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(3) フォンテーヌ廷から離れたポワソン町にある棘薔薇の会 の本拠地にて、私は冷たい床に正座をしていた。目の前にはカーレスと、ペルヴェーレとクリーヴが。あの、二人は一応部外者……あ、はい。私の保護者?いやあの、私の方が保護者……あ、はい。黙ります。
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(4)「ヘウ……白亜さん。独断専行なのは、棘薔薇の会 を極力巻き込みたくなかったからなのは理解した。だがせめて、通話は最後まで聞いてくれないだろうか?」
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(0)「はい……」
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(4)「私達を巻き込みたくないって魂胆だったんだろうけど、1人であの子供達全員助けるつもりだったなら馬鹿だよね?白亜さん」
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(1)「双子だけのつもりだったんです……」
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(3)「あの時私達を庇っていたが、その双子は自分たちを助けるために恩人が死んだという事実を突きつけるつもりだったのか?」
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(2)「そこはカーレスたちに任せようかと……」
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(3)「白亜さん。運命を歪めて助けたのならば、それ相応の責任は取るべきだ」
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(0)「……おっしゃるとおりです」
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(1) そう言われて、さすがに言い訳もできなくなった。ヌヴィレットとかいう原作屈指の強者を前にして大混乱していたという言い訳はあるが、それでも責任から逃れる理由はない。ペルヴェーレを、クリーヴを、リネットを、リネを、あとリネットと一緒に捕まってた子供達も。本来の運命を歪めて助けてしまったんだから、責任取るのが筋だ。でも私よりもみんなを優先するべきだと思うのは仕方ないんじゃなかろうか。
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(0)「お姉さんをいじめるな!」
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(0)「るなー!」
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(0) すると、扉が開いて小綺麗な服に身を包んだ双子が入ってきて私を守るように手を広げて立ちはだかった。なにこの可愛い生き物?
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(0)「ちょっと待ちなさい!パパ、この子達ったら白亜さんに会いたい会いたいって全然言う事聞かないんだけど!」
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(1)「落ち着けナヴィア。カーレスさんから託された仕事だ、完遂しなければ」
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(1)「非番なのに仕事って……もう少し年頃の休日楽しみなさいよクロリンデ……」
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(2) さらに、疲れた様子のナヴィアと、クールながらも子供が好きなのかうずうずしてるクロリンデの若かりし姿まで入ってきた。そうなのだ、カーレスがパレ・メルモニアに直談判して、子供たちを棘薔薇の会 で預かることになったのである。そこまでしなくても、とは言ったのだが、また里親に出したら悪人だった場合が最悪とのことで、それならばと預かることにしたらしい。で、私が説教されてる間ナヴィアと休日だからと遊びに来てたクロリンデが世話を引き受けたのだ。ちなみに他の構成員は後始末に追われてるんだとか。やはりカーレス、聖人だなこの人。
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(0)「ナヴィア、もう少しその子達を外におけないか?まだ説教が終わってない」
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(0)「パパも厳しすぎるわよ。白亜さんのおかげでこの子達が助かった、なら褒めるべきなんじゃないの?」
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(1)「勘違いとはいえヌヴィレット様を相手にして生き延びただけ賞賛に値する。決闘代理人になる気はないか?」
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(0)「あ、それは……」
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(2)「だめよ!白亜さんは往生堂フォンテーヌ支店の店主なんだから!」
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(6)「この人は最悪、相手に同情して自分から刺されるまであるから駄目だ」
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(2) なおも説教しようとするカーレスに呆れながら意見するナヴィア。クロリンデの質問に答えようとしたらクリーヴとペルヴェーレに遮られた。特にペルヴェーレの言ってることにはぐうの音も出ない。多分相手が知り合いだったら迷いなくそうします……どっちにしろ決闘代理人は無理だけど。だって相手を殺すことも茶飯事だもの、私の精神が保たない。というか、ナヴィアとクロリンデとクリーヴとペルヴェーレが会話してるのなんか感慨深いな。見た感じ同年代っぽい?
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(0)「白亜さん!こっちに来てよ!マジック練習したんだ!」
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(0)「私も、手伝う……見て?」
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(0)「ああ、はい。それは是非見せてほしいですけど……いいですか?」
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(0) リネとリネットに手を引かれて、おずおずとカーレスを見る。カーレスは肩をすくめて苦笑した。
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(2)「はあ……仕方ない。子供たちが寝静まってから続きだ」
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(0)「よーし、じゃあ夜通しマジックショーしましょう!私も手伝いますよー!」
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(0)「「おおー!」」
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(2)「やめなさい」
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(0) リネとリネットと盛り上がってたらカーレスに止められた。解せぬ。
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(0) 数日後。あれから特にヌヴィレットに言及されることなく、往生堂フォンテーヌ支店が本日も営業している。でもいつもと違うところが少しある。
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(0)「えー、というわけで。新しい家族が増えました。リネとリネットです」
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(1) そう言って、往生堂……の服はさすがに大きかったので、簡単なエプロンをつけてもらったリネとリネットの背中を押してペルヴェーレとクリーヴの前に出す。とりあえずこの二人だけは私が責任取ることになって引き取ることになったのだ。いやまあ最初からそのつもりだったからいいのだけども。するとクリーヴが目を輝かせて感激していた。
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(1)「やったー!ペルヴェーレ、ほら!末っ子だった私達に弟と妹がいっぺんにできたよ!」
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(1)「揺らすなクリーヴ。気持ちはわかる。歓迎しよう、二人とも」
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(0)「よ、よろしくお願いします!クリーヴお姉さん、ペルヴェーレお姉さん!」
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(0)「よろしく……」
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(0)「こちらこそよろしくね!」
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(0)「私の名前は長いだろう。短くしてくれて構わないよ」
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(1) 緊張しながら真面目に挨拶するリネと、おずおずしながら頭を下げるリネットに、クリーヴは満面の笑みで、ペルヴェーレはクールに返す。なんだろう、アルレッキーノもといペルヴェーレがリネから「お父様」以外で呼ばれるのすっごい違和感あるな。関係性も親子じゃなくて姉弟だし。……あれ?この場合お父様は私かあ?(混乱)
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(1)「じゃあ、ペル姉さんと呼んでもいいですか?」
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(2)「ん゛ん゛!……好きにしていいよ。リネ」
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(3)「ペルヴェーレ、顔真っ赤だよ?」
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(1)「うるさい、クリーヴ」
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(1) リネにときめいたのをクリーヴにからかわれて赤面しながらそっぽを向くペルヴェーレ。それを見て、ああ私の知るアルレッキーノとは別の道を歩んでるんだなあと。なんか寂しいのと、てぇてぇって気持ちでいっぱいになった。
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(1) 「お父様」は「召使」になるにあたって先代のクルセビナの「お母様」とは別の道を行くっていう覚悟の表れだったはずだけど。違ったっけ。今のペルヴェーレにその必要はないからなあ。まあ、ペルヴェーレの黒ずんでいる手を見てちょっと不安にはなってるけど。あれたしか赤月の力の呪いみたいなもんなんだよな。このままで大丈夫なんだろうか。でも赤月のこと知ってるの「少女」コロンビーナぐらいじゃね。いやファトゥスの「道化」も知ってる可能性があるか。ああもうわからん。なんで私ドットーレ倒したところで転生してるんだ。
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(1)「リネとリネットには給仕とパフォーマンスをしてもらいます。店先とか客席とかでマジックして盛り上げてほしいです。あ、でも鳩とか動物のマジックは禁止で。一応飲食店なので」
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(0)「わかりました、白亜さん!」
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(0)「ん、わかった…」
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(1)「そのうち料理も覚えてもらいますからね。ここの料理は簡単なので、すぐ覚えられますよ。では今日も頑張っていきましょう」
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(1) 頷く四人。あとフレミネも見かけたら保護した方がいいんだろうなあ。まだマーセル関連でやることいっぱいあるし、忙しくなる。けど、四人の笑顔を見たら、頑張ろうとそう思えるのだ。守りたい、この笑顔。
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(1) 10年後。まさか、こんなことになるなんて。思わなかった。
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(0)「白亜さん、なんで……」
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(0)「リネ、リネ…!」
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(2) リネが倒れ、リネットが泣き縋る。それを守る様に、旅人とその相棒が立ちはだかり、私を睨みつけている。ああ、どうしてこんなことになったのか。
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(0)「白亜!本当に、そうなの……?」
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(0)「オイラたちは、お前を信じてたんだぞ!!」
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(2) ごめんなさい。その笑顔を守ろうと、誓ってたのに。その笑顔を奪ったのは、私だ。私が愚かだったばかりに⋯⋯こうするしかないんだ。仮面の下で謝りながら、私は剣を振るった。