シンジになってハーレム計画 (聖夜竜)
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第1章 乳児生活編
目覚めたらシンジ


久しぶりに書きたくなったので始めます。
しばらくは原作開始前の話です。


 

 

 ──目が覚めたら碇シンジになっていた。

 

 何を馬鹿なと思うかもしれないが、世にも珍しい体験をしてしまった少年は──ああいや、今は赤ん坊の姿になってしまっているが──この突然過ぎる事態に酷く混乱していた。

 

 無理もない。彼は前世──と簡単に言っていいものかは難しい問題だが──にいた頃はどこにでもいそうな冴えない容姿の少年だった。

 

 これと言って頭や運動神経が良いという訳でもなく、女子にも全くモテなかった。

 

 そんな彼の趣味は18禁関連の同人誌漁りにAV鑑賞、そしてゲーム全般。年齢相応にエロいことが大好きで、自慢できる事は腹の下にぶら下がった長年の息子が成人男性の平均サイズよりも大きく太めで長い事に加えて、一回の射精量も濃厚で凄まじい事。おまけに絶倫のオプション付きで、一日に行う日課のオナニーで抜く回数は軽くて五回に及ぶ。

 

 そして小学生の頃からエッチな本を読みながらの自慰や妄想で鍛え上げ、中学、高校に進む過程で更なる極限進化を遂げた大人顔負けの性行為に関する知識の多さとテクニックの上手さだ。ちなみに、これでも彼は年齢=彼女いない歴の童貞である。

 

 そんな──ちょっと普通とは言い難い、性欲に満ち溢れた若々しい男子だった。

 

 それがどうしてか、目覚めた時には碇シンジという架空のアニメキャラクターに転生していたのである。それも憑依というあまり嬉しくない形で。

 

 碇シンジ──それは『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメに登場する主人公の少年の事だ。この作品は簡単に言えば碇シンジがロボットのような外見をした人造人間『エヴァンゲリオン』のパイロットに強制的に選ばれ、既に1度滅び掛けた世界を再び滅亡させようと現れる謎の敵『使徒』と戦いながら少しずつエヴァのパイロット、そして人間として成長していき、すべての使徒を倒した後で最終的には様々な人達から『おめでとう』と祝福されて少年は神話になって終わるという──正直なところ難しい内容で原作ファンの中でもよくわからない人がいる事で知られているストーリーだ。

 

 それでも当時は社会現象になった他、アニメを見ていない人でもその作品の名前や主題歌は知っていたりする人が多い事で有名だったりする。

 

 そして何故、彼は自分が碇シンジになっている事に気付いたかと言うと……

 

「あら……シンジったら、もう起きちゃったのね」

 

 赤ん坊の姿になった彼の隣に碇ユイその人がいたからである。しかもピンク色の可愛らしいパジャマ姿で。

 

(……ほんもの、か?)

 

 ──碇ユイ。原作では既に故人であるが故にあまり出番は多くなかったものの、とある理由から息子のシンジとは常に深い繋がりを持ち、母性愛に満ち溢れた天使のような美しい女性である。

 

 シンジになってしまった彼も隣のベッドで横になるパジャマ姿のユイの姿を見るまでは、ここがアニメの世界だとも、ましてや自分がその主人公になってしまった事も当然知る由もなかっただろう。

 

 彼だってアニメや漫画、ゲームに精通している今時の日本男児だ。当然、碇ユイの容姿や性格は理解している。

 

 その彼が感じているのだ。

 

「シンジ……? きょとんとした顔をしてどうしたの?」

 

 目の前にいるこの女性は間違いなく本物の──ちゃんと現実世界に存在する碇ユイなのだと……

 

 思わずポロポロと涙を流してしまう。その原因は自分が赤ん坊になったからか、それともシンジになってしまったからか……それは定かではない。

 

 しかし今、間違いなく彼は感動的な何かに感情を揺り動かされ、初めて見る母親の姿に心奪われて泣いた。

 

 一方でユイも驚きを隠せないでいた。

 

 生まれた時はさすがに泣いたものの、それ以降はほとんど泣く事のなかったシンジが突然母親の顔を見て静かに泣き出したのである。

 

 少し不気味にも思うが、次第に赤ん坊らしく大きな声で泣き始めたシンジを見て、ユイはホッと安心してシンジを優しく抱き寄せた。

 

「あらあら、どうしたのかしら?」

 

 ユイは赤ん坊のシンジを大きな胸で温かく包みながら、泣き止ませようとしている。

 

 その一方、ようやく落ち着き始めたシンジは冷静に今の状況を把握する事に努めていた。

 

(どう考えても……憑依転生ってやつだよね)

 

 シンジは前世で死んだ時の記憶はなかったが、人間死ぬ直前の事は覚えないままあの世に逝くものなのかもしれない……と、とりあえず納得する事にした。

 

(今わかった事。俺は目覚めたら何故かシンジになっていた。そして目の前にいる女性が俺の母親で本物の碇ユイってこと。あと、ユイさんってこんなに巨乳だったっけ?)

 

 男として見過ごせないそのエッチ過ぎる豊満な胸。形の良い丸みを帯びたお椀型の乳房は白く滑らかで張りがあり、柔らかそうな双丘と深い谷間が視線を釘付けにして離さない。

 

 細身の身体だと思えないほどに不釣り合いな巨乳は見事と言わざるを得なかった。

 

(しかしほんとにすごい……薄いパジャマを着ているから? でも間違いなくこのおっぱい、Eカップはあるよなぁ……)

 

 などと考えつつ、シンジは予想外に巨乳だったユイの大きな胸に顔を埋める事にした。途端に濃くなっていく甘い聖母の香りにシンジの脳内は堪らず麻痺していく。

 

「ふふっ。シンジったら、お腹が空いちゃったのかしら」

 

 原作と全く変わらない聖母の微笑みを浮かべたユイは待ち切れない様子のシンジに向かって「ちょっと待っててね」と甘やかすように言うと、パジャマのボタンを器用に外してその豊満な乳房を晒け出した。

 

 どうやらブラジャーは着けていなかったようで、黒ずんでいない薄い桜の色をした可愛らしいぷっくり乳首がシンジの眼前へと迫り来る。

 

(えっ、えぇっ!? ちょっ、いいんですか? これいいんですか奥さん!?)

 

 生まれて初めて女性のおっぱいを生で見ている事に対する謎の感動と興奮で目をぎらぎらに光らせ、シンジは目の前に恥ずかしげもなく差し出されたユイの乳首へと唇を近付けていく。

 

(あぁ……この世界のすべての人達へ、ありがとう)

 

 などと意味不明な事を内心で呟き、シンジはついに念願のおっぱいタッチを成功させた。

 

「んちゅ……んっ……んん」

 

 狭い咥内に広がりゆく生暖かい濃厚な天然ミルクの味。甘くて優しく、それでいて女性特有の良い匂いが鼻の奥を刺激する。哺乳瓶で飲まされる手作りミルクとは明らかに違うその自然豊かな母乳の味わいに、シンジは無我夢中といった様子で吸い続けた。

 

 そこにはもう、前世で十年以上長きに渡って男として生きてきたプライドも感じられない。文字通りの赤子の姿があった。

 

「あらあら、そんなに慌てて飲まなくても……ふふっ。よほどお腹空かせてたのかしら?」

 

(あぁ……俺はシンジのままでいいんだ……ユイさんとこのおっぱいがあれば……もう何も怖くない)

 

 ──碇シンジ(0歳)、実の母ユイの授乳を受けてこの世界で生きていく事を誓う。

 

 そして少年は知らない。この世界が原作とは異なる展開を辿った一種のパラレルワールドであるという事実に……

 

 

 

 

 ユイの授乳が終わり、満腹になったシンジは幸せな気分で赤ちゃん用のベビーベッドの上で寝ていた。

 

(それにしても赤ちゃんってこんなにも退屈なんだな……まぁ、まだ自分で歩く事も喋る事もできないから当たり前か)

 

 シンジは柵に囲まれた狭い空間の中で身動きする事もなく、ぼんやりと天井を見上げていた。

 

(……知らない天井だ。まさか俺がシンジになってこの台詞を言うなんて思いもしなかったな)

 

 ここは恐らく何処かの病室だろう。シンジが生まれて間もない為、ユイと一緒に個室で入院しているようだ。

 

(……暇だからユイさんでも見てよっと)

 

 退屈凌ぎに隣のベッドで静かに本を読んでいるユイに視線を向けてみる。相変わらずピンク色のパジャマを着ており、その豊満な胸は服の上からでも魅力的な深い谷間を作っている。

 

 未だに信じられない。ただの人間だった自分がシンジになって新しい世界に誕生した事実だけでなく、二次元の存在でしかなかった碇ユイから生まれ、その本人がすぐ隣のベッドでそこに現実の人間として存在しているのだから。

 

(あのおっぱいが忘れられない。今の自分が赤ちゃんだからかもしれないけど、無性にユイさんのおっぱいが欲しい)

 

 これが赤ん坊という生き物、その生き方かと悟りを開くシンジ。その直後、シンジの脳裏を電流が駆け巡った。

 

(……待てよ? この世界がエヴァンゲリオンの世界だという事はわかったけど、それならユイさんはそう遠くない未来でエヴァ初号機に取り込まれてこの世から消えるって事になる……よね)

 

 そう……それは原作のストーリーを進む以上避けては通れない悲劇の始まり。最愛の母親ユイの死を区切りにシンジはその先あまりにも悲惨過ぎる人生を生きていく事となる。

 

(……嫌だ。嫌だ嫌だ! そんなの嫌だッ! 俺は俺なんだ! シンジと同じ人生なんて歩みたくない!)

 

 ──赤ん坊というのは人の感情にとても敏感だ。自分の身体に空腹や眠気を少しでも感じれば、その生理的不快を訴える時に必ず泣き声を出す。

 

 勿論それ以外でも泣く事は多い。その理由は様々だが、確実に言える事はすべて人という生き物がもたらす感情からきているという事。

 

 悲しみや嫌悪、怒りに恐れ、驚きそして喜び……それらの基本的な人間の感情を赤ん坊の頃から感じ取る。赤ん坊は言葉を話す事ができなくても、全身を動かしたり涙を流して大声で泣いたりする事で気持ちを表現する。

 

 今のシンジが感じている気持ちは実に複雑で、それが突発的に爆発した事でシンジはまたしても大声で泣き始めてしまった。

 

「あら大変、どうしたのシンジ? 今度は何かしら?」

 

 シンジが泣き出した事でユイは読書を一旦止め、シンジの寝るベッドの傍まで移動する。

 

 別にシンジとしても泣きたいから涙を流している訳ではない。ただ今の赤ん坊の身体がそうさせるのだろう……シンジはユイに抱かれた状態で泣き続けた。

 

 

 

 

 

 しばらくして泣き止むと、シンジはまたしてもベビーベッドに戻される。

 

「ふぅ、ようやく泣いてくれるようになって……」

 

 その時ふと、ユイが嬉しそうに呟いた。

 

「良かったわ。ねぇシンジ、これからはもっとママをいっぱい困らせてちょうだいね?」

 

 ベッドの上で横になるシンジに優しく微笑みながら、ユイは母親としての幸せを感じ始めたようだった。

 

 




エロは次回から入ります。

と言ってもしばらくシンジのエッチはユイがメインになりそう……ところでユイさんってエヴァのエロ的に需要はあるのだろうか?

う~ん、わからんです……


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赤ちゃん頑張る ★(ユイ)

読む前に注意。
これはあくまで赤ちゃんと母親が行う正しい親子の授乳の話です。

うん、今回は授乳の話だった……よね?


 

 目覚めたらシンジになっていた日の翌日、シンジはいつものように赤ちゃん用のベビーベッドの上でユイから貰ったおしゃぶりを口に咥えつつ──本当は恥ずかしくて嫌なのだが、おしゃぶりをしていないとユイが落ち込むので仕方なく付き合ってあげている──病室の窓際に立って携帯電話で誰かと話しているユイの姿を観察していた。

 

「そう……えぇ。わかったわ。お仕事頑張って下さいね、あなた」

 

 電話の相手は碇ゲンドウ──即ちユイの夫であると共にシンジの父親だ。ユイの話を聞いている限り、どうやらゲンドウは仕事が忙しいらしく、ほとんど病院に来れないそうだ。

 

 それを電話越しに聞いていたシンジはむしろ意外だなと思った。何せ碇ゲンドウと言えば原作で最愛の妻ユイを事故で亡くしてから次第に狂い始め、傷心疲れで何年も行方を眩ました挙げ句に幼いシンジを親戚の家に預けて十年近くも連絡を取らずに放置した他、中学生になったシンジに向かって何の説明も無しにいきなり『来い』とだけ書いた手紙を寄越して問答無用に呼び出し、「エヴァンゲリオン初号機のパイロットになれ、でなければ帰れ!」と言い捨てるほどの冷徹で無愛想な父親としての姿が印象的だった。

 

 しかしこの世界のゲンドウは何かがおかしい。妻のユイを気遣って仕事先から電話をこまめに掛けてくるところはまだ相思相愛の新婚夫婦なので分からない事もない。しかし電話越しに聞こえてくるゲンドウの口から出てくるのは何故かシンジの事ばかり。

 

 オムツは替えたか、ちゃんと母乳を飲ませているのか、哺乳瓶のミルクばかり飲ませては駄目だぞ、赤ちゃん用の衣服やら玩具やらも大量に買い込んであるから安心しろ──などなど、非常に喧しい。

 

(絶対おかしい……ゲンドウってこんなキャラだったっけ?)

 

 愛する妻であるユイの事よりも息子のシンジを優先して溺愛する辺り、この世界のゲンドウは明らかに変だと感じてしまう。さすがに出産の時は多忙なゲンドウも仕事を休んでユイの傍に立ち会ったようだが……

 

(にしても──)

 

「あなた、いい加減にしてください。もうこれで電話に出るの3度目ですよ? シンジの事は私に任せて、あなたは自分の仕事を──ちょっと、聞いてるんですか!?」

 

(ユイさん、なんでゲンドウと付き合ったりしたんだろ……)

 

 シンジの疑問も当然と言える。本当に何故、研究家仲間の間でアイドル的存在だったユイは周りに大勢の男がいたにも拘わらず、ゲンドウのような男と結婚して子供まで作ったのだろうか……永遠の謎である。

 

(結婚か……俺が生まれているって事はつまり、ユイさんもゲンドウと子作りセックスしてるって事なんだよなぁ)

 

 改めて考えると人間は不思議な生き物だ。ユイのような細身の女性のお腹から全く別の存在が生まれてくるのだから。

 

(しかしユイさんのエッチな身体をゲンドウはいつでも好きな時に抱けるのか……くそ、なんて羨ましいんだ)

 

 とここで、ゲンドウの親バカ過ぎる話からユイの身体の事へと意識を移し始めたシンジはある事を思い付く。

 

(待てよ? 今の俺は赤ちゃんだから当然ユイさんのおっぱいを好きなだけ揉んだり触ったり舐めたりエッチできる……そして俺はシンジ改め変態エロ主になったスーパーシンジ──イケる! 俺の赤ちゃんならイケる!)

 

 思えばもっと早くに気付くべきだった。今の自分は中身こそ健全な10代後半のエロ少年といった感じだが、見た目は子供どころか赤ちゃんなのである。

 

 赤ちゃんなら何をしたって怒られたり嫌われたりはしないだろう……まして母親は原作キャラクターの中でも一番心優しいと個人的には思っている温厚で清楚な性格をしたユイなのだから。

 

(あっ、シンジっぽく母さんって呼んだ方が背徳感でるかな? と言ってもまだ喋れないから関係ないか……じゃあしばらくはユイかユイさんでいいや)

 

 ……さて、そうと決まれば赤ちゃんの行動は早い。シンジは大胆にも母親ユイのおっぱいでエッチする事を決意した。

 

 

 

 

 

 幸いな事にユイは今しがたゲンドウとの通話を終えた様子。携帯電話をベッド脇に配置された引き出し型テーブルの上に置き、自分のベッドに戻ろうとしている。

 

 そろそろ看護師によってユイの夕食が運ばれてくる時間帯なので、邪魔の入らないチャンスは今しかない。

 

「あっ……あ~ぅ、あ~ぅ」

 

 精神的に恥ずかしいのを我慢して何とか声を出そうとするも出てくるのは言葉にもならない意味不明なもの……無理もない。生まれたばかりのシンジにはまだ乳歯が生えていないのだから。

 

「あらシンジ、どうしたの? ママに何か用かしら?」

 

 さて皆さん──ここから先、碇シンジは男としての恥もプライドも捨て去る事になる。しかし決して忘れないでほしい。これは今この姿でしかできないプレイの為──仕方ないだろう、そこに聖母様の豊満なおっぱいがあるのだから。

 

「ぱい、ぱい」

 

「もしかして……おっぱいがほしいの?」

 

 ユイはベビーベッドから起きたシンジが自分の胸を凝視している事に気付き、すぐにシンジの下へと歩み寄る。

 

「たーい♪(はーい)」

 

 するとシンジは楽しそうな様子できゃっきゃっと笑ってみせる。ちなみにこれは前世で学び知った『イクラちゃん式赤ちゃん語』によると肯定の意思表示だそうだ。

 

 もしもこれから先の未来で幸か不幸か神様による転生トラックに轢き殺されて赤ちゃんに生まれ変わってしまった時の為に、“イクラ語会話教育”は覚えておいて損はない。尤も、それがどれほど役に立つかは不明だが。

 

「そう。ちょっと待ってね」

 

 ユイはクスッと微笑んでからシンジを自分のベッドの上に一先ず寝かせると、そのままベッドの端に腰掛けてピンク色のパジャマの上着のボタンを外し始めた。

 

 

 

 

 

 ──さて、ここからは少しだけ授乳に関する豆知識を解説したいと思う。

 

 ご存知だろうか。赤ちゃんは母親のおっぱいを飲む時、乳首を咥えさせて母乳を吸わせればいいと簡単に考えている人間がいるかもしれないが、実際のところそう言う訳ではない。

 

 おっぱいから母乳を効率的に吸うには、赤ちゃんが乳首と乳輪を口の中に含む必要がある。胸の乳首から乳輪までを唇で咥え込むように上手に吸着させなければならない。

 

 赤ちゃんがおっぱいを飲む時、赤ちゃんは自分の舌を上手に使って乳頭に吸い付き、乳首を固い口蓋で押さえて、乳輪のすぐ内側にある一時的に母乳が溜まっている部分から口の中に母乳を押し出し、次々と飲み込んでいく。そうする事で初めて正しい授乳は完了するのだ。

 

 またこの時、赤ちゃんに乳首の先だけを吸わせていると『ちゅぱちゅぱ』という授乳時に聞き慣れた音が聞こえるのだが、これは赤ちゃんが母親の乳房にしっかり吸着できておらず、乳輪の内側に溜まった母乳を上手に押し出して飲めていない事から起きる悪い例なので早めに治しておくといい。

 

 赤ちゃんの吸着が上手にできていないと母親は授乳する際に痛みを感じたり、乳頭や乳輪を擦ったり傷付けたりする恐れがある訳だが、しっかりと吸着できていれば胸に痛みを感じたりする事はなく、赤ちゃんへの授乳が次第に気持ちの良いものだと感じ始めるのだ。

 

 勿論、母親にとって授乳が気持ち良いと言ってもそれは決して性的な意味ではない事をここに付け加えておく。

 

 ──閑話休題。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「さぁシンジ。飲みなさい」

 

 パジャマのボタンを外して見事なおっぱいをぷるんっと惜しみ無く晒け出したユイ。

 

 これが初めての授乳ではないと言うのにシンジはドキドキして興奮したまま、ユイの豊満な胸の中に顔を埋める。

 

(おぉっ……! これこれ!)

 

 シンジは可愛らしく膨らんだ頬でユイの乳房を押し当てては持ち上げ、離して揺らすを繰り返す。

 

 その度にたぷんたぷんっと乱暴に揺れ動く淫靡なおっぱい。しばらくそうやって楽しんできゃっきゃっと笑っていると、少しだけ優しい笑顔を消したユイがシンジを自分の胸元から離す。

 

「もう、いたずらっ子なんだから……おっぱい飲まないなら仕舞っちゃいますからね?」

 

 困った苦笑いを浮かべて言うと、ユイはパジャマを着直そうとする。するとシンジの瞳に涙が溜まっていくではないか。

 

(えっ? この子、私の言った言葉が分かるのかしら……?)

 

 普通の赤ん坊とは明らかに異なる素振りを見せ始めたシンジに対し、ユイは少し気味悪く感じてしまう。

 

「ぶーぶ! ぱーい、ぱーい!」

 

 茶色い瞳に涙を浮かべつつ、シンジはユイの豊満な胸を小さな手でぺちぺちと叩く。ちなみにこの涙は嘘泣きである。

 

 清楚な巨乳若妻ユイとの背徳感ある禁断親子エッチの為なら、恥もプライドも捨て去ると覚悟したシンジ。彼のおっぱいに対する執念はもはや見事と言えよう。

 

「ふぅ、困った赤ちゃんね……ちゃんとおっぱい飲むって約束できる?」

 

 やれやれと苦笑いしたユイは「ちゃんと飲んでね?」とシンジに改めて言うと、もう一度シンジの眼前へと大きな乳房を近付けた。

 

「ちゃーん♪」

 

 一方でシンジ、推定Eカップ程はあるエッチなお椀型の胸を差し出してきたユイに赤ん坊とは思えない腹黒い笑顔を見せる。いつの間にか泣き止んで上機嫌に笑顔を見せている辺り、さすが“イクラ語会話教育”を学んだだけの事はある。

 

 さて……ユイから母乳を飲むように言われてしまったのでシンジはおっぱいで遊ぶ事を止めて素直に吸着を始める。

 

「んくっ、んくっ……」

 

 最初は普通に乳輪の中に溜まった母乳を舌を上手に使って飲んでいく。途端に何度でも味わいたくなるような濃厚で甘く蕩ける美味しい天然おっぱいミルクが大量に分泌される。

 

 ユイの母乳は質・量共に問題なく、シンジを育てるのにちょうど具合良さそうだ。

 

「んくっ、んくっ……」

 

 ……このくらいでいいだろう。シンジは不意に母乳を飲むのを止めると、下唇が捲れ上がった状態で乳頭と乳輪まで口の中に深く咥えたまま、まだまだ小さな舌をぺろっと口の中で舐めてみせた。

 

(赤ちゃんのフリはもういいか……さぁ、これからは大人の“赤さん”の時間だ!)

 

 ──暴走モード突入。

 何も知らないユイに対してニヤリと黒い笑みを浮かべたシンジは、自分の舌先を母乳が溢れている乳頭の先端に押し当てると、一気に強く吸い上げてからじっくりねっとりと舐め回し始めた。

 

「んひぃ! えっ? な、なに……?」

 

 ユイは突然の事態に混乱している様子。それを好機と、シンジは舌を上手に使って赤ん坊とは思えないテクニックでユイの乳首をれろれろと舐め回し、適度に吸ったりしていく。

 

「ん、あ、んぁっ……だ、だめシンジ……そ、そんなに強く吸わないで……ぁ、あっ、ぁんっ……」

 

 胸を弄っているうちにピンク色の綺麗な乳首はぷっくりとエッチに膨らみ、乳先から白いミルクをとろぉ~っと甘蜜のように垂らしてしまう。豊満な乳房はぷるぷると震え、突然襲ってきた快感を我慢しようとユイの脳内を様々な感情が交錯していく。

 

「はぁ……ふゅぅ……んぅっ……んっぅ……はぁぁっ……」

 

 きっと今、混乱状態にあるユイの中では何が起きたのかすら理解できていないだろう。普通の赤ん坊だと思っていたシンジが突然変貌し、ユイのおっぱいを執拗に責め始めたのだから。

 

「んゃぁ……だっ、めぇ……」

 

 どういう訳か手慣れた様子で、ユイの胸をいやらしくも甘美な舌触りが襲う。シンジの卓越した大人顔負けの舌使いは宛ら性行為の熟練者が行う激しい愛撫のようでもあった。

 

(おっぱいの感度は極めて良好。やや淫乱の素質あり……っと)

 

 さて次はどうしてやろうと考えていると、病室の扉がコンコンとノックされ、若い女性看護師がユイの夕食を運んでやって来た。

 

 ユイは無防備にもベッドのカーテンを閉めないままシンジに授乳させていたので、ちょうど病室に入って来た看護師と対面する形になる。

 

 しかし邪魔されたとは言え看護師は女性だ。愛撫の瞬間を少し見られたとしても、赤ん坊のフリをしてユイの母乳を飲んでいれば問題ないとシンジは考えていたが……

 

「はぁ、はぁ……あっ、あのぅ……赤ちゃんっておっぱいを飲む時に強く吸ったり舐めたりするものなんでしょうか……?」

 

 シンジの愛撫から一先ず解放されたユイは恥ずかしそうに顔を赤らめた表情で看護師に訊ねる。するとその看護婦はユイの為に持って来た夕食をベッド脇の引き出し型テーブルの上に置いてから振り返り、ユイとシンジに向かってニコッと微笑んでから返答した。

 

「まぁ~、シンジくんは上手なおっぱいの飲み方ができるんですね~。えらいえらい。あっ碇さん、とくに男の子の赤ちゃんはすぐ元気に育つので、母乳をいっぱい飲ませてうんと可愛がってあげて下さいね?」

 

「えっ、えぇ……ぁ、あの、でも……」

 

「ふふっ。ちょっとくらい授乳するのが気持ち良いと思っても問題ないですって。それに、碇さんみたいにおっぱいが大きくて敏感な方だと、赤ちゃんに吸われてちょっと感じちゃう奥さんだっているんですから」

 

「で、でも……ちょっとどころじゃないような……?」

 

 納得いかない様子のユイに看護師は笑顔でそう言うと、未だに困惑した表情を浮かべてぶつぶつと小さな声で不満を呟いているユイに背を向けて病室から忙しそうに出て行った。

 

(あらら、ユイさんせっかくの機会だったのに逃げられちゃったね……)

 

 シンジが思うに、ユイの言葉は正しい意味で看護師に伝わっていなかったものと見受けられる。正しい意味……つまり、ユイの主張では“性的な意味で”という事になるのだが、看護師は普通の授乳の話だと思ったに違いない。

 

 パジャマを着ておっぱいだけを晒け出した格好のユイに抱かれた状態でシンジはその看護師を見送った後、到底赤ちゃんとは思えない邪悪な笑みを浮かべてこの後の展開に心躍らせた。

 

「……ふぅ。し、仕方ない……のよね?」

 

 自分に言い聞かせつつ、何やらドキドキした表情でユイは自分のベッドの上に腰掛けると、シンジへの授乳──と言ってもシンジは既に母乳を飲んで満足する気はなさそうだが──を再開する。すると待ってましたと言わんばかりにシンジはユイのおっぱい責めを再開した。

 

「んぅっ……だっ、だめ、んんっ……んっ、はぁぁん……こ、この子やっぱり吸い方が強く、ってぇ……んぁ、はぁ、激しぃ……っぁんっ!」

 

 少し空き時間に余裕ができた為か、先ほどまでとは違って何とか愛撫を我慢してシンジに母乳を飲ませようとするユイ。しかし次第にその表情は熱を帯びたようにとろぉ~っと蕩けて赤らんでいく。

 

(母さん……いくら原作以上の巨乳になってるとは言え、ちょっとおっぱい弱すぎじゃない? これじゃあ入院中にもユイのおっぱい調教は一段落しそうだなぁ)

 

 いつの間にかシンジの目的がユイとのエッチからユイへの調教に移り変わっているが……なに、気にしたら負けである。

 

 それにこれは『碇シンジ育成計画』──ちょっと18禁要素が色濃く出ているが、タイトル的には恐らく間違っていない。

 

 そもそもシンジの中身は変態エロ主である事から、遅かれ早かれ美人若妻のユイに手を出していくのは確定的だったと言えよう。それが僅かに数日ほど早まっただけの話だ。

 

(まぁ、しばらくはユイさんのおっぱいでえっちぃ事しまくればいいよね。ユイさんもなんか満更でもなさそうな感じだし)

 

 ──その後、実の息子に対する授乳行為で恥ずかしくも感じてしまったユイは、運ばれて来た夕食を食べる暇もなくシンジが満足するまで豊満な乳房を無防備にいやらしく弄られ続けてしまうのだった。

 

 




この作品における女性キャラは何故かみんな淫乱体質な世界です(えっ

だってその方がエロ的にも手っ取り早いからね(笑)

そして次回はユイさんのエッチな反撃ターン……になるのか?

まだまだ腹黒赤さんと巨乳若妻のエロバトルは続きます。


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ユイは怒らせると恐い ★(ユイ)

今回はユイさんがシンジを誘惑します(笑)

性欲旺盛な親子対決の行方は──?


 入院生活3日目。いつものベビーベッドの上──ではなく、今回はユイと同じベッドの上でシンジが目を覚ます。どうやら自分の隣でユイはまだ気持ち良さそうに眠っているようだ。

 

 病室に飾られた時計を見ると、現在の時刻は午後1時を回った辺り……シンジもユイもだいぶ寝過ごしてしまっている。

 

 ユイはピンク色の可愛らしいパジャマこそ着てはいるものの、その上着のボタンは完全に拘束を解かれてはだけてしまっており、深い谷間の近くに無数に付けられたシンジの小さなキスマークが目立つお椀型のEカップおっぱいが、彼女の穏やかな呼吸に合わせて上下に小さく動いている。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ……思えば昨日の夜は大変だった。シンジがまだ赤ん坊という事もあって不規則に訪れる真夜中の空腹や排便──その度に寝ていたユイは幾度となく起こされ、シンジの生理的不満を解消してあげる。

 

 ──とくれば次はユイとのエッチの時間である。昼間のうちに沢山寝ていたシンジは目を輝かせ、ユイの乳頭から乳輪、乳房に至るすべての部分を焦らすように絶妙な力加減で愛撫し続けた。

 

 次第にユイも淫らな喘ぎ声を出して感じ始め、最終的には小さな声で「シンジ、お願いだからおっぱいやめてぇ……他の人来ちゃうからぁ……」と自分の息子である赤ちゃんに懇願する始末。

 

 もはや母親失格と言わざるを得ない恥態っぷりだが、それでも愛する息子のシンジを落とさずにぎゅっと抱き締め、明らかにおかしいエッチな愛撫を無抵抗に受け入れて我慢し続ける姿はさすが碇ユイと言っておこう。

 

 そうまでしてユイの身体を堪能し尽くしたシンジが既に疲労と快感で失神してしまったユイのおっぱいを解放して眠りに就いたのが夜中の午前3時過ぎ。

 

 普段から早起きしていたユイも昼頃まで寝過ごして当たり前と言えよう。シンジも実の母を性的に虐め過ぎてしまった事を少しばかり反省する。

 

(っていうかユイさん……母乳を垂らしたおっぱい丸見えの無防備過ぎるパジャマ姿で寝ているんだから、ベッドのカーテンくらいは閉めようよ。今の無防備なユイさんを他の男達が目撃したら、間違いなくこの場で即レイプされちゃうよ……)

 

 シンジはユイのだらしない寝相を見て呆れた様子で溜息を漏らすと、せめて他の人が病室に入って来ない事を切に願いながら、心配そうな表情でユイの可愛らしい寝顔やおっぱいを観察して楽しむのだった。

 

 

 

 

 

 少ししてからユイが起きると、自分のエッチ過ぎる格好に気付いて羞恥心を感じて赤面してしまい、白いカーテンを完全に閉めて素早く別のパジャマに着替え始める。

 

 その着替えの最中、パジャマの上着を脱いだユイが深い谷間に付けられた無数のキスマークを見て、恥ずかしそうに頬を赤らめてしまう。

 

(シンジ……)

 

 息子の名前を呟き、そっと撫でるようにシンジが昨晩マーキングしたキスマークを複雑な表情で見下ろし、深々と溜息を漏らす。

 

(あなたは……何者なの?)

 

 ユイは目の前で無邪気に微笑んでいる赤ん坊の姿をした“何か”に興味を覚えた。自分と最愛の夫から生まれてきた謎の赤ん坊──研究者として正体を確かめずにはいられない。

 

 知能の低い赤ん坊ながらも人間の言葉を理解し、思春期を迎えた男性のようないやらしい愛撫で母親の胸を弄ってきた。

 

 実際にシンジから胸を責められたユイは、あれは女性に快感を与える為にする男性のエッチな行為だとの考えを示す。

 

 明らかにその行動は普通の赤ん坊には見られないもの……かと思えば、普通の赤ん坊らしく様々な要因で泣き出したりする。

 

(……あやしい。絶対に何かあるはず)

 

 疑い深く考えると、ユイは今日一日シンジの行動を間近で観察する事にした。

 

 

 

 

 

(……ユイさん、やっと自分のエロさに気付いたみたいだね)

 

 ベビーベッドの上で赤ん坊らしく手足をゆっくりと動かしながらシンジは思考を巡らす。

 

 シンジとのエッチな授乳行為で羞恥心を感じ始めたユイが普段からベッドのカーテンを閉めてくれるようになったのはありがたい。これでユイとエッチしている最中に邪魔が入られたとしても、ユイが多少の言い訳を考える時間は確保できる。授乳と愛撫で淫らに火照ってしまったユイの身体はベッドの白いシーツでも掛けて上手い具合に隠してもらえばいい。

 

 ちなみに今日は起きてからまだ一回もエッチしていない。さすがにシンジもお腹が空くので適度にユイに泣いて頼む事で授乳くらいは何回かしてもらっているものの、昨日のように愛撫まではしていない。

 

 と言うのも、授乳している最中にユイがやたらとシンジの表情や仕草を注意深く観察してくるようになったからだ。

 

 恐らく疑われているのだろう。自分の息子は本当に赤ん坊なのか……と。

 

 そうなるとユイの前で迂闊に手は出せない。その為やむを得ず普通の赤ちゃんらしく振る舞うしかないのだ。

 

(急ぎ過ぎたかな……いやでも、赤ちゃんの時からユイさんを調教──もとい“育成”するのは間違ってないはず。なんて言うかこう──エロ的にね)

 

 だいぶ様になってきたおしゃぶりを口に咥えたシンジは、次のエッチな機会を窺いながらユイが隠れているカーテンの向こうを想像した。

 

 一方、白いカーテンで閉め切られたベッドの上で上品に膝を折り畳んだ女の子座りをしたユイは、昨日とは違うピンク色の可愛らしいパジャマの上着越しに自分の胸を触っていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

(ん、ぁん……シンジ……昨日はあんなにエッチな事してきたのに……)

 

 右手で軽く乳房を揉んだりしてユイはシンジの愛撫を思い出す。この時既にユイの表情は赤く染まっており、その妖艶な仕草はどう考えても母親が生まれたての赤ん坊に向けるものではなく、発情した女が愛する男に向ける淫靡なものへと変わり始めている。

 

 ……昨夜のシンジとのエッチな行為を妄想中のユイは、赤く火照った自分の顔や無意識に胸へと伸びてしまう自分の両手に一切気付いていないようだが。

 

(すごく手慣れていた……普通の赤ちゃんがあんないやらしい舌や手の動きをするとは思えない……んっ、ゃぁんっ……)

 

 シンジに対する疑心と警戒を僅かに強めながら、ユイは自分の胸を弄るのを止めない。

 

(はぁ、はぁ……あの人の息子だから? ううん違う……あの人はあんなにじっくりと私の胸を見たり触ったり舐めたりなんてしてくれないもの……夜のエッチだって淡白だし……)

 

 はぁ……と、ユイの柔らかそうな唇から艶かしい吐息が漏れる。

 

(じゃあ私の息子だから? 確かにあの人と付き合う前は仕事の休憩時間や仕事終わりにちょっとだけストレス解消にってこっそり自慰もしていたけれど……)

 

 そうなのだ。実は彼女、こう見えて性欲は人一倍に強い方だった。あまり研究所に籠りっぱなしも良くないと知り合いの恩師や研究仲間の女性に言われ、それなら試しに……と思って自慰を覚えたのがすべての始まりだった。

 

 それが意外とストレス解消に繋がり、ユイは少しずつ自慰という行為に耽るようになった。

 

 それから恩師の冬月先生の紹介で後に夫となるゲンドウと知り合い、彼と付き合うようになってからはほとんど自慰をしなくなってしまった。

 

 だからと言って自慰を卒業して今度はゲンドウとのセックスに夢中になったとか、そういう訳ではない。彼女の言葉通り、ゲンドウは性欲旺盛なユイと違ってあまり性的な行為に興味なさそうだった。

 

 何しろ初めてのセックスでさえ当時は処女だったユイがリードに回ったほど。ちなみにゲンドウのセックスはお世辞にも上手とは言えず、性欲の強いユイ的にはあまり満足いくものではなかったと、ユイは心の中で密かに思っていたり。

 

 その点、シンジは赤ん坊ながらにとても上手だった。いや、ユイ自身がゲンドウ以外の男を知らないからそう感じたという話ではなく、単純にエッチな事が好きという明確な強い意思が昨日のシンジからは伝わってきたのだ。

 

 それが今日はどうだろう。何を考えているのか、シンジは起きた時から普通の赤ん坊らしく振る舞うようになっていた。

 

 他の人ならそれが当たり前だと言うかもしれないが、母親のユイから見てもシンジは明らかに普通とは欠け離れた存在にも思える。

 

 だからユイはここから反撃に出る事にした。反撃と言っても赤ん坊のシンジを暴力で虐待するとかではなく、敢えて自分のおっぱいをシンジの好きにさせる事でシンジの出方を見るのだ。

 

(いいわシンジ……あくまでも“赤ちゃんごっこ”がしたいと言うなら、お望み通りおっぱいを抱かせてあげましょう。それであなたが昨日みたいにエッチな事をしてきたら、馬鹿かと思われるかもしれないけれど私はあなたに問い詰める事にするわ──“あなたは普通の赤ん坊じゃないの?”ってね)

 

 それでシンジが迂闊にぼろを出してエッチな男の本性を晒け出せばユイの思惑通りとなる。

 

 母と息子──淫らな戦いの火蓋は切られた。

 

 カーテンで閉め切られたベッドの上で無意識に自慰をしていたユイは、恐らくカーテンの向こうで自分の姿を見ているはずのシンジを想像してクスッと妖艶に微笑む。

 

(さぁシンジ、次におっぱいを飲ませる時があなたの秘密に迫る時よ……いつでもいらっしゃい。お母さんを本気にさせた責任を取ってもらうんだから)

 

 シンジの秘密を解き明かす決意に燃えるユイ。エッチな甘い香りのする愛蜜の如く垂らした母乳でコーティングされた乳房や乳頭を華奢な指先でくりくりと手慣れた仕草で優しく弄りながら、ユイはカーテンの向こうで待ち受けるシンジの泣き出す瞬間を期待した。

 

 ……それにしてもこのお母さん、赤ん坊相手に本気である。

 

 

 

 

 

 あれから時間が経過して空腹になったシンジが泣き出してユイを呼ぶ。するとユイは何があったのか……すぐにはベッドから出て来ようとしない。

 

(どうしたんだろ?)

 

 いつもと違ってユイの行動が遅い事に、シンジの精神は空腹で泣きながらも疑問を抱く。

 

 ──と、その時だった。

 

 閉め切られたカーテンの向こうから既に分泌された母乳をとろぉ~と垂らし、小豆ほどの可愛らしい桜色の乳首をぷっくりと勃起させ、妙に妖艶な表情を浮かべたユイが待ってましたと言わんばかりに堂々と現れたのだ。

 

「お待たせシンジ。実を言うとね? 私もあなたを待ってたの……」

 

 少し火照った表情を浮かべるユイはパジャマの上着を脱ぎ捨てて上半身裸になっていた。シンジは母親のエッチ過ぎる登場の仕方に度肝を抜かれ、「息子に授乳するのに普通そこまでする?」と内心呟き、軽く引いてしまっていた。

 

 しかしユイの思惑に未だ気付かないシンジは我慢できずに興奮してもいる。尤も、前世では女にモテない童貞のまま死んでしまったので仕方ないかもしれないが。

 

「さぁ、おっぱい飲んでエッチしましょうね?」

 

(うぉっ……! ユイのおっぱいサンドで前が見えない……! これが母親の乳圧……っ!)

 

 そして豊満な乳房を押し付けるようにシンジの顔を塞ぎ、何故か必要以上の授乳をしてくる大胆不敵なユイ。昨日までとは打って変わって積極的にエッチをしようとしてくるユイの不可解な行動や妖艶な仕草に、シンジの精神は我慢の限界を迎える。

 

(……逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ──)

 

 ──開戦直後、ユイの不意打ちをまともに受けたシンジはあっさりと赤ん坊らしく母乳を飲み続ける活動を断念し、誘惑されるままにユイとの甘々しい愛撫行為へと導かれてしまう。

 

(そう……母さんから逃げちゃ駄目だ。僕がヤるんだ……)

 

 シンジが本能のままに母親を犯す覚悟を決めた一方で、瞳の奥の光がうっすらと消えたユイはにっこりと微笑み、甘いミルクの香りのするおっぱいに挟まれたシンジの頭を優しく撫でつつ、ふぅ~っと艶かしい吐息をシンジに囁き掛ける。

 

「ふふふっ……シ~ンジ?」

 

(な、なんだ……? 今日のユイさん、すごいエロいんだけどちょっと恐いような……?)

 

 明らかに怪しい言動でシンジを惑わす天使の顔をした小悪魔なユイに対し、それまでは今回の授乳という名を借りたプレイを楽観視していたシンジの表情に若干の怯えが見え始める。

 

(やっぱり急ぎ過ぎたからこれ以上はやめとこうか? でも先に手を出したのはこっちだしなぁ……うぅっ、それにしてもこの素晴らしい乳圧からは逃げられそうにない)

 

 ユイの余裕綽々とした態度に危機感を感じたシンジは、どうすべきか迷いながらもユイの胸から舌と手をゆっくりと名残惜しそうに離してしまう──

 

「あら、もういいの?」

 

 ──事は許されず、ユイはシンジの小さな両手を片手で掴むと──もう片方の手はシンジの身体を支える為に使っていて塞がっている──いきなり乳房に押し当てた。これにはシンジも驚いてしまい、改めてユイの表情を豊満なおっぱい越しに恐る恐る見上げてしまう。

 

(あっ……これやばいかも)

 

 ……顔は微笑んでいるが目が明らかに笑っていない。シンジの行為に対して怒っている訳ではなさそうだが、その天使のような優しい微笑みが今は無性に恐い。

 

「それくらいじゃあなたも満足してないでしょう? 昨日の夜あなたがやって見せたように、もっと激しく愛撫してもいいのよ? マーキングするみたいなキスはもうしてくれないのかしら?」

 

 茫然自失となったシンジに畳み掛けるように次々ととんでもない台詞を言い出し、ユイはクスッと微笑んでからトドメの言葉を放つ。

 

「──あなた、“普通の赤ちゃん”じゃないでしょう? 例えばそう──“前世の記憶を覚えている”とか……ねぇ、どうなのシンジ?」

 

 確信を持ったユイに強い言葉を突き付けられた時の哀れシンジの表情は、とても赤ん坊とは思えないほど真っ青に怯え震えていた。

 

 

 

 




次回、シンジ死す。

……というのは冗談で、シンジとユイの親子関係に早くも変化が訪れそうです(良い意味か悪い意味かはともかく)

……そろそろ新しいことやりたいな。


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母として女として ★(ユイ)

本文を読まれる前に作者から。

実はこの話を投稿する上で半日以上悩み、書き入れては消して直してまた書いてを繰り返しました。

シンジの持つ原作知識云々はさすがにあれですけど、転生した事を素直に明かしてもよかったのか、と……

あと、何故かユイのキャラがエロい意味でおかしいですけど、そこはR18版育成計画だからってことで認めてください(あれです、育成計画のキョウコさん的な感じで←

しかし自分の赤ちゃん相手に欲情する人妻って……(白目


 

「さぁシンジ。あなたのことを教えてもらうわよ」

 

 ユイは勝ち誇った顔で驚愕のあまり固まったシンジに告げる。

 

 先程、母親からの誘惑の甘い罠に落ちたシンジは本能としての性欲に揺り動かされ、我慢できずにユイへの愛撫を再開してしまった。それにより、ユイの中で少しずつ膨らんでいたシンジに対する疑惑は確信へと変わり、ついにユイはシンジが普通の赤ん坊ではない事実に辿り着いたのだった。

 

(えっ、ええぇっ? 変態ってことがバレたってこと? なんで? どうして?)

 

 対するシンジは未だに混乱していて状況を理解できていない様子。そんなシンジの動揺を感じ取ったのか、ユイはクスッと微笑んでからシンジの頭を片手で撫でる。

 

「心配しなくていいわ。私は母親として、研究者としてあなたのことを純粋に知りたいと思っただけなの。知ったからと言って別にあなたをどうこうしようとかはまだ考えてないわ」

 

 ユイは先程までの妖艶な表情も恥態もすべて隠し、いつもの正常な状態に戻った。そして現在、彼女の断固たる強い意思によって授乳と愛撫は惜しくも中断され、シンジはベッドの上で上半身裸にパジャマのズボンだけというラフな格好で勃起してしまった乳頭から母乳を垂らしたユイと真剣に向き合う。

 

(ユイさん……さすが天才と呼ばれるだけの事はある。あのエッチだけで何もかもお見通しってか……)

 

 未だに動揺しているものの、ユイならその答えに行き着くのは時間の問題だっただろう。何故なら彼女は文字通りの天才。原作でもゲンドウや冬月、ゼーレの人間達が欲するほどの優秀な頭脳を持つのだから。

 

(ユイさんには……詳しいこと全部は無理でも少し話しておくか。ここでまた赤ちゃんのフリを極め込んでも彼女を余計に怒らせるだけだし)

 

 シンジは悩んだ末に自分の秘密をある程度はユイに教えてもいいかもしれないとの思考に至った。

 

 性的な意味で手を出した相手がごく普通の一般教育を受けて育った母親ではなく、非常に頭の切れる母親だったが故に露呈してしまった問題。

 

(……この方法なら大丈夫かな)

 

 やむを得ない事態である為、少し考えた後シンジはカーテンを閉め切ったベッドの脇に置いてある、ユイが読書中だった一冊の本を徐に指差す。

 

「本……これが欲しいの?」

 

 ユイはシンジの行動を冷静に察したのか、読み掛けだった本を取ると素直に渡した。

 

「さぁ、次はどうするの? 私の言葉をここまで理解できるんだから、きっと何かしてくれるはず……」

 

 研究者として興味は尽きない。それだけシンジの特異な存在というのはユイを楽しませるものらしい。

 

 実際、ベッドの上に本を置いて片手で器用にページを捲っているシンジの赤ん坊離れした仕草に、ユイの表情は何かを期待するように面白いと輝き始めていた。

 

「これも前世の知識ってものかしら? どうやらこの子、本の文字を読み解く事は既にできるみたい……」

 

 するとシンジは器用にページを捲っていた手の動きを止め、今度は左手で本を押さえると同時に右手の指を折り曲げて何かを書き殴る素振りを見せる。

 

「右手で本のページに何かを書く仕草……あっ! ねぇシンジ──もしかして文字を使っての意思疎通はできたりするのかしら?」

 

 さすがは天才ユイ博士。その発想力は見事と言えよう。シンジはユイの想像以上の理解の早さによしよしと頭を動かして縦に振る。

 

「今度は肯定、ね……やっぱり……どうやら本当にこの子は天才と言われるだけの知能を生まれながらに備えているみたいね」

 

 天才の発想から、シンジに前世の記憶や知識があるのではないかとの仮説に行き着いたユイ。しかし惜しい事に、彼女はここで重大な事実に気付いていなかった。

 

 そもそもユイが赤ん坊のシンジに対して「前世の記憶を覚えているのでは?」と思い至ったのには理由がある。

 

 不思議な事に世界中でも何件か生まれながらに前世の記憶を覚えている子供が存在するという話を本やテレビのニュースでユイは事前に知っていた為、もしかしたら自分の息子もそうなのかもしれないと今日起きてから冷静に考え始めた。

 

 しかしそれなら……と、尚更シンジの変態的な行動に疑問が浮かび上がる。

 

 ユイの知る限り、前世の記憶を覚えている子供は世界に何人か存在していても、ここまではっきりとした知識や意思を赤ん坊の頃から身に付けているものなのだろうか……。

 

 

 

 

 

 その後、シンジはポケットサイズのメモ帳とペンをユイから与えられた。当面はこれを使って親子間の意思疎通を行う事になる。

 

 シンジは手始めに自分の前世がどんな人間だったかをメモ帳に書いて見せた。その時のユイの羞恥と驚愕に染まった顔はしばらく忘れられないだろう。

 

 

 

 

 

 ──碇シンジ。神様に選ばれた男の子。前世の彼は高校を卒業してアルバイト生活を始めた。家族とは別居して一人暮らし。毎日起きて働いて食べて寝てを繰り返すだけの日々に飽き飽きしていた。そんな彼にも性欲というものはあり、それだけが彼の生きる糧だった。

 

 毎晩仕事帰りに寄った如何わしい女性達が客引きを行う豪華絢爛な店で働いた金を代償にエッチのテクニックを覚えて磨き、自宅では雑誌やネットを頼りに性的な知識を一通り吸収した。

 

 しかし彼は生まれながらに女性から全くモテず、彼女すらできなかった。そんな彼にも自慢できる取り柄はあった。

 

 大きさ、太さ、固さ、長さ、精液の量、精液の濃厚さ、射精回数──

 

 おおよそ男性が生きていく上で持ち得ておきたいステータスのどれを取っても完璧だと思える自慢の肉棒をほとんど虚しい自慰だけで持て余し、ついには女性とキスどころかセックスする事なく童貞のまま孤独な人生を終えてしまった……。

 

 

 

 

 

 シンジの書き留めたメモ帳の内容をゆっくりと読んで確認したユイは、全く予想していなかったシンジの驚くべき秘密に衝撃を受けていた。

 

(信じられない……ここまでくると、これはもう前世の記憶を覚えているなんてレベルじゃない。この子は前世の人間のまま、私達の子供“シンジ”として生まれたんだわ……!)

 

 衝撃の事実にユイは自然と身震いしてしまう。それだけ目の前に存在している赤ん坊が末恐ろしく思えたから。

 

(シンジ……あなたは……私は、どうしたら……)

 

 だからと言ってシンジを拒絶する理由にはならないとユイは思考する。確かに心の奥底でシンジを気持ち悪いと思うところは多少なりともあったかもしれない。

 

 しかしユイにとって目の前にいるシンジはシンジだ。たとえ前世の記憶や知識があったとしても、たとえ前世が女好きでエッチな事にやたら慣れている変態童貞男だったとしても──

 

(……そうよ。この子が前世でどんな人間だったかなんて関係ない。私はゲンドウさんと一緒になれて、結婚してシンジを産んで……私達が家族でいる時間が何よりも幸せなの……っ!)

 

 愛する夫との間に授かり、お腹を痛めて産んだ可愛い赤ん坊である事実は変わらない。シンジはシンジ、前世も今も含めて自分の愛する可愛い息子──ユイはもう迷わない。恐れない。

 

(シンジ……私はあなたを心から信じます。守ります。たとえこの先、私の身に何が起きたとしても……私はずっとシンジの心の中に居続ける。だって私はシンジを世界の誰よりも愛しているから……)

 

 ユイは長考の末に自分なりの答えを見付け出し、これからは──否、これからもシンジを愛していくと心に決めた。

 

 

 

 

 

 それからのシンジとユイは──

 

「──あなたの事は概ね理解したわ。なので次はこれからの事を母さんとシンジの二人で話し合いましょう」

 

 研究者としての顔から母親の顔に戻ったユイの言葉にシンジも頷いて賛同する。実を言うとシンジ、ユイに自分の事を知られてしまった後に待ち受ける自分の今後の処遇を危惧していたのだ。

 

 怒らせると非常に恐いが普段は温厚な人柄で知られるユイの事だからシンジを悪いようにはしないと思うが……。

 

「まず、シンジの事は二人だけの秘密。母さん以外の人間には絶対内緒にする事。いい?」

 

 これは当然と言えよう。シンジとしても内緒にしてくれるとありがたい。尤も、仮にもしユイがシンジの秘密を他人に話したところで到底信じてもらえるようには思えないし、少しばかり性的な行為を含む内容なので、シンジにエッチな事をされた被害者と言えるユイ自身も他人には話せない羞恥心から、そう気軽に喋ったりはしないだろうが。

 

「次に、今後シンジは母さん以外の人前ではできる限り普通の赤ちゃんらしく振る舞ってもらいます」

 

 これも正体を隠す事に繋がるので理解できる。シンジも納得したように頷いてから次の言葉を待つ。

 

「そして……ええと、その……」

 

 ここにきて僅かに表情を赤らめるユイ。それだけでシンジは次にユイが言おうとしている事を察する。

 

「エッチのこと……なんだけど……っ」

 

 ──このままではまずい。

 ユイから今後一切の性的な行為全般を禁止にされてしまうと、暇を持て余した上に性欲旺盛なシンジ的には死活問題だ。

 

「わ、私は……その……っ」

 

 ところがユイは顔を赤らめ、もじもじと恥じらいながらシンジを見据えてくる。白く細い両腕を豊満な胸の前にくるように真っ直ぐ伸ばし、女の子らしくぺたんとベッドの上に座り込んだ魅惑的な格好で少しずつ唇を動かしていく。

 

 どこか様子のおかしいユイが恐怖の審判を下す前に、シンジは先程与えられたメモ帳に自分の希望を急いで書き殴ってユイに示した。

 

 

 

 ──これから僕と毎日エッチしようよ。

 

 

 

「……っ!」

 

 小さなメモ帳に書かれた息子の切実な想いが籠められた短くも力強い文字を見て、ユイの顔はついに真っ赤に染まってしまった。

 

「で、でも……さすがにそれは……親子なんだし……ね?」

 

 ユイは必死に自分の気持ちを誤魔化そうとする。シンジとの授乳や愛撫で戻り始めた結婚以前の──研究の合間に独り寂しく自慰に耽っていたエッチ好きな淫乱女としての本性を実の息子に知られたくなかった。

 

 しかしシンジはそんなユイの女心をお見通しのようで。ドキドキしているユイが見ている前で、シンジは先程書いた文字の下に新しい文字を綴る。

 

 

 

 ──母さん、本当は男の人とエッチな事したいんでしょ?

 

 

 

 ──だったら逃げちゃ駄目だよ。何より……自分から。

 

 

 

「……っ!? シンジ、私は……」

 

 ──研究者としての自分でもない。

 ──愛する夫を慕う妻としての自分でもない。

 ──シンジの母親としての自分でもない。

 

 何でもないただの“碇ユイ”として長い間隠し通してきた心の中に芽生えつつある一番強い“望み”を容易く見破られてしまった……。

 

 愛を知りたい。愛が欲しい。愛する人がくれた美しい想い出や、ひたすらに真っ直ぐで一途な優しい言葉や感情よりも、もっと単純で複雑な深い愛のカタチ──そう。

 

 好き合う者の心と身体が一つに繋がり溶け合った、ケモノのようなセックスで愛を感じてみたい。

 

 あれはそう、ユイが今より更に若々しくモテモテだった花の女子大生だった頃……大学の研究室の中で初めて自慰の快感と感動を覚えた時。まだ恋人を探す事にさほど興味を持っておらず、あの手この手で純真無垢だったユイに近付く男達の下心に満ちた不快な告白を断り続けていた頃。

 

 恋人同士の愛し合うエッチに心惹かれ、いつかは自分も好きな人を見つけて……などと女心に夢咲かせていた頃。

 

 その時以来、ユイの深層心理に根付いた望み──性欲。それを実の息子であるシンジに見破られてしまった……。

 

(……そっか。シンジも私と同じなのね……好きな人と愛し合うエッチがしたいって願っている立派な男の子……だったら、私も……)

 

 もう……逃げられない。

 親子としての関係だとか、夫に対する罪悪感だとか、それら今後の悩みの種を一切捨て去ってしまう。

 

「シンジ……さっきの返事なんだけど……」

 

 乙女らしく恥じらうユイは豊満な胸を丸出しにした上半身裸の格好でぺたんと座り込んだまま、目の前で無邪気に微笑んでいる赤ん坊のシンジを見つめる。

 

 母と子供、この世界で誰よりも繋がりの深い両者の間に生まれる長い沈黙。そして……。

 

 

 

 

 ──数時間後。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「んっ、んんっ……ぁ、ぁん……おっぱい、いい……やだぁ、すごく気持ち、んぃぃ……やぁ、らめっ、また出ちゃ……おっぱいからエッチなミルクが出ちゃう……!!」

 

 病室のカーテンを閉め切った狭いベッドの上。パジャマの上着だけを脱いだ上半身裸のユイは、形の良いお椀型のEカップおっぱいから搾りたての天然濃厚母乳を噴き出させる。

 

 勢いよく溢れ出したミルクは噴水のように飛沫を散らし、ベッドの上で優しく重なり合う二人の身体へと降り掛かり、まるでこれからの二人を祝福する光の導きのようでもあった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……ぁぁっ……シンジ……っ」

 

 ユイはシンジが愛撫しやすいように赤ん坊の小さな身体をむぎゅっと抱き寄せ、すっかり結婚以前の性欲を取り戻した様子でシンジの愛撫を受け入れていた。もはや完全に酔いしれていると言っていい。

 

「んはあぁんぅ……ひぃっ、シンジぃ……ぁあっ、もうっ……らっ、らめぇ……」

 

 舌で敏感な乳首をねちねちと擽ったく舐められる快感に、ユイは大量に分泌された唾液塗れの唇を大きく開け、白い蜜のような唾液の糸をとろぉ~っと引かせて淫靡な声を上げる。

 

「んんっ、ふぅあっ……ぁ、あんっ、あっ、やぁんっ……気持ち、いい……」

 

 次第に激しさを増す舌の動きに合わせて、ユイの唇から甘い吐息が漏れてしまう。甘いミルクの香りが漂うベッドに座り込んだまま、無意識に前、後ろと振られる滑らかな腰回りが実に官能的なエロスを誘う。

 

(……ふふっ。この時の為に前世で一通りのエッチな知識を覚えておいてよかった。童貞だけど)

 

 シンジは赤ん坊らしく可愛らしい手で触れるとむにゅっとなる柔らかい乳房の弾力と重圧を揉みつつ、人差し指と親指でぷっくりと腫れ上がった唾液と母乳塗れの乳首をくりくりと摘まみ、適度に強弱を付けながらじっくりと扱き抜く。

 

「ぁ、んくっ……あぁん! だ、だめっ……ゃんっ! も、もっと……いっぱい、んっ、感じさせて……あの人じゃぁ、ぁん! はぁ、はぁ……ぉ、教えてくれないぃ……愛し合うってことを……もっと、もっと感じてぇ……はぁ、はぁ……はひぃっ……ぉ、お願いぃ……!」

 

 ユイは首筋に届くくらいに短く切り揃えられた茶色い髪の毛を振り乱し、苦しそうな涙を流しながら必死に懇願する。

 

 そんなユイの性への情熱にシンジも応え、両手で乳房を押さえ付けたまま舌で乳首を舐め回し、吸い上げ、まだ歯も生えていない歯茎で甘噛みする。

 

「ぁ、ぁぁっ! すごっ……ぁん! おっぱい、熱いの……さっきからぁ、ジンジンして……ぁんっ、気持ち、ぃいんっ……!」

 

 自分の赤ん坊に胸を好き勝手に弄られ、母乳を飲まれるだけで、人には言えない禁忌を犯しているという感覚がユイの中で次第に薄れていく。

 

 そう……これは好きな男と女が愛し合う行為。そこに母子の関係など一切なかった。

 

 

 

 

 

 ……やがてユイとシンジの検診の時間が近付いてしまった為、今日のエッチはここでお開きとなる。

 

(……そろそろ終わりにして部屋を綺麗にした方がいいね)

 

 つゅぷっ……と卑猥な音を立てて乳房から舌を離すと、ユイの身体は糸が切れた操り人形のように崩れ、満足感に浸っていたシンジを抱き締めたままベッドに倒れ伏してしまう。

 

「んふぅ、はふぅ……あぁぁん……シンジぃ……」

 

 切なそうな泣き声で愛撫を終えたシンジに甘えるユイ。もう何度おっぱいで絶頂を迎えたのかわからない。

 

 頬を真っ赤に染め、唇から唾液を垂らし、胸からは母乳を吹き出し、息も絶え絶えに身悶えしている。そんな彼女が現在穿いている汗かいたパジャマの下では、くちゅっ……と淫らな水音が微かに漏れ出ている。

 

 シンジとのエッチで自分の中に眠っていた性欲に再び目覚めた彼女は、今後の甘々しいエッチ漬けの生活を夢見て自らの隠された蜜壺を淫らに濡らすのだった。

 

(ふぅ……最初はこんなところかな。エッチの許可もユイさん限定って条件付きで貰ったし、明日は今日よりも~っと気持ちいいことしようね? ねっ、僕だけの母さん♪)

 

 ……それにしてもこの親子、とんでもない変態である。

 

 

 

 




本作に濃密なエロを期待する変態紳士の皆さん、3話分もお待たせしました(おいこら

さて次回から先はより一層深いエロスの世界に踏み込んでいきます。

本編もそろそろユイのおっぱいだけでマンネリ化しそうなので、ここいらで新しいプレイに手を出そうかなと思う。

次回のエッチ内容に関してちょっとだけヒント……

赤ちゃんを実際に育てた事がある人なら、ある程度は察するかもしれない。

……なお、興奮できるとは言ってない(えっ

むしろ興奮したらユイさんと同じ変態認定される模様(笑)


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シンジ、心の悩み

予定より遅れましたが最新話更新です。

……ちなみに、今回の話はかなり完成度低い。
いつも以上におかしい作者の文章がさらにおかしくなっているので注意。何なら読み飛ばしてもいいくらい。

うぅ……余裕ができたら書き直したいかも(泣)


 

 ──入院生活4日目。

 あれからユイは少しずつ妊娠前の状態へと身体が戻り始めているようだ。ゲンドウと結婚して子供を作ってからは一時的に失われつつあった性欲をここにきて転生したシンジとのエッチを切っ掛けに再び取り戻したらしい。

 

 今日も朝起きてから欲情中のユイは眠そうなシンジをベッドに誘い、時折様子を見にやって来る看護師達の目を盗んでは、ベッドの布団に隠れてシンジと二人で背徳ある性行為にハマっていた。

 

 ──そして現在。

 

「はい、これでお仕舞い。ふふっ。いっぱい出してすっきりしたでしょ?」

 

 ユイは母親らしくシンジの異臭を放つオムツを取り替え、赤ん坊用のお尻拭きで丁寧に汚れた股間やお尻をふんわりと優しく拭いた。前世で過ごした年齢的にこの行為は男として死にたくなるほどの屈辱なのだが、そうは言ってもこればかりは仕方ない。何しろ赤ん坊なら性別関係無く誰しもが避けて通れない羞恥であるのだから。

 

(うぅ……ユイさん、恥ずかしいからそんなニコニコ顔して見ないでぇ……)

 

 顔を真っ赤に染めて両手で顔を隠し、シンジは早く新しいオムツを穿かせてほしいと願うのだった。

 

 

 

 

 

 シンジにとって悪夢の時間が終わり、下半身の不快感から解放されたシンジは宛ら強姦された女のような虚ろ目でベッドに寝転がっていた。

 

 ちなみにシンジのオムツを取り替え終わったユイは外出中である。というのも碇親子の退院日が近いので、担当の先生から今後の生活についての注意点や細かいアドバイスを聞きに行っているのだ。

 

(うぅ……母さんに汚いお尻見られたぁ……お漏らしオムツも、ちっちゃい赤ちゃんおちんちんも……やだもう僕恥ずかしくてお嫁にいけないよぉ……)

 

 女の子っぽい事を呟きながらシンジが身悶えしてユイの帰りを待っていると、病室の外からクスクスと楽しそうな様子で笑うパジャマ姿のユイが戻ってきた。

 

(うぅ……くそぅ、ユイさんまだ笑ってる……そんなに愉悦がいいかよぉ……愉悦愉悦ってあぁもう、笑いたければ笑えばいいと思うよ!? ……ごめん、ちょっとこの台詞言ってみたかっただけ)

 

 ……どうやら転生した精神は肉体に引っ張られるものらしい。転生してから毎日少しずつ“碇シンジ”の人格(?)になりつつ、彼は病室のベッドに戻ってきたユイを見て可愛らしく頬をぷくぅと膨らませて不貞腐れる。

 

 ……尤も、この世界は原作とは違う『碇シンジ育成計画』が舞台の世界。何かしらキャラ崩壊してしまっているユイやゲンドウの例にもれず、シンジも既にこの世界の愉快な住人の一人になり始めているようだ。

 

「ごめんねシンジ。母さん遅くなって。ふふっ、ちょっとさっきの会話を思い出しちゃって……くすくす」

 

 不貞腐れたシンジが待つベッドに戻ってからもまだ笑っているユイに対し、シンジはむすっとした不機嫌顔でメモ帳にペンを走らせる。

 

 

 

 ──母さんは羞恥プレイが好きですか、そうですか。

 

 

 

 なんて事を書くと、さすがのユイもシンジの態度がご機嫌斜めな事に気付いたのか、慌ててクスクス笑いを止めてシンジを自分の胸元に抱き寄せた。

 

「ふふっ、ごめんごめん。違うのよ? 母さん、別にシンジのお漏らしで笑っていた訳じゃないの」

 

 優しく宥めるように言い聞かせながら、ユイはさらに詳しい話をする。

 

 別の病棟に位置する診察室から帰る途中、偶然にも他の入院中の母親達と出会したらしく、少し子育ての事で話し合っていたとの事。そして今が幸せな若妻達の話題は赤ん坊のオムツの話に。

 

 ある母親が元気な男の子のオムツを取り替える最中、その子が嫌がって泣きながら暴れ出してしまい、驚いた事にその母親の顔に向かっておしっこを掛けられたそうな。

 

「──でね? やっぱり皆さんそういう経験があるみたいなの。そしたら何だか急に面白くなっちゃって。それでさっきまで皆さんと笑っていたのよ」

 

(なるほど。そうだったのか……)

 

 ユイの説明を聞いたシンジはようやく納得すると、ユイに向かって「悪かったよ」とでも言うように、ピンク色のパジャマ越しに大きく張り詰めて膨らんだ風船のようなEカップおっぱいをぽんぽんと軽くタッチした。

 

「ふふっ。わかってくれた?」

 

 ユイが微笑みを浮かべてシンジの頭を優しく撫でる。シンジは照れ隠しにメモ帳とペンを握ると、ユイの豊満な胸を枕にして新しい要望を書き出した。

 

 

 

 ──外に出たくなった。

 

 

 

 シンジから渡されたメモ帳の文字を確認し、ユイは少し考える素振りを見せた後で許可を与えた。

 

「……そう、わかったわ。母さんが抱っこしてあげるから、一緒に行きましょうか」

 

 母親の顔でユイが囁くと、さっそくベッドから起き上がって病室を出る。勿論、シンジも一緒だ。シンジにとっては転生してから初めての外となる。

 

 やはり病室に閉じ籠ってばかりも良くない。シンジに対して素直になりつつあるユイとの病室エッチも勿論大事だが、適度な休息は人間誰しも必要だろう。

 

 それに乳児生活もユイとのエッチ以外は退屈な時間に過ぎないので、シンジはちょっとした刺激を病室の外に求めていた。

 

 

 

 

 

 病室を出て入院病棟の患者や妊婦達が集まる屋内広場にやって来ると、瞬く間にユイは数人の患者や妊婦達に囲まれてしまう。

 

「おぉ、ユイちゃん! その赤ちゃんがユイちゃんと旦那さんの子供かい? ユイちゃんに似て可愛いじゃないの~、えぇ?」

 

(……なんだこいつ?)

 

 その中でもユイの姿を一番に発見するなり、気安い態度で歩み寄ってくる中年の男性患者。頭髪はやや禿げ掛かっているものの、人柄の良さそうな笑顔でユイとシンジに手を振って挨拶する。

 

 ……尚、男性の片腕は事故か何かで骨折でもしているのか、白い大きめのギプスを装着している。

 

「ふふっ。こんにちは。皆さんもお元気そうで」

 

「はははっ、おじさんはいつだって元気元気! そりゃ元気だけれど──いやぁ~、ここで毎日ユイちゃんに会えないと、おじさん生きた心地がしなくなっちゃうよ~。それにユイちゃん、いつも病室に居てばかりであまり外を出歩いてくれないじゃない? もうここに集まって話したり、囲碁や将棋くらいしかする事のないおじさん達はそれはもう寂しくて寂しくて──」

 

「くすっ。はいはい、わかりましたから」

 

 どうやらユイとは既に知り合いらしい。その中年男性だけでなく、老若男女問わず様々な人達がユイに挨拶してくる。

 

(母さん、すごい人気なんだな。まぁ、まだ20代で大学卒業したばかりの天才巨乳若妻だし、頭も良くて優しくて可愛くてしかもエッチ好き。そりゃあ、こんな女性が近くにいたら周りの人が放っておかないか……納得)

 

 おとなしくユイに抱っこされたシンジが静かにユイと他の人との人間関係を見守っていると、不意に広場に設置された大型テレビのニュース番組が目に止まる。

 

『今年も箱根の紅葉がすごく綺麗で、山登りに訪れる観光客も──』

 

 どうやら箱根の紹介をニュース番組のコーナーでやっているようだ。神奈川県の箱根と言えば、原作『新世紀エヴァンゲリオン』とも繋がりの深い場所であり、シンジも前世では地元が神奈川県で箱根に近かった為、よく聖地巡礼に訪れていた。

 

(そっか。そう言えば原作って箱根が舞台だったな……ん?)

 

 その時、シンジの脳裏に奇妙な違和感が芽生える。

 

(箱根、紅葉、山登り……あっ! もしかして今の季節って秋なの!?)

 

 違和感の正体……それは四季の存在。原作ではシンジやアスカが生まれる前に南極大陸でセカンドインパクトと呼ばれる世界規模の大災害が勃発し、その影響でシンジ達が暮らす日本からは四季が消え、海は真っ赤な血の如く不気味に染まり、原作では一年中毎日が真夏の世界だった。

 

 しかしテレビに映った箱根の紅葉を見て、この世界にはシンジが誕生した現在でも四季が存在している事に気付く。

 

「シンジ? どうしたの?」

 

 急に様子の変わったシンジを見て、ユイは不思議そうに首を傾げる。シンジは慌ててユイの胸をパジャマ越しに小突いてテレビのニュースを控え目に指差す。

 

「テレビのニュースが気になるの? あらほんと……紅葉が綺麗ねぇ」

 

 しかしユイは天然なのか、暢気な事を言ってさほど気にしている態度を見せない。広場に集まったユイ以外の人もテレビのニュースを何人かは見ているものの、全員が秋の季節をすんなりと受け入れている。

 

(前々からおかしい世界だとは思っていたけど……)

 

 どうやらこの世界について少し自分で調べる必要ができたみたいだとシンジは思考する。

 

(セカンドインパクトが起きてない世界──ってことは使徒も存在しない? ネルフやゼーレ、綾波レイのクローンとか渚カヲル──そして何よりシンジの人生を散々苦しめたエヴァンゲリオンそのものが……ない?)

 

 ……だとすれば、何て素晴らしく平和な世界だろう。シンジはこの時点で原作とは明らかに異なる時間を進んでいく世界の姿に興味を持ち、今後の未来に想いを馳せずにはいられない。

 

(シンジ、どうしたのかしら? さっきから様子が変だけど……)

 

 一方、テレビに視線を向けた状態で固まったシンジの不可解な行動を心配そうな表情で観察していたユイだったが、不意にシンジがユイのパジャマを引っ張って帰るという指示を出した為、ユイは気になりつつも他の人達に会釈をしてから自分の病室へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 この世界が自分の知る原作とは違う世界かもしれないと疑い始めたシンジがユイに連れられて病室へと戻ってから数時間後。

 

 そろそろユイと行う授乳や愛撫にも飽きてきたシンジ。

 確かにユイの身体は完璧に近い抜群のスタイルと言える。

 20代を過ぎても女の魅力があり、彼女を毎日抱く事に抵抗は全く感じないだろう。

 

 しかしだ。赤ん坊の状態でできる性的行為は限られる。シンジの手足はまだ小さく、ユイのたわわに実ったEカップの乳房を掴む事さえ困難。左右あるおっぱいのどちらかを両手で触ったり掴む必要がある。

 

 つまり、大人の男らしく片手で乱暴に掴んで揉む──などの動作は今のシンジには無理難題と言える。その為にユイに行う愛撫も中途半端な感じになってしまい、現状は手よりも舌を使う事になる。

 

 しかし舌を使ってユイの胸を責めるには些か内容に限界があり、手や性器を使うように様々な快感を与えるのに向いてない。

 

 そして授乳は普段の生活でも必然的に母乳を飲む必要がある以上どうしても飽きやすく、内容的にも普段の授乳の時とあまり変わらない。

 

 ……要するに、シンジはユイとの性的なプレイ内容に若干のマンネリというか不満を感じている訳だ。

 

 そこでユイとできる新しいエッチの発見はないかと考えていると、シンジはふと先程ユイから教えてもらった母親達の会話である事を閃く。

 

(……そうだ。僕には“おしっこ”があるじゃないか。これは間違いなく育成計画に使える)

 

 何も自分からユイに快感を与える事がエッチではない。ユイの方から積極的に奉仕してもらい、今から少しずつユイを従順な淫乱性奴隷として育成するのだ。

 

 その為にはユイに“男”を覚えさせる必要がある。これまでの人生で夫のゲンドウしか男を知らないユイは、自慰くらいしか性的な行為を自分の意思でした事がなく、都合の良い事にユイは自慰とセックス以外の性知識をほとんど知らない。

 

 大学生時代は常に勉学の成績で首位だった天才とは言え、性に関する知識は無知と言っていい。

 

 そんな彼女を実の息子となったシンジが一から性奴隷に仕込み、夫のゲンドウすら知らないところで快楽の虜に堕ちたユイを自分だけのモノにしたい。

 

 その計画の実現には、赤ん坊の頃からユイに奉仕を教え込む必要があるとシンジは考えた。

 

 そこに先程の母親達の会話が出てくる。実は今までも本編で語られていないところでユイに下半身の世話をしてもらっていたシンジだが、それは赤ん坊の頃に誰もが受ける人生最初の羞恥だとシンジは感じていた。

 

 ……だとすれば、とんでもない思い違いもあったものだ。シンジは自分が羞恥を感じるのではなく、相手に──つまりこの場合は母親のユイだが──羞恥を感じさせる事の重要性に今更ながら気付く。

 

(母さんの顔や胸におしっこを飛ばしてぶっかける──そんな赤ちゃんらしいエッチなプレイがあったんだ!)

 

 おしっこ……もはや謎の感動すら覚えてしまう魔法の言葉のように思えてくる。シンジは今まで何度もオムツの取り替えをユイにしてもらい、その度におしっこが自分のお尻を湿らせて濡らす生理的不快感に悩み苦しんでいた。

 

 しかし今度は違う。おしっこをオムツに漏らす前にユイを呼び、シンジがおしっこを漏らしたと錯覚したユイの手でオムツカバーが外される瞬間、ユイの顔や胸に向かっておしっこのシャワーを浴びせ掛けるのだ。

 

 ……これしかない。前世で過ごした精神的には立派な男と言える赤ん坊のシンジが羞恥を感じるくらいだ。間違いなくユイも羞恥を感じてくれるはず。

 

 そうと決まれば行動あるのみ。シンジは自分用のメモ帳にペンを走らせ、豊満なEカップおっぱいを丸出しにしたボタン全開の状態でピンク色のパジャマを着ているユイへと示す。

 

 

 

 ──おしっこ。

 

 

 

 シンジから渡されたメモ帳に軽く目を通したユイは急いでベッドから起き上がる。

 

 シンジは泣いてこそいなかったものの、明らかに自分の股間を気にするような妙にそわそわした素振りを見せており、ユイはシンジがおしっこをオムツに漏らしたと誤認した。

 

「あらあら。待ってね? 母さんが綺麗にしてあげるから──」

 

 言うと同時にユイは手慣れた動作でシンジの足を左右に開かせ、“湿っていない”オムツカバーを外す。

 

「──えっ?」

 

 漏らしていない。布製のオムツはレモン色に染まっておらず、股間のどこを触って見ても濡れていなかった。それに独特なアンモニア臭もしない。

 

 ユイが困惑した表情でシンジにどういう事かと視線を向ける──と、その瞬間。我慢の限界に達した無色透明なおしっこが噴水の如く飛び出して飛沫を撒き散らし、目の前にいたユイの顔や胸をぐしょぐしょに濡らしてしまった。

 

「……ねぇ、シンジ」

 

 俯いたままの髪の毛からぽたっ、ぽたっと滴るおしっこ。パジャマの上着はびっしょりと濡れて白い柔肌にぴっちりと張り付き、そのエロ過ぎる透け具合がユイの見事な巨乳っぷりをシンジに見せ付けている。非常に眼福な光景だった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「どういうことか……説明してくれるわよね?」

 

 俯いた顔を上げたユイが若干の怒気を放ちながらニコッと微笑む。しかしその表情は僅かに赤くなっており、シンジの思惑通りユイは羞恥を感じているらしい。

 

 シンジの突然の行動が理解できずにいたユイだが、シンジはまだ尿道に残っていたおしっこをピュッとユイの顔や胸に再び射尿した。

 

「きゃぁっ──!?」

 

 他人に向かっておしっこを撒き散らす……赤ん坊だからできるその変態的行動に堪らぬ快感と興奮、さらには自分の母親に対する優越感を感じたシンジ。きゃっきゃっと楽しそうな赤ちゃん声で笑うと、シンジは次に小さな手で自分の股間をちょんちょんと指差し、続いてもう片方の手でユイの口を生意気に指差す。

 

「しーし、まっま。しーし、まっま、しーし♪」

 

「シンジ……そ、それってもしかして……」

 

 促される両手の動きとその赤ちゃん言葉で不可解だったシンジの行動の意図を何となく察したのか、ユイは見る見るうちに顔を真っ赤に染め上げて恥じらう。

 

「お、おしっこしたばかりの……お、おちんちんを口に入れろ……って事?」

 

「ちゃーん♪」

 

 震えながら紡がれたユイの恥ずかしい言葉に対し、満面の笑みを浮かべて笑い声を上げる上機嫌なシンジ。

 

「うぅ……で、でもねシンジ? 母さんと毎日エッチするのは“特別に”許可したけれど……さ、さすがにそのちっちゃいおちんちんじゃまだ無理──」

 

 失礼な母親だ……率直な感想を述べてシンジを説得するユイに対し、シンジは明らかに表情を曇らせる。

 

 そもそもシンジのおちんちんは当然ながら包茎だ。普通の赤ん坊と違うところと言えば、シンジのおちんちんは赤ん坊にしては比較的大きいサイズという事くらいか。

 

 それでも今回のおしっこ掛けという変態的行為を考案したシンジの見解としては、将来のユイとの浮気セックスの為にも早く自分のおちんちんの包皮を剥いておきたいのだ。

 

 その為にユイの顔や胸に先程のおしっこを浴びせ、そのままの流れでユイにおちんちんを扱いてもらおうと考えていた。

 

「うーん……でもねぇシンジ。さっき外出してきた時、赤ちゃんのお世話の事で小児科の先生からこんな話を聞いてたの。それによると、シンジのおちんちんは──」

 

 

 

 

 

 ──さて。ここで本編の話とは別に、少しだけ赤ちゃんに関する豆知識を紹介したい。

 

 今回は前回の授乳に続いて“おちんちん”の解説をしていきたい。

 

 男の子は産まれながらに皮を被った“おちんちん”と呼ばれる性器を必ず持っている。そして包茎とは、赤ん坊のおちんちんの亀頭が皮に覆われている状態の事をいい、赤ん坊の頃は包皮と亀頭が癒着していて簡単に皮を剥く事ができないとされる。

 

 そう……つまり今回のシンジの件を借りるなら、赤ん坊の頃からおちんちんの皮を剥いた状態にする必要は無い。

 

 何故なら赤ん坊のおちんちんの包皮の入口はまだとっても小さい為、無理に包皮を剥こうとすると皮が切れて血が出てしまう事があるらしい。

 

 ただし赤ん坊のおちんちんは清潔に保つ必要があるのも事実。包茎の状態では包皮と亀頭の間に恥垢と呼ばれる垢や汚れが溜まり、ここに細菌が入り込んでしまうと痛みを伴う炎症などを引き起こす場合がある為、定期的に包皮を剥いて清潔に保っておいた方がいいのだ。

 

 

 そんな時に役立つのが、母親達の間で“むきむき体操”と呼ばれているもの。それだけ聞くと何やら母親が赤ん坊に対して実施する卑猥な行為のように聞こえるかもしれない。

 

 勿論、むきむき体操でいやらしい事は何もない。しかし赤ん坊からしたら非常に重要な問題となる。

 

 むきむき体操を赤ん坊の頃から毎日やっていたかどうかで、その男の子は今後の人生を母親によって決められてしまう──とはさすがに言い過ぎかもしれないが、それだけの問題になり兼ねないのも事実。

 

 何故なら赤ん坊の頃から包皮の輪が狭い場合、おしっこをする時に包皮におしっこが溜まって膨らんでしまう事や、細くしか出ないなどの排尿障害を起こすとされる。

 

 その他に赤ん坊のおちんちん全体や包皮が赤く腫れたり、おしっこをする時に赤ん坊が泣き叫びながら激しい痛みを感じたりする亀頭包皮炎になる可能性すらある。

 

 さらには性器の発育の妨げになる可能性、将来的に包茎おちんちんでコンプレックスを感じたりする事になるなど、産まれたばかりの赤ん坊にとってはあまり嬉しくない事だらけ。

 

 ……とは言え、普通の赤ん坊にとってはおちんちんが包皮を被っているのは男の子として正常な状態である。

 

 先程のシンジのように特別焦って包皮を剥く必要は本来ない。それに包皮は成長に伴って自然と剥けるようになり、思春期の頃には大多数が包茎を卒業するはずなのだから。

 

 しかしシンジは普通の赤ん坊とは違う存在だ。赤ん坊にしては比較的大きいサイズのおちんちんもそうだが、何よりシンジは精神年齢が成人した男性とほぼ同じである。

 

 シンジが先程から包茎のおちんちんを嫌がる理由はそこにくる。せっかく前世では素晴らしく女性泣かせな一物を持っていたのだから、生まれ変わったこの世界でも立派なペニスくらいは自分のステータスとして引き継ぎたい。

 

 それだけがシンジの乳児時代一番の切なる願望だった……。

 

 

 

 

 

「ねぇ、シンジ……それでもその未成熟なおちんちんで赤ちゃんの頃から母さんとエッチしたいって言うの?」

 

 ユイが小児科の医師から今日聞いてきた話の内容をシンジにすべて説明した後、ユイはもう一度シンジに優しく訊ねる。

 

 ユイの説明を聞いている最中、ずっと項垂れていたシンジがようやく顔を上げてユイを見つめる。その瞳は赤ん坊ながら黒く濁っており、何やら邪悪な意思のようなものを感じさせる。

 

「母さん、シンジのおちんちんの事は何も気にしないわ。それでも、シンジがどうしてもって言うなら──」

 

 言い掛け、ユイはオムツカバーを外して左右に足を開かれた状態で停止していたシンジの丸出しになったおちんちんへと視線を向けてクスッと微笑む。

 

 

「──“エッチな”むきむき体操、試してみる?」

 

 

 

 

 

 




次回の内容はちょっとだけ寝取られ注意報発令。

誰が……とは言いません。
そもそもユイがシンジとエッチする描写がある時点で薄々こうなるな、と本作を読まれる前から気付いてほしかったり(やめろ

ちなみに、この作品の女性キャラがシンジ以外の男とエッチするような展開はまずありませんのでご安心ください。


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ゲンドウがやって来た日 ★(ユイ)

遅れてすみません!最新話お待たせしました!

急いで進めてしまったので完成度は前回同様に低いですが……(汗

それと今回の話は若干の寝取られ要素が入ります。

寝取りや寝取られや苦手だと感じた人、自分は純愛主義だ!という人はこの話を読み飛ばすこと推奨(なお、今後のストーリーにはさほど影響はしない模様)

あっ、ゲンドウはゲンドウでちゃんと救済処置は考えてあります。


 

 あれから数日。シンジは毎日の授乳と愛撫以外に“むきむき体操”をユイにして貰うのが日課になった。

 

 シンジのオムツを取り替える時やお風呂で身体を洗う時に包皮を剥いて貰う事で性器の清潔を保ち、性器の発育促進にも繋がっていく。

 

 それでも最初は包皮を剥く最中に股間を突き抜けるような苦悶の痛みを感じ、泣き出してしまう事もあった。その度にユイから本気で心配されたりもしたが、真っ赤な泣き顔のシンジは「この激しい痛みが身体に良いんだ」と意味不明な事を言い、躊躇するユイに続けるようメモ帳の文字で指示した。

 

 それから毎日少しずつ慣れていき、現在は包皮を剥く際に以前ほどの痛みを感じる事は無くなった。

 

 ユイもシンジに対して優しく丁寧にむきむき体操を行う事もあり、今となっては新しい特殊な性癖に目覚めつつあるとシンジは内心危惧していたり。

 

 ……そんなある日、シンジとユイは朝起きてから病室のベッドで恒例の体操を行っていた。

 

「それじゃあシンジ。もし痛かったりしたら泣くか叩くかで知らせなさいね?」

 

 ユイは両手の親指と人差し指でシンジのおちんちんの根元を挟むと、指をシンジのお腹に滑り込ませるように包皮を下へと少しずつ慎重に下ろしていく。

 

 あれからこのむきむき体操を毎日繰り返し行っていた為、今では包皮も剥き易く、おちんちんの亀頭はスムーズに出るようになった。

 

「ふふっ。今日も上手にむきむきできたわね。シンジの可愛い赤ちゃんおちんちん♪」

 

 剥き出しになった綺麗な亀頭にチュッとユイは優しいキスを捧げる。男の痛みに耐えたちょっとエッチなご褒美として、シンジはむきむき体操の度にユイからおちんちんへの甘く蕩ける施しを受けていた。

 

 実際これが最高の快感と興奮を与えるのだから堪らない。シンジは優越感に満ちた極楽気分の表情で満足げな笑みを浮かべ、ユイに奉仕をさせる。

 

「んっ……んちゅ、ちゅっぱ……んんっ、れろっ……」

 

 母親とは思えない卑猥な舌使いでシンジのおちんちんを優しく丁寧におしゃぶりするユイ。くちゅくちゅと粘り気のある淫靡な水音を立てながら亀頭を舐め回し、ユイの咥内で分泌された大量の唾液をおちんちんにまぶしていく。

 

「んっ……ちゅっ、ちゅむっ……はむっ、んっ、んふぁ……」

 

 唾液で艶やかに煌めく唇と亀頭の隙間から漏れるユイの甘い吐息と暖かい感触がシンジの股間に伝わる。このまま濃密なご奉仕フェラを受けるだけで心も身体も快楽に蕩けてしまい、シンジのおちんちんがユイ専用のエッチな玩具に作り変えられていくような──そんなある種の催眠術にも似た逆らえない、逃れられない愉悦の感覚がシンジの野性的な性への本能を刺激し、さらに気持ちよく高揚させる。

 

 シンジも最初にメモ帳に書いて指示した時はここまで彼女の飲み込みが早いとは思わず感嘆してしまったが、それも偏にユイが天才だからこその物覚えの良さだとシンジは推察した。

 

 むしろ、愛する息子の為にここまでエッチに頑張って奉仕するユイをこれから一生自分のモノにできると思うと、最高に堪らない幸福感で満たされもするシンジ。

 

「んっ、んぅ……んちゅっ、ちゅぷっ……んむぅ……」

 

 しっかりと唾液を絡ませるのも忘れない。生温い涎でコーティングされた亀頭から竿、根本までを段階的に美味しそうにずっぽり咥え込み、おちんちんを痛めないよう手加減しつつ優しく丁寧に扱き出す。

 

「んくぅ、はむぅ……んちゅ……ちゅぷっ、んれろぉ……んむぅ……んふぅ……」

 

 ねっとりとした熱い口内に発育途中の赤ちゃんおちんちんが根本まで包み込まれ、ぬるぬるでどろどろの唾液にまみれながらユイの喉奥まで貫き犯している感覚は最高に気持ちいい。

 

 まだぎこちない舌使いではあるものの、自分なりにシンジが気持ち良いと感じる箇所を探り当てようと、必死に伸ばした舌を這わせる母親の懸命な奉仕の姿。

 

 唾液が光る柔らかな唇に亀頭を丸々と呑み込まれてしまう。熱を帯びた舌で小さな尿道の入口をれろれろと擽られ、さらには裏筋へと舌全体を淫猥に這わせていく。

 

 舌先で亀頭を擦られる度に刺激が繰り返しシンジに快感を与え、ゲンドウの妻であるユイを独占したいという欲望がシンジの脳内を汚く染めていく。

 

(母さん……駄目だ母さんっ! そんなにされたらおしっこが出ちゃ──!?)

 

 下腹部を“何か”が上ってくるような感覚。これが精通していたなら射精の準備に入るのだろう。しかし今のシンジは赤ん坊。当然な事に射精はせず、尿道から出てくるのは無色透明なおしっこに違いない。

 

 ……と、その時だった。

 

 カーテンで覆われたベッド付近に置いてあったユイの携帯電話のバイブ音が不意に鳴り出す。

 

(くそ、誰だよ……こんなところで僕と母さんの邪魔をするなんて……)

 

 シンジへの奉仕に夢中になっているユイを呼び出すその空気を読まない電話にシンジは不快感を強め、今しているフェラを中断するよう両手を叩いて合図を出す。

 

 最近シンジはエッチの最中にこうした両手の動きでユイにメモ帳の文字を使わない指示を送っている。ちなみにこの場合の仕草はエッチの中止、終了を意味する。

 

 振動しながら電話が鳴り出した事でユイは名残惜しそうにシンジのおちんちんから唇を放す。

 

「んもぅ……こんな時に電話なんて……」

 

 不機嫌そうな様子のユイ。ここで敢えて電話を無視する手段もあったが、シンジはそれを許可しなかった。というのも、ユイが他人に対して真面目過ぎる為である。

 

 心の優しいユイが自分に向けられた電話に出ないというのは彼女の性格的にまず考えられない。そこでシンジはベッドの上で赤ん坊らしく足を広げて仰向けに寝た体勢のまま、傍に置いてあったメモ帳とペンを両手で掴んで握るとユイに新しい指示を送る。

 

 

 

 ──電話に出て。

 

 

 

 このまま着信不在となったら電話の相手から怪しまれてしまう……ユイ自身もそう考えてはいたらしい。

 

 シンジのメモ帳の文字を確認したユイは慎重に頷くと、携帯電話の着信ボタンを震える手で押した。

 

「……はい、もしもし」

 

『おぉ、ユイか。私だ。ゲンドウだ』

 

 電話をしてきた相手は碇ゲンドウ──ユイの愛する旦那だった。尤も普段からプライベートで友達付き合いの少ないユイにとって、こうして頻繁に電話を掛けてくる人物は思い当たる限り一人しか存在しないのだが。

 

「はぁ……またあなたですか……それで? 今度は何の用ですか?」

 

 呆れ口調で溜息混じりに話すユイに対し、ゲンドウは軽快な口調で話し出す。

 

『あぁ、実はな。いま私は病院まで来ているのだ』

 

「……あなた、お仕事の方はどうされたんです?」

 

『無論、途中で抜け出してきた。どうしてもユイとシンジの顔が見たくなってな』

 

 ゲンドウの言葉に落胆気味のユイは額に手を置いて呆れ果ててしまう。ユイと付き合い始めた頃からゲンドウはこういう人間だったが、さすがに今日くらいはお見舞いに来て欲しくなかったな……と、ユイは内心残念そうに呟く。

 

「もぅ、あなたったら……」

 

『それで、だな……』

 

 唐突に歯切れの悪くなるゲンドウ。ユイはこの時点で電話先の状況を察したのか、何も言わずに耳を傾ける。

 

『すまんユイ……道に迷ってしまった。最初はお前の病室まで行こうとしたんだが、部屋の場所を忘れてしまってな……』

 

「はぁ……そんな事だろうと思ってました。今から迎えに行きますから、あなたは病院の入口で待っててください」

 

 ユイはなるべく手短にゲンドウとの通話を済ませようとしているのか、先程から早口気味に喋る。これでゲンドウに怪しまれたりはしないのだろうか……。

 

『なに!? ユイ、お前が迎えに来るというのか!? いかんいかん! お前とシンジにもしもの事があったら──』

 

 しかし不審な点に気付いた様子はない。ゲンドウの人柄については事前にユイから聞いていたシンジだったが、ここまで家族想いな親バカとは思ってもいなかった為、外見とのギャップの違いに軽く引いてしまっていた。

 

「あぁもうッ! あなたはそこでおとなしく待ってなさい!」

 

『ユイ? 怒っているのか?』

 

「……とにかくッ! もう少ししたらイキますから! 私がイクまで待っててください! いいですね!?」

 

『う、うむ……わかった。しかしユイ、さっきからやけに息が荒いようだが何を──ブツッ』

 

 ……どうやらユイは愛する旦那との会話より、愛する息子との快楽に集中していたいらしい。通話の途中で強引に切ってしまうと、携帯電話をベッドの端に捨てて引き続きシンジのおちんちんを咥え始めた。これにはシンジも呆れてしまう。

 

(あ~らら。この人自分の旦那より息子のぺニスに夢中でご奉仕しちゃってるよ……父さんもせっかく仕事途中に来てくれたのに──くすっ。可哀想に、これじゃあ僕に大切な奥さんを寝取られちゃうね)

 

 言いつつシンジは内心でニヤァとゲスな笑みを浮かべる。ユイの身体は既にシンジのモノへと堕ち始めている。

 

 心はまだ夫のゲンドウも愛している様だが、あの電話を聞く限りユイの心がゲンドウから離れ出すのも時間の問題だろう。

 

 シンジはユイの育成具合を実感して満足げに頷くと、ユイの喉奥へと勢いよく放尿した。

 

「んんぅっ!? んぶっ!? んんううううううぅぅぅ! んぐっ、んんっ、んくぅ、んぐっ、んぐっ……」

 

 忽ちユイの口内はシンジの熱い聖水で充満された。びゅうぅぅぅぅぅという長い放尿音を鳴らして無色透明なおしっこが注ぎ込まれ、狭い口内に収まり切らない大量のおしっこがユイの唇の端から溢れ、顎を伝ってパジャマの上着越しの胸元にまで流れ出し、ユイのエッチな身体を背徳に汚していく。

 

「んくっ、んくっ……んっ、んっ……ぷはっ……はぁはぁ……んふぅ……」

 

 シンジの長い放尿が終わり、ユイは口内に注がれたすべての聖水をゴクゴクと喉を鳴らして美味しそうに飲み干した。

 

 

 

 ──はい、よくできました。

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ご満悦そうに笑い声を上げたシンジのメモ帳にいつの間にか書かれていたその短い文字を見て、ユイはすっかり発情してしまった淫乱の表情でうっとりとシンジに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 そしてその後……。

 

「ユイ、シンジ! こっちだ!」

 

「あなた……!」

 

 すやすやと気持ち良さそうな表情で眠るシンジを腕に抱いたパジャマ姿のユイが入院病棟の入口でゲンドウと無事に合流した。

 

「ユイ、遅かったな。シンジは眠ってしまったのか?」

 

「えぇ……けど、さっきまで私と“仲良く”遊んでいたんですよ。この子、きっと疲れちゃったのね」

 

「そうか……だがユイ、あまりシンジに無理させないようにな。シンジは私とユイの大切な子供なんだ。これから来るべき希望の未来に必要な──」

 

「……えぇ、わかっています」

 

 先程から親しげな様子でゲンドウと話すユイだが、そのパジャマの下は不自然に汗ばんでいた。勿論、ゲンドウはその理由を全く知らない。

 

(ゲンドウさん……あなたと私は、シンジをこの世に送り出す為に出会ったのね……)

 

 汗でズボンに張り付いたパンツはすっかりぐしょぐしょに濡れており、柔らかそうに大きく膨らんだ安産型の可愛らしいお尻からはピンク色の下着がうっすらと見えてしまっている。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ところで……さっきから何か変な臭いがしないか? おしっこのような──」

 

「っ……そ、それでしたら私じゃなくてシンジよ。この子、さっきお漏らししたみたいだから。あっ、んっ……やだ、もぅ……今もお漏らししちゃってるみたい……です」

 

 夫の前で粗相をバレる訳にはいかない……誤魔化そうと言い訳する赤面した表情のユイ。

 

 そんな彼女の大事なところからは、とろとろになるまで熱く蕩けた愛蜜が淫らなつゆとなってつぅ……っと静かに流れ落ちていた。

 

 

 

 

 

 




次回、いよいよシンジ赤ちゃん編完結!

そして次なる舞台はアスカの通う幼稚園に……!?


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愛が止まらない

更新が遅れた為に今回は出血大サービスで2話連続投稿です!(短めだけど

恐らく年内の更新はこれで最後になると思いますが、来年度も頑張って更新していくのでよろしくお願いします!

そして第1章完結!


 

 いよいよ退院の日。シンジとユイは仕事を休んで迎えに来たゲンドウに連れられ、第3新東京市内に位置するマンションに帰って来た。

 

 ここが結婚して間もない碇夫妻の新居であり、シンジにとってはこの世に転生して初めて暮らす家となる。

 

(へぇ~。いいとこ住んでるんだなぁ……)

 

 シンジはユイとゲンドウの寝室に用意されたベビーベッドの上で寝転がっている最中。ゲンドウの見ている前では普通の赤ん坊らしい振る舞いをしなければならない為、しばらくベッドで大人しくしている訳だ。

 

 退院日の今日だけはゲンドウも仕事を休んで家族の傍に居たいようで、昼間からリビングのソファに座ってゆったりとした部屋着に着替えたユイと一緒に仲良くテレビを見ている。

 

 リビングから離れた位置にある夫妻の寝室からでも微かに聞こえるテレビの雑音を耳にしつつ、シンジはこれからの育成計画を夢見てニヤリとほくそ笑むのだった。

 

 

 

 

 

 ──その日の夜。ユイとゲンドウの寝室にて。

 

「ねぇ、あなた。久しぶりにエッチしませんか……?」

 

 ベッドの上でピンク色のパジャマに着替えたユイがゲンドウにおずおずと声を掛ける。対するゲンドウは普段より愛用する黒いサングラスを外して枕元に置き、明日の仕事に合わせて寝る準備をしていた。

 

「おいおい……退院したばかりだぞ? 少し早過ぎじゃないか? もうしばらく落ち着いてからでも遅くは──」

 

 ユイの誘惑に動揺する事なくゲンドウは怠そうに上半身だけを起こし、隣でぺたんと両足を折り畳んで可愛らしく女の子座りをしているユイを咎める。

 

「で、でも……シンジを妊娠してから何ヵ月もあなたとご無沙汰で……ねぇお願い、たまには愛し合ってもいいでしょう?」

 

「うぅむ……しかしユイ、私も明日は早くから仕事があって──」

 

 ……どうやらユイは性行為がしたくて我慢できないらしい。明らかに嫌そうな態度を見せるゲンドウの腹部に馬乗りの体勢で強引に跨がると、ゲンドウの胸に自らの手を乗せてぐいぐいと揺らし始める。

 

「お願い、さっきから身体が疼いて……どうしてもエッチがしたいんです。あなたは寝たままでもいいですから、お願い……っ」

 

「……わかったよ」

 

 ユイの激し過ぎる求愛にゲンドウは遂に折れた。ゲンドウの承諾を得てユイは玩具を与えられた子供のように顔を明るくさせると、もう待ちきれないとばかりにパジャマのボタンをプチプチッと一つずつ外しながら豊満なEカップの巨乳をゲンドウに隠す事なく差し出す。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あのっ……できれば私のおっぱいを触ってください。挿入る前に“あなたで”いっぱい気持ち良くさせてください……」

 

 ゲンドウの前で呟くユイの表情は悲痛そうに歪んでいた。それを見てベッドに寝た状態のゲンドウは自らの手をユイの晒け出された豊満な胸元へと伸ばしていく。

 

「あ、あぁ……っ」

 

 待ち望んでいた愛する夫の愛撫を期待し、ユイは軽く身悶えしてしまう。しかしゲンドウは……。

 

「えっ……?」

 

「すまんユイ。私も毎日忙しくて身体が疲れていてな……ヤるなら早く終わらせてくれないか?」

 

 ユイの胸──ではなく、彼女の細い肩に手を乗せて諭す口調で言った。ゲンドウの言葉を聞いたユイは明らかにショックを受けた様子。

 

 それから彼女は酷く落胆した表情で深い溜息を漏らすと、上着のボタンを全開にした卑猥な格好のまま、馬乗りになったゲンドウの“膨らんでいない”股間に手を──。

 

「……わかったわ」

 

 ──伸ばそうとして止めた。

 

「お疲れのところを無理にさせて仕事に支障が出るといけないものね……ごめんなさい。私も今日は我慢して寝ます」

 

 悲しそうに呟くユイの目にはうっすらと涙が煌めいている。

 

「んぅ……すまんユイ、愛しているぞ……」

 

 しかしゲンドウはそんな彼女の様子に気付きすらしないのか、眠そうな声でむにゃむにゃと呟き、発情して半裸になっているユイを放置したまま気持ちの良い寝息を立て始めた。

 

(……私はあなたの事が好きです。けれどあなたは私の愛をちっとも受け止めてくれない……こんなにも愛を求めているのに、あなたはいつだって“愛している”の言葉だけ……)

 

 ゲンドウの穏やかな寝顔を見下ろして再び溜息を吐き、失望のユイは深い眠りに入った愛しい旦那の腹部から逃げるように降りてベッドを抜け出す。

 

(ねぇ……あなたにとって“愛”って何なの? 口にするだけで夫婦の心を確かめ合えるものなの? そこに本当の愛はあるの?)

 

 ……分からない。分からないからユイは愛を探し求める。

 

 “愛”という謎に対する明確な答えはない。相手を好きになり、相手から嫌われない事を愛と呼ぶのか、肉体と肉体の一番深いところで繋がり合う事を愛と呼ぶのか──その答えに辿り着く人間はそう多くはいないのかもしれない。

 

(もうこんな気持ちになるのはイヤ……お願い誰か、私の心と身体を愛の気持ちで幸せに満たして……っ!)

 

 それでもユイは愛を欲した。人と人とを一つの線で結ぶ刹那に生まれる感情が探し求めた愛のカタチであるなら、いっそのこと愛深き海の中にあなたと二人で何時までも何処までも溺れていきたい……。

 

 ああ、愛が止まらない──ユイは声を殺して泣き叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 数ヶ月ぶりの夫婦の営みを拒まれ、傷心のままにユイはすやすやと眠る赤ん坊の息子を腕に抱き、寝室を泣きながらに飛び出した。

 

 清潔感溢れるトイレの中に鍵を掛けて閉じ籠もり、洋式便座の上に座って泣き崩れるユイ。

 

「うぅ……あなた、シンジぃ……」

 

 大粒の涙をぽろぽろと溢し出し、顔を真っ赤にしたユイは嗚咽混じりに寝ているシンジの真上で声を漏らす。

 

 ……本当は分かっていた。

 ゲンドウが既にユイを女として扱っていないという事実を。

 

 そんなゲンドウも結婚して子供が出来る前はユイを愛する女として見ており、性欲旺盛な彼女の若々しく激しい求愛エッチにも出来る限り応え続けた。

 

 

 

 ──すまんユイ。仕事とセックスを毎日こなすのは私では無理だ……頼むよ、せめてどちらかにしてくれないか。

 

 

 

 ……かつてゲンドウとのセックス中に言われた言葉がユイの脳裏を駆け巡る。

 

 子供が生まれ、一人の男から父親になったゲンドウは最愛の家族を不自由なく食わせていく為、収入の多い仕事と愛する妻との幸せを両天秤に掛けた。

 

 彼は苦悩の末にユイに頼んでセックスを諦めてもらい、家族の為に一生懸命働き続ける事を決断。その時点でゲンドウはユイが密かに求め続けている男女の愛ではなく、父親として家族との幸せを選んだ事になる。

 

(それでも……私はあなたの女でいたかった……っ! 母親としての私じゃなくて、ゲンドウさんの妻として私を一番に愛して欲しいだけッ! それなのに……っ!)

 

 あまりにも仕事が多忙でユイ一人に構っている暇がないという事はユイ自身も理解している。理解してはいるが……やはり心の何処かでは素直に納得できない自分がいる。

 

 性愛に飢えた貪欲な彼女に待ち受けていた悲しく苦しい夫婦の現実……。

 

 そうした辛い経験を経て生まれたシンジがどういう訳か普通の赤ん坊ではないとあの病室で知った時、恥ずかしい事にユイは興奮してしまった。

 

 前世を知っていて性欲旺盛な“この”シンジなら、自分を母親ではなく女として扱ってくれるに違いない……。

 

 だからあの場でシンジが「女の子とエッチな事をいっぱいしたい」とメモ帳に書いた文字で伝えてきた時、ユイは「お母さんだけにエッチするなら」と言ってシンジに上手く約束させた。

 

 既にセックスどころかキスすらしてくれなくなった無愛想なゲンドウの身代わりとして、これからは息子のシンジと毎日エッチしてこの寂しさを慰めてもらおう……。

 

 そして自分の中に芽生えた女をシンジとの愛で満たしてもらおう……。

 

 先程のゲンドウとの会話を切っ掛けに吹っ切れた様子のユイは閉じ籠ったトイレの中でその結論に至った。

 

 ──もうこれ以上、自分の気持ちを我慢していたくない。

 

 心の壁を自らの意思で引き裂いて破ったユイは腕に抱かれて寝ているシンジのふっくらとした柔らかな頬を指先で優しく触れる。

 

「シンジ……ねぇ起きて? 私、もう我慢しないって決めたの……今まではあの人のモノだったこの身体を今後すべてシンジにあげると誓う。だからお願い……起きてシンジ」

 

 泣き腫らした顔でユイはぐっすりと眠り続けるシンジを起こそうとするが、シンジは全然起きる気配がない。

 

 だがそれも無理ない。今のシンジは赤ん坊的にも寝る時間なのだから。

 

 ──結局、旦那と息子の二人から放置されたユイは朝方までトイレの中ですやすやと気持ち良く眠るシンジを太股に乗せたまま一人寂しく自慰行為に耽るのだが、シンジのエッチに堕落しつつあるユイは今更自慰程度で満足する筈もなく、結果的に自分の欲求不満を更に高めてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 ──そして翌日。

 

「あぁっと、その……昨日はすまん。じゃあ、いってくるよ」

 

「……いってらっしゃい」

 

 朝から明らかに「私とっても不機嫌です!」と言わんばかりの寝不足気味なユイに対し、ゲンドウは逃げるように慌てて仕事に向かって行った。

 

「ふぅ……さてと、シンジはもう起きたかしら? ふふっ♪」

 

 一方で残されたシンジはと言うと、ユイの性的不満を解消させる為に朝からかなりのエネルギーを使わされてしまう事に。

 

 ……尚、その後シンジと何回もエッチしたユイの不機嫌はご機嫌に早変わりし、昨夜の件でゲンドウとの今後一切の性行為に見切りを付けたユイは身代わりとばかりにシンジとの性行為に依存する事になるのだった。

 

 

 

 

 

 



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第2章 幼少時代編
星空の下で君は微笑む 前編


綾波レイ(ロリ)初登場。

今回はエロ一切無しのシリアス回です。

ちなみにこの話の元ネタ、漫画の育成計画でちょっとだけ出てきたり……?


 

 あれから早くも4年が経った。

 

 転生したシンジは4歳になり、近所の幼稚園へと通い出した。母親のユイとの肉体関係は未だに継続中だが、夫妻関係や親子間の家族仲は概ね良好だ。

 

 シンジは文字を使わずに言葉で自分の意思を相手に伝えられるようになってからというもの、エッチ全般に関して慎重姿勢を見せるようになった。

 

 これはユイとの性的な関係が父親であるゲンドウや近所に住む人達に発覚するのを危惧してのシンジなりの判断だった。

 

 あれから4年の歳月が経過し、ユイはゲンドウとの夜の営みを完全に止めてしまい、今はその溢れるばかりの若々しく我が儘な性的欲求をシンジとのエッチで解消している日々。

 

 そんな彼女は息子のシンジに対して従順になり、シンジが幼稚園児になった現在ではどんなに恥ずかしいエッチでも受け入れるようになっていた。

 

 しかしいくら常人より性欲旺盛なシンジと言えど、精通は当然ながらまだなのでユイとの性行為は基本的に前戯が中心となっている。

 

 4年経っても汚れたり垂れたりせずに綺麗な20代の乳肌を保ち、衣服の上からでもはっきりと膨らみが分かる丸みを帯びたお椀型のEカップおっぱいは未だに健在だ。

 

 セックスも彼女本人の強い希望により一応してはいるが、シンジが幼稚園児な為に激しい動きや難しい体位でのセックスが出来ていないのが母子共通の悩みだったりする。

 

 そう言った事情もあって、シンジは最近エッチに関して消極的になり始めていた。

 

 とは言え、ユイ以外にシンジ好みの女性を発見したらその女性を淫乱に育成し、自分専用の性奴隷にしてハーレムを作るという自分勝手なシンジの育成計画は氷面下で進行中だ。

 

 シンジが赤ん坊の頃に病院で約束した“ユイ以外の女性にはエッチな事はしない”という約束は“今のところ”守っている。

 

 ……もちろん、女の子とのエッチ大好きでハーレム願望の強いシンジがそんな約束を守るはずないのだが。

 

 しかしユイの他に“可愛い、エッチしたい”と思った女性がなかなかシンジの前に都合良く現れないのが現実。

 

 そこでシンジは現状ユイと禁断の主従関係を維持しつつ、表向きは可愛らしい幼稚園児の男の子として退屈な幼稚園生活を送っていた。

 

 

 

 

 

 ──そんなある日のこと。

 

 夜遅くにゲンドウとユイが“一人の女の子”を連れて自宅のマンションに帰ってきた。

 

 女の子は短い青髪に赤い瞳という日本人離れした容姿で、不思議な事に顔立ちはユイに酷似していた。

 

 夫妻仲の良いゲンドウとユイの間に誕生した新しい子供と説明しても疑問に思われなかっただろう。尤もユイはゲンドウを旦那として愛してこそいるが、既にゲンドウとの性行為に関しては自分が満足できないからと諦めてしまっている為、二人の子供ではない事は明らかなのだが……。

 

 それにしてもユイと似ているなとシンジは幼心に思った。

 

 転生してから4年が経過し、前世で覚えていた原作知識も年が経つにつれて頭から次第に抜け落ちていき、4年間ユイとほぼ毎日エッチするのに夢中になり過ぎていた事もあってか、現在では原作知識のほとんどを忘れてしまっていた。

 

 辛うじて目の前に立っている青髪の女の子が『綾波レイ』の幼少期の姿だという事は覚えていたものの、彼女がどんな人間で、シンジとの関係はどうだったか……そう言った重要な情報は既に頭の中から消えていた。

 

(なんだろう。一言に可愛いと言うより、不思議な感じのする女の子だな……)

 

 シンジは綾波レイの姿を初めて見て、不思議な雰囲気を漂わせた年齢不相応の寡黙な女の子という印象を覚えた。

 

 レイは人前に出るのが恥ずかしいのか、先程からシンジ達が暮らす家の玄関先でゲンドウとユイの後ろに隠れ、恐る恐ると言った不安げな表情で興味津々に彼女を観察していたシンジを見つめていた。

 

「母さん、父さん。その女の子はどうしたの?」

 

 半袖のシャツに短パンという幼稚園児らしいラフな格好をしたシンジが二人に問い掛ける。

 

「おぉ、聞いてくれ。実はな……シンジ、お前に可愛い妹が出来たぞ! ハッハッハッハッハ!」

 

 玄関に入って来るなり、嬉々とした表情でとんでもない事を告げるゲンドウの頭を、冷静沈着なユイがボカッと痛そうな音を立てて殴った。

 

「シンジに誤解されるような事を言わないで。私はあなたの二人目を妊娠した覚えはありませんから」

 

「うぐぅ……ちょっとした冗談だったのに」

 

 きっぱりと言い放つユイにゲンドウは泣き真似をして謝ると、今度は真面目な顔を作ってシンジに伝える。

 

「コホン。あ~、実はな……母さんの遠い親戚の娘を明日の1日だけ預かって欲しいと頼まれてな。レイ、隠れてないで入ってきなさい」

 

 ゲンドウはそう言ってユイの後ろで遠慮がちに隠れていたレイを家の中に招き入れる。

 

「この娘は綾波レイだ。シンジとは同い年で遠い場所にある幼稚園に通っているらしい」

 

「ただちょっと問題があるらしいの。レイ、ここには恐い人はいないわ。大丈夫だからシンジに挨拶して、ねっ?」

 

 ゲンドウがシンジに説明する傍らで、ユイの優しい口調に誘導されたレイが恐る恐るといった様子でシンジの前に出てきた。

 

「……ほんと?」

 

(うわっ、すっごい可愛い声……! やばい、ロリっ娘の綾波レイやばいって!)

 

 ユイの手を掴んで放さないレイは不安そうな表情で上目遣いに訊ねる。その小動物のような可愛らしい仕草だけでシンジのレイに対する好感度はぐんと上がった。

 

「えぇ。シンジは優しくて頭も良くて頼りになるから。レイも遠慮しないでシンジに甘えていいのよ?」

 

「うん……よろしくね? シンジくん」

 

「あっ、うん……こちらこそ」

 

 ──こうして、我が家に1日だけ綾波レイがやって来た。

 

 

 

 

 

 ──その翌日の朝。家族集まる台所の食卓で。

 

 上着越しに膨らむ胸の谷間がはっきり見える白を基調とした長袖ニットセーターに膝下まである暗色系のスカート、さらに黄色いエプロン着用という、実に清楚な人妻らしい出で立ちのユイは朝早くから台所に立って家族全員の朝食を用意していた。

 

 台所のテーブルにユイお手製のスクランブルエッグ、こんがり焼けたウィンナー、新鮮野菜のサラダ、バターを乗せたトーストなどが乗った白い食器が次々と並べられていく。

 

「どう? 昨日はちゃんと眠れた?」

 

 そんな中、ゲンドウの隣の椅子に座るユイはシンジの隣に座っているレイに話し掛けた。

 

「あっ、えっと……うん」

 

 しかしレイは碇家に馴染めないのか、遠慮がちな態度でユイやゲンドウに接している。

 

(……訳あり、か)

 

 その様子を横目で見つつ、シンジはユイが作った朝食を黙々と食べ始める。

 

 ──とその時、今朝届いた新聞を広げて読んでいたゲンドウが不意に口を開いた。

 

「シンジ、今日は家族みんなで出掛けるぞ。星空を見に行くピクニックってやつだな」

 

「えっ? どうして?」

 

 シンジはユイとゲンドウの仕事が休みという事を昨日の夜に二人から直接聞いていた。

 

 当然ながら多忙な毎日を送っている二人が貴重な有休を使ってまで、シンジやレイを連れて何処かに出掛けたいと言い出した。

 

 シンジの意見としては別に出掛けるのは構わない。ユイがゲンドウと一緒に働くようになってからはシンジも昼間は幼稚園に通い、夜は仕事から帰ってきたユイと二人でゲンドウに隠れて内緒の禁断エッチと、ほとんど繰り返しのような日々が続いていた。

 

 たまには家族揃って息抜きもいいかと思い、シンジはゲンドウの提案を素直に聞き入れる事にした。

 

(それに……あの娘の事も気になるしね)

 

 シンジはこの時既にゲンドウから出た突然の家族旅行宣言に隠された意図を内心で察知していた。

 

 恐らくゲンドウはレイの為にピクニックに行くと言い出したのだろうが、どうもそれだけが理由ではない気がする。

 

「あらいいわね。それじゃあお母さんがいっぱい料理を作らないと──ねぇ、シンジも一緒に手伝ってくれる?」

 

「もちろん。母さんの頼みなら喜んで」

 

 ……実はシンジ、母親のユイから美味しい料理の作り方を習っていたりする。

 

 最初は幼稚園から自宅のマンションに帰って来て暇だったという事もあるが、ユイも頻繁に職場へと出掛ける機会が増えた。

 

 そんな時シンジ一人で過ごす空いた時間を有効に使って料理や掃除、洗濯などの家事がある程度は出来ないと将来的にも困ると考え、シンジは自分からユイに家事の仕方を教えて欲しいと頼み込んだ。

 

 それを聞いたユイは嬉し涙を流して息子の自立を喜び、家にいる時は家事を手取り足取りで優しく教えた。

 

 最初の頃はユイの見様見真似でしか料理を作れなかったシンジだが、習っている間にいつしか料理そのものに興味を持ち、それからは自分で色々と調べるようになった。

 

 シンジは物覚えが良く、料理作りが密かな趣味のユイですら驚くほどの難しい料理を簡単に作って見せるなどで上達していった。

 

 そして現在、シンジと二人で過ごす時は裸エプロン着用を義務付けられたユイによる“ユイ先生のエッチなお料理教室”で培った才能と技術を遺憾無く発揮したシンジは、幼稚園児とは思えないレベルの本格派ピクニック料理を次々と作り始めた。

 

 

 

 

 

 シンジとユイが台所を独占してピクニックに向けての料理を作っている間、ゲンドウは登山用の大きなリュックサックにキャンプ用のテントやランタン、人数分の寝袋に望遠鏡などを積んでいく。

 

「~~♪」

 

 黒いサングラスを掛けたまま、楽しそうに口笛を吹きながらピクニックの準備を進めるゲンドウ。元々は妻のユイが登山家だったという事もあり、彼女と付き合い始めた影響で登山がいつしか趣味になっていたゲンドウである。

 

 ユイと結婚してからは二人で登山する機会も減ってしまったものの、こうして今は家族揃って山に出掛けるという事に小さな幸せを感じていた。

 

 ──そんな時、ゲンドウの背後に一人の女の子が現れた。

 

「……おじさんはどうして笑っているの?」

 

 レイだ。女の子らしい私服を着た彼女はつまらなそうな表情でゲンドウの後ろ姿を観察していた。

 

「ん? ああ……それは楽しいからだ」

 

「楽しい?」

 

 ニコニコ笑顔のゲンドウに対してレイが不思議そうに首を傾げる。

 

「楽しいとも──最高にな」

 

 言いつつレイに振り返ったゲンドウ。サングラスで隠された素顔はニヤリと笑っている。

 

「レイは嬉しかったり楽しかったりすると、何だか笑いたくなってこないか?」

 

「ううん……笑えない」

 

「何故だ?」

 

 僅かに眉間に皺を寄せたゲンドウにそう言われ、俯いて暗い表情を見せるレイはぽつりぽつりと静かに呟き始めた。

 

「……いつも幼稚園のみんなに虐められてたから……“普通じゃない”私を見て笑っている人達をあっちでいっぱい見てきたから……」

 

「……だから笑えない、笑いたくないと?」

 

 ゲンドウの静かな問い掛けにレイはこくんと小さく頷いた。

 

「そうか……だがレイ、今日は恐らく違う笑いができるぞ」

 

「えっ……?」

 

 優しくもはっきりとした言葉を聞き、レイは僅かに目を見開いてゲンドウを見返す。

 

「この私が必ず楽しい1日にして見せる。だからレイ、嫌な事なんか忘れてみんなで家族の思い出を作って帰ろう」

 

「……できるの? 私はおじさんの家族じゃないのに」

 

 レイはそれでも信じられない様子。しかしゲンドウはフッとクールな微笑を浮かべつつ言う。

 

「なら形から入ればいい。私が父さんでユイが母さん、シンジはお兄ちゃん──そして“碇レイ”ちゃんだ」

 

 確信を持ったゲンドウの温かい言葉に、冷たく閉ざされたレイの心は微かに揺れ動く。

 

(家族……私にも……?)

 

 それはまるで波紋が広がりゆく水面に映る月のように、レイの心に小さな石を投じ始めた。

 

 

 

 

 

 




ちょっと長くなりそうなので、キリのいいところで前後編に別けました。

次回はシンジ×レイです!

エロなんか無くたって恋愛はできるんだよ?


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星空の下で君は微笑む 後編

新年最初の投稿です。

しかしR18小説でエロ無し回を書くのは難しい……

やっぱりエロが書きたいです。


 

 明るかった太陽が西の夕焼け空に沈み始めた頃。

 

 シンジ、ユイ、ゲンドウの三人は親戚から1日だけ預かったレイを連れて市内に位置する山にやって来た。

 

 登山用の大きな荷物を背負ったゲンドウが張り切って先導する中、シンジはユイと二人で作った料理の出来映えについて談笑。その後ろを歩くレイは何やら思い詰めた様子で前を歩く家族三人の楽しげな光景をしんみりと眺めていた。

 

(いいなぁ、シンジくん……何だか楽しそう)

 

 ──綾波レイはいつも忌み嫌われていた。

 

 生まれた時から両親に気味悪がれ、周囲の人達から充分な愛を与えられずに育てられた彼女。

 

 繰り返し続く罵倒と虐待の日々に純粋だった幼い心身は疲れ果て、いつしかレイは生きる光を見失ってしまった。

 

 彼女は自分の存在意義に疑問を抱き、僅か4歳という若さにして感情を捨てた人形の様に本来の“明るくお転婆な自分”を騙して生きてきた。

 

 どれだけ助けを求めても救いの手は差し伸ばされない。

 どれだけ泣き叫んでも人々の心には響かない、届かない。

 

 綾波レイはいつも一人。夜闇に浮かぶ蒼い月を眺めては、誰からも相手にされず退屈な独り遊びと称して冷たく暗い水面に小石を永遠と投じていた。

 

 家では殆ど隔離され、暗くて冷たい殺風景な部屋に閉じ込められたものの、慣れてしまえば案外過ごせるものだった。

 

 最初の頃、あれだけ泣き叫んで暗闇の支配領域を抜け出そうと足掻き続けていた純真無垢な彼女は既に過去へと消えている。

 

 そんな暗闇で独り静かに育てられたレイを押し付けられる様に入園させられた田舎の幼稚園では友達一人出来なかったが、孤独が好きだと自分や周囲に格好付けていた訳ではない。

 

 ただ……無意識に探し求めていただけに過ぎない。

 

 しかし残酷にも望みは得られず、いつしか自分の願いを諦めた彼女は人間である事を捨て、心無き人形へと堕ちた。

 

(それなのに……)

 

 ──何故、自分は泣いているのだろう。

 

 涙──それは悲しいと流れ出す人の心の弱さだとレイは知る。

 

 実際には涙を流していない。しかし閉ざした筈の心が……幼い彼女自身が“寂しい”と確かに泣いているのだ。

 

 

 

 

 

 シンジ達が暮らす第3新東京市内でも穴場となっているこの山を進んだ先には拓けた草原がある。

 

 満天の星海に明るく照らされた広場は普段から家族連れが楽しむ自然の遊び場として親しまれているだけでなく、ユイやゲンドウの様に登山愛好家達が天体観測に訪れる自然の憩い場となっている。

 

 ゲンドウは広場に到着するなり大きなキャンプ用のテントを張り、持ち込んだ望遠鏡で夜の星を見上げていた。

 

「こうして大自然に囲まれて星を見ていると、日頃の疲れや悩みなど吹き飛んでしまうな」

 

「えぇ。本当に綺麗な星空ね」

 

 ゲンドウの隣に腰掛けて寄り添う様に星を観察するユイ。

 

 久し振りに夫婦水入らずの時間を過ごせて嬉しそうに微笑んでいる。

 

「……なぁ、ユイ」

 

 そんな時、黒いサングラスを光らせたゲンドウが重苦しい口を徐に開いた。

 

「私は男として、父親としてお前とシンジを守っていきたい。その為にこれから先もお前を悲しませたり傷付けてしまう事もあるだろう」

 

「あなた……」

 

「……それでも、こんな私について来てくれるか?」

 

 お願いだ、ユイ……と、宛ら祈る様にぽつり呟くゲンドウにユイは優しい笑顔で答える。

 

「……ふふっ。あなたは昔から私がついていないと駄目な人ですからね……でも大丈夫。私もあなたのこと、ずっと愛していますから」

 

「ありがとう。ユイ、私も愛しているぞ」

 

 ゲンドウとユイがテント近くの草原に腰掛けて天体観測している頃、シンジとレイもまた離れた場所で互いに腰掛けていた。

 

 

 

 

 

「……綾波はいつも一人でいるの?」

 

 膝を抱えて星空をぼんやりと眺めていたシンジが徐に呟く。

 

「うん。嫌われてるから」

 

 対するレイも膝を抱えた姿勢で地面に座り込み、目の前に広がる虚空を静かに見詰めている。

 

「それって……みんなに虐められてるってこと?」

 

「どうかな……? 私って生まれた時からちょっと変な子って言われてたから」

 

 まるで孤独感など気にもしていないとでも言う様に強がりを見せるレイ。口調こそ和らいでいるものの、その表情は暗い影を落としている。

 

「そっか。それで幼稚園のみんなに笑われてるんだ……だから自分は笑えないと思っている。自分には他に何もないからって、悲しみや寂しさを消し去りたかった……だから綾波は人形になろうとしたんだ」

 

「うん……すごいね、シンジくん。初めて会った人のこと何でも分かっちゃうんだ」

 

 人間らしい感情の込もっていない言葉でシンジに話し掛けるレイはシンジから見ても異端過ぎた。

 

「……それは僕も同じだからさ」

 

「えっ? シンジくんも……?」

 

 だから……シンジはレイの前でもう少し素直になろうと思い始めた。

 

 思えばシンジも何らかの理由で前世から転生した結果、この世界でユイとゲンドウの息子として生きてきた──言うなれば“普通とは違う男の子”である。

 

 確かに最初は『碇シンジ』という二次元の中のキャラクターに憑依してしまった自分に驚いたりもしていたが、時間が経つにつれてシンジとして生きる今の自分に居心地の良さみたいなものを感じ始めていたのも事実。

 

 その一因を作ったのは間違いなく母親のユイだが、彼女とのエッチな行為がシンジに生きる意味を与え、これから先に待ち受ける明日への希望にもなっている。

 

 その希望をレイにも感じて貰いたいと、シンジは柄にもなくレイに優しい言葉を投げ掛ける事にした。

 

「ねぇ、綾波は今まで嬉しかったり楽しかったって心から感じた事ある?」

 

「……ないかも」

 

「じゃあ一緒に笑って楽しもうよ。今からでも遅くはないって。そしたら綾波も信じられると思うよ?」

 

 そこまで言って元気よく地面から立ち上がると、シンジはユイにも似た穏やかな微笑を浮かべてレイに振り返った。

 

「──綾波が思ってるほど、綾波は独りなんかじゃないんだって」

 

「シンジ、くん……」

 

 震えてしまう唇。地面に座り込んだままのレイは輝きを取り戻した純粋な瞳でシンジを見上げる。

 

 幼い瞳に映るシンジは彼女からしてどのように見えているのだろうか……。

 

「ほら綾波、星空がとっても綺麗だ。見てごらん?」

 

「本当……すごく綺麗」

 

 そっと差し出された手を掴んで自分も立ち上がると、レイはシンジの隣に寄り添う形で星空を見上げて思わず微笑む。

 

「人間は辛い時や悲しい時、寂しい時、こうやって星を見上げて希望や元気を貰うんだ。そして──その素敵な笑顔もね?」

 

 ……言われて気付いた。先程までは無表情だったレイの顔が緩み、口元に自然と笑みが広がっていくではないか。

 

「えっ? あっ……う、うん。けど、ちょっと恥ずかしい……」

 

「あれ? ってことは綾波の笑顔を最初に見たのはこの僕ってことか。いや~、嬉しいなぁ」

 

 シンジの言動を切っ掛けに少しずつ明るくなってきたレイに一先ず安心したのか、シンジはニヤニヤと笑ってレイを可愛がる。

 

「あっ……シンジくんも笑ってる」

 

「ね? 他の人に笑われても全然嫌な気持ちにならないでしょ?」

 

 言いつつ夜空を仰いでいたシンジが隣に立つレイに向かって微笑む。

 

「うん。不思議……シンジくんは私を見て笑っているのに、他の人達とは感じ方が違う」

 

 今までに感じた事のない他人から自分に向けられる笑顔。全く嫌な気分にならず、寧ろ明るく穏やかな気分に包まれる温かい光の様でもある。

 

 その様な良い笑顔もあるという事をレイはこの日初めて知った。

 

「僕は綾波の可愛い笑顔が見れて嬉しいと感じてる。嬉しいから笑ってる。綾波はどうかな?」

 

「っ……私はその……シンジくんに、あの……ごめん。なんで笑っているのか自分でも分からないの」

 

 恐らく初めての経験に上手い言葉が見付からないのだろう。レイは戸惑いながらも自分の中に芽生え始めた気持ちをシンジに伝えようとする。

 

 そんなレイを見てシンジは静かに頷き、ニコッと笑い掛けた。

 

「それでいいんだよ。この時に感じた僕と綾波の気持ちに嘘はないんだから」

 

「そうだね……ふふっ」

 

「あっ! ほら! また笑ってくれた! やっぱり綾波は笑顔が似合っていると思うな」

 

「シンジくん……ありがと」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 再び広がる笑顔の花。シンジと出会った影響からか、レイは少しずつ自分の中で変わり始めている様だ。

 

 シンジとレイも普通の人間とは異なる人生を歩んでいるからこそ、互いに惹かれ合うものがあるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 満天の星空の下でシンジとレイは仲良くなった。

 

 これにはユイとゲンドウも大喜びで、レイの心に希望の光を灯したシンジはまた一つ自分の価値を上げる事に繋がった。

 

 その後は家族全員でシンジとユイが作った料理に舌鼓を打ち、四人で綺麗な星を眺めて幸せな時間を過ごした。

 

 しかし楽しい時間とはそう長くは続かないもの。

 

「シンジくん……」

 

「悲しい顔しなくても大丈夫だよ。これが最後じゃないから。きっとまた会える時が来るって」

 

「……ほんとに? 私達また会える?」

 

 帰り道の途中で別れ話になった途端、驚いた事にレイがシンジと離れたくないと泣き出したのだ。

 

「信じていれば会えるよ。だから大きくなったら二人でまたこの場所に来て、その時また一緒に同じ星空を見よう」

 

「シンジくん……うん。じゃあ、ちゃんと約束したからね……? 忘れちゃ嫌だよ?」

 

 純粋で愛らしい人の心を取り戻した幼いレイに無意識のうちに惚れてしまった様子のシンジ。

 

「うん。僕も綾波と会える日を楽しみにしてるよ」

 

 珍しく顔を赤らめながら、シンジはレイと未来の約束を交わすのだった。

 

 

 

 

 

 次の日の朝、シンジと出会った時とは別人にまで子供らしい明るさを取り戻したレイは、ユイとゲンドウに連れられて親戚の家へと帰って行った。

 

 自分が居れば別れが辛くなって、またレイを泣かしてしまうから……と、自ら進んで留守番する事に決めたシンジ。

 

 しかし未練が無かった訳ではない。

 

「結局、綾波とは1回もエッチな事しなかったなぁ……」

 

 誰も居なくなった家に独り残ったシンジは自分の部屋の机に座り、どこか寂しい表情で遠方の田舎へと帰って行ったレイの笑顔を思い浮かべる。

 

「綾波レイ、か……僕がイメージしていたキャラとはちょっと違うみたいだけど、ほんとに可愛くて優しい良い娘だった」

 

 どうやらシンジは自分でも分からないうちにレイに恋愛感情を抱いてしまったらしい。

 

 しかしそれを素直に認めるのが恥ずかしいシンジ。

 

(僕が巨乳好きだから綾波には手を出さなかっただけ……うん、きっとそうに違いない。僕の好みは母さんとかミサトさんみたいにおっぱいが大きくてスタイル抜群なエロい女性だから──)

 

 ──などと言い訳をし、心の中で芽生え始めたレイへの恋心を誤魔化そうとすると、徐に切ない溜息を漏らす。

 

「また会えるといいなぁ……」

 

 唇を震わせ、独り静かに呟くシンジ。その頬には微かに濡れた涙の跡が綺麗に伝っていた。

 

 

 

 

 

 




次のレイの出番? 悪いけど10年後までないよ(断言

何故ならここからストーリーはツンデレ幼馴染みアスカとの微笑ましいイチャラブルートに入るから(えっ

という訳で次回、本作メインヒロインのロリっ娘アスカがついに初登場。

一応アスカの長期的な育成こそが本作最大のテーマですかね。

アスカ登場でだいぶ本作の方向性は固まると思う。

あっ、ユイさんは……すみません、現状維持ということにしときます(笑)


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独りぼっちのお姫様

本作メインヒロインにしてシンジハーレムの正妻候補であるアスカ(ロリ)初登場。

これより先はアスカとのイチャラブ調教ルートに入ります。


 

 さらに1年が経過した。

 

 5歳となったシンジは幼稚園での生活にも慣れ、今では同い年の園児達の人気者兼頼れるリーダー的存在になっていた。

 

 シンジにとって幼稚園児の心を掴む事など容易い。最近流行っているテレビアニメや特撮ヒーロー番組、ゲームの話題で子供達に近付き、そこで自分の持ち得た知識を得意げに披露する。

 

 転生経験のあるシンジと比べて知能の低い園児達は周りの人々から『天才少年』と呼ばれるシンジに対して畏怖にも似た念を抱き、シンジと仲良くなった男の子からは尊敬され、女の子からはモテるようになった。

 

 しかし中にはシンジの活躍を面白くないと思っている者だっている。そんな子供達に喧嘩を売られる事も度々あったが、冷静沈着なシンジはガキ大将率いる意地悪い男の子達から呼び出される度に優しい口調で「喧嘩は良くない。みんなで仲良く一緒に遊ぼう」と大人っぽく諭し、ユイやゲンドウに買って貰った子供向けの玩具をプレゼントするなどで幼稚園の悪ガキ連中を黙らせ、その幼心を支配してきた。

 

 今や幼稚園に通う子供達の中でシンジに反抗的な態度を見せる者はいない。

 

 ……“ただ一人”を除いて。

 

「ちょっと! そこのバカシンジ!」

 

 シンジが仲良くなったクラスの女の子達に囲まれ、教室内でおままごとをして遊んでいると、そこに一人の女の子が声を荒げて歩み寄って来た。

 

 日本人離れした西洋人形のように整った童顔をぷくぅと可愛らしく膨らませ、何やら怒った様子でシンジ率いるハーレムの輪に無断で入り込む。

 

「やぁ、アスカ。悪いけど今はこの通りでね」

 

 大勢の女の子を侍らせてご満悦の表情をしたシンジが女性殺しの笑顔を浮かべ、新たにやって来た女の子──“アスカ”の方に好意的な視線を向ける。

 

 と同時にシンジを守るべく立ち上がった女の子達がアスカを取り囲んで威嚇し始めた。

 

「も~、ま~たあなたなの? いつもいつもシンジくんのやりたい事を邪魔ばかりして──転入生のくせに何のつもり!?」

 

「あなたは私達の仲間になった訳じゃないでしょ? 男の子と遊びたいならシンジくん以外にしてよ! 他の男の子はいくらでもいるでしょ!?」

 

「そうそう! 私達はシンジくんと遊んでるの! 女の子の中で自分だけ仲間外れにされてるからって邪魔しないでよ!」

 

 ……酷い言われ様だ。女の子同士の醜い言い争いを涼しい顔で傍観していたシンジは、「この年頃の女の子って意外と怖いんだな」と認識を改め、被害者にされたアスカに対して同情する。

 

「まあまあ。みんなも落ち着いて。僕は争い事が嫌いなんだ。女の子は全員仲良くしなきゃね」

 

 頃合いかと思ったシンジが仲介に入ると、女の子達は渋々とアスカから引き下がった。

 

「う、うん……シンジくんがそう言うなら」

 

「えっと……アスカちゃん、意地悪してごめんね」

 

「アスカちゃんも、シンジくんと一緒に遊ぶ“はーれむ”って仲間に入れてあげるね」

 

 大好きな人に嫌われたくない──女の子達の可愛らしい幼稚な思考など、シンジは手に取るように分かる。

 

 だから少し怒って見せるだけでシンジの一時的に過ぎない仮初めのハーレムに加わった女の子達は怯え、何とか嫌われないようにしようとシンジの言う事に必ず従う。

 

 アスカ以外は性別関係無く全員がシンジに対して従順なので、園児達の人気者となったシンジの命令には逆らう素振りを見せない。シンジによる精神掌握は今のところ完璧と言えよう。

 

「……ふん」

 

 しかしアスカは他の子と違う。人気者のシンジから仲良くしようと言われたのに、その表情は明らかに不満そうにしている。

 

「む~、何その生意気な態度! せっかくシンジくんが“はーれむ”に入れてもいいって言ってるのに──言う事聞きなさいよぉ!」

 

「ふぅ……君達もいい加減にしなよ。前に言ったよね? 僕を怒らせたり困らせたりしたら、もう二度と“ハーレム”には入れてあげない──って」 

 

 ……これ以上は聞いてられない。女の子達への苛立ちを隠さずにシンジは口を開いた。

 

 笑顔こそ見せているものの、その冷え切った瞳はまるで笑っていない。さすがはユイの子供。怒ると怖いところは間違いなく受け継いでいると言えよう。

 

 シンジの冷静な怒りを感じ取ったのか、女の子達は慌てた様子で口々に謝罪し始める。

 

 その様子をぽかんとした表情で見ていたアスカ。そしてふと我に返ったかと思えば、何故かシンジに対して“ベ~”と生意気に舌を出し、女の子だらけの教室から走り去っていった。

 

 

 

 

 

 ──惣流・アスカ・ラングレー。それが今し方現れた彼女の名前だ。

 

 元々は故郷のドイツで母親と二人で暮らしていたのだが、最近になって母親の仕事の都合でドイツから遠く離れた日本の第3新東京市に引っ越して来た。

 

 そこでアスカはシンジも通う市内の幼稚園に転入して来たのだが、ドイツ3/4、日本1/4の血を持つクォーターと言う事もあって日本の環境に馴染めず、周囲の子供達から虐められていた。

 

 そう言った複雑な事情からアスカは孤立し、幼稚園でも友達一人作らずに独り寂しく過ごしていた。

 

「──その髪、綺麗だね」

 

 そんなアスカに誰よりも先に声を掛けたのが、幼稚園に君臨した幼き王子様ことシンジだった。

 

「ふん……まぁ、よく言われるけど」

 

 口では無愛想に言いながら、アスカは母親以外の人に初めて自分を褒められた事に若干動揺していた。

 

「ふふっ。だろうね。でも、君にはとっても似合ってると思うよ」

 

 実際、薄く明るい色彩をした茶色い髪を長く伸ばし、透き通ったサファイアの瞳を煌めかせるアスカはシンジから見ても絶世の美少女だろう。

 

 シンジは目の前に居座る女の子が前世で知っていた原作『新世紀エヴァンゲリオン』の登場人物の一人『惣流・アスカ・ラングレー』だと理解する。

 

 この世界が原作から乖離しているとすれば、アスカは今後の未来でシンジの幼馴染みとなる可能性が極めて高い。

 

 ならば幼少の頃から親密な関係を築き、将来的には巨乳美少女へと成長する事が既に確定しているアスカをエッチな意味で育成した方がいいだろう。

 

 大人も驚く天才的な頭の良さと圧倒的カリスマで幼稚園を支配下に置いたシンジは次なる計画をアスカの性奴隷化に定め、原作と同じ14歳の中学生になるまでアスカを長期的に育成していく準備を開始した。

 

 ──それからと言うもの、シンジは何かと集団から孤立したがるアスカに声を掛け続けた。

 

 そしてアスカの幼稚園転入から数週間後の現在……。

 

 

 

 

 

「お待たせ、アスカ」

 

 好きでもない女の子達と一旦別れたシンジは、園庭にある遊具付近で寂しそうに黄昏ていた本命のアスカに歩み寄った。

 

「……遅いっ! せっかくあたしが声を掛けてあげたのに──他の女の子にデレデレしちゃって、もうっ!」

 

「ごめんごめん。あの娘達は僕がアスカと仲良くしたりすると、ああやってすぐ不機嫌になるんだから」

 

 今ではシンジの地道な努力の甲斐あって、未だに幼稚園の中で孤高を気取るアスカはシンジに対してのみ心を開き始めた。

 

「……あんた、モテるもんね」

 

「いやいや、アスカだってその無愛想な態度を止めればすぐにモテると思うよ? 何たってアスカはこの幼稚園で僕が出会えた“ただ一人のお姫様”なんだから」

 

「あ、あたしがお姫様……やだ、そんなこと……」

 

 幼稚園で一番の人気者から“お姫様”と呼ばれて嬉しそうに照れた様子のアスカを見て、これは良い傾向だとシンジは内心ほくそ笑む。

 

 しかしまだ友好と言える程の関係は築けていない。人付き合いを嫌うアスカからすれば、毎日執拗に話し掛けてくるシンジは口煩いお節介焼きと言ったところか。

 

 それでも転入初日の無愛想な態度に比べたら大きな変化だ。幼稚園で働く先生達もシンジと話すようになった最近のアスカを見て安堵していた。

 

 さすがは幼稚園で全く問題を起こさない優等生のシンジと言ったところか。

 

 先生達もシンジの事は入園時から頼りにしている節があり、アスカの事は今後シンジに任せる方針に決めたようだ。

 

 ……それでいい。少しずつ他人に対して心を開き始めたアスカを幼稚園の裏でこっそりと隠密に調教したいシンジとしては、ここで先生達に余計な手出しをされて自分の育成計画に支障が生じてしまう事態になるのは極力避けたい。

 

 元々は自分の目に叶った美少女を幼稚園で調教する際に他人の邪魔が入らない為にと、入園した当時から先生達の前では真面目で利口な優等生のフリをしていたのだが、今回アスカに狙いを定めるにあたって思いの外その手間が役立った。

 

 信じられない事に何もかもがシンジの都合の良い展開で動いている……。

 

 シンジは自分の人生計画が上手く行き過ぎている事に若干の恐怖を感じながら、同時にこれ以上にない愉悦もまた感じていた。

 

「ところでアスカ」

 

 表面に出てくる邪悪な微笑を必死に堪えつつシンジが改まって口を開いた。

 

「……何よ?」

 

「もしアスカさえ良ければだけど、明日からは僕と一緒に遊ばない?」

 

 にこやかな笑顔を見せるシンジの突然の言葉に、幼いアスカは頭の回転が上手く回らない様子。

 

「えっ? えっと……つまり、あたしだけってこと?」

 

 やがてアスカは不安な表情で問い掛ける。その様子から察するに、どうやらシンジの言葉の意味が理解できていないらしい。

 

「うん。僕とアスカの二人だけ……嫌かな?」

 

「い、嫌じゃない……けど、他の女の子達はどうするつもり?」

 

 この幼稚園に転入して孤立していた自分に話し掛けてきたシンジから、今度は自分を遊び相手に選んで貰えた。その事実が嬉しいのか、アスカの態度は次第に不機嫌から上機嫌へと軟化していく。

 

「ん? ああ……あの娘達は気にしないでいいよ。ちょっとうるさいなって思ってたところだったし」

 

 アスカ以外はどうでもいいと言わんばかりに呟いてからシンジはその場に跪くと、アスカのお人形のように肌白く綺麗な手を優しく握る。

 

「僕はこの幼稚園でずっと“ある探し物”をしていたんだ。でもなかなか“良い娘”が見付からなくてね──諦めて適当な娘達で遊んでたところにアスカ──そう、君が突然現れた」

 

 幼稚園児とは思えない大胆過ぎる告白を聞いて、見る見るうちに可愛らしい顔を林檎のように赤く染めていくアスカ。実に初心な反応……だがそれがいい。

 

「初めて君を見た時に僕は確信したよ。アスカ──僕は君のように可愛い女の子を探し求めていたんだ」

 

 恋愛ドラマのイケメン主人公でも恐らく言わないであろうキザったらしい口説き台詞を白昼堂々と言い放ち、完全に身動きが固まってしまったアスカの柔らかい手の甲にチュッと軽い接吻を施す。

 

「アスカ──どうか、僕だけのお姫様になってくれますか?」

 

「ぁ、あぅ……」

 

 今までに無いくらい顔を真っ赤にしたアスカの小さな頭からぷしゅーと熱を帯びた湯気が出ている。それくらい今のアスカは照れてしまっている様子。

 

 全てはシンジの思惑通りに事が動いている……しかしシンジは“口撃”の手を緩めないで続ける。

 

「返事は今すぐじゃなくてもいいけど、これだけは覚えておいて欲しい。シンジ王子はアスカ姫の事を誰よりも大切に思っているってこと──いいね?」

 

「ぁ……ぅん……はぃ……」

 

 アスカは恥ずかしさのあまりシンジの顔をまともに見れないようだ。しかしシンジはまるで気にもしていないのか、余裕の笑顔で頷くとアスカに接吻した手を離してから颯爽と立ち去っていった。

 

「ぁぅ……王子、様……」

 

 一方でその場に残されたアスカは、先程キスされた自分の手をドキドキした表情で見詰める事しかできなかった。

 

 

 

 

 

 ……上手くいった。

 

 昼休みが終わって教室内に戻って来たシンジは、アスカ育成の第一段階が軌道に乗った事を内心喜んでいた。

 

 やはり幼稚園児の心を掌握するなど容易い。5歳の女の子が好きそうな美少女アニメに出てくるイケメンキャラっぽい台詞を少しアレンジして言ってみただけであの反応だ。

 

 それにどうやら、アスカは自分が“お姫様”と呼ばれる事に女としての喜びを感じるらしい。

 

 シンジは幼稚園に入園するにあたってアスカと同い年の女の子が好きそうなテレビ番組や趣味などは粗方調査済みである。

 

 地道な努力で出したその結果を分析するに、アスカも王子様やお姫様が登場する恋愛ストーリーに興味を抱いている可能性は高い。

 

 ならば今の間はもうしばらく“お姫様なアスカ”を演じさせてあげよう。

 

 シンジは教室の隅に独りで座って未だに顔を赤らめたまま、ぼんやりと虚空を眺めているアスカを一瞥してからニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 ──その後日、顔を真っ赤にしたアスカから正式に“遊んでほしい”とお願いされたシンジは、喜んでアスカとの“幼稚園児らしい普通の遊び”に興じるのだった。

 

 




ちょっと最近エロが書けてないので、次回からしばらくの間はアスカのエロ回メインで話を進めていこうと考えてます。

アスカかわいいよ、アスカ。


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アスカの妄想おままごと

前回の後書きで次はアスカのエロ回と言ったな?

すまん……あれは嘘だ(えぇっ!?

今回はシンジがアスカに振り回されちゃう話。


 

 アスカと仲良くなってから数日後。

 

 シンジは幼稚園で孤立しているアスカを園児達の遊び仲間に加えてあげようと、園児達を束ねるリーダーとしてアスカと仲良くして欲しいとお願いした。

 

 元々はアスカの態度に手を焼いていた保育士達がシンジに手助けを依頼したのだが、シンジとしてもアスカ一人だけを贔屓する訳にもいかず、一晩悩んだ末にアスカを園児達の仲間に入れる事にしたのだ。

 

 最初は他の園児達も嫌々だったのだが、そこは流石の年長者シンジ。

 

 自ら仲介者となりアスカの為に色々と手回しをした結果、アスカは幼稚園に溶け込み、晴れて園児達の仲間入りを果たす。

 

 今ではシンジと並ぶ地位にあたる幼稚園のお姫様として君臨していた。

 

 そしてシンジはあれからアスカに関する個人情報をさらに詳しく聞いていた。

 

 それによるとアスカは第3新東京市内に位置する豪邸にお手伝いさんを雇って母親と二人だけで住んでいる事を自慢気に話し、他の園児達からお姫様扱いされる自分自身に酔いしれている模様。

 

 どうやらドイツに居た時からアスカの自己中心的な暴君ぶりは日常茶飯事だったらしく、そうした人格的問題がアスカを孤立化させていった原因らしい。

 

 アスカ本人からその話を聞き、これはいけないと真面目に思ったシンジはアスカの矯正を速やかに開始する事に決めた。

 

 本来ならもう少しお姫様気分でアスカを楽しませてあげようなどと甘く考えていたシンジだが、どうやらそれ自体が間違いだった様だ。

 

 このまま煽てて調子に乗らせてしまえば、将来的にアスカの人格は原作と同じく破綻してしまう可能性も考えられる。

 

 シンジはアスカの性格が自分の目指すハーレム誕生の大きな障害になると気付き、現状保留となっているユイと約束した問題以上にまずはアスカにハーレムを認めさせなくてはならない。

 

 そこでシンジは自由時間、我が物顔で園内を闊歩しながら他の園児達に威張り散らす傲慢な暴君プリンセスと化したアスカを誘って幼稚園裏に呼び出した。

 

 

 

 

 

「こんなところに呼び出して……何するつもりなの?」

 

 まるで自分が偉い人間である様な態度でシンジを冷たく見下すアスカ。

 

 やはりシンジの危惧した通り、独りぼっちだったアスカを自分のお姫様役にさせたのは失敗だった様だ。

 

「ああいや……今日はアスカと遊ぼうと思ってね」

 

 しかしシンジも負ける訳にはいかない。この辺りでどちらが上の立場かをしっかりと理解させる必要がある。

 

 今日はその為に幼稚園での1日を使ってアスカで遊び尽くすつもりだ。性的な意味で。

 

「こんなところでぇ? だいたい、あんたと二人で何するって言うのよ」

 

 対して疑惑の視線でシンジを睨み付けるアスカ。既にアスカの頭の中ではシンジより自分が上に立つ人間という事になっているらしい。

 

「何するって? そりゃあナニを──ああいや、アスカにはまだ早いか」

 

 などと呟きつつ、シンジはアスカを人目から隠す様に建物裏の壁に無理矢理押し込んだ。

 

「ちょっとシンジぃ──」

 

「ごめんね。でもこれはすぐ終わる遊びだから」

 

 言うと同時にシンジはアスカが着ている幼稚園の服の中に向かって卑猥な手を撫でる様に這わせていく。

 

「んんっ!? あ、んっ、こら、ちょっと……きゃんっ! ゃんっ! く、くすぐったいってばぁ!」

 

 シンジの予想通り、他人に触られる事を嫌うアスカがシンジの腕の中から抜け出ようと足掻き始めた為、シンジは少しだけ手の動きを緩めて様子を見る事にした。

 

「──っと、ごめんごめん。アスカにはまだ説明してなかったね」

 

「はぁ、はぁ、はぁ……んもぅ! いきなり触るなんて聞いてないわよ、このバカ!」

 

「だからごめんって。これはね、こうやってお互いに身体を擽り合う遊びなんだよ」

 

 あくまでこれは子供同士の“遊び”だとアスカに暗示を掛け、全くいやらしい事ではないと思い込ませていく。

 

 これはシンジが幼稚園でよく子供達に用いる人心掌握術の一例に過ぎない。

 

 マインドコントロールと言えば聞こえは悪いかもしれないが、原作のシンジより遥かにコミュニケーション能力と話術、カリスマ性に長けた冷静沈着な知能犯ことシンジが何よりも得意とする技法である。

 

 ここで大事なのは話し相手に会話の主導権を握らせない事。アスカの場合はその我が儘な性格が災いし、シンジは現時点で既にアスカのペースに飲まれつつある。

 

 今までシンジが相手にしてきた子供達が取るに足らない普通の幼児だったと言う事もあるが、アスカは残念ながらそうではない。

 

 そもそもアスカは『新世紀エヴァンゲリオン』という作品に登場する重要なキャラクターだ。この時点で他の園児達とは異なる特別性を持つ。

 

 現にシンジ自身、アスカと仲良く遊ぶ様になってからは女の子向けの玩具やお菓子などをプレゼントするなどでアスカの機嫌を取り、人心掌握を完了しようと密かに働いてきた。

 

 しかし未だお姫様気分に浸っている今のアスカはシンジから貰ったプレゼントの数々を貢ぎ物として受け取るだけで、幼稚園の子供達すべてのサンタクロースとなっているシンジに対して感謝したり屈伏する素振りすら見せない。

 

 これではアスカを話術で堕とすなど夢のまた夢……。

 

 悩んだ挙げ句にシンジも珍しく冷静さを欠いてしまい、こうしてアスカを幼稚園裏に呼び出しては身体を触っている始末。もはや完全にただの変態である。

 

「それともアスカはこういう遊びって嫌い?」

 

 苦しい言い訳だ。どうやらアスカの事で少し急ぎ過ぎたのかもしれない。

 

「むぅ~、そんな遊びイヤ! ぜぇ~ったいにつまんない!」

 

 シンジ突然の乱心に怒ったアスカはプイッと顔を背けると、痴漢行為を働くシンジの手をピシャッと叩いて簡単に服の中から追い出してしまう。

 

「ご、ごめんよ……じゃあ、アスカはどんな遊びがしたいのか教えてよ」

 

 ……こうなってはやむを得ない。アスカに対する人心掌握を一先ず諦めたシンジは、ここで敢えてアスカのペースに乗っかってみる事にした。

 

 大丈夫、まだ修正は効く……そんな人生経験豊富な年長者の余裕からきたシンジの虚勢だった。

 

 

 

 

 

 その後、アスカの機嫌を損ねてしまったシンジは仕方無く好きな遊びに付き合う事になったのだが……。

 

「はいシンジ、あーん」

 

 緑の葉っぱの上に手作りの泥団子を乗せたアスカが、普段の生意気な態度からは想像できないほど可愛らしい笑顔を浮かべ、呆然としているシンジに泥団子の料理を食べる様に促す。

 

「あ、あーん……もぐもぐ」

 

 アスカ手作りの不恰好な泥団子を手に取り、シンジはにこにこ笑っているアスカに見られながら食べる仕草をする。

 

「どぉ? 美味しいでしょ?」

 

「ぅ、うん。まぁ……味付けもしっかりしてるんじゃないかな、ははは」

 

 苦笑いを浮かべてアスカに料理の感想を述べるシンジ。正直この様な展開になるとは想像もしていなかった為、シンジは呆気に取られていた。

 

「フフン♪ そうでしょ? やっぱりシンジは他の男の子達と違って見る目あるわね。あんたと二人でやる遊び、おままごとにしといて良かったぁ~」

 

 そう──アスカが提案してきた遊びは意外にも“おままごと”だった。

 

 アスカは自分をお嫁さん、シンジを旦那様に設定し、唐突な結婚生活を始めたのだ。

 

 しかもアスカは自分の役柄をドイツのお城で暮らす孤独なお姫様にしており、シンジはアスカ姫に結婚を迫ったがアスカに一度は婚約を拒否され、ならば強引に姫を拐おうと悪者の王子様に扮してお城に忍び込んだものの、そこでアスカからは何故かその行動力と口説き文句を気に入られてしまい、一晩で愛を語り合ったシンジとアスカは国を捨てて駆け落ちする形で結婚。

 

 そして今は夫婦ラブラブな結婚生活を送っている──という、何とも凝った設定になっていた。

 

(しかし参ったなぁ……これじゃアスカの思うがままだ)

 

 そして現在、シンジはここまでアスカの少女趣味染みた妄想が色濃く反映されたおままごとに付き合わされ、酷く萎縮していた。

 

「ちょっとぉ! ちゃんとやってって言ってるでしょ!? どうしてお嫁さんの手料理食べてそんなに落ち込んでるのよ!?」

 

 ……見破られたか。シンジは深い溜息を吐いてから弱々しい口調で言う。

 

「やってるけどさぁ……僕だってもう少し楽しませて欲しいんだよ。これじゃまるで、僕は“お転婆アスカ姫”の奴隷にされた可哀想な王子様みたいじゃないか」

 

「ふーん……じゃあ、シンジはどういう風に楽しみたいのか言ってみなさいよ?」

 

 ──と、ここでアスカからチャンスを貰うシンジ。このチャンスを生かして上手くアスカを話術で丸め込まなければ、シンジによるアスカ調教というエロい野望は潰えてしまうだろう。

 

 それだけは断固として阻止しなくてはならない。シンジは改まってアスカに自分の意見を伝える事にした。

 

「え、えっと……アスカの身体にちょっとだけ触ってみたいなぁ~とか……ああいや、やっぱり駄目だよね……?」

 

 取り敢えず言えるとこまでは言ってみようと、シンジは大胆にもアスカの身体に興味がある事を正直に話した。

 

 そして訪れる長い沈黙……。

 

「……何それ? あんた、そんなにあたしの身体に触りたいの?」

 

 やがて沈黙を破り、溜息混じりにアスカがシンジをジト目で睨み付ける。その表情はどこか呆れている様にも見える。

 

「う、うん! だってアスカってすごく可愛いし!」

 

「~~ッ!?」

 

 しかしアスカはそんな事を他人から言われたのは初めてだったのか、明らかに動揺してシンジを見返してしまう。

 

 これは願ってもないチャンスだ。アスカの心に付け込む隙が出来た以上、攻めるなら今しかない。

 

「お願い! おままごとの続きだと思ってさ! ほら、僕とアスカは結婚してるんだから夫婦同士で身体とか触ったりするもんだろう?」

 

「それは……そうかもしれないけど。でも……なんかイヤ」

 

「大丈夫だって! 変な事しないから!」

 

 今更引き下がれないシンジは幼稚園で築き上げた優等生キャラを自ら捨ててまでアスカへの懇願を諦めない。

 

 度重なるシンジの必死な頼みにアスカは呆れながらも折れたのか、長い溜息を吐いてからぼそっと呟いた。

 

「……じゃあ、ちょっとだけ」

 

 と言い掛け、服の中に見える柔らかな美肌をシンジに晒け出そうとした時だった。

 

 

 

『皆さ~ん! 自由時間はおしま~い! 今からお昼寝の時間ですよ~!』

 

 

 

 ……遠くの方から保育士の大きな声が元気よく聞こえてくる。

 

 どうやらシンジとアスカが遊んでいた間に自由時間は終わってしまったらしい。

 

「あっ、もう行かなきゃ。遊ぶ時間は終わりだって」

 

 園児達を呼び寄せる保育士の声を聞いてアスカはぴたりと自分の手を止めると、シンジには見向きもせずに建物の中へと走り去ってしまう。

 

「あっ……アスカ……」

 

 あと少しのところで惜しくも逃げられ、落胆と失望の表情を隠せないシンジ。

 

(ちぇっ……もうちょっとだったのに。やっぱり無理矢理は駄目だったか。後で計画を考え直さないと)

 

 ブツブツと呟き俯いたまま歩いて教室に向かっていると、ふと前方からアスカの明るい声が聞こえてきた。

 

「シンジぃ~!」

 

 何だろう……と、シンジはボーっとしていた顔を見上げ、大して期待もせずにアスカを一瞥。対するアスカは眩しいくらいの笑顔で可愛らしく微笑んでいるではないか。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「さっきのおままごと──“ちょ~っとだけ”楽しかったよ?」

 

 言いつつ、照れ臭そうに頬を赤く染めるアスカ。これは一体どういう事だろうか……。

 

「あっ……う、うん」

 

 女の子の心は簡単に見えて複雑怪奇。……だが、アスカが素直に喜んでくれたのなら、シンジも渋々おままごとに付き合った価値はあったと言える。

 

 それにどうやら……まだ流れはシンジにある様だ。

 

 次はお昼寝の時間……ここでシンジはアスカにエッチを仕掛ける決意を固めるのだった。

 

 

 

 

 

 




皆さん、次回は間違いなくエロ回確定です!

ちょっと強引な気もするけど……シンジとアスカが布団の中でイチャイチャしちゃいますのでお楽しみに!


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僕は布団の中で愛しい君と寝る ★(アスカ)

お待たせしました。最新話の更新です!

幼稚園か保育園でエッチする話なら、恐らく誰もが一度は考えたシチュエーションでしょう。


 

 お昼寝の時間、シンジは相変わらず部屋の隅で孤立していたアスカを観察する事にした。

 

 その間にも何人かの女の子達から一緒に寝ようと誘われたりしていたが、アスカはそれをすべて断っていた。

 

 どうもアスカは他の園児達と自分を差別化したいらしい。今や幼稚園のお姫様となっているアスカは、自分の隣で眠る人間は彼女自身が特別気に入った者でないと受け付けたくない様だ。

 

 そうした理由もあってアスカの隣を巡る布団争奪戦は勝者無しのまま、時間だけが過ぎ去っていった。

 

 しかしこのままでは一向にお昼寝の時間が始まらない。

 

 毎日の様に幼稚園で問題ばかり起こすお転婆姫に困っていた保育士は、アスカと同じく部屋の隅に居座ってこの状況を傍観していたシンジに対し、こっそりと「アスカちゃんの隣で寝てあげて?」と言ってきた。

 

 優等生のシンジからすれば保育士に厄介事を押し付けられた感じだが、確かにこのままでは先生にも他の園児達にも迷惑となる。

 

 シンジはみんなを代表してアスカの隣に自分の布団を引っ張っていき、5歳児とは思えない手際の良さで布団を丁寧に敷きながら一緒に寝ようと提案した。

 

 アスカは他の子達と違ってシンジが隣に来る事を拒みはしなかったものの、「どうせさっきみたいに変なことする気でしょ?」と言って露骨に嫌がる。

 

 だがこれ以上お昼寝の時間をアスカ個人の我が儘で潰せないシンジは、多少強引にアスカを布団に寝かせるのだった。

 

 そして……。

 

 

 

 

 

 担任の保育士や園児達が寝静まった薄暗い教室で、シンジとアスカだけが未だに起きていた。

 

 この時間を有効に使ってアスカにエッチしようと考えているシンジは当然眠る気などないので起きているが、隣の布団で横になっているアスカの方は何故起きているのか分からない。

 

 時折アスカと暗闇の中で目が合うも、アスカはプイッと顔を背けてしまうだけで一向に寝ようとする気配が感じられない。

 

 相手の出方を窺っているのだろうか……だとしたら大した娘である。

 

 

 

 チクタク……チクタク……。

 

 

 

 静止した暗闇の中で時計の秒針だけが微かな音を立てて進んでいく。

 

 仕方無く目を瞑ったシンジは寝たフリをしてアスカの様子を探っていたが、隣の布団からは寝息が聞こえてこない。

 

 ……間違いない、アスカはまだ起きている。

 

 お昼寝の時間が始まって既に五分以上は経過している……もうこれ以上は待てない。

 

 残り時間が少ない事に焦り始めたシンジは意を決してアスカの布団の中へと大胆にも潜り込む。

 

「えっ、ちょっ……!? あんた何やって──」

 

 一方、シンジと同じく目を瞑って寝たフリをしていたアスカは驚いた様子で目を見開き、シンジに布団から出ていってと小声で怒るが、シンジは気にもしないでアスカの服越しにその白い柔肌を卑猥な手付きで触り始める。

 

「ひっ、んっ……ゃあぁっ、だ、だめって……ぁんっ!」

 

 擽ったそうに身体をもぞもぞさせるアスカはシンジの痴漢行為にやめてと声を出す。

 

 するとシンジはアスカの柔らかい唇に自分の指先をちょんと軽く当て、そっと小さな息を吐いた。

 

「静かに。あまり騒いだりすると周りのみんなが起きちゃうよ?」

 

 シンジに言われて思わずすんなりと頷いてしまったアスカだが、その不満そうな表情は何か言いたげにシンジを見据えている。

 

「ん……ねぇ、どうしてこんなことをするの……?」

 

「どうして? それはもちろんアスカが可愛いからだよ」

 

 シンジの行動が理解できないと言うアスカに対し、シンジは当然の様に答える。実際、それ以外にシンジがアスカに手を出す理由などないのだが……。

 

「で、でもぉ……可愛いだけなら他の女の子だっているでしょ? 何であたしだけにこんな変な事するの……?」

 

 それでもシンジの言葉が信じられないアスカ。こうなっては仕方無い……是が非でもアスカとエッチがしたいシンジは思い切って自分の素直な気持ちを伝える事にした。

 

「アスカが大好きだからだよ」

 

「な……ッ!? えぇっ!?」

 

 シンジからの突然の告白にアスカは顔を真っ赤にしてドキドキしてしまう。

 

 ……だが、少なくとも嘘ではない。シンジは『新世紀エヴァンゲリオン』のヒロインの中ではアスカが一番好きだった。それは事実である。

 

 綾波レイも確かに好きだが、それはあくまで原作の中の登場人物として見た話だ。

 

 アスカとレイ……現時点でどちらが好きかと聞かれたら、このシンジにはアスカと答えるしか脳内の選択肢が用意されてないのだ。

 

「か、可愛いから好きなの?」

 

「う~ん……それもあるけど、一番はやっぱりアスカだからかな。他の誰でもない、アスカのアスカってところが楽しくて可愛くて大好きなんだ」

 

 あるいは前世の記憶から続く一目惚れに近い理由かもしれないと意味深に呟くシンジに、顔を赤らめたアスカはドキドキしながら小さな声でシンジの名前を愛しそうに呟く。

 

「ね、だからもっといっぱいお触りしてもいいよね? 僕はアスカが好きだから。この幼稚園の中で誰よりも仲良くしたい……これでも駄目かな?」

 

「ぁ……あたしだけにするって約束するなら、その……触ってもいい、かも」

 

 薄暗がりの中、赤く染まった顔を布団の中から少しだけ覗かせたアスカは恥ずかしそうに呟く。

 

「ほんとに!? ありがとうアスカ! 大好きだよ!」

 

 それを聞いたシンジは待ってましたと言わんばかりに勢い良くアスカの身体に抱き着くと、宛ら抱き枕のように自分の両手と両足をアスカの小さい身体に挟んで絡ませる。

 

「きゃっ! ぁんっ、こらぁ……」

 

 卑猥な手触りに感じてしまったアスカは甘い吐息を漏らしながら、擽ったそうに身体を前後左右に動かし始める。

 

「擽ったい?」

 

「んっ、ふぅ……ぁん、くぅぅ……くすぐったくなんか……だめっ、ゃぁん……」

 

 意地悪な笑みを浮かべて問い掛けるシンジに慌てて首を横に振って否定するアスカ。そこまで頑なに拒まなくたっていいだろうに……。

 

「そう。偉いねアスカ。じゃあもうちょっと我慢しててね?」

 

 するとシンジは間髪入れずにアスカが着ている服を布団の中で強引に捲り上げ、膨らんでもいないアスカの胸を凝視する。

 

「……へぇ」

 

 やはり小さい……“つるぺた”と言ってもいい具合に貧相なまな板だ。そしてシンジの思った通り下着は身に付けていない。

 

 これがあと十年もしたら中学生とは思えないエッチ過ぎるロケットおっぱいになるのだから人間の身体は実に不思議だ。

 

「こらぁ! そんなとこ、んっ、ぁん……見ないでよぉ、ばかぁ……!」

 

 ……っと、これ以上のおっぱい観察は止めておこう。今はアスカを気持ち良く感じさせる事が先決だ。

 

 シンジは引き続きアスカの身体をぺたぺたと触りながらアスカの反応を見ていく。

 

「ぁん……っ、んっ」

 

 シンジが触ってみた感じ、どうやらアスカはユイと同じく敏感体質の様だ。

 

 あれからシンジに胸やお尻を毎日揉まれ続けて完全な淫乱体質へと覚醒したユイとは違い、アスカの反応は性的な快感ではなく単純に擽ったさを感じているだけの様だが……。

 

 その間にもシンジの左手は逃がさんとばかりにアスカの腰に置かれ、もう片方の手で官能的且つ肉感的なぷりぷりとした柔肉をいやらしく撫で回していく。

 

「……んっ、ぁんっ……その触り方、っ……なんだかエッチぃ……」

 

 自然と出そうになる喘ぎ声を我慢しながら、アスカは唇の裏で歯を噛み締める。

 

「やっ……やめっ、くすぐっ……んっ、だめぇ……っ」

 

 ……淫乱への素質は充分にある。今からじっくりと丁寧に調教していけば、中学生の頃にはシンジに対して従順なエロエロ幼馴染みに成長しているだろう。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……んもぅ、シンジぃ……」

 

 可愛らしいピンク色の唇を震わせ、不安な声を漏らすアスカ。一方でシンジは頭から布団をすっぽりと被って潜り込むと同時にアスカの服の隙間に手を伸ばし、アスカの胸を優しく卑猥に愛撫していく。

 

「ぁ……あっ、く、んっ……ふぁ……だめ……っ」

 

 生まれて初めて男の人に自分の胸を揉まれたアスカの唇から甘い喘ぎ声が微かに漏れ出す。

 

 これは間違いなくシンジの愛撫で感じていると分かる。この可愛らしい反応を見るに、アスカは本気で嫌がっている訳ではなさそうだ。

 

「僕の愛撫で感じてくれてるんだね。嬉しいよ、アスカ」

 

 言うと同時にシンジはギリギリまで顔を近付け、桜色の綺麗な乳首に向かってふぅと甘い息を優しく吹き掛ける。

 

「ひゃん! んんっ、やぁ……くっ、くすぐったいってばぁ……」

 

 ぞくぞくっと小刻みに反応するアスカの幼い身体。それを見てニヤリと笑ったシンジは宛ら新しい玩具でも遊ぶように嬉々とした様子でアスカの貧相な胸を執拗に揉み続ける。

 

「気持ち良い? 感じているなら口に出して言ってよ」

 

 悪戯っぽく言いつつ、シンジはぷくっと膨らんだアスカの可愛らしい突起を唇の間に挟んで甘噛みする。

 

「ふゃぁん……! そっ、それぇ……気持ち、んぁっ……! 気持ちいぃ、からぁ……!」

 

 次から次へ押し寄せる未経験の性的興奮に、アスカは堪らずシンジの首の後ろへと無意識に両手を回す。

 

 暑苦しい布団の中でお互いに身体をぎゅうぎゅうと絡ませて抱き合う姿は、宛ら恋人同士がいちゃついている様に見えなくもない。

 

「ねぇ、アスカ……キスしよっか?」

 

 時間を掛けて布団の中に充満した甘くて濃い淫らな熱気に興奮したのか、シンジはアスカの発情した顔に自らの顔を近付けていく。

 

「ふぇぇ……キスぅ……? だ、だめぇ……キスは好きな人とじゃないと……ぁんっ」

 

 口では拒むものの、アスカの半開きになった唇からは蜜の様にとろぉ~とした淫猥な涎が垂れており、今すぐキスして欲しいと言いたげにシンジを誘惑してくる。

 

 好きな女の子の目と鼻の先でこれを見せられて我慢できる程の理性などシンジは疾うに捨て去っている。

 

 息を荒げたシンジはゆっくりとアスカの唇に自分の顔を近付け、ドキドキした表情で嫌々と言いながら見守っているアスカの半開きになった唇に自らの唇を押し当てた。

 

「ん……んちゅ……ぁん……」

 

 初めてのキスを経験したアスカの抵抗は意外にも弱々しい。嫌がるどころか、何故かキスに慣れた様子のシンジに自ら身を委ねている様でもある。

 

(どうしよぉ……あたし、いまキスしちゃってるぅ……あたしを可愛いって、好きって言ってくれたシンジと……幼稚園でこんなエッチなことして……やだぁ、すごい恥ずかしぃ……っ)

 

 様々な思惑が交錯する布団の中で重なり合う二人の唇。静まり返った薄暗い部屋では淫靡な音が奏でられる。

 

「んっ、ふぁ……んちゅっ……」

 

 先程まで布団に寝転がっていた二人はいつの間にか布団を被ったまま起き上がり、互いに寄り添っては肩を抱き寄せる。

 

「んぁっ……ちゅ、んっ……」

 

 舌と舌を重ね合わせ、じっくりと確めるように何度も繰り返し舐めていく。唾液を含んだ二枚の舌は滑らかに蠢き、粘膜接触の中でぐちゃぐちゃに蕩けて一つに交ざり合う。

 

「んん……んふっ……っちゅ……ん……」

 

 そうして舌が絡み合う度にアスカの身体の力が抜け落ち、少しずつ意識を朦朧とさせていく。

 

 その官能的な行為は二人が今までに感じた事もない程の快感を生み、ただ唇を重ねているだけで二人の想いまで通じ合ったような甘美な幸福感に包まれていた。

 

 一分以上は濃厚なキスを交わしていただろうか。不意に二人の唇がキスの終わりを名残惜しむようにゆっくりと離れ、アスカのぷくっと柔らかに潤んだ唇から熱気を帯びた透明の糸がつぅ……といやらしく伸び、それはこの星の重力に引かれてぷつんと途切れて落下した。

 

「んふぅ……はぁ、はぁ……しちゃったぁ……あたし、ほんとにキスしちゃったんだ……シンジととってもえっちぃなファーストキスぅ……」

 

 未だに興奮が収まらない。キスしている間ずっと瞑っていた瞳をうっすらと開き、綺麗に磨かれた蒼海の宝石の如く煌めきを放つ魅惑の眼差しでシンジを見つめる。

 

「嫌だった?」

 

 と、同じ様に興奮して息遣いの荒いシンジに言われたアスカはドキドキしながら首を小さく横に振る。

 

 そしてカァァ……っと頬を紅葉色に染めると──

 

「もぅ……ばかぁ」

 

 とろ~んと蕩けた瞳でシンジを愛しそうに見つめ、恥じらうアスカは可愛らしい甘声で囁くのだった。

 

 

 

 

 

 




今回は語ることがないので、作者が以前書いていた某作品でやっていたネタを一つ。

 

次回予告(ネタ予告)

シンジと初エッチし、キスまでしてしまったアスカちゃん……

それで身も心も堕ちたかと思えば、そうはいかないのがアスカ様なのです。はいはいツンデレ乙。

そしてシンジは今日もアスカにエッチないたずらを……?

アスカ「あ、あれくらいの事であんたのことなんか全然好きになってないんだからぁ!」

シンジ「ふーん……じゃあもっと虐めちゃお♪」

次回、『恐怖の幼稚園』

好きな女の子には意地悪したくなっちゃう男の子の心理とは!?

次回の話はオムツ必須。真夜中に見てはいけません!


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好きな娘には悪戯したくなる馬鹿な男の心理 ★(アスカ)

更新お待たせしました! 最新話です!

今回はアスカをいじめるという話の性質上、シンジの変態クズっぷりが強調されます。

クズ嫌いな方は閲覧注意です。

えっ? 主人公がクズなのはいつもの事だろって? その通りですね、はい(おいこら

因みに今回幼稚園のトイレは自分が当時通っていた幼稚園のトイレをイメージしております。

読者の皆さんに分かりやすく伝えるなら、クレヨンしんちゃんに出てくるふたば幼稚園のトイレでしょうか?

あの頃の幼稚園のトイレって何でか知らないけど昼間でも薄暗くて本当に不気味だったなぁ……懐かしい。

と、それはさておき本編です。


 

 アスカと幼稚園で初エッチした翌日。

 

 シンジは今日もアスカを幼稚園の裏側に誘い出しては、愛しい彼女を自分の腕に抱いていた。

 

「んっ……んぁっ、んふぅ……」

 

 小さな身体を硬直させながら戸惑いの表情を見せる彼女の腕を引き寄せ、シンジは唇を重ねてゆく。

 

 唇に触れた柔らかくて温かい感触。何度も触れる度にびくびくっと小刻みに震えるアスカの反応すべてが堪らなく愛しい。

 

「ぁ……シンジ……だめ、待って……んんっ」

 

 嫌がる彼女を両腕で抱き止め、シンジは舌で彼女の唇を無理矢理に塞ぐ。

 

「んん~っ!? んんっ!? ……んっ……ふぁ……んふぅ……ふぅ……ふぁぁ……ぁ……あぁん」

 

 突然シンジに舌を挿入されたアスカは今までで一番の反応を見せ、ビクッと身体を硬直させる。途端に二人の温かい咥内の感触が唇全体に伝わり、アスカとのキスで興奮したシンジは我慢できずにねっとりと彼女の咥内を丹念に舐め回し、積極的に舌を絡めながら大量に分泌された唾液をアスカの咥内へと流し込んで掻き混ぜる。

 

「んっ……んちゅ……はぁ……んふぅ……ぁ、だめ……んんっ」

 

 それでもまだ抵抗するアスカ。しかしその火照った惚気顔から察するに、シンジとのキスを本気で嫌がっている訳ではなさそうだ。

 

「んちゅ……ねぇアスカ。そんなに僕とキスするの嫌? 昨日はあんなに可愛い反応見せてくれたよね?」

 

「はぁん……んむっ……き、昨日は……ん……いきなり変なことされたから……ぁ……頭がおかしくなっていただけで……ぁんっ……べ、別に! あんたの事を好きになったとか……そ、そんな訳じゃないんだからぁ!」

 

 そう言いながらアスカは耳まで真っ赤に染めて恥じらう。昨日のアスカとは違い、同じキスでも今の彼女には躊躇いが見え隠れしている。

 

「……なかなか素直にはなれないか。じゃあ仕方ないよね」

 

 ここでシンジは溜息を一つ吐き、唾液を塗した舌を更に深く強く突き入れる。その度に段々と弱々しくなる彼女の可愛い反発を尻目に、シンジは啄む様に甘いキスを繰り返す。

 

 そうしているうちに彼女の身体から次第に力が抜け落ち、ぐったりとシンジに寄り掛かってきた。

 

 支えていなければ立っている事すら儘ならない状態の中、アスカは蕩けた表情を浮かべながらも恐る恐るという様子で自分の舌を動かし始めた。

 

「んちゅ……れろ……はむっ……ぁんっ……ん、ちゅる……はふっ……れろ……んっ……」

 

 最初はぎこちない動きでシンジに合わせて舌を絡めたり這わせたりしていたアスカ。

 

 何度もキスをする事で多少はコツを掴んだのか、その動きは段々と滑らかものになっていく。

 

「んっ……ちゅる……ちゅむ……ぁむっ……れろ……んちゅ……ちゅる……んむっ……んんっ」

 

 繋がり合った唇と唇の隙間から卑猥な水音が響き始める。どのくらいの時間が経ったのだろうか……。

 

「はぁ……はぁ……ああ、アスカ、すごく気持ちいい……」

 

「んふぅ……はふぅ……シンジぃ……はぁ……ぁ……んんっ!?」

 

 シンジがアスカとのキスで今までにないほどの幸福感に浸っていると、不意にアスカが目を見開いてじたばたと暴れ出すではないか。

 

「えっ、ちょっ、どど、どうしたの!?」

 

「ッ~!? ど、どいて! いいから早くどいて! どいてってばこのバカ!」

 

 彼女のあまりの切羽詰まった表情と仕草で現実に引き戻されたシンジは思わず拘束していた手を放してしまう。

 

「ぁ……待ってよアスカ! 僕まだアスカとエッチ──」

 

「っるさい! ついてこないで! ったくもぅ……シンジのせいで……あぁんもぅっ! ほんっとにエッチなバカ!」

 

 手足をじたばたさせてシンジの拘束から強引に抜け出したアスカは顔を真っ赤にして何処かへと走り去ってしまった。

 

「アスカ……いきなりどうしたんだろう?」

 

 一方、アスカに逃げられて独り取り残されたシンジ。結局アスカとはキスしただけで終わってしまい、がっかり気味に呟くシンジは慌てて屋内へと走り去るアスカの小さな後ろ姿を目で追い掛ける事しかできなかった……。

 

 

 

 

 

 シンジを置いて何処かへと走り出したアスカをこっそり追い掛けてみると、向かった先は女子トイレだった。

 

 なるほど。それで先程の慌てぶりにも合点がいく。要するに彼女は尿意を我慢していたのだ。

 

 とくればこの性悪なシンジの事。幼稚園でやりたい放題して調子に乗っているアスカへの仕返しにちょっとした悪戯を思い付き、ニヤリと笑って自分もトイレの前に立つ。

 

 ここで好き勝手しているのはお前だろと、シンジに的確な突っ込みを入れる者はいないのが残念だが……。

 

 さて……シンジ達が通う幼稚園は1階に年少組と年長組の教室、職員室に給食室、そしてトイレとお風呂場があり、2階がお遊戯会やクリスマスパーティーなどを行う為の教室、さらに合唱やダンス、運動を行う特別教室となっている。

 

 1階のトイレは全部で二ヶ所あり、一つは職員室のすぐ目の前に位置するトイレ。ここは主に園長や保育士達が頻繁に使用する他、幼稚園が終わって園児を迎えに来た保護者達が使用する大人用のトイレとなっている。

 

 その場所から離れた逆方向の位置に存在するのが園児達のトイレだ。たくさんの折り紙やシールで飾り付けられた可愛らしい扉を開くと園児用の小さなスリッパが無数に用意されており、先にそのスリッパを履いてから青色の扉が目印の男子、ピンク色の扉が目印の女子と区別されたトイレの扉に入る事となる。

 

 そしてこのトイレの中は──いや、それはもう少し後で分かる事なので、この場では言わないでおこう。

 

 ……閑話休題。

 

(早く……早く……っ!)

 

 焦ったアスカがスリッパを履こうとトイレの前でもたもたしていると、そこに追い掛けて来たシンジが一足遅く到着する。

 

「やぁアスカ。そんなに急いで行く必要はないんじゃない?」

 

「シンジ!? どうして!?」

 

 背後から現れたシンジを見て驚くアスカに対してシンジは不敵な笑みを浮かべ、自分もスリッパを履きながら淡々と言う。

 

「トイレなら一緒について行ってあげるよ」

 

「はぁ!? 何バカなこと言ってんのよ! 男のあんたが女子トイレに入れる訳ないでしょ!?」

 

 突然おかしな事を言い出すシンジに対して猛烈に拒否するアスカ。しかし冷静沈着なシンジはそれすらも先読みしていた。

 

「へぇ? それじゃあアスカがお漏らししたって先生やみんなに言っちゃうかもな~?」

 

 安い挑発だ。しかし尿意のせいで冷静さを欠いている今のアスカには有効な一手だろう。

 

「なっ──!?」

 

 シンジの思惑通りその言葉に動揺したアスカはスリッパを履いて入ろうとしていた女子トイレの前で足を止めてしまう。

 

 彼女は尿意を我慢できないのか、先程から両足をぴったりと閉じて擦り合わせ、もじもじと身体を小刻みに震わせて必死にスカートを手で抑えている。

 

 誰が見ても限界の時は近い。シンジは今が彼女を攻めるチャンスとばかりに言葉を続ける。

 

「アスカは転入してきたばかりで知らないだろうけど、ここのトイレが昼間でも薄暗いってのはもう知ってるよね? そんな薄暗い個室で用を足していると、便器の中から不気味な女の啜り泣く声が聞こえてくるって──いま園児達の間でも有名な怖い噂があるんだよ」

 

「えっ……? う、嘘でしょ……!?」

 

 まるで暗記していた事の様に淡々と話すシンジに震えた声で問うアスカだが、その表情は明らかに怖がっている模様。

 

 これはシンジの推察に過ぎない事だが、ドイツ育ちで日本の環境にまだ慣れていないアスカは、海外の人達が体験しても異質で怖過ぎると話題になっている日本の怪談やホラーゲームが苦手かもしれないと考えた。

 

 シンジがその証拠に「実際ここのトイレを使う子供ってあまりいないでしょ?」と言ってみると、顔を青ざめて震えるアスカはその作り話が本当だと簡単に信じた様子。

 

 迫り来る尿意を強く感じたアスカはスカートを抑えてもじもじしたまま、小さな声を絞り出す様に「すぐ終わるから待ってて……」と恥ずかしそうに伝えると、女子トイレの扉を開いて足を踏み入れる。

 

「ねぇ、僕も個室の前で待っててもいい? 実はそのトイレの怪談の噂、僕もちょっと気になっててさ。男子トイレの方は特に何も無さそうだったから、今度先生に内緒で女子トイレの方を調査して見ようと思ってたんだ」

 

 ……とそこで、トイレの中に消えて行くアスカを止めて追い打ちを掛ける様にシンジが述べると、さすがに我慢の限界が近いのか、冷静な思考力を失ったアスカは声を荒げて怒鳴る。

 

「あぁ~っんとにもぅッ! あんたうっさい! わかったわよ! もう何でもいいから一緒に来て! ほら早くッ!」

 

 ぷるぷると小刻みに震えるアスカは苛立ちのあまりシンジを強引に引っ張って女子トイレの中に連れ込む。

 

 女子トイレの中はシンジの証言通り電気がついておらず、男子トイレと同じく窓ガラスから入り込む僅かな太陽の光のみ。

 

 小さな個室が五つほど設けられた狭い空間は昼間でも薄暗くて不気味な雰囲気を醸し出していた。

 

「うぅ……な、なによぅ……」

 

 涙目でシンジの腕にすがり付くアスカは薄暗いトイレの現状を見てシンジの話に真実味を抱いたのか、抱き着く握力を更に強めた。

 

「へぇ……内装は男子トイレとあんまり変わらないか。でも“花子さん”とかが出る女子トイレって分、こっちの方がホラーっぽい雰囲気あるね」

 

 幼稚園とは思えない不気味なトイレに対しての所感を言いながら、びくびくと怖がるアスカを引き連れて歩くシンジ。

 

 そして入口から数えて三つ目の個室の前に到着すると、うっすらと涙を滲ませたアスカは不安げに辺りを見回し始めた。

 

「ここで待っててあげるから、アスカはさっさとおしっこしておいで」

 

 できるだけ優しい口調で言ってアスカから離れようとするシンジ。するとアスカはシンジが自分を置き去りにしてトイレからいなくなるとでも思ったのか、「やだっ……独りにしないでよぉ……」と言ってシンジに抱き着く。

 

「ぁ、あんた……あたしがトイレにいる間、変なことが起きないか見張っててよぅ……」

 

「う~ん……? じゃあアスカがおしっこするところを見ていいってこと?」

 

 ……などと、悪戯っぽく笑って見せる無邪気なシンジ。そんなシンジの憎たらしい態度を見てアスカは自分の言っている事の意味に気付いたのか、慌てて首を横に振って否定した。

 

「っんな訳ないでしょ!? 見ないままここにいて! それとあたしの音が聞こえない様に耳も塞いで!」

 

 顔を赤らめたアスカに怒られながら、まるで動揺した素振りも見せない冷静なシンジ。とりあえずトイレを見張る為に個室のドアを開けっ放しにして、アスカにおしっこするようにと口で指示を送る。

 

「うぅ……わ、わかったわよ……けどその代わり、もしもおしっこしてる音を聞いたりしてたら絶対にあんたを許さないんだから!」

 

 ここで言い争っては本当に漏らしてしまう可能性がある……やむを得ずシンジの指示に従う事にしたアスカはツンとした態度でそう言うと、狭い個室の中で前屈みになってからスカートとパンツを脱ぎ始める。

 

 その様子をアスカの背後に立って傍観していたシンジは、ニヤリと笑ってポケットの中に予め忍ばせていた小石を一つ掴み取り、彼女がしゃがんでいる個室の床に向かって力強く叩き付けた。

 

「きゃっ!? な、なに? 今の変な音……!?」

 

 静寂なトイレの空間に突如として響き渡る不可解な衝撃音。宛ら爆竹の様に勢いよく力強い音を立てて炸裂した派手な物音にビクッと身体を硬直させたアスカは、幼稚園で着用する標準的な女子用のスカートとクマの顔がプリントされた可愛らしい女の子向けの白いパンツを脱いだ状態で個室の外に待機していたシンジに慌てて振り返る。

 

 そんな彼女の青い瞳には大粒の涙が見る見るうちに滲んでいき、得体の知れない恐怖心からか身体を強く震わせていた。

 

「うぅ……シンジぃ……外にいないでこっち来てよぉ……あたしを“また”独りにしないでよぉ……」

 

 先程の悪戯ですっかり怯え切った様子のアスカはぐすっと泣きながらシンジを個室の中へと呼び寄せる。

 

 こうして計画通りにアスカと一緒の個室に入り込んだシンジはいよいよ本格的に動き出す。

 

 すべては幼稚園のお姫様的美少女アスカと行うエッチの為……自分の汚ない欲望の為なら好きになった彼女をも騙して愚弄する、どこまで卑劣で駄目な最低性悪男であろうか。

 

「フフフ……さぁアスカ。僕の見ているところならおしっこしても恐くないだろう?」

 

 しかし残念な事に幼稚園を自らの遊び場へと変えたシンジの変態的暴走を止める者はいない。

 

 限界に達した尿意と恐怖心で冷静さが欠落してしまったアスカは強気なシンジに言われるがまま、和式の便器に向かって泣く泣く放尿を始める。

 

「んっ……ぁ……はぁぁ……ふぅ……んんっ、ぁ、あぁ……」

 

 ちょろちょろと淫靡な水音を立てながら、便器の上で前屈みになって両足を開いたアスカの無防備な姿。

 

 

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 便器に溜まった水の中に流れ落ちていく黄色く濁ったおしっこは微かな湯気が出るほどの温かさを帯び、二人で入る狭苦しい個室いっぱいにその特徴的なアンモニア臭が漂い始めた。

 

「ん……やぁぁ……お願い、恥ずかしいから見ないでぇ……!」

 

 シンジが彼女の背後に立ってその様子を間近で観察していると、羞恥に満ちた放尿をしながらアスカが泣き震えた声を出す。

 

「いやぁ……とまってぇ……ぐすっ……お願いだからとまってよぉ……!」

 

 ぽろぽろと涙を流して啜り泣く様に言うものの、一度溢れ出したアスカの綺麗なおしっこはなかなか勢いが止まらない。

 

「ふ~ん。よっぽどおしっこ我慢してたんだねぇ……で、気持ちいいの?」

 

 嫌々ながらも便器に股がって両足を開く彼女に対し、清々しいまでのサディスティックなゲス顔で笑い掛けるシンジ。本当にこの男の子はどこまで最低なのだろうか。

 

「うぅ……そんな……っ……そんなのしらないわよ、このばかぁ……!」

 

 その間にも長かった放尿を終えたアスカは顔を真っ赤にして大きな声で泣き出してしまう。

 

「えぇっ、ちょっ!? なっ、泣いちゃうの!?」

 

 これにはさすがのシンジも驚きを隠せない。このまま彼女に泣かれては騒ぎを聞き付けた他の園児や保育士がトイレに押し寄せ、今回の事態やシンジのこれまで隠し通してきた歪んだ本性が発覚してしまう恐れがある。

 

 そこで漸く性的な興奮状態から正気に戻ったシンジは咄嗟の判断でぐすぐすと泣き続ける彼女を慌てて抱き締め、震える背中を優しく擦ってあげる事にした。

 

「よしよし、ごめんよ。まさかあのアスカがこんなに泣くとは思ってもなくて──ほら、怖いのはもう終わったから。僕もちゃんと謝るから落ち着いて──ね?」

 

 いくら取り乱したアスカを落ち着かせる為とは言え、先程まで悪戯と称して自分の好きな女の子に最低な虐めを行っていたシンジには責任がある。

 

 アスカの普段とは違う反応が可愛いあまり、シンジは興奮していつの間にか我を忘れていた。

 

 自分の頭では冷静だと思っていても実際のところは頭に血が上った挙げ句、調子に乗って大好きな彼女を泣かせてしまった事には変わりない。

 

 恐らく、これでもうアスカとの関係は終わりだろう……。今回の一件で苦労して仲良くなった彼女の逆鱗に触れ、心底嫌われたのは間違いない。

 

(まずったなぁ……ちょっと可愛がるつもりだったのに興奮して虐め過ぎたか……はぁ。どうやってアスカと仲直り……いや、今のこの状態で仲直りなんてできるか……? う~ん……やばい、本当にどうしよう……)

 

 未だに啜り泣くアスカを抱いたままシンジは事の重大性に漸く気付いたのか、明日からの彼女との接し方について真面目に考え込む。

 

「うぅ……こ、怖かった……それにおしっこだって見られて……うぅ~、このバカッ! 変態! えっち! さいてー! もうほんとのほんとにあんたなんて知らないんだからッ!」

 

 対するアスカは完全に激怒したらしい。困り果てたシンジの背中をバシバシと強めに叩いて拘束を振り解くと、涙を流したまま薄暗いトイレから逃げる様に飛び出して行った……。

 

 

 

 

 

 ──せっかく、初めてのお友達になってくれると思ってたのに……シンジのバカ……。

 

 

 

 

 

 




次回予告(ネタ予告)

前回、アスカを虐め過ぎたシンジは本当に反省していた。

というのも、トイレでの一件以来シンジが幼稚園でアスカに声を掛けようとすると、アスカは明らかに警戒した様子でシンジから逃げ出すようになったからだ。

どうにかして激おこぷんぷん丸になったアスカと仲直りしたいシンジは手紙を書いてアスカを誘い出し、この前の事をちゃんと謝ろうとするのだが……?

アスカ「……ねぇ、バカシンジ。許して欲しいんだったら、あたしとその……っ!」

シンジ「……次回までに母さんと父さんに頼んで碇家流DO☆GE☆ZAの練習でもしておこう」

次回、『ジャンピング土下座 or 焼き土下座』

 ──土下座。それは命への執着の究極形態。

次回もまた見てね!


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お悩み相談からの近親相姦 ★(ユイ)

大変お待たせして申し訳ありません。

今年に入ってからどういう訳か突然の激しい頭痛に悩まされるようになり、とてもじゃないですが小説を書いてられるような状態じゃありませんでした。

5月に入ってようやく頭が割れるような激しい痛みも落ち着いてきたので、少しずつ小説の方も執筆再開しています。

まだ作者の体調が万全とは言えませんが、引き続きこの小説をお楽しみください。


 

 前回、アスカを虐め過ぎたシンジは反省していた。というのも、シンジが幼稚園でアスカに声を掛けると、彼女は明らかに警戒した様子でシンジから逃げ出すようになった為だ。

 

 他の園児達はシンジとアスカの微妙な関係の変化に気付いたのか、喧嘩中の二人は以前よりも其々遊びに誘われたりで、シンジはアスカと二人で話す機会を失ってしまった。

 

 それから数日後……アスカを虐めて泣かせたのは不味かったと反省し、悩みに悩んだシンジはこの問題を早急に解決する為、困った時に頼れる母親の知恵を借りる事に。

 

 ──その晩、残業中のゲンドウを残して仕事から一足先に帰ってきたユイに幼稚園での話を持ち掛けたシンジ。

 

 すると疲れた様子の彼女に部屋のベッドで待っている様に言われ、シンジは自分の部屋で大人しく全裸待機する事に。

 

 実は自他共に認める大のお風呂好きらしいユイは、帰宅後に必ず入浴を済ませてからシンジとの淫らな背徳行為に挑む。

 

 事前に絶妙な温度加減で沸かしておいたお風呂にユイが一人で浸かっている間、シンジは疲れているであろうユイに代わって自ら夕食を作ったり、リビングや台所の掃除をしたりでエッチまでの待ち時間を有効活用している。

 

 こうして転生するまでは家事など何一つ出来なかったのだが、これも碇シンジに憑依転生してしまった影響なのか。

 

 最近では見た目こそ愛くるしい普通の幼稚園児ながら、料理や清掃と云った家事が密かな趣味になりつつある。

 

 ユイはとっても良い事だと褒めてくれたが、それまで自分の思うがままに生きてきたシンジとしては何とも複雑な様で。

 

 ──とその時。

 

「シンジ、入っていい?」

 

 部屋の外でユイの声が聞こえてきた。どうやらお風呂から出てきたらしい。

 

 いつもならもう少し長風呂のユイだが、今日は事前に相談したい事があると言ってあった。

 

 どこか思い詰めた様子の息子をあまり待たせてはいけないと思ったのか、それとも単にベッドで愛する“ムスコ”とイチャイチャしたかったのか──それは定かではないが。

 

 シンジの部屋の扉を開けたユイが白いバスタオルだけを纏った非常に際どい格好で現れる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「わぁ~、すっごい格好だねぇ」

 

 わざとらしい子供っぽさを演じて普段通りにユイを迎え入れるシンジに対し、右手で胸元のバスタオルを抑えたユイが呆れた口調で言う。

 

「もうっ、またそうやって子供のフリして……それにお風呂上がりの格好だって毎日見ているじゃない」

 

 それもそうだ。しかしシンジが他の子供と同じく幼稚園に通っていられる時期はそう長くない。

 

 やはりどの世界どの時代であろうと時間が経つのは早いもので、シンジも来年には幼稚園を卒園して小学生の仲間入りとなる。

 

 何しろ父と母が天才(ああいう)人間なので、当然ながら周囲のシンジに対する期待感は高い(実際、幼稚園では既に“天才園児”とまで噂されるレベル──とは言え現在のユイやゲンドウの息子への溺愛振りから察するに、あまり口煩く勉強勉強とは言われない可能性も大いに考えられるが)。

 

 しかし天才と持て囃されようがシンジとてまだ5才の幼子に過ぎない。ユイやアスカを含めた自分専用のハーレムを作るという性的願望が心裏にあるとは言え、現状で幼稚園児のシンジがやれる事は限られるし、これ以上にやたらと女性に手を出したりして小さい頃からあまり大人の前で不自然に目立ち過ぎるのも不味い。

 

 加えてシンジは両親の仕事の関係上、他の子供より大人と接する機会が圧倒的に多いのだ。シンジのように幼い頃から大人の話ばかりを間近で聞いて見て育った子供は、普通の家庭で子供らしく純真無垢に育ってきた子供に比べて遥かに精神面での成長が早まるという。

 

 つまりシンジが幼稚園で天才、利口と言われても何ら不思議じゃないのは、両親共に天才科学者という“優れた血筋”による影響だと周囲の大人達は考える訳で。

 

 だからこそ表と裏を使い分け、普段から利口な生き方を見せる事で大人を惑わし、同い年の子供からは慕われる……その裏でユイやアスカのようにシンジの“股間に響いた”女性が都合良く手の届く範囲に現れたら、性的本能のままに自分の支配領域へと誘導して堕とす。

 

 子供と大人、馬鹿と天才を使い分けて臨機応変に立ち回る……今はそれでいい。原作の物語が始まる14歳──“運命の時”が来るまでは貴重な幼少期を少しでも“天才(ばか)らしく”楽しんでおきたいのだ。

 

「……まぁね。それより母さん。ちゃんと僕の話を聞いてくれる?」

 

「えぇ、もちろん。教えてシンジ……幼稚園で何か嫌な事でもあったの?」

 

 

 

 

 

 ……数分後。

 

「……そっか。それでシンジはその女の子と喧嘩しちゃったのね」

 

「うん、そうなんだ……」

 

 ベッドの上でお互いに抱き合って何事かと聞いてくるユイに対し、シンジは幼稚園でアスカと云う可愛い女の子と仲良くなったと正直に話して聞かせた。

 

「でも間違ってないよね? 僕は幼稚園の女の子の中でアスカが一番好きだから仲良くなりたいと思った。それだけなのに……アスカは僕を否定するんだ」

 

 実の息子に早くもガールフレンドが出来た事をユイは喜ぶが、喧嘩してしまったと聞いて直後に悲しい顔を浮かべてぽつり言う。

 

「……ふぅ。そういうところは不器用なのね、あの人に似て……」

 

「……母さんは嫌? 僕が母さんを好きだって理由で毎日エッチするのって。やっぱり身体目当ての軽薄男って思われたりしちゃうのかな……?」

 

「そうねぇ……母さんは全然嫌じゃないわ。何度も言う様だけれど、母さんシンジとのエッチが今一番の幸せだと感じているの。シンジが私を好きだと言ってくれるように、私もシンジを世界の誰よりも深く愛しているの」

 

 頼れる母から待ち望んでいた答えが聞ける。シンジの表情に本来の明るさが戻る……だが。

 

「……だけどシンジ、人を大切に想う心っていうのはね。今のあなたみたいに一方的に相手に向けるものじゃないの」

 

 ユイの口から出た意味深な言葉に、シンジの表情が固まってしまう。

 

「えっ……?」

 

 自分は愛しているつもりでも……それはやはり相手への依存に過ぎないのか。

 

 相手を想う事は押し付ける事じゃない。相手を愛する事は縛る事じゃない。ユイはそう言い出した。

 

「シンジがこれからもアスカちゃんと仲良くなりたいって本当に思うなら、もっと相手の気持ちも考えて大切にしてあげなきゃ駄目ってこと」

 

「……そっか」

 

 確かに言われてみたらその通りかもしれない。今までシンジは前世で自分が知っている二次元のキャラクターだからという理由の下、ユイやアスカとエッチして将来のハーレムに加えるという個人的な願望から、“好き”、“愛している”という言葉を幾度となく彼女達に伝えてきた。

 

 その言霊に込められた愛情は濁って歪んでこそいるものの、彼女達に対するシンジの本心には違いない。

 

 実際、結婚して旦那がいるユイも実の息子と肌を重ねるようになってからは母親として、一人の女として、シンジに対して誰よりも深く強い愛情を注ぐようになった。

 

 そんな今だからこそユイは理解したのだ。お互いがお互いを想い合い、愛し合う事が愛情の真理なのだと……

 

「母さん……僕、明日またアスカちゃんと話してみる事にするよ。嫌われるかもしれないけど、正直に謝ってアスカちゃんに僕の好きって気持ちを伝える」

 

「シンジ……そうね、それがいいわ」

 

 自分の知らないところで日々前向きに歩いて成長していく息子をユイは嬉しく思う反面、何処か寂しげな表情で微笑んだ。

 

(でも……それはつまり、もう母親の私とはエッチしないってことになるのよね……?)

 

 赤ちゃんの頃から成長したシンジとエッチな間柄になってからというもの、ユイは密かに考えている事があった。

 

 それは成長に連れて着実に進む息子の親離れ……今より成長したシンジがいつの日か、ユイやゲンドウから自立して自分達の下を去っていくかもしれない……という不安からくるものだ。

 

 まだ結婚して間もないゲンドウが家族を守り養う為に仕事を選んだように、シンジも何れユイを捨てて他の若くて可愛い女の子──例えば先程の会話で出たアスカ──を選ぶかもしれない。

 

 それがユイには何故だか無性に嫌だった。

 

「ふぅ……はぁ……」

 

「母さん? どうしたの?」

 

 何やら先程からユイの様子がおかしい。とりあえず理由を聞く事にしたシンジだが、ユイは「だって……」と言葉を濁すばかり。そんな彼女の態度を不審に思ったシンジは幼稚園児とは思えない大人の表情でユイに訊ねた。

 

「もしかして母さん……僕の知らない間に父さんとセックスでもしてた? 久しぶりに夫婦の愛をその淫らな身体で確め合っちゃった?」

 

 意地悪っぽく聞いてみるシンジ。勿論シンジに依存している現在のユイが今更ゲンドウと“浮気”しているなど有り得ない事である。

 

 シンジはそれをちゃんと理解した上で敢えてユイに聞いてみたのだ。

 

「し、してないわ……本当にセックスしてないの! シンジとの約束だから……あの人とはあれから5年間、もうずっとエッチどころかキスだってしてないんだからぁ……っ!」

 

 しかしながらその効果は覿面だった。ユイは他人には絶対言えない“病院での秘密”を共有するシンジに見捨てられる事を酷く恐れている節がある。

 

 シンジを妊娠してから現在に至るまでゲンドウと一切の性的接触を禁止したのも、実を言うとシンジではなくユイの方から先に言い出した事だったりする。

 

 仕事で多忙なゲンドウの代わりに性欲旺盛なシンジとのエッチをその淫らな若妻の身体で受け入れる……それがユイとシンジが密かに交わした“母とのお約束条項”だ。

 

 そんなユイのエッチ過ぎる誓いを改めて聞き、最高なまでにご満悦なシンジはベッドの上ですっかり淫らに発情した彼女の胸をよしよしと撫でてやる。

 

「ぁん……っ! っもぅ……」

 

 敏感に火照った乳房を愛撫されて擽ったそうに上半身を揺らすユイ。同時に五年間も劣らず変わる事の無かった見事なEカップおっぱいがぷるんっと勢い良く弾け跳び、それは何回か上下動した後でシンジの小さな子供の手に収まった。

 

「こ、こらぁ……んむぅっ」

 

 自分の胸を玩具にされてしまい、僅かな怒気を含めてユイが抗議しようと唾液で濡れた唇を開く。それを見てシンジはすかさずユイの唇に自らの唇を重ね合わせ、強引に舌を彼女の咥内へと突き入れた。

 

「んんっ!? ん、んむぅ……んぁっ……んんっ、んっ……ぁん、ちゅむ、ちゅっ……」

 

 くちゅくちゅっと卑猥な音を立て、二人の母子がベッドの上で何度も絡み合う。

 

 端から見たら到底受け入れられそうにない異常な光景に思われるだろう。夫婦しか立ち入る事を許されていない神聖な領域で、どういう訳か血の繋がった母親と息子がお互い全裸になっているのだから。

 

 しかしシンジもユイもそれを気にする様子は見られない。まるで近親相姦が正しい性の営みであるかのように、公然とその行為は続けられる。

 

「ねぇ……さっきの話の続きだけど、どうして寂しそうにしてたのさ?」

 

 そんな中でふとシンジは真面目な顔で訊ねる。先程アスカの話を出した辺りからユイの様子が変わった事に気付いていたのだ。

 

「だって……可愛い彼女が出来たら、その……もう私とはエッチしないんでしょう……?」

 

 ……と、何やら落胆気味にぽつり言う。ユイは素直に思った事をシンジに話した。

 

「へぇ……母さん嫉妬しちゃったんだ?」

 

 ユイの告白を聞いてニヤリと笑うシンジ。

 

「ぁ……だ、だって……私の知らないところでシンジが他の若い女の子と仲良くしてるって聞いたら、何だかすごく嫌っていうか……」

 

 言いつつ恥ずかしそうに顔を赤らめるユイ。もじもじとした可愛い仕草をしながら左右の目を泳がせるユイに対し、シンジは子供とは思えない危険漂う笑顔を浮かべた。

 

「ふぅん? ……まぁ、母さんはもう僕無しじゃ生きていけないほど淫乱な身体に開発されちゃったからね。嫉妬しなくても大丈夫だから、母さんは余計な事なんて考えずにこれからも僕とだけエッチしてようね?」

 

 そこまで言い終えたところでシンジは一旦言葉を止め、仄かに甘いシャンプーの香りが漂うユイの茶色い髪を右手で撫でると同時に、ぷるっとしたその柔らかく濡れたエッチな唇にぷちゅっと軽い口付けを落とす。

 

「ぁ、んっ……んちゅ……もぅ……またそうやって母さんを虐めて……ぁんっ、本当に、んぁ、しょうがない子なんだからぁ……っんもぅ……」

 

 キスの合間に囁いてからユイも自ら積極的に舌先と唾液を絡ませていく。この背徳ある性行為の間だけ、二人は母子の関係を超越した淫らな恋人へと変貌する。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……大好きよ……愛してるわ、シンジ……」

 

「はぁ、はぁ……うん。母さんはこれから僕がずっと守っていくから……母さん、愛してるよ」

 

 こうしてシンジとユイはいつまでも仲良く抱き合ったまま、夫婦顔負けの濃厚なキスを交わし、二人だけの濃密な愛を確かめ合うのだった。

 

 

 

 

 




サブタイトルで近親相姦と言っておいて本番してないじゃんって思われるかもしれません。

これって詐欺になるんですかね……?

シンジとアスカの話が終わり次第、またエロメインの話になる予定です。

更新ペースは上げていきますので次回もお楽しみに。


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仲直りにキンモクセイの贈り物を

前回の皆さんの感想でのお気遣い、本当に感謝してます。

改めてありがとうございました!

今回はエロ無し回です。

シンジがアスカに対して少しだけ優しくなる様です(笑)


 

 翌日、ユイからの助言で一向に距離を置くアスカに改めて話をしようと、シンジは手紙を書いて渡す事にした。

 

 

 

『この前の事で話をしよう。今日の幼稚園が終わったら、すぐに帰らないで待っててほしい──シンジより』

 

 

 

 上記の内容が書かれた手紙を貰ったアスカは不満そうな表情でシンジに視線を向け、一度(ひとたび)シンジと目が合うとぷいっと顔を背けてしまう。

 

 やはりアスカとの拗れた関係を修復する事は一筋縄ではいかないのだろうか……

 

 そして約束の時間。

 

 アスカは普段から多忙な母親に代わって幼稚園まで迎えに来る“お手伝いさん”が来る前に話をしようと思っていたのか、誰もいなくなった夕暮れの教室でシンジを待っていた。

 

「はぁ、はぁ……ご、ごめんっ! ちょっと遅れちゃって──」

 

 ──とそこに、息を切らしたシンジがアスカとの待ち合わせより数分程遅れて教室に現れる。

 

「──遅い! 話があるならすぐに来て!」

 

 アスカはシンジがやって来ると開口一番に怒鳴った。いつもと変わらぬ明らかに不機嫌な彼女の態度に、畏縮してしまったシンジは素直にごめんと謝ると、二人の間に気まずい沈黙が流れる。

 

「……何の用なの?」

 

 時間にして一分程は経っただろうか……シンジを見てどこか落ち着かない様子のアスカが徐にぽつり呟く。

 

「アスカ……本当にごめんなさいっ!」

 

 するとシンジはアスカの前で頭を深々と下げて、前回の“トイレでの事”を謝罪し始めた。

 

「僕、あの時はアスカの事で頭がすごく興奮していて──それで“あんな事”をしたんだ……」

 

 シンジは頭を下げたままの体勢で、アスカに誠心誠意の言葉を一生懸命に伝えようとする。

 

「そしたらアスカが泣いちゃって──今になって考えたら、僕は本当に自分勝手で最低な事をしてしまったと思ってる」

 

 ……本当に反省しているのだろう。先程からシンジの手は緊張と不安で酷く震えていた。

 

「でも……僕はアスカの事が本当の本当に大好きなんだ。そんな事言いながら何度もアスカにエッチしようとした僕は確かに最低のクズで馬鹿な変態だと思う。正直アスカに嫌われても仕方ないって思ったし、話がしたいって手紙を渡した時には教室で待っててくれないんじゃないかって何度も思った……」

 

 シンジが真面目に頭を下げている間も黙って聞いていたアスカだったが、やがて溜息混じりに呟いた。

 

「……もういいわよ……」

 

 呆れ顔で言葉を返すアスカの口調からは、先程までは確かにあった筈の怒気がいつの間にか消えていた。

 

 その言葉を聞いてシンジが恐る恐る顔を上げると、少し恥ずかしそうな様子でアスカがシンジの傍まで歩み寄ってきた。

 

「おしっこ……ほんっとに怖くて恥ずかしかったんだからねっ!」

 

 そう言ってシンジの頬を容赦無く全力でつねるアスカ。堪らずシンジが痛い痛いと喚くが、アスカも負けじと大きな声で言い返す。

 

「子供のくせにエッチなことばかりしてくるお返しよ!反省してるんなら我慢すること!」

 

「ひょっ、ひょんなぁ……」

 

 哀れシンジ。アスカによるシンジへの“修正”はシンジが泣いて謝るまで続いた。

 

 

 

 

 

 ……程無くしてシンジに対する日頃の仕返しが済んだのか、アスカは赤く腫れたシンジの弛んだ頬を見て悪戯っぽく笑った。

 

「あははっ! おかしな顔!」

 

「うぅ……アスカぁ……」

 

 すっかり涙目になったシンジが何か言い掛けるが、それを遮ってアスカが告げる。

 

「──これくらいで許してあげる。でもバカシンジのことだから、どうせまた調子に乗ってエッチなことしてくるんでしょ? だったら好きにすれば? そのかわり、あたし以外の女の子にも“あんなこと”してたりしたら絶対に──ぜぇったいに許さないからっ!」

 

 マシンガンのように激しい口調で言われてしまったシンジはただ、慌てて首を縦に振る事しかできなかった。

 

 こういう時に垣間見る女の子の勢いというか凄味というのは恐ろしいものだと……シンジは後日談で感想を綴っている。

 

 それでもアスカはまだ半信半疑の様だが、一先ずは反省した様子のシンジを見て納得したらしい。

 

 ……その後、二人で静かに幼稚園の帰り支度を始めると、何やら言い難そうにシンジがアスカの後ろ姿に向かって声を掛けた。

 

「……あの……さ、アスカ……」

 

 どう切り出そうかと考えるシンジ。しかしいつまでも時間は待ってはくれない。

 

 このまま気まずい空気が流れるのも双方共に困ってしまうので、シンジは邪魔が入らないうちに改めてアスカに自分の気持ちを伝えようと決意した。

 

 シンジは教室の扉のところに予め隠して置いていた“植物の苗木”を両腕に抱えて持つと、それをアスカの居る場所まで運んで口を開いた。

 

「アスカ、これ……」

 

 シンジの小さな声に振り返るアスカ。一際目立つその小さな苗木を見て呆然と佇むと、やがて困惑していた思考が回復したのか、アスカは不思議そうにシンジとその苗木を見つめる。

 

「えっ……? ちょっとシンジ……どうしたのよ、それ……」

 

 アスカが理解できないのも無理はない。シンジが持ってきたこの苗木は昨日の夜、アスカの事でユイに相談したシンジが性行為を終えた後でガーデニング好きでもある彼女から渡されたものだった。

 

 その花の名は──金木犀(キンモクセイ)。一般的には秋の始まりを告げる花として知られ、季節になると何処からともなく甘くて強い香りが漂う事で有名な花でもある。

 

 まだそんなに大きくなってはいないものの、シンジが大事に支えている苗木からは既に金木犀の独特な香りを予感させる。

 

「えっと……実はアスカにどうしてもプレゼントしたくて……幼稚園に持ってきてたんだ。僕の母さんが電話で先生達に上手く事情を話してくれて、さっきまで職員室で預かってもらってたんだけど……」

 

「うそ……これをあたしに……?」

 

 まだ信じられないという様子のアスカ。しかし彼女はここである事に気付く。

 

「……あっ! もしかして、さっき教室に遅れて来たのは──」

 

「……うん。先生達のところにこの苗木を受け取りにね……僕の方から手紙で呼び出しといて、アスカを一人で待たせちゃって……何度も言うけど本当にごめん」

 

「っ……! シンジ……」

 

 みるみるうちに表情が赤く染まっていくアスカ。高鳴り始めた胸の鼓動と体温の上昇はこの場の雰囲気のせいだけではないとアスカに確信させた。

 

「……でもアスカには知っていて欲しかったんだ。僕がアスカに言い続ける可愛いや大好きの言葉は決して嘘なんかじゃない、僕自身の本当の愛の気持ちなんだってことを──」

 

「ぁ……ぅん」

 

 真剣な表情で語るシンジから贈られた金木犀の苗木を受け取り、アスカの精神状態は今までにないくらい動揺していた。

 

「ぁ……ありがとぅ……」

 

 夕暮れの静寂に包まれた幼稚園の教室の中、アスカの震える唇から出てくる小さな言葉はシンジの耳に聞こえてはいなかった。

 

 ……それでも、これでアスカと仲直りできたと確信したシンジは子供らしい笑顔の花を咲かせ、アスカに向かって感謝の言葉を伝えるのだった。

 

 

 

 

 

 ──その後、少ししてアスカの家のお手伝いさんが幼稚園に迎えに来ると、どういう訳か恍惚の表情を浮かべたアスカは不思議そうに困惑していたお手伝いさんに連れられて帰って行った。

 

 シンジから貰った“金木犀の苗木”を大事そうに抱えたまま、とびっきりの眩しい笑顔で、可愛らしく上機嫌に──

 

 

 

 

 

 ──さらにその日の夜、アスカは母親と二人で暮らす大きな家でシンジから貰った金木犀の苗木をニコニコと幸せそうな笑顔で眺めていた。

 

「ア~スカ♪」

 

 ……と、その時。アスカはいきなり背後から大きくて柔らかい“何か”にむぎゅうっと力一杯に抱き着かれた。

 

「きゃっ──マ、ママ!? 帰ってきたの!? も、もう……止めてよママ……!」

 

 完全に油断していたアスカが驚いて振り返ると、そこにはユイのEカップおっぱいに負けず劣らずの豊満な胸と身体を“どういう訳か”無防備に晒け出した金髪碧眼の美女が“裸に白衣だけ”という非常にけしからん格好で立っていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「うふふ。ごめんなさいね。今日は随分早く仕事が終わったの。それでちょっと友達のママとお話ししてたんだけど……ママ、アスカに会いたくて急いで帰って来ちゃった♪」

 

 彼女の名前は惣流・キョウコ・ツェッペリン。アスカの母親にして碇ユイと並び称される正真正銘の天才博士だ。

 

 娘のアスカと共に日本の第三新東京市に引っ越す前はドイツの研究施設で唯一の日本人研究員として若いながらに活躍していたらしく、普段から滅多にその姿を人前に現さないとされ、知る人ぞ知る麗しの“隠れ美女”と呼ばれる事もあるとかないとか。

 

 ちなみに順風満帆な結婚生活を送っているユイと違って旦那はおらず、キョウコ自身もこれから先の生涯で特定の男性と付き合うつもりは無いらしい。

 

「わ、わかったから早く服着てよっ! 帰ってきたならまず着替える! ほらママ!」

 

「あら~、これだってちゃんとした服よ? 何より白衣って着ているだけで落ち着くんだから──あっ、そうだ! アスカも一緒に着てみない?」

 

「っ……そ、そんな裸より恥ずかしい格好なんて絶対に嫌っ! ああもうっ、ほらママ着替えて!」

 

「えぇ~、アスカなら白衣姿も似合うと思ったのに……残念ねぇ」

 

 ……それにしてもこの母親、何とも勿体無い身体をしている。仕事仲間で生涯の親友と語るユイとは互いに年齢差もなく、まだ20代後半ながらも若々しい美貌と肉体に満ち溢れている。

 

 ただユイと違って好意に思う男性はいないものの、キョウコはその見た目と同じようにきっと性欲の方も人一倍に凄いのだろう……何しろ同類(ユイ)淫乱(ああいう)人なのだから。

 

「あら、素敵なキンモクセイ──アスカ、これどうしたの?」

 

「えっ? あっ──えっと……も、貰ったの! その……ほら、前にもママに話したでしょ? 幼稚園で独りぼっちだったあたしに一人だけ声を掛けてきた男の子がいるって」

 

 久し振りに仕事先から帰ってきたキョウコが現れた事で動揺してしまったのか、少し照れた仕草でアスカが言うと、キョウコは自分の唇にそっと指先を押し当てて何やら思考を巡らす。

 

「ふ~ん……」

 

「その子ね、あたしがいつも傍にいないと幼稚園ですっごくつまらなそうにしてるの」

 

 そう言ってアスカは幼稚園での出来事をキョウコに話して聞かせる。

 

 初めて出会った時の事、おままごとの事、昼寝の時間に一緒の布団で寝た事、幼稚園のトイレが怖くて一人で行けないからと一緒に来てもらった事、初めて喧嘩してしまった事──

 

 アスカはドイツから日本に来て変化した環境や人間関係を身振り素振りを交えて楽しそうにキョウコに話した。

 

「──で、そういう訳だから、バカシンジはあたしが一緒にいなきゃいけないダメ人間なんだってこと!」

 

 口ではシンジの悪態を吐きつつ、その表情は先程から嬉しさ一杯という明るい感じを隠す事なく全身で表現している。

 

 ドイツに住んでいた頃の暗くて冷たいアスカを誰よりも知っているキョウコからすれば、まるで考えられないような人の変わり様だった。

 

「ふふっ……シンジ君、ね……」

 

 アスカから碇シンジという男の子の事を色々と聞いて何かを思い付いたのか、キョウコはクスッと微笑んでから内心で意味深に呟いた。

 

(ユイさんの息子ね……何だかとっても面白そうだし、ちょっと会ってみようかしら……?)

 

 

 

 

 

 ──一方その頃、アスカと仲直りできたという安心と歓喜から、自宅のマンションでユイに報告も兼ねたエッチを満喫していたシンジは知る由もなかった。

 

 まさか、もう二度と“エッチなんてしたくない”と思わせてしまうような“危機的事態”がすぐ近くまで差し迫っているなんて……

 

 

 

 

 




今回の話はちょうど頭痛が始まった辺りに書き始めていたやつなので、多分また文章の方にも影響が出ているかもしれません(^_^;)

そしていよいよ登場したアスカの母キョウコ。

次回はそんなシンジにエロの鉄槌が下ります(笑)


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キョウコがやって来た日 ★(ユイ、キョウコ)

お ま た せ

ついに念願のおっぱい要員二人目のヒロイン登場。

ちなみに彼女は頭脳面でもエッチでも最強を欲しいままにするエロ過ぎる乳神様です(笑)


 

 ──それはアスカとの関係を修復してから数日が経過したある日のこと。

 

「……えっ? アスカのお母さんがウチに?」

 

「そうなの──この間のことをママに話したらね? どうしてもシンジと会ってお話がしたいって」

 

 幼稚園での休み時間。シンジとアスカが二人で普通の子供らしい遊びをしていると、いきなりアスカがそんな事を言ってきた。

 

「へぇ……アスカのお母さんか……ちょっと気になるなぁ」

 

 別に会いたくないという訳ではない。しかし現状はほとんど原作の知識が薄れていってしまっている中で、シンジはアスカの母親ってどんな人だろうと考える。

 

 生憎とシンジは既に覚えていないのだが、アスカの母“惣流・キョウコ・ツェッペリン”はユイと同様にエヴァンゲリオン弐号機のエヴァ接触実験で失敗した過去がある。

 

 一度はエヴァに取り込まれながらサルベージによって奇跡的に救出には成功するものの、キョウコの人格を司る魂の大部分を弐号機のコアに置いてきてしまった為、僅かに残された魂が精神汚染によって発狂。

 

 結果として廃人同然と化したキョウコは緊急入院──“女の子の人形”を娘のアスカと思い込んで可愛がり、実の娘であるアスカ本人を自分の娘と認識する事もなく、誰に対しても拒絶の反応を見せていた。

 

 それでもアスカは精神崩壊した母親を何とかして自分にもう一度振り向かせようと様々な努力を重ねるのだが、その必死な娘の頑張りは報われず……

 

 挙げ句の果てにはキョウコが最愛の娘同然に可愛がっていたその人形を刃物でバラバラに解体するなどの奇行に。

 

 そんな彼女の最期はアスカがエヴァンゲリオン弐号機の専属パイロットであるセカンド・チルドレンに選ばれたその当日──

 

 天才科学者の娘として生まれたが故に孤独だったアスカが初めて他人に必要とされ、自分の存在価値を認められた……その事実を嬉しそうに母親へ報告しようと、アスカは誰よりも先に母親の待つ病院まで走ってやってきたのだが、キョウコはそんなアスカの見ている前で残酷にも彼女が娘と認識していた人形を道連れにするという最悪の形で首吊り自殺をしてしまい、独りだけ取り遺された幼い子供のアスカはそれから一生涯に残る深いトラウマを植え付けられてしまった……

 

 ……と、ここまで語れば惣流・キョウコ・ツェッペリンは原作でも悲劇の母親という印象が強い。

 

 しかし何度も言うようにこの世界はセカンドインパクトが起きず、チルドレンやエヴァンゲリオン、ネルフに使徒も存在しない普通の世界である。

 

 原作ではキョウコと同じく悲劇の運命を辿ったユイが今でも健在なのだから、当然キョウコもこの世界で生存しているだろうし、精神崩壊などは起こしてもいないはず。

 

 以上の事を考えるに、アスカの母親キョウコはシンジにとってはまさに想像も付かない未知の相手となる。

 

 シンジは全く認識のないキョウコという女性に純粋な興味を抱き、会ってみたいという意思が強くなった。

 

 その事を素直に伝えると、アスカは何やらジトっとした目付きでシンジを睨んできた。

 

「……まぁ、“アイツ”と違って子供のシンジなら大丈夫だと思うけど……いい? もしもあたしのママにエッチなことなんてしてたら、“どうなるか”分かってるんでしょうねぇ……?」

 

 言いつつ、女の子とは思えない恐ろしい表情で凄味を効かせるアスカ。それを間近で見て完全に畏縮してしまったシンジは恐怖に震えて頷くばかりだ。

 

(こわっ……母さんとアスカは怒らせない方がいいな。二人共すごい嫉妬深いくせに“エッチするなら自分だけ”って言ってきかないし、なんかそのうちヤンデレに目覚めそうな予感するし……うん、二人の育成はしっかりやっていこう)

 

 

 

 

 

 そして──いよいよその“約束の日”がやってきた。

 

 キョウコとは同じ職場で働く仲間同士と話すユイから聞いた話によれば、彼女は普段から仕事熱心な女性で、なかなか娘のアスカとは一緒にいてあげられないとの事だった。

 

 その辺りの家庭的な事情はシンジの家と同じだ。尤もユイの場合は息子のシンジに性的な意味で心身共に溺愛してしまっているあまり、時折自分の仕事をゲンドウや他のスタッフに頼んで特別に早退させてもらっているらしいが(それでも彼女が怒られたりしないのは、ユイの普段からの優秀な働き振りと聖母のような人柄によるものが大きい)。

 

 そして昼頃、シンジとユイの愛の巣と化したマンションの部屋に上品な私服姿のキョウコがやって来た。

 

 娘のアスカも一緒に連れて来るはずが、アスカは残念な事に外せない用事が出来てしまったらしく、今日は娘のアスカがいつもお世話になっているお礼にと、母親のキョウコが一人で挨拶に訪れたらしい。

 

 それにしても……

 

「へぇ、ユイさんって綺麗なところに住んでいるのねぇ」

 

「いえいえ。ウチのシンジが私のいない間に掃除とか洗濯とかしてくれてるだけですから」

 

「まぁ、うふふ。でも羨ましいわ。まだ幼稚園に通ってる子供なのに立派で──ウチのアスカも見習ってほしいかも」

 

(……アスカのお母さんってこんな感じの人なんだ)

 

 綺麗に掃除が行き届いたリビングで挨拶した当初はキョウコのマイペースさに軽く驚き、原作の彼女が既に自殺して亡くなっているという事だけは“何となく”覚えていたシンジも、改めてキョウコの人柄を見てその印象を思い直す。

 

 そして母親同士の尽きない話題はこの場に居ないアスカの話に。

 

「そうそう! ウチのアスカがね、最近家でずっとシンジ君の事ばかり話しているの! あの子、きっとシンジ君と仲良くなれた事がとっても嬉しかったのねぇ。ドイツに居た頃とは大違いで、私も母として喜んでいるわ」

 

「ふふふ。アスカちゃんはもう立派な女の子なのね。ウチも最初は男の子より女の子が欲しかったから……キョウコさんが少し羨ましいです」

 

 正直なところ、キョウコによるアスカの話を聞いてもシンジはへぇ……としか思わなかった。

 

 自分の母親に対しては嬉しかったと言っていても、幼稚園でのアスカの我が儘プリンセス振りは全く変わらないのだ。

 

 そんな母親達の世間話をリビングと繋がっているキッチンで作業しながら盗み聞きしていたシンジ。

 

 挨拶に訪れたキョウコがユイとゲンドウの二人にと持ってきた“お土産の高級なお酒”を退屈していたシンジが冷蔵庫まで落とさずに運び終えた──

 

「それにしても……シンジも可愛いガールフレンドが出来て良かったわ──ねっ、シンジ?」

 

 ──丁度その時、重たい酒瓶を見て一息吐いたシンジに向かって、リビングのソファに腰掛けていたユイがふとシンジにそんな事を言ってきた。

 

 その意味ありげな口振りから察するに、どうやらユイはアスカがシンジのガールフレンドになった事が未だに不満らしい。

 

 明らかにユイの態度から嫉妬のオーラが見え隠れしているのがシンジも気配で察知できる。

 

「ははは、やだなぁ……やめてよ母さん──あっ、そう言えばキョウコさん、飲み物は何を飲みます?」

 

 ……危ないところだった。実を言うとユイとキョウコはアスカがシンジに幼稚園でエッチな事をされたという事実をまだ知らなかったりする。

 

 その為シンジはアスカとのエッチがこの二人にバレたりしないかと、内心ではヒヤヒヤしながら二人の会話を聞いていた。

 

「ん~、そうねぇ……じゃあ身体が熱くなれるのがいいわねぇ。私、とにかく熱いものが好きなの」

 

「まぁ、そうなんですか? ──じゃあシンジ、私もキョウコさんと同じ飲み物でいいから。悪いけどこっちまで持って来てちょうだい」

 

「はいはい。わかりましたよっと」

 

 リビングのソファに座るユイとキョウコに頼まれ、シンジは嫌な顔一つ見せずに黙々とキッチンの食器棚から綺麗に磨かれた白いコップを人数分用意した。

 

(ご注文は身体が熱くなれる飲み物か……何だろう。やっぱり無難に紅茶とココアか。コーヒーと緑茶はあまり効果無いって言うし──ん?)

 

 とその時、シンジはふと冷蔵庫の前に置かれたままのお酒を静かに見下ろす。

 

 これは先程、玄関先でキョウコがゲンドウとユイで楽しく飲んでと言って渡してきたお土産だ。

 

(お酒、か……なるほど。まぁ……お酒でもいいよね? “身体が熱くなれる飲み物”には間違いないし……うん)

 

 それでいいのかシンジ。しかし残念な事に止めに入る者は誰もいない。

 

(よし、“白湯”って事にしとけば気付かれないだろ。母さん意外と抜けてるとこあるし、キョウコさんも見た感じ天然っぽいからお酒とは思わないでしょ)

 

 シンジはリビングで話し込んでいる二人に気付かれないよう慎重にお酒をコップに注ぎ、お客様用の御盆に乗せてリビングへと運んでいく。

 

「お待たせ。それで、えっと──ごめん。何を淹れようかで迷っちゃったから、とりあえず“白湯”にしといたよ」

 

 平然とした様子で言いつつ、シンジはユイとキョウコの前にコップを置いた。

 

「はい、どうぞ──あっ、白湯は二人が飲みやすいように冷ましておいたよ。なんか健康とかダイエットにも良いらしいから、仕事で毎日忙しい母さんとキョウコさんには“ちょうどいい”かなって思ったんだけど──」

 

 咄嗟に閃いたとは言え、我ながら上手い言い訳だとシンジは内心思った。それに今日は珍しい事にユイとキョウコも仕事が休みという大変貴重な一日。

 

 ゲンドウは残念な事に朝早くから仕事で外出中、てっきりキョウコと一緒に来るとばかり思っていたアスカも珍しく空気を読んでの不在……とくれば、ここで黙っていないのが変態(シンジ)である。

 

 五年間に及ぶ家族生活の中で、ユイがかなりお酒に弱い体質だと云う事はシンジも調査済みだ(そしてユイが同時にかなりの酒乱だという事も、ゲンドウの尊き犠牲で理解済み)。

 

 対してキョウコはお土産物にお酒を持参して来る辺り強そうに見えるが、泥酔しなかったらしなかったでユイと同様に子供好きで優しい性格でもある。

 

 それを考慮してもキョウコが幼稚園児のシンジ相手に本気で怒る事は互いに親友と言い合う仲のユイも居る手前、可能性として低いだろう。

 

 そんな二人を泥酔させて今日は時間の許す限り三人でエッチしたい……性欲に貪欲なシンジの計画は密かに始動した。

 

「あら珍しい。でもたまにはいいかも……ふふっ。ありがとうシンジ、頂くわ」

 

「うふふ、シンジ君はちゃんとママの言うこと聞いて本当にお利口さんねぇ。じゃあ私も頂きます」

 

 ……ゴクッ。大きく唾を飲み込んだシンジが静かに見守る中、緊張の一瞬が刻々と近付く。

 

 そしてついに……

 

「ん、ん……んくっ……こくっ……」

 

「ん、んぅ……んくっ……こくっ……」

 

 何と運の良い事か。ユイとキョウコは何の疑いも無しにシンジが出した白湯──に見せ掛けた高そうなお酒(キョウコ持参)──を口に含んだ。

 

 二人の巨乳若妻が美味しそうに喉を鳴らしてコップの中に満たされた無色透明な液体を少しずつ飲んでいく。

 

 その魅惑的な光景をドキドキしながら観察していたシンジ。無意識のうちに握り拳が作られているが、それは恐らくこれからの“いやらしい展開”を妄想した期待と緊張の表れだろう。

 

(飲んだ……っ!)

 

 堪らずニヤァと歪む口元。お酒一杯で何をと思うかもしれないが、ユイは本当にお酒に弱いのだ。それこそお酒一杯で顔を真っ赤にしてしまう程には。

 

 普段から夫のゲンドウに付き合って飲む事もあるが、ユイはできる限り飲酒を控えるようにしている。というのも、泥酔状態に陥ったユイが周囲に対して何を仕出かすのか……それは彼女自身でさえも予測不可能だからだ。

 

 ただ人一倍に性欲が強くて淫乱体質であるユイの場合、大体はお酒一杯飲んだ辺りですぐにエッチな気分になり、アルコール摂取による急激な体温の上昇と同時に自ら衣服を脱ぎ始め──とまぁ、そんな感じである。

 

「ふぅ……はぁ……ふぅ……はぁ……っ、シン、ジぃ……これ、なにを……?」

 

 飲酒の効果はすぐに出てきた。見る見るうちに赤面してしまったユイは困惑の表情を浮かべ、手にしていたコップを危うくソファに落としそうになる。

 

 その一部始終をユイの傍で注意深く見守っていたシンジは慌ててお酒が半分以上も入ったコップを両手で支えるようにして掴み取ると、母親に欲情して興奮する頭を落ち着かせる為に一息吐いてからコップの中身をユイの口元へと近付けていく。

 

「ほら母さん、ちゃんと全部飲まないとソファに溢しちゃうでしょ? さぁ、飲んで飲んで」

 

 ……まるで合コンの場で無防備な女性を泥酔させてホテルまでお持ち帰りしようと、意味もなく執拗に飲酒を勧めてくる下心丸出しの男の様な言い草だ。

 

「ぁ、んっ……で、でも……っ、ぁ……んぐっ、ん、ん、んぅ……んふぅ……んんっ……ごくっ、ごくっ……」

 

 ユイは腹黒い本性を現したシンジに対して何やら言い掛けるが、その隙を最初から狙っていた計算高いシンジによって残りのお酒を強引に飲まされてしまう。

 

(よし、しっかり飲み干したな……)

 

 一先ずはこれでいい。これから“3P”するにあたって最大の妨害となり得るユイを発情させて淫らに堕とせば、後はシンジの独壇場となる。

 

 とここで、シンジは念の為にユイの隣のソファに腰掛けていたキョウコの方を一瞥してみる。すると彼女は──

 

 

【挿絵表示】

 

 

「こくっ……こくっ……ん、これ……すごく美味しい……んっ……」

 

 ……どうやら心配して損した様だ。既に飲み慣れた様子でコップ一杯のお酒を軽々と一気に飲み干したキョウコ。

 

 まだユイ程には赤面していないものの、自分で持参したお酒がお気に召したのか、シンジとユイを放置して一人で黙々とコップに追加のお酒を注いでいる。

 

(……ほっ。この感じだと3Pは大丈夫そうだな。キョウコさん一人で全部飲ませるのもあれだし、ついでだから今日は母さんにもたくさん飲んでもらおうかな)

 

 シンジは不敵な笑みを溢し、既に恍惚状態になったユイの大きく膨らんだEカップのおっぱいを衣服越しに掴んでは優しく、それでいて少しだけ力を込めて揉み始める。

 

 するとどうだろう……指の力を少し加えただけで、シンジの指先はいとも簡単に衣服の上からでも窮屈そうに膨れ上がったユイの弾力ある柔肉に向かってむにゅっと沈み込む。

 

「ふぁぁっ……ぁ、あぁ……ぁ、んっ……ゃんっ……あぁん……」

 

 その度にユイの豊満な乳房が宛ら水風船で出来たヨーヨーで遊ばれるようにぷるんぷるんと上下に揺れては乱れる。それを一通り見て触って楽しんだ後、シンジは唐突にユイの胸を弄るのを止めた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「はぁ、はぁ……はふぅ……はぁ、ふぅ……はぁ……んふぅ……はあぁぁ……あぁっ……」

 

 肩で忙しなく息を吐き出すユイはソファの上でぐったりと凭れ込み、シンジの熟達した卑猥な手付きに堪らず感じて嬌声を上げてしまっている。

 

「ほら母さん。キョウコさんが持ってきた美味しいお土産を飲ませるからお口開けて? キョウコさんはちゃんと一人で飲んでるよ? だから、さ……母さんもエッチな気分になって仲良く3Pしちゃお?」

 

 ああ……シンジが齎す快楽には逆らえない。泥酔状態で意識朦朧としている中で、ユイはシンジに優しい口調で言われるがままにお酒を飲んでいく。

 

「ん、んぁ……ぁん、やぁ……だ、だめぇ……シンジぃ……はぁん……ぁんくっ……んくっ、んぅ……ごくっ……こくっ……こくっ……んぅ……こくっ……ふぅ……ん」

 

 ……程無くして、シンジはユイとキョウコの二人にお酒の中身をすべて飲ませる事に成功した。

 

 そして──汗流れ血湧き肉躍る性愛の宴は本人達の思惑を無視して静かに幕を開けるのだった……

 

 

 

 

 

 




今回は3Pへの期待と伏線を張りつつ、シンジが二人の人妻さんを“ヤル気”にさせてしまうという感じで(笑)

なんだ……シンジ、おまえ……死ぬのか?(おいやめろ

ということで次回は幼稚園編最大の見せ場です!


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妻みぐい~巨乳人妻が酩酊状態になったら~ ★(ユイ、キョウコ)

お待たせしました。最新話です!

まさかこんなにも難産&長文になるとは……

それにしても今回書いてみてキョウコのキャラが本当に難しいと思った……いやいやあなた絶対こんな人じゃないでしょう。

さて、そんな作者の密かな悩みは毎度考えてるサブタイトルのネーミングセンスの無さです(笑)


 

 ──時刻は午後。第3新東京市内に位置する高級マンションの一室で、明るいうちから極上の美酒に酔いしれる二人の美女が。

 

 事の発端は今から少し前、幼稚園で喧嘩中だったシンジと仲直りしたアスカの母親であるキョウコが挨拶にやって来た。

 

 そこで碇夫妻へのお土産にと持参した高級な酒を白湯と偽って悪童(シンジ)に飲まされ、酩酊状態のユイとキョウコは意識朦朧とした恍惚の表情でリビングのソファに力無く凭れてしまう。あまりにも年若き女性として無防備な姿を晒した美女を前に、シンジは堪らなく興奮した様子で二人の母親を交互に観察していた。

 

(母さん……いや、僕だけの女ユイ)

 

 碇ユイ──若き日本の天才女子大生として活動していた時に当時交際していたゲンドウの純粋で情熱的な(ユイ曰く“子供みたいな告白の仕方でちょっと恥ずかしい”)プロポーズを受けて結婚。

 

 大学生時代から清らかな関係を築いていた碇夫妻の新婚旅行は箱根の温泉旅館に二人だけで宿泊するという、登山好きの碇夫妻ならではの旅行となった。そこでユイ自らゲンドウに子作りを迫る形で結婚初夜を迎え、その日のうちに第一子となる息子シンジを身籠り、特に母子生命の危険もなく無事に出産。

 

 現在においても住居となっている高級マンションで愛する夫と息子に囲まれ、妻として、母親として、女としてラブラブで幸せな新婚生活を送る。

 

 そんな彼女もシンジ出産から五年が経過した今は29歳。あと一年で三十路に入るというのに、淫猥な性欲の塊のような女性として理想の身体は何時までも若々しく、まだ20代前半の現役女子大生と言っても間違いなく通用するだろう。

 

 実はユイ、研究所の仕事が休日の時には必ず予約制の高級エステに通っている。というのも愛する息子が日々成長するに連れて彼女自身はどうしても肉体的に衰えてしまうので、それを危惧したユイ自らの決意で身体を綺麗に磨く事にしたらしい。

 

 ちなみにエステの件はシンジとゲンドウにも予め話しており、お互いに“彼女を一番に愛している”と豪語する二人からも快諾されている(ただし本当の理由は二人に伝えていない様だが)。

 

 閑話休題。

 

(くすっ……本当に、いつ見てもまるで芸術の様ないやらしい身体をしているよ)

 

 そして現在……ユイは普段の彼女の部屋着でもある薄い色合いのニットワンピースを着用しており、それが清楚な彼女の容姿に良く似合っていた。

 

 ニットワンピースは肌の露出こそ全くないものの、ユイの場合はたわわに実った巨乳が服の生地をこれでもかと言うくらいにツンと押し上げている為、服越しにも見事なボディラインが丸分かりとなってしまっている。

 

 やはり巨乳人妻にニットワンピースやセーターはエロの定番ネタだけあって破壊力抜群だろう。

 

 赤ん坊のシンジが生まれて間もない新婚時代、自宅でお風呂上がりに白色を基調としたニットのワンピース“だけ”を着てリビングで過ごしていたユイのエッチな姿を幸運にも目撃してしまった仕事帰りのゲンドウが、玄関先で赤面したまま鼻血を流して気絶するという“碇家の珍事件”が起きたくらいだ。

 

 いくらユイが来年30歳だとしても、世の男性達にはまだまだ魅惑の宝石の様に見えてしまうのだろう。

 

 そして──もう一人。

 

(キョウコさん……僕は今日初めて会ったけど、あなたの事が一目で好きになってしまいました。だから今日からは母さんと一緒に僕専用の性奴隷ママになってもらいます)

 

 ──恋の始まりに理由なんて要らない。主人公のシンジ的には好きになる女の子がエロければいいのだろう。

 

 加えてキョウコは白いブラウスに薄いカーディガン、紺色のスカートというお洒落で落ち着いた服装。女性向けのファッション雑誌に読者モデルの金髪巨乳美女として掲載されていても何ら不思議ではない。

 

 キョウコは見た目通りのお淑やかで優しい大人のお姉さんという印象だが、同じ年頃のユイとは似て非なるタイプの美女に見える。

 

 今から五年前、当時24歳だったキョウコは“デキ婚”したドイツ人の夫に生後間もない赤ん坊のアスカ共々捨てられ、僅か数年程で離婚──後にキョウコの夫は婚約以前から浮気関係にあったとあるドイツ人の愛人女性と再婚──するなど、心の底から愛し、心身共に尽くして貢いできた男性にあっさりと裏切られ、見放され、深い悲しみと絶望に襲われ──そんな度重なるショックのあまり精神を病んでしまった暗い過去を持つキョウコ。

 

 それからは落ち込む暇なく女手一つで幼いアスカを懸命に育て、ドイツに滞在中は母娘二人の厳しい生活の為に嫌々ながら複数のドイツ人男性と何度も淫猥な肉体関係を持った事さえある。

 

 それが順風満帆な人生を歩む幸せ一杯なユイとの決定的に異なる波乱万丈な人生を生きたキョウコの女性としての魅力なのかもしれない。

 

 

 

 

 

「えへへぇ……ユ~イさん♪」

 

 それは本当に突然の出来事だった。無防備に両足を僅かに開いてソファに座るユイと同様に頬を赤く染め、先程から必要以上にとろ~んとした堪らぬ色気を放つキョウコ。

 

 ただ部屋の中を意味もなく見据えているだけだったキョウコが、何の前触れもなくユイに向かって妖艶に微笑んだかと思えば、次の瞬間いきなりユイのだらしなく開いた魅惑の唇に自らの唇を強引に押し当て始めたのだ。

 

「んぅ……!? ~~んん!?」

 

「えっ、ちょっ!? キョウコさん!? いきなり何して──えっ、えぇ!?」

 

 これには突然のキスをされたユイだけでなく、間近で見ていたシンジも素直に驚愕してしまう。正直全く予想にしていなかった出来事だけに、もしかしたら二人がレズだったかとも一瞬考えてしまったシンジ。

 

 しかし普段からユイの素性を誰よりも知るシンジが改めて思うに、同性愛者の可能性は極めて低いだろう。となれば、キョウコの隠された性癖がお酒の力で開花したか……

 

(……いやいや、なんて考えてる場合じゃないでしょ……嗚呼でも、母さんキスしている時ってこんな顔してるんだ……何かちょっとずるいな……)

 

 突如始まった母親同士の卑猥な粘膜接触を目の当たりにし、シンジは自分の母と濃厚なキスを交わすキョウコを羨ましく、また同時に妬ましく注視していた。

 

「んちゅ……うふふ。ユイさん、思ったとおりぃ~♪」

 

「ふぇ……?」

 

 薄い桜色の唇から蕩けた透明の唾糸を引かせたユイを見て、仄かに頬を赤く染めたキョウコは何かに気付いたらしい。

 

「ねぇ、あなた……旦那以外の男の人とえっちぃ事してるでしょ? それもかなりの頻度で抱かれてるぅ?」

 

「っ……!?(えぇっ、もしかしてバレてる!?)」

 

 まさかの大胆発言に思わず吹き出しそうになるシンジ。一方でユイはキョウコが告げた言葉の意味が分からないでいるのか、蕩けた表情で可愛らしく首を傾げてしまう。

 

「そ、それは……どういう意味ですかぁ……?」

 

「うふふ。ユイさん、旦那さんとのエッチじゃ満足できない? まぁ~でもぉ、そうよねぇ? だってあの人、頭の中仕事ばかりで奥さんとのエッチな事とか全然興味なさそうだしぃ」

 

「……そ、そんっ……なこと……ありませんから……」

 

「本当にぃ? そうは言ったってあなたの身体は旦那でちっとも満足できてないって感じよぉ? そ・れ・に~♪」

 

 言いつつ、キョウコはユイのパンパンに張った肌白い乳房を優しく掬い取るように愛撫すると、途端に黒ずんでいないままの綺麗なピンク色の乳首から白い母乳がピュ~ッと気持ちの良い音を立てて元気良く噴き出してしまう。

 

「あらまぁ、その歳で赤ちゃん妊娠してもないのに……ふふっ、ほんとにエッチなおっぱいママさんね♪ ……って、私も人のこと言えないけど……」

 

「んあぁっ!? ぁ、あぁっ……やっ、だ、めっ……いやっ……で、出ちゃ……んんぅっ、ふぁあぁんっ!」

 

 クスッと笑い、キョウコがユイの母乳を舌先でペロッと舐める。たったそれだけの事でユイの乳首は痛々しい程に赤みを帯びた熱を持ち、先端からまたしても母乳を噴き散らしてしまう。

 

「んはぁぅ……はぁ……ぁ……はぁ……ぁん……はぁ……ぁはぁん……んふぅ……はふぅ……はぁ……」

 

「うふふふ、いっぱいピュ~ッしたから気持ちよさそう──ユイさん、私もね? 自分のいやらしい身体のことはよく理解してるつもりなの。これまで持て余してきた切ない女の性欲を誰か男の人にぶつけたい──ねっ? ユイさんもそう感じてるんでしょ?」

 

 キョウコの鋭い指摘にすっかり追い詰められて余裕の無いユイは弱々しく首を横に振り、か細い声で「ち、違うのぉ……」と否定し始める。しかしエッチに関してはどうやらユイより経験豊富らしいキョウコの方が一枚上手の様で。

 

「あらあら、駄目よぉ? そんな嘘言わないで。あなたこれだけいやらしい身体しておいて……クスッ♪ すぐ傍に可愛い息子のシンジ君だっているのよ?」

 

「ぁぅ……私は……っ……やだ……私ってこんな……ぁぁ……」

 

 まさか、シンジとの搾乳行為で普段から胸部への快感や刺激に慣れている筈の自分が息子以外(キョウコ)の手でこんなにも感じてしまうなんて……キョウコとシンジの前で盛大にミルクを噴乳してしまい、恥ずかしさのあまり項垂れるユイの頬は深々と赤く染まり、それはもう酒のせいには出来ない程だった。

 

「ふふっ、ユイさん顔真っ赤ぁ♪ こんな彼女、普段じゃなかなか見れないからすっごく新鮮ね~」

 

「うぅ……いやぁ……そんなに、うぅ……み、見ないで……くださいっ……」

 

 絞り出すように唾液で濡れた唇を泣き震わせて開くユイだが、ここでふと、肌白い胸の谷間に浴びた自分の母乳が視界に入る。来年で三十路になるというのに結婚前と何ら変わらない、果てない淫欲に飢えた卑しい牝の身体を見て、堪らずユイはつぅ……と涙まで流してしまう。

 

「ユイさん駄目よ。好きでもない男の人達と浮気エッチで性欲を発散してたって、身体も心もちっとも満足できないで悲しいだけっていうの分かるでしょ?」

 

 まるで自分に言い聞かせるような口振りだ。察するところキョウコの過去には忌まわしい男との秘密があるらしい。

 

「……大丈夫。ユイさんの性欲は私が何とかしてあげちゃう♪ でもその前に邪魔な服、ここで脱ぎ脱ぎしちゃいましょ? お互いお酒でだいぶ火照ってきちゃってるものね……ふふっ、私達ってほんとえっちぃ♪」

 

 そう言うや否や、キョウコは大胆にもユイの着ていたニットワンピースを手慣れた様子で脱がせ、瞬く間に彼女の上半身の肌を外気に露出させた。

 

 しかもどういう訳かユイはブラジャーなどの拘束具を身に付けておらず、これは普段の生活から彼女が下着も着けずにこの自宅で過ごしているというエッチな想像を掻き立たせる。

 

「ぁ、ゃん……だめ……いやっ……やめて、ください……っ! こんな……シンジの前で……あぁっ!」

 

 簡単に服を脱がされ、恥ずかしさの中に僅かの怒気を孕んだユイが笑顔のキョウコに向かって口を開くも、キョウコは予めその隙を狙っていたのだろう。

 

「怒らない怒らない♪ お酒飲んで素直になりましょ? ねっ?」

 

 寄り掛かる姿勢でユイのむっちりと柔らかく肉付いた色気ある太腿に手を重ねると同時に、ソファ近くのテーブルに置いてあった飲み掛けのコップをもう片方の手で掴み取る。

 

「うふふ♪ ほ~らぁ、キョウコお姉さんがちゅーしてあげるからぁ♪」

 

「えっ……? あっ、あの……? いったい何を……?」

 

 そのままコップの中身を一気に口へと含むキョウコ。対するユイは彼女のその行動が理解出来ないでいるのか、身動きする事もなくただ呆然と見つめるしかない。

 

 とその時、不意にキョウコがユイの身体をグイッと引き寄せたではないか。

 

「きゃっ……!?」

 

 ソファに座ったまま引っ張られてしまったユイは訳も解らず、何故だか急接近してくるキョウコのニヤニヤとした意味深な笑顔を見て怯えてしまう。

 

 そして……

 

「んぶっ……!? んんぅ、んん~~っ!?」

 

 突然の出来事だった。温かく濡れた柔肉の感触が唇の中一杯に広がり、続いて生暖かい酒の風味が甘く蕩けた口腔内に浸水していく。

 

 キョウコの大胆過ぎる口移しによってまたしても強引に苦手な酒を飲まされるユイ。シンジからの視線では生憎と見えないが、酩酊状態にあった彼女の瞳は驚愕と混乱に見開かれていた。

 

「んふぅ……んちゅ……んぅ……んむっ……んん……ぁん……」

 

「んんっ!? ……ん、んん……んぐっ、んぐっ……んくっ、ん……んくっ……んくっ……んぅ……っぁん……」

 

 重なり合う二人の唇の端から漏れ出した僅かな酒が流れ落ち、それは首から鎖骨を通って負けず劣らずな二人の豊満な胸の谷間へと滴り集う。

 

 これを谷間酒と呼ぶのは意味合いが若干異なるかもしれない。だがこれはこれで、彼女達の胸元へと吸い込まれるようにゆっくりと流れ落ちる酒の水滴が、ある意味で谷間酒とはまた違った別の卑猥さを感じさせてもいる。

 

「ふぅっ……あらぁ?」

 

 とここでキョウコ、一旦口を離して自らの手の甲で口元を軽く拭いつつ、何やら興味深いものを発見する。その好奇な視線の向く先はソファの隣──ぐったりとしながら酒気を含む涎を気持ち良く垂らして快感に浸るユイの見事に育った柔らかそうなおっぱいを捉えて放さない。

 

「あらあらぁ~♪ うふふふふ♪ ねぇ、ユイさん……ひょっとしておっぱい、旦那さんと結婚した頃より大きくなったんじゃなぁい?」

 

「んふぁ……はぁ……はふぅ……ふぅ……ふぅ……ふぇぇ……?」

 

 ユイの推定Eカップは確実にある自慢の巨乳が新婚時代の頃と比べ、また一段と大きく柔らかくエッチに育ったと指摘する目敏いキョウコに対し、酩酊状態で満足に口も動かせないユイは朧気な意識の中でぷっくりと膨らんだ桜色の唇を小さく開いてみせた。

 

「はぁ……はぁ……おっぱい……今も、昔も……はぁ……変わらない、ですから……」

 

(ふ~ん……そう……へぇ~? そうやってシラを切るつもりなんだぁ……うふっ、ふふふふふ♪)

 

 ……言える訳がない。例の病院で普通とは異なる息子を産んでからというもの、ほぼ毎日のように母子二人で乱れた性活を送ってきたシンジとユイ。

 

 最初はユイの母乳もそのうち出なくなるだろうと常識的に考えられていた。しかしどういう訳かユイのEカップおっぱいは未だに変わらぬ高品質な状態を保ち続けていた。

 

 安全性や健康面は勿論、量質共に何の問題もなく、極めて濃厚で甘く蕩けるように栄養豊富な美味しい生乳ミルク──そんな極上の一杯を“シンジだけが”いつでもどこでも好きな時に気持ち良く飲めるようにと、淫乱聖母なユイは毎日の噴乳に励んでいた。

 

 どうやらシンジが転生したこの世界──ユイをはじめ、巨乳の女性は妊娠していなくても母乳を出すという特異な体質ばかりが存在するらしい。かといって巨乳の女性全員が胸や脳に関する何かしらの病気を発症しているという事でもない。

 

 因みに言うと、妊娠してもいないのに母乳が出る女性はシンジの前世にも少数ながら存在していた。

 

 ただし前世の世界での場合、その殆どは体質だったり、『高プロラクチン血症』と呼ばれる女性ホルモンの病気が原因とされているのだが、どうもシンジが転生したこの世界では一般的に巨乳の女性は妊娠している、いないに関わらず母乳を出してしまうのが世界共通の認識となっているらしい。

 

 また、更に言うと巨乳の女性は例外なく性欲旺盛で淫乱エッチの素質があるという事も、毎日繰り返されるユイとの性行為でシンジが知った事だ。巨乳美少女のエッチが大好きな変態のシンジにとって、何と素晴らしく都合の良い世界なのだろうか……

 

 閑話休題。

 

 ……さて、彼がシンジに憑依転生してから五年が経過した今、シンジとユイは家族関係を超越した、ある種の主従関係のような──それこそ事実上のご主人様と性奴隷のような──“イケない状態”にまで発展してしまっている。

 

 それでも表向きはユイが母親らしく振る舞っているが、こうしてエッチな事をする時にはその立場が逆転し、ユイは自分が産んだ息子に従うだけの可愛くエッチな牝母へと堕ちていく。

 

 それらの家庭内事情は当然、同じ家で暮らすゲンドウや他人には絶対にバレてはいけない二人だけの大事な秘密だ。

 

 そして先程強引に飲まされた酒の効力で次第に意識が朦朧としてきている中で、シンジとの淫らな思い出をぼんやりと思い浮かべていたユイ。

 

 親友キョウコの妖艶な魔の手から愛するご主人様兼息子のシンジを守ると密かに決意を抱き、ユイは酩酊状態でありながらも薄れ行く意識を無理矢理に目覚め起こした。

 

「ん……ねぇ……? キョウコさん……もう、さっきみたいな事はやめましょう……? お互いにお酒を飲んで酔っているから、だと思いますけど……これ以上は、そのぅ……シンジの教育にも悪いと思うんです……」

 

 とにかく、酒のせいでこれ以上イケない方向に流されては駄目……ユイは暴走気味なキョウコに言い聞かせるのだが……

 

「……あら、もう終わり? つまらないわねぇ……これからが楽しくなるって時に──ふふっ、いいわぁ。そっちがそう出るなら、私は私のヤり方で教えてもらうだけですもの♪」

 

 すると突然、目を細めたキョウコがシンジの見ている前でユイの露出された柔胸を揉み始めたではないか。しかもこの人……先程までの穏やかな表情とは違って明らかに本気モードだ。

 

「んっ……ぁん……や、ぁ、あぁっ……だめっ……ぁん……シンジが……んんっ……子供が見てますからぁっ……!」

 

 口ではダメと言いながら、この時既にユイの表情には微かな淫欲が見え隠れしていた。今や彼女にとってご主人様に等しいシンジ以外の人物に自慢のEカップ巨乳を触られるという屈辱にも似たその行為に肉体は卑しくも震え、先程のキスより刺激的に感じてしまう。

 

 その一方で大人しく見ているだけだったシンジ……

 

(はぁ……はぁ……母さん、なんてエッチなんだ……はぁ……はぁ……!)

 

 自分との性行為以外で初めて見せるユイの母親らしくない恥態に興奮でもしたのか、シンジは先程から涎を垂らしたスケベ顔で人妻達の行為を見続けている……最早キョウコの前で隠す気もないらしい。

 

(あらぁ、なるほどねぇ……そういうことぉ)

 

 そしてキョウコは母親に欲情した子供の異常な態度を見て何かを悟ったのだろう。自分で納得したという仕草で意味深に頷くと、先程から伝わる胸部への快感で小刻みに上半身を震わせるユイの耳に向かってふぅ、と甘く優しい吐息を吹き掛けて囁く。

 

「うふふ、分かっちゃった~♪ ユイさんったら、シンジ君とエッチしちゃってたのねぇ。それも旦那さんには内緒で何度もイケない浮気を繰り返して……ねっ、そうでしょ?」

 

「っ……!?」

 

 堂々と言われた途端、ユイの反応に直ぐ様変化が起きた。動揺のあまり目は見開かれ、高鳴る胸は激しい程にビートを加速していく……はっきり言って図星だった。

 

 それでもキョウコにはシンジとの秘密の関係を言いたくないのか、負けじとユイは弱々しく首を横に振りつつ否定する。

 

 ……が、しかし。

 

「違っ……違うんです! やだ……そんなつもりなんて……やあぁ……」

 

「うふふふふ♪ 何だか私、すっごく“イケないこと”を知っちゃったって感じねぇ~♪」

 

 ユイの抵抗も虚しく、キョウコは彼女の心境の変化に息子シンジの存在が強く影響していると確信した様子。

 

 そうなればキョウコの狙いは頑なにエッチな秘密を隠し通そうとする強情なユイから息子のシンジへと目敏く移り変わる。

 

 ユイの秘密を聞き出すにはシンジをまず先に──何杯も飲んだ酒の効力も手伝っていよいよ本気になったキョウコ。悪戯を思い付いた魔女のように妖艶に微笑み、ソファの前で立ち尽くすシンジに見せ付けるかのようにユイの乳肉を再び揉み始める。

 

「ひゃぅっ……! ぁ、ん……あっ、く、んっ……ふぁ……ぁん……だ、だめ……っ」

 

 むにゅっむにゅっという卑猥な音が聞こえてきそうなほど、ユイの張り詰めた乳房は柔らかく滑らかに弾む。キョウコの指が埋まりそうなくらいに食い込み、ユイの胸の形をいやらしく変える中で、その圧倒的な白い二つの膨らみは弾力と包容を扇情的に伝えてくる。

 

「おっぱい、こんなにパンパンに張っちゃってとっても苦しそう……きっと“誰かさん”の為にエッチなおっぱいミルクをピューって出したくて仕方ないのねぇ……クスッ、かわいい♪」

 

 何故だかシンジの方に蠱惑的な視線を頻繁に送りながら、ソファに座ってユイを拘束愛撫するキョウコはその手の卑猥な動きをまるで緩めようとしない。対するユイの方は既に限界が近いらしく、隠す事も速やかに放棄してどこまでも淫乱で破廉恥な格好を曝していく。

 

「……っぁ……も、もう……はぁ、はぁ……だ、らめ、れしゅ……わたっ、私……ぁ、ぁん……あっ、あぁっ、んあぁっ……ぁ、おっぱい出ちゃ……いゃ、ゃぁん……あっ、んあぁぁっ、ふぁあああぁあんっ!」

 

 真っ昼間のリビング全体に響き渡るくらいの声量で淫猥に満ちた甲高い声を上げると同時に、熱を帯びてぷっくりと膨らんだ可愛らしい薄桜色の乳頭から、ピューッと勢いよく湧き出てくるミルクの色合いをした濃厚で温かな天然母乳。

 

(……えっ? まさかユイさん、おっぱいだけでもうイッちゃったの? やだうそ……流石にこれは早すぎない?)

 

 正直もう少し楽しめると思っていたキョウコの予想と異なり、早くにユイの限界が訪れてしまった様だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「はっ、はっ、はふ……はぁ、はぁ……はふぅ……んふぅ……はぁ……ふぅ……」

 

 だがそれは無理もない。元々性感帯だったユイの胸は五年間にも及ぶシンジとの調教期間を経て、性感度が一般的な巨乳女性の何倍にも膨れ上がっていたのだ。

 

 更に言うとシンジがまだ赤ん坊だった頃から毎回いやらしく集中的に愛撫された挙げ句、母乳を吸い出されながら舌でれろれろと敏感になった乳頭を執拗に舐め転がされたりもして、病院で転生したばかりのシンジと出会った頃に比べてすっかり快楽に染まり堕ちてしまった淫乱なユイ。

 

 そうやって普段から毎日エッチな事ばかりしていた為か、慣れ親しんだ刺激と強烈な快感が一気に脳内まで押し寄せ、シンジによって育成開発された身体の隅々にまで拡散してしまったらしい。

 

 その一方でキョウコは先程から興奮した様子でユイの胸元に釘付けとなっているシンジに向かって優しく手招きする。

 

「おいで、シンジ君~♪ エッチなママとの乳搾り、私達でもっともっとお手伝いしてあげましょ?」

 

「……ごくっ。は、はぃ……僕も、はぁ……はぁ……お手伝い、します……あぁ、もうだめだ……こんなの見たら、我慢なんてできない……っ!」

 

 ユイを利用したキョウコの言葉巧みな誘惑に負けたシンジは唾を大きく飲み込むと、涎を垂らしただらしない表情でふらふらと歩み寄り、極上の巨乳美女達が待つミルクの匂いが香るソファにぼふっと勢いよく倒れ込むのだった。

 

(うふふふふ……やったぁ、シンジ君陥落ぅ~♪ これでユイさんとシンジ君のえっちぃ秘密、後でぜ~んぶ聞かせてもらうんだから♪)

 

 




今回は当初の予定より長文になった影響でエロの展開が大きくズレてしまった……

次回こそユイ&キョウコとの3Pです。


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淫酒に溺れた双妻 前編 ★(ユイ、キョウコ)

うぅ……せっかく頭痛が治っていたのに最近また頭が痛い……こりゃ熱中症でしょうかねぇ……

長らくお待たせしました。シンジ育成計画の最新話の更新です。


 

 ──よく晴れた日中の時間帯だというのに、必要以上に清掃が行き届いたリビングのソファで三十路を控えた熟女独特の妖艶で淫猥な色気を放出する二人の牝母。

 

 苦手と理解しながらも大量の酒をぐびぐびと飲まされ、飲んだ事で身体が異常なほど熱く火照ってしまった事もあってか、二人の人妻は自分達が着ていた衣服を五歳の息子が見ている前で脱ぎ去り、汗掻いた下腹部やたわわな生乳を包み隠さず露出させていた。

 

「はぁ、はぁ……母さんっ!」

 

 そして現在、豊満な上半身を惜し気もなく晒したユイは同じく全裸になったキョウコの膝上に乗せられる形で、宛ら人形のように抱き支えられていた。所謂M字開脚というやつである。

 

「ん……やぁん……こんな……ぁっん……だめぇ……はぁ、はぁ……はっ、恥ずかしいですからぁ……っ!」

 

 むっちりと肉付いた肌白い太腿をキョウコに触られ、ほぼ毎日シンジとセックスしているとは思えない程にぴったりと閉じられた綺麗なピンク色の秘裂──

 

 その魅惑の奥底を覗き込むように中腰の体勢で眺めるシンジに対し、ユイは未だかつてないほどに酷く興奮していた。

 

(ん……あぁ、いやぁ……シンジが見てるぅ……私のパンツ、私のおまんこを……毎日ちゃんと見せてあげてるのにぃ……んっ)

 

 ……見られている。ただそれだけの事が堪らなく淫らに感じてしまう。そんな状態の最中でお土産にと持参した美酒に酔うママ友に誘われ、母子共に初めての体勢で見詰め合う。

 

(やだ……キョウコさんに……ぁん、無理矢理お股を広げられて……はぁ、はぁ……子供のシンジじゃまだ出来ない格好で……んぁ……まるで、あぁ……赤ちゃんにおしっこさせるみたいに……ぁ、はぁん……)

 

 ユイ自身、M字開脚は凡そ五年に渡る調教生活の中で幾度となく息子シンジの眼前に晒してきた。しかしそれはご主人様のシンジに指示されて自ら足を開いた場合に限り、今回のように誰か他の人に持ち上げられる格好でシンジの眼前へと差し出された経験は無い。

 

 思えばシンジとユイの性行為はいつも自宅の中だけ……それも常に一対一という決まった状況でのみだった。それは血の繋がった実の母子でありながら快楽漬けの生活に身を置く背徳な関係上、どう考えても他人に知られてはいけない二人の隠し事である。

 

 そしてユイはシンジと肉体関係を結んだ早期から自宅以外での性行為を禁止していた。その頃はシンジもまだ幼稚園に通っていなかった為、ユイの提示する条件は簡単に受け入れてきた。

 

 しかし人間誰しも同じような行動を毎日続けていると、次第に興味が冷めてマンネリ化してしまうのも事実。エッチの際は受け手に回るユイはシンジに程好く快感を与えられて心身共に満足しているので現状は問題無い。

 

 ……が、攻め手であるシンジの方はどうしても刺激が足りなくなる。それに加えて子供のシンジに出来る性行為は残念ながら限られる。

 

 そもそも成人した男性とは根本的に異なる体力問題は勿論、シンジは精通すら迎えていない。そんな未成熟の状態でやる事をやっても特別大きな興奮など得られないのだ。

 

 何もシンジがユイの身体に飽きたとか、そういう話ではない。彼女はグラビアアイドル顔負けとも言える抜群のプロポーションを29歳の年齢ながら完璧に保っており、五年間抱いてきたシンジから見ても未だ涎が出るほど扇情的な美女だと言っていい。

 

 ユイは幾ら抱いても飽きの来ない贅沢な身体の持ち主ではあるが、性行為に関しては意外にもまだアブノーマルなシチュエーションでの経験が少ない。

 

 思い出せる限りでは病院での『むきむき体操』、そして今でも毎度のようにやっている飲尿や放尿くらいだろう。因みに自宅でも以前二人でお風呂に入った際、ボディソープで泡まみれになった全裸のユイに気持ち良くパイズリさせたりもしているが……それはまた別の話。

 

 普段から自宅という限られた日常空間でしか行われない母親との性行為は確かに背徳的と言える。しかし胸部への過剰な責めや前戯、そしてセックスで終わる有りがちな性行為に若干の不満を隠せないシンジ。

 

 欲を言うなら自宅以外の場所でユイとラブラブでアブノーマルなエッチやセックスがしたい。

 

 それが碇シンジに憑依転生した彼の──碇ユイという美女を心から深く愛してしまった男の密かな願望である。

 

 ……とは言え、調子に乗って野外調教中にユイの恥態を他人に見せたり見られたりするのは、流石に彼女を誰か別の男に寝取られる可能性にも繋がる。

 

 これは以前二人で話し合ってエッチのルールを決めた際にユイが口煩く言っていた事だが、自宅とは異なる外出中の性行為はそれ相応の危険が付き纏う。

 

 今でも本心はシンジを独占していたいと望んでいる母性欲の強いユイにとって、わざわざ危険を犯してまで自宅以外の場所で事に及ぶ必要性は薄い。

 

 ……が、それだけに今の二人には興奮する起爆剤にもなり得る。実際、ソファでM字開脚させられたユイはキョウコがいるだけでいつも以上に発情してしまっている。

 

 そういう意味でもキョウコの参戦は二人にとって絶好の機会だったと言えよう。

 

 しかもどういう訳かキョウコは意味深な笑顔を浮かべたまま、母子二人の間違った行為を手伝い見守るだけ。

 

 そうなると己の性欲に正直なシンジとユイは止められない。後は二人で一緒に爛れて堕ちていく……母子の性交が始まる。

 

 

 

 

 

「んっ……んちゅ、ちゅっぱ……んんっ、ぁんっ……」

 

 我慢の限界に達し、子供とは思えない卑猥な舌使いで唇へと侵入してきたシンジの舌をユイは抵抗せずに受け入れる。

 

 くちゅくちゅと粘り気のある淫靡な水音を立てながら互いに口腔を舐め回し、溢れ出した唾液を仲良く啜り合う二人。

 

 見た目幼稚園児ながら全然子供っぽさを感じさせない濃厚な大人のキスで、シンジもユイも舌と舌を絡めて放さない。

 

「んっ……ちゅっ、ちゅむっ……はむっ、んっ、んふぁ……」

 

 艶やかに煌めく唇と唇の隙間から漏れるユイの甘い吐息と暖かい感触がシンジの舌先に伝わり、唇と唇を重ね合わせているだけで口腔を蕩けさせていく。

 

 もっとキスしていたい。肉厚で柔らかな唇の感触を味わいたい。次第に激しさを増す二人は何度も繰り返し口付けを交わしてはお互いを求め合う。

 

「んっちゅ……んぅ……んっ、んぁ……ん、んふぅ……んはぁ……ちゅむ、んちゅ……ちゅぱっ、んむぅ……」

 

 二人して舌と舌を執拗に絡め、繋がった唇を吸い上げ、熱くなった頬の裏側を狂ったように舐め回し、大量に分泌された唾液を互いに口腔へと流し入れて飲ませ合う。小さくて狭苦しい口腔内の味をじっくりねっとりと堪能し、シンジはキョウコによってM字開脚させられたユイの身体をこれでもかというくらいに力強く抱き締めて密着する。

 

「んちゅ……ちゅるっ、ぬちゅっ……むんっ……んふぅ……はぁぁ……はぁっ、はぁっ……」

 

 しばらく濃厚で情熱的なキスを交わしていた二人。不意にシンジの唇がユイの唇から離れると、唇と唇の間から半透明の蜜糸が淫猥に伸び繋がり、それはやがて重力に引かれて惜しくも千切れ落ちてしまった。

 

「はぁ、はぁ……んふぅ、はふぅ……はぁ、はっ、はっ……んんぅ……シン、ジぃ……」

 

 一分以上にも及ぶ激しいキスで乱れた呼吸を整え、ユイは先程よりも若干気分を落ち着かせてシンジに囁く。

 

「はぁ、はぁ……んぅ、しゅき……親子で、はっ、ぁぅ……こんなえっちぃこと……やんっ……ほんとは、ぁんっ……らめなのにぃ……はぁ、ぁんぅっ……やぁ……ん、私……もぅ、シンジぃ……ぁん♡」

 

 しかしその蕩け顔は未だに赤く火照っており、艶やかに柔らかい唇からは甘い吐息が漏れている。

 

「うっ……母さんっ! 僕、もう……っ!」

 

 他人に見られながらのエッチなキスで高まる感情を抑える事のできないシンジ。ここまで行ったならもう後は行き着くしかない。

 

 シンジは半ズボンの上からでもはっきりと勃起しているのが分かるくらい見事なテント張りになった自分の股間を見下ろし、窮屈そうに脈動している半ズボンのベルトを緩めてパンツごとずり下ろしてしまう。

 

 そして待ってましたとばかりに元気よく股間からぶるんっと飛び出したのは、空に聳える赤黒い斜塔を思わせる巨大な肉柱だった。

 

「母さん、挿れたい……っ! そろそろいいよね?」

 

 シンジは真っ赤になるまで熱く脈打つ亀頭を、ドキドキした表情でうっとりと見つめるユイの下半身へと近付けながら彼女の耳元でふぅっと囁く。

 

「だ、だめぇ……今は、やっ、ぁんぅ……♡」

 

「だめ? 母さんのここはもうこんなにエッチなお汁を垂らして待ってるってのに?」

 

 ニヤリと言いつつ、シンジはユイの制止を無視して大量の愛液で濡れた綺麗な割れ目に自らの勃起した肉棒を擦り付けていく。

 

「やっ、だって、それは……ぁくんっ、今は、はぁんっ……キョウコさんが、ぅんっ、見てるっ、でしょう……?」

 

 今更だ。それに寧ろキョウコの方がこの異常な状況を楽しんでいる様に見える。何故なら先程からユイの背後に居座るキョウコがうふふと笑いながらユイの赤く染まる耳朶をはむっと甘噛みしているくらいなのだから。

 

「いいよ別に。母さんの恥ずかしくてエッチな姿見られながら、僕達が仲良し親子ってところをキョウコさんに見てもらおうよ」

 

「ぁ、んぁ、やぁ……そ、そんなぁ……んっ、あんっぁん……やぁ、ぁん……だめっ、シンジぃ……ひゃん♡」

 

 最早聞く耳など持たない。宛ら肉棒で撫でる様に優しく焦らして腰を動かすシンジに、ユイは堪らず気持ちの良い喘ぎ声を漏らす。

 

「あらあら、エッチなママを虐めるのはそれくらいにしなさい?」

 

 すると突然、成り行きを見守っていたキョウコが動き始めた。ソファの上でユイを抱っこする姿勢で支えていたキョウコは彼女を恥ずかしい拘束から解放すると、今度はソファから立ち上がってシンジの細い腕を引っ張り、自分の裸身に抱き着かせたではないか。

 

「うわっ!? キョウコさん……!?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「うふふ。二人だけで楽しむなんてずるいでしょう? ねぇ、私もシンジ君と一緒に……えっちぃこと、したくなっちゃった♡」

 

 やはりキョウコもユイと同様にまだ酔いが醒めてないのか、顔を真っ赤に蕩けさせてシンジに妖艶な仕草を見せる。これは股間に悪い。シンジは思わず唇から涎を垂らしながら、キョウコの豊満な身体を恐る恐るといった様子で触り出す。

 

「うふふ、遠慮しないでいいのよ? 私の身体、好きなだけ触ってみて?」

 

 キョウコに誘惑されてゴクリと唾を飲み込むシンジ。先程から丸出しになった股間に反り立つ剛直は子供とは思えない程に凶悪な曲がり棒となっており、まるで最初から世の女性を虐め泣かせる為に存在している様なものだ。

 

「じゃ、じゃあ……」

 

 ドキドキしたシンジはキョウコの誘惑に応えるべく、Eカップ巨乳のユイ以上に豊満なバストを誇る彼女の胸元にその小さな手を──

 

「……私の、シンジに……何をするつもりなんですかっ!」

 

 ──伸ばそうとしたところだった。ソファから立ち上がって僅かな怒気を含めたユイがハッとした様に復活。

 

 極上のメロンを彷彿とさせるキョウコのたわわに実った推定Gカップの爆乳おっぱいに吸い寄せられていくシンジの手を離さないとばかりに掴み取り、自らの汗ばんだ裸身でむぎゅうっといやらしく繋ぎ止めたのだった。

 

 これにはキョウコも意外そうな表情を見せるも、すぐにクスッと微笑んで普段の調子に戻る。こちらも負けていない。

 

「……ねぇ、ユイさん。シンジ君を私にもちょっと貸してくださらない?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「はぁ、はぁ……いやです……っ! ウチの息子を誘惑するようなあなたに……はぁ、はぁ……私の、ごくっ……私の“大切な彼”は渡しませんから……っ!」

 

 お互いに火照った全裸の巨乳美女。そんな二人の身体に贅沢に挟まれる状態でシンジを巡る交渉は開始された。

 

「へぇ~、そういう事言うのねぇ? じゃあユイさんだって人の事言えないでしょう? 実の息子相手に本気で発情して浮気エッチまでしているんですから」

 

 悔しい程に正論だった。キョウコの言い分には強気で言い返す手立てだったユイも言葉を詰まらせる。

 

「なっ……!? そっ、それは……だって、その……」

 

 途端に尻込みしてしまうユイ。これはキョウコに痛いところを突かれたか。

 

「ん~私ぃ、ゲンドウさんにあなたが息子のシンジ君と毎日お家でセックスしているって事、“うっかり”喋っちゃうかも~?」

 

「うっ……そんな……ずるいです……」

 

 更に追い討ちを掛ける様なキョウコの意地悪い言葉にユイはまたしてもたじろいでしまう。一方でそんな二人の会話を黙って聞いている事しかできないでいたシンジに、交渉の勝利を確信した妖艶な笑顔でキョウコは囁く。

 

「そ・れ・に……ふふっ。ねぇ、シンジ君? お母さんとのエッチだけじゃその大人おちんちん、ちっとも満足できないんじゃないかしら?」

 

「そ、それは、その……まぁ、はい……」

 

 堪らず苦笑いを浮かべたシンジは頬を赤く染めてキョウコに頷いてしまった。これはユイの抵抗も虚しく、もう交渉成立と見ていいだろう。

 

「……ばか息子」

 

 誰にも邪魔されずに愛する彼を独占していたかったユイは溜息交じりにジト目でシンジを睨むと、キョウコの言う“大人おちんちん”を然り気無く一瞥してしまう。

 

 シンジの性器はまだ精通こそしていないものの、ここ数年に及ぶユイとのセックスですっかり淫水焼けしており、大人サイズ顔負けという具合に赤黒く燃え滾っていた。

 

(やだっ、もぅ……この子のあそこ、本当にすっごく大きい……それに、何だかいつもよりビクビクしてて……私の我慢できなくなってるあそこ、いっぱい気持ち良くしてもらえそう……ぁん♡)

 

 まだまだ全然元気そうなシンジの股間を見て、思わずキュンと蜜壺を濡らしてしまったユイ。やがて彼女は諦めたのか、落胆気味の溜息を漏らしてキョウコへと向き直った。

 

「ふぅ……わかりました。キョウコさんには私とシンジだけの秘密をお話します。ただし秘密の内容は絶対に他言無用にすること。この条件を守って下さるなら、エッチする時は私も“必ず一緒に”という約束で、これからキョウコさんがシンジとエッチな関係を持つ事を認めます」

 

 ユイの出した提案はシンジの予想通りの内容だった。

 

「嬉しいっ! ありがとう、ユイさん。じゃあ、その“秘密”って言うのは三人でエッチした後でじっくり聞かせてもらおうかしら」

 

 ……とは言え、ユイ公認でキョウコとも今後の肉体関係を結べた事は非常に大きい価値だ。何しろユイはシンジに対する独占欲が依存と言っていいレベルで強く、シンジが他の女の子とエッチしたいなどと考えるものなら目に見えて不機嫌になってしばらく口も聞かなくなるのだ。

 

 幸いにも家のパソコンを使ってネットサーフィンするくらいの自由は既に与えられているが、AVやエロ動画、官能小説に同人誌、更にはちょっとエッチな少女漫画すら閲覧を許されない見事な徹底ぶりである。

 

 ……いや、そもそもシンジの今の肉体年齢を考えれば当たり前の事ではあるのだが。

 

 つまりそれだけユイは息子のシンジに身も心も依存し、溺愛してしまっている。シンジが他の女とエッチするくらいなら、母親の自分が責任を持ってシンジに抱かれる──そんなハーレム完全否定のユイが驚く事にキョウコとのセフレ関係を特別に認めた。

 

 キョウコも勿論嬉しいだろうが、シンジはそれ以上に堪らなく嬉しかった。内心では全裸で小躍りしてしまうくらいには。

 

「やたっ♪ これで私も今日からはユイさんと同じシンジ君のセフレね♪」

 

 これでシンジの最終的な目標である美少女&美女だらけのハーレムを作る計画がようやく一歩前進した。これはまだ小さな一歩だが、シンジにとっては後の素晴らしい未来に繋がる大きな一歩でもあった。

 

 そして今、シンジの眼前には二人もの極上の巨乳美女が並び立っている。自分より遥かに年下の新しいご主人様に全てを差し出す様に、汚れ一つ見当たらない生まれたままの美しい裸身を惜しみ無く晒け出している。

 

 その事実をこの身を以て実感した時、シンジはとうとう我慢できずにユイとキョウコの綺麗な顔、更には大きくて深い胸の谷間に向けてビューッと勢い良く大量のおしっこを撒き散らした。

 

「うっ、あぁっ……! くっ、二人とも……はぁっ、はぁっ、エロ過ぎでしょ……っ!」

 

「「……」」

 

 いきなり黄金色のシャワーを浴びせ掛けられて呆然とした表情のまま、ユイとキョウコはぽたっ、ぽたっと髪の毛から滴るアンモニア香る尿の水滴に濡れながら無言で固まってしまう。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……ご、ごめんっ! もう我慢できないっ! 母さんとキョウコさんに今すぐこれでもかってくらいエッチな事しまくりたいっ!」

 

 排泄の快感と美女への欲情、そして興奮のあまり、頭の中まで熱を帯びて真っ赤に燃え上がったシンジは息を乱しながら二人の裸体に抱き着いて叫んだ。それを受けてユイとキョウコも小さい子供に放尿されたショックから意識を取り戻したのか、頬を赤く染めた恍惚の表情でシンジの身体をEカップとGカップのエッチなおっぱいで優しく包み込んだ。

 

「本当にもぅ……いつまで経ってもえっちでしょうがない子なんだから……大好きよ♡」

 

「ふふっ、シンジ君。今から二人の美人ママといっぱいえっちなことして、元気な赤ちゃんおしっこいっぱいビュッビュッしちゃいましょうね♡」

 

 いつぞやの病院での時と同じ様に顔や胸に放尿されて羞恥を感じつつも、ユイとキョウコは二人して赤らめた顔を見合わせると、どちらも幸福で気持ち良さそうな聖母の微笑みをシンジに向けるのだった。

 

 

 

 

 

 




作者からのちょっとしたお話。

男の子って赤ちゃんの頃(精通前)から朝勃ちも勃起もちゃんとするそうです。

更にドライオーガズムで射精できなくても長い時間絶頂すら出来てしまうだけでなく、おしっこの放尿絶頂まで行えるという……男の子の若さってすごい。

ちなみにこの作品におけるシンジの精通前は完全勃起からの放尿絶頂するという誰得な描写を多用する予定です。

えっ? いいじゃない、だって好きなんだもの。

とまぁ、それはともかく……次回はもう少し早く更新できる様に頑張ります。


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淫酒に溺れた双妻 後編 ★(ユイ、キョウコ)

お待たせしました。

今やっている第2章の完結が見えたので、また更新の方を再開させて頂きます。


 

 ……あれから一時間が経過した。

 

 甘く芳醇な母乳ミルクの匂いが充満したリビングの床で、むっちりと肉付いてぷりっぷりっな両足を折り曲げてぺたんと女の子座りをしたユイ。

 

 汗に濡れた衣服や下着は既に脱ぎ捨てられ、大事な秘所を隠そうともせずにシンジへと晒す。

 

 対する息子は下半身を完全に露出させた仰向けの状態でリビングの床に横たわり、ユイの柔らかくふっくらとしたムチムチの太腿に自分の頭を乗せている。

 

「ふふっ……ミルクは減ったりしないんだから、好きなだけ飲みなさい? 私のおっぱいはもうずっとシンジだけのお乳なんですから♡」

 

 俗に言う“膝枕”の格好でシンジを優しく見下ろす母親の眼差し。欲情して赤くなったシンジの顔に乗せられたEカップの乳袋は未だ衰えを知らない丸みを帯びたお椀型で、シンジの荒い鼻息と吐息に呼応する様にぴくんっと卑猥に揺れている。

 

「んくっ、んぐっ、んんっ……ちゅっ、ちゅぷぁ……うん、母さん……」

 

 シンジが宛ら乳児の様にユイの豊満な母乳を美味しそうに吸っては飲み、ごくごくと喉を鳴らしていく。シンジにとっては既に何年も飲み続けた至高の味だが、一向に飽きの来る事はない。

 

 それどころかシンジは幼稚園に出掛ける際に持参する水筒の中身をユイ自ら搾乳したミルクで満杯にして毎回持ち込む程、ユイのEカップ生乳直搾り天然濃厚ミルクに夢中である。

 

 何故それほど好きなのかと上手く表現する事は難しいのだが、シンジ曰く「安心して飲める優しい母親の味」なのだそうだ。つまりミルキーはママの味という事なのだろう。

 

「それにしても本当によく飲むわねこの子。そんなにユイさんのおっぱいが恋しいのかしら」

 

 言うと同時に、ユイに膝枕されたシンジの傍に座ったキョウコもまた、生まれたままの綺麗な裸身でシンジの下腹部にあたる真っ赤に腫れ上がった肉棒を自らの滑らかな手で上下に擦り上げていた。

 

「っぁん、んくっ……ぁん、えぇ、そうみたいです……はぁ、はぁっ……赤ちゃんの頃から私のおっぱいを玩具にして育った子ですから……んっ、ほんとにもう……大きくなっても変わらずえっちで困っちゃいます……ひぁんぅっ♡」

 

 三人による淫らな行為が始まってからというもの──既にユイとキョウコは何回か交代してシンジに膝枕しつつ授乳手コキを繰り返していた。

 

「あらあら。シンジ君ったらまだ小さな男の子なのに、おちんちんだけは立派に皮も剥けちゃってるのねぇ」

 

 愉しげに言いながらキョウコは手先を執拗に動かし、子供とは思えないシンジの逞しい一物を扱いていく。

 

「ぅ、ぁくっ……キョウコさん、っ……ぁ、ぁ、そこ、そこぉ……あっ……!」

 

「ふふっ、気持ちいい? シンジ君の大好きなお母さんに膝枕されながら、私の手でおちんちんビュクビュクしちゃうの見てもらいましょうね♡」

 

 ユイに膝枕で授乳されながらのキョウコの手コキ責めは、シンジにとって体験した事のない極楽浄土への乗車口でもある。

 

 一度この快楽列車に飛び乗ってしまえば、男は誰だろうと途中下車はできない。精根尽き果てる終着まで目の前の美女達に連れ添われ、何処までも禁忌の官能に溺れていく事となるだろう。

 

「はぁ、はっ、はっ、はぁ……ぁ、ん……シンジぃ……」

 

 母性本能全開でシンジに手コキするキョウコを見て、授乳中のユイは徐にシンジのお腹を慈しむ様に片手で優しく撫で始める。

 

「はぁっ、はぁっ、母さん……どうしたの?」

 

「ぁ、シンジ……あの……私も、その……」

 

 どうやらユイは自分以外の女性とのエッチで興奮するシンジを見て嫉妬していたようだ。何かを言いたげな彼女の赤面した表情を見て、シンジはすぐに感付いた。

 

「母さん、ひょっとして……僕に気持ち良くしてほしいの? だったらもうしばらくこのおっぱいで可愛がってあげる」

 

「っ……は、はぃ……♡」

 

 親愛なる息子にそう言われると、ユイのぷくっとエッチに膨らんだ敏感乳首がじんわりと熱を帯びていく。そして綺麗な涎を塗った唇からは艶かしい吐息を一つ。

 

 透き通った涙を滲ませて眼下にいるシンジに微笑む彼女は嬉しくて嬉しくて堪らないのだろう。女性として欲する幸せを愛する夫ではなく実の息子に与えられ、ユイの心は穏やかに満たされていく。

 

「母さん……母さん……っ」

 

 先程から甘やかす様にふんわりと包容してくるユイの膝枕に身を委ね、目と鼻の先にぽふっと当たる程の重量感ある柔肉の果実に思わず口元を緩ませてしまう。

 

 鼻の下を伸ばしたスケベな顔で頭上に柔らかく乗し掛かる乳風船の甘いミルクの香りを嗅ぎつつ、涎を垂らした唇で無防備に差し出されたピンク色の乳房を丹念に舐め回しては舌で転がして弾く。

 

「あふっ、んっ、ふぁ……♡ ぁん、そこぉ、はんぅ……いやぁ……んぁっ♡」

 

 そうしている内にほんのりと口の中一杯に広がる優しい母親の味。先程から舌先や両手で愛撫する度に噴出の止まらないミルクタンクと化した白い乳房を唾液混じりの唇で引っ張る様に噛んで搾り取る。

 

「あ、あぁっん……ゃぁ、激しっ、んぁっ……だめぇ、シンジぃ……ぁっ、またぁ……ひゃぁっ♡ おっぱい、溢れちゃってるからぁ……んぁっんぅ♡」

 

 どうやら胸だけで既に何回か絶頂してしまっているらしい。彼女の反応を見て調子に乗ったシンジが責める程に敏感になっていく豊満な巨乳を更に尖らせた舌先で刺激し、空いていた手で弄っていない片方の乳房を揉みしだく。

 

「んっ、ぁん、こらぁ……♡ そ、そんなに触られたら、ぁ、んっ、ああっ……ん、ぁっ、あぁん♡」

 

 ユイは恥辱に顔を赤らめ、片手でシンジの頭を大事に支えつつ、もう片方の手で自らの緩み切った口元を抑える。

 

「んひゃっ、んぁ……おっぱい、吸われちゃ……ゃ、だめ、んっ……あっ、気持ちぃ、んくっ……ゃんっ♡ あぁん♡」

 

 それでも指の隙間から僅かに漏れ出す淫靡な嬌声。隠そうとも隠し切れない彼女の豊満な乳枕に顔の大部分を覆い被されたシンジは、小さな子供の歯でぴくっぴくっといやらしく震え膨らんでいるユイの綺麗な桃色乳首をカリッと甘噛みした。

 

「ぁ、ぁ……ふぁっ、あんっ、ぁ、やっ、ふあぁぁぁぁぁんんんっ!!」

 

 ぴゅぶっ! ぷしゅうぅぅぅっ!

 

 再び勢いよく噴き出すユイのミルク。あまりの気持ち良さに唇を塞いでいた手を無意識に開け放し、ユイはつぅっといやらしく涎を垂らしながら喘いでしまう。

 

「ぁ、ぁんぅ……すごい、気持ちいいぃ……はぁっ、はぁっ、はぁ……頭の中が、真っ白に……あぁぁっ、シンジで、いっぱい……ああぁ……♡」

 

 恍惚に身を悶えさせながら心地よい快楽に浸っていくユイ。黙々と手コキしながら傍観していたキョウコは妖艶な笑みを浮かべ、まだまだ元気なシンジの股間に熱い視線を送っていた。

 

 

 

 

 

 それからどれ程の時間が経過しただろうか……

 

 ユイもキョウコもシンジに交代で乳房を吸われたり弄られる度に母乳を撒き散らすという背徳行為に堪らぬ興奮と快感を覚え、今ではすっかり発情した淫乱雌奴隷へと堕ち切っていた。

 

「ごくっ、ごくっ……んぷぁ、はぁっ、はぁ……ねぇ、二人とも……っ、僕そろそろ……で、出そう……っ!」

 

 そんな中、ユイの色白で柔らかい乳袋に顔を埋めていたシンジがもどかしそうな声を出し始めた。

 

 言われて二人がふと下腹部に視線をやれば、確かに幾つもの熱々しい血管が浮かび上がり、反り返った剛直が更に大きく膨らんでいくのが分かる。シンジも絶頂が近いのだ。

 

「はぁ、ぁ、はぁっんぅ……ぅん……いいのよシンジ……お母さん達で受け止めてあげるから……ぁんっ♡ おしっこ、気持ち良く出しちゃいなさい♡」

 

「ふふっ……我慢しちゃだめよ~? えいっ♡ しこしこ♡ しこしこ♡」

 

 シンジの言葉を聞いてユイとキョウコは待ってましたと言わんばかりに妖艶に微笑み、シンジに対して性的興奮を煽る様な言葉を言って放尿絶頂へと導く。

 

「ぅ、あっ……二人とも、っ……あくっ、あぅ……で、で、出るぅぅぅっっ!!」

 

 びゅるっ! びゅるるるぅぅぅぅっ!!

 

 僅かに腰を浮かせたシンジが真上に向けて放尿絶頂する。その勢いの凄まじい事、今までの人生で一番長く出し続けている排尿かもしれない。

 

 完全に膨張したぺニスは大きく脈動し、ここがトイレではなくリビングだという事すらも忘れて、目の前に座る二人の裸身を容赦なく汚し染めていく。

 

 びゅる、びゅびゅぅ、びゅくっびゅくっ! びゅっびゅびゅぅぅぅ~っ!

 

 一向に収まる事のない放尿で二人の全身を徹底的にマーキングする。それまでは他人のモノであったはずの二人が、今後一切自分だけのモノであります様にと世の男達に知らしめる為に。

 

「きゃぁっ! あぁ、ぁんっ、なんてすごい量……♡」

 

「ふふっ、シンジ君も上手にびゅっびゅっできましたね~♡ えらいえらい♡」

 

 強い熱を帯びた黄金色の尿液を恍惚の表情で気持ち良さそうに全身に浴びているユイとキョウコ。その至福とも言える光景を自分の母親に膝枕されながら、シンジはいつまでも残る余韻を堪能していた。

 

(ああ……この世の天国だ……裸になってムチムチエッチな女の人におしっこぶっかけるのがこんなに気持ち良いなんて……もう、堪らないよぉ……はぁ、はぁ……)

 

 宛ら噴水の様に自らの果てなき欲望を撒き散らしたシンジ。あまりの快感に全身が麻痺し、しばらくは放尿絶頂の余韻からその場で心地よい脱力感に浸っていた。

 

「はぁはぁ、ぁ、んぅ……やだ、私っ……自分の息子におしっこ浴びさせられて悦んでるなんて……♡ んんっ、ぁん、だめっ……えっちなお汁が止まらないのぉ……ん、ふあぁ……ゃぁん♡」

 

「ぁ、ん……はぁ、はぁ……す、すごいわシンジ君……まだ抱かれてもいないのに……私、こんな気持ち初めて……あぁ、今すごく幸せぇ…… ♡」

 

 ユイもキョウコも嬉しそうに身体を震わせている。どうやらシンジの放尿で二人共絶頂に達してしまったらしい。

 

「ぁ、んぅっ……ねぇ、シンジ……ここで、んっ、セックスしたら、はぁはぁ……か、身体が痛くなっちゃうから……みんなでシンジの部屋のベッドに移動しましょう?」

 

「ふぅ、ふぅ……ん、そうね♡ 大きな赤ちゃんシンジ君はママ達でいっぱい可愛がってあげないと……んふ、逃がさないんだから♡」

 

 

 

 

 

 それから数時間後……

 

 既に窓の外も暗くなる中、シンジの部屋のベッドの上では全裸姿のユイがシンジの小さな身体に跨がった騎乗位の体勢で激しく腰を揺らしていた。

 

「ぁ、んっ、はぁん、ぁんぅ、気持ち、ぃんっ……良いのぉ……はぁっ、はぁっ……シンジの、ゃんっ、おちんちん……んぁぅ、今までで、一番、すごく気持ち良いっ……これ、あっん、しゅきっ♡」

 

「ぅ、ぁ……あぁ……」

 

 しかしユイの大きくて丸い白桃の様な美尻に敷かれた格好のシンジはぐったりとしている。

 

 苦しそうな表情のシンジがユイの卑猥な腰使いで下腹部を刺激されて何度目かも分からない放尿絶頂をしてしまうが、尿道から噴き出る微量の尿は言うなれば“ぴゅっ、ぴゅっ”という感じで勢いも水量も全然足りてない。

 

「んぅ……さっきからずっと量が少ない……ねぇシンジ? お母さんともっと頑張りましょ……? 若いんだからまだまだいっぱいおしっこ出るでしょう? ……ねっ♡」

 

「んふふ、ユイさん駄目よ? 次は私がシンジ君とする番でしょう? 私達で1回イったら交代って決めたんですから、ちゃんと約束は守らないといけないわ……ねぇ僕ぅ?」

 

「……か、勘弁してぇ……はぁ、はぁぁ……も、もう死ぬ……た、助け……」

 

 シンジの脳内は未だ二人の極上の美女を相手に興奮こそしてはいるものの、既に未成熟な体力の方が限界に達していた。

 

「お、お願い……はぁ、はぁ……す、少し休ませてぇ……」

 

 熱い吐息も絶え絶えに、遂には涙を浮かべて二人に懇願し始めた哀れなシンジ。しかし重度の飲酒によって完全に解放された二人の性欲はまだまだ底が知れない。

 

「だ~め♪ 今日はとことん楽しんじゃうんだからぁ。それにぃ、私達とえっちできる男はもうず~っとシンジ君しかいないのよぉ? だから頑張って三人仲良くしましょうね♡」

 

「そうよ、シンジ……あなたがお酒を飲ませてお母さん達を本気にさせたんだから……ちゃんと責任取って二人とも気持ち良くさせてちょうだい。それに今夜はあの人も仕事で帰らないんだから……ふふっ♡」

 

 ユイとキョウコはいつの間にか二人でベッドの脇に持ち込んで置いていた残りのお酒を飲むと、二人はすっかり蕩けた赤面の表情で糸引いた涎を垂らしながらシンジの身体の上で淫らに腰を振り出す。

 

「うぁ、ぁ……も、もうやめてぇ……おしっこ出ない……もう出ないからぁ……!」

 

 シンジは堪らず泣き言を言うも、残酷な天使と化したユイとキョウコはシンジの話を全く聞こうとすらしない。エッチな匂いが充満したベッドの上で恐い程に笑い合うユイとキョウコ。

 

 そんな二人の瞳からは完全に光が消えて虚ろに蕩け、狂気的で危険なピンク色のハートマークがいやらしく浮かんでいた。

 

 そして更に半時が経過し……

 

 

 

 

 

「ぅ、ぁ……ふ……は……も……も、ぅ……だ、め……ぇ……」

 

 長時間にも及ぶ激しい性行為の末、遂に体力の限界を迎えたシンジは狭いベッドの上でビクビクと痙攣しながら気絶してしまった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あらぁん……シンジ君もうお眠ぅ? えへへ~、ら~めぇ♡ もうちょっとえっちしましょうよぉ……んぅねぇ~、シンジ君ったらぁ……ゃぁん、んふふぅ♡」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あぁん、シンジぃ……もっと、もっとぉ……一番奥の気持ちいいところ、ズポズポって激しく突いてほしい……あぁん♡」

 

 しかしシンジが倒れても尚、すっかり酔いが回った様子のユイとキョウコはシンジの小さな身体を下敷きにしたまま、お互いに母乳を噴き散らした胸を揉み合いながら濃厚なキスを交わして慰め合う。

 

 ……結局その日、酒乱と化した二人の淫らな母親に逆レイプされ力尽きたシンジが目覚める事はなかったという。合掌。

 

 




やはりエロシーンは人数が増えると難しい……

子供編も残すところ3話ほどで完結します。

ああ、ようやく原作のストーリーに入れる……


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好きになったなら

今回エロシーンはありません。ごめん。


 

 酒乱状態のユイとキョウコに逆レイプされてから数日後。あの一件で大人の女性の怖さを嫌というほど思い知ったシンジはすっかり不貞腐れていた。

 

 あれから正気に戻ったユイは何度も何度もシンジに謝罪したりするのだが、気分的にヤル気の起きないシンジはすっかり萎えてしまい、ユイのエッチな誘惑さえも拒絶する様になっていた。

 

 それでも……と、意気消沈したシンジの目の前で官能的な下着姿を披露してシンジを誘惑するユイ。ところが真っ正面からシンジに「……ごめん、母さん。今はエッチしたくないんだ……また今度にしてよ……」と言われ、これは相当な重症だと心配したユイ。

 

 どうにかして息子(シンジ)の息子を復活させようとキョウコと二人で様々な手段を考える事にするが、なかなか良い案を見付けられずにいた。

 

 そして幼稚園でもシンジは目に見えて落ち込むようになった。大好きなアスカと一緒に居ても気分が乗らずに溜息ばかり吐くシンジに苛立ったアスカは、嫌がるシンジを無理矢理に引っ張って自分の家に招待する事に。

 

 初めて訪問したアスカの家は母娘二人だけで暮らしているとは思えない程立派な住まいだった。

 

 そして……

 

 

 

 

 

「ねぇシンジ……この前、あんたの家であたしのママとエッチな事したでしょ?」

 

 アスカは自分の部屋にシンジを連れていくと、開口一番にズバリと直球を切り出した。

 

「うぇっ!? な、なな、何でそれを!?」

 

 動揺の余り思わず口走ってしまったシンジに、アスカははぁ……と、不機嫌そうに重たい溜息を吐く。キョウコとの秘密の肉体関係をあろうことか娘のアスカに知られてしまった。シンジが必死に言い訳しようと慌てるのを尻目に、アスカは唐突にシンジを部屋の床に押し倒した。

 

「うわっ!? ア、アスカ……?」

 

 シンジは訳も分からずアスカに問い掛けるが、彼女からの返答は無い。突然の事態に困惑するばかりのシンジだったが、アスカはシンジが着ていた子供向けのシャツを乳首が見える辺りまで強引に捲り上げると、その小さな肉芽をカリッと噛んでしまう。

 

「う、くっ……ア、アスカ……」

 

 眉間に皺を寄せて痛がるシンジに対し、アスカは怒気を孕んだ怖い笑顔を浮かべたまま、シンジの仰向けの身体に馬乗りになる。

 

「……たしか、あたし最初に言ってたわよねぇ?」

 

(あっ……これヤバイかも……)

 

 今までの経験から嫌な予感を感じ取ったのだろう。シンジは即座に謝ろうと開口するが、アスカは先程噛んで赤くなっていたシンジの敏感な乳首を今度は舌先でいやらしく舐め始めた。

 

「ぅひぁんっ……ゃ、やめっ……ぁんっ……」

 

 思わず女の子の様な聞かれたくない恥ずかしい声が漏れる。生まれて始めて大好きな女の子に自分の乳首を刺激され、その何とも言えない屈辱的な快感に堪らず赤面したシンジはびくっびくっと小さく肩を震わせては艶かしい吐息を出す。

 

 そんなシンジを見てアスカはぼそっと「変態」と吐き捨て、どこか呆れた様な冷やかな視線でシンジを見下した。

 

「あんたもママとエッチできればいいとかって思ってるんでしょ? 男なんてみんなそう……あたしやママの気持ちも考えないで、自分さえ良ければいいって感じで、身勝手で、無責任で……気に入らないのよッ!!」

 

 宛ら電流の如く、身体の底から震え上がる様なアスカの心痛な叫びが爆発する。その迫力の凄い事、萎縮したシンジはただ黙って唾を飲み込む事しかできなかった。

 

「……でも、あんたはママをレイプした最低な大人とはちょっと違うって思ったわ……だってママ、男とエッチなことしたのに泣いてなかったから」

 

「あっ……」

 

 言われて思い出す。確かにシンジは酒の力を借りてキョウコの豊満な身体に手を出した卑怯者だ。しかしキョウコはそんな最低なレイプ犯に成り下がったシンジを責める事無く、その母性的な本心で優しく包み込んでくれた。

 

 あの時は彼女も酷く酒に酔って正常な思考回路が上手く回っていなかったのかもしれない。シンジとしてはそこに付け入る隙があったのは事実。

 

 だがキョウコはシンジを受け入れ、今後はハーレムに加わる事すら容認してくれた。普通の女性なら到底許せない案件だろう。しかしキョウコにはそれでもシンジを許してもいいと考える“何か”があったのだ。

 

 彼女の中では、きっと……

 

「……あんな幸せそうに笑っているママ、久しぶりに見たから」

 

 アスカは儚げに呟き、シンジの膨らんだ股間へとその小さな可愛らしい手を伸ばす。

 

「……ねぇ、ママとどういうエッチしたの? どうヤったら男嫌いのママがあんなに悦んじゃう気持ちの良いエッチができるの?」

 

「えっと、それ、は……」

 

 シンジはどう答えるかでしばらく迷った後、言葉を選ぶ様にアスカに自分の気持ちを伝える。

 

「キョウコさんは、その……僕の母さんと同じくらい、エッチなことが大好きなんだと思う……たぶん」

 

 自分で言っておいて思う。嗚呼、なんて最低な男なんだと。しかし世の中にはそんなシンジがまだ可愛く見えてしまう程、更に最低鬼畜な行為で女性を傷付け淫らにし、深い絶望へと叩き込む真の外道も腐る程いる訳で。

 

「でも……それを誰かに知られたくない、伝えたくないから再婚もしなかった。すごくエッチだけどキョウコさんほどの若くて綺麗な美人ママなら、子持ちでも結婚したいって考える男は他にもいっぱいいたかもしれないのに……キョウコさんはその選択を望まなかった」

 

「……どうしてなの?」

 

「……それはきっと、アスカがいるからじゃないかな?」

 

「ぇ……あたしが、いるから……?」

 

「恐らくね」

 

 シンジはいつも誰かとエッチする時、ふと心に思う事がある。それは、自分とのエッチで相手は気持ち良いと感じてくれているのだろうか……

 

 そして、少しだけでも幸せになってくれているのだろうか、悲しんでいないだろうかと……

 

 シンジとて自分の性欲には正直な男である。シンジの場合は前世で偶々認知していたからとは言え、他人の妻である母親のユイに劣情を抱き、転生早々に父ゲンドウから彼女を心身共に寝取ってしまった。

 

 それだけ聞くならシンジは間違いなく変態で最低な気持ちの悪いクズだろう。実際のところ人妻だったユイを快楽的な性行為で屈伏させ、自分のモノにしてしまったのだから。

 

 シンジが言いたいのはつまりこうだ。もし世界の何処かで自分好みな女性と出会い、その人を一目見た時に股間に響いてしまったのなら……

 

 下心を隠してお近付きになったっていい。家に帰ってその人をオカズにオナニーしたっていい。世間的には完全な犯罪行為だが、思い付く限りの手段でその女性と積極的に関わり、肌と肌で直接抱き合ったっていい。

 

 ……そう思う程に彼女という存在を愛してしまったのだ。突然やってくるこの愛情の波は誰にも止められない。一度でもその相手に本気で恋してしまったのなら。一度でもその相手と淫らな行為に及んでしまったのなら……手を出した自分が最後まで責任を持つ。

 

 シンジは前世で全く女性にモテないまま退屈に人生を歩んでいた頃から密かに嘆いていた。それは……AVなどで頻繁に描かれる、世の男性達の女性に対する愛情の無さに関してである。

 

 例えば寝取られ系の作品だと、寝取る側の男は好意を抱いたヒロインを犯して他の男から寝取ってしまう訳だ。

 

 ……ここまではいい。そもそも人間が他人の所有物や物事、プライバシーなどに興味を惹かれ、関心を抱いてしまうのは人間が生まれながらに有する人間として正常な反応という証明になるのだから。

 

 そして人間は良い物を見付けるとそれを他人に教えたくなる生き物だ。その良い物というのは実に様々である。

 

 品物、動物、植物、場所、景色、動画、情報──

 

 そして──そう、もちろん“他人の女”も含まれる。

 

 人間はこれらを共有する事で感動し、優位性を示そうとする。自分だけが見て知って確かめている良い物を他人に教えたい……他人にも自分が持つ良い物の良さを体感してほしい。

 

 そしてより多くの他人が一つの同じ物で感動した時、初めて自分が持つ良い物の価値が生まれ、その素晴らしい事実を他者へと伝えた自分は最高の優越感を得られるのだ。

 

 これは間違いなく人間の性質と言えるものだろう。現にシンジも動物としての本能故に全ての人間が人生において必ず最初に出会う異性に興味を抱き、他人の女であるにも拘らず自分のモノにしてしまっているのだから。

 

 しかし問題はその後……寝取られ系の場合は男がヒロインを寝取った後にある。それで男が責任を取ってヒロインを愛し、幸せな人生を共に歩むのならまだいい。

 

 しかしそういったクズの中には女性への愛情すら忘れてしまった真のクズもいる訳で。酷い話では男が当初エッチしたいと思ってそのヒロインを寝取った後、毎日散々中出しして妊娠させても認知せずに捨てたり、寝取った事を自慢するかのように他の男の前で見せ付けセックスしたりする輩もいる。

 

 それが更に上を行くクズになってくると他人から寝取ったヒロインを利用しての輪姦、乱交、貸し出し、スワップ、小遣い稼ぎ、ネット配信、海外への人身売買、公衆便所、肉便器──と云った具合だ。

 

 シンジが前世の頃から他の男達に対して嘆き嫌っているのはそこである。自分で寝取ったヒロインの事が好きじゃなかったのかと。最初に好きだと思ったから、他人のモノと知りながらヒロインへと近付いたんじゃないのかと。

 

 出会った当初は少からず有った筈の性欲的な愛情はそこまでの過程で何処に捨てたのかと。寝取ったヒロインを人間として扱わずに他の男達と共有するくらいなら、最初から無責任に寝取ったりするんじゃないと。

 

 本当にヒロインの事を恋して愛して抱いて寝取ったのなら、しっかりと寝取った分の責任を持てと。他ではない自分が他の男に代わり、エッチで毎日気持ち良く満足させて幸せにしてやるくらいの度胸と覚悟を見せてほしいと。

 

 シンジは常々そう思って胸を痛める。そしてそう思いながら、それでも寝取りは悪い事だと思っている偽善者風情な自分もいる。

 

 寝取りに失敗すれば警察沙汰にだってなるし、相手の女性からは拒絶され、社会的地位も失い、最悪人生を終える事だって有り得る。

 

 これは何も寝取り寝取られに限った話ではない──例えばユイの場合。ユイはこの世界に生きる全ての巨乳女性の宿命か、初潮を迎えた辺りで自身の中に隠れた性欲に目覚めた。

 

 それはユイが成熟した女性へと成長するに従って次第に強さを増していき、彼女がピチピチの女子大生となる頃には最早抗えない程となってしまっていた。

 

 加えてユイを悩ませる様々なストレス……結果としてユイは自らが長年育てた淫らな性欲に負けてしまう。それからは覚えたての猿のように毎日自慰行為に耽り、まだ処女の身でありながら等々母乳まで噴き出すようになった。

 

 ユイの意思とは別のところで日々淫乱な体質へと堕落する豊満な身体。その裏側で密かにユイが思い願った事……自分が本気で好きになった男の人とどこまでも果てなくエッチがしたい。

 

 しかしそれは叶わぬ恋。周囲の人々が思わず引いてしまう程に積極的で情熱的だったという言動でユイに何度も交際を求めてきたゲンドウ。

 

 しかしユイは麗しの学生時代、自身の旺盛な性欲を隠す意味でも、特定の男と一切関係を持たなかったほど難攻不落の潔癖少女である。

 

 在学中は大学祭でのミスコンでも男性達からの圧倒的支持と熱狂的人気で優勝を重ね、マドンナ的地位を確立したユイ。最初は他の言い寄ってくる男達と同様、どうせ淫乱巨乳処女な自分と付き合って恋人エッチがしたいから下心で声を掛けてきたに違いないと、ユイはゲンドウを警戒していた。

 

 最初は何度もゲンドウとの交際を拒否していたユイ。しかし何時しかユイはゲンドウの真っ直ぐな根気に負け、まずは友人関係からのお試しという事で特別に交際を許可する事に。それからゲンドウと二人で友人として、また恋人らしく過ごす内に彼女自身も心惹かれ、ある時ユイはゲンドウの嫁になる事を決めた。

 

 それはユイの過激な性欲が招いて“デキ婚”という有りがちな形になってしまったものの、人一倍に他人からの愛情を求めていたユイはゲンドウという最愛の夫を得る。

 

 ……そこまではいい。しかし息子のシンジが通常とは異なる経過で生まれてきた事でユイの人生は意外な転機を迎える。

 

 問題は仕事を優先したゲンドウに充分な性的愛情を注がれなくなり、次第にゲンドウとの結婚生活に疑問を抱くようになったユイの心境の変化にある。

 

 家族の為という夫の固い意思を理解しながらも複雑な心情で受け入れ、ユイもシンジを出産してからは次第にゲンドウの身体を求める事を諦めた。

 

 だからこそ、シンジはそんなユイが不憫に思えた。彼女だって一人の女性だ。表面的には立派な母親である前に、その内面は恋に恋するような可愛らしい女の子に違いないのだ。

 

 最初にユイと出会った頃とは気持ちも多少は変わったものの、今のシンジにはユイをハーレムに招いて幸せにしてあげたいという使命にも似た想いが胸の中にある。

 

 別に家庭を崩壊させようと企てている訳ではない。これからもユイには表向きはゲンドウの良き妻のまま、家族三人で仲良く暮らしてもらうつもりでいる。

 

 独占欲が強いとか、自惚れだとか、自分に都合が良過ぎるなどと言われたらそれまでかもしれない。しかしシンジが掲げる最終目標は自分専用の淫乱巨乳美少女達でハーレムを作り、全員が気持ち良く平和に、そして幸せに暮らす事にある。

 

 そして前世においてシンジは知ってしまった。アスカが最終的に精神崩壊してしまう事、更にはユイとキョウコが無惨にも死んでしまう事を……

 

 シンジは唯一、この世界が二次元的な世界だと知っている。この事を考慮しても、彼が前世の記憶を持ちながらユイとゲンドウの赤ん坊として碇シンジに憑依転生したのは、別のパラレルワールドで悲劇を辿る彼女達の不幸な人生を変える為だったのかもしれない……

 

 

 

 

 

「キョウコさんが帰った後で母さんから聞いたんだけど……キョウコさん、日本に引っ越して来るまではドイツの研究所にいたんだってね。そしてそこで仕事仲間の男達に脅迫されて、望んでもいないエッチを毎日してたって」

 

「っ……そうよ……だからあたしは男なんて信じない。あたしを騙して苦しめ、ママを傷付けて散々泣かせてきた奴らを絶対に許さないって決めたのよ」

 

 シンジが真剣な顔で話す間、馬乗りになった体勢のままのアスカは今にも泣きそうな辛い表情でぽつりと呟く。

 

「……ごめん。嫌な事を思い出させて。それにキョウコさんにも、その……二人の事情を知らなかったとは言え僕の方からエッチしちゃって」

 

「……ばかね。あんたは“あいつら”とは違うって言ったでしょ? ずっと独りぼっちだったあたしを迎え入れて幼稚園のお姫様にしてくれたし、あたしに隠れてベッドの上で泣いてばかりだったママにちょっとでも昔の笑顔を取り戻してくれた」

 

 そこまで言うと、アスカは少し照れた様に頬をほんのりと可愛い林檎色に染めた。

 

「ま、まぁ……たしかにあんたって、あたしから見たらすごっくバカでドジでエッチでダメダメでカッコ悪い奴だけど……」

 

「うぅっ……何も言い返せない……」

 

「そ、それでもっ! 責任取ってあたしやママを幸せにしてくれるなら……そういう事もいい、かな?」

 

「そ、そういう事って?」

 

 何が何だか分からないと言う様子のシンジを見て、溜息を一つ吐いてからアスカはシンジの唇にぷちゅっと柔らかい唇を優しく押し当てた。

 

「んっ、ちゅっ……ふぇ? ア、アスカ……?」

 

「うるさい、シンジのばーか♡」

 

 アスカは可愛らしい悪戯な表情を浮かべ、ベーと舌を出しては元気一杯にシンジへと笑い掛ける。

 

 以前までの孤独で暗かった彼女とは明らかに違う、どこか安心した様な──世界で一番新しい小さな幸せを見付けたと言わんばかりに、アスカの進むべき光り輝く未来を映し出している様にも見えた。

 

 




次回の話は2章最後のエロ回になる予定。

アスカとキョウコのドイツでの暗い過去が明らかになり、回想シーンでは母娘のあんな姿こんな姿が(ry

次回、シリアス&レイプ注意報発令(ウソです!)


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私の不安を取り除いてください ★(キョウコ)

予定を変更して更新します。

今回のエロは内容的にも、そんなに詳しく描写はしてませんので恐らく物足りないと思います。

えぇ、シリアス回ですので。


 

 アスカの家に初めて訪問した日から早くも数ヶ月が経過したある日の日曜日。

 

 あれからシンジを取り巻く環境は大きく変わった。シンジは幼稚園でのアスカとの“おままごと”やエッチのおかげで、消失していた性欲を少しずつ取り戻した。

 

 以前の様に母親のユイとも自宅で──更にはあれから無意識に避けようとしていたキョウコとも週に何回か会い、ユイを含めた三人でエッチする関係になった。

 

 加えて碇家と惣流家の家族同士の交流も格段に増え、今では幼馴染みになったシンジとアスカが将来結婚する事を母親二人(主にキョウコが)で計画しているとか。

 

 因みに……シンジがアスカの未成熟な身体にほぼ毎日手を出しているという事実はまだ二人にバレていない。とは言ってもユイとキョウコのシンジ達に対する反応を見る限り、どうやら知った上で敢えて知らないふりをしているのかもしれない。

 

 ……まぁ、碇シンジとはそういう男である。母親達の知らないところで手懐けてきたアスカと幼稚園でこっそりエッチしていても何ら不思議ではない。

 

 そして今日はその幼稚園も朝から休みで、ユイも朝から夫と一緒に仕事の手伝いに行って不在の為、シンジは外出する事なく自分の部屋でユイとゲンドウに買ってもらった新品のゲーム機で遊んでいた。

 

 現在は夕方の17時。ゲームの合間にユイから頼まれていた掃除や洗濯を適度にしながら一人で留守番をしていると、そこに誰からか電話が掛かってきた。

 

「はい、碇です──あっ、母さん? もしもしどうしたの?」

 

 電話の相手はユイだった。どうやらユイとゲンドウは仕事が長引いており、今晩は二人揃って帰りが遅くなるらしい。

 

「うん、うん──わかった。仕事頑張ってね」

 

『ぬおぉぉぉぉぉっ! シンジィィィ! ダメだ、やっぱり父さんは家に帰る! 私の可愛いシンジを一人になどさせておけんぞぉ!!』

 

『もう……あなた、いい加減にしてくださいっ! シンジはあなたよりしっかりしてます! 絶対に大丈夫ですって──あっ、こら! どこ行くんですか!? 待ちなさい!』

 

 受話器の向こうでゲンドウは幼いシンジを自宅のマンションに一人残してしまう事を深く悲しんで泣き叫んでいたが、案の定ユイに怒られていた。

 

「……ハハハ、父さんってば“また”なの?」

 

『あっ、シンジ……えぇ、そうなの……本当にもう、いつも私を困らせてばかりで……はぁ』

 

「ふーん……あっ、ねぇ母さん。僕と父さん、どっちになら困らせてほしい?」

 

『えっ……? そ、それは、そのぅ……エッチな意味でってこと……?』

 

 息子からの唐突な質問の意図が理解できず、ユイは不思議と首を傾げてしまう。しかしこの時、受話器越しに彼女の仕事着である白衣に隠された肌白い美脚からは、ぬちゃぁ……っと粘り気のある透明な愛液がむっちりとした艶かしい太腿を伝って華奢な膝下へと密かに零れ始めていた。

 

「あっ、そう思っちゃった? さては母さん、また僕に内緒で仕事場でひとりエッチしてるんでしょ? ほんと、みんなの前でもやらしい人妻だなぁ」

 

『っ……し、してません! それ以上変なこと言うと母さんだって──』

 

「別に変なことじゃないでしょ。あっ……とか言って母さん、本当は僕が傍にいないから寂しいんでしょ?」

 

『ぁ……ぅぅ……は、はぃ……本当は、その……今もすごく寂しいの……早くシンジに会いたくて……だから、あの人やみんなに内緒でこっそりイケない自慰もしちゃって……だからお願い……シンジ、今日も私にエッチなこといっぱい仕込んでほしいの……♡』

 

「そうそう。最初から素直に言いなよ。母さんそうしてたらすごくエロ可愛いんだから」

 

『ご、ごめんなさい……何だか恥ずかしくて……』

 

「まあいいや。それで質問の答えはどっち? 母さんをいつも困らせてばかりいるのはどっちなの?」

 

『っ……そんなの……ふぅ……“どっちも”よ、おばか♡』

 

 仕返しのつもりなのか曖昧に返されてしまったものの、シンジにはそれがどうしても「あなたよ♡」と言われている様な気がした。

 

 とりあえずユイの口から言ってもらいたい答えが聞けて満足したのか、シンジはニヤリと笑って電話越しにパンツの中に仕舞われた股間を大きく膨らませた。

 

『あっ、そう言えば──』

 

 ……その時だ。ユイが何やら思い出した様に受話器の向こうでふと呟いた。どうしたのかと聞いてみると、今日はキョウコも仕事で帰りが遅いとの事。

 

 丁度家で退屈していたシンジはユイとの電話を切った後で母親から頼まれたお願いを実行する事にした。

 

 

 

 

 

 ──その頃、惣流邸では母親の帰りを待つアスカが自室で一人留守番していた。

 

「誰もいないお家……冷たい部屋……ひとりはイヤ……」

 

 床に座り込んで膝を抱えるアスカは、暗く俯いた表情でぽつりと悲しげに呟く。

 

 

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「ママ……シンジ……お腹すいた……」

 

 その様子は普段の彼女とはまるで違い、力強い覇気を感じられない。いつもは青空の様に明るい瞳も闇へと消え失せ、正気の光を失った虚ろな暗い青眼は深く、より深くへと眠そうに瞼を揺らしては沈み込む。

 

 

 

 

 

 ──まだ純真無垢な女の子だった頃の自分。大好きな母親と暮らし、ドイツの街で幸せに生きていた頃の懐かしい記憶。

 

 ──しかし時計の針は元には戻らない。幼いアスカはあの日、残酷な運命に導かれてしまったのだから。

 

 

 

 

 

 それはまだ故郷のドイツに住んでいた頃の話。惣流・アスカ・ラングレーという名前の少女はずっと孤独だった。

 

 生まれた時から父親という存在がいなかったアスカは幼心に他の子供と違って父親がいない事に疑問を抱き、「ママぁ、どうしてウチにはパパがいないのぉ?」と聞いては母親のキョウコを困らせていた。

 

 そんなある日の事、アスカが泣きながら家に帰ってきた。慌てたキョウコが心配して訊くと、アスカは他の子供達に虐められたと告白。

 

 どうして父親がいないんだよと周りから罵倒され、遂には遊び仲間からも外されたと話す愛しの一人娘の姿に、キョウコは我慢できずに愛娘を力いっぱい抱き締め、ぼろぼろと大粒の涙を溢して謝罪した。

 

「ごめんねぇ……ママが、全部ママがいけないのぉ……! アスカちゃんにこんな辛い思いをさせちゃって……うぅ……本当にごめんなさい……ッ!」

 

 

 

 

 

 ……それから何年か経ち、次第にアスカも自分に父親がいない事を気にしなくなった。そしてキョウコはドイツで若き日本の天才博士として一気に名を馳せ、娘のアスカと二人きりで裕福な豪邸暮らしを送る夢の様な毎日に。

 

 すべてが上手くいっていた……いや、“いき過ぎていた”とも言える。そんな順風満帆だった筈の人生はある時を境にゆっくりと崩れ始める。

 

 

 

 

 

 12月4日。それはいつもと変わらないある日の事。近所の公園で独り寂しく遊んでいたアスカが自宅の屋敷へと帰って来た。

 

 その日は丁度アスカの誕生日という事もあり、ちょっとしたサプライズで最近何やら元気の無い様子のキョウコを喜ばせようと、アスカが公園で花を摘んできたのだ。

 

 アスカが手に抱える花の名前はクリスマスローズ。ドイツではその名の通りクリスマスの季節になると白くて可愛らしい花を咲かせ、公園や花屋の至る場所で目撃できる有名な花だ。

 

「えへへ、綺麗な花……ママ、褒めてくれるかな?」

 

 口元に自然と出てしまう可愛らしい笑みを隠し切れず、クリスマスローズの花を持って母娘の寝室に入ろうと足を進めるアスカだったが、部屋の中から見知らぬ男の声が聞こえてきた。

 

「はっ、はっ、はっ……くぅっ! よし……いいぞキョウコ! 今回も膣内に射精すからな!」

 

(……だす? なんの話だろ……?)

 

 恐る恐る部屋のドアの隙間から様子を覗き見るアスカ。キョウコを励ます為にとクリスマスローズを持ったその小さな手は、この時何故か無意識に震えていた。

 

「返事はどうした!? 子供が欲しいと言っていたのはお前だろう? 喜べ、キョウコ! 母娘を捨てて逃げた旦那に代わって、私がお前達二人の面倒を見てやると言っているのだからな!」

 

「ひぎぃっ……! ぁ、あぁ、痛っ、くっ、いやぁ……うぅ、お願いですからぁ……もう、これ以上はどうか、あんっ……ぁ、んぅ……っ!」

 

 服と下着を全て脱がされたキョウコはダブルサイズのベッドの上で見知らぬ全裸の男と絶望に染まったレイプ目で抱き合っている。

 

 それは恋人同士が愛し合う様な普通の性行為ではなく、男が一方的に泣いて嫌がるキョウコを犯して自分だけ気持ちよくなる──それは紛う事無き悲惨なレイプ。

 

(マ、マ……っ)

 

 未知なる陵辱への恐怖に泣き震えるアスカはその一部始終を見逃さなかった。

 

 やがて二人のセックスが終わり、満足した様子の男は膣内に大量の精液を中出しされて苦悶の様子で痙攣しているキョウコに向かって吐き捨てる。

 

 

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「ふん……キョウコ。これで次はお前が上手くいく様に私が取り繕ってやろう。ただし忘れるな? この事は他言無用だ」

 

 散乱した服を着替えながら告げる男の言葉に、静かに泣き続けていたキョウコは絶望に染まるレイプ目で弱々しく頷いてベッドから起き上がる。

 

「ぁ……ありがとうございます、ご主人様……こ、これからも……いやらしいあなた様のキョウコを……お、犯して、くだっ……くださいませ……っ」

 

「フフフ……やはり若い女を犯すのは気分がいいものだ。キョウコ、いつも通り避妊薬はくれてやる。この私がいなければ日本人のお前が名を残せる訳などないんだ。お前のくだらん研究なんぞの為に我々が金を出してやっているだけ有り難く思え」

 

 男からの散々な言われ様にキョウコは悔し涙を流し、ベッドの上でがくっと力尽きてしまう。

 

「うぅぅ……ごめんね、アスカちゃん……ママ、あなたの為に頑張るから……こんなところで負けたりしないから……だから……ダメなママを許して……」

 

(ママ……ママ……ッ!)

 

 幼い子供ながらにすべてを見てしまったアスカは頬からつぅ……と涙を流し、サプライズに持って帰ってきたクリスマスローズの花を部屋の前に落としてしまう。

 

 ──知らなかった衝撃の事実。アスカはショックのあまりその場から泣いて逃げ出すしかできなかった。

 

 その間にも男は全裸で横たわるキョウコを放置して部屋を出ていく。その際、男は部屋の前に落ちていたクリスマスローズに気付くが、無情にもアスカが摘んできたその花を踏み潰して帰っていった。

 

 

 

 

 

 ──そしてその日の夜、二人で誕生日の夕食を食べていたアスカはキョウコのいる前で用意された御馳走も食べずに黙り込んでいた。

 

 いつものアスカらしくないと思ったキョウコは「どうしたの?」と聞いてみるが返事はない。やはりどこかおかしい。

 

 アスカは俯いたまま椅子に座っていたが、次第にその消沈し切った表情は崩れ出す。

 

「あ、アスカちゃん……?」

 

「ねぇ、ママ……今日のお昼に会ってた男の人って誰なの?」

 

 その言葉を聞いてキョウコは驚愕の表情で動揺してしまうが、先程から怖いほどに無表情なアスカは更に呟く。

 

「あたし達がこんな生活できるのも、みんなあの男のおかげなの……?」

 

「アスカちゃん……それは……」

 

「あの男が……あの男がママを虐めてるのね!? そしてママに……酷い事をした」

 

「ち、違うの! あの人は何も悪くないの! ママが悪いの……ママがあの人にそうしてって頼んだのッ!」

 

 アスカの追及に対してキョウコは叫んでしまうが、それを聞いたアスカは小さな声で「嘘つき……」と呟き、またしてもキョウコの口を閉ざしてしまう。

 

「ママ……ずっと泣いてた。それにとっても嫌そうにしてた……だからわかるの。ママは何も悪くない──悪いのは全部あの男ッ!」

 

 そう言うと、椅子に座っていたアスカは興奮して立ち上がり、キョウコが作ったドイツの一般的な家庭料理の皿を次々とひっくり返していく。

 

「これも! これも! そしてこれもッ! みんなアイツのお金ッ! あたしとママは今までアイツのお金で幸せに暮らしてきたってことでしょ!?」

 

 派手な音を立てて破壊される食器や料理の数々……やがてアスカは暴れ疲れたのか、誕生日の為に用意された豪華な料理が散乱したキッチンの床に泣き崩れてしまう。

 

 その惨劇を見たキョウコはアスカに駆け寄って力強く娘の身体を抱き締めると、嗚咽を交えながら何度も何度も「ごめんなさい」と泣き続けるのだった……

 

 

 

 

 

 ──それから数日後、研究仲間の男から定期的にレイプされていた事を正直に告白し、その男は多くの罪に問われて逮捕。

 

 キョウコはドイツの研究所を離れる決意を固め、最悪な誕生日を迎えたばかりのアスカを連れ添い、数年間暮らしていたドイツの豪邸を手放して故郷の日本へと渡った。

 

 そこで傷心中のキョウコは日本にいた頃の研究仲間と再会。ドイツでの事情を聞いた碇ユイがキョウコに仕事の場を与え、同じ一児の母親として誰よりも親身に接した裏事情などもあり、キョウコの傷付いた精神状態も順調に回復していく。

 

 その後、ドイツで生まれてから初めて日本にやって来たアスカはユイの息子が通う第3新東京市の幼稚園に転入。そこでシンジと運命的な出会いを果たすのだった。

 

 

 

 

 




予定では今回が原作開始前の最後のエロ回となるはずでしたが、作者的に全然満足していないので次回あともう1話だけエロ回を追加します。

また、近々本作に関する重要なお知らせをする予定ですので、次回以降の更新をお待ちください。


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内緒のコンプレックス ★(アスカ)

 

 一人で寂しく留守番しているアスカがうとうとと眠り始めたその時、突然アスカの家のインターホンが鳴り響く。

 

「んぅ、だれぇ……? あ……っ!」

 

 寝惚けたアスカがチャイムの音で目覚める。ようやくキョウコが仕事から帰ってきたと思ったアスカは急いで起き上がると、無理矢理に作った様な笑顔で出迎え、玄関の扉を勢いよく開けた。

 

「ママ、お帰りなさい!」

 

「あ、アスカ……えっと、ごめん。僕だけど……」

 

「あれ? シンジ……?」

 

 ところが玄関に立っていたのは母親のキョウコではなく、何故かスーパーの買い物袋を両手にぶら下げたシンジの姿。アスカは目の前に現れた予想外な訪問者に対して困惑してしまう。

 

「え? ちょっと……どうしたの? こんな時間に……」

 

「いや、母さん達が仕事で遅くなるって言ってたから。アスカのとこもそうだって母さんに聞いて急いで来たんだ」

 

 シンジが留守番中の電話でユイに頼まれた内容──それは独りで母親の帰りを待っているであろうアスカの家に行き、ユイとキョウコで迎えに行くまで一緒に居てあげてほしいとのお願いだった。

 

(シンジ……もしかして、あたしの為に……?)

 

「一人で寂しくなかった? ご飯まだでしょ? 作ってあげるよ」

 

「だ、大丈夫よ。別にお腹すいてなんか──」

 

 照れ隠しのつもりなのか、アスカは顔を赤らめつつ視線を逸らす。しかし家族同士での付き合いから、キョウコが普段から仕事で家に帰れない事も、そしてアスカの家で雇われているお手伝いさんも今日が休みだと事前に知っていたシンジにはお見通しだ。

 

「嘘は無しだよ。だってアスカ、一人じゃご飯食べれないでしょ?」

 

「なっ──!? よ、余計なお世話よ!」

 

 ……とは言うものの、アスカは天才的に家事が得意なシンジと違って料理は自分で作れない。

 

 きっとお腹を空かせているだろうと考察したシンジはアスカの家に向かう途中でユイの財布からお金を拝借し、近所のスーパーに行って夕食の買い物をしてから来たのだ。

 

「いいからいいから。それよりアスカは何が食べたい? 好きなの言ってよ」

 

「っ……ハンバーグ……」

 

 恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてぼそっと呟く。シンジは自分以外の他人には見せないアスカのこういうところが堪らなく愛しいと感じるのだ。

 

「ん、そっか。じゃあすぐに作るから待っててよ。そしたら僕と一緒に居られるでしょ?」

 

 言いつつよしよしと頭を愛撫してあげると、アスカの表情が甘える様な蕩けたものに早変わりする。

 

「ぅん……ぁ、待ってシンジ」

 

「うん?」

 

「えっと……来てくれて……ありがと……」

 

 辛うじて聞こえるくらいの声量で小さく呟くと、ドキドキしている恥ずかしい気持ちを隠し切れない様子のアスカは逃げる様にリビングへと駆け出して行った。

 

 

 

 

 

 それから二人は台所を借りてシンジが作った夕食のハンバーグを一緒に食べた。

 

 料理上手なユイ直伝という事もあってか、シンジの作るハンバーグは僅か五歳ながら料理人顔負けの本格仕様だった。

 

 アスカも口では“普通のハンバーグ”となかなかに厳しい評価を下していたものの、アスカ用に用意されたナイフとフォーク──ドイツで生まれ育ったアスカにはまだ日本の箸が使えない──の進むスピードが一向に落ちないところを察するに、本音は相当口に合ったらしい。

 

 シンジが食べ終わった食器を綺麗に洗って片付けている間、リビングのソファに腰掛けたアスカはシンジの後ろ姿をぼんやりと見つめていた。

 

(……シンジなら、深く傷付いたママの心を救ってくれる……独りぼっちなあたしの事もちゃんと見ていてくれる……)

 

 前回、とうとう自分の母親にまで手を出したシンジを叱る為に押し倒す形で無理矢理にシンジの本心を聞き出したアスカ。

 

 その結果、シンジが想像以上の変態である事も理解した。理解した上で……アスカもユイやキョウコ同様にシンジを許したのだ。

 

 ……思えばドイツから引っ越して来た幼稚園でまだ友達もいなかった孤独なアスカに声を掛けて来たのはシンジだけだった。

 

 

 

『──その髪、綺麗だね』

 

 

 

 今でもあの時の出会いははっきりと覚えている。そして二人は少しずつ歩み寄りながら友達になり、一緒の時間を共有する事で特別な関係だと互いに意識してしまう様な秘密も出来た。

 

(それがまぁ……あいつとのエッチだったんだけど……)

 

 今となっては懐かしい出来事だが、幼稚園でいきなりシンジが布団の中に侵入して来た時は本当に吃驚した。アスカもドイツでの経験から、ある程度の性的行為は年齢不相応に理解していたし、母親のキョウコから一足早く一般的な性教育まで受けていた。

 

(あの時のあたしは身動きできなくて、恥ずかしいところいっぱい触られちゃって……それがすっごく気持ちよくって……気付いたらあいつとエッチなキスまでしちゃってて……あたしの大切なファーストキスだったのに……あのばか)

 

 アスカは他の子供達に比べたら内面的に大人びているのかもしれない。しかしそれも無理ない。自分の誕生日という記念すべき日に大好きな母親が目の前で見知らぬ男にレイプされ、更には長い間消息不明だった父親が自分達家族を捨てて逃げた事を偶然にも知らされてしまったのだから……

 

(……あたしは独りになるのが嫌だった。あの時、幼稚園でシンジと一緒にトイレに行った時もそう……本当に怖くて、置いてってほしくなくて……なのにあのバカは悪戯して……あたしを傷付けて泣かせた)

 

 幼い子供の頃から周囲にいる大人の醜い闇の世界を目の当たりにし、真っ直ぐだったはずの心は少しずつ歪んでいく……

 

(あれが初めての喧嘩。ほんとはあたしも許してあげようって思ってたけど、あいつの顔を見たらやっぱり言いたくなくて……はぁ。その時にはもう、あたしの中で自然とあいつの顔が離れなくなってたっけ)

 

 喧嘩して、仲直りして、また喧嘩して……幼い子供の二人はそうやって互いを分かり合おうとしていたのかもしれない。

 

(ほんとはエッチ以外にも、あいつと色々やりたいことあるのに……)

 

 内心ではそう思っていても、不思議とシンジとするエッチは嫌いではなかった。アスカもシンジに調教されていくうちに身体も幾分か敏感体質になり、まだ僅かではあるが可愛らしい胸も少しずつ膨らみ始めている。

 

(あっ、そう言えば……)

 

 自分の胸で思い出した。いつかシンジにある事を聞きたいと思っていたアスカ。そして今日は母親のキョウコも仕事でいない。

 

 ……これはもしかしたらチャンスかもしれない。アスカは「よしっ!」と元気に頷くと、丁度タイミング良く食器の後片付けを終えて来たシンジに声を掛けた。

 

「ねぇシンジ……あたしのおっぱいって、その……どう?」

 

 それはアスカの口から出る話題にしては意外な内容だった。訊ねられたシンジも思わず唖然となりながら、言われた事の意味を必死に考える。

 

 そして……

 

「え、えっと……とっても可愛いと思ってるけど」

 

 シンジには苦々しくそう返すのが精一杯だ。それに下手な事でも言ってどうやら上機嫌らしいアスカに怒られるのはシンジとて御免である。

 

「んもぅ……そういうことじゃなくって!」

 

 しかしどうやらアスカの望む答えではなかったらしい。シンジは冷や汗を掻きながら反射的に「ごめん……」と謝ってしまう。

 

「あたしのおっぱい……ママとユイおばさまのおっきいおっぱいに比べたら、その……すごくちっちゃいでしょ?」

 

 恥ずかしそうに赤面するアスカに言われ、シンジは「ああ、なんだ……そんなことか」と心の中で呟く。

 

「気になるの?」

 

「うん……あたしね? おっぱい小さいからママ以外の人に見せたくないの」

 

 両手で自分の胸を庇う様にしているアスカを見て、シンジはニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。

 

「ふ~ん。じゃあ、そのおっぱい大きくしてあげたらママ以外の人にも見せちゃうんだ?」

 

「ぇ……で、できるの!?」

 

 アスカは驚いた様子でシンジの意味深な言葉に飛び付く。

 

「もちろん。女の子がおっぱいを大きくしたいなら、男の人に揉んでもらうのが一番だよ」

 

 その言葉にアスカは半信半疑の様だが、これはチャンスとばかりにシンジが続けて言う。

 

「僕がアスカのおっぱい揉んであげよっか?毎日続けたらそのうち大きくなると思うよ?」

 

「うぅ~……その話、嘘だったら承知しないわよ?」

 

「大丈夫だって。母親のキョウコさんがあれだけおっぱい大きいんだから。間違いなくアスカも将来は僕好みの巨乳ちゃんになるよ」

 

「きょ、巨乳ちゃんって……や、何だか恥ずかしぃ……えっ、と……じゃ、じゃあ、あたしのお胸が大きくなるまでちゃんと面倒見るって約束できる?」

 

「もちろん! アスカのちっぱいは僕が育ててあげる!」

 

 シンジは笑顔で頷くと、両手をワキワキさせながら早速アスカの胸を触ろうとする。

 

「うぅ~……なんかそれ、すごくいやらしいんだけど」

 

「そ、そんな事ないよ! さっ、服を脱いで──ね?」

 

 慌てて言いつつ、シンジはアスカに服を脱ぐ様に指示する。

 

「えぇ~……むぅ、どうしても脱がなきゃダメ?」

 

「わがまま言わないでよ。アスカもちっちゃい胸を膨らませちゃってさ。二人のママ達みたいにエッチな母乳出せるようになりたいんでしょ?」

 

 挑発的なシンジの言葉に負けん気の強いアスカがピクッと反応する。最初は与えられた指示に躊躇していたアスカも、とうとうシンジの前で自ら私服を脱ぎ捨て上半身裸となる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「うぅ……ど、どう?」

 

 恥ずかしそうに内股をもじもじさせるアスカ。肌寒い部屋の空気に露出された彼女の愛らしい胸は予想通りの見事なつるぺた貧乳だった。

 

 シンジはにっこりと微笑んでから近付くと、耳まで真っ赤にした彼女が何とか見せまいとしているその華奢な片腕を強引に退けさせる。

 

「あっ……ちょ、ちょっと……!」

 

「隠しちゃ駄目だよ? ちゃんと見せてくれないなら、僕もうおうち帰っちゃうよ?」

 

 笑顔のシンジが言う。しかし何故だろう……これから好きなだけ愛しい彼女に淫らな行為ができると思うと口元が弛んでしまう。

 

「で、でも……! うぅ……やっぱり恥ずかしぃ……」

 

「そんな事言って、アスカのここはもう準備できてるみたいだけど?」

 

「んっ……や、ぁん……♡」

 

 言うと同時にシンジがアスカの胸を触り始める。まだ肌寒い室内での脱着により曝されたピンク色の可愛らしい乳首はぴくぴくっと震え尖り、敏感な肉粒を摘まみ上げる様なその卑猥な手付きに、恥じらう表情のアスカは思わず変な声を出して感じてしまう。

 

「気持ちいいでしょ? アスカの為にやってるんだよ?」

 

「そ、そんなの知らなっ……んひゃぁんっ!」

 

 にやりと囁くシンジに赤面したアスカはドキドキしながらも首を左右に振る。執拗に敏感な部位を捏ねられても、アスカはまだ気持ちいいと認めない精神的余裕が残っているようだ。

 

「そっかぁ。じゃあ、もうちょっとだけ触診しておこうか」

 

「んひゃぁ……そ、それ、ひゃん……く、くすぐったいってばぁ!」

 

 リビングに立ったまま向かい合う格好で小さな胸を弄っていると、薄く涙を滲ませたアスカに怒られてしまう。シンジはクスッと微笑んでから人差し指でアスカのぷっくり乳首をつんつんと軽めに突いた。

 

「ぁ、んぅ……ゃ、こらぁ……!」

 

 適度に身体を揺らしつつアスカが擽ったそうに淫猥な甘声を漏らす。彼女の敏感な反応に興奮したシンジはズボンの中に仕舞われた股間を膨張させ、早くも窮屈なテントを張ってしまう。

 

「やっ、んっ、あんっ……!」

 

 擽ったそうに細い腰回りをくねくねと動かすアスカの声色が官能的なものに変化する中、シンジはコリコリとしたピンク色の突起を指先で弾いたり転がしたりして器用に遊ぶ。

 

 そうやって何度か恥じらう彼女の健康的な乳首を堪能した後でゆっくりと指先を離してやると、アスカは堪らず甘い溜息を吐いて脱力した。

 

「はぁ、はぁ……はああぁぁ……♡」

 

 アスカは肩で息をしながら、ぴくぴくと震えるピンク色の突起を見下ろして頬を真っ赤に染める。異性の前で乳首を硬くしてしまった事に羞恥を感じているのだろう。

 

「よし、乳首の感度は良好だね。じゃあ次は乳首回りを指先で念入りになぞるけど……いい?」

 

 シンジの意地悪な問い掛けに対し、一時的なこそばゆい快感から解放されたアスカは息を弾ませながらも小さく頷く。いや寧ろ、早く触ってほしいようにも見受けられる。

 

 シンジは自然といやらしいニヤケ顔を露見させながらも、そのままアスカの乳首辺りを円で描くように人差し指でゆっくりと焦らす感じになぞっていく。

 

「ふ、ぁぁっ……ぁ、んくっ……そ、そこぉ……♡」

 

 それを何周か繰り返した頃にはアスカもすっかり蕩けた顔で唇から涎を垂らしていた。

 

 思わずキスしてその綺麗な涎を吸い上げてやりたい衝動に駆られるシンジ。しかし今はぐっと我慢しておく。

 

「よし、次の豊胸体操に進もうか。この可愛いおっぱいも僕だけのモノに育っちゃうけど、アスカもそれでいいよね?」

 

「ぅ、ぅん……もうなにも、わかんないけどぉ……それ、やってぇ……♡」

 

 一度こうなってしまうと性格のキツいアスカもシンジに甘えるだけの従順な雌猫に成り果てる。あとは飼い主が上手に手懐けてやればいい。

 

 成長途中の身体に依存する快楽をできる限り仕込み、もう二度と心身共に離れられない様に溺愛させる事がシンジ流の調教の醍醐味と言える。

 

 ただ無闇矢鱈に彼女の身体を乱暴に傷付けたり壊したりするのではない。激しさの中にも優しさを忘れずに与え、飴と鞭の要領で快楽を求めて来る彼女を自分という愛の鎖で縛ってやるのだ。

 

「いい娘だね。じゃあここだと落ち着かないし、アスカの部屋に行ってから続きしようか」

 

「……ぅん、おねがい……♡」

 

 シンジがアスカの身体を抱き締めながら言うと、既に蕩けた表情で理性を保てないアスカはこくっと頷いてシンジに寄り掛かるのだった。

 

 

 

 

 

 その後、2階に位置するアスカの部屋に到着した二人は豊胸体操(という名のエッチ)がしやすい様にベッドの上に移動。

 

 女の子座りでもじもじと赤くなるアスカはとても愛くるしい。対面する形となったシンジは膨張した股間を隠そうともしていない為、先程から彼女の何か言いたげな視線がチクチクと突き刺さる。

 

「それじゃあ次はもっと気持ちいいことしてあげるからね?」

 

「……す、好きにすれば? ……この変態、エッチ、スケベ」

 

 最後の方をぼそっと呟くアスカを尻目にシンジがぺたぺたと乳首回りを卑猥に触り出す。女性的な胸というより胸骨に近い感触。だが決して硬いという訳ではなく、幼い女の子特有の柔らかな肌の触感にシンジは心地よい幸せを感じる。

 

「ね、ねぇシンジ……」

 

 そんな時、不意にアスカが不安気な様子で口を開いた。

 

「ん?」

 

「あたしも、やっぱりその……大きくなったらおっぱい出るようになるの……?」

 

 アスカは母乳の事を言っているらしい。シンジはユイやキョウコとの度重なる淫らな行為で知っているが、この世界はどういう訳か女性が妊娠していなくても母乳が出るという素晴らしい──ああいや、何とも都合の良いアダルトな世界である。

 

 しかも不思議な事に女性は黒ずんだ乳首には決してならず、一児の母であるユイとキョウコも未だに三十路手前で処女と同様の綺麗で可愛らしい卑猥なピンク色を保っている。まさに世の中の男性歓喜の世界とも言える。

 

 アスカが危惧しているのはつまり、自分もシンジの手で育乳したら何れは二人の母達の様に妊娠してなくても毎日母乳が湯水の如く噴き出す身体になり、二人と同じくらいの淫乱体質になるんじゃないかという事である。

 

 「あの……君はもう充分淫乱の素質あると思うんだけど」とは、シンジも口が裂けても言えない。

 

「えっと……」

 

「……言わないで。ほんとはもうわかってるから……あたしだってエッチなママの子供だもん。それくらい……」

 

 シンジが返答に困っていると、伏せ目がちなアスカが小さく呟いた。

 

「シンジは、さ……お胸が大きくて、赤ちゃん産まなくてもミルクがいっぱい出ちゃうエッチな女の人が好きなんでしょ? つまり、その……ぺったんこなあたしとエッチするより、巨乳のママやユイおばさまに優しくしてもらう大人のエッチが好きなんでしょ?」

 

「っ……うんっ! もちろん大好きっ!」

 

「……シンジぃ~?」

 

 ここでうっかりアスカの狡猾な誘導尋問に引っ掛かってしまったシンジ。すぐに「しまった」という表情を見せるが時既に遅し。

 

「あっ、いや……! ちがっ、これはその──えへへへ」

 

「ふぅん……? やっぱりママ達とするエッチの方がいいんだぁ……このおおばかぁ! 変態! 変態!」

 

 常にシンジを甘い快楽の虜にしているユイやキョウコが持つ大人の女性の魅力に及ばず、酷く憤慨したアスカが言い逃れできずににやけてしまっているシンジの頬をむぎゅ~と力強く引っ張る。

 

「いてぇ! いてててて! 痛いッ! やめてッ! アスカ痛いって!」

 

「っさい! このマザコン! おっぱい大好き男! あんたなんかやっぱり嫌いよぉ!」

 

 目一杯に涙を滲ませて叫ぶアスカ。先程リビングで衣服を脱いで上半身裸になっているアスカはシンジに背を向けると、今度はわざとらしそうに泣き声を出してシンジの動揺を誘うのだった。

 

 




次回はまだまだアスカとのエッチ回を続けます。

しかしたまにはストーリー無しのエロが書きたいなぁ……

あっ、それと前回の後書きで言っていた本作に関するお知らせの詳細です。

いよいよ待ちに待った原作開始が近付く中、本作のメインタイトルを変更しようと考えてます(当初の構想と内容が変わってきた為)。

今はまだ良い案が出てないのですが、作者が思いつき次第タイトルを現状のものから変更する予定です。


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アスカと一緒に 前編 ★(アスカ)

長らくお待たせしました。最新話です。

ようやく忙しかったリアルの方も一段落したので、今年からはまた本格的に更新していきたいと思います。

そんなわけで中断されていたアスカとのエロ回続きどうぞ。


 

 赤く腫れた頬を痛々しく膨らませたシンジがベッドの上でアスカに土下座してから数分。

 

 あれから何度もアスカの機嫌を取り繕うとあの手この手でひたすらに彼女の魅力を褒め続け、その甲斐あってか背を向けたままのアスカはようやくシンジの方に身体を向け、僅かに赤らめた照れの表情で告げる。

 

「ねぇ……さっき言ってた“気持ちいい”こと……してよ」

 

「えっ……いいの? 僕とその……エッチしちゃうってことだよ?」

 

 未だに赤い頬を擦りながらシンジが恐る恐る訊いてみると、赤面したアスカは何も言わずに片方の腕で隠していた小さな胸をもう一度控えめに見せてきた。

 

「べ、別に……気持ちいいのは嫌いじゃないもん……ぁ、でもい~い!? あんたのエッチが気持ちよくなかったら、今度こそほんとのほんとに“大嫌い”になっちゃうんだからねっ!」

 

 ……どうやらアスカに許して貰えたようだ。その事に安堵したシンジはアスカをギュッと抱き締めたくなるが、下手にそうやって折角乗り気らしい彼女の機嫌をまた損ねるのはまずいと思い、今回は自重する事に。

 

「う、うん。えっと……じゃあ、立ってスカートの中を見せてくれないかな?」

 

「……何よそれ、脱がすの?」

 

 ベッドの上で女の子座りをしたアスカが膝下まである清楚な白いスカートにそっと小さな手を置く。

 

「うん……ダメ?」

 

 ここでアスカを怒らせない様に慎重にお願いしてみると、ジト目な彼女は溜息混じりに「……ほんと、スケベなんだから」と言いながらも両足を左右に少し開いて立ち上がった。

 

「んん……ほら、これでいいの?」

 

 躊躇気味に捲られた清純なスカートの中に隠された絶景。ぽっこりと程好く肉付いた柔らかな下腹部が見え、腰の括れは残念な事にほとんどない。

 

 現状は典型的な幼児体型と言えるが、これで将来アスカがグラビアアイドル顔負けのドスケベボディへと成長する事を思えば全然問題無い。寧ろ、この子供らしい姿のアスカを今のうちに楽しんでおきたいという性的な欲望が芽生えた。

 

 そして流れるようにそのまま下へと視線を落とす。白くて細い太腿の付け根に収まる子供用のピンクショーツは真ん中に小さく子猫のアニメプリントが描かれ、その上に赤いリボンが装飾されていて実に可愛らしい。

 

「あ、あんまり見ないでよ……恥ずかしんだから」

 

 赤面したままふらふら動くアスカを見て、シンジは鼻息荒く興奮してしまう。しかし注目すべきはその薄布に守られた女の子の大切な秘所にある。

 

「じゃあ……次はスカートとパンツを脱いで裸になって」

 

「んん……えっち」

 

 ドキドキした様子で言い返し、アスカはまず先にスカートだけを足首の位置まで引き下ろしてしまう。

 

「……」「……」

 

 刹那の沈黙。“どうしよう”とばかりにアスカはシンジの目を一瞥した後、少し息を整えてからショーツにそっと両手を引っ掛ける。

 

 しゅるっという布が擦れる音が小さく聞こえ、アスカはゆっくりと焦らすように太腿の付け根から膝、脹ら脛を通って最後に身に纏う衣服を脱ぎ終えた。

 

「……このあとは? どうすればいいの?」

 

 恐る恐る訊いてくるアスカ。その仕草一つ一つに見惚れていたシンジは一瞬ドキッとしながらもすぐに落ち着きを取り戻そうと深呼吸する。

 

「そうだな……もうちょっとこっちに寄せてくれない?」

 

「う、うん……」

 

 シンジに指示され、アスカはドキドキしながら股間を突き出した。ぴったりと閉じられた一本の綺麗な縦筋が光るツルツルの割れ目がシンジの眼前へと無抵抗に晒される。

 

「……すごい。これがアスカの……ほんとにパイパンなんだ」

 

 初めて見る幼馴染みの秘部。例の『幼稚園のトイレ事件』では観察する余裕など無かった為、こうして間近でじっくりと見れるのは今回が初めての事だった。

 

 女性の陰毛に関しては無毛派なシンジの命令で、完全に脱毛処理を済ませているユイので見飽きたように思うかもしれない。だがこうして自分と同い年の娘が恥ずかしげに純粋無毛な秘部を晒け出してくれるというのは、ユイやキョウコといった成熟した大人の女性とまた違った楽しみがある。

 

「触ってもいい?」

 

 極上のおかずを目の前にしてこれ以上我慢できそうにない。シンジが温和な口調で訊いてみると、アスカの細い肩が小さく震えた。

 

「えっ……? い、痛くしない?」

 

「しない」

 

 アスカの不安げな表情を見てシンジはすぐに返答する。

 

「ほんとにぃ?」

 

「ぁ、いや……後で“ちょっとだけ痛い思い”するかもしれな──『いやっ! ぜぇったいにいやぁ! 怖いのと痛いのはやなのぉ!』──け、けど! すぐに痛くなくなって絶対気持ちよくなるから!」

 

 言い掛けた途中で嫌がるアスカが暴れ出した為、シンジは慌てて伝える。

 

 とそこで、しばしの沈黙。

 

「うぅ~……もしそれが嘘だったら?」

 

 シンジの必死な言葉で少し悩んだのか、アスカはぷくぅと頬を膨らませつつ言った。

 

「えっ……いや、うーん……」

 

 何とも言えない。そもそも処女喪失にはそれなりの苦痛が伴うもの──それは女性であれば必然とも言えるし、そこに時期や年齢といった要素は関係ない。

 

 例えばアスカが既に何かしらの方法で処女膜を破っているなら平気だろうが、シンジの考えではアスカはまだキスと愛撫以外に経験がない処女だと確信している。

 

 愛しい彼女とこれから本番という行為に及ぶ……しかしそうなると間違いなく痛みは起きる。それがシンジを困らせ、アスカの不安を一層駆り立てるのだ。

 

「……毎日」

 

「え?」

 

 そんな中、聞き取れない程の小さな声量でアスカがぽつり呟いた。

 

「毎日……ハンバーグ、あたしの為に作りに来てくれる?」

 

 それはシンジへの問い掛けというより、アスカの切実な願いだった。これには思わずシンジもドキッとしてしまい、胸の奥がカアッと熱くなっていく。

 

「ぁ……う、うん。それでアスカの大事な場所を触らせてくれるなら」

 

「……ばか♡ ……でも、今日くらいは許したげる」

 

「ア……アスカ……!」

 

 本当にこの娘は男の子が喜ぶような可愛い事を言ってくれる。シンジはもう身体の芯から沸き上がる興奮の熱を抑えられそうもない。

 

「えっと……じゃあアスカ、もう少し足を横に広げてくれる? ……うん、そう。そしたらおしっこするところにぴったり閉じてる割れ目があるから、それを自分でゆっくり広げてみて」

 

 言われるままにアスカは自らの股間に両手を恐る恐る伸ばすと、つるんっとした一本筋の割れ目を指先でくぱぁと広げて見せた。

 

 綺麗なピンクの媚肉はヒクヒクと卑猥に蠢き、透明度の高い愛蜜がとろぉ~と糸引いて少しずつ漏れ出している。

 

「あれ? アスカ、これって……」

 

「えっ? な、何か変なの!?」

 

「あ、いや、別に何でもないんだけど……(おいおい、もう興奮しちゃってるよこの娘……)」

 

 恐らくは体質的な問題だろう。何せこの娘の母親からして“ああ”なのだ。

 

 この世界に転生した時はまだシンジも理解していなかったが、どうもこの世界の女性はエロゲーのような都合の良い設定が適用されているらしい。

 

 経妊婦である三十路前のユイやキョウコが未だに黒ずんでいないピンク色の綺麗な乳首や乳輪を保ち、更には出産から数年以上経過して尚も豊満な母乳が毎日出続けている事は勿論、人妻の二人が夜の営みで互いに性欲不満を強く抱いている事などもシンジが前世でよくプレイしていたエロゲーの定番ネタと言える。

 

 という事は、アスカも処女でありながら敏感体質である可能性が極めて高い。尤も、この世界の女性達の淫乱巨乳化はシンジからすれば大変喜ばしい事に違いないが。

 

「ね、ねぇ……次はどうすればいいの? こんなえっちな格好、すっごく恥ずかしいんだからっ!」

 

「あっ、ごめんごめん。じゃあもうちょっとだけ広げて見せてね」

 

 今一度アスカの観察に戻るシンジ。見るからに窮屈そうな子供の媚肉は成熟したユイやキョウコのものと似ている様で違う印象を与えてくる。

 

 豆粒サイズの可愛らしいピンクのクリトリスは綺麗な包皮に覆われ、膣口は何かが入るような隙間さえ見当たらないように思える。

 

「もぅ……ほんとに変態なんだから……ねぇ、これでいいの?」

 

 小さな穴の隅々まで見えるように広げてくれたアスカのぬるぬるとした秘裂からは、透明な膜がねばねばと閉じたり開いたりを繰り返しながら薄く張られているのが肉眼でも確認できる。

 

(うわぁ……えっろぉ……)

 

 やはりアスカは処女だった。尤もこの年齢で処女じゃないと言われてもシンジ的には対応に困るだけなのでそこは一先ず安心する。

 

 ちなみにシンジの性奴隷ハーレムに加わったユイとキョウコは当然ながら非処女である為、シンジにとってはこれが生まれて初めての処女とのセックスになる。

 

「……触るよ?」

 

「い、いちいち言わなくていいからぁ!」

 

 割れ目の隙間から溢れ落ちる愛液を軽く指に塗らし、シンジはアスカの淫裂へと優しく触る。

 

「ぁ、んっ……」

 

 指先が少し触れた途端にアスカの身体がピクッと反応を示す。しかしどちらかと言えば気持ちいいというより、擽ったいという感じか。

 

 シンジは愛液で濡れた片手をアスカのぷにぷにと柔らかい下腹部に押し当て、中指で器用に淫裂を弄りつつ、貴重な処女膜を間違っても自分の指などで破らないように気を付けて入口付近を念入りに愛撫していく。

 

「んっ、ぁ、ゃん……ふぁぁ……ぅんっ……つぅ……」

 

 次第にアスカの声が甲高く、それでいて甘いものへと変わり始める。どうやら敏感体質なアスカは愛撫だけで興奮しているらしい。

 

「ね? 気持ちいいでしょ?」

 

 にやりと口元を緩めたシンジがここぞとばかりに囁く。ただそれだけの事で彼女の秘所はぷしゅ、ぷしゅといやらしい水音を何度も立てては僅かに潮を噴かせている。

 

「んんっ……き、気持ちよくなんか……な、い……くぅっ!」

 

 耳まで真っ赤にしながら必死に首を横に振っては感じてなどいないと否定するアスカ。その強がる姿がまた可愛らしい。

 

「ほんとに? 僕の知ってる女の人はこれやると素直に悦ぶんだけどなぁ」

 

 平然と言いつつ、愛液が止まらない熱気に満ちた蜜壺を指先で何度も掘り進めながら振動させる。

 

「し、知らない知らない知らなぁいぃぃ! ……そ、そんなのあたしに教えないでよぉぉ!」

 

 先程から執拗に股間の辺りを責められてばかりいるアスカはだいぶ余裕もなさそうに見える。

 

 潮時か……シンジは咄嗟に指先の力を緩めると、愛液でぐしょ濡れになった片手を彼女の眼前へと運ぶ。

 

「ほら、これでもまだ気持ちよくないなんて言う?」

 

「はぁ、はぁ、はぁぁ……ぁ、ぅぅ……」

 

 息も上がったアスカは否定しようにも上手い言い訳が見付からないのか、半開きになった恍惚の眼差しで粘液に糸引くシンジの手を見つめていた。

 

「はぁはぁ……な、何なのそれぇ……ぉ、おしっこ?」

 

 興奮を隠せないアスカが若干怯えた表情で訊いてきた。どうやらアスカは愛液というものを知らないらしく、シンジの手を濡らしたそれは自分の尿液だと思い込んでいる様子。

 

 とくれば性知識に乏しいアスカに親切に教えてあげるのもシンジの役目か……

 

「アスカ、おしっこじゃないよ。これは愛液と言って、女の人がエッチで気持ちよくなると無意識に溢れ出てくるものなんだ」

 

「愛液……じゃ、じゃあ……あたしは、その……あんたのエッチで気持ちよくなってるってこと?」

 

 どこか不安気に青い瞳を揺らして訊いてくるアスカ。シンジはすぐには答えず、意地悪な問い掛けでアスカを更に困らせてみる事に。

 

「アスカはどう思った?」

 

「っ……! あ、あたしは別に気持ちよくなってなんか──『これじゃ誤魔化せないでしょ?』──うぅぅ、卑怯者ぉ……」

 

 やはりプライドが邪魔するのか、自分自身で分かり切っていても意地でも言いたくないらしい。ならばとシンジはもう一度アスカの眼前で中指と人差し指を左右に開いて見せる。

 

 くちゃぁ……という淫音が微かに、しかしはっきりと二人の耳に聞こえ、それでアスカの頬は恥じらうように深々と赤い色に染まった。

 

「……き、気持ち……った」

 

「うん? もう一回言って?」

 

「~~っ! だ、だから……ああもうっ! ええそうよ悪い!? バカシンジの指が気持ちよかったって言ってんのっ!」

 

 ……ついに自ら愛撫で感じていると認めたアスカ。口々の端にシンジに対する怒りと悔しさ、恥ずかしさ、そして僅かながらの嬉しい気持ちとが入り雑じってしまい、アスカは両手で真っ赤になった顔を覆い隠してふるふると可愛らしく震え出す。

 

「はい、よく言えました」

 

 ニンマリと満足顔のシンジがアスカの背中をよしよしと抱いて擦ってあげると、涙目になった彼女はなんと強引に自らの唇をシンジの唇へと押し当ててきた。

 

「んむっ!? ん……んふぅ……んちゅ、んんっ……」

 

 これにはシンジも吃驚してしまうものの、普段なかなか素直になれない彼女の方からこうしてキスしてくれるという行為は決して悪いものではない。

 

 更には丁度シンジがアスカの背中に腕を回していたせいか、突然のキスをし始めた彼女の方もこれでもかとばかりにシンジの首の後ろに両手を回してくる。

 

「はむっ……ん、んちゅっ……ぁん、シンジぃ……はぁはぁ……」

 

「……ぁ、アスカ……」

 

 対面座位の体勢で何度も濃厚な口付けを交わすシンジとアスカ。勿論二人ともこれが初めてのキスではないが、やはり普段から幼稚園で恋人ごっこと称して周囲に隠れて熱烈なキスをしている事もあり、アスカも何だかんだで完全にシンジとのキスを受け入れていた。

 

 



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アスカと一緒に 後編 ★(アスカ)

大変お待たせしました。本日より更新再開となります。

これで一応幼少時代編のエピソードは終了です。


 

 ベッドの上で抱き合う腕に自然と力が入り、密着する二人の柔らかい身体の感触と体温が伝わってくる。

 

「はぁ、はぁ……あ、アスカ、今のは……?」

 

「……ふん……いいでしょ別に。ちゃんと“言ってあげた”あたしにご褒美があったって」

 

 そう言って小さな舌先をぺろっと出して見せるアスカの顔は何とも小悪魔チックだ。しかしなるほど……“言わされた”ではなく、“言ってあげた”ときたか。

 

 シンジはそんなアスカの可愛らしくも生意気な態度に敵わないなぁ……と内心呟き、今度はシンジの方から唇を重ね合わせる。対するアスカはもはや抵抗する気配すらない。

 

 くちゅ、くちゅ、ぴちゃっ……

 

 静まり返ったアスカの部屋にしばらく熱い息遣いと淫らな水音だけが響き、異常なほど興奮した二人は長めのキスを終えて一旦離れる。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……ん、ねぇシンジぃ……もう気持ちいいキスは終わりなのぉ?」

 

 子供でありながらもどこか妖艶な仕草でアスカが呼吸を整えている間に、シンジは半ズボンの上からでもはっきりと勃起しているのが分かるくらいテント張りになった自分の股間を見下ろし、窮屈そうに脈動しているズボンのベルトを緩めて下着ごとずり下ろしてしまう。

 

 そして待ってましたとばかりに元気よく股間から飛び出したのは、空に聳える赤黒い斜塔を思わせる巨大な肉柱だった。

 

「えぇっ!? な、何それ……やだ、おっきぃ……」

 

 赤らめたアスカの視線はシンジの一皮剥けた大人サイズの肉棒に釘付けだった。

 

「ああ……そう言えばまだ実際に見たことはなかったっけ」

 

 言われて思い出す限り、アスカとのエッチはいつも胸を愛撫したり、先程のように抱き合ってキスするくらいの比較的軽い行為がメインだった。

 

 と言うのも……人気者の男女二人で一緒にいると幼稚園ではどうしても人目に付きやすい事に加え、アスカが自分の恥態を他の園児や先生に見られてしまうからと嫌がった為である。

 

 最初の頃はシンジも執拗に性的なアタックを仕掛けていたものの、普段のアスカはシンジの言う事を聞くのは絶対に嫌だと言って譲らず。

 

 それから口喧嘩にも近い二人の話し合いが行われ、最後は女の子の泣き面を可愛く見せたアスカの巧妙な嘘泣き作戦に降参。結果としてシンジは幼稚園で毎日アスカとの“おままごと”に付き合わされる事で決着──という裏話があったのだ。

 

 それから数週間が経過した現在、何とかキスと愛撫までは周囲にバレないように時々こっそりするという条件で彼女に許可を得たシンジ。

 

 だがこのまま“わがままアスカ姫”の哀れな奴隷王子(夫)という役柄を演じ続ける訳にもいかないだろう。

 

(……頃合いか)

 

 丁度いい。この機会に停滞していたアスカの調教を進めてしまおう。

 

(……母さんは身も心も僕に依存しちゃってもう立派な性奴隷乳母嫁として完全に堕ちた。キョウコさんはまだ手懐けるのに時間が掛かるけど嫌われてはいないから現状維持……となると問題はやっぱりアスカか)

 

 シンジが幼稚園で遊び盛りなアスカの我が儘に付き合っていたその裏──既にシンジのハーレムを容認している人妻のユイとキョウコは、多忙な日常生活の裏で着々とシンジ依存化が進んでいる真っ最中。

 

 その中でもシンジが赤ん坊の頃から一番長く淫らな肉体関係を保ち続けてきた母親兼性奴隷のユイ──

 

 彼女に至っては先週ついに息子であるシンジを命令してもいないのに初めて“ご主人様”と恥ずかしそうに親しみを込めて呼び始め、シンジが母の日のプレゼントとして贈ったリード付きの首輪で繋げた“全裸コート”ならぬ“全裸白衣”での野外露出散歩を戸惑いながらも照れた表情で承諾してくれたばかり。

 

 今では母子二人で真夜中に近所の公園までデートと洒落込み出掛けるのが日課になりつつある。

 

 一方でアスカの母親キョウコはドイツで数年に渡って男に凌辱されたトラウマが完全に癒えていない様子。ママ友のユイ容認でシンジが目指すハーレムの性奴隷仲間に加えて貰ったはいいが、酒に酔っていない普段の彼女は最初の時のような激しい性行為は意外と控えめで、出会う度に“乱れたがり”なユイとは真逆の甘くて優しいエッチばかりを辛い泣き声混じりで執拗に求めてくる。

 

 傷心中のキョウコもユイと同じで他者から贈られる愛情や幸せに飢えているのだろう……それは普段の彼女の言動や態度から見ても分かること。

 

 実はシンジがユイだけでなくキョウコとも肉体関係を始めた頃、ユイとキョウコの母親食べ比べをやろうと自宅の寝室で3Pした事もあった。

 

 その時はキョウコの秘部にシンジが挿入という寸前で酷く青ざめた表情のキョウコが嗚咽混じりに嘔吐してしまい已む無くセックスは中断。

 

 どうやら過去に他の男から深刻なレイプのトラウマを植え付けられた痛々しい身体の方は、まだシンジを新しい恋人として完全に受け入れた訳ではなかったようだ。

 

 その後、ドイツでのトラウマがフラッシュバックしてしまったキョウコに同情したユイから、『キョウコさんへのセックスは彼女本人が許可できるようになるまで一切禁止します』との厳命が下り現在に至る。 

 

(……まぁ、普段あんなに優しくていっぱい甘えさせてくれるキョウコさんがいきなり身体を震わせて嫌々って泣き出したら、さすがになぁ……)

 

 ──そう言った暗い事情もあって、シンジのハーレム計画はそれほど思い通りに進行していなかったりする。

 

 閑話休題。

 

 

 

 

 

(……いけるか? アスカもようやく自分の胸を気にし始めてきたみたいだし)

 

 隠すことなく溜まりに溜まった巾着袋をぶらぶらと風に揺らし、自らのギンギンに反り返った堅苦しい熱帯びた肉棒をドキドキしているアスカの眼前に近付ける。

 

「ぁ……ぅ……」

 

 まだ幼い子供ながらに一般的な男性器のサイズと然程変わらない、赤黒く太った肉茎に青々とした血管を何本も複雑に浮かび上がらせ、ドクッドクッと荒々しく脈打つ肉の大樹。

 

 噎せ返るような生々しい悪臭がアスカの鼻をツーンと刺激し、それが彼女の奥底に隠された淫らな牝を興奮開花させる。

 

「ほら、見惚れてないでキスするんだ。できるかな?」

 

「……こ、こう……?」

 

 だらしなく透明な先走り汁まで垂らし始めているペニスの充血して真っ赤に染まった亀頭に唾液で塗れた自らの柔らかい唇をぷちゅっと押し当て、アスカは優しい口付けを施す。

 

 するとシンジのペニスは暴れ馬のように激しく跳ね回り、全身に流れ出す血液が沸騰した熱きマグマの如くドクッドクッと脈動を始める。

 

「わぁ……キスしてあげただけなのに……おちんちん、こんなに熱くなってる……それに先っぽから何か透明なの出てきた……おしっこ?」

 

「驚いた? それはカウパーって言うんだ。アスカにわかるように言うなら男が出す愛液みたいなもので、アスカが可愛いことしてくれるといっぱい出てくるからもう少し頑張ろうか」

 

 クククと愉しげに言いつつ、シンジはアスカの赤く染まる頬にそっと手を当てて押し撫でる。それが心地好いのか、不安に揺れていたアスカの青い瞳が次第にとろんとしてきた。

 

「可愛いよアスカ。それじゃあ次はここを握ってくれる?」

 

「ここ……ってえぇっ!? おちんちんを触るの!? あたしが!?」

 

 信じられないといった驚愕に染まる顔でアスカは眼前に迫る巨大な肉根を睨み付ける。

 

「言ったはずだよ。僕がアスカのおっぱいを育てるって。つまりそれは自分の恥ずかしいところを見て触って気持ちよくしてもらうって事になる訳だ」

 

「……? う、うん……」

 

 ちょっと何を言っているのかわからないという様子のアスカだが、それを無視してシンジは尚も真面目に語る。

 

「僕も同じだとは思わないか? アスカの胸を触るのは僕に置き換えたらおちんちんを握るのと同じ事……つまり、おちんちんは僕のおっぱいと言っていい」

 

「えっ? ……えぇっ!? そうなの!?」

 

「うん。っていや、そんな訳ないでしょ……ん~、まぁ要するにお互いの恥ずかしいところを触り合えば、僕も満足だしアスカもいっぱい気持ちよくなれるって事かな」

 

 つまり……シンジに言わせれば好きな女の子の前でペニスを見せるという行為は、自分の一番恥ずかしい陰部を相手に見られてしまうのと同義なのである。

 

「……わ、わかったわよ……これを握ればいいんでしょ? っんとにスケベなんだから」

 

 そう言うとアスカは溜息混じりにゆっくりと小さな手先を伸ばしてシンジの竿に触れた。

 

「あっ……すっごくかたい……それにこんなに真っ赤に腫れて……これが男の子の……シンジのおちんちん……」

 

 初めての感触に思わず声を漏らすアスカ。今までこの大きな一物が自分の知らないところで欲求不満なママ達を手籠めに散々エッチな悪さをしてきたと考えると、急に彼女の中でムカムカとした嫉妬の感情が揺れ始めた。

 

「ちゃんと教えてあげるから。まずはゆっくり擦ってみて」

 

「擦る……うん、やってみる」

 

 言われるままにアスカは細い指を肉棒に絡め、上下に動かして勃起した肉竿を扱き始めるが、その辿々しい仕草はぎこちない。

 

「そしたら次は舌で亀頭──そう。赤くなって膨らんでる先っぽをいやらしい感じに音を立てて舐めたりキスしたりするんだ。わからないならアイスキャンディーを舐めるみたいにやるといいから」

 

「うん……おちんちんの先っぽ、アイスキャンディーみたいに……はぁむ、んっ、ちゅ、れろっ、んちゅ……れろっ、れろ……ちゅ、んんぅ……こ、こう?」

 

 充血した亀頭にアスカの生温かい唾液が垂れる。立派に皮剥けた肉竿の根元や裏筋、竿よりも大きくエラの張ったカリ首にれろれろと子猫のように舌を絡ませつつ、彼女なりにシンジの感じる場所を探っている様にも見える。

 

「うっ……ぁ、あぁ。だんだん気持ち良くなってきたよ。それにあのアスカが僕のモノを一生懸命しゃぶっていると思うと……ぅ、くぅっ!」

 

 まさか同い年の可愛い女の子に口で扱いて貰う行為がこんなにも気分を高揚させるものだとは……刺激はそこまでではないものの、徐々に増していく不器用な快感に腰を取られ、反り返った淫液塗れの肉棒は彼女の眼前で元気に跳ね跳ぶ。

 

「きゃっ!? わわ、シ、シンジ!? だいじょうぶ? なんかおちんちん、びくびくってなっちゃってるけど……ねぇ、もしかしてあたしのちゅ~が痛かった?」

 

「くっ……はぁ、はぁ……あぁいや、大丈夫だから……はぁ、はぁ、はぁ……アスカのフェラしてる顔を見てちょっと想像したらその、思いの外興奮しちゃって……はは」

 

 見るとシンジのぺニスが脈動しており、ツルツルに磨かれて充血した亀頭、その先端に位置する平均より広めな鈴口から先程よりも多量のカウパーが滲み出している。

 

「そ、そうなの? よかった……じゃあ、あたしがシンジのおちんちんに何か痛いことしちゃったとかじゃないってことね?」

 

 言いながら、アスカは若干心配した表情でシンジの肉棒を片手で掴んではそっと甘やかすように優しく撫で扱き、頃合いを見て再び蕩けた口淫の喉奥へと咥え込む。

 

「んじゅ……ん、んっ、んじゅ、んむっ、んちゅ……」

 

(はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……くそ。今のは完全に油断してた……危うく口の中でどうにかなるところだった。やばい、これやばいって……母さんのご奉仕フェラとはまた違う辿々しい感じが癖になりそう……)

 

 数年に渡る調教でじっくりと仕込まれたユイの舌使いとは全く違うその新鮮な感覚に、シンジは思わず達してしまいそうになっていた。相変わらず刺激的、肉棒に奉仕するというより、その形や感触、味や匂いなどといった男の情報を得ようとしているかのようなアスカの拙い舌使い……これで興奮しない訳がない。

 

「ん、んちゅ……んんっ、んむ……ほう、ひんひ? ひもひいい?」

 

「うっ、くっ、口に咥えたまま喋られるとき、気持ち……くぅ、ぁ、アスカぁ……!」

 

 いよいよシンジの限界も近くなる。ぷにぷにの柔い桃唇の感触、ぬるぬるとした唾液とカウパーは熱帯びた頬の中で絡み溶け、痛々しく膨張する亀頭が舌に引っ掛かる度にシンジの脳内でパチパチと白い火花が飛び散る。

 

「んぶ、んぶっ……ぇ、やめひゃう? へっかく、こんな……ん、ちゅる、るちゅ、んれろっ……おひんひん、ひもひよしゃひょうなのに……んんっ、んちゅ、ちゅむ……ぁんむっ……ほんほにやめひゃっていいのぉ?」

 

「ぁ……ぐっ……ダメ、だ……アスカ、アスカ……うぅ……アスカぁ!」

 

 もう……これ以上は我慢できそうにない。熱くなった身体の奥底から汲み上げる尿意を感じ、シンジはアスカの頭を強引に掴むと、自ら腰を前後に振りながら彼女の口内を犯していく。

 

「んんっ!? んぐっ、じゅぶっ、んじゅっ! んっ、んぐ、ん、んぶっ!」

 

「くっ、ぁ、アスカ……んぁぁっ! や、やめないでアスカ! 大丈夫だから! はぁ、はぁ……っ、続けてよ、さぁ……! もっと、もっと強く激しくしゃぶって! ぁ、ぅんっ、ふぁ、ぁ、ぁ、おっ、くっ……イク、イクイクイク……ぁ、ぁ、くぅぁっ!」

 

 不覚にも女の子のような可愛い喘ぎ声を漏らしてしまう。既にシンジが手籠めにした二人の牝妻奴隷に比べたらまだまだ未熟な奉仕だが、彼の男を喜ばせる事はアスカでも案外簡単だったようだ。

 

 びゅゅううぅっ!ぶびゅううぅぅっ! びゅびゅびゅうぅぅぅっっっ!!

 

「んぶぅ~~っ!? ん~~っ!? んっ、ん、んぐ、んぐ、んぐっ! んくっ……ごくっ、ごくっ、ごくんっ……んむっ……ごきゅっ……んくっ……」

 

 何度か噎せそうに苦しみつつ、アスカは口内に容赦なく出された黄金色の尿液を二度、三度と喉を鳴らしては何とか飲み干そうと頑張る。しかし小さな口では熱量の全てを受け止める事が困難だったのだろう。根本近くまで肉竿を咥えた唇の両端からブビュッ、ブビュッと羞恥を誘う下品な淫音が漏れ聞こえ、多少ながらもシンジのおしっこを溢してしまっていた。

 

「はぁ、はぁ……き、気持ち良すぎ……ダメだこれ、すごい頭がくらくらする……」

 

 ベッドの上で爆発した口内放尿の禁忌と悦びに打ち震える腰を止められないまま、シンジはビクンっビクンっと痙攣する肉棒を引き抜く。ちゅぽんっと淫猥な音を立て、アスカの口内から温かい熱気が切ない息遣いと共に伝わってくる。

 

「ぷはぁ……はぁ、はぁ……シンジのおしっこ……す、すごかったぁ……♡ ん、はぁ、はぁぁ……♡」

 

「はぁ、はぁ……アスカ、頑張ったね。じゃあ、次は“あーん”ってしてみて」

 

 好きな女の子への放尿に対する興奮と満足感が冷めないうちにシンジが蕩け顔のアスカに次なる指示を促す。

 

「んぁ……♡」

 

「よし。綺麗に“ごっくん”できたみたいだね」

 

 一度こうなるとアスカは素直で従順になってしまう。その意外なギャップをこれまでのエッチでよく理解したシンジ。なるべく彼女を不満にさせないよう注意を払いながら、最早待ち切れない様子のアスカに囁いた。

 

「じゃあそろそろ準備もできたみたいだし、アスカの初めてを貰おうかな」

 

「ん……ね、ねぇシンジ……あたし、初めてだけど、その……頑張るから。痛くてもちゃんと我慢するから……だから、お願い。あたしをママ達みたいに気持ちよくして……?」

 

 ベッドに寝転がったアスカが不意にそんな事を言い出す。これにはシンジも思考が遮られてしまう。

 

「アスカ……」

 

「ママとの約束だもん。それにあたしはシンジになら……ううん。シンジじゃなきゃイヤ……ねぇシンジ。これってわがままになっちゃう?」

 

「アスカ……ッ、アスカ! そんなの全然わがままじゃないよ! 僕はお姫様でかわいいアスカが大好きだ! アスカはもう絶対誰にも渡さない、これからは僕だけのお姫様にするから!」

 

 どうやら今の告白で心を射抜かれてしまったらしい。興奮で顔を真っ赤にしたシンジは身体の芯から溢れんばかりの好き好きオーラを大放出し、自分のアスカを想う気持ちを全てぶつけようと、自らの体重で彼女の裸身を軋むベッドに沈めた。

 

「はぁ、はぁ……こんなの、もう我慢なんてしたくない……っ! アスカ! アスカの大切な初めてをもらうよ!?」

 

 シンジはぷるぷると怯える可愛らしいピンクの割れ目にそっと肉棒を押し当てる。それに対しアスカは何も言葉を発しずにただ小さくこくんと頷いた。

 

 不安そうな表情で自分の股間を見つめるアスカの上に体重を乗せ、少しずつ熱帯びた己が剛直を押し進めていく。

 

 とろとろの愛液でちょうどいい具合に解れたピンクの膣口はシンジのすべてを受け入れようと急激に締め付けてくる。

 

 まるで甘い蜜が染み込んだ肉の花弁を掻き分けるように、目の前を遮る膣壁を少しずつ広げていく。

 

 

 

 ……ぶちっ……ぶちぶちっ……!

 

 

 

 アスカの子宮をこれまで守り続けた神聖な処女膜が痛々しい音と共にゆっくりと千切れ破れていく。

 

「ひぐぃ、っ……! ぁ、うっ……!」

 

 ──痛いだろう、苦しいだろう。それはこの世に生まれたすべての女性が一生に一度だけ与えられる生命の神秘である。

 

 シンジはこの世界に転生して初めて女の子の処女を頂いた。今まで人妻のユイやキョウコとしか経験していなかったとろとろふわふわの包容力あるセックスとはまた違う、新鮮な感じが心地好く非常に胸が昂る。

 

「うわ、きっつ……アスカ、大丈夫?」

 

「ぁ、っ……う、うん……大丈夫だから……はぁ、はぁ……」

 

 言葉とは裏腹に、目に涙を浮かべたアスカはベッドのシーツをぎゅっと掴み、最初で最後の処女喪失を何とか堪えようと踏ん張る。経験した事の無い苦しさにアスカの吐息は乱れ、シーツを掴む手は小さく震えていた。

 

「アスカ……」

 

 できるだけ痛まないよう、シンジも気遣いながらゆっくりと亀頭を膣内の奥へ奥へと段階的に入口まで引き戻してはまた更に押し広げていく。

 

 そうする事で生温い鮮血に染まった膣壁に残っていた処女膜は完全に破れて無くなり、アスカは無事に処女喪失の経験を乗り越えた。

 

「はぁ……はぁ……シンジ……どう? ちゃんと全部おちんちん入ったぁ……?」

 

 腰を沈め覆い被さるシンジの下で息を乱しながらも、アスカは若干の笑みを浮かべて相手を涙目で見つめる。その苦し気な表情からして明らかに無理している事がシンジにも分かるが、アスカはもう平気と言わんばかりにシンジの背中に自らの小さな腕を回し込んで密着してくる。まだ破瓜の痛みが完全に引いた訳ではないだろうに……

 

「あ、くっ、うぅ……あぁ……だけどアスカ……やっぱり、その、まだ痛むんじゃ……?」

 

 大好きな幼馴染みの処女をついにもらったという達成感から、シンジはしばらく興奮と感動に打ち震えていた。今はとにかくあらゆる活動を放棄してでもこの最高の余韻に長く浸っていたい……そうでもしなければ今すぐにでも愛しい彼女の中で下半身の熱いパトスがどうにも爆発してしまいそうで……シンジはこれ以上自らの腰を深く動かせずにいた。

 

 口ではアスカを気遣うつもりが、実際は余裕なんて全くなかった。処女膜に包まれた未成熟の女性器がまさかこれほどまでに素晴らしく満ち溢れたものだとは思いもよらなかったのだから。

 

 自分の母親で童貞を卒業しているシンジですら、アスカの処女膜を前にしてはすぐには動けなくなりそうだった。

 

 それだけ彼女の膣内がギチギチにきつく、外部から侵入した熱くて大きい異物を散々締め上げて降参させようと一斉に動き始めてきたのだ。

 

 事前にユイやキョウコとのトラウマ逆レイプを経験してなければ、いかにエッチ慣れしているシンジといえども我慢できずに即放尿していたに違いない。

 

「な、何言ってんのよ! こんな痛み、ぜ、全然へっちゃらなんだから……!」

 

 そんなシンジの心の葛藤を知らずにいるのか、可愛らしく強がりを言うアスカは強引にシンジの唇を奪うと、そのまま抱き合った格好で自ら舌を絡ませてきた。

 

「あ、アスカ!? んむっ!? ……んっ、んん……」

 

「んんぅ……んちゅ、んむっ……」

 

 キスをする事で破瓜の痛みを紛らせようとしているのか、アスカは積極的に絡んでくる。ぬるぬるとした熱い舌を這わせ、唾液に濡れる唇を吸わせ、両手はしっかりとシンジの手を握り続けていた。

 

「んちゅ……んちゅ……んふ、んん……んむっ、んちゅっ、ちゅっ……」

 

 どれくらいキスを交わしていただろう。甘くて濃厚な唇の感触が次第に頭を痺れさせ、いつしかアスカも痛いと言わなくなった。もう続けても大丈夫だろう。

 

「アスカ……い、いくよ?」

 

 返事は聞かずとも分かる。キスを終えたアスカは若干顔を引きつらせながらも、シンジのぺニスが根本まで埋まっていくのをドキドキした気持ちで見ていた。

 

 シンジはそんな彼女の腰に優しく手を当てると、ゆっくりと抽送を再開する。

 

「はぁ、はぁ……アスカ、アスカ……っ!」

 

「あんっ、ぁん……な、なんだか気持ち良くなってきたかも……あっ、んんっ……」

 

 つい先程処女を喪失したばかりだと言うのに、アスカは既に快感を覚え始めようとしている。やはり母親と同じく生まれながらに淫乱の素質があるのだろう。何度も何度も熱く燃える肉棒を窮屈な膣内に突き刺す度に漏れ出す嬌声は処女とは思えないほど淫らに喘いでいた。

 

「気持ち良いんだ……やっぱりアスカも変態だね」

 

 ギシギシと軋むベッドでシンジは顔を赤くさせながらニヤリと笑みを浮かべた。正直言うと放尿したくて堪らない。ちょっとした興奮状態にあるシンジは何度もいやらしい音を立ててアスカの膣内を乱暴に掻き回す。

 

「あんっ、やんっ! ち、違っ……やぁん、また勝手にぃ……!」

 

「し、しょうがないって! アスカの中がきつくて腰止まらなっ……ぅ、くぁぅっ!」

 

 そろそろ限界も近い。シンジは急激に高まる射精感にも似た高揚を感じながら、まだまだアスカを気持ち良くさせたいと必死に腰を振り続けていた。すると……

 

「もぅ……でも……いい、よ? シンジのおちんちん……あったかくて気持ちいいから……もうあたし、ひとりじゃないって、安心するの……んっ! ぁん……あ、あっ、これぇ、これしゅきぃ……♡」

 

 ふんわりと表情を和らいだアスカはシンジの身体にしがみつくように身体を丸め、下腹部に感じる巨大な熱源を子宮の一番奥まで呑み込んでいく。

 

「アスカ……! 僕、もう! あぁ、もう出ちゃう! 出すよッ!?」

 

「んぁぁぁんっ! シンジのぉ、シンジのおちんちんがぁ、あっ、んっ、大きくなって……!?」

 

 いよいよ絶頂の時。今まで以上の乱暴さで腰の前後運動を加速させたシンジは、アスカの悲鳴にも似た喘ぎ声を気にもせずに腰を激しく打ち付ける。

 

「あっ、はっ、あぁぁんっ! シンジ、シンジぃ! なにかくる! きちゃうよぉ!」

 

「イって! 一緒にイクんだ、アスカ!」

 

「あっ、やっ、まって! あぁ、あっ、ぁんっ、はぁ、はぁっ……んぁっ、いっ、いく、いっちゃ……ぁ、あっ、んあぁああぁぁっ!」

 

 ビュッ! ビュルルルルッ! ビュュュウウウウッ!

 

 子宮の奥へと勢いよく注ぎ込まれていく黄金色の液体。その全てを出し切ったシンジがとてつもない疲労感と解放感、満足感からぺニスを一気に引き抜く。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……っ!」

 

 ぐちょぐちょに絡み付いたアスカの愛液や破瓜の血が大量の黄金水と混じり合って外部へと溢れ出す。それはやがて小さな水溜まりとなってベッドのシーツを汚すと、シンジとアスカは共に寝転んで初めての性交に暫し酔いしれる。

 

 そして……

 

「ねぇ、シンジ……この部屋」

 

「ん?」

 

「この部屋ね、何だか……今はとっても“あったかい”って感じてるの……前みたいに寒くて暗くて、ひとりぼっちじゃなくって、それが今はすごく嬉しくって、あたし、あたしぃ……うっ、うぅ……うわぁぁぁ~~ん!!」

 

「アスカ……大丈夫だよ。これからは僕がちゃんといるから」

 

 

 

 

 

 ──優しい人の温もりに触れて、誰よりも冷たく暗い孤独を抱えていた寂しがり屋な少女はまた一つ大人への階段を登っていく。

 

 遠いドイツで生まれ育った母と娘。男を巡る様々な悲劇を乗り越え、日本の地でやっと掴んだこの小さな幸せをもう離さない。離してやるものかと。

 

 ようやく捕まえた恋の王子様の胸に顔を埋めて泣き乱すアスカは密かに決意する。

 

 ──その後、母親のユイとキョウコが遅い仕事を終えて帰ってくるまでの間、初めて結ばれたシンジとアスカは温もりに包まれた部屋で二人だけの内緒のラブエッチを楽しむのだった。

 

 




次回から原作突入となりますが、本来の『碇シンジ育成計画』には出てこない設定やキャラを多数含みます。

これは育成計画におけるシンジ達の意味あるか正直わからない訓練シーンや実は隠されてるらしいエヴァの扱いに長い間困っていた際に閃いた発想……

よし、『学園堕天録』の世界観と設定を織り交ぜて両方の良いとこ取りしよう(笑)という事でこの度更新再開へと一気に進む流れとなりました。

ということで日常メインの平和な世界なのに、何故かエヴァ(神器)も使徒(ほぼ擬人化)も出てくるカオスワールドと化しました。

やったねシンジくん、ハーレム増えるよ!


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第3章 原作突入編
舞い降りる翼


今回から碇シンジ育成計画の原作突入となります。

ストーリーは原作沿いと言ってもだいぶオリジナル要素入ってますが……

具体的には育成計画の原作ストーリーの合間にちょくちょく学園堕天録のストーリーや使徒とのバトルが入ってくる感じですかね。


 

 時に、西暦2015年。

 

 碇シンジがこの世に生を受けてから早くも14年の月日が経過した現在。

 セカンドインパクトが起きなかった別次元。別の可能性。

 本来の歴史と乖離し、その裏側たる影を進み行くこの平和な世界で。

 

 

 

 神の寵愛を受け、異端なれどもこの世に誕生した光と闇の根源。正義と悪意。

 堕ちた自由を掲げ、欲望と女に生きる少年。

 仕組まれた子供達。世界の監視者。

 未来を紡ぐ守護者。過去を操る傍観者。

 

 そして──我ら、“世界に仇なす者”。

 

 

 

 

 

 ──なんだこれ。なんで僕、こんな目に……?

 

 夜の帳が落ちた静寂な街並みを必死に走り続ける一人の少年。吐き出す息は震えて乱れ、所々で足元が縺れそうになるも少年は転ばずに駆けていく。

 

(はぁ、はぁ、はぁ……っ! くそっ……ここまで逃げれば……!)

 

 まるで得体の知れない“何か”にその身を狙われているかのように、切迫感に追い込まれた少年は通っていた中学校を抜けて離れた河川敷まで逃げ伸びていた。

 

 が、しかし……

 

「──逃げられると思ってるの?」

 

 不意に聞こえた若い女性らしき声。少年が後ろを振り向く暇もなく、その声の主は走る少年の頭上を豪快に“飛び越え”、少年の進路を塞ぐようにクルクルと空中回転して着地した。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……くっ!」

 

「案外すばしっこいね。でも、もう疲れたでしょう?」

 

 何とか呼吸を整えようと、苦しそうに自分の胸に手を当てる少年。彼の逃げ道を完全に塞いだその女性は余裕からか、にこやかに微笑んで話し掛けてくる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「私ももう飽きちゃった。本当は無駄にこういう事したくないんだけど、君生かしておくと後々めんどくさそうだし──諦めてね♡」

 

 派手な色柄のブラジャーが覗く豊満な谷間をたぷんと揺らし、華奢な両腕を頭上へと掲げた金髪ショートヘアの巨乳美女。優しい言葉遣いとは裏腹に冷たい表情を見せる彼女は少年の眼前で巨大なエネルギーを放出する。

 

 それはやがて蒼白い電流を帯びた光球を形成し、バチバチと電気が弾ける轟音を鳴らして彼女の手の中で膨れ上がっていく。

 

(まずい……このままじゃ……!!)

 

 人間とは思えない怪しい雰囲気を醸し出す美女を前に絶体絶命のピンチに陥る少年。こんな事なら、今日の放課後は大人しく幼馴染みであり彼女候補でもある少女と一緒に帰っていればよかった……

 

 今更過ぎ去った出来事を悔やみ歯軋りするが既に遅い。身動きの取れない少年の眼前で形成された巨大な蒼白いエナジーボールは勢いよく放たれ、それは人気の無い河川敷を派手に爆発させる。

 

 河川敷全域が巻き上がる爆風と爆煙に包まれる中、いつもと変わらない日常を送っていたはずの少年──碇シンジ。

 

 薄れゆく視界、混濁する意識の中でシンジは数日前、深夜の道端に偶然落ちていた丸くて光る不思議な赤い玉を拾った時の事を思い出していた……

 

 

 

 

 

 学校帰りにシンジが何者かに命を狙われ始めたその同時刻──4月XX日。第3新東京市、某所。高層ビルが建ち並ぶ夕焼けの街を一人の少女が歩いていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……ここね」

 

 薄い緑色の長髪を艶やかに靡かせ、颯爽たる足取りで現場に駆け付けた少女。この近辺ではかなり有名なNERV(ネルフ)学園の女子制服に身を包み、首には何故か季節外れの赤いロングマフラーを宛らツインテールのように長く伸ばし巻いている。

 

 彼女の名前は雪風(ゆきかぜ)ミカサ。14歳とは思えない達観した大人の雰囲気を持つ中学生の女の子だ。そんな少女が何故このような人気の無い路地裏に独りで来るのだろうか……?

 

「……そこにいるのはわかってます。“マトリエル”、こそこそと隠れてないで出てきたらどうです?」

 

『……同胞か。何故ここにいるとわかった?』

 

 ミカサの無機質な声に誘われたのか、路地裏の隙間から人間サイズにまで巨大化した黒い蜘蛛がゆったりとした足取りで現れる。至るところに巨大な眼球を持ち、黒い毛むくじゃらに覆われた蜘蛛は鋏をガチガチと鳴らして威嚇する。

 

「愚問というものです。その為の監視者(シェムハザ)なので」

 

『なに!? 監視者(シェムハザ)──ッ!? まさか、お前──ッ!?』

 

「──第10使徒、雨のマトリエル。我らの主に背いた罪、その魂を以て還元させて頂きます」

 

『い……や、だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……嫌だァ!!』

 

 マトリエルと呼ばれた巨大な蜘蛛の化け物は怯えたように全身を震わせ、ミカサに向かって突撃してきた。

 

「っ……!」

 

『やっと……やっとの思いで手に入れた肉体と自由だ! それを裏切り者なんかに邪魔されてたまるものかぁ!! もうあそこには戻りたくないぃぃ!!』

 

「……ぐぅっ……ぁ、んぅ!?」

 

 溶解液の雨をその身に浴びせ掛けられたミカサは苦悶の表情で地面に膝を突く。その間にもマトリエルは巨大化した黒い鋏を鳴らし、ミカサの腹部を抉るように薙ぎ払った。

 

『何が魂の還元だ! 我らはもう二度と世界樹(イグドラシル)の礎になどならない! 我らは偉大なる堕天ルシフェル様に連なる反逆の使徒! 地上に降りた以上は我ら使徒にもこの世を享受する権利があって当然だぁ!』

 

「ふ、ふふ……この世を享受、ですか……確かに、地上での生活はミカサも“つい”だらけたくなるほど素晴らしいものに違いありません。しかしあなた方は堕天ルシフェルに連なる闇の根源──リリスが愛したこの地上世界を『セカンドインパクト』の引き金にさせる訳にはいかないので」

 

 ミカサの着用していた制服や赤いマフラーはマトリエルが出した溶解液によって素材ごと溶けて消え去り、健康的で柔らかな白肌が露出した扇情的な姿となってしまっている。

 

「──雪風ミカサ、エヴァンゲリオン起動──エンゲージ!」

 

 そんな破廉恥極まりない姿だと言うのに、ミカサはほとんど表情一つ変えずに片手を頭上に翳して見せたではないか。すると彼女の細い手を包むように緑色で描かれた不思議な言葉の文字が周囲に浮かび上がっては幻想的な閃光を放つ。

 

『そ、それは──!?』

 

 ミカサが発した緑色の閃光が静かに収まった時、彼女の手には身の丈ほどもある不気味な鎌が握られていた。その大きな黒い鎌は鎖で縛られ、まるでミカサの自由を拘束するかのように彼女の片手と結び付いている。

 

「見覚えありますか? あなた方と“同じだった”者の末路です。まぁ、彼の方が“聞き分けが良かった”……ですかね?」

 

 言うと共にミカサは不敵な笑みを一つ浮かべ、動揺を隠せないマトリエルの隙を突くように足裏を爆発させて踏み込む。

 

『ぐっ……忌々しい監視者(シェムハザ)がァァッ!!』

 

「遅い! どこを見ている……!」

 

 助走を付けてマトリエルに急速接近したミカサ。彼女が手にした鎌の刃先から立て続けに振るい放たれた不可視の風圧は、すべてを引き裂く鋭利な刃物のように、焦り狂った様子で溶解液を噴出してくるマトリエルの脚を一本ずつ的確に切り落としていく。

 

『そんな馬鹿な……!?』

 

「疾き風──鎌鼬。これがミカサに与えられた神器(エヴァ)です。あなたの雨では、この風を捕らえるに値しない」

 

『風の能力、だと? まさか、お前はガ──ッ!?』

 

 最期に何かを言い掛けていたマトリエルだったが、それより先にミカサの鎌から放出された疾き風の一閃がマトリエルの生命の源であるコアを容赦なく刈り取って完全に停止させた。

 

「──使徒殲滅。及びコアの回収を確認しました。これにて本日の任務は終了にございます」

 

 マトリエルのコアである赤い石がミカサによって摘出された事で、使徒に憑依されていた巨大な蜘蛛は煙を出しながら本来のサイズへと縮んでいき、やがて静かにその生命活動を終えた。

 

「……ミカサだって、本当は……」

 

 マトリエルの犠牲になった無実の蜘蛛を悲しげな表情で見下ろす。溶解液でボロボロになった制服の残骸やマフラーはそのままに、しばらく全裸同然の際どい格好で立ち止まっていると、そこに1台の白いワゴン車が路地裏の出入口を塞ぐように停車した。

 

「お疲れ様──って、あらあら。今回は随分と酷い格好させられちゃったのね。ミカサ、怪我はしてない? 大丈夫?」

 

 車から出てきたのは白衣を着た若々しい巨乳美女──碇ユイ博士と彼女に同行する若い女性職員数人だった。

 

 彼女達は人工進化研究所からミカサを迎えに来たスタッフであり、監視者(シェムハザ)の任務を終えた彼女のサポートを行うのが役目である。

 

「相変わらずの心配性ですね、ユイ。ミカサは平気ですよ。別に見られて困る身体ではないので」

 

「うっ……ま、まぁ、そうかもしれないけど……」

 

 駆け寄って来たユイと適当に言葉を交わしつつ、ミカサは他の女性スタッフから新しい替えの制服と愛用品の赤いロングマフラーを受け取って素早く身に付ける。

 

「それより、カヲルの方はどうです? たしか新しく加わる監視者(シェムハザ)の子と初任務と聞きましたが」

 

「え、えぇ……カヲルもレイと一緒に使徒アラエルのコアを回収してくれたってさっき連絡がきたわ」

 

 レイ……その名前を聞いた時、ミカサの中である事が思い浮かんだ。仕組まれたチルドレン、そのファースト……彼女が幼い子供の頃より監視者(シェムハザ)になる為に努力してきたとはユイとゲンドウの二人から聞かされていたが、まさかセカンドやサードと近いこのタイミングで初めての実戦任務になろうとは……

 

「……そうですか。ではいつも通り、ミカサは駅前のラーメン屋でカヲルと落ち合います。あそこのゆず塩ラーメンが意外と美味しかったので」

 

 子供の運命とはいつだって残酷なものだ。ミカサは悲しげな表情で頭上の夜空を見上げる。彼女の首に巻かれた赤いロングマフラーが冷たい風に煽られふわりと靡いた。

 

「ふふっ、お願いね。それと……ミカサ、あなたにはいつもいつも本当に助かってるわ」

 

 ユイから突如告げられた感謝の言葉に対し、赤いマフラーで口元を隠したミカサはユイや女性スタッフ達のいる場所とは反対の方向に歩き始める。尤もその先は壁があって行き止まりなのだが……

 

「……お気になさらず。ミカサとしてもこれ以上、“同胞”の暴走を見過ごす訳にいかないので」

 

 そう言うとミカサは路地裏の行き止まりに立ち、ふわりと空中に浮かび上がった。まるで目には見えない風の足場に乗って空中という階段を歩くように……

 

「それじゃ、さよならです」

 

「ミカサ……ごめんなさい。ありがとう」

 

 

 

 

 ……そう、人々は記憶から忘れていた。

 

 2000年に唱えられた『ゼーレ』の世界終末説は確かに予言されていたのだ。他ならぬ、人の手によって。

 

 それは善良なる人類への遺産。131400時間後に天を支える28の柱は崩壊し、それはやがて光の槍となって地上に降り注ぐ。

 

 使徒──天使の名前を持つ我ら人類への遺産。神が与えし人類への試練。神の代わりに人類の愚行を傍観する者。その脅威、その祝福、その生命──

 

 リリンは来るべき日に備え、使徒の鍵を手に入れよ。

 

 

 

 

 

 時に2015年──世界樹(イグドラシル)を支える使徒28柱、地上世界への降臨を確認。

 

 

 

 

 

 




オリキャラその1です。簡単なキャラ紹介を……

名前:雪風(ゆきかぜ)ミカサ
性別:女
年齢:14歳(本当か?)
容姿:綺麗な濃い緑色のロングヘアに黄色い瞳。服装はだいたい学校の女子制服で固定。いつも必ず特徴的な赤いロングマフラーをツインテールのように長く伸ばして首から巻いている(別に寒がりという訳ではない)。プロポーションは当然ながらエロい。

備考↓

人工進化研究所に所属する監視者(シェムハザ)の一人。別名フォースチルドレン。
ミカサの所有する神器(エヴァ)は鎖に繋がれた身の丈ほどもある黒い鎌。
シンジやアスカ達と同じクラスに通っている中学生。
また、自他共に認める変装と隠密の名人。
その変装能力の高さからユイの極秘任務をゲンドウには内緒で受けており、シンジの護衛役として常に学校ではクラスメートとしてシンジの背後の席に“貞子さん”として潜んでいるだけでなく、実は幼少時代の頃から中学生になった現在でもアスカの家に雇われているお手伝いさん(普通のおばさん)の正体だったりする。
そういう意味ではシンジもアスカも既にミカサとほぼ毎日のように出会っているはずだが、変装を解除した彼女本来の綺麗で美しい姿を一度も見ていない為に全く気付いている様子は無い。
ちなみに作中トップクラスのおっぱいであるアスカやユイとは異なり、ミカサのおっぱいは着痩せするタイプ。ミカサは脱いだら凄いんです、とは本人の弁。
エッチな事には今のところ無関心だが……?

ミカサから見た主な他人への評価↓

シンジ:見ていて飽きないユニークな人間。かなりの変態さん。何が何でも守る必要があります。
アスカ:アルバイト先のお嬢様兼クラスメート。引きこもりの母親に雇われ、10年近く変装してお手伝いさんやってます。家事ができないくせにわがままとエッチだけは得意。可愛いツンデレです。
レイ:新しく入った仕事中の仲間。特に興味なし。
カヲル:仕事でコンビ組んでる相棒。ミカサにクラシックという音楽の素晴らしさ、ラーメンという食べ物の素晴らしさを教えてくれた。実に人間臭い使徒です。
ユイ:ミカサに生活環境を与えてくれる優しい人間。実の息子にエッチな調教されている事は言われるまで言いません。
キョウコ:ミカサにお金をいっぱいくれる優しい人間。たまには自分の娘の堕落した生活ぶりを見てやって欲しいと思っていたり。

 

皆さん、雪風ミカサは今後のストーリー的にもエロ的にもかなり重要なキャラですよ!


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いつもの日常 ★(ユイ、アスカ)

お待たせしました!最新話です!

書き溜めたストックを解放します。


 

 いつもの夜。いつもの場所。いつも使う公衆トイレ。

 

 けれど……この日の夜は、少しだけ“いつも”と違っていた。

 

 

 

 

 

「ふわぁ~あ……ほら母さん、早くしなきゃ誰かに気付かれちゃうよ?」

 

 何とも眠そうな欠伸をしつつ、白いワイシャツに黒いズボン、そして上着だけを羽織った格好の黒髪の少年は右手に握った犬用の赤いリードをグイッと引っ張ろうとする。すると……

 

「ぁん、引っ張っちゃだめぇ……♡ 待っ、待ってシンジぃ……やん、あんっ♡ するからぁ……♡ お母さん、ちゃんと言われた通りにお外でおしっこするからぁ……!」

 

 リードの先に繋がれた首輪を取り付けられた茶髪の女性が切実な様子で手綱を握る主人へと懇願する。家では普段着ていない仕事用の白衣のみを羽織った女性はその下には何も身に付けておらず、文字通り全裸に白衣だけという極めて射精感を煽る破廉恥極まりない露出狂の格好で実の息子に意地悪な野外調教を受けていた。

 

 二人が現在いる場所は自宅のマンションからそれほど離れていない距離にある近所の森林公園だ。この近辺は深夜帯になると人気が無くなり、森林に遮られて街灯が届かない暗さも相俟ってなかなか人の気配に気付き難い。

 

 ここは彼が幼少期から頻繁に使っている公園で、今やすっかり立派な性奴隷となった母親の野外調教には好都合な環境となっている。普段は夜遅くになると何処からか沸き出したホームレスの溜まり場になるのだが、今日は幸いにも他人の姿は見当たらない。

 

 しかしそれも無理はない……と言うのも実はここ最近、この街の近辺で深夜帯になって人間が次々と無差別に襲撃されては行方不明になるという凶悪な犯罪事件が勃発していた為だ。

 

 これまでの被害者は若者が比較的多いらしいが、噂によると偶々事件の目撃者となった老人や子供も容赦なく犯人に怪我を負わされたりしているとの事。これにはさすがにホームレス達も危機感を覚え、慣れ親しんだ深夜の公園に寄り付かなくなったのかもしれない。

 

 ……そんな中、この母子二人はまるで事件など自分達には一切関係ないと言わんばかりに堂々と公園の並木道を闊歩していく。

 

 やがて二人がベンチ近くの公衆トイレに到着すると、少年の方はリードを手にしたままベンチに腰掛けて欠伸を一つ噛み殺した。

 

「さぁ、母さん。やっとトイレに着いたよ」

 

「ん……ぁん、だめ……は、早くぅ……♡」

 

 白い息を苦し気に吐き、もじもじと身体を揺らしながら太ももを擦り合わせる彼女の表情は酷く赤らめている。そのむちむちな内股からはつぅ……っといやらしく愛液が膝下まで溢れてしまっており、自宅から公園までの道のりを彼女がこうして恥じらいながら歩く度に、ぴちゃっ、ぴちゃっと淫らな痕跡を残してきていたというのが容易に想像できる。

 

「まったく、堪え性がないなぁ……母さんは」

 

 言いつつ少年はリードを握る方とは別の手で、彼女の丸見えになってたゆんたゆんと揺れてしまっている豊満な胸元の先端部……固く尖った色落ちしないピンク色の突起を指先でピンッと軽く弾いた。

 

「あぁん♡」

 

 同時に、ぷしゅっと勢いよく噴き出す白い母乳が溢れ落ち、暗くて見えなくなった公園の地面を汚していく。恥態を晒す彼女の足は小さな悦びに震え、そのままぺたんと座り込んでしまった。

 

 蕩け切った恍惚の表情でベンチの少年を見据えるその瞳の奥に淫靡なハートマークを小さく宿し、唇の端から涎を美味しそうに垂らす彼女は自らEカップの豊満な谷間を寄せて上げる扇情的な姿勢でミルクに濡れた白い乳房を差し出す。

 

「もっとして欲しいって顔だね。そんなに気持ち良かったなら“おかわり”あげようか?」

 

「あぁん、シンジぃ……」

 

 欲しくて欲しくて堪らないのだろう。彼女は興奮収まらぬ状態のまま恍惚に淫れ喘ぐ。そんな様子に少年も満足したのか、サディスティックな笑みを一つ浮かべて嗤う。

 

 夜はまだ終わらない。月明かりに照らされた二人は今日も変わらず禁断の愛に堕ちていく……

 

 

 

 

 

(……これにするか)

 

 一時間後、快楽による疲労が溜まる母親をベンチ近くの公衆トイレに置いて休ませる間、暇を持て余した少年は公園内の自動販売機で缶コーヒーを買おうとしていた。

 

(母さんのは……まっ、後からでもいいか)

 

 人差し指でボタンを押すとガコッという音と共に飲み物は下の受け取り口に落ちる。ひとまず出てきたお釣りを取ろうと腰を落とし身を屈めようとした──その時。

 

「ん?」

 

 ふと、足元辺りにキラキラ光る小さな物体を見つけた。目の前にある自動販売機の明かりに気を取られて全く気にしてなかったが、どうやら誰かが落とした物らしい。

 

「なんだ……これ?」

 

 思わず拾ってみると、それは真っ赤なビー玉のような石だった。綺麗な光沢を放つ水晶玉は時折赤い光を帯び、宛ら蝋燭の火のように揺らぐ。

 

(綺麗だ……ずっと見ているとなんだか魂を引き込まれそうな──)

 

 そんな、不思議な感じがする。ついには自動販売機の受け取り口に放置された缶コーヒーの存在さえ忘れ、少年はしばらくその赤い玉を手の平に乗せたままボーッと立ち尽くす。

 

 それは少年の母親が乱れた白衣姿でふらふらと公衆トイレから戻ってくるまで続き、そこで少年の意識はどういう訳か途絶えてしまうのだった。

 

 そしてその様子をただ一人、公園近くの電柱の上に立って静かに見下ろす怪しい人影が。

 

「………」

 

 その人影は少年の手に赤い玉が握られた事を確認すると、瞬く間に電柱の上から姿形を消してしまう。後に残る黒い羽根だけがいつまでも宙に舞って──

 

 それはまるで、神に選ばれし少年への天使からのちょっとした贈り物なのかもしれない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──照明の落ちた薄暗い部屋にピピピと響き渡るデジタル時計の音。只今の時刻は午前7時半。

 

 窓際のベッドの中で気持ちの良い温もりに浸かりながら、黒髪の少年はむにゃむにゃと寝言を呟く。

 

「んぅ……アスカぁ……もっとぉ……」

 

 幸せな夢でも見ているのだろうか。少年は口元から涎を垂らしており、そのあどけない寝顔は完全に弛み切っていて正直言ってだらしない。

 

「………」

 

 そんな少年の寝相を静かに見下ろす少女が一人。思春期を迎えた中学生男子の部屋とは思えないほど綺麗に整理整頓された部屋の中で少女は腕組みして立っており、不機嫌そうに眉根をしかめている。

 

 アニメに登場する美少女ヒロインのように大きく透き通ったブルーの瞳だ。目尻はややキツめに吊り上がっているものの、少女らしいふっくらとした柔らかな小さい輪郭の中できらきらと輝いており、愛らしくも凜とした印象を与える。

 

 赤み掛かった金色に染まる腰の辺りまで伸ばした長い髪の毛は見事に手入れが行き届いていてサラサラとしており、それを小さな赤い髪飾りで左右に括っている。彼女がすれ違いに通り抜けただけで甘く心地良い乙女の匂いが香ってきそうだ。

 

 腕は気安く触れてしまえば折れてしまいそうなくらいに華奢で、それとは対照的に色白の美貌でぷりっぷりっに実った美味しそうな大きい桃尻と、校則違反ギリギリのところまで短く改造した青色のスカートから覗かせるやや太めの太腿はむっちりとしていて、肉感的ながらも年若い健康美なエロさを感じさせる。

 

 クラスメートの男子生徒が言うには、近くを通り過ぎただけで思わず溜息が出るほどに卓越した可憐な容姿とはこの少女──惣流・アスカ・ラングレーのことを言うらしい。

 

 なるほど──確かにその男子達の言い分も理解できよう。何しろ目の前に立っているこの娘は反則的なまでに可愛過ぎるのだ。

 

 ついつい痴漢したくなるというか、盗撮したくなるというか、性的にいたずらして、いやらしい嬌声であんあんと淫らに泣かせてみたくなるというか……

 

 存在していることが罪──それをまさに言葉で体現した完璧な美少女だった。

 

「まったく、気持ち良さそうに涎なんか垂らしちゃって……どんなエッチな夢見てるんだか」

 

 その彼女──アスカが未だにベッドの中で眠り続ける少年の耳元にぷるっとした柔らかな唇を近付ける。

 

「ちょっとシンジ……シンジ、いい加減に起きなさいよ」

 

 健全な男子なら一発で飛び起きてしまいそうなくらい、少年の耳元にふぅ、と甘く優しい天使の息吹が囁かれる。

 

 そんなアスカの囁きを聞いた少年は擽ったそうに肩を揺らして反応して見せるも、余程眠たいのか暢気な寝息を立てて返事をする。

 

「……そうよね。こんな優しい起こし方じゃあんたは絶対に起きないわよね」

 

 アスカは呆れたように溜息を一つ漏らし、大胆にも少年のベッドに上がり込む。少年の顔の前にちょうど今履いているショーツがくるように自分の座る位置を上手く調整し、アスカはまだ温かい布団を強引にずらして少年の身体を朝の冷たい空気に露出させる。

 

「あっ……もうおっきくなってる」

 

 アスカは見た。仰向けの体勢で眠っている少年の股間がパンツ越しにテントを張ったように大きく膨らんでいる光景を──俗に言う“朝勃ち”と呼ばれるものだ。

 

 アスカも下着越しとは言え、朝勃ちした男の性器を見るのは何もこれが初めてではない。これまでもアスカは幼馴染みとして付き合いの長い少年を毎朝起こしに来ては一緒に登下校しているのだ。

 

 その過程で少年の股間を何度か見てしまった事も──逆に幼馴染みの少年に自分の恥ずかしい姿を見られてしまう事も多々あったくらいだ。

 

 今更幼馴染みの朝勃ちを見てしまったくらいで可愛らしく悲鳴を上げて動揺したりはしない。アスカも以前に比べるとだいぶ精神的に成長したものだ。

 

「……これ、あたしの夢見てこんなにしちゃってるってことよね……?」

 

 ──とは言え、それが幼少の頃より恋している大好きな少年のモノだと考えてしまうとアスカもやはり女の子。ベッドの上で眠る少年に迫るように跨がった体勢のまま、次第に顔を赤くしていく。

 

「……もう、ほんとにエッチでバカなんだから……チュッ♡」

 

 呆れたように、しかしどこか嬉しそうな表情でアスカは少年に微笑むと、朝に弱い少年が起きてこないうちにさっさと唇と唇を重ね合わせた。

 

「ん……むちゅ……んふ……ちゅ……ぁん」

 

 

 

 

 

 

 彼の名前は碇シンジ。第3新東京市内に位置する財団法人NERV(ネルフ)学園中等部の二年生である。

 

 勉強の成績は中の上程度で運動神経も並という、どこにでもいそうな普通の少年だ。今が育ち盛りの14歳だが背は低く顔付きも幼い為、クラスメートからはよく“女装が似合いそう”と言われる事も。なのでどちらかと言えば“男らしい”と言うより“可愛らしい”と評価される事の多いシンジ。

 

 そんな彼が何故、朝早くからネルフ学園一の巨乳アイドルと称される美少女のアスカと誰もが羨むようなエッチができるのかと言うと……

 

 

 

 

 

 朝一番の射精は唐突に訪れた。

 

「んぐ……!? んぐ、んぐっ……ん、んん……ごくっ……ごくっ……んっ」

 

 長い長い口内射精を続けて尚も目覚めない夢見心地なシンジを尻目に、口元から淫臭混じりの芳醇な香りを漂わせたアスカがベッドから離れる。

 

(……はぁ。毎朝毎朝こんなだと、鈴原達の言う通りシンジの通い妻になっちゃってるわね、あたし)

 

 ぽつり溢しつつ、アスカは部屋の中をざっと見渡す。綺麗好きなシンジらしく、しっかりと整理整頓が行き届いた机の上に置かれたスクールバックを探り寄せ、手慣れた仕草で彼の筆記用具や教科書、ノートなどをてきぱきと鞄の中に仕舞い込んでいく。

 

(……でもまぁ、いっか。いつでもどこでも好きな時にエッチできる関係になったんだし)

 

 などと思いながら学校に行く支度を適当に済ませ、アスカは今一度ベッドで眠るシンジの無防備過ぎる素顔と股間を腹立たし気に一瞥。

 

 と、そこで──

 

「アスカちゃん、シンジは起きれたかしら?」

 

 ガチャっという開錠の音が聞こえ、清楚感ある色合いの縦セーターに白いフリル付きの可愛らしいエプロンを身に着けた綺麗な女性が扉越しに顔を出した。

 

 彼女の名は碇ユイ。ゲンドウの妻でありながら苦悩の果て夫に愛想尽かし、彼との間に唯一設けた最愛の息子シンジと生涯変わらぬ淫愛と忠誠を誓った哀れな牝母である。

 

 あれから10年の長い歳月を経ても尚衰える気配すら見せない肉体的美貌はいつまでも20代と全く同じ若々しさに満ち溢れ、とても40歳手前の女性とは思えないだろう。

 

 また、同じように20代後半の肉体からまるで老いる気配がない母キョウコを持つアスカから見ても、ユイが放つ女性的魅力は同じ男を愛する者同士ちょっぴり羨ましく感じてしまうものだった。

 

「あっ、おばさま! 聞いてください! シンジったら今日も裸のまま寝てて──」 

 

「あらあら。きっと昨夜の疲れが抜けてなかったのね。本当に、ふふっ──しょうがない子♡」

 

 ユイの何気ない一言にジトっとした流し目で彼女を一瞥するアスカ。その表情は怒りを通り越して若干呆れ気味だ。

 

「……おばさま。ひょっとしなくても昨夜はシンジと“お楽しみ”でしたよね?」

 

「……ふふっ♡」

 

「あ~~もうっ! 母子揃ってほんっと~にエッチなんだからっ! ……えっと、ユイおばさま? くれぐれもおじさまにはシンジとあたし達の関係は知られないでくださいね!?」

 

「えぇ、わかっているわ。私もシンジも、あの人と離婚して家庭崩壊させるような事は望んでないもの──それよりアスカちゃん? さっきから唇のところに“白い涎”が付いてるみたいだけど」

 

「えっ、やだうそ!? ど、どこどこ!?」

 

「ふふっ。ほらぁ、ここよ♡」

 

 動揺してしまうアスカを尻目に、ユイは蠱惑的な微笑みを浮かべてアスカの唇に優しいキスを施す。

 

「ぁ、んっ、ん……ぁん、もぅ……だめですって、おばさま……ん、ちゅ……ぁ……ん……♡」

 

「ん……アスカちゃん、かわいい……んちゅ……んん……」

 

 シンジの部屋で熱烈なキスを交わす二人……知らない人が見たら異常な光景に思うだろう。しかし二人には何の抵抗もないただの挨拶、スキンシップに過ぎない。

 

 懐かしの幼稚園時代。内緒にしていたシンジとの性的関係が母親達にバレてしまった際に、アスカは泣きながらにシンジへの想いを二人に告白したエピソードがある。

 

 それを受けてユイとキョウコは相談した結果、アスカもシンジのハーレムに加える事を決めた。その際にアスカとユイ、キョウコがシンジを巡って険悪な関係になってしまうのでは、と当時のシンジも内心ハーレムの危険性を危惧したりしたが……それは杞憂に終わった。

 

 先輩奴隷であるユイとキョウコはアスカを快くハーレムに迎え入れ、肉体的、精神的にも幼く無知な彼女の為に色々な事を教え込んだ。

 

 そういった事情もあってアスカとユイの関係は急激に深まり、今ではこうして女同士でエッチする事も珍しくない。

 

 やがて二人の唇が淫糸を引いて離れると、アスカの唇に辛うじて残っていたシンジの白濁液は綺麗に消えて無くなっていた。

 

「ふふっ。アスカちゃんが搾ったシンジの朝イチミルク、私も貰っちゃった♡」

 

「ぁぅ……おばさま本当にずるい。朝と学校はあたしがシンジのお世話をするって決まりなのに」

 

「ふふっ、いいじゃない。たまには、ね?」

 

「はぁ……これで何回目の“たまには”なんだろ」

 

「おーいユイ~! ユイ~どこに行ったんだ~!? そろそろご飯にしたいんだが~!」

 

 他人には絶対言えない卑猥な話を二人でしていると、台所からユイの夫であるゲンドウの声が聞こえてきた。

 

「あらいけない。あの人が呼んでるわ。それじゃあアスカちゃん、ちゃんと口を濯いでから台所に来なさいね」

 

 そう言ってユイは身に付けていた白いフリルのエプロンで微かに濡れた自分の唇を軽く拭ってから台所へと去っていった。

 

 

 

 

 

 それから時刻は進み、ベッドから起き上がったシンジが台所のテーブルに座って朝食を食べている時だった。

 

「こんちは~! すんませ~ん! 碇先生~! 碇先生いますか~!」

 

 不意に玄関のインターホンが鳴り、騒がしそうな少年の声が聞こえてきた。

 

「あら、今日も鈴原君と相田君迎えに来たのね」

 

「ったく、あいつら……来るなって言ってるのにちっとも聞きやしない」

 

 鈴原トウジと相田ケンスケ──二人ともシンジとは中学校に入ってから友達になった関係であり、今では悪名高いネルフ学園の“3バカエロトリオ”と呼ばれている。

 

「こらシンジ。だめよ? せっかくお友達が迎えに来てくれたのにそんな事言わないの」

 

「いやそうは言うけどさ……だってあの二人、僕の迎えじゃなくて母さんの姿を見にわざわざウチまで来てるんだよ」

 

「まぁ、そうなの?」

 

「ああ、そっち目当てだろうね。あいつら、母さんだけじゃなく女の人なら誰でもいいみたいだから。学校でもミサト先生やリツコ先生に色目使ってて困った奴らさ」

 

 今まで何度も家に来ていた息子の友達がまさか自分目当てと知り、急に不安に感じたユイはシンジの手をそっと握る。

 

「ねぇ、シンジ……その、大丈夫よね……?」

 

 見ると隣でちゃっかり朝食をご馳走になっていたアスカも同じようにシンジに寄り添って色目を使ってくる。端から見れば明らかに異様な光景だが、生憎ゲンドウは今朝届いた新聞を大きく広げて読むのに夢中で全く気付かない。

 

「心配しないで大丈夫だよ。それじゃあ母さん、行ってきます。ほらアスカ、おかわりしてないで行くよ?」

 

「あっ、ちょっとシンジ! 待ちなさいよ! おばさま、行ってきま~す!」

 

 そうして次第に離れていくシンジ達の足音と喧騒の声。ゲンドウと共に家の台所に残されたユイは朝食の食器を片付けながら深い溜息を漏らす。

 

「……そう言えば、あなた。“あの事”、シンジとアスカちゃんには話しておいてくれた?」

 

「あっ……ああ」

 

「……まだなのね?」

 

「すまん、ユイ……グハァッ!?」

 

 

 



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非日常への誘い

しばらくエロ回なし。

さっさとストーリー進めていきます。


 

 朝早くに自宅の高級マンションを出たシンジは幼馴染みのアスカ、悪友のトウジやケンスケと一緒にネルフ学園へと元気に登校する。

 

 シンジの通うネルフ学園は都内でも有数のマンモス校である。中高一貫で普通科・国際科・芸術科・体育科などがあり、入学の際には何やら学校運営に関わっているらしいユイやゲンドウの企みもあって多少は他の生徒達より優遇してもらっている。

 

 ……例えば幼馴染みのアスカと毎回クラスが一緒で席も隣接しているのも、それが影響しているとかどうとか。定かではないが。

 

「おはようアスカ!」

 

「おはよーシンジくん!」

 

「ああ、おはよう」

 

 シンジ達が2年A組の教室に入って行くと、クラスの人気者なアスカやシンジの周りに同級生が集まってくる。

 

 シンジ達仲良しグループの机は全員わりと近い距離に集まっている。まず教卓から近い真ん中の席にはシンジ、その両隣は今のところ“何故か”一つずつ空いており、アスカはその空席の右側隣、そして窓際の席にトウジとケンスケが二人前後で座っている。

 

 シンジは歩み寄るクラスメート達に適当な挨拶を交わし、自分の机にスクールバッグを置いてからふと後ろの席を一瞥した。

 

「あっ、雪風さんも……お、おはよう」

 

「………」

 

 雪風ミカサ──彼女はちょうどシンジの後ろの席に座る女子生徒だ。無口で大人しい地味なタイプだが、やたら長過ぎる黒い前髪を完全に下ろしたその陰湿な髪型から、通称“貞子さん”の渾名で知られているクラスのちょっとした有名人である。

 

 噂では自宅にも帰らずにこのネルフ学園のどこかに独りで住み着いているらしく、毎日必ず朝早く教室に一番乗りで姿を現す謎の生徒だ。

 

 入学式の頃から只の一度も言葉を発した事がなく、これまで多くの教師陣や生徒が一声でも聞きたいと興味を抱き、あらゆる手を尽くして彼女とコミュニケーションを取ろうとしたが、未だにその薄暗い髪型に隠れた本当の素顔や声を確認できた者は誰一人いない。

 

 2年生に進級した今となっては薄気味悪い奴というレッテルを貼られ、クラスの誰もが彼女の存在を無視するようになった。そんな少女──ミカサに毎朝しっかり声を掛けるシンジ。

 

 本音を言うと関わりたくない気持ちでいっぱいだったが、母親のユイから言わせれば、恐らく人との付き合い方が苦手な女の子なのだろうという事だ。だからと言ってシンジがこうして一方的に話し掛けてやる必要性は無いのだが、2年A組担任教師の葛城ミサトからも雪風ミカサの面倒を見てやって欲しいと頼まれてしまっている為、なかなか蔑ろにできないのが現状だったりする。

 

「シンジもさ、いい加減“幽霊さん”なんて放っておけばいいのに……」

 

 相変わらず一言も喋らない不気味なミカサの隣の席に座るアスカは頬杖を突いて呟く。するとミカサは一瞬だけ隣のアスカをチラリと一瞥した後、再びシンジの方に向き直ってジーっとその様子を凝視し始めた。

 

「あっ、そうそう。幽霊と言えば……みんな、こんな話は知ってる?」

 

 そう言ってミリタリーオタク兼オカルトオタクでもあるケンスケは何やら眼鏡を怪しく光らせて語り出す。

 

「ゼーレの予言──“それは善良なる人類への遺産。131400時間後に天を支える28の柱は崩壊し、それはやがて光の槍となって地上に降り注ぐ。リリンは来るべき日に備え、使徒の鍵を手に入れよ”──今から15年前、マスコミに公開されて一時期ブームになった世界終末説の一つさ」

 

「はぁ? 何やそれ? 何とかの大予言とかのパクりちゃうん? んでどーせ当たらへんのもパクりやろ。アホらし」

 

「……トウジ、それを言うなら“ノストラダムスの大予言”ね。でもさケンスケ、もし本当に地上に何か降って来るとしても、それは隕石とか流星群じゃない? 28の柱に光の槍なんて現実にあり得っこないし」

 

 ケンスケの話を聞いてシンジもトウジも胡散臭い感想を抱く。しかしケンスケは指先でクイッと眼鏡を押し上げると、改めて話し出す。

 

「いやいや。実はこれを予言したのが“ゼーレ”と言って、何百年も人類を陰で支配してきた謎の秘密組織なんだ。碇の両親は人工進化研究所で働いているだろ? ゼーレについて何か聞かされてない?」

 

「な、何かって言われても……だいたい、人工進化研究所が研究してるのは遺伝子の研究だろ? ヒトゲノムの解析が主な仕事だって母さん言ってたし。そんなゼーレや世界がどうこうっていうのはちょっと……」

 

 こればかりは息子のシンジも初耳だった。確かにユイやゲンドウが人工進化研究所で働く責任者である事は事前に二人から聞かされている。しかしゼーレという謎の秘密組織の存在やその大予言などについては一切知らされていなかった。

 

「……そうか。やっぱり碇も知らないのか……それはあくまで表向きの話さ。あそこでは実はとんでもない計画が進められているんだ」

 

 その名も“人類補完計画”──ケンスケが口にしたその単語にシンジが、そして素顔を隠す前髪の隙間から虚空を眺めていたミカサが反応を示す。

 

「その計画を裏で支えてるのがゼーレで、15年前に世界終末説を唱えたのもゼーレ──そのゼーレが言う“約束の日”がちょうど今年に当たるんだ! な? すごいだろ? まだ詳しい事はわからないけど、こいつはきっと人類の運命を左右するような──」

 

 ケンスケは興奮した面持ちでシンジやトウジ達に熱く呼び掛けるが、それを黙って聞いていたアスカは相変わらず頬杖を突いたまま呆れた口調で“3バカトリオ”に向かって口を開いた。

 

「あんたバカぁ? ウチのママやシンジのおばさまがそんな訳のわからない計画を進めてるっていうわけ?」

 

 アスカも昔からオカルトなど非現実的だと考えている為かやはり否定的だ。尤も“シンジのハーレム計画”なら今まさにユイ主導のもと、こっそり進めている段階であるとは、当事者であるアスカもさすがに言えなかったが。

 

「えっ、いや、別にそういう意味で言った訳じゃ──」

 

「はぁ~アホらし。どうせまたくだらんオカルト雑誌からでも仕入れて来たんやろ? それでなくても変人やのにこれ以上グレードアップしてどないすんねん」

 

「そ、そこまで言わなくても……」

 

「………」

 

 しかしその隣で黙々と3バカ達の会話内容を聞いていたらしいミカサは、だらんと机に垂れ下げた貞子ヘアに覆い隠された下で人知れず違った反応を見せる。

 

(なるほど……“あの旧い老人方”が世界樹(イグドラシル)のシステムや“死海文書”についてどこまで掴んでいるのかは知りませんが……これは我々も早急に動いた方が良さそうですね)

 

 実を言うと人工進化研究所の副所長であるユイ博士から指示され、ネルフ学園での極秘任務に就いているミカサ──その主な仕事内容はシンジとアスカの護衛及び監査であり、いずれ自分と同じ監視者(シェムハザ)になるであろう二人を育て上げる事にある。

 

 そうでなければ、ホラー映画の某怨霊ヒロイン宛らのような陰気臭い髪型に仕立てた自慢のウィッグを被って変装する必要もないし、無口で大人しい地味な女子生徒を演じる必要もなかったはずだ。

 

 ミカサは自他共に認める変装と隠密の名人である事から、今までにこの正体が関係者以外にバレた事はない。訳あって担任のミサト先生には予め事情を伝えて知らせているが……

 

 そうしている間にも朝礼のチャイムが鳴り、ミサトが学校の教師らしくスーツ姿で教室に入って来る。

 

「よぉ~。相変わらず3バカは朝から元気で結構結構!」

 

「「「あっ、ミサト先生! おはよーございます!」」」

 

「よぉ~し、それじゃあ出席を取るわよ! まずは──」

 

 

 

 

 

 時は進み──放課後。

 

 今朝の天気予報通りに曇天の空からは次第に雨が降り始め、瞬く間に強くなって降り注ぐ。

 

 2年A組の教室では傘を忘れたという生徒が何人かいたようだが、アスカは事前に自宅のテレビニュースを見て忘れずに折り畳み傘をスクールバッグに2本持ち込んでいた。

 

 机の上に置かれた赤い折り畳み傘はアスカ本人のだが、もう片方の青い折り畳み傘はシンジの為に用意してきたものだ。

 

(どうせ……忘れてるわよね)

 

 溜息混じりに内心呟くアスカ。元々この折り畳み傘はアスカの自宅に長らく置き去りにされたものであり、幼稚園の頃からキョウコが帰れず独りになりがちなアスカの面倒を見ている、雇われお手伝いさんのおばさんに持って行ってあげるようにと頼まれていたものだったりする。

 

 そういう事情もあってアスカはシンジと一緒に帰ろうと何度か視線を送って合図を出したりするのだが、生憎とシンジはトウジやケンスケと楽しく談笑中でアスカの気になる視線には全く気付いていない。

 

「……ふふっ」

 

 するとアスカの隣の席に座っていたミカサが突然立ち上がり、アスカにしか聞こえないほどの本当に小さな声量で笑い声を出したではないか。

 

「えっ……?(いま、この幽霊女……笑った?)」

 

 ハッとしてアスカが急いで振り向くも、既にミカサは亡霊のように教室から音もなく姿を消した後だった。

 

 

 

 

 

 ──その後、校舎一階に位置する昇降口前でトウジやケンスケと別れたシンジは、アスカがやって来るのを下駄箱の傍で待っていた。

 

(アスカのやつ、遅いな……)

 

 いつもなら一緒に下校するのだが、今日に限ってはなかなか一階に降りて来ない。もしかするとアスカは一人で先に帰ってしまったのか……いやしかしそれはあり得ない。

 

 念の為に2年A組の下駄箱も確認して見たが、アスカの靴はまだあった。となるとおおよそミサト先生から用事でも頼まれてしまい遅れているのか……

 

(今日は雨だしなぁ……さてどうするか)

 

 アスカを待って一緒に帰るか、アスカを置いて先に帰ってしまうか……シンジとしてもこれから自宅に帰って夕食の料理を作ったり、溜まった衣服などを洗濯しなければならない家庭的な用事があるのだ。

 

「うーん……」

 

「……帰しませんよ……?」

 

 どうするか暫く思考を巡らせていると、下駄箱に背を向ける立ち位置にいるシンジの背後から、ボソッという感じのか細い声が聞こえてきた。

 

 宛ら女の怨念とでも言おうか。男への復讐に燃える女の恐ろしい執念というか、そういう暗く冷たい悪の波動のような邪念が伝わってきそうだ。

 

「ふぇ?」

 

 シンジも何事かとばかりに後ろへと振り返ると、そこにはこの世に満ちたありとあらゆる怨念の集合体──のように不気味な容姿をした女子生徒がそこに立っていた。

 

「う、うわああああああっ!?」

 

 身の毛も弥立つほどに感じたいきなりの幽霊少女の声にビクッとして跳び上がるシンジ。

 

 彼女のだらんと前に伸び切った長いストレートの黒髪の隙間から覗かせる眼鏡らしきレンズの光が、シンジにはまるで殺意剥き出しの鋭い眼光のように見えたのかもしれない。

 

 とは言え相手を怖がらせる意図は全くなかった為、ミカサはもう少し声量を大きくしてシンジに喋り掛けた。

 

「……あの……驚かせてすみません。私です……雪風ミカサです」

 

「って……あれ? 雪風さん? えっ、うそ……いま喋った……?」

 

 ……そう、喋ったのだ。今までこの学校で只の一度も言葉を発した事のない、一部のネタでは“ネルフ学園の七不思議”の一つに数えられている謎多き噂の女の子がごく普通にあっさりと。

 

「……はい、喋りましたが」

 

 そう言うと彼女は黒い前髪を前方に下げたままの格好で自然に話し始めた。まるで今までもそうやって普通に他人と言葉を交わしていたかのように流暢に。

 

「えっ、いや待って──何で急に?」

 

 予想外の展開に理解の追い付かないシンジは一先ず落ち着こうとするが、それを無視してミカサが再び口を開く。

 

「……碇シンジ様、あなたに伝えたい事があります。私と一緒に来て頂けますか?」

 

 先程の怨念とはまるで違う、何とも美しく綺麗な天使の声色だった。アニメ声が実に明るく可愛らしいアスカなど、他の中学生の女の子と比べても彼女の雰囲気はどこか大人びており、クールで落ち着いた感じがその唇を通して伝わってくる。

 

「……わかったよ。何があるのかは知らないけど、そこに案内してよ」

 

 シンジは頭の中で一瞬アスカの顔を思い浮かべたものの、目の前の彼女から感じる得体の知れない何かに少しばかり興味を抱き、大人しく彼女に従って様子を見る事に決めた。

 

 ……実はこの時、シンジのズボンのポケットに入っていた例の赤い玉が何かに呼応するかのように真っ赤な閃光を放っていたのだが、それにシンジが気付く事はなかった……

 

 

 

 

 

 




【次回予告】

シンジは学校に通う。

だが、それはすべての始まりに過ぎなかった。

ミカサを追いかけるシンジ、雨の中待ち続ける一人の少女。

ずぶ濡れの男女が出会う中、ミカサは拾った玉を渡せとシンジに迫る。

 

次回、『雨、降り出した後』

 



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雨、降り出した後

 

 放課後の帰宅前、下駄箱で雪風ミカサに誘われたシンジは彼女を追い掛けて雨の中ネルフ学園を飛び出す。

 

 冷たく降り注ぐ雨は時間が経つと共に激しさを増し、傘を持たずに外を出歩くシンジとミカサは瞬く間に全身びしょ濡れとなってしまった。

 

(……まさか、あの雪風さんにこんな形で付き合わされる事になろうとはね)

 

 シンジは降り頻る雨の道を黙って歩きながら内心思考を巡らせていた。目の前を歩く貞子ヘアの制服少女はあれから何も言葉を発しずに、ただ黙々と人気の少ない方向へとシンジを誘導していく。

 

 二人ともどしゃ降りの中を傘を差さずに歩いている為、周囲から見れば滑稽な様子に映るかもしれない。

 

「……ねぇ、いい加減に話してほしいんだけど?」

 

 そんな中、大人しく従っていたシンジはついに我慢できずに口を開く。別に話をするだけならばネルフ学園でもできたはず……それをわざわざこのような人気の無い廃墟となった工場付近まで連れて来させる必要を感じない。

 

「まず最初に君は何者だ? 僕に用があるって事はアスカには居られると都合の悪い話って事だよね? だから雪風さんは僕がアスカと帰ってしまう前に声を掛けて来た──違う?」

 

「………」

 

 ここにくるまでシンジはミカサが何者で、何の目的を持って自分に接近してきたかを疑っていた。するとミカサは老朽化が進んで使われなくなった廃工場の中に入った辺りで立ち止まった。

 

「シンジ様、その話をする前にもう一人──“ファースト”、このような場所で雨の降る中お待たせしてしまい申し訳ありません。碇ユイ──いえ、“ネルフ”の使いでお迎えに来ました」

 

「ファースト? それに母さんとネルフって? いったい何を言って……えっ!?」

 

 ミカサの意味深な発言にますます困惑する状況の中、シンジは自分達と同じように全身びしょ濡れになってその場に佇む白いワンピース姿の美少女が前方にいる事に気付いた。

 

(うわ……綺麗な子だな……)

 

 その姿はまるで儚く散る一輪の白い花のようにシンジを魅了する。とにかく全力全開天真爛漫なアスカとはまた異なるタイプだが、間違いなく誰しもが彼女を目撃したら美少女と答えるだろう。

 

 先程から冷たい雨に濡れる姿がどこか似合っている青髪ショートヘアの美少女──綾波レイ。シンジはまだ気付いていない様子だが、実は10年前に二人とも出会っている。

 

 綾波レイは碇ユイの遠い親戚の娘だが、以前に1日だけ彼女を家で預かった事がある。その際にゲンドウの提案で家族全員で第3新東京市に近い山にピクニックしに行く事となった。

 

 その時レイはシンジに向かって自分は“普通じゃない人形”だと語っている。小さい頃から他人と上手くコミュニケーションが取れない彼女は生活に馴染めず、行き場を無くしていたが、それをシンジやゲンドウ、ユイ達家族によって救われるという過去があったのだ。

 

 それから10年もの時間が経過した現在、立派な美少女へと成長した彼女はシンジの姿に気付いたのか、すぐにふわりと柔らかい笑顔で微笑み掛けてきた。

 

「あ、あの……君も雪風さんに呼ばれて?」

 

「……えぇ。ここに来れば迎えの人が待ってるって言われたから」

 

「そ、そう……」

 

 ぎこちない会話。それとは別に、シンジは先程からどうしても視界の片隅に幾度となく入り込む不純な光景が──地味で飾り気の無い普通の白いブラジャーがこの大雨で透けてしまい、彼女の可愛らしく膨らんだ推定Cカップ程ある胸元をやたらと強調しているのが気になって仕方なかった。

 

(……か、考えるな。僕は何も見ていない、何も見ていないんだ……あぁ、ナイスおっぱい)

 

 煩悩を振り払おうと頭を左右にブンブン振って見せるも、また視線を“そちらへと”向ければ目の前に広がる美少女のスケスケおっぱい……これでは忘れようにも忘れられない。

 

 すると状況を見兼ねたのか、宛ら妖怪濡れ女のような格好になってしまったミカサが進み出て会話に加わる。

 

「はじめまして。ミカサは人工進化研究所『NERV(ネルフ)』所属の対使徒特別対策集団『監視者(シェムハザ)』の“フォースチルドレン”、雪風ミカサです」

 

 改めて二人に自己紹介したミカサは自分が人工進化研究所の関係者である事を話した。そう言っておけば、両親が人工進化研究所で働くシンジはもちろん、幼少期より長い間をネルフの研究施設に預けられて育ったレイにも察知してもらいやすい。

 

 実際、ミカサの秘密を一部だけ聞いたシンジとレイは明らかに表情を真剣なものへと変えた。

 

「あなたが……もしかして、ユイおばさまが迎えに寄越したって人?」

 

「えぇ。そうなりますね」

 

 どうやら二人はユイの頼みで事前にこの場所で落ち合う約束をしていたらしい。しかし何故このような人気の無い、それも降り頻る雨の中でなのか……

 

 シンジが訝しく考えていると、ミカサが突然シンジに向かって自分の右手を差し出してきた。

 

「さぁ、(コア)を──」

 

「えっ?」

 

「あなたが昨夜“拾った”赤い玉──あれは我々にとって大切な鍵です。こちらに渡してください」

 

「な、何を言って……?」

 

 戸惑いつつもシンジがズボンのポケットから例の赤い玉を取り出すと、それはまるで何かに呼応するかのように綺麗な赤い閃光を放って共鳴していた。

 

「こ、これは……!? 光ってる!?」

 

 おかしい。今日までは何の変哲もない只の綺麗なビー玉だったはず……それが今は命の炎が吹き込まれたように時折ドクン、ドクン……と力強い鼓動のような赤い光を放出している。

 

「なんだよこれ……僕にもわかるように説明してくれよ!」

 

 赤い玉を自らの掌に乗せたシンジがしばらく不思議そうに見ていると、ミカサとレイが何かの気配に逸早く反応する。

 

「っ……!? 雪風さん、いま──」

 

「えぇ、ミカサも感じました。シンジ様……今すぐそれを渡さないと、少々厄介な事になりますよ?」

 

 口調を強めて警告するミカサに対し、シンジは果たしてミカサが本当に信用できる人物かどうかを悩んでいた。

 

 ミカサの急接近がユイの仕業ならば、恐らく人工進化研究所に関する何か重要な意味をこの赤い玉が持っているのだろう……

 

 

 

 しかし本当にそうだろうか……?

 

 

 

 雪風ミカサはまず、その近寄り難い不気味な容姿からして既に胡散臭い。そして今日のネルフ学園での一件──シンジの幼馴染みであるアスカは毎日必ずシンジと登下校する程に大変仲が良い事で有名だ。

 

 仮にもし、優等生の彼女が先生や同級生に放課後何かしらの用事を頼まれていたからと言って、それをシンジに一言も連絡せずにさっさと一人で帰らせてしまうだろうか……?

 

 しかもこの予想外な雨の中である。今朝のテレビニュースで天気予報を見ている時間がなかったシンジは当然学校に傘を持って来ておらず、帰りは空模様が急変する事を予め知っていたアスカと共に傘に入る可能性は充分に考えられる。

 

 しかしアスカはどういう訳か学校で突然姿を消してしまい、代わりに雪風ミカサがシンジの前に現れた。

 

「シンジ様?」

 

「………」

 

 怪しい……これは絶対に何か裏がある。シンジはミカサの発言に対して未だ躊躇していた。

 

 すると──

 

「碇くん、危ない!」

 

「えっ、うわぁっ!?」

 

 ──突然の出来事だった。いきなりレイがシンジに向かって抱き着いたかと思えば、雨水が溢れて出来た水溜まりへとシンジを強引に押し倒す。そして次の瞬間には先程までシンジが立っていた遥か頭上辺りで青白い閃光が炸裂した。

 

(……どうやら“来てしまった”ようですね)

 

「いててて……って、えぇっ!?」

 

 不意討ち気味に押し倒された事でシンジとレイは互いに向かい合う体勢で水溜まりに落ちた。いきなりレイの下敷きになる形となったシンジは、思わず彼女の透けたブラジャーを凝視しながらレイの胸を両手でしっかりと掴んでしまっていた。

 

「ぁ、ん……」

 

「あ、あっ……ち、ち違うんだ! そんなつもりじゃなくって! これはホントにただの偶然で悪気なんて──」

 

 言いつつ慌てて弁解するシンジだが、両手にぴったりと収まった丸みを帯びたCカップの白い乳房をブラジャー越しに何度か揉んでしまう。

 

「い、碇くん……ぁ、ん……そこは……だ、だめ……っ」

 

「うわ……かわいい……ハッ!?」

 

 ……完全に無意識だった。シンジは両手を伝ってくるその柔らかい感触にしばらく心を奪われ、寒さと羞恥で唇を震わすレイのエッチな声で我に返るまでは頭の中が真っ白になっていた。

 

「あ……ご、ごめん!」

 

 ……とは言え、さすがにこの状況下でこのような破廉恥な事をしている場合ではないだろう。先程から嫌な予感がしていたシンジは水溜まりから立ち上がると同時に慌ててレイから離れる。

 

「……碇くん」

 

 続いてレイも頬を若干赤らめながら立ち上がる。相変わらず白いワンピースは下着まで透けて丸見えの状態になってしまっているが、レイ本人にとっては恥ずかしい格好を見られるよりも、シンジ相手に胸を揉まれた事の方が遥かに刺激的だったらしい。

 

「──お二人とも、エッチな行為はほどほどに。それより、あれを見てください」

 

 シンジとレイが抱き合っている間にも、ミカサは無関心な態度で曇天の空を睨み付けていた。釣られて二人も頭上を見上げてみる。

 

 すると、その先に見えたもの……

 

「な……なんだよ、あれ……冗談だろ?」

 

「……あれが、使徒……」

 

 ……それは、鉛色をした雲の隙間から覗く大きな光の柱だった。神々しく照らす光は十字架となって地上に突き刺さり、それはやがて小さな黒い影となっていく……光の柱が落ちた場所はシンジ達三人がちょうどいる廃工場のすぐ近く。

 

 間違いない……あの光は三人を狙っている。

 

「──使徒を肉眼で確認しました。なるほど、どうやら今回はカラスに寄生したようですね……全く彼らも運が良い」

 

 光の柱を目撃しながら意味深に呟くミカサが気になり、シンジはどういう事か説明してほしいと我慢できずに訊ねる。

 

 するとミカサはわざとらしい溜息を一つ漏らした後、シンジとレイに向かって静かに語り始めた。

 

「シンジ様が偶然にも拾われた赤い玉──それは世界樹(イグドラシル)を支える使徒28柱に与えられた永久機関──通称“生命の実”と呼ばれる使徒の“コア”なのです」

 

「使徒!? それにその話ってたしか──」

 

 漸く事の真相を話し出したミカサ。そんな中、シンジは学校の教室で今朝聞いたばかりのケンスケの会話を思い出す。

 

 

 

 

 

『ゼーレの予言──“それは善良なる人類への遺産。131400時間後に天を支える28の柱は崩壊し、それはやがて光の槍となって地上に降り注ぐ。リリンは来るべき日に備え、使徒の鍵を手に入れよ”──今から15年前、マスコミに公開されて一時期ブームになった世界終末説の一つさ』

 

『それはあくまで表向きの話さ。あそこでは実はとんでもない計画が進められているんだ』

 

『その計画を裏で支えてるのがゼーレで、15年前に世界終末説を唱えたのもゼーレ──そのゼーレが言う“約束の日”がちょうど今年に当たるんだ!』

 

 

 

 

 

 ……まさか、ケンスケが言っていたあの予言は全部本当の話なのか……?

 

 人工進化研究所の隠された研究、人類補完計画、謎の秘密組織ゼーレ、天を支える使徒、約束の日、そして……この世界の崩壊さえも……

 

 

 

 

 

 

 




【次回予告】

雨降る曇天の空より黒い天使が舞い降りる。

それは新たな非日常への誘いだった。

監視者(シェムハザ)と使徒アラエルによる空中戦はシンジに何を思わせるのか。

狙われたシンジを守る為、少女2人のエヴァが起動する。

次回、『高空に舞う』



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高空に舞う

〜ここから先のストーリーを読む前に注意事項〜

この作品に登場するエヴァは原作シリーズと異なる設定です。

選ばれし子供たちの戦う意思、エヴァとのシンクロ率によって起動します。

神器とも呼ばれ、使徒の魂そのものである青い玉を媒介としてネルフが利用。

各々が心の中に強くイメージする武器のカタチとなっていつでもどこでも好きな時に具現化させ、展開できる。

ただしシンクロ率が低過ぎると起動に失敗したりする。

エヴァとのシンクロ率は原作同様、エントリープラグ(ここではあくまでそういった形状の空間とする)内部にて定期的に行われるシンクロテストや監視者(シェムハザ)としての戦闘訓練をクリアする事で計測、高める事が可能。

もっと詳しく知りたい方はエヴァ公式スピンオフ漫画『学園堕天録』を参照ください。

まぁ、ハーメルンの読者向けに分かりやすく言うなら『ハイスクールD×D』の神器のようなものです。




 

「で、でも雪風さん! あれはただの予言だろう? ゼーレって

組織がマスコミにでっち上げたガセネタなんじゃ──」

 

「シンジ様、申し訳ないですが今はこれ以上説明している時間がありません。ここで見た事聞いた事、そのすべてがこれからの未来でこの世界に起きる真実です。ご理解ください」

 

 はっきりと言い放ち、短い説明を終えたミカサは自分の懐からシンジの持つ赤い玉と全く同じものを一つ取り出して掌に乗せる。

 

「雪風さん、それって──!?」

 

「あっ……碇くんの持っているコア、前よりも強く共鳴してる……」

 

「えぇ、そうです。すべての使徒はこのように、コアの状態では好き勝手に活動する事ができません。この世に存在している“何かしらの生命”に憑依、寄生する事で初めて使徒は“器となる肉体”と“完全なる自由”を得ます」

 

 そう言ってミカサはシンジの隣に並び立つレイの姿を一瞥した。

 

「あなたも“持っている”でしょう? これが監視者(シェムハザ)の任務です。さぁ、早く神器(エヴァ)を解放させてください」

 

「えぇ。わかったわ」

 

 言われてレイは全く動揺せずに懐から赤い玉を取り出す。

 

「き、君もそれを持っていたの?」

 

 驚くシンジにレイは小さく頷いた。

 

「私は私の意思でここにいる──エヴァンゲリオン、起動」

 

 その言葉が合図となり、レイの持つ赤い玉は眩しい閃光に包まれてその姿を作り替える。それは彼女自身。綾波レイという存在がイメージする心のカタチ……戦う力の具現、神の与えし祝福。

 

 レイはその手に螺旋状の紅い槍を出現させる。彼女の身の丈ほどもある大きな槍は先端部が二股に捻れて分かれており、この歪な形状をした聖なる槍こそが彼女の神器(エヴァ)だった。

 

「なるほど、“聖槍ロンギヌス”……それがあなたの宿した神器(エヴァ)ですか」

 

 赤い玉を媒介とし、自分の心をシンクロさせたレイが具現化させた“ロンギヌスの槍”を目の当たりにし、ミカサはどこか納得した様子で平然と眺める。

 

 一方のシンジはレイが持っていた赤い玉がいきなり大きな槍に変化した事実に驚愕し、思わず自分が掌に乗せた玉を恐る恐る見下ろす。

 

「これが武器に……もしかして、僕のこれも槍みたいに変形するのか?」

 

「シンジ様は何もせず、大人しく見ていてください。これが戦うチカラ神器(エヴァンゲリオン)──“死海文書”のもと、世界樹(イグドラシル)のシステムから逃げ出した使徒28柱を再び天に戻す為の鍵。ミカサたち監視者(シェムハザ)が“選ばれたチルドレン”である所以──」

 

 そう言ってミカサは地上に降臨した使徒が先程憑依したという巨大化したカラスを睨み付け、レイに続いて手にした赤い玉を天に掲げて宣言する。

 

「エヴァンゲリオン、起動──エンゲージ!!」

 

 すると突然、この周囲に目も開けられないほどの強烈な暴風が舞い上がり、彼女の履いたネルフ学園のミニスカートを勢いよくはためかせる。そして雨に濡れて前方に重たく垂れ下がる黒髪のウィッグはあっという間に吹き飛んでしまい、遥か空の彼方へと消えていった。

 

「えぇっ!? 雪風さん、カツラだったの!?」

 

 シンジ達のいる廃工場内にのみ吹き荒れる暴風雨の中、黒髪ロングのウィッグを風に飛ばされて失ったミカサの素顔が初めて明らかとなる。

 

「……別に正体を隠していた訳ではありません。ただ、“ネルフ学園での任務”をこなすにはあまり目立たない格好の方が都合よろしいので」

 

 と言いつつ、ミカサは次に牛乳の瓶底のような一昔前の似合わない眼鏡をあっさりと取り外して捨てた。

 

「いやいやいや雪風さん! そうは言ってもクラスじゃかなり目立ってたよ!? そりゃみんなから“幽霊女”とか言われてたけども!」

 

「おや……そうでしたか。残念です……ミカサとしては絶対に正体がバレない完璧な変装をしていたつもりでしたが」

 

「いや……そりゃたしかに“あの姿”じゃバレないだろうけどさ」

 

 ああ、駄目だ……ミカサを前にしているとシンジも何故かいつもと調子が狂う。普段はこのようなツッコミをするキャラではないというのに……

 

 今まで学校でシンジだけが孤立する彼女に対して親身に接していたからだろうか? いや、それだけが原因ではない気がする……

 

「いい風が来ました。そろそろ頃合です──監視者(シェムハザ)として悪しき使徒に終わりの天啓を伝えます」

 

 本人曰く“完璧な変装”を自ら解き、シンジとレイの前に颯爽と真の姿を現したミカサ──“本当の彼女”は氷のように冷たい雰囲気を放ち、それでいて綺麗に整ったクールな大人の容姿を持つ玲瓏たる美少女だった。

 

 きちんと整えられたグリーン色の長髪を腰辺りまで伸ばし、自らの心を暗く閉ざした冷ややかな黄色い瞳は鋭く光り、まさしく彼女の暗く冷めた印象そのままを相手に訴え掛けているかのようで……

 

「こ、これが……雪風さんの本当の姿……ッ!」

 

「えぇ……今の彼女からすごい力を感じる……!」

 

 激しい暴風雨の中で神々しい閃光に包まれたミカサの神器(エヴァ)は身の丈ほどある大きな黒い鎌となり、その鎌に巻き付いた無数の鎖が彼女の片手の自由を妨害するように拘束する。

 

「……? (変ですね……いつも以上にミカサの力が外に漏れている……?)」

 

 何かがおかしい……違和感を覚えたミカサは鎌から伸びた鎖に繋がれた自らの手を何度か握ったり開いたりしながら、自分の中に宿る荒々しい力の流出を確認。そしてどういう訳か、普段の時より神器(エヴァ)とのシンクロ率が急激に上昇している──ミカサは確かにそう感じ取った。

 

「……考えている暇はありません。“向こう”から来ますよ……!」

 

 言いつつミカサが頭上の空を睨んだのと、巨大化したカラスがこちらに向かって急降下してきたのは同じタイミングだった。

 

『……!』

 

 使徒に寄生されたそのカラスは勇ましく鳴き声を上げると、武器を持つミカサやレイではなく、赤い玉を手にして無防備に立ち尽くすシンジへと標的を定める。

 

「うわっ、こっちに来るよ!?」

 

「敵の狙いはシンジ様の持つ未回収のコアですか……それならば!」

 

 空を飛び回る使徒の狙いがシンジにあると確信したミカサとレイ。雨に濡れた二人の美少女は互いにシンジの隣に寄り添うように立ち並び、各々の武器を構えて攻撃のチャンスを窺う。

 

 しかし使徒は二人の反応に気付いたのか、シンジの頭上を素早く通過した直後に再び攻撃範囲の届かない上空へと急上昇してしまった。

 

「なんてスピードなんだ……」

 

「ダメ……なかなか降りてこない」

 

 これが使徒との初めての本格的な実戦となる監視者(シェムハザ)のレイも、悔しそうに遥か上空をぐるぐると嘲笑うように飛行する巨大なカラスを見上げる事しかできない。

 

 そんな中、初体験の二人とは違って落ち着いた様子で上空の使徒を注視するミカサはその正体を瞬時に分析する。

 

「空中をあれだけ自由自在に動き回るあの厄介な能力……やはりあれは死海文書において鳥を司るとされる神の光──失われた使徒28柱の一つ、第15使徒“アラエル”ですね」

 

 アラエル──それがあの巨大化した罪無きカラスの生命を奪い、その亡骸に憑依する形で寄生した使徒の名前だった。

 

「アラエル……くそっ、あんなのとどうやって戦うって言うんだよ!? これじゃあ勝ち目なんてないよ!?」

 

「「………」」

 

 意外な強敵を前にして焦りを見せるシンジにレイとミカサも同調する。しかしこちら側に全く対抗手段がない訳ではない。

 

 と言うのも、ミカサに秘められた“とある能力”を使えば、今すぐにでもアラエルと同じ空のフィールドに立って戦う事は可能だ……しかしシンジやレイの見ている前で“それ”を使ってしまっていいものだろうか……

 

 ミカサは思い悩んだ末にレイの持つロンギヌスの槍を見て、ふとある秘策を閃く。無数の鎖に繋がれてしまって自由に戦えない自分の神器(エヴァ)とは異なり、レイの神器(エヴァ)は槍としての特徴を持っている……ならば。

 

「ファースト……あなたのその槍なら、恐らくアラエルの範囲に届くはず。それを使って空高く投擲してください」

 

「……! わかったわ」

 

 そう……現状これしかアラエルを倒す有効な術はない。ミカサの大胆発言を聞いてレイは驚かずに頷くと、廃工場の上空を我が物顔で飛び回る巨大なカラスをもう一度睨み付ける。

 

(碇くんは……私が守るッ!)

 

 力強い覚悟を決め、レイはアラエルに向かってロンギヌスの槍を構える。すると上空のアラエルもレイのやろうとしている事に気付いたのか、ぐるぐると飛び回るのを止めて再び地上のシンジ目掛けて急降下突撃を仕掛けてきた。

 

「こっちに来るよ……!」

 

 急激に縮まる両者の距離。そして……

 

「いま……ッ!」

 

 シンジまであと僅かの距離に突入したタイミングでレイは力を振り絞り、手にした神器(エヴァ)を勢いよくアラエルに射出する。

 

 ……そこからはまるで、スローモーションを見ているような光景だった。

 

 レイが投擲したロンギヌスの槍は一直線にアラエルのもとに進み、アラエルもまたそれを避ける間もなくシンジへの突撃を敢行。そして生じる大爆発。

 

 ロンギヌスの槍の直撃を受けたアラエルは凄まじい断末魔の叫びを上げ、巨大化したカラスの亡骸と共に空中で爆散した。

 

「なっ……!?」

 

 衝撃のあまり、シンジはしばらく呆然とアラエルの消えた空を眺めていた。そして先程シンジがレイに押し倒された汚い水溜まりの中に、何かがポチャンと音を立てて沈む。

 

「これは……アラエルのコア? やっぱり僕が拾った使徒のコアと共鳴してる……」

 

「使徒殲滅。アラエルのコアも無事に回収できたようですね」

 

 水溜まりに落ちた赤い玉をシンジが拾い上げようと屈むより前に、自分の武器を手元から瞬時に消したミカサが摘出されたアラエルのコアを手に取る。

 

 気付くと先程まで降り続けていた雨はいつの間にか止んでおり、雲の隙間からは綺麗な星空が見え隠れしていた。

 

(綺麗な星空だ……あれ? でもたしか前にもどこかで……)

 

 雨上がりの星空を見上げていたシンジがふと何かの記憶を思い出す。遠い昔、どこかでこれと似た星空を誰かと一緒に眺めたような……

 

 ……ちょうどその時、シンジの頭上から黒い鳥のものらしき羽根がひらひらと舞い落ちてきた。

 

「黒い羽根?」

 

 手に取って確認して見ると、その羽根はシンジ達が立っている場所の上の辺りからゆっくりと落ちてくる。アラエルが寄生していたカラスの羽根だろうか……?

 

「っ……!?」

 

 ……いや違う。アラエルの時とは比べ者にならないほどの強大なエネルギーをこの黒い羽根から感じる。

 

 それはまるで、蒼白い電気を帯びているかのように……

 

 

 




【次回予告】

使徒アラエルを倒した監視者(シェムハザ)

だが、すぐそこに新たな使徒が現れる。

ヒトの形を持ち、雷を操る強大な使徒を前に恐怖するシンジ。

そんな彼を守ろうと、傷付き倒れる少女たち。

絶体絶命のピンチを迎え、怒りに震えるシンジの叫びが周囲に木霊する。

次回、『ラミエル襲来』



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ラミエル襲来

お待たせしました。最新話です!

今話はこの第3章の山場的な回です。

そしてオリ主なシンジ君の隠された秘密にも進展が……!?


 

 ……頭上を見上げたシンジ達が“それ”に気付いたのと、そこから蒼白い光の玉がシンジ目掛けて瞬く間に放出されたのは全く同じタイミングだった。

 

「……!」

 

 三人の中で逸早く使徒の気配を察知したミカサは、アラエルに続く新たな敵が空から攻撃してきたのだと理解。

 

 隣に立っていたシンジやレイの腕を無理やり引っ張る形で三人仲良く先程の水溜まりに倒れ込む。

 

 直後に街全体まで響き渡る凄まじい轟音と共に崩れ落ちる瓦礫の山……アラエルの大爆発と同様、廃工場で再び大規模な爆発が発生した。

 

「雪風さん、いきなり何を……えっ!?」

 

「これは……壁?」

 

「………」

 

 またしても水溜まりに落ちたシンジが隣で倒れるレイを助け起こすと同時に顔を上げると、三人のいた周辺は跡形もなく消し飛んでしまっている。

 

 そんなクレーターの中心部ではミカサが二人を庇うように立っており、彼女の前方にはオレンジ色に光り輝く壁のようなものが展開されていた。

 

 ATフィールド──別名“絶対不可侵領域”とも呼ばれるそれは、使徒の力を取り込んだ一部の限られた者にしか扱えない光の壁である。それもミカサのように肉眼で視認できるほど強力なATフィールドを扱える人間は極めて珍しい。

 

「──フーン。人間にも“ATフィールド”扱える奴がいるってマジだったんだ」

 

 そして上空からふわりと舞い落ちてくる黒い羽根。地上の三人を見下ろすように工場の屋根に立っている、黒いサングラスを掛けた青髪の男──

 

「こんばんは」

 

 その派手な男はファー付きのフードを頭から被り、ノースリーブで両腕を露出させたお洒落なパーカーを黒いシャツの上から着こなしている。下には真新しい青色のジーパンを履き、ベルトの部分にチェーンなどのシルバーアクセサリーを無数に装着していた。

 

 一見するとチャラチャラした若い風貌のイケメン男に見えるが、その背中からは明らかに人間とは異なる、身体の皮膚を突き破るようにして生えた黒い双翼がちらりと見えている。

 

「雪風さん、あっ、あの人は……?」

 

「雷を操る能力……恐らくは“ラミエル”かと」

 

 シンジやレイも一目見てそのサングラスの青髪男が只者ではない事を察知した。ミカサから“ラミエル”と呼ばれた新しい使徒は、先程戦ったアラエル以上に恐ろしい力を宿しているというのが、彼が時折バチバチっと派手に鳴らす蒼白いスパークを見ても理解できる。

 

「でもあの人は人間だよ!? 使徒が人間に寄生するなんて──」

 

「たしかにそうです。しかし器となる肉体が“生きていた”のであれば、使徒が人間に寄生する事も可能です」

 

「そんな……」

 

 それが信じられないという様子のシンジに対し、高く積み上げられた鉄骨の上に立つラミエルが口を開く。

 

「そーいうこと。なぁ、返してくんねーかなぁ? その(コア)

 

 ラミエルの狙いはやはりアラエルと同様、シンジが昨夜の公園で偶然にも拾ったという“あの玉”らしい。

 

 シンジも偶然拾った玉一つでこんな訳もわからない騒動に巻き込まれてしまうのならば、さっさとその玉をミカサに譲り渡して帰ればよかったと思う。そうすれば今頃は、いつも通りの平穏な夜を自分の家で過ごせていたかもしれないのに……

 

「お前が持ってるその玉、俺の仲間の大事なモンなんだよねソレ。大人しく返してくんねーかな?」

 

 ラミエルはファー付きのフードを脱いでサングラスを片手で外し、初めてそのクールな素顔を見せる。

 

「返してくれたら悪いようにはしねーからさ」

 

 そう言ってラミエルはシンジ達三人の立つ地上まで高所から一気に飛び降り、背中から生えた黒い堕天使の翼を巧みに動かして見事に着地した。

 

「「「……!」」」

 

 明らかに人間離れした身体能力の高さに、シンジを守るように立つレイとミカサはもう一度その手にそれぞれの神器(エヴァ)を出現させる。

 

「そうはいきませんよ、ラミエル。あなた達は本来居るべき場所に戻ってもらいます」

 

「チッ……ウルセェな。お前らと話し合いする気はねーんだよ。忌々しい監視者(シェムハザ)が」

 

 諭すような口調でラミエルに人間への寄生を解除して(コア)の状態に戻れと告げる冷徹非情なミカサ。彼女の神器(エヴァ)が再び姿を見せたと同時に放たれる、突風にも似た無透明の冷たい威圧感……それはとても人間の女の子が纏っていいものじゃないと、プレッシャーを感じたシンジは内心震えてしまう。

 

「……図に乗るなよ?」

 

 しかし次の瞬間、シンジ達三人にゾクッとするとてつもない悪寒が、宛ら電流のように全身を強く駆け巡った。続けてラミエルの背中に繋がる双翼の関節がバキバキッと痛々しい音を突然鳴らしたかと思えば、ラミエルの露出された白い肌にぼんやりと淡く光る神秘的な紋章が刻まれていく。

 

 それは彼の腕や肩を駆け登ってラミエルの顔にまではっきりと浮かび上がり、稲妻のような激しい怒気を帯びていた。

 

 ……このままだと確実に殺される。唐突に始まった非日常を目の前に、シンジは生まれて初めて心の底から恐怖した。

 

 今まではセカンドインパクトが起きず、エヴァや使徒も存在しないという絶対的な安心感から非日常への意識を自然と忘れていたシンジ。しかしネルフやゼーレは組織という形を変えて存在し、ついにはエヴァさえも神器という形で見つかってしまった。

 

 震える足腰が止まらない。やはりこの世界もシンジにとって絶望する地獄足り得るのだろうか……

 

「じょっ、冗談じゃないッ! そんなのお前達の話だろ!? 僕を巻き込むなよッ!? そんなに言うならコア(これ)、君にやるよ! それでいいんだろ!?」

 

 今の自分は別の世界でエヴァパイロットだった碇シンジではない。アスカもレイも、この世界ではただの一般人だったはず……

 

 動揺のあまり声を震わすシンジが隣に立つミカサへと玉を無理矢理押し付けようとする。しかしミカサは受け取る素振りを見せず、やれやれとばかりに溜息一つ吐いてからシンジに向き直った。

 

「……残念ながら手遅れです。こうして使徒に狙われた以上、あなたは既に部外者ではない」

 

「っ……」

 

 ミカサからの眼差しが冷たい刃物のように突き刺さる。人間とは思えない黄色の眼光は今のシンジを容赦なく見放す。

 

「もーいいかぁーい」

 

 その時、シンジ達の出方を窺って待ち疲れた様子のラミエルが口を開く。

 

「内輪揉めはその辺にして、最期くらい仲良くしろよ。なぁ?」

 

 言いつつ手元に放出される蒼白いプラズマエネルギー。それはバチバチと派手な轟音を唸らせ、シンジをターゲットに狙い定めていた。

 

「シンジ様、あなたは安全なところに隠れて下さい。ここから先は我々(シェムハザ)の領域ですので」

 

 黄色い眼光を放つミカサは自身の神器(エヴァ)である身の丈ほどある大きな鎖付きの鎌を携え、怯えるシンジを守ろうと前方に立ってラミエルと対峙する。しかしシンジは足が竦んで動けないのか、ミカサの背後で迫り来る恐怖にただ震える事しかできずにいる。

 

「ぁ……ぅ……」

 

「ふぅ……情けないですね」

 

 ミカサは呆れた様子で後ろのシンジを見やると、殺気立った威圧感を解放して彼を冷たく睨み付ける。

 

「ゆ、雪風さん……」

 

 すっかり怯え切った子供の表情だ。これでは使いものにならないだろう……こうなったらやむを得ない。

 

「……ファースト、その“腰抜け”を連れて現場退避。彼を預け次第、合流して使徒ラミエルを狩りますよ」

 

「私が碇くんを? ……わかったわ」

 

 傍で見守るレイも事態が緊急と理解しているだけあり、ここは自分より監視者(シェムハザ)として先輩であるミカサの指示に従う。

 

 レイは手にした神器(エヴァ)ロンギヌスの槍を瞬時に手元から消し去ると、動けないシンジの腕を強引に引っ張って戦場から連れ出す。

 

「オイオイオイ。俺が逃がすと思ってんのかぁ?」

 

 背後からラミエルの雷撃がシンジ目掛けて飛んで来る。しかしそのプラズマボールは走り去るシンジ達に当たるよりも先にミカサの鎌から放たれた風をも切り裂く一閃で弾け、爆砕した。

 

「チッ……っとにお前らめんどくせーなぁッ!!」

 

 使徒よりは遥かに格下である人間達にこうも妨害される事に嫌気が差したラミエル。異様な紋章が浮かび上がった憤怒の表情でミカサを激しく睨み付ける。

 

「そんなに死にてーなら、“雷霆(らいてい)”と謳われた俺の雷で焼き焦がしてやるよォッ!!」

 

 怒声と同時に聞こえる雷の轟音。暗い夜の廃工場に蒼白い稲光が幾度となく生じ、それはラミエルの全身を宛らオーラのように明るく包み込む。

 

 バチバチと逆立つ青髪にスパークする怒気──その身体に荒れ狂う電流を帯びたラミエルはミカサ目掛けて手の平をしっかりと開いて差し向ける。

 

 ──刹那。ゴロゴロという不穏な音が鳴ったかと思えば、次の瞬間にはミカサの立つ場所のすぐ真横を一閃のレーザービームが数秒遅れて通過した。

 

「……!?」

 

 つぅ、とミカサの頬を一筋の鮮血が流れ伝う。着ていたネルフ学園の制服が所々ビリィッと弾け、燃え千切れる。事前に展開しておいた無透明の風のバリアがなければ、今頃ミカサの身体はレーザービームに貫かれて真っ黒い焼死体となっていた事だろう。

 

「なにぃ、防いだ……ッ!? いや、目には見えないバリアみてーなもんが弾いたのか……なぁオイ……その風を操る能力、まさかお前のATフィールドじゃねーよなぁ?」

 

「くっ……時間稼ぎくらいにはなってくださいよ? “ミカサ”──」

 

 

 

 

 

 

 ──その頃、ミカサの指示でレイに連れ出されたシンジは廃工場の入口付近まで逃げていた。

 

「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……っ!!」

 

 街を目指して走る二人の後方では、先程からずっと雷鳴と共に降り注ぐ蒼白い閃光が何度か暗い夜空を照らしており、それが嫌でもラミエルとの激しい戦闘の様子を思わせる。

 

「こ、ここでいいよ!」

 

 そんな時だった。シンジは前方を走るレイの手を急に振り解いたかと思えば、廃工場の入口まであと僅かというところで立ち止まった。

 

 未だに大粒の雨が容赦なく降り続ける中、震える膝に両手を置き、肩で激しく息をしながらシンジは口を開く。

 

 自分はもう大丈夫だから……そう言いたいのだろうか。

 

「ダメ。もっと遠くに逃げないと」

 

 しかしレイは否定する。雨に濡れた清楚な白いワンピースは下着がはっきり見えるまで水分を多く吸っており、彼女の華奢な体型を完全に披露していた。

 

「なんでだよ!? あんな化け物みたいな奴に勝てる訳ないだろ!? どうせ逃げたって無駄なんだよ! わからないのか!?」

 

 冷たい雨が降る中でシンジは吠える。自分が手にした赤い玉を忌々しい気持ちで睨み付け、シンジは更に続ける。

 

「こんなもの、拾わなきゃよかったんだ……! こんな玉一つのせいで、何もかもうまくいってた僕の人生がおかしくなって!」

 

 雨を含んだ白いワイシャツが張り付いた右腕を頭上へと上げ、赤く光る使徒の玉をその場に叩き付けようとするシンジ。

 

 しかしそこから先は叶わなかった。驚いた事にレイはシンジの振り上げた右腕を自らの両手で受け止めたのだ。

 

「な、なんだよ……」

 

「………」

 

 苛立つシンジに彼女は何も答えない。ただ首を横に振って見つめるだけ。どれくらいそうしていただろうか……

 

「くっ……!」

 

 やがてシンジは瞬き一つしないその綺麗な赤い瞳に底知れぬ何かを感じ取ったのだろう。歯軋り、シンジは華奢な少女の力とは思えない強さでしっかりと掴まれた右腕を乱暴に振り払った。

 

「どうせ……どうせ君だって、僕のこと“腰抜け”だとか思ってるんだろ!?」

 

 悔しげに佇む事しかできないシンジ。苛立ちを隠せず、道端に転がる石ころを意味もないままに強く蹴り飛ばす。しかし目の前の少女に対してではない。他ならぬ自分自身に彼は不甲斐ない怒りを覚えていた。

 

 そうだ……いつだって美少女や美女に囲まれた、男なら誰もが羨望する甘くて幸せな人生を過ごしてきた。

 

 家では進んで家事手伝いを担当し、何か一つするだけで親バカな母親と父親にとても良く褒められた。そんな息子を溺愛した両親が働く人工進化研究所では幼稚園時代からネルフ職員のキョウコを含む巨乳美女揃いのお姉さん達にお世話されてきた。

 

 普段はツンとした態度でシンジを小馬鹿にする幼馴染みのアスカでさえ、お互いに隠して想い合ったラブラブな関係はこの10年変わらない。

 

 そんな優しい彼女達の寵愛を一身に受け、14年も女達から大切に守られ育てられたシンジはここに来て初めて人生の苦境に立たされている。

 

「くそっ……! なんで……なんで……こんなことに……ッ!」

 

 直面した出来事に対し、シンジは改めてこの世の理不尽さに怒り震えて涙する。

 

 

 

 ──その時だった。

 

 

 

「なったかって? そりゃーお前が俺らのモノを拾っちまったからだろ。あそこで玉を手放すか、監視者(シェムハザ)の女にでも預けときゃー死ぬ思いなんかしなくて済んだのにな」

 

 

 

 そんな、まさか……

 

 喧騒な雨音に混ざって有り得ない人物の声が聞こえる。堪らずガチガチと歯を鳴らしたシンジが恐怖に引き攣った顔で背後へと振り返る。そこに待ち受けていたのは──

 

「よう。“さっきぶり”じゃねーか」

 

 その言葉と共にシンジ目掛けて突然何かが乱暴に投げつけられた。受け止めようにも今のシンジには無理難題というもので、呆気なく水溜りの地面に勢いよく尻餅を着いてしまう。

 

「うわっ……!?」

 

「お前を逃がそうとしたクソ生意気な女も、オーダー通りちょうどいいミディアムにしてやったぜ?」

 

「ぁ……ぁ、あぁ……っ!」

 

 言われてシンジが自分の身体の上に重たく乗り掛かった物体をようやく認識する。

 

 至るところが黒く焼き焦げたネルフ学園のセーラー服らしき面影を辛うじて留めるボロボロの布切れを身に付けた、“ほぼ全裸同然”の格好を曝け出した緑髪の巨乳美少女がシンジに凭れ掛かっていた。

 

 全身の右半分を酷く焼き爛れた赤い肌が痛々しく露出し、それが空から降り落ちる冷たい雨に当たる事で焦臭い煙を出していた。

 

「う……うわあああああああああああああああああああッッ!!!」

 

 言葉にならない絶叫。そして押し寄せる猛烈な吐き気。シンジはあまりにも酷い火傷を負った少女──ミカサと抱き合うような格好のまま、二人が倒れ込むその水溜りに向かって胃の中に溜まったものをすべて吐き出した。

 

「うぅっぷ……! うげぇ……げぇ……げはぁ……はぁ……!」

 

「っ……碇くん、雪風、さん……!」

 

 その後ろではレイが酷く青ざめた表情で二人を見ており、構えていたロンギヌスの槍はただの杖立て代わりにしか機能していなかった。こうなってはレイも戦えない普通の女の子……目の前に忍び寄るラミエルという名の青い雷霆(らいてい)の堕天使にただ恐怖し震えるしかない。

 

「……ATフィールドだけじゃなく、神器(エヴァ)と風を操る監視者(シェムハザ)……さすがに仲間内から『七大使徒』と言われた雷霆(らいてい)の俺も、久しぶりに本気を出さなきゃいけないヤツだったぜ」

 

 ミカサの敗北で幕を閉じた雨の降る中の戦闘だが、ラミエルの方も決してダメージを負っていない訳ではない。余裕そうに見えて吐く息はまだ乱れており、着ていた衣服はミカサが駆る鋭利な刃物で切り裂かれたのかボロボロに破れ、背中から生えた黒い堕天使の翼は片翼が歪な形状に酷く折れ曲がっていた。

 

「俺だってなァ、ホントはあまりヒトは殺したくねーんだ。これから先末永く大切に扱わなきゃいけねー“宿主サマ”だからな。まっ、恨むんなら自分の不幸を恨むんだな。仕組まれた運命ってやつによ」

 

 言いつつラミエルはシンジに向かって前進する。ミカサもレイも動けない以上、シンジを守る壁はもう何も存在しない。

 

「くっ……う……っ……雪風、さん……っ!」

 

 すべてを吐き出した事である程度の落ち着きは取り戻したのか、シンジは苦しい表情で傷付き倒れたミカサを自らの汚物で吐き散らした水溜りの上で抱き上げる。この際汚いだとか言ってられない。シンジはミカサの傍で何度もガラガラになった声を必死に大にして叫ぶ。

 

「雪風さん!! しっかりしろ!! おいっ!!」

 

 反応はない……だが、まだ微かに息はある。大丈夫、かなり弱々しくはあるがそれでも彼女は何とか生きようとしている。

 

「くそっ、どうすれば……っ!!」

 

 ここでふと自分の手の平に視線を落とす。ずっとミカサを抱いていた事で、彼女の火傷を負った痛々しい肌や流れる赤い血が嫌でもこびり付いて離れない。

 

「碇くっ……!」

 

 その後ろではレイが力無く雨に濡れた地面に崩れ落ちている。先程までは何とか具現化させて保っていたロンギヌスの槍も、彼女のこれ以上戦えないという心の意思を感じ取ったのだろう。

 

 戦意喪失したレイの手に握られたままの神器(エヴァ)は姿形を維持できなくなり、やがて音もなく彼女の手の中で消滅していった。

 

 

 

 もう……ダメかもしれない……

 

 

 

 万事休す。自らの勝ちを確信したラミエルはニヤリと笑みを浮かべ、両腕に溜め込んだ最大威力のプラズマボールをシンジ目掛けて勢いよく放出する。

 

「そのコア、返してもらうぜぇ!」

 

 迫り来る蒼白い雷光を目の前にして、肉体と精神が一時的な無意識に支配されたシンジ。しかしその瞳の中に映り込むのは光ではなく──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドクン……ドクン……

 

 

 

『そこにいるの?』

 

 

 

 光すら届かない無明の闇の中、ただ聞こえてくる少年らしきモノの声。それはどこか聞き覚えのある誰かの声にとてもよく似ている。

 

 

 

 ドクン……ドクン……

 

 

 

 この光無き永遠の闇が支配する無意識の世界で、以前までは確かに持っていたはずの自分自身の魂のカタチをも忘れてしまった名も無き者には、その呼び声がまるで天からの祝福にも思えたのだ。

 

 

 

 ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……

 

 

 

『──“今は眠れ”』

 

 

 

 

 

 何時しか自分自身の中で走馬灯のように長くゆっくりと止まっていた世界の時間が再び音を立てて動き出す。

 

 それは彼がラミエルに心の底から恐怖した事で見せた一瞬の夢幻だったのだろうか。いや、あるいは……

 

 

 

 

 

 ──その時、不思議な事が起こった。

 

 

 

 

 

 ラミエルの攻撃を受け、死を覚悟したシンジであったが、限界を迎えた恐怖心が自身を無意識に沈めた時、少年の深層心理にそれまで宿る事で深く眠り続けていた“彼”の秘められた特殊能力を発動させたのである。

 

 再び絶叫する少年。それと同時に少年の背中から神々しい閃光を放つ光の六枚羽が出現。少年が放出した眩しいほどの閃光が爆発し、それは水溜りの上で跪く彼を中心として輪を描くようにこの地域周辺に広がっていく。

 

「な、なにっ!? そのチカラと光の翼、まさか……っ!!」

 

 ──十字架を表す巨大なそれは、この地上世界に天高く聳え立つ光の柱そのものであった。重たく暗い鉛色に覆われた曇天の空模様は瞬く間に暴走した光の柱に貫かれ、それまでの酷い大雨が嘘だったかのように跡形もなく消滅してしまった。

 

「オマエは堕天、ッ……ガァアァァアァァッ!?」

 

 目の前で突然起きた不思議な事に動揺を隠せぬまま、驚愕に目を見開くラミエル。しかしもうこの光の暴走を回避するには間に合わない。どこまでも醜悪に顔を歪ませ、使徒ラミエルは壮絶な光となって夜空の彼方へと……消えた。

 

 

 




【次回予告】

シンジの暴走はラミエルを一時撤退に追い込む。

目覚めたシンジに対し、ユイは真実を語る。

母親から逃げるシンジ、失望するレイ。

だが、アスカの傲慢は彼を動かそうと決心させる。

次回、『見知らぬ天井』



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見知らぬ天井

お待たせしました、最新話です!

あれから右肩を脱臼&骨折してから何とかリハビリして戻って来れました。また時間が空き次第、投稿していきますので!


 

 一切の光が届かない静寂な空間に、産まれたままの格好をしたシンジは一人立ち尽くしていた。

 

「なんだ……? ここは……どこだ?」

 

 おかしい。自分はたしかにラミエルとの戦いで何もできないまま無様に殺されたはず……

 

 まさかここは死後の世界という場所なのだろうか……

 

『……“待っていた”よ。ようやく逢えた』

 

 シンジの脳内に響く少年らしき者の声。それは不思議にも自分自身の声にとても良く似ていた。あとなんか妙に落ち着いてかっこつけてる喋り方だ。

 

「だ、誰……!?」

 

『ボクはボクさ。キミがキミであるように』

 

「な、何を……何を言ってるんだよっ!?」

 

『わからないのか? そうか……キミをこの世界に転生させた“アダム”のチカラはそこまで及ぶか……』

 

「アダム……?」

 

『そう、第1使徒アダム。すべての次元世界に秩序を齎す“生命の木”、世界樹(イグドラシル)を支えし使徒28柱の頂点に座す者。使徒の中にはアダムを“神様”と呼び慕う者もいるな』

 

「か、神様……それがいったい僕に何の関係があるって言うんだ!?」

 

『……“キミ”は、“碇シンジ”を感じているのか?』

 

「は? ……えっ!?」

 

『なに、答えはいずれ出るだろう。一つ言えるのはボクはキミの心の奥深くに棲み憑く“姿無き闇の魂”だということだ。キミとはこれからも長い付き合いになりそうだからな……クククッ……こうして早い段階でお互いを認識できたのは実に……そう、“運が良い”』

 

「お、お前はいったい……っ!?」

 

『……目覚めの時は近い。ラミエルの不始末はこのオレが片付けよう』

 

 ……だから、“今は眠れ”。

 

 急激に薄れ行く意識の中でシンジはその心地良い邪悪な言葉に耳を傾け、ゆっくりと深い闇の底にその裸身を沈めた。そして……

 

 

 

 

 

 夜遅く、使徒ラミエルとの戦いでいつの間にか気絶していたシンジは病室らしきベッドの上で目を覚ます。

 

「んぅ……? ここは……」

 

 目を開けた先に映り込む天井とそれを取り囲む白いカーテン。この静かで無機質な空間に何時間眠り続けていたのかは覚えてないが、シンジは病室に自分しかいない事を確認して深く息を吐き出した。

 

「知らない天井、か……」

 

 意味深に呟き、上半身を起こす。どうやらシンジは衣服を何一つ着ていない全裸の格好でベッドに運ばれて来たらしく、すぐ横に位置する枕元には真新しい着替えの制服が丁寧に折り畳まれて置いてあった。

 

 そして、先日シンジが深夜の公園で拾って来た例の赤い玉も……

 

 昨日のあれは夢だったのだろうか……

 

 ベッドの上で振り返る。冷たい雨が降り出した放課後、両親が働く人工進化研究所……通称ネルフから派遣された同級生の雪風ミカサに連れ出され、待ち合わせしていたもう一人の美少女……綾波レイを加えて使徒アラエルを撃破、これを殲滅。

 

 その直後、空から新たな使徒ラミエルが現れた。監視者(シェムハザ)に倒されたこれまでの使徒とは異なり、人間の男に憑依したラミエルはシンジの持つ使徒のコアを奪う為に襲来したという。

 

 そして始まる監視者(シェムハザ)と使徒の戦闘。ミカサによって逃がされたシンジだったが、そこで待ち受けていたのは何とラミエルであった。

 

 優秀な監視者(シェムハザ)として過去に数々の使徒を撃破してきたミカサを僅か数分足らずで戦闘不能にして見せた雷霆(らいてい)ラミエルの強大な力を前に、これが監視者(シェムハザ)としての初任務であったレイは恐怖に震えて戦意喪失。

 

 勝ちを確信したラミエルは傷付き倒れるミカサを抱く事しかできずにいたシンジに迫り、最大威力のプラズマボールは撃ち込んだ。

 

 しかし……

 

「……思い出した」

 

 あの刹那の時、シンジは迫り来る雷光を前に意識を手放し、自分の深層心理に足を踏み入れていた。そこで自分と同じ声を持つ謎の魂と出会い、「ラミエルは自分に任せろ」みたいな事を突然言われ……

 

 そこから先は一切覚えていなかった。

 

(……まだ生きてる。僕が死んでないって事は“アイツ”がラミエルを倒してくれたのか……?)

 

 だとすれば一緒にいたミカサやレイはどうなったのだろう……シンジがベッドの上で思考していると、不意に医務室の自動ドアが開いた。

 

「よかった……目が覚めたのね、シンジ!」

 

 開口一番。急いだ様子で医務室に入って来たいつもと同じ白衣姿にピンクのシャツを着たユイ。彼女はベッドを囲む白いカーテンを自分で開くなり、既に起きていたシンジの姿を見て安堵の声を漏らす。

 

「母さん、僕……どれくらい眠ってた?」

 

「3時間よ。まったくもう……いつまで経ってもミカサからの連絡が来ないから、私もスタッフと一緒に現場に駆け付けて……そしたら、あなた達が全員酷い状態で気絶していて……私、私ぃ……」

 

 そう言って涙をぽろぽろと零す泣き顔のユイ。続けて彼女はシンジの頭を自らの柔らかい胸の谷間にぎゅむっと押し当て、しばらくの間優しく包み込む。

 

「母さん……は、恥ずかしいよ。今はその……」

 

 白衣越しにはっきりと伝わるたわわな果実の感触……そこにこれ以上意識を向けないよう、シンジはベッドの横に目を泳がせながら困ったように言うが……

 

「あぁん、シンジったら甘えん坊ね……ふふっ、ちゃんと横になってなきゃダメじゃない。今日は母さんが手取り足取りエッチな看病をして……」

 

 すっかり目元を泣き腫らしていたユイは何故か嫌がるシンジの顔を胸で抑え付けたまま、そっとベッド間際の白いカーテンを片手で閉めようと……

 

「「………」」

 

 したところで、先程からじーっと二人の様子を見つめるレイとミカサとちょうど視線が合った。

 

「う、嘘……あなた達、いつから見ていて……」

 

「はぁ……母さん、だから“今は”って言ったのに……」

 

 まさか母子の大切な時間を視られていたなんて……急激に青ざめた様子で固まったユイに若干呆れつつ、シンジはようやくそのけしからん乳圧から解放される。

 

「えっと……二人は何も言わないんだ?」

 

 この微妙な空気をどうするかと、シンジはベッドの上でレイとミカサに話し掛ける。

 

「えぇ。ミカサはユイが自分の息子に身も心もお熱なのはとっくにご存知ですので。まぁ、彼女の方は何やらショックを受けてるみたいですが」

 

 さすがは普段から何事にも動じない冷静沈着なミカサだ。その一方でレイは医務室の入口付近で頭からぷしゅーと湯気を出してショートしていた。

 

「えっ? うわあぁっ、綾波さん大丈夫!?」

 

「おばさまが碇くんと……おばさまが碇くんと……」

 

 壊れたラジオのようにブツブツと同じ事しか呟かなくなった赤面状態のレイ。見ていてある意味新鮮ではあるが、こうなってしまった空気を変えるには一度落ち着いてみるしかない。

 

 そう思いシンジがベッド横に置かれた着替えの制服を受け取ろうとすると、ふとある違和感に気付く。

 

「……って!? ちょっと待ってよ! 雪風さんは大丈夫なの!? たしか酷い火傷状態だったよねぇ!?」

 

 今更ながら思い出した。そうなのだ。ミカサはシンジ逃亡の時間を稼ぐ為に単身ラミエルとの戦いに挑み、案の定手酷くやられたはず……

 

「気付くの遅いですよ。いつまで寝惚けてるんですか」

 

「いやいやいや!? だって雪風さん、その身体……!?」

 

 シンジが震えて指差す先には火傷どころか目立った外傷一つ見当たらない、ネルフ学園の真新しいセーラー服を身に纏う健全な彼女の姿が。まるでラミエルとの戦いそのものが長い夢だったかのように、綺麗さっぱり“なかったことに”されていた。

 

「やれやれ……ユイの次はミカサの身体に興味津々ですか? まるで性欲猿ですね」

 

「んなっ……!?」

 

 あんまりな言葉に堪らず赤面するシンジ。一応彼女とは今日が実質初対面みたいなものだが、今までシンジの周りにいなかったタイプの美少女という事も手伝い、シンジはミカサとの慣れないやり取りに戸惑いを隠せずにいた。

 

「冗談です。ですがこのままでは埒が明かないので、そろそろシリアスな本題に入りましょうか」

 

 不意にシリアスな話と言われ、無意識に唾を飲み込むシンジ。それはどうやらユイやレイも同じだったようで、ミカサはショックから一時的に立ち直ったレイと共にシンジとユイがいるベッドの傍まで歩み寄る。

 

「……シンジ様、改めて言います。貴方が待つ使徒のコアをこちらに渡してください」

 

 やはりそうきたか。しかし何度言われたところで返す言葉は決まっている。

 

「今更だよ……それに渡したところで僕はこれから使徒に狙われる。そう言ってたのは君じゃないか」

 

「仰る通り。ですが貴方は目の前の現実から逃げ出し、我々と共に使徒と戦う事を拒んだ。違いますか?」

 

「そ、それは……」

 

 使徒に狙われると分かっていながら、言い返す事もできない。そんなシンジを見てミカサは溜息混じりにはっきりと告げる。

 

「貴方では戦えない。ならば代わりのチルドレンに戦ってもらうだけです」

 

「代わりって……僕の他にこんな玉コロに選ばれたのがいるって言うのか!?」

 

「惣流・アスカ・ラングレー……たしか貴方の幼馴染みでしたか。エヴァンゲリオンに選ばれた監視者(シェムハザ)、通称セカンドチルドレン」

 

「!? まさか、まさかお前らアスカをあんな化け物達と戦わせようと……!?」

 

「貴方が眠っている間にネルフ内で緊急の話し合いが行われましたが、連れて来られた彼女の方は随分やる気でしたよ。“誰かさん”と違って」

 

 まさかそんな……信じられない。シンジにはそれだけ衝撃的な話だった。たしかにアスカは昔から好奇心旺盛だし、勝ち気な性格も相俟ってこういった話には基本乗りやすいタイプだ。

 

 そして母親のキョウコもユイと同じ研究所で働いている事から、もしかしたらキョウコが学校まで出向いてアスカに協力を頼んだのかもしれない。

 

「アスカがセカンドって……監視者(シェムハザ)のチルドレンってのは何人いるんだよ?」

 

 もう一つ、聞き捨てならないのはアスカが“セカンド”と呼ばれている事。それはつまりアスカの前にファーストがいて、他にもサードやフォースがいるかもしれないという事だ。

 

 そしてその中には当然シンジも含まれるのだろう。でなければミカサもここまでシンジに言い寄ってはこないはず。

 

「ミカサが把握している仲間は今のところ6人。ファーストの綾波レイ、セカンドの惣流・アスカ・ラングレー。そしてサードが貴方……碇シンジです」

 

「雪風さんは? たしか自己紹介した時にフォースって言ってたよな?」

 

「はい、ミカサはフォースチルドレンです。その後に続く“フィフス”と“シクスス”はミカサも詳しくは知りませんが、どうやら既に別の任務を遂行しているものと」

 

 フィフスとシクスス……神の予言に選ばれた子供がそんなにもいるなんて。ミカサの説明はシンジの予想を遥かに越えていた。言い方を変えれば監視者(シェムハザ)として一緒に戦ってくれる頼もしい仲間が他に5人もいるという事でもあるが、それはシンジにとっては“死んでほしくない人”がそれだけいる事にもなる。

 

 そんな危険を伴う命懸けの仕事に自分はもちろん、幼馴染みのアスカを巻き込みたくはない。シンジなりの男のプライドだった。

 

「……シンジ、本当にごめんなさい。すべては私達大人が悪いの」

 

「母さん……?」

 

 そんな時、今まで黙っていたユイが言い辛そうな様子で口を挟む。

 

「シンジにはこれまでずっと秘密にしてたけど……母さん達が働いている人工進化研究所はあくまで表向きの仕事だったの。本当は『NERV(ネルフ)』という名称で呼ばれる特務機関で、人類補完計画を秘密裏に進めるのが私達の仕事なの」

 

「人類補完計画……じゃあ、学校でケンスケが言ってたのは本当だったんだ」

 

「そう、もう聞いてたのね……いいシンジ? 詳しい事は何も話せないけれど、人類補完計画は地上に残された私達人類が助かる唯一無二の方舟なの。あの空の向こうから舞い降りた28体の使徒は私達人類を滅亡させようとしているの」

 

「その為の計画って訳か……じゃあ、エヴァンゲリオンとかチルドレンとか監視者(シェムハザ)っていうのは?」

 

「計画の一部よ。ネルフのコンピュータプログラムシステム『MAGI』は迫り来る使徒の襲撃に備え、その対抗策を提案した……それは監視者(シェムハザ)と呼ばれる特殊な訓練を受けた子供達が使徒と直接戦う事なの」

 

「その為に必要な武器が綾波さんや雪風さんが使っていた神器(エヴァンゲリオン)……」

 

「そうよ。神器(エヴァ)は人類の敵である使徒のコアを武器の中核に埋め込む事で初めて起動できる、対使徒戦闘用の汎用型決戦兵器なのよ。さっき聞いた通り、監視者(シェムハザ)にはそれぞれ違うタイプの神器(エヴァ)が与えられているわ。レイなら槍、ミカサなら鎖に縛られた鎌というように、それぞれが最も強くイメージする戦う為の力の形──それを具現化させて武器とするの」

 

「なるほど……だから二人はただの人間なのにアラエルやラミエルとあんなに戦えてたのか」

 

「………」

 

 “ただの人間”……その言葉に若干の反応を見せるミカサだったが、シンジの前では何も言わずに握り拳を作る。本当はもっと使徒相手に頑張れるはずなのだが、今回のラミエルはミカサが今までに単独任務で戦ってきた格下レベルの使徒とは遥かにランクが違う上位個体──加えて最上級クラスの超エリート集団『七大使徒』に属する。

 

 しかもラミエルは今回初めて“使徒による人間への寄生”が確認された事例であり、それまで蜘蛛やカラスといった小動物に寄生するしかなかった格下の使徒達とは実力も知能も桁違いと言えよう。故に“本来の実力が出せない”今のミカサでは最初から勝ち目などなかった訳だ。

 

 せめて、神器(エヴァ)の鎖に縛られた“自分”の力を解放できたら……そう願わずにはいられない。

 

「碇くん……私はただの人間じゃない。使徒と戦う為に小さい頃から訓練してきたから。そしてフォース……雪風さんも恐らく同じ」

 

「……そうです。ミカサはネルフのアメリカ第二支部で密かに調整されてきました。日本の研究施設で育てられたファーストと同じく、監視者(シェムハザ)として近い未来で使徒と戦う為に……」

 

「そんな!?」

 

「碇くん……忘れているかもしれないけれど……私は昔、碇くんやおばさま達と一緒に山にピクニックに行ったの──覚えてない?」

 

「はっ……!?」

 

 その言葉を聞いた時、シンジはようやくすべてを思い出した。綾波レイと出会った時に薄々と感じていた違和感……それを今更ながら理解した。

 

「じゃ、じゃあ君が……あの時の女の子……?」

 

 震えるシンジに小さく頷く事で肯定するレイ。すると傍に居たユイが彼女の肩に手を乗せて告げる。

 

「シンジ……レイとミカサはね、生まれた時からネルフの施設で育てられた親のいない娘で、ゼーレが描いた予言の通りにいずれ地上に現れる使徒を倒す監視者(シェムハザ)になるべく訓練中だったの」

 

「なんだよ、それ……」

 

 シンジは今すぐ叫びたい衝動に駆られる。ユイの言う通り、レイやミカサは最初から使徒と戦う為だけに生かされてきた女の子で、それはすべてネルフやゼーレに仕組まれた計画の一部だったのだろう。

 

 そしてそれに母親であるユイは深く関わっている。その事がどうしてもシンジには我慢できなかった。

 

「みんな、そうやって……ぜんぶ、ぜんぶ! みんなぜんぶ汚い大人が仕組んだ事だったんじゃないか! どうせ僕が公園で拾った使徒の玉も母さんが用意してたんだろう!? 偶然にしては出来過ぎだからな!」

 

 声を荒げて激昂したシンジを前にユイ、レイ、ミカサの3人はそれぞれ暗い顔で俯いてしまう。ユイは母親なりの親心でシンジが14歳になるまで黙っていたのだが、それがかえって裏目となり、シンジは生まれて初めて自分の母親に明確な敵意を向けていた。

 

「黙ってないでなんか言えよ! そうやって女々しくしてれば許されると思ってるのか? 僕の気持ちを裏切ったくせに!」

 

「待ってシンジ、私達は──」

 

「うるさい! ここから出ていけよ! もうみんな僕を放っておいてくれ! 僕は今まで通り僕のやりたいように生きてればそれでよかったんだ!」

 

 言い切った直後、シンジはユイ目掛けて傍に置いてあった白い枕を力強く投げつけた。白衣を着た彼女の豊満な胸元にぽふんと当たった枕は重力に引かれて床下に落ち、枕の直撃に遭ったユイはショックを受けた様子で声を押し殺して涙ぐむ。

 

 すると見兼ねたレイが咄嗟に動く。明らかに怒った顔で黙々とシンジの傍まで歩み寄ると、パァンッ!と強烈な音のするビンタをシンジの頬に一発喰らわせた。

 

「痛っ、てぇ……」

 

「碇くん。やる前から“決まってる”の? あなたの未来は」

 

「な、なんだよ……急に」

 

「いいから答えて」

 

「っ……ああそうだよ! 僕やアスカ達が監視者(シェムハザ)に選ばれたのもゼーレって奴らの予言なんだろう!? それであんな化け物といきなり戦えとか言われたってそんなの無理に決まってるじゃないか! 二人と違って幼い頃から訓練もしてなくて大した力も持ってない僕なんかはすぐに殺される! そしたら僕が夢見るハーレム計画も終わ──」

 

「そう……変わってるのね」

 

 それは明らかに失望した口調だった。レイは手形の残る赤く腫れた頬を押さえながら不満を言い続けるシンジから背を向け、泣いているユイと黙っているミカサに合図を送ってから3人一緒に医務室から立ち去っていく。閉ざされた扉の向こうを呆然と見つめるシンジを一人残して……

 

 

 

 

 

「──そうやって、“嫌なこと”から逃げ続けるの?」

 

 

 

 

 

 医務室から出ていく去り際、怒ったレイが扉の前でふと立ち止まって告げた冷たい一言がシンジの脳裏から離れない。

 

 3人がいなくなった後、重苦しい空気から解放されたシンジは苦々しい表情を浮かべたまま、何度も何度もベッドに向かって自らの拳を荒々しいままに振り下ろす。

 

「わかってる……わかってるんだよ……ッ! このままじゃいけないってことくらい!」

 

 それでも心はまた逃げ出してしまう。目の前の理不尽で残酷な現実から何度も目を逸して……

 

「クソっ……! こうなったのも全部、“お前”のせいだからな……?」

 

 歯軋り、手の平に乗せた赤い玉を憎々しげに見下ろす。少年が求める答えに無口な天使は何も示してはくれない。

 

 ……ただ、心地の悪い沈黙だけが続いていた。

 

 

 

 

 

 医務室でシンジと別れた後、怒る彼に追い出された3人は研究所内の休憩スペースに設置された長い椅子に腰掛けていた。

 

「……シンジ、大丈夫かしら……」

 

 微かに残る涙の跡で目元を赤くしたユイが悲しげに呟く。今までずっと責任を感じていたユイ。

 

 二人っきりの時は人前での親子としての立場が逆転するふしだらな主従関係にあるが、それもすべては14歳になったシンジの過酷な行く末を想っての彼女なりの償いだった。……いや、たしかに彼との相性抜群な性行為にユイとしても進んでハマってしまったのも一応事実ではあるのだが。

 

「……私って、最低な母親よね……夫を裏切って、今度は息子の気持ちも裏切っているんだから」

 

 ──時計の針は元には戻せない。夫であるゲンドウが普段から口癖のように言っているこの言葉が、今はどうしても思わずにはいられない。まだ使徒との戦いやゼーレとの対決も胸の中に仕舞って忘れられていた、10年前のあの頃が懐かしい。

 

「──ユイ、あなたはこうなると分かっていながら、彼に真実を告げたのでしょう?」

 

 隣に座るミカサの言葉に目を伏せて頷くユイ。いつもは20代と勘違いされる事の多い若々しいエッチな姿も、この時ばかりは年齢相応に老け込んで見えた。

 

人間(リリン)とは弱いように見えてなかなか強い種です。私に力を貸すミカサがそうであるように──彼もきっと、私達の為に立ち上がってくれますよ」

 

 そう言って椅子から立ち上がるミカサにユイは勇気付けられたのか、細い指先で目元に残る涙を拭うと、安らいだ微笑みでミカサの手を取って感謝する。

 

「ミカサ……いつもいつも、本当にありがとう。おかげで少しは元気出た、かな」

 

「“私達”から見れば放ってなどおけない大切なヒトですから、ユイとあの少年は」

 

(……? おばさまと雪風さん……さっきから何を話してるんだろ……?)

 

 この中で唯一、二人の意味深な会話についていけないレイであった。

 

 

 

 

 

 

 一方、しばらく医務室のベッドにいたシンジは昂ぶった頭が冷えてきたのか、ベッド脇に丁寧に置いてあった着替えの制服に袖を通し、ふらふらと医務室を出ていく。

 

 そうして一人寂しく研究所内の通路を歩いていると、途中で誰もいない休憩スペースを見つけた。

 

(そう言えば、さっきから叫びっぱなしで喉渇いたな……何か買うか)

 

 何台か設置された自動販売機に持っていた財布から小銭を入れて天然水のペットボトルを購入した。そして下に落ちたペットボトルを受け取ろうと身を屈めたところ、背後から突然声を掛けられた。

 

「シンジ」

 

 聞き覚えのある声だった為にシンジは飲料水を右手に掴んだまま背後に振り返ると、そこにはネルフ学園のセーラー服を着たアスカが腰に手を当てて立っていた。

 

「アスカ! アスカもここに連れて来られたの?」

 

「まぁね。学校でアンタ待って帰ろうとしてたらあの幽霊女に声を掛けられてね。それで仕方なく職員室に行ったらミサトが待ってて、そのままミサトの車でこの研究所まで連れて来られたってワケ──シンジ?」

 

 普段通りの口調で話すアスカに対し、シンジは突然自らの両腕を伸ばすと、自動販売機の前で彼女の身体をやや乱暴に抱き締めたではないか。

 

「えぇっ!? ちょっ、ちょっとシンジ!?」

 

「──アスカ、ここにいたらダメだ。僕と一緒に二人で遠くまで逃げよう」

 

「なっ!? 何を言って!? そ、そんなこと急に……」

 

 シンジの真剣な表情と眼差しに思わず赤面してしまうアスカ。それは普段からお姫様願望の強い彼女にとってはあまりに不意打ち過ぎた。

 

「言うこと聞けって! このままじゃあ二人とも“ヤバい奴ら”に殺されるかもしれないんだぞ!」

 

「……シンジ、それって使徒って敵のこと?」

 

「ッ!? どうしてそれを……」

 

 自分と同じで“巻き込まれた身”だと思っていたアスカの発言に衝撃を覚えるシンジ。なんてことだ……アスカは既にネルフが隠していた真実を聞かされていたのだ。

 

「ここに来る途中でミサトから説明されたわ。おばさまやママ達の本当の仕事のこと、幽霊女やあたし達が仕組まれた子供、監視者(シェムハザ)の候補者だってことも」

 

「そうか、ミサト先生もネルフ学園の教師……いや、本当は母さんやキョウコさんと同じネルフで働く仲間だったのか。だからか、学校でミサト先生はクラスで孤立していた雪風さんと僕を執拗に接点持たせようとしてた……」

 

「そうだったわね。ねぇ、多分だけど、あの幽霊女──いえ、雪風さん? あの娘、ミサトやママ達に頼まれてあたしとシンジを密かに見守ってた気がするの。要はあたし達の監視役ってことよね。そう考えたらクラスの席も毎回何故か近かったし、担任のミサトとは休み時間に結構コソコソ話してたみたいだから」

 

 シンジにはアスカの考察が妙にしっくりきた。たしかにミサト先生がネルフ側の人間ならば、彼女をネルフ学園の教師として着任させたのは十中八九ユイとゲンドウの仕業だろう。そして組織の権力を使ってミサトをシンジ達クラスの担任に選び、そこに大人しくて目立たない(それは変装だったが)雪風ミカサを二人の監視役に置く──すべてはこの時の為に予め計画された事だったのだ。

 

「これじゃあ、あたしらに逃げ場なしってことよね……まったく、こういう時大人達ってほんとズルいわよね」

 

 溜息混じりに漏らすアスカ。その表情は既に諦めが入っているようだが、不思議と暗く沈んではいなかった。気になるシンジは口を開いて問い掛ける。

 

「……なぁ。アスカは……怖くないのか?」

 

「……怖くないかって聞かれたら正直怖いわよ。そりゃあね。たしか雷を操るラミエルって物凄く強い使徒にやられたんだってね?」

 

「うん……僕達はその前にアラエルって鳥の使徒と戦ったんだけど、はっきり言って人間の姿をしたラミエルは比べ物にならないくらい“ヤバかった”」

 

 それこそ生まれて初めて味わった圧倒的な絶望感と恐怖心。死を間近にした時に人間は隠された本性をさらけ出すというが、あの時に感じたラミエルの存在感はシンジにかつてないトラウマを与えていたのだ。

 

「そっか……そんなにすごいんだ、使徒と戦うのって」

 

「そうだよ。だからあんな危険な奴らとアスカを戦わせる訳にはいかないよ。雪風さんだって僕を逃がす為にあんな酷い目に遭ったってのに……」

 

「それで? そういうアンタは使徒から逃げた後どうしたの? 聞いたわよ。雪風さんが身体張って時間稼いでる間、もう一人の綾波レイって可愛い女の子に“お手て引かれて一緒に走らされた”んだって? あ~あ、これじゃ男のプライドもズタズタね」

 

 小馬鹿にした態度でアスカはシンジにジト目を使う。明らかに安い挑発ではあったが、今の不安定なシンジにそれを無視できるほどの強かな理性は残されていなかった。

 

 やれやれとばかりに他所へ振り向こうとしたアスカに、シンジは堪らず詰め寄って冷たい壁際にアスカの身体を乱暴に叩き付ける。

 

「きゃっ──!?」

 

「黙れよッ! アスカまで僕をバカにするのか!? 僕があの場所でどんな怖い目に遭ったかも直接見てないくせにッ!」

 

 荒ぶる呼吸に見開く眼──壁際に押し付けられたアスカの肩を掴むシンジは完全に怒気を含んでいた。しかしアスカも負けじと強めに言い返す。

 

「なによ! じゃあアンタは、目の前で傷付く女の子が、それでも誰かを守る為に身体張って命懸けて戦おうとしてたら、今度は自分がやらなきゃって思わないワケ!? アンタ男でしょ!? 負けてもいいから、戦う勇気くらい持ちなさいよ!」

 

「ぐっ……ああ思ったよ!? 思ったさ! 僕にも使徒と戦う力があればって! 綾波さんや雪風さん、そしてアスカを守れる強さが欲しい! このままじゃいけないって! そんなの僕自身が一番分かってるんだよッ! でも、何度決心したってまた逃げたくなるほど、この世界の理不尽な現実が怖くて怖くてもう嫌になるんだよ……ッ!」

 

 それはシンジの心からの叫びだった。気付くとシンジの目には大粒の涙が溢れ出し、アスカの肩を震えながら掴んでいた両手は自然と垂れ下がっていく。その先には立派に育ったアスカの豊満な谷間が聳え、シンジの手は力無く吸い寄せられるように彼女の巨乳に弱々しく触れていた。

 

「……ずっとこうしていたかった……アスカや母さん達とエッチしながら、“ただの碇シンジ”として幸せに生きていたかった……本当にただそれだけなんだ……僕は、僕は……」

 

 赤ん坊のように嗚咽を漏らし、シンジはアスカの絶賛発育中なFカップにしがみつく。離れたくないとばかりに、何度も何度も彼女の柔らかいおっぱいを弱々しく揉んで……

 

「……逃げたっていいじゃない! 人間なんだから! 大事なのは逃げた後でアンタ自身がどういう選択をするかでしょ!?」

 

 しばらくそうしていると、僅かに顔を赤らめたアスカが泣き続けるシンジに向かって叫ぶ。

 

「アタシだって! ママと一緒に“嫌なこと”から逃げてきた! あの忌まわしいクズ男との関係も、ドイツでの裕福な暮らしも全部捨てて……でも、日本に逃げて来ておばさまやシンジがあたし達母娘を救ってくれた! そのおかげで楽しい今があるの! 逃げた後でまた前を向いて戻ろうって思えたの!」

 

 シンジと同じで、アスカも最初から強かった訳ではない。父親がいない事を理由に周囲から虐められ、いつしか父親というものを嫌い恨むようになった事だってある。しかしそこで見た母親キョウコの涙や苦しみを分かち合った時、初めてアスカは強くなろうと頑張れた。

 

 そしてドイツでの生活を断ち切り、惣流母娘は遠い日本で不死鳥の如く蘇った。もちろん、未だにドイツでの辛い過去は母娘揃って夢に見る事もある……が、今はそれ以上の輝く未来がある。その切っ掛けを作ったのは他でもない……シンジだ。

 

「だから……ね? シンジ……あたしと監視者(シェムハザ)、一緒にやろ?」

 

 そう言って優しく手を差し伸べるアスカを見てシンジはふと思い出す。それはまだ幼稚園にいた頃、周囲からずっと孤立していたアスカに今のようにしてあげたこと……

 

 一度は絶望を知って涙を流し、母親と一緒に逃げも隠れもした。しかし彼女はそこから再び這い上がった。

 

 それだけの心の強さがあった訳じゃない。ただ周りが、他ならぬシンジが、あのまま逃げ続ける事を良しとしなかっただけの事だ。

 

 そして今はシンジがその苦しい立場に陥っている……だとすればアスカにできる事は最初から決まっている。

 

「あたしもシンジと同じで監視者(シェムハザ)に必要な基礎知識も戦闘訓練も全く受けてない素人同然の一般人だけどさ……なんて言うか、あれだけ大人達に煽られると逆に燃えてくるのよね〜。絶対負けてられない!って言うか、ミサトやおばさま、それにママ達にあたしとシンジの力を認めさせてやる!って言うか」

 

 それは実にアスカらしいシンプルな理由だった。しかしだからこそ力強く、頼もしく思える。気付けば泣き止んでいたシンジは軽く噴き出し、久しぶりの穏やかな笑顔を浮かべてアスカに微笑み掛ける。

 

「……ははっ、アスカはいつもそうだよね……僕なんか、ずっと大好きなアスカが死んでほしくないって一心で使徒と戦う事を拒んでたのに」

 

「当然でしょ? あたしを誰だと思ってんの? ドイツが生んだスーパーミラクル巨乳美少女、プリンセス・アスカ様よ!」

 

 腰に手を当ててビシッとポーズを決めるアスカに敵うものはいない。穏やかな心で見ていたシンジは何故かそう思うと、この先に待ち受ける未来でも安心できた。

 

 不安なのは自分だけじゃない。でもみんな──アスカやレイ、ミカサだってそれぞれ胸に秘めた想いを以て使徒に立ち向かおうとしている。

 

 未来はやる前から決まっている? ──否。

 

 未来はいつだって自分の手の中にある。それを生かすも殺すも自分自身の頑張り次第。ならば次はシンジが彼女達の為に男を魅せる番だ。

 

「……わかったよ、お姫様。もう、僕は逃げない。これから先、アスカ達に近付いて気安く触ろうとする邪魔な奴らはすべて薙ぎ倒してやる」

 

「それができるといいんだけどね。まっ、頼りにしてるわ、ご主人(シンジ)様♡」

 

 




【次回予告】

監視者(シェムハザ)になったシンジとアスカ。

柱の間で語られる監視者(シェムハザ)の仕事、世界樹(イグドラシル)の重要性。

倒すべき使徒を可哀想と言うシンジに、ミカサの様子が急変する。

その頃、倒したはずの使徒ラミエルは不穏な動きを見せ始めていた。

次回、『決められた役割』



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決められた役割

お待たせしました、最新話です!


 

 前回、監視者(シェムハザ)になる事を選んだシンジとアスカ。その後で2人はネルフ司令官にして人工進化研究所所長であるゲンドウに呼び出され、研究所内部から通じている秘密の地下通路を歩いてネルフ学園へとやって来ていた。

 

 その地下深くには『柱の間』と呼ばれる謎めいた空間があり、今回そこにシンジ、アスカ、レイ、ミカサの監視者(シェムハザ)4名が集まった。

 

「な、なんだよここ……」

 

「学校の地下にこんな場所があるなんて……」

 

 驚きを隠せないシンジとアスカ。『柱の間』に来たのは今回が初めてだが、レイとミカサは既に訪れた事があるのか、平然とした様子でただ何かを待っている。

 

 明かりのない真っ暗な空間にただぽつんと円形の石柱が天高くまで並び、4人が立つその石造りの床より下は黒に塗り潰されたかのように何も見えない。

 

 まるで自分が現在ハマっているPCゲーム『アポカリプス・オブ・ナイト』にでも出てきそうなファンタジーな場所だなと内心考えていたシンジ。すると部屋の真ん中に大人しく立っていたレイが声を掛けてきた。

 

「気を付けて。ここ、壁もないし落ちたら多分二度と戻ってこれないから」

 

 アスカと一緒に床下の景色(と言っても真っ暗闇で何も見えないが)を覗き込んでいたシンジはレイにそう言われ、慌てて首を引っ込める。その後ろでは白い石柱に凭れ掛かったミカサが手を口元に持っていき、ふわぁと可愛らしい欠伸をしていた。

 

『──よく来た、シンジ』

 

 ちょうどその時、どこからともなく4人を呼び出した男の声が部屋全体に響き渡る。

 

「えっ? 父さんの声? どこから……」

 

 姿は見えない。恐らく声のみが聞こえるようになっており、ゲンドウ本人はこの場所にはいないのだろう。

 

『早速だがお前にはこれからその3人と共に使徒殲滅の任務に就いてもらう。今まで何も話せずにすまなかった……詳しいことは母さんから聞いてるな?』

 

「うん……父さん、僕はアスカと一緒にやるって決めたよ」

 

『フフッ、良い子だシンジ。それでこそ私とユイの自慢の息子だ。いいか、我々は世界樹(イグドラシル)を枯らせてはならない。秩序は保たれなければならない。失われた使徒のコアを回収するのだ』

 

 ゲンドウの声は4人に新たな指示を出す。それは人類の未来を変える重要な言葉になるだろう。決意を胸に顔を見上げたシンジとアスカのもとに、真っ暗な空間の頭上から光り輝くプラグのようなものが突然現れた。

 

 白を基調とするプラグの中には赤い玉が一つだけ浮かんでおり、その周囲には幾つものルーン文字が紫色に光って何重にも組み合っている。恐らくこれで使徒のコアを封印しているのだろう。

 

『手に取れ、シンジ、アスカ。それがお前達の神器(エヴァ)だ』

 

神器(エヴァ)……これが僕のエヴァ……」

 

 シンジとアスカがそれぞれのプラグにそっと手を触れた途端、厳重に封印されていたプラグは粉々に砕け散って破壊された。そして次の瞬間にはプラグを囲んでいた紫色のルーン文字の羅列が触手のようにキュルキュルと動き出し、シンジとアスカの身体を縛り付けて拘束していく。

 

「な、なんだよこれ……!? うわっ……」

 

「いやっ……く、くすぐった……あんっ」

 

 2人の腕や胸、頭に背中などを巡り、キュルキュルと回り始めた紫色のルーン文字は次第にその神秘的な輝きを増していく。身体の中に何らかの異物が入り込む感覚。あまり良い感じはしないが、馴染むと不思議と違和感も消えた。

 

「あ……あれ? なんともない」

 

 怖くなって閉じていた目を恐る恐る開くシンジ。すると先程のルーン文字は消えており、破壊されたプラグの中に封印されていた赤い玉も同じように消えていた。

 

 シンジとアスカはそれぞれ手足や背中回りも確認してみるが、特に変わったところは見当たらない。するとそこにミカサが歩いてきて話し掛ける。

 

「大丈夫です。害はありません。お二人の身体データに書き加えられただけですので」

 

「データ? 書き加え? えっ、そんなの聞いてないんだけど……」

 

 まさか勝手に自分達の身体を弄くられたというのか……これも監視者(シェムハザ)になる為に必要な事なのだろうか。

 

「では実際にやってみましょう。その方が理解も早いかと。アスカ様、あなたも一緒に神器(エヴァ)を展開してください」

 

「待ってました! あたしとシンジ、初めての共同作業ね!」

 

「(……黙っとこ)……コホン。ではまず、二人とも右手に意識を集中して──」

 

 今度は神器(エヴァ)を展開するように言われ、仕方なく先輩であるミカサの言葉に目を閉じるシンジとアスカ。

 

((意識……集中……))

 

 すると二人の身体を取り囲むように先程消えたはずのルーン文字が展開され、紫色に光り輝く何重もの輪になってキュルキュルと回り始める。そうしている間にルーン文字が齎す紫色の光は真っ暗だった『柱の間』全域に広がり出す。

 

「イメージするのです。戦う為の武器を。あなた達の心の奥底に眠る力強い意思(エヴァ)を」

 

(僕のエヴァ……)(あたしのエヴァ……)

 

「なるほど……それがあなた達の意思の形ですか」

 

 やがて眩しい閃光は収まり、目を開けたシンジの手には白銀の拳銃、同じくアスカの手には純白に光り輝く鞭が握られていた。ずっしりとした冷たい重量を感じ、シンジとアスカはこれが玩具などではない本物の武器だと理解する。

 

「やったわ! シンジ、見てみて! あたしのエヴァは光の鞭よ、鞭! あたしに合って強そう!」

 

「僕のは銃か……使い方を練習しなきゃな」

 

 シンジとアスカで互いの神器(エヴァ)を見せ合っていると、何の前触れもなしに突然武器が手の中から消えてしまう。

 

「あれ!? なんか急に消えたけど……」

 

 驚く二人にミカサは冷静に言う。

 

「どうやらお二人とも、エヴァを動かすシンクロ率がまだ低いようですね」

 

「「シンクロ率?」」

 

神器(エヴァ)監視者(シェムハザ)の心なくては動きません。意思の形は心の強さ──我々ネルフは“シンクロ率”と呼びますが、この数値が低いと神器(エヴァ)は使い物にならないわけです」

 

「なるほど。じゃあそれが消えたってことは……」

 

「はい。エヴァが活動限界を迎えた、ということです。ですがお二人とも最初から具現化できただけでも上出来ですよ」

 

 神器(エヴァ)という武器に時間制限があるとは知らなかったシンジとアスカ。やはり強い力にはそれなりの代償があるという事なのだろう。この辺りはこれから始まるであろう監視者(シェムハザ)の訓練で少しずつ鍛えていくしかない。

 

 ……尤も、シンジと違ってアスカの方は既に勝ち気でいるようだが。

 

「フフン♪ これであたしもシンジも監視者(シェムハザ)としてまずは合格ってことね!」

 

「えぇ。エヴァとはヒトの意思。そしてあなた達はそれを示した。戦う覚悟、たしかに確認しました。これであなた達はミカサやレイと同じ、これから一緒に使徒と戦うチルドレンです」

 

「まさかあんたの口からそんな言葉が出るなんてね」

 

 そう言うとアスカはぎこちない素振りでミカサへと歩み寄り、息を吸ってから頭を下げて「ごめんなさい」と言い出した。

 

「そ、その……“ミカサ”、色々と悪かったわね……学校で幽霊女だの陰気臭いだの色々言って」

 

 謝る事に慣れていないのか、恥ずかしそうに頬を染めるアスカ。対して言われた方は想定していなかったのか、彼女にしては珍しくポーカーフェイスを崩してしまう。

 

「……珍しい。“姫”もちゃんと素直に謝れるんですね」

 

 そう言ってふふっと微笑むミカサはどこか嬉しそうだ。首元に巻いた赤いロングマフラーで口元は残念ながら見えないものの、心から笑っているように思える。

 

「えっ……姫?」

 

 しかしアスカが気になったのはそこではなく……

 

「っと……失礼しました。忘れてください」

 

「ねぇ、いまたしかに“姫”って……(うそ……その呼び方する人、あたしの知ってる中じゃ一人しかいないんだけど……)」

 

 その時ふとアスカの脳裏に幼少期から色々と親身になってくれる惣流家の“雇われお手伝いさん”の姿が思い浮かぶ。しかしそんなはずはない。あの女性は誰がどう見ても白髪頭の年老いたお婆さんなのだから……

 

 しかしミカサは学校では入学以来ずっと変装していたという。それこそ、クラスのみんなが正体に気付かないほどミカサの変装技術と演技力は完璧だった。

 

(……まさか、ね……?)

 

 仮にもしそうならば、それは本来絶対にあり得ないこと。しかし好奇心が疼いてしまう……でも、何だか聞いてはいけないような気がして──

 

 ミカサの事でアスカがぼーっと考え込んでいると、当の彼女は何事もなくシンジ達と普通に会話している。

 

「私のことはミカサと呼んでいいです。シンジ様もレイも、どうかそう呼んであげてください」

 

「わかったよ」「わかったわ」

 

 ──とその時、シンジ達がいる『柱の間』に前触れもなく強い突風が吹き、遥か高い空間の天井からゆっくりと緑色の落ち葉が降り注ぐ。

 

「落ち葉……? ここ学校の地下なのに……?」

 

「──世界樹(イグドラシル)が枯れ始めているのです。世界樹(イグドラシル)は今の次元を支える礎。世界樹(イグドラシル)が枯れてしまうと次元と次元が混じり合い、この世界は混沌と化してしまうでしょう──それを阻止する為に世界樹(イグドラシル)を支える『コア』が必要なのです」

 

「それが監視者(シェムハザ)の仕事……」

 

「はい。ほとんどの使徒は世界樹(イグドラシル)のコアとして何の自由も生き甲斐もなく、ただ永遠に“柱の礎”として使われる事を非常に嫌っております。この世界を創造した神様でもある“第1使徒アダム”に逆らった一部の使徒──通称『反逆派』は絶対的な地位とカリスマ性を誇る堕天ルシフェルをリーダーとし、世界樹(イグドラシル)からの逃亡を企て、実行に移しました」

 

「そうか、それで使徒はゼーレの予言通りにこの地上世界に現れたんだ……!」

 

「えぇ。そしてその結果、事態を重く見たアダムと第2使徒“リリス”は自らを犠牲に世界樹(イグドラシル)の秩序を何とか保ち、現在もコアとして封印されている状態にあります」

 

「それでめでたく解決って事にはならなかったの?」

 

「残念ながら……裏死海文書に記された使徒は全部で28体──これを我々は“使徒28柱”と呼びます。世界樹(イグドラシル)を支える柱が欠けていては土台が安定しないように、必ずどこかで世界に不具合が生じてしまうでしょう……既に何体かの使徒は監視者(シェムハザ)のチルドレンによって殲滅され、コアとして世界樹(イグドラシル)に還元されてますが、なるべく早く28の柱を再び一つに集結させなくてはなりません」

 

 それこそが現代社会を生きる人類(リリン)に唯一残された救いの道なのだから……

 

 そんな時、ミカサの話を聞いていたシンジが悲しげな表情でぽつり呟く。

 

「……何だかさ、それって可哀想だよな……」

 

「可哀想……?」

 

「だってそうだろ? 自分たちは望んでもないのに、世界がそう求めるから、罪もないのに世界の礎にされなきゃならないなんて……そんなの、使徒達が可哀想だなって思ってさ」

 

「シンジ様……」

 

 それはミカサにとっては衝撃的な言葉だった。今までにも人類の敵である使徒に対して好意的な目で見てきた者達も少なからずいた。しかしそれは世界樹(イグドラシル)維持の為に一部の使徒と協力関係を結んだユイやゲンドウ達ネルフという組織、あるいは使徒の存在と力をただ自分達の私欲の為に利用しようと企むゼーレに限られた事。

 

 そしてネルフもゼーレも根本的には使徒という人外の存在の気持ちなど何一つ考えてなどいなかったのだ。天界から舞い降りた天使の名を冠する使徒はその恐るべし力で世界を脅かし、やがて人類を滅ぼそうとしている。

 

「あっ……急にごめん。僕なんかが生意気なこと言って。そうだよな、使徒は倒さなきゃいけない人類の敵なんだよな……」

 

 

 

 旧い予言に記されていたから? 誰かが彼らを見て決めたから?

 

 

 

 

 

『……あなた達使徒にも、ヒトとして自由に生きる役割くらいあればよかったのに』

 

 

 

 

 

 ──シンジの言葉が、ミカサが遠い昔にどこかで聞いた白いパジャマを着た可愛らしい女の子の声と重なる。あれは、果たして誰だっただろうか……?

 

「──サ! ミカサッ! ミカサ、聞いてるのッ!?」

 

 強く言われて我に返る。アスカの声でミカサがハッとして辺りを見回すと、そこは先程まで立っていた『柱の間』ではなく、明るい月が浮かぶ深夜のネルフ学園校門前だった。

 

「あっ……ここ……私、は……?」

 

 頭の中で複雑なノイズが走る。割れそうになるほど頭が痛くて思わずふらつくが、すぐ傍に立っていたアスカの豊満で柔らかな胸元にぽふっと当たって寄り掛かってしまう。

 

「きゃっ!? も、もう……しっかりしてよね? あんた、話の途中で急にボケーッとしちゃうんだから」

 

「あっ……私……」

 

 目覚めたミカサがまだ困惑していると、アスカのFカップ巨乳に抱き着いたミカサを驚きながらも羨ましく眺めていたシンジが心配して話し掛けてくる。

 

「ミカサ、大丈夫? 一人で帰れそう? って、僕達ミカサの家わからないんだけど」

 

「あっ……シ、シンジ様……は、はいっ! 私は大丈夫ですからっ!」

 

 何故かシンジの姿を見ると異様に顔が火照ってしまう。別に“好き”という感情はなかったはず。ただ、何故か今はシンジ達と一緒にいると心の奥が舞い上がってしまいそうで──

 

 ──結局、ミカサはシンジ達3人を置いて逃げるように夜闇へと走り去っていった。大切なヒトから貰った赤いロングマフラーで先程からどうしても気を抜くと“にやけてしまう”可愛らしい笑顔を必死になってあたふたと隠しながら……

 

 

 

 

 

 一方、暗い夜道に残されたシンジ、アスカ、レイは──

 

「……変だったな」

 

「思いっきり変だったわね」

 

 ミカサの様子がおかしい事に当然気付いていたシンジ達。隣にいるレイも黙ってコクコク頷いているのを見るに、やはり今のミカサはいつもの彼女らしくなかったと言えよう。

 

 果たして彼女に何があったのか……突然の事に心当たりが全く思い付かないシンジ達では生憎見当も付かない。仕方なくシンジ達はそれぞれ帰路に着く事にし、通学路の途中で家までの見送りを断ったアスカと別れたシンジは、レイと二人っきりで黙々と自宅のあるマンションまで歩く。

 

 やがて二人はマンション近くの赤信号で並んで立ち止まり、徐に話し始めた。

 

「えっと……今日は色んなことがあって疲れちゃったね、綾波さん」

 

 使徒に襲われ、使徒と戦う羽目になり、ラミエルに叩きのめされて、母親との秘密の関係をレイとミカサに見られてしまい、ユイから真実を聞かされ、ユイに自分の怒りをぶつけ、レイからビンタされ、アスカに励まされ、監視者(シェムハザ)になり、神器(エヴァ)を手に入れ──

 

 なかなかに濃密な1日だったなぁとシンジが思い返していると、隣にいたレイがシンジの横顔をちらっと見てから恥ずかしそうにもじもじとし始めたではないか。

 

「……碇くん。私、実はまだ碇くんに話してないことがあるの」

 

「えっ? それって……(なんだろ……『今日はなんだか帰りたくない気分なの……ねぇ、私を碇くんのお家まで連れてって♡』かなぁ……えへへ)」

 

 恥じらうレイの様子を見てすぐさまエッチな妄想が浮かび、嬉しそうに鼻の下を伸ばしてにやけるシンジが聞き返すと、レイは一息入れてから今日一番のとんでもない爆弾発言を最後の最後で投下した。

 

 

 

 

 

「あのね……私、今日から碇くん家の子供になるの」

 

 

 

 

 

 私、碇くん家の子供になるの──私、碇くんの子供になるの──子供になるの──子供に──碇くんの子供──あんたパパぁ?

 

「──ゑ?」

 

 ──どうやら、碇シンジの苦悩はまだまだ始まったばかりらしい。

 

 

 

 

 

 ──その同時刻、シンジとアスカがそれぞれ監視者(シェムハザ)になると決断したその日の深夜。

 

 日中あれだけ激しく降り続けた雷雨も今は上がり、静寂に包まれた夜空は明るい月光に照らされていた。

 

「ヤッバ。遅くなっちゃった(やだなぁ……最近この辺物騒らしいし……早く帰ろ)」

 

 そんな中、ある女子大生が暗い夜道を一人で無防備に歩いていると、道端の電柱に何やら寄り添うように座り込む若い身形の男を発見する。

 

「きゃっ……やだ……この人、酔っ払い……?」

 

 青髪が特徴的な男は頭をがくんと下げて俯いており、このままでは酒に酔っているか寝ているのかもわからない。そこで女子大生はなるべく関わらないように男の前を避けて素通りしようと決め込むが……

 

(……血!?)

 

 そこで不運にも彼女は視てしまった。電柱前にぐったりと座り込む男の身体は全身至るところ血に塗れて異臭を放ち、夥しい量の血が道路まで流れ出している。

 

 さすがにそんな状況を見せられ、我関せずに無視できるほど、この女子大生は冷たい人間ではなかった。

 

「だっ、大丈夫ですか!? 今、救急車を……」

 

 心配した彼女が慌てて駆け寄り声を掛けるが、その男は今にも死んでしまいそうな虚ろいだ表情で目の前に現れた女子大生を見つめる。

 

(誰だ……? 人間(リリン)のオンナか……この際だ、憑依先に文句は言えない、か……)

 

 命尽き掛け意識朦朧としていた男はこの際、新しい器はオンナでもいいと考え、ピンク色の携帯電話で救急車を呼ぼうとしていた女子大生に向かって鋭い牙を剥く。

 

 対する彼女は電話を掛けるのに夢中で背後にいる男がよろよろと立ち上がったのを見ておらず、気付いた時には男の魔の手が眼前まで迫っていた。

 

 そして……

 

「はい、血だらけの男の人がぐったりしてて……はい、すぐに救急車を……えっ!? ぁ、やっ……きゃあああああああああああ!!?」

 

『もしもし!? どうしました!? もしもし!? 聞こえますか!? もしもし!?』

 

 深夜の街に若い女子大生の甲高い悲鳴が響き渡り、道路に落とした携帯電話の向こうでは病院の救急担当が何度も声を呼び掛けていた。しかしその返事は届かない……こうしてまた一人、使徒に襲われた罪無き犠牲者が増えるのだった。

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ、あはぁ……♡ やっぱりこの感覚っていいわぁ……ヒトのカラダ、アタシの新しいカラダ♪」

 

 先程自らが噴出した真っ赤な鮮血をその身に浴び、着衣が乱れた女子大生は苦しそうに息を吐き、襲い掛かってきた男へと視線を向ける。

 

 血だらけの男は鋭く伸びた爪で彼女の胸元を軽く一突きした後、突然その生命活動を停止。逆に襲われたはずの女子大生はしばらく意識を飛ばし呆然としていたが、次に目覚めた時には自身の豊満な胸から勢いよく鮮血が飛び散る様を見て、我慢できずにニヤリと嗤うのだった。

 

「……あぁ、“生きてる”ってステキ……この胸の温かいドクドク、ちょっぴりクセになりそ♡ ……あっ、そーだ」

 

 言いつつ女子大生……否、自身の器となる肉体を取り変えた使徒“ラミエル”は、既に物言わぬ死骸と化した哀れな男を膝に両手を当てた中腰の姿勢で見下ろす。

 

「今までそのカラダ使わせてくれてありがと♡ 初めてにしてはなかなかイキのイイ器だったわ」

 

 そう言って彼女は、胸元が深く強調された推定Gカップの豊満な谷間をたぷんとエッチに揺らしながら笑顔で死体に話し掛けるが、その冷たく暗い眼は微塵も笑ってなどなく、今まで自身が一方的に殺し、監視者(シェムハザ)との戦闘に敗北するまで散々使い潰してきたであろう男をただの代替品としか見ていなかった。

 

 哀れな事に、それまでラミエル“だった”青髪の男はまるで全身の栄養分をすべて彼女に吸い尽くされたような、骨と皮だけのグロテスクなミイラ姿となって完全に死に絶えていた。

 

「さて、と……無事に上等なカラダも手に入れたし、監視者(あいつら)のところいかなきゃね」

 

 その冷酷無慈悲な惨状を目の当たりにしながら、優しい人間の心を失った彼女は既に意識を別のところに向けたのか、もう二度と犠牲となった男に振り返る事はなかった。

 

 

 

 

 

 その後、ラミエルは先程の電柱に寄り掛かって現状を一旦整理する事に。

 

「アタシの考えが間違ってなければ、あの時あの男の子から感じた気配は使徒と同じもの……まさか、いなくなった堕天ルシフェル様があの男の子ってこと……?」

 

 真相はわからない。だが仮にもしそうだとすれば一大事なのは間違いない。何せ長らく消息不明だった第4使徒ルシフェル……またの名を『反逆の堕天使ルシファー』が世界樹(イグドラシル)を抜け出してこの地上世界に降臨し、あろうことか人間の少年に憑依、その肉体に寄生している可能性があるからだ。

 

「これは直接会って確かめなきゃね……もしも本当にルシフェル様のコアを宿してるなら、迂闊にあの子の身体を壊すことなんてできないし……」

 

 新しい肉体を手に入れたラミエルとしては今すぐにでもシンジや他の監視者(シェムハザ)を見つけ出して復讐を遂げたいところだが、相手側のバックにラミエル含む反逆派の使徒達を束ねる偉大なるルシフェルが潜んでいるとあれば、さすがにこちらも分が悪い。それこそルシフェルへの忠誠に対する裏切りと見做され即刻処刑されかねない。

 

 先に手は出せない……ラミエルとしては悔しいが、今は運良く拾った命を考え、しばらく身を潜めて出直した方がいいかもしれない。それに同じ反逆派の仲間達への報告もする必要がある。

 

 が、しかし……

 

「あっ、そーだ! 奪われたコアと一緒にあの子も手に入れる“とってもイイこと”思いついちゃった♪」

 

 ラミエルは意地汚く口元を歪めて嗤う。そもそも地位、実力共に使徒28柱のエリート集団である『七大使徒』の一羽、『雷霆(らいてい)のラミエル』が取るに足らない人間の子供達にしてやられたとあっては面目丸潰れ、生き恥もいいところだ。

 

 しかし碇シンジという少年がもしもルシフェルのコアをその身に宿しているとすれば、彼の身柄を手土産に反逆派の連中、強いてはラミエルと同じ『七大使徒』の格上達への示しも付くというもの。

 

 そこまで計算したラミエルはニヤリと邪悪な笑みを浮かべ、先程この身体の持ち主が道路に落としたピンク色の携帯電話をその肌白い美脚でバキッと踏み砕く。

 

「んふっ。待っててね♡ このオンナのカラダの使い方を覚えたら、身も心もとことん骨抜きにしてあげる♡ そうすれば愛しのルシフェル様もアタシを寵愛してくれるかなぁ? アハッ、アハハハハハハハ!」

 

 興奮気味に高笑い、軽く身悶えしたラミエルは自身の背中から使徒の証である大きな黒い羽根を生やす。今宵、雷霆(らいてい)の堕天使は妖艶なる巨乳美女の姿を得てここに完全復活した。

 

 

 

 




【次回予告】

シンジのクラスに突如として転校して来た謎の美少女、綾波レイ。

シンジと仲良くするレイに苛立ちを隠せないアスカ。

ヒカリから素直になれと助言されるものの、プライドが邪魔をして空回る。

そんな中、アスカはレイへの対抗意識を燃やすあまり、体育の授業で怪我をしてしまう。

強がるアスカにシンジは男を見せる。

次回、『負けず嫌いのアスカ』


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負けず嫌いのアスカ

大変長らくお待たせしました。最新話です。

一度はこの小説の設定や下書きなどを保存してたデータが消失したり、持病の悪化などで執筆作業が進みませんでしたが、今年に入ってようやく復旧作業を終えて何とか更新再開できそうなので、また頑張って書き進めます。

第3章に入って本来予定していたストーリーとだいぶ路線変更してしまいましたが、これは自分なりに完結済みの原作『碇シンジ育成計画』の解明されてない様々な謎や、作中で明らかに存在していると思われるエヴァ要素などを色々考察した結果、一番納得がいく『育成計画』の世界観に仕上げたのが理由です。

とはいえ、基本的なストーリーやエロ要素はちゃんと『碇シンジ育成計画』をベースにこれからも進めて行きますのでご期待ください。


 

「──という訳で今から転校生を紹介する! みんな仲良くするよーに! 野郎ども喜べ! 女子だぞ女子ーーっ!」

 

 教卓に立った黄色いスーツ姿のミサト先生が開口一番にクラスを見渡しテンション高めに言い放つ。

 

 湧き上がる歓声や口笛に興奮と期待を隠せない男子達。その一方で教室の真ん中に居座るアスカのテンションは朝からだだ下がりだった。

 

(……バカばっか)

 

 それは今から遡ること1時間前の話──

 

 

 

 

 

「シンジ〜、起こしに来てやったわよ〜」

 

 早朝の住宅街。幼馴染みのアスカがいつも通りにシンジの住むマンションまで迎えにやって来る。

 

 しかし今日はどうも既に起きているような気配がドアの向こうに感じる。おかしい……いつもならシンジはまだベッドで寝ている時間帯なのに。

 

 ならば先程玄関で出迎えてくれた母親のユイに日課となったシンジの性処理を先越されていたかと思い、悔しそうにアスカが悶々しながら部屋に向かって声を掛けようとすると……

 

「碇くん、惣流さんが来たみたい。早くしないと」

 

「ちょっ、ちょっと待ってよ。まだこっちは着替えて──」

 

 シンジの声だ。それにどういう訳か綾波レイという女の子の声も部屋の中から聞こえる。

 

(……!? えっ、うそ!? シンジと……この声は、まさか……!?)

 

 思わずドアノブに掛けた手を止めるアスカ。瞬間ありとあらゆる疑問が浮かんでは消え、アスカの脳内でこの理解し難い状況に関する大論争が繰り広げられる。

 

 何故、いつもならアスカかユイでなければ絶対に目覚めないシンジが既に起きているのか。

 

 何故、昨日の夜に人工進化研究所内でお互い知り合ったばかりの少女が早朝の時間帯にシンジの部屋にいるのか。

 

 ドアノブを握ったまま俯き震えるアスカを尻目に、部屋の中からは二人の会話が聞こえてくる。

 

「もう、碇くんったら……ほら、急がないと遅刻するわよ」

 

「ご、ごめんね綾波さん。昨日の夜は色々あって疲れちゃって」

 

 ……もう我慢できない。これ以上は聞きたくない。ドアノブに手を掛けたアスカが強く息を吸って大声を出す。

 

「アンタたち、朝からナニやってんのよッ!?」

 

 ガチャッ──アスカは幼馴染みの怪しい現場に強行突入した。

 

「えっ? ア、アスカ……!?」

 

「惣流、さん……?」

 

 アスカが恨めしく睨んだ視線の先にはまだ着替え途中だったのか──前ボタンを全開にした白いワイシャツにズボンを履き掛けてパンツが丸見えなシンジが赤面して立っていた。

 

 その隣にはシンジのスクールバッグを大切そうに両手で抱えた綾波レイが見慣れた学生服姿で立っており、こちらも同じく頬を赤らめている。

 

「え……シン、ジ……!?」

 

「アスカ……い、いや……見ちゃだめ……」

 

 慌てて着替えているところを女の子に見られて恥ずかしいのか、顔を赤くしたシンジはこの気まずい空気をどうにかしようと女の子口調で呟いてみる。

 

 それが意外と可愛くて案外悪くないと一瞬でも思ってしまったアスカは照れ隠しなのか、顔を赤くしてぷるぷると拳を震わせる。そして……

 

「こ……こんのぉ……バカシンジ〜ッ!」

 

「ぐぉぅえっ!?」

 

「きゃっ!? い、碇くん大丈夫!? 惣流さん!?」

 

「ぐっ、うぅ……お、お願いだから……グーはやめて、グーは……ガクッ」

 

 しかし哀れにも痛々しい顔面パンチとシンジの悲鳴だけが早朝の部屋に虚しく響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 ──その後、何とか学校の支度を終えたシンジはマンションを飛び出し、待たせた二人の美少女にぺこぺこ頭を下げながら彼女達を追い掛けていく。

 

「いっててて……だから何度も言うように、綾波さんに起こしてもらったんだって。それに学校の準備とかも全部やってくれて──」

 

「……ほんとに〜? そう言って“やらしいこと”させてたんじゃないでしょうね?」

 

 アスカが疑わしそうな目でジトッと横目を向けて来る。

 

「ち、違っ『違うわ。碇くんの言っていることは間違ってないわ』──そ、そう! そうなんだよアスカ様ぁ!」

 

 シンジは必死に弁明しようとするが、そこにシンジの隣を歩くレイが会話に割り込んでくる。

 

「む〜……怪しい。じゃあなんで一緒にいるのよ!」

 

「なんでって……そりゃあ昨日から僕たち家族になったんだし」

 

「か、家族ぅ!? はぁ!? 何よそれ!? 同棲ってこと!?」

 

 アスカが驚いた様子で声を上げる。確かに傍から見れば、シンジとレイは初々しい男女のカップルに見えるだろう。

 

 ……だが実際にはそうではない。レイはあくまでユイとゲンドウの養子として碇家に引き取られただけで、シンジとは実質昨日出会ったばかりなのだ。

 

「う、うん……母さんと父さんがね、ずっとネルフの施設暮らしだった綾波さんには両親がいないから、これからウチで養子として迎えるんだって」

 

「そんな……あ、あんたはそれでいいの!?」

 

 アスカがレイの肩を掴んで揺さぶってくる。シンジとしては別に構わないのだが……どうやらアスカは納得いかないらしい。

 

「えぇ……ユイおばさまにも碇くんをよろしくって言われたから」

 

 そう言ってアスカに優しく微笑み返すレイ。その表情は心なしかとても嬉しそうだ。

 

「で、出会ったばかりで即同棲って……あたしなんて10年来の幼馴染みで未だに親公認の通い妻で我慢してるってのに」

 

 アスカにとっては宛ら頭を棍棒で殴られたようなショックだった。

 

 それを知ってか知らずか、二人の可愛い美少女に挟まれる形でネルフ学園までの道路を歩くシンジはまさに“両手に花”だ。

 

「そういう訳だから、僕と綾波さんに疚しいことなんて何もないよ。第一、母さんと父さんがいる前で手出しなんて僕にはとてもとても……」

 

 と、笑顔でさらりと言うシンジだが……待て、忘れてはならない。

 

 昨夜、お風呂に入る為に服を脱いだシンジは自宅のお風呂場で“うっかり”レイのぽかぽかと温まったエッチな裸と出会してしまうという、何ともお約束なラッキースケベを発動させていた。

 

 しかも動揺したあまりに逃げようとして転んでしまい、自らの足を驚くレイに引っ掛け、押し倒した挙句に彼女の控えめなCカップの胸に顔を埋めた体勢で掴んでしまい、可愛い悲鳴を上げた彼女から一日二度目となる痛烈なビンタを貰う羽目になったのだ。

 

 そんな馬鹿馬鹿しい話、怒れるアスカには絶対に言えるはずもなく……

 

「むぅ……許してあげるわよ」

 

 とりあえずシンジの言い分を信用したアスカが不機嫌そうながらも渋々引き下がる。

 

「ほんと!? ありがとう! さすが僕のナンバーワン! 姫様女神様アスカ様!」

 

「バ〜カ。まったく……ほんとに調子良いんだから」

 

 実はアスカ、シンジとレイの様子を観察していて本当に間違った事はしてなさそうだと自分なりに納得した為、既に怒りの感情は収まりつつあった。

 

 ……とは言え、嫉妬は隠せてないが。一方でそうとは知らないシンジは、アスカにはこのままご機嫌取って黙っておこうと内心固く誓うのだった。

 

 そうして3人揃ってネルフ学園に到着すると、レイは職員室でミサト先生と話す事があるらしいので一旦別れ、シンジはアスカと共に2年A組の教室に向かう。

 

 そしてこの話は先程の冒頭に戻り──

 

 

 

 

 

「綾波レイです。よろしく」

 

 2年A組の教室に入って来た転校生の美少女を見て、男子達はざわつき始める。

 

 まず目に付くのは、やはり制服越しでも分かる容姿端麗なスタイルだろう。スラリと伸びた華奢な手足に均整の取れた体付き、そして短く切り揃った水色の髪が窓から射す朝日を浴びて煌めく姿はまるで天使のように可憐だ。

 

 そしてその美しい容姿と裏腹に、何処か人形のような無機質さと神秘的な雰囲気を併せ持つ不思議な魅力を持つ彼女は、早くもクラス中の注目を集める。

 

「それじゃあ席はシンジ君の隣ね」

 

「よろしく」

 

「あ……うん」

 

 担任のミサト先生に促され、シンジの隣の空席に座るレイ。その様子をレイの後ろの席に座るアスカは複雑な心境で見つめていた。

 

 レイはシンジに好意を持っているのか、それともただの興味本位なのか……どちらにせよ、少なくとも幼馴染みであるアスカの眼から見てもレイがシンジに興味を抱いている事は間違いない。

 

(まさか……中学生になってこんなに早くライバルが増えるなんて……)

 

 幼稚園でシンジと出会ってからというもの、アスカは毎日がドキドキの連続だ。幼馴染みのシンジは子供の頃から女の子みたいに可愛くて、昔から一緒に遊んでいた時はいつも面倒を見てきた。

 

 アスカはシンジに女の子としての自分を意識してもらうべく、いつも彼の前では可愛くてエッチな女の子らしく振る舞う努力をしてきた。

 

 時にはスカートを捲ったり、わざと下着が見えそうな格好をしたり、一緒にお風呂に入ったり、ベッドで寝たり、両親に内緒で性行為してみたり……

 

 とにかく色々やってきた。なのにシンジは一向にアスカに対して恋人らしい反応を見せようとしない。

 

 なので、アスカは半ば諦めて幼馴染み兼性奴隷の関係を続けていこうと思っていた。

 

 だが……それはあくまでアスカの一方的な思い込みであり、シンジがアスカを異性として実は誰よりも大切に扱っているという事をアスカ自身はまだ気付いていなかった。

 

 前方の二人を見つめて悶々するアスカが物思いに耽っている間に朝のホームルームが終了し、授業が始まる。

 

 レイは転校生ながら様々な科目で優秀な成績を修め、特に数学と英語の成績は他の教科と比べて群を抜いていた。

 

 それまではネルフ学園が誇る最優秀生徒だった努力の天才アスカと互角或いはそれ以上に渡り合うレイは、転校初日で忽ちクラスの人気者になる。

 

 そして早くも昼休みになり──

 

「「「綾波さん!!」」」

 

 昼休みのチャイムが鳴り響くと同時に、シンジのクラスメイト達が次々とレイの元に押し寄せる。

 

「今までどこに住んでたの?」

 

「第3新東京市に来た感想は?」

 

「好きな男性のタイプは?」

 

「スリーサイズ教えて!」

 

 等々……皆、一刻も早くレイと親しくなってお近づきになりたいのか、矢継ぎ早に質問を浴びせてくる。

 

 それに対してレイは一つ一つ丁寧に答えていき、質問が終わったと思ったら今度は別の女子達がレイを取り囲む。

 

 レイは質問攻めにされるものの、嫌な顔をせずに淡々と受け応えしていく。そんな中、シンジはレイの周りに集まる人達を遠巻きに眺めているだけだった。

 

 するとアスカが一人でいたシンジの前に歩み寄り、もじもじしながらワイシャツをくいっと引っ張ってくる。

 

 アスカは恥ずかしそうに頬を赤らめながら、上目遣いでシンジの瞳をじっと見つめて言う。

 

「ねぇシンジ……あたしと一緒にご飯食べよ……?」

 

「えっ? あ……うん。いいよ」

 

 シンジが笑顔で答えると、アスカは嬉しそうにパァッと明るい表情を見せる。しかしそこにトウジとケンスケが現れ、アスカにちょっかいを掛けてくる。

 

「惣流、ワシらも一緒にメシ食わせてくれや。どうせ碇センセの美味い手作り弁当食うんやろ?」

 

「いいでしょ? ねっ、頼むよ~」

 

 二人はそう言ってシンジの肩に馴れ馴れしく腕を回してくる。するとシンジは面倒臭そうに露骨な溜息を吐く。

 

「えぇ~……」

 

「何やねんそのイヤそうな顔は?」

 

「大丈夫だよ。惣流の好きなおかずはちゃんと残しておくからさ」

 

 二人にそう言われたシンジがどうするかとばかりにアスカの方を見ると、アスカはぷっくりと頬を膨らませて可愛らしくそっぽを向いてしまう。

 

 その様子から、どうやら今日はシンジと二人っきりで邪魔されずに昼食を食べるつもりだったようだ。

 

「ダメよ、シンジはあたしが先約なんだから! ほら行くわよシンジ!」

 

 シンジの手を引いてアスカが強引に教室から連れ去ろうとすると、トウジがすかさずシンジのもう片方の腕を掴んで引き止める。

 

 シンジは困った様子で頭を掻き、アスカはイラついた表情でトウジを睨み付ける。

 

「ちょっと鈴原、放しなさいよ! シンジが嫌がってるでしょ!?」

 

「なんや惣流、今日は朝から機嫌悪いのう。あないな美人が碇の隣になって、自分のダンナが取られんかと気が気でないんやろ?」

 

「お、おいトウジ……」

 

 ニヤニヤと笑みを浮かべるトウジに、ケンスケは呆れたように苦笑いをする。そんな二人の態度にアスカは更に機嫌を悪化させ、今にも怒鳴り散らそうとする。

 

「な……なぁんですってぇ~!?」

 

「まあまあ、落ち着けって……惣流も綾波さんも可愛くて綺麗だし、どっちも碇とはお似合いだと思うけどなぁ。ただ綾波さんってなんか不思議な感じの子だから、碇もきっと惣流が持ってない何か惹かれるものがあるんじゃないかな?」

 

 ケンスケが慌ててフォローを入れるも、それは逆効果だったようで……

 

「碇! 正直言ってお前も惣流よか綾波さんの方がいいなーとか思っとるやろ?」

 

 シンジの肩に手を回し、ぐいと引き寄せながらトウジが訊ねる。

 

「え、えぇっ……!? 別にそんな事はないけどなぁ……(アスカはおっぱい大きいし、みんな知らないけど僕とのエッチじゃ甘えるようにデレデレして可愛いし)」

 

 シンジが少し動揺した様子で言うと、アスカは負けじとシンジの腰に抱き着き、ぎゅうと力を込めてくる。

 

 そのいじらしい行動にシンジは思わずドキッとしてしまい、同時に胸の高鳴りを抑えられない。

 

 そんなシンジの様子を見て、アスカは勝ち誇ったような態度を見せる。一方、シンジの答えを聞いたトウジとケンスケは、これは面白くなってきたと言わんばかりの悪戯っぽい笑みを浮かべる。

 

「ホンマかぁ? ワシにはそうは見えへんかったで」

 

「いいから綾波さんにも声掛けてみろよ。絶対に脈ありだって──」

 

「何なのよ、さっきから聞いてれば!」

 

 トウジとケンスケの言葉にアスカが苛立った口調で叫ぶと、シンジはハッと我に返ってアスカの顔を見る。

 

 アスカは眉根を寄せて頬を赤らめつつも、怒った表情でレイに向かって指差す。

 

「なんであたしがこんな女に嫉妬しなくちゃいけないのよ! いくら朝シンジの家から出て来たからって──」

 

 アスカがそこまで言い掛けると、すぐに失言に気付いたのか、ハッと口を塞いでレイをチラリと見る。

 

 一方のレイは特に気にする素振りもなく、自分の机に座ってただ黙々とユイが作った弁当箱の蓋を開けていたのだが……

 

「「「えぇぇ~~っ!?」」」

 

 アスカの爆弾発言を聞いて、シンジとレイを除いたクラスメイト全員が驚きの声を上げる。

 

 そのあまりの衝撃に教室中がざわつき始め、シンジはどうして良いのか分からずにクラスメイトから言い寄られてしまう。

 

「碇、どういう事や!?」

 

「説明しろ! 二股か!? ハーレムなのか!? どっちなんだ!?」

 

「不潔よ碇くん!」

 

 などと詰め寄るトウジにケンスケ、更にはクラス委員長のヒカリまで加わり、シンジはタジタジになる。

 

 その一方で、アスカはしまったという表情でレイの様子を伺う。

 

「綾波さん、今の話……本当なんですか!?」

 

「えぇ。だって私、碇くんの家にご厄介になってるんだもの」

 

 ところがレイは相変わらずの無表情で、静かに弁当の箸を進めていた。アスカはレイが今の発言を全く意に介していない事に、ますますムキになって機嫌を悪化させていく。

 

「ず、ずるいぞ碇! お前ばっか……!」

 

「そ、そんな事言われても……」

 

 男子生徒達からの嫉妬深い非難の目に晒され、シンジは困り果ててしまう。

 

「今ここで決めろ! どっちが本命なんだ!?」

 

「だ、だから何でそういう話に──」

 

「男らしくないわよ碇くん! アスカが可哀想よ!」

 

「そうだそうだ! はっきりしろ!」

 

 大勢に囲まれたシンジが困惑してオロオロしていると、顔を真っ赤に染めたアスカが突然大声で叫び出す。

 

「あ~もうっ! いい加減にしなさ~い!!」

 

 いきなりの大音声に、騒いでいたクラスメイト達はビクッと体を震わせ、一斉に静かになるのだった。

 

 そして──

 

 

 

 

 

「はぁ……もうっ、あいつらのせいでゆっくり食べる時間なくなっちゃったじゃない! おまけにシンジは鈴原達に奪われちゃうし……はぁ」

 

 アスカは人気のない学校の屋上で溜息を吐きながら寂しげに弁当を食べている。

 

 その横にはクラス委員長でアスカの親友であるヒカリが弁当を食べており、苦笑いしながらアスカの愚痴を聞いてあげていた。

 

「アスカ……今日はほんとご機嫌斜めね。やっぱり綾波さんのこと気になる?」

 

「なっ……!?」

 

 アスカはヒカリに図星を突かれ、思わず口の中のものを喉に詰まらせそうになるものの、何とか飲み込み、顔を赤くしながら必死に誤魔化そうと取り繕う。

 

 しかしアスカが動揺している事はバレバレであり、ヒカリはクスッと笑う。

 

「さっき聞いたんだけど……綾波さん、碇くんの母方の親戚なんだって」

 

「……そんなのがいるなんてあたし知らなかった……」

 

 弁当を食べ終えたアスカはそう呟くと、再び大きな溜息を漏らす。

 

「アスカでも碇くんの事で知らない事あったんだね」

 

「ちょっとヒカリ! もう何度も言ってるけど、あたしとシンジは昔からの腐れ縁ってだけなんだから!」

 

 そう言うとアスカは拗ねた子供のようにプイッと顔を背ける。しかしヒカリにはそれが照れ隠しにしか見えなかったようで、ニコニコと楽しそうに微笑んでいるだけだった。

 

「ふふっ。そうなんだ」

 

「……そうよ(……ほんとはあたしのご主人様なんだけどね)」

 

 アスカは心の中でそう付け加えると、空になった弁当箱を片付けて立ち上がり、屋上のフェンス越しから校庭を見下ろす。

 

「ねぇ、アスカ」

 

 そんなアスカに、今度はヒカリの方から声を掛ける。しかしアスカはそれに答えようとはせず、ただ黙って景色を眺める。

 

 するとヒカリはアスカの横に立ち、同じように校庭を見下ろしながら話し掛けてきた。

 

「アスカにはアスカの良い所がいっぱいあるんだから。もっと素直になったらいいと思うよ」

 

 優しく諭すヒカリに対し、アスカはチラッと横目でヒカリの方を見て、やや照れ臭そうな様子でそっぽを向いた。

 

 そんなアスカにヒカリは苦笑いしてしまう。元々アスカはプライドが高く、自分に自信があり過ぎるせいか、普段から周りに対して高圧的な態度を取る事が多い。

 

 その為かヒカリやシンジ達以外のクラスメイトからはあまり好かれてはいなかったのだ。

 

 しかし最近になり、何故か女子にモテるシンジを通じて他の女子とも話す機会が増え、少しずつではあるが他人に対する思いやりや優しさを見せるようになっていた。

 

「素直……か」

 

 アスカは小さく呟くと、昼休み終了のチャイムが鳴るまでずっと遠くの景色を眺めていた。

 

 

 

 

 

 そして──午後から始まった体育の授業中に事件は起きた。

 

 今日は男女に別れて校庭でサッカーの授業だったのだが、アスカはシンジを意識し過ぎるあまり、いつもの調子が出せていなかった。

 

 その証拠にボールを蹴る度に変な方向に飛ばしてしまい、結局前半はほとんど何もできずに終わってしまう。

 

 一方、そんなアスカとは対照的にレイはサッカーでも絶好調であった。流石はネルフが誇る監視者(シェムハザ)のファーストチルドレン──恐らく普段から使徒と戦う事をイメージしてこういった運動トレーニングを行って身体を鍛えているのだろう。

 

 涼しげな表情でレイがパスカットしたボールは的確に味方に回り、ドリブルで敵陣に切り込んでいく様はまるでもう一人のアスカを見ているようだった。

 

 しかしそれが却ってアスカには気に入らないようで……

 

「っ……元はと言えば、全部こいつのせいじゃない。あんたなんか……大嫌い!!」

 

 レイのプレーを見て完全に頭に血が上ってしまったアスカ。苛立ちを隠せない様子でレイに向かって叫ぶと、レイ目掛けて思いっきりボールを蹴ろうとして足首を強く捻ってしまう。

 

「痛っ……!」

 

「アスカ、どこ蹴ってるの!?」

 

 アスカの足から離れた勢いそのままにボールは明後日の方向へと飛んでいき、やがて地面に落ちて転がっていく。それを離れた場所から見ていた男子達は騒ぎを聞き付け、すぐさまシンジが倒れたアスカの元に駆け寄ってきた。

 

「アスカ、大丈夫!?」

 

 シンジが心配してアスカの身体を抱き起こすと、アスカは痛みを堪えるようにぎゅっと目を閉じ、歯を食い縛っていた。

 

 どうやらアスカの左足首はかなり腫れてしまっており、とても歩けそうにはなかった。

 

「こりゃ無理な蹴り方しようとして足を捻ったな」

 

 体育教師の加持先生が判断すると、近くにいたシンジに向かって声を掛ける。

 

「シンジくん。すまないが彼女を保健室まで連れて行ってくれるかい?」

 

「へ、平気です! あたし何ともありません!」

 

 しかしその様子を見ていたアスカはプライドが邪魔するのか、シンジの手を振り払うと自力で起き上がる。

 

「だが一応赤木先生に診てもらわないと──」

 

「行けって言うならあたし一人で行きます!」

 

 心配する加持先生にアスカは強がって見せると、ゆっくりと歩いて校舎に向かって歩き始める。

 

 シンジはその様子を見つめると、何かを決心したかのように強く拳を握り締め、すぐにアスカの後を追うように走り出した。

 

「待ってよアスカ!」

 

「うるさいわね。ついて来ないでよ!」

 

「バカ! そんな早足で歩くなよ」

 

 シンジはネルフ学園1階に位置する保健室に向かう廊下でアスカに追いつく。

 

「ほんとに平気なんだから」

 

「そんな事言って──」

 

 だがやはり左足首に激痛が走ったのか、堪らずアスカはその場に蹲る。

 

「痛っ……!」

 

「ほら見ろ。言わんこっちゃない!」

 

「ほ、ほっといてよ!」

 

 シンジの手を払い除け、アスカは再び一人だけで立とうとするも……やはり左足首に強い痛みを感じてバランスを崩してしまう。

 

 それを見たシンジはすぐに倒れそうになったアスカを支えようと手を伸ばす。ところがその瞬間──二人は同時に互いの指先が触れ合ってしまい、驚いて反射的にお互いの体を引き離す。

 

 その反動でアスカは尻餅をつき、シンジは咄嵯に伸ばした右手を左手で押さえていた。

 

「ぁ……その、ごめん」

 

 それからしばらく沈黙が続き、やがて先に口を開いたのはシンジの方だった。その表情はどこか切なそうに、申し訳なさそうに悲しんでいた。

 

「………」

 

 一方のアスカはシンジに触れられてしまった事が余程恥ずかしかったらしく、顔を真っ赤にして俯いている。

 

「あのさ、アスカ」

 

「……何よ」

 

 シンジは真剣な眼差しでアスカを見据える。アスカはそんなシンジの視線から逃れるようにして顔を背けた。

 

 シンジはそんなアスカのいじらしい気持ちを察すると、倒れたアスカを抱き起こして背中におんぶする。

 

「よいしょ……っと」

 

「えっ……!? ちょっ、ちょっと何すんのよ! 放しなさい!」

 

 いきなりおんぶされた事に驚いたアスカは慌てて抵抗しようとするが、既にシンジは動き出しており、アスカの制止を無視してスタスタと誰もいない廊下を歩き始める。

 

「や、やめてよ恥ずかしい……」

 

「だけどさ、今だけは我慢してくれないか? 僕は大好きなアスカが辛い思いをしてるのを放っておけないんだよ。怪我人なんだし、一応女の子なんだから」

 

「………」

 

 シンジの言葉を聞いた途端、背負われたアスカの顔は見る見るうちに真っ赤に染まる。

 

「な、何よ“一応”って!」

 

「気にするなよ。言葉の綾だよ」

 

「もう……っ!」

 

 照れ臭さと悔しさからか、アスカはシンジに背負われながらその広い男の背中に顔を埋めてしまう。

 

(あたしがシンジにおぶられるなんて想像もしてなかったな……)

 

 アスカはそんな事を思うと、先程のシンジの言葉を頭の中で何度もリピートさせる。

 

 

 

『僕は大好きなアスカが辛い思いをしてるのを放っておけないんだよ。怪我人なんだし、一応女の子なんだから』

 

 

 

 その一言がアスカの心に強く響き渡り、胸の奥をドキドキしながら熱くさせていく。

 

「男の子、なんだよね……」

 

 シンジに聞こえないように小さな声でぽつり呟くと、アスカはシンジの体操服の襟元を掴み、ぎゅっと自分の方に引き寄せる。

 

「えっ、何? 何か言った?」

 

「な、何も言ってないわよ!」

 

 アスカは恥ずかしそうに言うと、シンジの首に両手をぎゅっと回したまま黙って身を任せる。

 

「──バカシンジ♡」

 

 シンジはそんなアスカの様子に首を傾げながらも、そのままアスカを背負ったまま保健室まで運ぶのだった。

 

 




【次回予告】

体育の授業中に怪我をしてしまい、シンジにおんぶされたまま保健室に運ばれたアスカ。

レイには負けたくないからとシンジを求め、二人は授業中である事を忘れてラブラブなエッチを始める。

そんな中、隣のベッドでは保険医のリツコが怪しく嗤って二人の様子を覗き見ていた。

次回、『保健室の秘密 ★(アスカ)』



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保健室の秘密 ★(アスカ)

お待たせしました。最新話です。

原作ではこのタイミングでレイの邪魔が入りましたが……?

というわけでアスカとのラブエッチ回です。


 

 体育の授業中に怪我をしたアスカを背負ったまま、ネルフ学園の保健室に辿り着くシンジ。すると保険医のリツコ先生が開口一番に二人を茶化す。

 

「あら? 可愛らしい女の子が運ばれてきたと思ったら……惣流さんはシンジくんにおんぶかしら?」

 

 そう言って白衣姿のリツコ先生はクスクスと笑う。そこでアスカは今の自分が恥ずかしい格好だと気が付いたのか、顔を真っ赤にしてシンジに降ろすように言い出す。

 

「ちょっ、ちょっとバカシンジ! もういいから降ろしなさいよ!」

 

「あーはいはい」

 

 しかしシンジはそんな言葉には耳も貸さず、ゆっくりとアスカを保健室のベッドの上に優しく降ろす。

 

「んっ、痛っ……バカ、女の子なんだからもっと優しくしなさいよ」

 

「ごめんってば。あっ、赤木先生。アスカは体育の授業中にサッカーをしてて無理にボールを蹴ろうとして強く足を捻ったみたいで──」

 

 そしてシンジはリツコにアスカの状態の説明を始めた。するとリツコは椅子から立ち上がってベッドに駆け寄ると、痛そうにしているアスカの左足を手に取って足首の様子を見る。

 

「ここね……たしかに赤く腫れ上がっちゃってるわね。少し触るわよ?」

 

「痛っ……!」

 

 リツコの触診に思わずアスカの顔が強張る。ひょっとしたら怒られるかもしれない……だがそれは仕方がない事だ。転校生のレイに対抗しようと無理なプレーをして足を痛めたのだから……

 

「軽い捻挫ね。大したことはないけど、しばらくは大人しくしてるのよ?」

 

 しかし意外にもリツコは優しい声でそう言うと、薬棚の中から救急箱を取り出し、中に入っていた湿布薬と包帯を取り出すと、それを慣れた手つきで患部に貼り始める。

 

「はい、これでOKよ。安静にしていれば痛みは引くと思うけど、今日はこれで授業も終わりだし、ここでちょっと休んでなさい──って言っても惣流さんには無理かしら」

 

 リツコはテキパキとした動きで湿布や包帯を巻き終えると、再び椅子に座ってシンジを近くに呼び寄せる。そしてリツコは今度はシンジに向かって話し掛ける。

 

 その声色はさっきまでの真面目なものとは違い、どこか面白そうな口調だった。まるで新しい玩具を見つけた子供のように目を妖しく輝かせながら、彼女は口を開く。

 

「ところで……シンジくん」

 

「な、なんですか?」

 

 リツコの声色が変わり、雰囲気が変わった事に気付いたシンジは緊張した面持ちになる。

 

 何か不味い事でもしてしまっただろうか? いや……まさかとは思うが……リツコ先生に限って……

 

 様々な思考がシンジの頭の中をぐるぐる回る。

 

「あなた……随分と女の子にモテるそうじゃない」

 

 しかしリツコから出た言葉は全く予想外のものだった。それを聞いた瞬間シンジの頭の中にクエスチョンマークが浮かぶ。

 

「えっ? どういう意味ですか?」

 

 全く予想していなかった質問にシンジは首を傾げる。

 

「そのままの意味よ。まぁ、私もこんな事を生徒であるあなたに聞くなんてどうかしてると思うのだけれど……」

 

 リツコはそう前置きをすると更に話を続ける。

 

「……ねぇ、シンジくん。あなた一体何者なの?」

 

「な、何者って言われても……僕はただの一般人ですけど」

 

 突然変わったリツコの雰囲気に戸惑いながらもシンジはそう答える。しかしリツコはその答えでは納得しなかったようで、真剣な眼差しでシンジを見つめてくる。

 

 実を言うとシンジはネルフという秘密組織に所属する監視者(シェムハザ)の一人、サードチルドレンなのだが……

 

 流石にそれを部外者であるリツコに話す訳にはいかないだろう。それにそんな事を言ったら後でどうなるか分かったものではない。

 

 ──とその時、保健室の扉が開かれ、国語を担当する新任教師の伊吹マヤが現れる。

 

「先輩。ちょっと職員室まで来て貰えますか?」

 

 保険医のリツコを先輩と呼ぶマヤ。どうやら二人は昔からの知り合いのようだ。

 

「分かったわ、マヤ。それじゃあシンジくん。私はちょっと席を外すから、惣流さんの事お願いね」

 

 リツコはそう言い残すと、マヤに連れられて保健室の外へ出て行ってしまった。こうして保健室に取り残されたシンジとアスカは都合よく二人っきりに。

 

「それじゃホームルームも始まってるし、一旦教室に戻るね。委員長に言って着替え持ってきてもらうから」

 

 そう言うとシンジはアスカに声を掛けてから立ち上がり、保健室の出口へと向かう。

 

「あ、シンジ……」

 

 するとベッドの上で横になっていたアスカがシンジを呼び止める。

 

「ん?」

 

「あ、ありがと……それで……あの……あたしと、一緒に……」

 

 アスカはモゴモゴと恥ずかしそうにしながら言葉を発するが、後半の言葉は聞き取れなかった。そこでシンジは苦笑を浮かべつつもう一度アスカの方へ歩み寄る。

 

「何だって?」

 

「だ、だから! そのっ……あんたさえ良ければだけど……エッチ……して欲しいなって……♡」

 

 顔を真っ赤にしてとんでもない事を言い出すアスカにシンジは驚き、きょろきょろと辺りを見回して誰もいない事を確認すると、ベッドを覆う白いカーテンを締め切って自らもアスカと同じベッドの上に上がり込む。

 

「おいおい……他の人に聞かれたらどうするんだよ」

 

「だ、だって……ここには今あたし達以外いないんだし……それとも、学校でのエッチは嫌なの?」

 

 不安そうにシンジの顔色を窺う視線を向けるアスカ。微かにだが目元は潤んでおり、まるで捨てられた子犬のような可愛らしい表情をしている。

 

「……嫌じゃないけどさ」

 

 ……こんな顔されたら男として断れるはずがない。シンジは仕方ないとばかりにアスカの汗ばんだ体操服に手を掛けて脱がそうとする。

 

「あっ、いやっ! シンジ待って! あたし汗掻いてるからっ!」

 

 アスカはそれを慌てて阻止しようとシンジの手を掴む。しかしシンジは気にせず彼女の手を払い除けると、一気に体操着を脱がした。

 

「したいと言ってきたのはそっちなんだから、これくらい我慢しろって」

 

「で、でもぉ……」

 

 アスカはまだ抵抗しようとする。そんな彼女をシンジは優しく抱き寄せて耳元で甘く囁く。

 

「それとも、今日のエッチはお預けする?」

 

「っ……そんなの、いや……」

 

 意地悪く言うシンジにアスカは一瞬だけ躊躇ったが、すぐに小さく首を横に振った。

 

「よしよし、良い子だね」

 

「あんっ……シンジ……あたしのご主人様ぁ……」

 

 そしてシンジはゆっくりとアスカの唇を自分の唇で塞ぐ。最初は軽く触れるだけのキスだったが、次第に二人の口付けは深くなっていき、お互いの舌を絡ませ合う濃厚なものへと変わっていく。

 

「ちゅぷ、ちゅぱ……れろ、んちゅ……ご主人様ぁ……好き、大好き……♡」

 

「僕もだよ。愛してるよ、アスカ」

 

 シンジとアスカはお互いに愛の言葉を囁き合いながら、何度も激しくキスを交わす。そして数分後……ようやく満足したのか、二人は名残惜しそうにしながらも互いの唇を離す。

 

 すると唾液が銀色の淫糸を引き、やがて重力に引かれてプツンと切れる。シンジはとろ~んとした青色の瞳でこちらを見つめるアスカに微笑み掛けると、擽るような仕草で再び囁く。

 

「ほんと、エッチの時は素直に甘えてくるよねアスカは。まぁ、そういうところが可愛いんだけどさ」

 

「あうぅ……シンジぃ……もっと、もっとあたしを可愛がってぇ……♡」

 

「ははっ、分かってるよ」

 

 シンジはそう言うとアスカの身体を抱き締め、今度は首筋に吸い付くような激しいキスでマーキングしていく。

 

「誰にも渡さない。アスカは僕だけのエッチなお姫だからね?」

 

「ん、はぁい……ご主人様ぁ……♡」

 

 唾液を垂らした恍惚の表情を浮かべ、自らシンジの首に腕を回し、彼のされるがままになるアスカ。

 

 こうなったアスカはもう止まらない。シンジも過去10年間の付き合いでそれは十分に理解しているので、彼女へのマーキングは更に過激になっていく。

 

「ああぁっ、そこっ……乳首気持ちいいっ……!」

 

 シンジはまず、片方の手でアスカの丸々と膨らんだ乳房を揉む。同時にもう片方の手では、既に硬く尖っている彼女のピンク色の突起物を摘まんでいた。

 

「おっぱい吸われるの好きだもんね? ほら、妊娠してないのに母乳も沢山出るようになったしさ」

 

 そう言いながらシンジは再び強くアスカの胸の先端に噛み付き、そのままチュウウゥッと音を立てて思い切り吸い上げる。

 

「ひゃうんっ!? あん、やっ、ダメぇ……そんなに強くしたら、またおっぱいミルクぴゅーって出ちゃうからぁ……ぁんっ!」

 

「良いじゃん、出しなよ。いつもやってるみたいにさ」

 

 そう言いつつシンジは赤ん坊のように夢中でアスカの乳房を愛撫していく。するとその刺激によってアスカは大きく背筋を伸ばしながらビクンと痙攣する。

 

 同時にシンジが指先で弄っていた方の乳首からは白く濁った液体が気持ち良さそうにぷぴゅーっと噴き出した。

 

「んふぁぁああっ! あひっ、イっちゃう……あ、あっ、イク、イッくううぅうう!!」

 

 その瞬間、アスカは自分の意志とは関係なく絶頂を迎えてしまう。赤いブルマを履いた秘部からは大量の潮を吹き出させ、ガクンガクンと腰を震わせて快楽の余韻に浸る。

 

「あーあ。またパンツ汚しちゃったね」

 

「はぁ、はぁ、はぁぁ……あぁん……だって、シンジがあんなにおっぱいいじめるからぁ……」

 

「はいはい、僕のせいだね。まったく、乳首だけでイクようになるなんて、アスカはもう立派な淫乱性奴隷だよ」

 

 シンジはそう言うとアスカの履いたブルマを脱がせ、太腿を掴んでM字に開脚させる。すると彼女の下半身が露わになり、シンジの視界にはアスカの恥ずかしい部分が映り込んだ。

 

「わぁ、こっちもすごい事になってるね」

 

 アスカの可愛らしいピンク色の紐付きショーツは既にびしょ濡れになっており、クロッチ部分には大きな染みが出来ていた。

 

「いやっ! み、見ないでよバカァ……!」

 

 間近で恥ずかしい部分を見られている事に気が付いたアスカは両手で必死に隠そうとする。

 

 しかしシンジはそれを許さない。強引にアスカの両腕を掴み、力ずくで股間から引き剥がすと、そのままアスカの両方の脹脛を片手で抱え込み、彼女の身体を折り曲げた。

 

 所謂、まんぐり返しの体勢である。アスカの恥ずかしい部分はシンジの目の前で全て晒け出され、無防備に晒されたアスカの陰部は下着越しにヒクヒクと震えている。

 

「や、やだっ! この格好やめてっ! お願いだからシンジっ! あたしのあそこ見えちゃってるからぁ……!」

 

 シンジの視線が自分の一番大事な部分に突き刺さる感覚に、アスカは羞恥心でいっぱいになった。

 

 もう既に幾度となくシンジに抱かれた経験があるとはいえ、やはりこういった形で見られるのはまだ慣れていない。

 

 それに今の自分は汗まみれの体操服を着ていた状態であり、体臭を気にしてか、より一層恥ずかしい気分になってしまうのだろう。

 

 しかしシンジはそんな事はお構い無しとばかりに、アスカの恥ずかしい部分をじっくりとショーツの上から眺めていく。

 

 愛液で下着がぐっしょり濡れているせいか、アスカの綺麗な縦割れのクレバスは相変わらず見事なまでに整っており、もう10年と性行為していながらその肌白い股間周りに色素沈着は一切見られない。

 

 その上、アスカの愛液でテラテラ光っているせいもあって、まるで誘蛾灯に誘われた虫達が甘美な淫臭漂う蜜壺に集まっているかの様に見える。

 

(やっぱりアスカのまんこって凄いなぁ……もう何年もヤリまくってるのに、ほとんど処女と変わらない感じだし)

 

 シンジはアスカの膣口を食い入るように見つめながらそう思った。年齢だけなら既に40歳を迎える母親のユイやキョウコもそうだが、シンジのハーレムに加わる美少女達は皆いつまでも例外無く若くてピチピチのエッチな身体を保ち続けている。

 

「んぁ……ご主人様ぁ、あんまりじろじろ見ちゃ嫌だってばぁ……」

 

「ははっ、ごめんごめん」

 

 流石にそろそろ我慢の限界なのか、まんぐり返しされたアスカは涙目になって懇願してきた。シンジは謝罪の意味を込めて下着越しにぷっくりと膨らむ可愛らしいピンク色の突起物に優しいキスを落とす。

 

 するとそれだけでアスカの身体は電流が流れたようにビクビクと跳ね上がった。同時にアスカの股間は更に湿り気を帯びていき、彼女の口からはたっぷりの唾液と共に熱い吐息が漏れ出す。

 

「あっ、あっ、んんぅっ……それ好きぃ……」

 

「よしよし。じゃあそろそろ本番を始めようか。アスカ、今日はどんな風にして欲しい?」

 

「え、えっとぉ……あたしのとろとろ淫乱おまんこの中に、ご主人様の精液たくさん飲ませて欲しいの……♡」

 

 そう言ってアスカは蕩けた表情でシンジに向かって恒例のおねだりを始める。その様子はまさに発情した雌犬そのもので、シンジはニヤリと笑ってからアスカの花園を守るショーツの紐を見せ付ける様にわざとらしく指先で少しずつしゅるしゅると解いていった。

 

「んふぁぁ……あぁん、もうっ! 焦らさないでよぉ……」

 

 アスカはまんぐり返しされたまま、物欲しそうな顔でシンジの顔を見上げてくる。シンジはその表情を楽しみながら、ゆっくりとアスカの両足の付け根に手を伸ばすと、そのまま一気にショーツを奪い取ってしまう。

 

「あんっ……♡」

 

 するとアスカは小さく喘ぎ声を上げ、秘部を手で覆い隠そうとしたが、すぐにシンジの手によって制止されてしまう。

 

「ダメだよアスカ。ちゃんと手を退けて、僕に全部見せてくれないと」

 

「うぅ……シンジのいじわるぅ……」

 

 シンジに意地悪く言われ、アスカは頬を紅潮させながらも従順に手を退かす。そしてシンジの眼前にはいよいよアスカの秘密の場所が惜しげも無く晒される事に。

 

「へぇ……これはまた、ずいぶんと美味しそうに出来上がったね」

 

「んぅ……シンジ早くぅ。あたしのおまんこ、こんなになっちゃって辛いの……ねぇ、お願いだからおちんぽ挿入てよぉ」

 

 シンジにまんぐり返しされているアスカは切なげな声で言いながら、自分の両指を使ってくぱぁっと花弁を左右に開き、ピンク色の内壁をヒクヒクと晒す。

 

 するとそこからとろぉ~っと粘っこい透明な液体が溢れ出し、アスカの太腿を伝って滴り落ちた。

 

「そうだなぁ……じゃあ聞かせてくれる? アスカが朝からずっと不機嫌モードなわけ」

 

「え、あ……それはぁ……その、えっと……あぅぅ」

 

 アスカは急に弱々しい口調になると、目を逸らしながら言い淀む。どうやら自分でも分かっていたようだ。

 

「言えない? こういう時ははっきり言った方がいいと思うよ? じゃないと……」

 

 シンジはそう言うとアスカの秘部に顔を近付け、そのまま舌先を這わせる。

 

「ひゃうんっ!? やっ、だめぇ……舐めちゃダメぇッ!!」

 

 突然の刺激にアスカは悲鳴を上げる。しかしシンジはそのまま彼女の割れ目に唇を吸い付き、膣内から止めどなく溢れる愛液を吸い取る様にして甘美な蜜を飲み込んでいく。

 

「ひゃうううっ!? あっ、ああっ! 吸っちゃダメぇ! やっ、あぁんっ!」

 

 シンジはアスカのぷっくり膨らむ可愛らしいクリトリスを口で含みながら、舌先で丁寧に刺激していく。その度にアスカは甘い矯声を上げて腰を震わせた。

 

「ひゃううぅんっ!? あぁんっ! 言うから……! ちゃんと言うからぁ!」

 

 シンジの執拗なクンニによって快楽漬けにされ、理性が崩壊寸前まで追い詰められたアスカは遂に口を開く。

 

「い、嫌だったの! 大好きなご主人様が新しく来た女に鼻の下伸ばしてデレデレしてるのが! それで……それであたし……っ!」

 

「嫉妬しちゃったんだ?」

 

「っ……そ、そうよ! 悪い!?」

 

 アスカは半ば自棄になって叫ぶ。つまるところ……アスカは転校生のレイに負けたくないからと、どうにかしてシンジを取り戻そうとしたのだ。

 

 アスカは自分や母親のキョウコを救ってくれたご主人様であるシンジが大好きだからこそ、彼に素性の知らない女の子が近付くのが許せない。

 

 だからエッチな場面以外ではつい感情的になってしまい、いつまで経っても素直になれずに憎まれ口を叩いてしまう。

 

 ……確かにアスカの気持ちも分からなくは無い。シンジが他の女の子に目移りするのはどうしても許せないのだろう。

 

「うーん……まぁ悪くはないけどさ。アスカには綾波さんとも仲良くしてほしいかなとは思うよ。これから使徒を倒す役割を与えられた同じ監視者(シェムハザ)の仲間なんだし」

 

 シンジの言葉にアスカは黙り込む。実際、監視者(シェムハザ)のチルドレンは現在判明している者だけでも男のシンジ以外は全員がネルフ学園を代表するトップクラスの美少女ばかりなのだ。

 

 シンジを巡るヒロインレースで一番有利な立場にいる幼馴染みのアスカとしては複雑な心境なのだろう。

 

「……シンジは、あの子とあたし……どっちかを選ぶつもりなの?」

 

「いや、そういう訳じゃ無いんだけど……ただ、二人共すごく可愛い娘だと思うし、できれば皆で仲良くしたいなって思ってるだけだよ」

 

 シンジは苦笑しつつ答える。実際、アスカとレイの二人はそれぞれタイプが違う美少女であり、どちらか一人に絞るのは中々難しい。

 

 レイの方はアスカと違って普段無表情な事が多い分、時折見せる優しい笑顔の破壊力は抜群だ。しかも、その容姿もアスカと引けを取らないレベルであり、シンジとしても思わずドキッとしてしまう事も多い。

 

 対するアスカは普段はツンケンしているが、エッチの時だけはとことん甘えて可愛らしく従順になる。

 

 特にアスカは14歳の中学生とは思えないグラビアアイドル顔負けの豊満なバストと抜群のスタイルを持っており、その大きなFカップ(まだまだエッチに発育中♡)の巨乳は母乳を吹き出し、ハート型の可愛らしい桃尻はぷりっぷりっで肉感的な魅力に溢れている。

 

 シンジはそんな二人の事をとても大切に思っており、出来ればどちらも傷つけたくないというのが本音であった。シンジの優柔不断な答えにアスカはしばらく考え込んだ後、 ぽつりと呟く。

 

「……分かったわ。でも、一つだけ約束して」

 

「何?」

 

「……必ず悲しませないこと。女の子なんだから」

 

 アスカはそう言って真剣な表情でシンジを見つめる。その瞳は少し潤んでおり、まるで捨てられた子犬の様な表情をしていた。

 

「……あぁ、うん。約束するよ」

 

 シンジは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに柔らかい微笑みを浮かべてアスカのつるつるぷにぷにと膨らんだ恥丘を優しく撫でる。

 

「んふぁっ……こ、こらぁ、ぁんっ……! 変なところ撫でるなぁ! 普通こういう時は頭を良い子良い子するもんでしょ!?」

 

 シンジの手つきにアスカはビクッと身体を跳ね上がらせ、慌てて文句を言う。だがシンジはお構い無しに、アスカの敏感な突起物を指先で弄び続けた。

 

「んんっ……ふぁっ……んぅっ、もうっ……バカっ、変態っ……♡」

 

 アスカは頬を赤らめながら悪態を吐くが、その言葉とは裏腹に彼女は嬉しそうな顔でシンジに身体を委ねていく。

 

「あっ、んんぅっ! はぅっ! やっ、あっ……そこぉ♡」

 

 シンジはアスカの突起物の先端にある可愛らしい蕾を摘むと、親指と人差し指で擦る様にしながら、もう片方の手でお腹から胸へとかけて優しく撫で回していった。

 

 すると忽ちアスカは快感で蕩けた淫らな雌の表情になり、甘い吐息を漏らし始める。

 

「ふぁっ、んぅっ……ぁんっ! ご主人様ぁ、もっとぉ……んんぅっ……はぁっ、んっ……ちゅっ、んんっ……」

 

 シンジはアスカの秘部への愛撫を終えると、まんぐり返しされていたアスカを今度はベッドの上に仰向けで寝かせる。

 

「アスカ……キスしようか」

 

 シンジはアスカの名前を呼びつつ、覆い被さるようにしてキスをする。するとアスカはシンジの首の後ろに腕を巻き付け、積極的に舌を差し出してきた。

 

「んぁっ、れろっ……ご主人様ぁ……好きぃ……大好きぃ」

 

 アスカは熱に浮かされた様な蕩けた声で言いながら、自らシンジの舌に自分の舌を絡ませる。そしてシンジもそれに応える様に激しく舌を動かし、お互いの唾液を交換し合う濃厚なディープキスを繰り広げていった。

 

「んっ、んんっ! じゅぷっ、んっ、んんっ! あぁんっ、んっ、んんっ……!」

 

 アスカはシンジの舌使いに夢中になって応え、彼の首筋に抱き着きながら自らも激しく舌を動かしていく。そしてシンジもまたアスカの舌を吸い上げるように絡め取り、その度に彼女の口からは熱い吐息が漏れていた。

 

 やがて二人は名残惜しそうに唇を離すと、互いの口から透明な淫糸が引き千切れて落ちる。

 

「はぁ……はぁ……シンジ、あたしもう我慢出来ないよぉ」

 

 アスカは荒い呼吸を繰り返しながら、切なげな声で言う。その顔はすっかり発情した雌の顔になっていた。

 

「そうだね。じゃあそろそろ……」

 

 シンジはそう言うとズボンとパンツを脱ぎ捨てて下半身を露出させる。そこには既に痛々しいほどに勃起したシンジの極太ペニスが姿を現した。

 

「シンジのおちんぽすごい元気になってる……ねぇ早くちょうだい? あたしの中に挿れてよ」

 

 アスカはその様子にうっとりとした表情を浮かべると、両足を広げて膣口を見せつける様にしてシンジにアピールしてくる。

 

「前戯は……この濡れ具合だと必要ないか。あぁ、今すぐあげるから待っててよ」

 

 シンジはそのままゆっくりと腰を落としていき、膣口と亀頭が触れ合った瞬間──一気に奥まで挿入した。

 

 ずぷっ!という湿った音と共に膣内を貫かれる感覚。子宮口を突かれた衝撃にアスカは堪らず背を反らし、絶叫に近い嬌声を上げる。

 

「ひゃあああんっ!?」

 

 膣壁を押し広げられ、いとも容易く子宮口まで突き上げられた強烈な刺激にアスカは軽く達してしまい、身体を大きく痙攣させた。

 

 しかしそれでもなお、シンジは容赦なくピストン運動を開始する。パンッ、パァンッ!!と肌同士がぶつかり合い、激しい水音が室内に響き渡った。

 

「ひゃああぁんっ!? あっ、やっ、すごっ……激しすぎるよぉ!」

 

「ごめん……でもアスカの膣内、気持ち良すぎて……止まらないんだ」

 

 シンジはアスカの足を掴むと、そのまま勢いよく持ち上げて結合部を密着させ、上から押し潰す様にして体重を掛けていく。

 

 ──俗に言う種付けプレスである。シンジの巨根はアスカの狭い蜜壷を限界まで拡張しており、その圧倒的な質量によってアスカの腹部にはシンジのモノの形がくっきりと浮かび上がっていた。

 

 シンジはそんなアスカを下敷きにしたまま、力強く種付け抽送を繰り返す。その度にアスカは甘い嬌声を上げ、結合部からは大量の愛液が飛び散っていく。

 

「やぁんっ! ダメぇ……これ、しゅごいっ! 深すぎりゅ……んんっ! あぁん、こんなの耐えられないよぉ!」

 

 アスカは涙目になって悶え苦しむ。だがそんなアスカの様子など気にする事無く、シンジはひたすらに欲望のまま快楽を求め続ける。

 

 そして遂にその時が訪れた。シンジはラストスパートを掛けるべく、更に激しく腰を打ち付ける。その動きに合わせてアスカも必死に腰を振り、より深いところでシンジの精を受け入れようと試みる。

 

「あっ、あっ、あっ! イ、イクっ! あたし、またイッちゃうぅ!!」

 

 アスカの絶頂が近い事を感じ取ったシンジは、今まで以上に激しく膣奥をパンパンと突き上げていく。

 

「アスカ……出すよ!」

 

「うんっ! 出してぇ……シンジの赤ちゃんせーえき、あたしにいっぱい注いでぇ! あっ、ふわぁっ! あ、あ、あっ、んんんんん〜っ!!」

 

 アスカは身体を仰け反らせ、一際大きな嬌声を上げて果てる。それと同時にシンジも射精を開始し、アスカの胎内に白濁したオタマジャクシをこれでもかとばかりに流し込んでいった。

 

 どくん、どくんと脈打つシンジの剛直から放たれた大量の精子は瞬く間にアスカの子宮を満たしていく。そのあまりの量の多さに、結合部からは入りきらなかった精液が逆流を始め、ごぽぉっと一気に流れ落ちてきた。

 

 その光景はまるでシンジの放った子種がアスカの新鮮な卵子を蹂躙しているかの様にも見える。

 

「はぁ……はぁ……シンジのせーし、あったかい……しゅきぃ♡」

 

 アスカは脱力し切った虚ろな瞳で呟くと、幸せそうに微笑む。一方でシンジはアスカの膣内から射精を終えたばかりのペニスを引き抜く。

 

 栓を失ったせいでアスカの蜜壺からは収まりきらなくなった大量の子種汁がどろりと溢れ出して来た。

 

 ぶぴゅっ、ぶぽっと下品な音を立てながら泡立った大量の粘液が噴き出し、シーツの上に広がっていく。シンジはその様子を満足気に眺めた後、疲れ切ったアスカの頭を優しく撫でてあげた。

 

「あぁん、ご主人様ぁ……んんっ、ちゅっ……」

 

 アスカは嬉しそうに微笑みながらシンジに甘える様に抱き着く。

 

「ご主人様ぁ……好きぃ……大好きぃ」

 

 アスカはシンジの胸に頬を擦り寄せながら、何度も同じ言葉を繰り返していた。その表情は幸せそうで、心の底からシンジを愛している事が分かる。

 

 ──そんな時だった。白いカーテンを閉め切ったベッドがいきなり全開にされたかと思えば、隣のベッドから一人の女性の声が。

 

「あらあら。あの惣流さんがここまで淫らに堕ちちゃうなんて……これは予想外だわ」

 

 シンジとアスカは突然の事に驚きつつ、声のした方へと視線を向ける。するとそこには先程まで誰もいなかったはずのベッドの上で、二人の性行為を隠れて覗き見ていた保険医のリツコの姿が。

 

「あ、赤木先生!? いつからそこに!?」

 

 シンジは動揺しつつ尋ねる。するとリツコは悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。

 

「そうねぇ。実はマヤに後で行くからと断って戻ってみれば、随分面白い事になってたから……この通り、あなた達の不純異性交友の証拠はきちんとデータに残させてもらったわ」

 

 ……どうやら最初から全て見られていたらしい。シンジとアスカは顔を真っ青にして、冷や汗を流しながら固まっていた。するとリツコは二人に対して妖艶に微笑む。

 

「さぁて……どういう風に報告しようかしら?」

 

「ままま待ってください! これには訳があって……だから、その……とにかく僕達の話を聞いてください!」

 

 シンジは慌てて弁明しようとする。するとリツコは意外な提案を持ち掛けてきた。

 

「いいわよ。二人の関係を秘密にしてあげる代わりに、これからあなた達のエッチを研究させてくれないかしら?」

 

「……へっ? はっ? えっ? いや、その……」

 

 シンジはあまりの予想外の展開についていけずに困惑する。

 

「惣流さんのエッチな隠し撮り写真もあるんだけれど?」

 

 戸惑うシンジに構わずリツコが続けて言うと、膣内射精の余韻から戻ったアスカが慌てた様子で口を挟んできた。

 

「ちょっ、ちょっと待ってよ! 何勝手に決めてるの!? ていうかあたしの写真隠し撮りって──」

 

「あら、惣流さんだって大好きなんでしょう? シンジくんとのセックス」

 

「そ、それはそうだけど……でも、その、やっぱり恥ずかしいし……」

 

 アスカはモジモジしながら言う。だがそんなアスカを尻目に、リツコはシンジに向かって熱っぽく話し始めた。

 

「大丈夫よ。私、こう見えても口は堅い方だし、シンジくんの事も気に入ってるのよ。そうねぇ……もし私のお願いを叶えてくれたなら、今回の事は黙っていてあげてもいいのだけれど……」

 

 そう言いながら、リツコはシンジの方を見つめる。彼女はどこか期待を込めた眼差しで彼の返事を待っていた。

 

「ほ、本当に……ですか?」

 

 シンジはごくりと唾を飲み込みながら恐る恐る訊ねると、リツコは笑顔を浮かべたまま首を縦に振る。

 

「もちろん本当よ。それでどうかしら、引き受けてくれる?」

 

「……わかりました。アスカもそれでいいかな?」

 

 シンジは少し悩んだものの、結局はリツコの提案を受ける事にした。アスカとしてもシンジとの秘密をバラされる訳にはいかないので、渋々ではあるが了承した。

 

「ありがとう。これから学校でエッチしたかったら、この保健室を好きに使ってもいいわ。ただし室内の監視カメラであなた達の性行為は全てチェックさせてもらうけれど」

 

 リツコの言葉に二人は驚愕し、同時に顔を引き攣らせる。この学校の至る所に設置されている監視カメラは、主に監視者(シェムハザ)を狙う使徒やネルフと敵対関係にあるゼーレの潜入などを防ぐ為に使用されているのだが、まさかその用途がこのような形で活かされるとは思ってもみなかったのだろう。

 

「そんな……それじゃまるで、あたし達がここでいつもヤるような言い方じゃない!」

 

「あら、違うの?」

 

「うっ、違わないけど……でも」

 

「ふふっ、冗談よ。そんなに心配しないでも、私はあなた達の味方よ。実は私やマヤも同じ職場で働くミサトや加持くんと同様、ネルフに所属する人間なの」

 

 その告白にシンジとアスカは目を丸くして驚く。リツコはそんな二人を見てくすっと笑うと、「この後お客さんが来るから今日はもう帰りなさい」と告げる。

 

 シンジとアスカは戸惑いながらもリツコの指示に従い、身支度を整えて保健室を後にするのだった。

 

 

 

 

 

「……ふふっ。まずは計画に向けて第一歩かしらね」

 

 誰も居なくなった保健室で意味深に呟くと、リツコはいつの間にか保健室の前に立っていた怪しい人影を招き入れる。

 

「遅かったわね。えぇ、あれがあなた達と同じ監視者(シェムハザ)に選ばれたサードチルドレン──碇シンジよ」

 

 リツコはそう言ってシンジの事を詳しく説明していく。するとその話を聞いていた謎の人物は、興味深そうにニヤリと笑って静かに耳を傾けるのだった。

 

 




【次回予告】

最近、ネルフ学園ではある怖い噂話が流行っていた。

真夜中の校舎に度々現れ、人のものとは思えない恐ろしい奇声を出して生徒達に襲い掛かるお化け。

もしかしたら使徒に関係する話かもしれない……

その噂の真相を確かめようと、ミサトの提案で真夜中の学校肝試しがスタートする。

一人また一人と正体不明の敵に襲われ、悲鳴と共に姿を消していくシンジ達……

次回、『恐怖!真夜中の学校肝試し』



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恐怖!真夜中の学校肝試し

 

 神奈川県の箱根辺りに位置する第3新東京市に引っ越して来た綾波レイがシンジ達との学校生活に慣れ始めて数日後。

 

 今日もいつものようにシンジ、アスカ、レイの3人で仲良く登校すると、2年A組のクラスはある一つの噂話で持ち切りだった。

 

「ねぇ知ってる? 昨日の夜、見回り中の用務員さんが校舎内を彷徨いてるのを見たんだって──」

 

「人とは思えない奇声を上げて襲ってくるんだって」

 

「怖いよね〜。それに可愛い女の子ばかり狙われてるって話だし」

 

 そんな同級生達のヒソヒソ話を耳に入れながら、シンジ達3人はそれぞれの席に座る。すると待ってましたと言わんばかりの異様なテンションでトウジとケンスケがシンジの机に集まった。

 

「なぁ、碇セ・ン・セ──」

 

「ケンスケだろ」

 

 すると開口一番、シンジがうんざりした様子で言い放つ。

 

「えっ? まだ何も言ってない……」

 

「ケンスケだろ、この噂流した奴」

 

 今度はケンスケの目を見てはっきりそう告げると、ケンスケは驚いた様子でわざとらしい叫び声を上げた。

 

 それを聞いたクラスの女子達が「なんだまた3バカか……」と呆れた視線を向ける中、頭の後ろで両腕を組んでいたトウジは豪快に笑ってからケンスケの肩を小突く。

 

「な? だから言ったやろ? 俺らのセンセには何もかもお見通しやって」

 

「フッフッフ……いやさすがだよ碇。これで準備は整ったわけだ」

 

 トウジが茶化すように言うと、ケンスケは指先で眼鏡をクイッと上げてから意味深に言い出す。すると間髪入れずにシンジが反応する。

 

「嫌だ」

 

「ちょっ、まだ何も言ってない……」

 

「だ〜か〜ら、どうせその噂の真相を僕達で解き明かそうって考えてたんだろ? 二人の考えそうなことだし……とにかく、僕はパスだから」

 

 ジト目になったシンジが身も蓋もなく言い返す中、シンジの机の上にあたかも当然の様に丸くて大きな桃尻を乗せて腰掛けていたアスカは気になるのかケンスケに問い質す。

 

「へぇ〜、どんな噂なの? ちょっと話してみなさいよ」

 

 どうせ大した事ないしょうもない話なんだろうと内心考えていたアスカ。しかしケンスケは目を輝かせて語り始める。

 

「いいとも。これは元々ウチのクラス委員長から聞いた話なんだ」

 

「えっ? ヒカリから?」

 

 ……だからこそ意外だった。いつかの予言の時みたく、オカルトマニアのケンスケがオカルト好きが集まるサイトから手に入れたガセネタだと思っていたからだ。

 

 しかし数少ない親友であるヒカリの名前が出てきた事で、この胡散臭い噂話に益々興味を持ったアスカは崩していた姿勢を正してケンスケとトウジに向き直る。

 

「あぁ。これはある日の放課後のことだ──」

 

 

 

 

 

 『見てしまったもの』──体験者・洞木ヒカリ談。

 

 ──夕暮れ時のネルフ学園。その日、クラス委員会の仕事で帰りが遅くなったヒカリは、担任のミサト先生から特別に許可を得て居残り作業をしていた。

 

「──これでよしっと。あっ、いっけない! もうこんな時間!? 急いで帰らなくちゃ!」

 

 セーラー服を着たヒカリは教室の時計を確認する。その時刻は既に夜の19時を過ぎようかという遅い時間。手提げカバンを手に慌てて教室を出たヒカリは明かりの消えた真っ暗な廊下を歩いていく。

 

「うぅ……暗くてやだなぁ……明かりくらい点けといてくれてもいいのに……」

 

 ヒカリが足早に無人の廊下を進んでいると、ふと渡り廊下の向こう側で懐中電灯らしき光が見えた。

 

 光の主はヒカリがいる場所とは渡り廊下を挟んで反対側の校舎を歩いているらしく、窓ガラスには時折反射されたライトが映し出されていた。

 

「あれ、ライト……? 誰だろう? ミサト先生かな?」

 

 不思議に感じて首を傾げたヒカリは向こう側の校舎に見える窓ガラスに映るライトの揺らぎを眺める。いつものヒカリなら絶対にしなかっただろう。

 

 ……しかしその日は何故か偶々追い掛けてしまった。

 

 ヒカリが校舎2階に位置する渡り廊下を歩いて反対側の校舎にやって来ると、既に先程見た懐中電灯らしきライトの持ち主は消えた後だった。

 

「ミサト先生……戻っちゃったのかな?」

 

 この時点でヒカリが帰ろうと思わなかったのは、まだミサト先生が職員室に残っていると知っているからに他ならない。

 

 別に一人でさっさと帰ってもよかったのだが、せっかくなら帰る前にもう一度職員室に立ち寄ってミサト先生に一声掛けてから帰ろうと思ったわけだ。

 

 ……するとどうだろう。今度は先程までヒカリが居残っていた2年A組の教室から懐中電灯らしきライトが漏れているのが遠目に分かった。

 

「えっ……あっちがミサト先生? じゃあさっきここを歩いていたのって……う、うそ……」

 

 真っ暗な廊下に立っている事もあって次第に恐怖心が芽生えるヒカリ。そんな時だった。

 

 

 

 ぺた……ぺた……ぺた……ぺた……

 

 

 

 ……まるで子供が裸足で歩いている様な、そんな場違いな足音がヒカリのいる廊下の後方奥から微かに聞こえてくる。

 

 静寂な無音が続くあまり小さな物音にさえも敏感になっていたヒカリは恐る恐る歩き始めると、次第にその足音は早くなって近付いてくる。

 

 

 

 ぺた……ぺた……ぺた……ぺた……

 

 

 

 ヒカリの後を追い掛ける様に、不審な足音はすぐそこまで近付いて来ているのが気配でわかる。

 

「ひっ……! いやっ……! やだっ……!」

 

 ヒカリは走り出した。しかし恐怖で頭がいっぱいになったヒカリは自分がどこに逃げればいいのか分からず、ただひたすらに闇雲に走る。

 

 だが相手の方が早いのか……ヒカリの背後からはずっと一定の距離を保ったまま同じペースで足音がついて来る。

 

 そしてとうとうヒカリのすぐ近くにまでやって来たそれは、ヒカリの背中に手を伸ばすと──

 

「グエッグェッグェェェェッ!!」

 

 ──それはまさに人外の叫びだった。ヒカリの前に現れた黒い物影は耳を劈くほどの恐ろしい奇声と共に襲い掛かると、狙われたヒカリは恐怖のあまりその場に倒れ込んでしまう。

 

 そして──

 

「ひっ……い、いやあああああああああっ!?」

 

 

 

 

 

 ──次に気付いた時、廊下にいたはずのヒカリは何故か昇降口の段差の辺りに優しく寝かされていた。しかしどれくらい気絶していたのだろう……

 

 襲われたショックにより我を取り戻したヒカリは悲鳴を上げて飛び起きると、自分の身体を触りながら無事かどうか確認する。

 

 怪我はなくセーラー服にも乱れはない。それに痛みなどもない事を確認したヒカリはようやく落ち着きを取り戻すと、職員室で待つミサトに挨拶する事さえも忘れ、あの恐ろしい化け物から逃げる様に泣きながら走り去っていったという。

 

「………」

 

 その様子を、校舎2階の窓ガラス越しに立つ不気味な黒い人影がゆらゆらと見下ろしているとも知らずに……

 

 

 

 

 

「──どや? なかなか怖い話やろ? さすがの惣流もチビッたかぁ?」

 

 ケンスケの語る怪談話が終わり、トウジはニヤニヤしながらシンジ達を見回す。

 

 机の椅子に座るシンジはやれやれと言わんばかりに頬杖を突き、シンジの隣に座るレイは興味無さそうに自分の教科書やらノートを何故かやたらと早いスピードで次々とスクールバッグから取り出している。

 

「べっつにぃ~。そんなのよくある話じゃない。どうせヒカリが何かと見間違えたりしたんでしょ?」

 

 対するアスカ、敢えてケンスケやトウジの顔を見ないまま実に淡々と喋る。

 

 元々アスカはこういったホラー話には耐性があったりするが。

 

 シンジも何回か自宅でホラー映画の鑑賞会をアスカと二人でした事があるが、確かにアスカは女の子にしては珍しく幽霊などのオカルト的存在に怖がる素振りをほとんど見せない。

 

 例えばゾンビや巨大生物というパニックもののB級映画では身振り手振りで興奮気味に観ているし、逆に女の怨霊系が多いジャパニーズホラー映画では驚くほど冷静沈着な態度で、幽霊とか呪いなんて今の発展した科学社会にあるわけないと、こちらが聞いてもないのに隣でぺらぺらとうるさく喋ってくる。

 

 シンジとしてはいつも強気なアスカが実はお化けに怖がる可愛らしい一面が隠されている事を密かに期待しているのだが、そのアスカとくれば遊園地のお化け屋敷にはとうとう一度たりとも足を踏み入れなかった。と、そこに……

 

「おっ、3バカ〜。結構面白そうな話してるじゃな〜い」

 

 担任教師のミサトが露出度の高いスーツ姿で教室に現れた。上はきちんと豊満な胸元を隠しているのでともかく、下に履いている黒いスカートなど膝上までしかない具合である。

 

「ミサト先生! 先生はこの噂どう思います!?」

 

「ん〜。実はちょっち、“心当たり”があったりなかったりするかな〜なんて」

 

 出席名簿を持って教卓まで歩いて来たミサトは興奮気味のケンスケとトウジに訊ねられ、朝のホームルームが始まる時間まで彼らの談笑に参加する事に。

 

「ホンマですか先生!?」

 

「えぇ。何でも“髪の長い黒髪の女の幽霊”が夜な夜な恐ろしい奇声を上げながら校舎を彷徨っているって話よ? ウチの用務員や保険医のリツコ、他の先生達も何回か見た事あるって目撃情報が──」

 

 ミサトの話を聞いたトウジとケンスケは目を見開いて驚愕の表情を浮かべると、教室内のある一点がどうしても気になってしまう。

 

「ん? 髪の長い……」

 

「黒髪の……」

 

「女の幽霊……」

 

 ミサトから貴重な情報を聞いたトウジ、ケンスケ、シンジの男子3人が揃って教室の後方に振り向くと、独りゆらゆらと不気味に立っている我がクラスの幽霊女──雪風ミカサを一斉に見つめる(ちなみにミカサは例の如く貞子セーラー服モードに変装中)。

 

(ふわぁ……ん……まだ眠いです……はふぅ)

 

 ミカサはシンジ達に素顔と正体を明かした後も、相変わらずネルフ学園の中では不気味な貞子のウィッグを被って目立たない様に変装しており、教室ではヒソヒソと噂になっていた。

 

「「「………」」」

 

 まさか、雪風ミカサが噂の幽霊なのか……?

 

 シンジ達の頭に一つの通ずる答えが出掛かる中、シンジの机の上で話を聞いていたアスカはどういう訳か酷く慌てた様子で否定し始めた。

 

「そ、そんなバカな話あるワケないじゃない! くっだらない! この学校に貞子の幽霊なんて……そ、そんなオカルト非ィ科学的よ!」

 

 必死に誤魔化すアスカの態度に、思わずシンジは内心で突っ込む。

 

(……うわ、なんか急に真っ向からオカルト否定し始めたよこのアスカちゃん)

 

 そのあまりにも分かりやすい反応にシンジは苦笑い。だが、そんなシンジの肩をポンッと叩く者がいた。振り向けば、そこにはいつの間にかレイがいて、その顔は今にも失神してしまいそうなほど顔面蒼白だった。

 

「あ、綾波さん?」

 

 レイの様子がおかしい事に気付いたシンジだったが、当の本人はシンジの声すら耳に入っていない様だ。

 

「ぎゅって……して」

 

 まるで「お化けなんていない」と言わんばかりの怯える眼差しをシンジに向けている……実に可愛い。

 

 するとアスカとレイの様子を見ていたミサトは何やら良からぬ事を閃いたのか、ニタリと意地悪く笑ってとんでもない事を言い出した。

 

「よ~し! こうなったらみんなで噂の真相を確かめるわよ!」

 

 ミサトの突然の提案に、教室内の空気が一気にざわつく。ミサトが言うには、放課後の誰もいない真夜中の時間帯にこっそりと校舎へ侵入して、件の幽霊と奇声の主を探し出してみようという事だ。

 

「いやいやいやいや、先生それはさすがにまずいんじゃ……もし見つかったりしたら停学とか退学処分になっちゃいますよ?」

 

 当然、面倒事に巻き込まれたくないシンジが真っ先にミサトの無茶な提案に反論するが、対するミサトは自信満々に答える。

 

「大丈夫大丈夫! 今日の宿直は私だし、何か問題あったら私がご両親に頼んで何とか解決するから。ねぇ、いいでしょシンジ君?」

 

 そう言ってミサトはシンジの席の前にしゃがみ込み、上目遣いで懇願してくる。

 

「うっ……」

 

 その仕草にシンジは一瞬ドキッとして言葉に詰まる。普段からユイやミサトの大人の魅力にやられているせいで、こういう風にされると弱いのだ。

 

 するとそこにトウジとケンスケの援護射撃が入る。

 

「まぁ、たまにはええんちゃうか? それにセンセも興味あるやろ? 惣流がお化け相手に怖がるのかどうか……なぁ?」

 

「あぁ、僕達は別に構わないぜ? それに我がネルフ学園の理事長の息子であられる碇サマがいれば、これくらい大目に見て貰えるだろうしさ」

 

 トウジとケンスケの言葉に、シンジは更に追い詰められていく。

 

「ったく……わかったよ。仕方ないから僕も付き合うよ」

 

 結局、シンジが折れた事で今夜行われるネルフ学園肝試し大会が決定してしまった。

 

「やった〜!」

 

「よっしゃあ!」

 

 ミサトとトウジが歓喜の声を上げる一方、アスカとレイの顔色は未だ青ざめたまま小さく震えていた。

 

 

 

 

 

 そして時は流れ──夜の23時40分。

 

 静まり返るネルフ学園中等部の校門前に肝試しの参加希望者が集まってくる。シンジ達は放課後に一度自宅に帰って夜の準備をし、各自夕食を食べ終えてから改めて学校に集合していた。

 

「──で? 結局クラスで集まったのはいつものメンバーだけ?」

 

 学生服姿のシンジが腕を組んで訊ねる。シンジ達がやってきたのはネルフ学園の校門の前。しかしそこにはシンジ達以外の参加者の姿はない。

 

 ──今夜の肝試しの参加人数は6人。シンジ、トウジ、ケンスケ、引率責任者のミサト、そして……

 

「「………」」

 

 明らかに付き合わされたという顔をしているアスカとレイというメンバーだ。

 

 ……ちなみに心霊話の体験者である肝心のヒカリは、もう一度あんな怖い思いをしなきゃいけないなんて絶対無理という事で今回は不参加となっていた。

 

「ほ~う、さすがやな惣流。大口叩くだけあってちゃんと逃げずに来るなんてワイも見直したわ」

 

「ふんっ! シンジがどうしてもってしつこいから仕方なく来てあげたのよ! 勘違いしないでよね! べ、別に怖いわけじゃないんだから! アスカ様は幽霊なんて怖くないっての!」

 

 アスカは強がりながらも、その青い瞳は見事なまでに泳ぎまくっている。どう見ても恐怖で怯えている様にしか見えないのだが、それでもアスカは必死に虚勢を張る。

 

 シンジはそんなアスカを微笑ましく見守りつつ、一方でレイの方を見てみる。レイはアスカと同様に怯えているが、シンジが行くならと言ってついて来たのだ。

 

(ははは……やっぱり綾波さんも女の子なんだな)

 

 そんな事を思いながらシンジが苦笑いしていると、校門の向こう側からミサトが歩いて来た。

 

「ごめんお待たせ〜。待った?」

 

「いえ、僕達もついさっき着いたばかりです」

 

 シンジが代表してミサトに返事をする。ミサトの格好は昼間に見た女教師らしいスーツ姿ではなく、胸元が大きく強調されたノースリーブの黄色いシャツにデニムのショートパンツという、極めて露出度高めのだらしないラフな服装で、思春期真っ盛りなシンジの目にはなかなか毒であった。

 

「ちょっとミサト、教師のくせになんて格好してんのよ……」

 

 思わず呆れるアスカだが、ミサトはアスカの呟きを適当に聞き流し、シンジ達の目の前に立つと全員を見渡して口を開く。

 

「──やっぱりこのメンバーしか来なかったみたいね。まっ、その方がこっちとしても助かるんだけど……それじゃあ早速出発しましょうか」

 

 ミサトは事前に用意していた懐中電灯を片手に歩き出すと、他の者達もそれに続いていく。

 

 校舎への入口は完全に施錠されていたが、ミサトが1階に位置する職員室の窓を昼間のうちにこっそり開けていたらしく、すんなりと侵入する事が出来た。

 

 引率役のミサトを先頭に、シンジ、アスカ、レイ、トウジ、ケンスケの順で縦一列になって真っ暗闇な校舎の中を進んでいく。

 

 ミサトが言うに、今回の肝試しはグループ分けせずに最初から全員で行動する予定だという。

 

「それでミサト先生。これからどこに行くんですか?」

 

 まるで怖がる素振りを見せないシンジが質問すると、懐中電灯を持つミサトは前を向いたまま答える。

 

「まずは私達2年A組の教室に行こうと思ってるわ。最初の目撃情報だとそこが一番多いみたいなの。あと他の教室でも複数の人が幽霊を見たって話もあるから、念の為に全部の階を順番に回ろうかなって」

 

「なるほど……わかりました」

 

 シンジはミサトの話を聞いて納得すると、隣を歩くアスカとレイをチラリと見やる。二人揃ってシンジの両腕にしがみ付いているので、二人の柔らかい胸の感触が伝わってくる。

 

「ちょっとシンジ、ゆっくり歩きなさいよ」

 

「えぇ~……やだよ。それよりそろそろ手を離してくれない?」

 

「「いや」」

 

 シンジはアスカとレイから同時に拒否される。実はこの二人は肝試しが始まってからずっとシンジの腕を抱き締めて離れようとしなかったりする。

 

(まったく……アスカと綾波さんがこんな風に甘えてくるなんて……)

 

 普段からアスカとレイはお互いに張り合ってシンジを取り合っている節があるのだが、この肝試しではそんな余裕がないのか、シンジの左右を二人がガッチリと固めて抱き着いている。

 

 シンジとしてはアスカとレイの両方から密着されているのは嬉しいが、このままの状態でいるとさすがに動き辛い。

 

 それに先程からやたらと嫉妬深い男二人の視線を後ろから感じてならないので、そろそろ勘弁して欲しかった。

 

「くそ~、碇のやつあんなに抱き着かれて羨ましい……」

 

「だいたいなんで肝試し言うとるのに全員で行動するんや? 普通こういうんは男女ペアとかやないか。何でよりによって碇のハーレム見せられなあかんねん」

 

 最後尾を歩くトウジとケンスケが並んで愚痴を溢していると、ふとある事を思い付く。

 

 そして二人は何やらコソコソと話し合うと、ニヤニヤと笑ってからピタッと足を止めて前方を歩くシンジ達4人を見送った。

 

 

 

 

 

 ──それから数分後。シンジ達はミサトの先導で2年A組の教室にやって来ていた。

 

「ここね……誰もいないはずなのに懐中電灯の灯りだけが目撃されるって噂の場所は」

 

 ミサトが引き戸に手を掛けて開くと同時に室内へと入ると、シンジ達もそれに続く。

 

「別に変わったところはないけど……」

 

 シンジは周囲を見ながら呟く。するとアスカが突然思い出した様に震えた声を上げた。

 

「ね、ねぇ……そう言えば鈴原と相田は?」

 

 その言葉にシンジ達はハッとする。確かにいつの間にか二人がいなくなっていた。

 

(あいつら……また何か企んでるな)

 

 ……恐らくシンジ達に気付かれない様にどこかに隠れているのだろう。そんな事をシンジが思っていると、ミサトが突然懐中電灯を教室の窓側に向けて叫ぶ。

 

「──そこにいるのは誰ッ!?」

 

 その言葉にシンジ達全員が驚いて振り返るが、特に変わった様子は見られない。

 

 ただ、ミサトの持つ懐中電灯の光が窓の外を照らした瞬間、一瞬だけ懐中電灯の光が左右に大きく振れたが、それはすぐに戻ってしまった。

 

 ……気のせいだったのだろうか?

 

 そう思いつつシンジが不思議そうな顔を浮かべていると、今度は自分達が居る場所から見て反対側の校舎の廊下を進む懐中電灯らしき光が揺れ動く不気味な光景をはっきりと目撃してしまう。

 

「ミサト先生! あの光! やっぱりこの学校には知らない誰かが徘徊してたんだ!」

 

「だ、誰かって誰よ!? だいたい、あたし達しか校舎に残ってないはずでしょ!?」

 

 シンジの言葉にアスカが顔を真っ青にして反論すると、ミサトがシリアスな顔付きで小さく呟く。

 

「……使徒」

 

 その一言にシンジ達は一斉に黙り込む。

 

「……まさか。いくら何でもありえないですよ。ここは学校だけど一応ネルフの施設内だし、使徒がこんな所まで入り込める訳が……」

 

「じゃあ他に誰がいるっていうの? もし仮に使徒だとしたら、これまで目撃されてきた様々な怪奇現象にも説明がつくわ」

 

 ミサトの言い分は尤もだ。しかしシンジはどうしても信じられない。何故ならシンジは肝試しの間、使徒の気配を感じた事は一度も無かったからだ。

 

 シンジはこれまでの人生の中で、何度か使徒の気配を感じ取った事がある。それは最初に出会ったアラエル、そしてあの恐るべき強敵ラミエル──

 

 それはいつも、シンジが命の危機に瀕する様な危機的状況に陥った時にのみ現れた。

 

 しかし今回に関しては、シンジ自身に何も危ない事など起こっていない。それ故にシンジはどうしてもこれが使徒の仕業だとは思えなかった。

 

 ……だが、ミサトの言う通り本当に使徒がこの学校に潜んでいる可能性は確かにゼロではない。

 

 その事を踏まえ、シンジはズボンのポケットに仕舞った赤い玉──即ち自分の神器(エヴァ)をいつでも取り出せる様に警戒心を強める。

 

「──ミサト先生、とりあえず今はこの場から移動しましょう。さっき目撃した怪しい光は不規則に廊下を動き回っているみたいですし」

 

「そうね……わかったわ」

 

 シンジの提案にミサトは素直に頷くと、シンジ達は急いでその場から立ち去る。

 

 ──その後、シンジ達は教室ではなく廊下を中心に探索範囲を校舎全域に広げる事に。そして再び事件は起こった。

 

 シンジ達が真っ暗な廊下を懐中電灯の光だけを頼りに歩いていると、ミサトが突然手に持った懐中電灯をシンジに渡してきた。

 

「ごめ~んシンジ君! ちょっち、宿直室に戻ってもいい? 忘れ物を思い出しちゃって──」

 

 ミサトが申し訳なさそうに両手を合わせてお願いしてくる。シンジとしても別に構わないと思ったので、一旦別行動するミサトから懐中電灯を受け取って自分達は引き続き幽霊騒ぎの調査に向かう。

 

 懐中電灯を手に持ったシンジが走り去っていくミサトの背中を見送っていると、突然アスカがもじもじと内股気味にシンジの制服の裾を引っ張ってきた。

 

「……どうしたの?」

 

「っ……ト、トイレ! もうちょっとで漏れちゃうのっ!」

 

「えっ、こんな時に!? 早く言ってよ」

 

 シンジは慌ててアスカの手を掴むと、最寄りの女子トイレを目指して走る。幸いにもシンジとアスカがやってきた方向から少し離れた場所に女子トイレはあった為、そこまで全力疾走で駆け抜ける事が出来た。

 

「ね、ねぇシンジ……ちゃんとそこにいる?」

 

「いるってば」

 

 女子トイレの個室に入ったアスカが不安げに聞くと、シンジはその個室の前で待機しながら返事をする。

 

「ほ、ほんとにほんとに待っててくれる?」

 

「うん、ここにいるってば。だから安心して膀胱にたっぷり溜まったおしっこ出してなよ」

 

「ぜ、絶対よ!? 絶対にあたしの前からいなくならないでよ!?」

 

「はいはい。まったく、アスカも実は怖がり──ん?」

 

 シンジはそこで言い掛けた言葉を途中で止める。先程から真っ暗な女子トイレの個室からはぷしゃあぁぁ……っという何とも気持ち良さそうな排出の水音だけが長い時間ゆっくりと響き渡る。

 

 そんな時にシンジがふとトイレの入口に顔を向けると、そこには消えたはずのトウジとケンスケ、更には宿直室に戻ったはずのミサトまでもが一緒に手招きしているではないか。

 

(……な~るほど。そういう事か)

 

 ここでシンジはようやく合点がいった。要するに、今回の肝試しは最初からアスカをターゲットにする為に画策されていたのだろう。

 

 そしてまんまとミサトの演技で罠に嵌まったシンジは、そのままトウジ達に誘われるまま懐中電灯をアスカが居残るトイレの個室の前に置いて静かに立ち去る。

 

 

 

 

 

 そして──宿直室にやって来たシンジ達。そこには魘される様に気絶してしまったレイが寝かされていた。

 

「綾波さんはどうしたの? アスカがトイレに行くって言う辺りからいつの間にか逸れちゃってたみたいで──」

 

 シンジが状況を質問すると、ミサトが何やら困った様子で頬を掻く。

 

「実はね、例の怖い噂話……あれは幽霊なんかじゃないのよ」

 

 その言葉にシンジはやっぱりか……と内心呟く。最初から事の真相を知っていたミサト曰く、幽霊騒ぎの正体はみんなの予想通り変装していたミカサだったのだ。

 

 レイと同じで両親の居ないミカサには住む家が無く、それまでアメリカに位置するネルフ第2支部で暮らしていたミカサはレイ同様、碇家のマンションで一緒に暮らさないかとユイとゲンドウに声を掛けられたらしい。

 

 しかしそこは譲れませんとミカサは頑なに断り、結局住む家が見つかるまではネルフ学園の宿直室で寝泊まりしていたという。

 

 ミサトはその事を最初から知っており、今回の幽霊騒ぎに乗じて孤独な学園生活を送るミカサをどうにかして更生させようと考えた結果があの肝試しだった訳だ。

 

 しかしトウジとケンスケがそんな事情も知らないまま勝手に動き出した結果、面白そうだと思ったミサトが二人の悪戯に乗っかる形でわざとらしく使徒の話題を持ち出したりと、ミサトの作戦がどんどんややこしい方向に進んでしまったのである。

 

 その結果が現在進行形で口から泡を吹いて気絶している顔面蒼白のレイと、今頃すっかり怯えきって完全に孤立させられてしまったと思われるアスカだ。

 

「ミサト先生……」

 

「やり過ぎちゃったわね……ごめんなさい」

 

 ミサトの説明を聞いてシンジがジト目になって呆れた表情を浮かべると、ミサトは素直に頭を下げて謝罪する。

 

 しかし……待てよ? ここでシンジはまだ何か今回の幽霊騒ぎには解決していない違和感がある事に気付く。

 

「真夜中の学校を歩き回る幽霊女がミカサだってのは分かったけど……それじゃあ委員長が最初に目撃したっていう奇声を上げて襲い掛かる黒い化け物ってのは──」

 

 ──そうなのだ。肝試しが始まって以来、シンジは一度もその化け物の気配を感じていない。

 

 しかし、それがもし本当に存在するとしたら……シンジはそこでハッとする。

 

 そして同時に嫌な予感を覚えたシンジは、女子トイレに置き去りにしてしまったアスカの安否を心配するのだった。

 

 

 

 

 

 一方で──シンジ達が宿直室に向かった後。女子トイレで一人残されたアスカが目を真っ赤に泣き腫らしてシンジが置いていった懐中電灯を手に暗闇の廊下を歩き回っていた。

 

「ひっぐ……うぇええん……シンジどこぉ~……!」

 

 アスカはもう限界だ。アスカは今までの人生でここまで恐怖に震えた事など一度もなかった。

 

 いつも愛するシンジが隣に居てくれたからこそ、アスカはこれまで様々な苦難(ホラー映画鑑賞の事)を乗り越える事が出来たのである。

 

 しかし……今のアスカにはそのシンジがいない。たった一人で真夜中の校舎を彷徨うアスカは、まるで迷子になった小さな子供の様に泣きながらビクビクと足元を震わせて歩いていた。

 

「うぅ……シンジぃ……やだよぅ……」

 

 涙を拭う事さえ忘れて歩くアスカは、とうとう足を止めてしまう。そしてその場で膝を抱え込むと、アスカは遂に嗚咽を漏らして本格的に泣いてしまう。

 

「……ひっく……シンジ、お願いだから助けに来てよぅ……あたしを一人にしないでよ……ぐすっ」

 

 アスカはシンジに会いたい一心で何度もシンジの名前を呼ぶ。

 

 ……その時だった。

 

 

 

 ぺた……ぺた……ぺた……ぺた……

 

 

 

 廊下の真ん中で蹲るアスカの背後から、何者かが裸足の足音を鳴らしてゆっくり近づいてくる音が聞こえてきた。

 

「……ッ!? し、シンジ!? シンジなの!? お願い、あたしを一人にしないで! 何でも言う事聞くから!」

 

 その音を聞いた瞬間、アスカは反射的に振り返って音の鳴る方へ駆け出す。恐怖心のあまり錯乱状態にあるのか、逃げずにむしろ自分からその方向に向かっていくアスカ。

 

「シンジ! シンジ! シンジィ!」

 

 しかしその時、アスカの耳に届いたのは聞き慣れているはずのシンジの声ではなく──

 

「グエッグェッグェェェェッ!!」

 

 ──暗闇の中、遂に現れた噂の化け物が発する耳障りな鳴き声だけだった。アスカの目の前に現れた全身が黒く染まった二足歩行でペチペチと歩くナニカ。

 

 その体躯は人間とは似ても似つかない程に小さく、口と思われる部分は鳥類らしき大きな嘴で覆われている。アスカは思わず悲鳴を上げそうになったが、それを何とか堪えると恐る恐る化け物の顔を泣きながら見つめる。

 

「ふぇ……? ペン、ギン……?」

 

 アスカがぽつり呟くと、目の前のそれもアスカの存在に気付いたのか、アスカのすっかり怯え切った顔を見て可愛らしいペンギンの鳴き声を上げた。

 

「ギェー♪」

 

「ペンギン、なの……?」

 

 アスカはもう一度その生物の名前を呟くと、アスカの瞳から大粒の涙が溢れ出る。更には本物のお化けじゃなかった安心感からか、アスカは先程トイレに行ったにも関らずまたも尿意を覚えてしまい、気が緩んだ事で一気に膀胱のダムが決壊してしまった。

 

「うっ……いやぁぁ……んっ……」

 

 アスカのぐっしょり濡れた股間から生温かい黄金色の液体が太腿に伝っていく。

 

 ぷしゃあぁぁ……という卑猥なシャワー音と共にアスカの下半身が温かく湿っていき、アスカは恥ずかしげもなく座り込んだ状態で両足をM字に大きく広げ、染み付いた可愛らしいピンク色の紐付きショーツを履いたまま一気に放尿を始めた。

 

 するとそこに……

 

「──ペンペン、そこにいたのですね」

 

 暗闇の向こう側から懐中電灯を手に持った一人のセーラー服を着た美少女が姿を現す。

 

 変装用に用意したウィッグの黒髪ロングヘアーではなく、彼女本来の腰辺りまで伸ばした綺麗な緑髪を靡かせ、トレードマークである赤いロングマフラーで口元を覆い隠す様に巻いたそのクールな雰囲気を身に纏う少女は、紛れも無く雪風ミカサその人だった。

 

「ミ、カサ……?」

 

 勢いよく放出されていく黄金色のシャワーを運悪くミカサに見せ付ける形になってしまったアスカ。ミカサはそんなアスカの傍に歩み寄ると、優しい表情でしゃがみ込むアスカに声を掛ける。

 

「姫……あなたが怖がっているのに気付かなくて……まさかこんなに怯えていたなんて──」

 

 ミカサはそう言って悲しげに目を伏せると、そっとアスカを抱き締める。

 

「もう大丈夫ですから。さぁ姫、私と一緒に宿直室まで行きましょう。恐らく皆さん待ってますので」

 

 ミカサはそう言いつつ、未だに止まらないアスカのおしっこを気にする事なく見届けると、ようやく長かったアスカの放尿が終わる。

 

 アスカは排出の余韻でしばらく放心状態になっていたが、やがて自分が今何をしていたかを思い出すと見る見るうちに顔を真っ赤に染めて爆発させた。

 

「いやあぁぁっ!? なんであんたに見られてるのよぉぉっ!?」

 

 慌てて青色のスカートを両手で押さえて立ち上がるアスカ。しかし時既に遅く、アスカのスカートと下着はたっぷりと水分を含んですっかり変色してしまっていた。

 

「ま、待ってください。私はただあなたが心配で……っ、それにしてもすごい量でしたね。やはり人間とは溜め過ぎると大変なのですか? 生理現象とはいえ、少しは身体に気を使って──」

 

 ミカサは真面目に考察しつつ、羞恥心で震えているアスカの手を優しく握ってくる。しかしミカサのその行動が、より一層アスカを辱める結果となってしまった。

 

 ……その後、アスカは校舎内を徘徊していたペンペンを抱くミカサによって無事に宿直室まで連れられていき、シンジ達と再会を果たしたのだが……

 

 

 

 

 

「ごめ~んアスカ! ほんとこの通り! だからもう許して~!」

 

 ミサトからの説明を聞いたアスカは顔を真っ赤に染めてそれはもう烈火の如く暴れ回り、ミサトとミカサは揃って正座させられていた。

 

 ……ついでにシンジ、トウジ、ケンスケの男3人は全員アスカにタコ殴りにされて未だ気絶中のレイの傍にバタリと倒れ伏し、散々な目に遭ったのであった。

 

 ……ちなみに、シンジ達と逸れたレイを襲った黒い化け物もここにいるペンペンの仕業である。

 

 ペンペンは世にも珍しいオスの温泉ペンギンらしく、普段はミカサやミサトがネルフ学園内で飼育していたのだが、事ある毎に逃げ出しては真夜中の校舎内を徘徊し、様々な生徒達にちょっかいを出していたのだ。

 

 ミカサはネルフ学園の七不思議にされていた噂の正体がペンペンだと最初から気付いていたらしく、夜な夜な校舎を徘徊する謎の温泉ペンギンを連れ戻す為、担任のミサトに頼まれて毎日密かに探し回っていたらしい。

 

 ヒカリが目撃したという怪しい光もミカサの懐中電灯であり、彼女がペンペンと出会して気絶したおかげで無事にペンペンを保護し、哀れヒカリを優しく介抱してあげていたのだ。

 

 幽霊騒ぎの一部始終を知ったアスカはクエスチョンマークを浮かべた何も分かってないペンペンをギュッと抱き締めると、そのモフモフした羽毛に顔を埋めて静かに「このバカペンギン……」と呟くのだった。

 

 

 

 

 

 ──こうしてアスカの恐怖体験は終わりを告げ、ネルフ学園最初の七不思議──『真夜中の校舎を徘徊するお化けと幽霊の女』の真相は解明され、多数の犠牲者を出しながらも何とか平穏無事に幕を閉じたのだった。

 

 




【次回予告】

ある日のネルフ学園の帰り道、シンジの前に突如として現れる謎の金髪巨乳美女。

それは復活した使徒ラミエルとの決戦を意味するのか。

監禁されたラブホテルの一室で少年は叫ぶ。

ラミエルの卑劣な罠に屈する時、シンジは逃れられない快楽の園へ堕ちていく……

次回、『決戦!雷霆(らいてい)のラミエル ★(ラミエル)』



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決戦!雷霆のラミエル ★(ラミエル)

お待たせしました。最新話です。

今回は初めてとなるオリキャラのエロ回になります。

また、各話の最後にてAI挿絵に関するアンケートを行ってますので、よければ参加下さると助かります。


 

 ──その日の夕方、いつも通りに学校を終えて自宅のマンションに帰るシンジは一人で通学路を歩いていた。

 

 アスカとレイは担任のミサトにネルフ関連の用事を頼まれたらしく、シンジは現在一人である。

 

(今日は母さん達帰り遅いのか……)

 

 綺麗なオレンジ色に染まる夕日を浴びながら歩くシンジの足取りは重い。実は先程シンジの両親が勤めている人工進化研究所から電話があり、急な仕事で今日は二人とも家には帰れないと言われたのだ。

 

 電話先のユイから「ごめんなさいシンジ。最近私とのエッチが出来なくて本当に寂しいと思うけど……今の仕事が一段落するまでもう少しだけ我慢してちょうだい」と何やら落ち込み気味に言われ、シンジは思わず苦笑するしかなかった。

 

 それはそれとして、今日は久しぶりに自分で夕食を作る必要がなくなったという事でもある。

 

 シンジは適当にコンビニでも寄って帰ろうか……そんな事を考えていると、後ろから見知らぬ女性に声を掛けられた。

 

「ねぇ、そこの学生君!」

 

 高級感溢れるレディースの茶色いロングブーツを履き、最近トレンドの千鳥柄のミニスカートを履いている20代前半くらいの女子大生らしき若い美女だった。

 

 短く切り揃った金髪は蜂蜜を垂らした様に明るく綺麗な色合いで、胸元が大きく開いた暗色系のベアトップからは推定Gカップはありそうな豊満な谷間が零れ落ちそうなほどにいやらしく覗かせる。

 

 その上から黒いコートを羽織った姿は一見すると夜の蝶を思わせる妖艶な雰囲気を放っており、シンジはそのあまりの色っぽさに一瞬息を飲む。

 

 その美貌と共に目を引くのは彼女の宝石を思わせる青い瞳であり、どこか日本人離れしているその顔立ちはとても美しく整っていた。

 

 彼女はまるで誘う様に自分の大きな胸の谷間をぎゅっと寄せて持ち上げて見せ、戸惑うシンジに妖しく微笑み掛けてくる。

 

「ちょっと道を尋ねたいのだけど……」

 

「あ、はい……いいですよ」

 

「あぁよかった! 他に知ってそうな人見当たらなくて──」

 

 ……道案内か怪しい宗教の勧誘かな?と内心思いつつ、シンジは女性の方に歩み寄ると、その金髪巨乳美女はシンジの顔を覗き込む様に急接近する。

 

「ねぇ、学生君──教えてくれるかな? 監視者(あいつら)とコアはどこ?」

 

(こ、この人……!? それにこの感じ、まさか……!?)

 

 怪しい美女は甘い声で囁くと、シンジは思わずゾクッと悪寒を感じて逃げる様に距離を取る。そして同時に、目の前にいる美女が使徒だと確信する。

 

「あら、どうして逃げるの? この前の“お礼”も兼ねてせっかく会いに来たのに……傷付いちゃうなぁ」

 

 そう言って美女は残念そうに艶めかしい溜息を吐く。だがすぐにニィ~っと口角を吊り上げると、嬉しそうに微笑んだ。

 

 その瞬間、可愛らしい美女の顔からぼんやりと淡く光る神秘的な紋章が浮かび上がる。シンジにとって見覚えのある“それ”は、稲妻の様な激しい怒気を帯びていた。

 

「それじゃあ、改めて自己紹介──あなた達ネルフの監視者(シェムハザ)が持ち去った仲間達のコアを返してもらいに来た、使徒28柱が誇る最強のエリート集団『七大使徒』の序列7位──そう、私こそが雷を操る第5使徒、『雷霆(らいてい)』のラミエルよ」

 

 そう言って美女改め使徒ラミエルは優雅に一礼してみせる。しかしシンジは突然現れた美女の正体といきなり放たれた殺気に動揺してしまい、うまく言葉を返せないでいた。

 

「ぁ、うっ……」

 

「どうしたの? もしかして新しい“宿主サマ”を手に入れた私のエッチな身体に見惚れちゃったとか? ふふっ、ありがとうね。嬉しいわ、学生君♡」

 

 そう言いながらラミエルは優しく微笑む。しかしその笑顔とは裏腹に、彼女は容赦なくシンジに向けて右手の指先から青白い雷撃をレーザーにして放つ。

 

「ッ!?」

 

 咄嵯にシンジは横に跳んで攻撃を躱す──するとシンジのすぐ傍にあった電信柱はラミエルの放つ電撃により、黒く焦げてプスプスと危険な煙を上げた。

 

「ふふっ、今のはわざと外してあげたの♡ さぁ、怖がらないでおいで? お姉さんがたっぷりと新しい人間(リリン)の身体で可愛がってあげ──あら?」

 

 話しながら再び攻撃しようとラミエルが片手をシンジに向けると、彼の姿は既にそこにはなかった。

 

「あぁん、もうっ! そんな慌てて逃げなくってもいいのに」

 

 ラミエルはわざとらしいギャルの仕草で頬を膨らませながら、シンジの逃げた方向を睨み付ける。

 

「ふふっ、今度は逃さないんだから……! あなたの正体が本当にあの『堕天ルシフェル』様なのか、確かめさせてもらうわ!」

 

 

 

 

 

 ──新しい人間の肉体に寄生憑依して瀕死の状態から見事に完全復活した使徒ラミエルとの遭遇から早くも一時間後。

 

「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……ッ!」

 

 全力疾走で夜の街中を駆け抜けるシンジ。その表情は恐怖と緊張で強張り、額には大量の汗を浮かべている。

 

 そんなシンジを追い掛けるのは、先程出会ったばかりのギャルっぽい見た目をした金髪の巨乳女子大生──新生ラミエルだった。

 

 シンジは必死の形相で走り続ける中、これから自分はどうすればいいのかを考える。

 

(ど、どうしよう……! このままだと確実に殺される!)

 

 シンジは背後から迫りくる気配に振り返らず、ひたすら人気が無い場所を求めて走る。ラミエルの攻撃方法は雷を操るというシンプルなものだが、その威力は絶大だ。

 

 以前の戦いではミカサの半身を容赦なく焼き焦がした恐ろしい雷撃の一撃をまともに喰らえば、監視者(シェムハザ)のチルドレンの中で最弱間違いなしのシンジなど簡単に消し炭になるだろう。

 

(くそっ、こういう時に限ってアスカや綾波さん、ミカサもいないなんて……!)

 

 シンジは悔しさに歯噛みする。こうして使徒が出現した以上、ネルフに所属する監視者(シェムハザ)である彼女達は必ず出撃するはずだが、現在この場にいるのはシンジ一人だけだった。

 

 つまりそれは……使徒ラミエルの出現に他のチルドレン達が気付かなかった事を意味する。いや、それとも……?

 

 何はともあれ、シンジはこの絶望的状況を覆すべく思考を巡らせる。

 

(とにかく、まずは誰かと合流できるまで時間を稼がないと……!)

 

 そう考えたシンジはネルフ学園から遠く離れた場所に位置する河川敷に逃げ込むが……

 

「──逃げられると思ってるの?」

 

 不意に聞こえた若い女性らしき声。シンジが後ろを振り向く暇もなく、その声の主は走るシンジの頭上を豪快に“飛び越え”、進路を塞ぐ様にクルクルと空中回転して見事に着地した。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……くっ!」

 

「案外すばしっこいね。でも、もう疲れたでしょう?」

 

 息を切らしているシンジの前に再び現れた金髪ショートヘアーの巨乳女子大生──ラミエルはくすっと微笑み掛ける。

 

 彼女はシンジの逃走を邪魔したにも関わらず、全く敵意を感じさせない様子であった。まるで恋人に語り掛けてくる様な甘ったるい口調で、ラミエルはゆっくりとシンジの元に歩み寄ってくる。

 

「私ももう飽きちゃった。本当は無駄にこういう事したくないんだけど、君生かしておくと後々めんどくさそうだし──諦めてね♡」

 

 派手な色柄のブラジャーが覗く豊満な谷間をたぷんと揺らし、華奢な両腕を頭上へと掲げたラミエル。優しい言葉遣いとは裏腹に冷たい表情を見せるラミエルは巨大なプラズマエネルギーを放出する。

 

 それはやがて蒼白い電流を帯びた光球を形成し、バチバチと電気が弾ける轟音を鳴らしてラミエルの手の中で膨れ上がっていく。

 

(まずい……このままじゃ……!)

 

 身動きの取れないシンジの眼前で形成された巨大な蒼白いエナジーボールは勢いよく放たれ、それは人気の無い河川敷を派手に爆発させる。

 

 河川敷全域が巻き上がる爆風と爆煙に包まれる中、シンジは鉄橋下の柱に隠れてこちらを覗き見る一人の小さな女の子を目撃してしまう。

 

(女の子……!? なんでこんな所に……!?)

 

 そこにいたのは……綺麗なオレンジ色のセミロングヘアをウェーブさせた外国人らしき小柄な幼女だ。

 

 お洒落な白いサイドリボンを頭に着けており、その服装は驚いた事にシンジが通うネルフ学園の初等部に在席していると思われる女の子用の上品な学生服だった。

 

 シンジはその可愛らしい幼女の姿にどこか見覚えがあり、思わずハッとする。

 

(あれ……? あの女の子……どこかで見た事があるような……?)

 

 ……しかし今は思い出している暇はない。今ここでシンジが死ねば、恐らく後ろで隠れて覗き見ている幼女の命は無いからだ。

 

(駄目だ、あんな幼い子を使徒に殺させる訳にはいかない!)

 

 そう判断したシンジは幼女が隠れている鉄橋下の柱から離れる為に、ラミエルを挑発してみる事に。

 

 河川敷に爆風と爆煙舞う中、シンジはズボンのポケットに仕舞っていた赤い玉を取り出し、自らの戦う意思を形にして自分専用の武器──神器(エヴァ)を起動させる。

 

「来いッ! 僕の……僕のエヴァンゲリオン!!」

 

 力強く叫ぶと同時に、シンジの身体を眩い閃光が包み込む。するとシンジの持っていた赤い玉は光の粒子となって消え去り、代わりに現れたのは白銀色の拳銃だった。

 

「なるほどね……やっぱり君も監視者(シェムハザ)だったの。普通の人間があんな力出せるなんておかしいと思ってたけど……」

 

 ラミエルは興味深そうな視線をシンジに向けると、顔中に浮かび上がる稲妻を模した使徒の紋章を消滅させて呟く。

 

「──気が変わったわ。あなたを殺さずに捕まえて監視者(あいつら)の出方を見る」

 

 そう言ってラミエルはニヤリと笑みを浮かべると、足を踏み出して瞬時にシンジの眼前へと急接近する。

 

「ッ!?」

 

 突然目の前に現れたラミエルに対し、シンジの反応は遅れる。その隙にラミエルは右手でシンジの襟首を掴むと、そのまま地面に向かって投げ飛ばす。

 

「うわっ、ぐぅっ……!?」

 

 シンジは地面に叩き付けられ、飛んだ方向には運悪く先程こちらを覗き見ていた幼女が怯える表情で立っていた。

 

「あっ……!」

 

「しまった……!」

 

 シンジは慌てて立ち上がり、ラミエルから庇う様に幼女の方へと駆け出して優しく抱き締める。

 

「くっ、この娘は殺らせない!」

 

「ん……お兄ちゃん、だあれ?」

 

 シンジにいきなり抱き締められたオレンジ髪の幼女は不思議そうにシンジを見上げる。

 

「えっ? 僕は──」

 

 返答に困るシンジ。するとラミエルがシンジに抱かれた幼女に気付く。

 

「あら? そこの可愛らしい女の子、あなたもしかして──」

 

 ラミエルの言葉が言い終わる前に、シンジは幼女の身体を抱えて大きく跳躍する。

 

 一般人の幼女を守る為にはラミエルから逃げ回るしかない……そう考えたシンジは幼女を連れて鉄橋下の柱の陰に素早く隠れた。

 

 すると……夜の河川敷に可愛らしい仔猫の鳴き声が響き渡る。

 

「あっ……ネーロ!」

 

 まだ幼い仔猫の鳴き声を聞いて幼女がシンジの手から離れて飛び出してしまう。

 

「あ、ちょっと……!」

 

 慌てて駆け出した幼女はラミエルを無視して鉄橋下の柱に置かれていたダンボール箱を見つけると、『拾ってください』と書かれたダンボール箱に詰められて悲しげに鳴く小さな黒い仔猫のネーロを抱き締める。

 

「ネーロ、よかった……」

 

 安堵の溜息と共に、ほっとした笑顔を浮かべる幼女。そんな彼女の様子を見ていたラミエルはニヤリと不敵な笑みを浮かべ、シンジと幼女の元へとゆっくり近付いてくる。

 

「ちょっ……! おい君! その仔猫を連れて早く家に帰るんだ! ここは今すごく危険だから──」

 

 慌てて幼女を河川敷から逃がそうとするシンジだが、幼女は黒猫を抱えたままその場を離れようとしない。そんな幼女の行動にいつの間にか近くまで接近していたラミエルはクスッと笑う。

 

「チェチーリア──協力ありがと♡ さすがは“双子の片割れ”ね」

 

 ラミエルは意味深に言うと、オレンジ髪の幼女──『チェチーリア』と呼ばれた幼女を守ろうと完全に無防備だったシンジを手刀一撃で意識を刈り取る。

 

「あっ……」

 

 ラミエルによって気絶させられたシンジはうつ伏せに倒れ、そのまま動かなくなった。

 

 また、戦えなくなった事でシンジが手にした白銀の拳銃も存在出来る形を失って消え去り、神器(エヴァ)の待機状態でもある元の赤い玉に戻ってしまう。

 

「これでよしっと」

 

 ようやく前回の戦いでシンジから受けた屈辱を清算したラミエル。彼女は満足げに微笑むと、気絶したシンジの手の中から赤い玉を奪い取る。

 

「ぁ……あの、私──Mi dispiace(ごめんなさい)!!」

 

 チェチーリアは自分を守ろうとしてくれたシンジを倒したラミエルに恐怖したのか、突然流暢なイタリア語でラミエルに泣きながら謝ると、黒猫のネーロを抱き抱えたまま慌てて走り去っていった。

 

「あらら、逃げられちゃった。ふふっ、またいずれ会おうね♡ 可愛い双子のイスラフェル──」

 

 ラミエルは逃亡したチェチーリアの後ろ姿を見ながら笑みを浮かべ、ふと思い出した様にぽつり呟く。

 

「でもそっかぁ……あの様子だと双子の半身はまだ“使徒として”目覚めてないのね」

 

 意味深に言うとラミエルは気絶したシンジを自らの華奢な肩に背負い込む。

 

「まぁいっか。今はそれよりも……ねっ♡」

 

 ラミエルは軽々とシンジを担ぐと、まるで瞬間移動でもするかの様に一瞬で夜の河川敷から姿を消して飛び去るのだった。

 

 

 

 

 

 ──気絶したシンジがラミエルに連れ去られてから一時間後。

 

 第3新東京市内の繁華街に位置する一軒のラブホテル──その一室では中学生のシンジを連れ込んだラミエルがベッドの上で気持ち良さそうに腰を振っていた。

 

「あんっ、あんっ! やだこの子、おちんぽすごぉ~い……やぁん♡」

 

 ギャルっぽい見た目の衣服を脱いで全裸になったラミエル。いつの間にか寝ている間に全裸にされたシンジの上に跨がり、騎乗位の体勢で激しく腰を振り続ける。

 

 ラミエルが動く度に、二人の結合部からじゅぷっ、ぐちゅっ!という卑猥な水音が漏れ、ラミエルの豊満なGカップおっぱいがぶるんっ!と淫らに揺れる。

 

「はぁ、はぁ……このちんぽすごぉい……♡ 今までオンナの身体を慣らす為にお金持ってそうな適当なおじさんちんぽ、数え切れないくらい相手にしてきたけど、こんな気持ち良いエッチ初めてぇ……ぁんっ、いいっ! そこぉ……やぁん、んんっ!」

 

 蕩けた表情で一人身勝手に快楽を貪るラミエル。一方、未だに気絶しているシンジは動けず、ただされるがままにラミエルに犯され続けていた。

 

 ラミエルの膣内は火傷しそうなほどに熱く、無断で挿入されているシンジの剛直はラミエルの極上とも言える肉ヒダに絡みつかれてぎゅうぎゅうと締め付けられている。

 

 ラミエルが腰を動かす度、互いの粘膜同士が擦れ合う感覚が寝ているシンジの脳髄にまで響く。

 

「うっ……ここ、は……?」

 

 そしてラミエルの身体から溢れ出す濃厚なフェロモンはシンジの股間を怒張させ、ラミエルの膣内を犯して射精したいという欲望を無意識に膨れ上がらせていく。

 

「あっ、起きたぁ~? ごめ~ん! 前戯してあげても全然起きないから……おちんぽ借りちゃってま~す♡ ねぇ君、私のおまんこどう? 気持ちぃ?」

 

「……ッ!?」

 

 意識を取り戻したシンジにラミエルは嬉々として尋ねる。しかしシンジは何も答えられずにただ訳も分からないまま顔を赤らめる事しか出来なかった。

 

 するとそんなシンジの反応を見たラミエルは楽しげにクスッと妖艶な笑みを浮かべる。

 

 ラミエルの身体はどこもかしこも柔らかく、そして温かく、密着してくるラミエルの胸からは甘いミルクの様な香りが漂ってくる。

 

 その心地よい感触はシンジの心を落ち着かせ、シンジの身体を癒してくれる。しかしその一方でラミエルの肉体はシンジの理性を溶かして狂わせ、ラミエルの子宮口へ新鮮な精液を吐き出させようとシンジを襲う。

 

 気絶していた間にペニスは痛々しい程に膨張しており、シンジは耐え切れずに思わずラミエルの腰を掴むと、自ら腰を高々と突き上げてラミエルの奥深くへと己の分身を捩じ込み、本能の赴くままにラミエルの膣内に大量の白濁液を解き放った。

 

「うぁっ、駄目だ……ッ! で、射精るッ!」

 

「あっ、あはぁっ……!? あはっ、きたきたぁっ……! これよ、この快感……んんっ、すごい……あぁんっ!」

 

 ラミエルの子宮にシンジの熱い精子が大量に注ぎ込まれ、ラミエルは絶頂しながら悦びの声を上げる。

 

「はぁ……はぁ……あぁ……ふふっ、たくさんぴゅーぴゅー出ちゃったね♡ ……ぁんっ、でも本当にすごいわ。こんなの知っちゃったら、今までのつまらない男達なんかもう要らない……んんっ、これからは私がこのおちんぽの所有者よ……っ!」

 

 シンジの精液が注がれる感覚にラミエルは全身をゾクゾク震わせると、そのまま仰向けに寝ているシンジの身体に覆い被さってディープキスを交わす。

 

「んっ……んぅ……んちゅ……れろ……」

 

「……ッ!?」

 

 舌と唾液が絡み合い、シンジの意識は再びぼんやりとしていく。するとラミエルはゆっくりとピンク色の唇を離すと、シンジの耳元で甘くエッチに囁いた。

 

「さぁ、もっと楽しんじゃお? ふふっ、だってまだ夜は長いもの……君が一体誰なのか白状するまで、まだまだいっぱい付き合ってもらうからね♡」

 

 そう言って再び腰を動かし始めようとするラミエルだったが、シンジは必死に抵抗しようと暴れ始める。

 

 しかしラミエルにマウントポジションを取られている為、まともに動く事が出来ない。そんなシンジを見てラミエルは不敵な笑みを浮かべた。

 

「あぁん、だ~め♡ 逃がさないんだから……はぁんっ! ほら、見て……君のおちんぽまだまだすごく元気だよ? だから……ぁんっ、もう少しだけお姉さんと気持ち良いエッチして遊ぼうね♡」

 

 ラミエルはそう言ってシンジの頬にチュッと優しいキスをすると、再び大きく勃起したシンジの極太ペニスを自らの膣内に迎え入れる。

 

「さぁ、今度はどんな風に私を気持ち良くしてくれちゃうのかなぁ……?」

 

「うっ、やめっ……あぁっ……!?」

 

 ラミエルは愉しげに微笑むと、騎乗位の体勢のまま激しく腰を動かし始めた。ラミエルの生温かい肉ヒダに包まれながら、シンジは何度もラミエルの膣内で果て続ける事になる。

 

 そうしていくうちにシンジの理性は徐々に薄れていき、自分が使徒と戦う監視者(シェムハザ)である事も、腹上で淫らに喘ぐ金髪の巨乳美女が敵である使徒だという事も、最早全てがどうでもよくなっていた。

 

「あっ、おちんぽまたイッてるぅ……! いいよぉ、その調子で私をもっともっと気持ちよくさせてぇ……!」

 

 ラミエルは気持ち良さそうに言うと、寝ているシンジの乳首を指で優しく撫で回す。

 

「うぁっ、そこは……ダメ……あっ……んっ……ああぁっ!」

 

 シンジはビクンと身体を大きく跳ねさせると、ラミエルの膣内にまたしても大量に精液を吐き出した。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……も、もう許して……」

 

 淫魔の如く性を貪るラミエルに散々搾り取られたシンジは息を荒くしつつ弱々しく懇願する。しかしラミエルは相変わらず余裕のある笑みを浮かべると、シンジの耳元に口を近付けて甘える声で囁く。

 

「ふふっ、だ~め♡ 今日は朝までず~っと一緒にいようね?」

 

「そ、そんな……! し、死ぬ……さすがに死んじゃうよぉ……!」

 

 ラミエルの言葉を聞いたシンジは顔を青ざめさせ、情けない声を出す。しかしラミエルはそんなシンジを嘲笑うかの様にクスクスと笑い始めた。

 

「だったらお話しできる? 君が前に私を倒したあの力と六枚羽──もしかして君ぃ、ほんとはルシフェル様が憑依してるんじゃないのかなぁ?」

 

 ラミエルはシンジの胸に手を置き、愛おしそうにシンジの顔を見つめてそう言った。その瞬間、シンジの心臓が大きくドクンと脈打つ。シンジはラミエルの質問に答えられない。

 

「そ、そんなの知らないよ……ッ!」

 

 しかし……ラミエルの言っている事に心当たりはあった。シンジが前回ラミエルとの戦いに負けそうになったあの時、完全に意識を失ったシンジは精神世界でもう一人の自分を名乗る怪しい少年と出会った。

 

 その後、シンジの肉体は一時的とはいえ完全に乗っ取られ、もう一人のシンジはラミエルを倒す為にその秘められた力を使った。

 

 暴走とも言えるあの不思議な力が使徒ルシフェルのものであるならば、シンジは既に人間ではなく使徒に憑依された者という事になる。

 

 ……しかし、シンジはラミエルの質問に答えられなかった。何故ならその時の記憶は曖昧で、はっきり思い出せる事など何一つ無いからだ。

 

「……やっぱり図星みたいね。でも大丈夫、安心して♡ 君はただの人間じゃない──だから私は使徒28柱の仲間として、君を迎えに来たんだよ」

 

 ラミエルは妖しく微笑みながらシンジの唇を奪い、舌を絡ませる。ラミエルはシンジを自分達の仲間に引き入れる為に、シンジをラブホテルに連れ込んだのだ。

 

 ……しかしシンジはラミエルの話に全く興味がなかった。それよりも今は一刻も早くこの快楽地獄から解放されたいという事しか頭にない。

 

「んっ、んちゅ……れろ……はぁ、はぁ……んっ、ちゅ……んんっ!」

 

 シンジはラミエルの濃厚なキスの嵐から逃れる様に顔を背ける。するとラミエルは少し残念そうな表情を見せた後、妖艶な笑みを浮かべてシンジの耳元に口を寄せて甘く囁く。

 

「……ねぇ、君。私のこと嫌い?」

 

「えっ……?」

 

 ラミエルの問いにシンジは思わず聞き返す。するとラミエルは寂しげな笑みを浮かべた後、シンジの身体を抱き締めた。

 

「あぁ……ごめんね、変なこと聞いちゃって。実は私、使徒28柱の反逆派を統べる偉大なる堕天ルシフェル様に憧れているの。君が本当にルシフェル様の魂を宿しているなら、私はもう君とは戦いたくない……だから、ねぇ……教えて、お願い♡」

 

 そう言ってラミエルは再び甘い吐息を漏らす。ラミエルの柔らかな肉体がシンジの身体に触れ、ラミエルの甘い香りがシンジの鼻腔を刺激する。

 

 そしてラミエルは自分の豊満な胸を両手で持ち上げてシンジに見せつけると、そのままシンジの身体に押し付けた。

 

 ラミエルの大きなGカップおっぱいが形を変え、シンジの身体に吸い付く。ラミエルの胸は柔らかく温かく、触れているだけでシンジの心は安らぎ、同時に強い性欲が沸き上がってくる。

 

 このままラミエルと朝までずっとセックスしたい……お互い敵対関係にあるとか最早どうでもいい。

 

「っ……もう我慢できない……僕、ラミエルとエッチしたい! ラミエルを僕だけのハーレムに加えたい!」

 

「あはぁっ♪ いいよぉ……おいで♡ 一緒に気持ち良くなって、二人で素敵な夜を過ごしちゃお?」

 

 シンジの返事を聞くなり、ラミエルは嬉々としてシンジのペニスを再び自分の膣内へと誘う。

 

 ラミエルの極上名器に挿入したシンジの剛直は瞬く間に大量射精してラミエルの子宮を押し潰し、シンジの濃厚な精子で一杯に満たされていく。

 

「あぁんっ、すごっ……! あはぁっ……んんっ……! もっと、もっとちょうだい! 君のおちんぽミルク、ラミエルの淫乱ビッチおまんこにいっぱい注いでぇ……ッ!!」

 

「あぁ、出すぞラミエル……ッ!!」

 

 吹っ切れたシンジはラミエルの腰をガッチリ掴むと、ラミエルの子宮口に亀頭を押し付けながら何度目かも分からない大量の精液を解き放つ。

 

「あぁんっ、イクぅ……ッ!! んんっ……あぁっ、あぁぁぁんっ……♡」

 

 絶頂したラミエルはビクビクと全身を大きく震わせると、倒れ伏してシンジに抱き着く。

 

 そのまま二人はしばらく繋がったまま余韻に浸っていたが、やがてラミエルはゆっくりと起き上がるとシンジから離れてベッドから降りる。

 

 そしてラミエルは床に落ちていたシンジの携帯電話を手に取ると、シンジに背中を向けたまま何か操作を始めた。ラミエルが何をやっているのか気になるシンジだったが、度重なる性行為で身体に力が入らない。

 

「──これでよしっと。あっ、今ね? 君をラブホテルに監禁して、気持ち良い子作りレイプしちゃいました~って君のママにメールしちゃった♡」

 

 そう言ってラミエルはシンジに携帯の画面を見せる。そこにはシンジの母親ユイの電話番号が表示されており、通話ボタンが押されればすぐにでも連絡が取れる状態になっていた。

 

「ふふっ……人質を取られたネルフがどうするか楽しみね?」

 

「……!?」

 

 ベッドの上から起き上がれないシンジは驚きのあまり目を見開く。ラミエルは一体どこまで本気なのか?

 

 これも全て監視者(シェムハザ)を倒す為の作戦なのか、それとも……

 

 ラミエルの不可解な行動に戸惑うシンジを他所に、ラミエルは愉しげにクスクス笑う。

 

 その間にも鳴り止まない電話がラブホテルの室内に響き渡る。間違いなくユイからの電話だろう……しかしラミエルはわざと無視して身動き出来ずに寝ているシンジの反応を伺う事に。

 

「ふふっ、君ってよっぽどママに愛されてるんだね。羨ましいくらいだよ、まったく……」

 

 ラミエルはそう言うとシンジに覆い被さり、シンジの唇を奪う。しかしシンジは抵抗する事無く、ラミエルのされるがままにキスを受け入れる。

 

「んちゅ、れろ……んっ……んぅ……ぷはぁっ!」

 

 たっぷり十数秒のキスの後、ラミエルはようやくシンジから唇を離すと、シンジの耳元に口を近付けて囁く。

 

「──さぁシンジ君、どうしよっか?」

 

 言いつつラミエルは妖しい笑みを浮かべる。シンジはラミエルの事を信用していない。しかしそれでも……

 

 今のシンジにとってラミエルはアスカやユイ達と同様に気持ち良いエッチをしてくれる存在であり、最早ラミエルの誘惑を拒む事など出来なかった。

 

 ──こうして、シンジはラミエルの仕掛けた快楽の罠に堕ちていくのだった。

 

 




【次回予告】

ラミエルとの淫夜から一夜明けた翌日。

シンジはラミエルに弱味を握られた罰として、ユイの命令でレイの生活雑貨を買いに行く事に。

女の子との初めてのデートに興奮止まらないシンジは、レイを誤って水着売り場に連れ込む。

その頃、アスカ達は怪しい動きを見せ始め……?

次回、『初めてのデート ★(レイ)』



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初めてのデート ★(レイ)

お待たせしました。最新話です。

AI挿絵に関するアンケート結果はとりあえずこれで締め切ろうと思います。

皆さん多数の投票本当にありがとうございました!感謝です!

一応テストとして実験的にAI挿絵を導入してみます。

また、挿絵は要らないという方はそのまま表示せずに無視して今まで通り本文だけお読みください。

ただいま過去の話にもAI挿絵を追加できるように頑張っています。


 

 監禁されたラブホテルの一室で金髪の巨乳女子大生の姿に生まれ変わったラミエルに逆レイプされたシンジ。

 

 その後、シンジを人質に取ったラミエルの提案でネルフ側との緊急交渉が行われた。

 

 ──その結果、ラミエルは自らの保身を絶対条件に、シンジとシンジが持つ神器(エヴァ)を返還すると提案。

 

 更にはラミエルから、ネルフの重要な情報は使徒28柱の仲間に漏らさないと言われた事で、ネルフの代表として秘密の取引現場に駆け付けたユイとミカサは、それらの条件を受け入れる代わりに第5使徒ラミエルを殲滅せずにネルフの保護観察対象者にすると返答。

 

 しばらくは監視下に置かれたまま人工進化研究所内で生活してもらう事になり、実質的に全ての使徒が恐れる世界樹(イグドラシル)への還元を免れる形となったラミエルは、当然ながら大喜びで監視者(シェムハザ)との戦いを自ら放棄し、使徒28柱の反逆派を出し抜く形でネルフの仲間に加わったのだった。

 

 ──こうして、シンジを巡る真夜中の話し合いは一先ずの決着を迎えた。

 

 

 

 

 

 ──その翌朝。碇家が暮らす高級マンションの最上階では、ラミエルとのエッチな戦いを終えたシンジが寝不足気味に起きて来た。

 

「おはよ……」

 

「おはよう。もう寝惚けた顔して……ちゃんと顔洗ったの?」

 

 台所で朝食を用意していたエプロン姿のユイが呆れた顔をする。昨夜は心配のあまりシンジに怒って説教してしまったのだが、どうやら一晩経って落ち着きを取り戻したらしい。

 

「ぁ……うん……その、母さんごめん……」

 

 昨夜の出来事を思い出したシンジはユイに謝りつつ、フラフラとした足取りで台所の食卓に着く。

 

「シンジ……もういいから、さっさと朝ご飯食べちゃいなさい」

 

「でも……」

 

 何か言い掛けたシンジだったが、ちょうどそこに父親のゲンドウと養子になって同棲中のレイが台所にやって来たので、話はそこでお流れになる。

 

「おはよう」

 

「あ、おはよう……綾波さん」

 

 ぎこちなく挨拶したシンジを見て、レイが少し不思議そうな顔をする。レイには何故かシンジの顔色が優れない様に見えて仕方がないのだ。

 

 一方でシンジもレイとの暮らしが日常となりつつある為か、こうして油断してしまう事も多々ある。すると不意にユイがある事を言い出した。

 

「あっ……そうそう! いつまでもレイにお客様用のお茶碗使わせる訳にもいかないわね。ほんとはすぐにでも買ってきたいんだけど、“誰かさん”のおかげで仕事が忙しくなっちゃって──」

 

 わざとらしく言った後、チラリと横目でシンジを見るユイ。シンジはその視線を受けて気まずい思いをしつつユイの方を見た。

 

「──そう言う訳だからシンジ。今日レイと買い物行って来なさいよ。他にも足りない物とか色々揃えてくるといいわ」

 

「でもおばさま、私は別に──」

 

 朝食を食べていたレイが遠慮しようとすると、すかさずユイが言葉を挟む。

 

「い~の! 子供が遠慮するもんじゃないわよ」

 

「……わかりました」

 

 笑顔で言うユイに、渋々と了承したレイ。そんな二人のやり取りを見ていたシンジは、ふとある事に気が付いて思わず声を上げた。

 

「えっ……ちょっと待って! 僕が綾波さんと二人だけで買い物に行くの!?」

 

「あらシンジ? 嫌なの?」

 

 驚いているシンジに向かって、悪戯っぽく笑うユイ。

 

「いや……だって……それはマズいでしょ!」

 

「どうして?」

 

 わざとらしい笑顔で聞き返すユイ。シンジは慌てて隣に座るネルフ学園の学生服を着たレイを一瞥すると、彼女は相変わらず無表情のままシンジを見つめているだけだった。

 

(うぅ……何だろうこの気持ち……アスカや母さん達とエッチする時とは違う何かが……)

 

 ……しかし、シンジがレイに対して抱いているのはそれらとはまた違う感情だった。

 

 そして10年振りにレイと運命的な再会を果たした今、シンジは自分でも気付かないうちにレイの事を異性として特別意識し始めていたのだ。

 

 その為、シンジはレイと一緒に二人だけで出掛けるという行為に戸惑いを隠せない。シンジは何とか反論しようとしたが、その時レイがユイを見ながらどこか嬉しそうに微笑んでいるのに気付いた。

 

(綾波さんと買い物かぁ……よく考えたら綾波さんが家に来てから二人っきりになるの初めてだな)

 

 シンジはそう思いながら朝食を食べるレイの顔を見ると、急に緊張してきたのか胸の鼓動が早くなるのを感じた。

 

(考えてみたら僕……綾波さんのこと何にも知らないや。親戚って言っても幼稚園の頃に1回だけピクニックに行っただけだし……)

 

 シンジはレイについてほとんど何も知らなかった。レイが好きな食べ物も、趣味も、特技も、今までどんな生活をしていたのかも……

 

 それなのに、今こうして立派な美少女へと成長したレイが自分の隣で一緒にご飯を食べている事実が信じられなかった。

 

(綾波さんは……僕のことどう思ってるんだろ……?)

 

 一度意識してしまうと、レイの事がとても愛おしく感じてしまう。そんなシンジの視線をどう受け取ったのか、レイは朝食を食べ終えた後、シンジの方に向き直って口を開く。

 

「……よろしく、碇くん」

 

「あ、うん……」

 

 レイの真っ直ぐな瞳に見つめられ、シンジは照れ臭そうに返事をしてから残っていた朝食を一気にかき込むのだった。

 

 

 

 

 

 ──そして放課後。

 

 何事もなく学校を終えたシンジは一度自宅のマンションに戻ってスクールバッグを置いた後、今朝の約束通りレイを連れて賑やかな商店街に来ていた。

 

「そ、それじゃどこから行こうか」

 

「ん──私まだ道が良く分からないし……碇くんに任せる」

 

 レイはそう言うと柔らかい笑みをシンジに向けた。そのあまりの可愛らしさにシンジは思わずドキッと赤面する。

 

「あ……そ、それじゃ近いとこから行こうか。そうするとまずは日用品からかな……」

 

 シンジは恥ずかしさを誤魔化す様に言うと、レイの隣を並んで歩き出す。すると……

 

「ねぇ……碇くん」

 

「うん?」

 

 しばらく歩いてから、レイが徐ろにシンジに話し掛けてきた。シンジはレイの声に反応すると彼女の方を見る。するとレイはどこか不安そうな顔でシンジの事を見つめているではないか。

 

「昨日の夜……夜中になってからおばさまと二人で帰って来たでしょ? ……私、碇くんが心配でずっと起きてたの。もしかしたら、また使徒に襲われたんじゃないかって……」

 

「あ、あぁ……ごめん、綾波さん。母さんも心配してくれててさ……(うっ、なかなか鋭い……)」

 

 レイの言葉を聞いたシンジが堪らず申し訳なさそうな顔をする。昨夜、ラミエルとのエッチの後始末を終えたシンジは女同士の不穏な話し合いに同席させられた後、ミカサに護衛されながらユイと二人でレイの待つ自宅のマンションに帰って来たのだ。

 

 現在の姿に生まれ変わった後で、手に入れた女の身体を慣らす為に数々の男の精根をその豊満な淫乱ドスケベボディで手当たり次第に搾り尽くしたラミエル──そんな恐ろしい淫魔との度重なる性行為で体力を使い果たしたシンジは怒れるユイにたっぷり絞られた後、すぐに泥の様に眠ってしまったのだ。

 

 ……恐らくその事を気にしているのだろう。レイは今朝からシンジの様子が普段とおかしい事に気付いていた。

 

「碇くん……」

 

 シンジの態度を見てレイは何か良くない事が起きたのだと確信する。一方でシンジはレイの洞察力に感心しつつ、昨夜の件をどう説明しようか悩んでしまう。

 

(ラミエルの事は母さんやミカサにも口止めされたし、まだアスカや綾波さんには話せないよなぁ……)

 

 シンジがそう思っていると、レイはどこか悲しげな顔で何やら考え込む。レイにしてみれば、自分がシンジの力になれない事が悔しくて仕方がなかったのだろう。

 

「綾波さん、今すぐには無理だけど……いつか必ず話すと約束するよ。それと、綾波さんに心配掛けて悲しませたりして本当にごめん……」

 

「碇くん……ん、わかった。じゃあ信じてるね」

 

 シンジが謝るとレイは少し嬉しそうな顔をする。

 

「あ、うん……そ、それじゃ買い物に行こうか。綾波さんも何か欲しいものがあれば遠慮なく言ってね?」

 

「えぇ」

 

 互いにどこか照れ臭そうにするシンジとレイは、そのまま良い感じの雰囲気を出しつつ近くの店に入って行く。

 

 

 

 

 

 一方で、そんな二人を陰からこっそり尾行する怪しげな人影が……

 

「あ~、もうっ! 様子を見に来てみれば──なんかあったらただじゃおかないんだから!」

 

 そこにいたのはアスカだった。アスカは学校でシンジがレイと二人きりでデートに出掛けるという話を偶然聞いてしまい、居ても立ってもいられず、こうして気になってシンジ達の後をつけて来たのだ。

 

「それにしてもバカシンジの奴、あんなにデレデレしちゃって──! 何であたしとは一度もデートした事ないくせに、あの女とは出会ったばかりですぐ簡単にデートしちゃうのよ……!」

 

 ブツクサ文句を言いながらも、アスカはしっかりと二人の後を尾行する。一方のシンジとレイは、雑貨屋の店内に入ると早速必要な物をカゴに入れ始めた。

 

 シンジはまず最初にレイが使うお茶碗や箸、歯ブラシやタオルなどを選んでカゴに入れていく。

 

「──これで買い物は全部かな。あと他に必要な物ある?」

 

「そうね……写真立てとか欲しいかな」

 

「へぇ~、写真立てか……それなら売り場たしかあっちの方だよ」

 

 シンジはレイの要望を聞くと、今度は文房具売り場の方に向かおうとするが……

 

「あ……碇くん、そっちは──」

 

 レイが何かを言い掛けると同時に、シンジの視界に突如として広がる色鮮やかな女性物の水着コーナー。

 

「ち、ち違うよ! 別にわざとここに来た訳じゃないんだ! ほんとに知らなくて──」

 

 思わず赤面したシンジが恐る恐るレイの方を見ると、意外にも彼女はどこか興味津々といった様子で陳列されている様々な種類の可愛らしい水着を眺める。

 

(しまった……わざとみたいに思われたかな。せっかく仲良くなれるチャンスだと思ったのに……)

 

 シンジは内心焦っていたが、幸いにもレイはシンジがわざとこんな場所に足を踏み入れた訳ではないと理解してくれたらしい。レイはシンジの方に視線を向けると、ゆっくりと口を開く。その表情はどこか悪戯っぽい笑顔だ。

 

「へぇ──いろんなのがあるのね。どうかな碇くん、こんなの似合うかな?」

 

 レイはそう言うと、近くにあった白いワンピース水着を手に取ってシンジに見せつける。

 

「そ、それは……うっ」

 

 シンジは真夏の海辺で白いワンピース水着を着て楽しそうにはしゃぎ回るレイの姿を妄想した瞬間、無意識にズボンの股間を大きく膨らませてしまった。

 

 するとレイは顔を真っ赤に染めたシンジの視線が自分が手に持った白いワンピース水着に向けられている事に気付き、くすっと微笑む。

 

「あ……そう言えば碇くん。私に何か好きなもの買ってくれるんでしょう? だったら……この水着、碇くんが私にプレゼントしてくれないかな?」

 

 レイはそう言いながら持っていた白いワンピース水着を持ったまま歩み寄ると、前屈みになってドキドキが止まらないシンジの手を引いて水着コーナーの奥へと連れて行く。

 

「ちょ、ちょっと綾波さん!?」

 

「サイズが合えばいいんだけど……」

 

 レイはシンジを試着室の前に連れてくると、彼の手を離して白いワンピース水着をシンジに手渡す。

 

「こ、これって……!?」

 

「うん……碇くんが気に入ってくれた水着で、今度また二人だけでデートしたいなって……ダメ?」

 

 レイはどこか甘える様な声音で言うと、上目遣いでシンジを見つめる。そんなレイのあざとい仕草を見たシンジは一瞬で頭が沸騰してしまい、気が付けばレイから渡された白いワンピース水着を持ったまま、試着室の前で固まって動けなくなってしまう。

 

 

 

 

 

 一方その頃、シンジ達の様子を密かに物陰に隠れて見守っていたアスカの方はというと……

 

 実は尾行の途中で同じくシンジとレイのデートを追跡調査していたトウジ、ケンスケ、ヒカリの三人組と出会していた。

 

 そしてお互いに言い争ううちにアスカ達はいつの間にかシンジとレイの姿を見逃してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 そして──現在。

 

 日用品を買い込んだ買い物袋を試着室の端に置いたまま、シンジはどういう訳かレイと二人で狭苦しい試着室に一緒に入って向かい合っていた。

 

「い、碇くん……?」

 

「し、静かに! 綾波さん、絶対にここから出ちゃ駄目だからね!?」

 

 シンジの慌てた声を聞いて、レイは黙ったままコクッと小さく首を縦に振る。するとシンジは安堵した様に息を吐いてから現状どうするかを考え込む。

 

(ど、どうしよう……まさかこんなところでアスカ達と出会すなんて……)

 

 実を言うと……シンジは何やら大きな声で騒ぎながら水着売り場に近付いてくる見覚えのある学生服姿の集団を目撃してしまい、咄嗟の機転で何も知らないレイと二人で試着室の中に隠れたのだ。

 

 恐らくは学校でレイとデートすると聞いた嫉妬深いアスカが言い出し、他の仲間と共に自分達を尾行してきたのだろう。

 

(でも、このまましばらくここに隠れていればそのうち諦めて帰っていくかも……)

 

 シンジはこの突然の状況に激しく動揺しながらも、先程レイから手渡された白いワンピース水着を思わず食い入る様に見つめてしまう。

 

 すると……そんなシンジの態度に気付いたレイが、恥ずかしそうに頬を紅潮させながらシンジに話し掛けてきた。

 

「碇くん……私の水着姿、見たいんでしょう? いいよ……ここで着てあげる」

 

 レイの言葉を聞いたシンジは慌ててレイの顔を見る。その赤い瞳はどこか熱っぽく潤んでおり、まるでシンジを誘惑しているかの様な妖艶な輝きを放っていた。

 

「あ、綾波さん……そ、その……別にそういうつもりで試着室に連れ込んだ訳じゃ──」

 

 シンジは慌てて謝りつつ、お互いに身体を密着させるレイから顔を背けようとする。

 

「碇くん……昨日の事で疲れてるんでしょ? 今日は私が癒してあげたいの」

 

 レイはシンジに身体を擦り寄せながら囁く。その柔らかな肌の感触と甘い香りがシンジの脳を蕩かし、正常な思考を奪ってしまう。

 

「碇くんが水着売り場に来たのが偶然だってことは分かってる。けど……私は碇くんに見て欲しかったの。碇くんが喜ぶと思って、頑張って似合いそうなの選んだの──」

 

 レイはそう言って、どこか誘う様な口調でシンジの耳元に唇を寄せた。シンジはその感触にビクッと肩を震わせる。

 

(あ、綾波さんが僕の為に……?)

 

 そう思った瞬間、シンジの中で今まで自覚していなかったレイへの愛おしさが込み上げてきて、シンジは向かい合うレイの華奢な両肩を掴む。

 

「あ、綾波さん……本当にその水着、僕の為に着て見せてくれるの?」

 

 シンジが興奮気味に訊ねると、レイは嬉しそうに目を細めてから自分の着ている学生服を脱ぎ出す。

 

 どうやらレイは普段から異性の前で服を脱いでもあまり気にしないタイプの様だ。そうして地味な下着まで脱いだレイの姿を目の当たりにした途端、シンジは全身の血流が激しくなる感覚に襲われる。

 

「う、わぁ……」

 

 目の前に現れたのはスレンダーな全裸の美少女だった。透き通る様な白い素肌を隠す事無く晒しながら、レイは少し恥じらう仕草でシンジを上目遣いで見つめる。

 

「そ、そんなにじろじろ見ちゃ……ダメ」

 

 いつもは同棲中のシンジに自分の着替えを覗かれてもビンタするだけでそこまで気にしないのだが、今日ばかりは流石にレイでも恥ずかしいのか、もじもじと頬を赤らめてぽつり呟く。

 

「ご、ごめん……で、でも……その、すごく綺麗だよ」

 

 シンジは照れ臭そうに頭を掻きながら言うと、レイはどこか幸せそうな表情を浮かべる。

 

「嬉しい……じゃあ、水着着てみるね」

 

 レイはそう言うと、シンジの見ている前で真新しい白いワンピース水着へと着替え始める。

 

 シンジは先程レイの水着姿を想像しただけで股間を痛いくらいに勃起させていたが、いざ実物を見ると、レイのあまりにも美しい身体に釘付けになってしまう。

 

 やがて白いワンピース水着にレイが足を通すと、シンジは思わずゴクリと生唾を飲み込んでしまった。

 

 水着を着たレイは普段の清楚な雰囲気はそのままに、どこか女らしい色気を感じさせる。レイは狭い試着室の鏡の前に立ってシンジと向かい合うと、どこか期待した眼差しでシンジを見つめる。

 

「ど、どう……?」

 

「う、うん……とてもよく似合ってるよ」

 

 ドキドキしたシンジが率直な感想を述べると、レイは嬉しそうに微笑む。

 

「良かった……碇くんに喜んで貰えて」

 

「あ、えっと……その、綾波さん」

 

 シンジは何か言い掛けるが、それよりも先にレイは黙ってシンジの下半身に視線を落とす。

 

「い、碇くん……それ……」

 

 レイがシンジの股間を見て驚いている事に気付くと、シンジは慌てて弁解しようとする。しかしレイは何故か興味津々な様子でシンジのテント張りに膨らんだ大きな股間に見入っていた。

 

 そんなレイの表情を見たシンジは心臓が大きく高鳴るのを感じ、衝動的にレイの身体を抱き締めるとそのまま試着室の壁に押し付ける。

 

「ご、ごめん綾波さん! 我慢できない……ッ!」

 

 シンジは謝りながら白いワンピース水着に着替えたレイの推定Cカップほどの控えめな胸元に顔を埋め、彼女の柔らかい肌の匂いを思いっきり吸い込む。

 

 レイの身体は驚くほど柔らかく、シンジは夢中になってレイのスレンダーなボディラインをいやらしい手付きで撫で回す。

 

「い、碇くん。そこ擽ったい……ぁんっ♡」

 

 レイは最初こそ驚いたが、すぐにシンジの背中に腕を回して抱き締め返す。

 

「もうっ……おばさまから聞いてた通り、ほんとにエッチなんだ……♡」

 

 レイはシンジの耳元で甘く囁くと、どこか挑発的な笑みを浮かべてシンジを見つめる。

 

「ねぇ碇くん……せっかく二人一緒に試着室にいるんだから、この中でエッチなこと……してみない?」

 

 レイの提案を聞いたシンジの頭の中には、今すぐこの場でレイとセックスする事しか考えられなくなる。

 

 しかしまだ試着室の外にはアスカ達が探し回っているかもしれない……どうするか迷っていたシンジに、レイは優しく微笑む。

 

「……碇くんやおじさまがいない時に、おばさまからこっそりご奉仕……? の仕方を教えてもらったの。碇くんがエッチな女の子大好きだからって」

 

 レイは言いつつシンジの窮屈そうに膨らんだ黒いズボンのベルトに手を掛けて外し始める。

 

「ちょっ!? あ、綾波さん!? 何やって──」

 

「いいから、任せて」

 

 シンジは慌てるが、レイは構わずシンジのズボンのファスナーを下ろすと、中から硬く反り返った猛々しい極太ペニスを取り出す。

 

「きゃっ!? い、碇くんのあそこ……すごい……こんなに大きくなって……それにとっても熱い……」

 

 レイは熱を帯びたシンジの剛直を目の当たりにし、興味津々に間近で観察する。そしてしばらく眺めた後、白いワンピース水着を着たままのレイは徐ろに両手で掴んでその先端に軽くキスを施す。

 

 するとその瞬間、シンジの身体に電流が流れた様な快感が駆け巡り、思わず情けない声を出してしまう。

 

「あぁぁっ!?」

 

「んちゅっ……碇くん、気持ちいいの? じゃあもっとしてあげるね」

 

 レイはそう言って今度は亀頭の部分に舌を這わせていき、初めてのご奉仕に不慣れながらも頑張って舐め始める。

 

「あ、綾波さ……んぅっ!?」

 

「碇くん……ちゅぱ……れる……ぺちゃ……ん……れぇる……ぴちゃ……ちゅぷ……」

 

 レイは一生懸命にシンジの淫水焼けした赤黒い肉棒をしゃぶっていくうちに、段々と口の中に苦味のある先走り汁がドクドク溢れてくるのを感じた。

 

「碇くん……おちんちんから変なおつゆ出てきたけど……これ、何なの……?」

 

「そ、それは……その、男の人の……さ、先走り汁っていうか……うあっ!?」

 

 シンジが説明しようとした途端、レイは突然大きく口を開けてシンジのモノを喉奥深くまで飲み込んだ。

 

「あ、綾波さん……そ、そんなにしたら……ッ!?」

 

「ふぉへほ……いひゃりはん……らして(いいの、碇くん……出して)」

 

 レイは苦しそうに顔を歪めるが、それでもシンジを射精させようと一心不乱に唇を上下させて扱き上げる。

 

「綾波さん、ごめっ……! で、射精る……くっ、うぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 その強烈な刺激に耐えられず、シンジはとうとうレイの口内に大量の精液をぶちまけてしまった。

 

「んぶっ!? んぐ……ごく……こく……んくっ……ん、んん……こくん……」

 

 レイはいきなり大量に発射された濃厚な白濁粘液をなるべく溢さない様に何とか頑張って受け止めていく。

 

「んくっ……けほっ、げほっ……ごくん……はぁ……はぁ……だい、じょうぶ……ちょっとびっくりしただけ……」

 

 レイは途中で咳き込みながら、シンジの出した新鮮な精子を我慢できずに何度か吐き出してしまった。

 

 その光景を見たシンジは、それでもレイが自分の出したものを頑張って飲んでくれた事に感動してしまう。

 

「あ、綾波さん……その、すごく気持ち良かったよ。それに……」

 

「それに?」

 

「綾波さんのエッチな水着に、僕のザーメンがいっぱい掛かっているの見てたらまた興奮してきちゃって……」

 

 シンジはそう言うと、レイが着ている白いワンピース水着にべっとりと付着している自分の白い欲望を見て興奮したのか、再び股間の怒張が激しく元気を取り戻していた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「碇くんの……すごい……♡」

 

 レイはうっとりとした恍惚の表情で呟き、白いワンピース水着に付着した自分の唾液と混ざったシンジの精液を二本の指先で掬うと、そのまま口に含んでちゅぱちゅぱと卑猥な水音を立てながら味わい始めた。

 

 その扇状的な姿にシンジは思わず生唾を飲み込んでしまう。一方レイの方も、自分の手でシンジをここまで悦ばせるご奉仕フェラが出来た事が嬉しかったのか、頬を赤らめて幸せそうな表情を浮かべる。

 

「碇くん、私……もっとしてみたい」

 

「う、うん……僕も、もっと綾波さんとエッチな事したいな……」

 

 シンジはそう言ってレイの細い腰に手を回すと、白いワンピース水着の上から彼女の膨らみ掛けの可愛らしい胸に触れる。

 

「ゃんっ……い、碇くん、そこは触っちゃダメ……あんっ♡」

 

「どうして? ここ、凄い柔らかいし可愛いよ?」

 

 シンジは言いながら指先に力を入れ、水着の布越しにレイの柔らかな乳房の弾力を揉んで確かめていく。

 

「んぁっ……だ、だって……おばさまや惣流さんみたいにおっぱい大きくないから、何だか恥ずかしい……碇くんに見られるのは大丈夫だけど……触られたりするのは……あぁん、んんっ!」

 

 レイはそう言いつつも、シンジの手の動きに合わせて甘い吐息を漏らし、その瞳は快楽に潤んでいた。

 

「綾波さんのおっぱい、すごく敏感なんだね。そんなに感じてくれてるなんて……嬉しいよ」

 

 シンジは嬉しくなってレイのぷっくりとエッチに膨らんだ勃起乳首を水着の生地ごと摘んで引っ張ったり押し潰したりしてみる。

 

「やぁん……碇くん、それだめぇ……んんっ! はぁんっ!」

 

 その度にレイはビクビクと身体を震わせ、甘美な喘ぎ声を上げ続ける。そんなレイの珍しい反応を見たシンジは、もっとレイを淫らに感じさせてみたいと強く思った。

 

「綾波さん……ごめん、もう我慢できないや。今すぐここでセックスしちゃってもいい……?」

 

 言いながら下半身を露出させたシンジはレイの発情した身体を抱き締めると、そのまま試着室の狭い床に座らせる。そしてシンジはレイに近付いて──

 

 

 

「……なぁ~にヤッてんのよぉ……あんたたちぃ……ッ!」

 

 

 

 ──その時、地獄の底から聞こえてきそうな怨嗟の唸り声と同時に、試着室のカーテンが勢いよく開かれた。

 

「げ、げぇ!? アスカぁ……!?」

 

 そこには怒りの形相で赤面しながらも腰に手を当てて仁王立ちするアスカの姿があった。

 

「あ、あのあのあのですね……えっと、これは……その」

 

「………」

 

 シンジは慌てて弁明しようとするが、レイは黙ったまま何も言わない。

 

「バカシンジぃ……こんな所で、しかもその女に水着を着せてエッチしてたわけ!?」

 

 怒れるアスカはシンジの方にツカツカと歩み寄ると、その肩を掴んで激しく揺さぶり始める。シンジはされるがままにガクンガクンと首を振りつつ、必死に弁解の言葉を考えるが当然何も思い付かない。

 

「ど、どどどどうしてアスカがここに……!? たしかトウジ達と一緒に帰ったんじゃ──」

 

「いいわ、教えてあげる──」

 

 アスカはシンジに詰め寄りつつ、彼の耳元に顔を寄せる。

 

 ……実はシンジとレイが試着室に隠れてからしばらくした後、水着売り場の前をトウジやケンスケ、ヒカリと4人で言い合いながら通り掛かったアスカは、そこでふと何気なく水着売り場の中を覗き見たのだ。

 

 ……すると、アスカは試着室の前に“見覚えのある買い物袋”が置かれていた事に気付いた。

 

 それはシンジ達を尾行している最中にシンジとレイが買い込んでいた日用品などが入った店名入りのビニール袋だった。

 

 そこで直感を働かせたアスカはまさかと思い、その場は邪魔なトウジ達を連れて水着売り場から一旦離れたのだ。

 

 そして諦めて帰ろうとするトウジ達と別れた後ですぐさま引き返し、シンジ達が隠れているであろう水着売り場の試着室に戻ってきたという訳である。

 

「まぁ、だいたいあんたの事だから……隙を見てその女と邪魔されずにエッチできそうな場所に連れ込むだろうとは予想してたけどね」

 

「そ、そんな……」

 

 シンジはアスカの説明を聞いて愕然とする。つまりは、全てお見通しだったという事になるからだ。

 

 そんなシンジの様子を見兼ねてか、レイはシンジに助け舟を出す。どうやらレイはエッチする時とそうじゃない時をスイッチ一つで切り替えられるらしく、先程までの高揚した表情とは打って変わってその顔は普段通りの無表情に戻っていた。

 

「惣流さん、落ち着いて。碇くんは何も悪くない。私が無理矢理水着を着て試着室でエッチしたいって誘ったの」

 

「ちょ、綾波さん!?」

 

「な、何ですってぇ……!?」

 

 レイが突然のカミングアウトをした事にシンジは驚くが、それ以上にその大胆発言を聞いたアスカの方が驚愕の表情を浮かべていた。

 

 するとアスカの怒鳴り声を聞き付けて水着売り場の女性店員が困惑顔でこちらに向かって来た為、アスカは咄嗟に舌打ちしつつ試着室のカーテンを完全に閉め切る。

 

 流石にアスカもこの状況を誰かに目撃されるのはマズイと思ったのか、店員が試着室内の様子を窺おうとしてカーテンに触れようとした時には、既にレイが着替え終わったのか、いつも通りの学生服姿で平然と外に出てきた。

 

 ……その後、レイはちゃっかりシンジに先程の白いワンピース水着を初めてのデート記念に買って貰い、更には抜け駆けデートした罰としてアスカにもエッチなビキニの水着を選んで買ってあげる事になったのだった。

 

 

 

 

 

 ──その帰り道、両手いっぱいに買い物袋を持ったシンジはアスカとレイと並んで自宅のマンションまで歩いていた。

 

「うぅ……母さんから今日の為にって貰ったお金、二人にあれもこれもって買ってあげてたらほとんど無くなっちゃった。返さなきゃいけなかったのに……」

 

 とぼとぼと歩きながらシンジは溜息を吐く。すると上機嫌に鼻歌を歌いながら前を歩いていたアスカがふと何気なく振り返り、べぇ~!と舌を出してシンジをわざとらしく挑発してきた。

 

 その表情は、まるで悪戯に成功した小悪魔の様な可愛らしい表情にも見える。一方のレイは肝心な場面でアスカに邪魔されてしまったものの、ユイから密かに学んでいた初めてのご奉仕フェラが成功したのが余程嬉しかったのか、珍しくクスクスと楽しそうに微笑みながらアスカと仲良く並んで歩いている。

 

「ほら~、バカシンジ~! 早く来ないと置いてっちゃうわよ~!」

 

「碇くん、もう少しだから頑張って」

 

 二人は口々にシンジに笑い掛けながら言うと、揃って先にマンションまで走って行ってしまう。

 

「あ、ちょっと! そんなに急ぐと危ないよ! 二人とも待ってよ~!」

 

 シンジは慌てて二人の可愛らしい美少女の後ろ姿を追い掛ける。

 

(……僕、この先もアスカや綾波さんといっぱいエッチできるかな?)

 

 シンジはそんな事をぼんやりと考えながら、夕焼けに染まる街の風景を見上げる。

 

 ……これからも、自分はきっと沢山の女の子達に振り回されるだろう。でも、それでも良いんだ。

 

 シンジはそう思うと、自然と笑みを溢して二人を追って走り出すのだった。

 

 

 

 

 

 そして──その日の深夜。

 

「へぇ……それで母さんが渡したお金、全部アスカちゃんとレイのデート代に使われちゃったのね?」

 

 シンジは自室のベッドの上で、何故か前ボタンを全て外したピンク色のパジャマを着たユイに押し倒されていた。

 

「う、うん……だってあの二人、水着買ったりスイーツ食べたいって遠慮しないんだもん……」

 

「ふ~ん……そうなの。じゃあ、シンジも母さんに“色々と”返さなきゃいけないわね……?」

 

 ユイは妖艶な眼差しで怯えるシンジの顔を覗き込みつつ、シンジの腹上に馬乗りになる。

 

「ふふっ……大丈夫よ? 別に母さん、最近シンジとあまりエッチできてないことに怒ってる訳じゃないから」

 

 言いながらユイは自分の豊満な身体を隠す様に羽織っていたピンク色のパジャマを脱ぎ捨てると、その下にはブラジャーなど最初から身に着けていないのか、40代になった今でも垂れる事無く形の整った綺麗なEカップおっぱいと、先端で甘く濁った母乳ミルクをぴゅっと噴き出させるピンク色の勃起乳首が暗闇の中でぷるぷると露になった。

 

「さぁ、シンジ──いえ、ユイのご主人様♡ あの人が寝惚けて起きてこないうちに、久しぶりにエッチな浮気おまんこしましょうね♡」

 

 あぁ……今夜も寝不足か。シンジは目の前でピンク色のパジャマを淫猥に開けさせ、興奮冷めない息子の暴れん棒を自らの出来上がったとろとろほかほかの膣内にゆっくりと沈めていくユイの淫靡な姿を寝ながら眺めつつ、内心嬉しく思いながらも小さくやれやれと呟くのだった。

 

 




【次回予告】

いよいよ始まるネルフ学園真夏の臨海学校。

エッチな水着美女たちを前に、男の歓喜は止まらない。

揺れる胸、滑る身体にシンジの理性は早くも崩壊寸前。

そんな中、シンジを巡って対立するアスカとレイ。

アスカとレイに呼び出されたシンジは水着姿の二人とエッチする事になるのだが……?

次回、『ドキッ!水着だらけの臨海学校 前編 ★(アスカ、レイ)』



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ドキッ!水着だらけの臨海学校 前編 ★(アスカ、レイ)

エロシーンがかなり長くなったので前編後編に分けます。

また、オリキャラである雪風ミカサの挿絵も過去回に先駆けてここで初公開。

ちなみにミカサは原作の漫画にはいなかったマリを元ネタに、自分なりに今までのエヴァにはいなかったタイプのキャラとして加えたサブヒロイン枠です。

本作はあくまでアスカとレイのエロがメインテーマです、そこはハーレムであっても変わりません。


 

 ──季節は夏真っ盛り。シンジ達の通うネルフ学園では毎年恒例の臨海学校があり、いよいよ当日を迎える。

 

 シンジ達が臨海学校で向かうのは神奈川県内に位置するネルフ学園から遠征用の大型バスで二時間ほど行ったところにある、とある海岸沿いのリゾート地だ。

 

「──という事で今日からの臨海学校。事故や怪我などないよう各自気をつけて。自然を甘く見ると痛い目に遭うからね」

 

 担任のミサトが宿泊施設に到着するなり、開口一番で生徒達に注意を促す。教師陣からの注意事項を聞いても生徒達は待ち切れないといった様子だ。

 

 そんな浮き足立つ生徒達を前にして、ミサトは言葉を続ける。

 

「とまぁ、堅苦しい話はここまでにして──そーら! みんないっぱい遊びたかったら猛ダッシュで着替えてこーい!」

 

 そう言ってミサトはパンっと手を叩く。その瞬間、興奮止まらない生徒達は一斉に更衣室へと向かって走り出した。

 

 シンジもそれに続いてゆっくりとした歩調で更衣室に向かう。

 

(臨海学校かぁ……ったく、元気な奴ばっかだよな)

 

 周りに群がる意気揚々のクラスメイトを見て、シンジは苦笑いを浮かべつつ溜息を漏らす。

 

 ……とはいえ、クラスの大半がこれから起こる楽しい出来事に胸を躍らせているのだ。子供らしくはしゃぎ回るのも無理はないだろう。

 

 そんな事を考えながらシンジが遅れて更衣室のドアを開けると……

 

「あ、えっ……?」

 

 ドアノブを手にしたまま固まって動けなくなるシンジ。そこは男子更衣室ではなく、今まさに下着を脱ごうとしている着替え途中の女子達で満員だった。

 

「なっ……!? シ、シンジ……?」

 

「きゃあああ~っ!? 変態ッ!」

 

「うわわっ!? ご、ごごごめんなさぃぃいい!!」

 

 ちょうどシンジの対面に立っていた全裸のアスカを先頭に、キャーキャーと顔を真っ赤に染めて悲鳴を上げる少女達に謝りながら、シンジは慌てて女子更衣室のドアを勢いよく閉める。

 

(や、やってしまった……!)

 

 シンジは両手で顔を押さえ、心の中で頭を悩ませ抱え込む。よりにもよって、このタイミングで女子更衣室に突撃、乱入してしまうとは……

 

 ある意味でお約束とも言えるラッキースケベだが、シンジにとっては不幸以外の何物でもない。

 

 女子更衣室の入口で頭を抱えて立ち尽くすシンジ──するとその時、不意に背後から足音が聞こえてきた。

 

 シンジはビクリと体を震わせてから恐る恐る視線を向ける。すると……

 

「──やりますね、白昼堂々と女子更衣室に突入するなんて……さすがです」

 

「ミカサァッ!?」

 

 そこにいたのは、まるでやる気を感じないダルそうな表情を浮かべた緑髪に黄色い瞳を持つ美少女──雪風ミカサだった。

 

 ミカサは普段こそ不気味な黒髪ウィッグと地味なガリ勉眼鏡でその美しい素顔と身体を隠していたのだが、例の学校肝試しの一件でミサトや生徒達に迷惑を掛けたと考えたのか、最近はミカサ得意の変装術を見せる事なく本来の姿で過ごす機会が増えていた。

 

 ミカサはいつも通りにシンジを蔑む目付きで一瞥すると、そのままスタスタと素通りして女子更衣室に入ろうとする。

 

「あ……そのマフラー、こんな真夏の暑い日でも着けてるんだ……」

 

 シンジがぽつり呟くと、ミカサはピタリとその足を止めた。そしてゆっくりとシンジに振り返って言い放つ。

 

「何か問題でも? 別に暑いと感じませんし……何より、これはミカサのアイデンティティなので」

 

 そう言って、臨海学校にはあまりにも季節外れな赤いロングマフラーを首元に巻いたミカサは今度こそ女子更衣室の中へと消えていった。

 

(はは……綾波さんよりも変な人だなぁ……)

 

 未だ謎が多い雪風ミカサの事を一言で表すなら、その一言に限るだろう。見た目だけはアスカやレイにも匹敵するスタイル抜群の完璧な美少女なのに、中身はとても残念な感じになっているのだ。

 

(……って、僕も早く水着に着替えて来なきゃ!)

 

 そこでようやく思い出したシンジは急いで男子更衣室へと走り出す。

 

 やがて黒い半ズボンタイプの水着に着替えを終えたシンジは一人でゆっくりと砂浜に到着する。

 

 楽しそうに海辺で遊ぶ生徒達の声が聞こえる中、シンジはそれぞれ水着に着替えたトウジとケンスケを発見して二人の元に歩み寄る。

 

「おっす、碇。こっちこっち」

 

「なんや碇。えらい遅かったやないか」

 

 二人は先に海に入っていたらしく、上半身は裸で、下半身に男物の海水パンツを穿いていた。

 

「うん、ちょっとね……」

 

 シンジは砂浜に座り込む二人の隣に腰を下ろして辺りを見渡す。

 

「まぁええわ。そんな事よりここらではっきりさせときたい事があるんや……」

 

 トウジはニヤリと笑うと、シンジに向かって顔を近付けて問い詰める。

 

「惣流と綾波さん──どっちが本命なんや?」

 

「な、何だよそれ……僕は別に……」

 

 トウジの質問にシンジの顔が一気に紅潮する。シンジは慌てて誤魔化そうとするが、トウジとケンスケはシンジの肩に腕を回してくる。

 

「まぁアレや。センセが悩むのもよう分かる。惣流はスタイルええのは昔から分かっとったが──」

 

 トウジの言葉を聞いてシンジは思わずアスカの方を見る。するとそこには、ヒカリや他の女子達に混ざってビーチバレーを全力で楽しむアスカの姿があった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 アスカは14歳の中学生とは思えない真っ赤なビキニ姿で、その見事なプロポーションを惜しげもなく周囲に晒している。

 

「くぅ~、なんやあのけしからん格好と牛みたいにたわわな乳は! 男を誘っているとしか思えん!」

 

「そうだね。見なよ碇、惣流がああやってバレーボールを高々と飛ばす度にあの収まり切らない“別のボール”がたぷんたぷん揺れているじゃないか!」

 

 興奮気味に鼻息を荒げるトウジとケンスケ。確かにアスカは胸元の深い谷間や尻のラインなど、男の劣情を誘う様な部位が極めて多く、思春期の男にとって目のやり場に困る存在だ。

 

 そんなアスカの弾けんばかりの巨乳や桃尻が激しく躍動する度に、シンジはついアスカのビキニ水着に視線を奪われてしまう。

 

 ……だが、同時にシンジはもう一人の美少女が気になってしまう。

 

「まぁ分かるで碇。確かに惣流は身体の抱き心地こそ最高かもしれへんが、何せあの泣く子も黙る恐ろしい性格で大幅減点や。その点、天使のように優しい綾波さんのスレンダーな“バディー”もこれはこれで唆るわな」

 

 アスカの次にシンジ、トウジ、ケンスケの目を奪うのはやはりというべきか、白いワンピース水着に身を包んで砂浜を一人で寂しそうに歩くレイだった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 普段はシンジも彼女の学生服やパジャマ姿ばかり見ているせいか、ああやって水着で過ごす姿は新鮮に感じる。

 

(綾波さん……ちゃんと僕の買った水着着てくれてる。嬉しいな、あの水着でまたエッチしたいけど……)

 

 シンジはレイの透き通るような白く美しい肢体に目を奪われる。レイの身体はアスカの様に女性らしい丸みのあるムチムチでプリップリッな肉感的な魅力はないが、代わりにスラリとした長い手足や細いウエストに程よく実った発育途中の胸や臀部、太腿はまさに芸術品の様で、見る者を魅了するには十分な美しさだった。

 

「しかしワシらが今回センセの新しい嫁候補として注目するのはあの二人じゃあらへん──雪風や、雪風!」

 

「そうそう。肝試しが終わってからの雪風は凄いアピールしてきたよね。さっきもさ、男女みんなで混合ビーチバレーをしていた時なんて、彼女が敵チームの惣流目掛けてアタック決めた瞬間にボールがパァンって破裂してみんな驚いてたくらいだよ」

 

 トウジとケンスケはミカサについて興奮気味に語り合う。シンジにとってはアスカやレイに続く第3の女になるかもしれない彼女……シンジはそんなミカサの姿をきょろきょろと探すと、すぐにその姿を発見する。

 

 ミカサは意外にもちゃんと水着姿に着替えており、ビーチパラソルの下で一人静かに読書していた。

 

「うわっ、えっろ……っ!」

 

 思わず呟くシンジ。ミカサは中学生でありながらも上下黒のパレオ水着を大胆に着ている。更には黒いサングラスを掛け、相変わらずの赤いロングマフラーを首元に巻いてこれでもかと言うくらいに個性をアピールしていた。

 

 トレードマークのマフラー以外は黒一色で統一されているにも関わらず、ミカサが纏うと不思議とエロティックな雰囲気を感じてしまい、シンジ達3人を含む男子生徒達はミカサの艶めかしさに興奮気味に釘付けになっていた。

 

 これがギャップ萌えというものだろうか……あまり素を見せてくれないミカサの普段とのギャップが激しすぎるが故に、却ってその差が色っぽく見えてしまうのだ。

 

「なんやあのスケスケな黒い布切れみたいなのは……ワシ初めて見たで。中学生のくせにあんなもん着けて恥ずかしくないんかいな」

 

「きっと普段から見せ慣れていないからこそ、ああいう風にここぞってイベントで大胆な恰好をしているんだと思うよ」

 

 トウジとケンスケはミカサの破廉恥極まりない姿を見て口々に感想を述べる。確かにミカサは露出の多い水着を着ている割に顔色は何一つ変わっていない。

 

 ……恐らく、羞恥心よりも自分の個性を優先して行動しているのだろう。だがそのおかげでミカサのエロさは際立っているのだが……

 

 アスカやレイに負けず劣らずのミカサのエッチな水着姿を鼻の下を伸ばしただらしないスケベ顔で凝視するシンジ。

 

 すると不意に休憩中だったミカサと目が合ってしまう。赤面したシンジは慌てて目を逸らすが、ミカサは読書していた本を置き去りにしてゆっくりと立ち上がり、スタスタとシンジ達の方へ歩み寄ってきた。

 

 歩く度にたゆんたゆんと弾むミカサの風船おっぱいに、見惚れていた男子生徒達はもちろんの事、周りで遊んでいた女子生徒達までもがミカサの水着姿に目を奪われる。

 

 ……どうやらミカサは着痩せするタイプらしい。普段の学生服ではそこまで大きくは見えないが、今の彼女のバストサイズは間違いなくFカップ以上はあった。

 

 シンジは改めてミカサの隠れた美貌に目を奪われ、ごくりと唾を飲み込む。するとミカサはシンジ達のところにやって来て声を掛ける。

 

 砂浜に座り込むシンジ達を中腰の姿勢で見下ろすミカサ。するとシンジの鼻先で彼女の豊満な乳房がぷるんと揺れて寄せ上げられ、そのままいやらしく強調される形に……しかしミカサ本人は気付かない。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「シンジ様……また女の子の身体を見ていたのですか?」

 

「うっ、ぁ……あの、その……」

 

 シンジは図星を突かれて言い淀む。するとミカサはまるで小動物を見る様な嗜虐的で意地の悪い笑みを浮かべて、わざとらしくシンジの股間を覗き込んだ。

 

 シンジのそこはアスカ、レイ、ミカサの水着姿を見た影響なのか、水着越しに大きなテントを張っていた。

 

 目の前に迫りくるミカサのたわわに実った乳袋を凝視したまま、シンジは顔を真っ赤に染めて慌てて両手で股間を隠す。

 

 するとその間にミカサは興奮止まらないシンジを尻目にトウジとケンスケに話し掛ける。

 

「そう言えば、お二人とも……先程ミサトが呼んでましたよ。何でも男の人に手伝って欲しい事があるとか」

 

「「な、なにぃ~!?」」

 

 ミカサの口から発せられた予想外の言葉に、トウジとケンスケは待ってましたとばかりに勢いよく立ち上がる。

 

「すまんなセンセ! ちと用事思い出してもうた! ワシらはこれで失礼するわ!」

 

「大人のお姉さんなミサト先生からの呼び出し──あぁ、神は碇ばかりに良い思いをさせないんだ~!」

 

 トウジとケンスケは大喜びでその場を離れていく。シンジはそんな二人の後ろ姿を呆然と眺めていたが、ふと我に返るとミカサに向かって口を開く。

 

「あのさ、ミカサ……」

 

「はい、何でしょうか?」

 

 シンジは少し躊躇いながらも勇気を出して聞いてみる事にした。

 

「もしかして、僕が“こうなること”を予想してあいつらを……?」

 

 シンジは未だ膨らんだままの股間に視線を落としながら問い質すが、ミカサはチラッとシンジの立派に反り立った股間の剛直を見てから首を横に振る。

 

「……いいえ、まさか。私はただ、姫に頼まれたからシンジ様を呼びに来ただけです」

 

「姫って……えっ、アスカが?」

 

 シンジは意外な人物の名前を聞いて驚くが、ミカサは黙って頷く。シンジはアスカが一体何を考えているのか分からなかったが、とりあえずミカサの言う通りに従ってアスカの元へと向かう事に。

 

 

 

 

 

 ──真っ赤なビキニを着たままでアスカは人気が少ない岩陰に隠れる様に立っていた。周囲には誰もおらず、辺りには波の音だけが響いている。

 

「アスカ、来たよ」

 

 シンジはアスカの方に歩いていく。するとアスカはシンジの呼び掛けに振り向くと、いきなり不満そうな表情を見せた。

 

「ちょっと! 遅いじゃない! あんたが来ないと始まらないでしょ!」

 

「ごめん、トウジやケンスケと話し込んじゃってさ。それで、一体何を始めるつもりなの? それに何でこんな所に……?」

 

 シンジがそう聞くと同時に、アスカの後ろから今度はレイが現れた。アスカと同じくレイも水着姿で、先程見た時と同様に落ち着いた白のワンピース水着を着用していた。

 

「碇くん……私、ちょっと頼みたい事があって」

 

「あ、綾波さんまで……」

 

 レイはアスカの一歩後ろに控えて、何やら思い詰めた様な真剣な眼差しをシンジに向ける。

 

 いつもと様子が違うレイにシンジは何故か嫌な予感を覚える。そしてそんなシンジの不安を肯定するかの様に、ミカサが代表して告げる。

 

「お二人とも、シンジ様に直接お聞きしたい事があるそうです。それではミカサは役目を済ませたので先に戻っていますね。後の事はご自由に──」

 

 ミカサはそれだけを言うとそそくさと何処かに去って行ってしまった。どうしても嫌な予感しかしないシンジは行かないでとミカサを引き留めようとするが、それよりも早くアスカがシンジの手を掴む。

 

「ほらっ! ミカサはい~の! あんたはこっち来て!」

 

「ちょ、ちょっと引っ張らないでよ!」

 

 アスカに手を引かれるがままに歩き出すシンジだったが、背後から付いて来るレイの事も気になってしょうがなかった。

 

(……こういう時、考えられる展開はだいたいエッチな事で間違いないだろうけど……)

 

 シンジはつい想像してしまう。この前……シンジはレイと二人でデート中に水着売り場の試着室に入った際、レイの選んだ可愛らしい水着姿に興奮してしまい、最後はユイから密かに学んでいたというご奉仕フェラにまで発展してしまった。

 

 あの時は良いタイミングでアスカの乱入があってやむを得ず中断されたが、レイもレイなりに何かをしようとしているのではないか……シンジはそんな妄想をしながらアスカとレイに連れられて岩陰の向こうに広がる砂浜に辿り着く。

 

「えっとさ……アスカ、一体ここで何をするつもりなの?」

 

 シンジはきょろきょろと周囲を見渡す。だが周囲に他の生徒や先生の姿はなく、シンジ達以外誰一人いない。

 

 シンジの問い掛けに対してアスカは振り返らずに立ち止まって答える。

 

「決まってるでしょ? 男と女が密会するには打って付けの場所と言えば……わかるでしょ?」

 

「……ッ!!」

 

 シンジは息を飲む。つまりここは男女の逢瀬を楽しむ為のスポットであり、シンジはアスカとレイに導かれるままこれから3人で──

 

 シンジはごくっと生唾を飲み込む。そんなシンジの反応を察したのか、アスカは不敵な笑みを浮かべてシンジの方を振り向いた。

 

 シンジの目の前で立ち止まったアスカはその場でくるっと回って大胆に真っ赤なビキニの水着を見せつける。

 

「この前は話せなかったけど……今日その女と二人で相談して決めたのよ。エッチ大好きなあんたがあたし達どちらを選ぶのかってね!」

 

 言いつつアスカはレイに目配せをする。するとレイは小さく首を縦に振ってからアスカの隣に並び立つ。

 

「碇くん……この間は途中で終わらせちゃってごめんなさい。でも、今日は絶対に最後までエッチできるから……」

 

 レイは頬を赤らめてシンジに謝ると、アスカと一緒にシンジの正面に回り込む。

 

「さぁシンジ、覚悟は決まった? どっちと先にセックスするの!?」

 

 アスカとレイはシンジの左右に立って両腕に抱き着くと、それぞれの胸を押し付ける様にしてシンジに迫った。

 

 二人の乳房が腕に押し潰されてむぎゅ~と柔らかく形を変えていくのがシンジにも伝わる。

 

「うっ、ぁ……ぅ……え、えぇ……っ」

 

 シンジは二人の柔らかな感触に動揺を隠せない。だが二人はお構いなしにシンジにぐいぐい迫ってくる。

 

「シンジ、ちゃんと答えなさいよ! もちろん、あたしとエッチよね!?」

 

「碇くん、私を選んでくれるよね……?」

 

 アスカとレイは必死の形相でシンジに迫る。だがシンジは二人の乳房の気持ち良さに頭がいっぱいになり、まともに考える事ができない。

 

「あ、う……っ、うぁ……っ」

 

 シンジはもう我慢できなかった。二人に求められている……その事実にシンジの理性はあっさりと崩壊していく。

 

 シンジは本能のままに両手を二人の腰へ回すと、そのまま力任せに二人を引き寄せて抱き締める。

 

「きゃあっ! ちょっとバカシンジ! いきなり何すんのよ!」

 

「碇くん……嬉しい……」

 

 いきなりの行動に驚くアスカと、嬉しそうに微笑んでシンジを抱き返すレイ。その間にシンジは言葉を選びながら自分の正直な気持ちを口に出す。

 

「あ、あのさアスカ、綾波さん……ぼ、僕こんなの選べないよ。できれば二人と一緒にエッチしたい……っ!」

 

 シンジはそう言ってアスカとレイの身体を強く抱き締める。するとアスカとレイは一瞬だけ驚いた顔をするが、すぐにやれやれとばかりに苦笑する。

 

「はぁ……まぁ、あんたはそう言うわよね。いいわ、それなら──」

 

 予想していた通りの答えにアスカは溜息を吐くと、仕方がないといった感じで隣に並び立つレイと互いに顔を見合わせる。

 

「碇くん……はい、これ」

 

「えっ……オイル?」

 

 レイはいつの間にか用意していたのか、オイルの入ったボトルを差し出してシンジに渡す。それは肌に塗り込むタイプの日焼け止めだった。

 

 シンジは不思議そうな顔をしながらも受け取ると、アスカが頬を赤らめて言う。

 

「ほ、ほら……去年あんたが臨海学校行った時に話してたでしょ? 来年こそはあたしの身体にオイル塗ってエッチしたいって……」

 

「え、あれ覚えてたんだ……い、いいの?」

 

 シンジは驚きながらもアスカに確認する。以前シンジが臨海学校で海に訪れた時に彼女に言った一言を覚えていたのか、アスカは恥ずかしそうにこくっと頷く。

 

 シンジは感動しつつ、レイから受け取った日焼け止めのオイルを自分の掌にとろぉ~と垂らす。

 

「じゃ、じゃあ……まずは二人の背中から……」

 

 シンジは揃って砂浜に寝そべるアスカとレイの背後に回ると、まずはアスカの真っ白な背筋に指を這わせる。

 

「ひゃんっ……! ちょ、ちょっといきなり何すんのよ!」

 

「ご、ごめん。なんかすごい光景だからつい……」

 

 シンジは慌てて謝る。すると今度はアスカの隣に寝そべるレイが口を開く。

 

「ねぇ、碇くん……私の方もお願いしていい?」

 

「ほ、ほんとにいいの?」

 

「うん……早く塗って」

 

 シンジはレイの白いワンピース水着に包まれた形の良いぷるんとした桃尻に視線を移すと、恐る恐る手を伸ばす。

 

 シンジはレイの水着の上から優しく撫でる様にしてオイルを背中に塗り込んでいく。

 

「ぁん、ふっ……く、擽ったい」

 

「ご、ごめん綾波さん……もう少し我慢して」

 

 シンジはレイの水着の布越しに感じる柔らかい白肌の感触にドキドキしながら、丹念にレイの背中にオイルを塗り込んでいく。

 

 レイは少し擽ったそうにしているが、シンジの手が卑猥に動く度にビクッと反応しながら甘い喘ぎ声を漏らしてしまう。

 

「んっ……ゃんっ、碇くん……そ、そこはだめ……あんっ!」

 

「綾波さん、動かないで……! 上手くオイル塗れないよ……!」

 

「ぁ、あぁん……だ、だって……碇くんがわざとエッチな塗り方するから……はぁ、はぁ……んっ♡」

 

(うわぁ……やばい、綾波さんの声聞いてたら興奮してきた)

 

 レイが身を捩る度に揺れる大きな桃尻がシンジの目を奪う。そしてそんな魅力的なお尻が目の前にあると、どうしても触れたくなる衝動に駆られてしまう。

 

「碇くん、思ったより上手ね……でも、さっきから同じとこばかり塗ってる。もっと満遍なく塗ってくれないと、後でたっぷりエッチしてあげないかも……?」

 

 少し不満げな声でレイはシンジを煽る。その挑発的な態度にシンジはドキッとしつつも、言われた通りにレイのお尻の割れ目にオイルを擦り付け始めた。

 

「満遍なくって、こう……?」

 

「んっ……ぁん、そこ気持ちいい……♡ はぁ、はぁ、はぁ……お願い、もっとお尻の方もちゃんと塗って欲しいの」

 

 レイの要望に応えてシンジは水着の股布を食い込み気味にずらし、直接アナルの方にもオイルを塗り込み始める。

 

「えっと……こんな感じでいい?」

 

「はぁ、んぅ……っ! えぇ、すごく良い感じよ……んんっ」

 

 レイは気持ち良さそうに身を震わせて悶える。その姿を見ている内にシンジの興奮はどんどん高まっていく。

 

 シンジはそのままレイのお尻だけでなく、太腿の内側など際どい部分まで丁寧にオイルを塗り込んでいった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……んっ、はぁ……」

 

「綾波さん大丈夫? なんか、息荒いけど……」

 

「だ、大丈夫……ちょっと熱くて苦しいだけだから」

 

 頬を上気させて熱い吐息を漏らすレイ。そんな彼女の様子にシンジは心配になるが、レイは苦しさを堪えてシンジに微笑み掛ける。

 

 その健気に振る舞う姿にシンジは心を打たれると、最後の仕上げにとレイの身体を掴んで仰向けの体勢にしてあげた。

 

「次は前の方だけど……綾波さん、塗っていい?」

 

「……うん、気持ち良くなりたい」

 

「じゃあ、失礼して」

 

 レイはシンジにされるがままに砂浜の上で仰向けになると、そのまま目を瞑って呼吸を整える。

 

「碇くん……早く塗って」

 

「わかった……」

 

 シンジは意を決すると、レイの真っ白な水着越しのお腹から控えめに膨らんだ可愛らしい胸元へと、ゆっくり手を伸ばして大量のオイルを垂らしていく。

 

「んんっ! つ、冷たくて気持ちいい……♡ ぁ、あぁんっ……はぁ、はぁ……碇くん……胸、おっぱいにもいっぱいかけて……?」

 

 レイは身体中に広がる冷たい感覚にゾクゾクと身悶えながら胸への愛撫を催促する。シンジはレイの言う通り胸にもオイルを垂らしてあげると、そのまま優しく揉む様にマッサージを始めた。

 

 両手でレイのちょうど掌に収まるサイズ感の乳房を鷲掴み、オイルを乳肉全体に馴染ませていく。

 

「ぁ、はぁ……んっ、碇くん……おっぱい気持ちいい……ぁんっ、ぁ、あぁっ……♡」

 

 レイはオイルを塗られただけで気持ち良くなっているのか、うっとりした表情でシンジに甘えた声を出す。

 

 その艶めかしい声にシンジの興奮は更に高まり、両手の動きが段々と大胆なものになっていく。

 

 オイルによってぬるぬると光るレイの乳房を激しく揉むと、その柔らかな弾力でシンジの両手を押し返してくる。

 

 シンジはその感触を楽しむ様に何度も乳房を揉んでは離すを繰り返していると、その動きに合わせてレイの口から切なげな吐息が漏れた。

 

「んっ、んん……はぁ、はぁ……碇くん、やらしい……ぁあっ!」

 

「綾波さんこそ、すごいエッチだよ」

 

 シンジがそう言ってレイの汗掻いた首筋を舐めると、彼女は身体をビクンと大きく跳ねさせる。同時にシンジにオイルを塗られて感じていたレイの身体に変化が訪れた。

 

 シンジが執拗にレイの身体を満遍なく弄っていたせいか、彼女の股間部分がじんわりと濡れてきたのだ。

 

 寝そべるレイは無意識のうちに足をモジモジと動かし、何かに耐える様な仕草を見せる。

 

 シンジはそれに気付くと、ゆっくりとレイの身体から離れて未だ残る掌の感触を確かめる様に自分の手を眺めた。

 

「ね、ねぇ……そろそろあたしの番でしょ? ほら、さっさとオイル塗りなさいよ」

 

 とここで待ち切れない様子のアスカがシンジにオイルを塗ってほしいと命令を下す。

 

 アスカは砂浜の上にうつ伏せになっており、後ろから見ると彼女の真っ赤なビキニがお尻の割れ目の部分ギリギリまで見えてしまっている。

 

 シンジはアスカの言う通りにオイルを塗ろうと背後へ回り込むが、ここでふと悪戯心が芽生えてしまう。

 

 アスカは今オイルを塗ってもらう為に寝そべっている……つまり無防備の状態だ。

 

 そんな状態のアスカにエッチなオイルマッサージを仕掛ければどうなるのか……シンジは興味本位でアスカのお尻に人差し指をそっと当てると、ビキニの水着越しにアスカのアナルをぐりゅっと押し込んだ。

 

「んひぃっ!?ちょ、ちょっとバカシンジ……あぁんっ!」

 

 突然の肛門刺激にアスカは驚き、思わずお尻をシンジ目掛けてぐいっと高く突き上げる卑猥な屈服ポーズを見せる。

 

「待ち切れなかったんでしょ? ごめんごめん。じゃあ早速塗るよ」

 

 シンジはニヤニヤと笑って謝りながらもアスカの突き出されたお尻の谷間にオイルを流し込み、両手を使ってお尻全体を痴漢の手付きでいやらしく撫で回す。

 

「んぁん……っ、く、このぉ……ひゃうんっ!ちょっと、どこ触ってんのよ! んんっ……やぁんっ!」

 

「ほらアスカ、大人しくしてないとお尻の穴にオイル流し込んじゃうよ?」

 

 シンジはオイルでヌルヌルになった手でアスカの真っ白な桃尻を触りながら、水着越しに割れ目に食い込ませた秘裂を親指と人差し指で擦る。

 

 すると既にオイルを塗った部分から溢れ出していた蜜が潤滑油となり、水着越しにでもくちゅくちゅといやらしい水音が聞こえ始めた。

 

「んっ……くぅん! はぁ……ぁんっ♡ ば、ばっかじゃないの!? あぁだめ、それ気持ちぃ……いゃぁんっ!」

 

 敏感な性器を責められて感じてしまったのか、アスカは腰をビクビクさせながら甘い声で淫らに喘ぎ出す。

 

 そんな彼女にシンジは容赦なく食い込ませたビキニの真ん中をぐりゅっと指先で強く押し込む。

 

 その瞬間、アスカの秘裂からぷしゅっ、ぷしゅっという潮吹き音と共に透明な汁が噴き出した。

 

 その強烈な快感にアスカはビクッと身体を大きく痙攣させると、そのまま力が抜けた様に突き上げていたお尻をヒクヒクさせながら砂浜に倒れ込んでしまう。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……こ、こんなのダメぇ……はぁ、はぁ……」

 

「あれ? もしかしてイっちゃった?」

 

「う、うるさい……あんたが変なことするからでしょ……」

 

 シンジはそんな彼女を見てやり過ぎたかなと反省するが、アスカはうつ伏せで倒れたまま息を整えつつ口を開く。

 

「うぅ……ま、まぁ気持ち良かったし、今日は許してあげるわ。それより早く続き、しなさいよ」

 

「はいはい。じゃあ次は足だね」

 

 シンジはそう言うとアスカのむっちりと肉付いた太腿に手を伸ばす。そしてその滑らかな肌にオイルを塗り込み始めた。

 

「どう、気持ちいい?」

 

 シンジはオイルでぬるぬるとしたアスカの太腿を撫で回しながら、垂らしたオイルを少しずつ下へと広げていく。

 

 太腿から膝、ふくらはぎ、足首、足の甲……シンジはレイにしてあげた時と同じ要領でアスカの下半身にオイルを塗り込んでいく。

 

 ……だが、レイと違ってシンジはわざと途中で際どい部分を撫でたり突付いたりする。その度にアスカは身体をビクつかせて淫らに反応してしまう。

 

「はぁ、はぁ……バカシンジ、そこ弱いからもっと優しくして……あぁんっ!」

 

「ここ? もっと下?」

 

「ひゃんっ……ぁんっ、そ、そこはぁ……んぁっ、んんっ……♡」

 

 シンジはオイルで滑りが良くなったアスカの太腿やお尻を何度も上下に往復して撫で回し、その動きに合わせてアスカは切なげに甘い吐息を漏らす。

 

 やはり普段からシンジに調教されていた分、レイより反応が良いアスカに気を良くしたシンジはそのままアスカを仰向けにひっくり返す。

 

「きゃっ……」

 

「さぁアスカ。今度は仰向けだから恥ずかしいとこ丸見えだよ」

 

 仰向けになってビキニ越しの乳房を晒す形になったアスカ。そんな彼女を見下ろしながらシンジはニヤリと笑うと、オイルまみれの手でアスカの溢れ落ちそうな乳房を掴み上げた。

 

「やぁん! ちょっと、何すんのよ……ぁんっ、んんっ♡」

 

「……あれ? アスカ、もしかしておっぱい大きくなってない?」

 

 シンジは以前より大きくなった気がするアスカの乳房を揉みながら聞く。するとアスカは頬を赤く染めながら、目を逸らして答えた。

 

 ……それはまるで、図星を突かれたの様に。

 

「そ、そんなわけ……あたしは別に何も……あっ、やぁんっ!」

 

「ふ~ん。答えないんだ……まぁ良いけど」

 

 シンジは適当に相槌を打つと、少しだけ意地悪をしてみる事にする。

 

 シンジはオイルで滑るアスカの胸を鷲掴みにしたまま、その先端にある可愛らしい乳首を水着越しにきゅっ、きゅっと摘み上げる。

 

「ひゃうっ……! ちょ、ちょっと……ぁんっ、乳首は……ぁあっ♡」

 

「じゃあ正直に答えてよ。ほんとはまたエッチに成長しちゃったんじゃないの?」

 

 シンジはニヤニヤと笑いながらアスカの乳輪をなぞる様に指を這わせ、そのままビキニの中に手を入れて直接アスカの乳房を揉みしだく。

 

 アスカはその言葉と愛撫によって興奮してしまったのか、シンジに胸を揉まれる度に艶めかしい声を出して堪らず叫ぶ。

 

「はぁ、はぁ……ち、違うもん……っ、あぁんっ♡ ひゃうんっ!」

 

「違わないじゃん。だってほら、もう乳首ビンビンに勃ってるし。たしか前に聞いた時はFカップだったよね?」

 

 そう言ってシンジが親指でくにっと軽く乳首を潰すと、それに連動するかの如くアスカのお腹がピクッと動いた。

 

 同時に大量の蜜液が股間部からぷしゃあぁ……っと噴出され、砂浜の上に大きな黒い染みを作る。

 

「あぁっ……はぁ、はぁ……ば、バカぁ……そんなの覚えてるなんて……ぁんっ、んんっ……♡」

 

「そりゃあね。僕達が子供の頃から毎日触ってたせいでアスカの身体はどんどん淫らに開発されていったんだし」

 

 シンジはそう言うとアスカのビキニの肩紐をずらすと、彼女の豊満な乳房をぷるんと解放してしまう。

 

 アスカはシンジの奏でる絶妙な力加減と巧みな指使いに抗えず、されるがままにあんあんと可愛らしい喘ぎ声を漏らして感じてしまう。

 

 シンジはそんなアスカの反応を楽しみながら、彼女の硬く尖ったピンク色の突起をオイルに濡れた指先で弄ぶ。

 

「ひぃんっ! い、言うからぁ……やぁんっ! だめ、だめぇ! あ、あぁっ、おっぱい出ちゃう……いやあぁんっ!」

 

 するとアスカはそれだけでイってしまったのか、ぷっくりと膨らんだ乳首から勢いよく白い母乳をぷぴゅ~っと気持ち良さそうに放出し、身体をもう一度ビクンと跳ねさせて何度目かも分からない絶頂を迎えた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……じ、Gカップぅ……この前測ってみたら、んっ♡ そうなってて……あぁっ、んんっ!」

 

「へぇ~、いよいよ大台か。よくここまで豊胸頑張ったね。偉いよアスカは」

 

「うぅ、シンジぃ……もぅいいでしょ……? 早く、あたし達とおまんこしてよぉ……♡」

 

 シンジはアスカの頭を撫でながら褒めるが、アスカは度重なる潮吹き絶頂にすっかり身も心も蕩けてしまい、涙目になりながら可愛らしくおねだりを開始する。

 

「わかったって。じゃあ、えっと……綾波さんと二人で仲良く横になって僕にエッチなおねだりしてよ」

 

 シンジはそう言うと自分の水着を脱ぎ捨て、既にガチガチに硬直している反り立った肉棒を露にする。

 

 するとアスカは待っていましたとばかりにレイと顔を合わせて頷き合う。アスカとレイは砂浜の上に仲良く寝転んだまま、二人揃って水着をずらしたその蜜壺を指でくぱぁっと開いてシンジに見せつける。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「はぁ、はぁ……ご主人様ぁ、あたしのおまんこ寂しいって待ってるからぁ……♡」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「お願い、碇くん……私と初めてのエッチな思い出作り……してほしい♡」

 

 アスカとレイは息を合わせ、互いの秘所を手でくぱぁと押し広げたままシンジに向かって誘惑する。

 

 二人はそのままシンジに犯されるのを期待しているのか、瞳の奥底に危険なハートマークを宿して雌奴隷の様に熱い視線をシンジに向ける。

 

 そんな二人の淫乱過ぎるお誘いを受けたシンジは誰にも邪魔されない秘密の場所で思う存分にその発情した身体を楽しむべく、意気揚々とアスカとレイに覆い被さるのだった……

 

 

 




【次回予告】

ネルフ学園で行われている真夏の臨海学校。

発情したアスカとレイに誘われたシンジは、欲望の赴くままに二人と乱交する。

その頃、ミカサはミサトに頼まれてビーチから姿を消したシンジ達の様子を見に行く。

性欲が暴走するシンジに対し、ミカサはやむを得ず性処理すると言い出して……?

次回、『ドキッ!水着だらけの臨海学校 後編 ★(アスカ、レイ、ミカサ)』



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ドキッ!水着だらけの臨海学校 後編 ★(アスカ、レイ、ミカサ)

お待たせしました。最新話です。

それとここで一つお知らせします。

実はAIイラストの作成に必要なポイントが使い過ぎて足りなくなってしまった為、来月の更新日までしばらく挿絵無しで書かせて頂きます(もちろん挿絵は後ほど追加する予定)。

そしてとりあえず、AIの挿絵追加は今のところ第2章の途中まで終わらせました。

ユイとキョウコの挿絵が原作より再現度アレかもですが、そこは二人ともエッチになったという事で許してください。

ちなみに、その回の描写内容によってはやむを得ずの理由で挿絵がない場合もあります。



 

 ──いよいよ始まったネルフ学園真夏の臨海学校。人気の無い砂浜に呼び出されたシンジが水着姿のアスカとレイに誘われて性行為に及ぼうとしていた頃。

 

 シンジ達と別れた水着姿のミカサは戻って来るなり担任のミサトに呼び出されていた。

 

「何でしょうか?」

 

「あっ、来たわね~。実はさっきからシンジ君達の姿が見えないんだけど……ミカサは何か知らないかしら?」

 

 ミカサの黒いパレオビキニよりも更に布面積が少ない破廉恥なビキニを着たミサトはミカサに質問する。

 

 その表情からは、少しだけ焦りが見えている様にも見えた。まぁ、ミサトはユイやゲンドウから学校でのシンジ達の行動を任されており、いつも監視しているのだが……

 

「ちょっちトウジ君とケンスケ君をパシらせてる間に見失っちゃって……あ~、これじゃあ私の監督不行き届きよぉ……」

 

 ミサトは頭を抱えながら溜息を吐く。ミカサはミサトの言葉を聞いて少し考え込む仕草を見せると、仕方ないとばかりに口を開く。

 

「……代わりに探して来ましょうか? ミカサもユイからあの3人の護衛を頼まれてますし」

 

「本当!? ありがとう! ミカサが居てくれてほんと助かるわ~!」

 

 ミカサの言葉に顔を明るくしたミサトは彼女の手を握るとブンブンと上下に振る。その様子を見たミカサは内心で「だらしない人……」と思いながらも顔には出さずに答える。

 

 ……ちなみにこの会話だが、実を言うとミサトが勘違いしているだけである。確かにシンジ達は今現在、この場にはいないが……別に行方不明になった訳ではない。

 

 そして事情を知るミカサがそれを訂正しなかった理由も簡単。担任のミサトに3人が隠れて性行為しているなどと知られたら何かと面倒そうだからだ。

 

「でもどこに行ったのかしらねぇ? いくら遊び盛りとは言え、連絡無しにいなくなるなんて……まさか事件とかに巻き込まれてるんじゃないでしょうね?」

 

 そう言って心配そうな表情を浮かべるミサト。それを見たミカサは思わず苦笑してしまう。

 

「(本当にこの人は……)……そんな事はありませんよ。それに使徒が現れたら他の誰よりも“私が”まず気付きますし、もし仮に何らかの問題が起こったとしても、あの3人なら自力で何とか出来るはずです」

 

「そっ、それはそうなんだけど……」

 

 ミカサの言葉を聞いたミサトは言葉を濁す。しかしミカサはその様子を無視して言葉を続ける。

 

 ……何故ならミカサは知っているのだ。シンジが幼少時代から可愛らしい美少女を沢山集めて自分だけのエッチなハーレムを作ろうという育成計画の秘密を。

 

 きっと今頃、シンジはアスカとレイに頼まれてあんな事やこんな事をするつもりだろうと……

 

「ふぅ……ミカサが探して連れて来ますから、ミサトはここで待っててください」

 

「わかったわ。お願いね、ミカサ」

 

「はい」

 

 淡々と言うとミカサはシンジ達が向かったであろう場所に向かうべく、足早に立ち去る。ミサトは彼女が普段見せないその扇情的な水着の後ろ姿を見送りながらふと思う。

 

(ミカサ……やっぱり独りじゃ寂しいのかしら。シンジ君達とも一緒に遊んでないみたいだし……)

 

 ミサトの知る限り、ミカサは友達と呼べる人間がいない。たまに保険医のリツコとは何度か定期的に話している様だが、それ以外では特に誰かと話している所は見掛けなかった。

 

 だからこそミサトは思う。ミカサにもちゃんとした友人を作って欲しい。それにみんな監視者(シェムハザ)の仲間なのだから、シンジやアスカ、レイとも仲良くなって貰いたいと……

 

(……そうだ! 良いこと思い付いちゃった!)

 

 ミカサが立ち去った後、ミサトは意を決した様に力強く頷くと、いきなり携帯電話で何処かに電話を入れる。

 

「もしもし、葛城です。実はシンジ君達のことでお二人にお願いしたい事があって──えぇ、監視者(シェムハザ)関連です。ついでに惣流博士にも話しておいて貰えると──はい、ではまた」

 

 要点だけを伝えた短い電話を終えたミサトは自分の思惑通りに事が運んだ事に満足げな表情を浮かべると、思っていた内容と違くて残念無念という様子で荷物運びをさせられているトウジとケンスケの元に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 ──その頃、ビーチの人混みから離れた人気が無い砂浜では……

 

「……んっ……ちゅっ……はむっ……んっ……」

 

「れろっ……ちゅぱっ……はぁっ……あむっ……」

 

「あぁんっ、あっ! そこぉ……気持ちいいのぉっ……♡」

 

 水着を脱いで裸体となったシンジが、水着を着たままのアスカとレイに抱き合っていた。

 

 砂浜に敷かれたブルーシートの上で仰向けになっている全裸のシンジ。その上に真っ赤なビキニ水着を着たアスカが馬乗りの体勢で乗っており、二人は一心不乱に腰を動かしている。

 

 アスカの秘部には水着をずらす形でシンジの肉棒が挿入されており、そこからは愛液と精液が混ざり合った白濁した液体が大量に流れ出ていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 アスカが腹上で動く度に結合部からはグチュッ、ヌチャッという卑猥な水音が響き、それと同時にアスカは身体を仰け反らせつつ大きく震わせる。

 

 一方、白いワンピース水着を着たレイの方もシンジの顔の前に股間が来る様な姿勢でシンジの上に跨っていた。

 

「あんっ! ひゃうん……碇くん、早く……ぅんっ、私にも、えっちなのいっぱいして……っ!」

 

 レイはシンジの口に自分のクリトリスを押し当てながら淫らに喘ぐ。白い水着越しにぷっくりと膨らんだ可愛らしい肉芽が、まるで別の生き物の様にビクビクと脈動している。

 

 シンジが舌先で軽く肉芽に触れると、それだけでレイは蕩けた甘い声を上げて身体を大きく痙攣させた。

 

「あぁ……だめっ、そんなにお豆さん舐めちゃ……やぁん、イッちゃう……イっちゃうよぉ……!」

 

「……っ、綾波さんかわいい……!」

 

 二人の恥態を見たシンジは興奮ながらに空いている両手で今度はアスカの弾む尻肉を掴む。

 

「やぁんっ、ちょっとシンジ。そんな一遍になんてぇ……♡」

 

「あふぅ……碇くん、もっと……あそこ、もっとぉ……♡」

 

「んっ……はいはい」

 

 シンジはアスカの膣内でペニスをパンパン突き上げて暴れさせながら、レイの陰核を舌先で器用に弄る。すると二人は同時に甲高い声で叫びながら仲良く絶頂を迎えた。

 

「ああぁ~っ! イクッ! あぁイク、イクっ、あたしもう……ダメェエエッ!!」

 

「ひっ、ぃいっ……! 私も……イクっ、イク……イクうぅううううっ!!」

 

 アスカとレイは背中を弓なりに大きくしならせながら、全身をガクンガクンと激しく痙攣させる。

 

 その瞬間、アスカはぎゅうぎゅうと膣内を強く締め付けてシンジの射精を促し、レイもまたシンジの口内に大量の潮を一斉に噴き出す。

 

「んぐぅ……!?」

 

 突然口の中に入ってきた愛液のシャワーにシンジは驚いたが、それでも必死に口の中に入った分を美味しそうに飲み込む。

 

 口端から溢れ出して零れたレイの愛液は贅沢にそのまま垂れ流し、シンジはお尻を揉みながらアスカの膣奥に大量に中出しする。

 

「はーっ、はーっ……二人ともエロ過ぎ!」

 

「はぁ、はぁ……やだ、シンジったらすごい量……あたしのお腹が精液でタプタプになってるわ」

 

 アスカは嬉しそうに微笑みながら、自分のぽっこりと小さく膨らんだお腹に手を当てる。

 

「綾波さんのここも、まだ物欲しげにヒクついてるね」

 

「んっ、やぁ……そんなこと、言わないで……恥ずかしいから……ぁんっ♡」

 

「そう言いながらも、こっちは正直みたいだけど?」

 

 シンジはそう言うと目の前に広がるレイの処女膜に吸い付く。14年間処女を守り抜くレイのそこは既に度重なる前戯によってシンジのモノを生涯のご主人様として受け入れる準備を済ませ、いつでも迎え入れるとろとろ状態になっていた。

 

「あんっ、碇くんの意地悪……♡」

 

 レイは切なげに吐息しながら、シンジの両頬に手を添えると、ゆっくりと顔を近付けてチュッと優しいキスを落とす。

 

「ねぇシンジ、あたしにもキスぅ♡」

 

「わかってるよ、じゃあ一旦交代しよっか」

 

 アスカの催促を受けたシンジはレイから名残惜しそうに口を離すと、ゆっくりとアスカの膣内に収まっていた自身の肉棒を一気に引き抜いた。

 

「ぁんっ! 溢れちゃうよぉ……♡」

 

 とろぉ~っと甘く糸を引くアスカの蜜壷から久しぶりに解放されたシンジの肉棒は、未だに天に向かって雄々しく勃起している。

 

「じゃあ、アスカは少し休憩しててね? キスはいっぱいしてあげるから」

 

 シンジはそう言ってアスカの疲れた身体を抱き起こすと、アスカをブルーシートの上に寝かせて今度はレイを馬乗りにさせる。

 

「綾波さん、初めてでしょ? 自分で入れてみて? 僕が支えてて上げるからさ」

 

「う、うん……」

 

 レイはシンジの言葉に従順に従い、彼の未だ衰え知らずの肉棒を片手で掴む。

 

「ん、しょ……こうかな……?」

 

 レイはシンジに教えられた通り、水着をずらした自らの秘部につるんと光る大きな亀頭を宛てがって位置を合わせると、ゆっくりと腰を落としていく。

 

「あっ、んっ……痛っ! は、入って来る……碇くんのが……んんっ!」

 

「ほら、あともう少しだから頑張って」

 

 シンジはレイの細い腰を両手で持って、彼女の小さな淫穴を徐々に広げて行く。

 

 ミミズの様に蠢く極上の肉壁を穿りながら、ブチブチぃっと何かが千切れていく音を立てて侵入していくその光景は、まるで無理矢理に神聖な領域を犯しているかの様だった。

 

「あぁっ、いっ、痛っ! 痛い、けど……んっ!はぁ、はぁ……は、入った……碇くんのおっきなおちんちん、全部入っちゃったぁ……♡」

 

 そしてとうとうレイの一番狭い入口を抜けてシンジの人並み外れた巨大な剛直が根元まで挿入された時、レイは今まで味わった事の無い痛みに襲われる。

 

 シンジの全てを受け入れた結合部からは純潔を失った証である鮮血が大量の愛液に混ざって流れ出ていた。

 

「はい、よく出来ました。偉いね綾波さん」

 

 シンジは優しく労わる様にレイのお腹 を水着越しに撫でると、彼女は気持ち良さそうに目を細めて嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「これで綾波さんは僕だけのモノだ。アスカと一緒にずっと大事にするから、安心してちんぽとエッチが大好きな可愛い女の子になろうね?」

 

 シンジはレイに甘い声で囁いた。しかしレイはそれを聞いても嫌がる事無く、むしろシンジの肉棒をきゅうっと強く締め付けて返事する。

 

 ……それはまるで、新しいご主人様となったシンジに喜んで貰えた事が嬉しいと言っているようだった。

 

「うん……なるぅ……♡ 私も惣流さんと一緒に、碇くんのハーレムになって毎日えっちしたい……♡」

 

「よしよし、いい子だ。それじゃあご褒美にいっぱい処女まんこパンパンして、中出ししてあげるからね?」

 

 レイはとろ~んとした恍惚の表情を浮かべて自ら快楽に堕ちていく。そんなレイの淫靡な姿にシンジの興奮度は更に高まり、シンジはレイの腰を両手で鷲掴みにして激しく上下に動かし始めた。

 

「ぁんっ……うれしぃ……♡ 私もまたイキそ……あぁん、お願いっ……碇くん私……っ! んっ、あぁ……はぁ、はぁ……はぁああぁ~んっ♡」

 

 レイの華奢な身体が壊れてしまうのではないかと心配になる程の激しいピストン運動。

 

 ……だがレイはそんな激しい責めを喜々として受け入れ、しっかりと騎乗位の姿勢で受け止めていく。

 

 レイも既に前戯だけで何度も軽い絶頂を迎えていたが、それでも膣内の痙攣が止まる気配は無い。

 

 子宮にゴツンゴツンと堅くて太い肉棒を叩き付けられる度に、レイはビクビクと身体を震わせながら大量の愛液をぷしゅっ、ぷしゅっと淫らに撒き散らす。

 

「い、碇くん、だめっ……! 私、またイッちゃう……! あっ、あぁっ、だめぇっ!」

 

 レイはシンジの腹上に両手を乗せて初めての快感に耐えようとするが、それでも身体は正直で膣内が激しく泣き震え、シンジの肉棒から新鮮濃厚な精液を搾り取ろうとしている。

 

「良いよ、イッても。これから何回でもイカせてあげるから」

 

「い、碇くん……そ、そんな……ぁんっ! ひゃぁっ、あぁぁ~っ!」

 

 レイは涙目になりながらいやらしい嬌声を上げてガクンガクンと身体を仰け反らせながら軽イキを迎える。

 

 それと同時にレイの膣内は凄まじい勢いで収縮を繰り返し、シンジの肉棒を根元から先端にかけて無数の肉ヒダがきゅうぅっと強く絞り上げた。

 

「うっ……やば、もう射精る……っ!」

 

 そのあまりの激しい締め付けにシンジはとうとう限界に達し、レイの真新しい最奥に大量の白濁をこれでもかとばかりに注ぎ込んだ。

 

 マグマの如く熱く煮え滾る大量の精子達がレイの子宮内をどろどろに満たしていき、レイは下腹部の奥に熱いものが広がっていく感覚に悦びの声を上げる。

 

「んっ、はぁ……はぁ……は、孕んじゃう……初めてなのに碇くんの赤ちゃんできちゃう……♡」

 

 レイは幸せそうに呟きながら、シンジの肉棒を膣内できゅんきゅんと締め付ける。そしてシンジは最後の一滴までも余さずに注ごうと、ゆっくりと腰を揺らしながらレイの膣内に全てを吐き出し終えた。

 

 その後シンジはレイの膣内から肉棒を引き抜くと、そのままレイをアスカの隣に寝かせて休ませる。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……まさか綾波さんがこんなにもエッチだなんて……」

 

 ブルーシートの上に寝かされたレイは先程処女膜を喪失したばかりだというのに、まだまだ物足りなさそうにヒクヒクと膣口を開閉させている。

 

 そんなレイの股間からは未だに収まり切らない大量の精液がとろとろと溢れ出し、破瓜の鮮血と混ざったものが湯水の如く噴き出しては垂れ流れている。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 これでアスカとレイ双方との性行為を済ませたシンジは二人の美少女の恥態を見て再びムラムラと性欲を刺激され、気付いた時には二人の身体に覆い被さっていた。

 

 シンジはアスカとレイの柔らかな唇を交互に奪い、貪る様に三人で舌を絡め合う。

 

「んっ、ちゅっ、れろっ……んふぅ……♡」

 

「んむっ、んっ……んんっ……♡」

 

 アスカとレイはシンジの口付けに答えるべく自らも積極的に舌を動かし、彼の唾液を味わい求める。

 

「二人とも可愛いよ……大好きだ」

 

 シンジはアスカとレイの耳元で愛の言葉を囁くと、水着を着た彼女達は嬉しそうに微笑んだ。

 

「あたしも好き……大好き、シンジ♡」

 

「私も、碇くんの事が好き……♡」

 

 二人はそう言って、シンジの首に手を回すと自分達から濃厚なキスをする。シンジもそれに応える様にキスを返し、それからしばらくは三人でお互いの愛情を確認し合った。

 

 

 

 

 

 ──その後、ミサトに頼まれたミカサがシンジ達の迎えに来ると、三人は砂浜に敷かれたブルーシートの上で激しく乱交していた。

 

 シンジはアスカとレイの膣内を交互に犯し、水着越しに二人の胸を揉みながら激しく腰を打ちつけては最早何度目かも分からない大量射精を済ます。

 

 そんな異常な光景を目にしたミカサはシンジの性豪ぶりに呆れる反面、あんなにも愛されて幸せな泣き笑顔を見せるアスカとレイがほんの少し羨ましく思えた。

 

「はぁ……シンジ様、“まだ”終わらないのですか?」

 

「あっ、ミカサ! どうしてここに?」

 

 涙を浮かべ、唾液を飛ばし、淫らに喘ぐアスカとレイの身体を同時に抱き寄せながらシンジがミカサの存在に気付く。

 

「ミサトから言われたので。別に、ミカサが来たかった訳じゃないです」

 

「あっ、そう……」

 

 ミカサは目の前で延々と繰り広げられる淫らな性行為にまるで興味無いのか、ブルーシートの上でイチャイチャと抱き合うシンジ達を見て顔色一つ変えずに冷めた目で見下ろす。

 

 その様子にシンジは何だか申し訳なくなり、苦笑いを浮かべてからようやくアスカとレイを解放した。

 

 燦々と輝く太陽が砂浜を照らす中、休む間も無く立て続けに行われる性行為にアスカとレイは疲労困憊といった状態だったが、シンジが二人から離れた途端にブルーシートの上でぐったりと死んだ様に眠り込む。

 

 ……どうやら余程疲れていたようだ。そんな二人を見たシンジは流石に無理をさせ過ぎたかなと思い、今度こそ反省する。

 

 しかしそれでもシンジの肉棒は未だ衰える事無く天に向かってビクビクと聳え立っていた。それに気付いたミカサは、はぁ……と溜息を吐いてから仕方なくシンジの愚行を止める為に彼の元へ近寄っていく。

 

「──シンジ様。ミカサはあなたの母親から学校での護衛を頼まれているんです。それと、あなたがもしも性欲を抑えられないのであれば、その時はミカサが性処理するようにとも……」

 

 ミカサはそう言うと、黒いビキニの上から自分の大きな乳房を両手で持ち上げて見せつける。

 

「えっ、そうなの……!?」

 

 ……それは初耳だった。吃驚するシンジの視線は目の前でたぷんと揺れる彼女の豊満な胸に吸い寄せられてしまう。

 

「はい。それがユイとミカサが最初に交わした約束の一つですからね」

 

 シンジのいやらしい眼差しに気が付いたミカサはやれやれと溜息を漏らし、波打ち際の近くまで移動してからシンジを手招きして呼び寄せる。

 

「だから今日は特別です。この場でならどんないやらしい事をしても構いません。ミカサも“あなたになら”身体を許すと認めてますし……ただし、学校にいる間はあまり性処理させないでください。いつ何処で見られているか分からないですから……分かりましたか?」

 

 意味深に言いつつ、ミカサは反り立つ肉棒を勃起させたまま近付いて来たシンジを膝立ちの体勢で見上げる。

 

「う、うん……だけどミカサ、君はいったい何者なの?」

 

 ミカサはシンジがこれまで出会った誰よりも不思議な雰囲気を纏っている美少女だった。

 

 見た目は年相応の少女に見えるが、その実、年齢不詳でありその素性は全く掴めない。前回の肝試しの一件でネルフ学園の校舎内を勝手に借りて寝泊まりしている所を見るに、只者では無い事は分かるのだが……

 

 そんな事を考えるシンジに対してミカサは何も答えず、ただ黙って首元を覆う赤いロングマフラーの下に隠されていた巨大な二つの果実をぷるんと揺らす。

 

「……ほら、早くしてください。どうせ、もう射精したくて我慢出来ないんでしょう? 手ですればいいですか?」

 

「う、うん……お願いするよ」

 

 シンジは言われるがままにその場に立つと、ミカサはその場に座り込んで両手を股間の方へ伸ばしていく。

 

 シンジの肉棒はぶるんっ!と震えて飛び出し、勢いよくミカサの眼前に突き出された。

 

「……それでは、性処理します」

 

 ミカサは相変わらず冷めた顔色一つ変えずにシンジの肉棒を手で包み込み、上下にゆっくりと扱い始める。

 

 やけに慣れた様子の手付きにシンジは驚くと同時に、気持ち良さで思わず声が出てしまう。

 

「うっ、すごっ……!」

 

「どうかしましたか? 痛かったでしょうか……?」

 

「う、ううん! 大丈夫だよ……それよりミカサ、もっと強く握っても平気だから……」

 

「はい。こう、ですね……」

 

 ミカサはシンジの肉棒をぎゅっと握り締めると、そのまましゅこっ、しゅことリズミカルに手を動かしていく。

 

 ミカサの白く美しい指先が肉棒に絡みつき、亀頭部分を優しく撫で回す度にシンジは心地良い快楽に溺れそうになる。

 

「んっ、ぁっ……!」

 

「シンジ様、あまり気持ち悪い声を出さないで下さい。男のくせに女々しくてドン引きですよ」

 

「う、ごめん……でも、こんな手コキ耐えられるわけないじゃないか!」

 

 シンジは恥ずかしそうに俯きながら、それでもミカサの綺麗な肌白い手に扱かれて極上の快感を味わっていた。

 

 間違いなく手を使ったご奉仕という内容ではまだまだ未熟なアスカやレイ、何なら経験豊富なユイよりもミカサの方が数段テクニックが上で気持ち良い。

 

 ……だがしかし、そんな甘い時間も長くは続かない。何故ならミカサが突然卑猥な手の動きを止めてしまったからだ。

 

 何故良いタイミングで止めたのか不思議に思ったシンジは残念そうにミカサを見下ろすが、彼女は無言のまま先走り汁を溢れさせる女の子泣かせな極太ペニスをじっと見つめていた。

 

(っ……ほんとに、大きい……♡)

 

 その表情はいつも通りクールなものだったのだが、瞳孔が開いた様な黄色い瞳の奥には心なしか、彼女の隠された感情の様なものがぼんやりと透けて見える気さえする。

 

「あ、あの、ミカサさん……?」

 

 ここでミカサはハッと我に返った様に身体を小さく揺らすと、慌てて顔を逸らしてシンジの肉棒を擦る作業を再開した。

 

 それから数分後、射精に導かれたシンジはミカサの手によって大量の精液を外気に放出させられる。

 

 ミカサは射精後の余韻に浸るだらしない顔をしたシンジの肉棒をあまり見ない様に避けつつ、手や胸に付着した白濁を舐め取り始めた。

 

「……ふぅ、これで終わりです」

 

「えっ……? ちょ、ちょっと待ってよミカサ!?」

 

 シンジはミカサがあまりにも淡泊な対応を取るものだから、つい焦ってしまう。ミカサはそんなシンジの物足りない様子を見て露骨に嫌そうな顔を見せた。

 

 しかし、それでもシンジは食い下がる。確かに今までもシンジは散々自分勝手なエッチをアスカ達に要求してきたが、ここまであっさりとした態度を取られた事は無かった。

 

 ……せっかく優れたモノを持ち合わせているのに、それを活かさないのは勿体無いとシンジは思うのだ。

 

 だから、ミカサにどうしてもエッチの気持ち良さを教えたくなったシンジは彼女を説得するべく必死に口を動かす。

 

「ねぇミカサ……わかる? 君が僕にしてくれた手コキは普通の男なら誰もが死んで羨むぐらい最高な行為だったんだよ?」

 

「そうですか……では死にましたか?」

 

 ミカサは真顔で首を傾げながらシンジに聞き返す。その言葉の意味を理解したシンジは一瞬固まってから、苦笑いを浮かべた。

 

 ミカサの言う“死”とは恐らく、シンジの肉棒が萎えたか?という事を指しているのだろう。

 

 しかし結果はご覧の通り、未だ天に向かって聳え立ったままだった。

 

「ふぅ……どうやら、まだ元気みたいですね」

 

「う、うん……そうだね」

 

「……性欲猿」

 

「……み、ミカサ。良かったらもう一度だけしてくれないかな? 今度はその、ミカサの口でフェラしてほしい……」

 

 ミカサの放つ一言は聞こえなかった事にして、シンジは恐る恐るミカサに続きのお願いをする。するとミカサは呆れた様子を見せながらも、黙って再びシンジの肉棒を手で扱いてくれた。

 

「はぁ……仕方ありませんね。今回は特別ですから」

 

 ミカサは溜息を吐きつつシンジの元気な肉棒を手で包み込むと、今度は舌先でチロチロッと先端の亀頭に刺激を与え始める。

 

「うぁ……!」

 

 シンジはその心地良い感覚に身悶えて一瞬だけ意識が飛びそうになるのを何とか堪える。

 

 ミカサはそんな彼の反応を上目遣いで見てから、ゆっくりと唾液がぬちゃぁ……と糸引く口内を開けて肉棒を咥え込む。

 

 小さな唇でシンジの肉棒を包み込むと、そのままジュポジュポッと淫靡な音を立てながら頭を前後に動かして丁寧にしゃぶり始めた。

 

(んっ……やはりすごい大きさ……それにこの苦くて濃い味……これが人間(リリン)の味、生命の源……)

 

 初めて味わう雄々しい臭いと濃厚な味わいにミカサは無表情だったはずの頬をいつしか赤らめていく。

 

「んっ、んぐっ、じゅるっ……!」

 

「うぁっ……! そ、それやばいよミカサ……!」

 

 ミカサの舌使いはアスカやレイとは何もかもが違っていた。

 

 彼女の場合は一心不乱にシンジの肉棒を喉奥まで飲み込んでしまい、どこを責めれば男が感じるのかを的確に把握した上で行われる熟練のご奉仕そのもの。

 

 まるで飴玉を転がす様に丹念に裏筋やカリ首などを中心に舐めてから一気に吸い上げ、亀頭の部分にまで舌を這わせると、今度はそこを集中的に責め立てる。

 

 その余りにも巧みなテクニックにシンジは足腰をカクカク震わせ、早くも絶頂を迎えてしまいそうになった。

 

「ちゅぱっ、れろっ、ぴちゃっ……」

 

「うっ、あっ……! ま、まずい……!」

 

 ミカサが上目遣いで肉棒を舐め扱く度にシンジはどんどん追い詰められていき、遂に我慢の限界を迎える。

 

 ミカサはそんな彼の様子を察し、最後はバキュームの如く無防備な肉棒を口内でしゃぶり、洗い、啜り、吸ってから口を離した。

 

「うぁぁっ、射精る……ッ!」

 

「んぶっ……!」

 

 その瞬間、シンジの肉棒からは大量の精液が噴水の如く放出され、ミカサの顔や口、胸の谷間へと容赦なく降り注ぐ。

 

「はぁ、はぁ……ありがとうミカサ……すごく気持ちよかったよ」

 

 シンジは荒い呼吸を繰り返しながらミカサに感謝の言葉を告げる。

 

「……それはどうも」

 

 ミカサは口元や胸元から垂れ落ちるシンジの精液をそのままに、射精の瞬間少し口の中に放出された精液を自分の唾液と絡ませてから咀嚼していく。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……おいしくない」

 

 座り込んだままミカサはぼそりと呟いた。一方でシンジは彼女がごくりと精液を飲み込んだのを見て満足そうに微笑む。

 

「あはは……でも、ちゃんと飲んでくれたんだね。初めてなんでしょ?」

 

「別に……好きで飲んだ訳じゃありません。苦いし、臭いし、不味いし、気持ち悪いし……こんなのが好きなんて……ユイも姫もやはりおかしいです、みんな変態です」

 

 ミカサはぶつぶつ言いつつも、手に付いた精液も綺麗に舐め取って証拠隠滅を済ませる。

 

 口や態度では不快そうに文句を言いながらも、ミカサは何だかんだしっかりシンジの言う通り従順に性処理をしてくれていた。

 

 それが少し嬉しくて、シンジはミカサの唇を奪おうとするのだが……

 

 ミカサは寸でのところでサッとその行動に気付き、素早く身体を後ろに反らしてキスを回避する。

 

 シンジは避けられた事に驚き、目を丸くしてミカサを見つめるが、ミカサはそんな彼を相変わらずの冷めた目で見つめる。

 

 ミカサはシンジに対して何かしら特別な感情を抱いている訳ではない。だから彼女にとってこれはただの性処理であり、それ以上でもそれ以下でもないのだ。

 

 ……だからこそ、彼女はシンジに心を許す事は絶対にない。少なくとも、今はまだ……

 

「あの、ミカサ……なんかごめん」

 

「……いいえ、気にしてませんから。それより早く二人を起こして宿泊施設に戻りましょう。今日はもう疲れました」

 

 ミカサはそう言って立ち上がると、何事も無かったかの様に歩き出した。そんな彼女の後ろ姿を見て、シンジは複雑な表情を浮かべる。

 

 シンジはミカサに嫌われる事は望んでいない。むしろ好かれたいと思っているし、いずれは彼女もハーレムに加わってほしいと思ってさえいる。

 

 しかしシンジはミカサの気持ちには気付いておらず、その事が原因で彼女との距離感が上手く掴めないでいる。

 

 ……だからと言ってこのまま何も進展しないというのも良くないと思うのが、今のシンジの状況でもあるのだ。

 

(うーん……やっぱりミカサは何を考えているのかよくわからないや)

 

 シンジは一人思考を巡らせながら、慌ててミカサの後を追うのであった。

 

 

 

 

 

 ──その一方で、ミカサは……

 

(っ……危なかった。あのままキスを受け入れてたら、私もきっとラミエルのように彼のモノに堕とされて……♡)

 

 ミカサはドキドキする胸の鼓動を落ち着かせようと深呼吸を繰り返す。

 

 ……ミカサはシンジの事が嫌いではない。むしろ“好意を抱いてさえ”いる。

 

 しかしその想いが本当にミカサ自身のものなのかは、今の彼女自身にもよく分からなかった。

 

(雪風ミカサ……私は未だにあなたがよくわかりません。もしかして、あなたは私の事を本当は……)

 

 ミカサは、自分自身の心の内にある“彼女本人”の本当の想いに気が付き始めていた。

 

 しかし、今はまだその事実に向き合うのが怖くて……だからミカサは、シンジから逃げる様に走り出す。

 

(……いつかは私も、“使徒として”ミカサに対する答えを見つけないといけませんね。あぁタブリス……こういう時、私はあなたの自由奔放さが羨ましいですよ……)

 

 今はただ、“終わったはずの肉体”を提供する宿主様と奇跡を司る使徒という、この何とも不思議な運命共同体のままで居たいと願うミカサなのだった。

 

 




【次回予告】

使徒28柱が誇る最強の七大使徒、雷霆(らいてい)のラミエルがヒトの手に堕ちた。

それはすべての使徒に衝撃を与えるものだった。

人間の殲滅を企むモノ、人間との共存を望むモノ。

そこに共通するのは、ただ己の保身のみ。

……いま、反逆派に名を連ねる使徒たちが深夜の第3新東京市に集まる。

次回、『使徒、集会』


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使徒、集会

お待たせしました。最新話です。

今回はサブタイトル通り、ほぼ全ての使徒キャラが集結します!

まぁ漫画『学園堕天録』の原作にもあった、愉快な使徒たちお披露目会ですね(笑)

ちなみにこの中の何人かは、原作の漫画にも登場しないオリキャラの擬人化使徒になります。

また、AI挿絵は後日ひっそりと追加される予定です。


 

 ──深夜の第3新東京市内某所。とあるビルの内部には、複数の人間が集まっていた。

 

「──ガギエル、サンダルフォン、マトリエル、アラエル、アルミサエルが監視者(シェムハザ)の手によって既に殲滅された」

 

 広々とした部屋の中にいた一人の男性がソファに腰掛けたまま足を組み、高級感溢れるビジネスマンらしいスーツ姿で静かに語り始めた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 その男の名は──第13使徒レリエル。この世界の礎を支える生命の樹『世界樹(イグドラシル)』のシステムとして生きる事も死ぬ事もなくただ永遠にコアとして使われる悲惨な運命を拒絶し、この世界の神でもある第1使徒『アダム』に反逆した、使徒28柱に名を連ねる偉大なる第3使徒『ルシフェル』が企てた『使徒更生計画』という、壮大にして冒涜的な計画に賛同した数多くの堕天使達の一人だ。

 

 そして世界樹(イグドラシル)を裏切ったリーダーとなるカリスマ、ルシフェル無き今、レリエルは新たに『反逆派』と呼ばれる堕天使集団のリーダーとなった。

 

 そんなレリエルの言葉を聞いた他の使徒達は一斉にざわつき始める。使徒である以上、彼らは皆一様に己の意思を持たずにただひたすらアダムから与えられた命令を遂行するだけの機械人形に過ぎないはずだった。

 

 ……しかし、ここに集う者達は違う。彼らは偉大なる堕天ルシフェルの名の下、自らの意思で世界樹(イグドラシル)を去り、人間として地球上で自由気ままに生きたいと願ったのだ。

 

 ──そう、『使徒28柱』の中でも極めて異質な存在──彼らは人類の敵とされる使徒でありながらも、人類との共存を望む異端の存在だった。

 

 しかしその事実を知る者は極僅かしかいない。何故なら彼らの存在は人類にとって害悪そのものなのだから……

 

 ……だが、それには大きな間違いがある。彼らは決して人類を滅ぼすつもりで地球上に降り立ったのではない。ただ単に、この世界を存在させる世界樹(イグドラシル)のコアとして使われるのが嫌で逃げ出しただけにすぎない。

 

 しかしそれは同時に、この世界の神アダムへの反逆行為でもあった。アダムによって創り出された生命体である使徒28柱がアダムに逆らう事は即ち、この世界の死を意味するからだ。

 

 それ故にルシフェルの計画に賛同せずに世界樹(イグドラシル)に残った第20から第27までの使徒を除き、レリエルを含む地球上に降り立った使徒達の誰もが今まで必死になって監視者(シェムハザ)の手から逃げ続けていたのだが……

 

 ……どうやらその短い逃亡生活にも終止符を打つ時が近付いて来たようだ。

 

 第3使徒ルシフェルを筆頭とした『反逆派』の同胞達が次々に殲滅され、封印されしコアの状態で再び世界樹(イグドラシル)へと還元された事で、彼等はもう後戻り出来ない危機的状況に追い込まれてしまっていた。

 

「残る使徒はこの場に集まった我々だけか……少々侮り過ぎたかもしれない。最早手を拱いて見ている訳にもいかない」

 

 まるで大企業の会社を経営する社長の様な高級スーツを身に纏う茶髪の男に寄生したレリエルは冷静沈着な態度で淡々と言葉を紡ぐと、鋭い眼光を宿す双瞳で周囲の同志達を見渡した。

 

 すると別のソファに腰掛けて退屈そうに両足をぶらぶらさせていた幼い黒髪の女の子が口を開く。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ね~え~。ところでバルディエルはどこなの~? ここに来てないみたいだけど~?」

 

 ……まるでアニメに登場する美少女ヒロインの様に可愛らしい舌足らずな萌え声の持ち主だ。腰まで伸ばした黒髪をツーサイドアップにしており、赤いサイドリボンで可愛らしく装飾している。

 

 彼女は下着かと思うほどに露出度の激しい破廉恥極まりない格好をしており、首元に巻いた長めの赤いスカーフを宛らマントの様に身に纏う。

 

 幼さが残る小悪魔チックな少女の声を聞いてレリエル以外の使徒達は苦笑を浮かべると、先程までのシリアスな雰囲気を崩して一斉に話し始めた。

 

「バルディエルなら迷子だ。我々と同じく日本に降りずに、何故か一人でアメリカ行ってるそうだ」

 

 困った表情でやれやれと話すのは、綺麗な紫色の髪を腰まで伸ばしたネルフ学園とは違うお嬢様風の学生服に身を包む巨乳美少女だ。

 

 豊満な胸を窮屈そうに包む白いブラウスの上から季節外れの茶色いダッフルコートを羽織り、黒いミニスカートに黒いストッキングを履いた彼女はクールに部屋の壁に寄り掛かっている。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 彼女の名前は──シャムシエル。第15使徒であり、使徒28柱の中では比較的低い身分に位置する。基本的に使徒同士で仲良く行動する事もない自分勝手な者が多い使徒の中では、シャムシエルは珍しく良識的で仲間想いな使徒だったりする。

 

「いいよなぁ、“エリート”は俺ら“格下”と違って気楽でよぉ~」

 

 テーブルの上に行儀悪く座り、ボヤく様に呟いたのは暗色系の帽子を被った黒髪に眼鏡を掛けた若い身形の男だ。パーカーに長ズボンを着用し、見た目はチャラチャラした理系の不良っぽい格好をしている彼の名は──ゼルエル。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 シャムシエルと同様に『反逆派』の中では身分が低いながらも、“使徒最強”と言われる圧倒的な戦闘力で七大使徒からも一目置かれる存在だ。

 

 そんな二人の会話を黙って聞いていた黒い軍服を身に纏う金髪金眼の男が、窓辺に立ったままゼルエルを恐ろしく冷たい顔で睥睨する。

 

「………」

 

「っ……おいおい、ここじゃ冗談の一つも言えないのかよ」

 

 男の視線に気付いたゼルエルは面倒臭そうな様子で溜息を漏らす。するとソファに座って傍観していたリーダー格のレリエルが咳払いをして悪い空気を変える。

 

「第5使徒ラミエルと第19使徒タブリスは我々『反逆派』を裏切り人間(リリン)の手に堕ちた──それは紛れも無い事実と言えよう。そして第4使徒ラファエルも我々の動きに気付き、既にこの世界に干渉している可能性もあるという」

 

「……ッ!?」

 

 レリエルからの報告を聞いた他の者達が一斉に動揺し始める。それくらい、使徒28柱の中でも優れたエリート集団『七大使徒』に所属するラミエルとタブリスが人間側に寝返ったという事実は衝撃的なものだったのだ。

 

 特にレリエルの言葉を聞いたシャムシエルは『ラファエル』という名前に反応し、驚きを隠せないといった様子で目を見開く。

 

「まさか、あのラファエルが我々と同じようにこの地上世界に……!? 何かの間違いじゃないのか?」

 

 信じられないと言わんばかりに呆然と立ち尽くすシャムシエルを見て、レリエルは小さく鼻を鳴らす。

 

 確かに、普通に考えればレリエルの言葉はあり得ない事だろう。何故ならシャムシエルが“個人的に”良く知る第4使徒ラファエルはアダムに仕える事に喜びを感じ、決してアダムや世界樹(イグドラシル)の意思に逆らう様な性格には見えないからだ。

 

「私も驚いたよ。まさか、七大使徒に数えられる“あの”ラファエルともあろう高名な第4使徒までもがこの地上世界に──それも監視者(シェムハザ)と通じていたとはね」

 

 レリエルは腕組みをしながら、真剣な表情で言葉を続ける。すると……話を聞いていたゼルエルが突然テーブルの上に座ったままゲラゲラと下品に笑い始めたではないか。

 

「ヒャッハッハッハッハ! さすがはエリートの七大使徒サマだぜ! 序列2位タブリスと序列3位ラファエルが人間なんかの味方になり下がり、序列7位のラミエルは監視者(シェムハザ)に選ばれたばかりのガキに二度もやられたって話らしいじゃんか。ヒャハハ! お前ら使徒最強の七大使徒って言う割にはさ~、どいつも大したことないんじゃね~の?」

 

 まるで仲間を馬鹿にした様に面白く笑うゼルエル。するとソファに座って寛いでいた幼い黒髪の女の子が明らかに怒った様子で右手の指先から光のレーザービームをゼルエルの真横目掛けて放つ。

 

 『光のパイル』と呼ばれるその人間離れした技は彼女の代名詞であり使徒としての必殺技──そして憑依先の人間『天城サキ』としてアイドル活動する際に売り出したデビューソング『恋は光のパイル♡』にも採用されている。

 

「うっざぁ~。最強だとか言われるくせに未だ七大使徒にもなれない“力バカ”の雑魚雑魚ゼルエルが、よくもこの『エリート堕天使』サキエル様に舐めたクチ聞けるわよね~。クスクス。ざぁ~こ♡」

 

「んだと、テメェ!? ぶっ壊してやろうかぁッ!?」

 

「おい二人共、止めておけ。我々で仲間割れなんてしても意味がないだろう?」

 

 自らをサキエルと名乗る幼い女の子に煽られて頭に血が上るゼルエルだったが、シャムシエルが慌てて仲裁に入る。すると、その様子を今まで一言も喋らずに黙って見ていたファー付きの黒いコートを着た銀髪の美少年が口を開いた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「全く……久しぶりに使徒全員で日本に集まるというから、わざわざ妹を連れてイタリアから来てみれば……揃いも揃って“ロクでもない器”を選んだ奴ばかりで呆れるね」

 

 その名前は──イスラフェル。彼は一見すると美少女と見間違えてしまう程の美貌の持ち主だが、れっきとしたイタリア人男性の肉体に憑依した使徒である。

 

「君達が新しく手に入れた人間の器で好き勝手遊んでいる間に、僕は既に監視者(シェムハザ)の居場所をある程度は絞り込んだというのに」

 

 言いつつ部屋の中心に歩み出たイスラフェルが静かに周りの使徒達を睥睨する。

 

「イスラフェル……だが目星は付いていると言っても、現状では攻めようがないだろ? 我々よりも格上なラミエルまで、二度も監視者(シェムハザ)に負けているんだ」

 

 シャムシエルが冷静な口調で問い掛けると、イスラフェルは黒いコートのポケットに手を突っ込んだまま黙って佇む。その表情は自信満々と言った感じで、どこか余裕すら感じられる。

 

「だいたいよぉ、あの学校に目ェ付けたのお前じゃん。ヤバそうなの片っ端から潰せば?」

 

「僕はあくまで情報から推測しただけだ。面倒事は御免蒙る」

 

 ゼルエルが投げやりな提案をするも、イスラフェルは面倒臭そうに首を振る。どうやらイスラフェルとしてはあまり監視者(シェムハザ)と戦うのは避けたい様だ。

 

「これからもコソコソ隠れて生きるつもりか? そっちのが俺はゴメンだね。ずっと世界樹(イグドラシル)の一部としてあんな小さな玉っころに押し込められてきた分、完璧にぶっ壊してやらねーと気が済まねぇ」

 

 苛立った様子で吐き捨てるゼルエル。どうやら彼が地上に降りて人間の身体に寄生した理由はアダムや世界樹(イグドラシル)に対する強い恨みもある様だ。しかしそんなゼルエルにイスラフェルは咎める様な視線を向ける。

 

「ただ暴れたくて世界樹(イグドラシル)の外に出た君と一緒にするな。全く……君ももう少し頭の良さそうな器を選べば良かったのに……あぁでも、君にそんな能力はないか」

 

「なんだとぉ……っ!?」

 

 ゼルエルとイスラフェルの間に険悪な雰囲気が流れる。すると二人の様子を見兼ねて部屋の隅で佇むシャムシエルが口を挟む。

 

「やめないか。ゼルエル、イスラフェル」

 

「あっはは! 怒られてやんの~!」

 

 ゼルエルとイスラフェルのやり取りを見てサキエルが面白可笑しそうに笑い出す。ゼルエルも本来ならば今すぐにでもイスラフェルとサキエルを殴り飛ばしたい所なのだが、ここはグッと堪える。

 

 使徒28柱の中でも純粋な戦闘力は七大使徒に匹敵するとされるゼルエルではあるが、七大使徒に選ばれる条件は単純に力の強さだけではない。

 

 だからこそ下手に手を出して使徒同士の争いになれば、それこそルシフェルに認められる程のリーダー格レリエルはもちろん、七大使徒の中でも最強クラスの戦闘力を誇る先程の黒い軍服姿の金髪男──レリエルの用心棒であるサハクィエルの怒りを買う事になってしまう。

 

「……あの学園付近から他の使徒の気配を感じるのは確かだ。それが裏切り者のタブリスやラミエル──もしくはラファエルという可能性も無くはない」

 

 レリエルは頬杖を突いてソファに座ったまま、部屋の中を見渡して軽く溜息を漏らす。

 

「しかし肉体を持ってしまった以上、侵入出来る手立ては限られている。イスラフェル、その情報源たる君の片割れは──」

 

「妹は関わらせないと言ったはずだ」

 

 レリエルの言葉を遮り、鋭い眼光で睨み付けるイスラフェル。すると話を聞いていたシャムシエルが小さく肩を竦めて苦笑を浮かべて言う。

 

「おやまぁ。すっかり寄生した人間に“成り切っちゃって”──まぁいいんじゃないか? その分、兄の君が妹の分まで頑張れば」

 

「そうそう。たしか“チェチーリア”、だっけ? あの可愛い女の子、イタリアからやって来た天才歌姫とか言われてるクソ生意気な──」

 

「黙れサキエル。それ以上妹のことを口にしたら、いくら七大使徒の君だろうと容赦しない」

 

 サキエルが興味津々に口走った途端、イスラフェルが激しい怒りを込めて睨み返す。しかしサキエルは全く恐れた様子も見せない態度で「うひゃ~、お兄ちゃんこわ~い♡」と戯けて見せると、今まで一言も喋らなかった黒い軍服を身に纏う金髪の男がゆっくりと口を開く。

 

 それはまるで、この場にいる使徒達に語り掛けるかの様に。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「──見苦しいな。我々は使徒28柱の座を降りた反逆の堕天使。ならば偉大なるルシフェルの意思に従うのみだ。それに我々はアダムの創ったこの世界で人間と共存し、使徒としての自由を手にするのが最終的な計画だろう。ならばイスラフェルの片割れが我々に協力せずとも別に構わん。タブリスやラミエル、そしてラファエル──みな世界樹(イグドラシル)を放棄して自由に生きたいと願った者達だ──そうした意思は尊重せねばなるまい」

 

「うわ、サハクィエルってば相変わらず真面目過ぎ~。せっかく人間の身体を手に入れたんだしぃ、もっと気楽にいこうよ~」

 

 サハクィエルと呼ばれた軍服男の発言を茶化すサキエル。すると今度はレリエルがサキエルの軽率な言動に釘を刺す。

 

 サハクィエルは七大使徒の序列4位にして、反逆派リーダーのレリエルの次に高いカリスマ性を持つ。そして、この場に集まった使徒達にとっても恐ろしい存在だった。

 

 ……だからだろうか。使徒達は誰もサハクィエルの言葉を否定できず、ただ黙って俯くしかなかった。

 

「サハクィエルの言う通りだ。このまま監視者(シェムハザ)に狩られるのを待つ訳にもいかないだろう。我々使徒が望んでいるのは人間を滅ぼす事ではなく、人間としての平穏な生活だけなのだから……」

 

 レリエルは小さく呟いて腕組みをすると、真剣な表情で使徒達の顔を見渡す。

 

「──まずは監視者(シェムハザ)の拠点を突き止める事を最優先事項とする。そしてラファエル──もしあの使徒が我々の動きを邪魔するのなら、速やかに排除せねばならない」

 

 その言葉を聞いた瞬間、使徒達の顔付きがそれまでと一斉に変わる。この場に集まった使徒達にとって、第4使徒ラファエルは同胞の一人であると同時に、世界樹(イグドラシル)に縛られるのが嫌で逃げ出した自分達を連れ戻す為にアダムの指示で地上世界に降り立った裏切り者に他ならない。

 

 『反逆派』に連ねる使徒達の狙いはラファエルの始末とタブリスとラミエルの捜索並びに交渉、そして監視者(シェムハザ)の本拠地探しの三つに絞られた。

 

「──では諸君、今日の使徒集会はこれで解散とする。各自行動に移ってくれ」

 

 ソファから立ち上がるレリエルが話し合いの終わりを告げると、他の使徒達が続々と部屋を出て立ち去って行く。

 

 こうして、それぞれの思惑を抱えたままに使徒達の集会は終わった。

 

 

 

 

 

 そして──

 

「は~、やっとミーティング終わった~。じゃあアメリカまでバルディエルを迎えに行こ? きっとあの迷子、お腹空かせて待ってるよ」

 

 サキエルが呑気に伸びをしながら言う。すると静かに佇んでいたサハクィエルがサキエルに歩み寄り、彼女の頭に黙って手を置いた。

 

「フッ……そうするとしよう」

 

 サハクィエルはクールな微笑を浮かべるが、すべての感情を失ったその金色の瞳は暗く冷たい底無しの闇の様な印象を与える。

 

「えへへ……ありがと。さっすがサキのパパだね♡ 頼りになるぅ」

 

 頭を撫でられて嬉しそうに笑うサキエルは、そのまま黒い軍服に身を包むサハクィエルの腕を掴んで無邪気に抱き着く。

 

「ねぇ、イスラフェルも一緒に行く? サキね、アメリカ行ったらラスベガスでカジノやって豪遊してみたい!」

 

「っ……いや、僕は遠慮しておく」

 

 サキエルが笑顔で誘うも、イスラフェルは素っ気なく答える。するとサキエルは少し寂しそうな顔をしたが、すぐにまた明るい笑みを浮かべた。

 

「……そっか。もうすぐ次の舞台公演が近いんだもんね。サキはオペラとか詳しくないからわかんないけど」

 

「そういう君こそ、随分と忙しい毎日を送っているそうじゃないか。電脳の海に颯爽と現れた最強のエリートアイドル配信者──“天城サキ”だったかな?」

 

「あれ~? アンタってば意外とネット配信とか見てるんだ。おっこちゃま~、プークスクス♪」

 

 サキエルが小馬鹿にした様にわざとらしく嘲笑すると、イスラフェルは思わず嫌々そうな顔で舌打ちする。

 

「妹が──“セス”がそういうのに興味を持ち始めてね。全く……あの大人気ネットアイドル天城サキの正体が自分と同じ使徒だと知ったら、一体どんな反応をするのか……想像するだけで笑えるよ」

 

「あはは! 言えてる~」

 

 イスラフェルの発言を聞いて笑い声を上げるサキエル。その二人の様子を遠巻きに眺めていたサハクィエルは、心の中でふと思う。

 

(ラファエル……本当に我々の敵になったのか?)

 

 しかしそれ以上は何も言わず、ただ黙って部屋を出ていく二人の対照的な後ろ姿を見送るだけだった。

 

 

 

 

 

 ──その頃、人工進化研究所内に用意されたラミエルの部屋には一人の来訪者が訪れていた。

 

 その人物とは監視者(シェムハザ)のフォースチルドレン、雪風ミカサである。彼女はネルフの副司令である碇ユイの指示で、使徒28柱を裏切る形でネルフの保護観察対象となった使徒ラミエルの面倒をこうして見ている。

 

 ネルフ学園の制服を着たミカサが部屋の中に入ると、一人用のベッドに腰掛けてピンク色の携帯電話を弄っているラミエルへと声を掛ける。

 

 ちなみにこの携帯電話はラミエルが寄生する前の持ち主である金髪の若い女子大生が持っていたものではなく、ネルフが新しく連絡兼監視用に用意したものだ。

 

「──ラミエル、調子はどうですか?」

 

「ん~、欲求不満って感じぃ~? やっぱ毎日エッチしてないと身体が疼いちゃうっていうかぁ~」

 

 携帯を閉じて退屈そうに欠伸を漏らすラミエルは、自分の太腿をいやらしく指でなぞりながら妖艶な笑みを浮かべる。

 

「ねぇねぇ、シンジ君とエッチしたんでしょ? 私も今度混ぜて欲しいんだけどぉ♡」

 

「……残念ですが、シンジ様は当分ここに来ませんよ。それに今のあなたと彼を引き合わせるつもりもないです」

 

「えぇ~、なんでよぅ!?」

 

 ミカサの淡々とした言葉を聞いた途端、不機嫌そうに頬をぷくぅと可愛らしく膨らませるラミエル。

 

「いいじゃん別に。私だって最初に寄生した身体捨てて今のオンナに乗り換えて、ようやく人間としての生き方を見つけたんだよ? それならオンナとして、シンジ君みたいなすごいおちんぽと毎日ヤりたいって思うのは当然じゃない?」

 

「……ノーコメント。それより、今日は大事な話があって来たんです」

 

 ミカサはラミエルの言葉をさらりと受け流すと、真面目な表情を作って口を開く。

 

「……使徒集会、だよね? 今日はやけに身体がビリビリ感じるし……もう日本(こっち)に来てるよ、みんな」

 

 するとラミエルは先程までのだらしない態度から一変、真剣な眼差しで姿勢を正す。

 

 ラミエルは地上に降り立った使徒28柱の中でも特に積極的に活動していた使徒だ。今の身体を手に入れる前には何度かレリエルが招集する使徒集会に参加した事もある。

 

「やはり気付きますか。残り少ない使徒が日本に集まった以上、いよいよレリエル達も動き出す頃でしょう」

 

「うん。それで、あなたはどうするの?」

 

「──地上に逃げ出した使徒の世界樹(イグドラシル)への還元。それがアダムから特別に与えられた私への任務です」

 

 ミカサの言葉を聞いてラミエルは一瞬悲しげな様子を見せたが、すっと立ち上がってミカサの耳元に唇を寄せる。

 

「ねぇ……ほんとにそれでいいの? 監視者(シェムハザ)として使徒を殲滅するってことは、いずれ私やあなたもせっかく手に入れた女の子の肉体を捨てて、何も話せない動けないコアの状態に還らなきゃいけないってことなんだよ?」

 

 ラミエルの囁きに、ミカサは答えなかった。しかし、その沈黙こそがラミエルの問いに対する彼女の意思の表れでもある。

 

「言っとくけど、私はそんなのイヤだからッ!せっかく人間として自由に生きていけるようになったんだから、人間と争わずにずっとこのまま幸せでいたいよ……っ!」

 

「………」

 

 涙目で訴えるラミエル。しかしその願いを聞き入れる事は出来ない。何故なら雪風ミカサは肉体を得る為に“人間を殺している”ラミエル達他の使徒とは違って“生きた人間”に寄生している状態であり、その正体はありとあらゆる病気や怪我を治してしまう能力を持つ、癒しを司る第4使徒ラファエルでもあるのだから……

 

「……私は神器(エヴァ)に選ばれし監視者(シェムハザ)として、これからも敵対する使徒を殲滅します」

 

 ミカサは淡々とそれだけ言うと、ゆっくりと踵を返して部屋を出ていった。そしてラミエルは殺風景な部屋の中でただ一人、静かに涙を流す。

 

「……嘘つき。あなたの“宿主は”きっと泣いてるよ、ラファエル……」

 

 どこか納得のいかない複雑な表情で呟き、ラミエルは部屋の天井を見上げる。そしてしばらくそのまま呆然としていると、ふと思い出した様にポケットに手を入れてピンク色の携帯電話を取り出した。

 

 そうして画面に映し出されるのは、天使の様な可憐さと悪魔の様な妖艶さを併せ持つ一人の幼い黒髪をツーサイドアップにした女の子の姿。

 

 『天城サキ』の芸名で知られる大人気インターネットアイドルの画像をじっと見つめるラミエルは、やがて覚悟を決めた様な面持ちを浮かべると、静かに立ち上がった。

 

「……よし。決めた!」

 

 そう言って小さくガッツポーズを取るラミエル。

 

「私が使徒を探し出して、みんなを説得すればいいんだ! 私が殲滅されずに保護観察処分なんだから、きっと他の同胞も上手いこと話を付けられれば、ネルフの保護下で全員仲良く幸せに暮らせるはず!」

 

 明るい笑顔で楽観的な事を言い放つラミエル。その泣き濡れた青い瞳にはもう迷いの色は無かった。

 

 ──こうして、新たな戦いに向けてそれぞれの思惑を抱いたまま、運命の歯車は静かに回り始めるのだった。

 

 




【次回予告】

町内会の夏祭りに参加するシンジたち。

シンジは浴衣姿のアスカと夏祭りを巡って屋台で対決する。

人混みの中はぐれたアスカを探してシンジは一人歩き回る。

その頃アスカは見ず知らずの男達に絡まれ、神社の中へと連れ込まれてしまう。

焦るシンジは無事にアスカを取り戻し、素直な気持ちを伝える事はできるのか?

次回、『夏祭りの夜 前編』



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夏祭りの夜 前編

お待たせしました。最新話です。

すみません……予定よりもアスカとのエロシーンまで長引いてしまい、前後編に分けます(汗)

今回は原作の育成計画と少し展開を変えてみました。

浴衣姿のAI挿絵はまた後日追加予定……


 

 ──今日は神社近くの広場で行われる町内会の夏祭りの日。

 

 日も暮れた宵闇の中、お祭り広場に集まったシンジ。ぼんやりと光り出す提灯と賑やかな祭り囃子が夏らしい雰囲気を醸し出している。

 

 何処からか聞こえる大きな太鼓の音に子供達のはしゃぐ声。そしてお祭り広場に立ち並ぶ屋台からは食欲を刺激するソースや醤油などの匂いと煙が立ち昇る。

 

 そんな祭りらしい音色と熱気に包まれながら、シンジは広場の入口で一人寂しく立ち尽くす。

 

(……おぉ、今年の夏祭りは去年よりも人でいっぱいだ)

 

 シンジは一年ぶりに見る夏の風物詩と言える光景に感嘆の声を漏らす。毎年の事ながら、お祭り会場となる広場の中は今まで見た事の無い人混みで溢れていた。

 

 いつもならこの辺りに住んでいる人達しかおらず、ここまで人が密集する事はない。

 

 ……だが、今日だけは違う。一体これだけの人間がこの町の何処に潜んで居たのかと言いたくなる程の圧倒的な人波。

 

 広場の中心には一際目立つ大きな櫓があり、その周りを囲む様に様々な出店が並んでいる。普段は閑散としている神社の境内にもたくさんの露店が立ち並び、今年も非常に多くの人で賑わっている。

 

 これぞ夏祭りだよなぁと嬉しく思いつつ、シンジは胸を高鳴らせていた。

 

(アスカの奴、遅いな……待ち合わせ時間とっくに過ぎてるのに)

 

 腕時計を見てみるが、時刻は既に夜の18時を過ぎている。集合時間は5時半だったので既に30分以上遅れている事になるのだが、待ち人は未だ現れる気配が無い。

 

(こんな事なら綾波さんの着付けが終わるまで家で待ってれば良かった……)

 

 そう思うものの後の祭りである。ちなみにレイは生まれて初めての夏祭りらしく、自宅のマンションでユイに浴衣を着付けして貰っている最中だ。

 

 シンジは当初レイを待っていたのだが、なかなか浴衣の帯を結べないレイから「惣流さんを待たせているんでしょう……? 先に行ってて。おばさまと一緒に後から追い付くから」と言われた為、アスカを待たせるのはまずいと思い一足先に待ち合わせ場所に来たのだ。

 

 しかしあれから30分も時間が経ち、アスカは一向に来る気配が無い。携帯電話に連絡を入れてみても返事は無いし、メールを送っても返信が来ないのでシンジは完全に待ち惚けを食らっていた。

 

(まさかとは思うけど……急に来れなくなったとかじゃないよな?)

 

 流石に心配になってきたシンジ。するとその時、前方から見覚えのある三人組が歩いて来た。

 

「なんやセンセ、今日は一人なんか?」

 

 ──トウジとケンスケとヒカリの三人だった。どうやら三人で祭りを回っているらしい。

 

「あ、トウジ、ケンスケ……! それに委員長も……!」

 

「おっす碇! 今日も毎年恒例の“アレ”やりに来たんだろ?」

 

 ケンスケの言う──アレ。それはシンジ達がネルフ学園の初等部に入学した時から続く、夏祭り実行委員会を毎年大いに震え上がらせるシンジとアスカ両名による激闘の屋台巡りの事である。

 

 実を言うと……シンジとアスカは町内会では名の知れた『祭りの鬼』と呼ばれるほどの祭り好きである。

 

 『型抜きのシンジ』の異名を持つシンジは持ち前の器用さでありとあらゆる型を抜き、祭りの度に型屋を毎年破産させ、ついにはシンジ対策として型屋への出入り禁止処分が夏祭り実行委員会で決定されたほどには恐ろしい怪物である。

 

 方や、その破壊力で絶対不可能と言われる的さえ撃ち落とし、この数年間で射的屋が出していた全ての景品をせしめたという前人未到の怪物──『射的の惣流』。

 

 その恐ろしさはアスカ対策として、去年から射的屋の出店が祭り広場から完全に消えたと聞けばどれほどの事か分かるだろう。

 

「まぁね。だからこうしてアスカを待ってるんだけど──」

 

 言い掛けたところで、綺麗な浴衣姿に身を包むレイとユイが並んで歩いて来たではないか。

 

「お待たせ、シンジ♡」

 

「碇くん……遅れてごめんなさい」

 

 二人の美女の登場により、周囲の人達の視線が一斉に集まる。特に男性の嫉妬の眼差しは凄まじく、殺意すら感じられる程だ。

 

 シンジはそんな男性達からの殺気に怯えつつも、浴衣姿に着替えた二人の元へ駆け寄る。

 

 レイの浴衣は青色に花柄をあしらった大人っぽいデザインであり、普段の清楚な雰囲気と相まって実に良く似合っている。

 

 一方のユイは白色を基調とした花柄デザインの浴衣で、こちらも人妻兼母親のユイらしい落ち着いた感じが良く似合っていた。

 

 二人はシンジの前に立つと、それぞれ違った魅力を放つ微笑みを浮かべながら言った。

 

「ふふっ……どうかしらシンジ。久しぶりに浴衣着てみたのだけど」

 

「碇くん……私も変じゃないかな……?」

 

「ぁ……う、うん……母さんも綾波さんも、二人ともすごく似合ってるよ」

 

 シンジは照れ臭そうに頬を掻きながら答える。それを聞いたユイとレイは嬉しそうにお互い顔を見合わせると、今度は驚いた事に二人で仲良くシンジの両腕に抱き着いた。

 

「「シンジ(碇くん)……嬉しい♡」」

 

 まるでイチャイチャっぷりを見せ付けるかの様に公衆の面前で大胆密着する親子に、周囲からの羨ましく思う嫉妬のボルテージはぐんぐん急上昇していく。

 

 一方シンジはというと、両腕に伝わる柔らかい感触にドギマギしていた。

 

(うわ、やばっ……!? 二人とも浴衣だからか、下着を何も着けてないって事がすぐ伝わるくらいにおっぱい柔らかくて気持ち良い……っ!)

 

 そんな事を考えながら、シンジは必死で表情を変えない様に堪えていた。だが、我慢すればするほど逆に顔は赤くなっていく。

 

 するとそんなシンジの心中を察したのか、ユイとレイはくすっとした笑みを浮かべると、わざとらしく腕に胸を押し付けた。

 

 その瞬間、シンジの心臓は爆発寸前まで高鳴り始める。何故ならシンジは自宅にいる時に二人の生着替えシーンを直接見せて貰い、既に知っているからだ。

 

 ユイとレイが現在、浴衣の下には何も身に着けていないというムフフな事実を……

 

 するとその時、聞き覚えのある元気な声が響き渡る。

 

「な~に鼻の下伸ばしてんのよ、バカシンジ!」

 

 声に驚き慌てて振り返ると、そこには待ち人のアスカが立っていた。アスカは今日が夏祭りという事もあり、普段着ない浴衣姿だ。

 

 桜色の生地に綺麗な花柄が描かれた可愛らしいデザインの浴衣を着ている。

 

(うわ、今日のアスカめちゃくちゃ可愛い……!)

 

 思わず見惚れてしまうほど良く似合っている幼馴染みの姿に、シンジの顔はますます自然と緩んでしまう。

 

「……何ニヤついてんのよ。っていうかあんた、あたしに何か言う事あるんじゃないの?」

 

 アスカは少し不機嫌そうな様子で詰め寄って来た。シンジはその迫力に押され、思わず後退りしてしまう。

 

 ……ちなみに、ユイとレイの胸の柔らかさに興奮して股間まで膨らませていた事に関しては流石に黙っておく。

 

 ユイやレイと並んで私服姿のシンジを取り囲むアスカは、何やら意味ありげにシンジを上目遣いでもじもじと見つめてくるではないか。

 

 シンジは一瞬アスカの可愛らしい浴衣姿を素直に褒めようとしたが、それよりもまず30分以上も待たされた事に腹を立ててしまう。

 

「アスカ……来るの遅いって。待ち合わせ時間とっくに過ぎてるんだけど?」

 

「は、はぁ? 何それ、せっかくあんたの好きそうな浴衣を着てきてやったのに、文句言うわけぇ? 信じらんない、マジありえないんだけど!?」

 

 シンジの余計な一言で不機嫌モードだったアスカの怒りは沸点に達してしまった様だ。見る見るうちに顔を真っ赤にして怒り出す。

 

「……別に僕は浴衣を着たからとか関係無く、いつも通りアスカが来てくれればそれで良かったんだよ。ただそれだけなのに……」

 

 シンジはつい本音を漏らしてしまったのだが、それが今はいけなかった。

 

「……っ!? もういいッ! バカシンジなんて知らないッ! 勝手にその二人とどっかに行っちゃえば!?」

 

 シンジの言葉をどう解釈したのか、アスカは更に怒ってぷいっとそっぽを向いてしまった。気のせいか、アスカの瞳にはきらりと涙の雫が光っている様にも見える。

 

(……え? あれ? なんで僕、こんな事になってるの……?)

 

 予想外過ぎる展開に、シンジはどうして良いのか分からず呆然と立ち尽くす。するとシンジ以外の全員が呆れた様にやれやれと溜息を吐いていた。

 

「碇……お前なぁ……今のはいくらなんでもデリカシーなさすぎだって」

 

「まぁ……今のはセンセが悪いわな」

 

「アスカが可哀想……」

 

 トウジとケンスケとヒカリの三人はアスカを慰める為か、揃って彼女の元へと近付いて行く。

 

 しかし当のアスカはと言うと、三人の心配など必要無いとばかりに、ぐすっと小さく泣き声を漏らしてから足早に人混みの中に潜り込もうとする。

 

「──シンジ、アスカちゃんに付き添いなさい。良いわね?」

 

「あ……う、うん。分かったよ」

 

 有無を言わせない口調でユイから命令され、みんなと別れたシンジは慌ててアスカの後を追い掛ける事に。

 

 

 

 

 

「お~い、待ってよアスカ!」

 

 はぐれてしまいそうな人混みの中を駆けて行くアスカの背中に向かって声を掛けるが、返事は無い。それでもシンジは懸命に追い掛けようやく追い付くと、アスカの華奢な手を離さないとばかりに固く握り締めた。

 

「っ……離しなさいよ」

 

「嫌だよ。アスカに謝るまで絶対この手を離すもんか」

 

 シンジの手を振り払おうとするアスカだったが、シンジも負けずに握った手を強く握り返す。しばらくそんな意地らしいやり取りが続いた後、ついに観念したのかアスカが振り向いてぽつり呟く。

 

「……ごめん、シンジ」

 

「僕の方こそ、ごめん……」

 

 二人はお互いに謝罪すると、どちらともなく顔を見合わせる。そして照れ臭そうに小さく笑い合うと、そのまましっかりと手を繋いだまま並んで歩き出した。

 

「……ねぇシンジ。今日は……その、二人で“普通のお祭り”らしいこと……してみない?」

 

「わかってる。実は僕もそう考えてた……行こうか、アスカ。人混みすごいからはぐれちゃ駄目だからね?」

 

「うん、ありがとシンジ……♡」

 

 二人は互いに微笑み合いながら、仲良く恋人繋ぎで露店が並ぶ境内の方へ向かって歩いて行く。

 

「アスカは何か食べたいものとかある?」

 

 シンジは人混みの喧騒に紛れて消えてしまいそうなほど小さな声で訊ねた。するとアスカはシンジの質問に対して首を横に振って答えると、おねだりする様な甘えた声で言う。

 

「ん~。シンジと一緒なら、何でも良いわ」

 

「そっか……じゃあとりあえず、適当に歩いてみるか。何か良さそうな物があったら買ってあげるよ」

 

 シンジの提案にアスカは嬉しそうに微笑むと、きょろきょろと辺りを見回す。やがて気になる屋台を見つけたらしく、アスカはシンジの袖をぐいぐい引っ張って指差しながら告げる。

 

「じゃ、じゃあ……あれがいい」

 

 アスカが指差した先には綿菓子を販売している露店が見えた。アスカはシンジの手をぎゅっと強く握ると、もじもじと恥ずかしそうに俯きながら言った。

 

 その仕草がとても可愛らしくて、シンジは思わず見惚れてしまいそうになる。

 

「綿菓子か……ははっ、そう言えばアスカは子供の頃から綿菓子好きだったよね」

 

「だって……あたしがドイツから日本に引っ越して来て、初めて参加した夏祭りで食べたのが綿飴だったから……こんな食べ物ドイツじゃ見ないし」

 

 懐かしそうに言うと、アスカはふふっと笑みを零す。どうやら好きな綿菓子を買って貰えると聞いて機嫌が直ってきたようだ。

 

 シンジはアスカを連れて露店の前までやって来ると、店員にお金を払って注文する。シンジは袋に入った大きな綿菓子を受け取ると、笑顔でアスカに手渡した。

 

「あ、ありがと……」

 

 アスカはシンジに礼を言うと、早速手にした綿菓子を舐めながら二人で人混みの中をゆっくりと進んでいく。

 

「んっ……甘いわ♪」

 

 口の中で溶けていく砂糖たっぷりのお菓子を幸せそうな表情で味わうと、ふぅ~っと満足気に息を吐き出すアスカ。そんな姿を見たシンジは思わずドキッとして頬を赤く染めてしまう。

 

(あれ……? なんか今、アスカの唇が妙に艶々してて、すごく美味しそうだなって……)

 

 つい邪な考えが浮かんでしまい、シンジは慌ててブンブンと掻き消す様に頭を左右に振る。だが、一度芽生えた性的欲求は中々収まらない。

 

「ん? どうしたのよ、シンジ?」

 

「な……何でもないよ!」

 

 不思議そうな表情を浮かべるアスカに対し、シンジは何でもないフリをして誤魔化すと、慌てて視線を逸らす。浴衣姿だからなのか、普段のアスカよりも数段魅力的に見えるせいでシンジの心臓はかつてないほど激しく脈打っていた。

 

(やばいなこれ……ちょっと落ち着かないと)

 

 シンジは何とか平静を取り戻す為に深呼吸を繰り返していると、今度は小さな子供達で賑わう金魚すくいの露店を見付ける。

 

 するとアスカは子供の様に目を輝かせながら、シンジのTシャツをくいくいと引っ張り、興奮気味な様子で話す。

 

「シンジ! 金魚すくいやるわよ!」

 

「えっ……でもアスカってこういうの苦手じゃなかったっけ?」

 

 シンジは呟きつつ、アスカは昔から型抜きや金魚すくいなどの頭を使うタイプは下手くそだった事を思い出す。

 

「むぅ~……いいの! あたしがやりたいって言ってんだから!」

 

 アスカは駄々っ子みたいにシンジの腕を引っ張って催促してくる。その様子があまりに子供っぽくて可愛かったので、シンジはついつい保護者の態度で了承してしまった。

 

「わかったよ──おじさん、お願いします!」

 

 シンジは子供達に混ざってアスカと一緒に屋台の前にしゃがみ込むと、店主のおじさんからポイとお椀を受け取って代金を支払う。

 

「おっ、来たなアスカちゃん。にしても今年はまた随分と気合入った可愛い浴衣着てるねぇ」

 

「ふふん! ありがとう、おじさま♪」

 

 毎年の常連客でもあるアスカは慣れた手つきでポイを構え、いざ真剣な眼差しで水槽の中の金魚に狙いを定める。そして……

 

「──そこだぁぁぁッ!!」

 

 気合いの入った叫び声と共に、アスカは勢いよくポイを水中に突っ込んだ。

 

「あ……破れた」

 

 しかしアスカが狙った一際目立つ大きな赤い出目金はあっさりと紙の部分を破って無残にも水の中に沈んでしまう。

 

「ほら、やっぱり。もう諦めたら?」

 

「嫌よ! まだあと一回チャンスはあるもん!」

 

 昔からアスカは負けず嫌いな性格なので、一旦こうなると意地になってなかなか引き下がらない。

 

「はっはっはっ! 毎年シンジ君に取って貰ってるアスカちゃんの腕じゃ、あの出目金は無理だろうなぁ。何せヤツはこの数年間、水槽に留まり続けるウチのヌシだからな。なぁ、シンジ君?」

 

「えっ? あ、まぁ……そうですね」

 

 何やら意味ありげな含み笑いをする店主の言葉にシンジは苦笑しつつ同意した。

 

 ……実はシンジ、この屋台で何度もアスカに付き合って金魚を掬い続けた結果、その余りの洗練された頭脳プレイと獲得した金魚の多さに『水槽の救世主』という異名まで付けられてしまった過去がある。

 

「う~……そんなの絶対取らなきゃ気が済まないわ……シンジ、もう一回よ!」

 

 アスカは悔しそうに歯噛みすると、再びポイを構える。しかし結局その後もヌシを狙って失敗してしまうのであった。

 

 それからもアスカはシンジのお金で挑戦を続けたのだが、結果は散々なもので、彼女はすっかり不貞腐れてしまった。

 

 しかしシンジはそんな彼女の姿を見ているうちに、だんだんと可哀想に思えてきてしまい、とうとう我慢できなくなって言ってしまう。

 

「ねぇアスカ……そんなに欲しいなら、僕が代わりにやってあげようか?」

 

「へっ!? あ、あんたが……?」

 

「うん。まぁ、見ててよ」

 

 シンジは自信満々に言い放つと、素早くポイを水面に下げて構える。そして……

 

 ──バシャァン!!

 

 あっという間に一匹の出目金を捕らえた。突然の出来事に呆然とするアスカと感心する店主の前で、シンジは捕まえた金魚の袋を取り出してアスカに見せる。

 

 その瞬間、周囲のギャラリーからは歓声が上がった。アスカはそんな周りからの拍手を浴びて恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にして俯いてしまう。

 

 シンジはそんなアスカの手を掴むと、あと一回分残っているポイをアスカの手に持たせ、その上からそっと手を添える。

 

 そしてシンジは優しく微笑み掛けると、まるで恋人に囁く様な甘く優しい口調で言う。

 

「アスカ、僕の言う通りに動かしてみて……いいね?」

 

「う、うん……」

 

 シンジの吐息が耳元に掛かる程の距離で話し掛けられた事で、アスカは余計にドキドキして身体が熱く火照るのを感じながら小さく返事をした。

 

「まずはゆっくり……そう、上手だよ。次は……そう、水槽の中をじっくり観察して……」

 

「う、うん……」

 

「そう、ヌシの動きに集中するんだ。周回パターンをよく読んで、ポイントとタイミングが一致した瞬間にケリを着ける……いいね?」

 

 シンジはアスカの手を動かすスピードを徐々に上げていき、ついには完全にシンクロさせて動きを一つにする。

 

 するとシンジが手を握るアスカの操るポイによって、水槽の中を我が物顔で泳いでいたヌシは危機を脱したとでも思ったのか、警戒心を解いてUターンしようと動きが疎かになる。

 

 それを見届けるとシンジは目を煌かせ、アスカのポイを持つ手に力を込めて一気に構えさせる。

 

「よし……今だ!」

 

「待ってました! 必殺! ジャイアントストロングエントリー……ッ!!」

 

 シンジの掛け声に、アスカはノリ良く叫ぶと勢いよく浴衣の袖に包まれた腕を振り上げる。するとアスカの握っていたポイは最初から計算され尽くした動きで見事に誘い込まれたヌシを貫いた。

 

「や、やったわシンジ! あたしにもできた!」

 

 見事金魚すくいでヌシを捕まえる事に成功したアスカはとても嬉しそうな笑顔を浮かべると、早速袋の中に入ったヌシを見て大いにはしゃぎ始める。

 

 周囲のギャラリーが拍手喝采する中、子供らしさ全開で喜ぶ彼女の様子をシンジは微笑ましく見つめていた。

 

 その後もアスカはシンジを連れ回して色々な露店で遊び回った後、最後に境内の端にある休憩所までやって来た。

 

 そこはベンチがいくつか置かれているだけの簡素な場所で、祭りのメインイベントとなる櫓下での打ち上げ花火が近いせいなのか、人の姿はそれほど見られない。

 

 シンジとアスカは空いているベンチに並んで腰掛けると、互いに寄り添いながら静かに話し始めた。

 

「楽しかった……あたし、こんな風に誰かと二人っきりで普通のお祭りを楽しんで回るなんて、今まで一度も無かったから」

 

「そうだよ。アスカってば毎年ムキになって僕に屋台勝負をしようと挑んでくるし……まぁ、お互いの得意分野が違うから今まで直接対決した事はなかったけどさ」

 

「うぅ……だって、シンジに負けたくないんだもん」

 

「ふふっ、嬉しいこと言ってくれるじゃん」

 

 シンジは言いつつアスカの肩を抱き寄せると、空いている方の手で頭を優しく撫でてやる。するとアスカは気持ち良さそうな表情で目を蕩けさせ、されるがままになっていた。

 

 そんな幸せそうな彼女を見ていると、シンジの心の中には自然と温かい感情が湧き上がってきて、ついつい頬が緩んでしまう。

 

「ところでどうするのさ、コレ……」

 

 シンジは視線を落とすと、自分の足元に置かれた大量の白いビニール袋を見下ろし、困った様に呟く。中には先程の屋台で購入した焼きそばやお好み焼き等の定番メニューの他にカチワリやスブラキ、ベビーカステラが入っているのだ。

 

 最初は二人で分け合って食べようと思っていたのだが、シンジはついつい美味しそうに食べるアスカの表情を見ている内に食欲を抑えきれず、結局自分でも注文してしまった。

 

 更には金魚すくいやヨーヨー釣り、輪投げにくじ引きといった様々なゲームで獲得した景品も大量に抱えているせいで、二人とも完全に手が塞がっていた。

 

「ん~……もうすぐ打ち上げ花火が始まる時間だし、こんなにたくさんの荷物ぶら下げてたら何もできないわよね……」

 

 アスカは呟きつつ、シンジにくっついて甘える様に頭をすりすりと寄せてくる。そんな彼女の仕草が可愛らしくて、シンジは思わずドキッとしてしまう。

 

「ぁ……えっと、じゃあ……祭りの実行委員の人に知り合いがいるから、祭りが終わるまでちょっと預かって貰ってくるよ。アスカはそこで待ってて? すぐ戻って来るから」

 

「そう? ありがと──」

 

 アスカが言い終える前に、シンジは両手いっぱいの荷物を持って走り出した。人混みの喧騒の中へと消えていくシンジの後ろ姿を見ながら、アスカは寂しげに溜息を漏らす。

 

(まったくもう……何なのよアイツは……せっかくのラブラブお祭りデートなのに、あたしの浴衣姿見て“可愛い”の一言も言ってくれないなんて……たしかに待ち合わせ30分遅れちゃったけど、ママに買って貰ったとびっきりの浴衣なんだから、ちゃんと見て欲しかったな……)

 

 アスカは拗ねた子供の様に唇を尖らせると、まだ微かに残るシンジの香りを思い出して頬を赤らめる。

 

「バカシンジ……♡」

 

 アスカは小さく呟くと、彼の帰りを待つ為にシンジが座っていたベンチにわざわざ移動してちょこんと座り、空に浮かぶ満天の星を眺め始めた。

 

 するとそこに──

 

「うっひょ~! かわい子ちゃん発見!」

 

「しかも超絶美人! ねぇねぇ君、もしかして一人? 俺達と一緒に遊ぼうぜぇ?」

 

「へへっ、こんな可愛い浴衣着てるとかマジ最高だな!」

 

 いかにも軽薄そうなチャラ男三人組がニヤつきながらベンチに座るアスカに近付いてきた。

 

(何こいつら……ナンパ?)

 

 アスカは不快げに眉を潜め、彼等を無視して沈黙を決め込む。しかしチャラ男三人は馴れ馴れしくアスカの座るベンチを取り囲むと、下卑た笑みを浮かべる。

 

「あれ? シカトしちゃう感じぃ?」

 

「あ~……そういう冷たい反応されると傷付いちゃうなぁ……なぁ?」

 

「へへっ、そうそう。それにほら、せっかくの夏祭りの夜だしさ。もっとみんなでパーッと盛り上がろうよ?」

 

 そう言うとチャラ男の一人がアスカの腕を気安く掴んで無理矢理立ち上がらせようとする。しかしアスカは反射的に腕を振ると、その手を乱暴に払い除けた。

 

「うっさいわね! いま彼氏とデート中なんだからどっか行ってよッ!」

 

 苛立つアスカは声を荒げて言い放つ。だがそんな彼女の勝ち気な態度が逆に男の嗜虐心を煽ってしまった様だった。

 

「へへっ、そんな奴より俺らの方が絶対楽しいって!」

 

「そーそー、なんなら彼氏のことなんか綺麗さっぱり忘れて、俺達三人と付き合っちゃおうぜ?」

 

「おぉ、それいいじゃん! はい彼女セフレ決定~!」

 

 まるで聞く耳を持たない様子のチャラ男達に、アスカは内心舌打ちする。

 

 この手の連中は自分達の思い通りにならないと直ぐに暴力に訴えようとしてくる。だからここは下手に逆らわずに適当にあしらうのが一番なのだ。

 

 アスカはなるべく穏便に済ませられる様にと、浴衣の下に忍ばせた赤い玉を探そうとするが……

 

(こうなったらあたしの神器(エヴァ)を使って少し怖がらせるか……)

 

 内心呟くが、夏祭り中という事もあってアスカの神器(エヴァ)は待機状態である赤い水晶玉のまま、自宅の部屋に置きっ放しにしてしまっている事を今更に思い出す。

 

(あぁ……もう、こんな時にっ! シンジのバカ……早く帰って来なさいよ……!)

 

 アスカは心の中で毒づき、忌々しそうにシンジが消えた方向を睨む。するとその時、突然背後から伸びてきた手がアスカの浴衣越しに膨らんだ豊満な胸を掴んだ。

 

「きゃあっ!? ちょ、ちょっとあんた……どこ触って……ぁんっ!」

 

 アスカは驚いて振り返ると、そこにはベンチを取り囲むチャラ男の一人がニヤニヤと笑いながら立っていた。

 

「うっひょ~、すっげー巨乳ちゃん!しかも感度良好だねぇ」

 

「や、やめてよ! イヤ! 離してっ! あぁんっ、だめっ!」

 

 アスカは悲鳴を上げて抵抗するが、男達は力ずくで浴衣の上からアスカの胸元やお尻をいやらしく揉みしだく。

 

「へへへっ、マジ美味そ~!浴衣の下はノーブラとかエロすぎんだろ!」

 

「ちょっと触っただけですぐ乳首ビンビンに立ってるし、こっちの具合も確かめてやるか」

 

「や、やだ! だめっ! やめて! シンジ! 助けてシンジィ……!」

 

 アスカは必死に抵抗するがチャラ男達の力は強く、とても振り払えない。

 

「やべ、こいつ超イイ匂いするわ。汗の臭いで興奮してきた」

 

「おい、お前ばっかりズリィぞ。オレにも貸せよ」

 

「はいはーい。順番、順番っと」

 

 アスカは涙目で助けを求めるが、男達はそんな彼女に構わず強引に抱き寄せると、ベンチから無理やり立ち上がらせて神社の裏手にある林の中へと連れ込んでいく。

 

 ……そこは祭りの灯りとは無縁の暗がりで、人の気配は全く無い。アスカは三人組のチャラ男に囲まれて身動きが取れない状態のまま、連れ去られてしまう。

 

(やだ……助けて、シンジ……ッ!!)

 

 アスカは恐怖と悔しさで目に大粒の涙を浮かべる。身体を震わせ、声を殺して泣き叫んだ。

 

 




【次回予告】

シンジがお祭り広場でトウジ達と再会している頃、アスカは三人組の男達によって暗がりに連れ込まれていた。

アスカと別れたと知ったヒカリがシンジに説教する中、シンジの脳裏に浮かんでは消えるアスカとの様々な思い出。

焦るシンジが神社に駆け付けた時、あと少しのところで凌辱されるアスカの姿を目撃する。

静かに怒りを燃やすシンジ。そして……

次回、『夏祭りの夜 後編 ★(アスカ)』



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夏祭りの夜 後編 ★(アスカ)

お待たせしました。最新話です。

実を言うと筆が乗り過ぎて予定より文字数オーバーしました(汗)

今回はアスカのエロ回ですが、凌辱描写ありなので苦手な方は閲覧注意。

なお、本作はシンジ以外の男にヒロイン達が寝取られる鬱展開は絶対にありません。


 

 ──アスカが三人組のチャラ男に絡まれている頃、町内会の夏祭り会場本部を訪れていたシンジ。

 

 知り合いの人に事情を説明して大量の荷物を預かって貰うと、そこにトウジ、ケンスケ、ヒカリの三人組が現れる。

 

「よぉ碇。こんなところで何しとんのや?」

 

「惣流がいないみたいだけど……」

 

「あぁ、実は……」

 

 シンジは困った様に笑いながら三人に事情を説明する。すると浴衣姿のヒカリがショックを受けた様子でシンジに詰め寄ってきた。

 

「碇君、アスカを置いて来たの!?」

 

「えっ? だってアスカを──」

 

 言い掛けるシンジだが、ヒカリは聞く耳を持たずに怒った様子で言い付ける。

 

「すぐにアスカの下に戻ってあげて!」

 

 怒るヒカリにシンジは困惑を隠せない。しかしヒカリはシンジの困惑など気にせずに続けた。

 

 その声には、どこか友達を思う彼女の切実な想いが込められている様に感じられる。そんなヒカリの様子を見て、トウジとケンスケも口を挟む。

 

「惣流なら一人で待ってたって大丈夫やって!」

 

「そうだよ! 心配いらないさ!」

 

 しかし二人の言葉を聞いてもなお、ヒカリはシンジを睨み付けて離さない。

 

「ダメッ! 碇君、今すぐ迎えに行ってあげて! アスカだってか弱い女の子なの!」

 

 ヒカリがあまりに強く言うものだからシンジは何も言えずに黙ってしまう。

 

「碇君、今日アスカの浴衣姿を見てどうして何も言ってあげなかったの!? アスカが碇君と屋台で遊んでる時、アスカの事考えなかったの!?」

 

 シンジはヒカリの言葉で、子供らしく金魚すくいに夢中になるアスカや綿菓子を食べて微笑むアスカの浴衣姿を思い出す。

 

 そしてその時、自分は確かにアスカに見惚れていた事を思い出してしまう。シンジは思わず顔を赤らめてしまった。そんなシンジの反応を見て、ヒカリは更に続ける。それはシンジに対する怒りにも見えた。

 

「お願い碇君、もっとアスカの気持ちを考えてあげて!」

 

 そこまで強く言われてしまうと、シンジとしても返す言葉がない。彼は少しだけ考える素振りを見せた後、ヒカリに向かって頭を下げた。

 

 するとシンジの肩をポンっと叩きながら、私服姿のトウジとケンスケが告げる。

 

「行って来いよ、碇」

 

「まぁ、なんや。惣流はとっくに碇の嫁やからな。性悪ツンデレ女のくせに、甘えん坊で寂しがり屋な嫁さん置いて泣かせるようじゃセンセも格好付かへんやろ」

 

 そう言うとトウジとケンスケは親指でサムズアップの仕草をしてシンジに笑い掛ける。対するシンジはヒカリの方を見る。ヒカリはまだ怒っているのかと思いきや、彼女は優しい笑みを浮かべていた。

 

「……ありがとう、委員長。トウジもケンスケも……みんな、ごめん!」

 

 シンジは三人に感謝して急ぎアスカの待つ場所へと駆け出す。その後ろ姿を見送り、三人はお互いに顔を見合わせて笑い合うのだった。

 

 

 

 

 

 ──シンジは溢れる人混みの中、夏祭りの会場を早足で駆け抜けていく。その道中、今日一日のアスカの様々な表情や仕草が彼の脳裏に浮かび上がってくる。

 

(全然気付いてなかった……あの時、アスカがどんな気持ちでいたかなんて……くそっ!)

 

 シンジは自分の愚かさを恥じた。思えば、いつも自分の都合ばかり考えていた気がする。アスカの事を大切に考えているつもりでいて、結局はそれを当たり前の様にしか見ていなかったのだ。

 

(まだそんなにエッチできない綾波さんとは違って、アスカとは昔からいつでもどこでもエッチできる関係だった……だからって、そんな理由で僕は……)

 

 アスカが自分の事をどう想ってくれているかを、今までちゃんと考えてあげる事が出来なかった気がする。それはとても大切な事だと言うのに……

 

 しかし後悔してももう遅い。今は一刻も早くアスカの下へ戻ろう。シンジはその想いを胸に抱き、人混みで溢れるお祭り広場から奥の神社に向かう参道の入り口へと差し掛かる。

 

 ……その瞬間、シンジの脳裏に暗闇の中で見ず知らずの男達に強姦されて見るも無惨な姿を晒すアスカの泣き顔が浮かんでは消える

 

 嫌な予感がする……シンジはそんな不安を振り払う様に首を左右に振って、前に進む。

 

 この先にはアスカがベンチに座って待っているはずだ。シンジは神社の境内に入り、お祭り広場の喧騒が遠退くと、より一層焦燥感が増してくる。

 

 シンジは逸る気持ちを抑えながらも急いで進むと、やがて前方にアスカと別れたベンチが見えてきた。

 

 そしてそこには……誰もいない。シンジは一瞬頭が真っ白になるが、すぐに辺りを見回しながら叫ぶ。

 

「アスカ! どこに行ったんだ!? 返事してくれ!」

 

 しかし返ってくるのはお祭り広場から微かに聞こえる賑やかな声や太鼓の音色だけで、シンジの声は誰にも届かない。

 

 シンジは焦りと恐怖でパニックになりそうになるが、どうにか冷静になろうと深呼吸を繰り返す。

 

 ……落ち着け、きっとアスカはどこかに隠れて僕が来るのを見ているに違いない。大丈夫だ。アスカはああ見えて意外と悪戯好きだから、隠れて驚かそうとでもしているのだろう。

 

 シンジはそう自分に言い聞かせるが、先程から心臓の鼓動が治まらない。まるで全身の血が沸騰したかの様に熱くなり、視界が歪むような錯覚を覚える。

 

 先程脳裏に浮かんだアスカの凌辱される姿が、何度も繰り返し再生されシンジの心を蝕んでいく。

 

 ……もし、本当にアスカが他の男達に捕まって連れ去られていたら?

 

 ……もしも、アスカの身に何かあったとしたら?

 

 ……そう考えた途端、シンジの心の中にドス黒い感情が沸き上がってきた。

 

 ……許さない。もしも本当にアスカを攫った奴らがいたとすれば、絶対にそいつらを許さない。

 

 シンジは怒りで震える拳を無意識に強く握り締める。すると、シンジの近くで微かに女性らしき声が聞こえた。

 

(今の声……間違いない! アスカだ!)

 

 シンジはハッとして音の出処に目を向け、急いで駆け出した。

 

 

 

 

 

 ──その頃、アスカは三人組のチャラ男達に絡まれてお祭り広場から少し離れた距離にある神社の敷地内に来ていた。

 

 桜色が可愛らしい花柄の浴衣姿に身を包むアスカは男達に無理やり身体を拘束されたまま、神社周辺の林の中へと連れ込まれていた。

 

「よしよし、痛い目に遭いたくなかったら大人しくしとけよぉ?」

 

「こっちはお前みたいな上玉を探して待ってたんだよね~」

 

「やっべ、俺ら超ラッキーじゃん!」

 

 下品な笑いを浮かべながらアスカを見下ろす三人のチャラ男。アスカはそんな三人を負けじと睨み付ける。

 

「あんた達、こんな事して本当にいいと思ってんの!?」

 

「うわっ、その強気な態度もたまんねぇ!」

 

「へへへっ、さっきまで泣いてたくせによく言うぜ」

 

「そうだそうだ! もっと泣かせてやってもいいんだぜ?」

 

 アスカを強引に捕まえた三人のチャラ男はニヤつきながらアスカの可愛らしい浴衣に手を伸ばして来る。

 

「なっ……だ、誰が泣くもんですか! それより、さっさとあたしを解放しなさい! さもないと……ぁんっ! ちょ、ちょっと!? どこ触ってんのよ!」

 

 アスカは必死に抵抗するも、三人の男が相手では流石に敵わない。浴衣越しに豊満なGカップの巨乳を揉まれ、お尻や太腿をいやらしく撫でられたりする。

 

 そんな屈辱的な扱いを受けて、アスカは怒りに顔を赤く染めて抵抗を続ける。しかしそんなアスカを嘲笑うかの様な言葉が投げ掛けられる。

 

「ほら、やっぱり感じてんじゃねーか。実は期待してたんじゃないの? えぇ?」

 

「そうだぞ! 本当はこういう風に犯される事を期待して俺らに付いて来たんだろ!」

 

「なっ……ち、違うっ! そんな訳あるはずがないでしょ!」

 

 アスカはすぐさま否定するが、男の言う通り内心ではこの危機的状況に少なからず興奮していた。

 

 ……何故なら、アスカはシンジ以外の男を知らない。それは彼女がシンジしか愛しておらず、他の男など興味ない事の証でもある。

 

 それだけ幼い頃からシンジとずっと一緒に過ごしてきたアスカ。彼女にとって大好きなご主人様であるシンジとの性行為は愛情表現であると同時に、ストレス発散も兼ねていた。

 

 シンジと二人きりの時は常に甘えてイチャイチャして、時には激しく求め合ってお互いの身体を貪り合う──それがアスカの日常であり、シンジ専用の淫乱巨乳性奴隷としての役目なのだ。

 

 ……だが、最近になってアスカはシンジとエッチをする回数が日に日に減ってきている事に気付いていた。中学生になって、シンジは自分とだけではなく新しく出来た男友達のトウジやケンスケと遊ぶ時間も増えた。

 

 そして最近では綾波レイがネルフ学園に転校して来て、雪風ミカサという隠れ美少女も現れた影響で二人で過ごせる時間が更に減ってしまった。

 

 ……もちろん、シンジが抱いてくれる時はこれでもかと言うくらいに気絶するまで激しく愛されるので別に寂しい訳ではない。

 

 ……ただ、それでもアスカは不満を感じずにはいられなかった。そんなアスカの心情を知ってか知らずか、シンジはアスカの事をいつも大切にしてくれる。

 

 しかしそれはあくまで……アスカの事を“性欲処理の道具”としか見ていないからではないのかと、アスカは時々思う事がある。

 

 だからこそ今日という夏祭りの日──アスカはシンジに自分の事をどれだけ大切に想っているか確かめる為に難しい浴衣の着付けを一人でやってわざと30分待ち合わせに遅れて来た。

 

 そしてシンジの前で今まで着てこなかった可愛らしい浴衣姿を披露する事で、シンジに自分の魅力を改めて性的に伝えるつもりだったのだ。

 

 ……結果は、ちゃんと浴衣姿のアスカに見惚れてくれた。普段からエッチの度に可愛いとは言ってくれるものの、あんなにドキドキした表情で見つめられて、アスカは嬉しさのあまりその場で小躍りしたい気分になった。

 

 しかし母親や友達の見ている前だったからなのか、シンジは照れて可愛いとは言ってくれず……そのせいでアスカは余計にイラついてしまった。

 

 その後は何とかデートしてシンジと楽しい思い出を作ろうとしたが、一人になってちょっと隙を見せただけで見ず知らずの若い男達にナンパされてしまった。

 

 そして今まさにお祭り広場から離れた人気のない神社で、三人のチャラ男に身体の自由を奪われてしまっている。

 

 悔しくて仕方ないが、アスカにはどうする事も出来ない。そんなアスカに対して、一人のチャラ男が卑猥な笑みを浮かべながら話し掛ける。

 

「あぁ? 違わねぇだろ。浴衣の上から揉んだだけで乳首ビンビンに感じておいて、よくそんな事が言えるもんだぜ」

 

 そう言われてアスカは自分の胸元に意識を飛ばすと、確かに男の言う通り浴衣の生地を押し上げる様に二つの突起物が自己主張しているのが分かった。

 

 アスカはその事実に羞恥で顔を赤らめてしまう。今まではシンジにしか知られた事がなかったのに……

 

「へへっ、それに下の方も大洪水じゃねえか。そんなに俺らとヤリたかったのかよ?」

 

 もう一人のチャラ男もアスカの染みが広がる下腹部を見ながら笑う。するとアスカは男達のいやらしい視線から隠す様に内股気味になる。

 

 そんなアスカの恥じらう反応を見て、チャラ男達はニヤつきながらアスカの耳元で囁く。

 

「こんなにまんこぐしょ濡れにして、もうヤル気スイッチ満々じゃんか。もしかして彼氏と夏祭りエッチしちゃうつもりだった?」

 

 アスカは顔を真っ赤にして否定しつつも、チャラ男の言葉に逆らえずに喘ぎ声を漏らす。

 

「んっ……やぁ、ん……だ、黙れぇ……っ!」

 

 チャラ男達に浴衣の裾を捲られ、露わになった太腿の内側を撫でられると、アスカは敏感に反応して甘い嬌声を上げて感じる。

 

「ひゃうん!ぁ……だ、だめ……んぅ……あぁん♡」

 

「おいおい! ダメとか言いつつ腰が無意識に動いてるじゃんか! なぁ、本当は俺らのチンコ欲しいんだろ!?」

 

「そうそう! ほら、素直になれよ!」

 

 アスカの身体がビクビク震え、浴衣越しに蜜液が溢れる秘裂を指先で何度も擦られると、アスカは我慢できずに足腰を震わせてしまう。

 

 そんなアスカの恥態を見た男達も興奮してきたのか、アスカの眼前にぐっしょりと濡れた指先を突き出してくる。

 

「おいマジかよ……このかわい子ちゃん、上も下も下着履いてないぞ!?」

 

「うっそ、浴衣だけの格好でここまで歩いてきたの!?」

 

「やっべ、エロすぎんだろ! こいつ絶対痴女だぜ!」

 

 男達に口々に責め立てられて、アスカは思わず反論する。

 

「う、うるさいっ! これは彼氏が喜ぶ、から……ぁんっ! あたしの彼氏が、ぁんっ! んんっ! んぁ……だ、だから、あんた達なんかにぃ……はぁんっ!」

 

 アスカは快感に悶えながらも必死に抵抗する。しかしその声は途中で甘く切ない声に変わり、アスカの身体はより一層淫らな熱を帯びていく。

 

 そんなアスカの艶っぽい姿を目の当たりにした三人の男は舌なめずりしながら浴衣の隙間にそれぞれ手を入れ、アスカの豊満な生乳や生尻を撫で回す。

 

「残念だな~、愛しの彼氏は来れないってよ!」

 

「まぁ、彼氏の代わりに俺らが朝までお持ち帰りして、たっぷり可愛がってセフレ宣言させちゃうからいいけどな!」

 

「ほらほら、俺の手をマン汁で汚してんじゃねぇよ!」

 

 男達がアスカの身体を自分勝手に弄る度に、アスカの口からは甘ったるい吐息が漏れ出す。

 

「はぁ……はぁ……んっ! あっ、だ、誰があんた達なん、か……にっ! ぁんっ、んんっ! はぁ……はぁ……んっ!」

 

「強情な奴だなぁ。じゃあ、もっと激しくしてやるよ!」

 

 言いつつチャラ男の一人はアスカの浴衣の中にごそごそと手を入れ、たわわに実ったGカップおっぱいを強く鷲掴みにしてたぷんたぷんと手で持ち上げ揺らす。

 

「んっ! やっ、そこは……あぁん♡」

 

 アスカは急に胸を掴まれて吃驚するも、同時に乳房を揉まれる度に気持ち悪くも淫らに感じるゾクゾクとした悪寒が全身に広がっていく。更にもう一人のチャラ男の手で蜜液止まらない秘所もぐちゅぐちゅとエッチな水音立てて掻き回されていく。

 

「へへっ、彼氏なんかよりずっと気持ち良いだろ? いいんだぜ? 彼氏のこと捨てて俺ら三人のセフレになっちまえ! そしたら毎日こんな風にいっぱい可愛がってもらえるぜ?」

 

「そうだって! わかったら、早く俺達のモノになっちゃいなよ~! このデカパイもプリケツも、ぷしゅぷしゅ潮吹き止まらないお漏らしまんこも、全部まとめて可愛がってやるからさぁ」

 

 男達に好き放題に身体を触られて、アスカは悔しさに涙を滲ませながら首を横に振る。

 

 しかし身体は正直なもので、チャラ男達に散々愛撫されて感度が高まった発情した身体はビクンビクン痙攣して、その度にアスカの下腹部から大量の蜜液が溢れ出て地面の草木に滴り落ちる。

 

 そのあまりに淫乱すぎるアスカの開発され切った身体の反応に、チャラ男達はニヤニヤと下品に笑いながら彼女の耳元で囁く。

 

「ははは、すげー反応。やっぱりお前、淫乱ドMの変態女じゃんか。ほら、認めちまいなって。『私は彼氏以外の男に犯されるのが大好きな、いやらしいエッチな女の子です』ってさ。そうしたら、今すぐ楽にイカせてやるぜ?」

 

「だ、だれ、がぁ……んっ、あぁっ♡ それ……いいっ♡ そこぉ……いやぁん♡」

 

 アスカは弱々しくも抵抗するが、男達は構わずアスカの乳首とクリトリスを同時に摘んで刺激を与える。

 

「んんっ♡ ぁ、あぁんっ♡ だめぇ、きもちいぃ……ぁんっ、あん♡ やだ、こんなの感じちゃだめなのにぃ……♡」

 

 アスカはシンジ以外で感じた事のない快楽に戸惑いつつも、次第に身体が火照っていくのが分かる。

 

「ほら、嘘でもいいから試しに言ってみ?『私はちんぽがないと生きられないドスケベ発情まんこです。彼氏と別れてあなた達の性奴隷肉便器になります。どうかエッチ大好きな私を今日から毎日犯してください、ご主人様』ってさぁ!」

 

 チャラ男に促され、アスカは思わず心の声を口に出しそうになる。

 

(ああっ……だめ、いやぁ……そんなの言っちゃったら、おかしくなって戻れなくなる……っ♡)

 

 度重なる凌辱に耐え切れずにアスカの理性は徐々に蕩けていき、ついには抵抗する事を忘れて……

 

「あ、あたし……はぁんっ……彼氏とはぁ……んっ、ふぅ……ぁ、あぁんっ♡ 別れ、てぇ……んっ、ぁ、あぁっ……三人のセフレに……やぁん♡ にくべんきに、なりゅっ……あぁんっ! なるぅっ、なりましゅっ♡ だからぁ……お願いぃ……今すぐちんぽでイキたいのぉ……! もう我慢できない、イカせてぇ……あぁんっ♡」

 

 ついにアスカは男達の要求に屈してしまった。そんなアスカの変わり果てた姿を見て、チャラ男達は満足気に笑う。

 

「へへへっ、やっと堕ちたか! よっしゃ、じゃあさっそくご褒美に俺らの極太ちんぽやるよ!」

 

 男達は興奮止まない様子で一斉にズボンを下げて股間を露出させる。完全に発情したアスカが恐る恐るチャラ男達の股間を覗き見るが、三人ともシンジのご立派様とは比べ物にならない程度の平均サイズだった。

 

「ぁんっ……ぇ……? なに、それ……? あんた達の、ちんぽ……うそ、ちっさ……」

 

 淫欲止まらないアスカは予想していたチャラ男達の粗末なペニスを見て思わず唖然となって我に返る。

 

「はぁ!? んだとぉ!?」

 

「おら、よく見ろよッ! どう見ても彼氏なんかより俺らのがデカイだろッ!」

 

「そうだぜ! 犯されたくないからって嘘つくんじゃねえよッ!」

 

 男達が熱り立って怒鳴るが、アスカは恐怖や性的興奮よりも失望感の方が一気に増していく。

 

 ようやく堕ちたかと思えば、いきなりアスカに馬鹿にされた男達は激怒して彼女を茂みに押し倒すと、浴衣の帯を緩めて大胆に開けさせてしまう。

 

「きゃっ!? ちょっと、なにする気……っ!?」

 

「決まってんだろ! 生意気なお前のまんこに、俺らのチンコの良さを教え込んでやるんだよ!」

 

「そうそう! まずは手始めに、そのエロい身体を俺らのちんぽでぶっ壊してやるよ!」

 

 そう言うとチャラ男はアスカの両脚を大きく開かせて固定すると、すでに濡れ濡れのアスカの秘所に自分のモノをあてがって擦り付ける。

 

「ひゃうんっ! やっ、やめてぇ! そんなの挿れられたって絶対感じな──」

 

「うるせぇ! 彼氏が来ても来なくても、どっちみちお前は俺らの肉便器になる運命なんだよ! 大人しく黙ってヤられろ!」

 

「んっ……ぁ、あぁっ! やだ、助けてよぉ……シンジぃ……!」

 

 男の苛立つ言葉を聞いてアスカは思わずシンジに泣きながら助けを求める。しかしその声は誰にも届くはずもなく、アスカは気付けば無意識に尿液を垂れ流して失禁する。

 

 ぷしゃあぁぁぁ~~……っ!!

 

 アスカが絶望感に打ち拉がれている間にも、開けた浴衣の隙間から放物線を描いで黄金色の液体が地面に勢い良く飛び散る。

 

 それでもアスカの発情スイッチが入った身体は敏感に快感を感じ取ってしまい、アスカは羞恥心から屈辱に顔を真っ赤に染める。

 

「ぁ、あぁ……い、いやぁ! 見ないで、見ないでよぉ……っ!」

 

 アスカは慌てて浴衣の裾を下ろして下半身を隠そうとするが、両手を拘束されてしまい身動きが取れない。

 

 しかもチャラ男に両足まで掴まれてしまい、今もずっと沸き出る蜜壺を大胆に晒した恥ずかしい大の字ポーズで固定されたまま動く事も出来なくなってしまった。

 

 そうしていくうちにアスカの足元には彼女の漏らした大量の小水が溜まりを作り、それが余計にアスカの惨めさを際立たせていた。

 

「はははっ! おいおい、この女マジで漏らしてやんの! おもらし女だなぁ!」

 

「へへへっ、おらっ! ついでにもっとマン汁撒き散らせよ! ほらほら、もっと気持ち良くイケって!」

 

「んんっ♡ はぁん♡ や、やだぁ……イクッ! あぁだめっ……イク、またイクぅぅぅぅっ!!」

 

 ぶしゅっ! ぷしゅっ!ぷしゅうぅぅ~~っ!!

 

 男達に命令されてアスカは盛大な絶頂を迎え、すっかりとろとろに出来上がった秘所からは大量の愛液を潮水の様に噴き出して地面を濡らす。

 

「あぁんっ……はぁ、んっ……♡ やだぁ……お願い、もう許してぇ……♡」

 

 アスカは全身汗まみれでぐったりと力尽きると、絶頂の余韻止まらずにぷしゅっ、ぷしゅっと潮吹きしながら涙を流す。

 

「へへ、これでわかったか? 俺らに犯されるのがどれだけ気持ち良いものなのかをよ!」

 

「そうだぜ! お前はこれから毎日、俺らに可愛がられて淫らに喘ぎまくるドスケベマゾ便器として生きていくんだよ!」

 

「まぁ、彼氏の事なんか忘れて俺らと楽しく付き合おうぜ? 身体はとっくに寝取られ準備できてんじゃん!」

 

 男達は息も絶え絶えのアスカにそう言い放つと、彼女の良く解れた股間に自らの勃起した肉棒を押し当てる。

 

「へへっ、マジ美味そ~! ほら、俺らのちんこ早く入れてくれって、とろとろまんこが泣きながら言ってるぜ?」

 

「やっ、やだ……だめっ! それだけは……だめぇ……っ!」

 

 アスカは必死に抵抗しようとするも、先程の放尿失禁からの潮吹き絶頂で力が完全に抜けきっていてまともに抵抗できない。

 

 そんな弱々しいアスカの様子を見て、チャラ男の一人はニヤリと笑って一気に肉竿を挿入しようと──

 

「アスカッ! 助けに来たよッ!」

 

 ──その時、怒号と共にTシャツに半ズボン姿のシンジがチャラ男達の前に現れた。息を絶え絶えにした汗だくのシンジは、両手を膝に付けた体勢で男達に激しく怒鳴り散らす。

 

「お前ら! アスカを返せよッ!」

 

「シ、シンジ……あたし……っ!」

 

 遅れて来たシンジの登場にアスカは安堵の表情を浮かべるが、そんな二人の様子を見たチャラ男達は慌てるどころか、逆に余裕の笑みを見せていた。

 

 男達はいきなり駆け付けたシンジを見てゲラゲラと爆笑すると、口々にシンジを馬鹿にし始める。

 

「こんな冴えないのが彼氏~? どう見たって粗末なチンカスっしょ!」

 

「うわっ、マジ彼氏選ぶセンスねぇわ。もしかしてこの潮吹きまんこちゃん、純情な顔しといて、実はちんぽで男選んじゃうヤリマンビッチだったとか?」

 

「ははっ! 今更来た彼氏君には悪いけど、俺らもうとっくにこのメス堕として楽しませてもらってんだわ!」

 

「いや~、マジ彼氏君に聞かせてやりたかったな~。さっきのえっろい寝取られセフレ宣言。口じゃあ嫌々言いながらよぉ~、もうこいつの子宮は完全に俺達のザーメン求めちまってんだぜ?」

 

 男達の言葉を聞いた途端、シンジは未だかつてない激しい怒りに震え出す。

 

「おい、お前ら……! 僕を馬鹿にするのは構わない……だけど、僕のアスカにそんな口を利くなッ!」

 

「あっははは! なんだそれ? 自分だってどうせこのデカ乳とまんこ目当てで付き合い始めたんだろ? なのに自分が遅れて来たからって今度は逆ギレ? ダサすぎっしょ」

 

「つーかさ、さっさと消えろよ。俺らはこれからこの発情彼女ちゃんでたっぷり楽しむんだからよぉ!」

 

「そうそう。邪魔だからとっとと帰れっての! それともここで情けなく泣いてオナりながら、大好きな彼女が俺らに寝取られるところ見てくかぁ~?」

 

 男達はシンジの怒りなどまるで意に介さず、むしろ彼を嘲笑って追い払おうとする。

 

「黙れよ……ッ!」

 

 シンジは歯軋りをしながら拳を強く握り締めて男達に駆け出し、拘束されたアスカを強引に救出しようとするが……

 

「おらッ! 俺らの邪魔をするんじゃねえッ!」

 

「ぐぁっ……!」

 

 男達は一旦アスカから離れてシンジに向かって飛び蹴りを喰らわせる。情けなく地面に倒れ込むシンジに、チャラ男達は笑いながら三人掛かりで殴る蹴るの集団暴行を加えていく。

 

「おらぁッ! とっとと彼女置いて逃げないと殺すぞてめぇ!」

 

「そうだそうだ! いきなり現れて調子乗ってんじゃねえよクソガキッ!」

 

「ははっ! お前みたいなダメ彼氏、彼女に見捨てられて当然なんだよ!」

 

 男達が容赦なく殴り続ける中、アスカは悲痛の面持ちで自分の為に傷付いていくシンジの姿を見つめる事しか出来ずにいた。

 

「お願いやめてぇ! シンジが、シンジが死んじゃうよぉ……っ!」 

 

 アスカはボロ雑巾の様に扱われているシンジを助けようと泣き叫ぶが、チャラ男達はそんなアスカを更に追い詰めるかの様に彼女の目の前でシンジを痛めつけていく。

 

(う、ぐぁっ……い、痛い……っ! けど、アスカが受けた傷に比べたら……っ!)

 

 何も出来ずに一方的に暴行される中、シンジはアスカを守れなかった悔しさに涙を流しながら必死に痛みに耐えていた。

 

 しかしいくら殴られても、どんなに蹴られても、シンジは決して諦めずに何度も立ち上がっては男達に食らいつく。その度に男達は舌打ちをしては、より一層苛烈な暴力を振るって彼の身体を破壊していった。

 

「チッ、雑魚のくせにしつこい野郎だ……もういいや。コイツ後回しにして先に彼女をヤッちまおうぜ!」

 

「「さんせーい!」」

 

 男達はそう言うと、地面にうつ伏せで横たわるシンジを放置して未だ動けずに泣き震えるアスカの方に歩いていく。

 

(ぁ、あぁ……身体が、痛くてもう動かないや……ごめん、アスカ……)

 

 薄れ行く意識の中、シンジは自分の無力さを悔やむ様に涙を流す。次第に目の前が真っ暗になっていくシンジ。

 

 ──するとその時、不思議な事が起こった。

 

 

 

『──力が欲しいか?』

 

 

 

 突然シンジの脳内に自分と同じ声の主が囁いたかと思えば、神社の辺り一体に冷たい突風が不気味に吹き荒れる。

 

(ぼ、僕……アスカと約束したんだ……アスカとキョウコさんを悲しませないって……必ず責任取って、二人を幸せにするからって……)

 

 シンジは薄れゆく意識の中で、その昔アスカの前で誓った事を思い出していた。そして、三人のチャラ男に凌辱されて今にも泣き崩れそうな表情を浮かべるアスカの無惨な姿を思い浮かべる。

 

 それは……シンジが今まで生きてきた中で何よりも大切で守りたいと思った存在。

 

 ……それが今、理不尽な理由で奪われ、淫らに犯されようとしている。

 

(僕は……監視者(シェムハザ)になった時に願ったんだ……アスカ、綾波さん、母さん、キョウコさん……そして、これから先増えるかもしれないハーレムの女の子達を守れる力が欲しいって……)

 

 地面に倒れ伏すシンジの片手がピクッと動く。その間にも三人のチャラ男は浴衣姿を開けさせたままのアスカを抱き起こし、今まさに彼女を犯そうとしていた。

 

(アスカ……駄目だ……起き上がれない……こんな時に僕は……っ!)

 

 シンジはそんな光景を朧気な視界で眺めつつ、無意識にアスカの事を想っていた。

 

 

 

『じゃあアンタは、目の前で傷付く女の子が、それでも誰かを守る為に身体張って命懸けて戦おうとしてたら、今度は自分がやらなきゃって思わないワケ!? アンタ男でしょ!? 負けてもいいから、戦う勇気くらい持ちなさいよ!』

 

『……逃げたっていいじゃない! 人間なんだから! 大事なのは逃げた後でアンタ自身がどういう選択をするかでしょ!?』

 

 

 

 以前アスカに言われた言葉を思い出し、シンジは泣きながら心の底で強く思う。

 

 ……大切な彼女達を、絶対に失いたくない。その為なら、どんな代償でも払う覚悟がある。たとえそれで自分が死んだとしても悔いはない……だから。

 

(頼む、もう一人の僕……! 僕に……僕に、大好きなアスカを助ける力を貸してくれぇッ!!)

 

 ……その瞬間、シンジの中に眠る潜在能力が覚醒する。それと同時に全身から眩い光が溢れ出し、神社の辺り一体に聖なる光の柱が現れる。

 

 突然現れた光はシンジの傷付き倒れた身体を優しく包み込む。

 

「な、なんだなんだぁ!?」

 

「おい、これってまさか……あの野郎か!?」

 

 チャラ男達はいきなりの出来事に動揺し、アスカを犯そうとしていた手を思わず止めて驚く。

 

 一方、アスカはそんなシンジの姿を見て驚きのあまり目を大きく見開いていた。

 

「うそ……シンジ……!?」

 

 ざわざわと震える様な力強い風が吹き抜けていく中、眩しい光が収まると同時にボロ雑巾の様に倒れていたシンジがゆらりと起き上がった。

 

「な、なんだてめぇは!?」

 

 驚愕を隠せないチャラ男の言葉を無視して、瞳の中にどす黒い闇を宿したシンジはクールに言い放つ。

 

「クククッ……さぁ、裁きの時間だ……!」

 

「さ、裁きだとぉ!?」

 

「野郎! 急にふざけたこと言いやがって!」

 

 警戒しながらも突然起き上がったシンジに強がる三人組のチャラ男。するとシンジはゆっくりと歩きながら自らの右手を男達に翳す。

 

(違う……いつものシンジじゃない……!)

 

 アスカはシンジの異変に逸早く気付いていた。今のシンジの眼差しは普段の優しいものではなく、獲物を狩る獣の様な鋭い殺気が込められていたからだ。

 

 シンジの纏う邪悪な雰囲気に気圧されたチャラ男達は冷や汗を流しながらアスカを放して後退りする。

 

「“オレのアスカ”に手を出したんだ……その代償はお前達に直接払って貰おうか」

 

 男達が何か言い返す前にシンジが向けた右手の平が怪しく光り輝く。

 

「そんなにアスカとヤりたいのなら、好きなだけヤらせてやるよ……ただし、欲望という哀れな妄想の中でな」

 

 シンジは聴く者をゾクゾクさせる様なクールな声色で囁くと、その直後に一際眩しい閃光がシンジの右手から放たれる。

 

 かと思えば、男達は下半身を露出させたまま一斉に林の向こう側へとふらふらした危ない足取りで去っていく。

 

「ヘヘ、へへへっ……クソ雑魚彼氏は俺らが気絶するまでボコしてやったし、これで邪魔されずにたっぷり可愛がってやるからなぁ?」

 

「あ~らら、可愛い泣き顔晒したままビクビク震えちゃって、マジ激エロじゃん!」

 

「おい見ろよ、このかわい子ちゃん……自分から浴衣脱ぎ捨てて誘って来たぜ!?」

 

「へへへっ、やっぱり彼氏の粗チンじゃ満足出来ずにこうやって普段から男誘って毎日まんこ慰めてたんだな。おうおう可哀想に……」

 

「よしよし、責任取って俺ら専用の孕み袋にしてやるよ。だからあんな役立たず彼氏のことは綺麗さっぱり忘れちゃいな?」

 

 チャラ男達は生気を失った表情でぶつぶつと呟きながら、三人一緒に何処かへと消えていった。

 

 地面に座り込んだアスカがその不気味な光景を呆然と眺めていると、不意にシンジがアスカの方に歩み寄る。思わずドキッと赤面しながら、アスカはお腹の一番奥をキュンっと疼かせて身体を震わす。

 

「………」

 

 シンジは浴衣を開けさせた扇情的な格好で座り込むアスカを見下ろし、いつもとは違う不敵な笑みを浮かべた。

 

「あっ……あなたは誰なの……?」

 

 アスカはそのクールな笑顔を見て自然と頬を染めると、ドキドキした表情でシンジに対し呟く。

 

「……少し力を使い過ぎたようだ。アスカ、あとは任せた……」

 

 シンジはそれだけ言って再び意識を失うと、アスカの隣に倒れ込む。同時に彼の身体を包んでいた不思議なオーラも一瞬で消えた。

 

「ぇ……ちょっ、シンジ!? ねぇ起きて! シンジ、起きてってば!」

 

 アスカは慌てて立ち上がり、急いでシンジの元に駆け寄って抱き起こす。シンジの名前を必死に呼ぶが、意識を失ったシンジは先程の男達の集団暴行を受けて満身創痍になっていた。

 

 命懸けで自分を守ろうとしたその痛々しい姿に、アスカは涙をぽたぽたと流して悲鳴を上げる様に泣き叫ぶ。

 

「いや……いやよシンジ! 死んじゃやだぁ……っ!」

 

 必死にシンジの名前を呼び続けるアスカ。しかしシンジは全く反応する事なく意識を失っている。これだけ傷付いた身体で何故一度は立ち上がる事が出来たのか……アスカには到底理解出来なかった。

 

 しかしそれでもシンジが身体を張って凌辱寸前の自分を救ってくれた事は変わりない。アスカは自分のせいでボロボロになったシンジの姿を見て涙を拭いながら嗚咽混じりに謝る。

 

 そして……自分の為に傷付き立ち上がってくれた彼を決して失いたくないと改めて強く思った。

 

「お願い……目を覚ましてシンジ……っ!」

 

 アスカはそう願いながらシンジの唇を自らの唇でそっと塞ぐ。

 

「んっ……ちゅぅ……っ」

 

 すると……彼女の祈りが通じたか、気絶していたシンジの身体がピクッと反応を示す。アスカはそれに気付くとシンジの頭を乱れた浴衣の隙間から覗かせる豊満な乳房で優しく抱き締めるのだった。

 

 




【次回予告】

危機一髪アスカを救う事に成功したシンジ。 

やがて目覚めると、シンジはアスカに膝枕されていた。

アスカはシンジに謝り、今すぐ汚された身体を上書きして欲しいと頼む。

受け入れるシンジ。打ち上げ花火が宵闇の空を彩る中、二人は神社の中でいつまでも淫らに愛し合う。

次回、『アスカを慰めて ★(アスカ)』



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アスカを慰めて ★(アスカ)

お待たせしました。最新話です。

今回の話で第3章は完結し、次回から第4章に突入します。


 

 ……シンジは夢を見ていた。

 

 懐かしい幼稚園時代──夏休みにハーレムの一員であるアスカ、ユイ、キョウコの三人と一緒に大型娯楽施設であるレジャーランドに出掛けた際の事。

 

 シンジがトイレに行っている間、待たされていたアスカ達三人は見ず知らずの男達にしつこく絡まれていた。

 

「お姉さんたち可愛いね~!」

 

「どう? 暇してるなら俺らと遊ぼうよ」

 

 公衆の面前でいきなりナンパしてくる三人組のチャラ男に対して、困り果てた顔で立ち尽くす三人。

 

 どうやら男達はユイとキョウコの30代とは思えない若々しい豊満な身体を狙っているらしく、その内の一人が舌なめずりをしながら言った。

 

「なぁ、いいじゃんか。その小さなガキ置いてちょっとくらいさぁ……」

 

 その言葉を聞いた瞬間、幼い幼稚園児だったアスカの目の色が変わった。

 

「あんた達ねぇ……!」

 

 怒りの形相を浮かべながら小さいアスカが二人の母親を守ろうと、一歩前に足を踏み出す。

 

「いた! お~い!」

 

 ──その時、突然背後から一人の幼い幼稚園児の男の子が走って来た。

 

「ぁ、シンジ……!」

 

 それは幼い頃のシンジだった。シンジは息を切らせながら慌てて三人の元へ駆け付けると、両手を膝に付けた体勢で呼吸を整える。

 

「シンジったら……もうっ、遅いんだから……!」

 

「あらまぁ、シンジ君。ママ達を心配して急いで来てくれたのね……?」

 

「はぁ……はぁ……うん!」

 

 嬉しそうに微笑むユイやキョウコの言葉を聞いて、顔を赤く染めながらも力強く返事をするシンジ。そんなシンジを見たチャラ男達は鼻で笑いながら言った。

 

「おいおい、何だこのチビ? こいつらの弟か親戚のガキなのか?」

 

 しかしその問いには答えず、シンジは三人の彼女を守る様に目の前に立ち塞がる。

 

「ごめんなさい! この三人、僕のです!」

 

 まるで自慢するつもりで言いつつ、幼いシンジはアスカと一緒にユイとキョウコの手をそれぞれ引いて、強引にナンパしてきた男達から引き離していく。

 

「ちょ、ちょっと待てよ!」

 

「おい! まだ話は終わってないぞ!?」

 

 しかし当然の様にナンパ男達は諦めようとせず、シンジ達の後を追ってくるではないか。それに気付いた幼いアスカは振り返ると、威嚇する様に睨み付けながら言った。

 

「帰って! あたし達と一緒に居られるのはシンジだけなんだから!」

 

 すると男達は一瞬怯んだ様子を見せたものの、すぐに気を取り直すと再びニヤつきながら言ってきた。

 

「ふん、ちっちゃいガキのくせに生意気言ってんじゃねぇよ」

 

「そうだよ。お前らみたいな子供は大人しく大人の言う事を聞けってんだよ!」

 

 そして今度はユイやキョウコではなく、目の前で立ち塞がるアスカに向かって手を伸ばしてくる。

 

「ほら、どけよチビッ子! 邪魔だからさぁ……!」

 

 その手がアスカに触れようとした次の瞬間──シンジは幼稚園児とは思えない雰囲気を漂わせながら冷酷に言い放つ。

 

「消えろ……僕のハーレムに指一本触るな」

 

「ひぃ……っ!?」

 

「……っ!?」

 

 幼いとはいえ、本物の殺気に溢れた目付きと只ならぬ威圧感を前にして、流石のナンパ男達も思わず怖気付く。するとユイとキョウコがシンジを後ろから抱き寄せてきっぱりと告げる。

 

「……あの、申し訳ありませんけど、ウチの息子は怒らせると怖いですから……それに、これ以上しつこい様でしたら警察を呼びますよ?」

 

「そうね。それに私達、これから愛するご主人さ『キョウコさんっ!』──じゃないわね、シンジ君といっぱい楽しむ予定があるのよ。悪いけれど、今日はこれくらいにしてさっさと消えてくれないかしら?」

 

 その迫力ある母親二人の恐ろしい笑顔を見て、ようやくナンパ男達は勝てないと分かり諦めて引き下がってくれた。

 

「ベー、だ! シンジがいる限り、あんた達なんかお呼びじゃないんだからっ!」

 

 未練がましく悔しげに去っていくナンパ男達にあっかんべーしながら可愛らしく舌を出すアスカ。するとシンジは怒った様子でアスカを叱り付ける。

 

「駄目じゃないか! ああいう時は戦わずに逃げなくちゃ! あんな奴らに構う必要なんてないんだからさ!」

 

「いいでしょ別に! だって、あんな連中あたし一人で何とでもなるんだから!」

 

「僕はアスカの事が心配なんだよ……!」

 

 言い返すアスカに対し、シンジが心の底から本気で自分の事を心配しているのだと分かる真剣な眼差しで見つめられ、怒鳴られたアスカの顔が見る見るうちに真っ赤に染まっていく。

 

「ぁ……うぅ……ご、ごめんシンジ……でも、ママ達をエッチな目で見てくるあいつらが許せなかったの……」

 

 しゅん……として謝るアスカだったが、シンジはアスカの肩にそっと手を乗せて溜息混じりに言う。

 

「アスカ……いいかい? もしまた今日みたいな事があったら、自分だけで動くんじゃなくて、頼れる人に助けを求める事。それが出来ない状況なら、僕がアスカ達を必ず助けに行くから──わかった?」

 

「う、うん……わかった、約束する」

 

 アスカが素直に返事をしたところで、幼いシンジはユイとキョウコに見守られながらアスカと約束の指切りを交わす。

 

 ……それは幼き日のシンジにとって、今でも忘れられないアスカとの大切な思い出だった。

 

 

 

 

 

 ──そして現在。

 

 懐かしい夢の中にいたシンジが意識を覚醒させると、すぐさまアスカの名前を叫んでいた。

 

 だがシンジの視界は一面暗闇に覆われており、自分が今どんな状態なのか全く分からない。それでもシンジは必死になってアスカの名前を呼び続ける。

 

(お願いだ……! 頼むから返事をしてくれ!)

 

 そう願い続けた時、シンジは自分のすぐ傍で何かが動いているのを感じた。

 

「アスカ……ッ!!」

 

「びっくりした……いきなり大声出さないでよ」

 

 ゆっくりと目を開けてみると、そこにはすっかり泣き腫らした顔でこちらを見つめるアスカの姿があり、シンジはようやく自分の置かれていた状況を理解した。

 

 神社の石段の上に寝かされていたシンジは石段に座る桜色の浴衣を着たアスカによって膝枕されていたのだ。

 

 寝ているシンジを膝枕するアスカの浴衣姿は帯が緩んで大胆に開けており、豊満な乳房や下腹部が丸見えになってしまっていた。

 

 どうやら先程の一件で三人組の男達から集団暴行を受けた際に気絶して倒れてしまい、そのまま気を失っていたらしい。幸いにも目立った外傷や骨折などはなく、シンジはほっと安堵の胸を撫で下ろす。

 

「アスカ……」

 

「やっと目が覚めたみたいね。ば~か♡」

 

 悪戯っぽく笑いながら、横向きに膝枕されたシンジの耳元を人指し指でツンツンしてくるアスカ。

 

「ここは……? 僕は何して……?」

 

 膝枕されたままにシンジが辺りを見回していると、アスカは少し寂しげな表情を浮かべて答えてくれた。

 

「あんた何も覚えてないの?」

 

 そう言われて、シンジは朧気に思い出す。確か自分はあの男達に殴られ蹴られ、それからアスカは……

 

 そこでシンジはようやく、自分達が一体どういう経緯でここにいるのかを思い出した。

 

「ア、アスカは大丈夫なの!? どこか怪我とか……まさか! あいつらに犯されて……!」

 

 慌てて起き上がろうとして訊ねるシンジをまだ駄目だとばかりに無理やりに寝かし付け、アスカは呆れた様に溜息を漏らす。

 

「……はぁ。本当にバカなんだから」

 

「ご、ごめん」

 

 その言葉を聞いてシンジは思わず反射的に謝罪してしまう。アスカはそんなシンジの頭を優しく撫でながら耳元で甘く囁く。その声はとても穏やかで優しかった。まるで、幼い子供をあやすかの様に……

 

「もう心配ないわよ。それより、ちょっとだけ休ませて。ずっと泣きながらあんたの看病してたせいで疲れてるんだから」

 

 そう言って横向きに寝るシンジの短い黒髪を軽く手で撫でてくれるアスカ。シンジは安心感を覚えると同時に、アスカに対して今まで以上の愛おしさが込み上げてきた。

 

「ありがとうアスカ……それと、遅れちゃってごめん」

 

「もぅ……何でシンジが謝るのよ。それならあたしだって……」

 

 困った様に微笑むアスカ。そんな彼女の優しさに感謝しつつ、シンジは改めて思う。

 

「だって……僕のせいでアスカは酷い目に遭って……なのに、肝心なところで全然記憶がないなんて、男として情けないよ」

 

「別に良いってば。だって……その、あたしがこうして無事でいるって事は……その……つまりそういう事でしょ?」

 

 恥ずかしげに頬を染めながらもチラッと見下ろすアスカを見て、ようやく彼女が何を言っているのか察するシンジ。

 

「そっか……」

 

 その言葉でシンジは改めてアスカが無傷である事に安堵し、同時に凌辱される彼女を挿入寸前まで守る事が出来なかった自分の不甲斐なさを悔やむ。

 

「……ねぇ、シンジ。あのさ、ちょっと聞いて欲しい事があるんだけど……」

 

 すると突然アスカは改まった口調で語り掛けてきて、シンジは思わず緊張する。

 

 しかしアスカはシンジの気持ちを落ち着かせる様に静かな声で伝える。その小さな声音からは、いつものアスカらしい強気な雰囲気は感じられない。

 

「……あいつらに散々触られて、お漏らししてまでたくさんイカされちゃったところ……シンジが全部上書きして慰めてよ……」

 

 顔を真っ赤にしつつ、アスカはもじもじと着ている浴衣を大きく開けさせ、膝枕しながら両脚を小さく左右に広げてみせる。

 

 アスカの綺麗なピンク色の花弁が露になり、その光景は横向きに寝かされたシンジには丸見えの状態になっていた。だがそれよりもシンジの視線を奪ってしまうのは……その下にあるぷっくりと膨らんだ小さな蕾だ。

 

 アスカの秘所から未だに垂れる透明な液体は粘着く蜜の様に蕩けた淫糸を引かせており、それはアスカが既に先程絡んできた男達の手によって何度も激しく絶頂させられてしまった事を物語っていた。

 

「アスカ……っ!」

 

 あまりにも淫靡な光景を目の当たりにしたシンジの心臓は激しく高鳴り、シンジの半ズボン越しに膨らんだ股間はアスカの太ももに触れているにも関わらず熱く固くなっていく。

 

「んっ……ふぁっ……♡」

 

 アスカはその熱い昂りを布越しに感じると、嬉しさ半分、羞恥心が半分といった複雑な表情で吐息を漏らした。

 

「はぁ、はぁ……シンジ、お願い……早くエッチして……? あたし、もうおまんこ我慢できないの♡」

 

 切なげに潤ませた瞳で見つめてくるアスカに、シンジの理性はあっという間に吹き飛ばされてしまう。シンジは急いで起き上がると、アスカを石段の上に仰向けに押し倒す形で覆い被さり、互いの唇を重ね合わせた。

 

「んちゅ……れろぉ……あぅ……♡」

 

 ただ重ね合うだけのキスではなく、舌と舌とで絡め合い、唾液を交換しながらの濃厚で激しいディープキス──それだけでアスカは甘美で官能的な快楽を味わいながら子宮の奥をじゅん……と淫らに疼かせた。

 

「はぁ……はぁ……シンジぃ……♡」

 

 とろ~んとした恍惚の雌顔でアスカは目の前にいる少年の名を呼ぶと、シンジは堪らずにアスカの乱れた浴衣を両手で開け広げ、彼女のGカップという白い生乳を露にする。

 

「ったく、僕以外の男でこんなに発情しちゃって……アスカのえっち……!」

 

「ち、違うもん……! あたし、そんなんじゃ──」

 

 口では否定しつつも、アスカは興奮気味に息を荒げながらシンジにしがみつき、自分から身体を密着させて擦り付けてくる。

 

「違わないだろ。ほら、僕の身体にアスカのぐっしょり濡れたお尻が当たってるけど、これってどういう事? アスカは僕以外ともこういう事したかったの?」

 

 明らかに怒ってますと言わんばかりに不機嫌そうな態度で訊ねてくるシンジに対し、アスカは恥ずかしそうに感じながらも正直に答える。

 

「ぁんっ……ご、ごめんなさい……っ! 本当は、あぁん♡ シンジに助けて貰う前からあいつらにいっぱいエッチな事されて、んんっ♡ ずっとおまんこイキっぱなしで……今も、シンジの匂い嗅いだだけで、もうエッチなお汁止まらなくって……やぁん♡」

 

「へぇ……それで?」

 

 シンジはアスカの告白を聞きながら、片手でアスカの乳房を乱暴に揉みしだきつつ、もう片方の手で彼女の下半身をぐちゅぐちゅと水音立てて弄る。

 

「ひゃう……! そ、それは……あくぅっ……! あん、あいつらのちっさい粗末なモノじゃなくて、シンジの逞しい種付けちんぽが欲しくて……ずっと我慢できなくて……っ! だから、あと少しであいつらと浮気になりそうだったの許してちょうだい、お願いシンジ様ぁっ!」

 

 アスカは涙目になって懇願する。その必死な様子にシンジはだいぶ怒りが収まったのか、すぐに胸を触る手を止めてアスカの頭を優しく撫でてあげる。

 

「まぁ、アスカがおっぱいやおまんこ触られるだけで感じるようにすっかり淫乱開発されちゃったってのもあるんだろうし……今回は僕が悪いよ、ごめんねアスカ」

 

 そう言って優しく微笑んでくれるシンジに、アスカはほっと安堵して彼の胸板に顔を擦り寄せながら甘え出す。シンジはアスカの頭を撫でていた手を離すと、今度はアスカの腰に添えて自分の方へと引き寄せる。

 

「きゃ……っ!?」

 

 するとアスカは簡単にシンジの胸元まで引き寄せられてしまい、シンジの分厚い胸に顔を押し付けて抱き締められてしまった。

 

「あん……シンジ……♡」

 

 アスカはシンジの腕の中に抱かれ、まるで恋人同士が愛し合っているかの様な錯覚を覚え、とても幸せそうな表情を浮かべる。

 

「上書きして慰めてあげないとね……」

 

 シンジはアスカの耳元で囁く様に言うと、彼女の捲れた浴衣から露になった豊満な生乳を鷲掴む。

 

「やん、シンジったら……そんないきなり……あんっ♡」

 

「あんな奴らに好き放題されたのに、アスカのおっぱいは柔らかいままだし……それに、アスカのおまんこの中だってまだ凄いよ……指が溶けそうだ……」

 

「あぁんっ……そんな、やだ恥ずかしい……っ♡」

 

 アスカは恥ずかしそうに頬を赤く染めながらシンジの胸の中で身悶えると、シンジはそんなアスカの可愛らしい反応に満足そうに笑う。

 

「ははっ、アスカ可愛いよ。アスカの身体、すっごく気持ち良い」

 

「んん……シンジぃ……しゅき、だいしゅきぃ♡」

 

 シンジはアスカの乳房を優しく揉みしだき、同時にアスカの秘所の中を掻き回す様に指先を出し抜きして弄っていく。

 

「あっ、んんぅ……♡ はぁ、あん……あん、やぁん……♡」

 

 するとアスカはシンジに身体を触られた事で再び快楽のスイッチが入り、膣内が熱くなっていく。大量の愛液が溢れ出し、太腿が軽く痙攣し始める。

 

 そしてアスカは無意識に両足をシンジの腰に回してしっかりと絡ませ、もっと気持ち良くなりたいとせがむ様にシンジの身体を強く抱き締める。

 

 そのせいでシンジの半ズボン越しに勃起している熱く滾った肉棒がアスカの股間に擦れて刺激され、シンジは思わず声を上げる。

 

「うわっ……! アスカ、エッチだ!」

 

 その感覚にシンジは堪らずに自分の半ズボンをパンツごと下ろした。アスカの恥態を見て興奮隠せないまま勢いよく飛び出してきた肉棒は、先走り汁でヌルヌルと光っており、アスカは思わず喉を鳴らす。

 

 熱り立ったシンジの肉茎はビクンッと大きく脈打ち、アスカの眼前で力強く存在を主張している。

 

 シンジはもう我慢出来ないとばかりに、アスカの浴衣を一気に剥ぎ取る。その下からは汗ばんだ白い肌と、ぷっくりと膨らんでいるピンク色の勃起乳首が露になる。

 

「ぁ……おっきぃ……♡ これぇ、これじゃなきゃダメなのぉ……♡ あんな粗チンばかりじゃ絶対おまんこ満足できないのぉ♡」

 

 アスカは男性の平均サイズを遥かに上回るシンジの反り返ったご立派な巨根を目にした途端、我慢出来ないと言わんばかりにエッチなおねだりを始める。

 

「まったく……アスカは本当に淫乱だなぁ。それじゃあ今からご主人様のをたっぷり味合わせて、浮気なんて考えれないよう育成し直してあげるからね……!」

 

 シンジはアスカの股間を大きく開いて見せると、その中心部にある蜜溢れる花弁に自分のペニスを宛がった。

 

「あぁんっ♡ ご主人様のおちんぽで、あたしの専用おまんこに栓して欲しいの♡ あたしの子宮に、ご主人様の濃厚な子種ミルクびゅるるぅ~って注いで欲しいの♡」

 

 アスカは待ちきれないとばかりに自ら腰を浮かせて股を開き、シンジの肉槍を挿入しやすい体勢を取る。

 

「よし、いくよアスカ……っ!」

 

 シンジはアスカの望み通りに彼女の膣内にゆっくりと侵入していく。

 

「あぁ……んっ……はぁんっ! ご主人様の……入って、くるぅ……っ!」

 

 ずぶぶっ!とアスカの蜜壷はあっという間にシンジの巨大な陰茎を呑み込んでしまい、傘開いて膨らんだ亀頭がアスカの最奥にまでこつん♡と達する。

 

 シンジはそこで一度動きを止めると、改めてとろとろに解れた膣内の具合を確かめる様に腰を動かし始めた。

 

 ぬちゅっ、じゅちゅっと粘っこい淫音が夜の神社に響き渡り、二人の結合部からは大量の愛液が漏れ出て石段を濡らす。

 

「んっ……すごい、アスカのここ、僕のを美味しそうに飲み込んじゃったね。しかもきゅうきゅう締め付けて、まるで僕を絶対放さないって言ってるみたいだ……っ!」

 

「うん、あたしの赤ちゃん部屋はシンジ専用のえっちな場所だからぁ♡ あたしのおまんこは全部シンジのものなんだからぁ……あんっ! だからお願い、いっぱい愛してぇっ! あたしを慰めてぇ!」

 

 アスカはそう言いながらシンジの腰に絡めた自分の両脚を強く固定して離さない……俗に言う“だいしゅきホールド”の姿勢を取った。

 

 そのおかげでシンジはより一層深くまでアスカの子宮口に肉棒を押し当てる事になり、二人はいきなり絶頂を迎えてしまう。

 

「あぁんっ! イクっ! イっちゃうっ! あたし、ご主人様のおっきぃちんぽでイカされるのぉ~!!」

 

「くぅっ……アスカ、射精るよ……っ!」

 

 忽ちシンジの熱い精液が大量に注ぎ込まれ、アスカはその熱さと量の多さに激しく感じてしまい、身体を仰け反らせながらぷしゅっ、ぷしゅぅぅっ……と盛大な潮吹きを披露してしまう。

 

 シンジはアスカの子宮口に直接種付けするかの様に腰を突き刺しながら、彼女の胎内へ大量の白濁を吐き出し続けた。

 

 それから数分後……ようやく長い吐精を終え、一息ついたシンジは自分の下でぐったりと横になってアヘ顔を晒すアスカを満足げに見下ろす。

 

 二人とも汗だくで呼吸も荒く、互いの身体にはべっとりとした大量の体液が付着していた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……シンジぃ……♡」

 

「ふぅ、はぁ……アスカ……」

 

 二人はお互いの名前を呼び合い、どちらからともなく再び唇を重ねる。そのまま暫く舌を絡ませた甘いキスを続けていると、シンジの肉棒は早くも硬さを取り戻し、アスカの膣内に収まったままで再び大きさを増していく。

 

「ぁ……シンジの、また硬くなってる……♡」

 

「うん、まだ全然足りないや。今度はアスカが動いてくれる?」

 

 シンジの言葉にアスカは嬉しそうに微笑むとシンジの身体の上に跨がり、騎乗位の体勢を取る。

 

「はぁい♡」

 

 アスカは淫らな表情で答えると、今度は自分から積極的に腰を振り始めた。

 

「んっ、んん……はぁ、あん……っ♡」

 

 最初はゆっくりだったピストン運動だが、すぐにその速度を上げていき、パンッ!パァンッ!と肉を打つ音が激しく鳴り響く。

 

 アスカはシンジの腹筋に手を置いてバランスを取りつつ、腰の動きに合わせて豊かな乳房をぷるんぷるんと揺らす。

 

「はっ、はっ、はぁっ……どう? シンジ……気持ち良い……っ!?」

 

「あ、あぁ……頭が馬鹿になっちゃうくらい気持ち良いよ、アスカ……っ!」

 

「良かった……あぁんっ♡ じゃあ、もっと気持ち良くびゅっびゅっって射精させてあげる♡」

 

 アスカは嬉しそうに言うと更に激しく腰を振り乱す。その度に肉棒はアスカの子宮口を何度も立て続けにノックし、シンジは彼女を征服する快感に身悶える。

 

「あぁんっ♡ しゅごい、おちんぽしゅごいよぉ♡ シンジのデカちんぽ気持ち良すぎて、あたしもうおかしくなるぅ♡ ちんぽ、ちんぽちんぽぉ~♡」

 

「はぁっ、はぁっ……いいよ、もっと激しく狂って……っ! アスカは僕だけの淫乱まんこなんだから!」

 

 シンジはアスカの尻肉を鷲掴みにして下から突き上げ、子宮口に亀頭をめり込ませると、アスカは忽ち身体を震わせて悶える。

 

 幼い頃よりアスカの開発されてきた膣内はすっかりシンジの形を覚えてしまい、シンジ専用の極楽名器に変わっていた。

 

「あひぃっ! イグっ! またイクッ! シンジぃ、あたしの淫乱まんこに濃厚な孕ませミルク注いでぇ!」

 

 アスカは唾液を撒き散らして絶叫するとすぐさま全身を痙攣させ、膣内をぎゅうううっと収縮させる。その激しい締め付けにシンジの肉棒は耐え切れずに再び大量の子種汁を噴出した。

 

「ううっ、射精る……っ!」

 

「ああぁぁっ! 出てるぅっ♡ シンジの熱々ザーメンミルクがあたしのおまんこ満たしてるのぉっ♡」

 

 アスカは幸せそうな蕩けた表情を浮かべてシンジの肉棒から放出される濃厚な精液を子宮で受け止める。その量は凄まじく、入り切らなかった分は結合部からだらだらと溢れ出し、アスカの太腿を伝って流れ落ちていった。

 

「あぁ……んっ……シンジの……ご主人様のせーえき……美味しい……んちゅっ♡」

 

 アスカは腹上から肉棒を引き抜くと、尿道に残った精子までも吸い出す様にすぐさまシンジの先端を舐めて綺麗にお掃除フェラを始める。

 

「んっ、ちゅぱっ、ちゅぷっ……んっ……はぁ……♡ んっ……ご主人様ぁ……好きぃ……らいしゅきぃ♡ んっ、ちゅっ、ちゅっ♡」

 

 アスカはシンジのペニスに愛情たっぷりの優しいキスをした後、最後にもう一度軽く亀頭に口づけをする。

 

 そんなアスカの可愛らしい奉仕にシンジの男根は再び元気を取り戻す。それを見てアスカはうっとりと目を細めて微笑むと、今度はシンジに大きなぷりっぷりっの桃尻を向けて左右にフリフリと振ってみせる。

 

 その様子はまるで発情期のメス犬の様に卑猥であった。シンジはアスカのおねだり求愛ダンスに思わず生唾を飲み込むと、肉付きの良い桃尻を両手で掴んで精液溢れ落ちるつるつるパイパンな割れ目をくぱぁと広げさせる。

 

「はぁんっ……ご主人様ぁ……もっとぉ、ご主人様のおちんぽ、あたしのおまんこぐちゅぐちゅに掻き回してぇ……っ! あぁんっ、もうだめっ♡ シンジぃ、あたしちんぽの事しか考えられないのぉっ♡」

 

 アスカは頬を赤く染めながら、甘ったるい声でシンジを卑猥に誘惑する。シンジはその声とお尻のいやらしい動きにぞくりと背筋を震わせると、アスカの腰を引き寄せて再び彼女の蜜壷へと剛直を挿入していく。

 

 既にぐっしょりと濡れているそこはシンジの巨根を簡単に受け入れ、奥までずっぽりと埋め込んでしまう。最早シンジ専用ケースという具合だ。

 

「あっ、んっ、んんっ……はぁんっ!すごっ、すごいぃっ! シンジのちんぽしゅごいのぉっ♡ あたしのおまんこ、全部シンジので満たされてるぅっ♡ これじゃ、まるで……っ!」

 

 アスカは何かを言い掛けて言葉を止める。そして少しだけ躊躇う素振りを見せるが、やがて意を決した様に続きを口に出した。

 

 それは彼女にとってとても恥ずかしくて……でもどうしても伝えたかった事だ。だから勇気を出して告げる。

 

 ──まるで、シンジの赤ちゃんを産むみたいだね……と。アスカのその一言でシンジの理性は完全に吹き飛んだ。

 

 シンジはアスカの大きなお尻を手で引っ叩き、後背位の体勢で激しく責め立てる。

 

 ぱんっ!ばちんっ!という肉を打つ音が響き渡り、二人の結合部から漏れ出た精液や愛液が水飛沫となって飛び散る。

 

 お尻を叩かれた事でアスカは痛みに身体を強張らせるが、すぐに快楽の方が上回り、シンジに叩かれる度に艶っぽい喘ぎ声を漏らしてしまう。

 

 もう何度とお尻を叩かれたかさえ覚えてないというのに、アスカの身体はそれを悦びと感じてしまう様に長年掛けてじっくりと開発されたのだ。

 

 しかもアスカはそれだけでは飽き足らず、自らぷりっぷりっの柔らかく実ったお尻を高く上げてシンジにぐいっと突き出すと、更に激しくハート型の可愛らしいお尻をフリフリと振り始めた。

 

「あんっ、あぁんっ♡ もっと、もっとパンパンしてぇっ! シンジになら、あたしのお尻が真っ赤になるまでぶたれても構わないからぁっ♡」

 

 アスカは涙目になりながらも嬉しそうに叫ぶ。その表情には苦痛や嫌悪の色は一切無く、むしろ被虐的な喜びすら感じていた。

 

 その光景はとても淫靡で……シンジはアスカのあまりのドMぶりに増々興奮し、更に激しく腰を動かしてはアスカの柔らかなお尻を何度も優しく平手打ちする。

 

 するとアスカは背中を大きく仰け反らせ、膣内を思い切り収縮させた。その強烈な締め付けにシンジも限界を迎え、アスカの胎内に本日3度目となる迸る熱いパトスをこれでもかと大量に注ぎ込んだ。

 

「あぁぁっ♡ また出てるぅっ! ご主人様の熱々ザーメンミルクがあたしの膣内にいっぱい……っ! あぁんっ♡ しゅごい、しゅごいよぉ♡ イクっ、イクっ、またイっちゃうぅっ! あぁぁぁぁ~~っ!!」

 

 アスカはその日一番の盛大な潮吹き絶頂を迎えると、そのまま力尽きたのか、お尻を突き上げた無様な格好で神社の石段の上に倒れてしまった。

 

 それでも尚シンジのペニスは未だに硬さを失っておらず、アスカの膣内でびくんびくんと脈動している。

 

 しかし流石のシンジもこの短時間に三回も避妊せずに膣内射精をした為、これ以上はアスカの負担になると判断し、名残惜しそうにしながらも肉棒をゆっくりと引き抜いた。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……んっ……やだ、エッチな音漏れちゃう……♡」

 

 アスカは息を整えながら、自分のお尻の隙間から流れ出る大量の白濁液を感じて堪らずに潮を噴かせて悦ぶ。

 

 ぷしゃあぁぁぁぁぁっ……と勢い良く噴出されたその透明なシャワーはシンジの下半身を中心に降り注がれていき、彼の肉棒にもべったりと付着する。

 

「はぁ……はぁ……ふぅ……はぁ……はぁ……」

 

 シンジもまた荒い呼吸を繰り返しつつ、目の前で未だヒクついているアスカの秘裂を眺める。

 

 そこからは3度の射精を経て子宮に収まり切らない大量の精液が外気を求めて逆流してしまっており、シンジは無意識のうちに舌なめずりをしてアスカの痙攣止まらないお尻に顔を近付けていく。

 

「……んっ……れろっ……ちゅぱっ……ちゅっ……んんっ……♡」

 

 シンジはアスカの太腿を掴んで大きく股を広げさせると、無限に溢れ出てくる自らの放った精液を指先で掻き出し、アスカの秘裂に顔を埋めて綺麗に舐め取る。

 

 その恥ずかしい行為にアスカは抵抗する事もなく、むしろ自分からお尻を高々と掲げてシンジに舐め易い様に屈服して差し出す。

 

「はぁっ……はぁっ……もっと……シンジ……もっとおまんこ舐めてぇ……っ♡」

 

 アスカは腰をくねらせてシンジの顔にぐりぐりと股間を押し付ける。シンジはそんな彼女の淫乱さに興奮すると、今度は赤く火照った無防備な肉芽に吸い付き、貪欲にむしゃぶりつく。

 

 シンジの生温かい口の中でアスカのクリトリスは更に勃起し、包皮を剥いて露わになった綺麗な肉豆は敏感に刺激に反応し、アスカの全身に電流が流れるほどの快感を与える。

 

「ひぃんっ! そこぉっ、それはだめぇっ♡ あたしのクリちゃんいじめないでぇっ♡」

 

 シンジはアスカの懇願を無視して肉豆をしゃぶり続け、最後に上下に生えた前歯の隙間にそれを挟む。舌先でちろちろと高速舐め洗いしながら歯茎で傷付けない様に優しく甘噛みプレスをクリトリスに対して容赦なく行う。

 

 するとアスカは一際大きな声で堪らず快楽絶叫し、腰を浮かせたまま小刻みに震え始める。どうやら今の責めは大変お気に召したらしい。

 

 その証拠にアスカの膣穴からは愛液が大量に溢れ出ており、まるでお漏らしをしているかの様にぽたぽたと滴り落ちている。

 

「ぁ、あへぇ……♡ もう、らめぇ……シンジ様のエッチしか考えられないのぉ……♡ あぁん……もう二度と、他の男に気安く身体触らせたりしましぇん……♡」

 

 アスカは焦点の定まらないハートマークを宿した瞳で虚空を見つめながら、蕩けた笑みを浮かべて唇から唾液を垂らす。

 

 シンジはアスカの可愛らしい反応に満足げに微笑むと、今度はアスカのお尻に手を乗せて優しく撫でてあげる。

 

「よしよし、さっきは痛かったね? お尻こんなに赤く腫れちゃって……大丈夫だよ、アスカは僕が責任取って幸せにしてあげるから。だから安心してこのまま好きな時に好きなだけエッチし合うラブラブな関係を続けようか」

 

「んっ……はぁい、ご主人様ぁ……♡ あたしは生涯シンジだけの淫乱エッチなお嫁さんです……だから、ずっと愛して可愛がってください……♡ んちゅっ、ちゅぱっ、んっ……♡」

 

 アスカは嬉しそうに返事をした後、自ら身体を起こしてシンジの方に振り向くと可愛らしくキスをせがみ、シンジもそれに応えて彼女の涎止まらない唇に自身の唇を重ねてディープな大人のキスを交わす。

 

 ちょうどそのタイミングで宵闇の空に色鮮やかな打ち上げ花火が打ち上がり、二人の淫らな愛を祝福するかの如く境内を明るく照らした。

 

「あっ、打ち上げ花火……始まっちゃった……」

 

「そうみたいだね。でもアスカ、今日はこのまま神社から花火見ようよ。今からまたお祭り広場に戻ったんじゃ全然見れなくなっちゃうし」

 

 言いながら石段に腰掛けるシンジは浴衣姿を開けさせたままでいるアスカを抱き締めると、彼女の豊満な胸の谷間に顔を埋める。

 

 柔らかく弾力のある乳房の感触がとても心地良い。シンジは少しの間、その温かく甘いミルクの香りが漂う乳肉の海に埋もれて幸せな気分に浸る。

 

「んっ、そうね……いいわよ。それにシンジは花火よりもおっぱいで遊ぶのに夢中みたいだし……ほーらご主人様ぁ、あたしのおっぱいはここよぉ……♡」

 

 アスカはシンジの頭を優しく撫でつつ、その可愛らしい顔を自分の勃起した乳首に吸引させる。

 

 ぷっくりと膨れたピンク色の突起はシンジの口の中にすっぽり収まり、その先端からは母性溢れるミルクがじわりと染み出して彼の喉を潤していく。

 

 シンジはその甘美な味に思わず夢中になってアスカの乳首をちゅうちゅうと音を立てて濃厚な母乳ミルクを吸い始める。一方アスカはシンジの赤ちゃん返りの様な行動に嬉しさと悦びを感じてその背中を摩り、向かい合う形で優しく抱き寄せて授乳を続ける。

 

 そうしている間にも空に消えた花火は次々と打ち上げられ、夜空に大輪の花を咲かす。

 

「ふふっ、可愛い♡」

 

 アスカは優しくシンジの頬を撫でながら、慈愛の籠った眼差しを向ける。その表情は幼馴染みというよりはむしろ母親のそれに近い。

 

 この人とは絶対に何があっても添い遂げなければ……アスカは心の底からそう思う。そしてその想いは、この先どんなに困難な状況になろうとも決して変わる事は無いだろう。

 

 何故なら彼女はシンジを愛していて、シンジもまた彼女を深く愛しているからだ。二人はお互いの愛情を確かめ合った後、どちらからともなく自然と手を握り合い、肩を寄せ合って静かに打ち上げ花火を眺める。

 

「ねぇ、シンジ……」

 

「ん?」

 

「大好きよ……あたし達、これからもずぅっと一緒だからねっ♡」

 

「アスカ……うん、こちらこそ。僕もアスカの事、誰よりも大好きだ。ハーレムの中でも多分、一番特別な存在だと思ってる」

 

「えへへ……嬉しいっ♡」

 

「……っ!?」

 

 シンジの言葉にアスカは満面の笑顔を見せると、そのまま彼の顔を引き寄せてチュッと唇に触れるだけの甘いキスをする。

 

 突然の不意打ちにシンジは驚くも、すぐに冷静さを取り戻す。アスカはそんな彼を見てくすっと笑うと、再びシンジと並んで打ち上げ花火を眺める。

 

 神社の石段に座って眺めるその光景はとても幻想的で美しく、まるでこの世の物とは思えない程に素晴らしい思い出として刻まれた。

 

 ……こうして、二人っきりの夏祭りの夜は過ぎていく。二人が生涯離れる事の無い永遠の愛を誓い、その絆をより強固なものにした記念すべき青春の日として……

 

 

 




【次回予告】

シンジたちのクラスに新たな転校生がやってくる。

渚カヲル……彼はネルフが進めている研究を邪魔すべく、秘密結社ゼーレがスパイとして派遣した五人目の監視者(シェムハザ)だった。

シンジにしつこく付き纏うカヲルの怪しい動きを危険視したアスカとレイ。

二人はシンジを守るべく協力し、あの手この手でカヲルを妨害する。

次回、『ゼーレから来た少年』




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第4章 渚カヲル暗躍編
ゼーレから来た少年


お待たせしました。最新話です。

今回から第4章【渚カヲル暗躍編】に入ります。

第4章は今までの中じゃかなり短い内容ですが、シンジ達の関係が一気に深まる重要回だったりします。

また、ただいま事情により更新停止中のAI挿絵の追加表示についてはもうしばらくお待ちください。


 

 どこかも分からない暗闇の空間──そこの中央に用意されたパイプ椅子に腰掛ける一人の少年がいた。

 

 黒い学生ズボンを履いた両足をだらんと伸ばし、物静かに両目を瞑る銀髪の彼は12柱の黒いモノリスに取り囲まれ、今まさに新たな指令を受けている最中だった。

 

『……よいな? これは極めて重要な任務だ。失敗は許されぬぞ』

 

 赤文字で『SEELE(ゼーレ)』と刻まれたNo.1からNo.12までのモノリスのマークが一斉に光り輝くと、パイプ椅子に座る中学生らしき銀髪の少年はゆっくりと瞼を開く。

 

 その開かれた両瞳は血の様に真っ赤な色をしており、とても人間とは思えない不気味な印象を与える。

 

『渚カヲル──全てはお前に掛かっている。我らの願い、人類の補完はいずれ訪れる。その為には必ずや碇の息子を手に入れ、アダムによって封印されたルシフェルの魂を解き放つのだ』

 

 カヲルと呼ばれた少年は黒いズボンのポケットに両手を突っ込んだまま、No.1と記された目の前のモノリスに向かって不敵に微笑む。

 

「……あぁ、わかってるさ」

 

 そう呟くと、カヲルは再び両目を閉じる。するとその瞬間、彼を取り囲む全てのモノリスが一瞬にして消え去り、辺りには再び静寂が訪れた。

 

「……ようやく逢えるね、碇シンジ君」

 

 カヲルは誰も居なくなった暗闇の空間で静かに笑みを浮かべたまま、小さく囁いて消え去る。先程まで彼が座っていたパイプ椅子の上からは、ひらひらと黒い堕天使の羽根が舞い落ちていた。

 

 

 

 

 

 さて──ある夏の日の事だ。シンジが通うネルフ学園中等部の2年A組のクラスに転校生がやって来た。

 

「渚カヲルです。よろしく」

 

 そう言って微笑んだ彼の容姿を見た女子生徒達は忽ち黄色い声を上げ、男子達からも感嘆の声が上がる。

 

 透き通る様な白い肌に真っ赤な瞳、非常に整ったクールな顔立ち、そして艶やかな銀髪を切り揃えたその姿はとても美しく、まるで神話に登場する天使の様にパーフェクトな美少年であったからだ。

 

 ……だがそんな周囲の反応とは裏腹に、シンジだけは何故か眉間に皺を寄せながら彼を睨んでいた。何故ならこの渚カヲルという少年は、前世の記憶で少なからず見に覚えがあったからだ。

 

 ──渚カヲル。その正体は使徒28柱に数えられる第19使徒タブリス。『自由意志』を司る天使で、ラミエルやラファエルと同じく最強とされる『七大使徒』の一人に数えられるほどの人物だ。

 

 彼はネルフに敵対心を見せる秘密結社ゼーレがスパイとして派遣した五人目の監視者(シェムハザ)である。

 

 シンジはまだその事実を知らないとは言え、カヲルの狙いが自分にあるという事は薄々勘付いており、だからこそ警戒していたのだが……

 

「先生、席はあそこが空いてますね?」

 

「あぁ、シンジ君の隣ね。そうね、そこを使ってちょうだい」

 

(何だろう……コイツからは敵意を感じない。むしろ好意すら感じるんだけど……)

 

 それどころか、教室に入った時からこちらを見つめる赤い瞳には純粋な興味の色が浮かんでいる様にさえ見えた。

 

「よろしく、シンジ君」

 

「あ、うん……よろしく、渚君」

 

 正直あまり仲良くしたくないな……シンジは内心そう思いながら隣の机に座るカヲルに挨拶する。

 

「カヲルでいいよ」

 

 しかしカヲルはクールな笑顔を浮かべながら呼び方を訂正させる。どうやら苗字ではなく名前で呼んで欲しいらしい。

 

「シンジ君、すまないけど教科書見せて貰えないかな? まだ何も手元に届いてないんだ」

 

「う、うん……あっ、それじゃあもっと机近付けた方がいいか」

 

「あぁ、ありがとう」

 

 それから二人は机をくっつけたまま授業を受ける事に。しかしその間もずっとカヲルの視線はシンジに向けられており、その事に気付いているシンジもまた彼に意識を向けて悶々としていた。

 

(うぅ……めっちゃ見られてる。やっぱりこいつホモなんじゃないか?)

 

 みんなの見ている手前、シンジはやむを得ず隣のカヲルに教科書を見せてあげていたが、本心を言うと一刻も早くこの気まずい時間が終わって欲しかった。

 

 別にカヲルが嫌いという訳ではないのだが、何というか……カヲルの赤い瞳に見つめられ続けていると妙に胸騒ぎがするというか、ゾクッとする嫌な感覚に襲われるのだ。

 

(あぁ……同じ赤い瞳なら男なんかより綾波さんに見つめられてたいなぁ……せっかく隣同士なんだし)

 

 そう考えつつシンジはチラリと横目でカヲルの方を見る。すると偶然にも彼と目が合ってしまい、慌てて目を逸らす。

 

「フッ……可愛いね」

 

 カヲルは誰にも聞かれない声量でシンジを見ながら小さく呟く。それはまるで、自分の事を気にしてくれている事が嬉しいとでも言わんばかりに。

 

 

 

 

 

 やがて最初の授業が終わり休み時間になると、早速クラスの女子達がカヲルの周りに集まって来た。

 

「渚君はどこから来たの?」

 

「どの辺に住んでるの?」

 

「趣味は?」

 

「どの部活に入るか決めた?」

 

「どうして引っ越して来たの? 親の仕事の都合?」

 

 カヲルはその全てに対してクールに微笑みながら答えていく。すると忽ち女子生徒達はカヲルにメロメロになり、中には目をハートにして頬を染め、とろ~んとしている子もいた。

 

 唯一クラスでカヲルの傍に近付いていない女子はアスカ、レイ、ミカサの三人だけだ。ネルフ学園が誇る三人のアイドル的美少女はカヲルが女子達に囲まれる前にさっさと逃げ出したシンジに従う形で教室の片隅に集まっていた。

 

「まったく、ヒカリまで顔を真っ赤にしちゃって……あんなキザっぽいののどこがいいんだか」

 

「惣流さん、そういう言い方はどうかと思うけど……彼はまだ転校して来たばかりなんだし」

 

 カヲルに群がる女の子達を見て呆れた様子で呟くアスカに、レイが控えめに苦言を呈する。確かにカヲルの容姿は男子から見ても文句無しに整っているし、あの笑顔を振り撒かれれば誰だって虜になってしまうかもしれない。

 

「とか言って、ちゃっかりシンジから離れないじゃない。あんた、ああいうの好きじゃないんでしょ?」

 

「うっ……そ、そんな事ないわ。ただ、あれだけじっと見られてると碇くんが迷惑してそうかなって……」

 

 そう言いつつも、レイは授業が終わるとすぐさまシンジの着ているワイシャツの裾を引っ張ってカヲルから離れた場所に避難していた。実に正直なレイである。

 

「ミカサはどうなの? ──って、聞くまでもないか」

 

「……ミカサは別に。男の人などどうでもいいので」

 

「ふ~ん。ま、興味ないならそれでいいけど」

 

 アスカはシンジの隣に立ってシェイクスピアの本を読書中であるミカサの冷めた反応につまらなさそうな表情を浮かべると、そのまま向き直ってシンジへと視線を移す。

 

「……何だよ、人の顔ジロジロ見て」

 

「べっつにぃ~。相変わらず女の子みたいな可愛い顔してるな~って思って」

 

「うるさい、ほっとけ」

 

 シンジは無愛想な顔を浮かべてアスカの言葉に突っ込む。実際シンジの顔立ちは中性的であり、女装などしようものなら簡単に黒髪ロングヘアーの美少女に化ける事が可能だったりする。

 

「ふふっ♡ ま、シンジはああいう女たらしな奴は苦手だもんねぇ。シンジと違ってかなりのイケメンだし」

 

 アスカはそう言うと、ニヤニヤしながらシンジの胸元を指先で軽く小突いた。

 

「ま、でも……あたし達だけは全員あんたのハーレムなんだから、そこは安心してよね♡」

 

「っ……あまり大きな声で言うなよ。ただでさえ三人とも学校じゃ目立つんだからさ」

 

 シンジは少し照れ臭そうに赤面して俯きながら注意する。するとそこにカヲルが歩み寄って来たではないか。

 

「シンジ君──悪いんだけど、校内案内してくれないかな?」

 

 どうやら女子達からの質問攻めが終わったらしく、カヲルはシンジに声を掛けて来た。

 

「えっ……僕が?」

 

 露骨に嫌そうな顔をしながらシンジはカヲルに聞き返す。シンジは未だにカヲルに良い印象を抱いていなかった。というより、この少年に対する不信感を拭えずにいたのだ。

 

(こいつの目的は間違いなく僕のはずなのに、何故かこいつは僕に友好的な態度を取ってくる。それが逆に怖いんだよなぁ……)

 

 シンジはカヲルの真意を測りかねていた。何故ならカヲルは人間ではなく使徒である。つまり監視者(シェムハザ)のシンジにとってカヲルは殲滅しなきゃならない敵なのだ。

 

 それなのに何故かカヲルは出会ったばかりでシンジにやたらと接してくる。そんな彼にシンジは薄気味悪さを覚えていた。

 

「そう。今日中に学校の施設を全て覚えておきたくてね。両親が理事長の君なら他の生徒よりも色々と知っているんじゃないかと思って」

 

 そう言って怪しく微笑むカヲルだったが、その赤い瞳の奥にはシンジへの強い関心の色が宿っていた。

 

「ちょっとあんた! さっきから黙って見てればシンジにちょっかいばかり出して……何のつもりなの!?」

 

 そんなカヲルに真っ先に噛み付いたのは、やはりと言うべきかアスカであった。

 

「おや。君がシンジ君の幼馴染み、惣流・アスカ・ラングレーだね。初めまして、僕は──」

 

「そういうのいいから、あんたがシンジに馴れ馴れしく近付く目的を言いなさいよ!」

 

「目的……あぁ、そう言えばまだ説明していなかったね」

 

 アスカに詰め寄られたカヲルは思い出した様にポンと手を叩き、シンジを真っ直ぐ見つめながら口を開く。その赤い瞳はシンジだけを映しており、まるで最初からシンジしか見えていないかの様だ。

 

「僕は“君達”と同じなんだよ」

 

 意味深な言葉にシンジ、アスカ、レイの三人は困惑気味に顔を見合わせ、ミカサはやれやれと溜息混じりに読んでいた本を静かに閉じる。

 

「……彼は監視者(シェムハザ)なんですよ。今まで仕事の方はミカサに任せっきりでサボりがちだったようですが」

 

 カヲルの言った事に逸早く反応したのは、彼の正体を知っているミカサだった。それを聞いたシンジ達はギョッとした様子でカヲルを一瞥する。

 

「そう。つまり僕は五人目なんだ──でもサボりがちとは酷い言い草だね、ミカサ。これからは君達と一緒に使徒と戦うネルフのフィフス・チルドレンさ」

 

 カヲルは涼しい笑みを浮かべたままシンジ達に語り掛ける。

 

「な、何を言っているんだ? 君が……五人目の監視者(シェムハザ)? 冗談だろう?」

 

 シンジは動揺を隠せないままにカヲルに問い掛ける。しかしカヲルはクスッと笑うだけで何も答えようとしない。それどころか、シンジがカヲルに抱いていた疑念を見透かしているかの様に、どこか楽しげな眼差しを向けている。

 

「シンジ君、駄目かな? そういう訳だから、もし良ければ君に校内を案内して欲しいんだけど」

 

「い、いや……それは別に構わないけどさ。そもそも、どうして僕なんだ?」

 

「碇シンジ──監視者(シェムハザ)のサード・チルドレンにして人工進化研究所の所長副所長である碇夫妻の一人息子──君の存在は以前から聞かされて知ってはいたけど、こうして実際に会うのは初めてなんだ。せっかく同じクラスになったんだし、仲良くなりたいじゃないか」

 

「………」

 

 カヲルの答えにシンジは何も言えなかった。

 

「それに僕としても、君は非常に興味深い存在なんだよ。“ただの男”には興味ない──シンジ君、“君だからこそ”お近付きになりたいんだ」

 

「……わかった。そこまで言うなら、一緒に行くよ(やっぱりホモだこいつ)」

 

 カヲルの真摯な態度に押される形でシンジは渋々承諾し、二人は連れ立って教室を出ようとする。

 

「あっ、待ちなさいよシンジ! あたし達もついて行くわ!」

 

 そんな二人を見たアスカが慌てて後を追い掛け、レイとミカサも二人の後に続こうとするが……

 

「アスカ達は別に来なくても──」

 

「だ~め! こんな怪しい奴と二人きりにするなんて危険過ぎるわ!」

 

 アスカはそう言いながらシンジの腕にしがみつく。一方レイはアスカの反対側からシンジに抱き着き、ミカサはシンジの背中に隠れる様な形でそれぞれカヲルを睨み付ける。

 

 三人の美少女に身体をホールドされたシンジは内心嬉しく思いながらも、それを悟られない様にしてカヲルに告げる。

 

「ま、まぁ……そういう事らしいんだけど……カヲル君、いいかな?」

 

「……フッ。なるほど、ね。でももうすぐチャイムが鳴りそうだし、校内案内はまた後でしてもらうとするよ」

 

 シンジを守ろうとするアスカやレイの必死さを見てカヲルは何かを察したのか、小さく苦笑いを浮かべると諦めて自分の席に戻って行った。

 

 その後もカヲルは授業の度にシンジに積極的に話し掛けて来た。その様子を見てドギマギするアスカやレイを挑発するかの様に、カヲルはわざとシンジに密着したりしていた。

 

 

 

 

 

 ──そして放課後。

 

 全ての授業が終わり、シンジは逃げるよりも先にカヲルに捕まってしまい、二人は今現在、校内を歩き回っていた。シンジはアスカ達を一緒に連れて行きたいと話したのだが……

 

「ごめん。僕は人見知りする性格なんだ。それに女の子には興味ないから、シンジ君だけでいい」

 

 などとカヲルに強く言われてしまい、結局シンジ一人でカヲルを案内する事になってしまったのだ。

 

「……それで? カヲル君はどこに行きたいとかあるの?」

 

 げんなりした様子で校内の廊下を歩くシンジは隣に並ぶカヲルへと訊ねる。誰が好き好んでアスカとレイのエッチのお誘いを泣く泣く断り、放課後に男二人でデートみたいな事をしなければならないのだ……と、シンジはカヲルに気付かれない様にこっそりと溜息を吐く。

 

 だがカヲルはそんなシンジの内心を全く気にしていないらしく、ニコニコしながら口を開いた。

 

「そうだね……音楽室に行ってみたいかな。シンジ君もたしか、小さい時にチェロを嗜んでいたそうじゃないか」

 

 良く知っている……というより、シンジの個人的なプロフィールを事前に調べてきたであろうカヲルの言葉にシンジは思わず顔を顰めながらも答える。

 

「あぁ、うん……まぁ、父さんがかっこいいからやるべきだってうるさくてね……」

 

 シンジ自身は別に音楽に興味など無かったのだが、碇家では昔から父親のゲンドウの一存で何かしら家族の時間を大切にしてきた。

 

 音楽もそういったゲンドウ発案の一つであり、シンジは小学生になった頃から毎日の様にチェロの練習に励んで来た。そのおかげでシンジは幼い頃からプロ並みの腕前を持つに至っている。

 

 とは言え……音楽はやれと言われてやるものでもなく、シンジはチェロの練習自体は好きでもなかった。どちらかと言えばチェロの練習よりアスカや母親達とのエッチに没頭していたかった為、中学に入ってからは部活にも入らずに帰宅部となっていた。

 

「音楽が好きなの?」

 

「あぁ。音楽は心を潤してくれる。人類(リリン)の生み出した文化の極みだよ。そう感じないかい?」

 

 カヲルは感慨深げにそう語ると不意に足を止め、シンジの顔を見つめながら静かに微笑む。その赤い瞳は相変わらずシンジだけを映しており、まるでシンジ以外の全てが目に入っていないかの様だ。

 

「わからないよ……だいたい、“リリン”ってミカサと同じ事言って──」

 

 そんなカヲルの態度にシンジは薄気味悪さを覚えて身震いすると、カヲルを置いて早足にその場から離れようとした。しかしカヲルはそんなシンジを逃さないとばかりに腕を掴むと、そのままシンジを強引に抱き寄せる。

 

「えっ、あっ……!?」

 

 突然の事にシンジは抵抗できず、カヲルの胸の中にすっぽりと収まる形となった。その瞬間、シンジの全身にゾワッとした悪寒が走る。

 

 カヲルに抱き締められた事で感じる男の匂いや体温がシンジの嫌悪感を強く刺激し、その顔は動揺して真っ赤になっていく。

 

(やばい! やっぱりホモだよ! 最悪だ、男にハグされるなんて……!)

 

 シンジはカヲルの拘束から逃れようと手足を動かすが、カヲルの力が予想外に強過ぎて振り解けない。

 

「一時的接触を極端に避けるね、君は。怖いのかい? ヒトと触れ合うのが」

 

 カヲルはそう呟きながらシンジの耳元にそっと口を寄せ、シンジの耳にふぅ~と息を吹き掛ける。

 

 その途端、シンジの背筋に電流の様な感覚が走り、思わず声が出そうになった。シンジは慌てて口を手で押さえ、カヲルから離れる様に身体を捻るが……

 

「ち、違っ──お、お前何やって……!?」

 

 その時、シンジの背中に固い壁がぶつかる。どうやら背後は廊下の壁らしい。シンジは逃げ場を失い、追い詰められた獲物の様に怯えながらカヲルに振り返る。

 

「フフッ、怖がらないでいいよ。僕は君に危害を加えるつもりはないんだ」

 

 カヲルは優しい笑みを浮かべたままシンジを安心させる様に囁くが、それが逆にシンジの恐怖心を増していくばかりで一向に和らいでくれない。

 

「いや、あの……放してくれよ……っ!」

 

「フフッ、可愛いねシンジ君。君がそんなに魅力的だから、あの厄介な女の子達も君から離れられないんだろう?」

 

「な、何を……?」

 

 カヲルはシンジを抱き寄せたまま、意味深に話し続ける。

 

「惣流・アスカ・ラングレーに綾波レイ、そして雪風ミカサ……か。あのクラスの女の子達で三人だけが僕ではなく、君に夢中だ。いや、というよりミカサ以外の二名については最早性的依存に近い。僕としては君を独占したいけど、それは叶わない願いなんだろうね」

 

「な、何を言っているんだよ……? やめろよ、気持ち悪い……!」

 

 カヲルの言葉にシンジは身体を小刻みに震えさせ、拒絶の意思を示す。だがカヲルはシンジの顎を指で優しく撫でながら、熱っぽい視線をシンジに向ける。

 

 その表情はどこか陶酔しているかの様で、カヲルはシンジの顎をくいっと持ち上げ、ゆっくりと唇を近付ける。シンジはその行動の意味を咄嗟に理解し、慌ててカヲルを突き飛ばす。

 

「な、なにをするんだよ……!?」

 

「フフッ、君があまりにも可愛らしいからつい、ね。嫌だったかな?」

 

「なっ……あっ、当たり前だろ!? ホモにキスされそうになって、男が喜ぶ訳がないだろ! 僕はホモじゃないんだし!」

 

 シンジが顔を真っ赤にして抗議すると、カヲルはフフッと笑いながら肩を竦めて見せる。

 

「シンジ君、君は何か誤解しているよ。僕はホモじゃない。男なんてどうでもいいと思っている」

 

「だ、だったら何で……!?」

 

 カヲルの答えにシンジは思わず問い返す。するとカヲルはシンジの目を真っ直ぐに見据えたままはっきりと言い放つ。

 

「僕は男じゃなく、シンジ君だけをずっと()でていたいんだ。わかるだろう?」

 

「………」

 

 思わず目眩がするシンジ。最早カヲルに対し何も言えなかった……カヲルの口から発せられたのは紛れもない愛の告白。

 

(っ……だから、そういうのをホモって言うんだよぉ!)

 

 シンジは心の中で悲鳴混じりに叫ぶと、カヲルから逃れる為にその場を離れようとするが……

 

「ちょっとあんた! いい加減にしなさいよ!」

 

 そんな二人の間にアスカの声が割って入る。どうやら二人を後ろからこっそり尾行していたらしい。

 

「シンジに変な事しないでくれる!? それに……シンジは男なんかより、あたし達みたいな可愛い女の子と一緒にいるのが大好きなのよ! でしょ、シンジ?」

 

 アスカはカヲルを睨み付けながらシンジを守る様に前に出る。一方、レイはアスカの隣で無言のままカヲルをじっと見つめている。

 

 シンジはようやく現れた助っ人に対し、泣きそうになりながらも激しく首を縦に振って感謝すると、カヲルに見せ付ける為にわざとアスカとレイの胸元にむぎゅ~と抱き着く。

 

「ふふっ、この通りシンジは身も心もあたし達のモノなんだから! ぜぇ〜たっいにあんたみたいな変態に渡さないわ!」

 

 二人の美少女から向けられる敵意の眼差しにカヲルは小さく苦笑いを浮かべると、参ったとばかりに両手を上げて降参のポーズを取る。

 

「……わかった。どうやら今のシンジ君は一筋縄じゃいかないようだ」

 

 カヲルはシンジを本気で手に入れたいと狙っている訳ではないらしく、あっさりとアスカ達から距離を置く。

 

 そしてカヲルはシンジの方へ向き直ると、ニッコリ笑いながら口を開く。その笑顔は一見爽やかな好青年のそれなのだが、何故かシンジにはカヲルの瞳の奥に得体の知れない暗い闇を感じてしまう。

 

「今日のところは諦める事にするよ。じゃあまた明日、学校で会おう。それとも……人工進化研究所で、かな?」

 

 カヲルは意味深に言い残すと、シンジ達に背を向けて歩き去って行った。シンジは本能的にカヲルが危険だと察知すると、怯えた様子でアスカとレイの甘くて柔らかい女の子の身体にしがみつく。

 

「あ、ありがとう……アスカ、綾波さん……うぅ……僕、あいつやだよぅ……」

 

「可哀想に……もう大丈夫よ、シンジ。あたし達がずっと一緒だから♡」

 

「ん……碇くんが汚されないで良かった」

 

 二人はそう言いながらシンジの頭をよしよしと優しく撫でてくれる。その甘く蕩ける極上の感触にシンジは堪らず二人のぷりっぷりっな桃尻に手を伸ばす。

 

「あぁ……っ、これ、お尻……! 柔らかくてあったかくて……やっぱり触り心地最高だよ……っ!」

 

「ちょ、ちょっとシンジ、んっ……あぁん♡ もぅバカ、こんなところでエッチしちゃうつもり……?」

 

「ぁ、んっ……やだ、碇くんのえっち……あんっ、もっとお尻撫でて♡」

 

 アスカとレイは頬を赤く染めながら恥ずかしそうにしながらも、ご主人様であるシンジにされるがままになって揃ってお尻をフリフリと誘う様に揺らす。

 

 そんなシンジ達三人の羨ましい姿を遠巻きに眺めながら、廊下の角にこっそり隠れたカヲルは小さく溜息を吐いた。

 

(まったく……あれじゃあどっちが変態なのかねぇ……)

 

 シンジの事を手に入れる様にゼーレから命令されてからというもの、カヲルはシンジの事が気になって仕方がなかった。

 

 シンジの事を詳しく調べれば調べるほど、カヲルはシンジに対してより強い興味を抱く様になる。

 

 シンジの過去を調べれば調べるだけ、シンジという人間の心が使徒ルシフェルの魂を体内に入れられた事で、いかに壊れてしまったのかが分かる。

 

 カヲルはそんなシンジの心が欲しかった。シンジが欲しい……いや、シンジの心をもう一つの人格とも言えるルシフェルの支配から救い出し、身も心も一つの生命へと還りたい。

 

 その思いが日に日に強くなっていくのをカヲルは感じていた。

 

(シンジ君の心を解き放ち、彼をルシフェルから救えるのは僕だけだ。でも……)

 

 カヲルはアスカやレイとイチャイチャし合うシンジの姿を見つめながら思う。

 

(……きっと、今のシンジ君は僕を受け入れてはくれないだろう。シンジ君にとって、僕は恐らく恐怖の対象でしかないのだから……)

 

 カヲルは残念そうに呟くと、踵を返して一人寂しく保健室へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 ──その日の夜。ネルフ学園中等部の保健室では小さな明かりが灯っていた。

 

 パソコンが置かれた机の前には白衣を着た金髪ショートヘアの美女が座っている。その女性──保険医の赤木リツコは窓から外を眺めながら物憂げな表情を浮かべ、溜息を漏らした。

 

「……それで? 転校初日はどうだったの?」

 

「楽しかったよ」

 

 リツコが尋ねると、カヲルが微笑を浮かべながら静かに答える。するとリツコは呆れた様な表情で椅子を回転させ、カヲルの方を振り向く。

 

「そんな事聞いてないわ。私が知りたいのは“例の計画”の進行具合よ」

 

 カヲルはリツコの急かす様な質問に小さく肩を竦めて答える。

 

「なかなか怖いボディガードがいてね。ま、初日としては上々じゃないかな」

 

「……そう。いい? くれぐれも忘れないでよ。あなたの役目は──」

 

「わかってる。シンジ君を僕のモノにすればいいんだろう?」

 

 カヲルはリツコの言葉を遮って答えた。その答えに満足するとリツコは小さく笑みを零し、パソコンの画面上に表示されたシンジの監視映像へと視線を向ける。

 

 そこには放課後の保健室のベッドでシンジが全裸になったアスカとレイに甘えながら性行為している淫らな姿が堂々と映されていた。

 

「ふふっ。三人とも、気持ち良さそうにエッチしちゃって……可愛いじゃない」

 

 リツコはそう言ってクスッと笑うと、再びカヲルの方に視線を戻す。するとカヲルは先程までの優しげな雰囲気とは一変し、まるで獲物を狙う肉食獣の様な鋭い目つきで画面の中のシンジ達三人を睨んでいた。

 

「あぁ……シンジ君があんなに嬉しそうに女の子と接触を求める姿なんて初めて見たよ。ちょっとムカつくね、あの娘達」

 

「あら、あなたにもそんな感情があったの? 私達ヒトと違って使徒のあなたに」

 

「もちろんさ。僕もああやってシンジ君と一つになりたいっていう性的欲求がね」

 

 カヲルは熱っぽい口調で言うと、そこに部屋の扉がノックされ、一人の女子生徒が入って来る。それはアスカやレイ同様、カヲルの魅力に堕ちなかった美少女の一人──雪風ミカサだった。

 

「……失礼します。リツコ先生、いつものお薬を貰いに」

 

「あら、待ってたわミカサ。時間通り……流石ね」

 

「──やぁ、ラファエル。その姿を見るのは久しぶりになるかな? 元気にしてたかい?」

 

 カヲルは保健室に入ってきたミカサに挨拶をする。そのミカサはカヲルの顔を見ると、少し嫌そうな顔を見せてからリツコの前に用意されたパイプ椅子に腰掛ける。

 

「それじゃあミカサ、服を脱いでちょうだい。下着もよ」

 

「……はい」

 

 ミカサは言われるがままに制服のリボンを解き、着ていた上着を床に落とす。すると今度はミニスカートのホックをはずし、ゆっくりとチャックを下ろして脱ぎ始める。

 

 首元に巻かれた季節外れの赤いロングマフラーをしゅるりと取り除き、ミカサは淡々とした様子で上品な黒い下着だけの姿になる。

 

 やはりミカサは着痩せするタイプなのか、Gカップのアスカに匹敵するほどの豊満な巨乳が露わになった。

 

「相変わらず羨ましいくらいに贅沢で綺麗な身体ね……それも使徒としての能力かしら? それとも使徒のあなたに身体を提供している雪風ミカサ自身が──」

 

「……早くしてくれませんか。今日はこの後、ユイに呼ばれているんですから」

 

 ミカサはリツコの話に耳を傾ける事なく、大きなブラジャーを外すと今度は黒いショーツに手を掛ける。

 

「……んっ」

 

 ミカサはその細い指先でクロッチ部分に触れ、そのまま下へとずらしていく。そして遂に、むっちりと肉付きの良い白く柔らかなハート型のお尻が丸見えとなる。

 

 更にミカサはその美しい曲線を描く腰回りをくいっとお尻を突き出す様に動かしてショーツを完全に足から抜き取ると、それを丁寧に畳んで足元に置いた。

 

 そしてミカサは胸と股間を手で隠す事無く、その中学生離れした豊満な裸体をカヲルとリツコに晒す。

 

「……どうぞ」

 

「ふふっ、じゃあ遠慮なく……」

 

 リツコはミカサの身体を見てニヤァと妖しい笑みを浮かべると、そのまま椅子から立ち上がって彼女の見事に発育実った身体を抱き寄せる。

 

「ぁ……んんっ」

 

 思わず漏れてしまった恥ずかしい声を抑えようと、ミカサはほんのりと頬を赤らめて自分の唇を閉じる。しかしそんな彼女に対し、リツコは楽しそうに笑ってミカサの胸周りを触診するかの様に揉み解す。

 

 するとその度にリツコの手の動きに合わせて、ミカサの大きな乳房がぐにゅっと卑猥に形を変えていく。

 

「んっ……あぁっ……んんっ!」

 

「ほんとにエッチな身体……あなたが碇ユイが息子に対する性欲制御装置として用意した娘じゃなかったら、今頃は後輩のマヤ同様に私の可愛いお人形さんになっていたでしょうねぇ」

 

 リツコはうっとりとした恍惚の表情でミカサの柔らかい肌の感触を楽しむ。一方のミカサは震えながら目を閉じ、必死にリツコからの愛撫に耐えていた。

 

 カヲルはその様子を無言でつまらなそうに眺めながら、リツコの密かな夜の楽しみを邪魔せずにいた。ちなみにミカサはリツコから貰った身体調整用の薬を毎日朝昼晩と欠かさずに飲んでいる為、実は既にゼーレの手に堕ちてしまっているのだが、ミカサ自身はそれを考えずに毎日リツコの元に通い詰めては、その汚れ無き裸身を抱かれてエッチな目に遭っていた。

 

「あっ……そろそろミカサは行かないと……くぅっ……あぁっ……! リツコ先生、お願いです……そろそろ、お薬を……」

 

「あらそう? 残念だけど、仕方ないわね。また今度ゆっくり可愛がってあげるわ」

 

 リツコはそう言うと、ようやくミカサのぷっくりと淫らに膨らんだピンク色の乳首から手を離して解放してくれた。ミカサはリツコに散々弄られて乱れてしまった呼吸を整えながら、リツコの机に置かれた薬の入った小瓶を手に取り、急いでカプセル一つを飲み干す。

 

「ふふっ、大変ねぇ……『癒風(いやしかぜ)』の二つ名を持つ使徒ラファエルの奇跡とも言える“完全治癒能力”で雪風ミカサの壊れた肉体は完全に生きた健康状態を維持しているのに、それでも定期的にこの“危険なお薬”を毎日飲まなきゃいけないなんて……あなた、使徒じゃなかったらとっくに死んでるわよ?」

 

「っ……いいから、早く服を着させてください」

 

 ミカサはリツコの挑発的な言葉に言い返す事もせず、黙って下着を身につける。リツコはミカサが着替え終わるのを確認すると、ミカサの頭を優しく撫でて言った。

 

「……じゃあミカサ、あなたの大切な宿主ちゃんを幸せにしてあげたいなら、今まで通りシンジ君や碇夫妻の監視並びに情報の提供を頼んだわよ。ネルフがもしも何か怪しい動きを見せたら、すぐに連絡しなさい。いいわね?」

 

「……はい」

 

 ミカサはやや間を置いて小さく返事をすると、カヲルの方を一瞬だけ一瞥してから保健室を後にするのだった。

 

 

 

 

 

(……タブリス、あなたやゼーレにシンジ様を渡す訳にはいかない。こうなったら、何が何でもシンジ様を私達ネルフで管理しなければ……)

 

 ミカサは保健室の扉の前で決意を新たにする。今まではシンジとの性的接触を極力避けてきたミカサだったが、ゼーレがカヲルを使ってまで動き出した以上はそうも言っていられない。

 

 シンジの心をルシフェルの支配から解き放ち、シンジを本来の正常な人間に戻す為にも、ミカサはユイの指示通りにシンジのハーレムに仲間入りし、これから先シンジとエッチしなければならないのだ。

 

 ミカサはシンジへの想いを胸に秘めたまま、真っ暗闇な学校の廊下を歩いて行く。

 

(……シンジ様。私、ラファエルは必ずやあなたの疲れた心と身体を癒し、共に生きる事を誓います。その為にも、ユイと会って早急にゼーレへの対策を考えなくては……)

 

 ……渚カヲルがゼーレが派遣したスパイとしてネルフ学園に転校して来た以上、近く何かしらのアクションがある事は間違いないだろう。

 

 ネルフとゼーレ、二つの組織間を行き来する隠れた二重スパイでもあるミカサはそう考えると、まずはゼーレに狙われているシンジの心を女の子のエッチな身体で何とか繋ぎ止める事を最優先に決めるのであった。

 

 




【次回予告】

カヲルが転校して来て早くも数日後。

多忙のあまり研究所詰めになったユイは息子のシンジを守る為、担任であるミサトの家に住まわせる事を決める。

しかしそこには何故かアスカとミカサまでもが一緒にいて……?

無防備全開で歩き回る三人の巨乳美女を前に、シンジの性欲は爆発する。

次回、『同居生活のお誘い ★(アスカ、ミカサ、ミサト)』



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同居生活のお誘い ★(アスカ、ミカサ、ミサト)

お待たせしました。最新話です。

いよいよミサトさんが新しいヒロインとして参戦です!

少し長くなりそうだったので、本番はあと1話丸々使ってじっくりやりたいと思います。

ミサトさんのエロシーンも原作以上に増やせるといいですね。


 

 渚カヲルがネルフ学園に転校して来てから早くも数日が過ぎた頃──

 

 ネルフの拠点施設である人工進化研究所内の所長室に集められたユイ、ゲンドウ、キョウコ、ミサトの四名。

 

 その中で唯一の男であるゲンドウは所長室の机の上に両肘を立て、両手を口元で組む独特のポーズで三人の巨乳美女を前にしながら静かに切り出した。

 

「……老人達もどうやら気付き始めたようだ。計画を急がねば……」

 

「……あなた、それは確かなの?」

 

 いつになくシリアスなゲンドウの言葉を聞いたユイは机の前で腕を組みながら難しい表情で自分の夫へと問い返した。丈が膝上までの短い黒いスカートにピンク色のシャツを着用し、その上から研究者らしく白衣を羽織ったユイ。

 

 彼女の胸元は衣服を押し上げる豊満な双丘によってはち切れんばかりに膨らんでおり、その胸元のボタンとボタンの間からは微かに乳穴が見え隠れしていた。

 

「ふぅ……当分は研究所(こっち)に缶詰ね。可哀想だけど、レイにもしばらくは研究所内に部屋を与えて住まわせるしかないわね」

 

 そんな悩殺的な格好をしたユイの背後ではキョウコもまた同じ様に両腕を組んでいるのだが、こちらはユイよりも更にボリュームのある大きな乳房のせいで、組んだ腕の上に乳が乗っかっているという表現が正しい程にけしからん谷間が盛り上がっていた。

 

 しかもキョウコはユイと違って白衣だけを羽織った状態で、その下は何も衣服を着ていないのか、ボタンのみを留めた白衣越しにもわかる程の爆乳を無防備に揺らしている。

 

「あらまぁ……それじゃあシンジ君がお家に一人になっちゃうわねぇ」

 

 普段は誰も人がやって来ない研究所の地下室で孤独に過ごしているキョウコにとっては、正装とも言える全裸に白衣だけ羽織った卑猥な姿での生活が当たり前であり、今更人前でその習慣を止めるつもりは無いらしい。

 

 とは言え、流石に異性であるゲンドウの前では自らの裸身を見られない様に白衣のボタンをしっかりと締めて隠しているようだが……

 

「なにぃ!? そ、それはいかん! いかんぞシンジぃ! シンジを一人で留守番させるなど……」

 

 ユイとキョウコの言葉を聞いて慌てるゲンドウは普段着のままだ。それにしても……いつもは冷静沈着で滅多な事では取り乱さないゲンドウだが、愛する息子の事となると話は別なのか、彼は酷く動揺した様子であたふたとしてしまう。

 

 そんなゲンドウに対してユイはいつもの事だとばかりに呆れ、キョウコとミサトは苦笑いする。

 

「……あなた、シンジなら大丈夫よ。これからしばらくミサト先生の家で住まわせる事にしたから」

 

 そう言ってユイは組んでいた腕を解いて机に座るゲンドウを溜息混じりに仕方なく豊満な胸元でむぎゅっと抱き締める。

 

 するとゲンドウは途端に大人しくなり、まるで借りてきた猫の様に顔を赤らめつつも静かに黙り込む。

 

 ユイのこの行動はただ単に夫の事が好きでやっている訳ではなく、ゲンドウがこうしてやればすぐに落ち着くと長年の付き合いで熟知しているからに他ならない。

 

「えぇ。シンジ君を一人になんてさせておけませんから」

 

 ミサトはそんな二人の様子を見つめながら真面目な口調で告げる。今日のミサトは普段ネルフ学園で着ている女教師らしいピシッとしたスーツ姿ではなく、短めの黒いタイトスカートに赤いジャケットという珍しい格好をしていた。

 

 彼女のバストはユイやキョウコに比べると控えめではあるが、それでも女性の平均サイズを考えれば十分過ぎる程に大きく実っており、暗色系の服の上からもはっきりと分かるほどにその存在感を主張していた。

 

「ウチのアスカも一緒に面倒見て頂けるなんて……先生、ご迷惑じゃないかしら?」

 

 キョウコはその豊満な乳房を白衣越しにたゆんと揺らしながら会話に混ざってくる。

 

「もうぜんっぜん平気ですよ~! むしろ私の方があの子達のお世話になっちゃうくらいなんで……あははは」

 

「くすっ。そういう事ですから……あなた、しばらくシンジの事は私達女性スタッフに任せて、あなたはいつも通り計画の事だけ集中なさってください」

 

 ゲンドウの事をようやく離すと、ユイは所長専用の机から離れて再び腕を組む。その表情にはどこか誇らしげな雰囲気があった。

 

「う、うむ……わかった。シンジの身の回りの事は全てユイに任せよう。すまないな、苦労をかける」

 

「いいのよ。だって私はあなたの妻なんだから……これぐらい当然の事でしょ?」

 

「ユ、ユイ……」

 

 ユイの優しい言葉に感極まったゲンドウは感動のあまり目を潤ませる。しかしユイは内心で、

 

(……まぁ、計画も大事だけど。本当は愛するシンジと一緒に暮らすハーレム用のシェアハウスが欲しかったっていうのが本音なんですけど♡)

 

 などと、ゲンドウに聞こえない様に小声で呟いていた。

 

 

 

 

 

 ──その後、所長室から退室した三人の女性は研究所内に位置するユイの部屋で改めて話し合っていた。

 

「それじゃあ改めてシンジ君の事だけど……」

 

 ミサトが切り出すと、ユイとキョウコは互いに顔を見合わせてから口を開く。

 

「今すぐには無理ですけど……いずれ私達やレイも、ミサト先生の家でシンジと一緒に住まわせて頂けるなら──」

 

 ユイの言葉にキョウコも首を縦に振って賛同する。やはりネルフが誇る天才科学者と言っても、母親らしくシンジやアスカの傍に居たい気持ちは同じようだ。

 

(でも……碇所長に内緒でそんな事していて大丈夫かしら……? シンジ君以外はみんな年頃の女性だし……)

 

 ミサトが内心で心配していると、ユイはそんな彼女の心を読んだのか、ふふっと笑って言葉を返す。その笑顔はとても妖艶であり、見る者を虜にする魅力に溢れているかのよう……

 

「安心してください、先生。シェアハウスの生活費として、毎月これだけ送らせて頂きますから」

 

 そう言うとユイは何処からともなく小切手を取り出し、それをミサトに手渡す。その瞬間、ミサトは思わず目を大きく見開く。

 

 何しろその小切手に書かれた金額は優に百万を超えているからだ。そんな大金を前にして、流石のミサトも目の色を変えてユイとがっちり握手を交わす。

 

「ユイさん! 可愛いシンジ君はどうか私にお任せください!」

 

「ふふっ、よかったわ。ところでミサト先生? 私達みんなでの同居生活を始める前に、シンジの事で少し“大事なお話”があるんですけど……♡」

 

 ユイは意味深に持ち掛けながらミサトの手を放すと、隣にいたキョウコと目配りし合う。二人の妖しい笑みを見たミサトは一瞬だけ嫌な予感を覚えて首を傾げるのだが……

 

「心配しなくても大丈夫ですよ~。ミサト先生も私達と同じですぐにシンジ君の事しか考えられない、淫乱エッチなおっぱい雌奴隷になっちゃうから♡」

 

 キョウコはくすっと微笑むと、困惑するミサトの前で留めていたボタンをいきなり開けさせて豊満な胸元を露出させる。その拍子に白衣の下からはキョウコの大きな乳房がぷるんと揺れて弾けんばかりに飛び出してしまう。

 

「ちょ、ちょっと……!? ユイさん、これはどういうこと!?」

 

 困惑するミサトがユイに助けを求めるが、ユイはキョウコと同じ様にエッチな雌母の顔で白衣を脱いでしまい、シンジに長年調教開発されてきた見事に若々しい20代と変わらない破廉恥な身体を披露する。

 

「ふふっ、ごめんなさい先生。実は私、病院で息子を産んでから毎日のようにシンジと浮気エッチしちゃって……今ではすっかりシンジの事をご主人様として夫よりも大好きになっちゃったの♡」

 

「ユ、ユイさん……?」

 

 ミサトは目の前で突然始まったユイとキョウコの恥態に理解が追い付かず唖然としてしまう。

 

 一方、そんな彼女の前でユイは白衣の下に着ていたピンク色のシャツのボタンをぷちっ、ぷちっと外していき、あっという間にキョウコ同様、豊満な胸の谷間を曝け出す。

 

 二人の姿はまるで発情期のメス猫の様に見え、ミサトは無意識に喉を鳴らして後退りしてしまう。

 

「ですから、先生にもこの辺りでシンジのハーレムを受け入れて貰おうと思って……それに、シンジと愛し合ってることを夫に告げ口されたら困りますもの……ね?」

 

「あ、あぁ……」

 

 ミサトは二人の巨乳美女による誘惑に完全に思考を停止させられてしまい、最早まともに声を発する事すら出来ない。

 

「それにシンジ君と同棲するにあたって、先生がいたんじゃあの子達もなかなかエッチできなくて可哀想じゃないですか~」

 

「な、何を言って……」

 

 ユイとキョウコの言葉に反論出来ず、ただただ怯える事しかできないミサト。そんな彼女の背後では全裸白衣姿のキョウコが部屋の鍵をガチャリと閉め切り、逃げ道を完全に塞いでしまう。

 

「あはっ♪ それじゃあミサト先生も快楽堕ちして、仲良く一緒にシンジ君とのラブラブハーレム性活を楽しみましょうねぇ♡ うふふふ♡」

 

「い、いや……こ、来ないで……ッ!!」

 

 ミサトはキョウコに迫られて恐怖に震えながらも必死に逃げようとするが、ユイとキョウコによって左右から挟まれ、遂には身動きが取れなくなってしまう。

 

 そしてそのまま二人は怯えるミサトの耳元で甘い吐息を漏らしながら囁く。

 

「──さぁ、ミサト先生。あなたもシンジのモノになりましょう? きっと幸せになれますから──ふふっ♡」

 

「大丈夫よぉ、痛くて怖い事なんて何もしないから。ただ私達に優しく犯されて、最後はシンジ君の事が大好きな従順でドスケベな雌奴隷になるだ・け♡」

 

「い、嫌ぁ……やめてぇぇ……」

 

 ユイとキョウコに両腕を掴まれたミサトは為す術無く部屋の床に押し倒されてしまい、数分後にはミサトの淫らな嬌声が室内に響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 ──数日後。学校が終わったシンジがアスカとレイを連れて三人で歩いていた。

 

 担任のミサトから呼び出され、シンジの家に集まってほしいと連絡を受けたからである。どうやらシンジの事で何やら大事なお話があるらしい。

 

(一体なんだろう? 使徒のことで何か問題でもあったのかな?)

 

 シンジがそう考えていると、隣にいるアスカが不思議そうな顔で口を開く。

 

「そう言えば、今朝ウチのママからシンジの家に行ってって言われたんだけど……あんたも?」

 

「えぇ。私もおばさまに言われて……」

 

「そっか」

 

 アスカとレイもシンジと同じ様にミサトから呼び出され、その事について疑問を抱いているようだ。

 

 そんな会話をしていると、いつの間にかシンジ達は自宅のマンションに到着していた。シンジは持っている鍵を使って家の扉を開けると、玄関から中に向かって呼び掛ける。

 

「ただい──」

 

「お帰りシンジ君~! 待ってたわよぉ♡」

 

「うわっぷ!?」

 

 シンジの声に反応するとリビングから勢いよく飛び出してきたのは、アスカの母親のキョウコである。キョウコは豊満な胸元を揺らしてシンジに抱き着くと、そのまま彼を胸の谷間に埋めたまま強引にリビングへと連れ込む。

 

「ちょっ、ママ!? どうしてママがここにいるのよ!?」

 

 驚き戸惑うシンジの隣には、アスカが顔を真っ赤にして怒鳴っている。しかしキョウコはシンジに頬擦りすると、甘える様な可愛い声で話し出す。

 

「だって~、これから愛するシンジ君とみんな一緒に暮らせるんですもの♡ 我慢出来なくなって、今やってる仕事放り出して来ちゃったの♡」

 

「えっ、どういうこと……!?」

 

 キョウコの言葉にシンジもアスカも目を丸くして驚く。その様子を見てキョウコは嬉しそうに微笑むと、彼をリビングのソファに座らせながら事情を説明する。

 

「それについては私が話すわ」

 

 言いつつキョウコに続いてリビングに入ってきたのはユイ。清楚な人妻らしい黄色い縦ラインのセーターに黒いスカートを着用する彼女はシンジ達の前までやって来ると、今回集まって貰った用件を説明し始める。

 

「最近、研究所の仕事が忙しくなってなかなか家に帰れない日が続いてるでしょう? だからシンジを一人置いておく訳にもいかないんじゃないかって大人達で話し合ってね」

 

 ユイの説明にシンジとアスカは納得した様に相槌を打つ。確かに最近のユイはずっと人工進化研究所に働き詰めで、夫のゲンドウと一緒に遅くまで残業していたり、時には泊まり込みもしていた。

 

 碇家のマンションで同棲中のレイも最近は研究所でユイのお手伝いをしていたり、監視者(シェムハザ)としての訓練を毎日忙しく頑張っている。

 

 その為、ここ何日かはシンジが家で一人で留守番している時間が長くなっていた。それをユイ達も気に掛けていたのだ。

 

 そこでユイは以前から密かに考えていたシンジのハーレムを集めたシェアハウス計画を本格的に始動させ、みんなでシンジと同居する事で寂しい思いをさせない様にしようという事になったらしい。

 

「それは……すごく助かるけど、父さんがうるさいんじゃ……」

 

「あぁ、その点なら心配無いわ。あの人にバレないように私とキョウコさんでこっそり準備を進めていたもの」

 

「へ、へぇ……そうなんだ」

 

 ユイの言葉にシンジは苦笑いを浮かべて返事をする。ユイはそんなシンジの肩を抱き寄せると、立ったまま彼の頭を優しく撫でながら言葉を続ける。

 

「だからシンジも遠慮せずに私達と新しいお家に引っ越ししちゃいましょう? 大丈夫、お父さんは私が知り合いに頼んでしばらく他所で面倒見て貰えるようにするから」

 

 ユイはシンジを安心させる様に微笑む。その笑顔は慈愛に溢れており、宛ら聖母の様であった。そんな彼女の優しい態度にシンジは思わず気持ちが昂りそうになるが、ここはぐっと堪えてユイの提案を受け入れる。

 

「……うん、わかったよ。でも、それならアスカと綾波さんをここに呼んだのって──」

 

 シンジはユイに頭を撫でられる心地良さに酔いしれつつも、ソファに座ったままユイに問い掛ける。すると今度はキョウコがアスカとレイの肩に手を回しながら楽しげな笑みで答える。

 

 ちなみにキョウコは玄関先でシンジに抱き着いた時から既に仕事着である白衣以外を脱ぎ捨てており、今の彼女は裸の上に白衣を羽織っただけのいつもの卑猥な姿で立っている。

 

 その為シンジは先程から目の前に立っている彼女の大きな乳房や股間が完全に見えてしまっていて落ち着けない。

 

 シンジのいやらしい視線に気付いたキョウコは悪戯っぽい笑みを見せると、両脇に立っているネルフ学園の制服姿のアスカとレイに何やら耳元で囁く。

 

 すると二人はキョウコの意図を理解したのか、シンジの前で恥ずかしそうに頬を赤らめながらもじもじと内股気味に身体をくねらせてみせる。

 

 アスカとレイはソファに座って眺めるシンジに近付くと、それぞれ左右から彼に密着する様にぴったりと寄り添う。

 

「ね、ねぇシンジ……何だか“そういうこと”になっちゃってるみたいだから……その、あたし達と一緒に暮らしてみない?」

 

「碇くんを守る為なら……私もみんなと一緒に住みたい」

 

「………」

 

 シンジは左右から甘い吐息と共に囁かれた二人の言葉を黙って聞く。どうやら二人は反対せずにシンジが自分達と暮らす事を受け入れてくれると思っているらしく、期待に満ちた瞳で彼を見つめている。

 

「う~ん……そうだなぁ……」

 

 シンジはわざとらしく溜息を吐き、考えるフリをしながらアスカとレイの胸元に目を向ける。そこには二人の柔らかな胸の膨らみがシンジの腕を挟み込んでおり、制服越しに彼の腕を甘く包み込んでいた。

 

「あらあらシンジ君、あんまり二人に意地悪しちゃダメよぉ? こんなにエッチで可愛い女の子達が自分だけの為に一緒に住もうと言ってくれてるのに……男だったら普通は即答でOKするものじゃない?」

 

 言いながら歩み寄って来たキョウコはシンジの耳元で囁くと、そのままシンジの耳朶をはむはむと甘噛みし始める。

 

 シンジは耳に掛かるキョウコの熱い吐息と、耳朶に走る甘美な刺激に背筋を震わせながらも、どうにか冷静を装って口を開く。

 

「い、いやまぁ、そうなんだけども……ほ、ほら! 学校でミサト先生にバレでもしたら──」

 

「あぁ、それなら大丈夫よ♡ 実は先生にも協力して貰ってるの♡」

 

 シンジの懸念を予想していたかの様に、キョウコはあっさりとシンジの不安を打ち消す。

 

「えっ!? ど、どういうこと!?」

 

「ふふっ、ミサト先生も今日からシンジ君のハーレムメンバーになるのよ♡」

 

「ちょっ、ちょっと待ってよ! ミ、ミサト先生だってそんなこと簡単に引き受けたりしないと思うんだけど……」

 

 シンジは焦りつつ、保護者らしいミサトの人となりを思い浮かべながら反論する。しかしキョウコはその言葉を待っていたと言わんばかりに妖艶に笑うと、ユイに目配せして合図を送る。

 

 するとユイはキョウコに軽くウィンクして応えると、リビングから繋がっている碇夫婦の寝室の扉を開けて、そこからミサト本人を引き摺り出した。

 

 ミサトは学校とは違って黒いタイトスカートと赤いジャケットを身に付けており、室内ではその格好が逆に際立って見えた。

 

 ユイに手を引かれてリビングの中央に連れてこられたミサトの顔は羞恥に赤く染まっており、推定Dカップの巨乳は衣服越しにぷっくりと乳首を立たせていて、短いスカートからはぐっしょりと濡れて愛液を垂らす華奢な生足が見え隠れしている。

 

「あっ、あぁ……シ、ンジ君……ッ♡」

 

 リビングに入ってすぐ、ミサトは恥辱感溢れる赤面の表情でシンジの名前を呼び、そのまま床に崩れ落ちる様に座り込む。

 

 その様子は普段の凛々しい教師の姿とはかけ離れたものであり、シンジはそんな彼女を見て戸惑いを隠せない。そしてユイは背後からミサトに近付いてしゃがみ込むと、シンジに聞こえる様に彼女の耳元でそっと囁く。

 

「さぁ、葛城先生? シンジにどうしてあげればいいかわかりますよね? 先生もシンジと一緒に暮らせると聞いて喜んでいたものね♡」

 

「うぅ……は、はい……♡」

 

 ユイの言葉に顔を真っ赤にして俯いたミサトはゆっくりと立ち上がると、シンジの方へ振り返りながら内股気味に身体を揺らしつつ話し出す。

 

「し、シンジ君……ごめんなさい。シェアハウスの件……最初に持ち掛けたのは私なの。シンジ君一人で家に居るんじゃ可哀想に思えて……そしたらユイさんとキョウコさんに呼び出されて、あなた達のエッチな関係やハーレム計画のことも全部聞かされて……」

 

 ミサトはそこまで言うと、ユイとキョウコに視線を送ってから話を続ける。

 

「それで……その、私もシンジ君と一緒にハーレムの一員として暮らしたいなって……あなた達の保護者としては色々と問題があるかもしれないけども……その、わ、私だってシンジ君のこと気になってるから……っ!」

 

「ミ、ミサト先生……」

 

 ミサトの告白にシンジは思わずドキッとする。普段は大人びた雰囲気を纏っているクールビューティーな彼女が、今は子供の様に純粋な気持ちでシンジに好意を寄せているのが伝わってきたからだ。

 

 そんな彼女の健気に想いをぶつけてくる姿を見ていると、シンジもミサトの事がとても愛おしく感じてきて堪らない気持ちになり、今すぐにでも彼女に駆け寄って抱き締めてあげたくなる。

 

「ふふっ。これで決まりね♡ 今日から葛城先生のマンションでハーレム生活をスタートさせるわ。シンジもわかったかしら?」

 

「あぁ、う、うん……わかったよ、母さん」

 

「そう、良い子ね。じゃあ、私とキョウコさんはレイと一緒にそろそろ研究所に戻らなきゃいけないから……シンジはアスカちゃんと一緒に先生を連れて先に引っ越し作業を済ませてちょうだい」

 

 ユイは微笑みながらシンジに指示を出す。シンジはユイの言葉に従い、未だに恥ずかしそうな表情を浮かべているミサトに声を掛けた。

 

 シンジに話し掛けられ、ハッとした顔になったミサトは慌てて乱れていた服装を整えてシンジの元に歩み寄る。こうしてシンジのハーレム計画はいよいよ始まりを迎えたのであった。

 

 

 

 

 

 ──その後、ユイとキョウコは仕事がまだまだ沢山残っている為にレイと一緒に一旦人工進化研究所へと戻り、シンジはアスカとミサトと一緒に新しく暮らすミサトのマンションへと向かう事に。

 

「ミサト先生……その、母さんがまた何か変なこと言ったりしても、怒ったりせずに優しく接してくれるとありがたいんですけど」

 

「えぇ……わかってるわ。ネルフ学園の教師以外に新しい仕事を与えてくれたユイさんには何だかんだで感謝してるし、キョウコさんの事も変な人だとはちょっぴり思ってたけど嫌いじゃないから……」

 

 ミサトの返答にシンジはホッと一安心する。先程のユイとキョウコの様子を見る限り、ミサトが二人から受けた淫らな調教はかなり激しいものだったのだろう。

 

 しかしシンジはそんな二人の事を許して受け入れてくれた優しい心を持っているミサトにとても感謝した。

 

「……やっぱりユイさんも心配なのよね。いくらシンジ君がしっかりしてても、実質中学生が一人暮らしするようなもんだもんね」

 

 ミサトが自宅のある部屋までマンションの廊下を歩きながら抱き呟く。シンジはアスカと仲良く手を繋ぎながら、ミサトの後に着いて行きつつ返事をする。

 

「まぁ、そうですね……母さんも父さんも僕に対して過保護過ぎる所があるんで、正直ちょっと面倒臭いですよ。人前だと恥ずかしいし……まぁ、それだけ“愛されてる”ってのは伝わりますけど……」

 

「そうね……でもシンジ君、そうは言うけど私だってあなたのお母さんみたいな親になりたいって思う時もあるの。だから、その……私と暮らしてる時は遠慮しないで欲しいっていうか……」

 

 ミサトがもじもじしながら恥ずかしそうに話す。実はユイとキョウコに調教される以前からミサトはシンジの事を単なる一人の生徒としてではなく、一人の息子同然に意識していたのだ。

 

 シンジはミサトのそんな言葉を聞いて、胸の奥が嬉しさで熱くなっていくのを感じる。するとシンジの右手を握って隣を歩いていたアスカがジト目で呟く。

 

「やれやれ……これじゃあ教師失格ね」

 

 そんなアスカの呟きを聞いてミサトが慌てて弁明する。

 

「うっ……そ、それは言わない約束でしょ!? 別に私はシンジ君に今すぐエッチなことをしたいとかそういう訳じゃないし……ただ、純粋に大人として彼の成長を見守っていきたいだけなんだから……それに、そういうアスカだってシンジ君と思いっきり不純異性交友しちゃってるじゃない!」

 

 ミサトが顔を真っ赤に染めながら反論する。しかしシンジは二人のやり取りを面白がって笑い声を上げた。それから少しの間、三人は談笑をしながらミサトの自宅であるマンションの部屋に到着した。

 

 ミサトがカードキーを使って部屋の扉を開けると、中は至る所に生活ゴミやらビールの空き缶やら派手な下着が散乱しており、室内はとても綺麗とは言えない状態であった。

 

「ま、テキトーに場所見つけて座って。遠慮なんかいらないからね」

 

「ミサト先生、いつからこんな状態に……?」

 

「え? え~といつからって……ずっと?」

 

「よくこんな環境で生活できますね……」

 

 ……どうやらこの部屋は普段から掃除など全くしていないらしく、ミサトはバツの悪そうな表情を浮かべて誤魔化す。

 

 しかしシンジはそんな彼女の反応を見て苦笑しつつも、これからは自分がミサトの代わりに家を守っていこうと心に決めたのだった。

 

 

 

 

 

 ──その後、シンジはミサトやアスカと共に三人で協力しながらミサトの家の大掃除を行った。

 

 リビングからキッチンに掛けて散らかっている生ゴミなどの処理を行い、バケツに水を汲んで雑巾で窓拭きしたり──

 

 何年間もだらしない一人暮らしを送っていたミサトに怒った綺麗好きなシンジは、逃げようとしていたアスカとミサトを扱き使って徹底的に家中を綺麗に片付けた。

 

 そして作業を終えたシンジがリビングに戻ると、全身汗だくになったアスカとミサトは揃ってソファの上でぐったりと横になっては、むちむちと健康的に肉付いた両足をぱかっと無防備に広げていた。

 

「ふぅ……とりあえず今日はこのくらいにしときましょう。お風呂沸かしといたんで、僕がみんなの夕飯作る前にさっさと入っちゃってくださいね」

 

「は、はひぃ……」「あ、あ~い……」

 

 アスカとミサトはシンジに労いの言葉を貰うと、くたくたになりながらもどうにか立ち上がって浴室へ向かう。

 

 そんな二人の後ろ姿を見送ったシンジはひとまず疲れを癒そうと、冷蔵庫の中からペットボトルのコーラを取り出して(冷蔵庫いっぱいの缶ビールには目を瞑りつつ)コップに注いで飲み始める。

 

 するとその時、来客を報せるピンポーンというチャイム音が玄関から聞こえてきたので、シンジは何だろうと不思議に思いつつもドアホンのモニターを確認しに行った。

 

(あれ? 宅配便かな?)

 

 モニター越しに映った訪問者の姿を確認した瞬間、シンジは思わず驚いてしまった。そこには彼が良く知る人物が立っていたからだ。

 

「えっ……? ミ、ミカサがどうしてここに!?」

 

 シンジは驚きながら急いで玄関に向かい、鍵を開けてからドアノブに手を掛けて扉を開く。

 

 すると目の前にはシンジの予想通り、ネルフ学園の制服にお気に入りの赤いロングマフラーを着用している雪風ミカサが相変わらずのポーカーフェイスのまま佇んでいた。

 

「簡単な事です。ミカサも今日からこちらでシンジ様のハーレムとしてお世話になるからです。あと、この子も──」

 

 淡々と言いながらミカサが足元からひょいと抱き上げたのは、以前にネルフ学園で真夜中の肝試しをした時に出会った幽霊騒ぎの正体──オスの温泉ペンギンことペンペンだった。

 

「クェェ♪」

 

 ペンペンは嬉しそうに鳴くと、そのまま呆然とするシンジの真横を通り過ぎ、ぺちぺちと可愛らしく歩きながら室内にお邪魔する。

 

「あっ、こ、こら! ダメだよ、勝手に入っちゃ!」

 

 慌ててシンジが呼び止めようとするが、時既に遅し。ペンペンはお風呂の匂いを嗅ぎ付けたのか、嬉々として脱衣所の方へ消えてしまっていた。

 

「……まったく、仕方がないなぁ。ここペット平気かわからないのに……まぁ、ミサト先生のことだから多分大丈夫だとは思うけど……」

 

 シンジは溜息混じりに呟くと、ひとまず玄関先で立ち尽くすミカサを招き入れる為に彼女の元へ歩み寄る。

 

「え~と……それで、ミカサもハーレムの一員に加わろうと思ったのはいいんだけど……どうして急に? 男のこと興味ないって言ってたのに」

 

「それは……ユイから皆さんが一緒に同居生活すると聞いて、私もシンジ様と姫をお側で護衛するならそうした方が都合良いかと思いまして。それに……ペンペンと一緒に学校で寝泊まりしてて、また幽霊騒ぎになっても面倒なので」

 

 ミカサは表情を変えずに淡々と答える。どうやら彼女は自身に与えられた任務の一つであるシンジとアスカの護衛の為に、ユイとキョウコ主導の『碇シンジハーレム計画』に参加する事にしたようだ。

 

 シンジとしてはアスカやレイに負けず劣らずのアイドル的巨乳美少女がハーレムに加わるのは当然喜ばしい事だが、流石に突然の出来事だったので少し戸惑いを覚えてしまう。

 

「そっか……うん、わかったよ。じゃあこれからよろしくね、ミカサ」

 

「はい。シンジ様、不束者ですがよろしくお願いします」

 

 シンジは少し照れ臭そうにしながらも、素直に歓迎の意を示す。そんなシンジの表情を見たミカサは小さく微笑み、彼に向けてペコリとお辞儀をする。

 

「ふ、不束者って……」

 

 シンジは思わずドキッとしつつ、苦笑しながら呟く。と、その時──

 

「きゃあああぁぁっ!!」

 

 お風呂場からアスカの悲鳴が聞こえたので、シンジとミカサは慌てて脱衣所の扉を開けた。

 

 するとシンジの目に飛び込んできたのは一糸纏わぬ姿で湯船に浸かるミサトと、同じく全裸のアスカが両手で胸と股間を隠しながら、顔を真っ赤にして湯船に飛び込んで来たペンペンを指差している光景であった。

 

 アスカは恥ずかしそうに頬を染めて、自分の胸と秘所を手で隠しながら湯船でペンペンを可愛がるミサトに向かって叫ぶ。

 

「ちょっとミサトッ!? 何でここに例のバカペンギンがいて、ちゃっかりお風呂入ってんのよ!? ていうか、学校でこっそり飼ってたんじゃなかったの!?」

 

「あらアスカ~、いいじゃないの。この子も今日から私達と暮らす同居人なんだから。別にお風呂に入ってても問題はないでしょ? だって彼、新種の温泉ペンギンだし」

 

 ミサトは楽しそうに言いながら、湯船に浸って気持ち良さそうにするペンペンの身体にシャワーを浴びせて洗っていく。

 

「クェクェ~♪」

 

 ペンペンは嬉しそうに鳴き声を上げると、湯船に浮かぶミサトの豊満な胸の谷間に頭を擦り付け始めた。

 

「ぁんっ♡ やだもぅ、擽ったいわよぉ……♡」

 

 ミサトは艶めかしい声を出しながらペンペンの背中を優しく撫でる。そんなミサトとペンペンの様子を見て、シンジとアスカは唖然として言葉を失う。

 

「……言い忘れてましたね。ペンペンはお風呂好きなんですよ……あっ、お二人とも、今日からよろしくお願いします」

 

「っ~! ミカサ、そういうのは先に言っときなさいよっ! もうっ、このペンギンのせいであたしが恥かいちゃったじゃん!」

 

 アスカは顔を真っ赤に染めてミカサとペンペンに文句を言うと、今度は先程からずっとお風呂場の入口に立ってドキドキと赤面しているシンジに向けて睨み付ける。

 

 ……そのシンジはというと、先程からアスカの裸体やらペンペンと戯れるミサトの大きな乳房を間近で見てしまい、鼻血が出そうになるのを必死に堪えていた。

 

「……なぁ〜に見てんのよ、エロシンジ!」

 

「ご、ごめんっ!? いや、でもこれは不可抗力っていうか……!」

 

 全裸のアスカに詰め寄られたシンジは慌てふためきながら弁明するが、両手で自身の大事な部分を隠そうとするアスカの女の子らしい仕草を見て、再び興奮が高まっていく。

 

「まったく……そんなにズボンおっきく膨らませちゃってさ。そんなにあたしやミサトのおっぱい見たかったの?」

 

 アスカは挑発する様に言うと、シンジの目の前でゆっくりと乳首を隠していた片手を下ろし、大人のミサトよりも大きく実ったGカップの生乳を曝け出した。

 

「うっ……!?」

 

 アスカの挑発的な態度にシンジは思わず生唾を飲み込み、更に興奮して下半身を大きく膨張させてしまう。

 

「ふふん、どうせなら一緒にお風呂入っちゃう? ほらっ、あんたが育てたあたしのおっぱいはミサトのより大きいんだから♡」

 

 アスカはニヤリと笑いながら、シンジの目の前で自慢げに両手で寄せた大きな双丘をたゆんたゆんと卑猥に揺らす。

 

 するとシンジはその動きに誘われる様に無意識のうちにお風呂場に足を踏み入れ、アスカの胸に手を伸ばしては彼女の柔らかい乳肉を揉みしだく。

 

「ちょ、ちょっとシンジ君っ!? アスカも何やって──」

 

 シンジの行動に驚いたミサトの焦った声が聞こえてくるが、彼はそれを無視──というより気づかずに、そのまま夢中になってアスカのたわわな生乳を愛でる。

 

 シンジは欲望のままにぷるんとした柔らかさと張りのある弾力が合わさった極上の感触を堪能していく。

 

 するとその様子を脱衣所から見ていたミカサが呆れた様子で溜息を吐き、自らも衣服や下着、赤いロングマフラーを脱ぎ捨ててからお風呂場に乱入する。

 

 学生服を着たままのシンジがアスカの胸を弄っている後ろで、ミカサは彼の耳元に唇を近付けて囁いた。

 

「……シンジ様、そのままではお身体が冷えますので……着ているものをお脱ぎになって湯船で身体を温めてください」

 

「えっ? ミ、ミカサ……!?」

 

 ミカサの言葉を聞いたシンジはハッと我に返り、アスカの胸から手を放す。

 

「あぁん、もう責めるのは終わりなわけ? それじゃあ次はあたしがシンジを気持ち良くしたげる番ね♡」

 

 アスカは一瞬残念そうな顔を浮かべると、今度はその場にしゃがみ込んでシンジの腰に腕を回してズボンとパンツを一気に降ろしてしまう。

 

 シンジはアスカにされるがまま、まだ完全に勃起していないながらも既に男性の平均サイズよりも一際大きな反り立つペニスを露出させられてしまった。

 

 アスカは露わになったシンジのモノをうっとりと眺めながら、両手を使って彼の男根を包み込む様に握る。そして彼女はそのまま慣れた手つきでシコシコと上下に動かし始める。

 

「あっ……く、ぁ……! ア、アスカ……!」

 

「ふふっ。シンジのここ、もうこんなに大きくなってる……やぁん、くっさぁい♡」

 

 アスカは妖しく微笑むと、空いている方の左手でシンジの股間の根本にある二つの袋を同時に刺激し始める。

 

 そうしている間にもシンジの肉棒は徐々に熱を帯び始め、硬度を更に増してはムクムクと膨張していき、やがて完全に天を突く程に唆り立ってしまった。

 

 そんなシンジの立派な男の象徴を間近で見せ付けられたミサトとミカサは、無意識に生唾を飲み込んでふらふらとシンジの股間に引き寄せられてしまう。

 

「……す、凄いわね。本当に14歳の中学生とは思えないくらい……あぅ、おっきぃ……♡」

 

 ミサトは湯船の中であれだけ大事に抱き締めていたペンペンをあっさり解放してしまうと、物欲しそうにシンジの男根を見つめながら湯船から水飛沫を立てて立ち上がる。

 

 その間にも全裸になったミカサが彼の背後に回り込んで両腕を回すと、自らの豊満な胸をシンジの背中に押し当てては両手で彼の身体を抱き締めて拘束する。

 

「……シンジ様、それ以上の勃起は危険なので私達で性処理させて頂きます。さぁ、まずは裸になりましょうか」

 

 ミカサはシンジの耳元でそう呟くと、シンジの着ている白いワイシャツのボタンを後ろから両手を回して器用に外し始めた。

 

 ミカサに服を脱がされそうになったシンジは慌てて彼女を振り解こうとする。しかしシンジの身体は背後からミカサにしっかりとホールドされており、上手く身動きが取れなかった。

 

 するとそんな二人の様子を見て我慢出来なくなったのか、湯船から立ち上がった全裸のミサトがシンジの真横に擦り寄ってくる。

 

「ねぇシンジ君……私も混ぜて♡」

 

 ミサトは甘えた声でそう言いながら、シンジの股間に向けて熱い視線を送り続けては口元からとろぉ~と唾液を垂らす。

 

 その表情は完全に発情しきっており、今すぐにでもシンジの肉棒が欲しいと言わんばかりであった。

 

「ミ、ミサト先生まで……って、ちょっと待ってください!? 流石に三人同時を相手にするのは無理ですよ!?」

 

「大丈夫よ、シンジ君。ここのお風呂場、工事の人に無理言って結構広めに作られてるから♪」

 

 ミサトは笑顔で答えると、シンジの返事を待たずに湯船から出て彼の真横に回っては膝立ちになる。それからミサトは立ったままでいるシンジの太腿に手を置くと、そのまま舌を出してゆっくりと舐め始めた。

 

 ミサトはシンジの太腿の付け根や膝に至るまで丁寧に、丹念に何度も繰り返してはソープ代わりの唾液を塗りたくっていく。

 

「……んっ、ちゅぱっ……れぇ……♡」

 

 ミサトはシンジの片足を綺麗に洗い終わると、今度は立ち上がってシンジの顔に自分の顔を近付け、互いの鼻先が触れ合う距離にまで接近させる。

 

「シンジ君、キスしましょう……?」

 

「ミ、ミサト先生……っ!」

 

「あぁん、だめよぉ……お家じゃ先生って呼ばないで♡ んっ……んぅっ……♡」

 

 そうしてシンジとミサトの唇が重なり合い、二人は互いに舌を絡ませて濃厚にディープキスを交わす。

 

 ミサトはそのままシンジの頬を手で掴んで固定させると、自身の生乳を押し付ける様にしながら激しく吸い付く様な情熱的なキスを続けた。

 

 一方、シンジとミサトのラブシーンを間近で見ていたアスカとミカサはというと……

 

「まったく……な~にが今すぐエッチする気はないよ。ミサトってばもう待ちきれない雌みたいにメロメロじゃない!」

 

「くすっ。仕方ありませんよ。ミサトはユイと惣流博士からシンジ様を好きになるよう、この数日間たっぷり調教されてたみたいですし」

 

 アスカは呆れた様子で言いながら、シンジの小汚い陰毛だらけの玉袋にはむっと美味しそうにしゃぶりつく。

 

 一方でミカサはというと、背後にしゃがみ込んでシンジの尻穴に指を突っ込んでグリグリと穿りながら、もう片方の手でシンジの肉棒を掴み、親指と人差し指と中指で輪っかを作ってはカリ首や亀頭を重点的に刺激していた。

 

 足元に侍らすアスカとミカサに前後から責められているシンジはミサトとの甘い口付けを堪能しながら、彼女の柔らかい生乳を揉みしだく。

 

「んんっ……んっ……ぷはっ。シンジ君ったら、私のおっぱいそんなに好きなの? ふふっ、嬉しいわ♡」

 

「はぁ、はぁ……はい……おっぱい大好きですっ!」

 

「やだもぅ、おっきな赤ちゃんみたい♡ ほらっ、もっと触っても構わないんだから……んっ♡」

 

 ミサトは再びシンジと唇を重ね合わせると、そのまま舌を挿入して互いに絡め合わせていく。

 

「んっ、んんっ……♡」

 

「はぁっ、はぁっ……ミサトさん、んっ……!」

 

 ミサトとシンジは互いに荒く呼吸をしながら、貪る様にお互いの唇を味わい続けた。その間アスカとミカサはシンジへのご奉仕を続けており、二人ともシンジのペニスを手淫で扱き続ける。

 

 ……そうして三十分程経った頃、ようやく満足したのかシンジは浴室の床上に座り込む三人の巨乳美女に向かって声を掛ける。

 

「はぁ、はぁ……そ、それじゃあそろそろ……みんな、お風呂から出ようか……?」

 

 すっかり興奮気味なシンジの言葉に、アスカとミカサ、そしてミサトはそれぞれ息も絶え絶えに返事をする。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……えぇ……行きましょ、シンジ♡」

 

「ふぅ……ふぅ……はい……シンジ様♡」

 

「シンジ君ったら、まだ一度も射精させてないのに私達をあっという間にイカせちゃって……あぁん、ほんとにすごいわ……♡」

 

 三人は揃って蕩けた表情を浮かべ、逆上せて真っ赤になった身体を冷たいシャワーで軽く流し終えると、浴室を出てバスタオルも身に纏わずにそのままの格好でリビングへと向かって行った。

 

 誰も居なくなったお風呂場では湯船にのんびりと浸かるペンペンが一人、気持ち良さそうに目を細めて小さな鳴き声を漏らす。

 

 その様子はまるで、やっと邪魔されずに落ち着いて入浴出来ると言っている様であった……

 

 




【次回予告】

いよいよ始まるシンジのハーレム生活。

ミサトの家の大掃除も終わり、引っ越しの歓迎会が始まる。

ピザの出前を頼み、楽しく淫らに盛り上がるシンジと三人の巨乳美少女たち。

しかしその夜、泥酔したミサトがシンジのベッドに忍び込んで来て……?

次回、『ハーレム歓迎会 ★(アスカ、ミカサ、ミサト)』



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ハーレム歓迎会 ★(アスカ、ミカサ、ミサト)

 

 ユイとキョウコの主導で始まったシンジのハーレム生活。

 

 それはシンジの担任であるミサトの自宅をシェアハウスとして使う事で、いよいよ本格的に始動した。お風呂から上がったシンジ達は一旦部屋の割り当てをする事にした。

 

 ミサトのマンションはかなりの広さがあり、広々としたリビングやキッチンの他にミサトが使う部屋、そして空き部屋が二つある。

 

 どちらも元々物置に使っていたらしく、ほとんど何もない部屋だ。この二つの部屋を一つはシンジ専用に、もう一つはアスカとミカサが使う事に決まった。

 

 早速部屋の確認を終えたシンジ達はリビングに戻って今後の話し合いをする事にしたのだが……

 

「ミサトさん! さっき冷蔵庫の中見ましたけど、ほとんどビールとつまみしかないじゃないですか! もう、どんな食生活してるんですか~!?」

 

 先程お風呂から入る前に冷蔵庫の中身を確認していたシンジが思い出した様にミサトに言う。

 

 確かに、冷蔵庫の中には大量の缶ビールとつまみになりそうなチーかまやビーフジャーキー、冷凍食品の枝豆くらいしか入っていない。

 

 尤もミサトは裕福な一人暮らしをしている身なので料理をする必要がないし、そもそも家事能力が皆無だったりする。

 

 改めてミサトのだらしない生活ぶりを目の当たりにした一同は溜息を吐くしかなかった。ちなみに現在そのミサトはリビングのソファで横になってぐったりしている。

 

 どうやら先程のお風呂でシンジに胸を揉まれながら熱々なディープキスを繰り返した結果、浴室内の温度と湯気にやられて逆上せてしまったようだ。

 

 バスタオルはおろか、何も身に着けずに全裸で寝転ぶその様子からは普段の生活態度の悪さが伺える。

 

 ……だが今はそんな事はどうでも良かった。それよりもシンジにとって問題なのは、これからどうやって今晩の食材を買いに行くのか?という事だ。

 

 現在の時刻は午後19時を過ぎた辺り……スーパーはまだ開いている時間ではあるが、この人数分の食事を用意出来るだけの量を買い込むとなると、時間も足も足りないだろう。

 

「えっと……僕がみんなの夕飯作ろうと思うんだけど」

 

 流石に見かねてシンジが提案する。しかしソファにだらんと寝転んだ全裸のミサトはその案を拒否した。

 

「え~、いいわよ別にぃ~。今から車出して買いに行くの面倒だし~、今日くらい出前のピザでも頼んでみんなでパーっとやりましょうよパーっと!」

 

 完全にだらけきった声で言い出すミサト。この人ただ単にビールが飲みたいだけだな……とは内心思うものの、流石にこのままではいけないと思い、シンジはミサトの説得を試みる。

 

「いや、それだと栄養偏っちゃいますって! それにこんな大所帯になった以上、今日からは食事の内容とかもバランスよく考えないといけないし……」

 

「や~ね~、大丈夫だって! 私、こう見えても健康には気を使ってるんだから! だからほら、ジャンクフードとか食べまくっても全然太らないし平気だし!」

 

 そう言ってミサトはリビングに集まったアスカとミカサに視線を向ける。見てないで助けてよぉ……ミサトの目がそう告げていた。

 

「はいは~い! あたし、ピザ食べたい!」

 

「……私は何でも良いですよ?」

 

 どうやらアスカもミカサも特に異論はない様だ。そしてミサトが二人の援護を受けて再びシンジに視線を送る。

 

 しかも今度は目だけで訴えてくるのではなく、身体全体を使ったアピールだ。具体的には両足をぱかっと大開きにし、片手を自分の胸に当ててもう片方の手で綺麗に閉じられた薄いピンク色の秘裂をくぱぁと開いてヒクヒクさせる。

 

「これでもだ~め? それに出前なら後でみんなとエッチする時間もいっぱい作れると思うけれど──」

 

 女の強味を最大限利用したそのあまりの露骨さにシンジの顔が一気に真っ赤になる。

 

「うぅ……もうっ、わかりましたよ! じゃあ、とりあえず出前頼みますけど、お金の方はお願いしますよ!?」

 

「やった~! さっすがシンちゃん大好き!」

 

 顔を赤くしたまま叫ぶシンジの言葉を聞いたミサトは飛び起きると、そのままの勢いで同じく全裸のままで立っているシンジに抱き着く。

 

 シンジもミサトもお互い全裸なので、その光景はとても卑猥で刺激的だった。その後はミサトとアスカが勝手にピザの注文をどんどん追加していき、結局シンジが止めに入ったのは注文確定のボタンを押した後だった。

 

 

 

 

 

 それから三十分後……

 

「……だいたい、ミサトさんは無防備過ぎですよ! こんな風に家の中を裸で歩き回ったりして! もし誰かに見られたらどうするつもりなんですか!?」

 

 綺麗に片付けられたリビングにて、シンジはミサトに向かって説教をしていた。

 

「っ……もー、そんなに怒んないでよぉ。それに家の中で服をしっかり着るなんて窮屈でしょうがないわよ!」

 

「それはミサトさんが服や下着を脱ぎっぱなしにしているからです! ミサトさんがあちこちに脱ぎ捨ててた洋服や下着を洗濯する身にもなってくださいよ!」

 

 シンジは厳しく言いながらリビングの床上に四つん這いにさせたミサトのお尻をくいっと高く持ち上げると、後ろの尻穴に自分の指を二本入れてグリグリと届く位置まで掻き回す。

 

 ……現在、一糸纏わぬ姿で過ごすミサトは両手両膝を突いている体勢で、お尻だけ高く突き出した破廉恥極まりない状態でシンジにアナルを弄られていた。

 

「ひゃうんっ! ご、ごめんなさいシンジ君、反省してるから許してぇ!」

 

「駄目です。ミサトさんのそういうだらしないところ、他の人に迷惑が掛かるって事は理解して欲しいんです。これからはアスカやミカサ、それに母さん達だってここで一緒に暮らすんですから……ねぇっ!」

 

「ふぁあああんっ!」

 

 シンジは容赦なくミサトの腸内に挿入している指を三本に増やし、更に激しく動かす。するとそこに、新しく使う部屋の整理整頓を終えたアスカとミカサがリビングに戻って来る。

 

 やはりアスカとミカサもお風呂から出て全裸のまま動き回っているらしい。

 

「ちょっと、いつまでやってんのよ! もうすぐピザの配達来ちゃうわよ!」

 

 二人共目の前で繰り広げられる異常な光景には慣れているのか、全く動じていない。むしろ呆れ顔で見ているだけだ。

 

 しかしシンジはそんな事など気にせず、挨拶代わりのミサトへの責めを続行する。

 

「まったく、ミサトさんは本当に困った人ですね。こんなだらしのない生活をしていると、いつか大変な目に遭いますよ? 例えば──」

 

 言いつつ、シンジはミサトの耳元に口を近付けてふぅ~と息を吹き掛ける。同時に綺麗な尻穴を穿り返していた指先を一旦出口まで引き抜いたかと見せ掛け、浣腸の要領で再びズボッと奥まで挿入してしまう。

 

「こんな風に、ね」

 

「っ、ぁああぁあんっ! それだめぇ~!今お尻、敏感になっちゃってるからぁ♡」

 

 シンジが言葉を言い終わると同時にミサトがビクンッと震え、全身を痙攣させて悶える。どうやら今ので軽く絶頂してしまったらしい。

 

「はいはい、そこまで。ほらシンジ、次はあたしの番なんだから早くこっち来て♡」

 

 シンジがミサトのアナルを虐めている間に、アスカはソファに腰を下ろしてM字開脚の状態でシンジを待っていた。

 

 その股間の割れ目は彼女の細い指によってくぱぁと卑猥に開かれており、シンジの肉棒を受け入れる準備は万端といった感じだ。

 

 シンジはそんなアスカの恥態を見て興奮気味に笑って見せると、ミサトの開発済みな肛門から手を離し、アスカの開かれた秘裂にむしゃぶりつく。

 

「ちゅぷ、じゅぽ、ぢゅうう……」

 

「あ、はぁ……ん、いいのシンジぃ……♡ おまんこ、もっと舐めてぇ♡」

 

 シンジの舌技に蕩けきっているアスカの表情はとても幸せそうだ。シンジが一度口を離すと、アスカは自分の手で膣内の入り口を割り広げて更なる快感を要求する。

 

「はいはい、わかってるよ。でも、今はこっちを先にしなくちゃ」

 

「きゃあっ!?」

 

 そう言ってシンジはアスカの大きく膨らんだ乳房を掴むと、その先端にあるピンク色の乳首を親指と人差し指で摘まみ上げる。

 

「あぁん♡ いきなりおっぱい触られたらびっくりするじゃない!」

 

「でも気持ち良いんでしょ?」

 

「そ、そりゃあ……んっ、あぁそこっ♡ ぁんっ、乳首もっと強く引っ張っても大丈夫だからぁ♡」

 

「了解♪」

 

 シンジがリクエスト通りに乳首を強く引っ張ると、アスカの口から甘い喘ぎ声が上がる。シンジはそのままアスカの胸を揉みまくり、空いた方の手ではクリトリスを愛撫し始める。

 

 長年の調教によりアスカの弱点を知り尽くしているシンジの絶妙なテクニックに、忽ちアスカは骨抜きにされて目をハートにさせてしまう。

 

 しかしそれでもシンジの責めは終わらず、今度は唇で乳首を甘噛みして吸い付きながら、片手では限界ギリギリまで膨張した真っ赤な陰核を扱き始める。

 

「ひゃんっ、やぁっ! それすごっ、すごいいぃっ! シンジの舌で乳首ペロペロされながら、おまんこ弄られるのしゅごいのぉっ♡」

 

 シンジの激しい責めにアスカは身体を仰け反らせ、淫らに踊り狂う。だが決して抵抗はしない。それどころか自らシンジの動きに合わせて腰を振り、より快楽を得ようとしている。

 

 アスカは今、完全に発情し、大好きなご主人様を求める淫乱な雌奴隷へと堕ちていた。

 

「……あの、ミカサも何かした方が良いでしょうか……?」

 

 ……そんな時、アスカとミサトの様子を眺めていたミカサが近付きながら控えめに訊いてくる。ミカサは二人と同じく全裸ではあるものの、特に恥ずかしがったりはしていない。

 

 しかしどうやら男に身体を弄ばれる事に慣れていないらしく、少し遠慮がちにシンジに声を掛けてきた訳だ。その問いに対してシンジは考え込む。この少女もまた、自分の所有物になるのだ。ならばここで性行為しても良いだろう。

 

 それに……シンジはふとミカサの下半身に視線を向ける。そこにはつるつるとした可愛らしい恥丘がぴったり閉じられていて、まだ誰も受け入れた事がなさそうな未通の処女地だった。

 

 シンジはその光景を見てミカサに返事をする前に、まずは手始めにその未使用の秘裂に指を軽く突っ込んでみた。

 

 ずぶぅっ……!

 

 ミカサの閉じられた秘裂の中にシンジの指先が侵入していく。

 

「っ!?」

 

 突然の事に驚いたのか、ミカサは一瞬びくんと震えてシンジの手を掴んで止めようとする。しかしシンジは構わず指を奥へ進め、そのまま第二関節まで入れてぐりゅっと曲げ出す。

 

「痛……っ!?」

 

 指を入れられた事で異物が体内に侵入した痛みを感じたのか、ミカサが顔を顰める。いつもは冷静で無表情な彼女が苦痛の感情を露にしたその顔は、シンジにとってとても新鮮なものだった。

 

 シンジは興味津々でミカサの顔を覗き込み、前々から気になっていた質問をする。その言葉はまるで悪魔が囁く様な、甘い響きを持っていた。

 

「ねぇ、ミカサ。もしかして、オナニーとかした事ないの?」

 

「は、はい……?」

 

 ミカサの顔が困惑の色に染まる。どうやら質問の意味が分からないらしい。

 

「えっと……ミカサは今までそういう事はしてません。人間(リリン)の繁殖行為はよく分かりませんから……」

 

「ふ~ん、そうなんだ。じゃあさ、今から僕がミカサに色々と教えてあげるよ。女の人の身体の仕組みや、女の子が気持ち良くなる為の方法とかさ」

 

 そう言うと、シンジは指を引き抜いて代わりに自らの肉棒を取り出した。それをミカサに見せ付ける様にしながら、ゆっくりと彼女の眼前に股間を近付けていく。

 

 その大きさや長さはシンジの年齢にしてはかなり立派で、剥けて包皮が完全に捲れた亀頭を見ても、成人男性のペニスとは比べ物にならないだろう。

 

 そしてそこから漂ってくる強烈な雄の臭いに、ミカサは無意識に喉をごくりと鳴らす。

 

 夏の臨海学校で性処理する為にご奉仕フェラをした時以来に間近で見る極太サイズの男性器を前に、ミカサの頬がほんのりと赤く染まる。

 

「ほら、ミカサ。これが男の人のアレだよ? さっき指を入れたけど、ミカサのここはまだ誰ともエッチした事がないんだよね? なら、初めては僕のモノで捧げて貰わないと」

 

 ミカサの鼻先でシンジは自慢げに熱り立つ肉茎を擦り上げる。たったそれだけの事でミカサの脳裏には、シンジの巨根に大事な場所を貫かれる自分の卑猥な姿が鮮明に浮かんできてしまう。

 

 ……それは、女としてこれ以上無い程の幸福感に満たされる瞬間に違いない。しかし、だ。ミカサは元々人間だった訳ではなく、世界樹(イグドラシル)から舞い降りた使徒ラファエルが雪風ミカサという一人の美少女に寄生した特異な存在だ。

 

 ……だからなのか、シンジに抱かれたいという“ミカサとしての”性的欲求はあっても、ラファエルの魂はまだ彼を受け入れる覚悟までは出来ていなかった。

 

 そもそも、シンジの事を異性として好きかと訊かれれば、今の彼女は首を横に振るしかない。確かにシンジにはある程度の好意を持っているが、それが恋愛的な意味でのものかと問われれば、そうではない気がする。

 

 臨海学校で仕方なく性処理してあげたのも、それが十数年前に交わしたユイとの秘密の契約に関わる内容であったからだ。

 

 ユイもミカサもシンジの中に宿るもう一つの人格──堕天使ルシフェルの魂が封印されている事を把握しており、シンジとルシフェルを将来的には切り離す為に彼の護衛という役目をユイから与えられて側にいる。

 

 そんな関係だからこそ、ミカサはユイからシンジの性処理係として指名されたのだし、シンジ自身もその話を前回の臨海学校で聞かされて知ったが故に、彼女と肉体関係を結んだのだ。

 

 ……だが、そういった全ての事情をまだ知らないシンジからすれば、ユイが用意したミカサはただの都合の良い性処理用の淫穴に過ぎない。

 

「……分かりました」

 

 しばらく考えた末にミカサは短く答え、両手を床について四つん這いの体勢になる。

 

「お望み通り、ミカサの処女をシンジ様に捧げます。ですからどうか……“ミカサの願い”を叶えてあげてください。奇跡を司る天使の私にも叶えられない、彼女の幸せを、どうか……」

 

 ミカサは顔を伏せたままシンジに向かって四つん這いのまま背を向けると、自ら尻を高く上げ、両手で全く濡れてない秘裂をくぱぁと割り開いてピンク色の粘膜質な女性器を後ろ姿で見せ付けた。

 

 そのあまりにも従順過ぎるミカサの姿にシンジは高揚感と興奮を覚え、肉棒を更に大きく勃起させる。

 

「ミカサ……わかった。君が何を言っているのかはまだ良くわからないけど、ミカサの気持ちはちゃんと受け取ったよ」

 

 シンジは優しく微笑むと、ミカサの背後から覆い被さる様に抱き着き、彼女のぷりっぷりっなお尻を両手で優しく撫で回す。

 

「んっ、あぁ……っ」

 

 ミカサは股間に当たるシンジの体温を感じながら、これから行われるであろう初めての交尾に期待と不安が入り混じった複雑な気持ちを抱く。

 

「まずはたっぷり濡らしておかないとね」

 

「あっ、あぁっ! はぁ……んんっ!」

 

 シンジは人差し指を一本だけミカサが両手で広げて待つ肉穴に挿入すると、そのまま膣内を掻き混ぜる様に少しずつ動かし始める。

 

「んっ、あ……はぁ……っ」

 

 シンジが指をピストン運動させる度に、小さく喘ぎ声を漏らしてしまう。しかし、まだ快楽を得るまでには至らない。

 

「う~ん……やっぱり全然濡れてこないなぁ。アスカとミサトさんならこれだけでもうぐっしょりとろとろなのに……」

 

 シンジは少し困った様子で呟く。アスカとミサトはシンジやユイに調教された結果、この程度の愛撫でも十分過ぎる程に快楽を得られる敏感体質になっていた。

 

 しかしミカサは未だにそこまで開発されてはいない……だが、それも仕方のない事だ。何故ならミカサはユイから性処理の作法を学んだものの、実践する事は初めてなのだから。

 

 それに……神の使いである天使の魂を宿すミカサにとって、性行為とは愛する者同士が子作りを行う神聖な儀式という認識であり、シンジ達の様なただ快楽を貪る為に行う破廉恥な淫行とは違う。

 

 それにミカサの身体はまだまだ清いままで、シンジとの交わりは彼女にとって本当の意味で始めての性交となる。そんなミカサがシンジの卓越した責めによって簡単に身体を火照らせる事など出来る筈もない。

 

「しょうがない。じゃあ、ミカサに女の子が感じる為の一番大切な部分を教えてあげるよ」

 

「はい……お願いします」

 

 ミカサは若干の恥ずかしさを覚えながら、再びシンジにお尻を向けて見せる。

 

「まずはこうやって、自分の指で割れ目を開いてみて?」

 

「んっ……」

 

 シンジに言われた通りにミカサは自分の指を使って、再び秘裂を左右に開く。

 

「そう、それで良いよ。次は片方の手で中指をゆっくり挿れて、まずは上の方を触ってごらん?」

 

 シンジはミカサのお尻をいやらしい手付きで撫でたまま彼女の指先を誘導し、ピンク色の綺麗な陰核に触れさせた。ミカサの指先が敏感な部分に触れた瞬間、彼女はぴくんっと可愛らしく震えてしまう。

 

「ふぅっ……はい」

 

 そしてミカサは恐る恐る指を折り曲げると、そこにある小さな突起を軽く押し潰した。その瞬間、今まで感じた事の無い強い快感が電流となってミカサの全身を駆け巡っていく。

 

「ひゃうんっ!? な、なんですかこれ……っ!?」

 

 ミカサは思わず手を引っ込めてしまいそうになるが、何とか堪えてそのまま指を動かして肉芽に刺激を与え続ける。

 

「はぁ、ああぅ……! や、やだ……何か変な感じに……はぁ、はぁ……♡」

 

「ミカサ、どう? これが女の人が凄く気持ち良くなる方法の一つだよ。クリトリスっていう、女の人の弱点なんだ」

 

 シンジはミカサが自慰を強要させられている姿を後ろから眺めて楽しげに説明していく。

 

「んん……っ、は、はい……わかりました。はぁ、ん……んくぅ……っ♡」

 

 ミカサは左手で自分の肉芽を刺激しつつ、右手で膣内の奥深くに指を差し入れて抜き差しを繰り返す。その度に彼女は甘い吐息を吐き出しながら、無意識にお尻をフリフリと振ってしまう。

 

 その動きはまるで雄を求める雌犬の様で、とても淫靡だった。ミカサの膣内は先程とは違って大量の蜜液で溢れ返っており、自分の指が動く度にくちゅっ、くちゅっと淫らな水音が鳴り響く。

 

「はぁ、はぁ……んんっ、んっ、ふぅ……はぁ、はぁ、んっ、あ、あっ、んんっ、はぁ、んんっ、んんんっ!」

 

 ミカサはそのうち我を忘れて夢中で指を激しく出し入れしながら、徐々に高まってきた性感に身を任せていく。

 

 そして……とうとうその時が訪れる。ミカサは腰をぶるりと震わせると同時に赤く火照った可愛らしい肉豆を二本の指できゅっと強く摘み上げる。

 

 その瞬間、頭の中が真っ白になり、ミカサの視界にチカチカと星が瞬いた。

 

「あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁ……っ!!」

 

 ミカサは声にならない悲鳴を上げ、背中を仰け反らせて人生初の絶頂を迎える。先程までは濡れていなかった秘所からは透明な潮がぷしゅっと何度も吹き出し、リビングの床をびしゃびしゃに濡らす。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……これが……イクという感覚……? なんて、なんて気持ちいいのでしょうか……♡」

 

 ミカサは余韻に浸りながら、うっとりとした恍惚の表情を浮かべて潮吹き止まらないお尻を気持ち良さそうに震わす。

 

「あはは、すごいやミカサ。初めてでここまで潮吹きしちゃう女の子はなかなかいないよ。やっぱりミカサもアスカ達と一緒で淫乱な素質しかないみたいだね」

 

「はぁ、はぁ……そ、そうなんですか? ミカサも、皆さんと同じ淫乱……?」

 

「そうだよ。ミカサも他の女の子と変わらない、僕専用の性処理雌奴隷さ」

 

 シンジの言葉を聞いて、ミカサは無意識に子宮がきゅんきゅんと疼いて、またも愛液をぷしゅっと吹き出しつつ感じてしまう。

 

 するとそこにいつの間にか復活したのか、アスカとミサトがミカサの両隣に並んで四つん這いになる。

 

 二人は既に準備万端といった様子で呼吸を荒らげ、シンジに犯される快楽を待ち望む彼女達の瞳には淫猥なハートマークが浮かんでいた。

 

「ねぇシンジぃ……ミカサばっかりずる〜い! あたしのおまんこにもちんぽちょうだいっ! もう我慢できないのっ!」

 

「あぁん……っ、私もシンジ君のおっきなおちんぽ欲しいわ……っ♡ はぁ……シンジ君……お願い、こっちに来て♡」

 

 アスカとミサトはミカサの両隣に並んでからミカサがやっている様に自ら両手で秘裂をくぱぁと広げて、シンジの肉棒を受け入れる体勢を整える。

 

 三人の巨乳美少女が全裸で四つん這いになり、可愛らしくお尻をフリフリと揺らして男根をおねだりする光景はあまりにも卑猥で、あまりに官能的であった。

 

 シンジの反り返った肉棒は既に限界まで勃起して我慢汁を何度も溢れ出しており、早くこの三つの極上牝穴にぶち込みたいとビクビク脈動している。

 

「わかったよ。それじゃあ、まずは三人同時に気持ち良くイカせてあげるよ」

 

 シンジは鼻血が出る程の興奮を抑えながら、まずは真ん中に並ぶミカサの背後から覆い被さる様に抱き着き、同時に左右に並ぶアスカとミサトの秘裂に片方ずつ指先を挿入していく。

 

「あぁん……っ! シンジの手マンきたぁっ♡」

 

「んんっ……! あぁ、うそっ! 指だけでイッちゃいそう……ぁんっ♡」

 

 シンジの指が膣内に侵入する度に、二人の巨乳美女は身体を小刻みに痙攣させながら嬉々として喘ぎ声を上げ出す。

 

「はぁ、はぁ……っ♡ んっ、あ、あっ、んんっ♡」

 

 ミカサは二人を羨ましそうに見つめながら、自らの指でクリトリスを弄って更に快楽を得ようとしていた。

 

「駄目だよミカサ。今はオナニーなんかより僕のちんぽに集中しなきゃ。ミカサは今から、僕の極太ちんぽでおまんこの処女穴を気持ち良過ぎて泣いちゃうくらいパンパン突かれるんだよ?」

 

 シンジはミカサの耳元で囁くと、そのまま自らの熱り立つ肉棒の先端をミカサの割れ目に押し当てる。その瞬間、ミカサは身体をぶるりと震わせ、熱い吐息を漏らして身悶えする。

 

 ミカサの身体はシンジの肉棒を欲するあまり無意識のうちに大量の愛液を分泌し、子宮が降りて受け入れる準備を進めていた。

 

「あ、あぁ……っ、は、はい……わかりました……っ♡」

 

 ミカサは期待に満ちた淫猥ハートの眼差しでシンジに首だけ振り返り、お尻を突き出しておねだりをする。

 

「んっ、はぁ……シンジ様、お願いします……ミカサの、初めての、お、おまんこで……いっぱい気持ち良く性処理なさってくださいっ♡」

 

 ……遂にその瞬間がやって来る。シンジはゆっくりと腰を前に突き出していき、ミカサの待ち切れない様子の膣内に肉棒を少しずつ挿れていった。

 

 処女膜が綺麗に残っているミカサの膣内はかなり狭く、まだ未開発でキツい。しかし彼女の膣内は暖かく、柔らかく、ぬるっとしていて、適度な締め付けがあり、まるで生き物の様に畝ってはきゅうきゅうっと吸い付いてくる。

 

「はぁ……っ、ミカサの処女まんこ気持ち良いよ。最高に具合が良い。それに、ミカサの初めてを貰えるなんて僕は幸せ者だよ」

 

「はぁ、はぁ、あ、ありがとうございます……っ、んんっ、あ、ああぁっ、んんっ、ふぁ……っ、あぁっ、んんっ、あぁぁ……っ!」

 

 ミカサは破瓜の痛みを感じつつも、膣内で肉棒がぎちぎちと薄い膜を破いて動く度に甘美な快感が全身を駆け巡っていく。

 

「ふぅ……全部入ったよ。どう? 痛い? 大丈夫かな?」

 

「はぁ、はぁ……だ、だいじょうぶです。んっ、はぁ……んんっ♡」

 

「そっか。なら良かった。でも、サイズ感に馴染むまでしばらく入れっ放しにしとこうか」

 

「あぁ……すごいっ♡」

 

 シンジはそう言ってミカサの膣内に入ったままの状態で動かない。その状態でじっとしていると、ミカサはじわじわと膣壁が押し広げられている圧迫感と、好きでもなかった男に自分の大事な部分を貫かれているという屈辱感で胸の中が埋め尽くされていく。

 

 その間にもアスカとミサトがシンジの指先を挿入したまま腰を動かして指先を抜き差しされたり、指先で肉芽を刺激されたりと、それぞれ違った方法でシンジから与えられる快楽を貪っていた。

 

 

 

 

 

 そして……更に数分後。

 

 注文していたピザの配達員がミサトの部屋の前にやってくる。両手いっぱいに荷物を抱えた配達員は何とか身体を動かして玄関のインターホンを鳴らす。

 

(……たしかここの部屋は一人暮らしの葛城ってスケベそうな身体した巨乳美女が住んでたはず……なのに何でこんなに沢山ピザ頼んだんだ? いくら常連のお得意様とは言え……)

 

 そんな疑問を抱きながらも、宅配ピザの配達員はしばらくドアの前に立って待ち惚けを食らう。

 

「すいませーん! お届け物でーす!」

 

 それから更に数十秒待っても反応が無い為、仕方なく彼はもう一度大きな声で呼び掛ける。すると……

 

「あぁんっ♡ ちょ、ちょっとぉ……んんっ、シンジ君やめてぇっ♡ んっ、あぁっ、んんっ、もぅ、えっち……♡ はぁ、はぁ……っ、あぁっ、んんっ♡」

 

 部屋の中から女性の艶かしい声が聞こえてきた。その如何わしい声を聞いた途端、配達員の若い男は嫌な予感がしたのだが、流石に普段から結構な頻度で出前を注文してくるミサトの声を電話越しに聞いている為に、その喘ぎ声の主がすぐにミサトだと気付く。

 

(えっ……? う、嘘だろ……おい、この声って葛城さんじゃ……!?)

 

 その間にも玄関のドアが開かれ、中から出てきたのはやはりミサトだった。背後からシンジに抱かれている彼女の顔は真っ赤に火照っており、呼吸も乱れて完全に発情しきった雌の表情を浮かべて目をハートにさせていた。

 

 しかも何故か全裸であり、胸と股間を隠すどころか見せ付ける様にわざと大きく開いている。両手いっぱいにピザの箱を抱えた配達員の若い男は驚きの余り玄関先で固まってしまった。

 

「はぁ、はぁ、んんっ、あぁんっ、あ、あの……んっ、そ、そこのお兄さん……んっ♡ はぁ、はぁ、そ、その荷物を部屋の中まで……んっ、んんっ……は、運んでちょうだい、あぁんっ、激しぃっ♡」

 

 ミサトは甘い吐息を漏らしながら、目の前に立つ配達員の男に指示を出す。そこでようやく正気に戻ったのか、若い男は酷く赤面したまま慌ててミサトの指示に従い、玄関の扉を閉めて部屋に上がり込む。

 

「すいません。見ての通り、僕たち今すごく愛し合ってる最中で……あっ、ピザはキッチンのテーブルにでも置いといてください。お金ならそこにちゃんと置いてありますんで」

 

 シンジはミサトの巨乳を揉みながら、配達員の目の前でパンパンと腰を激しく叩き付ける。

 

「うっ、あっ……あぁ……っ、は、はい……」

 

 シンジに後ろから抱き着かれながら、全裸の彼に犯されているミサトの姿に自然と涙目になりながら、若い男の男性は言われるままにテーブルの上にピザの入った箱を幾つも置くと、逃げる様にしてその場を後にしようとするが……

 

「あぁんっ、シンジ君っ♡ だめぇっ、もうおまんこイキそう……っ♡」

 

「えっ!? まだ駄目だよ。もっと我慢しないと。ほらっ、配達員のお兄さんも羨ましそうにミサトさんのエッチな姿見てるよ?」

 

 シンジに犯されて淫らに感じまくっているミサトの淫乱な姿を見て、若い男は自分の息子がズボン越しに痛々しい程に大きくなっている事に気が付き、恥ずかしさと悔しさと羨ましさで泣き出しそうに立ち竦む。

 

 さらにリビングのソファには、シンジやミサトと同じく全裸のアスカとミカサの姿もあった。

 

 二人はシンジに指示された通りにお互いの秘裂にそれぞれ指先を突っ込んでは、貝合わせの体勢で激しく股間を擦り合っており、気持ち良さそうな蕩けた表情で可愛らしく喘いでいた。

 

 そのあまりの現実離れした光景に、いつしか配達員の男は帰る事も忘れて四人のハーレム乱交を食い入る様に見つめていた。

 

「はぁ、はぁ……うっ、射精る……!」

 

 とうとう我慢出来なくなったのか、リビングに立ったままテント張りになった股間を小刻みに震わせてしまう。

 

「はぁ、はぁ……っ、あぁんっ、シンジ君のおちんぽビクビクしてるっ♡ んっ、はぁ、あぁんっ、気持ちいいぃんっ♡」

 

 配達員の男が一人情けなく精液をズボンの中で無駄撃ちしている間に、ミサトはシンジの肉棒で何度目かも分からない潮吹き絶頂を迎えていた。

 

 リビングに立ったままシンジがミサトの膣内に大量の白濁液を流し込み果てると、ミサトは脱力してぐったりとその場に倒れ込んだ。

 

 床上に寝転ぶミサトの股間からはシンジが膣内へ出した大量の子種が逆流し、泡立った愛液と共にぼたぼたと零れ落ちていく。その淫靡な様子をシンジは満足げに見下ろした後、ゆっくりと配達員の男に向き直った。

 

「配達員さん、これからはそちらのピザを頼む機会が今までより減るかもしれないけど……代わりにまたいつか出前頼んだ時は“あなたが”届けに来てくれないかな? もちろん、その時はまた“こうやって”ミサトさんの身体でお礼しますので」

 

 シンジはそう言うと、配達員の男の染みが出来た股間の膨らみに視線を向ける。配達員の彼がミサト達の乱交を見て勃起してしまった事を分かった上で、敢えて見逃したのだ。

 

「その代わり……ここで見た事は誰にも言わないでください。わかった?」

 

「うっ、あぁ……は、はいぃ……わかりました」

 

 弱味を握られた配達員は顔を真っ青にしながらも、首を縦に振って返事をする。それから彼はシンジと個人的な連絡先を交換した後、ふらふらと覚束ない足取りで玄関を出ていく。

 

 

 

 

 

(葛城、ミサトさん……だっけ。いつもは派手な下着だけ身に着けただらしない格好して注文のピザ受け取ってたけど……やっぱり想像通りにエロかったんだな。それに、あの少年や可愛い女の子達は一体……?)

 

 配達員の男はマンションからの去り際に、自分の密かな憧れの女性だったミサトが見知らぬ男を連れ込んで犯され、挙句に自分よりも年下の男の子に屈服させられて淫らに悦んでいるエッチな姿を目に焼き付け、その日は興奮し過ぎてなかなか眠れなかったそうだ。

 

(あぁ、早く次の出前来ないかなぁ……あっ、葛城さん! また射精る……っ!)

 

 いつ来るかも分からない携帯電話の待ち受け画面をぼんやりと眺めては、密かに想いを寄せていたミサトの乱れた全裸姿を何度も繰り返し思い出しながら、配達員の男は今日も夜遅くまで寂しく自慰に耽るのであった。

 

 

 

 

 

 ──その日の深夜。

 

 四人で楽しくピザを食べたシンジは自分に用意された部屋ではなく、ミサトの部屋にある敷き布団の上でふと目を覚ます。

 

 隣では同じく敷き布団で眠る全裸のアスカとミカサがすやすやと穏やかな寝息を立てており、彼女達の大きな巨乳が呼吸に合わせて上下していた。

 

 ミサトの一存で始まったハーレム歓迎会は夜通し行われ、最終的にヤリ部屋として使われたミサトの部屋で寝る事になったのだが……

 

(あれ? なんだろ……下半身がすごく気持ち良いような……?)

 

 電気の消えた暗闇の中、シンジが目を開けて自分の股間を確認する。するとそこには彼の股間へと顔を近付けている全裸のミサトがいるではないか。

 

 彼女はまるで赤ん坊の様にシンジの肉棒を両手で掴んで口に含み、その先端を舌先でちろちろと舐め回していた。

 

「んっ、ちゅぱっ、じゅぷっ……んんっ、んっ♡」

 

「ちょっ、ミサトさん!? 起きてるんですか?」

 

 シンジが声を掛けると、ミサトは肉棒から口を離し、すっかり蕩けたハート目の上目遣いでこちらを見上げてくる。

 

「あら~、起こしちゃったぁ~? ごめんね~。でも、シンジ君のちんぽの感触思い出しちゃって……つい、ねぇ♡」

 

 何やら顔を異常なほど真っ赤に染めて、呼吸も荒くなっているミサト。シンジはそんな彼女の様子を見て、まさかと思いながらも厳しく尋ねる。

 

「……ミサトさん、どう見たって酔っ払ってますよね? それも生徒の見ている前で結構な量のビール飲んで……なのに酔い潰れた後はこんな事してたんですか?」

 

「あぁん、だってぇ……♡ あの時シンジ君が私にしてくれた調教が忘れられなくってぇ……んっ、はぁ、はぁ、んんっ……あぁんっ♡」

 

 嬉しそうに言いつつ泥酔状態にあるミサトは再びシンジの肉棒を口に含んでしゃぶり始めた。それだけでなく、片手を使って大きな肉竿をシコシコと扱き始め、更には空いている方の手で自分の秘裂を弄り始める始末だ。

 

「……まったく、しょうがない人ですね。一人暮らししていた時からこんな感じでエッチなことばかりしてたんでしょ?」

 

「んっ、あぁっ♡ はぁ、はぁ……そ、それはぁ……んっ、んんっ、あぁんっ♡」

 

 シンジの呆れ声に答えようとしたミサトだが、その途中で喘ぎ声を上げて身体を仰け反らせてしまった。彼女が自らの手で慰める秘裂からは大量の愛液やら中出し済みの精液が溢れ出し、その快感で軽くイッてしまっている事が分かる。

 

「今日来たピザ屋の配達員──なかなか良い男っぽかったですね。もしかしてミサトさん、ああいう人に無理やり言い寄られてエッチしちゃうの妄想してたのかな?」

 

「はぁ、はぁ、あぁっ、あんっ♡ やぁん、やだぁ……そ、そんなことぉ……♡」

 

 意外と図星を突かれたミサトの身体はびくんと震え、更に愛液の量が増した。それを見てシンジはすかさず問い詰める。

 

「へぇ……そうなんだ。ミサトさん、僕のちんぽに必死に吸い付いてるみたいだけど……もしかして、今あの配達員のお兄さんの事考えてる?」

 

「はぁ、んんっ、あぁんっ♡ ち、違うわよぉ……私はもう、シンジ君の事しか考えられないのにぃ……♡」

 

 シンジの質問に、ミサトは切なげにお尻を震わせて否定する。

 

「ふぅん……でも処女じゃなかったよね?ミサトさんの初めてを奪ったのは意外とあの人だったり?」

 

 シンジがそう言って意地悪そうに笑うと、ミサトは肉棒を口から離して恥ずかしそうに俯いた。

 

「あぁん、もぅ……シンちゃんの意地悪。私の初めての相手なんて、もうとっくの昔に別れて忘れちゃったわよ……」

 

 ミサトが少し寂しそうに言った瞬間、シンジは素早く起き上がって彼女を抱き締め、その唇を無理やりに奪う。そしてそのまま敷き布団に押し倒すと、再び硬くなった肉棒をミサトの膣穴に挿入して激しく腰を打ち付け始めた。

 

「んんっ、んんんっ、んんんんんんっっ!?」

 

 突然の激しいキスハメに、ミサトは目を大きく見開いて全身を痙攣させる。

 

「……嘘つき。本当は今でも忘れてなんかいないくせに。だから自分じゃ何も料理もせずに毎回ピザの出前ばかり頼んで、あんな風に自分好みの若い男を誘惑して気持ち良くなって、家じゃオナニーばかりしちゃう寂しい一人暮らし送ってたんでしょ?」

 

 シンジはそう言うと、ミサトの乳首を指で摘まみながら激しくピストン運動を繰り返す。

 

「あっ、あぁんっ♡ ひゃっ、やっ、やだぁっ、シンジ君のばかぁ……! やぁんっ、そんなにされたら……はぁ、はぁ、はぁ……あぁんっ、またイっちゃう……っ!」

 

「いいですよ、好きなだけ何度でもイカせてあげます。ほら、こことか好きでしょ? ミサトさんの弱いところ、いっぱい可愛がってあげますから……ねぇっ!」

 

 シンジはミサトの両脚を持ち上げ、上から押し潰す様に体重を掛けて子宮の奥深くまで熱く滾った肉棒を突き入れる。

 

「あぁっ、だめっ、そこはぁ……♡ はぁ、あぁんっ♡ そこパンパンされると、すぐイクっ、おまんこ、すぐイッちゃうからぁ……! あぁっ、あぁぁあぁぁぁぁぁっ!!」

 

 シンジの容赦ない連続突きに、ミサトはすぐに潮を噴かせて絶頂を迎えてしまう。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……シンジ君、私ね……家じゃずっとビール飲みながら、昔の男思い出してオナニーばっかして自分の寂しさを慰めてたの……だから、お願い……シンジ君、そのおちんぽで私の心と身体を満たして……♡」

 

「やっぱりね……わかりました。どうしようもない淫乱エッチなスケベまんこのミサトさんが、もう二度と他の男なんか考えられなくなるまで、毎日たっぷり子作りセックスして気持ち良くしてあげますから」

 

 シンジはそう言ってミサトの両足を抱え込むと、彼女の絶頂したばかりの秘所を再び正面から思いっきり貫いた。

 

「あぁっ、あっ、あぁんっ♡ それ、すごいぃ……っ♡ はぁ、はぁ、あぁっ、はぁんっ♡」

 

「ほら、わかったら返事してください!ミサトさんはもう一生僕専用なんだから、早く認めちゃいましょうよっ!」

 

「あぁんっ♡ み、認めりゅ♡ 認めましゅっ♡ 私の……あぁっ、はぁんっ♡ 私のエッチなおっぱいも、おまんこもぉ……はぁ……あぁっ、はぁんっ♡ これからはシンジ君だけのモノなんだかりゃぁ……あぁっ、はぁんっ♡」

 

 激しいピストン運動に、既に泥酔していて呂律の回っていないミサトが快楽で蕩けた顔で宣言すると、シンジはそのタイミングで勢いよく膣内射精した。

 

 熱い白濁液がミサトの子宮内を埋め尽くし、どろどろに満たしていく。その快感で彼女は身体を弓なりに反らせて再び絶頂を迎えた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……♡ すごぉ……こんなにびゅくびゅく精液出されたら、避妊しなきゃ妊娠確実じゃない。ねぇシンジ君……ちゃんと責任取ってくれる?」

 

「もちろんです。ミサトさんが望むなら、僕はどんな事でもしてあげますよ」

 

「あぁん……嬉しい♡」

 

 ミサトは幸せそうに微笑むとそのまま力尽きたのか、大の字のポーズで深い眠りに落ちていった。

 

 シンジはそんなミサトの酔い潰れて赤く火照った寝顔を見下ろすと、彼女を抱き枕代わりにがっちりと抱き締め、自分も一緒の敷き布団で眠りにつくのだった。

 

 




【次回予告】

シェアハウスでのハーレム生活をスタートさせたシンジ。

ユイに呼び出されたシンジは監視者(シェムハザ)同士の顔合わせに参加し、初めての共同訓練を受ける事に。

しかしネルフの研究を快く思わないゼーレが、人工進化研究所すべての電源を止める。

近代設備が何も動かないネルフに、使徒侵入の危機が迫る。

次回、『静止した闇の中で 事件編』



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静止した闇の中で 事件編

 

 ハーレム生活がスタートした翌朝、ミサトのマンションでシンジが目覚める。昨夜は引っ越しの歓迎会で大いに飲んで騒ぎ、最終的には全員ミサトの部屋で乱交して気絶する様に眠ってしまった。

 

「ん……もうこんな時間か……昨日は結局ミサトさんが酔っ払ったまま夜這いしてきたんだよな……ふわぁ、おかげでまだ眠いや」

 

 寝惚け眼を擦りながら布団から起き上がるシンジ。当然ながら全裸のまま眠ってしまった為、全身に色々な液体が付着していて気持ち悪い。

 

 とりあえずシャワーでも浴びようと思いミサトの部屋を出ると、リビングで大胆に着替える最中のミサトがいた。

 

 派手な花柄の黒い下着姿でシャツを着ようとしていたミサトはタイミング良く起きて来たシンジに気付くと、着替えを中断してニヤリと笑って挨拶してきた。

 

「あら、シンジ君おはよ♡」

 

 その言葉と同時に、官能的な下着に収まった豊満な胸元から大きな谷間がいやらしく強調される。朝から無防備全開なミサトの行動に一瞬だけ見惚れたシンジは顔を真っ赤に染めて呟く。

 

「ミ、ミサトさん、またそうやって……だらしないですよ? 着替えるなら自分の部屋でしてください」

 

「あ~、ごめんごめん。ついいつもの癖で……」

 

 悪びれもなく笑いながら謝るミサトだが、シンジの言う通り流石に不用心過ぎるだろう。

 

 いくらハーレムの仲間入りをしたとはいえ、シンジの前で平然と着替えをするなんて……しかしそんなシンジの考えとは裏腹に、ミサトは着替えを再開するどころか更に大胆な行動に出た。

 

「ふふっ♡ それにしてもシンジ君も男の子ねぇ……昨日の夜はあんなに激しくシたくせに、もうおちんぽ元気になってるじゃない?」

 

「え!?」

 

 シンジは思わず股間を隠す様に両手で覆う。昨晩の乱行の影響なのか、シンジの股間は既に臨戦態勢になっていたのだ。

 

 その反応を見たミサトはニンマリと笑うとそのままシンジの手を取り、強引に自分の身体へと押し当てる。

 

 むぎゅっとした柔らかい感触と共に、ブラジャー越しではあるが確かに感じるミサトの大きな乳房の弾力。そしてその奥にある確かな熱量にシンジの顔は耳まで赤く染まる。

 

「ミ、ミサトさ──!?」

 

「ほぉら、もうおちんぽガチガチでしょ? 朝から発情しちゃって、いけない子♡」

 

 羞恥に染まった顔で抗議しようとするシンジだったが、それを遮る様にミサトはぐいっとその手を引くと、今度は自らの股間にシンジの手を押し付けた。

 

 そこには先程履いたばかりのショーツを僅かながらに湿らせている熱い秘所があり、指先が濡れそぼった割れ目に軽く触れる。ビクッと震えるシンジの反応を楽しむ様にミサトは軽く指先を擦り付けると、わざとらしい喘ぎ声を漏らす。

 

「あんっ♡ シンジ君のエッチぃ♡」

 

「ちょ、ちょっとミサトさん!」

 

 慌てて手を離そうとするシンジだが、ミサトはしっかりと身体を抱き締めていて離れない。

 

 するとそこに青と白のストライプ柄の下着を身に着けたアスカがやってきた。こちらも当然の様に破廉恥極まりない格好であり、髪はボサボサのままである。

 

「何よミサト……朝っぱらからうるさいわね……って、また盛っているわけ?」

 

 平然と下着姿で現れたアスカだったが、ミサトとシンジの様子を見ると呆れた表情を浮かべてジト目になる。

 

「あら、おはよアスカ。昨日シンジ君ハッスルし過ぎてまだ疲れが取れていないみたいだから、今日一日は学校も休みだし、こうしてシンジ君を甘やかしてあげようと思って♡」

 

「あっそ。でも残念でした! さっきユイおばさまから電話が来て、あたし達全員で人工進化研究所に来てほしいって言われてるのよね~」

 

 そう言いながら携帯電話の着信履歴を見せるアスカ。どうやら本当に朝早くにユイから連絡があったようだ。それを聞いたミサトは大きく溜息を吐くと、ようやくシンジを解放して引き下がる。

 

「あれ? そう言えばミカサは? いないみたいだけど……」

 

 そこでシンジはふと気になった事を口にする。このマンションには唯一の男である自分以外に現在三人の美女と美少女が暮らすはずなのだが、ここにいるのはミサトとアスカだけである。

 

「ミカサならおばさまから電話貰ったらすぐに着替えて出て行ったわよ。なんか急用を思い出したとか言ってたけど」

 

「へぇ、そうなんだ。じゃあ僕もシャワー浴びたらすぐ支度しないとな……あっ、でもミサトさん。いくら休日と言っても、ちゃんとしてくださいよ? そうじゃないと、これからみんな一緒にハーレム生活していくのは大変だと思います」

 

 シンジは真面目くさった口調で告げると、そのままシャワーを浴びに浴室に向かっていく。

 

 ……その後、朝風呂に入りに来た温泉ペンギンのペンペンに乱入されるハプニングもあったが、何とか無事に身支度を整えたシンジ達三人は葛城家のマンションを出て人工進化研究所に向かうのだった。

 

 

 

 

 

「──二人には話してなかったっけ? うちの父があの研究所の創設に関わってたって」

 

 箱根の町並みを颯爽と走る青いスポーツカーに揺られながら、助手席に座るシンジは後部座席に座るアスカと共にハンドルを握るミサトの話に耳を傾ける。

 

「尤も当の父は何年も前に行方を晦ましちゃってね。まったく、どこで何をしてるんだか……」

 

 そう言うミサトの横顔はどこか寂しげで、バックミラーに映るその瞳は何処を見つめているのか分からない。しかしそれも一瞬だけで、ミサトは直ぐにいつもの明るい笑みに戻る。

 

「そんな訳であそこには知り合いも多いし、今でも学校の教師やりながらちょっとしたお手伝いとかしてんのよ」

 

「それで学校じゃ僕達をずっと気に掛けてたんですか」

 

 シンジは納得した様に呟き、入学当初からミサトは何かとシンジやアスカを気に掛けていた理由を知る。シンジもアスカも両親が人工進化研究所で働く科学者であり、ミサトもまた父親の影響でネルフに加わったのだろう。

 

「さ、着いたわよ。足元暗いから気を付けて」

 

 そうこうしている内に、ミサトの車は目的地に到着したらしい。シンジとアスカは車から降りると、ミサトの案内で薄暗い通路を歩き出す。

 

「あの、ミサトさん……なんで僕達呼ばれたんでしょう?」

 

「それは……自分でご両親に聞いた方がいいんじゃないかしら?」

 

 シンジの疑問にミサトは答えず、ただ黙々と通路を進むだけだった。三人はそのまましばらく歩くと、ミサトはある部屋の扉の前で立ち止まる。

 

 するとその扉が徐ろに開き、中からユイとゲンドウの二人が姿を現した。この二人が人工進化研究所のトップであり、特務機関ネルフの総司令官なのだ。

 

「よく来たな、シンジ。家族久しぶりの再会だ」

 

 相変わらず不愛想な態度を取るゲンドウだが、サングラスに隠れたその表情はどことなく嬉しそうである。一方で仕事用の白衣に黄色い縦ラインのセーターを着たユイはシンジに向かって優しく微笑む。

 

「待ってたわ、シンジ。どう? 昨日から始まった同居生活は? 男一人だけど……ちゃんとやっていけそう?」

 

「あぁ、うん……えっと、最初はちょっと戸惑う事もあったけど、今はとても楽しく過ごせてるかな」

 

 母親のユイに訊ねられたシンジは照れ臭そうに頬を掻いて答える。昨日のハーレム歓迎会の事を思い出してしまったのだろう。

 

 そんなシンジの返事を聞いて、ミサトとアスカはニヤリと笑ってシンジの両腕にさり気なく豊満な胸元を押し当てる。

 

 両親が見ている目の前でミサトとアスカに身体を密着されたシンジは、腕に当たる柔らかさと温もりを感じ、ドキドキしながら顔を真っ赤に染めて恥じらう。

 

 その様子を見て、シンジがしっかりハーレムのご主人様として性奴隷な彼女達をリード出来ていると判断したユイは満足げにくすっと微笑むのだった。

 

 するとそこに、一人の美少女がゆっくりと歩いて来るではないか。

 

「あっ、碇くん……♡」

 

「綾波さん!」

 

 シンジ達の前に現れたのは、白を基調とした機械的なスーツに身を包んだレイであった。

 

 シンジの姿を見るなり足早に駆け寄ってきたレイはそのままシンジに抱き着くと、頬を赤らめた笑顔でシンジの胸に頭を擦り付けて甘える。

 

 その行動にシンジは苦笑いを浮かべるが、隣にいたアスカがすぐに口を挟む。

 

「って、何よその格好は!?」

 

「えっ、これ? プラグスーツって言うんだけど……」

 

 驚きのあまり赤面するアスカに指摘され、ふと自分の姿を見下ろすレイ。今の彼女はシンジに会いたい衝動を抑えきれずに、監視者(シェムハザ)としての戦闘訓練中ながら途中で抜け出して来てしまったのだ。

 

「父さん……また何か変な研究を……」

 

「なっ……!? ご、誤解だ!」

 

 その格好に気付いたシンジはジト目でゲンドウを睨みながら抱き着くレイを引き剥がすと、代わりにユイが前に出てシンジとアスカに説明する。

 

「これは『プラグスーツ』と言って、監視者(シェムハザ)としてあなた達チルドレンが使徒と戦う為に開発された最新型の戦闘用スーツよ。着ているだけであなた達が持っている神器(エヴァ)とのシンクロ率を補助する効果があって、様々な生命維持装置も備わっているの」

 

 ユイはそう言いながらレイの肩に手を乗せて語り出す。確かにデザインは独特で、レイが好きな白色を基調にして作られている。

 

 それに露出もかなり抑えられており、動きやすさにも配慮されているようだ。プラグスーツを着用している間はどうしてもボディラインこそはっきりと出てしまうものの、安全性や機能性を第一に考えられている事が伺えた。

 

 しかしそれでも、シンジとアスカの視線はどうしてもレイの艶めかしいプラグスーツを着用した、ぴっちりと張り付いた女性的な身体に向いてしまい、特にシンジの目はレイの胸元の膨らみや股間へと釘付けになっている。

 

「誤解がないように言っておくが、このスーツをデザインしたのはユイだ。決して私の趣味などでは……ああいや、たしかに目の保養になるなどと思わないわけでもないが、いやしかし……!」

 

 シンジ達の視線を感じたのか、ゲンドウはバツが悪い表情を浮かべて弁明しようとするも、途中からは言葉も曖昧になり、最後には口をパクつかせるだけになってしまう。

 

 そんな夫の様子に、ユイは呆れた様子で溜息混じりに話し出す。

 

「……まぁ、そういう訳だから、今後はシンジもアスカもそのプラグスーツを着てもらう事になるわ。もちろん、普段の訓練やシンクロテストでも使うからそのつもりでね」

 

「えぇ~!? ちょっと待ってよ母さん! 綾波さんは似合うからいいけど、男の僕もこんな変態っぽいの着なきゃいけないの!?」

 

 シンジは悲鳴を上げる様に抗議の声を上げ、アスカも同意する様にジト目でこくこくと首を縦に振る。

 

 いくら何でも、シンジとしては恥ずかし過ぎる。しかしユイはそんなシンジの言葉に不思議そうに首を傾げると、少し考えた後にポンと手を打って口を開く。

 

 どうやらシンジの言い分を理解してくれたようだ。これで何とかなるか……と思ったシンジだったが、次に発せられたユイの一言はシンジの予想とは正反対のものだった。

 

 ユイは真剣な眼差しで真っ直ぐとシンジの目を見つめて言う。

 

「……シンジ、いい? 母さん達は決してあなた達を辱めるつもりでこのプラグスーツをデザインした訳じゃないの。むしろ、使徒との戦闘で少しでも安全かつ快適に戦えるようにと、そしてこのスーツでシンジ達が強くなってくれる事を願った上で、敢えてこのようなデザインにしたのよ」

 

「そ、そうなの?」

 

 シンジは思わず聞き返してしまう。だがユイの言う通り、シンジ達監視者(シェムハザ)にとってプラグスーツは命を守る大切な物だ。

 

 それに以前、使徒ラミエルとの戦闘で戦ったミカサはプラグスーツを着ていなかった為に、シンジの眼前で痛々しい程の大怪我を負ってしまっている。

 

 それを考えると、シンジもアスカも安全の為にプラグスーツの着用は納得せざるを得なかった。

 

「それじゃあ、チルドレン同士の顔合わせでトレーニングルームに行ってちょうだい。葛城先生、すみませんがこの子達のことはよろしくお願いします」

 

「えぇ、任せてください。ビシバシ鍛えますので♪」

 

 ユイはミサトに後を任せると、ゲンドウを連れて立ち去るのだった。その後、シンジ達はミサトの案内でトレーニングルームに向かうのだが……

 

 

 

 

 

「綾波さんはどう? 元気? しばらく研究所で生活なんて息苦しくない?」

 

「大丈夫。みんな優しくしてくれるし。ただ──」

 

 シンジの問いにレイはそう答えた。しかし、その表情には僅かに陰りが見える。シンジは心配そうに眉を顰めて訊ねる。

 

「ただ?」

 

 もしかして何かあったのだろうか……しかしレイはシンジの心配を他所に、頬を赤らめてぽつり呟く。

 

「碇くんとエッチできないのが寂しくって……♡」

 

「……えっ?」

 

 予想外の返答にシンジはポカンとしてしまう。レイはそんなシンジの顔を見つめながら、うっとりとした恍惚の表情で続ける。

 

 まるで恋する乙女の様にレイはシンジの手をぎゅっと握り締め、潤んだ瞳で見上げながら熱い吐息を漏らす。

 

「だって……惣流さんだけいつも碇くんと一緒にエッチしているから……私、最近忙しくて全然碇くんと触れ合えなくて……だから少し寂しい」

 

「ちょ、ちょっと綾波さん!?」

 

 レイはシンジに自分の身体を押し付け、プラグスーツ越しに膨らむ推定Cカップの胸元をシンジの腕にむにゅっと押し当てる。

 

 シンジは顔を真っ赤にして慌ててレイを引き離そうとすると、ちょうどそこに見覚えのある組み合わせが歩いて来たではないか。

 

「まったく……レイ、プログラムの途中で勝手に抜け出すとは……」

 

「ミカサ……!」

 

 レイに引っ付かれたままシンジがその名を呼ぶと、彼女もまたレイと同様に色違いの女性用プラグスーツを着用した姿でこちらに向かって来た。

 

 ミカサは自身の髪色と同じ深緑色を基調としたプラグスーツだ。レイ専用のプラグスーツよりもバストサイズが大きめにデザインされているらしく、レイと同じく露出は抑え気味なのだが、その代わりボディラインがはっきりと浮き出ていて、豊満な胸元や股間がいやらしく強調されてどうしても気になって仕方がない。

 

 そして、ミカサの隣に立っていたのは……

 

「やぁ、シンジ君。待っていたよ」

 

「うげっ……カ、カヲル君……なんでここに?」

 

 爽やかな笑みを浮かべて声を掛けて来たのは銀髪に赤い瞳をした美少年のカヲルだった。彼は黒を基調として両手足のパーツ部分に群青色が入ったクールでかっこいい男性用のプラグスーツを着用していた。

 

「言っただろう? 僕も君達と同じ監視者(シェムハザ)のフィフス・チルドレンだって──今はミカサやレイと一緒に神器(エヴァ)を使った本格的な戦闘訓練を行ってたんだ」

 

 そう言いながらカヲルはシンジ達に説明する。

 

「ご、ごめんなさい……でも私、碇くん達が来たって言うから迎えに──」

 

 レイは申し訳なさそうに謝る。レイはシンジに早く会いたいが為、つい我慢できずに監視者(シェムハザ)としての役目を放棄して来てしまったのだ。

 

「まぁ、女として気持ちはわかるけれども……残念だけど、シンジ君とアスカは別メニューよ」

 

「「えっ?」」

 

 ミサトの言葉を聞いてシンジとアスカは同時に声を上げて驚くと、ミサトはそんな二人を見て更に続ける。

 

「悪いけど、新入りのシンジ君とアスカにはしばらく基礎的なトレーニングを積んでもらわないと。レイやミカサと同じレベルの神器(エヴァ)を使った本格的な訓練はできないからね」

 

 シンジ達が使徒と戦う為にはまだ準備が足りない。つまるところ、シンジとアスカは使徒と戦う為の基礎的な身体能力がまだ身に付いていないのだ。

 

 その為、レイやミカサ達と同じレベルに到達するまではシンジとアスカは他のチルドレン達とは別行動となり、しばらく基本的な訓練を受ける事となる。

 

「ちょっと待ってよ! それってあたしがこの子達より劣ってるってこと……!?」

 

 ミサトの説明に納得がいかないのか、アスカは不満そうに抗議する。だが、アスカの抗議に対してミサトはすぐに反論した。

 

「少なくとも現状ではね。今の二人じゃ使徒といきなり戦っても、他の三人のお荷物になるだけでしょうね」

 

「なっ……!?」

 

 ミサトの厳しい言葉にアスカは顔を真っ赤にして絶句する。しかしそれは事実である為、アスカは何も言い返せなかった。

 

「そういう事だから、三人共──トレーニングに戻りましょ。シンジ君とアスカは学校の体操服に着替えて貰って、第3トレーニングルームに向かってちょうだい」

 

 ミサトの言葉に従い、レイ、ミカサ、カヲルの三人はそのまま彼女に連れられて立ち去ろうとする。

 

「碇くん……あの、頑張ってね」

 

「うん……!」

 

 去り際にレイは向き直ってシンジにエールを送ると、シンジは笑顔でそれに返した。すると今度はアスカがレイを呼び止める。

 

「レイ、待ってなさいよ。あんたなんかすーぐに追い越してやるんだから!」

 

「そう……それじゃ、さよなら」

 

 学生服の腰に手を当ててビシッと指差すアスカに対し、レイは振り向かずにそれだけを淡々と言うと、そのままアスカには見向きもせずに立ち去って行った。

 

 そんなレイの後ろ姿をアスカはじっと睨み付けていた。アスカは自分が勝手にライバル視するレイに負けている事が悔しいのか、それとも別の理由があるのか……唇を強く噛み締めては、レイが立ち去った後もその場から動こうとしなかった。

 

 それからシンジとアスカは研究所内の通路で二人っきりになり、ミサトに言われた第3トレーニングルームへと向かっていた。

 

 先程までの騒がしさが嘘の様にシンジとアスカの間には沈黙が流れ、二人は無言のまま迷路の様な入り組んだ廊下を歩く。

 

「………」

 

 シンジは内心、非常に困っていた。理由は単純明快だ。何となく気まずくて、アスカと何を話せばいいか分からないからだ。そんなシンジの様子に気付いたのか、隣を歩いているアスカが徐ろに口を開く。

 

「シンジ──こうなったら、あたし達二人で頑張っていくしかないわね」

 

 アスカはシンジの方を見ずに真剣な表情で答える。

 

「いつまでも足手纏いなんて御免だし、何よりレイにだけは絶対負けたくないもん! だからシンジ、一緒に頑張りましょ!」

 

「あ、う、うん……そうだね」

 

 アスカの申し出にシンジは曖昧に返事をする。正直なところ、シンジとしてはアスカとレイが競う様な恋敵関係にはなって欲しくなかった。

 

 どちらもシンジにとっては大切な存在だ。ハーレムの主として、どちらか片方だけに偏った感情を抱くのはシンジとしても避けたかった。

 

 ……とはいえ、アスカもレイもシンジの事を想ってくれているのは間違いない。それ故にシンジは二人を平等に愛する事が本当にできるのか不安だった。

 

 そうしているうちに第3トレーニングルームに到着すると、シンジとアスカの前に一人の女性が現れる。

 

「あっ、来た来た~♡ やっほ~、シンジ君。お姉さん、待ってたよ♡」

 

「えぇ……!? なんでラミエルがここに!?」

 

 シンジ達の前に現れたのは、以前シンジがラブホテルに拉致されてしまい、長時間逆レイプされた末に何とか身体で屈服させたはずの第5使徒ラミエルだった。

 

 しかも何故か彼女はシンジが以前出会った時の姿ではなく、ネルフの女性スタッフが着用するミニスカートのオペレーター服姿で立っているではないか。

 

 短い金髪に青い瞳の彼女は推定Gカップのアスカと同じサイズの巨乳をぶるんと揺らしながらシンジに駆け寄ると、その豊満な胸元をシンジに押し付ける。

 

 シンジは突然の事に戸惑いながらも、ラミエルにされるがままにその大きな胸の谷間を押し付けられ、その柔らかさと弾力に思わず鼻の下をだらしなく伸ばしてしまう。

 

「えへへ……シンジ君ったら、やっぱりおっぱい好きなんだねぇ? そんなに私のおっぱいに夢中になってくれちゃうなんて……もうこの子、可愛すぎだよぉ♡」

 

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!?なんでこんな見るからにスケベそうな変態女がここにいるのよ……!?」

 

 ラミエルの豊満な胸元にシンジの顔が埋まっている光景を目の当たりにし、羨ましそうに赤面したアスカは慌ててシンジをラミエルから引き剥がすと、自分の方に向かせる。

 

「あれ~? あなたがもう一人の監視者(シェムハザ)なの? ふぅ~ん……でも何か弱そう、かな?」

 

「なっ、なんですってぇ~!?」

 

 シンジから強引に離されたラミエルは目を細めてアスカの姿を上から下までじろりと眺める。

 

「くすっ♡ まぁいいや。私は第5使徒ラミエル──世界樹(イグドラシル)から逃げ出したピチピチな女子大生の身体に寄生中の使徒でぇ、今はシンジ君の極太おちんぽに“光堕ち”させられちゃったただの淫乱エッチな雌天使で~す! えっと……たしかアスカちゃん、だっけ? 私もシンジ君のハーレム仲間だから、今日からよろしくね♪」

 

「はぁ? ……あんた、あたしに喧嘩売ってるの?」

 

「えぇ~? そんなつもりはないよぉ。だって私ぃ、シンジ君にしか興味ないし♡」

 

 初対面ながらにバチバチと火花を散らして睨み合う二人の巨乳美少女。その様子を見たシンジはこのままではマズイと思い、慌てて二人の間に割って入る。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ! 今は争っている場合じゃないだろ? それにラミエルだって、最初は恐ろしい敵だったけど、今は改心して僕達ネルフの味方なんだし!」

 

 ラミエルがシンジ達の仲間になった経緯は少し複雑だが、それでもシンジは彼女を悪い使徒だとは思っていない。

 

 確かに一時は監視者(シェムハザ)によって殲滅させられた同胞の仇討ちを取る為、偶々そこに居たシンジの命を狙ったのだが、暴走したシンジの不思議な力によって消し飛ばされ、その後も20代前半の若々しい巨乳女子大生へと姿を変えて再戦した際にシンジとの長時間にも及ぶ拉致監禁逆レイプを切っ掛けに、彼女の中で何かが変わったのだ。

 

 そして今では世界を滅ぼす人類の敵でありながら、ユイとミカサから生き残る事を特別に許可された使徒としてシンジ達人間を守る為に戦う立派な仲間なのだ。

 

 そんなラミエルの肩を持つシンジを見て、アスカは不満げに唇を尖らせる。ラミエルの胸の谷間に顔を埋めていた時のデレデレとしたスケベな表情はどこに行ったのか、今のシンジは真剣な眼差しだった。

 

「はぁ……わかったわよ。あんた……ラミエル、だっけ……? とにかく、あんたがあたし達ハーレムの敵にさえならなければ、別に正体が使徒だったとしても構わないわ。仲間として認めてやるわよ」

 

「うわ~、アスカちゃんってツンデレなんだ~! でもそういう生意気なの、お姉さん嫌いじゃないかも♡」

 

「なっ……!? だ、誰がツンデレよ! あんた、やっぱりあたしのこと馬鹿にしてんでしょ!?」

 

「きゃははっ、怒らないでよ~。それよりシンジく~ん。さっきはあんなに私のおっぱいに甘えてたくせに、アスカちゃんとは普通に接してるの何だかお姉さん納得いかないんだけど~?」

 

「えっ……い、いや、それは……っ!」

 

 ラミエルの指摘にシンジは頬を紅潮させて顔を背ける。するとその時、トレーニングルームの扉が開かれ、先程別れたはずのユイが一人で現れたではないか。

 

「はぁ……こんな事だろうと思ったわ。ラミエル──シンジ達のトレーニング、あなたに任せるとは言ったけど、やり過ぎないようにね」

 

「あはっ♡ ごめんなさい、ユイママ。つい楽しくなっちゃって……シンジ君とアスカちゃんのトレーニングは私が責任を持って監督するから、安心しててよ!」

 

 ラミエルはシンジから離れてユイに歩み寄ると、両手を合わせて中腰の姿勢で謝罪する。どうやらシンジがラミエルにセクハラされていたところは、ユイに一部始終見られていたらしい。

 

「か、母さん……父さんと一緒に行ったんじゃないの?」

 

「あの人には別の仕事を頼んでいるわ。それよりもシンジ、アスカちゃん……トレーニングを始める前にこれを着なさい」

 

 そう言ってユイは手にした紙袋からネルフ学園の体操服を取り出してシンジとアスカに手渡す。

 

「えっ……これ、僕達の体操服?」

 

「えぇ、そうよ。ほんとは訓練する時は危ないからプラグスーツを着て貰うんだけど……あなた達のはまだデザインが完成してないから……」

 

 シンジとアスカはユイから渡された体操服に仕方なく着替え、ユイとラミエルの前に並び立つ。

 

「それじゃあ、まずは簡単に柔軟体操から始めましょうか。母さん、ここでシンジ達が上手くやれるか見ててあげるから」

 

 まるで授業参観だなぁ……と思ったシンジとアスカは恥ずかしくなり、お互い気まずそうに視線を逸らす。それから二人は白衣姿のユイに見守られながら、ラミエルの指示に従って入念なストレッチ運動を始めた。

 

 そして数十分後……

 

「あっ、ごめ~ん! 私、今から食堂のご飯食べ行くの忘れてた! だから続きは勝手にやっててね!」

 

「えっ……ちょ、ちょっと待ちなさいよ! まだ柔軟体操終わってないのに!」

 

 ラミエルは急に用事を思い出したかの様に慌ただしくその場を離れると、そのまま謝りながらトレーニングルームの外へと走り去ってしまった。

 

 残されたシンジとアスカは汗を滲ませながらその場で立ち尽くしていると、ユイが額に手を添えながら深い溜息を漏らす。

 

「はぁ……ラミエルったら、また逃げちゃったわね」

 

「えっ、どういうこと……?」

 

「実はね、シンジ……ラミエルが最近何だか怪しい動きを見せているみたいなの。私達ネルフを裏切るとか、そういうつもりじゃないとは思うのだけども……やっぱり使徒という事もあって、不安要素がある以上は放っておけないでしょ?」

 

 ラミエルは世界樹(イグドラシル)から逃げ出した使徒達の仲間であり、現在はユイとミカサの正体でもある第3使徒ラファエルから人間として生き延びる事を特別に許された使徒である。

 

 ……とはいえ彼女の行動は未だに謎が多く、シンジは以前ラミエルに拉致されてラブホテルに監禁された事もあるので、彼女が何か企んでいる可能性は否定できないのだ。

 

 それにシンジはラミエルの事を仲間だと思っているのだが、ラミエル自身はシンジの事を仲間というよりも異性として見ている節があり、シンジはそれが気掛かりだった。

 

 いくらシンジの事を好きだと“口では言ってても”、それが監視者(シェムハザ)に復讐する為の作戦のうちで、油断したところでシンジや他の仲間に危害を加える可能性はあり得る。

 

 もっと最悪の場合、同胞である他の使徒達にネルフの本拠地である人工進化研究所の居場所が敵に知られてしまう危険性もあるのだ。

 

 そう考えたユイはラミエル監視の為に今回は敢えて通常のトレーニング講師である女性スタッフではなく、シンジを彼女に任せて様子を見る事に決めたのだ。

 

 しかしその結果は……

 

「はぁ……ラミエル……何を考えているのかしら」

 

 結局逃げ出したラミエルは戻って来ず、シンジ達はラミエルが戻ってくるまで柔軟体操を続けるしかなかった。それから更に数分が経過し、シンジとアスカの柔軟体操も終わりに近付いた頃……

 

 突然何の前触れも無しにトレーニングルームの電気が停電し、室内が真っ暗になってしまった。どうやら研究所内部の電源が落ちたらしい。

 

「て、停電……!?」

 

「ちょっとシンジ! 何がどうなったのよ!?」

 

 突然の出来事にアスカは動揺しながらシンジの腕に抱き着く。そんなアスカを落ち着かせる様にシンジはアスカの頭を優しく撫でる。

 

「お、落ち着いてアスカ! 大丈夫、ただの停電だから……!」

 

 アスカはシンジに頭を触れられただけでだいぶ落ち着いたらしく、頬を赤らめながらシンジの胸の中に身を委ねる。

 

「このタイミングでの停電……これはまさか、ね?」

 

 しかしユイだけは何かに気付いたのか、考え込む仕草で険しい表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 ──その同時刻、ゲンドウ達が滞在する研究所内の司令部ではちょっとした騒ぎになっていた。

 

「駄目です! 正・副・予備の電源が三つとも落ちています……!」

 

 オペレーターの女性スタッフがコンソールを操作しながら悲鳴にも似た声を上げる。

 

 どうやらネルフ内部の電力供給を司るシステムが何者かによって乗っ取られたらしく、現在研究所内の電力は完全に供給されていないらしい。

 

 ……だが、ネルフのシステムを完全に掌握するには、それなりに高度な技術を持った人物が必要なはず……とその時、女性オペレーターの一言で司令部に伝わる恐怖にも似た緊張感がより一層増した。

 

「パ、パターン青! 間違いありません! 使徒です!」

 

 そう、それはつまり──人工進化研究所に使徒が現れた事を意味していた。

 

「碇、まずいぞ……!」

 

「いよいよゼーレの老人達が動き出したか……冬月。大至急、研究所内にいる全員を下に集めてくれ」

 

 停電の中、テーブルに座っていつもの腕組みポーズを見せるゲンドウの隣に立っていた白髪頭の茶色いスーツを着た老人──ユイと並ぶ、ネルフもう一人の副所長である冬月コウゾウが焦燥感に満ちた声でゲンドウに呼び掛ける。

 

「碇……まさか、やるのか“あれ”を……?」

 

「フッ……あぁ、もちろんだ」

 

「うぅ……私は、あまり気が進まんぞ……」

 

 

 

 

 ──その頃、研究所内のとある部屋ではトレーニングルームから抜け出したラミエルが一人の怪しい動きを見せる人物と密会していた。

 

「ねぇ、タブリス。この停電──ひょっとしなくてもあなたの仕業、だよね?」

 

 ラミエルは真っ暗になった部屋の隅にある壁に背中を預けて腕を組む銀髪の美少年──第19使徒タブリスこと、渚カヲルに向かって静かに言い放つ。

 

「フッ……そろそろ、かな」

 

 するとカヲルはラミエルの問い掛けに対して、不敵な笑みで返す。ラミエルは使徒としての本能なのか、今日人工進化研究所にやって来た渚カヲルが普通の人間ではない事に早くも勘付いていた。

 

 使徒は使徒同士の気配を正確に感じ取れる共通能力がある為、ラミエルはカヲルの怪しい雰囲気に違和感を覚えたのだろう。

 

 ラミエルの質問に対し、カヲルは徐ろに黒い長ズボンのポケットから赤い水晶玉を取り出す。

 

 それはカヲルが持つ専用の神器(エヴァ)であり、ラミエルにとっては仲間だった同胞の殲滅された命そのものであった。

 

「答えてッ! どうしてあなたが監視者(シェムハザ)なの!? あなたは一体何が目的なのよ……ッ!?」

 

「フッ……そう急くなよ、ラミエル。それより“君こそ”どういうつもりだ? ここに使徒を呼び出したのは君の仕業だろう?」

 

 そう言ってカヲルは取り出した神器(エヴァ)を握り締め、静かにラミエルを睨み付ける。

 

「あはっ♪ バレちゃってたんだ……流石は忌まわしき監視者(シェムハザ)ね。でもね、私は別に人類(リリン)に危害を加えようなんて思ってないんだ。それだけは信じてほしい──私はね、他の使徒達を助けたいの」

 

「へぇ……そうなのかい。で、それを監視者(シェムハザ)の僕が許すとでも?」

 

 言いつつ、カヲルの真っ赤に染まる瞳が暗闇の中で不気味な光を放つ。

 

「さぁ行くよ。おいで、アダムの分身。そしてリリンのしもべ──」

 

 宣言と同時にカヲルの手にした赤い水晶玉が眩しい光を放ち、カヲルは監視者(シェムハザ)としての神器(エヴァ)を起動させる。

 

「っ……! そっちがそのつもりならッ!」

 

 対するラミエルもまた、使徒としての力を解放する。ラミエルは身に着けていた衣服を突き破る様にして背中から大きな黒い堕天使の翼を生やして宙に浮き上がると、バチバチと弾ける蒼白い雷撃をその手に宿す。

 

「退いてもらうよ、ラミエル。僕は邪魔する君を倒して、研究所内に侵入した使徒を速やかに殲滅させてもらう」

 

「そんなのダメ……ッ! あの子は私が必ず守る! そしてシンジ君に会わせてネルフに保護して貰うんだからッ!」

 

 静止した闇の中で──ラミエルとカヲル、二人の使徒による戦いの火蓋は切って落とされた。

 

 




【次回予告】

すべてが静止した闇の中で迷子になるシンジたち。

電力供給を回復させる為にはゲンドウの計画を実行しなきゃならないらしい。

そんな時に合流したレイからいきなり押し倒されたシンジ。

何やら様子のおかしいレイを助ける為、シンジはアスカとユイに見守られながらレイとやむを得ずエッチする。

次回、『静止した闇の中で 性交編 ★(アスカ、レイ、ユイ)』


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静止した闇の中で 性交編 ★(アスカ、レイ、ユイ)

 

 ネルフを快く思わない何者かの仕業によって停電した人工進化研究所内──第3トレーニングルームから出たシンジ、アスカ、ユイの三人はゲンドウが待っているであろう司令部に向かっていた。

 

「ちょっと……押さないでよ!」

 

「ご、ごめん。真っ暗で全然見えなくて……」

 

 暗闇の中、ネルフ学園の体操服を着たシンジとアスカは廊下の壁に手をつきながら慎重に歩いていた。その後ろでは白衣に縦ラインの黄色いセーターを着たユイが記憶を頼りに正しい道を進む。

 

 現在、シンジ達三人は突然の停電により明かりを失った廊下を彷徨っていたのだ。この通路には非常灯も点いておらず、完全なる闇に包まれていた。

 

「……停電してからもう10分以上は過ぎてるわ。これだけ待っても復旧しないなんて……」

 

 副所長であるユイの記憶を頼りに進んでいる為、それほど迷う事はないが、目的地である司令室に着くまでにはだいぶ時間が掛かりそうだ。

 

 しかしユイが危惧しているのは停電そのものではなく、それに乗じた敵襲だった。

 

 正・副・予備と三つ全ての電力供給システムを同時にダウンさせるほどの停電だ。何も無いと考える方が不自然だろう。

 

(使徒……? それともゼーレが……?)

 

 停電を起こした犯人の目的は分からないが、今はとにかく監視者(シェムハザ)だけが頼りだ。

 

 まだ自分達の神器(エヴァ)を使いこなせないシンジとアスカよりも、使徒との戦闘に慣れているレイ、ミカサ、カヲル達と合流を急ぐ必要がある。

 

 ユイは少し歩くペースを上げた。するとその時、前方から静かな足音が聞こえてきた。

 

「はぁ……はぁ……い、碇くん……」

 

「綾波さん……!」

 

 シンジ達の前に現れたのは、白いプラグスーツを装着したレイだった。シンジはレイと再会した事を喜ぶが、何やらレイの様子がおかしい。

 

「よかった……うまく会えて……っ」

 

 頬を赤らめ、不自然に呼吸を荒らげたレイはふらふらと覚束ない足取りでこちらに向かってくる。

 

「い、碇くん……私、もう……っ!」

 

 そしてそのまま倒れ込む様にシンジに抱き着いた。レイの行動の意味が分からず呆然とするシンジだったが、その様子を見ていたユイは冷静に状況を分析する。

 

 人工進化研究所内の電力供給が完全にストップした今、冷房による気温調節機能までもが停止してしまっている。その為、先程までずっとトレーニングルームで激しく運動していたレイにとって今の状況は暑すぎるのだ。

 

 その証拠にレイの顔を間近でよく見ると、汗を大量に掻いて火照っている様に見える。だが、それよりもユイが気掛かりなのは……

 

「レイ……ひょっとして発情しているの?」

 

 そう呟くユイの言葉通り、レイは明らかに興奮状態にあった。それもただの発情ではない。まるで何かを求め、焦がれている様な……

 

「碇くん……身体が熱い……熱いの……っ」

 

 レイは自分の欲求に従い、熱に浮かされた瞳でシンジをぼんやりと見つめると、シンジの肩に両手を乗せてびくんっと身体を泣き震わせた。……どう見ても普通の状態ではない。

 

「おばさま、どういうこと?」

 

 レイの異変を心配するアスカはユイに説明を求める様に尋ねる。するとレイは苦しそうに気怠い息を吐きながら答えた。

 

 レイは来たる使徒との対決に備えて第1トレーニングルームでミカサやカヲルと神器(エヴァ)を用いた本格的な戦闘訓練を行っていたのだが……

 

「訓練が終わって、渚君にスポーツドリンクを貰って……それを飲んでたら停電して……いつの間にか雪風さんと渚君が居なくなってて」

 

 レイの話によると、停電が発生した直後にミカサとカヲルは忽然と姿を消してしまったらしい。

 

 あの二人はどこに行ったのか……それは分からない。しかしレイは居なくなった二人を探すよりも前に、突如として自分を襲う強烈な身体の疼きに耐えられなくなったのだ。

 

 プラグスーツ越しに胸元の乳首をぷくっと膨らませ、股間をぐっしょりと濡らしてしまう程の強い性欲──レイはその燃え上がる欲望に身を任せ、大好きなシンジを求めて息を絶え絶えに探し回っていたのだ。

 

 レイの話を聞いたユイはすぐに理解した。恐らく発情の原因は、カヲルから渡されたスポーツドリンクを飲んだ事が原因だと。

 

 ……そのドリンクの中には媚薬が入っていたのだろう。恐らく停電と同時にレイは媚薬の作用によって発情してしまい、内に秘めた性欲を我慢できなくなったという訳だ。

 

「あぅ……碇く……ん……♡」

 

 レイは抱き着いたままシンジの胸に顔を埋め、すりすりと頬擦りをする。その表情は既に熱く蕩けていた。

 

「ちょ、ちょっと綾波さん!?」

 

 小刻みに震えるレイの突然の奇行に困惑するシンジだったが、ユイは仕方ないとばかりにシンジに向けて口を開く。

 

「こうなったら……ねぇシンジ、レイの相手をしてあげてちょうだい」

 

「えぇっ!? こんな状況で!?」

 

「だってあなた以外に適任はいないでしょう? それにミカサとカヲルも居なくなった今、一刻も早くレイの性欲を満たして正気に戻さないと……」

 

 確かにユイの言う通り、この場にはシンジしか男がいない。そしてレイはシンジに恋愛感情を抱いている。

 

 そんな彼女の相手を務める事が出来るのはシンジしかいないだろう……とはいえ、今は停電中だ。いつ敵襲があるかも分からないこの状況でレイと性行為に及ぶというのは……

 

 そう考えるシンジだったが、レイはシンジの耳元に唇を近付けて甘く囁いた。

 

「お願い……碇くん……私の事、めちゃくちゃにして……っ♡」

 

「うっ……」

 

 レイの淫らな声音を聞いてシンジの心臓が大きく跳ね上がった。レイもシンジのハーレムに加わっているとは言え、幼馴染みのアスカと比べてあまりエッチな事はしてこなかった為、まだ耐性がないのだ。

 

 そうした中、普段あまり感情を見せないレイがここまで積極的に誘惑してくるとは……正直言ってかなり嬉しい。シンジがどうするか迷っていると、アスカが真面目な表情でシンジに告げる。

 

「……あんたがヤるしかないわよ、シンジ。あたしだって、レイがこのままじゃ困るもの」

 

「……そうだね」

 

 恋敵ながらレイを心配するアスカの言葉を聞き、シンジは覚悟を決めた様に小さく息を吐き出すと、レイの腰に腕を回し、優しく抱き寄せた。

 

「あっ……碇くん……♡」

 

「綾波さん、少しだけ我慢して……流石にこんな通路のど真ん中じゃやり辛いから、どこか休める場所に行こう」

 

「うん……わ、わかった……っ」

 

 レイは小さく頷くと、シンジに抱き着いたまま一緒に暗がりの通路を歩き出した。その後ろをアスカとユイが続き、四人は司令部に向かう事を一旦諦めて別の目的地を目指す。

 

 エレベーターも使えない今、このフロアにある休憩室に行くしかなかった。シンジ達はゆっくりとした足取りで暗闇に包まれた廊下を進んでいく。

 

 空調設備が止まったせいで研究所内は蒸し暑いが、それでもレイはシンジから離れようとしない。むしろより強く密着し、シンジの身体に自分の身体を押し付けてくる。

 

 むにゅっ……と柔らかな感触がシンジの腕に押し付けられ、思わずドキッと赤面する。レイの身体はむちむちボディのアスカやユイに比べてスレンダーだが、女性的な膨らみは決して小さくはない。

 

 シンジは高鳴った鼓動を悟られない様にしながら、体操服の半ズボン越しにテント張りになった股間を大きく膨らませる。

 

(や、やばっ……僕が勃起してるって三人にバレちゃうんじゃ……)

 

 いくら暗くてもこれだけ身体が触れ合えば、下半身が反応している事などすぐに分かる。シンジは股間の膨張を誤魔化す為にレイのお尻をプラグスーツ越しに徐ろに撫で上げる。

 

「ひゃっ……!? ぁ、んっ……♡」

 

 シンジの行動に驚いたレイは顔を赤く染めながら喘ぎ声を漏らす。発情したレイはシンジの手の平の感覚にすら快感を覚えてしまうらしく、身体をぴくんっと震わせ、つるつるとした股間の下で愛液をじゅわぁ……といやらしく滲ませた。

 

 レイが装着するプラグスーツは機能性を重視する為にスクール水着をヒントに作られている。その為に伸縮性が非常に高く、装着者の体型にフィットする素材なので肌との隙間が生まれ難い。

 

 ……つまり、プラグスーツを着用している状態だと非常に敏感になってしまうという訳だ。それを知ってか知らずか、シンジがお尻を撫でる度にレイはビクビクと淫らに悶えて股間を濡らす。

 

「ぁ、あうっ……んっ♡ い、碇くん……お尻、だめ……あっ♡」

 

 ふらふらとした足取りで歩くレイは快楽に瞳を潤ませながらシンジに呟くが、シンジはお尻から手を離そうとはしない。

 

「ごめん綾波さん、もう少しだけ我慢して」

 

 シンジはそう答えると、今度はレイのお尻の割れ目に手を伸ばし、プラグスーツの上からそっと指先を尻穴に突っ込んでみた。

 

「ふぁああッ……! そこぉ……! お尻、だめ、ぇ……あ、ふぅ……ん……ふぁあ……♡」

 

 レイは背筋を仰け反らせながら甘い声を上げる。その様子はあまりにも刺激的過ぎて、後ろで見ていたアスカとユイは堪らず顔を真っ赤にさせる。

 

 二人はシンジの痴漢にも似たいやらしい手付きを目線で追い掛け、揃って自分達の股間へと無意識に片手を伸ばし始めてしまっていた。

 

 

 

 

 

 ──その数分後、シンジ達はようやく目的の場所へと到着した。

 

 そこは自動販売機が何台か設置された休憩スペースだった。幸いにも誰もおらず、シンジ達の他にネルフ職員の姿は見られない。

 

 とりあえずこの場所でレイを落ち着けさせようと思い、シンジはレイを壁際に置かれたベンチの上に座らせる。

 

「綾波さん、ここに座って?」

 

「はぁ、はぁ……ぁ、うん……」

 

 シンジの言葉にレイは弱々しく返事をした。身体を酷く火照らせたレイは、息を荒げながら呼吸を何とか整えていく。

 

「母さん、本当にこんなところでエッチしちゃっていいの?」

 

「仕方ないでしょう? レイだって早く済ませた方が楽になると思うし……それに停電中に使徒が現れたらどうするの?」

 

「それは……そうだけどさ」

 

「……シンジ、このままだとこの後あの人が考えている電力復旧作戦に支障が出ちゃうから、今すぐにレイを気持ち良くイカせてあげて」

 

 ユイにそう言われてしまえば、シンジは何も言い返せなかった。確かに使徒がいつ現れるのか分からない以上、ここで速やかにレイの発情状態を緩和させるしかないだろう。

 

 しかし……シンジは改めて壁際のベンチにだらんと腰掛けるレイの方へ視線を向ける。レイは自分の胸元に手を当てて苦しそうに肩で息をしていた。

 

 現在のレイは発情してまともに動けない状態で、正直ここから先に進めるのかどうか不安が残る。まだ使徒侵入の警報は鳴っていないが、今のうちにレイを動けるまで回復させた方がいい。

 

 シンジはレイの傍に近付くと、レイは虚ろな瞳をシンジに向けて熱い吐息を漏らす。その様子から察するに、今のレイは発情を抑えるのに必死な様子。

 

「はぁ……ん……は、ぅ……碇くん……私、もう我慢できない……碇くんの、おっきなおちんちん欲しい……っ♡」

 

 レイは甘える様な声でシンジに囁くと、両手を広げてシンジにおいでと誘う。その姿は快楽に堕ちた淫らな雌そのものだった。

 

「っ……母さんっ! このプラグスーツって手でビリビリに破いても平気なの!?」

 

「え、えぇ……動きやすいようにスクール水着を参考にして作られているから、力を加えれば外側から破く事もできるけど……」

 

 ユイの言葉を聞いたシンジは最早我慢出来ないとばかりにレイの胸元のプラグスーツを両手で掴み、強引に引き千切る。

 

 すると途端にレイの膨らんだ乳房がぷるんと飛び出てしまい、ぴゅくっ……と先端の乳首から白い液体が噴き出した。初めて母乳を出したレイは突然の事に驚いていたが、そんな事はお構いなしにシンジはその突起に吸盤の様に吸い付いた。

 

「あ、あんっ……! おっぱいぃ……♡」

 

 レイは気持ち良さそうに淫ら声を上げ、シンジの頭を優しく抱き締める。シンジは夢中になって彼女の胸にしゃぶりつくと、生温かい舌先がレイの膨らみ始めた胸に這い回り、口内に溢れる甘い味を堪能していく。レイの母乳は甘くて美味しく、飲むと頭がクラクラしてしまう。

 

「碇くぅ、んっ……もっと強く……あぁん、噛んでぇ……!」

 

 ベンチに座るレイはシンジの頭を抱え込むと、シンジは言われた通りにレイの乳首に軽く歯を立て、ちゅうううっ……と強く吸引する。

 

「んちゅっ……れろぉ……綾波さん……っ! まさか綾波さんもアスカや母さん達みたいに妊娠してないのに母乳出ちゃうなんて……くっ、エロ過ぎるよ……っ!」

 

 シンジはレイの汗ばむ生乳を両手で揉みしだきながら、まるで赤ん坊の様にレイの真っ白いミルクを飲み干す。どうやら母性本能を擽られるのか、レイはシンジに授乳される快感すら受け入れ始める。

 

「碇くん、おいしい……? 私のおっぱいっ……♡」

 

「うんっ……すごく甘くておいしいよ……っ!」

 

「ぁんっ、嬉しい……♡ 全部碇くんにあげるから、いっぱい飲んで……♡」

 

 レイは頬を赤く染めながらシンジに微笑むと、自分の胸に顔を埋めているシンジの黒髪を優しく撫でた。その光景を見ていてユイは羨ましそうな表情を浮かべると、隣にいるアスカにこっそり話し掛ける。

 

「んっ……ねぇ、アスカちゃん……? わ、私何だか……っ」

 

「う、うん……っ」

 

 ユイは何かを堪える様に内股になり、モジモジと太腿を動かしていた。対するアスカもユイと同じく股間を擦り合わせており、彼女達もまた沸々と湧き上がる性欲の疼きに耐えていたが……

 

 アスカとユイは暗がりの休憩スペースに立ったままお互いに見つめ合うと、どちらともなく唇を重ね合わせた。

 

「んっ……ちゅぱっ……んんっ……んふっ♡」

 

「んむっ……んっ……はぁっ……♡」

 

 二人は互いの唾液を交換しながら熱烈なキスを交わす。そして互いの身体を衣服の上から弄り合い、やがて二人の手はお互いの下半身へと伸びていく。

 

「んっ……アスカちゃん、んんっ……♡」

 

「んふっ……おばさまぁ……んんっ♡」

 

 ユイはアスカの履いているブルマの中へ手を忍ばせ、ショーツ越しに股間の割れ目を指でなぞっていく。

 

 二人とも既に秘部からはぬちゃあぁ……っとした粘着力ある愛液が溢れ出して止まらない。

 

 ユイがブルマを脱がせてショーツ越しにアスカの肉芽に触れると、堪らずビクンっと身体を震わせて反応した。その反応を見たユイは今度は指先で彼女の陰核を摘まみ、ぐっしょり濡れたショーツの上からくりゅっと捻ってみる。

 

「ひゃぅッ……!? お、おばさまぁ……そ、それだめぇ……っ♡」

 

「んっ……ふぅ……あっ……♡ アスカちゃんのお豆さん、すごい硬くなってる……かわいい♡」

 

 ユイはショーツ越しにアスカの膨らんだ突起を指先で擦りながら、もう片方の手で彼女の豊満な乳房を愛撫し始めた。

最初は抵抗を見せていたアスカだが、普段から調教されている淫乱体質の彼女はすぐに快楽の虜となり、自ら腰を揺らしてより強い刺激を求めてしまう。

 

「ふぁあッ……! お、おばさまぁ……お、おまんこぉ♡ パンツ脱がせていいからぁ、あたしのぐじゅぐじゅおまんこちゃんと触ってぇ……っ!」

 

「んっ……ふぅ……ふふっ、アスカちゃんったら、女同士なのにエッチね♡」

 

 ユイは言われた通りにアスカのショーツの紐をしゅるりと引っ張って剥ぎ取ると、隠す事無く露わになったアスカの割れ目に直接触れていく。

 

 そこは既に洪水の如く愛液が漏れ出し、ヒクヒクと痙攣しながら物欲しそうに泣き震えていた。

 

「お、おばさまぁっ……早くっ……! はやくシンジのちんぽ入れて欲しいのぉ……っ!」

 

「もぅ、ダメよアスカちゃん……こんなところで全員でセックスなんかしたら、研究所の誰かに見られちゃうかもしれないでしょ? おまんこするのは我慢なさい?」

 

 そう言いながらユイはアスカの真っ赤に腫れ上がるクリトリスを親指でぷちゅっと押し潰すと、アスカは堪らず身体を仰け反らせながら激しく股間の秘裂から大量の潮を噴かせてしまう。

 

「はぁああぁぁっん……! ごめんなさぃいい……っ! で、でもぉ……お、おまんこがぁ……あ、あひっ……らめぇ♡」

 

「あらあら、アスカちゃんったら……本当にしょうがない子ねぇ」

 

 ユイは潮吹き絶頂を迎えたばかりのアスカの膣穴へ中指を突っ込み、そのまま激しくピストン運動を始めた。その動きはまるで男のモノに負けじと激しいもので、アスカは目の前がチカチカと光る様な感覚に陥る。

 

 しかしそれでもユイはアスカの淫らな蜜壺から手を引き抜く事はせず、むしろさらに奥まで突き入れ掻き混ぜる。

 

 同時に親指の腹をアスカの敏感な粘膜に押し当て、ぐりゅんと回転させながら強く圧迫していく。その瞬間、アスカは全身を硬直させて再び盛大に潮をぷしゃあぁぁ……っと吹き出してしまった。

 

「はぁあぁぁんっ♡ 気持ちいぃぃ♡」

 

「んっ……ふっ……! ほら、我慢しないとダメでしょう? このままだと休憩スペースがみんなのお汁で水浸しになっちゃうから、これ以上のお漏らしは我慢するのよ?」

 

 そう言うとユイはアスカの股間から手を離し、壁際のベンチに座って抱き合うシンジとレイの方を見やる。

 

 二人は暗がりの中ベンチの上で絡み合い、シンジはプラグスーツを着たレイの胸元にしゃぶりつきながら片手で彼女の股間部分の生地をビリぃっと引き裂いていた。

 

 真っ白なプラグスーツの下から覗かせるレイのつるつると光る股間は既にぐっしょりと濡れ、レイを抱き締めながら恥ずかしげに喘ぐ。

 

「んっ……はぁ……っ! 綾波さんのここ、もうびしょびしょじゃないか……! それにプラグスーツの下は下着も履いてないだなんて……エッチめっ!」

 

「やぁんっ……言わないでぇ……っ! 碇くんのせいなんだから……っ♡」

 

 レイはすっかり蕩けた淫らな顔を赤く染め、潤んだ瞳でシンジを睨む。しかしその表情には悦楽の色が強く浮かんでおり、彼女の両手はシンジの背中に回されてしっかりと彼の身体を掴んでいた。

 

 そんなレイの堕ち切った様子を見てユイはくすっと笑うと、二人の後ろに近付いて性交に参加する。

 

「あぁっ……シンジ、私にも……っ!」

 

「か、母さん……っ!」

 

「んっ……ちゅっ……んんっ……んちゅぅっ……!」

 

 倒れ込む様にベンチに座るユイはシンジの横から彼に抱き着くと、身を乗り出してその唇を奪う。

 

「んんっ……んっ……んちゅっ……! れろぉ……っ♡」

 

「んっ……ちゅぱっ……母さんとキス……んんっ……!」

 

「んむっ……んっ……んちゅっ……れろれろっ……♡」

 

 ユイはシンジの舌を絡め取り、互いの唾液を混ぜ合わせる様に濃厚なキスを交わす。その最中、ユイの手はシンジの下半身に伸びていき、シンジの履いている体操服の上から勃起した肉棒に触れては、上下にしこしこと扱き始めた。

 

「んっ、んむっ!? んん~っ!?」

 

 突然の事に驚くシンジだったが、ユイは構わずに息子の半ズボンの上から彼の性器を握ってくる。そしてユイは手慣れた様子で息子の男根を射精へと導く。

 

「うぁ、くぅ……っ! ぷはぁ! 母さん、こんな所で……あむっ……!? はぁっ、はぁっ……!」

 

 息子との長く濃厚なディープキスを終わらせたユイ。すると程なくしてシンジの肉棒が半ズボンの中でビクビクと脈打ち始め、先端からは白い液体が滲み出てきた。

 

 ユイはズボン越しに染み出た精液を見て小さく笑うと、彼女はシンジの耳元に唇を寄せてそっと囁いた。

 

「……ねぇ、シンジ。もうおしっこ射精ちゃいそう? もうちょっとびゅっびゅっしちゃうの我慢できる?」

 

「はぁっ、はぁっ……そ、そんなの……無理だよぉっ!」

 

 既に限界間近だったシンジは若干涙を浮かべながらユイに訴える。ユイはそんなシンジの反応を楽しむつもりで妖艶な笑みを見せると、そっと彼の耳に息を吹き掛けながら甘く淫靡な言葉を紡ぐ。

 

「ふふっ……そう、悪い子ねシンジ。でも安心なさい。母さんが全部受け止めてあげるから……ね? だから遠慮せずに、ここでびゅるるぅってエッチなお漏らししちゃいましょうね♡」

 

「えっ……!? あ、あぁ……あぁあぁあっ!」

 

 次の瞬間、シンジの身体がぶるっと震えたかと思うと、彼はユイの手に握られたまま盛大に失禁してしまった。ユイはシンジの尿道口から勢いよく放たれる真っ白い液体をズボン越しに手の中で受け止めていく。

 

「あぁ……っ! ご、ごめん母さ……んんッ!」

 

「んふっ……いいのよ、気にしないで♡ それより、まだ出てるわよ……?」

 

「う、うん……! あぁ、女の人に射精して貰うの気持ちいい……っ!」

 

 ユイに優しく頭を撫でられながら、シンジは快楽の余韻に浸っていた。ユイは息子が半ズボンの中で放出し終えた後もしばらくの間、愛おしい我が子の陰茎を握り続けてびゅくびゅくとバイブさせた後、ようやく手を離してシンジの唇にちゅっと触れるだけのキスを落とす。

 

「……はい、おしまい♡ いっぱい出せて偉かったわね♡ それじゃあ次は……」

 

「んっ……おばさまぁ……っ!」

 

 シンジの隣で二人の行為を見ていたレイは、我慢できずに自分の丸見えになった股間を弄り始めていた。しかしシンジとユイにばかり気を取られていたせいで、忍び寄るもう一人の人物に気が付かなかった。

 

 先程の潮吹き連続絶頂から復活したアスカが今度はレイに覆い被さると、そのままレイのプラグスーツをなぞる様に指先で触れながら、母乳を垂らした乳首の先端をくりっと強めに摘まむ。

 

「ひゃぁあんっ! あ、惣流さ……んんっ♡ お、おっぱいぃ……っ! あぁんっ♡」

 

 その瞬間、レイは全身を仰け反らせて盛大に潮を噴き出した。ぷしゃぁぁ……っと吹き出す大量の潮がアスカの体操服に浴びせ掛かり、アスカはドキドキと興奮気味に口角を上げる。

 

「レイったら、もうイッちゃったの? ほんとエロいわねぇ」

 

「はぁっ……はぁっ……あ、あぁっ……♡」

 

 言いつつアスカはレイの腰に手を回し、ぐいっと引き寄せてから彼女の股間に自らの股間を押し付ける。その状態でアスカはレイの汗ばんだ首筋に吸い付き、舌を這わせながら彼女の耳を甘噛みする。

 

 同時にアスカは自分の股間の割れ目を指でくぱぁと開き、そのままレイの秘裂へ押し当てていった。

 

 レイの膣穴は既にぐっしょりと濡れてしまい、肉ヒダをヒクヒクさせては忙しく開閉運動を始めており、今か今かと男根を待ち望んでいる様だ。

 

 その淫猥な様子にアスカはごくっと唾を飲み込むと、隣のベンチに座ってユイとの余韻に浸るシンジに挑発する。

 

「ほら、シンジぃ……レイのおまんこがあんたのおちんぽ欲しがってるみたいよ? ママに甘やかされてないで、早く入れてあげれば?」

 

 アスカはそう言ってレイの顎を掴んでくいっと引き寄せると、まるで見せ付ける様にしてレイの口を無理やり開かせ、その熱く蕩けた淫穴に自分の人差し指と中指を突っ込んだ。

 

「んんっ……んふぅっ……!」

 

 レイはその突然の行動に一瞬驚いたものの、すぐに嬉しそうに目尻を下げて二本の指にしゃぶりつき始める。

 

「ちゅっ……んっ……んむぅっ……んちゅっ♡」

 

「あははっ! 残念ねぇ、シンジ♡ どうやらレイはあんたのじゃ待ち切れないからって、あたしの指をおちんぽと勘違いしてるみたいよ♡」

 

「んんっ!……ちゅっ……んっ……んんっ♡」

 

「あらあら、レイったら……すっかりアスカちゃんとのエッチに夢中になっちゃって……くすっ♡ 可愛いわね」

 

 ユイはそんなレイの様子にくすくすと笑うと、シンジの太腿に手を乗せたままレイとアスカの絡み合いを見つめている。

 

 そしてユイはふとシンジの下半身に視線を向けると、ぐちゅぐちゅになった半ズボンの中で再び勃起した息子の男根を優しく撫で上げた。

 

 その堪らない刺激にシンジはベンチに座ったままビクンと身体を震わせ、隣に座るレイとアスカが見せる恥態に肉棒の硬度を更に増していく。

 

「んっ……! アスカ、綾波さん……か、母さん……っ!」

 

「ふふっ、シンジももう我慢できない? なら、そろそろ……んっ♡」

 

 ユイはそう言うと徐ろにシンジの半ズボンとパンツを一気にずり下げ、硬く張り詰めた肉棒を露わにさせる。

 

 すっかり湯気が立ち昇るシンジの露出した熱々の肉棒にユイは軽くキスを落とす。そして座っていたベンチから一旦移動してシンジの前にしゃがみ込むと、ゆっくりと顔を近付けてそのまま口に肉棒を含んだ。

 

 途端にユイの口の中に広がる芳醇で濃厚な男の味に、彼女は思わずうっとりとした雌母の表情を浮かべて口端から涎を垂らし始める。

 

「んっ……んれ……じゅるっ……んぼっ♡」

 

「はぁっ……はぁっ……母さん……っ!」

 

 ユイはシンジの肉棒を喉奥まで使って飲み込み、赤らめた頬を窄めてじゅぽっ、ぢゅぷっと下品な音を立てながら肉棒に吸い付く。

 

 ユイはかなりの長さを誇る息子の肉棒を根元近くまで咥え込んでは先端を舐め回し、大きく広がる亀頭部分を上顎に擦り付けながらシンジの肉棒を隅々まで味わい尽くしていた。

 

「んふぅ……んっ、んちゅっ……んぶぅっ……♡」

 

「うぁ……くぅっ! 母さんのフェラ……す、すごい……っ!」

 

 あまりの快感にシンジは無意識にユイの頭を両手で押さえ、自ら腰を突き出してユイの口内に肉茎を打ち付けた。

 

 そんな息子からの乱暴にも思える激しいピストンにユイは苦しそうに眉を寄せるが、しかしそれでもユイはシンジの陰茎を口から離そうとはせず、むしろ愛するご主人様が気持ち良くなれる様にと、より一層激しく彼のモノに吸い付いていく。

 

 そんな母の献身的な姿にシンジは感動を覚えつつも、一方で限界が近い事を察してユイに訴えた。

 

「あ、あぁっ! ぼ、僕もう出ちゃいそう……っ!」

 

「んぶっ……! んっ……んっ……んんっ……!」

 

「えっ!? あっ、ちょっ……母さんッ!?」

 

 ……だが、ユイは息子の言葉を無視して尚も肉棒への奉仕を続ける。それどころか、彼女はいつの間にか自らの黒いスカートの中に手を入れており、そこから白く細長い指で自分の秘所を愛液噴かせながら弄り始めたではないか。

 

 ぷしっ……ぷしっ……♡と断続的に控えめな潮を吹きながらユイが自慰に耽っていると、不意にユイは肉棒をしゃぶりながら上目遣いに息子の顔を見上げる。

 

「んぶぅっ……んっ、んじゅるっ……ぷはぁっ♡ はぁ、はぁっ……いいわよ、シンジ。このまま母さんのお口の中で元気な赤ちゃんザーメン出しなさい♡」

 

「はぁっ、はぁっ……で、でも……っ!」

 

 ユイの口から一旦引き抜かれた肉棒はびくんびくんと熱く脈打ち、既に発射寸前の危険な状態だ。いくら何でもここで射精するのはまずいと思ったシンジは、何とか堪えようと歯を食い縛るが、その瞬間驚いた事に隣に座っていたレイが無防備になった肉棒の根本を強く握る。

 

「い、碇くん……まだ射精しちゃだめっ♡ ちゃんと私のおまんこに、いっぱいびゅーって……してっ♡」

 

 どうやらシンジのペニス代わりにアスカの指をしゃぶらされていたレイは自分の意思でアスカの二本指を引き抜くと、膣穴に自分の指を入れてぐちゅくちゅと掻き回しながらシンジに抱き着いた。

 

 そのせいかレイの秘裂からは絶えず愛蜜が溢れ続け、彼女の内股を濡らすだけでなく、その足元に大きな水溜まりを作っていた。

 

「何よぉ、せっかくあたしがわざわざ手伝ってあげようとしてるのにぃ……あんた、やっぱりシンジのおちんぽ欲しいの?」

 

「はぁっ、はぁっ……うんっ♡ ほしい、おちんちんほしいのっ……♡」

 

 レイはまるで発情期の雌猫の様に瞳を潤ませながら、甘える様にしてシンジの胸板へ頬を摺り寄せてくる。その淫乱過ぎる姿にシンジだけではなく、アスカやユイもゾクゾクと背筋に電流を走らせた。

 

「だったら、優等生みたいにカマトトぶってないで、ちゃんと“おちんぽ”って言いなさいよ! あんたもあたし達と同じご主人様の雌奴隷なんだからねっ!」

 

「ひゃうっ……! あ、あぁんっ……♡」

 

 アスカはレイの耳元に息を吹きかけつつ、彼女のピンク色の乳首を指先で摘まみ上げてきつく捻る。その刺激にレイは堪らず喘ぎ声を上げ、それと同時に彼女の秘裂から大量の本気汁が噴出する。

 

 ぷしっ……! ぷしぃっ……!と、何度も小刻みに噴き出すレイの秘裂はまるで噴水の様に飛沫をあげ、辺りに牝臭を漂わせていく。

 

「ふふっ、アスカちゃんったら……相変わらず意地悪ねぇ。でも、レイもあんなに嬉しそうに悶えて……可愛いわ♡」

 

 ユイはそう言って微笑むと、射精間近で寸止めされてしまっているシンジの肉棒をレイに譲る事にしたらしい。

 

「ほらレイ、シンジの素敵なおちんぽ入れてもらいたいんでしょ? なら、早くおねだりしてお股を開いてあげて♡」

 

「は、はい……っ♡」

 

 ユイの言葉にレイは涎を垂らした恍惚の表情で答えると、その場ですぐにM字開脚の体勢を取る。

 

「あ、あぁっ……♡ んっ……んんっ……♡」

 

 先輩奴隷であるユイとアスカの言葉に従い、レイはゆっくりと華奢な指を自分の秘部へと伸ばし、そのまま左右にくぱぁと押し開いては剥け切った陰唇を晒してしまう。

 

「はぁ、はぁっ……んっ……♡ ど、どうぞ、碇くん……♡」

 

「う、うわぁ……っ!」

 

 久しぶりにレイの恥ずかしい女の子の部分を目の当たりにし、シンジは思わず感嘆の声を上げてベンチから立ち上がる。

 

 プラグスーツをビリッと破かれた事で丸見えになったレイの股間には綺麗なサーモンピンクの粘膜に彩られた女性器が広がっており、膣穴の奥では既に子宮が降りてきて子種を待ち望んでいる。

 

 そして肉棒を求めていやらしく穴をヒクつかせる度に、そこからは大量の愛液がどんどんと分泌されて地面にぽたぽたと零れ落ちていった。

 

「い、碇くん……お願い♡ わ、私の……お、おまんこに……碇くんのおちんち……あうぅ……お、おちんぽぉっ! ぁん、言われた通り、エッチな雌奴隷になるからっ……だから、お願い……ご主人様の大好きなおちんぽくださいっ♡」

 

「うぅっ……! あ、綾波さ……綾波ぃっ!」

 

 目の前で恥部を露にしたまま自分をこんなにも求めてくれる少女の淫らな姿に、シンジの理性は遂に限界を迎えてしまう。

 

 シンジは真面目に座り込むレイの身体を掴むと、そのまま自分の剛直を彼女のぐっしょり濡れた秘裂に押し当て、一気に奥まで突き入れた。

 

「はうっ!? あっ、ああぁっ……い、碇くんのおちん……ぽぉ、んんっ! はぁんっ……す、すごっ……気持ちいぃ♡」

 

 肉棒の先端が降りきった子宮口にキスをすると同時に、レイは大きく背中を撓らせて全身を痙攣させる。

 

 その衝撃でシンジの肉棒は根元近くまで飲み込まれてしまい、子宮口を押し潰された彼女は甘い吐息を漏らしながら久しぶりの悦楽に酔い痴れた。

 

 そんな二人の愛し合う様子をユイは優しく眺め、アスカは満足そうに鼻を鳴らす。どうやらユイもアスカも媚薬を盛られて興奮するレイの為にわざとシンジを焦らせていたらしい。

 

「んっ……んんっ……♡ だ、だめぇ……♡ これ、あんっ♡ 気持ち良すぎて……っ♡」

 

「あ、綾波……っ!」

 

「はうぅっ……♡ おっ、おちんぽ……碇くんのちんぽ、すごいのっ♡ こ、これが欲しかったの……あぁん♡」

 

 レイは腰をくねくねと動かし、自らシンジの肉棒を貪る様にして膣内をぎゅうぎゅうに締め付ける。

 

「はぁっ、はぁっ……あっ、あっ、あっ♡ お、おまんこ壊れちゃうっ……♡」

 

「あ、綾波っ……! そ、それ……やばいっ!」

 

 激しくピストンさせながらレイの膣壁が肉棒全体を擦り上げ、シンジは強烈な快感に眉を寄せて必死に堪える。

 

 ……だが、レイの方も久々の性行為でいつもより感じているのか、激しく身悶えながらシンジの肉棒をきゅうぅっと強く包み込んだ。

 

「んんっ……んぅっ♡ お、おちんぽ……んぁっ♡ もっと……碇くんっ、もっとパンパンっておまんこ突いてっ♡」

 

「はぁっ、はぁっ……綾波、綾波ぃ!」

 

 肉棒を挿入されてからというもの、レイはもう完全に快楽の虜になってしまったらしい。普段の優等生な彼女からは想像もつかない淫らな言葉を並べ、レイは自分から積極的にシンジの肉棒を求めてきた。

 

 そんな淫乱過ぎる彼女の変貌ぶりに驚きつつも、しかしシンジは求められるままにレイのお尻を掴み、彼女の最奥を力強く打ち付けた。

 

 静止した闇の中でぱんっぱんっ!という激しい性交の音と互いの体液が混じり合う音に、レイとシンジは共に顔を真っ赤に染める。

 

「はぁ、はぁっ……んっ、あんっ……♡ い、いいよ……っ♡ い、いっぱい出してっ……おまんこの一番深いところに、びゅーって……いっぱい気持ち良いおしっこ射精してっ♡ あぁん、ぁんっ……い、碇くんだけのモノにしてっ……♡」

 

「うぅっ……綾波っ! で、射精るぅっ……あぁああぁっ!!」

 

 レイの懇願に応える様にシンジは更にピストン運動を加速させると、その瞬間ついに我慢の限界を迎えた陰茎が激しく脈動し、熱い白濁液を噴出する。

 

 びゅるるぅっ! どぴゅどぴゅっ! どぷっ、どぷっ……どくっ!!

 

 そのあまりにも量の多い精液は瞬く間にレイの子宮を真っ白に満たしていき、収まり切らなかった分は逆流して結合部から噴き出してしまう。

 

「ふふっ……シンジったら、相変わらず凄い射精ね。レイもあんなに嬉しそうな顔しちゃって……よっぽど溜まってたみたいね」

 

「うそ……あのレイがあんなに幸せそうに蕩けた雌の顔しちゃって……」

 

 傍で見守る彼女達の言う通り、レイはまるで夢見心地な表情を浮かべており、その赤らめた顔はとても艶めかしく、同時に可愛かった。

 

「はぁっ……はぁっ……綾波……大丈夫?」

 

「うん……碇くんの……すごく、あったかい……♡」

 

 レイはシンジに抱き着き、彼の首筋に唇を当てて舌先で舐め始める。その仕草はまるで猫の様で、レイは甘える様に身体を摺り寄せてくる。

 

 その可愛い行動にシンジも自然と笑みを零し、レイの頭を優しく撫でてあげた。

 

「ふふっ、本当に二人は仲が良いわね。でも、私達を忘れてもらっちゃ困るわ。レイの発情もまだ続くみたいだし……シンジのちんぽもあと最低5回以上は射精できそうだし……ねぇ? アスカちゃん」

 

「はぁ~い♡」

 

 ユイの意味深な言葉にアスカは待ってましたとばかりに嬉しそうに返事をする。

 

「ふ、二人とも待って……っ! 流石にこれ以上エッチするのはまずいって──」

 

「ダメよ、シンジ。言ったでしょ? 使徒侵入に備えてまずはレイの発情を直すのが先だって。それに、あたしもおばさまも……レイのエッチな姿を見てたら、もうすっかり火が付いちゃったんだからねっ♡」

 

 アスカはそう言ってニヤリと笑うと、汗だくになった体操服の上着を脱ぎ捨て、彼女のたわわに実ったGカップの豊乳がぶるんっと大きく揺れ動いた。

 

 更に上気した白い肌はうっすらとピンク色に染まっており、彼女が興奮している事は明白だった。

 

 そしてそれは隣に立つユイも同じであり、彼女もまたシンジの耳元で囁く。彼女の方はいつの間にか白衣と黄色いセーターを脱いでピンク色の下着姿になっており、フリルの付いた可愛らしいデザインのショーツ越しにくっきりと浮かぶ割れ目には愛液のエッチな染みが出来上がっていた。

 

「停電の事はあの人達に任せておけば復旧するわ。だから……ねっ? 少しだけでいいから……今度は私達の事も気持ち良くさせてちょうだい♡」

 

「ほらシンジ……早くしなさいよね♡」

 

「碇くん……ずるい。私もまだ……♡」

 

「うぅ……っ! あぁ……もぉ……っ!」

 

 ──結局、シンジはこの後一回だけと言わずに三人の愛する奴隷達にたっぷり搾られ、何度も三人の淫穴目掛けて大量射精してしまうのだった。

 

 




【次回予告】

カヲルの仕組んだ媚薬でレイが行動不能となり、シンジたちが身動きできない頃。

ミカサは暗闇に紛れて姿を現した使徒サキエルと遭遇していた。

そんな中、ゲンドウの指示でネルフのスタッフ総出による電力復旧作業が始まる。

使徒同士が争う裏で必死に汗水流すシンジたち。

次回、『静止した闇の中で 解決編』



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静止した闇の中で 解決編

お待たせしました。最新話です。

すみません……持病の偏頭痛で体調悪くてしばらくダウンしてました……

今は無事に収まったので本日から更新再開していきます。

また、次回よりAI挿絵の追加も再開します。

過去に投稿したAI挿絵がまだない話に関しては、今日から順次公開される予定です。



 

 ──前回、カヲルに盛られた媚薬でレイが発情し、それを解消する為にシンジ達が身動き出来なくなってしまった。

 

 その同時刻、レイと共に第1トレーニングルームで神器(エヴァ)を使った本格的な戦闘訓練を行っていたミカサは、人工進化研究所内の停電と同時にトレーニングルームを飛び出していた。

 

 使徒の気配を察知したのか、ミカサは研究所の裏口から侵入を果たした一人の幼い女の子と遭遇していた。

 

「へぇ……裏切り者のラミエルに呼び出されたから面白半分で誘われてみれば……あの子もたまには役立つじゃない」

 

 停電中の暗闇に乗じてネルフ本部に現れた美少女──彼女の名前は天城サキ。

 

 インターネットで動画投稿をしている謎の美少女アイドル配信者だ。低身長に小柄な体型と童顔だが、その舌足らずなアニメ声と生意気で小悪魔的な言動から新人配信者では異例の爆発的人気を得ているらしい。

 

 腰まで伸ばした煌めく黒髪を赤いサイドリボンで飾ってツーサイドアップに纏めており、露出度の高い破廉恥な衣装に身を包んでいる。

 

 特徴的なのはミカサが普段から身に着けている赤いロングマフラーに似た、赤いスカーフを首元に巻いている事だろう。

 

 両手に腰を当てて勝ち気な笑みを浮かべるサキエルこと天城サキは、その可愛らしい外見とは裏腹に極めて気性が荒い事でも知られる困ったじゃじゃ馬娘である。

 

 そんな彼女だが正体は使徒28柱が誇る最強のエリート集団『七大使徒』の一人であり、以前シンジやミカサを苦しめたあの恐るべきラミエルよりもワンランク上の序列6位に座す使徒なのだ。

 

「まぁ、ラミエルってばサキを呼び出しておいて、結局来なかったんだけどね~。ったく、ホント使えないわよね~アイツ」

 

 そう言ってケラケラ笑うサキであったが、ふと真面目な表情になって出迎えに来たミカサの容姿を一瞥すると、その小さな右手を差し出した。

 

「──初めまして、かな? 電脳の海を泳ぐ小悪魔チックなエリート堕天使! 絶対無敵の最強アイドル、天城(あまぎ)サキでぇ~す♡」

 

「………」

 

 差し出された手を見下ろすミカサだったが、特に反応する事もなく無言のまま首を傾げてしまう。サキを前に表情一つ変えようとしないミカサの興味無さ気な反応を見て彼女は不満そうに眉間に皺を寄せると、やがて小さく溜息を吐いた。

 

「はぁ~……もういいや。ねっ、アンタがあのラファエルなんでしょ? まさか、堅物で有名なアンタがサキ達と同じように世界樹(イグドラシル)を放棄して地上に降りて来ちゃうなんてね」

 

 呆れた様に肩を竦めて苦笑いするサキに対し、ミカサは特に取り繕ったり誤魔化そうともせずに淡々と答える。

 

「別に……私はあなた方の様に封印されているのが嫌で逃げ出した訳ではないですから。ただ、アダムの命に従い動いているだけです」

 

 ミカサの言葉を聞いてサキは再び大きな溜息を吐くと、呆れ果てた様にやれやれと頭を振った。まるでミカサという存在を理解していないかの様なサキの反応に対して、ミカサの方もサキに興味がないのか、それ以上は何も言わずに黙り込んでしまう。

 

「ふぅ~ん。で? その“美味そうな身体”はどうしたの? アハッ♪ サキが手に入れた“この器”みたいに、恐怖に泣いて怯えてたところを“殺して手に入れた”とか?」

 

 挑発的に笑って見せるサキであったが、それでもミカサは動じない。だがしかし、その沈黙こそが何よりの答えだった。

 

 ミカサの瞳に微かに怒りの色が浮かぶのを見たサキは嬉しそうに微笑むと、今度は左手を差し出しながら告げる。

 

「でもまぁ、アンタが地上で何をしようとサキの知ったこっちゃないし、別にどうでもいいけどね~。それより、そろそろ本題に入ろうよ。サキがここに来た理由、わかってるんでしょ?」

 

「……サキエル、私はあなたと会話しに来た訳じゃありません。監視者(シェムハザ)として、使徒であるあなたを殲滅し、世界樹(イグドラシル)に送り還す為に居るんです」

 

 ミカサはそう言うと、サキの差し出した左手を無視してサキを見つめる。サキはその態度を見て少しだけ悲しげに顔を歪めると、すぐにいつもの小悪魔の笑みを浮かべてミカサを睨み付ける。

 

「うっざぁ~。自分の事は棚に上げて、サキ達が人間になりたいって願いは真っ向から拒否ってワケぇ? てめぇ……舐めんじゃね~よクソがぁッ!」

 

 どこまでも平行線なミカサの態度に激昂したサキが『光のパイル』と呼ばれるレーザー光線を右手の指先から放つ。

 

 それは瞬く間に超高速で回転しながら伸びていき、ミカサの首元へと向かっていく。しかし次の瞬間、彼女の前に大きなオレンジ色に輝く光の壁『ATフィールド』が展開される。

 

 サキの攻撃を防いだミカサのATフィールドは肉眼でも視認出来るほどに強力な壁であり、そのATフィールドを展開した本人であるミカサは無表情のままサキを見つめていた。

 

「チッ……そう言えばATフィールド使えるんだった。忌まわしい監視者(シェムハザ)のくせに……ッ!」

 

「サキエル……あなたがここに来た理由なら大凡見当が付きます。ですが、それを認めてしまえば世界の秩序が乱れ、いずれ人類(リリン)は『セカンドインパクト』によって滅びてしまう……」

 

 ミカサはサキが放つレーザービームを難なく防ぐと、そのままゆっくりと彼女に近付き始める。

 

「だったらラミエルはどうだってワケ!? サキ達がダメで、アンタやラミエルが人間として幸せに生きられるなんて、そんなバカな話サキは絶対に認めないッ!」

 

 激昂するサキも負けじとミカサに向かって指先から光のパイルを放ち続けるのだが、その全てがミカサの持つ強力なATフィールドの前に悉く弾かれてしまい、ミカサの歩みを止める事が出来ない。

 

「ふぅ……ああ言えばこう言う……仕方ないですね」

 

 ミカサは溜息混じりに呟くと、手の平に握られた赤い水晶玉を高々と掲げる。

 

「なっ……!? それは監視者(シェムハザ)にやられた同胞の……!?」

 

 サキはミカサが掲げた物の正体に気が付くと、思わず攻撃の手を止めて驚愕の声を上げた。ミカサが手に持っているのは、使徒28柱に所属する使徒が宿っていたとされる心臓部に等しいコアだ。

 

「えぇ、あなた達には必要のないモノ──ですから、私が有効活用してあげます」

 

 そう言って不敵に笑うミカサ。その表情は、サキが初めて見る様な恐ろしい笑顔であった。

 

「くっ……!」

 

 サキは一瞬だけ目の前の美少女に対して恐怖を覚えるが、それでもすぐに気持ちを持ち直すと再び指先にエネルギーを集めていく。

 

「無駄なことを……エヴァンゲリオン、起動──エンゲージ!!」

 

 ミカサが力強く叫ぶと同時に、彼女の周りに無数の光り輝く魔法陣が出現する。古代のルーン文字が刻まれた魔法陣一つ一つが何重にも折り重なり合いながら、やがてそれは眩しい光を形成していった。

 

 それと同時に激しい突風が通路内にも吹き荒れ始め、ミカサの緑色のロングヘアーを大きく靡かせ始める。

 

 まるで巨大な竜巻の中に居る様な錯覚に陥る程の強風の中、サキはミカサの展開した光り輝く魔法陣に包まれた赤い水晶玉に目を奪われていく。

 

 激しい暴風の中で神々しい閃光に包まれたミカサの神器(エヴァ)は身の丈ほどある大きな黒い鎌となり、その鎌に巻き付いた無数の鎖が彼女の片手の自由を妨害して拘束する。

 

 幾度に絡み付くその鎖はミカサ自身に備わる使徒ラファエルとしての驚異的な能力を封じ込める枷である代わりに、荒れ狂う暴風の如く膨大なATフィールドの力を引き出しているのだ。

 

「う、うそ……これが、ラファエル……?『癒風(いやしかぜ)』と謳われた天使の力なの……ッ!?」

 

 サキはミカサの変貌ぶりに驚きを隠せない様子で、その小さな子供の身体を震わせてしまう。

 

「遅いですよ……?」

 

 その隙を見逃さず、鎖に繋がれたミカサが両手で握り締めた大きな黒い鎌をサキに向けて振り翳した。

 

 その一撃を間一髪で避けたサキであったが、ミカサの放った鎌による斬撃はサキの立っていた場所に小さな竜巻を発生させ、その衝撃でサキの小柄な身体を吹き飛ばしてしまう。

 

 ミカサは不可視の風に吹き飛ばされて地面を転がっていくサキの姿を確認すると、自らの手に枷として繋がっている無数の鎖を手繰り寄せ、そのまま鎌を勢い良く振り回し始めた。

 

 ミカサの周囲に纏わり付いていた不可視の風は更に激しさを増し、やがてその威力はミカサの振るう鎌の速度を上げ、そしてサキに容赦なく襲い掛かる。

 

 その圧倒的な風の力を前に、サキは為す術もなく研究所の壁に叩き付けられてしまった。

 

 現在二人が戦闘している場所は人工進化研究所の狭苦しい通路内であり、サキはミカサの繰り出す鎌の攻撃こそ避けられても、その広いとは言えない空間では回避行動に制限が掛かってしまう。

 

 しかも現在研究所内では原因不明の停電が発生しており、サキからすれば非常に不利な状況で戦わされているのだ。そうしてミカサはサキの逃げ道を大きな黒鎌から吹き上がる不可視の風で塞ぎつつ、彼女を徐々に袋小路へと追い詰めて行く。

 

「ちょっ……!? なにこれ、こんなの聞いてないんだけど……ッ!?」

 

 ミカサの攻撃を必死に避けるサキだったが、次第に追い詰められている事に焦燥感を抱き始めていた。

 

 鎌を回避すれば目には見えない不可視の風に吹き飛ばされ、狭い通路内で何度も何度も激しく壁に叩き付けられ、床を転がり、いつしかサキは全身を擦り傷だらけにしていく。

 

「ふぅ……終わりにしますか……?」

 

「うっ……!」

 

 そしてミカサの繰り出した鎌の一閃がとうとうサキの頬を掠め、そこから皮膚が裂けて血が流れ出す。

 

「まだ、まだまだぁッ!」

 

 それでもサキは諦めずに立ち上がり、ミカサに向かって果敢に立ち向かっていく。しかしサキの決死の覚悟も虚しく、ミカサの操る漆黒の大鎌はサキの柔らかい身体を掴み上げ、軽々と宙へと放り投げてしまう。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 まるで人形の様に空中を舞うサキ。彼女は為す術も無く地面に落下すると、そのままゴロゴロと地面を無様に転がっていった。

 

 停電した狭い通路内で力無く仰向けに倒れ込んだサキは、ミカサの放つ強烈な暴風圧により身体を起こす事すら出来ずに居た。

 

 そんなサキを冷たく見下ろしながらミカサは静かに呟く。その表情は相変わらずの無感情なもので、ミカサは倒れたサキに向かってゆっくりと近付いていく。

 

「サキエル──あなたでは、私の風には届かない」

 

 ミカサはそう言うと、手に持っていた無数の鎖が絡み付く大鎌をサキの首元に突き付ける。

 

「くっ……そぉ……ッ!」

 

 最早これまでと悟ったサキであったが──その時である。

 

「……?」

 

 突然ミカサがピタリと動きを止めたかと思えば、何かを感じ取ったのか背後を振り返る。するとそこに……

 

「はぁ……はぁ……だめぇっ、逃げてサキエルっ!」

 

 先程まで着ていたネルフの女性オペレーターの制服をビリビリに破かれた悲惨な姿で現れたのは、もう一人の使徒であるラミエルであった。

 

 ラミエルは研究所内で不可解な停電が始まってから監視者(シェムハザ)の一人であるカヲルと戦っていたのだが、カヲルが使う長剣タイプの神器(エヴァ)の前に勝てずに敗走。

 

 圧倒的な強さを誇るカヲルから泣く泣く逃げ出し、研究所内で待ち合わせする予定だったサキがミカサと戦闘を始めたのを見て、何とかサキを救い出そうと駆け付けたのだが……

 

「えっ……? ラ、ラミエル……アンタなんで……っ!?」

 

 思わぬ人物の登場にサキは困惑する。だがしかし、そんなサキの疑問に答える余裕もない傷だらけの全裸姿へと身包み剥がされたラミエル。

 

 大粒の涙を流すラミエルはミカサやカヲルに視線を向けると、その美しい顔立ちに激しい怒りの表情を浮かべて二人の監視者(シェムハザ)を睨み付ける。

 

「なんでよ……なんで、私達を殲滅しようとするの……? 同じ使徒同士で仲間なのに……どうして……っ!?」

 

 ラミエルは涙を流しながら二人に訴える。その言葉を聞いて、ミカサは呆れた様子で溜息を漏らすと、擦り傷だらけの全裸のままで泣きじゃくるラミエルに向かって冷めた口調で言う。

 

「ふぅ……ラミエル。前にも言いましたね? 私は監視者(シェムハザ)として地上に逃げ出した全ての使徒を殲滅しなければならない使命がある、と……」

 

 ミカサの言葉を聞いたサキはハッと我に返ると、慌てて傷だらけの上体を起こしてミカサとラミエルの間に入り込むと、震える声で言った。

 

「だ……ダメ……っ! ラミエルはサキ達使徒にとって最後の希望かもしれないの……だから……お願い、殺さないで……っ!」

 

「………」

 

 ミカサは先程まで痛め付けていたサキに泣きながら言われると、しばらく考え込む。いくら忠誠心の高い使徒ラファエルとは言え、その身体の持ち主は雪風ミカサという生きた人間の美少女である。

 

 そしてラファエルの中に眠るミカサが言うのだ……ラミエルとサキエルはラファエルと同じ使徒であるが、共にこの世界で人間として生きてみるべき存在だと。

 

「っ……」

 

 ミカサはしばらく思い悩んだ末に手に持った巨大な鎖付きの黒い鎌を解除し、神器(エヴァ)の待機状態である元の赤い水晶玉にまで戻す。

 

 それからミカサは泣きながらサキと抱き合って震えている全裸のラミエルを見つめると、その冷たい黄色の瞳で彼女達の哀れな姿を映しながら呟く。

 

「……侵入者のサキエルはともかく、ラミエルは現在ネルフの保護観察下に置かれてます。それに……今はユイ達の応援に向かった方が良さそうですし……仕方ありません。今は、見逃してあげましょう」

 

 ミカサはそう言うと、サキ達に背を向けて黒いプラグスーツを着用するカヲルの方へ歩き出す。

 

「ミカサ、何故トドメを刺さないんだい?」

 

 通路の奥で佇むカヲルが不満げに口を開く。するとミカサはカヲルに振り返る事なく淡々と言い返す。

 

「……どうせ最後は私達と一緒に世界樹(イグドラシル)に還る身なんです。わざわざ今ここで殺す必要も無い……ミカサがそう思っただけの事です」

 

「フッ……まぁ、いいけどさ。僕も君のその人間臭い甘さは嫌いじゃないんでね」

 

「……そういう事は、思っていても言わないものですよ」

 

 言いながらミカサとカヲルは互いに目を合わせると、カヲルは長剣タイプの神器(エヴァ)を赤い水晶玉に戻してそのまま無言で去って行く。

 

 やがて黒いプラグスーツを着たカヲルの姿が見えなくなると、ラミエルはホッと安堵の溜息を吐いて緊張を解く。

 

 一方、全裸のラミエルに守られた状態のサキは傷ついた身体を酷く震わせながらガクガクの足腰で立ち上がると、未だに恐怖心を抱いている様子でミカサに怯えながら尋ねた。

 

「な、なんでサキ達を見逃してくれたの……?」

 

「……別に、深い意味はありません。ただ……この数日研究所内で監視されながら過ごすラミエルがあまりにも可哀想だったので、つい情が移ってしまっただけ……そう、それだけの事にしといてください」

 

 ミカサはそう言ってサキとラミエルに背中を向けたまま歩み始める。

 

「待って……ミカサっ!」

 

 そのミカサの後ろ姿を見て、今度はラミエルが咄嵯に呼び止める。

 

「……なんですか?」

 

 ミカサは振り返る事なく足を止めると、静かにサキに問い掛ける。

 

「ぐすっ……ぁ、ありがとう……仲間を助けてくれて……ッ!」

 

 ラミエルは感謝の気持ちを込めてミカサに泣きながら礼を言う。しかしミカサはそんなラミエルの泣き声を聞きながらも、そのクールな表情を少しも変える事は無かった。

 

「ぁ、あのっ……サキも……っ! 助けてくれて、あり……がと……」

 

 ミカサの放つ凍り付く様な威圧感に負けたのか、顔を真っ赤に染めたサキもミカサにおずおずと頭を下げながら小さな声で呟く。

 

 ミカサは敵であるサキに感謝の言葉を言われて最後に小さく微笑むと、サキとラミエルの前から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 ──戦闘を終えたミカサが立ち去った後、サキとラミエルは停電した研究所の通路内でお互い全裸のまましばらく身を寄せ合っていた。

 

 ミカサとの戦闘で心身共にボロボロに傷付いたサキは、ラミエルの肩を借りながら辛うじて立っている状態であり、そんなサキにラミエルが申し訳なさそうに呟く。

 

「ごめんね、サキ……私のせいで……辛い思いをさせちゃった」

 

 ラミエルはサキとミカサの戦闘にほとんど何も出来なかった事を悔やんでいた。

 

 本来であればサキと共に協力してカヲルと戦い、カヲルの隙を突いてサキをネルフの仲間に引き込む算段だったのだが……ラミエルの予想以上にカヲルが手強く、同じ頃にサキはミカサの神器(エヴァ)による攻撃を受けて殲滅寸前の状態に陥ってしまう。

 

 そこでラミエルは不利な戦闘を強いられていたサキを救う為に、カヲルから逃げてサキと合流する事に決めたのだ。

 

「ぁ、謝らないでよ……元はと言えば、ラミエルに会う為にやって来たサキが悪いんだから……」

 

 サキはラミエルの肩に寄り掛かりながら弱々しい声で呟く。

 

「うん……でも、やっぱり私がサキを危険に晒してしまったのは事実だよ」

 

「ラミエル、アンタ……」

 

 サキはラミエルの肩に頭を預けたまま、彼女の美しい横顔を見上げて苦笑いを浮かべる。

 

 ラミエルはサキがミカサに追い詰められていた時、すぐに助けに向かおうとしてくれた。しかしそれはラミエル自身にとっても危険な行為であった。

 

 それでもラミエルはサキの身を案じてミカサやカヲルに立ち向かい、サキを結果的に守ってくれたのだ。

 

「ラミエル、アンタ……すごく良い奴なんだね♡」

 

「えっ?」

 

 サキが突然意外な言葉をラミエルに投げ掛けると、ラミエルは目を丸くする。するとサキはラミエルに寄り掛かった状態で、照れ臭そうな笑みを浮かべながら言った。

 

「変な言い方になっちゃうけど……ラミエルが居なかったら多分、サキは還元されてここにはいないと思う……だから、その……っ、ありがと……っ!」

 

 サキの素直な言葉を聞いてラミエルは思わず頬を赤くすると、嬉しそうにはにかむ。

 

「サキったら……もう、恥ずかしいなぁ♡」

 

「うぅ~、なによぉ~! だって、ほんとの事でしょ? ラミエルがサキを守ってくれたから、こうして生きていられるんだもん!」

 

 サキは恥ずかしそうに言うと顔を真っ赤に染めてラミエルから少し離れてそっぽを向く。そんなサキを見てラミエルはくすっと笑うと、サキの耳元で囁いた。

 

「ふふっ……そっかそっか♡ じゃあ、これからはラミエルがサキのお姉さんになってあげる♡」

 

「なっ……はぁ~っ!? ちょっ、ちょっと! 何よそれぇっ!?」

 

 ラミエルの言葉にサキは更に動揺して顔を紅潮させると、ラミエルに向き直って抗議の声を上げる。

 

「え~、いいでしょ? お互い人間の身体を手に入れた今じゃ私の方が遥かに年上のお姉ちゃんなんだし……ねっ?」

 

 ラミエルはサキにそう言いながら、悪戯っぽくウインクをする。確かにラミエルが若い女子大生を殺害して乗っ取った身体はサキの寄生先の身体よりずっと長く生きている。

 

 それに今のラミエルはサキよりも身体が大きくて胸やお尻が大きい。それ故に恥ずかしくて赤面するサキはラミエルに言い返す事が出来ずに口をもごもごとさせる。

 

「ぅ、うっさいバカぁ! ラミエルはサキのお姉ちゃんになるんじゃなくて、今日からは子分よ子分! わかったっ!?」

 

「くすっ♡ はーいっ!」

 

 サキが照れ隠しで強気に言うと、ラミエルは元気良く返事をしてサキの手を優しく握って立ち上がらせる。それから二人はお互いに擦り傷だらけの全裸のままで停電した真っ暗闇な通路内を歩いていく。

 

「二人でユイとシンジ君に頼めば、サキもネルフの保護観察下に置かれるかも……」

 

「ほ、ほんとっ!? サキ達、世界樹(イグドラシル)に還らなくてもいいの!?」

 

「うん。それに……私もサキと一緒に人間として幸せに暮らしたいし……ダメかなぁ?」

 

「っ……ふ、ふ~ん? そういう事なら別にいいよ~。ラミエルの事はそこまで嫌いってワケじゃないしぃ~、それに……ラミエルが一緒にいてくれるなら嬉しいし……♡」

 

 サキは相変わらずラミエルの顔を見ない様に呟くと、その幼い容姿とは裏腹にいやらしい身体を揺らしながら笑顔で通路を歩き続ける。

 

 そうしてサキとラミエルは二人仲良く停電中の通路を進みながら、まるで本当の姉妹の様に仲睦まじい様子で会話を続けるのだった。

 

 

 

 

 

 ──その頃、人工進化研究所の所長であるゲンドウの指示で大きなフロアに集められたネルフの職員スタッフ達。

 

 未だに電力が復旧しない中、彼らは不安げな表情を浮かべて何かの始まりを待っていた。そして彼らが待つこと数分後……停電の原因を調べる為の対策本部を設置したゲンドウが姿を現した。

 

 ゲンドウはサングラスを掛けた黒いスーツにネクタイ姿で堂々とした佇まいで現れると、薄暗い辺りを見渡しながら妻であり副所長を務めるユイの姿を探す。

 

 しかしユイの姿は見当たらず、どうやらシンジ達をここまで連れて来るのに時間が掛かっている様だ。

 

(ユイ……まさか迷子になってるのか? いや、しかし……私ならばともかく、ユイに限ってそんな事は……)

 

 ゲンドウはそう思いながらも特に文句を言う事は無く、集められた研究所のネルフ職員達に視線を向ける。

 

 するとその時、広々とした大きなフロアの入口から見覚えのある短い茶髪を揺らす黄色い縦ラインのセーターに黒いスカートを着用した巨乳美女がふらふらとした足取りで現れた。

 

 頬を赤らめ、汗ばんだ色気漂う豊満な肉体を揺らしながらゆっくりと歩いて来る。人妻らしい清楚と妖艶な雰囲気を合わせ放つ女性の姿を見て、周囲の男性職員達はその美貌に見惚れながら生唾を飲み込む。

 

 更にその後ろからは体操服姿のシンジとアスカ──そしてどういう訳かユイが普段羽織っている白衣を肩に掛けられた白いプラグスーツ姿のレイがシンジに寄り添う形でフロア内に入って来る。

 

「おぉ、ユイ……遅かったじゃないか。一体何をしていたんだ?」

 

「ぁ、ぁはぁ……はぁ、はぁ……んっ♡ ご、ごめんなさい、あなた……ちょっと……暗くて道に、迷っちゃったみたい……っ、ふぁっ……ぁん♡」

 

 ユイは息を切らして何とか答えると、内股になりながら両手を股間に添えて甘い吐息を漏らし始める。よく見ると彼女の額には大粒の汗が浮かんでいて、顔も真っ赤に染まってとろ~んと惚けているではないか。

 

「ユイ、大丈夫なのか……? 様子がおかしいみたいだが……?」

 

「えっ……? ぁ、あなた……あっ、だめ……そんな、近くで話し掛けちゃ……シンジのが漏れて来ちゃ……ひゃぁっ♡」

 

 ユイは息を乱して呟くと、ぷるんと大きなお尻を震わせて必死に股間を両手で抑え込む。

 

「ユイ……?」

 

 何やら様子がおかしいユイを心配して近寄ろうとしたゲンドウだったが、ユイはバレてはまずいという感じで慌てて後ろへ下がる。

 

「ご、ごめんなさい……っ、でも大丈夫だから……心配してくれてありがとう……っ、ぁ、ぁあんっ♡」

 

 なるべく周囲に聞こえない声量で呟きながら、ユイは小刻みに震えて甘い喘ぎ声を小さく漏らし続ける。

 

 ……実はユイ、ここに来るまでに息子のシンジとたっぷり浮気エッチしていたのだ。それも同じハーレム仲間のアスカやレイも巻き込んで……

 

 そこでユイはシンジと何度も濃厚な性行為を繰り返し、愛液と精液を垂れ流し続けながらここまでやって来たのだ。

 

 その結果、シンジと下半身で繋がっていた時の快感を思い出してしまったユイは我慢出来なくなってしまい、思わずその場で小さな絶頂を迎えてしまう。

 

 しかしそれを夫であるゲンドウや周囲の人間に悟られない様に必死に堪えていたのだ。

 

 そんな事情を何一つ知らないゲンドウは不思議そうに首を傾げると、今度はユイの後ろに待機するシンジ達の方に視線を向けた。

 

 汗だくになった体操服を着たシンジは苦笑いを浮かべて頭を掻くと、もじもじと身体を震わせるユイのお尻をいやらしい手付きで擦りながら耳元で囁く。

 

「……母さん、バレちゃ駄目だからね?」

 

「ぁ、うぅ……わ、わかってるから……もぅ、意地悪言わないで……っ♡」

 

 ユイは自分の息子にお尻を撫でられて身体をぶるっと震わせると、甘える様な淫ら声で囁き返す。

 

 しかし二人の会話や仕草は停電して真っ暗闇という事も手伝ってか、ゲンドウや周囲に集まった職員達には気付かれてはいなく、誰も不審には思っていない。

 

 ……それどころか、いつもと様子が違うユイが体調を崩して倒れないかを気にしている。

 

 ユイはぶぴゅっ、こぽぉっ……と下品な音を立てながら膣穴から溢れ出る大量の愛液や濃厚な白濁液を履いている黒いスカートの内側で何度も拭い取ると、深呼吸をして乱れた呼吸を整える。

 

「……ふぅ。あなた、もう大丈夫よ。さっきはちょっと体調が悪くて……それでシンジに助けてもらってたの」

 

 ユイがゲンドウに伝えると、シンジは「うん、まぁ……」と歯切れの悪い返事をする。

 

「そうか……それならいいが……」

 

 ゲンドウはそう言いつつも、やはりどこか違和感を感じていた。

 

(本当にユイは体調不良だけなのか……?)

 

 ユイは一見すると健康そうなのだが、先程からずっと頬を赤らめて荒い呼吸を繰り返していた。それに普段はあまり見せないとろ~んとした恍惚の表情で虚空を見つめている。

 

 しかしゲンドウはその疑問を口にする事無く、代わりに口を開いた。

 

「ユイ、早速だが……」

 

 まずは目の前の問題に対して対処しなければならない。そう考えたゲンドウは今回の停電を復旧させる為に、副所長であり妻のユイに指示を出す。

 

 ユイはそれを聞いて真剣な眼差しになると、力強くゲンドウの言葉に答えた。

 

「──皆、話を聞いてください。今回の停電は正・副・予備の三電源が同時に落ちるという異常事態によるものです。いま全力で復旧にあたってますが、まだ当分時間が掛かると思われます」

 

 ユイは赤面しつつも落ち着いた口調で説明を行うと、周囲に集まった職員達に向かって語り掛ける。

 

 この停電は恐らく何者かによる大規模なサイバー攻撃によるものだろう。ユイはそう考えていた。しかしユイが職員達に説明している間も停電は一向に回復せず、復旧の目処は立たない。

 

「……ですがそれまでの間、このままにしておく訳にもいきません。少なくとも予備電源だけでも早急に復旧させる必要があります」

 

 ユイが説明すると、その場に居た全員が納得した様に深く相槌を打つ。確かにそうだ。

 

 停電の原因が何であれ、最低限の電気が無ければネルフの研究活動に支障が出るし、最悪研究所そのものが機能停止してしまう恐れがある。

 

 職員達がユイの説明を聞き入れていると、突然ゲンドウがサングラスに隠された鋭い瞳を光らせて職員達に向けて声を上げる。

 

「ユイ……ここからは私が話そう」

 

 その瞬間、場の空気が一気に張り詰めて緊張感に包まれた。そしてゲンドウは重々しくも威厳に満ちた低い声でゆっくりと喋り始めた。

 

「私は所長としてあらゆる事態に対処すべく準備を進めてきた。だがこれには皆の協力が不可欠だ。どうか力を貸してほしい」

 

 ゲンドウが言葉を発すると集まった職員達は一斉に姿勢を正して彼に向き直り、力強い尊敬の念で応えた。普段はあまり見せないゲンドウのカリスマ性に、隣で聞いていたユイは内心で舌を巻く。

 

(やっぱり……この人には敵わないわね)

 

 ユイは改めて夫の凄さを実感しながらも、自分も負けていられないとばかりに気を引き締める。未だに股間から垂れ流し続けている愛液と精液を太腿まで伝わせながら……

 

「これが状況を打破する為の策だ」

 

 そう言うと同時に、ゲンドウの背後で重たい鉄の扉が開く音が響く。中には大量に設置されたエアロバイクが並べられていていた。

 

 職員達は何が始まるのかと興味津々で扉の中に入るも、停電対策とあまり関係無さそうなエアロバイクを見て言葉を失う。

 

「と、父さん……これは……?」

 

「見ての通りエアロバイクだ。しかしただのエアロバイクではないぞ。全ての動力機関を連結させ、推進エネルギーから電気への変換効率を最大限に高めた特製品だ」

 

 シンジや職員達はその言葉を聞いて理解出来ずに首を傾げる。

 

「もう……父さん本気で言ってるの!? こんな大きな建物の電気を復旧させるのにエアロバイクなんて──」

 

 シンジの疑問は当然と言えよう。するとゲンドウの隣にいたユイが前に出て、シンジや職員達に分かりやすく解説する。

 

「それが理論上は可能なのよね。必要なのは予備電源を起動させるだけの電量だから、皆が休み無く漕ぎ続ける事ができれば──」

 

 ユイがそこまで言うと、シンジは半信半疑ながらもゲンドウの作戦に加わる。しかし職員の中には不安げな様子を見せる者もいた。

 

 ……それも無理はない。何故ならばここは広大な人工進化研究所の中なのだ。シンジが言う通り、そんな場所で消費される膨大な電力を賄うとなると相当の時間と労力が必要となる。

 

 そこでゲンドウは自ら先陣を切る事で職員達の士気を高めようと、敢えて先頭に立って設置された一台のエアロバイクに向かっていく。

 

「……シンジよ、男にはそれでもやらねばならない時がある。これには一人でも多くの力が必要だ。協力してくれ」

 

「父さん……」

 

 シンジは真剣な表情でゲンドウの背中を見つめると、覚悟を決めた様に小さく息を吐く。シンジも父親であるゲンドウの気持ちを汲み取り、彼の計画に協力しようと決意を固めた。

 

 すると周りに居た職員達もゲンドウの姿を見て奮起し始める。自分達の上司であるゲンドウが率先して汗臭い行動を起こそうと言うのだ。ここで動かないと男が廃るというものだろう。

 

「やりましょう、所長!」

 

「おぉ~! 絶対成功させるぞ!」

 

 性別の違いや老いも若いも関係無く次々とエアロバイクに跨っていく職員達の姿に、ユイは満足そうに微笑む。

 

「ユイ、必要な人員を集めて引き続き復旧作業を頼む! 我々はここでエアロバイクを漕ぎ続ける!」

 

 エアロバイクに跨がるゲンドウの指示にユイは小さく頭を下げると、数人の女性オペレーターを引き連れて自分の持ち場へと向かって走り出す。

 

 ユイを見送ったゲンドウは続いて汗ばんだ体操服姿のシンジやアスカ、そしてプラグスーツの上からユイの白衣を羽織ったレイにも指示を出す。

 

「シンジ、トレーニング直後で疲れているとは思うが……お前達も頑張ってエアロバイクを漕いでほしい」

 

 ゲンドウに言われてシンジは苦笑いを浮かべた。正直、シンジは少しだけ嫌な予感がしていた。

 

 ……というのもシンジは元々運動が得意な方ではなく、どちらかと言えば苦手な部類だ。ユイやアスカ達との連日の性行為で以前よりは体力が付いたものの、普段から鍛えている訳でもない。

 

 しかしゲンドウはどうやらシンジを信頼している様で、自分が先頭に立つ事で息子である彼も一緒に汗を流すだろうと期待を寄せていた。

 

(まぁ、この状況だと仕方ないか……)

 

 シンジは深呼吸して一息入れると、エアロバイクのハンドルを握る。シンジの左右前方にはアスカとレイが並んでエアロバイクに跨っていた。

 

「──それでは私の方から説明をします。皆さんバイクのメーターに注目してください」

 

 職員達は女性オペレーターに言われた通りにハンドル付近に備え付けられたモニターに視線を向けると、そこにはペダルを踏んだ時のエネルギー量やタイマー、電力ゲージが表示されている。

 

「バイクを漕ぐエネルギーの総量が一定値を超えると左側のゲージが点灯します。下のタイマーが0になるまでの間、常にゲージが点灯している状態を維持してください。失敗したらやり直しです」

 

 オペレーターの説明を受けて職員達は真剣な顔でハンドル部分のモニターに注目する。

 

「……や、やはり私も漕ぐのか……」

 

「当然だ」

 

 この中では最年長の冬月が弱音を漏らすと、エアロバイクに跨がるゲンドウは黒いサングラスをしたまま冷静な口調で答える。

 

「それでは始めてください!」

 

「よし……みんな、行くぞ!」

 

 オペレーターが作戦開始の合図を送ると、まずはゲンドウが勢い良くペダルを踏み込んだ。

 

 ゲンドウに続いて若い男性職員達が一斉にペダルを踏み込むと、エアロバイクに備え付けられたモニターの左端にある電力ゲージが徐々に色付いて上昇し始めた。

 

「ゲージが点灯しました! カウントダウンスタートします!」

 

 職員達も必死にペダルを漕いでエネルギーを発電させる中、順調だったペダルを踏むリズムが不意に乱れ始める。

 

「な、なんだ……?」

 

「急にペダルが重く──」

 

 最初は順調に進んでいたのだが、職員達が異変に気付いた時には既に遅かった。

 

「……あっ、言い忘れてました。ゲージが点灯すると同時にペダルの負荷が倍になります」

 

 オペレーターの言葉を聞いてざわざわ……と騒ぎ出す職員達。すると次の瞬間、全員が乗っているエアロバイクがいきなり爆発したかの様に激しく振動し、それと同時にペダルが異常な重さへと変化した。

 

「そ、そういう事は先に──」

 

 元々やる前から体力面を不安に思っていた冬月だったが、予想以上の事態に脂汗を流しながら苦しい声を上げてバタリと力尽きてしまう。

 

「あぁっ!? ふ、冬月先生!?」

 

「足を止めるな! 冬月の犠牲を無駄にしてはならん……!」

 

 他の職員達も突然の事態に戸惑いつつも、どうにか耐え忍んで全身汗だくのままペダルを漕ぎ続けていく。

 

 そして遂に、モニターに表示されていた電力ゲージが半分程まで満たす。この辺りまで来ると職員達の疲労もピークに達していた。

 

 ……しかしまだ終わりではない。ここが一番の正念場だ。そう考えると、シンジはペダルに乗せている両足に力を入れて強く踏み込み、気合いを入れ直す。

 

 エアロバイクを漕ぐ数少ない女性の中でもミサトが体力尽きて早々にリタイアしてしまったのは残念だが、代わりに最年少の自分が頑張ろうとシンジは思った。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……アスカ、大丈夫……?」

 

「あ、あたしもうクタクタ……」

 

 体力自慢のアスカはシンジと同様にエアロバイクに乗りながら、シンジよりも更に軽々とペダルを回して電力エネルギーを稼いでいた。しかし流石の彼女でも限界が近いらしく、額から大量の汗が流れ落ちている。

 

 アスカは体操服に赤いブルマという格好なのだが、上半身はノーブラで乳首がくっきりと浮かび上がっていた。

 

 やはり全身汗だくで白い体操服が透けて肌にぴったりと張り付き、ブルマから下は肉付きの良いむっちりとした太腿が露出している。

 

「シンジぃ……あんたは平気なの……?」

 

「う、うん……なんとかね」

 

 シンジは前方に位置するアスカの問い掛けに答えたものの、正直シンジもかなりキツかった。

 

 アスカやレイと違ってシンジは普段からスポーツなどの運動は一切していないので、長時間のエアロバイク漕ぎはかなりの重労働だ。

 

 しかしここで弱音を上げる訳にはいかない。シンジは自分に出来る事を精一杯やろうと思い、再び力強くペダルを漕ぎ始めた。

 

 一方、アスカの隣でエアロバイクに跨がるプラグスーツに白衣を羽織ったおかしい格好のレイ。

 

 彼女はシンジ達よりは余裕がありそうな表情で黙々とペダルを漕いでいる。しかしカヲルによって盛られた媚薬の影響がまだ完全には抜けていないせいなのか、その汗ばんだ顔はほんのりと赤く染まっていた。

 

 アスカはチラリと横目でレイの方を見ると、真っ白いプラグスーツを着ている彼女の胸元や股間だけがビリッと破かれて丸見えになっている事に気付く。

 

 そんな状態でエアロバイクを漕ぎ続けるレイの姿はとても扇情的で、思わず赤面してしまう。

 

 アスカとレイはエアロバイクの位置的に一番前に揃って座っており、二人とも今の格好が格好だからなのか、ペダルを漕ぐ度に前屈みになると大きな胸の膨らみやお尻が揺れ動く。

 

 特に中学生とは思えないほどスタイル抜群なアスカは汗ばんで濡れ透けた体操服越しに二つの豊満な乳房がぷるんと大きく弾んでしまっている。

 

 二人の真後ろに位置するシンジもそんな彼女達の後ろ姿を捉えていたが、すぐに顔を背ける。

 

(い、今はそんな事考えてる場合じゃないって……!)

 

 赤面するシンジは慌てて首を左右に振ると、エアロバイクを漕ぎ続ける。しかしそれでも目の前に居る彼女達のお尻が脳裏に焼き付いてしまい、どうしても意識がそちらに向いてしまった。

 

 ペダルを漕ぎながらシンジは一度目を瞑ると、改めてアスカとレイのお尻を眺める。

 

 アスカの健康的なムチムチぷりっぷりっのハート型のお尻は大量の汗で湿っていて、艶めかしくてとても魅力的だ。一方のレイはスラっと引き締まったスレンダーなお尻で、見ているだけでドキドキしてくる。

 

 二人ともかなり体力を消耗しているのか、先程からぽたっ、ぽたっ……と汗の雫を床下に落としていた。

 

 シンジは無意識のうちにごくりと唾を飲み込むと、彼女達のお尻に釘付けになってしまう。すると二人とも背後にいるシンジのスケベな視線に気付いたのか、チラッと一瞬だけ振り向いた。

 

 そして今度はわざとらしく、ぷりんっとシンジにお尻を突き出して見せ付ける様に揺らし始める。

 

 当然二人とも普段からこの様にお尻を揺らすのは度重なる性行為で慣れている為、シンジの視線を釘付けにする為に敢えてやって見せたのだ。

 

 アスカとレイの大胆な行動にシンジは増々動揺してしまい、急激に顔が熱くなるのを感じる。

 

 シンジは今すぐペダルを漕ぐのを止めて愛しの彼女達に飛び掛かりたい衝動に駆られるが、ここでペダルを漕ぐのを止めたりしたらゲンドウの作戦が失敗に終わるかもしれない。

 

 それに何より、女の子なのにこんなにも頑張っているアスカとレイに対して失礼だとシンジは思い、何とか己を律してペダルを漕ぎ続けた。

 

 そうしてアスカとレイの誘惑に耐えながらエアロバイクを漕いでいくと、ハンドル部分のモニターに表示されている電力ゲージが満タンまで残り僅かとなった。

 

「す、すごい……」

 

「おい嘘だろ……あの二人、さっきから全くペースが落ちてないぞ……」

 

 そんな中、職員達は前方に並んでエアロバイクに跨がるシンジとゲンドウの後ろ姿を見て驚きの声を上げていた。

 

 確かに二人は今も尚、全力でペダルを漕いで発電を続けている。しかもゲージ点灯で更に重くなったペダルを漕ぐスピードが衰える事なく一定のペースでずっと漕げているのである。

 

 これは体力のある若い男性職員でも中々出来ない芸当であり、彼等は尊敬の眼差しで二人の親子を見つめていた。その一方で女性スタッフ達は彼らのモニターを見て感嘆する。

 

 そこには全員がペダルを漕ぐ際に発生するエネルギー量がグラフ化され、それが一定値を超えた所でゲージが点灯する仕組みとなっているのだが、シンジとゲンドウが稼ぐエネルギー量は常にメーターの必要最低限を上回り続けていた。

 

 既に何人もの職員達が力尽きて脱落したにも関わらず、この親子二人は未だに休む事無くペダルを漕ぎ続けている。

 

 身体から噴き出す汗の量も尋常ではなく、全身が汗だくになってしまっているものの、ペダルを漕ぐ足は決して止まらない。まるでペダルを回す事で快楽を感じてしまっているかの様に……

 

「シンジ……無理はしなくていいぞ……?」

 

「父さんこそ……自分の歳考えてよ」

 

 シンジとゲンドウは互いに言葉を交わしながらペダルを漕いで発電を続ける。しかしいくら二人がペダルを漕いで発電を続けても、メーターの電力ゲージはなかなか満タンにならない。

 

 それどころか時間が経つに連れて少しずつゲージが低下していき、このままでは作戦が失敗すると思ったシンジはペダルを漕ぐ足に力を入れて踏み込む。

 

 それはゲンドウも同じ気持ちだったらしく、彼もまた息子には負けんとペダルを漕いで発電の速度を上げた。

 

「はぁ、はぁっ……アスカや綾波の為にも僕が頑張らなきゃ……! これは男の仕事なんだッ!」

 

「ぬおおお~~っ!! 若い者には負けん!! 負けんぞシンジぃ~~ッ!!」

 

 しかしそれでもまだ電力は復旧されない。シンジとゲンドウは汗だくになって歯を食い縛り、ふらふらになりながらも必死にペダルを漕ぎ続ける。

 

「作戦完了まで、残り1分を切りました! あと50秒、40秒──」

 

 オペレーターが電力復旧までの残り時間を告げる中、碇親子に負けてられないと残っていた職員達も最後の力を振り絞ってペダルを漕ぎ出す。

 

 あと少し……あと少しの間、ペダルを漕いでゲージを最低限でも点灯させ続けられれば非常用の予備電源は復旧される……

 

 全員が真剣な表情でペダルを漕ぎ続ける中、オペレーターの緊迫したカウントダウンが響く。

 

「電力復旧まで、残り30秒です! 皆さん、踏ん張ってください……!」

 

 その間にも電力ゲージは見る見るうちに低下していき、遂には残り2本にまで減ってしまう。だが、もうすぐでゲンドウ立案の作戦が完了する……そう思うと、シンジはペダルを漕ぐ両足の力が更に強まる。

 

 目の前でお尻を振っていたアスカとレイも既に力尽きたのか、前屈みの体勢でハンドル部分に頭を付け、エアロバイクに跨り倒れ伏していた。

 

 体力的に余程辛かったのだろう……彼女達は揃って全身をびくんびくんと痙攣させて息も絶え絶えになっている。

 

(アスカ、綾波……もうちょっとだから……! もう少しで、電力が復旧されるから……っ!)

 

 シンジは心の中でリタイアしたアスカとレイに呼び掛けると、ペダルを漕ぐ力を更に強くする。

 

「残り10秒を切りました! 9……8……7……6……5……4……3……2……1……」

 

 オペレーターが刻一刻と報せるタイムリミットが迫る中、シンジとゲンドウはほとんど立ち漕ぎに近い体勢で今までに無いくらいの気合いを入れてペダルを漕ぎ続けた。そして遂に……

 

「予備電源、起動を確認! オールグリーン……問題ありません!」

 

 その瞬間、フロアにいた誰もが歓喜の叫び声に湧いた。エアロバイクのモニターに表示されたタイマーが0になると同時に電気が供給され、室内が明るく照らされていく。

 

 シンジとゲンドウはペダルを漕ぐのを止めると、そのまま足をガクガク震えさせながらエアロバイクの上でぐったりとする。

 

 流石にもう限界だ……シンジは荒い呼吸を繰り返しながら明るくなった研究所内の天井を見上げる。その汗ばんで赤面した表情には達成感がありありと浮かんでいた。

 

 一方、作戦が成功したゲンドウはニヤリとほくそ笑むと、エアロバイクから降りて息子の肩をぽんっと叩いて労う。サングラスで隠れたその顔は汗だくだが、どこか満足そうな様子であった。

 

「よくやった……シンジ……お前は、私の最高の息子だ……!」

 

「うん……ありがとう、父さん……」

 

 息も絶え絶えにシンジとゲンドウがお互いに褒め称え合っていると、そこにユイが帰って来た。彼女はシンジとゲンドウが二人揃って床にへたり込んでいるのを見ると、くすっと微笑んで二人に歩み寄る。

 

「お疲れ様、二人とも……作戦は無事成功よ。良く頑張ってくれたわね。これで研究所も助かるわ」

 

 ユイもまた別の場所で電力復旧作業を手伝っていたので、大量の汗で濡れてぴったりと張り付いた黄色い縦ラインのセーターを着たままの姿だった。

 

 やはり汗ばんで赤面しているユイは両手を膝に付けた中腰の姿勢で二人を見下ろすと、豊満な胸元をたゆんと揺らしてシンジの頭を優しく撫でる。

 

「本当に……良く頑張ったわね♡」

 

 母親の笑顔を見てシンジは思わずドキッとしてしまい、慌てて顔を背けてしまう。そんな息子の様子にユイはくすっと笑うと、今度は汗だくになった夫の背中をポンッと優しく叩いた。

 

 するとゲンドウは嬉しそうに口角を上げ、最愛の妻であるユイに向かってサムズアップして見せる。

 

「あぁ、全ては計算通りだ。これも私と妻の愛の結晶であるシンジのお陰だな。シンジ、愛してるぞ! ハッハァー!!」

 

 活き活きとしたゲンドウの楽しそうな高笑いが響き渡る中、他の職員達はシンジ達親子に駆け寄り、次々に賞賛の言葉を述べていく。

 

「すごいよ碇所長! あんたら親子は俺達ネルフの誇りだよ!」

 

「さすがは碇所長と奥様の息子ですね! こんなに凄い親子は見た事がありません!」

 

 職員達はシンジとゲンドウの二人を胴上げしようと近付いて来るが、流石に恥ずかしくて断る。

 

 するとシンジの背後から突如として黒い影が飛び掛かる。それはいつの間にか復活していたアスカとレイの二人であり、彼女達はユイの隣に立って体操服姿のシンジを取り囲む。

 

「ちょ、ちょっと待った! アスカと綾波!? どうして急に抱き着いてくるのさ……っ!?」

 

「碇くんの身体……すっごく熱くて臭い……♡」

 

「シンジ……いっぱい頑張ったんだから、特別にご褒美をあげる♡」

 

 アスカとレイはそう言うと、床にへたり込むシンジにぎゅっと密着したまま彼の両頬にそれぞれチュッと優しいキスをする。

 

 流石にキスしているところは周りの職員達にバレない様にしていた二人だが、それでもシンジは彼女達の柔らかな唇の感触を直で感じてしまい、再び顔が真っ赤に染まる。

 

「ぁ……ありがとう、二人とも……」

 

 シンジは何とか感謝の気持ちを伝えると、アスカとレイはニコッと可愛らしい笑みを浮かべた。すると今度は真ん中に立っていたユイが中腰の姿勢で豊満な胸元を揺らしながらシンジに話し掛けるではないか。

 

「ねぇ、シンジ……お母さんからもあなたにご褒美があるんだけど……?」

 

「えっ……? 母さんから僕へのご褒美って一体何なの母さ──うわっぷ!?」

 

 言い終わる前に、突然ユイは大胆にも汗だくになってしまっている息子に飛び付き、その豊満な胸で彼の顔面を包み込んだ。

 

 大量の汗で湿った柔らかい感触と女性特有の甘い匂いがシンジの鼻腔を刺激し、彼は目を白黒させる。

 

 いきなりの事に驚きを隠せないシンジだったが、ユイのたわわな胸に埋もれながらゆっくりと深呼吸をして彼女の香りを堪能し始めた。

 

「シンジ……私の可愛い息子……ふふっ、やっぱりこの子にはまだまだ甘えん坊さんの方が似合うわね♡」

 

 そう言って、ユイは息子を抱き締めたまま慈母の如き眼差しでシンジの顔を見つめる。

 

 周りの人々はいつまでも仲の良い母子の様子に和やかに笑って見守る。どうやら誰もシンジとユイがゲンドウを置き去りにして密かに愛し合っている浮気関係だとは思ってもいないらしい。

 

「むぅ……シンジのやつ、モテモテ過ぎて羨ましいぞ……」

 

 そんな中、ゲンドウは一人だけ蚊帳の外という扱いを受けて苦笑していたが、そこで彼はとある事に気付いた。

 

(……? 三人とも、何か様子がおかしいような……?)

 

 アスカとレイだけでなく、妻のユイまでもがシンジにやたらとベタついているのだ。

 

 普段はここまでスキンシップを取る事は滅多に無いのだが、今は三人共がシンジにぴったりと抱き着き、離れようとしない。

 

 これはいったいどういう訳なのか……ゲンドウは不思議に思いながらも、とりあえず妻に問い質してみる事に。

 

「なぁ、ユイ……少しシンジに甘え過ぎじゃないか……? 家ならばともかく、今は周りにも人がいるのだから──」

 

「あら……それってイケない事かしら?あなただっていつもシンジシンジって甘やかしてるじゃない。私はただ……電力を復旧させて研究所を救ってくれた息子に精一杯の愛情表現をしているだけよ。ねっ、シ~ンジ♡」

 

 ユイはそう言ってシンジの頭を撫でると、彼も照れ臭そうにしながら呟く。

 

「もう、母さんってば……恥ずかしいよ……」

 

 どうやらシンジもユイの過剰気味なスキンシップに満更でもないらしく、ゲンドウは少しばかり息子に対して嫉妬心を覚えた。

 

 しかし妻というのは自分の子供が産まれたら夫よりも子供を優先するものだ……ゲンドウはそう自分に言い聞かせて心を落ち着けようとする。

 

 ……だが、そんなゲンドウの心中など知る由もないユイは更なる大胆行動に出る。彼女は推定Eカップのその大きな胸でシンジの頭を挟み込み、黄色いセーターを着た谷間に彼の顔を埋め込ませた。

 

「うぷ……っ! ちょっと、母さん……何をして……っ!?」

 

「いいから、シンジ……もう少しだけじっとしてなさい。あなたはさっきまでいっぱい頑張ってたんだから……ねっ♡」

 

 ユイはそのままシンジの頭をぎゅっと抱き締めると、汗で濡れた自身の胸元に彼の顔を押し付ける。

 

 セーター越しにぷっくりと膨らんだ突起はシンジの口元に押し当てられ、そのせいでシンジは否応なしにユイの汗が染み込む乳房の匂いを嗅ぐ羽目になってしまった。

 

 今のシンジは母親に授乳されている様な恥ずかしい体勢で、汗だくの胸元から漂う濃厚な女の香りを嗅がされ、その恥ずかしさにシンジは顔を赤くする。

 

「か、母さんのおっぱいが僕の顔に……うわっぷ!?」

 

 ユイはシンジを逃がさない様に両腕を彼の背中と頭に回しており、更にはその巨大な胸でむぎゅっと強くシンジの顔を圧迫してきた。

 

 そのおかげでシンジはユイの大きな胸が作る深い谷底に完全に飲み込まれ、目の前に浮き出る二つの可愛らしい突起物を歯で甘噛みする。

 

 そんな息子の様子を見ていたユイは妖艶に微笑むと、まるで赤子に乳を与える聖母の様に優しく語り掛ける。

 

 しかしその声色はどこか色っぽく、艶めかしい雰囲気があった。彼女はシンジの耳元に口を近付けると、ゲンドウや周りの職員達には聞こえないほどの小さな声量で囁いた。

 

「あぁん、ご主人様♡ あなたの頑張りに免じて、今夜は母さんもハーレムハウスに帰ってたっぷり可愛がってあげるわね♡」

 

「……っ!」

 

 ユイの擽ったい熱い吐息と、甘く蕩ける様な言葉にシンジは思わずビクッと身体を震わせる。それはまるで悪魔の誘惑の如く……甘く、淫靡な響きでシンジの脳髄を刺激する。

 

 それはシンジの理性を瞬く間に崩壊させ、快楽の虜にしてしまう魔性の言葉だった。

 

 シンジはユイの豊満な胸に埋もれながら我慢出来ないとばかりに舌を伸ばし、その突起物を汗に濡れたセーターの上から口に含む。

 

 そして赤ん坊が母親のおっぱいミルクを飲む様にちゅうっと吸い出すと、ユイは息子の頭を撫でながら満足そうに微笑む。

 

「んっ……シンジったら、本当に甘えん坊さんなんだから……ぁんっ♡」

 

 じゅわぁ……っとセーター越しに滲み出た甘い母乳汁がシンジの喉を通り抜け、渇いていた身体に潤いを与えてくれる。

 

 もっと欲しい……シンジは夢中でユイの胸にしゃぶりつき、何度も突起を吸ったり噛んだりして母親の味を楽しんだ。

 

 そんな息子の姿にユイは興奮したのか、シンジの背中を指先でつぅーっとなぞる。たったそれだけの事でシンジはゾクゾクと背筋を震え上がらせ、より一層ユイの胸に夢中になってしまう。

 

「むぅ……それなら私だってシンジと同じくらい頑張ったんだが……」

 

 息子と妻が抱き合って仲良くしている様子を離れた場所から眺めているしかなかったゲンドウ。流石に自分にも構って欲しくなった様で、ゲンドウは羨ましそうに二人の近くに歩み寄ろうとする。

 

 すると隣に座っていたアスカが母親に抱き着くシンジの頭をポカっと優しく小突き、ゲンドウの接近を知らせる。それに気付いたシンジはハッと我に返ると、慌ててユイの胸から口を離す。

 

 ……危なかった。あのまま夢中になってユイの乳房を弄っていたら、ゲンドウや周りの職員達にバレてしまいそうになっていたかもしれない。

 

 シンジはこれ以上ユイのエッチなフェロモンを嗅いだらマズイと思い、名残惜しそうにしながらも何とか彼女の胸から顔を上げて離れた。

 

「まったく……あなたはまたそうやって張り合おうとして……冬月先生といい、もう少し自分の年齢を自覚したらどうなの? あんなに激しくペダル漕いじゃって──明日筋肉痛になっても仕事なんて休めないんですからね?」

 

「ぬ、ぬぅ……しかしだなユイ……」

 

 ユイに説教されてしょんぼりとするゲンドウだったが、そこでふと彼はある事に気付いた。先程までは周りに職員達が大勢いたが、いつの間にか自分達家族とアスカ、レイの二人を残していなくなっている。

 

 気になって辺りを見渡すと、どうやら他の職員達は全員汗だくになっていた為にさっさとシャワールームの方に移動してしまったらしい。

 

 ユイに上手い具合に誤魔化されたゲンドウは仕方ないと渋々納得して広々としたフロアから立ち去ろうとする。

 

 と、その時──

 

「ふふっ……あなただって頑張ってたわ。あんなにもみんなから尊敬されて──あなたのような立派な人と結婚できて、私は世界一の幸せ者よ♡」

 

「ぬおぉぅ……ユ、ユイぃ……っ」

 

 ユイの優しい微笑みに、ゲンドウは目頭が熱くなる。愛する妻からの最高の賛辞に彼は感極まり、思わず涙を零しそうになった。

 

「そ、そうだユイ……今日は久しぶりに家族揃って過ごさないか? たまには三人でゆっくり風呂に浸かって、その後はシンジの作る世界一の手料理を食べながら晩酌でもしようじゃないか」

 

 ゲンドウはユイにそう提案するが、ユイは何故か残念そうな表情で首を横に振る。

 

「嬉しいお誘いだけれども……ごめんなさい、ダメよ。だってあなた、今日は停電騒ぎの後始末が残ってるでしょう? あなたは所長として最後まで責任を持ってやらなくちゃ」

 

「し、しかしだなユイ……こんな時くらいは──」

 

「ねぇ、シンジ……あなたはどう思う? 私だって久々に家族三人でゆっくり過ごすのも良いと思うけど……」

 

 ユイはゲンドウの言葉を遮ると、今度はシンジに話し掛けてきた。突然話を振られたシンジは少し戸惑ったが、すぐにその意図を察して慎重に答える。

 

「えっと……うん。僕も母さんの言う通りだと思うかな。そりゃあ……父さんや母さんと一緒に過ごしたいとは思うけど……やっぱり仕事は頑張らなきゃ。みんなに頼られる父さんなんだからさ」

 

「っ! シンジ……お前というヤツは……ぬおおおぅ、う、嬉し過ぎるぅ!」

 

 息子の優しい言葉に、ゲンドウは感動のあまり涙を流して男泣きする。その様子を眺めるユイはくすっと意味深に笑い、ゲンドウに気付かれない様にしてシンジの手をこっそり握り締める。

 

 シンジは突然の事に少し驚いたが、すぐにユイの温もりを手の平に感じて笑みを浮かべ、彼女もぎゅっとシンジの手を握り返した。

 

「そうね……家族水入らずで過ごすのはまた後日にしましょう? ねっ、あなたはこの場にいる人達の為にお仕事いっぱい頑張らなきゃ……でしょう?」

 

「う、うむ……シンジとユイがそこまで言うのならば……二人とも、すまないが先に戻らせて貰うぞ。まだ仕事が山のように残っているからな」

 

 ユイの援護射撃のおかげでゲンドウはあっさりと折れると、その場から早足で意気揚々と去って行った。

 

 シンジとユイ、そして隣で空気を読んで黙っていたアスカとレイはゲンドウの後ろ姿を見送ると、全員でお互いに顔を合わせてくすっと笑う。そしてアスカとレイが見ている前でシンジとユイはどちらともなく抱き合うと、そのまま親子で熱いキスを交わし始めた。

 

「ねっ、母さん……やっぱり母さんとも一緒に暮らしたい。キョウコさんとも全然エッチできてないし……早く二人の母さんを僕だけのモノにしたいんだ」

 

「ぁ、んちゅっ……ちゅぷ……ぁん、もう……シンジったら……しょうがない子ね♡」

 

 シンジはユイの唇を貪ると、その柔らかな舌を絡め取って口内を犯す。ユイはそんなシンジの情熱的な口付けに目を一瞬でとろ~んと蕩けさせると、シンジの首に腕を回して更に深い繋がりを求めた。

 

「さっきの母さんのおっぱい……すごく柔らかかったよ。ずっとああして抱き締めていたいなぁ」

 

 シンジは言いつつユイの大きな胸をぎゅっと強く揉みしだきながら呟く。その手の動きに合わせる様にユイは身体をビクビクと痙攣させながら、甘い淫ら声を漏らす。

 

「あんっ、やぁん……シンジったらぁ♡ いいわよ……あなたが望むならいつでも母さんのおっぱいミルク、好きなだけ吸わせてあげちゃう♡ あっ、んん……はぁん♡」

 

「ありがとう、母さん。じゃあ、そろそろ“新しいお家”に帰って準備しよっか?」

 

 シンジはユイの胸から手を離すと、まだ体力的な消耗が激しいアスカとレイを引き連れ、母親の腰を抱いて歩き出す。

 

 ユイは息子の手に引かれるまま、まるで夢遊病患者の様に覚束ない足取りでその後をぴったりと付いて行く。

 

 そうして全員が去った後のフロアには誰もいなくなった。この日の停電騒動は結果的に多くのネルフ職員達の心を一つにして結束力を高め、そして絆を深め合う切っ掛けとなるだろう。

 

 

 

 

 

 そして……その日の夜。

 

「──ちょっとびっくりしたよ。シンジ君達もラミエル達も、まさかあんな方法で切り抜けるなんて。彼らは一筋縄じゃいかないと思うな」

 

 ネルフに密かな敵対心を募らせる秘密結社ゼーレに所属する赤木リツコの住む高級マンション──

 

 その一室で全裸になっていたリツコはベッドの上で同居人の渚カヲルからの報告を聞いていた。

 

 彼女は今まさに入浴を済ませたばかりで、濡れた金色の髪をバスタオルで拭いている最中だったのだが……ネルフ学園の学生服を着たカヲルはそんな彼女の無防備な裸体をベッド脇に立ってまじまじと眺めている。

 

 二人が居る寝室の窓は全てカーテンによって閉め切られており、部屋の様子は一切見えない状態だ。なので部屋の中を照らすのは天井の照明のみで、それが余計に二人を妖しく演出していた。

 

「そう……それで? あの娘に飲ませた媚薬の方は?」

 

「あぁ、もちろん問題なく効いてたよ。綾波レイはすっかり身も心もシンジ君の虜になっているよ。それに計画の障害になりそうなセカンドと碇ユイ博士も、全員揃ってシンジ君とエッチしててメロメロだったね……まぁ、おかげで誰にも邪魔されずに色々と研究所内を調べられたし、動き易かったかな」

 

 カヲルはそう言って不敵に微笑む。そう、実は今日……カヲルは戦闘訓練を終えたばかりのレイに媚薬入りのスポーツドリンクを飲ませ、彼女の身体の自由を奪っていたのだ。

 

 その上でトレーニングルームを抜け出したカヲルはスパイとして堂々と施設内の至る所に潜入し、そこで知り得た情報を全てリツコに伝えた。

 

 リツコが事前に用意しておいたハッキング用のコンピューターウイルスを使って人工進化研究所内に大規模な停電を引き起こし、その隙にカヲルはネルフの研究内容を洗い出そうとした。

 

 しかしカヲルの前に想定外だったラミエルが先回りして現れ、スパイ活動の妨害をされてしまう。

 

 ラミエル自体はカヲルが神器(エヴァ)を使って一方的に叩きのめしたものの、停電騒ぎのせいで研究所内に新しい使徒サキエルが侵入してしまっていた。

 

 サキエルは合流した雪風ミカサが倒していたものの、驚いた事にサキエルはラミエルと共に命乞いまでしてきたのである。

 

 そこで今後ゼーレにとって邪魔になりそうな二人の使徒を殲滅出来れば良かったのだが、ミカサが何を思ったのか二人を殲滅せずに助けた事でカヲルの予定はまたしても狂わされてしまう。

 

 しかしその後は自分を怪しむミカサを不意討ちで気絶させる事に成功し、だいぶ遅れはしたものの何とか予定通りに研究所内の情報を探る事が出来た。

 

 ゼーレにとって一番重要な碇シンジの育成計画については流石に停電中の時間が少な過ぎて調べられなかった。

 

 ……とは言え、それ以外に得られた収穫はそれなりにあったので、とりあえずは良しとする。

 

 特に息子と母親の関係であるはずのシンジとユイが既に禁断の肉体関係を持っている事を偶然知った時は、流石のカヲルも驚きを隠せなかった。

 

 だが、それもまた面白い……カヲルはそう思い、一人ほくそ笑んだ。

 

(シンジ君……君は本当に興味深い。彼の事を考えるだけで僕の胸はこんなにもドキドキする。あぁ、早く彼と会ってたくさん話をしたい……彼とキスして彼に抱かれたい……っ!)

 

 カヲルはシンジの事を考えながら、興奮気味に自分のズボン越しに大きく膨らんでテント張りになった股間を無意識に押さえ込む。

 

「ふぅん……それは結構な成果じゃない。お疲れ様、カヲル。でも……まさかアスカに続いてレイとユイ博士までシンジ君のモノに堕ちてるなんて……私の考えではもう少しユイ博士は常識ある人かと思ってたけど……ふふっ、人妻なのに随分イケないエッチがお好きなのね♡」

 

 リツコは今日一日のネルフ停電騒動で暗躍していた黒幕であったカヲルに労いの言葉を掛けつつも、その表情はどこか新しい玩具を目の前にした子供の様に楽しげだ。

 

「……次はどんな手を打つんだい?」

 

「それは……上が決める事だわ」

 

 カヲルの問い掛けに対し、リツコは素っ気なく答える。どうやら彼女にはまだ何か企んでいる事があるらしい。

 

「ふふ……この任務、俄然興味が湧いてきたよ。少し本気になってみようかな……」

 

 カヲルは静かに呟くと、ベッドに寝転ぶ全裸のリツコに手招きされて彼女の傍に寄る。するとリツコはにやりと笑ってカヲルの耳元で妖しく囁いた。

 

「ねぇ……少し私の計画に協力してみない? 上手くいけばシンジ君をあなたのモノにできるかもしれないわよ」

 

「へぇ……悪くない話だ。僕は何をすればいい?」

 

 カヲルは一瞬驚いた様な顔をしたが、すぐに笑みを浮かべるとリツコの話に乗っかり、協力する事を承諾する。その答えに満足したリツコは嬉々として次なる計画内容をカヲルに告げるのだった。

 

 ……そう、全ては碇シンジを我が物にする為に……

 

 




【次回予告】

人工進化研究所の停電騒動から一夜明けた朝。

シンジはミサトの自宅マンションで新たに同居する事になった二人の母親を迎え入れる。

そこにアスカとレイも加わり、シンジのハーレムな日常はベッドから始まった。

次回、『母二人、合流 ★(アスカ、レイ、ユイ、キョウコ)』



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母二人、合流 ★(アスカ、レイ、ユイ、キョウコ)

 

 ゼーレから送り込まれた使者、渚カヲルによる人工進化研究所の停電騒動から翌日。シンジは現在同居生活中のミサトの家に用意された自分の部屋のベッドで目を覚ます。

 

 ……昨日はあれから大変だった。

 

 ミサトとミカサはそれぞれ仕事があって帰って来れなかったものの、代わりにユイとキョウコの母親二人が正式にシェアハウス入りを認められた。

 

 アスカやレイを交えて四人を相手に夜遅くまで乱交していた為、途中で体力尽きたシンジはまだ寝不足だ。

 

「ん~……」

 

 眠い目を擦りながら起き上がると、ベッドの隣に全裸の巨乳美女が寝ている事に気付く。長い金髪に、白い肌、整った顔立ち、そして豊満な胸……

 

 昨日からシェアハウスで生活する事になったアスカの母親、惣流・キョウコ・ツェッペリンが気持ち良さそうに眠っている。

 

 ちなみに彼女は昨晩、久しぶりのシンジとの乱交が終わった後、そのまま気絶する様に眠りについてしまったのだが……

 

(はぁ~……キョウコさんがベッドに潜り込んで来てるなんて……)

 

 無防備な姿で眠る彼女を見てシンジは苦笑する。そしてそっと彼女の頬に触れようとした時、つい視線が彼女の豊満な胸の谷間に吸い寄せられてしまって……

 

(おっぱいってすごいな……)

 

 突然そんな事を考えてしまった自分に気が付き、シンジは慌てて首を横に振る。

 

(ダ、ダメだって! 朝っぱらから何考えてんだ僕は!?)

 

 シンジはまだ性欲収まらない自分を戒めつつ、しかしチラリとキョウコの丸見えになった胸元を見てしまう。

 

(すっごいなぁ……アスカのより大きいんじゃないか?)

 

 そんな事を考えているうちに、自然と手が伸びてその大きな乳房に触れる。柔らかくも弾力のある感触と共に、シンジの手の中に収まりきれない程のボリュームを感じ取る事が出来た。

 

(うわぁ……やっぱり大きいなぁ……)

 

 その時、アスカそっくりなキョウコの青い目がパチリと開いた。まだ半分寝惚け眼ではあるが、どうやら現状を理解したようだ。

 

 狭いベッドで横になったまま軽く室内を見回し、それから彼女はニヤッとした表情を浮かべると、ゆっくりとした動作で同じく全裸のままベッドに寝ていたシンジを抱き締める。

 

「ぁ、んっ……おはよう、ご主人様♡」

 

「あ、はい、おはようございます。ってかキョウコさん、なんで自分の布団で寝てないんですか?」

 

 抱き着かれた事で更に柔らかさと大きさを実感出来る様になったキョウコの大きな胸に埋もれる様にして挨拶をするシンジ。

 

「えぇ~? それはもちろん、私がシンジ君のママだからよ♡」

 

「ママって……まぁ、たしかにある意味そうですけど……」

 

「ふふ、それに昨日のアレはちょっと激しかったじゃない? お腹の中がまだキュンキュンしちゃって……それでね、私また我慢できなくって……♡」

 

 言いながらキョウコは自分の股間へと指を伸ばしていく。するとそこには既にぐっしょりと濡れている綺麗な割れ目があり、そこからは大量の愛液やシンジが沢山中出しした白濁液が流れ出していて……

 

 それを目にしたシンジは生唾を飲み込む。久しぶりだったという事もあって昨日あれだけヤったというのに、目の前の美しい女体を見ると再び情欲が湧き上がってしまう。

 

「まったく……母さんと同じで堪え性がないんだから……」

 

「あら? そういうシンジ君だってもうこんなになってるくせに♡」

 

 シンジの下半身を見たキョウコがくすっと意地悪く笑い、彼の肉棒に手を伸ばす。それは朝勃ちしているのか、既にギンギンに硬くなっていた。

 

「お・ち・ん・ぽ♡ あぁん、すっごく元気ねぇ♡ 昨日の夜四人を相手にあんなにしたばかりなのに……この絶倫め♡」

 

 楽しそうな口調で言うキョウコ。シンジの真っ赤になった亀頭の先端からは透明な先走り汁が出ており、それが彼女の細い手を濡らす。

 

 キョウコはそのヌルついた手でシンジのモノを優しく掴むと慣れた様子で上下に扱き始めた。昨晩散々射精した後だというのに、まだまだ精力が有り余っているシンジのソレはすぐに射精寸前にまで昂ってしまう。

 

「ほぉ~ら、まだ射精しちゃだ~め♡ がんばれ、がんばれ♡」

 

 わざとらしくそんな事を言って、キョウコは片手でシンジのモノを扱いたまま、もう片方の手で自身の胸を寄せ上げ、谷間にシンジの顔を挟み込んだ。

 

 柔らかく、温かい巨乳の谷間に包まれる感覚に、シンジの股間が堪らず震える。そのままキョウコがゆっくり胸を動かし始めると、まるで極上のオナホを使っているかの様な快感がシンジを襲った。

 

 ミルクの香りが漂う柔らかい乳圧に顔を包み込まれながら、同時に肉竿全体を揉み解される様なもう一つの優しい快楽が押し寄せてくる。

 

「ん……んぅ……♡」

 

「あっ……う、ぁ……!」

 

 シンジは思わず声を上げてしまう。その反応に気を良くしたキョウコはそのまま片手を使ってシンジのモノを刺激し続けていく。

 

「どーお? 気持ちいい? キョウコママの手コキとおっぱいサンドは♡」

 

「は、はい……すごく……キョウコさんの胸、柔らかくて……温かくて……それにちんこも気持ち良くって……」

 

 シンジはキョウコの言葉に素直な感想を口にする。実際キョウコの胸は凄かった。柔らかくも弾力があって、そして何より、温かい。

 

 顔全体が谷間に覆われて呼吸する事も難しいのだが、その分キョウコの甘い匂いと柔らかさが直接伝わってきて……

 

 そんな風に感じ入っているシンジを見てキョウコは満足げな笑みを浮かべる。そのまま彼女はシンジの耳元へ口を寄せると、甘く囁いた。

 

「じゃあ、このままイッちゃおっか? 今日も学校休みだし、いっぱい出して良いからね♡ 私の可愛いご主人様ぁ……♡」

 

 そう言うとキョウコは更に激しく片手を動かす。シンジのモノがキョウコによって擦られ、刺激されていき、先端から溢れ出た粘液でキョウコの手がどんどん汚れていく。

 

「ん、んぁ……! あ、キョウコさん、僕……もう……くっ!」

 

「だ~めっ♡ まだビュクビュクは我慢よ♡」

 

「うぁっ……! でも、それ……ダメです……っ! キョウコさん、出ます……朝から精液出ちゃいます……っ!」

 

 シンジが苦しそうに訴えるが、キョウコはニヤニヤしながら手の動きを止めない。それどころか彼女は片手で強くシンジの肉棒を掴み、射精させないと言わんばかりの強さで締め付ける。

 

 キョウコの手の中で脈打つシンジの肉棒を握り締める力が強くなると同時に、シンジは全身が熱くなるのを感じた。それは射精欲が高まっている事を示す兆候であり……だが、キョウコは更に力を込めてシンジの肉棒を締め上げる。

 

 ……シンジは限界だった。キョウコの手によって射精させられそうになるだけでなく、あと僅かのところで寸止めされるという拷問じみた行為がシンジを苦しめる。

 

「あぁん、ダメよぉ……シンジ君は今、ママのおっぱいに甘えてるんだから……おしっこする時間じゃないわよね? ほぉら、ママのおっぱいでちゅよぉ~♡」

 

「う、ぁ……そ、そんな……キョウコさん、許して下さい……! も、もう出る……ほんとに出ちゃう……っ!」

 

 キョウコの谷間に顔を埋められ、息苦しい程に圧迫されているシンジは、それでも必死にキョウコに懇願するが、彼女は相変わらずアスカそっくりな笑顔を浮かべながら首を横に振る。

 

「ダ~メ♡ だって、そう言いながらまだ全然我慢できてるじゃない。もう少しだけ……ねっ?」

 

 キョウコはそう言いながら更にシンジの肉棒を強く握ると、今度は自分の乳房でシンジの頬を左右からビンタする様に打ち付け、ぶるんと激しく上下に動かし始める。

 

 途端にシンジの腰が跳ね上がり、口の端から唾液が垂れていく。しかしキョウコの責めはまだ終わらない。

 

「ふふっ、ほら、おっぱいでもっと気持ち良くなっていいのよ? ママがたっぷり可愛がってあげるから……♡」

 

「う、ぁぁ……っ! あぁぁっ……!」

 

 柔らかいキョウコの乳房による愛撫。その心地良さに抗う事は出来ず、シンジは情けない喘ぎ声を上げる。すると今度はシンジの口元にぷくっと膨らんだピンク色の突起物が押し付けられた。

 

 見ればキョウコが自分の胸の先端、乳首を差し出しているではないか。シンジは迷わずキョウコの乳首に吸い付き、赤ん坊の様にチュウチュウと音を立てながら夢中でしゃぶりつく。

 

「あぁんっ♡ シンジ君ったら赤ちゃんみたいに可愛い……♡ どう? ママのおっぱい美味しい?」

 

「ん、んっ……んっ……!」

 

 シンジはキョウコの言葉に答えずひたすら彼女の乳首を舐め回す。するとキョウコの表情は蕩けていき、身体はビクビクと痙攣を始めた。

 

 それと同時にシンジを締め付けるキョウコの手の力が更に強くなっていく。シンジは堪らずキョウコの乳首に歯を立ててしまい、痛みに彼女が一瞬だけ眉を潜めたが、すぐに彼女は微笑んでシンジの頭を優しく撫でた。

 

 キョウコの乳首に舌を這わせながら、シンジは彼女の手淫に身を委ねる。

 

「んっ、あぁっ……ん、それいぃ……シンジ君、上手よ……♡」

 

「はぁ……はぁ……キョウコさん……キョウコさん……っ!」

 

 シンジは無意識のうちに彼女の名を呼び、更に彼女の胸への奉仕を続ける。豊満な乳袋から無限に溢れ出す母性の味がシンジの心を溶かす。

 

 キョウコの手が、指が、胸が、声が……それら全てがシンジの性欲を満たし、極上の快楽へと導いてくれる。シンジはもう我慢できなかった。キョウコの胸を味わいながら、彼女の手によってイかされてしまう……

 

 そう思った瞬間、キョウコはシンジの膨らみ始めた肉棒をきゅぅ~っと今まで以上にキツく締め付け、素早く上下に擦り上げた。

 

「あっ、くぁぁぁ……ッ!」

 

 堪らずシンジが悲鳴を上げ、身体を大きく仰け反らせる。そして次の瞬間にはキョウコの手の中に朝一番の新鮮な白濁液が大量に吐き出された。

 

「あらあら、シンジ君の精液……こんなに沢山♡ 昨日あんなにしたのに、相変わらずすごい量……んふっ♡」

 

 キョウコはそう言いながら手にべっとりと付いたシンジの濃厚精子をペロリと舐め取る。

 

「はぁ……はぁ……キョウコさん……」

 

 キョウコの胸の谷間から解放され、ようやく大きく深呼吸出来る様になったシンジは荒い息を吐きつつ彼女の名前を呟く。

 

 その顔はすっかり紅潮し、目はとろ~んと潤んでいた。顔だけ見れば女の子と間違えてもおかしくはないだろう。しかしその股間では未だに彼の剛直が大きく勃起したままだ。そんなシンジを見てキョウコは再び妖艶な笑みを浮かべる。

 

 そして彼女はゆっくりと起き上がるとベッドの上で四つん這いになり、シンジに向けてお尻を高く突き上げながら囁く。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ねぇ、シンジ君……また、ママの中に入りたい? 昨日みたいに、後ろから思いっきりパンパン突いて、赤ちゃんおしっこびゅるるぅって中出ししたい? 私ならいつでもOKだから……ほら、見て♡」

 

 そう言って後ろ向きになったキョウコは両手で自身の割れ目を左右にくぱぁと広げてみせた。そこからは大量の愛液が溢れ出ており、膣内からはドロっとした白い液体が漏れ出ている。

 

 その淫靡な光景だけでシンジの肉棒は痛いほどに張り詰め、先程出したばかりのはずなのに、既に次の射精準備を始めている。キョウコはシンジの視線をお尻で感じてゾクゾクとした快感を覚え、小さく身を震わせると、再び彼に語り掛けた。

 

「シンジ君は、どうして欲しいのかなぁ? ちゃんと言ってくれないと、ママわからな~い♡」

 

 その言葉はまるで悪魔の誘惑。金髪巨乳美女の甘美な誘いにシンジは逆らう事が出来なかった。シンジに背を向けたまま、楽しそうにお尻をフリフリ揺らすキョウコ。

 

「ぼ、僕は……」

 

 ……言い掛けたその時だった。シンジの部屋の扉が荒々しく開かれたかと思えば、三人の可愛らしい美少女が生まれたままの姿で部屋に入って来たのだ。

 

 突然の出来事に呆気に取られるシンジだったが、キョウコは嬉々として振り返ると入ってきた三人に向かって言う。

 

「あら~、みんな起きてきちゃったのね。うふふ♡」

 

「ママ……朝っぱらから何ヤってんのよ?」

 

 アスカが溜息交じりに呟くと、キョウコは悪戯っぽく笑ってみせた。

 

「え~、だってシンジ君がエッチし足りないって言うものだからぁ……ねっ、シンジ君♡」

 

「あ、あの……それは……!」

 

 慌てふためくシンジだが、キョウコの言葉を否定する事は出来ない。事実、シンジは先程のキョウコとの性行為が気持ち良すぎて、まだまだ物足りなかったのだから……

 

 すると今度はレイとユイもそれぞれシンジに声を掛けてきた。アスカと同じく、二人ともやはり全裸のままだ。

 

「碇くん……ずるい……」

 

「シンジったら本当にもぅ……母さん寂しいわ。せっかく愛するご主人様がハーレムと一緒に暮らせるように色々手配してあげたのに……」

 

 そう言ってわざとらしく肩を落とすユイ……だが、シンジは生憎それに構う余裕はなかった。何故ならば、ずっと目の前で揺れるキョウコの大きな桃尻がシンジの理性を刺激してくるからだ。

 

 ぷりん、と形の整ったキョウコの大きくてむちむちと膨らんだエッチなお尻。その中央にある女性器はピンク色のヒダが何度も開閉を繰り返し、奥から止め処なく愛液が流れ出てくる。

 

「うぅっ……ごめん、母さん……! キョウコさん……やっぱり僕……っ!」

 

「ふふっ、シンジ君の極太おちんぽ、また元気になってきちゃった♡ 良いよぉ……ほぉら、おいでぇ♡ 私の可愛いご主人様あぁん♡」

 

 キョウコはユイや娘達が見ている前で誘う様にお尻を振ってみせる。その淫猥な姿にシンジの興奮度合いは増していき、彼はとうとう我慢できずにキョウコの腰を掴むとそのまま一気に彼女の膣穴に熱く滾ったギンギンの肉棒を突き入れた。

 

「あぁんっ♡ きたぁっ……シンジ君のご主人様ちんぽ、来てくれたぁっ♡ ふふっ、シンジ君ってばママのおっぱい吸ってる時からもうビンビンに勃起させてたもんねぇ♡」

 

「うぁぁっ……キョウコさんの中……すごく気持ちいいです……っ!」

 

「あんっ♡ いいよぉ……もっとママのおまんこパンパン突いちゃっていいんだよ? はぁん、あぅん……♡ おっぱいもいいけど、ママのおまんこでも気持ち良くなっていいからね? ほぉらシンジ君、赤ちゃん部屋でちゅっちゅ~っと♡」

 

 キョウコはそう言いながら自分の下腹部に手を当て、シンジの子種を注いでくれる子宮の場所を指先でつぅ……っとなぞってアピールする。

 

 その仕草を見たシンジは更に興奮してしまい、彼女の柔らかいお尻を掴んで激しくピストン運動を開始した。

 

 ぱんっ! ぱぁんっ!と肌同士がぶつかり合う音が早朝の部屋に響き渡る。それと同時にキョウコの口から甘い喘ぎ声が上がった。

 

「あぁぁんっ♡ すごぉいっ……シンジ君のちんぽしゅごひぃ……♡ こんな気持ち良くあんあん言えちゃう男の人なんて、はじめてぇ……♡ あんっ、あぁ……そこっ、すごいぃ……♡」

 

 彼女の大きな胸が激しく上下に弾み、乳首がぶるんと泣き震える。しかしそれでもキョウコは笑顔を絶やす事はなく、むしろ悦んでいるかの様に見える。

 

 するとキョウコの破廉恥極まりない姿を見て、アスカが不機嫌そうな表情でシンジのいるベッドの上に詰め寄ってきた。

 

 アスカは後背位の体勢でセックスするシンジに後ろから覆い被さる様な体勢になると、いきなり両手でシンジの乳首を摘まんできた。

 

 そして人差し指と親指でコリコリと乳首の先端を弄り始める。同時にシンジの耳元に顔を近付け、甘える声で囁いた。その声は母キョウコの声に負けず劣らずの甘く蕩ける雌丸出しの淫ら声だった。

 

「ねぇシンジぃ……あたしにも、ママと同じこと、しなさいよ……♡」

 

「んぁぁっ……ぁ、アスカ……!? くぅぅ……っ!」

 

 シンジは背後から襲い掛かる強烈な刺激に身を捩らせながら、思わずキョウコから腰を引いて肉棒を引き抜いてしまう。

 

「あんっ♡ もぅ、アスカちゃんったら……おちんぽ抜けちゃったぁ~」

 

 キョウコは少し残念そうにしながらも微笑みを浮かべてお尻を振る。すると今度はユイが頬を可愛らしくぷくぅっと膨らませて狭いベッドに乗り込み、横からシンジに詰め寄って問い質す。

 

「ねぇシンジ……お願い、母さんにもキョウコさんと同じことをして欲しいの。私とシンジの仲でしょ?」

 

「そ、それは……うぁぁっ……!」

 

 シンジはユイの柔らかな胸を背中に押し付けられながら、その豊満な裸体を擦り付けられ、思わず情けない悲鳴を上げてしまう。

 

「ちょっとおばさま、シンジから離れてくださいよ。シンジは今からあたしとエッチするんだから」

 

「あら、独り占めは良くないわ。こういうのはハーレム平等なの。ねぇシンジ? シンジは母さんやアスカちゃん達と一緒にラブラブエッチしたいわよね?」

 

 胸をわざと押し当ててくるユイに真横から抱き着かれ、背後からはアスカに両手で両方の乳首をくりゅっくりと捏ね繰り回されるシンジ。

 

 そんな状態でキョウコは四つん這いになりながらお尻を振りつつ、シンジの方へ躙り寄る。

 

 四面楚歌の状況にシンジは成すがままにされ、三人の巨乳美女から与えられる極上の快楽にただひたすら身悶えする事しか出来なかった。

 

「ぁ……あの、私……っ」

 

 そんな状況下で、今まで黙っていたレイがようやく口を開く。彼女はシンジのベッドに歩み寄ると、立ったまま彼を見つめてきた。

 

 その顔は恥ずかしさと申し訳なさが入り混じった複雑なものだった。しかし身体は正直なのか、レイの股間からは大量の愛液がぽたっ、ぽたっと垂れ落ちており、太腿にはそれが伝って水跡が出来ている。

 

 レイの恥ずかしい姿を見てシンジは下半身に血流が集まっていくのを感じた。するとレイは小さく息を吐いてからゆっくりと唇を開いた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「碇くん……私も、おばさまや惣流さんと一緒にエッチしたい……♡ 碇くんと、朝からおまんこで繋がりたいの……♡ えっと……だめ……?」

 

 もじもじするレイの言葉を聞いた瞬間、シンジは全身の血が沸き立つ様な感覚を覚えた。目の前にいる美少女……それもあまりエッチな事は好きじゃ無さそうなタイプの女の子が、自分を誘惑してきたのだ。

 

 ……それも朝早くから全裸の状態で。その事実だけで、シンジの興奮度合いは限界を超え、一気に射精欲が高まっていく。

 

 しかし先程キョウコの膣穴から抜けてしまったシンジの肉棒は未だ萎えておらず、次はどの穴に挿入しようかと言わんばかりに熱り立っていた。

 

 それを見てキョウコとアスカはニヤリと笑い、ユイとレイは期待に満ちたとろ~んとした眼差しを向ける。

 

「ふふっ……シンジったら、昨日の乱交じゃまだ満足してなかったみたいね。いいわ、今日は一日中母さん達の相手をしてもらう事になるけど……それでも良いかしら?」

 

「うん……僕、みんなと一緒に気持ちよくなりたい!」

 

「やったぁ♡」

 

「碇くん……♡」

 

「ふふっ……嬉しいわ♡」

 

 キョウコ達はそれぞれ歓喜の声を上げると、そのまま一斉にベッドの上に居座るシンジを取り囲んだ。そして各々が自分の乳房や秘所を見せ付ける様にしてシンジに迫ってくる。

 

「ほら、シンジ……早くしなさいよ。このあたしがわざわざ恥ずかしい場所見せてあげてるんだからね? ありがたく思いなさいよ、このスケベ♡」

 

 アスカはツンツン気味に言ってシンジの顔の前に自慢のGカップおっぱいを突き出す。彼女の言う通り、そのぷるんと丸みを帯びた果実の様な生乳はとても美しく、また、シンジを誘っているかの様に揺れていた。

 

 その隣では赤面したレイがもじもじと控えめにお尻を揺らしながらシンジを誘う。

 

「碇くん、私のここ……もう準備できてるから。いつでも挿入れて大丈夫だから……ねっ♡」

 

 そう言ってレイは指先で自分の花弁をくぱぁっと開いてみせる。もう既に数え切れない回数性行為に及んでいるというのに、いつまでも綺麗なピンク色に染まった彼女の膣穴はぬるぬると光っており、まるで別の生き物の様に入口がヒクついて涎を垂らしていた。

 

「ふふっ……シンジ君ほんと幸せ者よねぇ♡ こんな可愛い子達にこんなに愛されて……もうママ嬉しくて……あぁん♡」

 

 キョウコは言いながらシンジの手を掴んで自分の下腹部に当てさせる。するとシンジの手の平に彼女の子宮の鼓動が伝わってきた。

 

「シンジ君、ママのおまんこ……どう? お腹の上から触ってるだけでも気持ちいいでしょ? ママの雌豚まんこはシンジ君のご主人様ちんぽが大好きで仕方がないの♡」

 

 キョウコはシンジの手に自分の手を重ねながら子宮の辺りを撫でさせ、子宮を犯す感触を教え込む。そして最後に母親のユイ……彼女もまたシンジのすぐそばまで迫り、シンジを見上げながら優しく微笑むとこう言った。

 

「さぁ、シンジ……お母さんの赤ちゃん部屋にもう一度“ただいま”しちゃいましょうね?」

 

 ……もう我慢の限界だった。シンジの理性は今の母親の言葉で完全にプツンと切れてしまい、彼は勢い良くユイをベッドに押し倒して正常位の体勢になると、そのまま一気に腰を沈めてユイの膣奥にまで肉棒を差し込んだ。

 

 ずぶぅっ!と音を立てて根元近くまで入り込んでくる息子の極太ペニス──それをユイは笑顔のまま受け入れ、悦びの声を漏らす。

 

 それと同時にユイは両足をシンジの腰に絡め、絶対に離さないと言わんばかりにだいしゅきホールドしてくる。ユイの膣壁はシンジの肉棒をぎゅうぎゅうと締め付け、精液を一滴残らず搾り取ろうと激しく畝る。

 

 その動きにシンジは一瞬で絶頂に達しそうになったが、歯を食い縛って耐える。すると押し倒されたユイと入れ替わる形で退いたキョウコがシンジの耳元に口を近付けて甘い声で囁いた。

 

「ねぇシンジ君、ユイさんのおまんこはどんな感じぃ? うふふ♡ このお母さんねぇ、シンジ君のおちんぽミルク欲しいよぉ♡って、赤ちゃん作るエッチな穴を降ろしてきてるの♡ んっ……わかる? ユイさんのここ、ちゅっ、ちゅっ♡ってシンジ君の亀頭に何度もキスしてきてるの♡」

 

「んぁっ……母さん、くぅぅっ……!」

 

 キョウコは耳元で囁きながら、シンジの両手を取ってユイの下腹部へと導く。そこには確かにシンジの肉棒が深々と突き刺さって挿入されており、彼の指先がユイの子宮に直接触れているのが分かった。

 

 その感触にシンジは堪らず顔を歪め、同時にユイの膣内の締まり具合がより一層強くなる。

 

「あっ……あんっ、だめぇ……♡ シンジぃ……そんなに強く子宮口パンパンされたら、母さんおかしくなっちゃうぅぅっ♡」

 

 ユイは普段の表情からは想像できないほど蕩けたアヘ顔で喘ぐと、その豊満な肉体を仰け反らせ、シンジの肉茎を強く締め上げた。

 

「うわっ……ぁ、くっ……!」

 

 その刺激にシンジは思わず声を上げてしまう。すると今度はアスカとレイがそれぞれ左右からシンジに抱き着き、その柔らかい胸を押し付けてきた。

 

「ねぇシンジぃ、あたしも早くおまんこぉ♡」

 

「碇くん……私も入れて欲しい……♡」

 

 アスカとレイはそれぞれ甘える様な口調でおねだりをしてきた。そんな二人に対してシンジは何も答えずにユイの膣内で肉棒を激しくピストン運動させる。

 

「ほら、二人とも。種付けの順番くるまでキスでもして待ってなよ。大丈夫、母さんのまんこは堪え性ないからすぐ潮噴いてイッちゃうからさ」

 

 シンジが二人の肩を抱き寄せて頭を撫でながら言うと、彼女達は嬉しそうに首を縦に振った。

 

「うん、わかったぁ♡ シンジの……ご主人様の言う通りにするからぁ……♡ だから早くおばさまにビュクビュク赤ちゃん汁を中出ししてあげなさいよ?」

 

「碇くん……私も、惣流さんと同じで構わないから。だから、いっぱいちゅうって……して♡」

 

 二人はそう言って目を閉じ、頬を赤らめた可愛らしいキス待ち顔でピンク色の唇をぷるんと突き出してきた。

 

「……ああ、おいで」

 

 シンジはその綺麗な唇に交互に口付けをしてから順番に舌を絡ませる。するとすぐに二人の美少女はシンジの身体にしがみつき、自らも積極的にシンジを求めてきた。

 

「はぁ……♡ んちゅ……れろ、シンジのベロチュー美味しい……♡」

 

「碇くん……私ももっとキスぅ……♡」

 

 アスカとレイはそれぞれ互いの唾液を交換し合い、貪る様にシンジとディープキスを交わす。アスカとキスすればレイが、レイとキスすればアスカが──といった様に三人は互いに相手の邪魔をする事なく、まるで一つの生き物の様にシンジの身体に全裸のまま絡み付き、幸せな快楽を共有していた。

 

 その間にもシンジはユイの膣内を穿つ速度を徐々に加速させていく。ばちゅん、ばちんっと肉同士がぶつかり合う音が早朝の部屋中に響き渡る。

 

 その度にユイは艶やかな喘ぎ声を上げて膣壁を収縮させ、シンジの肉棒から出来立ての子種を絞り出そうとしてくる。

 

「んっ……あぁんっ、いいわぁ……♡ シンジの息子ちんぽ気持ちいい……♡ んっ、ふぅっ……やぁんっ♡」

 

 ユイはシンジの肉棒が膣奥をコツコツ突く度、ビクビクと震えて歓喜の声を漏らす。既に何回か軽い絶頂を迎えているせいか、彼女の膣内は大量の愛液に満たされていた。

 

 それはシンジが抽挿を繰り返す度に結合部から溢れ出し、白いベッドシーツに淫らな染みを作っていく。

 

 しかしユイの淫穴はそれだけでは満足出来ないのか、シンジの肉棒を離そうとせず、むしろもっともっとと言わんばかりにせがんで吸い付いてくる。

 

「うふふ♡ 次は私の番よ、シンジ君。ほ~ら、ママのおっぱいで溺れちゃえ♡」

 

 するとキョウコがベッドに寝転ぶユイの腹上に跨り、そのたぷんとしたGカップの巨乳でシンジを包み込んできた。

 

「んぶっ!? キ、キョウコさん……まったくもうっ!」

 

 シンジはいきなり真正面からキョウコの生乳を押し当てられ、少し苛立ったのか、ぷくっと膨れたピンク色の乳首を人差し指と親指できゅきゅっと両方一斉に摘まんだ。

 

「ひゃあんっ♡ あぁんもう、シンジ君ったら……お母さんと子作りしながらママのおっぱい虐めるなんて酷いじゃない。んっ、んふぅっ……♡」

 

 キョウコは驚きながらも嬉しそうな表情を浮かべ、シンジが自分の乳房を揉みやすい様に身体の位置を調整する。

 

 そうした事でキョウコの爆乳は更にシンジに押し付けられてしまう。だがそれでもシンジはキョウコの胸を離さず、逆に彼女の乳首を強めに引っ張ったり、二本の指先でくりゅくりゅと弄り始めた。

 

「あふっ……あぁん♡ シンジ君、私がそこ弱いの知ってるくせにぃ……♡ うぅ……あっ、ぁんっ♡」

 

 キョウコはすっかり蕩けた雌母の表情で甘い吐息を漏らす。

 

「元はと言えば……朝っぱらからベッドに忍び込むキョウコさんがいけないんですよ。キョウコさんがこんなにエロいドスケベな身体してるから……僕だって我慢できなくなるんです。おっぱい、お仕置きですからね!」

 

 シンジは言いながら両方の手でキョウコの左右の乳房を鷲掴むと、そのまま力任せにぎゅうぅぅっ!と握り潰した。そしてそのまま手の中で形を変える柔らかな乳房を指先に力を入れて強く揉みしだき始める。

 

「んぁっ……あぁんっ♡ そ、それダメぇ……♡ ちょっと痛いのに、乳首気持ち良くなっちゃうのぉっ! んっ、んひっ、んっ……んんんっ! んぎぃぃっ!」

 

 僅かな痛みと快感を同時に与えられ、キョウコは背筋を仰け反らせながら甲高い悲鳴を上げる。

 

 だがシンジは手を休めず、そのまま指先に力を込め続けた。するとキョウコの乳首がピンと勃起していき、それと同時に乳首の穴からとろぉ~っとした白い液体が滲み出て来た。

 

 ──キョウコの母乳だ。その瞬間、キョウコの表情が一気に蕩け、我慢出来ないとばかりに甘い声を漏らし始める。

 

「んぁっ……♡ ふぁんっ、やぁんっ♡ あっ、んっ……んんっ! ちくびぃ……ご主人様だけに飲ませるママの赤ちゃんミルクがピューッって出ちゃうのぉっ♡」

 

 シンジはキョウコの言葉を聞いてニヤリと笑うと、その白く柔らかい双丘の先端にある硬く尖らせた乳頭を口に含んでちゅぱちゅぱと音を立てて吸い上げる。

 

 その刺激にキョウコはビクンッと身体を大きく震わせて反応し、新鮮な母乳をぷぴゅ~っと大量に噴き出した。口の中に広がる濃厚な味にシンジは夢中になって母乳を飲み続け、同時にユイを犯す腰の動きも再開させる。

 

 ばちゅっ、どちゅっ、ばぢゅっ!

 

 そんな水気を含んだ肉同士のぶつかる音が響く度、ユイの腹上に跨がるキョウコは母乳を噴き出し、キョウコの下に寝かされたユイは実の息子に子宮口を犯されるという禁断の悦楽に酔い痴れる。

 

「んぁっ……あぁんっ、だめぇ……♡ シンジぃ、母さん……母さんもうイクっ♡ ぁ、ぁんっ、イッちゃうのぉぉぉぉっ!」

 

 ユイは絶叫にも似た喘ぎ声を上げ、ようやく今日一番の絶頂に達する。その強烈な締め付けにシンジも限界に達し、母親が待つ子宮口にぴったりと亀頭を密着させたまま真新しい生まれたばかりの精を解き放った。

 

 その射精量は凄まじく、瞬く間にユイの膣内を満たしていき、逆流して秘裂からぶぴゅっ、ぶりゅっと汚らしい下品な音を響かせて噴き出す。

 

 その感覚にユイは堪らずハートマークを浮かべる目を見開き、寝かされた状態で背中を弓なりに仰け反らせて全身を痙攣させる。

 

 ユイが絶頂に達したと同時にキョウコも胸から大量の母乳を吹き出して果て、その反動でキョウコの甘いミルクが宛らシャワーの様にシンジのベッドに降り注ぐ。

 

「んぁっ……あぁんっ、ママすごっ……♡ んっ、んんっ……♡」

 

「昨日初めて飲んだおばさまや惣流さんのおっぱいミルクも濃厚で甘かったけど……んっ、ごきゅっ……キョウコさんのもやっぱり美味しい……んっ♡」

 

 アスカとレイはキョウコの乳首から噴き出したミルクシャワーを口を開けて伸ばした舌で舐め取りながら呟く。一方で愛する息子に容赦なく全力全開の膣内射精をされ、快楽の余韻に浸っていたユイはというと……

 

「はぁ、はぁ……はぁ、はぁっ……シンジの赤ちゃん汁がいっぱい出てる……♡ んっ、はぁん……♡」

 

 ユイは未だ引き抜かれていないシンジの肉棒が肉ヒダと密着して脈動する度にその肉壷から愛液を噴き出し、身体をビクビクと震わせてだらしなく両手足を大の字に広げてしまう。

 

 そのアヘ顔はすっかり快楽に堕ちた発情淫母のモノとなっており、普段の真面目で仕事熱心な彼女からは想像できない程、酷く卑猥なものになっていた。

 

 そうして数分後、シンジは漸くユイの膣内で肉棒をぬぽぉっと引き抜いた。すると巨大な栓を失ったユイの膣口からはどろりと大量の白濁液が流れ落ち、シーツに大きな染みを作り出す。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「んっ……んふぅ……♡ はぁぁんっ……♡」

 

 絶頂の衝撃で完全に意識を失っているユイだったが、それでも時折身体をピクつかせる度に膣穴はパクパクと開閉を繰り返し、そこからとろぉ~っとした濃い子種が逆流して垂れ流す。

 

 その姿はあまりにも淫らで、シンジの興奮を誘うには十分すぎるものだった。シンジはそんな母親の姿に対し、もう一度肉棒が硬くなるのを感じる。

 

 するとシンジの身体に抱き着いたアスカとレイがそれに気付き、揃って笑みを浮かべた。

 

「碇くん、今度は私達と……ね?」

 

「うん、いいよ。三人で一緒に気持ち良くなろう」

 

「やった♡ じゃあ次はレイがシンジとおまんこする番ね」

 

 シンジが答えると、アスカは嬉しそうな笑顔を浮かべてシンジの身体にしがみつくと、彼の胸板に自分の豊満な胸をぷにゅっと押し当てた。

 

「んっ、わかった……碇くん、来て……♡」

 

「あぁ、うん……」

 

 シンジはベッドの上で向き直ると、その上にレイが乗る形で対面座位の姿勢になる。既にシンジの男根は次なる射精準備を済ませており、いつでも挿入出来る状態だ。

 

「待たせちゃったね。綾波、いくよ」

 

「んっ……きて、碇くん……♡」

 

 シンジはレイの腰を掴んで固定させると、そのままゆっくりと腰を沈めていく。

 

「んっ……ぁっ……ぁんっ……♡」

 

 レイは待ち侘びていたとばかりに熱い吐息を漏らすと、自ら腰を動かし、シンジの肉棒を迎え入れようとする。対するシンジは腰を動かして肉棒を一気に子宮口まで突き入れると、そのまま力強くピストン運動を開始する。

 

「んっ……あふっ……んっ、ふぅ……♡」

 

 レイは堪らずシンジの首に腕を回し、身体を密着させて激しく揺さ振られながらも懸命に腰を振る。そんな健気なレイの姿を見て、シンジは真正面から彼女の唇にキスをした。

 

 最初は軽く触れる程度の優しい接吻。しかしすぐに互いの舌を絡ませた激しいディープキスへと変わり、二人の結合部からはじゅっぷ、ぐちゅっといやらしい音が鳴り始める。

 

「んっ……んっ……ちゅっ……んっ……♡」

 

 二人は互いに強く抱き締め合いながら、貪る様に相手の唾液を味わい続ける。その間もシンジは休む事無くレイの膣奥を突き上げ、その度に彼女の膣内はきゅうっと締まってシンジの肉棒に絡み付く。

 

 そうしてシンジの肉棒が出入りを繰り返す度、先程の性行為で溢れ出た精液と愛液が混ざり合ったものが泡立ちながら零れ落ちてベッドのシーツを汚していく。

 

 そんな二人のラブラブな様子を、アスカは羨ましそうに見つめながら、シンジの耳元に顔を近付けて囁き掛ける。その声はどこか寂しげだ。

 

「ねぇシンジぃ、あたしの事も忘れないでよ? ほら、見てなさいよ……♡」

 

 アスカはそう言ってシンジの片方の腕を掴み取ると、自身の股間へと持っていく。そこには既にぐちゅぐちゅに濡れている秘裂があり、アスカはその上から自らの肉芽を摘まむと、ぐりゅっ、くりゅっ……と指先で擦って刺激を与え始めた。

 

 アスカはシンジの視線が釘付けになっているのを確認すると、妖艶に微笑んで指の動きを速める。

 

「あふっ、んっ、ふぅ、ふぁっ……あんっ♡ んっ、あっ、あっ……やぁんっ♡ どうシンジ、あたしのおまんこ弄ってみる?」

 

「う、うん……じゃあ」

 

 シンジは恐る恐る手を伸ばすと、アスカの綺麗な割れ目に指先を触れた。

 

「あっ、んっ……♡ そしたらこうやってクリトリスを……♡ んっ、ぁっ……んぁっ、んっ、気持ちぃ……あぁん♡」

 

 アスカはシンジの人差し指を陰核に押し付け、上下左右にくにゅっ、くにゅっ……と捏ねてもらう。

 

 その度にアスカは甘い喘ぎ声を漏らし、シンジの指先が出入りする度にぷしっ、ぷしゅっ、ぷしゃあ……っと気持ち良さそうに潮を小刻みに噴き出す。

 

 その様子を見たシンジは我慢出来なくなり、股間から手を離してアスカの乳房を片手で掴むと、思いっきり引き寄せてからしゃぶりつく。

 

「いやぁんっ♡ もう、シンジったらいきなり……♡ んっ、ぁっ……ぁんっ、んっ、あぁんっ♡」

 

 突然の事に驚いたアスカだったが、直ぐに受け入れて乳袋をぷるんと揺らしてシンジの愛撫に応え、同時に乳首の先端から母乳ミルクをぴゅ~っと噴き出して悦ぶ。

 

 その芳香な甘い匂いと味にシンジは夢中になって吸い付き、舌で乳首を転がす。

 

「んっ、ぁん……♡ シンジ、あたしのおっぱい美味しい?」

 

「うん! すごく甘くて美味しいよ」

 

「ふふっ、良かった……♡ じゃあもっと飲ませてあげる♡ 栄養豊富なアスカ様の直搾りミルクをたぁ~んと召し上がれ、ご主人様♡」

 

 アスカはそう言うと両手でおっぱいを寄せて谷間を作り、そこに唇を這わせるシンジの頭を優しく抱き締めながら母性たっぷりの表情でエッチな授乳を行う。

 

「んくっ、ごく、ごくっ、んっ、んっ……」

 

「ぁっ、んっ……♡ ぁんっ、んっ、んっ……♡」

 

 アスカの胸に唇を吸い寄せたままシンジは一心不乱に喉を鳴らし、その度にアスカは嬉しそうな声で応える。

 

 二人のラブラブな様子を見て、今まさに性行為中のレイはムッとした表情を浮かべると、負けじと自分の最も敏感な部分を押し付ける様にして腰を振り、その度に膣壁が収縮してシンジの肉棒をきゅんきゅんっと包み込む。

 

 その膣圧にシンジの肉棒は更に膨張して硬さを増していき、レイの膣内をパンパンに押し広げていく。

 

「んっ、ぁっ、ぁんっ♡ んんっ、碇くんのおちんぽ、すごっ……あぁん♡」

 

 レイは子宮口を突かれる快感に悶えながらも必死に腰を動かしてシンジの肉棒を根元まで飲み込み、最愛の人のモノを決して逃さないとばかりにミミズ千匹が蠢く様な肉ヒダでしっかりと捕まえる。

 

 そうしてレイは何度も受け入れ準備を済ませた子宮口で赤く膨れ上がる亀頭とキスを交わした。

 

 その度にレイの子宮口はちゅうぅっと吸盤の如く吸い付いてくる為、シンジの肉棒は堪らずレイの子宮口を突き抜けてずっぽりと子宮内に直接侵入してしまう。

 

 するとレイは一瞬身体をビクつかせると、そのまま身体を痙攣させ始める。レイの子宮には昨晩射精されたシンジの精子が未だにたぷんたぷんと大量に溜まっており、それが肉棒の侵入で掻き混ぜられて泡立っていく。

 

 そしてレイの一番弱い部分であるポルチオを容赦なく攻め立てられた事で、彼女は今まで以上の快楽を得てしまい、シンジの肉棒を食い千切らんばかりの凄まじい勢いでぎゅうっと強く締め付けた。

 

「んっ、ぐぁっ……!? あ、綾波……っ!?」

 

「ぁっ……んあっ、激しっ♡ 碇くん、しゅき……だいしゅきっ♡」

 

 レイはシンジに呼び掛けられるも、返事をする余裕が無いのか、それともただ単に気持ち良いだけなのか、その問い掛けには一切答えようとしない。

 

「あはっ♡ シンジったら、レイばっかり気持ち良くさせてズルイわ。あたしも気持ち良くなりたいのに……」

 

 アスカはレイが感じているのを見て羨ましくなったらしく、言いながら自分でクリトリスを摘まんで刺激し始める。

 

 そうしてシンジに片方の手で母乳噴き出す胸を揉まれながら自慰行為に耽るアスカと、シンジの肉棒を下の口で咥え込むレイの淫靡な姿に、シンジは興奮が抑えられなくなる。

 

 シンジはいよいよレイの腰を掴んで持ち上げると、そのまま激しく腰を打ち付ける様にして肉棒を連続で突き入れた。

 

 レイは対面座位の体勢のまま身体を上下に揺さ振られ、子宮内に肉棒が当たる感覚に酔い痴れる。

 

 結合部から漏れ出るぷしっ、ぷしゅっと愛液と精液の混ざった飛沫がシンジの太腿に降り掛かり、ベッドのシーツにさらなる染みを作っていく。

 

「んっ、あっ、あぁんっ♡ ぁんっ、んっ、んぁっ、ぁっ、碇くん、しゅごいぃ♡ おちんぽ、んぁぁっ♡」

 

「ぐっ……あ、綾波……僕も、そろそろ……!」

 

「ぁんっ、いいよ……きて、おまんこにいっぱい精液びゅーって出してぇ♡」

 

 シンジは限界が近い事をレイに伝えると、彼女もそれを察したのか、より一層腰の動きを早めて絶頂へと上り詰めようとする。

 

「あぁんっ♡ イク、またイッちゃうぅ♡ んっ、だめっ……おまんこエッチな潮吹きしちゃってる……っ♡ 碇くんと深いところで繋がって……もうずっとぷしっ、ぷしゅって気持ち良さそうに……んぁっ、だめぇっ♡ いやあぁんっ♡」

 

 レイは全身を震わせて悦ぶと、背中を仰け反らせながら膣奥をきゅうぅっと引き締め、それと同時に結合部から大量の愛蜜を宛ら放尿する勢いで溢れ出させる。

 

「あぁんっ♡ 碇くん、すごい……っ♡ やぁんっ♡ もう何度もイってるのに……んっ、ぁんっ♡ 私のおまんこ、気持ち良いの止まらないぃぃっ♡」

 

 膣内で肉棒が激しく脈打つ度、レイは何度も小刻みに達せさせられ、その度にぷしゅっ、ぷしゃあぁ……っと愛液を噴き出し続ける。

 

 シンジはいよいよ我慢出来なくなり、浮かんだレイの尻を両手でしっかり鷲掴むと、彼女の膣奥に肉棒を密着させたまま、子宮の中に直接大量射精を始めた。

 

 どびゅるっ! ぶぴゅっ! びゅるるぅっ!!

 

 シンジの肉棒から勢いよく発射された白濁のマグマはレイの子宮の中を目一杯に満たしていき、その度に頭が真っ白に染まったレイは身体をビクビクと跳ね上げながら小刻みに潮を噴き上げる。

 

 その瞬間、レイの子宮に入りきらなかった分が逆流してしまい、割れ目の隙間から下品な音を立てながら噴き出した。その量はとても一回分の射精とは思えない程に濃厚で、とても一度では収まりきれない。

 

 それでもシンジはレイの子宮の奥に亀頭を押し込み擦り付ける様にして最高の膣内射精を二度、三度と繰り返し、レイはその度に身体を痙攣させて悦んでいた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「んぁぁっ……♡ ぁ、あちゅい……♡ はぁぁ……♡」

 

 舌をだらしなく出したレイが満足げな声を上げながら脱力して寄り掛かってきた為、シンジはそのまま優しく抱き締めて支えてあげる。

 

「はぁ、はぁ、はぁっ……どうだった? 僕の精液注入は?」

 

「んっ……すごく、よかった……♡」

 

 シンジはレイの耳元で囁くと、恍惚に打ち震える彼女をベッドに寝かせ、お預けを食らっていたアスカの方に向き直る。

 

 アスカは待ち兼ねたと言わんばかりに両手を広げてシンジに甘えるアピールをしてきたので、シンジは苦笑しながらアスカを抱き締め、そのまま唇を執拗に重ね合う。

 

「んっ……んちゅっ……れろぉ……んぁ、むちゅ……んぁ、くぅんっ……♡」

 

 アスカは嬉しそうに唇を重ねるだけでは飽き足らず、シンジの首に両腕を巻き付けてキスをしながら自分の乳房を押し付けたりと、いつも以上に積極的にアプローチしてくる。

 

 その動きに合わせてアスカの大きなGカップおっぱいはむにゅっと形を変えており、その柔らかさを直接肌で感じたシンジは更に興奮して股間を膨れ上がらせていく。

 

「さぁ、アスカ。待たせちゃったね……おまんこの準備はできてる?」

 

 シンジはキスを終えると、そのままアスカの身体を優しくベッドに押し倒して正常位の姿勢で覆い被さる。

 

「うん……♡ もう子宮がきゅんきゅんって降りちゃってるの……来て、ご主人様ぁ……♡」

 

 アスカは瞳を潤ませ、頬を赤らめながらも笑顔でシンジを迎え入れる体勢を取り、シンジもそんな彼女に優しく微笑み返すと、ゆっくりと腰を深く沈めていった。

 

「あぁっ、ああっ~っ♡ おちんぽ来たっ♡ ご主人様のおっきなちんぽで、あたしの発情雌まんこずぼずぼされてるぅぅっ♡ これ好きぃぃっ、大好きぃぃっ♡ もっと突いて、パンパン突いてぇぇぇっ♡ あたしの子宮を、ご主人様のザーメンでいっぱいにしてぇぇぇっ♡ んひぃぃっ、イクっ、イクっ、イッくうぅぅぅぅんんんんんんっ♡」

 

 子宮口に亀頭を挿入されただけでアスカは絶頂に達してしまい、シンジの肉棒をぎゅうっと強く締め付ける。しかしシンジはそれに構わず、アスカに向けて腰を激しく打ち付け始めた。

 

 ぱんっ、ぱちんっ、ばちゅんっ!

 

 激しい水音が鳴り響き、二人の結合部から愛液が飛び散る。その勢いはまるでピストン運動をしているかの様に激しかった為、シンジの肉棒が膣内を行き来する度にアスカの秘裂からはぷしゅ、ぷしゅっとエッチな飛沫が飛んでいた。

 

「んぁっ、あっ、ああんっ♡ すごっ、激しすぎっ♡ こんなの、すぐイっちゃ……あぁんっ♡ またイキそうなのっ、おまんこパンパンが気持ち良すぎてぇっ♡ ダメぇぇっ、イグっ、イッグウゥッ♡」

 

 アスカはいきなり連続絶頂を繰り返しながら、シンジに抱き着いて離れようとしない。

 

「アスカ、アスカぁっ!」

 

 一方でシンジもアスカの名前を呼びながら一心不乱に腰を振り続け、その衝撃でアスカの豊満なGカップバストがぶるんぶるんと揺れ動く。

 

 シンジは徐ろにアスカの両方の乳首を両手でそれぞれ摘まむと、そのまま指の腹で押し潰す様にして刺激し始めた。

 

 するとアスカは堪らず身体を仰け反らせてより深い喘ぎ声を漏らし、膣内の肉棒を激しく締め付ける。その刺激にシンジは思わず射精しそうになるが、何とか堪えて抽送を続けていく。

 

 ぱんっ!、ぱぁん!っと激しく肉同士がぶつかり合い、愛液と先走り汁が入り交じった粘液が弾け飛ぶ。

 

「あぁっ、あっあっあっ……あぁんっ♡ またイック、イっグぅっ! だいしゅきなご主人様のデカちんぽに犯されまくってイっくっ、んぁっ、いやぁん♡ んあぁぁっ、あぁんっ♡」

 

「はぁ、はぁ……アスカ、好きだよ……っ!」

 

「あぁんっ♡ しゅきぃぃっ♡ あたしも、シンジのことらいしゅきぃぃっ♡ あぁんっ♡ 潮吹き止まらないぃぃっ! ずっとおまんこアクメしっぱなしになってるよぉぉっ♡」

 

 この場にいる四人の中では一番淫乱度が高い雌奴隷のアスカはもう完全にシンジが齎す魔性の快楽に支配されているのか、呂律すら回らなくなっていた。

 

「あぁっ、だめぇぇっ♡ またイクっ、イクイクイクっ♡ んひっ、いっぐぅぅぅっ!! あぁんっ、もうらめぇぇっ♡」

 

 そしてまたアスカは身体を仰け反らせながら盛大に愛液を放尿しながら撒き散らし、同時に膣内を痙攣させながら肉棒を搾り取る。

 

 そのあまりの快感にシンジはとうとう限界を迎え、溜まりに溜まったミルクタンクを大放出する。

 

 どぴゅっ!! びゅるるぅっ!!

 

 その勢いは凄まじく、子宮の中だけでは収まらず、逆流した愛液と共に肉棒と膣穴の間から下品な音を立てて噴き出すほどだった。

 

 その熱くて濃い大量の精液を子宮に注ぎ込まれた瞬間、アスカは何度目かも分からないオーガズムに達し、脳内麻薬が大量に漏れ出て意識が飛び掛ける。

 

 だがシンジはそれでもまだ射精が足りなかったのか、最後の最後まで出し切ろうと肉棒を屈服させた膣奥に突き刺したまま、真っ白い液体に満たされた子宮口を亀頭で圧迫し続けた。

 

 びゅるるるぅっ!! びゅくっ、びゅくっ!ぶっぴゅうぅぅっ!!

 

 凡そ一分以上に渡る長い膣内射精が終わり、シンジはゆっくりと腰を引いて肉棒を引き抜く。

 

 するとその瞬間、栓が無くなったせいで逆流していた白濁のマグマが勢いよくぷしゃあぁぁ~……っと噴き出し、アスカの美しい裸体を白いどろどろで汚していく。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あぁんっ……♡しぇ~えきあちゅぅいぃ……♡ あぁ、種付け交尾しゅきぃ……♡」

 

 アスカはすっかり蕩けたアヘ顔を晒したまま、ベッドの上で小刻みに痙攣し続けていた。

 

 シンジがアスカの胸元や下腹部に飛び散った精液やら愛液を眺めていると、倒れ込んだアスカの上に四つん這いになったレイ、ユイ、キョウコの三人がそれぞれお尻をフリフリと振って求愛アピールしてくる。

 

「碇くん、ぽっかり空いた私のおまんこの中を……あなたのおちんぽでもう一度いっぱいに栓して……♡」

 

「うふふ♡ ママも一緒に可愛がって欲しいわぁ♡ おまんこでもお尻の穴でもいいから、ねぇお願い?」

 

「きてぇ、シンジ……♡ 母さんまた我慢できないの……♡ だから早くぅ……んっ♡ あなた専用の淫乱雌母奴隷の赤ちゃん部屋に、濃厚で熱い孕ませせ~しぃ、いっぱいびゅ~びゅ~って注いでぇ……♡」

 

「みんな……くっ、この淫乱め!」

 

 シンジは目の前で仲良く並んでお尻から丸見えになった愛液垂らす割れ目をくぱぁと広げて待つ淫らな雌達の誘惑に耐え切れず、再び股間のモノを勃起させて襲い掛かる。

 

「「「いゃああぁっん♡」」」

 

 

 

 

 

 ……それからシンジ達は時間を忘れ、何度も代わる代わるお互いを求め合った。

 

 シンジは順番に彼女達の望みを叶えてあげていき、汗と精液と愛液の入り交じった匂いが充満する室内で気持ち良さそうに乱れ狂うのだった。

 

 




【次回予告】

新しくネルフに仲間入りした大人気ネットアイドル天城サキのコネで今話題の舞台見学にやって来たシンジ達。

そこでシンジは話題沸騰中の双子兄妹の天才歌姫と出会う。

ラミエル戦の際に偶然居合わせた歌姫の妹を助けたシンジに一目惚れしてしまったらしく、歌姫チェチーリアはシンジに急接近する。

次回、『双子の歌姫』



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