風味絶佳 ~Keeno y Satoru~ それは純白な 雪のような純愛 (善太夫)
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風味絶佳 ~Keeno y Satoru~ それは純白な 雪のような純愛
◆プロローグ ~Sugar and spice and all that's niceのあらすじ~
ユグドラシル最終日──かつての仲間にメールを送り一握りのメンバーが来てくれたが、誰も最後まで残ってくれなかった。
23:58:03
モモンガは地上に出て沼地目掛けて飛ぶ。
「行くぜ!」
スイッチが押され五千発もの花火が上がり巨大な大爆発を起こす。眩しさに思わず目を閉じたモモンガが目を開くと先程までの沼地ではなく、廃虚の上空にいた。
0:03:45、46、47……
「サーバーダウンが延期した?」
しかしコンソールが表示されず、モモンガは異常事態と悟る。地上に降り、〈完全不可視化〉を発動させて周囲を調べる。辺り一面にやたらとあるアンデッド反応。その中にゾンビとは異なる反応を見つける。
「逃がさんよ、情報原」
モモンガは〈飛行〉を使いフードつきのマントを着た小柄な人影を捕捉する。
「……私は……鈴木悟というがお前──君の名前は?」
奇妙な発音を繰り返す子供の言葉はやがて小さな意味のある言葉になる。
「──ィーノ・──ァスリス・インベ──ン」
繰り返し聞こえる言葉はやがて明確にモモンガに意味を教えてくれた。
「なまえはキーノ・ファスリス・インベルン」
それは少女の名前だった。
◆◆
悟はアイテムボックスから乾パンみたいな携行食を取りだし少女に差し出す。少女──キーノはおずおずと手を伸ばし、引ったくるかのように携行食を掴み、喉に流し込む。
「お腹が空いていたんだな。さあ、これも……」
グラスに水を注ぎキーノに差し出す。こうして飲み食いをしたキーノはコトンと落ちるかのように眠りについた。
あれから数日が経った。キーノはよく眠る。言葉はまだたどたどしいがなんとか喋れるようになった。
「サトル? ……サトル?」
暗がりに怯えているのだろうか? まるで小さな雛鳥のようなか細さで悟の名前を呼ぶ。悟は優しく、そっとキーノの手を握った。
安心しながらまた眠りにつくキーノを見守りながら、ふと、彼女が再び目覚めないかもしれない不安に襲われる。
悟は改めてキーノを眺める。小柄な身体はまだ少女のものだった。少しくせのある金髪に真紅の瞳。そして透き通るように白い肌。年の頃は十四五だろう。そしてアンデッド──種族はヴァンパイアだった。
彼女は生まれながらのアンデッドではない。恐らく何らかの儀式魔法によってアンデッド化した人間と思われた。いずれにせよアンデッドの中でも最上位種であるオーバーロードであるモモンガ──鈴木悟にとっては些細な事に過ぎない。
「サトル?」
考え事をしていた悟の顔を真紅の瞳が心配そうに見つめていた。どうやらキーノがいつの間にか目覚めたようだった。悟は優しく笑いかける。
「なんでもない。ちょっと考え事をしていたんだよ」
そして子供をあやすかのように頭を撫でた。キーノはこうして頭を撫でられるのが好きだった。
それにしても──悟は思う。アンデッドは睡眠を必要としない。だが、キーノはよく眠る。ユグドラシルの世界との差異なのか、それともキーノがアンデッドになった理由に原因があるのだろうか?
あの日、キーノに何があったのか、そして町の人間がなぜ全て死んでいたのか、あれだけ大勢のアンデッドがいた理由について、キーノは何も知らないようだった。何を聞いてみても哀しそうに頭を振るだけだった。死滅した町を隅々まで調べてみたが、町の中心にある広場に大きな魔方陣と砕けた水晶の破片、そしてかすかに残された魔法力の残滓が見つけられただけだった。残念ながらその魔方陣は悟の知識には無いものであった為、何が行われたかはわからなかったが、何らかの儀式によって町が一つ滅んだに違いなさそうだった。
町から必要な物資を拾い集めると悟は旅支度をととのえた。
◆
アンデッドの二人は人間社会から隠れるように常に移動し、ひっそりと生活をしていた。旅をしながらの生活の中でキーノは徐々に言葉を取り戻していった。
キーノは悟と共に行動するようになって随分と打ち解けてきた。正直な所、足手まといで邪魔に感じる時もある。しかしながら、この得体の知れない世界の中で、悟の心にキーノの存在が段々と大きなものになりつつあった。
二人は常に旅を続けていた。決して一つの所に留まる事をしなかった。いや、出来なかったというべきかもしれない。
アンデッドという素性が明るみにならない為には仕方がなかった。
アゼルリシア山脈の麓に一軒の空家を見つけてしばらく滞在する事にした。
「サトル。頼みがある」
キーノは真剣な表情で悟の前に立つ。
「私に魔法を教えて欲しい」
悟は困ってしまった。ユグドラシル世界しか知らない悟には魔法を教えるすべがわからなかった。悟は悩んだ後、アイテムボックスから紅い宝石を取り出した。
「これは〈レッドクリスタル〉といって魔力値を上昇させる効果がある。これを肌身離さずにいて、簡単な魔法から練習してゆけば良いだろう。まずはマジックアローからだな」
その日からキーノのマジックキャスターとしての修行が始まった。
キーノにはマジックキャスターとしての才能があった。特に鉱物系で水晶に特化した魔法との相性が良かった。
そして長い年月が過ぎた。キーノは第六位階までの魔法を覚えるまでになった。
「……サトルは凄いな。私では到底到達出来そうにない高みにいる」
「そんな事ないさ。キーノは頑張ったと思うよ。……俺は……そんな大層なもんじゃない」
悟は──俺はキーノみたいに努力していないから──という言葉を飲み込んだ。
アゼルリシア山脈の麓の、人間社会から隔離された二人だけのささやかな、そして平和な生活は一人の来訪者のノックにより終わろうとしていた。
◆
扉を開けると三十代位のやたらと艶めいた女冒険者がいた。レベルが低いとはいえモンスターが多く出現する郊外で、しかも女性一人というのはいかにも異質だった。そんな悟の視線を感じたのか、女は帽子をとり、自己紹介をした。
「私はリグリット・ベルスー・カウラウ。ネクロマンサーだ」
悟はキーノを自らの背に隠す。と、リグリットが笑いだした。
「警戒しなくても大丈夫。何も事を構える気は私には無いからね」
悟はとりあえずリグリットを家に上げて話を聞く事にした。
「ふむ。なかなか強そうだね。サトルとキーノか……二人共、アンデッドだな?」
「……ああ。それがどうした?」
リグリットはまるでアンデッドの匂いがするかのように鼻をひくつかせた。
「アンデッドの中には二種類ある。人間を憎む者、そして人間に戻りたがっている者、だな」
リグリットは懐から煙草を取り出すと火を着けた。悠然と紫煙をくゆらす。
「あんたらはどちらだろうね? さて、本題に入るとしよう。……力を貸して欲しい。魔神討伐のね」
悟も噂で聞いた事がある。各地で『魔神』なるものが暴れているのだと。
「……お断りします。俺達は静かに暮らしていたい」
リグリットの瞳が大きくなる。彼女は煙をスゥーっと吐き出すと、低い声で言った。
「……死の螺旋。とある町を一つ、滅亡させた儀式があった。……それは十万人もの人命を生け贄にした儀式でね、自らの肉体を不死──アンデッドに変えるものだという」
キーノがぎゅっと悟の服を掴む。悟はかつて見た光景を思い出していた。
「その儀式を行い、自らアンデッドになった者を私達は『国墜とし』と名付けて探している」
「……貴女は、そのアンデッドをどうするつもりなんだ?」
悟は口の中が渇く感じがした。無論、アンデッドだから実際にはそんな事は無いのだが。
「どうするか、ね。私はしがないネクロマンサーさ。賞金稼ぎの、ね。まあ、『国墜とし』に高額の賞金がついたら考えるよ」
リグリットは悪戯っぽく笑った。その笑顔はチャーミングですらあった。
「まあ、いいや。リーダーに頼まれてあちこちで仲間集めをしていてね。……せめて魔神側につかないとだけ、約束して欲しい」
「わかった。約束する」
リグリットは他にも回る所があるといって早々に出ていった。何でもドワーフの英雄王を訪ねるらしい。悟は『死の螺旋』についてもっと話が聞きたかったのだが……。
「……国墜とし、だってさ」
不安げに見上げるキーノの頭を悟は優しく撫でた。この少女とはおよそ似つかわしくない呼び名がついたものだ。
しかし──キーノがアンデッドとなった経緯に少しながら触れる事が出来たのは良かった。
翌朝早く悟とキーノは荷物をまとめ、旅に出る。短い間ながら過ごした『家』には様々な思い出が出来ていた。
「……いつか戻ってこれるかな?」
キーノが寂しそうに呟く。悟はキーノの頭をくしゃくしゃに撫でて無言で促す。
十三英雄と魔神との戦いから離れて、ひっそりと二人は旅を続けるのだった。
◆
またしても気の遠くなる年月が過ぎた。
二人は城砦都市エ・ランテルにやって来た。街に入った瞬間、悟は嫌な予感がした。
漠然とだが、『死の香り』がした。
悟の予感は残念ながら的中する。その夜、郊外の墓地で大量のアンデッドが発生してエ・ランテルは一夜にして死の街となった。
死体だらけの街を歩きながら悟は思い出していた。かつて『死の螺旋』で滅んだ町を。
キーノは突然蹲った。
「……あー……あー……」
キーノの脳裏に断片的に様々な光景が浮かぶ。それらは全てキーノの記憶だった。
──父親に甘える少女、そして優しく見守る母親。少女の死、そして父親の嘆き。父親は少女の復活を望み、禁じられた黒魔術の秘術に傾倒していく。母親の死が父親の狂気を加速する。そして──
十万人の魂を楔とした秘術によりアンデッドとして復活する少女──キーノ。
キーノは知る。既に自分が死んでいた事を。そして狂った父親が彼女を復活させる為に十万人の人間を殺した事を。
エ・ランテルでアンデッドの儀式を行っていた秘密結社ズーラーノーンの幹部と対峙する悟とキーノ。悟の超位魔法でズーラーノーンの幹部二人を抹殺する。
ナイフ使いの女幹部のいまわの際の言葉からズーラーノーンの盟主こそがかつてキーノをアンデッドとした『死の螺旋』を行った『国墜とし』、つまりキーノの父親だと知る。
彼もキーノと同じくアンデッドとなり、二百五十年もの年月を過ごしていたのだった。
「……サトル。私はお父様を止める」
キーノの決心は固かった。悟はキーノの願いをかなえる事にした。
◆
ズーラーノーンの本拠地への情報をもたらしたのは意外な人物だった。
「……久しぶりじゃの? サトル、そして泣き虫。リグリットじゃ」
久しぶりに再会したリグリットは老婆になっていた。無理もない。アゼルリシア山脈で会った時から既に百年近く経っている。
「お主たちはズーラーノーンの盟主を探しておるのじゃろ? わしならば力になれるぞ」
悟はリグリットからズーラーノーンの本拠地の情報を得る。そしてすぐさま襲撃をする。たった二人で。
激戦の末にズーラーノーンの幹部達を倒し、盟主とまみえる二人。それは二百五十年ぶりの父娘の再会でもあった。
「お父様! 私はキーノ。キーノ・ファスリス・インベルン。貴方の娘です」
キーノが叫ぶ。しかし盟主はなんの反応もない。
玉座には異形の『モノ』が座っていた。肉体は人間であった原形をもはやとどめておらず、ただ単に醜悪な肉塊がそこにあった。
肉塊は邪悪な意思でキーノを襲う。
「危ないっ!」
悟は思わず叫ぶ。キーノはそんな悟に微かに微笑んでみせる。
「……そう。可哀想に。もうお父様は人間である事を辞めてしまったのね」
キーノの頬に泪が流れる。『死の螺旋』──かつてキーノの死を『無かった事』にする為にキーノの父親──ズーラーノーンの盟主──が十万人もの人命を生け贄に行った儀式──はキーノのアンデッドとしての復活と父親を人ならざるモノへと変化させたのだった。
キーノは何をすべきかを見つけた。──私は既に死んでいた──だから──
「キーノ!」
悟が吠えた。
キーノは胸に十字を切り、呪文を唱えだす。
──〈Jeux interdits 禁じられた遊び〉──キーノの唯一のタレント──とはいってもキーノがアンデッドとなった際に軛につながれた十万人の魂を解放する、というもの──を静かに発動させる。
「キーノ! お願いだ! 行かないでくれ!」
キーノは悟に微笑んだ。そして心の底から──ありがとう。サトル──と言った。
キーノの胸から生じた白い光は大きくなり、キーノと父親を包み、消えた。
光に包まれて消える瞬間、キーノの唇が動いた。
──あ、い、し、て、い、る──
「キーノォォ!」
悟は気が狂ったかのように辺りを探し回る。
「……俺を、俺を独りにしないでくれ! キーノ! 何処だ?」
やがて悟はうずくまったまま動かなくなった。雨が降りだしていた。そして悟は独りになった。
◆
キーノがいなくなってから数年が経った。悟は幽鬼のようにさまよい続けた。
死ねないアンデッドの身体を恨みながら。
かつてズーラーノーンの儀式で死の街となったエ・ランテルにやってきた。あれから数年が経つのに、街は全く変わらなかった。
あちこちにあった死体は白骨と化し、惨劇をそのまま留めていた。
もしも──悟は思う。
もしもあの日、エ・ランテルに足を踏み入れなかったら──ズーラーノーンの儀式に会わなければ──キーノの記憶が戻る事はなかっただろう。
そして悟が独りになる事はなかっただろう。
「……キーノ……」
悟は今更ながらキーノを失った事がどれだけ大きかったか思い知らされた。上目づかいで見上げる真紅の瞳が、くせのあるサラサラとした金髪が、子犬のように弾んで走る様が、ただただ懐かしくいとおしかった。
悟は彷徨う。死に場所を求めて。不死のアンデッドである自分には決して辿り着けない事をわかっていながら。
◆
いつしか森の中を彷徨う内に広い草原にやって来た。初めての光景なのに、どことなく懐かしい匂いがした。
「──モモンガさん? ギルド長ですよね?」
不意に人影がいくつも現れ悟に話しかけた。それは二百五十年間呼ばれる事が無かった名前──
悟は──モモンガに戻った。
───Fin
◆◆エピローグ◆◆
「イビルアイ行くぞ? 姫様がお待ちかねだ」
ガカーランの声にイビルアイは立ち上がった。どうやら僅かの間、居眠りしてしまったようだ。
──おかしいな。イビルアイはアンデッドであり、そもそも睡眠を必要としない。彼女にとって夜に床につくのは瞑想する為のようなものだった。
「…………サト……ル?」
夢の内容は覚えていない。ただ、今の自分とは異なる自分の人生を辿ったかのような感覚と、疲労感があった。
そして誰か大切な人がいた。
──サトル。イビルアイはまたもや小さくつぶやく。その名前に暖かなものを感じながら。
「おいおい? まだ支度出来ていないのか? 姫様だけじゃねえ。ボスも待っているんだぞ?」
ガカーランが更に急かす。
わかっている──と口の中で答えながら仮面の額に嵌められた紅い宝石を見つめる。
さあ、私は謎の仮面のマジックキャスター、イビルアイだ。今日一日はキーノ・ファスリス・インベルンである事を捨てる。
イビルアイは歩きだす。眩しい陽射しの下を。
◆◆エピローグ2 Another end of story◆◆
「良いのか? 本当に」
リグリットは悟に念を押す。悟は無言で頷く。そして魔法を発動させ、キーノの記憶を改竄する。
リグリットは眠ったままのキーノを背負い、もう一度、悟に念を押す。
「本当に良いのか? あんたは独りになるが?」
キーノをリグリットに預け、人間社会で生きていく道を選ぶ──それがキーノの為だ、そう悟は決めた。
ネクロマンサーのリグリットならばアンデッドと知れずキーノが生活していく術を教えてくれるだろう。
「……キーノを頼む」
掠れる声で、ようやく、悟は言った。
リグリットは振り返らず、ただ、深々と頭を下げて出ていった。
記憶を改竄されたキーノは悟の事を覚えていない。あの、最初に出会った死の町で彼女を助けたのはリグリットだと思い込んでいる筈だ。
悟はアゼルリシア山脈の雪が白く積もった道に小さくなっていく人影をいつまでも、いつまでも見つめていた。
───Fin
◆◆エピローグ3 A Reminiscence◆◆
ドラウディロンは祖父──七彩の竜王の夢を見ていた。
「なんで人間と結ばれたのか?」
ドラウディロンの問いかけに老いた竜王は昔話をしてくれた。
◆
「サトル、頑張って!」
小さな人間が励ます。フードに隠れて顔は見えない。エルダーリッチが杖を上げる。咄嗟に七彩の竜王──ブライトネス・ドラゴンロードは危険なものを感じ、先制攻撃をかける。始原の魔法──真のドラゴンロードだけが持つ最強魔法だ。
だが、相手は倒れない。辺り一面を燃やし尽くしたなかで悠然と立っている。
「今度はこちらからだ。ドラゴンには色々と使い道があるから嬉しいよ」
その瞬間、ブライトネス・ドラゴンロードは悟る。相手にしていたのがただのエルダーリッチではなかった事を。
「お前はただのエルダーリッチではないな? 一体何ものなんだ?」
エルダーリッチ、いやドラゴンロードを凌ぐ者は笑う。
「私はオーバーロードだ」
「そうか。……殺せ。相手の力量を見損なった私の完敗だ」
オーバーロードは驚いたようだった。
「随分潔いな。嫌いじゃないぞ。そういうの」
小さな人間がオーバーロードに耳打ちする。フードから金髪がこぼれて光る。
「……名も知らぬ竜王よ。運が良いな。命までは取らない」
「……その人間はネクロマンサーか? 貴方の主なのか?」
ブライトネス・ドラゴンロードは問いかける。オーバーロードは笑った。
「……いや、違う。……そうだな。パートナーだ」
その時、ブライトネス・ドラゴンロードの心に強い憧れが生まれた。小さな人間はフードを脱いだ。風に靡く金髪が美しかった。
◆
ドラウディロンは鏡に写る自分の姿を眺める。人間であった祖母は人間に変化した祖父と出会い、結婚し、子供が生まれた。私は祖母に似ていたらしい。竜王と人間では寿命が全く違う。祖母が亡くなったあと、祖父はずっと独り身だった。
祖父と最期に会った時、彼はドラウディロンに手を伸ばし祖母の名前を呼んだ。そして「すまない……」と小さな声で、言った。
──ふぅ──ドラウディロンはため息を一つつくと玉座に向かう。そろそろ現実世界にもどらなくては──彼女には女王としての仕事が山積みだった。
────Fin
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