『龍』とは  解説 ネタバレあり!

*ネタバレあり!!! 特にモンスターハンターのゲーム内でストーリーとして解き明かされていく設定など!! 
 前書きをよく読んでから内容に進んでください


 本作は魔法科高校の劣等生の二次創作ということで、アルバの出身作品であるモンスターハンターについて知らない読者の方もいるようです。本作を楽しむ上で必要となる知識や、どのように魔法科高校の劣等生とモンスターハンターの設定を噛み合わせているかについては作品内でしっかりと説明していく予定ですが、事前に『モンスターハンターにおける龍とは』ということを知っているとニヤつけたり色んな想像を出来るという利点もあるので、簡単ではありますが解説をしておこうと思います。
 
 もしこれからモンスターハンターを自分でプレイしたい方や、こうした予備知識無しで小説を読みたいという方がいらっしゃれば、この話はスキップしてください。
 
 
 







 
 よろしいですね?
 



 
 
 では。
 
 

 
 
 アルバ、即ち『煌黒龍アルバトリオン』は、モンスターハンターの世界において『龍』あるいは『古龍』という区分で扱われる存在です。第二話の八雲との会話でも出てきましたが、『竜』ではなく『龍』です。モンスターハンターにおいてはこの二種には明確な差が存在するので、漢字は常に『龍』を使うようにしています。
 
 
 
 
 さて。
 
 
 
 モンスターハンターの世界というのは、この私達の生きる世界や魔法科高校の劣等生の世界とは違った生態系が存在しています。つまり、そこに存在する動物や魚、昆虫、鳥類なんかが違ったり、現実には存在しない種が存在します。
 

 その最たる例が、モンスターハンターの世界を象徴するモンスターとも言える『竜』種です。飛竜種、牙竜種、獣竜種、魚竜種、海竜種などなど。

 
 竜種には様々な種類がありますが大抵の竜種に言えるのは、象や熊、ライオンのような現実世界において特に強力な動物と比較しても遥かに巨大で強いという点です。もちろん中には大したこと無い(といっても人間よりは遥かに大きいし一般人では到底勝てません)竜もいますが、基本的に竜とは強力な存在であり、モンスターハンターの世界において生態系の頂点に存在していると言えます。人間はそんな竜種と時に争い、時に共存しながら生きている、というのが、モンスターハンターの世界における人間と自然の向き合い方です。
 
 
 
 
 ここで1つ、疑問が浮かびます。
 
 アルバは、生態系の頂点である竜を矮小な者だとし、『あのような矮小な者達と自分たち龍を一緒にするな』と言いました。
 
 生態系の頂点が竜であるにも関わらず、それを矮小だというのです。では龍とは一体なんなのか。
 
 
 
 
 シンプルに答えを言いましょう。
 
 

 龍とは、様々な点から見て『生態系を逸脱した』存在なのです。モンスターハンターの世界におけるイレギュラー的存在、と言ってもいいかも知れません。既知の常識で測れない強大な存在です。
 

 だからこそ生態系の頂点が竜であるにも関わらず、龍はそれよりも強力な存在としてモンスターハンターの世界に君臨しています。
 

 人間が竜と対等に渡り合い共存する一方、龍と人間はそんな関係にはありません。自然との共存、などと言いますがその実体は、ただ人間が龍にとって害する意味を持たない相手であるために見逃されているに過ぎません。というか人がちょっとした細菌に大した注目を向けないのと同じで、別にそこにいてもいなくてもどうでもいい相手、として人を見ています。一方で、時折人の生息地付近に出現する龍が都市に大きな被害をもたらしたり、村を1つ消滅させたり。過去には、強力な文明を誇った国家を一夜にして壊滅させた例も存在します。
 

 そんなことをたやすく引き起こせるのが『龍』という存在です。
 
 
 
 
 ではそんな龍は、具体的にどんな力を持つ存在なのでしょうか。いくつかの観点から考えてみます。
 
 
 まずは、生物として他の生物と比較した場合です。
 龍は、竜や人間を含めた他の生物と比較して圧倒的な生命力と寿命を持つとされています。また生態系から逸脱した存在として扱われているのは、その強力さもありますが、生物種に分類しようとしたときにどの種にも分類できないからでもあります。
 

 例を上げるならば、
・『こいつは猿や魚の仲間ではない。海竜の仲間でも飛竜の仲間でもない。これまで発見してきたどれにも当てはまらないし、当てはまる区分が作れない。そうだ、よくわからない存在だから『古龍』という新しい区分を作ってそこにいれておこう』
 というような扱いを受けています。つまり古龍とは、生物学的に見た時によくわかんねえなんかやべえ奴らの集まりと思ってくれればOKです。この性質上、古龍はその大きさが他の竜などと比べて圧倒的に巨大であったり、特異な能力を持っていたりします。
 
 
 
 では次に龍の持つ『特異な能力』について説明します。
 

 まず第一に、すべての龍、即ち古龍種は、『自然界の現象や災害を体現する者』です。メタ的に言えば、そういうコンセプトで考えられたモンスターです。
 

 その象徴する現象はまさに千差万別であり、存在そのものがその現象、自然を象徴するもの(*1)もいれば、能力として現象そのものを引き起こすもの(*2)、あるいはその行動によって概念的な現象を象徴するもの(*3)などに別れます。それぞれいくつか例を上げるとすれば、
 
 
 *1:老山龍ラオシャンロン(山崩れ・地震) 大海龍ナバルデウス(津波・地震) 峯山龍ジエン・モーラン(砂嵐・流砂)
  ここに当てはまるのは、特異な能力を持つのではなく、シンプルに巨大過ぎるためにその影響が自然現象を引き起こすものが多い(特殊な能力を全く持たないかは定かではない)。
  例えば全長60メートルあるラオシャンロンが歩けばその振動は地震や山崩れを引き起こし、同じぐらいの大きさのナバルデウスが海中で激しく動いたり陸地に頭をぶつけたりするとそれが津波、地震となって周囲を襲い、全長120メートルほどのジエン・モーランは砂漠を泳ぐ存在であり、その巨体によって巻き上げられた砂が砂嵐を引き起こします。
  
  
 *2:幻獣キリン(落雷・稲妻) 鋼龍クシャルダオラ(暴風雨・吹雪) 炎王龍テオ・テスカトル(陽炎・自然発火)
 
 これらは*1の古龍とは違って、特殊な能力、あるいは未知のエネルギーのようなものを使って自然現象を引き起こしている、と考えられています(細かい原理は不明)
 例えばキリンが出現した地域は激しい落雷に見舞われ、クシャルダオラの周辺には常に激しい風や暴風雨が吹き荒れ、テオ・テスカトルの周辺は温度の高まりや乾燥が発生し、自然発火などを引き起こします。*2の区分の古龍は、その古龍を中心として象徴する自然現象の発生するエリアを連れ回っていると想像してもらえるとわかりやすいでしょう。
 
 
 *3:帝征龍グァンゾルム(王、主)
 
 この区分は、明確な目に見える自然現象ではないが自然の中に存在する役割だったり概念だったりを象徴する龍が含まれます。例えばグァンゾルムは、方法は定かではありませんが小型のモンスターを従え、『王』という概念を象徴しています(一緒にいるだけではなく戦いに利用したり命令したりしている)。
 
 
 それぞれの古龍は何らかの自然を象徴し、だいたい上の3つのどれかに当てはまります。
 
 
 
 
 
 ここで1つ覚えておいてほしいのは、『古龍は、こうした力をすべて意図的に使っているわけではない』ということです。
 
 例えば、人間が生きていれば当然呼吸をし、二酸化炭素を放出します。これは人間がどうこう出来ることではありません。

 それと同様に、古龍は生きているだけで様々な自然現象をその周囲に引き起こします。もちろん戦う時にはその能力を戦いへと使いますが、戦っていないときでも、その存在が引き起こす自然現象、天災は周囲に大きな被害をもたらし続けます。
 
 彼らはただそこに生きているだけ。
 
 まさしく、人の抗えない自然災害が実体を持った存在と言えるのが古龍なのです。
 
 
 
 では、本作の主人公であるアルバの龍としての姿、『煌黒龍・アルバトリオン』。その能力は、象徴するものとは、いったい何なのでしょうね?
 
 興味がある方は『アルバトリオン、ウィキ』で検索すると『モンスターハンター大辞典』というページが出てきます。かなり細かい設定がのっています。
 
 
 それを読むもよし。今後アルバが作内で語っていくであろう彼の情報、過去を待つのもよし。
 
 
 今後も、『魔法科高校の煌黒龍』をお楽しみください。


日時:2022年02月19日(土) 02:46

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