完結を迎えて

 今まで数作書いた事はありますが、完結は初めてなので感慨深いです。

 『続編書かないの?』と訊かれましたが、正直迷ってます。
 キリのいいここで終わらせるか、それとも蛇足覚悟で後日談を書くか……。
 書くとしても、目鼻をつけてからになるのでかなり先になりそうです。
 しかし一応、考えているネタそのものはあります。



 この先は、本編では出せない裏話でも出してみようと思います。
 具体的にはキャラメイクと、ストーリーの流れ等々の話。
 需要? 知らんがとにかくやるのだ!


 全ては「セントール世界に普通の人間(四肢人類)を突っ込んだらどうなるか」という思いつきが始まりでした。

 まず、前世持ちの四肢人類が主人公、というのはパッと決まりました。
 これなら折につけ、前世たる現実世界と、セントール世界の比較が出来ます。
 原作キャラの君原達と絡ませやすくするために、性別は女性で年齢も同じ。

 ここまで特に不都合はなさそうだったのですが、ふと気づきました。
 「あれ、あの世界って高校をテロリストが襲撃する程度には物騒だったんじゃね?」と。

 そこで思いついたのが、『真の形態間平等』を名目にし、普段は混合形態を目の敵にするテロリスト。
 彼らはある時、どの形態にも属さぬ四肢人類を発見してしまい、平等の敵としてつけ狙う……。
 原作には存在しませんが、可能性とはしてはありそうです。
 物語的にも面白そうだし、単なる日常ものだと原作の二番煎じになるので採用。

 しかしそうなると当然、狙われる四肢人類はアホだと死にます。
 なので必然的に、高い知能や戦いの才能、鋭いカンが生えてきます。
 精神性も重要です。戦いを怖がったり、殺しに躊躇するようだと死にます。
 なので必然的に、強い悪意や精神的なズレが生えてきます。
 身体能力も必須事項です。精神がどうあれ、体力クソザコナメクジだと死にます。
 なので必然的に、高い身体能力即ち怪力が生えてきます。

 こうなると普通なら、人格形成に思いっきり支障をきたします。
 よくて人間不信、悪くて殺人鬼(しかも中々捕まらない)です。
 ですがそこは、前世から知識や社交性をリクルートして概ね解決。便利ですね前世。
 とはいえ「概ね」なので、「六肢人類を人間として見ることが出来ない」という地雷が残りました。

 このようにして、「皐月菖蒲」というキャラクターは誕生しました。
 テロリストの襲撃を自力で乗り切ったのだからそれなりにプライドも高くなるだろうし、
 自分が理不尽に襲われたのだから筋目に拘るようにもなります。
 まあこれは連載中に生えた性格ですが。

 私の性格上、最終回を決めておかなければエタります。
 ならば、彼女の精神的地雷を何らかの形で解体する、というのが最終回でいいんじゃないか、と思いつきました。
 ですが高い知能を持つキャラが、口にしたら即逮捕の地雷を、おいそれとさらけ出すはずがありません。
 従って、漏らすだけの理由付けとして、テロリストの襲撃という非日常による精神的動揺が選ばれました。

 そして地雷解体役は、名楽羌子を置いて他には存在しません。
 感想返しで触れましたが、君原は積極性、獄楽は繊細さ、サスサスは哺乳類人社会への理解が足りないからです。
 その点、力がなくても……いや、ないからこそ正しき善性を持つ彼女はハマり役でした。


 さて、ここまでが大体ですが、一話目を書いている時に考えていた事です。
 つまり一話時点で、三話までの設定と、最終回の構想は出来ていました。

 一話を短編として投稿後、幸いにもご好評頂き、連載化を決定しました。
 全く宣伝してなかった上、原作はかなりマイナーなので、感想を頂いた時は正直驚きました。
 二話を書きながら最終回を書き始め、その時は四分の三くらいは書けました。
 四分の一を残したせいで、最後にめっちゃ苦戦した訳ですが……。

 その最終回は皆様に受け入れられるのか結構心配でした。
 なんせ客観的に見ると、テロリストをぶっ殺して友人に悩みを指摘されて笑って、
 腰を抜かしたその友人を背負って帰る、ってだけですからねw
 案外評判よくて一安心。
 

 ここまで長文にお付き合い頂きありがとうございました。
 それではまたー。


日時:2018年09月05日(水) 21:04

後日談01話を投稿しました。 >>


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