決勝戦没シーン()


―――ゴゥンッッ!!

 団地の間の道を砲撃が吹き飛ばした。粉塵を巻き上げて塞がれた視界を突っ切り、Ⅲ号J型が飛び出してくる。

「―――来たッ」

静かに照準を合わせ、迎撃姿勢を取るみほ。そのⅢ号の後ろ、影に隠れるようにしてⅣ号が続く。
 Ⅲ号を盾にⅣ号で突撃?あのエミちゃんが?

 ありえない。

 瞬時に思考を切って捨てる。天翔エミに赤星小梅を切り捨ててでも得る勝利などはない。ならばⅢ号を盾にする意味は―――


―――ゾクリと、背筋に走った予感に


「―――緊急旋回!急いd―――」
「―――発射!!」

 Ⅳ号の砲撃音と同時に―――“Ⅲ号が加速した”
ありえない速度で加速するⅢ号に、避けきれないと感じたみほは

「―――撃てっ!!」

咄嗟に砲撃を命じる。Ⅲ号の足を止めるために放たれた砲弾は、Ⅲ号の前面底部に命中する。


 ―――大惨事が発生した。


 十分に加速がついた状態で前方低位置に受けた衝撃により、戦車が“前転”。
想定していなかった状況にハッチを閉じる暇もなく車内に引っ込んだみほにやや遅れる形でティーガーの砲塔を抉り取ってその上を跳ねていくⅢ号。通信機から聞こえるのは阿鼻叫喚の悲鳴たち。

「―――えぇっと……どうする?コウメちゃん」
「と、とりあえず、試合を終わらせましょう、か?」

 ひきつった顔でドン引きしているⅣ号とあんこうチームの面々に囲まれ、赤星小梅は砲撃指示を出したのだった。



―――“く、黒森峰フラッグ車、行動不能!よって、大洗女子の、勝利―――!!”



没理由:ちょっと流石にひどいかなって……(震え)

あとこれだと赤星さん以外の乗員に新たなトラウマが刻まれてしまう(確信)


日時:2019年10月16日(水) 20:27

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