こっそりウラ話(53)

ども、新年の誓いをわずか半月で忘れ去ったほしなです……ううっ、ご、ごぅ、ごめんなさいぅっ
「やってしまった」と思うホワイトな一面と「昨年末あたりから比べると、ま、一日だしね」
などというブラックな一面が表裏一体でクルクル回ってます(苦笑)
と、まあ、投稿日の遅延も「どーなのよ」な感じなんですけど、今回の「給餌」も内容的には
「どーなのよ」感がそこはかとなく漂っている気が……。
もう、舞台を整えるだけでほぼ終わりました。
『マテリアル・エディション:リミックス』の「アルゲードの快斗」を読んだ時から、このエピを
どっかで反映させたいなー、と思い、オリキャラばっかになっちゃうけど、二人の職場の仲間達が
合同で呑んだら……、と思い(その段階では呑み会として和人のアスナ愛に「やってらんないっス
よー」と麻倉が管を巻く話でした)、和人が大人になってPC組み上げたら、すんごいの出来そう
だなー、と思い、で今回の話になったわけですが…………キリアスにならない、と気付くのが遅かった!
あ、それとベースは「釣った魚に餌をやらない」で、当初のタイトルは「釣果」でした。
ネットで調べて「餌」をやらない理由をまとめてみると

 @ あげていない、とは思っていない
 @ 興味を持って貰うのに頑張ったから頑張るのを終え、疲れたし自分の時間が欲しくなる
 @ もともとモテると思っている
 @ 安心感に包まれている。危機感がない
 @ 達成感で満足する
 @ 飽きる

などがあったんですが……見事にキリトに当てはまらないなぁ、とちょっと感動すら(苦笑)
とは言え理由もなく、さり気なく、平然とプレゼントを贈るタイプでもないですよねー。
結局、今回の新しいPCはアスナへの「餌(贈り物)」だったわけですが、アスナという
存在自体がキリトにとっては飽きることなく美味しく食べている高級魚だという、そんな
「お魚」と「餌」の話でした。



   ◇◇◇  おまけ  ◇◇◇

明日奈が新しいPCを使い始めてから数日が経ったある日、和人が職場から帰宅すると
リビングでは可愛らしいエプロン姿の愛しい奥さんが自分の帰りを待ち構えていたように
仁王立ちのまま手に持っているフライ返しをぺしぺし、と揺り動かしていた。

「ちょっとそこに座って、キリトくん」

何がバレなんだろう?、と脳内を模索しながらも鼻は本能に従順で、キッチンから漂ってくる
美味しそうな匂いに反応してヒクヒクと動きそうになる。

「はい……なんでしょう?、アスナさん」

この雰囲気は絶対巫山戯ちゃいけないやつだ、と《仮想世界》で出会ってから十数年の経験値が
和人に警告を発した。

「今日、事務所で時間があったから色々とパソコンをいじってみたんだけど……」
「うん」
「システムのものすごい奥っこに前のパソコンには無いロックのかかったソフトがあったの」

明日奈の目と口がニコリと笑って「あれはなぁに?」と優しい声で聞いてくるのに、ぞぞっ、と背筋が
寒くなるのはやっぱり十数年の経験値のお陰だよなぁ、と和人も無理矢理笑顔を作る。

「ロックって言えば、前のパソコンからデータを移す時、随分厳重にロックされてるフォルダが
あるってユイが言ってたけど……」

ひゅぇっ、とおかしな息を呑む音を発した明日奈が今度はわたわたとフライ返しを振り回した。

「えーっとっ、そろそろお夕飯にするから、キリトくんは着替えてきてっ」

最後にぴしっ、とリビングの扉に向け一直線にフライ返しを向ける明日奈はさっきまでの勢いがウソのように
口元を震わせている。
切り返しが成功した事ににんまりと緩みそうになる顔を引き締め、和人は「おう」と短く返すと
その場から素早く離脱した。
一人残された明日奈が安堵の息を吐く。
あのフォルダには随分前に録った《仮想世界》のログハウスでキリトとユイが一緒に食事をしている画像や
《現実世界》で和人と和真の二人が一緒にうたた寝をしている画像などがたくさん保存されているのだ。

「あれは疲れた時に事務所でこっそり見る用なんだもん……」

フォルダの中身を追求されたくない明日奈が引き下がったことで和人が新たに組み込んだソフトの中身もまた
追求を逃れたのだった。


日時:2020年01月16日(木) 22:33

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