行別ここすき者数
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履歴はこちら。
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(0)食堂を出て、次の訓練へ向かう廊下。
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(0)昼休みのざわめきが少しずつ引いていき、校内は次の時間へと切り替わりつつあった。
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(0)ハスキー小隊の四人は並んで歩いている。
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(0)誰も口を開かない。
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(0)(さっきの話……)
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(0)フォックス小隊。
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(0)名前だけで空気が変わる存在。
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(0)(見られていた)
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(0)それが、じわじわと実感になってくる。
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(0)評価されたのか。
(0)それとも、ただ観察されただけなのか。
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(0)(どちらでもいい)
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(0)今やるべきことは変わらない。
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(0)(強くなる)
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(0)その思考がまとまりかけた、その時だった。
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(0)《vib:1》「連邦生徒会からのお知らせです」《/vib》
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(0)突然、校内放送が響く。
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(0)四人の足が、同時にわずかに止まる。
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(0)《vib:1》「SRT特殊学園を閉鎖し、ヴァルキューレ警察学校へ編入することが決定しました」《/vib》
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(0)――一瞬、何を言われたのか分からなかった。
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(0)(……閉鎖?)
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(0)言葉が遅れて意味を持ち始める。
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(0)周囲の空気がざわつく。
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(0)立ち止まる生徒。
(0)顔を見合わせるグループ。
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(0)「は……?」
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(0)アイラが声を漏らす。
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(0)「え、ちょっと待って、今なんて言った?」
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(0)混乱がそのまま言葉になっている。
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(0)リディアは無言のまま、わずかに眉を寄せる。
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(0)「……急すぎる」
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(0)低く、短い。
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(0)ミラは視線を落とし、静かに呟く。
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(0)「……理由があるはず」
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(0)三人とも状況を理解しきれていない。
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(0)それは私も同じだった。
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(0)(閉鎖……)
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(0)昨日まで当たり前にあった場所。
(0)今、立っているこの廊下。
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(0)(なくなる?)
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(0)実感が伴わない。
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(0)だが、放送は続く。
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(0)《vib:1》「小隊ごとに配属先を発表します。一週間以内に事務室へ――」《/vib》
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(0)一週間。
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(0)その単語だけが、妙に強く残る。
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(0)(時間がない)
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(0)私はゆっくりと息を吐く。
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(0)胸の奥が、少しだけ重い。
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(0)(来たばかりなのに)
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(0)小隊ができて、まだ一週間。
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(0)ようやく動き出したばかり。
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(0)(なのに)
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(0)状況は関係なく進む。
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(0)周囲のざわめきが少しずつ大きくなる。
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(0)不安。
(0)戸惑い。
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(0)様々な感情が混ざった空気。
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(0)その中で――
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(0)私は静かに前を見ていた。
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(0)(選ばないといけない)
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(0)どこへ行くか。
(0)どうするか。
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(0)(小隊ごと)
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(0)つまり、自分一人の問題ではない。
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(0)視線を横へ向ける。
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(0)アイラはまだ落ち着かない様子で周囲を見回している。
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(0)「え、どうするのこれ……」
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(0)リディアは腕を組み、何かを考えている。
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(0)ミラは静かに状況を整理しているようだった。
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(0)(……任されている)
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(0)自然とそう思う。
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(0)最近、小隊長として選ばれたばかり。
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(0)その役割が、急に重みを増す。
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(0)(戦術だけじゃない)
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(0)進む場所も、決める。
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(0)私は足を止める。
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(0)三人もそれに気づき、動きを止める。
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(0)短い沈黙。
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(0)誰も急かさない。
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(0)(考えろ)
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(0)感情ではなく、判断。
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(0)何を優先するか。
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(0)環境。
(0)成長。
(0)戦う機会。
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(0)(……)
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(0)思考を巡らせる。
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(0)だが、今すぐ結論を出すべきではないとも感じる。
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(0)情報が足りない。
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(0)「……一度、整理します」
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(0)静かに口を開く。
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(0)三人がこちらを見る。
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(0)「配属先の詳細と条件を確認してから判断します」
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(0)現実的な一手。
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(0)リディアが小さく頷く。
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(0)「妥当だな」
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(0)「だね……今決めるのはちょっと無理かも」
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(0)アイラもようやく落ち着きを取り戻しつつある。
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(0)「……情報、集める」
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(0)ミラも短く同意する。
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(0)(よし)
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(0)レインは小さく息を吐く。
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(0)完全な答えはまだない。
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(0)だが、進む方向は決まった。
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(0)「ひとまず、事務室に行きましょう」
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(0)そう言って、再び歩き出す。
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(0)さっきまでとは違う重さを感じながら。