今日のカルデア (大神 龍)
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日常
マスターふて寝してるってさ(遊んでないとは言っていない)


 Twitterで騒いでたけど、本当に始まっちゃったこの話。いつまで続くか見物だね!


 標高6000メートルの雪山の斜面にある入り口を通り、地下へ進み、様々な面倒くさい認証を得てから入る事が出来る、人理継続保障機関フィニス・カルデア。

 人類社会を見守る機関であり、有事の際はあらゆる手を尽くして人理を守り通す。

 

 そして、1年をかけて7つの人理崩壊特異点を定礎復元し、世界を滅ぼそうとした黒幕にトドメを刺した後、更に亜種特異点新宿を証明した英雄は、今もなお、戦っているのだった。

 

 

 * * *

 

 

「あれ、どうしたんですか? 信長さん」

 

 そう声をかけるのは守りの要、超鉄壁サーヴァント(オオガミ主観)マシュ・キリエライト。

 話しかけられたのは、つい最近復刻したぐだぐだ本能寺でやってきた魔人アーチャー、織田信長だった。

 

「あぁ、マシュか。それがの、マスターが部屋から出て来んのじゃ。今日は弓の種火の日じゃから、儂のレベルを上げるには最適じゃろ? じゃから行ってもらいたいのじゃが…」

 

 若干ムスッとした表情で信長は言うが、マシュはそれを聞いて苦笑する。

 

「昨日、最後のチャンスの為に! と言って、全力で石を探しに行って、しかも結局沖田さんをお迎えできなかったので、それで未だに倒れてるんじゃないでしょうか?」

「むぅ…それなら仕方ない…今日は寝かせてやるかの」

 

 残念そうにした信長と共にマシュが去ろうとした時だった。

 

「よっし! コンプリートしてやったぜ!!」

「「……………」」

 

 部屋の中から聞こえた声に反応して、二人とも動きを止める。

 直後、天の岩戸の如く開かなかった扉は、当然の如く開き、中からマスター――――オオガミが出てくる。

 

「あ、マシュ! やったよ! エイプリルフールアプリをコンプしたよ!」

「は、はぁ…えっと、先輩? 沖田さんが召喚されなかったことが響いてふて寝してたのでは…?」

「え? あぁ、うん。半日ほど寝て回復したから遊んでたよ」

「あ…そうでしたか…」

 

 喜ぶオオガミに苦笑いしか出来ないマシュ。その原因は後ろにいるわけで――――

 

「なんじゃ。ふて寝などしておらぬではないか」

 

 当然のごとく、信長には丸聞こえである。

 

「あ、ノッブ。見て見て。今日限定アプリ、FGOGO、英霊コンプリートしたよ!」

「ほぅ? つまり、あれか? マスターは、儂を放置して別ゲーをしてたと?」

「えっ、あっ、それは、ほら。戦士にも休息は必要不可欠だよ。うん。つまりはそういうことだよ」

「ふむふむ…。では、出てきたということは、休息は終了じゃな? 良し。では、今から種火狩りじゃ。行くぞマスター」

「えっ、えっ、えっ。ちょ、助けてマシューーー!」

 

 オオガミは反論すらさせてもらえず、そのまま連れ去られたのだった。

 

「先輩…さすがに弁護しきれないです。すいません」

 

 マシュはそう言って、その場を立ち去るのだった。




 という事で 、本当に沖田さんが出なかったのでこの話を。ちなみに今日が弓だったことは、ログインしてから知ったのでした。

 ちなみに、私の中で、ノッブはメタ発言に普通に応じてくれる設定です。


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種火の使用先(保管も使用先に入るんです?)

「さて…どうしたものか…」

「どうしたの? マスター」

 

 種火を前に悩んでいるオオガミを見つけたナーサリーが声を掛ける。

 

「ん?あ、ナーサリーか。いやね? 今日の種火を周回してきて、アサシンの種火が出たんだけど、静謐ちゃんは再臨素材が足りなくて止まってるし、かといって他のアサシンを育てると手が回らなくなりそうだから、どうしようかと思って」

「ふぅん? じゃあ、今からその再臨素材を集めにいけばいいのよ。そうすれば問題ないわ。どう?」

「あ~…それもそうか…でもなぁ…鎖があと15個なんだよなぁ…」

「大丈夫よ。私がいるじゃない!」

 

 ムフーッと胸を張るナーサリー。それを見て、オオガミは微笑みながら頭を撫でると、ナーサリーはされるがまま嬉しそうにする。

 

「ん~…しかし、それでもAP不足は変わらんか…」

「なら、アステリオスを育てなさい」

「えっ?」

 

 突如響く声。振り向くと、そこにはエウリュアレがいた。

 

「えぇ、えぇ。アステリオスを育てるべきよ。それが最良よ」

「えぇ…アステリオス? でもなぁ…アステリオスはバーサーカーだし…」

「いいじゃない。ヘラクレスだって、最終再臨したでしょう? なら、次はアステリオスを再臨させるべきよ」

「えぇ~…」

 

 エウリュアレに押され気味のオオガミ。しかし、そこに助けが来る。

 

「ダメよエウリュアレ。マスターが使いたいように使うのが一番よ」

「あら。貴女、女神である私に逆らうの?」

「女神だからって、マスターの考えを無視しちゃダメよ!」

「何言ってるのよ。いい? 私はサーヴァントだけど、あいつのマスターなのよ?」

「何を言ってるのよ! マスターにマスターはいないわ!」

「ぐぬぬ…聞き分けの無い子ね…!」

「女神に言われたくないわ…!」

「どういう意味よ!」

「女神はいっつも物語で悪いことしかしないじゃない!」

「言ってくれるわね、この絵本!」

「もう女神なんかに負けないんだから!」

 

 いつの間にか喧嘩の方向がずれてきた二人。

 オオガミは諦めて種火を持つと、静かに倉庫に放り込む。

 そして、

 

「ナーサリー。エウリュアレ。とりあえず、一時休戦して何か甘いもの食べない?」

「むぐっ! 私、パフェがいいわ!」

「ぬぐっ! 私はケーキがいいわ!」

「よしよし。じゃあ、行こうか」

 

 三人はそう言って、騒ぎながら食堂に向かうのだった。

 

「ところで、鎖集めにはいかないんですか?」

「せ、静謐ちゃん…!」

 

 途中で件の静謐のハサンに状況を知られ、付きまとわれたのは余談だろう。




 このあと結局鎖は集めなかった。

 家のエウリュアレとナーサリーは、唯一聖杯を使わない最終レベルに到達済みなので、この組み合わせなのでした。


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ノッブの秘密工房(いつの間に出来たんですか)

 今回はちょっと長めです。


 前回の(話とは全く関係の無い)あらすじ

 

 カルデアのマスターことオオガミは、今日の朝からノッブのスキルレベルを上げるために弓の修練場を周回していた。

 そして、ノッブのスキルを上げながらふと疑問に思ったのだ。

 

――――この骨…何に使ってんの?――――

 

 この真相を探るべく、彼は部屋で暇そうにしていたエリザベートと、先程まで一緒に修練場で戦っていたエルキドゥと共に、スキル強化素材を持っていったノッブを尾行するのだった――――

 

 

 * * *

 

 

「……マスター。この行動に何の意味があるんだい? というか、この人選も気になるんだけど」

 

 今になって、エルキドゥがようやくこの行動に突っ込む。

 エリザベートは、暇だからついてきただけなので、特に意味は気にしていない。

 

「ふっふっふ。まず、意味があるのか。という質問に関してだけど、あるよ。ちゃんとね」

「あら。全く考えてないと思ってたんだけど、考えてたのね。マスター」

「エリちゃん、酷くない? さすがに言い訳げふんげふん。さすがに理由くらいはあるよ」

「ねぇ、今言い訳って言わなかった?」

「気のせいじゃないかな?」

「うん。言い訳でも構わないけど、マスター。その意味はなんだい?」

 

 脱線しそうだった会話を修正しつつ、エルキドゥは話を進ませる。

 

「うむ。その理由はだね…ノッブが変なことを企んでないかを見守るためだよ!」

「なんで見守る必要があるのよ」

 

 エリザベートの、最も適切とも言える一言。

 しかし、エルキドゥはマスターがなぜこの言い訳にしたのかに気付いた。

 

「あぁ、確かに、聖杯を爆弾に変えようとするほどの人間だから、監視は必要だね」

「そういうこと。ってことで、尾行を続けるよ」

「「了解」」

 

 そう言って、三人はノッブの後を追いかけるのだった。

 

 まぁ、ノッブはその事を分かっていながら見逃していたのだが。

 

 

 * * *

 

 

「ねぇマスター? ここにこんな階段あったかしら?」

「いや…無かったと思うんだけど…」

 

 ノッブを追いかけてしばらくすると、いつの間にか全く人気の無い所まで来ていた。

 そして、ノッブは全く見覚えの無い真っ暗な階段を下りていったのだった。

 

「あったよ。ただ、遠いから見覚えがないだけで。まぁ、僕も降りたことはないけどね」

「あぁ、なるほど」

 

 エルキドゥの説明に納得し、また、まさかこんな施設の端まで来るとは思っていなかったので、帰れるかどうか不安になるオオガミとエリザベート。

 最悪エルキドゥに頼ろうと考え、突き進む。

 

「しかし、暗いねぇ」

「そう? このくらいなんてこと無いでしょ?」

「エリザベート。マスターは人間だから暗視は普通持ってないよ」

「あぁ、それもそうね」

「ぐぬぬ…懐中電灯でも持ってくればよかった…!」

 

 嘆いていても仕方がないので、とりあえず壁に手を付きながら歩き続けるが、不意に手を掴まれ、引っ張られる。

 

「うわっ!」

「遅いのよ! さっさとついてくる!」

「わ、分かったから! あと、速いってば!」

 

 何度か転びそうになりながら進むと、やがて明かりが見え始める。

 

「……ランプ?」

「カルデアにこんな場所あったのね。ずいぶん古くさい感じだけど」

「ん~…紐に油を染み込ませて、その紐に火を付けてるのか…古典的というか、この時代で使われてるのを初めて見たんだけど」

 

 それ以前に、いつの間にこんなのを設置したのかが気になったのだが、きっと最初に加入したときからやりかねないな。と思い、気にしないことにした。

 

「あ、マスター。着いたみたいよ」

「ん? あ、本当だ」

 

 いつの間にか古めかしい木の扉がそこにはあった。

 

「……マスター。もう、気付かれてると思うんだけど」

「むぅ…やっぱり気付かれてるか…なら堂々と乗り込むのみさ!」

「ちょ、マスター!?」

 

 オオガミは怯むことなく堂々と扉に手を掛け、開け放つ。

 

「御用だ御用だ! 魔人アーチャー! お前の悪事は知ってるぞ!」

「え!? いつの間に悪事を暴いたの!?」

「マスターの嘘に決まってるだろう」

 

 後ろが騒がしいが、そんなこと知らぬとばかりに部屋の中にいるノッブを見る。

 

「おぉ、やっと来たか。全く。結局全部一人でやってしまったではないか」

「……ナニコレ」

 

 ノッブの言葉よりも、その部屋の奥に置いてある物がオオガミの視線を奪う。

 

「何って…『がしゃ髑髏』じゃよ。ほら、儂の背後に佇んでたあれじゃ。1/1スケールでなんとか再現したいと思ってな。スキル強化素材と黄金髑髏はそういう訳だの」

「えっと、これを一人で作ってたの?」

「当たり前じゃろ。基本暇なのは少ないからの。それに、暇な奴はこういう地道な作業が好きな奴はいないし」

「うぐっ。まぁ、確かに少ないけども…」

「まぁ、別に退屈はしてないからいいんだけどね☆」

「それならいいんだけど…」

 

 しかし、顔は黄金、体は深紅。そんながしゃ髑髏と夜に出会ったら心臓が止まる気がする。

 

「それで、ノッブ。これは完成してるの?」

「そんなわけ無かろう。まだ残っておるわ。次は八連双晶を用意せい。最終的に、このがしゃ髑髏に乗って移動する予定じゃからの!」

「なにそれ俺も乗りたい!」

「うむ! 完成させた暁には、乗せてやろうではないか!」

「……まぁ、八連双晶は集められる気が全くしないけどね」

「何!? おいマスター! それはどういうことなのじゃ!儂の言うことが聞けんと!?」

「ゴーレム狩りはもう嫌なんだってば!あいつら全然落とさないし! 需要と供給のバランスが酷いんだっての!」

「そ、そんな…ゴールデンがしゃ髑髏を乗り回すのは、まだ先のことじゃと…!?」

「そういうことになるね…うん…」

「なんということじゃ…こんなの、ゲームがあるのに電池が無いからお預けされている子供みたいじゃないか…!」

「その例え、的確すぎない…?」

「それは儂が子供みたいだと言うことかぁぁぁーーーー!」

「ぐわああああぁぁぁぁぁぁぁ!!! 英霊に振り回されたら死んじゃうからぁぁぁ!」

 

 ぶんぶんと振り回されるオオガミを見ながら、エリザベートとエルキドゥは、

 

「マスター。私、そろそろ帰るわよ?」

「僕も戻らせてもらうよ。お邪魔みたいだしね」

「置いてくの!? 帰りはどうしろと!?」

「そのまま信長が一緒に来てくれるでしょ? ま、頑張ってね~」

 

 そう言って、二人は階段を上っていってしまった。

 

「あ、あの…ノッブ…? 俺もその…帰りたいんだけど…」

「ふむ。まぁ、儂ももうやることは残ってないからの。戻るとしようかの」

「あれ。渋られると思ったんだけど、そんなことなかった…?」

「当たり前じゃ。ここに来るのは素材を貰ったときのみじゃ。さて、では、だ・ヴぃんちとやらに作らせた茶室に行くとしようか。儂自ら茶を点ててやると言ったからの。さぁさ。行こうではないか!」

 

 さっきの攻撃はなんだったのか。と思うほどの笑顔をしているノッブにオオガミは押されながら、階段を上っていった。

 

 扉が閉まるときに、ちらりと見たがしゃ髑髏の顔は、また会うときを待ちわびているように見えた。




 八連双晶を越えた先にも、まだ爪と心臓が残っている現実…あぁ、恐ろしい…!


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わんこもふもふ大作戦(え。これ、続くんです?)

「さて…どう攻めれば良いものか…」

 

 真剣な表情でそんなことを呟くオオガミ。その視線の先にいるのは、我がカルデアの番犬こと、新宿のアヴェンジャー――――わんこである。

 もう真名が分かっているにもかかわらず、無意識にわんこと言ってしまう。

 狼だろ。とか言われてもお構い無しである。

 

 もちろん、一人で来たら殺される可能性もあるので、巌窟王も一緒である。

 

「マスター。まだ折れないか…?」

「当然。このくらいの傷で折れるなら、あの監獄塔で死んでる。違う?」

「フッ…そうだな。お前はあの監獄塔を生き延びた…ならば、この程度で折れるなど、あるわけがない」

 

 オオガミが言うように、二人は傷だらけである。

 その傷はわんこをもふろうと突撃したときに付いた傷で、もちろんもふる事は出来ずに、軽く吹き飛ばされた。

 巌窟王は、どちらかというと、マスターを助けるときにやられた程度なので、あってないようなものだ。

 

「しかし…どうやって次は攻めようか…」

「……いや、言いにくいことだが…マスター。新宿で戦ったときには、エウリュアレとマシュに助けて貰っていただろう? 同じようにしたらすぐにでも出来るのではないか?」

「………エウリュアレ呼んでくれば、1ターン分だけもふれる…?」

 

 電撃が走ったように硬直するオオガミ。

 巌窟王も、何とも言えない気まずい気まずい雰囲気に目を逸らす。

 

「……よし。巌窟王。出直そう。今度はエウリュアレを連れてこよう」

「ちょっと待て。まさか、まだ俺を参加させるのか?」

「そりゃ、逃げるとき巌窟王がいてくれるなら心強いし。それとも、何か予定があった?」

「いや、まだ時間はあるが…」

「なら出来るだけ手伝ってくれるとありがたいな。無理だったらいいけど」

「……クハハッ! 分かったぞマスター。お前の願いは叶えよう…待て。しかして希望せよ。とな!」

 

 二人は不敵に笑い、その場を立ち去るのだった。

 

 

 * * *

 

 

「で、結局あの犬を触りたいためだけに私のところに来たの?」

「そういうこと!」

 

 エウリュアレの部屋でオオガミはそう言った。

 

「ふぅん? 嫌よ」

「そんな…!」

 

 エウリュアレは楽しそうに笑い、オオガミは悲しみの表情を浮かべる。

 

「当たり前じゃない。私は戦いは苦手なの。それに、貴方の為に動くなんて、なんか嫌だわ」

「むぅ…まぁ、無理言ってやってもらうようなことでもないしね。仕方ない。諦めよう」

「あら。諦めが早いのね。まぁ、私は構わないけど」

「うん。まぁ、巌窟王にも予定はあるしね。別に、今日じゃなくても良いよ」

 

 彼はそう言って、部屋を出る。

 すると、部屋の外で壁に寄りかかって待機していた巌窟王がこちらを向く。

 

「良いのか?」

「良いよ。というか、もふもふさせてもらいたいときにしかほとんど会わないってのが問題だったわけだよ」

「ふむ。ということは、周回しにいくのか?」

「そういうこと。というか、それが正攻法だからね。なんでそれを思い付かなかったのか…」

「まぁ、確かにそうだ。では、俺も付き合うとしよう。行くときは声を掛けるといい」

「うん。ありがとう。巌窟王」

「ふん。気にするな」

 

 二人はそう言って行ってしまうのだった。

 

「……本当に行ったわね…全く。根性なしね。メドゥーサの所にでも行きましょうか」

 

 本当にあっさりと帰っていったオオガミに拍子抜けしながらも、すぐに切り替えて遊びにいくエウリュアレだった。




 家の新宿わんこは絆レベル0という、全く育ててない状況。もちろんサーヴァントレベルも1のままです。
 そりゃもふもふ出来ませんって。

 真名…明かしていいものなんでしょうか…


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ぐだぐだ明治維新
中旬とはなんだったのか(今日からですってよ)


「唐突に今日の午後から始まる事になった『ぐだぐだ明治維新』ですが…ねぇノッブ? 中旬って言ってなかった?」

 

 椅子に座り、机の上で手を組み、謎の威圧感を醸し出すオオガミ。

 その対面にいるのは、魔人アーチャーこと、織田信長。ノッブである。

 

「い、いや~…まさか繰り上げがあるとは思わなんだ。儂はもうゴールデンウィークだと考えてたんじゃがのう。不思議なこともあるもんじゃ」

「ふむふむ。弁解はそれだけかな?」

「いやいや、弁解なんて、そんなことしてないぞ? 儂はちゃんとこの日に備えておったではないか。マスターに種火を要求し、モグモグ食べ、スキルも強化されておる。万全の対策ではないか」

「未だに80までたどり着いてないけどね」

「そ、それはマスターが種火をクラス対応の種火しか渡さないからじゃろ!? 儂は悪くない! 儂は悪くないのじゃ!」

 

 机を強く叩き、抗議するノッブ。

 確かに、スキルもそこそこ上がっており、レベルも、上限までとはいかないが、一応70は越えている。

 しかし。しかしだ。

 

「何よりも俺が言いたいのは、なんでピックアップに沖田さんがいないんだ!」

「それ儂関係無くない!?」

「登場するんだろ!? どうせきっと登場するんだろ!? じゃあピックアップして良くない!? なんでいないんだよ!」

「それ儂じゃない! 運営じゃ!」

「よし。ノッブに判決を言い渡す! ぐだぐだ明治維新連続周回の刑に処す! エルキドゥ! エリザベート! 連行するんだ!」

 

 まるでその号令を待っていたかのように、机の下から突如現れるエルキドゥ。

 

「……あれ? エリザベートは?」

「あぁ、彼女は帰ったよ。飽きたって言ってね。全く、付き合わされる方の身にもなってほしいね」

「あ~…帰っちゃったか。いや、まぁ、エルキドゥがいれば大丈夫! 拘束力はエルキドゥに方が強いしね!」

「はいはい。分かったよ」

 

 エルキドゥはそう言うと、逃げようとしていたノッブを鎖で巻き、ついでに足払いも掛けて転ばせる。

 

「ぬぉ!? ちょ、まだ始まってないじゃろうが! 今連れていっても意味はないのじゃ! ま、待て! ってか、わざわざこの二人を用意するとか、さては最初からこのつもりだったな!」

「ふはは! 当たり前だ! だってノッブは今回もポイントアップキャラだしね!」

「ぬわぁぁ!」

「あ、エルキドゥ。とりあえずノッブの部屋に放り込んでおいて。あくまでも何かをやらかさないようにしてるだけだから」

「ほんと、こんなことやる必要あるのかな…」

 

 叫ぶノッブを無視しながら、エルキドゥはそんなことを呟いて部屋を出ていった。

 すると、入れ替わるようにマシュが入ってくる。

 

「あ、先輩。あの、信長さん、どうかしたんですか?」

「いや、前回の本能寺の如く、何かをやらかすと思ったから部屋に連行してる最中?」

「は、はぁ…なんで疑問系なのかが気になりますけど…先輩。次の編成、どうするんですか?」

「ん~…とりあえずノッブとマシュは入れるつもりだけど、後は敵に応じて、かな。行ける?」

「はい。任せてください。先輩」

「じゃあ、イベントまで休憩にしようか」

「分かりました。あ、それと、信長さんは始まるまではずっと部屋に入れておくんですか?」

「いや、たぶんどうやっても開始前に部屋を抜け出してると思うから、放置でいいと思うよ?」

「確かにそんな気がしますね。なら大丈夫…ですかね。じゃあ行きましょうか」

 

 二人はそう言って部屋を出るのだった。




 いやぁ…今日からとか、知らなかった…そんなFGO歴長くないから分からないんですけど、繰り上げってどのくらいのペースであるんですかね。


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これが勢力戦…!(行くぞ我らのノッブ軍!)

「ノッブ! こんなの聞いてないんだけど!?」

「また儂かぁ!?」

 

 再びのノッブ。今回も連れてこられたノッブは、しかし、ポイントアップ要員ではなく攻撃力アップキャラだったのだ。

 それが判明したところで、即座にノッブのいる休憩室に突撃するオオガミ。

 

「攻撃力アップって何さ!」

「儂も知らんわ! つうか、それだけだとしても容赦なく儂を酷使する気かお主は!」

「えっ。そりゃ当然。我がカルデアの最大アーチャー戦力はノッブだし。エウリュアレは男性特効だからここだと使えないからね。頑張って働いてよ!」

「これがサーヴァント特有の、無限労働という奴か…!」

「いやいや、流石に俺が休むときは皆休憩だよ。無限労働とか、むしろこっちを殺す気…?」

「いや、まぁ、その…なんじゃ。魔力供給も辛いんじゃな…」

 

 互いに謎のダメージを受けた二人は、少しの間無言になる。

 その沈黙を破ったのはノッブだった。

 

「というか、儂への用って、それだけかの?」

「え? あぁ、いや。勢力戦のノッブ軍強すぎじゃね? って思って」

「当然じゃ! 儂より沖田の新選組が強いとか、ありえないからな! ククク…このまま全戦全勝、完全勝利でこの戦いに幕を下ろしてやろうぞ!」

「すごい意気込みだねノッブ! だけど、新選組も侮れないと思うんだけど」

「なに、儂一人ならつらいかもしれんが、こちらにはマスターがおるからの。負けるわけがない」

 

 ドヤ顔でそう語るノッブを見て、ぼそりとオオガミが呟いた。

 

「その慢心が後々響かないといいけどね…」

「……いや、儂があの金ぴかみたいになると思っておるのか?」

「割と結構」

「酷くね!?」

 

 容赦なく突き刺さった言葉の刃。

 しかし、この程度で折れるノッブではないのだった。

 

「まぁ、とにかく第一戦目は儂の圧勝確定じゃ。見てるが良い。この第六天魔王こと、信長の力をな!」

「出来る限りの援護はするから頑張れ!」

「任せるが良い!」

 

 ハハハハハハ! と笑うノッブ。

 と、そこにメディアが入ってくる。

 

「あらマスター。今日の周回はこれで終わり?」

「いや、あと一回か二回行って終わりかな。付き合わせてごめんね」

「いえ、いいのよ。部屋に籠っているよりは断然良いですもの。まぁ、後方待機してるナーサリーの視線が少し怖いのですけどね」

「ナーサリーが? なんで?」

「さぁ…私には分からないけど、後で本人に聞いてみてくれると助かるわ」

「分かったよ。っと、じゃあ、行こうか」

「分かったわ」

「お? 出陣か? 任せておけぃ! わははは!」

 

 そう言って三人は勢力戦に出陣するのだった。




 ってことで、昨日から始まった勢力戦。攻撃力アップするだけとか想定外だったよノッブ!
 でもまぁ、そこまで強くなくてほっとしている自分がいました。はい。
 現状本当にアーチャー火力がエウリュアレとノッブしかいませんからねぇ…アーラシュ先輩は一回使い切りですからね…

 さて、明日の勢力戦は一体どうなるか楽しみです…!


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陽動すると言ったが…別に倒してしまっても構わんのだろう?(勝てるとは言わない)

「なぁ、なんで儂はこんなところに居るんじゃ?」

「そりゃ、現状特効付いてて戦力になるのがノッブだからじゃない?」

 

 鳥羽伏見の戦い。第二回勢力戦は、すでに逆転し新撰組が優勢になっている。おそらく夜になれば完全に逆転するのだろう。

 

「まぁ、儂が強いのは是非もないのじゃが、たまにあっさり殺られるのは面白くない。せめてマシュは入れない?」

「ほら、後方にはいるし」

「それじゃ意味がないのは分かるじゃろ!? 儂が殺されたあとに来ても儂は助からんから!」

 

 すでに1回、集中攻撃を食らって叩きのめされたあとだった。

 戦闘自体はドレイク船長が薙ぎ払ってくれたので勝てたが、ノッブは途中で超連撃を食らって倒れていた。それが不満なのだろう。

 まぁ、当然と言えば当然なのだが。

 

「でも、正直ノッブが運良く倒されない方が多いから良いじゃん。一応負け無しだし。周回するには大丈夫でしょ?」

「大問題じゃたわけ! 儂が殺られるとか、どう考えても一大事じゃろ!」

「ん~…まぁ、最悪ドレイク船長が残ってくれれば救いはあるけどね」

「儂の存在価値っ!」

 

 悲鳴のような声を上げるノッブ。

 

「まぁ、あれだよ。ノッブは頑張ってるよ。現状普通に強いしね」

「む。正面から褒められると、なんか照れるな…」

「というか、ノッブのバリエーション多くね?」

「そこは儂も知りたい。というか、肖像権の侵害じゃ。使用料を搾取せねば」

「はは。ノッブらしい」

「それはどういう意味じゃ」

「そのまんまだけどね。いやぁ…最初はちびノッブ。次はでかノッブときて、銀ノッブに金ノッブ。しかも今回から更に増えるとか、ノッブすごくね?」

「ノブ撰組とか、ノブ戦車とかなんだし。しかも今度は量産型メカノブにノブUFOとか、儂を作りすぎじゃ。つうか、ここまで来ると今度はどんな儂が出てくるのか気になるんだけど」

 

 半分自棄になりつつノッブがそう言うと、何かを閃いたような表情でオオガミは言う。

 

「ノブンクルスとかどう? ホムンクルス的な感じで」

「そりゃ無いじゃろ。語呂悪いし」

「だよねー。ん~…後何かあるかな…」

「……まぁ、明日に期待ってことじゃな」

「だね。じゃあ、そろそろ陽動作戦再開と行こうか。全力でメカノブを殲滅しよう」

「そうじゃな。あやつら、八連双晶を落とすからな! 儂のスキル強化の糧となるが良い!」

 

 ハッハッハッハッハ! と二人が笑いながら戦線に戻っていくと、

 

「マスター! 信長さん! どこ行ってたんですか? 沖田さん達はどんどん行ってますよ?」

「おぅ! 待たせたなマシュよ! ここからは儂とマスターで頑張るでな! 任せておけぃ!」

「そういうこと! じゃあ、行くよマシュ! 皆! 戦闘再開だ!」

 

 その声を聞いたメンバーは、それぞれ立ち上がり、自然とオオガミの後ろをついていくのだった。




 でもたぶん、あきれた表情でついてきてるのがほとんどだと思うの。



 そんな感じの第二回勢力戦。朝はノッブ軍が優勢だったのに午後には逆転してらっしゃる…凄いぞ沖田さん!たくあんが主菜とか驚いたけど!
 でもそんな沖田さんを酷使する土方さんは怖いので回そうか考え中。来たら我がカルデアが荒れる予感…!


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会話してる間にも、敵は薙ぎ払われてるんですよ(で、あの金の城の総額はおいくらです?)

「金ぴかだよねぇ…」

「そりゃどう見てもほとんど金じゃからのぅ…」

「売ったらいくらになるかな」

「まずあんなのを買い取るような奴おるか?」

「……溶かせば売れるんじゃない?」

「あれを溶かすとか、阿呆じゃろ」

 

 そもそも、城レベルの金は重量的にどうなんだろうか。

 そんなバカげたことを考えつつ、目の前の敵を屠る。

 

 金のちびノブに金のでかノブ、ノッブUFO、ノブ撰組、スフーヒンクスからのブラヴァツキー所長。

 ノッブの『三千世界(さんだんうち)』にドレイク船長の『黄金鹿と嵐の海(ゴールデン・ワイルドハント)』の全力斉射。容赦なく薙ぎ払いつつ、明日はどうするかを考えながら敵を光に変えていく。

 

「明日はセイバーなんだよねぇ…」

「種火もランダム排出だしのう」

「どうするかなぁ…」

「どうするかのぅ…」

 

 とりあえずあの金ぴかは破壊しよう。と考えつつ所長は再び屠られる。

 

「あんたたち、随分余裕があるねぇ…」

「そりゃ、最初はちょっと強いかなぁって思ったけど、壬生狼を三枚詰んだら最後がワンターンで何とかなったしね。余裕も出てくるよ」

「じゃな。これも儂が強いおかげじゃ」

「張り合いが無い戦いってのは、ここまで人を堕落させるのかねぇ…」

 

 ため息を吐くドレイク船長。

 しかし、当の本人達はどこ吹く風である。

 

「まぁ、たまにノッブが倒れるのは納得いかないけどね」

「それは儂の台詞じゃ。何時になったら儂はレベルマックスになるのか」

「イベントが終わったらかなぁ…?」

「曖昧な上に扱いが雑じゃな! 儂はこんなに頑張っておるのに!」

「それを言ったら、ほぼ初期からいるヘラクレスがレベルマックスになってない時点で分かりきってることじゃん? ていうか、何時になったらヘラクレスがレベルマックスになるのかな?」

「知らんわ! 儂だってレベルを上げて欲しいんじゃからな!?」

「ドレイク船長も未だにマックスじゃないってば」

「それはそれ。これはこれ、じゃ!」

「マスター? それは後で話させてもらうよ? 逃げたら承知しないからね? 信長。あんたもだよ?」

 

 完全に虎の尾を踏んだ二人。二人は果たして次の朝日を見ることは出来るのだろうか。

 

「そんな事よりも、なんで儂が未だに使われ続けておるのか、説明して貰おうじゃないか!」

「だから、ノッブが戦力的に一番良いんだってば。全体宝具で雑魚敵一掃。攻撃力もイベント特効で250%アップ。これ以上の人材はいないって!」

「別に他の奴も特効持ちがいるじゃろ!?」

「全体宝具で育ててるのって、ノッブしかいないし」

「ド正論! 儂しかおらんのじゃ!」

 

 メンバーに確かに全体宝具イベント特効持ちがいないことに気付き、謎のダメージを負うノッブ。

 

「分かった? じゃあ、戦いを再開するよ?」

「ぐぬぬ…分かった…これは儂がやるしかないの。任せておけぃ! 全部薙ぎ払ってくれるわぁ!」

「……いつも止めを刺してるのは大体アタシなんだけどねぇ」

「ドレイク船長。今度何か手伝うから、それで許してくれない?」

「いや、いいさ。こういうのも悪くない。一人くらいこうやって何も考えてないようなバカがいた方が面白いからね。さ、行くよマスター。冒険は始まったばかりさ」

 

 さらりとオオガミのセリフを奪いつつ、ドレイク船長は行ってしまう。

 それをオオガミは追いかけて進んでいくのだった。




 モンハンしてたらこんな時間に…! 狩りって怖いわー…時間泥棒だわー…。

 しかし、本当にあの城は黄金なのか…私、気になります!


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ポイント全然溜まらないんだけど(いつになったら休めるんですか?)

「ポイント、溜まるかなぁ…」

「何よりも先に儂らが過労死するわ」

「やっぱり?」

 

 いつもの様にオオガミとノッブはそう言いながら、少し苦労しつつ敵を倒す。

 

「しかし、全員の概念礼装を『日輪の城』にしたら、たまに死にかけるではないか」

「ん~…まぁ、もう少し頑張れば誰もやられずにクリア出来るようになるよ」

「それならいいんじゃが…結構痛いんじゃぞ? あれ」

「ごめんごめん。無い様に気を付けるからさ。正直、倒れられると攻略しにくくなるからね…というか、それで一回倒れたし…」

「アレは…嫌な事件じゃったな…」

「だね…」

 

 辛いなぁ…と思いつつ、とにかく目の前の金ノッブを叩く。

 

「つうか、マスターのレベルが上がって後衛にヘラクレス入れとったが、一回も使っておらんではないか」

「そもそも使ったら問題なんだってば」

「まぁ、力不足が目に見えて分かるって事じゃしな。使わないことには問題無し…か」

「そういうこと。とりあえず、戦闘は現状を維持しないとね」

「そうじゃな………で、問題はポイントってわけじゃな」

「うん。新撰組のポイントが稼ぎにくいからねぇ…」

「基本がバーサーカーで、アーチャーにライダー。アサシンがおらんから、無謀も良い所じゃな。どうするんじゃ?」

「最悪レベルを落として戦うしかないよね。それならまだ戦えるだろうし」

「それが一番じゃろ。無理は禁物。死んだらそこで終了じゃ」

「そうだね。じゃあ、頑張ろうか」

「うむ。存分に頼るが良い」

 

 胸を張りながらノッブはそう言い、宝具を放ちブラヴァツキー所長お付きのノッブを葬り去る、

 

「しかし…自分で自分を倒すとか、精神的にちょっと来るものがあるよね…」

「ノッブにも人間らしいところがあったのか…!」

「ここ最近ずっと言ってる気がするけど、酷くね!?」

「魔人アーチャーに言われても…ねぇ?」

「その『ねぇ?』という所にどんな意味が込められているのか気になるんだが、後で聞かせてもらってもよいか?」

「えッ…出来ればお断りさせていただきたいんだけど。昨日みたいなことにはなりたくないよ?」

「…嫌なことを思い出させるでないわ」

「そっちが先に仕掛けてきたんじゃん」

「お主が変なことを言わねばこんなことにはならんかったわ」

「……この話はもうやめよう」

「……そうじゃな。誰も幸せにならんし」

 

 うんうん。とうなずきながら、オオガミはスフーヒンクスにガンドを放つ。

 

「じゃ、ポイント稼ぎを再開せねば。明後日にはすでに新撰組ポイントを集めるだけにするんだからの!」

「そうだね。さっさと終わらせて茶々を迎えに行く準備をしないとね!」

 

 しかし、決戦はまだ続く。魔王の『三千世界(さんだんうち)』に、船長の『黄金鹿と嵐の夜(ゴールデン・ワイルドハント)』の轟音を轟かせながら。




 今日もまたこの時間です。
 ポイント溜まらないのはノッブのせいじゃなくてサボってるせいなんじゃないの? あんまりリンゴ減ってないよ?
 明日には50万稼ぐんだ…(夢物語の模様)


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茶々が来たと思ったら土方さんも来た(でもポイントは貯まらないんですけども?)

 マスターのマイルームにて、買ってきた団子や煎餅を食べながら、

 

「なんだったんだ…あの土方さん…」

「本当にのぅ…」

「……俺の話か?」

 

 ついさっき当たったばっかりの土方さんが言ってくる。

 

「全くだよ。グダグダ空間の土方さん怖すぎるでしょ…まさにバーサーカーだよ」

「どうしたものかのぅ…」

「茶々は?」

「茶々は頑張ってたし。これからも頑張ってもらうよ」

「任せて!」

 

 むふーっ! と胸を張る茶々。彼女も今日カルデアへとやってきたのだった。

 

「で、ポイントはどうなったんじゃ?」

「無理に決まってるでしょうが。時間が足りないってば。ずっと戦い続けるわけにはいかないんだからさ」

「そりゃそうじゃけど…あと少しじゃろ? もう少し頑張らない?」

「茶々もそう思う!」

「俺は別に気にしないけどな」

「土方さん興味なしなのね…はぁ、沖田さんが欲しかった…」

「…俺は嫌なのか?」

「そういうわけじゃないけどね。バーサーカーはヘラクレスが強すぎるんだよ」

「それ茶々も意味ないじゃん!」

「本当に必要なかったな」

 

 耐久力とか、オオガミ自身の戦闘スタイルがチキンだったりするというのが原因だったりするのだが。

 仕方ない。と言いながらも、関係の無いノッブ以外、不満そうな表情を隠せていない。

 

「とりあえず、明日はノッブポイント溜め終わるはずだから、どれだけの早さで新撰組ポイントを稼げるかが問題なわけです」

「茶々の宝具レベルを上げるぞー!」

「おー。頑張るのじゃよ~」

「伯母上の中の私の扱い酷いんだけど!」

「昨日までの儂みたいなことを言うな…」

 

 煎餅を口に加えたままノッブが喋ると、茶々は両手を握り込んで頭上に上げながら、

 

「朝のうちに私たちの種火を使ってレベルマックスになったからって、調子に乗って言いわけじゃないぞー!」

「そうだそうだー!」

「なんでお主まで一緒にやってるんじゃ。つか、お主の責任でもあるじゃろ」

 

 オオガミまで参戦していることに即座にノッブが突っ込む。

 

「なぁ、もう行って良いか? 来たばかりで勝手が分からないんだ。少しは色々見て回りたい」

「あ~…それもそうだね。うん。じゃあ皆で行こうか。ノッブ工房みたいに、全然覚えがないのがあったりするし」

「あれはちゃんとダ・ヴィンチに許可を取ったわ。無許可で何かをするわけなかろう」

「衝撃の事実! 許可取ってたの!?」

「むしろなんで知らないんじゃ!?」

 

 互いが互いに驚き、しかしいつものことだと開き直って団子を手に取る。

 

「で、何時行くのじゃ?」

「そうだね…とりあえず帰れなくなると困るから、頼りになる巌窟王を連れていこう」

「カルデアのマスターがカルデア内で迷子とか、ギャグとしか思えんよな」

「自分の城で迷うとか、良くあると思うんだけど?」

「普通覚えるだろうが」

「……反応は千差万別ってことだね。ちなみに僕は茶々の意見に同意だよ」

「しっかり覚えねば、攻められたときに苦労するじゃろが」

「そこはほら、ダ・ヴィンチちゃんの本領ですし」

 

 人に投げるなよ。と思うが、あくまでも特異点を攻略するのがマスターの役目であって、防衛はダ・ヴィンチちゃんが主にしているということを思い出す。

 

「ま、なんじゃ。これから頑張るのじゃよ。マスター」

「茶々も応援してるからね!」

「何かあったら俺を呼びな。敵は全て倒してやる」

「……うん、ありがとう。とりあえず、お菓子が無くなったから片付けて探索に行こうか」

 

 オオガミは立ち上がり、皿を持つ。

 それにつられるように全員立ち上がり、若干乱れた服装を整えると、オオガミがちょうど片付けを終えて戻ってきた。

 

「じゃ、行こうか」

「おー!」

 

 そう言って、四人とも部屋を出るのだった。




 安定の貯まらない事案。明日には貯め終わるんだ…

 しかし、種火はもう交換所に無いから二人の成長はまた後ですね。


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壬生狼さえあれば絶対勝てるよ!(ポイント効率は考えないものとする)

「やっぱ壬生狼最強じゃな」

「今の期間中だったら負ける気しないよね」

「じゃな。これはもう、儂の時代じゃろ」

「全体宝具で敵は壊滅。スカッとするね!」

 

 そう言いながら満面の笑みで周回する二人。なんせ、防御枠であるマシュですら通常時のメインアタッカー並の働きをしてくれるのだ。防御力まで鑑みると、完璧としか言いようがない。

 もちろん、オオガミの主観であるため、別のが良いのかもしれないが。

 

「いやぁ、ポイントがいっぱいだね!」

「そうじゃな! 貯まる気が全くしないけど!」

「そんな現実を突き付けないでよ。死んじゃうよ?」

「このイベント期間中、今なお働き続ける儂にそれを言うか?」

「……ノッブは強いから仕方ないね!」

「是非もないよネ!」

 

 変なテンションの二人。

 その理由は、数時間前に一度負けたのが原因だったりするのだが、ざっくりまとめるとただの八つ当たりである。

 

「貴方達、さすがにやりすぎじゃなくて?」

「何を言うか! メディナリ!」

「そうじゃぞ! まだ宴は始まったばかりじゃ! メディナリ!」

「分かったらさっさとまた行くよ、 メディナリ!」

「さぁ行くぞ! メディナリ!」

「分かったから私をメディナリって呼ばないで!」

 

 半分悲鳴の様に声を上げるメディア。顔は真っ赤に染まっている。

 

「残酷なことだ…」

「なに巌窟王みたいな事を言ってるのだ」

「なに良い事言った風な顔をしてるのよ」

「案外間違ってないと思うんだけどね」

 

 オオガミはオオガミで、変な事を言ったせいで何とも言えない表情になる。

 

「全く。私以外にも弄れるのは居るでしょう?」

「例えば誰?」

「それは…ほら、セタンタとか」

「あぁ、兄貴か。確かに一人だけ幼名だしね。でも、なんだかんだ言ってエミヤが一番ぶっ飛んでたよね」

「うちにはおらんけどな」

「ほんとにね! 来てくれても良かったのに」

「何を言うか! あやつが来たら儂の出番が少なくなるじゃろ!」

 

 はて。昨日も一昨日も働きたくないと叫んでいるわりには、今日は出番がなくなるのは嫌だという。

 

「ねぇノッブ? そろそろ働きたいのか働きたくないのかどっちかにしない?」

「適度な休憩は必要じゃが、出来れば戦っていたい。そんな心情じゃダメかの?」

「まぁ、そんな日もあるよね」

「そういうことじゃ」

 

 二人は納得し、メディアはもう反応するのも面倒になったようだった。

 

「で、また回るのかい?」

 

 そこに入ってきたのはドレイク船長。周回するのかを聞きに来たのだった。

 

「あぁ、いや。今日はこれで終わりにするよ。さすがにこの時間になっても戦い続けるわけにはいかないしね。帰って寝ようよ」

「そうじゃな。儂もやりたいことがあるしな!」

「貴方のやりたいことって聞くと、嫌な予感しかしないのだけど…」

「なぁに。もしそうなったらアタシとあんたで止めればいいだけの話じゃないか! マスターも協力してくれるはずさ!」

「だね。ノッブが何かをやらかすのなら、俺は全力で邪魔しようじゃないか。とりあえずガンド打っとこうか」

「案の定最後に矛先がこっちを向いたな!」

 

 騒がしくするも全員楽しそうにしており、特に問題もなく特異点から帰還してそれぞれの部屋へと戻ったのだった。




 まぁ、あれです。壬生狼を五枚積んだだけでバカみたいに火力出るのは面白いので、しばらくはこれでやろうかと。日輪の城はフレンドで補ってる状況です。


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ノッブポイント集め終わった!次は新撰組だね。分かるとも(で、茶々と土方さんは成長しないんです?)

「ようやくノッブポイントが貯まったよ…」

「ようやく終わったか。じゃあ、次は新撰組のポイントじゃな」

「おぅ。やっとこっちのポイントを集めるのか」

「茶々はもう店番しなくてもいいんだよね!」

 

 わーい! と両手を上げて喜ぶ茶々。

 今彼らがいるのオオガミのマイルーム。何処かの誰かのせいで金色に染められて目が痛い時もあるがが、基本的にちょっと落ち着かないだけなので見て見ぬふりをしている。

 

「それで、作戦は変わらずって事で良いのか?」

「当然。というか、もうそれ以外を信じられないのだよ…」

「壬生狼は最強なんじゃな…」

「本当にね。正直あれさえあれば何とかなるし」

「ポイント集めも後50万を切ったしのぅ。ラストスパートというところじゃの」

「任せたよ。ノッブ」

「おぅ。任しておくが良い」

 

 ノッブはそう言いながら、緑茶を飲む。

 

「すっかり俺らは空気になってるな」

「あんまり活躍もしてないしね! レベルも足りないし」

「レア度なんぞ当てにならんな」

「いや、単純に種火が足りないだけだから。二人とも弱いわけじゃないから」

 

 若干死んだような表情をしている二人をフォローするオオガミ。完全に原因は彼にあるので自業自得なのだが。

 

「種火は集まらないんでしょ? 無理しなくてもいいと思うなぁ」

「俺は早く強くなって敵を屠る。それだけだ」

「わぁお。やっぱバーサーカーだね」

「お前もだろうが」

「なっ! 茶々はそんな戦闘狂じゃないし! 楽しいのが一番だし!」

「ならなんでバーサーカーなんだよ」

「茶々が聞きたいよ!」

 

 クラスは諦めたと言っていたが、やはり不満はあった。当然と言えば当然なのだが。

 オオガミはそんなことを言い合う二人を見て、間に入れるわけもなく、ノッブに頼るしかないのが現状だ。

 

「ねぇノッブ。あれは止めた方が良いのかな。どうしたらいいと思う?」

「放っとけ放っとけ。少しすればさっぱり忘れてるじゃろ」

「えぇ…伯母としてそれで良いのかノッブ…」

「だって、巻き込まれて怪我したくないし」

「……まぁ、そんなもんだよね」

「そんなもんじゃよ」

 

 言いながら、二人は茶々と土方を見る。

 思いの外楽しそうなので、やはり放っておくのが一番なのだろう。

 

「それで、オオガミ。今日の周回はさっきので終わりってことでよいか?」

「あぁ、うん。そろそろ眠いし。というか、何時になったら出ていくの?」

「あ~…そうじゃの。貴様が寝たら出ていこうかの」

「それまで留まる気なんですかノッブよ」

「当然じゃ! 今日は貴様の寝顔を見せてもらうじゃないか!」

「えぇ~…需要皆無じゃないですか…」

「何を言うか。一部では高値で取引されておるのだぞ? ならば便乗しない手はないじゃろ」

「ちょっと待って!? 俺の知らないところで何が起こってるの!? ねぇノッブ! 教えて!?」

「えぇいうるさい! さっさと寝て一部の女性サーヴァントの癒しにならんかぁ!」

「理不尽っ!」

 

 容赦ない一撃。強制睡眠(気絶)により、マスター・オオガミは床に着くのだった。

 

「……伯母上。茶々、それはやりすぎだと思うの」

「お前の方がよっぽどバーサーカーらしいんじゃねぇのか?」

「う、うるさいわ! ほれ、さっさと出ていかんか!」

「はいはい。出ていきますよ~!」

「はぁ…仕方ねぇか」

 

 二人はそう言って出ていく。

 残ったノッブは、オオガミをベッドの上に寝かせ、そのまま出ていく。

 

「全く。世話の焼けるマスターじゃ。さて、今日の挑戦者は一体誰かの」

 

 ククッ。と笑い、来るべき戦いに備えるのだった。




 仕方ないんです。☆4種火はもうノッブに使っちゃったんです。悪くないです。

 ちなみに襲撃者は一日一人とは限らないそうで。ノッブ警備員は気が向いたらいる感じだそうです。


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茶々は宝具マックスになったのだよ!(その割には私の影薄くね?)

「ついに私の宝具レベルがマックスだよ!」

 

 わーい! わーい! と両手を上げて喜ぶ茶々。その手には扇が握られていた。

 扇は交換したものを別口で沖田さんから買い取ったらしく、その資金がどこから出てきたのかは誰も知らない。オオガミも同様だった。

 

「良かったのぅ茶々。所でマスター。儂のスキル強化は何時じゃ?」

「強欲すぎるなこの第六天魔王!」

「それが伯母上の魅力のひとつだし!」

「洗脳されてらっしゃる!」

「誰が誰を洗脳したのじゃ。ほれ、言ってみよ。ほれほれ」

 

 ほぼオオガミの言葉と同時にオオガミの正面に移動したノッブは、手に持った火縄銃でオオガミの頭をコツコツと叩きながら聞く。

 

「イヤー。ノッブハスゴイヨー。シュウカイモガンバッテルシー」

「なんじゃその棒読み感全開な台詞は。そんな世辞で儂は許さんぞ」

「頑張ってくれてるのは事実なんだけどねぇ…」

「そういう割には育てられて無いではないか」

「皆基本的にそうだよ!?」

 

 最古参のエリザベートが未だにレベルマックスではなく、スキルレベルも5~4という事から、察する事が出来る事だった。

 最高スキルレベルがアーラシュの弓矢作成で8止まりである。ノッブのスキルレベルがこの短期間で6~5まで上げられていること自体が不自然なのである。

 

「全く…一体いつになったら儂の最強無敵がしゃ髑髏は完成するのじゃ」

「とりあえずまずは石を集める所からじゃない…?」

「それのせいでスキルが一つだけ5だしの。骨もいつの間にか減っておるし!」

「アレは俺にとっても想定外だったけども。まさかあんなにアッサリ消えるとは…舐めてたよ…」

「儂もびっくりじゃ…まぁ、骨なら何とかなるじゃろ。それよりも石じゃ」

「アレは月曜日だからねぇ」

「今からはどうしようもないか…しかし、来週には出来るじゃろ」

「いや、再来週かな。限界までアイテム収集するから」

「なん…じゃと…!?」

 

 驚愕の表情に染まるノッブ。

 

「そりゃ、イベント中なんだからイベントするでしょ。まぁ、月曜日までに全部集まればやらないと思うけど」

「そ、それなら急いでやらねばではないか! 儂のパワーアップの為に全力を出さねば!」

「嫌だ! 今日はもう行かないから!」

「なぜじゃ! 今から行っても良いでは無いか!」

「眠いから仕方ないね! 寝させておくれよ!」

「ぐぬ…仕方ない…明日は全力で回るぞ! 良いな!?」

「えぇ…仕方ないなぁ…」

「なんでそうやる気が無さそうなんじゃ!」

「そりゃ、のんびりやるつもりだったからじゃないかな?」

「昨日と言ってることが違うではないか!!」

「いや、ドストレートにブーメランだよノッブ」

 

 自分もこの前働きたくないと言っていた翌日に出撃させろと言っていた。確実にその事を言っていた。

 

「うぐぐ…仕方ないの。なら今日は諦めるのじゃ…明日から頑張るぞ!」

「おー。じゃあ、お休み~」

 

 すかさずオオガミはベッドに飛び込む。どうやら本気で眠かったようだった。

 

「仕方ない…茶々。儂と一緒に出るぞ。部屋の前は結構面白いからの」

「え、部屋の前の方が面白いの? 何それ気になる。茶々も行くー」

 

 そうして、二人は部屋を出るのだった。




 いつもの様に今日一番言いたかったことが最初に少しだけやって残りを遊びまくるという安定の状況。
 メインは茶々の宝具威力がマックスになったってことですね。

 ノッブが出張りすぎ…?


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ノッブシリーズ集めたくね?(お人形さんが欲しいわ!)

「マスター。ちょっとお願いがあるのだけど…」

 

 服の裾を軽く引かれ、ナーサリーにそう言われたのが5時間前のことだった。

 

 

 * * *

 

 

「で、それで儂らが呼ばれるわけが全く分からんのだが」

「同意だわ。というか、その依頼は私が作ればなんとかなるじゃない」

「メディナリならそう言ってくれると思っておったぞ!」

「だからメディナリって呼ばないで!」

 

 ノッブの言葉に悲鳴を上げるメディア。

 

「茶々は楽しいなら良いよ!」

「アタシも構わないさ。部屋で燻っているより、外に出た方が良いからね」

 

 茶々とドレイクは楽しそうに笑う。

 

「それで、僕たちは何をすればいいんだい?」

「任せるがいい。俺はお前の願いを叶えよう」

 

 エルキドゥは依頼の内容を聞き、巌窟王は不敵に笑う。

 

「先輩。全員集まりましたよ」

「うん。じゃあ、話を始めるよ」

 

 マシュの言葉に答えるようにオオガミは話を始める。

 

「今回はノッブの収集が目的だよ。ちびノッブとか、ノブ撰組とかだね。目指すは全種制覇。期限はイベント終了までだよ! じゃ、作戦開始!」

「作戦内容は一切語ってないんじゃが!?」

 

 ノッブの適切な突っ込みにオオガミのセリフに思考が停止していた全員がハッと我に帰る。

 

「せ、先輩。流石にアバウト過ぎませんか…?」

「本当に滅茶苦茶ね……そもそもどうやって捕まえろって言うのよ」

「え? そりゃ、素手でこう…」

 

 普通にオオガミが人形を持ち上げるようなジェスチャーを取る。

 

「いやいやいや。待て。待つんじゃマスター。あれはそんな単純なものじゃないから。そんなことしたらすぐさま爆発するぞ」

「そうだね。あれはそんな捕り方じゃ捕まえられないはずだよ。とりあえず、僕が色々と試してくるよ」

 

 そう言ってエルキドゥが行こうとしたとき、

 

「茶々がいっちばーん!」

「これでいいのか?」

 

 茶々と巌窟王が、さも当然のようにちびノッブを捕まえてきた。

 持ち方は茶々が両手で抱き上げるように。巌窟王が、服の襟を掴んでいた。

 

「おぉ。ほら、捕まえられるじゃん!」

「なんじゃと…? そんなわけ…」

「どうやって捕まえたのかしら。私もいくつか試してみましょうか…」

 

 ノッブは驚愕の表情を浮かべ、メディアは真剣に考察する。

 

「それで、そいつらをたくさん集めれば良いんだね?」

「そうみたいだけど…いや、でも、どうやって捕まえたんだ…?」

 

 ドレイクは実物を見て意気込むのとは反対に、エルキドゥは疑問を浮かべる。

 

「よし。じゃあ、このノッブに似た感じのを探して捕まえてきブホァ!」

 

 巌窟王から受け取り、皆に見えるように高く掲げようとした途端爆発するちびノッブ。

 周囲が騒然とするが、当の本人は黙ったまま動かない。

 

「先輩! 大丈夫ですか!?」

「……うん…まぁ、大丈夫だよ…」

 

 上半身が若干爆発で汚れた汚れたオオガミは、心配するマシュに答える。

 

「うん。まぁ、今みたいに爆発するから、皆気をつけて捕まえるように。じゃ、かいさーん」

 

 それだけ言うと、ブハッ。と煙を吐き、倒れた。

 全員が心配する中、巌窟王がオオガミを抱えると、

 

「今回は俺の失態だ…マスターを部屋に届けたらすぐに戻る。すまない」

「よし、ならばそちらは任せたぞ。では、こっちはオオガミの依頼を完遂せねばな。ほれ、心配する前にさっさと行くぞ。マスターの為にも全力を注いで儂もどきを捕まえるのじゃ。散開!」

 

 ノッブの声により、全員は一斉に動き出した。

 マシュだけは一瞬躊躇ったが、しかし、最終的には巌窟王に託して行くのだった。




 ってことで始まったちょっとばかり続く予感のするノッブ収集編。
 構想は少し前からあったけど、色々あってやってなかった感じの今回。頑張って進めていきますよ!


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初めて聖杯を使った(私を選ぶとか、本気なの?)

「ねぇ、なにさらっと私に聖杯を捧げてるのよ」

「そりゃ、宝具レベルマックスのレベルマックスで、俺的にヘラクレスの次くらいにパーティーに入れておくと安心するからじゃない?」

 

 エウリュアレの疑問に当然のように答えるオオガミ。

 話している内容は、『なぜ(エウリュアレ)に聖杯を使ったか』ということらしい。

 場所は当然のようにオオガミのマイルームだった。

 

「エウリュアレとしては、なにがそんなに不満なの?」

「それは、貴方が私をまだ使うつもりだからじゃないかしら」

「じゃあ、聖杯を使わない方が良かったと」

「そういうわけじゃ……ないわ。ただ、私はそんなに強くないわよ。貴方も知ってるでしょう?」

「高難易度の土方さんの体力を恐ろしい速度で削っておいてそれを言う?」

「むぐっ…ま、まぁ、貴方がどうしてもっていうのなら、戦ってあげないこともないわ」

「ありがとうエウリュアレ。これからもよろしく」

「っ……えぇ、こちらこそよろしく。私のマスター」

 

 一瞬硬直するも、すぐに微笑んでそういうエウリュアレ。

 すると、

 

「なぁーにラブコメしとるんじゃお主らは」

「っ!?」

「あ、ノッブ。どうかした?」

 

 突然入ってくるノッブ。エウリュアレは若干顔を赤くしながら振り向くが、オオガミは特に気にした様子もなくノッブに声をかける。

 それが気に食わなかったのか、エウリュアレはオオガミを睨みながら無言のままオオガミの腹を殴る。

 

「ゲフッ……と、突然なにするの…?」

「うるさい。とりあえず、もう用は無いから私は出ていくわよ!」

 

 怒ったようにエウリュアレは声を上げて出ていく。

 

「うぐぐ…何したんだよ…僕…」

「今更じゃが、お主一人称変わりすぎじゃろ」

「そんなこと言われたって…癖だから仕方ないじゃん…」

「全く。それは治らんとしても、せめて今の儂への反応はダメじゃろ」

「うぅむ…やっぱりそこかぁ…難しいなぁ…」

「そういうもんじゃ。というか、そろそろ痛みも引いてきたじゃろ」

「いや…反省のためにももう少しこのままでいようかと」

「そんな反省誰も要らんわ。さっさと働かんか」

「グフッ。ノッブの追撃が心に痛い…」

 

 容赦のないノッブの追撃がオオガミの心を突き刺し、肉体的にも刀の鞘でつつかれる。

 

「はぁ……全く、だらしないのぅ。一周回ってこっちが恥ずかしいわ」

「む。そんな事言われたら仕方がない。真剣にやろうじゃないか」

「そうじゃの。後約20万ポイントじゃ。頑張るのだぞマスター」

「うん。ノッブも手伝ってね!」

 

 仕方無い。と言いながらも、若干嬉しそうなノッブ。

 その後、二人は周回を少しした後マスターの眠気が限界に達し寝たそうな。




 ってことで、本当にエウリュアレに聖杯を捧げました。
 これからもよろしくね! エウリュアレ!


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ノッブ狩りの準備は整ったかー!(あ、ついでに新撰組ポイントは集まったそうです)

「ポイント。終わったのぅ」

「終わったねぇ」

「後は沖田のところの商品を買い占めるだけじゃのぅ」

「結構残ってるけどねぇ」

 

 そもそも、ポイントを集めながら手に入れたものは微々たるものなので、そこまで集まりはしない。

 つまり、これからが本番という事なのだろう。

 

「いやぁ、これからが本番とは、さすがに時間が無いんじゃないかのぅ」

「確かにね。あ。そういえば、ノッブの回収状況は?」

「そろそろエルキドゥが捕獲法を発見するんじゃないか?」

「ふむ。じゃあもう少し待つかな」

 

 そう言った直後、

 

「主殿ぉぉぉぉ!!!!」

 

 勢いよく開くマイルームのドア。電動式自動ドアのはずだったのだが、金色に改造されたのが原因で手動扉に変更されていたようで、スパーンッ!と気味の良い音がした。

 現れたのは牛若丸。若干怒ったような表情で、目を輝かせて入ってきた。

 

「私が知らない間に皆が面白そうなものをやっているのですが!? やっているのですが!?」

「や~~! うしわっかストップ! 死んじゃう! その勢いは死んじゃうから!!」

 

 ガックンガックンと揺らされて、首が折れるのではないかという勢いのマスター。

 さすがにノッブも見兼ねたのか、牛若丸の手を掴み、強制的に止めさせる。

 

「ハッ! す、すいません主殿。ただ、一部のサーヴァントがとても面白そうなことをしていたため、気になったので…」

「う、うん…分かった。分かったよ牛若丸。とりあえず、その報告はこっちも待ってたから……」

「そ、そうなのですか?」

「そうだよ。だから、いい加減にその手を離したらどうかな」

 

 少し棘のある声。それはある意味オオガミの想定内で、しかし想定外の状況だった。

 

「あ、エルキドゥ殿! あなたも関わっていたのですか?」

「うん。それで、あの人形の捕らえ方を見つけたから報告しに来たのさ」

「うん。待ってたよエルキドゥ。まぁ、こんな状態になるとは思ってなかったけど」

「こっちとしても想定外だったよ。まさかマスターが牛若丸に襲われてるとは思わないよ」

「だ、だよね…」

「それで、結果はどうだったのじゃ?」

 

 ノッブの言葉を聞いたエルキドゥは、牛若丸から視線を変え、ノッブを見る。

 

「一応は体内にある八連双晶を破壊して魔力暴走させないようにすれば安全に捕まえる事が出来るかな。慣れるまでは難しいけど、慣れさえすれば簡単にできるようになるさ」

「八連双晶かぁ…もったいない気がするけど、ノッブ。出来そう?」

「そうじゃの。まぁ、出来なくはないだろうが、技術が求められるの…」

「えっと、主殿。その、あの人形の中の八連双晶とやらを砕けば良いのですか?」

「えっ? まぁ、うん。それで良いらしいよ?」

「では、私も手伝ってもよろしいですか!?」

「わ、分かった! 分かったから! 近いってば!」

 

 触れるんじゃないかという勢いで近づいてくる牛若丸。

 オオガミは急いで返事をして牛若丸から離れると、牛若丸はすぐに立ち上がり、エルキドゥの手を繋いで、

 

「エルキドゥ殿! 早速行きましょう! 時間が無いようですので、迅速にコツを掴まねば!」

「エルキドゥ! 頼んだよ!」

「分かったよ。他の人にも知らせておいた方が良いかな?」

「お願い。出来そうな人を重点的にね」

「うん。じゃあ、行ってくるね」

 

 それだけ言うと、牛若丸に連れ去られるようにエルキドゥは出ていった。

 

「いやぁ…ドタバタだったのぅ」

「見てないで助けてくれないかな…」

「儂が出るまでもなかったし」

「確かにそうだったかもしれないけどさぁ…」

「ま。助かったんだから良いじゃろ。さて、じゃあ儂も行ってくるか。マスターはどうするのじゃ?」

「今日はもう遅いしねぇ……寝るよ。明日に支障が出たら問題だし」

「そうか。じゃあ、おやすみじゃ」

「おやすみ。また明日もよろしくね」

「任せておくがよい」

 

 そう言って、ノッブは部屋を出ていった。

 その日の夜は、ノッブ(もどき)狩り令により、様々なノッブが捕まったという。

 後に、これを明治ノッブ狩りの戦いという。




 あ、ノッブ狩りの話は適当に作ったので、設定については突っ込んでも突っ込まなくても大丈夫です。
 こっちの方が良くね?っていうのはくださると嬉しいです。


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しっかりトドメは刺さなくちゃ(セタンタは何度でも蘇える)

「終わらねぇぇぇ!!」

「なんで時間を気にかけなかったのじゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 半分発狂しながらドレイク船長と共にメディナリだのセタンタだのを撃ち滅ぼしていくノッブとオオガミ。

 その勢いは本気も本気。全力全開で林檎を喰いながら突き進んでいく。

 今もまたセタンタが吹き飛んだところだった。

 

「どうしてじゃ! どうしてこんな目にあってるのじゃ!」

「回想するまでも無く、期限を全く考えてなかったこっちが原因だよ!」

「阿保なのじゃ! うちのマスターは阿保じゃな!」

「うるさい! 間に合うとか言ってたけど、今まだ小判しか終わってねぇし、砂金とか永楽銭とかどう考えても時間足りねぇっての!!」

「だからさっさと林檎を喰って周回するって言ったじゃろうが!」

「ポイント溜まったから安心してたんだよチクショウ!!」

 

 一度砂金を集めていたものの、集めるのが楽に見えた永楽銭を集めるように作戦を変更し、現在。未だフォウ君は健在。魔術髄液も変わらず、愚者の鎖は18個という現実だ。

 砂金に至っては精霊根とピース各種が一回も交換されておらず健在。何時になったら終わるのかと思いつつ、時間は刻一刻と過ぎていく。

 

「仕方ない…こうなったら、覚悟を決めるしかないか…」

「な、何をする気じゃマスター。お主の事じゃから、どうせ碌なことを考えてないじゃろ…!」

「ひでぇ言われようだこと!」

 

 全く信頼していないノッブの一言に若干傷つくオオガミ。ノッブなりの今までの意趣返しだが、そのダメージは想像以上に大きかった。

 

「いや、別にそんな落ち込むことでもないし。うん。大丈夫」

「自分で自分を慰めるより、とりあえずその覚悟とやらを言ってくれんかのぅ」

「うむ。その覚悟はだね」

 

 オオガミは一拍置き、

 

「今日は諦めてまた明日頑張るって事さ!」

「ぶっ飛ばすぞぅこの駄目マスター! 略して駄スター!!」

「なんか聞き覚えのあるフレーズ!!」

 

 しかし、どこで聞いたのかまでは思い出せないのがオオガミだった。いつもの事である。

 

「とりあえず、あと一回セタンタをシバキ倒したら今日はいったん止めよう。明日には終わらせるよ」

「ぐぬ…仕方ない。マスターが限界ならサーヴァントは戦えんしの…えぇい! 命拾いをしたなセタンタ!!」

 

 ノッブは叫ぶが、すでにセタンタは何度もトドメを刺されている。ちょっと思い出せないレベルで。

 そんな思いがあったのか否か、遠くでセタンタが張り切ってるように思える。

 

「…………今日一番の大仕事だね」

「瞬殺じゃ瞬殺。一片の慈悲もくれてやらんのじゃ」

 

 目を爛々と輝かせて、二人は最後の戦いへと赴くのであった。




 セタンタを壬生狼積んでひたすら叩きまくる話。
 しかし本当にアイテムが集まらない…概念礼装不足が否めない…!!


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そろそろメインヒロイン決める時間か…?(誰もそんなこと言ってないし、決める気もないから!)

「後砂金じゃあぁぁぁぁ!!」

「覚悟しろメディナリィィィィィ!!!」

「それ私が狙われてる感じなんだけど!?」

 

 ノッブとオオガミの叫びに、編成の中にいないメディアが悲鳴を上げる。

 確かに自分と全く同じような容姿の人間が全力で叩き潰されているのなら、悲鳴の一つも上げるだろう。

 

「メディナリを倒せば砂金が落ちる! これ、世界の常識!!」

「ゆえに! 儂らは一片の容赦も無くメディナリを屠る!!」

「「それが()らの義務というもの!!」」

「そんな義務いらないわよ!!」

 

 半分泣きが入るメディア。外側から見てるだけでもひどいようだった。

 

「全力じゃ全力! 一片の容赦も無く全力で倒すんじゃ!!」

「さらばメディナリ! 我らの前に立ったことを後悔するがいい!!」

「少しは容赦しなさいっていうか見てて死にたくなるから止めてっ!!」

 

 悪魔の様な顔でメディナリを吹き飛ばしていくノッブとオオガミを見て精神ダメージを受けて心を痛めるメディア。

 もう悪魔を止める方法は無いのか。時間がすべてを解決してくれるのか。ならばもう、泣き寝入りするしかない。

 その結論に至ったメディアは、逃げるようにその場を立ち去る。

 

「いやぁ……容赦ないねぇ。二人とも」

「本当です。先輩はもっと自重してほしいです」

「そう? あれがマスターの良い所じゃない」

「エウリュアレさんは先輩に甘すぎです。しっかりと言うところは言わないと、ダメになってしまいますよ」

「マシュはマスターの扱いを心得ているっぽいねぇ。二人でいくつもの特異点を越えてきただけはあるね」

「そ、そんなことないですよ!」

「そうなん? 茶々はマシュがいるからマスターは自由に暴れてると思うんだけど?」

 

 途中からマシュをいじり始めたドレイク、エウリュアレ、茶々の3人は、ドレイクを除き後衛待機組だ。

 基本仕事は回ってこないので、こうやって話していた。

 

「それで、さっきメディアが行ってしまったけど、よかったの?」

「そもそもメディアさんはパーティーに編成されてないので、休憩中のはずだったんですが…なんで居たのでしょうか…」

「根本的にパーティーに無関係だったのに居たの?」

「案外自由度が高いわよ。マスターとサーヴァントという関係はあっても、してはならないことなんて、そんなに無いもの」

「マスターがあんなだしねぇ。多少の事は目をつぶられるのさ」

「本当はそれじゃあダメなんですけどね…」

「でも、別にそういうところも嫌いじゃないんでしょう?」

「それは……そうですけど。でも、しっかりとしてもらいたいっていうのは本当ですよ」

「まぁ、マスターも分かっててやってる部分があるからねぇ……まぁ、お互い無理しすぎない程度にやるのが一番さ」

「ほら、二人が戻ってくるわよ。行ってきなさいな」

「行くって…どうしてですか?」

「変な所で鈍感ねぇ…いいから行ってくる!」

「うわわ! っとと。いきなり押さないでください!!」

 

 頬を膨らませ怒っているように見せるマシュ。

 しかし、

 

「マシュ? どうかしたの?」

「あ、先輩。いえ、別に何かあったというわけではないのですが…その……お疲れ様です」

「あはは。まだ終わってないけどね。でもまぁ、ありがとう。今日はもう諦めて、明日に全力を出すことにするよ」

「はい。頑張ってください。先輩!」

 

 その二人の横を通り過ぎたノッブは、にやにやと笑っている3人に声をかける。

 

「何を企んでおるんじゃお主らは。全く、儂の出番を奪い去りおって」

「知らないわよ。貴方の事情なんて」

「アタシらは別に何もしてないからね」

「茶々は本当にほとんど会話に参加できてなかったよ!」

「……まぁ、良いんじゃけどな」

 

 ノッブはそう言って、オオガミとマシュを見る。

 

 二人とも楽しそうに見えたのは、幻覚などではない事実なのだろう。




 メインヒロインはいない。今のところはね。
 ノッブがメインヒロインに見えなくもないのは、完全にイベントキャラだからと言って使いまくってるのが原因だと思った。マル。


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日常
何とかイベントを切り抜けたよ…(しかしてイベントはもう目の前に迫っている)


「終わったねぇ……」

「終わったのぅ……」

「砂金もギリギリ集まったし、大勝利だね」

「そうじゃの。それも儂が頑張らねば不可能じゃったし、もっと感謝するが良い」

 

 イベントも無事終わり、平和が戻ってきたカルデア。

 金色の茶室擬きのマイルームはすでに手を加えられ、いつもの白い部屋――――ではなく、月光差し込む趣のある部屋に改装されていた。

 地下なのにどうして月光が差し込むような感じがするのか気になるが、そもそもあの内装を瞬時に切り替える方法を知らないので、謎技術の一端なのだろう。と適当に解釈する。

 考えない方が良いこともあるのだ。

 

「しかし、新たな魔術礼装とやらは使えるのか?」

「さぁ? 実戦で使ってみるまで分からないけどね。まぁ、それでも戦闘礼装を使い続けるつもりだけど」

「新しいことに目を向けるのも重要じゃよ。マスター」

「それは英霊を召喚しろってことかな? ノッブ」

「誰もそんなこと言っとらんから。早とちりするでないわ」

 

 残っている最後の呼符を切ろうかと言わんがばかりの表情を浮かべるマスターに冷静に突っ込むノッブ。

 

「流石に本気で使いはしないよ。まだね」

「う、うむ……いや、別に良いのじゃが、無理はするでないぞ?」

「分かってるよ。とりあえず、種火周回だよね」

「そうじゃのぅ…儂に聖杯を使っておれば乗り気だったんじゃがの」

「残念。貢献率が違うよ」

「くっ…儂がもっと早くからおれば…!!」

「まぁ……趣味も幾分か入ってるんだけども」

「酷い現実じゃ!!」

 

 仕方ないのだ。エウリュアレは6章からずっとメインアタッカーだったのだから。

 特にキャメロットと新宿では大活躍だった。今なおわんこと対峙するにはエウリュアレを連れて行きたいと心の底から思うほどには。

 

「よし、とりあえず種火周回をするのが一番だね。今日は弓と杖だし、育てたい人はいるしね」

「儂は旨味が無いから辞退するからの」

「分かってるよ。というか、ノッブはセイバーの時に戦ってもらうから。今日はエリちゃんとドレイク船長がメインだからね。じゃ、行ってくるね」

「頑張るのじゃぞー」

 

 オオガミはそう言ってマイルームを出て行く。

 ノッブはそれを見送り、さて。と呟く。

 

「うむ。やはりあの金色な部屋よりこっちの方が断然良いの。あんな趣味の悪い部屋なんぞ、無くなって当然じゃ」

「茶々はそんな嫌いじゃないけどなぁ」

「いえ、さすがにアレは目が痛いので止めてほしいです」

 

 当然の様に部屋の中にいる茶々と静謐のハサン。

 

「いつからおったんじゃお主ら」

「茶々は今来たよ?」

「私は最初からずっといました」

「「えっ。セキュリティ、ザルじゃね? この部屋」」

 

 いまさら何を。と誰かが突っ込みそうだが、突っ込みは不在だった。

 

「それで、なんで来たんじゃ?」

「理由は無いよ!」

「マスターを観察してただけです」

「こ、怖いの…よし。儂はもう帰るから、後は二人で留守番頼むぞ」

「分かったよ!」

「任せてください」

 

 ノッブはそう言って、部屋を出て行った。

 その後二人が何をしていたのか。それを知るものは誰もいなかった。




 恐ろしい…事件だった…。砂金が800個必要だったのに、途中で勘違いして1000個集めるという無駄とも言い切れない作業をしてしまった…
 結果的に全部集まりましたけどね!よかったよかった!


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☆5キャラが出ないのは平常運転の証(そんな酷な事言わないでほしいです)

「あ~~~~~~」

 

 気の抜けるような声が部屋に響く。

 叫んでいるのはオオガミ。ベッドに倒れ、死んだ魚のような目で時々息継ぎをしながら声を出し続けていた。

 

「……いつまで叫ぶつもりなんじゃ。マスターは」

「まだ始まったばかりですし、諦めるのは早いと思いますよ。先輩、聖晶石を集めに行きましょう?」

「うぅ…慰めてくれるのはマシュだけだよ…」

「儂も慰めたはずなんじゃがな? おかしいな。これは魔神柱による精神攻撃か?」

 

 ノッブもそれなりに頑張ってはいたのだが、こういう時の対処法はマシュの方が良く知っていた。

 

「信長さんも茶化さないでください。そうすると、症状が延びるんですから」

「マスターのそれは病気なのかよ…」

「はい。病名は『☆5ピックアップ出ない症』です。大抵、来て欲しいサーヴァントを引けないと掛かる病気で、心がボキボキと折れていく病気です。一度掛かると、寝て忘れるか気分転換をしないと治りません」

「案外すぐ治る気がするんじゃが」

「そうでもないんですよ…長引く時は長引くんですよ…沖田さんピックアップの時がそれです」

「あぁ……それで沖田の時もこうなってたのか」

「はい……あの時は自力で回復してましたけどね」

「あれはさすがにビビったからのぅ……まさか遊んでるとは…」

 

 少し昔の事を思い出し、苦い顔をするノッブ。

 今の状況からして、少しひどい事を言っていたのかもしれないと思いつつ、あれはあれでよかったのだろう。と考え直す。

 

「それで、儂らはどうすれば良いんじゃ?」

「そうですね……普通に聖晶石を集めるのが一番……ですかね」

「結局クエストに行くしかないんじゃなぁ……」

「そうですね。それくらいしか思いつかないです」

「それ僕も行かないといけないという現実に気付こうよ」

 

 気怠そうな目で二人を見るオオガミ。

 その目を見て、二人は同時にほとんど同じ考えに至る。

 

「えぇっと…今日は止めておきましょうか」

「そうじゃの。さすがに今のマスターは頼りにならんわ」

「バッサリ切り捨てないでよ…まぁ、事実だけども」

「先輩。明日また挑戦しましょうよ。沖田さんの時と違って時間には余裕ありますし」

「う~ん…そうだね。明日から頑張ろー。おー」

「やる気なさすぎな声じゃな。まぁ、儂も手伝うから期待するが良い」

「頼りにしてるからね。もちろん、マシュも」

「はい、先輩!」

 

 嬉しそうにそういうマシュ。

 とりあえず、今日は解散の流れとなったので、マシュとノッブは部屋を出て行くのだった。




 10連爆死…まだ軽傷。今からやってないフリークエストをやればもう一回くらい10連できるはず…!


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ちびノッブだし、仕方ないね(爆発しないと言ったな。アレは嘘だ)

「マスターマスター。今大丈夫かしら?」

「ん? 別に大丈夫だけど、どうかしたの? ナーサリー」

 

 廊下で呼び止められるオオガミ。

 

「あのね? この前取ってもらったお人形さん、言う事を聞いてくれないの」

「いや……そりゃ、ノッブだし…」

「どういうこと?」

「ほら、ノッブはたまに言う事を聞かないし、それが反映されてるチビノブ達が言う事を聞かないのも納得って話だね」

「儂の話か?」

 

 ナーサリーに理由を説明していると、話の中心人物であるノッブ(本体)がやってきた。

 

「あっ! 話を聞かないノッブさん!」

「おいちょっと待つが良い。マスター。これ、絶対お主のせいじゃろ」

「すぐに矛先を僕に向けるのは理不尽だと思うよ!?」

「だって、この状況的にお主しかおらんじゃろ。それとも何か? すでに誰かが教えた後とでも言うのか?」

「……ふっ。中々頭が切れるじゃないか。ノッブ」

「マスター。そのくらい、誰でも分かると思うの」

 

 容赦のないナーサリーの突っ込み。オオガミは頬を引きつらせる。

 

「いやぁ……マスター。さすがに儂の事を馬鹿にし過ぎだと思うんじゃが」

「いやいや。全然馬鹿にしてないってば。全力で誤魔化したいだけだってば」

「それならもう少しまともな言い訳を考えるんじゃな。ほれ、行くぞ」

「えっ? えっ? 行くって、どこに?」

「どこって、ナーサリーの部屋じゃろ? 儂もどきが世話をかけているようじゃし」

 

 ノッブはそう言うと、オオガミの襟を掴むと、引きずっていく。

 ナーサリーはそれをじっと見ていたが、我に返ると同時に二人を追いかける。

 

 

 * * *

 

 

「で、ここの中にいるって事?」

「うん。一応この部屋から逃げないから」

「だそうじゃ。ガードは任せたぞ」

「なんで私まで…」

 

 移動中に見つかってしまったマシュは、そのまま連行されてナーサリーの部屋まで連れて来られていた。

 

「じゃ、開けるよ」

「うん。お願いね。マスター」

「行くぞ、マスター」

「はぁ…仕方ないです。防御はお任せください。マスター」

「うん。じゃ、レッツゴー」

 

 オオガミがそう言って扉を開ける。

 直後飛び出てきた金色のちびノッブがオオガミの顔に張り付く。

 

「えっ」

「「「あっ」」」

 

 ドンッ!! という爆発音と共にオオガミの顔が爆炎に包まれる。

 

「ま、マスター!!」

「大丈夫!?」

「開幕奇襲とか、やりおるな儂!!」

「馬鹿言ってないで追撃を防ぎますよ! ナーサリーさんはマスターを連れて退却してください!」

「わ、分かったわ!」

 

 早々にダウンしたマスターを引きずりながらナーサリーはその場を離れる。それを確認するまでの間ノッブとマシュはちびノッブたちを部屋に押し戻していた。

 

 

 * * *

 

 

「あ、あれれぇ…? 爆発しないんじゃなかったっけぇ…?」

「普通に爆発してましたよね」

「いやぁ…凄まじいのぅ。さすが儂もどき」

「うぅん…部屋を占領されちゃった…」

 

 退却した四人は、オオガミのマイルームで作戦会議を始める。

 と言っても、もう深夜に突入しているので、オオガミは眠気に飲み込まれかけていた。

 

「マスターもお疲れのようですし、今日は諦めましょう。ナーサリーさんはどの部屋に行きましょうか……」

「儂の部屋でも良いが…ナーサリーはどうしたいのじゃ?」

「私はマスターさんの部屋が良いわ」

「……あり、かの?」

「良いんじゃないでしょうか。ナーサリーさんなら何かするはずもないですし」

「じゃあ良いか。じゃ、解散。儂は自室に戻るからの。明日また挑むぞ」

「了解。じゃ、お休み~」

「おやすみなさい。先輩」

「おやすみじゃ、マスター」

「お休みなさい。マシュ、ノッブさん」

 

 そうして、四人は解散し、ナーサリーとオオガミは同じ布団で寝る事にした。全ては予備の布団が改装のせいで消滅していたのが原因だった。




 明日に続くよッ!

 ネタの募集…した方が良いのかな。とりあえずネタが切れるまではやっていくつもりですけど、こういうのをやってほしいっていうのがあった時ように活動報告に枠を作った方が良いですかね?
 登場予定キャラも一度全員書かないとですねぇ…


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これは……新手の呪い?(誰得な呪い何ですがそれは)

「では、第二回ノッブ制圧戦会議を始めるよ」

「正直、その題名だと儂を制圧するようにしか思えんのじゃが」

 

 真剣な表情で言うオオガミにノッブがすかさず突っ込む。

 

「いやいや。さすがにノッブ(本物)は倒さないけども」

「本物とか言われると、儂の偽物が跋扈してそうじゃの」

「してるから本物って言われてるんでしょうが」

「そうなんじゃけど…」

「まぁまぁ信長さん。とりあえず、会議を続けましょう」

「ぬぅ…仕方ない。マスター。進めるのじゃ」

「なんとまぁ偉そうなんだ。このノッブ」

「偉そうじゃないのがいるのか?」

 

 文句を言うノッブをなだめるマシュ。そして、若干追撃をする巌窟王。

 現在この会議は、オオガミ、ノッブ、マシュ、巌窟王、エルキドゥの五人だけだ。

 ナーサリーはメディアに連れて行ってもらった。今何をしているのかは分からない。

 

「まぁ、ノッブが偉そうなのはいつもの事としよう。うん。とりあえず、今日の目標はあれだよ。この前捕まえてきたちびノッブ達をもう一回捕まえて、ダ・ヴィンチちゃんの所に連れて行くことかな」

「ということは、捕らえてくるだけでいいのかな?」

「うん。ダ・ヴィンチちゃんが何とかしてくれるらしいし」

「そう。なら、すぐに終わるね」

「正直、(マスター)の必要性無い気がするけどね」

「いや、マスターがいるだけで士気力が変わるんだけどね」

「あ、それなら行かなくちゃか。よし、じゃあ行こうか」

「作戦とか、何も立てて無いんじゃが。これでいいのかカルデア」

 

 出て行く全員の後ろを歩きながら、ノッブはそう呟いた。

 今までもこれで勝ち進んできているので、何とも言えない現実があるのだが。

 

 

 * * *

 

 

「で、とりあえず俺は爆発を受けないように後ろに下がって置こうか…」

「毎度顔面に張り付かれて爆発されとるよな。マスター」

「本当にね……捕獲の時も、様子を見に行くたびに爆発するし…」

「災難としか言いようがないの。全く」

「なんでマスターにだけあんなに襲い掛かるんでしょうか」

「次は無い様に俺が見張っていよう」

「巌窟王さん…お願いします」

 

 マシュはそう言って巌窟王にオオガミを任せ、扉に向かう。

 

「では…参ります!」

 

 扉が開く。直後、やはり飛び出てくるノッブたち。

 無数のノッブをマシュとエルキドゥが押し返し、飛び上がってくるちびノッブをノッブ(本物)が撃ち落していく中、一体だけ、他のちびノッブとは明らかに違う動きでオオガミに迫る。

 

「ちょ、完全に俺を狙ってるじゃんか!」

「ふん。動かないで良い。俺に任せろ」

 

 オオガミが迫ってくるノッブを見て一歩下がると同時、巌窟王が間に割り込みちびノッブを掴むと、手に持っていた袋の中に放り込む。

 その袋は、ダ・ヴィンチちゃんから貰って来た捕獲用の袋で、あまり構造は分からないが、爆発しても平気らしい。

 

「ふぅ。これで一安心だね」

「そうだな。おそらくあの一体だけが――――」

 

 振り向き、オオガミを見ると同時に固まる巌窟王。

 オオガミの頭の上には、すでに居たのだ。奴が。

 

「ノッブ!」

「マスター!」

「えっ?」

 

 ボンッ! という音と共に、いつもの如くマスターは爆発に飲まれ、倒れるのだった。

 

「……呪いの類じゃろ。絶対」

 

 ノッブはそれをちらりと確認し、思わず呟くのだった。

 

 

 * * *

 

 

「うん。まぁ、そうなるんじゃないかって思ったよ。正面のは囮で、すでに背後にいるとか、誰も想像しないって」

「俺がいながら…すまない」

「僕もそっちまで手を回していれば…」

「もう爆発されるとかいう呪いに掛かってるじゃろ。絶対」

「そんな呪い嫌なんだけど。爆発される呪いとか、誰の攻撃だよ」

「知らんが、何か恨まれることでもしたんじゃろ」

「そんな……恨まれることなんて……してない、よ?」

「自信なさすぎじゃろ」

 

 何とかノッブたちを全員回収して、マイルームに戻ってきたところだった。

 案の定爆破されたオオガミは、数分気絶していたものの、すぐに目を覚まし、先ほどの会話につながる。

 

「それで、全部捕まえてダ・ヴィンチちゃんに届けたんだよね?」

「そうだよ。ノッブたちを入れた袋は、今はマシュが運んでくれてるよ」

「そう。なら良かった。後はダ・ヴィンチちゃんに任せようか」

「すまないマスター。俺が付いていながら…油断してしまった」

「まぁ、ミスは誰にもある事だし、気にする事は無いと思うよ」

「マスターはもっと自分の重要性を考えるべきじゃと思うがな」

「うっ。面目ない…」

 

 ノッブの言葉がぐさりと突き刺さる。

 

「ま、まぁ、結果は全員無事だったし、良いじゃん。今日は解散にしよう。俺も疲れたし、仕事も終わったからね。問題無しだよ」

「うむ。じゃあ、儂も出て行くかの」

「そうだね。僕も部屋に戻ろうかな」

「俺も、今日は戻ろう。また明日会おう。マスター」

「うん。おやすみ~」

 

 オオガミがそう言うと、三人はそれぞれ答えて部屋を出て行く。

 

「さて…このまま寝ようかな」

 

 オオガミはそう呟いて、寝るのだった。

 

 そして、報告のために部屋に寄ったマシュは、すでに寝ているオオガミを見て、明日報告することにしたのだった。




 ホント、誰から受けた呪いですか。主人公を爆破したいとか…大体みんな思うじゃないですか!


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種火と聖晶石と(どちらを取るべきか)

「うぅむ……」

「何を悩んでいるの?」

 

 廊下で悩んでいるオオガミに声をかけるエウリュアレ。

 マスターと会うなら、朝か夜ならばマイルーム。昼ならば廊下を歩けば見つかる。というのがサーヴァント内でささやかれている噂の一つらしいが、その真偽は定かではない。

 

「聖杯を使って早くエウリュアレのレベルを上げたいんだけど、種火が足りないんだよね」

「だから、なんで私のレベルを上げようとしてるのよ」

 

 すでに二つ目の聖杯も捧げられ、ついにセイントグラフが金色に輝いたエウリュアレ。

 だが、オオガミは当然のごとく育てることをやめないようだった。

 

「女神さま、強いし。メイン戦力だし。ランサーじゃなきゃ大体何とかしてくれるし」

「私はそんな強くないわよ…買い被り過ぎ」

「別にそれでもいいけどね。育てることに変わりはないし」

「意地でも育てる気なのね…」

「もちろん。女神さまにはこれからも頑張ってもらう予定だし」

 

 当然のように言うオオガミ。

 本来ならば攻撃力も殲滅力的にも弱いのであまり連れていないのだが、最近は異様なまでに連れて行こうとすることが多い。その理由は分からないが、何か考えているのだろう。とエウリュアレは推測する。

 ただ、一つだけ、何かを誤魔化しているというのはわかっていた。

 

「はぁ……それで、種火でしょう?」

「うん。今月分のダ・ヴィンチ工房も尽きてるし、次の弓まで待つしかないか…」

「ランダムは選択外なのね」

「下手すると死んじゃうような種火集めは地獄でしょ」

「本音は別のところにあるんでしょう?」

「えっ」

 

 突然の一言。エウリュアレは勝ち誇ったような表情で言う。

 

「知ってるのよ? 今日、聖晶石を集めていたじゃない」

「うぐっ」

「それに、また誰か召喚しようとしてるみたいじゃない」

「うぐぐっ!」

「まぁ、別に私は構わないけど、あなたが大丈夫なのかが気になるわ」

「そ、それは…大丈夫だよ。欲しいのはセイバーだしね…他の人にまで被害はいかないはずだし」

「ふぅん…まぁ、いいわ」

 

 エウリュアレはそういうと、ふふ。と笑うと、少し進んで振り返る。

 

「私を楽しませてね。マスター」

「……その笑顔は卑怯だよ。エウリュアレ」

「女神の威厳を保つためにも必要なのよ。ふふ。じゃあ行きましょ、私のマスター?」

「…うん、そうだね。じゃあ、石集めかな」

「えぇ、頑張るわ」

 

 エウリュアレに手を引かれ、オオガミは歩き出す。

 目的地は絶対魔獣戦線バビロニア。魔獣殲滅へと向かうのだった。




 聖晶石集めも、ついにバビロニアに到達…やばい、このままだと枯渇してしまう…!!
 これはイベントがダメかもわからんですよ…


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増えない聖晶石(むしろ減ってる…?)

 今更ながら、カルデアにも休憩室の様なモノは存在する。

 いつの間にか補充され、内容もたまに変わるドリンクサーバーに同じくいつの間にか補充されているお菓子。

 休憩室だという事を現すソファー。なぜかある台は、ここに立って何か催し物でもする時用なのだろうか。

 

 そして、そこに訪れるのは研究員やマスターはもちろん、サーヴァントもいる事が多い。

 今日もまた、人はいるのだ。

 

「それで、マスターはどうですか?」

「知っての通り、今も石集めに奔走中じゃよ」

「ネロさん、召喚する気満々ですもんね…」

「全く…大変じゃな。マスターは」

「もう石も採りにくくなってますしね」

「石集めも後半戦。10連引くだけ集められるか不安じゃの」

「ですね」

 

 マスターの必死ぶりに苦笑する二人。

 話してる会話の通り、現在マスターは全力でバビロニアで戦っていた。

 二人は休憩中で、マシュはAPが回復したらまた出撃である。

 

「難しい所じゃのう…決戦は水曜日なんじゃろ?」

「はい。次のピックアップが~って、叫んでましたから」

「大変じゃのぅ…明後日だし」

「どう考えても間に合いそうにないので、来週の水曜日を決戦とするって言ってましたけどね」

「そうやって先送りにするからダメなんじゃよ」

 

 遠い所で謎の精神ダメージを受けたマスターがいたというが、それがオオガミなのかどうかは誰も知らず、当然の如くこの場にいる人間は知らない。

 

「で、石はどれくらいあるんじゃ?」

「五個ですね。全然集まってません」

「全く…我慢せずに衝動的に使うからそうなるんじゃ。この前まで12個あったのに」

「あはは……その場の勢いじゃないですか? マスターはいつもそんな感じですし」

「それでいいのかカルデア…」

 

 やれやれ。と言ったような表情をするノッブ。そして、お菓子置き場から取ってきていた煎餅をバリバリと食べ始める。

 

「そういえば、儂の代わりに誰がアーチャー枠で入ってるんじゃ?」

「ほとんど敵はランサーしか出てこないんですが、エウリュアレさんが入ってますよ」

「ほぅ…? 儂ではなく、女神を連れて行っていると…」

「コスト的にもエウリュアレさんの方が低いですしね。入れやすいのでしょう」

「むぅ、世知辛い…これがコスト社会の闇か…!」

 

 その点、マシュはコスト0という事でコスト面最強なので、常に入っていたりする。

 

「あ、すいません信長さん。そろそろ時間なので、私は失礼させていただきますね」

「む。そうか、もう溜まったのか…気を付けるのじゃぞ。マシュ」

「はい。行ってきますね!」

 

 マシュはそう言って、休憩室を出ていった。




 初めてマスターが一切登場しない回。こんな回もありですよね。


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女神は今日も働く(私は働きたくないんだけど)

「なんで私まで組み込まれてるのかしらねぇ…」

「羨ましい悩みじゃ」

「ホント、よくそんな羨ましいこと言えるわね」

 

 休憩室にて同じ机を囲む、エウリュアレ、ノッブ、エリザベートの三人。

 

「羨ましいって言うけど…相手はランサーなのよ?」

「まぁ、それは確かに辛いな」

「何よランサーくらい。というか、私もランサーだし」

「あれよ。あなたにとってのセイバーみたいなものよ。分かるでしょう?」

「あ~……それは確かに、辛いわね」

「ま、それでも編成されること自体が羨ましいんじゃがな」

「戦闘には参加できないけどね」

 

 興味半分で取ってきた饅頭を食べつつ、エウリュアレは微妙な表情をする。

 

「そういえば、そんなにランサーが多いのか?」

「えぇ、あの特異点はランサー系の魔獣が多いから。私はほとんど役に立たないわ」

「アーチャーも少ないし、ランサーも役立たずねぇ」

「あぁ…それで珍しくデオンが出とるわけか」

「デオンねぇ…初めて会った時の印象が残ってるのよねぇ」

「最初…あぁ、そうか。エリちゃんはほとんど最初の頃を知っとるんじゃったな」

「一応私、古参よ? 冬木の途中からずっといるんだから。……今日のオレンジジュース、ちょっと酸味が強いような…?」

 

 ドリンクサーバーから取ってきていたオレンジジュースを飲みつつ、エリザベートはそう言う。

 

「どれだけオレンジジュース飲んどるんじゃ…」

「アンタだってお茶の違いが分かるじゃない。同じでしょ」

「同じ……なのかのぅ…」

「正直私は美味しいなら文句はあまり言わないから気にしないけどね。そんな神経質になるようなことでもないじゃない」

「まぁ、それもそうじゃな」

「そうね。っていうか、なんでこんな話になったのよ」

「エリちゃんがオレンジジュースの酸味が強いようなって言ったせいじゃな」

「私のせい!?」

「あながち間違ってないわね」

「じゃろ?」

 

 かりんとうをサクサクと食べつつ、ノッブはエリザベートを見る。

 エウリュアレは、ノッブの食べているかりんとうが気になるようで見ているのだが、ノッブが気付く様子は無い。

 

「それで、エウリュアレは時間、大丈夫?」

「え?」

「時間よ時間。そろそろ溜まるから行くんじゃないの?」

「もうそんな時間か。大変じゃのぅ。エウリュアレ」

「くぅ…! 女神なのに、なんで私はこんなに働いているのよ…!!」

「仕方ない。自分の性能を恨むんじゃな」

「頑張ってね。エウリュアレ」

「もっと話していたいのだけど…行ってくるわ。また後でね」

「おぅ。また後でな」

「行ってらっしゃ~い」

 

 エウリュアレは若干残念そうな表情をして、休憩室を出て行く。




 女神さま…本当に、普通にランサー相手にも後方待機してます。
 ノッブ…レギュラーというか、ノッブがいないとすでに話を展開する事が出来なくなってきたというか…むむむ。ノッブはすでにこの作品においていなくてはいけないキャラ…?


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今週いっぱいの三食団子(来月からは何が出るんです?)

「ふむ。これもおいしいわね…」

「何を食べているんだ?」

 

 竹串を片手にモグモグとしているエウリュアレの正面に、巌窟王が座る。

 

「三食団子っていう和菓子よ。今週までだから食べてみたのよ」

「和菓子…という事は、日本の物か。今は確か、春……だったか」

「らしいわ。信長とかがいれば教えてくれたと思うんだけどね」

「もう三食団子は遅いがな。桜も散って、そろそろ柏餅や(ちまき)だろう」

「ほぅ…? そんなものもあるのか」

「私も食べてみたいわね…」

 

 普通に巌窟王の隣に座る土方。

 二人は彼の言葉に反応する。

 

「俺は湯漬け沢庵だけあればいいがな」

「そう? それはもったいないわね。こんなにおいしいのに」

「だな。食べた方が良いだろう」

「いらん。湯漬け沢庵で十分だ。まぁ、沖田なら食べてそうだがな」

「残念。このおいしさを共有できないなんて…!」

「する気も無いだろう。先ほどから俺に取らせる気が全くないだろうが」

 

 エウリュアレはいつの間にか取ってきていた三食団子の山を、巌窟王に取られまいと、巌窟王が手を伸ばす度に避ける。

 

「私は女神よ? 何かを欲するなら、何か貢ぎなさいな」

「クッ……いや、別に、自分で取ってくればいいだけの事だ」

「そう? 面白くないわね。もうちょっと食い下がってくると思ったのに」

 

 面白くなさそうにエウリュアレは巌窟王を見送り、団子をモグモグと食べる。

 

「うぅん…まぁ、良いわ。食べ切れる気がしないから、後で誰かに押し付けましょ」

「押し付けんな。自分で取ったものは自分で喰え」

「むっ。別に、私は一人で食べるために取ったんじゃないわ。他にも誰かが食べるんじゃないかと思って、取って置いたのよ」

「ふん。どうだかな」

「何よ。やる気? またあの時みたいにメロメロにして射ち殺すわよ?」

「良いだろう。やってやろうじゃねぇか」

 

 だんだんと不穏な雰囲気が流れる休憩室。土方とエウリュアレのにらみ合いは、何時の間にか握られているそれぞれの武器が更に緊張感を増やす。

 しかし、それを破る一言。

 

「二人とも……ここで争うつもりかい?」

 

 冷たい言葉。無機質ともいえる警告。

 エルキドゥ。対神性で、ただでさえもアーチャーに強い彼は、その鎖を態々見せ、殺意のこもった威圧感を放つ。

 

「私は別に、争うつもりなんてないわよ」

「俺も別に、やり合うつもりはねぇ」

「そう…ならいいよ。皆に迷惑をかけないようにね」

 

 一触即発の空気は、エルキドゥの一言によって霧散する。

 

「……とりあえず、あいつにコレ、押し付けましょう」

「さすがに無謀だろうが」

「止めておけ。結果は見えている」

 

 エウリュアレの無謀な作戦は、土方と戻ってきた巌窟王により実行前に終わり、仕方なく三人で三食団子を食べるのだった。

 ちなみに、巌窟王は緑茶を取りに行っていただけである。




 ついにノッブもマスターもいない話ができるという。しかし、代わりにエウリュアレがお菓子を求める系のキャラに変わってしまった…犠牲は大きかった…


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ネロ降臨!!(なお、まだ育てられない模様)

 何となく、ぼんやりと、謎の違和感を感じていた。

 誰かが呼んでいるような、そんな違和感。

 

「それで、結果がこれだったわけか」

「いやぁ…これはあれだ。これから地獄になる予感だ」

「余がおるではないか。何を心配することがある」

 

 休憩室でのノッブとオオガミの会話に、彼女――――ウェディングドレスを着たネロが言う。

 おそらく、呼んでいたのは彼女なのだろう。そう思えるほど、違和感と召喚されたタイミングが一致していた。

 

「マスター。ここで運が尽きる。そんな感じかの?」

「なに!? マスター! 運が尽きるとは、何があったのだ!」

「君が来てくれるという最高の幸運が消費されたからね。これはもう凄まじい幸運消費量だよ」

「幸運は消耗品だったのか…」

「なに、幸運は消耗品だというのなら、また手に入れればいいだけの話であろう! 余に任せよ!」

「ネロ様はそこまで出来るのか…!!」

「いやいや、そこまで万能なわけなかろう…」

 

 胸を張り、無駄に自信満々なネロに目を輝かせるオオガミを見て、ノッブは突っ込みながらジト目で見る。

 

「さて。それで、余の部屋はどこだ? マスター」

「あぁ、そういえば何にも説明して無かったね。じゃあ、そこまで行こうか」

「うむ! お願いするぞ! マスター!」

 

 二人はそう言って、休憩室を出て行く。

 一人残されたノッブは、緑茶を少し飲んだ後、

 

「お主ら、何時まで隠れてるつもりなんじゃ…」

「アレが新しい敵なのね…」

「ネロが……ネロが来たわ…!!」

 

 どこから出てきたのか、何時の間にかエウリュアレとエリザベートが現れ、椅子に座っている。

 

「ついに来たわね…超絶ヒロイン風の装備を纏った最強セイバーが…!!」

「ネロよ、ネロ! しかも、アメリカで会った方のネロ! あんなフリフリの、真っ白なドレスを着てる方のネロよ! 勝ち目なくない!?」

「さっきから何の勝ち負けの話じゃ…別に、気のすることもないじゃろ。どうせまだ戦闘に出ないし」

「何言ってるのよ。オオガミよ? 一度育てると決めたら全力で最終再臨までは頑張るマスターよ? 来月の中旬には戦力になると見たわ」

「やりかねないわ…マスターなら、普通にやるわ! 素材が揃わなかったアタシはスルーされたけど!」

「それは……お疲れ様としか言い様がないの…」

「ま、まぁ…いつか報われるわよ…」

 

 途中から何故か自分にダメージが入り始めたエリザベートは頭を抱え、それをノッブとエウリュアレが慰める。

 

「とりあえず、茶々が最終再臨を迎えるまでは少し安心できるはずじゃ。先に茶々を育てるって言っておったし」

「あくまでもそれはオールの種火の話よ。セイバーの種火は使うわ。デオンよりも確実に優先されるはずだし」

「なんか…デオンをいじめてるように思えてきたんじゃが」

「デオンはほら、攻撃系じゃないし」

「どう考えても盾だから。良いのよ、そう言う扱いで」

「これが英雄格差社会って奴か…儂も注意せねば…」

 

 デオンへの攻撃も酷いが、さらりとデオンを全力で叩くエウリュアレとエリザベート。その二人に戦慄を覚えるノッブなのだった。




 ネロ様来たあぁぁぁぁぁ!! という叫びを基に作り、途中から不穏な気配を感じる私なのだった。
 これはコラボの時に出ない予感がやばいですね。


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ネロが再臨出来ない(林檎は縛られている)

「なんで…なんで上がらないんだ…!!」

「あの、その…SSRですし、仕方ないんじゃないでしょうか…」

 

 休憩室で頭を抱えて呻くオオガミを励まそうと頑張るマシュ。

 何があったのか。それは至極単純で、未だに一度も霊基再臨が出来ないネロへの嘆きだった。

 現在レベルは37。後13も足りず、林檎はイベント用にとケチっているためあまり伸びていなかった。

 

「ぐぬぬ…こうなれば、いっそのこと林檎を使うべきか…」

「先輩。さすがにそれはダメです」

「あ、はい。ごめんなさい」

 

 微笑んで却下されて謎の恐怖を感じたオオガミは、思わず反射的に謝った。

 

「はぁ…全く。ネロさんが来てくれたからよかったですけど、そもそも、なんで聖晶石を衝動的に回すんですか」

「仕方ないよ…衝動には誰も勝てないんだ」

「もうっ! 抑制はしてくださいよ!」

「仕方ないよ…マシュが聖晶片を『カッキーンッ。カッチーンッ』ってしちゃうようなものだよ…」

「い、いえ、その、アレは…」

 

 動揺するマシュに、オオガミは微笑んで、

 

「大丈夫。みんな分かってくれるから。大丈夫だよ。マシュ」

「~~~~っ!! 止めてくださいっ…! それ以上は…ダメですっ…! つい、出来心だったんです…!!」

「ふふふ。良いのだよ? マシュ君。これを広めてしまっても」

「そ、それは止めてくださいッ! 本当に、止めてください…!」

「ふふふ。ならば、私が聖晶石を使う事を黙認するのだよ…!!」

「あ、それは話が別です」

 

 寸前まで恥ずかしさに顔を赤く染めていたのに、一瞬で真顔になるマシュ。

 流石に世界を救った英雄も、頼れる相棒には勝てないようだった。

 

「とりあえず、イベントが始まるまでは石も林檎も預かっておきますからね。先輩は、私が見てない所で使っちゃいそうですし」

「酷い偏見だよね!」

「実際そうじゃないですか」

「はぅっ! 後輩に言われてはどうしようもない…!!」

「もう。分かってるなら直してください。そして、種火は自然回復したAPのみでやってくださいね」

「うぐぐ……仕方あるまい。諦めよう…」

「最初からそれでいいんです。さ、回収しますよ。先輩」

「は~い……」

 

 マシュはにっこりと笑いながら。オオガミは渋々と言った様子で、休憩室を出て行く。

 そして、それを見ていた影があった……。

 

「マシュ……もはや母親じゃろ」

「まさか石と林檎を自分が持って行こうとするとか、誰が考えるのよ」

「そなたら……いつもそんな会話をしているのか…?」

 

 案の定、ノッブとエウリュアレの二人と、新たにネロが加わっていた。

 

「いつもじゃないわい! というか、儂の居る時にマスターから来るんじゃ!」

「そうよ。私も、たまたま来た時にマスターがいるだけよ。狙ってきてるわけじゃないわ」

「そ、そうか…」

 

 冷静に考えると、自分も同じようなことをしているので、そこまで深くは突っ込めないネロだった。

 

「まぁ、今日はもう帰るんじゃがな」

「私はもう少しお茶を飲んでから部屋に戻るわ」

「余も部屋に戻るかの」

 

 そうして、3人は解散するのだった。




 という事で、やはり一日では再臨出来ないか…ネロ様…!!
 林檎と石はマシュに預かってもらえば確実に使いませんよね!(フラグ)


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またレベル上限上がるわね(だからと言って、煎餅は譲らんぞ)

「いつの間にか強くなっておるんじゃけど…」

「気付いたらレベル79よ……あと一つ上がれば、たぶんまた聖杯で上限が上がるわね…」

「そうはっきり言えるのはお主だけじゃろ」

「なぜ余ではなくそなたなのだ…うぅ…」

「知らないわよ。その文句はオオガミに言って」

「うむ。ちょっと抗議してくる」

 

 ネロはそう言って、休憩室から出て行く。

 残されたノッブとエウリュアレは、煎餅を食べながら見送る。

 

「さらっと儂から煎餅を奪うな。女神」

「何よ。一枚くらい良いじゃない。第六天魔王」

「む。珍しく攻撃的じゃな。何かいいことでもあったのか?」

「別に、何もないわ。ただ、今の私は機嫌がいいの。こんな日があってもいいでしょ?」

「ま、それについては儂は何も言わんよ。それより、あのアンデルセンとか言う作家……いつの間にかかなり強くなっとらんか?」

「既に貴女の姪を越えてるわね。恐ろしいくらいの成長速度よ?」

「なんで突然育て始めたのかのぅ…」

「さぁ? ただ、戦闘には一切参加してないから、イベントの為じゃない?」

「マスターがそんなことをするとは思わんのじゃが……まぁ、何か考えがあるんだろう。そっとしておくかの」

 

 ノッブは緑茶を飲み、一息つく。すると、エウリュアレが、

 

「そういえば、最後の最後に貴女の姪が種火周回に参加したわよ」

「ほぅ?」

「ちゃんと頑張っていたわ。あそこまで戦えるとは思ってなかったから、正直驚いたわよ」

「そうか……まぁ、当然じゃな! 儂の姪じゃし!!」

「えぇ、本当、貴女の姪は凄かったわ。まぁ、これから大変かもしれないと思うけど、頑張ってもらいましょう」

「……あぁ、そういえばバーサーカーじゃった……種火周回で活躍って事は、そういう事か…」

「フフッ。彼女も、サーヴァントの闇に一歩踏み出したという事よ」

「三食おやつ休憩付きの仕事場じゃが、イベント時はほとんど別物じゃからの……種火周回はイベント以外では無いじゃろうから、とりあえず明日で最後か」

「そうね。一応は終わるんじゃないかしら。イベント後が問題かもしれないけど」

 

 これからの事を考えつつ、ため息を吐く二人。

 そこで、ノッブは何かに気付く。

 

「そういえば、何時の間にか煎餅が全部消え取るんじゃが」

「あら、本当ね。誰が食べたのかしら」

「……そういう分かり切ったことを言うのはどうかと思うんじゃが」

「……それもそうね。食べたのは貴女でしょう?」

「お主じゃろうが。女神だとか言われていようが、儂は全く気にせんからな。全力で対立するぞ」

「へぇ? 私と戦おうっていうの? 全体宝具で強力攻撃のあなたが、単体宝具で超強力攻撃の私に? いいわよ。その勝負、受けましょう」

「筋力E、耐久Eのお主に負けるわけないじゃろ。あまり調子に乗るなよ駄女神。儂の火縄銃が火を噴くぞ」

「やれるものならやって見なさい。その前に心臓射ち抜いてあげるわ」

 

 二人はそう言うと席を立ち、ある意味仲良くトレーニングルームへと向かうために休憩室を出て行くのだった。




 また食べ物で争ってる…

 エウリュアレはもう完全にお菓子を求める系サーヴァントですね。これはいつかエウリュアレがお菓子を求めるだけの話を書かねば…(使命感


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茶々は凄かった(圧倒的茶々パワー!!)

「茶々の大勝利! ドンと任せて!」

「全体宝具バーサーカーの強さは異常ね」

「もっと早く気付いていれば楽だったのに……なんで気付かなかったんだ…」

「私も一緒に戦っていて、かなり力強い感じでした」

 

 マイルームは人があまり入れないように仕様変更されているので、休憩室で話す四人。

 話の中心は茶々で、胸を張っているのも、茶々のおかげで種火周回でかなり楽に進めるようになったのが主な理由だったりする。

 

「本当にバーサーカーは強い……」

「そうですね。茶々さんがいれば百人力です」

「茶々がいれば大丈夫! 種火集めは茶々の独壇場だよ!!」

「それは頼りがいがあるわね。頑張りなさい。貴女の叔母もそう言っていたわ」

 

 笑みを浮かべるエウリュアレは、言いながら、彼女の叔母――――ノッブとの昨日の戦いを思い出し、思わず正面で少し沈んでいるオオガミの足を蹴る。

 オオガミは驚くが、何とか平静を保ち受け流す。

 

「そう言えば、叔母上は? いつもはこの時間帯ならここにいるのに」

「さぁ? 部屋で寝てるんじゃない?」

「……エウリュアレ、もしや何か知ってる…?」

「なんで私が疑われるのよ。そんなことをすると思う?」

「めちゃくちゃ失礼だけど、すると思う」

「本当に失礼ね……まぁ、工房にでも籠ってるんじゃない?」

「むぅ。ノッブならその可能性もあるか……」

 

 実際は、昨日の戦いにワンキルされたエウリュアレが、腹いせにわんこを魅了しノッブを襲撃させ、何とかノッブは工房に逃げて今なお扉一枚を隔ててわんこと対峙していた。

 そんなことになってるとは知らない四人は、エウリュアレの説明に納得する。

 

「それで、明日はどうするの?」

「そうだねぇ…午前中は種火周回で安定かな」

「明日の19時からイベントですからね。まぁ、そんなに出来ないでしょうけど」

「本番は明後日からだし。まだ焦らなくて大丈夫だよ」

「19時から出来るといいわね」

「それはどういう意味かなっ!?」

「特に理由なんてないわよ……そんな声を上げないで少し落ち着きなさい」

 

 意味深なことを言ったエウリュアレに向かって声を上げるオオガミ。それに若干押されつつ、エウリュアレはオオガミを落ち着かせる。

 

「いやぁ…今みたいな意味深な事を言われたら…ねぇ?」

「そんな、分かってるでしょ? 的な視線を送られても…」

「そうですよ。少し落ち着きを持ってください、先輩。いくらイベントが楽しみだからと言っても、さすがに興奮しすぎですよ」

「うぐぐ……最近いつもこんな感じな気がする…」

「大体いつもこんなものじゃない」

「茶々はこんな感じのマスターしか見たことないよ?」

「たまにしっかりしてるんですけどね……」

「三方向からの攻撃…!! これはもうダメだ。今日はもう寝よう」

「お疲れ様です。無理はしないでくださいね、先輩」

「明日も頑張って。まぁ、種火は槍とアサシンだけど」

「茶々はなんでも大丈夫だよ!! お休み!」

 

 三人に見送られ、オオガミは休憩室を出て行った。

 

 その後、ノッブはエウリュアレによって救出されるのだった。

 もちろんノッブは怒っていたが、本気で怒っているわけではないというのは、本人たちだけが知っていた。




 結局最後はエウリュアレとノッブが持って行くのです。

 さりげなく親友レベルだよね。あの二人。周りはめちゃくちゃ被害被るけど。


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深海電脳楽土 SE.RA.PH
待ちに待ったイベント(まさか更新するのにこんな掛かるとは)


「ってことで、ついに始まったイベント! これはもう楽しまなくちゃだよね!」

「22時現在で外出してるため更新できないけどねっ!」

「ノッブ許すマジ!」

 

 事実、未だに更新できずにイベント内容が全く分かっていないオオガミ。

 ちなみに、安定の休憩室である。現在のマイルームは騒がないというのが暗黙の了解になっているので、自然と休憩室に集まるのだ。

 

「で、今日の目標は?」

「とりあえずイベントをやる!」

「更新時間に全て掛かってるの。まぁ、頑張るが良い」

 

 エウリュアレに問われ、全力で答えるもノッブの現実的一言で粉砕される。

 

「まぁ、更新さえ出来れば問題ないわね。まぁ、APがあるかは別だけど」

「あ、その点は問題ないです。先輩から没収――――預かった林檎がありますから」

「ナイスマシュ! これでAPは解決だね」

「ふはは。儂もエウリュアレも今回特攻はないからの。これは待機確定じゃの」

「まぁ、今回ここにいる三人とも、出番は無いと思うけどね」

 

 盛大な爆弾。あれだけ育てていたエウリュアレすらも使われないという宣言だった。

 これが後にフラグになるのだろう。たぶん、おそらく。

 

「とりあえず、編成を確認しよう」

「えっと、今回の特攻サーヴァントさん達ですね。どういう編成にするんですか?」

「うん。まず、ドレイク船長、エリちゃん、ネロ、ナーサリーの四人は確定で、」

「最後はアンデルセンとか言う小僧じゃろ?」

「育てていたのなんて、分かるのよ。ほら、さっさと編成しなさい。急がないとでしょ?」

「まぁ、更新してるから編成なんて出来ないんだけどね」

「……案外見られてるものだねぇ…」

「私だって、資源を見てるので分かりますよ…とりあえず、私は編成の中にいませんけど、頑張ってください。先輩」

「よし。任せて! 頑張ってイベントやって来るよ!」

「おぅ。儂らの分まで頑張れ~」

「面白い戦いを見せてね? マスター」

「応援してますよ。先輩」

 

 三人に言われ、オオガミは編成するために休憩室を出て行く。

 そして、残された三人は、

 

「まぁ、案の定じゃな。こうなる事は想定済みじゃ」

「運良く特攻サーヴァントが揃ってましたからね……信じて待ちましょうか」

「そうね。まぁ、楽しみに待ってましょう。きっと楽しそうに報告してくれるはずよ」

「そうじゃの。儂らはとりあえず、マスターの無事を祈るので精一杯じゃし」

「更新終わりましたし、すぐにまた来ますよ。楽しみに待っていましょうか」

 

 三人はそれぞれ楽しそうに笑いながら、マスターの帰りを待つのだった。




 想定外の所に時間を取られ悔しさを隠せないマスター、オオガミです。
 という事で、これからはイベントの話を頑張っていきますよ!!


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マスターが帰ってこないんじゃが(サーヴァントもたまにいなくなる)

「いつの間にか現れたり消えたりしてますよね。向こうで何があったんでしょうか…」

「私は全く分からないわ。というか、貴女も何度か向こうに行ってるでしょう?」

「そ、それはそうなんですけど…」

 

 歯切れの悪い返事をするマシュ。エウリュアレは少し気になる。

 

「何があったの?」

「いえ……初めて向こうに行った時は、先輩をセンパイ呼びする憎たらしいあの人との戦闘だったんですけど、まさか総戦闘ターン数が41ターンという驚異的数値に…」

「あ~…耐久したらそうなるわよね。特に体力が多い敵は」

「はい…本当に、辛かったです……ギリギリの時も多かったので尚更」

「いつものあのパーティーは基本攻撃力が無いから仕方ないじゃろ。ターンは異常に伸びるに決まってるじゃろ」

「あ、信長さん」

 

 いつからか後ろに立っていたノッブは、そう言った後片手に持っていたリンゴジュースをストローで飲み、マシュの隣に座る。

 その時に、もう片方の手に持っていた大福を机の上に置く。

 

「つか、途中からネロが帰って来とったんじゃが」

「それは…あれですよ。コストと性能で判断したらたぶんそうなったんですよ…」

「残酷な事じゃ…パッションリップによってすべて奪われたの…」

「コスト自体が足りないのも原因の一つでしょ。効率としては申し分ないんじゃない? まぁ、そのうちネロの代わりに誰かが戻ってくるわよ」

「そうですね。先輩の事ですし、ネロさんを意地でも入れますよね」

「流石マシュ。よくわかってるじゃない」

「代わりに戻ってくるのはナーサリーかのぅ…全体宝具は全体宝具でも、攻撃力が低いし」

「可能性は大きいわね。というか、それ以外ないんじゃない? ネロが戻って来たのがコストの問題なのだとしたらの話だけど」

 

 当然の様に大福を取っていくエウリュアレ。もぐもぐと食べるエウリュアレにノッブが頬を引きつらせるが、今回は取られることを前提に多めに取ってきていたので、ため息を吐くも、なんとか平静を保つ。

 もちろん、ノッブもそれを食べるのだが、やっぱりどうも釈然としない。

 

「しっかし…まさかパッションリップを当てるとは……ここ最近の運、どうなっとるんじゃ」

「いつその幸運が反転するのか、気になるわね」

「縁起でもないことを言わないでくださいよ、エウリュアレさん…」

「あら。私はいつもこんな感じじゃないかしら?」

「お主はホント良い性格しておるよ」

「フフフ。お褒めの言葉、ありがとう」

「褒めとらんわアホ」

 

 ノッブは冷たい視線でエウリュアレを見るが、当の本人は微笑むだけで、心の底を覗かせない。

 

「とりあえず、私はネロさんの様子を見てきますね。また後で」

「また後で会いましょう」

「おぅ。また後での」

 

 マシュはそう言って休憩室を出て行き、残ったノッブとエウリュアレは第六次お菓子争奪戦争は始めるのだった。

 とりあえず、その戦争は案の定エルキドゥによる両成敗で決着した。




 ということで、パッションリップが当たり、且つチップ交換の概念礼装を全部交換終わりました!
 あと、今回はカルデアサイドとマスターサイドで交互にやっていこうと思ってます。マスターサイドで出てくるサーヴァントは編成の中にいるキャラ限定って感じで。
 はたしていつまでネタが続くのか不安ですけどね。


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しかし、ネロの効果がこんなにも低いとは(余は許せん!)

「効率は現状これが最大かなぁ…」

「むぅ。余が一枚分しか効果が無いとか、納得いかんのだが…」

「私もそう思うわ。私、アイドルよ? なのに、この扱いはなんなのかしら!」

 

 初日のストーリーの時と違い、編成が可能になったオオガミは、サクラチップを集めるために頑張っていた。

 そして、組んだ編成で出た言葉が今の二つである。

 

「余がわざわざピックアップされたというのに、一枚とはどういうことだ」

「私は……あっ、メインピックアップじゃなくてサブピックアップだった…」

「うん。エリちゃんの問題は解決したね。というか、俺もネロがピックアップしたのに1枚とか、驚いたんだけど」

 

 バッサリと切られたエリザベートはその場に膝をついて項垂れるが、

 

「やはりそう思うか奏者よ! 余も納得がいかない! ☆5のくせに、☆4のパッションリップに負けるとか納得がいかない!」

「主人公だったとしても有利にならないという不思議仕様…これが通常ということか…」

「そんな…余は……ここでは活躍できないということか…!?」

「正直どうしてこうなった状態だね」

 

 項垂れるネロにオオガミは首を振る。こればっかりはどうしようもないのだ。

 

「あの…大丈夫ですか?」

「あぁ…うん。大丈夫だよ、パッションリップ。ネロもしばらくすれば回復するよ。うん」

「ほ、本当に大丈夫ですか…? そ、その、最悪治らなそうなんですけど…」

「治るよ。というか、治すから。それがマスターの役目だし」

「そうさね。部下の面倒までしっかり見るのが頭の役目。皆の事、よろしく頼むよ?」

 

 パッションリップと話していると、ドレイクが入ってくる。

 

「任しといて、ドレイク船長。というか、それを言うならドレイク船長も面倒を見る対象だからね?」

「おっと。それもそうだ。じゃ、アタシが何かやらかしたときが頼むよ?」

「あはは。ある程度はカバーするけど、限度はあるからね?」

 

 何をやるつもりなのか、既に戦々恐々としているオオガミだが、この場において似合わないほどに生き生きとしていた。

 

「それで、マスターさん。これからどうするんです?」

「そうだね…BBから種火を奪えなくなったからな……とりあえずサクラチップを集めて全アイテム交換だね。皆、頑張ってよ?」

「うむ。奏者の頼みなら仕方ないな!」

「えぇ、アイドルとして、無様な姿は晒せないわ!」

「任しときな。アタシが一切合切まとめて吹き飛ばしてあげるよ」

「頑張りますね。マスターさん」

 

 彼女らはそう言って、次の戦いに備えるのだった。




 まさかの一日空くとは…やってしまった…今日はもう一作書いて挽回せねば…!

 ということで、種火が全部なくなりました。はい。それだけです。
 ネロが……使えなかったです……レベル的な意味で。まだ育てきれてないのが問題点…!


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マスター爆死したってよ(呼符に全賭けするしかないんじゃない?)

「ねぇ。それ、何かしら」

 

 休憩室に来たばかりのエウリュアレは、ノッブが持っている食べ物を見て、ノッブの隣に座りつつ聞く。

 

「何って…お主、あれだけ菓子を狙っておったのに、知らんのか?」

「だって、そんなの昨日は無かったもの」

「ふむ。そうだったのか……あ、王手じゃ」

「むっ。なら…こうだな」

「ちょっとノッブ。早く教えなさいよ」

「どんだけ知りたいんじゃ……柏餅じゃよ…」

「あぁ…それが柏餅なのね」

 

 今更だが、ノッブは巌窟王と将棋をしていた。

 始めたばかりなので、初戦である。

 

「それ、貰ってもいいかしら」

「自分で持ってくればいいじゃろ」

「えぇ…私が行くの?」

「いつも自分で取って来るくせに、こういう時は嫌なのか」

「別に、もうここにあるからいいかなって」

「……はぁ、二つまでじゃぞ? それ以上は自分で取って来るんじゃな」

「ありがと。ふふ、この前までは断固としてくれなかったのに、どういう心変わりかしら」

「別に、そんな大層な理由は無いんじゃが……あれじゃよ。何となくと言う奴じゃ」

「あぁ、そう。まぁ、そういう時だってあるわよね。じゃ、いただきまーす」

「全く……自由な奴め。あ、王手じゃ」

「これは……どうするか…」

 

 柏餅を食べるエウリュアレを横目で見ながら、巌窟王を追い詰めていくノッブ。

 その時、休憩室にマシュが入ってくる。

 

「あ、皆さん。ちょっと話を聞いてもらっても良いですか? 半分愚痴みたいになってしまいそうですけど」

「良い良い。色々やってるように見えるが、それほどでもないからの」

「私も別に構わないわ。というか、私は今柏餅を食べるので忙しいの」

「俺も構わないが、こちらに集中して聞いていなかったらすまない」

「はい、別にそれで大丈夫です。本当に大したことではないので」

 

 巌窟王の隣に座りながら、マシュは一枚の紙を机の上に置く。

 

「昨日資源を確認しに行ったらこの紙が置いてあって、代わりに聖晶石が30個無くなっていたんですよ。30個溜まったんだ~。って喜んでいたのに、また振り出しです。何を考えているんでしょうか…」

「なんかお便りコーナーみたいじゃな…まぁ、それでも応えるのが儂じゃけども」

「楽しそうね。というか、何をどう応えるのよ」

「あれじゃよ。石が無くなったのなら、また稼げばよい。まぁ、もうフリークエスト無いけどねっ☆」

「どう考えても無理じゃない」

 

 30個はもう絶望的だろう。と、全員は思っている。

 ただし召喚をするのなら、別に聖晶石だけではない。

 

「いや、今回のイベントはいつの間にか呼符が増えてるからな。代用品はある」

「まぁ、たぶんマスターが頑張ってるんじゃろうけどね」

「全く。何時になったら帰ってくるのかしらね」

「まぁ、エウリュアレもマシュも向こうにたまに行っておるから、儂らよりマシじゃろ」

「船長とエリザベートは滅多に帰って来ないわよねぇ…」

「キャスターとアーチャーが多いのか、単純に使えるからなのか…まぁ、儂は使われないだろうけども」

「卑屈になるな信長。俺よりはマシだろう。俺など、新宿以来レイシフトしてないぞ」

「……それもそうじゃな。というか、自虐かよ」

「うふふ、頑張ってね。二人とも」

「流石にそれは煽っておるじゃろ」

「そんなことないわよ? というか、もう柏餅が無いわ」

「…………よし分かった。戦争じゃな。任せておけ。またワンキル決めてやろう」

「あら怖い。でも、今度こそ勝つわよ? 死霊魔術で連続ガッツ決めてあげるんだから」

「幸運の無駄遣いじゃな」

「言ってなさい」

 

 火花を散らす二人。

 少し離れた所でこちらに殺気を放ってきたエルキドゥから即座に目を逸らし、二人はトレーニングルームで第13次お菓子争奪戦争を始めるのだった。

 

 ちなみに、将棋はノッブが勝った。巌窟王はその後土方と戦うのだった。




 絶対無課金を貫くならば、呼符は希望の星。

 いつもお菓子で喧嘩してるなこの二人。もう絶対わざとやってるでしょ女神さま。


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そろそろ倒せなくなってきた(マジでキツいんだけど)

「強ッ! パッションリップ強!! なにあれ卑怯じゃない!?」

「その後完封しておいて、よくそんなことが言えるなマスター」

 

 パッションリップ戦後、叫ぶオオガミに突っ込むネロ。

 実質ほとんどの攻撃を受けてダメージ軽微で行ったので、初戦で思わず令呪を切ってしまったくらいの損傷で済んだ。

 ただし、令呪を切ったのが小さい損傷とは言わない。

 

「ぐあぁ…どうしろと言うんだこれは…令呪が無いとか、辛すぎる…!!」

「そもそも令呪に頼らないというのは無いのか」

「どうするの? というか、次の奴、どうやって倒すの?」

「気合と根性しかないでしょ!? 正直絶対やりたくないけど!」

「ヘラクレスでゴリ押しする気か!? いや、別に嫌だというわけではないのだが…なんというか、華やかさに欠ける」

「令呪が無い上に難易度が高いんだから文句言わない。ほら、行くよ」

「うへぇ…気が進まないわぁ…」

「余もやる気が起きない……明日にするのはどうだろうか」

「いやいや…何をダダこねてるのさ。行くって言ったら行くよ?」

「うぅ……仕方ない…行くしかないか…」

「たまに強引よねぇ…まぁ、嫌いじゃないのだけども」

 

 グチグチと文句を言いながらもしっかりとついて行く二人。

 

 その後の敵は、本当にヘラクレスがHPの半分を削り取るという力技で突破した。

 

 

 * * *

 

 

「と言うのが事の顛末な訳で」

「は、はぁ…あの、マスターさん? どうしてそれを私に言うんです? 後衛で見てましたよ?」

 

 パッションリップに話しかけるオオガミ。

 ここまでの話をしていたらしいが、彼女も参戦、後方待機していたので知っていた。

 

「いや、ほら。誰かに聞いてもらいたい事ってあるじゃない。今回はそういう奴だから、気にしなくていいよ」

「そうなんですか…」

「マスター…もっと余に構ってくれてもいいのだぞ?」

「頼るんじゃなくて構えと。それはちょっと想定外だったよネロ。よし。今から一緒に周回しようっていうお誘いだね? 乗ってあげるよ? その提案」

「ん…? もしや余、変な地雷を踏んだんじゃないか…?」

「明らかに踏んでるじゃない。何こっちにまで飛び火させてるのよこの皇帝」

 

 ぐでー。としていたネロの頬を突くエリザベート。明らかに今回の戦犯はネロだった。

 

「さて、どこを回ろうか…」

「周回は余が活躍出来ないから困る…」

「ランサーなら大活躍でしょうが」

「アタシ相手でも優勢だったじゃない。このっこのっ」

「うぅっ…えぇぃ! 止めよエリザベート! 流石に余も怒るぞ!?」

「やーいこうて~い! 斬れるものなら斬って見なさいよ! 逃げ切ってみせるわ!」

「言ったなエリザベート…! 余の本気をとくと見よ!」

 

 全く関係の無い所で戦い始める二人。

 それを見て、パッションリップが、

 

「マスターさん。止めなくていいんですか?」

「良いの良いの。大体うちのカルデアでは日常風景だよ。喧嘩してるのは戦国時代最大のうつけ者とギリシャ神話の女神だけど」

「ふえぇ……いつも喧嘩してるところなんですか……怖いです……」

「完全にじゃれ合ってるだけだけどね。本気で喧嘩するのは少ないから安心してよ」

「そ、そうなんですか……なら安心です」

 

 そして、ネロとエリザベートの戦い(あそび)が終わったころ、オオガミはフリークエストに向かうのだった。




 まさか装甲を上げるだけでいいとは思ってなかったんです。防御力アップによるゴリ押しこそ最強…!


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ついに儂も出陣なのじゃな(後方待機してたじゃない)

「いやぁ…ついに儂も出る事になるとは思わなんだ」

「後方待機がほとんどだったじゃない」

「おいエウリュアレ。それは言わない約束じゃろ」

「そうだったかしら?」

 

 ふふふ。と笑うエウリュアレ。

 今日のお菓子はドーナツらしい。しっかりと自分の手が届くところに確保していた。

 

「ぐぬぬ…自分はメイン戦力として扱われておるからって、調子に乗るでないわ!」

「そんなに怒鳴らないほうがいいわよ? エルキドゥが見回りに来たらどうするの」

「お、お主……なんという脅しを……!」

「ふん。たまに自分もやるじゃない。お返しよ」

「面倒な……というか、その脅しは高確率で共倒れじゃろ」

「当然。それくらいの覚悟はあるわよ」

「残念なだけの女神じゃなかったのか…!!」

「祟るわよ?」

 

 笑顔で恐ろしいことを言い放つエウリュアレ。

 ノッブはその威圧感に一瞬気圧されるが、すぐに平静を取り繕う。

 

「流石に本気で言っておるわけないに決まっておるじゃろ。仮にもマスターがメイン戦力にしとるんじゃぞ? それなりに強いに決まっておる」

「うるさいわねぇ…現状あなたとの戦績が全戦全敗だからって、あまり馬鹿にしないでほしいわ」

「それは単純に相性じゃから仕方ないじゃろ」

「解せないわ……なんでこんなのに負けるのよ……」

「神性特攻を舐めるでないわ」

 

 緑茶を飲み、エウリュアレとは別に持ってきていた饅頭を食べる。

 いつものようにエウリュアレがそれを狙って手を伸ばしてくるが、即座に叩き落して回避。

 

「流石に欲張りすぎじゃろ。せめて自分のを食べてからにせい」

「むぅ…仕方ないわね。なら、ノッブもこっちから取っていいわ。だから、そっちのも寄越しなさいよ」

「なんでそう偉そうなんじゃ……まぁ、良いんだけど」

「やった! じゃ、貰うわね」

「うむ。儂も貰うぞ」

 

 珍しく喧嘩が始まらない二人。実はこっそり二人を見張っていたエルキドゥも、これ以上はいいかと別のところを見回りに行く。

 

「さて……これからどうするかのぅ……どのみち呼ばれるまでは暇じゃし」

「そうねぇ……あ。トランプしましょうよ。マシュと巌窟王、メディアを誘えば、それなりに遊べるんじゃないかしら」

「ふむ……そうじゃな、誘いに行くか。というか、トランプとか、儂そんなにやったことないんじゃけど」

「別にルールくらいは説明するわよ。それに、多くいればそれだけいろいろゲームを知ってるでしょ」

「それもそうか。じゃあ、エウリュアレは用意を頼むぞ。儂は呼んでくるからの」

「えぇ、任せなさい。お菓子もしっかり準備しておくわ」

 

 そういって、二人は一度別れる。

 その後、呼んだ人間以外に、茶々もついてきて、6人でしばらく遊んでいた。




 そろそろネタ切れが目に見えてわかるような……
 とりあえず、イベントのラスボスを倒すために頑張らねば…


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何をしようかの(しりとりは無しの方向で)

「することが無いぞ。エリザベート」

「そうね、私も無いわ。ネロ」

「……えっと、しりとりでもします?」

 

 マスターの休憩中。暇な時間をどう持たせるかを考える二人に、パッションリップは苦笑しながら提案する。

 

「ダメだぞリップ。しりとりは辛すぎる。なんせ、言語圏が違うと通じないからな。既にやったことがあるからな。そうなることを知っておる」

「は、はぁ……多国籍しりとりは危険なんですね…」

「うむ。アレは地獄だったぞ……」

「英語なら可能性があるとか思わないことね。それは既に検証済みよ。そもそも英霊が生まれたほとんどは世界共通語なんて無い時代よ? 通じるわけ無いじゃない」

「そう言われれば確かにそうですね……そもそも、女神はひとつの言語圏で伝えられるのがほとんどですし……」

 

 納得したパッションリップは、一人頷く。

 そして、

 

「そこで余は考えた。言語違いでしりとりが出来ないなら、別に言葉を使わない遊びで良いだろう。と!」

「根本的に否定してますよ!?」

「盛大に道を踏み違えてるわね」

「えぇい何を言うか! 余が頑張って考えたのだから、聞いてくれてもよかろう!」

「はいはい。そんな意地にならないの。アンタが頑張ってるのなんて皆知ってるわよ。一部のボスだとアンタの独壇場だったんだから」

「むぅ……それでもエリザベートの方が前衛に出てるのが納得いかぬ…」

 

 いつの間にか話が刷り変わっているのだが、誰も突っ込まない。

 というより、ネロが一番考え込んでしまっている。

 

「私はただの支援よ……アンタと違って攻撃力がある訳じゃないわ。まぁ、全体宝具だからかもしれないけどね」

「ふむ……つまり、余が使われないのは単体宝具で且つ支援が薄いから……というわけか」

「そうなんじゃない?」

「ふむ、ふむ……うむ。余ではどうしようもないな!」

「ネロさん! 涙が隠せてないです!」

 

 死んでる表情で声をあげるネロ。その目に溢れる涙は、その心を写し出していたのかもしれない。

 

「というか、遊びの話はどこにいったのよ」

「む。そう言えばそうだった。思わず余も忘れておったぞ」

「もうお話ししてるだけで良いじゃないですか…」

「そうはいかんぞ、リップよ。余は話しているだけでは退屈してしまうのだ」

「は、はぁ……私的にはそんな退屈してないように見えるんですけど……」

「ふっ。まだまだ甘いな。それではまだネロポイントはお預けだ」

「ネロポイント…?」

 

 突然現れる新単語。

 エリザベートとパッションリップは困惑する。

 

「なにその新システム。集めると何かあるの?」

「うむ。あるぞ? そやつに対する余の好感度が上がる」

「なんだ、要らないわ」

「なっ! ネロポイントを要らないと言うのか!?」

「いや、だってほら、アンタは一人だと死んじゃう系の皇帝でしょ? なら、ポイントが無くたって変わらないじゃない」

「エリザベートさんも人の事言えないような……」

「アタシは良いのよ。マスターに甘えるだけだからね」

「むっ! それは余の特権だぞ! エリザベートには許さぬ!」

「へぇ…? 良い度胸ね、ネロ……今度は歌で勝負をつけましょうよ。肉弾戦は流石に私が不利だから」

「良いぞ? 余の全力。見せてやるからな」

 

 いつの間にか遊びの話はどこかに消え、残されたのは歌バトルを今まさに開催せんとする開催せんとする二人。

 即座に身の危険を感じたパッションリップは、とりあえずマスターを守りに向かった。

 

 その後、オオガミに正座をさせられ、叱られる二人の姿があったとかなんとか。




 まぁ、たぶんしりとりをしても通じるとは思うんですけどね……こう、方言みたいなのは出るんじゃないかなぁっている想像からしりとりは却下されました。


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酷使される女神(唯一の弱点はランサー)

「どうして私がこんなに酷使されてるのよ…」

 

 机に突っ伏して呟くエウリュアレ。

 その正面にいるノッブは、水まんじゅうを食べながら、

 

「仕方ないじゃろ。神性特攻は無いにしても、宝具がアーツじゃし。マスターは基本アーツ宝具を回しまくって耐久するからの……」

「うぐぐ……それでどれだけ私が殴られてると思ってるのよ…」

「マシュはそれ以上に殴られておるじゃろ」

「それはそれ、これはこれ。よ」

「はぁ……というか、そんなに文句を言っておるのに、向こうに飛ばずにこっちにおるんじゃな」

「そりゃ、現状私の仕事は無いからね……大ボス系の敵が出てこない限り出番はないわ」

「本気で耐久するときの編成って事じゃな……儂はその耐久が成り立たなかった時の保険なんじゃけど」

「神性に強くても宝具が回しにくいなら仕方ないわね。諦めなさい」

「全く……ひどいもんじゃな」

 

 リンゴジュースを飲み、エウリュアレは席を立つ。

 

「どうしたんじゃいきなり。何かあったのか?」

「別に、お菓子を取りに行こうと思っただけよ。それとも、貴女が行く?」

「それは遠慮する。儂をパシらせようとか、何考えとるんじゃ」

「女神なんて、そんなものだと思うのだけど。とりあえず、行ってくるわね」

「おぅ。選んでくるが良い」

「何様よ……」

 

 ノッブの言葉に突っ込みつつ、エウリュアレはお菓子を取りに行く。

 ノッブはそれを見送りつつ、珍しくほとんど取られなかった水まんじゅうを食べる。

 

「まさか自分で取りに行くとはな……珍しい事もあるもんじゃ。というか、最近こんなことが多いような……エウリュアレも変わってきたという事か…?」

「お前もそれなりに変わったと思うがな」

「む、巌窟王か。儂も変わったじゃと? 最初からこんな感じじゃったろ」

「いいや。お前もあいつも、互いに菓子を譲らなかっただろう。だが、最近は互いに分け合っているからな。仲がいいと言うかなんというか」

「あ~……そう言われれば確かにそうかもしれんな…」

「まぁ、なんだ。それを自覚して認め合っていけばいいと思うぞ。俺はな」

「……お主、まさかそれを言うためだけにここに来たのか?」

「まさか。再戦しに来たに決まってるだろう。ほら、さっさと始めるぞ」

「そ、そうか……まぁいい。相手をしてやる。かかってくるがいい」

 

 ノッブはそう言うと水まんじゅうとコップを隣に置き、巌窟王と一緒に将棋の駒を並べ始める。

 と、そこにエウリュアレが帰って来た。

 

「貴方達、またやってるの?」

「うむ。挑まれたからには全力で応えねばな」

「そうしてくれないとこちらとしても立つ瀬がない。全力で戦い、勝つことに意義があるのだ」

「中々分かっておるではないか。巌窟王」

「フッ。そちらこそ」

「……ついて行けないわ……」

 

 笑い合う二人について行けず、ため息を吐くエウリュアレ。

 もちろん、夢中になってやっていたノッブは、隣でパクパクと水まんじゅうが食べられている事に気付くことは無かったのだった。




 ホント、ランサー以外には使いますからね…唯一相手がアサシンの時だけはナーサリーが出ますけど、それ以外は圧倒的エウリュアレ率。


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最強の敵。それはKP(全く進まないミッション)

「まだ終わらないのかい?」

「まだだねぇ……KPが全然集まらないからなぁ…」

「余もそろそろ退屈だぞ……」

「流石にライブも、やり過ぎると鬱陶しくなるだけだからそろそろやめたいんだけど」

「えぇ……仕方ないじゃん……ミッションが全然終わらないんだから…」

 

 ため息を吐くオオガミ。微妙な雰囲気になるも、事実どうしようもないのは変わらない。

 

「残念だけど、俺にはアレの性能を落とさないで倒せるような編成が出来るようなサーヴァントが少ないんだよ……マシュの宝具をいくら回せるかにかかってるけど、それでも魅了が天敵だからね……女性に効くのならっていう話だけど」

「一回も試してないですからねぇ……とりあえず、魅了を無効化したら一度やってみますか?」

「そのつもり。スタンで止め続ければ何とかなるって聞いたから、エルキドゥに来てもらえば何とかなるはず」

「楽観的だねぇ……本当に行けるのかい?」

「それで勝てなかったら、最終兵器エウリュアレに出てきてもらうだけだよ」

「勝率が下がってる気がするんだけど」

「大体の敵はこれで何とかしてきたんだけど……」

「実績があるなら何も言えないではないか」

 

 今思えば、ゲーティアもこれで倒せたのではないか。と思うオオガミ。どうしてあの時思いつかなかったのかを自分に問い詰めたいが、今はとにかくあの魔性菩薩を倒すことを考えねばならない。

 

「後少しで魅了は解除できるんだけど……獣の権能って一体……」

「余もさすがに知らん。エリザベートは知ってるか?」

「知ってるわけないでしょ。そんなの、戦って知ればいいわ」

「体感で学ぶという無茶ぶりよな。俺はそんなもの受けたくないぞ」

「アンデルセンはそもそもコストの都合で居るだけだろう? 編成されるわけなかろう」

「むっ。それは心外だ。俺だってやる時はやるぞ」

「へぇ? あのへっぽこ作家が、やるっていうの?」

「俺は耐久専門だ。貴様ら脳筋と一緒にするなよ?」

「余とはステージが違うな。もちろん、エリザベートとも違うから止めた方がいいぞ」

「そうですよエリザベートさん。こういう人とはまともに話したらひどい目に合うだけですよ」

 

 妙に説得力のあるパッションリップの言葉。

 過去に何かがあったのだろう。彼らにはそう推測することしかできなかった。

 

「とりあえず、KPだよKP。それさえ溜まれば決着を着けに行ける」

「そうですね……どこを周回するんですか?」

「スタンプ・シィーナー一択だね。イーター系を屠っていくよ」

「む。また余は後方待機か」

「まぁいいじゃない。たまに私たちも出なくちゃいけないんだから」

「それで俺まで引きずり出されるのは本当に勘弁願いたい。安定させてくれよマスター」

「う、うるさいやい! これでも頑張ってるんだけど、全体的にスロットが悪い!!」

「スキル封印とか、NP取得量減少とか、本当に困るからねぇ」

「本当にね。アレが来た瞬間、死ぬかと思ったもの」

「大変ですね……いえ、まぁ、私も受ける側なんですけど」

「魅了も怖いよ……特にパッションリップがかかったときね。アレはもう、死ぬかと思った」

「そ、それはその、すいません……頑張ってはいるんですけど……」

 

 どうやって周回をしやすくするか。そう考え、6人は話を続けるのだった。




 大体アサシンがいないのが悪い。だが、その代わりにアルターエゴが来てくれたんだと考える…!!
 パッションリップの宝具の攻撃力が少ないのも、周回がキツく感じる原因の一部なのかもしれませんね……


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置いて行かれた儂の図(いつもの事だろう)

「未だに帰ってこないんじゃが」

「ついに二人も行ってしまったからな」

「エルキドゥも行ってしまったからのぅ…」

 

 どこで聞いたのか、神性特攻攻撃が効くとか言うデマ情報により連れて行き、そんな事は無かったと意気消沈しているのだが、それを知っているのは現場にいるサーヴァントたちだけである。

 

「しっかし……なんで儂が置いて行かれるのか分からんのじゃが」

「良いじゃないか。これでお前も、しばらくの間は工房に籠れるんだろう?」

「別に籠ってるのが好きというわけじゃないんじゃが……むしろ暴れる方が好きなんじゃが」

「俺からはそうは見えんがな」

「ふん。研究は儂の趣味じゃが、好きなのはやはりここで遊んでる時じゃよ。それ以上は無いぞ」

「まぁ、別に籠らせたいわけではないから、これ以上の追及はしないさ。まぁ、頑張れ」

「うむ。というか、ここ最近は研究の内容なんぞないからな……ネタ切れじゃ」

「そうか……研究対象を探すのも一苦労なんだな…」

「うむ。マジで大変じゃ。武器に関しては、出来るだけの事はしてしまったからの。改良とか、もう思いつかんわ」

 

 はぁ、とため息を吐くノッブ。

 

「はぁ……茶々でも誘って何か遊ぶかのぅ…」

「何をするんだ?」

「そうじゃのぅ……あれじゃ。あの、赤と青と緑と黄色の四種の円にルーレットで出た場所に手や足を置いてく奴。何て名前じゃったか…」

「ツイスターゲームか?」

「そうそう。それじゃ。男女別でやったら面白そうじゃろ」

「そうか……? 俺はそうとは思わんがな」

「なんじゃと…? というか、お主に否定されたらどうしようもないじゃろうが」

「いや……俺もあまり遊びには興味が無いからな……提供など出来もしないのに言うべきでなかったな」

「そうじゃそうじゃ~。せめて別の提案を出来るようにしてから言うんじゃな」

「うぐっ……すまない。今回は俺の落ち度だ」

「ふはは。反省するが良いぞ」

 

 溶けそうなほどにぐだっとした表情でそんなことを言うノッブ。

 巌窟王は頬を引きつらせるが、これだけマスターが音沙汰無しだとこうもなるだろう。と強引に自分を納得させる。

 

「さて……とりあえず、何か食べるかの~……甘いものは最強の武器じゃよ……」

「本当に仲がいいな。貴様らは」

「あぁ、当然じゃろ? 儂はあやつと居る時が今は楽しいんじゃ。まぁ、今はいないんじゃが」

「そうだな……早く帰ってくると事を祈るしかあるまい」

「そうじゃな~……よし。とりあえず、茶々を呼んで作戦会議じゃ。スーパー遊び会議じゃ」

「なんだその会議は…」

「文字通りじゃ。待っているが良い巌窟王。行ってくるぞ!」




 大体いつもの事。ノッブはしばらくは戦闘で出ない予定。悲しみ…


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ついにマスターが帰ってきたんじゃけど!!(そんな幽霊みたいに言わないで!?)

「たっだいま~!」

「うおわぁ! マスターが帰って来たぁ!?」

「その対応は酷いんじゃないかな!?」

 

 オオガミが休憩室に入ると同時に悲鳴のような声を上げるノッブ。

 まるで幽霊が現れたかのような行動に、オオガミは反射的に声を上げる。

 

「いやぁ……まさかマスターが帰って来るとは思ってなかったからの。こんな反応になるのも仕方がないんじゃ」

「帰って来ないと思われてるとか、心外なんだけど!?」

「仕方ないじゃろ。あれだけ帰って来なかったんじゃから……」

「それはそうだけども……今回は流石に難易度が高すぎたんだよ……」

「知っておるよ。エウリュアレが愚痴っておったし」

「エウリュアレ何してるの!?」

「あら。聞かれたくないことだったのかしら?」

「うん! かなりね!」

 

 後ろから聞こえた声に咄嗟に反応するオオガミ。

 背後には当然の様にエウリュアレがいたわけだが、その更に後ろにマシュもいた。

 

「ほら、だから言ったじゃないですか。止めましょうって」

「あら、あなたもしていたでしょう? 爆死したのを黙ってたって」

「そ、それはそれですよ! 私はそんなに言ってないじゃないですか!」

「言ってることは認めてるじゃないの…」

「べ、別に愚痴られてることを想定して無かったわけじゃないけども、これは想定外なまでの攻撃だよ……」

「わ、私も一緒にされると困ります! 私はちゃんと、先輩が帰って来るってわかってましたから! ただ、気付いたら資源が減っていたことについて話してただけですから!」

「いや、まぁ……その資源を使ったのは俺なんだけども。まぁ、その……ごめん」

「い、いえっ! 別にマスターが謝る必要なんてありませんから!」

 

 笑みを浮かべつつ追及してくるエウリュアレに反論して地雷を踏んでいくマシュ。

 その地雷を踏んだことに気付き、必死で弁解するも、更に地雷を踏んでいき逆効果であった。

 

「それで、成果はあったんじゃろ? 何があったんじゃ?」

「えっと……それは……」

 

 言葉を詰まらせるオオガミ。よほど見せたくない物なのか、もったいぶっているのか。

 瞬時に後者だと自己解釈したノッブは、即座にオオガミの後ろを見ようとする。

 

「ダメダメ! ノッブはアレと出会うと絶対良くない反応が起こる!」

「…………ほぅ? つまり、儂に見られると困る物……いや、困る者がおるんじゃな? よし分かった!全力で見ようではないか!」

「それが困るって言ってるんだけど!?」

 

 しかし、もちろんそんなことを聞くノッブではない。

 容赦なくオオガミの横を通り抜けようとし――――

 

「あだっ!」

「きゃっ!」

 

 衝突する。

 

「いつつ……なんじゃお主は。儂に当たるとは生意気な!」

「うぅ~……あなたこそなんですか! 私に当たるとか、酷いじゃないですか!!」

 

 怒る二人。しかし、次の瞬間には何かに気付いたようだ。

 

「……お主、儂と同じ感じがするのぅ……」

「絶対に同じじゃないですけど、似た気配がします……あなた、何者ですか?」

「ふっ。聞いて驚くことなかれ。儂こそかの第六天魔王織田信長! 魔人アーチャーとでも呼ぶがいい!」

「ふぅん? ノブナガさんですか……では、次は私ですね! 私は月の聖杯、ムーンセルより送り込まれた最強無敵美少女AI、BBちゃんです! 人類は大嫌いですが、貴女となら何か更に面白い事が出来そうなので、よろしくお願いしますね!」

「うむ。多少気に食わない所はあるが、根本的な所は似ておる。後で儂の工房に入れてやろう!」

「工房ですか……気になりますね。行かせてもらおうじゃないですか」

「よし! 思い立ったが吉日! 今から行くぞ!」

「おー!!」

 

 嵐の様に二人は休憩室を出て行った。そのうち二人がカルデアを混乱の渦に巻き込むのではないかと危惧するが、その場にいる全員は誰一人として止める事は出来なかった。

 少なくとも、BBを止める事はかなわないのだった。




 ということで、あの魔性菩薩を屠り、私はカルデアに帰ってきました!!
 新たにBBちゃんも加わり、カルデアはさらに混沌とし始めますよ…!


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日常
メルトリリスに来てほしい…(それよりもこっちを助けてほしいんじゃが!)


「なぁ、マスターはどうしたんじゃ?」

 

 休憩室の端でぶっ倒れているオオガミを見てノッブが呟く。

 

「えぇっと……メルトリリスさんが召喚されないので、放心状態なんじゃないかと思います」

「マスター…メルトのこと、気に入ってましたし」

「全く。メルトが来ないからってなんですか。この最強デビル後輩系ヒロインBBちゃんがいれば何も問題ないでしょうに」

「BBさん。それ以上後輩を強調すると、殴りますよ?」

「えっ、何この子。怖いんですけど……こんな子でしたっけ」

「マスターが絡むとたまになるから注意しなさい。まぁ、もう遅いけど」

 

 それに答えたマシュとパッションリップに続いたBBが地雷を踏み、マシュの怒りを買う。

 BBは困惑して思わず周りに聞くが、全員は速攻で目を逸らし、唯一羊羹(ようかん)を食べていたエウリュアレだけが答える。

 

「えぇ~……BBちゃん、最初から詰みなんです?」

「後輩とか言った時点で割と詰んでたわね」

「そんな最初から!? いえ、そんな気はしてたんですけどね!?」

「なら自業自得じゃ。ふはは」

「何笑ってるんですかノッブ。というか、その笑い方はまるで私が殴られるのを望んでるみたいじゃない」

「何を言っておるんじゃ。別に、儂はお主が殴られることを望んでるわけじゃないが、儂にも止められることじゃないし、むしろ儂は巻き込まれたくないし」

「そこまでの話なんです!?」

 

 想像以上の事態だという事に気付き、BBはちょっと焦る。

 

「それで、これからどうするの? 種火でも周回するの?」

「いえいえ、まだSE.RA.PHのミッションが全部終わってませんし」

「まだ先輩を拘束する気なんです?」

「お、落ち着けマシュ。さすがにそれはマスターが普通に突っ込んでいくと思うんじゃが?」

「むっ、それは確かにそう思います……」

「じゃ、じゃろ? だから、その振り下ろそうとしておる盾をゆっくり下すんじゃ」

 

 いつの間にかBBに向けられて振り上げられているであろう盾を、ゆっくり下す。

 なぜノッブが必死で止めたのかと言うと、もちろん、ノッブもまとめて潰されるところからだったからだ。

 

「ふぅ……危ない危ない……BBが一人で潰されるならまだしも、儂まで潰されたら痛いからの…」

「後ろから注射器を叩き込みますよ?」

「それはそれで止めてほしいんじゃが」

 

 前門の巨盾、後門の注射器である。

 ノッブは両者に挟まれ、死ぬかもしれないと覚悟する。

 

「うふふ。どうしようもない状況ね。それを越えてこそ、私の友人ね」

「なにのんきなこと言っとるんじゃこの駄女神!」

 

 エウリュアレがドヤ顔でそんなことを言うが、悲しい事に本当に困っているノッブだった。

 

 その後、しばらくはノッブの背後には常にBBが着いてくるようになったという。




 ついにガチ切れマシュちゃん……BBちゃんの天敵ですね。これは完全に。
 しかし、本当にメルトリリスがほしい……ミッションも本当に終わらないし……


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BBの宝具の注射器の中のアイテムが欲しい(それ、本当に使ってるわけじゃないですから)

「ねぇ、ずっと思ってたんだけどさ、BBの宝具の注射器の中に入ってるのは素材だよね。全部奪いたくない?」

「先輩。その発想は無かったです」

 

 休憩室で、ふと気付いたオオガミにマシュが驚愕の表情を向ける。

 

「よし。今からBBを奇襲しに行こうか」

「そうですね。叩き潰しに行きましょう」

「ストップストップ! BBちゃん的にそれはダメですよ!!」

「えっ。素材の為なら全力じゃろ? よくある事じゃ。犠牲となるが良い」

「完全に見捨ててますね貴方! 犠牲にしますよ!?」

「ふん。全力で抗ってやろう。儂は生き伸びる事に関しては一級じゃよ」

「そんなもの、私の力で何とでもしてあげますとも」

「卑怯じゃ! 儂はそんな力に屈しはせんからな!」

「くっころです? くっころですかそれ?」

「何も狙っておらんわ! つか、完全に儂に付きまとう気じゃろ!」

「別にそんなつもりはないですから。むしろセンパイに付きまとう方が面白そうです」

「BBさん? 許しませんよ?」

「アッハイ。って、いやいや。超最強AIである私が、なんで押されてるんですか。ここは一発ガツンと言って抗わないと!」

 

 矛先があっちこっちに向くBB。

 

「というか、どうしてBBの宝具にはあんなに素材が使われてるのさ」

「いえいえ。別に、私は本当には使ってませんよ。詳細は伏せますけどね!」

「ふむ……じゃあ仕方ない、許すとしよう」

「先輩が許すのでしたら、私も武器を収めるとします」

「なんというか、正直このカルデアにいるのが辛くなってきたんですけど……」

「その程度で狼狽えるでないわ。これから先、メルトリリスが召喚されなかったら、マシュを止める手段が無くなるからな」

「信長さん! それだとまるで先輩がいない時の私は暴走してるみたいじゃないですか!」

「あながち間違っても無いと思うんじゃが……いや、マシュよ。何でもないぞ。儂は何も言っておらん。ほれ、BBは差し出すから許せ」

「ちょ、私を差し出すんです!? 何売り飛ばしてくれてるんですか!!」

 

 悲鳴を上げるBB。ノッブの表情が真剣そのものなのが尚更怖い。

 

「よし。とりあえず、残念なことに残ってるミッションがBBの成長だけだからねぇ……種火を集めに行こうか」

「分かりました。BBさんは後衛配置ですね」

「うん。茶々を呼んで、一緒に行くよ。ネロもね」

 

 それじゃ、行こうか。と言って、マスターは休憩室を出て行く。

 残された3人は顔を見合わせ、マシュとノッブが嫌がるBBを引きずりながら休憩室を出て行くのだった。




 あの中に入ってるアイテム、冷静に見ると本当にすごいんですけど。心臓とか爪とか入ってるんですけど…


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キアラァァァァァァァ!!!(メルトリリスが出ないのは私関係ないんですけど!?)

「パッションリップよ。マスターがどこに行ったか知っておるか?」

「キアラに八つ当たりだー! って言ってレイシフトしちゃいましたよ?」

「八つ当たりに菩薩を殴りにいくとか…そんなに楽な相手じゃないじゃろ」

 

 呆れたような表情で椅子に座るノッブ。

 その正面にいたパッションリップは、苦笑いになる。

 

「それで、エウリュアレもマシュもいないわけか」

「そういうことですね。ナーサリーちゃんも、遊びにいくんだー。って言って行っちゃいました」

「あやつ、それなりに強いから困っとるんじゃけど」

「何でです? 良い子じゃないですか」

「なんというか……馬が合わないんじゃよ」

「あ~……なんというか、信長さんって、ファンタジーな感じが苦手そうですもんね」

「そうなんじゃよ……まぁ、夢のある話は嫌いじゃないんじゃが、あやつはファンタジー色が強すぎるから、苦手なんじゃ」

「大変なんですね……友達にファンタジーそのものっぽい神様がいると思うんですけどね」

「アレは俗世にまみれすぎてもはや人間じゃろ」

 

 さらっと女神であるという部分を無かったことにされる、マリアナ海溝の深部で後方待機しているノッブの友人エウリュアレ。

 彼女が女神としての誇りを取り戻せるのかは、誰もまだ分からないのだった。

 

「というか、BBはどうした? 絶対なんか企んでおるじゃろ」

「さすがお母さん。信頼皆無ですね」

「心外です! ちゃんと私は頑張ってますから! 無駄に大量の種火を皿に乗せられて食べさせられてるこっちの身にもなってください!!」

「それは自業自得じゃろ」

「自業自得です」

 

 悲鳴を上げた直後に叩き潰されるBB。そこに慈悲は無かった。

 そして、ノッブの隣に当然の如く座るBB。今日も今日とて、この場にいないはずのマシュに地味に怯えていた。

 

「なんで皆私に冷たいんですか! もうちょっと優遇してくれてもいいと思うんですけど!?」

「メルトリリスが出たら考えるってマスターが言っておったぞ」

「そもそもスロットで苦しめてたお母さんが悪いですっ!」

「味方がいない! 無料配布鯖は優遇されるカルデアだって聞いてたんですけど!?」

「阿呆。お主はやり過ぎたんじゃ。儂と茶々と同じ位置に立てると思うなよ?」

「ふ、ふんっ! 別にいいですし! アヴェンジャーの時に使われることは目に見えてますからね!!」

「くっ! アーツ宝具という利点を突いてきたなBB……!!」

 

 悔しそうな声を上げるが、根本的に、アヴェンジャー以外で使われそうにないという事を念頭に置かなくてはいけないというのを全員忘れている。アヴェンジャーが出てくるのは、今の所少数なのだが。

 

「さて。では、明日の為にも、頑張って種火を食べる力を蓄えなくてはいけませんので、私はここで失礼させていただきますね。さらば!!」

 

 そう言うと、BBは休憩室を出て行った。

 

「……嵐の様に過ぎ去っていったな…」

「大体いつも通りですよ……きっと」

 

 二人はそう言って、BBが去って行った扉を見つめるのだった。




 ということで、現在はあのにっくき菩薩にお礼参りしております。


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リップの膝の上に乗りたいわ!(変な所を触らないでください!)

「リップ! お膝の上に乗せて!」

「えぇ!? わ、私の膝の上ですか……?」

 

 廊下で唐突にナーサリーにそう言われ、困惑するパッションリップ。

 

「うん! なんか、そこに座ってみたいの!」

「う~ん……そんなに座り心地良くないですよ?」

「良いの! 私が座りたいの!」

「えぇ……うぅ、分かりました。でも、特別ですよ?」

「分かったわ!」

 

 そう言うと、ナーサリーはパッションリップの手をよじ登っていき、パッションリップの膝の上に自力で乗る。

 

「わわっ。案外前が見難いんですけど……」

「わぁ! いつもより高いわ!」

「あ、あの……動きにくいんですけど……」

「むにむに……ふかふか……座り心地も最高だわ!」

「わひゃぁ! 変な所触らないでくださいぃ!」

 

 悲鳴を上げるパッションリップと、その反応が面白いのか、追撃していくナーサリー。

 すると、ちょうど通りかかったオオガミがそれを見て、

 

「こら、ナーサリー。リップに迷惑かけちゃダメでしょ。そういうのは廊下の真ん中じゃなくて、部屋の中でしなさい」

「はーい。ごめんなさい。次は気を付けるわ」

「あ、あの、マスターさん? それ、止める気は無いんですよね……?」

「えっ? いやいや、そんなこと無いよ? 廊下でやる事は阻止したから。部屋の中ならオッケーだから」

「それ、やっぱり止める気ないですよね?」

 

 パッションリップの上に乗っていたナーサリーを回収したオオガミが、ナーサリーを抱えながらパッションリップに答えるが、明らかにパッションリップへの攻撃を止めさせるつもりが無いのが分かる。

 

「私、こういうの担当なんですか?」

「仕方ないよ。ナーサリーに目をつけられちゃった時点でどうしようもないんだよ」

「ちょっとマスター! 私はそんなに誰振り構わずこんなことをしたりはしないわ! ただ、リップが座ってるアレが羨ましかったの!」

「これ……私の手なんですけど……」

「そうだよ。それに、そういう乗り物が欲しいなら、用意して上げるから言いなさい。メディアとノッブが何とかしてくれるはずだから」

「そうなの!? 私、ちょっと行ってくるわ!!」

 

 そう言うと、オオガミの腕の中から抜け出し、メディアとノッブがいるであろう休憩室に走っていくのだった。

 

「わぁ……すごい元気ですねぇ……」

「いつもあんな感じというか、子供の無限パワーというか……って、子供って言ったら俺も人のこと言えないか。というか、大丈夫? 何かされてない?」

「あ、大丈夫です。特にされたことは無いので。びっくりしただけです」

「そう? それならいいんだけど」

「ありがとうございます。ただ、問題があるとすれば、何をしたかったのか忘れたってくらいですね」

「大問題だと思うんだけど。とりあえず、休憩室でお菓子でも食べたら? 俺も行くし」

「そうですね。じゃあ、ご一緒させてもらいます」

 

 二人はそう言って、休憩室に向かうのだった。

 そして、そこでノッブにしがみついているナーサリーを見つけて再びオオガミが慌てるのは別の話。




 久しぶりだけどいつも通りのナーサリー。大体フリーダムに暴れる子供担当。
 もしかしたら今回の騒動がどこかでフラグになるかもしれない……


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私専用の乗り物を!!(儂の作ったのじゃダメなのか)

「マスターさん! 決戦よ!」

「はい?」

 

 突然廊下で声をかけられるオオガミ。呼び止めたのはナーサリー。

 

「どうしたの突然。というか、決戦って?」

「私の乗り物の話よ! かわいいのを作ってくれるって言ったじゃない!」

「えっ。これからSE.RA.PHに突撃するつもりだったんだけど」

「そんなのより、私の乗り物を手に入れましょうよ!」

「えぇ……ん~……まぁ、別にAPはそんなに溜まってないし良いか。それで、どっちから行くの?」

 

 ナーサリーの気迫に負け、周回に行くのを中断してナーサリーに付き合う。

 しかし、冷静に考えるとメンバーにナーサリーも組み込まれていたことを思い出す。どの道付き合うのが一番だと気付く。

 

「ん~……メディアから行きましょう! きっとすぐに協力してくれるわ!」

「その自信がどこから出てくるのか分からないけど、とりあえず行こうか」

「きっと部屋にいるわ! 基本この時間帯はいつもいるもの!」

「なんでそれを知っているのかを知りたい感じなんだけど? どれだけ入り浸ってるのさ」

 

 メディアがどういう風に動いているのかを知ってるかのようなナーサリーの発言に突っ込みながらも、ナーサリーに手を引かれて行く。

 

 

 * * *

 

 

「それでどうして私の所に来るのかしらねぇ……」

「メディアなら、大きなお人形さんも作れて、しかもちゃんと動くのも作れそうじゃない!」

「買い被り過ぎよ。そこまで万能じゃないわ」

「むぅ……そんなことないわよ! メディアは凄いもの!」

 

 メディアの部屋の前で話す二人。

 

「ナーサリー。とりあえず、いったんストップだよ。ちょっと待っててね」

「わわっ。マスターさん! まだ私が話しているのよ!?」

「ここから先は任せなさいって。俺が頑張るから」

「……分かった。マスターさん。お願い」

「うん。じゃ、休憩室で待ってて」

 

 ナーサリーは小さくうなずくと、スタスタと休憩室に向かっていく。

 それを見送ったメディアは、

 

「ふぅ。それで、結局なんなの?」

「大体はナーサリーの言ってた通りだよ。昨日パッションリップの上にナーサリーが乗ろうとしてたから、注意したんだけど、それからこうなった」

「完全に私は関係ないじゃない。というか、なんて説得したのよ」

「『メディアとノッブに頼めば何とかしてくれるはず』って言った」

「…………アレと共同作業をしろっていうの? まぁ、作れるとは思うけども、あっちはどうなのよ」

「たぶん了承してくれるんじゃないかなぁって思ってる。まぁ、理由は無いんだけども」

「いい加減ねぇ……まぁ、向こうが良いっていうなら考えるわ。それまでは保留ね。ささ、行ってきなさい」

 

 それだけ言うと、メディアは部屋の中に戻って行く。

 オオガミはとりあえず、ノッブがいるであろう休憩室に向かった。

 

 

 * * *

 

 

「あれ? ノッブは?」

「さぁ? 今日は見てないわね。昨日ナーサリーを振りほどいてからずっと見てないわ」

「……工房かな?」

「なんじゃない? 私は知らないけど」

 

 本日のお菓子はサラダ煎餅らしい。今日は甘いものの気分ではないようだった。

 

「ん~……エウリュアレが知らないとか、珍しい事もあるもんだね」

「私があいつのいる場所を常に知っているとか思わないで。それに、四六時中一緒なわけじゃないわよ」

「まぁ、レイシフトしてる間は一緒じゃない方が多いよね」

「でしょ? なら、私が知ってるとか思わない。ほら、行ってきなさい」

「分かった。っていうか、ナーサリーは?」

 

 とりあえず、ノッブの工房に向かおうとし、ナーサリーがいないことに気付く。

 

「ナーサリーなら、見てないわよ?」

「えぇ? おかしいなぁ……ナーサリーには先に休憩室にいるように言ったんだけどなぁ…」

「ん~……誰かに捕まってたり?」

「いやいや。そんなこと無いでしょ」

 

 そう言うと同時、休憩室の扉が開く。

 

「ふはははは!! 一日かけて作ってやったわ!!」

「なんだそれぇ!?」

「ちょっとノッブ!? そんなの作ってどうする気!? エルキドゥに見つかっても知らないわよ!?」

 

 突然の釜形の乗り物。人が一人か二人乗れそうなほどのもので、ノブはその隣にいる。

 

「ふん、ナーサリーが昨日叫んでおったからな。儂は振りほどいた後から頑張って作っておったのじゃ。んで、完成したから見せようと思ったらちょうどナーサリーが歩いておってな。真顔で逃げようとしたから捕まえて乗せてやった」

「もはや拉致じゃんか!」

「助けてマスター! ノッブに捕まったわ!!」

 

 胸を張って言い張るノッブにオオガミが突っ込みを入れると、ナーサリーが釜の中から飛び出して言ってくる。

 

「む。その言い方だと、まるで儂が悪者じゃな」

「明らかにそうだよ。ほら、すぐに開放して」

「げげっ! エルキドゥ!! いや、本人が嫌がるなら無理して乗せる必要は無いんじゃけどね?」

「っていうか、ノッブ。一人で頑張ってたの?」

「もちろんじゃ。こんなこと、誰かに協力してもらうとか恥ずかしすぎるじゃろ」

「そんなことないと思うけどね?」

 

 エルキドゥにナーサリーが救出されるのを横目に、ノッブと会話するオオガミ。

 

「ん~……それ、普通に動くの?」

「ん? 動くぞ? ノッブUFOを研究した成果じゃ。とくと見るが良い」

 

 ふふん。と得意げなノッブ。だが、目的はそこではなかった。

 

「それさ、たぶん見た目の問題でナーサリーが嫌がってるんでしょ? なら、メディアと一緒に作らない? 少なくとも、見た目は解消されると思うけど」

「ふむ……そうじゃな。向こうが良いのならそうさせてもらうとするかの。では、行ってくるのじゃ」

 

 そう言うと、ノッブは休憩室を出ていった。

 

「ナーサリー。乗り心地はどうだった?」

「悪くもないし、それほど良くもなかったわ。まぁまぁって感じ。それで、マスターさん。私の乗り物は何時出来るの?」

「それは……本人たちしか知らないかなぁ……」

 

 ナーサリーの質問に、そう返すのが精一杯なオオガミだった。




 ノッブは頑張った。とりあえず、それが今回の話だと思うのです。
 基本小さな子には優しいカルデアなのです。皆子供に甘いのですよ。まぁ、心身ともに小さいのがナーサリーしかいないんですけどねっ!


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お題箱を設置してみた(強引なフラグ感)

「そういえば、先輩。結局あの話はどうなったんですか?」

「あの話?」

「ナーサリーさんの乗り物の話です」

 

 オオガミが休憩室の片隅で寛いでいると、マシュがそんなことを聞いてくる。

 

「あ~……あれねぇ……ナーサリーも同じこと言ってたけど、そのすぐ後にノッブがナーサリーを連れて行っちゃったから知らないんだよねぇ……」

「ナーサリーさん、連れて行かれたんですか?」

「うん。ノッブが恐ろしい速度で連れて行ったよ。ナーサリーは硬直してたからそのまま連れてかれた」

「……そんなこともあるんですね……」

 

 マシュは、私もそうなることがいつかあるのかもしれない。と思いつつ、お茶を飲む。

 そこで、ふとオオガミの手元に目をやる。

 

「先輩。何を作ってるんです?」

「ん? あぁ、お題箱ってやつ。とりあえず作って置こうかと。イベントが無い時でも、カルデアの中でイベントが出来た方が良いしね」

「なるほど……それはいい案ですね。私も何か手伝う事があれば言ってください」

「うん、ありがと。とりあえず今の所は無いかな。次の戦いまで休憩してて」

「分かりました。BBさんもいませんし、ゆっくり休みます」

 

 さりげなくBBを警戒しているのだと思わされる一言。会合のBBチャンネルを未だに引きずっているらしい。

 

「さてと……こんなものかなぁ……」

「完成ですか?」

「一応ね。後はこれをどこに設置するか、だよね」

「そうですね……お菓子置き場かドリンクサーバーの近くが良いですね。みなさん、そこに必ず行きますし」

「ふむ。マシュが言うならそれで行こう。お題箱に入れるための紙とペンも必要だね」

「あ、それは私が取ってきますね」

「うん。お願い」

 

 マシュはそう言うと、休憩室を出て行き、紙とペンを取りに行ってくれた。

 オオガミはその間に、お題箱を設置しつつマシュの帰りを待つ。

 

「あら、何をしているの?」

 

 と、設置し終わったあたりで声をかけられる。

 振り返ると、そこにいたのはエウリュアレ。

 

「お題箱ってやつ。何かやりたいこととかがあったら、ここにその内容を書いた紙を入れるって感じ。定期的に見に来るつもりだから、その時に内容を確認して、それをやろうかなって感じ。まぁ、定期的とはいっても、そのくらいの感覚かっていうのは決めてないんだけどね」

「ふぅん? そんなのを作ったの。まぁ、不定期になるであろうことは分かったとして、別に貴方本人に言えばいいんじゃない?」

「ほら、それはあれだよ。俺がレイシフトしてていない時とかあるでしょ? その時用の対策だよ」

「なるほどね。まぁ、私は使う機会なんてないでしょうけど、頑張りなさいな」

「うん。頑張るよ。それと、出来れば広めてくれるとありがたいな。ノッブ辺りに言えば、勝手に広めてくれそうだしね」

「……えぇ、気が向いたら手伝ってあげるわ」

「ありがとう。じゃあ、よろしくね」

 

 エウリュアレはそれを聞くと、両手で大量の大福が乗った皿を抱えて行ってしまう。

 今度は誰に押し付けるのだろうか。と考えるも、矛先がこちらに向かないように、オオガミは目を逸らすのだった。

 

「先輩! ダ・ヴィンチちゃんから大量に貰ってきました!」

「おぉ、ありがとうマシュ。とりあえず、これを置いておけば大丈夫でしょ。お疲れ様。それじゃ、ゆっくり休もうか」

「はい!」

 

 二人はそう言って、元の席に戻るのだった。




 という事で、お題箱を設置。そして、これは活動報告にも設置される……!
 このキャラの絡みを見たいとか、こんなことをしてみて欲しいというのがありましたら、活動報告のお題箱の方で言ってくださいませ。
 詳しいことも、全部活動報告の方に丸投げです。


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ダ・ヴィンチちゃんから貰った(注文してるのもあるんですか?)

「ここが……これかな?」

「たぶんそうですね。というか、どうしていきなり始めたんです?」

 

 マイルームの片隅で、特にこれといった理由は無く始めた模型作り。

 始めてみると、なぜか熱中して途中でやめられなくなってしまい、現在に至る。

 マシュはオオガミを探してここに入って来たのだが、その時にオオガミのやっている物に目を引かれ、手伝い始めたのである。

 

「理由は無いけど、強いて言うならあれだよ。ナーサリーの乗り物の話題で、ノッブとメディアが工作してるからやりたくなったってくらいかな? まぁ、始める理由はんてそんなものだよ」

「そうなんですか……あ、こっちのはこれと組み合わせるんじゃないですか?」

「あ、ほんとだ。っと、それで、なんで俺を探してたんだっけ?」

「あぁ、そうですそうです。ダ・ヴィンチちゃんに言われて、先輩を呼びに来たんでした。なんでも、頼まれてたものが完成したとか」

「おぉ、もう出来たのか。さっすがダ・ヴィンチちゃん」

 

 そう言うと、オオガミは立ち上がり扉へと向かう。

 

「あれ、先輩、どちらへ?」

「そりゃ、ダ・ヴィンチちゃんの所だよ。頼んでたアレが出来たんでしょ? なら、取りに行ってくるよ」

「えっと、こちらは?」

「置いておいて。じゃ、行ってくるね」

 

 オオガミはそう言うと、部屋を出て行ってしまう。

 一人残されたマシュは、上半身だけ出来ている目の前の模型と睨みあう。

 すると、数分の間をおいて、誰かが入ってくる。

 

「む。マシュだけか?」

「あぁ、信長さんですか。どうしたんです?」

「マスターを探しとるんじゃが……どうやらここにもいないようじゃな。まさか休憩室に移動したのか…?」

「あ、いえ、ダ・ヴィンチちゃんの所に、頼んでいたものを取って来ると言って行ってしまいました」

「ふむ、なるほどな。なら、儂もここで待っているのが吉じゃろうな」

「そうですね。あ、椅子も机も無いですが、ご自由に座ってください」

「うむ。まぁ、儂としてはこういうのも悪くはない。つうか、なんで地下なのに月とか見えるんじゃ? そもそも、今は夜ではなかろうに」

 

 窓の外を見ながらノッブが聞く。それに対してマシュは苦笑いをしながら、

 

「カルデアの不思議の一つです。誰が何時、どうやって変更してるのかは機密情報らしいので。知った人は人知れず消されてるとかなんとか」

「なんじゃその恐ろしい話は。誰が広めとるんじゃ」

「私も聞いた話なので真相は知らないんですけどね」

「ふむ……というか、そこにあるのは、やっても良いのか?」

「えっ? あぁ、これですか。先輩がやっていたんですが……その、途中で取りに行ってしまったので、こんな感じです」

「ふむ……なら、儂がやっても問題ないか」

「なんでそうなるんですか」

 

 当然の如く手を伸ばすノッブの手を叩き落とし、マシュはそう言う。

 

「いや、ほら。マスターの物は儂の物。儂の物は儂の物、じゃろ?」

「ちょっと何言ってるのか分かりません。とにかく、ダメです」

「えぇ~? そんな非道な事が許されてたまるかぁ! 儂は断固抗議するぞ!」

「どっちが非道ですか。先輩がやり途中なんですから、先輩に許可をもらってからです」

「むぅ……仕方あるまい。諦めるとしよう」

「そうしてください。壊れてしまったら大問題です」

「うむ。そうじゃの。まぁ、儂が壊すとは限らんが」

「まるで他の誰かが壊すとでも言いそうな言葉回しですね……何か企んでます?」

「いや? そんなこと無いぞ?」

 

 不気味な笑いをするノッブに、警戒するマシュ。

 そこに現れたのは、

 

「伯母上! 私にも何か作って!!!」

 

 悪魔の如き、バーサーカーさん(茶々)だった。

 

「何か作ってって……儂に何を作れと?」

「ナーサリーが作ってもらってるようなの! なんかかっこいいし!!」

「いや、まだ完成し取らんのじゃけど」

「だから、茶々の分も作って!」

「中々恐ろしい事を言う……まぁ、材料が余ったら考えるがな」

「やったぁ! って、二人はそこで何してるの?」

 

 ついに気付かれた。マシュがそう思ったときには、すでに手遅れ。

 隠す間も無く、普通に掴まれる。

 

「ほえぇ……叔母上が好きそうなやつだね。マスターの?」

「は、はい。一応置いておくように言われたので、戻しておいてください」

「ふぅん? 分かった。お茶々、怒られたくないし」

 

 茶々はそう言うと、元の場所に戻す。

 

「それで、叔母上はなんでここにいるの?」

「マスターを待ってるんじゃよ。っと、そろそろ戻るかの」

 

 ノッブがそう言って扉を見ると、予言通りオオガミが荷物を持って入ってくる。

 

「おぉ、ノッブと茶々もいる。何か用があったの?」

「茶々は叔母上に用があった!」

「儂はお主にじゃな。まぁ、急ぎでないし、そっちからで良いぞ」

「そう? というか、別にパズルを貰ってきただけだし、そっちが優先でも良いよ」

「パズル? こっちの方はどうするんじゃ?」

「とりあえず、こっちが終わって暇があったらって感じかな。それともやりたい?」

「そうじゃのぅ……まぁ、くれるのならやるぞ」

「うん。じゃああげるよ。息抜きも必要だろうし」

 

 そう言うと、オオガミは模型が置いてある所とは違うところにジグソーパズルを置く。

 

「さて、始めるかな」

 

 その言葉を合図に、マシュはオオガミを。茶々はノッブを手伝いに移動して、作業を始めるのだった。




 お題箱にあったガ○プラ破壊をするつもりが、気付いたらちゃんと皆作ってた。破壊が出来なかったよ……!


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無人島に飛ばされたんですね。通常運行だわ(とりあえず、食糧調達だ)

「マスター。どうしてこうなったのか、憶えているか?」

「もちろん。レイシフトが案の定変な所に飛ばしてくれた」

「そうだね。そして、ここは無人島みたいだよ?」

「オケアノス並みに恐ろしいんだけど。誰が助けてくれるのさ」

「そのための食料を調達するための釣り道具を集めているんだろう? さっさとやるぞ」

 

 エルキドゥが見てきた結果、危険な生物はいない代わりに別の島も見えないという。

 とりあえず、食糧調達のために釣りをしようという事になっていた。

 メンバーは、オオガミ、巌窟王、エルキドゥ、土方の四人である。女性鯖がいないのは、オオガミが唐突に男性鯖だけで遊びに行こうと言い始めたのが原因だった。

 

「んで、枝は集めたが糸がねぇぞ」

「僕の髪を使えばいいよ。粘土だけど、耐久力は十分だよ」

「そうか。ならさっさと寄越せ。餌は巌窟王が採りに行ってるだろ」

「取ってきたは良いが、籠を忘れてたな……」

「あぁ、それなら作っておいたよ。これで餌入れはいいはず」

「流石はマスターだな」

 

 枝に糸をつけて釣竿にしている土方と、すでに餌を取ってきた巌窟王に籠を渡すオオガミ。

 エルキドゥはそれを見つつ、針を作っておく。

 

「さてと、これであらかた揃ったね。これで出来るかな?」

「まぁ、釣れるかは分からんがな」

「その時の運としか言いようがないだろう」

「最悪僕が海に飛び込んで取ってくればいいから、そんなに気張る必要な歯いけどね」

「うん。なら、気軽に行こうか」

 

 そう言うと、それぞれが釣竿を持って海へと向かう。

 

「…………冷静に考えると、ミミズとかで海の魚って釣れるものなのかな?」

「大丈夫だろ。獣なんざ、食えるもんは大抵食う。安心してろ」

「すごい自信だね。いやまぁ、知らないから納得するしかないんだけども」

 

 待ちながら、そんなことを話し合う。

 釣竿はほとんど反応しないというか、素人すぎてどれが引いているのかが分からない。

 

「えっと、誰か引いてるのなら教えてほしいんだけども」

「任せろ」

「僕にも任せて」

「ふん。助けなんざいらねぇだろう。気合で何とかしろ」

「ひっじー辛辣ぅ……いや、出来るだけ頑張るけども」

「なんだひっじーってのは。馬鹿にしてんのか?」

「あ、ストップストップ。土方さんの攻撃力なら普通に俺が死ぬ」

「止めろ土方。別に変なあだ名をつけられることなど、よくある事だろう」

「つけられたことなんざねぇぞ。鬼の副長とは言われたがな」

「それは異名だね。というか、こいつにあだ名をつけて呼ぶのは中々勇気がいると思うよ? それこそ、死ぬつもりくらいの勇気が」

 

 ちょっとふざけてあだ名で読んだら死にそうになるオオガミ。

 巌窟王とエルキドゥが何とか収め、エルキドゥはオオガミに思った事を伝える。

 

「しかし、カルデアからの助けはいつ来るんだ?」

「夕方までには来るでしょ。まぁ、日が落ちる前に急造の寝床を作らないといけないかもだけど」

「その時は僕が何とかするよ。土方と巌窟王は火守が出来そうだから任せるよ」

「あぁ、任せておけ」

「ふん。カルデアに来てもすることになるとは思わなかったがな」

 

 そう言って、四人はその後も釣りを続けるのだった。

 

 救助は太陽が沈みかけた時に来た。

 しかし、その時にはすでに大量の魚を手に入れ、食べている最中だったが。

 まぁ、こんな日も悪くない。と思う四人なのだった。




 釣りの表現は難しい……しゃべる事は無いですからね……

 と言う事で、釣りを楽しむ(?)と男性鯖の話、ですね。マスター入ってますけど。
 まぁ、男性鯖の話は今後もやっていきますけどね。女性鯖が主体でずっとやってましたし。


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BBはゲームをしたかっただけ(違います!作りたかったんです!)

「センパイ。このカルデアって、ゲーム機ありましたっけ?」

 

 マイルームで倒れていると、突然入ってきたBBにそう言われるオオガミ。

 

「ん~……あるんじゃない? まぁ、どこにあるか知らないけど。探そうか?」

「そうですねぇ……どこにあるか予想もつかないですし、お願いします」

「ん、了解。というか、どうして突然?」

 

 軽く身だしなみを整え、マイルームから出つつBBに聞く。

 

「さっきノッブに絡んだら、何やら乗り物を作っていて忙しいとか言われまして。それで、何となくゲームでも作ってやろうかと。そのためには機器が無いとダメですし、あの戦国時代の武将にはゲーム機なんか作れなさそうなので、最初からあるのを使って作ろうかと。最強AIっていうのを見せてやるつもりです」

「なるほど。つまりノッブが楽しそうに工作してるからBBも対抗心燃やして大作を作ってやるっていう事か。なるほどなるほど。じゃあ真面目に探すかな」

「ちょっと、私はそんなつもりないですから! まぁ、確かに大作を作るつもりというか、作りますけど、別にノッブに対抗心なんか全然燃やしてませんから! 敵としてすら見てないです!」

 

 頬を膨らませてBBはそう言うのだが、オオガミは真剣にどこにあるかを悩んで話をほとんど聞いていない。

 

「ん~……とりあえず、困ったらエルキドゥだね。大体何でも知ってる感じ」

「マスターなのにそれでいいんです?」

「なんだろ、同じことを前にも言われた気がするんだけど……」

「誰に言われたんですか」

「う~ん……心当たりが多すぎるんだよねぇ……」

 

 悩みながら進んでいると、ちょうどエルキドゥが向かってくる。

 

「あ、エルキドゥ。ちょっといい?」

「なんだい? マスター。探し物かい?」

「うん。今回はゲーム機なんだけど……知ってる?」

「う~ん……ソレかどうかは分からないけど、さっき茶々が休憩室に何かを見つけ出したと言って持って行っていたものがあったけど……見て見たらいいんじゃないか。僕もゲーム機とやらがどういうのかを知らないからはっきりとそうだとは言えないからね」

「ふむ。じゃあ、見に行ってみるよ。ありがと」

「うん。違うのだとしたらすまない。その時は僕も探すから」

 

 エルキドゥはそう言うと、行ってしまう。

 

「だそうです。行ってみるよ」

「見つけ出したとか、不安でしかないんですけど」

「古い奴だと作り難そうだよね……まぁ、頑張ってよ」

「最悪パソコンで出来るゲームになりそうですね……というか、明らかにそっちの方が楽なんじゃ…?」

「うぅむ、ノーコメントで。とりあえず、すぐそこだし、行ってから考えよう」

「そうですね。善は急げです」

 

 

 * * *

 

 

 そして、二人は休憩室に入って見てしまった。

 テレビに繋がれたケーブル。コンパクトな白と赤の二色を使った箱。その中央に立っているもう一つの小さな箱。それに繋がれている二つのコントローラーを。

 

 完全にファ〇コンだった。

 

「これのカセットは流石に無理です」

「うん。そりゃ無理でしょうよ。いろんな意味で」

「いえ、作れなくはないと思うんですが、こう、別の意味でダメですよコレ」

「よし。諦めてPCゲームにしなさい。作りやすい方が良いに決まってるでしょ」

 

 そう言って退出しようとした時、

 

「む。マスターとBBじゃないか。お主らもこっちに来るが良い。ついさっき茶々が見つけ出してきてな。やってみようという事になってやってみたら面白くてな」

「ノッブが異様にうまいのが気に食わないんだけど、どういう事かしら」

「伯母上凄いんだけど。何? 実はやったことあるの?」

 

 逃げるタイミングを失った。

 観念して二人は休憩室の中に戻り、話に混ざる。

 

「で、皆で何をしてるのさ」

「マ〇オじゃ」

「なんの誤魔化しも無くド直球だね。嫌いじゃないよ。そう言う何も恐れないスタイル」

「あぁ、そういう事か。まぁ気にすることも無かろう」

「どこがアウトかわからないんだからそう言うこと言わない」

「まぁそんな気にせんでもいいじゃろ」

「まぁいいけどさ……そういえばなんでノッブはここに?」

「休憩じゃ休憩」

「そう。順調?」

「当然じゃ。任せておけ。あと少しで終わりそうじゃからな。安心して待っておるが良い」

 

 そう言って、ノッブはテレビに視線を戻した。

 

 その後、数時間遊んだところで解散し、BBはゲーム作成に向かうのだった。




 最終的に遊んでいるだけである。


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ウサギ爆走事件(またノッブの仕業か!)

「とまぁ、散々時間かけたわけじゃが、出来たんじゃよ」

「ふむ。で、その本題である乗り物は?」

「うむ。ナーサリーがカルデア内を乗り回しておる。止めようとしたら恐ろしい速度で逃げられた」

「やってくれたなノッブめ!!」

 

 マイルームにドヤ顔でノッブが入って来たかと思えば、逃げられたという報告だった。

 一緒に入ってきたメディアが申し訳なさそうな顔をしていた辺りで嫌な予感はしていたのだが、まさかの事態にオオガミは頬を引きつらせる。

 

「それで、エルキドゥには?」

「伝えられるかこんなもん。努力の結晶が木っ端微塵間違いなしじゃぞ」

「だよね。うん、そんな気はしてた。それで、形状は?」

 

 エルキドゥに頼るのは止めた方が良いと判断したオオガミは、すぐさま対策を練るために情報を聞き出そうとする。

 

「あ~……あれじゃ。アリスに出てくる時計ウサギ。ナーサリーの要望でその形にしたんじゃが、まさか乗り込むと同時に走って逃げだすとは……もう、何というか、完全に服を着たウサギが爆走し取る感じじゃった。正直あそこまできれいに走れるとか思わなかったんじゃけど……」

「…………何それすごい見て見たいんだけど。え、普通にすごくない?」

「頑張ったわよ。えぇ、頑張りましたとも。でも、逃げられるとか思わないじゃない。全力疾走だったわよ。乗り回してるナーサリーの表情が輝いていたからそんなに悪く思っては無いんですけどね!」

「おいメディア。お主そんなんでいいのか?」

「あ~……うん。まぁ、新しいおもちゃを手に入れた子供状態なわけだ。ん~……どうするかなぁ…」

 

 考えつつ、とりあえずカルデア内を見て回ろうとして、マイルームから出ると、

 

「先輩! カルデア内に巨大ウサギがいるという通報が来てます!」

「だよね! 普通そうなるよね!」

「マスターの部屋に来てから騒ぎ始めたんじゃが。フラグってやつか?」

「エルキドゥにばれてないでしょうね……」

「げっ。それは流石に不味い……早く行くぞマスター!!」

「信長さんにメディアさん…!? ってことは、アレは例の乗り物なんですか?」

「らしいよ。とりあえず、今はそのウサギを探しに向かう。行くよマシュ!」

「は、はい!!」

 

 オオガミに続いて、三人とも走り出す。

 

 

 * * *

 

 

「くぅ……何なのよアレ……いきなり出てきたと思えば、服の端で顔を狙ってくるとか、中々やるじゃないの……」

「ぐぬぬ……余としては不満しかないのだが。というか、誰か乗っていたような気がするのだが……」

 

 廊下の両端に倒れているエリザベートとネロ。どちらも何かにぶつかったような事を呟いていることから、おそらくナーサリーと接触したとだと思われた。

 

「エリちゃん。ネロ。大丈夫?」

「マスター? もちろん、私は大丈夫よ。ただ、なんかとても気になるのを見た気がするんだけど……」

「余も問題ない。マスター、アレは何なのだ? あんなのがカルデアにいるとは聞いてないぞ? 動物はフォウとアヴェンジャーだけではなかったのか」

「ノッブとメディアが作った乗り物だよ。ナーサリーが乗ってて、暴走中なんだってさ」

「なんだそれは。気になるからついて行くからな!」

「私もついて行くわ。次は負けないんだから!」

「エリザベートとネロが仲間になった。と言ったところか? マスター」

「こら。茶化さない」

「そうですよ信長さん。メディアさんの言う通りです。遊んでる場合じゃないんですから」

「妙に辛辣なんじゃが。まぁ、儂の落ち度なんじゃけど」

 

 納得がいかなそうな表情をするノッブ。元凶なのだから仕方ないのだった。

 

「それで、余とエリザは何をすれば良いのだ?」

「そうだね……とりあえず、エルキドゥにばれないように見張っててくれない? 見つかると破壊されかねないから」

「ふむ。それは困るわね……任せなさい! ちゃんとやり通して見せるわ!」

「任せよ! 余に誓って、エルキドゥを足止めしてみせよう!」

「任せたよ!」

 

 そう言うと、エルキドゥを探して二人は行ってしまう。

 

「あの、土方さんもこの場合危険なのでは……?」

「…………それは考えてなかった」

 

 想定外の突っ込みに、硬直するオオガミ。しかし、すぐに気を取り直すと、

 

「い、いや、まぁ、何とかなるでしょ。土方さんはエドモンとチェスか将棋やってるよ…!」

「待て。しかして希望せよ。じゃな」

「ノッブがそれを言うと不安になるんだけど……」

「先輩。とりあえず、ここで止まってる場合じゃないです。急いで見つけないとどの道いろんな意味で危険ですよ…!!」

「それもそうだ。急がないとだ!」

 

 そう言うと、再び全員は走り出すのだった。

 

 これは、後にウサギ爆走事件として伝えられていく話。(予定)




 唐突な続き物。
 という事で、明日に持ち越すレベルの事件です。出来るだけ多くのサーヴァントを出すんだ…!!!


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ウサギ爆走事件終結…?(まだ、第一の事件が終わっただけなのじゃった)

「それで、結局どこに逃げたのさ」

「知らん。つか、なんで見つからないんじゃ」

「もうかなり見て回った気がするんだけど……」

「まさか、部屋の中にいるとか……」

 

 いくら探しても見つからないウサギ。一発で見てわかるほど大きいらしいのだが、ここまで一切見かけないと言うのが気になる。

 

「部屋の中に入れる大きさにはしておるが、いくらなんでもそこまで操作がうまいわけ無いじゃろ」

「そうよね。初めて乗ったんですもの」

「あの……乗ると同時に逃げ出したんですよね…?」

「「あっ」」

「こいつらまるで使えない! マシュ! ナーサリーの部屋に向かうよ!」

「は、はい!」

 

 乗ったばかりだと油断していたが、冷静に考えれば乗ると同時に逃げているのだ。どう考えても出来そうだ。

 

「というか、マスター。なんでナーサリーの部屋なんじゃ?」

「ナーサリーは小さな女の子だぞ? 新しいおもちゃを手に入れたら、自慢したくなる。身近なやつにね。そして、ナーサリーの部屋にはその身近なやつである、チビノブが大量にいる!」

「そうか! まず最初にチビノブに自慢しに行くと踏んだ訳じゃな!? だが、そんなに簡単に見つかるか?」

「ふっ。当然、見つかる気はしない!」

「すっごいドヤ顔でバカみたいなこと言っとるんじゃけど!」

 

 ノッブの言うように、ドヤ顔で言い切るオオガミ。

 だがもちろん、何も考えていないわけではない。

 

「ナーサリーが通ったのなら、目撃証言とかあると思うんだよ。なら、それを辿っていけば良いって訳だ」

「なるほど。でも、そんなに簡単に見つけられるでしょうか…」

「まぁ、最終手段はあるから良いんだけどね。っと、見えてきた」

 

 視界に入るナーサリーの部屋。そこには、確実に通ったであろう跡が残っていた。

 

「ノ、ノッブゥ……」

「ノッブゥゥ……」

「ノノノ、ノブゥ」

「おいなんじゃこれはまるで儂が轢かれたようなんじゃけど!」

 

 ぶっ倒れているチビノブ達を見て、悲鳴を上げるノッブ。

 

「さらばノッブ……良い奴だったよ」

「安らかに眠りなさい」

「信長さん、また会える日を」

「おいぃ! アッサリと儂を殺しに行くな!!」

「いや、ほら。今言えって言われたし」

「私は空気を読んだだけよ」

「私は先輩に便乗しました」

「つまり全体的に俺のおかげというわけだ」

「つまりマスターが全体的な原因じゃろ」

「ばれたか」

 

 ノリノリで言ってくるオオガミ達三人に突っ込むノッブ。なんだかんだ、楽しそうだった。

 

「それで、この惨状を見てどうするんじゃ?」

「いや、ほら。こっちから来て会わなかったんだから、明らかに向こうにいるでしょ」

「完全に何も考えてなかったじゃろ」

「そんなことないって」

「まぁ、別にいいんじゃけど……ちゃんと止められるんじゃろうな……」

「最終手段のエルキドゥと土方さん」

「破壊する気じゃ!!」

「とりあえず、探しに行こうか」

 

 そう言った時だった。

 

 ズシン、ズシンと響く振動。

 まるで、こちらに何かが向かってきているかのような振動がする。

 

「……これはダメな奴。逃げるぞ!!」

「えっ!? は、はい!!」

「結局逃げるのか!」

「私まで潰されるのは勘弁よ!!」

 

 全力で逃げ出す四人。だが、明らかに近づいてきている振動。

 振り向くと、そこには迫ってくる巨大なウサギが――――

 

「何アレ何アレ!! 絶対危ない奴じゃん! 壊そうよ!?」

「儂らがどれだけ苦労したと思っとるんじゃ!!」

「そうよ! 私の趣味の時間まで潰したのよ!?」

「確かにそれは可哀想だけども、それでもアレは普通に危険でしょ!!」

「それでもマスターならどうにかできるって思っとったんじゃけどね!?」

「せめて魔術礼装がカルデア戦闘服だったらガンド出来たんだけどね!?」

「なんでちゃんと着ておらんのだ!!」

「こんなことになるなんて思ってなかったからじゃないかな!?」

「くぅ……何ならできるんじゃ!?」

「応急手当と瞬間強化、緊急回避!」

「じゃあ緊急回避であれを避けて着替えてくるんじゃよ!!」

「無茶を言うね!? そもそも俺を対象にできないと思うんだけど!?」

「そこを突かれるとは思わなんだ……ならどうするんじゃ!」

「えっとえっとぉ……あっ! パッションリップ! パワーあったはず!」

「ふむ……じゃあ、儂が呼んでこよう。さらばじゃ」

 

 そう言うと、ノッブの姿が透明になる。

 

「あっ! チクショウ、逃げやがった!!」

「ノッブめ! 後でルールブレイカーを叩き込んであげるわ!!」

「賛成です! というか、先輩! 追いつかれそうなんですけど!!」

「なっ! くぅ……後ちょっとで休憩室だっていうのに……!!」

 

 悪態を吐きながら走っていると、ちょうど休憩室から人が出てくる。

 

「え、エドモン!」

「ん? マスター……いや、皆まで言うな。安心するがいい」

 

 直後、エドモンの姿が消え、後ろで激突音がする。

 

「さて、おそらく中にいるのはナーサリーか。なら、力を抑えた方が良いな……フッ!」

 

 ガンッ! と鈍い音を立ててウサギは転ぶ。

 しかし、傷がついていない所を見るに、中々に頑丈らしい。

 

「中々硬いな……だが、足止めという役目は果たしたな」

「もうっ! 痛いじゃないの!!」

 

 突如響く声。声の発生地点はウサギからで、声色はナーサリーだった。

 

「暴れている方が悪いだろう。そろそろ降りたらどうだ」

「むぅ……確かに、これに乗ってると皆に怖がられてしまうわ。じゃあ、降りる」

 

 その声と共にウサギは起き上がり、胸の部分が開く。

 その中から出てきたのはナーサリー。どうやらコックピットはそこらしかった。

 

「でも、このウサギさんはどうしましょう。ここに置いておくのは不味いんじゃないですか?」

「ん~……エルキドゥに頼む? 荷運びはエルキドゥが最適だと思うんだけど」

「索敵から荷運びまで任されるエルキドゥ……それだけ有能なのかしら?」

「土方さんやパッションリップさんでも大丈夫だと思うんですけどね。あ、エルキドゥさんは鎖で全体を固定できる利点がありましたね…」

「そう言う事。じゃあ、エルキドゥを呼んでこようか」

 

 こうして、ウサギ爆走事件は終わったのであった。

 

 その後、ウサギはナーサリーの部屋に置かれ、時たま乗っていたりする。




 本当はもう何人か出したかったんですが、ちょっと限界でした。時間的な意味で。


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またマスターは轟沈か(で、倉庫の種火はどうしましょうか)

「マスターがまた部屋に閉じこもりそうなんじゃけど」

「メルトリリスさん……来てくださいませんからね……」

「あの……そんなに深刻なんですか……?」

 

 苦い顔をしているマシュとノッブを前に、いまいち状況を理解できていないリップが聞く。

 共に座っているエウリュアレは、ほとんど興味が無さそうだったが、聞いてはいるようだ。

 

「あぁ、それはもう恐ろしいぞ。なんせ、種火にすら行こうとせんからな……」

「ほ、本当に動かなくなるんですね……」

「えぇ、異常なまでに動きません。まぁ、時間が経ったら出て来てくれるんですが、それまでは待ち続けるしかないですね……」

「大変ねぇ……私は待つのは嫌いじゃないから分からないけど」

「お主は楽そうでいいのぅ……まぁ、儂ももうレベル的に十分じゃし、スキルはQPと素材が足りないから待機するしかないしな」

「ん~……私も待つしかないんですね」

「儂が行っても微動だにしなかったからの……つか、倉庫の種火、どうするつもりなんじゃろ」

「誰かのレベルを上げるとは思うんですけど……誰なのかまでは流石に」

 

 倉庫に満杯に入っている種火。メルトリリスが当たった時のために、と言ってコツコツ溜めていたのだが、出そうにないので倉庫の肥やしになっていた。

 

「まぁ、明日もありますから、可能性はありますよ!」

「そうじゃなぁ……沖田の時も同じことを言ってたんじゃよなぁ……」

「見事に一日部屋から出てきませんでしたよね」

「あの時は奇跡的にエイプリルフールだったからのぅ……嘘アプリに救われたんじゃよ」

「明後日からミニイベントがあるじゃない。それで起きてくるかもしれないわよ?」

「あ、あはは……そんな簡単に出てくるんだったら皆そんなに悩まないんじゃ……」

 

 エウリュアレの言葉に対し、リップがそう言ってマシュとノッブの方を見ると、

 

「ん~……ありえなくもないんじゃよなぁ……」

「むしろ普通に起きてきそうですよね……」

「えぇ~……引きこもらないのは良いんですけど、そんな緩い感じでいいんですか……?」

「そのくらいの気概じゃなきゃソシャゲなんぞ出来るか!! 運が無かった! 縁が無かった! なら仕方なし! そんな心意気でなければ、生き残れんぞ……財布的に!!」

「最終的にそこに持って行くところがさすがだと思うわ」

「最後には金銭面の話になるんですね……」

「フッ。そう褒めずともよい。儂は思った事を言ったまでよ」

「一瞬も褒めてないわよ」

「バッサリ斬りおったな…!?」

 

 迫真の表情で言い切ったノッブに適当な返事をしつつ、今日のお菓子であるカステラを口に運ぶエウリュアレ。

 マシュとリップはそれを見ているが、入り込む余地は無さそうだった。

 

「それで、私たちに打てる手は無いんでしょう? どうするのよ」

「そりゃ、マスターが自力で復帰するのを待つしかないじゃろ」

「そうですね。しばらくは様子を見ているしかありませんから」

「何もできないっていうのは心苦しいですけど、本当にどうしようも出来ないみたいですし、私も見守りますね」

 

 そして、四人は今度は別の話題へと移るのだった。




 はい。今現在、メルトリリスは出ていません。絶望です。
 これはもう、死んでしまうかもしれない……


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マスターが引きこもってないんじゃけど(引きこもっても損しかないでしょうが)

「ついにイベントは終結した。で、現状は安定なわけだ」

「うむ。ガチャに期待したらいかんという事じゃな」

「そんな真理を突きつけるノッブはしばらく待機」

「酷くねっ!?」

 

 休憩室で、オオガミはノッブに突き付けられた言葉の刃に反撃しつつ、置いてあるザラメ煎餅を食べる。

 その瞬間にエウリュアレに睨まれたが、すぐに煎餅に視線が移動したので、ほっとする。

 

「先輩、今回は大丈夫だったんですね」

「まぁ、沖田ショックよりも重いダメージだったけど、何とか立て直したよ。一応リップも鈴鹿も来てくれてるし」

「未だに鈴鹿さんには会ってないんですけどね」

「種火が無いし、今の所ネロが頑張ってるからねぇ……まぁ、そろそろ会えると思うよ?」

「ここって、たまにそういう事あるわよね……っていうか、召喚されたのなんて、一昨日じゃない」

「エウリュアレ。それ以上は言っちゃいけない。闇に触れるよ」

「え、何よそれ。怖いんだけど」

「触れてはいけぬものもあるのだ。見分けは大事だぞ、エウリュアレよ」

 

 引きこもらなかったオオガミに微笑みかけるマシュに、触れてはならないことに触れそうになったエウリュアレを引き留めるネロ。

 

「んで、これから何をするつもりなんじゃ?」

「ん~……とりあえず、種火をチマチマ集めるかな。レベル上げ切ってない人が多いし」

「なんだかんだ、私もまだMAXになってませんからね」

「余は最終再臨すらしておらぬからな!!」

「リップの方が先に最終再臨するとは誰が想像するじゃろうか……」

 

 なんだかんだ言って、やはり未だに成長していないエドモンは、まだ第一再臨のまま止まっているのだった。

 再臨素材があるのに止まっているのは、他のキャラを成長させているのが原因のほとんどだった。

 

「まぁ、いつも通りって感じだよ。まぁ、ハンティングクエストが面白そうだからそっちに行くと思うけど。第3弾って言ってるけど、初参加だし」

「そうですね。新しいミッションは楽しみです」

「一体どんな敵なんじゃろうな。儂も気になっておる」

「余はたとえどのような敵だろうと、奏者となら絶対に切り抜けられると思っておるからな! 全然心配してないぞ!」

「敵が男性だったらきっと駆り出されるのよねぇ……セイバーでも同じ?」

「エウリュアレは相手がランサーじゃないなら基本フル出場だよ? マシュと一緒に」

「どれだけ私を使うつもりなのよ……」

 

 どうあがいても編成に組み込まれることが確定しているエウリュアレは、ザラメ煎餅を咥えながら机にぐでっと倒れる。

 

「おいマスター。どうしてそこで儂が出ないのかを問いたいんじゃが?」

「ノッブは……その、コスト面でね?」

「コストじゃどうしようもないんじゃけど!! 儂の力でどうにもならんのじゃけど!!」

 

 悲痛な声を上げるノッブ。一応セイバー相手には編成するつもりではあったが、もう少し編成に組み込むかと考える。

 

「とりあえず、何にしても明日からだよ。今日はもう寝るとしよう。お休み!」

「はい。おやすみなさい」

「うむ。しっかりと休むのじゃぞ」

「しっかり寝て、私を編成に組み込んでも得が無いと気付きなさい」

「では、余もついて行くかの」

「「「ちょっと待って」」」

 

 ネロの想定外な発言に、全員が突っ込む。

 

「いやいや、ネロよ。どうしてそこでお主もついて行くんじゃ?」

「む? 何を可笑しな事がある? 別に普通であろう?」

「ちょっと何言ってるのか分かりません。念のために私もついて行きます」

「マシュはなに便乗して一緒に行こうとしてるの。貴女も止めなさい」

「そうじゃぞ。それをするという事は、儂の攻撃対象になるという事じゃ。茶々を連れて戦争するぞ」

「フッ。余に宣戦布告とはな! 全力で反撃するぞ!!」

「フハハ! やってみるがいい!!」

 

 今にも戦い始めそうな二人。

 しかし、当然の如くオオガミが止めに入る。

 

「ストップストップ。とりあえず、ここでやるとエルキドゥが来るから、やめておこうよ。というか、土方さんがずっとこっち見てるから」

「むっ……エルキドゥは厄介じゃ……止めておくとしよう」

「むぅ。余も少し熱くなり過ぎていたようじゃな。すまなかった」

「うん。とりあえず、寝て良い?」

「うむ。しっかり休んで、明日に備えるが良い。奏者よ」

 

 こうして、何とかオオガミは解放されたのだった。

 

 その日の深夜に、トレーニングルームで何かがあったようだが、その真相を知る者はいないのだった。




 はい。メルトリリス、出ませんでした。
 で、でもでも! 年末に可能性があるので、そこに賭けます!! 全力で石貯めじゃぁ!!
 まぁ、どうせどっかで使うと思うんですけどね。


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ハンティング
ふはは!骨狩りじゃ!!(まぁ、秘石もなにも無いからスキルは強化できないんだけども)


「ふはははは!! 骨じゃ骨じゃ!! 儂のがしゃ髑髏の糧となるが良い!!」

「全く。なんで最初からセイバーとか言う、私が出ざるを得ない編成なのよ。許さないわよ?」

「遠慮なく吹き飛ばせばストレスも吹き飛ぶじゃろ!! わはははは!!!!」

 

 スケルトンや、スケルトンキングに矢を突き刺し銃弾で砕きと、破壊の限りを尽くしながら種火と骨を回収していく。

 地味に後方で待機しているネロが強くなっていっているのだが、それを気にしないほど楽しそうに骨を粉砕して大地の栄養にしていく。

 

「これ、何時までやるのかしら」

「そりゃ、あれじゃろ。儂がスキルレベル上がり終わるまでじゃろ」

「いや、ノッブのスキルが上がらないのは石が足りないからだし」

「んな!? どうしてそこで回収しておかなかったんじゃ!? 酷いんじゃけど!!」

「ほら、あれだよ。QP無かったから」

「言い訳じゃよね!? 別に後からでも大丈夫じゃったよね!?」

「何分かり切ってることを聞いてるのよ。種火優先に決まってるじゃない」

「ランサーとアサシンじゃろうがぁ!! ほっとんど必要ないじゃろ!!」

「パッションリップとか、BBに吸収されたんでしょ。よくある事よ」

「リップに吸収されたんだよ! 俺が食わせた!」

「開き直ったなマスター。いい度胸じゃ、儂の全力を見せてやる」

「む。まさかマスターに反逆するというのか…!?」

「ククク……そのまさかじゃ。見せてやる、儂の全力全霊を!!」

 

 ガシャンッ!! という音と共に無数の火縄銃が顕現する。

 

「え、ストップストップ。その量は捌き切れない」

「ふはは。骨と共に土にかえるが良い」

「ちょっとノッブ。そんなことやってる場合じゃないでしょうが」

 

 今まさに撃とうとしていたノッブは、エウリュアレの言葉を聞いて、振り向きながら展開していた火縄銃を後方に放つ。

 

「ふん。儂を舐めるでないわ。その程度の不意打ち、なんてことないのじゃ」

「ちゃんと戦ってくれるならそれでいいわよ。マスターで遊ぶよりも先にここをさっさと切り抜けましょうよ」

「そうじゃな、まずはこの骨どもじゃ。目に物見せてくれるわ」

 

 不敵に笑いながら、ノブは無数の弾丸を骸骨軍に叩き込む。

 

「して、何時までここで骨狩りじゃ?」

「もうそろそろやめるよ。明日に備えないとね」

「明日はランサー。私はそう信じているわ」

「それはフラグじゃぞ、エウリュアレ」

「っと、とりあえず、次のスケルトンがラストだ。気合入れて行くよ!」

「えぇ!」

「任せよ!!」

 

 三人は、そう言って本日最後のスケルトンの骨を狩り取りに行くのだった。




 本当に、無いんです。QPは回復したけど、素材が足りないから成長できないとか、よくある事ですよ。はい。
 スケルトンは狩り尽すのです。


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ケンタウロスのほとんどがアサシンとかどういうことなの!?(アーチャーだと思ってたわ!!)

「なんでッ!! アサシンが!! いるのよ!!!」

「私も、今日はアーチャーだって聞いたから、エルキドゥいないからウサギさんに乗る予定だったのに!! なんでこんなところに来ちゃったのかしら!!」

 

 襲い来るケンタウロスの群れを叩きながら文句を言うエリザベートとナーサリー。

 昨日はセイバーだけだったので、今日もアーチャーだけだと思ったのが運の尽きだった。

 迫り来るアサシンの軍勢。どうせ出て来ても最後なのだろうと油断していたのだが、まさかの想像の真逆。最後の一体以外全てアサシンなのだった。

 

「あぁもう!! ナーサリー!! マスター! 私、歌うわよ!?」

「援護するわ!! 頑張って! エリザベート!!」

「耳栓耳栓……待って。これで防げるのか?」

「あ、私が盾になりますから大丈夫ですよ。先輩」

「マシュ、ありがと」

 

 エリザベートが地面に槍を突き刺すと同時に地面から出現する館の様な巨大スピーカー群。

 

「サーヴァント界最大のヒットナンバーを聞かせてあげる!!」

 

 そして、突き刺した槍の上に立ったエリザベートは、

 

「飛ばしていくわ!! 優雅に無様に泣きなさい!! 鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)!!」

 

 響き渡る轟音。その場にいたケンタウロス達は、その轟音を受けて倒れたり頭を抱えたりしている。

 そして、そこに追加される一撃。

 

「繰り返すページのさざ波、押し返す草の栞……全ての童話は、お友達よ!!」

 

 群れなすお菓子の軍勢。それは、生き残っているケンタウロスの群れに容赦なく襲い掛かり、倒していく。

 

「ふふん。私の歌を聞けば、皆すぐにおとなしくなるわ。まぁ、盛り上がりに欠けるっていうのはあるんだけど」

「マスターさん……もう疲れたのだけど」

「ん~……素材が取れるのはおいしいからなぁ……しかも、ついでに種火も採れるし」

「アーチャーとアサシンの種火しか採れないじゃない。それに、隕蹄鉄とか、いつ使うのよ」

「使う時がいつか来るかもしれないでしょ。その時に足りなかったら後悔するし」

「むぅ……それもそうね。まぁ、私は思う存分歌えるから、あまり文句は無いわ。歌う前に退場しちゃう時がたまにあるのが許せないくらいで」

「それはその、ごめん。頑張ってはいるんだけど、アサシンのチャージ速度が速いから間に合わないんだよね」

「それくらい、分かっているわ。マスターだって頑張っているし。それで、どれだけ回るのかしら」

 

 消し去った敵が、徐々に蘇ってきたところで、エリザベートがオオガミに聞く。

 

「いつも通りの疑問だね。うん、まぁあと一回くらいが限界でしょ。そもそも、エリちゃんが言ったように、そんなに必要に迫られてるわけじゃないし、無理に回るほどじゃないよ」

「そう。じゃあ、最後の大暴れって事ね!!」

「本気で遊ぶわよ!!」

 

 最後とばかりにやる気を出す二人なのだった。




 本当に、想定外だったんですよ……なんだあのアサシン群……シャレにならんのです……
 エリザベートがさっくり殺される時が多かったんですけど。本当に、歌えなかったんですけど……


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気づいたらSE.RA.PH巡回メンバー(狙ってはいない)

「チィッ……中々強いじゃないか」

「みなさん、私をいじめるんですけど!」

「なんかすごい狙われてるよね! リップ! タゲ集中がついてるの!?」

「ついてないですぅ!! むしろ気配遮断がついてますからね!!?」

 

 異様に狙われるパッションリップ。船長も狙われてはいるが、パッションリップよりも軽傷である。

 

「あなたも、あなたも、あなたも! 私をどうしていじめるんですか!」

「もう、何かの呪いにしか見えないんだけど」

「私もそう見えるよ、マスター」

「もう! どうしてそんなに狙うんですか!! 私以外の人を狙ってもいいでしょう!?」

 

 しかし、当然のごとく返事は返ってこない。

 代わりとばかりに返ってくる風や爪や魔力弾がパッションリップに襲い掛かる。

 

「だから、やめてください!!」

 

 それを、巨大な両手で叩き潰すパッションリップ。

 ダメージカットはそういう強引なものなのかと突っ込みたいが、とにかくご立腹のようなので、触らぬ神に祟りなしの精神で見守る。

 さっき茶化していたりしたが、それはノーカンだ。

 

「さすがに、私も怒りますよ!!」

「やっちゃえリップ!」

「遠慮することなんかないからね!!」

「はい! 行きます!!」

 

 リップはそういうと、一気に距離を詰め、ワイバーンを叩き潰していく。

 デーモンは、ドレイクが撃つことで標的を変える。

 容赦なく叩き潰していくパッションリップとドレイク。

 時々放たれる宝具によって、回復と殲滅が同時に行われる。

 

「さて、そろそろ敵も減ってきたかな?」

「そうみたいだねぇ。リップがよくやってくれてるよ」

「うわーん! どうしてみんな私を狙うんですか~!」

「……本人は周りが見えてないみたいだけどね」

「そうみたいだねぇ……」

 

 泣きながらワイバーンを押し潰し、吹き飛ばしていくパッションリップは、自分が手当たり次第に殴っているようにしか見えなかった。

 

「リップ~! 帰ってきて~!」

「ふぇ!? あ、わぁ!! 真っ赤ですぅ……」

「いや、消滅してるから真っ赤ではないから。むしろ、クレーターの方が目立つから」

 

 倒されたワイバーンは全て消滅していっているので、実際はオオガミの言っているようにパッションリップが暴れた際のクレーターが目立っている状況だった。

 

「あ、あの……ごめんなさい!」

「いやいや、別に謝る事は無いよ。暴れてもいいような場所だろうし」

「まぁ、気にすることなんてないさ。暴れたくなる時なんて、誰にでもある事さ」

「そうそう。だから、気にしない気にしない。ほら、次で終わりなんだから、元気出して」

「ま、マスター……! ドレイクさん…!」

 

 落ち込んでいたパッションリップを励ました二人は、パッションリップが再び立ち上がるのを待って、最後の戦いに挑むのだった。




 本当、ワイバーンに集中攻撃されて一ターンで死にかけるとか、恐ろしいんですが……


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マンティコアパネェ(儂だけコロコロされるんじゃが)

「ライダーがおるんじゃけど! なんで儂を連れてきたし!!」

「私も場所違いよね!! こんなの、私たちの出る幕ないわよ!!」

「ところがどっこい。エウリュアレはアタッカーなんだなこれが」

「儂は完全に無関係なんじゃな!!?」

 

 マンティコアの攻撃を避けながらゴブリンを撃ち抜いていくノッブとエウリュアレ。

 

「ノッブはほら、前衛倒すためだから」

「つまりゴブリン狩りをしろって事じゃな!!」

「そう言う事。まぁ、マンティコアに宝具は撃ってもらうけどね」

「倒せなかったら私が出ますので、安心してください」

「もうお主が最初から出ればいいんじゃ!?」

 

 オオガミの近くで弱ったマンティコアにトドメを刺しながら言ってくる静謐に、思わず叫ぶノッブ。

 

「いえ、私、力はそんなにないですから。あくまでも残ってしまった際のトドメ役です」

「そうじゃった! あやつ、攻撃力としてはダメじゃ! 筋力Dじゃし!」

「私はEなんだけど!? なのにどこでも最前線よ!?」

「じゃよね! やっぱおかしくね!?」

「レベル差ですよ」

「そうじゃな! 10も差があったな! うむ。なら仕方ない!」

 

 推奨レベルが90という事もあって、いつもより優しめなノッブ。

 そもそも、彼女がここまで一回も宝具を撃てていないというのも、理由の一つかもしれなかった。

 

「つか、本当に強すぎるんじゃけど! なんじゃあのマンティコアの強さ! 死にそうなんじゃけど!」

「まぁ、実際何度か死んでるけども。とりあえず、全力で叩くべし。宝具展開」

「あい分かった!! 三千世界に屍を晒すがいい……!!」

「はぁ……面倒だけど、やってあげるわ。ちゃんと見てなさいよ?」

 

 無数の火縄銃を召喚するノッブと、髪を後ろに払うエウリュアレ。

 

「これが魔王の、『三千世界(三段射ち)』じゃああぁ!!」

「『女神の視線(アイ・オブ・ザ・エウリュアレ)』!!」

 

 周囲に放たれる、もはや銃弾とは呼べないレーザーの群れ。

 そして、その中を飛び、確実にマンティコアの額に突き刺さる女神(エウリュアレ)の矢。

 その攻撃で、大体の敵は倒れる。

 

「はぁ……めっちゃ辛いんじゃけど」

「本当にね。なんでこんな苦行を続けなくちゃいけないのよ」

「世界樹の種は使うからね……正直、産毛よりも種が欲しいんだよ……」

「この配置は、明らかに採らせる気が無いと思うんじゃが」

「マンティコアのHP高すぎでしょ……気軽に倒せる限度ってものがあるわ」

「周回って、こんなに難易度の高い物も含まれるんですね。あまり戦わないので知りませんでした」

「普通やらんわ! 今回が特別なんじゃよ!!」

「そうよ! こんなのを毎回周回させられるとか、明らかに地獄じゃない!!」

 

 ついに怒り始めたノッブとエウリュアレ。まさか二回も出番があるとは思っていなかったのだろう。ノッブの場合、やられまくったというのもあるのかもしれない。

 

「ラストじゃ! 次をラストとする! これ以上はマスターの頼みといえども、断るぞ!!」

「えぇ~。じゃあ、令呪を切るか……」

「それほどまでに!?」

「いや、冗談だけども。ちょうどAPも尽きるしね。今日はこれがラストだよ」

「よっし! 行くぞエウリュアレ! 静謐! これが終わったら、皆で遊ぶぞ!!」

「えぇ、任せなさい! 全力で叩き落としてあげるわ!!」

「私はあんまり戦ってないんですけどね。頑張って手伝いますよ」

 

 三人はそう言って、最後のマンティコアに向かっていくのだった。




 この後ノッブだけコロコロされた。

 マンティコアのHPが35万くらいとか、卑怯だと思いました。まる。


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スフィンクスへの報復戦(6章のアレはレベル上げてないから仕方ない!)

「で、またアタシ達の出番って事かい? マスター」

「うぅぅ……私は出来るだけ戦いたくないんですけど……」

「相手がチンピラとスフィンクスだからねぇ……戦いやすい二人が一番でしょ」

 

 チンピラを巨大な手で払い、更に銃弾を叩き込んでいく。

 オオガミはそれを見て、苦笑いをする。

 

「しっかし……スフィンクスねぇ……随分と懐かしい因縁の相手じゃないか」

「あ~……うん。最悪最低の因縁の敵だわ。6章では阿保みたいにお世話になったもんなぁ……」

「今回はそのお礼参りと言うところかねぇ。やってやろうじゃないか」

「あぁ、それも良いねぇ……じゃあ、そうしようか。全力でお礼参りだ。全力で蹂躙するよ」

「応ともさ!!」

 

 スフィンクスに向けられる銃口。それと同時に出現する無数の戦艦。

 

「さぁ、行くよ野郎ども!!」

「「「おおおおおおぉぉぉぉーーーー!!!」」」

 

 戦艦に搭乗していた無数の乗組員の叫び。

 その異様さに怯える相手に構わず、ドレイクは指揮を執る。

 

「全砲門! 対象はスフィンクス!! 撃ち方用意!!!」

 

 一斉に動く無数の砲門。一つ一つが強力な一撃にも関わらず、その砲門が一斉に自身の方を向くという恐怖。

 それゆえに、圧倒的恐怖になり得る。

 

「リップ!! 下がってな! 一斉掃射、行くよ!!」

「うえぇ!? わ、私まで巻き込まないでくださいね!?」

 

 必死でリップは射線上から脱出する。それと同時に、

 

「撃てええぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!」

 

 響く轟音。

 一斉に放たれた砲撃は、全ての魔物を一掃していく。

 

「い、一瞬遅れてたら私もあの魔物みたいに……」

「ちゃんとリップが退くまで待っていただろう?」

「そうですけど! そうじゃないんです!!」

「まぁ、アタシもすぐさま撃って悪かったよ。次は気を付けるからさ」

「……本当ですか?」

「嘘吐いてどうするのさ。海賊なんざ、信頼関係が一番だよ。仲間同士で疑うとか、一番したくないことだね」

「……なら、次はもうちょっと余裕をもってお願いします」

「あいよ。任せな」

 

 不敵に笑うドレイク。若干の不満があるものの、彼女の人の好さをこれまでの戦いで知っているパッションリップは、強く言う事が出来ないのであった。

 

「さて、じゃあ、どうするんだい? あとどれだけ回る?」

「そうだねぇ……後一、二回かな。実際、何度も回る必要なんかこれっぽっちも無いんだけどね」

「え、じゃあなんで回ってるんですか?」

「そりゃ、普通に種火行くよりも気持ち楽だから? それに、素材とか石も手に入るし」

「なるほど……全員キャスターですもんね、確かに倒しやすそうです。あの、すっごく疲れますからね?」

「うん。だから、あと一回で休憩! というか、今日は終わり! 行くよ!!」

「あ、ちょっ、マスター!」

「あはは!! それじゃあ、最後の仕上げと行くよ! ついて来な、リップ!」

 

 オオガミを先頭に、ドレイクとリップがその後ろを走るのだった。




 仕方ないじゃないですか……友人に急かされて、6章まで実質石と令呪でゴリ押しだったんですよ……レベルほとんど1でスフィンクスに勝てるわけないじゃないですか……


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ようやく余の出番!!(完全に私場違いよね)

「うむ!! ようやく余の出番だな!!」

「茶々も頑張るし!!」

「この場において、私が一番場違いなのは分かってるわよね? マスター?」

「うん、そうだね。なんでエウリュアレがいるのかって感じだよね」

 

 ネロと茶々が胸を張っている中、後衛にいるエウリュアレがオオガミの足をひたすら蹴りながら睨みつけてくる。

 

「むむっ。エウリュアレよ、奏者(マスター)にも考えがあるのだ。場違いだとか、思うでない」

「んな訳ないでしょ。こいつは何も考えてないわよ。そういうマスターだもの、どれだけ一緒にいると思ってるのよ」

「それを言われたらこっちはどうしようもないね」

「むっ、日数など関係ないぞ。ちゃんと考えている事くらい余にも分かる!」

「へぇ? このランサーだらけの場所にアーチャーである私を連れてきた意味があるって? 聞かせて頂戴。どんな内容か気になるわ」

 

 不機嫌そうな顔で言うネロに、エウリュアレが不敵な表情で聞き返す。

 

「なに、至極簡単な事だ。余が奏者(マスター)と居たいように、マスターもまた、エウリュアレと共に居たいという事だ」

「…………え、本当?」

「いやいやいやいや。的外れではないけども、メインは最後のバーサーカーへの攻撃力だから」

「……ほら、こう言ってるじゃない」

「ちょぉい!! 完全に今認めていたではないか!! っていうか、地味に余にもダメージが入ったのだが……誰か余を慰めて……」

 

 自分で何を言っているのか気付いたのか、突然わなわなと震え、へたり込むネロ。

 それを見て、となりにいた茶々が慰めに行く。

 

「はいはい。というか、なんで自分で胸を張って言ってダメージ喰らってるのさ」

「余にも……譲れない物はあるのだ……さらっと敵を増やしてしまった」

「敵が増えても構わない!! くらいの意気込みじゃないと負けると思うし。むしろどんと来い! じゃないと」

「ハッ…!! 確かにそうであった!! 何を弱気になっていたのだ! 女神が相手なら不足なし! 余の魅力の方が優れていると絶対に言わせてやるからな!!」

 

 茶々の手によって息を吹き返したネロは立ち上がると、原初の火をしっかりと持ち、ようやく敵に目を向ける。

 

「よし! では、そろそろあやつらを倒しに行くとしようではないか」

「もう何回も行ってるけどね」

「茶々としても、結構頻繁にやられるから不満だけどね!」

「えぇい良いではないか!! 天敵はあの猪だけであろう!?」

「バジリスクが天敵だから」

「茶々もバジリスクに滅茶苦茶叩かれるから辛い。なんで皆茶々を狙うし」

「そりゃ、バーサーカーとか全クラスの天敵だし」

「マスター。そう言う事言われると茶々も泣きたくなるんだけど」

「いやいや、誇って良いと思うんだけど……まぁ、茶々が嫌なら言わないけども」

 

 茶々の何とも言えないような視線を受けて、苦笑いを浮かべながらそう言うオオガミ。

 

「はぁ……まぁ、良いわ。さっさと済ませちゃいましょ」

「ん。茶々も言いたいことは言ったし、すぐに終わらして帰ろう!」

「うむ! 余の全力、見るが良い!!」

 

 三人は、そう言ってバジリスクと巨大魔猪に向かっていくのだった。




 本当に後衛に控えてるエウリュアレ。だって、猪に与えるダメージ大きいんですもん。
 バジリスクですら、彼女の前には無力……(死にかける時もある)


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鬼哭酔夢魔京羅生門
普通に、イベント礼装無しで勝てはしない(マジヤバいんですけど)


「無理!! 鬼なかしとか、無理!!」

「倒せるような敵じゃないですね。まだ装備が足りないです」

「イベント礼装皆無で戦おうとか、無謀極まりないよ」

「そうよ。せめて一人一枚は流離譚を取ってきなさいよ」

「待って。それは瓢箪かDP(ダメージポイント)でしか取れないから。DPに至っては一枚が限界だから。基本瓢箪だから」

 

 衝撃のHPを前に、200%アップの理由を改めて理解したオオガミ。

 マシュは苦い表情で言うが、その隣でやれやれ。と言ったような表情をするエルキドゥとエリザベート。

 

「はぁ……全く。なんで私はこんなところにいるのかしらねぇ……」

「儂も、全然活躍できないんじゃが……」

「明らかに攻撃力が足りてないのよ……」

「出たら即座に死ぬような戦いとか、地獄なんじゃが」

「出たら敵が宝具チャージ終えてるとか、どうしろっていうのよ」

 

 遠い目をしながら、エウリュアレとノッブは呟く。

 

「余なんか……余なんか、もうパーティーから出されたぞ……」

「貴方はコスト高い上に相手がアーチャーだからでしょ」

「うぅ……確かにそうだが……それでも、編成から抜かれたのは心に響くのだ……」

「分かる。その気持ち分かるぞ、ネロ。儂も放置されておったからな……明日にはまた出番が来るじゃろ」

「明日になったからって、余が使われるとは限らないではないか。というか、明日も同じ的だっと思うのだが……」

「……そういえば、確かにそうだ。い、いや、二日目あたりからアーチャーではなくなるはずじゃ。知らんけども!」

「な、慰めるか放っておくか、どっちかにしないか!! 余は、余は結構辛いのだからな!?」

 

 涙目のネロを慰めるノッブ。エウリュアレはもはや無表情で敵を射っていく。

 

「先輩。茨木さんもいなくなりましたから、とりあえず金時さんの言っていたご飯屋さんを探しましょう。みなさん、疲れていらっしゃるみたいですし」

「そ、そうだね……編成変更が原因かなぁ……」

「彼女たちはいつもあんな感じだよ。僕の見ている限りはね。それで、探しに行くのなら、あそこにいるのも連れて来るよ?」

「いや、行くには行くけど、さすがに自分で呼びに行くよ」

「そうね。マスターが行くのが一番よ」

「そうですね。では、私たちは先に安全を確認してきますね」

 

 そう言うと、マシュ達は行ってしまう。

 一人残されたオオガミは、そのままネロたちの元へと向かっていく。

 

「ネロ。今から京の町を見て回ろうと思うんだけどさ、一緒に行かない?」

「んっ……奏者(マスター)は、余を編成から外したではないか」

「それはほら、ネロがやられるのは問題だし」

「なぜだ! エウリュアレはほぼ毎回出ておるではないか!」

「ん~……エウリュアレはコストとしても戦力としても、相性としても悪くは無いからなぁ……まぁ、明日にはネロが戦力になれるような編成を頑張ってみるからさ、行こうよ」

「むぅ……絶対だぞ? 絶対だからな!?」

「どんと来い! 何とかやってみようじゃないか! 効率は二の次で!」

「うむ! 流石は余のマスター! 任せたぞ!! では行こうではないか!!」

 

 そう言うと、ネロはオオガミの手を引いてマシュ達が言った方向へと走っていく。

 

「……儂ら、忘れられてるよネ」

「それ以前に、明らかに辛い編成になるわよね、明日」

「そこに触れるのは不味いじゃろ……」

 

 残されたノッブとエウリュアレは、深くため息を吐いた後、皆の後を追うのだった。




 やばかった。礼装が足りなかったです。明日はとりあえず一回挑んでからネロを活用……出来るか…?


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余に任せよ!!(昨日の今日で最高戦力)

「余の天下だな!!」

「本当にそうよねぇ……」

「メイン戦力だしねぇ。アタシを抜いた時は驚いたけどね」

「当たり前だよ。ネロをメイン戦力にするために、貯めていたオール種火も、今月分のオール種火も消えたからね。ついでにフォウ君もいくらか」

「おかげで最終再臨出来て、余は嬉しい!!」

 

 上機嫌なネロに、疲れたような表情のエウリュアレ。苦笑いのドレイクがいて、オオガミはやり切った感を出していた。

 

「しっかし、昨日の今日でよくここまで育てられたねぇ…」

「いや、あと一回再臨すればよかっただけだから、種火さえあればすぐに再臨出来たんだよ」

「先輩……それで、私はいつになったらレベルマックスになるんですか?」

「…………マシュは、ほら。今のままでも十分に強いし……その……次くらいを目指して善処します……」

「どうしてマスターが押されてるのかしらねぇ……」

 

 マシュにじっと見られ、思わず目を逸らすオオガミ。

 それを見て、メディアが呆れたような声を出す。

 

「完全に気圧されてるんじゃけど。ウケるんじゃが」

「真顔で言っているから、そうは見えないんだけど」

「そりゃ、やっぱり編成から抜かれたしの……儂、次はいつ活躍できるんじゃ…?」

「僕も抜かれたんだから、同じさ。まぁ、茨城童子以外の敵を出来るだけ排除しようじゃないか。裏方でも、やれることはやっておくべきだろう?」

「そうじゃな……まさかメディアに場所を取られるとは思わなんだ……」

「コストの問題だから仕方ないさ。ほら、そこにエリザベートも倒れてるだろう?」

「…………もうこれ、儂ら帰っていいんじゃね?」

「……マスターの近くに魔物や狂人を寄せ付けないようにするのも僕らの役目だよ。ほら、エリザベートもノッブも、行くよ」

「嫌じゃあ~! 儂はしばらくここで休むんじゃあ~!」

「私は、また、放置……アイドルの座をネロに奪われたわ……い、いえ。まだ奪われたと決まったわけじゃないわ……私もまだ可能性はある…! それに賭けるのよ、エリザ!」

「お主、その自信はどこから出てくるのじゃ……」

「エリザは昔からこんな感じだよ」

 

 エルキドゥはため息を吐きながらも、エリザベートを担ぎ上げて連れて行く。エリザベートも、担がれ易い様に体を動かしてエルキドゥに担がれる。

 古参組である二人は、昔からこういう関係を続けてきたのかと思うほどに相手の扱いになれていた。

 

「それで、余は後どれくらいあのアーチャーと戦えばいいのだ? そろそろアーチャーの相手は嫌なのだが」

「当然の如く私並みに頑張りなさいよ」

「エウリュアレレベルとか、どれだけ疲れると思ってるのさ」

「分かっていて私を使うとか、いい度胸してるわね、マスター? 全力で悩殺してから蹴り飛ばすわよ?」

「回避不可だね!! 全力じゃん!!」

「そう言ってるでしょうが……」

「うむ。奏者(マスター)がエウリュアレと仲がいいのはよくわかった。うむ、それはそれでいいのだが、結局どれだけ回ればいいのだ?」

「いや、正直明日になれば流石に変わるだろうから、今日さえ乗り切れば何とかなると思うよ」

「ふむ、そうか……では、残っているBPも少ない事だし、これが最後という事だな!!」

「うん。じゃあ、行こうか!」

「うむ!」

「あいよ!」

「面倒ねぇ…」

「任せてください、先輩!」

「戦うのは私ではないから、行く必要は無いと思うのだけど……」

 

 そう言って、オオガミ達は本日最後の茨木童子を倒しに行くのだった。




 はい。一日で頑張った方だと思います。フォウ君、消えたし。
 まぁ、現実はネロは若干の攻撃と、フレンドへのバフ要員だったんですけどね。それでも30万以上の威力は出していたから、戦力ではありましたよ。


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鬼ごろしマジ辛い(余では威力が足りない…!!)

「ついに! ついに弓ではなくなった!! 余はもう一撃で倒れたりとかしなくなった!!」

「集中攻撃は除くけどね」

「普通に考えて、茨木童子さんの攻撃を受けたら無理ですから」

「アタシも普通に辛いからねぇ」

「クリティカルさえ入らなければ何とかなるでしょ?」

「そうよ。どうして私が戦う事になってるのかしら」

「そもそも、私もメディアもコストの為に置かれてるだけのはずなのよね……」

 

 ドヤ顔で胸を張るネロに、苦笑いで言うオオガミ。突っ込むマシュとドレイクは、受けた集中攻撃を思い出して嫌な顔をしていた。メディアとエウリュアレは、そもそも前線に出る事が予定外と言っている。

 

「イベント礼装もそろそろ揃ってきましたし、一回鬼ごろし級に挑んでみますか?」

「ん~……一回行ってみるかなぁ……そろそろ瓢箪も欲しいし……でもなぁ、リスクが高いんだよねぇ……」

「らしくないねぇ。アタシらのマスターなら、もっと胸を張って行くと言いな」

「ちょっと待ちなさい。そんなことを言ったら、こいつの事だから確実に行くとか言い出すわよ?」

「何か問題かい? 一度挑んで砕け散ってみるのも一興さ。せっかく無茶できる体になったんだ。やれるだけやってみようじゃないか」

「う、うぅ……えぇ、良いわよ。私も全力でやってあげるわよ……!」

「これは私も手伝わなくちゃいけない感じよね……」

「うむ!! これはもう決まったも同然だな! 行くぞ奏者(マスター)!!」

「よし! じゃあ行こうか!!」

 

 先に走っていくネロとオオガミを追いかけるマシュ達。

 鬼ごろし級に挑むのだった。

 

 

 * * *

 

 

「ぬおわぁ……流石に予想以上に強かった…!」

「両腕は倒したから瓢箪は手に入ったけど、キャスターじゃなかったら正直キツイ……」

「全体高火力がドレイク船長しかいないのも問題ですね……」

「アタシの次に高い攻撃力を持つ全体宝具サーヴァントは、ナーサリーだからねぇ……アサシンとかが出てきたら流石に無理だよ」

「だよね……今日が最初で最後かなぁ……」

「結局、鬼なかしが安定してるのよ。帰りましょう、鬼なかしに」

「そうね。エウリュアレの意見に賛成よ。こんな痛い一撃をもらうのなんか、嫌だわ」

「エウリュアレさんとメディアさんだけですから。そんなに喰らってないのは」

「余とマシュは、毎度の様に倒されておるわ」

「アタシもたまに倒されるからねぇ……」

 

 結局、体力を半分ほど削ったあたりで全滅し、帰って来たのだった。

 倒れたまま話す彼らは、中々奇妙な集団だった。

 

「はぁ……とりあえず、今日はもうキャンプ張って寝よう。明日に備えるぞ~」

「そうですね。BPもほとんどありませんし、そうしましょう」

「町の目の前でキャンプをするなんて、誰も考えないでしょうね……」

「仕方ないわよ。下手に屋内に入った方が危険なんだから」

「まぁ、よくある事さ。アタシらも、キャンプを張ってマスターが寝たら休もうじゃないか」

「そうね。さっさと済ませちゃいましょ。ネロも、いつまでもそこに寝てないで」

「うぅ~……余では力不足か……いや、この戦いが終わるまでには何とか倒せるようにする…!!」

「はいはい。じゃあ、そのためにも、早く体を休ませなさい。英霊って言ったって、無尽蔵に戦えるわけじゃないのよ」

 

 そう言うと、全員はキャンプの準備を始めるのだった。




 フレンドの力を借りて半分ですからねぇ……強いんですけど……どうやったらあれが倒せるのか、不思議でならないです。やっぱスカサハとかジャックとかカーミラさんとかがいないとダメなんですかね……
 特攻欲しいよぅ……


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アサシンとか……辛いよ…(アタシが活躍できるような所じゃないよ思うけどね?)

「アサシンとか、苦手だよ……」

「しっかりするのだ! ドレイク! そなたが倒れたら、誰が余に宝具威力アップと攻撃力アップをかけるのだ!」

「完全にドレイク船長を攻撃力上昇要員として見ていますよね、ネロさん」

「そりゃ、アサシン相手にしたらそうなるよ」

「案外、貴方も無慈悲よね」

「失礼な。俺はちゃんとアタッカーとしても運用してるから」

「そういう問題じゃないと思うのだけれど」

 

 今にも消えそうなドレイクを必死でとどめようとするネロ。それを見て呟いたマシュにオオガミは反応し、エウリュアレに突っ込まれる。

 

「ノッブもメディアも、大変ねぇ」

「ナーサリー……ハブられたからってこっちに来たらお主も傍観者毒に侵食されるぞ」

「そうよ。こっちにいてもそんなに楽しい事は無いのだから、向こうに行って混ざってくればいいじゃない」

「無理よ。結局、攻撃力が足りなくて、ドレイクの代わりは勤められなかったもの」

 

 落ち込んでいるナーサリーを見て、どうしようかと考えるノッブとメディア。

 

「そうじゃったか。いや、それは礼装が足りなかったからだって叫んでおるように見えたんじゃが」

「事実叫んでいたわよ。だから、ナーサリーもそんなに卑屈になる事は無いでしょ。礼装さえ完成すれば戦力なんだから」

「最悪、コスト問題なら部屋に籠っておるアンデルセンを引っ張ってくれば良いだけじゃしな」

「そうなのだけど……っていうか、傍観者毒ってなぁに?」

「それは……あれじゃ。こうやって見ているのがだんだん好きになってくるという奴じゃ。最悪当事者じゃなくても良いんじゃないかとか思い始めたら末期じゃからな」

「ふぅん? 難しい事は分からないわ」

「その方が良いじゃろ。さて、じゃあ、儂は見回りに行くかの」

「あ、私も一緒に行くわ。ノッブと居た方が楽しそうだもの」

 

 立ち上がったノッブについて行くナーサリー。編成に組み込まれているメディアは追いかけるわけにもいかず、見送るのだった。

 

「はぁ……それで、アタシは礼装に余裕が出来るまで戦うのかい?」

「そうだね、そうなっちゃう。なんだかんだ言って、ドレイク船長が強い事に変わりはないし」

「そうかもしれないけど、まぁ、任せな。全力でやってあげようじゃないか」

「お願い。今日は次で終わりにするけど、明日からも頼むよ」

 

 先ほどの状態から少し回復したドレイクはそう言うと、差し出されたオオガミの手に掴まり立ち上がる。

 

「それじゃあ、最後のアサシン部隊だよ。全力で叩き潰そうか」

「うむ! 余に任せよ!」

「援護は任せてください、先輩」

「ナーサリーの為さ。やってやろうじゃないか」

「明日には楽になるのでしょうし、やってあげるわ。感謝しなさい」

「あまり気は乗らないけど、出来るだけの事はするわ」

「それじゃ、全員、出撃」

 

 そう言って、彼らは再度茨木童子に挑むのだった。




 悔しい事に、ナーサリーを運用できなかった…!! 悔しい…!!
 やはり限凸礼装が無いとキツイ感じ……明日には遮那王限凸を一枚作るんだ…!!


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ヘラクレスはやっぱり最終兵器(ここは余の活躍の場ではないな)

「グオォォォォォォォォォ!!!!!!」

「つ、強すぎるであろう!?」

「ふははは!! やはりヘラクレスが最強よぉ!!」

「ひぅ……わ、私なんかがいても役に立つんですか……?」

「マシュの次に優秀な盾でしょう?」

「ううぅ……殴られるのは嫌なんですけど……出きる限り頑張りますね」

 

 両手を上げて叫ぶヘラクレスに、涙目で嘆くネロとドヤ顔で言うオオガミ。パッションリップの不安げな呟きは、エウリュアレが返答することで解決する。

 

「先輩。ドレイク船長はどうするんですか?」

「しばらく休憩! まぁ、もしかしたら次は無いかもしれないけどね!」

「そうですか。じゃあ、しばらくはこのパーティーなんですね」

「うん! 待機してもらってた皆には悪いけど、一回カルデアに帰って休んでもらうよ。ここだと、そんなに疲れも取れないだろうし」

「了解です。では、伝えてきますね」

「あ、いや、自分で行くよ。こういうのは他人に任せない方が良いだろうし」

「それもそうですね。では、私はこちらを見ておきます。皆さんが暴れないように」

「うん。任せたよ、マシュ」

「はい! 行ってらっしゃいませ、先輩!」

 

 オオガミはマシュの言葉を聞いて、ぼんやりとしている待機組の方へと向かっていった。

 

「ぐぬぬ……ヘラクレスめぇ……余の活躍の場を奪いおって……!」

「まぁ待ちなさいネロ。今でこそそんなことが言えるけど、本気で耐久戦をするときは、貴方も主戦力になるのよ?」

「な……なに……!? 余が、耐久の要だと……? こう、派手なのではないのか?」

「派手な戦いなんて、うちのマスターはあまりしないわ。今回が特別なだけよ」

「そ、そんな……」

「絶望してる場合じゃないわよ、ネロ。本当の地獄は、まだ始まってすらいないわ。だって、貴方、まだ一回も耐久をしたことがないでしょう?」

 

 まるで、ネロを慰めようとしているように見えなくもない状況。しかし、マシュはそこはかとなく違和感を覚える。

 

「そう言われれば、確かにそうであった……余は、あの魔性菩薩の時も、入れられていただけではないか……!」

「そう、戦いは始まってすらいないわ。これからどのような敵が出てくるか。主に、今回の高難易度の敵によって、誰がメイン戦力になるのかが決まるのよ……!」

「つ、つまり……そこで運良く余が活躍できる敵になれば……!」

「えぇ、そこは貴方の独壇場(ステージ)よ……!」

「そうか……余は、そもそも戦う場所が違うのだな……!!」

「えぇ、えぇ……まだ、貴女が全力を出す場所ではないわ……!!」

「なるほど……目が覚めたぞエウリュアレ! 余は、まだ本気を出す場所ではないという事だな!!」

「えぇ、そうよ…!!」

 

 そこで、ようやくマシュは気付いた。彼女の目的に。

 つまり、

 

「(エウリュアレさん……道連れを増やすつもりです……!!)」

 

 明らかに、耐久地獄への道連れを増やす作戦だった。そうすれば、上手くすれば自身が出なくても済むという考えなのだろう。

 しかし、ネロが入れられないことはあっても、エウリュアレが入れられないことは無いのではないかと思う。こう、コスト的な意味で。

 

「お待たせ。って、なんかすごいネロがやる気だね? 何かあったの?」

「えっと、エウリュアレさんが――――」

奏者(マスター)よ! 余は気付いたぞ!! 余が本当に活躍するのはこのような場ではないと! よって、余は今回の活躍の場をヘラクレスに譲ってやることにした!」

「そ、そう? それならいいんだけど……本当に何があったの?」

「なに、エウリュアレが余に教えてくれたのだ。その活躍の場はこのような所ではないと」

「エウリュアレが…?」

 

 ネロの言葉に反応してエウリュアレに目を向けると、面白いものを見る様な目でネロを見ているエウリュアレに気付いた。

 その事から、大体の状況を把握する。

 

「よし。じゃあ、ネロは次の戦いのときに活躍してもらおう。茨木童子戦はヘラクレスに任せよう」

「うむ! 余は頑張るからな!」

「その意気だ! じゃあ、今日最後の茨木童子だ! レッツゴー!」

「おー!!」

 

 元気いっぱいのネロを連れ、オオガミ達は再び茨木童子に挑むのだった。




 感想で教えてもらった編成が恐ろしく強くて、たまに削り切れないけど完全に安定して戦える……攻撃力が違かった……
 教えてくださった方、本当にありがとうございます<(_ _)>


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おにぎりが余ってるんだけど(消費してないだけです。先輩)

「しっかし、未だに終わらないねぇ……やっぱり、おにぎり食べないとかなぁ……」

「むしろ、どうしてここまで食べてないのかが気になるんですが」

「ただのおにぎりが26セット。金色のおにぎりが8セットもあるわよ…?」

「どうする? 食べるのか?」

「あの金色のおにぎり……本当に食べられるんですか……?」

「マシュの握った金色カレー味だぞ! 食えないわけないだろ! というか、食べたから!」

「た、食べたんですか……?」

 

 おにぎりを前に声を上げるオオガミ。パッションリップが驚くが、それ以前に、どうやって金色にしたのかが気になった。

 ちなみに、一人一個で一セットである。

 

奏者(マスター)。余も食べたいのだが、良いか?」

「ん~……良いか。じゃあ、食べようか」

「じゃあ、余はこれだな! いただきます!!」

「じゃあ、私はこれをもらうわ。ここ最近お菓子が食べられてないから不満だけども」

「私はこれで。でも、私が握ってないのもあるんですが、誰が作ったんでしょう?」

「一気に不安になったんですけど、本当に大丈夫なんですか? このおにぎり。あと、すいません。誰か取ってください……私だと手が大きくて取れないです」

「グオォォォォォォォォォ!!!!」

「ヘラクレス、叫ばない。っと、じゃあ、これでいいかな。はい」

「ありがとうございます、マスター」

「どういたしまして。まぁ、自分で食べられないだろうから食べさせてあげるからちょっと待ってて」

 

 パッションリップの隣に立っておにぎりを口元に運びながら、自分の分のおにぎりを食べるオオガミ。

 それを見て、ヘラクレス以外の他のサーヴァントからの視線が若干鋭くなった気がした。

 

「マスター。私が代わってあげても良いわよ? パッションリップとはあんまり話さないから、こういう機会に話すのもいいかなって思ったのだけれど」

「エウリュアレはパッションリップみたいな性格の人を見ると、遊ぼうとするでしょ。さすがにそんなことをしようとする人に任せられないでしょ」

「…………中々ひどい言われようね。私、そこまでひどいかしら……」

「自覚が無いならなおさらダメだと思うんだけど?」

「貴方……私が何言われてもあまり反応しないからって何言っても良いと思わないでよ? 普通に傷つくんだからね?」

「それなりに真面目に応対してるつもりなんだけど……」

「それでこの対応……私が何したっていうのよ……」

「そりゃ、無理やりお菓子を食べさせてくるような人に言われましても……」

「そこか……!!」

 

 そこまで言われて思い至ったのか、悩まし気に頭を抱えるエウリュアレ。

 

「先輩。私も食べさせてもらっていいですか?」

「マシュも? 別にいいけど……どうしたのさ」

「この前は先輩に食べさせてあげたので、今度は食べさせてもらいたいなぁって思いまして」

「な、なるほど……えっと、次の時でいいかな…?」

「むぅ……仕方ないです。今回はパッションリップさんに譲ります……約束ですからね?」

「りょ、了解」

 

 約束してしまった……と後悔するが、マシュの嬉しそうな顔を見て、まぁ良いかと思うオオガミ。

 

「奏者よ。余にはいつ食べさせてくれるのだ?」

「ネロ……お前もか……」

「なぜだ! そこは、動揺するところであろう!? なぜ落胆の声なのだ!?」

「いや、あの流れだったらなんとなく予想が付くというか……惜しい。すでに乗り遅れてた」

「くぅっ……! 一手遅かったということか……!」

「そういうこと。まぁ、マシュの後でなら出来るよ」

「本当か……!? なら、その時に頼むぞ!」

「はいはい。じゃあ、次の戦いも頑張ってよ?」

「うむ! 任せるがよい!!」

 

 そう言うと、ネロは嬉しそうに食べるのだった。




 なんか、ハーレム系の雰囲気が若干漂ってたぞ……?これはダメですね。次回でギャグ回をして帳尻を合わせねば……ハーレム要素は無かったことにせねばならぬのです……(話は消さない)


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余は退屈なのだが(そりゃ前線に出ないしね)

「ふぅ……何度も同じ戦いをしてると、だんだんと疲れてくるね」

「そうですね。というか、結局おにぎりは食べないんですか?」

「ん~……時間かかるからねぇ……一回の戦闘でかかる時間が違うよ」

「というか、やっぱり私たちは出ないじゃない。私としては良いけど、ネロが暴れそうよ?」

「うむ! やっぱり暇死しそうだ!! 奏者(マスター)!! 何かないのか!?」

「そんなこと言われてもねぇ……ゲフッ!」

 

 どうしたものか。と地面に座りながら考えるオオガミ。

 そんなオオガミの後ろから抱き着くネロ。

 

「ちょ、ネロさん! 何してるんですか!!」

「むぅ……さすがの余も、暇すぎたせいで疲れておるのだ。これくらい良いであろう?」

「それは……良いんでしょうか?」

「それを尋ねられても……まぁ、俺は良いんだけども」

「まぁ、マスターが良いなら良いんじゃないの?」

「そうですねぇ……別に、私たちが何か言う事でもないですし」

「ふふふ……これで余を邪魔する者はいないという事だな」

「むむむ……先輩。無理に受け入れなくてもいいんですからね?」

「うん、まぁ、次に茨木童子に突撃するまでの短い間だし、良いかなって」

 

 にやりと笑うネロに若干不満そうなマシュ。オオガミは苦笑いで答えるが、何となく嫌な予感がしてきた。

 

「むむぅ……じゃあ、先輩。私も良いですか?」

「えっ? ど、どこに来るのさ…?」

「それは……じゃあ、ここで」

 

 そう言ってマシュが座ったのは、オオガミの膝の上。

 重いとは言わないが、身長が身長なだけに、目の前がほとんど見えない。

 

「これ、どういう状況……?」

「あら、良いじゃない。ある意味英雄らしいわよ。こういうところで発揮する様なモノじゃないけど」

「エウリュアレの言葉にすごい棘がある気がするんだけど……」

「むむむ……私もちょっとだけ混ざりたいです……」

「止めなさいリップ。今あそこに突撃したら、ただじゃ済まないわよ?」

「た、確かに……二人とも、目が怖いです……」

「でしょ? だから、アレは遠くから見てるのが一番よ」

「なるほど……」

「ちょっとエウリュアレ? パッションリップをそっちに持って行かれると、俺を助ける人がいないんじゃない?」

「あら、助けてほしいの? 救助って名目で絡んでほしいだけじゃなくて?」

「違うってば。これだと、次に何時出れるのか分からないから教えてほしいんだよ。この状態のマシュは大体ポンコツ化するって皆言ってるから」

「ひ、酷い言われようです! 私は全然そんなことないですから! 変な事言わないでください!! 誰ですかそんな噂を広めているのは!!」

「エルキドゥとエリザベートがそんなことをぼそっと言ったのが始まりで、広めたのはノッブよ。めちゃくちゃ楽しそうに広めてたわ」

「あぁ、そこから来てるのか……」

「分かりました。帰ったら信長さんは叩きまくります。容赦しませんよ」

 

 酷い言われように反応して怒るマシュ。とりあえず、怒りの矛先はノッブに向くことで一時保留という事になった。

 

「あぁ、そろそろ溜まるわね。行くのかしら?」

「あ~……うん、行こうか。ってことで、離れてもらえると助かるんだけど」

「むぅ……仕方ない。ここは諦めて離れようではないか。それなりに休めたしな」

「感覚的に短い時間でした……残念です。これが終わった後にもう一回お願いします。先輩」

「ぬわ!! マシュめ……そんなことが許されると思っておるのか……!! 余もお願いしたいのだが!!」

「えぇ~……仕方ない。今日だけだよ?」

「ありがとうございます! 先輩!!」

「分かった!! よし、これで次の戦闘も乗り切れるぞ!!」

 

 異様に元気になった二人は、天高く拳を突き上げると、それぞれの武器を構えて突撃していくのだった。

 

「…………いや、ネロは戦わないでしょ?」

「エウリュアレ。それは言わない方が良いんだよ」

「……まぁ、元気になったから良しとしましょうか」

 

 エウリュアレは一度大きくため息を吐き、オオガミと共に先に向かっていったマシュ達を追いかけるのだった。




 ううむ。ネタが切れるとこっち方面の話になってしまう……もう完全に同じことの繰り返しですからね……ヘラクレス無双ですよ。宝具・バスター・バスター・エクストラで150万を削る時がありますし。
 でも、何となく対応が家族っぽい所があるんですよね……完全にマシュやネロを恋愛対象として見てねぇぞコイツ。


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高難易度に意地になる事ってるよね(だからって、令呪3画と聖晶石1個も使わないでください)

「ぬおおぉ……余は、余はもう疲れた~!!」

「何よアレ……ほぼ私たち、即死じゃない……」

「全然、遊べなかったわ……何もできなかったもの」

「先輩……どうして変なやる気を出しちゃったんですか……」

「し、仕方ないじゃない!! 呼符が欲しかったんだもん!!」

「だからって、令呪3画と聖晶石一個、使います?」

「まぁ、コンティニューは二回までなら、許容範囲……でしょ?」

 

 カルデアに帰って来るなり、休憩室のソファーに飛び込むネロ。椅子に座り、机に伏せるエウリュアレ。

 不満そうな表情でちびノッブを抱きしめるナーサリーに、オオガミに呆れた目を向けるマシュ。

 

「というか、未だに瓢箪が終わってないんだよね……」

「イベントは明日までですよ? 先輩」

「そうなんだよ……なので、まだ茨木と戦う事は確定してるわけです。ちなみに、召喚出来てたら出撃は取り消しでした」

「貴方、本当に自分の心に忠実よね……」

「仕方ない。茨木と見せかけてベオウルフを変わり身にした茨木が悪い」

「完全に八つ当たりじゃないですか」

「ちゃんと得のある八つ当たりしかしないから問題ないね!!」

「八つ当たりという行為自体が問題なのでは……?」

 

 八つ当たりの原因は本当に起こったことなので、マシュは何とも言えない表情をするが、やはりそれ自体がどうかと思うのだった。

 

「う~ん……今の話から、明日はおにぎりを食べまくて突撃し続けるのよね?」

「そうなるね」

「そう……ヘラクレスもマシュも、大変そうね」

「一番不憫なのはパッションリップさんかと……」

 

 毎度出ると同時に茨木の宝具を受けて倒れるパッションリップを思い、マシュは呟く。

 そんな話をしていると、休憩室の扉が開き、ノッブが入ってくる。

 

「おぅ。マスター達も帰ってきておったのか」

「さっき帰って来たばっかりですけどね」

「そうじゃったか。まぁ、お帰りなのじゃ」

「ただいま。ノッブは何してるの?」

「儂か? 儂はあれじゃ。ナーサリーに作った物と同じようなものを作っておるよ。まぁ、まだ図案段階なんじゃが。素材も自力調達じゃし」

「そ、そうなのか……大変なんだね。まぁ、楽しそうだからいいけどね。頑張ってね」

「うむ。というか、マスターも何か作ってみたらどうじゃ? 中々楽しいぞ?」

「いや、手の空いた時はやってるけども、皆みたいにそんなに時間取れないんだよね」

「むぅ……なら仕方あるまい。諦めるとするか」

 

 ちょっと残念そうな顔でノッブは言い、そのままエウリュアレの隣に座る。もはや定位置だった。

 

「さて、と。明日は瓢箪を集めないといけないから、早めに寝るかな」

「む? まだ終わっておらんのか?」

「うん。というか、これからが本番?」

「なんじゃそれ……中々の苦行じゃな……」

「瓢箪自体は全然集まってないからね……明日一日使って終わるかどうか……」

「まぁ、その、なんじゃ。頑張るが良い。お休みじゃ」

「うん、お休み。また明日ね」

 

 その場にいる皆は、それぞれオオガミに挨拶し、オオガミはそれに返答した後、部屋を出て行くのだった。




 コンティニューは二回までは許容範囲だと思うのです。それ以上は流石に不味いと思うのです。まぁ、聖晶石使った時点でかなり不味いんですけどね。
 本当、何時になったら茨木ちゃんは出て来てくれるんです…? ストーリーガチャでも出るって知ったから、ちょっと心は軽くなったけど、それはそれ、これはこれ。なんですよ……


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集まらない瓢箪(概念礼装が足りないというのか…!!)

「お、終わらぬ……!!」

「今日が最終日ですよ……どうするんですか?」

「どうするも何も、気合で乗り切るしかないでしょ……」

「完全に気合でどうにかなる領域を超えてるわよ」

「辛い……戦いです」

「グオォォォォォォォォォ!!!!」

 

 おにぎりを食べながらそんな会話をするオオガミ達。

 すでにヘラクレスを除き、へとへとの全員。瓢箪の集まりはあまり良くなく、周回もそれほど捗ってはいなかった。

 

「うぅむ……どうしたものか……」

「大丈夫! おにぎりはまだあるからね!!」

「先輩。死んでる目で言われたら大丈夫と言う感じがしないんですが」

「中々、ギリギリの戦いよね……」

「時間が迫ってますしね。大丈夫なんでしょうか……」

「ここ最近にしては珍しいギリギリよね……ここ最近は結構余裕をもって集め終わっていたのに」

「SE.RA.PHの事を言ってたりする?」

「えぇ、まぁ。最近のイベントだと、それよね」

「う~ん……あれは、単に開催期間が長かったから余裕持ってただけだからね。それ以外だと結構辛いよ?」

「そうかしら……? 今までの感じだと、ここまでアイテムが交換出来てなくて切羽詰まったのはあまり無かったと思うんだけど」

「そうだっけ? 結構ギリギリの奴、あったと思うんだけど。むしろアイテムを最後まで採り切れなかったのとかも」

「そう言われれば確かにそうね……でもまぁ、最近にしては珍しい事に変わりはないわ」

「余裕あったのはSE.RA.PHだけだと思うんだけど……まぁ、良いか」

 

 そう呟くと、オオガミは残りのおにぎりを口の中に放り込み、立ち上がる。

 

「さてと。まぁ、最後まで採り尽すのは無理だとしても、出来る限りの事はしようじゃないか。ガンガン行こうぜって感じで」

「はぁ……まぁ、貴方が諦めないことなんて、分かり切っていた事よ。手早く終わらせましょ」

「そうですね。諦めるなんて、私達らしくないです。全力で行きましょう」

「うむ。余もここで諦めるとか、許せんからな。ゆくぞ奏者(マスター)!! 余達の戦いはこれからだ!!」

「すごい打ち切りフラグが建ったんだけど。ちょっと待とうよ。そのセリフは禁句だと思う」

「大丈夫ですよ、先輩。何とかなりますって」

「マシュまで悪乗りしなくていいからね? むしろ、乗られるとクリアできない可能性が上がるんだけど?」

「まぁ、頑張りなさい。マスター」

「え、えぇ~……」

 

 フラグを建てまくるネロをマシュに頬を引きつらせるオオガミに天使に見える悪魔のような微笑みを向け、エウリュアレは先に行く。

 

「うぅむ。不安があるけど、とりあえず、また回ろうか」

「うむ!! 任せるが良い!!」

 

 ネロの威勢の良い返事と共に、彼らは再度茨木童子に挑むのだった。




 これを書いてる途中で、概念礼装目当てにガチャ引いたら唐突な茨木童子。一瞬書き直すかと考えて踏みとどまった自分を褒めてやりたい……
 酒呑童子? 来ないって思っているので期待してません(血涙


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日常
吾、あんま歓迎されてない?(そりゃあれだけ暴れてたらそういう雰囲気にもなると思う)


「吾が来てやったぞ」

 

 この言葉は、休憩室の空気を張り詰めさせる。

 妙な威圧感と共に入ってくる茨木童子。今回のイベントで大暴れした本人である。警戒しないわけがない。

 しかし、

 

「のぅエウリュアレ。それはなんじゃ?」

「チーズケーキよ。貴女も食べる?」

「そうじゃなぁ……ネロはどうする?」

「もちろん、余も貰うぞ」

「あ、あの……茨木童子さん、来てますよ?」

「んあ? いや、あやつの担当、儂じゃないし」

「そうよそうよ。ああいうのはノッブで間に合ってるわ」

「うむ。鬼はエルキドゥと土方で間に合っておる」

 

 マイペースなノッブとエウリュアレ、ネロの前では特に意味をなしていなかった。

 さしもの鬼も、このカルデアにおいて、エルキドゥと土方の前には霞んで見えるらしい。

 そして、そんな会話に頬を引きつらせる茨木童子。若干怒りよりも先に涙が出かけたのは秘密だ。

 

「吾を無視するとは、中々度胸があるな……」

 

 そう言って、茨木童子が手を上げた時だった。

 

「茨木童子。これ以上暴れるなら、縛り上げるよ?」

「なんだぁ? このガキは。休憩室で暴れるとはマナーがなってねぇな。叩き潰すぞ」

 

 背後から放たれた威圧感に、思わず硬直する茨木童子。

 当然、背後にいるのはエルキドゥと土方である。

 

「うむうむ。やってしまえ、エルキドゥ」

「散々余を倒しまくったからな。そろそろ報いを受けても良いだろ」

「正直、それを言っていいのはほとんど攻撃せずに前線に出た瞬間に宝具を受けて退場したリップだけだと思うのだけど」

「私はその、そこまで怒ってませんし……」

「優しいのね。まぁ、本当に優しいのかは置いておくけど」

 

 エウリュアレは、皿の上にあったチーズケーキを食べ終えると、新たなお菓子を探しに行ってしまう。

 どうすれば良いのか分からなくなってきた茨木童子は、とりあえず道を開け、エルキドゥと土方を通す。

 それを見たノッブはため息を吐くと、

 

「ほれ、こっちに来ると良い。そんなところにおっては、話も出来んだろう」

「……良いのか?」

「良いも何も、来いって言っとるんじゃが……」

 

 茨木童子は少し悩んだのち、ノッブの隣の席に座る。

 

「まぁ、なんじゃ。さっきのは流石に儂もビビるわ」

「なんじゃアレ……人の威圧感じゃないぞ……」

「片方は神の兵器。もう片方は鬼の副長じゃしの……」

「流石の鬼も、やはり気圧されるのだな……恐ろしい……」

「本当にやばいわよね、あの二人。ほら、これでも食べて落ち着きなさい」

「むぐっ!? …………んくっ。これはなんじゃ?」

「水まんじゅう。口の中に押し込みやすそうなのを取って来たわ」

「完全に食べさせる気満々ですね、エウリュアレさん」

「まぁ、今回のはワザとなんじゃろうけど、やっぱり持ってき過ぎじゃろ」

「うるさいわねぇ……最後はマスターが全部食べるんだから良いのよ」

「どこに良い要素があるんじゃ。却下に決まっておろう。儂らで喰うぞ」

「吾も食うぞ」

「余も貰おう。皆で食べるというのも、そう悪いものではないしな」

 

 いつもの如く山の様に取ってきたエウリュアレの水まんじゅうを食べながら、彼女らは笑う。

 茨木童子を静かにさせるためだけにわざわざ威圧したエルキドゥと土方も、この様子を見てほっとした表情をしていた。

 その後、しばらく彼女らは楽しく談笑しているのだった。




 安定のノッブとエウリュアレとゆかいな仲間たち。エルキドゥと土方さんのコンビも安定してきた感じですね。我がカルデアの風紀委員は彼らに決まりですよ。
 しかし、茨木のキャラはこれでいいのか……完全に出落ちなんですけど。不憫担当なんですかね?


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吾は洋菓子が食いたいのだ!!(私が茨木にお菓子を食べさせる邪魔をするのなら、ノッブでも容赦しないわ)

「のぅエウリュアレ!! これは何ぞ!?」

「シフォンケーキよ。食べてみる?」

「うむ! 吾は食べてみたい!」

「なら、これも乗せちゃいましょ。大丈夫。残ったらノッブやマスターに押し付ければいいのよ」

「なるほど……」

「何変なこと教え込んどるんじゃ、この駄女神」

 

 本日のお菓子を取っていると、背後から殴られるエウリュアレ。

 振り向きながら睨むと、そこにいたのはノッブ。当然の如く、若干怒っている。

 

「何よ。私は変な事言ってないつもりなんだけど」

「あからさまにおかしいじゃろ。何儂らの事を余り物を食べる奴ら扱いしとるんじゃ。お主はいい加減自分が周りに与えとる迷惑を考えろ」

「考えてるわよ。マスターや貴女が凄い苦笑いするじゃない」

「山じゃし!! あれ、山じゃし!! そりゃ苦笑いするじゃろ!!」

「みんなで食べるならあれくらい必要でしょ?」

「アレは多すぎじゃって……つか、たまにどうやって乗せとるのか疑問に思うのもあるんじゃが」

「それは、あれよ。気合」

「随分とまぁ適当なんじゃな……まぁ、良いんじゃが」

 

 反省の色が全く見えないエウリュアレに頬を引きつらせるノッブ。

 

「おいノッブ。吾は早くあれを食べたいのだ。退くが良い」

「む。茨木よ。次同じことを言ったらエルキドゥ送りの刑じゃぞ」

「何それ怖い。止めてくれ」

「気弱すぎるでしょ。というか、結局ノッブは何しに来たのよ」

「明らかに不穏な事をお主が茨木に吹き込んでおったからじゃろ。変なことを吹き込まずに普通に戻って来れんのか」

「やぁよ。明らかに茨木は私みたいな感じだもの。ちょっと気弱だけど、それはしばらくすれば慣れるわよ」

「茨木がここに慣れるのはいいんじゃが、お主と一緒にするのは絶対不味いじゃろ……」

 

 茨木の性格が酷い事になりそうだ。という意味を込めてノッブが言う。

 すると、

 

「甘味は何時になったら食べれるのだ……」

「……ノッブ。さっさと退いて。私はこれをさっさと茨木に食べさせるのよ」

「そうじゃな。儂も行くぞ」

 

 しゅん……とした表情をした茨木を見て、二人は机に向かい、茨木を座らせる。

 何となく、子供に甘い感じがする二人だった。

 

「それで、何を選んできたのだ?」

「今日は洋菓子中心よ。茨木のリクエストだからね」

「今更なのだが、本当に吾が食べても良いのか? 毒とか入ってたりしないだろうな?」

「しないわよ。というか、なんでそんな発想が出てくるのよ」

「あ~……茨木の逸話の一部にあったような……あれじゃ。確か酒呑童子と一緒に神便鬼毒酒を飲まされて一人だけ逃げきれた……んじゃったと思う」

「名前からして、毒みたいね。まぁ、そんなモノは無いから安心しなさいな。昨日だって大丈夫だったでしょ?」

「そ、そうか……? なら、食べるぞ。ほ、本当に食べるからな!」

「えぇ、どうぞ。早く食べないと口の中に入れるわよ?」

「それは昨日で懲りた。だから大丈夫だ。だからその右手に持ったものを置いてくれ……!!」

 

 ニコニコと笑いながらマカロンを口の中に突っ込もうとしているエウリュアレを全力で拒否し、そのまま先ほど取ってきたシフォンケーキを口の中にいれる。

 

「んんっ!! おいしいぞ! むぐむぐ。これはしばらく食べていたいな!」

「えぇ、えぇ。好きなだけ食べていいのよ」

「なんというか、本当に幸せそうに食べるのぅ……」

「見てて楽しいわね。さて、私も食べましょうか」

「やっぱり自分の分も取ってきておったんじゃな」

「当たり前じゃない。見てるだけだと、羨ましくなっちゃうでしょ」

「それもそうじゃな……どうせ残すんじゃろ。儂も貰うぞ」

「えぇ、構わないわよ」

 

 幸せそうな茨木を見つつ、二人は別に取ってきたお菓子を食べるのだった。




 あれ……? エウリュアレとノッブ……まるでふうhげふんげふん。何でもないです。
 完全に茨木が子供ですね。キャラ崩壊してる気がする。


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やっと、レベル上限に達したぞー!!(このカルデアも、着々と戦闘力が上がって来たな……)

「やっと……余のレベルが上限に達したな!」

「おー。ようやくか」

「私のレベルは何時止まるのかしら……」

「私はまだ上限に達してませんからね……71ですし」

「吾、まだ始まったばっかりだから分からんのだが」

「私達にしてみれば、皆さんの成長速度が羨ましいですよ……」

 

 とても嬉しそうな顔をしているネロに、ついにそこまで来たのかという表情を向けるノッブに、未だ止まることを知らない自分のレベル上限に頭を抱えるエウリュアレ。

 パッションリップは羨望の目を向け、茨木はよく分かっていないと物語る表情でバームクーヘンを食べている。

 マシュとしては、ちゃんと育てられている全員に羨ましそうな目を向ける。

 

「なんじゃ。マシュは最初からいたじゃろ? 何が羨ましいんじゃ?」

「えっとですねぇ……今でこそ、マスターは種火を使っていますが、アメリカ中盤までは全員レベル1だったんですよね……」

「…………あぁ、そう言えば、そんな時もあったわねぇ……あのときは私は戦力ですらなかったのだけど」

「エウリュアレさんはキャメロットからですもんね。ちょうど種火の重要性に気づいた頃だったと思います」

「そこら辺はエリザベートとエルキドゥの方が詳しいわよ。ヘラクレスもずっといたけど、話が出来ないから除外するわ」

「ナーサリーさんはロンドン後ですからあまりあまり体験してませんしね。デオンさんやドレイク船長も知ってますよ」

「……まぁ、なんじゃ。このカルデアの暗黒時代って奴じゃな。触れない方がいい奴じゃ」

「そうですね。聞かないのが一番です」

 

 思い出しつつ、その頃の辛さに遠くを眺める目になるマシュ。

 敵が強くなるのに、一向に強くなれない自分達。差は開く一方だったあの頃が懐かしいが、正直戻りたいとは思わないのだった。

 

「それで、今日は何をするのだ?」

「そうじゃな……ネロ。何かあるか?」

「そうだな……余はあれがいいな。ゲーム。この前の対戦のリベンジをしたい!」

「げーむ? なんだそれは?」

「まぁ、やってみれば分かるわよ。とりあえず果敢に挑むところから始めましょう」

「ノッブさん、異様に強いですからね……超必殺をカウンターしてきた上で超必殺を畳み掛けてくるとか、回避出来ませんよ…」

「儂、説明書読んだだけじゃし……やってれば慣れるじゃろ?」

「ぐぬぬ……しかし、余はあれから練習したのだ! 負けるわけにはいかぬ!」

「どうしてそんなにやる気なんじゃ……まぁ、受けて立つんじゃけどね!!」

 

 そう言うと、二人はテレビの前に向かい、セッティングを始める。

 

「吾もやってみようかな……」

「やっていいのよ? まぁ、勝てる保証はないけど」

「ふん。負けても泣いたりせんわ」

「そう? それならいいのだけれど。ほら、準備が終わったらしいわよ」

 

 完全に慣れ切った手つきで作業をする二人は、瞬く間に終わらせ、始める。

 内容は、時たまリアルファイトに発展すると言われる二人対戦ゲームだった。

 そこに乗り込んでいった茨木童子の運命やいかに。




 なお、数時間後に茨木はノッブを泣き落としにかかる模様。


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何時ぶりかのBBちゃんのターン!!(お主のターンはまだ来ないから)

『BB~~~チャンネル~~~!!!』

 

 突然響く声。いつの間にかテレビが占領されており、そこには不適の笑みを浮かべたBBが映っていた。

 それを見たノッブは、緑茶を飲み、

 

「おぅおぅ。中々無謀なことをしでかしたな、BB」

『ふっふっふ。そんな余裕の表情をしていていいんですかぁ? BBちゃん、本気出しちゃいますよぉ?』

「いやぁ……儂としては愉快じゃから問題無しなんじゃが、このカルデアにいる治安部隊舐めとらんか?」

『えっ。いや、あれです。さすがにあの二人もここまではこれないはずですし、大丈夫ですよ』

「神造兵器と誠の一文字を舐めてかかると痛い目見るぞ? 儂の経験談じゃ」

『いやいや……流石に無いです無いです。ここまで攻め込まれたらBBちゃん全力で困っちゃいますし』

 

 そんな時だった。おそらくテレビの中から、何かを破壊する音が響く。

 

『見つけました!! エルキドゥさん! 土方さん!! やっちゃってください!!』

『全く、ここには問題児しかいないね』

『おぅ。任せておけ』

『え、ちょっと待ってください! スタジオに無断で乗り込んで来ちゃダメですってば!! というか、どうやってここを見つけ出したんですか!!』

『極秘事項です!!』

「…………まぁ、ここにやってきた時点で、回避の出来ない運命よな」

 

 画面内で土方に取り押さえられ、エルキドゥの鎖によって拘束されたBBを見つつ、ノッブは呟いた。

 

「ふふふ。あの子、中々面白いわよね」

「明らかに無謀じゃけどな。もう少し防御を固めるべきじゃったな」

「それでもエルキドゥの探知能力は常軌を逸してるけどね」

「というか、なんでマシュさんも……?」

「後輩枠を奪おうとした罪から、たぶん何かする度に見つけ出されて叩かれる運命なんじゃよ」

「あぁ、なるほど。被るのは良くないですもんね」

「そうね。っていうか、何をするためにわざわざこんなことをしたのかしら」

「それもそうなんじゃけど……儂はそれ以上に背後が怖くて振り返りたくない」

「…………地獄のライブは近づいてきてるから覚悟を決めないとね……」

 

 そもそも、ノッブたちが珍しくテレビに向いていた理由のほとんどはそこにあった。

 背後であーでもないこーでもないと言い合っているのはネロとエリザベート。曰く、ライブをするのだそうだ。それのセッティング中とのことで、やる事も無いので何かしようとテレビをつけた瞬間の出来事なのだった。

 と、そんなことを話していると、どうやら一段落したようだった。BBは拘束を解かれ、厳重注意を受けて、さも何もなかったかのようにやり直すらしい。

 

『さて、ノッブさん。私は貴方達が何か面白そうな物を作っている間、ずっとゲームを作っていたのです!!』

「いや、あの時の乗り物作りに混ざりたかったのならそういえばいいじゃろ……手は足りなかったんじゃし」

「そうなの? 結構間に合ってたように見えたけど」

「まぁ、BBなら手伝ってもらった方が得が多いはずじゃからな」

「なるほどね」

『何ですかそれ! 私、結構やることなくて持て余してたんですが! って、違う違う。私はそんなことを言うためにこんなことしたんじゃありません。とにかく! 貴女には私と戦って貰います!! なんか最近、めっちゃ強いって言われてるっぽいですし!!』

「買い被り過ぎじゃろ。ってか、今更思ったんじゃが、なんで会話出来てるんじゃ?」

『それはあれです。アレがあれで、こうなって通じてる感じです』

「……もしや、うちのBBはポンコツなのか?」

「吾は今日始めて見たから知らんぞ」

「むしろ、ここに来たサーヴァントでポンコツじゃないのなんて、少ないんじゃない?」

『ひどくないですか!? 私、ポンコツじゃないですから!! 素敵可愛い後輩系デビルヒロインですから!!』

「そんなこと言って、開幕マシュとエルキドゥと土方に捕縛された子に言われても説得無いんだけど……」

「エウリュアレだって、お菓子食べてるだけじゃしな」

「そうだぞ。吾の方がマシじゃ」

「お主が一番ひどいわ」

「ひぅっ!?」

 

 未だにゲームの内容は明かされない。というか、もうなんとなくうやむやにしたい様に思えてきた。主にノッブたちが。

 

『むぅ……今からそっちに行きますから、待っててくださいね!?』

「お、ようやく来るか。なら、あやつらのライブの生け贄が増えそうじゃな」

「言い方が中々悪いわよねぇ……」

「吾は逃げるぞ。探すでない」

「逃がさないわよ?」

「い、いやじゃあああぁぁぁ!!!」

 

 ついに増える最恐コンビのライブの生け贄ににやりと笑うノッブ。逃げ出そうとした茨木はエウリュアレに捕まり、逃げる事は許されないのだった。

 その後、その休憩室には無数の屍が転がっていたらしい。




 ドストレートにうちのカルデアの真実を解明するエウリュアレ。我がカルデアにポンコツ以外がいると何時から錯覚していた……?(エルキドゥと土方は除く)


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これ、メイン戦力って儂らしかいないくね?(そこに気付くとは……じゃあ、ノッブは前線送りで)

「わははははは!! 儂の天下じゃああ!!!」

「茶々の天下だああああああああ!!!」

「吾、帰りたいのだが」

「そもそも、まだ仮編成だよ。まぁ、特攻サーヴァントだけ見るとこうなるんだけどね」

「主殿!! 本当に戦ってよいのですか!?」

「ふん……俺は出れねぇみたいだなぁ……」

「コスト的な問題だからねぇ……」

 

 概念礼装をまだ入れていないが、何となく、ダメな感じがするので、今回も土方さんは留守番となる。

 ちなみに、今回の編成は次回のイベントの為の編成で、礼装自体はイベントが始まってから考える感じだ。

 

「何時になったら戦えるんだかな……トレーニングルームは、そろそろ飽いてきた」

「まぁ、こっちとしても、早く土方さんを使いたいんだけどね……レベルの問題が一番デカいかな……」

「そこは仕方ねぇ。ここのルールに従うさ。精々、頑張ってくれや」

「うん。次までにはなんとかするよ」

「あぁ、任せた」

 

 そう言うと、土方は去っていく。

 

「なんじゃ……新撰組は出ないのか」

「茶々もビックリ。連れていくと思ってた」

「いや、だから、コスト上仕方ないし、戦力的な意味でも、茨木とレベルあんまり変わらないし、むしろ茨木を優先しちゃってるし」

「完全に贔屓じゃな」

「何々? 弱みでも握られてるの?」

「吾はそんなことせんわ。というか、もうお菓子を食べられればそれでいいのだが。だって、次のイベント、敵が鬼だし……」

「俺としては普通に土方さんよりも茨木を育てたいだけというか……レベルを90までするのに時間がかかり過ぎるというか……むしろ、茨木達後衛を戦わせる気は無いというか……」

 

 完全にノッブ達重労働発言。一体、どれだけ戦わせるつもりなのだろうか。

 

「なんじゃそれ! 完全に儂らをひたすら戦わすつもりじゃろ!!」

「茶々、まさかの種火だけじゃなくこっちでも過労死枠の可能性!!」

「主殿!! それ、私が暴れられないって事ですか!?」

「何も包まずに直接言ってくるね!? せめてそこは戦うって言わない!?」

「あまり変わらないと思います!! で、無理なのですか!?」

「可能性の話だから!! 最悪、突破されることもあるから!!」

「なら……それを静かに祈るしかないという事ですね……」

「本人を前に堂々と言いおるな、こやつ……」

「伯母上、やっちゃおうよ。今なら倒せるって」

「えっ。戦ってくれるのでありますか? なら、遠慮なく行きますよ?」

「三人とも、何アホなこと言ってるのさ。どうせこれから戦う事になるってのに……」

「何を言っておるか。準備運動は重要じゃろ?」

「そうですよ。でないと、後々後悔することになりますよ?」

「…………あぁ、その域になって準備運動なのね……うん。トレーニングルーム行くよ?」

「吾はエウリュアレの所に行って良いか?」

「えっと、うん。まぁ、まだ時間はあるからいいよ。行ってらっしゃい」

「うむ! 行ってくる!!」

 

 今にも暴れそうな三人を後ろに、マスターは茨木を見送るのだった。




 あれ……うしわっかって、もともとこんなバーサーカーだったよね…? ライダーだけど。
 そして、安定のポンコツ可愛い茨木ちゃん。土方さんより優先なのは当然ですねっ!


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天魔御伽草子鬼ヶ島
また私がメイン戦力…(いい加減、儂も戦力入りしたいんじゃが)


「私……また、ここにいるわね……」

「安定の、儂はオマケじゃな……」

「仕方ないよ。攻撃力はどうしようもないし」

「上昇率……あってないようなもんじゃろ」

 

 鬼ヶ島第一の門。そこが今回の舞台だった。

 投げやりになってるノッブ。それとは対照的に、死んだ魚の様な目で呟くエウリュアレ。

 ボスが男性特性を持っている。全ての原因はそこにあるのだった。

 

「残酷よね……どうあがいても呼び出されるんだから……」

「大体のイベント、フル出場だよね」

「儂とは正反対じゃの。つか、儂ってまともにイベントに参加して無くね?」

「性能の違いって、ハッキリ出るよね。というか、そもそも敵が単体で出てくる方が多いよね」

「うん、まぁ、そういうことなんじゃろうなって思ってたが、ハッキリ言わんでも良かったと思う。もうちょっと言い訳しても良かったんじゃないか?」

「嘘は出来るだけつかない感じで!」

「だからと言って、フォローしない理由にならんじゃろ……」

 

 若干泣きそうなノッブ。それもまぁ、仕方ない。ようやく活躍できると思えば、当然の如くあまり使えない子認定され、代わりに出てきたエウリュアレが全てを屠っていくという状況だった。

 だが、エウリュアレは再び前線に出てきた時点で、最初から苦い顔をしていた。

 

「私……いつになったらイベントで休めるのかしら?」

「休めないじゃろ」

「休めないね」

「ノッブどころかマスターが否定してきたわ。これはあれね。俗にいう、ブラックってやつね」

「そうじゃな。まぁ、一部の奴等だけじゃろうけど」

「ねぇ……それさ、俺が休みを入れないって思われてる……?」

「……それもそうね。マスターが休んでる時は休むものね。よし、じゃあ、後で膝を貸しなさい」

「え、何するの?」

「その時になったら言うわ。ほら、早く今日の分を終わらせてきましょうよ」

「えぇ……めっちゃ不安だけど……まぁ、エウリュアレだし、大丈夫だよね」

 

 一体何をされるのか不安に思うオオガミ。しかし、先に進んでいくエウリュアレを無視するわけにもいかず、追いかける。

 

「いやぁ……儂、やっぱ場面が限られるのぅ……まぁ、へこたれておっても仕方ないか。完全に使われないわけじゃないしの。一応雑魚を倒すときだけは儂と茶々のターンじゃし、今はそれに甘んじるとするか」

 

 ノッブはそう呟いて、先に進む二人を追いかける。

 ちなみに、バーサクライダー牛若丸は、クイックが半減しているためお留守番となっているのだった。




 えっと、はい。エウリュアレが安定の強さでした。強化無し宝具で10万超えるんですね……礼装をつけたらどうなる事か……


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アーツ耐性?関係ないわ。女神の視線で一撃よ!!(儂の出る幕が無いんじゃが)

「……難しいわね」

「アーツ宝具対策してるセイバーとは……中々やるのぅ」

「信長さん。結構シャレになってません。これ、結構辛いんですよ?」

「余とノッブが戦うような場面にならんから、仕方なかろう」

「グオオオォォォォォ!!!」

「うん、いつもの特攻なんざ知らねぇ。全力で殴り倒すぞ編成だね」

「「マスターが言うか!?」」

 

 さも他人事のように見ているオオガミ。もちろん、こんな編成にしたのはオオガミなわけで、そんなことを言われるのも当然だった。

 

「というか、想像以上に攻撃力が出るんだけど……豆って怖いわね」

「そうですね……子鬼や邪鬼がアーツで一撃ですもんね……流石に私はそこまで出せませんが」

「その威力、儂も出せるのならいいんじゃが」

「ん~……というか、もしかしたら今回はノッブを出しても良かったんじゃ……?」

「なん……じゃと……?」

「ちょっと。それならなんで私がずっといたのよ」

「そりゃ、エウリュアレが男性相手に最強なうえ、相手がセイバーだからじゃない? たぶん、それは変わらないと思う」

「あ、うん。これは儂は出れないな。全体でバスターじゃし、NP全然溜まらんし」

「ちょっと、ノッブ。何諦めてるのよ。貴女が諦めたら私のお菓子タイムはどこに行っちゃうのよ」

「おい待てエウリュアレ。まさかお主、そのためだけに儂を戦わせるつもりじゃったのか?」

「当然。私は自由であるべきよ。この状況自体が異常じゃない」

「うむ。いつもの光景だな。少なくとも余はそう思うぞ」

「儂も同じじゃ。つか、お主はもう敵が女性だろうが関係ないじゃろ。セイバーか男性なら全部エウリュアレじゃろ」

「そんな訳……無いじゃない?」

 

 冷静に思い返し、確かに敵がどんなだろうが、大抵編成に組み込まれていることがあるという事に思い至り、完全に否定できないエウリュアレ。

 オオガミも、何とも言えない表情になっている。最近はマシュ並みの参戦率である。

 

「あ、そうだよ。エウリュアレ。今回の回復アイテムはきびだんごだよ」

「よし、じゃあ頑張りましょう。もうどんどん行きましょう。回復アイテムを無くす勢いで行きましょう」

「すごい手のひら返しじゃ……これが女神という奴か……」

「ノッブが言う事ではないな。奏者(マスター)!! もちろん余の分もあるのだろうな!?」

「このきびだんご……誰が作ってくださったんでしょうかね……今回は私じゃないんですが……物語的にはおばあさんですよね。誰なんでしょうか……」

「そんなこと今は関係ないわ。回復アイテムってことは美味しいことが確定してるの。あの金ぴかリンゴとかも、見た目に反して中々の絶品なんだから。さぁ、行くわよ皆!!」

「「「おーー!!」」」

「完全にエウリュアレが仕切っておる……鬼退治が終わった後が不安じゃな……」

 

 きびだんごが切れたとき、果たして女神はどうなってしまうのか。その時は女神が暴れまわることを願い、ノッブは恐ろしい速度で敵に突撃していくエウリュアレ達を追うのだった。




 きびだんごで釣れる女神……それでいいのかエウリュアレ。まぁ、もはや安定なんですが。


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ついに百万超えの宝具攻撃を見る事になるとは……(やっぱりエウリュアレは最高の女神だよっ!)

「はぁ……自分でやったことだけど、中々酷いわね……」

「ついにうちのカルデアにも百万越えが出たか……まさか最初に叩き出すのがエウリュアレとは思わなんだ」

「この時を予期してエウリュアレさんを育ててたんですね! さすがです、先輩!」

「いやいやいや。さすがに考えてなかったって。想定外の状況だよ」

「むしろ、そこまで考えていたら余も驚きなのだが」

 

 想像以上の高火力に驚くエウリュアレとノッブ。そして、それをさも計算付くでやったのかと目を輝かせるマシュに突っ込むオオガミ。そして、その攻撃力で容赦なく青鬼を葬っていくオオガミに感心するネロ。

 

「しかし、今回は珍しくアイテム使っておるのぅ……」

「美味しいじゃない。きびだんご。それを食べられるんだから、問題は何もないわ」

「きびだんごも茶も抱えて言われたら、説得力ありすぎじゃ」

「一仕事の後のきびだんごと叔母上の茶は美味いな! マスター! 茶々は別にこれで構わないよ!」

「うむ。確かに、きびだんごとノッブの茶は最高の組み合わせだな!」

「わざわざカルデアまで取りに戻ったんじゃ。当然じゃろ。むしろこれでブーイングが来たら迷わず撃っとるわ」

「ほらほら、そんな怒らないの。これでも食べなさいな」

「むごぁ!?」

 

 突然口の中にきびだんごを突っ込まれたノッブは、しばらくのたうち回った後、茶を一気に飲み干し、復活する。

 

「エウリュアレ!! 今の、下手したら儂死んでたじゃろ!!」

「やぁねぇ。ノッブが死ぬわけないじゃない」

「儂どういう風に見られてるんじゃ!? 軽く人外判定されてない!? 儂、一応気道潰されたら流石に死にかけるからな!?」

「あら以外。そのくらいで死にそうにないのだけど」

「一体儂はお主に取ってどんな化け物なんじゃ!?」

 

 窒息しても死なないとは、これいかに。さすがの英霊も辛いのではないだろうか。世の偉人の中でも、そんな死に方をした者がいてもおかしくは無い。

 

「まぁまぁ、ノッブよ。ほれ、茶でも飲んで落ち着くが良いぞ」

「うむ、まぁ、儂が点てた茶じゃけどな? ありがたく貰うぞ」

「ふふふ。なんだかんだ言って、ノッブも楽しんでるわよね」

「現状遊んでるだけじゃけどね」

「そりゃ、私たち、やられないもの。まぁ、たまにマシュが倒れちゃうけど」

「その……すいません。防御力が足りない時があって」

「別に、貴女が謝る事は無いわ。どちらかと言うと、管理しきれてないマスターの原因でしょ?」

「うぐっ……頑張ってはいるんだけど、やっぱり間に合わない時はあるんだよ……」

「まぁ、イジメたいわけじゃないし、これ以上は何も言わないわ。頑張りなさいな」

「うん、まぁ、出来る事は全力でやるよ。さて、じゃあ、そろそろ行こうか。ノッブ、出番だ。アーツ豆狩りだよ」

「おっと。儂のターンか。ということは、茶々もじゃな」

「頑張るぞー!!」

 

 そう言うと、三人は立ち上がり塔へと向かうのだった。

 

「っていうか、敵にランサーが多いから、伯母上は辛いんじゃ?」

「攻撃力アップ礼装実装系のイベントだと、クラス相性はそんなに関係ないんだよ。大体ゴリ押せるからね。まぁ、ダメージがデカい事には変わらないんだけど」

「なるほど。じゃあ、大丈夫なのか」

「分かっててやっとったんじゃな。さすがマスター。後で本能寺の中にご案内してやるぞ」

 

 完全にマスターを焼き討ちする気満々のノッブだった。




 もう、エウリュアレをメイン火力に添えて、周りで攻撃力上げて敵の防御力下げてで勝てるんじゃ……おかげでアーツ豆が枯渇しそう……


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儂のターン来たーーー!!(いつまでも あると思うな 出番の日 byノッブ)

「わはははははははははは!!! 儂の天下じゃああああああああああ!!!」

「叔母上暴走しすぎ」

「ノッブ……楽しそうね」

「そうですね。久し振りの晴れ舞台ですし」

「バスター豆も残っているから、しばらくはノッブの舞台だな」

「4連続大ボスエウリュアレ大戦争にならなかったね。流石に女性相手じゃ分が悪いし」

 

 ノッブの暴走を見て冷静に突っ込む茶々と、楽しそうに見守るエウリュアレ。マシュはその暴れっぷりに納得し、しばらく続くであろうノッブ無双を予期して自分が暴れられないという気持ちを隠しもしないネロ。

 なお、皆の反応を見ながら一人頷いているオオガミは、敵の編成によってはエウリュアレを組み込むつもりだったということは秘密にしておくのだった。

 

「けど……あまり威力は無いみたいね」

「エウリュアレさんみたいに皆が出せるわけじゃないですから。むしろ、あれくらいが普通ですよ」

「そう……ノッブならもう少し出ると思ってたのだけど」

「余もエウリュアレと同じくらい出したいのだが……流石に自信が無いからな……まぁ、一度挑戦はしてみたいが」

「そうだね。一回色々と試してみようか。明日も生き残ってるだろうし、その時でいいかな?」

「うむ!! 余は一向に構わんぞ!!」

「ちゃ、茶々はやらなくていいよね?」

「強制参加ではないから大丈夫。やりたい一部と入れたい一部だけだから」

「ちょっと待ちなさい。それ、遠回しに私を入れるつもりよね?」

「チョットナンノコトカワカラナイナ」

「露骨すぎます。先輩」

「まぁ、余は最初から分かっていたがな。明らかに、奏者(マスター)はエウリュアレを編成から抜こうとせんし」

「確かにそうですよね。エウリュアレさん、何があっても絶対いますもんね」

「そうじゃよなぁ……儂もそれくらい居たいものじゃ」

「ノッブ……帰ってきて早々、何アホなこと言ってるのよ」

「皆の心の叫びじゃと思うけどな」

 

 散々暴れまわり、疲れたのか帰って来たノッブ。その時の言葉にエウリュアレは突っ込みつつ、きびだんごを投げつける。

 それを咄嗟に掴むと、一度見てから口の中にいれる。

 

「それで、しばらくは儂がメインでいいんじゃろ?」

「そうだね。一応この場においては最強だし」

「そうかのぅ……最終的にはヘラクレスが全部持って行きそうなんじゃが」

「じゃあ言い換えよう。現状においては、だね」

「そうじゃな。まぁ、しばらくしたらエウリュアレの強さですらも霞むほどの強い攻撃を使える時が来るんじゃろうし」

「そうだねぇ……そうすればエウリュアレが休める時も来るんだろうけどね」

「それは嘘じゃな」

「どうせスキルMAX強化MAXレベル100になるのなんか目に見えてるからな。見栄はいらぬぞ」

「私……やっぱり一番最初に全性能MAXにされるって思われてるのかしら」

「一番最初に聖杯を使われてますしね」

 

 何となく、このカルデア最強戦力になるのが確定しているという未来が約束されているという状況を予感していたエウリュアレは、遠い目をして、きびだんごを食べる。

 

「よし。じゃあ、ノッブがいけるようになったら行こうか。準備はしていてよ」

「まぁ、準備も何もないんじゃけどね。むしろ、マスターこそ豆の準備は大丈夫なのか?」

「もちろん。大丈夫だよ」

「うむ。なら良しじゃ」

 

 そう言って、ノッブは茶を飲むのだった。




 でも、ノッブの方が周囲の敵を倒すには良いんですよね……宝具一発で一掃してくれますからね、ノッブ。ヘラクレスとどっちがいいのか悩むレベルですね。


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出たな黒幕!!(カルデアで争わないで!)

「むぅ……もう少し威力を上げたいのぅ……」

「開幕トータルダメージ200万叩き出しておいて、よく言うわ」

「ノッブがあんなに出せるとは思ってなかったからねぇ……」

「おかげで余の出番がなくなってしまった……」

「エウリュアレさんからすれば、嬉しい事なんですよね。ただ、赤豆がほとんど残っていませんね……」

「なに、調達も儂の役目じゃし、問題なかろう」

「ノッブがそれでいいならいいんじゃない?」

 

 カルデアに帰還してきた鬼ヶ島攻略組。

 それぞれ思うところはあるようだが、一応は終わったことにほっとしている。ただ、DPもアイテムも全然交換していないので、ある意味これからが本番なのだが。

 

「いやぁ……それにしても、結構楽しかったわね」

「そうじゃなぁ……儂も久しぶりに暴れられたしの」

「余は全く何もできなかった……い、いや、まだ高難易度が残っておったはず……!!」

「チャレンジクエストだけどね。って、同じか」

「たぶんそうですね。まだわかりませんけど」

「ククク。次も儂のターンかもしれんな!」

「ぐぬぬ……余も負けておれんな……!!」

 

 そんなことを言っていると、休憩室の扉が見えてくる。

 

「…………おいマスター。何時からおったと思う?」

「…………さっきだって思いたいなぁ……」

 

 そこにいたのは、源頼光その人である、

 

「召喚されたの、三日前なんですけどね」

「マスター。お帰りなさいませ」

「わぷっ!?」

「せ、先輩!?」

 

 突然抱きしめられるオオガミ。そういえば、消える前にそんなこと言ったような……と思いつつ、とりあえずなされるままにしてみる。

 

「ちょっと。なに私のマスターにしてるのよ?」

「儂も怒る時はあるからな?」

「一瞬にして敵対する定めなのか……うむ! なら余も参戦しようかな!!」

 

 瞬間敵対化するエウリュアレ達。武装を展開しようとした辺りで、その後ろにいた人物たちに気付く。

 

「君たち、理由がめちゃくちゃだね……気持ちは分からなくはないけど」

「まぁ、暴れるんなら容赦しねぇがな」

「うげっ! エルキドゥ!!」

「ひ、土方もおるではないか……い、いや、こちらにはエウリュアレがおるからな!! 手を組めば何とかなる!!」

「魅了嵌め殺しね。任せなさい。全力でやってあげるわ。だから、エルキドゥは任せたわよ」

「任せるがよい!!」

 

 完全に抗うつもり満々な5人。

 しかし、その空気を粉砕する少女が一人。

 

「マスター!! 茶々もそれ受けたい!」

「ぐはっ! ちゃ、茶々……結構痛い……」

「あらあらまぁまぁ、大変。どうしましょうか……」

「むむむっ。茶々がやったんだし、茶々が運ぶ!! じゃあね!!」

「大丈夫ですか? 私も手伝った方が――――」

「大丈夫!! 茶々一人で出来るよ!!」

 

 そう言うと、全力でオオガミをダウンさせた茶々がマイルームにマスターを引きずって行くのだった。

 その展開を呆然と見守っていた全員は、何となく戦う気も失せ、とりあえず休憩室に行く事にするのだった。

 

 カルデアの平和を守った茶々は、その後回復したオオガミによって労われるのだった。




 ということで、イベント開始二日目あたりで引いた頼光さんが初登場。結構キャラがつかめてないんで、不安定なんですけどね。
 茨木も出したかったんですが、出たら大戦争確定だと気付いたので諦めました。久しぶりのポンコツ可愛い茨木を書きたかった……!!


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私は抱き枕じゃないわよ(それにしてもよく眠っておるよな)

「……中々面白い状況じゃのぅ、エウリュアレ」

「くぅっ……この私が、プリンに釣られるだなんて……!!」

「いつもの事じゃろ。というか、それからどうしてそうなったのか……」

 

 休憩室のソファー。そこには、エウリュアレが座っていた。だが、直接座っているわけではない。

 寝ているオオガミに抱きしめられるように座っていた。

 そして、オオガミの右側には茶々が。左側には茨木が寄り掛かるように寝ていた。

 

「マスターから貰ったプリンを食べてたらいつの間にかこうなってたのよ……訳が分からないわ」

「儂の方がわけわからんわ。なんじゃ、プリンで釣られてこんな面白い状態になっとるとか」

「マスターが寝てるから下手に動けないし……八方塞がりなんだけど」

「クククッ。このまま見ておるのもよいかもな」

「馬鹿言ってんじゃないわよ。こんな状態だと、お菓子もろくに食べられないわ」

「そうじゃな……まぁ、その代わりに一部の奴等から見れば仕方ないと思うが良い」

「ぐぬぬ……そうよ。ノッブが取ってくればいいんじゃない。ほら、行ってきなさいよ」

「何言っとるんじゃ。儂はここで見てるだけじゃぞ?」

「ノッブのくせに生意気ね。そんな貴方には後でワンコとヘラクレスと土方を送り込んであげましょう」

「おい馬鹿やめるんじゃ。それはシャレにならんぞ」

「私を見世物の様に扱った罰よ。神の逆鱗に触れた代償をその身に受けると良いわ」

「ぐぬぬ……仕方あるまい。何を取って来るかは儂の気分でいいんじゃな!?」

「えぇ、構わないわ。変なの持って来たら流石に考えるけど」

「ふん! 目に物見せてやるわ!!」

 

 明らかに不穏な言葉を吐いて去っていくノッブ。

 一人残されたエウリュアレは、どうしようかと考える。

 

「ん~……とはいっても、無理に抜け出す理由は無いのよねぇ……普段頑張ってくれてるしね」

「マスター! …………あら? 寝ているのかしら?」

「あら、ナーサリー。どうかしたの?」

 

 抜け出す理由は無いにしても、する事の無いエウリュアレが何をするか考えようとした時、ナーサリーがやってきた。

 

「マスターとお茶会をしようと思ったのだけど……皆で寝ているのかしら?」

「えぇ、なんか知らないけど、そんな感じよ」

「そう……私も混ざれるかしら?」

「うぅん……難しいんじゃないかしら。場所もないし」

「むむむ。いいえ、まだ膝が片方残っているわ! 突撃~!」

「わっ! ちょっと、無理やり入ってきたらマスターが起きるでしょ…!!」

「でも、私だけ仲間外れは嫌よ……っと」

 

 強引に割り込んでくるナーサリーに驚きつつも、オオガミを起こさないようにナーサリーが入り易い様に左膝に移動するエウリュアレ。そのおかげもあってか、何とかオオガミが起きないでナーサリーが右膝の上に乗る。

 

「全く……無茶するわね」

「マスターが起きなければいいのよ」

「はぁ……まぁ、起きなかったからいいけど。それで、なんで入って来たのよ」

「何事にも意味があるとは限らない。つまり、何となくよ!」

「良いわね……そういう考え。私もそれくらい気楽でいたいわ」

「人にはそれぞれ良さがあって、神様でも変わらないわ」

「……遠回しに悩めって言ってるみたいね。まぁいいけど」

 

 そう言っていると、ノッブが戻ってくる。

 

「大判焼きがあったから取ってきた。って、なんかナーサリーまで増えとるんじゃが」

「良いじゃない。どうせ、多めに取ってきてくれたんでしょ?」

「ノッブ! 私にも頂戴!!」

「はぁ……本当、エウリュアレと自分だけの分と思って取ってこんで良かった。正直そもそもの人数が増えるとは思っとらんかったけど」

「いいじゃない。ほら、早く食べましょ」

「取って~!」

「む。そこだと届かんか。ほれ、受け取るといい」

 

 大判焼きを乗せた皿を近づけてくれるノッブ。そして、二人が取ると、机の上に置きなおす。

 

「さてと……マスターが起きるまで、遊ぶかの。お主らも暇じゃろ?」

「えぇ、付き合うわよ」

「頑張るわよ!」

 

 そう言うと、三人は、周りが起きるまで遊び続けるのだった。




 むむっ? ポンコツ茨木を書くつもりが最後まで寝てたのだが……何者かに思考誘導された……?
 しかし、やりたいことがあり過ぎてポンコツ茨木の登場数が減りそう……チクショウ…!


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高難易度、楽しかったわ!(珍しく儂も活躍したしな!!)

「は~~~……楽しかった!」

「珍しく楽しんでおったな」

「だって、私の弓が気持ちいいほどに刺さるのよ? 令呪を全部使っちゃったとはいえ、私としては大満足よ」

「エウリュアレさん、張り切ってましたもんね」

「結局、200万たたき出しおったな……ぐぬぬ……余もそれくらい出したい……!!」

「いや、儂はトータルじゃし」

「そうよね。トータル300万だものね」

「ぐっ……ぬわーーーー!!!」

 

 悲鳴を上げ、机に突っ伏すネロ。

 それを見てにやりと笑うエウリュアレとノッブは、若干同じ雰囲気があった。

 マシュはそれを見て苦笑いをするが、間違ってはいないので何も言えない。

 

「それで、戦勝祝いのソレか」

「えぇ。やっぱり、ここはホールケーキに挑んでみるべきなのよ」

「なにセルフチャレンジしとるんじゃ。それが残ったら儂らが食うんじゃぞ?」

「えぇ、もちろんそうよ? 何、変なこと言ってるの。特にノッブは否応でも食べるのよ」

「儂にだけ厳しいんじゃが」

「エウリュアレさんは天邪鬼な所がありますからね……」

「あら、私は思った事をしているだけよ? 思うがままに、好き放題やるの。少なくとも、今日の私はね」

「うぐぐ……余も貰うぞ……」

「あら、ネロも食べる? 仕方ないわね」

 

 上機嫌と言うのは本当のようで、鼻歌を歌いながらケーキをカットするエウリュアレ。

 ただ、普段は全くやらないので、上手く切れないようだった。

 

「……あぁもぅ。寄越せ。儂が切る」

「あぁっ! 何するのよ、もぅ」

「見ててもどかしいわ。ったく……普段やらんことをやって若干後悔するくらいなら、最初から儂に言え」

「何よ。いつもは面倒だのなんだの言ってるくせに、こういう時だけはやっちゃって。私だってやってみたくなる時はあるのよ」

「それでせっかくのケーキが台無しになってしまったら本末転倒じゃろうが。っと、これでいいじゃろ?」

「くぅっ……普段やらせてるだけあってうまいのがむかつくわ……!!」

「普段やらされてたら、流石に覚えるわ」

「むしろ、なんで普段やらされているのかが分からないんですが」

「マシュよ。それは、ノッブとエウリュアレだからだ。大体この二人が絡んだらそういう事にしておけばいいと、奏者(マスター)が言っていた」

「「何言ってるのよ(んじゃ)、マスターは!!」」

 

 二人の全力の突っ込み。しかも、それが身に覚えのない事で怒っているだなんて、誰が想像するだろうか。

 

「そうならない方がおかしいぞ? 二人でいる時間がどれだけあると思っているのだ」

「そんなにいる覚えはないんだけど?」

「うむ。儂もそんなにいた気はせんぞ」

「ほぼ四六時中一緒なのに、こやつらは自覚が無いからのぅ……」

「ずっといますよね……どちらかがいない方が珍しいです」

「……そうじゃったか?」

「……まぁ、マシュが言うのなら、きっとそうなのよ」

 

 うんうん。とうなずく二人。

 

「よし、とりあえず食べちゃいましょ。せっかくノッブが切り分けてくれたんだし」

「うむ。もう癖になってるからな。どれだけ儂はこんなことやっとるんじゃ」

「ホールケーキなんか、滅多に食べないのにね」

 

 そう言うと、二人は食べ始める。

 それを見て、やっぱり一緒にいない所が想像できないと苦笑いをするマシュとネロなのだった。




 ちなみに、戦闘編成の場合は今までの話を見てると分かりますが、超高確率でノッブが置いて行かれてます。今回が珍しいんやで……
 いつかネロのダメージチャレンジもしてみたい……


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DP終わったわね(アイテム集めという、本番が始まるよ!)

「DP終わったね」

「そうね……いつもよりだいぶ楽に終わったわ」

「儂も戦えたしな」

「まぁ、アイテムが全然集まってないんですけどね」

「単体宝具たる余に出番はないと見た。アイテムはパッションだな」

「わ、私ですか? 他の方もいるのに……」

「珊瑚集めにおいて、現状うちの鯖で右に出るものなし。よって、リップがメイン戦力で」

「えっと……その、頑張ります」

 

 ついにDPが集め終わり、これ以上鬼を狩る必要がほとんどなくなったオオガミ達。

 次の目標はアイテム。珊瑚と反物とつづらをかき集める作業だった。

 

「林檎……食べないとかなぁ……」

「そうね。どうせ、いつもの様に最後の最後でAPが足りなくなるわ」

「そうじゃな。後悔するくらいなら食ってしまえ」

「やっぱりそうかぁ……まぁ、今日はしないけどね」

「うむ。安定のマスターじゃな」

「えぇ、安定ね」

「さりげなく馬鹿にされてる気がするよねぇ……」

「回復アイテムなんか、基本そんなもんじゃろ」

「もっと盛大に使用しなさいよ」

「無くなったらこう、心細いし」

「うむ。じゃよね。分かるぞ」

「まぁ、無理のない程度に頑張りなさい」

「出来る範囲で頑張るよ、うん」

 

 とりあえず、明日は林檎を食べるか。と考えるオオガミ。

 

「それにしても、最後のエウリュアレの張り切りよう、すごかったのぅ」

「4連続宝具発動だったしね」

「たまたまよ。あんな所でクリティカルが出るなんて思ってなかったし」

「そのおかげでほぼ完全に悩殺ENDだったよね」

「男性相手なら、負ける気はしないわね」

「頼もしい限りじゃな」

「この調子で頑張ってもらおうかな」

「えぇ、今回みたいなのだったら大歓迎よ」

「うん。今回みたいに男性が敵ならお願いね」

 

 笑みを浮かべるオオガミに、不敵な笑みで答えるエウリュアレ。

 本当に、エウリュアレは男性に対しての攻撃力が異常だという事を改めて実感した今回のイベント。次回以降も、おそらく男性が出てきた場合、エウリュアレは確実に編成に組み込まれるのだろう。

 

「そういえば、さっきの言い方だと、これから先はやらないみたいな言い方だけど、そんなことないんでしょ?」

「そりゃ、アイテムは落ちるしね。やらなきゃ損だよ」

「つまりは、やっぱりアイテムを手に入れ終わるまで、私に休みは無いって事ね」

「そうなるね。という事で、周回頑張ろうか」

「えぇ、そうね、そうよね。どんどん行くわよね。分かっていたわ。分かっていたから……最高攻撃力、たたき出しましょう? ダメージチャレンジよ」

「楽しそうだね、それ。300万越え狙いかな?」

「一撃粉砕。やってみたいじゃない?」

「…………挑戦、してみようか」

「えぇ、やっちゃいましょ。こうなったら全力で楽しみましょう」

 

 心底楽しそうに、エウリュアレは笑った。

 それに釣られ、オオガミも笑うのだった。

 

「…………編成、どうするつもりなんでしょうね」

「とりあえず、攻撃力上げられないから、儂は除外じゃな」

「難しいですね……ターン制限ありますし」

「まぁ、とりあえず明日じゃな」

 

 マシュとノッブは二人を見つつ、そんなことを言うのだった。




 ダメージチャレンジ……やってみたいですよね……エウリュアレなら孔明が一番ですよね。たぶん。
 アイテム、集めるためには林檎が必須の予感……!!


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最高ダメージ更新!!(そして突然訪れた惨劇と奇跡)

「ふふふ、ようやく300万を叩き出してあげたわ」

「その割には、疲れた表情をしておるな」

「黄金劇場のドラゴン少女ライブという最高コンビを浴びたくらいよ。うえっ、吐きそう……」

「女神のくせに吐くでないわ!! 担ぐぞ!!」

 

 涼しい顔で(女神的な意味で)死の瀬戸際にいたエウリュアレを急いで抱えると、ノッブは急いで休憩室を出て行く。

 入れ違いで、死んだ表情のオオガミが入ってきた。

 その様子を疑問に思ったマシュは、オオガミに声をかける。

 

「先輩? どうかしたんですか?」

「いやぁ……ハハハ……手違いでうっかり石を全滅させた……」

「ちょ、先輩! 何をしてるんですか!?」

「一回回りだしたら止められないんだから仕方ないじゃん……次の瞬間にはもう回り始めてるんだから……」

「……その、それで、結果はどうだったんですか……?」

 

 戦々恐々とした空気。さすがに石を全て消費したという大事件なのだ。気にならない方が凄いだろう。

 

「…………自称良妻が出てくれた」

「自称良妻……玉藻の前さんですか?」

「うん。ただ、運の悪い事に、頼光さんとばったりと会ってね……火花散らし始めたんで、怖くなって土方さんとエルキドゥに助けを求めに行ってた」

「あぁ……それで疲れてるんですね……」

「ふむ……ついにキャス狐も来たか……うむ! 余が迎えに行こうではないか!!」

 

 そう言うと、ネロは走って行ってしまう。

 二人がそれを見送ると、パッションリップが近づいてくる。

 

「あの、マスターさん。私も行きますか?」

「ん~……いや、あの三人の時点ですでに過剰戦力なんだよね……流石にリップまで入れたらひどい事になるからね……」

「そうですか……」

「うん。それに、リップはもうしばらく周回を手伝ってもらうからね。それまで休憩してて」

「はい。分かりました」

 

 リップはそう言うと、マシュの隣に腰を下ろす。

 

「マスター。吾は逃げるが、探すなよ」

「いやいや、流石に頼光さんもこっちに来るだけの余裕はないって。それに、最終的には俺の部屋に逃げればいいと思うよ?」

「一応対策するに越した事は無いし……何より顔を合わせたくない。だって、斬られたし……」

「逆に一人の方が危ないと思うけど……」

「…………よし。吾はここから動かんが、それでよいな」

 

 茨木はオオガミの左腕を掴むと、微動だにしなくなった。本当に苦手なのだろう。

 オオガミはそれを見て苦笑いをするが、直後、右腕に掛かった重量に驚く。

 振り向くと、そこにはナーサリーが居た。

 

「よく分からないけど、私もこうするわ!」

「うん、おかしいよね。どうしてそうなったのかな?」

「だって、皆楽しそうだったんだもの」

「そっかぁ……そう見えるかぁ……」

 

 なるほど。と納得していると、休憩室の扉が開き、ノッブとエウリュアレが帰ってくる。

 

「はぁ……危なかった……」

「全く。だから私の事なんか気にしなくていいって言ったのに」

「それはそれ、これはこれ、じゃ。つか、エウリュアレをあんなにするとは、やはり侮れんな、ネロエリ……」

「そうね……まぁ、途中から感覚が無かったんだけどね」

「大問題じゃよね!?」

 

 いつもの調子に戻っているエウリュアレ。それを見て、全員はほっとするのだった。

 

 しばらくした後、召喚室前の大戦争に決着をつけてきた5人が休憩室に入ってくるのだった。




 いやぁ……フレンドを回そうと思って石ガチャ10連を回すとか、どうかしてるよ……
 玉藻が出なかったら今日の更新は出来なかったと言い切れる自信がありますね(ドヤ


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後少し……後少し……!!(余はバフ要員か!!)

「ふふふ……ついに来たわよ、400万後半……!!」

「480万とか、本当に後少しなんじゃけど」

「すごいよねぇ……誰だ。エウリュアレが非力だとか言ったの」

「先輩。それ、エウリュアレさんが言ってます」

「完全に相性と性能でゴリ押ししてるだけなんだけどね」

「それでも十分じゃろ」

「いいえ? これで終わるわけないじゃない。目指すは500万よ!!」

「今回はいつもと違って妙にダメージにこだわるのぅ……」

 

 いつもの様に休憩室で話しているオオガミ達。

 もぐもぐとフィナンシェを食べながら、次こそはと意気込むエウリュアレ。ちなみに、オオガミの隣にいる茨木も同じようにもぐもぐと食べていた。

 

「簡単な事よ。今回は私が面白いくらいにダメージを出せるの。なら、今のうちに楽しむしかないじゃない」

「その発想が凄いんじゃよな……まぁ、普段耐久要員じゃし、仕方ないか」

「余は、たったの一度も活躍してないのだがっ……活躍してないのだがっ!!」

「うむ。儂も今回が久方ぶりの活躍じゃったからなぁ……まぁ、待機の方が長いからの。諦めるんじゃ」

「むむむむむっ……余は何時になったらメインとして戦えるのだ……!?」

「あれだけ黄金劇場を呼び出して、まだ足りないのかしら……いえ、私も人の事言えないのだけど」

「そうじゃな。どれだけ鬼に視線を突き刺せば気が済むんじゃ」

「それは、あれよ。鬼が一撃で沈むまで」

「600万を叩きだしたいとか、夢見過ぎじゃろ。次の復刻を待つんじゃな」

「復刻の復刻……再復刻、あるんでしょうか」

「まぁ、気長に待つとするぞ。余は寛大だからな! 次の戦いに備えるぞ、奏者(マスター)!!」

「切り替え早いね……」

 

 すぐに気持ちを切り替え、次の戦いに備えるネロ。エウリュアレの戦いの時に必ず一度宝具を放っていたりするのだが、そのおかげで溜飲が下がったのか、それとも何か他の事を考えているのか。

 オオガミはそれで少し悩んだが、別に気にすることでもないだろうと考えを止める。

 

「でも、しばらくリップと山道周回だよ?」

「む。では、余はしばらく待機か」

「私も待機ね。ノッブは行ってらっしゃい」

「うむ。茶々が高確率で儂に言いつけに来るからの。トドメはしっかりと刺して置かんとな」

「そうだね。茶々が言いつけに来るなら仕方なし」

「皆、なんだかんだ甘いのぅ……小さい者には甘くなるのが人の性かのぅ……」

「何言ってるの。そもそも、私の存在は偶像。アイドルよ? 人が望んだ形。その私が小さいのだから、つまりそう言う事でしょう?」

「碌な人間がいないネ!!」

「小さいは可愛い。可愛いは正義。つまりはそう言う事だよノッブ」

「マスターもおかしくなっとるんじゃが!」

「先輩! 帰ってきてください!!」

 

 何も間違った事は言っていない。と胸を張るオオガミとエウリュアレ。苦笑いをするしかないノッブとマシュの姿が、そこにはあったのだった。




 可愛いは正義。真理ですね。

 あともう少し……噂のオダチェンシステムを使えば行けるのではないかと思ってはいるんですが、まだ試してないんですよね……


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ダメージストップ……かしら(やはりキャス狐か! キャス狐が必要なのか!!)

「ぐぬぬ……止まったわね……」

「400万が限界みたいじゃな」

「キャス狐が育つまでの辛抱なのだろうが……余は何というか、許せぬ……」

「吾はむしろ、何時になったら奴から逃げずに済むようになるのか……」

「マスター? それで、私のレベルは何時上がるんですか?」

「あはは……貯蓄は使いたくないんだよねぇ……」

 

 ダメージ量の伸びが無く、ここが限界かと考えつつもどうやってダメージ更新をするかを考えるエウリュアレとノッブ。

 ネロはそれについて少し考えはあるようだが、納得のいくようなものではないという表情で、茨木はエウリュアレが持ってきていたミルクプリンをもぐもぐと食べながら難しそうな表情をしていた。

 玉藻は満面の笑みで、早く成長させろと言外に言っているが、それに対してオオガミは目を逸らしつつ、倉庫に眠る103個の星4オール種火が頭の中を駆け巡っていた。

 

「マスター? 手段があるなら早く言いなさい?」

「いや……でも、あの貯蓄は使いたくないんだよねぇ……」

「使うべきよ。全力で。えぇ、全力で」

「いや、儂に聖杯を渡して儂のレベルを上げればいいのぐぼはぁ!!」

「やらせませんよ? 私がもらうんです」

「なんでもう貰う事になってるのかな!?」

「いやですね。私はそんなこと少しも思っていませんよ? ただ、ちょ~っとばかり、強化素材が欲しいな~ってしか思ってませんよ?」

「全力だよね! 目が本気だもんね!!」

「良いから、用意しなさい!」

「しないから! これは何時かのためだから! 玉藻はのんびり育てる予定だから!」

 

 倉庫の種火を消費しようと画策しているエウリュアレ達に頬を引きつらせながらも、必死でやらせまいとするオオガミ。

 どうにかして阻止しなければ、どうにかして貯めた100個を超える種火を全て消費されてしまう。

 

「大丈夫ですよ、先輩。そもそも、あの部屋に誰も入れさせませんから。エルキドゥさんの巡回エリアの中心ですよ?」

「完全にオオガミを説得するしかなくなっちゃったのだけど」

「流石の儂も乗り込むのは無理じゃよ……死んでしまう……」

「神性キラー死すべし慈悲は無い」

「おぉぅ、辛辣ぅ……」

「エルキドゥさんは神性持ちにスタンを入れさせるだけなんですけどね……拘束専門ですから」

「あぁ……それで風紀委員……」

 

 土方が来たことで、取り押さえ役と拘束担当の二人が出来、最強になっている事をオオガミは知らないのだった。

 

「むぅ……仕方ないですね。では、諦めてしばらく待機するとします」

「ごめんね。出来るだけ早く種火は用意するから。具体的には、次のイベントの時に」

「その前に何かある様な気がするんじゃがな」

「ちょっと。次こそ私は待機だからね?」

「それは分からんから。まぁ、とりあえず、終わっとらん珊瑚集めじゃな」

「本当……何時になったら終わるのかな……」

「行かんと終わらんからな。ほれ、マスター。行くぞ」

「うぅ……頑張るよ……」

 

 オオガミはそう言うと、ノッブと共にメンバーを集めながら鬼ヶ島の山道へと向かうのだった。




 この貯蓄はメルトリリス復刻用なんだ……!! 当たったら、一日で90にするためなんだ……!!


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ダメージコンテスト終了!(珊瑚も集め終わったが、まだまだじゃな!!)

「ダメージチャレンジ……飽きたわね」

「今日が青鬼ラストじゃし、これ以上は無理じゃろ」

「あら。という事は、もうライブは終わり?」

「余の黄金劇場も、ひとまず終わりというところだな。だが、それなりに楽しかったぞ」

「珊瑚も終わったし、後は反物とつづらだけだね」

「ふむ……先に塔に行くんじゃろ? リップで大丈夫なのか?」

「う~ん……セイバーとアーチャーがいるから少し不安は残るけど、何とかなるでしょ」

「リップも大変じゃのう」

 

 相性云々完全無視でリップの運用を確定させたオオガミ。もちろん茶々とノッブも組み込まれていたりするのだが、そこについては触れないらしい。

 エウリュアレはこれ以上伸びないダメージ量に、挑戦することを諦めて倒れており、エリザベートとネロはライブ終了を寂しく思っていたが、またどこかでやるであろうと根拠も無く考えていた。

 

「それで、茨木は何を食べておるんじゃ?」

「ふふふ。これは『ぱふぇ』なるものぞ。マスターが用意したのだ」

 

 茨木の前に置かれている、高さ30cmほどのパフェ。正直茨木だけで食べられるのか不安になる様な大きさの物であった。

 

「ほぅ? マスター。それはつまり、儂の分もあるんじゃろうな?」

「えっ。食べるの?」

「うむ。なんというか、食べてみたいな。一人で喰える気はせんが。エウリュアレと喰うつもりじゃよ」

「そ、そう……なら、作るかな。材料は残ってたはずだし」

 

 オオガミはそう言うと、休憩室を出て行く。それをナーサリーが追ったところを見て、ノッブはマスターの苦労が増える様な予感がした。手を貸しはしないのだが。

 

「マシュもいるじゃろうし、問題ないじゃろ」

「楽しみね。オオガミ特製でしょう?」

「うむ。案の定聞いておったか。それで、茨木。うまいか?」

「吾は不味い物は食べんわ。まぁ、どうしてもと言うのであれば、少しくらいくれてやろう」

「うぅむ……いや、儂はマスターが作ってくれるのを待つぞ。エウリュアレはどうする――――って、聞くまでも無いようじゃな」

「どのくらいまでなら貰えるのかしら?」

「ここまでだな」

 

 ノッブは茨木の誘いを断るが、さも当然の如くその誘いに乗るエウリュアレ。茨木に許可された場所を食べ、とてもおいしそうに食べている。

 それを見たノッブは、呆れたようにため息を吐くが、そのすぐ後に微笑む。

 

「おいしいわね。でも、オオガミって、料理できたのかしら?」

「さぁ? 大方、誰かに教わったんじゃろ」

「そう……まぁ、良いわ。とにかく、これなら私たちの分にも期待が持てるというものよ。茨木。ありがと」

「礼も悪くは無いな。素直に受け取るぞ」

 

 笑顔でお礼を言うエウリュアレに気分を良くしたのか、茨木は再びもぐもぐと食べ始めるのだった。

 

 その後、オオガミの運んできたパフェと格闘している二人がいたとかなんとか。

 茨木のパフェは、ネロとエリザベートの二人も加わり、食べきったそうな。




 完全に今回はパフェに持って行かれた感じ。仕方ないんです。私が食べたかったんです。
 サイズは何となくで書いてたんですが、30cmって……パフェの中だと大きい方ですよね……?


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つづらと温泉旅行(とにかくつづら集めて逆鱗を!!)

「なんというか……終わりそうにないのぅ」

「大体いつも通りね」

「林檎……食わねば……」

「まぁ、欲しいものがあるかと言われると、悩むんじゃけどね」

「うん。ピースもモニュメントも今の所そんなに使わないしね。正直つづらの方が……って、あれ? じゃあつづらを集めに行けば良いんじゃ……?」

「うむ。そうじゃな。つづら集めに行くしか無かろう」

 

 気付いてしまった衝撃の事実。反物を集めるために駆けずり回った今日は何だったのか。

 塔だと蛮神の心臓が落ちるという天国だが、今は竜の逆鱗を集めた方が良いという己の心の声が聞こえた。

 

「ぐぬぬ……つづらを集めに温泉旅行をすれば最高だったじゃないか……!!」

「ふむ……それもありか」

「面白そうね。じゃあ、明日はそうしましょうか」

「吾も行くぞ!」

「う、うぅむ……皆が入っているうちは外で待機かなぁ……」

「そうじゃな。その間はヘラクレスとエルキドゥに守ってもらうのが一番じゃろ」

「そうするよ。じゃあ、準備だけはしておこうか」

 

 完全に温泉旅行気分になっていうオオガミ。危機感が無いというか、感覚が麻痺しているというか。とにかく、特異点だという事を忘れているようだった。

 

「さて……とりあえず、問題はつづらじゃな。逆鱗交換に800個じゃろ?」

「うん。礼装は一枚だけだけど、何とかなるでしょ」

「先行き不安じゃのう……」

 

 楽観しているというより、もはや諦めの領域に感じられるが、そこは突っ込まない方向で行くのだった。

 礼装に関しては今更どうしようもないので、出来るだけ頑張る方向で行こうと腹をくくるが、いったいどれだけかかるだろうか。と想像する。

 

「まぁ、とりあえずは温泉で疲れを癒そう。ずっと戦いっぱなしだったしね」

「うむ。素材も実際はそれほど焦っても無いし、のんびりでいいじゃろ」

「昔と変わったわねぇ……ほんの数か月で素材に余裕が出来てるように感じるなんてね」

「現実的に考えると、全然足りないんだけどね」

「そこはこれからに期待ね」

「まずは全員レベルマックスからコツコツと頑張りますよ」

「えぇ、頑張りなさいな。見ていてあげるわ」

「手伝うと言わぬところがエウリュアレらしいのぅ。まぁ、種火に関しては茶々がメインなんじゃろうけどね」

 

 ノッブはそう言うと、緑茶を飲む。

 珍しくエウリュアレがお菓子を持ってきていないのは、今日は何となく、そういう気分ではないのだろう。

 

「よし。それじゃ、明日の準備をしてくるね」

「うむ。儂らも準備しておくぞ」

 

 休憩室を出て行くオオガミを、ノッブ達は見送るのだった。




 蛮神の心臓落ちまくりはおいしいんですが、イベントアイテムは交換したいという精神に従い、とりあえず辛うじて手に入れたつづら増加礼装で頑張る作戦。温泉客を薙ぎ払いつつ入浴できるのか……!!
 あれ? 現実的に考えると、かなりの迷惑客……?


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温泉よ!!(あれ? いつもとそんなに変わらない気がするんじゃが)

「くああ……っと。しかし、久しぶりの温泉じゃのぅ」

「えぇ。カルデアには浴場はあるけど、これだけ景色の良いものではないもの」

 

 温泉に入り、背伸びをするノッブと、肩まで湯船に浸かって景色に見とれるエウリュアレ。

 その後ろから、

 

「茶々だーいぶ!!」

「余も行くぞー!!」

「私も行くわよ!!」

「お風呂場で走ったら転んじゃう――――って、大丈夫ですか!?」

 

 飛び込む茶々に続くネロとエリザベート。しかし、リップの注意はすでに遅く、エリザベートは盛大に転び後頭部を叩きつける。

 

「エリザーーー!!」

「ね、ネロ……私はもうダメみたい……ごめんなさい。でも、私たちの歌は永遠よ……」

「そんな……エリザ……嘘であろう? エリザ……エリザーーー!!」

「何茶番しとるんじゃ。それと茶々。飛び込むでないわ」

「伯母上ごめんなさーい」

 

 さも今にも消えそうな表情で倒れているエリザベート。ネロはエリザベートの上半身を持ち上げ、悲鳴を上げる。

 ノッブはそれを見て突っ込みつつ、茶々を(とが)める。

 

「しかし……リップは入れるのか?」

「何とかなるんじゃない?」

「ざばーっ! って溢れたり?」

「それを言われると痛いんですけど……き、きっと大丈夫ですよ!」

「うむ。いい加減寒いしな。ほら、エリザも入ろうではないか」

「痛いのは本当なんだけどね……あんなに盛大に転ぶなんて、思わなかったわ」

 

 さっさと入って行くネロとエリザベートに続き、少しためらいつつリップがゆっくりと入って行く。

 何とか大きく波立たずに入れたリップ。しかし、動くと波立ちそうなので、リップは動けなくなったのだった。

 

「…………吾、入れるか?」

「茨木くらいなら入れるじゃろ」

「うむ。早く来ると良い!」

「鬼ならもっと堂々と入って来なさいよ。ほら、早く」

「う、うむ……」

 

 ノッブ達に言われ、温泉に入る茨木。

 まぁ、もし溢れようともあまり気にする必要は無かったりするのだが。

 

「そういえば、吾がここに来る前に何やらマスターが卵を持ってエルキドゥを探していたのだが」

「ふむ? 卵を持って、エルキドゥを……?」

「温泉に卵……ハッ! もしかして、かの有名な温泉卵を作るつもりなのかしら!?」

「……そんなに簡単に作れるモノじゃったっけ?」

「エルキドゥがいるのだ。大丈夫だと思うぞ」

「エルキドゥって……料理出来た気がしないんだけど……」

「エルキドゥさん、料理全くできませんもんね。細かいのは苦手みたいですし」

「大体大雑把じゃしの。まぁ、出てからのお楽しみじゃな」

 

 ノッブは笑い、それぞれが苦笑いする。

 いつも暴走を止められる仕返しのつもりなのだろう。それをはっきり言えるのは恐らくノッブだけなのだろうと、ある種の尊敬のまなざしも含んでいた。

 

「ふぅ。まぁ、なんじゃ。たまにはこういうのんびりしてるのも良いな」

「えぇ。とはいっても、大体いつもこんな感じよね」

「まだイベントは終わってないからな。明日もまた頑張ろうではないか」

「うむ。全力で頑張るぞ!!」

「私も楽しんでいくわよ~!」

「私は皆に攻撃されるので辛いんですけど……」

「茶々は大体皆に集中攻撃されてすぐにやられちゃうけどね!!」

「あっ、その、えっと、すいません……!!」

 

 ドヤ顔で言い張る茶々に何も言えなくなるリップ。

 その後も、楽しそうに話し続け、エウリュアレが出た辺りで全員出始めたのだった。




 男性サイドの方も書きたい……そんな心境です。
 まぁ、明日も温泉周回するんですけどね!!


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温泉卵を作るぞ~!(それで、この山なんじゃな?)

「……温泉卵って、ここだって思う場所を見つけるのが大変だよね」

「唐突に作りだそうだなんて言うから驚いたじゃないか」

「まぁ、持ってきたのだからいいだろう?」

「巌窟王は甘いんじゃないか?」

「ふん。貴様には言われたくないな。なんだかんだ言って、手伝っているだろう?」

 

 卵を持って、キョロキョロしながらどこがいいだろうか。と考えるオオガミに連れ添って歩く巌窟王とエルキドゥ。

 とは言っても、作り方を知っているわけではないオオガミ達は、ゆで卵を作る要領で行けるかと考える。

 

「ん~……あそこでいいかな?」

「何で悩んでたのか分からないけど、良いんじゃないか? マスターが選んだところだしね」

「周囲の警戒はしておく。エルキドゥは必ずそばにいろ」

「もちろん。離れるわけないだろう?」

「一緒に持ってきてもらったこの籠で、頑張るぞ~!」

「一気に使わないようにな」

「それくらい分かってるって」

 

 オオガミはそう言うと、籠にまずは2つ卵を入れ、温泉の中に入れる。

 

「……あれ、温泉と沸かしたお湯って、どっちの方が熱いんだっけ……?」

「分からないけど、とりあえずいつもの様にやってみたらいいんじゃないかな?」

「うぅむ……調べつつやってみようか」

「どうやって調べるんだ?」

「……ダ・ヴィンチちゃ~ん」

 

 即座に天才を呼ぶオオガミ。冷静に考えると、ネットが繋がるとは全く思えないのだった。

 少しして、つながる通信。こんなことに使っていいのだろうか。と思わなくもないのだった。

 

「なんだい? オオガミ君。というか、イベントは今日までじゃなかったかな?」

「うん。まぁ、息抜きだよ。で、温泉卵ってどうやって作るのか知ってる?」

「え? 温泉卵? どうしたまたそんなものを――――あぁ、それでさっき巌窟王が卵と籠を探していたわけだ」

「うん。頼んで、行ってもらってたんだよ。それで、知ってる?」

「あぁ、もちろん。天才だからね。知っているとも」

「さっすがダ・ヴィンチちゃん! じゃあ教えて!」

 

 オオガミの言葉に、微笑みと共に答えるダ・ヴィンチちゃんだった。

 

 

 * * *

 

 

「……お主、どれだけ作っておったんじゃ?」

「かれこれ2時間くらい?」

「これ、食べていいのかしら」

「待てエウリュアレ。さらっと食おうとしとるでないわ」

 

 温泉から出てきた女性陣の、主にノッブが呆れた表情でオオガミを見る。

 そして、案の定マイペースなエウリュアレは、ようやく完成した温泉卵に目を輝かせていた。

 

「お主らもお主らじゃ。どうしてこうなるまで放っておいた」

「このような事も、たまにはいいだろう?」

「マスターが困っているなら、出来る限り手伝うべきだろう?」

「こいつらダメじゃ……エウリュアレ。もう食ってよいぞ。というか、食いきれるのか……?」

「……任せたわよ。茨木」

「吾か!?」

 

 若干山の様になっている温泉卵であろう卵の群れ。一体いくつ追加で持ってきたのかと思うほどだった。

 本来ストッパーであるはずのエルキドゥも、なぜかポンコツ化しているので、手の施しようが無かった。

 

「はぁ……とりあえず、カルデア待機組にも送ってやろうではないか」

「余達だけでは流石に消費しきれんしな」

「マスターもそれでよいな?」

「うん。というか、原因の一端であるダ・ヴィンチちゃんも巻き込まなくちゃ」

「理由が酷いわね」

 

 モグモグと食べながらそう言うエウリュアレ。ちなみに、試しまくった末、温泉卵は完全に固まっているものと、半熟のもの、温泉卵のイメージのようなものの三種類が完成し、エウリュアレは完全に固まっているのを食べていた。

 

「さてと、それじゃあ運ぶかの。袋とかあるか?」

「いや、僕の鎖で包めばいいよ」

「む? そうか? なら、エルキドゥに運んでもらうか」

「あぁ。さすがにそれくらいはするよ」

「うむ。では任せたぞ」

 

 いつもとは逆の状況に、本人たち以外は苦笑する。

 その後、荷物をまとめて、全員はカルデアに帰るのだった。




 という事で、温泉旅行編及び鬼ヶ島終了!
 えっ? つづら? 反物? ちょっと知らないですね。終わりませんよアレは。努力が足りなかったです。


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伝承地底世界アガルタ
新特異点開始!(縛りなんて、珍しい事をするのね?)


「という事で!! アガルタ攻略メンバーを決めるよ!!」

「どうせ儂はいないじゃろ?」

「どうせ私は入れられるわよ」

「ついに! 余の出番だな!!」

「私の出番もあるのよね!?」

「わ、私もですか……?」

 

 完全に自分の未来を見通しているアーチャー二人。事実、今回のアガルタでは女性サーヴァントがボーナスなので、エウリュアレが参戦することは確定だろう。

 

「まぁ、エウリュアレは良いとして、マシュは今回禁止だからね。縛りだよ」

「おっそろしいこと言うのぅ……マシュがいなければ辛いじゃろ」

「挑戦あるのみ。まずは限界を超えてみる所からだよ」

「まぁ、たまにはそう言うのも良いわね。どこまで通用するのか。楽しみだわ」

「ふむ……つまり、余が支えればいいのだろう?」

「で、私が後ろで歌っていればいいのよね?」

「まぁ、大体そんな感じ。ただ、エリちゃんは場合によるけどね。相性的な意味で」

「えぇっ!? エウリュアレもネロもほぼ出れるのに、私だけ相性の問題なの!?」

 

 半泣きで言うが、そこは育て方の違いである。仕方がないと諦めて、強く生きてほしい。

 

「とりあえず、バーサーカーは、今の所戦力になりうるのが茶々しかいないので、今回は無しで。代わりに、セイバー・アーチャー・ランサー以外なら大体何とかなるパッションを編成に入れておこう。余った枠は……ナーサリーかな?」

「えぇ!? 私ですか!?」

「どうしてそこが私じゃないの!?」

「それは、ほら。えっと、エリちゃんは鬼ヶ島で働いてくれたし。一回休憩って事で」

「エウリュアレは実質キャメロットからずっと出てた気がするんだけど!?」

「…………うん。まぁ、あれだ。セイバーが怖いから連れて行きたくない。エリちゃん、全体的に辛いものがあるしね」

「はうっ! 言い返せないわ……!!」

 

 バフとしては良いが、攻撃力が足りていないので中々運用がしにくく、使いにくいというのもあった。スキルレベルが上がってないのも一つの原因だったりする。

 

「もちろん、ノッブも場合によっては連れて行くよ?」

「む? 儂もか?」

「そりゃ、セイバー多めだったらもちろん連れて行くよ。エリちゃんも、アーチャー多めだったら連れて行くし」

「ふむ。という事は、儂もチャンスがあるわけじゃな」

「私も可能性はあるわね……!!」

 

 可能性に目を輝かせるが、あくまでも可能性は可能性である。実際に進んでみなければ分からない。

 

「よし……とりあえず、仮決めはこれでいいね。じゃあ、実際に行ってみようか」

「そうね、そうしましょう。まずは挑んで確認よ。何時だってそうしてきたもの」

「なんだかんだ言って、行き当たりばったりよね……よくもまぁ、ここまで来れたわよね」

「むぅ……余が来る前の話をされると困る……なんせ、分からんからな」

「儂も知らんが、まぁ、戦法からして相当無茶しとったんじゃろ」

「知りたいような、知りたくないような……ですね」

 

 何とも言えない表情の三人は、悟ったような表情をする二人を見て、これからの事が不安になるのだった。




 ボーナスが入るキャラと、ストーリーに従ってマシュ縛り。果たして勝てるのか否か……頑張るしかない……!!
 さりげなく、縛りは初なんですよね。


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天災と呼ぶしかないわね。アレ(アガルタのネタバレが多々あるよ!!)

 題名通り、アガルタのネタバレがありますので、アガルタ攻略した人か、ネタバレ気にしない!! と言う人のみどうぞ。


「何よアレ……まさに天災ね……」

「ふざけおって……あの威力、おかしいであろう!!」

「まともに戦える相手じゃないですよ……」

「すぐやられちゃったわ!」

 

 苦い顔をする全員。何とか勝ったものの、アレはいじめだろう。というレベルだった。

 

「全く……何とか勝ったから良いものの、強すぎるわよ」

「ハイパーガッツだったな。あれくらいのガッツ、余もやってみたいのだが!!」

「そうなったらバランスブレイカー確定ですね。絶対やめてくださいよ?」

「大丈夫よ!! 死霊魔術があるわ!!」

「ナーサリーさん。それ、本当に何度でもガッツ出来ますから」

「知ってるわ! だって、5回連続でガッツしたもの!!」

「う、うむ……死霊魔術は流石の余も遠慮したい……いや、確かにうまくいけば12回ガッツも夢じゃないのだが……」

「マシュが言ってたわ。『アレは封印指定概念礼装ですよ』って。最初期からずっと死霊魔術を装備してた彼女の言葉は重いわ……」

「……で、その封印指定概念礼装をナーサリーが付けとるわけじゃな」

「……まぁ、戦力的にはかなりの物だし、仕方ないわ」

 

 確率でガッツという、最強礼装。昔からお世話になっていたというのは伊達ではなく、今回もスイートクリスタルを当然の如く追い越すレベルで大活躍している。

 

「それにしても、リップは一回限りの緊急用の盾よね……」

「痛いのは、好きじゃないんですけどね……」

「マシュとは違って、味方全体じゃない代わりに、攻撃力があるのよね。ちゃんと攻撃力にもなるし、タイミングさえ良ければ単体宝具なら周囲への被害ゼロだしね」

「それ、代わりに私がやられちゃってるやつです!!」

 

 エウリュアレがまともに褒めていたと思ったら、最後の最後で本当にリップを盾として見ていたという衝撃の事実に、さすがのリップも突っ込んだ。

 

「うぅむ……どうしようか」

「今日は終わりよ。寝るわよ、マスター」

「余も賛成だな。あんな敵を倒した後だし、さすがの余も疲れたぞ……」

 

 オオガミに答えるエウリュアレとネロ。

 特にエウリュアレの視線が怖かった。

 

「ふむ。とはいっても……ここ、海底だよね……」

「まぁ、安全は保障するわよ。何とかなるわ」

「うむ! 明日の為にも、今は休んでもらうからな!!」

「ネロのそれは、命令形だよね! いや、まぁ、眠いから寝るけどさぁ……」

「うむ。無理せず、休まねば次の戦いが辛くなるからな!! レオニダスも言っていたからな!」

「スパルタ式……いや、休まなくちゃいけないのは知ってるんだけどね。レオニダスが言ってたって聞くと、何となく不安になる……」

「まぁ、あまり気にしないで寝なさい。それとも、私が寝かしつけてあげましょうか?」

「……えっと、具体的には?」

「私の視線で一発よ」

「物理的対処!!」

 

 射貫くつもりのようだった。

 エウリュアレの視線はシャレにならないのは、当然と言えるだろう。なんせ、つい最近ではダメージ量400万を叩きだしているのだ。そんなモノを受けたら確実に眠るというより、永眠だった。

 

 結局、何やかんやと騒いだ後、限界が来たのか、オオガミは寝るのだった。

 それを見守るエウリュアレは、桃源郷からこっそりと持ってきた桃を食べながらネロと共に周囲を警戒するのだった。




 くそぅ……強すぎたよ……12回ガッツとは、恐ろしい……!!
 まぁ、令呪は使わないで何とかなったので、ある程度余裕はありましたが。
 これから先が不安です……


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日常
アガルタめ……!!(あまりいつもと変わらない損害よね)


「終わったのぅ……」

「そうねぇ……」

「終わったわね……」

「辛い……戦いでしたね……」

「みなさん、お疲れ様です。モニターから見ていましたが、私もついて行けたらって思いましたよ……」

「マシュはたくさん働いたんだから、良いのよ。一時的な休憩時間だと思いなさい」

 

 意気消沈しているエウリュアレ達を見て、苦笑いをしながらそういうマシュ。

 そんなマシュにエウリュアレは声をかけるが、机に突っ伏しているのでいまいち格好がつかない。

 

「まぁ、儂はほとんどいなかったからな。実質無関係じゃし。ただ、エウリュアレは完全にフル動員じゃったのぅ。リップも何度か休憩があったのにな」

「うっさいわねぇ……正直、私だって大変だったのよ。あの天災の攻撃を受けたり、暴走してるアマゾネス潰したり。柱は安定の石一個だし、さりげなく令呪二画切ってるし」

「うむ。そこのテレビで見ておったから知ってるぞ」

「えっ。なんでつながってるんですか!?」

 

 ノッブが指さしたテレビを見て、思わず聞くマシュ。

 ノッブは、なぜそれを聞くのかとでも言いたげな表情をした後、その原因に気付いたのかにやりと笑いながら答える。

 

「BBが満面の笑みで細工しとったぞ」

「なるほど。BBさんが原因なわけですね……確かにこちらでも見れるというのは良いですが、勝手にそんなことをしたBBさんはとりあえずエルキドゥさんと土方さんに捕縛をお願いしてきますね」

「う、うむ……が、頑張れ……」

「はい。行ってきます」

 

 想定外の速度で休憩室を出て行くマシュ。無表情ながらも怒っているように見えたのは、気のせいだと思いたいエウリュアレだった。

 ただ、その反応が想像以上だったのが、頬を引きつらせているノッブもいた。

 

「いやまぁ、しかし。二日で終わるとは、マスターにしては頑張ったのぅ」

「いや、昔は一日で攻略した特異点もあったんだけどね……?」

「なんじゃそれは。中々過酷じゃのぅ……」

「今回もあんまり変わらないけどね。そこら辺の苦労はマシュの方が知ってるわよ。石砕け大会だったもの」

「あぁ……アメリカまでのどこかでやったって事か……」

「やったわよぉ? 私も味わったしね」

「お、お疲れ様じゃな……」

 

 机に突っ伏しながら答えるエリザベートは答える。

 流石のノッブも、それに関しては何も言えないようだった。

 

「さて……と。それじゃあ、いつもの様にお菓子を食べたいわ」

「なら、仕方ない。儂が持って来てやろう」

「えぇ、お願いするわ」

「エウリュアレをあまり甘やかすでないぞ~? 絶対後悔するからな~?」

「ちょっとネロ。どういう意味よ」

「それくらい、分かっておるよ。じゃあ、しばらく休んでおれ」

「だから、どういう意味よ!」

 

 ノッブとネロの反応にエウリュアレは突っ込むが、二人はにやにやと笑ったまま答えないのだった。




 アガルタ……終わりました……アサシンちゃん欲しいよぅ……来てくれないかなぁ……呼符6枚と石ガチャ3回でも来てくれなかったんだけど……うぅ……
 まぁ、恒常になるのなら、いつか来てくれるよね!!(諦め


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狩りの時間じゃ!(えぇ。分かったから、誰かフレンドリーファイア止めて)

「あ~……安定の暇じゃのう……」

「良くもまぁ、こんな状況で言えるわよね」

「まぁ、ノッブだからな。大体そんなものだろう?」

「面倒ですね~……こんなの、サクッと終わらせてくださいよ~」

「おぅおぅBB。すでに二乙しとるのに、随分と余裕じゃな」

「だって私悪くないですし~。あっ、終わった」

「あぁぁぁぁぁぁ!! 何よ! 卑怯じゃない!!」

 

 怒りのままにポテチを食べるエウリュアレ。

 諸々の力を行使し、輸入したゲーム機。その後、それで遊んでいたオオガミを見たノッブ達がダ・ヴィンチちゃんを脅――――懐柔し、何とか輸入したゲーム。

 ゲームの内容は某狩りゲーだったりする。

 

「全く……弓なのに前に出過ぎじゃろ」

「前線ボウガンに言われたくないんだけど」

「うむ。しかも、フレンドリーファイアまで仕掛けてくるとは、さては策士だな?」

「本当ですよ。私のガードを砕く気で背後から撃ってますよね、絶対」

「お主も竜撃砲で狙って来とるじゃろうが」

「あら。ばれてました?」

「なっ! やっぱりわざとか!! どうも狙われてる感じがしとるとは思ったのだ! 何度妨害されたことか……!!」

「…………で、どうして私だけが死ぬのかしらねぇ……」

「「「回避しないし」」」

「貴方達が妨害してくるからでしょ!?」

 

 容赦のない味方からの攻撃に、回避をことごとく妨害され敵の大技を叩き込まれるという流れだった。

 

「全く……小さな子供でも出来るようになっとるんじゃぞ。こういう時は、スタイルを変えてじゃな……」

「もぅ……なんで私だけ死ぬのよ……」

「防具も全然変わっとらんからなぁ……」

「というか、ノッブ。なんか手馴れてません?」

「そう言われると……確かに、余もそう思うぞ」

「ネロは分かるが、BB。お主に言われたくないわ」

「そうよそうよ。BBは嫌な場面でピンポイントで攻撃を当ててくるじゃない!!」

「嫌ですねぇ……私はただ、絶妙に回避が出来ないギリギリのタイミングで且つ私が絶対喰らわない立ち位置から攻撃を当ててるだけじゃないですか~」

「ほぅ……? 儂よりも練度の高いFFじゃなぁ……」

「えぇ。ノッブを狙い撃ってますから」

「ほほぅ……?」

「アハハハ……」

「……ネロ。私、あの二人とやっていく自信、無いわ」

「エウリュアレ……余も嫌なのだが……」

 

 エウリュアレの装備を整えながら、その二つ名に恥じぬ魔王の如き笑みを浮かべるノッブ。

 その視線の先にいるBBは、悪魔の様な笑みを浮かべてノッブを見ていた。

 そして、その二人に怯えるように、ネロとエウリュアレは抱き合って震えるのだった。

 

「さて……これでいいじゃろ。ほれ、再戦するぞ」

「え、えぇ……って、スタイル変えたらやり方分からないんだけど?」

「あ~……うむ。儂が教えるから問題ない」

「そう。それならいいのだけど……」

「それに、BBにやり返さなくてはならんからなぁ……!」

「……うん。私、完全に巻き込まれてるのね……」

「余は太刀だから、最前線だから巻き込まれるのが一番多いのだが……!」

 

 一番FFの被害に遭っているネロは、とりあえずこの後も被害に遭うのだと確信するのだった。




 BBの武器……ガンスでよかったんですかね……いや、まぁ、バランス的にそうしたかったのもあるんですが。
 それにしても、嫌がらせに関しては一級品の二人がいるパーティー……メンバーの半分が味方を攻撃してくるという惨状である。


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幸運EXって、なんだったかしら……(周囲に毒されたか?)

「あっ。死ぬ、死んじゃう。だ、誰か助けてもいいのよ…!?」

(アタシ)(アタシ)で死にそうなのよ!!」

「茶々の~~……必殺の一撃~~!!」

「フハハ!! やはり吾が一番だな!!」

「ちょ、だから、ダメだこれ、(アタシ)死んじゃうってばぁ!!」

「……バーサーカーはダメね……」

 

 昨日に引き続き、モンスターをバスターするゲームをプレイしているエウリュアレ。

 メンバーはエウリュアレに、エリザベート、茶々、茨木の四人。

 当然の如く暴れる茶々と茨木が前線で大剣を振り回して大暴れし、エリザベートは狩猟笛で演奏しているが、とにかく高周波を出すのが趣味かと思うほどにひたすら出していた。わざとなのか真面目なのかわからない辺り怖い。

 そんなメンバーを遠くから弓を射ちながら見ていたはずのエウリュアレは、逃げた先で大暴れしている茨木にぶつかり、叩き潰されているところをモンスターに引かれて死にかけているのだった。

 

「あぁもぅ!! どうしてこれしか出来ないのよぉ!!」

「わざとよね? わざとやってるのよね?」

「えっ!? え、ええっと……そ、そうよ? (アタシ)が無駄な事なんて、し、しないし? か、完璧に考えてるし?」

「でりゃあ~~!」

「キャーーーー!! ちょっと!! こっちに攻撃しかけるんじゃないわよ!!」

「ハハハハハ!!」

「ちょ、茨木!! ちゃんと敵を狙いなさいよ!!」

 

 敵を狙ってるのか、味方を狙っているのか分からない二人に翻弄されるエウリュアレとエリザベート。

 ちなみに、昨日散々FFしてきた二人は、テレビを占拠して格ゲーをしていたりする。一進一退の攻防に、だんだんと観客まで出始めているのは、ある種の凄さをにじみ出していた。

 

「あっ! ……はぁ、死んじゃったわ……」

「ところがどっこい。これでトドメなんだよっ!!」

「えっ。ちょ、えぇ!? ほ、本当に倒さないでよ!! ベースキャンプからそこまでどれだけ遠いと思って……!!」

「倒してしまったものは仕方なかろう」

「はぁっ……はぁっ……なんで、こんなに辛いのよ……」

「……昨日の方が簡単に思えたのは、やっぱりプレイヤースキルの違いよねぇ……」

 

 そう考えると、あの二人の性能はどれだけ桁違いだったのかがよく分かる。

 結局、最後まで剥ぎ取りが出来なかったエウリュアレは、半泣きで報酬をもらうのだった。

 

「はぁ……今日はもう終わりましょう。というか、なんでこう、味方を狙ってくるのが多いのかしら……」

(アタシ)は頑張っていたわよ!?」

「えぇ。とりあえず、無意識レベルで高周波を放つのをやめましょうよ。いくら宝具が爆砕破音だからって、ここに来てまで主張しなくていいわよ……」

「むぐぐ……次はちゃんとやってみせるわ!!」

「えぇ、期待してるわよ」

 

 最近、自分の幸運を信じられなくなってきたエウリュアレだったが、とりあえず、ノッブ達の観戦をするためにお菓子を取りに行くのだった。




 半分はFFしてくるという謎編成……どうしてその編成にしたんだと、私は突っ込みたい。書いておいて何言ってんだ。って感じですが。

 うぅむ……そろそろお題箱に手を出すとき……何からやろうかな……


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儂、これから大変そうなんじゃが(実質二人を守れと言う無茶ぶり)

「隠れ鬼?」

「うん。いつぞやのお題箱の中から出てきたお題の一つだよ。面白そうだからやってみようかと」

「ほぅ……? で、鬼は?」

「ヘシアン・ロボ」

「阿呆じゃろ……」

 

 即座に突っ込まれるオオガミ。

 当然と言えば当然で、明らかに性能の差が大きかった。

 

「つか、逃げる側はどうするんじゃ?」

「俺と、ノッブと、エウリュアレ」

「馬鹿か!? 儂はまだしも、なぜエウリュアレなんじゃ!?」

「ロボが止まらなくなった時の保険かな」

「あ~……そうじゃな……儂だけじゃと、勝てんしのぅ……」

「でしょ? 最悪、エウリュアレなら魅了で逃げられるしね」

「……自分のサーヴァントから逃げるとか、中々シュールじゃのぅ……」

「まぁ、召喚したサーヴァントに殺されたりしてるの……見たしねぇ……?」

「あ~……特異点仕様だと、確かにあったような……令呪とは一体……」

「えっ、宝具解放と霊気修復、霊基復元の三つじゃなく?」

「ん~……なんというか、本気で言ってるのかどうかが怪しいんじゃよなぁ……」

 

 ここではそう言う仕様なので、仕方ないか。とも思うノッブ。

 

「ん~……場所はどこなんじゃ?」

「ロンドン。魔霧だから、通常のサーチも効きにくいでしょ」

「それもそうなんじゃが……嗅覚はどうしたもんかのぅ……」

「あぁ……まぁ、そこはノッブの担当って事で」

「おぉぅ。儂任せか」

「だってそう言うの考えるの、好きそうだし?」

「……まぁ、そうじゃな。任せるが良い」

「ってことで、エウリュアレの所に行ってくるよ」

「む? ……お主、まさか儂の所へ先に来たのか……?」

「まぁ、うん。エウリュアレの説得が一番難しいからね……」

「どうして先にそっちに行かんかったのか……」

「そりゃ……お菓子作りの待ち時間だし」

「思いのほかにひどい理由じゃな!!」

 

 まさか、先に来た理由がそんな理由だと思わなかったノッブは、あまりのひどさにやってられんとばかりに部屋を出て行こうとしていた。

 しかし、

 

「あ、ノッブ。そのお菓子の話なんだけど、ノッブにも食べてもらうつもりだったんだけど……」

「……味見役としてか?」

「それもあるけど、普通に食べてもらうつもりだったんだけど……」

「……なら、貰うとするか」

「うん。じゃあ、取って来るよ」

「儂もついて行こうかの。作りたての方がうまそうじゃし」

「それもそうだね。じゃあ、エウリュアレを説得する前準備と行こうか」

「うむ!!」

 

 そう言うと、二人は楽しそうに休憩室を出て行く。

 

 その後、お菓子で釣られてしまったエウリュアレは、後で事の重大さに気付き倒れるのだった。




 案の定、一番大変な目に合うノッブ。正直、もう少し人数増やした方が良いような気がするんですが、おそらくこれ以上出すと手が回らなくなりそうな予感……


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無理じゃろこんなの!!(ルール、大雑把過ぎじゃない?)

「ハァッ……ハァッ……予想以上に、辛いんじゃけど……!!」

「全く……私なんて、連れてくるからよ……!!」

「ハァッ、ハァッ……ハ、ハハハ……いやぁ……まさか、ここまで辛いとは……」

 

 ロンドンの路地裏で、息を整えつつ身を潜める三人。

 昨日のゲームを実行した所、開始数分にしてヘシアン・ロボを振り切るには一回魅了をかけないといけないという事実に気付いた三人。

 そんなこんなで逃げ続け、現在開始から1時間経過していた。

 

「あんなのから、何時まで逃げればいいんじゃよ……!!」

「えっと……5時間くらいだったかな……」

「はふぅ……よし。私を置いていきなさい。私だけ諦めてエルキドゥに回収してもらうわ」

「却下じゃ。というか、エウリュアレがいなくなったら完全に勝ち目が無くなるんじゃが」

「むぅ……仕方ないわ。ノッブが懐に隠してる蜜柑(みかん)で手を打ちましょう」

「なんで知っとるんじゃ……」

 

 そう言いつつも、自然な流れでエウリュアレに渡すことに違和感を覚えない辺り、見慣れた光景だとオオガミは思うのだった。

 と、そんな感想を抱いた時、ノッブがピクリと反応する。

 

「うむ。ばれたな」

「えぇっ……せっかく食べようと思ったのに……」

「もう一回逃げ切るまで我慢だよ。で、どうやって逃げる?」

「屋内に逃げ込めればいいんじゃが……」

「難しいわよね。どの家なら入れるのか分からないし」

「そうなんじゃよなぁ……見に行ってる間に襲われたらどうしようも無いからな。とにかく、何とかして撒いてみるぞ」

「了解」

「私は……とりあえず魅了をかければいいのかしら?」

「いや、お主はマスターとおれ。道具で撃退できるかが問題じゃからな……」

「なら、最終手段って判断で良いかしら?」

「それでよい。だから、マスターと逃げておれ」

「良いわよ。マスター、行くわよ」

「うん。ノッブ、任せたよ」

「うむ。任された」

 

 そう言って、ノッブはオオガミ達と別れるのだった。

 

 

 * * *

 

 

『今更ながらルールの確認をしておくとしよう』

「む? どうして今更説明なのだ?」

「馬鹿ねぇ。そんなの、今から見る人だっているでしょう?」

「あぁ……なるほど。なら仕方ないな!」

『……説明してもいいかい?』

「うむ。構わんぞ!」

「どうしてこっちと会話が出来てるのかが気になるんだがな……」

『それは言えない秘密ってやつさ。とにかく、説明を始めるよ』

 

 テレビから聞こえるエルキドゥの声。映っているのは、霧の都ロンドン。

 つまりは、オオガミ達の隠れ鬼の観戦である。

 本人たちの近くに通信回線を開くと、互いに伝わってしまう可能性があるため、エルキドゥを対象に映像回線を開き、全体を見ているのだった。

 

『ルールは、簡単に言えば捕まらないこと。ただし、ただ逃げるだけでなく、事前に持ち込んだ道具や各自サーヴァントのスキルは使用可能なモノとする。そうしないと、流石に僕がいないのに逃げ切れるとは思ってないからね』

「ふむ。煽っておるのか?」

「どこぞの金ぴかバイクなら逃げきれるでしょ?」

「それはそれで道具は使っているがな?」

『単体で超速移動が出来るのはいないと思ってたんだが……僕が知らないだけで、もしかしているのか?』

「そんなのはどうでもいいわ。早く説明して? エルキドゥ」

「茶々も早く知りたいんだけど!」

『分かった分かった。確か、道具やスキルは使っていいって言ったね。それに加えて、倒し切らない程度の攻撃は可能だよ。ただし、追う側の近接攻撃に当たった場合は、触れられた判定とするよ。

 そして、最後に一番重要な問題なんだけど、メンバーの都合上、これは本来の隠れ鬼とは違うよ。鬼の交代無し、触れられたら退場。そして、6時間の間に全員が捕まった場合はヘシアン・ロボの勝利。時間が過ぎた時に一人でも残ってたらマスター側の勝利だよ』

 

「ふむ……む? それだと、エウリュアレが連続で魅了をかければ勝てるんじゃないか?」

「……あ、本当ね」

『……ん? そう言われてみれば確かに……この判定、どうするんだい?』

「こっちに聞かれても困るのだが……」

「ふん。エルキドゥの采配でいいだろう? 審判なのだから」

『それもそうか。なら、再使用に制限をかければいいかな? 確か戦闘でのリキャストが9ターンだから……うん。10分に一回でいいね。とりあえずマスターに伝えておくかな』

 

「良くもまぁ、一時間もそんなあやふやなルールで続けたもんだねぇ」

「センパイ、もしやわざとですかね?」

「そんな訳なかろう! 忘れていたに決まっておる!!」

「逆に酷く罵倒されているような……?」

『うん。まぁ、引き続き映像を映していく――――んだけど、外部通信は一旦終了だよ。また明日、だよ。生放送はこのまま継続だけどね』

「外部通信……?」

「BBさん、知ってたりします?」

「ちょっと、即座に私を疑うの、止めてくれません?」

「出来そうなのは、BBさんしかいませんし……」

「当然ですけど、私じゃないですからっ!」

 

 当然の如く疑われるBBだったが、今回に限っては本当に無実であった。

 

 戦いは明日へ続くのだった。




 これは……グダグダの予感……!! 明日で終わるかな……
 そして、ばれたと分かっていながらそれでものんびりと会話する、残念な集団……これ、実質ノッブが捕まったら負けなんじゃ……?


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長い……戦いじゃった……(ダイジェスト且つ打ち切り風なんだけどね!!)

 ゆっくりと、だが確実に、霧は深まる。

 映像にはほとんど霧しか映っていないのだが、そこはダ・ヴィンチちゃん。こうなることを予想してエルキドゥに事前に持たせておいたカメラの映像を映す。

 サーモグラフィっぽくなってしまってはいるが、見えるので良しとする。

 

『これで大丈夫かい?』

「うむ。見えておるぞ」

「正直見辛い事この上ないけどねっ!!」

「仕方ないですよ。今はこれが限界ですからね……ダ・ヴィンチちゃんが今頑張ってますけどね」

『まぁ、それは後で試してみるとしよう。とりあえず、今はこれで行くよ』

 

 その言葉と共に、映像は動き始めた。

 

 

 * * *

 

 

「ぐぬぅ……茨木を連れて来ても良かったのぅ……」

「仕切り直し……欲しかったね……」

「ほら! やっぱり私以外の方が良かったじゃない!!」

「そんな!! エウリュアレがいなかったら最悪開幕で詰んでたでしょ!!」

「ルール追加で死にそうじゃけどね……」

「まぁ、必死で逃げてると、気付いたら10分経ってるから実質ないようなもの……」

 

 半泣きで言うが、事実何も不自由を感じないレベルで襲われているので、特に問題は無かった。

 

「っ!? マスター、ヘシアン・ロボ以外の敵じゃ!」

「通常モンスター!?」

「ちょ……ここって、ホムンクルスとかじゃなかったっけ……?」

「ランサーじゃし!! こっちアーチャーしかおらんのだけど!?」

 

 当然だが、ここは修正されつつある特異点で、特異点の時の残滓は残っている。

 

「魔術礼装は全部持ってきたよ!!」

「全部使うつもりなんか!?」

「オーダーチェンジで私を後ろに下げていいわよ」

「二人でチェンジも何もないわ」

 

 裏に回れるはずもない。『交換できるメンバーはいません。』だ。

 

「とりあえず、ガンド撃って逃げるか、霊子譲渡でNP貯めて宝具撃って逃走じゃな」

「えぇ……とりあえず、吸血使って宝具一回突き刺して逃げるわよ!!」

「レベルはそんなに高くは無いが受けるダメージは痛いからね……一撃離脱で徐々に削っていくよ!!」

 

 そう言って、オオガミ達は現れた敵を倒していく。

 

 

 * * *

 

 

「あ~……特異点ですもんね。敵がいてもおかしくないですよね……」

『これは……僕が処理しても良いのか、それともこれはこれとして一つのイベントとして扱ってもいいのかな?』

「むぅ……そうだな。余は見守るのが一番だな。こっちが攻撃されたら反撃する、と言うので良いと思うぞ」

「どうにかすると思うし、そっちの方が面白そうよね」

『じゃあ、そうするよ。一応、ヘシアン・ロボも襲われるしね……』

「両者ともに辛いねぇ……」

「ふふふ……センパイ、もっと苦しんで下さいね」

「BBさん。後でお話がありますので、覚悟しておいてくださいね?」

「あっれ~? ここのマシュさん、危険じゃないですか~……?」

「諦めるのだな。あんな登場の仕方をしたからこんなぐれ方を……」

 

 即座に地獄の扉を開けたBBは、なんでこんなことになったのかと、過去の事を思い出すが、心当たりは全くないのだった。

 

『じゃあ、再開していくよ――――っと』

 

 襲い掛かってきたスペルブックを撃ち落し、エルキドゥは再び動き始める。

 

 

 * * *

 

 

「わはは! これは辛い!」

「いいからさっさと凪ぎ払いなさいな!」

「うむ! 三千世界に屍を晒すが良い……!!」

 

 放たれた、もはや弾丸とは言えない無数のレーザー。

 それによってヘルタースケルター達は撃ち砕かれていく。が、

 

「むっ! やばい、気付かれたぞ!!」

「うぇぇ……!! このタイミングで!?」

「面倒ね……私の美声で魅了して上げるわ……!!」

「無理を言うでないわ!! この状況で逃げられると思うてか!!」

「えぇ、貴女がいるし」

「最悪瞬間強化にガンド、全体強化、霊子向上に緊急回避で瞬間攻撃力で怯ませて瞬間回避で全力逃走だよ!!」

「ちょいまてい。今の奴、何度魔術礼装を変えた!?」

「3回かな!!」

「高速換装とか、無茶を……」

「それくらいしないと、死にそうだし!!」

「うむ。それくらいの心意気じゃな!!」

 

 そう言って、三人は再度突撃して突破口を作るのだった。

 

 

 * * *

 

 

『……かれこれ5時間。時間が過ぎるのは早いねぇ』

「むぅ……後少しで終わるのか……」

「早いものねぇ……」

「でも、ここからが本番だね!!」

『最後の最後で逆転、なんてね』

「あはは……それは、かなりつらいですね……」

「私は先輩を信じてますから」

「センパイが、勝てると確信した瞬間にやられるっていうのが理想ですね」

「BBさん。今、自分で自分の首を絞めてるって知ってます?」

「嫌ですねぇマシュさん! そんな首を絞めるような事言ってるわけないじゃないですかぁ!」

「あはは。覚悟してくださいね?」

「…………」

『うん。雲行きが怪しくなってきたね。誰だい? BBとマシュを隣に座らせたのは』

 

 珍しくエルキドゥが突っ込みを入れるが、全員が目を逸らすので諦めるのだった。

 

『そろそろ終盤だね。さぁ、見に行こうか』

「ラストスパートね! 頑張りなさい!」

「ここで負けるとか、さすがの余も頬が引きつるぞ」

 

 その言葉と共に、エルキドゥは付近の敵を倒していくのだった。

 

 

 * * *

 

 

「これ……逃げ切れるかのぅ……」

「もう、普通に倒せばいいじゃない」

「いや、あくまでも逃げるのが目的だし……」

 

 ヘシアン・ロボを前に、三人は戦慄する。

 逃げ切る事が問題なのではなく、周囲を囲んでいるモンスターが問題だったりする。

 

「よし。魔術礼装のリキャストが辛いけど、全力で逃げるよ!!」

「魅了で悩殺。ノッブで周囲の壁突破よね!!」

「任せよ!! って事で、NPチャージしたいんじゃが!」

「……霊子譲渡死んでるけどね」

「……これは終わったのぅ」

 

 完全に、壁に追い詰められているようなものだった。

 こういう時は、本当に仕切り直しのスキルが欲しいと思ったオオガミ達だった。

 

「……よし、最終局面じゃ!! 行こうじゃないか!!!」

「えぇ、止め刺してあげるわ!!」

「完全に耐久する気満々だよね!! まったく構わないけど!!」

 

 そう言って、三人は逃げ切るためにヘシアン・ロボに立ち向かうのだった。

 

 

 数分後、ロンドンから帰還した三人は、しばらく地に伏せて動けなかったという。




 うぅむ……難しい。鬼ごっこ系って、結構書きづらいんですね……何だかんだ、観戦側が本編と化してません?
 結果はあれです。逃げ切れたかどうかは、あなた次第。というやつですね。とりあえずBBはその後どうなったのか……誰も知らないのだった。


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七夕じゃよ(限定お菓子……限定スイーツ……ふふふ)

「七夕……ねぇ……」

「まぁ、お主にとってはあんまり興味ないじゃろ」

「そんなことないわよ?」

「ほぅ? 何かあるのか?」

「えぇ。限定和菓子が出るわ」

「……うむ。いつも通りじゃな」

 

 モグモグと七夕限定ゼリーを食べつつドヤ顔をするエウリュアレ。

 それを見て、苦笑いしつつ作業を進めるノッブ。

 

「というか、ノッブこそ何をしてるのよ」

「短冊作るんじゃよ。お主も手伝うか?」

「ふぅん……そうね。気が向いたら手伝ってあげるわ」

「お主は手伝ってくれること自体が珍しいからな。気が向いたら手伝ってくれ」

「えぇ……ところで、なんで短冊?」

「願い事を書くため……じゃったかな?」

「そう……大変ねぇ……織姫と彦星ってのも」

「……お主も、神じゃったよね……完全に他人事……」

「他人事だしね。私の所を考えなさいな。身内で大戦争が起こる様な世界よ? 大変なのよ?」

「あ~……ギリシア神話って、確かに殺伐としておったなぁ……」

 

 ギリシア神話を思い出しつつ、ノッブは短冊を切りながら頬を引きつらせるのだった。

 

「吾は、特に興味ないんだがな……」

「茶々は結構楽しみだよ!!」

「ふん……普段の星見と変わらぬだろうに」

「夢が無いねぇ、バラキーは」

「……(なれ)は食われたいのか?」

「わははーー! 死ぬわけないし~!! 頼光の力に全力で頼るもんね!!」

「なっ!! 卑怯な!!」

「わははは!! やってくるといいよ!!」

「ぐっ……このぅ……!!」

 

 茨木を煽りつつ、さっさか逃げる茶々。

 茶々にも考えがあったのだろうが、現状においては遊んでいる人間が増えただけだった。

 

「沢庵……沢庵……」

「お主、もう作れよ」

「当たり前だ。それがどれだけ完成するかは分からんがな」

「流石じゃなぁ……まぁ、自分で処理しきれるくらいにしておくんじゃぞ」

「任せとけ」

 

 土方は、当然の如く沢庵について書いていたが、すでに自分でも作っているらしかった。

 いつか、それが原因で何かがある様な気がしなくもないが、今気にしても仕方がない。と割り切る。

 

「それで、エウリュアレは手伝えるのか?」

「えぇ。食べ終わったしね」

「じゃあ、こっちを任せる」

「任せなさい」

 

 鋏を持って楽しそうにしているエウリュアレ。どことなく危ない感じがしたが、ノッブはスルーを決め込む。

 

「よし。じゃあ、今出来てる分は配って来るぞ」

「任せなさい。私の本領発揮よ」

「お主、それが本領で良いのか……?」

 

 ノッブが困惑するが、本人は楽しそうなので問題は無いだろう。

 

「マスター。笹、準備できたか?」

「あぁ、ノッブ。今さっき終わったよ」

「ふむ。なら、ちょうど良かったかの。短冊を切ったから持ってきたぞ」

「ありがとう。ん~……でも、最初は手伝ってくれたみんなでいいんじゃないかな? 俺は最後でいいよ」

「そう言うわけにもいかんじゃろ。こう、マスターの威厳的に。変に遠慮するのはむしろ逆効果じゃぞ?」

「えぇっ……仕方ない……何か考えてみるよ」

「うむ。書けたら言ってくれ。そうしたら儂が配って回るからの」

「了解。少し待ってて」

 

 オオガミの言葉を聞きつつ、ノッブはエウリュアレの元に戻って行くのだった。




 なんだかんだ言って、うちのエウリュアレはイベントを楽しみたいスタイルなんですよ……ハサミ持って、シャキン、シャキン、ってやって意味深な笑みを浮かべてたりしてたりしてなかったり……


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いつも通りじゃのぅ……(これくらいで良いのよ)

「種火周回の日々じゃのう……」

「貴女、全く出ないでしょうに」

「まぁ、茶々が一掃しておるよな」

「茶々のなんかよくわからない凄い力は伊達じゃないんだよ!」

「うむうむ。流石、儂の姪じゃな。よく分からん力も使いこなしておる」

「えっ。でたらめに振り回してるんじゃないの?」

「そ、そんなわけないしっ!」

 

 必死な表情で茶々は言うが、目を若干逸らしているので言い訳にしか聞こえない。だが、結局はちゃんと当てられるのなら問題は無いのだった。

 

「それにしても、茶々以上に周回しやすいのって、うちにいるのかしら?」

「むぅ……茶々はバーサーカーじゃから、あれだけの力を出せるわけで……後は誰じゃろ?」

「悩むわよねぇ……うちにも、NPをくれるサーヴァントが欲しいわねぇ……マシュ以外にも」

「そうじゃのぅ……目指すは3ターン周回かのぅ……」

「まぁ、全然急いでは無いから、今の状態でも十分なんだけどね」

「そうじゃな……あ、エウリュアレ。少し貰っても良いか?」

 

 ノッブは、エウリュアレの食べているプリンアラモードを見ながらそう言う。

 エウリュアレは少し考えた後、

 

「良いわよ。ほら、口を開けなさい」

「いや、自分で取れるんじゃが……」

「変に取られたくないわ。ほら、さっさと口を開けなさい」

「ご、強引じゃのう……仕方あるまい。あー……んぐぅ!?」

 

 口を開けた瞬間にスプーンを突っ込まれるノッブ。エウリュアレは一応ダメージが入らない様にしていたので、ノッブのオーバーリアクションだろう。そうに違いない。

 

「ん~……やっぱりエウリュアレの選んでくるものはうまいのぅ。というか、このサイズの物が置いてるのか?」

「いいえ? これはオオガミに作ってもらったのよ?」

「……うむ。いつも通りのマスター小間使い発言。お主、いつか背後から刺されるんじゃなかろうな?」

「そんなわけないじゃない。私は何も悪くないわ。ちゃんと等価交換だし」

「ほぅ? 対価を払っておると?」

「えぇ……疲れた時の抱き枕扱いよ……」

「あ~……うむ、それなら問題ないな」

「えぇ。もう、慣れたわよ」

「そ、そうか……お疲れ様じゃよ」

「まぁ、それだけでこれが手に入るんだから、問題ないわ……」

 

 別に、抱き枕にされるのが嫌だというわけではなく、その際に寄ってくる集団が恐ろしいだけなのだが、ノッブが気付いているかどうかは定かではない。

 

「まぁ、そんな感じで、このデザートは、私の苦労の結晶よ。燃やされそうになったり、切り刻まれそうになったり、毒殺されそうになったりしたけどね」

「特異点並みの危険じゃろそれ……カルデア、恐ろしいのぅ……」

「毎夜戦ってる貴女のセリフじゃないわね」

「まぁ、そうじゃな。と言っても、儂は、主にその三人からマスターを守るために戦っておるんじゃがな?」

「……えっと、その恩恵、受けられた覚えがないんだけど」

「残念じゃな……おそらく、儂の居ない時に限って抱き枕にされとるんじゃろ」

「そんな……」

 

 衝撃の事実。ノッブシールドが機能してない時に限って抱き枕にされているという事実。

 もしかしたら、ノッブシールドが働いていたならもっと楽になったのだろう。

 

「……次は出来れば私が捕まってる時にもお願いしたいわ……」

「善処はする」

 

 ちょっと落ち込んでいるエウリュアレに、ノッブは真剣な顔でうなずくのだった。




 ふと思い出したんですけど、最初の頃って、確かエウリュアレとノッブの仲って、悪かったような……最近は殺伐レベルが皆無ですね。ほのぼの最高です。


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ついに百話だよ!!(とか言っても、結局いつも通りののんびりとした感じじゃよね)

「平和じゃのぅ……」

「えぇ……平和ねぇ……」

「まぁ、茶々は今日も種火周回だったけどね!」

「うむ、うむ。さすが儂の姪じゃ。褒めて使わす」

「ふふん。まぁ、茶々は伯母上の自慢の姪だからね!!」

「あなたたち、いつもそんなこと言ってるわよね」

「そりゃ、飽きる事は無かろう?」

「褒められて、嬉しくないわけないし?」

「……あぁ、もう。本当に仲いいわね」

 

 やれやれ。と言った感じで、エウリュアレは小さなフルーツタルトを口の中に放り込む。

 

「それにしても、この短い間に結構人数増えたのぅ……」

「そうねぇ……茶々から始まって、土方、ネロ、リップ、BB、バラキー、頼光、玉藻って感じでね」

「うむ。自然に抜かされておるのもいるんじゃが?」

「……風魔、ダレイオス、鈴鹿、ベオウルフ、ライダー金時もいたわよ。でも、ここに来てないじゃない」

「それを言われると、まだ出て来ておらん奴らもいるからのぅ……」

「でしょ? つまり、突っ込んじゃいけないことってのもあるのよ」

「うむ……下手なことに触れるのは、やはりいけないことじゃな……触らぬ神に祟りなしじゃ」

「私たちの間では、触ろうと触らなかろうと祟られるけどね」

「……おっそろしい話じゃ全く。シャレにならんな」

 

 平凡に生きるなど、ギリシア神話では相当運が強くない限り、許されないのだとノッブは思うのだった。

 

「まぁ、よくある事よ。むしろ、フリーダムじゃない神の方が珍しいんじゃない?」

「お主が言うと、説得力が違うのぅ……」

「私は……これでもマシな方だと思うのだけどね……」

「ギリシア神話……恐ろしい所じゃ……きっと、バビロニアみたいなのが常なのじゃろうなぁ……」

「まぁ、あながち間違ってないんじゃないかしら……?」

 

 うんうん。とうなずくエウリュアレ。

 ノッブはその反応に若干の不安を覚えるが、ギリシア神話の真っただ中に呼ばれる事は無いだろうと思う事にしておく。

 すると、ネロとオオガミが休憩室に入ってくる。

 

「ふむふむ。じゃあ、野外ライブがしたいと」

「うむ。そして、そのための準備を頼みたいのだが……何とかなるか?」

「ダ・ヴィンチちゃんに聞かないとねぇ……」

「ネロ……またライブをするの?」

「む? エウリュアレか。当然であろう? 余の歌を望む者は多くいるのだ。そのためにはいろんなところでライブをするしかあるまい」

「えぇ、そうよ! 私たちのライブはまだまだこれからよ!」

 

 不穏なワードに思わず反応したエウリュアレに、胸を張って応えるネロ。そして、その声に呼応するかのように背後から現れるエリザベート。

 

「ふむ……BBも呼んでくるかのぅ……あやつならそう言う機材も作る手段とか知ってそうじゃし」

「えぇっ……アイツに頼るの……? (アタシ)、あんまり好きじゃないんだけど……」

「余も、昔何かあった気がするから、出来れば嫌なのだが……まぁ、BB以外出来ないなら仕方あるまい……」

「ん~……まぁ、メディアに聞いてみて、無理なようならBBに頼らざるを得んな……まぁ、頑張っては見るが、期待はせんでおけ」

「うむ。応援しているぞ」

「頑張りなさいよ!」

 

 休憩室を出て行くノッブに、ネロとエリザベートはエールを送る。

 それを見つつ、エウリュアレの対正面に座ったオオガミは苦笑いをしながら、

 

「……自然にやる流れになってるね……」

「開催地なんて、決めてないでしょ?」

「うん……野外ライブ……仕方ない。バビロニアにでも行こうか」

「ジグラット占拠ライブ?」

「そんなことしたら過労死王に殺されちゃう……」

「じゃあ、どこか見晴らしの良い平原ね」

「うん。それくらいが一番だね」

 

 決定してしまったのだから、今更撤回など出来るわけが無く、諦めてどこでライブをするかを考えるのだった。




 冷静に考えると、この話、ふて寝から始まってるんですよね……沖田さんの罪は重かった……
 まぁ、今ではメルトを望んで年末待ちなんですけどね。ワクワク、ワクワク。


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カルデアサマーメモリー~癒やしのホワイトビーチ~
夏イベント、復刻だってさ!!(儂らの水着はまだかあぁぁ!!!)


「海じゃああぁぁぁぁぁ!!!」

「水着だああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「開拓だああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「……貴方達、基本関係ないでしょ……オオガミだけじゃない……」

 

 両手を上げて喜びの声を上げるノッブと茶々とオオガミ。

 それを見て、苦笑いしつつ突っ込むエウリュアレの気持ちも分からなくはないのだった。

 

「マシュの水着も追加だああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「儂らの水着は無いのかああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「茶々も水着着たいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

「ちょっと、マシュが顔真っ赤にしてプルプル震えちゃってるじゃない」

「い、いえ……私は……そんな……」

「余も水着が欲しい……」

「花嫁衣装に言われてもねぇ……?」

「それはそれ、これはこれに決まっておろう。たまには花嫁衣装ではなく、普通の水着も着たいのだ……」

「そうねぇ……私も、もっと色んな衣装を着たいわ」

「……ごめん……ハロエリ、誰もいなくて、ほんとごめん……」

「別に、子犬のせいじゃないわよ。タイミングの問題だし」

 

 若干不満そうなネロに、遠い目をするエリザベート。

 

「それにしても……霊衣解放ねぇ……次は誰が追加されるのかしらね……」

「認めたくないが、きっとアルトリアオルタや、ジャンヌダルクオルタなのだろうな……」

「デオンとアストルフォとか?」

「やっぱり、ストーリーで衣装チェンジがあったサーヴァントからだと思うわよねぇ……」

「というか、それ以外は本当にイベントが来るまで待つしかないよね」

「そうねぇ……しかも、さっき挙げた中で、うちにいるのはデオンだけだし」

 

 このイベントが終わった後、一体誰が追加されるのかと考える全員。

 

「まぁ、新機能だし、そんな焦らんでも良いじゃろ。儂らの水着も、いつか追加される……」

「そうだよ。別に、今年じゃないといけないわけじゃないし。というか、別枠で勝手に着ちゃえばいいんだし」

「………」

「………」

「「それ(じゃ)よっ!!」

 

 とてつもない事に気付いてしまったノッブと茶々。

 その言葉に反応したのは、ネロとエリザベート。四人は視線を合わせ、一度頷くと立ち上がって休憩室を出て行こうとする。

 

「えっと……一応聞いておくね? ……どこに行くの?」

「メディアの所じゃ」

「そ、そう……メディア、どれだけ頼られてるの……」

「うむ。メディアの作る服は中々いいからな」

「だから、今のうちに行くのよ」

「きっと皆が一斉に向かうからね!!」

「な、なるほど……い、いってらっしゃい」

「うむ! 行ってくるぞ!!」

 

 四人はそう言って、行ってしまう。

 残されたオオガミは、一人残ったエウリュアレを見て、

 

「エウリュアレは行かないの?」

「あら……私の水着姿を見たいのかしら?」

「いや……まぁ、うん」

「そう……でも、嫌よ。面倒だもの」

「残念。まぁ、別にエウリュアレはこのままでもいいか」

「そうそう。無理して水着になる必要なんてないわよ。そうよね、マシュ?」

「えっと、その……水着が追加される私が何か言ったら、嫌味にしか聞こえなくなる気がするので、ノーコメントで」

「何よ、面白くないわね……まぁいいわ。とにかく、そういう事よ。ってことで、今日のお菓子を探しに行ってくるわ」

「うん、行ってらっしゃい」

 

 そう言って、エウリュアレは行ってしまうのだった。




 若干のメタと全力の水着回の予感。もちろん、やるとは言ってません。だって、水着の柄とか……まだ思いついてませんし……


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冷静に考えるんじゃ。開拓じゃよ、コレ(海……開拓……ライブステージ……?)

「まぁ、うん。儂、知っておったよ。冷静に考えたら、開拓じゃし、遊んどる暇ないんじゃよね」

「何を今更な事を言ってるのよ……」

「ノッブ。まずは開拓し、(みな)にとって心地の良い場所にしてから大いに遊ぶ。それが当然であろう?」

「ぬぐぐ……ネロに正論を言われてもうた……」

「なんというか、そのセリフには悪意を感じるのだが……気のせいだろうか……」

「うむ。気のせいじゃよ」

「ふむ。なら仕方がないな」

「騙されるんじゃないわよ……いえ、わざと言ってるんでしょうけど……」

 

 机に顔を伏せながらノッブが呟くが、ネロの突っ込みにより諦めたような表情で起き上がってくる。

 エウリュアレはそのやり取りに思わず突っ込みつつ、本日のお菓子であるサーターアンダーギーを食べる。

 ちなみに、イベントでもないのに食べているのは、単純に食べてみたかったからダ・ヴィンチちゃんにねだったらしい。

 

「それにしても、イベントまでの期間が短いわよね……新特異点が出来て二週間近くでイベントなんて、種火を集める暇もないわ」

「いつもの事だよね。というか、今回は結構時間あった方だと思うよ?」

「まぁ……当然の如く私に聖杯が一つ捧げられたからね……」

「おかしいんじゃよなぁ……」

「余には聖杯は一つも無いのに……」

「なによ……素でレベル上限が80とか90あるようなのに言われてもねぇ……」

「昔と言ってることが違っとるんじゃが……」

「そう言う事もあるわよ」

 

 うんうん。とうなずくエウリュアレ。すでにレベル94まで来ており、レベル100はもう目前だった。もちろん、目前とはいっても、必要な経験値量は膨大なので、当然の如くしばらくは上がるわけは無いのだった。

 

「私、ここ最近、一回も編成から抜けた覚えがないんだけど……」

「儂、鬼ヶ島以降組まれた覚えがないんじゃけど」

「余、たまに抜かれるのだが」

「私なんか、昨日修練場を回ってる時に入っただけよ?」

「エリちゃん、ちゃんとアガルタでも出てたでしょ……?」

「さらっと入って来たわよね……」

 

 さらっと会話に混ざってくるエリザベートに思わずエウリュアレは突っ込むが、当の本人はさも当然と言いたげな表情をしているので、特に問題は無いためそのまま流す。

 

「ねぇ……子犬? その無人島、ライブステージは作れるの……?」

「……」

「む? 確かに、開拓なら作ってもいいのか……?」

「……い、いやいやいや……さ、流石に選択肢にライブステージは無いと思うよ……?」

「つまり、あったならやるというわけか」

「青い空、白い雲、煌めく海! そして、そこでやるライブとは、どれほど良いものか!!」

「うっわぁ……バビロニア大惨劇――――じゃなかった。大規模ライブをやる予定だったのに……」

「諦めなさい。夏は戦争よ……」

「儂は行かんぞ。ライブが終わったら呼ぶと良い」

「令呪使ってでも連れて行くから安心して」

「マスター許さん縛り上げてやるぞ心せよ」

 

 満面の笑みで恐ろしい事を言い合うノッブとオオガミ。

 正直ノッブが犠牲になるか否かというだけの話で、令呪を使ってノッブを連れて行きながら縛り上げられて耳をふさぐことすらできないオオガミが一瞬で想像できたエウリュアレなのだった。




 やめろ……やめるんだ……真夏の未開拓島で最恐のライブイベントとか、逃げ場がない……!!
 さて、今回もノッブはお休みなのか否か……


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ついに! 水着イベントキターーー!!(今日は様子見だから遊ばないよ!?)

「ぬわははははははは!!! イベントじゃああぁぁぁぁぁ!!!」

「余の出番だああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「茶々も行くぞおおぉぉぉぉ!!」

「貴方達、本当に楽しそうねぇ……」

「今日は軽く行ってみるだけなのにね。本番は明日からだよ?」

 

 異様に気合の入っている三人を見ながら、エウリュアレとオオガミは苦笑いをする。

 ちなみに、もう一人叫ぶであろうエリちゃんは、別の用で休憩室にはいなかった。

 

「というか……ダウンロード……長いのぅ……」

「そう言う事もあるさ……」

「全く……何時になったら海に行けるのじゃ」

「オケアノス行って来ていいよ? 俺はマシュの水着を解放するために頑張ってくるから」

「あ、それだけは勘弁じゃ」

「まぁ、オケアノスでも十分海水浴は出来ると思うけどね」

「満面の笑みで一人で行かせようとするマスターが恐ろしかったんじゃけどね……?」

 

 顔に笑みを張り付けながら提案するオオガミに、プルプルと震えながら拒否をするノッブ。

 

「フフフ……とりあえず、手始めに私が行くのよね……で、私じゃなくても大丈夫みたいなら、色々試してみる……って感じかしら?」

「流石エウリュアレ! 良く分かってる! でも、流石にランサーなら後方待機だよ?」

「それでも編成に入れるのね……」

「そりゃもちろん。本気で最終手段だと思ってるからね。エウリュアレがいるのと居ないので結構変わる場面はあったと思うよ? つい最近だと、メガロスとか」

「それ、相性の問題じゃない。というか、流石に孤島にまでそんなのがいるとは思ってないんだけど……」

「分からんぞ? あれだけ女しかいない雰囲気全開だったくせに、結局最強レベルだったのは男のメガロスじゃし」

「石砕いたのは柱だけどね……あら? ねぇマスター。私たち、魔神柱に石を砕かなかったのって、終局特異点だけじゃないかしら……?」

「……エウリュアレ。その話はしないで。心が痛い……」

「ふはは。中々ひどいのぅ」

「でもまぁ……勝ってるのなら問題ないわよね。勝てば実質砕いてないも同然よね」

「そういう発想は不味い。それ、ずっとやり続ける羽目になるんじゃが」

「さ、流石にそんなことはしない……よ?」

「末期じゃった!」

 

 冷静に考えると、5章までは石を砕いて突き進んでいたので、手遅れも良い所である。

 

「さて……じゃあ、そろそろ行こうか」

「そうじゃな。という事で、儂も荷物を準備してくるぞ」

「私のも持ってきてくれるかしら?」

「うむ。任せよ」

「ネロも準備しておいてね?」

「うむ! というわけで、余も行ってくる!!」

 

 そう言うと、ノッブとネロは準備をしに休憩室を出て行くのだった。

 

 その後、もう何人かに声をかけて準備をしてもらった後、レイシフトをするのだった。




 想像以上に長いダウンロードと、とりあえずエウリュアレは編成に自動的に入れられるという現実。
 戦いは始まったばかり!!


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解放翌日に開拓完了(これから忙しくなるんじゃろうなぁ……)

「終わったのぅ……」

「終わったわねぇ……」

「まさか、一日で終わらせるとは……さすがマスター」

「当然よなぁ……なんせ、イベント交換一回もしてないもん」

「まぁ、これからアイテム回収の旅が始まるって事じゃよ……」

 

 当然の様に遠い目をするノッブ。しかし、真水でしか活躍できないのが現実だった。

 ちなみに、今は船を出さず、周回のために出航前の状態にしていた。

 

「いいじゃない……今回はネロの出番よ。石材を頑張って集めなさいな」

「うむ!! 余は頑張るぞ!!」

「儂はあんまり活躍できんし……茶々も頑張るのだぞ?」

「食料はまっかせっなさーい!!」

「私も頑張りますね!」

「うむ。マシュも儂らと同じ真水じゃからね。儂と立場、変わらんからね」

「そう言う事言わない。真水だって使うんだから」

「そうよ。種火回収に必要なんだから、マスターが要らないなんて言うわけないじゃない。むしろ、これだけは取れって言ってくるわよ」

「おぉぅ。さすがエウリュアレ。言いたいことが分かってる!」

「分かりたくないわよこんなこと……という訳で、ノッブ。頑張って」

「なるほど……そこで儂に振るのか」

 

 当然と言わんばかりの表情で、エウリュアレは元拠点である木の小屋へと戻っていく。

 

「……というか、なんでエウリュアレはあっちの小屋に行くんじゃ?」

「気に入ってるんじゃない? 広いところよりも狭いところが落ち着くっていうのはあるし」

「それは確かに……そうじゃな」

「でしょ? じゃあ、いいんじゃない?」

「まぁ……どこにいても変わらんしな……」

「うん。まぁ、後で様子は見に行くよ。スイカもついでに収穫してこよう……」

「うむ……儂は先に城へ戻っておるぞ」

「うん。でもまぁ……ちょっと作り直したいところもあるから、イベント交換終わってももうちょっと仕事してもらうことになるかもしれないから、よろしくね」

「おう。任せておくがよい。儂は基本手伝うからの」

「じゃ、また後で」

「また後で」

「余もちょっと用があるから、ノッブと一緒に行くぞ。後で会おう!」

「行ってらっしゃい。また後でね」

 

 そう言って、ノッブとネロは城へ向かっていく。

 

「さて……じゃあ、行こうか」

「はい。しっかりとお手伝いさせていただきます!」

「そんな気張らなくても大丈夫だからね?」

 

 オオガミは、苦笑いをしながらマシュにそういう。

 そして、ふと思い出したように、

 

「それにしても……今更だけど、よくこんなのをサクッと作れるよね……しかも、あくまでもみんなは戦士とか魔術師とか、そんな感じのパーティーなのに。建築とかできるのは少数のはずなんだけどね……」

「枯山水は大変でしたね……そもそも、正確に知ってる人なんて、ほとんどいないようなものでしたし……」

「……ねぇ、この規模の開拓をして、歴史に異常は出ないのかな……?」

「……どうなんでしょうか。通信が取れるようになったら聞いてみないとですね……」

 

 歴史を修正しに来て、歴史を乱す。それは、本末転倒もいいところだった。

 

「でも、まぁ……」

 

 しかし、オオガミは空を見上げ、

 

「楽しかったし、いいか」

「……そうですね」

「じゃ、スイカを収穫だ!」

「はい!」

 

 そういって、二人はスイカ畑の中に入っていくのだった。




 珍しく全力を注いだイベント……タイミング的にも全力を注げるタイミングだったんです……
 しかし、本当に一切イベント交換してませんから、終わるかどうか……まぁ、やれるだけやってみるしかないですよね……


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完全自家製スイカだよ!!(高難易度は安定のヘラクレスで爆砕)

「やっぱり……おいしいわね」

「スイカだけでなく、塩まで自家製。思い入れ補正で更においしくなる……」

「思い出補正は最強なんじゃよ」

 

 木の小屋で海を眺めながら、もぐもぐとスイカを食べる三人。

 今日はいつも以上にぼんやりとしていた。

 

「それにしても……今日は木材取って終わったのぅ……」

「高難易度も、思ったのと全然違かったけどね……」

「あんな耐久、許さないわ……何よ、全員超耐性とか……」

「最後の最後で、まさかバスターチェインで耐性が破れる事に気付くとは思わなんだ」

「もっと早くに気付けば……楽だったじゃない……」

「結局、最初から最後まで生き残ってたのはエウリュアレだけだし」

「本当に……もう、ヘラクレスがいなかったら死ぬかと思ったわよ」

「やはり、ヘラクレスは最強じゃったか……」

 

 全力で圧殺撲殺したヘラクレス。まぁ、そこにたどり着くまでの過程は全てエウリュアレが一掃していたので、結局はエウリュアレがメイン戦力だった。

 

「……スイカの種……取り辛いわね……」

「そのままかぶりつけばよいじゃろ」

「見た目を気にして、スイカを喰えるかぁ!!」

「マスターの言う通りじゃ! 勢いよく、大胆に、じゃ!!」

「…………あぁ、そういう事。だからこのメンバーなわけね……」

「うん。一番見られても問題無いメンバーでしょ? 他の皆は別の用でいないし、戻ってくる前に洗っちゃえば分からないでしょ。多少汚れても、ノッブか俺が何か言われる程度だし」

「さらっと儂の扱いが酷いんじゃが、気のせいじゃよね?」

「気のせい気のせい。ほら、さっさと食べちゃおうよ」

「……洗う時は手伝いなさいよ、ノッブ」

「う、うむ……流石にそこはマスターには任せられんからな……」

 

 ノッブが頷き了承したのを見て、エウリュアレは少しためらってから勢いよくかぶりつく。

 

「んっ! こっちの方がみずみずしくておいしいわね!」

「そりゃ、スイカを抉って種を出すよりもそっちの方が果汁も出ないから美味しいじゃろ」

「うんうん……最大の敵は、うっかり口の中に含んだ種を噛み砕いたり、うっかり飲み込んだりする事……飲み込んだらおへそから芽が生えてくるよとか、よく言ったと思うんだ」

「うむ。完全に今言う事ではないな。そして、腹から生えた植物と同化したのがアウラウネじゃ」

「植物人間は植物の種を飲み込んだ人間の末路だったのか……!!」

「何言ってるのよ。そんな訳……無いじゃない」

「微妙な間が気になるんじゃけど……」

「可能性の彼方で腹から生えた植物によって浸食されたのがアウラウネ……!! ちょっとシェイクスピアかアンデルセンに相談してみるかな……」

「話でも作るつもり?」

「予定は未定。頑張るよ」

「まぁ、暇つぶし程度にならなるじゃろ」

「頑張りなさいな」

「う、うん……まぁ、帰るまでは何かに書いておくよ」

 

 スイカを食べながら話し合う三人は、その後もしばらくのんびりとしていたのだった。




 いや、アウラウネの話……書きませんよ……? たぶん……
 スイカの種……箸で取るか、それともそのまま食べて、タネマシンガン叩き込むか……かみ砕いて飲み込むって、ありですかね……


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鉄材……大変ねぇ(魚……ほぐしてやってもいいんじゃぞ……?)

「今日ものんびりしとったのぅ……」

「それ、私たちだけなんだけどね」

「……まぁ、儂ら以外……おらんしな」

 

 正確には、真水・食糧組が全員休みなのだか、木の小屋にいるのはノッブとエウリュアレだけなのでいないようなものだった。

 

「……むむむ……取りにくいわ……」

「別に、無理をして箸を使う必要は無いんじゃよ?」

「馬鹿言わないでちょうだい。私だって、ちゃんとできるんだから……!!」

「……まぁ、エウリュアレがそれでいいならいいんじゃが……儂が取ってもいいんじゃぞ?」

「まだよ……まだ諦めないわ……!!」

「……かれこれ、二十分。大変じゃのう……」

 

 ノッブはすでにほとんど食べ終わっており、エウリュアレは魚をほぐすのに熱中して途中から食べる事を忘れていた。

 

「後少し……後少しなのよ……!!」

「そうじゃな。そこまで行ったら、儂が手伝うのは野暮というものじゃ」

「ふふん。これで……終わりよ!」

 

 ドヤ顔で魚をほぐし終わったエウリュアレは、少しの間達成感に満ち溢れた表情をした後、嬉しそうに魚を食べ――――

 

「……冷えてるわ……」

「まぁ、そうなるじゃろうと思っておった。新しいの、焼くか? そっちは儂が食べるぞ?」

「いいえ……流石にそこまではしないわよ。自分でやったんだもの。自分のくらい……ねぇ?」

「……そうじゃな。それが一番じゃ。というわけで、頑張るんじゃよ」

「えぇ、任せなさい。ちゃんと食べきってあげるわ」

「うむ。しっかり食べ切れたら、儂が後で何か作ってやるぞ」

「んっ。緑茶に合う和菓子が欲しいわ!」

「それは……ここで作れるかのぅ……探してみるか」

 

 嬉々として残った料理を食べるエウリュアレ。

 ノッブはそれを見つつ、何を作るかを考える。

 そんなことをしていたら、突然扉が開いてナーサリーが飛び込んでくる。

 

「ノッブ!! 私のスイカは無いの!?」

「いきなり飛び込んできて何言っとるんじゃ……まぁ、スイカは余っておるし、何個か冷やしているが……食べたいのか?」

「えぇ!! って……エウリュアレがご飯を食べていたわ。なら、食べ終わるまで待っていなくちゃよね」

ふぐはへほはふはは(すぐ食べ終わるから)まっへなはい(待ってなさい)!」

「おぅエウリュアレ。喋るか食べるか、どっちかにせい」

「はわわ……ノッブが珍しく怒っているわ……!!」

「んぐっ……そんなに怒らないでよ……仕方ないわ。黙って早く食べちゃいましょ」

「えぇ、待ってるわ!」

 

 ニコニコしながらエウリュアレが食べ終わるのを待つナーサリー。

 その後、エウリュアレが食べ終わったあたりでやってきて同じようにスイカが食べたいと言ってきた茨木は、ノッブと一緒にスイカを取りに行くのだった。




 鉄材が集まらない……これはもう、林檎を使ってアップルパイを作るしか……!!(錯乱


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ついにここまで来ちゃったわね…(レベル99の壁じゃよ……)

「種火……終わったのぅ……」

「えぇ。おかげで、レベルが99になったわよ」

「エウリュアレが最強だし!」

「これは……もはや信仰の域なんだけど……」

「神としては嬉しいんじゃないのか?」

「このレベルは流石に……そもそも、私を前線に出す信徒とか、嫌に決まってるでしょ?」

「はぅぁ! エウリュアレに嫌われてた……」

「……別に、嫌ってるわけではないのだけど……」

「マスターも、性格悪いのぅ……」

「……冗談で言ってるように見えないのよね……」

 

 当然の如く種火を大量に投下されるエウリュアレ。

 だが、それでもレベルマックスにならなかったのは、やはり壁が高い、という事だろう。

 

「それにしても……最近、ノッブの攻撃力が落ちてる気がしてきたわ」

「……儂の攻撃力、変わっとらんのじゃが。それは煽りとして受け取ってよいのか?」

「そうねぇ……じゃあ、あれよ。久しぶりにちょっと戦いましょうよ」

「ほぅ? ついに儂に挑戦してくるまでになったか……ふむふむ。儂も舐められたものじゃ……」

「ふふふ……今回こそ勝ってあげるわ」

「ふん。儂が負けるわけなかろう?」

「二人とも、死なない程度にね?」

 

 二人は不敵に笑いながら小屋を出て行った、

 だが、この島に運動場は無い。まさか、枯山水で戦闘をするわけじゃあるまいな……と思いつつも、今更見に行く勇気は無いオオガミ。

 そして、一人になったために何をしようかと悩んだ時だった。

 

「マスター!! バラキーと来たわよー!」

「なんだその呼称は! 茨木童子と呼ばぬか!」

「えぇ~? だって、バラキーはバラキーよ?」

「む、むぅ……? ば、バラキーとは一体……?」

「まぁ、深く考える必要は無いわ。それよりもマスター! スイカシャーベットっていうのを作ったって聞いたんだけど!!」

「どこからそんな情報仕入れてきたの……?」

 

 玉藻に頼んで密かに作ったにも関わらず、やはりどこからか情報が漏れてしまったのだろう。少なくとも、この二人は知っているようだった。

 

「ふむふむ。で、それを聞いて、どうするの?」

「当然、私のもくれるのよね!?」

「吾は否応でも貰うがな?」

「あはは……二人とも、落ち着いてよ。というか、二人だけに食べさせるわけにはいかないからね?」

「そんなっ……!!」

「なん……じゃと……!?」

 

 驚愕の表情をするナーサリーと茨木。

 

「まだ試作品だし、最初に食べるのは玉藻だからね? 一応、手伝ってくれたし」

「むぅ~! なら、私が手伝うわ! それなら文句ないでしょう!?」

「吾はただ喰らうのみよ……さて、『すいかしゃーべっと』とやらはどこじゃ……」

「こら。行かせはしないよ。食べたいのならナーサリーみたいに手伝いなさい」

「ぐぬぬ……そも、何を手伝えと言うのだ!」

「スイカを取ってきてくれないかな。バラキーなら速いから、その分だけ早く作れると思うんだけど」

「任せるが良い!」

 

 そう言うと、茨木は驚くほどの速度で走って行ってしまった。

 それを顔だけ出して見送ったオオガミは、すぐに顔を引っ込め、

 

「行動が早いなぁ……まぁ、あんな働きされたらこっちも応えるしかなくなるよね」

「えぇ。それでこそマスターよ」

「うん。じゃあ、準備をしようか」

「分かったわ! 任せなさい!」

 

 その後、茨木の取ってきたスイカを受け取ったあたりでボロボロになって帰って来たノッブとエウリュアレが、同じようにスイカを取りに走って行ったのは、ここだけの話である。




 ついにレベル99。しかし、ここまで来てもノッブの神殺しに勝てるのかどうか……宝具バスターバスターで一撃で倒されそうな予感……


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もう少しで水と食料が……!!(いい加減、儂らも遊んで良いよね?)

「うむ……そろそろ改築しても良いと思うんじゃけど」

「残念。ほとんど素材が回収できてないから、今週もアイテム集めなんだなぁこれが!」

「ふふふ……安心しなさい。私たちは後少しよ……」

「うむ。そうじゃな。後1200個ほどじゃな!!」

「食料集めと改築素材もあるから、まだ二人には頑張ってもらうけどね」

「……ノッブ。後は任せたわ」

「うむ。儂じゃ攻撃力もNP回収率も足りんしな。ここはエウリュアレの出番じゃろ」

「さらっと見捨てられたわ! ノッブの人でなし!!」

「神に言われる日が来るとは思わなんだ!!」

 

 半泣きの表情で訴えるエウリュアレに、驚きと笑いが混じったような表情で突っ込むノッブ。

 

「全く……食料優先だからマシュとエウリュアレの二人で原始林に行って、どうぶつ大戦争とか言ってるやつにとどめ刺してくる感じだよ?」

「…………最近、私の働きっぷりを見てノッブが羨ましがらなくなって、変わる気を失せてるんだけど」

「いやぁ……儂、もうカルデアで待つのが一番じゃろうなぁって思って来た」

「私の代わりはもういなくなったのね……」

「ごめん。最初からいない」

「……まぁ、そんなモノよね。ふふふ……任せなさい。もう、一周回って楽しくなってきたわ」

「うむ。順調にエウリュアレも変わって来たな」

「誰だ変えたのは」

「紛れもなくマスター。お主じゃ」

 

 誰が変えたんだと憤慨するオオガミに、すかさずお前だと突っ込むノッブ。

 エウリュアレもノッブに同意するようにオオガミを睨むが、本人にその自覚は無いので気付かない。

 

「それで、どうするんじゃ? というか、終わらせるつもりあるんじゃろうなぁ……」

「鬼ヶ島みたいなことにはしないよ……二部までには終わらせる勢いで……」

「私もギリギリでラッシュは嫌よ? そう言うのはネロに任せなさい」

「そうじゃな。ネロがそう言うのは得意そうじゃ」

「つまり……石材を最後にしろってこと?」

「うむ。とりあえず鉄材を集めなくては始まらんじゃろ」

「あ~……そうだね。鉄材が難関だよね……うん。終わったら鉄材を集めようか……」

「うむ。お主が鉄材を集めに行っておる間、こっちは遊ばせてもらうがな!」

「何それ!! 俺も一緒に遊びたいんだけど!! 絶対楽しそうなんだけど!!」

「ふはは!! 諦めるんじゃなぁ!!」

「ぬぐわああぁぁぁぁぁ!!!」

 

 突然の裏切り。オオガミが羨まし気な視線で訴えるのも無理はないだろう。

 

「ククク……早く終わらせれば、それだけ早く遊べるという事じゃよ……」

「そうね。私も早く遊びたいわ……」

「では、さっさと終わらせるかの。マスター」

「ぐぬぬ……仕方なし。全速力で終わらせる……!!」

 

 そう言うと、三人は小屋を出た。




 この話を書いている間に、真水と食料が集め終わったんですよ……後は木材と石材と鉄材。あれ? まだ6割残ってる様な……??
 これ、終わるんでしょうか……(震え

 そして、こいつら、たったの一回も城に入ってないのだが……


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スイカ割りじゃよ(こっちが鉄材集めてる間にそんなことを……)

「さて……これで決着じゃ……」

「ふふふ……それはどうかしら?」

「む……ならば……ここじゃぁ!!」

 

 バンッ!! と叩き付けられる木の棒。

 砂が爆散するほどの威力で叩きつけられ、その威力で隣にあったスイカが飛んでいく。

 

「むぅ……感触が無かった。外したのぅ……」

「うふふ。計画通り、外したわね。私の言葉を深読みするからよ」

「ぐぬぬ……というか、助言なら良いとしても、惑わせるのはどうなんじゃよ……」

「私がそれをしなくて、誰がこの役目をするのよ」

「そんな役目はいらぬという話じゃ」

「それは……出来ない相談ね」

「……おかしいんじゃよなぁ……」

 

 ノッブは目隠しを外しながらエウリュアレに呆れたような視線を送るが、当の本人は悪びれる様子も無く平然としていた。

 

「次はネロの番じゃな」

「うむ。今度こそ叩き割ってくれようぞ!!」

「終わるかしらねぇ……早く割らないと、温かくなっちゃうわ」

「じゃあ、別のスイカにして、こっちは先に食べるか」

「ぬわぁ! 余のスイカがぁ!」

 

 ネロの制止も空しく、ノッブはさっさとスイカを取り換える。やっぱりこういうものは冷たいほうがいいのだ。

 

「それじゃあ、ネロが叩き割るのを観戦じゃな。ナーサリーもやるか?」

「えぇ! 私もやりたいわ!!」

「うむ。じゃあ、茨木も――――」

「当然、参加する。鬼の力、見せてくれようぞ……」

「退屈しないわねぇ……で、エリザベートは?」

「ネロが出て私が出ないわけないでしょ? 当然、出場するわ」

「そうよね。というか、意外に増えたわねぇ……」

「うむ。儂ら二人で遊んでたら、まさかこんなに増えるとはのぅ……リップは食うだけでいいんか?」

「はい。私、棒が持てませんし」

「ん~……まぁ、それもそうじゃな。なら、割れたやつを頼むぞ」

「はい! 任せてください!」

 

 楽しそうに遊ぶ7人。最初はノッブとエウリュアレで遊んでいたが、ネロが来た辺りから、だんだんと人が増えてきていた。

 

「して、どのようなルールなのだ?」

「む? まぁ、そうじゃな。目隠しをして、10回回ったらスタートじゃな。で、記憶を頼りにしてもいいし、儂らの声を頼りにしても良いという感じじゃ」

「ふむ……まぁ、一度試してみるか」

「まぁ、出番が回ってくるまでに時間はあるじゃろうしな」

「そうか。なら、少し行ってくる」

「うむ。頑張るがよい」

 

 茨木はそういうと、離れていく。

 ノッブはそれを見送ってから視線をネロに戻すと、ちょうど的外れなところに棒を叩き付けたところだった。

 

「ぬぐぁ……ダメだったか……!」

「お疲れさま。次は私よ」

「む。そうか、なら、余が目隠しを着けてやろう……」

「ありがとう! お願いするわ!」

 

 ネロに目隠しをしてもらいながら、ナーサリーは木の棒を受け取る。

 

「ふむ……ナーサリーの番じゃな。というか、これ、マスターが帰ってくるまでに終わるか……?」

「無理ね。諦めましょ」

「はっきりというのぅ……まぁ、問題はないか」

 

 ノッブはそういうと、楽しそうにスイカ割りを見るのだった。




 スイカ割り……正直、楽しいけど後始末の面倒臭さは折り紙付き。英霊もきっと同様なわけで、この後後始末に追われるんじゃないだろうか(希望


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大改修じゃ!(今日で終わりそうにないけどね)

「大改修じゃのぅ」

「まぁ、結局今の所変わってるのは、ピザ釜が土釜戸になったくらいよね」

「わざわざ元に戻すその心意気……もはや執念の域じゃな……」

「和風改築よね。楽しそうで何よりだわ」

「まぁ、儂も見てて面白いしな」

「私も、作ってすぐ壊すだけじゃもったいないっていう理由で料理が運ばれてくるから満足よ」

「……残すでないぞ?」

「安心しなさい。最終的には皆で食べるから、私は毒見役よ」

「食いたいだけじゃろ……」

 

 お菓子ではなく、今回は普通に料理メインで構成されていた。

 明日は海に出るので、備蓄を溜めつつ、余るものは処理していくという過程で生まれた無数の料理。

 これが終わったら宴会でもするのだろうかという勢いだった。

 

「それにしても、誰が作っとるんじゃろ」

「玉藻とメディアとマシュね。たまにオオガミが手伝ってたりしてるわよ?」

「マスターに働かせるサーヴァント。冷静に考えると、すごい状況じゃよね……」

「失礼ね……ちゃんと、食べられないものは無いかって、毒見してるじゃない」

「毒見する女神ってのも、中々字面にするととんでもないものを感じるのぅ……」

「じゃあ何ならいいのよ……」

「いや、別に……面白い状況じゃよねぇって話だし」

「確かに、面白いわよね。で、貴女は食べないの?」

「そうじゃのぅ……お主だけが食うのは、安全性に欠けるしな。儂も食うぞ」

「一々そんなこと言わなくても良いわよ……」

 

 シチューを飲み、一息つくエウリュアレ。

 ノッブが一番最初に取ったのは、おにぎり。つい最近、金色に輝くものを食べたような気がするが、気のせいだろう。

 なんだかんだ言って、最初に作った時以外本来の使い方をされていなかったピザ釜も、今では元気に働いていた。

 

「それにしても、デザートピザなんてあったのね」

「クレープと似たようなもん……かのぅ?」

「おいしいのは変わらないけどね。メディア、器用よねぇ……」

「あのスキル、どこから来たんじゃろ……」

「触れたらいけない気がするから、私は関わらないことにするわ」

「そうじゃな。儂も知らない方が良い気がしてきた。うむ。トウモロコシもうまいな!」

「キャベツだっておいしいわよ。味付けは簡素だけど、十分ね」

「やはり新鮮なのは格別……産地直送、地産地消。やはり最強じゃな」

「おいしいものは皆の心を豊かにするわね。確かに、これは神に祈る気持ちも分かるわ。こんなにおいしいのが食べられなくなるなんて、死にたくなるもの」

「うむ、うむ。これで、明日も頑張る力が湧いてくるというものじゃ」

「えぇ、えぇ。つまみ食いもここまでにしておきましょうか」

 

 その一言に、ノッブは凍り付く。

 

「…………おい待てエウリュアレ。お主まさか、黙って食っておったのか?」

「そうよ? 共犯者なんだから、諦めなさい?」

「…………珍しく罠にはめられた……これ、儂も悪くなるんじゃが……」

「いやぁ……ノッブに見つかった時はどうなるかと思ったわ」

「こやつ……仕方なし。とりあえずメディアに伝えてくるかの」

「えっ! ちょ、裏切り早いわね!?」

「うむ。こういうのは早めに言っておくのが一番じゃ」

「しっかりしてるわね……自分が怒られるかもしれないっていうのに。うつけ者ってなんだったのかしら」

「満面の笑みを浮かべながら堂々と嘘を言ってくるお主に言われたくないのぅ……」

「あら、どこで気付いたの?」

「儂に見つかった時は、という辺りからじゃな。そもそも、お主は嘘を吐いておると言わぬからな……ほれ、儂らも出来る限りのことを手伝いに行くぞ」

「むぅ……仕方ないわね。私もちゃんと手伝うわよ」

 

 二人はそう言って、ちょうど厨房を手伝いに来たオオガミの元へ向かうのだった。




 まだ、牧場にたどり着いたばっかりなんですよ……明日までには終わるはず……午後に、入る前に終わらせるんじゃぁ……!!


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カルデアヒートオデッセイ~進化のシヴィライゼーション~
大・航・海!(しかし、始まったと思ったら終わっていた)


「よし。航海の準備は完了だね。ノッブ!! そっちは大丈夫かい!?」

「うむ! 言われたものはそろっておるぞ!」

「ならいいね! エウリュアレはあそこにいるから、幸運の女神も完備。準備は出来たよ、マスター!」

「じゃあ、皆!! 新天地目指して、ついでにカルデアとの回線回復祈ってレッツゴー!!!」

「「「おおーーー!!」」」

 

 船の上で、大きな声が響く。

 オケアノス以来の大航海の予感に、思わず笑みを浮かべるのも仕方のない事だろう。

 

 

 * * *

 

 

「しかし、儂らがすることなんて、特にないんじゃよねぇ……」

「私の方が何もすることが無いわよ……」

「時たま見える鳥を眺めるくらいじゃしねぇ……」

「まぁ、戻れるまでの辛抱だし、多少はね」

「そうじゃな……しかし、結局、改修してもあまり変わらなかったのぅ」

「そう? ピザ釜が土釜戸に変わって、水田が麦畑に変わって、鳥牧場が牛牧場になって、牧場道が石畳になって、木の水路が石の水路になって、枯山水が迷路の庭になって、城が武家屋敷に変わったじゃない」

「……半分変わっておるではないか!!」

「そうね。私も確認して初めて知ったわそんなに変わってたのね」

 

 すでに過ぎた事だが、結果として半分も改修したという事実に驚いていた。

 その事に思いを馳せていると、

 

「ノッブ~! エウリュアレ~! 島が見えてきたから降りてきて~!」

「…………短いような、長いような、そんな感じじゃのぅ……」

「寝て起きたら次の島って感じね。大航海って何だったのかしら」

「そうじゃな。とりあえず、行くかのぅ」

 

 二人はそう言って、オオガミの元へと向かうのだった。

 

 

 * * *

 

 

「喋るうりぼう……流石のブリテンも手を出すまいと思ったけど、めちゃくちゃ食べたそうにしてたよね……」

「ゲテモノ肉も! ごちそうじゃ!! とか言っておったし、あんまり関係ないんじゃろ。きっと」

「円卓は常識サイドの陣営もこんな感じだから、白い目で見られるんだよ……」

「酷い八つ当たりを見たわ……」

 

 円卓は危険。そんな印象を持っているノッブとオオガミに、思わずエウリュアレが突っ込む。

 

「さて。じゃあ、編成を変えないとね。前回と特効が変わってるしね」

「私とノッブはレアルタ合金? らしいわね。ムーンキャンサーと同じだから――――ムーンキャンサー?」

「……BBなんじゃけど」

「呼びました?」

 

 さらっと会話に割り込んでくるBB。思わずエウリュアレとノッブは距離を取ってしまったが、BBだと確認するとほっと一息吐く。

 

「なんですか、人が声をかけただけでいきなり距離を取るなんて。何か企んでいたんです?」

「そう言うわけじゃないんだけどね。編成を考えてただけだよ」

「あぁ、なるほど。私はレアルタ合金で、エウリュアレさん達と一緒って話ですか」

「そう言う事。それにしても、戦力としてはあんまり期待できないキャスターが特殊クラスと組まされるとは……」

「別に、アルターエゴ――――パッションがいますしね」

「そうだね。今回の問題は――――やっぱり、イシュカ合金かなぁ……」

「ライダーとアヴェンジャー……ですよね」

「ライダー戦力はドレイク。じゃが、アヴェンジャーはレベル70巌窟王と言うのが問題なんじゃよね」

「パワー不足にならなければいいけど……」

「まぁ、何とかなるわよ。いつもそうやって来たんだしね」

「……そうだね。じゃあ、とりあえず行ってみますか」

「「「おー!」」」

 

 四人は、仲間を増やしつつ冒険に出るのだった。




 今日は大まかに何が出るかの確認をするだけですしね。本腰入れてやるのは明日ですよ。
 よぅし……明日には終わらせるぞぉ~!


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うりぼうの科学力よ……(ゲームセンターに行きましょ?)

「一つだけ、言いたいことがあるわ……」

「うむ。言ってよいぞ」

「……ここ、もう現代都市よね」

「とうの昔に越えておるわ」

 

 高層ビルが(そび)え立ち、現代都市でも見る事が出来るであろうバーガーショップや映画館、遊園地などがあった。

 しかし、その中でも違和感を醸し出す、凱旋門と願望実現装置。

 

「願望実現装置って、どこまでの範囲を叶えてくれるのかしら」

「お主、何をしたいんじゃ?」

「そうねぇ……やっぱり、お菓子食べ放題かしら?」

「茨木も同じこと言いそうじゃな……」

 

 そんなことを言いながら二人が歩いていると、遠くからオオガミがフラフラと歩いてくる。

 

「おぅマスター。何かあったのか?」

「う~ん……ゲイ・ボルク職人の朝は早いというか、朝が無いっていうか……逸れに付き合うとこうなるっていうか……エウリュアレ~……寝ません?」

「私を抱き枕にしようとしないで。今日はちょっと遊びたいのよ」

「はぅぁ! エウリュアレが遊びに行くならついて行きたい……!!」

「貴方が倒れるのは困るから、今日は寝なさいよ。寝てないんでしょ?」

「そうだけども……」

「なら、諦めて寝なさい。明日も行くと思うし、その時にしなさいな」

「うむむ……仕方ない。寝てくるよ。おやすみ~」

「えぇ、おやすみなさい」

「お休みじゃ。マスター」

 

 やはりフラフラとしながら、オオガミは去っていく。

 それを見送った二人は、若干心配しつつもマシュ辺りが迎えに来るだろうと思い、目的地に向かう。

 

「ゲイ・ボルク職人のぅ……神槍複製とは、流石じゃよ」

「貴女も似たようなもの、作れる?」

「火縄銃が限界じゃよ。ドレイクの銃とかも気になるんじゃけどね」

「楽しそうね。っと、ここかしら?」

 

 たどり着いたゲームセンター。

 カルデアに戻るための飛行機は完成済みで、今は遊んだり、素材を集めたりする時間だった。

 

「うぅむ……うりぼうに出来て、儂に出来ぬ道理はないはずじゃ。これは儂も頑張ってみるかのぅ……」

「BBがすでにいるじゃない……」

「そうですよ! ノッブは流石にやり過ぎです! 私の活躍する場面が無いじゃないですか!!」

 

 当然の如く背後から現れるBB。この話題になった瞬間から何となく出てくる気がしてはいたが、本当に出てくるのは何とも言えない。

 

「それで、BBは何しに来たんじゃ?」

「えぇ、うりぼうさんたちのお手並み拝見と行こうかと。万が一どころか、億に一も無いでしょうけど、私みたいな技術を持ってたら困りますし」

「お主の技術を超えるとか、異常じゃろ」

「そうね。まぁ、私たちは普通に楽しむことにするわ」

 

 そう言うと、三人はゲームセンターに入って行くのだった。




 ということで、宣言通り一日クリア達成。いやぁ……22時付近でクリアしたから、ギリギリだった……
 しかし、ゲイ・ボルク職人め……どこぞの花嫁皇帝みたいなことをしおって……あの時はギリギリ感強かったから今回も不安だったのですよ……
 明日からはアイテム回収しないと……あと金種火20個くらいでエウリュアレレベル100……!!


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戦闘でこの三人は珍しいわよね(アヴェンジャーとか、完全に想定外じゃったしね)

「いやぁ……まさか、この面子で戦う時が来るとは思わなんだ」

「えぇ……私も想定外です。こんなことになるなんて……」

「そうね。貴方達の驚きも納得できるけど、それ以上に、また私はいけないって方が問題よ」

 

 ひたすらレアルタ合金を集めるという周回に集まったメイン戦力は、ノッブ・エウリュアレ・BBの三人。

 珍しく、今回はノッブが大活躍し、しかもBBがまともに活躍できるという状況。それはつまり、敵は神性か騎乗持ちで、しかもアヴェンジャーもいるという事だ。

 そして、エウリュアレはいつもの様に若干不満げだった。

 ちなみにオオガミは、現在スカサハの所でアイテムを交換してもらいに行っている。

 

「仕方ないじゃろ。お主、後少しでレベル100じゃし」

「こういう時ばかりは、自分のレベルが恨めしいわ……」

「諦めるんじゃ。つか、やっぱりアヴェンジャーは強いのぅ……」

「私のレベルが低いからそう思うだけですよ!! 私がちゃんとレベル高ければそんなことないですって!」

「まぁ、ここではレベルが上がること自体珍しいからな……特に特殊クラスは。しかもイベント中に至っては、基本誰も上がらんからな」

 

 ただし、配布鯖と本気で育てたいと思ったキャラに限っては完全に別だというのを忘れてはいけない。

 金時が忘れられていたりする気もするが、気のせいである。

 

「ねぇ、私のレベルが100になったら、次は誰が育てられるのかしら?」

「さぁのぅ……誰かが上げられるじゃろ」

「私が上げられるのは必然ですよね!!」

「いや、リップが先じゃない?」

「えぇ~……どうしてですか!? 私の方が良いじゃないですか!! こう、耐久的に!!」

「残念。すでに私たちがいるのよ」

「それに、リップの方が汎用性高いしのぅ」

「そんなッ……!!!」

 

 衝撃の事実とでも言いたげな表情のBBに、思わず二人は苦笑いをする。

 

「まぁ、そのうち上げられるわよ。アヴェンジャーに対しては確かに有利だからね」

「そうじゃな。もしボスレベルの敵が出てきた時に必要になったら上げられるじゃろ」

「それ、ほぼ確率ゼロじゃありません?」

「そんなわけないじゃない。確率はそれなりに高いわよ。これから先アヴェンジャー増えそうだし」

「ルーラーが出てきたら……ご愁傷さまという事で」

「うぅ……未だに私、アガルタの事根に持ってますからね…?」

「面倒な奴じゃ……というか、アレはルーラーだったのが悪いだけじゃろ。マスターはアヴェンジャーが来ると期待しておったら、ルーラーという現実に、思わず投げ出そうとしとったみたいじゃし」

「あの時の悲しそうな表情……思わず吹き出しそうだったわ……」

「なんですかそれ。見たかったんですけど」

「ダメよ。私専用なんだから」

「何言っとるんじゃ。そも、撮ってもいないのにどうやって見るんじゃよ……」

「あら、何言ってるの? 私がそこらへんのこと、見逃すわけがないじゃない」

「いや、むしろお主の方が何言ってるんじゃよ……」

 

 何やら不穏な気配がしてきたところで、オオガミが帰ってきた。

 

「マスターも帰って来たし、休憩も終了じゃな。よし、行くぞ」

「今度こそ、BBちゃんの凄さ、見せてあげますよ!」

「私も、それなりに頑張るわ。それじゃ、行きましょうか」

 

 三人はそう言って、オオガミを迎えに行くのだった。




 何から集めようが迷った時、とりあえずエウリュアレが活躍するルートを選ぶ。基本中の基本ですね(錯乱)
 その結果、まさかのジャンヌダルクオルタという災厄級の敵が出てくるとはだれが想像するだろうか……
 それにしても、本当に何時になったらエウリュアレのレベルが100になるのか……さっさとオイル集めないと……


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ついにエウリュアレがレベル100!!(だからと言って、私が何か変わるわけじゃないんだけどね)

「わははは!! 宴じゃぁ!!」

「貴女達、一切関係ないでしょうが」

「ふふふ……余達がそのような事、気にすると思ったか……?」

「……そうね。貴女達はそう言うものよね」

 

 やれやれ。と言ったような表情で、エウリュアレはバニラシェイクを飲む。

 ちなみに、この盛り上がりの原因は、エウリュアレのレベルが100になったからだった。本当にそれだけなので、特に大げさなモノでもないと思うエウリュアレだったが、料理が運ばれてくるので、比較的おとなしくしていた。

 

「そういえば、オオガミは?」

「向こうでマシュと一緒にこっちを見ておるぞ?」

「混ざっても良いと思うのだが……なぜか断るのだ」

「そう……まぁいいわ。後で行きましょ」

「そうじゃな。今はとりあえず、遊ぶか」

「そうね。今日はネオマリーランドにでも行きましょうか。前回の時も楽しかったし、今回も楽しみだわ」

「ククク……女神お墨付きの遊園地とは……出来れば保存しておきたいものじゃ」

「こういうのはたまに行くからいいのよ。戦闘も同じよ」

「……そこにつながるんじゃな……」

「ある意味、エウリュアレらしいが、レベルが100になっても変わらぬとは……」

 

 ノルマ達成とでも言えそうなほど、この発言をしているような気がするが気のせいだろう。

 

「まぁいいわ。それで、まずはどこから行きましょうか。コーヒーカップ? ウォータースライダー? ジェットコースターも良いわね。それとも、オケアノスの嵐の海みたいなバイキングとか?」

「余はウォータースライダーを希望する!!」

(アタシ)は……コーヒーカップが良いわ」

「……なんというか、ここ最近で一番楽しそうじゃのぅ……」

 

 目を輝かせながら思案するエウリュアレを見て、嬉しそうな表情を浮かべるノッブ。

 視線を動かしてオオガミに向けると、マシュ達となにやら話しているが、おそらくこちらと同じであろう。

 

「食事が終わって、少しゆっくりしたら行くかの。ほれ、まずは腹を膨らませる所からじゃ。でなければ、遊び尽せもしないじゃろ?」

「それもそうね。じゃあ、しっかり食べるわよ」

「余もしっかり食べねばな」

(アタシ)も食べるわよ!」

「うむうむ。しっかり食べるのじゃぞ」

 

 まるで保護者の様な役割になってきているノッブだが、本人は気付いていないので問題は無いだろう。

 オオガミ達も、遠くから見ていてそう思うが、これは教えない方が良いのだと思うのだった。

 

「さて、じゃあ、儂はマスターを誘いに行ってくるぞ」

「私も行くわ」

「ふむ……なら、食べ終わってからでも良いか」

 

 ノッブはそう言うと、エウリュアレ達と共に食べ始めるのだった。




 今回のイベントのエウリュアレ様はお菓子を食べるよりも、遊ぶ方に重点を置く感じなのです。つまり可愛いのです。よって、レベル100に至ったのだった。
 可愛いは正義!!(正体不明のハイテンション)


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吾等バーサーカーの出番は何時になるのか(イシュカ合金が終わらないんだよ)

「吾等は何時出るのだ?」

「しばらくは予定無しかなぁ」

 

 膝の上に乗せられている茨木は、オオガミを見上げつつ聞く。

 現在いるのは、和風高層ビルの上層部分。島をかなり見渡せるので、かなり好評だったりする。

 

「ぬぅ……これ以上待たされると、暇で暇でしょうがない吾は、暴れだすぞ?」

「それは困るなぁ……」

「そうであろう、そうであろう。(なれ)も吾の力を知っておるから、暴れたらどうなるかくらい、すぐにわかるであろう?」

「うん。すぐに焼野原だろうね。でもね? バラキー」

「む? なんだ?」

「そんなことしたら、三年はおやつ抜きだから」

「……うむ。吾は大人しくしておるぞ」

 

 即座に態度を変える茨木。やはり、おやつの魔力はすごいらしい。エウリュアレも同じ方法で静かになることがあるので、もしかしたらかなり優秀な武器かもしれない。

 

「主殿主殿主殿ぉー!!」

「ぬぉ!!」

「うぐぁ!」

 

 全力で飛びかかってきた牛若丸をかわす術はなく、背中に乗られたオオガミは、そのまま前に倒れこみ、それによって茨木が潰れる。

 

「ぬ……ぐ、あぁ!! 退かぬかぁ!!」

 

 茨木はそう言って、オオガミごと牛若丸を押し返す。

 牛若丸はすぐに反応してオオガミから距離をとったが、オオガミは間に挟まれており、受け流すことも許されずに両方の威力をそのまま受けて潰されそうになる。

 

「ごふぅ……これ以上のダメージは、俺の体の耐久値を超える……」

「む。加減を誤ったか……」

「主殿……主殿……!? 主殿ぉーーーー!!!!!」

「阿呆。生きておるわ。むしろその声で死ぬというに」

「いや、あれですよ。お約束というやつです。起きてください、主殿。合金集めに行きましょう」

「瀕死にしておきながら、当然の様に周回要求ですねわかりましたよ……バラキー、ちょっと行ってくるね」

「うむ。吾はエウリュアレと共に大人しく待っておるぞ」

 

 聞き分けの良い茨木を疑問に思うも、牛若丸に手を引かれて行くのだった。

 

「さて……吾はどうするかのぅ……あぁ、凱旋門の上に行ってみるのもありか。ふむ、そうしよう」

 

 言うが早いか、茨木は即座に立ち上がり、窓を開けて飛び出していく。

 それと入れ違いになるように入ってきたエウリュアレとネロは、誰もいないのに空いている窓を疑問に思い外を見て、元気に走っていく茨木を見つけて、窓が開いている理由に思い至る。

 

「追いかけるのも一興だが……エウリュアレはどうする?」

「私は後から追いかけるから、先に行ってて。お菓子を持っていきたいわ」

「いいが……どうやって追いかけるつもりなのだ?」

「それは――――ヘシアン・ロボにお願いするわ」

「……復讐の狼を目的地割り出しのためだけに使うとは、中々出来るようなものではないのだが……うむ。まぁ、それなら余も納得できるというものだ。先に行って待っておるぞ!!」

「えぇ、待っててね」

 

 そういうと、ネロも窓から飛び出していき、それを見送ったエウリュアレは窓を閉めてからお菓子をあさりに行くのだった。




 三年おやつ抜き。バラキーに3万のダメージ。バラキーは(精神的に)やられた。
 うぅむ、今回はノッブとエウリュアレを出さないつもりだったのに、最終的にエウリュアレが出てきたぞぅ……? 無意識って怖い……


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エードラム合金は楽な方だと思ったんだけどなぁ……?(やっぱりリップはシステム外スキルでヘイト集める性能があるのかな?)

「リップ……大丈夫?」

「はい……この程度なら、まだ大丈夫です」

「正直この集中狙いは見てるこっちがイラッとしてくるから、ここは諦めて種火を消費しよう……」

 

 ナーサリーに心配されているリップを見て、すっ。と種火を取り出すオオガミ。

 

「そうね。いい加減リップも成長させましょう。これだけ頑張ってるのに、未だにレベルが72とか、おかしいもの」

「そ、ソウダネ。別に、無理に低レベルである必要なんかないしね。よし、という事で、種火をたくさん食べるのです」

「い、良いんですか? これはもうしばらく取って置くって言ってませんでした?」

「いや、それが原因でここで躓くとか、嫌だし」

「なるほど……じゃあ、ありがたくいただきますね」

「うん。これからも頑張ってもらう事になるだろうからね……」

「あ、あはは……」

 

 苦笑いをするリップだが、期待されているのは確かなので、何とも言えない。少なくとも、エードラム合金で特効持ちの有効サーヴァントはアルターエゴのリップだけだった。

 

「とりあえず、一回休憩だね……」

「そうね。私も遊び疲れちゃったわ。リップ、行きましょ?」

「はい。えっと、向こうでいいんですか?」

「あそこに行きたいの。バーガーショップ」

「あそこですか。じゃあ、こっちの方が近いような……?」

「そう? じゃあ、そっちにするわ」

 

 ナーサリーはリップと一緒にバーガーショップへ向かい、オオガミはそれを見送ると、拠点に戻るべく歩き出すのだった。

 

 

 * * *

 

 

「う~ん……どうしましょう」

「これにしましょう!! 出所不明のメロンシェイク!!」

「ナーサリーさん、時々凄い冒険しますよね……私は普通にお茶でいいです」

「えぇ~? 面白くないわ。リップも冒険しましょうよ!」

「いえ、本当に私はこれでいいですから。というか、冷静に考えたら、支払い料金って、どこから出てるんですか?」

「え? マスターのポケットマネーよ?」

「当然の様に恐ろしい発言が聞こえた気がするんですけど!?」

「大丈夫よ。私たちが稼いできたQPであることに変わりはないわ」

「それ、同時に私たちの成長のための糧も消費してるって事じゃないですか……そんなこと聞いたら、余計に冒険する勇気はわいてきませんよ……」

「むぅ。面白くないわね……まぁいいわ。私は私で冒険するもの」

 

 そんなことを言い合いながら購入した品々。

 しかし、本当にどこからメロンなど調達してきたのだろうか。答えは返って来ないと分かりながらも、一度芽生えた疑問は中々消えないのだった。

 

「むむむ……メロン……どこから出てきたんでしょう……」

「そうはいっても、冷静に考えれば、たぶんスイカと同じじゃないかしら。あれだって、どこから出てきたのか分からないわ」

「それは、そうですけど……うぅむ……」

「深く考えたら負けよ。気楽に行きましょ」

「は、はぁ……それで、この後どうするんです?」

「駄菓子屋に行って、駄菓子屋のおばあちゃんごっこするわよ!!」

「気に入ったんですか? アレ」

「楽しいじゃない!! という事で、聞かれたせいで待ちきれなくなっちゃったから早く食べて行くわよ!!」

「自由奔放ですね……」

「物語は自由なものよ。何かに縛られたりしないの。じゃあ、いっただっきまーす!!」

「い、いただきます」

 

 二人はそう言うと、食べ始めるのだった。




 流石に、集中狙いされて2wave目でやられるのは精神的に辛い……
 2周年記念まで持たせるつもりだったオール種火は、リップ成長のためにここで使う……!!
 まぁ、交換してないのがまだ50個あるから、大丈夫だよね……(震え)


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私のターン! 私のターン!! そして、私のターンでオールナイトライブよ!!(余にも出番を寄越せぇぇぇ!!)

「アハハハハ!! 皆私の歌声に痺れて倒れて行くわ!! 最高の気分よ!!」

「あっ。倒れててもいいんだ……」

「本人が満足そうなんだ。それでいいだろう?」

「ぐぬぬ……余も混ざりたい……!!」

 

 槍の様に使っているマイクの上に立ち、高笑いするエリザベートと倒れている無数の魔物の残骸を見て、オオガミがぼそりと呟くが、エルキドゥはもう諦めの姿勢らしい。

 また、隣でとても混ざりたそうにしている皇帝がいるが、朝に別の場所で大暴れしていたので、現在は後方待機だった。

 

「それで、私のステージは、何時まで続くのかしら?」

「ん~……後二十回くらい?」

「そ、そんなに!?」

「もちろん。エリちゃんの歌は世界を救うからね! それくらい歌ってくれないとね!」

「えっ、と、その……ま、任せなさい!! 今までのは準備運動。本番はまだまだこれからよ!」

「……ちょろいというか、なんというか……」

「良いの良いの。そんなところがエリちゃんの魅力でもあるんだし」

 

 うんうん。と一人頷くオオガミをエルキドゥは苦笑いをしながら見る。

 と、隣にいたネロがオオガミの顔を覗き込むように聞いてくる。

 

「余は!? 余の出番は!?」

「えっと……ネロ様はもうしばらく後かな。その、色々な場所で頑張ってもらってますし……?」

「ぬわっ! それは面倒な奴にする態度ではないか!?」

「いやいや。たまたまタイミングが悪いだけなんだよ。だって、ここに出てくるの、一体を除いて全員弓だし」

「ぬ……ぐっ。という事は、余もこの先で出番がまたあるかもしれないと期待しても良いのだな……?」

「まぁ、きっとね」

 

 思わず目を逸らしてしまうオオガミだったが、それも仕方のない事だろう。目があまりにも本気だったのだから。

 

「そこまでだよ。ネロ、マスターが困ってるじゃないか」

「むぅ……だが、」

「だがも何もないよ。君の出番はまだあるんだ。この後の改修作業もそうだけど、もしかしたら8月になったら新しく来るかもしれないんだろう? その時にも必ず編成に組まれるだろうからね」

「ふむ……それもそうだな。うむ! 余はおとなしく待つとしよう」

「そうしてくれると助かるよ」

 

 エルキドゥの言葉を素直に聞くネロを見て、エルキドゥは説得(物理)以外も出来るのか……!! と驚いた表情でエルキドゥを見るオオガミ。

 もちろん、その視線がバレて、謎の威圧感満載の笑顔で見られたオオガミが冷や汗を流しながら苦笑いの表情で固まったのは言うまでもない。

 

「よぅし!! それじゃあ、もう一回行くわよぉー!!」

 

 そして、そんな空気に全く気付かないエリザベートは、元気に笑顔で今日も歌って踊って流星の如く敵を薙ぎ払っていくのだった。




 今回は無性にエリちゃんの話をしたくなったのでエリちゃんを。しかし、結局はネロとエルキドゥが持って行くという。
 さて、うちのカルデア。今現在何人ポンコツキャラがいるんだ……?


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やっぱりやるんですね。ライブ(誰だ武道館とか建てたバカ)

「夢の!! 武道館ライブ!!」

「余とエリザの夢のデュエットだぞ!!」

 

 まるで地獄の釜の蓋が開く様な宣言に、その場にいた全員が戦慄する。

 いつもならばオオガミの味方に回ってくれるエルキドゥすらも、今回ばかりは視線を逸らしていた。

 

「……マスター。僕はいなくてもいいかな?」

「ダメ。裏方担当だよ」

「ククク……マスターよ。俺は少しばかり用事があるのでな。失礼させてもらう」

「問答無用。逃がしはしないよ」

「私は……その……ナーサリーさんと行こうって言っていたお店があって……その、えっと……」

「大丈夫。ナーサリーも来るよ」

 

 明らかに逃がすつもりのないオオガミ。これは強行突破しかないのだろうか。という考えが生まれそうになるが、しかしこの狭い島の中で逃げ切れるのだろうかという結論に至り、如何にして被害を抑えるかという方向に考えを切り替える。

 

「……よし。これはあれだ。BBに頼ろう」

「そうだな。信長も連れて来て、手伝わせるか」

「えっと、探してきますね」

「あぁ。ついでにエウリュアレも見つけてくれると助かる。おそらくケーキで釣れるだろうから、それで誘って、ヘシアン・ロボを使って人員を集めるのが一番楽だろう」

「いや、それは巌窟王が行ってくれ。リップはこっちで力仕事だ。敏捷的に、そっちの方が効率がいいだろう。こっちは速度勝負なんだ。開催までに完全な準備が出来ないと、こっちに被害が及ぶからね。全速力だよ」

「あぅ……分かりました。えっと、お母さんはたぶん今日もゲームセンターに籠ってると思いますので、先にそこに行くのが一番だと思います」

「……分かった。請け負おう」

「任せたよ」

 

 そう言うと、巌窟王は全力で走っていく。

 それを最後まで見送らず、二人は準備に奔走する。

 

 

 * * *

 

 

 巌窟王の頑張りにより、何とかBBとノッブを捕獲した三人は、ついでとばかりに連れてきたメディアと一緒にライブの準備をしていた。

 

「全く……なんだ私まで」

「君が一番うまく衣装を作れるからだよ。それに、機材待ちよりも、衣装待ちの方が待ってくれそうじゃないか」

「……それもそうね。まぁ、任せなさい。キチンと仕上げておくから」

「あぁ。僕たちはこっちをやっておくから、任せたよ」

「えぇ。頑張りなさいな」

 

 そう言って、エルキドゥはBBとノッブに頼まれた素材を運ぶ。

 

「あぁもぅ!! どれだけかかるんですか!!」

「アホなこと言っとるんじゃないわ!! 今始めたばっかりじゃぞ!!」

「ぐぬぬ……というか、なんで私がこんなことやってるんですか!?」

「そりゃ、島内全域、地獄のライブにならない様に、だよ」

「マスター……お主、なんというもんを始めさせとるんじゃ……」

「いや、だからここで手伝ってるでしょ? 武道館を建てた瞬間に言い出したんだから……」

「逃げ場無し、じゃな」

「まさか島内全域で流すとか言う脅しをしてくるとか、私、困惑ですよ。センパイ、何考えてるんです?」

「あの二人の被害を全力で抑えるために、だよ」

「あ、あぁ……なるほど。確かに、あの二人は混ぜたらいけない核物質ですしね……」

「うん。そして、人がいないライブであの二人が満足するわけがないから、人が来ても大丈夫なようにする機材を作れると思われるBBに来てもらったわけだよ。これで作れないとか言われたら、令呪を切る覚悟もあったんだけどね」

「それ、誰に対してです……?」

「BBに対して」

「うっわぁ……理不尽です……」

 

 最悪一人は観客を確保する。という意思がはっきりと見て取れるのは、果たして、二人を悲しませたくないからなのか、自分だけが被害に遭いたくないからないのかは定かではないのだった。

 

「むぅ……正直もう少し凝りたいが、スピード勝負なら仕方あるまい。BB。一応できたぞ」

「早いですね。やるじゃないですか」

「おぅ。次の仕事を寄越すんじゃ。これ、メディアが衣装を作り上げるまでに終わらせる必要があるんじゃろ?」

「そうですね。はい、次はこれです。巌窟王さん達にももうひと頑張りしてきてもらいましょうか」

「ハハハ……すまない皆。頑張ってくれ」

 

 BBの一言と、死んだような表情から放たれたオオガミのエールに、エルキドゥ、巌窟王率いる材料回収組が頬を引きつらせるのだった。




 この後ライブは大盛況で幕を閉じ、裏方は全滅していた模様。

 武道館を建てるとか書いてあったら、思わず建てたうえでこんな話を書きたくなるのも仕方ないと思うんです!! 仕方ないと思うんです!!
 重要な事なので二回言いました。

 素材は全部回収終わったんですけど、未だ建物改修が終わらず。明日までには終わらせるんだ……!!


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イベント終了間近。素材も改修も終わったのぅ(時間が変に余ると、逆に不安になるわよね)

「残すは島を出るだけ……じゃな」

「案外あっさりしたものねぇ……」

「余も楽しめたからな。しかし、今回はSE.RA.PH並みに余裕だったな」

「えっと、待って? 今日、終了前日だよ? 完全にいつも通りだからね?」

「……いつも通りじゃなぁ……」

「安定の前日終了ねぇ……」

「全力で手の平を返していくスタイルね。人がせっかく丸く収めようとしているのを突っ込んだ罰ね」

 

 完全に自爆しているオオガミ。

 えっふぇる塔の頂上で、5人は満天の星空を眺めていた。地上では燦然と輝く人口の光。

 初めに来た時が完全な無人島で、文明の片鱗も無かったとは思えない光景だった。

 そんな光景を見ている5人は、特に何かがあるというわけでもなく、何となく、島の大半が見渡せるえっふぇる塔に上ろうとオオガミが提案したのだ。

 

「そういえば、マシュは誘わなかったの?」

「誘ったよ。けど、少しだけやる事があるって言われてね。手伝うつもりだったんだけど、断られたから、ここにいる事だけ伝えてきた」

「ふぅん……なるほどね。じゃあ、今もマシュは何かをしてるってわけね。ねぇノッブ? この前、双眼鏡とか言うの、作ってなかったかしら?」

「む? まぁ、作ったし、持ってもおるが……使いたいのか?」

「えぇ。ちょっとね」

「ふむ。まぁ、良いぞ」

 

 エウリュアレはそう言って、ノッブから双眼鏡をもらうと、地上を眺め始める。

 オオガミが何をしているんだろうと考えていると、ノッブがふと思い出したように言ってくる。

 

「そうじゃ。BBに言われて作ったカメラがあるんじゃが、撮ってみるか?」

 

 そう言ってノッブが取り出したのは、割と現代的なカメラ。

 

「なんでそんなものをBBが作ろうと言い出したのかが気になるところだけど、まぁ、記念に撮ってみようか」

「む!! 写真とな!? 余も写るぞ~!」

(アタシ)(アタシ)も!!」

「エウリュアレは――――何か探しておるようじゃし、端っこに写るようにでもしておくか」

「ふっふっふ~……と~ぅ!!」

「ごふぅ!?」

(アタシ)も行くわよ~!」

「うげふぅ!!?」

「ぬわぁ!!」

 

 背中に飛び乗ってくるネロと、続けて正面から飛びかかってきたエリザベートに挟撃され、想像以上の大打撃を受けるオオガミ。

 そんな三人を見て、呆れたような表情をしたノッブだったが、すぐに気を取り直すと、

 

「まぁ、仲の良い事は良い事じゃ。じゃ、撮るからの~!」

「にひひ。ピースだ!!」

「アイドルは笑顔じゃなくっちゃね!」

「あはは……これ、マシュには見られたくない光景の気がする……」

「諦めるんじゃな。はい、チーズ、なのじゃ」

 

 パシャリ。と響くシャッター音と共にピカリと一度だけ強い光が発生し、写真が撮られる。

 

「ククク……どれどれ。中々うまく取れたと思うんじゃが……出来はどうかのぅ……」

「しっかり撮れてるね。というか、さりげなくエウリュアレがこっちを見てピースしてる……」

「実は一緒に写りたかったんだけど、恥ずかしくってそんなこと言いだせなかった感出まくりじゃな」

「なら、余がエウリュアレの写真を撮って来ようではないか!!」

「そうね。(アタシ)も協力するわよ!!」

「ふむ。じゃあ、カメラの使い方を教えるから、こっちに来るんじゃ」

「うむ!!」

「分かったわ!」

 

 そう言うと、二人はオオガミから離れる。

 特にやる事も無いオオガミは、エウリュアレのところに歩み寄ると、

 

「さっきから、何を探してるの?」

「ん~……教えてあげないわ。それよりも、この上にエルキドゥと巌窟王がいたわよ」

「え? 二人が? ん~……うん。ちょっとどうにかして行ってみるね」

「えぇ。気を付けて――――え? 階段とか無いはずなんだけど?」

 

 そう言って振り向いた時には、すでに外枠の柱に手をかけて登ると言わんがばかりの姿勢のオオガミがいた。

 

「……ちょっと、エルキドゥ!? 聞こえてるんでしょう!?」

「――――なんだい? いきなり僕に声をかけてくるなんてって、マスター!? 何をしてるんだい!?」

「え? いや、エルキドゥ達の方に行こうかなって」

「そ、そんな無茶をしなくても、僕に声をかければいいじゃないか!!」

「いや、声を張り上げるよりも登っちゃった方が良いかなって。ほら、何とかなる感じがしたからね!!」

「流石に限度ってものが……!!」

「関係無いね!!」

 

 オオガミの一言に、頬を引きつらせるエルキドゥ。

 大体いつもこんな感じだろうと言われれば確かにそうなのだが、今回は流石に無茶が過ぎていると思うのは、おかしい事ではないだろう。

 

「はぁ……じゃあ、こっちで引き上げるよ?」

「むむぅ……何事も挑戦……まずは無理をするところから!」

「それで大怪我をされたらたまらないから、こういう時は素直に頼ってくれって、いつも言っているよね?」

「アッハイ。すいません」

「……どっちがマスターなのか、分からないわね……」

 

 登ることを諦め、素直にエルキドゥの鎖によって引き上げられていくオオガミ。それを見て、エウリュアレは思わず呟く。

 そして、その瞬間にパシャリと響くシャッター音。

 それに驚いて振り向くと、ようやく操作を覚えたネロとエリザベートが、満面の笑みを浮かべてエウリュアレにカメラを向けているのだった。

 

 その後、ケーキ屋を建設した際に作ったケーキを持ってきたマシュは、オオガミが上にいる事を知らされ、ケーキをノッブに預けてオオガミの様子を見に行ったのは、言うまでも無いだろう。




 最終的に、頂上にいるのも集められてケーキを食べたのも、言うまでも無いですよね。
 いつもお菓子を食べてるうちのエウリュアレだけど、そこまで量は食べられないですから、エウリュアレが全部食べたっていうのは選択できませんからね。大量に持ってこられても、エウリュアレだけじゃ処理しきれないのです。

 しかし、今回は結構余裕を持ってやっていたと思ってたんですが、冷静に考えると終了前日に終わったんですね……余裕って一体……


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さらば、我らの島(楽しい一時だったわね)

「なんだかんだ言って、無事に終わったのぅ」

「えぇ……本番はこれからよ」

 

 窓の外を眺めつつ、ノッブの呟きに返事をするエウリュアレ。

 

「そうだねぇ……ついに明かされた新情報。ノッブ、水着だね」

「……あれ、水着って呼んでいいんじゃろうか……」

「……今更よ」

「うんうん……なんというか、今思ったんだけどさぁ……」

「ふむ?」

「なによ」

「いや、浴衣は無いのかなぁって……」

「……夏祭りとか、そういえば無いのぅ。まぁ、そもそもどこでやるんだよって話じゃし」

「ノッブ。もう少し夢を見ようよ」

「夢を見るとの願うのは違うんじゃよ、マスター……」

「そ、そんなことを言われるとは……」

 

 まさかノッブが悟ったような目で肩に手を置き、首を振ってくるなんて思いもしなかったオオガミは、驚きに目を開く。

 

「それにしても、あれだけ頑張っても、結局消えちゃうのよねぇ……」

「大体いつもそんなもんじゃろ。それに、特殊な島じゃし、仕方あるまい。新たな冒険は続くし、過去を振り返っても手に入るものなど限られるからな。楽しく前を向いて歩くのが一番じゃ」

「……何言ってるのよ、よく意味がわからないわ」

「たまに変なこと言うよね」

「お主ら、容赦ないのぅ……」

 

 突然変なことを言い出す奴に変と言って何が悪い。とでも言いたそうな二人の表情に、思わず頬を引きつらせるノッブ。

 

「さて……そろそろ、茶々の種火周回の時間も近づいて来ているという事か」

「そうだねぇ……久しぶりの種火周回だよ」

「嬉しそうな顔をしてると思うでしょう? 言ってる本人が死んだ魚のような目をしてるのよ」

「ハハハハハハ」

 

 実際、全サーヴァントよりもマスターの方が働いているのは、これまでの戦いを見ればよく分かる。

 

「まぁ、その代わりに普通の人間じゃ味わえないような楽しい状況に居るんだからいいんじゃないかしら?」

「そんなこと言われても……その代わりに死ぬような目に何度あってると……」

「何事も代償が付き物よ」

「むぐぐ……仕方なし……エウリュアレの水着が見れたし、それで少し心を落ち着けよう」

「……ねぇノッブ。私、マスターに水着姿見せたっけ?」

「儂が写真で」

「……後でヘラクレスに襲わせましょ」

「何いつもより恐ろしいことを……」

「自業自得よ」

 

 いつの間にか自分の水着写真を見られていたと知り、いつもより若干殺意のこもった視線をノッブに送るエウリュアレ。

 ノッブもそれに気付くが今更取り返しはつかないのだった。

 

「はぁ……別に良いんだけど、私としては次のイベントまで見せないでおきたかったわ」

「ぬぐっ……すまぬ。マスターのしつこさに負けたんじゃ……」

「ちょっと待って。ノッブから先に勧めてきたんだよね?」

「ちょっと何言ってるかわからないんじゃな」

「醜い売り合いねぇ……」

 

 どっちが先に言ってきたかと言い合うオオガミとノッブを見て、エウリュアレは楽しそうに笑うのだった。




 ノッブの水着ですよ!! ノッブサマーですよ!! THE・ロックですよ!! ノブナガロックじゃああぁぁぁぁぁぁ!!!

 と、ノッブサマーに嬉しさを隠せていない私なのだった。
 ちなみに、『ヴィヴ・ラ・フランス!!』と叫んでガチャを回した結果、殴り聖女様が降臨しました。BBちゃんの運命や如何に!


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日常
風紀委員組、増えてきたよね(仲違いしてくれないかしら)


「最近……エルキドゥを筆頭に、一部のサーヴァントが風紀委員もどきになっている気がするんだけど、心当たり無い?」

「むしろ心当たりしかないんじゃけど」

「私たちはすでに目をつけられてやばいわよ」

「なんで私まで追われてるのか分からないんですけど。何も悪いことしてないと思うんですけど」

「BBは自業自得だから」

「私に対して当たりが強くないですか!?」

 

 BBの叫びは当然の如くスルーするとして、オオガミは若干深刻そうな顔で考えていた。

 そう、それは実際、ほぼ初期のころからあったと言っても過言ではない、エルキドゥを筆頭とした風紀取り締まり組だった。

 しかし、今になって突然何を言い出したのかと言うと、そのメンバーが着々と増えていっているからだった。

 

「とはいっても、いつもと何ら変わらんじゃろ?」

「まぁ、そうなんだけど……ただ、この状況は明らかに、エウリュアレとノッブを中心とした自由奔放フリーダム組が息苦しくなる可能性は高いよ」

「なんじゃ、自由奔放フリーダム組って……儂ら、そんな呼ばれ方しとったんか……」

「自由奔放フリーダム組……誰よそんな名前つけたの……」

「BBちゃんは無関係ですね。そんな呼ばれ方する様なBBちゃんじゃないですし」

「いや、BBも入ってるから」

「そんなっ!?」

 

 意外も意外。衝撃の事実だと言わんがばかりのその表情は、当然だろう。という視線で片付けられる。

 

「しかし、何があるというんじゃ? 別段、変な所も無いし、今までと変わらんじゃろ?」

「ところがどっこい。マルタと言う、鉄拳凄女の参戦だよ」

「…………最大の被害、私じゃない……」

「あっれ~…? これ、私も不味いんじゃ……」

 

 もちろん、最悪レベルである。実質、ルーラーにまともにダメージを与えられるのは、特殊クラス。アヴェンジャーであればなお良いが、基本的にエドモンは向こう側なので逃走の際に助力は得られないものと考えるのが妥当だろう。

 なので、オオガミ的にも、他の遊びまくってるサーヴァント的にも、辛いものはあるのだった。

 さりげなく特殊クラスとバーサーカーがほとんどを占めているのも原因の一つだろう。

 

「今更なんだけど、メンバーって、そもそも誰なのよ」

「エルキドゥ、土方、マルタ、頼光、エドモンの5人だね」

「……エルキドゥの違和感半端ないんじゃけど」

「でも、威圧感もかなりあると思うんだけど」

「はぁ……まぁ、私はいつもとやる事は何も変わらないんですけどね」

「そうじゃな……あ、いや、面白そうじゃし、見に行くというのもありかもしれんな」

「何を?」

「その風紀委員とやらを、じゃ」

 

 そう言って、ノッブはにやりと笑う。

 

 三人は顔を見合わせ、不敵に笑うと、ノッブの提案を採用してエルキドゥ達の集会現場を見るために動き出すのだった。




 風紀委員組、本当に増えてきたなぁって……本当は会議まで書きたかったなぁって……
 でも、あのメンバーで会議とか、無理そうな感じなんですけど。だってほら、人の話聞かなそうなのがいる気がするし……というか、後半二人は無理があると思うんですがそれは。

 自由奔放フリーダム組主格はマスター・ノッブ・エウリュアレ・BBの四人で大丈夫ですよね!! ナーサリーとか、バラキーとか、ネロとか、エリちゃんとかいるけど、大体この四人ですよね!!


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そも、風紀委員組って会議する必要ある?(儂らとあんまり変わらないような気がするんじゃが)

 風紀委員組とは言われているが、実際、それぞれがやりたいようにやっていて、たまたま同じところで同じように動いているのが彼らだったりしたのだが、それでもたまに集まってみたりもしている。

 つまりは、今日がその日だったりするわけだ。

 

「それで、今日はなんで集まったんだ?」

「人数も増えたからね……マスターに唆されたりとか、ノッブに唆されたりとか、エウリュアレに唆されたりしそうな人物を上げて行こうかと」

「その三人は最初から何かやるって確定してるのね……」

「そりゃあ、大抵何かある時にはそこにそのうちの誰かはいるからな」

「あ~……なるほど。確かにそれは、主犯格に見えなくもないわね」

「まぁ、あの三人は面倒ごとに首を突っ込むのが好きだからな。仕方ないだろう」

「ふん。で、それを確認して、何の得があるんだ?」

「ふむ。まぁ、即時対処できる程度かな?」

「……なら、別にしなくてもいいんじゃねぇか?」

「……それもそうだね。よし、見回りに行くかな」

「なんで集まったのか、分からないわね!?」

 

 特に理由も無く集まった。と言えなくもない状況に思わずマルタは突っ込むが、代案が思いついているわけでもないので、止められるわけは無いのだった。

 

 

 * * *

 

 

「……のぅ、マスター。儂、思ったんじゃけど」

「何? ノッブ」

「なんというか……儂らとあんま変わらなくね?」

「……まぁ、そういう事もあるよ」

 

 BBとノッブの開発によって生まれた遠隔操作式の移動カメラで様子を見ていた自由奔放フリーダム組は、あっさりと解散した様子を見て、思わずノッブが呟くのも無理はないと思うのだった。

 

「さて……そろそろ退却せねば、見つかるかもしれんな」

「そうだね。よし、早めに撤退しよう」

「……BB。私、見られてるように見えるんだけど」

「奇遇ですね。私もです」

「…………じゃあ、私は逃げるわね」

「私もちょっと用事があるので、これで」

 

 さっさとカメラを撤退させているオオガミとノッブは気付いていないようだが、一瞬、エルキドゥがこちらを見て、にやりと笑ったように見えた。

 なので、即座に二人を見捨て、逃げるエウリュアレとBB。当然、逃げることに集中している二人は、後ろにいた二人が消えたことに気付かないのだった。

 

「そこの道を右だね」

「うむ。で、ここを突き当たりまで進んで――――よし。これで回収っと」

 

 天井からそのまま落ちてきた移動カメラをキャッチし、作戦終了。とでも言いたげな表情で二人は顔を見合わせ、

 

「楽しそうだね。それで、何を撮っていたんだい?」

 

 視界の端に映りこんだ風紀委員筆頭に、二人はこの後に起こるであろう事を予感し、絶望するのだった。




 冷静に考えると、最初の頃と比べて、エルキドゥの方針が変わってたりするんですよね……初期の頃って、マスター中心だったんですが、最近マスターもシバキ倒す対象になってたり。
 いったい何があったんだエルキドゥ……


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廊下で大戦争してるんだけど(それより、料理人枠が召喚された方が重要よ)

 まず、結論から言おう。アキレウスは当カルデアへの侵入は不可能となった。

 ついでに言えば、主戦力の一人であるヘラクレスも、その命を狙われることになったのだった。

 

「――――ヘラクレスゥゥゥーーーーー!!!」

「■■■■■■■――――!!!!!!」

 

 咆哮と激突。拮抗する力は、しかし、ヘラクレスが競り勝つ。

 そも、なぜそうなったのかと。そう思って思い出そうとして、そもそも顔を見合わせた瞬間に始まったと気付く。

 

「……えっと、誰を連れてくればいいんだろう……」

「バーサーカー相手じゃし、別に誰でもいいじゃろ」

「じゃあ、ノッブ。止めて来て」

「阿呆。廊下の真ん中で戦ってる様な奴らの中に突っ込んだら、儂も騒ぎの中心人物と思われるじゃろ」

「ふむ……でも、ガンドかけると、今度はこっちが狙われるんだよね……」

「なら、エルキドゥでいいじゃろ」

「あ~……なるほど。そういえば、どっちも神性持ってたね……やっぱノッブでいいじゃん」

「だから、儂だと止めたのに犯人にされるって言っとるじゃろ」

「むぅ……仕方なし。じゃあ、呼んでくるかな」

「おぅ。儂はここで待っておるよ」

 

 誰かがうっかり突撃しない様に。という意味だと受け取り、オオガミはとりあえずエルキドゥを探しに行くのだった。

 

 

 * * *

 

 

「まだ出来ないのかしら?」

「待つのも重要だよ。何事もタイミングさ。おいしくなるタイミングを待つというのも重要だからね」

「ふぅん……仕方ないわね」

「正直、なんで私は召喚された瞬間からお菓子を作らされているのか……」

「仕方ないじゃない。今まで料理が出来るのは限られてたり、そもそもいなかったりもしたし」

「……まぁ、特異点での食事は任せたまえ。精いっぱい努力しようじゃないか」

 

 やれやれ、と言いたげな表情で首を振るエミヤに不満そうに頬を膨らませるエウリュアレ。

 ようやく料理人枠が召喚され、これから特異点での食事の負担もある程度は軽減されるのだろう。

 

「エルキドゥは居る!?」

「あら、どうしたの?」

「エルキドゥに用があるのか?」

「えっと、うん。ヘラクレスとペンテシレイアが暴れてて……」

「神性相手なら、頼光や信長でも十分なのではないか? 何より、その二人なら全体宝具だし、両者を同時に止めるなら有利なのでは?」

「えっ? あ……確かに。じゃあ、頼光さんは?」

「知らないわ」

「少なくとも、ここにはいないな。休憩室にでも行ってみたらどうだ?」

「なるほど……じゃあ、行ってくる!!」

 

 オオガミはそれだけ言うと、行ってしまう。

 嵐の様に過ぎ去ったマスターを見送り、二人は顔を見合わせ、

 

「で、何時になったらできるの?」

「もう少しだ」

 

 とりあえず、エウリュアレはお菓子を要求するのだった。




 なお、裏ではエルキドゥの宝具レベルが上がっていたりしているという。
 メルトリリスはどうして来てくれないんだ――――――――!!!!!!!

 くそぅ……くそぅ……爆死でしたよ……!!


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オール・ザ・ステイツメン!〜マンガで分かる合衆国開拓史〜
ヒャッハー!! リヨ化だぁ!!(まぁ、テンションがあんまり変わらないから、変わったのはメタ度だけだよね)


「ひゃっはー!! 今日はぐだぐだ粒子並みの大暴走&メタ解放だぁ!!」

「リヨ化とかこれは運営への攻撃を許可したようなもんじゃな!!」

「まず最初に、なんで未だにステンノが来ないのかを聞かせてもらいたいわね!!」

 

 いつもの様に、しかし今回はいつもより当社比にして二倍。ぐだぐだ粒子に匹敵する――――否、メタ度に関して言えばぐだぐだ粒子すら超える――――超絶不思議現象発生により、三人は大暴れしていた。

 

「そも、QPの消費量も素材のドロップ率も異常に少なくない!?」

「イベントでも交換アイテムに石を搭載してくれてもいいと思うんじゃけど!!」

「どうして、特異点別ピックアップにステンノはいないのかしら。出て来てたわよね? おかしいわ……おかしいわ……」

「というか、余のスキル育成忘れられてないかっ!?」

「それもこれもQPってやつのせいよッ!!」

 

 三人と言ったが、アレは嘘だ。暴れているのが三人のわけは無く、当然、それ以外もいるわけだ。

 大体QPの消費が多いにも関わらず、通常クエストではそれほど回収できず、更に言えば苦労して集めても、スキル一つに消費されて消えるのだ。一体どうしろと言うのか。とりあえずQP増加礼装もっと増えろと。そう思ってしまうのも無理はないだろう。

 

「くそぅ……ステンノもメルトリリスも来ないし……一体何に呪われてるっていうんだ……」

「酒呑も来ないしな!」

「そもそもアサシン枠がスカスカじゃない……」

「スカサハ師匠も未だレベルが低いしねっ!!」

「今なおサポートに編成されてる静謐に謝れぃ!」

「正直もうアルターエゴでいいんじゃないかと思ってる!!」

「酷いわマスター! ライダーとキャスターにまで被害が来てるわ!」

 

 そろそろ収集が着かなくなってきたな。と思うも、今更止める事は出来ない。

 ただ、ここにBBがいないのは救いだろう。彼女まで居たら、本当にどうしようもなかった。

 

「……いい加減、テンションも保てなくなってきたわ」

「うん。冷静に考えると、いつもと全く変わらないもんね。当社比二倍で暴れたとはいえ、いつもが基本ぐだぐだ粒子が漂ってるようなものだしね」

「儂ら、ぐだぐだイベント終わってもぐだぐだじゃしなぁ……」

「余は、そんなことないぞ?」

(アタシ)も無いわよ?」

「お主らは最初からそうじゃろうが」

「ぬお! さらっと罵倒された気がするぞ!!」

(アタシ)たちはずっとぐだぐだしてるって言いたいの!?」

「大体あってるじゃろ」

「ノッブ。ブーメラン刺さってる。皆大体最初からぐだぐだしてる」

「まぁ、マスターがその筆頭だしね」

「はぅっ! エウリュアレの精神攻撃が刺さるっ……!」

 

 胸を押さえて倒れるオオガミ。女神の精神攻撃は効果が抜群のようだった。

 

「エウリュアレ! マスターが精神攻撃に弱いのは知っておるだろうが!」

「えぇ、知ってるわ。メルトリリスが当たらなかった時、本気で何もしなくなる直前だったしね」

「それを知っててなお攻撃するエウリュアレを、素直に恐ろしいと感じるのだが……」

「エウリュアレは、時折吾ですら怖いと思う時がある……」

「うぅぅ……今日はもうふて寝しよう……アメリカのド田舎らしいけど……」

「ここで寝るのね……あぁ……また野宿なのね……」

 

 エウリュアレは少し悲しそうにつぶやき、仕方ないとばかりにオオガミの腕の中に潜り込む。

 

「……よし。さっさと薪を集めて火をつけてエウリュアレを引きずり出すぞ」

「うむ。着火は任せよ。余が即座に火をつけてやる」

「ククク……吾が一番に集めてやろう」

(アタシ)が先よ。任せなさい」

 

 そう言って、ネロを見張りに置き、ノッブ達は薪を集めに行くのだった。




 テンションMAXで書き始めて、途中で力尽きたのが悪かった……ハイテンションで書き切るべきだった……
 しかし、マンガでわかるバーサーカー……倍速入れて約二秒って、すごい周回向き……しかも、全体バスター上昇に全体回復とか、普通に使いどころある様な……


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日常
冷静に考えなくても、基本的に被害者ってこっちだよね(そういえば、グランドオーダー中の種火周回とかってどうするんだろう?)


「昨日は……闇に葬ろう」

「どうせ明日も同じことになると思うんじゃけどね」

「わ、私はもうやられないわよ! というか、もう関わらないわ! って事で、このイベントが終わるまで近づかないで!!」

「さも、俺が中心みたいな言い様だね!?」

 

 大体、向こうからやってくるわけで、こっちはある意味被害者である。そして、被害者ながらも得をしようと足掻いて、いつも素材や種火を一切合切奪っているだけである。

 なので、あくまでもオオガミが中心と言うわけではないのだ。

 

「それにしても……いつも思うんだけど、どうやって特異点で種火周回とか出来るのかしら。確かあれ、シミュレーションだったわよね?」

「いや、ほら。マシュの盾でポータル作って、そこでシミュレーションしてるんだよ。うん」

「でも、今回は作ってないわよね? というか、マシュは?」

「えっ……と、いや、その、ほら。ノッブがなんかしてくれたんだよきっと」

「そう……ノッブの信用度というか、理不尽の押し付けられようが分かるわね。どう考えても適任はBBでしょうに」

 

 やれやれ。と言いたそうな表情で首を振るエウリュアレ。

 近くで聞いているノッブに目を向けると、具体的に何をしてるのか分からないが、手元に目を向けて作業をしているような感じを醸し出し、さも自分は聞いていないというような態度だった。

 

「はぁ……まぁいいわ。ちょっと散歩してくるわね」

「うん。行ってらっしゃい」

「えぇ、行ってくるわ」

 

 そう言ってエウリュアレは森の中に消えていく。

 そして、それと入れ替わるように、茨木が薪を持ってきた。

 

「ふん……吾を働かせるとは、恐れを知らぬなぁ……」

「別に、働くても良いんだよ? ただ、お菓子やデザートが無くなるだけで」

「くっ……そんな恐ろしいことを考えているとは……鬼めっ!」

「お主が言うんかい」

 

 茨木の発言に、思わず素で突っ込んでしまったノッブは悪くないだろう。

 

「だがまぁ、吾もたまにはこのような雑用をやるのも……いや、やっぱり街を襲いたい……」

「じゃあカルデア襲撃して来れば? 手始めにエルキドゥから」

「自然に死刑宣告だな!? 流石の吾も、アレはまだ無理だ。せめてスキルを全てMAXに……」

「そ、そう……まぁ、いつか来る抗争の為にも、勝てる編成をしておかなくちゃだね……」

「む? 抗争? なにやら面白そうな事を考えているようだのぅ……」

「オオガミよ。変なこと考えておると、マシュにまた叱られるぞ?」

「ま、まぁ、その時はその時だよ。うん。な、なんとかなるって」

「ククク……その時は、吾も暴れられるのであろうな……?」

「当然。その時は頼りにするよ?」

「あぁ、期待するがいい。っと、薪はここに置いておくぞ」

「うん。じゃあ、休憩してくれてていいよ」

「うむ。そうさせてもらうぞ」

 

 そう言って、茨木は薪を置いてから木に寄りかかって休憩し始めるのだった。




 いずれ来る抗争……
 中立勢は完全に巻き込まれという不幸。

 あと、さらっとホームズが当たりました。出す場所に困った結果、今はカルデア待機中。


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マスター<お菓子(それはそれとして、QPが足りぬな)

「宝物庫め……QPを出し渋りおって……!!」

「いやぁ……少し前まで、自分とはまだ縁遠いと思っていた頃が懐かしいなぁ……」

「そんなに昔でもないでしょ……」

「吾としては、まだ足りぬ……奪い尽せぬというのは、悔しいものよな……」

 

 宝物庫に突撃をしてQPを奪っていくオオガミ達。

 ちなみに、実働部隊はドレイク船長とリップなので、ノッブ達は完全に関係なかった。

 唯一関係があるとしたら、後衛にいるエウリュアレくらいだろう。

 

「(しかし……あとちょっとなんだけどなぁ……)」

「……な、何よ?」

「いや、何でもないよ?」

 

 絆ポイントを見つつ、この少しが埋まらない感覚に何となくイライラしてるオオガミ。

 エウリュアレの絆MAXまで、残りは約5万。メインクエストのような、絆ポイントが多いクエストに出ているわけではないから、それも仕方のない事なのだろう。

 

「ねぇノッブ? 最近、マスターの視線が怖いのだけど」

「ふむ? お主、何やらかしたんじゃ」

「そうやってすぐさま私を疑うのはどうかと思うのだけど」

「まぁ、信頼の表れとでも思うんじゃな」

「真っ先に自分の事を疑ってくる信頼なんていらないわよ……」

「日頃の行いという事じゃ」

 

 頬を膨らませつつ文句を言うエウリュアレ。しかし、ノッブのマントの中に隠れながら言っているので、威厳は完全に欠片も無い。

 

「ククク……して、次の襲撃は何時だ? 吾は楽しみでたまらんぞ……」

「ん~……まぁ、流石に今日は終わりかなぁ……」

「む。つまらぬな……」

「流石に果実を食べるつもりないからねぇ……」

「ぬぅ……ならば、仕方ないか……明日も当然行くであろうな?」

「そりゃ……あ、いや、種火回収だね。QPはまた今度だ」

「ぬぉ、本気か……!?」

「まぁ、順番があるんだよ。QPはまだ最優先じゃないしね」

「ぐぬぬ……仕方なし……次を待つか……」

 

 少し悲しそうな顔で諦める茨木を見て、苦笑いになるオオガミ。今度、エミヤに何か作ってもらおうと思うのだった。

 

「という事は、またここで野営?」

「そうなるね」

「えぇ~……私だけでも帰りたいんだけど……」

「何言っとるんじゃ。儂らのマスターじゃぞ? 放って置いたらどこでぽっくり死ぬかわかったもんじゃないじゃろ?」

「こやつにはもっと強くなってもらわねば困るからな……このような所で死なれたらかなわぬ」

「いや、私関係ないじゃない」

「そうでもないぞ? なんせ、マスターが死ぬと、お主の好きなお菓子類が食べられなくなるからな」

「――――!!」

「……それは許せぬな」

「えぇ、許せないわ。これは是が非でも連れて帰らないと」

「うむ。その意気じゃ」

「……命を助けられる理由がお菓子とは……」

 

 自分の命の価値とは。とオオガミは考えつつも、とりあえず指示を出して薪を取りに行くのだった。




 お菓子のおかげで生き残れる不思議。うちのカルデアらしいといえば、うちのカルデアらしい……


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回避って、味方の場合は嬉しいけど、敵がしてくると殺意湧くよね(エルキドゥが回避を習得したんじゃが!?)

「なんでじゃーーー!!」

「なんであの神造兵器が回避なんて手にいれてるのよーーー!!」

「勝ち目が思いっきり薄くなったではないかーーー!!」

「……鈴鹿御前がこっち側に着いてくれればワンチャン……!!」

 

 強化クエストにより、気配探知に回避が付与された最強兵器、エルキドゥに悲鳴を上げる四名。

 心強い、しかし、敵としては最悪の強化に、絶望したような表情の四人の気持ちは、誰一人として回避を貫けないという事実によって理解出来るであろう。

 

「くっ……これでは尚更、敵対出来なくなったではないか……!!」

「いいえ……まだよ……! まだ、礼装という最終兵器があるわ!」

「つまり、無敵貫通礼装をつけるということか!」

「えぇ……それをネロに装備させれば、私たちに勝ち目が出来るわ……!」

「吾の羅生門大怨起で強化解除するのも一つだな」

「うむ。で、解除してからネロを叩き込む、というのが一番理想じゃな。なんせ、防御上昇等も一切合切破壊できるからな」

「じゃあ、本番の時はそれで行きましょう。私はとりあえず、男連中を視線で射殺していくわ」

「うっわー……女神の口から出ちゃ行けない言葉が出たよー……」

「マスター。うるさい」

「あっ、はい。すいません」

 

 話に入り込むことすら出来なくなってきたオオガミが、ぼそりと呟いた瞬間にうるさいと言われ、小さくなる。

 

「しかし、最難関はマルタよな……」

「バスター三積みの脳筋ルーラー……はたして如何に突破するか……」

「そこは、ほら。私が巌窟王を悩殺して攻撃させれば良いんでしょう?」

「ふむ……それもそうじゃな。ということは、如何にエウリュアレを巌窟王のもとへと出せるかが問題ということか」

「えぇ……難易度は高いわ……」

 

 一体、この話題はどこへ行くというのか。そして、本当に抗争を起こすのか。と思いつつ、オオガミは成り行きを見守る。

 ただ、一つ言えることは、この自由奔放フリーダム組の主格の一人はオオガミだ。ということだ。まぁ、最近は影が薄くなってきていたりするが、気のせいだと思いたい。

 

「しかし……バーサーカー組も、下手をすると厄介だぞ? なんせ、神秘殺しがいるからの……」

「えぇ……でも、そこはノッブの三千世界(さんだんうち)に賭けるわ。神性・騎乗の二つを取っているんだから、倒せなくもないはずよ」

「それもそうか……うむ。では、任されたぞ」

「吾とネロはエルキドゥを。エウリュアレは土方と巌窟王を悩殺し、マルタを。ノッブは頼光を、ということだな。ククク……楽しみだのぅ……」

 

 不気味に笑う三人。明らかに、悪いことを企んでいる顔だった。

 ただ、唯一の問題点があるとすれば、全員揃って、厨房勢相手にすると即座に敗北を認める。

 そして、その厨房の料理長を勤めているエミヤは、どちらかというと風紀委員組の人間である、ということだ。

 胃袋を掴まれたら逃げられない。つまりはそういうことだった。




 なんか、既にやらかすつもり全開なんですけど。
 そして、このマスターである。いい加減、威厳を取り戻そうぜ、オオガミ……
 まぁ、イベント終わるまではメンバーは変えない予定ですけどね。これは威厳回復しない予感……


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我がカルデアの、ビューティープリティー廃パワー女神様(だからって、ランサーに突撃させて良い訳じゃないわよ?)

「ど・う・し・て! 敵にランサーいるっていうのに私をメインに出したのか! 聞かせてもらうわよ?」

「い、いやですね!? それはその、あれですよ! エウリュアレなら倒せるなって確信してたから! 事実、倒せたじゃん!?」

「えぇ、そうでしょうね。そりゃ、レベル差が開いてるからね! 倒せるのは分かってたわよ!」

 

 正座させられ、怒られるオオガミ。

 怒っているのは、会話から分かる通りエウリュアレ。

 いつもなら冗談のように言うのに、今日に限っては本気だったため、ノッブ達は静観の姿勢だった。

 

「大体ねぇ、ランサーが敵にいようとも問答無用で私をメインに入れようとするのはどうなのよ。おかしいじゃない。クラス相性分かってる?」

「はい……ちゃんと、アーチャーはランサーに対して弱いということは知っておりますです。はい」

「そうよ、私はランサーに弱いの。それで……どうして私はランサーがいても、編成に入れられるのか。聞かせてもらえるかしら?」

 

 満面の笑み。それはエウリュアレが、どちらかと言えば悪意全開の時に浮かべる笑みだった。

 

「えっとですね。それは……その、エウリュアレ様は我がカルデアの幸運の看板女神様でございますれば、編成から抜くというのは手段としては存在しないのでありますですよ」

「なるほどなるほど。つまり、私は幸運の女神で、編成から抜くのは嫌だ。そういうことね?」

「えぇ、はい。そ、そういうことです」

「そう。それで、貴方はその幸運の女神を主戦力にしているわけね?」

「そ、それはその……ですね? 幸運の女神とは一口に言いましても、エウリュアレ様はどちらかというと相手のチャージを削って宝具を叩き込んでクリティカルとアーツ上昇で宝具を早めに回転させて、男性はとりあえず男性ならクラス関係なく悩殺していく系の可愛い女神様でしてね? その、主力系のビューティープリティー廃パワー女神様なので、主戦力にするのは信者としては当然と言いますか、エウリュアレを殺させてたまるかと言いますか、そのですね? まぁ、そういうことでございます」

「……えっと、結論は、私は美しくて可愛いうえに強いから前戦入りは当然って言いたいわけ?」

「えぇ、まぁ……そういうことでございます。女神様」

「そう……はぁ。なんて言うか、変に信頼されてるのねぇ……私……」

「そりゃ、うちのカルデアの幸運の看板女神ですし。超絶信頼してますし」

「……まぁ、悪い気はしないけど、それでもランサー相手は辛いわ。出来ればネロにしなさいよ」

「まぁ、善処します」

「それ、絶対やらないやつじゃないの……」

 

 苦笑いをしているオオガミの頬を指で突っつきながら、エウリュアレは頬を膨らませているのだった。




 初心者イベントだし、エウリュアレを使って良いか。という楽観的思考でエウリュアレを使って、エウリュアレがランサーに襲われることなく、彼女自身が宝具でランサーに攻撃させなかったにも関わらず、当然のごとく怒られるオオガミ。
 今日はつまり、そういうことだったわけで。

 正直アルテラもとい、コロンビアのスキルに目が点になってしまったのは仕方ないと思うんです。
 フレンドを孔明にしてなかったらメンバーの半分が死んでいた……


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オオガミのパフェとエミヤのパフェ。どちらの方がおいしいのかしら(エミヤに勝てるわけないし、これから教わろうとしてるんですが)

「エミヤ~~!!」

 

 食堂に入ってくるオオガミ。

 もう人はほとんどおらず、席にはエウリュアレと茨木がぽつんといるくらいだった。

 そして、厨房ではエミヤが何かを作っているようだった。

 

「なんだねマスター。もしかして、エウリュアレ達と同じようにデザートを求めてきたのか?」

「えっ。エウリュアレ、そんなことをしてたの……?」

「そうだが……同じもので良いなら、マスターも食べるか?」

「むっ。エミヤが大丈夫ならお願いしますです」

「了解した。少し待っていろ」

 

 エウリュアレ達が要求しているのなら、同じところで待っているのが良いだろう。という判断で、エウリュアレの前の席に座る。

 

「なによ。貴方もパフェを食べに来たの?」

「いや、まぁ、そんな所かな?」

「ふぅん? まぁ、私は貴方の作ったものと、彼が作ったもの。どちらがおいしいかを食べ比べたかっただけなんだけどね」

「む、むぅ……エミヤと比べられると、明らかに差が大きすぎる気がするんだけど……」

「まぁ、その時はその時よ」

「吾はうまいものなら構わぬ。マスターが作ろうが、あやつが作ろうが、な」

「私もそんなものよ。楽しみねぇ?」

「あっれぇ……? さらっと、エミヤと張り合えっていう雰囲気があるなぁ……?」

「うふふふふ……」

「ククククク……」

「あはは……というか、そんなものを軽くもう一つ作るかって聞いてくるエミヤさんパネェっす」

 

 意味深に笑う二人に、苦笑いになるオオガミ。

 そんなことを話していると、エミヤがこちらにやってきた。

 

「前にマスターがイチゴのパフェを作っていたらしいからな。こちらはチョコで作ってみた。口に合えばいいのだが」

「おぉ~! 流石料理英霊ね。見た目も中々だわ」

「おぉ……うまそうなパフェよなぁ……」

「料理英霊って……せめて料理長って呼ぼうよ」

「いや、マスター。根本的に、私は料理人として召喚された覚えはないのだが」

 

 チョコをメインに使用したパフェに目を奪われる三人。

 だが、その反応を見て、エミヤは呼ばれ方にどうも思うところがあるらしかったが、オオガミがきょとんとした表情で、

 

「え? いや、だって、ほら。エミヤは料理がうまいから」

「た、確かに、比較的にうまい方ではあると思うが、それはそれだろう?」

「だって、イベントでも料理長だったし……」

「そうよ。いい加減、諦めて認めなさい」

「だが、私も英霊の矜持と言うものがな……」

「それに、今日の用事は料理を教えてもらいに来たんだし」

「…………」

 

 当然の如く言ってくるオオガミに、さすがのエミヤも、思わず目頭を押さえるレベルだった。

 

「もう、何も言うまい。マスター。料理に関しては明日の仕込みもかねて教えるから、食べ終わったら厨房に来てくれ」

「了解!」

 

 そう言うと、エミヤは厨房に戻って行くのだった。




 たまにやる人と、本格的にやっている人。そりゃ、後者の方が勝つと思うんです。
 エミヤはもうしばらく戦闘はしない予定なんで、特異点での食事はまだエミヤ無しが続くわけです……


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明日から水着イベだヒャッハー!!(儂も霊基再臨で着替えありじゃあぁぁ!!)

「儂のターンじゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ダサTなのにカッコいいぃぃぁぁぁぁ!!!」

「叔母上もバーサーカーだぁ!」

 

 テレビに映し出された水着鯖一覧を前に、腰に手を当て胸を張りながら大声で喜ぶノッブ。

 そして、その背後で目を輝かせながら喜ぶオオガミと茶々。

 

「ふははは!! 沖田がおらんのがちと気になるが、まぁそんなことはどうでもいいんじゃ!! レースじゃぞレース!! これはもう、儂がダントツ一位しかないじゃろ!!」

「えっ?」

「えっ」

「えぇ?」

「……え?」

 

 予想外とでも言いたげなオオガミの呟きに、思わず聞き返すノッブ。

 それを二度繰り返し、苦笑いで硬直するノッブ。

 

「いや、まさかお主、儂を応援しないわけじゃあるまいな?」

「いやいや、ほら。ノッブはロケットじゃん。あれで負けるとか、思ってないから。だからほら、頑張って! 俺はネロの所に行ってるから!」

「よし分かった。水着の儂が来たら、まず最初にマスターを殴り飛ばす。んで、おまけでネロも殴り飛ばしに行こう」

「そ、それはあれです? 『儂、来ないんだからねっ!』っていう奴です?」

「んなツンデレもどき、誰がするか。お主には拳で十分じゃろ」

「おぅノブナガさん? 流石の私も、ノブナガさんのパンチは死んでしまいまーす。マジで止めてくださーい」

「うむ。許さん」

「あっ。死んだなこれ」

「伯母上! 死ぬかどうかのギリギリじゃないと、エルキドゥに殺られるからね!」

 

 明らかな殺意の炎を瞳に宿し、拳をポキポキと鳴らしながらオオガミを見下ろすノッブ。

 オオガミはじりじりと後ろに下がって逃げようとするが、後ろから抱き着いてきた茶々の手によって阻まれる。

 

「あっはははは」

「ふふふふふふ」

「えっとぉ……よし。ここは素直に諦めよう」

「ふむ? 潔いんじゃな。して、儂がそれで止まるとでも?」

「いやいや、まさか。ノッブが止まるわけないよ。という事で、ヘルプミー! エルキドゥ!!」

「ぬわっ!?」

「ちょ、えぇぇ!?」

 

 エルキドゥの名を呼ぶオオガミ。

 当然、エルキドゥを呼ばれたらノッブ達は勝ち目がないわけで、ここは逃げるしかないという結論に至る。

 

「なんだい? マスター」

「茶々! 撤退じゃ!! 水着イベントまで隠れるぞ!!」

「了解!」

 

 エルキドゥが、さも当然の様に天井から現れると同時、全力で逃走するノッブと茶々。

 その逃走速度は目を見張るものがあったが、それはそれとして、エルキドゥは問答無用で扉に鎖を突き刺して文字通り封鎖する。

 

「さて……それじゃあ少し、お話をしようか」

「は、ハハハ……マスター。これは流石に予想外じゃったぞ……」

「ふふん。そりゃそうだよ。だって――――」

「マスターもだよ?」

「――――共倒れだもん」

「こいつ阿保じゃ!!」

「茶々も巻き込まれてるんですけどぉ!?」

 

 喧嘩両成敗。

 とは言うものの、今回の一件に関していえば、オオガミが全面的に悪いと言えなくも無いので、オオガミは別室行きとなるのだった。




 はたして、オオガミはノッブを応援するのか、それとも当初の予定通りネロを応援するのか……

 とりあえず、オオガミは別室で袋叩きにしておきますね。


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デッドヒート・サマーレース!~夢と希望のイシュタルカップ2017~
待ちに待った、イベントじゃああぁぁぁぁぁぁ!!!(レース、始まるわよ!!)


「ヒャッハー! イベントじゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「レースだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「「全力で戦争じゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

「叔母上達うるさい」

「エルキドゥが来るわよ?」

「もはやエルキドゥはホラーゲームで言うところの接触即死系の敵みたいよね」

「うむ。というか、余以外には天敵であろう」

 

 休憩室で騒ぐノッブとオオガミを見ながら、エルキドゥが来るのではないかと危惧するエウリュアレ達。

 今は全員イベントに参加するのを待っているのだが、更新が遅いため、未だに待機しているのだった。

 

「さて……して、如何に攻めるか、じゃな」

「そりゃ、正々堂々後ろからキラーの如く全てを蹴散らして全速前進?」

「蹴散らしてとか……そんなえげつない事、出来るわけなかろう……というか、撃ち落されるわ」

「残念。さすがにノッブの科学力でも無理か……」

「うむ。まぁ、任すが良い。安心して儂の応援をせい」

「あっ。まだその話を持ち出してくるんだね、ノッブ」

「そりゃ、マスターには応援されたいしな。その方がやる気が出るに決まっとるじゃろ?」

「うぅむ……そういうものかなぁ……?」

「そういうものじゃよ」

 

 ノッブが胸を張ってそう言うので、そんなものか。と納得するオオガミ。

 

「まぁ、出来るだけ応援するよ!」

「うむ。それ、やらないフラグなんじゃけどね?」

「ハッハッハ~。そんなことないってば~」

「まぁ、期待して待っておるぞ」

「まぁ、任しておいてよ」

 

 苦笑いのノッブに、胸を張って応えるオオガミ。

 

「っと、そろそろ更新終わったかな?」

「カルデアスのメンテナンスも大変じゃのぅ。全く、恐れ入る」

「BBも手伝って――――いや、確実に遊んでる気がする。もしや遅れた原因はBBなんじゃ……」

「いやいや。さすがのBBも、そんなことしたらエルキドゥと共に来るマルタに叩き潰されるわよ」

「あ、それもそうか。じゃあ、問題ないね」

「えぇ。というか、終わったのなら、もう行きましょ?」

「余の出番はあるのだろうな!?」

(アタシ)の出番は!?」

「予定はあるから安心して。どうせ全クラスあるはずだし……特効キャラ、誰も育ってないし……」

 

 オオガミは遠い目をするが、それを気にするのはいないのだった。

 

「と、とりあえず! レースだよレース!! 特異点突っ走りレース!! まずは初回!! 行ってみようか!!」

「儂の走りを見せてやるぞ!!」

「まぁ、私は観戦してるんだけどね」

「余も走るからな!! 楽しみだな!!」

(アタシ)は応援ソングを歌ってあげるわ!!」

「うぅん。このメンバー、不穏だなぁ!」

 

 休憩室を出るオオガミは、共に出てくるノッブ達の声を聞いてこの先が不安になるのだった。




 ようやく……アップデートが終わった……一時間くらいかかるとか、完全に想定外……コフッ

 という事で、イベントやってきます!!


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ネロが一日で最終再臨……(ネロが可愛いのがすべての根源)

「海上劇場からの前方殲滅型レーザー攻撃……そして、ステージを出てくる時のあの輝いた表情!! 可愛い!」

「ぐぬぬ……どうして私はいないのよ!! というか、なんで観客席なのよぉ!!」

「静かに見てなさいよ。ほら、バラキーだって静かよ?」

「綿あめ、うまいのぅ」

「……ね?」

「綿あめ食べてるだけじゃない……」

 

 映像を見て目を輝かせるオオガミと、オオガミを叩きながら文句を言うエリザベート。

 それに対して遠回しにうるさいとエウリュアレが言うが、エリザベートは微妙に納得がいかないようだった。

 

「それにしても、一日でネロが最終再臨するなんて思わなかったわ」

「ふっふっふ。それはもちろん、水着ネロ様が普通に強いと思ったからね」

「そう……で、どうしてQPがあんなに無くなってるのかしら」

「……ノーコメントで」

「ふぅん……じゃあ、次の質問。ネロの第二スキルがレベル5なんだけど、どうしてかしら」

「……ノーコメントで」

「へぇ……それじゃあ、今月の種火と期間限定の種火とイベントの種火が全部消えてるのは?」

「……それ以上は泣くよ?」

「ふふふ。まぁ、私にとっては何の問題も無いし、良いわ」

「何というか、絆礼装手に入ったのに態度が優しくなると思いきやむしろ悪くなってる様な……?」

「失礼ね。ちゃんと相応の態度で話してるわよ」

「えぇ……相応の態度なのにイジメてくるとは……一体どんな人間だと思われてるんだろ」

「私みたいな女神をここまで育ててる時点で、何となく説明不要な感じがするわ」

「うぅん……? どんな感じだろ……」

 

 エウリュアレが何を言いたいのかよく分からないオオガミは、首を傾げつつ考える。

 そんなオオガミを見て、エウリュアレはため息を吐く。

 

「ま、いいか。レースを見守ろうよ」

「えぇ、そうね」

「……そういえばオオガミよ。(なれ)はマシュと共にレースの運営側で何かするのではなかったか?」

「えっ?」

 

 突然の茨木の突っ込みに、思わず硬直するオオガミ。

 

「そう言えばそうよね。どうしてここにいるのかしら」

「まさか……サボリ?」

「え、えっとですねぇ……まぁ、その、あれだよ。ちょっとした休憩だよ。この後、すぐに戻るしね」

「なるほどねぇ……というか、それなら早く戻りなさいよ。そして、マシュをこっちに連れてきなさい。そっちの方が良いわ」

「ひ、酷い言われよう!! むむぅ……まぁ、マシュにだけ任せるわけにはいかないし、行ってくるよ。まぁ、エウリュアレには後で来てもらうかもしれないけど」

「え? ……あぁ、そういう事ね……分かったわ。その時は呼んで」

 

 思い至るところがあったのか、頭を抱えながらオオガミを行かせるエウリュアレ。

 ちなみに、おおよそ同様の理由でリップも連れて来られるのだろう。とエウリュアレは思うのだった。

 

「バラキー。それ、どこで売ってる?」

「む。向こうでエミヤが作っておるぞ」

「ありがとう。行ってくるわね」

 

 そう言うと、エウリュアレは気を紛らわすために、エミヤの店へと向かうのだった。




 今日のレベル上げで分かったのは、種火200個で行けるのは最終再臨とちょっとくらいだということです。
 チクショウ……もしメルトリリスが召喚できても、一日でレベルマックスは現在の貯蔵では不可能ということか……!!(激昂)

 とりあえず、今日はネロの「あれは誰だ! 美女か? ローマか? もちろん、余だよ?」に癒されてきます。強いし可愛いよネロ。


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いつも通りいつも以上にマスターが暴れてるんですが(というか、エウリュアレさんの絆レベルMAXだったような……?)

「先輩が暴れてます……」

「何があったのだ……」

 

 俯いてそう言うマシュに、思わず聞く茨木。

 一体何があったのか。そう思うのも無理はなかった。

 

「いえ、大体いつもと理由は変わらないのですが、今回は素材交換のアイテムの必要数が多いらしく、悲鳴を上げながらいつも通り暴れてます……」

「ふむ……なるほどのぅ。だからエウリュアレがおらんのか」

「はい。先ほどまでリップさんが行っていましたが、今は玉藻さんが行ってます」

「むぅ……吾は何時になったら戦えるのか……」

「えっ? あ、そうですね……そもそも、茨木さんが大活躍できる敵って、どのような敵なんでしょうね?」

「ふむ……どのような敵……か。むぅ、しばし考えてみる」

 

 そう言って、茨木は考え始める。

 マシュは茨木が考え始めたのを見て、レースの状況を見る。

 

「そういえば先輩……結局信長さんをあんまり応援してないですよね……素材考えたら、確かに信長さんを応援するよりも、他の方を応援するのが一番なんですけど」

「マシュ。そう言う事は言っちゃいけないのよ?」

「ナーサリーさん……何時からそこに?」

「マシュがオオガミの愚痴を言ってた辺りからかしら」

「最初からじゃないですか。どうして私は気付かなかったんでしょう……」

「それは、あれよ。わざわざ姿を本に変えて見つからないようにしたもの」

「なんでそこで隠れたんですか」

「理由なんてないわ。思ったままに行動してるだけよ。マスターだってそう言ってたわ」

「先輩は何言ってるんですかもぅ……」

 

 オオガミが自分の知らない所で一体どんな適当な事を言っているのかと思うマシュ。

 ちなみに、ナーサリーは、エミヤの屋台で買って来たであろうたこ焼きを食べていた。

 

「あぁもう、これ以上あんな火山で戦ってたら、焼けちゃうわ。女神の丸焼きとか、誰得よ」

「その時は吾が喰ろうてやろう」

「……想像しちゃったじゃない。次言ったら撃つわよ?」

「それは困る。クククッ、楽しみだのぅ」

「それはどういう意味でかしら? というか、貴女も行けば良いのに……」

「吾も行けるのなら行きたいわ! 行けないであろうが!!」

「あ、あぁ……そうだったわ。マスターがあれだものね……まぁ、コスト面の問題もあるんでしょうけど……」

「コストが足りぬのなら、どうしようもないではないか!!」

「そうね。悪かったわ……えぇ、きっと、次のメインは貴女の活躍できる場所が多くあるわよ。きっと。私の絆礼装をゲットしたって言ってたし。というか、渡したし」

「うむ……それで吾の出番が来ればよいが……」

 

 帰って来たエウリュアレは、茨木と話しつつ、買ってきた焼きそばを食べながら観戦していた。おそらく、APが尽きたのだろう。とマシュは想像する。

 

「って、エウリュアレさんが戻って来たって事は、先輩も疲れてるんじゃ……えっと、じゃあ、戻りますね」

「行ってらっしゃ~い」

「えぇ、頑張りなさい」

「うむ。ついでに吾の出番を取ってきてくれると嬉しいぞ」

「それは自力で獲得するべきだと思いますので、私は先輩の手助けをしてきますね」

「フフフ。だそうよ? バラキー」

「ぐぬぬ……仕方あるまい。吾自ら赴くしか無かろう……」

 

 スタッフルームに戻って行くマシュを見送りながら、茨木は何時言いに行くかを考えるのだった。




 女神の丸焼き……全身日焼けなんじゃないんですかね……溶岩に落ちる予定でもあるんですか? 女神さま……

 というか、私的に今回の素材交換がいつもより大変な気がするんですが! 大変な気がするんですが!!
 残りチタンプレートが約7800枚とか、意味分からないんですけど!! 他のやつとか、考える気すら起きませんでしたよ!! うわぁぁぁぁ!!!

 うん。また水着ネロに癒されてきます。スキルセリフでも可愛いよネロ。『夏の話題を独り占め、だな!』


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なんか、今日は荒れてるわね……(コースが平和な感じだからかしら?)

「メジェドが来たわね……」

「本人が聞いたら殴りかかって来そうな物言いだね」

「全く……センパイも、水着イベントだからって舞い上がり過ぎです。もっとこう、BBちゃんの為になるようなことに使ってくださいよ」

 

 りんご飴を食べながら呟くエウリュアレにエルキドゥが突っ込み、BBが減っていく資材を思いながら呟く。

 

「貴女の為になる事に石を使うって、どういう事よ。そもそも、別に必要ないでしょ?」

「レベル100のエウリュアレさんに言われたくないですね。そもそも、まだ私は80にすら達してませんからね? 74ですよ? 私」

「あぁ……そういえばそうね。ただ、ニトクリスが来ちゃったからまた成長できる日が遠くなったわね。お疲れ様」

「むむむ……本当に許せないですね……これはもう、直談判しかないですね。さすがに倉庫を襲うと私の命が危ういので」

「そう、よかった。僕が出る必要はないんだね?」

「あはは。そもそも、エルキドゥさんが出るような場所なんて無いでしょう? あ、今なら弓の修練場で周回してくるのが一番なんじゃないですかね?」

「……それは、僕に喧嘩を売っているって意味で良いのかな?」

「嫌ですねぇ。喧嘩なんて、同じレベルの人間の間でしか起こらないんですよ?」

「そうか……それもそうだね」

「えぇ。ですので、黙って座ってレースを見てるのがお似合いですよ♪」

「あぁ。君も、そこで静かにレベルが上がってく回りを見ながら自分を省みているのが良いと思うよ」

「うふふふ」

「はははは」

「……なんでこう、ギスギスしてるのかしら……」

 

 やれやれ。と言いたそうにエウリュアレは首を振るが、すでに二人はエウリュアレの事は眼中に無いようだった。

 その後も、ニコニコと笑いながら二人は睨みあっていたが、当然心の底から笑っている者はいないのだった。

 

「うぎぎ……伯母上が茶々の黄金を全部使いさえしなければもっと遊べたはずなのに……!!」

「そんなこと言っても、ちゃんと買ってるじゃない」

「それはそれ、これはこれ! そもそも、これは茶々が襲撃に備えてもう一段カバーを入れてたとっておきだし!!」

「よくもまぁ、バレなかったわね……」

「伯母上は表面上ので足りたみたいだし……ここまで荒らされてたら今からでも襲いに行く自信があるよ」

「その時は、吾も混ぜてもらおうか」

 

 かき氷を食べる茶々と、フランクフルトを数本持って一本ずつ食べている茨木がやってきて、エウリュアレの隣に座って愚痴り、それに対してエウリュアレは突っ込んでいく。

 

「てか、第一レースと第二レース、伯母上どっちも5位じゃん! やっぱり茶々の黄金を持ってった罰が当たったね!」

「そうよねぇ……まぁ、今は上位。それも2位だけどね」

「チィッ!」

「本気で舌打ちしてるわね……」

 

 心の底からそう言ってる茶々に思わずエウリュアレが反応するのも、無理はなかった。

 

 まだレースは続くのだった。




 冷静に考えると、あの大虚け、茶々と新選組の貯蓄を奪って霊基変えたんだよネ……

 今回は美しさによって速度が上昇していくとか、つまりエウリュアレの独壇場じゃないのかと思った私は悪くないはず。

 そういえば、今回本題の予定だったメジェド様(ニトクリス)が一番最初でさらっと言われただけになってる……


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第四レースの応援、エウリュアレが輝く(全員男性特性とか、エウリュアレの独壇場じゃないですかヤダー)

「あいつら、皆男性特性なのよね……」

「正直、エウリュアレの魅了が効くとは思わなかった……」

「あんな見た目でもオリオンって事ね。全く、あんなに増やすとか何を考えているのよ」

 

 ぐったりした様子のエウリュアレとオオガミ。

 男性特効が突き刺さるため、今までよりもなお強く編成に押し込まれるエウリュアレ。そして、ここまでエウリュアレの連続戦闘のおかげでジャンクパーツは終わり、チタンプレートとマグホイールも、解放されてないフォウ君を除いて、モニュメントとピースとブーストアイテムだけだ。

 

「はぁ……とりあえず、私は矢を射続ければいいのよね?」

「うん。まぁ、そろそろ終わるし、のんびり行こうよ」

「そうねぇ……後、20回くらいかしら?」

「えっ……40回以上じゃない……?」

「……そろそろ終わるって、何かしらね……」

「まぁ、感覚的なそれだよ。うん」

「……まぁ、貴方がそう言うんならそうなんでしょうけど。はぁ、大変だわ」

「終わったら何か買うから、許してくださいな。女神さま」

「ん。分かったわ。言質取ったから、買いなさいよね」

「わざわざ逃げられないようにしなくても……」

「たまにのらりくらりと躱していくくせに、何を言ってるのよ」

「そんなこと無いと思うんだけどね……」

「自覚が無いのね。まぁいいわ」

 

 レースを見守りながら、エウリュアレはぼんやりと何を買ってもらおうか考える。

 対して、オオガミはどの範囲までならマシュの怒りを買わないかを考えつつ、どうにかもう少し効率よく周回できないだろうかと考える。

 そんな時だった。

 

「マスターよ。吾の出番はまだか?」

「んっ? あぁ、バラキー。ん~……出番と言われても、まだバラキーの出るほどの敵はいないと言いますか、まだ若干の性能不足があると言いますか、私の采配が下手と言いますか……まだ時間かかるね」

「そうか……仕方あるまい。(なれ)が吾に値するほどの者になるまで、もうしばらく待つとしよう」

「まぁ、スキルが全部MAXになるまでの辛抱だし、もう少し我慢なさいな」

「ふん。毎度暴れとるエウリュアレには分からぬよ。吾等は基本、見ている事しか出来ぬからな」

「……まぁ、確かに私は毎度色々な所に行ってるから飽きないだけで、逆に貴方達からしたら羨ましい事この上ないわけね……まぁ、こっちはこっちで苦労があるわけだけれども」

 

 オオガミの頭に自分の頭を乗せながら出番が来ないことを悩む茨木にと、自分の状況を再確認するエウリュアレ。確かに、戦闘をする代わりに、直でオオガミと共に特異点を回っているのだ。カルデアに置いて行かれているのと比べれば明らかに楽しいのは確実だった。

 

「うん、決めたわ。マスター。終わったらかき氷買いなさい。良いわね」

「え? もう食べたんじゃないの?」

「いいえ? 私は食べてないわよ?」

「め、珍しい……まぁいいけど、今から行く?」

「いいえ、最初の約束通り、終わったらよ。ってことで、早く終わらせるために今から行くわよ!」

「えぇっ!? 今から!? ちょ、えぇぇぇ……!?」

「あ、それと、個数は指定して無かったわよね。バラキー達の分も買うわよ」

「おっと。それは流石にマシュのお怒りが――――いや、マシュの分も買えばいいんだよね。完璧な作戦だ。うん。この先が怖いな」

 

 エウリュアレに引きずられていくオオガミを茨木は見送りつつ、ぼそりと呟く。

 

「吾……一応、屋台の料理は一通り食い尽くしたのだが……」




 まさかの全員男という、エウリュアレが大活躍するレースに喚起した私は悪くない(迫真

 チタンプレートとマグホイールも、残るは5200ほど……☆4フォウ君入れても、5600ならば、軽いものよ!(吐血

 そして、最近早く出番を寄越せと要求し続けるバラキーちゃん。楽しそうなので良しとしましょう。


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フケイフケイ……フケイナルゾ……(本人の前にやって良いの……?)

「ふっふっふ……フケイフケイ。フケイナルゾ~」

「射殺すわよ? マスター」

 

 ニトクリスの着ているメジェド布を被りながらフフフと笑うオオガミに弓矢を向けながらはっきりと言い切るエウリュアレ。

 

「……ごめんなさい、女神さま。自分だけ遊ぶのが悪かったんだよ。ってことで、エウリュアレの分」

「……え、着ないわよ?」

「まぁまぁ、そう言わずに。スカサハ師匠のルーン加工も合わさって、これを着てる方が涼しいという謎仕様なんだから」

「あぁ、そう言う……良いわね。涼しいならそれに越した事は無いわ」

「じゃ、エウリュアレもこれを被って」

「……被らないとダメなの?」

「被っても前が見えるから問題ないよ」

「そういう意味じゃないのだけど……まぁいいわ。被るわよ」

「ふっふっふ……仲間が増えたのです……次は誰を狙うか……」

「私は手伝わないわよ」

「えぇ~……そんなぁ~……」

 

 増えたメジェド様擬き。今、空前のメジェド様ブームを巻き起こそうとしているオオガミだったが、第一の仲間がエウリュアレなので、おそらく次の戦いも一人なのだろう。

 当然、それでもオオガミは挑むのだったが。

 

「マスターさんマスターさん。何をしているのかしら?」

「むむっ。その声はナーサリーだね? ナーサリーもメジェド様コスする? 涼しくなる優れものだよ」

「着るのに涼しくなるの……? 不思議ね。面白そうだから私も着るわ!!」

「じゃぁ、はい。ナーサリーの分」

「ふふふっ。茨木の所に行って見せびらかしましょ。きっと羨ましがるわ」

「いや、別に、バラキーが欲しいっていうのならあげるけども」

「そう? じゃあ、一緒に行きましょ」

「うん。っていうか、どこにいるのか知ってるの?」

「えぇ。今はきっとエミヤの所でご飯を買ってるわ!」

「あぁ……そういえば、我が家のバラキーちゃんはそう言う子だった……」

 

 我が家の可愛いポンコツちゃんは、腹ペコ系なので、とりあえず屋台を見てみるのが一番早いというのに、ナーサリーに指摘されて気付くのだった。

 そして、すたすたと走っていくメジェド様擬き×2を見送るエウリュアレだった。

 

「あの二人は楽しそうねぇ……」

「……ナニコレ」

(アタシ)も気になるんだけど……」

「……面倒なのがこっちに来たのだけど、どっちか帰って来ないかしら……」

 

 見送ったばかりだったエウリュアレは、見ている方向の真逆から聞こえる茶々とエリザベートの声に、これから起こるであろう面倒ごとを思い浮かべて行ってしまった二人が戻ってくることを切に願うのだった。




 なんか、こう、Twitterで見ちゃったから、思わず、やってしまったんです……反省しないけど後悔はしている……
 あと、スカサハルーンは今更ながら使い勝手が良く万能だと思いました。まる。


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高難易度マジヤバくね(結局いつも通りの勝ち方だったよ)

「ぐっはー!! 勝てるかあんなもん!!」

「まぁ、結局、いつもの高難易度攻略と同じよね。令呪3画と石一個。安定と言うか、成長していないというか」

「むぅ……今回はいけると思ったんだけどねぇ……」

 

 今回の高難易度5種を全て倒し、今回の戦いを振り返る。

 

「正直、A谷で令呪切ったのが悪いのよ。あそこで意地にならずに編成を変えればよかったじゃない」

「やっぱりそこか……確かに、あそこで意地にならないでエウリュアレを出せば勝ててたしね……」

「マシュと玉藻を出したのは分かるけど、どうして敵がオリオンとアルテミスだってわかってるのに私を出さなかったのよ」

「いやぁ……何となく意地になっちゃったからねぇ……」

「それに、どうして茨木を使おうと意地になったの。ヘラクレスを使いなさいよ」

「そこはほら、譲れない所があったんだよ」

「何今更そんなこと言ってるのよ。貴方、どれだけヘラクレスを使ってるかわかってるの? 私の次に絆レベルがMAXになりそうじゃない。だったら、もう少し使っていいじゃないの」

「いやいや。高難易度は茨木使うって決めてたから」

「……面倒ね、こいつ」

「酷い! ついにエウリュアレにこいつ呼びされたんだけど!!」

「くはは! いやなに、吾は楽しかったぞマスター」

「えぇ……暴れたりなくなかった?」

「む。それを言われると困るのだが……確かに暴れ足りぬが、それはそれ。吾は楽しめたからな。それなりにストレスは発散できたさ」

「そう? それならいいんだけども……」

 

 エウリュアレに怒られて傷心状態のオオガミ。だが、その肩を叩いて大笑いする茨木を見て、ある程度癒される。

 

「まぁ、バラキーが楽しめたのはよかったわ。けど、どうするの? 資材結局減ってるけど」

「そ、それは……聖晶片はあるし、何とかなるかなぁって」

「そう。ならいいのだけれど。私、流石にマシュに怒られるのは嫌よ?」

「その時怒られるのは俺だけじゃないかな……?」

「私も怒られたんだけど?」

「それはその、エウリュアレ様は基本一緒にいますですし、そりゃ一緒に怒られてるように思えるのも無理はないんじゃないかと」

「なるほどね……つまり、私は全力で貴方から逃げればいいって事ね?」

「えっ……それをされると、本当に俺だけが怒られると言いますか、一緒に生け贄になってくれる人が欲しいと言いますか……」

「最低じゃないの。本気で射殺すわよ?」

「くはは! だが、流石に吾も風紀委員組を相手にするにはまだ荷が重すぎるというか、今回一番強かったのはエルキドゥだったというか……流石にあのHPと耐久性能は吾も予想外だったというか……橋の高難易度とか、ほぼあやつの支援だったからな……吾はマルタしか倒してない……」

「そ、それは……ごめんなさい……」

「まぁ、分かればよい」

 

 とりあえず、道連れはいなくなるようだった。

 オオガミはとりあえず、マシュの怒りを必要以上に買わないように努力するのだった。




 アルテミスで一回蘇生したのは明らかにミスという……
 まぁ、勝てたから良いんじゃないかな!

 エルキドゥとイバラギンの耐久と攻撃力に驚きを隠せなかった今日の高難易度でした。まる。


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そう言えば、皆監獄に行くのよね……(一体何したんだろうか)

「ねぇ、よく考えたら監獄なのよね……」

「それね。監獄とか、何やらかしたんだろ」

「監獄のぅ……(われ)には関わりの無い物よな。奪えるものも少なかろう」

「そりゃ、奪う側のバラキーには関係ないだろうけども……」

「簡易的な檻なら作れるけど、放り込んであげようか?」

「……それは嫌じゃ。吾は自由が好きだからな。縛られるにしても、頭領としてが良い」

「そうだぞぅ。エウリュアレもバラキーも、渡さないよ」

「何言ってるのよ……」

「渡さぬと言われても、吾は(なれ)の者ではないからな……」

「えぇ……二人とも非情……」

「本気でやるつもりは無かったんだけどね。というか、どうして次のボーナスに僕がいるのか。謎で仕方ないよ」

 

 第二部の概要を読みつつ、ふざけながら話す四人。

 

「それで、結局ピースとモニュメントはどうするの?」

「ん~……あんまり必要性は無いからいいかな。二部の素材が集め終わって余裕があったらって感じで」

「そう。まぁ、貴方が良いならいいのよ。私の苦労も減るしね。ウフフフフフ。次はエルキドゥの番よ」

「あぁ……そうだね。次からは僕が入るからボーナスだけで編成できるわけだ。つまりは、イベント中は僕はずっと出てるのかな?」

「あ~……どうだろ……礼装に寄るんじゃないかなぁ……」

「……レア度差は非情よ……私だけ辛い目に合うわ……」

「のぅ。吾は入れてもらえんのか? 暴れたいのだが」

「ん~……バラキーはもう少しスキルのレベルを上げないと……せめて変化だけはMAXにしたいかな」

「むぅ……休憩時間が長すぎる……」

「まぁまぁ。QPと秘石が5個あれば、何とか出来るから。なんで、イベント明けて水曜日になるまで待って?」

「ボスがバーサーカーの所なら出るのではないか……?」

「それは、ほら……まずそこにたどり着くのが困難と言いますか……」

 

 とりあえず、ピースとモニュメントの回収はいったん諦めて、第二部のアイテムをメインで集めて行こうと考える。

 

「いやぁ……とりあえず、気が楽になったわ。これでしばらく屋台の料理が食べられるわ」

「じゃあ、吾も一緒にいるか。こやつと居ると、結構色々な旨いものが食えるからの」

「そう。じゃあ一緒に行きましょ。ナーサリーも誘いましょうかね」

「茶々も行くよ!!」

「「うわぁ!?」」

「……二人の声に驚いたわ。そんな声を突然上げるでないわ」

 

 突然現れた茶々に驚くオオガミとエウリュアレ。

 

「とりあえず、行きましょうか」

「うむ」

「いっぱい買っちゃうもんね!」

 

 そう言うと、三人は行ってしまう。

 残されたオオガミとエルキドゥは、それを見送り、とりあえず編成を考えるのだった。




 しかし、始まらない。もう16日も終わってしまいそうなのだが……一体いつ始まるんだろうか……

 そして、久しぶりのエウリュアレのお菓子食べまくり回が始まるかもしれない!


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デスジェイル・サマーエスケイプ~罪と絶望のメイヴ大監獄2017~
石の貯蔵……無くなったよ……(メイドさんが来て欲しかったんです!)


「先輩。石の貯蔵庫が空っぽなんですが、知ってますか?」

「えぇ、もちろん。全部溶かしたもの」

「……何してるんですか。もう召喚出来ないじゃないですか」

「まぁ……今回のイベントは縁が無かったって事で」

「あれだけ配られたのに、どうして使っちゃうんですか……」

「仕方ないでしょ。あったら使いたくなっちゃうもの」

 

 オオガミのその言葉にマシュは満面の笑みを浮かべるが、明らかにその笑みは笑っていなかった。

 

「先輩。しばらく貯蔵庫に入らないでくださいね」

「あっ。はい……すいません……もうしばらく大人しくしときます……」

「はい。そうしてください」

 

 マシュに言われたら流石に逆らえないオオガミ。正座をしてそう言う。

 

「それで、最近私は留守番なんですけど、皆さん大丈夫そうですか?」

「ん? そりゃもちろん。皆自由に暴れてるよ」

「暴れて……あの、本当に大丈夫なんですか?」

「うん。周りに被害は出てないから大丈夫だよ。まぁ、マシュには高難易度の時に頑張ってもらうけどね」

「で、ですよね。はい、頑張ります」

 

 高難易度マシュ無しは我がカルデアにおいて現状不可能なので、これからも難易度の高い所ではマシュが出撃する予定だったりする。

 

「ねぇ……ふと思ったんだけどさ……」

「どうしたんですか?」

「脱獄で、穴を掘ってるわけでしょ? で、見た感じずっと穴の中にいるように見えるんだけど、どうやって看守の目を誤魔化してるんだろう……」

「…………えっと……イシュタルさんが何とかしてくれてるんじゃないでしょうか?」

「なるほど……」

 

 苦し紛れの言い訳だが、どうやら納得してくれたようなので良しとする。

 

「そういえばイシュタルで思ったんだけど、あんなかわいい人形にイシュタルがなれるなら、つまりエウリュアレもあんなことが出来るんじゃないだろうか……!!」

「あの、そんなこと頼んだら射られるんじゃ……」

「矢が刺さったくらいで変化してくれるなら一向に構わないね!」

「なんでそんな目が本気なんですか…!」

「やりたいことは全力で、だよ!」

「エウリュアレさんを人形サイズに小さくするのがやりたいこととか、正直どうかと思うんですけど!」

「どうして言葉を悪くするのかな! 人形を愛でるだけでどうしてそんな罵倒されねばならぬのか!」

「仲間を人形に変えて愛でようとしてるからじゃないですか!?」

「そんなバカな!!」

 

 明らかに、エウリュアレにそんなことを願ったら死ぬまで射続けられるだろうが、オオガミはとりあえず挑戦だけはするつもりだったりする。

 

「さて……じゃあ、脱出の手伝いに戻ろうか。二部は案外楽にアイテムが集まりそうだし」

「はい。精一杯サポートしますよ。先輩」




 ふっふっふ。ちゃんと爆死しましたよ。えぇもちろん。きれいに爆死です。
 なんで、復刻を待とうかと思いました。これは、ダメだ。ダメージがでかすぎたんだ……

 とりあえず、ネロ様に癒されてきます。スキルのセリフの時に言う子供っぽい発言好きよ。皇帝がそれで良いんですかと一瞬思ったけど。


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再びの神性キラーランサー(真の英雄は目で殺すと言ってるけども、物理でやるのはどうかと思う)

「……ねぇ、どうしてあんな、私の天敵としか言いようのないのがいるのかしら」

「神性キラーでランサーで宝具封印持ち。これは辛いね」

「……あなたも同じようなモノでしょうが」

「宝具強化でバスター耐性ダウン付与とか、吾としても苦手なのだが……」

 

 そう話している彼女達の話題は、さらっと召喚されたカルナについてだった。

 ちなみに、オオガミはマシュに捕まりどこかへ連れて行かれた。おそらく、交換した後隠していた呼符を使用して召喚したというのがばれたのが原因だろう。

 

「まぁ、味方の間は心強いわよ。全体宝具だから周回も楽になるだろうしね」

「レベルが上がるまでは、しばらく僕の出番は続くだろうけどね」

(アタシ)の出番は永遠よね!!」

「そ、そうね。全体宝具ランサーがこれ以上増えなければ、大丈夫なんじゃないかしら……」

「そう言うフラグはどうかと思うんだけど!?」

「なんだかんだ言って、ランサー多いじゃない……どうせまだ増えるわよ……」

「アルトリアランサーとかが出ない限り大丈夫じゃないかな!!」

 

 自分の出番が無くなるんじゃないかと危惧するエリザベートに、突然現れてそういうオオガミ。

 

「ちょっと、どこから出てきたのよ。マシュは?」

「ちゃんとマシュに謝ってから普通にここまで歩いてきたんだけど?」

「……謎の気配遮断ね……」

「牛若丸直伝だしねっ! 中々苦労したのですよこれが。まぁ、これは悪戯程度にしか使えないものだけどね」

「それで、なんで(アタシ)の背後にいきなり立って驚かすのよ……」

「理由なんてないねっ! やりたかったからとしか言いようがないねっ!」

「ぐぬぬ……子イヌのくせにぃぃ!!」

「はぁ……なんでたまにあんなふざけるのかなぁ……」

「オオガミはそんなものじゃない。諦めましょ」

「わははは!! 面白い事を考えおるな! っていうか、吾もあれ欲しいのだが!」

 

 オオガミの頬を引っ張りながら怒るエリザベート。

 エウリュアレとエルキドゥはそれを見て呆れるが、茨木はそれを見て笑っていた。

 

「ふぅ……まぁ、カルナが来てくれたのはそれはそれでよかったわ。ただ、エルキドゥ側に行かれたら、私たちに勝ち目が無くなるのだけれど……」

「なんだい? 暴れるなら、今すぐにでも鎮圧するけど?」

「流石に、今この場で始めるとか無謀でしかないから止めておくわ」

「それならいいさ。ただ、本当にしたら本気で相手にするからね?」

「まぁ、覚悟しておくわよ」

 

 一体、何が起こるというのか。そもそも、何をやらかすつもりなのか。

 やらかす担当はエウリュアレではないので、エウリュアレも何をするのか気になっていたりするのだが、エルキドゥはエウリュアレも何か企んでいるものだと思っていたりする。

 

「オオガミ。いい加減にしないと、今度は別の意味でマシュが来るんじゃないかしら?」

「むぁ? ハッ! それもそうか! すまないエリちゃん! スタッフルームに戻るね!!」

「あっ! ちょ、待ちなさーい!!」

 

 走り去っていくオオガミを、全力で追いかけて行くエリザベート。

 それを見て、エウリュアレは苦笑いをするのだった。




 すり抜けカルナという恐怖。そこはせめて頼光さんでお願いしますよぉ……!!


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獄中でもいつも通りのバビロニア勢さんパネェ(これ、エルキドゥさん凄すぎじゃないですか?)

「ねぇ……エルキドゥに勝てる?」

「ハッハッハ。特殊独房に閉じ込められてるにも関わらず、監獄内全域を把握してたエルキドゥさんに勝てるかって? 無理だね!」

「威張る所じゃないでしょうがっ!」

 

 エウリュアレの疑問にドヤ顔で無理だと答えるオオガミに、思わず腹に殴りかかるエウリュアレ。

 オオガミはそれに直撃し、しかも鳩尾にしっかりと入るというクリティカルダメージによって崩れ落ちる。

 なお、それを見て茨木が大笑いしている模様。

 

「全く……まぁ、私も勝てるとは思わないんだけど、これだとノッブとBBが新しい武器を作っても意味ないんじゃないかしら」

「ん~……神代の兵器は性能が段違いって事だよね……うぅ、まだ痛い……」

「大地の恩恵とはまた、本当に面白い奴だのぅ……で、件の兵器は何処じゃ?」

「エルキドゥは独房に置いてきたよ! 神の本を読みたいって!!」

「だからって普通置いてくるかしら……」

「神の本……面白いのかしら?」

 

 ハッキリと置いてきたと言うオオガミにエウリュアレは頭を抱え、それとは別に、突然隣に現れて神の本を気にするナーサリー。

 

「ねぇ、最近、突然現れるのがブームになってるのかしら……」

「吾には分からぬが……エウリュアレもやってみたら良いのではないか?」

「そうね……今度試してみるわ」

「うむ。吾もしてみるか……」

「……あれ? 貴女はやってなかったかしら?」

「む? そうだったかのぅ?」

 

 もしやっていたとしても、きっとそんなに印象に残る様な出方をしてないのだろう。と二人は思うのだった。

 

「ふぅ。それにしても、ゴルゴーンにエルキドゥが厳重封印されてるなんてねぇ。明らかにバビロニア勢が多い気がするわ。っていうか、よくイシュタルの分体について言及しなかったわね……彼なら気付いててもおかしくないでしょうに」

「あはは……見逃してくれたんじゃないかな?」

「分体だと感じにくいのかもしれないわね。まぁ、喧嘩にならなくてよかったわ。もうしばらくは楽しく見守っていられそうね」

「脱獄レースも後半戦。ワクワクするね!」

「うむ。吾も楽しみだ。というか、吾もやりたいのだが」

「ん~……バラキーは後で遊ぶ場所があるから待ってて」

「むぅ……仕方ない。もう少し待とうではないか」

「石が足りないけど、まぁ何とかなるよ」

「……不安になる様な事を言うでないわ。もっと自信を持って言うが良い」

「えぇ……絶対の自信を持って言うのは、全スキルがMAXになってからじゃないかな」

「ぐぬぬ……どうしてそう弱気なのだ!! えぇい、その性根、吾が叩きなおしてやるわ!!」

「うわぁ!? バラキーが怒ったぁ!?」

 

 炎を纏い、オオガミを追いかける茨木をみて、エウリュアレは頭を抱え、ナーサリーはそんなものが見えてないかのようにマシュを探しに行ってしまった。おそらく、神の本を見て見たいので、頼れるマシュを探しに行ったのだろう。

 

「はぁ……どうしてこう、騒がしいのかしらね。楽しそうだからいいのだけれど」




 エルキドゥさん、強すぎじゃないです? 感知能力強すぎるんですが……こんなの、勝ち目無いよぅ……

 それと、最近バラキーに若干の威厳が見え隠れしてきたような……気のせい……?


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エウリュアレ、レベルマスキルマ絆マ達成!!(え? プレゼント? か、考えてないです……)

「うわっほぉい!! やったぜ女神さま!! ついに念願のオールMAXだぁ!!」

「はいはい、よかったわね。まぁ、私の事なんだけどね……」

「羨ましい限りだ。吾は未だに変わらんと言うのに……」

「バーサーカーはリスク高すぎるってのもあるんだけどね……まぁ、次はバラキーメインだよ」

「うむ。それなら許すぞ。期待しておるからな、マスターよ」

 

 楽しそうに微笑む茨木に、思わず引きつった笑みを浮かべてしまうオオガミ。だが、一応本当に次は茨木を育成するつもりなので、嘘はついていない。

 

「そうだ。何かくれたりしないの? ここまで成長したのに」

「えぇ……いや、まぁ、別に構わないんだけどね? 何を上げようか……結構理由なくエウリュアレに渡してる気がするんだけど。何か欲しいのある?」

「ん~……そうねぇ……私としては(ステンノ)が来てくれるだけでも嬉しいのだけど、貴方に言っても無理な話よね」

「うぅっ……ひどいこと言われた気がする……」

「まぁ、それはもう諦めるとしても、私が欲しいもの……うぅん……特には思いつかないわ」

「そう? じゃあ、思いついた時に渡すってのはどうでしょうか。女神さま」

「なんでちょっと言葉遣いが変なのかしら。別に私はそれでも構わないけど……忘れそうよね、貴方」

「うぅむ、安定の信用の無さだぞぅ。どこぞの王の話をしまくる花の魔術師並みの信用度だね!!」

「先輩。それはつまり、信用度がド底辺って事になりますよ?」

「マシュ!? 突然現れて全力で精神攻撃してくるってどうかと思うよ!?」

「良いわよマシュ。どんどん言っちゃいなさい。もっとバッサリ行きましょう。こう、精神にざっくり突き刺さる感じのを」

「信じてた女神さまがやっぱり信用を裏切らず僕を裏切ってきた!!」

「裏切るのを信じられる神とは、それはどうなんじゃろうなぁ……」

 

 大体、日頃の行いのせいである。実際、日頃の行いが十割なのだが。

 しかし、何を送るかオオガミは考えるが、特にいい案が思い浮かぶわけでもない。

 

「ん~……アクセサリーとかの方が良いのかな。難しいなぁ……」

「案外、お菓子とかの方が良かったりするかもしれぬぞ?」

「うぅむ……可能性が無いとは言い切れないからなぁ……しかし、お菓子も種類があるわけですよ。悩ましい所だよ。どうしようかなぁ……」

「あの、先輩。エウリュアレさんへのプレゼントを考えるのも良いとは思うんですけど、それよりも、皆さんの脱獄の手伝いをした方が良いんじゃないでしょうか……」

「むぅ……そうだね。脱獄の手伝いをしながらついでにアイデアをもらおう」

「脱獄中にプレゼントのアイデアを求められるとか、普通考えないわよね……ご愁傷さま」

「一応、原因の一つは(なれ)だぞ?」

「まぁ、そうなんだけどね? それはそれよ」

 

 皆は必死で脱獄しているにも関わらず、そんなことを気に留めず普通に聞こうとするオオガミに、エウリュアレはため息を吐くのだった。




 やったぜ!! 次はバラキーだなっ!!

 しかし、エウリュアレへのプレゼントが全く思いつかないという。何をあげましょうか……正直プレゼント募集枠でも作ろうかと半ば本気で考えていたり。ただ、別にそこまで大きくする必要もない気がする……
 はてさて、何を贈ろうか……


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高難易度は安定ね(たぶん、ずっと、こんな感じ)

「フフフ、久しぶりの大暴れね。いやぁ、楽しかったわ」

「私もいっぱい注射器が刺せましたよ。こう、ドスッと!」

「ぐぬぬ……吾は暴れ足りぬ……というか、やはり吾の出番無いではないかぁ!!」

「ぎゃあぁぁぁ!! ごめんなさいぃぃぃ!!!」

 

 すっきりとした表情のエウリュアレとBB。しかし、それとは打って変わって、茨木は怒りを露わにしながらオオガミに襲い掛かっていた。

 

「っていうか、そもそもバラキーが出るって事は完全にピンチって事だからね!?」

「吾には関係ない! 吾が出ないという時点でそれは万死に値する!!」

「だぁからぁ!! そのためにはバラキーのスキルレベルを全部MAXにしないとだってば!!」

「ならば早うせい!!」

「んな理不尽な!? 待ってやるよ宣言はどこに!?」

「そんなもの、忘れた!!」

「フォウ!! やっぱりね!!」

 

 そろそろ腕でも飛んで来そうな勢い。しかし、それでも構わない様に魔術礼装はしっかりと戦闘服。完全にガンドを叩き込むつもり全開だった。

 

「なんだかんだ言って、結局今回はエルキドゥが結構頑張っていたわよね」

「そうですねぇ。高難易度御用達の私を差し置いて、中々の活躍でした」

「……玉藻。うちではあまり常識にとらわれないの。ランサー相手にアーチャーを使うのがうちのマスターよ」

「ひ、酷過ぎじゃありません? そんなでしたっけ?」

「えぇ。事実、私はランサーに突撃させられたしね」

「はぁ……大変でしたね。まぁ、私もライダー相手にだろうと出撃するんですけどね。たまに一撃でやられたりするんですけども」

「貴女も大変そうね。お互い、頑張りましょ」

「えぇ。と言っても、私は基本高難易度系でしか出番はないんですが」

「……切り札扱いね。私はほぼ常時入れられてる切り札――――半分バーサーカーと同じような便利さで使われてる気がするのだけど」

「さ、流石にそんなことは無いんじゃないですかね?」

「どうかしらね?」

 

 やれやれ。と言いたそうなエウリュアレの態度に、苦笑いで返す玉藻。

 

「流石に、バーサーカーレベルの性能だとは思ってないけどね?」

「……血を流しながら来るのはどうかと思うわよ。とりあえず、マシュに治療してもらってきなさいな……」

「あっ。センパイ! 私がやりますよ!!」

「ゲッ、BB……!! BBの治療とか、めっちゃ不安なんだけど、大丈夫?」

「失敬な!! ちゃんと広告見てました!? 私名義のクリニックがあったじゃないですか!! だから、大丈夫ですよ!!」

「藪医者感パネェ!! 一体何をする気だBB!!」

「嫌ですねえ。ちょっと注射を――――」

「圧倒的藪医者!! とりあえず注射とか、酷過ぎじゃありませんかね!?」

「いやいや。ほら、そこはBBちゃん特製配合の究極回復剤ですよ。任せてくださいって」

「全然信用ならないんだけど!? ちょっ、誰か助けて!?」

「ふっふっふ。私の筋力でも、センパイを抑えるくらいどうってことないんですよ」

「ぐっ、くそおぉぉぉ!!!」

「BBさん? そこまでですよ?」

「げぇっ、マシュさんじゃないですか……流石に敵に回したくないですね……ここはセンパイの盗撮写真を振りまいて逃走に限ります!!」

「うんっ! それでどうして僕は連れ去られてるのかな!? それと、何時の間に盗撮したんだこの野郎!!」

「私は野郎じゃないですぅ!! 訂正してください!!」

「チクショウ、なんて呼べってんだぁ!!」

「あぁっ!! 待ってください!!」

「……良くもまぁ、こんな写真を撮るわねぇ……」

「まぁ、これは私がいただいておきますね」

「……吾もいらぬな。好きにするとよい」

「なんでそう、上から目線なのかわかりませんが、まぁ興味が無いというのならありがたくいただいておきますね」

 

 逃げたBBと捕まったオオガミを追いかけて行くマシュ。

 残された三人のうち、玉藻は写真を拾い、エウリュアレと茨木は屋台へと向かうのだった。




 エルキドゥの神性スタン強かった……でも、グガランナはもう二度と御免です。味方で来い。


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日常
結局、ノッブの水着は無い模様(ネロめ!! 許さん!!)


「ぐぬぬ……儂の水着が無いんじゃが!?」

「ふははは!! 余の勝ちだな!! ノッブと違って、余は水着だからな!!」

「ぬうぅぅうぁぁぁあ!!!」

「うおぉ!? やるか!? やるのかノッブ!! ならば余は手加減せぬぞぉ!?」

 

 高笑いしていたネロに跳びかかるノッブ。それを華麗に避けつつ戦闘体勢に移行するネロ。これまではセイバーの為、ノッブと相性が悪かったが、今回はキャスター。クラス相性による不利は無い。

 共に全体宝具の為、おそらく戦闘は五分五分。両者ともに負ける可能性は大いにあった。

 とはいえ、暴れる事を許容するほど、カルデアは甘くない。

 

「いい加減、君たちも学習したらどうだい?」

「……エルキドゥ……」

「なんだか、久しぶりじゃな……こんなやり取り……」

「……それで、まだやるかい?」

「……撤退!!」

「トレーニングルームまで一直線じゃ!!」

 

 即座に逃げ出す二人。そして、その後ろをエルキドゥは追いかけて行くのだった。

 そんな三人を見送ったエウリュアレは、目の前の女神に視線を移す。

 

「アイツ、いつもあんな感じなの?」

「えぇ。大抵見張ってるわ」

「そう……だから今朝も地味な嫌がらせを受けたのね……」

「……何されたのよ」

「突然扉が不調になったり、ベッドが地味な坂になってたり、微妙な段差があったり。というか、途中で面倒になったのか、直接的に鎖を叩き付けに来たわよ」

「何それ怖いんだけど。特に最後のとか、良く逃げられたわね……」

「えぇ。偶然パッションリップがいてくれたから助かったわ。ありがとね」

「いえいえ。それほどでもないですよ」

 

 イシュタルの隣に座っているリップ。共に休憩室に入って来たのはそう言うわけか。と思いながら、バタークッキーを口の中に放り込む。

 

「そういえば、昨日連れ去られたオオガミは、あの後どうなったの?」

「え? 何かあったの?」

「バラキーの攻撃がうまい具合に刺さって、大怪我っぽい軽傷でBBに連行されたわ」

「えぇっ!? 母さんに連れて行かれたんですか!? それ、最悪死んでるんじゃ……」

「この信頼の無さ。何となく、イシュタルと似てる気がするわね……」

「ちょ、ちょっとぉ!! それだと、私がまるで信頼が無いみたいじゃない!!」

「えぇ。ついでに信用も無いわ」

「バッサリね!?」

「イシュタルさん……何をしたんですか?」

「あぁ、リップはバビロニアのやらかしも、今回の事件も知らないのよね。じゃあ、説明して上げましょうか」

「ちょっとちょっと!! どうせあることない事吹き込んで、私を悪者にしようとしてるんでしょう!? そうはいかないわ。これ以上私としては悪評が建ちまくるのは問題なんだから!! こう、神格とかプライド的な意味で!!」

「えぇ~? 面白くないわね……」

「面白いで悪評を広められてたまりますか!!」

 

 エウリュアレに対してイシュタルが怒るが、その反応すら楽しんでいるように見えたリップは、苦笑いを浮かべるのだった。




 今更ながら、良くもまぁ同じ部屋にいて、あの二人を攻撃するついでに襲われなかったものだと思った私ですよ。

 しかし、まぁ、今回こそはアルトリアが来てくれるかと思ったんですが、悲しい事に今回もアルトリアは来てくれないようです。オカンが来てくれたから来てくれると思ったんですけどね……残念です。


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これは……戦争の予感……(リアルアタックは禁止の方向で行こう)

「これが! 余の! 全力である!!」

「甘い、甘いわネロ!! 私に勝てると、思わないことね!!」

「ふっ。その程度、読めている!!」

「なっ――――そこでカウンター!?」

「ふはははは!! 中々完璧なタイミングであったが、余の方が一枚上手のようだったな!!」

「超必殺をカウンターで受けて飛ばすとか、何よそれぇ!!」

 

 吹き飛ばされ、無念の逆転K.O負けを喫したイシュタル。

 もちろん、実際に飛んでいるわけではなく、あくまでもゲームの中のキャラクターだ。

 そして、勝ち誇るのはネロ。イシュタルの繰り出した、ほぼ隙の無い超必殺までのコンボに、刹那のタイミングでカウンターコマンドを打ち込み投げ飛ばす事によって、何とか勝利した。

 

「ふっふっふ。これでなんとか、余の面目は保たれたな」

「くぅぅっ……!! 悔しいわ……!!」

「キャスターになってから調子がいいし、これはノッブへの下剋上……果たせるのではなかろうか……?」

「むっ……良いであろう。その挑戦、受けようではないか」

 

 そう言って、ノッブはイシュタルと交代し、二人はキャラクターを選択し始める。

 

「……何かしら、不穏な気配がしてきたわ。まぁ、面白そうだからもう少し見ているのだけれど」

「もう少し前が良い……ここだと見辛いのだが……」

「そうねぇ……あ。ヘラクレスがいるじゃない。お願いできないかしら」

「……ヘラクレスって、そんな風に使っていいんだっけ……? というか、無理しなくてもBBの部屋から中継用にテレビ奪ってくるよ……?」

 

 すでに行ってしまったエウリュアレを見送りつつ、オオガミが呟く。

 そして、その言葉を聞きつけたのか、背後から声をかけられる。

 

「ちょっとセンパイ。今凄いセリフが聞こえたんですが。私の部屋のテレビを奪ってくるってなんですか。というか、設定を誰がするんですか」

「え? そりゃ、BBと俺だけど……」

「さりげなく巻き込まれてるんですけど!? いえ、確かに私も欲しいとは思ってましたけど、どうやって持って行くんです?」

「そりゃ、エルキドゥに頼んで」

「エルキドゥさん酷使しすぎなんじゃ……そのうち反逆してきません? いやですよ? センパイのせいで私まで殺されるとか」

「いや……流石にそこまで無茶な事はさせてないし、見回りとかは半分趣味でやってるのかと……というか、最近は俺の命も危うくなってきてるよ?」

「……なんですか、その本末転倒な状況。面白いので許します。って事で、中継テレビはノッブの部屋から取って来ましょう。大丈夫です。ほぼ同じようなモノなので、設定はそっちでもできます。ノッブが大改造してない限り」

「一気に不安になったよ! まぁ、取って来るけども!」

「はい。頑張って行ってらっしゃ~い!」

「いや、待って。そこまで俺は機械に詳しいわけでもないから、出来れば一緒についてきてほしいんだけど」

「えぇ……エルキドゥさんもいるじゃないですか……嫌ですよ。襲われたらたまりませんし」

「そこはほら、まだ令呪あるから何とかなるって」

「そうですか? なら、行きましょう」

 

 何とかBBを説得し、共に部屋を出て行く二人。

 

「やはり、今の余に敵は無し!!」

「それはどうかのぅ?」

「えぇい意味深な事を! これで、どうだぁ!」

「残念。これで(しま)いじゃ」

「なぁっ!?」

「ま、リーチの差じゃな。是非も無いよネ!」

 

 二本先取。若干危ういところはあったものの、まだノッブの方が強いようだった。

 

「ぐぬぬ……もう一戦!! リベンジ!!」

「えぇ~? 儂、今ので凄い精神削ったんじゃけど……」

「む、むぅ……それなら仕方あるまい。全力のノッブでなければ意味がないからな。なら、ノッブが休憩している間、余は練習しているぞ!」

「うむ。頑張れネロよ!」

 

 そう言って、ノッブは席を立ち、自然な様子で茨木が座る。

 

「ふむ……吾でも……出来るな。うむ。こんとろーらーとやらも壊れぬし、問題なかろう。相手を頼んでもよいか?」

「余か? うむ、任せよ。だが、容赦せぬぞ!!」

「あぁ、それでよい」

 

 そう言って、二人はキャラクターを選択し始めた。

 そして、その隣では、ようやくテレビを持ってきたオオガミ達が、ノッブを引き込み中継するための作業をしていたのだった。




 超必殺をカウンター! とか、やられると心折られる奴。

 しかし、現状ノッブは我がカルデア内最強の格ゲーマー(エルキドゥは参加していない模様)。果たして彼女を破る者はいるのか……!!(フラグ感


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メジェド様の化身……?(布を剥がして確認しよう)

「ふむ……いい加減、その布、剥がしたいんじゃけど」

「ヤメルノデス……ヤメルノデス……」

「えいっ、えいっ」

「ヤ、ヤメ……ヤメルノデス……!!」

「メジェド様の化身とか言ってるけど、無視で行こう」

「フケイ…!! フケイナルゾ……!! フケイ、ダメ、ゼッタイ……!!」

 

 容赦のない三方向からの攻撃。メジェド様の化身(仮称)は、めくられそうになる布を必死で抑えるが、かなり筋力値的に不利なのか、徐々に持ちあがってきている感じがする。

 

「クックック……堪忍するが良い……」

「ウフフフフフ。諦めてやられなさい……」

「……まぁ、霊基再臨すればいいだけなんだけどね」

「ソウデス……!! ハヤク、霊基再臨ヲ……!!」

「問題は、種火無いくらいだよね」

「ダメじゃないですか!!」

「普通に喋るではないか!!」

「最初からそうしなさいよ!!」

「ハッ! い、イエ。ワタシハメジェドサマノケシン。コレデ、タダシイノデス」

「何言ってるのこの子。なんかもう、全体的にずれてるわよ」

 

 もう面倒になったのか、布を剥がすのは止めたらしい。

 

「……あ。そういえば、まだ期間限定の種火があそこにあるじゃない。ダ・ヴィンチちゃん工房に」

「あ~……そういえばあったねぇ。じゃあ、取って来るよ」

「エッ」

「儂も運ぶのを手伝うぞ」

「お願いするよ」

「エッ」

「って事で、待ってなさいね」

「エッ」

 

 自然と、逃げられない構図。というか、明らかに逃がすつもりは無いようだった。意地でもその布の下を見る気満々である。

 

「貴女も、面倒なのに絡まれたわねぇ」

「……アナタモソノメンドウナヤツカト」

「……シバくわよ?」

「ソレハ、オコトワリデス」

「その面倒な布、取り払いましょうか」

「……タタキツブシテクレマショウ」

「二人とも、暴れるのはいいけど、エルキドゥがすぐ来るわよ?」

「ゲッ、あいつが来るのは流石に困るわ。あの神性キラー、鬱陶しい事この上ないもの」

「ワタシモ、イヤデス」

「じゃ、おとなしくしてなさい。何時も問題起こしてるからこそ、アレがどのタイミングで来るのか分かってるしね」

「私を狙うよりも、貴方達を狙うべきじゃないかしら……」

「貴女が来るまで散々狙われてたというか、監視されてたわよ」

「既にされてたのね……」

 

 一体、どこから見ているのか分からないが、とりあえず暴れようとすると大抵その場に現れたりする。ただ、たまに来ない時があったりするので、そのタイミングは暴れるだけ暴れ、あの地にバレて叩きのめされるまでがワンセットだ。

 

「たっだいま~!」

「この種火で、その布、剥がしてくれようぞ!」

「じゃあ、第二回戦ね。ちなみに、これはあくまでも強化しようとしてるだけだからエルキドゥは来ないわ。観念しなさい」

「ふ、フケイ、ダメ、ゼッタイ……!! ソノ、ブキミナテノウゴキヲ、ヤメルノデス!!」

「お断りっ!!」

「取り押さえるのじゃ!!」

「にげられるとは思わないことね!!」

 

 ノッブとエウリュアレに取り押さえられ、メジェド様の化身は逃げられなくなる。

 

「とりあえず、第一再臨からだよ!」

「ソ、ソンナ……目が怖いのですけどぉ!!」

 

 その後、なんだかんだで第二再臨までさせられたのだとか。




 期間限定種火を交換してないのと、メジェド様の化身を成長させたい欲が見事に噛み合わさり、今回の事件が起こるのだった……
 しかし、この三人は明らかに問題児……まぁ、今更なんですけどね。暴走が留まるところを知らないようで……


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劇場女と冷血メイド(それよりも、なんか頼光増えてないか!?)

(なれ)、どうして頼光を増やした!!」

「狙ってないからね!? 偶然だからね!?」

「マスター!! なぜ冷血メイドがおるのだ!? 余はあやつの事が苦手なのだが……!!」

「あ、いや、そっちは狙い通りなんだけど……というか、ネロは同じチームだったじゃん……」

「それはソレ。あくまでも利害が一致していたからチームを組んだまでの事。レースが終わってしまえば別である」

「む、むぅ……む、難しいんだね……」

 

 諸々の事情で手に入った石を、マシュに隠れて全て投下した結果、来てくれた二人の新英霊。

 会話から分かる通り、来てくれたのは頼光とアルトリアオルタだった。

 

「ここにいたのかご主人様。サボっている場合ではないぞ。早くコノートコインを稼がねば」

「おっと、見つかってしまった……」

「ふむ。余の前でマスターを奪おうとは、中々舐めた真似をしてくれるな、冷血メイドよ」

「む? 誰かと思えば、劇場女ではないか。何か用でもあるのか?」

「あるに決まってるであろう!! というか、そもそもなぜお主がいるのだ!!」

「? 召喚されたからだろう? というか、貴様は何をしているのだ。マスターがここにいては、今回のアイテムを全て取り切れないでだろう」

「む。それは困る……困るが……うむ、そうだな。とりあえずはアイテムを全部取ってからだな。行くぞマスター」

「あれっ、裏切られた感あるんだけどなんだろコレ。ネロなら何かと抵抗してくれると思ったらまさかアッサリ寝返るとは思わなかったんだけど」

「ちょ、ちょっと待て。吾を置いて行くな。さすがにここで置いて行かれると頼光に見つかった時困るのだが!!」

「なに、それならばついて来ればいいだろう」

「ハッ! なら、そうさせてもらおう。見つからなければいいのだ……」

「まぁ、うん……むしろエウリュアレの所にいた方が良いと思うけどね……?」

「……まさか、編成に入れているのか……!?」

「そのまさかなんだよね……」

「は、嵌めおったな……吾を嵌めおったな汝ら!! も、もうよい……吾はエウリュアレの所に行くからな!!」

 

 茨木はそう言うと、走ってエウリュアレを探しに行ってしまう。たぶん、今の時間なら食堂でエミヤにデザートを要求しに行っているはずなので、おそらくそこに向かったのだろう。

 

「さて、行くぞマスター。この冷血メイドに言われていくのは些か不満ではあるが、すぐに終わらせようではないか」

「ふん。私がいるのだ。安心して突き進むぞ、ご主人様」

「あっはっはぁ……これ、大丈夫かなぁ……」

 

 不安になるも、二人に引きずられていくオオガミ。はたして彼は無事に帰って来れるのだろうか……




 やったー! 出たー!! でも種火昨日全部使ったわ!! 残ってるのはメルト用だわ!!
 と心の底から叫びそうになった私です。
 種火ないよ。成長させられないどうしよう……


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特訓……だと……?(どうしてこんなことに)

「ご主人様。今から走り込みだ。行くぞ」

「おぉっと! 恐ろしい宣言だ!! 助けて怠惰と暴虐の魔王ノッブ!」

「おぅマスター。お主の儂のイメージがよく分かった。諦めて儂と共に海岸じゃ。砂場の走り難さを教えてやろう」

「まさかの裏切られ!! 俺死んじゃう!!」

 

 冷血メイド迫真の強制特訓。助けを求めたノッブは、盛大に地雷を踏み抜き敵に回るという惨状。

 

「して、どこに行くか。ここはオケアノスで軽く行くとするか」

「そうだな。ついでにワイバーンでも連れてくるか」

「危なくなったら儂らが撃ち落せばいいからな」

「やばい……目が本気だ……」

「……最近暴れたがってる茨木でも連れて行くか……」

「安心しろ。当然、終わったらエミヤのデザートがついてくる。さぁ、早く行くぞ」

「……あれ、エウリュアレと同じ扱いされてる?」

「殺すわよ。というか、どこ行くのよ」

 

 何時からそこにいたのか、マスターを睨みつけつつノッブにどこへ行くかを問うエウリュアレがいた。

 

「オケアノスじゃ。マスターが儂の事を舐め腐っとるようじゃし、ちょっとしごいてやろうかと」

「マスターは少し弱い気がするからな。鍛えないと万が一の時があるからな」

「そう……私も行こうかしら。手に入れた水着、着てみたいし……」

「良し行こうそれ行こうこれはもう行くしかないよ。レッツゴーオケアノス!!」

「なんじゃコイツ。思いっきり手のひらひっくり返しとるんじゃけど」

「はっきり言って引くわ。一体私の水着に何を期待してるのよ……」

「まぁ、やる気が出たなら問題ない。そら行くぞ」

 

 メイドオルタに嬉々としてついて行くオオガミ。

 その後ろで、苦笑いをしているノッブと水着をどこにしまったかを思い出そうとしているエウリュアレ。

 

「それで、どこの島に行こうか」

「ワイバーンが必須じゃし、翼竜の島でいいじゃろ」

「えっ、ワイバーン……? ライダーじゃない。アサシンいないわよ?」

「……スカサハ……?」

「……これはもう絶望的な予感。スカサハ師匠まで来るとか、エウリュアレの水着を見てる暇ないんじゃ……カメラ撮ってこよ」

「……早めに準備せい」

 

 意地でもエウリュアレの水着を見たいのか、最悪の可能性も考慮して部屋からカメラを取って来ようとするオオガミ。それを止めることなく、早くしろと急かすノッブ。一応、メイドオルタも止めはしなかった。

 

「なんか、面倒になって来たわ……というか、若干身の危険を感じてきたんだけど。まぁ、水着は取って来るけどね。私も準備してくるわ」

「……儂だけ水着無いんじゃけど。がっつり長袖のコートという、完全冬装備なんじゃけど。熱さで殺されるんじゃけど」

「アイスを食えばいいだろう」

「ハッ! それは確かに! って、アイス持ってったら溶けるじゃろ……」

 

 はぁ、とため息を吐き、とりあえず何かひんやりしそうなものを探しに行くのだった。




 メイドオルタがなんだかんだ特訓させようとして来るからいっそのことやってしまえと。
 ワイバーンに追いかけまわされるとか、完全に地獄の様な……


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なんでそんなにワイバーン連れてくるかな(なんでそれで私も追われてるのかしら)

「あ~……遭難したんじゃ~……」

「もうね、馬鹿かと。アホかと。どうして海賊組を一人も連れて来なかったのかと」

「そもそも、カルデアと通信が出来ない状況って何なのよ。意味分からないんだけど」

「いやぁ……おそらく、BBが大暴れしているのかと。珍しく前線行けたから、舞い上がっちゃったんだと思うよ……?」

「な、なんて迷惑な……吾は巻き込まれただけなのに、しばらくワイバーンしか食べられないとか、嫌だぞ!?」

「「自分からついてきたくせに何を」」

「鬼! 悪魔! 頼光!! 吾はもう知らんからな!!」

 

 そう吐き捨てて去っていく茨木。この孤島で別れるとは、中々の勇者である。

 そもそも、ここへ来た当初の目的である特訓は、この島にレイシフトしてきた時にしばらくやり、ふとカルデアと通信が取れないという事に気付いてから中止した。

 

「というか、主犯のメイドはどこに行ったのよ」

「スカサハ師匠と見回ってくるって言って――――行って、い……に、逃げろおおぉぉぉぉ!!」

「えっ!? いきなりどうし――――な、何よアレ!! あんな大群をどうしろっていうのよおぉぉ!!」

「よし。儂はこんな時のために用意しておった穴にでも逃げ込むか」

 

 全力で走り出すオオガミとエウリュアレ。ノッブはいつの間に掘っていたのか、穴の中に逃げ込む。

 走りながら振り向いてみると、バイクに乗って逃げているメイド王と、走って逃げつつ一体ずつ撃墜していくスカサハ。そして、その脇に抱えられているのは目を回している茨木は、おそらくあの群れに遭遇した時に運悪く袋叩きにされたのだろうと想像できる。

 

「なんで私が追われなくちゃいけないのよ!! こういうのは私の役目じゃないでしょ!!」

「女神さまだし、追われるのは仕方ないんじゃないかな!! オケアノスでひたすら追いかけられてたでしょ! 黒ひげに!!」

「ぶっ飛ばすわよ!? いえ、魅了してワイバーンの真っただ中に突撃させるわよ!?」

「ごめんなさい!!」

 

 目が本気だったので、全力で謝りつつどうやってこの場を突破するかを考える。

 と、その隣に何時の間に追いついたのか、メイド王が隣を並走し、

 

「マスター、もっとしっかり走れ。このままだとワイバーンに食われるぞ」

「助けてくれるわけではないのね!?」

「私は助けてくれてもいいんじゃない!? 完全に巻き込まれただけよ!?」

「ふむ……そうだな。貴様だけは助けてやろう。ただ、そうすると私の後ろに乗って永遠矢を撃ち続ける事になるが、良いか?」

「なんでこう、このカルデアは女神に優しくないのかしらね!?」

「神様キラーがうちのカルデアの風紀委員長だからじゃないかな!!」

「全く、面倒ね!! 走るよりもいいからそっちに行くけどね!!」

「あ、ずるい!! というか、ノッブはどうしたのさ!!」

「あいつなら、今頃ワイバーンに集られて悲鳴を上げながら銃を連射してるはずだ」

「よぅし!! そのまま食われてしまえ!!」

「ほう? 他人の事を考える余裕があるか。なら、もう少し近づけても問題なさそうだな?」

「師匠!? それは困るんですが!?」

「いやなに、さすがの私でも、片手をふさがれてしまうとあの群衆相手は少し辛いわけだ。という事で、預けに来たのだが……余裕があるみたいだからな、頼んだぞマスター」

「え、えぇぇ!? ちょ、本当に任せて行く!? あ、師匠って、もういないし!?」

 

 ようやくバイクの後部に乗れたエウリュアレと、スカサハから茨木を強制的に預からされたオオガミ。

 後方に迫っているワイバーンの羽音に冷や汗を流すも、正直後ろを振り返る暇もないオオガミは、茨木を抱えての全力疾走。

 エウリュアレも必死で応戦するが、ほとんど意味があるのか分からない。

 すると、

 

「あ、繋がりました!! 先輩、聞こえますか!?」

「き、聞こえるよマシュ!! 出来ればすぐにでも戻りたいんだけど!!」

「な、何かあった――――ワイバーンがたくさん!? どうしてそんなことに!?」

「知らないよ!! スカサハ師匠とメイド王がなんか連れてきたんだから!!」

「えぇ!?」

「なに、マスターを鍛えるためには必要だろう? これくらいすれば全力で走ってくれるだろうさ」

「そりゃ死にたくないから全力で走るけどさ!!」

「で、出来るだけ早くレイシフトを――――あれ、信長さんは?」

「……あっ!! 穴に入って放置したままだ!! か、回収してこないと!!」

「あのバカ、一人だけ隠れてやり過ごそうとするから!! なんて面倒なことをしてくれるのかしら!!」

 

 そう思っていると、見覚えのある様な道――――というか、見覚えのある砂浜に出た。そして、視界の端に写るワイバーンの群れ。

 

「良し! ラストスパート! 取り合えず後方は師匠が守ってくれると信じて、あのワイバーン達を一掃すれば帰れる!! 行くぞおらぁ!!」

「任せろ。一掃する」

「仕方ないわね……ノッブめ、後で後悔させてあげるわ」

 

 そう言い、三人はワイバーンの群れに襲い掛かるのだった。

 

 その後、一時間も立たないうちにレイシフトして逃げ切れたのだった。




 悲鳴を上げながら島の外周を一周するマスター。なんだこの体力。さすが世界を救ったマスターは一味違う……(違う、そうじゃない)
 そして、バラキーは安定のポンコツ。いや、流石にここまでひどくはないと思うんですけど……これは囲まれたのが敗因ですね。


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デザートを食べたかった(エミヤが作り終わるまで俺の要れたコーヒーでも飲んでいるがいい)

「エミヤ~!! メイド王による地獄の訓練を切り抜けた褒美をくださいな!!」

「少しの間見ないと思ったら……一体何をしてきたんだ」

「ワイバーンの群れに襲われて死ぬ気で逃走してたりしてたかな!」

「……首謀者を聞いてもいいかい?」

「ノーコメントで。エルキドゥに教えると容赦なく叩き潰しに行きそうだし」

「そうか……まぁ、それは僕が自力で見つけ出すとしようか」

「おぉぅ……そろそろエルキドゥのストッパーが欲しいな。王様来てくれないかな……」

 

 オオガミが食堂に来た時、エミヤに聞かれたことに答えると、そこにいたエルキドゥが満面の笑みで首謀者を聞いてくるので、苦笑いで答えるのだった。

 ちなみに、食堂にいたのは、厨房にエミヤ。席にエルキドゥと巌窟王がいた。

 

「それで、どうして褒美で私のところなんだ?」

「え? メイド王が終わったらエミヤのデザートが来るって言ってたから?」

「……私はそれを聞いていないのだが……」

「えぇ……何してるんですかメイド王……」

「まぁ、別に作る事くらいなんてことないが、何か要望はあるか?」

「ん~……シェフのお任せで!」

「ふむ……分かった。少し時間がかかるが、マスターが満足できるものを用意しよう」

「了解!」

「では、エミヤが料理を作っている間、コーヒーでも飲んで待っているがいい」

「おっ、巌窟王特製コーヒーですか! 楽しみだな!!」

「コーヒーを出すのなら、甘さをもう少し増やしてもいいか……」

「……砂糖多めに入れるんだけど……ダメかな……」

「そうか。それなら、このままでいいな」

 

 巌窟王が入れてくれるコーヒー。バレンタインの時のコーヒーはおいしく飲めたので、期待しているオオガミ。

 コーヒーには砂糖を多めに入れるらしいため、エミヤはデザートの甘さを考えつつ作成していく。

 

「それにしても、マスターがエウリュアレやノッブのどちらかと居ないというのは珍しいな」

「それを言われると困るんだけど……あの二人は今はネロとメイド王と共に狩りに出ていたような……」

「レイシフトでもしたのか?」

「いや、ゲームの話だよ。混ぜてもらおうかと思ったけど、流石に四人そろってたらどうしようもないからね。こっちに来た」

「……待て。それはつまり、あぶれなければここに来なかったというわけか?」

「まぁ、そんな感じ」

「……バッサリ言うな、マスター」

「ん~……そうだね。まぁ、男性サーヴァントとも親睦を深めたいし。別段女性サーヴァントとだけしかいないっていうわけじゃないし」

「まぁ、親睦を深めるのは良いね。ただ……僕には性別は無いけどね」

「……それは考えてなかった……」

 

 完全に想定外と言わんがばかりの表情。エルキドゥはその反応に苦笑いを返した。

 

「さて、ようやく出来上がった。ついでだ。四皿分作ったから食べようか」

「やったー!」

「良いのか?」

「あぁ、食べてくれ。数を作るのは問題ないからな」

 

 そう言って、エミヤはさっそく、作ったパウンドケーキを配るのだった。




 男性サーヴァントがほとんど出てこないので、いい加減出そうかと。マンネリ解消を……

 今回はやらかしました……時間ギリギリ過ぎて後から修正を加えてる感じで……時間かかり過ぎました。すいません……


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沢庵こんな作って、どうするのさ(というか、どうしてこんなに樽を運び込ませたのさ)

「主殿主殿ぉ!!」

「ぐはあっ! 飛び乗って来るとは、お主牛若か!!」

「えぇ、私です! 牛若丸です!!」

「と、突然飛び乗ってきて、何かあったの?」

「ハッ! そうでした。土方殿が先ほど大量に沢庵を持ってきて、休憩室が大混乱になっています!」

「何をしてるのかな土方さん!?」

 

 牛若丸の言葉に、とりあえず尋常じゃない気配を感じとるオオガミ。当然、その休憩室に向かうのだった。

 

「というか、どうして飛び乗って来たのさ。普通に伝えれば良いと思うんだけど」

「信長殿がそうしろと」

「ノッブめ、後でとりあえず一撃入れておこう」

 

 さらっとノッブに処刑を下す事を決めるのだった。

 

 

 * * *

 

 

「沢庵が大量に持ってこられたって――――うわぉ」

 

 休憩室の扉を開けると、眼前に広がる無数の樽。

 

「あぁ、マスターか。少し作り過ぎちまってな……俺だけじゃ処理出来んからこっちに持ってきた」

「どうしてエミヤのいる厨房ではなくこっちに持ってきたんじゃお主……」

「あぁ? どうしてだ? 沢庵は朝昼夜八つ時。いつでも食うだろう?」

「何言ってるんじゃお主は。お主ならいざ知らず、周りはそうでないと知れ」

「なんだと……?」

「沢庵というすでに完成された一品……エミヤなら何とかしてくれる……?」

「この溢れ出るエミヤの万能感」

「飽きないかどうかが問題だけどね」

 

 ともかく、この大量の樽を運び出すのが最大の問題である。一体いくつあるのか分からない樽の量。どうやって運んだのか、疑問でしかなかった。

 

「そもそも、誰がこんな量を運んできたのさ」

「全部土方一人じゃ」

「どうして誰も止めなかったのさ……」

「いやぁ……一体どれだけ運び込まれるのか気になったからな。面白そうだから見ておった。儂、最近部屋に帰ってないし」

「ボイラー室の隣の部屋を不法占拠とか、びっくりだよ。というか、ボイラー室横で沢庵って作れるの……?」

「……あぁ、儂の工房の片隅にあった見覚えのない樽って、そういう事か……」

「なんで放置してたんだろ、この戦国武将……」

 

 どうしてこんなになるまで放っておいたのか。それはやはり、ノッブも原因の一端のようだった。

 

「それじゃあ、ノッブも手伝うって事で、この部屋の樽を厨房に運ぶよ」

「えぇ~? 儂も手伝うの~?」

「原因の一端なんだから、手伝おうよ」

「儂、勝手に部屋を使われただけなんじゃけど……」

「むしろ勝手に使われているのになぜ放置したのか。そこで止めておけば何とかなっただろうに……」

「それに関しては儂も自分の行動に疑問を持つがな!」

「とりあえずマスター。これを厨房まで運べばいいんだな?」

「あぁ、うん。お願い」

「主殿。私も手伝いますよ」

「……さらっと沢庵食べてますね、この武将」

「もう儂要らなくね?」

「いいから働けぃ。手伝わないなら、後で痛い目を見てもらうだけだけどね……」

「不穏極まりないんじゃが。じゃが。仕方あるまい、手伝うしかないな」

 

 そう言うと、四人は樽を運び始めるのだった。




 ジャパニーズサーヴァント イズ クレイジー……なんだその沢庵の量は……!!

 というか、沢庵をそんな作って、何を考えてるんですか土方さん。というか、本当に沢庵ひたすら食ってるんですか土方さん。どれだけ沢庵愛してるんだ土方さん。(偏見)


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全員が歌を三曲歌わないと出られない部屋……?(メンツが殺す気満々なんですがそれは)

「チクショウ!! はめられた!!」

 

 オオガミが叫び、目の前の壁に貼られていた紙に絶望し、項垂れる。

 

「ほうほう……つまり、余達が歌えという事か」

(アタシ)たちの特別ライブって事かしら……良いわね、良いわねそう言うの!! 楽しそうだわ!!」

 

 書かれている内容は、『全員が歌を三曲歌わないと出られない部屋』。

 そして、ここにいるのはオオガミとネロ、エリザベートの三人だった。

 

「マイクはコレ……ふむ、これがカラオケ機か。うむ、うむ。なるほど分かった!! これで余は歌う準備が終わったぞ!」

「あぁっ!! (アタシ)が先に入れるんだからねっ!! というか、皇帝特権行使してるんじゃないわよ!!」

「ふっふっふ。持てる者はすべて行使して、マスターに余の歌を聞かせるのだ。そして、その後に、マスターの歌声も聞かせてもらうとするぞ!!」

「ちょ、ちょっと待って!! 二人の後に歌うのは、その、技量的に泣きたくなるから、先に歌わせて!!」

「む? 余は気にせぬが……まぁ、マスターがそうしたいというのであれば、譲ろうではないか」

「あ、ありがとう。三曲……三曲だよね。うん。よし、じゃあ、この三曲で」

 

 そう言って、オオガミは曲を選択し始める。

 

 

 * * *

 

 

「センパイ……先に歌って、残りを全部聞いて終わらせるつもりですね」

「いやぁ……流石にそうなるじゃろ……というか、どうやってあの三人を運び込んだんじゃ……」

「秘密です。聞いちゃいけないことはあるんですよ?」

「……毒でも盛ったのか……この自称後輩……」

「……ノッブも同じ目に遭います?」

「よぅし!! 楽しく三人を見守るとしようかの!!」

 

 全力で話を逸らしていくノッブ。ただ、BBはそれに対して満面の笑みを向けるだけだった。

 ちなみに、この二人がいるのはノッブの工房の最奥部にある秘密の部屋である。機材はBBと共に作成し、マスター達が閉じ込められている部屋は、普通に扉をロックしているだけなので、実は破壊すれば何の問題も無い。彼らは考えもしてないが。

 

「というか、音声を拾っておったら、儂らも死ぬんじゃね?」

「何言ってるんですか。ちゃんと音声はオンオフ可能にしてるに決まってるじゃないですか。悪戯して様子を見てたら歌で死んだとかシャレにならないですし、響いたら上に聞こえるじゃないですか。聞かれたら今頃マスターを探してるはずのマシュを筆頭に、エルキドゥさん達が襲い掛かってきますよ」

「……儂、死ぬんか……」

「それ、私まで巻き込まれるじゃないですか。というか、この工房……誰か来たりしませんよね……?」

「……そういえば昨日、土方が儂の工房に沢庵の樽を置いているという新情報を仕入れたんじゃが……」

「……見つかったらノッブのせいという事で」

「完全に儂悪くないよね」

 

 そんなことを話しつつ、二人は三人を見守るのだった。




 自分が歌い終わった後、生死をかけたライブが始まる……!! はたしてオオガミは生き残れるのか……!!

 そして、二人の運命や如何に。


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ノッブ、引きこもってるの?(それ以前に、ライブの傷はどうしたのよ)

「よし……まだ頭がくらくらするけど、なんとか復活だよ」

「なんでそんなに回復が早いのか気になるんだけど。もう二、三日眠ってなさいよ」

「どうしてそうもエウリュアレは僕に精神攻撃してくるのかな!?」

「まぁ、そういう時もあるわよ」

 

 エウリュアレの返事に、そういう時しかないじゃないか。と内心突っ込むオオガミ。

 当然の様にエウリュアレの前に座り、ふと思い出したようにエウリュアレに聞く。

 

「珍しく一人なんだね?」

「……何よ、いきなり。どうしてそんなことを聞くのよ」

「いや、特に理由は無いんだけどね? 珍しいなって思って」

「……ノッブが工房に引きこもっちゃったから……」

「……そういえば、BBも見えないような……」

「……気のせいよね」

「……そうだよ。気のせい気のせい。あの二人なら昨日の事件を引き起こしそうな気がしなくもないけど、気のせいだよ」

「まぁ、後で工房に行ってみましょうか」

「バラキーもついでに連れて行こうか」

「そうね。シュークリーム辺りで懐柔しておきましょうか」

 

 シュークリームで懐柔される茨木。出来ないと言い切れないあたり、彼女の人の良さというか、鬼の良さがあるというか。

 

「それにしても、なんだかあなたとこの部屋で話すのも久しぶりな感じがするわね」

「そうだねぇ……ここ最近、レース見守ったり脱獄見守ったりしてたからね。遊んでる時も大体この部屋じゃなかったし」

「そもそも、二人ってのが珍しいのよ」

「……そういえば、そもそもエウリュアレ以外に一対一で話したことあるのって少ないような……」

「それ、どうなのかしら……」

「まぁ、そもそもこんなに英霊がいるのに、一対一で話すこと自体が珍しいといいますか……どうしてエウリュアレだけなんだろうね?」

「こっちが聞きたいんだけど。なんでそんなことになってるのよ」

「さぁ……ちょっと分かりかねるね」

「……大体答えを期待しないで聞いてるけど、あなた、高確率で答えを濁してる気がするんだけど、気のせいかしら」

「気のせいでしょ。うん」

「そう……とりあえず、少しお菓子を食べましょ。そのあとにノッブの工房に行きましょうか」

「おぉ……それで、何を食べるの?」

 

 二人は席を立ち、お菓子エリアを見に行く。

 

「シュークリームでバラキーを懐柔するのなら、ついでに食べちゃえばいいよね」

「そうね。じゃあ、持って行きましょうか」

「……吾、シュークリームで懐柔されるのか……というか、汝らは吾に何をさせる気だ……」

 

 その声に振り向くと、そこには件の茨木がいた。

 

「ちょうどよかった。いやね? ノッブの工房に行ってみようと思って。おそらくあそこにノッブとBBが籠城してるはずだし、エルキドゥ達が乗り込む前に行こうかなって」

「ふむ……ノッブの工房か。よし、面白そうだ。参加するとしよう」

 

 懐柔する必要もなく茨木はノッブの工房へと行く事を決め、彼らはシュークリームを食べながらノッブの工房へと向かうのだった。




 はたしてノッブの工房には何が眠っているのか……そして、無事生還できるのか……
 続くとは言ってない。


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襲撃? 買い物?(どちらかと言うと遊びに行く感じかもしれない)

「……どこかを襲撃しに行きたいな……」

「唐突に何言っとるんじゃ」

「吾は構わんぞ。で、どこを襲う?」

 

 ノッブの工房の奥地にいたノッブとBBを引きずり出してから一日。

 何もなかったかのようにいるノッブはオオガミの突然の発言に突っ込むものの、別段満更でもなさそうな表情をしている。

 一緒に座っていた茨木はノリノリだった。

 

「ん~……どこに行こうかなぁ……」

「キャメロットとか?」

「ん~……別段、キャメロットは欲しいの無いからな……あ、新宿にでも行こうか。他にも暴れたさそうなのを連れて行こう」

「誰じゃよ、暴れたがってるの」

「ん~……アキレウス絶対殺すウーマンとか?」

「ヘラクレスにずっと殴りかかっていた気がするんだが」

「……誰か、止めないの……?」

「あれを止められるのはエルキドゥくらいじゃろ……どう見ても怪獣大戦争じゃぞ」

 

 ふと考え、想像に難くない怪獣大戦争に頬を引きつらせるオオガミ。

 

「よし。何も聞かなかったことにして、とりあえず洋服とかを漁りに行こう」

「おぅ、完全に趣旨と離れたなマスター。一体襲撃とはなんじゃった」

「クククッ、敵は吾が全て滅ぼしてやろう……」

「完璧だね。ついでにバラキーの服もなんか買おう。和服でもいいけど、洋服バラキーも見て見たい」

「わ、儂は……?」

「ノッブは実質洋服じゃん。どう見ても軍服じゃん。というか、むしろ和服になろうよ」

「ふははは!! 日本人サーヴァントだからと言って和服だとは限らんのだよマスター!! ふははは!!」

「良しぶっ飛ばすぞノッブ。んで、ぶっ飛ばした後に和服を着せてやる」

「マスターが怖いんじゃけど」

「まぁまぁ。とりあえずメディアさんに和服を作ってもらうところからで」

「メディアを運用しすぎじゃろ。というか、ついに新宿にすら行くつもりがなくなっとるじゃないか」

 

 ノッブに言われ、硬直するオオガミ。そして、数秒考えた後、

 

「……ハッ!! つまり、新宿に和服を探しに出ろって事だね!! よっしゃぁ! ノッブ、バラキー、行くよ!!」

「……まぁ、せっかく新宿に行くのならいろいろ見て見たいし、ネロやエリザベートでも誘っていくかの」

「吾はエウリュアレとナーサリーも誘ってみるとするか」

「俺は……うん、無難にマシュだね。なんか、連鎖的に増えそうな予感がするし」

「では、後でまた会おう」

「すぐに行くから待っておれ」

「うん、また後でね」

 

 三人はそう言って解散すると、新宿で買い物をするために財布を取りに行きつつ、何人か誘いに行くのだった。




 出てくる人も固定化されつつある今日この頃。そろそろ新しいキャラを絡ませねば……

 というか、ノッブ以外に和服じゃない日本鯖って誰かいましたっけ……


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そう言えば、資材がどんどん減って……(最近、どっかの誰かが召喚室によく行ってるわよね)

「ねぇオオガミ。貴方、ここ最近召喚室によく行ってる気がするんだけど」

「うっ」

「……先輩? 召喚室には入らないでくださいって言いませんでしたっけ?」

「あぁっ、マシュの視線が冷たい……!」

 

 マシュに睨まれ、カタカタと震えているオオガミ。

 そんな状況を生み出したエウリュアレは、紅茶を飲みながら黒い笑顔を浮かべていた。

 

「はぁ……今回はどうして使ったんです?」

「いやぁ……そのぉ……ピックアップがね? 色々とですね……? その、礼装が欲しいなぁって、思いましてね?」

「そうですか……まぁ、戦力増強は良いと思うのですが、いつか来ると言ってたメルトリリスさんの為の石はあるんですか?」

「うっ……! い、いや、大丈夫だよ! 聖晶片は貯めてるし!!」

「水着イベントの時に10個使っていたような気がするんですが」

「ぐふっ……いや、これから貯めるから問題ない……!!」

「万が一のためにって残していたアガルタのフリークエストも終わらせちゃいますし……本当に大丈夫なんですか?」

「……まぁ、大丈夫だよ。うん。ログインボーナスとかあるしね。年末までには集まるでしょ!!」

 

 オオガミの言い分を聞いていたエウリュアレは、少し真剣そうな表情で、

 

「……マシュ。これは手遅れよ。たぶん、こうやって言い訳して、おそらく年末には石ゼロよ」

「恐ろしいこと言わないで!?」

「ありそうだから困るんですが……先輩、自重してください」

「……はい。ごめんなさい。これからは節約するように頑張ります」

「だそうよ?」

「そうしてくださいよ? でないと、本当に資材が枯渇して困るんですから」

「はい……まぁ、その頃には新エリア開拓されて暴れてると思うんだけどね」

「……それはそれです」

 

 今後起こるであろうことを考えながらオオガミが言うと、マシュは一瞬硬直した後、そう言った。

 

「それにしても、次の特異点が出てくるまでの感覚が短いわよねぇ……」

「そこは突っ込んじゃいけないと思うんだけど」

「聖杯って、こんなに出てくるものなんですね……」

「いや、絶対普通じゃないから……異常事態だから……いろんな人が言ってたと思うから……」

「というか、もはや魔神柱とか関係なしで聖杯あるわよね? 原因は一体何なのよ」

「……色々あるから分かんないな……でもやっぱ、最終的には魔神柱でしょ」

「その、とりあえず魔神柱に押し付けておけばいいかっていう感じ、嫌いじゃないわよ」

 

 エウリュアレはそう言うと、無言でオオガミにティーカップを差し出してくる。

 差し出されたオオガミは数秒悩んだ後、ふと机の上にあるティーポットに気付き、紅茶を注いで返すのだった。




 イリヤ出ないよイリヤ……ちくせう……ログインボーナスじゃそんな溜まりませんし……コフッ!


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とりあえず、勝利報酬は相手の着せ替え及び撮影権でいいよね(なんでこんなことになったんじゃっけ……)

「さて……ノッブさん。貴方、また何かやらかしてたりしませんか?」

「……何をいきなり言ってくるんじゃ、マスター」

 

 オオガミの突然の発言に、ノッブは思わずジト目で見てしまう。

 

「いやですね? この前の部屋……あったじゃないですか。あれを量産してる可能性を考えてですね……?」

「……本音は?」

「別にわざわざ俺を巻き込む必要は無かったと思うの」

「マスターがおらんと成立せんだろあれは」

 

 ハッキリと断言するノッブ。流石のオオガミも、それには硬直。

 

「えっと、なんでいないと成立しないのさ」

「ほら、何かあった時、止められそうなのがマスターしかおらんし」

「それ、単純に俺をそっち側に入れればよかっただけなんじゃないですかね」

「嫌じゃよ。令呪でも使おうものなら確実に犯人が特定されて、儂らが見つかるまでが秒読みになるからな」

「なんと。そこまで計算して……ひどすぎじゃない? それつまり、犯人捜しで即バレするからハブったわけか」

「当然じゃろ。隠密出来ん暗殺者を連れて暗殺に行こうとする奴がいたらそれは本物の阿呆じゃ。虚けというか、道化と言うか……つまりはそういう事じゃ」

「さっすがノッブ。ぶっ飛ばす」

「おう、新宿では服選びで世話になったが、敵対するのなら容赦はせんぞ」

「ふはは。絶対ノッブには似合わなそうな服を着せて写真撮ってカルデア中にばらまいてやるもんね」

「ほぅ……いいじゃろう、その案に乗った。じゃが、儂も同じような攻撃をすると知るんじゃな。儂に似合わぬ服装をさせるのなら、マスターは女装じゃ。そりゃもう、様々な服を着せて写真を撮ってカルデア中にばらまいてやるから覚悟しておくがいい」

 

 いつの間にか、如何に相手を着飾り写真を撮ってカルデア中にばらまいてやるかと言う戦いに変化していた。

 しかし、肝心の勝負内容はまだ決まっていなかった。

 

「さぁ、勝負内容を決めようじゃないか」

「将棋でどうじゃ?」

「……武将に挑むほど愚かじゃないんで、別の事にしよう」

「じゃあ、腕相撲」

「サーヴァントに勝てるわけないんだよねぇ……」

「むぅ……対等とは難しいものよなぁ……」

「そうだねぇ……」

「じゃあマスター。伯母上とあれをやればいいんだよ」

 

 突然現れる茶々。

 そして、放たれた言葉に二人は首をかしげる。

 

「あれ?」

「あれって……どれ?」

「ネロとエリザのカラオケ耐久合戦!」

「「さては殺す気だな!?」」

 

 天使の様な満面の笑みで悪魔の如き残酷な一言を告げてくる茶々。

 思わず二人で叫んだのも、仕方のない事だろう。

 

「でも、とりあえず対等だと思うよ? どっちも大ダメージ間違いなしだし」

「サーヴァントが死ぬような攻撃を受けて、どっちが長く耐久出来るかとか、中々地獄だと思うんですがそれは」

「いや、しかし……単純に耐えるだけなら、何とか……」

「それに、エリザのはランサー宝具だから伯母上にはクリティカルだよ!!」

「儂をピンポイント攻撃じゃな!!」

「流石ノッブの姪!! 言う事が一味違うぜ!!」

「おいマスター。お主の中の儂のイメージはどうなっておるのか聞きたいんじゃが。じゃが!」

 

 前も言ったようなセリフを言うノッブだが、当然スルー。

 

「よし、とりあえずそれで行こう!!」

「な、何を言っとるんじゃマスター!! 死ぬぞ!! マジでこれは死ぬぞ!! 全身の穴と言う穴から血を噴出して死ぬぞマスター!!」

「部屋はノッブとBBが悪戯に使ったあの部屋にしておこう!! エルキドゥに言って扉は強固に封印して、ネロとエリザを集めてカラオケだよ!! 俺は生身の人間だからハンデで耳栓付けていいよね!!」

「音響爆弾に耳栓が効くかぁ!!」

 

 しかし、ノッブの絶叫空しく、オオガミは三人を集めに走り行くのだった。




 宝具を生身で受けたら即死すると思うんですがそれは。
 まぁ、オオガミ君はすでにネロとエリザのカラオケ大会を生き残ってますし、何とかなるでしょう。頑張れオオガミ。それ行けオオガミ。とりあえずどっちが勝ってもカルデアはにぎわうはず。

 ……どっちが勝った方が喜ぶ人は多いのだろうか……


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第二回着せ替え戦争(これ、あと何回続ける気?)

「ねぇマスター? 今、どんな気持ちかしら。女装させられて、その写真をカルデア中にばらまかれた気持ちって、どんな感じなのかしら」

「ノッブさん、似合いますねぇ~!! これはもう、もっと写真を撮って拡散しないとですよねぇ~!!」

「「ゆ、許さんぞ……」」

 

 オオガミを煽るエウリュアレと、ノッブを煽るBB。そして、互いに相手を睨みながら怨嗟の声を漏らすのだった。

 

「両者同時ノックアウト~! ちなみに、茶々は見てて大笑いしてたからね!! 伯母上への恨みも晴らせて一石二鳥!!」

「そ、そうじゃ……元はと言えば、茶々があんなことを言い出したのが原因ではないか……」

「なんであんなことをしようとしたのか……昨日のテンションが分からないよ……」

「おかげでデスライブ……まだ若干視界が揺れとるんじゃが……」

「奇遇だね……ちょうど俺も同じような気持ちだよ……」

「ふっ……さすが儂のマスター。この程度では倒れぬか……それはそれとして、辱めは報復するからな……」

「ふん……まだ着せてない服は無数にあるんだよ……次はナーサリーみたいな服を着せてやる……」

「や、やめろぉ!! 明らかに似合わぬだろうがぁ!!」

「ミスマッチだね、分かるが実行するのがこの俺だよ!! びっくりするほど似合わなそう!!」

 

 似合わないのはそれとして、絶対着せてやるという気概。それをもっと別の方向に回せよ。と突っ込みたいノッブだが、自分も人の事を言えないので恨みがましい視線を向けるだけである。

 と、そこでノッブも何かを思いついたようで、

 

「じゃ、じゃが、儂も対抗策はあるからな。これ以上やられるのは性に合わぬ。反撃じゃ!!」

「おぉ、第二回戦かな!? して、今回の内容はどうするか!」

 

 対等且つ出来れば命の危険が無い物。そう考える二人。

 そして、その二人の視線の先にいるのはエウリュアレだった。BBなら何かとんでもない事を言うと予感したのだろう。

 

「私? そうねぇ……あぁ、一週間分の食料と水は用意して上げるから、アステリオスの迷宮を踏破で」

「死ぬ!! 全力で死ぬ!! 魔物いるじゃん!!」

「じゃあ他にある?」

「……魔物を如何に倒すかってのが問題なんだけどね……」

「うむ。ならばハンデをやろう。共に二人で行こうじゃないか」

「ふむ……味方の縛りは?」

「特に無しじゃな。まぁ、儂はバラキーを連れて行くか」

「よし分かった!! 巌窟王連れてくるね!!」

 

 そう言って走り去るオオガミ。

 全力で走っていくオオガミにその場にいる三人は唖然とするが、冷静に考えると脱出に限って言えば最強性能の人物を連れて来ようとするオオガミに、ノッブは戦慄するのだった。




 とりあえず、一週間くらい二人は帰ってきませんね。さらばオオガミ、ノッブ。


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本当に行っちゃったのだけど(明日からイベントよ……?)

「祭りが始まるって言ってるんだけど……」

「そうね、あの二人は今ごろ迷宮の中よ」

「馬鹿なの!? 茶々、怒るよ!? 何時になったら帰ってくるの!!」

「さぁ……意地でも帰ってくるんじゃない?」

 

 憤慨する茶々に話半分で答えるエウリュアレ。

 

「というか、バラキーも連れて行かれちゃったから暇ね……」

「……ハッ!! 今のうちなら伯母上の金庫襲ってもバレないんじゃね……?」

「……まぁ、頑張りなさいな」

 

 走り去っていく茶々を応援しつつ、そもそもレースに全財産使い果たして空っぽなんじゃないだろうか。と考えるエウリュアレ。

 そして、ビスケットを一枚取り、口に運んだところで牛若丸が飛び込んでくる。

 

「エウリュアレ殿エウリュアレ殿!! 一体主殿はどこへ行かれたのですか!!」

「今頃巌窟王とペアを組んでノッブ・バラキーペアと競争してるわよ」

「そうですか……か、観戦とか出来ませぬか?」

「BBが作ってるはずよ。行ってらっしゃい」

「BB殿ですか……ありがとうございます! 行ってまいります!!」

 

 走り去っていく牛若丸を見送るが、後にBBが涙目で襲い掛かってくることを想像するエウリュアレだった。

 

「余が来たぞ!!」

(アタシ)が来たわ!!」

 

 ドヤ顔で入ってくるネロとエリザベートに、面倒なのがやってきたと思うエウリュアレだった。

 

「む? マスターがおらぬではないか」

「どこ行ったのよ。というか、ノッブもいないじゃない」

「あの二人なら迷宮の中を彷徨ってるわよ。何時まで彷徨ってるかはわからないわ」

 

 エウリュアレの言葉に目を見開くネロとエリザベート。

 

「な、なんだそれは! 余による余の為の余のネロ祭を開催するというのに、肝心のマスターがおらぬとはどういうことだ!!」

「どうしてこういう時に限っていないのよ!! 訳が分からないわ!!」

「そんなこと言われてもねぇ……昨日嬉々として突撃していったし……」

「あの二人は一体何をしたのだ!!」

「二人で喧嘩をして、昨日ばらまかれた写真の原因になるような事を――――って、冷静に考えたらその喧嘩に貴女達巻き込まれてたわよね……」

「む? 余達が巻き込まれて……?」

「全く記憶にないんだけど……何かあったっけ……」

「……あぁ、本人は自覚して無いものね……」

 

 エウリュアレは若干苦笑いでそう言うと、紅茶を飲み、もう一枚ビスケットを取り口の中に放り込む。

 ネロとエリザベートはその間も考えていたが、やはり心当たりは無いようだった。

 

「まぁ、今日は寝なさい。明日の午後から本番でしょ? BBとアステリオスに言って、探しに行ってみるわ」

「む。なぜBBなのかを問いたいところだが、まぁ良い。任せようではないか。余は準備があるからな」

(アタシ)も一緒に行くから無理ね。頑張ってちょうだい」

 

 そう言うと、ネロとエリザベートは出て行く。

 一体何をしに来たのだろう。と思わなくもないが、約束をしてしまったので、とりあえず探しに出てみようと、残っているビスケットを食べて部屋を出るのだった。




 はたして、明日までにあの四人は帰ってこれるのか……頑張れエウリュアレ。見事全員を探して脱出するんだ!


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ネロ祭再び~2017 Autumn~
ネロ祭開幕……!!(まずは軽く十二の試練を!)


「ま、祭り!! 祭りだよ!!」

「ぐほぁ……あの迷宮を全力ダッシュで脱出した上にこんな体育会系全開のイベントに突撃とか、何考えとるんじゃ……」

「脱出するのなら、やっぱり巌窟王ね」

「ふん。だからと言って、いつでも頼れるわけではないがな」

「そうね。次は普通に霊基保管庫から地図を取って来るわ」

 

 そう言って話している四人がいるのは、コロッセオ観客席。

 ネロ祭開幕と聞き、必死で帰って来た四人は、その勢いのままコロッセオへと転がり込んだのだった。

 

「よし……とりあえずいつもの最高難易度からだね!! 行くよエウリュアレ!!」

「……私、ルーラー相手でも普通に使われるのね……」

 

 オオガミに抱えられて連れ去られるエウリュアレを呆然と見送るノッブと巌窟王。

 

「儂ら、普通に置いていかれたな……」

「大体いつもの事だろう。俺は少し寄る所があるが、お前はどうする」

「儂はとりあえずBBの所にでも行くか。ちと思いついたことがあるからな」

「悪戯もほどほどにしておくんだな」

「それは何とも言えんな」

 

 そう言って、二人は分かれるのだった。

 

 

 * * *

 

 

「……それで、調子に乗って十二の試練を越えてきたわけね。えぇ、えぇ。当然私も知ってるわ。当然よね、最前線だもの」

「アーツダウンは考えなかったなぁって。しかも、減少率おかしすぎでしょ。どうしてマシュのアーツダメージがクリティカルですら6なんだよって突っ込みたかった。バフ無しの女神さま宝具ですら500ちょっととか、理解できなかったよ」

「まぁ、それでも誰も死なせなかったのは成長したんじゃないかしら」

「そう……? 運と相性がいいと大体このくらいじゃない?」

「……そう過小評価しても良いことないわよ」

「まぁ、うん……そうだね。とりあえず、今日はこれで終わろう。ヘラクレス、強かったよ……ありがとう、エウリュアレ」

「後でマシュにもお礼しときなさいよ。私は攻撃担当だったけど、マシュがいなかったらどうしようもなかったんだから」

「うん。エウリュアレも休んでね。明日も頑張ってもらう予定だから」

「……そうね。えぇ、休むわ。明日の周回とやって来るであろう超高難易度に備えてね……」

 

 エウリュアレはオオガミが買ってきたメロンパンを口に運びつつ、今日の成果を振り返る。

 

「ん~……まぁまぁって所かな……」

「今日は一日目よ。しかも通常周回を二回、超高難易度を一回でしょ。まだまだこれからよ」

「それもそうか。じゃあ、明日に備えて今日は寝よう。明日から頑張るぞぉ~!!」

「えぇ、頑張りましょ」

 

 そう言って、オオガミとエウリュアレはカルデアへと戻って行くのだった。




 十二の試練……びっくりしましたよ……初見突撃一発クリアとか、どう考えても奇跡……

 そして、安定のエウリュアレ常在編成。さすがに絆ポイントがほとんど流れていくのが心に突き刺さり……グフッ……


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地獄の超高難易度三連戦(中々の強敵だった……)

「……もう休んでていいわよね。ジークフリート……防御が硬すぎるのよ」

「うん……というか、超高難易度三連戦はさすがに疲れた……」

「ネロは……なんであんなに元気なのよ。スカサハの所に行ってたじゃない……というか、どうしてあの編成に私も入ってたのよ」

「そりゃ、魅了で足止めをしてもらおうと……」

「……まぁ、全くと言っていいほど戦わなくて済んだからいいけど……」

 

 スカサハによる影の国流仇討ちによる即死を乗り越え、ハサン達の道連れ地獄の手を叩き落とし、ジークフリートによる超防御力を悩殺し続ける事によってひたすらに殴り続けてぶち破ったオオガミ達。

 

「流石に、疲れたよ。というか、時間かかったね……特に最後」

「一回もやり直してないのにね」

「唯一100ターン超えたしね……」

 

 思い出しつつ、明日もあるであろう敵に戦慄しながらも、今日はもう休もうと帰っていく。

 しかし、そこに待ったをかける少女が一人。

 

「マスターさんマスターさん!! 私たちと遊びましょ!!」

「吾もいるからな!!」

「……ねぇバラキー。バラキーは知ってるよね。今日は超高難易度にひたすら突撃してたの」

「む? そうだが……それがどうかしたか?」

「……体力お化けだぁ~……」

 

 鬼を相手に体力お化けなど、今更だった。

 疲れてたオオガミは出来るだけ寝たかったのだが、彼女たちにとってはそんなことは関係ない。

 

「くふふ……今日は寝かさぬぞ……!!」

「一体何をするのさ……」

「うふふ。それは行ってみてのお楽しみよ」

「えぇ……」

「ほら、行きましょ!!」

(なれ)よ、諦めるがいい」

「うえぇぇぇ……助けてエウリュアレ~!!」

「いやよ。諦めて行ってきなさい」

「そ、そんなぁ……」

 

 一体何をするというのか。不穏な気配を漂わせる二人から逃げようとするが、サーヴァントに勝てるわけも無く引きずられていく。

 最後の望みであったエウリュアレには完全に見放され、手を振られるのだった。

 

「さて、私は休もうかしら。というか、ノッブ達はどこに行ったのかしら?」

「お主らのを全部見ておったわ。流石に儂はあそこに混ざれる気がせんからな……」

「あら、居たのね……って、何よそれ。私にも寄越しなさいよ」

 

 背後から現れたノッブは、たこ焼きをもぐもぐと食べながら話しかけてきたので、エウリュアレはそれを奪おうとする。

 当然避けられ、代わりにノッブは、店を指さしながら、

 

「向こうで売っておるから、自力で買って来い。マスターと一緒におるからQPは余ってるじゃろ」

「そうだけども……まぁいいわ。行ってくる」

 

 珍しく素直なエウリュアレはそのままたこ焼き屋へと向かっていくのだった。




 三回やり直したスカサハ師匠とハサン。一発クリアの代わりに馬鹿みたいに時間がかかってしまったジークフリート……次は一体どんな敵が出てくるのか……不安しかない……


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ウルクの王とその親友が大戦争した件について(令呪は使い切ったよ……)

「これがゴリ押しというものだよエウリュアレ君」

「なに? あの探偵のマネかしら。本人に知られたら笑われるでしょうね」

「……ともかく、あのギルガメッシュは酷過ぎると思うの」

「そうね。結局エルキドゥに全力で魔力を回して叩き続けていたからね」

「親友戦争だね」

「あんなのがメソポタミアの日常なのかしら……」

「それは流石に無いんじゃないかな」

 

 今回ギルガメッシュ戦で一番頑張ったエルキドゥとメイヴ戦で活躍したバラキーは、流石に疲れたのか、カルデアに戻っていた。

 

「メイヴも強いなぁって思ったけど、まさか令呪を使うしかないとか思ったのはギルガメッシュさんだけだったね……」

「桁外れだったものね……」

「毎ターン攻撃力上昇する上に、その上昇率も恐ろしいものと来た……強すぎだったよ……」

「うちには(ステンノ)もいないしね。悩殺も出来ないわ」

「本当にね。二人がいればうまくすれば令呪も使わないで済んだはずなのにね」

 

 悩殺完封コンボを試してみたかったオオガミだが、メンバーが足りないのは流石にどうしようもなかった。

 不満はあるものの、何とか勝てたので最悪の状況ではなかった。

 

「通常攻撃でエルキドゥを倒すギルガメッシュって、相当攻撃力上がってないと出来ないわよね……」

「本当に、異常だったね……メイヴは、なんかバラキーの時を思い出したよ」

「そうね。あの取り巻きを倒さなくちゃいけない感じは確かにそうだったわね……」

 

 話を変えてメイヴの時を思い出す二人。

 

「あの時もびっくりしたよ……めちゃくちゃ攻撃力上がっていくし……というか、今日のは攻撃力を上昇させるのが多くない……?」

「そうね……確かに今日は攻撃力を上げて殴ってくる感じだったわね。メイヴはどちらかと言うと取り巻きをチャージして一撃で決めてくる感じだった気がしなくもないけど」

「まぁ、それもあったよね。一人になったら殴って来るけど、それくらいだし」

「その前に倒れるから、その脅威を十分に味わってなかっただけかもしれないけどね」

「そ、そんなことを言われましてもね……? 流石に味わいたくないですよ……」

「知ってるわよ。というか、私も味わいたくないわよ」

 

 頬を膨らませながら文句を言うエウリュアレ。オオガミは何とも言えない表情になるが、冷静に考えると直に味わうのは彼女たちなので、出来るだけ注意はしようと思うのだった。

 

「さて……二人の様子を見に行こうかな。もしかしたら明日も頑張ってもらうかもだし」

「そうね。エルキドゥはともかく、バラキーは明日も世話になるでしょうしね」

「そうだね。何か買っていこうか」

「それじゃあ、向こうに行きましょ。ついでに私の分も買ってちょうだい」

「えぇ……自分のお小遣いあるでしょ?」

「何よぅ。女神に支払わせようってわけ?」

「……はいはい。仕方ないね。女神さまの言う事だし」

「そうよ。最初からそう言っておけばいいの。さぁ、行きましょ」

 

 エウリュアレに手を引かれながら、オオガミは歩いて行くのだった。




 今回の令呪の使い道は、一画は特に大きな理由もなく消費。残り二画で宝具連射して勝ちました。
 誰だ令呪無駄打ちしたバカは!! なんてことをしてくれたんだ!! というか、そうすれば一画だけ残ったはずなのに……

 明日から、大丈夫かなぁ……


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ネロ祭の本領……!!(よくやったバラキー!! いけ、玉藻!!)

「いよっしゃああぁぁぁぁぁぁ!! クリアアアァァァァ!!」

 

 

 * * *

 

 

 そう叫んだのが数十分前の事。現在は控室のようなところでぐったりと倒れているオオガミ。

 冷静に考えると、この戦いは去年。つまりは、今年の戦いがまだ待っているという事だ。しかも、去年の戦いよりもおそらく強い。それを考えると、一体どうしたものかと考える。

 

「令呪は全部使い切って、回復待ち……超高難易度はコンティニュー不可だから石に頼る事も出来ないし……まぁ、頑張るしかないか」

「基本、対処的行動だものね。私はもう疲れたわよ」

「そんなこと言われても、エウリュアレがいないと編成がきついんだよ……コスト的に」

「……そうね。まぁ、そうなるわよね。頑張るわよ」

「吾も頑張るぞ。任せるがいい」

「ちょっと。こういう高難易度系は(わたくし)の分野ですからね? 勘違いしないでくださいまし」

「それはそれで違うような気がするけども……」

 

 控室で倒れているオオガミの周りに居るのはエウリュアレと茨木、玉藻の三人。今回の主役だったので疲れているはずなのだが、なぜか遊びに来ていた。

 おそらくエウリュアレと茨木は集りに来たのだろうと想像できるが、玉藻は恐らく本当にただ遊びに来たのだろう。

 

「ねぇオオガミ。また屋台に行きましょうよ」

「えぇ……また?」

「えぇ。良いでしょう? まだ色々と見て見たいのよ」

「吾もついて行って良いか?」

(わたくし)もよろしいですよね?」

「……仕方ない、か。じゃあ、皆でちょっと行ってみようかな」

 

 体を起こしつつオオガミがそう言うと、嬉しそうに微笑むエウリュアレ。

 茨木と玉藻も楽しみそうな表情をしているので、こういう時位はいいかと思うオオガミ。

 

「それにしても、何とか勝てたよねぇ……」

「ギリギリもギリギリ。難敵でしたよ」

「吾が先に三人倒したおかげだな。感謝すると良い」

「うん、感謝してるよ。ありがとう二人とも。これからも頑張ってもらうよ」

 

 オオガミの感謝の言葉に気を良くし、続いた言葉に硬直した二人。

 当然、まだ半分なのだ。頑張ってもらわないと困る。

 

「そ、そうであった……まだ半分……半分なのだ……」

「こ、今回の高難易度、多すぎじゃないですか……なんだって、こんな過労死させるような真似を……」

「……この二人と比べて、耐久性も攻撃力も無い私がこの中に加わってるのって、かなりおかしいと思うのよね……」

 

 エウリュアレは呟くも、聞いている人は誰もいない。

 

 その後、散歩をしていたエルキドゥも加えて屋台へと向かうのだった。




 ネロ祭……去年のでこれなら、今年は一体どうなるっているんだ……

 攻略に一番時間がかかったフィナーレ。はたして今年の戦いに勝てるのだろうか……


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圧制者キラーは死んだ(さすが女神さま!!)

「あ~……久しぶりに楽しい戦いだったわ」

「うん、楽しそうに戦ってたよねぇ……」

 

 圧制者キラーを射殺す女神。彼女の前には男は皆ひれ伏すのだろうか。

 オオガミはそんなことを思うが、当然そんなわけは無く、ランサー相手には中々渋いのだ。ルーラーも同様に。

 

「いやぁ……昨日まで必死で考えてたから、今日のは凄い楽だったよ」

「そうね。私も一瞬瀕死になっただけで、その後は一方的に叩いて、気付いたら体力全回復してたわ」

「びっくりだよねぇ……」

「うむうむ。それで、儂は何時になったら活躍できるんじゃ?」

「水着になったらじゃないかな」

「無理じゃろ!! 来年まで無理じゃろ!!」

 

 さらっと会話に紛れ込んできたノッブだったが、オオガミの無慈悲な一言に思わず涙目で叫ぶ。

 

「どういう事じゃマスター! 儂は使えぬという事か!!」

「NP獲得量と使える場所が限られてるから……」

「く、くそぉ……許せん……どうして儂はこんな扱いなんじゃ……!!」

「大変ね、ノッブ。まぁ頑張りなさい」

「くぅ……エウリュアレの余裕の表情が尚更むかつくのじゃが……!! むかつくのじゃが……!!」

「うふふふふふふ」

 

 不敵な笑みを浮かべるエウリュアレを睨みつけながら涙目でプルプルと震えるノッブ。

 オオガミはそれを見て苦笑いをするが、どうしていつもと対応が違うのだろうと思うのだった。

 

「クックック……残念だったなノッブよ。今回は吾の出番だ」

「バラキー……!!」

「クハハ!! 悔しかったら吾と同じくらい強くなるのだな!!」

「ぬうぅ……!! 来たばかりの頃にあれだけ色々と教えたにもかかわらず、この裏切り……許せん!!」

「ふん。ほとんどエウリュアレが教えてくれていたわ。汝は実質何もしておらぬだろうが」

「なん……じゃと……?」

「……自分がかなりの時間工房に引きこもっているのを知らないのかしら……」

 

 やれやれ、と言いたそうなエウリュアレと茨木。実際、ノッブは工房に籠っている時間の方が長いため、茨木にあれこれ教えたのはエウリュアレだった。

 もちろん、工房から出ているときは教えていたりしたのだが。

 

「まぁまぁ。別に、ノッブは使えないわけじゃないんだし。たんに、タイミングが無いだけなんだからさ」

「それが一番問題なんじゃけどね!!」

「えぇ、私の代わりになれないって事は、かなり問題なのよ」

「吾は別に関係ないのだがな」

「……あれ、そういえばバラキーはなんでここに……?」

「あぁ、そうであった。マスターを呼びに来たのだ。ほれ、行くぞ」

「え、ちょ、えぇ~!?」

 

 突然拉致されるオオガミ。流石の二人もついて行けず、一瞬呆然とした後、急いで追いかけるのだった。




 いやぁ……初見一発クリアはやっぱり嬉しいですね。強くなったって感じが凄いですもん。やったぜ。

 しかし……ノッブももう少し使えるようにしたいんですけどねぇ……


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鈴鹿御前強かった……(じゃあ、このままスキルマまで行こうじゃん!!)

「今更だけど、鈴鹿って結構強いよね」

「何々? マスター、今更気づいたんじゃん?」

「まぁ、最後に一緒に戦ったのがかなり前だしねぇ……まぁ、もうちょっとスキル上げをしようかなとは思ったよ」

「良いじゃん良いじゃん。じゃ、その調子でスキルマ行っちゃおーか!」

「流石にスキルマは無理かな……!!」

「え~? 優遇と不遇の差が激しすぎるじゃんよ。どういう事?」

「そんなこと言われましてもね……素材が足りないと言いますか……」

 

 そうは言いつつも、セイバーはほとんど育ててないので、石と素材はそれなりにある。ただ、QPが足りないのが問題だったりする。

 QPの消費はここ最近異常なまでに多いので、どうしようもないのだった。

 

「まぁ、出来るだけはやるよ。任せといて」

「なるほどね。じゃあ、私も精一杯やるし。マスターだけに任せるわけにはいかないじゃん?」

「おぉ……中々レアな……よし、頑張ろ。秘石足りないけど」

「ちょ、それが一番重要じゃん!」

 

 一番取り難くて絶対使用する秘石。もう少し落ちてくれてもいいだろう。と思わなくもないが、ここは我慢だ。

 

「時間はかかるけど、出来るだけ早めに終わらせるよ。決勝で何とかなるはず……」

「あ~……決勝はセイバーって言ってたし、落ちるかもね?」

「セイバーだから、アーチャーで何とかなるかなぁ……」

「ふぅん? まぁ、色々考えてるならいいじゃん。私は次の戦いに備えておくし!」

「うん。じゃあ、とりあえずあと何回か行こうか」

「オッケー! 私の力、何度でも見せてあげるし!!」

 

 オオガミは鈴鹿にそう言うと、闘技場に向かって降りて行く。

 そして、オオガミに跳びかかる影が一つ。

 

「とぅ!」

「ごふぅ!?」

「マスター!?」

 

 飛び乗って来たのは茨木。自然に肩車の様な形になり、不敵に笑う彼女は、

 

「汝は油断しきっておるのぅ……ククク、もう少し気を付けた方が良いぞ……? 仮にも、吾は鬼。人を襲うのは性だからのぅ……」

「おぉぅバラキー。ここでそれを言うんです?」

「む? それはどういう……!?」

 

 咄嗟にオオガミの肩から飛び降り、陰に隠れる茨木。その視線の先にいるのは鈴鹿だった。

 

「へぇ……アンタ鬼なんだ? それで……マスターに傷つけようって感じ?」

「い、いや、それはあれだ。冗談のようなものだ。というか、汝は何者だ……? 頼光の様な嫌な感じがするのだが……」

「私は鈴鹿御前。鬼狩りにはちょっと縁があってね。マスターを傷つけるなら……容赦はしないからね?」

「……マスター。こやつやばい感じが凄いのだが!!」

「ハイハイ。二人ともそこまでにしようよ。とりあえず、今日最後の一回、行くよ」

 

 オオガミはそう言うと、しっかりとひっついている茨木を運びながら闘技場へと向かうのだった。




 天気雨で聖女の行進最終waveほとんど倒したり、たまに全滅させたりとか、中々優秀だった……どうして使わなかったんだ私……

 ちなみに、編成はバラキー、鈴鹿、サポート鈴鹿でやっているという。

 あ、超高難易度の鈴鹿は超耐久パで無駄に時間かけて倒しました。


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アーラシュさんの、流星五条!!(ステラ5発はさすがにどうかと思います!!)

「よぉマスター。俺を使うなんて、初めてじゃないか?」

「あ、あぁ……うん、よろしくね」

「なんだぁ? 浮かねぇ顔しやがって。何かあるのか?」

 

 一体どう説明したものかと考えるオオガミ。

 それもそのはず。今からクー・フーリンを連れて行くのは、流星一条と名乗りつつその実五条ほど叩き付けてくる英霊なのだ。

 つまりは、何度も死ぬような一撃を受けてもひたすら気合で耐え続けるという、地獄の様な戦いに出てもらおうとしているわけで。

 

「ん~……どう説明すればいいのか……ひたすら流星を受け続ける戦いだけどいいの?」

「あ? 別に、構わねぇよ。今回はそういう役割ってこった。なら、精々期待通りにするだけさ」

「おぉ……なんか、めちゃくちゃかっこいいんだけど……というか、冷静に考えると、四肢爆散する様な宝具を4回も気合で耐える彼は何者なのだろうか……」

「へぇ……四肢爆散する様な宝具か……中々面白い宝具を使うじゃねぇの」

「まぁ、結局の所、相手が宝具で自爆してくれるのをひたすら待つだけなんだけどね」

「なぁに、耐えるくらいなんてことはないね。任せとけ」

「……期待してるよ!!」

 

 もはやつなげる言葉は思いつかず、これが一番なんじゃないかと思ったオオガミ。

 クー・フーリンも笑っているので、おそらくこれで正解なのだろう。

 

「さて、じゃあ次はエリちゃんかな」

「じゃあ、俺は先に待ってるとするぜ」

「うん。また後で」

 

 彼はそう言って待機エリアへと行ってしまう。

 オオガミはそれを見送った後、人数を集めに歩き回るのだった。

 

 

 * * *

 

 

「……絶望的な戦いだった……」

「なんですかあの流星。威力高すぎですよ……」

「むかつくわ!! (アタシ)の歌声をものともしない感じが特に!!」

「余も悔しい!! なぜあれほど体力があるのか!! 理不尽としか言えないのだが!!」

 

 それぞれがそれぞれ不満を漏らしているが、結果としては何とか耐えきり、自爆してくれたので問題は無かった。

 ただし、当然の如くやられるだけと言うのは不満が出るものだ。

 

「はぁ。何とかなったけど、正直何度もやりたいような戦いじゃないね」

「先週までのハイパワーと比べたらまだマシなような気がしなくもないですが、そこはそれ。今回も辛い戦いになりそうですねぇ……」

「だねぇ……まぁ、楽しみでもあるんだけどね」

 

 次は一体どんなクエストが来るのかを楽しみにしつつ、なんだかんだ言って本体であるアイテム収集がほとんど終わっていないという事実に頭を悩ませるオオガミ。

 

「まぁ、なんだかんだ言っても、勝てたからオッケーって事で。お疲れ様!!」

「ぐぬぬ……次こそは何とか!!」

「余も、負けはせぬぞぉ!!」

「えぇ。とはいっても、私は明日も出るんでしょうけどね」

 

 オオガミの声に、悟ったような表情で答える玉藻。

 相手にもよるが、ほとんどあっているのだから仕方なかった。




 いやぁ……思わずクニキに出張してもらうことになって、その耐久性に驚きを隠せなかった私です。これはスキルを強化するのもいいかもしれない……

 最終的にはフレンド星4セイバーネロがガッツ耐久という脳筋のごとき戦いをするという……


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ロリメドゥーサですよエウリュアレ様!!(とりあえず、屋台連れまわしで行きましょう!!)

「令呪一画は使った内に入りません!! いいね!!」

「そうね。それはよかったわ。じゃあ、私はこれで」

「ちょっと待ってエウリュアレ。俺も行くからね」

 

 無言の間。二人は睨みあうが、それも数秒の事。やってきたサーヴァントに気付くと、差も何もなかったかのように取り繕う。

 

「……二人とも、何をしているのですか?」

「何でもないわよ、メドゥーサ。それより、私と一緒に向こうの屋台を見て回らないかしら」

「ちょっと。自然に俺も置いて行こうとするのはどうかと思うよ」

「何よ。ついてくる気?」

「当然。そして、代金は全部持とうじゃないか!」

「へぇ? 言ったわね。女神を前に宣言したわねこのマスター! えぇ良いわよ。ほら、ついてくれば良いわ。たっぷり代金押し付けてあげるんだから!」

「どんと来いやぁ!」

 

 一体どうしてこうなったのか。と言われれば、二人に声をかけた彼女が原因であろう。

 メドゥーサ。しかもランサーである。オオガミが暴走しているのはいつもの事としても、エウリュアレまで暴走しているのはレアだった。

 

「あの、別に無理に私と行かなくても……」

「何よ、私とは行きたくないって言うの?」

「い、いえ……そう言うわけでは……」

「じゃあ行くわよ。お題は全部オオガミ持ちだしね」

「当然! やってやろうじゃん! QPはあるし、まさか全部吹き飛ぶなんてことはないだろうしね!!」

「えぇ、えぇ。そうやって慢心してなさい。すぐに涙目に変えてあげるんだから!!」

「……これ、私がいなくてもいいんじゃ……」

「アナ――――メドゥーサがいなくちゃダメだから! 今回の件の中心なんだからね!!」

「えぇ……なんでそんなことに……」

 

 自分の与り知らぬ所で何かがあったようだと理解した彼女だったが、マスターはともかくエウリュアレからの誘いである。断る理由も無いのでついて行くのは全く持って問題なかった。

 

「ところでマスター。吾の分もあるのであろうな?」

「君は最近、ずっと近くにいないかな!?」

 

 ここ最近の這い寄る鬼、茨木。

 さも当然とでも言いたげにオオガミの背中に張り付いて、自分の分も寄越せと要求してくる。

 ちなみに、断るとじわじわと首を絞めてくるという嫌がらせをしてきたりする。なお、現在は全力で地面を踏みしめてオオガミが進めないようにしていた。

 

「汝が吾を編成に組み込んでおるのだろうが」

「組み込んでない時もいるのによく言うよ。実は暇なんでしょ」

「……別に、そんな事は無い」

「図星じゃん!!」

「マスター! ぐずぐずしてるなら置いて行くからね!!」

「えぇっ!! それは困る……!!」

「それで、返答は如何に? 返答によっては、吾の行動が変わるがな」

「くぅっ……分かったよチクショウ!! フードコロシアムとかしてたバラキーがいるとQP残高が不安になるけど何とかなるはず!!」

「良かろう。では、エウリュアレの所までは送ってやろう」

 

 そう言うと、茨木はオオガミを持ち上げて走るのだった。




 すり抜けロリメドゥーサですよ!! やったー!!

 あ、アルジュナさんとカルナさんはアルジュナさんをエルキドゥ連射宝具2ターンでキルして、残ったカルナさんはネロちゃまがやってくださいました。令呪一画なら明日には回復するしね!!


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万能の天災(精神ダメージがあまりにもデカすぎる……)

「無理」

「嫌です」

「あんなもの、普通に勝てるわけないでしょう!!」

「……もう、今回は諦めって事で」

 

 表情が死んでいるオオガミとBB。そして、怒りに毛を逆立て声を荒げる玉藻に、見ていただけにも関わらず精神にダメージを負ったエウリュアレ。

 やはり万能の天才は凶悪だった。というよりも、どちらかと言えばその取り巻きが凶悪過ぎた。

 完全にジャンヌを呼んで来いと言わんがばかりの敵の性能に加え、強化解除も忘れずにな。と言いたげな無敵貫通。しかも、ダ・ヴィンチちゃんの宝具自体に防御無視まで入っているため、いくら防御バフを増やしたとしても意味が全くない。

 

「あまりにも強すぎるよ……もう、このクエストは諦めで。ジャンヌかマーリンがうっかり来てくれない限り放置で。というか、無理にやらなくてもいいんじゃないかな……」

「あ、本気でスイッチ入ってるわ。これ、もうダメね。はい、解散かいさーん」

「なんでエウリュアレさんが仕切ってるのか分かりませんが、私は賛成です。という事で、遊びに行ってきますね!!」

(わたくし)は先に先にカルデアに戻っていますね。流石に今日は疲れたので……勝てませんでしたし」

「うまく采配できなかったのが敗因かなぁ……」

「あんな暴力、普通に無理よ。少なくとも、今のままじゃね」

「ん~……来年には攻略できるようになってるといいなぁ……」

「そうね。私もそうなる事を祈ってるわ」

 

 BBと玉藻はそれぞれ行ってしまい、残った二人は何をしようか考えるのだった。

 

「あ、マスターじゃん。今日はもう周回行かないの?」

「鈴鹿……? あ~……いや、行くよ。というか、今日はもうそれだけやって終わるから! もう高難易度とか行かないから!!」

「マスターどうしたじゃん? ちょっとテンションおかしいみたいだけど?」

 

 涙を浮かべながら叫ぶオオガミを見て、鈴鹿は困惑したような表情で聞く。

 

「自称万能の天才に叩きのめされたところよ」

「へぇ……万能の天才って、ダ・ヴィンチの事? ずっとそんなこと言ってるし」

「そうそう。中々凶悪で、かなり精神削られたみたいよ」

「ふぅん? 強いのかな?」

「編成が中々すごくてね。正直私は見てるだけだったけど、相当ひどかったわよ」

「そんなにかぁ。まぁ。無理に急いでやる必要は無いんだし、大丈夫だよマスター! 今日はゆっくり休んで、明日また挑めばいいじゃん?」

「……そう、だね。うん、今日は行けるだけ周回行ってもう休もう。そうしよう。じゃあ、とりあえず急いで終わらせるために、レッツゴー!!」

 

 やる気が回復したのか、オオガミは元気よく走っていく。

 それを見ていた二人は、

 

「まぁ、マスターが元気になってくれてよかったじゃん?」

「そうね。まぁ、休むための全力なんでしょうけど」

 

 そう言って、一拍。冷静になった鈴鹿は、自分が編成の中にいたことを思い出して走り出すのだった。




 マジであんなのどうしようもないんですけど。一体どうやって倒せっていうんですか。
 いや、何とかネロ祭が終わるまでに倒したいとは思うんですけどね。精進せねば……


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最後の晩餐をくれてやった!(あれ、鐘の音が聞こえません?)

「万能の天才とかなんとか言っても、究極的に面倒な人間ってことなんだよ!」

「そうですそうです!! あんなのはもう嫌ですからね!!」

「全く、どうして私は最後の最後で倒れたんですかね?」

「大体原因は俺ですね。はい。後少しで勝てるってところで油断しちゃったから……」

「大丈夫ですよ先輩。次は無い様に気を付ければいいんですし」

 

 なんだかんだ悲鳴を上げつつも、必死で倒したダ・ヴィンチ。

 最後の晩餐になるまいと必死で足掻き、最終的にはドデカい注射器を突き刺して、その中身を寄越せと叫びたくなるような物体を体内に流し込んで爆発四散させた彼らは、明らかな精神的疲労によって疲れたようだった。

 

「ふぅ……それにしても、結局メダルほとんど集まってないね」

「銅はそろそろ終わりそうですけどね」

「ですね。というか、この時点でこんな難易度だからこの先がかなり不安なんですが」

「玉藻、それは言っちゃいけないよ……」

「ですが……まぁ、何とかなりますか」

「うんうん。というか、何とかするよ」

 

 一体この先に何が待っているのかと思いつつ、はたしてどうしようかと考えるが、当然案など思いつくわけも無く。

 

「あぁ、そういえば、翁さんが追加されてましたよ」

「……よし、諦めよう」

「……センパイ、早すぎです。せめて一回くらい行って足掻いて無様に全滅してから言ってください」

「そんな理不尽な!!」

「BBさん、舐めないでください。先輩はここまで諦めるとか言っておきながら本当に諦めた事なんてあまりないですから」

「あの……そのあまりの部分に入る可能性は考えないんですかね?」

「玉藻まで攻撃してくるとは……いや、まぁ、行ってみるけども、勝てるかわからないんだよね……通常攻撃にも即死持ってるし……大丈夫かな……」

 

 どうしようかと悩んでいると、オオガミは背後から、

 

「なら、短期決戦で、吾を連れて行けばよかろう?」

 

 と、声をかけられる。

 振り向くと、そこには当然の如く茨木がおり、不敵に笑っていた。

 

「……バラキー。そうは言っても、勝てるかどうか……」

「その時はその時であろう? まずは勝てるかどうか。汝の得意な耐久でもすると言い。だが、それで勝てぬのなら吾が瞬きの間で滅ぼしてくれようぞ」

「……ふむ。じゃあ、とりあえず偵察からだね。速攻決着付けるか、耐久するかっていうところだ。まずは玉藻とマシュを加えて、レッツゴー!!」

 

 そう言うと、耐久の為のメンバーを考えつつ、オオガミは歩き出すのだった。

 マシュと玉藻の高難易度連れまわしは続く。




 実は昨日の23時半時点で倒したんですよ、ダ・ヴィンチちゃん。
 玉藻・BB・ジャンヌの装甲が想像以上に硬かったんですけど、最後のライダー群で玉藻が落ちて後ろから出てきたマシュで残りをゴリ押しして終わりました。

 じいじとか、勝てる気がしないんですけど……


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翁の恐怖(通常攻撃で普通に死ぬんですがそれは)

「爺は酷いと思う」

「即死だけじゃなくて普通に通常攻撃も痛いんですもん、あの方」

「クリティカルで私が一撃なんですけど!? どういう事なんです!? 訳が分からないんですが!!」

「……ねぇ、私いる必要無くない?」

「エウリュアレはマスコット――――お守りという事で」

「私は一体何なのよ」

 

 その言葉に、その場の全員が「女神だよ」と突っ込みたい衝動を抑え、なんとかスルーする。

 

「それで、結局どうするのよ」

「う~ん……正直、即死ゲーを何度もやる気力はないから諦めかな。今回は流石に無理だよ」

「あらぁ? センパイ、諦めが早すぎません? もっと粘ってくださいよ。このBBちゃんの試練を越えておいて、あの皇帝に負けるとか許しませんからね?」

「んな無茶な……いや、出来るだけ抗っては見るけど、正直高難易度に時間を取られてるとメダルが足りないわけです。なんで、先に周回行ってくるね!」

「あっ! ちょっと、センパイ! 逃げないでください!」

 

 BBが引き留めようとするもすでに遅く、オオガミは走り去った後だった。

 置いていかれた彼女らは呆然とするが、ふと思い出したようにマシュが口を開く。

 

「そういえば、さっき見たらQPも素材もゴッソリ無くなっていたんですが、誰か知っていますか?」

「BBちゃんは知りませんよ? あの注射器の中身は実費ですし」

(わたくし)もです。というか、どうせなら私を強化してくだされば良いのに」

「あぁ……そういえば、さっきメドゥーサが最終再臨した上にスキルレベルも大きく上がっていたわね」

 

 エウリュアレのその一言に、その場の全員が硬直し、エウリュアレを見る。

 

「え、エウリュアレさん。その話、本当ですか?」

「嘘言ってどうするのよ。あ、メドゥーサと言っても、ランサーの方よ?」

「ほー。へー。ふぅーん。センパイ、そんなことしてたんですねぇ……まぁ、理由は大体察しが付くんですけど」

「前々から、悩殺パーティーを組みたいって言ってましたもんねぇ。そこに魅了持ちが来たら確かにそうなるかもしれませんけど、どうなんですかね?」

「……貴女達、そもそも槍系統は全く関係ないじゃない」

「「それはそれ! これはこれです!!」」

 

 息のピッタリ合ったBBと玉藻の一言に気圧され、エウリュアレは静かになる。

 二人はその勢いのまま顔を見合わせると、

 

「これはもう直談判しかないです!」

「当然です! という事で、私たちはこれで!」

「あ、私もついていきますよ!」

 

 走り去るBBと玉藻を追いかけるマシュ。

 エウリュアレはそれについていかず、一呼吸置いた後、

 

「さて、メドゥーサのところにでも行きましょうか」

 

 そう言って、歩き出すのだった。




 BBが即死耐性高いって聞いたので運用したんですけど、通常で死ぬのはどうすれば良いんですかねこれ。無理なんですが。

 という事で、今回は最悪来年に持ち越し事案ですね。精進せねば。


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星四鯖配布ですか……(実質二択な件について)

「はたして、どうしたものか……」

「どうしたのよマスター。高難易度を全力で無かったことにしてるのに、更に何を企んでいるわけ?」

「1000万ダウンロード記念の星四選択一体配布でね? ステンノにしようか、不夜アサにしようかを考えていたんだよ」

(ステンノ)にするべきよ」

 

 即答したエウリュアレ。言うと思っていたオオガミは、それに対して苦笑いで答える。

 

「まぁ、女神さまのお願いだし、ステンノかな……」

「そうよそうよ。私のお願いなんだから聞きなさいよ」

「どうしてこの女神はいつも偉そうなのか……」

「女神だもの。仕方ないわ」

「……まぁ、女神さまだしね。仕方ないか」

「えぇ、仕方ないのよ。という事で、それでいいわね」

「はいはい。それで、いかがいたします? 女神さま」

「そうね……とりあえず、(ステンノ)が来ても良い様にしておかないとね」

 

 エウリュアレはそう言うと、楽しそうに歩き出す。

 オオガミはそれについて行くが、その頃にはネロ祭が終わっているだろう。と思っていたりする。

 

「それで、何をするの?」

「そうねぇ……とりあえず、手に入れたら一日でレベルマスキルマできるようにするのよ」

「馬鹿言わないでください女神さま。周囲からの視線が突き刺さりまくって死にます」

「あら、そんなこと言っても、私の事をレベルマスキルマどころか、絆礼装まで渡されて置いて、今更何を言うのかしら?」

「それはそれ、これはこれだと思うんですけど。というか、スキルマは結構後の事じゃん」

「いいのよ。素材に余裕があるなら大いに使いなさい。というか、アサシンなんかほとんど使わないんだからこういう時にパーッと使っちゃいなさいよ」

「えぇ……メルトリリス用の素材が……」

「口答えしない。良いわね」

「そんなぁ……あ。じゃあ、QPはエウリュアレの実費って事で」

 

 名案とばかりにオオガミは思った事を口にするが、エウリュアレはそれを聞いて、キョトンとしたような表情で、

 

「ねぇマスター? 本当に私がそうしていいのかしら?」

「……あぁ、うん。ごめんなさい。流石にQPくらいはこっちの負担じゃないと心が折れそうだ」

「そうよね。よかったわ」

 

 か弱い女神さまにQPを出させるなど、あってはならないことである。それくらい実費で出さねばなるまい。

 その時のオオガミはそう思ったそうな。

 

「というか、そう考えるとやることはQP集めだけかしら?」

「そうだね。QPが無いだけだし」

「そう……じゃあ、QPを集めに行きましょうか」

「……え?」

「という事で、レッツゴー!」

 

 返答を許さず連れて行くエウリュアレ。オオガミはこの後、頑張る事を強いられているのだった……




 星四鯖配布とか、悩みますよねぇ……期間限定がいたら更に考える……

 というか、ダウンロード記念って、本当にこれだけ……? 1000万だよ? 区切り、めっちゃいいよ?
 期待しながら待つしかないですねこれは!!


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なんだかんだ言って、エウリュアレがお気に入りなのかな?(冷静に考えると、私は編成に入ってないものね?)

「メダルも無事終わりそうだね。うん。これで安心してバラ集めが出来るよ」

「そして、油断したところをサクッと寝首かかれて一撃ね」

「ちょっと待って。何? 何が起こるの? 一体どんな事件が起こるの? アイテム交換でそんな事が起こっても困るよ?」

「冗談よ冗談。笑って流しなさいな」

「冗談に聞こえないんだけど……」

 

 バラをどっかに持って行く気じゃないのか、この神様は。と思うくらいには本気で警戒したりしたのだが、本気で警戒されたことに気付いた瞬間の引きつった表情から、本当に冗談のようだった。

 

「……それで、この後はどうするの?」

「バラを集める予定だよ。というか、もう高難易度はやりたくないかな」

「そうねぇ……私も高難易度はもうごめんよ。耐性皆無の男性バーサーカーならまだしも、耐性持ちは本当に勘弁よ」

「耐久は本当に時間かかるからねぇ……やってられないよ流石に」

「えぇ。だから、やるのは最低限にしておきなさい」

「高難易度とか、そうそうやるものじゃないから」

 

 ため息を吐きつつ、何をしようかと考えるオオガミ。ここ最近エウリュアレは編成に組まれてないせいで、暇だと思われるので、彼女も遊べるようにしたいなと思う。

 

「ん~……どうしようか。というか、冷静に考えると、ネロ祭始まってからずっとエウリュアレと居る様な……?」

「奇遇ね。私も、貴方が周回していない時はずっと一緒にいる気がするわ」

「……何だかんだ、一番絡みやすいんだよね、エウリュアレは」

「女神に対して随分と気軽よね、貴方。後で憶えて置きなさい」

「可愛い可愛い最強系美人女神様であるエウリュアレはそんな恐ろしい事はしないって信じてるから」

「そんな当然のことを言っても、許さないからね」

「……何かして来たらエルキドゥに報告するから」

「それは流石に酷いと思うわ。ちゃんと悪戯も手加減するに決まってるでしょ」

「はたして、ステンノが来ても同じことを言ってくれるかどうか……」

「それは……まぁ……その時よ」

 

 エウリュアレの言葉に、何となく嫌な予感を覚えつつも、そんなに危険はないだろう。と思うのだった。

 

「はぁ……それにしても、まだ12箱分かぁ……道のりは長いねぇ……」

「100箱分やるんでしょう? 時間、大丈夫?」

「何とかなるでしょ。メダルも終わるし、のんびりやりますよ」

「のんびりやったら終わらないんじゃないかしら……?」

「じゃあ、マイペースに?」

「それこそのんびりじゃないの」

「そうだねぇ……まぁ、何とは100箱分稼げる程度の気力で頑張りますよ。女神さま」

「貴方に『女神さま』って呼ばれると、何となく馬鹿にされてる感じなのよねぇ……どうしてかしら?」

「さぁ? そんなの聞かれても分からんですよ」

「そうよね。まぁいいわ。私はメドゥーサの所に遊びに行ってくるから」

「……エウリュアレ様? あんまりいじめないでくださいよ?」

「ちょっと、私がそんなことをすると思って? ここに来る前の私ならいざ知らず、今の私よ? 大丈夫に決まってるじゃない。貴方は安心してバラを集めてきなさい」

「……不安だなぁ……」

 

 オオガミはエウリュアレを見送りつつ、そう呟くのだった。




 本当に、絡ませやすいと言いますか、新キャラを出すにしても大抵エウリュアレをクッションに入れると言いますか、今回のネロ祭りに限って言えばエウリュアレがほぼメインじゃねぇかとか、突っ込みたいんですがそれは。ノッブどこ行ったノッブ。

 いい加減にしないと、これはそろそろ不味いんじゃ……メルトが来てくれてもメルトをメインに出来る自信が無いんですがそれは……!!


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想像斜め上で全く集まらない(花びらをおおぉぉぉぉ!!! 集めるうううぅぅぅぅぅ!!!)

「……正直、想定外なんですが」

「花びら、集まらないわね」

「こんなもんをちんたら集めてるより、普通に周回した方が良いんじゃないのかい?」

「いやいや船長。一攫千金は目指すべきですよ。というかこっちの方が圧倒的に効率良かったりするわけですよ」

「ふむ……確かに、こっちの方が良いかもねぇ。というか、すでに20箱分は集まってるじゃないか」

 

 ドレイク船長の疑問に、オオガミは胸を張って応える。

 

「それで足りるなら苦労しないよ!!」

 

 目標100箱。現在25箱分。開封済み11箱である。

 圧倒的に間に合わないのだが、それでも諦めないで全力で果実を喰らい周回していくオオガミ。それに付き合わされているドレイクとエウリュアレも大変なモノだが、もはや慣れたものなので問題はない。

 しかし、今までとはけた違いのレベルで周回しているので、若干心配している点もあるのだろう。

 

「うぅむ……礼装もポロポロ落ち始めたから楽になると思ったけど、見込みが甘かったか……これ、終わらない気がする……」

「ちょっと、諦めたような事を言わないでよ。さっきまであれだけ諦めないような事を言っておきながらその発言はどうかと思うわ」

「いや、頑張るけどね? 最後まで全力疾走するけどね?」

「頼むよマスター。諦めるなんて性に合わないじゃないか」

「当然、諦めないわよね。私のマスターですもの」

「……諦めないって言ってるつもりなんだけどねぇ……?」

 

 どうやら信じられていないというか、からかわれているような感じがするオオガミだったが、大体いつもの事なので別に気にするような事は無い。

 しかし、本当に花びらが集め終わらないのは、流石にどうしようもない。

 

「うぅむ……やっぱり、メダルとか無視してバラだけを集めるべきだったかな……」

「そうねぇ……まぁ、私もそう思うわよ? 高難易度とか、完全に疲れただけだったし」

「明らかに攻略させる気が無いのとかあったしねぇ。むしろ、ああいうのをクリアできる連中が凄いよ。アタシらには無理なもんも多いさね。その中で3つ以外は何とかクリアしたんだ。大いに祝おうじゃないか」

「むむぅ……凄い複雑な気分……結局勝ててないんだよなぁ……」

「だから、来年またやればいいのよ。それに、来年ならあの英雄王にも報復が出来るわ……」

「……悩殺する気ですか女神さま」

「圧倒的な攻撃力で私の事を一撃で屠ってくれたこと、忘れないからね……うふふふふふふ……」

 

 エウリュアレの目が怪しくなってきた辺りで嫌な予感がし始めたオオガミは、とりあえず再出撃の為の果実をかじるのだった。




 しかし、久しぶりにドレイク船長をこの作品で見た気がする……うぅむ、完全にエウリュアレとノッブの影に隠れておるぞぅ……エリちゃんとかネロも最近出てきてないし……最近目立ってきてるのはバラキー……?

 それは置いておいて、えぇ、はい。本当に集まらないんですが。なんだこれは……花びらってここまで難関だったのか……想像以上ですよこれは……!!

 50箱で限界そうな予感……やれるだけはやりますけどね。


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日常
ステンノ加入は日曜日よ(ボックスは35箱で限界だったし、ガチャは――――!?)


「無理だったね」

「そうね。流石に50も開けられないんじゃない?」

「残念。来年は絶対100箱集めてやるから覚悟しておけ、ネロ祭!」

 

 宣言しつつ、結局花弁は21000ちょいしか集まらなかったりした。大体35箱くらいなのだが、まぁ何人かを育て上げるのには十分な量だろう。

 

「チケット貰ったけど、結局使えるのは日曜日なんだよね」

「遠いわね。待ち遠しいわ」

「そうだよねぇ……っていうか、今更だけど、なんで一緒にいるわけ?」

「……特に理由は無いわ」

 

 聞かれた瞬間、エウリュアレは一瞬だけオオガミの手元のチケットを見たような気がしたが、気のせいだろうと思う。まさかチケットを狙っていたり、するわけないのだ。決して。

 

「ところで、どこに向かってるの?」

「召喚室」

「……ねぇ、マシュに石を使うなって釘を刺されたばかりじゃなかったかしら?」

「ちょっと何言ってるかわからないな。それはそれ、これはこれだよ」

「どこに差があるのかが全く分からないわ。どの道怒られるじゃない」

「……その時はその時という事で」

「完全に怒られるの前提じゃない」

「そ、そんなことないよ」

「全くどうかしらね?」

 

 そんなことを言い合いながらやってきた召喚室。

 1000万ダウンロード記念とかなんとかで、なにやらピックアップしているらしく、あの『徒歩で来た』で有名なマーリンが来るとかなんとか。

 

「マーリンね……出てくる気がしないんだけど」

「そもそも出ると思ってやってないから。というか、別段欲しいキャラもいないんだけどね」

「そうよね。ステンノが来るんだもの。余裕を持ってないと」

「うんうん。という事で回すね」

「全く関連性が見えないのだけれど」

 

 エウリュアレの反応すら許さず即座に石を投げ込むオオガミ。頬を引きつらせてエウリュアレはそれを見守るが、虹や金に光るどころか、動作が重くなることも無く普通に回り始める。

 

「やっぱりはずれかぁ」

「爆死とかばれたら後で本当に叱られそうね……まぁ、ステンノの為の素材になるなら万々歳だわ」

「のんきだねぇ……はぁ、怒られそうだなぁ……」

 

 そう言っていると、輪は三本になり、収束。サーヴァントが来る。

 

「さて、誰かな――――!?」

「……マスター。貴方、殺すわよ?」

 

 金枠。キャスター。

 しかも、ピックアップ的に想像できるのは一人しかおらず―――――

 

「こんにちは、カルデアのマスター君。私はマーリン。人呼んで花の魔術師――――」

「……おぉぅ」

「……とりあえず、視線を突き刺せばいいのかしら」

「――――気軽にマーリンさんとでも……って、どうして彼女は怒っているんだろうね? 僕、何かしたかな?」

「とりあえず射殺すからそこに立っていなさい」

 

 即座に弓を取り出したエウリュアレを見て全力で止めに走るオオガミ。マーリンはついて行けず混乱しているが、じきに慣れるのだろう。

 

「えっと……歓迎されてないのかな?」

「いやいやいや。そう言う事ではなく、ただ単に彼女の虫の居所が悪いと言いますか、人間の私としてはサーヴァントの事を抑えてられないので颯爽とこの場から逃げて誰かに休憩室を聞いて先に行ってもらいたいと言いますか!!」

「そ、そうかい? じゃあ、先に行かせてもらうよ」

「出来るだけ早く落ち着かせていくから待っててね!!」

「あっ、ちょ、殺りそこねたわ!!」

 

 逃げ去るマーリンを見て、若干本気で怒るエウリュアレを抑えるオオガミ。

 数十分の格闘の末、なんとか彼女を落ち着かせると、マーリンの後を追って休憩室へと行くのだった。




 ボックスは時間切れでゲームオーバー。しかし、マーリンが来たので良しとします。
 レベルマックスはしたんですが、スキルは玉藻の成長が終わってないのでやらせません。諦めるが良い(ドヤッ

 チケットを使えるのが日曜日だと知らず探しまくったのは秘密です。


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そう言えば、ノッブの姿を最近見ないんだけど(遊んでたんですね、ノッブ)

「ということで、儂は水着を手に入れられなかったから適当に暴れておったわけじゃよ」

「そして、私はそれについて行っていたわけだ」

「で、私はそれを遠くから観察していたわけです」

「なるほどなるほど。つまり、俺らが周回している間、シュミレーターを使って遊んでいたわけか」

 

 しばらく会っていなかったので探したら、ノッブの工房でQPに埋まって遊んでいたので、何をしているのかと聞いた結果がこれである。

 言い分は以下の様に。

 

「……QPがおいしくてな。うまうまじゃった」

「あぁ。アレは私も楽しかったぞ」

「いくらか盗りましたが、誤差の範囲内なのでオッケーだと思います!」

「よし、BBの育成はしばらく無しで」

「なんでっ!?」

 

 とりあえず手伝いもせずに遊んでいたらしいBBは育成を遅らせるという手段を持って制裁を下し、残った二人はどうしようかと考える。

 

「というか、そもそも儂らが自力で何とかしたんじゃし、別に構わんのではないか?」

「……それもそうか。うん。じゃあ話はこれで。解散!」

「……ご主人様は大体いつもサーヴァントに対して甘い感じだな」

「おぅ。どストレートに突っ込んじゃいけない所を突っ込むなこのメイドは。そんなことを言うと面倒なことになるじゃろうが」

「いや、別に甘いというわけじゃなくて、怒る必要が無いから何も言わないだけなんだけどね? 不満と言われても困るけどね」

 

 性格はどうしようもない。と苦笑いで答えるオオガミ。

 ノッブはほっと息を吐くが、メイドは何かを考えているようだった。

 

「というか、どうしてこんなことになったんだっけ?」

「そりゃ、マスター。お主が突然儂の工房に入ってくるからじゃろ」

「ふむ……というか、QPに埋まってたけど、刺さらないの?」

「む? それはそれ、これはこれじゃろ? こう、ビジュアル重視的なそれじゃ」

「ビジュアルも悲惨なような……美人だから良いのか……?」

「儂は何をしても似合うからね! 是非も無いね!!」

 

 ノッブは胸を張ってそう言う。ただ、オオガミの疑問を否定しなかったという事は、実際刺さっているらしい。

 やめればいいだろうに。と思わなくもないが、本人たちが楽しそうなので禁止はしないのだった。

 

「さてと。じゃあ、船長とリップとバラキー探して、周回行って来ようかな」

「おぅ。儂らはいい加減休憩室に行くからな。また後でな!」

「うん。また後で」

 

 オオガミはそう言うと工房を出て、三人を探しに行く。

 残ったノッブ達は、QPを片付けてから休憩室へと向かうのだった。




 イベントとか見る感じ、皆QPとか自前で稼いでるイメージ……ところで、骨とか種が足りないんですが、どこを襲撃すればいいんでしょコレ。とりあえず宝物庫荒らしてきますね。


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年末のあの番組みたいなことってやってみたいよね(でも、無策なんでしょう?)

「さて……世間は今、マーリンピックアップで騒いでいますが、正直QPが無いので育成もなにもありません。という事で、年末に大イベントしたいんですが協力してくれるよね!?」

「話の関連性が全く見えんが、乗った!」

「とりあえず参加しますよ! 絶対面白そうですし!」

「もしかして、私は小道具担当かしら。まぁ、別に良いんですけどね」

 

 オオガミの何か企んでいるような言葉に、しかし楽しそうに笑うノッブとBB。メディアは小道具担当になるのを察し、早々に諦めていた。

 

「で、肝心の企画内容はなんじゃ? 年末という事は、何か考えておるんじゃろう?」

「もしかして、あれです? 年末恒例と言われていた、あの伝説の番組ですか!?」

「……儂、覚えがあるんじゃが。とりあえずハリセンでも用意しておくべきか」

「とにかく笑えるネタを用意すればいいんですよね! 任せてください!!」

「やだ……この二人、察しが良すぎるんだけど……」

 

 もはや何も言わずともやりそうな勢いの二人に、若干気圧されるオオガミ。

 彼女たちは一体どこへ向かうのか。そのうち漫才をやっていそうなので、この二人を見守っている方が面白いのではないだろうか。と一瞬思ってしまうのも、無理はないだろう。

 

「さて、詳細内容に移ろうではないかマスター。舞台はシミュレーターを使うのか?」

「そうだね……カルデアをそのまま使うわけにはいかないし、改造した後に直すのは中々骨が折れるみたいだしね」

「……おぅマスター。今一瞬儂らを見て苦笑いになったのはなんでじゃ? 確かに儂らは改造したあと直すのに苦労しておったけども!」

「完全に理由分かってるのに聞くのは一体どういうことなの!?」

「それはそれ、これはこれじゃ。儂らが別に何でも無さそうに言ってたらシミュレーター使わないつもりじゃったろ!!」

「なぜばれた……!! ノッブ……さては心を読んだな……!?」

「見ればわかるわ!! お主分かりやすいからな!!」

「そんなバカな……!!」

「センパイ、今更です」

「そんなわかりやすいか……!!」

 

 衝撃の事実と言わんがばかりの表情で驚くオオガミ。

 そう言うところだよ。と突っ込みたいノッブとBBだったが、あえてここは黙って置く。

 

「それで、ほとんど何も決まっていないみたいだけど、どうするの?」

「あぁ、そうそう。内容ね。実はそんなに考えてない!!」

「よしマスター。首を出せ。すっ飛ばしてやる」

「無策で突然イベントとか、無謀です。ぶっ飛ばしますよ?」

「二人が怖いよ!?」

「まぁ、冗談じゃが……それでどうするつもりだったんじゃよ……」

「えっと……お題箱を活用しようかと」

「それ、儂らを呼ぶ必要あったか……?」

「あるよ。三人は裏方部隊だし。仕掛けられる側は5人だけど、そのメンバーも決まってないから、先に必要な仕掛ける側だけは決めておこうかと。三人なら誰が相手でもやってくれそう」

「む……信頼されているなら応えるしかないな! 儂に任せよ!!」

「ノッブだけじゃなくて、BBちゃんにもお任せを!!」

「私、必要あるかしら……まぁ、頼まれたことはするわ」

「お願いね!! という事で、お題箱に書き足してくるね!!」

 

 そう言うと、オオガミは部屋を出て行くのだった。




 突発的に思いついちゃったんだから仕方ないです。
 あ、本当に募集はしますよ。こういうのをこの鯖がやってほしい的なのがあったら活動報告のお題箱にお願いします。新規に作るわけじゃないので、既存のお題箱を流用で。

 舞台も考えねば……安直にカルデアでいいのかな……?


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明日から交換開始……!!(QPが無いんだけどね)

「ついに明日よ、マスター。準備は良いわね? 具体的にはQPは万全よね? 種火は十分でしょう?」

「……えっと……」

「……ちょっと待ちなさい。その沈黙は何かしら。何? 何が足りないの? この数日の間に何をしたの? ふざけてるの?」

「いえ、あの、女神さま……あのですね? QPが大きく足りなくてですね……理由は主に貴女の妹様もちょっと絡んでいると言いますか、実際は玉藻とマーリンに放り込んだのが主な原因だったりと言いますか……」

 

 エウリュアレの殺意のこもった冷たい視線に気圧され、視線を逸らすオオガミ。

 

「ねぇ、すぐにレベルマスキルマするって言ってたわよね?」

「あれ……出来るならって言わなかったっけ……?」

「知らないわ。言おうと言わなかろうと、やるのよ」

「ちょっと本気で何言ってるかわからないです女神さま」

「私の視線から逃れられると思わないでよ? もう、ただ守られるだけの少女じゃなくなってしまった私は、知っての通り男性に対してはかなり凶悪よ?」

「マスター相手に宝具を放つ気ですよこの女神!! 怖い!!」

 

 男性に対し、魅了からの視線で確殺していく我らの女神さま。その脅威が明らかにオオガミに向いたのだが、彼自身は別段困ったように笑うだけで、本気で警戒してはいなかった。

 もちろん、最後には微笑んで許してくれるだろうという思いがあったからだろうが。

 

「全く……貴方は何時もそう。大体何かを忘れてるのよ。想定外が絡むと、すぐにそっちに流されるんだから。今回だって、主な原因はマーリンじゃない。彼を育てる前に、玉藻を育てておこうと思ったんでしょう?」

「そ、そうだけども……なんというか、見透かされてる感じが凄い……」

「当然。どれだけ一緒にいると思ってるのよ」

「そりゃ、絆レベルがMAXになるまで一緒にいたけどさぁ……」

「でしょ? どうしてそれでバレないと思うのかしら」

「……まぁ、そうだよねぇ……とりあえず、時間はかかるけどスキルマはするし、レベルマは明日中にするよ」

「……わかったわ、妥協してあげましょう。でも、全力でやりなさいよ? ボックスがまだ残ってるのは知ってるからね?」

「……ま、任せといて!」

「不安しかないわ……」

 

 実際に明日になって種火を使ってからQPは考えるしかない。宝物庫は荒らすとしても、しっかり溜まるかが分からないのだが、最終的にはスキルは上げるのでいいだろう。

 

「とりあえず、次のイベントか特異点発生までには何とかするよ」

「えぇ、頑張りなさい。今月中よ!」

「んな無茶な!? って、チケット盗られてる!?」

 

 拒否権は無く、エウリュアレはいつの間にか奪い取ったチケットを持って部屋を出て行ってしまう。

 数秒か固まった後、その後ろをオオガミは本気で追いかけるのだった。




 うちの女神さまは対男性最強……ロリメドゥーサも来て、後はステンノが来れば悩殺パーティーの完成だぁ!!

 さて、宝物庫荒らさなきゃ……


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ステンノ様のスキルが上がらないのぉぉ!!(いいから蛇の宝玉を集めに行くわよ!!)

「うわああぁぁぁぁぁ!! 下姉さまお許しください!! 上姉さまのスキルレベルが6,6,7で終わっちゃいましたぁぁぁぁ!!!」

「馬鹿言うんじゃないわよ!! 蛇の宝玉が足りないだけなら周回するわよ!!」

「うひゃあああぁぁぁ!! 女神さまがやる気だぁぁぁぁ!!!」

(エウリュアレ)は変わったわね。明るくなったみたい」

「お姉さまが来てからあんな感じですよ」

「そう……私も混ざって来ましょうか」

「……行ってらっしゃいませ」

「何言ってるの。貴女も行くのよ、メドゥーサ」

「えっ……?」

 

 本気で叫びつつ周回しに行くオオガミとエウリュアレ。ちなみに、エウリュアレは編成に入らずについて行っているだけである。

 そして、新たにやってきたステンノと、最近連れまわされ始めた槍メドゥーサは周回編成に入っており、後方で待機しているだけだ。

 エウリュアレと共にアガルタに突撃していくオオガミと、楽しそうについて行くステンノと引きずられるメドゥーサ。そんな4人を見ている人物たちがいるのだった。

 

「……何となく、儂は最近忘れられてる様な気がしてきた」

「余も同じ気分なのだが」

「吾はちょっと襲撃してくる」

「あっ!! (アタシ)も行きたい!!」

「エリザが行くなら儂らも行くか?」

「あまりマスターに負担をかけるのは良くないだろう。エリザも捕まえて引き留めるぞ」

「むぅ……相性不利なんじゃけどなぁ……」

 

 最近静かにしていたノッブ達は、珍しく休憩室で話していたのだった。

 当然、オオガミについて行こうとした茨木とエリザは全力で阻止され、引きずり戻されるのだった。

 

「ぐぬぬ……吾が捕まるとは……」

「まぁ、流石に銃弾の雨に晒されながらネロを避けるのは至極困難じゃろ」

「仕切り直しを使われたら少し厄介ではあったが、皇帝特権でゴリ押しすれば何とかなるか」

「というか、ネロもファンネルを使えばもっと楽になるかもしれんがな」

「アレはあくまでも夏仕様だ。一年中水着は流石に寒いであろう?」

「水着しか持ってない奴らにそれを言うのは酷というものじゃろ……」

 

 これからの季節、どんどん寒くなっていくので水着鯖にはなんとか温かくしてほしいものだ。

 と、そんなタイミングで休憩室に入ってくる人物が一人。

 

「やぁ、花のお兄さん事マーリンさんだ。皆元気かい?」

「……色濃いのが来たのぅ……」

「う、むぅ? どこかで見たような……うぅむ……なんというか、何となく殴ってみたいような気がしないでもない」

「おいマーリンとやら。とりあえず一発殴らせろ」

「怖い怖い。何ここ物騒なんだけど。どうして入って数秒で変な目で見られたと思ったら殴られることになってるのかなっ!?」

「当然、お主の人柄が原因じゃろ」

 

 ほぼ瞬間的に敵意をむき出しにするような態度を取られたマーリンは頬を引きつらせていた。

 なお、この二人はマーリンによる英雄作成による殲滅行為をまともに受けてしまった組と言うのがおおよその原因であろう。

 

「うぅむ……何かしたかなぁ……」

「まぁ、たまにそうやって荒ぶる時があるからな。諦めるが良い」

「なんてことだ。酷いね。僕は何も悪くないじゃないか」

「仕方あるまい。とりあえず、そこに座って諦めて殴られて置け」

「酷いね!? いや、中々理不尽だ」

 

 ノッブの言葉に困惑するマーリン。

 しかし、彼は逃げられる訳も無く、おとなしく座るのだった。




 忘れ去られかけていたノッブ達を再登場させてステンノ様のシーンをちょっと保留したんですが、このままいくとステンノとエウリュアレがほとんど同じようなキャラになる様な……?

 そして、エリちゃんの存在が薄れて行ったのは偶然ですね。仕方ないです。

 あ、ステンノは悲しい事に素材不足でスキルレベルが上がりませんでした(死に顔


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回れ回れ……イベントの気配!!(女神さま!! どうか、どうか強化猶予時間の延長を!!)

「撃ち落せぇぇぇ!!!」

「狙い打つ!!!」

 

 放たれる大砲とスナイパーライフル。

 圧倒的威力でラミア達を吹き飛ばし、宝玉を落とせと暴れるオオガミ率いるライダー軍。後衛待機しているゴルゴーン三姉妹(メドゥーサはランサーとする)は、ぼんやりとその様子を眺めている。

 当然の如く、そんなに多く集まるわけも無く、先ほどようやく第三スキルが上がったばかりだった。

 

「林檎食べちゃいなさいよ。ほら、早く」

「何言ってるんですか女神さま……イベント待ちに決まってるじゃないですか……」

「貴方の方が何言ってるのよ。(ステンノ)の為に頑張りなさい」

「えぇ……あと二日ですよ女神さま。どうかお許しくださいな」

 

 頬を膨らませつつ、文句を言うエウリュアレと、呆れた顔で答えるオオガミ。

 そんなやり取りに呆れた表情をするドレイクとメイドオルタ。楽しそうに見ているのはステンノとメドゥーサだった。

 

「それで、あと22個よ? 大丈夫なのかしら?」

「当然。きっと終わるよ」

「それ終わらない奴じゃない……」

「なにおぅ!? それが事実だったら、エウリュアレのスキルレベルとか、聖杯使ってレベル100とかしなかったよ!?」

「それはそれ、これはこれよ。実際、放置されてるのが何人かいるじゃない」

「それこそ、それはそれ、これはこれ、だよ。これは趣味だから。実戦を一切考えてない趣味パだから。だから、全力だから」

「何それ……いえ、まぁ、私たちはあんまり汎用性高くないけども……」

「だからこそだよ。男性絶対殺す女神様パーティーで、男性に対して絶対的攻撃力を持って完封勝利をするためだけのパーティーだよ!!」

「……そう、それはちょっと面白そうね。ていうか、そんな戦いの為だけに育ててたの?」

「……いや、別にそう言う理由だけではないんだけども」

 

 オオガミの何かを隠しているような言葉に、エウリュアレは首をかしげるも、何となく悪い気分ではないのでいいかと思うのだった。

 

「それで、予定としては次のイベントが終わるまでにスキルマなのかしら?」

「まぁねぇ……ついでにQPも増やせれば、ロドゥーサさんもスキルレベルを全部10に出来るんだけどねぇ……」

「えぇ、えぇ。(ステンノ)優先よ。当然じゃない」

「だよねぇ……まぁ、任せておいて。何とかしてみるよ」

「……えぇ、頑張りなさい。マスター」

 

 エウリュアレはそう言うと、ステンノたちの元へと歩いて行く。

 オオガミは息を吐き、前を向く。残るはエウリュアレの言う通り22個。それが終わればQPを回収し上げるのみである。

 

「よし、じゃあ二人とも、頼んだよ」

「無論だマスター。任せるといい」

「あぁ、任せな。一切合切奪い尽してあげるよ」

 

 三人はそう言うと、再びラミアへと向かっていくのだった。




 あ、集まらない……全然集まらない……イベントを……待つのです……

 あ。明日から諸事情で金曜日まで更新できるか怪しくなるので、最悪の場合投稿されません。出来れば途切れさせたくないんですけどね……限界まで頑張りますよ……


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蛇の宝玉をお恵みください!(アイドルにも無理なものはあるから!)

「エリちゃ~~ん!!」

「どわぁ!? な、何するのよ子犬!」

 

 突然背後から飛びつかれ、体勢を崩すエリザベート。

 

「素材を! 蛇の宝玉をください!」

「えぇ!? 蛇の宝玉って言われても……それ、ラミアの素材じゃない。どうして(アタシ)?」

「……ほら、イベントの主役だし」

「主役……良い響きね。でも、流石にラミアは無理よ。援護はしてあげるわ」

「え、エリちゃんが釣られない……!? おかしい……さては貴様、エリちゃんじゃないな!?」

「子犬の中の(アタシ)のイメージ! どうなのよそれ!!」

 

 主役と言われて目を輝かせて突撃するエリちゃんはもうおらず、自分と相手の相性を考えて辞退するという驚愕の事実。

 オオガミはその事実に、じりじりと後退りをし、走り去る。

 

「ちょっ! 待ちなさいよ!」

「嫌ですぅ!! 主役の座を諦めたようなアイドルとか知らない~!」

「ちょ、酷いわね! 主役を諦めたとか誰が言ったのよ!! 待ち、待てって言ってるでしょ!?」

「待てと言われて待つのは訓練された犬か令呪を使われたサーヴァントくらいだよ!!」

 

 颯爽と逃げ去るオオガミを追いかけるエリザベート。

 しかし、当然サーヴァントから普通に逃げられるはずもなく、距離はどんどん縮まっていく。

 

「もう、少しでぇ……!」

「ちょ、どうして本気で追いかけてくるかな!? そもそも俺は何も悪いことしてないよ!!」

「主役を諦めたアイドルとか言ったからよ! 後悔させてあげるわ!!」

「こ、怖い怖い怖い! アイドルの顔じゃないから絶対! ホラーに出演出来るよ!!」

「どうして歌って踊るアイドルにホラーなの!?」

「似合いそうだし!」

「そんな理由で!?」

 

 そうエリザベートが叫び、直後強く大地を踏みしめオオガミに飛びかかり、捕獲する。

 その後オオガミの上に乗り掛かり、ドヤ顔でオオガミを見下ろす。

 

「ふふふ……あははは!! どうしてくれようかしら! 全く、突然飛びかかってきたと思ったら(アタシ)だけなんか酷いこと言われたし! とりあえずイタズラさせてもらおうかしら!」

「いやぁぁ!! やめてぇ! エリちゃんに殺されるぅ!」

「殺しはしないわよ! 人聞きの悪いことを言わないで!?」

「じゃあ何をする気さ!!」

「えっ……? それは……その……そういえば、何をしようかしら」

「何も考えてないなこのダメアイドル!」

「ダメアイドルって何よ! あ、そうだ! イタズラすると評価が下がるかもしれないし、ここはもてなしてあげるわ。(アタシ)の手料理と特別ライブでね!」

「えっ……」

 

 瞬時に生命の危険を感じたオオガミ。しかし、しっかりと押さえ付けられているらしく、逃げられない。

 

「ステージはそうね、シミュレータでどうにかするとして、料理はキッチンを借りて頑張るわよぉ! ってことで、待ってなさい、子犬!」

「えっ! やだ!」

「じゃあ、無理矢理連れていくわ。観念しなさい!」

「や、やめろぉぉ!!」

 

 オオガミの叫びは虚しく、エリザベートに引きずられていくのだった。




 うちのエリちゃんが大人しくなった……これはどっかで爆発する……? 大人になった可能性も……無いですねこれは。

 投稿できなくなるかもと言っておきながらむしろ投稿が一日早くなるという謎。ビックリですよこれ。
 しかし明日も続くかわからないという。
 ストックは作成スタイル的に無理そうなので、当日どうなるかって感じですね。

 明日も投稿できると信じて!


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ハロウィン・カムバック! 超極☆大かぼちゃ村 ~そして冒険へ……~
勇者エリちゃんの冒険(とりあえず銀のズタ袋優先かな?)


「ふはは! 拾ったドラゴン娘(勇者)が可愛いから育てるぞい!」

「やったわ! メンバーも豊富だし、(アタシ)の活躍の場はあるし! 完璧ね!」

「種火は無いけどね!」

「えぇ!?」

 

 当然のごとく、種火は余っているわけがなかった。

 悲しいが、ここは諦めてもらうしかないのだ。

 

「ど、どうして無いの!?」

「それはその、ステンノ様とか、メドゥーサ様とか、ついでとばかりにホームズに注ぎ込んでレベルマしたといいますか……」

「バカ!! どうして(アタシ)の分を取っておいてくれなかったのよぉ!!」

「それは、その……どのタイミングで来るかは分からなかったし、何よりキャンペーン期間が過ぎちゃうからね!」

「ひ、酷い!! そこは(アタシ)の登場を今か今かと待つものでしょう!?」

「ほら、エリちゃんはそこにいるだけでも輝いてるし。種火無くても大丈夫だよ!」

「説得力が無いわ!!」

 

 実際に無理矢理編成に組み込んでいるのだが、どうも納得がいかないらしい。

 

「あれだよ。種火はエリちゃんがくれれば良いんだよ」

「はっ! それもそうね!! じゃあ、頑張って銅のズタ袋を集めてちょうだい。流石の(アタシ)も、冒険者組合に逆らうことはできないの……」

「まさか、このエリちゃんが恐れる場所があるだなんて……冒険者組合恐るべし……」

 

 本気で期待していたわけではなかったが、エリザベートの苦い表情を見て、思わずそんなことを呟いてしまうオオガミ。

 

「うぅむ……でもまぁ、ランエリにはお世話になったから勇者エリちゃんも育成したいんだよねぇ……」

「じゃあじゃあ、種火はくれるのね!?」

「そりゃもちろん。とはいっても、時間はかかるんだけどね」

「そ、そんなぁ……! どうにか早く出来ないの!?」

「出来ないね。最悪エリちゃんが活躍出来るのは月越えた後かと」

「10月ってこと!? そ、そんなにかかるの!?」

「昔と比べたら十分早いんだけどねぇ……まぁ、時間はかかるものだよ。セイバーも充実してるしね」

「そこはほら! セイバーの中でも輝ける(アタシ)を育てても損はないはずよ!」

「ん~……まぁ、頑張ってみるよ。ステンノのスキルマを目指す間で何とかするよ」

「それでもステンノが先なのね……良いわ。(アタシ)は勇者。勇者エリザベート・バートリーよ。勝機を見出だす為の時間は惜しまないわ!」

「……活躍する場を逃す可能性があるけど、なんとかなるはず……」

 

 ドヤ顔で尻尾を揺らしているエリザベートを見て、本当に大丈夫が不安になるが、なんとかなるだろうと思うオオガミだった。

 

 エリちゃんの冒険はこれからだっ!




 ようやくイベントが始まり、蛇の宝玉を集めつつ種火も求めなくてはいけないという戦い。

 あの魔◯村っぽいマップは個人的にとても好きですよ。はい。

 さてさて。明日から周回の日々だっ!


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勇者と極寒周回(銅のズタ袋の効率は、現状ここが最高だと思うんですけど)

「雪原だよ! 寒いねエリちゃん!」

「分かっててやってるわよね! (アタシ)が一番薄着なのよ!?」

「エリザよ。流石の余も、この極寒で水着はどうかと思うのだが……」

「いやいや。これはあれっしょ。ビキニアーマーってやつ? っていうか、その装備は勇者よりも女戦士って感じじゃん?」

 

 何故か極寒と言いながらも楽しそうなオオガミに、何度も周回していることで体力を削られ続けているエリザベートが怒る。

 ネロはそんなエリザベートの服装を見て何とも言えないような表情をしながら指摘し、鈴鹿は笑いながらそんなことを言う。

 

「違うわよ鈴鹿。これは女戦士じゃなくって勇者よ。(アタシ)はまだ進化を残しているわ! それに、(アタシ)が勇者って思ってるんだから、勇者なの。いい?」

「まぁ、エリザがそう思ってるならそれで良いんだけど。女戦士装備の勇者いたっておかしくないしね」

「う、む……いやしかし、やはり薄着過ぎるような……奏者(マスター)よ。何か上から着れるものか、羽織れるものはないのか?」

「う~ん、そうだなぁ……とりあえず、休憩のために洞窟まで戻る感じで」

「ちょっと、それは解決になってないわよ」

「くそぅ……やはりこの程度じゃこのエリちゃんは騙せないか……」

 

 どのエリザベートでも騙せるわけではない。このエリザベートは、騙されていることに気付けるようだった。

 

「とはいっても、悲しいことに今あるのは魔術礼装くらいなんだよね……着てみる?」

「うぅ……今よりマシになるなら、それでも良いわ……頂戴?」

「はいはい。全く、そんな薄着になるからだよ。ランエリならもっと暖かかったでしょうに」

「そ、それはそれ、これはこれなのよ……! 勇者として名が売れれば、ライブに来てくれる人も増えるって、算段よ」

「む。やはり余のライバル……面白いことを思い付くではないか。ならば、余も対抗して何かを成さねばならぬな」

「何言ってるんですかネロ様。この前大運動会したばかりでしょう?」

「それはそれ、これはこれ。というものだ奏者(マスター)よ。名が売れれば観客は来てくれるからな。自然と注目も集まるものだ。客が客を増やし、雪だるま式で会場が観客で埋まることも夢ではないな!!」

「えぇそうよ! そして、その時こそ! (アタシ)と貴方。どちらが観客を魅了できたかを競うのよ!」

 

 ガシッ! とお互いの手を取り合うネロとエリザベート。

 それを見ていたオオガミは苦笑いをし、鈴鹿は戦慄の表情で、

 

「ねぇ、私の記憶だと、あの二人の歌って、かなりヤバかった気がするんだけど……」

「ハハハ……いや、これは中々不味いかもしれない……? あれ、いつものことかな……?」

 

 冷静に考えると、これまでも何度かライブが開催されているような気がするので、今更と言えなくもなく、実際にやったときはその場に居合わせた全員が倒れ伏すだけだったので問題はないかもしれない。

 幸い死者はいないのだ。せめて物が壊れても良いようにシミュレーションエリアでライブをやって貰うのが一番だろう。

 

 なので、オオガミは止めるように説得しようとは思わないのだった。




 しかし、未だに種火は交換されていないのである。

 とりあえず礼装を揃えないといけないと思い、周回している私ですよ。くそぅ……ドロップ礼装が足りないぜ……!!


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デーモンキラー呼んで周回だね(心臓ごと斬りつぶさないで……)

「とりあえず城前でラミアを叩き潰さなければ……」

「え? 何々? ちょっと、子犬の目が怖いんだけど」

「主殿主殿!! 私も戦って大丈夫なんですか!?」

「頼むよ、デーモンスレイヤー牛若丸」

「お任せください!! しっかりと首を狩って参ります!!」

 

 嬉々として飛び出していく牛若丸を見て、流石のエリザベートも口をポカンと開けて見ていた。

 

「ねぇ、アレっていつもあんな感じだっけ?」

「楽しそうだよねぇ……本当に」

「首狩りに行くのに楽しそうなのってどうなのかしら!!」

拷問姫(アイドル)に言われるのはどうかと思うな!!」

「なによぉ!! (アタシ)とアレは明らかに違うじゃない!!」

「まぁ、悪意が全くない点を見るに、あっちの方が恐ろしいというかなんというか……」

 

 無邪気に首を狩り続ける牛若丸。デーモンを牛若丸に一撃で倒してもらい、次の戦いをドレイク船長とメイドオルタで殲滅していくオオガミ。

 牛若丸が楽しそうに殲滅していくので、別にいいかと思うのだった。

 

「で、時々心臓を持ってくるけど、アレはどうするの?」

「倉庫で保管だよ、当然。とりあえず、そろそろAPも無くなるから休憩で。三姉妹の元へ遊びに行くぞぅ!」

「行かせないわよ。ちゃんと周回しましょうよ」

「……ま、まだ時期じゃない……!! 時期じゃないんだ……!!」

「そんなぁ……まーわーりーまーしょーうーよー!!」

 

 オオガミの服を引っ張り、周回させようとしているエリザベート。

 当然、その間にも牛若丸がデーモンの首を狩り、心臓をえぐり取りに行く。まぁ、ここまで全て一緒にぶった切っているので、そもそも倉庫に入らなかったりしている。

 

「それにほら、宝玉も必要なんでしょ!?」

「必要だけども、そこまで急ぎでもないし……」

「エウリュアレがまた何か言ってくるわよ!!」

「そ、それを言われると困るんだけど……」

「じゃ、じゃあいけるわよね!!」

「行かないですってば。明日から本気出すよ」

「本気出さない奴!! それ、本気出さない奴!!」

 

 オオガミの言葉にエリザベートが本気で突っ込むが、実際、報酬が銀リンゴで推奨レベルが60という事は、この上があるのは間違いないのだった。

 

「ほら、そんなことやってないで、一回休憩して、明日からやろうよ」

「うぅ……そんなこと言われてもぉ……私が成長できないじゃない!!」

「いや、頑張るから。種火は回すから」

「再臨素材、取ってないじゃない」

「それを言われると……」

 

 流石にそれを言われるとどうしようもないのだが、今からどうする事も出来ないので、やはり明日に回すのだった。

 

「という事で、一時解散! お疲れ様!」

「あっ! ちょっと!! 酷いわよ!!」




 考えて見たら、確かに報酬と推奨レベル的に増えるのが想像できるはずなのに、どうしてリンゴを食べてしまったんだ私は……


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よくよく見ると、素材だけじゃなくてQPもないんだけど(意識してないけど、レベル上げで消費するQPもバカにならないよね)

「あぁ……ついに気付いてしまった……そろそろ訪れる、地獄の時間……!!」

「宝玉が後少しで溜まるのに、QP枯渇しそうなのよね。分かるわその気持ち……諦めて周回しましょうよ」

 

 QP枯渇によるスキル上げ停止。素材不足並みの大打撃である。

 そんなオオガミを見て慰めに行くエリザベートは、しかし次の一言で一瞬硬直する。

 

「うわぁぁぁ!! エリちゃんに慰められたぁぁ!!」

「……ちょっと!! それはどういう意味よ!! 人がせっかく優しくしたっていうのに!!」

「だって……エリちゃんがそっちサイドに行っちゃったら、誰が弄られ役――――残念担当(カルデアのドラゴン系アイドル)をやるっていうんだよ!!」

(アタシ)をなんだと思ってるの!? というか、子犬の中のアイドルって一体どんななの!?」

「えっ……ネロとエリちゃん……?」

「さっきの言葉の後だと悪意しか見えないんだけど!?」

 

 一体どういう意味で言っているのか。皆目見当がつかない一言である。

 ちなみに、エリザベートがドラゴン系アイドルならば、ネロは皇帝系アイドルだろう。というのはオオガミの談。この二人に付け足すものがあるとすれば、『デスボイス(比喩ではない)』だと、彼は後に語るのだった。

 

「悪意なんてないよ。真剣かつ全力だよ。エリちゃんはキュートでドラゴンな勇者系デスボイスアイドルでしょ?」

「ちょっと待って。デスボイスって何? デスボイスって何!?」

「えっ、何それ。言った記憶はないよ?」

「自然に! 無意識に!? 出ていたっていうの!?」

 

 なぜか驚きと悲しみの同時攻撃をくらったような表情をするエリザベート。

 しかし、ここで重要な事を思い出したオオガミは、はたしてどうしようかと考える。

 当然、急にそんな態度になったオオガミを見て、エリザベートは困惑する。

 

「ど、どうしたの? もしかして、やっぱりデスボイスって言ったのを認めて謝るの?」

「その話は置いておいて、今から何とかしないと、定期で回ってくるエウリュアレに怒られる……!!」

「ねぇ、子犬? やっぱり(アタシ)、存在薄くない? 明らかに途中から関わりたくないってオーラ出してるわよね?」

「おっとエリちゃん、それ以上はいけない。というか、本気でそう思ってるならわざわざライブ準備したりしないし、再臨素材も取らないし、種火を渡して育てようとか思わないから。ただ、それはそれとして、聖杯使ってレベル100且つスキルマ絆マしてしまった彼女に逆らえるわけないんだよ。というか、絆マしてもあんまり態度変わらないってどういうことなのさ。容赦なく殴られるようになったというか、小突かれるというか!」

「それは、まぁ……仕方ないんじゃないかしら。エウリュアレにも色々あるんだろうし。とりあえず、QP集めましょうよ。子犬に死なれたら、(アタシ)だって困るし」

「うぅ……中々にスリル満点で、うっかりしたら殺されそうな感じだよ……とりあえず周回しよう、周回。根本的に素材も溜まってないしね」

「そうね。じゃあ、レッツゴー!!」

 

 エリザベートの掛け声と共に、再び彼らは周回を始めるのだった。




 アイドルは残念担当という偏見。なお、うちのカルデア限定の模様。

 ゴルゴーン三姉妹は偶像であって、アイドルとは違うので! キュートでデンジャラスなビューティフルボイス悩殺系女神なだけですから!!


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マスターの誕生日なの?そう、祝わなくてはね(時間稼ぎはイシュタルと世界旅行って事で)

「マスター。今日は貴方の誕生日なのでしょう? おめでとう。これからもよろしくね?」

「ありがとう――――って……突然どうしたのエウリュアレ……何か変なモノでも食べた?」

「拾い食いなんてしないわよ。私はノッブじゃないのよ?」

「おい待て。儂ならするとか言う変な噂をでっち上げるのは止めてもらおうか! あ、おめでとうじゃ。マスター」

「えっ……ノッブならするんじゃないのかしら?」

「完全にそうだと思っていたと言わんがばかりの表情はどうかと思うんじゃが!!」

 

 本日誕生日のオオガミ。ただ、本人は気付いていないようで、突然優しくなったようなエウリュアレに心配の声をかけ、それに対して思わずエウリュアレが軽く蹴ったのは当然の反応だろう。

 その時になぜか巻き込まれたノッブは、その発言に対して突っ込みを入れる。

 

「誕生日、おめでとうございます、マスター。先ほどイシュタルさんが探していたようですが、もう会いました?」

「イシュタルが? な、何だろう……不安しかないんだけど……」

「なんでも、世界旅行が何とか。『急がなくちゃ日を跨いじゃう』と言ってました。急いだ方が良いのでは?」

「世界旅行……? ま、マジですか……二人で? えっ、行くの……?」

 

 ステンノに言われ、全力で探しているイシュタルが思い浮かび、とりあえず見つかったら連れて行かれるな。と確信したため、最後にしようと決める。

 

「まぁ、行くときはエウリュアレも連れて行くとして、どうしようか……食堂に行ってみようか……」

「今はちょっとやめた方が良いんじゃないかしら。今すぐイシュタルの所に行って、世界旅行してくるべきよ」

「そう? じゃあ、エウリュアレも一緒に探しに行くよ」

「えっ、私も? 本気で言っているのかしら? いやよ、私は。というか、スクーターでしょ? 三人乗りで飛べるの?」

「それは――――ほら、イシュタルなら何とかしてくれるよ」

 

 完全に他人任せだが、本当にやらせそうで怖いのがオオガミと言う人物である。

 今のうちに隠れておくのが得策だと思いつつも、とりあえずイシュタルに会わせようとし――――

 

「いたーーーー!!! ちょっと、今までどこにいたのよ! ずっと探してたっていうのに……!! そんなことはいいわ。今すぐヘルメット被って、行くわよ世界旅行! 夕食までには戻るんだから急いで!!」

「ぐえっ! ちょ、どうしてそんな急に!? って、メドゥーサどうしてそんな――――うわぁ!?」

「誕生日おめでとうございますマスター。それと、世界旅行、行ってらっしゃいませ」

 

 突然開かれた扉。その先にいたのはイシュタルと、なぜか抱えられていたロリメドゥーサ。そんなメドゥーサを心配しようとした直後連れ去られるオオガミ。

 メドゥーサはそんな状況に驚きもせず、普通の様に挨拶をし、自然に手を振って世界旅行に送り出すメドゥーサ。ノッブの陰に隠れていたエウリュアレは連れ去られる事は無かった。

 

「いやぁ……中々豪快じゃのぅ、っと。とりあえず、イシュタルが時間を稼いでくれとる間に、儂らは準備をするかの」

「えぇ、そうね。あのくらいの勢いが無かったら、私もきっと今頃一緒に旅行していたのよね……」

「そうしたら、(エウリュアレ)の分も、頑張ったわ」

「止めてよ(ステンノ)。私だって準備をしたいわ。楽しみだもの、誰かの誕生を祝うなんて」

「姉さま。私も頑張りますね」

「期待してるわ。メドゥーサ」

「よろしくね。メドゥーサ」

 

 そう言って、四人は食堂へと向かうのだった。




 誕生日ボイス追加にふと気づいたのが午後の事。冷静に考えたら誕生日だった件。
 帰って来た後の話は各自の脳内で!

 あ、縛りクエストは何とか溶岩地帯まで終わりましたよ。今回思ったのは、ホームズパネェって事ですね。強いぜ全く。


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やっぱりゴルゴーン三姉妹は最強