都営新宿線10-300R形が消えてから3年半以上が過ぎ

私は10-300R形に乗ったことはありませんが、1つ詩を作ったので、また小説以外の投稿は利用規約に反し、かつ1000字未満であるため、こちらに再掲します。

都営新宿線を駆け抜けた10-330Fに捧ぐ
作:国木田枝太郎

2005年のある日

古い仲間の中間車と編成を組んで

君は姿を現した

上に2つ集まってついている 君の目玉

ビードがないのに銀色に輝く 君の体

古い仲間と同じ位に細く光る 君の黄緑色の帯

飾り気のない 君の足まわり

そのすべてが 私を魅了した

君は登場からまもなく

中間車をより新しいものに取り替え

より近代的な走りを見せるようになった

それからしばらく経った 2013年のあるとき

より新しい仲間が登場したが

そのときは 君が消えてゆくとは 思ってもいなかった

しかし 2015年の 5月の終わり頃に入ると

同僚が1人 若葉台へと消えていった

それから翌年にかけて次々と

同僚が若葉台へと消えてゆき

秋の気配も本格化するようになった 10月に入ると

君は天涯孤独の存在となってしまった

そして2017年に入って ついに君も

若葉台へと消えゆく運命になってしまった

冬の寒さが厳しい 2月の始めになって

君の窓にはお別れの印が貼られた

2月の半ばには 本当に最後となる

君の活躍を見せてくれた

「お世辞にも

人気の高い車両とは言えませんでしたが

今日まで大きなトラブルもなく走り続けたこと

乗務員一同 御礼申し上げます

300R形は本日で引退ですが

このへんてこな電車を

思い出していただけると幸いです」

終点の本八幡に到着する前に

車掌さんはそのように言ってくれたらしい

その日をもって

君の活躍に終止符が打たれ

3日後の2月17日に

君もまた 若葉台へと消えてゆき

二度とこの世に 姿を現すことはなかった

嗚呼 君よ さようなら

君のことはずっと忘れない

短い間ではあったが

私に 姿を見せてくれた日々のこと

私を 乗せてくれた日々のこと

そのすべてに 感謝したい

ありがとう


日時:2020年11月22日(日) 03:21

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返信コメント

松浦南北

メトロえのしまさん>コメントありがとうございます。この話はかつて私がpixivにて掲載していた詩でした。しかし、色々やらかしてしまい、そこを去ったのでここでしか公開できなくなっています。
R形はB修繕はおろかC修繕も行われずに廃車された唯一の車両でしたからね。
俺も一度乗ってみたかった…。


日時:2020年12月12日(土) 22:33

メトロえのしま

ご無沙汰しております。
R形ですか…直通先の沿線民だったので、時々乗っていました。
先頭車は通常の10-300形のようなスマートな顔立ちなのに
中間車はコルゲートのギザギザしたステンレス車体。
おまけに床下から聞こえてくるモーター音は電機子チョッパ。
ミスマッチだらけの車両でちびっ子の時は不思議に思っていたものです。
いつの間にか無くなっていた感じだったので、
もっと乗っておきたかったなと思います。
いや〜懐かしい…


日時:2020年12月12日(土) 21:53



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