※この作品はR-18です。

新そっくりなアイツ   作:もっち~!

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蠢く女難

 

 

 

 

いつものホテルで、お兄さんが、母さんと僕の作品展を開いてくれた。生前母さんが描き溜めた未公開作品と、僕が趣味で描き溜めた作品を展示してくれたのだった。

 

「亜樹君は絵の才能もあるんだね~」

 

作品展は盛況で、お兄さんは喜んでいた。

 

「紅子の性格を良くしてくれ、このホテルの目玉も作ってくれたとは、君に出逢えて良かったよ」

 

紅子の父親に言われた。

 

「お父様…亜樹さんが恐縮していますよ。褒め殺しはしないでください」

 

僕の横にいてくれている紅子が、父親を牽制している。

 

「褒め殺しでは無い。正直な感想だよ、紅子。亜樹君、佐田家は君をバックアップする。だから、困ったことがあったら、息子でも娘にでも言ってくれ」

 

「ありがとうございます」

 

離れで保管するには難であったけど、今後母さんの作品は、このホテルで適性な環境で厳重に保管してくれることになった。それはそれで嬉しい。ここに来れば、母さんの作品を適度な照明の下で見られるのだから。離れでは、その色合いははっきりと見えないし。

 

作品展には美和子や有希子も来てくれた。僕との関係がバレるとますいので、他人の振りをしているけどね。蘭の両親、あのコナンという少年も来た。あの少年は何者だ?目付きが小学生では無い。

 

別室では、オータンとタムタムの作品展も開かれた。こちらは常設では無いけど、姉ちゃんも夏美も喜んでいる。僕の作品と共に展示されたから。

 

「お兄ちゃん…」

 

甘えた声の夏美。指定席に収める。

 

「夏美、ここでそれはやめなさい。みっともないわ」

 

って、姉ちゃん。夏美は既に安眠モードに移行しているけど…

 

「本当に、夏美はスーパーブラコンよね」

 

珍しく蘭も焼き餅モードなようだ。蘭も胸が姉ちゃん並な為、夏美の様にはなれなかった。紅子は更に大きい為、無理だった。朱美は可能な気がするが論外なので、スルーしている。首を絞めかねないし。デコなら可能かな。この前、怒らせて以来、意識的に避けられているが、スルーしている。

 

「しかし、その妹は、この状況でよく安眠できるな」

 

って、蘭の父親。

 

「まぁ、コアラみたいな感じです。いつもの事だから…あぁ、気にしないでください」

 

「で、出来具合はどう?」

 

鈴木さんが訊いてきた。新シリーズの目処がたったので、企画書を鈴木さんに提出したのだ。

 

「そこそこです。1ヶ月に1本いけるかどうかかな」

 

蘭の父親をモデルにした、ノー天気な探偵の物語。

 

「そのペースならいいかな。トリック物を捨てた甲斐があったわね」

 

トリック物はダメだ。父さんのトリックとダブリそうで恐いから。親子2代で推理小説作家はきついと思う。まぁ、父さんとの関係はバレてはいないけど、僕の精神の問題だと思う。鈴木さんに言わせると、考えすぎってことみたいだ。

 

で、あの部屋に皆で移り、食事会。当然だけど、美和子と有希子は参加しない。

 

「そうそう、このホテルの1階に画材屋を開こうと思うんだ」

 

お兄さんが口を開いた。

 

「紅子に聞いたけど、君達は画材をよく買うそうじゃないか。だから、役立ちたいと思ってね。屋号は『佐丹堂』だよ。どうかな♪」

 

「僕達の為に?いいんですか?そんな理由で…」

 

「うん、いいんだよ。画材や塗料で有名なお店になれば、このホテルの知名度もあがるし。一石二鳥だよ」

 

商魂が逞しいのかな?それとも僕だけの為かな?

 

「恩に思わないでください。恩を受けたのは私の方ですから」

 

紅子が笑顔で僕の顔を覗き込む。

 

「それに、ここへの買い物であれば、安心です。亜樹さんは、トラブルに巻き込まれ易いから、心配なんですよ~」

 

やっぱり、僕の為なんだね。新一ってヤツに顔がそっくりだから…まぁ、そのおかげで蘭や美和子に出逢えたから良いけど。

 

 

翌週の金曜…学校から帰ると、家の前に美和子がいた。手にはカバンを持っている。

 

「どうしたの?家出?」

 

声を掛けた。

 

「あっ、おかえり♪お泊まりに来たの。明日の自主トレに参加するよ」

 

って。カバンはお泊まりセットと、自主トレ用品なんだね。

 

「ちょっと…お泊まりって?」

 

電柱の影から、知らない男性が出て来た。

 

「なんで、高木君がいるの?」

 

高木って人らしい。

 

「いえ…佐藤さんがソワソワしていたから、心配で…何で工藤君がいるんですか?」

 

あっ、新一に間違われている。有名人にソックリって、とっても不便…

 

「君に説明する必要性は無い。ふ~ん、尾行していたのか」

 

鍵を開けてドアを開け、僕と紅子と美和子だけ入った。高木って言う人を入れる理由は無かったから。

 

「あの人も刑事?」

 

彼の身分を確認してみた。

 

「そうだよ。同じ部署なんだ。なんで、尾行するかな。明日は非番なのに…」

 

「美和子さんが気になるんじゃないの?」

 

「ストーカーとして、逮捕するかな」

 

あぁ、その手もあるよね。

 

「まぁ、楽な服に着替えて。部屋は2階の空いている部屋を使って下さい」

 

「ありがとう、亜樹君♪」

 

荷物を持って2階へと昇っていく美和子。

 

「紅子、珈琲を頼めるかな?」

 

「はい♪」

 

1階には、紅子の為の部屋があり、そこで制服から私服へと着替えた。ちなみに、蘭は母屋にある僕の部屋を使っている。僕は母屋で生活しないから。

 

着替えて、書庫で調べ物をしながら、構想を練っていく。取材メモを見ながら、ノートへ情報を整理して書き込んでいく。美和子と紅子が、僕の作業を興味深そうに見ていた。

 

「小説家って大変なんだな」

 

って、美和子。

 

「刑事さんだって、大変でしょ?刑事ドラマと違って、書類との格闘らしいじゃないですか」

 

蘭の父親は、探偵になる前は刑事だったそうで、刑事ドラマと実際の違いを聞いたことがあったのだ。

 

「まぁねぇ、書類が大事だよ。捜査も大事だけど。捜査や推理が冴えていても、書類に出来無いと、裁判で使えないし」

 

そうだ…夏美の作業場から、モデルガンを取りだし、美和子に手渡した。

 

「美和子さんの銃で象りした、夏美の作ったモデルガンです。出来映えを後で夏美に伝えてください」

 

「あぁ、わかった。ふ~ん…よく出来ているな。弾倉も回転するのか。リアルだな。軽さと柔らかさを除くと」

 

モデルガンだから。重さと頑丈さまで再現すると、それは違法拳銃になると思う。それだけの再現力はある。

 

疲れたので、絵を描く。紅子と美和子をモデルにして。

 

「え?私をですか?もったいないような…」

 

紅子の謙遜する言葉。過去の紅子も気になるけど、今の紅子は好きである。

 

「はい」

 

二人に出来た絵を手渡した。

 

「凄い…」

 

「短時間にこんなに描けるの?モンタージュ作りできそうだな」

 

あぁ、出来るかな?でも見た物しか描けないから、無理かな。

 

「おじゃましま~す♪」

 

蘭がやって来た。既に母屋で着替えてきたようだ。う~ん、姉妹の帰りが遅い。蘭より先に帰って来る距離なのだが。どこかで不良を狩っているのかもしれないな。

 

「外で高木刑事に会いましたけど、何か遭ったんですか?」

 

って、美和子に言った。

 

「うん?まだいるのか?暇だな。何も無い。遭ったとすれば、私と工藤君が逢い引きしていると、誤解しているくらいかな」

 

笑顔で返す美和子。

 

「あぁ、尾行されたんですね。佐藤刑事はモテるから♪」

 

「そんなこと無いわよ」

 

「あぁ、いいな~亜樹君に描いてもらったんですか」

 

美和子に描いた絵を見ている蘭。

 

「さらっと描いてくれたよ」

 

蘭にも絵をプレゼント。その絵を見るなり顔と耳を真っ赤に染めた。

 

「なんで…私だけ…全裸なの?」

 

「何も着飾らない蘭が好きだから」

 

正直に言った。

 

「そういうのは、人前で言わないで~恥ずかしいからさぁ~」

 

俯いた蘭。

 

「見ないでも描けるの?ねぇ、私の想像ヌードも描いて♪」

 

ペンを走らせる僕。5分ほどで完成、美和子に手渡す。

 

「え…えぇぇぇぇぇ~…想像でここまで描けるのか…う~ん…」

 

まぁ、身体のパーツは見ているから、ポーズによってどう変化するかは応用編だけどね。

 

「こんなにスタイル良かったかな?」

 

「あぁ、亜樹君の理想ですよ。それに近づけるようにすると、良いと思います」

 

って、蘭が説明している。遠からず…そんな感じだよ。

 

「ただいま♪腹減ったよ~」

 

って、姉妹と朱美が帰って来た。あぁ、飯の用意しないと。紅子と蘭と僕がキッチンへと向かった。

 

「美和子さん、いらっしゃい♪」

 

「お誘い、ありがとう♪」

 

「おぉ、お兄ちゃんの絵だ。描いて貰ったんですね」

 

夏美と美和子が楽しそうに会話している。

 

「で、姉ちゃん、帰りが遅く無いか?」

 

「あぁ、こそ泥を捕まえて、警察に引き渡していたから」

 

「うん?こそ泥?どこで?」

 

「母屋の裏で捕まえたよ。金目の物は無いのになぁ」

 

一般的な金目な物は無い。有るとすれば、父さんと僕の原稿、夏美と姉ちゃんの作品くらいだけど、一点物な為、足が着くと思うので、まず盗まないだろう。

 

「妖しい者では無いって…まったく、妖しいだろ、住民でも無いのに」

 

まぁ、この辺りに住んでいる者で、鳥井姉妹を知らない者はいない。そのくらい、恐怖な対象になっている姉妹と朱美。絡んできた不良達を制圧して、ボス格だけを拘束して、人気の無い場所に連れて行きボコる。通常の一般人では無いのは周知な事実だ。

 

交番のおまわりさんですら、姉妹達に敬礼をする位、ビビられている。

 

「妖しいな。この辺りに住民では無いんだろう」

 

「柔道経験があるみたいだったよ。少し愉しめたかな♪」

 

姉ちゃんは空手一筋である。僕とのプロレスごっこをする為だけに、朱美は柔道を多少極めている。そして、夏美はマーシャルアーツの使い手であった。

 

「明日は亜樹も参戦だぞ」

 

って、姉ちゃん。へ?なんで?

 

「拒否!」

 

「ダメだ。美和子さんの相手をしろ。あと、蘭丸な」

 

「僕は攻撃できないぞ!」

 

「それでいいんだ。攻撃を全部凌いでみな」

 

挑発的に言い放つ姉ちゃん。お前を倒したい…

 

「姉ちゃん、今から手合わせするか?」

 

はっとする姉ちゃん。

 

「ダメだ。腹が減って無理」

 

「喰った後だと、嘔吐の危険があるが…」

 

「なんで、私なんだ?」

 

「一番苦しむ顔が見たいから♪」

 

「う~ん…過去のことは謝るから…」

 

「じゃ、明日な♪」

 

凹んでいる姉ちゃん。空手一筋の姉ちゃんは、間接技に弱い。攻撃をしのげれば、間接技に持ち込めるし。その前に投げ技でも制圧できるかな?

 

って、僕は武術を習ってはいない。まぁ、朱美とのプロレスごっこ程度の実力だ。ただ、動体視力は鍛えられている。何度も、姉ちゃんの正拳突きを、目の前で寸止めされているから。

 

 

食事の後、まったりしていると、呼び鈴がなった。こんな時間に来客?蘭が玄関へと向かった。

 

「えっ?目暮警部?」

 

「うん?蘭君…どうして…ここに何があるんだ?」

 

美和子が玄関へと向かった。

 

「警部、どうしたんですか?」

 

「佐藤君…それは、私が聞きたい。ここで、何が行われているんだ?」

 

「どういう事ですか?」

 

「高木から工藤君を見つけたと報告があったのだが、彼の行方が分からなくなったんだ」

 

「え?新一?」

 

「蘭ちゃん、亜樹君の事じゃないかな?私と亜樹君が一緒にいるところを目撃されたから」

 

「あぁ…彼は新一では無いんです」

 

「どういうことかな?失礼するよ」

 

「ちょっと、勝手に上がらないでください」

 

紅子と食器を洗っていると、知らない大柄な男性が入って来た。それも土足でだ…

 

「君は工藤君では無いのか?!」

 

威圧的に言う男性。

 

「違います。なんですか?土足で、勝手に入ってきて。捜査令状はあるんですか?」

 

「うん?そういうのが必要な状況なのか?」

 

警部がどこかに連絡をし始めたので、僕も蘭の母親に救援を求めた。あれ?紅子もどこかに連絡をしているし。

 

 

30分もすると、僕の家の前は騒然となった。大柄な男性が呼んだ警視庁の人々、僕の呼んだ蘭の母親、そして、紅子が救援を要請した警察庁の人々が睨み合いをしていた。

 

大柄な男性と警察庁の偉い人と蘭の母親の3者で、話し合いをし始めた。その結果…埒が明かなかった。

 

「捜査令状はあるので、家宅捜査に着手します」

 

「違法捜査は認められない」

 

「容疑はなんですか?彼は未成年ですよ!」

 

っと…どうなるんだ?

 

 

 

 

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