弱小村からの差し出し員 (Sonnet)
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プロローグ

やる夫のスレを読んでいてふと思いついたというか。
こんな感じの小説が無いだろうかと思い、無かったので書いてみた(爆)
思い付きで始めたので続くかどうかは不明。


ところで小説を複数投稿しててわけわからなくなってくる(白目)


「ウラスージ軍が村の近くまで攻めてきてるって!」

「な、なん、だとっ……!」

「そんな、なんでいきなり攻めてくるなんて!」

 

(戦争かぁ……どうなんかなぁ)

 

 周囲で大人たちが大慌てで駆けまわっているのを尻目に、ぼけっとそんな事を考えていた。

 

 俺ことペースは転生者である。

 前世ではよく転生云々の小説を読み漁っては俺強い系に憧れを持っていた。

 もし俺が突然今死んでしまうようなことがあったら、それは神様のミスで、それを詫びてもらう。そしてチート特典を貰って異世界で俺つえぇぇwwって出来たらモテモテになるんだろうなって。

 そんな妄想ばかりしていた。

 

 ――が、気が付いたら俺はこの村に生まれて、一人の青年として生活していた。

 ホント自分でも何を言ってるのか分からないんだが、気付いたらここにいたのだ。神様に出会った記憶もないし、当然何か能力を与えられたってこともなく。ただただ普通の一人の人間としてこの村で生活をしていたのだ。

 前世で死んだ記憶もないし……なんだってこんな村で生活しているんだろう? と疑問しかなく、いきなりの俺の変わりように近づく人間が減ったってのは、一人になる時間が欲しかった俺には大切な時間となった。

 

 で、なんだが。

 この世界の時代背景は……村出身の俺には良く分からないが、最低でも現代ではない事はわかっている。なにせ、日が昇ったら鍬を持って畑仕事をして、夜になったら内職で藁を編むんだから。

 蛇口もない、電気もない、ガスもない。

 となると、この世界は中世ぐらいまでしか発展してないんだろうかと思ってもしょうがないんじゃなかろうか。実際のところ、この現状から何かわかるのかと聞かれても、俺には分からないと回答するしかないんだが。

 

 最初は納得できなかったし、何故こんな事をしないといけないんだ!

 と、強く憤りを覚えていたものだが、ふと冷静になって考えてみたら仕事をしないと飯も食えないのだから仕事をするしかないのだと。加えて、この村の人々は閉鎖的な所が散見されており、少しでも仕事をさぼろうものならすぐに村八分にされてしまうだろうという危惧もあったのだ。

 まぁ……他にすることもないし、取りあえず土いじりでもしておこうかなと思ったわけですわ。

 一応、ここで生活してきたという記憶というか、知識としてあるため、それを駆使して仕事するしかないんだが。

 

 ――で、失念していたことが一つあったのだ。

 それは、俺が日本人だったことにもつながるのだが……まさか戦争なんて、と言った感覚。わかるだろうか? まさか自分の村が攻撃の対象になるなんて青天の霹靂も良い所だ。

 戦争の終末は、領土を占拠するか、都市を制圧するか。

 もしかすれば他にも原因はあるかもしれないが……さすがに情報も何も無い俺に推測も出来ようはずもなく。ただ、敗戦国は戦勝国に労働力の提供だとか、将兵の慰安のための人間の提供だとか。そういう事もあるのかなぁなんて、軽く考えているのだった。

 

 

 

「それで……この村はどうなるんだ?」

「ああ、それ、なんだが……」

 

 ぼけっとしながら、何とか聞き取ろうと集中する。

 この村の存亡の危機。となると、俺まで大変な事になるかもしれないという思いしかなかった。この世界で『俺』という個を取り戻してからは、残念ながら今まで付き合いがあった人間への想いというか、感情というものが希薄になっている。

 まぁ、そうだろう。記憶にあっても実際に触れ合った期間は短いのだから、そんな程度の感覚だ。昔、幼稚園児前に会った記憶のある人間が、高校生ぐらいのときに出会っても特に何かあるわけもなく、みたいな感覚。

 仲が良い以上の関係があった人――親類、友人を含め――は全て自分のものではない誰かの記憶でしかなかった。故に、物語を読んだうえでの知識でしかなく、そういった人物への対応は基本的におざなりになっていたのだ。

 

「……この村から、人員を差し出せ、と」

「な、なんだって!?」

 

 人員の差し出し。

 まぁ、そうだろうな。戦争だ。労働力が無くては戦争はできない事は、普遍的な事柄だ。が知識として知ってはいるが、実際に自分がそうなる可能性を秘めていることを実感すると、いや……実感したところで何も感じないんだから平和ボケし過ぎていたんだなぁとしか思えない。

 

「この村から、最低でも男を、1人差し出せって」

「な……そりゃぁ……」

「嗚呼、そうだ……そういう事だよ」

「なんて、事だ……」

 

 ……あれ?

 男1人、だけ?

 

 確かにこの村の人口は少ない。

 が、赤ん坊から老人まで、総数は約150人くらいの数にはなる。

 これから過疎化していくのかどうかはわからないが、その中から労働力となる人員の提出を考えれば、男の人員だけでの総数の約4分の1程度、30~40人ほどの人員の差し出しが求められているのかと思ったが。

 そもそもこの村の存亡自体気にすることもなく要求を通してくるものだとばかりに思っていたが。中々に人格者なのだろうか?

 

 それにしても食いつきが悪い。

 たった1人の男を差し出すだけ。その推薦は、軍に気に入られるために若くて力になりそうな人員を選出するかになると思うんだが、どうやらそういう事ではなさそうだ。

 というか、そうでもなければここまで悠長に人員の選出に時間をかけるなんて事自体しないだろうし。

 

「くそ……そんな、慰め者になるだけの存在にならなきゃいけないなんて……!」

「そうだ! 確かに我々は弱者だろう……だが、何故好きに生きてはいけないのだろうかっ!」

「そうだ!!」

「――待ってくれ」

 

 思わず声が出ていた。

 男が慰め者? 慰める? 男が?

 だって、ねぇ? 男が慰め者になるってなると、相手の将軍はもしやすると同性愛者なんじゃないだろうかぐらいの勢い。だが、ここで慰め者の対象に女が上がっていない、しかも最低1人だけという事を考えるとだ。

 敵軍の将軍様は女性なのでは!?

 

「……なんだ」

「その任、私が引き受けよう」

「な、何だって!?」

「お、お前! 自分が何を言ってるか理解しているのか!?」

 

 理解してない!

 敵軍の思惑も、自分がどういった事を言っているのかも、何を考えているのかも! ただ、ただ今この自分が置かれている状況が非常に退屈な状態でしかない事だけは理解できていた。

 これでお相手が男だったら自決するしかないが(白目)

 

「だが、どうせ1人は行かないと行けないんだろう? なら、私が行くと言っているだけだ」

「だ、だが……」

「だがも何も。私以外に行きたいと願い出る男はいないようだが?」

「……」

 

 最後通告とばかり大きな声でこの場にいる全員に伝えるが、上がるこえは一つとして無かった。

 皆、自分は行きたくないという気持ちで一杯なのだ。ここで誰かが自ら進んで行くと言えば、後々感じるであろう罪悪感も薄まるだろうとも考えていた。

 そうでなくとも畑仕事なんて肉体労働、そろそろ飽き飽きしていたところだった。

 

「――決まりだな。村長、そういう事だ。この村からはペースが出る」

「……ああ、分かった」

「村長!?」

「これは決まりである。この村からは、デッカの次嬢坊、ペースが差し出しの人員とする。誰も何も言わなかったのだ。ここは、この村の事を考え、発言してくれたペースを尊重しようではないか」

「……くそ」

 

 悲しみに包まれる。

 慰め者、と言っても何をするかもわからないような状況だ。

 なら、向かってきている軍隊さんから直接話を聞いて、その時絶望するかどうか決めるとしようじゃないか。

 

 ――軍靴の音が近づいてくる。

 規則正しい足音が。

 鉄がこすれぶつかり合う甲高い音。足音共に煙立つ砂埃。

 揺れる荷馬車に乗せられた俺は、1人、目を閉じて到着を待つばかりであった。



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第1話

続いてしまった……


 揺れる荷馬車に乗せられる際、女性と思われる騎士に連行されたわけだが。

 気のせいだとは思うが、その騎士に体を触られたような気がした。

 ……いやまぁ、連行されてるわけだから体を触られているわけでありますが。そうではなくて、胸の辺りにタッチしてみたり。お尻あたりに手が触れてみたり。そんな感じのボディタッチがされていたような気がしたのだ。

 が、別段気になるほどの事でもないし、もしかしたら本当に単純に触れてしまっただけの事故かも知れないことを考えると黙っておいた方が良いだろうと言う考え。

 変に出しゃばっていきなり目を付けられるのも嫌だし。

 

「……なぁおい、君」

「……は、えっと、私ですか?」

「ああ、君だ。見たところまだ若いんじゃないのか? どの村から出されたのか知らないが……なんともまぁ、可哀想な男だ」

「あー……ま、まぁ、今回は私から進んで村のために立候補したので何とも」

「す、進んで……?」

 

 あははと小さく笑っておくが、進んでと言った瞬間に荷馬車に乗っている男性からの視線が一気に集中した。

 え、何ナニ? 驚いてその人たちを見渡してしまい、気付いた。

 この人たちの表情は完全に死んでいたのだ。

 下を向いて俯いているとか、落ち込んでいるとか。そういったレベルじゃない、本当に生気が抜け落ちたような表情。何より一番ヒドイのが、この数時間でやつれ切った表情をしている人の目が、何よりも暗く、力が無かったのだから。

 

「……そう、君は、進んで……なに、それだけ村の事を愛していたんだね」

「は、はは……そうです、ね……そうなりますね」

 

 ――それっきり荷馬車の中での会話は一切無くなってしまった。

 雰囲気はかなり重たい。こ、これは俺が原因なんだろうか? まぁ、若い女が自ら進んで……となると確かに重い。と言うか想像つかない。俺もそんな対象として見られているんだろうか。と言うか、俺、普通の男子なんですけど?

 

 ガタッゴト……

 

 未だに荷馬車は揺れ、先へと進んでいる。

 この世界だと時計という存在が無いから、どれぐらいの時間が経ったのかを知る術がない。荷馬車の一部、四角に空いた穴から覗くことの出来る外の様子を見る限りではまだ日は暮れてないようだが。

 

 ……この世界で『自分』という意識を取り戻したのは1か月くらい前。

 あの村の環境に慣れるまで時間はかかったが、もうそろそろ普通に生活できろうとしていた。そんな時期にこんな事があって。

 だが、村にいたところで俺の運命は変わらなかっただろう。下手に戦争に介入なんて出来るわけなんてないし、そんな事をしたところで不審者として殺されるのがオチだろう。知恵も自信無いし、力だってそんなにない。何より、努力をしようとする気持ちも薄い。

 あの村で必死に生きている人たちを見て、正直眩しいって、思っちゃったからなぁ……

 

「よぉし、今日はここで一晩明かすぞ! ほら、お前らも出てきて仕事を手伝え!」

「はい……」

 

 ずっと座ったままで凝り固まってしまった体を解しながら荷馬車から降りる。外はほんのりと暗くなっていた。

 が、再び大地に降り立った俺が目にした現実に、目を見張ってしまった。

 荷馬車に繋がれていた馬を引っ張っているのは女騎士。野宿をするための陣を整えているのも女騎士。力仕事をしているのも、俺たち男性組を引き連れていこうとしているのも。全員が女騎士で構成された部隊だったのだ。

 え? 何この世界……女尊男卑なの?

 なんて思ってしまうぐらいに女性が圧倒的な働きを見せていた。

 今この短い時間で垣間見ることのできた仕事量ですら、うちの村の男性陣が数人でやっとこなすことのできる量の仕事量だったし。

 

「よし、今日はここがお前らの寝床になる。人数が少ないからそんなに窮屈しないと思うがな。で、お前らはいったんここに横一列に並べ。ほら早く!」

「は、はい……」

 

 いそいそと男性陣が動き出し、前後のバラつきのある整列と言えない整列をしたのだった。

 

 それからすぐに仕事をしていた女騎士が集まり始めた。

 な、なんだなんだ? 横の男も小さくぼやいている。まさかもう、とか呟いているが何を意味してるんだろうか。

 やがて、この場にいる全女騎士が集まり終えたとようなタイミングで一人の騎士が前に出た。首から下は甲冑を身に着けており、周りの女性の物よりも少し豪華に見えた。

 つまりこの人がこの部隊の長だろうか……?

 

「では、今回はこの男どもが我がセイジョー隊における下男となった。が、まだこの隊に配属させられたばかりの者たちだ。最初から激しい事をして壊してしまわないように」

 

 最初から激しく……?

 その言葉を聞いた瞬間、横の男の息遣いが荒くなった。

 誤解の無いように言っておくが、興奮してるわけでも何でもなく、単に震えていたのだ。おそらく彼は恐怖を抱いているに違いない。

 

「それから、君たちもセイジョー隊において良く励むように。何、簡単なことだ。これからほぼ毎日彼女たちの相手をすればいいだけの話なのだから。評判、評価の高い男についてはどんどん対応を良くしていく。今後、一人の男として生きたいのであれば……励め。それだけだ。まぁ、最低限励むことができるだけの生活は保障してやろう。それ以外はどうしようもないがな。さて……話はここまでだ。解散!」

 

 励む……

 って、さすがにここまで来れば話の内容は理解できた。

 ようは、ここにいる女性たちの性の相手――セックスの相手を勤めればいいだけの話じゃないか。チラチラと女性の顔を見ていたが、皆結構ルックスが良い。正直、顔面偏差値がかなりヒドイ女性とかが戦争の一員として働かされて、そのはけ口として俺たちみたいな男を……なんて考えてたんだけども。

 ていうか、これぐらいの女性たちであれば普通に街で男性を漁ることなんてできると思うが……それだけ戦争のフラストレーションは溜まりやすいってことなんだろうか?

 ま、話を聞いて安心した。

 いや、壊れるぐらいに激しいってのが唯一聞き逃せない内容なんだが、取りあえず、ひどい肉体労働をされるわけでもないし、普通以上に生活することができるのであればいう事なんて無い。

 

 ……さて、現実に戻ろうか。

 

「ね、お前はどれにするんだ?」

「いやぁ……やっぱりあいつかなぁ……この中で一番若そうだし」

「だろ!? いや、お前もあいつかよ……なんかあいつ、ちょっと違うんだよなぁ」

「お? じゃ、俺がもらおっかな」

「いや!? その違うじゃねぇよ! なんか、いつもの男と雰囲気が違うっていうか……」

「確かに、彼は今までの男と違って雰囲気が明るい……? のかな?」

「あぁ……はやくヤっちまいたいな」

 

 次々に語られる卑猥な話に、顔を背けてしまう。

 実際、こんな女性が俺たちを見てエロい話に夢中になってるなんて信じられないし。そもそもまだここは夢の中なんじゃないかって思うけど、荷馬車に揺られ続けた尻がじんじんと痛んでいるし、現実なんだろう。

 ……俺が顔を背けた瞬間、俺に視線が集中し始めた気がする。

 それに、この中で一番若いって言えば俺のことだろうし……!

 俺が、前世で全くもてなかった俺が女性の対象になっているだと……っ!!

 

「そうだなぁ……お前、名前はなんて言うんだ?」

「え? ……ペース、です」

「ペース、か……なるほど。良い名前だ」

「あ、ありがとうございます」

「ふっ……面白い奴だ。気に入ったぞ……喜べ。君の初めての相手は俺がしよう」

「は……?」

 

 目の前には先ほど演説らしき事をしていた女性が。

 つまり、この隊の長。隊長が自ら俺の事を選んできた。

 周囲の女騎士の様子を見るに、こんな事は滅多にないんだろう。かなり驚いた表情だ。……つまり、この隊長はなんらかの理由で進んでエロイ事をしようとしなくなった、ってわけか?

 

「マリッジ中尉……! 中尉がこの男とするんですか……?」

「ああ、そうだ。それから、これから男の事は名前で呼んでやれ。せっかく一夜を共に過ごすことになるんだからな。名前で呼べば、より気持ちよくなるぞ……?」

「ひゃ、ひゃい!? りょりょりょうかいしましたぁぁ!?」

 

 あ、これアカンやつや。

 見た目はかなりスレンダー。燃えるように赤い髪をなびかせ、俺の肩に腕をまわしてきた。両目をじっと覗き込まれ、つい緊張してしまう。かつてこんな近くまで美女が来たことがあっただろうか……! いや、ない! あったとしてもPC画面の奥の女の子だけ! こ、こんな女性と本当にヤれるんだろうか……?

 

 ゴクリ――

 

「うん? ……くっく、本当にペースは面白い奴だなぁ。これからが楽しみになってきたよ。さぁ、楽しい時間はこれからだ、一緒に行こうではないか」

「は、はい……」

 

 俺をエスコートせんばかりの優しい雰囲気だ。

 口調は男っぽく、それが一層凛々しさを引き立てているんだが。

 

 ――俺はこれから、男になります。



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第2話

「さぁ、ここが俺の部屋だ」

 

 マリッジ中尉に連れて来られた場所はどうやら中尉に割り当てられた部屋らしい。

 部屋、と言っても天幕が張られ、視界が遮られているだけの簡素な造りだ。もしここでセックスを……それも本番をしようものなら声は駄々漏れだろう。女騎士だ、年齢は若いだろう。そんな騎士で構成されているのに好奇心を持たない奴はいないだろう。皆興味津々に男を見てたし。

 

 俺の手を離し、腰に下げていた剣を取り外した。次いで防具を。

 防具の下は、胸に布らしきものを巻き付けていた。変に揺れないようにするためだろうか。それも取ってしまうのかと思いきや、手を掛けるそぶりは無かった。

 ここがただの野営地でしかないからか?

 多分そうなんだろう。

 

「うん? そんなに俺の事を見つめてどうしたんだ? もうヤりたいのか」

「あ、いえ……その、胸のさらしは取らないんですね」

「え? あ、ああ。いくら陣地を築いたとしても、ここは戦場になりうる恐れの高い場所だ。そんな所でおめおめとさらしを取れるものか」

「そうですか……」

 

 やはり、と言うべきか。

 いくら休憩と言う名のセックスとは言え、そこまで気を抜くわけにはいかないと。いや、今から抜かれるのは俺の方なんでしょうが。何を? ナニをに決まってんだろバカヤロウ。

 あ、これからこのお姉さんとくんずれほんずれするんかと想像しただけで息子が反応してしまった。そういや、村仕事に追われてたしこれと言った女性もいなかったから溜まりに溜まってる。

 

「なんだ? 俺の胸が見たかったのかぁ?」

「あ、はい」

「んなっ!? ……な、なんて真っ直ぐな、いや、なんてエロい奴と言った方が正しいか」

 

 あれだけ泰然としていたお姉さんが頬を赤らめ俺を見つめてくる。

 やめぇや、そんな表情で見つめられたら本当に勃起してしまうやろが。あ、今からセックスするんだったら問題無いんですが。この息子がどれだけ刺激に耐えられるか分からないんです。勘弁してくださいでもエロい事はお願いします!

 

 それから、ついこの間自分の息子を見たとき驚いてしまった。

 前の俺の息子よりも大きかったのだ! さすがにこれには驚いて小便が飛び散ってしまったが、当然ながらトイレなんて代物は無く、林の中で垂れ流していたからセーフ。

 しかし……毎晩毎晩ギンギンに勃起して止まない性欲の強さは変わらずであったのは今となっては良い技能だ。今まさに使用機会が巡りまわってきたのだから。

 が、ティッシュなんて上等な代物やそれに取って代わるような物もないため、シコることは出来ないでいたのが後になって響いてきた。

 つまり今。

 

 ――もう、めっちゃビンビンですやん……

 

「な……な、お、お前……もうこんなにして……しかも大きい」

「あ、止め!」

 

 さすがに呆然としてしまった間に詰め寄られていた。

 動きのキレが良すぎて見えなかったんですが。ウラスージ軍の兵士は化け物かっ!?

 

 たった一枚の布の上からペニスを撫でられただけで敏感に反応してしまう。すり、すりとゆっくり上下に擦られているだけなのにビクッと脈動する。

 てか、いきなり過ぎて驚いたってのもあるが、軽く考えてはいたが本当にこんな事をするとは……

 

「凄い……ここまで大きいチンポは初めてだ。こんな上等な男、そうそうお目にかかれないものだが……ふふっ、今日は運が良い」

「ふぁ……」

 

 抱き締められ、首筋をレロォと舐められた。

 性感帯ではないはずだが、ざらりとした舌の感触に背筋で何かがゾワゾワと昇ってくるようだった。こうして抱き締められて思ったが、この女性は俺よりも背が高い。それに、騎士と言うからバッキバキの肉体なのかと思いきや、しっかり女性らしくプニプニでスベスベな体つき。

 正直、魅力的です。

 この世界、馬や槍や剣で戦争をしている時代だというのにここまで体のケアをできるだろうか? 疑問は尽きないが、取りあえずは天国のようなこの状況を堪能しようじゃあるまいか。

 

「んっ……」

「は、あぁ! だ、抱き締めてくるとはな。お前、村ではかなり淫乱だったんじゃないか?」

「そ、そんな事ありません。……中尉が、初めての相手です」

「な、な、……っ!」

「んぶ!?」

 

 強引、だが柔らかな唇の感触は中々に気持ちが良い。

 どころか、何も味なんてしないはずなのに何故かキスが美味しく、蕩けてしまうような感覚に囚われる。自然と目を細め、強引な吸い付きを甘受する。

 ん、はぁ……

 互いに吐息が漏れる。その息が頬を撫で、性欲をさらに高めていく。

 今目の前のこの人が、それも小さかろうが一つの組織を担っている一人の人員が俺に夢中になっていると考えるだけで、意識が朦朧とするような快感が昇ってくる。

 だらしなく口を開けてしまった俺の中に、中尉の舌が侵入してきた。

 いきなり激しい事はするなよって自分で釘指しといて中尉だって結構激しいじゃないですか、なんてふと思う。あれだけ嫌そうにしていた男たちは今どうしてるんだろうかと、つい心配になってしまった。

 

「ぷは、はぁ……おい。今、別な事を考えなかったか?」

「ふえ?」

「……あ、あぁ……なんて可愛い奴なんだ。今回この遠征に来て本当に良かった……!」

「うぎゅ!? き、キツイですっ!」

「あ、す、すまん……!」

 

 感極まったのか強く抱きしめられてしまった。

 それだけで俺よりも力が強く、頑強な肉体なんだなと改めて認識させられた。すぐに弱めてくれた中尉の表情は、どこか申し訳なさそうに眉を寄せ、ハの字を作っていた。

 

 ――ここでふと思い出したが、女性はカッコいいとか凛々しいとか言われると喜び、逆に男性は可愛いとか美しいとか言われると嬉しいと思うらしい。

 これらの言葉は逆の性別でも喜ばれることは喜ばれるが、俺にしてみれば前世とは逆の言葉で喜ぶと言うのだから驚きだ。

 まぁ、別にこの世界で俺がそんな言葉を言う機会なんて一切無かったから問題なかったんだが。目の前のこの女性を褒めるにはどうしたら良いんだろうか……?

 普段から凛々しさを前面に出しているクール系女子が、ふとしたタイミングで困っている表情を晒す。これはギャップ萌えとして可愛いと言いたいところなんだが、ここでもそうやって言って良いものなんだろうか……?

 

「……」

「ど、どうしたんだ……?」

 

 何て言おうか逡巡しているうちに、ドンドン涙目になっていく中尉の姿に、きゅんとしてしまった。そう、俺の心は突き動かされてしまったのだ。

 

「そ、その……」

「うん?」

「ちゅ、中尉は、凄く……可愛らしい方なんですね」

「……」

「中尉?」

 

 やっべ、選択ミスしてしまったか?

 涙目だった中尉の表情は真っ赤に染まり、唖然としているんだから……これは凄く怒ってらっしゃる……?

 

「俺の事、マリッジって、呼んでくれないか?」

「え、っと……え?」

「良いから!」

「ひゃっ! ……その、マリッジさん?」

「……もう、辛抱ならんっ!」

「わっ!?」

 

 上に羽織っていた物をたくし上げられ、貧相な胸を曝け出してしまった。

 まぁ、俺としては別段気にするところでもないから良いんだが、中尉の双眸はこれ以上ないくらいに見開いており、俺の胸をガン見していた。

 ゆっくりと下に、胸へと吸い寄せられていく中尉。

 右手を俺の後頭部に、左手を腰に回して逃げられないように抱き締めた状態。左手に関してはさわさわと感触を楽しむように上下に動いている。細い指が背を這う度にくすぐったさが入り混じった快感が脳に響く。

 声を出さないように押し殺しているが……中尉の舌が左の乳首に触れた瞬間、なんとも言えない痺れが全身に行き渡っていた。

 

「ひ、うっ――!?」

「ふ、ん……んむ……ふふふ、乳首を舐められて反応するなんて、本当にお前は淫乱だなぁ。俺は、お前みたいな奴が大好きだよ」

「ん、あっ! きもち、良い……っ」

「そうか……ああ、本当に、なんて可愛らしい。ペース。ああ、ペース……ん、ふ、んぁ」

 

 執拗に乳首だけを責めてくる中尉だったが、次第に舌の動きに変化が出てきた。自分でも思っていた以上の快感に戸惑いを覚えているが、これだけの美人が俺の躰に夢中になっていると思う度に込み上がってくる感情にゾクゾクしていた。

 

「んぁ……は、ぁぁ! い、ひぃ……!」

「ペース……お前、俺の男にならないか?」

「はえ?」

「お前が俺の男になれば良いんだ。そうすればずっと俺と一緒にいられるぞ」

「え、っと」

「お前は普段は何もしなくていい。俺が呼んだらすぐに来れる所にいればいいから、な?」

 

 な?

 と言われても正直頭が追いついてません。

 俺が中尉の男になると言っても、何をすればいいかもわからないし。と言うか、基本的にすることはヤる事だけなんだろう。地方か分からんが、寂れた村出身の男がここまで迫られることってそうそうあることなんだろうか。

 ま、ルックスが良くて性格もさばさばしてそうだし……

 

「わかりました」

「じゃ、じゃあ……!」

「はい、私はマリッジさんと一緒にいます」

「ペ、ペース……!」

「わ!?」

 

 本当に感極まってしまったんだろう。

 まさか俺一人が中尉と一緒にいると言っただけでここまでなるなんて。そこまで情に厚い人なんだろうか? それともここではモテないようなルックスなんだろうか。

 発情した雄のように乳首を舐め続けていた中尉は、俺の平坦の胸に額を付けるようにして顔を隠し震えるばかり。

 

 ……え?

 俺、どうすりゃ良いの?




細かい設定なんて一切ありません(爆)
思い付いたままキーボードを叩いてます。


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第3話

 マリッジ中尉の反応に困っていた俺だが、すぐに震えは収まり、勢いよく顔を上げたかと思うと鼻息を荒くして見つめてきた。見開かれた双眸が燦爛と輝いているようにも見える。

 言葉は無い。

 視線が下がり、中尉の両手は下の布地にかかった。

 さらに両目が見開き、一気にズボンを引きずり下ろした。

 布に引っかかっていたペニスがブルンと大きく姿を現し、ビタンと音を立てて腹に打ちつけられた。情けなく声を上げてしまったが、自分でもこの息子の大きさに驚いていた。ビクビクと脈動するペニス。カリ高で太い肉棒。自分で言うのもなんだが結構グロテスクな見た目。まさにマーラ様と言った相貌を為している。

 

「う……わ……な、なんてチンポなんだ」

「うぅ……」

「こんな可愛い顔してなんて凶悪なものを……こ、こんなチンポは初めてだ」

「え……ひゃっ!?」

 

 なんの躊躇いも無く亀頭を咥えていた。

 飴を舌で転がすように全体を舐めている。レロレロと撫でまわすように舐めながら、ゆっくりと口の中にペニスを咥え込んでいく。ずぶずぶと飲み込まれていく様を見続ける事しかできない俺は、惚けたように口を開けて喘ぎ声をただただ漏らしていた。

 じんわりと快感が昂まっていく。

 

「あ、あ、んぅ」

「なんだ、もうイきそうなのか? 口に出されるのも良いもんだが……今からお前には俺の膣内(なか)に出してもらうんだからな」

 

 チンポをうっとりと見ながらフェラをしていた中尉は、親指と人差し指の2本で輪っかを作り、きゅっと男根の根元を抑えながら上唇をレロォと舐め上げる仕草をしたのだった。

 ……いや、気持ち良くて射精感が込み上げてきてたのは確かだけど、そこまで早漏じゃないから心配しなくても大丈夫なんだけども。それに、今だったら何回か続けてできそうだ。

 ちょっとしたフェラだったのにペニスの先から我慢汁をだらだらと垂れ流しているが、ぬめりとして温かい中尉の口が気持ち良くてつい喘ぎ声を出してしまったが……こんなに堪え性無かったかな……?

 まぁ、声を出してた方が気持ちいいのは確かなんだが。

 

 手を引かれ、簡易的なベッドに横にされる。

 それでも天を突くように屹立しているペニス。

 いつの間にか下半身を外気に晒していた中尉が上に跨ってきた。左手をペニスに添え、右手で割れ目を前後に擦っている。ランタンの灯りでテカっている秘部。

 

「これだけ濡らせば十分だろう。では、いただこうか……んっ」

 

 亀頭の先端がぬめりとした濡れそぼった秘所に触れた。

 母親が子供に教えるように時折ビクッビクと暴れる肉棒を包み込み始める。

 鍛えられた腹筋の下、思わず触ってしまいたくなるような恥丘。綺麗に整えられた陰毛の下、これまた綺麗なピンク色をしたヴァギナが、いやらしさよりも美しさを感じさせる。

 大人の色気なるものを、眼だけじゃなくて手、鼻、口。体全身で包み込まれているようだった。

 

「あ、あぁっ! あっつくて、締められるっ!」

「んふっ、そう、だろう……! ああ、こんなに、ふっといのは、初めてだ……くぅっ!」

 

 ぎゅうぎゅうと締め付ける膣がうねるようにペニスを迎え入れてくれる。

 騎士として前線で動いていただけあって膣の締め付けが本当にすごい。少しでも気を抜けば簡単に射精してしまいそうだった。喘ぎ声が漏れる。自分で今どんな顔を晒しているのかわからないが、口を開けて喘いでいる姿はさぞ滑稽に映っただろう。

 肉棒をギュッギュと締め付けつつ、上下に動いて刺激を与えてくる。俺の胸に両手を置いて、時折感触を楽しむように撫で、乳首を摘まんで俺の反応を楽しんでいた。

 ずっと目が合っている。乳首を責められ余裕がなくなってしまった時も、変わらず俺を見つめていた。その時の表情がまた何ともイイ笑顔を浮かべているのが妙に恥ずかしくて、ついつい横を向いて目を瞑ってしまう。

 

「おいおい……俺の事を見ててくれよ。折角こうやってお前の可愛い顔を見られるんだ。なぁ、良いだろう……?」

「んっ……! は、ぁぁっ!」

「ああ……どんどんお前の事が好きになっていくよ。今も、お前が俺の()にいるって考えるだけで深く果ててしまいそうになる。……んぅ」

「んぅ、ジュル……は、ぁ」

 

 左手で強引に正面を向かされ、見詰め合わされる。

 それから耳元に顔を寄せてきて、好きと。呟いた。鳥肌が泡立つような感覚と一緒にペニスが大きく膣の中で震えた。

 耳たぶをしゃぶられ恥ずかしさとくすぐったさに逃げようとするが、右脇の下に腕を通され、本当に動けないようにされていた。手で抑えられ、顔を背ける事も出来なかった。

 ゆっくりと舌先がヌロ、レロォと這うように顔を耳から頬、鼻。そして口まで来ると、舌を伸ばしたまま口づけを落とした。口内の天井から舌の下まで、それこそ歯と唇の間を舐め上げるところまで。口を舌で犯されている感覚になる。もう少し舌が長ければ喉まで犯されていたかもしれない。

 ジュルルと大きな音を立てて涎を吸われる。

 代わりに中尉の唾液が流し込まれ、飲まされる。ぼうとする頭では何も考えられない。赤ん坊にミルクを飲ませる様な感覚だろうか。どこか甘露の味わいがする液体を、喉を鳴らして嚥下した。

 

「は、あぁぁ……」

「どうだ、俺の唾液は。く、蕩けた顔して、そんなに俺の唾液は美味しかったか?」

「う、ん……おぃし、ぃ」

「ぅあ……ほ、本当にお前って、その……え、エロいし、可愛いなぁもぉっ!」

「ふみゅ!?」

 

 頬ずりをするのかと思いきや舌全体でレロッと頬を舐めてきた。

 驚きである。驚き過ぎて声を上げてしまったというか、全体的に喘ぎ過ぎなのは否めない。が、ここまで積極的で直接的な欲望の表現をしてくれるマリッジさんの事が、たまらなく愛おしく感じているのも本当のところだった。

 

 空いた両手をマリッジさんの背に回し、ギュッと力なく抱きしめる。

 ペニスが挿入されているということもあるが、少しだけでも抱き寄せられたので良しとしよう。

 

「ど、どうした?」

「ん、と……え、っと。も、もっと……気持ち、良くして?」

「……っ」

「んあっ!?」

 

 今までの動きがスローペースだったといわんばかりのペースで腰を上下に振り出したマリッジさん。腰を打ち付けてくる度に漏れる吐息が頬を撫でる。乳首を摘まんでいた手が、胸全体を揉みしだく動きに変わった。

 痛さと快楽が、同時に脳髄を刺激して止まない。

 口を開き、舌を伸ばして快楽を享受する。早く、早く精子を頂戴とねだるように締め付け扱き上げる膣に、もうそろそろ限界を迎えそうだった。

 

「も、もぅ! い、くぅ……っ!!」

「ん、くぅぅ……! お、俺も、いく、良いぞ、出せ! 俺の中に出すんだぁっ!!」

「あ、あぁぁっ、で、射精()るぅぅぅ!!」

「ひっ、いぃぐううぅぅぅっ!!?」

 

 跳ね上がるように腰が浮き、根元までペニスが押し込まれた。

 ペニスの先端が壁にぶつかるような感覚とともに、勢いよく精液が吐き出されていく。ビュルルルと無尽蔵に精液が飛び出ていく解放感、快感。何が何でも子種を植え付けてやるという男としての征服感もある。孕ませ、子を成すという使命感に燃えるように吐き出され、叩きつけていく。

 今まで感じえることが無かったエクスタシーの快楽は、この世界の中で最高の一時であることは間違いなかった。

 ――気付けば両手でマリッジさんの腰を押さえつけていた。

 

「お”、お”ぅ……」

「あ、っはぁ……す、ごいひぃぃぃ……」

 

 ビュル、ビュルル、ビュッ、ビュ……

 

 一滴も残らず、全てを膣内に叩きつけた。

 長い射精感が終わり、絶頂の余韻のせいかビクビクと震えているマリッジさんのヴァギナから未だ剛直冷めやらぬ陰茎を引き出した。ヌポッと音を立てて姿を現したペニスは白濁と泡立った精液と愛液とが混ざりあい、さらにグロテスクな容貌を呈していた。

 コプリとお腹に温かい何かを感じた。

 恐らくマリッジさんの割れ目から糸を引いているのだろう。白い粘り気のある細い一本の筋が下に伸びており、それは腹の上で広がりを見せる精液と愛液とが混ざりあったものだった。

 

 すべてを出し切った。

 はふぅ、と吐息を漏らしてしまったが、上の空になるほどに強烈な射精だった。

 絶頂の余韻が抜けきらぬマリッジさんは力なく胸を押し付けるように倒れ込んでいる。膣の痙攣を感じる事は出来ないが、それと同じぐらいに全身が震えている。ちょうどマリッジさんの耳元が目の前に。香水なんて無いだろうこの時代だが、鼻腔をくすぐるような甘い匂いが香ってくる。目を細め、音を立てないよう深く長く息を吸い込んだ。

 

「は、ぁぁ……あぁぁ……」

「はぁ、はぁ……こ、ここまで……はじめ、て、って、……え?」

 

 少し舌を伸ばし、首筋に浮かんだ薄い汗を舐めとる。

 塩っぽくない。むしろ甘い。体臭も汗も、そのすべてが何故だろう、甘く感じる。

 もう、俺の味覚が正常なのかおかしいのか。そんなことはどうでも良く、ただただ目の前の女性をむさぼりつくしたいという欲情が湧き上がってきた。

 

「もう一回、して、いぃ?」

「え、もう……一回ぃひぃっ!?」

 

 返事を聞く前に勃起しなおした肉棒を突き刺した。

 情欲に塗れたペニスは何の抵抗を感じることなくぬるんと割れ目に滑り込んだ。膣の感触はさっき以上にきつく、絶頂の余韻からかまだ痙攣していてうねっていた。それがまた最高のスパイスとしてペニスに刺激を与え、さらなる射精感を促してくる。

 好きなように腰を上下に動かす。

 巧い具合に腰を打ち付けることができず、もどかしさを感じながらも遠慮なく性欲を高めていく。マリッジさんは俺の両肩を強く掴んで離そうとしない。そして、小さい声ではあるがさっきまでの俺のように喘ぎ声を漏らし始めていた。

 肉体系クール美女がこうして蕩けた表情で喘ぎ声出しながら感じてるとか、まさに俺得なシチュエーションなんですが!

 

 最高の状況に、獣のように腰を突き出しては己の欲求を満たそうと彼女の肉体を貪っていく。一突きするたびに粘り気を多分に含んだ水音が部屋を満たす。

 

「あ、あっ……う”っ、ふぅぅ……!」

「ま、たっ! 出る、出る出るい”ぐぅぅぅぅ!!」

「あ、――っ!? づぅぅぅ!!?」

 

 ビュル、ビュルルルル、ブビュル……ビュ、ビュ……

 

 二回目の絶頂とは思えないほどの精液の量がペニスを通して膣を汚していく。

 勢いよく叩きつけたペニスの先端が、またしても何かの壁に触れていた。恐らくこの感触がマリッジさんの子宮なのだろう。遠慮なくその入り口に子種を叩きつけては塗り込むように腰を動かし肉棒を膣壁に擦り付ける。

 

「あ、がっ……っ……」

「は、はっ……はぁぁっ……ふぅぅぅぅ……」

 

 この世界での初めてのセックス。

 ここまで情熱的な交わりをすることができるなんて思っても無かったが、これには攻め入ってきてくれたウラスージ軍には感謝しないといけないな。ま、ウラスージが王制なのかどうかも知らないが、トップは神様のように崇め奉ろう。

 

 連続の中出しにピクリとも動かなくなってしまったマリッジさんを抱きかかえ、できれば可愛い人だったら良いなぁと夢心地で考えながら、そのまま眠りにつくのだった。



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第4話

 青天。

 青い空に浮かんだまぁるい雲が一つ。歪んだ形がなんともシュークリームに見えて喉が鳴る。が、この世界に存在しないであろう甘味を思い浮かべて喉を鳴らすだけの貧しい生活をしているとは考えない。それだけ正直に、真っ直ぐこの世界の人たちは生きているのだから。

 

 昨日、マリッジ中尉とセックスした。

 簡潔明瞭に表すと男女の関係になったのだが、彼女はセイジョー隊と呼ばれているこの軍隊の隊長で、俺は村から差し出された人員という事になっている。

 普通に考えれば俺が女で、中尉が男。目を付けられ、気に入られた俺は中尉の側男にならないかと持ちかけられた。ってのが普通の人の感想だろうが、この世界では性格どころか性別の壁が突破してしまったようで、男女の関係が逆転してしまったような常識の世界になっている。

 くぅ、と小さく腹が鳴った。

 さっきシュークリームを思い浮かべたからだろうか。根菜を中心とした料理、と言えば聞こえは良いが、味付けは濃いし量はそこまで無い。しかもあんまり美味しいものじゃなかったのも大きい。

 昔の食事を思い出し、飽食なんて言われていた時代が何とも羨ましくなってしまった。

 

「あ、お腹空いてるの? 大丈夫?」

「あ、はい。大丈夫です」

「ふふ、なら良かった」

 

 今俺は馬に乗っていた。

 昨日、セイジョー隊に連れてこられた時は男性全員一緒にまとめられて運ばれていたが、今日は二人で一緒に馬に乗って移動している。ちなみに、俺以外の男性は同じように全員荷馬車にまとめられている。

 

 で、なんだが。

 俺は女性に抱え込まれるように前に座っている。抱え込まれてるってのは、文字通り抱きしめられるようにして乗馬しているのだからこれ以外に表しようがない。

 気持ちよく寝ているところをマリッジ中尉に起こされ、真っ先に紹介されたのが彼女だった。ミリナ・セイジョー。年齢は13歳。完全に見た目は小学生なのだが、この子はマリッジ中尉の義妹らしく、階級は伍長のようだ。

 ……こんな子でも軍隊に所属してるんだから凄いようなぁ。

 初めて会った時の印象は元気なロリっ子。色白の肌にチワワのような赤い目つきの可愛らしい女の子だなと思ったもんだが、正真正銘の兵隊さんだと聞いてた時は驚いた。

 で、この子は本当の意味でマリッジ中尉の付き人をしているらしい。従者のような立場で中尉の身の回りの世話をしているとのこと。側男と言われた俺もある程度は出来れば良いだろうという事で、仕事を教えてもらうついでに馬に乗せてもらっている。

 ま、そもそも小さな村出身という事で馬に乗れなくても疑問に思われなかったが、もしかして乗馬も教えられるのだろうか。まぁ、どうせセックスぐらいしかすることは無いだろうから良いんだが。

 

「うん、まさかマリッジ姉さんの側男になる子がいるなんて思いもしなかったけど、どうしてなったの?」

 

 俺よりも背の小さな女の子。

 後ろから抱きしめられる形になっているだけあって、そりゃもう良い匂いががが。

 何というか、ロリから甘い香りが漂ってきてる感じがする。ミリナも兵士の一人ではあるものの、体型的に合う防具が無かったらしく、簡単にさらしが巻かれているだけの胸部が背中に当たっている。

 

「え……っと、僕、マリッジの事が好きなんだ」

「きゃ! 姉さんの事呼び捨て! 君、積極的なんだねぇ。姉さんが好きになるのも頷けるよ」

「そ、そうかな」

「そうだよ! あ、そうだ! 君の事はお義兄様って呼ぶことにしようかな」

「えっ」

 

 何故だ。

 女性に好意を寄せられることは良いのだが、理由が分からない。

 これから俺も中尉の側男として働くことになるからだろうか。同僚として働くことになる人間に対しての誠意を見せてくれている? ……いや、単にこの子が自分から歩み寄ってくれているだけなのかもしれない。なら、俺はそれに答えてやるのが筋というものだろう。

 

「ああ、なら僕は君の事をミリナって呼ぶね」

「……う、うん! よろしくね、お義兄様!」

「よろしく」

「えへへっ」

 

 ぎゅっと抱きしめてくる力が少し強くなった。

 成長段階にある少女の胸、ふくらみを感じてドギマギしてしまう。女性特有の感触に、どうしても意識してしまいそうになる。このままだといつ息子が興奮して勃起するか分かったもんじゃない。

 ――もしここで俺がこの子を相手に勃起してしまったとする。

 どうなるか。大人の女性が小さな男の子に抱き着かれて興奮しているって事。やばい、事案発生じゃないか! 完全に犯罪者の扱いになる気がしてならない。

 ……待てよ、この世界ですでに兵士として扱われているという事は一人の大人として接してやることが通常の対応なのではないだろうか。階級社会で生きている彼女たちにとってはそれが普通の事なのかもしれないし。

 そう考えると、俺がこの子に抱き着かれて興奮しても何も問題ないという事!

 この子も女性として見られて万々歳! みんな幸せ!

 ……なんて簡単にいけば良いんだがな。

 

 そういや、中尉は場合によっては待遇を変えてやるって言ってたよな。

 なら、今の俺の待遇もかなり良いものになってるんだろうか。側男にしてもらったのは良いとして、三食飯が食えてるし……寝床もあるし……女性と一緒に寝ることができる。軍の内部だから村が盗賊に襲われるって危険もない。

 あれ? 村にいたときより良いんじゃね?

 今俺の後ろで抱き着いてきているミリナも、軍属でなければただの可愛らしい女の子だしなぁ。そんな子にお義兄様って呼ばれる嬉しさよ。右を見ても左を見ても女性ばかり。あの馬車、中は広かったけど地面の凸凹の振動で体はバキバキに凝り固まってたから酷いもんだった。

 それに対して……嗚呼、なんと女子の胸の柔らかいことか。

 

「……ね、お義兄様。もしかすると、気にしてる?」

「え……えっと、何のことかな?」

 

 やばい。

 普通に胸の感触で興奮してるのが晴れてしまったか!?

 いや、だがこの世界の男性諸君は女性に対して性的な高まりを覚えないはずだ。ならば今俺が何気なく背中で少女の未発達の双丘の感触を楽しみつつも息子に充血しないよう意識を外していることがっ!?

 

「私、こんななり(・・)だから姉さんの世話役やってるんだけど、まだ子供だから……嫌、だったかな?」

「そ、そんなことないよ! ミリナみたいな子が一緒にいてくれるなんて凄く心強いよ」

「そう……かな」

「うん。マリッジには感謝しなくちゃね」

「え?」

「ミリナに出会えたのは、マリッジがいたからだから」

「~~っ! お義兄様ぁっ!!」

「うわっ!?」

 

 いきなり後ろから抱き着かれた。

 いや、ずっと抱き着かれていたから、抱きしめられる力が強くなった、と言うのが正しいか。強く抱きしめられたことでより一層胸が押し付けられているのが分かってしまう。ムニムニと形を変えて刺激を与えてくる。薄い服、さらしが二つのぽっちの存在を強調してくる。

 何故か昨日の情事も思い出してしまった。

 マリッジに抱きしめられて寝たときの乳首の感触を思い出してしまったのか。ムクムクと動き出す息子に意識がいき、そのまま大きくなってしまう。腰かけているため、今はまだ周りに勃起していることはばれてないが……これはマズイ。

 ミリナはまだ気づいてない、はず。

 ……ここは真面目な事でも考えよう。

 

 俺がこの世界の一人の住人、男性として意識を取り戻してから一般常識については忘れていたことをふと思い出したように知識として頭に入っていた。子供のころに記憶を取り戻して頭がぁっ!? とか、熱を出して倒れてしまったなんてことも無く普通に生活に紛れ込むことはできた。

 が、女性に対する男性の認識の違いに驚きを隠せなかった。

 で、異世界だから何かあるかな? とは思ったものの戦争があるだけで魔法なんてものは存在しなかった。異世界だけに魔法を使ってみたいという子供心もちょっとあったから残念だったが、まぁ、それは良い。

 問題だったのは中世程度の技術力、文明しか発達していないというところだった。

 生活するのに、生き残ること自体には何の問題もない。問題なのは、それ以上の事ができないという事だ。

 生活に余裕が無い。食事に余裕ができない。趣味を作ることができないから農作業をハイになって楽しんでいる気になるしかなかった。肉体的には健康でいられて良いんだろうけど……このまま年齢だけを重ねていくのかと思うとゾッとしていた。

 だからこそこの差し出し人員への立候補は人生の大きな転換点になったのだった。

 マリッジに出会い、ミリナに出会う事が出来たんだから本当に良かった。

 

 ――なんて考えてはいたものの、一切俺の息子は滾りからの収まりを見せることは無かった。ここまでガッチガチに勃起してしまったはズボンの下で自己主張してかなり痛いんだが。

 

「あ……たってる」

「いあっ!? いあいあ、今座ってるんだよぉ? べべ別にナニもたってないよ!」

「え? ……うん、大丈夫だよ。分かってるから、そのまま静かにしててね?」

「あ、う、うん」

 

 黙った俺とミリナ。

 数秒間の沈黙の後に違和感が一つ。視線を下ろすと、ミリナの手が股間に添えられていた。布の上からさわさわとペニスを撫で始めた。緩やかな前後運動が快感となって脳に刺激が送られてくる。

 慌ててミリナを見ると、少し頬を紅く染めて伏し目がちに、それこそ恥ずかしそうにしているような感じだった。が、やっていることが男子の勃起した逸物をしごいている事。言わずもがな事案と言わんばかり光景である。

 

「姉さんが言ってた。もしかすると、ミリナにも機会があるかもしれないって。嘘だと思いたくなかった。だけど……姉さんが言ってた事は本当だったかもしれない」

「え、な、何を……」

「ミリナ、経験は無いけど、何をすれば良いのかは知ってるんだよ? もし、お義兄様にミリナと一緒にって考えてくれるんだったら……して、欲しいなって」

「ミリナ……」

 

 ついさっき会ったばかり。

 初めて会った女の子が恥ずかしそうに、それも決意染みた感情を込めて話してくれたことを無下にすることができようか。いや、できまい! なら、今俺に出来ることはただ一つ。

 

「分かった。ミリナ……僕がミリナの初めてになるよ」

「ほ、本当に……? 本当にミリナの初めてになってくれるの?」

「うん。ミリナが僕で良いのなら、僕は喜んで君の初めてになるよ」

「あ、ありがと! お義兄様! ……くふふ」

 

(嗚呼……初めてを姉さんの側男になったばかりの男の人に奪われることになるなんて! それも私みたいな少女にも嫌悪感を抱いてないみたいだし、本当に稀有な人。こんな男の人がまだいるなんて……嗚呼、ああ、アア……お義兄様に抱かれる事を考えるだけでお股がぐちゅぐちゅに濡れちゃうよぉ。これじゃぁ、いくらお義兄様でも私の事嫌いになっちゃうかな? ならないよね? 姉さんの事を抱いてくれた人。姉さんが認めた人。だったら私の事も気持ちよくしてくれる。私の事を満足させてくれるに違いないよね? えへへ……早く夜にならないかな)

 

「……ミリナ?」

 

 何故か凄い悪寒を感じたのだが。

 ニマニマと口元に笑みを浮かべているミリナの事を疑うわけじゃないが、さっきよりも動きの激しくなりつつあるミリナの手をどうにかしたかった。今履いているズボンを汚したくはない。と言うか、移動中に手コキでイきたくはなかった。

 

「おーい……ミリナ?」

「くふっ……えへへ……!」

 

 いくら呼びかけても手コキを止めてくれないミリナをどうすれば止められるんだろうか。それともあれか? 俺が射精するまで手コキは止めてくれないってオチなんだろうか。




ミリナ
→ ババロア様からいただきました!


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第5話

ごめん。前後半みたいに分けちゃった☆


「あ……ん、ふ」

「くふふっ、かぁあいっ」

 

 クチュクチュと音を立ててペニスを扱き上げる小さな手の平。

 両手を使って上下に扱き上げる手の平の動きは拙いものの、亀頭の先端から溢れ出てくるカウパー液がヌメリとペニスを覆い、部屋を照らす微かな灯火(ともしび)がてらてらと陰影を作っていた。

 片手でようやくペニスに指を這わせることができる程度の大きさの手の平。

 小さな女の子が妖艶な笑みを浮かべてペニスを扱いている姿。前の世界では絶対に見ることのできなかった光景。そんな行為が目の前で繰り広げられていることに対する罪悪感と、見え隠れする背徳感とが入り混じり、背中を這って登ってくる。

 

「びくんってしてる……そろそろ出ちゃうの?」

「あ、あっ……ま、まだ大丈夫だけど……そ、そろそろ……っ!」

「くふふ! ダメだよぉ、ちゃぁんと私の中に出してもらわないと困るんだから」

 

 ヌルヌルと亀頭を撫で動かしていた手の動きを緩め、ニマニマと笑みを浮かべながら見上げてきた。幼気(いたいけ)さの残る少女は、そう言って下着を下ろし始めたのだった。

 

 

 

 ――夜。

 ウラスージ軍はまだ本拠地についていなかった。

 基本的にミリナと一緒にいた俺は、進軍中のセイジョー隊の様子を見渡してみたが、兵士は全員女性で構成されており、馬などは前の世界で見た馬と変わりない見た目だった。

 道中は森林の中に作られた道を進むだけの時間だったため、本当に暇だった。前だったら暇さえあれば適当にスマホを弄って時間を潰せたもんだが、今はそんな娯楽なんてものが一切無いからただただ空を見つめるしかなかった。

 そして、何もすることなく空を見上げる俺の息子に手を這わせて感触を楽しんでいるのだろうか。後ろから抱き着いているミリナは、布の上から怒張の存在を確かめるように前後左右に手を動かしては小さく笑い声を漏らしている。

 乗馬中 空を見上げて 弄られる。

 そんなバカなことを考えでもしていないと変な事をしてしまいそうで怖い。

 ……いや、この世界の女性からするとそれが一般的なのかもしれないが。でも、昼間にミリナが言っていた女性に対する男性の態度の事を考えると、複雑な気持ちになる。もしかするとこの世界の昔の俺もそういう態度を取っていたんだろうかと不安になってしまう。……まぁ、そもそもその時の記憶があやふやだから特に何も感慨深いものは無いんだが。

 

 で、昨日と同じく野営を行う事に。

 夕食も同じく携行食。食べられないことは無いけど美味しいとも思わない食事を流し込み、ミリナと一緒にマリッジのもとに向かった。側男となったのだからそれなりの仕事をしなければいけないと思っての事。ミリナはミリナで仕事をするらしいのでそれに付き従った形だ。

 

「うん? ペースがすることは何も無いぞ」

「……え?」

 

 早速暇を出されてしまった感じだ。

 何か世話をしないといけないと思っていたばかりの事で、食事の世話も着替えも何もしなくて良いとのことだった。じゃあ俺が側男に任命された理由は? それこそセックスをするためだけだろう。

 そう考えると少し悲しい気持ちになる。

 まぁ、何もしなくても生活ができると思えば楽なんだろうが、何もしていないとしていないで落ち着かない。ずっと座りっぱなしだったし筋肉が衰えそうだし、何かしてないと本当に怖くなってくる。

 ……これが俗に言う日本人病だろうか。いつから俺はこんな罪悪感を抱くようになってしまったんだろうかと疑問に思わないでもないが、精神に植え付けられた本能的な部分になるだろう。

 

「ふむ……そんなに何かしたいというのなら、ミリナを抱いてやってはくれないか?」

「え?」

「ミリナももう13歳だ。成人を迎えているが、まだ男と寝たことが無い。こいつが軍人として生きていくかはわからないが、大成するためにもこいつを抱いてやってくれないだろうか?」

 

 大成するのに男と寝る必要がどこにあるのだろうか?

 そんな疑問もあるが、女性は何歳で成人を迎えるのかっていう話だ。13歳で成人? だったらこの世界で俺がこの子を抱いたとしても何ら問題は無いという事だ。前の世界では未成年とヤったら完全に犯罪。保護者認定でのお付き合いでもない限り青少年保護法に引っかかってしまう事態になるが。

 ――改めてミリナを見つめる。

 俺よりも頭二つ分ぐらい小さい身長で軍人を務めているミリナは、軽装故にそこらにいる女の子にしか見えない。それも、年齢的に中学生ぐらいの年頃の女の子だ。どうしても異性として見るには無理があるように思えるが、どうしてだろうか……初めて会った時よりも一層女性らしさが増しているように見えるのは。

 

「……っ」

「っ、……くふふ」

 

 ……つい、喉を鳴らしてしまいそうになってしまった自分を後ろからミリナが見つめていた。気付いたんだろうか、その口元には笑みを浮かべるように口角が上がっている。彼女の視線は完全に俺の下半身に固定されていた。笑みも、妖艶なものに見えてきてしまう。

 小さく頭を左右に振る。

 このまま意識をミリナに寄せてしまうと、息子が反応してしまいそうだから。

 

「では、今日はミリナの相手をしてもらう事にしよう。私としては今夜も相手をしてほしいところだが、な……」

「あうぅ」

 

 顔を真っ赤に染め、熟れた林檎のようになってしまったミリナは、どこからどう見ても一人の可愛らしい少女にしか見えない。それなのに、この世界の男性は、そもそも女性と言うものを同じ人間と考えていない節すら感じさせる。

 ……もし俺が教団のトップとしてこの世界に君臨していたら、簡単に世界を統一できたんじゃないかと思う。基本的に女性の方が力が強いのだから、その頂点に立ってしまえば最低でも半数の同意を得られるかもしれないのだから。

 普通に恋愛をしたい男女も対象に入れてしまえば、もしかすると半数以上の同意を得られることになるかもしれない。

 

 まぁ、辺鄙な村で何の能力にも開眼することも無かった俺にはこのまま側男として過ごす以外に選択肢は無いようなものだが。適当に少し食事改善やら装備改良に手を回すことはできるかもしれないが。

 変に手を出して、後で俺の立ち位置が妙な事になるのは大変いただけない。

 そこまでこの世界になじんでないし、そもそも俺が考えてる事がこの世界で通用するとは限らないし。ま、見た感じ中世ぐらいまでしか技術が進展してないみたいだし、飯でも戦に関する事でも、俺程度でも力になれそうな事はありそうだけど。

 

「……くふっ」

「……」

 

 ――という風にでも考えてないとすぐに意識が息子にいってしまいそうだったのは言うまでもない。少しでも良いから真面目な事を考えておかないと、本当にこのまま……

 

「いいんですよ? 私にその欲望をぶつけてくださって」

「……っ!?」

 

 さす、とズボンの上から息子を撫で上げられた。

 正直、いつ勃起し始めてもおかしくない状態でのこの仕草。ちょうど裏筋を撫で上げられ、一気に陰茎に意識が集まってしまう。ほんのちょっと油断してしまうだけでも行けないというのに、隙を突かれた俺の愚息はムクムクと成長を遂げていく。

 マリッジから直に抱いてやれと言われている手前、無理にミリナの行為を止めることもできない。俺は、無抵抗のままミリナによる愛撫を受け入れるのだった。

 

「ん……ふ、ふぁ……っ」

「ふふっ……! すっごぉい……もうこんなに大きくなってる。こんなに大きいおちんちんがあるなんて! これじゃあ姉さんも熱を上げるのも納得だね」

「そうだろう? それでいてペースは床上手なんだ。お前もすぐに虜になるんじゃないか?」

「うわっ! 本当ですかっ!? ……くフフフっ!」

 

 それじゃあ、楽しんで。

 一言残して部屋を出ていってしまったマリッジ。部屋に残された俺とミリナは、変わらず密着したままだった。しかし、マリッジの姿が見えなくなった瞬間にミリナは俺の股間に手を伸ばしてきて、何の躊躇いも無くズボンの中に手を入れてきた。

 

「ちょ、ちょっと……! っぁ!」

 

 (じか)にペニスが触られている感触に、思わず出てしまった声。

 小さな声ではあったが、密着している彼女には聞こえてしまったのだろう。俺が碌に抵抗する気配を見せない事を良い事に、小さくて細い指をペニスに這わせ、輪っかを作り、緩やかに上下に動かし始めた。

 相変わらず彼女の口からは特徴のある笑みがこぼれている。

 が、頬が赤く染まっているのを見るに、この現状に興奮しているらしかった。俺も、こんな現実に無いような今この時間を楽しみ始めていた。もう、この世界で生を受けて過ごしていくしかないんだから、どうせなら楽しもうと。

 ……お返しとばかりにミリナのスカートに手を差し出した。

 思わずと言った感じでビクついたミリナだったが、俺が優しく腹部を撫でると構わず陰茎を扱き上げる動きを再開した。

 下半身から競り上がってくる快感に耐えながらミリナの秘所に指を這わす。

 

「ひゃんっ!?」

「あ……だ、大丈夫!?」

「くふ、くふふ……大丈夫、そのまま、触って……ね?」

「う、うん」

 

 俺はチラチラと。

 ミリナはジッと俺の事を見つめてくる。

 どうしてもそれが恥ずかしくなって目を背けてしまうのだが……そんな俺の反応も楽しんでいるかもしれない。と、思って何とか見つめ続けてやろうとしても目を背けてしまう。

 それどころか、ペニスから伝わってくる刺激の何と心地よい事か。思わず腰が前後に少し動いてしまう。まだ体の小さなミリナの陰部はしっとりと濡れそぼっており、これからの行為を待ち望んでいるかのようだった。

 ……いや、ようだった、というよりはそれを望んでいるのだろう。ぷくりと膨らんだ恥部からは愛液と思わしき液体が滴ってくる。割れ目に沿って前後に動かしているだけなのに、少しずつ溢れ出てくる粘液がニチュ、クチュとイヤらしく音を立てている。

 わざと音が大きくなるように左右に指を動かし、唇を撫でるように全体を指の腹で刷り上げる。

 

「あ……あっ、気持ちっ、んっ……あぁ、上手ぅ!」

「ふぁっ……気持ち、良いよぉ……っ」

 

 ホント、どっちの台詞か分からないような言葉が口から出てくる。

 素直に喘ぎ声を漏らすとこんな声になってしまう。残念ながらこれがこの世界の男性の感じ方なのだろうか。変じゃないか不安になるが……まぁ、気持ち良ければそれでいいだろう。

 小さな灯りだけが光源になっているこの部屋の中。俺とミリナの声だけが反響する。

 仄かな灯りに照らされ、薄っすらと影が伸びている2人は、互いに互いの性器を弄りあっている。吐き出される吐息が熱くなってくる。

 互いに透明な体液を垂らしながら感覚を高め合う。

 

「クフフ……! そろそろ、しよっか!」

「う、うん……」

 

 ぐいぐいと押されてベッドに押し倒されてしまった。

 が、俺的にはこんな展開もありだと思ってるからそのまま為すがままにされる。ズルッとズボンを下ろされ、ビンビンに怒張した陰茎が冷気に触れる。亀頭を抑えていた下着が外れ、ブルンと弾かれるように露出された肉棒が腹部に当たり、ぺちんと音を立てた。

 ズボンを下ろした本人は、本物のちんぽを見て呆然としているようだった。

 

「だ、大丈夫?」

「……う、わぁ……すっごい……こんなの初めてだよぉ」

 

 聞こえているのかいないのか。

 目の前に出現した肉棒に目を取られて声が聞こえなくなっているようだった。ミリナの身体を考慮してもこの陰茎は大きいに違いない。マリッジも驚いていたことを思い出すと、俺の分身が大きいのだろう。

 

「む、無理しないで、ね?」

「く、くふふ! だ、大丈夫……大丈夫、こんなに大きいの初めてだったからビックリしただけだから、そのまま横になって! ね?」

「うん……」

 

 ベッドに腰を掛け、そのまま横になった俺氏。

 天を突くように直立しているペニスを両手で包み込み、パクと口で亀頭を咥えこんだのだった。



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第6話

 クポ、クポと流石にフェラはしたことがなかったらしい。

 ミリナは亀頭を口に含んでから前後にゆっくりと頭を動かし、恐る恐るといった拙さだが、舌の腹でペニスの先端を舐めている。そこに戸惑いや躊躇(ためら)いなどの恐れはなく、只管(ひたすら)にペニスを味わおうとか、気持ち良くしてやろうという感情が見え隠れしていた。

 

「へぇ……ひぉひぃ?」

「あっ……! ぅ、すごい……!」

「んふぅぅ……」

 

 声帯のふるえ(・・・)が直にペニスを刺激する。

 思わず漏らしてしまった喘ぎに、ミリナは嬉しそうに目を細め、舌の動きを激しくし始めた。口に咥え込んだ亀頭を舌の腹で円を描くように亀頭を舐め、舌の先端を細めてチロチロと上下に舐め上げてくる。

 拙いものの、その前衛的な積極さが次第に技術を向上させていく。

 弱い所を見つけては重点的に攻めてきて、そこだけにならないように別手段で攻めてくる。好奇心が旺盛だとか、そういうレベルではない。完全に性を楽しみ、味わうために今を生きていると言っても過言ではない。

 

 だって、今年で13歳だって言ってたんだぜ?

 前世と比べると、いくら何でも性に対して大っぴら、なんてものじゃ済まなくなっている。……これは確かにこの世界の男性の性に対する積極さが低減していてもしょうがないのかもしれない。代わりに、女性が男性の性欲の大部分を吸い取ってしまったのだろう。

 しかし、俺のライフルで大きいなんてなぁ……この世界の男根平均が知りたくなってしまった。

 

「ん、あっ……はぁ……! そ、そこ、ぉっ!」

「ん、ふふ……! ほんと、エッチいなぁ……」

 

 口だけでなく、手も使い始めてしまった。

 男根に対する遠慮、気後れと言うものは一切ないようで、むしろ逆にどんどん動きが激しくなっている。一際声が大きく出てしまった箇所を徹底的に攻めてくる。

 それにしても、ここまで俺の性感は高かっただろうか?

 今なおミリナの口に咥えられている俺の陰茎から伝わってくる刺激、快楽のせいで両足ががくがくと震えているのだ。何とか射精をするまでには至ってないが、少しでも気を抜くと果ててしまうのは目に見えていた。

 俺の両太ももに置いていただけの両手を使って肉棒を上下に扱きだした。舌の動きと相まってヤバイ。背中を通って脳に直接響いてくるような快感の波に、思わず腰が浮いてしまう。

 

「あっ、ふっ! んんっ……!! も、もう……で、出そう……!」

「あ! だ、ダメだよ!? まだ出しちゃダメ!」

「え」

 

 唐突にミリナの動きが止まった。

 熱心に咥え込んでいたペニスも、一心不乱に上下に動かしていた手も放してしまった。ビクッビクと脈動する肉棒は重力に逆らい天を向いたままだが、次第に下に垂れ下がってしまうだろう。

 痛いくらいギンギンに屹立(きつりつ)しているペニスの先端から、ぬめり気のある唾液が玉となってつつと滴っている。

 

「ど、どうして……?」

「だ、だって、男の人って、一回出しちゃったらもう出来ないんでしょう? なのに、中に出してもらえないなんて……そんなの嫌だったから……」

「あー……なるほど」

 

 少し疑問に思っていたが、やはり、と言う感じでしかない。

 女性の方が性に対して積極的なのはもちろん、男性の性欲も反比例するように底辺まで落ちてしまったのだろう。そんな中このほぼほぼ性奴隷として引き渡されてしまった男性諸君は大層キツイ目に遭ってるんだろう。

 性に対する意識がいかほどのものなのかは分からないが、大部分の男性の意識は酷いものなのだろう。

 

 ――まぁ、それは置いといて。

 

「大丈夫。僕は、何回でもできるから。でも、そうだなぁ……」

「え……何回でもって、っきゃぁ!?」

 

 一瞬の隙をついて体勢を入れ替える。

 多少強引にはなってしまったが、それぐらいの勢いで事を進めなければこの世界の女性を手玉取ることはできない。むしろ、こっちが少しでも油断すれば絡めとられてしまうってのは、先ほどまで艶美な表情を浮かべていたのが目の前の少女だってのを思うとなおさらだ。

 これからもっとエロの思考と世界の常識に囚われ、男性よりも優位な立場に立って事を進めていくんだろうが。そうなる前に、少しぐらいこっちがぐいぐい行っても良いじゃない!

 

「ん」

「んふっ!? ふっ……ふぁ」

 

 上から覆いかぶさるようにキスをする。

 一挙に迫り、しかしキスは柔らかく。逃げることは無いだろうが一応両頬に手を添える。ミリナの柔らかな下唇の感触を楽しむように啄む。少し唇が触れるたびに小さく声を漏らすミリナの姿もまた可愛らしい。

 左手をミリナの後頭部に持っていき、右手は指先をミリナの体に触れる程度に浮かせて下半身に滑らせていく。

 そして辿り着いたミリナの女性器。まだ生えていないのか、それとも綺麗に処理されているのか、指先から伝わってくるぷにっとした感触が、これから成長していくであろう若さを感じさせる。

 そんな少女に、この、熱く滾っているペニスを挿入()れるのかと思うと、腹から湧き上がってくる背徳感が全身を貫く。無意識のうちに、こくりと喉が鳴っていた。

 体を起こし、今にも暴れ出しそうな自分の分身を手で抑える。

 少女のヴァギナは、十分すぎるほどに濡れそぼっていた。

 指先から伝わってくる肉棒の熱。だが、それ以上に少女は熱かった。

 ヴァギナから溢れ出てくる液体と亀頭の先端で膨らんでいる先走りとが混ざり合う。にゅる、にじゅとペニスが滑る。その度にカリ(・・)が刺激になるのかミリナは小さく声を漏らしていた。

 

 ――それだけで、果てそうになるのを何とか耐えていた。

 

「じゃ、じゃあ……い、挿入()れるね」

「うん……来て」

 

 目をトロンと、本当に嬉しそうにミリナは両手を広げて俺のことを迎えようとしていた。

 健気さ、ここに極まれり。

 マリッジ中尉は大人の女性、しかも積極的に攻めてくるタイプの人だが、この子は真逆。性的な知識は豊富だが、いまだ純粋さを失ってない少女。これからどういう女性に成長するのか気になるが……このままであって欲しい。そんな欲情が湧き上がるほどに可憐な少女だった。

 

「ん……はぁぁ……っ!」

「んぁあっ!! あ、っついぃ……んぁ!」

 

 ヌメリが潤滑剤となってするりと亀頭が膣へと侵入した。

 肉棒の先端がミリナの膣内(なか)に隠れ切った瞬間からぎゅうぎゅうと締め付けてくる。彼女が身をよじる度に膣がうねり、ひだが絡みついてきて吐精を促してくる。

 初めて陰茎を受け入れる膣はあまりに狭く、侵攻を拒んでいるかのよう。

 しかし、前に進めば進むだけ今度は後ろに引くことを許してはくれなかった。ぎゅっぎゅとペニスに刺激を与えつつ、絶対に逃がさないと言わんばかりの膣。それに加えてミリナの両足が背中の後ろに回され、しっかりとホールドされていた。

 俗にいう大好きホールド。両腕も背中に回されてることもあって腰しか動かすことができない状態だ。……まぁ、セックスをする点においてはなんら問題はないんだが。

 

「ん、あ、くぅ……」

「あ、あ、ん……気持ちぃよぉ」

 

 腰を前後に、動きやすいよう位置を調整しながら上下に動かし肉棒を出し入れする。簡素な造りになっているのか、腰の動きに合わせてギシギシとベッドの軋む音が響いている。

 手持無沙汰になっていた右手を動かし、ミリナの腰の後ろ回して抱きしめるような体勢に。成熟しきっていないミリナの体は、少し軽かった。

 

 ――拙いながらもなんとか腰を動かしつつ、考える。

 どこを舐めようかと。

 知識は成熟していても、いまだ青い果実でしかないミリナの肢体からは甘酸っぱい匂いが漂っていた。首筋に顔を引っ付け、目一杯息を吸い込んだ。

 そして、吸い寄せられるように耳元まで顔を動かし、鼻先でぷにぷにしている耳たぶをパクリと咥え込んだ。

 

「ふ、ん……っはむ」

「んひっ!? ら、だめ! 耳、感じるぅ!」

 

 腰の動きに専念しつつ舌先を動かし、ヌロ、レロと丹念に撫でていく。

 耳が性感帯なのか、背中に回された手でぎゅっと食い込ませてくる。同時に膣のうねりも激しくなり、ぎゅっぎゅと万力に挟まれているような力強さでペニスを扱きあげてくる。

 

「あっ! ……も、もう……出るぅ……!!」

「い、あはっ! 来てっ! 出しってぇ!!」

 

 ミリナは、両手両足を強く締め付けてきた。絶対に中出しさせると言わんばかりのホールドに抗うことなく腰を大きく打ち付けた。一度お預けになっていた怒張は、ここぞとばかりに膨れ上がりミリナの膣を圧迫する。

 股間の付け根の辺りからドクンと大きく脈動し、見なくてもわかるぐらいに粘ついている濃い精液が鈴口から吐き出されていく。

 

「あっ! ふっ、んぐぅっ!! ぁっついぃ……ふぁあぁっ!!」

 

 びゅるびゅると大量の白濁液がミリナの膣内を汚していく。肉棒以上に熱くまとわりついてくるひだがうねって精液を吸い出していく。一度(ひとたび)精がミリナの中へと吐き出されると、全身を震わせて快楽を貪っていた。

 だらしなく開いた口から覗かせているピンク色の綺麗な舌がすごく淫猥に見えて、気付けばその舌に吸い付いていた。

 

「ん、じゅる、ふぅ……ん」

「んあっ!? ひゃめぇ……ひもひぃ……ひもひぃよぉ!!」

 

 射精の波はとうに過ぎ去っていたが、萎えることなくギンギンと膣内でいきり立っている剛直は、うねうねと蠢き刺激を与えてくるミリナの膣の中で暴れ出そうとしていた。

 俺も、この快楽を貪ろうと、(おもむろ)に腰を前後に動かし始めた。

 絶頂の余韻を味わっていたであろうミリナの拘束は緩んでいて、簡単に腰を上下に動かすことができた。ミリナの小さな口に吸い付いたままだったから、腰を動かし始めた俺の行動に驚き、目を見開いていた。

 

「んぅっ!? ふっ、んぁ、んぅぅぅ!!」

「ふ、ふっ……んっ……」

 

 じゅぷ、じゅぷと腰を動かすたびに水気のある音が耳に届いてくる。

 たぶん、たっぷりと膣の中に吐き出された精液が溢れているかもしれないし、ミリナが愛液を垂れ流してくれているのかもしれない。もし後者であるのなら、男として嬉しい。

 

「ふぁっ……! また、またイくよ……! 中に、出すよ……!」

「んひぃぃっ!? すごいのくりゅぅぅっ! んぁあっ!!」

「――ぁあっ!!」

 

 ぢゅぱんと、液体を飛び散らせながら腰を打ち付け、二度目の精を吐き出した。

 膣が細かく痙攣しているのがペニスを通して伝わってくる。指先から足先までピンと伸ばして硬直しているミリナは声にならない喘ぎを漏らしていた。

 びゅる、びゅるる……

 二度目だというのに長い射精を続ける肉棒は、ようやく満足したのか少しふにゃっと萎れて膣から押し出された。こぷりと、白い精液と愛液とが混ざり合って泡立った白濁液が、栓を切ったようにとめどなくあふれ出してくる。

 よくもまぁ、こんなに大量の精液が出たもんだと自分でも感心し、同時に処女じゃなかったんだろうかと疑問が過る。まぁ、激しい運動をする女性は自然と処女膜が破れてるって話を聞いたことがあるし、そんなもんかと勝手に納得する。

 

 そして、一息吐いたところでミリナと目があった。

 広げられる両手は俺の事を迎えようとしていて、ふと膨らみを見せる乳房に目が行き、てらてらと光る汗が激しい性交の後となっていた。

 

「もっと……もっとぉ」

 

 ――あれだけ豪快に果てたと言うのに、少女から発せられた言葉は催促のもの。ちょっと呆けて口が開いてしまった俺は悪くないはず。

 でも、何だかんだ言いつつ自分の分身も勃起し始めてるんだから俺も俺だなぁと実感するのであった。



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第7話

 皆さん、ご機嫌麗しゅう。

 こちらは元気です。皆さんも元気でしょうか?

 

 ……寝起きでうまく回らない頭で適当な事を考えつつ、目の前に出された朝食を口にする。この世界の捕虜がどういう扱いを受けているのか分からないが、この軍での扱いは一般的な生活よりも良い食事を受けることが出来ていた。

 食事をする所は天幕で覆われていて外を見ることは出来ない。

 複数人が食事をするのにはまったく問題ないぐらいのスペースがある。もちろん、ここも女性兵士の皆さんが建てたわけだが、ここには俺以外の男性の姿は見えない。なんだか俺一人だけ隔離されているみたいで心細い。

 品目は硬めの黒パンにスープ。そしてちょっとしたドライフルーツてきな乾物。俺が今まで生活していた村での食事が、自分たちで作った野菜にあれば麦飯をなんてものだったからな。勿論、収穫量が少なければ自分で食べる量も当然減ってしまう。

 それに比べてここでの食事は、朝と夕の2回確実に口にできるんだから良いもんだ。

 黒パンをスープに浸して柔らかくし、口に運ぶ。

 

「うん……うん」

「ほえぇ。珍しい男性(ひと)がいたものですね」

「うん?」

 

 対面に、俺が食べている食事よりもちょっと品目が多い配膳が置かれた。

 釣られて上を見ると、ふわっとしたツインテールが特徴の女性の姿があった。

 ミリナもそうだが、この女性もまた軍隊にいるのが似つかわしくないなぁと元の世界感覚で考えてしまう。そして何より目がいってしまうのがその胸の大きさだ。とてもじゃないが、兵士としてトレーニングをしていると思えないぐらいの塊。体の動きに合わせてぷるんぷるんと動き、腕でむにっと潰れてはまた同じ形に戻っていく。

 

「おぉ……」

「そんなに見たって食べ物を恵んであげませんよぉ?」

「え……? あ、いえ! 食べ物を見ていたわけではなくて」

「ほぇ? では、何を見ていたんですかぁ?」

「あ、そのぉ……い、いえ、やはり、美味しそうだなぁ……なんて」

 

 さすがにド直球に胸を見ていましたなんて言えるわけがない。

 いくらこの世界の女性の貞操観念がおかしいとはいえ、まだ開けっぴらに初対面の女性に下ネタをぶつけるのは恥ずかしい。

 まぁ、いくら俺が悩んでいたところでどうせ向こうから言ってくるだろ。セックスするぞとか、今日は私と寝るぞとか。

 ……この軍にいる男の身としては、もしかするとこの女性ともいたす(・・・)かもしれないということだけは予期しておこう。

 

「もぅ……そんなに美味しそうにされると、こっちが悪い事してるみたいじゃない。んー……はい、あ~ん」

「え……あ、あーん……ん」

 

 美味しいです(単純)

 もぐもぐと味わっていると、今まさにあーんをしてくれた女性が何やら驚いたように目を見開いている。まさか男が食べてくれるなんてとか考えてるに違いない。何も気にせず食事を続けるとしよう。

 

「ちょ、ちょっとぉ! 何知らんぷりして普通に食べてるの!」

「んぇ? ……ふぅ。いえ、こうやって皆さんの要望に応えるのも勤めかなぁと」

 

 俺としてはご褒美みたいなもんだから何の感慨もなくこんな台詞を口にしていた。

 可愛くて巨乳な人からのあーんを断る男はいない! と熱く心の中で叫んだところでこの世界の男性諸君はそもそも女体に神秘を感じていないようだからな。

 そろそろ食べ終えるぐらい小さくなったパンをスープに浸していると、呆れたように溜息を吐かれた。何故だ。

 

「はぁ……中尉から話は聞いてたけど、まさかここまで普通じゃない感性を持った男がいるなんて」

 

 さーせん。そもそも貞操観念自体違います。

 たまに他の男性の様子が気になって見るのだが、最初のころからそんなに環境が良くなっているとは言えなかった。まぁ、しっかり食事をとることはできるし、体もそれなりに清潔にさせられているからそうそう簡単に体調を崩す事は無いだろう。

 問題は精神か。

 誰を見ても暗い表情をしているんだから、もし俺があそこにいたら完璧気を病んでいただろうと自信を持って言える。もうどうしようもないのだから逆に諦めてしまえば楽になるのに……どうしてこの世界の男性はそこまで性に対して悲観的なんだろうか。

 こちらから好みの女性を指名することができないという難点はあるものの、セックスをするだけで一日しっかり飯が食えて安寧な時間を過ごすことができる。大体の危ない事――夜盗やらたまに出てくる獣の撃退等――は女性兵士の皆さんがやってくれる。

 指名があればいつでもセックス。なければずっとのんびり。

 なんて素敵なスケジュールなんだ。

 

「ごちそうさまでした」

「……ねぇ、君っていくつなの?」

 

 俺の食事量よりも多い配膳だったのに、気付けばすでに半分も無くなっている事に驚きながら質問に答えようとして、ふと何歳だったかなと疑問に思ってしまった。

 

「……18、です」

「18!? 若いだろうとは思ってたけど、まさかそこまで若いなんて……中尉も良い男を見つけたものね」

「えっと、やっぱり、その……自分みたいなのは珍しいんですか?」

「当たり前でしょ。性行為は嫌がらないし、なんだったら自分から積極的に腰を振って気持ち良くしてくれるって話でもちきりなんだから。耳にしたときは妄想かなんかかと思ったけど……君と一緒に寝た奴全員が同じ事言うもんだからねぇ」

「あ、あはは……」

 

 まるで珍獣みたいな扱いだけど、腰を振ってるって事を否定できるわけでもないので笑ってごまかしてみる。そりゃ俺だって気持ち良くなりたいし、気持ちよくなってもらいたいって勝手に思ってたが故の行為だった。

 ……周りの男どもの状態を鑑みるに、別にマグロのように横たわったままの状態でも勝手に向こうが気持ちよくなろうとするんだろうけども。それだとこっちのペースで事を進めることが出来ないだろ? 女性優位の世界なんだ。そのまま女性にペースを握られたままってのには黙ってられんと奮起してみた結果『セックス中だったら大丈夫だろう!』という結論に至ったのだった。

 

 うーむ……我ながらなんて短絡的で頭の悪い発想だろうか。

 

「ごちそうさまでした。……えっと、もしかして今日のお相手は」

「そ、私。あんまり気持ち良くしてあげる自信は無いけど、中尉がお勧めしてくれたからには断るわけにもいかなかったの」

「なんとお呼びすれば?」

「リリア。一応軍曹って立場だけど、階級は気にしないで」

「わ、わかりました」

 

 今までの女性と違ってガツガツ迫ってこない。

 俺の感覚からすればこれぐらいの女性が普通のような気はするが、他の皆さん方の対男性用常時展開型下ネタ攻撃を思い出すと、ね。軍曹ってことは結構上の人だとは思うが、この雰囲気だけで俺の癒しになってくれる。

 実際に事が始まるとどうなるかはわからないけれども。

 

「あ、君に伝えることがあるんだけど。このまま本国に戻ったら、君、結構良い扱いされるって」

「え、それって」

「中尉が君の事を慮ってるみたいでね。それに、短い間だけど君の働きは今までの男性の中でも特に顕著だって事で、上に上申して君の待遇をかなり良いものにしようとしてるみたい」

「そう、ですか……」

 

 あまりパッとこない。

 ただ単純に、女性と何回もセックスしてるだけなんだから働いてるって感じはない。俺も俺で気持ちいいですし。まさにウィンウィンな関係じゃないかと満足してたんだが。

 ……これ以上の待遇ってことは、衣食住の環境でも良くなるってことか?

 

「それじゃあ、お堅い話は抜きにして。早速だけど私のお相手してもらっても良い?」

「え、今からですか?」

 

 朝食を食べ終わってまだ間もない今から運動するのは気が引ける。

 ちなみに、食事後すぐに運動すると脇腹が痛くなる症状に苛まされたことがある人はいるんじゃなかろうか。これにはいくつか通説があるらしい。例えば胃の中に残っているものが上下に動くことで起きる痛みだとか、運動することで消化に必要な酸素を供給する事が出来なくなるからだとか。

 まさにその項目に当てはまりそうなことになりそうな事をしたいと思わないのは生理的反応じゃないかと勝手に納得していた。

 

 ――ミシッ

 

「え?」

「……ね、今から、良いでしょ?」

 

 今まさに起きたことを説明するぜ……

 口元を少しにやつかせ、何気に小悪魔的な笑みを浮かべていたと思っていた目の前の女性が手に持っていたフォークがいつの間にか真っ二つに折れていたんだぜ……自分でも何を言ってるか分かってない。だが、一つだけ理解できることがあるとすれば、この女性に俺は決して逆らってはいけないという事だろう!

 それにしても良い笑顔。いやぁ……本当にこの世界にいる女性は力が強くて頼りになりますなぁ(白目)

 

「……はい」

「そうそう。男の子は素直なのが一番だからね。私だって、好きで可愛い子をいじめたくないから、ね?」

 

 こ、怖ぇぇ!

 最初のぽわぽわした感じは一体どこに消えてしまったんだ! これが軍曹の威圧感。飯食ってセックスに流れる動きがちょっと強引過ぎやしませんかねぇ。いやまぁ、これがこの世の常識的な流れなんだろうけど。

 ……離れたところで朝食をとっていた男連中はもちろん真っ青な顔をしていたけど、女性士官たちも引き攣った表情をしていたのはどういう事なんだろうか。マリッジ中尉にもそこまで酷い顔をしてなかったと思うんだが。

 

「じゃ、行こうか」

「……はい」

 

 綺麗に完食して綺麗になったトレイを近くの女性士官に渡すと、すぐにガッチリと左手首をリリア軍曹に掴まれてしまった。こうして近づいてみると彼女の身長はそこまで高くない。むしろ俺の方が頭一つ分ぐらい高いぐらいなのだが、下から覗きあげてくる彼女の表情はニッコリと俺のことを見て微笑んでいた。

 正直、この笑顔は良いものなのかどうかがわかりません。

 絶対にこの右手を振りほどくことはできないだろうが、そこまでの圧迫感を感じないから痕が残るようなことはないだろう。と言うか、環境が良くなると言ってたんだからそのあたりは考慮してくれているのかもしれない。

 かもしれない(震え声)

 幻聴だろうが、耳のすぐ近くでドナドナが流れている気がした。



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第8話

「ほら……もうちょっと腰を上げて」

「ん、こ……こう?」

 

 言われるがままに腰を持ち上げる。

 うつ伏せの状態で膝を立てるようにして腰を突き上げている。何故俺がこんな体勢をしてるかと言えば、朝食を食べている最中に出会ったリリア軍曹が俺を御指名してそのままの流れで彼女の割り当てられている部屋へと連れ込まれたのだ。

 まだ時間が朝と言うこともあって他の女性士官ともすれ違ったのだが、リリア軍曹のことを見るとすぐに道を譲って敬礼していた。身長的な見た目からしても相手の方がほぼ身長が高いのにこの態度。それだけ敬われているのか、それとも恐れられているのか。

 俺は一体どんなプレイをされるのか不安でしょうがない。

 

 で、リリア軍曹の当てが割れていると思わしき部屋に来たのだが、やはり殺風景な内装になっていた。まぁ、まだ街に向かっている道程だからこその内装なんだろうけど。

 部屋に到着してまず一息ついて、なんてことは無く、そのまま俺は為すがままに着ているものを脱がされ、産まれたての素っ裸で簡易ベッドに横にさせられた。

 今回は今まで行ってきたキスや愛撫といった一般的なセックスの流れなどなかった。ただただ俺は彼女の言葉に従う事しかできない。隙を見てチラと彼女の様子を覗ったりしてみるのだが、頬を赤らめて俺のお尻を眺めている軍曹を止めることは出来なさそうだった。

 

「良いよぉ……ほぇ……美味しそぉ」

 

 むず痒い。

 後ろから局部を見られるという経験をするとは思ってもみなかったが、確かにこのポーズは恥ずかしい。何分、こうして見てきているのがかなりの美少女であることも一つの要因であった。

 ……18歳と聞いて若いと言っていたから、もしかすると俺よりも年上なのかもしれない。軍曹という階級を加味すれば尚更だ。とても、見た目だけだととてもじゃないが年上だと判断することはできないが。

 

「あむ」

「ひゃっ!?」

 

 急に左の臀部に感じる生暖かい感触に変な声が出てしまった。

 慌てて後ろを見ると、そこには男の尻に顔を埋めて目を細めている少女の姿があった。あれ? なんでそんなにうっとり目尻を下げてるんですかね。

 

「スー……ハー……うふ。うふふ。これが……男の匂い……」

「ちょ、そんな所嗅ぐようなぁっ!?」

 

 菊の花。そしてお稲荷さんの間に熱い突起が宛がわれた。

 ぶるりと体が震える慣れない感覚に思わず少し前に進んでしましそうになり、しかし尻を掴まれているせいか逃げることはできなかった。もがく俺を無視してそのまま舌でれろりと撫で上げてくる。

 何が気に入ったのかぬめり気の帯びた蛇のような舌遣いで、這うように丹念に尻だけを(ねぶ)ってくる。8の字を書いたり一か所を重点的に吸い付いてみたり、下から上へと舐め上げてみたり。見えないところで好きにされているせいか、妙に克明な感触が背中を駆け上がって伝わってくる。

 その度に体が小さく震え、振動がリリア軍曹に伝わっていると考えると、それだけで羞恥心がもたげてくる。絶対後ろで男の尻に顔を埋めて光悦としているこの女性は喜々としているに違いない。

 が、なんだかんだ気持ちは良いため、羞恥と快感の二つが相乗して体を火照らせる。頬が熱くなっていた。

 

「んー……んふ、んちゅ」

「んぁっ!? だからっ、なんでそんなとこばっか……!」

 

 お尻全体を楽しんでいた彼女は、まさかの菊の花を目掛けて舌先を伸ばしてきた。大した衛生環境でもないこの状態ほど汚いものはない。というか、中世時代っぽいこの世の中でアナル攻めを一番最初に持ってくるなんてどんな先取りセックスだ!

 

「うふふ……口では嫌がっていても、もうこんなに大きくしちゃって。本当にエッチで変態な男の子です……」

 

 変態なのは貴女です(迫真)

 とは思うが、何故だか本当にアナルを舐められるのが気持ちいい。

 ウォシュレットトイレに座ったことがある人だと、ジェットのように水を噴射する事で排泄する動きを促してくれる働きを直に感じていることと思うが、この舌にそんな働きはないものの、舌先がアナルを押し広げようとする感覚が、排泄感を促そうとしているようだった。

 

「い、いつまで、こんな……!」

「んふー……私が満足するまで、ね?」

「そんなぁ……ぁっ!」

 

 それからはずっとリリア軍曹に尻を撫でられ擦られ舐められる時間が続いた。時間が経つごとに敏感に、感じやすくなっていく自分の体に戸惑いを覚えながらも、ただただこの状況を甘受していた。

 次第に頭の中がぼうっとしてくる。

 どうせ抵抗することも出来ないし、そもそもこんなに気持ち良くしてくれるんだから……

 

「ん……ふぁ……ふっ、んー……」

「うふふ……本当に気持ちよさそう……それに、蕩けた表情してるのに、こんなにガッチガチにおちんちんおっきく、固くしちゃって」

 

 無造作にペニスを掴まれた。

 積もり積もっていたものが堰を切ったように吐き出され始めた。

 

「ふぁっ……! ん、はぁぁっ!!」

「え……?」

 

 むき出しになっていた亀頭部分をいきなり触られ、敏感になっていた感覚が一気に背筋を駆け上がって脳髄に響いてきた。ビクッビクと大きく体が震え、神経が下半身に集まっているのがわかる。全身で射精の絶頂感を享受する。

 ちょっとして、部屋の中がむわっと青臭さで覆われた。

 3回、4回とペニスが大きく跳ねるようにして吐き出されていた精液の勢いも弱まり、荒くなっていた息も落ち着いてきた。

 いやぁ、まさか一回、それもほんのちょっと触れた程度で絶頂まで至ってしまうとは。何というテクニックを見せつけてくれるんだ……お尻しか触られてなかったというのに。

 

「え……そんな、なんで出しちゃったの!?」

「なんでって……リリア軍曹がずっとお尻ばっかり弄ってくるからです」

「そ、そんな……いくらなんでも早すぎるんじゃ……」

 

 四つん這いのままに振り返って様子を窺うと、呆然とした表情を浮かべているリリア軍曹の姿が。視線は多分、俺のペニスでも見ているんだろうか。もしかして、他の男性はもっと遅漏で、お尻だけの愛撫じゃイったりしないのか?

 もしそうだとすれば、確かに俺はこの世界の中でもトップクラスの早漏と言うことになる。

 しかし、マリッジ中尉もミリナも満足してくれてた気がするんだけどなぁ……まぁ、そもそもリリア軍曹に挿入していないという点で今までの展開とは違っているが。

 

「なんで……中尉だって……」

 

 射精したばかりだが、その後に来る賢者モードもなく落ち着いてきた。

 落ち着いてから周りを見る余裕も出来てきた。と言っても、今自分が出したばかりの白いドロドロとした精液がベッドに散乱しているぐらいしか見えないが。

 しかし……ここまで射精するとは。

 顔があるぐらいの位置のシーツまでザーメンが飛び散って染みついていた。量も量で、腹辺りのシーツなんかはベッタベタに白くなっていた。すぐに染みついてないところをみると、結構濃い目のものを吐き出したんだなぁ。

 射精してしまった故にもう終わってしまったものだと思い違いしている軍曹は、未だに独り言を漏らし続けていた。すでに俺の息子は臨戦状態に入りかけているのに気づかないとは……この世界の女性が性に飢えているような感じだというのにどんな体たらくだ(おかげで一息吐くだけの時間を過ごすことはできたが、それには触れないでおこう。別にリリア軍曹の手柄というわけでもないのだから)。

 

「ん……」

「なっ……!? ん、ふっ……」

 

 俺が四つん這いの状態から振り返って両手をリリア軍曹の頬に手を添えるまでにシーツの擦れる音、ベッドが軋む音に視覚的な動きもあったはずだが、結果的に俺が両手を頬に添えるまで身じろぎもしなければこっちに視線を向けることもなかった。

 だから、リリア軍曹からしてみたら、俺がいきなりキスをしてきたと思っているに違いない。と言うか、この世界の男性を基準に考えれば、俺でなくとも男からキスをしてきたらいつだって突然になるのは間違いないんだろうが。

 唇と唇が触れる程度の軽いキスから始まり、すぐさま舌を出してリリア軍曹の上唇を舌の先で撫で上げた。リップという概念もないだろうが、唇全体に塗ってあるんじゃないかといわんばかりにぷるっとして張りがある。

 突然のキスにすら驚いていたリリア軍曹は、その後すぐ両手を振り上げていたが、直後の舌先の感触に気を良くしてくれたのか、強張ったままだった両手をそのまま俺の背中に回してきた。

 順番としてはおかしかったかもしれないが、軽めのキスから舌と舌を絡めるがっつり系のキスまでしっかりと楽しんでいく。その過程の中で、俺の息子も再び硬度を増し、しおしおに小さくなりかけていた亀頭が大きく天を突こうと張りを取り戻しつつあった。

 

「ふぁ……」

 

 下半身で蠢くペニスがリリア軍曹の来ている服に擦れ、もどかしさを覚える。思わず腰を動かし位置を直そうとするが、思いのほか気持ちの良いところにあたって腰が引けてします。

 

「ん……? ……っ!?」

 

 そんな俺の様子に疑問を抱いたのか、へこへこと動く下半身に視線を動かし、その時には既に半分以上勃起しているペニスを見て、驚きの声を漏らしていた。

 ――そんな驚いている表情もまた可愛らしい顔をしていた。

 正直、セックスをするものだと思って心構えをしてきたこともあり、一回の射精だけでは物足りない。元々ここまで性欲が強い方じゃなかったんだが、この体になってからと言うもの、これが絶倫かというものを自分自身で経験していた。

 歯止めが効かなくなった我儘な子供のように、強引に唇を重ねた。

 

「んっ!?」

「んちゅ……ちゅ、んぢゅるっ、んふ」

「んはっ!? んぁ、ぁっ、んんっ!?」

 

 一層激しく。

 舌を突き出し、強引にリリア軍曹の唇を割って舌を捻じ込み蹂躙する。

 下唇と歯茎の間を撫で、舌を絡ませ、物足りないとばかりに体液を吸引しながら舌を絡ませる。見せつけるように舌を伸ばして宙で絡ませ、だらしなく舌先を伝ってきた涎が顎から滴り落ちる。

 ぽた、ぽた……

 じゅる、んちゅるる、ねろぉ……

 

「ん、ぁはっ、ふ……おぃひぃ……」

「なに……これ、なにこれぇ……すごぃぃ」

 

 へこへこと動かしていた腰を一旦止め、がちがちに勃起したペニスをうまいことリリア軍曹の股下に挟み込ませる。少し腰がかくかくと震えているリリア軍曹の隙をつくことは簡単だった。

 服の上からとか関係なく、そのまま前後に腰を動かし、疑似的に素股を楽しみながらキスを続けた。――たとえこの行為が布越しであっても、疑似的にペニスを挿入感覚は彼女にとって強烈なものだったらしい。

 

「ふぁっ……! だ、だめぇぇ……!!」

 

 布越しに伝わってくる彼女の体温に変化があった。

 いや、体温以外の感触が伝わってきた、と言ったほうが正しいか。

 じわぁとしっとり感があって、それから足を伝って何かが下に滴り落ちていく。裸だから直に液体が流れていく。目線はずっとリリア軍曹の双眸を見つめ続けているが、かすかに匂ってくるアンモニアの独特な臭いが鼻についた。

 涙目になって頬を赤めるリリア軍曹が、何とも可愛らしかった。

 頬に添えていた両手で一気にリリア軍曹のズボンを下着と一緒に下ろした。驚きで体を硬直させるリリア軍曹を尻目にキスを続行。是非とも小便で濡れそぼったヴァギナを拝見させていただきたいけども、そんな情欲に走りたくなる気持ちを抑え、リリア軍曹からの視線を切らなかった。

 

「んひゃっ!?」

 

 右手を下の唇に軽く添えただけで大きく口を開けて声を漏らす彼女だが、その口も舌と唇で強引に覆い、口内を蹂躙する。あんなにも強気で、いかにも女尊男卑の頂点にいそうな雰囲気を醸していたリリア軍曹も、こうなってはただの可愛らしい少女に見えて、そんなギャップが一段にペニスがびくっと脈打ってリリア軍曹の肌に触れた。

 

「あつっ!? こ、これが……男の……」

「え?」

 

 思わず声を漏らしてしまった。

 これが? 男の? ……まさか初めてチンコという生物を見たのだろうか。自我を持ってるようにビクビク動くこの生き物。自慢のマイサン。いや、ここまで大きい一物(いちもつ)そのものが他の男性と比べてあり得ないという意味かもしれない。まさに逸物(いちもつ)

 いくら兵士としてきついトレーニングをしてると言えど、俺よりも小さな体だということを考えて、念入りに膣をほぐしていく。

 

「あ、あっ! だめ、そこ、んぁっ!? なんでぇっ!?」

 

 ローションなんて物は無いが、それすら必要ないぐらい小便と溢れ出した蜜でぐちょぐちょになっているヴァギナはすんなりぬるりと中指を呑み込んだ。

 中ぐらいまで入った中指をぎゅっぎゅと締め付けてくる。こんなきつい膣にペニスを挿入()れたら……またすぐに絶頂()ってしまうに違いない。熱く煮え滾っている彼女の膣の中で、俺は無茶苦茶に指を動かし始めた。

 

「ぁひぃぃっ!? ら、らめっ、激しっ!!」

 

 指先につるりとした感触が当たった。多分、ここが彼女のGスポットなのだろう。一際甲高い嬌声を上げ、膝を震わせる。膣壺から溢れる愛液が手の甲を伝って止め処なく落ちていく。十分解れたと思うけど……まだ彼女の膣には指一本分しか入らなそうだった。

 敏感な所を急激に刺激され、彼女はイヤイヤと駄々をこねる様に頭を左右に振り、クリーム色の髪を靡かせていた。

 とりあえず、膣から指を出し、俺は彼女をベッドに横にさせた。さっき出してそのままの精液の場所になるべく背中が触れないようにして、仰向けの状態で横になってもらう。

 目の涙を浮かべ、さっきまでとろとろに蕩けた表情をしていたリリア軍曹は、恥ずかしそうに口を一文字に閉め、両手で目を隠して小さく唸り声を上げていた。




中途半端なところでぶつ切り。
本当はこのまま最後までと思ってたんだけども……
長くなりそうだったんで、切りました。


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第9話

「そ、その……あ、あたし……初めて、だから」

 

 か細い、まさに蚊の鳴くような声に、想像したことが当たって驚きを隠せなかった。

 

「え? 処女?」

「しょ……!? て、てめぇ……! あたしが気にしてる事を……!!」

「ご、ごめんなさいっ!」

 

 まさかの処女。

 バージン喪失のお相手を務めさせてもらえるとは本当に嬉しい。女性の性欲がすさまじいこの世界で、一度も男性とセックスすることなく過ごしてきたなんて。

 この世界で処女と言う事は。元の世界でかなり童貞を拗らせて途轍もなく恥ずかしくなっている状態かな。しかし、指を入れたときは膜があった感触はなかったけど……あれか? 激しい運動をしていると処女膜が自然と破けてしまうって話を耳にしたことがある。

 

「でも、自分なんかで良いんですか?」

「あん? ……お前だから、良いんだよ。中尉にも認められてるみたいだし、それに……あ、あたしに優しくしてくれるし」

 

 チョロインか。

 頬を赤く染め、少し斜め向こうを見ている。もしこれがムードのある会話からの流れだったら最高だったが、軍属で、それも男女逆転してて。凄く複雑な心境になる。でも、彼女は下半身に何も身に着けておらず、濡れそぼった未踏の地を開けっ広げに見せつけてきている。

 まぁ、可愛いから問題無いか。

 

「そ、それじゃぁ……」

「あっ……」

 

 亀頭の先端から白く濁り気の混じったカウパー液を量産しているペニスの竿の部分を持ち、ひくひくと蠢く花弁に肉棒をあてがう。痛いぐらいに膨張している怒張がリリア軍曹の中を掻き回すと思うと、それだけで達してしまいそう。

 くちゅと、体液同士が混ざりあう。

 膣壺から溢れ出てくる愛液と先走り液のコントラストが映える。そのぬめりを肉棒で伸ばす様に塗りたくる。すぐに肉棒全体がぬめりを帯び、滑りが良くなってきた。

 

「くぅぅ……! きっつい!!」

「あ、あ、あっ! な、なにこれ……なにこれっ!!」

 

 ペニスを押し込もうとすると反発するように膣が蠢いて押し返そうとしてくる。しかし、逆に抜こうとするとそれを阻むように吸い上げようとしてくる。

 まさにペニスのために存在する性器のようだ。

 初めて男性器を受け入れた肉壺は、今まで経験したことがないのが嘘みたいに蠢き、的確に刺激を与えてきて射精を促してくる。膣の動きに酔いしれるように腰を突き出していると向かい合っていたリリア軍曹が両手両足を腰の後ろに回してきた。

 俗にいう大しゅきホールドだ。

 初めての性行為でこんな高等テクニックを繰り出してくるとは……こやつ、わかっている。

 

「リリア軍曹、腰に足を回されるとあんまり動けないです」

「わ……わかっ、てる……わかるけど、気持ち、良すぎてっ……!」

 

 びくびくと足先が震えているのが伝わってくる。

 処女だったはずが、肉棒を膣に挿入れた瞬間に気持ちいいなんて言葉が出てくるなんて。これがこの世界の女性の性行為なのか。

 ……しかし、女性は何時間でもセックスをすることが出来ると耳にしたことがあるんだが、この席阿だと兵士や将軍として動いているだけあって、セックスなんて何時間どころの話じゃないんじゃないかって危惧がある。

 でも、こうやって眼前で快感に耐え忍んでいるリリア軍曹の姿を見ていると、そこまで深く考えなくて良いのかなとも思う。

 中尉みたいなスタミナお化けもいることだから軽く考えないようにはするけど。

 

「ん……そ、そろそろ、う、動いても、良いわよっ?」

 

 気丈に振舞おうとしているが、背中をがっちりとホールドしている両足は未だに震えている。

 そこでピンときた。

 今まで相手にしてきた女性は、自分から積極的に腰を動かして自ら快楽を貪ろうとしていくのが殆どだった。それか、俺が腰を動かしているのを嬉しそうな表情で見てくる人がたまにいるぐらい。

 騎乗位で上に跨った状態で「がんばれ、がんばれ」なんて声をかけられた日にゃぁ……そりゃもう頑張って腰を振ったけども。

 

「ふ……ん、これ良いかな」

「ん、あ……はっ、こ、これ、すっご、いっ」

 

 足で抑えられている腰を浅く動かし、ペニスを上下にピストンする。ほんの少し出し入れするだけでリリア軍曹の蜜壺はジュプ、グチュと卑猥な音を立てていた。

 傍から見ると不格好な動きをしているかもしれない。腰だけを浅く、早く動かしたり遅く動かしてみたり、自身のスタミナを考慮して緩急をつけているんだが、それが女性たちにかなり喜ばれる。

 なにせ、この世界の男性は基本的にマグロ。もしくは嫌がりすぎて()つことすらないらしい。

 つまり、俺がここでするセックスは、普通にセックスをするだけで革新的なセックスに早変わりするわけだ。

 

「すぅ……んちゅ、ん……良い匂い」

「やめっ……! な、んで、嗅ぐなぁっ……!?」

 

 顔をリリア軍曹の玉のような汗が浮いている(うなじ)に鼻を埋め、ペロリと一舐め。そのまま肺一杯に息を吸い込んだ。

 すると、リリア軍曹の甘い体臭が全身を満たしていく。

 酒を飲んだ時のようにゆっくり、じんわり体を駆け巡り、広がっていく。

 こらえきれず、舌先で項をつつき、舐め、唇を広げて軽く吸い上げてみたり。そのままゆっくりと舌先で上へとなぞり、耳朶(みみたぶ)をぱくりと咥えた。

 

「ひゃっ!」

「んふっ? んん……ん?」

「ひゃ、な……めるなぁっ……!?」

 

 言葉では拒否しているが、そんなリリア軍曹の両手はしっかりと俺の背中に回され、両足も腰でぎゅっと締めて離さない。

 可愛らしく縮こまって震えているこの子を見ていると、なんだか嗜虐心に火が付くというか。勝気な女性ばっかり相手にしていたから、こんな風な反応をしてくれる子を、さらに虐めたくなってしまった。

 左手を彼女の頭の下に、右手は背中に回し、抱きしめているような体勢に。

 

 ――しばらく耳朶を弄びながら腰を浅く動かしていたが。

 

「ん……リリア軍曹って、可愛いですね」

「くぁっ……!? こ、この! 言うに事欠いて、可愛いなんてぇ……!」

 

 格好いいがこの世界の女性に対する誉め言葉だが、俺にはそんなの関係ない。

 せめて、こうして男女でまぐわっている最中においては、俺が思うセックスにおける睦言を許してほしい。……今更だが、後が怖いとか一瞬頭を過っていった。

 

「ん、んちゅぅ、じゅる、んふぅ……」

「んぅっ!? ん、ん、んぁっ、っふぅ……!」

 

 真正面からリリア軍曹を見つめ、そのままキスを落とした。

 恥ずかしそうにしていた彼女だが、キスにはしっかりと答えてくれる。覚束ないキスをする彼女に優しく(つい)ばむ様に唇を合わせる。軽く口を開けるようにして、両唇で彼女の下唇をあむっと咥えた。

 それだけでこっちを睨みつけるようにしていたリリア軍曹の目元が緩み、蕩けていく。

 次いで、舌を出して唇をなぞっていく。れろと舌先で舐め、ねろりと舌の腹でざらりと舐めてやれば、びくんと震えて体を縮こまらせるような仕草を見せた。

 

 ――可愛い。

 心からそう思う。

 今まで会ってきた女性の中で、それこそ前世からの人生全て通してみてもこれほど可愛らしい女性はいなかった。

 大げさかもしれないが、それぐらい衝撃的な可愛らしさだった。

 この感情を文学的に滔々(とうとう)と言い表しても良いんだが、それだと目の前の彼女の存在が自分のせいで薄れてしまうような気がして。うぅむ……語彙力の無さが悩ましい。

 この悩ましさ。……どうせだ、勢いに変えて彼女の事を味わい尽くしてしまおう。

 

「じゅる、んっ……んふっ、んん……」

「っ……!? ……!?」

 

 唇を舐めていた舌を捻じ込む様にして口に入れ、蹂躙する。

 唇と歯の間に舌を這わせたり、思いっきり唾液を吸い込んでみたり。ズゾゾと音を立てて勢いよく吸い上げてみると、ぶるると彼女の躰が震えた。同じように顔の横で震えている両手のうち、右手を握りしめた。

 ビクとまた、大きく震えた。

 何かしらするたびに体を震わせる彼女の反応を楽しみつつ、キスに集中する。

 あれだけ強気な責めを見せていた彼女だったが、いざ自分が責められる事には慣れていないらしい。……まぁ、この世界の男性が自ら積極的に進んでS気を出して性に臨むなんて事はしないだろうしな。

 

「じゅるっ……ん、ふっ……んんっ」

「ひゃめ、も、ひゃめぇ……!」

 

 掴んでいる右手をにぎにぎしつつ、執拗に口を責める。漏れた唾液が口の周りにべっとりとついていた。

 

「そろそろ、良いかな?」

「んぇ……?」

 

 さっき射精したばかりのペニスはすでに回復しており、がちがちになっている。

 さすがに出したばかりのペニス、特に亀頭なんかは敏感になっていたから直接肌に触れさせておくことなんて出来はしなかったが。

 亀頭の先から白く濁ったカウパー液が漏れ出ている俺の愚息は、既に臨戦態勢だ。

 口ばかりに集中していたが、リリア軍曹の秘所はぐしょぐしょに濡れそぼっていた。二度、三度と亀頭を擦り付けると、ぬるぬると肉棒に蜜が纏わりついてくる。

 カウパー液と蜜とがブレンドされたあっつい棒が、その源泉の鈴口(りんこう)が雌蕊にくちゅりと音を立ててくっついた。

 さほど抵抗もなく、先っぽがぬるりと膣内へと入り込んだ。

 

「んぁぁっ!?」

「ふっ、んく……」

 

 亀頭しか入ってないというのにぎゅうぎゅうと締め付け押し出そうとする膣内。まるで万力。背中に回されている両手の指が食い込む。正直、痛かった。

 でも、もし俺がここで挿入することを止めてしまったら、どれほど彼女は傷付くのだろう。男の中でも特に珍しく自分からセックスをするような男にすら諦められてしまう女だと誤解されてしまったら――それこそ男が廃るってもんだ。

 もしこれが彼女の演技で、何とか俺に犯してほしいと思ってるんだったら……

 まさしくドストレートで好みなんだと、思い知らせてやるだけだ。

 

「んぁあぁっ!?」

「くぅっ……!?」

 

 勢いよく、じゅぷりと肉棒を奥へと突き刺した。

 押し潰さんとばかりの圧を強引に引き裂き、ペニスの根元までずっぽりと一度に埋め込んだ。背中に食い込む指は激痛になっていたが、それと同じくらいの快感が指先から足先まで広がっていた。

 腰も動かすこともできず、ただただ彼女の首元に鼻を埋めていた。

 うねうねと蠢きペニスを扱き上げてくる膣の感触に集中していると、ふと背中の痛みが薄れた。え、と思う間にリリア軍曹に唇を奪われ、そのまま口内を舌で荒々しく蹂躙された。

 ん、ふ……と、互いの吐息が交じり合う距離で、少し落ち着きを取り戻すことが出来た俺は、ゆっくりとピストンをし始めた。ぎゅうぎゅうでぬるぬるの感触にはどれぐらい耐えられるか分からないが、それはリリア軍曹も同じだろう。

 腰を奥まで打ち付ける度にぶるり、ぶるりと小さく体を震わせている。にも拘わらず、拙い舌の動きは変わらずディープキスを続けている。むしろ、俺に舌を絡めてくるようせがんでいるようにも感じられた。

 そこで、俺は腰を大きく引き、勢いよく打ち付けた。

 

「ふっ……!」

「ぁきゃっ!?」

 

 すると、彼女は舌を突き出したままの表情でぴくぴくと固まってしまった。

 ぷしゃ、ぴちゃと恥部辺りが暖かくなったと思ったら、なんと彼女は初めての相瀬で潮を吹いてしまっていた。

 腹部に感じる温もりを愛おしく思いつつ、おもむろに口を閉じる。

 少しずつではあるが、口の中に溜まっていく涎。口を開き、ゆっくりと舌先から滴り落とし、彼女の頬を汚していく。それから、舌の腹でぬろりと頬を舐め回し、口を塞いだ。じゅるると大きく音を立てて吸い込むと、それだけで彼女は背中を弓なりに逸らせた。

 それでも、リリア軍曹は口を離さなかった。

 

「っは……っは、はぁ……ふ」

「んぁぁぁ……ら、めぇ……も、らめへぇ……」

 

 小さい反抗も聴かずに、大きく腰を動かし始める。

 潮と愛液でぐしょぐしょに濡れそぼった結合部は白く泡立ち、腰付近の布で黒くなっていない所は見当たらなかった。

 ぱちゅん、ぱちゅんと腰を打ち付ける度に愛液が溢れ出す。荒々しくなった吐息が混ざり合い、嬌声も大きなものへとなっていく。

 ストロークを繰り返すたび、刀身と同じように膣に打ち付けられていた玉袋も、昂ぶりを感じてきゅぅぅと吐精の準備をし始めていた。未だ穢れを知らないマンコに初めて種付けをする興奮が、ダイレクトに全身に駆け巡っている。

 

「はぁ、はぁ、も、もう、出そぉっ……!!」

「ひ、ひぃ、くぅぅん! うん、うんっ! 出して! 出してぇ!!」

 

 口を離し、全力で腰を打ち付ける。

 前後に腰を動かすことに専念し、意識は亀頭から伝わってくる膣の感触に集中する。全力で彼女の膣を味わいたかった。限界まで我慢してから吐き出される精液の感覚。それを想像するだけで口元に笑みが浮かぶ。

 

「あぁ……あぁっ……いっくぅぅ……!!」

「ひぁっ! ぐ、あ、は、……っ!?」

 

 どびゅる。

 

 頭の中が真っ白になった。

 腰を打ち付けた状態で体は硬直し、二度、三度と精液が吐き出されるたびに腰がびくりと震える。五度、六度と止めどなく吐き出される精液の感覚に、自分でも驚きを隠せない。

 少し落ち着いてきたところで、リリア軍曹の枕元に顔を埋めた。額に出来ていた玉のような汗が吸収される。

 いつの間にか両手でベッドを強く握り締めていたリリア軍曹であったが、彼女の足先はぴんと伸びたままになっていた。

 今更になって気付いたが、彼女が一度潮を吹いてからというもの、断続的に潮を吹いていたらしく、汗と愛液と潮と、様々な液体が混ざり合ってお腹辺りまでびしょびしょになっていた。

 最後の一滴まで精液が吐き出されたことを感じて、若干やわくなったペニスを肉壺から抜き出した。栓が抜かれたように、こぽりと膣から白く濁った液体が溢れ出す。質量をもったそれは、布に吸い切られる事はなく、どろりとそこに残っていた。

 

「ん……」

 

 全力で腰を動かした事もあり、疲れを感じた俺は額に一つ、それから下唇に軽く口付けをして、そのまま眼を閉じた。彼女が動き出すまで、少し寝ていても文句は言われないだろうと。

 

「んふ……」

「え?」

 

 ――と、油断した矢先、がしりと両肩を掴まれた。

 目の前には、爛々と光り輝くリリア軍曹の双眸が。

 

「じゃ、じゃぁ……も、もう一回、ど……どうだ?」

 

 恥ずかしそうにはにかみながらも力強いその一言に、引き攣った笑顔を浮かべることしか出来なかった。

 ちなみに、何とか宣言通り一回で済みましたとさ。



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第10話

 リリア軍曹との激しい一夜が過ぎ、俺の名前はセイジョー隊の全員に知れ渡ることとなった。

 下は13歳のロリっ娘処女兵士から、上はセイジョー隊の隊長であるマリッジ中尉まで。こうして考えると属性盛り盛りな人たちを相手にしてきたんだなと思わなくもない。

 他の男性諸君は未だに荷馬車に詰め込まれ、窮屈な生活を強いられているという。そんな中、一人だけ特別待遇まで昇格し、マリッジ中尉の男になった俺。これで話題にならない方がおかしいか。

 偶に男性諸君の数人とすれ違うことはあるが、誰も彼も俺の事を奇異な物を見る目をするか、信じられない物を見ました的な視線を送って来やがる。まぁ、この世界の男性からしたらそういう存在であることに否定はしないが。

 

 話は変わってセイジョー隊。

 どうやら今日中には本国であるウラスージ国へと到着する見込みらしい。と言うような内容の話を、今まさに俺を背中から抱きしめながら馬に乗馬しているマリッジ中尉から耳にした。

 さすがに隊長であるマリッジ中尉自らこうして馬に乗せることは無いだろうなぁと思っていた矢先の事だったから驚いたものの、どうやら俺の事を本国の全員に周知してしまおうという魂胆らしい。

 その際、滅茶苦茶嬉しそうに笑顔を浮かべていた。

 あんなに素直な笑顔を見せるなんて……余程嬉しい事らしい。

 

「……お、そら、見えてきたぞ」

「おぉ……」

 

 王都ウラスージ。

 馬に乗っている状態では、王都を囲うように建てられているレンガ造りの城塞と、恐らくは王都の中心であろうウラスージの城の上部分しか見えない。だが、右から左までかなりの広さがある。これを建築するのにどれだけの年月がかかったのだろうか。

 ……やはり、その建築に関わった肉体労働者は女性なんだろうなと思えば思うほど、乾いた笑みしか零れない。

 

「ペースも王都に着くのを待ちわびていたか」

「そ、そうだね」

「うむうむ。やはり、自分の部屋でゆったりと寛ぎたいものだな。これからはペースもいるから、ゆったり出来るか分からんが」

 

 そう言って彼女は豪勢に笑っていた。

 あははと合わせて笑ったが、どれぐらいのスパンでセックスを求められることになるのか分からない現状、少し怖い。俺の死因、テクノブレイクになるんじゃなかろうか。

 

「王都に着いたら、お前たちは一度城に運び込まれ、セレス様に謁見することになる」

「セレス様?」

「うむ。ウラスージ王女であるセレス様にお会いできる唯一の機会になる」

 

 あー……

 王女かー……

 王都があり、軍隊がある階級社会だ。その頂点にいるのも女性というわけか。

 しかし、一つ不安があるとするなら、今こそマリッジ中尉に見初められてこうしているが、もしかすると王女にも見初められる可能性があるという事だ。

 少し自惚れがあるかもしれないが、この世界の男性と女性が持っている価値観からするに、王女にも夜伽を命じられることになるかもしれない。端的に、セックスをしろと。

 

 しかし、この壮大な防壁は万里の長城を思い出させてくれるが……それよりも立派だ。アニメで見た話だが、巨人が存在する世界で、それの侵攻を防ぐために建設された防壁も高かったが、下から見上げるこの景色はそれに優るとも劣らないぐらい圧倒的な存在感がある。実際にはそこまで高くないんだろうが。

 建築関係には少しだけ手を出していたことがあるから、こういった建築物を見るとどうしても胸が高まる。この防壁を越えた向こうにある景色は、どれほどのものなのだろうと、想像するだけでドキドキが止まらない。

 

「なんだ? そんなに嬉しそうな顔をして。そんなに王都で俺とするのが楽しみなのか?」

 

 少し強めにギュッと抱き締められ、上を向くとにまにまと緩んだ表情を浮かべているマリッジ中尉の姿があった。

 一応鎧と言うか、装備を着込んでいるから直接肌と肌が密着しているわけでもないし、心臓の鼓動が伝わっているわけではないと思うんだけど、何故嬉しそうにしていることが伝わったのだろうか。

 

 馬に揺られ、俺は息子をさわさわされ。

 そのまま軍隊は前進し、遂に俺たちはウラスージ王都へと到着したのだった。

 セイジョー隊は隊長が一番前に、それから少し下がって数人の兵士が。その中にミリナとリリアが混じっている。この数人を前とすると、中央から最後尾までにに荷馬車に詰め込まれた男性諸君と糧食、そしてそれを警護する兵士が配置されている。

 そもそも何故この軍がこうして派遣されることになったのかも知らないのだが、まさか、単に男性を確保するために軍隊を遣わしたなんて事は無いだろうな……?

 

 わぁっ!!

 

「うわぁ……」

「さすがに驚いたか。これがウラスージ王都だ。今回も派手な出迎えだが……ふむ。こうしてペースを抱えているだけでこんなにも熱烈に歓迎されるとはな。面白いものだ」

 

 凄まじい歓声で出迎えられたセイジョー隊だったが、最前線を進む俺とマリッジ中尉の存在を確認した民衆は一気にクールダウン。そして混乱の最中へと叩き込まれたようだった。

 キャーからギャーへ。

 歓声が阿鼻叫喚の地獄絵図に塗り替わっていた。

 

『なんで、なんであの人が男を……!』

『く……なんて羨ましい事を……』

『あー……あー……絶望だわー……』

『あんな待遇される男……どれだけ優れた子種を出してくれるんだろう』

 

 わーお……皆、飢えた狼みたいな目で俺の事を見ている気がする。

 チラとマリッジ中尉を見上げると嬉しそうな表情をしているし。はたまた民衆は血涙を流さんばかりの視線を送りつけてきているし。なんて雰囲気だ。これがこの国の常識なのかもしれないが、そんなあからさまに妬ましげな感情をぶつけて来れる民衆ってのはどうなんだろうか。

 

 

 

 ――ウラスージ王都中央部・城内――

 

 熱狂的な民衆の歓迎もそこそこに、そのまま真っ直ぐマリッジ中尉に城へと連れて来られた。

 さすが王都にある城だけあって内装も豪華だ。

 

「うぅ……」

「あぁ……もうダメだ……」

 

 何というか……内装を楽しんでいるんだが、後ろから聞こえてくる呻き声と言うか何と言うか、絶望に塗れたコーラスが強制的に耳に入ってくる。マリッジ中尉は慣れた感じで前を歩いているが、俺からすれば気が気でない。

 ここまで城内を歩いてきて、これほどまでにデスマーチを歩かされていると思わされる道程は他にないだろう。

 

「あれが普通なんだ。ペース、お前が異常なだけで」

「ナチュラルに抉ってくるの止めません?」

「何、ペースだったら大丈夫だろう? ……こうして堂々とイチャつけるのもペースのお蔭だ」

「わっ」

 

 急に肩を組まれ、そのまま歩かされる。

 後ろからは男の絶望の声が。そしてすぐ近くからは女の嫉妬の声が漏れ聞こえてくる。あかん。

 

「おら、お前たちはこっちだ! ついて来い!」

「あれ、彼らは何処に?」

 

 ぞろぞろと城内を歩いていると、ここまで一緒に連れて来られていた男性諸君が別の場所へと連れていかれようとしていた。

 

「うん? そりゃあ、これから品評会があるからな。王女様にお目通りも兼ねてるんだ」

「ひんひょうかい……?」

「そうだ。ペースは俺が頂いたが、そうじゃない男どもは品評会で他の女たちに品定めされて買われていくんだ」

「あっ……」

 

 なるほどねー……

 そう言う事かー……

 この世界だと男性が褒章になるのか。まぁ、男性に対する女性の考え方からしてそれが一番わかりやすいのか。それ以外にも昇進だったり土地を貰ったりだとかあるんじゃないの? でもまぁ、人身で全てが丸く収まるんだったらそうするか。

 

「ちなみに、その品評会を見ることって?」

「あぁ、出来るぞ。別にペースが見て面白いものでもないんだがな。まずは王女様に挨拶に行くぞ。なに、俺の後ろで跪いていれば大丈夫だ」

「はぁ……」

 

 意気揚々と言うマリッジ中尉に連れられ、城内の中央にある王女の間へと連れて来られた。顔を下に向けたまま前へと歩かされ、全く王女様の顔を見ることが出来ない。

 

「面を上げよ」

 

 恐る恐る顔を上げ、その顔に驚いた。

 ブサイクだったのだ。

 

 真顔になってしまった。

 ブサイクだったのだ!

 

 今の今まで俺的に美人だとか、可愛い人だとかしか思えないような人しかいなかったから驚いていたのだが、残念ながら王女はその例に漏れてしまったようだ。そして、その近くにいる女性たちも残念な感じ。何がどう残念なのかは、さすがに名誉のため詳細を記すことは止めておく。

 

「マリッジよ。よくぞ男たちを連れてきてくれた。これでまた、女どもはしばらく静かになってくれるだろう」

「はっ! 有難き幸せ!」

「ところで、そこにおる男はどうしたのだ?」

「実は、この者を私の側男にすることになりましたので、ご報告を」

「なんだとっ!?」

 

 急に王女とその周辺に控えている女性たちがざわつき始めた。

 お互いに顔を見合って何か囁きあっている。しかし、あまり……その、可愛くない人達が顔を寄せ合っていても胸に来るものがない。むしろ、胸やけがしそうな勢いだ。

 兵士であれだけ綺麗どころが揃ってるから、もしかすると王女は天使をも超越する見た目をしてるんじゃないかと期待していたんだが……儚い思いだったな。

 

「な、なるほど……し、しかし、マリッジがそこまで言うのであれば、相当良い男なのか?」

「はい。今まで出会ってきた男の中でも、一番の男です」

「ぬ、ぬぅ……そ、そうか」

 

 未だざわつきの収まらない状況ではあったが、マリッジ中尉はそんな中、軽く王女に挨拶をして下がっていった。無論、俺も一緒に下がることになったのだが、後ろから妙に視線を感じたような気がして、ぶるると鳥肌が立っていた。

 

「はぁぁっ! 久しぶりに良い思いしたぜ! これも、ペースのお蔭だ」

「はぁ……でも、良かったんですか?」

「うん? あぁ……王女、どうだ?」

「は? あ、いや、なんとも……」

「いや、なんともって事はないだろ! その、あれだ……! 綺麗とか、可愛いとか、その……何か思わなかったのか?」

 

 不安そうに眉間を寄せるマリッジ中尉を見ていると、ほっこりする。

 

「大丈夫ですよ。僕は、マリッジ中尉の男なんですから」

「な……っ、あっ、もう! ほんと、可愛い奴め! 今日も激しくするからなっ!!」

「あ、はは……」

 

 激しいって、どれぐらい激しいのかにもよるんだが。

 だけど、こうして素直に喜んでくれる人がいるってのは良いもんだ。

 

 さて、今日はどこまで求められるんだろうか。



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