「ねぇ、昨日は大丈夫だった?」
デコが心配そうに話し掛けてきた。
「何が?」
「そうか。何でも無かったのね。良かった」
って、デコの眩しい笑顔…朝から、気持ちが良い。
「あっ…亜樹さん…」
躾をされ、態度が軟化した紅子が寄って来た。それに伴いデコの表情が固くなっていく。トラウマか?
「何か用?」
デコと紅子の間に入り、言葉を掛けた。
「用ってことは無いんですが…私にお役に立てることがあれば、何でも、おっしゃってください」
姉妹の躾が効いたようだ。高飛車な気配は感じられない。
「何でもいいの?」
「いえ…あの…学校内で…無理です…」
真っ赤な顔で俯いている。何を想像したんだ?AVビデオを借りようと、思っただけなのだが。お金持ちらしいので、市場には出回らない奴が、ありそうな予感がしたのだが。
「じゃ、用は無い。帰宅時には、付いて来なくて良いから」
と、伝えた。だけど…放課後、デコと共に、帰宅部の活動を始める僕。でも、紅子は今日も付いて来る。
「付いて来なくて良いって、言っただろ?」
「…私じゃダメですか?」
ダメ?って、何が?
「私も…お傍に置いてください。ダメな箇所は努力しますから…」
「傍に?何の為に?」
更に真っ赤になっていく紅子。
「一緒にいたいだけです…ダメですか?」
「姉妹に躾されるぞ、いいのか?」
「う~ん…それがネックなんですけど…」
困った顔の紅子…かわいい…困らせればいいのか?
「ねぇ、姉妹って?」
デコの問い、スルーする。
「アイツらは、学校でどんな存在なんだ?」
更に困った表情になる紅子。
「う~ん…権力とかお金の力に屈しない、恐い存在です…」
親の七光りで対抗したのか?札束で頬を叩いたのかな?
「そうか…じゃ、もう僕に関わるな。いいな!」
スマホの着信音が鳴った。誰からかと見ると、オータンだった。はぁ?
「どうしたんだ、オータン」
「鈴木さんから連絡あって、今週末に取材旅行だそうです。で、問題が…早く家に帰って来てぇぇぇぇ~」
誰かがやらかしたのか?家路を急ぐ。何故か、紅子とデコが付いてきた。
◇
で…
「はぁ?取材旅行に行きたいって?朱美と夏美も?」
「ズルいよ~、お兄ちゃんとお姉ちゃんだけだなんて…え~ん」
夏美が泣いている。こいつ、基本的に僕にだけ甘える。う~ん…夏美は、指定席である、僕の背中に抱きつき、肩越しに頬を合わせてきた。少し泣き止んだかな?夏美が落ち着くまで、この体勢でいよう。
「朱美は関係無いだろ?それこそ」
「何でよ~、私は亜樹の彼女だよ♪」
「「「却下!」」」
僕を含めて、姉妹からも声があがる。
「何で…亜樹を傷物にした責任を取りたいだけなのに…」
「だって、バイトの取材旅行だぞ。アニヲタは必要無いんだけど」
「えっ…」
夏美が反応した。あぁ、ここにもアニヲタがいたな。
「で、姉ちゃん、どこに取材?」
僕の言葉をスルーして、紅子をロックオンしている姉ちゃん。デコは得体の知れない女性達に睨まれて固まっている。
「オータン、どこに取材なんだい?」
「あっ、はい♪湯河原です」
呼び方を変えると反応してくれた姉ちゃん。まったく…メンドーだよ。
「温泉と海の幸かぁ…熱海より静かだろうな」
「あの…もし、よろしければ…私の家の別荘はいかがですか…」
紅子が提案してきた。
「却下だ。申し出は有り難いが、それでは取材が出来無い」
この前、調教した際に、僕と姉ちゃんのバイトの内容を話しておいた。ジャマ立ては許さないという意味で。
「そうですか…すみません…」
寂しそうな顔の紅子。役立ちたいのかな…
「なぁ、紅子、金策を頼めるか?資金援助って感じでさぁ」
「はい♪喜んで♪」
明るい表情になった。困った顔の方が好きなんだけど…
「オータン、鈴木さんにどこの宿泊施設かを訊いて。で、紅子は僕達の部屋の隣の部屋を頼む。そこに紅子と夏美、朱美が泊まれ。その代わり、取材中にジャマしたら、半年くらいスルーするからな!」
「「はい♪」」
一件落着かな?僕のスルーが、一番重い罰って言うのも何だけど…
「あの…私も参加したいです」
って、デコ。まぁ、この場で旅行の計画を聞かれてしまったのは、運の尽きか?
「紅子、もう1部屋追加してくれ。デコと蘭も連れていく」
「蘭さん?はい…」
◇
取材旅行に行く準備をしていく。取材したい場所をリストアップして、持っていく機材を準備する。機材と言っても、デジカメ、ビデオカメラ、メモリカード、PC、スマホと充電器とテーブルタップくらいかな。あと、スケッチブックとペン類か。
姉ちゃんは、PC、タブレット、スマホ、簡易スキャナーなど。夏美は粘土と紙粘土、彫刻刀などを持っていくようだ。
で、朱美と紅子は荷物持ち兼雑用をすると言う。蘭とデコは情報収集係をしてくれるらしい。
「えっ…あの栗井先生って亜樹さん何ですか…で、オータンさんって…えぇぇぇぇ~!」
って、紅子とデコが驚いている。言ったはずだけど、調教の後に…姉ちゃんがオータンだった事実の方が驚愕だったらしい。どんだけ、粗暴に思われていたんだ?
「スゴい…中学生で…」
デコは初耳だったので、驚き方が半端なかった。で、紅子が持って来てくれたアルバムを見た。そこに写る姉ちゃんの姿がまるで違う。家とプライベートでは羽川翼の眼鏡無しバージョン似なのに、学校では眼鏡有りバージョン似って…詐欺もいいところである。
「てへ♪」
って…お前、化け過ぎだろう?
「なぁ、学校ではロングヘアなのか?」
「うん♪付け毛♪」
付け毛?この前、カツラを見せなかったか?
「校則違反で無いのか?」
「ルールは破る為にあるんだよ♪、破らないルールは、常識とか道徳って言うんだよ、亜樹♪」
こいつ…学校で荒くれているんじゃないのか?で、夏美は…シューティンググローブを装着って…
「これも校則違反じゃないのか?」
「うん?付けちゃダメって校則に無いもん♪、それに装着していないと、拳を怪我するでしょ?」
って…お前、何しに学校に行っているんだ?で、朱美は…姉妹を見た後では、フツーのJCに見える…何だかなぁ…
「夏美、旅行中はグローブ禁止だ。アイアンナックルをポケットに入れていけ!」
「はい、お兄ちゃん♪」
「姉ちゃんは…付け毛無しで…」
「うん♪いつも通りで行く♪」
「朱美は留守番な」
「何でだよ~!荷物持ちでも雑用でも性の奴隷でもするから、連れて行ってよ~」
性の奴隷?性欲が無い僕には不要なのだが…もしあれば、蘭と…
「紅子は、会計係を頼む」
「はい♪」
◇
旅行当日。最寄りのターミナル駅まで行き、鈴木さんと落ち合う。
「で、誰と付き合っているの?」
って、鈴木さんが訊いてきた。
「蘭かな…」
「歳上好みなの?」
蘭と鈴木さんの従兄弟が同級生らしく、蘭を知っていた。
「厚子さん…実は…私からプロポーズしたんですよ」
って、そう告げると真っ赤な顔になっていく。
「え?一目ぼれで即プロポーズ?大胆だね~、今の高校生は♪」
次回作のプロット第1稿を鈴木さんに手渡した。
「うん?これは…恋愛物?う~ん…」
ダメ出しをしたジャンルに、唸る彼女。
「あぁ、こういうトリックか…これは有りかな…でも、恋愛物はなぁ…」
渋る…だよな。
◇
各駅停車の列車で目的地を目指す。ゆっくりとした速度で、風景をカメラに収めていく。目的地まで各々ゆったりとした時間を過ごしていく。で、目的地に…雨だった…
「朱美…雨を止めてこい!」
「えっ?無理だって…」
「じゃ、姉ちゃん…」
「私は姉ちゃんじゃないわ、オータンよ♪」
う~ん…傘がジャマだ…
「お兄ちゃん♪」
僕の背中に抱きつき、片手で僕の肩をホールドして、もう片手で傘をホールドする夏美。こんな便利な使い方が有ったのか。これなら、デジカメが使える。荷物は、朱美に任せた。
で、旅行前にリストアップした場所を、紅子の案内で効率的に回れた。移動のバスなどの時刻表は蘭とデコがタイムキーパーを兼ねて検索してくれたし。
そして、宿へ…部屋に入り、まったりとする。蘭の膝枕で少し睡眠。夏美が背中をマッサージしてくれた。姉ちゃんと朱美は、組手をしている。デコと紅子は、資料の整理を熟してくれていた。
目覚めた後は、温泉だぁ~♪混浴で無いので、のんびりとする。話し掛けられることも無く、まったりとする。
それから食事♪海の幸、山の幸を満喫する。料理もカメラに収めていく。で…食後…えっ?貸し切りの露天風呂?興味は有るのだが…何故か、混浴…
「混浴にビビるの?」
と、鈴木さん。いや、大人の身体も興味は有るが…姉ちゃんと蘭の視線が恐い。デコはこの集団での力関係を理解し、紅子と夏美と戦々恐々としている。朱美は…スルーである。
「先に言っておく!無茶をするな!したやつは旅行中はスルーする」
っと警告を出しておく。で、露天風呂に。露天風呂はいいなぁ…頭は涼しく、身体はポカポカに…鈴木さんを観察する。大きすぎず、小さすぎず、ちょうどいいなぁ…
「お兄ちゃん、鈴木さんを見すぎだよ!」
って、夏美が目の前に立った。う~ん…夏美を見てもなぁ…案の定ツルペタ系である。見た目、デコと変わらないのに、何故か、夏美の胸の感触が好きである。
「夏美、ハウス♪」
夏美は、嬉しそうに、僕の背中に抱きつき、頬を合わせる。これで、視界は開けた。蘭と鈴木さんを見比べる。うん?股間に手が伸びてきた。姉ちゃんだ…
「ねぇ、亜樹…色々ごめんね…私のせいで、女性恐怖症になったらしくて」
って、どこ情報だ?恐怖の対象は姉ちゃんだけ、いや朱美もだ!
「感じないの?」
「感じるよ。夏美の胸は気持ち良い♪」
「私の指は?」
「よくわからん」
「そうだ♪鈴木さぁ~ん!」
姉ちゃんが鈴木さんを呼んだ。
「どうしたの?」
身体を隠すようにタオルを巻いて、鈴木さんが近寄って来た。
「亜樹のアレを元気にしてくれませんか?」
「えっ!」
顔を真っ赤にする鈴木さん。
「使い物にならないと、亜樹に体験させられないんですよ~」
姉ちゃんは鈴木さんに無茶振りをしている。蘭は何も言わない。興味あるのか?
「え…っと…なんの体験?」
目が泳いでいる鈴木さん。答えは出ているのだろう。このシチュエーションを考えれば。
「分かっているんでしょ♪」
って、姉ちゃんと朱美で、鈴木さんからタオルを奪い取った。手の届く処にあったので、鈴木さんの胸の感触を確かめる。
「えっ…ちょっと…ダメだよ…」
乳首を捏ねると、抵抗をしなくなった。彼女の腕を掴み、引き寄せて、唇を合わせる。まだ、反応しない。彼女の手を僕の男根に導く。お湯の中で彼女の手は、男根をマッサージし始めた。彼女の口の中で僕と彼女の舌がタンゴを踊る。リズムを取り、絡めたり、叩き合ったり…
鈴木さんは予想をしない行動に出た。突然、僕に抱きついて来たのだ。僕の男根は彼女の中に吸い込まれて行く。彼女は身体を上下に動かす。唇を合わせたまま。彼女が僕から離れないように、彼女の後頭部に腕を回す。
僕の男根は徐々に大きくなっていく気がする。鈴木さんの体内にいるので、見えないけど。彼女は自分で自分の胸を責めているようだ。姉ちゃん達は、鈴木さんの変貌ぶりに固まっていた。こんなにも激しく愛し合う姿など、想像していなかったに違いない。蘭ですら、口を開けたまま、唖然としているし。紅子とデコには刺激が強かったのか、指の合間から見ているようだ。
鈴木さんの身体が、僕から離れようとした。逃げようとしたのでは無く、何かが起きたようだ。姉ちゃんが異変に気づき、
「亜樹、解放して。鈴木さんは達したみたいよ」
って。僕は後頭部の拘束を解放して、鈴木さんの身体を姉ちゃんに委ねた。姉ちゃんは、彼女を風呂の外に出して、横たえた。
「で、亜樹。どう?反応したの?」
自分で自分の物を触って見る。大きくは成ったみたいだけど…朱美が触って確認をする。
「おぉ、さすが大人の身体…勃起しているじゃん♪」
って。いいのか?これで…姉ちゃんは、鈴木さんの膣をシャワーで洗っている。何でだ?
「どうしたんだ?姉ちゃん!」
スルーされた。もう!面倒だな。
「オータン、どうしたのかな?」
「うん?栗井先生のが出たので、洗い出しているの。あれは、私のだから♪」
「おぉ、射精もしたのか♪」
って、朱美が喜んでいる。夏美は、頬を擦り合わせている。喜んでいるみたいだ。
「原因はなんだったんだ?」
「私達のテク不足だねぇ~」
って、姉ちゃん。まぁ、中学三年生に、テクニックは無いはずだもんな。そうか、だから蘭とは…蘭の見ると顔が真っ赤である。
「私…テクなんかないよ~」
「うん?それって、蘭丸とは出来たのか?」
蘭の言葉を受けて、姉ちゃんと朱美が詰め寄る。おい!朱美は現場にいただろう!
「よし、今夜は鈴木先生と蘭丸先生にテクニックを学ぼう♪」
って、姉ちゃん。賛同する朱美、夏美、何故か紅子、デコ…うん?それって、僕を使うってことだよな?7人も相手できるのか?僕の体力は…あれって、体力を使うって書いてあった気がするんだけど…
◇
心配は杞憂だった。僕以外、全員がのぼせたのだ。鈴木さんを洗う為に風呂の外にいた、姉ちゃんまでもがのぼせていた。なんでだ?まさか、酒でも飲んだのか?
木にしがみつくコアラのごとく、全裸の夏美が定位置で寝ている。コイツ、前世はコアラだったんじゃないのか?背中から夏美が剥がせないので、全裸でテーブルに向かい、今日得た物を、メモに書き起こす僕。そんな僕の肩に頭を載せている全裸の蘭。僕の腿に頭を載せている全裸のデコと紅子。カオスな状況である。
背後の布団からは、残りの者のうなされるような声が、BGMのように鳴っている。そんな初めての取材旅行だった。