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(0)---毛利蘭---
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(0)通夜も告別式も無かった。死体が無いから…お墓に骨ツボが2つ収められた。中には、亜樹君と夏美の命を奪った弾丸が入れられている。
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(0)呆気なすぎる別れ…もう、亜樹君は帰って来ない…
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(0)真実の彼を知る人物達は、彼のお墓に別れの挨拶をしていく。朱美と春美には、亜樹君が死んだ事を伝えていない。墓を破壊しかねないからだ。あの二人と、偽りの彼しか知らない者達には、夏美と取材旅行へと行ったことにしてある。
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(0)二人の遺体を目にした美和子さんは、精神をヤラれ、警察を退職し療養しているそうだ。紅子ちゃんはふさぎ込み、部屋から出て来ないらしい。彼に心を許していた私達は、皆心に穴が空いた感じなのだ。
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(0)私は…新一と…彼とは別々の道を歩むことを決心した。新一を見ると、亜樹君のことを想い出してしまうからだ。
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(0)「蘭…あのなぁ…」
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(0)「姿を見せないで…亜樹君の想い出が汚れるわ」
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(0)「えっ!そう言われるとは。でさぁ、俺は、亜樹の真実を調べてみるよ。アイツの最後に何があったかをな」
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(0)調べても亜樹君は帰って来ない。探偵気質の新一には、そこが分からないのだろう。調べても聞きたく無い情報しか、出て来ない気がするし。結末なんか重要では無い。亜樹君がいないことが問題なのだ。
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(0)「蘭…彼の遺産は私が管理することになっている。欲しい作品は言ってね。蘭と美和子さんへの贈与分を除いて、総て佐田家が相続するから」
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(0)亜樹君から、万が一の時の『遺言』を預かっていたお母さん。私と美和子さんの為に、亜樹君は貯蓄までしていたようだ。結構な額である。でも、たぶん…私と美和子さんは受け取らないと思う。受け取ったら、亜樹君の死を受け入れてしまいそうだから。
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(0)「蘭、飯を食わないと、お前までダメになるぞ。亜樹は、そんなことを望んでいないはずだ」
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(0)と、お父さん。私も、そう思う。亜樹君はそんなことを思っていないはずだ。私に元気で楽しく生きて欲しいはずだ。だけど…今は無理かな。
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(0)---佐藤美和子---
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(0)亜樹君との想い出に浸る毎日…死んだのなら、幽霊でもお化けでいいから、会いに来て欲しい。亜樹君…未だに彼の死を受け入れられない私。身体が動かない。何もしたくない…
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(0)「まだ、受け入れられないのか?」
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(0)冴子さん…
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(0)「迎えに来てくれないんです。死んだのなら、幽霊になって取り憑いてくれればいいのに…」
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(0)「美和子…大丈夫か?」
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(0)本心である。私に取り憑いて欲しい。ずっと、傍にいて欲しい。警察を辞めたら、一緒にいてくれるって…なのに…
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(0)「おい、美和子。落ち着け!」
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(0)冴子さんがナースコールを押している。私はどうしたんだ?
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(0)---工藤新一---
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(0)現場を見に行く。だけど、関係者では無い俺は入れないようだ。なので、目暮警部を頼った。
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(0)「亜樹君の現場写真?そんな物は無い。そもそも事件になっていないし」
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(0)え?捜査していないのか?
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(0)「工藤君、彼の過去をほじくり返すんですか?」
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(0)高木刑事が俺に詰め寄って来た。どうして?
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(0)「俺は亜樹の最期の真実を知りたいんだ」
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(0)「そんなことをして、何になるんですか?余計に、悲しみが深まるだけだと思う。蘭ちゃんも、美和子さんも、僕の従兄弟も…」
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(0)拳を握り絞めている高木刑事。
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(0)「でも、真実は1つ。殺された可能性だって、有るだろ?」
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(0)「無いわよ!」
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(0)誰だ、この女。プレイボーイ誌のピンナップに載りそうなスタイル抜群の女性が、話に割り込んできた。
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(0)「うっ!野上警視…」
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(0)この女性は警視なのか?
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(0)「なんで、無いって言い切れるんだ?」
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(0)「それは言え無いけど、言い切れるわ。つまり、そういうことよ。亜樹君が誰かに、死体の処理を頼んだの。それは事件では無く、事故だってこと。多分、銃は暴発したのよ」
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(0)この女が亜樹の死体を処理したのか。目暮警部達は知っていて黙認しているようだ。
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(0)「どうして、真実を公表しないんだ?」
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(0)「亜樹君の意志だから。彼の意志を踏みにじる行為は出来ないわ。彼を愛した者としてはね」
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(0)この女も亜樹を…
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(0)「つまらない探偵ごっこは辞めなさい。それこそ、亜樹君が悲しむわよ。そんなことをさせる為に、お前の影武者をしていた訳では無いのだから」
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(0)颯爽と、この場から立ち去る女警視。