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(0) 中間テストを乗り越えた自分は次なるイベント、須藤暴行イベントに関して思考をしていた。今回は須藤のやらかす現場を押さえられたら押さえるつもりではあるが、その方法は決まっていない。
(0) そもそもなぜ現場を抑えようとしているかと言えば、端的に言って原作乖離を防ぐためである。よう実ラジオなんてことやっときながらどの口がと言われそうなのだが、まぁそれはいいとして。乖離を防ぎたいというのに、なぜ自分から原作介入をするという矛盾を犯そうとしているのか。ちゃんと理由はある。
(1) まず、自分はこれまで原作改変をやってきた。その影響により何かが変わる、つまり自分が色々やっていたことにより佐倉さんが現場にいなかった場合、証拠がなく詰むのだ。なので、代わりに現場を押さえておきたいと思っている。なお、原作通りに話が進んで佐倉さんの証拠で十分だった場合は何もしない。あくまでも自分の抑える証拠は保険である。
(0) もしかしたら須藤イベントが起きもしないかもしれないが、まぁその時はその時である。
(0) 佐倉さんのストーカー退治イベントなどもこれには含まれているので、もし佐倉さんが現場を押さえていなかったらそちらも追加で対処する必要が出てくる。自分としては自分の行動の意味がなかったとしても。佐倉さんに写真を撮っておいてもらいたい。
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(0) 思考する中でいくつか案は思いつく。
(0) 証拠を残すだけならいくらでも方法はある。本人に事前に呼び出されたことを教えてもらい、それに隠れてついていく。確実ではあるのだが、その時は自分が証拠を持っているとすぐにわかってしまうのでなし。前述した通り、佐倉さんの証拠がなかった場合の保険なので最初から自分が証拠を持っていると知られてはいけないのだ。
(1) 二つ目に須藤に無許可で盗聴器をつける。そうすれば、証拠を自分が掴んでいるということはバレないし証拠は掴める。問題は、本人にバレずにつける都合上、それは小さくなければならない。小さく、証拠として成立するくらいの高性能さが必要。あと仮に、それで証拠を掴んだとしても盗聴器は本人につける都合上、本人のすぐ近くで録音されている音声となるのでこの音声はどこの音声だと違和感が抱かれるだろう。よってこれもなし。
(1) 三つ目。本人に発信機をつけ、特別棟の近くに行ったらこちらに知らされるようにし、現場に直行する。これは選択肢としてそこそこ良いと思っている。まだ小さな発信機は入手しやすく、証拠自体は自分で掴むので盗聴器のような質も必要ない。質が低すぎて壊れたりするのは良くないので一定の性能が必要だが。この案の問題点は自分がその現場に行かなければならないので自分のことを誰かに目撃されたり、自分が間に合わないリスクがあること。しかし、前二つに比べたらよい案。よって保留。
(0) 四つ目。先にバレないようにカメラを仕掛けておく。これはそこそこ気になっている案だ。問題は、暴行がどこでおこるかを把握していないから撮れる確証がないと言う点。理科特別棟であるということは知っているが、その中の具体的にどこなのかは知らない。本校舎に比べて狭いとは言え、当てずっぽうに何台も設置していく必要があり費用が嵩む。なので設置するにしてもよく考える必要がある。原作の記憶から場所を推理して暴力候補を減らしていく必要があるだろう。
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(0) 今のところ三つ目と四つ目のどちらか、もしくは両方となっている。両方の場合は発信機などのためにカメラの運用台数は減るだろう。
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(0) そんな思考をしながら教室でぐでーとしていれば連絡が来る。誰からかと見てみれば、一之瀬さんからだった。何の用かと見てみれば、特に理由はかかれていないが自分が呼ばれているようだ。何の用なのだろうか。
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(0) 白波告白イベントの存在を忘れていた。Dクラスにほとんど影響がなく、綾小路にしか何の影響もないイベントだと思っていたがまさかこうなるとは。彼氏役にするとして必要な条件は白波さんがあまり知らない他クラスの男子生徒、そう考えるとこの流れは必然だったのかもしれない。
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(0) 自分は校舎裏にて一之瀬さんが女友達に告白されそうで、断りたいけど傷つけたくないから彼氏役をして欲しいと言われたのだ。それに対して自分はやめておいた方がいいと諭し、告白の重要性について端的に語る。しかし、その説得のあいだに後ろから気配がした。一之瀬LOVE勢こと白波千尋である。
(0) 一之瀬さんに『彼はDクラスの嶺二くんで』と説明しているのに対し、白波さんは『や、やっぱり、佐原くんが、彼氏、なんです、か?』と言う。自分のことを彼氏と勘違いしている上に、自分の名前を知っていてやっぱりと言ったことにひっかかる。まるで、事前に知っていたような言い方。
(0) その引っかかりに一瞬悩んでいたところ、一之瀬さんが『嶺二くんはね』と告白を誤魔化すための嘘をつこうとするのでそれを止めるため、そして白波の勘違いを訂正するためにもただの知り合いでしかないことを言った。
(0) その後は、告白してきた子の決意には正面から答えるのが後腐れがないと一之瀬に言いつつその場を去ろうとしたのだしかし、なぜか白波に止められる。
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(0)「ほ、ほんとですか?本当に、彼氏じゃないんですか?」
(0)「そうだけど……」
(0)「そ、そうですか」
(0)「……もしかして、前から自分のこと、知ってた?」
(0)「は、はい。一之瀬さんと交友があって、下の名前で呼ばれている他クラスの男子生徒、と」
(0)「なるほど……まぁとにかく彼氏とかじゃないから。安心して。じゃ」
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(0) そう言ってようやくその場を去りベンチへと座れたのだが。原作に対して白波のセリフが多かったことに悩む。しかし、悩むまでもなく答えは自ずと見えてきた。
(0) まず、自分は連絡先がない時、つまり最初よう実ラジオを依頼しにいく時に一之瀬さんのことを教室で呼んだ。そのときに白波さんに自分のことを見られたのだろう。そして、ちょくちょく会っている自分と一之瀬さんを白波さんが目撃したりした結果、自分はもしかしたら彼氏なのでは?と事前から思っていたのかもしれない。
(0) となると、今回の彼女の告白は自分という彼氏がいるかもしれないと言う想いを抱えながらも、抑えきれずに行ったということになる。まさかこんな恋愛物語の当事者になるとは自分びっくりである。
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(1) ベンチでだらだらとしていれば白波さんが泣きながら、しかし何かスッキリしたような顔で去っていった。自分という彼氏かもしれない人物が元々いた分、断られる覚悟もより決まっていたのかもしれない。
(0) その後には一之瀬さんもきてベンチに座る。
(1) 告白に対して誤魔化すのをやめて真摯に向き合ったこと、そのように諭した自分への感謝、そして今回のことに巻き込んだ謝罪を述べられた。自分はこれくらいのことならば別にいいと返す。そして、また借りができたと述べた。
(0) それで解散かと思いベンチを立とうとすれば呼び止められた。何かと振り向けば、まだ話があるからベンチに座ってと言っている。その顔には少し不満げなものがあった。指示に従いそのまま座りなおす。
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(0)「ねぇ、嶺二くん。さっき、私と君の関係を知り合いって千尋ちゃんに言ってたよね」
(0)「そうだね」
(0)「私たちは友達、なんだよね?困ったこととかをなんでも相談できる」
(0)「……そういえばそうだね」
(2)「あの約束忘れてたのかな?はぁ。あのときもそうだったけど、もしかして私、嶺二くんのこと一方的に友達だと思ってるだけで、嶺二くんは私のことそう思ってくれてないのかな?」
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(1) 自分は黙ってしまっている。彼女に自分のことを友達と思って、なんて言ったくせに、自分は彼女のことを友達と心の底から言えるだろうか。
(1) 理由はいくつか思いつく。彼女は取引相手であるということ、性別の間の差、Bクラスのリーダーに対して自分はDクラスの一般生徒という差。そういうここにいる佐原 嶺二としての理由が思い浮かぶ。
(1) しかし、もしかしたらそれには前世の知識が関わっているかもしれない。キャラクターとしての彼女の知識。まだ、彼女に明かされてはいないがいつか明かすと言われている過去、それすらもすでに知ってしまっている。そういったところが無意識的に彼女との間に壁を作っているのだろうか。
(1) いや、綾小路は原作主人公であることから一之瀬さん以上に知っているし、更には人を道具だと考えている野郎であることも知っているのに友達だと普通に言えている。
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(2) 理由はわからんが、どちらにせよこちらから友達になろうと要求したのにこれでは単なるクソ野郎である。
(2) そんな自分の沈黙に察したのか彼女はため息を漏らした。
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(2)「そっか……私、一方的に友達だと思ってただけなんだね。寂しいなぁ」
(2)「え、いや、えっと、そんなことは、いや、あるけどなくて、友達になりたいとは思ってて、えと、いや、でも」
(2)「ぷっ、あははははは。前と同じ焦り方してる。ごめん、意地悪だったよね?でも私のことをただの知り合いって言ったことに対する意地悪だから許してほしいな?」
(2)「あ、こ、こちらこそ、ごめんなさい」
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(1) 恥ずかしいところを見せてしまった。キャラクター云々性別云々立場云々以前に彼女はただそこに存在している彼女なのだ。決して、物理的にも精神的にも隔絶された世界の存在ではないのだ。
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(1)「なら、私頑張っちゃおうかな。嶺二くんに友達と思ってもらえるように。まずは今日もできちゃった貸しも返して、互いに貸し借りのないクリーンな関係にならないとね」
(1)「あ、別に貸しとかは考えなくてもいいよ。ほら、その、友達の間にそんな概念はいらない、でしょ?」
(1)「本当に友達だと思ってくれてるのかな?」
(1)「……」
(2)「お願いがあるんだけどさ、私と、友達になってよ。すぐに私への想いとかを変えることはできないかもしれないけど、まずは形からってね」
(2)「あ、うん。わかった。えぇっと…帆波さん?」
(2)「ありがと、嶺二くん。」
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(1) その日はそのまま解散した。人との関わり方を考えさせられる一件だった。今後、一之瀬さんにはどのように関わるべきだろうか。物事は形からともいうし、帆波さんとでも呼んでみようか。
(5) なんとなく、綾小路に『友達ってどうやったら友達って言えるのかな』とメールを送れば、『突然どうした』と返ってくる。そのとき、こいつが友達?なにそれ道具?的なのになることを思い出し、『ごめん、基本ボッチなお前には不適当な質問だったわ忘れてくれ』と送る。なにやら文句の返事が返ってきているが無視することとした。
(2) 自分にとって綾小路は友達なのだろうか。仮に、そうでないなら、自分、佐原 嶺二に友達というものは存在しないこととなる。