ベガ大王、エータに関する話

ベガの感想欄を読みながら、皆さんが不快に思ったり、自国民にこんな事をするなんて、人間奴隷とか文明人なのにおかしいとの指摘がある度に、「ああ、皆さんは健全な精神を持ち合わせておられる」と安心しました。
同時に「すっかり人間だって思い込んでる。盲点なんだろうか、彼らがカレル・チャペック式の合成人間体であると思い至らないのは」と愕然としてしまったのもあります。
ネタバレになるので言い出せませんでしたが(「いや、ちゃんと裏設定があってこうなんだよ」と何度書きたかったか)、返信で〝人〟扱いされてないんですよ。ええ、人間だったら良かったんですけどね。とか匂わせていたのに、案外、気が付かない物なんですね(ただ、この方は労働ロボットの事に言及なされていて、おお「鋭いな」と感心しましたが)。

感想欄で「悪虐を自国民にやってる」との声がありましたが、エータは自由民にとっては単なる家畜程度の認識なのです。つまり〝人〟ではない〝所有物〟です。
言うなれば『ゴワッパー5』に登場するネンドロイドや、第24話で例に挙げた『グリーン・ブラッド』的な、有機アンドロイドに過ぎません。
故に人造生命体に対して無慈悲になれるのですよ。

我々が牛馬や鶏を使役や屠殺しても何ら罪悪感もない。可哀想との感覚を持つ者は居ますが、「自分の目に映らない範囲ならば、仕方ないとして目を瞑るよ」と認識されているのが大半でしょう。
せいぜい動物愛護の精神がある人が反対を唱える程度です。
そして、その人が「さぁ、悪虐な人間から解放してあげる」と檻を開けて家畜を逃がしたら、〝頭のおかしい異常者〟として認識されると思います。
まして「家畜も人間並みに扱うべきだ」とやったら、徳川の犬公方並みに、普通の人々から嫌悪される事でしょう。
愛玩動物と違い、家畜の使役や屠殺は人類社会を構成する必要悪ですからね。
エータも人型をしているだけで、フリード星人からそう取られているだけなのです。
え、「亜人にだって感情があるだろ」ですって?
うーん、あたかも『ボルテスV』で角の生えた異星人が「地球人にも愛情がある」と述べたら、「あんな下等な生命体が高度な感情なんかある訳が無い」と嘲笑される様な反応が、フリード星人から返って来るだけでしょう。

労奴として使われるハークの一つ下の存在。
人じゃ無いから、何やっても良いんだ。
壊れればまた造れば良い。
そんな思想がフリード星人にはあったりします。傲慢ですが神様視点で「自分達は創造主であり、彼らは被創造物なのだ」と見てたりするんですよ。選民思想でも何でもありません。「物と一緒にされては困る」ってプライドですからね。

処刑ゲームにしても彼らにとって処理施設に送られるエータから無差別に抽出して、こうしたゲームをやってるだけなんです。
むしろ「最後に娯楽の為に役立ったから名誉」だと考えられてたりするのです。
無論、ああ言う射的形式だけでは無く、馬や車に乗ってハンティングする狩猟ゲームみたいな物もあります(『狼少年ケン』のOPか、『銀河鉄道999』の機械伯爵ですな)。

エータについては以上ですが、もう一つの賤民ハークについての差別意識はまた別の所から来ています。が、これはネタバレになるので追々に。


日時:2018年02月21日(水) 04:16

<< ベガ大王を章分けしてみました。 エータに関する話、トランス24時さんへの返信 >>

▼コメントを書く

返信コメント

トランス24時

なるほどなー
しかしフリード星には自分たちと大差ない容姿の生物をつくるのに抵抗ないのかなー?地球だと偶像否定論だとかあるけど
えーとあと真っ当(?)な身分と同じ有機生物だと食料のリソース減るのではと思ったり
一族とあるけど繫殖力はないのかな?とか
今後語られるかなー


日時:2018年02月23日(金) 21:05



返信

    現在:0文字 10~1000文字