 

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