各地の世界樹を踏破した人たちがひとつのギルドに集った模様。

これは冒険者歴のないヒーローちゃんの簡単な記録である。


ゲームのネタバレが激しいです。
世界樹の迷宮の各シリーズのメタ的なネタバレです。

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各地の世界樹冒険者との迷宮探索

 

 

 

 突然ですが、私の結成したギルドメンバーはすごい人たちばかり。

 

 エトリアの地下に広がる迷宮、その最深部まで踏破した者。

 ハイ・ラガードの世界樹を登り、伝説の空飛ぶ城を発見した者。

 アーモロードの海路を繋げ、百年前の大異変の元凶を打ち倒した者。

 タルシスの北に眠る巨神を止め、呪いを打ち消した者。

 アイオリス(ってどこだろう。聞いたことないけど)の世界樹の頂上に眠る伝説を確かめた者。

 

 とにかく、全員すごい経歴を持つ冒険者だ。

 

 一方で私は新米も新米。

 レムリアの世界樹以外は見たことがなく、冒険も今回が初めて。

 たまたま声をかけた人たちが今説明した人たちだったという偶然のおかげで、同じギルドに所属しているのだ。自己紹介した時は驚きや戸惑いしか出てこなかった。

 

 エトリアの冒険者、名前はイチ。レンジャーだ。レンジャーではあるが、採集より戦闘の方が得意なんだとか。地味って言ったやつは殺せ、が掟にあるらしい。眼がマジだったので『地味』は禁句である。歴戦の猛者だけどヤバイ人、という第一印象。

 

 ハイ・ラガードの冒険者、名前はニー。ガンナーだ。途中まで普通の自己紹介だったのに、急に「リスは滅ぼせ」とリスにたいして異常な敵意を見せていた。歴戦の猛者だけどキマッちゃってる人、という第一印象。

 

 アーモロードの冒険者、名前はサン。プリンセスだ。王族なのに冒険者とはこれいかに、と思わなくもない。社交性がとても高く、マギニアに来ている他の冒険者に知りあいも多い。まともな人という第一印象だった。うん、このときはまともだった。うん、過去形だ。

 

 タルシスの冒険者、名前はヨン。ソードマンだ。料理が得意で好敵手はザリガニ。苦手なものは添い寝。よくわからない人という感想しか出てこない。最初の二人の自己紹介に釣られて変なことを言わないとと思ったのかもしれない。

 

 アイオリスの冒険者、名前はゴー。リーパーだ。自己紹介のインパクトがトップの人。なにせ「俺はゴー。死神だ」である。死神を自称する個性は強烈すぎだ。アイオリスの世界樹ってどことか気になることを吹き飛ばす自己紹介。

 

 ついでなので、私の名前はクロス。ヒーローのクラスをもつ。冒険者歴はなし。今回のレムリア探索が初めてだ。

 

 ちなみにギルド立ち上げの切欠が私ということもあり、名目上リーダーだ。

 私でリーダーが務まるだろうかと不安でいっぱいだけど、挫けず頑張ろうと硬く誓ったギルド結成の初日。

 

 

 

 ギルド抜けたいと思ったのも同日のことである。

 

 

 

 まず冒険者の管理をしているミュラーさんにイチさんがやからした。

 優しくアドバイスしてくれるミュラーさんに向かって「バランスのいいパーティを組むんだぜ?以外の言葉を喋れるなんて……」と謎の発言。いきなりの寄行にやっぱりこの人ヤバイと確信。

 だけどこれは軽いジャブだったのだ。

 

 

 次に異常があったのはサンさんだ。

 ネイピア商会の店主さんとはアーモロードですでに知り合いということもあり、話が弾むかと思った。思ったが……

 

「アーモロードでお主相手に商売をしていた日が懐かしいものじゃ。初めて商会に訪れたお主に商品を売……売ってない……。何故かあの時、お主は見たことのない装備をしていて……我が店には見たことのない武器や防具がラインナップされていて……? あ……れ……? お主が商会に『初めて』訪れたのは『三回』あった気が……何か変じゃ……。そう、初めて訪れた際の装備を、それより前にお主に確かに売ったのだから、変なことなどない……売ったあとに初めて来て……」

 

 店主さんのSAN値がいとやばし。

 

 アーモロードの頃を思い出そうとすればするほどおかしくなっていったので、急いで別の話題を出してその場は切り抜けた。

 あのままにしていては店主さんの精神が崩壊する予感しかなかったので。

 どこか眼が虚ろな店主さんと話しながら、サンさんの過去について詳しく聞かないようにしようと心に決めた。

 

 

 その次はまたもイチさんがやりやがった。そしてサンさんもだ。

 ペルセフォネ姫との謁見で無礼な発言連発である。具体的には「絶対裏切る。この姫絶対裏切ってラスボスになる。エトリアの経験がそう言っている」「ルート次第でラスボス。魔物に変化する系。アーモロードの経験がそう言っている」とほざいた。意味がわからない。

 ニーさんとヨンさんは二人を咎めたが、フォロー下手だった。「偉い人は裏切りそうな雰囲気や見た目をしてても裏切らない聖人だ」とのこと。それでフォローしたつもりなのか。姫はずっと外の風景を見ていたけど青筋が浮かんでいた。

 

 死神ことゴーさんと私はひたすら謝り倒した。

 

 

 胃が辛くなる謁見を終えて、ひとまず宿で部屋を取ろうと決めて移動。宿でも安定のイチのやらかし。

 宿の子に「その猫が樹海に迷いこんでも助けないから。5エンじゃ絶対助けないから」とけんか腰に謎の発言。イチは他のメンバーに任せて私はひたすら謝り倒した。

 

 

 イチとサンさんは問題児。

 ニーさんとヨンさんはややズレた人。ゴーさんは厨二病だけどまとも。

 

 このメンバー、不安しかない。そんな初日の出来事だった。

 

 

 

 

 

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 なんだかんだでメンバーは変わらず、ギルド脱退も叶わず、第一迷宮……東土ノ霊堂の探索が順調。

 やはり経験者がいる分、他のパーティより有利なのだろう。

 

 探索しながら世間話をする余裕まで。

 今の話題は…………最初の階層、迷宮のボスあるある。

 

 私にはさっぱりわからないが5人はわかりあっているようだ。

 

 どこの世界樹も最初は群れを持つボスだとか。やや変則的なのもあるようだけど、全員が全員「だよね」だの「わかるー」だのと共感しあっていた。

 話題に入れず蚊帳の外でちょっとリーダー寂しいです。

 

 そしてそれぞれボスに対しての思い出語りもある程度済んで、いよいよ第一迷宮の最奥、扉越しからも強者がいる重圧を感じるとのことで、いよいよ東土ノ霊堂でのボス戦だ。

 

 

 

 大いなる花獣、群れを持っていなかったんですけど。

 

 

 

 

 今のは本当にボスだったのか、でも手強かったしボスのはず……でも……。と、微妙な空気漂う中、とりあえずマギニアに戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

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 新たな探索場所、第二迷宮、碧照ノ樹海にて別の冒険者パーティと知り合った。

 マルコとオリバーの二人組。

 しばらく一緒に行動してくれる気のいい人たちだった。そんな二人組と別れた後、パーティの意見もまた別れた。

 

 イチが「あの二人、絶対に敵対する」と主張しだしたのだ。なんでこいつはこんなに人間不信なの?

 

 ニーさんはすぐさま否定した。案外常識人かもと思ったのもつかの間、「あの二人はこの迷宮で死ぬんだよ」と主張した。滅茶苦茶失礼だなこいつ。

 

 サンさんはイチとニーさんの意見を否定。今回はまともかと思ったら、「あの二人に関わればどちらかが死ぬ」と主張。この人も人間不信すぎないだろうか。

 

 ヨンさんは自信なさげに「親切だったし敵対するかも」とのこと。人の厚意をなんだと思っているんだ。

 

 ゴーさんだけは「こいつらに何があったの……」と小さく呟いていた。もうこの子だけが私の心の安息場所だ。

 

 

 それはそうと、碧照ノ樹海はタルシスにあった樹海とそっくりらしい。出てくる魔物もそっくりとのこと。タルシスの冒険者であるヨンさんの知識が大活躍である。

 熊は甘い香りのする倒木を壊す習性がある、力をためる動作がある、などなど、その知識は正確だ。

 

 当然、話の流れはこの樹海のボスになった。

 

 ヨンさん曰く、ボスは獣王(笑)ベルセルケル。かっこわらい、と思いっきり侮辱していた。

 だけど話を聞けば聞くほど、なんとも名前負けしている魔物だったからそうなるのも仕方がないことかもしれない。以下獣王(笑)のダメな点。

 

 ・背後から奇襲が容易。

 ・獣王乱舞という必殺技を持つが、力を溜める動作が長い。しかも溜めている間に攻撃を受けすぎるとバランスを崩す。

 ・とりあえず弱い。他にもっと強い獣型の魔物がいるのに獣の王。

 

 もうこりゃ楽勝雰囲気が漂ってきた。碧照を進む足取りも軽くなるというもの。

 

 

 

 

 その結果、ヨンは嘘つきと判明。

 

 

 

 

 奇襲が容易じゃなくてこっちが奇襲受けたわ。力溜め動作長くないじゃん。攻撃してもバランス崩さないじゃん。普通に強いじゃん。

 半壊しかけながらも、なんとか退けてマルコとオリバーの元へ戻ると、何故か倒したはずのベルセルケルがいた。誰だよ獣王かっこわらいとか言ってたやつ。滅茶苦茶こわいわ。笑えないわ。

 

 その後、色々あってなんとか生きてベースキャンプまで戻ることができた。

 うちのパーティメンバーから不吉なことを言われまくっていたマルコとオリバーも怪我こそしたものの死んではいない。

 

 次は一切油断せず進もう決めた。ヨンの情報で正しかったのは碧照のボスはベルセルケルという一点のみだ。

 

 

 

 

 碧照のボス、ベルセルケルじゃないじゃん。ケルヌンノスじゃん。

 

 ヨンの情報は信じるに値しないと確信した。

 

 とにかくケルヌンノスという魔物が乱入。エトリアにいた魔物らしく、タルシスの冒険者ウィラフさんの助太刀とイチのケルヌン情報のおかげでなんとか撃破。

 イチのケルヌン情報は正確だった。ヨンは見習って。

 

 

 

 

 

 

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 新たな迷宮、第三迷宮、原始ノ大密林の探索が始まった。

 

 この迷宮はエトリアの樹海と酷似しているらしい。だけど色々違う点があるし、エトリアでのこの密林のボスはケルヌンノスだったそうな。

 なので似ているけど違うから自分の情報は鵜呑みしないでとのこと。ヨンがズルいと言いたげな目でイチを見ていた。

 

 途中レオという単独で行動している冒険者と遭遇。

 自分に関わったら君たちが死ぬ、と謎の忠告をして去って行った。リーパーというのは死神ムーブをしないといけないのだろうか。ゴーさんの厨二病行動は掟だった……?

 

 レオくんの忠告を受けたメンバーの反応はというと、

 

 イチは「あれは敵対する。間違いない」とのこと。こいつの中では自分以外の冒険者は敵なのかもしれない。

 そして今回はニーさんまでもイチに同意してしまった。サンさんもヨンまでもだ。

 

 ゴーさんだけは「なんでこいつら、人と戦うことを想定してるの……?」とドン引きしていた。この子は本当に良い子である。

 

 とにかく人間不信だらけのパーティで慎重に進んでいるとワイバーンに襲われた。命こそ奪われなかったものの、いきなり深部まで連れてかれてしまった。さらにそれだけでなくアリアドネの糸を奪われた始末。

 

 アリアドネの糸がないことに気づいた時、ニーさんが何故かリスに呪詛を吐いていた。犯人はワイバーンなんですが、とツッコミを入れてみたけど「糸を盗むやつはリス以外いない。あれはリスだ」と言ってた。だいぶキマっちゃってる。唯一の常識人であるゴーさんも何故か同意しかけてた。ゴーさんに悪影響を及ぼすなんて。

 

 発狂状態のニーは放置するとして、同じくワイバーンの被害者であったレオくん、シリカさんと樹海脱出を目指した。

 

 

 

 

 

 

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 新たな探索場所、第四迷宮、垂水ノ樹海。

 アーモロードにも酷似した迷宮があるそうな。一応参考程度にと、ここのボスについてサンさんに確認しておく。ヨンの前例があるため鵜呑みにするつもりはない。

 アーモロードでは魔魚ナルメルというナマズだったとか。ナルメルについて聞いている途中、新たな冒険者と遭遇。カリスという少女と同行し、その後ロブという少年と遭遇した。その後サンさんが狂った。

 

 あの二人と関わったらどちらかが死ぬ。絶対死ぬ。二人を助けたければ二人に関わっちゃダメなのに、もう関わってしまった。と、ひとり頭を抱えて叫ぶサンがヤバイ。

 

 その後、最奥にてボスの魔魚シルルスと対峙。

 

 ……シルルスって誰だ。となったけど、まぁ同じナマズだし一緒だろうということで真面目に戦闘した。ちなみにカリスもロブも無事である。

 でもサンは「あの二人は死ぬ。古代魚に殺される」とブツブツ言ってた。重症だ。

 

 

 

 

 

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 おっぱい王女。間違えた。航海王女エンリーカはおっぱい。うん、何も間違えていない。

 

 

 

 

 

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 海の一族に雇われた冒険者、アーテリンデさんと遭遇。

 ニーとは知り合いらしい。関係を聞いてみると以前戦ったとのこと。背中合わせに戦ったとかじゃなくて、敵対したという意味で。ハイ・ラガードこわい。

 今まで冗談だと思ってたのにマジだったのかと驚愕。だけど驚いていたのは私とゴーさんだけで、イチとヨンは普通に「なるほど」とか言って受け入れていたし、サンは「死んでないんだ」とか言ってた。エトリアもアーモロードもタルシスも対人を普通と認識していてこわい。

 ゴーさんの出身地アイオリスに行きたい。どこか知らないけど。

 

 

 

 

 

 

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 第八迷宮、海嶺ノ水林。

 

 足を踏み入れて最初にサンが「カリスかロブ、どちらかが死んでる」と言いだした。

 まぁいつもの発狂かとスルーしていると、ここのボスである白鯨の魔物に「ねえ! 喋ってよ! 喋りなさいよ!」とずっと言ってた。魔物が喋るわけないじゃないか。もうサンは知らない世界に突入しちゃったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

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 モリビトという異種族と遭遇。モリビトの子供を助けた結果、彼らの村に案内してもらえた。

 イチが「モリビト全滅させなくていいの? やったー!」と喜んでた。なんで全滅させないとって思った。それとTPO考えろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ブロートは敵だったけど、ペルセフォネ姫は敵じゃなかった。

 ペルセフォネ姫が敵じゃないことに「馬鹿な!?」と言っていたイチはどうかしている。「今回のルートは姫と敵対しないルートか」と言ったサンはもう違う世界が見えている。

 ちなみにブロートと戦うことになった時、一番ショックを受けていたのはゴーさんだけだった。私も若干戦う予感していたので、ひょっとしたらイチたちに毒されてしまったのかもしれない。ゴーさんだけはそのままの君でいて。

 

 

 

 

 

 

 




 

6人で行動してるんですけどこのパーティ……

ちなみにサンはアーモロードで3周ほどした模様。



なお続かない。


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