雄二の計画した二度目の暗殺も失敗に終わってしまい、それで何かの収穫は得たようだが暫くはアイツも大人しくしていることだろう。幾ら悪知恵が働くとは言っても殺せんせーを殺す算段を立てるのはそう容易じゃないはずだ。
また誰かが暗殺計画を立てるまで殺せんせーの暗殺を日々繰り返して弱点を探っていくしかない。少なくとも僕が暗殺計画を立てることはないと思う。ごちゃごちゃ考えるのは苦手だし。
とはいえ皆も暗殺にばかり意識を向けていられるわけではない。僕らは暗殺者であるとともに中学生なのだ。暗殺者にとっての目標が殺せんせーの暗殺ならば、中学生にとっての目標は成績上位を取ることである。そしてその成績を決する期末テストが間近に迫っていた。
「ヌルフフフフ、皆さん一学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら期末の成績はジャンプアップが期待できます」
例の如く高速強化テスト勉強として殺せんせーが分身しながら個別に勉強を教えてくれている。それと教室ではなく気分転換に環境を変えて外での勉強中だ。詳しいことは分からないけど、その方が勉強の効率が上がるとかなんとか。
「殺せんせー、また今回も全員五十位以内を目標にするの?」
期末テストに向けて勉強を進める中、渚君が今回の目標について殺せんせーに問い掛けていた。中間テストの時はE組の劣等感を払拭するって理由で五十位以内を目標にしてたものの、もう反抗心を露わにしてた寺坂君も改心?したことだし劣等感を感じてる人ってそんなにいないと思うけど。
「いいえ、先生あの時は総合点ばかり気にしていました。生徒それぞれに合うような目標を立てるべきです。そこで今回はこの暗殺教室にピッタリの目標を設定しました‼︎」
暗殺教室にピッタリの目標?いったいどんな目標なんだろう?暗殺教室に……暗殺者にピッタリ……まさか成績上位の生徒を暗殺して上位陣の空席を作るつもりなのか⁉︎ その空席分だけ成績の順位を上げようと⁉︎
「見損ないましたよ殺せんせー‼︎ まさか先生がそんな酷いことを考える超生物だったなんて‼︎」
「にゅやッ⁉︎ え、なんですか急に⁉︎ 吉井君の中で先生はどんな目標を設定したことになってるんですか⁉︎ 恐らく君の考えている内容とは違うと思いますよ⁉︎」
僕の非難する声を聞いた殺せんせーが慌てながら否定してくる。どうやら僕の予想した目標とは違うらしい。
「そうなんですか?だったら早くその内容を教えてくださいよ」
「話の腰を折ったのは君でしょうに……さて。前にシロさんが言った通り、先生は触手を失うと動きが落ちます。色々と試してみた結果、触手一本につき先生が失う運動能力はざっと10%‼︎」
落ち着いた殺せんせーが自身の触手について説明し始める。ちょっと興味を惹かれる内容だけど、それと期末テストの目標になんの関係があるんだろう?
僕の疑問を余所に殺せんせーの説明は続く。
「そこでテストについて本題です。前回は総合点で評価しましたが、今回は皆さんの最も得意な教科も評価に入れます。教科ごとに学年一位を取った者には、答案の返却時に触手を一本破壊する権利をあげましょう」
殺せんせーから提示された報酬によって皆の顔色が変わる。それほどまでにE組にとっては意味のある報酬だった。ほぼ無敵の先生が自ら弱体化してくれると言うのである。これは又と無い暗殺のチャンスだ。
僕らの表情から報酬の意味を理解したと悟ったらしい殺せんせーが笑みを深くする。
「チャンスの大きさが分かりましたね?総合と五教科全てでそれぞれ誰かがトップを取れば、六本もの触手を破壊できます。……これが暗殺教室の期末テストです。賞金百億に近付けるかは皆さんの成績次第なのです」
この先生は生徒のやる気を引き出すのが本当に上手い。僕から見ても皆の目の色が変わったのがよく分かる。
よし、僕も頑張って皆を応援するぞ‼︎ 誰でもいいからトップを取ってくれ‼︎ ……え、僕?もちろん努力はするけど流石にトップなんて取れるわけないじゃん。そういうのは頭のいい人に任せるよ。
★
期末テストの報酬を聞いたE組の多くは放課後も教室に残って勉強していた。中間テストの時に“第二の刃を持て”と言われてから皆は暗殺だけじゃなく勉強にも力を入れてきたけど、今回は総合と五教科のトップを取れば殺せんせーの触手を破壊できるとあってモチベーションはかなり高い。
そんな中、杉野君の携帯に着信が入って誰かと会話していたのだが、何を思ったのか杉野君は通話をスピーカー状態にして周りにも会話を聞こえるようにしてきた。いったいどうしたんだ?
『ーーー俺達三年のクラスの序列は最下層にお前らE組。横並びのB・C・D組。そして頂点は成績優秀者を選りすぐった特進クラスのA組がある』
そうして杉野君の携帯から聞き覚えのある声が聞こえてきた。進藤君、球技大会では敵対してたけど杉野君との関係は良好のようだ。じゃなかったら連絡なんかしてこないだろう。
とはいえ聞こえてきた話の内容から雑談や何かの用事というわけではなさそうだ。携帯越しに進藤君の話は続けられる。
『そのA組が全員集結して自主勉強会を開いてるんだ。こんなの初めて見る。音頭を取る中心メンバーは“七賢人”と言われる
七賢人?あー、そういえばそんな名前で呼ばれてる人達がいたようないなかったような……まぁ僕が思い出さなくても進藤君が説明してくれるか。
とか思ってたら思ってた以上のナレーション口調で進藤君は説明してくれた。彼は野球選手とかを目指してるんじゃないの?解説志望なんじゃないかってくらい力の入った説明だったんだけど。
取り敢えず分かったのは、全校集会で雄二が口論して打ちのめした中間テスト総合四位・社会の荒木鉄平、なんかのコンクールで目立ったらしい中間テスト総合五位・国語の榊原蓮、カルマ君に中間テストの成績で負けた中間テスト総合七位・理科の小山夏彦、E組総出で梅雨時期に下痢ピー状態にした中間テスト総合八位・英語の瀬尾智也の四人が七賢人の下位陣らしい。
……あれ?こうやって言葉にして並べると全然凄そうに聞こえないぞ?なんか榊原君以外には既に勝ってると言えなくもないような……いや、成績で勝ってなかったら意味ないか。理事長の妨害があったとはいえ中間テストはカルマ君しか渡り合えてないわけだし、まだ七賢人の上位陣が控えてることを考えると流石に成績上位の壁は厚い。
『その中でも全ての教科において高成績を収めている
あ、本校舎の生徒から見ても七賢人とやらは癖が強いと思うんだ。まぁ学力至上主義の学校のそのまた上位陣ともなれば然もありなん。というか木下優子って……
「姉上が模範生とは……本性を知っているワシとしては違和感しかないぞい」
「あ、やっぱり姉弟だったんだ。球技大会の時にチラッと見たけど瓜二つだったし……同じ学年ってことは双子なの?」
「うむ、その通りじゃ」
そう、秀吉にはA組に所属する双子の姉がいる。一卵性双生児かと思うほどよく似ていて、違う箇所なんてテストの点数と話し方ぐらいしか思いつかないほどだ。知名度としては木下優子の方が高く、弟である秀吉のことは知らないという人も多いだろう。現に矢田さんは知らなかったみたいだし。
『そして椚ヶ丘の双璧と呼ばれる
進藤君の説明が中間テスト総合三位から二位ではなく一位に飛んだけど、もしかしてこの前の中間テストは全教科満点が二人もいたってことか?霧島さんの噂は本校舎にいた頃から耳に入ってきてたが、彼の言う通り
「翔子が音頭を取って自主勉強会……?全く想像できんが、まぁアイツの学力は確かだからな。大抵の問題は答えられるだろうし、質問する相手としては間違ってねぇか」
「え、なに?坂本って霧島翔子と仲良いの?よかったら俺に紹介してくんね?」
「知るか面倒くせぇ」
前原君が絡んでくるのを雄二が鬱陶しそうに
『最後に中間テストのみならず全国模試でも一位‼︎ 椚ヶ丘中学校の生徒会長であり、名実ともに俺達生徒の頂点に君臨するのが……支配者の遺伝子・浅野学秀。あの理事長の一人息子だ』
そしてその霧島さんをも上回る怪物が浅野君だ。こちらも噂でしか聞いたことはないが、浅野君は入学してから常にテストで総合一位を取ってるらしい。霧島さんですら並ぶことはあっても追い越したことはないとか……うん、理事長の息子だって聞くと現実味があるから手に負えない。
『全教科パーフェクトの三人と各教科のスペシャリスト達。七人合わせて“七賢人”。七人合わせりゃそこらの教師より腕は上だろう。奴らはお前らE組を本校舎に復帰させないつもりだ』
何も殺せんせーの触手が懸かったこのタイミングで全体的な学力向上を図らなくてもいいだろうに……いやまぁA組は僕らの事情なんて知らないだろうけどさ。下手したら地球存亡の分かれ目だよ?
多分だけど中間テストのことを考えるとまた理事長が裏で動いてるんだろうなぁ……でもテストの出題範囲を変えるみたいな直接的な妨害はなさそうで安心した。
「ありがとな、進藤。口は悪いが心配してくれたんだろ。でも大丈夫。今の俺らはE組を出ることが目標じゃないんだ」
杉野君の言う通り、僕らの目標はあくまで殺せんせーの暗殺である。その過程で今回は学年トップを狙わなければならなくなったというだけだ。どのみちA組との直接対決は避けられない。
「けど目標のためにはA組に負けないくらいの点数を取らなきゃなんない。見ててくれ、頑張るから」
『……勝手にしろ。E組の頑張りなんて知ったことか』
最後に悪態を吐いて電話を切った進藤君だったが、その声音に見下しているような雰囲気はなかった。球技大会から大分丸くなったもんだ。
さて、目標を再認識したところで勉強に戻るとしますか。取り敢えず僕も出来るだけ上を目指さないとね。
★
〜side 渚〜
殺せんせーから期末テストの報酬を提示された次の日、僕らは磯貝君に誘われて本校舎の図書室で勉強していた。他には茅野や神崎さん、奥田さんや中村さんも一緒に勉強している。
椚ヶ丘中学校の図書室は進学校だけあって学習書も充実しており、いつも予約でいっぱいな上にE組は後回しにされるから僕らは滅多に使用することができない。そこで磯貝君は期末テストの時期を狙って随分前から予約していたそうだ。真面目な磯貝君らしい行動である。もしかしたら片岡さんなんかも予約してるんじゃないだろうか?
「おや、E組の皆さんじゃないか‼︎ 勿体ない。君達にこの図書室は豚に真珠じゃないのかな?」
と、勉強している僕らに高圧的な物言いで声を掛けてくる人達がいた。例の七賢人と呼ばれている生徒達だ。全員はいないみたいだけど荒木君、榊原君、小山君、瀬尾君の四人が座っている僕らを見下ろしている。
「退けよ雑魚ども。そこは俺らの席だからとっとと帰れ」
「なっ、何をぅ⁉︎ 参考書読んでんだから邪魔しないで‼︎」
瀬尾君の言葉に茅野が反論する。でも茅野が読んでるのは参考書じゃなくてプリンの本だよね?参考書を被せてカモフラージュしてるみたいだけど、それならせめて参考書よりも小さい本にしないとモロバレだから。
「ここは俺達がちゃんと予約を取った席だぞ」
「そーそー。クーラーの中で勉強するなんて久々でチョー天国〜」
茅野の説得力の弱い反論はともかく、磯貝君の言い分は至極真っ当なものだ。図書室の利用予約票だってあるし、受付でそれを確認してもらってもいい。その恩恵を中村さんが受けているのも当然の権利だろう。
しかし真っ当な言い分だろうが彼らにはE組である僕らの言葉なんて聞く耳持たないようだ。
「君達は本当に記憶力ないなぁ。この学校じゃE組はA組に逆らえないの‼︎ 成績が悪いんだから」
「さっ、逆らえます‼︎」
そんな高慢な態度を崩さない小山君の言葉に言い返したのは意外にも奥田さんだった。
「私達、次のテストで全科目で一位取るの狙ってるんです‼︎ そしたら大きな顔させませんから‼︎」
そう、彼らの言い分を借りるなら成績さえ良ければE組だからといって見下すことはできない。学力至上主義の椚ヶ丘中学校だからこそ校則以上に成績は大きく立場を左右する。僕らの期末テストの目標を考えれば奥田さんの主張も尤もだった。
とはいえ現状では僕らの成績が彼らに劣っているのも事実である。反抗的な奥田さんの主張に小山君が眉を顰め、
「ちょっと、そこのA組とE組の皆。図書室では静かにしなさい。上下関係以前に常識の問題よ」
口を開こうとしたところで女生徒の声が割り込んできた。その場にいた全員が声のした方へ視線を向けると、そこにはE組で毎日のように見ている顔が普段とは違う制服を纏って佇んでいて、
「木下」
小山君が声の主の名前を呼んだことでその女生徒の素性がはっきりした。この人が七賢人の一人である木下優子さんなのだろう。
いや、本当は小山君が名前を呼ぶ前から誰かなんて見当はついてたけどさ。幾ら双子だからって性別も違うのに似過ぎじゃないかな?一瞬だけど木下君が女装してるのかと思ったよ。
「奥田さん、特に貴女はE組なんだから注意しないと。E組への差別が校則で決められている以上、騒がしくして本校舎の生徒に迷惑を掛けたら図書室を追い出されても文句は言えないわよ?」
木下さんの警告は一般的な本校舎の生徒達のような上から目線ではなく、その内容も椚ヶ丘中学校の校則に則ったものであって明確な悪意は感じ取れなかった。
奥田さんも彼女の言っていることは正論だと思ったらしく、小山君に言い返していた時の勢いは鳴りを潜めて木下さんへと謝っていた。
「す、すみません……あれ?どうして私の名前を知って……?」
「だって貴女、中間テストで理科十七位だったじゃない。E組で成績上位に名前が並んでたら記憶にも残るわ」
奥田さんの疑問に木下さんは何でもないかのように言うけど、やっぱり成績上位を競っているような人達は近い順位の人もチェックしてるみたいだ。それが成績不振・素行不良で集められたE組ともなれば確かに目に付くだろう。
「木下の言う通り、記憶を辿れば一概に学力なしとは言えないな。他にも神崎有希子・国語二十三位、磯貝悠馬・社会十四位、中村莉桜・英語十一位……一教科だけだったら一応勝負できそうなのが揃っている」
木下さんの言葉を聞いた小山君も中間テストの順位を思い起こしていた。しかもこの順位は理事長の妨害を受けた上での成績である。あれがなかったら期末テストの目標である科目トップはカルマ君の数学以外にも何教科かは達成できていたかもしれない。
「面白い。じゃあこういうのはどうだろう?俺らA組と君らE組、五教科でより多く学年トップを取ったクラスが負けたクラスにどんなことでも命令できる」
僕らの成績を再確認した荒木君がE組の目標を聞いて成績勝負を提案してきた。しかし僕らはその提案を受け入れていいものか迷ってしまう。
僕らの目標は全教科一位だから勝負すること自体は吝かじゃないけど、皆に確認もせず“負けたクラスにどんなことでも命令できる”というリスクを負うのは良くないだろう。勝負を受けるかどうかはそれからだ。
そんな僕らの沈黙を勝負に怖気付いたと判断したようで、瀬尾君が強気な様子で黙ったままの僕らを煽ってくる。
「どうした?急に黙ってビビったか?自信あるのは口だけか、雑魚どもが。なんならこっちは
次の瞬間、僕らは近くにいた荒木君、榊原君、小山君、瀬尾君の喉元にシャーペンや指を突きつけていた。
「……命は簡単に賭けない方がいいと思うよ?」
急所を取られた四人は表情を強張らせて身体を硬直させている。これが
僕の言葉で身体の硬直を解いた彼らは冷や汗をかきながら僕らから離れていく。
「じょ、上等だよ‼︎ 受けるんだな、この勝負‼︎ 死ぬよりキツい命令を与えてやるぜ‼︎」
そう言いながら四人が図書室から出ていったことで図書室は静けさを取り戻していった。っていうかなんか流れで勝負を受けることになっちゃったし……取り敢えず皆にも報告しないとなぁ。
「……だから図書室では静かにって言ってるでしょう。本当に追い出されても知らないからね?」
静けさを取り戻した図書室の中で、木下さんが溜め息を吐きながら再び僕らに警告してきた。まぁ今のは僕らの方にも少し問題があったか。客観的に見れば僕らから手を出したようなもんだし。
「何回もごめんね、木下さん」
「でも反論するわけじゃないけどさ、そもそもちょっかい掛けてきたのはあっちだからね?」
僕が木下さんに謝っていると、中村さんが自分達の無罪を主張するように言い返していた。確かに事の発端は四人が絡んできたことだし、根本的な原因は彼らにあるだろう。
中村さんの主張に木下さんは少しだけ悩ましそうにしていた。
「まぁそうなんだけどね……でも
てっきり校則だからE組なのが悪いって言われると思っていたけど、木下さんの言った内容は校則そのものが悪いというニュアンスである。寧ろ僕らの立場を
この反応には中村さんも目を丸くしており、僕らが思ったことを代表して茅野が木下さんに言葉を掛ける。
「なんか木下さんってA組っぽくないね。
「だって態度を変える理由がないもの。それに秀吉もE組なんだから“E組だから”って理由で邪険に扱ってたら切りがないわ」
木下さんの言い分を聞いて僕らも納得した。そりゃ身内にE組がいてそれを邪険に扱っていたら家族間がギスギスしてどうしようもないだろう。
だが木下さんの言葉はそこで終わりじゃなかった。
「ただまぁそういう制度があることに同意した上で入学してるわけだから、貴方達も差別に文句はないだろうしE組になったからって文句を言える立場でもないでしょうけどね」
そう言うと木下さんも彼らと同じようにその場から立ち去っていく。図書室にいたことから自分の勉強に戻ったのだろう。
彼女の考え方はなんとなく前に聞いた坂本君の考え方と似ていると思った。校則で決められている差別待遇は受け入れているけど、校則から生まれる校風までは受け入れていない感じとか。ホント、A組にしては珍しい人だったなぁ。
とはいえ今回の目標を達成するためには彼女も乗り越えなければならない相手だ。誰が相手だろうと負けるわけにはいかない。……まぁ僕の成績だとトップを取れるかは怪しいんだけどさ。得意な英語だって中村さんの方が上だし。どこまでやれるかは分からないけど僕も頑張らないとなぁ。
そしてこの図書室の騒動は瞬く間に全校の知るところとなり、この賭けはテスト後の僕らの暗殺を大きく左右することになる。
次話
〜期末の時間・二時間目〜
https://novel.syosetu.org/112657/31.html
渚「これで“期末テストの時間・一時間目”は終わりだね。皆は楽しめたかな?」
秀吉「いよいよA組との直接対決じゃが、ここで新たにクロスしたキャラクターの登場じゃ。とはいえ実際に登場したのは姉上だけじゃがの」
優子「なに、秀吉。私だけだったら何か文句でもあるわけ?」
秀吉「姉上よ、邪推し過ぎじゃ。ワシは単に霧島が出てこなかったことを言いたかっただけじゃ」
渚「あ、そういえば出てこなかったね。どうするんだろう?」
優子「私が出たんだから代表……じゃなかったわ。霧島さんもすぐに出てくるんじゃないかしら?……ちょっと霧島さんの呼び方に違和感があるわね」
秀吉「姉上はずっと霧島のことを代表呼びじゃったからのぅ」
渚「……ねぇ。少し不思議……というかこんな言い方したら失礼だと思うんだけど、霧島さんと木下さんの成績って同列なの?確か文月学園では成績順位に差があったでしょ?」
優子「……あのね、潮田君。そういうイメージなのも分かるけど、文月学園のAクラス平均点数って実は200点くらいなの。私は大体300点から400点は取ってるから、自分で言うのもなんだけどそれなりに優秀なのよ」
秀吉「うむ。霧島や姫路、ムッツリーニの保健体育のような400点越えは文字通りの化け物じゃ。問題数無制限で点数に上限がないから如実に実力差が現れておるが、上限ありの普通のテストならば恐らくAクラス上位は全員が同列か僅差じゃろう」
渚「あぁ、そっか。100点満点のテストだから時間内だったら問題を解けさえすれば解く速さは関係ないんだ」
優子「そういうこと。まぁ霧島さんの方が優秀なのは事実だけどね」
秀吉「さて、渚の疑問にも答えたことじゃし今回はこの辺で終わりにするかの」
優子「そうしましょうか。それじゃあ次の話も楽しみにして待っててね」
殺せんせー「ちなみに先生の触手についてですが、漫画ではなくアニメ基準で運動神経が低下しています。流石に20%は落ち過ぎですからね」
雄二「まぁどちらにせよ速いことに変わりないから関係ねぇんだけどな」
明久「うん、ぶっちゃけどうでもいいよね」
殺せんせー「二人の反応が淡白過ぎます……」