魔法少女リリカルなのはViVid 〜鬼狩りの剣技を扱いし少年は鮮烈な物語を紡ぐ〜 (シナプス・フィン)
しおりを挟む

主人公設定※随時更新とネタバレ注意

ひとまず、今更ながら主人公設定を投稿します。
ネタバレの可能性があるかもしれないのでご注意を。


レオン・ウェルキウス

St(ザンクト).ヒルデ魔法学院 高等部 2年

年齢:17歳

出身:地球

流派:呼吸法

術式:近代ベルカ式

 

黒よりの赤い髪に額に炎のような痕が特徴的な少年。

この痕は、小学5年の頃に怪我をした際に傷跡として残ってしまったのだ。

しかし、進級した小学6年の頃に祖父から本格的に剣術を習いたいと話

呼吸法の技を磨いていると怪我の痕が今現在の痕に変化したのだ。

その際、祖父はもしかしたら日の呼吸の適性を持っているかもしれないとのこと。

そして日の呼吸を扱える事がわかり習得できるか試してみた結果、壱から拾ノ型まで習得する事ができた。

そして残り2つの型も習得できるように日々研鑽を積んでいる。

 

現在使える呼吸法

 

の5種類。

 

 

岩の呼吸は武器を試しに振り回してみたところ余りにも戦闘スタイルが合わなさすぎて習得を諦めてしまったのだ。

現在は、日の呼吸の残り2つとレイピアの武器を使用した高速突きを行う蟲の呼吸の習得を目指している。

スサノオに出来ることがないか聞いてみたところ

普通の刀だけより他の戦い方も模索してみないかとスサノオに提案され蟲の呼吸の習得を目指している。

風の呼吸は使えるは使えるが種類が少なすぎることと使用場面が余りにも無さすぎて

レオン自身もたまに風の呼吸を忘れてしまうのだ。

月の呼吸に関しては、文献が残ってはいるものの殆どの書物が

ボロボロのため解読が不可能になってしまっているのだ。

他にも呼吸法の文献は残っているがまだ解読仕切れていない物もある為レオン自身も日々、鍛錬と技を磨いている。

蟲の呼吸は、毒を合わせて使用すると明記されていた為、毒を使用せずに敵を倒す突き技の研究をしている。

 

 

 

 

 

使用デバイス

正式名称:スサノオ

タイプ:インテリジェントデバイス

クロノ・ハラオウンがレオンに管理局に入ってもらう為の外堀その1の手段として

無償で提供されたインテリジェントデバイス。

レオンの人間離れの身体能力で使用する魔法は足場の生成、身体強化しかできないが

呼吸法で使用する武器の種類が変わるということで地球に存在していた武器類の情報を集め

うまく利用できないかレオンと共に模索している。

呼吸法でエフェクトが入る際にそのエフェクトを実体化できるようになるか試している。

特訓次第では、魔力変換資質持ちに対して脅威を与えるほどになる。

 

 

 

交友関係

・ティアナ・ランスター

基本は原作通り。レオンが一番仲がいい友人。

学校での友達もそれなりにいるがそれ以外の友人となるとティアナが一番仲がいい。

彼女との関係は、ティアナと相談した結果、追及されたら答えるようにして

基本的には、自分から話さないという事で話がまとまった。

と言ってもそれでからかってくるような人物はOHANASHIを受ける羽目になる。

因みにその出来事を一部始終見ていた男性局員に知られティアナを

狙っていた男性局員も迂闊に手を出せない。

ティアナ本人は、無意識の内にレオンの事を目で追っている事を彼女自身は気づいていない。

その様子に気づいているのはクロノだけなのだ。

 

 

・クロノ・ハラオウン

ティアナと同じ原作通り。

今の目標は、レオンを管理局に入れられないか悩んでいるところだという事。

因みに、管理局で模擬戦のデータがマリエル経由でレオンの戦闘データを見たところ

彼の能力に釘付けになってしまった。

その為、レオンが本当に入局してくるまでこの情報は機密事項扱いにした。*1

 

 

 

*1
それだけレオンの戦い方が異端という事になる




次回は、カルナージ編を投稿していきます。

誤字脱字等ございましたら連絡ください。
よろしくお願い申し上げます。

では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1章 邂逅編
Memory 1 鮮烈な出会い


初めましての方は初めまして。お久しぶりですの方はお久しぶりです。
シナプス・フィンです。

この作品は、現在投稿中の
魔法少女リリカルなのは 〜世界の破壊者はその瞳で何を見る?〜の
まったく関係ない設定の物語となっています。
ストーリーは原作前からになっております。

それでもいい方は、ご覧下さい。
では、どうぞ。


タタタタタタッ・・・。

 

とある管理世界の街中。1人の女性が1人の男性を追いかけていた。

そして女性が光弾を生成し男性に向かって発砲した。

 

「がっ!?」

 

出血等はしていないがダメージ事態は受けた。

男性はそのまま体制を崩し倒れこんだ。

立ち上がろうとした時女性の拳銃らしき物が男性の額に突きつけた。

 

「残念だけどこれまでよ」

「チィ・・・!新米執務官のクセに・・・!」

「その新米執務官に油断した貴方が悪いのよ」

 

女性はそのまま男性を確保しようとした時・・・。

 

「オイ!目を瞑れ!!」

 

「「!?」」

 

突如、第三者の声が捕まる手前の男性に指示を出す。

その男性は指示通り目を瞑った。

すると女性の足元から強烈な光が発生した。

 

「閃光魔法!?」

 

強烈な光で視界を奪われ僅かな隙をつくってしまった。

 

「オラッ!」

「きゃあ!!」

 

銃を向けられていた男は女性を突き飛ばし動きを封じた。

 

「(しまった!身動きが取れない!?)」

「ふぅ・・・。焦ったぜ」

「手間を取らせるな」

「悪りぃ悪りぃ」

「(まさか、仲間がいたなんて・・・!)」

「しっかし、この女どうする?」

「殺してしまった方が楽だろう」

「でもよ、コイツなかなかいい体してね?」

「!?」

 

女性はその言葉で思わず戦慄した。

 

「(コイツ・・・まさか!?)」

「ハア・・・早くしろ」

「よっしゃ!そんなわけで〜」

 

男性が女性に手を出そうとした時・・・。

 

 

 

 

 

突如、ドゴンという鈍い音が聞こえた。

 

「えっ?」

 

女性はあまりにも唐突だったため一瞬、何が起きたかわからないでいた。

そして女性は、身動きが取れる状態になり近くにあった銃を取り2人の男性の方へ視線を向ける。

女性は、視線を向けると驚愕の表情を浮かべた。

そこには突如、倒れている男性2人と・・・。

 

 

 

 

 

 

()()()()()男の子がそこにはいた。

女性は訳が分からない表情を浮かべてながら警戒しながら男の子の方へ向かい

手元にあった銃を構えた。

 

「時空管理局執務官 ティアナ・ランスターです。おとなしくしてくれれば悪いようにはしないわ」

 

刀を持っている男の子は刀を鞘にしまいティアナという女性の方へ視線を移す。

額の左側に痕があり髪と瞳が赤みがかった少年で顔は比較的イケメンの部類に入る。

 

「(見た所、若いわね・・・。私より年下かしら・・・?)貴方、名前は?」

「レオン・ウェルキウス。ここには旅行しに来ました」

「え?旅行?」

 

名前を素直に答えてくれたため話を聞いてくれる人物だということはわかった。

しかし、いささか旅行というのは無理があるのではと思ってしまった。

 

「なんで旅行者がこんな危ない所に?ていうかなんで刀なんて持ってるのよ・・・」

「その詳細は、隙を見て逃げようとしているアッチを捕まえてからでもいいのでは?」

「えっ?」

 

レオンが指さした方を見るとそこには隙を見て逃げようとしている2人の男性がいた。

 

「見つかった!」

「仕方ない・・・」

 

すると男性2人は、デバイスとバリアジャケットを展開し臨戦態勢をとる。

ティアナもデバイス・クロスミラージュを構える。

 

「(マズイわね・・・。この子を守りながらの戦闘はかなり厳しいわ。こうなったら・・・)」

 

ティアナは、意を決してレオンの方へ目線を向ける。

 

「レオンだったわね。隙を見て逃げなさい」

「ランスターさんはどうするの?」

「管理局員だもの。民間人を守るのは私の役目よ!」

 

そう言いティアナは、クロスミラージュを構え彼らに発砲した。

ティアナと彼らとの戦闘が始まった。

ティアナは、弾幕を張りながら相手を倒していく戦法だが

相手は、2人で1つの防御魔法を展開しているため守りがかなり固い。

隙をみてカートリッジシステムのカートリッジを装填する。

戦闘の様子をレオンは考察しながら見ていた。

 

「(我慢比べだな。相手2人は魔力を常に流しているから防御が崩れない。

ランスターさんがどうやってアレを切り崩すかによるが・・・)」

 

そんなことを考えながら戦闘の様子を見ていた。

するとランスターさんの表情に焦りが見えてきた。

 

「(防御を崩せないでいるせいか焦りが見え始めているな・・・)」

 

そしてティアナの攻撃の手が弱まった隙をみて1人が魔力弾で攻撃した。

ティアナは、その攻撃を避ける。

 

「(避けたってことは魔力量が少ないか或いは連続で戦闘を行ったというのもあるか

どちらにせよかなり厳しい状況にはなってきているということだな・・・)」

 

レオンは、仕方ないと思い腰にぶら下げていた剣を構える。

 

 

 

 

 

 

戦闘が膠着している中、ティアナは焦りが生まれていた。

 

「(マズイわ・・・。決定打にならなさすぎる・・・!

ブレイカーを撃とうにも場所が悪すぎる。どうすれば・・・!)」

 

ティアナがいうブレイカーとは、彼女の切り札のうちの一つ

スターライト・ブレイカー

だが、この魔法は威力が高すぎるため周囲に被害が及ぶ可能性があるため

下手に撃つことができないでいた。

どうにか、突破口がないか考えている時だった。

1人が隙を見てこちらに魔力弾を発射してきたのだ。

 

「(直撃コース!!)」

 

反撃を許した瞬間と同時にこの攻撃は避けられないと悟り思わず目を瞑ってしまった。

しかし、いつまでたっても痛みが来ない。

ティアナは、不思議に思いゆっくりと目を開く。

 

 

 

 

 

 

そこには、レオンが刀身で敵の魔力弾を止めていた。

 

「何!?」

「刀身で止めただと!?」

 

男性2人が驚く中、ティアナは唖然とした表情を浮かべた。

そしてレオンは、魔力弾を敵に投げるように跳ね返した。

防御に専念していた男性は、気が緩んでしまったためか

防御魔法が破れてしまい吹き飛ばされてしまった。

レオンは、今が好機と見たと考え・・・。

 

コオオオオオオオオオオオオッ!!

 

独特な音をしながら息を吸い始めた。

そして、敵2人の懐に一気詰め寄った。

 

全集中 日の呼吸

 

すると突如、刀身がバチバチと鳴り響くと刀身が燃え上がった。

 

「燃えた!?(嘘!?魔力も何も感じないのに!?)」

 

彼が魔力変換資質持ちであれば才能があると思っていたが

まさかの魔力なしで刀身を燃やすというわけがわからない技をやってのけたため

ティアナの頭のキャパはオーバーしてしまった。

 

壱ノ型 円舞

 

そして敵を一気に断ち切ると同時に敵が吹き飛び壁に激突しそのまま崩れ落ちた。

唖然と見守るティアナを尻目に刀を軽く振り回し納刀するレオン。

一息つきティアナの方を見る。

 

「聞きたいことあるんじゃないんですか?」

 

唖然としたティアナに呼びかけるレオン。

そして意識を取り戻したティアナは、クロスミラージュで通信し応援を要請した。

そして、ティアナはレオンの方へ視線を向ける。

 

「とにかく一度、船に来てもらうから」

 

レオンは、ティアナの言うとおりにしそのまま一緒についていくことになった。

この出会いが、2人の物語を紡いでいくということをまだ知らないでいた。

 

 

 




いかがでしたか?

この作品を投稿した理由としてですね
現在もう一つのリリカルなのは二次小説を投稿しているのですが
その作品の息抜きで書いています。

ですので、更新はかなり遅いということだけお話しします。

では、次回でお会いしましょう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 2 実は初対面ではなかった!?

第2話です。

次回から原作のエピソードに入っていきます。

では、どうぞ。


場所は、XV級次元航行艦船・クラウディア。現在、レオンは取り調べを受けていた。

その様子をクラウディア艦長 クロノ・ハラオウンと現場に居合わせたティアナが別室でその様子を見ていた。

何故、この2人が一緒に行動しているのかというとクロノの船に乗る予定だった乗組員が

別の事件を担当していたのだがその事件の際に負傷してしまい船に乗れなくなってしまったのだ。

そして、クロノの義理の妹のフェイト・ T・ハラオウンが推薦したのがティアナだった。

様々な現場で経験を積んでほしいというお節介がまさかの変な方へと傾いてしまった。

 

「魔力なしで剣を燃やしていた・・・。クロスミラージュの記録を見ていなければ

まったく信じていなかったが・・・」

「正直、それだけで驚きましたが彼の身体能力です。

魔導師をいとも簡単に制圧できるなんて可笑しいの一言に限ります」

 

そんな話をしつつレオンの様子を見る2人。

ティアナは、ジッとレオンを見つめていた。

 

「所でランスター執務官」

「何でしょうか?」

「彼に何か思う所でも?」

「え?」

「いや、勘違いかもしれないが君は彼に興味を抱いてるように見えてね」

 

ティアナは、思わずあぁ〜という表情を浮かべる。

 

「大した事じゃないんですけど、彼、どこかで見たような気がして」

「見た所、学生だから通勤時間の際にすれ違ったんじゃないか?」

「それもそうですね・・・。あんな特徴的な痕や髪色は普通だったら覚えていますもんね」

 

そんなこんなで時間だけは過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

ああ疲れだ〜」

 

場所は、クラウディア艦内の食堂。

取り調べを受け2時間近く取調室に拘束された為レオンの精神は疲労困憊だった。

一休みしたら帰っていいという許しを貰い食堂で休んでいたのだ。

 

「お疲れ様」

 

労いの言葉をかけて来たのはティアナだった。

その手にはお茶の入った紙コップだった。

 

「ありがとうございます」

 

レオンは、ティアナから受け取ったお茶を飲み一息ついた。

 

「まっさか2時間近く拘束されるとは思ってませんでした・・・」

「仕方ないわよ。あんなデタラメを信じるなんて無茶言うなって話よ」

「て言われましても・・・」

 

レオンは、何処か納得いかない表情を浮かべていた。

 

「所でアンタ・・・。私と会ったことない?」

「随分、急ですね」

「いや、アンタのその額の痕、どっかで見た気がするのよ」

「・・・俺も記憶朧げですけど、ランスターさんでしたよね?」

「ティアナでいいわよ」

「それじゃあティアナさんで。ティアナさんって昔、髪結んでいました?」

「え?えぇ、それがどうかしたの?」

 

レオンは、その事でピキーンとなった。

 

「もしかして、ツインテールでした!?」

「何でわかるの!?」

 

レオンの予想を指摘し正解した事にティアナは驚いた。

 

「俺も思い出した!直接あった訳ではないですけど

ティアナさんが全身タイツを着た変な人と戦ってた時に乱入したの俺ですから!」

 

 

 

 

 

 

「「「ハアアア〜〜〜〜〜〜〜!!!!!????」」」」

 

レオンのカミングアウトによりクラウディア艦内が揺れた。

 

 

 

(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)

 

 

 

 

再び取調室に放り込まれるレオン。

次に担当してきた局員は、フツメンの局員ではなくイケメンの人だった。

 

「時空管理局 クラウディア艦長 クロノ・ハラオウンだ。

さて、君にまた聞きたい事が増えたな」

 

笑いながら声をかけているが何かしらの圧を感じ取ったレオンは思わずたじろいでしまった。

 

「は、はいぃ・・・」

「さて、以前に戦闘機人と戦闘を行ったと話を聞いたがあれはどういう意味だ?」

「・・・あれはコッチ(ミッドチルダ)に初めて来た3年程前の事です」

 

意を決して事のすべてを話すレオン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新暦75年、ミッドチルダを恐怖に陥れたJS(ジェイル・スカリエッティ)事件。

その容疑者のリストの中にいた人物。

 

 

戦闘機人

 

 

人体に身体能力を強化するための機械部品をインプラント化

人の身体と機械を融合させ、常人を超える能力を得る。分かりやすく言うとサイボーグである。

 

肝心の本題だ。ティアナと戦闘を行っていた人物達がノーヴェ、ウェンディ、ディードの3人だった。

その時、機動六課のフォワードメンバーと戦闘機人と対決していた時、分断されてしまったのだ。

更に、交戦していたティアナも戦闘の際に足を痛めてしまい満足に動けない状態だった。

状況はかなり最悪だった。そんな時だった。

 

「・・・加勢したほうがいいか?」

 

戦闘機人オットーは、前線に出ている3人の援護に入ろうかと考えていた時だった。

デバイスのセンサーから何者かが結界の中に入ったという反応があった為

そこに向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

「戦闘が行われている。物騒な世界だな・・・」

 

そう、結界の中に入った人物はレオンだった。

彼は、当時、祖父にここに行けと言われて当時中学生だった

レオンは、テスト休みを利用してミッドチルダに来ていたのだ。

そして観光で街をフラついていた時に知らぬ間に戦闘エリアに紛れ込んでしまったのだ。

 

「ん?」

 

レオンは、何かを感じ取りその場からバックステップで距離を取る。

 

「何じゃこりゃ?」

「それはこっちのセリフだ」

 

声を聞こえたほうを見るとガジェットを引き連れたオットーがいた。

 

「知らぬ間に紛れ込んだようだが生かして返さない」

 

オットーが術式を展開し彼女の固有スキル レイストームで全方位に攻撃を仕掛ける。

 

「(全方位に攻撃を仕掛け、逃げ道を塞ぎ一気に仕留める。悪くない手だが・・・。

 

 

 

 

 

 

相手が悪すぎたな)」

 

レオンのいた場所が爆発した。

 

「呆気ない」

 

爆発した箇所を冷めた目で見るオットー。

確実に仕留めたかどうかを確かめる為煙が晴れるまで警戒を怠らないでいた。

煙が晴れるとそこにいたのは・・・。

 

 

 

 

 

 

無傷のレオンが刀を抜刀している状態でいた。

 

「なんだと!?」

「へぇ、あまり感情を表に出さない方かと思ったけど結構感情的になりやすいんだな」

「逃げ道をなくしている状態だったのに何故!?」

「全て叩き切った。回避して態勢を整えるのもアリだったけどコッチの方が

手取り早いと思ったからな」

 

あまりにも常識を逸脱している発言に怒りを覚えたオットー。

 

「ふざけるな!!」

 

再び攻撃を仕掛けるが感情に任せた攻撃故に射線が単調になってしまっている。

 

「感情的になりすぎだ」

 

レオンはそういうと息を吸い始めた。

 

 

ヒュゥゥゥゥ!!!!!

 

 

呼吸をすると同時に刀身から水が溢れ出てきた。

 

 

全集中 水の呼吸

 

 

そしてそのまま敵の弾幕に飛び込んでいった。

 

 

参ノ型 流流舞い

 

 

流れるように敵の弾幕をかわし斬るかわし斬るを繰り返し

その勢いのままオットーを切りつけ勢いよく吹き飛ばした。

吹き飛んだオットーはそのまま壁に激突。

 

「ば、かな・・・」

 

ありえないとそう思いながら気を失ったオットー。

 

「魔法に頼りきっているような奴に負けねぇよ」

 

そういうと別の場所で爆発をした方を見るとモクモクと煙が上がってる方を見つけた。

そしてレオンは、その場から消えた。

その後、1匹の狼と黄緑色のバリアジャケットを着た女性が倒れているオットーを確保した。

 

 

 

 

 

 

「(幻術が面倒だな・・・。オットー。・・・オットー?オットー!返事しやがれ!)」

「(ノーヴェ。どうした?)」

「(オットーが念話に出ねぇ!)」

 

「「(!?)」」

 

「(チャンス!)」

 

ノーヴェ、ウェンディ、ディードの3人の動きがわずかに止まった。

それをチャンスと思いティアナは、魔力弾で攻撃を仕掛けた。

ノーヴェは、何とかかわしたがウェンディとディードは躱しはしたが

ダメージを受けてしまい2人の武器を落としてしまった。

 

「(一気に押し切る!)」

 

そのまま魔力弾をできるだけ生成し魔力弾を発射。

攻撃をそのまま受けたウェンディとディードはそのままダウン。

 

「ウェンディ!ディード!」

 

隙ができた今、ノーヴェの背後に立ったティアナはクロスミラージュを突きつけた。

 

「貴方の負けよ。大人しく投降して」

 

ノーヴェは、冷や汗を垂らしていた。

そんな時・・・。

 

「避けろ!ノーヴェ!」

 

立ち上がったのはディードだった。

そして双剣の内の片方を手に取りティアナに斬りつけようとした時・・・。

 

 

 

 

 

 

全集中 雷の呼吸

 

壱ノ型 霹靂一閃

 

 

ディードの前に()()が通り過ぎると

片手剣は、砕け散り斬撃を受けたディードはそのまま崩れ落ちた。

 

「・・・こんのヤロォ!!」

 

ノーヴェはティアナに殴ろうとしたが動揺のあまり大振りになってしまい

ティアナの魔力弾でノーヴェを気絶させた。

 

「あの時の強い風・・・。何だったのかしら」

 

そう呟くティアナ。

 

「・・・」

 

遠目でその様子を見ていたレオンは誰にも気づかれずその場を去った。

その後、爆発の起きた所に到着したが既に事態は終息していたためその場から離れ帰宅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが事の顛末です」

 

クラウディアの取調室でクロノに事の全てを話したレオン。

 

「・・・君は、人間か?」

「話聞いた後の第一声にしては酷くないですかね!?」

 

クロノの第一声の理不尽差に思わず涙目になったレオン。

クラスメイトに運動神経の良さはみんなに褒められていたから嬉しかったから

頑張って全集中とか覚えて色々と鍛えてきたけどこの仕打ちは些か文句が出るぞ!

 

「すまない・・・。正直、理解が追いついていない」

「いや、降りかかる火の粉を払っただけですよ?」

「戦闘機人は、魔法だけでなく身体能力も普通の人間とは違うんだ。

それを魔法を使わずに制圧したとなると頭が痛くなる話だ・・・」

「だからって人間かどうか疑います?」

 

色々と納得いかない事だらけだがとりあえず事情はわかったという話だった。

 

「というより俺の処遇はどうなるんですか?」

「安心したまえ。3年前のこともあると同時に局員が対処したということに報告が入っている。

君が変に言いふらさなければ問題はない。僕個人としては是非、管理局に入ってもらいたい所だがね」

「・・・一応、将来の1つとして考えさせて頂きます」

「そうか。いい返事を待っているよ」

 

そう言い今度こそやっと取調室から出た。

そして、隣の部屋からティアナさんが出てきた。

 

「・・・聞いていたんですね」

「レオン」

 

恐らく文句の1つや2つが出るだろうと思い身構えてしまった。

 

 

 

 

 

 

「ありがとう」

 

思わずこぼれ出た言葉に一瞬ポカンとしてしまった。

 

「アンタのお陰で私は、ここにいる。夢だった執務官にもなれた。

だから誇っていいわ。貴方のした事は間違いではなかったと」

 

言いふらすのはダメだけどと釘を刺されたがレオンは思わず笑みを浮かべてしまった。

 

「良かったです。助ける事が出来て・・・」

 

レオンから溢れた言葉にティアナも笑みを浮かべてレオンもまた笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

「う、うん!」

 

「「ハッ!!」」

 

思わずビクンとなったレオンとティアナ。

この方を見るとクロノ艦長が若干ニヤけながらこちらを見ていた。

 

「ランスター執務官。一応、風紀だけは守ってくれよ?」

「は、はい!申し訳ございませんでした!!」

 

ティアナは、慌てて敬礼し謝罪をする。

レオンも何とも居心地が悪い雰囲気になってしまった。

 

「さて、もう遅い。ランスター執務官」

「は、はい」

「車を1台使用許可を出す。それでホテルへ送って行きなさい」

「えっ?何もそこまでお世話になる訳には・・・」

「何、こちらの事情に付き合わせてしまったお詫びも兼ねている。頼めるか?」

「分かりました」

「えっ?ティアナさん!?」

 

まさかのティアナもノリノリでOKしてくれてびっくりするレオン。

 

「車の準備をしてくるか食堂で待ってなさい」

 

そう言いティアナは、車のあるコンテナに向かった。

 

「・・・なんという強引」

「何事も経験だ」

 

クロノ艦長は、レオンの肩を軽く叩きその場を後にした。

数分後、待ち合わせ場所の食堂でティアナさんと合流しレオンをホテルへと送った。

別れの際、連絡先を教えて貰った。女性の積極的な行動力に唖然とするレオンだった。

 

 

 




いかがでしたか?

実を言うと現在投稿しているリリなの×ディケイドのヒロインを
ティアナにしようという考えも実はありました。


しかし、そうなるとStrikerSからでないと書けない
その前に下手したらなのは達に攻略される可能性もありまして
ティアナのヒロインを見送りしたんです。

そんな訳で、もう1つ考えていたこの作品を投稿しようとなり
今に至るという訳です。

長々と付き合っていただきありがとうございます。

誤字脱字等ございましたら連絡を下さい。
では、次回。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 3 覇王

さて、今回からViVid本編に入っていきます。


では、どうぞ。


ティアナとの邂逅(再開)し1年の年月が経った。

レオンは、現在、St(ザンクト).ヒルデ魔法学院の高等部に進学したのだ。

授業が終わり放課後となり、時間を確認しすぐに教室を出て学校を後にした。

 

 

 

 

 

 

場所は変わりとある喫茶店。ここは、最近流行っている喫茶店で夕方前なのか人がそんなに集まっていない。

そこで1人、コーヒーを飲んで時間を潰している女性。

 

 

ティアナ・ランスター

 

 

レオンと再開したあの日から今日に至るまでお互いに年齢関係なく良い友人関係でいる。

ティアナ本人は、それより先の関係になりたいと望んでいるようだが・・・。

 

カランカランッ!

 

お店のドアが開いた音が聞こえてドアの方を見るとレオンが入ってくるのを確認し

レオンをこちらに来るように誘導した。

 

「お待たせ。ティアさん」

「こっちこそ学校終わりにごめんなさいね」

「いいですよ。最近、こうやって会えてなかったんですから」

 

そして流れるように注文を決めるレオン。

因みに、ある程度仲良くなると向こうから・・・。

 

「わ、私の事はティアって呼びなさいよ・・・」

 

顔を真っ赤にしながら言われると断れないプラス彼女の可愛さにレオンのハートが

クリティカルヒットしてしまいそう呼ばざるをえなくなったのだ。

そんな2人の和やかな雰囲気に他の店員やお客さんはホッコリしていた。

世間話をする中ティアさんの表情が真剣になった。

 

「それで今日呼んだのは理由があるの」

「え?そうなんですか?」

「実は・・・」

 

 

 

 

 

 

「傷害事件ですか?」

「事件と言ってもまだ被害届けとかは出されてないから事件ではないんだけどね。

何だか相手も無差別ではないの」

「どういう事です?」

「その相手が格闘家なのよ。要はストリートファイトして負けたから被害届を

出さないって事になっているの」

「格闘家ね・・・。ってまさかこれ言う為だけ来た訳じゃ・・・」

「違うわよ。アンタに会いたかったのは事実だから」

「・・・それならいいっすけど」

「て言うか言わせないでよ・・・。このバカ・・・」

 

そんな桃色の雰囲気に包まれる店内でブラックコーヒーが大量注文されたとか・・・。

 

「そ、それで、その傷害事件?の加害者の特徴は?」

「一応、事件までにはなってないから公に公開は出来ないの。

でもその人、必ず出会い頭に名乗りをあげていくそうよ。

 

 

 

 

 

 

()()。そう名乗っているそうよ」

 

ティアが呟いた言葉にレオンはその瞳を鋭くした。

 

「分かりました。忠告ありがとうございます」

「素直でよろしい!さて、ケーキ食べましょう。レオンと食べたくて待っていたんだから」

「・・・分かりました」

 

真面目な雰囲気から一転し2人で喫茶店のケーキを堪能するのでした。

 

 

 

 

 

 

ティアと喫茶店で別れた後、レオンは日用品を買いに出かけていたのだが

思いの外時間がかかってしまい夜になってしまった。

 

「すっかり遅くなってしまった・・・」

 

そんな事を呟きながら歩いていると何やら爆発音らしき音が聞こえた。

 

「近いな・・・」

 

レオンは、大きな音が聞こえた方へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

場所は変わり2人の女性がストリートファイトをしていた。

片方は、ノーヴェ・ナカジマ。

もう一人は、ティアから話を聞いていた噂の覇王だった。

そして、覇王が私と戦えという話になり今に至る。

 

「ベルカの戦乱も聖王戦争もベルカって国そのものも!もうとっくに終わってんだよッ!!」

 

ノーヴェは、蹴りを入れるモーションに入った。

 

「リボルバースパイク!!」

 

蹴り技のリボルバースパイクでダウンを狙った。しかし・・・。

 

「・・・終わってないんです」

 

ノーヴェにカウンターバインドを仕掛けていた。

 

「(コイツ・・・!防御を捨てて反撃の準備を・・・!?)」

 

ノーヴェの攻撃は避けた方が賢明だと思われたその攻撃は避けず

そして次の反撃の準備をしていたのだ。

 

「私にとってはまだ何も・・・覇王断空・・・!」

 

突如、覇王は何かを感じ取りノーヴェから距離をとった。

すると覇王が立っていたところが急に斬撃をしたかのような痕跡が現れ地面が抉れた。

 

「な、なんだ?」

 

唐突の事で何かわからず困惑する2人。

すると第3者の声が入った。

 

「噂の覇王とストリートファイトをしているとは何ともまあ・・・」

 

2人の声が聞こえた方を見るとそこには木刀を持ったレオンがいた。

 

「(だ、誰だコイツ?つか、木刀で地面抉ったの?)」

 

突然の事で困惑するノーヴェ、覇王の仲間かと思ったが相手の表情を見ると

同じく困惑している表情をしていた。

この様子からして仲間ではないという事は明白だった。

 

「・・・何者ですか?勝手に乱入してくるなんて」

「知り合いに管理局員がいてね。注意しておけって言われていたけど

赤髪のお姉さん。いらん世話だったかね?」

「え?あ、いや、正直、唐突だったから、つか、早く逃げろよ!」

「問題起こしている人物が目の前にいるのに尻尾を巻いて逃げるのもね〜?」

「ね〜?じゃねぇよ!」

「まあまあ。そう言わずに」

 

ノーヴェの言葉を無視しレオンは、覇王を見る。

 

「お前が何のためにその拳を振るうのか見定めさせて貰おうか。

最も、俺に一撃喰らわせる程の実力があるかは知らんけど」

 

その言葉にムッとした覇王は、標的をレオンに変える。

 

「・・・私と戦うのであれば防護服を纏って欲しいのですが?」

「持ってないぞ?」

 

「「へっ?」」

 

「俺、防護服持ってない。いや、デバイス自体も持っていない」

「だったら尚更逃げろよ!?」

 

レオンの言動に異議を申し立てるノーヴェ。

その言葉を無視し構えるレオン。

 

「かかってきな覇王様。お前の拳がどんなものか見定めさせて貰おう」

「・・・分かりました。では、遠慮なく行かせていただきます!!」

 

 

覇王断空拳

 

 

覇王から繰り出された拳はレオンに向けて放たれた。

肝心のレオンは、木刀を構え呼吸する。

 

 

ヒュゥゥゥゥ!!!!!

 

 

全集中 水の呼吸

 

 

漆ノ型 雫波紋突き

 

雫波紋突きと断空拳が激突したが手数と威力が断空拳を上回り覇王が吹き飛ばされた。

 

「(そんな・・・!)」

 

相手の表情は何も変わらず余裕が見える。

 

「いい拳だったが出直してこい」

 

全集中 水の呼吸

 

 

壱ノ型 水面斬り

 

レオンが続けざまに放った剣戟は覇王にクリーンヒットし吹き飛ばされ地面に直撃し土煙を上げた。

そして木刀を軽く振り回し納刀しふぅと一息つく。

 

「ま、マジかよ・・・」

 

ノーヴェは彼の戦いに戦慄した。

魔法無しで彼女を圧倒、洗礼された動き、全てが一級品だった。

しかもそれ全てに魔力を感じなかった。

あまりにも驚きの連続すぎてノーヴェはただただ困惑するしかなかった。

 

「(コイツ、一体何者だ?)」

 

ノーヴェがレオンを見つめていると彼の表情が険しくなった。

土煙が晴れるとそこには覇王がいなかったのだ。

 

「・・・しまった!逃げたか!!」

「あ〜それなら安心しろ」

「えっ?」

 

取り逃がしてしまった失態に自身に悪態をつくレオンをなだめるノーヴェ。

思わず聞き返したレオンにノーヴェはそのまま話を続ける。

 

「蹴りのついでにセンサー付けてやったから今どこにいるのかも分かる」

「・・・!ここからそんなに離れてないみたいですから今から追いかければ追いつきます」

「へ?いや、なんでそんなことが・・・」

 

分かるんだよと言いかけた時、レオンが目の前から消えた。

 

 

( ゚д゚)

 

 

その後、ノーヴェが回復するのに連絡が来るまで1時間近くかかったとか。

 

 

 

 

 

 

一方、レオンは逃げた覇王を追いかけていた。

 

「この辺りだったはずだが・・・」

 

もう一度辺りを散策するとフラフラの彼女を見つけた。

そして、そのまま彼女が倒れた。

その瞬間に神速を使用し彼女を抱きかかえて何とか地面に倒れるのを防いだ。

 

「流石にやりすぎたか・・・?」

 

すると彼女から光が発せられその光が消えると20代行っているかどうかの体型が

10代程の姿となった。

 

「魔法で姿を変えていたのか・・・」

 

少し驚き彼女を介抱しようとする。

レオンが持っている鞄を枕代わりにして携帯端末を取り出す。

そして電話をする。その相手は勿論・・・。

 

「ティアさん。覇王の通り魔の件で電話したんですけど・・・」

 

数十分後、ティアさんが待ち合わせの場所に来た。

 

「4年前もそうだけどアンタ巻き込まれすぎじゃない?」

 

思わず苦笑いを浮かべるティア。

 

「・・・否定できませんね」

 

レオンも遠い目をしている。

 

「んで、どうするんです。この子、どう考えても訳アリみたいですけど」

「この近くに私の同期が住んでいるのよ。事情を話してこの子を預けさせて貰うわ」

「となると、事情聴取で俺も来た方が良さそうですね」

「後は、この子が目を覚ましてからになるわね」

 

そんな話をしてその日は解散となった。

この時、レオンはもう一波乱あるかもと思っていた。

 

 

 




さて、次回にはヴィヴィオが出てくる予定です。


誤字脱字等ございましたら連絡を下さい。
よろしくお願い申し上げます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 4 アインハルト・ストラトス

今回は、タイトル通りあのキャラが出ます。


では、どうぞ。


翌日。朝食を摂り終え学校に向かうかと考えていた時に通信が入った。

相手は、勿論ティアだった。

 

「はい。おはようです」

『おはよう、レオン。今いいかしら?』

「一応、今から学校に行ける状態ですがそっちに行きましょうか?」

『話が早くて助かるわ。私達も今から向かうから』

 

そう言いティアは通信を切った。

その後、住所が記載されたメッセージをいただきそこに向かった。

 

 

 

 

 

警防署に到着したレオンは、ロビーのベンチで待っていた。

 

「少し早すぎたかね?」

 

すると自動ドアが開く音が聞こえた。

その方を見るとティア達が入ってきた。

ティアも周辺にレオンがいるかどうか確認をしていた。

 

 

 

 

 

 

「とりあえずレオンはスバルとは初対面だったわね」

「はい。確か、執務官になる前に同じ部隊にいたって話していた人でしたよね?」

「うん、私はスバル・ナカジマ。よろしくね。それでコッチが・・・」

「アタシは、ノーヴェ・ナカジマ。そっちのスバルとは姉妹ってことになる」

「それで・・・君が」

 

少し緊張気味に自己紹介をする。

 

St(ザンクト).ヒルデ魔法学院・中等科一年アインハルト・ストラトスです」

「おろ?まさかの後輩か」

「え?」

 

アインハルトは、首をかしげる。

 

「改めて自己紹介を俺は、レオン・ウェルキウス。君が通っている魔法学院の高等部の2年だ」

「え?そうだったんですか!?」

「まあ、校舎が違うから余程のことがない限り会うこともないだろうけどね」

 

そんな感じで自己紹介をしたがスバルさんがあることに気づく。

 

「ティアってレオン君のこと知ってるの?」

 

そんな時、レオンはティアに念話を飛ばす。

 

「(そういえば、俺のこと話してなかったんですか?)」

「(・・・余り話してもって思ってね。話さないでいたのよ)」

「(なら、お任せします)」

 

完全に丸投げしてしまって申し訳ないがここはティアさんに任せようと考えたレオンだった。

 

「ちょっと長い話になると思うから日を改めて話すわ」

「えぇ〜」

「文句言わないの。受付に行ってくるから待ってて」

 

そう言いその場を離れるティア。

そして、彼女、アインハルトがやたらレオンに視線を向けていることに頭を

抱えるかもしれないと思うレオンだった。

 

 

 

 

 

 

その後、受付を済ませ取調室にて取り調べを受けていたが20分もかからず

事件に居合わせた経緯だけを話したらすぐに解放された。

と言っても居合わせて無力化した後にティアさんに話し相談したと

話をしたら簡単に納得しすぐに解放されたのだ。

 

ティアさん・・・。マジパネェッす・・・。

 

その後、思ったより時間が空いてしまいひとまず

持ってきていた本を片手に時間を潰していた。

すると頬に冷たい何かが当たった。

 

「お疲れ様」

 

そう言い缶ジュースを持ってきてくれたのはスバルさんだった。

レオンは、差し出されたジュースを受け取る。

 

「どうもです」

「レオン君、だったよね」

「呼び捨てでいいですよ?」

「じゃあお言葉に甘えて。ありがとうね。ノーヴェを助けてくれて」

「偶々居合わせただけですからね。場合によっては居合わせていませんでしたし」

「それでも、お礼は言わせて」

「なら、受け取っておきます」

 

レオンは、そう言い頂いたジュースを開けて飲む。

 

「あの子、どうなるんですか?」

「う〜ん、被害届は出されてないみたいだから多分厳重注意位で済むかも」

「スバルの予想通りよ」

 

レオンとスバルが話している時、ティアさんがこちらにやってきた。

一先ず、被害届が提出されていないのと学生であるため、厳重注意で話はついたそうだ。

 

「なら良かったです。それで、この後ってどうすればいいんです?

一応、俺はお役ご免という形になりますが」

「それなんだけど・・・」

 

ティアさんは、何やら煮え切らない感じでいた。

 

「どうしたんです?」

「アインハルトが貴方と話をしたいって」

「話?」

「呼吸使ったでしょ?それで貴方に興味を持ったみたい」

「そういう事か・・・」

 

レオンは、彼女の話を聞いて全てを理解した。

 

「え?呼吸って吸って吐く呼吸だよね?」

 

「「あっ」」

 

ここにスバルがいる事を忘れていたティアとレオン。

 

「・・・どうします?」

「・・・ノーヴェとアインハルトが来るのを待ちましょう」

「え?聞いたらまずかった?」

「いや、ちょっと説明が面倒で・・・」

「実際に見てもらったほうが話が早いのよ・・・」

 

レオンは苦笑い、ティアさんはゲンナリした表情をしスバルは頭に?を浮かべていた。

その後、戻ってきたノーヴェが呟いた一言は・・・。

 

「え?何この混沌」

 

アインハルトも頭に?を浮かべざるを得なかった。

一通り落ち着いたらアインハルトはレオンの方に視線を向ける。

 

「レオン・ウェルキウスさん、でしたよね」

「レオンでいいぞ」

「では、レオンさん。

 

 

 

 

 

 

私と一戦、交えてもらえませんか?」

「・・・え?」

 

こればかりはレオンも頭を?を浮かべざるを得ない。

 

「色々と突っ込みたい事があるが何故だ?」

「貴方は、様々な人と戦った中で一番強いと思いました」

 

レオンは、一番強いと言う言葉を聞いた時どこか寂しげな表情をした。

それを感じたのはティアさんだけだった。

 

「・・・強さを証明したい。俺と戦って証明したいと?」

「はい・・・」

 

アインハルトの瞳は決意とやる気の闘志に満ちていた。

 

「一つ聞くが俺は格闘家じゃない。剣士だ。

剣士と戦って強さを証明するとなると話が変わってくるんじゃないのか?」

「それでも貴方の強さは、私にはない強さを持っています」

「・・・意見を曲げる気はないと」

「はい」

 

レオンは、思わず溜息をこぼす。色々と納得いかない事もあるがとりあえず了承した。

その後、レオンは、スバル、ノーヴェ、アインハルトの連絡先を貰いその日は解散となった。

 

 

 




今回はここまでにします。


誤字脱字等ございましたら連絡を下さい。


では、次回で。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 5 彼女に無い物

1日に大量投稿・・・。
流石に疲れました・・・。


では、どうぞ。


場所はとある市民スポーツセンター。

そこにはノーヴェ、スバル、ティアナの3人の他に・・・。

 

「ヴィヴィオ、コロナ、リオの3人はいつも通りスパーリングをする。

チンク姉は私が呼んだからここにるのは問題ない。だがな・・・」

 

ノーヴェの視線は、他の4人に向けられた。

 

「何で双子どもがいるんだよ!しかも、呼んでもないディエチとウェンディもどっから湧いてきやがった!!」

「ええ〜?いいじゃないっスか〜。減るもんじゃあるまいし」

「私は、陛下の身の安全の為の護衛です」

「同じく」

 

ノーヴェは、思わず頭を抱えてしまった。

 

「それでノーヴェ。紹介してくれる人達って?」

「ああ、1人はお前の学校の中等科の一年生だ。後、あれだ、お前と同じ虹彩異色(オッドアイ)だ」

「本当!?」

 

虹彩異色は珍しくヴィヴィオという少女は驚いていた。

 

「もう一人は!?」

「お前んとこの高等部だって」

「え?そうなの?」

「後、私の友人よ」

 

そう言ってきたのはティアナだった。

 

「えっ!?ティアナさんのお友達ですか!?」

「そういやそんな事言ってたな」

 

そんな話をしている中・・・。

 

「アインハルト・ストラトス、参りました」

 

彼女の堂々とした佇まいにみんなは思わず息を飲んだ。

 

「よし、後はレオンが来れば全員だな・・・」

「いるわよ」

「へ?」

 

ティアナのいるという発言に疑問符を浮かべるノーヴェ。

 

「いるというのはどういう意味だ?」

「ほら、ウェンディの隣にいるじゃない」

 

そう言いウェンディは右隣を見るとレオンが立っていた。

 

「うわあ!!誰ッスか!?」

 

ウェンディは思わず距離をとった。

オットー、ディード、チンク、ディエチは警戒をしデバイスを手にしていた。

 

「・・・言わんこっちゃない」

「ちょっとしたサプライズですよ」

 

やれやれという表情を浮かべるティアナ。

 

「みんな、紹介するわ。友人のレオンよ」

「レオン・ウェルキウスです。古流剣術を嗜んでいます」

 

ティアナが何事もなく自己紹介をしその流れで自分の自己紹介をするレオン。

自己紹介をしたのだが何故かみんな、ポカーンとしていた。

 

「どうしたのみんな」

「て、ティア。気づいてたの?」

「いいえ。到着したって念話がきていつ気付くのか試そうって言ってきて」

「俺のイタズラに付き合ってもらいました」

「魔法なんて全く感じなかったぞ?」

「魔法は勉強中です。むしろ魔法無しで気配を消すのは得意ですので」

 

そう言い切るレオンに対しここにいる人全員*1が心に思ったことは・・・。

 

「「「(なんかすごい人来ちゃった!!)」」」

 

アインハルトは、更に闘志を滾らせたのだった。

 

 

 

 

 

そんな感じで皆と挨拶を終えスポーツセンターに移動し子供達が出てくるのを待っていた。

大人組とレオンは、既に着替えていて女性陣たちが来るのを待っていた。

 

「して、ウェルキウス」

「はい、えっとオットーさんですよね」

「ああ」

「何々?気になるんスか?」

「茶化すな。ウェンディ。それで、オットーどうかしたのか」

「ああ、本題に入ろう。ウェルキウスよ。私とどこかで会った事はないか?」

「それですか・・・」

「話してもいいんじゃない。私も関与しているし」

 

ティアさんからの横入りが入り話をしても問題ないと言われた。

 

「ティア。どういうこと?」

「これ、実を言うとノーヴェ、ウェンディ、ディードの3人も関わってるの」

 

「「「えっ?」」」

 

該当者3人とオットーは首をかしげる。

そして、JS事件でレオンもあの場にいたことオットーを撃破したことを

簡単ではあるが説明をした。

 

 

 

 

 

 

「・・・まさか、あの時の少年が彼とは」

「・・・ティアナに一矢報いろうとした時にただの障害物扱いされたとは」

 

聖王教会の双子がかなりショックを受けていた。

まさか、自分を撃破した少年が魔法を使わずに撃破されるとは思ってもおらず

更には今こうしてここにいるという混乱もあるのだ。

 

「・・・しっかし、なのはさんとかならいざ知らず魔法無しでこの双子を倒すとは」

「あ!もしかして、ティアが初めて会った時って」

「・・・そのJS事件の時よ」

 

スバルもノーヴェも仰天するしかない。

戦闘の際、分断されたと思われたがそんなことになっていたとは・・・。

 

「まあ、出会いにしてはそんな感じです」

「それから少し交流があって簡単な世間話をする位の関係よ」

 

ティアナの話が終わり子供達がこちらに来た。

 

「ノーヴェお待たせって、オットーとディードはどうしたの?」

「ああ〜、ちょっと、メンタルブレイクされたって所だな」

 

「「「???」」」

 

ノーヴェの話で子供達は?を浮かべるしかできないでいた。

 

 

 

 

 

 

そして、アインハルトとヴィヴィオのスパーリングを行ったのだが・・・。

 

「お手合わせ、ありがとうございました」

 

アインハルトは、少し素っ気ない感じだった。

 

「あの!私、弱すぎましたか?」

「いえ、趣味と遊びの範囲内でしたら充分すぎるほどに」

 

その言葉にレオンは、少しムッとした顔をしていた。

 

「それに私は確かめたいことがあります」

 

そう言いアインハルトは、レオンの方に視線を移す。

 

「レオンさん。約束です。私と戦ってください」

 

レオンはこの状況で思わず溜息を吐いた。

 

「・・・仕方がない」

 

レオンは、一度ヴィヴィオの方に向かう。

 

「あ、えっと・・・」

「少し、俺に任せてくれ」

「え?」

 

頭を軽く叩くとその場から離れコートの中に入った。

 

「ルールは、さっきと同じ4分で1ラウンドのスパーリング。

ただし、レオンは剣術込みだ。2人共、準備はいいな」

「はい」

「構いません」

 

2人の了承を得たことを確認するノーヴェ。

 

「それでは・・・始め!」

 

その瞬間、アインハルトの前からレオンが消えた。

アインハルトは、防御を行おうとしたがしなかった・・・いやできなかったが正しい。

なぜなら・・・。

 

 

 

 

 

アインハルトの首筋にレオンの木刀が当てられていたのだ。

 

「初めて戦った時に言ったはずだ。出直してこいと」

 

アインハルトは、思わず頰から汗を垂らす。

殆ど動いていないのに汗が出てくるのだ。

 

「審判、判定は」

 

レオンがこの空気を変えるためノーヴェに判定するよう促す。

 

「し、勝者!レオン!」

 

ノーヴェがそう言うとコートから出たレオンはアインハルトに視線を移す。

 

「もう一度、さっきのオチビちゃんと戦ってみた方がいい。

彼女は、君にはないものを持っている」

 

そう言い今日は帰ると一言みんなに伝えレオンはスポーツセンターを後にした。

 

「(少しやりすぎたか?)」

 

など考えながら帰宅した。

その後、ティアさんから連絡が入りヴィヴィオとアインハルトが戦うことになった。

それとノーヴェが単純にレオンの強さに興味を持ち戦おうという話になった。ナンデェ!?

 

 

 

*1
ティアナ以外




いかがでしたか?

次回で、邂逅編は終了となります。

カルナージ編どうしよう・・・。

誤字脱字等ありましたら教えてください。

では、また次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 6 スサノオ

さて、今回はオリジナル回です。
レオンがデバイスを手に入れる話です。



では、どうぞ。


ヴィヴィオとアインハルトの再戦が決まり、その前日の休みの日。レオンは、管理局に来ていた。

何故、レオンが管理局に来ているのかというとそれは、彼のデバイスを取りに来たのだ。

レオンがリンカーコアを持っているのはクラウディアで彼の身体検査も行われ

その際にリンカーコアが発見されたのだ。その時は、クラウディアの設備では魔力量は

分からずじまいでいたためその件は保留となっていた。

そして、ティアナ経由でデバイスのメンテナンスも兼ねてリンカーコアも測定しようという事になった。

魔力量を測定してみた結果ティアナと同じくらいと言われた。

そして今、レオンとティアナは、技術室に向かいデバイスを取りに行っていた。

 

「まっさか、管理局に来ることになるとは思いませんでした・・・」

「まあ、余程の事が無い限り縁も無いからね・・・」

「しかもデバイスまで作ってくれるなんて・・・。職権乱用になるんじゃ・・・」

「完全に外堀を埋めに来ているわね。貴方が管理局に入れるように・・・。

このまま恩をつけていくと仇で返すハメになるわよ?」

「それだけは勘弁願いたい・・・」

 

ティアナも今回ばかりは苦笑いを浮かべるのであった。

 

「ここよ」

 

ティアナの案内のもと到着したのはデバイスの整備室だった。

自動ドアが開き中に入るとそこにいたのは白衣を纏って眼鏡をかけた女性だった。

 

「いらっしゃいティアナ。待ってたわよ」

「お待たせしました。マリーさん」

 

そう言いマリーという方とティアナは、握手をする。

 

「レオン。こちらは、マリエル・アテンザさん。

管理局のメンテナンススタッフで技術部の主任をしている人よ」

「マリエル・アテンザです。君がレオン君だね」

「はい。レオン・ウェルキウスです」

「よろしくね。それじゃあ、これが君のデバイスだよ」

 

マリエルさんにこっちに来るように促され機械の中心部に置かれている

1つの指輪があった。

 

「これって、指輪ですよね?」

「見た目はね。それはデバイスの待機状態のものだね」

「といっても、私のクロスミラージュの待機状態はカードタイプだけどね」

 

ティアナは、待機状態のクロスミラージュを見せた。

 

「色々あるんですね」

「それと、そのデバイスはインテリジェントタイプでちゃんとした頭脳を持っているの」

「インテリジェントデバイスって事は、ティアさんの」

「ええ、同じタイプよ」

 

なるほどと感心をするレオン。

 

「データの方は全く中身が無い状態だからせっかくだから色々といじってみて」

「分かりました」

 

そう言い、レオンはティアナと共に訓練室へ向かった。

 

 

 

 

 

場所は変わって訓練室。

ここではレオンのバリアジャケット等の調整をするため比較的、広い空間がいるという事になり

訓練室を借りたという事になる。

 

「それじゃあ、魔法を使いながらになるからマズイと感じたらすぐに魔法をキャンセルする事」

「分かりました」

 

レオンは、そう言い指輪を嵌める。

すると、指輪が赤く光り初めてベルカ式の魔方陣が展開された。

 

「おお〜!」

「魔方陣が展開されたわ。後は、頭の中に質問とか色々頭の中に語りかけてくるから

その質問に答えるのよ」

「はい」

 

そして流れてくる言葉を復唱しながら質問に回答する。

 

「マスター認証 レオン・ウェルキウス

術式は近代ベルカ式

俺のパーソナルデータを登録・・・完了

デバイス マスターネーム スサノオ・・・全データ登録完了」

 

全てのデータの登録が終了すると同時に彼を囲んでいる

三角形の魔方陣が輝き始めた。

 

「さあ!出陣だ!!」

『OK Standby Ready』

「スサノオ!セットアップ!!」

 

レオンの掛け声と共に魔方陣が強い輝きを放つ。

そして輝きが治ると普段の私服ではなく侍が着る着物の

バリアジャケット*1を着ていた。

 

「これがバリアジャケットね・・・」

《貴方が新たな主か?》

「お、早速質問か?」

《貴方に付けてくれた名前、大切にさせて貰う》

「おう、よろしくな。スサノオ」

《こちらこそ》

 

そんなやり取りをしている中、バリアジャケットの感想をティアナに話そうとする。

 

「ティアさん、これ結構動きやすい・・・アレ?」

 

ティアナにバリアジャケットの感想を言おうとした時

彼女の表情を見ると頬を赤く染めレオンをただ見つめていた。

 

「ティアさん?おーい」

 

ティアナの前に手を振っても反応がない為どうしようと頭をポリポリと

掻いてしまった。そして、レオンはある事を閃いた。

 

「(殴られ覚悟かな〜)」

 

苦笑いをしながらティアナの右側に立ち顔を耳の近くに近づき、そして・・・。

 

 

 

 

 

 

フゥ〜。

と息を吹きかけた。

 

「うわひゃあ!?」

 

急な出来事に素っ頓狂な声を出したティアナ。

 

「えっ!な、何!?」

「ティアさん、大丈夫ですか?」

「え?れ、レオン?私どうしちゃった?」

「俺がバリアジャケットを着たら固まって動かなくなったんですよ。大丈夫ですか?」

「大丈夫!何でもない!何でもないから!」

 

そう言いティアナは、レオンの顔から背を向ける。

 

「(ヤバい・・・。あんなにカッコよくなるなんて思わなかったわよ・・・!)」

 

冷静を装っているが心臓はバクバクのティアナ。

そしてティアナは、肝心な事を忘れている。それは・・・。

 

 

 

 

 

「ちょっとー。私がいるのを忘れないでよー」

 

ティアナは、声が聞こえた方をガバッと向ける。

そこには白い目で見ているマリーさんがいた。

 

「それは、恋人が居ない私への当てつけ?」

「違います!断じて違います!!」

「売られた喧嘩は買うけど?」

「だから違いますって!喧嘩は売ってません!!」

 

そんなやり取りを遠目で見るしかないレオンだった。

そしてレオンが思っている言葉を一言で表すのならば・・・。

 

「なぁにこれ?」

《右に同じく》

 

であった。スサノオ、お前もだったか・・・。

 

 

 

 

 

 

「そ、そんな訳で軽い模擬戦をしましょうか・・・」

「大丈夫ですか?精神的な意味で」

「色々と突っ込みたいところはあると思うけど大丈夫よ」

 

ゼェゼェと息切れをしているティアナに声をかけるレオン。

 

「さて、私も体を動かしますか!クロスミラージュ!」

《OK》

 

そういうとティアナは、バリアジャケットを展開した。

 

「おお〜。1年ぶりに見ました」

「4年前も見たんじゃないの?」

「あの時は一瞬でしたから」

 

そんな訳で2人共離れて距離を置く。

 

「それじゃあリア充、準備はいいか?」

「マリーさん!?」

「あー堪忍袋の尾が切れかけてますね」

「それじゃあ、初め!」

 

開始のブザーが鳴り響いた。

先制攻撃でティアナが魔力弾を発射するがそれをいとも簡単に避ける。

そのまま続けて攻撃を仕掛ける。

その隙にレオンの背後に魔力弾を放てるように魔力弾を生成。

ティアナの幻術魔法を使用し彼に悟られないようにしているが・・・。

 

「(カウンターを狙っているな・・・)」

 

レオンもまた、彼女の策を見抜いていた。

彼は気配を読み取る事に長けている為

彼女の周辺に何かが仕込まれている事は分かりきっていた。

 

「(さて、手っ取り早い話、わざと隙を作った方が色々とやりやすいし・・・。

 

 

 

 

 

 

ティアさんには悪いけどこの模擬戦勝たせてもらいます)」

 

そして、わざと大振りのをして動きを大きく見せてわざと隙を作る。

 

「(誘い込んでいるわね・・・。上等じゃない!!)」

 

そして、幻術魔法を解除し魔力弾を展開させる。

 

「あ〜らら。これは壮観だな」

「悪いけどこれで終わりよ!クロスファイアーフルバースト!!」

 

大量に展開された魔力弾がレオンに向けて発射された。

しかし、そんな事で動じるレオンではない。

 

「なら、俺も遠慮なく行かせていただきます」

 

ヒュゥゥゥゥ!!!!!

 

レオンも大技を決める為に呼吸を行う。

 

 

全集中 水の呼吸 陸ノ型

 

刀から水が溢れ出てティアナの魔力弾を巻き取っていく。

 

「嘘でしょ!?」

 

ねじれ渦 流流

 

一気に畳み掛ける!!

 

ねじれ渦で巻き込んだ魔力弾込みの刀身をティアナに向けて

駆け上がるように走り込む。

 

全集中 水の呼吸 弐ノ型

 

水車

 

縦方向へと回転してきたレオンの刀身はティアナに直撃。

 

「きゃあああ!!!」

 

そのまま訓練室の壁まで吹き飛ばされた。

 

「ヤベッ!!」

 

さすがにやり過ぎたと思い慌ててティアナの方に向かう。

 

「痛たた・・・」

 

かなりの威力だった事もあってか頭を摩っていた。

 

「ティアさん!大丈夫ですか!!」

「大丈夫だけど、それより何よ、あの技!私の魔力弾を巻き込んで更に

威力を上げて攻撃してくるとかどんな鬼畜ゲーよ!!」

「いや、あれ程の魔力弾を捌くにはアレが好都合だったんですよ!」

 

そんなガミガミとやり取りをしティアナは捲し立てて言ってくるが

レオンも何とか負けじと反論をする。因みにこの様子を見ていたマリエル技術主任は・・・。

 

「・・・もげろ」

 

ただそう一言言ったそうだ。

 

《マスターは、データで確認した通り人という枠を超えているのか・・・》

 

何とも失礼なデバイスもいたとかなんとか・・・。

 

 

*1
SAOUWのキリトが着ていた修剣学院2年の時の制服 真紅色版




いかがでしたか?


誤字脱字等ございましたら連絡を下さい。
よろしくお願いします。

では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 7 模擬戦(試合)じゃあ!!

今回は、アインハルトとヴィヴィオが模擬戦した後に
レオンとノーヴェの模擬戦を行います。


では、どうぞ。




ティアナと共にデバイスを無事に入手した翌日。

ついに、アインハルトとヴィヴィオの戦いが始まる。

前回は、簡単なスパーリングだったが今回は模擬戦形式での戦闘となる。

そして試合の準備をしている中、ヴィヴィオと呼ばれる少女がこちらに来た。

 

「あのレオンさん!」

「どした?・・・ヴィヴィオだっけ?」

「はい!高町ヴィヴィオです。

アインハルトさんとの再戦を取り繕っていただきありがとうございます!」

 

その言葉を聞いた時、思わずほっこりしてしまった。

 

「気にすんな。彼奴の態度が癪だったからチョッカイを掛けただけだ」

「チョッカイのレベルではないかと・・・」

 

ヴィヴィオは思わず苦笑いを浮かべる。

 

「まあ、俺の事は気にするな。・・・頑張れよ」

「・・・はい!」

 

ヴィヴィオの闘志を上手い事滾らせる様、誘導したレオンはヴィヴィオの反応に満足した。

そんな中、ティアナがこちらに来た。

 

「レオンから見て今日の試合、どっちが勝つと思う?」

「普通に考えればアインハルトだと思いますけど

番狂わせがある事を期待したいですね」

「なるほどね〜」

 

そんな2人のやり取りを遠目で見ていたギャラリーはというと・・・。

 

「仲イイっスね、あの二人」←ウェンディ

「イイ事ではないのか?」←チンク

「右に同じく」←ディエチ

「ランスターが積極的な所を見るのは初めてだ」←オットー

「えぇ、珍しいですね」←ディード

「ティア、かっわいい〜」←スバル

「なんか、あの2人の雰囲気が・・・」←コロナ

「大人な感じがする・・・」←リオ

 

その様子を遠目で見ているノーヴェ、ヴィヴィオ、アインハルトの3人はというと・・・。

 

「何やってんだ?アイツら」

「あははは・・・」

「・・・」

 

呆れた表情を浮かべるノーヴェ、苦笑いのヴィヴィオ

何とも言えない様子のアインハルト。

またしても混沌だった・・・。

 

 

 

 

 

そんでもって気を取り直してヴィヴィオとアインハルトの試合が始まる。

 

「セイクリッド・ハート!セーット・アーップ!!」

「武装形態」

 

そして2人がバリアジャケットを展開したのだが・・・。

 

「ヴィヴィオもデッカくなっちゃった・・・」(  ゚ ▽ ゚ ;)

「変身魔法ね。アインハルトも同じ様なものよ」

「魔法ってスゲーな・・・」

 

「「「(魔法無しで私たちと戦えるお前(君)が言うな!!)」」」←戦闘機人組

 

という心の中で突っ込みをする一同だった。

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、試合開始!!」

 

2人は動かない・・・始めは静かな立ち上がりとなった。

そしてその均衡はアインハルトが破った。

アインハルトがヴィヴィオに先制攻撃を仕掛けるが

ヴィヴィオは、その攻撃を防ぎカウンターで攻撃を仕掛ける。

攻撃を食らったアインハルトは驚きの表情を浮かべた。

そして流れがヴィヴィオに向き始めていた。

そのままラッシュを続けていく。

 

「なるほど・・・。そういう事か」

「レオン?」

 

レオンの呟きに疑問を覚えたティアナはレオンに話しかける。

 

「彼女のファイトスタイル。最初のスパーリングじゃ分からなかったけど

今回の試合である程度判りましたよ」

「どんなスタイルなの?」

「相手を研究し対策を練る。そして恐れず立ち向かうあの根性・・・。

差し詰めカウンターヒッターって所でしょうかね」

 

その話を聞いていたコロナ、リオの2人は驚きの表情を浮かべながらこちらを見ていた。

 

「どした?」

「まさか、あの戦闘のやり取りで分かったんですか?」

「戦闘を行うにしろ、物を見定めるしろ、観察能力が必須だからね」

「す、凄いですね」

「それより、そろそろ決着が着くぞ」

 

「「「えっ?」」」

 

視線は、再び2人の試合に向けられた。

その時は、アインハルトが覇王断空拳を放った所だった。

そして、ヴィヴィオはそのまま壁に激突した。

 

「一本!それまで!!」

 

ノーヴェのジャッジで勝負はアインハルトの勝ちとなった。

その後、レオン達はヴィヴィオの安否を確認しに向かった。

 

「うきゅぅ~~~」

 

目をぐるぐるしながら気絶していた。

 

「見た所、傷はないみたいだ」

 

ノーヴェの言葉に安心する一同。

そんな中、アインハルトがふらりとティアナの所に倒れかけた。

ティアナは、倒れかけたアインハルトを支える。

 

「ヴィヴィオから受けたダメージが今になってきたんだろう」

 

その後、彼女をベンチで休ませている間

ノーヴェとレオンの2人が試合の準備に取り掛かっていた。

因みに、ヴィヴィオが気絶している間に自己紹介をしたアインハルトに

苦笑いを浮かべる一同だった。

 

「勝算はあるの?」

「あの人の戦闘スタイルが分からないから何とも言えませんが簡単に負けるつもりはありません」

 

そして、互いの準備が出来上がり2人が所定の位置につく*1

 

「それじゃあ、私がノーヴェの代わりに審判をするね。勝負は5分間の1本勝負。

魔法無しでノーヴェは格闘・レオンは剣技オンリーのスパーリング異存はないね?」

「おう」

「大丈夫です」

 

そろそろ試合が始まろうとしている時、コロナ、リオの2人はドギマギしていた。

 

「うぅ〜。ヴィヴィオ早く目覚めないか?」

「ノーヴェさんの試合始まっちゃうよ〜」

 

そのやり取りを見たアインハルトは、申し訳ない表情を浮かべた。

 

 

 

「それじゃ2人共、怪我はないように。試合・・・開始!」

 

スバルさんの開始の合図と共に試合が始まった。

 

「(レオンのバカげた剣技は息を吸った時に初めて発動する。技を使わせる前にカタをつける!)」

「(とかなんとか考えているだろうけど・・・。

 

 

 

 

 

 

既に対策済みです)」

 

ノーヴェが先に仕掛けた。

振りかぶった拳は直撃せずレオンはそのまま回避した。

一度、バックステップで距離を取り一気に詰め寄り居合の要領で攻撃を仕掛ける。

それを慌てて躱すノーヴェ。

 

「(何つう速度だ!これで魔法使ってないとか冗談だろ!?)」

 

レオンが振るう剣技に驚きつつ反撃の糸口を見つけられずにいるノーヴェ。

 

「(さて、一気にケリをつけますかね)」

 

レオンは距離を取り態勢を取り・・・。

 

「(技を出すために距離を置くとかそんなことさせるか!!)」

 

技を出されると思い距離を詰めるが・・・。

 

全集中 雷の呼吸 壱ノ型

 

霹靂一閃 六連

 

 

ノーヴェの体に6回強力な衝撃が走りそのまま倒れた。

 

 

 

 

 

 

「・・・ん?」

 

ノーヴェが目をさますと見た事がある天井だった。

 

「家か・・・?」

 

ドアが開く音が聞こえるとスバルが入ってきた。

 

「あ!目が覚めたんだ!痛いところない?」

「あぁ。そっか・・・。負けたのか・・・」

「レオン、心配してたわよ。気を失ったときやっちゃったって言ってた」

「その本人は、お詫びにいいとこのケーキを奢ってくれたッス」

 

そう言いウェンディが入ってきた。

 

「それで、どうだったっスか?レオンと戦ってみて」

「・・・アイツが一般人だって思えなかった」

「それは納得」

 

スバル、ウェンディの2人は思わず首を縦に振り同意した。

 

「でもまっ」

 

そう言い起き上がるノーヴェ。

 

「チビ達にはいい刺激になったかもな」

「・・・トラウマにならないかなぁ?」

 

スバルは、いささか心配ではあった。

因みに、肝心のレオンはというと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「やり過ぎよ!!」

「すいません!!」

 

ティアナに説教されていた。

こうして、彼女達と出会い新たな物語が紡いでいくのだが・・・。

 

 

 

 

 

「聞いてるの!?」

「イエス!マム!!」

 

レオンが、ティアナの尻に敷かれるかどうか今後が心配である・・・。

 

 

 

*1
既にセットアップ済みでレオンがデバイスを手に入れたということもノーヴェは知っている




いかがでしたか?


この回を終えたら一度、アンケートをとります。
気軽に回答ください。


誤字脱字等ございましたらご連絡ください。

では、また次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 8 カルナージの訓練合宿

さて、今回からカルナージ編になりますが


2日目に行う模擬戦どうしよう・・・。


では、本編をどうぞ。


ヴィヴィオとアインハルトの模擬戦から数日が経ち

レオンとヴィヴィオ達学生組はテスト勉強に費やしていた。

そして、ひと休憩している19時頃の時間だった。

 

《主人、ティアナ殿から連絡だ》

「ティアさんから?つないでくれ」

《了解した》

 

そういうとデジタルウインドウが開きティアさんの顔が映った。

服装から見て管理局の制服だから仕事中だろう。

 

「こんばんわティアさん。この時間に電話なんて珍しいですね」

『今日は仕事が早く終わってね。今さっき帰ってきたところよ。

それで早速だけどもうすぐレオン達ってテストが終わったらテスト休み入るでしょ?』

「はい。テストでしくじらなければですけど」

『それでなんだけどレオンも一緒に合宿に来てみない?」

 

 

 

 

 

 

「・・・え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・合宿ですか?」

『そっ、あたしの姉貴やヴィヴィオたちも来るし練習相手には困らないと思うぞ』

 

場所は変わりアインハルト宅。彼女も覇王の末裔とはいえレオン達と同じ学生。

学部は違えどテスト時期はほぼ同じでアインハルトもテスト勉強に励んでいた。

そんな時に、ノーヴェから通信が入ってきたのだ。

 

「いえ、私は練習がありますので」

『いや、その練習の為に行くんだけどな?』

 

ヴィヴィオとの交流を深めさせようと考えていたがどうしたものかと考えていた。

ノーヴェは、一応、駄目元でとある情報を提供した。

 

『あー、そういやこれは予定なんだけどな』

「何ですか?」

『レオンの奴も参加する可能性があるんだ』

「え?」

 

レオンの名前を出したら話に食いついてきた。

 

「(お?コレはいけるか?)アイツ自身もまだまだ修行の身だってティアナが言ってたし

恐らく来ると思うが・・・」

「行きます」

「え?」

「私もその合宿に参加させて頂きます」

「え?いいのか?」

「はい。ノーヴェさんも見たと思います。彼の技」

 

そう言いノーヴェも思い出す。霹靂一閃 六連を食らった時の事を。

 

『あぁ〜・・・。アレか・・・』

「レオンさんがまだ修行の身という言葉は到底信じられませんが

レオンさんが持っている剣技をもっと見てみたいと思いました」

『確かに、アイツはまだ技を隠していると思う。

わかった。詳細は、追って連絡する。テスト頑張れよ』

「はい」

 

そう言いノーヴェとの通信を終えて再びテスト勉強を再開するのだった。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで時間は過ぎていきテストの結果全てが返却された。

 

「というわけで!」

「三人揃って!」

「花丸評価の優等生です!」

 

コロナ、リオ、ヴィヴィオの順番でテストの成績をヴィヴィオの

母親、高町なのはに伝えていた。

 

「わぁー!みんなすごいすごーい!」

「これで堂々とお出かけできるね!」

 

そして、会話に便乗してきたのはフェイト・T(テスタロッサ)・ハラオウンだった。

彼女達は、JS事件解決の立役者の内の1人でヴィヴィオのもう1人の母親である。

そんな中、ドアのベルが鳴り響いた。

 

「あ、来たかも。ヴィヴィオ、お出迎えお願いね」

「はーい」

 

なのはの頼まれごとに特に気にせず玄関に向かいドアを開いた。

 

「こんにちは、ヴィヴィオさん」

「あ、アインハルトさん!?とノーヴェ」

「この度の訓練合宿。同行させていただいても宜しいでしょうか?」

「勿論です!もー全力で大歓迎ですよ!!」

 

思いがけないサプライズでテンションが上がるヴィヴィオ。

その後、フェイトの一声で彼女達を自宅にあげるよう促した。

 

「それじゃあ私、着替えてくるね!」

 

そう言いヴィヴィオは部屋を出て着替えに行った。

するとアインハルトがキョロキョロと部屋を見回していた。

 

「アインハルトさん?どうかしたんですか?」

 

リオが不思議に思いアインハルトに尋ねる。

 

「あ、いえ、あの人が来ていないって思って・・・」

「あの人?」

「誰の事です?」

「レオンの事よ」

 

リオとコロナの疑問にティアナが答える。

 

「え?レオンさんも来るんですか!?」

「実は、もう一足先に向かっているの」

「どうしてですか?」

「今回の旅行先のカルナージに行く途中の管理世界に彼の実家があるの。

そこにある文献の書物を持ってくるって話していたの。

実家で1日過ごしてからこちらに来るって言っていたわ」

「という事は、もう既に向かっていると・・・?」

「向こうの世界の時差を考えるともう到着しているかもね」

 

なるほどと納得したアインハルト。そんな中、フェイトがティアナに小声で声をかけてきた。

 

「ねぇ、ティアナ。レオンって名前の子って確か・・・」

「はい。クロノさんが管理局に入局させようと考えている子(被害者)です」

「・・・会ったら謝っておくね」

「そうしてあげてください・・・。レオンが不憫で・・・」

 

フェイトは、兄が申し訳ないと感じティアナは、心中察してくださいと言わんばかりの

雰囲気を醸し出していた。その様子を見ていたなのはは、頭に?を浮かべるしかなかった。

その後、ヴィヴィオの着替えが終わり全員が集合し次元船で目的地である

無人世界カルナージに到着し宿泊先のホテル・アルピーノへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、カルナージの次元港。なのは達が次元船でこちらに向かっている時

ティアナに断りを一言入れて先にカルナージに到着したレオンは

宿泊先のホテル・アルピーノへと向かっていた。

事前にホテルのオーナーには、レオンの事は話しており

高町なのはの名義で予約しているためその名前と身分証明になるものを出せばいいと

教えてもらった。そんなわけで移動して数十分。

 

「アレか?」

 

レオンの前に見える立派なホテル。

看板を確認するとホテル・アルピーノと書かれていた。

 

「ここみたいだな」

 

すると背後に誰か来る気配を感じ取り振り返る。

そこには紫色のロングヘアーの女性が肉や野菜といった食材を運んでいた。

 

「いらっしゃい。もしかしてレオン・ウェルキウス君かしら?」

「え、はい。そうですけど、貴方は?」

「私は、メガーヌ・アルピーノ。ここの家主よ」

「え?家主?」

「ここ、私と娘の家なのよ。娘が建築に興味を持って魔改造したのよ」

「ええっ!?家を魔改造したんですか!?」(;゚Д゚)

 

メガーヌさんから思いもよらぬ情報が入り仰天する。

 

「まあ、立ち話もアレだし、中に入って」

「あ、はい。それとその荷物持ちます」

 

そう言い2人はホテル?の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「お世話になります!!」」」

 

「みんな長旅ご苦労様。トレーニングもいいけどゆっくりしていってね」

 

「「「はい!」」」

 

中には初対面の人がいた為、それぞれ挨拶をした。

一通りの挨拶を終えるとなのはがメガーヌさんに問いかける。

 

「メガーヌさん。そういえばレオン君っていう子来てませんでした?」

「ああ、レオンさんならエリオ達と一緒にバーベキュー用の薪を取りに行ってもらっているわ」

「そろそろ戻ってくる頃だと思うけど・・・」

 

そんな話をしている時・・・。

 

「あ、皆さん!」

「お久しぶりです!」

 

そういい出てきたのは話に出ていた赤髪の少年と桃色の少女と小さな竜だった。

 

「アインハルト、紹介するね。私の家族の・・・」

「エリオ・モンディアルです」

「キャロ・ル・ルシエです。この子はフリード」

 

フリードを紹介するとよろしくと言っているように声を出す。

 

「1人ちびっ子がいるけど三人で同い年」

「なんですと!?1.5cm伸びたよ!」

 

涙目になりながら抵抗するキャロだが実際の背丈は3人の中で一番小さいのだ。

すると突如、第3の人物の声が現れた。

 

「エリオ。薪は、こんなもんかね?」

 

「「「うわあ!!??」」」

 

そう言いでてきたのはレオンだった。

何故みんなが驚いているのかというとさっきまでそこにいなかった人物が

急に現れたのでみんなが驚いてしまったのだ。

 

「アンタ!ビックリさせないでよ!!」

「周辺の散策も兼ねていましたからね反省も後悔もないです」

「両方やりなさい!!」

 

この場にいた全員が固まっている中、比較的レオンと関わりが長いティアナが

直ぐに回復しレオンの行動に文句を言っている。

更に、各隊の隊長のなのはもフェイトも彼女の人間性を知っているが

年が近い、しかも異性とかなりラフなやり取りを見ていると不思議に見えてしょうがないのだ。

 

「え!?レオンさん!?」

「今このタイミングで言われても困るが久しぶりだな、ヴィヴィオ。そして何で驚いてんだ?」

「ごめんね、ヴィヴィオ。ちょっとしたサプライズだよ」

「なのはママ!」

 

なのはのウィンクでゴメンねという表情でイタズラ成功の表情も浮かべている。

もーと言いながら怒っているが表情はにこやかだった。

親子でやり取りをしている中、レオンの前に一人の女性が現れた。

 

「君がレオンだね?」

「そうですが、貴方は?」

「ヴィヴィオの母親でフェイト・T・ハラオウンです」

「ハラオウン?もしかして、クロノさんの?」

「うん義妹だよ。兄がかなり無茶振りしたみたいでその謝罪を・・・」

「いや!いいですって!!その件は気にしてませんから!」

「・・・正直、あの件があったおかげでアンタ不憫だったと思うわよ」

 

話に入ってきたティアさん。まあ、一応、働き先の視野に入れているから

そこまで不憫ではないと思っている・・・はず、多分、恐らく。

 

「何の話してるんだろう?」

「さあ?」

 

スバルとノーヴェは、頭に?を浮かべるしかなかった。

 

 

 

 

 

「え?子供組と大人組の何方に入るか?」

「レオン君の剣技が見たいのも確かだけど君は一般人だからどうするのかなって」

 

なのはさんの話を要約すると子供組と遊ぶか大人組のトレーニングに混ざるかどっちがいいかとの事。

レオンは、ちらっと子供組の方を見るとキラキラとした目でこちらを見てきていた。

 

「質問なんですがトレーニングのスケジュールってどんな感じです?」

「午前と午後に分けるようになっているよ」

「なら、午後から混ざっていいですか?」

「うん、わかった」

 

子供達は、ヤッターと喜んでいた。

 

「それじゃあレオン、お昼で」

「わかりました」

 

ティアナと別れた後、一度ホテルに戻り水着を取りに行く。

因みに、一度実家に戻っていたレオンは水着がいるかもと話していたため

念のため持って行けと母親に言われた。

こうして、カルナージのオフトレ合宿が始まった。

 

 

 




今回はここまでとなります。



誤字脱字等ございましたら連絡ください。
では、また次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 9 花が舞う剣技

さて今回のタイトル通り、あの呼吸剣技が出てきます。


では、どうぞ。


カルナージの合宿が始まりレオンは直ぐに、訓練に参加せず

子供達と川遊びをした後に訓練に参加する事になった。

因みに、レオンは紺色のジーパンのような水着にパーカーを着ている。

 

「子供達、元気ですね〜」

「まあ、子供は元気が一番って言うしな」

 

レオンとノーヴェは、その様子を見ながら眺めていた。

するとルーテシアが、話に入ってきた。

 

「所でレオンさん」

「ん?何だルーテシア」

「レオンさんが使っている剣術って一体どんな剣術ですか?」

「あ!そうだ!つかあの技なんだよ!いきなり消えたかと思ったら急に痛い攻撃しやがって!」

「ノーヴェ戦ったの?」

「・・・ああ、お嬢の言う通り戦ったよ。手も足も出なかった。しかも魔法無しで」

「えぇっ!?」

 

戦闘機人でもあるノーヴェで戦闘訓練も行っている彼女でも手も足も出ないという話を聞いたら

流石に驚きを隠せないでいた。

しかも魔法無しという話を聞いた途端驚きの声を上げた。

 

「まあ、無理もないっすね。一応、殺人剣でもありますし・・・」

「どんな剣技か概要位は話せるんじゃないか?」

「まあ、簡単な概要位なら」

 

概要の話をしようとした時、ザパーンという水の音が聞こえた。

 

「何だ?今の音」

「ああ、今水斬りをやっているんだ」

「水斬り?」

「ちょっとしたお遊びだ。後、打撃のチェックも出来る」

 

そう言いながらノーヴェさんは、ヴィヴィオ達の所に行った。

今度は、ノーヴェが水斬りを行うのだがその水がこちらに飛んできた。

レオンは、慌てる事なく近くに落ちている木を拾い水面切りの要領で飛んできた水を切る。

 

「前に負けたこと、根に持ってます?」

「持っていると言ったらどうする?」

 

「「・・・」」

 

両者、睨み合うことになり・・・。

 

「逃げるが勝ちだ!」

 

レオンは、その場から消えた。

 

「待ちやがれぇ!!」

 

ノーヴェは、そのままレオンを追いかけて行った。

その様子を見ていた子供たちは苦笑いしか浮かばなかった。

その後、ただでさえ身体能力の差がありすぎる為

結局、ノーヴェは捕まえることができずダウンで追いかけっこは終わった。

 

 

 

 

 

 

お昼になりホテルに戻り昼食をとることになったのだが・・・。

 

「ヴィヴィオにアインハルトは、やりすぎだ」

 

ノーヴェの言葉に些か反論しようとしたが2人は生まれたての子鹿のように

腕がプルプル震えていた。

 

「け、結局・・・上手く出来ません、でした」

「そ、それでも、コツを掴むの・・・早いです。」

 

2人のやり取りを見てあちゃーという表情を浮かべるレオン。

 

「そんなになるまでやらんでもいいのに・・・」

「同意見だ」

 

そんな話をノーヴェとやり取りをしているとなのはさんがこちらに来た。

 

「レオン君、午後の訓練の参加。大丈夫?」

「えぇ、ここ最近は思いっきり体を動かせなかったのでここなら思いっきり動けそうです」

 

レオンはそう言いながら腕がなりますと言っているかのように腕をブンブン振り回す。

 

「訓練、楽しみにしているね」

「はい」

 

そんなこんなで食事を無事に終え片付けも無事に終わり

レオンは、エリオとともにアスレチックエリアへと向かった。

 

 

 

 

 

ルーテシアが訓練用に製作したアスレチックエリアに来ていたレオンとエリオ。

その出来上がりを見ている中でレオンは仰天していた。

 

「まさか、ここまでとは・・・」

「去年も来ましたけど、今年はさらにグレードアップしたそうですよ」

「マジですかい・・・」

 

昨年来たエリオももっとすごくなっていると話していた。

彼女の多才さは圧巻だと思った。

 

「所で、何をするんだ?」

「まずは、ロールアクトをやります」

 

そう言いエリオは、ロープをビルとビルの間の端側を結ぶ。

しかし、レオンは、そのままジャンプした。

 

「レオンさん!?」

 

しかし、何事もなく向かい側のビルに着地した。

 

「え?」

 

レオンは、エリオが驚いていることを気にせず元の位置に戻った。

 

「うん、少し鈍ったかな。ん?エリオ?」

 

レオンの身体能力に驚きと同時に固まっていた。

 

 

 

 

 

 

なのはさん達も彼の身体能力がどんなものなのかエリアサーチを使ってみていたのだが・・・。

 

「ね、ねえ、ティアナ」

「何ですか?なのはさん」

「あの子、今何歳?」

「え?今、17歳のはずですけど。どうかしました?」

「あの歳であれだけの能力は異常じゃない?」

「あの異常な身体能力は、本人に聞いたほうがいいと思います。

正直、私も初めて見たときは今のなのはさんみたいな感じですし」

 

私は異常なことはないという意味も込めてなのはさんに話す。

 

「あ、なのは。エリオと模擬戦するみたい」

「え?」

 

なのはは、もう一度、エリアサーチのモニターへと視線を移す。

 

 

 

 

 

 

場所は変わってアスレチックエリア。

エリオとレオンは、2人は、デバイスを構えて対峙していた。

 

「それじゃあ・・・」

「始めるか」

 

2人は、デバイスを天に掲げる。

 

「ストラーダ!」

「スサノオ!!」

 

 

「「セットアップ!」」

 

 

2人の声でバリアジャケットと武器を展開し戦闘態勢をとる。

そして模擬戦のカウントが始まる。

 

《カウント3、2、1》

 

《スタート》

 

カウントが終了し両者一気に距離を詰め鍔迫り合いに持ち込んだ。

レオンが、エリオを吹き飛ばしもう一度詰め寄り刀を振るうがその攻撃をエリオは防いだ。

更に、追撃して攻撃をしていくがエリオも負けじと攻撃を防ぐ。

 

「やるね。ティアナさんが強いって聞いてたけど思った以上だ」

「そういえばお友達って話してましたもんね」

「まあね、それじゃあ、準備運動もここまでで・・・。

 

 

 

 

 

 

一気に攻めさせてもらう!」

 

レオンが再び一気に距離を詰め懐に入る。

エリオは、防御に入ろうとしたが・・・。

 

フゥゥゥ

 

 

全集中 花の呼吸 弐ノ型

 

御影梅

 

自身の間合いに入った時に一気に攻撃を仕掛けたため防ぎきれず

エリオは吹き飛んでしまったが何とか持ちこたえた。

 

「ストラーダ!」

《ソニックムーブ》

 

錯乱して反撃のチャンスを伺っているが気配を読むことに長けている

レオンにとっては何処にいるのかは手に取るように分かる。

 

「(ここだ!)」

「バレバレだ」

「!?」

 

エリオはその言葉を聞いた時に驚きの表情を浮かべた。

 

全集中 花の呼吸 陸ノ型

 

渦桃

 

体を捻って渦状の斬撃を放つ。

体全体ということはエリオが何処にいるか理解できている為

そこにタイミングを合わせて斬撃をすれば当たると考えレオンは実行に移した。

そしてその読みは当たり、エリオはカウンターを喰らい態勢を整えることができず

壁へ激突した。そして、首筋に刀を突きつけられた。

 

「続けるか?」

「いえ、完敗です」

 

こうして、勝負はレオンが制した。

 

 

 

 

 

 

「・・・レオンさんって人間ですか?」

「お前もかい!?ティアさんにも言われたぞ、それ!!」

 

戦い終わった後に言われた一言目がまさかの人外扱い。

 

「いや、ソニックムーブを魔法無しでついていけるのはもはや人間とは思えません」

「・・・お前、もう一本模擬戦するか?」

 

いい笑顔で青筋を浮かべながら拳を作っているレオンの気迫に思わずたじろぎ

え、遠慮しますと答えてしまった。

 

「全く・・・」

 

その後、ティアナ達と合流したレオンは、模擬戦する羽目になった。

アッレ〜可笑しいな〜。な〜んか見たことがあるぞ〜?\(^o^)/

最早、笑うことしかできないレオンだった。

 

 

 




いかがでしょうか。
次回は、なのはさんとレオンが戦います。

次回のオリジナル回を挟んだ後に
合同模擬戦を行います。

誤字脱字等ございましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 10 砲撃(なのは)VS呼吸(レオン)

今回はタイトル通りです。


それと、もう少しでお気に入りが150件になります。
拙い文章ですが今後とも温かく見守ってくれると有難いです。


では、本編です。どうぞ。


・高町なのは

時空管理局が誇るエース・オブ・エース。

現在は、航空戦技教導隊の戦技教導官である。

数々の事件を検挙してきた歴戦の戦士で高町ヴィヴィオの母親なのだが・・・。

 

「ディバインバスター!!」

「あっぶね!?」

 

レオンとなのはさんが模擬戦を行っている。

事は、数分前に遡る。

 

 

 

 

 

エリオとの模擬戦を終えてティアナ達と合流してなんやかんや話していた時だった。

 

「ねえ、レオン君」

「何です?なのはさん」

「私と模擬戦してみない?」

 

その言葉に周囲は固まった。

 

「なのはさん!?いくらレオンが強いからっていきなり模擬戦は・・・」

「そうだよなのは。さっきエリオと模擬戦したからペースを落としたほうがいいんじゃ・・・」

「でも、レオン君って基礎体力は出来上がっているでしょ?どうせならもっと追い込んでもいいんじゃなかな」

「いや、だからって・・・」

「いいですよ」

 

「「「えぇっ!?」」」

 

「やりましょうよ。模擬戦」

「アンタ正気!?相手はなのはさんよ!」

「だからこそだよ、ティアさん。管理局のエースオブエース。

実際に戦う事なんてまずないですから。それに」

 

レオンは、なのはさんに視線を向ける。

 

「こんな機会、滅多にないんですから寧ろ乗っからない方が損でしょ」

「そうこなくっちゃ!」

 

そう言いなのはさんはフェイトさんと共に模擬戦の準備を始めた。

ティアナは、その様子をハラハラしながら見ていた。

しかし、この後、ここにいる全員が予想していた斜め上の出来事が起きることが

なのはとレオン含めて気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

というわけで今に至る。

 

「もー!なんで当たらないの!?」

 

そんな子供のように文句を言いながらアクセルシューターを放つなのはさん。

 

「普通当たったらダメージ受けるからでしょうが!」

「むぅううう!!!」

「むくれてもダメです!!」

 

なのはさんが文句を言っている中、レオンはかなり焦っていた。

 

「(向こうは空を飛べることと完全な砲撃型。しかも威力がおかしい・・・!

俺は接近して攻撃しないと意味がない。どうやってなのはさんの懐に飛び込むか・・・)」

 

そう、レオンが焦っているのは攻撃がやりにくいのだ。

なのはさんは中距離戦でレオンはバリバリの近接タイプと彼我の距離があるためと

弾幕が張ってあるため思うように近づけないのだ。

 

「(水流飛沫(すいりゅうしぶき)で距離を詰める事は出来るけど後が続かない・・・。

どうすればいい・・・。考えろ、考えろ・・・!)」

 

するとレオンは、動き回っている時、ある事に気づいた。

 

「(縦横無尽に動き回って体力を削ろうとしているのか・・・!)」

 

そう、なのはは、アクセルシューターで動きを制限してディバインバスターで

一撃で仕留めるつもりだったがそれは不可能だと感じ動き回って体力を消耗させてから倒す

作戦にシフトチェンジしたのだ。

 

「(さて、レオン君はどう攻める?)」

「(マズイ・・・!時間を稼いでいる事に気付かれた。早く突破口を編み出さないとやられる!!)」

 

するとレオンは、ある事を思いついた。

 

「(待てよ?いっその事思いっきり激突させるか・・・?)」

 

攻撃を避けながらある事を考えるレオンは、一か八かの賭けに出た。

ある程度弾幕が薄い所に移動し動きを止め刀を肩に担いだ。

 

 

 

 

 

これまでの戦いの様子を見ていた大人組と子供組達。

 

「ちょっ!?レオン動き止めちゃったわよ!?」

「まさか、もう諦めちゃった?」

「いや、アイツの目はまだ死んじゃいない」

 

スバル、リオ、ノーヴェの3人はそれぞれコメントするが

そんな話を聞かず、ティアナはレオンの姿をただ見つめていた。

 

 

 

 

 

「(動きを止めた。刀を担いだという事は真っ向勝負に持ち込む気だ。・・・受けて立つ!!)」

 

レオンの思惑に気づいたなのはは、真っ向から受ける考えを示した。

 

「ディバイン・・・バスター!!」

 

放たれた砲撃はレオンに向かって放たれた。

 

「(勝負だ。なのはさん!!)」

 

レオンの剣に炎のエフェクトが螺旋状に入っていく。

 

「(日の呼吸は全てを扱えるわけじゃない・・・。だから、俺が今出せる全力で貴方に挑む

俺の体の血の巡りを全て腕に・・・燃やせ・・・体を・・・魂を!!)」

 

 

全集中

 

炎の呼吸 奥義

 

 

接近してくるディバインバスターに螺旋状に炎が纏った刀を振り下ろす。

 

 

煉獄!!

 

振り下ろした刀は、ディバインバスターに直撃した。

 

「うおおおおお!!!!!!」

 

その力比べに負けない思いで立ち向かいついになのはのディバインバスターは・・・。

 

 

 

 

 

 

真っ二つに割れた。

 

「「「えええええええええっ!!!!!!!???????」」」

 

模擬戦を観戦していたメンバーは驚愕の声を上げた。

彼女の実力は知っている人達からしてみれば仰天物もいいだろう。

 

「届けぇ!!」

 

真っ二つに割れたディバインバスターを中心部から一気になのはさんの所に飛んでいき・・・。

 

 

 

 

 

 

なのはさんをバリアジャケットを切り裂き地面へと叩きつけた。

ズザザザとなのはさんの反対側に着地しもう一度なのはさんの方に構える。

地面に落ちたなのはさんはイタタと言いながら立ち上がりレオンの方を向いて両手を上げた。

 

「レオン君の勝ちだよ。高町なのは、降参します」

 

そう言うとレオンは、緊張の糸が切れたのかゆっくりと倒れた。

 

「疲れた〜・・・」

 

そのつぶやきは、広く晴れた青空の果てへと消えていった。

 

 

 

 

 

 

「うぅ〜くやしいぃ〜〜〜!!!」

「いやもう、本当に疲れました・・・」

「というかレオン君、本当に君人間!?」

「アンタもいいますか!少し前にエリオに同じことを言われましたよ!!

俺は正真正銘れっきとした人間です!」

「ディバインバスターを真っ二つにした人がそれを言う!?」

 

ガミガミとお互い文句を言い合っている中、未だに現実に戻ってきていない大人組。

 

「勝っちゃったね」←スバル

「勝っちゃいましたね」←エリオ

「アイツ、本当に人間か・・・?」←ノーヴェ

「ディバインバスター切っちゃいましたもんね」←キャロ

「クロノが管理局に誘う理由が納得したよ・・・」←フェイト

 

大人組がいいように言っていることに気付いていないレオンは

フェイトが止めに入るまでずっと言い争いをしていたそうだ。

その後、レオンも混ぜた訓練を行いまたしても彼が人外扱いされてしまった。

 

 

 

 

 

 

「今日はここまで!」

 

「「「お疲れさまでしたー!!」」」

 

みんながお疲れの挨拶をしたのだが肝心のレオンはというと・・・。

 

 

 

 

 

 

真っ白になり力尽きていた。

 

「ご、ゴメンねレオン君」

「・・・ん」

「えっ?」

「酷いですよなのはさん、いくら負けたからってあの後の訓練で俺が集中的に狙われるなんて・・・」

 

グサッ!!

 

「い、いや〜・・・」

「そんなにディバインバスターを切ったのが悪いですか!?

そんなにアクセルシューターを交わしたのが悪いですか!?

ここまで理不尽に言われる筋合いありませんからね!?」

「は、はいぃ・・・」

 

レオンの涙目の抗議にどんどん小さくなっていくなのはさん。

 

「まあまあ、レオン落ち着いて」

「・・・だからってなのはさんのアクセルシューターをノーダメージで

防ぎきるアンタも中々だと思うけど・・・」

 

元スターズ隊の2人に宥められるが何処か納得が言っていないレオンは

これ以上は無駄だと悟り抗議をやめた。

そんなこんなで訓練で動き回った汗を流すためみんなで温泉に行くことになった。

その話を聞いたレオンは・・・。

 

「もう、一般開放しちゃえばいいのに・・・」

 

と呟いたそうだ。

 

 

 

 

 

 

場所は、ホテル・アルピーノの男湯。

今、レオンとエリオの男子コンビがゆったりと温泉に浸かっていた。

 

ああ生ぎ返る〜」

「大変でしたね。今日1日・・・」

「これが明日もあると考えると気が重い・・・」

 

苦笑いのエリオ。そんな中、エリオはレオン体を見ていた。

 

「どうした?」

「あ!いえ、その、体、傷だらけですね・・・」

「・・・6歳の頃からずっと刀を振ってきたからね。

成功したことや失敗したことが沢山あった証拠だ」

 

辺りの空気が静かになった。

エリオも思わずこの人も色々あったんだなと思ってしまった。

するとレオンが女湯の方を見る。

 

「どうかしたんですか?」

「向こうに一人増えたけど変だ・・・。温泉の中に潜っている」

「えっ?」

「この気配・・・。(ティアさん)」

 

レオンは、ティアナに念話を送る。

 

 

 

 

 

 

女性陣達が温泉で楽しんでいる中1人のイタズラっ子が女性陣達にセクハラをしていた。

そんな違和感が起きみんなが一斉に立ち上がった時ティアナに念話が入った。

 

「(何、レオン。今取り込み中・・・)」

「(ティアさん、騒ぎを起こしている奴は北側に向かっています)」

「(え?わかるの?)」

「(そこは俺の得意分野ですから。俺が指示出しますのでクロスミラージュで攻撃を)」

「(いや、でも・・・)」

「(恐らく、そっちにいる人全員が標的です。コレ以上の被害は流石にダメかと)」

 

ティアナは、意を決しクロスミラージュを展開し辺りを警戒する。

 

「て、ティアナさん。何してるの?」

「ゴメン、後にして」

「(さっきと同じところを往復しています。・・・今です!)」

 

ティアナは、レオンのタイミング通りにクロスミラージュのトリガーを引く。

その弾丸は、潜っている人の頬を掠めただけだった。

 

「(命中した?)」

「(いや、掠めただけです。!?ティアさんマズイ!犯人はリオの後ろだ!!)」

 

ティアナが気づいた時は時すでに遅し。

既にリオは、セットアップしていて・・・。

 

「絶招炎雷炮!!!」

 

リオが放った技が()()に当たりそのまま天高く飛んで行った。

 

「ああ〜〜〜〜!!!」

 

飛んで行った女性は、キランと星になった。

 

「ああ〜。なんだセインか」

「だろうと思った・・・」

 

ノーヴェは、心当たりの人物だとわかり一気に落ち着きルーテシアは、呆れていた。

 

「はぁ。(犯人は、リオの技で飛んで行ったわ)」

「(みたいですね。コッチも人が飛んでいくのが見えました。

エリオから聞いたらセインって人だったみたいですね)」

「(・・・全く、セインと来たら・・・。というかアンタ、よくわかったわね)」

「(気の流れを読むことができると誰がどこにいるというのがわかるようになるんです。

コレは日々の修行の成果ってヤツですね)」

「(ホント凄いわね・・・。後始末はこっちでやるからゆっくり温泉に浸かってなさい)」

「(お言葉に甘えさせて頂きます。ついでに鍛え直してこいって言っといて下さい)」

「(ああ〜・・・うん伝えておくわ〜)」

 

そう言い念話を終わる。

 

「はぁ・・・」

「ティアナさん」

「あ、キャロ。ゴメンね、キツイ言い方して」

「いえ、それで念話していたみたいですけど、レオンさんですか?」

「えぇ。セインがいるって教えてくれてね。ホント、アイツの底が知りたいわ・・・」

 

苦笑いを浮かべるティアナ。

 

 

 

 

 

その後、ティアナ達は、セインに説教をしていた。

 

「もー!駄目だよセイン。こういうイタズラは!みんなが怪我したら笑い事じゃ済まなかったんだし」

「セクハラも犯罪なんだからねー?」

「うっ・・・」

「私が営業妨害で訴えたら捕まるしね」

「うぐっ!」

「全く。こんなのがあたしより年上かと思うと涙が出てくるわ」

「う、ぐぐ・・・なんだよ~!ちょっと皆を楽しませようと思っただけじゃんかよぉ~!!

怪我とかしないようにちゃんと気を付けてたっつーの!これでも聖王協会のシスター何だぞ~!

お前ら楽しそうなのにあたしだけ差し入れ渡したらすぐ帰るとか切なすぎるじゃんかよぉ~!!

自慢じゃねぇが、あたしはお前らほど精神的に大人じゃないんだからな!?」

 

「「開き直った・・・」」

 

「ホントに自慢じゃねぇよ・・・」

 

ノーヴェ、スバル、ティアナの3人はがくりと項垂れる。

他のメンバーは苦笑いを浮かべる。

 

「ていうーかティアナ!何私に撃って来てるのよ!!」

「アンタがいるっていち早く気づいた人がいたからコレ以上の被害を出すのは良くないって言う

精神的に大人な人(レオン)が教えてくれたのよ」

「酷くない!?」

「むしろいい薬になったんじゃない。悪いことすると痛い目にあうって」

「グヌヌ、このセイン様をコケにしてぇ・・・!絶対に仕返ししてやる!」

「やめとけセイン。そいつはなのはさんを倒したんだぞ」

「・・・えっ?」

「ついでになのはママのアクセルシューターとディバインバスターを

全部捌き切りましたからね」

「ついでに、戦闘機人を魔法無しで倒せるくらい強いわよ」

 

セインは、レオンの今日あった出来事を聞いて青ざめていた。

 

「アタシ、とんでもない人に目を付けられた?」

「それはないわ。だけど鍛え直してこいって言ってたわ」

 

その言葉を聞いたセインは、色々と安心した表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

場所は、カルナージの訓練エリアの近く。

なのはとフェイトは、明日のチームメンバーの確認をしていた。

 

「それ明日の組み合わせ?」

「うん、ノーヴェが作ってくれたの」

「綺麗に分かれているね。でもやっぱり難点なのは・・・」

「レオン君だね・・・」

 

そこには、レオンが第3の勢力として写っていた。

 

「コレに関しては仕方がない点もあるからね・・・」

「明日のレオン君は、一番のダークホースになるね」

 

なのはとフェイトが見ていたモニターにレオンが書かれていた勢力図それは・・・。

 

 

 

 

 

 

異端児(イレギュラー)と書かれていた。

 

そして、合同模擬戦がついに始まる。

 

 

 




今回は、ここまでになります。


恐らく次にチーム戦になると思います。
それか、もう一つのオリジナルストーリーを書くかもしれません。

誤字脱字がありましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 11 全集中の呼吸って何?

はい、今回はレオンがみんなに全集中の呼吸がどんなものなのか説明します。


では、どうぞ。


温泉に浸かった後、部屋に戻り文献でも読もうかと考えていたところ

ティアナと鉢合わせした。

 

「ティアさん。大丈夫でしたか?」

「えぇ、アインハルトの撃退以外は全員セクハラを受けたわ・・・」

「聖王協会のシスターが一体何やってんですか・・・」

「全くよ・・・。まあ、朝ご飯を作って貰うということで話が済んだわ。

それにリオに手痛い一撃も喰らったし・・・」

「いい薬になるといいですね・・・」

 

そんな話をティアナとしながらみんながいる広間にやってきた。

その中には、レオンが知らない人が混じっていた。

 

「ティアさん、あの人は?」

「今回の騒ぎの犯人」

「納得しました」

「いや、納得するな!」

 

そういいながらセインはズガズガとこちらに寄ってきた。

 

「よくもセイン様をコケにしてくれたな!覚悟しろ!」

「いや、何を?」

「コイツはIS(インヒューレント・スキル)・ディープダイバーって能力があってな

無機物、つまり地面といったものの中に入って移動する事が出来る能力を持ってるんだ」

「奇襲するには持ってこいの能力ですね」

「んでもって、お前さんがセインがいる位置を簡単に見破ってご機嫌斜めってわけだ」

「・・・そこまで負けず嫌いだったとは」

「というわけで勝負だ!!」

「え?勝負?」

「それは・・・これだ!!」

 

一体どこから取り出したのか分からない某格闘ゲーム*1を用意していた。

 

「どっから出したんですかそれ・・・」

「さっきノーヴェから聞いたけど実際の戦闘技術はなくてもこういったゲームなら

勝てるって閃いたのさ!私ってば天才だ!ナーッハッハッハ!」

 

そんな高笑いをしているセインをみんなは呆れた視線を向けていた。

というわけでセインとレオンの1対1のゲーム勝負をする事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後・・・。

 

「セインさーん?おーい」

 

レオンとゲームで5試合をした結果、全て敗北した。

その現実を受け止めきれず灰となってしまったのだ。

 

「燃え尽きたわね」

「レオンさんってゲームも強いんですね」

「ゲームの動きで実際の呼吸剣術に何か応用できないか調べていてね。

後は、鍛錬が休みの日とか休憩の合間にちょこちょこやっていたんだよ」

「お前、本当にハイスペックだな・・・」

「そんなにハイスペックではないですよ。物事を覚える事に関しては

基礎が大事になってきますから。その基礎を覚える事を入念にしているだけです」

 

そんな話をしているとヴィヴィオはある事を尋ねた。

 

「レオンさん。なのはママやエリオさんと戦っていた時の剣術って何ですか?」

「あ、そうだ!色々あって聞き損ねていたんだ」

 

ヴィヴィオから始まりノーヴェがそれに便乗してきた。

 

「そういや話してませんでしたね・・・」

「なんの話してるの?」

 

そう言いながら広間に入ってきたのはなのはとフェイトだった。

 

「あ、ママ!」

「今から、レオンの剣術について聞こうと思っていました」

「へえ〜、あ、私も聞いていいかな?」

「いいですよ。というよりみんな気になっているんじゃないんですか?」

 

そう言いみんなの方を見ると興味津々の表情をしていた。

 

「さて、まずは何処から話しましょうかね」

「はいはーい!」

「はい、リオ」

「レオンさんが使っている剣術ってすごい息を吸う音が

していますけどどんな事が出来るんですか?」

「アレは、全集中の呼吸って言ってね一度に大量の酸素を血中に取り込むことで、

身体能力を瞬間的かつ大幅に上昇させる呼吸法だ」

「なるほどな〜。それであそこまで動けた訳か」

「凄かったですよ。ソニックムーブを軽く超えてきましたから」

 

ノーヴェとエリオは、お互いに経験した身だからこそ理解できるのだろう。

 

「あ、それじゃあ私が」

「はい、コロナ」

「その全集中の呼吸って魔法で使っているんですか?」

「使ってないぞ」

 

「「「へっ?!」」」

 

ティアナ、ノーヴェ、なのは、ルーテシアの4人以外は驚きの表情を浮かべた。

 

「やっぱり・・・」

「ティアナは知ってたんだな」

「教えて貰う機会がありまして、初めて聞いた時もスバル達と同じ感じでしたよ」

 

ティアナもみんなと同じく驚いたと話しておく。

 

「それで話の続きなんですけどこの剣術は人が鍛えるとできるようになります。

ただ、ヴィヴィオ達位の歳の子がやるのは些か危険があると思いますのでオススメはしません」

「でも、剣は振っていたんだろ?」

「振ってはいましたけど呼吸法は教えて貰ってません。教えて貰ったのは俺が13の頃でしたので」

「ところで全集中の呼吸を習得するにあたってどんな訓練をしていたの?」

 

この話を聞いてきたのはなのはだった。

 

「えっとですね。まずは、空気が薄い山の中でひたすら下山してました」

「え?下山?」

「先ほど話しましたがコレは人間の身体を鍛えることですからこういった普通の事から始めるんです」

「でも、ただ下山するだけなの?それで鍛えられるとは思えないけど・・・」

 

その事に疑問を覚えたのはフェイトだった。

 

「フェイトさん鋭いです。フェイトさんが睨んだ通りただ下山するだけじゃありません」

「何をするの?」

「・・・罠が仕掛けてあります」

「どんな罠なの?」

「俺がその訓練をしていた時は縄に引っかかると短刀が飛んでくる仕掛けになっています」

「・・・へ?」

「た、短刀?」

「他にも落とし穴があってその下には鋭利な竹もあって縄に引っかかると地面に隠してあった

竹が跳ね上がって上に投げ飛ばされたりしましたね。後は木が倒れてきたりしましたね」

「そ、そうなんだ・・・」

 

その話を聞いたフェイトは思わず引きつった笑みを浮かべた。

 

「ついでに言いますと霧が深い所に行きますので余計に罠にひっかかりますね」

 

「「そんな情報はいらなかったよ!!」」

 

後付けされた情報にツッコミを入れるなのフェイコンビ。

 

「ほ、他にはどんな修行をしていたんですか?」

 

こっちも引きつった声で話をするエリオ。お前もかい。

 

「えーっと、素振りを1000回、滝行、藁を水平に切る事

受け身とかそんな所でしたかね」

 

みんなは、引きつった笑みを浮かべて挙句の果てには引いてしまっていた。

 

「いや、引く事はないでしょう」

「よ、よく修行についていけたわね・・・」

「ホントだよ。素振り500回終わったと思ったら500回追加されるわ

滝の一番上から蹴り飛ばしたりするわ、ひたすら投げ飛ばされたりするわ

刀を折ったら腕を折るとか脅してくるわホント、大変でしたよ」

 

アッハハハと笑っているがしまいにみんなで心の中で思った事は・・・。

 

「「「(レオン(君)が習得した剣術を習わないでよかった・・・)」」」

 

というなんともある意味不名誉な事だった。

そんな時、キャロがある事に気づいた。

 

「そういえばレオンさん。その話た呼吸法は何種類あるんですか?」

「ああ、の5つが基本流派になるんだ」

「え?じゃあ、僕と戦った時に使った花のような技は一体何ですか?」

「アレは、水の呼吸の派生だな。文献によれば馴染む事ができない人は独自に改善し

それぞれの戦闘スタイルを編み出していたそうだ」

「なるほど・・・」

 

エリオの質問に対して回答をすると感心していた。

 

「ん?ちょっと待ってレオン」

「なんです?」

 

話に待ったをかけてきたのはティアさんだった。

 

「初めて会った時に使った日の呼吸って基本流派に含まれないの?」

 

「「「日の呼吸?」」」

 

「ティアさんには、詳しく話していませんでしたね。それで質問に対して答えはノーです。アレは、()()()()()()と言われています」

「始まりの呼吸?」

「先ほど話した基本五流派の全ての始まり、元になった呼吸剣術、それが日の呼吸です」

「全ての始まりの呼吸か・・・」

「レオンさんは使えるんですか?」

 

ヴィヴィオの質問に首を振るレオン。

 

「完全に使えないと言う訳じゃない。後、2つ身につければ完全習得になります」

「全部でどれ位あるんだ?」

「12です」

「つまり、最後の2つを習得できれば・・・」

「日の呼吸は完全習得するという事です。

()()も完成に近づいてきている。もう一息だ・・・)」

 

ティアナは、レオンが何か隠していると見抜いたが今追求するべきじゃないと思い何も追求はしなかった。

その後、夜も更けてきた為その日はお開きとなった。そして翌日、チーム戦の日となった。

 

 

 

*1
何のゲームかは読者の想像にお任せ




いかがでしたか?

鬼滅の刃は、アニメストーリーとネットの情報で技を調べたりして知識を得ている為
原作を知らないでいるんですね。

一応、全集中の呼吸の習得の仕方は、炭治郎の水の呼吸の習得していた時の
訓練を参考にしました。

誤字脱字等ございましたら連絡下さい。
では、また次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 12 チーム模擬戦だっ!!

今回は、レオンとティアナの絡みが主です。


では、どうぞ。


カルナージ AM 5:30

レオンは、一足先に外に出て朝の日課の鍛練を行っていた。

 

 

全集中 日の呼吸

 

拾壱ノ型 幻日虹

 

 

そのかけ声と共に高速回転と移動を同時に行いその場に着地した。

 

「ハア、ハア、拾壱ノ型。何とか形になった・・・」

 

そう言い空を見上げるレオン。

 

「流石に間に合わなかったか・・・」

「何が間に合わなかったの?」

 

そういい声が聞こえた方を見るとジャージ姿のティアナがいた。

 

「もしかして起こしちゃいました?」

「何となく早く目が覚めちゃって・・・。

外の空気を吸いに来たらアンタが鍛練をしていたのを見かけたのよ」

 

なるほどと納得し木に引っ掛けていたタオルを手に取り汗を拭き取る。

 

「それで結局何が間に合わなかったの?」

「・・・日の呼吸ですよ。今日使おうと思いまして。アレが間に合えばもっと戦いの幅が広がっていったんですがね・・・」

「焦りは禁物よ・・・。私も焦って失敗した事もあったし」

「ティアさんが?何か意外」

「意外に見える?」

「はい。話を聞くまではそうは思いませんでした」

「まぁ、私自身も色々あったしね・・・」

 

その表情は、どこか懐かしくそして後悔の表情を浮かべていた。

 

「でも、それを引っ括めてティアさんだと思いますよ」

「え?」

「夢を追って叶えた。誰だって持っている思いでできない事でもあります。

挫折して絶望して。違う道を進んでいく人だっています。

でも、ティアさんはそれを乗り越えて今のティアさんがいる。

本当にすごい事で尊敬しますよ。だから胸張って言えますよ。ティアさんはすごいって」

「ちょ!煽てても何も出ないわよ!」

 

顔を赤くしながら否定するティアナ。

まさかこのように褒められるとは思っていなかった。

 

「俺、煽てているつもりないんですけど」

「・・・じゃあ、本心って事?」

「当たり前じゃないですか」

 

その真剣な表情でティアナを見るレオン。

思わずティアナは、頬から耳まで赤く染める。

 

「そ、そろそろ朝ご飯できると思うから早く戻りなさいよ!!」

 

そう言い全力ダッシュで戻るティアナだった。

全力ダッシュで戻るティアナの姿が見えなくなり思わずボーっとした表情で見るレオン。

 

「ティアさん・・・。やっぱスゲェ・・・」

《主人よ、貴方は天然ジゴロだったのか・・・》

 

そう呟くレオンだった。

そして数話ぶりにセリフが入ったスサノオが呟いた。つか、どこで覚えたそんな事。

 

 

 

 

 

「あ、ティア、おは・・・」

 

ビュン!!とスバルとノーヴェの前を通り過ぎていった。

 

 

(; ゚д゚)(; ゚д゚)

 

 

ティアナは、慌てて部屋に入り両手で顔を隠して悶えていた。

 

「〜〜〜〜〜!!!!!//////////」

 

レオンの言葉が頭の中でループしてくるティアナ。

 

『本当にすごい事で尊敬しますよ。だから胸張って言えますよ。ティアさんはすごいって』

 

その言葉で不覚にも思わずときめいてしまったのだ。彼女は、過去に辛い経験をした。

そしてそれが全て報われたかのような思いになってしまったのだ。

 

「(・・・歳下だからその対象になる事はないと思っていたけど)」

 

不意にティアナは、思わず自覚してしまった。自分の思いに・・・。

 

「(あぁ・・・。私、レオンの事・・・。

 

 

 

 

 

 

好きになっちゃった・・・)」

 

異性としてレオンが好きだという事をついに自覚したのだ・・・。

 

「(とりあえず、なのはさん達にはバレない様にしないと。でないと・・・)」

 

 

【私達より先に恋人作るなんてー!!】

 

スターライト・ブレイカー!!

 

 

「(殺されかねない・・・)」

 

自身の恋心を自覚すると同時に死の恐怖を感じてしまうティアナであった。

その後、ティアナはさっきの出来事の心配をされてしまい慌てて謝るのだった。

 

 

 

 

 

そしていよいよ始まるチーム模擬戦。

 

「それじゃあ、みんな元気よく!」

「せーのっ!」

 

「「「セッート!アッープ!!」」」

 

全員の掛け声と同時にバリアジャケットを展開する。

するとみんなは、レオンのバリアジャケットに気づいた。

 

「アレ?いつものバリアジャケットじゃない?」

 

スバルがその指摘に気づくと全員がレオンに視線を向ける。

側から見ると着物のようにも見える姿になっていた。

 

「スサノオと一緒に考えていた姿です。ようやく形になってきたので試そうと思いまして。

勿論、本気で行かせていただきますよ」

《全力で倒させていただく》

 

レオンとスサノオの言葉に、みんなは気合が入る。

では、ここでチームの振り分けのメンバーを紹介しよう。

 

チーム赤組

・フェイト・T・ハラオウン

・アインハルト・ストラトス

・ノーヴェ・ナカジマ

・ティアナ・ランスター

・キャロ・ル・ルシエ

・コロナ・ティミル

 

 

チーム青組

・高町なのは

・高町ヴィヴィオ

・スバル・ナカジマ

・エリオ・モンディアル

・ルーテシア・アルピーノ

・リオ・ウェズリー

 

 

以上、6人チームとなる。

 

「それじゃあ始めるんだけど今回はいつもとルールが違います」

「その説明をプロデューサーのノーヴェから説明をお願いします」

「ちょっ、フェイトさん。プロデューサーはやめて下さい・・・」

 

といったフェイトの簡単な弄りを返しノーヴェは咳込みで気を取り直して説明に入る。

 

「普通だったら6対6のチーム戦ですが今回は人数の都合上レオンが第3の勢力として出てきます。

彼は、彼方此方にランダムで転送されて戦闘となります。

3つ巴あり、離脱して共倒れさせるのもあり、赤と青組の共闘ありの乱戦となります」

「付け足すと一定時間が経つとレオンが自動的に別の場所に転送されます。

これは、ランダム設定にしてあるため、私達も知りません」

「つまり、5分かかったりやられるまで残ったり1分経ったらいなくなるといった事もあります」

「それで、レオン君には申し訳ないけど一度決めたフォームになったら変更できないようにしてあります」

「他にも、レオンは回復支援もない状態ですので一度でもやられたら終わりです」

「レオン君も始まる前に一通り説明したけど改めてという意味も込めて。それでいい?」

「大丈夫です」

 

レオンにもルールの確認を終了すると全員、所定の位置についた。

するとモニターにメガーヌさんとセインさんが映った。

その背後には、銅鑼があった。

 

「それじゃ、みんな元気に試合開始!!」

 

ガリューが撥で銅鑼を思いっきり叩いた。

セインさんは思わず耳を塞ぎフリードは驚いていた。

 

「ウイングロード!」

「エアライナー!」

 

開始のゴングが鳴り響くと同時に2人は魔法で足場を生成した。

他のメンバーはそれを利用してそれぞれの対戦相手のところに赴く。

 

「さて、スサノオ。俺とお前で考えたスピードフォームの初陣だ。気合入れていくぞ!」

《心得た》

 

そして、カウントが鳴り響くとレオンの周辺が光り輝いた。

 

《転送を開始します》

 

そしてレオンもその場から消えて戦場へと赴くのであった。

 

 

 




キリが良かったのでここまでとなります。
次回からレオンが戦場をかき乱します。

あと、スサノオの出番が思った以上に少なかったです・・・。
なるべく増やしていくようにがんばります。

誤字脱字等ございましたら連絡をください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 13 チーム模擬戦開始!!

後、1か2話でインターミドル編になります。


では、どうぞ。


試合開始のゴングが鳴り響くとそれぞれの持ち場についていた。

そして、なのはとティアナは、援護射撃の準備として魔力弾を生成していた。

 

「(なのはさんに大きいのを撃たれたら一瞬で全滅する危険がある・・・)」

「(ティアナの徹甲狙撃弾は私のより固いし速い。撃たせたら味方も私も危ない・・・)」

 

しかし、チームの司令塔2人は別の危険も考えていた。

 

「(そして・・・)」

「(何より・・・)」

 

「「(異端児(レオン)が危険すぎる・・・)」」

 

唯一の救いは、レオンのLPが1000である事なのかもしれない。

 

 

 

 

 

肝心のレオンはというと最初の転送先に到着し周辺を見ていた。

その場所は、青色の道路?の上だった。

 

「この足場って、確かスバルさんが作った・・・」

《主人。ここはスバル殿が作った魔法、ウイングロードの上だ》

「じゃあ、どこかにスバルさんがいる可能性があるのか・・・」

《主人!後ろだ!!》

「!?」

 

レオンは慌ててバックステップで回避した。

すると足場にあったウイングロードが消えていた。

 

「魔力弾・・・。ということは・・・!」

 

魔力弾の先を見るとそこには手から煙を出しているスバルさんがいた。

 

「スバルさん・・・。!?」

「リボルバースパイク!!」

 

今度は、ノーヴェさんが攻撃を仕掛けてきた。

それをレオンは回避すると同時に回し蹴りで足を蹴りノーヴェさんを蹴り飛ばした。

ノーヴェさんは、エアライナーを生成しなんとか落下を防いだ。

 

「いっつつ・・・。やっぱ一筋縄じゃいかねえか・・・」

「奇襲作戦が失敗した以上、下手な奇襲ができないね」

「まあ、でも、2on1ならまだ倒せるチャンスはある。足引っ張るなよ」

「そっちもね」

 

そういった軽口を叩いていると2人は戦闘態勢をとる。

 

「まずはナカジマ姉妹ですか・・・。全力でお相手しましょう!」

 

レオンは、腰に装着していたレイピア風の剣を鞘から取り出す。

 

「・・・参る!!」

 

レオンが力強く呟くと一瞬で2人の懐に入り込み突きをする。

が、最小限のサイズでなおかつ強固なバリアでなんとか防いだがそのまま

レオンの攻撃は止まる事を知らずそのまま連続で攻撃を仕掛けてくる。

 

「(早すぎる!?コイツ、刀しか使えないんじゃねえのかよ!?)」

「ノーヴェ!!」

 

スバルは、ノーヴェを援護するためその拳を振るうが空振りになってしまった。

 

「アレ?痛あ!?」

 

自身の背中に蹴りが入れられて思わず声を上げてしまった。

 

「イタタ・・・」

「おいおい、大丈夫かスバル・・・」

「お二人さん。まだ終わりませんよね?」

 

そう言いながら軽い挑発をするレオン。

 

「言ってくれるね・・・。コッチも遠慮なく行くぞ!!」

 

ノーヴェは、エアライナーを展開しながらこちらに攻撃をしてくるがレオンの素早さについてこれないのだ。

今、レオンが展開しているバリアジャケットには少し特殊な加工を施してある。

風が当たるとバリアジャケットが縮んでいき空気抵抗を少しでも減らすことができる仕組みになっている。

更に、レオン自身の呼吸による身体強化と魔法による身体強化のお陰で更に速いスピードで動くことができるのだ。

このスピードは、理論上フェイトのソニックフォームに匹敵、またはそれ以上のスピードを出せると考えている。

 

「クッソ!早すぎる!!」

 

悪態をつけるノーヴェ。そしてレオンは一気に畳み掛けようとした時だった。

 

《一定時間が経過しました。転送を行います》

 

「えっ!?ちょっ・・・」

 

レオンの言葉虚しくその場から消え静寂が訪れた。

 

「ハア〜。耐え切った〜」

「マジでやばかった・・・。(武器は何時もの刀じゃなかった・・・。

最近習得したって言っていたけどそんな風には微塵も見えなかった・・・)」

 

そこで、ノーヴェは、昨日レオンが話していた言葉を思い出す。

 

『物事を覚える事に関しては基礎が大事になってきますから。その基礎を覚える事を入念にしているだけです』

 

「(あの言葉の意味を証明されると重みがすごいな・・・)」

 

そんなしみじみに思っているノーヴェにスバルは声をかけた。

 

「ノーヴェ?どうかした?」

「なんでもねぇ。そんじゃ、再開するか!」

「うん!」

 

レオンが居なくなったことにより姉妹同士の対決が再開した。

 

 

 

 

 

 

新たな魔方陣が展開されその中からレオンが落ちてきた。

 

「イデッ!?」

 

まさか地面ではなく空中とは思わなかった。

 

「っつう、スサノオ。近くに人はいるか?」

《東側に2つの魔力反応を確認した。1つは、物体操作の類ともう一つは、電気と炎だ》

「電気と炎?そういえば・・・」

 

レオンは、学校での授業を思い出していた。

 

『魔法にはレアスキルの他にも魔力変換資質というものがあります。

これは、魔力をごく自然に直接的な物理エネルギーに変換できる能力です。

例えば、発動する魔法を炎にして出したりする事もできたりと

このように必ず物事には例外があります』

 

レオンは、話を思い出していた。

 

「魔力変換資質持ちがいるのか・・・。しかも2つ。誰だ?

フェイトさんは電気だけだったはずだから炎を使うなんて無いし・・・」

 

レオンは、電気と炎の言葉が気になり近くに開けた場所があり覗き込むように様子を見る。

 

《主人、覗き見は余り良い趣味とはいえんぞ?》

「うるさい、自覚しているんだ。そこを掘り下げるな」

 

スサノオの話を一蹴りし開けたところを見ると電気の龍と炎の龍を纏ったリオと

岩石の巨人の上に乗っているコロナを見つけた。

 

「電気と炎を使っていたのはリオだったか・・・。つか、コロナのアレ何?」

《主人、アレは、ゴーレム創成(クリエイト)。核となるクリスタルであのようにゴーレムを生成できる》

「真正面の戦いにおいてはリオだけどゴーレム操作の練度によってはコロナが有利になる可能性があるな」

 

ここでしかし、と思うレオン。

 

「あの戦いに突っ込むのは些か気がひける・・・」

《主人、当たって砕けろという言葉がある。潔く諦めて乱入するのもアリかと》

「それもそうだが・・・。ん?」

 

ふと空を見上げるとアインハルトの右腕がバインドで縛られ動きを封じられていた。

 

「強引にバインドを外そうとしているな」

《しかし、アレでは外せない。あのように強引に剥がそうとすると尚更》

「いや、なんか考えているみたいだな」

 

レオンは、2人の戦闘の様子を見て何かあると感じ取る。

するとアインハルトがバインドを打ち砕いた。

 

「あの動き、水切りの応用だな」

《彼女も侮れませぬな》

「だな・・・「アアーーーー!!レオンさん!!」・・・」

 

アインハルトの戦闘を見ていた時にレオンを見つけたリオ。

思わず大声をあげた声に反応したのか魔力弾がこちらに飛んできた。

その魔力弾をやかましく感じ切り捨てる。

 

「まっさか、貴方まで来るとは思いませんでしたよ・・・。

 

 

 

 

 

 

フェイトさん」

 

空からゆっくり降りてきたのはフェイトだった。

 

「ゴメンね。レオン、貴方を落とさせてもらうよ」

 

フェイトさんが構えると背後にエリオが降りてきた。

 

「お前もか・・・。エリオ」

「昨日してやられたからね。借りを返させて貰うよ」

 

あららと苦笑いを浮かべるレオン。

 

「コロナ、手伝って貰える?多分、エリオと私だけだと厳しいと思う」

「リオも手伝って。フェイトさんのいう通りかなり厳しい」

 

そんな話をしてリオとコロナは、互いに見て頷く。

 

「分かりました!」

「レオンさん!お覚悟はよろしいですか!」

「うわ〜、こりゃあ面倒くさいな・・・」

 

苦笑いを浮かべ内心焦るレオンは、この格好は失敗かと思った。

 

「でもまあ、負けるつもりはないんで!」

 

そういうとフェイトさんと同時に距離を詰め鍔迫り合いになった。

そして、デバイスを二刀流の剣と動きやすい格好になり一気に仕掛けてきた。

急いで距離を取るレオン。しかし、距離をとったその先にいたのはリオだった。

 

「レオンさん、覚悟!」

 

電気を纏った拳でレオンに殴りかかるがレオンは、そのままリオの手首を掴み

コロナの方へ投げ飛ばした。

 

「飛んでけー!」

「わあああ〜〜〜〜!!!!????」

「リオ!きゃあ!!?」

 

2人はそのまま激突し吹き飛ばされる。

フェイトは、2人の元に駆け寄る。

 

「2人共、大丈夫?」

「は、はい・・・」

「何とか・・・」

 

2人の心配をする中、エリオとレオンは、鍔迫り合いと斬り合いをしていた。

そして、レオンの突き技がかなり鋭く中々攻める事ができない。

 

「(決定打に欠ける・・・。一体どうすれば・・・!)」

「(ここでエリオを下がらせるか)」

 

するとレオンは、エリオを蹴り飛ばし距離を取り周辺のビルをジグザグに飛び上空へとジャンプする。

 

 

全集中 蟲の呼吸

 

蝶の舞 戯れ

 

すると突如、エリオ周辺が蝶で溢れかえった。

何が起こったのかわからず動きを止めてしまった。

すると一匹の蝶がエリオの胸へ止まろうとした時・・・。

 

「エリオ!避けて!!」

「!!」

 

後ろにいるフェイトの呼びかけで意識を取り戻し慌ててバックをする。

そこにあったのはレオンが使用している剣がエリオの胸の位置にあったのだ。

 

「流石にバレるか・・・」

「い、一体何が・・・」

「この技は、突き技に特化していてね。1on1ではかなり見破りにくい技だけど

流石に後ろにいる人だと分かりやすいか・・・」

 

そんな時、突如、オレンジ色の魔力弾がレオンの所に飛んできた。

それに気づいたレオンは、魔力弾を切り捨てる。

 

「今の弾丸はティアさんのか・・・。ファ!?」Σ(・□・;)

 

レオンは、ティアさんの方を見て思わず驚いた。

ティアさんの周辺の魔力弾の多さに驚いてしまった。

 

「フェイトさん、アインハルト、コロナ!足止めありがとうございます!

コレが赤組勝利への篝火、クロスファイアーフルバースト!!」

 

大量に展開されていた魔力弾の乱れ撃ちが発生し周辺にいたエリオ、リオは慌てて回避をする。

レオンは、ここにいるのは些か危険と感じその場を離脱した。

 

 

 

 

 

急いで隠れて周辺の様子を伺うレオン。

 

「下手に出て返り討ちに遭うのもなんかな・・・」

《主人よ、貴方はただでさえ規格外なのですからお構いなしに動いても問題ないでしょう》

「おいコラテメェどういうことだ」

 

そんな口喧嘩をしていると周辺の様子に変化がありそれを確認する。

レオンは、その様子を見て思わず驚いた。

 

「2on1!?ルーテシアの作戦はこれだったのか!!」

《消耗している所で息の合ったコンビで一気に勝負を仕掛けるというわけか・・・。

ルーテシア殿の作戦は中々やりますね》

「あぁ、だがなスサノオ。俺が今付けられている二つ名はなんだ?」

《主人、やるのですか?》

「ああ、俺は異端児(イレギュラー)だ。盛大にかき乱してやろうじゃない!!

スサノオ、この周辺で一番人が固まっている場所をサーチ。

サーチが完了次第、全速力でそこに向かう」

《御意。探索を開始する・・・。探索完了。主人、私が道を示します。

指示に従い移動してください》

 

スサノオの言葉に頷きその場から消えたレオン。

果たしてこの勝負の行方はいかに・・・。

 

 

 




キリがいいのでここまでとします。


誤字脱字等ございましたら練習下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 14 チーム模擬戦決着!!

合宿編も今回で終了となります。

次回からはインターミドル編となります。

では、本編です。どうぞ。


それぞれの場所での戦闘が行われている中戦況は、青組に流れてきていた。

ルーテシアの作戦により消耗し始めた頃合いに2on1の状況へと持って行き

赤組を一網打尽にする作戦だった。

しかし、彼女が一番恐れていた事態が今起きようとしていた。

 

 

 

 

 

 

キャロ、リオ、ルーテシアの3人が戦っているエリア。

キャロは、アルケミックチェーンでアインハルトに近づけさせないように牽制していた。

そして、コロナが到着し攻撃態勢に入った。

 

「ゴライアス!パージブラスト!!ロケットパーンチ!!」

 

その言葉でゴライアスの右腕が回転しそのまま発射され

ルーテシアとリオに向けて発射された。

 

「うそ〜〜〜〜〜!?」

 

直撃コースかと思われた攻撃に思わず目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

全集中 蟲の呼吸

 

 

蜻蛉ノ舞 複眼六角

 

突如、爆発のような音が聞こえ2人はゆっくりと目を開き驚きの表情を浮かべる。

 

 

 

 

 

 

そこには、突き技を放ったレオンがいた。

 

「え!?レオンさん!」

「ゴライアスの攻撃を防いじゃった!!?」

 

リオ、コロナが驚きの声を上げる。

その隙に、ルーテシアはキャロの方へ向かう。

 

「かなり面白い状況じゃないか。俺も混ぜてくれよ」

「みんな、ここは協力してレオンさんを倒すわよ!」

「え?ルーちゃん!?」

「どの道、キャロやコロナを仕留めるにしてもレオンさんがいたんじゃどうしようもできない!」

 

ルーテシアの言葉にみんなは頷く。

 

「というわけで!」

「レオンさん!」

「こちらは少し不本意ですが!」

「お相手!よろしくお願いします!!」

 

その言葉にレオンは、不敵な笑みを浮かべる。

 

「そうこないとな。っしゃあ!かかってこい!!」

 

その言葉でまず先に動いたのはリオだった。

ご自慢の武術で攻撃を仕掛けてくるがレオンは簡単に避ける。

 

「キャロ!行くわよ!」

「うん!アルケミックチェーン!!!」

 

リオが攻撃を仕掛けてフルバックの2人がレオンの動きを封じる。

 

「拘束系の魔法か。面倒な・・・」

「コロナ!いける!?」

「はい!ゴライアス!パージブラスト!!」

 

コロナは、フルバックの2人がレオンの動きを封じている間に

右腕を修復させもう一度攻撃態勢へと整える。

 

「もう一度!ロケットパーンチ!!」

 

再び発射されたロケットパンチは、レオン目掛けて発射された。

そしてそのまま直撃し地面から土煙が舞った。

 

「やったの?」

 

リオがみんなにそう聞いた時。

ビュンビュンと何かが移動している音が聞こえた。

 

 

全集中 蟲の呼吸

 

 

「悪くない手だったがこれで終わりだ!!」

 

 

蜈蚣ノ舞 百足蛇腹

 

 

4人は隙を突かれてレオンの突き技を直接受けた。

 

「「「きゃああああ!!!」」」

 

そして全員のLPを0にした。

 

「ルーテシア、リオ、コロナ、キャロ、撃墜完了っと」

「ふぇえええ〜〜〜。レオンさんいつの間に〜〜〜」

「最後まで油断しないように。その一瞬が命取りだからな。さて」

 

レオンは、なのはさんの方を見る。

するとティアさんも2人一緒に魔力を集めていた。

 

「・・・何かすごく嫌な予感」

《主人、収束砲撃だ!今すぐ撤退を!!》

 

そんな話をスサノオから聞くと2人が何かしようとしている声が聞こえた。

 

「モード!マルチレイド!!」

「シフト!ファントムストライク!!」

 

スターライト・ブレイカー!!

 

放たれた収束砲撃は、エリア全域を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

辺りが静かになりレオンは、瓦礫の下敷きになりなんとか生き残っていた。

そして乗っけられていた瓦礫をどかし立ち上がった。

 

「全く、何の終末戦争だ・・・」

《ブレイカー級の砲撃を相殺したのだ。アレは仕方あるまい》

「よく生き残ったな・・・俺」

 

現在のレオンのLPは110。本当にギリギリだった。

バリアジャケットもボロボロになって高速移動も僅かながら制限もあるようだ。

すると背後から魔力弾が飛んできた。レオンは、そのまま回避する。

 

「ティアさんも残りましたか・・・」

「アンタも残ったみたいね・・・」

 

そう言うと腰にかけてある剣を手に取ろうとした時こちらに向かってくる人がいると気づいた。

 

「この感覚・・・ヴィヴィオ!」

 

ティアさんは慌ててモニターを確認すると本当にヴィヴィオだったことに驚く。

 

「嘘!?なんで無傷?」

「スバルさん辺りが助けたんでしょうかね?あの人レスキュー隊だし」

 

ヴィヴィオがこちらに接近してきている時、何かが彼女を阻んだ。

 

「覇王!空破弾(仮)」

 

吹き飛ばされたヴィヴィオにアインハルトが詰め寄っていた。

 

「ヴィヴィオさん、ティアナさんの所には行かせません」

「残念だが、その願いは叶わない」

 

「「!?」」

 

そこにいたのはレオンとティアナだった。

 

「レオンさん!?」

「安心しろ。俺たちはドロップアウトした」

「ええ!?」

「レオンと話をしたらどうせなら歳下の子供達に最後までやらせようって話になったのよ」

「だから2人が最後だ。残りの戦い、全力で楽しみな」

 

「「はい!!」」

 

「よし、じゃあ俺たちは遠くで見てるから」

 

そう言いレオンはティアナを持ち上げる。

 

「え!?ちょっと!?///」

 

ティアナを持ち上げたレオンがその場から去った。

 

「アインハルトさん・・・。ティアナさん、お姫様抱っこされてましたね・・・」

「は、はい・・・」

 

レオンのせいで何とも言えない空気になってしまった。

 

「えーっと、とりあえず!」

「続き、始めましょう」

「はい!高町ヴィヴィオ!押して参ります!!」

 

そして、ヴィヴィオの攻撃を受けてアインハルトはダウンしたが

最後の抵抗でカウンターを食らったヴィヴィオは共にダウンしてしまい全員が撃墜された。

こうして、勝負は引き分けとなった。

因みに、レオンがティアナをお姫様抱っこしたせいでクロスファイアを乱れ撃ちで

追いかけ回されることをこの時のレオンは知らないでいた。

 

 

 

 

 

 

その後、メンバーをシャッフルしたりして様々なパターンでの模擬戦を行った。

これは、レオンやアインハルトにとってはとても充実した合宿になった。

 

 

 

 

 

 

なのだが・・・。全力で楽しんだツケが回ってきたのだった。

 

「「「うぅ〜。」」」

 

「か、体が・・・」

「動けない・・・」

 

その様子を呆れて見るルーテシアとレオン。

 

「みんな加減を考えないで全力でやるからよ」

「全くだ」

「レオンさんとルーちゃんは何で平気なの・・・?」

「それは、年長者なりのペース配分?」

「俺は呼吸法でどうとでもなる。ましてや戦闘が長引く時こそ

いかに下手な力を入れないようにするかというのが鍵だな」

「呼吸法、便利すぎ・・・」

 

その様子にレオンは思わず苦笑いを浮かべる。

 

「ところでアインハルトは、DSAAにでないの?」

「DSAA?」

「それって魔法競技の奴だろ?」

「レオンさんも知っていたのね」

「ああ。確か今年の大会は、検証も兼ねて女子部門に男子枠を1つ設けるって話をニュースで見たな」

「せっかくだから2人共出てみれば?」

「ルーテシアは出るのか?」

「もちろん♪それにそろそろエントリーが始まると思うからやるなら今だね」

「俺は、少し考えておく」

 

そう言いながらレオンはドアの方へ向かう。

 

「アレ?レオンさん?」

「部屋にいるよ。何かあったらスサノオで呼んでくれ」

 

そう言い部屋から出て行った。

 

「何やるんだろう?」

「ねぇ?みんな行ってみない?」

 

ルーテシアの言葉でレオンの部屋に行くことになったが

ヴィヴィオ達が生まれたての子鹿のようになり移動にかなり時間がかかってしまった。

 

 

 

 

 

 

ヴィヴィオ達が覚束無い足で何とかたどり着いたレオンの部屋。

部屋の前に来たのはいいがルーテシアは、頭に?を浮かべる。

 

「ルールー、どうしたの?」

「なんか静かね・・・」

「寝ているのではないでしょうか?」

「ちょっと覗いてみよう」

 

そう言いリオは静かにドアを開くとレオンが瞑想しながら呼吸をしていた。

 

「何してるんだろう?」

「瞑想してるね。多分、気持ちを落ち着かせていると思う」

「部屋に戻った方がいいかな?」

 

そんな話をしている時だった。

 

「部屋に入りな。立っているだけじゃ大変だろ?」

 

「「「!?!?」」」

 

みんながビクッとなってしまった。

するとヴィヴィオ達が部屋に入ってきた。

 

「レオンさん、いつから気付いていたの?」

「みんなが足を震えながらコッチに向かってきた時」

「ほぼ最初からじゃないですか!!」

 

リオのツッコミに思わず笑みをこぼすレオン。

 

「まあ、立ち話もなんだから座りなよ」

 

そして全員が部屋に入り各々腰掛けた。

 

「聞きたい事は、まあ、色々あると思うけど」

「レオンさんは何をしていたんですか?」

「瞑想と肺を落ち着かせていた」

「肺を?」

「アレだけ戦闘で呼吸剣技を使ったんだからそりゃあ休ませるよ。

ついでに呼吸法の練習も兼ねてね」

「呼吸の」

「練習?」

 

ヴィヴィオとコロナは頭を?にする。

 

「実は、全集中の呼吸には続きがあるんだ。アレを常に発動状態にする()()というものがある」

「ちょっと待って、レオンさん。常中って事はつまり・・・」

「ルーテシアの想像通り馬鹿げた身体能力を常に発動した状態にできるって訳だ」

 

子供達全員が引いた。

 

「引くのは酷くない?」

「これを引かずに入られるか!!」

 

ルーテシアがウガーと発狂しながらツッコむ。

 

「それを身につけるって分かるものですか?」

「ああ、その時はコイツを使うんだよ」

 

レオンは、そう言いながら鞄から瓢箪を取り出した。

 

「これって瓢箪ですよね?地球で見た事があります」

「そういえばなのはさんは地球出身だったね」

「はい、それでこれをどうするんですか?」

「破裂させるんだよ」

「へぇ〜・・・」

 

 

「「「「「・・・破裂?」」」」」

 

「ルールー、アインハルトさん。聞き間違いじゃないですよね?」

「は、ハイ。今確かに・・・」

「破裂って言ったわね」

 

リオは瓢箪をコンコンと叩く。

 

「こんなに硬いのをですか?」

「ああ、因みに常中をできるようになったときにこのサイズを割る事が出来れば合格かな」

 

そう言いながらスサノオのモニターで写し瓢箪のサイズを見せた。

 

「デッカ!?」

「これを割るんですか!?」

「因みに、この小さいやつは割れる」

 

みんなは半信半疑だったがレオンが実践してみたら本当に割れて驚き

瓢箪が割れた音に大人達がレオンの部屋に来て、レオンが割れた瓢箪を持っていて

子供達は口を開けたまま固まっているというよく分からない状況になり大人全員が困惑。

常中の話をし予備の瓢箪を使ってもう一度、やって見せたら今度は大人全員が発狂した。解せぬ・・・。

こうして、合宿の日々は彼女達の発狂とともに過ぎて行ったのであった・・・。

 

 

 




いかがでしたか?

この段階では、常中が完成間近という状況です。

誤字脱字等ございました連絡ください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2章 インターミドル編
Memory 15 生き倒れ拾いました。


今回は、あの子が出てきます。


では、どうぞ。


「「「お世話になりました!!」」」

 

「みんな道中気をつけてね!」

「ルーちゃんは、インターミドルで会おうね!」

「えぇ!強くなってくるから!」

 

彼女達は、それぞれ再開の約束を誓い合う。

 

「じゃあ、アインハルトは八神指令に確認できたらすぐに連絡するから」

「そん時は、アタシが仲介人になるからきにするな」

「はい、ありがとうございます」

 

なぜ、ルーテシアから八神指令という人の話を出したのかというと

DSAAに出場するにはCLASS3以上のデバイスが必要になるという規定があるのだ。

そして、アインハルトは肝心のデバイスを所持していないということがわかった。

そこで、ルーテシアの伝手で家族一家がベルカの魔導師だということで彼女を通じて

連絡をしてもらいデバイスを作ってもらうことになった。

 

因みに、レオンのデバイスはDSAAの規定以上のCLASS3以上のデバイスであることがわかり

その点は、問題ないとのこと。

出場する際、セコンドをどうするかという話があったがレオンは、必要ないと話した。

レオン曰く「かなり古い古流剣術だからその時の歴史を知っている人じゃないと話についていけない」

ということだったのでレオンは、セコンドなしで出場する事になった。

 

そして、挨拶を済ませてそれぞれ帰宅する事になった。

 

 

 

 

 

 

帰宅し久々の我が家(一人暮らし用)の家に転がり込むレオン。

そして、天井を見上げる。

 

「(全集中の呼吸・常中がだいぶ出来るようになってきた。後は、()()瓢箪を割るようになれば問題ないな・・・。

日の呼吸、後1つを習得すれば・・・)」

 

そんな事を考えながら荷物を片付けるのだった。

 

 

 

 

 

 

翌日、インターミドルの男子選考会の登録をする為インターミドル大会委員会にやってきたレオン。

今回行う大会は、試験的な事も含まれている為、今回の大会の盛り上がり次第では

男女混合試合も行う事も検討されているとの事。

 

「はい、レオン・ウェルキウスさん。登録完了です。

予選の選考会と男子の選考会は日程が違いますのでしっかりご確認下さい」

「分かりました」

 

そう言いレオンは、ビルを後にした。

 

「そういや、出場者あんま見なかったな・・・」

 

そんな事を考えながら帰宅するレオン。

 

 

 

 

 

 

夕飯の材料を買い足しでの帰宅途中レオンは遠目であるものを見つける。

 

「なんだ?」

 

そのあるものの近くに駆け寄ると黒いジャージの人物が倒れていた。

 

「大丈夫か?」

 

その人に駆け寄った時だった。

 

 

グウゥ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

 

「・・・腹、減った」

「・・・」

 

行き倒れかよ・・・。額に血管を浮き出して怒りを露わにするレオン。

しかし、直ぐに気持ちを落ち着かせて冷静になる。

そしてすぐさまティアナに連絡をした。

 

 

 

 

 

 

「う〜ん、アレ?」

 

黒いジャージを着ていた人物が目を覚ました場所は見知らぬ天井の上だった。

 

「アレ?ここは・・・」

「あ、起きた?」

 

そういい声を掛けてきたのはティアナだった。

 

「あの、ここは・・・」

「私の家よ。友人が帰宅の途中で貴方が倒れているのを見つけたの」

「ああ、迷惑かけてしもうた・・・。スンマセン・・・」

 

彼女の話し方に一瞬驚くティアナ。

 

「どうかしました?」

「あ、ううん。私の上司に似たような話し方をする人がいてちょっと驚いただけよ」

「似たような喋り方する人いるんですか?」

「えぇ、最近は会ってないけどね」

 

ヘェ〜と思う少女?

 

「あ、私はティアナ・ランスター。貴方は?」

「あ、ウチは、ジークリンデ・エレミアって言います。ジークで構いません」

「よろしくね、ジーク」

「ところでティアナさん、ご友人は何方に?お礼言ってないんです」

「あぁ、そうね。というかご飯食べてなかったでしょ?お礼はその後でいいわ」

 

そういいティアナは、ジークをリビングへと連れて行った。

 

 

 

 

 

 

「あ、ティアさん」

 

するとジークとティアナは、思わず驚きの表情を浮かべていた。

そこには豪勢にすき焼きの肉や野菜がズラリと並べられていた。

 

「どうしたの?コレ?」

「一人暮らしってのもあってホームパーティーみたいな事するの初めてだったので

チョット奮発しました」

「気合入りすぎでしょ・・・」

 

ティアナは、レオンの気合いの入りように驚きと呆れが混じっていた。

 

「さて、えっと・・・」

「あ、ウチ、ジークリンデ・エレミアって言います」

「レオン・ウェルキウスだ。レオンでいいさ。さ、食べようぜ。

今が野菜とか柔らかくなっているから食いどきだぞ」

 

「「「いただきます」」」

 

するとジークは、思わず手を止めた。

 

「あ、あの、この卵は・・・」

「もしかしてすき焼き初めて?」

「あ、はい・・・」

「すき焼きはね、生卵を割って肉をつけるタレ代わりなんだよ」

「そうなん!?」

「すき焼きのそのものの味が濃いから卵はそれを抑える代わりって言ったところかな」

「ヘェ〜」

 

そういいジークは、レオンに習い卵を割りすき焼きの肉に卵をつけて食べる。

 

「美味しい!」

「ご飯もあるからな」

 

そんなやり取りを見ていた時、どこかティアナの表情が寂しく見えた。

 

「ティアさん?」

「え?」

「どうかしました?」

「ううん!気にしないで!というか料理できるなんてずるいわよ」

「いや、ずるいという言われようはないと思うが・・・」

「本当、歳下の癖に生意気ね」

「レシピ見ただけですよ。ティアさんは仕事上、かなり不摂生な気がしますから少し心配な所ありますからね」

「しっかりしてるわよ。ちゃんと」

「だといいんですけど」

 

ジークは、2人のやり取りを見ていて不意に気になった事を聞いてみた。

 

「なぁ、ティアナさんとレオンって付き合っとんの?」

 

ピシリっ!!

この一言で空気が凍った。

 

「そ、そんな訳ないじゃない!ジークったら勘違いよそれは!!」

「そ、そうだぞジーク!それにティアさんと俺じゃあ釣り合わねぇよ!!」

 

「「(ヤバい!心臓がはち切れそうだ!!)」」

 

変な所でシンクロするティアナとレオンだった。

 

 

 

 

 

 

食事が終わり食器の片付けをしているティアナとレオンとジーク。

そして一通り片付け等が終わってソファーで寛ぐ中、レオンは本題に入った。

 

「さて、ジーク。何故、行き倒れていたんだ?」

「そうねぇ。もし別の世界出身なら教えてくれれば管理局のデータベースで元の世界に

戻れるように手配する事が出来るんだけど・・・」

「えっ!?ティアナさんって管理局員なん!?」

「そうよ」

「じゃあ、レオンは?」

「いや、俺は違う。事件に巻き込まれた時に民間協力っていう名目でティアさんに協力したんだ」

「そこから色々と話す機会があってね。そこから今に至る感じかな」

 

ジークは思わず関心と驚きの表情を浮かべた。

 

「別にウチは他の世界の出身とかじゃないねん。単純に家がないだけなんよ・・・」

 

「「・・・はっ?」」

 

「って事は・・・」

「つまり、ホームレスって訳か・・・?」

「そやねん・・・」

 

静寂が包まれた。

何かしら訳ありである事には代わりはなかったかがまさかの

ホームレスというのは予想の斜め上だった。

 

「ジーク」

「なんや?」

「あえて言わせてもらおう・・・。

 

 

 

 

 

 

バカなのか?」

 

ジークは流石にカチンときたようだ。

 

「なんちゅう事言うねん!そこまでバカちゃうわ!!」

「俺と同年代位の人間がホームレスになるの早すぎるわ!

児童保護施設に行くとか管理局に頼るとか色々あっただろ!!」

「うぐっ・・・」

 

ハアと思わず溜息を吐く。

 

「ミッドチルダもそうだが治安はここ近年は比較的良くはなっているが

それでも頻繁に事件が起きたりしている事には代わりはないんだぞ」

「ううぅ〜・・・」

 

レオンの言葉でどんどん小さくなっていくジーク。

 

「ねぇ、ジーク」

「何です?ティアナさん」

「もし、ジークが良かったらここに住む?」

「えっ!?」

「その方がいいかもしれませんね」

「レオンの言った通り治安もあるから女の子でホームレスのようなことさせる訳にはいかないわよ」

「そういう事だ。これはお前自身の身の安全を確保するという名目もある」

「でも、迷惑なんじゃ・・・」

「今回限りでお別れでまたホームレス生活している事が後味悪いわよ」

「またすき焼き食えなくなるぞ」

 

その指摘にジークが揺れている。

 

「それにお前さん。格闘家だろ?それならゆっくり休める場所も確保するべきじゃないのか?」

「え?気づいてたん!?」

「何となくだがな。さっき、食器を洗って棚に戻した時の足捌きがしっかりしていた。

あの足捌きは、格闘家の足捌きそのものだったからもしやと思ってね」

「・・・レオンて何者?」

「人外」

「ひどくね!?」

 

ティアナに人間扱いされず涙目になるレオンだった。

 

「とにかく、今日は泊まっていきなさい」

「まあ、明日改めて返事を聞こう。それでもここを出るなら俺たちは止めない」

「分かりました。とりあえず今日は泊めさせてもらいます」

 

そしてレオンは、自宅に帰宅した。

ティアナにも泊まるかと聞かれたがそんなにかからないから問題ないと

話し、その日は家に帰った。

翌日、ティアさんから連絡が入り結局家を出るという選択をしたそうだ。

とりあえず何かあったら連絡してくれと話したそうだ。

何か厄介な事が起きなければいいなと切に願うレオンだった。

 

 

 




インターミドル戦はもう少し後になります。


誤字脱字等ありましたら連絡をください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 16 烈火の騎士との鍛練

今回はあの一家の1人が出てきます。
それと、お気に入りが200件を超えました。
いつもご愛読ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。


では、どうぞ。


ジークとの出会いから1週間。

男子シード枠の選考会に出場するのに3週間を切り始めた時だった。

レオンは、今、目の前にあるものと睨めっこしていた。それは・・・。

 

 

 

 

 

()()()()である。

レオンは今、全集中の呼吸・常中を習得するため日夜鍛錬に励んでいる。

そしてある程度形になってきたので習得できたかどうかを試すのだ。

自身に緊張が走る・・・。そして息を吹きかけた。

今出来る全力で息を吹き、そして・・・。

 

 

 

 

 

 

バキーン!!

 

息を吹き終わると疲れて座り込むレオン。

 

「ハア、ハア、ハア、や、やったあ〜〜〜〜」

 

力が入らない中、ヨロヨロとへたり込むレオンだった。

 

「これで常中は問題ない。後は日の呼吸だ・・・」

 

そんな訳で、後は実戦で試していくしかないのだとレオンはそう考えた。

 

 

 

 

 

 

翌日。そしてレオンは、ある問題に直面していた。それは・・・

 

「相手してくれる人がいない・・・」

 

レオン自身は、元々文献を利用してそれを解読し試行錯誤をしながら鍛練に励んでいたので

相手をしてくれる剣士がほぼいないのだ。

 

「ヤバい、こうしてみると剣術関係で仲のいい奴いない・・・。恭也さんに頼むのもなぁ・・・」

 

レオンが言う恭也さんというのは、祖父が住んでいる海鳴市に剣術をやっている人がいると

紹介してくれたのが恭也さんだったのだ。

恭也さんとそのお父さんの士郎さんが修めている流派の歩行術・神速を教えてもらったのだ。

何故神速だけなんだという話だが雷の呼吸は神速を多用するためその足捌きといった動かし方を教えてくれたのだ。

そう、恐らくレオンが知る中で一番強い剣士、月村、いや、旧姓高町恭也さん程の強さの人が・・・。

 

 

 

 

 

 

「という訳で誰かいませんかね?」

「久々に連絡をしてきて何事かと思えば・・・」

 

呆れるようなトーンで話すイケメンの男性。

 

月村恭也

 

「いや、だいぶ型が形になってきたので実戦に近い戦いでやった方が馴染むんですが」

「言い分はわかる。だが、だからって俺に頼るか?」

「一応、頼りになる人に話すのもなんかなって」

「・・・俺よりなのはに頼んだ方が確実じゃないのか?」

「あ、忘れてました」

 

あの人、教導官だった。砲撃が凄くて可愛い人という印象しかなった。

 

 

 

 

 

 

 

ペキッ!!

 

場所は変わって管理局内ランスター執務官が書類のサインを記入している時

ボールペンが思わず変な方向へと向けられた。

 

「ら、ランスター執務官?」

「大丈夫よ。ええ、大丈夫よ。冷静だから問題ないわ」

 

その日、管理局内は一日中、恐怖に震えたとかないとか・・・。

 

 

 

 

 

 

そんなことを知る由もないレオンは、恭也さんに鍛練の相手がいるかの話をしていた。

 

「やっぱなのはさんに頼んだ方が早いですかね?」

「だろうな。なのはに後で連絡を入れておく。後は自分でどうにかしろ」

「そうします。士郎さん達は元気ですか?」

「ああ、たまには顔を出してやってくれ。みんな喜ぶ」

「そうします。忍さん達によろしく言っておいてください」

「ああ、インターミドル。頑張れよ」

「はい。では」

 

恭也はレオンとの通信を切りなのはさんにメッセージを入れた。

その日の夜、なのはさんがかなりアタフタしながら話していたのを

笑いながら通信をしていたのは頭の片隅に置いておこう。

 

 

 

 

 

 

数日後。なのはさんの知り合いに剣士が居ると話しており

その人に特訓相手(生贄)になってもらえるか直接話をしに行くのだ。

 

「ここだな」

 

到着した場所は、八神道場。

 

「シグナムって人だよな。なのはさんの名前を出せばいいって言ってたけど」

「アレ?レオン?」

 

自分の名前を言われて振り返るとそこにはアインハルトとノーヴェがいた。

 

「ノーヴェさんとアインハルト?」

「なんでお前がいるんだ?」

「俺は、なのはさんの紹介でここにいるシグナムさんって人と手合わせを頼んだんですが、そっちは?」

「ああ、アインハルトのデバイスが完成したから取りに来たんだ」

「おお!出来たのか!よかったじゃないか」

「はい」

「だな。さ、入ろうぜ」

 

そしてノーヴェさんがドアベルを鳴らし迎えてくれた八神はやてさんの案内で部屋の中に入っていった。

 

「なのはちゃんから聞いたで。なのはちゃんを倒したそうやんな」

「えぇ。まあ、たまたまな所もありますけど・・・」

「そのたまたまでも勝てるなんてほぼおらんで」

 

そう言われながら居間に入るとまさに強者の雰囲気が漂う綺麗な女の人がいた。

 

「お前がウェルキウスか?」

「はい。レオン・ウェルキウスです。今回は無茶なお願いを聞いていただきありがとうございます」

「私がシグナムだ。それに、あの高町を倒したと聞いてどんな奴か気になっていた所だ」

「それはまた・・・」

 

思わず苦笑いを浮かべるレオンだった。

 

「それで、何やらナカジマ妹とも親しいらしいな」

「はい、アインハルトがデバイスを取りに行くと今さっき聞いたばかりだったので」

「なら、その後でも良いだろう。私は、準備をしてくる。少し寛いでいてくれ」

「ありがとうございます」

 

その後、リインフォースツヴァイとアギトという融合騎と家族の一人ヴィータにも挨拶し

無事にアインハルトのデバイスを入手し初期設定も完了。

そしてレオンにとってのメインイベントが始まる。

 

「では、よろしくお願いします」

「ああ、こちらこそよろしく頼む」

 

お互い木刀を構えて戦闘態勢をとる。

開始の合図が始まると同時にレオンがその場から消えシグナムの懐に入る。

 

「!?」

 

慌てて攻撃を防ぐシグナム。

その表情は驚きと歓喜に溢れていた。

 

「(久々に良い宿敵に出会えたぞ!!)」

 

そしてお互いに常人では見えない速度で斬り合っていく。

さらにその様子を見ている外野はというと・・・。

 

「全然見えません・・・」←アインハルト

「全くだ・・・」←ノーヴェ

「本当ですぅ・・・」←リインフォース

「アイツ、スゲェな。初見でシグナムの動きを見切ってるぞ・・・」←アギト

「アイツも同類(戦闘狂)か・・・」←ヴィータ

「シグナム、熱入ってやり過ぎひんかな?」←はやて

 

そんな外野の野次を気にせず斬り合うレオンとシグナム。

そしてお互いに距離を置く。

 

「ウェルキウス。お前の剣技、見事だ。久々に高ぶるぞ」

「それは光栄ですね」

「さて、私もこの後仕事がある。名残惜しいが」

「そろそろ白黒決めましょうか」

 

お互い睨み合い・・・。

2人は一気に距離を詰める。

 

「はあっ!!」

 

全集中 日の呼吸 拾弐ノ型

 

炎舞

 

 

シグナムの斬撃を防ぎレオンの斬撃がシグナムに直撃した。

そしてそのままシグナムが倒れた。

 

 

 

 

 

 

「ウェルキウス。久々に良い訓練が出来た」

「恐縮です」

 

お互いの健闘を讃え合うシグナムとレオン。

 

「やっぱアイツは、人間かどうか疑う」←ノーヴェ

「今の剣技は一体・・・」←アインハルト

「シグナムお姉さんを倒すなんてすごいですぅ!」←リインフォース

「驚いた、シグナムを倒すとは・・・」←アギト

「つか、あの剣技。魔力あったか?」←ヴィータ

 

そんな野次がある中、はやてさんがスポーツドリンクを持ってきてくれた。

 

「2人ともお疲れ様」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます。主はやて」

 

いただいたスポーツドリンクを飲む2人。

 

「しっかしホンマに凄かったで。シグナムも全力だったんやろ?」

「はい。魔法を使っていなかったとはいえあそこまでやれるとは思っていませんでした」

「レオン君。君が使っていた剣技って何なん?」

「アレは地球の古流剣術ですよ」

 

その後、呼吸のことを説明したらシグナムさんが興味を持ち概要を説明した所

そこに居合わせた八神家全員がかなり驚いていた。

因みに、瓢箪を割る映像を見せた所、はやてさんが・・・。

 

「綺麗にフラグを回収すな!!」

 

と言われた。正直、意味わからんです。

その後、シグナムさんが仕事でその日は解散し後日鍛練の約束を取り付けた。

そして、3週間後・・・。待ちに待った男子選考会。

 

 

 




さて、今回の回で常中と日の呼吸全てを習得しました。
透き通る世界はどうなるでしょうかね。
そこは楽しみに待っていてください。

誤字脱字等ございましたら連絡ください。

では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 17 男子選考会

さて、GOD編ですが無限書庫が終わった頃に
製作しようかと考えています。


いよいよ待ちに待った男子選考会。

今回は、ギャラリーはなしという話でここにいるのはスーパーノービスクラスに

入ることができ比較的有利になる。

レオンはそれを獲得する為に参加した希望者だったのだ。

しかし、レオンは不審な点がある。それは・・・。

 

「参加者、少なくね?」

 

そう、参加者の少なさに驚くレオン。

現在、レオンが確認できている人数が10人程度だった。

 

「何でだ?」

 

すると奥から2人の女性が俺たちの前に現れた。

 

「それでは時間となりましたので今から男子選考会を開始します」

「今回は、試験運用の為出場者人数を抽選で13人程に絞らせていただきました」

 

抽選かよ!?よく残ったな俺!

 

「今から皆様には、サバイバル式の結界魔法の中に入っていただきます」

「その中で最後の1人に成るまで戦っていただきます」

「そして、最後の1人になったら」

D(ディメンション)S(スポーツ)A(アクティビティー)A(アソシエーション)の本戦に出場することができます」

 

その言葉を聞いた選手は、目付きが鋭くなった。

 

「要は、何でもありのサバイバル戦か・・・。場合によっては乱戦に成るな」

「ではみなさん。結界内に」

 

そう言い、みんなは促されるように入っていく。

 

『それでは、選考会。スタートです』

 

そして転送されて周囲を見渡すと森の中だった。

 

「ここは森の中・・・。!?」

 

こちらに接近してくる気配を感じ取り腰にある剣を手に取る。

ガサガサとこちらにくる音がどんどん大きくなっていきそして何かが飛び出た。

 

「獲物見つけた!!」

 

恐らく選手の一人だろう。

その人物は、2本の刀を同時に振り下ろしてきた。

レオンは、それを受け止める。

 

「お前、中々強そうだなぁ!大人しく俺の経験値になりやがれ!!」

 

相手は距離を取り再びこちらに攻撃を仕掛けてくるが・・・。

 

「(これなら恭也さんの相手したほうが余程マシだな・・・)」

 

そう言い刀を抜刀すると同時に振り下ろした。

 

「・・・」

 

レオンは刀を納刀すると相手はドサリと倒れた。

すると光の粒子となって対戦相手は消えた。

 

『4番、戦闘不能』

『1番、5番、9番戦闘不能』

 

その後、番号のアナウンスが入ってきた。

 

「なるほど、倒されれば結界の外に弾き出されてさっきのようにアナウンスが入るってわけか」

 

そして後に、倒されていく人物が現れて俺と2番。

最後の2人となった。

 

 

 

 

 

 

対戦相手を探し開けた場所に出たレオン。

すると魔力弾がこちらに飛んできた。

 

「!?」

 

レオンは、バックステップで距離を取る。

更に、魔力弾がこちらに飛んでくるのを交わしながら距離を取る。

 

「森の中にいるやつか・・・」

 

次に飛んできた魔力弾をレオンは切り落とす。

そして、対戦相手はかなり焦っていた。

 

「(マズイ・・・。どんなに攻撃しても全て切り落としてしまう)」

 

そんな考えをしている時・・・。

 

 

 

 

 

 

「ミィツケタ〜」

 

悪魔の囁き。後の対戦相手はそう語った。

そして選考会には、阿修羅がいるという都市伝説ができとかないとか・・・。

こうして無事にスーパーノービスクラスに入る事ができレオンは無事に

インターミドルの地区予選からの出場となった。

 

 

 

 

 

 

「というわけで、地区予選に出る事になりました」

「・・・あいっ変わらずスゲェなあ」

 

ひとまず事後報告という事でノーヴェに通信をしていた。

内容は、スーパーノービスクラスに入り地区予選のトーナメントに出る

という事をある程度話していたのだ。

 

「ヴィヴィオ達はどんな感じです?ナカジマコーチ」

「やめてくれそれ。むず痒い」

「それで、どうなんです?」

「おい、無視すんな」

 

ノーヴェの意見を無視し彼女との話を続ける。

 

「まあ、とりあえず今できるのは彼奴らの長所を伸ばす事だな」

「練習相手はどうしてるんです?」

「ヴィヴィオは私が。コロナはオットーに。リオはディードとそれぞれマンツーマンで

トレーニングをしてもらっている」

「アインハルトはどうした?」

「私の知り合いに頼んでいる。そいつも剣術を使う」

「へぇー。コッチでも剣術ってあるんだ」

「・・・知らなかったのか?」

「地球で発展した剣術は知っているけどミッドは全くの無知」

 

ノーヴェは意外だなという表情をしていた。

 

「そういうお前は残りはどうするつもりだ」

「一応、シグナムさんが相手してくれるのと新技を編み出そうかなと」

「新技?」

「これ以上はネタバレになるのでノーコメントで」

「チィ、情報聞き出せると思ったのに」

「まあ、それは見てからのお楽しみで」

 

そう言い、彼女との話を終わり通信を切り翌日に備えた。

 

 

 

 

 

 

数日後。場所は、八神家。

レオンは今、シグナムと共に鍛練の他にノーヴェに話していた

新技を編み出そうとしていた。

 

「ふむ。やはり私の技を教えたほうがよさそうだな」

「はい。シグナムさんの十八番・・・。

 

 

 

 

 

紫電一閃を」

 

レオンは、呼吸剣術に魔法の剣技を合わせる事が出来ないか模索していた。

しかし、こちらに来て数年の月日が経ったが未だに魔法と剣術の両方を

扱える人に巡り会えなかった。

魔法に優れた人物には出会えているが剣術になってくると話は別だ。

彼の話を聞く限りベルカ式の術者が理想だがいかんせんベルカの魔法を

使う人物がいなさすぎて頭を抱える日々が続いていたのだ。

シグナムの力で何とかなっているが年月をかけて作る技なのに

それが急ピッチで作れるものなのかと疑念を思いながら鍛練をしていた。

 

「とにかくできるだけの事をやるしかないですね」

「ああ。よし、もう一度打ち込むぞ」

「はい!」

 

そう言い再び木刀を振るうレオンとシグナムは日が暮れるまで木刀を振り続けた。

 

 

 

 

 

 

その日の夜、レオンは、ベッドの上で考え事をしていた。

 

「(どうすれば・・・。魔法と呼吸法を合わせる事が出来る・・・)」

 

そんな時、レオンはあることを思いついた。

 

「(そういや、ねじれ渦・流流でティアさんの魔力弾を混ぜてたな・・・)」

 

以前、スサノオを手にして試しに戦ってみたのだがその際に

ねじれ渦・流流の合わせ技で連続で技を繰り出していた。

 

「(・・・案外簡単なことなのかもしれない)」

 

そう思いレオンは、技の関連を見直した。

そして、ついにDSAA、ヴィヴィオ達の選考会が始まる。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。
レオンがインターミドルで大暴れするのでお待ちください

誤字脱字ありましたら連絡ください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 18 開幕!インターミドルチャンピオンシップ!!

さて、今回から大会始動です。


では、どうぞ。


男子選考会から1週間後。

遂に、インターミドルチャンピオンシップが始まる。

レオンは、シード枠のなので勝ち抜いてきた人物つまり2回戦からのスタートとなる。

そんでもってヴィヴィオ達の様子を観客席から見ていた。

 

「レオン」

 

そう言いながら声をかけてきたのはジークだった。

 

「ジーク。久しぶりだな。生きてたか」

「久々の再会なのに酷ない!?」

「ホームレス生活していた奴に説得力なんてあるのか?」

「グサッ!!」

 

ジークは心に響くようなことの為か力なく座り込んだ。

 

「う、ウチでもちゃんと生活はしとったよ・・・」

「心配されるのが嫌だったらしっかり家で休め、アホ」

「ううぅ・・・」

 

さすがに言い過ぎたかと思うレオン。しかし・・・。

 

「彼の言うとおりよ。ジーク。何かあったら頼りなさいって」

 

ジークに言葉をかける人物がいると声を振り返るとそこにいたのは

長い金髪に気品ある緑眼の少女だった。

 

「どちら様?みたところジークの知り合いみたいだが」

「初めまして。私、ヴィクトーリア・ダールグリュンと申します。

ジークとは、親しい友人関係です」

「ご丁寧にどうも。レオン・ウェルキウスです。ジークが行き倒れていた時に出会いました」

「ジーク、貴方ね・・・」

 

ヴィクトーリアという方は、ジト目でジークを見る。

ジークは思わず外方を向く。

 

「・・・お前、友人がいたんなら頼れよ」

「いや、でも、迷惑かけとうないし・・・」

「残念だが俺に飛び火している時点で手遅れだ」

「グサッ!!」

 

またしても胸に刺さり倒れる。あ、血吐いた。

するとジークは思い出したかのように起き上がる。

 

「ティアナさんきてへんの?」

「仕事だよ。普通に」

「今度お礼言っといて」

「お前がいいに来い。うまい飯作ってやる」

「ホンマか!!」

「ホームレスから脱却できたらな」

「ウッ!!!」

 

レオンがそう言うとジークは石化した。

 

「ハア・・・。ヴィクトーリアさん。言える義理かどうか分からんが

コイツの手綱をしっかり握っていてくれ」

「・・・ヴィクターで構いません。その件、心してお受けいたします」

 

ジークのホームレス問題はここまでとしよう。

 

「まあ、ジークのホームレ「やべっ!寝坊しちまった」ん?」

 

レオンが話をしようとした時、別の女の子が話を遮った。

視線をその子に移すと燃える赤いポニーテールに赤い瞳の少女がいた。

 

「あー!!ポンコツ不良娘!!」

「おお、ヘンテコお嬢様じゃねーか」

 

突如、ヴィクターが叫び出し赤髪ポニテ少女はヘンテコお嬢様と言い出す。

 

「ジーク、ヴィクターの知り合いか?」

「あの子は、ハリー・トライベッカって言うてな

インターミドルで都市本戦五位に入った選手やねん」

 

なるほどと感心したレオン。

そんな言い争いをしてこれを止めなくていいのかと思っていた時・・・。

 

 

 

 

 

 

ジャラララララ

 

突如、3人にチェーンバインドが掛かった。

ヴィクター、ハリー、そしてレオンだった。

 

「なぜ?」

 

レオンもチェーンバインドの対象にされてしまったことに疑問を覚える中

反対側の通路から1人の少女がこちらに来ていた。

 

「何をしているんですか!

都市本線常連のトップファイターがリング外で喧嘩なんて!」

「リング外でバインドする奴が言えるのか?」

 

そんな疑問を頭に浮かべるレオン。

 

「っああ!?チャンピオン!?」

 

このメガネっ子、状況を整理してから色々行動に移せ。

なので、流石にスルーされるのはさすがにイラッときたので強行策に入ります。

 

「スゥゥ・・・。フンッ!!」

 

呼吸で力を入れてバインドを強引に砕いた。

 

 

「「「「ええぇ!?」」」」

 

「私のバインドを魔法なしで!?」

 

メガネっ子がかなり驚いている。

 

「この程度のバインドでは俺は封じられんぞ」

「いや、それはおかしいで?」

 

ジークがなんか言っているが知らん。

あっ、ヴィヴィオ達がコッチ向いてる。手振っとこ。

 

 

 

 

 

 

場面は変わりヴィヴィオ達が選考会をしている時だった。

 

「アレ?アレってレオンさんじゃない?」

「ホントだ。って何でバインドされてるの!?」

「今さっきまで何もしていなかったよね!?」

「あ、バインド砕いた」

「あ、手振ってる!!」

 

そう言いながらヴィヴィオ、リオ、コロナは、手を振った。

 

 

 

 

 

 

「ジーク。俺は、友人達の所に行くよ」

「あ、うん。気ぃつけてな」

「ヴィクター。ジークを頼んだ」

「分かりましたわ」

 

そう告げるとその場を去ったレオン。

 

「アイツ、何もんだ?」

「分からないわよ・・・。ジーク、貴方、彼のこと知っているでしょ?」

「いや、ウチ、レオンは料理男子という印象しか持ってへんわ」

 

この場でわかることのない議論をする上位ランカーと世界チャンピオンだった。

ちなみに、メガネっ子の少女は魔法無しでバインドを破ったのがショックだったのか

数分程固まっていた。

 

 

 

 

 

 

下のフロアに来てヴィヴィオを探すレオン。

奥の方かと思い周辺を探していた時・・・。

 

「レオンさーん!」

 

声の先には、ヴィヴィオ達の他にザフィーラと見慣れない子供がいた。

 

「お疲れ様、みんな。ザフィーラさんはお久しぶりです」

「ああ。シグナムから気張れと伝言を預かった」

「分かりました。今度また稽古をお願いしますとお伝え下さい」

「分かった。それと、お前に紹介しておきたい子がいる」

 

頭に?を浮かべるレオン。

 

「紹介する。八神道場の門下生のミウラだ」

 

視線を向けるとそこにいたのは少女?にしてはかなりボーイッシュな感じの子だった。

 

「は、初めまして。ミウラ・リナルディ、です」

「レオン・ウェルキウスだ。よろしくな」

「は、はい!」

 

ミウラと挨拶を終えるレオン。

すると、ヴィヴィオがレオンに声をかけてきた。

 

「どうしたんだ?」

「所で、何でレオンさんは、チャンピオンと一緒だったんですか?」

「ん?チャンピオン?」

 

一体誰のことを言っている?

 

「誰のことを言っている?チャンピオンって」

 

 

「「「へっ?」」」

 

ノーヴェが震えながら話をする。

 

「お、お前、まさか知らないのか?」

「え?何が?」

 

マジで状況が読めない。

 

「レオン。お前が一緒にいた黒髪の少女のことだ」

「ジークが?」

「彼女は、インターミドル世界選手権のチャンピオンだ」

 

レオンは固まった。

なぜなら今まで過ごしてきた少女は家を持たず

ストイックに身体を鍛えているホームレス少女だった。

そんな子がまさかの世界チャンピオンと言われたからには脳内がパニックに陥り・・・。

 

 

 

 

 

 

頭が爆発し倒れた。

 

「わああ!!レオンさん!!?」

「ヤッベ!まさかの処理落ちしやがった!!」

 

アワアワと騒ぎ出すチームナカジマ達とミウラ。

ザフィーラは、溜息を吐くことしかできなかった。

こうして、なんとも締まらない感じでインターミドルは始まったのだ。

 

 

 




今回はここまでとなります。


誤字脱字等ござましたら連絡を下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 19 紫電獄炎斬

今回は、レオンとヴィクターの対決です。


では、どうぞ。


こうしてレオンの脳内が処理落ちし医務室で無事に目を覚ましたが

ひとまず選考会はその日で終了し日を改めて予選を行うとのこと。

そして、ひとまず通信してきたティアさんにことの顛末を話した。

 

『ジークがチャンピオンね・・・。人は見かけによらないものね』

「逆によく捕まらなかったなって思いました」

『そうね・・・』

 

レオンとティアナはお互いに遠い目をしている。

 

『それとレオン。お休み取れたからインターミドル。見に行くから』

「え?大丈夫なんですか!?」

『寧ろ、クロノ提督が気を利かせてくれたみたい・・・』

「・・・俺、管理局に入ったほうがいいんすかね?」

『・・・どうだろう』

 

ティアナとレオンが親しい間柄だということは知っているが

まさかこのように気を回してくるとは思っていなかった。

 

「あの人、職権乱用で引っ掛かりませんよね?」

『大丈夫だと思うけどね・・・』

 

苦笑いになるティアナ。

 

『とりあえず、アンタが出る試合は、全部見に行くから』

「・・・そう言われたんじゃ、期待に応えるしかないですね」

 

そして一通り世間話をしたらその日は過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地区予選当日。

レオンは、ティアナと合流して地区予選を観ていた。

 

「ヴィヴィオ達、気合入っているわね」

「本人達もかなり楽しそうにやっていますね。こういった大舞台に雰囲気が

飲み込まれていないみたいですし」

 

レオンも安心した表情を浮かべていた。

その後、ヴィヴィオ達と合流し2回戦の組み合わせを見ていた。

アインハルトとコロナの戦いはとてもいいものを見させてもらった。

レオンも、その姿を見届け闘志を燃やしていた。

そして、全ての1回戦が終了し2回戦の組み合わせが発表された。

 

「相手はヴィクターか・・・」

「雷帝の遠縁の子孫で都市本戦の上位ランカーだ。」

「使用武器は戦斧で重装備と高い魔力量が特徴ね・・・」

 

真剣な表情で画面を見るレオン。

 

「勝算はあるのか?」

 

レオンは、表示された画面を閉じて立ち上がる。

 

「もちろん。(都市本戦で日の呼吸を使おうと思っていたけどそうも言ってられないかもしれん)」

 

その瞳に闘志を宿しリングに上がる。

 

 

 

 

 

そしてリングに到着しレオンの前にいるヴィクター。

 

「・・・まさか、男女混合試合の試験選手が貴方だったとは」

「単純に聞かれなかったというのもありますので答えませんでした」

「納得したわ」

 

簡単な話をし審判から構えるよう言われて準備をする。

 

『試合開始!』

 

開始の合図が鳴ると同時に一気に間合いに入ったレオン。

 

「(早い!?)」

 

レオンの一振りを何とか防ぐヴィクター。しかし・・・。

 

「(早いだけでなく一撃が、重すぎる・・・!)」

 

レオンの持つ力に動揺しさらに追撃を許してしまうヴィクター。

 

 

 

 

 

 

その様子を見ていたヴィヴィオ達はというと・・・。

 

「あいっ変わらず容赦ねぇな・・・」←ノーヴェ

「うん・・・」←ヴィヴィオ

「ヴィクトーリア選手に彼処までゴリ押すなんて・・・」←コロナ

「なんか前よりも早くなってる気がする・・・」←リオ

「正直、ブロックが別でホッとしました・・・」←アインハルト

 

などと言っている少女達とコーチの姿に苦笑いを浮かべるしかない

ティアナとセコンドメンバーだった。

 

 

 

 

 

 

「(これほどの鍛練を積んできた努力は賞讃します。ですが・・・)」

 

そう言いデバイス・ブロイエ・トロンベを横振りしレオンから距離をとった。

 

「それで私に届くと御思いですか!」

 

ヴィクトーリアは、魔法を発動させた。

 

「私の力、とくと味わいなさい!!」

 

四式 瞬光

 

雷の魔力をまとわせた槍を素早く振るって攻撃を仕掛ける。

しかし、この程度で後れをとるほど柔な鍛え方をしていないレオンは

全ての攻撃を捌ききる。

 

「やるわね。だけど!」

 

五十四式 槍礫

 

ヴィクトーリアの周辺に魔力弾が生成されこちらへと発射した。

レオンはそれに臆することなく躱す。

 

「まだまだよ!」

 

もう一度魔力弾で攻撃を仕掛けるがそれも難なく躱すレオン。

ここで時間切れとなり1ラウンド目が終了しインターバルに入る。

 

「まさか、彼処までやれるとは思ってもみませんでしたわ・・・」

「噂では男子選考会のサバイバル戦をノーダメージで通過したとか・・・」

「油断できない相手ではありますね・・・」

 

そしてインターバルが終了し第2ラウンドが始まった。

 

「速攻で仕掛けさせてもらいますわ!!」

 

百式 神雷

 

広範囲による雷の攻撃。

レオンは慌てて距離を取る。

 

「(広範囲での魔法攻撃!だったら!!)」

 

レオンは刀身で雷を受け止める。

 

「雷を刀身で!?(アレを避雷針代わりに!?)」

 

電撃を纏った刀で攻撃を仕掛ける。

 

二十三式改 刃咬

 

しかし、そんなことも気にせず刀身を片手で受け止めた。

 

「(しまった!!捕まった!!)」

 

六十八式 兜割

 

ヴィクトーリアはデバイスを咄嗟に離しレオンの頭部を掴み地面に叩きつけた。

クリーンヒットした兜割で集辺が土煙に包まれる。

流石にダメージは入っただろうとヴィクトーリアは距離を取ろうとした時

掴んだ手がそのまま動かないでいた。

煙が晴れるとそこにはノーダメージでヴィクトーリアの手を掴んだレオンがそこにいた。

 

「魔力の巡回が間に合ってよかったぜ・・・」

 

そう呟くレオンは、そのままヴィクトーリアを足払いでバランスを崩した所を腹部に蹴りを入れ距離を取る。

 

「厄介な人ですわね!」

 

そして2人はお互い距離を取りヴィクトーリアは近くに落ちていたブロイエ・トロンベを拾う。

 

「さて、そろそろ時間もないから・・・。

 

 

 

 

 

 

ケリを付けさせて貰おう!!」

 

その言葉と同時にレオンの周辺を炎が纏い始めた。

その炎は次第に大きくなっていく。

 

「この魔力は・・・!?」

「俺の知り合いに炎熱の変換資質持ちがいてね。魔力運用を学ばせて貰った」

 

全集中 炎の呼吸 奥義・改

 

同時にヴィクトーリアの前にいたレオンが目の前から消えた。

 

「また!」

 

慌てて周囲を見渡すとまた目の前に現れた。

そして炎を纏った剣を振り下ろす。

 

紫電獄炎斬

 

振り下ろした斬撃はブロイエ・トロンベで受け止めたがそのまま切り落とされ

リング外まで吹き飛ばされてしまった。

 

《ヴィクトーリア選手。ダウン、勝者!レオン・ウェウルキウス選手!!》

 

その勝利は誰も反応できないほど静かだった。

 

 

 




・紫電獄炎斬
シグナムの紫電一閃の縦振りの技と炎の呼吸の煉獄の威力を合わせて
敵を切り裂く必殺技。
シグナムの得意技で魔力運用をできないか考えていたところ煉獄に上乗せする形で編み出した必殺剣技。
剣の威力だけでなく炎の熱も混ざっているため
氷を溶かしながら斬るということもできる。
更に魔力を注ぎ込めば斬撃を飛ばせるほどの威力が出る。
しかし、レオンが魔力の扱いはそこまで上手くないためそこまで使いこなすことはできない模様。




ひとまず、今回出た話のオリジナル技ですね。
後ほどタグに付け加えます。


誤字脱字等ございましたら連絡下さい。
では、次回。





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 20 戦いの後

今回は束の間の休息というやつです。


では、どうぞ。


静寂。それだけが会場全体を包み込む。

レオンの目の前には真っ二つに折れたブロイエ・トロンベと倒れているヴィクトーリア選手。

誰もがヴィクトーリア選手の勝利を確信していた。しかし、目の前の起きていることが現実なのだろうか。

地に倒れ伏し立っているレオンは土に汚れている程度で無傷に等しい。

対する彼女は、鎧を一部破損しデバイスを破壊され倒れている。

そんな静寂を破ったのはレオンだった。

 

「すいませんが、誰か医療スタッフを呼んでくれませんか?」

 

その言葉で皆慌てて動き出した。

担架に担がれるヴィクトーリア選手をただ眺めているだけのレオンは

剣を納刀しその場を後にした。

 

 

 

 

 

観客席にいたヴィヴィオ達は、信じられないものを見ているようだった。

 

「何ですか?今の技・・・」

「魔力感じましたよね?」

「ああ、アイツ魔力の扱いは器用じゃないっていってたけど・・・」

「それは、アイツの成長速度だな」

 

ここにいるメンバーとは別の人の声が聞こえた。

その人の方を見るとみんなにとっては意外な人物だった。

 

「「「シグナムさん!?」」」

 

「久しいな。皆」

 

皆と別行動を取っていたザフィーラとヴィータがヴィヴィオ達の所に来た。

 

「アレ?シグナム」

「お前も来ていたのか」

「何、教え子が大会に出ると話していてな。様子見も兼ねてな」

 

()()()という言葉に引っ掛かりを覚えたノーヴェ。

 

「あの〜、シグナムの姐さん?その教え子ってまさか・・・」

「あぁ、ウェルキウスだ。奴に技のレパートリーを増やしたいと相談を受けていてな」

「だったら、マジでトンデモ無いことしてくれましたね・・・」

「どういう意味だ?」

 

ノーヴェは、先程の試合をできるだけ詳しく説明した。

 

「そうか。上手くいったのか」

「どういう事ですか?」

 

ティアナは言葉の意味を問いただした。

 

「私が教えていたのは紫電一閃の他にもリインに頼んで魔力運用の仕方を教えてやったのだ。

奴は本番ギリギリまで魔力運用が上手くいっていなかったからな」

「ということは、ぶっつけ本番であの技を!?」

「だが、話を聞いた様子だと既に形には出来上がっていたのだろう。流石は、私の好敵手()だ」

 

シグナムの言葉で好敵手という言葉に驚く一同。

聞いた話だとレオンは剣術相手は余りいないと話していたためこういった剣術を使う人物は

かなり貴重だと話していてその縁を大切にしたいと話していた。

そのことを聞いたティアナは、少しばかり嫉妬していた。

同じ剣術を学んでいたらシグナムのようになれたのではないかと勝手な想像をしてしまう。

そんな中ノーヴェは、出場者全員に目線を向ける。

 

「みんな、絶対にレオンは勝ち上がってくる。気を引き締めていけよ?」

 

「「「「「はいっ!!」」」」」

 

因みに、ヴィータはシグナムのした事にボヤいていた。

 

「私が誰に教えるなど勝手ではないのか?」

 

というとヴィータが更に頭を抱える始末だった。

 

 

 

 

 

同時刻、この様子を一緒に見ていたジーク、ハリー、メガネっ子の3人。

 

「う、嘘やろ・・・?」

「ヘンテコお嬢様が、負けた・・・?」

「信じられませんわ・・・」

 

驚愕し言葉が全く出無い3人は、ヴィクターが運ばれていくのを見ることしかできなかった。

 

「ウチ、見舞いに行ってくる」

 

そういい席を立ち、医務室に向かった。

 

「順当に行けば彼と戦うことになりますが。対策はありますの?」

 

メガネっ子の言葉に思わず笑みを浮かべるハリー。

 

「上等。ヘンテコお嬢様の敵討ち、やってやろうじゃねえか!!」

 

メガネっ子の言葉に闘志を燃やすハリーであった。

 

 

 

 

 

 

場所は医務室。ヴィクトーリアの様子が気になり医務室に来たがまだ眠っているようだったが。

 

「・・・ん?」

「ヴィクター。大丈夫か?」

「ジーク?・・・そう、私、負けたのね」

 

そう呟くと医務室に入ってきた執事のエドガー

 

「お嬢様」

「エドガー。ごめんなさい。無様な姿をお見せしたわね」

「いえ、お嬢様がご無事で何よりです。それと、レオン様から伝言を預かりました」

「伝言?」

「デバイスを切ってしまってすまないとのことです」

「そう・・・」

 

ヴィクターは、ゆっくりと起き上がる。

ジークは優しく支える。

 

「彼に伝言を頼んで」

「内容は?」

「次は勝つと・・・」

「かしこまりました」

 

エドガーは、一礼して医務室を後にした。

 

「ヴィクター・・・」

「彼、強かったわ・・・。しかも、最後以外、魔力をほぼ使ってなかったわ」

「・・・一体何者なんやろか」

「詳しく調べれば出てくるでしょう。それよりもジーク・・・」

 

ヴィクトーリアは、ジークに視線を向ける。

 

「彼は、今大会の一番の強敵と思ったほうがいいわ。もしかしたらエレミアの神髄でも勝てるかどうか・・・」

「・・・ウチは、出切るだけ使いとうない。でも、ヴィクターがそう言うなら考えとく」

 

その後、ジークは、ヴィクトーリアにお大事にと告げ医務室を後にした。

 

「久々に負けたけど・・・やはり悔しいわね・・・」

 

そう呟くと彼女は、声を押し殺しながら涙を流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、2回戦全ての対戦が終了し新たな3回戦のカードが発表された。

 

そして、レオンの対戦相手は・・・。

 

 

レオン・ウェルキウスVSシャンテ・アピニオン

 

 

ヴィヴィオの話によると聖王教会の修道騎士団所属のシスターだそうだ。

そしてレオンの印象は・・・。

 

「シスターにしてはシスターっぽくない?」

 

その話を聞いた時は、みんな苦笑いを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

その後、シャンテの戦闘のログを観れるということで

早速見ているレオン。そんな時だった。

 

「レオン君」

「ん?」

 

声をかけられたと気づき振り返るとなのはさんとフェイトさんがいた。

 

「アレ?2人共、来てたんですか?」

「うん。ヴィヴィオが初めて参戦するインターミドルだもの。しっかり応援しなきゃね!」

「でも、ヴィヴィオ大丈夫かな?怪我しないかな?」

「フェイトさん。それは心配しすぎでは?」

 

そんな話をしている時、ヴィヴィオ達の所に行こうという話になりみんなと合流した。

そして、なのはさんが用意してくれた昼食を堪能しつつ次の準備をしようとした時だった。

 

「そうだレオン君!お兄ちゃんと面識あったの!?」

「え?恭也さんと面識あるの!?」

 

便乗して驚いたのはフェイトだった。

 

「そういや言ってませんでしたね・・・」

 

通信で話していた時は詳しく話していなかったため出会いの経緯をよく知らないでいた。

せっかくだし話をしようとした時だった。

 

『レオン・ウェルキウス選手、シャンテ・アピニオン選手。試合リングにお越しください』

 

時刻を確認するとレオンの試合時間となっていた。

 

「時間になったので行ってきます」

「頑張ってくださいね!」

 

ヴィヴィオ達の応援にサムズアップで答えるレオン。

 

「レオン」

 

行こうとした時、ティアナに止められる。

 

「頑張ってね」

「・・・はい!」

 

その一言で、レオンはかなり気合が入ったように見えた。

その様子を見ていたなのはとフェイトは、何やらジト目で見ていた。

 

「な、なのはさん?フェイトさん?」

「ティアナってレオン君と仲良いよね」

「うん。私達と知り合う前から仲良かったみたいだし」

 

2人の圧に思わずたじろぐティアナ。

 

「それに今回の休みってクロノの指示だって話だし」

「ねぇ、ティアナ。一体何を隠しているの?」

 

この2人の圧力に耐えかねてノーヴェにヘルプを求めるがヴィヴィオ達と

話しているため援軍は期待できない。

 

「ほ、ほら!そろそろレオンの試合始まりますから応援に行きましょう!!」

 

強引に話を終わらせて試合会場に向かうティアナだった。

恐らく彼処で切らないと命がいくつあっても足りないと悟った。

 

 

 




次回は、シャンテとレオンの対決です。
GODの件ですがインターミドル編全て終わった後に
投稿する予定ですので今しばらくお待ち下さい。


誤字脱字等ございましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 21 透き通る世界

シャンテVSレオン回になります。


では、どうぞ。




ティアナがなのはとフェイトの圧力から逃げている中レオンは精神統一をしていた。

己を落ち着かせるように深呼吸をしている時だった。

何やら糸のようなものが漂っているように見えた。

視線を彼方此方から流れているように見えて視線を糸の先になるように見る。

 

「(なんだろうこれ?)」

 

意識が戻るとすぐに糸が消えてしまった。

 

「・・・(なんだったんだろう、今の)」

 

そんな疑念を抱きながらリングに来てくれと言う指示が出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『大変お待たせしました!!。これよりインターミドル3回戦を始めます!!』

 

実況が開始の合図をすると観客が大盛り上がり。

 

『赤コーナー!初出場にして上位ランカーをほぼ無傷で勝利した若き地球の侍!!

レオン・ウェルキウス選手ゥ!!!!』

 

その声が響く中、特に反応を示さず入ってくるレオン。

 

『青コーナー!聖王教会のシスターで修道騎士、こちらも初出場!!

シャンテ・アピニオン選手ゥ!!』

 

反対側のコーナーから赤色のバリアジャケットにオレンジ色のツインテールをした

少女が不敵な笑みをしながら出てきた。

 

「アンタがレオン?」

「ああ」

「陛下の友人らしいけど、勝つのは私だから!!」

 

シャンテは、トンファーに似たアームドデバイス・ファンタズマを構える。

レオンは、腰にある刀を抜刀する。

 

『両者!戦いの準備は整った!!』

『試合開始!!』

 

「先手必勝!!」

 

シャンテは、レオンに攻撃を仕掛けるがレオンは難なく交わす。

しかし、レオンは感覚に違和感を持っていた。

それは試合が始まる前に感じた糸のような気配。

それが戦闘中でも感じ取っていることだ。

未だにそれが何なのか気になって仕方がなく試合に集中できない。

何とか糸を無くすように意識しても未だに消えず困惑し攻撃を仕掛けないでいた。

それでも彼女のラッシュは止まらず攻撃を仕掛けてくる。

すると突如、シャンテが攻撃を止める。

 

「ねえ、何で攻撃をしないの?」

「・・・」

 

レオンは、この感覚に対して説明しても納得できないからあえて黙りを決めた。

 

「上位ランカーを倒したやつだからどんなやつだったのか期待してたけど

まあ、いいや。

 

 

 

 

 

 

私の勝ちで終わりにしてやる!!」

 

そう言うと彼女が2人に増えた。

 

「(幻術!!?)」

 

「「剣舞四天唱!!」」

 

攻撃を仕掛けてきたシャンテに対してレオンはあることに気づいた。

 

「(糸がない?)」

 

シャンテの攻撃を躱すが僅かに頬を掠めてしまった。

レオンは、高速移動で距離を取る。

 

「(・・・2人に増えたら糸が消えた。アピニオンと一騎打ちになったときは見えていたのに)」

 

考えても考えても答えにたどり着けず焦りが見えるレオン。

 

「ベルカント・カノーネ!」

 

シャンテは、巨大な魔力弾を生成してこちらに攻撃をしてきた。

レオンは、それを躱すがその隙をついてこちらの懐に入ってきた。

 

「双輪剣舞!!」

 

魔力を込めた斬撃がレオンに当たりダメージを受けてしまい1ポイント入ってしまった。

そんなときに最初のラウンドが終了しインターバルに入る。

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、観客席。

ティアナ達は、レオンの動きに違和感を覚えていた。

 

「アイツ。急に動きが悪くなってないか?」

「まるで何かに戸惑っているように見えたね」

「・・・レオン」

 

心配の表情を浮かべ何かを決意するティアナ。

しかしこの後、とんでもない展開が待っていることをまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レオンは試合中、スサノオに糸に関する文献がないか調べてもらっていた。

 

《主人、あれは隙の糸と言うものだそうだ》

「隙の糸?」

《鋭敏な嗅覚と長年の修行によって会得した剣術勘により敵に打ち込むべき太刀筋が

糸のように視覚化される共感覚の一種と記載されていた。恐らく主人が見たのはその糸だろう》

「俺、嗅覚よくないけど?」

《主人の場合は、嗅覚の所が気配に変わったのだろう。

そして、その境地を越えた先にあるのが()()()()()()と記載されていた》

「透き通る世界・・・。あ!」

 

レオンは、昔、祖父に鍛えられていた修行時代のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

『透き通る世界?』

『全集中の呼吸を極める事で行き着く境地のことだ。

覚醒した者は他者の身体の中が透けて見える(或いは存在を感じ取れる)ようになり

それによって相手の骨格・筋肉・内臓の働きさえも手に取るように分かるようになる

所謂、無我の境地と言った方が分かりやすいだろう』

『そんなにすごいんだ・・・』

『しかし、その前には()が発現しないといけない』

『痣?』

『かつて鬼狩り全盛期だった頃、鬼の首領・()()()()()に対抗しうる力を発現した証とも言える』

『どうすれば発現するの?』

『痣が発現する条件は「39℃を超える体温」と「200を超える心拍数」と文献には書かれていたが

そのような状態に身体が耐えられないために痣が発現した者は短命となり、25歳を超えて生存した事例は稀と書かれていた』

『そうなんだ・・・。うん?爺ちゃん。俺のこの痣は関係ないよね?』

『・・・』

『爺ちゃん?』

『ああ、お前さんのはただ、怪我でできた傷跡だ・・・』

 

 

 

 

 

 

「そうか、そうだったんだ・・・」

《主人?》

「スサノオ、心配かけた。もう大丈夫だ。

(爺ちゃん。俺は既に痣が出ていたんだね。でも、大丈夫)」

 

レオンはそう言うとゆっくりと立ち上がる。

 

「この勝b「コラーーーーー!!レオーーーーーン!!」イイィ!!?」

 

いきなり誰かの大きな声で呼ばれたため何事かと思い慌てて振り返ると

ティアナが怒りの表情を浮かべていた。

 

「何腑抜けた試合してるの!!もっとシャキっとしなさいシャキっと!!」

「いきなり大声で俺を呼ばないでくれませんかねぇ!?」

「アンタが腑抜けてるからでしょうが!次腑抜けた試合か負けたら

アンタの頭に風穴あけるからね!!」

「物騒すぎるわ!!」

 

そんな様子を見ていた他の観客はというと・・・。

 

 

「「「アハハハッ!!」」」

 

 

「いいぞー!バカップル!もっとやれー!!」

「そうだぞ坊主!彼女の前で醜態さらすなよ〜!!」

 

ティアナとレオンのやりとりを見て野次馬が便乗してきた。

因みに、その様子を遠目で見ていたシャンテ側陣営はというと・・・。

 

「何、アレ?」

「ティアナがアイツにスゲェ喝入れてる・・・」

「何か意外ですね・・・」

 

その様子を唯々唖然とした表情で見るしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

一先ずティアナとの痴話喧嘩を何とか終わらせたレオン。

 

「ったく、試合中に何てことしてくれてるんだか・・・」

《主人》

「スサノオ?」

《その割には吹っ切れた表情をしているのは何故だ?》

 

そう、スサノオの指摘通り幾らか気分は晴れやかになった。

 

「さあな。(好きな人に雑とはいえあんな激励を送ってきたら答えないとね)」

 

スサノオには何も告げずリング内に向かうレオン。

そしてシャンテと対峙した。

 

「遺言はもういいの?」

「・・・安心しろ。文句は言い終えた」

「文句?」

「それと一つ言っておこう。

 

 

 

 

 

お前の幻術はもう効かない。とだけ伝えておく」

 

その言葉にカチンときたシャンテはデバイスをグルグルと回し始めた。

 

「それじゃあ、証明してみてよ!!」

 

レオンの挑発に乗り攻撃を仕掛けてくるシャンテ。

 

「剣舞四天唱!!」

 

直撃コースと思われたシャンテの攻撃はレオンが目の前から消えて躱された。

 

「えっ?」

「コッチだ」

 

そう呼ばれて背後を見ると剣を振り降ろそうとしているレオンだった。

 

「!?」

 

シャンテは振り下ろした剣を何とか防いで距離をとった。

そしてまた消えて背後に回りこみ再び剣を振り下ろす。

 

「(コイツ!さっきまでとは動きが全然違う!!?)」

 

1ラウンドと動きが全く違いすぎて動揺を隠せないシャンテ。

 

「どうした!私の勝ちで終わらすんじゃないのか!!」

「何を!!」

 

レオンの煽りに対して意地でも付いて行こうとしているシャンテ

しかし、レオンはシャンテの動きに対して冷静に対応できている。

 

「(さっきまで見えていた隙の糸は透き通る世界が発現する前兆だったんだ)」

 

シャンテが分身でレオンの動きで撹乱する。

 

「(幻術はあくまで分身。目に見える物が増えているだけで

  筋肉や骨といった物までは分身していない。そして何より・・・)」

 

レオンは、本物のシャンテの所に行き剣を振り下ろす。

 

「俺の気配索敵能力は誤魔化せない!!」

 

ファンタズマで攻撃を防ぐが強すぎる威力に吹き飛んでしまった。

 

「こうなったら、私が持てる全力でアンタを倒す!!」

 

十八重奏(オクトデクテッド)!!」

 

掛け声と同時にシャンテが本体含めて18人に増えた。

 

「あ〜らら。増えましたね」

《対して驚いてないでしょうに》

「バレテーら。まあ、かえって好都合だけどね」

《その根拠は?》

「今にわかる」

 

そう言うとレオンは、分身に突っ込んでいった。

 

 

 

 

 

観客席で見ていたヴィヴィオ達はというと・・・。

 

「ええ!?18人いるシャンテに飛び込んでいっちゃった!?」

「気でも狂ったか!?」

「いいえ。あれでいいの」

 

「「「ええ??」」」

 

ティアナは、ただ一人冷静だった。

 

「アレ位人がいて好都合な技があるってわけよ」

 

ティアナがそう言い切ると視線を再びレオンの方へ向ける。

 

 

 

 

 

「まさか自分から飛び込んでくるなんてね!負けを認めたの!!」

 

そう言うシャンテの言葉を無視しレオンは回転しながらシャンテに詰めよってくる。

 

「(回転しながらコッチに来てる?)」

 

分身を切りながらこちらに向かってきていることに違和感を覚えるシャンテ。

近づかれたらまずいと思い迎撃をする。

 

「ベルカント・カノーネ!!」

 

放たれた魔力弾はレオンに呆気なく真っ二つにされた。

 

「いいっ!!?(結構高威力で撃ったのに余裕で切った!?)」

 

 

全集中 水の呼吸

 

 

更に、一本の糸がピンっと張ったように見えてそこに入り込むように剣を振り下ろす。

 

 

拾ノ型 生生流転

 

 

振り下ろした剣は、シャンテに当たりそのままリングの外まで吹き飛ばされ壁に激突した。

そして、審判がシャンテの様子を見に行くと気絶しているという合図を出した。

 

『シャンテ・アピニオン選手!敗北!!勝者、レオン・ウェルキウス選手!!!』

 

「「「うおおおおおーーーーーー!!!!!」」」

 

レオンが勝利したことにより再び観客が大盛り上がりを見せたのだった。

 

 

 




今回はここまでとなります。
ティアナが生生流転を知っていたのは本編では描かれていない
所で訓練等に付き合ってもらっているからだとここに明記しておきます。


誤字脱字等ございましたら連絡下さい。

では、次回


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 22 束の間の休息

今回は試合の合間のお休みです。


次回から試合に戻ります。
では、どうぞ。


歓声が鳴り響く中、レオンは刀を納刀しリングから降りた。

それを遠目で見ていたヴィヴィオ達・・・。

 

「な、なんだ今の・・・」

「アレは、水の呼吸の中でトップクラスの威力を持つ剣技よ」

「水の呼吸の?」

「技名は、生生流転。連撃を加えれば加えるほど威力が上がるの」

「そんな技が・・・」

 

IM出場者側が驚いている中、なのはとフェイト、そしてヴォルゲンリッターの3人は

疑問の表情を浮かべていた。

 

「ママ?」

「師匠?どうかしたんですか?」

「シグナム」

「3人共、気づいたか」

「あぁ、なのはも気づいただろ」

「うん。レオン君、最初の動きにかなり違和感を覚えたんだ」

「違和感?」

「うん、まるで始めてみるものが多すぎて対応出来ていないっていう感じ」

 

皆の考えがまとまらずただ考えだけが流れていくのだった。

 

「どうせなら本人に聞いてみたら?今日の試合って後1試合だけなんでしょ?」

「テスタロッサの言う通りだな。それなら後で予定がつくか確認してみよう」

「あ、私が連絡しておきます」

 

ティアナが自分から進んでレオンに連絡する。

その後、メッセージで了承を得てこの後の予定を確認するのであった。

 

 

 

 

 

こうしてその日の予選は終了しティアナから連絡を受けたレオンは

ティアナ達と合流後、その日のお疲れ様的な意味でささやかな食事会になったのだが・・・。

 

「随分、立派なホテルですね・・・」

「ここ、1ヶ月先まで予約いっぱいの有名ホテルじゃないですか。よく取れましたね」

「まあ、みんなよく頑張ったなというご褒美もかねてやな」

 

そんな訳で、チームナカジマ、なのはさん、フェイトさん、八神家、ミウラ

ティアナ、レオン、以上のメンツが食事会をしている。

そしてある程度、食事が進んでいるとシグナムさんが話を切り出した。

 

「さて、ウェルキウス。お前、アピニオンと試合中、妙に動きが悪かったな」

「ああ〜、それは、・・・お恥ずかしい所をお見せしました」

「もし良かったら話してくれない?」

「それもそうですね。みんな疑念しかないでしょうし」

 

レオンは、透き通る世界についての概要を痣の点を省いて説明した。

 

「どんなチートだ!?」

「正直、これは偶然発動したというべきでしょうね・・・」

「しかし、その力は凄まじいな・・・」

「筋肉の動きが分かれば敵の繰り出す技を事前に知ることができるしな・・・」

「レオン君。それって魔法の流れとかも見れるの?」

「どうでしょう・・・。正直、アピニオンと戦ったときは幻術を見破るのには

打って付けのタイミングでもありましたので。試さないとなんとも・・・」

「つか、冷静に考えたら骨を見れるって結構エグいな・・・」

 

ヴィータの話しで思わず皆が少し青ざめた。

 

「具体的な詳細は、食事の後にしましょう。

コレに関しては食事の場にいいものとは言えませんから」

 

そんなこんなで食事を済ませ、その日は解散となった。

 

 

 

 

 

翌日。インターミドル4回戦は数日休みを開けてからの再開になり

レオンは、鍛練でもしようと考えいた時だった。

 

《主人、ヴィヴィオ殿から連絡だ》

「ヴィヴィオから?」

 

珍しいと思い通信を開いた。

 

『あ、レオンさん。おはようございます。ヴィヴィオです』

「おはよう。珍しいな、連絡してくるなんて」

『はい。一緒に聖王教会に行かないか連絡したんです』

「聖王教会って確か、ベルカ自治領にあるあの?」

『はい。後、シャンテが所属しているところです』

「・・・気まずいんだが」

 

そのことを聞いたヴィヴィオは思わず苦笑いを浮かべる。

 

『まあ、そう言わずに行きましょうよ』

「・・・まあ、気晴らしに行くか。分かった。準備が出来たらすぐに向かう」

『はい。お待ちしてます!』

 

ヴィヴィオの通信を切り待ち合わせ場所のマップデータを貰い

待ち合わせ場所に向かうレオンだった。

 

 

 

 

 

20分後。ヴィヴィオと合流しベルカ自治領に到着し聖王教会に赴いた。

 

「随分、風情があるな・・・」

「レオンさんは、初めてですか?」

「まだこっちに来て2年位しか経ってないからね。

まずは近場の土地勘に慣れようということで余りうろつかなかったし」

 

そんなしみじみに感傷に浸っていると聖王教会の正門前に到着した。

門の中に入ると修道女の人たちがトンファーらしきもので素振りをしていた。

 

「ここ、教会だよな?」

「アレは、教会騎士団の人たちですね。管理局とも関係あるみたいですよ」

「詳しくは、口外したらマズイんだろうな・・・」

「ですね・・・」

 

そんなこんなで教会内をヴィヴィオと散策しすれ違いでヴィヴィオのことを

陛下と呼んで挨拶していることにレオンは疑問を覚えた。そんな時だった。

 

「ヴィヴィオ。少し離れていてくれ」

「え?はい」

 

そう言いヴィヴィオは離れていく。

すると草むらの中から人が飛び出てきた。

 

「奇襲を仕掛けるなら気配を消しな。ここにいますって言っているもんだぞ」

 

レオンは、スサノオの武装だけを展開し攻撃を防ぎ仕掛けてきた相手を蹴り飛ばす。

その人物を見ると以前戦ったシャンテだった。

 

「久しぶりだな。リベンジでもしに来たのか?」

「・・・一応、お客さんとしてきたみたいだけど何の用?」

「ヴィヴィオの付き添い」

「えっ?」

 

シャンテは、レオンが視線を向けると苦笑い気味のヴィヴィオがいた。

 

「へ、陛下!?」

「気づいてなかったんかい・・・」

 

シャンテは驚きの声をあげ、レオンは呆れていた。

そんな時だった。

 

「こら!シャンテ!!」

「イッ!?」

 

お怒りの声が聞こてきてその方を見ると別のシスターが

シャンテの所に怒りの表情を浮かべながら来た。

 

「急に飛びしたと思ったらお客様に攻撃を仕掛けるとは何事ですか!!」

「い、いや、その〜・・・」

「リベンジマッチしたかったみたいですよ」

「リベンジマッチって、あら?貴方はIMでシャンテと戦った・・・」

「レオン・ウェルキウスです。その節はどうも」

「シャッハ・ヌエラと申します。修道騎士を務めておりシャンテの教育係をしております」

「随分と元気のいい教え子ですね」

「その言葉で片付けるにはどうかと・・・」

 

そんな話をしている時だった。

 

「アレ?レオンじゃん」

 

声が聞こえた方を見るとセインがなにやら荷物を抱えていた。

 

「セインじゃないか。お久」

「お久、じゃなくてどうして聖王教会に?」

「ヴィヴィオの付き添い」

「なるほど」

 

簡潔に話をしある程度話をするとヴィヴィオと共に野暮用を済ませる。

ちなみにシャンテは、シャッハさんに耳を引っ張られながら連行された。

 

 

 

 

 

「用事ってこの子の見舞いだったのか・・・」

「すいません、レオンさん。説明なしに」

「言ってくれれば見舞いの花とか用意したのに」

 

用事というのはイクスヴェリアという少女のお見舞いだったのだ。

マリアージュという犯罪者が事件を起こしその事件に彼女は巻き込まれたのだそうだ。

その過程で彼女と友達になるが1000年の眠りの影響か身体のほとんどが機能不全に陥っており

いつ目覚めるかわからない深い眠りについてしまったのだ。

 

「どうして、俺を誘ったんだ?」

「レオンさんにも紹介したかったんです。私の友達を」

「・・・そっか」

 

レオンは、それだけ言うと後はなにも話さなかった。

 

「それとレオンさん」

「どうした?」

「お話ししておきたいことがあります」

 

 

 

 

 

「聖王のクローン?」

「・・・はい」

 

ヴィヴィオが話をしたいと言ってきてそのことを了承し

教会の応接室を貸して貰えてそこで話すことになった。

その内容は、彼女がなのはさんが本当の母親じゃないということ

彼女が聖王オリヴィエのクローンであること。

 

「・・・もしかして、教会の人たちが陛下って呼んでいたのって」

「聖王オリヴィエのクローンっていうのもあるんですけどね・・・」

「・・・このことをなのはさんやみんなは?」

「知っています・・・」

 

ヴィヴィオの表情から見てもどこからか話しているのが辛いように見えた。

 

「う〜ん。正直なところ特にコレと言った感情はないな」

「・・・へ?」

 

レオンの話を聞いて思わず面食らった表情を浮かべた。

 

「正直なところ、こうやって俺と話している時点で普通の人と変わりないだろ。

まあ、気持ちはわからんでもないがな」

「・・・私がクローンってことに対して他に思うところはないんですか?」

「いや全然全く」

「ええ〜・・・?」

 

レオンの自分に対して何もなくバッサリ言い切ったことに対し驚きと

僅かながらの不満を覚えてしまった。

 

「君は、聖王オリヴィエのクローンでもゆりかごの鍵でもない。

 

 

 

 

 

君には高町ヴィヴィオっていう名前があるだろ」

「・・・あっ」

 

その話を聞いたヴィヴィオがハッとなった。

 

「まあ、正直なところの前提で1つ忘れていることがある」

「なんですか?」

「俺は聖王とかベルカの歴史は微塵も知らん」

 

レオンの言葉に思わずガクリと項垂れるヴィヴィオであった。

 

「し、知らなかったんですか?」

「おう、全く興味なかったしな」

 

レオンの態度は本気に見えて寧ろここまで言い切ると逆に清々しい。

 

「ま、俺にそんなもんは意味ねえよ。ヴィヴィオはヴィヴィオ。それだけだ」

 

そろそろ帰ろうかと提案し応接室のドアに向かうレオン。

 

「・・・はい!」

 

ヴィヴィオは、話をしても変わらず接してくれるレオンとの友人関係を

大事にしていこうと心に誓ったのだった。

 

 

 

 

 

※オマケ

 

「聞いていますか!?」

「ハ、ハイ!!」

 

シャッハは、レオンに対しての対応が余りにも問題であったため

かなり怒られている。

かれこれ1時間以上は経っている。

 

「(うぅ〜。今度会ったらタダじゃおかないからな〜・・・)」

「聞いてますか!」

「ハイ!!」

 

シャンテは、次レオンに会ったら復讐(八当たり)してやると心に誓ったそうだ。

こうして、シャンテの1日は説教されたまま終わりを迎えたのだった。

 

 

 




今回はここまでとなります。

誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 23 ジークとアインハルトの異変

今話の後半から無限書庫編をやっていきます。


では、どうぞ。





束の間の休息を終えた数日後。いよいよ始まる4回戦。

対戦カードは、ランダムシャッフルになる。

試合は後2試合となっているが上位ランカーの試合は

ステージのシステムが負荷が起きやすい為1日1試合というかなり少なめになる。

レオンは、以前見た試合の中である人物の試合が気になっていた。

 

「・・・ファビア・クロゼルグか」

「気になるの?」

 

誰かに声をかけらたので振り返るとルーテシア達がいた。

 

「ルーテシアにエリオとキャロ。久しぶりだな。2人はセコンドか?」

「はい」

「ルーちゃんに頼まれて」

「よく時間取れたな」

 

そんな話をしていると早速本題に入る。

 

「それで、あのクロゼルグだが・・・」

「彼女は、正統魔女(トゥルーウィッチ)よ。しかもベルカが祖先の」

「珍しいのか?」

「えぇ。正直かなり珍しいわ」

 

なるほどと納得するレオンはある事をつぶやく。

 

「・・・本格的に知らないといけないな、アインハルトの記憶」

 

そして試合の時間となりレオンは試合会場に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあ、お待たせしました!インターミドル4回戦の開始です!!』

 

会場の観客がかなり盛り上がっている。

 

『赤コーナー!!前回大会都市本戦で敗退、リベンジなるか!!

ハリー・トライベッカ選手!!』

「余計なお世話だ!!」

 

実況者のコメントに突っ込みながら入場してくる。

 

『青コーナー!!男子選考会からの特別枠出場者!今大会のダークホース!

レオン・ウェルキウス選手!!』

 

レオンも無言になりながら入場し対峙する二人。

 

「お前が出場者だったとはな」

「聞かれなかったからな」

「・・・おう、意外とドライだな。まあいい!ヘンテコお嬢様のリベンジが出来ないんだ!

お前で憂さ晴らしさせて貰うぜ!!」

 

両者、戦闘体制になる。

 

『試合開始』

 

試合開始のブザーがなったがお互い動かない。

その光景を不思議に思っているヴィヴィオ達。

 

「動かないね」

「うん」

「なんでだろう」

「プレッシャーだと思うわ」

 

ティアナの言葉に皆?を浮かべる。

 

「みんなあまりレオンとの対戦経験ないと思うけど多分気迫で押されているんだと思う」

「そんなにすごい気迫なのかな?」

「・・・本当です」

 

口を開いたのはアインハルトだった。

 

「私自身も対峙した事ありますが技を放つ時の気迫はとても凄まじいものでした。

最初は、何も感じなかった後、急にやられる、そんな気迫が・・・」

 

思いがけない言葉に驚く皆。

そんな中、ついにハリーが動いた。

 

 

 

 

 

 

「(ヘンテコお嬢様を倒しただけの事はあるな・・・。 

  今まで感じた事のない気迫だ・・・)」

 

ハリーもレオンの気迫に飲み込まれそうになっていた。

 

「(けど、負けねぇ。いつも慕ってくれている彼奴らの為にも!!)」

 

ハリーは、後ろのセコンドを見ると直ぐにレオンに視線を切り替えて

攻撃を仕掛けてきた。

 

「四連バーストバレット!!」

 

魔力を纏った拳で攻撃を仕掛けるハリー。レオンは、攻撃をかわし刀を振り下ろす。

ハリーもレオンの攻撃に反応しレオンの攻撃を躱す。

それを繰り返すが中々攻めきれない為ハリーは戦法を変えた。

 

「ガンフレイム!!」

 

火炎放射のように放たれた炎をレオンに向けて放つ。

うまい事捌けずダイレクトではなかったが攻撃を受けてしまい吹き飛んだレオン。

 

「・・・防御もお構いなしか。なのはさんの砲撃程ではないけど面倒だな」

「そらそら!!休んでる暇はないぜ!!」

 

ハリーは、拳に魔力を込める。

 

「パイルバンカー!!」

 

魔力を込め拳を振るう動作で魔力弾を飛ばしてくる。

 

「プラズマ砲かよ!?」

 

まさかの威力に思わず驚くレオン。

 

「(思った以上に威力があるな・・・。一気に仕掛けるか?)」

「これで、終わりだぁ!!」

 

ハリーは拳を地面に叩き込む。

 

「ヴォルカニック・ブレイズ!!」

 

突如、レオンの足場が赤くなりレオンは慌てて回避する。

すると炎の魔力柱が現れ避けた先にも同じ現象が起きた。

それを繰り返すがレオンは、この状況である事を閃いた。

 

「(この柱、利用してやる!!)」

 

距離を取った直後、ハリーの元に突っ込んでいく。

 

「バカが!自滅するつもりか!!」

 

さらに威力を増し柱を増やしていくハリー。

しかし、レオンの狙いはここにあった。

 

「(一度上げた柱は数十秒は出しっぱなし。それを足場にして一気に距離を詰める!!)」

 

レオンは足に魔力を込め一気に飛び上がる。

 

 

全集中 水の呼吸

 

 

レオンは、魔力柱を足場にし一気に距離を詰める。

 

 

玖ノ型 水流飛沫・乱

 

魔力柱を足場にし間合いをどんどん詰めていくレオン。

 

「俺の魔法を足場に!?」

 

この方法は思わず驚くハリー。

そして、彼女の間合いに入ると同時に一本の線がピンと張った。

 

「(見えた、隙の糸!)」

 

そして新たに構え攻撃態勢に入るレオン。

 

「負けるかぁ!!」

 

ハリーは反撃に入ったが、その攻撃が空振った。

 

「へっ?」

 

すると突如、ハリーの意識が飛びレオンは、そのまま刀を納刀した。

 

 

全集中 水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨

 

 

という名のフェイントで意識を刈り取ったのだ。

カウントをしているがゼロになったアナウンスが入った。

 

『試合終了!勝者!!レオン・ウェルキウス選手!!!』

 

 

「「「うおおおおお!!!!!」」」

 

レオンの勝利アナウンスが鳴り響くと観客が盛り上がる。

そして、視線をハリーの方に向けると担架に運ばれている事を確認したら

レオンはそのまま会場を後にした。

 

 

 

 

 

 

その後、彼女の容態を見に行き意識を取り戻しセコンドメンバーと抱き合っている事が

確認できた為、とりあえずホッとしその場を後にした。

そして4回戦の試合、ティアナ達と合流しアインハルトとジークの試合を

見ていたのだがレオンの表情は優れないでいた。

 

「・・・レオン大丈夫?」

「・・・妙な胸騒ぎがする」

 

「「「えっ?」」」

 

「ジークとアインハルトの2人が対峙してから何かが妙だ」

「それってアインハルトさんが負けるかもとかですか?」

「違う。うまく言えないけど、もっと別の・・・」

 

皆は、レオンの言葉に首を傾げるしか出来なかった。

そして試合が始まりある程度時間が経った時、アインハルトが焦って攻撃を仕掛けた。

 

「マズイ!あのままだと返討ちだ!!」

 

そしてレオンの指摘した通りになりジークからカウンターを喰らい投げ技、絞め技にまで

持って行かれてアインハルトの瞳が朦朧と仕掛けていた。

 

「後数秒でアインハルトが落ちる・・・」

「そんな!?」

 

レオンの宣告でみんなが驚く。

するとそんな時だった。

 

「(体の機能が回復した?)」

 

何とか持ち直しアインハルトは、ジークにクリーンヒットを与えた。

アインハルトは、何とか態勢を立て直す。

すると、今度はジークの様子が可笑しくなった。

 

「(ジークの意識が消えた?)」

 

すると強力な魔力が拳に集まりそれを解き放った。

強力な光で皆の視界が奪われ一時はダウンしてしまった。

視界が戻ると大ダメージを受けていたアインハルトがいた。

何とか攻撃を仕掛けたがジークのカウンターを受けてそのまま敗北してしまった。

 

 

 

 

 

「・・・ん、ここは」

「医務室だ」

 

アインハルトがここの場所を問われノーヴェが話をしてくれた。

そして、その日は慰労会の様な物が催された。

 

 

 

 

 

「無限書庫に?」

「エレミアの手記をヴィヴィオが見たことあるって話していてな。

折角だから調べに行かんかということになったんや」

 

アインハルトの試合の後、はやてさんが別ブロックで試合をしていたミウラの様子を

見に来ていたのだがアインハルトの試合を見てかなり重要だと感じ彼女達を集めて

見に行くかという話になったのだ。

 

「それはいいですが、大丈夫ですか?俺達を()()()()()()()()を野放しにして」

「・・・やっぱ気づいとったん?」

「透き通る世界が発現してからはこう言ったズレやら気配読みといったのを

極めるために色々工夫していて」

「なるほどな〜」

「それでどうするんです?俺は行ってもいいですけど

入るパスなんて持ってませんよ?」

「それは大丈夫や。ヴィヴィオ達がパス持ってるから。

パス持っている人が1人でもいれば一緒に入れるんや」

「なら安心ですね」

「・・・驚かないんやな」

「何がです?」

 

レオンは、無限書庫のパスを持っていることの意味を理解していなかった。

そしてその日は、ホテルに泊まり朝一で無限書庫に向かうことになった。

 

 

 




現在、インターミドル編だということなのですが
これはインターミドルの開催している中の時間軸で解釈していますので
無限書庫編が終わると一気に話を簡略化しGOD編に入りますので
ご了承下さい。


誤字脱字等ございましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 23 無限書庫で探索しよう!!

今回は、無限書庫探索になります。


では、どうぞ。


翌日。レオン達は、時空管理局に来ていた。

ここにいるのはチームナカジマ、ミウラ、ヴィクター、ジーク、ハリーとその舎弟、ミカヤ、エルス

はやてさん、ザフィーラさん、ヴィータさん、レオン、以上のメンバーだ。

他の大人達は仕事の為、ここにはいない。

 

 

 

 

 

無限書庫

管理局が管理を受けている世界の書籍やデータが全て収められた超巨大データベース。

聞いた話だと一般人は中に入れないとの事だが何故かヴィヴィオ達が持っている・・・。

そして、実を言うとミカヤさんとエルスはちゃんと挨拶していなかったレオンはここで挨拶した。

挨拶大事。ここ重要。とまあ、それはさておき・・・。

因みに、エルスに今度こそ貴方を倒しますと宣言された。

どうしてそうなったのか心当たりがあるのか聞かれるとレオンは分からないでいた。

ジークの説明によるとバインドを砕かれたのが悔しかったとの話で納得した。

そして、レオンの事をよく知らない人達は引いた。解せぬ・・・。

そんな事より。

 

「よく持ってたな。司書資格なんて」

「元々、本を読むのが好きだったのでそれに高じてつい・・・」

「それはまた・・・。よく使うのか?」

「いつも学校の調べものや宿題の時は3人で使ってるんで、結構中の構造は詳しいですよ」

 

と、リオから説明が入る。

その事に関して何やらゲンナリした様子で突っ込みを入れようと思ったハリーだったがすぐにやめた。

 

「書庫の中は無重力ですので慣れてないと気分が悪くなる人もいらっしゃいます」

「そうゆう時はすぐ言ってくださいねー」

「それじゃ古代ベルカ区画に・・・」

 

 

「「「ゲート・オープン!!」」」

 

 

因みに、レオンは思わず()()と言いかけたが何とか抑えた。

そんな訳の分からない事はさておきヴィヴィオ、リオ、コロナの3人の簡単な説明が入るとゲートを開き中に入っていくレオン達。

 

「(付いてきているな・・・)」

 

背後の気配を感じつつ無限書庫の無重力エリアの中に入っていくレオンだった。

 

 

 

 

 

場所がとても広い為、2人1組で行動する事になった。

レオンは、ミカヤさんと行動している。

 

「しかし、こうして歳の近い異性と話すのはなんだか新鮮だな」

「そうなんですか?」

 

ミカヤさんの意外な話を聴くレオンは思わず聞き返した。

 

「私は、天瞳流の師範代をしていてね。私の周りは門下生ばかりだったからね」

「なるほど、それで」

 

そんな他愛のない話をしているとレオンは瞳を鋭くし近くの手摺に掴まり動きを止めた。

 

「レオン?」

「ミカヤさん。ルーテシアに連絡をしてください」

「何故?」

「つけられている」

「!?」

 

ミカヤさんもデバイスを展開し剣を構え戦闘態勢をとる。

すると、突如黒い何かが俺たちを襲ってきた。

 

「!?」

「チッ!!」

 

レオンは、ミカヤの手を掴み本棚の上の方に投げ飛ばす。ミカヤは、咄嗟の出来事で

しっかり対応はできなかったが無重力のお陰で壁に激突は容易に回避できた。

近くの手摺に捕まるとレオンの安否を確認する。

 

「レオン!」

 

ミカヤが叫ぶと()()が高速で移動するのが見えた。

しかし、早すぎるあまり残像らしきものしか見えない。

すると何かが近くの本棚に着地しミカヤは目を凝らしてその場所を見ると直ぐに驚きの表情を浮かべた。

何故なら・・・。

 

 

 

 

 

既に袴姿のバリアジャケットを展開していたレオンが立っていた。

ミカヤは、レオンの近くまで移動した。

 

「レオン、その姿は?」

「ああ、これは突き技に特化した姿で速度はコッチの方が上なのでちょうどいいんですよ」

 

ミカヤは、若干引き攣りながらそうかと答えた。

 

「さて、この事件を引き起こしたクロゼルグを捕まえますかね」

「クロゼルグって、例の魔女の?」

「この騒動を起こしている張本人がそのクロゼルグなんです」

 

ミカヤは驚きの表情を浮かべた。

 

「ルーテシアが彼女がベルカの魔女だって話していたからもしかしたら狙われるかもって思っていたんですが案外早く仕掛けて来たので驚きました。

んで、恐らく後を付いてきたのはジークとアインハルトと同じベルカ祖先の関係をしっかり記述してあるもの。それは・・・」

「・・・エレミアの手記!」

「そう見て間違い無いでしょうね。取り敢えずヴィヴィオ達と合流しましょう。

恐らく、狙われているのは向こうの可能性が高いので」

 

ミカヤの同意も得てレオンはヴィヴィオ達と合流するため移動しながら

はやてに連絡を試みるも繋がらず内心舌打ちをした。

 

「(無事でいろよ・・・。みんな)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レオン!ミカヤ選手!!」

 

移動中、ヴィクターと合流する事ができたレオンは情報交換を行いヴィヴィオ達の合流を試みる。

すると、反対側から爆発音が聞こえた。

 

「・・・まさか、皆があそこに?」

「行きましょう」

 

ヴィクターの掛け声で爆発の中心点に移動した。

 

 

 

 

 

爆発地点に到着するとそこにいた状態は?を浮かべざるを得ない。

素っ裸になっている子や瓶の中にいたり終いには・・・。

 

「何でジークが縮んでんの?」

 

そう、ジークが子供サイズまで小さくなってしまった。

 

「あ!レオン!ええところに来た!!あの魔女っ子のせいで小さくなってしもたんや!!」

「・・・日頃の行いが悪いからでは?」

「酷無い!?」

 

レオンの言い草にあんまりだという表情をするジーク。

 

「レオン」

 

ヴィクターがフォローしてくれると期待をするジーク。

 

「自業自得とは言うけれど一度、周辺の草木を食べたら食当たりをしたらしくて

それと比べたらまだマシな方だと思うわ」

「ヴィクター!?」

「・・・ジーク」

「その呆れた視線止めてや!!めっちゃ申し訳ないと思ってんねん!!」

 

涙ながら抗議をするジーク。

するとレオンはそんなジークを無視して視線を別の方へ向ける。

その先にいたのは・・・。

 

「ファビア・クロゼルグ」

「貴方、誰?」

「コイツらの友人、とだけ話しておく」

「じゃあ、消えて」

 

そう言いながらヘルゲイザーが魔力弾を放つ。

ヴィクター達は、思わず目を瞑るが何も聞こえ無い。

ゆっくり目を開けるとそこには平然としているレオンがいた。

 

「・・・何をしたの?」

「魔力弾を切った。それだけだ」

 

ファビアの疑問をそっけなく返した時だった。

 

「レオンさん!」

 

誰かに呼ばれた声がしたので振り返るとルーテシアがクリスとティオを連れて来ていた。

 

「その2機、ヴィヴィオとアインハルトのデバイスだろ?」

「前の試合の時に故障して修理したのを届けに来たの。そしたら・・・」

「今に至ると・・・」

 

そんな感じで納得するレオンは、ひとまずファビアに視線を向け彼女の方へ歩いていく。

 

「コイツらに危害を加えるなら俺が相手になる」

「・・・貴方に用はない」

「そっちにはなくてもコッチにはある。

つっても、コイツ等をどうにかしたければ俺を倒すんだな」

 

それでもファビアの表情は変わらない。

しかし、レオンの言うことも一理あると察しレオンに攻撃を仕掛ける。

 

「箒星」

 

突如、彼女の周辺に箒が現れ此方に飛んできた。

 

「レオン!!」

 

ヴィクターが叫ぶがレオンは体を少し捻って最小限の動きで回避する。

 

「うわ〜・・・」

「殆ど動かずによけとるよ・・・」

「・・・本当、底が見え無い男だわ」

 

ヴィヴィオ、ジーク、ヴィクターの3人はレオンの化け物級の動きに弾いていた。

 

「・・・クッ!」

「この程度か?魔女の魔法は」

「・・・うるさい!」

 

ファビアは、感情的になると今度は這え穢れの地に(グラビティプレス)でレオンの動きを止めようとした。

この魔法は、重力操作を行う魔法で流石のレオンも重力相手ではどうにもなら無いだろうと勘くぐったファビアだが

この魔法がレオンに効果があると思いきや突如、レオンが目の前から消えた。

 

「!?」

 

ファビアは驚き周囲を見回す。

するとビュン!ビュン!と周辺を飛び回る音が聞こえるとその場所を追うように辺りを見回すが

レオンのスピードに付いていけず混乱している。

そしてファビアは、辺りを見回すのに集中しすぎて足元がもつれてしまい尻餅をついた。

尻餅を突いたファビアが立ち上がろうとした時、目の前には剣先が突きつけられていた。

 

「動揺しすぎ。落ち着いて対処できるくらいだと思うが?」

 

ファビアは、大量の冷や汗をヴィヴィオ達はレオンの化け物級の動きにドン引きしていた。

そして、後に来たルーテシアがおもわずつぶやいた一言は・・・。

 

「・・・何、このカオス?」

 

だった。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。


今後の流れとしてはインターミドル編が終了後、日常パートに入ります。
その後、GOD編に突入します。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 24 先祖の過去

無限書庫編が終了した後は、おそらく
日常会になります。

では、どうぞ。



無限書庫でエレミアの手記を探していたレオン達は、ファビア・クロゼルグの

妨害により探索どころではなくなってしまった。

ヴィヴィオ達は、何やら素っ裸にされたり体を小さくされてしまったりで散々な状態になってしまった。

その後、騒ぎの中心点に向かいファビアと交戦することになったレオン。

予め蟲の呼吸を使用する姿になっていたため高速移動が功を奏しファビアに

反撃の隙を与えず彼女にダメージを与えずに(尻餅はノーカン)制圧した。

制圧した後に、ルーテシアがレオンを発見。しかし、ファビアは尻餅。ヴィヴィオ達は愕然。

ルーテシア困惑。←イマココ

という流れができてしまった。そんな時だった。

 

「?」

 

ファビアとレオンのいる地点に魔力弾が飛んできたのを視認すると

レオンはその魔力弾を切り落とす。

 

「おいレオン!そこをどけ!!」

 

そう言いながらこちらに飛んできたのはセットアップしていたハリーだった。

 

「何をしている。ハリー」

「なんでどかねえんだ!?お前巻き込まれたいのか!!」

「テメェこそ何言ってやがる。ファビアの術から脱出した後に終いにはやり返すのか。

お前の下らん戯れあいに付き合うつもりは無い」

「・・・んだと!!」

 

一触即発の2人。

流石に止めた方がいいと思いきやハリーの怒りを無視しレオンは話を続ける。

 

「そんなに暴れたいのなら俺が相手になってやる。ここから先は、管理局の仕事だ。

お前の怒りをここに持ち込むな。俺達の出る幕じゃ無い。ああ、それと」

 

ファビアが何か行動を使用とした時に突如、彼女の真隣に剣が突き刺さった。

 

「逃げようとするならやめておけ。既にインターミドルの試合に出場している時点で

お前の顔は世間に知れ渡っている。こんなことで人生を棒にふるようなことはやめておけ」

 

そう言いながらファビアはどこか悔しげな表情を浮かべた。

 

「ルーテシア。頼めるか」

「え、ええ」

 

レオンに頼まれごとに少し動揺しながらルーテシアはファビアを拘束しようとした時だった。

 

「レオン・ウェルキウス」

「ん?」

 

ファビアがレオンの名前を呼びレオンはおもわずそれに反応してしまった。

するとファビアはチャンスと言わんばかりに魔法を発動した。

 

吸収(イタダキマス)

 

するとレオンがぬいぐるみに飲み込まれて子供サイズまで小さくなってしまった。

 

「あらら」

「ちょっとレオンさん!!」

 

呑気に自分の体を見るレオンに思わず突っ込むルーテシア。

ファビアは、今がチャンスと言わんばかりに距離を取った。

 

「黒炎」

 

そして黒い炎がレオンを襲ったが・・・。

 

 

 

 

 

「それで勝ったつもりか?」

 

レオンは、いつものバリアジャケットの姿になりその言葉通りファビアの黒炎を斬った。

 

「!?」

「お前は既にチェックをかけられている。それに気づいて無いのか?」

「・・・そんなことはどうでもいい。私は呪う。

私を見捨てたあの王たちを、私は絶対に許さないから」

「そうか、なら・・・。

 

 

 

 

 

少し、頭冷やそうか?」

 

 

「「「!!!」」」

 

 

絶対零度。今放たれている空気がまさに適している表現。

その言葉が放たれ突如レオンが目の前から消えファビアの懐に入る。

 

 

全集中 雷の呼吸 壱ノ型

 

 

ファビアは驚き防御魔法を展開する。

 

 

霹靂一閃 八連

 

突如、展開された防御魔法の障壁が何時の間にか砕け散りレオンが彼女の背後に立ち刀を納刀。

 

「ああああ!!!!!」

 

 

「「「!?」」」

 

 

ヴィヴィオ達は、急なことで理解できなかった。

いきなりレオンが消えたかと思いきやいきなりファビアの背後に立ち刀を納刀し

彼女が悲鳴をあげて倒れた。

 

「・・・殺してへんよな?」

 

そう言いながらこちらに来たのははやてさんだった。

 

「殺してませんから。それ以前に非殺傷設定をしているから問題無いですよ。

てか、それやらないと加減間違えて殺してしまう可能性がありますからね」

「怖いわ!!」

 

皆も後ろで話を聞いていたヴィヴィオ達は思わず青ざめていた。

 

「まあ、とにかく後は頼みましたよ。背後につけていた奴は彼女だけですから」

「・・・何時から気づいとったん?」

「俺たちが無限書庫に来てからずっとですね。

立場的にもこちらからやるより正当防衛で行った方が都合がいいですけどね」

「過剰防衛なきもするけど、まあ、助けてもらったのも事実だし今回は注意で堪忍しといたる」

「・・・恩に切ります」

 

そんなやり取りをしながらはやてはファビアを連れて行った。

 

「おーい!」

「皆さーん!」

 

すると別のところから声が聞こえ視線を向けるとリオ達が1冊の書物を手にこちらに向かってきていた。

 

「え!?レオンさん!?」

「何でそんなに縮んでいるんですか!?」

「まあ、気にするな。それでリオ。それは?」

「あ、これは皆さんが探していたエレミアの手記です!!」

 

ついにリオは、お目当の物を探し当てたのだった。

その後、ファビアの術で素っ裸にされた人たちはオットーとディード達が来ていて

用意してもらった服に着替えた。

 

 

 

 

 

そしてトラブルはあったが無事にお目当の物が見つかりいざ読もうということになったのだが・・・。

 

「どうしたんだ?みんな」

「あ、いや、その・・・」

「意外だったか?あんな感情的になるのは」

 

レオンが指摘すると皆の目が泳ぐ。

 

「まあ、どっかのバカが話聞かねえで感情的になるから場合によっては鎮圧させるのも簡単だけど」

 

ハリーは心当たりあるような感じで居辛さを感じていた。

 

「とにかく、トラブルはあったとしてもお目当の物が見つかったんだ。早く読もうぜ」

「じゃあ、ウチが」

 

ジークが代表でエレミアの手記を読むそうだ。

 

 

 

 

 

話を要約すると聖王オリヴィエと覇王クラウスは親しい友人関係を築いていたが戦争が

激化する中で聖王のゆりかごを使用すると決めた国は人選の際にオリヴィエがその適正にヒットしたのだ。

覇王クラウスは、それを止める為に彼女と戦ったが結局止めることはできず彼女とはそれっきり。

大切な人を失ったやり場のない怒りで己を捨て鍛錬に励み今の覇王となった。

そして、その心は満たされずその無念は今アインハルトに受け継がれてしまったのだ。

先代のエレミアは彼女自身も止めることができずに後悔したとも明記されていた。

 

「手記はここまでやな」

 

ジークはそう言いながら手記を閉じた。

皆は言葉を発さず沈黙だけが訪れていた。

 

「・・・今日は解散しよう。気持ちの整理は必要だろう。特にジークとアインハルトちゃんは」

 

ミカヤさんの提案でこの日は解散することになり各自、帰路に着いた。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 25 戦うことで分かり合えること

レオンは、比較的何もしない回になります。


では、どうぞ。


無限書庫の出来事から翌日。

レオンは、無限書庫で起きた出来事をティアナにメッセージを入れて送信したところだった。

その日の夜となり、ティアナから通信が入りレオンがコールに出た。

 

「一先ず、コレが事の顛末ですね」

『・・・そう。アインハルト達は?』

「気持ちの整理は必要みたいで俺からは何も。

彼女たち自身が乗り越える事だと思っていますから』

 

その瞳は、レオン自身も何もできない歯痒さが滲み出ている表情だった。

 

『ねえ、レオン。聞いてもいい?』

「何です?」

『もし、大切な人が死地に向かうって決めた時、貴方はどうする?』

「・・・」

 

レオンは言葉が出なかった。

レオン自身もあの手記の内容を知った時、自分にもできる事があったのかなと・・・。

 

「俺なら付いていくと思います」

『え?』

「大切な人程離れたくない、離したくないって言う思いが強ければ強い程意地でもどうにかしたくなるんだろうですけど・・・」

 

それでも、クラウスは、彼女の無念が今にでも渦巻いているからアインハルトの記憶に根付いた。

 

「やっぱり嫌ですよ。何も成せないままただ生きていくのは。

意地でも食らいつきますね」

『・・・そう』

 

ティアナは、それだけ言うと特に深追いはしなかった。

そんな時、スサノオに一通のメッセージが届いた。

 

「ヴィヴィオから?」

『どうしたの?』

「すいません。ヴィヴィオからメッセージです。えっと内容は・・・は!?」

 

その内容は・・・。

 

 

 

 

 

アインハルトと戦うから見に来て欲しいというメッセージだった。

 

 

 

 

 

ヴィヴィオとアインハルトが戦う当日。レオンは、その様子を遠目で見ていた。

ここには、はやてさん達以外の無限書庫に来ていたメンツが集まっていた。

 

「しかし、どうして・・・」

《主人、ヴィヴィオ殿にも考えがあっての行動でしょう。

余り多くを語るのも如何なものかと》

「それもそうか。これ以上は野暮か・・・」

 

スサノオの意見でこれ以上の追求を止めたレオン。

そんな時、ジークがこちらにやってきた。

 

「ジーク」

「・・・レオンは、この試合どう思う?」

「・・・ヴィヴィオが唯一、アインハルトの心を開かせる事ができる可能性がある奴だ。

俺は、その可能性に賭けたい」

「・・・レオンじゃダメなん?」

「ダメだな。旧ベルカの関係者で見れば部外者の俺が介入するのはお門違いだ。

それなら、聖王との血を引いているヴィヴィオが適任だ。

(クローン、て言われようが彼女は彼女だ。お前はお前の意思をぶつけるんだ。ヴィヴィオ)」

 

そのやりとりをした後、2人は試合を見守る事になった。

事の成り行きを見守る事にした。

 

 

 

 

 

戦いが終わりレオンは、ヴィヴィオの元に向かっていた。

中を覗き込むとそこにはノーヴェがヴィヴィオに説教をしているところだった。

 

「ノーヴェさん。それ位にしておきましょう」

「レオン、けどな!」

「言い分はわかります。しかし、戦っている姿を見た時に貴方も感じたはずです。

ヴィヴィオの覚悟を」

「それは・・・」

 

ノーヴェが言葉を詰まらせた。

 

「彼女自身の為に拳を振るった。そして、その結果が今になり新しい道に繋がった。

それが事の全てです」

「レオンさん・・・」

「しかし、無茶をしたのは頂けないのでこの試合はなのはさんに報告する」

「ええ!?」

 

予想外の展開になりヴィヴィオは仰天。

ノーヴェもビックリしていた。

 

「魔法素人の俺でも戦闘面からしてみれば無茶をしているのは百も承知。

それを許せるほど、俺は善人じゃない。よって、お叱りを受けなさい」

「うぅ〜・・・。はい」

 

意外な伏兵でガクリと項垂れるしかないヴィヴィオだった。

 

「・・・お前、容赦ないな」

「コレはまだ平和な方ですよ。

俺のなんて、無茶した訓練をしたら師匠に一方的に叩きのめされて一時的に再起不能に成るまで陥ったんですよ。

余計なお世話かもしれないですけどコレばかりは俺も見過ごせません」

 

ノーヴェは、ウゲェ・・・と更に引いた顔をしていた。

 

 

 

 

 

その後、アインハルトの様子を見に来たレオンはジークと話しているように見えたのだが頭に?を浮かべていた。

 

「どういう状況?」

「ウチら、ちゃんと話し合ったら仲良くなったんや」

「はい」

 

一瞬、呆気に取られるが直ぐに穏やかな表情を浮かべるレオン。

 

「そうか」

「レオン」

 

ジークがレオンを呼ぶと今度は真剣な表情を浮かべた。

 

「負けへんでインターミドル」

「・・・それはこっちのセリフだ」

 

ジークがそう言うとレオンは拳を作りジークはその拳を当てる。

こうして、アインハルトの記憶騒動は一先ず落ち着いた。

因みに、この件をレオンがなのはに報告しヴィヴィオはお叱りと心配の両方をされたと記載しておく。

 

 

 

 

 

数ヶ月が過ぎて遂に始まろうとしているインターミドル世界大会決勝トーナメント。

対戦カードはもちろん・・・。

 

 

レオン・ウェルキウス VS ジークリンデ・エレミア

 

 

ダークホース(レオン)チャンピオン(ジーク)

ご先祖の柵の関係ない最初で最後の熾烈な戦いが今始まろうとしていた。

 

 

 




インターミドル編がもう少しで終わります。


数話くらい番外編を入れたらGODに入る予定です。


誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 26 Secret of my heart

すいません。
決勝戦やる前に投稿しておきたい話があったので
急遽こちらにしました。


では、どうぞ。


あれから様々な戦いをしてきたレオン。

地区予選、都市本戦、世界大会全ての試合をほぼ一方的に倒してきたレオンは遂に決勝まで駒を進めたのだが・・・。

その前日・・・。

 

「ずーん・・・」

 

何故かずっと意気消沈だった。

ティアナは苦笑いの表情を浮かべていた。

因みに、スバルも珍しく休みを取る事が出来たのでティアナの家で食事に来ていた。

 

「いや〜・・・どうしよう?」

「コレばかりはどうしようも無いような・・・」

「レオンの渾名か・・・」

 

そう、何故レオンがここまで意気消沈かというと渾名が関わってくる。

何故?と思うのは時が世界大会が始まる都市本戦終了後にまで遡る。

 

 

 

 

 

レオンは、基本的にテレビを付けないでスサノオを利用してのネットニュースでしか見ていないのだ。

インターミドルでの特集は、自分には興味が全くないので然程気にしていない。

正直、適当な理由で辞退でもしようかと考えていたほどだった。

といっても、恭也さんは様々な人と戦える経験はこういった機会じゃないと積めないだろうから行けるところまで行った方がいいという話になりとりあえず今に至る。

そして、偶々テレビを付けるとインターミドル特集をしていたのだ。

 

『今大会の注目されているのはやはりウェルキウス選手でしょう』

『地球出身でそこの古流剣術の使い手でほぼ謎に包まれているウェルキウス選手は世界王者に最も近い存在ですね』

『因みに、ファンの人達からは阿修羅、閻魔、水流の悪魔、花吹雪の剣士といった様々な渾名があるそうですが・・・』

 

レオンは、この渾名の阿修羅、閻魔、悪魔といったワードに固まってしまった。

 

 

 

 

 

そのニュースを見たレオンは、その腹癒せをぶち当てるかのように対戦相手選手を容赦なくボコボコにしていた。*1

その腹癒せのせいでついた渾名が、()()()()()と名付けられてしまった。

 

「だ、大丈夫だよ!なのはさんなんて白い悪魔何て呼ばれているし!!」

「そ、そうよ!大体、そんな事を言うのは一部の人だけだから気にしちゃダメよ!」

「うぅ〜・・・。2人の優しさが心に沁みます・・・」

 

何とかレオンの気持ちが持ち直したので食事を再開した。

 

 

 

 

 

その日の夜。

レオンは自宅に帰りスバルはティアナの自宅に泊まっていく事になり寝室で団欒していた。

 

「いよいよ明日だね。ティア!」

「正直、ここまで行くとは思ってもいなかったわ」

 

ティアナの表情は、驚き以外にもどこか寂しい様にも見えた。

 

「ティア?」

「正直、私も剣術の事について学んでいたらレオンと距離を近づけたんじゃないかなって」

「えっ?」

 

ティアナの意外な本音を聞いたスバルは驚きの表情を浮かべた。

 

「レオンと出会ったのは1年前の別次元世界の調査で来ていた。

それで助けて貰ったのがレオンでそのレオンがJS事件で助けてくれた。

全部偶然だった。私がもっと強かったら出会えていなかった気がして・・・。

剣を学んでいたらどうなってたんだろうってよくそう思うんだ・・・」

 

ティアナの溢れた言葉にスバルはある1つの疑念を解消しておこうと思った。

 

「ねぇ。ティア」

「何よ?」

「ティアってレオンの事、好き?」

 

その言葉を聞いたティアナは力無く・・・。

 

「・・・うん」

 

そうポツリと呟いた。

 

「そっかー。好きなn・・・えっ?」

「・・・私、レオンの事が好き」

「・・・マジで?」

「・・・マジで」

「本気と書いて?」

「他に何があるのよ・・・」

 

ジト目でスバルを見るティアナ。

軽い気持ちで聞いたはずなのにまさかの爆弾を投下されてスバルの頭はパンク寸前だった。

 

「えっと・・・。何時から?」

「・・・自覚したのはカルナージの合宿の時」

「そうだったの!?」

 

スバルは意外な時期に自覚した事に驚いた。

以前から交流があったと話していたがまさか割と最近だったのだ。

 

「・・・告白は?」

「・・・正直、したいけど怖い」

「えっ?」

「私の事を好きになったらレオンが離れていく気がして・・・。

私、1人ぼっちになるのが怖い・・・!

兄さんみたいに私を残していなくなるのが嫌だ・・・!」

 

ティアナがまだ小さかった頃、唯一の肉親だった兄は既に亡くなってしまった。

レオンと過ごす日々はティアナの心を温かくしてくれた。

親友のスバルや上司だったなのはでもない。

1人の友人として接してここ最近の辛い日々をレオンという存在が癒してくれた。

宝物と言っていい程の存在を失うのが怖いのだ。

 

「・・・だからこそ、レオンと向き合わないとかもね」

「・・・スバル?」

「大丈夫!ティアかわいいからレオンもティアの告白受ければイチコロよ!!」

「そんな無責任な・・・」

「それに、レオンも同じ気持ちだと思うよ」

「えっ?」

「今日は、外での注文だったけどティアの食事の栄養とか心配していたじゃん。

それって、ティアの仕事上、不規則になりやすい生活だから心配しているんじゃない?

それだったら食生活の心配なんてしないよ」

「・・・そうかな」

「実のところ、1回だけレオンにティアの事どう思っているか聞いた事あるんだ」

「えっ!?何時!?」

「うーんとね。カルナージの訓練の時にさ、ティアが全力で走った後の時あったじゃない?」

「アレか・・・」

 

ティアナは、思わず自分の行いに苦い顔をしてしまった。

 

 

 

 

 

時は、カルナージのオフトレ合宿に遡る。

ティアナが全力疾走で部屋に戻ると少し遅れてレオンも入ってきた。

その時に、スバルはからかい半分でレオンにティアナの事をどう思っているのか聞いてきた。

その時にレオンが放った言葉は・・・。

 

『俺が1番、人として尊敬する人で支えたい人です。

ていってもまだまだ未熟だからあの人の支えになれているかはわからないですけど・・・。

ティアさんの心の支えになれたらいいなって思います。好きかどうか聞かれると・・・どうでしょう。

生まれた年齢、彼女いない歴ですから・・・。

俺が好きだって言ったら今の関係が壊れるんじゃないかって思っちゃって・・・』

 

自分自身も怖い。そう言っていた。

 

 

 

 

 

「そんな事を・・・」

「怖いのはレオンも一緒だったんだよ」

 

レオンは、ティアナに自分の気持ちを悟らせない様にしていて逆に彼女の心を締め付けてしまっていたのだ。

そして、ティアナは、1つの決意をする。

 

「スバル、ありがとう。おかげで吹っ切れたわ」

「ティア?」

「全力全開でレオンに気持ちをぶつける!!」

「その意気だよ!!」

「そしてそのためにも!!」

「そのためにも!!」

「明日、というより今日に備えて寝るわよ」

 

時計を見ると深夜ギリギリ、もう寝てもいい時間なのだ。

スバルは思わずズッコケてしまった。

 

「ありゃりゃ、もうこんな時間。じゃあ、d「電気消しておいて。休み」・・・ティア!?」

 

あまりの切り替えの早さに驚く事しかできないスバルは戸惑いながら電気を消し就寝した。

 

「(ありがとう。スバル)」

 

彼女に聞こえない様、心の中でそう呟くティアナであった。

 

 

 

*1
再起不能になったり大怪我はしていない




今回はここまでとなります。
いや、長かった。後もう一息だ・・・。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 27 IM(インターミドル)世界大会決勝開幕!レオンVSジーク

いよいよインターミドルも終盤に差し掛かってきました。


では、どうぞ。


翌日。ついに始まる世界大会決勝戦。

レオンは控え室で精神統一をしていた。

 

「(やれるだけの事はやった。後は、ジークを倒すだけだ・・・!)」

 

そして、時間となり控え室を出て試合会場に向かう。

同時刻。一方のジークは・・・。

 

「いよいよね」

「はい・・・」

 

控え室にはジークの他にセコンド入りをしているエルスと様子を見に来ていたヴィクターとエドガーがいた。

 

「2人共ありがとうな。応援に来てくれて」

「私達はレオンに何もできなかったから」

「えぇ。完膚なきまで叩きのされてしましたから」

「後半、腹いせの様にも見えましたがね」

 

 

「「「・・・」」」

 

エドガーの言葉で皆が沈黙する。

レオンが閻魔と呼ばれるのは物凄く嫌な顔をしていたのは記憶に新しい。

以前、レオンは、ヴィクターの頼まれごとでジークを探してくれと連絡を受けてとっ捕まえて連れて帰らせた。

ジークをヴィクターの自宅に連れて行きお礼にお茶をご馳走してくれた。

その際、渾名の話をした際にレオンが酷い凹み様に地雷を踏んだと察し何とか持ち直した。

試合後のインタビューは、当たり障りのない事を言っているが渾名の話をするとやめて欲しいと言っていた。

しかし、その願いは叶わず今でも言われている・・・。

 

「・・・彼、色々と不憫ね」

 

 

「「うんうん」」

 

ヴィクターの言葉に納得してしまったジークとエルスは頷く。

そして、時間となりジークも試合会場に向かう。

 

「行ってくるで」

「頑張ってください」

 

エルスの声援に頷き試合会場に向かうジーク。

ヴィクターとエドガーは、観客席に向かった。

 

 

 

 

 

「いよいよだね!!」

「うぅ〜。なんだかコッチも緊張してきた・・・」

「た、確かに・・・」

 

ヴィヴィオ、コロナ、リオの3人は試合が楽しみで仕方がないでいた。

 

「レオンさん。チャンピオンに勝算あるのでしょうか?」

「正直、何ともな・・・」

 

冷静に分析をしているアインハルトとノーヴェ。

ティアナは、皆が話している中、ただジッとリングを見つめていた。

 

「ティア、今からそんな調子じゃ、後半持たないよ?」

「・・・そうね」

 

少しリラックスする様促すスバル。

それを素直に受け取るティアナ。

そして・・・。

 

『大変お待たせいたしました!

只今よりインターミドルチャンピオンシップ世界大会・決勝戦を始めます』

 

そのアナウンスが入ると選手紹介が入る。

 

『赤コーナー!今大会のダークホース。様々な敵を倒してきた地球出身の最強剣士!!

レオン・ウェルキウス選手ッ!!』

 

レオンがリングの中に入ってきた。

 

『青コーナー!前回の世界チャンピオン。連覇なるか!!

ジークリンデ・エレミア選手ッ!!』

 

ジークが入ってくると同時に観客の盛り上がりは最高潮に達した。

 

「・・・いよいよやな」

「・・・ああ」

「ウチが勝つ!!」

「・・・全力で受けて立つ!!」

 

お互いの魔力が放たれて気合は十分だ。

 

《Ready Fight!!》

 

試合開始のゴングが鳴ると先に仕掛けたのはレオンだった。

真っ正面に突っ込みジークは正拳付きをするが擦りともせずレオンが目の前から消えた。

一瞬驚き周囲を見渡すと右隣から剣の先端部の突きを仕掛けてきた。

ジークは何とかそれを防ぎ蹴りを入れて距離をとった。

体勢を立て直すと今度はジークが仕掛けてきた。

それでもレオンは慌てず最小限の動きで攻撃をかわし反撃をする。

ジークも何とか食らいついていく。

観客は、余りにもハイレベル過ぎる試合に皆息を飲む。

それは、ヴィヴィオ達も一緒だった。

 

「す、スゴイ・・・」

「う、うん・・・」

「ジーク選手相手に押してる・・・」

「レオンの奴、少し見ない内にもっと良くなってやがる・・・」

「ですが、ジーク選手も負けていません・・・」

 

チームナカジマも驚くことしかできない。

あれだけの動きをするレオンとそれについていくジークもお互い負けていない。

 

 

 

 

 

「(アカン・・・。威力がありすぎてさっきから手や腕がちょいちょい痺れる・・・。

  なんて馬鹿力やねん・・・!!)」

 

ジークは、レオンの攻撃をまともに受けて防いでいる。

その威力を殺しきれておらず腕等に痺れが来てしまっているのだ。

余りの威力にどう対処すればいいのか策を練るも悉く打ち破っていく。

その強さや経験は、今まで戦ってきた選手の比じゃない。

するとレオンに僅かな隙を見つけた。

 

「(今や!!)シュペーア・ファウスト」

 

カウンターを仕掛けてボディーブローを仕掛けるが同時にレオンは体を捻ってジークのボディーブローを躱した。

 

「(これでもダメなん!?)」

「(ココだ!!)」

 

レオンは、ここぞとばかりに一気に攻め立てる。

 

 

全集中 炎の呼吸

 

肆ノ型 盛炎のうねり

 

 

レオンを中心に炎が纏いそのままジークを斬り飛ばし煙が舞いそのままリングアウトした。

リングアウトすると同時にカウントダウンが始まった。

レオンは、そのまま警戒を怠らない。

するとカウントが止まり煙が晴れるとジークがリングの中に入ってきた。

 

「・・・まだ、負けへんで!!」

 

レオンは、何も言わずに剣を構えるが1stラウンドが終了しインターバルに入る。

 

 

 

 

 

ジークは、ドサリと息切れをしながら座る。

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

「チャンピオン!大丈夫ですか!?」

「・・・大丈夫や。ホンマにレオンスゴイわ」

 

エルスが用意してくれたスポーツドリンクを口に含む。

 

「こりゃあ、ウチもウカウカしてられへん・・・。

(最悪の場合、エレミアの神髄を・・・)」

 

レオンも、遠目でジークの様子を見ていた。

 

《主人、何やら浮かない顔をしておられる》

「いや、気を引き締めないとなって。特に、アインハルトと試合をしていた時の状態」

《エレミアの神髄、でしたね?》

 

時は、アインハルトとジークの試合後にまで遡る。

 

 

 

 

 

『エレミアの神髄?』

『せやねん・・・』

 

ジークの話によると命の危機に直面した時に発動するある種の防衛モードと言える。

この状態に入ると殆ど無意識で戦う為、その力を殆ど使いこなせていない。

一番最悪なのはインターミドルで安全面を考慮して肉体のダメージを疑似的に再現するクラッシュシュミレート設定というものがありそれを超えて相手の肉体に実際のダメージを与えてしまう事もありえる話なのだ。

ジークは以前、人体を破壊できる程の威力のイレイザー級魔法を伴った打撃を繰り出してしまい、相手を大怪我させてしまった事がありそれがトラウマになっているのだ。

 

「彼女の力を俺が超えることができれば精神的に余裕ができるだろう」

《そういうことですか》

「後、ホームレス生活を脱却させる」

《・・・主人、目的がずれているのでは?》

 

そんなこんなで、試合が再開する。

レオンは、一気に勝負を仕掛けに入った。

 

「ジークには悪いが速攻で終わらせる!!」

 

 

全集中 炎の呼吸 奥義・改

 

 

呼吸をすると同時に炎熱の魔力を貯める。

そして、ジークの懐に入る。

 

 

紫電獄炎斬

 

 

炎を纏った刀は、そのまま振り下ろされた。

ジークはそれを防いだ。

 

「!?」

 

思いがけない状況に陥り、レオンは動揺してしまった。

そして、ジークのフェイントを受けてしまった。

受け身を取って、衝撃を和らげジークの方を向く。

 

「ジーク・・・。まさかお前・・・!」

 

レオンは、ジークの纏っている雰囲気をどこかで感じる様になった。

いや、一度感じているのだ。

以前、アインハルトと試合をした時、透き通る世界で見た脈の動きが見た当時そのものだった。

 

「スサノオ。気を引き締めるぞ・・・」

《主人。まさか、ジーク殿は・・・》

「ああ。発動したんだよ。

 

 

 

 

 

エレミアの神髄がな・・・」

 

ジークの纏っている雰囲気に冷や汗をかきながら構える。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 28 日輪の剣舞

今回でインターミドル決勝戦は終了となります。


では、どうぞ。


インターミドル決勝戦。

レオンとジークの対決が始まり第2Round。

第1Roundは、レオンがジークをリングアウトにさせ終了したがジークはエレミアの神髄を発動させレオンに冷や汗を流させる。

エレミアの神髄は、一種の防衛モードのようなもので一度発動するとジークの意思に関係なく攻撃をする。

この出来事で、ミカヤさんは、重傷を負ったとジークの話から聞いた。

エレミアの神髄のことを聞いているレオンは、ここからが本当の戦いだと自分に言い聞かせ目の前の敵に剣を構える。

お互いが睨み合いをする中、ジークが先に動いた。

 

 

ケヴェイア・クーゲル

 

 

周囲に大量の魔力弾を生成し一気に発射された。

レオンは、透き通る世界で軌道を読み取り必要最低限の動きで躱す。

しかし、量が多すぎるため全てを捌ききることはできず数発受けてしまった。

それでもバリアジャケットの表面が掠れた程度な為、それを躱しきるレオンも大概である。

その様子を見ても特に反応せず攻撃を仕掛ける。

 

 

シュペーア・ファウスト

 

 

今度は、ジークの拳に魔力が籠り纏った拳で攻撃を仕掛けた。

レオンは、それを捌き切り反撃に出た。

 

 

全集中 水の呼吸

 

壱ノ型 水面斬り

 

 

水面斬りで攻撃を仕掛ける。

しかし、ジークはそれを躱し、シュペーア・ファウストでレオンの腹部に一撃を喰らわせた。

一時的な酸欠になりそのまま吹き飛ばされたレオン。

上手く受け身で体勢を整えたがダメージが大き過ぎたかすぐに立ち上がらない。

 

「ゲホッゲホ!!キッツ・・・」

 

呼吸を何とか整えたがジークのラッシュは止まらない。

 

 

ケヴェイア・クーゲルカノーネ

 

 

再び大量の魔力弾を生成しレオンに襲いかかる。

先程と比べると密度がまし威力も上がっている。

するとジークは、この隙を利用し新たな行動に出た。

 

 

ガイスト・クヴァール

 

 

突如、ジークの両手に爪のようなものが現れた。

 

 

 

 

 

場所は変わり観客席。

チームナカジマ達の試合観戦している最中、なのはとフェイト、八神家一同も来ていた。

シャマルは、医療スタッフのメンバーの1人として呼ばれておりモニターの方で観戦している。

そして、レオン達の試合の観戦の最中、ジークの発動させた魔法にミカヤがいち早く反応した。

 

「マズイ!」

「ミカヤさん?」

「どうかしたんですか?」

「ジークが発動させたのは()()()()()()の魔法だ。

クラッシュシュミレートを超えて大怪我してしまう!!」

 

 

「「「!?」」」

 

 

「そんな!?」

 

ヴィヴィオは驚きの声をあげティアナは、心配の表情をしていた。

 

「ランスター」

「・・・シグナム副隊長」

「奴の目を見てみろ」

 

ティアナは、シグナムに促されレオンの瞳を見る。

レオンの目は、未だに闘志に満ちていた。

 

「奴の目は、まだ死んでいない」

「むしろ入ったんじゃねえの?アイツ、かなり気合入れた目をしてるし」

 

シグナム、ヴィータの指摘に幾らか落ち着いたティアナ。

 

「・・・すいません。幾らか落ち着きました」

 

その様子を見てホッとしたシグナムとヴィータ。

 

「(はやてから聞いていたけど結構ゾッコンだな)」

「(ランスターがここまで感情が豊かになったのはウェルキウスの影響だろうな)」

「(まっさか、元スターズの中から初の彼氏持ちがティアナとはな〜)」

 

シグナム、ヴィータは、ティアナがレオンのことが好きだというのははやてが既に見抜いていた。

本人は、剣術関係の話をしていてうまいことカモフラージュしているつもりだが流石の管理局随一の腹黒狸。

既に見抜かれていたようだ。

因みに、なのは、フェイトは全くもって気づいていない様だ・・・。

 

「2人共。どうやらウェルキウスも本気でいくようだ」

 

「「え?」」

 

ティアナ、ヴィータは、シグナムの言葉に思わず首を傾げ試合の方に視線を移す。

 

 

 

 

 

ジークのイレイザー級の魔法を躱すレオン。

ジークの魔法で地面が抉り取られているのを見て思わずゴクリと飲み込む。

そして、ついに攻撃を受けてバリアジャケットを貫通し胸部にクヴァールの攻撃が当たりクラッシュシュミレートを通り越して血が出てしまった。

 

「レオン!!」

 

ティアナは、思わずレオンを叫んだ。

しかし、それでも闘志を燃やすレオンに胸が締め付けられるティアナ。

それに気づかないレオンは体勢を立て直そうとした時、ジークのクヴァールの爪が目の前にあった。

これで終わりだと言っているように見えた。

そして、振り上げたクヴァールをジークは振り下ろした。

ティアナは、思わず目を瞑った。しかし、周囲の人は何も反応しない。

静寂が包まれる中、ティアナはゆっくりと目を開いた。

そしてティアナは、驚愕の表情を浮かべた。

そう、何故なら・・・。

 

 

 

 

 

攻撃が直撃したかのように見えたレオンは、ジークの背後に立って刀を振り下ろそうとしていた。

ジークはそれに気づき慌てて距離を取った。

レオンが振り下ろした剣を躱したジークは、エレミアの神髄を発動させているにも関わらず驚きの顔をしていた。

 

「ジーク、見せてやるよ。これが呼吸剣術全ての始まり。

始まりの呼吸・・・()()()()を!」

 

息を吸い込むレオン。

すると、炎とは別の日のエフェクトが入る。

その圧力に思わずたじろいでしまったジーク。

 

 

全集中 日の呼吸

 

 

弐ノ型 碧羅の天

 

大きく円を描くように縦に切るレオン。

威力のあまり衝撃に巻き込まれたジークは体勢を崩さず何とか持ち直し踏みとどまった。

しかし、レオンの猛攻は止まらない。

 

 

全集中 日の呼吸

 

 

参ノ型 烈日紅鏡

 

 

ジークは、レオンの攻撃を躱したがジークのバリアジャケットに切り傷が入ってしまった。

余りの範囲の広さに驚いたジークは、目を見開いた。

その隙にレオンは、大技を仕掛けた。

 

 

全集中 日の呼吸

 

 

僅かに盛り上がった地面を足場にし一気に上空へ飛んだレオン。

 

 

伍ノ型 陽華突

 

そのまま突きのモーションに入りジークに向けて陽華突を放つ。

それを見たジークは、バックステップで距離を取ったが衝撃で体勢を崩した。

そして、千載一遇のチャンスを見たレオンは、一気に仕掛けた。

 

「(ジーク、これで最後だ!!)」

 

ジークもこれ以上長引かせるのはマズイと感じたのかクヴァールを再展開した。

そして、互いに距離を詰めて・・・。

 

 

全集中 日の呼吸

 

 

生々流転の様に流れる動きで攻撃を躱しジークの間合いに詰め寄ったレオン。

 

 

陸ノ型 日雲の龍・頭舞い

 

 

そして、ジークのクヴァールを叩き斬り・・・。

 

 

 

 

 

ジークをリング外に吹き飛ばし、その勢いで壁に激突した、

煙でジークの様子を見れないレオン。

日の呼吸を連続で使用しすぎたツケが回って来たのか一気に疲労が押し寄せてきた。

ジークの攻撃を受けたダメージもあり立っているのがやっとのレオン。

煙が晴れて、審判はジークの様子を見に行った。そして・・・。

 

 

 

 

 

目をグルグルしながら気絶をしているジークを確認した。

審判がジークがノックアウトの合図を出した。

その確認をした実況者がすかさずアナウンスを入れる。

 

『試合終了!!勝者!レオン・ウェルキウス選手ゥ!!新たなチャンピオンの誕生だァァ!!!』

 

 

「「「ウオオオオーーーーーー!!!!!!」」」

 

歓声が会場内に響く中、レオンは、いつの間にか意識が途切れた。

 

 

 




戦闘回はここまでとなります。


しばらくは、日常回を投稿後、GOD編に突入しますので今しばらくお待ち下さい。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 29 お互いの心

今回でインターミドル編が終了します。


では、どうぞ。


「う、ん・・・?」

 

レオンが意識を取り戻すと真っ白な天井が目に入った。

 

「ここ、どこ?」

「レオン」

 

声が聞こえるとティアナが椅子に座っていた。

どうやら見舞いに来ていた様だ。

 

「ティアさん・・・」

 

レオンが何か言おうとした時、突如ティアナがレオンを抱きしめた。

 

「て、ティアさん!?」

・・・バカ

「えっ?」

「このバカ!試合終了して気を抜いて倒れるとかバカじゃないの!!」

「えぇ!?普通お疲れ様とか労いじゃないんですか!?」

「タダでさえハラハラしながら見ているコッチの身になりなさいよ!!」

「理不尽過ぎません?!」

 

いきなりバカ呼ばわりされて終いには理不尽な言われよう・・・。

覗き込んでいたシャマルさんは苦笑いを浮かべるしかできなかった。

 

「・・・ジークがイレイザー級の魔法を使った時、コッチがどれだけ心配したと思ってるのよ」

「・・・それでも、俺はアイツを倒すには日の呼吸を使うしかなかったですし、それに・・・」

 

レオンは、勇気を振り絞った。

そして、この想いだけは絶対に伝えようと思っていた言葉があった。

 

 

 

 

 

「好きな人にカッコイイ姿を見せたいのは男の性ですから」

 

レオンは言った。

彼女に対して想っている自分の素直な感情を。

そしてティアナは、思わずポカンとした表情をした。

その言葉を理解すると顔が真っ赤に染まり・・・。

 

 

 

 

 

爆発した。

 

ボフン!!

 

「にゃにゃ!!?」

「・・・猫になった」

 

レオンは、驚き唖然としていた。

この様子を見ていたいと思い何も言わずにただ見守っていようと思った時だった。

 

 

トントンッ。

 

 

突如、ドアノックが聞こえた。

シャマルさんが対応しドアを開けるとスーツを着た大会委員会の人が来ていた。

レオンの様子を見に来たと話していた。

シャマルさんに表彰式に出て問題ないと言われインタビュー等も問題ないと言われた。

呼吸を整えていたというのもありタダの疲労で体の負担は最小限に抑えきれたという話だった。

ジークも問題なく意識が戻ったと話していた。

無事に表彰式が終わりこれで新チャンピオンになり選手としてこのまま活動していくかのインタビューで質問された時レオンはこう答えた。

 

「具体的に何なるかは決めていません。

インターミドルで培ったノウハウで選手を育てるコーチにもなる。

あるいはそのまま選手として戦い続けるのもありと思っています。

しかし、それを決めるのは今ではないとも思っています。

私は、まだ17歳の青少年。

なりたい自分が見つからない以上、その道を決めるのは軽率と思っています。

自分が学び、感じ、それで納得した上でその道に進もうと思います」

 

その言葉を期にインタビューは終了した。

因みに、ティアナは、告白されたことでレオンのインタビューは全く耳に入っていなかったとか。

 

 

 

 

 

その後、レオンやジーク世界大会に出場した選手たちの労いを兼ねてパーティが開かれたのだがその場にレオンはいなかった。

選手や彼のファンたちは、レオンを探していたがレオン自身あの様な空気は苦手なためその場から逃げたのだ。

そして、場所はティアナの自宅。

 

「・・・アンタ、パーティはいいの?」

「ああいった所、苦手なのでさっさと逃げるに限ります」

「あはは・・・」

 

ジト目で睨むティアナにレオンは、淡々と話しスバルは苦笑いを浮かべた。

レオンは、あの空気感が嫌だということで隙を見てティアナの元に行き彼女の自宅に転がり込んだ。

食事もまだだったので簡単な出前で済ませた。

ついでにスバルも一緒で彼女達と食事をしている。

 

「それにしても新チャンピオンか。レオン、偉業達成だって」

「まさか、ジークがお礼を言うとは思わなかったけどね」

「・・・」

 

ティアナの言葉にレオンは、少し影を作った。

エレミアの神髄を超えてくれてありがとうと。

それは、彼女自身の力はこれ以上超えることができない諦めもあったのだろう。

しかし、レオンはそれを超えた。ジークはそれが嬉しくてお礼を言ったのだろう。

そして別れ際に再戦を望まれた。

因みに、再戦条件は、ホームレスから脱却したらなと話したらかなりアタフタしていた。

オカン(ヴィクター)を心配させるなと言いたくなったが今度はヴィクターから色々と文句が飛んできそうで踏みとどまった。

そして、夕食を終えて夜勤のスバルはティアナ宅を後にした。

ここにいるのはレオンとティアナの2人だけなのだが・・・。

 

 

「「(き、気まずい・・・)」」

 

 

なぜそういうのかと言うとレオンがティアナに告白したこと、ティアナが返事をしていないことに気持ちの整理がついていないことで色々とドギマギしているのだ。

 

「・・・ねぇ、レオン」

「は、はい」

「私に言った告白・・・」

「・・・勿論本当です」

「・・・そ、そのどうして私なの?」

「その正直な話・・・。

 

 

 

 

 

一目惚れでした」

「・・・へっ!?」

 

まさかの意外すぎる理由に驚いてしまったティアナ。

 

「嘘でしょ!?そんな素振り見せなかったじゃない!」

「いや、もう正直心臓バクバクでしたよ。

タダでさえ綺麗な人で色々とどストライクの人間に対してよく平常心でいられたなって思いますよ」

 

ここまで平常心でいられることでレオンの平常心に驚く他よくよく考えてみるとレオンは偶にティアナと話している時は稀に顔を赤くする姿を見ていた。

対して、なのはやフェイトといった他の綺麗な人たちもいるのに特に何も関心していない様子を見てむしろ驚いた。

 

「(やっぱ色々と規格外だわ・・・)」

 

などと内心呟くティアナだった。

そんな話をしているとティアナは、レオンに視線を向けた。

 

「レオン」

「ティアナさん」

「目、瞑って」

「え?は、はい」

 

何故か、目を瞑ってくれと促された。

数秒後・・・。

 

 

 

 

 

突如、レオンの唇に柔らかい何かが当たる。

レオンは不審に思い目を開くとティアナの顔が目の前にあった。

数秒考えて導いた答えは・・・。

 

「(え?俺、キスされてるの?!)」

 

まさかのキスをされるという事態に陥りレオンは頬を赤く染めた。

物の数秒しかキスしていないはずなのに数時間もしていた感覚に陥った2人。

そしてティアナは、レオンの瞳を真剣に見つめた。

 

「私も好きよ。コレが私の本当の気持ち」

 

そう言われた時、レオンは穏やかで優しい笑顔になった。

 

「未熟者ですがよろしくお願いします」

「こちらこそ」

 

その言葉にお互いの心を温かくしていくかのように互いを抱きしめた。

 

「レオン、やっぱり暖かい」

「ティアさんも暖かいです」

 

こうして夜は更けていった。

この日は、レオンは泊まっていき翌日の朝に帰宅した。

不幸中の幸いは、お互いに休みだったと言うことぐらいだろう。

 

 

 




はい。ようやく2人がくっ付きました。


さて、どうやって弄り倒そうか・・・。
日常回が終わった後、GOD編に入りますので今しばらくお待ちください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 30 スクール・フェスティバル

今回は学園祭の話です。


デート回ムズイな・・・。


恋人関係になり交際を始めたティアナとレオン。

と言っても、特別何かが変わるというわけでもなく今まで通りの日常を過ごしている。

そして、この時期に近づいてくるイベント。それは・・・。

 

「今年の文化祭は逃げるか?」

 

そう、文化祭の季節がやってきたのだ。

秋の中間考査が終了した来月にあるのだ。

正直、ティアさんを誘ったが仕事が被る可能性があると話していた。

その為、別の日にデートをしようと言う話になった。

 

「一応、ヴィヴィオやらアインハルトの出し物には出てくれって言われたけど正直それ以外はなんともな〜」

 

初等部、中等部は基本的には全員参加だが高等部の場合は参加は基本的に自由で出し物も強制されていない。

1人のお客さんとして文化祭を回るのもよし、出し物に参加して文化祭を盛り上げるのもよし。

という感じでそこに対しての縛りはないのだ。

昨年は、逃げようと思った時にクラスメイトの1人がレオンを使って金儲けを企んでいた。

レオンのルックスは、本人は自覚はないがかなりイケメンの部類に入る。*1

オシャレといったものは興味ないが外出する際は変な姿にならないように心がけているためTシャツにチノパンといった基本的ラフな格好で過ごしている。

その姿をクラスメイトが休日に見かけてこの案を使おうとなったのだ。

しかし、レオンが却下しその際に組手で勝負という形になった。

無論、レオンが武術の心得を持っているなんてほとんど知らずいざ戦ってみるとレオンが圧勝。

そのクラスメイトは、他のクラスメイトからは煙たがられていたから寧ろレオンのお陰でスカッとしたと話していた。

その時の出し物は、喫茶店になりレオンは交代制でシフトに入った。

尚、インターミドルの世界チャンプになった事でレオンに喧嘩を売ったら絶対勝てないというジンクスも生まれ下手に粋がる事が出来ないのだ。

と言っても、レオンはクラス関係の事は無関心で余程変なものでない限りは協力はする。

それで今年はレオンのクラスに演劇部に所属している人がいて刀の扱い方を教えて欲しいと頼まれた。

と言っても実物の刀を振れるようにするのではなく本格的な殺陣を行いたいのでそれを監修して欲しいと頼まれた。

殺陣を教えるならまあいいだろうということでひとまず了承。

そして現在・・・。

 

「刀を振り下ろした時の目線はなるべく正面。

で、倒れたら納刀する際は刃の部分は上の方に向ける」

 

レオンは、殺陣の練習をしていた。

監修はレオンと演劇部の演出監督を担当しているもう1名。

レオンが実際に刀を振っている人の目線を見てもらいつつ演劇部の演出監督が実際に指示を出す。

 

「ウェルキウス。この動きをする場合はどうすればいい?」

「この動きはステージ上の動きを鑑みると足場は摺り足がいいね。

激しく動くより緩急を混ぜたほうがいいね」

 

レオンのインターミドルの活躍は功を奏したのか部員たちは特に文句もなくレオンの話をしっかり聞いて物事を進めてくれる。

その為、レオンも比較的やりやすい。

そんなこんなでその日の夜。

 

「ティア。仕事の方は大丈夫?」

『ええ、幸か不幸か別次元に向かう程の任務は当面ないって言われてちょっと安心かな』

 

彼氏彼女の関係になったのか互いにタメ口になっている。

 

「そっか。所でクロノ提督はどうしてるんだ?幾ら休ませたとはいえだいぶ仕事溜まってたんじゃ」

『まあ、うん、と言ってもデスクワークが主体だからそんなに忙しかったって訳じゃないわよ』

 

そんな話をしているとレオンは、ある事に気づいた。

 

「そういえばティア。付き合っているの誰かに話した?」

『いいえ。特に言ってないわよ。急にどうしたの?』

「いや、こんな事言ったらアレだけど何か嫉妬の目が怖いって言うか・・・」

『・・・何かあったの?』

「いや、1つ下の学年の子が告白してきてな・・・」

 

話をダイジェスト化しよう。ティアナと電話しているその前の日。

屋上で告白してきた。そしてレオンは勿論彼女がいると話をした。

その次の日、何処からか流れたかは不明だがレオンが彼女持ちだと発覚。

するとクラスメイトの男子の視線が呪い殺せるかというほどの呪怨が漂っていたのだ・・・。

しかし、女子はむしろ・・・。

 

『そんなんだから彼女が出来ないんでしょ。

少しは、ウェルキウスを見習ったら』

 

と、手痛い指摘をされてレオン以外の男子が意気消沈してしまった。

その後、後に授業に来た先生が物凄く困惑している顔は今でも忘れられない。

 

「という訳です」

 

その話をした後、ティアナは不機嫌だった。

 

「どしたの?」

『・・・告白されたんだ』

「・・・一応、IMの世界チャンプになるまでは告白なんてされてないからな」

『え、そうなの!?』

「寧ろ迷惑だよ。見ず知らずの女生徒の相手をするのも。

向こうは、IM世界チャンプの彼氏っていう肩書みたいなもんが欲しいだけなんだよ」

 

レオンは、それにと言葉を紡ぐ。

 

「俺は、ティア一筋だから」

 

その言葉を聞くと思わず顔を赤くする。

 

『な、何生意気な事言ってるのよ!

あ、明日、朝早いからお休み!』

 

そう言いティアナは通信を切った。

頭を掻くレオンはそのまま就寝しようとした時、一通のメッセージが届いた。

相手はティアナだった。内容は・・・。

 

 

私もアンタ一筋だから・・・

 

 

とだけ書かれていた。

思わず頰を赤くし笑顔を浮かべたレオンだッた。

 

 

 

 

 

そんなこんなで文化祭当日。

 

「さて、何すっかな」

 

そんな感じで出し物を見ていた。

実の所、ヴィヴィオから遊びに来てくれと話をしていた。

 

 

 

 

 

そんなこんなでやってきた初等部。

しかし、レオンは失態を犯した。それは・・・。

 

「・・・地図貰うの忘れた」

 

レオンは、小、中学校時代は地球で過ごしていたため魔法学院の構造は高等部の方しか知らない。

そして今現在地図を見て場所を把握しようとした時だった。

 

「レオンさん?」

「ん?」

 

誰かに呼ばれて声の主の方に振り返ると魔女の格好をしたヴィヴィオを見つけた。

 

「おお、ヴィヴィオ!早速だがその格好は?」

「あ、私達の出し物で喫茶店をやってるんです」

「魔女みたいな格好だな」

「それはそうと!来てくれたんですね!!」

「そして絶賛迷子だ」

「ええ〜・・・」

 

ヴィヴィオは、最後の一言で色々と台無しだという目で訴えた。

 

「案内頼める?お嬢ちゃん」

「分かりました。では、こちらです」

 

ヴィヴィオの先導でヴィヴィオのクラスに向かった。

 

 

 

 

 

彼女のクラスに到着すると顔見知ったメンツ。

 

「ジークとハリー?ミカヤさんまで」

「おお〜。久しぶりやな、レオン」

「久しぶりだな、ジーク。ホームレスは脱却できたか?」

「ホームレス言うな!!」

 

その事を聞いた皆は頭を?にした。

 

「そういやミカヤさん。デバイスの方は?」

「問題ない。無事、修理完了だ」

「なら、近いうちに手合せお願いします」

「望むところだ」

 

そんなやりとりをしていると・・・。

 

「ヴィヴィオ」

「ママ!」

 

振り返るとなのはさんとフェイトさんが私服姿で学園祭に来ていた。

 

「なのはさん達も来ていたんですね」

「うん。お休み取れたんだ」

「レオンは、何か出店してるの?」

「いえ、高等部は自由参加なんです。

ただ、演劇の殺陣のアドバイザーをしました」

「え!レオンさんが殺陣の監修をしたんですか!?」

「見てみたい!!」

「監修なんて大それた事はしてないよ。

演出の監督に所作のアドバイスをしただけだよ」

 

立ち話を続けても良かったが他の人の迷惑になるので席について落ち着いて話を始めた。

ジーク達も一緒にどうだという話になったが練習もあるのでその日は別れた。

その後、休憩時間になりアインハルトと合流し一緒に食事をとるのだが・・・。

 

「アインハルト。そっちの子は誰だ?」

「私のクラスメイトのユミナさんです」

「は、初めまして!ユミナ・アンクレイヴです!!

よろしくお願いします!!ウェルキウス先輩!」

「レオン・ウェルキウスだ。よろしくな」

「さて、お互いの挨拶も済んだしお昼にしよっか」

 

なのはさんの一声で皆が食事を始めた。

意外だったのは、リオの地元ルーフェンで出されている食事を食べさせてもらった。

 

「中華料理みたいだな」

 

と、見た目の感想はそうこぼれた。

味は大変美味でした。

 

 

 

 

 

場所は、演劇ステージ。

レオンは、大慌てで舞台裏に駆けつけた。

その理由は・・・。

 

「大丈夫か!?」

「ゴメン。チョットミスった・・・」

 

何と、舞台中に足を痛めてしまったのだ。

その人物は、殺陣役の人物でレオンによく剣の扱い方を教えてもらっていた。

レオンは、その人物に近寄り足を触る振りをして透き通る世界で足を見る。

 

「捻挫しているな・・・。

この怪我じゃ、舞台は上がれないな」

「・・・そんな!」

「・・・それでもやる!」

「でも、その怪我じゃ」

「構うもんか!やっとできた舞台なんだ・・・。

俺にとっての恩返しなんだ!

その恩返しができなくなっちまう・・・!」

 

劇団の悔しがり震える声を聞く一同。

するとレオンは、無言でその刀を見つめてその刀を手に取った。

 

「ウェルキウス?」

「俺が舞台に立とう。お前の役割は、剣の扱いだけだろ?」

「お前、正気か!?」

「この殺陣。一応、俺も監修してるんだぞ。

動きだけだったら問題ない。セリフは?」

「いや、俺の役は剣士のエキストラみたいなもんだ」

「具体的にどう立ち回ればいい」

「とりあえず無双する剣士だけど・・・」

「それだけで十分だ」

 

レオンはそう言うと舞台衣装を纏い準備をする。

 

 

 

 

 

時を少し遡り場所は学院の駐車場。

ティアナが仕事は翌日に回しても問題ないほどの量になったので行ってこいと言われたのだが・・・。

 

「まさか、バレていたなんてね・・・」

 

そう、ティアナが彼氏ができたというのはどこからかバレたのだ。

そして、上司が残業を強要してきたら他の上司と同僚が結託しティアナを行かせるように仕向けたのだ。

因みに、このことで残業を指示した上司は、パワハラ未遂でお叱りをくらい降格させられたのは知る由もなかった。

 

「レオン。どこにいるのかしら・・・?」

「おい、今回の演劇にIMの世界チャンプが出るって?」

「ああ、しかも今回はそのチャンプが監修しているって話だ」

「行こうぜ!」

 

男子生徒の話を聞きまさかと思いティアナもそのステージに向かった。

 

 

 

 

 

演劇ステージに到着しステージの方を見るとそこにいたのはまさに侍だった。

ちょうど、劇はクライマックスを迎えていた。

 

「よもやよもや。このようになるとはな・・・」

「コレもまた、運命(さだめ)か。容赦はせぬ!」

「いざ」

 

「「参る!!」」

 

お互いに斬り合うレオンと演劇部員。

相手は、魔法補助でレオンの動きについていけてるがレオンは魔法無しで動いている。

この役は、レオンが敵を倒しそのまま去るというのが流れである。

そして、敵を倒したレオンは刀を納刀しその場を去った。

 

『こうして宿敵には倒れた。しかし、彼の戦いは終わらない。

どこかで新たな敵と戦っているかもしれない』

 

こうして、無事に終幕しそれぞれの挨拶となった。

 

「今回の舞台のスペシャルアドバイザー&スタントマン。レオン・ウェルキウス!!」

 

そう言われレオンが手を振りながら全体を見ていた。

 

『以上をもちまして学園祭は終了いたします。終演のセレモニーは校庭での聖歌斉唱を行います。

ご来賓のお客様はお時間がございましたら是非お立ち寄り下さい』

 

 

 

 

 

セレモニー開始の数分前、レオンは、ジュースを片手に一息ついていた。

ティアナは、そのまま彼に声をかけた。

 

「レオン」

「ティア!?仕事は?」

「何とかなったわ。それより劇に出るなら教えなさいよ」

「いや、今日決まったことでしたから教えられませんよ。

正直、今回だけでもう十分ですよ」

「その割には楽しそうだったけど?」

「・・・しんどかったよ」

 

レオンのゲンナリな様子を見てコレはマジだと納得したティアナ。

 

「・・・まあ、カッコよかったわよ。アンタの剣舞」

「・・・ありがとう」

 

そして、皆で聖歌を歌いティアナに自宅に送ってもらいその日は終了した。

しかし翌日、レオンはティアナのことについて問い詰められるとは思ってもみなかった模様。

 

 

 

*1
本人は自覚なし




今回はここまでとなります。
それと当小説がお気に入りが400件超えました!
いつもありがとうございます。


誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 31 レオンの愛刀と人喰い鬼

タイトル通りです。
と言ってもレオンの話からしか出ません。


では、どうぞ。


学園祭の終了した翌日。

現在、レオンはミカヤとともにトレーニングに励んでいた。

相変わらずレオンの剣術は凄まじくギャラリーのジーク、ヴィクター、ハリー、エルスは言葉が出ない。

なお執事のエドガーは、ミカヤの道場の厨房を借りて昼食の準備を進めている。

そして今、ミカヤと木刀で鍔迫り合いをしているレオン。

 

「相変わらず凄まじい技量だ。

こちらから致命傷を与えられないとは・・・」

「それは、どうも・・・!」

 

ミカヤの木刀を斬り払うとレオンは距離を取った。

 

 

全集中 雷の呼吸

 

壱ノ型 霹靂一閃

 

 

ミカヤの目の前から消えて瞬時に懐に入り込み首筋に木刀を当てる。

 

「・・・完敗だ」

 

ミカヤが両手を挙げて降参の意を示した。

そして、午前の部が終了し皆で食事をすることになった。

 

 

 

 

 

食事をしている時、エルスはふと気になったことをレオンに尋ねた。

 

「レオンさん。実は聞きたい事がありますの」

「何だ?」

「レオンさんが、技を発動する際、刀身の色が変わるのはなぜですの?」

 

「「「ああ!!」」」

 

「そういやそうだった!あれ何なんだ!!」

「ああ〜そういや話してなかったな」

「教えてくれるん?」

「いいけど、ノーヴェさん達が午後から来るみたいだけどどうする?」

「その時に皆さんにお話ししましょうか。

今話すのは二度手間になるでしょうし」

 

ヴィクターの提案で皆が来てから説明することになった。

 

 

 

 

 

その後、チームナカジマとミウラが合流しレオンの剣に話になった。

 

「さて、メンバーが揃ったし説明でもしますかね」

「それじゃあ教えてくれよ。お前が使っている刀について」

「まずは、この刀は日輪刀と言って別名色変わりの刀と言われています」

 

「「「色変わりの刀?」」」

 

小学生トリオの3人とミウラは頭を?に浮かべていた。

 

「基本的な刀身って色はシルバーに近いですけどこの日輪刀は握る人によって刀身の色が変わるんです」

「本当か?」

「正直、疑い深いわね・・・」

「変身魔法で色を変えるならわからんでもないけどな」

 

ハリー、ヴィクター、ミカヤの3人は疑いの目を向けられていた。

 

「なら握ってみます?」

 

というわけでレオンが使っている日輪刀を触らせてもらうことになった。

 

「んじゃ、まずはハリーだな」

「どうせ色なんて変わんねえよ。俺が証明してやる」

 

なぜか意気込むハリーは日輪刀を握ったのだが持ち上げ刀身を見る。

すると、薄っすらと赤色に染まった。

 

「え!?」

「本当に色が変わったわ・・・」

「コレは炎の呼吸だな」

 

などと皆がマジマジと見つめている中、ジークはある事を思い出した。

 

「レオンの適正呼吸って何なん?」

「俺か、俺は・・・」

 

ハリーに刀を返してもらい刀を握るレオン。

すると刀身が真っ黒に染まった。

 

「黒いな」

「黒いわね」

「レオン。黒色何てあったのか?」

「コレは日の呼吸。ジークと戦った時に使ったアレだよ」

「凄まじい威力だったわね・・・」

 

ヴィクターは、レオンの呼吸剣技を思い出していた。

 

「レオン。この剣術は、地球の?」

「えぇ。そうですよ」

「コレは一体何と戦うために生まれた技だ?」

「・・・」

 

ミカヤさんの指摘で思わず黙り込んでしまったレオン。

 

「・・・あまり聞いてていい話ではないですが、分かりました。

お話ししましょう。この剣術は、()を斬る為に生まれた剣術です」

 

 

 

 

 

「鬼というのは?」

「地球の空想上の生き物ですよね?

悪い子はいねーかー?って」

「・・・そんな生易しいものだったらよかったな」

「えっ?」

「あまり聞いてていいものではないですからね」

「・・・わかった。言い出したのは私だ。腹を括ろう」

「そうね。レオンが真剣な表情は余程の事だもの」

 

こうして、今度は鬼に対しての話になった。

 

「そもそも鬼とはなんだ?」

「鬼の首領。鬼舞辻 無惨を始祖とし

 

 

 

 

 

()()()()()()()()です」

 

 

「「「?!!」」」

 

「人間を・・・」

「喰らうって・・・」

 

衝撃すぎる内容に思わず言葉を失ったリオとミウラ。

 

「その鬼を狩る、鬼狩りの剣士と呼ばれた組織。

鬼殺隊。その鬼殺隊達が使っていた剣術が呼吸剣技です」

「・・・そうか。あのデタラメな能力はその鬼を狩る為に用いられた技だったのか」

「なあ、その鬼って何で人を喰らっているんだ?」

「人間は、他の生物と比べると一番栄養価が高いんだ。

人が襲っているのは人間が美味い。それだけだ・・・」

「そんな・・・」

「レオンが剣術を磨いているのって、もしかして・・・」

「ああ、勘違いしないでほしい。鬼はもう数百年前に滅んでいる」

「な〜んだ」

「よかったです」

 

すると、今度はジークがストップをかけた。

 

「れ、レオン。数百年前って割と最近よな?」

「えぇ、地球の年月で言えばそうなります。

そして、鬼と鬼殺隊の戦いは1000年以上続いていたと記載されていました」

「せっ・・・!?」

 

ジークはあまりの年月に絶句してしまった。

 

「大丈夫だろ。俺の魔法で一網打尽にしてやるぜ!」

「鬼は再生能力がある。普通の攻撃では倒せない。

終いには食われるのがお前になるぞ」

「じ、冗談だって。そんなにマジになんなよ・・・」

 

ハリーは、レオンの気迫に思わずアタフタし宥めた。

レオンは思わずため息を吐いた。

 

「鬼ってそんな能力を持ってるの?」

「それだけじゃないです。人間を喰らい続けると血鬼術という特殊な技を使うようになります。

中には、セインさんみたいなディープダイバーだったり蜘蛛の糸を使ったりと様々な技を使う奴もいたとのことです」

「マジか・・・」

「でも、倒しては来たんだろ?」

「はい。そこで出番だったのはこの刀です」

 

レオンはそう言い日輪刀を見せた。

 

「さっきレオンが見せてくれた刀ですわね」

「鬼を倒すには日の光、太陽の光を当てて消滅。或いは藤の花にある毒で毒殺。そして、この刀で頸を斬るかのどれかになります」

「レオン、何故その刀なのだ?普通の刀ではダメなのか?」

「日輪刀の素材は陽光山という太陽に近い山で採取される猩々緋砂鉄(しょうじょうひさてつ)と呼ばれる特殊な鉱石で刀を作ります」

「そうか、日の光を浴びた鉱石だから頸を斬って倒せるってわけか」

 

ノーヴェはレオンの話を聞いて納得した表情を浮かべた。

 

「なんか、とんでもない話を聞いちまったな・・・」

「えぇ。滅んだとはいえ常識を超えた存在がいるというのは恐ろしいですわね」

「ところで、レオンさんは何で剣術を始めたんですか?」

「特に深い理由はないよ。剣術に興味があったから学んだ。それだけだ」

「本当か?」

「は?」

 

ノーヴェが何処となく疑ってきた。

 

「ついこの前、ティアナと外出しているの見かけたけど本当に興味があっただけなのか?」

 

なんか妙にニヤニヤし始めたり一部の人は目をキラキラし始めた。

 

「別に知りたいのならいいですけど、全員俺に勝てるのならいいですよ」

「おっしゃ、言質とった!コイツを倒してティアナの秘密全部はかせるぞ!!」

 

 

「「「おお〜!!」」」

 

 

と意気込んでいたが、レオンの実力の前では全員地に伏してしまったのだった。

 

「化け物が!」

「ハリー。もう一戦やるぞ」

「すいませんでしたー!!」

 

相変わらずレオンの身体能力は人間をやめているという瞬間だった。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。
それと、この小説が今年最後の投稿と成ります。
拙い文章ではありましたがご愛読ありがとうございます。
来年もよろしくお願いします。


誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3章 THE GEARS OF DESTINY編
Memory 32 剣士、過去へ


少し遅いですが明けましておめでとうございます。


今年最初の投稿となります。


唐突だがレオンは空にいた。

 

「〜〜〜〜〜〜〜あああああああああああ!!!!!????」

 

何故このことになっているのかそれは数分前に遡る。

普段の鍛錬を終えて自宅でのんびりしていた時、突如時空の歪みが発生しレオンはそれに巻き込まれてしまった。

強烈な光で視界を奪われ思わず目を瞑っていたが目を開いたら気づいたら空にいたのだ。

 

「す、スサノオ!セットアップ!!」

《心得た》

 

レオンの体に光に包まれそのまま地面に激突した。

土煙の中、レオンは手を払いながら土煙のないところに出た。

 

「ゲホッゲホ!なんだったんだ・・・?」

 

レオンは、あまりの出来事の連続で事態を飲み込めていないようだった。

 

「スサノオ。ここがどこだかわかるか?」

《検索を開始します。少々お待ちを》

 

そう言いスサノオは、周辺の検索作業を始めた。

レオンは、近くに休めるところがないか探した。

すると、レオンは近くの木々を見つけ身を隠した。

 

《(主人、如何なさいました?)》

「(誰か来る)」

 

そう言いながら空から降りてきたのはシグナムだった。

 

「アレは・・・シグナムさん?」

 

レオンは、彼女の様子を見ながらなるべく距離を取っていた。

すると・・・。

 

ペキッ!

 

「!?」

「誰だ!」

 

シグナムは、レヴァンティンを抜刀し警戒をする。

レオンは、バリアジャケットを解除し両手を広げて彼女の前に現れた。

 

「・・・地元の人間か?お前、名前は」

「(俺の名前を知らない?・・・少し探ってみるか)レオン・ウェルキウスです」

「では、ウェルキウス。何故、ここにいた」

「ココ近くに大きな光が見えたのでそれを見に来たんです」

「そうか。ここは危険だ。早く離れたほうがいい」

「は、はい。ありがとうございます」

 

レオンは、下手に聞くとややこしいことになりそうだと思いその場から離れようとした時だった。

すると突如、背後から殺気を感じ取り慌てて距離を取った。

 

「いきなり何を!?」

「このレヴァンティンを見て何の反応がないことが気になってな。

今この場から離れようとした時の足捌きは武術を嗜んでいる動きだった。

両手を上げた時に見えた手の肉刺(まめ)

明らかに剣の類を使ったものだ。

そしてその目、明らかに実戦を積んだ目だった。お前・・・何者だ」

 

少し見ただけでここまで見抜かれるとは思っていなかったことにレオンは内心舌打ちする。

 

「大人しく付いてきてくれれば悪いようにはしない。同行願おうか?」

《(主人)》

「(スサノオ。こんな時になんだ?)」

《(周辺の検索を終了したらここは地球の海鳴市。しかも14年前のようです)》

「はあ!?」

 

レオンは思わず声を上げてしまった。

シグナムは思わずビクッとなってしまった。

 

《(我々は過去に強制介入しています。このままでは歴史に歪みが生じる可能性があるかもしれません)》

「(シグナムさんには悪いけど、ここは逃げるしかないな・・・)」

 

レオンは、隙を見て離脱の準備を始めた。

 

「悪いが逃がさん!!」

 

シグナムは、こちらに仕掛けてきた。

 

全集中 日の呼吸

 

レオンは、シグナムから距離を取り高速で移動する。

シグナムは、狙いを定めてレオンに攻撃をした。

 

「そこだ!」

 

拾壱ノ型 幻日虹

 

しかし、シグナムが捉えたのは残像でレオン全てが消えてしまった。

 

「消えただと!?レヴァンティン!」

《標的消失しました》

「・・・そうか」

 

シグナムは、レヴァンティンを納刀した。

 

「奴は一体・・・」

 

シグナムは、そう呟きその場から飛び去った。

レオンは、周辺の草むらから覗き見ていなくなったことを確認した。

 

「行ったか・・・」

 

レオンは安心してその場に座り込んだ。

 

「とにかく、俺が過去に飛んだ原因を見つけないと」

 

そう言いレオンはその場から消えた。

 

 

 

 

 

周辺を散策し、空に何かいると感じ取った。

空を見上げると見たことのない赤色の髪をした少女が飛んでいた。

その後ろに桃色の光が見えてレオンはスサノオのモニターでズーム機能を利用しそれがなんなのかを確認した。

確認すると赤色の髪の少女は分からないが桃色の方はなのはさんだというのはハッキリした。

 

「なんか説得しているみたいだな・・・」

《主人、手掛かりがないと考えると彼女に接触するのもアリかと》

「・・・シグナムさんの時の方が良かったんじゃないか?」

《しかし、情報が集まらない以上、下手に行動しても消耗するだけです》

「確かに、情報が集まらない以上、管理局に手を借りた方が良いか・・・。仕方がない」

 

レオンは強引に納得させ急いで彼女たちを追いかけた。

しかし、レオンは巻き込まれたのは自分だけでなく()()()も時空を飛んでいるというのに気づいていなかった。

 

 

 




今回はここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Memory 33 過去へのコンタクト

コメントが思いつかないのでこれだけです。


では、どうぞ。


赤色の髪の少女、アミティエを追いかけていたなのはは、何とか彼女の話をしてもらえるよう掛け合っていた。

 

「申し訳ありません!

今はお役所仕事にお付き合いしている時間はないもので!!」

「え?でもすぐに終わらせませますから、安全とかもありますし・・・」

「緊急事態なのですみません!!」

 

そう言いアミティエは、逃走した。

 

「あ、待ってくださーい!」

 

なのはは、そう言いながらアミティエを追いかける。

レオンは、その様子をモニター越しで見ていた。

 

「アレがなのはさんの少女時代・・・」

《バリアジャケットのデザインはさほど変わりませんでしたね》

「信じたくなかったけど、こうも現実を突きつけられると・・・」

 

レオンは目の前の現実を受け入れるのに時間がかかってしまったが下手したら元の世界に戻ることができなくなってしまう。

 

「幸か不幸か、仕事でしばらく連絡できないって話していたけど早めに事態を終息したい・・・」

 

それは、彼女(ティアナ)を心配させたくないという思いもあったのだ。

連絡がつかないとなると心配してしまうということだ。

 

「とにかく、動かないと。行くぞ、スサノオ」

《心得た》

 

レオンはバリアジャケットをセットアップし、魔力で足場を作り高速移動でなのはを追いかける。

 

 

 

 

 

場所は変わり上空。

なのはは、アミティエの話を聞きたいため事情聴取のようなことをしようとしたがアミティエはそれを拒否。

逃走を図るもなのははそれを追跡した。

そして、アミティエは、意を決しなのはを迎撃した。

しかし、流石は未来のエースオブエース。

彼女の魔法の才能は簡単に凌駕しそれに応戦する。

そして、互いに激突し合っているとレイジングハートとアミティエの銃が互いに突きつけられた。

 

「お話を聞きたいだけなんです。戦うつもりはないんです」

「すいません。こちらにも事情がありますので!」

 

そう言うとアミティエは、なのはから距離をとり光弾を放つ。

なのはは、防御魔法で攻撃を防いだ。

その隙にアミティエは、なのはの背後に回り攻撃を仕掛けようとした。

なのはもこの時はやられると感じ取った次の瞬間・・・。

 

 

 

 

 

全集中 水の呼吸

 

 

漆ノ型 雫波紋突き

 

 

「!?」

 

アミティエは、突如第三者から仕掛けられた攻撃を交わした。

なのはも急なことで何がなんだか理解できていないようだった。

すると今度は、アミティエに向けて様々な刃が飛んできた。

アミティエは、何とかそれを交わし距離を取った。

そして、彼女達の前にレオンが現れた。

 

「小さい女の子に銃向けるのは些かどうかと思うが」

「あ、貴方は・・・?」

「もしかしなくてもなのはさんですよね?」

「え?は、はい」

「こちらの事情を話したいので手伝っていいですか?」

「え?え?」

 

なのはは、唐突の乱入に頭を混乱させていた。

 

「まあいいや。というわけで赤髪のお嬢さん」

 

レオンは、刀をアミティエに突きつけた。

 

「一戦。よろしいですか?」

「・・・それは、私がやるべきことを終えてからでお願いします」

「1人でできることはたかが知れていると思いますけど?」

「それでも止めないといけないんです!!」

 

大量の光弾がレオンに向けて放たれた。

 

「危ない!!」

 

なのはは、前に出て防御魔法で攻撃を防ごうとした時、レオンは手を出しそれを止めた。

 

 

全集中 水の呼吸 拾壱ノ型

 

 

 

 

 

 

レオンがそうこぼした言葉と同時に水が一滴触れた音が聞こえた。

するとレオンに向けて放たれた光弾は直撃せずそのまま真っ二つに切られていった。

なのはは、レオンが()()()()()()()ようにしか見えなかった。

凪は、常人の目では追えないスピードで光弾を切っているのだ。

そのため、なのはは、何もせず光弾を打ち消しているということに見えるのだ。

アミティエは、なのはと同じようにこの光景を見て内心、かなり焦っていた。

そして、目くらまし用の光弾を放つと周囲が光に包まれた。

視界を奪われたが強烈な光が収まるとアミティエが消えていた。

 

「逃したか・・・」

 

そう呟くとレオンは刀を納刀した。

 

「すみません。貴方は一体・・・」

 

なのははレオンに呼びかける。

 

「レオン・ウェルキウス。レオンと呼んでください」

 

 

 

 

 

場所は、アースラの取調室。

現在、アースラクルーの人がレオンの事情聴取をしていた。

取調の様子をクロノとリンディが別室で見ていた。

 

「未来から来たね・・・。あまり信用できないだけど・・・」

「彼のデバイス情報を見た所、強ち嘘ではないみたいです」

 

クロノがそう言うとリンディにデータを見せる。

それは、スサノオとレオンのパーソナルデータだった。

 

「彼は、元の世界に戻る手がかりが欲しいのかしら」

「だから、戦闘中のなのはの元に向かった」

 

そして、リンディは少し思案する。

 

「一先ず、私が話してみるわ」

 

そう言いながら部屋を出てレオンの元に向かった。

 

 

 

 

 

「民間協力ですか?」

「悪くないと思うわよ」

 

取調が終わるとアースラの艦長、リンディ・ハラオウンがレオンに民間協力の提案をしてきた。

レオンが元の世界に戻る方法を探して貰うことを条件に事件解決のために協力してくれないかと提案された。

レオンは、考えた。

 

「それと、つかぬ事を聞くけど何故接触を拒んだの?」

「ああ、まあ、実のところ、これは推測も混じってるんですけど未来から来た人間が過去に悪影響を与える可能性があるからです」

「悪影響?」

「俺自身が過去に来た原因で歴史に乱れが生じて本来の歴史に悪影響を与えてしまう可能性があるからです。

例えば、貴方のお子さんが管理局ではなく別の仕事をしたり貴方が執務官として働いているという本来の歴史から外れたことが起きるということです。

俺とスサノオ、デバイスの名前なんですけどそれを危惧して貴方達の接触を避けたんです」

「そういう事だったのね・・・」

 

リンディは、レオンの考えに納得した。

 

「事情はわかりました。後は私たちに任せて」

「申し訳ありませんが、俺もこの事件に僅かながら片足を突っ込んだ身。

事件の犯人を捕まえるのを手伝わせてください」

「・・・危険を伴うわよ?」

「男なら多少の無茶はするもんでしょ?」

 

レオンの不敵な笑みにリンディは思わず苦笑いを浮かべた。

 

「わかったわ。民間協力ということで貴方の力を貸してもらうわ」

「ありがとうございます」

 

こうして、レオンは管理局と協力関係を結ぶことが出来た。

 

 

 




今回はここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。