アインズ様とフィースちゃん (コモリモリオ)
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アインズ様とフィースちゃん

魔導国の建国からしばらくしたある日の夜である。

 

アインズがいつものようにメイドに見守られながら豪奢なベッドの上で中間管理職向けのハウツー本を読んでいるとそこには強く興味を引く記述があった。

いわく、『よく出来る上司とは部下の衣食住が事足りているかチェックするものだ』と。

アインズは幾度もその文章を読み返し、心の中で声として読み上げる反すう作業を繰り返して、あらためて自らの愚かさに深くため息をついた。

古いことわざでは住が無くて『衣食足りて挨拶を知る』だったか。

挨拶は仕事をする上で最初の基本であるが、つまり衣食住無くしてはそれすらもおぼつかないと言う話だ。

アインズの見たところではナザリックの住人は傭兵や自動ポップのしもべに至るまで、誰もがアインズへの挨拶を欠かす事は無い。発声器官や四肢の有無を問わず、頭部しか存在しないようなアンデッドでさえその場に立ち止まり器用にお辞儀をするものだ。

だがアインズ以外に対してはどうか?知らない所で部下同士がコミュニケーション不全に陥り、果てはナザリックの崩壊につながるのではないか。

衣食住がナザリックに足りているのかを定期的にチェックする、こんな基本的な事を今までおざなりにしていた。

この世界に転移して一年を迎えながら、また魔導王とまで呼ばれるような立場にもなりながら、このような自明の理に至らないのは我が愚かさのあらわれであると、アインズと名乗るようになってから何度も繰り返した自己嫌悪に襲われる。

仲間たちと築き上げたこの偉大なるナザリックだが、人・・・人の形さえしていない者も多いが・・・ともあれ、人の生きる空間としては足りていないものがあまりに多いのではないか?

愛すべき我がNPC達(子供達)が摂る食事の調理は優秀な料理長に任せており、食材も第六階層でマーレやドライアードのピニスンのような者が育て上げた厳選したものを揃えている。

しかし、衣と住についてはどうだろうか?

たとえばメイドたちに着せている衣装はホワイトブリムがその才能の総力を挙げてデザインしたものであり、そこにアインズが文句を付けるような隙は微塵もない(もっともペロロンチーノのような類の人間であれば細かい好みで異論はあるかもしれないが)。

だが、メイドたちの私服を一度でも観た事はあっただろうか?週に一度は休日を与えていると言うのにメイドたちが私服で過ごしている姿を見た記憶が無い。

アインズとて忙しい身であり、せっかくの休日を得たメイドたちの邪魔をしないようにと気を使ってもいるから、今までたまたま目にしなかっただけの可能性はあるが、ここは確認が必要だろう。

そもそもメイドたちは普段何処で過ごしているのか?彼女らの主な職場となる第九・第十階層は広く豪奢な建築物であり、休憩を取るだけであれば幾らでも快適に過ごす事は出来る、しかしそこに作られた部屋は守護者たちの個室が主であった。

労働者であるメイドたちにまで個室を用意した記憶はアインズにはない、何故アルベドに個室を用意した時に気が回らなかったのだ?

 

「(アインズよ、お前は我ながら愚かな支配者だ・・・何度同じあやまちを繰り返せば気が済むと言うのか!)」

 

ホワイトブリムを始めとするメイドの創造者たちの誰か一人でも住環境の設定に気を回してくれていればいいが、これも確認する必要がある。

この部屋に居る時に限っては正直なところ気が重くなるだけの存在だが、今は幸いと思うべきか、部屋の片隅には椅子に座りながらこちらを見守るメイドが控えていた。

さすがに横になったまま会話をするのも気が引けたのでベッドから身を起こす事にする。 

 

「フィース」

「はい、アインズ様、如何しましたでしょうか!」

 

アインズが手を挙げながら声を掛けると、椅子から立ち上がったメイド、フィースがアインズの元へと近づいて来る。

勢いで声を掛けてしまったものの、私服がどう、住居がどうと言うのは仕事中に男女が二人きりの時に相応しい話題とは思えない事に気付いた。

しかもここはアインズのベッドルームである、フィースにとっては気が休まる状況ではないはずだ。ともすればこれはセクハラになるかもしれないし、それでは衣食住が足りる以前の問題だろう。

衣食住、衣と住は聞くに聞けなくなった。

アインズが言葉に詰まっていると、無意識の癖なのだろうか、フィースは可愛らしく小首を傾げている。

すまない、なんでもないと用事を打ち切るのは簡単だが、前に一度別のメイドに対してそのような事をしてみたところ、瞳が静かに潤んだのに気付いてしまったので無闇にしでかさないように気を付けている。

このような美人を意味も無く悲しませるのは男のするべき行いでは無いだろう、それはウルベルトでさえ認めないようなつまらない『悪』だ。

フィースの顔を眺めながらぼんやりと思案にふけっていたが、錯覚だろうか彼女が頬を赤く染めてもじもじとし始めて来たように思え、実のところノンビリとした感性の持ち主であるアインズもさすがに若干の気まずさを感じ始める。

 

「あー・・・その、なんだ」

 

時間稼ぎに適当な相槌を打つも、これはあまり良い選択では無かったらしく、フィースはメイドとして完璧な背筋の良さを保ちながらもその身を縮こまらせると言う器用な真似をし始めた。

 

「アインズ様、失礼ながら申し上げますが、もしかして私では力の及ばないような用件だったのでしょうか・・・」

 

別の話題を何にも思いつかなかっただけなのだが、違う意味に取られてしまったようだ。

 

「いやいや!それは違うぞフィースよ、早とちりをするものではない。すこしお前に尋ねたい話があったのだが、どう切り出したものかと思ってな」

「はい、アインズ様!恐悦至極に存じますが、どのようなご質問にも私の知識の及ぶ限り答えさせていただきます!」

 

もはや無理やりにでも何か喋るしかないが、この空っぽの頭部にある話のネタが今は衣食住しかない、だがセクハラは嫌だ、セクハラは嫌だ・・・。

いや、待てよ。衣食住しか思いつくことが無いのであれば、衣食住の食について尋ねれば良いのではないか?

本来尋ねたい話で無かったが、この際だから世間話でもしないよりはマシだろう。

そもそも考えてみれば食も本当に足りているのだろうか?自分で確認していない事は部下の言葉で確認するべきではないだろうか。

 

「フィースよ、お前たちはナザリックの食事に満足しているか?」

「アインズ様の寛大なるご慈悲により、日々美味しい食事を満足するまで頂いております!私たちメイドの中に不平不満を唱える者などおりませんし、このナザリックで餓えたしもべを見掛けた事はただの一度もありません」

 

微笑みながらそう語るフィースの様子には嘘偽りの無い感謝が溢れており、アインズに確かな満足を与えた。

アインズが支配・管理するナザリック大墳墓は常日頃から従業員にホワイトな組織を目指している。とりわけ衣食住の中で言えば食については生存戦略の観点からも転移してから優先して取り組んできた内政事項であり、デミウルゴスやセバスからも意見を吸い上げて世に類を見ないほど優れた環境を構築した自負が元よりあるのだ。

だが、念には念を入れたアインズの追求が後になってナザリックに余計な波紋を広げる事になる。

 

「そうか、だが足りないものはないか?お前にも好みと言うものがあるはずだ、望むもの全てが用意されている訳ではないだろう。料理長の腕には信頼を置いているし、ナザリックで産み出される食材の質も各員のたゆまぬ努力により優れたものと自負している。しかし私は自分では食事を取らないものでな、もしかしたら何か足りないものがあったとしても気が付くことが出来ないのだ。このナザリック大墳墓を我々の手にしてから数えても、食堂に立ち寄ったのは・・・いつ以来か」

 

どんなに豪華な食堂で、どんなに美味そうな食事を作っても、しょせんはゲームの中の話であった。

アインズもユグドラシルの時にはさほど料理システムに興味は無かったが、凝り性だった一部のギルドメンバーたちがナザリックがユグドラシルに存在した頃に多大な労力を割いてくれて助かった。

彼らが手間暇を掛けて料理特化の装備やビルドを備えた料理長を創造し、調理や飲食に高度なバフが掛かるほどの優れた設備を作らなければ、フィースのこの心からの笑顔を見る事は出来なかったかもしれない。

 

「一度でいいから私も食堂を利用してみたかったものだな」

 

むろん、ナザリックの絶対なる支配者であるアインズに食堂を利用する権利が無い訳ではないが、飲食が不要と言うより不可能になった今となっては利用しようにも身を持て余すだけである。

惜しむらくは自分を筆頭とする、万にも及ぶアンデッドの軍団には料理による数値的な恩恵が与えられない事であった。

ゲーム時代から飲食によるボーナスは羨ましく思っていたし、もし飲食ボーナスを受ける事が出来ればシャルティアとの戦いももう少し楽に進められただろう。

余計な事を思い出してしまい、苛立ちからトントンと手元の本を叩いてしまう。

先日エンリ達に饗したフロストドラゴンのステーキを食べる事が出来れば一時的にせよ5レベル分は戦士としての能力が向上するに違いない。

それにしてもアレはなかなか良い香りだった、味覚と言う失われた五感への執着が僅かに生まれ、思わずため息が漏れる。

 

「!」

 

フィースは目をカっと見開くと、見る見るうちに顔色を青ざめさせていく。

 

「どうした、フィース?」

 

なにか悪い事を聞いてしまっただろうか、アインズは鈴木悟であった生前から女性の心に疎い。

この短い時間にセクハラになるような言動をしたつもりは無いが、そうでなくとも知らないうちにフィースを傷付けた可能性はある。

図書館に男女関係のハウツー本はあっただろうか、いや、そもそもフィースとは男女関係と言う以前の問題である。図書館の司書たちにそれとなく女性の心の機微を扱った本が無いか聞く方法はないだろうか。

 

「アインズ様・・・食事・・・気付きもせずに・・・本当に気が利かない・・・」

 

一体どういう事だろう、呆然とした様子で、まるでアインズを責め立てるようなうわ言を漏らすフィース。

何か言い方を間違えてしまったのか、食への拘りはアインズには想像も付かない領域の話だ、金剛石のごとき忠誠心でさえ揺らぐ事はあるかもしれない。

ナザリックの食環境には優れた自負を持っていたつもりだが、味の確認さえままならぬこの身には過ぎた慢心だったのだろうか。

以前、仕事で酷い失敗をしてしまったと語るヘロヘロが、数日に渡り今のフィースと似たような調子でブツブツと呟きながらナザリックの廊下を歩いていた姿を思い出す。

その後かろうじてヘロヘロは元の調子を取り戻したが、その一件以来上司とはうまくいかなくなったと愚痴をたびたび漏らしており、ギルドの雰囲気に少なからず影を落とす暗い言動が目に付くようになったのはヘロヘロの仲間としてもギルドマスターとしても辛い記憶であった。

そんなヘロヘロと今のフィースの姿が重なるとは、支配者としての大きな手抜かりに他ならない。

この様子では話し掛けたところで聞こえているかも怪しいが、放置は出来ない。

鈴木悟であった頃なら地面に手を付いて謝る事も辞さないが・・・それも我ながらいささか情けない・・・、何にせよ、ナザリックの支配者たるアインズ・ウール・ゴウンを名乗るものとして下手に出過ぎないようにうまく謝る必要がある。

 

「とても辛い思いをしていたようだ」

 

許せフィース、そう言葉を続けようとした瞬間である。

フィースが糸が切れた人形のように脱力し、重力に逆らう事無く地面にその姿を近付けていく。

 

「(うおぉぉぉぉい!?)」

 

アルベドならいざ知らず、レベル1のホムンクルスに過ぎないフィースはこのままでは大きな怪我をしかねない。

アインズは脳裏によぎったセクハラ上司と呼ばれる可能性を振りきって、地面に膝を付こうとするフィースを慌てて抱き留める。

 

「大丈夫か!・・・もし、体調が悪いなら気が付かなくて済まない。立っていられないようであれば、私はテーブルで本を読んでいるから朝までそこのベッドで横になっていても構わぬ。必要であれば治療の為にペストーニャを呼びだそう」

 

とても辛い思いをしていた、そんな、なんて事を私は。

このメイドは何を言っているのか、アインズを責め立てているにしては少し文脈として変な言い方をしている気がするが、それも疲れているからだろう。

腕の内にあるフィースをどのように扱ったものか、思わず天井を仰ぐとエイトエッジアサシンの一体と目が合ってしまったが、すぐに目を逸らされた。

そのまま数分も経っただろうか、いつまでもこうして居る訳には行かない。

フィースの返答を待たずにペストーニャへと伝言の魔法を使おうとした頃にようやくフィースは我を取り戻したようだ、しかし相変わらず顔色は悪い。

 

「どうする?フィース」

 

果たしていつもの支配者としての作り声を出せていただろうか、自分に出来る最大限の優しさを込めてフィースに語り掛ける。

フィースは何も答えないが、何故かアインズの胸元へと顔を押し付けてくるように身を寄せると、静かに泣き声を上げ始めた。

ごめんなさい、なんで優しくしてくれるんですかアインズ様、私は駄目なメイドです、そのような内容の、まるで子供が親に甘えるような囁き声が困惑したアインズの聴覚へと柔らかく突き刺さる。

こう言うのをメンヘラと言うのだったか、ヤンデレと言うのだったか、女性の豊かな感情表現をデフォルメしたと言う聞きかじりの言葉が幾つも浮かぶ。そのいずれもフィースにはふさわしくない気もして何故かアルベドの顔が脳裏に浮かんだ。 

 

「(たぶん、嫌がっている訳ではないと思うが、どうしてこうなった・・・?)」

 

悪い流れでは無くなった気もするが予想外の方向に転がっていく事態に、アインズの思考は半ば停止した。

もうフィースの成すがままに任せるべきだろう、ただでさえ女心は読めないし、泣く子と地頭は強過ぎて勝てない。

この諦めはアルベドであれば王手を確信した瞬間だっただろうが、しかしフィースは女性守護者たちと比べれば誰よりも謙虚であろう対応を選んだ。

短い謝罪の言葉を述べて、名残惜しいようにゆっくりとアインズの身体から離れると、その目に涙を浮かべながらもはっきりとした意思で語り始める。

だが、その内容はアインズの予想(あるいは期待、願いかもしれない)を悪い方向に超えていた。

 

「重ね重ね大変失礼致しましたアインズ様、この度は私めの不徳の致すところ。お許しを頂ければこの罪を命であがなう事は出来ないでしょうか」

「フィースよ、何を言っている!?」

 

幾らなんでも、上司との世間話が上手く行かなかったくらいで部下が死ぬ組織が世界の何処にあると言うのか。少なくともアインズを始めとする仲間たちがナザリックをそのように作った覚えは全く無い。

体調が悪い時に倒れてしまうのも、この場合であれば上司であるアインズの管理責任が問われるべきかもしれない話だ。

やはり聞き取り調査に自ら手を出すのは鬼門だ、多少の不自然さがあってもハムスケに任せるべきだった。

顔を苦悩にゆがめ、殉教者そのものと言った様子で自らの死を請うフィースの姿にアインズはもはや存在しないはずの胃が口から飛び出すほどの苦痛を幻覚する。

全く何がなんだかわからないものの、アインズには目の前の緊急事態に対して責任がある・・・らしい。

一刻も早く何か早とちりをしているらしき部下をなだめなくてはならないが、精神が安定化する数秒の間でいいから待って欲しい。

喚きたくなる気持ちを抑え、フィースから見えない位置で指折り時間を数えながらようやく心の平静を迎えた。

 

「よし」

 

もう落ち着いた、落ち着いている筈だ、我が名はアインズ・ウール・ゴウン。

今は鈴木悟でもモモンガでもなく、このナザリックを率いる偉大な支配者であり、一万を超える優秀な配下を統べる強大なカリスマを持った男だ。いつかは真にそうありたいものである。

そして今は配下の数は問題では無い、千里の道も一歩から、まずは目の前のメイド一人を説得する所から始めるとしよう。

 

「すまない、何か私に落ち度があったようだ、いや落ち着けフィース。忘れてくれ。誰にも落ち度は無かった、お前たちの生活に困った事が無ければそれで良いのだ。お前に悲しみの涙は似合わない、お願いだから今朝見せてくれた輝くような笑顔を私に見せてくれないか、フィースよ」

「そんな、そのような、お優しいお言葉を・・・申し訳、ありません!アインズ様」

 

自分でも歯が浮くような言葉がよく出て来たもので、内心では『俺こそこんなセリフ似合わないよ!』と思いながらもナザリックの女性に対しては何故か効果的であるがために、嫌々ながら溜めていたキザな言葉のストックをひとつずつ消費していく。そしてフィースのいまだ涙に濡れるその目元へと、薔薇の刺繍がされたハンカチをアインズは軽く押し当てた。

 

「この薔薇は私よりもお前に似合うだろう、フィース。私のお下がりになってしまうがこれを今後も使ってくれれば嬉しい。・・・今日は疲れていないか?もし疲れているようならば、お前さえ良ければ少し早いが次の当番のものに仕事を交代しても構わぬが」

 

俺も疲れているし、出来るものなら誰かにナザリックの支配者を交代して欲しいほどだ、せめて今だけでも。

そもそもこう言う事はたっち・みーさん、貴方のような人が向いていたんじゃないですか、私は美女を慰めるようなガラじゃないですよ?

内心では現実逃避をしつつ、フィースに言葉での慰撫を続ける。心のマジックポイントを超位魔法で削り切ったかのように、内心疲れ果てたアインズとは好対照にフィースの顔には活力が戻ってきたようだ。

 

「いえ!、失礼しましたアインズ様、アインズ様より頂いたこの薔薇に誓って、より一層のアインズ様への忠義を全身全霊を持って捧げる次第です。ですから、私に任された仕事をこの身が滅びるその日まで、どうか取り上げる事の無いよう御慈悲を賜りたく願います!」

 

先ほどまでの涙のせいか目が少し赤いものの、精一杯の笑顔でアインズへの忠義を誓うフィースの姿にアインズはようやく胃を悩ますような事態が解決したと安堵を覚えた。

決して安物と言う訳ではないが、ハンカチ一枚でここまでの忠義を捧げられるのであれば世のブラック企業の社長たちは大喜びをするだろうな。

これで本当にいいのだろうかと悩みつつ、ひとまずフィースの精神状態が持ち直したところでフィースに声を掛ける前まで事態を戻したい。

 

「・・・うむ、よろしいフィース。私も決してお前から仕事を取り上げたりはしないと誓おう。私も読書に戻るから、お前もその職務を尽くすがいい」

 

もう本なんて読めるような気分じゃないけどな!どうしてこうなった!

与えたハンカチを胸に押し抱く、まるでアルベドを彷彿とするような表情でこちらを食い入るように見つめるフィースを部屋の片隅に置きながら、アインズは翌朝のメイド要員の交代まで羊の数でも数えながら無駄になる時間を過ごそうと心に決めた。



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