行別ここすき者数
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(0)「………あれ…?飯に、味が…しない…?」
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(0)「んん?まあハルの味覚って死んでそうだもんね。一時期、キノコバク食いして、オロロしてたし…」
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(0)呆然として、暫く。俺は、ぺちゃくちゃ喋るかぐやを無視して勢いをついて食事をかっこむ。今までこんなことは…というか初めてでここ数千年は、味気ない食事(趣味みたいなものになっている)しかしてないが、それでも味というものはとても重要なものだ。特に、日本男児には必須と言ってもいいものと思っていい。
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(0)「………なあ、かぐや。俺の味覚死んだ…」
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(0)「本当のホントにまじ?パンケーキに誓う?」
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(0)「なんで突然パンケーキでたか、分からんが…本当だから誓うぞ」
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(0)「えぇ~!!黒焦げお肉食って顔色一つ変えなかったハルが!?座礁してたフグを旨いよなって言って、死にそうになってたハルが?!」
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(0)「おい…!こっちは本気なんだぞ…って、それいつの話だよ……」
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(0)本当だもん!と最後に捨て台詞を言って、本当か?とチラチラこちらをみるかぐや。所在なさげに動くその姿は、シュールと言ってもいいくらいには動きがギャグだ。コイツ、俺の味覚は元から死んでると思い込んでるのだろうか?ただ、俺は完食する時に頂いた物を美味しく食べようと、心掛けていただけだが…。
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(0)ため息を吐いた後、俺は気分転換のために狩りの準備をすることにした。準備とは言っても大した物は装備せず、弓と数本の矢のみだ。今回は危険じゃないし、装備も多すぎたらかえってダメな獲物だ。
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(0)かぐやは、そんな俺の姿に目を丸くしてこちらも準備する。準備とはいっても頭の上にのって、重心にあたる位置の頭ど真ん中に座ってもらうだけだが。
(0)無論、その補助なしでもいけはするが、あった方が幾分か楽なのだ。それに、同行させないとついていきたいと駄々をこねる。
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(0)あのもう遥か昔になった熊退治の日以来、最初は同行させずに村にいてもらったり、留守を任せたりしたのだが、次第にやっぱり行きたい!と、強く譲らなかったのだ。
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(1)かぐやが、家にいてくれたり留守をしてくれていたりで、狩りはしやすかったのだが…宵闇では、数や不意打ちでやられることが多く、その度に生傷を負っていたからだろうか?
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(0)俺の才能は恵まれている、とはいっても目は一般的な者と変わらない。昼は無双だが、夜は凡人だ。それなら昼だけに絞ればいいと思うだろう。………初めて大怪我したあの日は、油断しすぎたなあ。
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(0)そんな俺が、何故夜にも活動するのかというと、大抵の動物が夜行性だからだ。狼はその最たるものと思ってもいい。奴らは、昼は昼で積極的に行動はするがキチンとあまり痕跡は残さない…そして、夜ほど凶暴な群れに変身するクソだ。事実、狼により滅んだ集落は数知れずで、そこを通る時にも酷く憤りを覚えたものだ。この心構えも良くはなかったんだろうな、今思えば。だから傷を負ってきたんだし…。
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(0)「よーし、準備できたか?かぐや?」
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(0)「うん!私のおちょぼハンマー!うおお!いっけー!」カラダフリフリ
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(0)なんか言ってらー、と思いながら締まらない狩りをすることにした。ボトッ おい、かぐや…落ちてこっち黙って見るな、跳べ。手は貸さんぞ。
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(0)深い新緑に満ちた、未だに穢れを知らぬその森は畏れるに足る聖域だった。
(0)その森に、男と頭の上にウミウシが一匹。男だけが、その対象である獲物から目を離さない。
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(0)深く、深く…澱みのない空気を薄く吸って…小さく吐く。その循環を繰り返すこと、暫し。
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(0)トットットットッ
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(0)と、何かが2人を横切るが意に介さない。危険ならば、上にいるウミウシがトントンと、小さく反応するからだ。泰然一体となって、その一矢に力をギリギリまでこめて────
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(0)ヒュン
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(0)その獲物は、すると途端に倒れ伏したその獲物。首を見るとドクドクと、赤黒く血が流れ…泡を吹いて呼吸しようとしていた。そして、何が起きたか分かっていない一匹がまだいた。だが、狩りは既に終わりだ。
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(0)「ふぅ〜………、久しぶりに集中して狩りをしたが…楽しいな」
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(0)「おみごとー!いつ見ても惚れ惚れする腕前ー!乃依って人にも負けないね!」
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(0)「……?乃依って誰だ…?」
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(0)言ってなかったけー?あれ?誰だったっけ?と首を傾げるかぐやを、そのままに俺は鹿の血抜きのために近寄る。早くしないと臭くなるし、不味くなる。もう一匹の方は、俺達の姿を視認するや否や足早に逃げていった。
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(0)「………あれ?血の匂いも…しない?」ボソッ
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(0)触る感覚はあるが、違和感はあった。その違和感の原因は、狩人にはとても重要な嗅覚が機能していない、ということに起因していたようで………何度も、血を触った手を鼻付近にもっていって嗅ぐ。
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(0)「ハルって…そんな趣味あったの…?」
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(0)声の方を見ると、かぐやがドン引きするように身体をのけ反らせ、うわあ…と言いたげに冷たい目で見ていた。
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(0)「い、いや!そんな趣味は断じて無いぞ!………そのな、匂いもしないんだ…鼻も利かない…」
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(0)「………うーん?なんでだろう…?でも明日になってたら治ってるかも!ほら、光るキラキラ~があるでしょ?きっと大丈夫だよ!」
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(0)そうだと良いんだがなあ…と、思いながら俺は手際よく血抜きした鹿を背負い投げの要領で持ち、村へと帰ることにしたのだった。
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(0)『おお〜…これは流石、長が一目でお目付けした者だな…。これを一人で…ッ!』
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(0)門衛が、感嘆符のような声をあげているので感心しているのは、目に見えて分かる。俺はどうぞどうぞと、門衛にジェスチャーして一瞬困惑していた門衛も意味が分かったのか、スムーズに受け取る。
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(0)「「ふぅ………」」
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(0)俺は一段落したな、と気持ちを落ち着かせて村をまた見回した。頭が物理的に重いが、気にする程ではない。
(0)少し俺自身、この村に慣れたのか昨日よりもより鮮明に見える。
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(0)稲作は田植えを時期によってずらし、植えているのか成っていない田んぼもあれば、合っていたのか穂を実らせた田んぼもある。
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(0)弥生土器を作る場所は、数は少ないながらも大量生産はできそうな具合で、もうそろそろといったところ。
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(0)そして、一番工業しているなあ…と思うのは
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(0)「かぐや、青銅器ってすごいんだぞ。なんせこの時代の最先端をやってるんだ」
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(0)「………何度も聞いたよ〜!何回目なの〜!も〜!ハルはいつも同じ話しばっかり!流石のかぐや様も怒っちゃうよ〜!」
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(0)「すまんすまん…。けど、銅を溶かして形作ってるんだぞ?この感動がどれほどか…」
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(0)常日ごろから、頑張れ〜と応援しなきゃと思っている場所であり、いずれそのままさっさと鉄を溶かしてしまえと、心の中で促す。
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(0)しかし…けれどまあ、やはり鼻はおかしくなっているようで、風にのって薫るであろう様々な匂いはしてこない。そのためまるで、無機質な風景を見ているように錯覚したが、肌にあたる風が現実だと強調していた。
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(0)はやく治らないかな、と思いながら俺はこの村にきてしていなかったルーティーンをすることにした。
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(0)「え〜っと…歴史をメモメモっと…」
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(0)「ほうほう〜?」
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(0)俺の頭の上からちょこっと顔を出して、かぐやも地面を見る。そこは大雑把な時代区分を書いた物だった。元々、俺自身は現代では歴史好きな一面もあったため米=弥生時代と、確信を持てたが記憶は薄れるもので、時代毎に確証を持てる判断がないといけない。ないと不便だ。
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(0)弥生時代✓米 古墳時代 ハニワ 飛鳥時代 聖徳太子etc…
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(0)と、一つの単語に絞って覚えやすくしていた。歴史好きといってもマイナーどころは流石に知らん…。何が流行して何時代が始まった〜だのも覚えていない。
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(0)まあ…どうせ死なないし、その内分かるっちゃ分かることなんだろうが。
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(0)「おお〜?!平安時代にー!竹取物語がある!彩葉から聞いたことある!ねぇねぇ!この時にヤチヨって来るのかな?かな?」
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(0)「…さあな?第一、月から来るってかぐやなあ、お前のことだろ?………そもそも、ヤチヨはどこ探しても見つからなかったし」
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(0)まだ諦めてなかったんだな…と、驚天動地にも似た感情で次は数学…という名の簡単な四則演算を反復してやって、程よく疲れたところで家に帰ることにした。逆に疲れるくらいには、しないと定着が難しかったのだが…。使うことなくて、肉体労働しかなかったからね。それがざっと5000年だし。
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(0)〜1週間後〜
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(0)「………」
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(0)俺は、食事をやめて鼻いっぱいに息をすう。だが、やってくるはずの匂いはせず…口に含んだものも、砂を噛んでいるかのようで気持ち悪い。あれから、無味無臭は変わらずのまま1週間が過ぎた。
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(0)待てど暮らせど、一向に治る気配は見せない。
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(0)「………ねぇ…ハル…?大丈夫…?」
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(0)「…………大丈夫、だ。かぐや…俺は大丈夫…」
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(0)力なく、そう伝える。俺は食事は必要とはせず摂取も必要がない、いわば趣味のものだった。しかし、俺にとっては生命線であり味を楽しめないというのは、拷問に等しいものだった。
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(0)嗅ぎ慣れた血の匂い、息づく生命の青臭い息吹、灰の薫り、木目調特有の匂い、などなど、普通だったら感じる何気ない匂い。しかし、今は匂いも感じ取れない。
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(0)無味無臭の光景が、俺を苛む。ここは現実なのか、はたまた己が見ている想像なのか、一つの境界線の境目が揺らぎ始めていた。
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(0)と、どこか部屋に重苦しい空気が流れ出した時、それを遮断ように入り口が開けられ、日の光が家の中に入る。
(0)そして、開けた件の人物は早速といわんばかりに口を開け、
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(0)『お主の腕を頼るが、良いか?お願いしたいことがあるのだ』
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(0)お供を連れて何か長が言ったが、当然俺の知っている訛りではなく、全く別の訛りなため何を言っているのか分からない。
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(0)すると、かける言葉を迷っていたかぐやは、おずおずと俺の傍に寄って耳元でそのお願いを翻訳してくれた。かぐや自身も、今は翻訳に徹して部屋の空気を変えたかったようで、集中して翻訳をしてくれた。
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(0)俺はその依頼に、今まで飯を食わせてもらったし、住居まで用意してくれた礼として、気持ちを切り替えて快くOKをだした。
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(0)「………無理してない?ハル?」
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(0)「…してない、してない。さっきは極端になっていただけで大丈夫だ。もうならないって約束するよ」
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(0)「ッ!………うん、約束してね?ちゃんと無理してるとき言ってね?シンヨウデキナイヨケド…」
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(0)はいはい、と軽く返事をして先程のお願い事の内容を、整理するために小声でまとめていく。目線を下げて、俯いていたかぐやだが、俺が開口一番にそれを言うとかぐやがあんぐりと口を開けた。
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(0)「ふむふむ…族長の娘に弓を教える…………って!ええぇ!」
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(0)「それに、期限も1年か長くて3年だそうだぞ?」
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(0)かぐやは、酷く項垂れて翻訳に夢中になってて……もお!何やってんの自分!と、なぜか自身を責めているが、平常運転というものだ。気にすることではない。
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(0)「はぁ…味…香り………いかんっ!こうなったら、早速計画練るか!」
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(0)かぐやはほっといても良い。本当にこの扱いが一番安定するというものだ。あいつ、独り言元気すぎだろ…と、何回目かも分からないその呆れは、最早日常と言っても差し支えないものだった。
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(0)続報・族長の娘、類稀な美少女だった件。なんだこれ?ラノベか?
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(0)「………ふん!」
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(0)「少し顔合わせて、あいさつに行っただけだろう?」
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(0)「だって…デレデレしてたもん、ハルが!」
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(0)「いや、それはだなあ…少しだけしてたかもしれんが…」
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(0)ほらー!と、プンスカするウミウシの姿ありけり…。こやつ、一丁前にヤキモチか…?と、邪推する男あり。
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(0)だが、鼻の下を伸ばした俺は仕方がないと思う。数多の集落で出会いと別れはあったのだが、それでも尚陰りを見せないその美貌。そんな女の子が、長とは別で丁寧に頭を下げてお願いしてくれているのだ。
(0)それに、勝ち気そうでツンとしたその娘は、大成しそうな気がして内心とてもワクワクしている。
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(0)一応言っておくが、下心は皆無だ。この身体になってそういった衝動は、自然と抑えられていると言った方が適切かもしれない。かといって、かぐやに下の話しをするのは絶対にしないが。気心知れた仲とはいえ、それなりの分別というのは必要だからな、と勝手に一人納得しておくことにする。
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(0)「むぅ〜うがぁ〜!あの時にぃ〜!ハルがとられる〜!」
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(0)「おいおい、かぐやには彩葉がいるんじゃないのか。俺にもそういう存在いても良いんじゃ…?」
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(0)「それとこれとはまた別なの〜!鬼!悪魔!ハルの意地悪!」
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(0)冗談がすぎたのか、かぐやが堪えきれず涙を流す。俺はやりすぎた!と反省して、かぐやが一番だから!本当だから!とお姫様のご機嫌をとらなければいけなくなった。
(0)俺の弓指導…前途多難すぎるだろ…と、嘆かずにはいられない。誰か愚痴を聞いてくれる人、募集中だ。(不老不死限定、他に登場予定なし)
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