ハーマイオニーと天才の魔法式 (藍多)
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〇登場人物紹介+設定等

投稿している本編までの登場人物の紹介や設定集です。メモみたいなものなんで変更することは多々あると思います。
投稿時点までのネタバレがあるので最新話まで読んでから見てください。
未完成なんで所々抜けたり本編と違っているかも。
暇なときに更新していきます。







〇主人公 レナード・テイラー 愛称レオ
外観は平均平凡で父親譲りの金髪
家族構成は父母と一人息子のレオの三人家族。祖父母は全員他界。
『眼』:魔力・魔法の流れ(式)が見ることで解析・模倣・応用が可能。 
魔力量は常人の十倍ほど(父親譲り)
功績(入学前):改良脱狼薬 ポリジュース薬改良(効果時間、味改良) 以上2点よりスネイプと旧知の仲
呪文の改良・効率化、服従の呪文の特定、吸魂鬼完全除去魔法(そのほかの魔法にも応用)
所属寮 一応レイブンクロー 研究したいため特別待遇により自室兼用研究室
装備 ①杖…自作 本編未登場の為詳細はそのうち
②指輪…ソロモンの指輪にちなんで10個

・反射…魔法の進行する向きを逆方向に変換する障壁を体の周りに発生させる。障壁に接触した魔法的な力の向きが真逆になる。物理的な力には無力。魔法で間接的に飛ばした物体等は防げない。

・吸収…これまたそのままの効果。放たれた魔法を吸収する。効果範囲は『反射』より小さい。なので装着者の近く以外の魔法には効果がない。吸収上限はあるがそれはあくまで個別の魔法の強さの吸収限界なので生徒レベルが武装解除や麻痺などの弱めの呪文をいくら放っても突破は無理。個人の力量を上げるか、悪霊の火や死の呪文などの上位魔法を使わないと突破できない。突破してもある程度は吸収されるので威力減衰効果もある。

・遮断…魔力を遮断する空間層を生成する。層の厚さは使用魔力で決定。この空間では魔力が急速消失していくため、範囲内の魔法は徐々に威力・速度が低下していく。装着者の使用魔法にも影響があるため使いどころが難しい。若干の物理的な壁にもなるが強い衝撃には耐えられない。最大の性能は精神に作用する効果の遮断。開心術や吸魂鬼の効果も遮断する。

・守護…物理保護がメイン機能。最低値でも拳銃程度なら防御可能。こちらも使用魔力量に比例して強くなる。守護の呪文と同等機能も搭載。この場合MAXまで魔力を使うとプロテゴ・マキシマになる。

・治癒…これも名前のまんまの効果。怪我の治癒、解毒、解呪を行う。治癒は自身の治癒力を高めるだけなので骨折ぐらいなら効果があるが、四肢欠損などには効果なし。解毒や解呪も限度があり強すぎる毒や呪いには効果が薄い。但し一度受けた毒・呪いはデータとして残るのでどんどん対抗できるようになる。

・貯蔵…吸収で防いだ魔法を貯蔵する。貯蔵の状態は魔法そのまま、あるいは魔力に還元して貯める。魔法はそのまま自分のものとして使うこともできるし、魔力は指輪の動力にも使用する。別に吸収で防いだ魔法以外でも自分でストックの貯蔵可能。

・増強…身体機能強化。使用魔力量に比例して強くなる。身体能力以外も五感も強化可能。単純なので魔力効率が良いという利点もある。

・聡明…思考速度の高速化。魔法の発動はイメージが重要であると本作では設定しているので、思考の高速化は魔法の発動速度に直結する。それ以外にも最適な行動や魔法の選択。『増強』で視力、反射神経を強化して『聡明』も使えば防御が無い場合の回避に使用できる。奥の手で分割思考をすることで同時に複数の魔法も発動可能。ただし負荷もかかる。

・本編未登場…

・本編未登場…

通常時は防御系の指輪のどれかを起動させている。指輪への魔力配分は状況によって使い分けている。
指輪を装備したら誰でも強くなれるわけでは無い。使いこなすにはそれなりに性能を熟知しなくてはならず、使用魔力も相当なものである。
アースキン譲りの魔力量があるレオだからできている。


〇クー
単細胞生物+賢者の石+ドラゴン+バジリスク+ハーマイオニーDNA+魔法薬で作成した群体型人造魔法生物。
全体的に白い外見に緑の目。
レオのことは創造主として絶対の存在としている。
ハーマイオニーは自分と近しい存在として母と認識。
基本知りたがりで知識を得ることに快感を覚えている。
三形態存在しているが不定形なのであまり形に意味はない。やろうと思えばどんな姿にも変化可能。
形態変化しても記憶は引き継いでいるが形態によって性格が別物となるので別人格と言ってもいい。
形態ごとに体積が違う=細胞数が違うため群体で一つの意識を造っているクーには影響が出る。
・少女形態…10歳未満の少女型。天真爛漫で知りたがりの側面が強い。一人称、わたし レオ、ご主人 ハーマイオニー、ママと呼ぶ。
・メイド形態…15歳程度の少女型。奉仕するにはメイドが良いと間違った知識を得たのでこんなことに。一人称、わたくし レオ、レナード様 ハーマイオニー、お母様と呼ぶ。
・戦闘形態…大人の外見。ドラゴンとバジリスクの鱗から造った黒色の鎧を纏う。伸縮自在の髪や全身から触手を出して攻撃する。魔法、ドラゴンの炎、バジリスクの毒と目を使い、命の水で回復し、殺しきるには細胞の全てを防御と回復を突破して消すしかない。無理ゲーである。一人称、私 レオ、マスター ハーマイオニー、母上と呼ぶ。
他の生物や魔法薬などでバージョンアップ可能ではあるが現状だけでかなりのバランスブレイカー。


〇ハーマイオニー・グレンジャー
主人公と入学前に友人になり、入学案内届後に魔法使いであると知る。入学前に主人公に魔法の手引きをされてその後も能力UP中。
レオがいたので原作三人組にはならないが別に仲が悪いわけでは無い。
バジリスクから助けられた後にレオへの恋心自覚。現在アタック中(テイラー家、グレンジャー家のバックアップあり)
それに伴い外見も出っ歯を治して、髪も整えるので美少女チェンジ。ファンクラブも作成されている。(本人たちは知らない)
三巻で娘までできてしまうがレオとは付き合っていない。周囲はそれを知ると驚愕する。
現在のレベルはホグワーツ教師に匹敵するほどまで強化されている。
四巻は色々イベントがある予定。


〇ホグワーツ生徒
・ハリー・ポッター
原作主人公。特に変更はなし
主人公は生き残った理由を知りたい→一目見て護りの魔法と確信
それ以降は特段興味なし。ハグリッドの一件以来敵視されるがジニーを救出したことでそこまで敵視されなくなった。
主人公の活躍のせいで原作出番がなくなった作者の被害者その一。

・ロン・ウィーズリー
面倒くさいグリフィンドール生代表。
主人公は特に眼中になし ロンの印象は頭でっかちのインテリ野郎→一方的なライバル視
ジニーを助けてくれたので一応は恩を感じている。素直に感謝できないが。
美少女化したハーマイオニーに一目惚れするが5分と持たず失恋。
今作での作者による被害者その二にして筆頭。

・ドラコ・マルフォイ
主人公からこちらも眼中になし。
ハーマイオニーへのー穢れた血発言で首が飛ぶ。
混血(穢れた血入り)のくせに→関わりたくない→逃げるフォイな感じで基本的に避けるように。

・その他生徒
基本的に名有キャラでもモブ。
レオの勉強会のおかげで参加してないスリザリン以外は全員レベルUPしている。

〇ホグワーツ教職員
・アルバス・ダンブルドア
腹黒爺 主人公は功績は素晴らしいと思っているがそれ以外の部分はあまり気にしてない。
ダンブルドアからはその能力と知識をハリーの役に立てると考え、自陣営に引き入れようとする、うまくいってるとは言えないが。
下手をすると闇の陣営になってしまうかと必要以上に警戒する場面も。
予言関係から極力邪魔はしない方針になっている。

・ミネルバ・マクゴナガル
厳しくも優しい良い先生、変身術について話が弾む
マクゴナガルからは非常に優秀な生徒だが癖が強いとの認識(寮対抗、規則に無頓着なため)
ダンブルドアが関心(警戒)を持ちすぎではないかと感じている。

・セブルス・スネイプ
主人公からは魔法薬学で話が合う貴重な人、技術と知識にはかなりのものであるとお互い好意的。
ハリーに対する態度は寮が違うため目にしていないため、何かあったのかな、といった感じ。
主人公の両親は先輩にあたり、また憎い眼鏡を吹き飛ばしていたので密かに尊敬してた。
スネイプからは若いのに素晴らしい知識を持っているし話も合うので、年の離れた弟または友人と密かに感じている。

・フィリウス・フリットウィック
呪文の開発について一緒に研究し互いにアドバイスしている。休日には一緒にお茶をする中。
孫のように思っている、寮内にいないため特に気にしている。

・ルビウス・ハグリッド
特に意識はしていないが、ドラゴン騒動の時に告発ホグワーツから追放。
現在アズカバンに投獄中。よってスクリュートなんて存在はいない。
投獄期間は5年なので巨人族へのアプローチに影響あるかも。

・シビル・トレローニー
自室にこもっているため面識はなし→授業内容がひどいので授業放棄する。
ダンブルドアの前で主人公に対する予言をしている。
この予言のせいでダンブルドアは主人公を警戒するようになる。

・マダム・ポンフリー
効果的な薬を考案しているためお気に入りの生徒。でも騒がしいなら問答無用で追い出すのは変わらず。保健室最強。

・アーガス・フィルチ
双子の協力者ではないかと危険視している(第六感で)。二年目の免除課題では泣いて止めてくれとまで言われてたのかも。

・ピーブス
今のところ出番なし。
研究室を荒らしたら実験体にされるor消滅すると本能で察知。決して近づかないようになる。

その他教員
特に変化なし

〇魔法族
・テイラー家
テイラー家は歴史だけは長い魔法使いの家系。マグルの血も拒否せず受け入れている。ゆえに純血主義からは嫌われている。
レオの父、アースキンから何かがおかしくなる。

・アースキン・テイラー
主人公の父親。愛が深い闇祓い副局長。
昔は息子に稽古をつけたがっていたが、これが原因で主人公が過剰な装備をすることになる。
魔力バカ、膨大な魔力にものを言わせ無詠唱で呪文マシンガン状態。主人公にも魔力量は遺伝した。
学生時代はレイブンクロー所属でいたずら仕掛け人の二つ上。脳筋と言われているが頭が悪いわけでは無い。
バカ四人組のターゲットになっていた後の妻を助けたことがきっかけで交際→ゴールイン。
ジェームズ達は嫌いじゃないがフェリスがターゲットになっていた場合、鬼の様に怒り吹き飛ばしていた。そのためいまだに恐れられている。

・フェリス・テイラー
主人公の母親。基本的におおらか、ポヤポヤしている。
家事全般は出来るがたまにとんでもない料理が錬成されることが有る。
息子とハーマイオニーの恋愛は全力応援中。
ハッフルパフ所属で夫と同学年。成績最下位でよくいじめられていたがバカ四人組にいたずらされていたところをアースキンに助けられて、強くなることを決心。
身体能力向上の魔法と武術を身に付け四人組を撃退する。その光景は今でも伝説として語られる。得た称号は史上最強のいじめられっ子。本人は不服だったが。
息子にもたまに武術や体の動かし方を教えていた。


・ウィーズリー家
アーサー…アースキンとは同僚の為親しい。基本的に好意的
モリー…息子の同級生、勉強ができるので爪の垢を煎じて飲めばいいのに(双子との仲は知らない)
ビル…本編未登場。接点は過去にあり。
チャーリー…接点なし
パーシー…自分より年下なのに勉強もできて勲章をもらっているため若干嫉妬。
双子…悪戯の発想(柔軟な思考)に好感、自分の実験成果の発揮に利用している、ギブアンドテイクの関係
ジニー…頭のいい上級生、ロンの話はほとんど聞いていない。助けてもらったことで感謝している。


〇闇陣営 基本的に原作同様
・ヴォルデモート
御辞儀様としては『眼』に興味があり、その力を自分のものにしたいと考えているが最悪殺してもよいとは考えている
現在復活待ち。

・ルシウス・マルフォイ
死喰い人時代にさんざんアースキンの恐怖を味わったためテイラー家には近づきたくもない。
だけど御辞儀が復活したらアースキンと敵対しなくちゃならない。
もし御辞儀が復活したらストレスが凄そう。


〇オリジナル呪文
随時更新していきます。

〇ちょっとしたメモ
・授業組み合わせ
変身術 個別
呪文学 グリフィンドールとハッフルパフ レイブンクローとスリザリン
魔法薬学 グリフィンドールとスリザリン レイブンクローとハッフルパフ
薬草学 グリフィンドールとハッフルパフ レイブンクローとスリザリン
闇の魔術に対する防衛術 個別
魔法史 グリフィンドールとレイブンクロー スリザリンとハッフルパフ
魔法生物飼育学 グリフィンドールとスリザリン レイブンクローとハッフルパフ

・強さ順位(暫定)
クー>完全装備レオ>校長≧御辞儀>アースキン>教師=上位死喰い人(ベラトリックスなど)=レオ≧ハーマイオニー>死喰い人=闇払い>セドリック>大人>一般的生徒な感じで。
裏設定ではクーを倒せる登場人物がいますがあり得ないIFのキャラですね。

こちらも随時更新していく予定。


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序章 1.魔法に魅せられて

初めまして。
色々なハリーポッターの二次創作を読んでいたら自分の妄想を書いてみたくなりました。
文章を書くのは初めてなので問題だらけですが、完走目指して少しずつでも進めていきたいです。

それではよろしくお願いします。


魔法。それは魔力、呪文を用いて様々な現象を引き起こす。
魔法界に暮らす魔法使いにとっては生活の一部、あって当たり前のものである。
幼いころから魔法に触れ、学び、使い、助けられ、時には傷つけ、傷つけられる。魔法使いにとっては魔法とはそのような便利な力であった。

しかし、レナード・テイラーにとってはその認識は違った。
物心ついたころからレナードの「眼」には魔法が色の付いた数式のように見えていた。
色や式の種類、組み合わせによってどのような効果が現れるのかを認識することができたのだ。

高度な魔法ほど複雑な式で構成され色鮮やかで美しかった。
レナードはその美しさに魅せられた。

「より美しい式を見たい! 造りたい!」

幼いころにそう思い立ってからは魔法や魔法薬などの研究に没頭する毎日であった。
両親は最初のうちは子供の遊びだろうと微笑ましく感じていたが、次から次へと呪文についての欠点や効果についての改善等を的確に指摘するようになってからは両親も息子の力は本物であると認識せざるを得なくなった。

「レオは必ず偉大な魔法使いになるわ。」
「そうだな。この子の才能は類を見ないものだろうな。親である俺たちはこの子が道を間違えないようしっかりと導いていこう。」

そして数年が経過するころにはレナード・テイラーの名は魔法界で知らぬ者がいないほどになっていた。様々な魔法薬の開発・改良、魔法の効率化、新魔法の開発、どの分野でもその「眼」を活用して今までの常識を覆すことをしてきたのである。

そんなレナードであるが、世間からの目などは意にも介さず、ただひたすらに「より美しい式」それのみを追求していただけであった。



1991年7月某日
イギリス ロンドン郊外にある一軒家
ただの一軒家に見えるそれはマグルのからは認識阻害された家であった。
一羽のフクロウが郵便受けに一つの封筒を届け飛び去って行った。それを女性が受け取り礼を言って家の中へ戻っていった。
女性、フェリス・テイラーは封筒の宛名とどこからのものかを確認すると目を輝かせた。

「レオ~ホグワーツから入学案内が届きましたよ。」

アースキン・テイラーがリビングで新聞を読みながら感慨深く呟いた。

「レオももうそんな歳かぁ。早いものだな。」
「あなた、レオはどこです?早く知らせたいのですけど。」
「まだ研究室に籠ってるんじゃないか?そろそろ朝食だし呼んでくるか。」

テイラー家の裏庭には寝泊まりするスペースがある程度の離れがあった。しかし、実際には空間拡張の魔法によって何十倍の広さを有したレナード・テイラーの研究室であった。アースキンは研究室内に入ると手をゆっくりと動かしながら、ブツブツと呟く息子に声をかけた。

「おはようレオ。朝食の時間だぞ。それから母さんが何か報告したくてウキウキしていたぞ。」
「おはようございます、父さん。ちょっと待ってください。」

父親の方を見ずに挨拶だけすまし、またブツブツと呟きだした。
数分後、一段落したのかレナードは体をほぐしながら父に聞いた。

「改めまして、おはようございます。母さんの報告は何でしょうね?」
「さあてね? ま、とりあえず朝食にするか。」

家族で食卓を囲みながらレオは母に先ほどの報告が何なのか尋ねた。
フェリスは嬉しそうに手紙を差し出した。

「ホグワーツの入学案内ですよ。おめでとう、レオ!ホグワーツはとても楽しい場所よ! レオが今以上に立派な魔法使いになれるような学校よ!」

フェリスはホグワーツが良い場所など色々話し出したがやがては学生時代の思い出話に移っていったため、男二人は聞き流していた。

「母さんも言っているがホグワーツは良いところだぞ。今までになかったことを多く経験できるだろう。学業に限って言えばもうレオは十分だろうけどそれ以外にも色んな事を学べると断言できるぞ。」
「そうですね。とりあえず各科目の教授たちは専門家なので新しい知識などを得る良い機会には違いないでしょうね。目標としては共同で研究をしたいですね。」

レオとしては授業の内容は特に興味はなかったがホグワーツの優れた教授たちと研究ができると考えれば、だんだん入学が待ち遠しくなっていくのを感じていた。

レナード・テイラーは今年で11歳。ホグワーツ魔法魔術学校入学することとなる。
物語はここから始める。

「ああ、どんな素敵な魔法が待っているだろう!」



一方そのころのハリー・ポッター
ダーズリー家と逃避行中



まずは、第一話でした。
主人公の名前はレナード(Leonard)で愛称はレオ(Leo)です。

まだ原作キャラ誰も登場していませんね。
次の話では登場予定です。

感想、指摘、何でも待ってます!(返信できるかわかりませんが)


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2.知り合いから友人へ

第2話です。

本作ヒロインのハーマイオニーとレオの出会いの話になります。
時系列はホグワーツの入学案内を受け取る少し前ぐらいを想定です。


レナード・テイラーの名は魔法界では有名であったが、彼には友人と呼べる人はいなかった。
高名な研究者、父の同僚の闇払い、魔法省の官僚、腕利きの癒者など様々な人と関わり合いこそあれども、それはあくまで研究を通じて知り合った間柄。
研究にかかりっきりであったレオには同年代の何も考えず遊び倒すような友人は皆無であった。

そんな孤独な研究の日々にレオとしては特に不満があるわけではなく、そもそも友人がいたこともないので孤独であるという認識さえ持っていなかった。
両親からの愛情は確かに感じていたのでこのままで良いと結論付ける。

そんなレオにも話し相手ぐらいは存在している。

レオの日常は魔法の研究が大部分だ。
だからと言って24時間連続で研究室に引きこもっているわけではない。
日課として、リフレッシュも兼ねた散歩と市内の図書館でのマグル文学の読書や学術書を読むことで魔法界以外の知識も学習していた。
時間にして1時間ほどではあったが、魔法のことを一時的に忘れることで新たな発想や行き詰った問題の対処法などが頭に浮かぶことも多く、いい気分転換である。

図書館を利用している人は毎日同じというわけではないのだが一人だけ行くたびに顔を合わせる少女がいた。

レオが来てから帰るまでずっと同じ場所で勉強をしているのだ。
おそらく学校が終わってすぐに来て閉館時間まで残っているのだろう。

あまり他人に興味を持たないレオも毎日のように目にすればさすがに顔を覚える。
そして、毎日勉強漬けの少女を見ているとどんな勉強をしているのか興味が出てくるのだった。

「やぁ、毎日来ているけどどんな勉強しているんだい?」

「こんにちは。あなたには関係のないことよ。」

そちらには興味がないといわんばかりのバッサリとした返答。
これがレナード・テイラーと少女、ハーマイオニー・グレンジャーの最初の会話であった。

「そうか。とりあえずそこの答えは間違っているよ。」

ハーマイオニーは問題を確認し、自分がミスをしていることに気付く。
ミスを指摘され顔を赤くしながらも、初対面でいきなりこんな対応のレオを睨みつけた。

第一印象は互いにひどいものであった。

それから、時折レオはハーマイオニーの勉強を観察しながらミスの指摘や効率化のアドバイスをして楽しむといった遊びをするようになる。
対するハーマイオニーはこのいけ好かないヤツに対抗するためより学業に打ち込み、メキメキと知識を向上させる。

1カ月も過ぎる頃には二人はこの関係が心地よいものに変化するとは夢にも思っていなかった。



1カ月後
「今日の課題は何だい? それと先週読んでいた本についての感想は?」

「学校の宿題は終わったから物理学について勉強していこうと思うの。先週の本は個人間の思想の違いについての本だったわ。」

「思想か、そういった分野については苦手だ。よくわからない。」

「そうでしょうね。あなたは何というか心が別の方向に向いている感じがするわ。でも私はなぜだかそういうあなたとのこの関係も嫌いじゃないわ。」

最初の出会いからは考えられないぐらい穏やかな気持ちで会話をすることができるのが、ハーマイオニーは不思議ではあった。
今では勉強について教えられても特に反感も感じてはいない。相手の知識のレベルが自分よりはるかに上であると認めざるを得ないからだ。
ハーマイオニーはこの1カ月で色々と、自分も変わったのかなと日に日に感じていた。

ふと、ハーマイオニーは気づく。

「そういえば、私たちお互いの名前も知らないじゃない。私はハーマイオニー・グレンジャー。改めてよろしく、そしていつかあなたを超えるわ!」

「あぁ、そういえばそうだった。別に名乗らなくても不都合はなかったしね。僕はレナード・テイラー。そのいつかを楽しみにしているよ。」



その後も二人の奇妙な関係は続いた。そんな中でちょっとした雑談をしていた時であった。

「ハーマイオニーはなぜここで勉強しているんだ?友達と遊んだりはしないのか?」

「聞きづらいことをストレートに聞いてくるのね……。はぁ、私は友人と呼べる人はいないわ。学校でも周りの人とは合わないし、勉強しているとからかわれたりもしたわ。そんな周囲の人に嫌気がさしたから静かなここで勉強することにしたの。そういうあなたは友達はいるの?」

「考えてみたら、僕もいないや。僕の知っている同年代の子供は君だけだな。」

「そうなのね。友達は欲しい?」

「どうだろう。友達がいたことないから何とも言えないな。」

二人の間に数秒の沈黙が流れる。
そして二人は同時に宣言した。

「僕と友達になってくれないか?」
「私と友達になってくれませんか?」

二人は驚き、顔を見合わせる。
お互いが何を言ったのか理解した二人は握手をして微笑んだ。

二人の関係はただの知り合いから友人へと変わった。
こうしてレオは人生初の友人ができたのであった。



その頃のハリー・ポッター
「逃げんなよ。このウスノロ眼鏡が!」
ダドリー軍団からのいじめから逃亡中。



第2話いかがでしたか。

ヒロインとしてハーマイオニーが登場しました。
原作ではロンと結ばれましたが、今作ではどうなることやら

ハーマイオニーはハリー達と親友になる前は友達がいないだろうなというのと
レオも自分の造ったキャラですが友達は作らなそうだなと感じていました。

ならいっそのこと二人を友達にしてしまえばいいんじゃね?
ということでこのような話になりました。

次回はハーマイオニーが魔法使いだと知ってからの話になります。


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3.魔法の世界へようこそ

3話です。

レオとハーマイオニーがお互いの素性を知ることになります。


レオがホグワーツの入学案内を受け取ってから数日が経過した。
普段通りに図書館で読書をしているとハーマイオニーが喜んでいるのか、悲しんでいるのか微妙な表情で話しかけてきた。

「レオ……、あのね、そのちょっと話があるの。」

「なんだい? あらたまって。どうかした?」

「そのね、私しばらくしたらここには来ることがなくなると思うの。えっとね、完全に来れなくなるわけじゃなくてクリスマスや夏休みぐらいしか機会がないの。」

レオはそれを聞いて少し寂しい気持ちになったが、別に二度と会えなくなるわけじゃないから問題ないと思っていると、自分もホグワーツに入学するとなればここには来る機会はほぼ失われる事を思いだした。

「奇遇だね。僕も今度から全寮制の学校に行くことになったから、ほとんど会えなくなると思うよ。」

「レオもなのね。私も全寮制の学校に行くことになるわ。それ自体は嬉しいんだけど、レオに会えなくなるのは辛いわ。」

「まぁ今生の別れではないし、次に会う時にはもっと力をつけて僕を見返すつもりでいればいいんじゃないかな。」

ハーマイオニーはその言葉で吹っ切れたのかやってやるわよといった顔になる。
レオはやる気に満ちたその顔のほうがハーマイオニーらしいなと笑った。

「やる気になって結構だ。ところでどんな学校に行くんだい? 君の力を伸ばしてくれる良い学校だと良いけどね。」

ハーマイオニーは少しの間考えた後、ハッキリと答えた。

「多分聞いたことがないと思うけど、ホグワーツって名前の学校なの。一般には知られてない学校だから調べてもわからないと思うわ。」

普段は冷静であまり驚いたりすることがないレオもさすがに耳を疑い、思わず聞き返してしまった。

「ホグワーツ!? あのホグワーツなのか? ハーマイオニー、君はマグルじゃなかったのか?」

ハーマイオニーはレオが驚いたことやホグワーツの名前を知っていることから彼が魔法使いであると気づく。

「レオも魔法使いなのね? マグル?の意味はまだ知らないけど、この前ホグワーツから入学案内の手紙が届いて自分が魔法使いであるって知ったの。レオも同じなのかしら?」

「いいや、僕は両親ともに魔法使いだよ。マグルっていうのは魔法を使えない人を指す言葉さ。そっか、ハーマイオニーも魔法使いなのかぁ。」

レオとしては自分の唯一の友人が同じ魔法使いであるのは想像以上に嬉しい事柄であると感じていた。一緒にいて心地よい相手でもマグルでは魔法関係の話題はできないからだ。これからはハーマイオニーとも魔法について色々語れるのは楽しいという確信があった。

「ハーマイオニー、さっき会う機会が減るといった話になったが僕もホグワーツに入学することになっているからむしろ会える時間は増えると思うよ。」

「本当!? 嬉しいわ!あのね、私自分が魔法使いであるって知ってとても嬉しいのだけれど同時にものすごく不安でもあるの。だから、レオに色々教えてほしいの。お願い!」

「もちろんOKだよ。とりあえずはホグワーツで必要なものを入手してからかな。入学の準備はどうするのかな?ホグワーツの教員の誰かが一緒に準備してくれるのかい?」

「副校長のマクゴナガル先生と一緒に明日教科書とか必要なものを買いに行くことになっているわ。朝の10時に家まで迎えに来てくださるわ。」

「それじゃあ、明日一緒に買い物について行っていいかな? 僕も必要なものは全部揃えていないから買う必要があるんだ。」

「断る理由なんかないわ! 知らない人よりはあなたに魔法についていろいろ教えてもらいたいわ。明日先生と合流してからこの図書館前で10時15分に待ち合わせでいいかしら。」

「大丈夫だよ。じゃあ、今日はこれで解散にしようか。明日必要なものをそろえて、明後日からは魔法について色々と勉強の開始だ。今まで魔法を知らなかったけれど君なら優れた魔法使いになれるだろう。」

「わかったわ!それじゃまた明日ね。」

「ああまた明日。それと、ようこそ魔法の世界へ。」


二人はそれぞれの家へ帰っていく。その足取りはとても軽いものだった。
別々の世界へ進むと思っていた友人が自分と同じ世界の住人であると知る。
そのことは別れによる寂しい思いを暖かい気持ちに変化させるには十分すぎた。

その日の夜はハーマイオニーは未知の世界への希望で胸をいっぱいにして、
レオは唯一の友人がどのように成長するのかを楽しみにしながら眠りについた。




その頃のハリー・ポッター
「僕が魔法使い?」
ハグリッドから自分の真実を知ることとなった。



認識が一致した3話となりました。

二人ともお互いに相手が魔法使いだとは思っていませんでした。
レオはマグルに対して偏見はなく、(むしろ魔法使いにない技術があると高評価)
ハーマイオニーはレオの能力が高いと認めているので、仮に魔法使いとマグルの関係であったとしても良好な関係を維持していたでしょう。

次回はダイアゴン横丁での買い物です。
原作キャラが少しずつ登場していきます。


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1章 研究対象は賢者の石 4.ダイアゴン横丁

4話です。

ダイアゴン横丁での買い物となります。


ミネルバ・マクゴナガルはその日はいつものエメラルド色のローブではなく、マグルの女性が着る服装で目的の家に向かっていた。今年入学するマグル生まれの少女の入学準備のために共にダイアゴン横丁に向かうためだ。

(マグル生まれの子に魔法について知らせると不安になるか、積極的に知りたがるかの二択ですが彼女は後者でしたね。初めて会った時に色々と聞かれましたが、ホグワーツに入学してからもその知識欲から良い魔女になってもらいたいものです。)

マクゴナガルは少女、ハーマイオニー・グレンジャーのこれからに期待しながら呼び鈴を押した。とたん玄関が開き笑顔のハーマイオニーが立っていた。どうやら待ちきれなくて、玄関前で待機していたようだ。

「おはようございます! マクゴナガル先生。今日はよろしくお願いします。」

「おはようございます、ミス・グレンジャー。準備はよろしいようですね。では出発しましょう。」

マクゴナガルはさっそく漏れ鍋まで付き添い姿現ししようとすると、ハーマイオニーが質問をしてきた。

「先生。今日はどんな場所へ行くのでしょうか?可能であれば友達と一緒に行きたいのですが……。」

「ミス・グレンジャー、今日は入学準備なので魔法使いの道具などが一通り揃う場所まで行きます。ダイアゴン横丁という名の場所です。マグルは入ることのできない場所なので諦めなさい。」

「友達は魔法使いの家系で今年ホグワーツ入学するって言っていました。一緒に入学用品を買いたいとのことでした。」

「それなら問題ありません。しかし驚きました、あなたはマグル生まれなのでてっきり友人はマグルであるとばかり……。」

「私もつい昨日、彼が魔法使いであると知ったばかりです。待ち合わせの場所まで少し歩きますが構いませんか?」

マクゴナガルは肯定し、ふたりは図書館へ向かった。



図書館前

二人が図書館に到着するとすでにレオが待っていた。

「おはよう、ハーマイオニー。隣の方がマクゴナガル教授ですね。初めまして、今年からホグワーツに入学することになっていますレナード・テイラーと申します。」

マクゴナガルはレオの名前を聞いた瞬間、衝撃を受けた。それだけレナード・テイラーの名前は魔法界では有名であったのだ。

「まさか、あのレナード・テイラーなのですか?確かに今年の入学名簿にありましたね……。まさかマグル生まれの子の友人としてあなたが現れるとは驚きです。」

ハーマイオニーは魔法界やレオの事情は知らなかったが、マクゴナガルの反応からレオが普通の子供ではないと悟った。

(やっぱり、レオはすごいのね!)

マクゴナガルは驚いたものの、すぐに今日の要件を思い出した。

「それでは、入学用品を買いに向かいましょう。二人は私に捕まってください、漏れ鍋まで付き添い姿現しをします。」

ハーマイオニーは聞きなれない単語について聞きたそうにしていた。知らないことを積極的に知ろうとするその姿勢をレオはとても好印象であった。

「漏れ鍋はロンドンにあるパブで魔法界の市場、ダイアゴン横丁の入り口になっている。認識阻害の魔法によってマグルには感知されないようになっているんだ。姿現しは簡単に言えば瞬間移動、マグルのSF風ではワープとかなのかな。付き添いだからマクゴナガル教授に連れてってもらうといった感じかな。今日は他にも色々聞きたいことが山ほど出てくると思うけど、遠慮なく僕に聞いていいよ。答えられる範囲なら答えるよ。」

「ありがとう、レオ!」

二人はマクゴナガルの腕を掴むと臍の奥が引っ張られる感覚とともに姿を消した。
次の瞬間には先ほどまでの場所ではなく漏れ鍋の前に立っていた。
ハーマイオニーは初めての姿現しに少し気分が悪くなったが、今しがた体験した魔法についての感動で酔ったことなど吹き飛んでしまった。

三人がパブに入ると店内はざわついていた。いつもはここまで騒がしくないはずである。
何かあったのかとマクゴナガルが店主のトムに尋ねると、トムは興奮しながら先ほど店に誰が来たかを話しだした。

「ハリー・ポッターです! あの『生き残った男の子』がいらしたんです! あぁ…あの英雄がやっと魔法界にもどられたんですねぇ……。」

マクゴナガルとレオは店内の様子に納得したが、ハーマイオニーは有名人が来たのかなぐらいの認識であった。
店を出て石のアーチをくぐりダイアゴン横丁に入る一行。
アーチの先はまさに魔法の世界。見たことなく、使い方も想像できないような魔法の道具の数々にハーマイオニーは目を輝かせる。
レオは自身の「眼」で見る様々な魔法にあふれるカラフルなダイアゴン横丁の景色がお気に入りなのだった。

まずは、魔法界唯一の銀行で換金と引き出しを行った一行は教科書や鍋などを購入していく。
購入した用品はレオが転送呪文で家まで送ったため荷物を抱えずに済むことができた。
ペットについては二人とも今は興味がないとのことで買うことは無かった。

次に「マダム・マルキンの洋装店」に向かったが、店の前には普通では考えられないような大男が立っており正直なところ店に入るにはかなり邪魔であった。

「ハグリッド、ドアの前に立たれると他の利用者が入れませよ。少しずれたらどうですか。」

「おお! これはマクゴナガル先生。こいつはすいませんですだ。よっと……今日は新入生の付き添いの買い物ですかい?」

マクゴナガルはハグリッドと話があるとのことで二人で制服の購入をすることとなった。
店内では二人の男子が話をしているようであったが、青白い顔をした方が先に終わったらしく出て行ったが、まだ採寸している方は何やら疲れた顔をしている。
特段興味がない二人は大人しく順番待ちとなった。
先にレオが採寸することとなり残った方の隣に立つ。

「ねぇ、君たちもホグワーツに入るの?」

「そうだよ。君もなのかい?よろしくね。」

「私もよ、よろしく。」

「あの……君たちの親は魔法使いそれともマグル?」

「なんでそんなこと聞くのかな?」

「さっきまでいたヤツが名門だとか両親が魔法使いじゃないとだめだとか色々言ってたからちょっと気になっちゃって……。」

「ああ、それは純血主義ってやつだ。古くからある血を重んじるって考え。僕はそういうのはどうでもいいと思っているよ。」

その言葉に少年の疲れた顔が少しはましになる。
その後もホグワーツに入学したらどうなるのかなど、他愛のない話をしていると少年は採寸が終わりローブや制服を受け取って店を出る。ドアの前にいた大男と一緒に行動していくようだ。

レオは今の少年が金色の薄いベールのような魔法をまとっていると気づいた。
おそらく何かしらの保護の呪文であろうがとても優しい色と構造をしていて美しかった。
次に会う機会があればもっと解析したかったなぁと残念に思った。


レオとハーマイオニーも買い物を済ませ店を出る。待っていたマクゴナガルと最後は杖を購入するために歩き出した。

「杖はオリバンダーの店で買うのが一番だと断言します。私もそこで自分の杖に出会いました。あなたたちも必ず自分に最適な杖が見つかるでしょう。」

『オリバンダーの店-紀元前382年創業 高級杖メーカー』と書かれた小さな店。
マクゴナガルが自信たっぷりに言うにはみすぼらしい店であると感じながらも二人は入っていく。
中は天井近くまで山のように積まれた杖の箱でいっぱいでただでさえ小さな店が余計に狭く錯覚させられた。
店内でしばらく待っていると店主のオリバンダー老人が現れた。
オリバンダーはまずはハーマイオニーに杖についての説明をし、一つ一つ相性について確認していく作業に移っていく。
ほどなくしてブドウにドラゴンの心臓の琴線の杖に決まったようだ。

「それでは、次はそちらの少年の杖を見繕いますかな。お名前は何と言いますかな?」

「レナード・テイラーと申します。僕は杖の購入はしません。自作の杖をすでに持っていますので。」

「なんと、あのレナードさんでしたか。まさか杖の制作についてもされているとは…。機会があれば杖の制作談義などしてみたいものです。」

「機会があれば是非。」



杖を手に入れて学校に必要なものは一通り揃えることができた二人。

「本日はお疲れ様でした。私は他にも用事があるので帰りはマグルの移動手段で帰るのがよろしいでしょう。あぁ、そうでした。二人ともこれをどうぞ。ホグワーツ行きの汽車のチケットになります。場所はミスター・テイラーならばわかるでしょう。それでは次はホグワーツで会うことを楽しみにしていますよ。」

そういうとマクゴナガルは姿をくらませ、残った二人は電車を利用して帰路につくのだった。
ハーマイオニーはホグワーツ特急のチケットを見てニコニコしている。よほど今日一日の体験が嬉しいようだ。

「レオ、九と四分の三番線ってどういうことかしら。今日の漏れ鍋みたいに隠しているの?」

「それは当日のお楽しみということで。とりあえず、明日からは約束通り一緒に勉強かな。ハーマイオニーの家や図書館でするわけにもいかないから僕の家でやろう。入学までにどこまでやれるか楽しみにしてるよ。ついて来れるかな?」

「望むところよ! 私の目標はあなたを超えることなんだから!」

ハーマイオニーの魔法界での最初の一日は興奮と希望の中終わろうとしていた。
レオは明日からどのようにしてハーマイオニーを鍛えるかを考え、成長した彼女の造る魔法がどのような美しさなのかを期待しているのだった。



本作では「」は実際に発声したセリフ、()は声に出してない心の声として使います。

レオが未成年なのに転送呪文を使っていますが、今までの研究成果から特例で魔法を使うことが認められてます。(臭いについてはレオは問題なく消すことができます。)

ハグリッドとマクゴナガルが話していたのは回収した賢者の石についてです。

レオがハリーと出会いましたが、額の稲妻型の傷が見えなかったためハリー・ポッターだと気づきませんでした。
ハリーの母の血の守りが守っていると「眼」で気づきましたが、さすがに初対面でじろじろ見るのは失礼だと思ってハッキリ解析はしませんでした。
レオとしてはハリーがなぜ死の呪文を受けて生きているかは気になってます。

次回はハーマイオニーに対してのレオの魔法講座の話になります。
私の個人的な魔法についての考えを使っていこうと思います。


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5.魔法講座開始

お気に入り登録が100件を超えていてびっくりしました。
これからもよろしくお願いします。

今回はレオによるハーマイオニーへの魔法講座です。
私の魔法に対しての考えが出てますが、どこかで似たようなの見たことあるなと思ったら、それはきっと色んな漫画や小説等に影響されたからだと思います。

生暖かい目でスルーするか、感想でこれのパクリじゃないか!とか言ってくれると助かります。


ハーマイオニー視点

ダイアゴン横丁で買い物をした翌日の朝

私、ハーマイオニー・グレンジャーは小走りで目的地に向かっている最中であった。
行先は勿論テイラー邸である。
今日から入学までレオにみっちりと魔法について教えてもらうのだ。
昨日の夜は初めて魔法界に行った興奮と今日からの勉強について色々考えていたら中々寝付くことができなかった。

私はレナード・テイラーのことを唯一の友人……いや親友であると思っている。
それと同時にいつか超えるべき目標であると決めていた。

初めて会ったときはいきなり口を出してきて失礼な人だと怒りを覚えたものだ。
しかし、決して間違ったことは言っていなかったため余計に悔しい思いもした。
何度かそんなやり取りをしているうちに相手が自分より頭の回転が速く、物事をより正しく認識する力があると認めざるを得なくなった。
同時に、以前のような怒りはなく純粋に尊敬する自分の心に困惑もしたが、決して不快な気持ちではないと断言できる。
彼に近づいて、並び立ち、追い越すことを目標に勉強にもっと力を入れた。

そして、自分が魔法使いであると知らされても、人として、魔法使いではない彼のことを超えるつもりではいた。
まぁ、彼も魔法使いであると知って、一緒に魔法使いの世界に行くことになったが…。

昨日、一緒にダイアゴン横丁に行ったがどうやら彼は魔法界でも有名で優れた人らしい。
対して自分は魔法については0からのスタートだ。
だからと言って諦めるつもりはない。
目標との差は大きくなってしまったけれど、逆に燃えるというものだ。
まずは、ホグワーツに行く前に少しでも勉強しておかなければ。

「なんにしても、今日からその一歩ね……。もらった地図によるとこの辺りのはずだけれど。」

私はテイラー邸への地図を鞄にしまうと、もう一つもらっていた道具を取り出す。
それは幾何学模様が描かれた青いコインであった。

「これを持っていると認識できるようになるって言ってたけど……。」

そうつぶやいた瞬間、コインが光を放ち次の瞬間には先ほどまでそこには無かったはずの家が建っていた。
驚いたが、とりあえず呼び鈴を鳴らしてみる。
すぐにドアが開き中から長い茶髪の女性が姿を現す。

「は~い。どちら様ですか~? んん? 女の子? レオぐらいの歳かしら。迷子かしら。お名前は? 何かご用ですか?」

「あの、初めまして!ハーマイオニー・グレンジャーといいます。今日はレオ…じゃなくてレナード君に呼ばれて来ました。レナード君はご在宅でしょうか?」

「まあまあまあ! レオのお友達なのね!? あぁ、どうしましょう! レオに友達が訪ねてくるなんて。というかレオに友達がいたなんて初耳だわ!」

女性、おそらくはレオの母親だろう、の予想外の驚き様に逆にこちらが面食らってしまった。
しばらく興奮したままだったが、こちらを放置しているのに気が付くと家の中に案内してくださった。

「ごめんなさいね。レオにお客様が訪ねてくるとは聞いていたのだけれど、まさか友達でしかも女の子だなんて夢にも思わなかったの。私はレオの母親のフェリス・テイラーよ。今レオを呼んできますからソファーに座ってゆっくりしていってね。」

そういってフェリスさんがリビングから出て行った後、家の中を見渡してみる。
魔法使いの家という割には特に変わったところは見つからなかった。いたって平凡な普通の家でちょっと拍子抜けしてしまう。
しばらく、観察をしていると、フェリスさんがレオを連れて戻ってきた。

「お待たせ~。そういえばどんな用事なの? 遊びに来てくれたの? ハーミーちゃんも今年からホグワーツ? 好きな食べ物は?」

「母さん。興奮しすぎですし、そんなにいっぺんに質問されても答えられませんよ。」

「だって、レオに友達がいてしかも家に遊びに来てくれるだもの! さらには女の子! 色々聞いてみたいのよ~!」

フェリスさんからの質問が続いていたが、レオに引っ張られて彼の研究所まで案内された。
室内は外から見るよりもはるかに広く、また先ほどまでのリビングとは大きく異っていた。見たことのない物体やフラスコに入った様々な色の薬品など、まさに魔法使いの研究室としか言い表せない。

「さて、ハーマイオニーはマグル出身ということで魔法がどんなものか全く知らないと考えていいのかな?」

肯定するしかない。つい一週間前までは自分が魔法が使えるとさえ思ってもみなかったのだ。

「それじゃあ、まずは魔法とは何であるかの説明かな。学校の勉強は基礎をしっかり固めてから取り組んでもいいと思う。」

「レオ、あなたを信じていないわけじゃないけれど不安だわ。学校の勉強についていける? 早く学校の勉強も取り組んだ方がいいんじゃないかしら?」

ホグワーツは魔法学校なのだ。当然魔法が中心で勉強も進むに決まっている。
魔法の存在が空想のものだと信じられてきた環境で生きてきたのだ。
勉強にはついていけるのか、魔法を扱えるのか、などなど。
最初は魔法使いと知って嬉しさと希望でいっぱいだったが、いざ勉強を教えてもらう段階で不安が徐々にわいてきた。
そんな私の心の内を気にもしない様子でレオは言う。

「君以外にもマグル出身はいるし、そういった人もホグワーツの入学から魔法を学んでも魔法使いの家に生まれた子供と大差ないのだから、気にする必要はないと思うよ。君は優秀だよ。あぁ、魔法が使えるとかそういったことではなく、頭の回転とか観察力、理解力とかかな。魔法を扱ううえでそれらは重要になってくるよ。とりあえず今日は基礎を教えて、君の能力に合わせてペースを上げよう。僕も色々と一から魔法を学びなおすことで何か違った発見があるかもしれないし、マグル視点からの魔法について知るのも面白そうだ。」

彼に優秀と言われるだけで胸の奥が暖かくなる。マグル出身が他にもいるとかそういった情報よりその一言で私の下へ向いていた気持ちのベクトルが真逆になるのだった。

「やる気になったようだね。じゃあ、勉強開始だ。僕は教師じゃないけど、魔法研究をしている。これから僕なりの考えで魔法について話していくよ。」


「ホグワーツでの科目も含めて魔法研究は大別して三つに分けられると僕は考えている。
一つ、呪文系。魔力と呪文を使ってあらゆる現象をもたらすもの。呪文学、変身術が該当する。
二つ、魔法生物系。魔力を秘めた動植物を扱うもの。薬草学、魔法生物飼育学、魔法薬学だね。
最後の三つ目は前の二つ以外のものになるかな。魔法史やマグル学は歴史や文化の分野だから魔力自体は使わないし、占い学なんかは魔力以外の才能がものをいう。それ以外にも魂や精神なんかを扱う分野の研究がここに属している。」

なるほど、と頷く。とりあえず呪文、不思議な生物、その他と記憶しておく。

「まずは、魔法がどういったものか説明してから呪文系を学んでいこう。魔法生物系は実物を扱って経験してみないことにはどうしようもないこともあるからね。三つ目の分野は後回しでも問題ないだろう。入学までの約一か月間は呪文の運用などを中心に取り組んでいこう。」

いよいよ本格的に講義開始のようだ。気を引き締めてしっかり脳に刻み付けていこう。

「魔力、これを体内で生成できるかどうかが魔法族とマグルを区別するたった一つの違いなんだ。
魔力の量や特徴は個人差があって生まれ持ったものだから変えることは困難だ。
量は魔法をどれだけ使えるかに関わる。マグル文化で例えると車のガソリンに当たるかな。量によって車の速さと走行距離が変わってくるように使える魔法の数と強さが変わる。
特徴は個人間での差はほとんどないが、得意な魔法分野に影響する。特異な魔力を持つがゆえにほとんどの分野でまともに魔法を使えないが、ある分野のみは誰にも負けない才能を発揮したりする人もいる。」

「呪文は魔力を魔法という現象に変換するための補助をするものだ。
大事なのは呪文を言う、知っているというよりは使いたい魔法がどのような結果をもたらすか、しっかりとイメージする必要がある。そのイメージによって魔力が魔法に変わる。イメージを確立するために呪文がある、なので熟練者ほど呪文を言わなくても魔法が使える。ただしイメージを強くできるため呪文を言った方が強い効果を発揮することができる。」

「イメージの確立つまり、魔法を取り扱うには精神が大事になってくる。
正常な精神状態であれば十全な魔法が使える。逆に疲弊した精神ではまともに魔法を使えないことさえある。不安、動揺、自信がない、恐慌状態、などなどこういった精神状態で無理に魔法を使うと成功しないだけでなく、最悪暴発して命を失うことにつながりかねない。」

「最後に杖。これは体内の魔力を効率的に外へと出すための経路の役割になっている。
芯に人より魔力に対して親和性のある生物の一部を使うことで魔力を外へ通しただの魔力を魔法という方向に誘導する。呪文と同じであくまで魔法を使うための補助道具。
しかし魔法使いはほぼ杖に頼り切っている。杖なしでも魔法を使うことは理論上不可能ではない。
だが、魔法が使える他の種族と比べて人は魔力を外に出す力が弱い。
杖なしで魔法行使するには使う魔法に対して高度な理解力が必要になってくる。
杖の役割はこんなところだが作成なんかになるとまた専門的な知識が必要だ。
ちなみに別に杖でなくとも他の道具で代用できるのならばどんな形のものでも魔法は使えるんだ。あまり普及はしていないけどね。」

魔力、呪文、イメージ、精神力、杖……。レオの言ったことをメモを取りながら頭の中で繰り返す。魔法を使う時の必要なものは分かった。だけど……。

「レオ、とりあえず魔法を使う最低限の要因は理解できたわ。だけど、やっぱりこの目で魔法を見て使ってみないことにはイメージがし難いわ。」

「まぁ、今言ったことは本当に魔法を使ううえでの最小構成要素だからね。ほとんどの人はいちいち魔力とか杖がとかあまり意識せずに杖を持って呪文を言うと魔法が使えるって認識がだろう。学校指定の教科書を見たけれど呪文と効果、杖の動きぐらいで魔力なんかの説明はほとんど無かったしね。しかし、本当に魔法で何かをするときには今説明したことを意識することで細かな制御やより複雑な応用も可能になる。魔法研究をしている僕としてはその辺をしっかり知っておくと必ず魔法使いとしての力は上達すると断言するよ。」

レオの言葉を聞いて何事も基礎の基礎が大事なのだと改めて感じた。

それからは簡単な魔法を使った講座が始まった。
まず、レオが手本を見せてから私がやってみる。ミスや改善点をそこで指摘される。
具体的なイメージや細かな発音や杖の動きを調整。何度か失敗してもレオがその都度適切なアドバイスをくれるので失敗の頻度はみるみる減っていった。



最初の一週間はものを動かすなどの簡単な魔法だけだった。
次の二週目は簡単な呪いと防御呪文。それに危険度の低い魔法生物を扱ったりもした。
三週目になると基本呪文の応用(強弱や範囲の指定など)。それと魔法薬を作って実際に効果を確認して一喜一憂したりした。
最後の四週目は今までの復習とホグワーツの予習だったが、三週目までで三~四年生の授業内容レベルに達してしまっていたので、もっと高度な魔法について少しだけふれることができた。
その他にも魔法使いたちの常識や歴史について簡単だが教えてもらった。

レオの話では私は理解力が予想以上らしくついつい予定より高度な内容になってしまったようだ。
だけど私を優秀だと言うレオはこちらから見るとさらに上の領域にいるようにしか思えなかった。
なんでも、レオは普通とは『眼』が異なっていて魔法の理解力が人とは違うらしい。
どんな『眼』なのか聞くと魔力や魔法を式や色として認識できるらしい。

なにはともあれホグワーツ入学までの一カ月で私も随分力と知識を得ることができた。
目標はまだまだ遠いけれど私ももっと勉強してすぐに追い越してやるんだから待ってなさい!



そのころのハリー・ポッター
物置部屋での日々。



今回はハーマイオニー視点での話にしてみました。
色んな形式の話に挑戦してみたいです。

テイラー邸はレオ開発の簡易忠誠の術で守られています。コインが守り人の代わりです。
簡易なので少し実力のある魔法使いにはバレてしまいますが。

チートのレオに魔法を教えられたので本作のハーマイオニーのレベルはかなり上昇しています。最終的にどこまでにするかは未定ですけど。

次回はホグワーツに到着するところまでの予定です。


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6. 九と四分の三番線からホグワーツへ

6話です。

今回は特にイベントもなく平和にホグワーツに出発です。


1991年9月1日 キングス・クロス駅

キングス・クロス駅にはマグルに秘匿されたホームがある。
九番線と十番線の間の柵の向こうの九と四分の三番線には今日はホグワーツ行きの紅の蒸気機関車が停まっており、多くの魔法使いの姿があった。
その中にはテイラー家とグレンジャー家の姿もあり、共にホグワーツに入学する子供がいることもあって会話を弾ませていた。
レオがハーマイオニーに魔法について教えるうちに家族ぐるみでの付き合いとなっているのであった。

「レオ君、娘のことよろしくお願いしますね。私たちは魔法については全くの無知ですし、この子も友達付き合いは苦手ですからねぇ……。」

「わかりました。僕も友達はハーマイオニーしかいませんのが、ホグワーツでの生活は七年間もありますし気長にやっていこうと思います。」

「心配無用です、グレンジャー婦人。父親の私より息子は優秀です。魔法についてならレオに任せておいてください! むしろ娘さんが友人になってくれたおかげでレオに初めての友人ができて私たちの方が大助かりですよ。」

談笑を続けていると出発の時間が近づいてきた。レオとハーマイオニーは空いていたコンパートメントに入り、それぞれの両親に出発の挨拶をするため窓から顔を出す。

「父さん、母さん。行ってまいります。」
「うむ。良い学生生活を送ってこい!」
「体に気を付けるのよ。友達作るのよ。手紙書いてね。ええとそれから……。とりあえず頑張って!」

「ママ! パパ! 行ってきます! クリスマスには戻るわ!」
「行ってらっしゃい。無理はしないようにね。」
「何かあったらレオ君に相談するんだよ。頑張りなさい。」


列車が走り出してからすぐに二人のいるコンパートメントの扉が叩かれる。
扉を開けると一人の少年が申し訳なさそうな顔をして立っていた。
どうやら他のコンパートメントに行く当てがないようだ。

「ごめんね……その……席空いてる? どこもいっぱいで……。」
「私は構わないわ。レオは?」
「別に問題ないよ。」

了承を得た少年はおずおずした感じで席に座る。

「僕はネビル・ロングボトム……。よろしく……。」
「私はハーマイオニー・グレンジャー。でこっちは」
「レナード・テイラーだ。よろしく。」

ネビルはレナード・テイラーの名を聞くと目を見開いて口をパクパクさせる。
レオが自己紹介すると大抵の魔法使いはこのような反応をする。
正直なところレオは少しうんざりしていた。

「レナード・テイラーって……、僕でも知ってるよ! 有名人だ! 若いって聞いてたけど、僕と同じくらいだなんて……。」

「ロングボトム君は今年入学か? だとしたら僕とハーマイオニーも同じだよ。」

「こんなすごい人が同学年だなんて……。どうしよう僕のダメなところが目立っちゃうよ……。」

「始まる前から卑屈になっちゃ、それこそダメになっちゃうわよ! うじうじしていないでしっかりしなさい。」

ハーマイオニーの励ましでは気持ちはあまり変わらなかったようで顔色は優れていなかった。
その後は車内移動販売でお菓子を買ったり、昼食を食べながら雑談をして過ごす三人。
話題はホグワーツに入ってからどこの寮に入りたいという話題に移る。

「二人はどの寮に入りたい? 私はグリフィンドールとレイブンクローで迷っているわ。」

「僕は正直どこでもいいかなって思ってる。どんな場所だろうと自分の思うように研究を続けるだけだよ。適正で言えばレイブンクローな気がするが。」

「僕は……。ばーちゃんがグリフィンドールに入れって言うんだけれど……、多分ハッフルパフだよ。最悪スリザリンじゃなければ良いかな。」

「ロングボトム君、ハッフルパフが劣等生でスリザリンが闇の魔法使い予備軍って認識を持っているならその考えは修正した方がいいよ。ハッフルパフも偉大な魔法使いを輩出しているし、スリザリンだからと言って全員が闇の魔法使いというわけじゃないから。ただ父さんの話では今のスリザリンはほとんど純血主義だからハーマイオニーみたいなマグル出身には居心地は悪そうだな。」

「そうね、できれば気分よく勉強したいから自分に合った寮に行きたいわ。どうやって所属寮を決めているのかしら? 何かテストをするのかしらね?」

テストという言葉はネビルを怖気づかせるには十分な力を持っていた。

「どうしよう……。いきなりテストなんて無理だよ、結果が出せなくて入学できないなんてなったらばーちゃんになんて言われるか分かんないよ。」

「心配しなくても大丈夫だと思うよ。それぞれに合った寮を決めるんだから難しいテストじゃなくて適性を測る何かをするんだろう。」

「そうよね、なんにしても楽しみだわ。」

その後、しばらくお互いについてやホグワーツについてのあれこれ色々と話し合った。



ホグワーツまでの道のりも半分は過ぎた頃、ネビルが声を上げた。

「あれ? トレバー! トレバーがいなくなっちゃった! どうしよう二人とも見なかった?」

「落ち着いて、ネビル。トレバーって何なの?」

「ペットのヒキガエルなんだ。すぐにどこかに行っちゃうんだよ。探さなきゃ。」

「私も手伝うわ。」

二人は出ていこうとするがレオは動こうとしない。

「レオは来ないの?」

「二人とも僕らは何だい? 魔法使いだろう。わざわざ外に出ていかなくとも魔法を使えば良いだろう。」

あっ、といった感じで二人は気づく。

「そうだった、魔法を使えば良かったんだわ。まだ魔法使いの感覚に慣れてないみたいね。」

「でも僕はペットを探す魔法なんて使えないよ。」

「ハーマイオニーだったらどんな魔法を使うのがいいと思う?」

「呼び寄せ呪文かしらね。やってみるわ。ネビル、トレバーの特徴を教えてくれないかしら。」

ハーマイオニーはヒキガエルの大きさ、色などを聞いて頭の中でイメージする。
姿を思い浮かべてから自分のもとへ来るイメージを構築していく。

「アクシオ!」

数秒の後、廊下の方からレオたちのいるコンパートメントに向けてヒキガエルが飛んでくる。

「トレバー!」

「やったわ。成功よ!」

ネビルはハーマイオニーに何度もお礼を言い、ハーマイオニーは今の魔法の結果に満足気味だった。

「ハーマイオニー、今の魔法は良かったよ。構成がしっかり組まれていた。」

「レオの教えが良かったからよ。」

その後は特に問題もなく時間が過ぎていく。
次第に空も暗くなってきたので、三人は男女ずつに分かれ制服に着替える。
その後三十分ほどでホグズミード駅に到着した。
荷物はそのままにしておくよう指示があったので三人はそのまま列車の外に出る。

駅のホームにはダイアゴン横丁でも見た大男が待っていた。
レオが『眼』を使って見ると通常の人と異なった魔力が全身を覆っていた。
おそらくは人ではない魔法生物との混血なのだろう。

「イッチ年生!イッチ年生はこっちだ!ついて来い!」

どうやら一年生はあの大男が案内するようだ。

「さあイッチ年生のみんなホグワーツが見えるぞ。この角を曲がったらだ。」

山道を抜けるとホグワーツが見えた。周りからは歓声が上がっていた。

次に四人ずつボートに乗って、湖を進む。
レオ、ハーマイオニー、ネビルのボートには人数が足りなかったのか三人しか乗らなかった。
ボートは蔦のカーテンをくぐり崖にある入り口に入っていく。
暗いトンネルの先の船着場に到着し、大きな扉の前まで案内される。

「よし、全員いるな?」

扉を三回ノックし、扉が開くとエメラルド色のローブを着たマクゴナガル教授が待っていた。

「マクゴナガル教授、イッチ年生のみなさんです。」

「ご苦労様、ハグリッド。ここからは私が預かりましょう。」

マクゴナガル教授に案内され玄関ホールを通って小さな部屋に通される。

(さてこれから組み分けだろうか。どんな結果になることやら。)



ハーマイオニーのレベルが上昇しているためトレバーがらみでハリー達に遭遇することなくホグワーツに到着となりました。

次回は組み分けです。
レオとハーマイオニーの寮はどうなるのかお楽しみに。


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7. 組み分け

通算UA1万越えとお気に入り登録が400を超えました。
ありがとうございます。

週1~2回程度の更新を目標としてます。
これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。

では7話どうぞ。


「ホグワーツ入学おめでとうございます。新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、大広間の席に着く前に皆さんが入る寮を決めなくてはなりません。
寮は全部で四つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、そしてスリザリン。どの寮も輝かしい歴史があり、偉大な魔法使いを輩出してきました。」

その後は得点、減点の説明と寮杯について説明があったが、レオは聞き流していた。
寮杯については興味もないし、罰則で時間を取られなければ減点されても問題にはならないと考えていた。

新入生たちは組み分けがどんなものかお互いに様々な憶測が飛び交う。
呪文を使うテストだの、ものすごく痛いだのと現実的ではない意見も多かった。

待っている間にゴーストたちが出てきて悲鳴を上げる生徒が出たがそれ以外に特に変化はなく、レオはあたりを見渡し城に施された様々な魔法を見ていた。

しばらくした後、マクゴナガルに呼ばれ、新入生は大広間に連れられて行く。

大広間は素晴らしい光景が広がっていた。
何千もの蝋燭が宙を浮き広間を照らす。
中央には大きなテーブルが四つ並んでおり金色の皿やゴブレットが置かれ、上級生が新入生たちを見ながら座っている。天井には本物の空のように見える魔法がかけられ、星々が大広間の上で輝いていた。

「『ホグワーツの歴史』に書かれていたけど実施に見てみないとこの素晴らしさは分からないわね。」

「そうだね。やはり魔法は実際に目にするのが一番だ。」

レオとハーマイオニーもこの魔法の美しさに目を奪われていた。
新入生たちが並んで待っているとマクゴナガルが椅子を置き、その上にかなり古くボロボロになっている帽子を置いた。

新入生たちは何が始まるのだろうと思っていると、次の瞬間に帽子が歌い始める。

『わたしはきれいじゃないけれど
人は見かけによらぬもの
私を凌ぐ賢い帽子
あるなら私は身を引こう
山高帽子は真っ黒だ
シルクハットはすらりと高い
私はホグワーツ組み分け帽子
私は彼らの上をいく
君の頭に隠れたものを
組み分け帽子はお見通し
かぶれば君に教えよう
君が行くべき寮の名を

グリフィンドールに行くならば
勇気ある者が住まう寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール

ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない

古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう

スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目標遂げる狡猾さ

かぶってごらん! 恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
君を私の手に委ね(私は手なんかないけれど)
だって私は考える帽子!』

歌が終わると、生徒と教員の全員が拍手をおくった。
組み分けの方法が帽子をかぶるだけだと知って周りからは安堵の声が聞こえてくる。
レオは組み分け帽子を凝視し、その魔法の構造を解析するのに集中していた。

「ABCの順番に名前を呼びます。帽子をかぶって椅子に座って組み分けを受けてください。」

「アボット・ハンナ!」

最初に金髪おさげの少女が呼ばれ帽子をかぶり座る。
一瞬の後帽子は彼女の寮を決定した。

「ハッフルパフ!」

その後も次々と名前が呼ばれ各寮に組み分けられていった。

「グレンジャー・ハーマイオニー!」

ハーマイオニーはレオに目配せをして、待ちきれないように帽子をかぶった。
帽子は決めるのに五分以上の時間をかけた、彼女の寮を決めかねているようだった。

「レイブン……、いやグリフィンドール!」

ハーマイオニーはグリフィンドールの机に拍手を持って向かい入れられる。

その後も組み分けは続いていく。
そしてとある少年の名前が呼ばれたとたん、先ほどまでの様々な声は一瞬で無くなり、大広間は静寂に包まれた。

「ポッター・ハリー!」

生き残った男の子がどんな人物なのか、そしてどの寮に決まるのか大広間のレオ以外の全員が注目していた。

「グリフィンドール!」

英雄の行き先はグリフィンドールとなった。グリフィンドールの机は爆発したような歓声に包まれ大騒ぎである。ポッターを取ったとはしゃいでいる双子が特に目立っていた。
レオはそんな周りに興味を持たず、帽子を凝視し続けていた。

(なんて複雑な構成なんだろう……。ホグワーツ創設期に造られたはずだから、千年近く……。魔法の構成だけでなく魔力の色も全然劣化していない、ホグワーツの創設者が作ったのだろうけど凄まじいな。)

「テイラー・レナード!」

分析しているうちにレオの番が回ってきた。

レオの名前が呼ばれるとハリーほどではないが大広間からの注目が集まる。
魔法研究の若き天才がまさか新入生にいたとは、どこの寮に所属するのか、こんなに若かったのか、等様々な好奇な目で見られながら帽子をかぶる。

(ふむ……。これはまた大層な資質を持った子だのう。今までに見なこともない体質でもある。)

(あなたも今までで見てきた魔法具の中で最も素晴らしいものだ。やはりホグワーツの創設者たちが造られたのですか?)

(いかにも。どうやらその『眼』にはお見通しのようだの。)

(すべてはまだ把握しきれていませんけどね。ところでどの寮なのでしょうか。)

(おお、そうだった。すまんの。うーむ、勇気も優しさも確かにある。だが魔法研究を第一にする傾向から他者を疎かにしてしまいそうだの。グリフィンドールとハッフルパフではない。手段を選ばないことからスリザリンでもよさそうだが、何よりその魔法に対しての理解しようとする欲望! それならば……。)

「レイブンクロー!」

拍手と歓声に包まれる大広間。その大多数がレイブンクローからのものであった。

その後も順調に組み分けは続けられ、最後の一人の組み分けも無事終了する。
校長のダンブルドアから簡単な挨拶があり、テーブルの上の大皿には多種多様な料理が現れていた。生徒たちはそれぞれ自由に食べ始める。
レオも近くにあった料理に手をつけていくが、流石は知識を求めるレイブンクローの生徒たち。新入生も上級生もレオについてだけでなく彼の研究への質問を多くぶつけてきた。

「僕はアンソニー・ゴールドスタイン。これから七年間よろしく!」

「私はパドマ・パチル! よろしくね。」

「僕はアール。四年生だ。何かホグワーツで分からないことがあったら遠慮なく聞いてくれ。ところで脱狼薬の更なる改良を研究していると聞いたんだが……。」

「私は守護霊薬について聞きたいわ!」

あちこち、レイブンクローの机からは質問が飛び交う。やがて最初にどの研究についての話をするのが有意義であるかの議論にシフトしていった。レオは結論が出るまでは話がこちらに振られないことにほっとしつつ、食事を楽しむことにした。

デザートも食べ、皆が食事に満足しだした頃にダンブルドアが立ち上がった。

「エヘン、皆よく食べ飲んだことじゃろう。レイブンクロー生たちは議論も白熱しているようじゃが、また後日に語り合う機会はあるじゃろう。」

結局、校長の最後の挨拶まで結論は出ず後日時間があるときにそれぞれ話をしようということに落ち着いたようだ。
その後は構内の森に入ってはいけない、廊下での魔法禁止、クィディッチについてのお知らせが続いた。

「最後に、とても痛い死に方をしたくない者は、今年は四階右側の廊下は入らないようにすることじゃ。」

この注意には多くの生徒たちが疑問を感じているようだ。

「では、寝る前に校歌を歌いましょう!」

校歌は各自が好きなメロディーで歌うため滅茶苦茶な歌になってしまった。最後にグリフィンドールの双子が歌い終える。

「音楽は何事にも勝る魔法じゃ。諸君! 就寝時間じゃ、駆け足!」

生徒たちは各々の寮に移動していく。レオは他の新入生たちとともに監督生についていこうとしたが、レイブンクロー寮監のフィリウス・フリットウィックと副校長のマクゴナガルに呼び止められた。

「ミスター・テイラー。少々お時間をよろしいですか。校長先生がお呼びになっています。ついてきなさい。」

入学早々何事なのだろうと、思いながらもマクゴナガルは有無を言わせないといった感じであるため、レオは周りに挨拶をして二人についていく。

(さて、いきなりなんでしょうか……。)



というわけで、レオはレイブンクローになりました。

ハーマイオニーは原作でもレイブンクロー適正があるとのことでしたが、本作ではレオの影響で最後まで帽子も(私も)悩みました。かなりの組み分け困難者になっています。
組み分けの順番がレオが先であったなら数秒でレイブンクローに決まっていました。

ダンブルドアからレオへの話とは何なのか
次回をお楽しみに。


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8. ダンブルドアからの依頼

二次創作は色々な話があっていいですよね。

では8話です。


マクゴナガルとフリットウィックに連れられてガーゴイルの石像の前まで進んでいく。

「タ〇ノコの里」

何やら海外の、おそらくは日本語であろう言葉をガーゴイルに向かって言うと、ピョンと飛びのいた。どうやら今のが合言葉のようだがどういった意味なのだろうか。

自動螺旋階段を昇って校長室の前に着く。
マクゴナガルがノックをすると中から入室の許可をもらう。

「校長、ミスター・テイラーを連れてきました。」

「おお、ご苦労じゃった、ミネルバ。さてレナード・テイラー君……、レオで良いかの?入学おめでとう。夜も更けてきたことじゃしさっそく本題に入ってしまおう。」

レオは頷いて了承を示す。

「入学式での注意で四階右の廊下は立ち入り禁止と言ったじゃろう。そこから先にあるものを隠し守ろうと計画しておるのだが、その計画の手伝いを君に頼もうかと思っておる。引き受けてくれないかのう? 無論ただでとは言わん、要望があれば出来る限り叶えよう。」

レオは少しの間、思案する。

「では、引き受ける前に守るべきあるものとは何でしょう、また何から守ろうとしているのですか? それを教えていただけるのであれば計画に協力します。」

「いいじゃろう、教えよう。」

「校長! よろしいのですか!?」

マクゴナガルとフリットウィックはこの計画を一生徒に教える、ましてや計画に加えることに疑問を感じていた。

「よいよい。レオ、君は閉心術は使えるかね? この計画は限られた者だけが知っているべきと考えておる。特に君が関与していると知られると拙い状況に陥るかもしれん。」

「閉心術ならば人並みにはできると思いますよ。現に校長先生からの開心術は防げています。」

「何も言わず開心術を仕掛けたことは許してほしい。だがそれだけこの案件は重要だということを理解してほしい。うむ……、確かに心が読めぬ。じゃが通常の閉心術による抵抗とは異なっておるの……。まるでこちらからの干渉が遮断されているようじゃ。どうやっているんじゃ?」

「詳しくは秘密です。自作の魔法具によるものとだけ言っておきます。」

「そうか。とりあえずは心を読まれる心配はなさそうであるから教えよう。守るべきものは『賢者の石』、相手は闇の帝王ヴォルデモートじゃ。」

予想以上のものと相手にレオも驚愕した。しかし良く考えれば納得の組み合わせである。

「なるほど、闇の帝王は賢者の石を使って復活するつもりですか。わかりました、協力いたします。」

「ありがとう。それで対価として何を望むのかね?」

レオは目を閉じて少し考えてみる。
新しい環境、欲しいもの、賢者の石、色々な考えが浮かんでくる。
十数秒ほど考えて結論を出した。

「まず一つ、僕が自由に使える研究スペースの用意をお願いします。所属はそのままレイブンクローで構いませんが、寮ではなく研究室での生活の許可をもらいたいです。」

「許可しよう。大広間の玄関ホールを挟んで反対側の大部屋を利用するが良いじゃろう。空間拡張呪文を使用してもよろしい。実を言うとじゃな、魔法省からも君の研究をできるだけ続けさせるようにできないかと要望があっての。君の提案はどこにとっても悪いことにはならない、存分に研究を続けるといい。わしもその成果を楽しみにしておるぞ。」

「ありがとうございます。次に二つ目、賢者の石を研究してもよろしいでしょうか?」

「それについては今ここで返答をすることはできん。賢者の石の本来の持ち主はニコラス・フラメルであるからの。彼と相談してみるとしよう。」

(やはりそう簡単には賢者の石については無理か……。)

「わかりました。それでは守りについて計画していきましょう。現在はどのような計画なのでしょうか?」

「守りはわしを含めてホグワーツの教師それぞれが独自の罠を構築しておる。森番のハグリッド、各寮監の四人、闇の魔術に対する防衛術のクィレル先生、そして最後に校長のわしじゃ。君にはそれぞれの罠についての更なる改良を頼みたい。これがそれぞれの罠の詳細のリストじゃ。改良点については情報漏洩対策としてわしのみが確認する。どのくらいの期間があれば完了できそうかね?」

レオはリストの項目を一つ一つ確認していく。
それぞれの防衛方法で各教師の専門の魔法や性格の特徴が現れていて興味深かった。

「そうですね……。案を考えるのに一週間ほど、校長先生と打ち合わせして最終案を決めて、その後に準備を始めるのでおおよそ一カ月程度でしょうか。」

「予想より速いのぅ。流石じゃな。では後日に詳細を決めるとしよう。場所はここで構わないかね、校長室の合言葉は定期的に変更するがしばらくはタ〇ノコの里のままにしよう。今日はもう遅い、また連絡するので良い案を期待しておるぞ。」

「ご期待に沿えるよう全力を尽くします。最後に一つ確認したいことがあります。」

「何かね?」

「手加減なし、全力で侵入者の排除。これで構いませんか?」

「問題ない。あらゆる手段を許可しよう。」

マクゴナガルとフリットウィックの二人は校長の予想外の過激な許可に少々疑問を感じた。

「ではフリットウィック先生。レオ君の新しい部屋まで案内してくだされ。寮内で生活はしないが、彼もレイブンクロー生には違いないのでよろしくお願いします。」

「分かりました校長。テイラー君、参りましょうか。着くまでに色々とお話していきましょう。」

「はい。それでは、ダンブルドア校長、マクゴナガル先生、おやすみなさい。」

「うむ、おやすみ。良い夢を。」



レオとフリットウィックの二人は夜のホグワーツを歩いていく。
周りには誰もおらず、時折ゴーストの姿が確認できるぐらいだ。
フリットウィックはレオに興味津々といった感じで話しかけてきた。

「レナード・テイラー君。君の研究については私も色々と聞いていますよ。論文や学会誌も読みました。今年入学と聞いて必ずレイブンクローに組み分けされると思って、楽しみにしていました。実際に組み分けされて非常に嬉しいですよ。ホグワーツでの生活やその他どんなことでも頼ってください。授業以外の時間は基本的に呪文学の教室の隣の自室にいることがほとんどです。紅茶ぐらいなら用意がありますぞ。」

「ありがとうございます、フリットウィック先生。時間があるときにお邪魔させてもらいます。迷惑でなければ共同で魔法研究などどうでしょうか。」

フリットウィックは小さな体で飛び跳ねて言う。

「非常に良いですな! 実は私も君の研究に触発されて若いころの情熱が再燃しているのですよ。」

その後も二人は研究をどうするかなど話し合いながら意気揚々と歩いていく。
それは目的地に到着するまで続いた。

「ああ、ここです。中には机と椅子、簡易ベッドがあるぐらいです。君の荷物はすでに運び込まれていると思います。校長が言った通り自由に研究設備の設置等、改装……いや改造してかまいません。もう日付も変わります。明日からすぐに授業が始まりますから、今日はもう寝るのがいいでしょう。」

「そうですね。改造は明日からにしましょう。おやすみなさい。」

「おやすみなさい。」


レオは自分の部屋になる場所に入る。
中はまさに空き部屋といった所だった。とりあえずベッドはあるので、簡単に体を魔法で清めた後、目覚まし魔法をセットして寝ることにした。

(いきなり、校長からの依頼、自分だけの研究室、先生との共同研究。初日にしては色々あったなぁ。)

そんな事を考えながら夢の世界に意識は持っていかれる。
こうしてレナード・テイラーのホグワーツ初日は終了した。



チョコ菓子ならどれでも好きだよ、オレは。(某紅い弓兵風に)

さて、レオへの校長からの依頼どうでしたか?

ハリポタ二次創作のオリ主の賢者の石での行動は
・ハリーと一緒に守る
・賢者の石について知らない、または興味がない
・賢者の石を奪おうとする
こんなところが多いかなと思います。今作では罠を設置する側にしてみました。

ダンブルドアがやけにレオに対して普通じゃない対応だと思いますが、理由はあります。

それでは次回をおたのしみに。


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9. 予言と危惧

感想・評価ありがとうございます。これからも頑張ります。

今回はちょっと短めです。
では9話どうぞ。


レナード・テイラーとフリットウィックの二人が校長室を出て行った後。
残されたマクゴナガルはダンブルドアに疑問をぶつけた。

「校長、なぜミスター・テイラーを賢者の石防衛計画に加担させたのです? 彼がいかに優秀な研究者とはいえまだ十一歳です。それにホグワーツに専用の研究室を用意させるなど、いくら魔法省からの依頼があったとはいえ前代未聞の処置です。これらには明確な理由があるのでしょうか?」

ダンブルドアは何かを考えて沈黙していたようだが、結論が出たのか話し始めた。

「ミネルバ……、わしは十年ほど前ある予言を聞いた。それは魔法界の、いや世界の命運を左右すると思われるほど重要なものだったと確信しておる。今からその時の記憶を見せようと思う。」

ダンブルドアは記憶を見ることのできる魔法具、憂いの篩を持ってきた。
頭に杖を当てその時の記憶を抜き出して憂いの篩に入れる。
マクゴナガルとダンブルドアは憂いの篩の中へ、記憶へと落ちていく。


周囲が鮮明になった後、マクゴナガルはそこがどこか確認した。
そこはホグワーツの大広間であった。
大広間にはダンブルドアと占い学の教師、シビル・トレローニーの二人だけの姿があった。

「トレローニー先生、久方ぶりのホグワーツはどうじゃ? 問題ないようならば次の学期から占い学の教師としてぜひよろしくお願いしますぞ。」

「もちろんです、ダンブルドア校長先生。あたくしには子供たちを導く必要がありますの。」

マクゴナガルはまさか、と思った。普段のトレローニーの授業や態度からはダンブルドアが彼女の予言を重要視するとはとても思えなかったのである。
マクゴナガルの隣に記憶ではないダンブルドアが立ちその疑問の答えを示した。

「ミネルバよ、確かに普段のシビル・トレローニーには予言の才能など感じられん。しかし彼女は魔法界にとって重要な予言をこの記憶の前にすでにわしに対して言っておる。だからこそわしは彼女を占い学の教師として雇い手元に置いておくことに決めたのじゃ。この記憶はその後にホグワーツで教職員についての連絡等をしていた時のものじゃ。」

マクゴナガルはダンブルドアの言葉に対して半信半疑であった。
その後の豹変したトレローニーの言葉を聞くまでは。

「魔法界を闇が覆うとき、賢きものと優しきものの二つの血を受け継ぎ、全ての魔を解く者が生まれる。その者、数多の認識を破壊し、世に変革をもたらすであろう。決して往く道を妨げてはならぬ。探求の道を阻むものは光であろうと闇であろうと全てが無に帰すこととなる。」

普段の霧の彼方から聞こえるような声ではない、荒々しく太い声。
マクゴナガルは確信した、これが真の予言であると。
トレローニーは予言が終わるとその時の記憶がないようでありまたダンブルドアとの会話に戻っていった。


二人は憂いの篩から戻ってきた。マクゴナガルは今の光景をどう受け止めていいかまだ判断が付かなかった。

「今のがわしが聞いたトレローニーの二つ目の予言じゃ。前に聞いた魔法界に重要な一つ目の予言はハリーとヴォルデモートについてじゃった。まさか教師としてホグワーツに来たその日にもうひとつ予言を聞くことになるとは思わんかったがの。」

「では、今の予言の者がミスター・テイラーだと考えているのですか?」

「そうだとわしは確信しておる。レナード・テイラーが生まれたときはヴォルデモートの全盛期、両親はレイブンクローとハッフルパフで母親はマグル出身で彼は混血じゃ。彼の『眼』と功績を考えるとそうとしか思えぬ。だからこそ彼をこちら側の力になってもらいなおかつ、彼の研究を妨げないように手を尽くすつもりじゃ。どの程度かはわからんが邪魔をすれば最悪全てが滅ぼされるのかもしれんからの。」

マクゴナガルは先ほどの予言は確かに信じさせるだけの力があるとは感じていた。
だが、ダンブルドアは必要以上にレナード・テイラーのことを警戒しすぎではないだろうか。
本当はまだ別に目的があるのではないかという疑問が心の奥に少しだけ残った。

「ミスター・テイラーについては予言で危惧することがあるというのは分かりました。ですが、私はあくまで彼のことを一生徒として扱います。こちらが正しく接していれば特に問題はないと考えます。」

「ああ、それでよい。だが彼が予言の人物でなくともその力と知識の影響はすでにかなりのものじゃ。彼を闇に堕ちないように最善を尽くすつもりじゃ。」

その後は、今後の学校についてや賢者の石について少し話し、マクゴナガルは自室に戻っていった。



誰もいない校長室でダンブルドアは考える。
予言、賢者の石、レナード・テイラー、ハリー・ポッター。
そして滅ぼすべき相手ヴォルデモート……トム・リドルのことを。

(あやつはまだ生きておる……。どんな手段なのかまだ確証はないが確実に。ハリーにはあやつを倒す者になってもらわなければならん。レナードにはその手助け……あわよくばこちら側の切り札になってもらいたいものだが……どうなることやら。)

最も優れた魔法使いと呼ばれたこの老人でさえ未来は読むことはできない。
だからこそより良い未来のためにあらゆる手を尽くすことを改めて決意するのであった。

(まずは、レナード・テイラーの力とその本質を見極めねばのう……。)



前回でダンブルドアのレオへの対応は予言が原因でした。

ダンブルドアは予言のせいで必要以上にレオのことを警戒し、またレオの希望はできるだけ叶える方針でいます。そして最終兵器として利用する気でいます。


それにしてもトレローニーのセリフがいまいちなってない感じがしますね。
予言難しい。


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10. 授業開始

ハリー・ポッターの二次創作なのにハリーが殆ど話していないことに気付くました。
ロンやフォイにいたっては一言もセリフがなかったかな?

こんな話ですが、楽しんでいただければ幸いです。

では10話どうぞ。


入学式の翌日。
レオが目覚まし魔法で目を覚ますと、普段とは別の部屋でまだ夢の中と錯覚しそうになるがすぐにここはホグワーツで、自分専用の部屋をもらったことを思い出した。

大広間が近いせいなのか、早めの朝食をとっている生徒たちもいるからなのか、すでにいい匂いがこちらの部屋まで届いていた。
軽くストレッチをしてから着替えと授業の準備をして朝食に向かう。

大広間には教職員たちはほぼ全員が揃っていたが、生徒の方はまだ少数でありゆっくりと朝食を楽しんでいた。

レオが大広間に入ると気づいた生徒たちがひそひそと何やら話し始める。
何事かと思って、聴覚強化をするとどうやらレオが特別措置で寮ではなく研究室での生活になることが噂されているようだ。
しかも尾ひれがついて中には明らかに嘘だとわかるようなものまである始末。

(まぁ、いいか。研究室をもらったのは事実だし、研究の邪魔にならなければ問題なし。)

そう思いレイブンクローの机で食べ始める。
イギリスの料理は自国民からも不味いと断言される。
ただし、朝食は別だ。ホグワーツの朝食はその中でもさらに別格においしいと言わざるを得ない味だった。

(そういえば、昨日の入学式の豪華なディナーもおいしかったな。ここの料理は誰が作っているんだろう? 機会があればお礼を言いたいな。リクエストもできたりするんだろうか?)

デザートを食べていると、ハーマイオニーが朝の挨拶をしてきた。

「おはよう、レオ! やっぱり、レイブンクローの所属になったわね。私もグリフィンドールと最後まで迷ったわ。けれど! これから寮杯をかけて勝負よ! どんどん点数を稼ぐわ! それから聞いたわよ、特別に自分の研究室での生活が認められたんですってね。時間があるときにお邪魔してもかまわないかしら?」

「おはよう、ハーマイオニー。朝から元気そうで何よりだ。僕の部屋の場所は玄関ホールを挟んで大広間の反対にあるよ。僕が中にいる時なら歓迎するよ。」

その後は授業について少し話してハーマイオニーはグリフィンドールの机に戻っていった。



ホグワーツでは入学式の次の日からさっそく授業が始まる。
新入生の最初の関門は授業の難しさや厳しい教師、大量の宿題ではない。
校舎という建物そのものが最初の敵だった。
複雑というだけではない、曜日によって位置が変わったり、一段消える階段、隠し部屋に隠し通路等々、まさに迷宮と言って差し支えないだろう。

上級生たちは新入生たちがあたふたとしているのを黙って見守るだけだ(中には笑ったり、助けたりする者もいるが)。
習うより慣れよ。まずはどんどん迷ってホグワーツを知るのが肝心なため、上級生たちは助けない。自分たちも通ってきた道だ、そして彼らもまた次の新人たちを見守るのだろう。

だが、今年の新入生で一人だけ教師でさえ目を疑う行動をする者がいた。
やはりというかレナード・テイラーだ。
レオは階段など使わずに、浮遊術を使用して目的の階まで移動している。
周りの生徒たちはあっけにとられポカンと口を開けるしかなかった。
施錠された扉や、行き先が変わる扉も片っ端から解除して進むレオ。
おかげでどの授業にも遅刻せず到着できたが、その姿を見て固まっていた生徒たちは自分も移動中ということを思い出して、全力で走ることになった。



レオたちレイブンクロー生の最初の授業は魔法史であった。
担当のビンズはゴーストであるからなのか単調に教科書を読むだけの非常につまらない授業だ。
レオは早急にこの授業に見切りをつけて罠改良案について考えを巡らせ始めた。
周りのレイブンクロー生にとっては別教科の予習時間になってしまっていた。


次は薬草学の授業だ。
温室での授業でハッフルパフ寮監のポモーナ・スプラウト教授の下で学ぶ。
最初の授業がいきなりつまらなかった反動か、皆生き生きとしている。
まずは、簡単な薬草の説明と温室内の見学となった。


一日目最後は闇の魔術に対する防衛術であった。
レオは正直この授業に期待していた。闇払いである父から色々と鍛えられていたため、自分の力がどこまでのものか確かめるにはちょうど良いと思っていた。
だが、その期待は裏切られることとなる。
教室に入るなり強烈なニンニク臭がする、担当のクィレルは終始おどおどしてしどろもどろであってまともに授業ができていない。
しかも最悪なことに『眼』には彼が『何か』に憑りつかれているのが見て取れた。
こんな教授ではダメだと、諦めて自習をすることにするレオだった。


一日目の授業の2/3がまともじゃなかったため、レオは家で研究を続けた方が良かったんじゃないかとさえ思い始めた。
しかし、その認識は次の日には改められることとなった。


二日目最初、変身術の授業。
教室に入るとマクゴナガルの姿はなく、トラ猫が教壇の上に座っていた。他の生徒たちは気づいていないが、レオは『眼』で猫がマクゴナガルだと読み取った。

(流石は変身術の教授だ。まさか動物もどきであったとは……。初めて見たがかなり複雑な式だ。)

猫がマクゴナガルの姿に戻り、授業が開始する。

「最初に警告しておきます。変身術はホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの一つです。ふざけた態度で私の授業を受ける生徒は出て行ってもらいますし、二度とクラスには入れないと思ってください。」

授業は変身術の実演を見せ、理論を教えてからマッチ棒を針に変える課題をすることとなった。
レオは一発で変身させた後、マクゴナガルに提出した。

「流石ですね、ミスター・テイラー。レイブンクローに5点。」

「ありがとうございます。マクゴナガル先生は動物もどきなのですね。動物もどきの人とは初めて会いましたので色々と伺いたいのですが。」

「良いでしょう。あなたは初歩は問題ないようですし、動物もどきについて簡単に講義をしましょう。ただし、他の生徒から質問等あればそちらを優先します。」

マクゴナガルと話してみると彼女がいかに優秀であるかが理解できた。
授業が終わるころには二人して変身術の理論等に熱い議論を交わすほどになっていた。
授業終了十分前になって我に返るマクゴナガルとレオ。

「コホン。では皆さんの変身度合いを見て回ります。授業以外の時間で変身術のコツを知りたければミスター・テイラーに聞くとよいでしょう。」

他の生徒たちは完璧に近くできたものは極少数、ほとんどは色や形だけの変化のみで中には全く変えられない生徒もいた。

「今回の課題は初歩の初歩です。ですが全ての変身術の原理の基礎が詰まっています。完璧に成功させたものは学年でミスター・テイラーとミス・グレンジャーのみでした。ここにその二本がありますのでよく観察するとよいでしょう。」

(ハーマイオニーも成功させたか。僕の講義の成果が出ているようでなによりだ。)


次は呪文学だ。
フリットウィックは呪文を楽しく、そしてわかりやすく教えると評判を聞いていたが、その通りだった。レオは魔法を読み取れるがここまでわかりやすく教えることはできないと感じた。このように教えるには魔法に対する高い理解がなければ不可能だろう。

最初は簡単な杖先を光らす魔法の実習となった。先ほどの変身術の授業のせいか、レオが成功させた後は周りからアドバイスを求められることになってしまった。

「テイラー、どうやったら光るんだ? 全然光らないよ。」
「わたしは光るけど、点滅しちゃうんだけど。」
「僕は光が強すぎて……! 目が! 助けて!」

レオはフリットウィックと協力して一人一人に理論とイメージの仕方等を説明していく。
授業が終わるころには全員が同じように動かすことができるようになっていた。

「素晴らしい魔法の理解力でした、テイラー君。それに他の生徒にも教える手伝いまでありがとう。レイブンクローに10点あげましょう。みんなも成功させたので追加で10点です!」

教室内では皆が喜び、レオに対してはお礼の嵐だった。


本日最後の授業は魔法薬学。
場所は肌寒い地下牢だ。ガラス瓶が並べられ得体のしれない動植物がアルコール漬けにされていたり、鍋の中に様々な色の液体が煮えていた。

合同で受けるハッフルパフ生と着席して待っていると担当のスネイプが入ってきた。
出席を取り終えると演説を始める。

「この授業では、魔法薬調剤の微妙な科学と厳密な芸術を学ぶ。」

(相変わらずスネイプ先生はポエミーだ……。まぁ、魔法薬の知識は非常に素晴らしいので問題はないが。)

レオとスネイプは魔法薬学会で面識があり一緒の研究も行った仲であった。
スネイプは大演説を終えると魔法薬の理論の説明を始める。
初回は簡単なおできを治す薬の調合を行うようだ。二人組で別れるように指示があり、皆がレオとペアを組みたいらしくなかなかペアができない。

「二人組を作るのにいつまでかかるのだ! レイブンクロー1点減点。さてテイラーはすでに吾輩と同等かそれ以上の魔法薬学の知識と調合の実力がある。特例として吾輩の助手として授業を受けなさい。」

レイブンクロー生たちはしぶしぶペアを作っていく。
調合を開始してからはレオが材料の切り方、下準備、投入のタイミング等アドバイスをしていく。レオのアドバイスを受けたペアは問題なく薬の調合を終えることができた。

「時間だ。できたものは机の上に提出だ。」

スネイプは薬の評価を始める。皆最初の魔法薬であるため緊張しながらじっとしている。

「ふむ、テイラーのおかげかほとんどの薬が合格点に達しているな。レイブンクローとハッフルパフに1点ずつやろう。宿題として今回作った薬の原料と効果についてのレポートを羊皮紙1枚にまとめるように。テイラーは特別に免除。だが別に何かしらの魔法薬についてのレポートを提出だ、内容は問わん。」

レオ以外の生徒はスリザリン贔屓のスネイプが他寮に加点するなどありえないと聞いていたので驚愕していた。



今日の授業はどれも満足することができたレオは夕食を楽しんでいた。
食べ終わるころにタイミングを見計らったのか何人かの生徒たちが集まってきた。

「あの、テイラー君ちょっとお願いがあるんだけど、いいかな?」

「どうしましたか?」

「今日の授業で君は噂通りの人だと思い知ったよ。だけど僕たちも知識を求めるレイブンクロー生! いつまでも君に負けたくはない。なので少しでもいい、色々と教えてはくれないだろうか。」

周りの生徒はみな頷いている。

(どうしたものか……。休日は自分の魔法研究もしたいし……。だからと言って魔法に興味を持ったものを拒絶するのも嫌だな。)

「分かりました。僕も自分の研究は続けたいので、休みの金曜の午後だけ勉強会を開きましょう。二週間後の金曜までには部屋の準備をしておきますので、僕の研究室に集まってください。ただし、魔法を学びたい人は拒みませんので他寮の人も受け入れますのでその点は了承してください。」

「ありがとう! さっそく周りのみんなに宣伝してくるよ。」

(なんだか話が大きくなるような気がするが、とりあえず考えておかなければならないな。)


自室に戻るとさっそく研究室の準備に取り掛かる。
拡大呪文で十分なスペースを確保。次に必要なものを自宅の研究室から転移させ設置していく。
二時間ほどで殺風景な部屋は見慣れた魔法の研究室に変貌していた。
模様替えに満足したレオはいつも使っていたベッドで安らかな眠りについた。



授業が始まった10話でした。

レオの各授業への評価は以下のような感じです。
魔法史→予習時間
薬草学→知っていることも多いが、初めて知ることもある良い授業
防衛術→予習時間 ニンニクのせいで魔法史以下
変身術→マクゴナガルとの変身理論討論大会
呪文学→フリットウィックの教え方が面白くて、新しい魔法の発想が得られそう
魔法薬学→なぜか助手に

ちなみにスネイプ先生はレオのことを歳の離れた弟のように感じています。
本人は認めませんが、若干優しくなっています。
あと、この物語でもハリーいじめは健在です。



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11. 計画提出と心地よい休日

お気に入りが1000件を突破しました!
ありがとうございます。UAやお気に入りが増えるたびにニヤニヤしています。

それでは11話どうぞ。


ホグワーツに来てからの最初の休日。
レオはガーゴイル像の前に来ていた。

「タケノ〇の里」

合言葉を言うと像はどけ、螺旋階段を昇り扉にたどり着く。
扉を三回ノックしながら要件を言う。

「レナード・テイラーです。例の件で参りました。」

「おお、お入りなさい。」

中に入るとダンブルドアと前回はいなかった不死鳥の姿が目に入った。

「ダンブルドア校長は不死鳥を手懐けているのですか?」

「そうじゃ、もうかなりの付き合いになるかの。名をフォークスと言う。」

レオが『眼』を使って観察してみる。不死というだけあってその体には特別な魔法式が刻まれていると思ったが、特に変わったところはない。いたって普通の魔法生物の魔力しか読み取れなかった。

(肉体ではなく、魂が特別なのかな……?)

「では、さっそくじゃが君の改良案を拝見しようかの。」

「はい。これが改良の詳細です。」

ダンブルドアは羊皮紙の束を受け取り、じっくりと吟味していく。
初めは感心しているようだったが、どんどん読み進め次の羊皮紙に行くほどに渋い顔になっていった。
全て読み終えた後、大きく息を吐きだしてレオの目を真っすぐに見て言った。

「まずは率直な感想を述べよう。凄まじい計画じゃ、どの改良も未成年の魔法使いのものとは思えん出来じゃ。だがしかし、あまりにも容赦が無い。無慈悲なまでに侵入者を排除するようにできておる。わしでも何の対策もないままでは賢者の石のある部屋にたどり着く時には命がないじゃろう。そして一番の問題点はいくつか闇の魔法に類する技術が使われていることじゃ。これはどういうわけかな?」

レオはいまいちダンブルドアの言っていることが理解できなかった。

「ええと……。ダンブルドア校長、侵入者は闇の帝王を想定しているのですよね? そして排除する、つまりは殺害を目標と設定し全力で計画を作成しました。この前あらゆる手段を許可するとのことでしたのでこのようになりました。最後に闇の魔法に類する技術とはどれのことでしょう?」

ダンブルドアは戦慄した。ここに記された闇の魔法……しかも最悪の部類の魔法とほぼ同一な技術をそれだと知らずに理論から組み立てたというのか? にわかには信じられなかった。

「では闇の魔法についての知識からこれを作成したわけじゃないのかの?」

「闇の魔法についてはいくつか知っています。禁じられた呪文や悪霊の火、いくつかの呪いとかぐらいですけどダンブルドア校長がそこまで反応する魔法は使っていないと思います。」

(無意識にアレと同じものを造ろうとしていたとは、なんということじゃ……。やはり彼は闇に堕としてはならんの。)

「分かった。とりあえずこの案で計画を進めよう。改良は申し訳ないが明日の深夜から始めよう。理論はできているようだが他に必要なものはあるかの? それと万が一に生徒が侵入した際の安全対策は大丈夫じゃろうか?」

「では、いくつか魔法薬の材料の提供をお願いいたします。安全対策ですが第一と第二の罠で未成年対策を施す予定ですので安心してください。」

その後、細かな修正などを話し合って賢者の石防衛計画は完成となった。
さっそくレオは研究室で準備に取り掛かるとのことで戻っていった。



レオが出て行った後、一人きりの校長室でダンブルドアは考える。

(果たしてこれで良かったのだろうか……。レナード・テイラーの力を見るのとこちらの陣営に引き込むために計画に加担させたが、まさか闇の魔法を躊躇なく計画してくるとは……。彼自身それに対して何の疑問も持っていないのをどう捉えたらよいのか。あくまで魔法の研究だから、教師に頼まれたからなのか、それとも彼の心の奥底に闇があるのか……。いずれにしろしっかりと見極めねば。)

ダンブルドアは悩みがまだまだ続きそうだと直感で感じてため息をつくしかできなかった。



レオが研究室に戻るとドアの前にはハーマイオニーがいた。
本を読んでいるようだったがレオが戻ってくるのに気付くと笑顔になりレオに向かってきた。

「おはよう、レオ! 今日は休日だし研究室に来たわ。授業が始まってからはあまり話せてないから今日は一日ここで過ごすわ。」

「おはよう、ハーマイオニー。確かに同じ学校でも寮が違うとあまり話さなくなってしまうね。グリフィンドールとレイブンクローが合同なのは魔法史しかないしね。とりあえず中へどうぞ、歓迎するよ。」

ハーマイオニーを中に招き入れる、とりあえず紅茶とクッキーを用意する。
お互いに寮と研究室での生活や最初の週を終えてのホグワーツの授業について話が弾んだ。

「ホグワーツは素晴らしいわ! 授業は面白いし魔法はどれだけ学んでも奥が深くて楽しいわ。レオに勉強を見てもらったおかげで変身術や呪文学では点数を貰えたわ。ただ、魔法薬学のスネイプ先生はちょっとスリザリン贔屓が過ぎる気がするの……。ハリー・ポッターに対しては無茶な質問をするし、私が挙手しても相手にしてくれなかったわ。」

「スネイプ先生はちょっとグリフィンドールが嫌いだからね。ただ悪い人じゃないと思うし、魔法薬の腕前は確かだよ。点数を獲得するには完璧な魔法薬を作って認めさせるしかないかもね。」

「やってやるわ! そういえばレイブンクローはどんな感じなの?」

「寮で生活してないから何とも言えないが、皆授業はしっかり受けているし、金曜の午後にはここで勉強会をすることになったよ。他寮の生徒も参加できるようにするつもりだけど、ハーマイオニーは勿論参加かな?」

「もちろんよ! あぁ、レイブンクローいいなぁ……。グリフィンドールも悪くはないんだけれど落ち着きがなかったりして子供っぽい人が多いのよ。」

ハーマイオニーはしばらく不満や愚痴をこぼしていた。


「そういえば噂に聞いたんだけれどレオは空を飛べるのね? 皆が階段で迷っているのに飛んで移動していると聞いてビックリしたわ。私もちょっと迷って危うく授業に遅刻するところだったわ。上級生たちも飛行してないし難しい魔法なの? 私でも飛べるようになれるかしら?」

「んー、どうだろう。一応飛行魔法は僕オリジナルの構成で造っているけど、物を動かしたり、浮かせる魔法は山ほどあるしそれの組み合わせで造ったものだから他にも独自に飛べる人はいるんじゃないかな。結構コツがいるからすぐにはできないかもしれないけど、飛んでみたいかい?」

「もちろん! 魔法で空を飛ぶなんてまさにマグルの絵本の中みたいで素敵だわ。」

それからレオは計画のための準備で魔法薬の作成の取り掛かる。
ハーマイオニーはレオの作業を見たり宿題をしたりして時間を過ごす。
たまに会話もあるがほとんどお互いの作業に集中する二人。
それでもこのホグワーツに来てから一番心が安らぐ時間であると二人は感じていた。
ホグワーツに来る前の図書館での時間のようであり懐かしくもあった。


「さて、一段落したな。ハーマイオニーはどう?」

「私はもう宿題は終わったからレオの作業を観察していたわ。教科書や色々な本読んだけど、今作っている魔法薬は載ってなかったわ。レオのオリジナル?」

「そうだよ。どんな効果か原料から解るかな?」

「ちょっと待って、時間を頂戴。」

ハーマイオニーはうーんとうなりながら原料を見てレオの作業を思い出す。
数分の後、自信なさげだが答えが出たようだ。

「ちょっと自信ないけど……、知性に影響する薬かしら?」

レオは予想以上に近い回答に驚いた。

「すごいね、ハーマイオニー。結構高度な魔法薬なんだけれどかなり近い回答だ。正確には投薬した対象の知性・感情のレベルを人類相当まで引き上げる魔法薬だ。とりあえず、動物実験では成功しているからあとは量と効果の微調整かな。」

ハーマイオニーは自分の回答が褒められて嬉しそうにする。
日も暮れてきたので大広間に夕食を食べに行こうとする二人。
レオはふと気が付く。

「そうだ。ここは大広間のすぐそばなんだから料理を持ってくればここで食べられるね。」

「良いわねそれ。そうすればわざわざグリフィンドールとレイブンクローに分かれないで一緒に食べられるわ。」

二人は大広間から必要な分だけの料理とデザートを運んできて研究室の食事スペースでディナーを楽しんだ。ホグワーツに来てからこうして顔を合わせての食事は初めてだったので、いつもより楽しくそして美味しく感じられた。
これから休日は予定がなければここで自由に過ごして一緒にディナーをとることに自然と決まった。

デザートまで食べ終わり、まったりしている二人。穏やかな時間は早いもので就寝時間が近づいてきた。

「そろそろ寮に戻るわ。また色々と研究を見せてね。おやすみなさい、レオ。」

「おやすみ、ハーマイオニー。」

こうしてレオの心地よい休日は終わっていった。



ダンブルドアが不安視しているアレとは何でしょうか?
賢者の石防衛計画の詳細は侵入者が入るまでお楽しみに。
ただ一つ言えるのは石を狙う者はあの世行きです。

レオの魔法への認識は闇や悪など関係なしに高度であるか、美しいかなどを重視しています。
なのでアバダ・ケダブラも殺すことに特化してそれ以外の要素を排除した純粋な構成なのでレオとしては良い呪文という認識です。

次回はロンに初セリフがあります(予定)。


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12. 恐怖の飛行と真夜中の遭遇

前回の更新後に急にお気に入り登録やUAが増えてビビりました。
何が起こった!?

では12話どうぞ。


その日の朝の大広間は少々騒がしかった。
レオが話を聞いてみるとどうやら飛行訓練が始まるようだ。
レイブンクローはハッフルパフと合同だ。それはつまりグリフィンドールとスリザリンが合同で授業をすることを意味している。
レイブンクローとハッフルパフとしてはまた獅子と蛇のつまらない争いが起こるのかとため息をついた。
そんなことより箒で空を飛ぶことの方がよっぽど良い、大多数がそう思っていた。

実はレオは箒に乗ったことがない。クィディッチも見たこともないしルールすらも知らない。
今まで研究漬けの毎日で息抜きもハーマイオニーと出会った図書館ぐらいなものだった。

(箒か……。どんな感じなのかなぁ。まぁ僕は飛行魔法使えるし、あまり興味はないかな。)

その日の大広間は箒やクィディッチの話題で終始ざわめいていた。スリザリンの机では明らかな無知をさらしているのもいたが、少しは静かにできないのだろうか。


飛行訓練の当日。
すでにグリフィンドールとスリザリンの授業は終了した後だ。
案の定一悶着あったようで、どうやらハリー・ポッターとスリザリンのうるさかったヤツ、マルフォイというらしい、この二人がトラブルを起こしたとのこと。
それ以外にも箒のコントロールができなかったり、かなり悪い噂ばかり聞こえてくる。

レオは校庭に出て、レイブンクロー生とともに並んでいた。
いつも通りに見えるが、両親やハーマイオニーが見たら医務室に行った方が良いと言ってくるだろう。今、心の中は混乱と緊張でいっぱいだった。解る人には解る程度だがそれが顔に表れていた。

(ありえない。なんなんだ、この箒……。まともじゃない。どの箒も魔法式が穴だらけだ。こんなのじゃまともに飛べるのかもあやしい。前の授業で悪い話ばかりなのも当然だな。こんな箒でうまく飛べるのは、この穴を埋めるのに適切なコントロールを直感で行える人だけだぞ。)

通常は見えない魔法が見える為、レオはこの欠陥だらけの箒で飛ぶことにに恐怖を感じた。

「何をボヤボヤしているんですか。」

鷹の目のように鋭い目つきのマダム・フーチが生徒たちに指示を出す。

「皆箒のそばに立ちなさい。右手を箒の上に突き出して、上がれ! と言う。」

生徒たちは上げれと叫ぶがほとんどは少し動く程度で、中には全く動かない箒もある。
レオの箒も少し動いた程度であった。

(当然か。面倒だから浮遊呪文を使うか。)

周りが成功し始めるころ合いを見て無言呪文で手に箒を取る。
その後の飛行訓練でもとてもじゃないがこんな欠陥だらけの箒で飛ぶ気にはなれず、箒にまたがったまま飛行魔法でごまかして過ごすレオであった。
その日はホグワーツに来てから初めて経験した恐怖の一日であった。


その日の深夜もレオは賢者の石防衛の罠の改良を行っていた。
今日はフリットウィックの罠の改良を終わらせてしまおうと作業を急ぐ。

真夜中になっても作業を続けていると最初の部屋へ侵入者が現れたことを感知した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私、ハーマイオニー・グレンジャーは怒っていた。
今日は飛行訓練があり、初めて箒で空を飛ぶのだと楽しみにしていたのだが、またもスリザリンとくだらないトラブルがあった。しかも英雄と呼ばれたハリー・ポッターはこちらの注意も聞かず勝手な行動をとるし、周りの連中もそれを止めようとしないばかりか当然の行動としている。
もう少し考えて行動はできないのだろうか?
挙句の果てにハリー・ポッターとロナルド・ウィーズリーがスリザリンのマルフォイと夜中に決闘をするという規則を完全に無視した行動をしようとしている。これがバレればグリフィンドールからどのくらい減点されるかなど考えもしていないみたい。
必ず阻止しなければと、談話室で待っていると馬鹿二人が降りてきた。
馬鹿二人はいくら言っても論理立てて話しても聞く耳を持たない。

(なんて考え無しなのかしら! 少し考えればマルフォイの罠って解るはずなのに!)

談話室を出て最後の忠告をして戻ろうとしたが、肖像画の中に太った婦人がいなくなっていた。閉め出されてしまった……、最悪だわ。
中に入れなくなっていたネビルと合流してあの二人が更なる馬鹿をしないか監視することに決めた。

結局、私の予想が的中して決闘などなくマルフォイの罠であった。
そして現在、管理人のフィルチから逃げている最中というわけだ。
まったくもって今日は厄日だわ。

そう、この時はこの瞬間が最悪な時間だと思っていたのだった。

フィルチを振り切るため私たち四人はとりあえず、一番近くにある扉に入った。
そこがどこであるか、確認しなかった私たちは相当に焦っていたのだろう。

中に入ってフィルチが遠くに行くのを待った。
声が遠ざかるのを確認してすぐに出ていこうとするが扉は開かない、それどころか触れもしなくなっていた。
困惑している私たちの後ろから声が聞こえてくる。

「だれ?」「なに?」「しんにゅうしゃ?」

「きゃああああ!」

振り向いた私は叫ぶことしかできなかった。
そこには首が三つもある大きな犬……ケルベロスがいたのだった。
ハリーとロンは必死に逃げようと扉をどうにかしようとしている。
ネビルはどうやら気絶しているようだ。

「こども」「みせいねん」「せいと」

しばらくたってもケルベロスは襲ってこなかった。というか、さっきから喋ってないかしら?
意を決して話しかけてみることにする。

「あの……、人間の言葉がわかるの?」

「わかる」「はなせる」「すごい?」

どうやらコミュニケーションは取れるようだ。それにすぐにこちらをどうこうする敵意は感じない。

「私たちのこと襲わない? 外に出たいのだけれどどうすればいいのかしら?」

「おそわない」「でられない」「わからない」

ハリー達も落ち着いてきたようでケルベロスとのやり取りを見ている。
でもこのケルベロスは襲いはしないようだけれど出る方法を知っているわけではないようだ。

それからしばらくの間、扉をどうにかするために鍵を開ける呪文、アロホモーラを使ったりしていたが効果は表れなかった。ケルベロスはこちらに興味がないのか眠ってしまった。

「れんらく」「たいき」「くる」

ケルベロスが起床し話しかけてきた。誰かから連絡がきたということか? 来るって誰が?

外から扉が開かれた。やっと出られると喜んだが、次の瞬間には血の気が引いた。
マクゴナガル先生がものすごい怒りの形相で立っていたのだから。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

侵入者を感知したレオは即座に第一の部屋の様子を確認するため、魔法でケルベロスの視界と同期した。

(まだ罠の改良は完璧ではない……。このタイミングで侵入者ということは闇の帝王が僕が関わっていると知って早急に賢者の石の奪取に動いたのだろうか?)

ところが、ケルベロスの視界には闇の帝王ではなくハーマイオニーの姿が映っているではないか。他にもネビルとハリー・ポッターと誰か知らないが男子生徒がいる。

(なんでハーマイオニーが!? とりあえずケルベロスには未成年の臭いの区別をつくようにして襲わないようにしてあるから大丈夫だろうけど……。)

彼女らの前に出て扉を開けることもできるが、この計画にレナード・テイラーが関わっていると知られるのは問題だ。
ひとまずグリフィンドール寮監のマクゴナガルに連絡することにした。

プタビトランス(思考送信)

思考を送信する魔法でマクゴナガルにこのことを伝える。

((マクゴナガル先生。レナード・テイラーです。例の計画の作業中侵入者を感知。確認の結果、グリフィンドール生が四人、入り込んでいます。対応のほどよろしくお願いします。))


寝ようとしていたマクゴナガルはいきなり頭の中に声がしたと思ったら予想外の知らせに仰天した。すぐに着替えもせずに四階廊下に急いだ。

例の扉を開けるとポッター、ウィーズリー、ロングボトム、それになんとグレンジャーもいた。

「あなたたち……。自分たちが何をしているか分かっているのですか? 夜中に寮を抜け出す! おまけに立ち入り禁止の場所に入り込む! 規則を守る気はあるのですか! 一歩間違えば死んでいたのかもしれないのですよ。」

「でも……、先生、その僕たち……。」

「言い訳無用です、ミスター・ウィーズリー! グリフィンドール50点減点です。一人につき50点です。これに懲りたら今後このような真似はしないことです。いいですね!」

言い渡された四人はショックを受ける。特にハーマイオニーは泣き出してしまいそうだった。
レオにはハーマイオニーが何の理由もなしにこんな行動をするとは考えられなかったのでマクゴナガルに待ったをかける。

((マクゴナガル先生。テイラーです。守りの計画のためにも一応侵入の経緯を確認していただけませんか? それにハーマイオニーが無計画に侵入したとは思えません。))

マクゴナガルはレオの発言で少し冷静さを取り戻す。今までの授業での態度から確かにハーマイオニーがこんな校則違反をするとは考えにくかった。

「ミス・グレンジャー。どうしてこのような事態になったのか説明してみなさい。場合によっては減点についても考慮します。」

ハーマイオニーは部屋に侵入するまでの経緯を説明する。
ハリーとロンがマルフォイとの決闘に向かったこと、止めようとしたこと、太った婦人がいなくなったこと、ネビルと合流したことなど。
全てを聞いた後、マクゴナガルは大きなため息を吐いた。

「全く……、ポッター、ウィーズリー呆れました。ミス・グレンジャーの言う通り少し考えれば解るでしょうに。あなたたちは50点減点のままです。ミスター・ロングボトム、あなたはもう少ししっかりしなさい。ですが、この二人よりマシであるため25点減点にします。最後にミス・グレンジャー、あなたはこの二人に巻き込まれたようなものです。しかし、規則違反は規則違反。情状酌量して15点減点としましょう。」

レオはハーマイオニーを気の毒に思った。今回だけで140点の減点。真面目で点数を稼ぐことに真剣だった彼女には相当堪える大きさの減点だ。しかもほとんど巻き込まれたようなものだ。
四人はマクゴナガルに連れられて寮に戻っていく。気を取り直してさっさと今日の予定のところまで罠の魔法式の構築を完成させてしまおうと『眼』に力を集中させるレオであった。

(次に会う時のために、ハーマイオニーを元気づける方法を考えておこうかな。)



レオは箒の才能は有りません。一般生徒と同程度です。
ホグワーツの箒を原作より劣悪にしてみました。まともに飛べる箒がほとんどないです。

プタビトランス(思考送信)
オリジナル魔法。思考を送信するだけです。名前考えるの難しい……。
(( ))で思考を表してます。

ケルベロスは前回レオが作っていた魔法薬で人並みの知恵をつけて喋れるようにしました。頭のそれぞれで一言ずつ喋ってます。

そしてロン! やったね! 初セリフだよ。

では次回お楽しみに。


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13. ハロウィン

ハロウィンと言えばトロール。
さて今作ではトロールはどのような扱いなのか。

では13話どうぞ。


ハーマイオニー達が侵入した翌朝。

グリフィンドールから一気に140点も減点されたことで大広間はかなり荒れていた。
ハリー達は無謀な決闘をしようとしたとして周りからは非難されていた。
ハーマイオニーとネビルは事情を説明したのかそこまで扱いは悪くはないようだ。
スリザリンのマルフォイがポッターとウィーズリーがいかに間抜けかなどと大演説を始めるとさらに混沌とした状態になってしまった。
先程までハリーとロンを非難していたグリフィンドール生たちもその矛先をマルフォイとスリザリンに向けだしたのだ。
スリザリンを罵倒するグリフィンドール。
マルフォイを筆頭に煽るスリザリン。
どうしたらいいのかわからないハッフルパフ。
こんな場所で食事など取りたくないとため息をつくレイブンクロー。
最終的にマクゴナガルが一喝するまで、醜い罵りあいは続いた。
レオは早急に研究室にハーマイオニーと避難したため、ゆったりと食事を楽しむことができた。

「昨夜は災難だったね、ハーマイオニー。」

「全くよ。でももう少し上手いことどうにかしたかったわ。結局、私も減点されてしまったわけだし。なんにせよもうこれ以上の減点は許されないわ。」

今回の件でより一層、規則に対して厳しくしなければと心に誓うハーマイオニー。



それからは大きな変化もなく毎日が経過していく。
レイブンクローはレオに刺激されたのか例年より団結して学問に励んでいる。
いつもはお互いが勉強のライバルという感じで少しギスギスした雰囲気もあるのだが、今年はレナード・テイラーという高い能力を持った壁または目標がいる為、皆そこに向かって協調しているのだった。
金曜日の午後のレオの勉強会は今や上級生や他寮の生徒も来るようになっていたため、研究室の空間を拡張して専用の勉強スペースを作っていた。
勉強会と言ってもレオはほとんど教えることはせず、皆が協力して宿題や苦手の克服等に力を入れている。
レオは主に魔法を発動するアドバイスなどをしているだけだ。
だが『眼』で個人個人の魔法の癖や式の欠陥を見抜くことで適切なアドバイスになるため、皆の力量はどんどん上昇していった。


1991年10月31日

この日は朝からかぼちゃとお菓子の香りでホグワーツは満たされていた。
別にハロウィンだからとはいえやることは変わらない。いつもどおりに授業を受け、教授たちと議論したりして充実した一日であった。

大広間でかぼちゃだらけの夕食を食べていると、クィレルが大慌てで入ってきた。
皆が注目する中、息を切らせながら叫んだ。

「ト、トロールが……地下室に、お知らせしたくては……。」

その言葉を言った次の瞬間にはクィレルは崩れ落ちる。気絶してしまったようだ。
トロールと聞いて大広間は大混乱となってしまった。生徒はパニックを起こし滅茶苦茶な行動をとろうとする。
レオは捕まえれば実験材料に使えるかなと、他の生徒が思いもしないことを考えていた。
ダンブルドアが杖から爆音を出して、生徒たちを落ち着かせる。ひとまず各寮に戻って教師たちで対処するとのことだ。レオの研究室はすぐ近くな為、トロールとの遭遇はないと判断されたのか一人で戻っていった。

研究室に戻ると、扉の前でなんとハーマイオニーが座り込んでいた。
最悪の想像をしてしまい、急いで駆け寄る。ハーマイオニーはこちらに気付いたとたん、走ってきて更には抱き着いてきた。

「ハーマイオニー? どうしたんだ? ……うん、怪我はしてなさそうだ。」

「レオ……、レオ……。私、わたし……。」

抱き着いたまま泣き出してしまうハーマイオニー。
いつトロールと遭遇するかもしれないし、こんな状態のハーマイオニーを放っておくなどできるわけがない。ひとまず研究室の中に入って落ち着かせることにした。
泣き止まない彼女をソファーに座らせ、暖かいココアを差し出す。

「はい。まずはこれを飲んでゆっくりしようか。」

ハーマイオニーは少しずつココアを飲む。レオは黙ってハーマイオニーの反応を待っていた。
しばらくして、落ち着いたのか少しずつ話し始めた。

「レオ……。私ってお節介すぎなのかしら? レオは私のことどう思っているの? 迷惑だと感じていない?」

「僕は君のことを一番の親友だと思っているし、迷惑と感じたこともないよ。それに君がこれからどんなことをしてもそれは変わらないと思うよ。」

「ありがとう……。でも周りはそうは思っていないみたいなの。私が皆の為と思って行動しても……。今日、ロンに悪夢のようなヤツって言われたの。それだけじゃない! あいつに魔法を教えたレナード・テイラーってヤツはさらに勉強ができるってことはもっと性格も最低最悪に違いないって言ってたの! 悔しかった。私が悪く言われるだけじゃない、私のせいでレオも悪く言われたの! 悲しくて、悔しくて……。レオに会いたくなって気づいたら授業にも出ないでここの扉の前で座り込んでしまっていたわ。」

レオは目をパチクリさせた。ハーマイオニーの言葉が予想外であったのだ。

「僕のことを気遣ってくれたんだね、ありがとう。でも、気にしなくていいのに。ロンだか誰だか知らないけど、僕のことを知らない人にどう思われようともどうでもいいよ。いや、例えホグワーツ全て、魔法界の全てが僕のことをどういう風に見ていても関係ないよ。僕の研究する魔法の美しさはそんなものには全く影響されないからね。それにハーマイオニーが僕のことを正しく見ているならそれだけで十分だよ。」

ハーマイオニーはレオの言葉で少し心が軽くなった。

「それより、ハーマイオニーはどうしたいんだい?」

「私は……。私はレオのようにはなれない。どうしても周りのことは気にしてしまう性分なの。でも変わりたい、変わって周りともう少し打ち解けた関係を作りたいわ。」

「なら変わればいいんじゃないかな。ハーマイオニー、君は僕なんかよりずっとまともな人間だ。少し改善すればすぐに仲良くするぐらいはできるんじゃないかな。」

「そうね、そのとおりね。解ったわ、レオ。私やってみる、変わってみせる!」

少しは元気を取り戻せたハーマイオニーを見てレオも自然と笑顔になる。
もう一杯ココアを飲んでゆっくりしてからレオはグリフィンドール寮までハーマイオニーを連れていく。


「レオ、別に私一人でも戻れるわよ。もう大丈夫だから。」

「ああ、言ってなかったね。校舎にトロールが侵入したらしい。今生徒は各寮に避難して、先生たちで対処しているところだ。」

「トロール!? どうしてここに……、でも、もう先生たちがなんとかしてくれたから大丈夫のはずよね?」

「どうだろう。まぁ、トロールぐらいなら僕でも対処できる。ハーマイオニー、安心していいよ。守ってあげる。」

ハーマイオニーはその宣言で顔を赤くさせつつも、安心した。
しばらく、何事もなく進んでいく。グリフィンドール寮まで半分ほどのところで強烈な臭いが漂ってきた。

「何なのこの臭い……。まさか!」

「運が悪いことにそのまさかだろうね。ハーマイオニー、僕の後ろに。」

臭いが強烈になるにつれ、足音も聞こえてきた。曲がり角から姿を現したトロールは三メートルを超える巨体だった。
ハーマイオニーは息を呑む。まともに戦ったらすぐ自分などミンチにされてしまうだろう。
でも、ここにはレオがいる。それだけで叫びそうな自分を抑えることができる。
トロールがこちらに気付いた。即座に向かってくる。

フェルム(刃よ)ロタティネ(回転せよ)ヒートルト(加熱)。」

レオが呪文を呟くと魔力で造られた一メートルほどの刃が現れた。
その後の呪文を受け、刃は回転し温度を上昇させていく。離れた位置にいるハーマイオニーでさえその熱気が伝わるほどの温度になるころには赤く発光するまでになっていた。

フリペンド(撃て)。」

レオが刃に命じた次の瞬間には射出された刃がトロールの首を焼き切っていた。
宙を舞って落ちる頭、崩れ落ちる頭のない巨体。
トロールがこちらに気付いてからほんの数秒でトロールはその命を終えたのだった。

「すごい……。」

ハーマイオニーはレオのすごさを改めて思い知らされた。私もあの程度の困難独力で乗り越えるだけの力をつけようと決心した。

「ハーマイオニー!」

「無事!?」

後ろから男子生徒二人が走ってきた。おそらく寮にいなかったハーマイオニーを探してきたグリフィンドール生だろう。よく見ればハリー・ポッターとケルベロスの守りに侵入した誰かさんであった。

「ハリー、それにロン……。」

どうやら誰かさんはロンであるようだ。二人は死んでいるトロールに驚愕しているようだが、ハーマイオニーを見て謝ってきた。

「ごめん、ハーマイオニー。僕たち君にひどいこと言った。君は悪くないのに。」

「こちらの方こそごめんなさい。私の態度も悪かったし、これからは改めるわ。そしてありがとう。私のこと探しに来てくれたんでしょう?」

「ああ、うん、そうなんだけど。必要なかったかんじゃないかな。もうトロールは死んでるみたいだし。先生の誰かがやったのかな?」

「レオが倒したのよ。そうだロン、レオにも謝ってくれないかしら。」

ハーマイオニーの言葉を受けて目を見開くハリーとロン。
ロンはばつの悪そうな顔をして謝ってきた。

「君があの有名なレナード・テイラーなのかい? ごめん、直接じゃないけど君にもひどいこと言った。それにしても、おったまげー。君、勉強ができるだけじゃなく強いんだね。」

「別にいいよ。そういえば何度か顔は見てるけど初めましてだね。改めてレナード・テイラーだ。よろしくウィーズリー君。それとこうして話すのはダイアゴン横丁以来かな、ハリー・ポッター君。」

「そうだね、僕は君が有名って知らなかったよ。改めてよろしく。」

レオはダイアゴン横丁でも見た黄金のベールを解析を進める。

(やはり、守護の魔法か。しかも犠牲をもって発動するタイプ……。おそらく彼の両親が死んだときに庇ったのだろう。これが原因でヴォルデモートは消えたのか。)

そうして話しているとトロールが倒れた音を聞きつけたのかマクゴナガル、スネイプ、クィレルがやってきた。
クィレルはトロールの死体を見て腰を抜かしてしまった。スネイプはグリフィンドールの三人、特にハリーを睨んでいる。マクゴナガルは四人に詰め寄ってくる。

「あなたたちこれはどういうことですか。特にミスター・ポッターとミスター・ウィーズリー! また寮から抜け出して。それにこのトロールの死体、何があったのか正確に説明しなさい。」

レオがハーマイオニーのこと、トロールに遭遇したこと、二人について説明をする。

「そうでしたか。ポッターとウィーズリー、二人の行動は立派ですがミス・グレンジャーの行動の元を考えればあなたたちが原因です。よって減点も加点も無しです。ミス・グレンジャーも同様に特に処罰等はありません。最後にミスター・テイラー、トロールの対処および生徒を守ったことからレイブンクローに15点与えましょう。三人は私が寮まで送りますので、もう今日は休みなさい。」

マクゴナガルは三人を連れて寮に向かった。スネイプはトロールの死体の処理をしているようだ。魔法薬の材料に使われるだろう。
レオはハリーの守護を解析し終えたが、クィレルからも守護するようになっているのには疑問が残った。

(解析が不十分だったかな? クィレル先生も解析した方が良いかな。)

クィレルの方を向くと、目が合った。開心術を仕掛けているが遮断されて失敗したようだ。その目には恐怖と怒りが感じ取れた。

(何か憑りついているしそれが影響しているのか。……あぁ、なるほど。ヴォルデモートか、だからハリーの守護が作用しているのか。)

守護についての答えを得たのでクィレルを無視して研究室に戻るレオ。

このハロウィンの騒動からハーマイオニーは周りに受け入れられるようになった。
ハリーとロンとはそれなりに一緒に行動するようになったようだ。



マルフォイが余計なことをしなければ英雄とその親友は獅子寮の戦犯扱いでした。
無駄に煽らなければ良かったのですが、彼の性格では無理だったのでしょう。

レオの勉強会はダンブルドア軍団のように戦闘中心ではなく塾のような感じです。

ハーマイオニーは原作と違って頼れる人がいたのでトイレには籠りませんでした。

トロールさんは絶命となりました。二次創作での生存率はどの程度なんでしょうね?
ちなみに首ちょんぱのイメージは気円斬です。ただ熱を加えたことで切断面が焼かれて血が出ていません。トロールの血液がくさいためレオが気をつかいました。

ハリーの守護解析完了。これでハリーに対しての興味がほぼゼロになりました。

ハーマイオニーとハリー、ロンは原作ほど仲良くなっていません。あくまで普通に友人として接して勉強ができるので頼りにしている程度です。


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14. 開発と助言

今回の話である人物が嫌な奴に感じると思います。
この登場人物はこんなんじゃない! と思う方もいらっしゃると思いますが、
二次創作と言うことで勘弁してください。

では14話どうぞ。


ハロウィンの後からハーマイオニーは周囲に溶け込めるようになった。
今ではグリフィンドール生の勉強の面倒を見るようになっているようだ。
ハリーとロンとは友達になれたようで三人で行動することも増えている。
だが、ハーマイオニーにとっては一番の友人はレナード・テイラーであることは変わらず、休日はレオの研究室で過ごすのが当たり前になっていた。

11月になりクィディッチのシーズンが始まった。
最初の対戦カードはグリフィンドール対スリザリン。まさに因縁の対決からのスタートだ。
だが、そんな事にはまるで興味がないレオは今日も研究室で魔法研究三昧。

(さて、賢者の石の罠の改良は完了。あとはニコラス・フラメルから賢者の石の研究許可がもらえれば最高なんだけどなぁ……。)

そんな事を考えながら、テーブルに置いた十個の指輪を見つめる。
これらは普段はレオの全ての指に付けられているものだ。通常は認識阻害と透明化の複合でその存在を知る者は皆無である。
指輪にはそれぞれ異なる能力を持たせる予定である。
現在は十個の内、五個が完成済み。残りについても理論は完成しているため、順次作成していく方針だ。
問題がなければ一学年終了時には完成するはずだ。その後は必要に応じて改良を重ねていけばいいだろう。

(とりあえず、反射から造っていこうかな。)

指輪の一つを魔法陣の上に設置し、魔法式を刻み込んでいく。式は幾重にも層を重ねより複雑な文様を形成していく。全神経を集中させ、『眼』を使って極微細なミスもないように新しい魔法具に力を宿す。



ふと気付くとすでに夕方になっていた。魔法に熱中していると時間を忘れてしまう。
クィディッチは終了したのか廊下にはそれなりの人の気配がする。
一段落したため紅茶で飲んでリラックスしようと準備していると、ドアがノックされた。

「レオ、ハーマイオニーよ。入ってもいいかしら?」

「どうぞ、ちょうどよかった今紅茶の準備をしたところだよ。」

お邪魔しますと言ってハーマイオニーが入ってきた。その後ろにはハリーとロンが続いていた。

「お邪魔します。うわぁ、なんかすごい場所だね。」

「こりゃすごいや。何が何だかわからないけど、とりあえず凄そうだ。」

「いらっしゃい。どうしたんだい、ハーマイオニー。他の人と来るなんて初めてじゃないか。それとポッター君とウィーズリー君はあまり周りのものを触らない方が良いよ。」

色々と周りを見て触ろうとしていた二人に注意しておく。実際にはそこまで危険なものはここには無い。本当に危険なものはずっと奥で取り扱っている。

レオは紅茶とお菓子を食べながら、ハリーとロンが今日のクィディッチでの出来事について文句を言っているのを聞いていた。
内容を要約すると、ハリーの箒にスネイプが呪いを仕掛けたと考えているらしい。

(スネイプ先生レベルで呪いをかけたら今頃箒はバラバラだろう。仮にスネイプ先生が呪っていても他に保護魔法を使っていた人がいると考えるべき。クィレルにヴォルデモートが憑依していることも考慮すればクィレルが呪いをかけてスネイプ先生が対抗していたのだろう。普段の態度から誤解されているなぁ。)

「レオ、スネイプ先生は呪ってたと思う?」

「絶対そうだよ! だってスネイプだぜ!? ハリーへの態度を見れば100%犯人だよ!」

「僕もスネイプに間違いないと思う。」

「状況を見ていないから断言はできないな。仮にスネイプ先生が犯人だとしたら今頃ポッター君はベッドの上か、棺の中だろう。だから呪っていた人とは別に守っていた人もいると思う。どちらにしろ、推測しかできないな。」

(まぁ、ヴォルデモートのことは言わない方が良いだろうから、こんな回答しかできないな。)

ロンとハリーはレオがどう言おうがスネイプ=犯人で決めつけているようだ。
ハーマイオニーだけはその時の状況を思い出そうとしている。

「えーと、そうだ。レナードはニコラス・フラメルって知ってる?」

ロンのいきなりの発言に流石に驚いた。

「どうしてその人について知りたいんだ?」

三人は言いたくないようだったが、意を決してハーマイオニーが話し始める

「この前、グリフィンドールから大量に減点されたことがあったでしょ? あの時、私たち禁止された四階廊下に入っちゃったの。そこにはケルベロスがいたわ。今日ハグリッドとお茶してきたんだけどその時のことをロンが喋ってしまったの。そしたらケルベロスはハグリッドのペットでホグワーツで何かを秘密裏に守るためダンブルドア校長に貸したと漏らしたわ。その何かはニコラス・フラメルという人が関係しているとも言っていたわ。実はレオなら知ってるかと思って聞きに来たの。」

レオは必死に冷静を保とうとした。心の中ではハグリッドへの呆れとダンブルドアのへの疑念でいっぱいだった。

(ハグリッドは何を考えているんだ? 大事な機密情報を生徒にぺらぺらと喋るなんて……。ダンブルドアもなぜそんな人に情報を渡しているんだ?)

レオは迷った。賢者の石のことは秘密だ。だけれども自分がニコラス・フラメルについて知らないのも不自然ではないだろうか。とりあえず賢者の石は伏せて高名な錬金術師と言うか? いや、それだけの情報があればハーマイオニーならば簡単に賢者の石にたどり着く。さて、どうするか。

「もちろん知っているよ。けど、ただ教えるだけじゃ意味がない。何事もまずは自分が考えて調べることから始まる。僕に聞きに来たということはハグリッドは答えてくれなかったんだろう? なら僕も答えるわけにはいかないかな。でも調べることは止めないよ。」

これでは少し苦しいか? などど思っているとロンが怒り出した。

「レナード・テイラー! おまえは嫌な奴だな! 知っているのに教えないなんて。自分で調べるより知っている人に聞いた方が良いに決まっているじゃないか。それなのに自分だけ知っていて何も知らない僕たちのことを心の中で笑っているんだ! そうに違いない! ハリーの箒に呪いをかけたスネイプがケルベロスに対して文句を言っているのを僕たちは聞いたんだぞ。スネイプはその何かを盗もうとしているに違いない! だから知っているなら教えろよ! ああ、分かったぞ。実はお前もニコラス・フラメルのこと知らないんだろ? でも頭が良いって評判を崩されたくないから知っている振りをしているんだ。もういい! こんなやつ頼らなくたって僕たちだけでなんとかしよう。」

ロンは一気にまくしたてると、走って出て行ってしまった。ハリーは一言謝ってからロンの後を追って行ってしまった。
ハーマイオニーはロンの態度に怒り心頭のようだ。

「まったく! ロンったらどういう思考回路しているのかしら。レオに対して失礼だわ!」

当のレオはポカーンとしていた。

「レオ……? 大丈夫? あんな言葉で傷ついちゃだめよ。ロンには後で私がきつく言ってやるわ。」

「いや、別に問題ないけど、……人ってあそこまで思い込めるものなんだなって吃驚した。一方的に自分の考えを言って決めつける。すごいね。」

レオは皮肉でもなんでもなく感心していた。ああいった人間とは接したことがなかったため、他人はあそこまで違う存在なんだなと、人の思考はこの『眼』でも解析不能だと改めて思った。

「なんにしても、僕からは教えられないし、調べるのもお勧めしない。ハッキリ言うと深入りすると危険だよ。」

「忠告ありがとう。でも私は知識として知っておきたいわ。けれど知るだけにとどめておこうかしら。あの二人が暴走するのを止めるストッパーも必要だろうし。」

「じゃあ、あの二人については任せていいかい。よし、この話はこれで終了! そろそろいい時間だし、夕食にしようか。」

その後はいつも通りに二人で夕食を楽しんだ。その頃にはロンの言葉など頭の片隅にも存在しなくなっていた。



はい。ロンにはおかしなことを言わせてしまったと思います。

スネイプがハリーを呪う+ハグリッドが教えてくれない+レオも教えてくれない+優秀なレオへの嫉妬=怒り爆発! てな具合で感情のまま口に出してしまいました。

スネイプはハロウィンの時ケルベロスに噛まれはしませんでしたが、散々馬鹿にされたので愚痴を言っていました。それをハリーに聞かれてました。

では次回お楽しみに。


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15. クリスマス休暇

前回の話でのロンのセリフですが、共感された方が多く安心しました。
ロンは今後もあんな感じで進んでいきます。

では15話どうぞ。


十二月下旬になりすっかり冬である。吐く息も白くなり気温の低さを実感させた。
あれからロンはレオのことを敵視しているようだ。ハリーは特段そんなことは無いのだがロンと一緒にいるせいか会話することはない。
これらの情報はハーマイオニーからのものだが、レオとしては興味がない。
ハーマイオニーはすでにニコラス・フラメルと賢者の石について調べ終えている。賢者の石をホグワーツで守っているという事実から、この件が危険ということを理解したのかそれ以上は追求していないようだ。ハリーとロンはいまだに答えにたどり着いていないが、ハーマイオニーは教える気はないらしい。

「まったく、あの二人には呆れるわ。レオもハグリッドも止めろって言うのに聞きもしない。おまけにスネイプが犯人って決めつけているわ。確かにあやしいけれど他の可能性も考えられないのかしら?」

「まぁいいじゃないか、好きにさせておけば。生徒に出来ることなんて限られているし。それよりハーマイオニーはクリスマス休暇はどうするんだい? 僕は家に帰るよ。母さんがクリスマスパーティーは盛大にするんだって張り切っているんだ。ハーマイオニーやご家族も参加しないかって言ってるんだけどどうする?」

「是非参加したいわ! 実はパパとママは急な用事で休暇中は忙しくてほとんど家にいないみたいなの。それを聞いてホグワーツに残ることも考えてたけど、レオの家でパーティーがあるなら絶対戻るわ!」

「よし、決まりだな。母さんには連絡しておく。パーティーがもっと豪華になりそうだ。どうせだったら休暇中僕の家ですごさないか? 君がホグワーツでどれだけ実力をつけたのか見たいし、もっと魔法を教えてあげよう。」

「いいの!? 迷惑じゃなければお願いしたいわ。私の実力がどの程度になったか確認よろしくね、レオ先生?」



クリスマス休暇初日。
レオとハーマイオニーはホグワーツからキングス・クロス駅に向けての列車に乗っていた。
コンパートメントの中は二人だけであり、休暇中の予定を決めている最中であった。

「とりあえず真っ先に宿題を片付けてしまおう。その後はクリスマスパーティーを存分に楽しむ。残りの休暇はハーマイオニーのレベルアップと僕の指輪を完成させようかな。何か覚えたい魔法はあるかい?」

「そうね……。うん、やっぱり前にも言ったけど空を飛んでみたい! 他には何か攻撃呪文を覚えたいわ。トロールの件もあるし自分の身は自分で守りたいしね。」

「よし、飛行魔法と攻撃ね……。攻撃は色々応用が利く魔法を考えよう。それと追加で閉心術も教えておくよ。」

「閉心術?」

「心を読む、開心術の対になる魔法だ。これを覚えることで心を読まれないようになる。ハーマイオニーは例のものを知ってしまったから念のためにね。かなり高度な魔法だから多分習得は難しいだろうけど、知らないよりは確実に良いだろうしね。」

その後はキングス・クロス駅に着くまで二人は休暇中の詳細な予定や、クリスマスパーティーで何が催されるかなど話し合っていた。
キングス・クロス駅に着くとレオの母、フェリス・テイラーが待っていた。

「レオ、それにハーミーちゃんも! お帰りなさ~い。」

フェリスは二人をまとめて抱きしめる。レオは慣れていたがハーマイオニーは予想以上の腕力の強さに苦しそうに呻いた。

「母さん。ハーマイオニーが潰れてしまいますよ。」

「あらあら、ごめんなさいね。つい嬉しくなっちゃって。じゃあ、我が家へレッツゴー!」

久しぶりの我が子とガールフレンドが家に戻るのだ、フェリスのテンションは最高潮だった。レオたちは苦笑いしてフェリスの後に続いた。
テイラー邸に着いた二人は早速宿題を協力して終わらせる。レオはハーマイオニーに教えるプランの作成。ハーマイオニーはフェリスの手伝いをすることとなった。


クリスマス当日。
レオが目を覚ますといつもより多くのプレゼントが枕元にあった。
レイブンクロー生と勉強会に参加している他寮の生徒から合同で魔法薬の材料やお菓子の詰め合わせを貰った。
教授たちからはそれぞれの専攻分野の論文など一般にはプレゼントと言っていいのか悩むものだったがレオとしてはとても嬉しかった。
ダンブルドアからは色々な国のお菓子の詰め合わせだった。生徒のものとは内容がかぶっておらず見たこともないものばかりだったのでありがたく頂戴した。

リビングに行くとすでにハーマイオニーとフェリスがパーティーの準備をしていた。

「メリークリスマス。ハーマイオニー、母さん。」

「メリークリスマス! レオ!」

「メリークリスマス! はい、母さんとハーミーちゃんでの合作のプレゼントよ!」

ハーマイオニーとフェリスからのプレゼントは特大のクリスマスケーキと豪華な食事だった。
今日は朝から晩までパーティーが続くようだ。飽きないように料理も洋食、中華、アジア、日本、ファーストフード、等々見たこともないような料理まで並んでいた。

「ふっふっふ。母さんの力作よ! ハーミーちゃんにも色々手伝ってもらったのよ。魔法でいつでも出来立て状態になっているから好きな時に食べられるわ。」

「フェリスさんって料理上手なのね……。私ほとんど何もしてなかったんだけど……。」

「今年はハーマイオニーがいるからいつも以上に張り切ってるね。ああ、そうだ。はい、これ。ハーマイオニーへのクリスマスプレゼント。」

レオは一冊の本を手渡す。表紙にはタイトル等は何も書いていなかった。

「……? これなんの本?」

「これは僕が作った魔法や魔法薬を纏めた本だよ。まだ世間に発表していない魔法なんかも含まれているよ。ハーマイオニーだけに特別。本の中身は君にしか認識できないようになっている。」

「こんなすごいプレゼントもらってもいいの!?」

「もちろん。クリスマス休暇中や機会があればこれからはこれを教科書にしてレベルアップしていこう。」

ハーマイオニーはギュッと本を抱きしめる。
フェリスはその様子を見ながら口をとがらせて不満そうに呟いた。

「はぁ~……。我が子ながらロマンチックのかけらもないプレゼントねぇ……。ハーミーちゃんこんなのでいいの?」

ハーマイオニーははっきりと宣言した。

「はい! 最高のプレゼントです。」

「あぁ……。プレゼントじゃなくてね、レオでいいか聞いたんだけど……。もしかして自覚無しなのかな?」

レオもハーマイオニーも頭に疑問符を浮かべる。

(レオは当然として、ハーミーちゃんもまだ自分の気持ちに気付いていないのね。母としてはこんな息子にこれから出会いなんてきっとないのだから何としてもいい関係になってもらわなきゃ!)

フェリスは一人決意を固めるのだった。


夜には父、アースキンが帰宅してパーティーが本格的に始まった。
料理はほとんど絶品であったが、中には罰ゲームのような料理もあった。食べてしまったアースキン曰く、「金星人の食べるものだ」との事。
パーティは盛り上がり、話題はホグワーツでの生活に移っていく。

「レオ! 相変わらずレイブンクローはガリ勉か? あいつらいっつも同じ量なのに俺のこと脳筋だって言うんだぜ! フーンだ、今や俺は闇払い局の副局長だもんな。学年で一番の出世だ!」

「酔っているね、父さん。レイブンクローの皆は勉強熱心でとても良いと思うよ。それに父さんが脳筋なのは間違ってないよ。」

「そうよ~。あなたは学生時代から今でもずっとそうじゃない。」

ハーマイオニーはレイブンクロー生が脳筋と言われるのがイメージできなかった。

「父さんはね、魔力の量が常人の百倍から千倍あるなんて言われているほど魔力量が尋常じゃないんだ。その膨大な魔力にものを言わせて無言呪文をマグルのマシンガンのように連射するわ、難しい呪文も魔力で強引に成立させたりしているんだ。他のレイブンクロー生からしたら脳筋とも言いたくなるよ。」

「そうなのよ。学生のころから何でも魔力で解決。頭を使うより体力だ! 魔力は体からだ! なんて言っていたんだから。」

「ほいほい、そうですよ。脳筋ですよ。そういう母さんだって周りから史上最強のいじめられっ子だって言われてたじゃないか。」

「史上最強……? フェリスさんがですか?」

ハーマイオニーはアースキンの脳筋よりも、このおっとりしたフェリスが史上最強なんて言われている姿に無理があると感じた。

「おお、そうなんだぞ。母さんは子供のころからゆるくてな。成績も悪く……いや最下位だった。そんでもって俺らの在学中は悪戯仕掛け人ていう馬鹿どもがいてだな。よく母さんがターゲットにされていたんだ。実は母さんとのきっかけもそいつらから守ったのがきっかけなんだ。そんで、いつまでも守られるのは嫌だって言って魔法を覚えようとしたのはいいんだが、勉強ができなかった母さんは一つの結論に達した。」

「どんな結論だったんですか?」

「肉体は魔法に勝る。」

「……!? え!?」

ハーマイオニーは聞き間違いかと思って、レオの方を見た。レオは事実だと目で語っていた。

「極限まで肉体強化の魔法を極めてな、さらにはマグルの武術まで見様見真似で練習するようになった。気づいたら魔法は見切って躱す、目にもとまらぬスピードで接近する、防御などお構いなしに拳や足が飛んでくる。そんな素敵な女性に変身していた。悪戯仕掛け人の一人が平手打ちされてその場で回転した時には人生で一番驚いたな。だけど、悪戯仕掛け人も火が付いちゃってフェリスへのいじめに近い嫌がらせは続いたんだよな。まぁ、仕掛けるたびにボコボコになっていたが。周りから見たらいじめられている子が気づいたら相手を打ちのめしているように見えたからそういう二つ名がつけられたんじゃないかな。」

「あの人たち、ものすごーくしつこかったわ。最後は私とアースキンの二人で徹底的にお仕置きしたわ。そういうきっかけで私たちお付き合いが始まったの。」

それから両親は思い出話からののろけ話になってしまい。レオとハーマイオニーは勉強すると言って逃げ出した。



残りの休暇はハーマイオニーの特訓に費やした。
ホグワーツでも独自に勉強していたのか予想以上にレベルアップしていた彼女にレオは驚くと同時に満足感が得られた。教え子の成長は嬉しいものなのだ。
研究室内の魔法開発実験スペース。とにかく広く、そして練習用の人形があるだけの空間だ。

「じゃあ、最初に攻撃魔法を教えよう。『コルポリス(物理的)』だ。これは術者が認識している範囲で座標、方向、範囲を指定して力場を発生させる魔法だ。試しにやってみよう。」

レオは手を前に出す。前には的として人形が設置している。呪文を唱えると人形は吹っ飛ば
された。

「今のは手の先から、真っ直ぐに、手のひら範囲で吹き飛ぶ程度の力で使ってみた。これから応用を見せよう。」

二回目は人形は横に倒れた。三回目は上に浮く。四回目には人形が胴体から切断された。

「この魔法は応用が利く。二回目は力場の発生座標を人形の真横に設定して、力の範囲を広く弱くした。三回目は人形の足裏から浮く程度の力に。最後は効果範囲を薄く刃のようにして力を強くした。結果、人形は断ち切られた。」

ハーマイオニーは魔法の攻撃は呪文を言って相手を呪うことばかり想像していたから、かなり驚いた。

「この魔法の利点は目に見えないことだ。他の魔法は呪いが閃光などでこちらに飛んでくることが多い。そういうものは躱すことも可能だ。しかし『コルポリス(物理的)』は呪文を唱えてもどの方向から、どのくらいの範囲で、衝撃なのか、斬撃なのか相手には分からない。守りの魔法としても使える。広範囲で力を発生させれば爆発や落下物なんかも防ぐことができる。ただ、欠点として使いこなすにはかなりの練度が必要になる。魔法を使う前に座標等を設定していないと基本的に前に向かって衝撃波が発生するだけになってしまう。まぁ、最初はそれでも十分攻撃になるからどんどん使って慣れていこう。」

(簡単に言ってくれるわね……。でもすごい応用が利く呪文ね。流石だわ。)


ハーマイオニーは苦戦しながらもコルポリス(物理的)を少しずつ使い慣れていった。
飛行魔法は苦手なのか浮く程度になってしまったが、これも慣れが重要なのでそのうち自由に飛べるようになるだろう。
閉心術はレオに心を読まれるのが嫌だったのかあまり特訓はできなかった。最低限の心を読まれる感覚を感じ取ることで目を合わさないことを覚えたので上々だろう。
楽しい休みはあっという間に過ぎていった。

ホグワーツに戻る日。キングス・クロス駅。

「では、行ってきます。父さん、母さん。」

「行ってこい! もっと立派になってくるんだぞ。」

「体には気を付けるのよ。ハーミーちゃんも色々がんばってね!」

「休暇中は本当にありがとうございました。楽しかったです。」

列車の窓から別れの挨拶を済ませる。二人は休暇を終えて再び学び舎に戻っていった。



ハーマイオニー強化回でした。
勉強は五年生レベル、魔法戦闘は三~四年生レベルです。これからさらにレベルアップするかも。

フェリスとしてはハーマイオニーはすでに嫁扱い。
でも当の本人たちはいまだ自覚無し。特にレオは恋愛などどんなものかさえ分かっていない。

レオの両親についてはそのうち人物紹介みたいなので詳しく紹介したいですね。

悪戯仕掛け人はあの四人です。平手打ちで回転したのはジェームズです。
ピクルVSジャック・ハンマーの二回戦目の決着をイメージしてもらえばOKです。

では次回お楽しみに。


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16. ドラゴンと罪

前回の話の感想がレオの両親についてばかりでちょっとびっくり。

賢者の石編は後3話ぐらいですかね。

それでは16話どうぞ。


新学期。

それからは特に変わらない日常が続いた。
クィディッチでみんな(レオ除く)が盛り上がったり、宿題が大量に出たりしたが、賢者の石を盗もうとする輩は現れていない。
勉強会で生徒に魔法を教えたり、自分の研究をしたり、ハーマイオニーと一緒に休日を楽しんだりと充実した毎日が続いていた。


ある休日、ハーマイオニーがレオの研究室に駆けこんできた。

「レオ! 大変なの! ドラゴンが……。」

「うん、落ち着こうか、ハーマイオニー。深呼吸、深呼吸。」

落ち着いたハーマイオニーの話では図書館で珍しくハグリッドが本を探していたらしい。
しかもその本がドラゴンの飼育方法についてだった。いやな予感しかしなかったのでハリーとロンが小屋に誘われたのに便乗してついていくと予感は的中。ハグリッドはドラゴンの卵を孵化させようとしているようだ。
さらには卵を持っていたあやしいヤツにケルベロスを大人しくさせる方法を喋ってしまうというおまけつき。

「何がフラッフィーは音楽を聞かせると眠っちまう可愛いやつだ、よ! それにドラゴンを無許可で飼育するのは違法だって教えたのに昔からの夢だったとか言って聞いちゃいないわ! レオはどうしたらいいと思う? ダンブルドア校長先生に伝えた方が良いのかしら。」

レオはもうハグリッドに見切りをつけていた。ケルベロスの弱点は解消済みだし、賢者の石の守りは万全だが、不確定要素は排除するべきだ。完璧に見えるものでも綻ぶ可能性は必ず出てくるものだ。消えてもらった方が良いだろう。

「ダンブルドア校長はだめだ。どうせ擁護してなかったことにするだろう。ケルベロスのことを話したということはその相手は賢者の石を狙った者の可能性が高い。守っている意識の無いハグリッドにはアズカバンに入ってもらうとしよう。」

「アズカバン?」

「魔法使いにとっての刑務所のような場所だよ。処刑場も兼ねてはいるけどね。」

「じゃあ、ハグリッドは……。」

「ドラゴンの卵を所持しているぐらいじゃ死刑にはならないだろうけど、数年は出てこないだろう。とりあえず、僕の伝手で魔法省の魔法生物規制管理部に連絡をしておくよ。ドラゴンの方はそうだな……、研究対象として僕が確保しよう。血液や鱗、牙は貴重な材料にもなるし、うまく手懐けて育てれば材料の調達とドラゴンを使った研究が進められそうだ。」

「良かった……。ドラゴンは処分されたりはしないのね。いくら不法に所持した卵でもドラゴンには罪は無いものね。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

俺は生き物が好きだ。特にでっかくて強いやつらが大好きだ。
昔からそうなんだ、もう魂に刻まれたもんだと思っとる。
ドラゴンなんかを飼って一緒に遊ぶことなんか何度夢に見たかわからねぇぐらいだ。

昔は色々あったが今はホグワーツで森番をして色んな生き物と触れ合えている。ダンブルドア先生には本当に感謝してもしきれねぇ。
だけど、やっぱりドラゴン飼ってみてぇなぁ……。

そんなことを思っているとドラゴンの卵を持って処分に困っている奴と会った。
賭けをして手に入れることができた俺は人生で最高にツイていた!
まぁ、その時色々話しちまったが、ダンブルドア先生のいるホグワーツなら大丈夫だろう。

今日は待ちに待った日だ。とうとう卵が孵化しそうなんだ!
ハリーとロンも呼んで一緒に記念すべき瞬間を見守っている。
卵の殻が割れて中から美しいドラゴンの赤ちゃんが出てきた。ノーバートって名前に決めていたんだ。手に乗せると噛んできたが、愛情表現だろう。なんてかわいいんだ。

一週間もするとノーバートはどんどん大きくなってきた。そろそろ小屋から出して空を飛び回らせてやりてぇな。ハリー達もきっとそう思っているに違いねぇ。ハリーとロンは毎日のように見に来てくれている。今日もロンが追いかけっこして遊んでくれている。
あぁ、毎日が幸せだな。

そんな幸福を噛みしめていると、小屋のドアがノックされた。急いでノーバートを隠そうとするが、ドアが開かれてしまった。
ドアの先には初めて会う男と生徒……、確かレナード・テイラーだったか? 二人が立っていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「失礼します。私は魔法省魔法生物規制管理部ドラゴンの研究および制御室所属、ウォルター・ハワードと申します。こちらでノルウェー・リッジバック種の不法飼育を行っているとの情報を受けて参りました。確認するまでもなく、情報に間違いはないようですね。……さて、あなたはアズカバン送りになるでしょう。もちろん裁判で弁護する機会は与えられますが、最低でも五年は覚悟した方がよろしいでしょう。」

「い、嫌だ! 俺は悪くねぇ! 好きな生き物と一緒にいて何が悪いってんだ!」

「あなた、許されざる呪文を使って、『使いたかったから使って何が悪い』と言う人を見たらどう思われますか? ただの狂人でしょう。私にはあなたがそのように見えています。何と言い訳しようとも犯罪は犯罪、ご同行をお願いしますよ。」

「ノーバートはどうするんだ!? まだ生まれたばかりで俺がいなけりゃ死んじまうぞ! 俺はこいつを一人ぼっちにするわけにはいかねぇ!」

「それについてはご安心を。こちらのレナード・テイラー氏が研究対象として引き取ってくださいますよ。もちろん魔法省の許可は取得済みです、当然ですね。それではテイラー氏、後はお任せします。」

ハグリッドは絶望した顔でウォルターに連れられて行く。
小屋の中にはレオと困惑したハリー、レオに敵意を向けるロンだけが残った。
レオは小屋の中を飛び回っているノーバートに失神呪文を当てる。子供とはいえ流石はドラゴン。動きが鈍りこそすれど、失神はしなかった。だが、その隙に用意してあった専用の首輪を装着する。途端に先ほどまでの暴れっぷりが嘘のように大人しくなり、レオの肩にとまった。
もう用はないと言わんばかりに小屋から立ち去ろうとするレオ。
そこにロンが罵声を飛ばしてきた。

「おい! レナード・テイラー! おまえ、ハグリッドを嵌めたな!? 自分がドラゴンの研究をしたいからハグリッドに罪をきせてアズカバン送りにしたんだ。ノーバートを返せよ!」

「ドラゴンの飼育には許可がいる。彼はその許可を持っていなかった。投獄は当然だと思うのだけど。僕はドラゴンを制御する術を持っているが、彼はどうなんだい? 仮にこのままドラゴンの飼育を続けていたら手に負えなくなって生徒に危険が及んでいただろう。そうなってからでは遅かったと思うよ。まぁ、ドラゴンの研究をしたかったのも否定はできないけどね。」

「うるさい! 手に負えなくなったら、ドラゴンキーパーのチャーリーに渡す予定だったんだ! 何も問題はなかったのにお前が余計なことをするからこんなことになったんだぞ!」

「罪を隠蔽する方が正しいと思っているんだね。まぁ、どうでもいいか。」

まだ、何か言ってくるロンを無視して小屋を出る。
ハリーが話しかけてきた。

「待ってくれ。ハグリッドってそんなに悪いことをしたの? アズカバンってそんなに酷い所なの?」

「ドラゴンは成長するのも速いし、熟練の魔法使いがチームを組んで討伐するような魔法生物だ。それに鱗や牙、その他色々な部位が危険な魔法薬の材料になりうる。そんな存在を許可のない人間が扱うのは問題だろう。アズカバンは……、そうだな簡単に言えば幸せがない地獄のような場所かな。」

ハリーはそれを聞いてハグリッドがそんな場所に贈られることになってしまった原因のレナードに嫌悪の感情を向ける。いくらハグリッドに問題があって、ドラゴンが危険でも彼は友人だった。その友人を自分の研究のために犠牲にしたのは許せなかった。もっと他に方法があったはずに違いない。

ハリーとロン、二人との関係性は最悪と言っていいものになったが、そんな事よりドラゴンを無事確保できた方がよっぽど重要だ。
小屋から研究室に向かいながら考える。

(さて、何から研究しようかな。強靭な鱗の利用方法、魔法薬への応用、色々あるな。)

「……ああ、そうだ。君に名前を付けないといけないね。いつまでもドラゴンじゃ呼びずらいしね。」

ノーバートと呼ばれていたがそんなことは頭の中からはすっかり消え去ってしまった。
自分にはネーミングセンスがないと知っていたため研究室に戻ったらハーマイオニーに名前を付けてもらおうと決めたレオだった。



ドラゴンとハグリッド退場回でした。

ドラゴンの騒動がないので森とユニコーンについて場面なし
ついでに減点もないし、マルフォイの出番もなし!

ハグリッドがいない影響はそれなりにあるし原作沿いのタグ外した方が良いかな……。

ドラゴンの名前はどうしよう……。
活動報告で名前募集します。気になる名前があれば採用します。

では次回お楽しみに!


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17. 迎撃準備

ドラゴンの名前について多くの案をありがとうございました。

billu003様のハリエットに決定しました。
X.i様のハーマイオニー(Hermione)の発音変えのヘルミオネと迷いましたが、
ハーマイオニーが名付け親になることから自分の名前からは付けないだろうということと
ハリエットがダーウィンがガラパゴス諸島から持ち帰ったメス亀からというのがマグル出身のハーマイオニーらしいと感じたのが決め手です。

今後機会があればハリエットの登場はあるかと思います。

では17話どうぞ。


次の日は朝から大騒ぎだった。
『ホグワーツの森番 ドラゴン違法所持!』
この大見出しが日刊預言者新聞の一面に大きく印刷されていた。

『ホグワーツ魔法魔術学校の森番である、ルビウス・ハグリッドがドラゴンの違法所持の現行犯で逮捕された。魔法省魔法生物規制管理部の担当者にインタビューを行ったところ、ノルウェー・リッジバック種の卵を入手し、孵化させたのち極秘で飼育していたという。連行する際も反省の色は見られず非常に重い処分になるだろうとの事。ドラゴンは情報提供をした魔法研究の若き天才レナード・テイラー氏が管理することが決まっている。ノルウェー・リッジバック種は~~』

その後もドラゴンがいかに危険かなど、ハグリッドを批判する記事が続いていた。
大広間には新聞を読んだ生徒の親族からのフクロウ便が山のように運ばれてくる。
我が子への心配、ハグリッドへの怒り、ホグワーツの安全管理についての抗議、ダンブルドアへの批判、レナード・テイラーへの感謝、等々様々な手紙が降ってくる。
レオも朝から寮、学年問わず多くの生徒から質問の嵐だ。
とりあえず知っていることを正直に話す。後はそのうち落ち着くのを待てばいいだろう。



ダンブルドアは悩んでいた。
自分の影響力を最大限活かせばハグリッドを無罪とまではいかないまでも、その罪をかなり軽くすることもできるだろう。
ハグリッドを森番に任命した責任問題を理由に理事であるルシウス・マルフォイなど、校長がわしであることを快く思っていない連中が攻撃してくるはずだ。
それぐらいならまだいい。大多数の理事はわしの味方に付くじゃろう。
問題はレナード・テイラーだ。彼がハグリッドを不要と決めたためこのような結果になった。
今回の件は彼が魔法省に連絡をしたからことが大きくなった。それが無ければハリー達がチャーリーに連絡して終わっていただろう。
このままハグリッドを庇わなければレナードへのわしの印象は悪くはならないだろう。
しかし、ハグリッドはハリーにとっても友人であるし、巨人との交渉にも使える大事な仲間じゃ。

(レナードとハリー。どちらを優先すべきかのぅ……。)


最終的にルビウス・ハグリッドはアズカバンに五年間の投獄となった。
ダンブルドアは擁護したようだが、ドラゴンを違法に所持していた事実は変わらないため刑期の短縮が限界だった。
この事件に多くの生徒はいつかそうなっていただろうといった感じで受け取っていた。
グリフィンドール生でさえそう感じている者が多かった。
ハリーとロンはレナード・テイラーが悪いのだと言い回っていたが、ほとんど相手にされておらず、こいつらは何を言っているんだと変人扱いだ。
逆にレナード・テイラーは早期にこの件を解決したことから生徒やその親からの感謝、さらには魔法省から表彰されることになってしまった。



その後はこれといった事件もなく進級試験が近づいてきた。
ハーマイオニーはレオのおかげで今更一年生の勉強など必要がないため余裕をもって過ごしていた。そのためグリフィンドール生から勉強を教えてほしいと泣きつかれていた。ハリーとロンはハーマイオニーのことをレナード・テイラーの仲間と思って距離を取っていたが、試験を前にしてそんなこと言っていられないので不満を持ちつつも教えてもらっている。

レナード・テイラーはもはや試験など不要という扱いなのか教師陣から試験の作成の手伝いをさせられていた。カンニングにならないのかと尋ねると、

「「「満点以上が確定しているのだから問題ない。」」」

と大多数の教授に口を揃えて言われる始末。結局当日は試験の代わりに特別レポートの作成へ変更されることになってしまった。

そんな試験も最終日、最後の試験が終わった。皆が試験から解放されてゆっくりしたり、遊び回っている。
レオはダンブルドアに呼ばれ校長室にいた。

「試験お疲れ様だったのレオ。と言ってもレポート作成じゃったな。どんなものか後でわしも拝見させてもらおう。さて、要件は賢者の石についてじゃ。今日、わしに魔法省から緊急の要件で来るよう要請があった。ほぼ間違いなく罠じゃろう。わしが不在の隙に賢者の石奪取に動くはずじゃ。そこで君には最大限の警戒をもってあたってほしい。」

「ヴォルデモートがクィレルに憑りついているのはご存知でしょうか?」

「ああ、知っておる。ヴォルデモートは力は失っているが知識は健在のはずじゃ。クィレルも優秀な魔法使いじゃ。十分に注意してほしい。わしも魔法省にからすぐに戻る予定じゃ。うまくいけば挟み撃ちもできよう。」

ダンブルドアは魔法省へ、レオは賢者の石の最後の守りの部屋で待機することになった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私、ハーマイオニー・グレンジャーはこの学校に賢者の石が隠させていることを知ってしまった。
あのような凄まじい力を秘めたものだ、きっと先生たちが守っているのだろう。
レオも何か知っているようだが関わっているのだろうか?

今日、ハリーとロンがマクゴナガル先生に賢者の石について話しているのを聞いてしまった。
二人は答えにたどり着いたようだが、そんな事よりダンブルドアがいない事実の方が重要だった。
ハグリッドの件から誰かがケルベロスの対処について知っているのだ。賢者の石を悪用すれば大変なことになるのは確実だろう。
ダンブルドアと同じくらいに頼りになるのはレオだ。知らせなくっちゃ!
研究室に着くとちょうどレオはどこかに向かうところだった。

「レオ! 例のもので話があるの。今、大丈夫かしら?」

「大丈夫だよ。もしかしてダンブルドア校長がいないってことかな? それなら問題ないよ。」

「どういうこと?」

「僕たちは、今日ダンブルドア校長が不在になることで賢者の石を狙う者が動き出すと確信している。それの対策も十分だ。明日にはこの件は決着すると思うよ。ここまで来たら隠す必要はないだろうから話すけど、賢者の石の守りには僕も関わっている。これからその守りに行ってくる。だから安心していいよ。」

やっぱりレオも関係者だったのね。それにレオもダンブルドアもわざと隙を見せている。

「解ったわ。……一つだけ、約束して。絶対に無事に帰ってきてね。そうじゃなかったら許さないんだから。」

「もちろんだ、約束しよう。」

私はレオのことを信じて護りに行くのを見送る。不安は少しはあるけど、信じよう。
私にとっての世界一の魔法使いはレナード・テイラーなのだから。
今日はすぐに寝てしまおう。そして朝速く起きてレオの帰りを待つんだ。
私はそう決めて寮の部屋へと戻ることにした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今夜だ。今夜に違いない。

あれから僕とロンはニコラス・フラメルのことを調べ続けた。ハーマイオニーは答えを知っても危険だからと教えてくれなかった。
だけど、僕たちは諦めなかった。蛙チョコカードに書いてあるのを思い出したのは運が良かった。
それから賢者の石についても知ったが、永遠の命や黄金など誰でも欲しいものだろう。
僕の箒に呪いをかけたスネイプがケルベロスについて悪態をついていたし、クィレルに対しても脅していた。怪しすぎる、こいつが狙っているに違いない!
ハグリッドがケルベロスの出し抜き方を漏らしていたのも知って、猶予が少なくなってきていると思ったが、今日は最悪だ。ダンブルドアがいないなんて! マクゴナガル先生に伝えても守りは問題ないって、相手にしてくれない。
スネイプみたいなやつが永遠の命を得たら何をするか分かりたくもない。絶対に阻止しなくては!
夜中に父さんの形見の透明マントを被ってロンと抜け出す。
ケルベロスがいる部屋の扉の前でロンに最後の確認をする。

「ロン、本当に来るのかい? 命の保証はないと思った方が良いよ?」

「持ちのロンさ! 僕たちだけがこのことを知っているんだから他に誰が行くんだい? それに親友の君が行くのに僕が行かないわけないだろう。」

その言葉を聞いて僕は最高の友達を持ったと改めて感じた。

「じゃあ、行くよ!」

扉を開けようと手を伸ばす。しかし触れる前に中から扉が開いた。
扉の先にはあのレナード・テイラーが立っていた。



ハグリッドは結局5年間の投獄になりました。
ダンブルドアがレオを優先した結果です。全力で保護すればアズカバン行きにはならないんじゃないですかね。森番復帰は不可能でしょうけど。

レオ試験不参加(一部)。魔法史とかは受けました。

クィレル、賢者の石目指してミッション(インポッシブル)スタート!
クィレルの運命はいかに! ついでにハリー、ロンは出番あるのか!?

次回は賢者の石で一番書きたかったとこです。
できれば明日には仕上げたいです。

では次回お楽しみに。


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18. 事件終結

さて、賢者の石を守る罠のお披露目です。
クィレル、御辞儀、ハリー達はどんな目に合うのか。

では18話どうぞ。


時はハリー達が侵入しようとする数時間遡る。

私、クィリナス・クィレルは主たる闇の帝王ヴォルデモート卿のために賢者の石を盗み出す準備を進めていた。呪いを回避するアイテム、解毒剤などを懐にしまう。
あの老いぼれのダンブルドアは今頃魔法省に向かっている頃だろう。
チャンスは今日しかない。それにユニコーンの血を口にしたこの体はもう限界が近かった。

最初の扉を開け中に入る。ケルベロスがこちらを確認すると凄まじい殺気を放ってくる。
すぐに魔法で勝手に奏でる竪琴を発動させる。あのバカな森番からの情報ならばすぐにでも眠るだろう。
だが、ケルベロスは全く速度を落とさず噛み殺そうと突っ込んできた。
何とか避けることができたが想定外の事態だ。

「殺せ!」

頭の後ろから主の命令が轟く。

アバダ・ケダブラ(息絶えよ)!」

緑の閃光は確実にケルベロスに命中した。この呪文は全ての生命を終わらす。次の扉に向かおうとしていると後ろから強い衝撃を受け吹き飛ばされた。床を転がり壁に突っ込んでいく。
防御用のアイテムのおかげでなんとか死ななかったが肋骨が何本か折れているようだ。
ケルベロスは健在だった。

「ころす!」「ころす!!」「ころす!!!」

「な、なぜ死なない!? 御主人様どうすれば……。」

「死の呪文を受け死なぬだと……。まさかダンブルドア……、分霊箱を使ったか!? いや違うな……、クィレル! 悪霊の火を使え!」

「は、はい!」

ケルベロスの猛攻を何とか凌ぎながら悪霊の火を当てる。全身が炎に包まれてケルベロスは息絶えた。当初の予定では無傷で魔法も使わず進むはずだったが何たる失態か。


次の部屋に降り立つ。中は暗くじめじめしていた。周りは悪魔の罠がそこら中に植えられている。

「くそ!」

悪態をついて光を杖から出す。しかしケルベロス同様通常とは違うのかこちらを絞め殺そうと蔓を伸ばしてくる。避けながら次の部屋を目指すが、何度か蔓に絡まれてしまった。そのたびに激痛が走る。何とか次の部屋に逃げるて絡まれた部分を見ると、大きく腫れあがり棘で刺された跡が大量にあった。

「なんだ……これは。悪魔の罠に棘など無かったはずだが……。」

だんだん意識が朦朧としてくる。なにがなんだか わ か ら な く なっ て き た 。

「解毒剤を飲め! 毒だ! 愚か者!」

あたまのうしろのこえにしたがってふところのくすりをのむ。

「はっ、私は何を……。」

どの解毒剤が効果があったかは不明だが何とか持ち直した。まだ体は怠いが何とか動ける。
辺りを見渡すと羽根のついた鍵がそこら中に飛んでいる。中央には箒があるためそれで取るのだろう。

「気をつけろ。おそらく正しい鍵を手にした瞬間に他の鍵が襲ってくるはずだ。」

御主人様のおかげで正解の鍵はすぐに見つかった。予想どおり鍵も襲ってきた。
だが、予想外のことも起きた。

「がぁあああああ! 腕がぁああああああああ!」

鍵を手にした腕に激痛が走った。離すわけにはいかないのでそのまま耐えて使う。
扉は開いたのに手から鍵が離れない!

「御主人様ぁあああああ! どうすればぁあああああああ!」

「切断しろ! 今すぐだ!」

「しかしぃいいいいい!」

「切らねば死ぬだけだぞ!」

左腕を肘上から切断する。止血もしないまま次の部屋に転がり込む。
息も絶え絶え起き上がると巨大なチェスの駒が一斉に襲い掛かってきた。
逃げまどいながら、止血を施す。持ってきていた回復薬とユニコーンの血を全部使って何とか動けるようにする。

コンフリンゴ(爆発せよ)! コンフリンゴ(爆発せよ)! コンフリンゴ(爆発せよ)!」

駒どもを爆破していく。しかし次の瞬間には駒はマグルの映像機器の逆再生のように元に戻る。

「キングを狙え! それが核だ!」

命令に従いキングを狙う。しかし他の駒に阻まれてなかなか成功しない。
逃げながら魔法をひたすら行使する。今までの毒や呪いも完全に取り除いていないので五感も徐々におかしくなってきた。

ボンバーダ・マキシマ(完全粉砕せよ)!」

三十分以上かけてようやくキングを粉砕する。
もうだめだ……。死んでしまう……。

「休むな! あの老いぼれがいつ戻るか解らんのだぞ!? さっさと先に進め!」

御主人様への恐怖から精神を削りながら先に進む。
そうだ……、この次は私が仕掛けた罠だ……。トロールが相手ならば何の問題もない……。

そんな希望もすぐに粉砕された。
中には確かにトロールがいた。しかしあんな全身を覆う鎧などなかったはずだ。
鎧はこちらに走ってくる。トロールならば私は命令することができる。たとえどんな魔法や魔法薬で操られていようとも問題はない。
そのはずだった……。
命令など聞かない鎧は手にした大剣を私に振り下ろす。躱す力などどこにも残っていなかった。

(あぁ……。躱せないな……。死んだ……。)

しかし次の瞬間私の体は剣を避けていた。それだけではない、自分の意志とは関係なく動いていた。

「クィレル、貴様の体俺様が使うぞ。代償として貴様の魂は削られていくが、問題はあるまい。偉大なるヴォルデモート卿の復活の礎になるのだから本望だろう。」

御主人様が何か言っている。解らない。ただ激痛と苦しみ、自分が薄れていく感覚しか感じられなかった。

「アバダ・ケダブラ! やはり死なぬか……。これはトロールの死体を鎧に施された魔法で動かしているな。なるほどクィレルの命令を受けつけぬわけだ。ならば!」

御主人様が私とは比べ物にならない魔法で切断や爆破など集中して大剣を持つ腕に当てる。その代償に私は消えていく。
何十発も魔法を当てられ腕が壊れ、離れた大剣で鎧を壁に縫い付ける。それと同時に私は体の主導権を取り戻していた。

「やはり、長時間は体を支配するには力が足りぬ……。クィレル急げ!」

言われるがまま次に行く。
小さな部屋に薬が複数置いてあった。
足を踏み入れた途端、前後左右全てから黒い炎が立ち上った。問題が提示される。どうやら先に進むには正解の薬を飲む必要があるようだ。

『10.9.8……』

時間制限付きらしい。徐々に炎が迫ってくるが、私はもはや何も考えられない。

「この程度の問など……この俺様を侮るな! 一番左だ! さっさと飲んで進め!」

飲む、進む。そして全身を焼かれる。体の中では薬が私を壊していく。

「なんだと!? おのれぇええ!」

叫び声も上げられないまま、体が勝手に進んでいく。
炎の抜けた先で倒れこむ。最後に見たのはこちらを冷静に観察している一人の子供だった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

予定通りに最後の部屋にたどり着いた段階で侵入者は死亡した。
最後の部屋に到着するまでの悪魔の罠の毒、鍵の呪い、毒薬、そして三度の戦闘での疲労と魔力消費。これらの組み合わせでどんな魔法使いでも確実に死亡する計算だった。

クィレルの死体から黒い靄が発生する。靄は次第に蛇顔を形成していく。

「お初にお目にかかります。闇の帝王ヴォルデモート卿。あなたとは色々と話をしてみたかったのですが……、時間切れですね。ダンブルドア校長がホグワーツに到着しました。逃げた方が賢明でしょう。」

「口惜しいが今回は諦めざるを得ないな。貴様、レナード・テイラーだったか。俺様を見逃すのか?」

「その状態のあなたを捕らえる準備はしていませんし、僕は賢者の石を守れとしか言われていません。次に会う時はゆっくりと話をしたいものです。」

「ふん。完全に復活した時に考えてやろう。俺様も貴様の『眼』には興味がある。」

そういうと黒い靄は壁をすり抜けてどこかに行ってしまった。
みぞの鏡を前に立つ。ダンブルドアは最後の仕掛けをレオにも伝えていなかった。

(さて、闇の帝王も去りましたし解析しますか。)

解析を始めた途端、鏡の中のレオが賢者の石をポケットに入れた。

(あれ? ……なるほど、使いたい者には手に入らないが、見つけたい者には手に入れられるのか。僕は使いたいんじゃなくて研究をしたいから大丈夫だったのか。)

とりあえず、ダンブルドアも戻ってきたし賢者の石を解析しながら戻ることにした。

(ハリー・ポッターがこちらを目指しているようだし鉢合わせになるな。)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

扉の先にはあのレナード・テイラーが立っていた。
こちらを見ても眉一つ動かさないでいる。

「レナード・テイラー! なんでお前がここにいる!? まさかお前も賢者の石を狙っていたのか。そうか! スネイプの仲間なんだな!」

僕とロンは杖を取り出す。しかしあいつはこちらを見向きもせず手に持った石を凝視している。腹が立つ奴だ……石?

「まさか……、その石は!」

「ほっほっほ、そのまさかじゃよ。とりあえず落ち着いて杖をしまいなさい。」

後ろから偉大なる魔法使いの声がした。振り向くとダンブルドアが立っている、これで僕たちの勝ちだ!

「ダンブルドア校長! 戻られたんですね! こいつとスネイプが賢者の石を!」

「ああ、ハリーそれは誤解じゃよ。レオ、状況はどうじゃった?」

「はい。クィレルは死亡。ヴォルデモートはダンブルドア校長が戻られたことを知って逃走しました。霊体用の捕縛準備をしていなかったため取り逃がしました。みぞの鏡の前に立ったら賢者の石を入手してしまったため、こうして持ってきました。どうしましょうか?」

なんだ? こいつは何を言っているんだ? なんでクィレル先生が死んでヴォルデモートの名前が出てくる。スネイプは? それにダンブルドアはこのことを知っていたのか?

「ダンブルドア校長、いったいどういうことなんです!? ヴォルデモートがいたんですか? スネイプじゃないんですか?」

「いかにもそうじゃ。クィレル先生にヴォルデモートが憑りついておった。そして復活のために賢者の石を狙ったのじゃ。レナード君にはその守りの強化を頼んでいての。さぁ、もう夜も遅い。フィルチさんに見つからないように戻りなさい。レオはわしとともに校長室に行こう。」

僕とロンは何が何だかわからないまま寮に戻った。結局、何をするわけでもなく今日は終わった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

校長室。

「以上が事の顛末になります。賢者の石はお返しします。」

「うむ、ご苦労じゃった。それと賢者の石は君が持っていてよい。ニコラスからの許可は得た。夏休みにニコラス夫妻を訪ねてみなさい。向こうに旅立つ前にに君と賢者の石について色々話してみたいそうじゃ。」

「ありがとうございます! さっそく研究室に戻って解析してもよろしいですか!?」

「もちろんじゃ。もうヴォルデモートも狙うことは無いじゃろうが、賢者の石については秘匿しておくように。明日にでも賢者の石は砕いたと発表しよう。賢者の石の防衛、本当によくやってくれた。わしもニコラスもそんな君だから賢者の石の研究を許可したんじゃ。」

「そうですか。では失礼します!」

レオはダンブルドアの話をほとんど聞かず速足で校長室を去っていった。



校長室でダンブルドアは一息つく。

(賢者の石がトムの手に渡ることは阻止できた。しかし、レナード・テイラーの力は想像以上じゃった。しかも闇に対して拒否感はない。ただ純粋に魔法を極めようとしているだけのようだ。ただそれ故に闇にも躊躇なく進むだろう。はたして賢者の石を渡したのは正しかったのか……。ハリーについても本当はヴォルデモートと対峙させて英雄への道を進ませたかったのじゃが、レナードの影響でほとんど今回の件に関わらなんだ。さて、これからどうしたものかのぉ……。)

闇の脅威は去った。しかしダンブルドアの苦悩は晴れることは無かった。



さて賢者の石の防衛完了です。

以下罠の詳細

〇ケルベロス
音楽の弱点は克服済み、知性UP。さらに分霊箱の要領で魂を首ごとに分割、疑似的な分霊箱状態。そのため下手な呪文は効果がなく、死の呪文でも死なない。御辞儀は分霊箱を使いこなしていたからすぐに見破って悪霊の火を使用した。体内で分割していたのみなので死亡した。レオは分霊箱を知らなかったが独自理論でこれを作成。ダンブルドアが危惧したのはこれのこと。

〇悪魔の罠
光の弱点は品種改良で克服。蔓に毒針を多数仕込んである。解毒剤で一時効果無くなるが体内で潜伏して気づかぬうちに手遅れになる。

〇鍵の部屋
全体的に鍵のスピードUP。正解の鍵は手に取ると呪い発動+離れなくなる。原作のダンブルドアが引っ掛かった指輪と同等の呪い。逃れるには切断しかないが呪いは体に残留。

〇チェス
白黒すべての駒が襲い掛かる。核のキングを破壊しなければ無限再生。

〇トロール
クィレルを考慮してトロールの死体利用。鎧のイメージはグラブルのコロッサス・マグナ。鎧はかなり頑丈だが無敵というほどではない。

〇薬の理論問題
問題はそこまで難しくないが時間制限10秒。しかし現れる薬は全て毒薬。
時間経過で焼かれるか、薬を飲んで死ぬかの二択。薬の効果は致死性の毒+悪魔の罠の毒と鍵の呪いの効果を爆発的に高めるもの。

〇みぞの鏡
レオが関与していないため原作同様。

これがレオの罠の改良でした。実際はもっと凶悪に出来るのですが、どうせなら全部の罠の性能を見てみたいということでギリギリ最後の部屋で死ぬように調整してあります。

ハリーとロンは一歩も部屋に入ることなく終了。原作主人公なのに……。

レオ、報酬に賢者の石ゲット! 引き換えにダンブルドアの苦悩が増大!

次回で賢者の石編は終了です。


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19. 一年が終わって

ようやく賢者の石編が終わりです。

では19話どうぞ。


賢者の石を手に入れたレオはそのまま寝ずに研究を開始した。
朝になると研究室の扉が勢いよく開かれハーマイオニーが飛び込んできた。
そのまま勢いに任せてレオに飛びつく、ハーマイオニー。

「レオ! 無事ね!? 怪我とか呪いとか大丈夫よね!?」

驚くレオの体を触って怪我がないか確かめていく。
問題が無いことを確認すると大きく息を吐きだした。

「良かった……。レオなら大丈夫だと信じていたけど、やっぱり心配せずにはいられなかったわ。お疲れ様、お帰りなさい、レオ。」

「ただいま、ハーマイオニー。心配かけてしまったね。無事賢者の石は守り切ったよ。もう脅威はないだろう。報酬として賢者の石の研究も許可されたよ。」

レオは手にしていた賢者の石を見せる。その美しさにハーマイオニーも目を輝かす。

「当分は賢者の石の解析に時間を費やすことになると思う。その間はハーマイオニーと勉強とかできなくなると思うけどいいかい?」

「わかったわ。その間、レオの研究でも見学したり、自分の魔法の勉強をしているわ。解析頑張ってねレオ!」



レオが賢者の石を闇の帝王ヴォルデモートから守って数日が経過した。

クィレルが行方不明になったことで様々な憶測が流れた。しかしダンブルドアが早々に真実を、クィレルが闇の帝王の手の者であり、ヴォルデモート復活のためにホグワーツに隠されていた賢者の石を狙い、そして死亡したことを公表した。その際、優秀な生徒に協力してもらっていたことも生徒たちには伝えられていた。名こそ明かされなかったがレナード・テイラーであることはバレバレであった。

そのレナード・テイラーは研究室から一歩もで出ずに賢者の石の研究に没頭していた。

(卑金属を黄金に変える部分は解析終了。……しかしどれだけ見ても飽きないな。究極なまでに編み込まれた式、無駄な部分が存在しない。永遠の命を得ることができる命の水の生成も命と言うものを肉体、魂ありとあらゆる視点から解き明かさないことには不可能だろう。それを簡単に成しうるこれはまさに賢者の石と言う名にふさわしい。)

その後もホグワーツ最終日まで研究は続けられた。研究を見にに来たハーマイオニーも邪魔してはだめだと感じ、声をかけずにその様子を見守っていた。真剣そのものな顔のレナード・テイラーを初めて見てレオの新たな面を知ることができ少し嬉しくなった。



今日は学年末パーティーが大広間で行われる。
大広間は青と銅で装飾されており、レイブンクローのシンボルである鷲が描かれた横断幕が目立っていた。
スリザリンの七年連続寮対抗杯獲得は阻止され、レイブンクローが優勝した。
レナード・テイラーに触発された生徒が多くいたこと、レオ自身も多くの得点を獲得したことがこの結果を導いた。

「また一年が過ぎた。」

ダンブルドアが演説台の上に立ち話し始める。

「さて、宴を始める前に寮対抗杯の表彰を行う。四位、グリフィンドール347点。三位、ハッフルパフ372点。二位スリザリン、522点。一位レイブンクロー638点」

レイブンクローから爆発したような歓声が上がる。スリザリンの連続寮杯獲得記録を止めたため、グリフィンドールとハッフルパフからも大きな拍手が鳴り響く。スリザリンだけはレイブンクロー、特にレナード・テイラーを睨みつけていた。

学年末パーティーが始まり、生徒たちは思い思いに食べ、話し大いに楽しんでいた。レオは賢者の石の解析をほぼ完了させていたため久々のまともな食事をじっくり味わっていた。そうしているといつの間にかレオの周りには多くの生徒が集まってきている。

「テイラー君! 本当にありがとう! 君のおかげで寮杯を獲得できた。まさか卒業するまでにこの感動を味わえるとは思っていなかった……。」

「レイブンクローに寮杯を奪われたのは悔しいけど、あのくそったれのスリザリンの寮杯獲得を阻止できただけでグリフィンドールにとっても君は英雄だ! ハッフルパフだってそう思っているに違いない!」

周りをよく見るとレイブンクロー生の下級生から上級生まで、勉強会に参加しているグリフィンドールとハッフルパフの生徒もいるではないか。

「よーし! この史上最強の研究バカを胴上げだ!!」

「「「おおー!!」」」

周りのテンションは最高潮になりいつの間にか胴上げされることが決まっていた。
レオは落ち着いて食事がしたかったため、目くらましの術とそばにいた生徒をレオに誤認させる魔法を施し身代わりにした。
身代わりの生徒が訳も分からず胴上げされているのを申し訳なく思いながら大広間から抜け出し研究室に戻る。途中にハーマイオニーに見つかり一緒に行くことになった。

「胴上げがそんなに嫌だった?」

「見られちゃってたか。まぁ、あのテンションにはちょっとね……。」

宴が終わるまで研究室で今年一年の出来事を振り返って静かに過ごした二人。宴も嫌いではないがやはりハーマイオニーと二人で静かにしている方が心地よいと感じる。



その後、今年度の成績の発表が張り出された。首位はハーマイオニーで700点満点中853点だった。レオは試験免除などそもそも順位に関係ない扱いであったが、生徒たちは一年だけの付き合いでレオがすでに殿堂入りしていると共通の認識を持っていた。
その他多くの生徒の成績も例年と比べて平均値が上昇していた。レナード・テイラー勉強会のおかげと多くの教師から賞賛を貰う結果となった。

「学年トップおめでとう、ハーマイオニー。ご褒美でもあげようかい?」

「レオの方が成績良いのに何言ってるのよ。まぁ、でも貰えるものなら貰いましょうか。夏休みも私に魔法を教えてくださらないかしら?」

「もちろん。でも最初の一週間はニコラス・フラメルの所で賢者の石について色々学んで来る予定だからその後になるかな。」

「わかったわ。その一週間で私も力を高めるんだから! ビックリさせてあげるわ!」


ホグワーツ最終日

キングス・クロス駅に向かう蒸気機関車に乗り込もうとしたレオとハーマイオニーは声をかけられた。
ハリー・ポッターとロナルド・ウィーズリーだった。ロンは嫌々とした態度を隠そうともしていないのでハリーが何か用があるのだろう。

「なんだい? 何か用?」

「レナード・テイラー。君に聞きたいことがあるんだ。」

レオはハリー・ポッターから何か聞かれるようなことがあったかなと考えたが何も思い浮かばなかった。

「あの夜。君が賢者の石を持って扉から出てきた時、ダンブルドアにヴォルデモートが逃げたって言っていただろ。あれはどういうことなんだ?」

「賢者の石については調べたようだね。ヴォルデモートはクィレルに寄生して賢者の石を狙っていた。僕はダンブルドア校長に依頼されてその防衛に手を貸していた。そしてあの日、阻止した。それだけだよ。」

「じゃあ、ヴォルデモートは生きているんだ……。父さん、母さんの仇が……。」

「ハリーも、テイラーもその名前を言うのをやめろよ!」

この中でヴォルデモートの名前で恐怖しているのはロンだけであった。ハリーはいまいちその名前に恐怖を感じられず、レオは直接話しても特に恐怖することなどないと思っていた。ハーマイオニーはマグル生まれであることとレオから恐怖する意味がないことを教えられていたのでただの犯罪者を必要以上に怖がる必要はないと結論付けていた。

「聞きたいことはそれだけかい? じゃあ、行こうハーマイオニー。」

「待ってくれ、もう一つだけ。あいつは戻ってくるのか?」

「さぁね。本人はその気のようだったし、賢者の石以外にも方法はあるしね。そのうち戻ってくるんじゃないかな。」

その言葉にハリーは何かを決意したようだった。ロンはそんなの信じられるかと言ってハリーを引っ張っていってしまった。


列車に揺られながらコンパートメントでハーマイオニーと一緒に過ごす。学校が終わって気が抜けたのかハーマイオニーは眠ってしまっていた。その寝顔を眺めながらレオはこの一年を回想する。

(組み分け、ダンブルドア校長からの依頼、授業、勉強会、教授たちとの討論や共同研究、ヴォルデモート、ハーマイオニーとの休日、そして何より賢者の石。この一年色々あったなぁ……。)

また次の学年も経験したことのない出来事が起こるのか、新しい研究対象が現れるのか、そんなことを考えながらレオも眠りについていった。

こうしてレナード・テイラーの一年目の学校生活は終了した。



寮杯はレイブンクローが獲得しました。
各寮の点数は全体的にレオの勉強会のおかげで上がっています。
グリフィンドールはハーマイオニーが頑張りましたが、最初の140点減点が痛すぎた。
校長特別贔屓点は流石に最初の部屋にも入れなかったのでなしです。


さて、次回からは秘密の部屋です。

次回予告!

賢者の石を闇の魔の手から無事守り切ったレナード・テイラー。
二年生になりハーマイオニーと共に勉学に励むレオ。

しかし! 次なる闇の刺客が襲い掛かる!!

甘いマスクで人を惑わすイケメン詐欺師!
邪悪なる魂を宿した悪魔の日記帳!
そして、毒蛇の王たるバジリスク!!

いずれも強大な相手、苦戦は必至だ!
はたしてレオはこいつらからハーマイオニーを守れるのか!?

次回、2章 秘密は暴かれるもの 

乞うご期待!



※本編の内容は次回予告とは異なる場合があります。御了承下さい。


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2章 秘密は暴かれるもの 20. 夏休み

今回から2章秘密の部屋編開始です。

では20話どうぞ。


夏休み。それは多くの学生にとって至福の時間だ。ホグワーツの生徒たちにとってもそれは変わらない。あるものは友人と遊びまくる。あるものはクィディッチの練習に夢中になる。ほとんどが宿題など忘れている中、宿題などさっさと終わらせて自主的に魔法の勉強に取り組んでいる学生などいるのだろうか?

ハーマイオニー・グレンジャーはその存在が疑わしい稀有な学生だった。
今日で夏休みに入って一週間。親友のレナード・テイラーが大錬金術師ニコラス・フラメルの元から帰ってくるのだ。今はレオの研究室で帰りを待っているところだ。

(この一週間、最初の一日で宿題は終わらせた。残り六日で飛行術はマスターしたし、コルポリス(物理的)もそこそこ使いこなせるようになってきた。あとは6~7年生用の教科書も一通り目を通した。ここまでやってもレオにはまだまだ遠いに違いないって確信して言える。差は広がっているかもしれない。けど、私も一歩ずつ進んでいる! これからも精進しなくっちゃ!)

もうすでに同学年ではレオ以外に勉強でハーマイオニーに勝てるものなどいるはずがない、いや上級生にも彼女以上の存在は数えるほどだ。それでもまだまだ目標ははるか先だ、その先を目指し続けなければ。ハーマイオニーは握った手を真上に挙げて気合を入れた。

その瞬間、音もなくレナード・テイラーが現れた。通常の姿現わしでは出現時にポンといった音が鳴る。レオは屋敷しもべ妖精の魔法を参考にその点を改良していた。
ハーマイオニーは手を真上に挙げた格好のまま顔を赤くして固まっていた。

(レオ!? いきなりなんてずるいわよ! 変な恰好見られちゃった……。)

コホンと咳払いをして仕切りなおす。

「お帰りなさいレオ。どうだった?」

「ただいま、ハーマイオニー。いやぁ……すごかったよ!! 賢者の石の創造の着想、開発経緯、精製方法、問題点。色々と教えてもらったし、二人で更なる課題や発展について毎日熱く語り合ったよ。とりあえず賢者の石を造るだけなら可能にはなった。だけどそれだけじゃ今までのものと変わらない! 僕はこれを更に発展させていくつもりだよ。」

「いい経験ができたみたいね。私もこの一週間で成長したわ! その成果見せてあげるわ。」

二人は魔法実験スペースに移動する。レオはハーマイオニーがどれだけ進歩したか期待していた。

ハーマイオニーが魔力を集中させる浮き上がる。その次には箒と同じくらい速度で縦横無尽に飛び回る。最初は暴走したのかと一瞬思ったが、様々なアクロバティックな挙動や急停止など繰り返す様子を見て完全に制御していることを確信した。それだけではないかなりの速度を出しているのに体には負荷はそれほどではなさそうだ。周りもしっかり認識して飛行している。

降りてきたハーマイオニーは的用の人形にコルポリス(物理的)を当てる。衝撃、刺突、斬撃、様々な攻撃を使いこなす。しまいには一つの呪文で別方向から力を加えることもできるようになっていた。教えてはいなかったが力を分割すれば同時に多方向に衝撃などを発生させることもできる。それを独学で気づくとは予想以上だ。
最後に上下から最大の力で押しつぶす。人形は力に耐えきれず圧壊する。
それをハーマイオニーは見て深く息を吐き終了を告げる。レオは惜しみない拍手をおくる。

「いやぁ、予想以上だ! 並大抵の努力ではこうまで上達しないよ。僕が教えていなかった使い方までマスターしているとは、流石だハーマイオニー!」

「ありがとう、レオ! 飛行術はフェリスさんに協力してもらって身体強化の魔法で制御したわ。私のアレンジで動体視力も強化してより確実にしたわ。コルポリス(物理的)も大分応用できるようになったわ。」

「いいね、やっぱり君は良い! 夏休みの残りは勉強だけじゃなくて戦闘訓練もしてみるかい? コルポリス(物理的)を使いこなしているんだ、他の呪文と併用すれば大抵の危機には立ち向かえるようになると思う。」

「そうね。魔法薬も書物だけじゃなく実際に作らないと覚えないし、それと同じで魔法を知っているだけじゃなく使ってみないとね。やってみるわ。」

少し休憩した後、レオは宿題を終わらす。
夕食をハーマイオニーと両親と楽しみ、これからの予定を立てていく。
二人で色々やりたいことを考えている時間も楽しいものだった。


1992年8月
夏休みも後半に入り、ホグワーツから二年生で使う教材のリストが届いた。
テイラー一家はハーマイオニーを連れてダイアゴン横丁に買い物に来ていた。
レオとハーマイオニーはリストを見て困惑していた。

「このロックハートって人の教科書多いな。というか誰なんだ?」

「レオも知らない人なの?」

「魔法研究の学会とかでは名前は見ないよ。父さんは知っていますか?」

首を横に振って答えるアースキン、心当たりはないようだ。代わりにフェリスが答える。

「何かイケメンの冒険家? そんなのみたい。学生時代の友達がキャーキャー言ってたわ。そのリストにある本は自分の活躍をまとめたものらしいわ。彼がいかに素晴らしい人物かを何時間も聞かされれてうんざりだわ。きっと新しい先生はそのロックハートのファンの魔女なんじゃないかしら。」

レオたちはふーんと興味なさげに答えるだけだった。


フローリシュ・アンド・ブロッツ書店に到着した一行は唖然としていた。もの凄い人だかりがいるのだ。例のロックハートのサイン会が行われているのが原因らしい。哀れにも買い物に来ていたハリー・ポッターが捕まり一緒に写真を撮られていた。

「あら、たしかにイケメンね。でも私のアースキンの方が絶対いい男よ。」

フェリスは自信満々に宣言した。アースキンは顔を赤くしつつも嬉しそうだ。

(顔は良いわね。でもそれだけだわ。)

ハーマイオニーも特に感想はそれだけだった。周りの女連中がなぜあそこまで熱狂しているのか理解できなかった。
ロックハートが大々的に今年の闇の魔術に対する防衛術の教師になると宣言する。
レオとハーマイオニーは不安しか感じることができなかった。

解放されたハリーが戻っていく。どうやらウィーズリー一家と行動を共にしているようだ。
ハーマイオニーが挨拶に行くので付いていくレオ。

「ハリー、ロン! 久しぶり。」

「ハーマイオニー。元気だった?」

「久しぶり! ……げっ! テイラーじゃないかよ。」

レオを見て嫌な顔をするロン。追い打ちで更なる嫌いな奴が現れる。

「有名人は書店に行くだけで大変だね、ポッター?」

ドラコ・マルフォイがこちらに近づきながら嫌みを言ってきた。
ウィーズリー家の女の子、ジニーというらしいが庇って更にウィーズリー家の父親とマルフォイの父親も現れて、口論からの殴り合いの喧嘩になってしまった。

「どうしよう、レオ。止めた方が良いかな?」

「あー……。離れよう。爆発しそうだ。」

レオはハーマイオニーの手を取って歩き出す。
壁際まで離れたとき怒声が爆発した。

「何をやっているんだ! この馬鹿どもが!!」

予想して音を遮断していたレオとハーマイオニー、フェリス以外は全員耳を押さえている。
一瞬にして書店内は静かになった。

「あ、アースキン……。い、いつから見ていたんだ?」

「そんなことはどうでもいいだろ。それよりアーサー・ウィーズリー! 大の大人が公衆の面前で殴り合いなどどうかしているぞ。それでも魔法省の一部門のトップか! もっとしっかりしろ!」

「いや……しかし、ルシウスが……。」

二人のやり取りを無視して逃げ出そうとしているルシウス・マルフォイを呼び止めるアースキン。

「相変わらず逃げるのだけはうまいな、ルシウス・マルフォイ。聖二十八一族なんだろ? もっと相応しい振舞いしたらどうだ? アズカバンなんかがお似合いだぞ。今からでも遅くない、ぶち込んでやろうか?」

ルシウスは憎らしそうにアースキンを見る。しかしアースキンに一睨みされると息子を連れてさっさと書店から立ち去ってしまった。

「さて、アーサー。この後飲みに行こうか。もちろん説教だ。じゃあ母さん、二人を頼むよ。」

「わかったわ。あんまりきつくしちゃダメよ?」

アーサーはアースキンに連行されて行った。
ウィーズリー兄弟とハリーはそれを見てるだけしかできなかった。ウィーズリー家の母、モリーはよろしくお願いしますと頭を下げていた。

「アースキンさんってすごいわね。一喝して黙らせちゃうし、あのマルフォイの父親もすぐ逃げちゃったわ。」

「父さんは怒ると怖いしね。マルフォイ家は死喰い人として活動していた時に父さんに何度も痛い目を合わされていたみたいだし、トラウマになっているんじゃないかな。」

書店での買い物以外では特にトラブルもなく買い物は終了した。
帰ってからロックハートの本を数冊読んでみたが、実際の魔法や魔法生物とは少し描写が異なっていたため、創作であるとの結論に至った。ただ、小説としての出来は良かったので本自体は楽しんで読むことができた。

(というか、こんな本を事実だとして出版している。詐欺師か……。ホグワーツでの授業で化けの皮がはがれるな。というかダンブルドア校長なら見抜いていそうなものだけど。)

とりあえず最初の授業で退場してもらうことが決定した。
翌日、ハーマイオニーにも本の感想を聞いたところ

「面白い内容だったわ。あの冒険をこなしているなら闇の魔術に対する防衛術の先生としては文句ないわ。……本の内容が事実だったらね。」

どうやらハーマイオニーも本の内容に疑問を抱いているようだ。
レオはホッとした。ハーマイオニーが顔が良いだけで騙されるような女性ではないことが分かって良かった。

夏休みの残りもレオは研究、ハーマイオニーは自分のレベルアップに費やした。
レオの十の指輪も完成し、調整も終了した。これで後は実戦形式でのデータ収集をすれば問題ないだろう。
あっという間に休みの残りは過ぎていく。とうとう明日は二年生の始まりだ。



夏休み……懐かしいですね。

ハーマイオニーのレベルはすでに並みの死喰い人と戦えるぐらいにはなりました。

ハーマイオニーは岩心には引っ掛かりませんでした。レオのおかげでレベルアップしてますし、嘘も見抜けました。

では次回お楽しみに。


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21. 再びのホグワーツ

さて、秘密の部屋は全部で何話になるかなぁ。

では21話どうぞ。


1992年9月1日 ホグワーツ特別特急

レオとハーマイオニーはお互いの両親に出発の挨拶を終え、すでに列車は進み始めていた。
コンパートメントにはレオとハーマイオニーの二人だけだ。
そこへドアがノックされる。ドアが開くと赤毛の少女が立っていた。

「ここ空いてる? 良かったら一緒で大丈夫かしら?」

「構わないよ。」

「ええ、大丈夫よ。」

了承を得た少女は席に着く。ハーマイオニーには彼女に見覚えがあった。

「あなた、ダイアゴン横丁でロンと一緒にいたわね。ロンの妹さんかしら? 私はハーマイオニー・グレンジャー。ロンやその他のウィーズリー兄弟と同じグリフィンドール寮で二年生よ。でこっちが」

「レナード・テイラー。レイブンクロー所属の二年生だ。」

「あなたたちがハーマイオニー・グレンジャーとレナード・テイラーなのね。私はウィーズリー家の末っ子で名前はジネブラ、ジニーって呼ばれてるわ。二人のことはロンから色々と聞かされてるの。ハーマイオニーは学年一の才女で、レナードは勉強ができるだけの嫌な奴だって。でも多分ロンが嫉妬してるだけだから気にしないでくれると助かるわ。」

「才女だなんて……レオの方がずっと上なのに。それにしてもロンったらまだそんなこと言っているのね。」

「別に彼がどう言おうと特に気にしてないから別にいいよ。」

「レナードは大人なのね。ロンも少しは見習ってほしいものよ。私、今年入学なんだけど組み分けとか寮のこととか色々聞きたいの。グリフィンドールに入れるといいんだけど。」

その後はホグワーツの生活など色々と話すこととなった。やはり入学前で緊張しているのか聞きたいことが多いみたいだ。車内販売でお菓子を買ったりフェリス特性弁当を食べたりして時間が過ぎていった。

昼食を食べ終わってしばらく経ったころ、コンパートメントのドアが開かれた。ドアの先には悪戯で有名なグリフィンドールのウィーズリー双子が立っていた。たしかフレッドとジョージだったか。

「ジニー探したぜ。まさか我がグリフィンドールの才女様とそのお師匠様とご一緒だったとはね。」

「俺はてっきり愛しのハリーとついでにロニー坊やと一緒だと思っていたよ。」

「ジョージ!」

ジニーは顔を真っ赤にして双子の片割れに怒鳴る。

(なるほどあちらがジョージか。でこちらがフレッド。)

「さて、初めましてかなレナード・テイラー殿。俺はフレッド。そして相方の」

「ジョージだ。よし噂の天才様に問題を出そう! 答えられるかな?」

双子はコンパートメントから出て行った。数秒後には戻ってきたが、顔はニヤニヤしていた。

「「さぁ、どっちがどっちでしょうか!?」」

レオは即座に答える。

「右がフレッドさんで左がジョージさん。」

双子はまさか答えられるとは思ってもみなかったようだ。

「「うぇっ!? 嘘だろ!? も、もう一回!」」

十数回ほど繰り返してもその全てでレオは即答で正解していった。

「なんでわかるんだ? ママでさえたまに間違えることあるのに……。」

「魔力の質とかは人それぞれで全く異なっているからですね。親子や兄弟でもそれは変わりません。なので一度覚えれば一目瞭然というわけです、フレッドさん。」

「あー、完敗だ。流石はレナード・テイラーってか。それと俺たちのことはフレッド、ジョージでいいよ。もう俺たちは友達だ! でも次は負けないぞ! ふふふ……。今年は廊下での不運な事故には十分注意した方が良いぜ! じゃあな!」

双子は不穏なことを言ってコンパートメントから出て行った。

「うちの双子がごめんなさい。たぶんレナードのこと気に入っちゃたと思うわ。今年は悪戯のターゲットにされること間違いなしね。」

「まぁ、彼らがどんな悪戯をするか興味はあるね。なにか参考に出来るなら御の字ぐらいに考えておくよ。」

「レオなら双子にも余裕で対処できるから大丈夫よ。それにしてもハリーとロンがどこにいるか双子も知らないみたいだったわね。どうしたのかしら?」

その後はレオに対して勉強会のメンバーが挨拶が来たり、双子がさっそく悪戯を仕掛けようとして監督生のパーシー・ウィーズリーに連行されていったり賑やかな雰囲気のまま列車は走っていった。レオはジニーの鞄から見たことない魔法の式が見えていたが、流石にプライベートなものもあるだろうから我慢して見なかったことにした。
そうこうしているうちにホグズミード駅に到着した。

「一年生はこちらです。ついてきなさい。」

ハグリッドがアズカバンに投獄されているため今年からは一年生の引率はマクゴナガル先生の役目のようだ。それに伴い険しい山道は舗装されていて随分と歩きやすくなっているようだ。

ジニーと別れてレオたちは馬車で移動することとなった。

「この馬車、馬がいないのね。魔法で動いているのかしら?」

「セストラルが引いてるね。セストラルは天馬の一種で死を認識した人間しか見ることができないんだ。珍しい種だからよく観察するとしよう。ハーマイオニーも見たいかい?」

「うーん……。ちょっと怖いけど見てみたいわ。でも死を認識なんてどうするの?」

「別に見る側がどうにかしなくてもセストラル自身に細工すれば問題ないよ。彼らの纏ってる認識阻害魔法が死の認識の有無で発動するかどうかなだけだからね。」

レオはセストラルに触れ、その認識阻害を解除する。途端にハーマイオニーの目にもセストラルの姿が確認することができるようになった。
黒毛で骨ばっている外見に翼がある。認識阻害が解除されても大人しく馬車を引いていることからよく躾されているようだ。馬車がホグワーツに到着するまでじっくりと観察を続けた。


組み分けの儀式は去年と同じように行われた。帽子の魔法は相変わらず全く衰えておらず美しい式を纏っている。ただ、帽子の歌は若干細部が違っていた。どうやら毎年少しずつ違っているようだ。

組み分けも終わり宴が始まる。レオも好きなように食べていると、そこかしらで噂が聞こえてくる。何でもハリー・ポッターとロン・ウィーズリーが空飛ぶ自動車で暴れ柳に突っ込んで到着したらしい。列車内で見ていないとの事だったが何とも派手な到着だ。おそらく列車に乗り遅れたせいだろうが、他に方法はなかったのだろうか?
スリザリンのテーブルではドラコ・マルフォイがポッターは退学だなどと騒いでまたグリフィンドールを馬鹿にしている。毎度毎度飽きもせずによくやると感心するほどだ。

宴が終わり校長の挨拶となる。今年は賢者の石もないため基本的な注意事項のみであった。
それと新しい闇の魔術に対する防衛術の教授の紹介もされた。
ギルデロイ・ロックハートが立ち上がり挨拶をする。ただそれだけで女子生徒の大半が黄色い歓声を上げるが、一部の女子生徒とほぼすべての男子生徒、それに教師陣の全員は白い目でさわやかに笑いながら自己紹介をするロックハートを見ていた。

レオは他の生徒とは別方向、自室兼研究室に足を向ける。数カ月ぶりに中に入るが今日も掃除したかのように清潔だった。おそらく屋敷しもべ妖精が掃除をしてくれたのだろう。ありがたいことだ。
また明日から授業が始まるが今年はどんな一年になるのだろうか。
そんなことを考えてベットで眠りについた。



レオはウィーズリー兄弟と仲良くなった!(ロン除く)
双子はオリジナル魔法具を作ったりとレオとも仲良くする要素が多いです。
ジニーはロンがしつこく悪口を言うので逆にロンが悪いんだなと思ってます。
パーシーは接点はないですが優等生で色々研究で有名なレオは好印象です。

トムの日記はジニーが鞄から出していたら下手したら秘密の部屋はここで終了になるとこでした。

ハグリッド投獄での影響が出ましたね。小さいですが。

では次回お楽しみに。


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22. ブロウクンハート

お気に入り数4000を超えました!
ありがたいことです。感想も必ずチェックしています。すごく励みになります。

では22話どうぞ。


始業式の次の日からさっそくの授業だ。
……なのだが皆が朝食を食べている大広間にやる気を削ぐ爆弾が投下される。
昨夜誰もしないような劇的な到着を果たしたロン・ウィーズリーへの吠えメールの到着だ。
ウィーズリー家の母親の馬鹿でかい怒号は食欲を無くすのには十分すぎる威力を持っていた。
レオは黙って吠え散らかしている吠えメールに近づく。

『昨夜ダンブルドアからの手紙が来て、お父様は恥ずかしさのあ「うるさいよ。」

レオは吠えメールを握り潰してしまう。通常ならば声の再生をしなかったり止めるとさらにひどい結果になるのだが『眼』で見てその部分を解除が可能なレオには関係なかった。
レオが吠えメールを止めたことで大広間からは感謝の拍手が鳴り響く。
吠えメールは止まったが、ロンにはマルフォイを中心にスリザリンからの嫌みが始まっていた。
母親の怒りであれスリザリンからの嫌みであれロンにとっては最悪な学期の始まりだった。


二年生になっても勤勉なレイブンクロー生たちは宿題もしっかりこなし、一年生の復習も十分のようだ。中にはレオに対して今年は負けないと宣言する生徒までいる。上級生たちが混ざっているのはどうなんだろうという疑問はもはや誰も感じてはいなかった。
変身術、魔法薬学、呪文学、薬草学、これらは去年より発展した授業内容であり、危険性と難易度は増したがその分今までになかったことを学べるため好評であった。
レオは相変わらず教授陣たちとの討論や共同研究を続けている。
魔法史はもはや何も言うまい。死んでも変わらない授業などはどうすれば変わるのだろうか。


さて、色んな意味でお待ちかねの闇の魔術に対する防衛術の時間がやってきた。レイブンクローは一番最後の授業日程だから、すでに初回の授業を終えた他寮の話は聞いているが、ロックハートファンの大多数の女生徒たちからはまともな意見を得られるはずがなかった。
レオは信頼できるハーマイオニーから聞いたがクィレルやビンズの方が万倍マシらしい。逆にレオはそこまでの授業はどこまでひどいのか興味が出てきてしまった。

教室はレオを除く全員が教科書であるロックハートの小説を机の上に積み重ねているのですごい光景になっていた。レオは当然持ってきていない、それどころかホグワーツにすら持ってきておらず家に置いてきている。ロックハートが自信満々に入ってきた。適当に生徒の本を取り上げて、表紙の写真と同時にウィンクをする。女子は喜ぶが男子は白い目だ。

「私だ。ギルデロイ・ロックハート。勲三等マーリン勲章、闇の力に対する防衛術連盟名誉会員、『週刊魔女』五回連続『チャーミング・スマイル賞』受賞。」

その後も延々と嘘か本当かもわからない、どうでもいい自慢話が続く。興味のない生徒からの視線に殺意が入り始めたころ唐突に小テストをすると宣言して、テスト用紙を配り始めた。
レオはテスト用紙を見て呆れるしかなかった。

(ここまでとは……。想像以上にひどい……。)

どの問題も、ロックハートの~、ロックハートが~など闇の魔術に対する防衛術に全く関係ないものだった。更に両面にびっしりと書いてあるためメモ代わりに使うこともできない完璧なまでに無駄なものであった。

テスト用紙を回収したロックハートはまだ誰も満点を取っていないことに不満があるようだが当然のことだとは思わないのだろうか。

「では、授業に入りましょうか。」

覆いのかかった籠を教卓の上に用意するロックハート。その顔はどこまでも得意げだ。

「気をつけなさい! 魔法界で最も穢れた生物との戦う方法を授ける! それが私の使命なのです!」

芝居がかった動作で覆いを取り払い中を見せる。中にはピクシーがいるだけだった。
何人かの生徒がどのような生き物か聞くが危険なものと答えるだけで対策方法などの回答はなかった。

「では諸君らの対処のお手並み拝見としましょう!」

いきなり籠の戸を開けピクシーを開放する。皆が魔法やそれ以外の方法で対処するが数が多く追いついていない。

フロクラント(凝集せよ)・ピクシー」

レオが魔法を発動させる。特定の対象を一か所に集めて押しつぶす魔法だ。
ピクシーはレオの手の先の一点に向けて集まっていく。最終的に醜い肉団子が出来上がる。

「さて、ピクシーの処理終了です、ロックハート先生。」

話しかけられビクッとしながらも爽やかな笑顔を絶やさない。ある意味すごい執念を感じる。

「あぁ、えーと……。お見事! 私ほどではないが素晴らしい魔法の力量をお持ちのようだ!」

「ありがとうございます。ではそんな素晴らしい先生ならば僕ごときの魔法の対処など容易いに違いないでしょう。」

「へ?」

コルポリス(物理的)インカーセラス(縛れ)。」

上から押しつぶした後、縄できつく縛り付ける。他の教師なら楽に対処できる速度と精度だったがこの無能には不可能だったようだ。

「な、何をするんです!? レイブンクロー50点減点!」

周りも相手がロックハートとは言えいきなりの攻撃に混乱している。ファンの女子生徒は悲鳴を上げてレオを睨んでくる。

「さて、やはりこの程度も対処できないのですね。面倒なのでさっさと終わらせますか。レジリメンス(開心)!」

開心術で心を読む。心の中は有名になりたいだの、下らない虚栄心で埋め尽くされていた。心の奥底の防壁の中に秘密にしていた部分が見つかる。ロックハートの本の内容の本当の当事者たちとのやり取り、そして忘却術で記憶を消し自分の手柄にする。その時に感じる幸福感、少しの罪悪感など。
レオはロックハートの心の全てを読み取った。心を読まれたことを感じたのかいつもの余裕のスマイルはすでに無くなり絶望した顔をしたロックハートが転がっていた。

「忘却術はかなりの才能を持っているのに使い方を間違えましたね。では詐欺師ギルデロイ・ロックハート、一緒に校長室まで行きましょうか。抵抗してもいいですけど無駄だと思いますよ。」

悪事を働いた時の記憶を抜き取って瓶に保存する。これで証拠は十分だろう。縛られたままのロックハートを浮遊させ、唖然としている生徒たちをそのままに教室から出ていく。授業中の為廊下では生徒に見られなかったのは幸運だった。もし生徒がいる中で進んでいたらこの無能がファンに助けを求めていただろう。
何の障害もなく校長室にたどり着く。

「カントリー・マ〇ム」

合言葉を言ってガーゴイル像の先の校長室に行く。扉をノックして入る。

「ダンブルドア校長先生。詐欺師を捕まえました。」

ダンブルドアは驚いた様子もなくこちらと縛られた詐欺師を見ている。

「おお、レオ。それにロックハート先生も。して、詐欺師とは誰のことじゃね?」

「その反応……。知っていましたね。ホグワーツで教師をさせて詐欺師であると証明するつもりだったのではないですか? 開心術と真実薬で一発でしょうに、回りくどいですね。」

「いやいや。君ならすぐに対処すると思っておったよ。さて、ロックハート先生。何か弁解することはありますかな?」

「ははは……。もういいです。縄を解いてくれませんか? 逃げも隠れもしませんよ。」

縄を緩める。途端に杖をレオに突きつけてきた。

「ははは! 先ほど君は忘却術の才能があると言っていましたね! その通り! 私はこれだけは絶対の自信がありますよ。ダンブルドアは無理でも君の記憶の全てを消し去ってしまいましょう!」

レオもダンブルドアもロックハートのことを見ているが、一切の危機感は感じているようには見えなかった。その反応はロックハートを逆上させるには十分だった。

「私をハンサムなだけの無能だと思うなよ! オブリビエイト(忘れよ)!」

レオに向かって閃光が走る! だがレオに当たる十数cm前でその閃光は進行方向を真逆に変える。レオが創造した指輪の一つ『反射』によるものだ。

「へ?」

間抜けな声を最後にギルデロイ・ロックハートはその記憶を永遠に失った。
何もない真っ白な記憶の状態で自分が誰であるか、そして言葉さえ忘れてしまったロックハートを見てレオは溜息をつく。

「ダンブルドア校長、どうしますか? これ。」

「そうじゃのぉ……。彼が忘却術を使った時の記憶は抜き取っているかね。よし、それならば十分に彼の罪は証明できるじゃろう。君に対しても忘却術を使用したのをこのわしが見ている。まぁ、この様子では一生聖マンゴにいることになるじゃろうな。」

「では後のことは任せてもよろしいですか?」

「うむ。こちらで処理しておこう。問題はまた闇の魔術に対する防衛術の先生がいなくなってしまったことじゃ。悪い噂が多いことから中々やりたがる人がおらんでな。スネイプ先生が希望しているが魔法薬との兼任は難しかろう……。」

しばらく考えていたが名案を思い付いた様子でレオの方を見てきた。
直感でこの後の展開が解ってしまった。

「そうじゃ! レナード・テイラー君! 君なら魔法への知識に実力どれをとっても教師に足る実力がある。一年だけでよい、引き受けてはくれんかの? 授業中は教師の権限も与えよう、寮の点数の増減も可能じゃ。もちろん断ってもいいができればお願いしたい。」

予想通りの提案が来た。さて、どうするか。

「校長先生。僕は教師の資格はないのですがよろしいのですか? それと教える内容は僕が自由に決めていいのですか?」

「大丈夫じゃ、問題ない。教師の資格がなくともわしの推薦があればホグワーツで教えることが認められている。それに君の思うように闇の魔術に対する防衛術を教えてくれればよい。ロックハートよりは確実に良いじゃろうから誰も文句はないじゃろう。」

「あー……。わかりました。引き受けましょう。授業内容が僕の実験の場になる可能性もありますが良いですね?」

「生徒に危険が及ばなければの。できるだけ事前の通知ぐらいはして欲しいがのぉ。それでは新任の闇の魔術に対する防衛術の担当、レナード・テイラー先生! よろしくお願いしますぞ!」



ギルデロイ・ロックハート退場!
原作は壊れた杖の暴発でああなりましたが、完全な自分の杖での忘却術が反射されたので原作よりひどいことになってます。

忘却術って使い方によってはかなりえげつない魔法だとおもんですよね。

レオの指輪紹介 その1
・反射:魔法の進行する向きを逆方向に変換する障壁を体の周りに発生させる。
    障壁に接触した魔法的な力の向きが真逆になる。物理的な力には無力。
    魔法で間接的に飛ばした物体等は防げない。

ロックハート後任にレナード・テイラー教授就任!
一年だけです。ずっとだとルーピンとか蛙婆出せませんしね。

では次回お楽しみに。


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23. 初教師の初授業

ハリポタ二次のオリ主が教師やるのは珍しいですかね。

では23話どうぞ。


その日の大広間は阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。
ある者はなぜあんなのに夢中になっていたのかと嘆き、
またある者は現実を直視できず死んだ目で虚空を眺め、
別の者は嘘だと言い、怒り狂う。震えた声で自分は嘘だと思ってたと虚勢を張る者もいた。
その者たちの共通点は女性ということぐらいだろうか。

ギルデロイ・ロックハートが今世紀最大の詐欺師であると世間に公表された結果だ。
怒りや恨みをぶつけようにも、ロックハートは最早死んだも同然である。
その思いの矛先は夢を砕いたアルバス・ダンブルドアとレナード・テイラーに向けられていた。
思いは呪いに変わり二人を襲うも、難なく防がれる。
そんな混沌としか表現できない大広間には全校生徒と全教師が集められていた。
ダンブルドアが立ち上がり話し始める。

「おほん。諸君、知っての通りギルデロイ・ロックハートの功績は全て噓じゃった。彼は他者の成した事を忘却術を使って自分の手柄にしておった。まぁ、顔が良いのとその執筆能力は本物じゃったろうが、多くの者が騙されておった。今は自身の放った忘却術で全てを忘れてしまっておる。」

改めて事実を突きつけられたロックハート信者には崩れ落ちる者もいた。
ロックハートのことをどうでもよく思っているほど理解不能な光景だった。

「さて、大事なのは騙された過去ではなく、これからの未来じゃ。また闇の魔術に対する防衛術の教師がいなくなってしまった。そこでわしはレイブンクロー所属のレナード・テイラー君を教師に推薦した。彼の実力は並みの魔法使いを凌駕しておるし、父親は闇払い局の副局長じゃ。これ以上の適任者はいないじゃろう。すでにレナード君からは了承を貰っておる。レナード君は授業は免除じゃ、今年一年だけ教師として生活してもらう。ではテイラー先生、挨拶をお願いしますぞ。」

「新たに闇の魔術に対する防衛術の教師に就任しました、レナード・テイラーです。よろしくお願いします。さて、こんな二年生のガキに教師なんか務まるか、教えられることなんかねぇ、と思われる方も多々いると思います。」

スリザリンを中心とした上級生、ハリーやロンなどは大声で文句を言っている。
逆にレイブンクロー生からはそのような声は皆無だったが。

「皆さんの文句はもっともでしょう。そこでそういった方たちのためにある制度を考えました。それはある条件をクリアすれば授業は免除、宿題も無し、試験も一定以上の成績を保証するものです。これは寮や学年関係なく誰でも平等に機会が設けられます。」

大広間が一気に騒々しくなる。レオの言った制度は勉強が嫌いな学生にとっては夢のようなものだ。次にレオの言う条件が何なのか皆注目する。

「条件とは、闇の魔術に対する防衛術の教師であるこの僕、レナード・テイラーに魔法で何かしらのダメージを与えることです。」

一瞬、静まったが次の瞬間にはスリザリンの上級生、グリフィンドールの双子などが呪いを放つ。四方八方からレオに向かってくる呪いの閃光はレオに命中する直前に雲散霧消した。

「話は最後まで聞いてください。レイブンクロー以外1点減点。教師なので減点することもできるので覚えておいてください。では詳細な説明をしましょう。この……そうですね、免除課題と呼びますか。これに挑戦するのには学年、寮等は問いません。また場所や時間は授業中でなくとも許可します。僕の研究室以外ならば問題ありません。食事中の大広間、移動中の廊下、授業中の教室内、いずれもいけると思った時に仕掛けてOKです。クリア条件は先ほど述べた通り魔法でダメージを与えること。どんな方法でも構いませんし、挑戦回数も制限しません。
僕は基本的に防御主体ですがもちろん反撃もしますので挑戦される人は最低失神は覚悟するように。僕はレイブンクロー所属ですがどの寮が相手でも手加減はしませんのであしからず。最後におまけでクリア時には寮に50点の加点とします。
更なる詳細なルールは掲示板に張り出しておきますので各自確認してください。以上。」

大広間はざわついている。授業が免除されるだけでなく50点も手に入る。挑戦回数も無限。これは挑戦するしかない! と寮学年問わず多くの生徒がやる気になっていた。
一方で本当に優秀な一握りの生徒たちはレナード・テイラーがいかに規格外か見抜いていた。先ほどの多数の呪文が消え去ったこともどうやったのかさえ分からない。このルールも余程クリアされる自信が無ければどの寮も点数稼ぎ放題だ。それが許可されたということはダンブルドアがレナード・テイラーの実力が高いと認めていると同義だ。まずは無謀な生徒が突撃してから情報を集めて挑んでも遅くはないだろうと、慎重に考えていた。

(さて、これだけ条件を揃えれば僕にどんどん魔法が飛んでくるだろう。それでこそ『指輪』のテストになる。)

この免除課題の本当の目的はレオの造った十の指輪の性能試験だ。生徒たちの授業免除や得点などはおまけで、指輪の効果や弱点などを見極めるためのものである。

(今年一年でどれだけテストができるか楽しみだなぁ。上級生やハーマイオニーには期待だな。)



次の日からレナード・テイラーが通る廊下は魔法の閃光で溢れかえるようになった。
しかし、レオは呪ってくる相手の方も見ずにいつものペースで移動している。レオに向かった呪いはレオの十数cm手前で急に方向転換して魔法を放った生徒に向かって跳ね返される。レオが去った後の廊下は様々な呪いの症状で倒れたり、呻いたりしている生徒で埋め尽くされていた。あまりにも医務室に運ばれる生徒が多かったためマダム・ポンフリーの怒りが炸裂した。以後廊下での呪文は武装解除と失神のみが許可された。


そんなこんなで少しは落ち着きを取り戻したホグワーツ。
今日は二年生の闇の魔術に対する防衛術の授業だ。相手はグリフィンドールとスリザリンの合同。

レオが教室に入るとすでに多くの生徒が杖を持って待ち構えていた。授業中に失神等されると迷惑なので反射は停止させて残りの防御機構のみを作動させる。
呪いはやはりレオに到達する前に消失していく。

「それじゃあ、出席を取ります。攻撃は続行してもかまいませんが返事はしてください。」

攻撃など無視して出席を取る。その姿から直接的な攻撃は流石に無駄だと理解させられ、教室は静かになった。

「はい。全員いますね。この闇の魔術に対する防衛術で皆さんに教えることは俗に言われる闇の魔術からの身の守り方、そこから発展させた戦い方です。高学年になるほど強力な防御と攻撃を教えますが、まず全学年共通しての基本的な考え方から教えようと思います。その後は必要性の高い呪文から教えていきます。個人のレベルに応じて順次ステップアップしていきましょう。ホグワーツに入学して一年は経過したので魔法の発動等は大丈夫だと思うのでそこは省きます。」

多くの生徒はロックハートの授業よりはマシだとわかり少しホッとした。それに戦い方を知るのはいいことだと感じもした。

「さて、まずは防衛の基本的な考え方から。もし自分に敵対的な魔法使いと遭遇したらどうしますか? 強さは自分より格上であると想定してください。それではフィネガン君。」

「えーと、知っている呪文を駆使して戦う?」

「はい、残念。フィネガン君は死亡しました。相手が余程なめていないならすぐに殺されてしまうでしょう。次、ザビニ君。」

「相手と交渉して命だけは助けてもらう、とか。」

「条件次第ではそれも通用しますが相手はこちらの命を狙うと考えてください。ではロングボトム君。」

「………ます。」

「もうちょっと大きな声で、どんな考えでも僕は笑いませよ。」

「逃げます……。」

この答えにスリザリンは笑い、グリフィンドールからはしっかりしろと言われてしまう。ネビルは自分の答えに恥ずかしがって俯いてしまった。
しかしレオとハーマイオニーだけがネビルを正当に評価した。

「皆さん、笑っていますがこれが正解です。勝てない相手にはそもそも戦わない。これが生き残る確率が最も高いのです。手練れの魔法使いほど呪文の速さなど段違いです。劣る者はそれに立ち向かおうとすると防御、攻撃など選択肢が多くなってしまい確実に先手を取られます。逃げる一点に絞れば少しは生存確率を上げることができます。勇敢なグリフィンドール生にはなかなか難しいかもしれませんが、逃げるのも勇気です。逃げられない、戦わなけらばならなくなってから戦闘については考えましょう。ロングボトム君には1点あげましょう。」

その後の抗議は呪いの避け方、杖の動きの予測などを教えていった。
グリフィンドール生は逃げるなんて消極的な防御方法には不満を持っているようだ。

「ではちょっと実践してみますか、皆さん逃げることについてはまだ不満があるようですしね。ポッター君とロングボトム君、前へ。二人は僕と戦ってみましょう。ポッター君は逃げずに戦う。ロングボトム君は先ほどの講義内容を参考に逃げてみましょう。手加減はしますので心配はいりません。」

手加減宣言にハリーはカチンときた。逆にネビルはホッとする。
先にハリーが相手することになった。

「ではコインが落ちたら開始です。合図と同時に攻撃しますのでポッター君も防御なり攻撃なりしてください。」

コインが舞い、床に落ちる。

エクスペリアームス(武装解除)。」

ハリーの杖は成すすべなく取り上げられレオの手に渡る。

「では、次ロングボトム君。先ほどと同様の合図と同時に攻撃しますので逃げ回ってください。」

ネビルは怯えながらもレオの杖をしっかりと見ている。
再びコインが床に落ちる音が響く。

エクスペリアームス(武装解除)。」

ネビルは発音と同時に横に飛ぶ。すぐにレオは次の武装解除を唱えるが、ネビルは転がりながら移動して避ける。机の陰に隠れて起き上がりレオを確認してジグザグに走りながら距離を取る。

「はい、そこまで。どうでしたか? 僕が悪人ならば杖がないポッター君を殺すも、服従させるも、拷問して情報を手に入れるも、人質にするも自由です。対してロングボトム君は数秒ですが逃げることに成功しました。たった数秒ですがその間に仲間が助けるかもしれませんし、相手の都合から手間を考えて撤退するかもしれません。どちらにしろ生存率が高い方は言うまでもありませんね。では見事逃げ切ったロングボトム君に2点あげましょう。」

残り時間はあと十分ほどであった。

「残り少ないですね……。次の授業は基礎の呪文を教えます。残りの時間は免除課題に挑戦するもよし、他の授業の宿題をするもよし、寝ていてもかまいません。自由時間とします。」

そういうと同時に皆が一斉にレオに攻撃しだした。
終業のチャイムが鳴るまでレオはそこから一歩も動かなかったが誰もレオにダメージを負わせることはできなかった。
その光景をハーマイオニーは凝視してレオの能力をしっかりと分析していた。

(レオの防御は複数ある……。反射と無効化……、それ以外にもあるかもしれない。とりあえず挑戦するには情報が足りないわ。もっと見極めなきゃ。)

レオはハーマイオニーの見極めようとする視線に気づいていた。この免除課題をクリアするとしたらハーマイオニーだと思っている。自分の造った魔法具を彼女が超えることができるか楽しみだった。



レオには授業は無しで教師に専念してもらいました。

そして授業免除という餌で生徒を利用した性能評価実験。ひどい主人公もいたもんだ。

各学年の授業内容は以下のような感じ。
共通:基本的な防衛についての考え方。今回の話の内容、他
一年:魔法についての理論説明。魔法の発動方法等。以前ハーマイオニーに教えたこと
二年:武装解除、インペディメンタ(妨害せよ)等の簡単な呪文
三年:二年より呪文数が増えるがそこまで変化なし +体術(結構重要)
四年:三年までで習得した呪文を使った模擬戦実施
五年:OWLも考えた呪文習得 プロテゴ(護れ)は必須 模擬戦は団体戦も実施
六年:攻撃と防御の上位呪文を習得 レオオリジナルも場合によっては教える
七年:NEWTに向けて勉強 優秀者には独自に課題も

各生徒ごとに合わせて調整はする。例としてネビルは一年レベルから基礎をしっかりさせる。ハーマイオニーはすでに七年レベルといった具合に。

では次回お楽しみに。


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24. 穢れているのは

楽しみにしていた話が削除されたり、更新が全然ないと寂しいですよね。
本作を読んでいる皆様にはそんな気分にさせないよう頑張りますので
これからもよろしくお願いします。

では24話どうぞ。


レナード・テイラーが闇の魔術に対する防衛術の教師になって一週間が経過した。
ここ数日で廊下や大広間で無計画に攻撃する生徒は激減していた。
しかし、計画的にチームを組んで廊下で待ち伏せて奇襲するなど全く無くなったわけではなかった。
今のところレオにダメージを与えた生徒はいない。それどころかどんな防御をしているかさえ解明されてもいない。だがハーマイオニーを代表に優秀な生徒はそれぞれ対策を考え始めていた。

休日になり、レオは校長室に呼び出された。

「さて、レオ。闇の魔術に対する防衛術の教師を始めて一週間。どうじゃ? 問題ないかのぉ。」

「はい、今のところ大丈夫です。免除課題の方もまだ誰も成功者は現れていません。まぁ、上級生の実力者などは今は様子見に徹しているようですが。」

「ほっほっほ、そうかそうか。しかしの、その免除課題が問題でのぉ。校医のマダム・ポンフリーと用務員のフィルチさんから廊下での乱闘とそのあとの保健室のベッドが埋まってしまうことや廊下の清掃等で怒り心頭なのじゃ。早急に何か対策が求められる。何か良い案はあるかのぉ。」

免除課題を宣言してからの攻撃と返り討ちの繰り返しによってこのような苦情が出てしまうのではないかと薄々感じてはいた。代案は考えていたので提案する。

「そうですね、流石に時間や場所を指定しないのはやりすぎましたね。代案としては場所や日時を予め決めておいて、参加者を募集してイベントのような感じで行う方法ですかね。ちょうどクィディッチの競技場がありますしそこでなら広さ等は問題はないでしょう。月に一度ぐらい開催してクィディッチ同様観客席から観察可能にすることで生徒のレベルアップと対策を考えられるようにすればいいのではないかと。」

「うむ。イベントが増えることは良いことじゃ。よろしい許可しよう。」

「ありがとうございます。ではクィディッチ競技場の下見をしてもよろしいでしょうか? 実はまだクィディッチの試合を見たことが無いのですよ。」

「クィディッチには興味はないかの? あれはなかなか面白いスポーツじゃぞ。マグルのボウリングも負けてはいないとわしは思っているがの。競技場は特段立ち入り禁止はしていないはずじゃからいつでも大丈夫じゃ。ただ、クィディッチのチームが練習しているようなら邪魔はしないことじゃ。特に他寮が練習しているならあまり見るのも失礼じゃからの。」


校長室から出たレオは一旦研究室に戻る。休日なので当然ハーマイオニーが待っている。校長室での話をすると一緒に競技場に行きたいとの事なので共に向かった。

クィディッチ競技場ではグリフィンドールチームが練習を始めるところだったが、スリザリンチームがやって来て即座に一触即発の空気になる。レオとハーマイオニーはそんな事には気が付かず免除課題についてや授業について話しながら近づいていった。二人に最初に気付いたのはグリフィンドールの練習を見に来ていたロンであった。

「テイラー! まさかお前もスパイしに来たのか!? ハーマイオニーもグリフィンドールなんだからこんな奴と一緒にいるなよ!」

ロンのスパイ発言からハリーとキャプテンのオリバー・ウッドは顔をしかめる。対して女性陣と双子は軽く挨拶をする。女性陣はレオの勉強会の参加者なので顔見知りではあるのだった。

「スパイといっても……。僕はクィディッチのルールを知らないからどうしようもない気がするんだけどね。今日は闇の魔術に対する防衛術の授業のイベントでここを使うかもしれないからその下見に来ました。練習の邪魔になるようならまたの機会にします。」

そう言って競技場を去ろうとするとスリザリンの方から声が上がった。

「ははは! クィディッチのルールも知らないなんて優秀なレナード・テイラーともあろう者がものを知らないんだねぇ。勉強ができるだけで人生損しているよ。隣のマグル生まれの穢れた血にでも教えてもらえばいいんじゃないかな?」

スリザリンからは笑い声が沸き上がる。対してグリフィンドールからはハーマイオニーが穢れた血と言われ非難の声が爆発した。

「マルフォイ! よくもそんなことを!!」

ロンが中身の芯が露出してしまっている杖を使って発言の主、ドラコ・マルフォイに向けて呪いをかけようとする。
だが、呪いが発動するより先にマルフォイは吹っ飛んだ。

「ふぉおおおおおい!?」

競技場を舞うマルフォイ。両チームは唖然としてその光景を見た。
マルフォイが元居た場所の前には腕を振りぬいた体勢のハーマイオニーが立っていた。

「ぶへ!」

顔から落ちるマルフォイ。しかしダメージはそれほどでもないのかすぐ立ち上がり、ハーマイオニーを睨みつけ怒鳴り始める。

「この……! 穢れた血め! 純血たるこの僕を殴ったな! はっ、魔法も使わないなんてやっぱりマグル生まれは野蛮だな。どうせその頭の中もまともじゃないんだろ!」

対するハーマイオニーは冷めた目でわめくマルフォイを見ていた。

「私のことをどう言おうと別にいいけど、レオのことは馬鹿にしないでくれるかしら。レオはクィディッチについて知らなくてもそれを補って余るほどに素晴らしんだから。あなたのような小さな人があれこれ言わないでちょうだい。」

「なんだと、この穢れた血! お前のようなヤツやテイラーみたいな半純血なんかが魔法界にいるのが理解できないよ。魔法使いは純血、なぁあああああああ!?」

マルフォイは言葉の途中で絶叫する。
マルフォイの頭が首から離れ落ちる。その光景にクィディッチの両チームは悲鳴を上げる。

「わぁああああああ!」
「きゃああああああ!」

皆が絶叫する中落ちたマルフォイの頭が叫ぶ。

「ああああああああ! 首が、くび! 死ぬ、死んじゃう! ……あれ? 痛くない!? なんで? どうなってるんだ!?」

その様子を見てまた混乱が広がる。誰もマルフォイの疑問に答えられない。ただ一人これを引き起こしたレナード・テイラーを除いては。

「ドラコ・マルフォイ、いい加減うるさいですよ。純血にこだわるのは結構ですが、こちらに干渉はしないでくれるとありがたい。それに親戚同士で子孫を作り続けた純血家系の方がよっぽど穢れていると思うんだけどね。あまりハーマイオニーのことを馬鹿にするともっとひどいことになりますよ。頭は明日になれば元に戻ります。食事も普通に取れますし、体も動かせますよ。じゃあ、ハーマイオニー行こうか。」

「待て! こんなことしてどうなるか分かっているのか!? 僕の父上は…ばっ!?」

今度はマルフォイの頭が縦に真っ二つになった。先ほどと同様に出血はなく痛みもないが喋ることはできなくなった。

「言い忘れていました。変に魔法で直そうとすると保護が消えて死にますよ。」

ドラコ・マルフォイは恐怖していた。喋ることができても直してくれなんて言葉、とてもじゃないが言えない。スリザリンのチームも同様の感情を持ったようだ。グリフィンドールは自業自得だと言ったがレオへの恐怖は少なからず感じている。普段と同様に接しているのは双子ぐらいなものだ。

競技場を後にし、研究室に戻って授業の計画や指輪の微調整をすることにした。
戻りながらハーマイオニーが礼を言う。

「レオ、私のために怒ってくれてありがとう。レオが怒ったの初めて見た気がする。ところでマルフォイの首はどうやったの?」

「首から上を空間置換で飛ばしたんだ。姿くらましを部分的に応用したような感じかな。そのままなら死んでしまうけど血管や神経を空間をまたいでそのまま繋いでいるからただ頭が別の場所にある状態になっている。ハーマイオニーこそ僕のために殴るなんてびっくりしたよ。でも嬉しかった、ありがとう。」



結局、色々あったせいで競技場の下見ができなかったため、後日改めて競技場を見て回った。
広さは申し分なく観客席からも十分に戦闘をを見ることができるだろう。寮一つが全員でレオに挑んでも大丈夫なはずだ。


競技場の一件からスリザリン生は明らかにレオを避けるようになった。元から勉強会にも参加していないが、更に距離が離れたように感じる。去年の寮杯を奪取された原因であり、さらにこちらのことを躊躇なく攻撃もしてくる。スリザリン生にとっては悪夢のような存在だった。
ドラコ・マルフォイはレナード・テイラーがトラウマになってしまっていた。レオが視界に入るだけで全力疾走、闇の魔術に対する防衛術は一番後ろで小さくなっている。更には『穢れた血』という言葉は決して口にすることは無くなり、その言葉が聞こえるだけで言った者に対して怒鳴るようにまでなってしまった。

レオはその話を聞いて、これでこちらに面倒なのが関わらなくて済むとしか思わなかった。悪いのは完全に向こうなので哀れみなどは感じる必要もなかった。魔法を極めるには邪魔なものは必要ないのだ。



流石に廊下などでの戦闘の後処理で校医・用務員ブチ切れました。
今後は授業だけ戦闘可能です。

原作の決闘クラブの代わりにレオに挑戦する決闘大会開催予定。

吹き飛ぶマルフォイ、さらに首が落ちる。
穢れた血と言って色んな話でひどい目に合ってる気がしますが自業自得ですよね。

では次回お楽しみに。


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25. 開く秘密の部屋

ハリー達も活躍させたいなー。とは思っていますが、レオの行動とか考えると必然的に出番が減ってしまう。どうしたものか。

では25話どうぞ。


レナード・テイラーの闇の魔術に対する防衛術の評判は良好だ。
防衛の基本の後は学年ごとに必要な事だけを効率重視で教えているが、個々の得意不得意を見極めて苦手の改善や長所を伸ばす方針でもあるので今まで苦手だった生徒も確実に実力が伸びているためだ。
また、免除課題があるためほとんどの生徒が模擬戦などを行っており、ホグワーツ生徒全体の戦力が増強することにもなった。
ハリーやロン、スリザリン生は特にレオを敵視しているため、対抗心を糧に実力の伸びが顕著だ。
しかし誰も免除課題をクリアした者は現れず、時間は過ぎていった。



1992年10月31日

今年もハロウィンがやってきた。去年と同様ホグワーツ中にかぼちゃの匂いが充満している。ホグワーツに何かを仕掛ける者は今回は現れないだろうからゆっくり食事ができるだろうとレオは考えていた。

「「トリック・オア・トリート!」」

レオが廊下を移動しているとハロウィンの決まり文句が聞こえたので振り向く。そこにはグリフィンドールの悪戯双子がニヤニヤしながら立っていた。

「ふっふっふ。兄弟、どうやらレイブンクローの天才様はお菓子を持っていないと見える。」

「ああ、兄弟。では悪戯開始だ!」

双子はありったけの糞爆弾と臭い玉を大量に投げ始める。周りの生徒は悲鳴を上げて逃げ惑う。
レオは指輪の一つ『遮断』の効果範囲を広げ、糞と臭いが自分に来ないようにする。
爆弾が炸裂した後は廊下が一面ひどいことになっていた。レオは廊下を清める為魔法を発動しようとするが、その隙に双子は様々な花火をレオに向けて発射する。花火を見ると面白い仕掛けが施されているのに気付いたためあえて相手の思惑に乗って消失呪文を当てる。呪文が当たった花火は消えるどころか増殖していき最終的に七色の美しい花が咲いた。レオが花火を見ていると双子が近くまで来ており口に何か入れようとしてきた。

「お菓子がないならこっちからキャンディーをプレゼントだ!」

これにはどんな仕掛けがされているか興味を持ったレオはわざと口に入れられる。
口に入れた瞬間にキャンディーは溶け成分が体に広がる。途端レオの鼻からは鼻血が止まらなくなる。

(あの小さなキャンディーにこれだけの効果を持たせたのか。この二人魔法具の開発においてかなりの才能を持っているな。)

冷静に自分の状況を確認しているのを見て逆に双子がオロオロしだす。

「あれ? 大丈夫だよな? レオ、鼻血でてるぞ。おーい?」

「キャンディーのせいでぼーっとしてるんじゃいよな!? 意識あるよな!?」

指輪の内、『治癒』を発動させて体の中の異物を消去する。血はすぐに止まり、血だらけの体を廊下と共に綺麗な状態に戻す。

「面白かったです。他にも悪戯グッズの開発はしてるんですか? もしよければ見てみたいです。」

「……もしかしてわざと食べた? やっぱりそうか、あっさり過ぎると思ったんだよ。」

「悪戯グッズならまだまだ色々あるぜ。そうだ! レオも開発に協力してくれよ。天才様の力を借りればもっと面白くできるぞ。」

フレッドとジョージはこれ以上ない考えだと言わんばかりに協力を求めてきた。
レオはしばらく考える。

(確かに、この二人は面白い。魔法具の開発はひらめきも重要だ。少しぐらいなら手伝ってもいいかもしれないな。)

「少しなら良いですよ。金曜の午後の勉強会の後で時間がある時なら協力しましょう。」

「よっしゃ、流石は天才様だ話が分かるぜ。」
「でもいいのかい? 優等生。俺たちみたいな悪戯小僧と付き合うと評判落ちちゃうかもよ?」

「別に周りの評価などはどうでもいいです。開発した魔法具が面白そうだから、理由はそれだけで十分ですよ。それじゃあ、説教頑張ってください。」

そういうと目くらましの呪文を使い姿を消し立ち去る。残された二人も逃げようとするがフィルチとマクゴナガルがその前に立ちふさがっていた。後にはマクゴナガルの説教と二人の誠意のない謝罪の声だけが残された。



「トリック・オア・トリート!」

夕食はダンブルドアの掛け声から始まった。大広間はかぼちゃを中心とした御馳走でいっぱいであり皆が大いに楽しんだ。人気音楽グループの「骸骨舞踏団」まで招かれており、トロールが侵入するなどもなく最高の気分のままパーティーは終わった。

レオは自室の研究室に戻り指輪の調整を行っていると扉がノックされた。
応答するとフリットウィックであった。何でも校長からの呼び出しのようだ。
フリットウィックと共に校長室に入ると中にはダンブルドア校長、マクゴナガル、スネイプにハリーとロン、そして泣いているフィルチがいる。

「ダンブルドア校長、いったい何事でしょうか?」

「夜も遅くにすまん、レオ。早速じゃがこれを見てくれんか。」

ダンブルドアの指さす先には固まってピクリとも動かない猫が横たわっていた。一目で何かしらの呪いによるものだと解る。猫に近づき詳しく解析をする。今まで見たことないもので少々苦戦をしたが解析完了だ。

「どうじゃレオ、何か解ったかの? わしは石になっているのは解ったが、いったいどのような魔法を使ったかまでは解らなんだ。」

「確かに石になっていますね。どのような魔法を使ったかまでは生憎解りませんでした。僕も初めて見る構成式でしたけれどこれは不完全ですね、もし完全に作用していればこの猫はすでに死んでいたでしょう。何かしらの妨害や干渉があったかして不完全状態であるため石になるだけで済んだのでしょう。」

レオはそういって猫に手を触れ魔力を浸透させていく。一定の魔力が体に充満したとこで猫の体内に残る魔力を打ち消すように変換する。次の瞬間には猫はビクンとさせ動き出した。

「ミセス・ノリス!!」

フィルチがこちらに駆け寄る。猫も飼い主の元へ歩いていき抱きしめられる。

「ありがとう! 君は今まで見てきた生徒で最高だ!」

レオの手を取りぶんぶんと握手をしてくるフィルチ。
解放されたレオは校長に詳しく話を聞く。何でも物騒なメッセージの前にこの猫が石になって放置されておりそれを運悪くハリーとロンが遭遇したところに他の生徒たちが来て犯人扱いされてしまったようだ。

「秘密の部屋? 何ですかそれ?」

「秘密の部屋とは、ホグワーツ創設者の一人であるサラザール・スリザリンが作ったとされる伝説の部屋じゃ。スリザリンが他の創設者と決別した際にマグル生まれを排除する何かを残したとされている。実際のところその部屋が実在しているかも定かではない、何しろ千年ほど前のことじゃ。だが、このような事件が起こっておる以上スリザリンの継承者を名乗る何者かが確実にホグワーツにいる。全員十分に注意をすることじゃ。」

ダンブルドアが注意を促して解散となった。レオだけはこの場に残るように指示された。
全員が出て行った後、ダンブルドアが話し始める。

「残らせて申し訳ないの。君は秘密の部屋の何かが仕掛けた石化を解除してしまった。半純血であることもあるが、このままでは継承者のターゲットになるやもしれん。そこでわしが知っている情報を教えておこうと思う。……実は秘密の部屋が開かれたのは今回が初めてではない。五十年前にも開かれ一人の生徒が犠牲になった。当時在籍していたルビウス・ハグリッドがアクロマンチュラを秘密裏に飼育していたため犯人と疑われて退学となった。実際には違う、アクロマンチュラには事件のような殺し方は不可能じゃった。わしにも何が秘密の部屋にいたのかは確証がない。だがその時の継承者は確信しておる。……ヴォルデモートじゃ。当時はまだトム・リドルという名だったがそれでも心には闇があり人の道を外れ始めていた。今回の件にどのように関わっているかはわからん。だがあやつが今回も暗躍していると思っておる。」

「なるほど……。去年クィレルに寄生していた時の何かしらの仕掛けを施していたんでしょうか? それとも今年も何かしらの手段で潜入しているのか……。」

「それらの可能性もあるが断言することはできないのぉ。だが注意せねばならんじゃろう。今回は誰も死なせはしない。」

レオとしては犠牲者とかスリザリンの継承者が何を考えているか、ヴォルデモートが関わっているなどよりも秘密の部屋とその中に潜む何かのことを考えていた。

(猫を石にしていた式……、あれはただの魔法じゃない、いや魔法ではないかもしれない。初めて見る構成だった。不完全でさえあの完成度と美しさ……。素晴らしい。あれを再現するには人では難しいだろうな。)

レオは今年の目標を決めた。秘密の部屋を見つけること、そしてその中のモノを徹底的に解析することだ。

(そのためには死ぬわけにはいかないな。もう少し防御系の指輪の調整をしておこう。とりあえず不完全だけど解析できたんだからそれに対抗した防御を組み込んでおこう。)

頭の中で今後の予定を決めていく。闇の魔術に対する防衛術の授業、免除課題の大会、秘密の部屋の探索と調査、防御手段の構築等々、今年もやることが多くなりそうだ。



レナード・テイラー、ウィーズリーツインズの悪戯グッズ開発顧問に就任。

レオの指輪紹介 その2
・遮断
魔力を遮断する空間層を生成する。層の厚さは使用魔力で決定。
この空間では魔力が急速消失していくため、範囲内の魔法は徐々に威力・速度が低下していく。装着者の使用魔法にも影響があるため使いどころが難しい。
若干の物理的な壁にもなるが強い衝撃には耐えられない。
最大の性能は精神に作用する効果の遮断。以前ダンブルドアの開心術を防いだのはこれ

レオの指輪紹介 その3
・治癒
名前のまんまの効果。
怪我の治癒、解毒、解呪を行う。治癒は自身の治癒力を高めるだけなので骨折ぐらいなら効果があるが、四肢欠損などには効果なし。
解毒や解呪も限度があり強すぎる毒や呪いには効果が薄い。
但し一度受けた毒・呪いはデータとして残るのでどんどん対抗できるようになる。

石化解除。マンドレイクが不要になっちまったぜ。

では次回お楽しみに。


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26. 怪物の正体は

感想を読んでもうハリーやロンの出番はそこそこでいいかなって思うようになりました。
まぁ、出番が全く無くなるわけじゃないですけど原作のイベントが改変・消滅したりはしていくと思います。

では26話どうぞ。


閉鎖空間であるホグワーツでは噂の浸透性はとてつもなく速い。
翌朝にはフィルチの猫がハリー・ポッターとロン・ウィーズリーによって酷い目にあわされたという噂が全校中に広まっていた。特にロンは車の件の罰則でフィルチに厳しくされた逆恨みから妥当だろうと判断されていた。
秘密の部屋の継承者であるとの噂はほとんどなかったが二人から距離を取る生徒も少なくなかった。

猫の一件後の最初の二年生の闇の魔術に対する防衛術の授業。レオが出席を取ると即座に数人から秘密の部屋についての質問が飛んできた。こうなることも予想していたのであらかじめ授業内容は秘密の部屋への対策や危険な魔法生物への対処などを考えておいた。

「さて、皆が秘密の部屋について知りたいようなので僕が知っている情報を教えておきましょう。情報は共有していた方が良いものはありますからね。」

特に言ってはいけないと口止めされたわけではないので昨日のダンブルドアの話をする。
ホグワーツ創設者の話、スリザリンの離別、秘密の部屋、五十年前のこと、ハグリッドのこと、ヴォルデモートのことまで全て。ただ、ヴォルデモートの名前が出るたびに悲鳴が上がるのはどうにかならないのだろうか。
一気に新しい情報を得た生徒たちは様々な憶測を話し始める。現実を見ていない突飛なものから、よく考えて自分の意見を出しているものまで様々だ。
レオが手を叩いて場を静かにさせる。

「皆さん静かに。色々と話したいことは多いでしょうが、まだ授業中です。ですが、皆さん秘密の部屋についてどうしたらいいのかといったことで頭がいっぱいでしょう。よって授業内容は対秘密の部屋をテーマに進めていこうと思います。」

殆どの生徒はレオの授業内容には賛成のようだ。スリザリンからは不満そうな雰囲気を感じるが無視して進める。

「昨日の猫を分析したところ、秘密の部屋の怪物はおそらく生物を即死させる何らかの手段を持っています。ですが猫は石になっていただけでした。これは効果が不完全に働いた結果です。猫でさえ即死は防げることから魔法以外の手段でも防御が可能であると推測できます。今は解析中ですが次に何かしらの事件が起これば対策方法も確立できるでしょう。それまではどうすればいいのか? 魔法で防御する手段を身に付けるのか? まずは、防ぐ方法を考える前に襲われない状況にしましょう。おそらく標的はマグル生まれの者なのでマグル出身者は極力単独行動はしない、欲を言えば純血の人と一緒にいると良いでしょう。より狙われにくくなるはずです。」

マグル出身者は熱心に聞いている。逆に純血特にスリザリンは真面目に聞いておらずあくびまでしている。

「ではここからは秘密の部屋の怪物がなんであるか推理していきましょうか。マルフォイ君!」

急に名指しされたマルフォイはビクッとしてレオを見る。また何かされるのではないかと恐怖に震えている。

「マルフォイ君、君は純血でしかもかなりの地位がある、しかも代々スリザリンといつも言っているね。50年前のこととか今回のこととか何か聞いたことはないかな?」

「し、知らない……です。他の純血の家でもそんな話は聞いたことがない、です。」

「ふむ……。他の純血の人も何も知らないかな?」

純血の家系の生徒が首を横に振る。秘密の部屋はやはりスリザリンの継承者だけの秘密なのだろうか。

「では純血の生徒には課題を出します。ああ、これはやってこなくても別にいいですよ。課題内容は親や親族に対して秘密の部屋について尋ねて結果をまとめること。有益な情報があれば寮に加点します。まぁこれについてはあまり期待はしていません。その他の皆さんも何か有益な情報があればどんどん言ってください。そういった情報は多く共有した方が良いですからね。」

授業は終了し、それぞれの寮に帰っていく。グリフィンドールからはスリザリン、特にマルフォイは何かを隠していると思っているのかあからさまに敵視していた。
一人残ったハーマイオニーが寄ってくる。

「レオ、今回の騒動どうなっちゃうのかしら。私もマグル出身だし対策したいの。」

「はい、これ。」

レオは銀のネックレスを手渡す。いきなりのプレゼントにハーマイオニーは狼狽する。

「え、どうしたのレオ? いきなりこんな。」

「ハーマイオニーにだけ特別にプレゼントさ。ありったけの防御式を組み込んでいる。昨日の猫を解析した結果も反映されているから即死することはないと思う。贔屓だと思われるかもしれないけど、内緒だよ?」

「こんなすごいのを私に? 嬉しい……。着けてくれないかしら?」

「お安い御用さ。」

そういってレオはハーマイオニーの首にネックレスを着けていく。

(あれ? なんだか顔が熱い? なんでだろ? ただネックレスを着けてもらってるだけなのに。)

自分の変化に答えが出なかったが、きっとすごい魔法具を身近に感じて興奮しているのだろうと結論した。

「じゃあ、問題が解決するまでは身に着けておいて。怪物のこととか判明したらその都度バージョンアップしていくよ。」

ハーマイオニーは絶対外さないことを誓った。



その後は大きな出来事もなくクィディッチシーズンが幕を開けた。
レオは観戦にもいかず校舎内を探索している。もちろん秘密の部屋についての手がかりを探るためだ。扉という扉を片っ端から開けていく。そのどれもが秘密とは言えない中身だった。

(まぁ、そうだろうね。こんな簡単に見つかるなら既に秘密でも何でもないだろうしな。とりあえず校舎の何か所かに監視用の魔法具を設置しておくか。)

巧妙に存在を隠した映像を記録できる水晶玉を校舎に十数個ほど設置していく。安全のため、そして自分の研究のためだ。

(これで良し。あとはぶらぶらと散策してみますか。僕も半純血だし猫の件から上位目標だろうしな。)

歩いていてもゴーストぐらいしか遭遇はしなかった。

(どうせなら怪物が出ればいいんだけど……。あぁ、でも未知の相手じゃ何が起こるか分かんないしまだ早いかな。ん?)

奇妙なものを見つける。蜘蛛が大小種類を問わず一斉に外に向かって出ていっているのである。通常ではない行動、これも何か今回の件に関係しているのだろうか。

(逃げる蜘蛛、スリザリンの怪物、スリザリンといえば蛇、通常出ない殺害方法、不完全石化。……バジリスクかな?)

現状あるヒントからとりあえず予想を立ててみる。後は実物を見るか次に誰か、どうせならば動物じゃなく人間が石になれば治して話を聞けるのだけれど、なかなか死なずに石にだけなるなんて幸運はないだろうと期待はしていなかった。


その夜。
レオの研究室の扉が叩かれた。ベッドの上から外の様子を魔法で確認してみる。今は平時より格段に防御機構が高められているのでそう簡単には侵入してこれないはずだが念のために研究室全機能を開放しておく。
扉を叩いていたのはマクゴナガルだった。

「ミスター・テイラー! 起きなさい! 緊急です! 一緒に来なさい。」

どうやら何事か、恐らくは秘密の部屋関連で何かあったようだ。
すぐに準備してマクゴナガルに連れられて医務室に到着する。医務室にはダンブルドア校長、マダム・ポンフリーがベッドの上に横たわる一人の生徒を見ていた。確か、グリフィンドールの新入生のコリン・クリービーだったはずだ。

「こんな夜遅くにすまん、レオ。生徒に犠牲者が出てしまった。不幸中の幸いだが石になっているだけで死んではおらん。前の猫の時と同様に回復させることはできるかの。」

「診せてください。……前回と同様ですね、不完全に作用しています。これならば問題ないでしょう。」

コリンの頭に手を置き猫と同様の手順で解呪していく。飛び起きるコリン。

「わぁあああああ! ……あれ? な、あー、え。あっ! ダンブルドア先生! 僕お見舞いで、蛇が、カメラを、そしたら……。」

「大丈夫じゃ、落ち着きなさい。ポピー、安らぎの水薬の用意を。」

安らぎの水薬を飲んで落ち着いたコリンは何があったのか話し始める。クィディッチの試合で怪我をしたハリー・ポッターのお見舞いの為に一人で夜に出歩くのは危険と知りながらも我慢できずに来てしまったこと。その途中で何かが這いずる音と自分のことを見ている気配を感じて持っていたカメラで捉えるためカメラを構えて振り返った。その先には巨大な蛇がこちらを見ていた。次の瞬間には体の自由が利かなくなり気づいたらベッドの上だったらしい。
マクゴナガルは溜息をつく。

「お見舞いをしたいのは分かりますが、時間を選びなさい。ミスター・テイラーがいたからこうして元に戻れたのです。一歩間違えば命を落としていたかもしれません。グリフィンドール30点減点です、これに懲りたら危険な真似はしないことを肝に銘じなさい。」

「はい……。ごめんなさい。テイラー先輩もありがとうございます。」

レオはコリンのカメラを解析中で話は聞いていなかった。カメラのフィルムはぐずぐずに溶解しておりレンズも粉々になっていた。だが猫やコリンの体に比べて残留している魔力は多く解析が進みそうだった。

「ふむ、大蛇か。やはりスリザリンの遺したものとみて間違いないじゃろう。レオ、正体は判明したかのう。」

「今までの証拠と大蛇ということを考えてバジリスクとみて間違いないかと。猫は状況を見ていないのでわかりませんが何かに反射した目を見て、クリービー君はカメラ越しに見たのでバジリスクの即死の魔眼を軽減できたのでしょう。」

「バジリスクか……。対策を講じねばならんな。レオも協力してくれんか。」

「解りました。秘密の部屋とバジリスクには興味がありますし喜んで協力します。」

(幸運にも石になった人と緩衝材になったカメラを解析できた。これで魔眼防御はどうにかなりそうだ。さてこれからどうしましょうかね。継承者の出方を待つか、こちらから何か行動をしていくか。)



純血の家系から情報を得ようとしたり調査したりしましたが結局はコリンとカメラの解析と証言でバジリスクであるとの結論に至りました。

ハーマイオニーにプレゼントしたネックレスはレオの指輪の防御に使われている魔法式(まだ紹介してないのも含む)と同じものが使われています。ただ、強度は指輪ほどじゃないので数回使用したら壊れてしまいます。

顔が熱くなるハーマイオニー。ちょっと自覚が出てきました。

ハリーは原作同様にドビーブラッジャーに腕を折られました。岩心がいないので骨抜きにはなりませんでしたが、大事を取って一日入院となりました。

では次回お楽しみに。


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27. 決闘大会 前編

タイトル通りの決闘大会です。原作の決闘クラブの代わりですかね。

レオのチートがこれでもかと発揮する予定です。
とりあえず前後編です。

では27話どうぞ。


秘密の部屋の怪物がついに生徒を襲う。
本当ならばその知らせはマグル生まれの生徒を恐怖させるものだった。
だが、犠牲者はすでに回復しており、怪物の正体もバジリスクであると判明している。
正体不明の怪物よりは正体が解っている分安心できる。更には見ただけで即死する魔眼の対策もレナード・テイラーが完成させている。魔眼防御の眼鏡を生徒と教師分を作成、配布は完了だ。
これを装着することで即死することなく体への重圧程度に抑えられるとの事。しかしそれ以外のバジリスクの脅威を防ぐわけでは無いので依然として警戒は必要だ。
それでも生徒たちにとっては十分心強いものでありこの功績からレイブンクローには50点が加点された。

それからはバジリスクによる被害は発生しなかった。継承者も警戒されている中では迂闊に行動できないのだろう。レオの仕掛けた監視水晶にも怪しい存在は確認されていない。一応平和な学校生活が続いていた。


11月の後半に入り以前ダンブルドアと計画した免除課題のイベントの開催が決まった。
毎月の初めに開催され、事前にチームまたは個人を登録してクィディッチ競技場でレナード・テイラーと戦う。登録順に戦闘をしていって課題の条件を満たすか、生徒が全員戦闘不能または降参、あるいは制限時間で終了となる。制限時間までにチームの一人でも戦闘不能にならなければ寮に50点は獲得できる。この知らせを受けた生徒は新しいイベントに盛り上がった。
今までのレオの力を見ている生徒たちは諦める者も出ているが上位の実力者たちが結束してエントリーするとの情報が出ると期待が高まっていった。最終的には個人では勝てないと結論したのかほぼ寮ごとの上級生チームが参加者となった。


12月最初の土曜日。
クィディッチ競技場にはホグワーツの全員が集合していた。

「さぁ、やってまいりました決闘大会! クィレルやロックハートとは比べ物にならないあのレナード・テイラーを打ち破れる勇者は現れるのか!? 実況はいつもおなじみリー・ジョーダンがお送りいたします。解説には呪文学のフリットウィック教授にお越しいただきました。よろしくお願いしまーす!」

「解説を担当するフリットウィックです。よろしくお願いしますぞ。」

「さぁ、エントリー順にチーム紹介といきましょう!
まずはみんなの人気者、四年生ながらハッフルパフの代表ハンサム、セドリック・ディゴリー率いるハッフルパフチーム! 
次は騎士道精神で立ち向かう我らがグリフィンドールチーム! 頑張ってくれよ! 
続いてクィディッチチームを中心に結成されたスリザリンチーム! なんと今回の中で最多の50人編成だ。まさに勝てばよかろうなのだ、の精神だな、スリザリン! 
最後の寮はレナード所属のレイブンクローだ! 自分の寮だからって手加減する相手じゃないぞ、気をつけろよー! 
更にグリフィンドールの悪戯仕掛け人! フレッド、ジョージのウィーズリーズの登場だ! いったいどんなトリッキーなプレイを魅せてくれるのか!? 
そして最後は何と一人でのエントリーだ! グリフィンドールの才女、天才レナード・テイラーの愛弟子、ハーマイオニー・グレンジャー!」

続々入場してくる選手たちに惜しみない拍手がおくられる。
対して競技場の反対側からレオが入場してくる。その足取りや顔からは特に緊張は見られずいつもと同じだった。

「ラスボスのレナード・テイラーも入場しました。フリットウィック先生、どうです? 各チームの注目しているところなどありますか?」

「そうですね……。ハッフルパフはディゴリー君の指揮能力でどうなるかが肝でしょう。グリフィンドールはバランスが良い生徒が多いですが絡め手には注意が必要でしょうな。スリザリンはかなりの大人数なので連携が取れなければすぐ瓦解してしまうでしょうからそうならないような立ち回りができるかにかかってます。レイブンクローは寮監の贔屓を除いても個々の戦闘力ではトップですね。その力がテイラー君の通じるかどうか見物です。ウィーズリーズはその抜群のコンビネーションで翻弄できるか楽しみです。グレンジャーさんは一対一のまさに実力勝負になります。彼女は二年生ながら相当な実力者ですので正直一番注目しています。」

「はい、ありがとうございます。では早速初戦ハッフルパフチーム準備お願いします。」

ハッフルパフとレオ以外は控室に戻っていく。後半のチームが有利にならないように控室からは試合の様子は確認できないようになっている。
チームリーダーのセドリックがレオに握手を求めてきた。紳士的と聞いていたがその通りの好青年らしい。

「よろしくお願いします。全力でいきますよ、テイラー君。」

「こちらこそよろしくお願いします。僕も全力で迎え撃ちます。」

全力とは言ったが十の指輪の全てを使うつもりはない。指輪の機能の最終テストのつもりだ。
レオとハッフルパフチームの二十人は15m離れた開始位置に立つ。準備完了だ。

「準備完了です! それではダンブルドア校長先生、開始の合図をお願いします!」

「うむ。全力をもって素晴らしい試合になることを祈っておるぞ。では……はじめい!」

ハッフルパフはセドリックの指示を受け相手の周りに扇状に散開する。呪文での同士討ちを避ける布陣だ。対してレオはその場から動かず相手の出方を見ている。

スモクスリン(煙幕よ)。」

半数が煙幕を張って見えなくする。残りの半数が魔法で鉄球を生成させる。

フリペンド(撃て)!」

一斉に鉄球がレオ目掛けて射出される。ゴキンと鉄球がぶつかる音が響き渡った。それでもチームの誰一人として仕留められたとは思っていない。集中力を切らせず煙幕をじっと見る。
次の瞬間、扇の端の選手に向かって煙幕の中から高速でレオが飛び出してきた。驚いたのか対応が遅い。

ステューピファイ(麻痺せよ)。」

早速一人脱落。だが嘆く余裕はない。飛び出したスピードのまま、人間とは思えないスピードでレオが扇に沿って次々と各個撃破していく。事前情報から通常呪文は反射か消失させられると知っていたが焦って呪文を使おうとする。しかしスピードについて行けず次々やられていく。四人目がやられた時にはパニックになりかけたが、セドリックの一喝で立て直す。セドリックを中心に集合して迎え撃つ布陣に態勢を整える。すでに半分やられたがまだ諦めてはいなかった。だが一か所に集まったのは失策だった。

コルポリス・エラージセクインティア(物理的・拡大持続)。」

レオの呪文で一斉に押しつぶされるセドリックたち。上の圧力にこちらも呪文で対抗するがその隙をつかれ一人また一人倒されていく。
最後にセドリックが残った。

「降参しますか?」

「まさか。最後まで戦うよ、勝ち目がなくともね。」

その姿はグリフィンドール生よりも勇気ある戦士に見えた。
セドリックは剣を生成し射出する。レオはそれを呪文で弾く。レオの周囲を回りながら次々呪文を打ち出しては反射される。追い打ちのレオの魔法と反射される呪文を躱しながら戦い続けるセドリック。会場の全員がその姿を目に焼き付けた。それも長くは続かずとうとう魔力と体力が尽きたのか膝をついてしまう。

「素晴らしかったですよ。今までの生徒では一番強かったです。ディゴリー先輩。」

「ははは……。でも君の足元にも及ばなかったけどね。」

「まぁ、僕の力は魔法具だよりの所もありますけどね。素の実力はここまでの差ではないと思いますよ。では終わりです。ステューピファイ(麻痺せよ)。」

「決着―! いやー最後のディゴリー選手は非常に熱い戦いを魅せてくれましたね。全員が惜しみない拍手を送っています。解説のフリットウィック先生、今の戦いはどうでしたか?」

「ハッフルパフは連携も取れていて非常にいいチームでした。ただ煙幕を張ったのは良いのですが自分たちも相手を見えなくなることを十分に理解していなかったのでしょう。テイラー君の逆襲でたやすく瓦解してしまいましたからね。その後の一か所に固まるのも悪手でした。ですが最後のディゴリー君は素晴らしかったです。私も熱くなってしまいましたよ。」

「ありがとうございます。さぁて次はグリフィンドールチームの入場だ!」

グリフィンドールはほぼ7年生の上位陣で構成された十四人のチームだ。どのような手段を取るのか楽しみにしたいところだ。
開始位置で互いを確認する。ダンブルドアの開始の号令が響く。

グリフィンドールは二人一組になって横一列に並ぶようにして戦闘するようだ。
組の片方が一斉に武装解除を放ってきた。当然反射されるがもう片方が防御する。その流れが絶え間なく続いていく。
グリフィンドールの大将が声を上げる。

「いくら優れた防御魔法でもいずれ限界が来る! 攻撃と防御にそれぞれ優秀な生徒でコンビを組んでいるぞ。反射の魔法、その次の防御、最後に君に魔法が届くまでこの攻撃は止むことがないと思え!」

反射される魔法は全て防がれる。攻撃も止むことがない。このままいけばいくらレオの魔法具の障壁でも限界は来る! ……そのはずだった。
レオは反射を停止させ別の指輪の防壁を展開する。反射がされなくなったことで防御を一つ突破したと判断したグリフィンドールチームは全員が攻撃に転じる。だがレオに命中する前に全ての魔法は消滅していく。それでも防御が削れていると信じて攻撃を続ける。
十分後、グリフィンドールの全員は肩で息をするほど疲労していた。だがレオは何一つ変わらぬ様子で立っている。大将は両手を上げて宣言する。

「降参だ! ちくしょう、どうなってんだ!?」

「確かに僕の防御が反射のみならその戦法で突破は可能でした。ただその対策として別の防御機構も構築しています。自分の造った物の弱点は知っているのが普通ですから。」

「くそっ、でその防御はどんなもんなんだ?」

「秘密です。それを解析、推理して乗り越えるのもこの免除課題に必要なものですので。」


「グリフィンドールチーム敗北! 残念ですが寮杯獲得のためまた挑んでもらいたいものです。フリットウィック先生、レナードの防御がどんなものか解りますか?」

「…………。」

「先生?」

「……あっ、申し訳ない。集中してたのもので。大体の予想は付きましたが確証はないですな。それに今、私が言ってしまったらヒントになってしまいますからね、言えません。」

「うーん、聞きたいとこですね。さて次はスリザリンの番だ! クィディッチ同様反則上等の試合でレナードを追い詰めるのか!?」

スリザリンはクィディッチチームを中心に結成されている。キャプテンのマーカス・フリントがレオに話しかける。

「いつまでもいい気でいられると思うなよ。俺たちがぶっ潰してやるぜ!」


三度戦闘開始の合図が競技場に響き渡った。
先手はスリザリンだ。下級生を中心とした明らかに捨て駒の生徒たちがレオに向かって突っ込んでいく。順番に呪文を放ち反射され倒されていく。
それ以外の上級生たちは箒を呼び寄せる。箒で空高く舞い上がり時間まで逃げ切る作戦のようだ。

「おおっと、スリザリンさっきの威勢はどうした!? 時間まで逃げ切るつもりだぞ! 対してレナード・テイラーどうする!?」

「はっはっは! 勝てなくても負けなければいいのだ! これで50点はもらったぜ!」

地上の生徒を全員片付けたレオは上空の二十名弱を見上げる。クィディッチの選手は当然として他の生徒も箒の扱いが上手い者を選抜していると見える。
試しに呪文で撃ち落とそうとするが箒より呪文が遅いため簡単に避けられる。

(飛行魔法で一人ずつ撃ち落としてもいいけど、時間内には厳しいかもしれないな……。あまり強い魔法を使うと死んじゃうしなぁ。うーん……。さっきのグリフィンドール戦での吸収ストックでいけるかな。)

レオは手を上にかざす。その様子は特に誰かを狙っているようには見えない。

パテンティストレジ(貯蔵解放)エクスペリアームス(武装解除)ステューピファイ(麻痺せよ)スタトゥスプルビアム(状態雨)

手から光球が放たれる。箒よりも上空に上がったそれは弾け、呪文の雨を降らせる。
先程までの戦闘で『吸収』の指輪で防いだ魔法を『貯蔵』の指輪に貯めていたのだ。
それを一斉に解放し雨のように降らせたのだ。
突然の呪文の雨に慌てふためいた生徒たちは次々に呪文に撃ち抜かれて落下していく。
あらかじめ地面をクッション状態にしていたので怪我はないが大多数が脱落だ。
残った生徒は四人。レオは飛行魔法を全力で使用する。ハーマイオニーでさえ箒に匹敵する速度で飛べるのだ。当然レオはそれ以上。最新のニンバス2001であろうと勝てる道理はなかった。全員が叩き落されるまで三分もかからなかった。

「最後の一人も叩き落されたー! これでスリザリンの敗北です。作戦は消極的でどうっだったんだとは思いましたがなんだかんだ生存時間は最高のタイムでした。ではいったん休憩を挟んで後半戦を行います。まだまだ楽しませてくれるはずだから期待しておくように!」



決闘大会前編でした。

ホグワーツ全眼鏡化。これには磨〇 映一郎先生も満足していただけるはず。
クィディッチの描写が無いのでリー・ジョーダン初登場。
セドリックは4年生ながらすでに相当な実力者として設定しています。

レオの指輪紹介 その4
・吸収
これまたそのままの効果。
放たれた魔法を吸収する。効果範囲は『反射』より小さい。なので装着者の近く以外の魔法には効果がない。
吸収上限はあるがそれはあくまで個別の魔法の強さの吸収限界なので生徒レベルが武装解除や麻痺などの弱めの呪文をいくら放っても突破は無理。
個人の力量を上げるか、悪霊の火や死の呪文などの上位魔法を使わないと突破できない。
突破してもある程度は吸収されるので威力減衰効果もある。

レオの指輪紹介 その5
・貯蔵
吸収で防いだ魔法を貯蔵する。
貯蔵の状態は魔法そのまま、あるいは魔力に還元して貯める。
魔法はそのまま自分のものとして使うこともできるし、魔力は指輪の動力にも使用する。
別に吸収で防いだ魔法以外でも自分でストックの貯蔵可能。
今回のスリザリン戦のように解放して雨のように降らせたのは指輪の効果ではなくレオの実力。指輪はあくまで貯めるだけ。

次回はレイブンクロー、双子、そしてハーマイオニー戦。
お楽しみに。


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28. 決闘大会 後編

仕事をして、アイドルのプロデュースして、空の上で蛸を狩って、水着鯖とレースに監獄……。
充実した毎日だ。

では28話どうぞ。


「さぁ、後半戦の開始だ! レイブンクローチームの入場! レナード・テイラーに一番影響を受けているこのチームがどういった戦いをするのか見ものだぜ。」

レオの勉強会にも顔を出している生徒たちで編成されたチームだ。レオが記憶している限りでは相当に魔法の理解と発動に優れた人たちだったはずだ。
あちらはこちらの小さな動きまで見逃さないように集中している。

「試合開始!」

試合開始宣言と同時に二人が左右から突撃してくる。
片方は煙幕や光といった魔法でこちらの視界を妨害してくる。
もう一方は壁を作りだしたり、動きを封じる魔法を駆使する。
攻撃をしないことからこの二人は妨害、足止め役だろう。本命は残りの生徒たちか。
何を企んでいるか見てみたいが一応これも課題の一環なわけなので行動を起こす前に潰してしまおう。そう決めて周りの妨害を吹き飛ばす。

フィニート・インカンターテム(呪文よ追われ)エクスパルソ(爆破)。」

全ての妨害を跳ね除け、ついでに二人を失神させて本隊に向かって移動する。その一歩目を踏んだとたん足の裏から大爆発が起こった。

「なんという爆発だ! これには流石のテイラーもひとたまりもないか!? というか本気で殺す気じゃないだろうな!? 容赦ないぜレイブンクローチーム!」

実況はああいっているがレイブンクローは全員あれが足止めが精いっぱいだと確信している。
レナード・テイラーとはこの程度でどうにかなるほど小さな存在ではないのだ。

予想どうり無傷で歩みを進めるレオ。だが一歩進むごとに爆発、粘着物質での足止め、剣の雨、様々なトラップが発動する。妨害役の二人に注意が向いているうちに透明化した生徒でこれだけの罠を仕掛けたのだ。だがこれでも移動スピードを遅くするだけ、ダメージには至らない。だが時間を稼ぐことが目的なのだ。そういった意味では大成功である。

「よし……。皆、準備は完了したか。」

「ああ。間に合ったぞ。」

「了解! 皆集中しろ! これで決めるぞ!」

残りの全員が杖を一か所に向けて構える。向ける先は勿論レナード・テイラーだ。

「「「エクスペリアームス(武装解除)エミッシオ(解放)! テンプス(収束)!」」」」

あらかじめ前に進む力のみを除外して発動して留めておいた武装解除を解放させ、一点に集中させる。計十の武装解除の呪文は集まり一つの大きな光球となった。

「「「「追加! エクスペリアームス(武装解除)! さらに、アクセレイト(加速)!  食らえぇえええ!」」」」

追加され、合計二十発分の武装解除の巨大な閃光。それが加速まで付加されてレオに向かって進む。
トラップを抜け、透明化した生徒も倒したレオはその光景を美しく感じた。

(いい……。全ての武装解除が無駄なく重なっている。全ては僕を、僕の防御ごと貫くためだけに全員が同じイメージを持って魔法を使っている。相当な特訓をしたんだろう。このまま受ければ最終防御層まで到達するな……。その後で追撃を受けたらダメージは必死。ならば……。)

「『反射』、『遮断』右腕集中。『増強』発動。結合解除式付加。母さん直伝の拳で迎撃させてもらう!」

レオの腕には幾重にも防御、補助、攻撃の魔法が施され眩い青の光を放つ。
赤の閃光と青の腕がぶつかり合う。一瞬の攻防。だがそれを見ていた全ての人は二つの魔法がぶつかり合う幻想的な光景を目に焼き付けていた。

勝敗を分けたのはやはりレオの『眼』であった。武装解除を束ねている部分を解除する式を拳に纏わせていたのだ。一瞬での作成であったため不出来な魔法ではあったが、それでも赤の閃光を緩めるには十分だった。青の拳に砕かれた光球は元の武装解除に分かれて殴り返される。この攻撃に全てを賭けていたレイブンクロー代表は防御をすることもできず等しく吹き飛ばされた。

「試合終了~! まさかの魔法を殴り返しての決着となるとは誰が予想しただろうか!? しかし、今の光景はこれからのホグワーツの歴史に語られることになるでしょう! フリットウィック先生、レイブンクローチームはどうでしたか?」

「今日ほど、教師になって良かったと思った日はありません。生徒たちが自分で魔法を考え、創り出し、あんなに立派に戦った。私は彼らを誇りに思います。テイラー君ももちろん同じです。」

「確かに今までで一番レナード・テイラーを追い詰めた感じがしますね。さーて続いては皆さんお待ちかね! 悪戯ではこいつらの右に出る者はいない、ウィーズリーツインズ! フレッド、ジョージ・ウィーズリーだ! だが相手はあのレナード・テイラーだ、生半可な悪戯じゃ通用しないぞ!? それでも俺たちを楽しませることができるのは確信してるぞ!」


「「イエーイ!!」」

二人は箒に乗って入場してきた。レオとしては彼らは真面目にこちらにダメージを与えるのが目的ではなく、大勢の前で悪戯グッズの宣伝をすることが大事なのだろう。レオが協力したことで色々なグッズができている。試作品もまだまだ多いがレオに対して使用することで性能実験をするつもりだろう。この大会が終わったら評価レポートでも提出してみるか。

色が変わるたび色んな感触を体験できるカーペット。発動者が任意で消さない限り増え続ける花火。前後左右上下が反対に感じるようになるスプレー。ありとあらゆる臭いを混合し、更に同時にどの臭いかも認識できるようにした臭い玉EX、等々。
どの悪戯グッズも良くできたものだった。彼らならば新しい悪戯専門店を開業しても問題なくやっていけると確信できるほどに素晴らしいものだった。
一通りの商品の宣伝をしたところで箒から降りる双子。最後は真面目にレオに挑むようだ。
結果としてはダメージこそ与えられなかったが、双子ならではのコンビネーションで奮闘し会場を大いに盛り上げることに成功していた。

「さぁて、みんな悪戯グッズは楽しんだかー! 双子の作ったグッズは最終調整次第販売開始だ! 今のうちに予約急げよ! 長かった決闘大会も次で最後だ。トリを飾るのはマグル出身ながら他の追随を許さない、既に七年生をも上回るとも噂されるグリフィンドールの才女……、ハーマイオニー・グレンジャーだー! なんと誰とも組まず一人でレナード・テイラーに挑むぞ。レナード・テイラーとの関係はホグワーツ入学前からの付き合いで魔法を伝授されるなど師弟関係だ。今日師匠を超えることができるのか!?」

「彼女は座学、実技ともに非常に優秀です。魔法戦闘をしているところは見たことはないですが期待しています。一人で挑戦なのは自信があるからなのか、自分の実力を試したいのか、どちらにしろ今までの集団での戦いとは違ったものになるでしょうから楽しみです。」

ハーマイオニーは堂々とした足取りで競技場に入場してきた。その姿をレオは真っ直ぐ見つめている。視線が交差し、二人は笑う。

「レオ! いくわよ!」

「来い! ハーマイオニー!」

二人は礼をする。それと同時に最後の決闘の幕が上がる。


先に仕掛けたのはハーマイオニーだ。魔法の閃光をレオに向かって放つ。当然そのままでは反射されるだけだ。だが、反射の範囲に入る直前に閃光が急激にスピードを落とした。反射されるのは決闘前から解っていたのでその有効範囲を調べるために測定用の閃光を速さを調整して当てたのだ。ゆっくりハーマイオニーに向かって戻ってくる閃光。

(今ので反射の有効範囲を正確に把握できた。次は……。)

考えているとレオが攻撃を放ってきた。肉体強化魔法を使って躱しながら距離を取る。レオも同様に強化して迫っていく。レオの攻撃を避けながら魔法を放ったり、生成した槍などを射出して攻撃を続けるが全て防がれる。

(魔力で推進力を持たせて射出した攻撃は反射は抜けても、その次で止まる。魔力以外での攻撃はもう少し進んで弾かれる。ということは呪文反射、魔力を消す防壁、対物理防御で構成されていると仮定できる。だとすれば……。)

ハーマイオニーは立ち止まり、自身の前に巨大な岩壁を作り出す。レオは当然横から回り込もうとするがそこにも壁が出現する。レオの周りが全て壁で覆われた。レオが壁を破壊するより一瞬ハーマイオニーが速かった。

「砕けよ壁!」

ハーマイオニーの号令で全ての壁が砕けて重力によってレオ目掛けて降り注ぐ。ダメ押しで巨大な鉄柱を打ち込む。

(鉄柱の推進力は魔力で生成しているけどレオの防壁の外だ。これならば魔力を消すこともできない、そしてこの大質量は受けられない!)

崩れた岩山と突き刺さった鉄柱を見ながらもハーマイオニーは緊張を解かなかった。

(やって……ないはずよね。今のを高速移動で避けたか、防御で耐えたか、あるいは別の手段か……。)

ふと違和感を感じ下を見る。

(!? 地面が波打ってる!?)

とっさに横に飛ぶ。次の瞬間には彼女が立っていた地面の下から魔法が放たれた。続いてレオも姿を現す。当然のように無傷だ。

「ちょっと焦ったよ。今の攻撃から僕の防御についておおよその検討はついたのかな?」

「一応ね。これが終わったら採点してくれない? それより今の魔法は何? 見たことない魔法だったけど。」

「今のはまだ試作段階の魔法で正式名称は決めていないんだ。地面を水のように潜ることができる魔法さ。未完成で土しか対応していないし、潜っても息はできない、視界もない、声が出せないから無言呪文しかできない、魔法の効果が途中で切れたら生き埋め。まだまだ完成には程遠いよ。今の攻撃で何か気づいた点はあるかい?」

「呪文が出てくる前に地面が波打ってたかしらね。だから避けられたわ。」

「ふーむ……。やはり実戦で使わなければ解らないこともあるね。……さて話はここまでにしようか、次の手はあるかい?」

(どうしましょうかね……。おそらくレオの防御を突破するには大質量での攻撃か、防御を打ち破るだけの強力な魔法が必要になってくる。質量攻撃は一回やってるから次はないだろうし、こうなったらあれを使うしかないかな……。)

実際、ハーマイオニーの推測はほぼ正解だった。『反射』は物理を防げず、『吸収』と『遮断』の範囲外の魔力には効果がない。最後の物理保護を抜けるだけの攻撃を吸収と遮断の範囲外から魔力で打ち込む先ほどの鉄柱での攻撃など当たればダメージを与えられたはずだ。しかしレオも動くし、迎撃もする。次は同じ手段は通用しないのは明らかだった。
強力な魔法、極論から言えばアバダ・ケダブラ(息絶えよ)などそれぞれの防御を一つずつ殺して破壊できる。連続で放てば防御機構が再展開する前にレオに直撃するだろう。

ハーマイオニーはレオをしっかり見て決意を固めた。

「レオ! 信じてるわ、あなたなら防げるって!」

ハーマイオニーの杖に魔力が集中する。そして生み出されるは呪われた火、『悪霊の火』だ。
観客席はどよめき、教師たちも驚く。まさか二年生で悪霊の火を使う生徒が現れるとは思っても見なかった。
炎は獅子の形になりレオに向かって走る。ハーマイオニーは制御に全神経を集中しているのか相当な負荷が襲っていた。

「まずいな。このままだとハーマイオニーも危険だ。楽しかったけど終わりにしよう。」

レオは両手を突き出し魔力を集中させる。顕現するは黄金に輝く一対の巨大な腕。
レナード・テイラーのとっておきの一つ、『巨神の腕』だ。
十メートルは優に超える腕が炎の獅子を受け止める。獅子は腕に嚙みつくがびくともしない。逆に放り上げられ蚊でも潰すかのように両手で挟みつぶされて消滅した。

炎の消滅と同時にハーマイオニーが仰向けに倒れる。悪霊の火は制御が難しく消耗も激しい。これで試合は終了だろう。
レオはハーマイオニーに近づき手を差し出した。

「まさか悪霊の火まで使えるとは思わなかったよ。僕の予想以上に強くなっている。まだまだこれから君は成長できる。僕が保証しよう。」

「ありがとう、私もっと頑張るね。でもまずはこの課題を乗り越えなきゃね!」

レオの手を取って立ち上がりながら杖を体に直に押し付けハーマイオニーは言う。この決闘の敗北条件は戦闘不能またはギブアップ。まだハーマイオニーは負けていない! 悪霊の火を使って倒れて、試合終了と判断したレオが近づくのを狙ったのだ。
卑怯かもしれないがこうでもしなければレオに一矢報いることもできない。

(だけど、これで魔法防御を抜けてゼロ距離で魔法を放てる! この距離なら絶対に躱せない!)

エクスペリアームス(武装解除)!」

レオの胸で赤い閃光が炸裂した。



ハーマイオニー渾身の武装解除が放った光は眩しく競技場の皆が一瞬だが目をつぶるほどだった。誰もが目を開けた次の瞬間にはレナード・テイラーが破れている光景を想像した。

だが、現実の光景は想像とは別だった。ハーマイオニーは悔しさを顔を歪ませている。杖の先には誰もおらず、先ほどの武装解除は競技場の端に命中していた。
レナード・テイラーはなぜかハーマイオニーのすぐ後ろに立っている。

「いやいや、冷や汗をかいた。今のは正直ギリギリだった。だけどこれで本当に終わり。研究室で待ってるから目が覚めたら来てね。」

ハーマイオニーは声の方に振り向くがそれより先に失神の魔法が胸を貫く。
これで全試合終了だ。

「決まったー! ハーマイオニー・グレンジャー惜しくもレナード・テイラーには及びませんでした。しかしとても二年生同士での決闘とは思えない内容でした。正直びっくりしっぱなしで実況じゃなくて絶叫してただけになってたぜ、ゴメン! でも皆も俺の気持ちは分かってくれるよな!? そんだけスゲー内容だったぜ! フリットウィック先生はいまの試合どうでしたか?」

「テイラー君がもの凄いのは重々承知でしたが予想以上だったと言わざるを得ませんな。それよりも予想外なのはグレンジャーさんです! 大人の魔法使いでもあそこまでの戦闘をできる人はそうそういませんよ。まさか悪霊の火まで使えるとは。彼らはまだまだ若い、これからの魔法界をあのような若者がどのように変えていくのか非常に楽しみです。
最後に機会があれば私もテイラー君と決闘したいですな。若い時の決闘チャンピオンの血がうずいて仕方ありません!」

「おおっと! まさかのレナード・テイラーVSフィリウス・フリットウィックが実現か!? これからも俺たちのことを楽しませてくれそうだぜ! 第一回決闘大会はこれで終了だ! 次回は未定だが今日の戦いを見て参加したい奴はどんどん参加可能だ! 目指せ、打倒レナード・テイラー!」

この日の決闘大会はどの寮も等しく大いに盛り上がった。自分たちの寮は勿論、他の寮の試合も全然違う内容で飽きることが無かった。そしてこれに触発されて生徒全体が魔法戦闘の練習に力を入れる結果となった。



レナード・テイラー全戦全勝! まぁ、チート装備使ってますし当然か。

レイブンクロー生は一番レベルアップしています。今後も強化は続きます。

双子はほぼ宣伝目的。レオがバックに着いたので4巻の優勝賞金がなくてもいいくらいになってる。

ハーマイオニーはすでに教師や上位死喰い人レベルになりました。あとは経験を積むだけ。

『巨神の腕』……レオのとっておきの一つ。光で構成された巨大な腕。攻防一体の魔法。大抵の敵はこれで撲殺可能。色々設定あるがまたいずれ。

ヒロインであろうと容赦なし。相手への敬意があるからこそ失神させた。

強さはフル装備レオ>校長≧御辞儀>レオ父>教師=上位死喰い人(ベラトリックスなど)=レオ≧ハーマイオニー>死喰い人=闇払い>セドリック>大人>生徒な感じで。

レオの指輪紹介 その6
・増強
身体機能強化。使用魔力量に比例して強くなる。身体能力以外も五感も強化可能。
単純なので魔力効率が良いという利点もある。

レオの指輪紹介 その7
・守護
物理保護がメイン機能。最低値でも拳銃程度なら防御可能。こちらも使用魔力量に比例して強くなる。
決闘大会では使用していないがプロテゴとしても機能できる。この場合MAXまで魔力を使うとプロテゴ・マキシマになる。

レオの防御は反射→吸収→遮断→守護の四層になってる。
突破は一層ずつ強力な魔法で打ち破るか、最後の守護を物理で破るかの二択。

では次回お楽しみに。


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29. 焦り

ハリポタの二次創作は色々あって楽しい。
オリ主、転生、過去改変、等々。
オリ主でも所属寮で話が変わってくるしまだまだ飽きそうにない。

では29話どうぞ。


決闘大会の翌日。
ハーマイオニーはレオの研究室に訪れていた。
目的はレオの防御機構や最後の攻撃について色々聞きに来たのだ。

「来たわよ、レオ! さっそく色々聞かせてもらいましょうか。」

「よく来たね。まずは君の答えを聞こうかな。その次に答え合わせだ。」

ハーマイオニーは決闘から導き出したレオの防御についての考察を話していく。
予想よりかなり正解に近い答えにレオは驚く。

「防御の予想はこんなところね。最後の攻撃を避けたのは姿くらましだとしか思えないのよ。ホグワーツでは不可能だと言われているけど、何かしらの抜け道があるんじゃないかしら。どうなの?」

「それじゃあ、一から解説していこうか。僕の防御は四種類存在する。『反射』、『吸収』、『遮断』、『守護』の四つ。『反射』は魔法を跳ね返す、『吸収』は魔法を吸収してそのまま魔法を利用したり魔力に変換したりする、『遮断』は魔力を遮断して魔法の威力を削ぐ、『守護』は基本的にプロテゴ(護れ)と同様の効果。それぞれには弱点もある。『反射』と『吸収』は物理攻撃には無意味だし、効果上限もある。『遮断』は対精神作用がメインだから魔法と物理防御はそこまでじゃない。『守護』は普通の魔法のプロテゴ(護れ)と同様でそこまで差がない。この四つを同時展開することでアバダ・ケダブラ(息絶えよ)以外は僕に直接飛んでくるような魔法は大抵対処可能だ。けど決闘でハーマイオニーがやったように許容以上の物理攻撃を効果範囲外から打ち出すようなものにはこれだけじゃ防げなかったよ。それとダンブルドア校長のような強力な魔法使いだと学生の魔法のように何発も無防備で受けられないね。防御が破られて突破されてしまう。」

「なるほどね……。大体の予想は合ってたけれど、完璧には理解してなかったのね。対抗方法が解っても実行は難しそうね。レオの反撃なんかも考慮しなきゃいけないし。」

「まぁ、そうなるね。次の説明にいこうか。ハーマイオニーの予想どおり最後の回避は姿くらましだ。ホグワーツに一年もいるんだから姿くらましを防ぐ魔法を突破する方法なんて見つけられるよ。最後の君の攻撃はタイミング的に完璧だった、そのままじゃ直撃だった。そこで指輪の一つ、『聡明』を使わざるを得なかったよ。これの効果は高速思考だ。魔法は頭で使うものだからそれを高速化することで瞬時に発動できるようになる。これを使ったからギリギリ姿くらましが間に合った。本当にギリギリだったんだよ。」

「あの時は決まった! って思ったんだけどね。それに実戦だったらその後のことを考えるとレオには余裕があっただろうし、まだまだ勝てないわね。」

「落ち込むことはないよ。君は僕を除けばおそらくホグワーツで一番の生徒だ。教授たちとも戦う力は持っているし、発想や機転も申し分ない。大抵の脅威には立ち向かえるんじゃないかな。」

「そういわれると嬉しいけど、まだまだ満足はできないの。もっと精進しなくっちゃ!」

実際に戦ってみてレオとの距離を改めて感じたハーマイオニーだったが心は折れていない。これからも多くの分野で力を伸ばすであろうことを確信できる顔つきをしていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ジニー・ウィーズリーは焦っていた。
この焦りがどこから来るものかも解らないがとにかく焦っていた。

いつからこんな風であったのだろうか?

ホグワーツに入学して兄たちと同じグリフィンドールに入れた。それだけではない憧れのハリー・ポッターとも同じ寮だ!
それからは授業や宿題と忙しかったが充実した日々だった。普通の友達ももちろんできたが、私だけの秘密の友達ができた。家族の誰かからこっそりもらった書き込んだら返事をくれる魔法の日記と毎日話をした。
誰も知らない私だけの友達、しかも彼は物知りでユーモアもあって話していて飽きることが無かった。私は日記の中のトム・リドルに夢中になって夜遅くまで書き込む日々が続いて、居眠りすることが多くなっちゃったけど止めることができなかった。

フィルチの猫が石にされて秘密の部屋が開かれたとちょっと騒ぎになった。
その頃からだ、焦りを感じるようになったのは。それだけじゃない、授業中だけじゃなく廊下を歩いているときも意識が消えることもある。
マダム・ポンフリーに元気が出る魔法薬を処方してもらったけど効果はあまりなかった。
トムはただの過労だと言っているのでそうなのだろう。

猫の次は同じグリフィンドール生のコリンが石にされてしまった。
けれど生徒なのに防衛術の先生もやってるレナードが直してくれたみたい。コリンや先生たちの話から秘密の部屋の怪物はバジリスクという蛇だそうだ。その目を見ただけで死に至るという恐ろしい存在だ。
でもレナードが生徒全員に魔眼防御用の眼鏡を配布したからみんなそこまで危機感は感じていない。移動中も一人にならないようにしているから継承者も迂闊には動けないんだろう。

それなのに私だけは言いようのない危機感を感じていた。

それから日に日に焦りが増して意識がなくなる時間も増加していった。
さらに書くことが無いのにトムの日記に書くことがどんどん増えていった。
トムはレナードのことをすごく気にしているみたいだった。どんな小さなことでも知りたがるし交友関係なんかも聞くようになっていた。トムがレナードのことばかり聞いてくるからなのか気づいたら授業も彼の行動を全て観察して、上級生にも彼がどんな人物なのかどんな魔法を使うのか調査をするようになっていた。

なんでこんなことをしているんだろう?

レオとハーマイオニーが一番仲が良いと知ってからはハーマイオニーにも注目することが増えた。どうしてか解らないけどレオには敵意を向けている気がする。ハーマイオニーにも何かしてしまいそうな自分がいる。

私はどうなってしまっているのだろう?

決闘大会を見た。どのチームもすごかったが、ハーマイオニーは一番だった。
でもそれを連戦しながら打ち破るレナードはもはやどう表現していいか解らなかった。
あいつは危険だ。なぜかそんな思いが私を支配していた。

その夜、決闘大会についてトムに日記に書き込んでいく。私の記憶はそこで途切れた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この僕、トム・リドルが秘密の部屋を開いてから50年経過した。
馬鹿な小娘を騙して魂を手に入れて力を増し、ついに再びサラザール・スリザリンの意思を実行する機会を得ることができた。
だが、穢れた血を殺し損ねたばかりか石化も解除され、怪物がバジリスクであることも露見してしまった。
レナード・テイラー。生徒なのに非常に優秀で闇の魔術に対する防衛術の教師として教えている。今までも様々な魔法や魔法薬を発表している天才だ。噂では奴の持つ『眼』が特別らしい。まさかバジリスクの石化を解除するほどの力を持っているとは想定外だった。
おまけに即死の魔眼を防ぐ魔法具まで作り出してしまうとは。マグル生まれの穢れた血を一掃する前にあいつを排除しなければならないようだ。

ジニーを使って調査したところレナード・テイラーは穢れた血のハーマイオニー・グレンジャーという小娘と仲が良いことが判明した。これは使えそうだ、いざという時には利用してやろう。

レナード・テイラーに挑む決闘大会が開催されるようだ。相手の力量を調べるには絶好の機会だ。弱点などが判明すれば万歳だ。
結果としてはレナード・テイラーの力は解った。それはいいのだが、……想定外だ。想定より段違いに強い。全盛期の僕、ヴォルデモート卿なら問題ないだろうが、今の記憶に過ぎない僕じゃ厳しいだろう。バジリスクをけしかけても確実に屠れるとは限らない。

ならば……。あの小娘を使うしかないか……。この体を使って呼び出してバジリスクを使って秘密の部屋まで攫う。魔眼防止の魔法具は即死は防げるが動きは鈍るからその後丸呑みにして秘密の部屋に招待だ。人質として存分に使ってやろう。散々僕の邪魔をしたんだ。じっくりいたぶって動けなくして目の前で大切な生まれそこないの穢れた血を殺してやろう。
ふふふ、今からレナード・テイラーの苦痛と恐怖で歪む顔が楽しみだ。



ジニーとトムの回想でお送りしました。

トムとしては石化解除できるレオが最優先排除対象です。
正直ダンブルドアより厄介ですからね。最初はバジリスクか自らの手でなんて思ってましたが決闘大会を見てビビってしまいました。

レオの指輪紹介 その8
・聡明
思考速度の高速化。
魔法の発動はイメージが重要であると本作では設定しているので、思考の高速化は魔法の発動速度に直結します。それ以外にも最適な行動や魔法の選択。『増強』で視力、反射神経を強化して『聡明』も使えば防御が無い場合の回避に使用できる。
奥の手で分割思考をすることで同時に複数の魔法も発動可能。ただし負荷もかかる。

では次回お楽しみに。


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30. 蛇の王の願い

この話が秘密に部屋編で一番書きたかった話です。

では30話どうぞ。


「ハーマイオニー……。」

授業が終わり図書館で本を読んでいたら声をかけられた。声の主を見るとジニーだった。最近はちょっと疲れているのか調子が悪そうだ。

「どうしたの? 何かあった?」

「あのね、優秀なハーマイオニーに折り入って頼みたいことがあるの。誰にも聞かれたくない話なの。三階の女子トイレ、嘆きのマートルのトイレがあるでしょ? そこなら誰も来ないと思うから夕食後、消灯までのちょっとの時間でいいから一人で来てほしいの。お願い!」

それだけ言ってジニーは走り去ってしまった。
話って何だろうか? いくらレオから魔眼防御の眼鏡を貰っているからといって一人では危険だし、最近の様子を考えると無視するわけにもいかないよね。とりあえず行って話だけでも聞かなくちゃ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夕食後、寮の門限まであと十分の時間に三階の女子トイレに到着した。しかしジニーの姿はなく、おまけにマートルの気配も感じられない。
不審に思っていると凄まじい気配がトイレの奥から溢れ出した。何か巨大なモノが這い出てくるような、不気味な感じだ。

(ここは……マズいわ! 急いで逃げなきゃ!)

トイレから飛び出し走り出した瞬間、トイレから巨大な蛇の頭が出てきた。蛇はこちらを見る。つい後ろを振り向いてしまったので目が合ってしまった。その瞬間、ネックレスから嫌な音がした。走りながら確認するとひびが入ってる。おそらく後1~2回しか耐えられないだろう。肉体強化を施して全速力で離脱準備に入る。

ステューピファイ(麻痺せよ)。」

肉体強化がかかるわずかな隙をついて失神呪文が飛んでくる。とっさに横に転がって躱すがバジリスクに追いつかれてしまった。
どこからかシューシューと声のような何かが聞こえてくる。バジリスクはその音に反応してこちらを丸呑みしようと大きく口を開けた。反撃しようと杖を構えるが正確に武装解除が杖を弾き飛ばしてしまった。
丸腰の私は恐怖で思わず目を閉じて助けを呼んだ。

「助けて……。レオ!」

「もちろん。」

「え……?」

バジリスクに吞み込まれる感触はなく、代わりに優しく抱き上げられているのを感じる。
目を開けるとバジリスクは遠くに、そしてすぐ上には最も優れた魔法使いの姿があった。

「大丈夫かい、ハーマイオニー。ちょっと待っててすぐ終わらせてくるから。」

「レオ! どうしてここに?」

「そのネックレスが破損すると僕に知らせが来る仕掛けが施してあったのさ。間に合って良かった。防御陣を創るからそこから出ないように。」

立たせた私の周りに薄い膜のようなものが囲んでいく。レオはバジリスクに向かって歩いていく。

「レオ! 死なないでね! まだまだあなたと一緒にいたいんだから! 絶対戻ってきてね!」

レオは笑顔で手を振りながら向かって行ってしまう。
私は祈ることしかできない。ならば彼の無事を祈り続けよう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バジリスクと対峙するレオ。その『眼』に映るバジリスクの美しさに思わずため息が出る。

「初めましてスリザリンの遺した怪物、バジリスク。ああ……。それにしても、なんて……。なんて美しいんだ! 君の体、鱗一枚一枚に施されている天然の対魔法。一目見るだけで致死成分の塊だと解る牙の毒。そしてその目! 良い、すごく良い! 最高だ!」

そうしている間にもバジリスクの目を見ていることで防御用の指輪に負荷がかかっている。
落ち着いておかなければ。

「ふぅ。うん、落ち着こう。さて君には実験材料になってもらおうか。そのためには出来るだけ無傷で死んでもらいたいが……、うんアバダ・ケダブラ(息絶えよ)も効きにくそうだ。どうしたものか。」

どうやって仕留めようか考えているとバジリスクが噛み殺そうと口を開けて迫ってきた。
『増強』を全開にして躱し続ける。試しに麻痺を当てるがまるで効いていない。
しばらく攻撃を繰り出していたがバジリスクが止まり互いに様子見に入った。
レオは無傷で殺す策を思いついた。

グラビトン(重力場生成)。10倍!」

急にバジリスクにかかる重力が増加した。動きが鈍ったところに四方八方から鎖が巻き付いていく。

「さて、ドラゴンを捕縛する用の鎖を改良したその鎖には行動阻害がびっしり付加されている。それでも君を押さえているのは数分が限界だろう。その間に終わらせようか。」

バジリスクはもがきそのたびに鎖は少しずつ壊れていく。レオの予測通り2分ほどで鎖はすべて破壊され突撃してきた。だが。

「一歩遅かったね。じゃあ、さようなら。」

突撃するバジリスクの目前に鏡が現れた。ただの鏡ではない。バジリスクの即死の魔眼の効果を100%反射し、対魔眼の防御もすり抜けるように調整された特別製だ。
バジリスクは鏡に映る己の姿を見つめる。次の瞬間には死の運命がやってくるだろう。

それでもバジリスク胸中には鏡を創り出した小さな魔法使いへの感謝しかなかった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

思えば生まれてから千年近く時が過ぎた。
我が主、サラザール・スリザリンの命でこの地下深くでほとんどの時を過ごした。
主は我に使命を与えた。

「バジリスクよ。私はここを去る。だがもしもここを、ホグワーツを、そして魔法界をマグルが滅ぼそうとするならばその全ての力をもってマグルと戦うのだ。その時は私の継承者が現れるであろう。願わくばそのような未来が永遠に来なければ良いのだが。」

千年前はマグルによって魔法使いは捕えられ、殺されるのが日常的に起こっていた。
ホグワーツを創った四人の賢者たちはここをそのようなことから守るための場、特に魔力を制御できない子供の為の教育施設として創った。
だが、主は他の三人と決別した。主は純血のみを受け入れるべきだと主張した。

「マグルの血が入った子供を受け入れれば無用な争いが起こる! まずは純血の魔法使いのみを受け入れるべきだ。マグル生まれや混血を受け入れるには今の世では厳しい。魔女狩りがなくなった平和な世界になってからにしなければ、下手をすれば魔法使いは全滅してしまうぞ!」

主は他の魔法使いよりもマグルの力を正しく認識し、そして恐れていた。
マグル生まれや混血も同じ魔法使いではある。だが、その親族のマグルに魔法使いの存在が発覚してマグル生まれを含む全ての魔法使いが死ぬことが怖かったのだ。本心では全ての子供を受け入れたかったのだ。だがより安全のために、より多くの命が助かるために純血のみを保護するしかなかった。
他の三人との議論は長く続いた。だが最終的には主はホグワーツを去ることになった。主はマグルから魔法使いを守るための旅に出るらしい。我にマグルからここを守る使命を残して永遠にホグワーツ戻ることはなかった。


それから千年近く経過したが我が戦うことは無かった。それでよい。我が不要とはそれすなわち世が平和である証拠だ。
だがある時、この部屋が開かれた。
主の継承者を名乗るあの小僧はあろうことかマグル生まれや混血を全てホグワーツから全て消すなどと言った!
冗談ではない! こいつは主の考えなど何も理解していない。マグルが攻めてきたわけでもないのに、平和な今の世界でなぜ純血以外を受け入れないのか!
我はこんな阿呆の言葉には従いたくはなかった。だが、この体が主の血を引く蛇語使いからの命令には逆らえないようになっていた。
そのせいで一人の子供を殺してしまった。
後悔した。絶望した。主からの使命は魔法使いを殺すことではない! 
我はこの命を使って愚か者からの命令を拒絶した。反動で寿命は大幅に減り動くこともできなくなったが、これで良い。ヴォルデモートと名乗る小僧は我が命令を聞かなくなると出ていった。残りの寿命は百年もないだろうし、次に命令されたら抵抗するだけの力は残っていない。
次にここに誰かが来る前に我の命が消えていることだけを願おう。

願いと言えば主が我に願いがあるか聞いたことがあったな。主の望みが全てと言ったら「自分の為の願いを考えておけ。」と言われたな。残りの命で叶えられる願いなどあるのだろうか。


数十年後、再び部屋が開かれてしまった。
今度は抵抗することもできず、また子供を我が魔眼で見てしまった。幸運にも死なすことは無かったがこんな幸運は二度もないだろう。
またくそったれな命令で子供を襲ってしまう。だが、守護者が現れた。
その守護者は強かった。我の目が効果がないばかりか全力での攻撃もかすりもしなかった。この者ならば我を殺してくれるに違いない!
体が重くなり縛り付けられる。振りほどいて突撃した先に鏡が現れた。

鏡を見る。我の姿が映った鏡を見る。
初めてだ。初めて我は己の姿をしっかりと認識した。

あぁ、気付かなかった。我の願いは自らの姿を見ることだったのか。
この全ての生命を絶命させる目のせいで我は今まで自分の姿をハッキリと見たことが無かった。水面を見ても我だけ霞がかったぼやけた姿が映るのみだった。
鏡には我の鱗、牙、目全てがはっきりと映っている。我はこんな姿をしていたのか……。
刹那の後には絶命する我が身。だがそれまでのわずかの間、しっかりと魂に我の姿を、この蛇の王の全てを刻み込もう。

最期に我の心の奥底にあった願いを叶え、継承者に操られた我を殺してくれた小さな魔法使いに最大の感謝を。



狙撃手トム・リドル。相手が最も嫌がるタイミングで正確に魔法でサポートしてました。なお、レオの登場と同時に全力で逃げ出しました。

本作のサラザール・スリザリンと純血主義
スリザリンはマグル生まれも混血も等しく魔法使いであると考えていました。
純血の魔法使いはマグル生まれたちを導く存在で誇りを持つべきだと主張してましたが時とともにその考えはねじ曲がって伝えられてしまいました。
本当は全ての子供を受け入れたかったが、危険性は少しでも排除したかった。
決別した時も残った三人に惜しまれ、スリザリン自身もホグワーツに危険が及んだら戻るつもりでした。

バジリスクは対マグル用の防衛装置。
御辞儀は真逆の思想であったが、スリザリンの末裔なのでバジリスクは逆らえずマートルを殺害。
これによって全力で抵抗したので50年前は犠牲者が他に出なかったという設定。ダンブルドアの監視もあるため御辞儀も諦めた。
バジリスクの魔眼は自身には効かない。鏡や水面を見ても正確に己の姿を認識できなくなる防御がかかっていたため。レオはそれを解除して魔眼を反射して絶命させた。

では次回お楽しみに。


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31. 暴かれる部屋

気が付いたらお気に入り登録数が5000近くて驚きました。
これからも頑張りますのでよろしくお願いします。

では31話どうぞ。


自身の魔眼でその長い一生を終えた蛇の王バジリスク。
レオは素早くバジリスクの死体を縮小し、懐から出した保存液で満たされた瓶に入れる。

「これでよし! 後は秘密の部屋と継承者だけか。」

とりあえずはすぐに攻撃されることは無かったが油断は禁物だ。それにハーマイオニーも防御陣を張っているとはいえいつまでも一人にするわけにはいかない。
怪我もしているかもしれないし大事を取って医務室へ行くのがベストだろう。


ハーマイオニーの所まで戻り防御陣を解除すると同時にハーマイオニーが泣きながら抱き着いてきた。

「レオ……! レオ!! よかった……、生きてる。本当に良かった……。」

レオの無事な姿を見て安堵したのかへなへなと座り込んでしまった。

「はは、腰が抜けちゃった……。でも本当によかった。怪我はないの?」

「うん、無傷だね。ハーマイオニーこそ怪我はないかい? とりあえず疲れているだろうし医務室に行こうか。よっと。」

ハーマイオニーを抱き上げる、いわゆるお姫様抱っこの形だ。

「レ、レオ!? 大丈夫よ、ちょっと休めば歩けるわよ!?」

「うん? 善は急げっていうしこのままでも別に問題ないだろう? ハーマイオニーは軽いし負担にもならないよ。」

そのままハーマイオニーを抱き上げたまま歩き始める。
ハーマイオニーは顔を真っ赤にしてされるがままだ。

(恥ずかしい……。顔から火が出るってこういうことなのかしら? ……待って。なんで恥ずかしいのかしら。ただ単に抱き上げられているだけなのに。え? ちょっと待って…………まさか、私レオのことが?)

今、初めてハーマイオニー・グレンジャーは自らの気持ちを、レナード・テイラーへの好意を自覚した。
自覚した途端、先ほどまでと比較にならないくらい顔が熱く赤くなるのが分かった。
流石にその様子もレオも気づいてぎょっとした。

「ハーマイオニー!? 大丈夫? なんか顔がすっごく赤いんだけど! もしかして何かしら呪いが……、いやその様子はない。とりあえず医務室に急ぐよ。」

「だ、大丈夫よ、レオ! 大丈夫だからあまりこっちを見ないで……!」

医務室に到着する。すでに消灯時間になっているが事情を話しハーマイオニーをマダム・ポンフリーに任せる。症状の原因が分からないのでマダム・ポンフリーに聞いてみたが、マダムはハーマイオニーの様子を見てため息を吐きながらレオに言った。

「思っていたより鈍感ですね。あなたがいたら彼女は良くならないからとりあえずは出てってください。心配は無用です。年頃の乙女に特有のものですから。」

ぴしゃりと扉を閉められ追い出されてしまった。
とりあえずはバジリスクを退治したことをダンブルドアに報告に向かうことにした。



翌日のホグワーツは歓喜に包まれた。
スリザリンが遺した秘密の部屋の怪物であるバジリスクが退治されたのだから無理もない。
マグル出身者は安堵し、それ以外も喜びにあふれている。
討伐者であるレナード・テイラーはホグワーツ特別功労賞が授与され、レイブンクローには100点が加点されることになり二年連続寮杯の獲得は確実であった。

だが、ほとんどの生徒は忘れていた。バジリスクはいなくなったがそれを操っていた黒幕、スリザリンの継承者の存在を。

その日の夕方にグリフィンドールのジニー・ウィーズリーが継承者によって秘密の部屋へ連れ去られた。
生徒たちは寮からの出入りを禁止され、教師たちは対応に追われている。
レオは手に入れたバジリスクについて色々と調べていた。
夜になっても飽きることなく調査を続けていたが、研究室の扉を乱暴に叩かれる音で中断せざるを得なくなった。
若干不機嫌になりながら扉の前を確認するとハリー・ポッターとロン・ウィーズリーだった。
研究室内に招くことなくマグルのインターフォンのように扉から声を飛ばして会話する。

「何の用? 生徒は出入り禁止だと思ったけど。」

「ジニーが連れ去られたんだ! 助けたいんだ、協力してくれ!」

「本当はお前に頼るのは嫌だけど、強いし頭も良い。秘密の部屋についても何か情報を掴んでいると思ったんだ。」

「何か知ってるなら教えてくれ! 速くしないと、ジニーが……僕の妹が殺されてしまう!」

「ちょっと待って。今バジリスクのこと調べてるんだ。もう少しで解りそうなんだ。」

その言葉に、これから殺されるかもしれないジニーより死んだ怪物のバジリスクの方を優先する物言いに二人は激昂した。

「なんだと! お前は何を言ってるんだ!? もういい! 僕たちだけで何とかするぞ! 行こうハリー!」

「ああ、やっぱりテイラーに頼ったのは間違いだった。一刻も猶予がない、急ごう。」

二人は夜のホグワーツを走っていってしまった。
研究室内でレオは相変わらず話を聞かない人たちだと独り言を言う。
レオが今調べているのはバジリスクの脳内に残った情報だ。教師たちからの依頼もありバジリスクから秘密の部屋への情報を入手できるか試していたのだ。
数分後、脳内情報の解析が終了する。すぐに今も秘密の部屋を探している教師たちに念話を送り職員室に集合させる。


教師が全員集合した職員室で解析結果を説明する。

「脳内に残った記憶からバジリスクはホグワーツのいたるところに張り巡らされた配管の中を移動していたことが分かりました。出口は複数あるようですが読み取れたのは最後に出てきたところ、ハーマイオニーが襲われた嘆きのマートルがいる女子トイレのようです。
校長、マートルが50年前の被害者なのではないですか?」

「そうじゃ、マートル・エリザベス・ウォーレンこそが唯一の被害者じゃった。
よし、秘密の部屋の入り口も判明した! さらわれた生徒の救出に向かおうぞ。マクゴナガル先生、スネイプ先生とわしが行こう。残った先生方は見回りと警戒をお願いします。レオも同行してもらっても良いか?」

「校長! いくら彼が強くともまだ子供、生徒であるのですよ!? 私は断固反対します!」

「大丈夫ですよ、マクゴナガル先生。自分の身ぐらいは守れます。それにこの『眼』が何かの役に立つかもしれませんし。」

(それに秘密の部屋を見てみたいし、継承者が何者かも知っておきたいしね。)

マクゴナガルは少しでも危険が及ぶようならすぐに逃げることを条件に同行することに渋々許した。
教師とレオはマートルのトイレに到着する。ハーマイオニーが言っていたようにマートルの気配はない。中に入るとゴーストであるマートルが恐怖にひきつった顔で宙で固まっていた。おそらくバジリスクの魔眼を見たのだろう。ゴーストにはこのような影響が出るのかと調べたかったが、我慢して先を急ぐことにした。
小さく蛇の彫刻がなされた蛇口がある手洗い台。いかにもスリザリンだなと全員が思った。
スリザリンの継承者、恐らくは蛇語使いでなければ開けることができないのだろうけれどそこに入り口があるのが解っているのなら他の手段もある。

エクスパルソ(爆破)。」

トイレの一角が爆破され地下深くに続く大きな穴が現れた。この下に継承者が待ち構えている秘密の部屋があるのだろう。

「吾輩が先に降ります。安全であれば合図を送りますので校長たちはその後に続いてください。」

先陣を切ってスネイプ先生が降りていった。数分後に守護霊が穴を昇ってきた。どうやらすぐに継承者がいるというわけでは無いようだ。

「では次はわしが行こう。マクゴナガル先生、レオの順で後に続いてくだされ。」

次々に降りていき、最後にレオが穴に入る。

(さてさて、秘密の部屋はどんなのかな。さっさと片付けてバジリスクの研究を続けたいなぁ。)


レオが降りて行った後、二人の生徒がこっそりトイレに入ってきた。



恋心を自覚するハーマイオニー。レオは恋とかそっちには鈍感で役立たずです。
さぁ、これからハーマイオニーの戦いが始まる!

バジリスクはひとまずそのまま保存液に入れて解析中。すぐに解体したら戻せないですし。
秘密の部屋の入り口は複数ある設定にしました。
これでスリザリンが女子トイレに入口を設置した変態扱いされないはず。
今作の設定的にもバジリスクの出番=マグルとの戦争の想定なので入口が一か所じゃ不便だと思ったのでこうなりました。

最後の二人は誰なんだー(棒)

では次回お楽しみに。


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32. 騒動終結

さて秘密の部屋編もあとわずかになりました。
次で終わりかな。

では32話どうぞ。


穴の終着点は暗い石のトンネルのようであった。
全員で明かりをつけて進んでいく。
どこに継承者が潜んでいるか分からないので周りを警戒しながらゆっくり進んでいく。

「うわっ!」
「いって!」

少し進んだところで何者かが穴から落ちてきた。
マクゴナガルが代表として偵察する。すぐに怒声が聞こえてきた。

「あなたたちいったい何を考えているんですか! 寮から出るのは禁止と言ったはずです! しかもこんなところまで来てしまうとは……。ウィーズリー、妹が心配なのは解りますがあなたが来たところでどうにもなりません。今すぐ戻りますよ!」

「でも! ジニーが! 僕の妹がさらわれたんだ! 大人しく待っているなんてできない!」

「先生! 僕たちも何かできることがあるはずです。手伝わせてください!」

レオと他の先生も戻ってくる。二人を見るなりスネイプは嫌な顔を隠そうしない。

「校長。即刻この二人を寮に戻すべきだと吾輩は思いますがね。それと罰則も与えるべきでしょう。この非常時に正確な判断もできないようですし、足手まといにしかなりませんな。」

「いや、二人とも連れて行こう。ここに残すなら誰かを守りとして残さねばならん。連れ帰るにしても戻っていたら時間がかかってしまう。どちらにしても戦力の分断に時間の無駄になる。ならば連れていくのがよいじゃろう。ウィーズリー君も妹のことが心配じゃろうし、彼らも立派な生徒じゃ。何か役に立ってくれるじゃろう。ここで話している時間も惜しい、すぐに出発しよう。」

「校長先生。時間をかけずにこの二人を戻せばいいんですね?」

「え?」
「何するんだ!?」

レオがハリーとロンの肩をつかんで付き添い姿くらましをする。
グリフィンドールの談話室に姿現わしをする。二人は何か言ってくるが監督生を見つけ事情を話す。

「パーシー・ウィーズリーさん。現在校長先生たちと秘密の部屋に突入しました。ですが、この二人が後を追ってきたので寮まで連れてきました。では校長先生たちの所に戻ります。暴走しないように監視お願いします。」

突然の情報に驚くパーシー。だが今言うことは一つだ。

「分かった。ただお願いだ、ジニーを……僕たちの妹を助けてください……!」

返事をせずに姿くらましをする。ジニー・ウィーズリーが今どうなっているかは解らないのだ。絶対に助けるなんて言うことはできない。
再び地下深くに戻ったレオ。なぜかダンブルドアは苦い表情に見える。

「二人をグリフィンドールの寮に戻しました。ウィーズリー君の兄で監督生のパーシー・ウィーズリーに任せたのでまたこちらに来ることは無いでしょう。」

「あ、ああそれでよい。」

ホグワーツではできないはずの姿くらましをしたのはやはり驚きだが気を取り直して進む一行。
途中にバジリスクの抜け殻があったりしたが特に妨害などなかった。しばらく進むと壁が現れた。壁には二匹の蛇が絡み合っている彫刻が施されており、上のトイレの蛇口同様いかにもスリザリンといった感じである。

壁を爆破して先を進む。壁の先は蛇の彫刻が施された柱がいくつも立っている細長い部屋であった。奥には巨大な石像が立っておりその足元にはジニー・ウィーズリーが横たわっていた。

「ミス・ウィーズリー!」

マクゴナガルが駆け寄る。レオたちも警戒しながら近づいていく。

「まだ息はあるようじゃの。しかしこれは……。」

「一刻も早く戻って治療しなければなりませんな。」

今回の第一目標はジニー・ウィーズリーの救出だ。それが達成したのならば早々に戻るのが賢明だ。だがそういうわけにもいかないようだ。

「レオ、どう思う? わしは彼女の魂が殆ど残っていないように思うのじゃが。」

「アルバス、どういうことですか?」

「ミネルバよ、このまま彼女を連れ帰ったところで回復はせんじゃろうし、確実な死が待っていよう。ここで継承者をどうにかする必要があるようじゃ。」

「ダンブルドア先生。ジニーから魔力的な繋がりが伸びています。この繋がりから彼女は魂を吸われていますね。その先はそこの柱の裏です。」

レオが指さした柱を全員が見る。その柱の裏から一人の少年が姿を現す。輪郭がぼやけて若干透けている。

「トム……。やはりお主じゃったか。」

「トム……? まさかトム・リドル、闇の帝王ですか!?」

マクゴナガルたちは驚く。いったいどういう方法を使っているか不明だが50年前の継承者そのものが現れた。

「よく来ましたね、ダンブルドア校長と連れの先生方、そしてレナード・テイラー……!」

まだ顔が崩れる前のハンサムな顔が怒りに歪む。

「トムよ。お主がどんな手段でこの場にいるのかはわしにも正確には理解しておらん。だがお主は過去の者じゃ。今を生きる者たちを、わしの大切な生徒たちをこれ以上危険にさらすわけにはいかん!」

ダンブルドアの杖から閃光が走る。だがそれはトム・リドルの体を素通りして後ろの柱を砕いただけであった。

「ははは! 流石に50年も時が過ぎて衰えたか!? この僕に魔法は効かない! 僕は記憶でしかないからね。そこに転がっている小娘を騙して魂を頂戴してこの姿を得たがまだ不完全だ。ゆえに魔法も受け付けない!」

「なんと……。どのような魔法……まさか。」

「はっ、可哀そうな老いぼれに教えてやるよ。僕は再び秘密の部屋を開くために当時の日記に自らの記憶を封印したんだ。いつの日かホグワーツからマグルの穢れた血を一掃するためにね。そこの血を裏切る者が僕の日記に書き込んでそこから魂を喰らい、僕の一部を入れて操ったのさ! まさかスリザリンの対極のグリフィンドールに継承者がいるとは思わなかっただろう?」

秘密の部屋に馬鹿にしたようなトム・リドルの笑い声がこだまする。
その様子を教師は悔しそうに見るが、レオだけは真剣に見つめていた。

「さて、全員杖を捨ててもらおうか。そこの小娘の命が惜しければ命令に従うことだ。悔しいがそのレナード・テイラーのせいで僕の計画はめちゃくちゃだ、逃げるしかなさそうだ。だが未来の僕、ヴォルデモート卿と合流し必ずや戻ってくるぞ!」

「ああ、トム。この無知な老いぼれに記憶を封じたことや今回の騒動の件を長々と説明してくれてありがとう。レオ、どうじゃ?」

「解析完了です。本体を潰せばジニーへ魂も戻るでしょう。『巨神の腕』!」

黄金に輝く腕が両手を合わせトムに突っ込んでいく。

「まっ、やっ、止め、ぐがぁぐるおああおあおおおおおおぉぉぉ…………。」

トム・リドルは持っていた日記と共に光に飲まれて消滅した。

「ダンブルドア校長、当たらないと確信しながらわざと魔法を使ったり、驚いたふりをしましたよね?」

「さて、何のことやら。傲慢で愚かなあやつが勝手にぺらぺら喋っただけじゃろう。じゃがそれで解析時間が作れたのなら問題なしじゃ。あとで解析の結果を詳しく知りたいの。」

「分かりました。そろそろ目が覚めるかな?」

継承者の日記が消滅したことでジニーの顔色も元に戻り、心拍や呼吸も正常になった。

「う、う~ん。あれ? ここは……。わっ!」

「ミス・ウィーズリー!」

目を覚ましたジニーをマクゴナガルが力いっぱい抱きしめる。ダンブルドアがその様子を笑顔で見守る。スネイプも僅かだがホッとしているようにレオは感じた。

「ミネルバよ、そのぐらいにせんとせっかく助かったのに窒息死してしまうぞ。」

「そ、そうですね。ミス・ウィーズリー、体は大丈夫ですか? どこか痛かったり気分が悪かったりしませんか?」

ジニーはようやく自分が今いる場所、どのような状態であったのか理解したようだ。みるみる顔が青くなって、泣き出してしまった。

「せ、先生。私、私が継承者でした! わたしなんてことを……! トムは、トムはどこに!?」

「大丈夫じゃ。もうトムは消えたし、誰も死んでおらん。君に非はない、全てはトム、ヴォルデモートのせいじゃ。君より優れた大人の魔法使いでさえもトムは容易く操った。誰も君を責めはしないし、もしそんな輩がいたらわしが許さん。」

偉大なダンブルドアの言葉で少しは落ち着いたのかジニーの涙は止まった。

「それではジニー・ウィーズリーも無事取り戻した! 継承者も消え去った! 戻るとしよう! レオ姿くらましじゃ、行き先は校長室で頼む。ウィーズリー夫妻もそこにいるはずじゃ。あと後でホグワーツでのやり方教えてくれんかの。」

「了解しました。皆さん僕の肩をつかんでください。」

全員がつかんだのを確認した次の瞬間、校長室に姿現しした。
音もない突然の出現にウィーズリー夫妻は驚愕した。だがそれ以上に命はないとも覚悟していた娘が生きて現れた方が数十倍の衝撃だった。

「ジニー!」

両親に抱きしめられ、ジニーもまた抱きしめ返す。親子は泣きながら喜び合った。

「ダンブルドア、ああダンブルドア! やはりあなたは最高の魔法使いです! 娘を助けていただいてありがとうございます!」

「いいや、わしは大したことはしておらんよ。秘密の部屋の入り口を見つけたのも、継承者を倒したのもそこにいるレナード・テイラー君じゃ。」

「君がジニーを助けてくれたのか? テイラーってことはまさかアースキンの息子かい? 流石だなぁ。」

「誰の子だろうと私たちの娘の命の恩人よ!」

そう言ってレオもウィーズリー夫人が抱きしめてきた。
しばらくジニーともども抱きしめられていたがジニーの体を休めるためにウィーズリー一家は医務室へ向かった。マクゴナガルはジニーの兄たちへ無事を知らせに行ったようだ。

解放されたレオは中途半端になっていたバジリスクの解析の為、研究室に戻る。
こうしてホグワーツを騒がせた秘密の部屋の騒動は終結した。



ダンブルドア「ハリー来た! よっしゃ連れて行くぞい!」→「なん……じゃと……!?」

原作主人公ハリー・ポッター今年もラスボス戦出番なし!
今後もこんな感じになってしまう気がするが、もう諦めました。
ダンブルドアとしてはハリーの経験値として連れて行きたかったが強制退場でした。
ちなみに後で減点+罰則のコンボをくらいました。

若御辞儀、丁寧に説明。ダンブルドアがわざとわからんふりをしたので調子に乗りました。まだまだ若いということでしょう。

レオ分霊箱解析完了。効果や破壊手段もバッチシです。

では次回お楽しみに。


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33. 二年目が終わって

秘密の部屋編終了です!
大体一巻辺り2カ月ペースですかね。更新速度は落とさずに行きたいですね。

では33話どうぞ。


バジリスクが死に継承者も滅んだ。
この知らせは全校中に即座に広まり、夜中にもかかわらず大広間でお祝いのパーティーが開催されどの寮も朝までお祭り騒ぎが続いた。今日ばかりはいつもは厳しいマクゴナガルも大目に見て一緒に祝っていた。

ウィーズリー兄弟たちはレオに対して終始感謝し続けていた。普段はレオに対して突っかかってくるロンでさえ素直に感謝をしていた。
ジニーが医務室から戻ってきてパーティーに加わった。すぐにレナードを見つけ駆け寄ってくる。

「レナード! 本当にありがとう。あなたは命の恩人、いくら感謝しても足りないわ。もし何か困ったことが有ったら何でも言って! 絶対に手助けするわ! ……まぁ、あなたが困ってることで私が力になれるとは思えないけどね。」

やってきたウィーズリー双子にジニーがもみくちゃにされる。レオにも飛び火してきそうなので研究室に避難する。騒ぎが起こるといつも研究室に逃げている気がするが、自室が一番落ち着くのだから仕方がない。なんだかんだで色々あって疲れたので今日は寝ることにした。


次の日から平和で普段と変わらない日々が戻ってきた。
授業があり、宿題があり、休日があり、クィディッチもある。寮の点数に一喜一憂する、そんな当たり前の日常が流れていった。
闇の魔術に対する防衛術の免除課題は決闘大会でのハーマイオニーとの決闘内容からほぼ全ての生徒が諦めてしまっていた。今ではたまにある双子から決闘という名の悪戯商品紹介の場としてしか認識されていなくなってしまった。ハーマイオニーも今は勝てないと判断して自分の力を高めるのに集中している。

ハーマイオニーといえば一連の騒動が終結した後から少し様子が変であった。妙にレオをちらちら見たり、レオが話しかけたら答えに詰まったりするのだ。一週間ほどで元に戻ったのでレオとしてはそこまで気にはならなかったが。
それよりもレオは免除課題に挑むものがいなくなったのでいつもの勉強会や双子の悪戯グッズの開発を全てキャンセルしてまでバジリスクの研究に没頭中だ。魔眼や毒の解析など興味は尽きることは無い。


期末テストも無事終了。ほとんどの生徒は闇の魔術に対する防衛術の成績は格段に伸びる結果であった。魔法の使い方の講義もしたので変身術や呪文学にも良い影響が出ており、レナード・テイラーに今年一年だけでなくこれからも教師を続けてほしいという要望が後を絶たなかった。


終業式の前日。
レオはダンブルドアに呼び出されて校長室に来ている。

「レオよ、聞かせて欲しい。継承者、過去のヴォルデモートが日記に記憶を封じた魔法はどのようなものであったのか。もし、わしの考えている通りならば今後の対策を考えねばならん。」

「あのトム・リドルは記憶と言っていましたが、日記には魂の一部が封じられていましたね。僕が昨年にケルベロスに施した魔法と似ていました。おそらく自分の肉体の外に魂を封じることで死に対する保険になるのではないでしょうか。魂の身の存在であるからジニーの魂を喰らうことで力をつけたのでしょう。」

「やはりか……。レオ、おそらくその魔法は闇の魔法の極致、分霊箱(ホークラックス)じゃろう。君の推察通り魂を物質に封じることで疑似的な不死をもたらす魔法じゃ。ただし魂を裂くのに人を殺す必要がある、しかも魂を裂いた影響は肉体にも現れる。」

「ふむ……。なるほど、だから去年見たヴォルデモートはあんなだったんですね。でも魂を一回裂いた程度であそこまでになるのでしょうか?」

「いや、あやつは複数の分霊箱を造っていると考えている。正確な数はまだ推測の域を出ないがの。……レオ、いずれヴォルデモートは復活するじゃろう。その時には力を貸してはくれんか?」

「僕にとって不利益にならなければ。そろそろ学年末パーティーの時間です。それでは。」


一人残されたダンブルドアは考える。分霊箱がどのようなものなのか、その総数はいくつなのかを。そしてレナード・テイラー……。あの力は凄まじい、今後も成長を続けるだろう。仮に敵対した場合、止めることは容易ではないだろう。最悪なのはヴォルデモートと手を組むことだ。昨年に闇の帝王もレオの力には興味を持ったに違いない。何が何でもこちらの陣営に引き込まねば。そして、ハリー・ポッター……。推測が正しければハリーは……。
これからも気を抜けないだろう。


学年末パーティー会場は今年も青と銅、鷲の紋章で飾られていた。
レナード・テイラーが秘密の部屋についてほとんど解決してしまったのでレイブンクローがダントツでトップであった。もはやどの寮も今年は無理だろうと諦めて二位争いをしている状態だった。二位はハッフルパフ、三位はグリフィンドール、四位はスリザリンだったが二位から四位は僅差であり最後まで熾烈な争いだった。

今日でレナード・テイラーの闇の魔術に対する防衛術の教師としての生活は終わる。
最後にスピーチを頼まれたので壇上に立つ。

「えー、皆さん、食べて飲んで話して楽しんでいますか? こんな話より食事とかの方が楽しいでしょうから手短にします。僕にとっても教師は初めてでとてもいい経験になりました。来年度からは新しい教師が来ますが、僕が教えたことを覚えておいてください。いつか自分と大切なものを守るための力になるはずです。僕は一生徒に戻りますが、忙しくなければ研究室に見学に来てもらってもかまいませんし、勉強会も続けますのでこれからもよろしくお願いします。一年間ありがとうございました。」

大広間の全員から拍手がおくられる。こうしてレナード・テイラーの教師生活は無事終了した。


ホグワーツから戻る列車。コンパートメントはレオとハーマイオニーの二人だけだ。レオはバジリスクやその他色々な分析結果をまとめている。ハーマイオニーはレオの顔をぼーっと見たり空を眺めている。時折、生徒たちが挨拶に来るが、中には夏休みの間に家庭教師をして欲しいなんて言い出す生徒までいたがレオも夏休みは研究の予定が入っているので断った。
ハーマイオニーはふと気になってレオに尋ねてみた。

「レオは来年からの授業は何を選択するの?」

「うーん……。魔法生物飼育学と占い学かな。ハーマイオニーは決めてるの?」

「まだ迷っているの。できれば全教科受講したいってマクゴナガル先生に相談したんだけど、時間的に無理だから特別な魔法具を使う必要があるみたい。使用の許可を取るだけでもかなり厳しいみたいなの。レオはどうしたらいいと思う? なにかアドバイスが欲しいわ。」

「特別な魔法具……。逆転時計(タイムターナー)かなぁ。なんにせよ全部はおすすめしないね。マグル学はハーマイオニーには不要だろうし、占い学は合わないだろう。数占い学、魔法生物飼育学、古代ルーン文字学の三つでいいんじゃないかな。それなら時間も余裕があるはずだから大丈夫だろう。」

「そうね、マグル学は大丈夫よね。私、レオに追いつきたくて、あなたに見て欲しくて焦ってたのかもしれない。うん、決めた。その三つにするわ。」

レオとしては全部受講することで逆転時計(タイムターナー)を実際に見てみたい気持ちもあったがハーマイオニーに無理をさせてまでする必要はないだろうと考えた。魔法省に研究の為と頼めば貸してもらうことも可能だろう。


もうすぐキングス・クロス駅に到着という時にハーマイオニーがレオに宣言した。

「レオ、私目標ができたわ。」

「どんなの? 新しい魔法とか?」

「いいえ、魔法は関係ないの。でも絶対に叶える、そう決めたわ!」

「まぁ、どんな目標でもハーマイオニーなら大丈夫じゃないかな。目標が達成したら僕にも教えてくれ。」

(私の目標はレオ、あなたを振り向かすことなのよ。人の心には鈍感なあなた相手だと苦労しそうだけど、もう決めた。絶対あなたと未来を歩くんだから。)

キングス・クロス駅に到着する。レオとハーマイオニーが降りると家族が待っていた。

「二人ともお疲れ様。今年はなんか大変だったみたいね。無事に帰ってきて何よりだわ。」

「レオ、教師はやってみてどうだったんだ? 決闘大会とかやったって聞いたが久しぶりに俺とも決闘しないか?」

父、アースキンの誘いはハッキリと断った。勝負が長引くことは確実だからだ。

「レオ君、娘を守ってくれたそうだね。父親として心から感謝する。ありがとう。」

「ハーミーにとってはレオ君は教師でさらには白馬に乗った王子様ってところかしらねぇ。」

「もう! ママ何言ってるのよ!」

顔を真っ赤にして母の口を押えるハーマイオニー。その反応に両夫妻はハーマイオニーの変化を確信して心の中で拳を握った。

(後はレオをその気にするだけ!)

(ハーミーの女としての魅力を引き出させるようにしなくっちゃ!)

母親たちは二人をくっつけるための意見交換会の開催を決定した。
二人は両親とともにそれぞれの家に帰る。
ハーマイオニーは帰り道、両親に告白した。

「パパ、ママ……。私ね、好きな人ができたの。」

「知ってるわ。レオ君でしょ。」

「彼なら安心して任せられる。花嫁姿が楽しみだ。」

ハーマイオニーが顔を真っ赤にしている時、レオは来年度はどんな学校生活になるか考えていた。

(一年目は賢者の石、二年目は秘密の部屋……。三年目も何か起こるのかな?)

こうしてレナード・テイラーの二年目は終了した。



ロンさんの手首が超回転! ジニーを助けたので態度がかなり良くなりました。ロンはシスコンですかねぇ。

原作より速く騒動が解決したため平和なホグワーツにすぐ戻りました。もちろん試験もあり。

二年目の原作との相違点は結構ありますね。
・ハリーが蛇語使いと認識しない
・アラゴグ関連無し ついでにハグリッドの冤罪関連もなし
・ルシウス・マルフォイは理事のまま ドビーについてもマルフォイ家のしもべのまま
・グリフィンドール剣がバジリスクの毒吸収してない
今後に影響してきそうなのはこんなとこですかね。

ハーマイオニーの変化を確信する両親たち。特に母親たちはかなり喜んでます。
そしてすでに家族公認。知らぬはレオだけ。

最後に本作タイトルについて活動報告でアンケート取ってます。よろしければお願いします。

次回予告!

一生徒に戻ったレナード・テイラー。また研究三昧の日常が戻ってくる。

だが、そんな日常も最悪の監獄より脱獄した凶悪犯によって崩れ去る!?

猫、犬、鼠、人狼に吸魂鬼。三年目は魔法生物だらけか!?

レオ「じゃあ、僕もペットを飼おうかな、いや創るか。」

ハー子「囚人とかどうでもいいから。レオとホグズミードでデートしたい。」

次回、3章 囚人には興味がない

こうご期待!

※本編の内容は次回予告とは異なる場合があります。御了承下さい。
でも新キャラのペットは出ます。


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3章 囚人には興味がない 34. 脱獄囚より一人の少女

今回から原作のアズカバンの囚人に相当する3章 囚人には興味がない スタートです!

それから活動報告でのタイトルについてのアンケートですが
ハリー0票、ハーマイオニー15票、その他2票でした。
一応、まだ変えませんがおそらくタイトルのハリー・ポッターがハーマイオニーに変わると思います。

では34話どうぞ。


1993年の夏休みはテイラー家にとって多忙な休みとなっていた。
闇の帝王の配下であり、大量殺人犯のシリウス・ブラックがアズカバンより脱獄したからだ。
闇払い局の副局長であるアースキン・テイラーは休みなく毎日朝早くから夜遅くまで対応に追われている。レナード・テイラーも魔法省からしつこくシリウス・ブラックの捜索のために魔法や魔法具の開発を依頼されていた。レオとしてはシリウス・ブラックに興味を持てなかったので協力はしていなかったが、あまりにしつこいため捕縛用の魔法具だけ開発して、捜索は難しいと嘘をついて関わらないことにした。

今日は久しぶりに一家全員が揃っての夕食になった。

「ああ~……。やっぱり我が家が一番だ~。愛すべき家族とくつろげる空間……。ここに帰ってくるために仕事をしてる……。一秒でも早くあのバカを捕まえなきゃな。」

「あなた、まだシリウス・ブラックは見つからないの?」

「そうなんだよ。どうやってアズカバンから脱獄したのかさえ不明だ。杖は処分されてたし何かしらの魔法を使った痕跡もない。レオはこれについてどう考えてる?」

「うーん……。実際に現場を見ないことには何とも言えないかな。そんな事より久しぶりの全員一緒での食事なんだからめんどくさいことは考えないようにしようよ。」

今日の夕食はフェリスが張り切って作ったので必要以上に豪勢だった。まるでパーティーでも開くかのようだ。

「そういえばレオ、ハーミーちゃんはどうしてるの? しばらく遊びに来てくれてないけど。」

「ハーマイオニーはフランスに家族旅行に行ってるよ。僕には毎日のようにふくろう便が来てるね。旅行の感想や魔法について色々とやりとりしてるよ。夏休み最終日には戻ってくるからダイアゴン横丁で買い物するつもり。」

「そうなのねぇ。どう変わっているかちょっと楽しみだわ。」


1993年8月31日。夏休み最終日。
ダイアゴン横丁で久しぶりにレオと会ったハーマイオニー・グレンジャーは変貌していた。
彼女を知っている人物は思わず夢かと思って頬をつねるだろう。
ボサボサだった髪は真っ直ぐになり、出っ歯も矯正して普通になっている。
ただそれだけでハーマイオニー・グレンジャーは劇的に変わった。男子だったら十人中八人ぐらいは振り向くような魅力的な少女に変身していた。

「しばらくぶりね、レオ! その……どうかしら? ちょっと髪とかいじってみたんだけど……。変じゃないかしら?」

「いや、正直びっくりした。髪とか変えるだけで印象って変わるものなんだね。うん、綺麗だ。前も別に変だとは思ってなかったけど今の方がいいんじゃないかな。その髪は魔法薬を使った?」

ストレートに綺麗だと言われるとは思っていなかったのか顔を真っ赤にしながら返答するハーマイオニー。その様子を両家の親たちはニヤニヤしながら見守っている。

「あ、ありがと……。こ、この髪はスリーク・イージーの直毛薬を使ってるの。でもかなり面倒だから毎日するにはちょっとね。」

「それだったら僕が魔法薬を調合しようか? 一度使えば好きに髪型を変えられるような薬を造れば一回で済むし、元の髪型にも戻せるよ。」

「そんな、私のためにいいの?」

「ちょっと早い誕生日プレゼントだと思っていいよ。誕生日にも別にプレゼントはするしね。さて今日の買い物をさっさと済ませちゃおうか。」

歩き出した二人の後ろを歩く親達はその様子を見ながら話している。

「いやー、あんなに綺麗になるものなのだな。レオのヤツちょっと羨ましいぞ。」

「あなた、後で話がありますからね。それはさておき、ハーミーちゃんすごいわね! というかレオが素直に綺麗って言うなんてそれだけで一歩前進よ!」

「親バカかもしれんが我が娘ながら美しいと思う。ちょっと嫁にやりたくなくなってきた……。」

「諦めてくださいよ、パパ。ハーミーがああするまでの相手ですからね。今年はガンガン攻めて落すのよ、ハーミー!」

二人の関係について一番盛り上がっているのは親たちなのは確実であった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

僕、ロナルド・ウィーズリーは気分が良かった。
いや、僕だけじゃない。家族全員が幸せだ。この夏休みはガリオンくじが当たって家族でエジプト旅行に行けたし、今日は新しい杖まで買ってもらえた。おこずかいも通常ではありえないくらいもらって今もダイアゴン横丁でフローリアン・フォーテスキュー・アイスクリームパーラーで三段重ねのアイスを食べて幸せだ。
隣で親友のハリー・ポッターも同じようにアイスを食べていると何かに気付いたみたいだ。

「あれ、テイラーじゃないかな? 新学期の買い物かな。」

その名を聞いて複雑な気持ちになる。
あいつは魔法が上手くて勉強もでき、さらには強い。でも嫌みでこっちのことを考えていないヤツなんだ。ハグリッドのこともあってとことん嫌いだ。
それでも、秘密の部屋の一件でジニーを助けてくれたことも事実だ。僕はどう接していいか分からなくなっている。ハリーもきっと同じ気持ちだろう。
ハリーの方を見ると口をあんぐりと開けて固まっている。アイスが溶けて手にこぼれているが気づいてもいないみたいだ。

「どうしたんだ、ハリー? スネイプが笑顔でタップダンスでも踊ってたのかい?」

「ロン……。あれ……。」

テイラーの方を指さしたまま再び固まるハリー。僕もそちらを見る。
その光景を見た瞬間、頭に呪いでもかけられたような衝撃が走った。
テイラーの横を歩いていたのは僕が今まで見たこともないほどにかわいい女の子だった。

僕は生まれて初めて恋に落ちた。これが一目惚れってやつなのかな?

同時にテイラーのヤツに対して対抗心が沸き上がった。
魔法が上手くてその上、あんなかわいいガールフレンドがいるなんて!
いやいや、待て待て、待つんだロナルド・ビリウス・ウィーズリー。落ち着くんだ。
まだあの子があいつの彼女と決まったわけじゃない。あいつだって決してハンサムなわけじゃないし、背は僕の方が高い! ……よし!

「すっごい変化だね……。ちょっ、ロン!?」

ハリーの声を無視してあの子に近づく。とりあえず、テイラーの知り合いだってことで声をかけよう。

「やっ、やぁ。久しぶりだねテイラー。げ、元気?」

「ああ、こんにちはウィーズリー君。元気だよ。」

「あら、ロンじゃない。久しぶり、あなたも新学期の買い物?」

え? この声?

「ハ、ハーマイオニー……? え、なんで?」

「そうだけど、もしかしてこの髪のせいで気が付かなかったの? 確かに前のボサボサ髪とは大違いだけど、失礼よ! 女性を髪でしか認識してなかったのかしら。行きましょうレオ!」

「そう怒らない。それだけ君が変わったってことだろう。ウィーズリー君、またホグワーツで会おう。」

立ち去っていく二人。
え? あのかわいい子はハーマイオニーで? ボサボサは? 出っ歯は? あれ?
ハーマイオニーは誰の目にもテイラーのことが好きだとわかる。気が付いていないのはテイラーぐらいだ。
てことは? 僕の初恋は? え? あれ?

ポンと肩を叩かれる。ハリーだった。親友の顔には同情の色しかなかった。

がくりと膝をつく。僕の初恋は5分もしないで終わった。

「マーリンの髭!! ちくしょう、やっぱりお前なんか嫌いだテイラー!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

レオとハーマイオニーは魔法動物ペットショップにいる。教科書などの他の買い物はすでに済ませて、最後にハーマイオニーがペットを飼いたいらしくて見て回っている。

「レオは何が良いと思う?」

「うーん……。ゴメン、そういうのは全然役立てそうにない。とりあえず直感に従えばいいんじゃないかな。」

「直感ね……。」

店内をぐるりと見る。その中で一匹の猫と目が合った。赤毛の巨体でがに股、潰れたような顔のインパクトのある猫だった。それでもこの猫だ、と直感がハーマイオニーに告げた。

「すいません。この子をお願いします。」

ハーマイオニーが指さした猫を見て店員は仰天した。

「お嬢さん、この……こういっちゃなんだがあまりかわいくない万年売れ残りのこいつを希望してるのかい? もっとかわいい、お嬢さんにお似合いの猫もたくさんいますぜ?」

「いいんです。この子に決めました。」

「それならいいんだが。後で別の猫に変えてくれって泣きついても知らんですぜ。」

ハーマイオニーがクルックシャンクスと命名した猫を抱えてペットショップから出る。これで買い物は終了だ。

「ハーマイオニー。この子、体に魔力がある。多分ニーズルか何かの血を引いてるね。いいペットだと思うよ。」

「本当!? この子を見た時、びびっと来たのよ。ニーズルってことは頭がいいのかしら。
これからよろしくねクルックシャンクス。」

夏休み最終日は終わり、明日からはホグワーツでの日々が再び始まる。



シリウス脱獄。もしレオが興味持ってしまったら即終了でした。

ハーマイオニー変身! 原作だとダンスパーティーの時でしたが時期が大分早くなりました。

ロン失恋。ついでにレオに対しての態度が元に戻る。いやもっと悪くなったかも。
レオに突っかかってついでにハーマイオニーにいいとこ見せようとして失敗しそう。

クルックシャンクス登場。アズカバンの囚人ぐらいしかまともな出番がないから頑張れ!

では次回お楽しみに。


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35. 逆鱗

タイトルを変更しました!
これからは「ハーマイオニーと天才の魔法式」となります。
どうぞよろしくお願いいたします。

では35話どうぞ。


1993年9月1日。キングス・クロス駅。

九と四分の三番線は例年通りホグワーツに向かう子供たちとその親でいっぱいだった。
ただ少し違うのは辺りを警戒する魔法使いの姿がちらほら見かけることだ。
恐らくはアズカバンを脱獄したシリウス・ブラックを警戒しての対応なのだろう。

レオとハーマイオニーの今年の見送りはフェリスただ一人だった。アースキンとハーマイオニーの両親は仕事で忙しく来ることができなかった。

「行ってらっしゃい、レオ。ハーミーちゃんもね。もしシリウス・ブラックが出てきたらぶっ飛ばしちゃいなさい!」

「出てこないのが一番良いよ。それでは行ってきます。」

フェリスはハーマイオニーを呼び止める。

「レナードのことも頑張ってね。大丈夫よ、あなたが一番息子のことを想ってるわ。そ・れ・と、一回お義母さんって呼んでみて♡」

「お、お義母さま……。」

「うん! 満足。それじゃあ、恋に勉強に青春を楽しんでね!」

多くの子供たちがコンパートメントの窓から出発の挨拶をしながらホグワーツに向けて列車は走り出す。
フェリスはクリスマスに二人が戻ってきた時どんな感じになっているか今から楽しみだった。


コンパートメント内ではレオとハーマイオニーが三年生からの新しい授業について話している。時折レオやハーマイオニーに挨拶に来る生徒もいるがほぼ全てハーマイオニーを見て固まってしまう。
そんなやり取りを何度かして流石にハーマイオニーも機嫌が悪くなってきた。

「まったく! みんな私のことどう見てたのかしら。ちょっと髪の毛をいじって、歯を矯正しただけなのに。」

「まぁまぁ。外見が変わろうともハーマイオニーはハーマイオニーだよ。周りのことは気にしなくてもいいんじゃないかな。」

「それもそうね。レオがしっかり私のことを見てくれればそれでいいわ。そういえば今年の授業でレオは占い学を選択したみたいだけど、私はやめた方が良いって言ってたけど占い学はどんなものなの?」

「占い学は理論や公式、そういったものが通用しないものなんだ。そういうものだからハーマイオニーには不向きだと思ったんだ。未来を感じ、見通す。そういう才能や感性が重要になってくる。魔法省の神秘部には予言が保管されているみたいだけど僕もちゃんとした予言者には会ったことが無いね。占い学を選択したのもダンブルドア校長が占い学の教授に選んだ人だから才能が有る人だろうからこの『眼』で見てみたかったからなんだ。」

「そうなのね。予言って100%確実に的中するものなのかしら?」

「どうだろうね。僕はあくまでその時点でより可能性の高い未来を感じ取って伝えてるのが予言だと考えているよ。その予言を与えられた人がその言葉に影響されることで更に可能性が高まって最終的に的中する。または予言を信じなかったり回避しようとした結果が結局は予言の内容になる。どっちにしても予言者は全ての可能性を読んで未来を予言してるんじゃないかな。そういう意味じゃ予言は未来の可能性を狭めていると言えるのかもしれないな。まぁ、僕も専門外だから憶測でしかないけどね。」


二人で談笑を続けていると列車の速度が低下してきた。まだホグワーツに到着するにはまだ時間があるはずである。

「どうしたのかしら? まだホグワーツに着かないはずよね?」

「何かトラブルかな。待っていればアナウンスなり発車するなりするんじゃないかな。」

数分しても何も反応はなく周りのコンパートメントも騒がしくなってきた。
だが次の瞬間、周囲が急に静かになった。レオは何も感じていないがハーマイオニーは恐怖で体が震えていた。

「ハーマイオニー!? 大丈夫か、どうした!?」

「レ、レオ……。急に寒くなってなんだかわけもわからず怖いの……。」

「何かしらの精神的な作用……、恐怖、吸魂鬼(ディメンター)か! 『遮断』範囲拡大!」

レオが『遮断』の範囲をコンパートメント全体に拡大する。これでこれ以上ハーマイオニーに影響はないはずだ。

「ごめん、ハーマイオニー。僕は常に防御しているから気付くのに遅れた。大丈夫?」

「ありがとうレオ……。後ろ!」

レオが振り向くと吸魂鬼の一体がコンパートメントの扉を開けて侵入しようとしているところだった。ボロボロのマントにカサカサの肌。見るの者に嫌悪感を抱かせる存在がそこにはいた。

エクスペクト・パトローナム・バレル(守護霊銃よあれ)。」

レオが呪文を唱えると白銀の銃が手に現れた。

「三秒以内に失せろ。さもなくば消滅させる。」

吸魂鬼には言葉は通じていないのか立ち去る気配はなくコンパートメント内に入ろうとする。次の瞬間には銀色の弾丸がその胸を貫いた。
胸に空いた穴から光を放出し、その体を光の粒子に変えて霧散する吸魂鬼。
レオは鞄から純白の液体が入ったフラスコを取り出す。

「ハーマイオニー、これを飲んで、幸福薬だ。落ち着いて、ゆっくりでいいよ。」

『遮断』で吸魂鬼の影響はなくなったが、心と体は冷えたままだ。レオに言われるがままフラスコから幸福薬を飲んでいく。味はものすごく甘く飲みにくかったが、飲み込んだ途端体の不調は消えていった。

「よし。それじゃあ、僕は奴らを殲滅してくる。今の薬を飲んだからしばらくは吸魂鬼(ディメンター)も君に手出しはできないはずだ。」

「待って!」

コンパートメントから出ていこうとするレオの腕を掴んで引き留める。

「いかないで、レオ。一人にしないで……。」

幸福薬で確かに心身ともに問題はなくなった。だからと言って一人は嫌だった。彼とは離れたくなかった。
レオは大きく息を吸って吐いた。

「ごめん、ハーマイオニー。こんな状態の君を放置して出ていくなんて冷静じゃなかった。もう一人にしようとしないよ。」

そう言って手を握るレオ。
彼が近くにいる、それだけで安心できる。安心感と薬の効果か眠気が襲ってきた。

「少しでも眠った方が良いよ。回復には睡眠が一番だ。」

「ありがとう、レオ……。少し眠るわね。」

そう言ってハーマイオニーはレオの肩に頭をのせて眠ってしまった。
次に起きたときにその様子を見ていたウィーズリー双子にからかわれることになってしまった。


吸魂鬼(ディメンター)の騒動があったが、それ以外は問題なくホグワーツに到着できた。
組み分けも無事終了し、皆が食事を待ち構えていたがその前にダンブルドアからの注意事項があるらしい。

「新入生は入学おめでとう! そして二年生以上は新学期おめでとう! さて皆にいくつかお知らせがある。大事な事じゃからお腹いっぱいで眠くなる前に済ませてしまおう。」

「ホグワーツ特急で調査、これをわしは許可した覚えがないのじゃがの、皆も知っているように魔法省の要請によりホグワーツでは現在吸魂鬼(ディメンター)を受け入れておる。吸魂鬼(ディメンター)は学校の入り口を固めておる。あやつらは決して話が通じる相手ではないぞ。透明マントも意味がないからむやみに近づかないことじゃ。」

続いて新しい教授が紹介された。魔法生物飼育学のウィルヘルミーナ・グラブリー=プランクと闇の魔術に対する防衛術のリーマス・ルーピンの二人だった。
プランクと比べるとルーピンへの注目が集まっていた。ツギハギだらけのローブ、痩せこけて青白く、白髪がある髪。こんなのが闇の魔術に対する防衛術の教師で大丈夫か? そういった反応をする生徒が多い。
そんな考えを吹き飛ばす衝撃的な爆弾発言がダンブルドアの口から発せられた。

「一つ補足を入れよう。ルーピン先生は狼人間じゃ。だが」

そこまで言って大広間から悲鳴が上がる。ダンブルドアは落ち着くまでゆっくり待った。
静かになるまで10分ほど経過し、続きを話していく。

「続けよう。まず、ルーピン先生は安心できる人じゃ。それに今は改良型脱狼薬が存在している。これがある限り満月の夜でも狼人間が変化することは無くなった。それでも狼人間に対する世間の風当たりは依然強い。だからこそこれからの魔法界を作っていく諸君らにはそういった偏見を無くしてもらいたいのじゃ。まずはルーピン先生の授業を受けてはくれんかの。彼が立派な人であることが分かるじゃろう。ではルーピン先生、挨拶をお願いします。」

「やぁ、みんな。こんにちは。ダンブルドア校長が言ったように僕は狼人間だ。だけどここ数年僕は狼に変化したことは無い。もし万が一、狼に変化してしまったらホグワーツを去ることを約束しよう。これはダンブルドア校長や理事たちも了承している。全力をもって闇の魔術に対する防衛術を楽しく勉強できるよう頑張るのでよろしくお願いします。」

そう言って頭を下げる。拍手はほとんど無かった。
その後はプランクの挨拶があったがほとんどの生徒は聞く余裕はなかった。
だが、そうであっても腹は減る。御馳走が出現したからには生徒たちは食べる以外の選択は無くなり、先ほどまでの気持ちも幾分か解消されるのだった。

宴も終わり生徒たちはそれぞれの寮に行く。レオも久々の研究室に入る。やはりここは落ち着く。他の生徒も寮に戻るとこのような感覚なのだろうかと考える。
レナード・テイラーの三年目のホグワーツ生活が始まった。



タイトルから消失したハリー・ポッター、原作同様失神しております。

予言については本作では一番可能性の高い未来を伝えているので、必ずしもそうなるとは限りません。同じ預言者がした予言では後の方がより精度が高くなる設定です。
レオはハリーの後に生まれているのでハリー関連の予言は大分狂うことになります。

・レオが使った守護霊の呪文
守護霊は姿が変わるし、対吸魂鬼ぐらいにしか使えないなら武器の形の方がいいんじゃないか? ということで銃に改造。人には効果はないが吸魂鬼は一撃必滅。実は他の使い方もあるがそれはそのうちに。

・幸福薬
純白の滅茶苦茶甘い粘度のある液体。イメージは練乳。
飲むと吸魂鬼の影響を即座に回復+耐性付与。更に守護霊の呪文の成功率UP。
何もない時に飲みすぎると多幸感が強すぎて中毒症状が出る。

・怒るレオ
ハーマイオニーが害されたためいつもより冷静さがなくなる。
もしハーマイオニーが止めてなかったら吸魂鬼は全滅してた。


・新教師
魔法生物飼育学は原作のハグリッドの代理だったプランクを採用。
闇の魔術に対する防衛術はルーピン。
レオが脱狼薬を改良したので満月でも変身することが無くなったので狼人間への世間の目も大分良くはなっている。だがまだまだ偏見は強い。
校長としてはこれから先もそれではお辞儀復活時に狼人間を戦力として使われるので、できるだけ偏見を無くしたいのであえて狼人間は大丈夫だとアピールするためカミングアウト。

では次回お楽しみに。


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36. 新たなる授業

ハリー・ポッター原作なのにハリーはモブ同然。
ハグリッドは逮捕されるし、賢者の石の罠は鬼畜だし、オリ主が教師するしで、
自分で書いててとんでもない話になってるなと思った。
でもこれからもそんな話が続くんだと諦めた。

では36話どうぞ。


始業式の翌日から例年通り授業が始まる。レオは今年から選んだ魔法生物飼育学、占い学がはじまるのが楽しみだった。
初日はその二つはなく変身術、呪文学、魔法史だった。一年ぶりの授業であったが、問題なく終わった。やはり魔法史は研究のまとめをするにかぎる。
翌日はプランク教授の魔法生物飼育学を受講することとなる。周りから良い評判を聞いていたが、実際に授業を聞くと評判が正しいと分かる。まず、魔法生物とは何か、飼育方法や危険性、有用性などをしっかりと教えることから始まった。プランク教授曰く、

「知識なくして実戦なし! この授業では座学もしっかりやります。魔法生物と触れ合えて楽しそうなんて気持ちでいる生徒はいつか怪我をします。まずは魔法生物について正しい知識を身に付けてからです。そうすれば高学年になればユニコーンにも触れることができるようになるでしょう。」

それからは簡単な魔法生物をプランクが連れてきて生徒に見せた後、実際にも生徒にも取り扱わせる。しっかりと注意点を教えていたため問題なく授業は終わった。魔法生物飼育学は人気の授業の一つとなるまでそう時間はかからなかった。


対して、占い学の評価は低かった。
レオが初めて占い学の授業に出るとその評価も納得するしかないものだった。
まず、場所が悪い。北塔の一番上にあり移動するのもめんどくさい。教室内はシェリー酒の匂いが充満しているので適切とはとても言えない。だが、担当の教師に比べればこんなことは些細なものであった。
占い学の担当のシビル・トレローニーは瘦せていて大きな眼鏡をかけたトンボのように見える女性だ。

「占い学へようこそ。あたくしがシビル・トレローニーです。騒がしい俗世におられるみなさんとはあまり会う機会はありませんでしたね。あたくしの心眼は俗世にいると曇ってしまいますの。」

教室内の生徒たちを見渡しながら、霧の彼方から聞こえてくるような声で話を続ける。

「占い学は魔法学問の中で最も難解なものですわ。初めにハッキリさせておきましょう。未来を見通す才が無いものには、教えることはほとんどありませんのよ。書物ではある程度のことしか教えられませんの……。」

その後はお茶の葉を読むことになるのだが、レオとしてはがっかりの内容だった。トレローニーは確かに普通と違う魔力が体内にあるのが視える。だが、生徒たちの未来を予言している時にその力を全く使っていない。そのくせ本心から自分が才能が有ると思っている。おそらく彼女が力を使う時は本人でも気づかない時に何かしらの条件が必要なのだろうが、それを見ることができるのがいつになるかは分からない。
トレローニーがレオに死の予言をしてくる。レオは聞き返す。

「死とは具体的にどのような原因で起こるのでしょうか? 病気、事故、誰かに殺される。それとも別の何か? 未来が分かっているのなら対策をしますので教えてもらえないでしょうか?」

「未来とはあやふやで曖昧で不透明なものですわ。ゆえにあたくしはあなたが死する運命であるとしか告げれませんの。」

そうはいっているが特別な予言をしているようには視えなかった。
レオは占い学、というよりはシビル・トレローニーに見切りをつけた。今後は占い学の授業に出ることは無いだろう。無駄な時間を過ごすよりは研究をした方が良いに決まっている。


翌日には闇の魔術に対する防衛術の授業だ。昨年は教師として授業を行っていたレオとしては生徒として授業に出るのが何だか新鮮であった。
リーマス・ルーピンが狼人間であることはホグワーツから保護者にすでに連絡が行っているためダンブルドアとホグワーツに対して非難も来ていたが、世論的には徐々に人狼への差別がなくなってきているのと、ルーピンが何か問題を起こした場合はルーピンの解雇とダンブルドアの校長職を辞職することで一応は収まっている状況だ。
教室内に入るとルーピンはまだ教室には来ていなかった。今のところルーピンに問題があったなどと言う話は聞こえてこない。むしろ良い評判が多いほどだ。生徒たちが教科書などを準備しているとルーピンが入ってくる。

「おはよう、みんな。教科書は必要ないから鞄にしまってしまおうか。 他の寮から聞いているかもしれないけど、今日はいきなりだけど実習をしよう。杖だけあれば大丈夫だよ。」

狼人間の先生といきなりの実習、かなりの生徒たちが不安を覚えているようだ。
案内されたのは職員室だ。中に入ると篩箪笥が置かれているが、時折ガタガタと揺れている。不安を覚えた生徒が質問をするとルーピンは落ち着いて返答した。

「大丈夫、心配ないよ。中にはまね妖怪のボガートがいるだけだ。」

それからルーピンはボガート説明をし、問題を出していった。

「これからみんなにはボガートと対峙してもらう。一人ずつだ。複数人で相手するとボガートが何に変身すればいいか混乱しておかしな結果になってしまうからね。ボガートを退散させるのは簡単だけど精神力が必要になる。退治させる呪文はこうだ、私に続いて言ってみようリディクラス(ばかばかしい)。」

生徒はルーピンの言った呪文を繰り返す。

「うんうん、とっても上手だ。だけどね、本当に必要になるのは呪文じゃなくて笑いなんだ。さっきの呪文だけじゃ意味がない。君たちがボガートの相手をすると一番怖いものに変化するだろう。リディクラス(ばかばかしい)を唱える時にその怖いものを滑稽だと思えるものに変化させるようにイメージしながら唱えるんだ。そうすればその通りボガートが変化するはずさ。ちょっと時間をとるからみんな怖いものとそれをどうおかしくさせるかイメージするんだ。そしたら順番にやってみよう。」

生徒たちは各々考え始める。レオも考えるがいまいち怖いものがイメージできなかった。順番になれば自然と変わるからその時に対処すればいいかと結論した。
それから順番に一人ずつボガートの相手をしていった。巨人、蛇、死体、得体の知れない何か等々色んなものに変化していくボガート。レオの順番になり前に出る。
ボガートは形を変化させよとぐにょぐにょ蠢いていたが、最終的に五十センチほどの正体不明の球体になり動きを停止した。皆がアレがレナード・テイラーが恐怖する存在なのかと疑問に思っていた。
レオだけはこの結果の原因が分かった。

「なるほど、『遮断』でこちらの思考を読めなかったのか。だからこれがボガートの真の姿なのかな。」

レオが球体を掴もうとすると飛んで逃げてしまった。

「すいません、ルーピン先生。逃げられてしまいました。」

「あー……、うん。貴重なものを見れたし問題ないよ。さて、そろそろ授業も終わりだ。次回までに今回の感想とボガートについてレポートを作成するように。では解散!」

魔法生物を使った実習は生徒たちの心をうまくつかめたようでルーピンに対しての印象も良くなったようだ。

「レナード君はちょっと残ってくれるかい? 少し話があるんだ。」

呼び止められたレオはルーピンに連れられて彼の私室に案内された。
中に入った途端ルーピンはレオに頭を下げてきた。

「ずっとお礼が言いたかった……! ありがとう! 君の発明した改良型脱狼薬のおかげで僕は、僕たち狼人間はあんな思いをせずに済んでいる。感謝してもしきれない!」

「顔を上げてください。別にお礼を言われるために開発したわけじゃないですし、あの薬はまだ未完成です。」

それでも顔を上げず感謝を続けるルーピン。ついには何でも言うことを聞くなんて言葉まで出てきた。

「はぁ……。そこまで言うなら一つ研究に協力してもらいましょうか。」

「君の助けになるなら何でもやるよ! 何をすればいい!?」

「ちょうど協力的な狼人間がいるので改良型脱狼薬を更に発展させましょう。ルーピン先生、人に戻りたいですか?」

その言葉に絶句するルーピン。しばらくしてようやく言葉を発した。

「……そ、そんなことが可能なのかい……? もちろん人間には戻りたい! こんな化物なんて嫌だ……。」

「では、研究に協力してもらえるということでよろしいですね。と言っても血液なんかのサンプル提供だけしていただければいいんですけどね。」

「もちろんだ! 死なない程度になら持って行ってくれ! 完成までどのくらいかかると考えているのかい? 5年、それとも10年?」

「できれば、今年中ですかね。まぁ、他に優先することができたら後回しになりますが良いですか?」

「そんなに早くできるものなのか……? わ、分かった。もちろんこちらとしては異議は無いよ。」

研究室に戻って脱狼薬を改良した時の資料を引っ張り出す。今から五年ほど前に作ったものだから今見直すと色々と不出来なものだ。
今年のレナード・テイラーの目標が一つ決まった。脱狼薬を完全なものにすることだ。



ハグリッドがいないだけで魔法生物飼育学がとっても平和。

占い学はトレローニーが最初からトランス状態になってたらレオの見方も変わったでしょうね。

逃げたボガートは怖がらせなかった悔しさから進化しました。
現在はマグルの研究者を怖がらせる生活をしていて満足してます。
研究者からは「おおこわいこわい。」と言われてる。
ごめんなさい、嘘です。

ルーピンはレオに対してかなり信奉してます。
レオとダンブルドアどっちに味方する? と問われたら迷わずレオを選ぶぐらいには。

脱狼薬→変身するが理性は残る。
改良型脱狼薬→理性もそのまま人の姿でいられる。
その先の薬→狼人間から人間に完全に戻る……予定。

では次回お楽しみに。



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37. ペット

みなさんはホグワーツに連れて行くペットは何が良いですか?
私は猫です。というか選択肢が少なすぎな気がする。

では37話どうぞ。


10月の最初の休日。いつものようにレオの研究室に来ていたハーマイオニーは荒れていた。

「まったく! ロンったら話を聞かないんだから!」

「落ち着きなよ、ハーマイオニー。どうしたんだい?」

ハーマイオニーが言うにはクルックシャンクスがロンのペットのネズミのスキャバーズを執拗に狙っているらしく、それが原因で新学期になってから喧嘩が頻繁に起こるらしい。
それだけでなくなぜかレオについての不満や暴言、さらにはハーマイオニーにグリフィンドールなのだからレオに近づくなとまで言っているらしい。
そして今日、とうとうスキャバーズが行方不明になってクルックシャンクスが食べたと断定したロンが魔法を使って攻撃しようとしたため、ハーマイオニーが逆にロンを吹き飛ばして減点されてしまったらしい。

「確かにクルックシャンクスがスキャバーズを狙ってたのは悪いと思ってるのよ。でもこの子は賢いんだから何か理由があるはずよ! それに食べたって決めつけて呪ってくるなんて本当に最低だわ! 減点されてしまったけど後悔はしてないわ!」

「ふむ……。クルックシャンクスが他のネズミを狙ってたことはあったかい?」

「んー……。多分ないと思う。でもどうして?」

「クルックシャンクスはニーズルの血が入ってるからスキャバーズから何かを感じ取ったのかもしれない。それが何であるかは直接視ないことには分からないけどね。」

(それにしても、たかだかネズミや猫一匹に大騒ぎだなぁ。ハーマイオニーにいたっては減点しても後悔無しとまで……。)

「ハーマイオニー、ペットってそんなに良いもの?」

「そうねぇ……。万人全てがそういうわけじゃないだろうけどいると色々と良いわね。愛情を与えれば懐いてくれるし、魔法には無い癒しをくれるのよ。この子の場合は賢いからたまに探してた羽ペンなんかを見つけてくれたりね。いっそレオも何かペットを飼ってみたら?」

「確かに飼ってみなければそういうのは解らないものだね。でもホグワーツで許可されているのはフクロウに猫、ネズミ、蛙……。どれもしっくりこないな。……そうだ。魔法研究という名目で何か創ろう。」

「それ大丈夫なの? 確か新しい魔法生物の創造は法律で禁止されていたと思ったけど。」

「有用な魔法生物という名目で魔法省に許可を取っておくさ。まぁ、許可が得られなかったら諦めるよ。せっかく魔法省とは色々と仲良くやっているしね。というわけでハーマイオニー、血もしくは髪の毛でもいいや、ちょっと貰ってもいい?」

「えっと……。何に使うのかしら?」

「ん? ペットを創るのに人間の一部を使おうかなって。自分の一部を使ってもいいんだけどそれじゃあなんだかペットじゃない気がしてね。ハーマイオニーが嫌なら誰かから適当に貰ってくるよ。」

ハーマイオニーは久しぶりにちょっと頭のねじが外れたレオの行動を見た気がする。でもそういうところも今では好意的に感じる。それに自分の一部がレオのペットに使われるのも悪くない気持ちだ。他の人間が利用されるくらいなら自分の一部の方がよっぽどいい。

(私も大分おかしくなってる気がする……。でも別に嫌じゃないし好きなんだからしょうがないよね。)

ハーマイオニーは髪の毛を一本抜いてレオに渡す。
この一本が後々あんな影響を及ぼすとはハーマイオニー、そしてレオは想像していなかった。


数日後。
レオは一メートルほどの水晶でできた培養槽の前にいる。
魔法省とホグワーツから新魔法生物の創造の許可は得ることができた。魔法省には「家庭で簡単に飼えてなおかつ闇の魔法からも守る役立つ生物の創造」という名目で許可を取った。
培養槽の中はレオが造った賢者の石から得た命の水で満たされている。そこに去年手に入れたバジリスクと一年の時のハグリッドが持ち込んだドラゴンから造った合成単細胞を投入する。
ちなみにハリエットと名付けられたドラゴンは今ではかなり大きくなっている。最初はレオ特製の首輪で大人しくさせていたが、今では首輪がなくとも誰が主人か解るようになったのか簡単な命令には従うようになった。校長の許可を取ってたまに禁じられた森の上空を飛ばして運動させたりもしている。これもペットと言えるかもしれないが、レオの目的はすでにペットを飼うというより新しい生物の創造になっていた。

命の水に入った細胞は増殖を始める。そこへハーマイオニーから提供してもらった髪と賢者の石を守っていたケルベロスに使った知性を上げる魔法薬の改良品も合わせて加える。この改良品は知性を上げるだけでなくあらかじめ特定の情報や命令を生物に組み込ませるためのものだ。薬が強すぎるため普通の魔法生物には使えないが命の水の効果とドラゴン、バジリスクの生命力ならば問題ないだろう。そして仕上げに賢者の石の極小結晶を添加する。
後はこの培養槽の中でどのように育つか楽しみにしていよう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

レオがペットを創ると言って数日が経過した。
私が研究室を訪れる。もうすでにレオからの許可を得なくても自動で研究室に入る許可を得ているので、どんな時でも自由に出入りしている。今日も特に用事があるわけでは無いがレオに会いたいという気持ちだけでここに来ている。

「レオは……いないのね。残念。帰ってくる前に紅茶でも用意して待ってましょうか。」

お茶の準備を進めていると一緒に連れて来ていたクルックシャンクスが何かを見つけたのかニャーと鳴き始めた。

「どうしたの? 何かいた?」

クルックシャンクスのそばに行くとそれはいた。
半透明で単眼のサッカーボールほどの大きさの生物? だった。見たこともないものだったが形状はいつか図鑑で見たアメフラシの様な感じだ。プルプル動きながらクルックシャンクスを見つめている。クルックシャンクスも見つめ返しているが警戒している様子はないから危険なものではないのだろうか。仮に危険なものだったらとっくに研究室から排除されているはずだ。とりあえずクルックシャンクスは抱えて避難させておこう。
謎生物はこちらに気付くとクゥクゥと鳴きながらゆっくり近づいてきた。
思ったよりも気持ち悪いとかいう感情はなく、愛らしく感じている。
とりあえず、言葉は通じるか解らないが話しかけてみる。

「こんにちは。あなたはだぁれ? どこから来たの?」

「クゥ? マー? マー!」

なんだか赤ちゃんを相手にしているみたいだ。手で触れてみると人肌ぐらいの温度でプルプルした質感、でもべたつくことは無かった。この子がレオが創造しようとしていたペットなのだろうか。触ったり持ち上げたり色々としていると何となくだが喜んでいるのが分かる。

「ママ! ママ!」

「え? ママ?」

(相当懐かれてしまったみたいね……。というか喋れるのね。)

そうしているとレオが帰ってきた。私とこの子を見つけると少し驚いたみたいだ。

「クー。こっちに来なさい。」

その言葉でクーと呼ばれたこの子が形状を蛇のように細長く変えてレオの腕に絡みついた。

「まったく、好奇心旺盛だな。とりあえず培養槽内に戻ろう。外は楽しかったかい? ハーマイオニーちょっと待ってて。」

しばらくしてレオが奥の部屋から戻ってくる。
二人で紅茶を飲みながらさっきの生き物について話している。

「驚かせちゃったかな。さっきのが僕が造った魔法生物、名前はクー。クゥクゥって鳴いたからっていう単純な理由で付けた。まだ成長途中の幼体だね。でも好奇心旺盛でたまに培養槽を飛び出して研究室内を見て回っているんだ。」

「レオが造るペットだからもっとすごいのを想像していてけどちょっと予想外だったわ。あの子喋れるの? あと私のことをママって呼んでたけど。」

「うん。喋れるしうまく成長すれば僕の手伝いをできるぐらいにはなる予定、魔法も使えるはずだ。ハーマイオニーのことをママって呼んだのは初めて会った僕以外の人間だから刷り込みと、以前提供してもらった髪が影響してるのかもね。」

「なるほどね。あの子は私の分身みたいな感じなのね。最終的にどんな感じの生物になるのかしら。」

「姿かたちは自由自在だからクーが気に入った形になるんじゃないかな。僕の予想では一週間ほどで培養槽から出して成長できるようになると思うよ。」

その後はいつものように魔法について話したりして時間を過ごしていった。
その一週間後あんなことになるなんて私もレオも想像していなかった。



ペット創造回でした。

スキャバーズ(ピーター)逃亡。
原作より早い。クルックシャンクスに捕まる→レオに発見→終了の為、必死に逃げてます。
ロンがレオについてまで不満なんか言っているのは失恋からまだ立ち直っていないため。喧嘩後はいつも自己嫌悪している。徐々には立ち直って精神的にも成長中。


新キャラのクーについて解説
ドラゴンとバジリスクの特性を付加した単細胞魔法生物に人間の遺伝子を組み込んで創造。
群体型生物で姿形は自由自在。現状はまだ赤ん坊。知性向上剤と命の水で成長は早い。
体液は命の水:竜の血:バジリスクの血=2:1:1の割合。体中に極小賢者の石を内蔵。
成長に従い解説を入れていく予定です。

では次回お楽しみに。


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38. 隠し子騒動

三連休なんでちょっと早めに投稿。

では38話どうぞ。


10月第二週。

レナード・テイラーの研究室は奥に行くほど危険で貴重なものが保管されている。
研究室の奥から二番目の部屋。
ここではレオが造った新たな魔法生物のクーは順調に育っていた。今の大きさはすでに7~8歳程度の子供並みに育っている。

「それじゃあ、クー。僕は授業に行ってくるから。明日にも体が安定してそこから自由に出られると思うからもう少しの辛抱だね。」

レオが研究室を出ていく。クーは培養槽の中を漂いながら考える。

(お外はどんなのかなぁ? 知識は知ってるけど見たことない……。見たいなぁ。出ちゃおうかな。ご主人は許してくれるよね? うん、行こう!)

外への好奇心に逆らえなかったクーは培養槽を飛び出す。半透明の体を取り込んである人間の遺伝子を参考にして姿を変える。魔法で子供用のローブを作って着て研究室の外へ飛び出した。

「しゅっぱ~つ!」

ホグワーツ内は研究室内では見たことのないものばかりでワクワクしっぱなしのクー。
ゴーストを見たり動く階段や絵画を眺めたりしながら校舎中を歩き回った。見るものすべてが新鮮であった。
だが無計画に歩き回った結果、迷子になるのは必然であった。

「どうしよ? ご主人はどこだろ? でもご主人に見つかったら怒られるかも……。お腹もすいた。」

現在授業の真っ最中なので廊下には生徒や教師の姿は見えない。あてもなく歩いているとなんだか安心させる匂いを感じた。とりあえず直感でその匂いの元に行くことに決めた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私はホグワーツ魔法魔術学校、グリフィンドール所属三年生。ハーマイオニー・ジーン・グレンジャー。現在14歳。今は変身術の授業を受けているところ。いつものように担当のマクゴナガル先生の言葉を一言一句聞き漏らさないように集中していた。そんな何も変わらない同じような授業中だった。
それがいきなりの乱入者によって混沌としたものに変わるとはその時の私には予想などできなかった。

「ここかな?」

教室の扉が開けられ誰かが入ってくる。マクゴナガル先生もみんなも一斉にそちらを見る。
そこに立っていたのは真っ白な少女だった。純白のローブに白銀の髪、肌もかなり色白だ。目だけは緑であり白の中でかなり異質な感じであった。
全員が頭に疑問符を浮かべている。

(((誰だ? あの子?)))

その疑問ももっともだった。他の寮の下の学年だから見たことが無いとかそういう話ではない。明らかに幼すぎる容姿だ。まだ10歳にも満たないであろう。

「あなたはどなたですか? 誰かに連れてきてもらって迷子にでもなりましたか? 名前は? 保護者は誰ですか?」

マクゴナガル先生はやさしく白い少女の相手をしている。白い子は質問には答えず、教室内を見渡している。

(あ、目が合った。)

目が合った途端、少女の顔が喜びに変わった。私を指さして驚愕の言葉を放った。

「ママ!」

「「「ママ!?」」」

みんなが私を一斉に見る。私は放たれた言葉の衝撃から混乱してどうしていいか分からず固まってしまった。少女はそんなことお構いなしに私に近づいてきて抱き着いてくる。混乱はますますひどくなる。

「グ、グレンジャー! その子はあなたの子なのですか!? 相手は誰です!? いえ、そもそもその年で子供など……! ダメ、ダメですよ、グレンジャー!」

マクゴナガル先生もかなり混乱している。その様子を見て私は少しずつ平静を取り戻していった。自分より取り乱した人を見ると落ち着くというのは本当のようだ。

「あなたは誰なの? 名前はなんていうの?」

「ママ、わたしだよ。クーだよ。えっとね、探検してたら迷子になっちゃって……。ママの匂いがしたからここにきたの。」

「クー? えっと、まさかレオの?」

あの小さなプルプルの半透明な謎生物がこの子? にわかには信じられなかったが、ここは魔法学校で造ったのはあのレナード・テイラーなのだ。何が起こってももはや驚かないと思ったが、レオは私の想像をいつも容易く超えてくるなぁ……。
呑気にそんなことを思っていると、レオの名を出したのがまずかったのか、周りは更に混乱していく。

「今、レオって言った? やっぱり相手はレナード・テイラーなのね!」
「キャー! 二人ともおめでとう! 式はいつになるの?」
「後で色々と詳細を。後々の参考にするわ。」
「その前に相手探しじゃないの?」

「くそっ! やっぱりテイラーかよ。」
「というか子供だとして大きすぎないか?」
「どうせ魔法や魔法薬じゃないか? 何でもありだろあいつ。」
「ロンがショックで気絶した!」

女子も男子も言いたい放題だ。何人か無視できない発言もあるが気にしたら負けだろう。レオの魔法云々については否定できない……。
マクゴナガル先生も混乱しっぱなしだし、どうしよう……。でもこれ以上は何も起こらないよね?
そんな私の淡い希望も次に教室に入ってきた人物を見た瞬間、木端微塵に吹き飛んだ。

「授業中失礼します。こちらに見知らぬ生き物が乱入してきませんでしたか?」

私の想い人、レナード・テイラーの登場です。
教室内はますますヒートアップ。マクゴナガル先生はレオに詰め寄って何か見当違いな説教を始めるし、逃げたくなってきた。

「ご主人!」

私に抱き着いていたクーちゃんがレオを見つけると背中からドラゴンのような翼を出してレオに飛んで行った。私を含めたレオ以外の全員がそれを呆然と見ている。あれだけ騒がしかったのが嘘のように静まり返っている。

「ご主人! お腹すいた! ごはんまだ?」

「クー、勝手に出歩くなんてダメじゃないか。培養槽に感知魔法を設置しておいて良かった。それにしても、もう人型になれるなんて予想以上の成長だな。とりあえず、研究室に戻るよ。ご飯は説教の後でね。」

そう言って二人は教室を出ていこうとする。

「「「「ちょっと待った!!!」」」」

教室内の全員から待ったがかけられた。いくら何でも説明なしは無理だった。
それからレオによるクーちゃんの説明が始まった。
と言っても細かい魔法生物や魔法薬の理論、レオ独自の魔法、更には賢者の石まで出てくるのでとてもじゃないが理解が追いつかなかった。

「ミスター・テイラー。申し訳ありませんが、簡単に事実だけ教えてください。この子供は何なのですか?」

「僕が造った新しい魔法生物です。」

「それがなぜミス・グレンジャーのことをママと呼んだのです。」

「ハーマイオニーに素材として髪を提供してもらったのでその影響かと思われます。」

「そうですか。はぁ~……。今日は疲れました……。この子が勝手に授業中に入ってきたのでその分の監督責任としてレイブンクロー5点減点です。今日は授業にならないでしょう。授業内容をレポートとしてまとめて提出すること。以上です!」

レオとクーちゃんは研究室に戻っていった。なんか周りから視線を感じる。

「相変わらずテイラーはぶっ飛んでるな。子育て頑張れよ、ママ!」
「未来の旦那との子供の練習にはいいんじゃない?」

みんながふざけてこんなこと言ってくる。
ま、まぁ確かにレオとは恋人になって……、ゆくゆくは結婚も……。
子供も欲しいし、そう思えばクーちゃんも私のDNAが入ってるんだから私の子供よね?
……よし!

「私、頑張るわ! クーちゃんを立派に育ててみせる!」

みんなからまさか本気にするとは……って雰囲気を感じるが気にしない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それからのレナード・テイラーのそばには白い少女、クーが付いていくようになった。皆がレナード・テイラーが造った魔法生物に興味津々であった。
たまに一人でいるクーを見かけた生徒はその様子を微笑ましく観察したり、弟や妹がいる生徒たちは一緒に遊んで可愛がるようになった。
一気にホグワーツのアイドル的な存在にまでなってしまったクーであった。

クーも色んな人や物を見て、触って、食べて、経験を積むことで順調に成長していった。
レオももちろん愛情をもって接しているがやはり多くのことを経験させるためクーのやりたいようにさせている。
そしてやはり近しい存在なのかハーマイオニーのことをママと呼んで一番懐いていた。その様子から14歳にしてすっかりママ扱いに慣れてしまったハーマイオニーなのだった。



ハーマイオニーはママになりました。
レオのことは創造主として認識≠パパです。

クーは性別は無いんですがハーマイオニーの髪の影響で少女型となりました。
まだまだ成長途中なのでこれからどんどん性能が明らかになります。今は体の形を変えたりドラゴンの翼を出したり簡単な魔法を使えるぐらいです。
そのうち登場人物紹介みたいの作って詳細や裏設定を明かすかも?

では次回お楽しみに。


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39. ホグズミードデート

お気に入り登録数が投稿時点で5700、UAは40万超えてました!
どのくらいなのかと調べたらお気に入り数原作ハリー・ポッターでトップ5に入っているだと……?
これはエタることは許されませんな。

では39話どうぞ。


10月も後半に入った。
ホグズミード村はイギリスで唯一の魔法使いしかいない村だ。
三年生以上は保護者の許可を得れば休日にホグズミードに行くことができるようになる。
もちろんレオとハーマイオニーも許可は得ている。

今日のホグズミードには二人で一緒にお出かけだ。俗に言うデートというやつではあるがレオとしてはハーマイオニーに誘われたから出かけるぐらいの感覚であった。
対してハーマイオニーは必死で落ち着こうとしていた。

(落ち着くのよ、ハーマイオニー・グレンジャー。いつも通り、いつも通り。一緒にホグズミードを回っていろんな店に入ってショッピングをしたり、食べたりするだけじゃない。今までもダイアゴン横丁やマグルの町でやってきたじゃないの! ……デートって意識するだけでこんなに違うものなのね。)

そろそろ時間だ。寮からレオの研究室に向かう。

「ママだ!」

その途中でクーと遭遇する。この頃は前より成長しているからなのか落ち着いているように感じる。

「おはよう、クーちゃん。どこ行くの?」

「図書館! 本をいっぱい読んでご主人の助けになれるように成長するんだ!」

ハーマイオニーの遺伝子が入っているせいなのか随分と知識に貪欲に成長している気がする。クーと別れて改めて研究室に向かう。一歩進むごとにハーマイオニーの心臓の鼓動も比例して速くなってきた。

「おはようレオ! 今日は絶好のデート日和ね!」

扉を開けると同時に挨拶&デート宣言。もちろんデートだなんて言うつもりはなかった。テンパったせいでつい思っていたことが口から出てしまった。

「おはよう、ハーマイオニー。じゃあ、さっそくデートに出かけるとしようか。」

レオは気にした様子もなくデートという言葉を使ってくる。ハーマイオニーとしてはその様子が少し気に入らない。

(もうちょっと何か感じて欲しいわね。ま、レオらしいと言えばそうなんだけど。)

気を取り直してホグズミードへ出発することにした。

ホグズミードに到着した二人はまずは一通り歩いてみることにした。
人気のパブ三本の箒、悪戯専門店ゾンコ、お菓子の店ハニーデュークス、ダービッシュ・アンド・バングズ魔法用具店、等々。
最初ということでとりあえずハニーデュークスで色々なお菓子を買うことにした。

「おお、マグル製のお菓子まであるのか。魔法界のお菓子は奇抜なのが多く面白いけれど、純粋な美味しさではマグルの方が洗練されていると感じるね。マグル出身のハーマイオニーとしてはやっぱり魔法界のお菓子は変に見えたのかな。」

「そうね。動くし、変な味がしたりとんでもない効果が出たりで最初は驚いたわ。どっちのお菓子にもいいとこがあっていいんじゃないかしら。」

二人でおすすめのお菓子やクーへのお土産を購入して次の店に向かった。
ホグズミードは小さめな村だったが今日はホグワーツ生が多くいるため混雑していた。人込みから抜け出した二人は人気だと聞いたパブ、三本の箒で休憩することにした。
席に着くと店主のマダム・ロスメルタが注文を取りに来た。

「あら、初めて見る顔ってことは新しい三年生ね。何にする? おすすめはバタービールよ。」

「では、バタービール二本お願いします。」

注文を取るとすぐバタービールが運ばれてきた。乾杯をして口に含む。ビールという名ではあるがそれは見た目だけで甘く体の芯から温まるものだった。

「うん、おいしいね。気に入ったよバタービール。」

「私も! 寒い時にはこれが欲しくなっちゃいそうね。」

その後も話が弾む。いつものように二人は魔法のことから他愛のない話、今日の夕食の予想等々会話を楽しむ。

「場所が変わってもこうやっているだけで満足だね。どう、リラックスできたかな?」

「……うん、そうね。なんか出発前にデートって言っちゃったせいで変に緊張しちゃってたみたい。私、別にデートでも何でもいいみたいね、あなたが一緒なら。これからも一緒に出掛けてくれるかしら。」

「もちろん。……ああ、重要な案件がなければっていう前提があるけどね。」

「もう。そこは『何をおいても君を優先するよ』ぐらい言ってもいいのよ?」

二人は笑い合い会話を続ける。
それを見ていたホグワーツ生の反応は様々だ。

「信じられるか? あいつらあれで付き合ってないんだぜ?」
「なら俺にもチャンスが……!」
「ないない。」
「いつ付き合い始めるか賭けるか?」
「正直、テイラーの予想ができん。あいつなんであんなかわいい子と一緒で平然としてるんだ?」
「マダム・パディフットの店に行けよ……!」
「このバタービール甘いんだけど。あ、いつもか。」
「残念だったわね。今出したのは砂糖抜きよ!」
「なん……だと……!?」

三本の箒は今日も盛況である。

門限までの残り時間は三本の箒ですごした。これから卒業までの間にゆっくり残りの店は見て回ることにしたのだ。

「今日は楽しかったわ。これからどうする? 夕食にする? それともいったん研究室に戻るの?」

「うーん、いったん戻ろうかな。クーも一人だろうしお腹すいてるだろうから一緒に食べようかな。」

研究室の扉を開ける。そこには

「お帰りなさいませ、レナード様、お母様。」

メイド服を着た白い少女が立っていた。
ハーマイオニーは反射的に扉を閉めてしまった。

「レオ? 今の誰?」

「え? クーだよ。今日は成長したなぁ。」

「いやいや! 成長って度合いを完全に超越してると思うのだけど!」

「そうかな? 僕の想定ではあり得ることだと思っていたけどね。」

改めて扉を開ける。やはりメイドとしか形容しようがない存在がそこには立っていた。
身長から推定するに大体レオやハーマイオニーと同年代の少女に見える。だが、特徴的な緑の目や白い髪は小さいクーのままである。付け加えて言うならばとびっきりの美人である。

「ただいま、クー。今日は大きくなったね。」

「ただいま……。ねぇ、あなた本当にクーちゃんなの?」

「はい。わたくしはレナード様に造られたクーです。証拠をお見せしましょう。」

そういうとメイドは服ごと姿をグニョグニョと変形させる。形が整うといつものように白いローブを着た小さなクーに変わっていた。

「はい! 変身完了! ママ、ビックリした?」

唖然とするハーマイオニーをよそにレオはその様子を観察する。

「なるほど。記憶は継続、しかし人格のようなものは形態によって異なるって感じかな。体積が大きいほど細胞数が増加するからその分知能レベルも上昇するといったところか。クー、もう一度さっきの姿に戻れるかい?」

「了解、ご主人!」

再び姿をメイドにするクー。自身のペットの成長に満足気味なレオだったが一つ疑問がある。

「そういえばなんでそんな格好なんだい?」

「よくぞ聞いてくれました! わたくしは偉大なるレナード様に造られた新しい生物です。その役目はレナード様の役に立つこと。ゆえに小さいわたくしは学びました。今日も図書室で色々な本を読みました。屋敷しもべ妖精のことやマグルの貴族に仕える者たち。そこである結論に達したのです。主人に尽くすならばメイドが最適であると! 急ぎ研究室に戻ったわたくしは自身の体の大きさが適していないことに気が付きました。適切な体にならなければと思ったらこのように変化しておりました。」

「ふむふむ……。意識が体に影響したか。それならば仕込んでいた術式が発現するには条件が厳しいかもな。うん、とりあえずは今まで通り過ごしてくれ。何かあればこちらから命令を出すよ。さて、ハーマイオニーいつまで驚いているんだい? 夕食に行こうよ。」

「そ、そうね。クー……さん? ああ、なんて呼べばいいのかしら。」

「今まで通りクーちゃんでも構いませんし、お母様のご自由にどうぞお呼びください。」

「んー……。じゃあ、レオと同じでクーって呼ばせてもらうね。小っちゃい時にはクーちゃん呼びにするわ。」


今日はハロウィンであるので大広間では盛大なパーティーが開かれている。だが今年はかぼちゃ尽くしのパーティーの料理よりも一人の少女に注目が集まっていた。
人間離れした容姿に真っ白な姿。しかもメイド姿なのだから当然だ。そんな存在を横に座らせて平然と食事しているレナード・テイラーに生徒、特に男子が詰め寄った。

「おい、テイラー! その子は一体何なんだ!?」
「君にはグレンジャーさんがいるだろう! 良くないなぁそういうのは。」
「ずりぃぞ。俺にも出会いをくれ。」
「(モテない)男子の敵め! ゆ”る”さ”ん”!」

「皆様、落ち着いてください。レナード様のお食事の邪魔になります。」

「そうだよ。落ち着いて。この子はクーだよ。」

「「「「クーちゃん!??」」」」

「そう。自己進化してこんな風になった。」

「な、なぁレナード、いやレナード君。彼女、クーさんは君が造ったんだよな? だったらもう一人造ることもできるよな?」

「あ! てめぇ自分だけだなんて卑怯だぞ!」

「そうだそうだ! 俺たちだって……はっ!」

男子たちは気づいてしまった。女子たちからの絶対零度の視線を。クーはすでにハーマイオニーを中心とした女生徒たちによって避難させられている。

「サイテー。」

その一言で男子たちは撃沈した。短い言葉には様々な呪詛より強烈な力が宿っていた。だからモテないんだと言葉と視線から感じさせられた。
レオとしては自分の造った生物が美しいと言われるのは嬉しいので満足だった。

ハーマイオニーとのデートやメイドクーの誕生などあったが楽しい休日であった。



書いている自分もこの二人まだ付き合っていないのかと疑問に感じました。

ハーマイオニーはデートでドキドキしてましたが、レオは平常運転です。

クーは成長してメイドになりました。おそらく誰かが余計な事を吹き込んだんでしょう。(双子かな)
成長したクーはかなりの美人設定です。フラーと同格ですかね。
記憶は変身前後で維持してますが感性とかその辺が体格で変わってくる感じですね。
クーはもう一段回変化予定です。

ちょこちょこライダーネタを入れてみました。

では次回お楽しみに。


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40. 襲撃に初観戦さらには乱入

構想ではそろそろアズカバンの囚人も半分ぐらいですかね。
ハグリッドがいない影響でバックビークの件が無いことや
ハーマイオニーが逆転時計を使ってないので話が速く進みそう。

それでは40話どうぞ。


ハロウィンパーティーも終わり各々生徒たちは寮に帰っていく。
女性陣によって男子から引き離されていたクーもレオの元へ戻ってくる。
研究室に戻ったレオは就寝前にクーの状態を細かく調べておくことにした。
皮膚に触れたり、魔法を使って分析を進める。

「うんうん。細胞の状態には変化なし。基本的には小さい時と同じかな。クー、ちょっと体を変化させてみてくれ。」

「かしこまりました。」

クーは腕を伸縮させたり髪の毛を自在に動かす、腕の本数を増やすなどを繰り返す。

「次。魔法を使用。細胞にインプットさせたものを難易度が低いものから順に。」

浮遊、武装解除、麻痺、炎、移動、等々。ほぼ一通りの魔法は問題なく使用可能のようだ。その強度は並みの魔法使いを軽く凌駕している。これもドラゴンやバジリスクの因子による強大な魔力がなせるものだろう。精度についても創造時に組み込んだ改良知性向上剤が問題なく機能しているようで良好な結果だ。

「最後、ドラゴンの翼や鱗、バジリスクの目の再現。」

翼は以前から生成していたので問題なかったが、鱗は強度不足であり並みの魔法ならば防げるが強力なものには無意味だろう。バジリスクの目にいたっては再現ができなかった。

「申し訳ありません……。細胞のスペックを完全に発揮することができませんでした。」

「問題ないよ。成長や能力向上速度は想定よりも速いぐらいだからね。今日はこのくらいにしよう。進化したことで負荷は掛かっているだろうから今日は久しぶりに培養槽で寝ようか。」

「一緒には寝てはくれないのですか……?」

「駄目。それに大きくなったんだから僕のベットには潜り込まれると流石に狭い。」

「それでは寝るときだけ小さくなります!」

体を小さな状態にしてくっついてくる。ハーマイオニーの言う通り愛情をもって世話をすれば懐くのは本当のようだ。
そんな会話をしていると校舎内に魔法で連絡が流れ始めた。

『生徒たちは至急大広間に集まるように! 引率は寮監がします。監督生は談話室に生徒を集めて点呼をしてください。詳細な説明は大広間に集まってから校長が話します。』

「いったい何事かな? とりあえず行くよ。」

「はーい。」

研究室は大広間のすぐそばのためレオとクーは一番乗りだった。
大広間に入ると数人の教師が周囲を警戒していた。
ダンブルドア校長に何があったのかを聞く。

「グリフィンドール寮の入口の太った婦人の肖像画がシリウス・ブラックによって切り裂かれておった。今もこの校舎内にシリウス・ブラックが潜伏している可能性もある。生徒の安全のため全員をここに集めて守護するつもりじゃ。」

それを聞いたレオは正直なところ、『何だそんな事か。』という感想しか出てこなかった。凶悪な殺人犯であろうとも昨年のバジリスクより恐ろしいものであるとも思えなかった。

「研究室に戻ってもいいですか? 正直ここより防衛能力は格段に上だと思うのですけど。」

「そうじゃな。レオの研究室なら逆にシリウス・ブラックが捕まる可能性の方が高そうじゃ。戻ってよろしい。」

レオとクーは研究室に戻る。ほとんどの生徒は恐怖で眠れぬ夜を過ごしたが、レオだけはいつも通りにぐっすりと眠ることができた。


翌日から数日間は学校中ではシリウス・ブラックの話題だらけであった。どうやって侵入したのか、目的は何なのか、ホグワーツは安全なのか、話題は尽きることが無かった。昨年ほどではないが教師たちも警戒態勢になっており特にハリー・ポッターに対して警護しているように感じられた。シリウス・ブラックの狙いはハリー・ポッターであると誰もが気づいていた。
レオとしてはホグワーツに侵入できるシリウス・ブラックに多少の興味は出てきたが、手段としてはいくらでも考えられたので脱狼薬の改良やクーの成長の方がよっぽど重要だった。

シリウス・ブラックは見つからないままだったが、第一回のクィディッチの試合が近づくにつれ生徒たちの関心はそちらに移っていった。
クィディッチ試合当日は最悪の天候であった。
レオとクーは土砂降りの雨の中観客席で試合を見ている。クー(小)がクィディッチを見てみたいと言い出したのだ。どうも小さい状態ではサイズ相応に子供っぽいのだ。レオもクィディッチを見たことが無かったのでちょうどいいかなと観戦することにした。レオの周辺は魔法で作った雨風を防ぐ透明な天蓋を張っているのでぬれずに済んでいる。競技場全体を覆うこともできるが疲れるのでレオの周囲のみだ。その範囲に入りたいがためにレイブンクロー生たちでちょっとした争いになっていた。争いと言ってもレイブンクロー生らしく知識を競う平和なものだったが。
試合が始まるとクーは最初のうちは競技場内を箒で動き回る選手たちを見て目を輝かせていたが次第につまらなそうにしだした。

「ご主人。なんでいつまでもあの金色のちっこいの見つけられないの? アレ捕まえたら勝ちなんでしょ?」

クーの目にはスニッチが見えているようだ。見えているスニッチを選手たちがいつまでも無視しているように見えるなら確かにそれならつまらなくもなるだろう。
だが、レオはそれ以上にこのクィディッチに興味を持てないでいた。

「みんなは金色のスニッチが見えてないんだろうね。僕としてはこのルールの良さが理解できないな。スニッチなんて最初に見たらどこにどのタイミングで飛ぶか分かっちゃうから、僕にはクィディッチは向かないね。」

試合は一進一退であったがレオとクーはもう帰ろうとしていた。
その瞬間、競技場の歓声や怒号、それに実況までもが一瞬で消えた。何事か辺りを見渡すと100体を超える吸魂鬼(ディメンター)が競技場に集まっていた。

「ご主人。なにあれ、気持ち悪い。」

「クーには影響なしか。人ではないし高い魔力もあるからなのかな。クー、あれは吸魂鬼(ディメンター)というものだ。帰ったら詳しく教えよう。その前に邪魔者は消えてもらおう。」

エクスペクト・パトローナム・ボム(守護霊爆弾)。」

守護霊の爆弾を造り出し上空に放り投げる。爆弾は爆発すると白い光を吸魂鬼(ディメンター)に浴びせる。至近距離にいた吸魂鬼(ディメンター)は消滅し、生き残った吸魂鬼(ディメンター)たちは退散していく。
競技場を見るとグリフィンドールのシーカー、ハリー・ポッターが箒から落ちるところであった。ダンブルドアが助けたが試合はハッフルパフのシーカー、セドリック・ディゴリーがスニッチを掴んだことで勝利していた。セドリックは試合のやり直しのため抗議していたがそれは認められないようだった。

レオとクーは競技場から戻ろうとしたがレイブンクローのクィディッチチームに呼び止められる。

「テイラー、待って! さっきスニッチ簡単に見つけられるみたいに言ってたの聞こえたけど、本当なの!? もしそうならチームに入ってくれないかしら?」

チームのシーカーのチョウ・チャンが興奮した様子で話しかけてくる。

「嫌です。僕の『眼』で開始前のスニッチを見ればどのタイミングでどのように飛ぶか解ります。でもチームには参加したくありません。練習に時間を取られたりするのは嫌ですし、クィディッチの良さも理解できませんでした。それに開始数秒なんかで試合が終了するようなもの楽しいと言えますか?」

レオが『眼』を活用してシーカーをすればスニッチの位置が丸わかりになる。そうなれば必然的に試合は即終了だ。そんなものプレイヤーも観客も楽しいわけがなかった。

「あー……。確かにそれは嫌だわ。分かったわ。私たちの力で勝ってみせるね。」

クィディッチチームと別れて今度こそ研究室に戻る。
クーが不思議そうに聞いてきた。

「ご主人。なんであの人たちはあんなのに楽しそうにしてるの?」

「人が何を楽しむかは人それぞれ、千差万別だからね。僕は魔法研究が好きだけど中には勉強が大嫌いな人もいるしね。そういったこともどんどん学んでいこうね。まぁ、僕もそういう方面はダメだからハーマイオニーに頼った方が良いかもね。」

「分かった!」

レオとクーのクィディッチ初観戦は終了した。



クーは不定形なので腕を伸ばしたり増やすなど造作もないのである。
今は細胞のスペック使いこなせてないが完璧になったらどうなるかはお楽しみに。

クーはよくレオのベッドに入り込んで寝てます。イメージは猫。
流石に大きい状態じゃ狭いので却下。美少女でも自分が造ったペットにはテレも欲情もないレオなのであった。

レオ、クィディッチ初観戦。結果はやはりというか興味なし!
4巻のワールドカップどうしようかな……。

レオの箒の才能はハリーの足元にも及びません。フォイにすら余裕で負けます。
ですが、スニッチを見つけるだけなら開始前に『眼』見て終了。もし開始前に見てなくても空中に走るスニッチの魔法式の残滓から読み取ってキャッチ。
試合即終了なのでとてもつまらないものになります。

守護霊は銃の次は爆弾に。レオの改造次第で大体の物には変わります。

では次回お楽しみに。



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41. 三人でお出かけ

先の話を考えているのが楽しい。
とりあえず炎のゴブレットはほぼほぼ構想は出来ましたね。

これが完結したらどんなのを書こうかなと遠い未来のことも妄想したりしてますね。
ハリポタの東方とのクロスや百合百合な物語が頭に浮かんでます。

では41話どうぞ。


クリスマス休暇の直前。
本日は二度目のホグズミードへの外出許可日だ。
今回はレオとハーマイオニーだけでなくクーも同行している。

「お母様、本当にわたくしがご一緒してもよろしかったのでしょうか? レナード様と二人っきりの方が……。」

「遠慮しなくていいのよ。クーは外に興味があるでしょ。私はクーと一緒で楽しいし、もちろんレオもそう思っているはずよ。」

「僕もクーがいることに何の不満もないね。外の刺激はクーに良い影響があるはずさ。さぁ、行こうか。」

ホグズミードに到着した一行。クーは初めて見るホグワーツの外に興味津々といった感じだ。少し歩くたびに店を見ては目を輝かせ、どんな店なのか聞いてくる。
二人はそれを微笑ましく見守っていた。

「次の店は……、あっ、申し訳ありません。はしゃぎ過ぎですよね……。わたくしはレナード様の為に存在しているというのに、自分ばかり楽しんで。これではメイド失格です!」

「クーがどんなことをしようとも僕としては有益なデータが得られるから問題ないけどね。クーは自分がしたいことすればいいよ。」

「ありがとうございます。ですが、わたくしは細胞の一片、魂の全てにいたるまでレナード・テイラー様のものです。今後はもっと気を引き締めなければ!」

成長してメイドをするようになってからのクーは若干レオの対する忠誠心が暴走することがあるがとりあえずは放置している。小さいクーは天真爛漫、メイドクーはレナード至上主義。これから先、成長を続けたらどうなるかちょっと楽しみにしているレオであった。

一通り見て回ったので昼食にすることにした。前回も訪れたマダム・ロスメルタの三本の箒に決まった。

「いらっしゃい。あら、今回は彼女だけじゃなくて美人のメイドさんまで連れているのね。両手に花なんて案外やるじゃない。」

「こっちのメイドは僕が造った魔法生物で人間じゃないですけどね。まぁ、造った我ながら美しく育っていると思いますね。」

自分の造った魔法生物をメイドにして美しいなんていう趣味だと勘違いし、レオに若干引きながらもテーブル席に案内するマダム。注文はとりあえずバタービールに決まった。バタービールを頼むのはここ、三本の箒では当たり前なのか昼食のメニューを考えていたらすぐに持ってきてくれた。

「「「乾杯!」」」

ジョッキがぶつかるコンッという良い音が響く。レオとハーマイオニーは久々の、クーにとっては初めての味を堪能する。

「クー、どう? おししいかしら? クーちゃんの状態のほうが好みの味だったりするかな。」

「甘くておいしいです! 小さなわたくしも絶対好きになりますね。」

その後に運ばれてきた料理もホグワーツの料理に負けず劣らず美味であった。三本の箒がバタービールだけで人気ではないと分からせるに十分な味付けだった。

「本当においしいですね。もっと料理について学ばなければ!」

「クーは料理の勉強中なのね。私も少しずつ練習してレパートリーを増やしているのよ。今度一緒に何か作らない?」

「是非ご一緒したいです、お母様!」

「じゃあ、僕も一緒に良いかな?」

「レオって料理できるの!?」

「ご存じなかったのですね。恥ずかしながらメイドであるわたくしは主であるレナード様より料理については劣っております。何でも『魔法薬と基本は同じで分量と手順がしっかりしてればできる。』とのことです。」

ハーマイオニーは驚愕の表情でレオを見る。魔法や勉強以外でレオに負けていると知ってショックを受けている。

「流石にレシピを知らないものやオリジナル料理は無理だよ。魔法薬だったらできるんだけどね。」

それからは好みの味やどんな料理が好きなのかで話が盛り上がった。
しばらくすると、店内に新しい集団が入ってきた。その集団を目にしたハーマイオニーは驚いた。

「魔法大臣のコーネリウス・ファッジだわ。マクゴナガル先生とフリットウィック先生まで。」

レオはファッジとは研究成果の発表や闇祓いの副局長である父、アースキンからの繋がりで何度か面識がある。かといって特別興味を引くような人物では無かったのであまり印象には残ってない。逆にファッジの方は素晴らしい発明をするレオのことを気に入っていて、魔法省がいかにレナード・テイラーに協力して新しいものを生み出しているかというアピールをしている。ゆえに魔法省はレオに対しては非常に寛容で甘いのだ。

「大臣、どうしてこんな田舎に? やはりシリウス・ブラックの件ですか?」

マダムが大臣に尋ねている。やはりホグワーツにシリウス・ブラックが現れたのに恐怖しているようだ。

「ああ、そのことについてホグワーツと色々と話してきたんだ。ん? おお! そこにいるのはレナード君じゃないか!」

レオを見つけると先ほどまでの憂鬱そうな顔から一転笑顔になって近づいてきた。

「いやいや、レナード君はこんなかわいいガールフレンドがいたんだね。君、名前は?」

「初めまして、大臣。ハーマイオニー・グレンジャーと申します。」

「大臣、彼女は我がグリフィンドールでも特に優秀な生徒だと思っております。」

マクゴナガルは自分の寮やその生徒に対してはなんだかんだかなり優しいのだ。
ハーマイオニーはいきなり褒められてちょっと面食らった。

「ほう! マクゴナガル先生がそこまで言うとは! かなり名のある家の子なんだろうね。」

「彼女はマグル出身ですよ。優秀かどうかにはそんな事些細な事ですけどね。」

「おおっとこれは失礼。それではそちらの真っ白なメイドガールは何だい?」

「以前に魔法生物規制管理部に申請した新しい魔法生物です。名はクー。今は成長途中なので詳細なデータはもう少し後になるかと思います。クー、挨拶。」

「はじめまして、コーネリウス・ファッジ魔法大臣。わたくしがレナード様によって創造された魔法生物です。クーとお呼びください。」

ファッジは目を見開いて驚く。申請された内容はそこまで詳しく読んでなかったが人型だとは思いもしていなかった。

「ああ、よろしく。それでだ、レナード君。シリウス・ブラック逮捕に対して何か開発とかしてないかな?」

「いえ、何も。今はクーと脱狼薬の改良が限界です。」

勿論嘘だが。ファッジは当てが外れて落胆している。
その後はファッジ達は別のテーブルでマダムを交えて飲み会を始めた。会話の内容はシリウス・ブラックや魔法省に対する批判の愚痴、ブラックがいかに凶悪な犯罪者であるかの話になった。
ブラックの話題は次第に昔、まだ学生だった頃の話に移っていった。マクゴナガルとフリットウィックは昔のことを思い出して語り始めた。シリウス・ブラックはハリー・ポッターの父、ジェームズ・ポッターと無二の親友で悪戯の常習犯。しかし成績も優秀で将来が非常に楽しみであったらしい。話を続けていくうちにファッジがシリウス・ブラックの最悪の所業があると話し始めた。教師たちは止めたが酔った勢いとストレスからかファッジは止まらなかった。
どうやら大量殺人の前にハリー・ポッターの両親のことを裏切り闇の帝王に売り渡していたらしい。そしてその裏切りを許せなかったピーター・ペティグリューが追って逆にマグルもろとも殺されたとのこと。
レオとしてはシリウス・ブラックの過去や裏切りなど興味がなくほぼほぼ聞き流していた。クーも同様だったが、ハーマイオニーだけは人並みにショックと怒りを覚えていた。

大臣たちの話でハーマイオニーの気分が悪くなったがそれ以外はホグズミードを楽しんだ。
昼食後も色々と見て回ってそのたびにクーが楽しそうにするので連れてきて正解だったと二人は満足している。
ふと、クーは気づいた。

「レナード様、あちらにあるボロボロの屋敷はなんでしょう? 人が住んでる様子もないですし、お店というわけでもないでしょうし……。」

興味のないことには本当に役に立たないレオに変わって情報は何でも知りたがるハーマイオニーが答える。ホグズミード村の店や場所はあらかじめ把握済みなのだ。

「あれは叫びの屋敷ね。何の気配もないのに満月の晩だけ不気味な叫び声が聞こえてくるらしいわ。だから気味悪がって誰も近づかないらしいのよ。中に何かいたりするのかしら?」

「ふーん……。クー、行ってみるかい?」

「そうですねぇ……。何事も経験らしいですし、なぜあのボロ屋敷が今でも残っているのかは気になります。何か危険なものがいるのならばレナード様の為にも排除しておきます!」

叫びの屋敷の前に立つ三人。こんなとこには誰も住みたくはないだろうといった外見だ。

「さてと、探査調査。」

屋敷の中の構造と生物の有無を魔法で調べるレオ。何もないと思っていたが小さな虫やネズミと思われる小さな生命以外に二階に大きな存在がいる。

「ん~? 何かいるね。大きめの動物かな? いや、人間もありえるか。」

「わたくしは今のところ人間の匂いは感知していません。嗅いだことの無い匂いを感じます。」

「どうする、レオ?」

「ここまで来たんだし、入ってみようか。門限までの少しの時間を使うには丁度いいんじゃないかな。」

三人はボロボロになっている扉から中に入っていく。
中には予想外のものが潜んでいるとも知らずに。



ホグズミードで子連れデート回。

知らない人からすれば魔法生物にメイドの恰好させてるレオはかなりやばい人ですよね。

料理ができるレオ。ただしレシピのまましか作れないし、別に味も普通である。

ハリポタ無能の代名詞ファッジ登場。この人なんで大臣になれたんだろ?
名家の出身なのかな?

叫びの屋敷に突入する三人。どうなる黒犬おじさん!

では次回お楽しみに。


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42. 真実との遭遇

お気に入り6000突破!
いやぁ、ありがたいです。

これからも私の妄想物語に付き合っていただけたらありがたいです。

では42話どうぞ。


ボロボロの叫びの屋敷に入るレオ、ハーマイオニー、クー。外観と同じように中も酷い有様だった。

「探知された反応は二階だったな。階段は……、あっちか。」

三人は二階に上がり目的の部屋まで到着する。

「さーて、何がいるかな?」

扉を開けて中を見渡す。やはりボロボロの室内にはベッドがあるだけであった。そしてその上に大きな黒い犬が寝ていた。

「なんだ、野良犬じゃない。どこから入り込んだのかしら?」

「これが犬ですか! 撫でても大丈夫でしょうか。」

クーは初めて見る犬に興味津々で近づいていく。黒犬は気配を感じて起きてこちらを見る。最初は驚いた様子だったがクーに撫でられると大人しくなった。
レオだけは黒犬を見て不可解な感じがしたのでよく『眼』を使って観察することにした。
解析結果、黒犬はただの犬では無かった。

「クー。離れて。それは犬じゃない、動物もどき(アニメーガス)だ。」

レオのその発言を聞いた黒犬はいきなりレオとハーマイオニーの方に飛びかかってきた。
レオはハーマイオニーの前に出て防御をする。だがそのレオの前にクーが飛び込んできた。黒犬の牙がクーの腕に食い込む。腕からは体液が流れ出て床に滴り落ちる。

「クー!」

ハーマイオニーが叫び声を上げる。だが当のクーは顔を無表情にして口調も冷たく自らの腕を噛んでいる黒犬を見ていた。

「我が創造主、レナード・テイラーへの攻撃を確認。腕部損傷軽微。敵対生物と認定。防衛機能プロテクト解除。排除開始。」

機械的に言葉を発するクー。次の瞬間、体は一回り大きくなり大人のような体格に、メイド服から黒い鱗で覆われた鎧のような姿に変わる。髪も伸び、背中には翼が生える。
黒犬の牙は今まで食い込んでいた皮膚から弾かれる。その硬度は金属などより硬くとてもじゃないが破壊できるとは思えなかった。
黒犬は飛びのきこちらの様子を窺っている。だがクーは待ってはくれなかった。髪が刃のようになり襲い掛かかる。躱しきれずに前足を深く切り裂かれる黒犬。犬の姿のままでは殺されると判断したのか人間の姿に戻る。その姿に流石のレオもすこし驚いた。

「おお、なんとシリウス・ブラックとはね。」

ブラックはどこからか手に入れていた杖を使ってクーに魔法を放つ。こんな状況であるし相手は得体の知れない生物(バケモノ)である、手加減などしたらこちらの命がない。

ステューピファイ(麻痺せよ)!」

全力の魔法がクーの胸に直撃した。避けられるか防がれるかと予想していたので少し驚愕する。

(良し! 残り二人を気絶させて一刻も速く逃げなくては……! あいつを殺すまで捕まるわけにはいかない!)

思考しながら杖を残りの二人にむけようとした瞬間、杖を持った右腕が肘先から吹き飛んでいた。

「うぎっ! ぐぅううう!」

激痛にその場にしゃがみ込む。それが彼の命を救った。ちょうど首のあったところをクーの刃状に変化させた髪が通過したのだ。

「精度不足。要修正。ですがこれで終わりです。」

シリウス・ブラックは自身の魔法の力量はそれなりだと自負していた。その自分の全力の魔法が直撃したのにこの化物は全く効いていない。腕の激痛と相手への恐怖から一瞬動きが遅かった。クーに首を掴まれ壁に叩きつけられる。

「がっ!」

「消し炭になりなさい。」

化物の口が開き奥から炎が見える。仮に万全の状態で杖を持っていてもその炎は人を焼くのに十分な威力があることを瞬時に悟った。
死にたくない! それだけのために全力で抵抗する。だが化物の拘束からは逃れることは叶わず次の瞬間には炭素の塊になる運命だった。

「待て、クー。」

その運命は一人の少年の言葉であっけなくなくなった。
クーはその命令に何の疑問も抱くことなく攻撃を中止する。

「クー。とりあえず、腕を止血しろ。拘束もだ。さて、どうしたものか。とりあえずダンブルドア校長に連絡を入れておくか。」

「ま、待ってくれ。話を聞いてくれ!」

クーの髪で体をぐるぐる巻きにされながらシリウス・ブラックが叫ぶ。

「どうぞ。話すだけなら自由です。」

シリウス・ブラックは話し始める。自分はポッター夫妻の秘密の守り人では無かったこと、ピーター・ペティグリューに代えていたこと、その後にピーターが裏切ったことでポッター夫妻を死なせたこと、ピーターを追い詰めたが逃げられたこと、ピーターはネズミの動物もどき(アニメーガス)で現在はロン・ウィーズリーのペットとしてホグワーツにいること、そしてそのネズミを殺すため動物もどき(アニメーガス)であることを利用してアズカバンから脱獄したことを。
全てを聞き終えたレオは一応の辻褄は合っていると感じた。だが、信用するかは別問題だ。

「信じられないだろうが真実だ。なんなら真実薬を飲んでもいい。」

そこまで言うなら真実なのかもしれないがそれを判断するのは正直めんどくさい。ダンブルドア校長に丸投げしてしまおうと決めた。
念話をダンブルドア校長に送る。

((ダンブルドア校長。ホグズミードの叫びの屋敷でシリウス・ブラックを発見、拘束しました。ですが、シリウス・ブラックは自分は裏切り者ではなくピーター・ペティグリューが裏切り者だと言っています。その辺の判断をするために真実薬をもって一人で隠れて来ていただきたいです。))

数分待つとダンブルドア校長が叫びの屋敷に駆け込んできた。

「レオ、それにハーマイオニーも。無事かの? さて、シリウス。レオから聞いたが本当かね?」

「ダンブルドア先生……。俺はピーターを殺すためにここにいる。決して他の目的ではない!」

「それならばここに真実薬がある。これを飲んだうえでそれを見極めさせてもらおう。」

シリウス・ブラックは抵抗することなく真実薬を飲む。その後に話す真実は先ほどのものと寸分違わぬものだった。

「さてどうしたものかの……。シリウスが無罪だとしても肝心のピーターが今どこにおるのやら。」

「クルックシャンクスが賢かったのが痛手ですね。おそらくスキャバーズが動物もどき(アニメーガス)であると見抜いて執拗に攻撃していたのではないでしょうか。」

「クルックシャンクスを知っているのか? あの子にはここで会ってな、信用されるまで時間がかかったがヤツを連れてくるように頼んだんだ。」

「クルックシャンクスは私のペットよ。あの子があんなにしつこかったのはあなたのせいだったのね。そのせいで友達と喧嘩になっちゃたのよ。」

「それは申し訳ない。だが、私にはそうするぐらいしかしか手が無くてね。」

「とりあえずシリウスはここに匿うことにするかの。ピーターについてはこちらで何とかしよう。それまで絶対にここを離れるでないぞ。下手をすればピーターに逃げられるだけではなく吸魂鬼(ディメンター)のキスが待っておるじゃろう。」

「そうさせてもらいますよ。動こうにもこの怪我じゃしばらくは安静にしてなきゃな。」

そう言って無い右手を上にあげる。応急処置をしたのでとりあえずは大丈夫だがいくら魔法でも切断された腕の接合には時間がかかる。
実のところ、クーの体内の命の水を使えば簡単に治すことも可能だ。クーの刃が鋭く上手いこと切断されていたので腕をくっつけて命の水と少しの魔法で完治できるのだ。
レオもクーも襲い掛かってきた相手なので治す気はないのだが。

叫びの屋敷にレオとダンブルドアで監視と進入禁止を兼ねた結解を設置する。
今回の件は他言無用とし、ピーター・ペティグリューをどう捕らえるか話し合うこととなった。


校長室にはダンブルドア、レオ、ハーマイオニー、そしてメイド状態に戻ったクーがいる。そこへルーピンが入ってきた。

「ダンブルドア校長、お待たせしました。それに、レナード君とグレンジャーさんにクーさんまで。いったいどうしたんですか?」

「ルーピン先生、落ち着いて話を聞いて欲しい。……先ほど叫びの屋敷でシリウス・ブラックを捕らえた。そこで彼から真実を聞いた。シリウスはポッター夫妻を裏切ってはおらん。真に罪に問われるべきはピーター・ペティグリューじゃ。」

ダンブルドアはシリウスから聞かされた真実を話していく。ルーピンはシリウスを疑っていた後悔とピーターへの怒りで震えている。

「ここからが問題なんじゃが、わしは君がピーターやシリウスが動物もどき(アニメーガス)であることを知っていたと考えておる。そこでなんじゃが、ネズミのピーターが潜伏するとしたらどうすると思うかね。ヤツを見つけるために少しでもヒントが欲しい。」

「ははは……。やはり知ってたのですね。それならいいものがあります。これを。」

そう言って何も書かれていない羊皮紙を広げてみせる。ハーマイオニーとクーは分かっていないが、ダンブルドアは何かに気付き、レオはその中に構築された式の複雑さに驚いた。

「忍びの地図というもので私、シリウス、ジェームズ、そしてピーターの四人で学生時代にいたずら目的で作成したものです。『われ、ここに誓う。われ、よからぬことをたくらむ者なり』……この通りホグワーツの地図になっています。それだけではなく人の位置と名前を示すことができます。」

「ほほぉ。これはすごいの。これがあったから君らはあれだけやんちゃできたのであろうな。」

「これは素晴らしいですね。これを造るには並大抵の技術じゃ無理ですね。」

忍びの地図の魔法の複雑さに思わず見入るレオ。ホグワーツ中を探すとピーター・ペティグリューの名が見つかった。

「さて、行くかの。善は急げじゃ。」

ダンブルドア、ルーピンそしてレオの三人でピーターを捕獲に向かう。
結果、当然のように捕らえられたネズミと一緒に三人は戻ってきた。
あとはこのネズミからも証言を得て魔法省を納得させるための準備をするだけだ。



クー戦闘形態に進化。この状態のスペックは次回紹介しますが基本チートです。
賢者の石を埋め込んだドラゴン+バジリスク+魔法使い+αって感じですからね。

あっさり捕まるシリウス。レオがクーを止めたのは犯罪者でもクーに殺しはさせたくなかったからですね。まぁ、作者の都合でシリウスを殺したくなかったのもありますが。

ついでにもっとあっさり捕まるピーター。
ルーピンがハリーから忍びの地図を没収してたのが運が無かった。
原作ではもう少し後の出来事でしたが今回のホグズミードでのハリー(+ロン)の行動が三本の箒にレオがいる→別の場所に→マルフォイにちょっかい出す→スネイプ待ち伏せ→ルーピンによる没収てな感じでルーピンの手元にちょうど忍びの地図がありました。

忍びの地図ってかなりのチートアイテムですよね。

それでは次回お楽しみに。


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43. 新薬完成

少しずつ書いてきて数カ月。
これでもまだ三巻の終盤。
まだまだ先は長いけれど完結まで頑張ります。

それでは43話どうぞ。


魔法界に衝撃が走った。
魔法省から緊急の発表があった。その内容に魔法界全土が驚愕した。
アズカバンより脱獄した大量殺人犯のシリウス・ブラックが本当はは無罪であったというのだ。
真犯人は殺されていたと思われていたピーター・ペティグリューである。
ポッター夫妻を裏切り闇の帝王に売り渡していたのもペティグリューであり、シリウス・ブラックはそれを知ってペティグリューを追い詰めたが逃げられ、裏切りと大量殺人の濡れ衣を着せられていたのだ。
真実がどのように明らかになったのか、その詳細は発表されなかったがシリウス・ブラックがホグワーツに侵入していたことから偉大な魔法使いのアルバス・ダンブルドアによるものだと世間では認識されていた。
逃亡していたピーター・ペティグリューも無事捕まりアズカバンへの終身刑が決まった。
これで晴れてシリウス・ブラックは自由の身となり多額の補償金が魔法省から支払われることとなった。


シリウス・ブラック無罪の衝撃の次の日。またもや世間を驚かせることが起きた。
アズカバンへ投獄されたピーター・ペティグリューが脱走し行方をくらませたのだ。
これには世間から魔法省、特に大臣のコーネリウス・ファッジへの責任問題になったがファッジは大臣を続けることとなった。


そんな世間の騒ぎなど関係ないとばかりにレナード・テイラーはここ数日脱狼薬の改良に取り組んでいた。ルーピンの助力もあって狼人間の詳しい分析ができたので以前の脱狼薬とはもはや別物になっている。後は最終調整をしてルーピンでテストの予定だ。

「ふぅ。こんなところかな。」

一段落したので休憩にすることにした。ソファーに座ると即座に紅茶が準備される。メイドの姿をしたクーによるものだ。

「ありがとう、クー。」

紅茶の香りと味を楽しむ。クーの腕前は日々進歩している。料理やその他の事、魔法薬の作成の手伝いまでどの分野でも成長中だ。レオが目指していた自分の作業を手伝えるペットという部分はすでに合格だ。

「クー。紅茶を飲み終わったら、魔法訓練場に行くよ。クーの能力が今どんな感じなのか見ておきたい。」

「かしこまりました。」

魔法訓練場。ここは新しい魔法の実験などに使う場所で空間拡張によって広げられた広大な場所でありなおかつ高耐久性を持っている。

「クー。戦闘形態に変化。」

「了解しました。」

クーの体が一回り大きくなる。メイド服も黒々とした鎧に変化する。その状態を隅々まで『眼』で観察し、実際に触れたりしていく。
その後は性能テストの実施だ。テストの結果、判明したのは鎧はドラゴンとバジリスクの鱗が形態変化したものであり耐久性はそれらを上回っている。アバダケダブラ(息絶えよ)でも数発ぐらいでは突破はできないだろう。仮にダメージを与えても体液の命の水で少しの欠損なら即復元。そもそも単細胞生物が群体をもって一つの形を構成しているのだから完全に滅ぼすには幾兆の細胞を全て破壊するしかない。
体の変化も今までの比ではない。ドラゴンの翼による高速飛行。硬質化させた伸縮自在の髪による斬撃。体のいたる所からから変幻自在の触手を出し、触手の先端からは魔法、ドラゴンの炎、バジリスクの毒が出すことができる。更にはバジリスクの目にまで変化可能だ。
……正直造り出したレオでさえまともに戦えば指輪全開、魔法薬によるドーピングをしても勝てるか分からないような存在になってしまっている。レオとしてはこの結果には満足しているのだが。

「うん、素晴らしい……。クー。僕の最高傑作だ。何か欲しいものはあるかい? 何でも言ってごらん。」

「ありがとうございます、マスター。……その、お願いが一つあります。」

自身を落ち着かせるように深呼吸をするクー。

「抱きしめて、頭を撫でてください!」

思っていたようなお願いでは無かったので驚くレオ。

「そんなんでいいのかい? もっと、こう欲しいものとかない? というかなんでそれ?」

「そのですね……、今まで褒めてもらったりは有ったのですが、そういった行為は無くてですね。今までに不満があるわけでは無いのですが、そういうものにちょっと憧れていました。犬とか猫は撫でられていると聞いたのでペットである私もそうしてもらいたいなと。」

(ふむ……。少女型になっているせいなのかな、よく分からないが望むならやってあげるとしよう。)

抱きしめて頭を撫でる。ついでにもう少し褒めてあげる。

「クー。君はよくやってくれているよ。これからもよろしく頼むよ。」

クーは幸せそうな顔をしながら心の中でもう一度誓った。この方に命の限り、細胞全てを使って尽くすと。立ちふさがる障害は全て排除すると。



シリウス・ブラックやピーター・ペティグリューの一件で世間が騒がれてから数日が経過した。世間はすでに騒動のことなど忘れてクリスマスムードだ。
ホグワーツもクリスマス休暇に入っている。ホグワーツに残っている生徒は極僅かだ。その中にレナード・テイラーの姿もあった。
レオの研究室には人が集められていた。レオとハーマイオニー、クーの他にはダンブルドア、スネイプ、シリウス・ブラックに本日の主役ともいうべきリーマス・ルーピンだ。

「脱狼薬の更なる改良品が完成しました。これからルーピン先生で最終テストをします。効果の証人としてダンブルドア校長とスネイプ先生にも来ていただきました。」

「配合のリストを見せたまえ。」

スネイプはルーピンがどうなろうとどうでもよかったが、一人の魔法薬研究者として新しい魔法薬の内容は知りたかったのだ。
手渡されたリストを確認していく。ダンブルドアやシリウス、ルーピンも覗き込んでくるが無視して内容を確認していく。使われている材料を読み進めていくにつれリストを見ていた全員が険しい顔になる。読み終えたスネイプはレオに疑問をぶつける。

「テイラー。これは何かね? 我輩にはこれがただの強力な毒薬としか思えないのだが。」

「わしも同意見じゃ。これではルーピン先生が死んでしまうのぉ。ユニコーンの血まで入っておるし仮に生きられてもそれは死んだほうがましな状態じゃ。」

「そうですね。これは強力な毒薬でもあります。これを使ってルーピン先生の中の狼だけを殺します。この薬はそのままではただの毒薬以外の何物でもないのですがそこに狼人間の血を入れることで、血の持ち主の人間の部分以外を殺す成分に変化します。ユニコーンの血の生かす部分を人にそれ以外の呪いの部分と毒を狼に作用させる。結果、狼人間の狼だけが殺され人の部分だけが生き残り人間になります。僕はこの薬を『殺狼薬』と名付けました。」

予想外の効果の薬であった。今までの脱狼薬や改良脱狼薬は理性を残したり、狼に変化するのを抑制するだけだった。今回の改良はその抑制を恒久的なものにするものだとばかり思っていたのだが、まさか完全に狼を除去させるものだとは思いもしなかった。

「では、ルーピン先生。この中に血を入れてください。」

ルーピンに手渡されたフラスコには真っ黒な液体が入っていた。そこに自らの血を一滴入れる。血が混入してもその色は黒く変化はなかった。
レナード・テイラーのことは信じているルーピンも流石に躊躇してしまう。

「あ、言い忘れてましたけど飲んだ後は最初すごく苦しいと思います。そのうち平気になるはずですけど。」

いざ飲もうとした瞬間、いらない追加情報が出てきた。迷っていても先には進めないと覚悟を決めて飲む。

「ぐ、おあああおおおおお!」

薬を飲んだとたん苦しみだすルーピン。うずくまる体は次第に次第に毛深くなり牙も伸び始める。その姿は完全に狼に変化してしまった。
レオ、ハーマイオニー、クー以外は失敗したと思ってしまうのも無理はないだろう。
狼になったルーピンをダンブルドアたちが警戒しているとルーピンの体から煙が立ち込める。その次の瞬間にはルーピンは炎に包まれる。

「ルーピン! レナード・テイラー、これは一体どういうことだ!? どうにかしろ!」

怒りに任せてレオを怒鳴るシリウス・ブラック。だがそれを止めたのはルーピンであった。

「大丈夫だ、シリウス。最初は苦しかったが今はとても気分がいい。体の中から汚いものが抜けていくのが分かる……。今、確実に浄化されている……。」

炎に焼かれているというのにルーピンはとても穏やかな気分だった。炎が消えたときには先ほどまでの毛も牙もない人間としてのリーマス・ルーピンだけがそこに立っていた。

「気分はいかがですか?」

「最高だ。こんなに清々しいのは初めてだ。私は人間だ……、人間なんだ!」

その様子に満足するレオ。ルーピンは感動で放心状態になりブラックは喜んで友を抱きしめる。
この瞬間、レナード・テイラーがまた一つ常識を覆したのだった。

クリスマス休暇の残り時間を使ってリーマス・ルーピンの体は聖マンゴ魔法疾患傷害病院で徹底的に調査された。結果、彼は唯の人間であることが証明された。
年が明ける前に殺狼薬は公表された。
世間の反応はシリウス・ブラックの件と同等以上の衝撃的なるのも必然だ。もちろん狼人間たちの喜びようは他の比ではなく凄まじいものだった。
魔法省が把握してない者も含め、名乗り出た狼人間になってしまった人間は無償で殺狼薬が与えられ、狼人間という存在は魔法界からほぼ消え去る。
この功績を讃えられレナード・テイラーには勲一等マーリン勲章がおくられることとなった。
1993年は魔法界にとって色んな事が起きた年となった。



シリウスの無罪証明とピーター逮捕はダンブルドアに丸投げしたので描写カット。

ピーター脱獄。ファッジが無能なのでシリウスと同様に動物もどきなのを失念していた。
ピーターはネズミの状態で海を渡り切れるかどうかは賭けだったが、途中力尽きて人間状態でマグルの漁船に救助されて無事でした。

クーは正直どうやったら倒せるんだ状態。アバダケダブラが直撃しても細胞が一個死ぬだけなので正直無意味。どうすりゃいいんだよこれ……。
クーが撫でて欲しいって言ったのは犬などが構ってほしいっていうのと同じ感じ。今まではハーマイオニーがいるところでは我慢してた。恋愛感情等は無いです。

脱狼薬あらため殺狼薬完成。強力な毒薬でもあるので武器としても使用可能です。

これで三巻のイベントは終了ですかね。あとは三年目の終わりと閑話一つ挟んで炎のゴブレット編です。

それでは次回お楽しみに。


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44. 三年目が終わって

今回でアズカバンの囚人編終了です。
巻が進むごとに話数が少なくなる……。
まぁ、三巻はハグリッド不在でバックビークの件が無いし、逆転時計もないしで
是非もないよね!

あとこの話と同時に登場人物紹介・メモも投稿しているので気になったら見てください。そっちは随時情報更新していこうかと思います。ネタバレがあるので最新話まで見てから読んでください。

では44話どうぞ。


シリウス・ブラックの脱獄と真実。
ピーター・ペティグリューの逃亡。
レナード・テイラーによる殺狼薬の発明。
この1993年での出来事は魔法界を大きく騒がせた。
だが年が明けてからは大きな出来事もなく平和な日々が始まる。
それはホグワーツでも同様であり、生徒も教師も皆変わらぬ日々を過ごしていた。

殺狼薬の接種後、リーマス・ルーピンは満月の夜に狼になることを恐れなくて済むことからなのか、今までの服装なども一新して見違えるようになる。授業もより一層生徒たちを思って取り組むようになり仮に狼人間であったとしても生徒に慕われるような立派な教師になっていた。

宿題に忙殺され、クィディッチの試合で白熱して、グリフィンドールとスリザリンがいがみ合い、ホグズミードに行き、スネイプに減点され、ウィーズリーの双子が騒ぎを起こし、マクゴナガルが怒る。そんな平和なホグワーツが最終日まで続いていた。

学年末パーティーが今年も盛大で生徒たちは料理を楽しんでいる。大広間は真紅と黄金で彩られ、獅子のシンボルがそこらかしこに飾られている。今年の寮杯を獲得したのはグリフィンドールだ。クィディッチでの圧倒的大差での優勝の勢いのまま寮杯の獲得まで至ったのだ。これに大きく貢献したのはチームの要、シーカーのハリー・ポッターだ。なんでも名付け親のシリウス・ブラックから現在の最高峰の箒『炎の雷(ファイアボルト)』をプレゼントされたらしい。最高峰とうたわれる性能は凄まじく、またそれを乗りこなすハリーもすごいセンスなのだろう。
試合など全く見ていない、ついでに寮杯にも興味がないレナード・テイラーにとってはどうでもよいことなのだが。

闇の魔術に対する防衛術の教師は来年もリーマス・ルーピンが担当することになりここ数年間続いていた負の連鎖は断ち切られることとなった。その知らせをダンブルドアが言った時には生徒たちは喜んでいたが、闇の魔術に対する防衛術の教師を切望しているスネイプがルーピンのことをもの凄い顔で睨んでいたのだが触らぬ神に祟りなしということで皆無視していた。

今年もレオを除けばハーマイオニーが受講教科ではトップの成績であった。レイブンクローの生徒以外はもうレオとハーマイオニーは別枠でいいんじゃないかなとあきらめの境地である。

そんなこんなで三年目も終了しホグワーツからキングス・クロス駅に向かう列車の中。
今回はレオとハーマイオニーの二人だけでなくクーもコンパートメントにいる。両親たちにはクーのことを知らせてはいるがクリスマス休暇に戻らなかったこともあって会わせるのは初めてだ。
クーは初めて乗る列車に興味津々の様子だ。今は小さい状態の為に落ち着きなく窓の外を見たりしている。外の風景が少し変わるだけでも驚いて興奮してはしゃいでいる。

「ご主人。今日はご主人の両親やママの両親に会えるの? ん? ママの両親ってことはおじいちゃんとおばあちゃん?」

「クーちゃん。ちょっとそれは言わない方が良いかも。」

「娘がいきなりママって呼ばれてたら流石に怒られるかなぁ……。」

その後もクーが興奮し、ハーマイオニーが相手をして、レオがそれを眺めるという感じでキングス・クロス駅への旅路は続いく。

数時間後。キングス・クロス駅に到着する。

「お帰り、レオ。それにハーミーちゃんも。そしてこの子がクーちゃんね!」

「クーです! ご主人のお母さま、お父さま。よろしくお願いします。」

「ほー……。これがその魔法生物か。ファッジ大臣はメイドって言ってたが随分違うな。」

「メイドになる方が良い?」

そういうとクーはグニャグニャと変形してメイドの姿に変化する。その様子にレオの両親もハーマイオニーの両親も目を丸くする。

「魔法っていうのは何でもありなのねぇ。」

「我が娘もそんな世界にいると思うと遠くに行ってしまった気がするなぁ……。」

その後、九と四分の三番線内に併設されたカフェで両家は学校での出来事や夏休みはどうするのかを話していく。夏休みには大きなイベントがあるとアースキンが話し出す。

「この夏はビックイベントがあるぞ! なんとクィディッチのワールドカップだ。この国で開催されるのは随分と久しぶりになる。警備も兼ねて俺は行くことになるが、家族もどうかってことでここにチケットが二枚ある! どうだ? レオとハーマイオニーの二人で行ってみないか?」

「父さん、悪いけどクィディッチには興味がないから遠慮させてもらうよ。」

「ごめんなさい。レオが行かないなら私もご遠慮します。」

息子とガールフレンドの予想外の反応にショックを受けるアースキン。せっかく息子たちのデートにとコネを使って手に入れたのが無駄になってしまった。

「はいはい。落ち込まないの。それじゃ、私が行くことにするわ。もう一枚どうしましょう。クーちゃん来る?」

「わたくしもレナード様とおか、んん! ハーマイオニー様が行かないのであればあまり気が進みませんね。」

ハーマイオニーの両親も一応誘ってみるがクィディッチを知らないし、一人だけではということで断られた。

「んん~そうね。じゃあ、誰か友達を誘ってみるわ。」

その後はいつものように夏休みの計画を立てるレオとハーマイオニー。今年は旅行や用事もないのでほぼ毎日テイラー邸で魔法の勉強などに時間を費やすことになりそうだ。
両家は別れを済ませたのち、グレンジャー一家は自動車で家に帰り、テイラー一家は煙突ネットワークを使って家に戻る。

「ただいま。クー、ここが僕らの家さ。クーもこれからは僕らの家族なんだから遠慮しないでいいんだよ。」

「そうよそうよ! ねぇねぇ、さっき小さい姿から今みたいにメイドさんになってたけど姿って色々変えられるの? 服は!?」

いきなりのフェリスのテンションに若干引きながらクーが答える。

「は、はい。このメイド服はわたくしの体を作り変えているだけなので形だけならばどのような外見にも変化は出来るはずです。」

「ふふ、いいことを聞いたわ。クーちゃん! 明日からハーミーちゃんと一緒にファッションショーよ! ハーミーちゃんにも連絡してくるわ!」

バタバタと今から出ていくフェリスを呆然と見ているクー。
それを見ていたアースキンが説明してくれる。レオはすでに学校の宿題の片づけを開始していた。

「あー、なんだ。レオはさ魔法ばかりで服とかには興味がないし、フェリスも女の子も欲しかったんだよな。それでクーが来たから娘として見てるのかもな。できれば付き合ってほしいな。」

「レナード様、いかがいたしましょう。」

「とりあえず、母さんが満足するまで頑張れ。嫌だったらそう言っていいから。」

次の日からハーマイオニーを交えて女性たちのクーの着せ替えショーが開催された。
その様子を見ながら今年の夏休みは騒がしくなると確信したレオだった。
来年は静かな年になればいいなぁと思ったがおそらくそれはないであろうと直感が告げていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アルバニアのとある森の中。
そこには見るも哀れな姿に成り果てた存在がいた。
全盛期は闇の帝王として魔法界全ての魔法使いに恐れられ暴虐の限りを尽くした存在であるとはその姿を見て誰も思うまい。
闇の帝王は待っていた、復活の機会を。帝王は信じていた、必ず時は来ると。

そこに一匹のネズミが現れた。ネズミは姿を人に変える。
その瞬間、闇の帝王は時が来たことを理解した。
再び魔法界を闇に染める時が来たのだと。



平和なホグワーツで三年生は終了です。

クィディッチワールドカップはレオたちは不参加です。
代わりにアースキンが頑張ってくれます。

次回はちょっとした閑話を入れて四巻に突入です。

次回予告!

クィディッチワールドカップで起こる騒動。

開催される三大魔法学校対抗試合。

選ばれる四人目の選手。

暗躍する死喰い人。

4章 三大魔法学校対抗試合は研究発表会

ハリー「四人目! つまり僕の出番! そうだよね!?」
作者「未定だ!(本当は決まっている)」


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幕間. シリウス・ブラックの就職

今回はレオもハーマイオニーも出てこないちょっとした幕間の話です。
時期は4年生前の夏休み直前ぐらいですかね。

それではどうぞ。


最悪の大量殺人犯。裏切り者。アズカバンの脱獄者。
そんな風に言われていたシリウス・ブラックも今や自由の身。
現在はロンドン市のグリモールド・プレイス十二番地にあるブラック家の屋敷で屋敷しもべ妖精のクリーチャーと一緒に住んでいる。
と言ってもクリーチャーは嫌々シリウスに従っているのは誰の目にも明らかだった。
シリウスもこのしもべ妖精のことは昔から嫌いだ。純血主義に染まったブラック家に心から従っているこいつを見るだけでだけで吐き気がする。
しかしシリウスを除いてブラック家の血は絶えてしまっているし、この広い屋敷ではしもべ妖精の一匹でもいないとやっていけない。
本当はこんな家には戻りたくもなかったが、他に行く場所もない。
ダンブルドアが禁じなければ今すぐにでも親友の忘れ形見のハリー・ポッターを名付け親として引き取ってどこかで暮らしていきたいと思っている。

だが、今はそんな叶わない願いよりも現実を見なければと考えていた。
シリウス・ブラックは現在魔法省の受付前にいた。
目的は就職活動だ。
冤罪による投獄に対する補償金とブラック家の無駄に蓄えている財産を考えれば一生遊んで暮らすだけの資産は余裕である。だからと言って何もせずに遊んで時間を費やすことなどはしない。
別に大人だから仕事をしなくては、なんて考えではない。
目的はアズカバンを脱獄した時から何も変わっていない。
裏切り者のピーター・ペティグリューへの復讐だ。
親友を裏切り、自分を貶めた憎きピーター。あいつのことを考えると今でも憎しみで暴れだしたくなってしまう。
だが、奴が今どこにいるかは分からない。だからこそ闇の魔法使いどもの情報が集まりそうな闇祓いに就職することにしたのだ。
ダンブルドアはいつか闇の帝王が復活すると確信していた。ピーターもおそらくそちら側につくだろう。もしかしたらどこかにいる闇の帝王を探しているかもしれない。
今度は失敗しない。闇祓いの情報と権利を使って必ずあいつに罪の重さを教えてやる。そしてジェームズとリリーにいい知らせを持っていってやるんだ。

闇祓いの試験は筆記と実技の二種類だった。必要な知識と能力をみるものらしいが、シリウスにとっては簡単なものだった。どちらも即戦力になるほどの出来栄えで試験管も驚いていた。試験後即座に合格が言い渡された。


「合格おめでとう。それにしても数カ月前はまさか君とこうして同じ職場で働くことになるとは夢にも思っていなかったぞ。」

白髪交じりだがライオンのような印象を受ける闇祓い局局長のルーファス・スクリムジョールが言う。
シリウスもまさかこのようなことになるとは考えられなかった。人生何があるか分からないものだ。

「確かにな。前にあったのはアズカバンにぶち込まれる時だったけかな? これからよろしくお願いしますよ。ルーファス・スクリムジョール局長。」

「ああ。さて、合格してすぐなんだがもう一つテストを受けてもらおう。なに、君の実力を見極めるものだ。私の部下の一人と決闘をしてもらうだけだ。」

「いいだろう。受けて立ってやる。」

二人は闇祓い局にある決闘場まで行く。扉を開けながらシリウスはスクリムジョールに尋ねる。

「相手は誰なんだ? 言っておくが私はそこそこ強いぞ? 相手が泣いちゃうかもな。」

「そうか。なら手加減はしないぞ。」

決闘場の中には一人の男が待っていた。
その男を視界に収めたシリウス・ブラックは決闘にどうやって勝つことより逃げる方法、もしくはどうにかして怪我を少なくすることに考えが変わった。

「おいおい……。マジかよ。まさか相手って……。」

「そうだ。闇祓い最強の男。副局長のアースキン・テイラーだ。まぁ、なんだ。頑張れ。」

そう言って足早に決闘場を去るスクリムジョール。
シリウスも一緒に出ていこうとするが扉が固く閉ざされてしまった。

「逃げるのは無しだ。さぁ、さっさと決闘始めようか。」

「いやいや、待て待て! なんであんたなんだよ!」

シリウスの戦意はすでにゼロだった。学生時代に嫌というほどアレの出鱈目さは味わっている。
悪戯仕掛け人として馬鹿をやっていたがフェリスをターゲットにしたのは最大の失敗だったと言わざるを得ない。それをきっかけにフェリスに吹き飛ばされ、アースキンの人外の力でなぎ倒されたりした。
正直まともじゃないし、勝てる気もしない。アレに勝てる存在なんて二人しか思い浮かばない。

「なんで俺かって? そんなん副局長だし。それに局長より強いしな。」

「じゃあ何であんたがトップじゃないんだよ!?」

「いや、俺に上に立てるようなカリスマ性みたいのないし、局長は仕事が多そうだから家に帰れなさそうだからな。」

「家と言えば家族はどうなんだ? やっぱり今でもフェリスとは仲いい感じか?」

「おおそうだぞ。今でも、いや今の方が愛してるって言えるね。」

(よし! 決闘から意識がそれたぞ。このままうやむやにして逃げよう!)

そんなシリウスの計画とも言えないずさんな企みはスクリムジョールの声ですぐに終了する。

『聞こえるか二人とも。一応はこれもシリウス・ブラックの実力を測るテストだからな。すぐに始めてくれ。時間は10分間だ。』

「おっと。いつまでも話してるのもダメだな。んじゃいくぜ?」

戦闘態勢に入ったアースキンを見て覚悟を決めるシリウス。
スクリムジョールから決闘開始の合図が入る。
合図と同時にシリウスは横に走り出しながらプロテゴ(盾の呪文)を展開する。
逃げるシリウスに向かってアースキンは杖を構える。
その瞬間、杖からマグルの機関銃のようにエクスペリアームス(武装解除)ステューピファイ(麻痺せよ)が連続で打ち出される。

アースキン・テイラーの保有魔力量は異常だった。テイラー家はそこそこ歴史が長い家系であるが純血主義ではないのでマグルの血も受け入れている一族である。
特段優れた家系であるわけでもないのだが、アースキンの魔力量は常人とは比較にならなかった。研究者が調べた結果は測定不能、推測では常人の数百倍から千倍はあってもおかしくはないとの事であった。
その異常な魔力量から普通に魔法を使っては何もかも効果が高くなりすぎてしまうのでコントロールに非常に苦労している。下手に失神呪文でも誰かに当てたらアバダケダブラと同じ結果になってしまう。
そこでアースキンが編み出した解決策は無言呪文を使うことである。
無言呪文もイメージがしっかりして発動すれば呪文を発言して使うのと同等の効果は発揮できる。
だが、普通は効果が著しく落ちる。そこに目をつけたアースキンは無言呪文を通常呪文として使うことにした。
そして無言であるからこその利点は相手にどんな呪文であるか悟られない、心で呪文を思うだけで発動することである。口に出すより思った方が速い。
結果、膨大な魔力で通常の、いやそれ以上の威力の魔法が無言かつ高速で連続して使うという意味が分からないことになった。

「うぉおおおおおおおお!」

叫びながら逃げまくるシリウス。呪文が絶えることなく殺到する。魔法による盾などその数に圧倒され粉砕される。こちらの攻撃は無言の盾に阻まれる。

(ちくしょう! 学生時代より手が付けられなくなってやがる! あと何分だ!?)

アースキンは感心した。正直自分より強い存在はダンブルドアとあの人だけだと思っている。相手が死喰い人だろうとも十数人ならば勝てるだろう。そんな自分と決闘してまだ呪文を当てることさえできていないばかりか反撃までしてくる。

(アズカバンにいたというのにその強さは変わってないようだな。あと三分か……。)

結局最後までシリウスは逃げ切った。互いに無傷ではあるが一方は息も絶え絶え床に転がっている。もう一方は余裕の表情。勝敗は誰の目にも明らかだろう。

「お疲れ。そしてようこそ闇祓い局へ。」

「こ、こちらこそ……、よろしく……。」

こうして一応は無事に就職することができたシリウス・ブラックであった。
屋敷に戻るなりクリーチャーの嫌みも気づかず泥のように眠る。
その日の夢は学生時代にアースキンとフェリスに叩きのめされるという悪夢であった。



シリウス無事に就職。

シリウスは長い間アズカバンでピーターへの憎悪をもって過ごしていたためちょっと
心が壊れてます。ピーター(ついでにハリー)関係の事柄では暴走してしまいます。それ以外だと優秀なんですけどね。

この物語の主人公のレナード・テイラーはかなりのチートキャラとして書いてますが、
父親のアースキンもまたタイプは違いますがぶっ壊れなキャラです。

次の話から炎のゴブレット編スタートです。
それでは次回お楽しみに。


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4章 三大魔法学校対抗試合は研究発表会 45. クィディッチワールドカップ

今回から四巻、炎のゴブレット編に突入です!

この章は原作でも色々ありましたね。
この物語ではどうなっていくのかお楽しみください。

それでは45話どうぞ。


クィディッチは魔法界では説明不要の人気スポーツだ。
そのワールドカップがイギリスで久々の開催となるのだから皆熱狂して観戦チケットを求めた。
チケットがあるのに観に来ないような奴は頭がおかしいとクィディッチファンならば叫ぶだろう。
その頭がおかしい少数派のレナード・テイラーは親友のハーマイオニー・グレンジャーと自ら創り出した娘に等しいクーと自宅の研究室にいる。
宿題などとうに片付け今はそれぞれ研究したりして過ごしている。

「そういえば今日はワールドカップの決勝戦なのよね。レオとクーは興味ないみたいだけどアースキンさんとフェリスさんは会場にいるのよね。」

「そうだね。今頃母さんは楽しんでるんじゃないかな。父さんは警備の仕事があるから試合を見れるかは分からないみたいだけどね。」

夕食の時間になり全員で協力して夕食を作り食べる。今日もハーマイオニーはテイラー邸に泊っていく予定だ。ハーマイオニー専用の部屋まで存在しておりもはや家族同然の扱いである。ハーマイオニーの両親もそれについては賛成しており、後はレオとハーマイオニーが付き合えば挙式を上げる勢いである。

夕食後のまったりとした時間。リビングにいきなりレオの母のフェリス・テイラーが姿現しをしてきた。
その様子から何かあったとし悟ったレオは母に駆け寄る。

「母さん! 大丈夫? 何かあった?」

「大丈夫よ、レオ。ただクィディッチの会場が襲撃されたわ。多分死喰い人(デス・イーター)だと思う。」

死喰い人(デス・イーター)。それは闇の帝王ヴォルデモートの全盛期にその下で暴虐の限りを尽くした集団だ。マグル風に言えばテロリストが近いだろうか。本人たちに言わせれば革命家みたいなものなのかもしれないが。

「今、アースキンや他の闇祓い達が対処しているわ。多分大丈夫だと思う。」

「まぁ、父さんがいるなら多分大丈夫かな。念のために応援に行った方が良いかな?」

「そんなことしなくていいのよ。子供はそんな危険なことに首を挟まないの。あなたがいくら強くてもそれを守るのは私たち親、そして大人の役目なんだから。」

フェリスは息子を抱きしめる。後は夫が無事に帰ってくることを祈るだけだ。

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クィディッチワールドカップ会場は怒声と悲鳴があふれ、様々な呪文が縦横無尽に飛び交っていた。
死喰い人(デス・イーター)がマグルの人々を面白半分に宙に浮かべて観客たちに攻撃を仕掛けていたのだ。
だが、そこに一人の男が立ちふさがった。

「なんだあいつ? 正義感から俺らを止めるつもりか?」
「はっ! 命知らずの大馬鹿野郎だな。マグルと同じように吊るしてやろう。」

死喰い人(デス・イーター)の前方にいたうちの一人が何かに気付いて猛ダッシュで後ろの方に走っていった。

「何なんだフォイの野郎? 臆病風にでも吹かれたか?」

気にせず歩を進める死喰い人(デス・イーター)
最初は死喰い人(デス・イーター)もその男を他の観客同様痛めつけてやろうとしていた。だが先頭に立っていた死喰い人(デス・イーター)の一人がその男が誰であるか気付いて悲鳴を上げた。

「ほぁああああ!? アースキン・テイラーだっぁああああああ!?」
「おいおいおい……。嘘だろ、マジかよ、冗談だろ!?」
「もうだめだぁ……。おしまいだぁ……。勝てるわけがない……。」

死喰い人(デス・イーター)がざわめく。アースキンが一歩を歩いただけで恐怖にかられ逃げ出し始めた。
闇の帝王の全盛期、闇祓いやダンブルドア率いる不死鳥の騎士団とは数えきれないほどの戦いがあった。その中で最も多く死喰い人をなぎ倒したのはアースキン・テイラーであった。
死喰い人(デス・イーター)にとってはアースキン・テイラーはダンブルドア以上に恐怖の対象であったのだ。
先程までの威勢はどこへやら。まだアースキンは呪文どころか言葉すら発していない。ただ歩いて近づいただけだ。それなのに蜘蛛の子を散らすがごとく、魔法使いであることを忘れてしまったように走って逃げだす始末。
杖を構えるアースキン。そして杖から呪文を繰り出そうとしたその瞬間。闇夜に口から蛇を出した髑髏が浮かび上がっていた。
死喰い人(デス・イーター)も含めた全員がその光景を見た。
闇の印、それは闇の帝王ヴォルデモートの象徴である。それが現れたということはこんな腑抜けた死喰い人(デス・イーター)ではなく真に忠誠を誓った奴がいるということ。もしかしたら闇の帝王本人なのかもしれない。周囲は先ほどまでとは比べられないほどのパニックになった。
アースキンは騒ぎを起こした連中を放置して闇の印の下に急いで向かう。
逃げていた死喰い人(デス・イーター)はこのチャンスを逃すまいと姿くらましで退散していった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

深夜、日付も変わるころになってようやくアースキンは我が家に戻ってきた。

「ただいま! あ~疲れた……。」

「あなた! 無事だったのね。良かったぁ。」

「お帰りなさい父さん。怪我はない?」

出迎えてくれた愛しい妻と息子を抱きしめる。
その後軽い食事をしながら状況を説明した。魔法省としては無用な混乱を避けるため情報を規制したいだろうが、どうせ明日には日刊預言者新聞が大々的に報じるだろう。
闇の印を作り出したのは屋敷しもべ妖精でしかも驚くべきことにバーテミウス・クラウチのしもべ妖精だった。おまけに杖の持ち主はハリー・ポッターであったらしい。その後は色々とあったがとりあえずしもべ妖精の悪戯ということになったようだ。だがアースキンはその結論を欠片も信じてはいなかった。

「しもべ妖精が闇の印を作る? しかもクラウチのしもべがか? ありえんだろう。俺は何か裏で起こってるんじゃないかと直感したね。フェリス、レオ。これから何か起こるかもしれない。十分に気を付けてくれ。特にレオ、今年のホグワーツではあるイベントがある。それに乗じて何か死喰い人が、もしくは帝王本人が仕掛けてくるかもしれない。」

「イベント?」

「詳しいことはダンブルドアから初日に説明があるはずだ。まぁ、多分大丈夫だと思うが……。用心に越したことは無い。」

歴戦の闇祓いは己の勘を信じていた。今年、もしくは来年から荒れそうだと。


次の日の日刊預言者新聞には大々的にクィディッチワールドカップ会場での騒動が報じられた。ずさんな警備、死喰い人(デス・イーター)の残党の存在、闇の印、人々は恐怖した。

そんな中レオはハーマイオニーと共にダイアゴン横丁で学校の準備のための買い物をしているが、そこかしらで様々な噂が飛び交っている。
死喰い人(デス・イーター)が何か企んでいる、闇の帝王が復活する、ダンブルドアがなんとかしてくれる、魔法省は役立たず、アズカバンから集団脱走が起こる、闇の魔法生物が侵攻してくる、等々。

「どこもかしこも噂ばかりね。ひどいものは妄想と変わりないんじゃないかしら。」

「魔法界はマグルの世界と比べると情報網なんかではかなり遅れているからね。噂が突然変異することなんかよくあるんじゃないかな。」

噂など気にもしないで買い物を続けるレオとハーマイオニー。買い物とはいえ四年生用の教科書ぐらいで他に必要なものは無かったのだが。

「さて、こんなものかな。」

「そうね。そういえばドレスローブが必要って案内に書いてあったけど何かあるのかしら?」

「父さんが今年のホグワーツで何かイベントがあるって言ってたからそれ関係かな。多分母さんが用意していると思う。ハーマイオニーの分も用意してたりしてね。」

「あ~……。ありえそうね。何着も作ってあって着せ替え人形にされそうだわ。」

買い物が終わった後もぶらぶらとウィンドウショッピングをしたり、フローリアン・フォーテスキュー・アイスクリームパーラーでアイスを食べたりしながら過ごした。
レオにとってはいつものハーマイオニーとの日常だが、ハーマイオニーにとってはデートである。今日はクーもフェリスの手伝いで家にいるのでここにはいない。いつもレオの研究室に入り浸っているがなんだかんだクーがいたりフェリスがいたりして二人きりは久しぶりな気がする。

「そういえばハーマイオニーと二人きりっていうのも久しぶりだね。クーや他の誰かが一緒でもいいけどやっぱり君と二人でいるのが一番落ち着く気がするね。」

「私もいまそれ考えてたわ。なんか最初に会った図書館を思い出すわね。」

家に帰ればクーや家族がいる。数日後にはホグワーツでの日々が再開される。
そう考えればハーマイオニーとの二人でいる時間は今では結構貴重と考えられる。
ならばこの時間を楽しまなくてはとレオは感じていた。
ハーマイオニーも同じ気持ちであった。
その後は日が暮れて家に戻るまで穏やかな二人だけの時間を楽しんだ。



サブタイトルがクィディッチワールドカップなのに描写がない……。
まぁ、主人公がいないんでしょうがないよね。

アースキン無双始まる前に終了。
アースキンとしても目の前の雑魚より闇の印を出すような危険物の方を処理するべきとして向かいました。
そして、アースキンにいち早く気づいて逃げた奴。最近蜂の名前になったフォイさんですね。

そして久々にレオとハーミーの二人っきりでのデート。
今年は進展させますよ!

では次回お楽しみに。


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46. 告知

最近ハリポタオリ主大戦みたいな夢を見た。
色んなオリ主がいるホグワーツが舞台ですごくカオスだった。
まぁただの夢でしたが。

それでは46話どうぞ。


1994年9月1日 キングス・クロス駅 九と四分の三番線。
今年もホグワーツ行きの赤い蒸気機関車が出発の時を待っている。
生徒たちは続々と列車に乗り込み両親たちと別れの挨拶をしている。
レオとハーマイオニーもそれは同じである。
出発時刻となり列車が動き出す。親たちの多くは遠くに見えなくなる列車を見ながら自分たちもこうやって見送られていたんだなと感じていた。

「今年は何もないと良いんだけど……。」

保護者の集団の中の誰かがそう呟いた。その呟きが聞こえた者たちは誰もが同様な思いを抱いた。
三年前は教師の一人が死喰い人(デス・イーター)でホグワーツにある何かを狙っていたという噂がある。実際にトロールが侵入していたり、その教師が失踪したりだの噂の信憑性は高かった。おまけに森番がドラゴンの卵を違法に所持していたことまであった。
一昨年は秘密の部屋が開かれて怪物であるバジリスクによる被害がでていた。幸いにも死者はでなかったが、それも紙一重の奇跡だろう。
そして去年は殺人犯と思われていたシリウス・ブラックが侵入して吸魂鬼が我が物顔でホグワーツにいたらしい。結局はシリウス・ブラックは無実で危険は無かったのだが。
ここ数年立て続けにホグワーツでは色んな事が起こりすぎている。
子を持つ親として何事もなく平和な学生生活をおくって欲しいと誰もが願っていた。
その願いが叶わないだろうとは薄々感じていたのだが。


キングス・クロス駅からホグズミード駅までは去年のように吸魂鬼が乱入するようなこともなく無事に到着した。
だが、天候は最悪だ。雨も風も猛烈でありホグワーツに着くまでにびしょ濡れになるのは当たり前だった。そんな周りを見ながら自分とハーマイオニー、クーを雨風遮断膜で覆いながら見ているレオは既存の傘に魔法を付与して完璧に雨を防げて風で壊れないようにしたらいい商品になるのかな、なんて考えていた。

新入生たちを待っている間に上級生や先生たちが魔法を使って生徒たちの服を乾かしている。組み分け前には全員が問題なくテーブルに着いた。
組み分けも無事終了。ダンブルドアの号令で宴が始まる。
相変わらずホグワーツの料理は不味いと自国民でさえ思っているイギリスの中でトップクラスの味付けだ。これを食べるのが楽しみでホグワーツに在籍している生徒もいるのではないかと言われているほどだ。

楽しい食事も終わり、ダンブルドアが話し始めた。

「皆よく食べ、よく飲んだことじゃろう。さていくつか知らせる事柄がある。」

持ち込み禁止の品、禁じられた森への立ち入り禁止、これらは毎年のことだ。
だが次にダンブルドアの口から出た言葉はほとんどの生徒に衝撃を与えた。

「さて、これから伝える内容は皆にとって辛いかもしれん。今年のクィディッチ大会は取りやめることとなった。」

大広間にどよめきが上がる。中には叫んで立ち上がる生徒もいる。前年卒業したグリフィンドールのオリバー・ウッドがいなくてよかったとグリフィンドールの生徒は誰もが思った。
生徒たちが静かになってからダンブルドアは続きを話し出す。

「なぜクィディッチが取りやめるのか? その答えを示そう。10月から今学期の終わりまであるイベントが続くからじゃ。クィディッチにも劣らぬほど皆が楽しむであろうとわしは確信しておる。」

ダンブルドアは一旦ためを作ってみせた。

「今年、ホグワーツで、三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)を開催する!」
「ご冗談でしょう!」

グリフィンドールの双子の片割れ、フレッドの声が響く。大広間は爆笑につつまれる。
ダンブルドアが詳しい説明を始める。

「その昔はボーバトン、ダームストラング、ホグワーツで共催して五年ごとに持ち回りで行っておった。だが、悲しいことに夥しい死者が出てしまい中止になってしまっていた。だが、それぞれの学校の校長と魔法省の魔法ゲーム・スポーツ部と協力して今年、数世紀ぶりに再開されることが決まった。」

「立候補するぞ!」

どの寮からも代表への立候補の声が上がる。声を出さなかった者も自分が代表になって活躍する姿を思い浮かべている。だがダンブルドアの次の一言は彼らに衝撃を与えた。

「今大会からは、参加選手に年齢制限を設ける。成人、つまり17歳になっておらん生徒は立候補は出来ないのじゃ。」

この宣言には大ブーイングが巻き起こった。特にギリギリ成人になっていない者は納得がいっていないようだ。
ダンブルドアはそれを無視して説明を続ける。今までの競技では死傷者が多数出てしまったことから成人してないような未熟な魔法使いでは課題をこなすだけの実力が無いことから今回のような制限が付けられたようだ。
ダンブルドアの話が終わり各寮に戻る生徒。寮への道中話題はどうやったら未成年でも出場できるか、誰がどの寮から出場するのか、他校はどんななのか等々、三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)の話題しかなかった。

自室兼研究室に戻るレオとクー。明日からまた授業が始まるので今日はもう寝てしまおうとしていた。

「レナード様は三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)には興味はないのでしょうか? ダンブルドア校長の発言では未成年でも実力があるならば問題ないように聞こえましたが。」

「うーん……。今のところはちょっとぐらい興味があるかな。昔はどんな内容だったのか調べてから考えてもいいんじゃないかな。対抗試合より他校の生徒と交流できる方が興味があるね。」

レオは名誉や栄光には興味がない。賞金がどのくらいなのか知らないが研究の成果によってレオ個人の資産は相当なものになっている。それよりは試合を自作の魔法具や魔法の試験運用目的にした方が良いぐらいの気持ちであった。


新学期が始まってから最初の休日。
レオとハーマイオニーは図書室で三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)の過去の情報を調べていた。
他の生徒も調べているかと思ったが、皆でどんなものかを話したり代表の予想を立てているだけでそういった生徒は本当に参加したい極少数だった。
図書室についてはレオよりハーマイオニーの方が詳しいので本を探すのは彼女にお任せしておいた。数分もすると何冊もの本を抱えたハーマイオニーが戻ってきた。
二人で並んで過去の課題内容を確認していく。

「どれどれ……。『凶暴な魔法生物の討伐』、『超難関な魔法薬の解毒剤を作って自身の毒を解毒』、『超距離の罠満載の道を走破』」

「こっちは、『当時の他校校長と決闘』、『過酷な環境下で一週間サバイバル』、『出場選手同士での乱闘』……色々ひどいものばかりね。」

過去の課題内容は他にもひどいものばかりであった。本を読み進めるにつれ更にとんでもないものが出てくる。正直頭がイカレているとしか思えない出場選手を殺す内容になっていた。原因は各学校が自分の学校で開催時に自校の代表選手が有利になるような課題を決めており、それがエスカレートして開催校が入れ替わるごとにどんどん凶悪になっていって誰もまともにクリアさせる気が無いようなものになってしまったようだ。

「でもちょっと面白そうかもね。そういったものを僕の造った物で切り抜けられるのか試してみたいな。」

「レオ、出場するの? 能力的には絶対大丈夫だと思うけど。」

「代表の選出方法次第かなぁ。僕が名乗り出ても未成年だからその場で却下される可能性の方が高いだろうな。でも、もし魔法的な何かで選出するのなら突破は可能だろうね。ハーマイオニーはどうするの? 君なら実力は十分だろう?」

「私はパス。名誉や賞金が興味がないと言えば噓になるけど命まで賭けるのはちょっとね。特にこんな過去の課題を知っちゃう後だとね。」

「そっか。まぁ僕も自分の研究の成果確認だけで危険だと思ったら即リタイアするね。」

それからは研究室に戻って課題内容を予想したり、いつものように魔法やその他の事を時間いっぱい話し込んだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ダンブルドアは三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)の開催自体は楽しみにしていた。
過去と違って安全対策には自信がある。
だが、それでも不安要素がある。レナード・テイラーだ。
今回の代表選手選定方法を考えるに彼が立候補したら選ばれてしまう確率が高いだろう。
無理やりにでも止めるべきなのだろうか、いやトレローニーの予言から敵対は破滅を意味するかもしれない。闇の帝王が復活する前にレナード・テイラーの不興を買うのは避けなければならない。もしこちらを見限って敵対するならまだしもヴォルデモートと手を組まれでもしたらおしまいだ。
一生徒のことをこんな風に考えている自分は教育者としては落第だろう。だが魔法界のことを考えるならば少しの油断もしてはならない。

「とりあえず、代表選手選定の時になって彼がどう動いてもいいように準備だけはしておこうかのぉ……。」

レナードが入ってきてから毎年のように問題が起こる。そしてその問題は大抵彼が関わってどうにかしてしまっている。今年は対抗試合に関わらないように祈るダンブルドアだった。



現状ではレオはそこまで対抗試合に興味は持ってないです。
でも少しは興味があるということでもあります。

過去の課題内容は捏造です。
死傷者が多数出るなら殺す気ありありの内容なんでしょうね。

レオが参加可能な年齢ならここまで校長は悩まなくて済んだでしょうね。

それでは次回お楽しみに。


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