※ライオスがファリンの代わりにレッドドラゴンに食われ、ファリン達が救出・蘇生させたものの、ダンジョンのボス・狂乱の魔術師によってドラゴンキメラにさせられてしまう展開。

pixivであげているものをこっちにアップしてみました。

内容はざっくりしています。

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※ライオスがファリンの代わりにレッドドラゴンに食われ、ファリン達が救出・蘇生させたものの、ダンジョンのボス・狂乱の魔術師によってドラゴンキメラにさせられてしまう展開。

pixivであげているものをこっちにアップしてみました。

内容は試作なので、ざっくりしています。


ダンジョン飯IF 試作短編

 レッドドラゴンの口がライオスに迫ったとき、ファリンがライオスを突き飛ばそうとした。

 だが。

「ファリン!」

「あっ!」

 逆に体を反転させられ、庇われる形になりライオスの背中が一気にレッドドラゴンに近くなってしまった。

 そしてライオスの体が火竜の口に捕らわれた。

「ぐっ…!」

 ギチギチと鎧をも押しつぶすレッドラゴンの顎力によって、鋭い歯がライオスの体に食い込んでいった。

「兄さん!」

「ふぁ…ファリン…逃げ…ろ…」

「兄さん、兄さん!」

 ライオスの体の半分がレッドドラゴンに飲まれたとき、ファリンは、ハッとして、ダンジョンからの脱出魔法を使った。

 これによってライオスと、倒れている仲間達を救おうとしたのだ。

 だが現実は甘く。ファリンの魔法が発動した瞬間にライオスがレッドドラゴンに丸呑みにされてしまい、魔法の対象から外れてしまっていた。

 

 

 

 

 

***《救出・蘇生》

 

 

 

 

 

「黒魔術!?」

「ええ…」

 ダンジョンの地下5階で、ついにあのレッドドラゴンを見つけ、策を巡らせて倒した後、その内臓の中からライオスの骨を見つけることに成功したファリン達。

 早く蘇生させようと思ったが、ライオスの遺体と魂の結びつきが弱まっているとマルシルが気づいた。

 なんとかするには、蘇生術士をここへ呼ぶしか無いが、そのために必要なカロリー、つまり大量の肉類を運ぶのは無理だった。

 そこで、マルシルが提案したのが、黒魔術だった。

 レッドドラゴンの血肉を触媒に、ライオスを蘇生させようというのである。

「そんな…。ダメ、ダメだよ!」

 黒魔術が禁忌であり、使った者は地上では大罪人として永久に幽閉されてしまうことを知っているファリンは、反対した。

 だが…。

 彼女の目に、完全に骨となってしまった兄の無残な姿が映った。

「どうするファリン? あなたの判断に任せるわ」

「……」

 ファリンは、ポロポロと涙をこぼした。

「マルシル…。責任は私がとるから」

「いいえ。やるのは私よ。あなたは気にしないで」

 泣くファリンの頭をマルシルは、優しく撫でた。

 こうして、マルシルの黒魔術による蘇生が行われることになった。

「……なんて言うか…。兄さん、綺麗な骨になっちゃって…」

 元の姿を取り戻させるため、他にあった魔物の骨と分別がされた、すっかり綺麗な骨になってしまったライオスにファリンが涙ぐんだ。

「カルシウムをしっかりと取ってるな」

 っとセンシが言った。

 そして、黒魔術が決行された。

 倒れているレッドドラゴンの死体から、血と肉がボコボコと蠢き、ライオスの骨に集まる。

 周囲の空気を不気味に、冷たくさせていたマルシルの呪文がやがて途切れ、マルシルが倒れた。

「気絶してる…」

 チルチャックがマルシルの無事を確認した。

 そのすぐ後。

「ゲホッ、ゴホゲホ!」

「兄さん!」

 血まみれで裸のライオスが咳き込み、大量の血を吐き出して起き上がった。

「兄さん…」

「…ふぁ、ファリン?」

 ライオスの目がファリンを認識し名前を呼ぶと、ファリンは、ライオスに抱きつき泣いた。

 

 

 

 

 

***《狂乱の魔術師》

 

 

 

 

 

 黒魔術での蘇生から、数時間後。

 倒したレッドドラゴンをディナーにし、戦いの疲れを眠って癒やしていた時。

 ライオスは、ふと目を開いた。

 そして誰にも分からぬよう音もなく、外へ出て、死んで転がっている巨大な火竜の傍に来て両膝をついた。

「そこにいたのか」

 火竜の傍にいた、小柄で銀髪、そして褐色の肌のエルフとおぼしき一人の魔術師が言った。

「うう…」

「お前には、陛下捜索の任を授けたはず。暇を与えた記憶は無いぞ」

 ダラダラと汗をかくライオスに、冷たい声が流れ込むように聞こえてくる。

 そして頭を抱え、ブツブツと呟きだした。

「デルガル様…、デルガル様を……お捜し、しなくては…」

 

 やがて異変に気づいたファリンが仲間達を起こし、外に出ると、そこには肉が溶けて腐り落ち、骨となったレッドドラゴンと、血だまりに両膝をついて頭を抱えてブツブツと何か呟いているライオスの姿を見つけた。

 ファリンがライオスに駆け寄ったとき、その後ろからあの魔術師が現れ、汚らわしい盗賊とファリンに殺意を向けた。

 次の瞬間、マルシルの爆発の魔法が頭上に起こり、魔術師…、いや、ダンジョンの主・狂乱の魔術師がファリンから距離を取った。

「兄さん! 兄さん立ってる?」

「ううう…、うるさい!」

「きゃあ!」

 ライオスを助け立たせようとしたファリンの体が、ライオスによって吹き飛ばされた。

「ライオス!?」

「ファリン!」

 やがて狂乱の魔術師が古代魔術で、レッドドラゴンの血から小さなドラゴンのようなものを生み出し、マルシル達を攻撃し始めた。

 それをファリンが古代魔術を使って解除し防ぐと、床がまるで口を開けたように開き、マルシル達を飲み込み、下に落とした。

「おい、竜」

 本を閉じた狂乱の魔術師は、ライオスの傍に来た。

「それでは、不便だろう。今一度新しい姿をやる」

 手をかざすと、ドラゴンの血がライオスの下半身を包み、ボコボコと沸騰した。

「成すべきことを成せ」

「………はい…」

 ライオスが放心したまま、そう返事をした。

 

 

 

 

 

***《ドラゴンキメラ》

 

 

 

 

 

 なんとか狂乱の魔術師が仕掛けてきた罠から命からがら脱出したファリン達は、3階で出会ったオーク族の族長の妹であるオークとその仲間のオーク達に出会った。

 彼女らの話によると銀髪で褐色の肌の魔術師は、オーク達がダンジョンに住む前からダンジョンにいる存在で、必要以上にダンジョンに干渉した者の前に現れるのだという。

 相手が狂乱の魔術師その人で、しかも自分達はその張本人に目をつけられてしまったとファリン達は理解できた。

「探さなきゃ…」

「やめろ、ファリン」

「兄さんが、狂乱の魔術師にさらわれたなら、まだ近くに…」

「落ち着けって言ってんだよ!」

 チルチャックが焦るファリンの肩をつかんだ。

「気持ちは分かる。だが、このままじゃ、必ず誰か死ぬ。ここは耐えて、地上に戻ってくれ。頼む、ファリン!」

 その後、チルチャックからの必死の説得を受けたファリンは、一度地上に帰ることを受け入れた。

 

 マルシルが起きた後、地上に戻るために動こうとしたのだが、レッドドラゴンが倒れたことでなりを潜めていた5階の魔物達が姿を現し始め、うまく身動きがとれなくなってしまった。

 その途中でドライアドを倒して、その実を食事にしたりした。

 さらのその途中でコカトリスに出会ってしまい、マルシルが石にされたりもしたが、その間にチルチャックが変動し続けるダンジョンの法則を発見し、地上へ脱出する道しるべになった。

 だがそのとき、シュローとシュローの新しいパーティーに見つかり、魔物と間違われて襲われた。

 すぐに誤解は解け、シュローがファリンの無事を喜んだ。

「ライオスは見つかったのか?」

「兄さんは…」

 ファリンがライオスのことを話そうとした、その時。

 

 無数のハーピィが建物の上から現れ、そしてそのハーピーの群れを引き連れてやってきたハーピーよりも何周りも大きな魔物が現れた。

 その魔物の姿を見て、ファリン達は、目を見開き、絶句した。

 

「兄さん…?」

 

「…ファリン」

 

 人間の上半身…いやライオスを生やしたドラゴンキメラが、ライオスの声でファリンの名を呼んだ。

 




 ファリン・ドラゴンキメラが魔法も使えて、シュロー、カブルー一行のメンバーをあれだけ虐殺できた。だからドラゴンキメラ自体の戦闘能力はずば抜けていると思う。
ファリン・ドラゴンキメラが魔法を使えたのに対し、ライオス・ドラゴンキメラは、どうなるか…。魔法の素質そのものはあるらしいから使おうと思えば使えるとか?
 いっそのこと、ライオスの魔物の知識やギルドのリーダーだった経験が魔物側に生かされて、的確に相手を翻弄・殺害する、または引き連れている魔物に指示を出して今までに無い集団攻撃を行う厄介さを発揮するとか?
どっちにせよ、次の巻でドラゴンキメラの話が出たら、考察して書き直したいと思います。
 あと、シュローがどうしてファリンがいるのに別パーティーに行ってしまったのか、その辺のところのことも含めてこれから少しずつ考察していきたいと思います。


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