比企谷八幡とイーグルジャンプ社 (雷侍)
しおりを挟む

プロローグ

どうも雷侍です。
小説は普段読むほうなので書く方は慣れてませんがどうぞお読みになっていただけると
幸いです。


努力とは何か。俺はまだその真意をわからずにいる。努力は必ず報われるなんてただの自己満足にすぎない。努力が報われるというのであれば、野球のプロを目指して努力した野球少年は皆プロに入るはずだ。しかし、現実とは残酷でそうなる保証すらない。

 

「最近さ、調子乗りすぎ」

 

あざ笑うかのように鼻で笑いながら当時、俺の上司だった人が言った言葉をふと思い出す。

そうだ。なぜ努力したものがのけ者にされ、馬鹿にされなければならない。

俺がどんな思いでやってきたか。それを知っているのは俺だけである。

いつだって俺の味方をするものはそこにいなかった。

周りは心配する素振りを見せるだけで何もしない。

なぜ俺が?そんな考えはとうの昔に捨てた。捨てざるを得なかった。

 

「君は会社にとって目障りだからクビ」

 

その一言が、その軽率な考えが、この世界が悪いがためになぜ俺がこんな処遇を受けなければならない。

いや違う。

俺は期待し過ぎていたのだ。この世界に期待しすぎたがゆえに裏切られる。

ならもういっその事誰も信じやしない。期待なんか誰がしてやるか。俺は一人でやっていく。いや、しなければいけないのだ。

人間は一人では生きてはいけない。だが、一人でできることもある。

そうだ。俺は一人でできることだけをやればいい。判断するのはいつだって俺であり、

人一倍苦悩と時間を費やしたのも俺だった。そうだこれからは・・・・・・

 

「・・・・・・谷」

 

ふと誰かに自分の名前を呼ばれた気がして前を見る。

そこには白衣を着た女性が怒り気味で俺の方を見いていた。

 

「何ですか? 平塚先生」

 

目の前にいたのは国語担当の平塚先生だった。

 

「さっきから呼んでも反応しなかったのは君だろ?」

 

そう言いながら平塚先生は俺を見る。

 

「まさか君が就職を希望するとはね」

 

「そんなに意外というほどでも」

 

「意外だろ。君は専業主夫を希望してたからね」

 

確かに俺にしては意外だったと思う。

それでも俺が自分の信念さえ曲げてでも入社したかった理由。

それはそこに本物があるかもしれないと思ったからだ。

奉仕部は本物ではないのかと聞かれたら嘘になる。だが本物が一つしかないなんて

決められていない。そもそも決めるのは俺自身である。

「それにしても君がな・・・・・・」

 

「何回言ってるんですか」

 

「イーグルジャンプに入るなんて信じられんよ」

 

「そうですか」

 

そういうと平塚先生は俺の目をまっすぐ見つめ

 

「がんばれよ」

 

と言い盛大に送り出してくれた。

社会(地獄)へと。




文字数は少なめですがその分長い話にしていこうと思っています。
オリジナルストーリーも入れるつもりなのでよろしくお願いします。
こんな駄作を読んで下さりありがとうございます。
コメントなど待ってます。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

入社早々彼はため息を漏らす

どうも雷侍です。投稿に時間がかかってしまい申し訳ありませんでした。
では引き続き、本編をどうぞ。


ピッピッピッ

アラームが鳴る音を聞き俺は目を覚ます。昨日は平塚先生にはいろいろとしてもらった。

周りを見ると一人暮らしには十分なスペースに電気製品などの必要最低限のものしか置かれていない殺風景な部屋が目の前に広がる。

 

「今日からか」

 

今日からというのは俺が入社する日のことである。

今日から俺はイーグルジャンプ社に入社し、そこで働くこととなる。

実は中学生の時にも一度、入社というものを経験しているのだが・・・・・・

正直、つらい思い出しかないため思い出したくないな。

洗面所に行き、顔を洗い、髪を整え、スーツを着る。

身支度を完了させた俺は足早とイーグルジャンプ社へと向かった。

因みにいうと、俺は眼鏡をかけない。なぜ、長い間一緒に暮らしてきたこいつ(腐った目)を隠すような真似をしなければならない。そんな面倒なことはお断りだ。

 

「・・・・・・青葉です、よろしくお願いします」

 

イーグルジャンプ社の入り口付近に着くと青色の透き通った髪の童顔の女性があいさつの練習をしていた。見方によっては小学生に見える彼女は、あいさつの練習をしていることから俺と同じ新入社員のようだ。

俺は彼女の横を素通りし、会社の中へ入ろうとする。

突如、肩を強く持たれ、外に戻される。

 

「ちょっと君、明らかに怪しいわね」

 

そう言いながら睨みつけてきたのは赤髪の面倒見のよさそうな女性だった。

てか、入社早々不審者と間違えられるとは・・・・・・

そういや、中学の時もこんなことあったな。フェアリーズストーリーのメインキャラ担当するはずだったのに、会社の前で警備員に引き止められて、結局遅刻する奴にメインは任せられんとかで別の会社の人がメイン担当したんだっけ?

 

「・・・・・・あの」

 

俺と赤髪の女性の間に割って入ってきたのは、先ほど入り口付近で挨拶の練習をしていた青髪の女性だった。

どこかしらか、気まずそうな顔をしている。

気まずいなら間割って入るなよ。

 

「今日、入社した涼風青葉です、聞いてますか?」

 

と涼風という女性は赤髪の女性に訪ねた。

 

「青葉ちゃんね、聞いているわよ」

 

赤髪の女性は優しそうな笑顔を向け、言葉を続ける。

 

「私はADの遠山りんと申します、宜しくね青葉ちゃん」

 

遠山さんは再度、笑顔を作ると俺の方を見た。

 

「もしかして、あなたも新入社員?」

 

「・・・・・・比企谷八幡です」

 

遠山さんは俺にごめんねと謝り、自己紹介をしてくれた。

本当にあともうちょっとで侵入社員として捕まるとこだった。

うまくないか。

 

「そういえば、比企谷ってどっかで・・・・・・」

 

「ADって雑用とか多くて大変ですよね」

 

遠山さんが俺が昔、フェアリリーズストーリーのほぼ全般を担当していたのを思い出そうとしたところで、涼風が阿保なことを言いだす。

そういや、阿保と馬鹿って関東か関西かの違いらしいな。意味は愚か者というらしい。

どこの釣り目野郎だよ。主人公と双子だった衝撃の事実のところで俺は泣いたな。

俺のどうでもいい考えはよそに遠山さんはADはアートディレクターの事だと説明するなり、涼風が土下座をしていた。

 

「この会社大丈夫なのか・・・・・・」

 

俺は入社早々、イーグルジャンプ社への不安を隠せずにいるのだった。




全然話が進まないですが、その分オリジナルも加えるのでご了承ください。
失敗を次に活かすため、
コメント、評価など出来ればお願いいたします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼は静かに名乗る

どうも雷侍です。最近、政宗君のリベンジを見すぎてNEWGAME!の内容が頭から抜け落ちていました。(言い訳です)
今回は、自分にしては長めなので是非楽しんでくれると幸いです。

では、本編をどうぞ。


会社の中に入ると、使われていないデスクが2個あった。デスクの上には、性能の良さそうなパソコンとペンタブが置いてある。

 

「今日からここがあなた達が働く場所よ」

 

そう言いながら遠山さんは、会社内の場所の説明やイーグルジャンプ社がどんなゲームを制作しているかなど教えてくれた。

 

「そうだ、何か飲む?」

 

遠山さんはどうやら俺達に飲み物を持ってきてくれるようだ。新入社員の俺らがADという重要な役割を受け持っており、なおかつ先輩とも言える人に飲み物を持ってきてもらうなど・・・・・・断じて否である。

 

「俺は自分で持ってきますので」

 

「そう? じゃあ青葉ちゃんは?」

 

「オレンジ・・・・・・じゃなくてブラックコーヒーを」

 

こいつ絶対今、オレンジジュース頼もうとしただろ。ブラックなんて苦いだけだぞ。

俺が自分の飲み物を持ってきた後、涼風はブラックコーヒーを飲んでせき込んでいた。

ついでに言うと、知らない人が一人増えていた。

 

「あ、比企谷くん」

 

涼風が俺の名前を呼び遠山さんと知らない女性の視線が俺に向いた。

 

「・・・・・・比企谷です」

 

俺が知らない人に自己紹介をすると、知らない女性は

 

「何歳に見える?」

 

といきなり難易度の高い質問をしてきた。なぜなら、この手の質問は実年齢よりも上を答えれば、それ以降の関係が悪くなってしまう。俺が考えるにこの人は二十台前半のはず。平塚先生を見ていたせいで大体の見分けがつく。

 

「23歳」

 

そう俺は答えた。実際は25歳くらいだろうと予想を立てたが、万が一に備えて、低めの答えを出せば確実だろう。

 

「そう? やっぱりそのぐらいに見える?」

 

知らない女性はにやりと笑いながらそう答えた。反応から見るに、実年齢より下だったんだろう。てか、やっぱりって言うことは俺の前に答えたやつがいるのか?

俺が涼風の方に目線をやると涼風はバツの悪そうな顔をして、目を逸らした。

お前だったのかよ。

 

「じゃあ私は?」

 

遠山さんは恐らくさっきの人と同年代のはず。ならば答えは

 

「23歳」

 

俺がそう答えると

 

「比企谷君はいい子ね」

 

と言ってきた。遠山さんも反応を見る限り実年齢よりも下だったんだろう。

 

「ところでそちらの人は?」

 

俺が先ほどから気になっていた知らない女性の事について聞くと、

遠山さんが答えてくれた。

 

「こちらの方は八神コウ、フェアリーズストーリーのメインキャラを担当してたのよ」

 

「ちょっと、りん!」

 

遠山さんが自慢げに話すと、八神さんは恥ずかしそうにしていた。ちょっと待てよ。

八神コウってどっかで。フェアリーズストーリーのメインキャラを担当って・・・・・・

俺がメインキャラの担当を外されて、別の会社に依頼したって聞いてたけどお前かい!

 

「八神・・・・・・コウ」

 

いつの間にか俺の隣にいた涼風が驚いた表情をしながら尊敬の眼差しを向けている。

いや、ちょっとまてやお前!

フェアリーズストーリーのほぼ全部を担当した俺がここにいるんだぞ?

一方俺はというと八神さんを睨んでいた。だって、こいつが居なかったら俺が全部担当してたのに・・・・・・

 

「涼風青葉です。よろしくお願いします!」

 

俺が考え込んでいた間に、涼風が自己紹介をしていた。

涼風の後に続き、俺も自己紹介を始めた。

 

「比企谷八幡です。フェアリーズストーリーのほぼ全部を担当してました。」

 

俺は挨拶がてらに八神さんに向かってそう言い放った。




たった300文字増えただけだけどそれが何か?まさに外道!←言ってみたかっただけ

一応自分の中では15話で完結の予定です。
また、5話毎にオリジナルストーリーを挟む予定ですので、

1話  原作

2話  原作

3話  原作

4話  原作
 
5話  オリジナルストーリー

6話  原作

7話  原作

8話  原作

9話  原作

10話 オリジナルストーリー

11話 原作

12話 原作

13話 オリジナルストーリー

14話 オリジナルストーリー

15話 オリジナルストーリー

となります。最後の三話分は15話でオリジナルストーリーの完結のために三話分、オリジナルストーリーとなります。

作者の調子やコメントに応じて完結までの話数の変動があります。

では皆さんまた次の話で。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼と彼女と親友の行く末は

皆さん最近気になった点をコメントで書いていただきありがとうございます。
自分が説明できるところはできるだけしていますが、気になる点があったら気にせずにコメントしてください。



俺が八神さんに宣戦布告とも言える発言をした後、八神さんは驚いた表情で俺を見ていた。

八神さんだけではない。もちろん涼風や遠山さんも俺の方に視線を向けていた。

 

「・・・・・・だから?」

 

「りん!」

 

その場にいた全員が異様な空気に包まれ動けなくなっている中、遠山さんは俺の方を睨みながらそういい、それを八神さんが止めに入っている。

 

「・・・・・・メインキャラは俺が描きます」

 

その一言で遠山さんの顔はみるみる怒りに満ちていった。当たり前だろう。新入社員の俺がフェアリーズストーリーのメインキャラをしている八神さんに向かって挑発的な発言をしたに加え、メインの座を取ると言ったのだ。

 

「コウちゃんは・・・・・・頑張って!」

 

「りん、もういいよ」

 

怒りを抑えきれない遠山さんを八神さんが宥める。

なぜ、俺が今この場で勝負を挑んだのか。中学生からずっと思ってきたことがある。

もし、警備員に止められてなかったら?と。

だからこそ、俺は勝負を挑んだ。

 

「で? どうするつもりなの?」

 

「・・・・・・俺が描いたイラストと、八神さんが描いたイラストを上の人に見てもらい

 勝負をつけます」

 

「比企谷が勝ったら?」

 

「その場合は、メインキャラを俺が担当します、もし負けた場合はクビにするなりお好き                 

 に」

 

俺に覚悟があると判断した遠山さんは八神さんとの勝負を許可すると、勝負の内容について説明してくれた。

勝負内容をまとめると、俺と八神さんの絵を葉月さんという人に見てもらうらしい。

そこで、俺が勝った場合、俺がメインキャラを担当し、俺が負けた場合は八神さんではなく遠山さんが俺の処遇を決めるようだ。

話が決定するやいなや、八神さんと遠山さんは自分のデスクに戻り、勝負のイラストについて話に行った。一方涼風は俺を見ながらボーっと突っ立っている。

そんな涼風はよそに俺は自分のデスクで、勝負用のキャラクターの制作に取り掛かった。

そして、時間が朝の3時ぐらいになっても俺のほかに明るく光を放っているブースが一つあった。恐らく、八神さんも勝負用のキャラデザをしているのだろう。

結局八神さんは4時ごろに就寝したようで、俺はというと気づいたら業務時間になっていた。

 

「おはようございます」

 

部屋の入口の方から挨拶をする声が聞こえてきたので少し覗いてみると涼風であった。

 

「あ、比企谷君」

 

どこか気まずそうな表情を浮かべている。当然と言えば当然か。

昨日は俺がフェアリーズストーリーのほぼ全てを担当してたと暴露したのちに、神とまで言われたイラストレーターである八神さんと勝負することになったからな。

 

「おう、おはよ」

 

「色々大変そうだね」

 

涼風はその言葉を言って自分のデスクに戻ってしまった。

そして、約二週間という時を経て、いよいよ俺と八神さんの勝負の決着が決まる日になった。

 




最近思うことがある。読んでいて違和感を覚えた所をコメントにしてもらえるのは嬉しい。
今は、なぜそうなるのかを説明できていると思うが、もし、この先、気になる点をコメントしてもらえて、それに対して説明できなかったらこの作品を一からやり直しになるということになるのではないかと。
あと、あくまで勝負の内容や誰に見てもらうかを決める権利はりんにあります。
理由としてはADだから。
2週間で描けるのは、八神さんのノルマが一日一体なのと、八幡も一日一体で描ける設定だからです。なぜ、八幡も一日に一体描けるのかを説明いたしますと、メインキャラをほかの会社に回すのであれば、なるべく技術が元々描く予定だった人と同じか、それ以上の人を選ぶと思ったからです。
まぁ、技術と言ってもお互い、長い月日がたっていますので『今の』技術はどれぐらいかは分からないという設定です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
また、お気に入り登録やコメントなどありがとうございます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼はこうしてアシスタントになる

どうも雷侍です。
ここ最近、投稿できなくてすみません。
では、本編をどうぞ


目の前を見ると葉月さんがプリンター用紙を二枚手に持っている。

勿論、俺と八神さんの勝負の行方を決めてもらうためである。

因みに何故、プリンター用紙かというと、経費削減のためだそうだ。

 

「ほう、これはこれは・・・・・・」

 

「勿体ぶらずに早く決めて下さいよ」

 

葉月さんがあまりにも勿体ぶるのでつい、催促してしまった。

すると葉月さんはどちらか決めたそうで俺と八神さんの顔を見て言った。

 

「この勝負は比企谷君の勝ちだね」

 

その瞬間、俺の心には中学からの鬱憤を晴らせたという気持ちと達成感、

その他諸々が沸き上がってきた。

 

「それでは」

 

と俺が一言、言葉を発すると周りにいた八神さん、遠山さん、葉月さん、涼風が

俺の方に視線を向ける。

その際、涼風と遠山さんに限っては俺の方を睨んでる気がするんだが。

ぜったい睨んでるよね!

 

「俺は八神さんのアシスタントに回ります」

 

俺の言葉を聞くとともに、葉月さんを除く全員が目を見開く。

俺の予想では、メインキャラを任せられるのなら、メインキャラを描く人のアシスタントに回るという提案も飲んでくれるはず。

 

「比企谷君は何がしたいの?」

 

涼風が俺にそう質問してくる。俺の望みはもともと一つしかない。

あの日の、自分が思ったことを証明させる。

 

「俺の要望は一つ、八神さんの手伝いをする事」

 

「そもそも、この勝負は俺が八神さんに劣っているかどうかを確認するためだけに起こしたことだ」

 

そこまで言うと涼風は黙り込み、何故か重い空気になった。

当然、俺にこの重い空気を一変させる事は出来ず、とりあえず俺は八神さんのアシスタントになり、遠山さんとは和解と上手く事が進んだ。

自分でもここまでいい展開になることは予想していなかったため驚きを隠せなかった。

俺が八神さんのアシスタントになったと言うことで今は自分のデスクから椅子を持ってきて八神さんの隣に座っているのだが・・・・・・

 

「アシスタントって何すんの?」

 

「考えていませんでした!」

 

アシスタントになって何をするかまで考えていなかった俺は、完璧な土下座を八神さんに披露し、そう告げた。

 

「いや、そこまでしなくていいから」

 

八神さんは意外と優しいようで、許してくれたのだが。

遠山さんからの目線が痛い。

自分の椅子に座り、八神さんにアシスタントの仕事の考案を告げる。

 

「キャラクターの修正、色塗りはどうですか?」

 

「それ、ほぼ全部じゃん!」

 

考案を告げたが一瞬で却下の一言。

どうしようか考えつつもなかなか思いつかないのであった。

 

 




今回は短めですね。←いつもだろ!

オリジナルストーリーである五話を無事、投稿できてよかったです。
では今後ともよろしくお願いします。

もう、眠たすぎて、自分でも何書いてるか分からない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼は珍しく、自分らしくないことを考える

どうも雷侍です。
最近、お気に入り登録者が増えてまいりました。
これも皆さんのおかげです。
では、本編をどうぞ。


八神さんとメインキャラのアシスタントの役割について三十分程話し合った結果、

アシスタントの仕事はメインキャラ担当である八神さんの命令を聞く係となった。

 

「じゃあ、比企谷は自分のデスク戻ってていいから」

 

「俺の仕事は?」

 

「・・・・・・ない」

 

「ですよね」

 

早速、八神さんに仕事を貰おうとしたんだが、多分あの人、俺を使わずに全部一人でやるつもりだ。

しかし、八神さんから命令が出ないとなると、俺は働かずに給料が貰える。

最高じゃね?

 

「比企谷君は青葉ちゃんの手伝いお願いね」

 

うん。知ってた。

働かずに給料を貰おうと考えていたら、遠山さんに涼風の手伝いを依頼された。

どうやら涼風は今、フェアリーズストーリーに出てくる村のNPCを作っているようだ。

因みに、NPCとはプレイヤーが操作をしないキャラクター、例に挙げるとするなら村長とか村人といった感じだ。

 

「よ、よう」

 

「あ、比企谷君」

 

何で涼風は見てはいけないものを見てしまった顔をしてるんだよ。

地味に傷つくからやめてね?

 

「遠山さんに手伝いを任されたんだが・・・・・・」

 

「そうだったんだ」

 

「どこが分からないんだ?」

 

そう聞くと涼風は、頑張っているのだがひふみ先輩という人が作ったNCPよりクオリティが下回っているらしく、同等に持っていきたいらしい。

てか、今更だけど俺って、涼風、遠山さん、八神さん、葉月さん以外に同じグループ所属の人知らないんだけど。

 

「ねぇ、比企谷君ってば!」

 

「お、おぉ」

 

どうやら考え事をしている間に涼風が改善点を聞いて来ていたようだ。

 

「全体の色をもう少し濃くして、あとグラデーションを増やした後に、表情を柔らかくしたら良いんじゃないか?」

 

「比企谷君ってもしかして天才?」

 

「まぁな、俺は目が腐ってるのとボッチなのを除けば基本は高スペックなんだよ」

 

俺が自画自賛をしているのを無視した涼風が試しに見本を描いてくれというので、NPCを一体描くことになった。

それにしても、キャラクターを描くのは久しぶりだな。

二十分程たった頃に、俺のNPCは完成した。

 

「はや!」

 

「きも!」

 

涼風が俺のNPCを完成させるまでの時間が早かったことに驚いた表情をしている。

そして、いつの間にか後ろにいた八神さんが凄く引いている。

 

「キモいは酷くないですか?」

 

「そう?」

 

八神さんにキモいと言われたことに対して謝罪を要求しようとしたのだが、当の本人は全く悪びれた様子はなかった。

 

「それで、何で後ろにいるんすか?」

 

先程から疑問に思っていたことを八神さんに聞くと、色塗りを俺に頼もうとしていたらしい。

 

「じゃあ、比企谷よろしく」

 

「うす」

 

「あと、青葉は比企谷のを参考にして作業進めて」

 

「わかりました!」

 

俺たちに仕事を与えると、八神さんは自分のデスクへと戻っていった。

因みに、俺はすぐさま色塗りを終わらし余った時間をラノベに費やしていた。

社会は残酷で理不尽で対等など有り得ないというのが現実であり、俺も過去に一度苦い経験をした。だがここでは、イーグルジャンプ社では少なからず、皆が一人の人間として、チームとして対等であり、こういうのも悪くはないかと、自分らしくないことを珍しく考えるのだった。




やはり、小説は毎日書かないと腕が落ちるなぁ。←文才ないのは元々

初心者ですがこれからもどうぞよろしくお願いします。
完結に向けて頑張ります!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼の会社は今日も平和である

どうも皆さん雷侍です。
御陰様でUAが一万人を突破しました。
本当にありがとうございます!
では本編をどうぞ。


アラームの音で目を覚ます。

学生時代、遅刻を何度かしていた俺がこうしてアラームの音で目が覚めるのも

俺の中に眠る社畜魂が才能を開花させたからだろうか。

周りを見ると長机が二つ、向かい合うように置かれている。

そしてその先にはプロジェクターが置かれており、此処が会議室であることが容易に分かる。俺を含むキャラデザ班は昨日から会社に泊まっている。

昨日俺がしたことは、八神さんの描いたキャラクターに色付けをしていた。

八神さんは意外と厳しく、やり直しを何度もさせられていたんだが。

遠山さん曰く、俺の色塗りが上手すぎて嫉妬していると言ってたが、俺関係なくないか?

俺関係なくないか?大事なことなので二回言いました。

結局、深夜までやり直しを強要され過去最高の作品が出来上がってしまった。

 

コンコン

 

ドアをノックする音が聞こえる。

何事かと思いとりあえずドアの方へ声をかけてみる。

 

「どうしたんすか?」

 

「比企谷? 青葉起こして!!」

 

声の主はどうやら八神さんで何やら焦っているようにも思える。

てか、何で涼風が会議室に居るの?流石に若い男女二人が同じ部屋というのもねぇ。

いや、別に襲ってやろうとか俺に限ってはないぞ。ハチマンウソツカナイ。

 

「涼風」

 

涼風の体を揺すりながら名前を呼ぶ。すると目が覚めたようでこちらに向く涼風。

 

「何で比企谷君が此処に?」

 

「いや、俺が知りたいんだけど」

 

そう言いながらドアの方へ向かって声を出す。

 

「起こしましたよ!」

 

そう言うと八神さんは焦ったように声を返してくる。

 

「早く出てきて!」

 

何故、早く出ないといけないのか?べ、別に涼風ともう少し一緒にいたいというわけではない。本当だよ?そもそも、アラームを設定した時間に起きているのだから出社までまだまだ時間があるはず。そう思い時間を確認すると、出社時間を当に過ぎていた。

だらだらと嫌な汗が流れ始める。何故だ?何で出社時間から二時間も経っている?

そして、設定をよく見るとスヌーズ機能が設定されていた。

成程。俺が目を覚ましたのはスヌーズ機能によって鳴ったアラームだった訳か。

急いで涼風の手を引きドアを開ける。

すると、ドアの先には八神さんの姿はなく、俺は八神さんのデスクまで向かい、涼風の手を放す。

 

「もぅ、比企谷君痛い」

 

「いや、遅刻してたから焦ったんだよ」

 

そういうと涼風は有難うと俺に一言だけ礼を入れると、自分のデスクへ帰っていった。

勿論俺たちは遅刻したんだが、何故か涼風だけ、遅刻ではなくなったそうだ。

おい。折角皆対等とか思っていたのに台無しじゃないか。

まぁそんなこんなでイーグル社は今日も平和であり、今俺たちが作っているフェアリーズストーリーもあと少しで発売に迫っていた。

 




今回は地文多めですみません。
それと、UA一万人突破記念に、一万字以上ののものを
描こうと思います。

では今後ともよろしくお願いいたします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼はまだ知らない

どうも雷侍です。
今回も地文が多めとなっております。

では本編をどうぞ!


もうすぐ、フェアリーズストーリーの最新作発売に向けて、最後の詰めというものをしている所、ようやく俺は他の先輩と知り合った。

何でも飯島ゆん先輩がお菓子を持ってきてたようでその時に俺も涼風に誘われた。

そこで、俺とまだ関わりのない先輩方が自己紹介をしようということになった。

初めに自己紹介をしたのは飯島先輩だった。関西弁でとても話しやすく、フリルの着いた服をよく着ているそうだ。続いて自己紹介をしたのは篠田はじめ先輩。性格は活発そうなのが特徴だ。因みにモーション班のメンバーなのだが、席がなくキャラ班にいるそうだ。

そして、最後に自己紹介をしたのは滝本ひふみ先輩だった。おどおどした性格が特徴的で俺と同じ匂いがする。つまり、ボッチに向いていると思う。遠山さんと八神さんの次に年上であるため、二人が休んだ場合は指揮をとる立場になるらしい。

そして、自己紹介を終えた後はお菓子を食べ、勤務時間になったので仕事に戻っている。

 

「比企谷」

 

いつの間にか俺の後ろに立っていた八神さんが俺の名前を呼ぶ。

 

「なんすか?」

 

「実はさ」

 

話を聞くとどうやら新入社員の歓迎会があるらしい。

なぜ、この時期にやるのか理由を聞くと、俺に伝える機会がなかったそうで先延ばしになっていたようだ。

俺が了承すると八神さんは早速店に予約を入れたらしく、俺は勤務時間が過ぎたのを見て店に向かった。

 

「あ、比企谷君」

 

涼風に呼ばれたので見てみるともうすでに歓迎会が開かれていた。

開かれていた。大事なことなので二回言いました。

それにしても、一応主役の俺がいないのにも関わらず歓迎会を始めるとか・・・・・・

流石はボッチである俺だな。

どうでもいいことを考えていると八神さんの隣に座るよう言われたので腰を下ろす。

 

「そういえば、比企谷って無口だよね」

 

八神さんが突然そう言いだす。

 

「そうっすか?」

 

俺は無口というより、必要最低限のコミュニケーションを取らないだけである。

人類がまだ猿人だった頃はコミュニケーションといえば少ない合図で済ませていた。

それに比べて最近の若者というのは、造形語を作ったり、なんでも簡略化しようとしたがる。また、彼らは上下関係が厳しい世代に生まれたのにも関わらず、上司に向かってタメ口を使ったりする。それに比べて俺はと言うと、必要最低限のコミュニケーションかつ敬語を使っているあたりやはりボッチは最強と言えるだろう。

結論を言うと無口なのはボッチでコミュニケーション力が少ないからです。

 

「そろそろ帰るわよ」

 

遠山さんの合図で俺たちは解散することとなった。

因みに遠山さんは酒が回りすぎたせいか、まともに歩ける様子がなかったので

八神さんが連れて帰ることにしたそうだ。

俺は彼女と昔、面識があることをまだ知らない。




まだ、ヒロインが誰か分からない状況ですがここから徐々にわかってくると思います。
コメントやお気に入り登録をしていただきありがとうございます。

お読みいただきありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

1話リメイクver

朝7時。

いつもより早い起床に八幡は普段の倍以上の睡眠欲が襲うのを何とか振り払い、寝床から体を起こす。

まだ虚な目を覚まそうと目蓋を擦ってみれば、少々ボヤいた後に当たりが鮮明になっていく。重い体をそのままクローゼットへと動かし、中からスーツを取り出す。グレーを基準とした縦織りの線が入っているものであり、かもなく不可もなく。彼の目立ちたくない、という性格が顕著に現れていると言えるだろう。袖に腕を通し、身支度の終えた八幡は一階のリビングへと足を向ける。

中に入るとまだ灯りはついていない。当然と言えるだろう。

なんせ今日は休日、彼の家族は母、父、妹の三人だがその全員が休日である。

明かりをつけた八幡は、冷蔵庫の前まで行き扉を開く。

中には彼の妹が昨晩、彼のことを思い作った朝食がそこにあった。嬉しくなる思いを我慢しながらも、八幡はそれをレンジへと持っていき温めて食べる。

両手を合わせ、「ご馳走さま」と呟いた声は一人しかいない空間に溶け込むようにして消えて行く。

食器を台所へと持って行き、水の溜めてある容器へと放り込んだ八幡は腕を腕に伸ばして欠伸をしながら玄関へと歩む。

少し段下に並べられている自分の靴を履いた後ドアを開けようと取手に手をかけたところで、何やら背後からドタドタと二階から人が降りてくる足音がする。

 

「お兄ちゃん行ってらっしゃい」

 

振り返らずとも、自分の妹である事が分かる八幡は背を向けたまま掌を仰ぐように動かして行ってきますという事を伝える。

家を出てすぐ、ドアの前でふと八幡は空に目を向ける。

そこにはこれでもかと言わんばかりの快晴、照りつける日差し、青い空。

普段ならやりもしない事をしようとするのは、今日が特別な日だからであろう。視点を元に戻すと自転車に跨った八幡は目的の場所へと向かうのだった。

今日は四月。辺りは新入生や新社員で賑わっている。それはまるで、春を象徴するかのような光景であった。

 

 

 

 

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 




ねみぃ


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。