行別ここすき者数
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(0) ヒカルがオセロをやろうと言ってきた。見ると碁盤のような盤と駒を使う。興味が出たのでやってみる。
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(0) 案外奥が深い。最初はヒカルとほぼ互角。だが、すぐにコツを掴み強くなった。
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(0) ネットのオセロもやってみる。碁よりは単純なゲームだ。すぐに頭角を表した。
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(0) だがあるとき「オセロでは人間は機械には勝てない」という話を聞く。
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(0) ヒカルに頼み込んでその機械とやらを手に入れてもらった。確かに強い。
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(0) 碁もほとんと打たず、毎日機械とオセロを打ち続けた。強い。とても強い。碁では滅多味わえなかった強敵との戦いにハマった。
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(0) 数ヶ月、とうとう機械に勝った!機械との勝負も続けたが、またネットのオセロもやりだした。
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(0) 連戦連勝。誰もかなわなかった。ある日誰かが言い出した。
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(0)「これ新しいソフトじゃねーの?」
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(0)「そうだね。こんなに強いとかありえないね」
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(0)「こっちもソフト用意してぶつけてみようか」
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(0)「いい考えだ」
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(0) だがそれも倒した。
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(0)「新しいソフトに違いない。どこかの大学の大型コンピューターでも使ってるんじゃないの?」
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(0)反論する。
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(0)「違いますよ!ちゃんと打ってるんです」
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(0)「じゃあ今度オセロの大会があるから出てこいよ。目の前で打ったら信用するよ」
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(0)「それは……」
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(0)「できないの?やっぱりずるしてるんだ」
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(0)「ぐぬぬ」
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(0) そのあとはヒカルに代打ちを頼んで大会で優勝したり、世界大会でも優勝したり、新しいソフトの挑戦を受けたり色々あった。
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(0) ある日、ヒカルが言った。
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(0)「佐為、囲碁は?神の一手を目指すって言ってなかった?」
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(0)「あっ」
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(1) すっかり忘れてた……
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(0) その後、少し回り道をしたものの、ヒカルは碁のプロになり佐為は成仏しましたとさ。