鉄仮面少女の航海記 (葉瀬ミナミ)
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幼少期
航海記 1ページ目


初投稿、よろしくお願います。
「」は話し言葉
『』は物や人の名前(最初だけ)
()は人が思った事
とします。見ずらかったらすいません。


○月○日 晴れ

今日から日記を書く事にした。私は謂わゆる転生者だ。こんな事を書いてると頭がおかしい奴だと周りに思われる。だから、絶対この日記は他の人には見せない。

転生前は何処にでもいる普通の看護師だった。アニメや漫画が好きで一番好きなのはONE PIECEだった。(転生前)は、よくONE PIECEの世界に転生しないかなって思っていた。

だからだろうか、今日悪魔の実を食べあまりの不味さに前世を思い出した。今、思い出しても吐き気がする。甘味と酸味と辛味と苦味と渋味をごちゃ混ぜにしてエグ味を最大限に引き立たせた味。見た目が梨の癖になんて味だ。普通、お隣さんから貰った物があんなのなんて気が付かないだろ。

まぁ、それもこれも、私をここ(ONE PIECE)に送った(アホ)が原因みたいだ。果物?(物体X)を食べて苦しんだ後、それが入っていた籠に手紙が添えてある事に気付いた。手紙を読み、要約するとこんな事が書かれていた。

 

1)私が前世で死んだのは神が誤って殺してしまったから。(どんな死に方をしたかは覚えていない)

2)つい最近、大ポカやっていて、今回のことが上司に見つかると不味いから隠蔽。

3)君は憧れの世界に転生出来たし、転生特典として前世の記憶と悪魔の実を送ったから、()の罪はチャラだよね。後、悪魔の実は『クラクラの実』と言って体の色んな所から超音波が出せるよ。じゃ、良い人生を『アスター』ちゃん。

 

今日は色々ありすぎた。こんなに忙しかったのは1年前私が5歳の時、母さんが死んだ時以来だ。取り敢えず、今日はもう寝よう。

 

○月□日 曇り

取り敢えず、状況の整理をしよう。

私の名前は『アスター』、6歳の女の子だ(前世の年は忘れたから含めない)。髪の毛は紅く、ストレートで今はゴムで一つ結びにしている。女の子にしては鋭い三白眼で目の色は黒。身長は120くらい。

まだ、物心つく前に母『ユリア』と一緒にここ、フーシャ村に引っ越して来た。その母は心臓の病気を患っており、1年前に他界。その頃からだんだん表情筋が仕事をしなくなり、今ではほんの少し笑うだけで顔が痛くなる。記憶の方は昔と今(前世と今世)がいい感じに混ざり、人格も然程変わっていない。

本当なら、今の後見人である『ガープ』さんの家に行くのが筋なのだろうが、母との思い出が詰まった家を出たくなくてここで1人暮らしをしている。たまに『マキノ』さんが遊びに来たり、村の人達にも色々お世話になっている。村の人達はほとんど表情の変わらない私を見て、変な顔をしてくるけど…。後々、面倒な事にならない様に気づかないフリしておこう。

そして、昨日悪魔の実を食べ超音波人間になり、前世を思い出した。最後の方は自分で書いてて頭が痛くなってくる。

その事は、一旦置いといて、鏡で自分の顔や髪を見てぼんやりと、今日偶々見つけた母の日記から、自分の父親が分かりました。そういえば、昨日まで海賊が泊まってたな。会った事ないし親だってわかってお互い面倒だろうからスルーの一択。

明日はクラクラの実の能力を調べて、終わったらマキノさんの酒場でお昼ご飯を食べよう。

 

 

 

 

 

 




どうでしたか。感想、評価等お待ちしてます。


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《村人Gの証言》

最初は章の最後に別視点を入れるつもりだったのですが、それだと誰がどこの事を言っているからわからなくてなってしまうので、途中挿入しました。
見辛くてすいません。


村人G視点

俺は『ギョル』、フーシャ村で魚屋「UO」をやっている。村のみんなからは「魚屋のおっちゃん」と呼ばれている。隣には(母ちゃん)の『チキン』。村でも仲のいい夫婦って有名だ。

まぁ、金勘定は母ちゃんに任せっぱなしだから、その事で喧嘩もするけどなぁ。いつも勝つのは、まぁ察しろ。

「おじさん。今日は何が入ってますか?」

おっといけねぇ、仕事、仕事。声がする方を見るとそこにいたのは、アスターだった。村では目立つ紅い髪に若干鋭い目、6歳にしては物分かりが良すぎる性格。極め付けは表情をほとんど変えない顔。どれを取っても、普通の子供らしくない。

 

「おっ、アスター。今日もマキノちゃんとこのお使いか?」

 

だか、俺達(村の大人達)は知っていた。

 

アスターが5歳の時、アスターの母ユリアが死んだ。その墓の前で大声で泣いていた事。その後、ユリアと一緒に住んでいた家に住みたいとガープさんに食ってかかって、

 

「一人前に自立出来たらいい」

 

と言われ、料理に洗濯、掃除なんでも1人で頑張っていた事を。

最初の頃、その小さい手はアカギレだらけの絆創膏だらけ。見てるこっちが痛々しくて、見ていられなくて、

 

「なんで、ガープさんの家に行かないんだよ」

 

と誰かが言った。

 

「まだ、母さんと一緒にいたいから」

 

とアスターはぽつりと言い、家に帰っていった。

最初は何を言ってんだと思った。やっぱりまだ、5歳だから理解してないのかと思った。けど、その目を見てそれが間違いである事に気付いた。母が死んだ事は理解しているけど納得はしてない。多分そういう事だろう。アスターにとって母と一緒に過ごした家にいることこそが心の整理に繋がる。

それがわかってからは俺達はガープさん家に行けとは言わなくなった。代わりに暇さえあればそれぞれの得意分野を教えた。その甲斐あって、3ヶ月後にはガープさんも認めざるをえない位に料理も掃除も洗濯も上達した。

ただ、結構厳しく教えた所為か、元々あまり変わらなかった表情は更に変わらなくなってしまったが…。どいつもこいつも、子供に教えるってより弟子に教えてるって感じだったからなぁ。

 

「お使いじゃなくて、今日のおかず選び」

「じゃぁ、この鯖と鯵はどうだ?」

 

相変わらず変わらない表情。だが、不愉快ではない。それはこいつが必死こいて頑張った証でもあるからだ。

村に住む子供達はみんなの子供。アスター(こいつ)だって例外じゃない。俺達はせいぜいフーシャ村(ここ)にいる間しか手助け出来ねぇ。 だからこそ、ここにいる間は俺達を頼って欲しいが…。

なんでも1人でやろうとするのはアスターの悪い癖だ。手伝いたくても1人で頑張ってるならって、俺達は手が出せない。一言「手伝って」って言えばみんなが力になるのになぁ。もう、お前は1人じゃないんだからよ。

 

 




と言うわけで今回の勘違いは
アスターは村の人達に不気味に思われてる。
村の人達はアスターが頑張ってるから手を出さないけど本当は手伝いたいとおもっている。
と言う事でした。勘違いになってるか心配。
感想お待ちしてます。


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航海記 2ページ目

感想などよろしくお願います。


○月△日 曇りのち晴れ

腹が減っては戦は出来ぬという事で、マキノさんの酒場でお昼ご飯を食べた。相変わらずとてもいい味付けだった。レシピは前に貰って自分でも作っているのに後一味足らない。本当尊敬する。近くで、

 

「宝払いで食う‼︎」

 

と大声で話す子がいた。歳は多分同じくらいで、

 

「俺は海賊王になるんだ。しっしっしっ」

 

と元気に笑う様子が印象的な少年だった。彼の周りには自然と人が集まり、みんな終始笑顔だった。これも彼の人柄なんだろう。私の周りは一定の距離が開いている。ちょっと寂しい。多分、彼はONE PIECEの主人公『ルフィ』だと思う。直接話した訳じゃないからまだ、分からないけど。食べ終わったので外にでた。酒場からはまだ、笑い声が響いていた。

家の裏庭で、周りから見られない様生垣の側でクラクラの実の能力を調べると、

 

1,意識して口から声を出したり、手を叩いたり、足で地面を叩くと超音波が出る。意識しないと超音波は出なかった。

範囲:口は前方のみ2m。

手で叩くは自分を中心に半径30㎝。

足で叩くは自分の足を中心に半径30㎝地面の中が分かる。

2,声を大きくしたり、手を叩く音を大きくしたり、足で地面を強く叩くと威力が上がる。

3,目を閉じていても超音波で周りの大まかな様子が分かる。

4,威力が上がると衝撃波になる。まだ、少し地面が削れる程度。

と以上の事が分かった。

 

まだ、威力が弱いけど鍛えれば自分の身くらいは守れるはず。後、本当にカナヅチになったのか確かめる為、食器を洗うタライに水を少し多く溜めて腕を入れてみた。結果、力が抜けて危なく顔から水に突っ込む所だっだ。慌てて周りを見た。誰も見てなくて安心した。この事は、絶対誰にも言わない。

 

 

○月◇日 雨のち晴れ

今日は久しぶりの雨だった。雨の日でも能力が使えるか試して見た。結果、能力は使えるものの、威力は晴れの日より弱いし、使える範囲も狭かった。今後の目標としては、天気に関係なく能力を使える様になりたい。

能力が調べ終わったから、次は原作を何処まで覚えているか考えた。思い出したのは、ルフィが村を旅立った所からドレスローザ編の大まかな流れと主要キャラクターの名前と能力、凧の帯(カームベルト)等の豆知識。豆知識は大事だからメモ帳に書いておこう。キャラクターの名前と能力はメモ帳を誰かに見られると面倒だからやめる。いつまで、覚えてられるか心配だけど。

取り敢えず、海賊になるのか、海軍に入るのか、賞金稼ぎになるか、全くの一般になるかまだ分からないがどのみち、自分の身くらい守れる力が必要だと感じ、今日の午後から体力作りを行った。最初は村の周りを見ながらゆっくりランニングをした。村の裏手にある森は猛獣が出るはずだから、今はスルーする。力をつけたら行ってみたい。村を4分の3位ランニングした所で足を止めた。流石に初日だから息が続かない。少し疲れた。

すると、後ろから急に、

 

「ん?あっ、マキノの酒場で一人で飯食ってた変なやつ。お前、こんな所で何してんだ?」

 

と話しかけられた。びっくりして振り向くと酒場の彼がいた。突然の事で固まっていると彼は私を見て笑った。

 

「なんだ、みんなが言うより面白い奴だな。お前名前なんてんだ?俺はルフィ、モンキー・D・ルフィ。海賊王になる男だ」

 

と私と握手をしよう手を出してきた。あまりの急展開に頭が追いつかない。面白い奴だと言われても、何かした覚えはないんだけど。取り敢えず、

 

「私はアスター。まだ、やる事があるから」

 

と少し手を握ってすぐに家に向かって走った。家に着いて思う。流石に、あれはなかったかな。明日、お詫びにクッキーでも持って行こう。

 

 

 




感想、評価お待ちしてます。


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航海記 3ページ目

よろしくお願います。


○月◎日 晴れのち曇り

今日、ルフィに渡すクッキーを作った。作ったのはロッククッキーだ。型抜きのクッキーより形を整えなくてもいいから楽。クッキーの上にマキノさんから貰った苺のシロップ漬けを乗せたし手抜きとは言わせない。美味しいんだよね、マキノさんの苺のシロップ漬け。例えるなら、ジャムに入ってる果肉に似てる。大きさは全然違うけど。私はヨーグルトに入れるのが好き。あの大きさなのに食べると口の中に入れるとトロトロと溶けて、口一杯に果肉の甘味が広がる。とっても幸せな気分になる。話が逸れた。個人的に温かいクッキーの方が好きだから形が崩れない様、箱に入れルフィの家に向かった。

 

ドカッ、バキ、ドコッ

 

とついた家の中からおおよそ聞こえるはずかない音が聞こえる。よく聞けば微かに悲鳴も混じっている。周りを見ても村の人達はまたやってるよと言いたげに苦笑いを浮かべていた。取り込み中の様だから、また後で来るかと思い帰ろうとしたその時、

 

「待たんかルフィ。いつまで、海賊になるなんぞ言っておる。お前は立派な海兵になるんだ」

「いやだ‼︎俺は『シャンクス』みたいな海賊になって海賊王になるんだ‼︎」

「この‼︎まだ言うか‼︎」

「ギャー‼︎ごめんなさい‼︎」

 

と大声で争う声が聞こえた。周りの反応からきっといつものことなんだろ。周りの人達と同じ様にしてここから立ち去ればいい。ガープさんの怒鳴り声は初めて聞いたけど本当に怖い。ここで関わって目の前であんな風に怒られたらと思うと逃げ出したくなる。だけど…。

自分でも厄介な性分だと思う。でも、怖い・面倒臭いって思うよりも好奇心の方が勝ってしまった。

だから、呼び鈴を鳴らし家の中に入った。

急に人が入ってきたからだろう。さっきまでの喧騒が嘘だった様に家の中が静まり返る。取り敢えず、

 

「この前、彼に失礼な態度をとったお詫びです」

 

と言いクッキーの箱をガープさんに渡した。それから二言・三言、二人と話し挨拶をして家を出た。二人が驚いた顔はとっても似ていて、とっても面白かった。

 

 

○月☆日 曇り

あれ以来、ルフィに懐かれた。酒場に行けば隣に座る、走っていれば隣で走る、家に居ても遊びに来る。正直、面倒臭い。けど、ついつい面倒を見てしまう。まぁ、ルフィの面倒を見ているうちに体力も大分付いてきたから良しとしようと半ば諦めの境地に達している。そんなルフィを見てもガープさんは何も言ってこない。時折、

 

「アスターもルフィと一緒にあそこに預ければ…」

 

とか言っていたが、その度にそこから逃げた。

 

そして、ガープさんとの鬼ごっこが始まった。ルールは簡単。村を一周し家に逃げ込めれば私の勝ち。その前に捕まれば負け。勝てばそのまま。負けたらコボル山にいる『ダダン』の家に移る。一度も了承した事は無いのにガープさんの中では決定事項らしい。人の話を聞かない所とか本当にそっくりだ。私は今の所なんとか逃げ延びている。ルフィは初日に捕まり連れていかれた。ガープさんも本気でやってはいないのだろう。本気だったらルフィと同じく初日に捕まっていただろう。まぁ、逃げている時、後ろから追って来るガープさんが本気になれない様にわざと人が多い場所を走ったりしているが。捕まらない為に毎回走るルートも変えてるし。後、能力の新しい使い方も覚えた。足から衝撃波を出してスピードを上げる。力加減を間違えるとそのまま地面に叩きつけられるが正直これが無かったらこんなに持たなかっただろう。

さて、そろそろ鬼ごっこの時間になる。ガープさんもいい加減諦めてくれないかなぁ。

 

 

 

 




感想等お待ちしてます。


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《麦わら少年Lの独白》

大変遅くなりました。
今でも読んでいただけて、本当に嬉しいです。
ありがとうございます。


麦わら少年L視点

俺の名前はモンキー・D・ルフィ。夢は海賊王になる事だ。この夢は、シャンクスと交わした大事な約束だ。

だけど、この事を言うと大体の大人は笑うか怒る。じーちゃんも村長もすんげー怒ってた。

村長は

 

「村の恥だ‼︎」

 

と杖を振り回しながら。 じーちゃんは

 

「お前は立派な海兵になるんだ‼︎」

 

って拳骨付きで。 他の大人からも

 

「本当になれるのか〜?」

 

って笑いながら聞かれた事もある。

その度に

 

「絶対海賊王になるんだ‼︎」

 

って言い返してる。

けど、マキノとアスターは違かった。マキノは俺の話をよく聞いてくれた。飯もよく食わしてくれた。アスターも俺の夢を笑わずに聞いてくれた。村の子供達(みんな)はアスターの事を

 

「大人達に褒められて調子に乗ってる」

「なんか怖そう」

「全然笑ったりしない変なやつ」

 

って言ってたけど俺が話しかけたら、すげービックリしたって感じで聞いてた噂と違って面白い奴だなって思った。本当はもっと話したかったけどアスターが

 

「まだ、やる事があるから」

 

って走っていっちまった。

しょうがないから明日また話そうと思ったらじーちゃんが帰ってきてた。最初は海や他の島とかの話だから良かったけど、段々海軍の話になっていつもの言い合いになった。今回は長くてもお互いに言い合って引かない状態になった。

そんな中で、いつもは鳴らない筈の呼び鈴がなってじーちゃんも俺もビックリした。そんで入ってきたのがアスターだったから余計にビックリした。俺もじーちゃんも声が出ない状況でアスターがじーちゃんに

 

「この前、彼に失礼な態度をとったお詫びです」

 

って箱を渡してきた。じーちゃんが箱を受け取ったのを見て

 

「じゃあ、失礼します」

 

とそのまま帰ろうとして、ドアの前で一旦立ち止まり

 

「この際、お互いに相手の話をよく聞いたらどうですか。煎餅では無いですけど、クッキー上手くできたんですよ。お茶請けにどうぞ」

 

って言って帰っていった。相変わらず顔は変わらなかったけど、イタズラが成功したって感じだった。

じーちゃんとお互いに顔を見合わせて箱を見た。じーちゃんがため息をついて座ってクッキーを食べ始める。俺も慌ててクッキーを食べた。クッキーは美味かった。なんだか、マキノの味と似ていた。

クッキーを食べながら、じーちゃんと色々話した。結局お互いに譲らなかったけど俺もじーちゃんも笑ってた。じーちゃんが

 

「全く、アスターにも困ったもんじゃ。あんな風に言われたら話し合うしかないじゃろうが」

 

っと言った。俺もアスターの事が気になってじーちゃんに聞いた。

 

「アイツの意地は凄いぞ。何せ儂が意見を曲げたくらいだからな〜。今も村の周りを走ったり、何考えているんじゃろうな」

 

と笑っていた。他にも恐竜がいる島とか地面からシャボン玉が出る島とか色んな話をした。じーちゃんと話をしていてアスターは変わってるけどスゲーいい奴だと思った。その後、じーちゃんが

 

「明日から、アスターと一緒に居てみろ。何かわかるかもしれないぞ」

 

と笑って言ったので俺も笑って頷いた。

次の日からアスターと一緒に行動した。最初は戸惑った感じだったけど、それも本当に最初だけ。後は、一緒にマキノの所で飯を食ったり、遊んだりした。アスターはあんまり喋んないけど俺の話をバカにしないで聞いてくれる。それが嬉しくて、すんげーでっかい巨人がいる島とか一年中雪が降ってる島とかじーちゃんから聞いた話もした。

ある日、じーちゃんが帰ってきてまた、言い合いになった。いつもはそれで終わるけど、今回は違った。じーちゃんは

 

「お前を生温いフーシャ村に置いたのは失敗じゃった」

 

って言って俺を山賊の家に置いていった。勿論、ここに来る前に逃げようとしたけどすぐに捕まった。アスターの事を聞いたら、じーちゃんは悔しそうに

 

「逃げられた」

 

って言った。じーちゃんから逃げれてスゲーとも思ったし安心もした。俺はじーちゃんにジャングルに投げ込まれた事もあるけど、アスターは無いみたいだったからな。ジャングルの話をした時、嫌そうな感じだった。

俺もこっちで頑張るからアスターも頑張ってじーちゃんから逃げろよ。

 

 




今回は勘違いは
主人公は急に懐かれた。
ルフィは噂と違って面白くていい奴という感じで書きました。
ルフィの口調が心配ですが、感想などお待ちしております。


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航海記 4ページ目

すいません、遅くなりました。
これからも、多分こんな感じで投稿すると思いますが、よろしくおねがいします。


◯月♡日 曇り後雨

1週間、本当に長かった。ガープさんとの鬼ごっこは、なんとか逃げ切る事が出来た。逃げ切ったと言っても途中から本気になったガープさんに何度か捕まったけど…。6歳児に何を求めてるんだよ、あの人。

まぁ、ガープさんが本気を出し始めそうな頃、ちゃんとオハナシして本気を出した時に捕まっても無効としてたから大丈夫。何度か本気を出したのに誤魔化そうとしてたけど…。誤魔化すのが下手すぎてすぐに気付いたし、部下の人達も援護してくれた。

つーか、誤魔化すのに焦りながら口笛って。下手すぎて部下の人達と一緒に笑った。笑ったと言っても口の端が少し上がったくらいだけど…。相変わらず表情筋が仕事してくれない。うん、海軍の人…ガープさんの補佐の人かな。こっち見てなんか驚いてたけどすいません。ろくに表情変わらない6歳児で。これはいつもの事だから気にしないで。

そうそう、1週間くらい経って海軍本部から電伝虫で連絡が来た。なんでも、

 

「仕事が溜まりすぎてるからさっさと戻ってこい」

 

って事らしい。ただ、本人は行きたくないと駄々を捏ねた。部下の人達も一緒説得してなんとか帰ることになったけど最後までかなりゴネてたなぁ。本人も、

 

「『センゴク』から連絡が来なかったら。」

 

って言ってたし。一応、マキノさん達と見送りはした。ただ、船の船首に本当に犬が付いててそっちの方に気を取られたけど。

船が沖に出て小さくなったのを見届けて家に帰った。小さくなった船からガープさんがなんか叫んでたけど、私は知らない。知らないって言ったら知らない。

未来の私ガンバ。

 

 

◯月✖️日 雨

今日は久々の雨だったので、走り込みは休み。その代わり海軍の人達教えてもらった筋トレを無理のない程度、前世(むかし)やってたヨガもどきの柔軟体操をやった。筋トレは、海軍の人達に

 

「どんなことして体鍛えてるの?」

 

って感じで聴いたら意外と教えてくれた。まぁ、腕立て伏せ1000回とか腹筋1000回とか6歳児には無理。無理のない範囲でやってる。

柔軟体操はいくら体鍛えても、力じゃ男には敵わないだろうし、だったら体柔らかくして攻撃とか受け流せる様にしたいってのと怪我防止。もう一度言う、怪我防止。これが一番大事。受け身取れなくて大事故とかシャレにならん。

ルフィだったら全身ゴム人間だからある程度衝撃は大丈夫だろうけど、私は違う。受け身取れなかったら大怪我する自信がある。

というかしかけた、ガープさんとの鬼ごっこで…。なんで捕まえたのにそのままぶん投げんだよ。着地場所が砂浜で私が出した衝撃波が無かったら骨折れてたよ。幸い腕とか足に大きい痣が出来ただけで済んだけど。慌てて駆け寄って来た海軍の人達はひどく驚いてた。ガープさんは、

 

「軽く投げたつもりだったんだがすまん、アスター。」

 

と言ってた。怪我をさせないように軽く投げられたのに怪我した私を見て驚いてたのか、チクショー。私はまだ6歳だぞ。 まぁ、これを機に受け身の取り方を教えてもらえたからいいんだ。

後は、母さんが残した日記をじっくり読もうと思っていた。この間は軽く目を通しただけだったからね。そしたら、久しく鳴らなかった電伝虫が鳴った。相手はガープさんで嫌な予感がして居留守を使ったんだけど何故か止まらない。仕方なく電伝虫を取るとガープさんから

 

「今度、そっちに行ったらルフィ達の所に一緒に行くぞ。」

 

と言われた。既に決定事項らしい…。

こんな日は早く寝てしまおう。

 

 




久しぶりの投稿でした。どうだったでしょう。
感想などお待ちしております。


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航海記 5ページ目

お気に入りが100を超えているだと…。
本当にありがとうございます。
亀更新ですが頑張って書きますのでよろしくおねがいします。


◯月♤日 快晴

ガープさんからいつもの無茶振りがあった為、急遽予定を変更して自分の能力がどれくらい使える様になったか、調べる事にした。本当は母さんの日記をじっくり読もうと思ったのに…。

でも、ガープさんの事だから連れていかれて、いきなりルフィや『エース』とか『サボ』と戦えって言われる事だってありえる。最終的にルフィ達と共闘してガープさんと戦う事も…。嫌な予感しかなくて泣けてくる。

ルフィがガープさんにコボル山のダダン一家の家へ連れていかれて約2週間がたった。原作では確かルフィがエースを追っかけてる時だったはず。ガープさんが度々3人を鍛えていた描写があったけどそれは、ルフィとエース達が仲良くなってから。だったらまだ時間はある…多分。

結論から言うと大分能力が使いやすくなったし強くもなった。詳しくまとめると、

・ 超音波を出せる範囲

口からは前方のみ2mだったのが5mに。

手で叩くは自分を中心に半径30cmだったのが半径1mに。

足で叩くは自分の足を中心に半径30cmだったのが半径1mに。

・衝撃波の威力は少し地面が削れるのが精一杯だったのが太さが20cm位の木や10cm位の石だったら壊せる様になった。

・目を閉じて大まかに周りの事が分かっただけだったのが目を開いているのと同じくらい分かる様になった。

これでも大分能力が強くなったがさらに、

・自分が出した超音波、衝撃波を自分の好きな形に変えられる。

・超音波を人や物の当てる事で覇気の大きさ、強さや箱等に入ってるものを大まかに知る事ができる。

と新しい能力も発見できた。覇気を見れる様になったのは良かった。ガープさんがルフィに拳骨する時に覇気を纏わせて叩いているだろうからその時、どうやって纏わせてるか勉強できる。超音波で何処を怪我したか内臓レベルまで分かるしもし、ルフィ達が悪戯とかで箱に変な物詰めても分かるから安心。

能力の応用が利く様になって試したかったから森の中でやったけど、超音波とか衝撃波を色んな形に変えられるが楽しくて色々試したら村の方で、

 

「凶暴な動物が近くに来たんじゃないか」

 

って噂になってた。自重しなくてすいません。

 

 

◯月♧日 晴れのち曇り

今日の午前中は前からマキノさんに頼んでいた傷等の応急処置の仕方を教えてもらう。(前世)は看護師だったからある程度なら処置は出来るここ(ONE PIECE)の処置の仕方を覚えておけばいざという時、言い訳出来るし。まぁ、マキノさんから教えてもらえると思ってたのに村の先生(医者)が来るとは思わなかったけど…。マキノさん。笑顔で、

 

「アスターだったら先生に教えてもらった方が良いと思って」

 

って6歳児に何期待してんだよ。他にも

 

「ルフィもいい妹分を持ったな」

 

おい、誰だ言った奴。あっちの方が弟分だよ。世話してたのは私だ。1つしか歳が違わないのに理不尽だ…。

こんな感じで村の人達と一緒に教えてもらった。処置の仕方は(前世)と特に変わらなかったけど自分の手が小さくて処置が大変だった。なんとか先生(医者)には及第点をもらえたけど。

覚えた後は、練習あるのみだそうだ。今度、ガープさんにルフィ達の所に連れていかれたら試そう。

午後は母さんの日記を読んだ。読み進めていくと、どうやら母さんの出身は南の海(サウスブルー)のバテリアという所で姉と一緒にいたそうだ。

ただ、その姉が海賊を好きになったみたいでそいつが姉に相応しいか見極める為にその船に乗ったらしい。母さんアグレッシブ過ぎるだろ。

さらに読み進めていくと姉の名前が『ポートガス・D・ルージュ』だったりその好きになった海賊の名前が『ゴール・D・ロージャー』だったり…。他にも前半の海(パラダイス)偉大なる航路(グランドライン)、新世界の事とか書いてあった。あ、天竜人の事もボロクソにだけど書いてあった。

私の父親の事も書いてあった。正直、情報が多過ぎて頭が混乱するからまた、今度読んで情報を整理しよう。そう思ったのになんでだよ。なんで手紙が入ってそうな封筒が挟まってんだよ。しかも、

 

「私達の大切な息子エースへ」

「貴方の父と母より」

 

って。チクショー、フラグですねありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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航海記 6ページ目

◯月*日 雨のち曇り

この前は母さんの日記を読んで、自分の家族の事や親戚の正体を知り、その知ってしまったことの大きさに頭が追いつかず混乱してしまった。さらに、追い撃ちをかける様に見つけてしまった手紙。

あの後、結局頭で情報が整理出来ず、なんだか疲れてしまった為、そのまま寝た。

あれから、何度も何度も日記の内容と封筒の名前を見直したが、それは見間違いでは無かった。出来れば、間違えであって欲しかったけど…。

確かに日記から得られた情報は有力な情報が多かった。けれど、それを上回る勢いで出生がやば過ぎる。

簡単にまとめると、母は海賊王の元クルーで父は現在四皇。叔父は海賊王で叔母は海賊王の妻。盛り過ぎだろ、こんちくしょう。

しかも、母は何年か父の船に乗ってたらしく、元賞金首。周りからは「戦姫」と呼ばれてたらしい…。一体何をしたんだと日記を読めば海軍やら世界政府等を相手に大立ち回り。しかも、(相棒)片手に覇気と自前の身体能力のみで…。どんだけだよ母さん。私が知っている母さんは些細な事は気にしないけど怒ると怖い、どちらかと言うと肝っ玉母さんって感じで割と普通の人だったのに。

まぁ、これのおかげでガープさんと母さんがなんで知り合いだったのかとか、どうして私の後見人がガープさんなのか合点がいったんだけど。どう見ても叔母さん繋がりだよね。叔母さんが妊娠している時、身の回りの世話とか母さんもやってたみたいだし。

母さんは妊娠を切っ掛けに船を降り私を産んだけど、流石に女手一つで育てるのは大変で、その時の無理が祟って心臓の病気に。船を降りた手前、父や仲間には話せずかといって、生まれ故郷(サウスブルー)では自分の顔は有名過ぎる。なんとか昔の伝手で東の海(イーストブルー)に辿り着き、そこから数少ない知り合いであるガープさんに事情を説明。自分に何かあった時、私の後見人になってもらえる様に説得。だったら、自分の孫や面倒を見ている子がいる所の方が都合がいいとフーシャ村に移り住み、現在に至る。波乱万丈過ぎるだろ、何をどうやったらこんな人生になるんだよ。ノリか、その場のノリなのか。私の母さん像がどんどん崩れていく…。

船を降りるのだって父達には伝えなかったらしい。なんでも、あのまま船に乗って私を産んだら、私のやりたい事を潰してしまうかもしれないからだそうだ。

日記には、有力な情報の他にも私の成長記録や深い愛情のこもった言葉が多く綴ってあった。日記に跡がつかない様に素早く閉じ布団に籠った。

 

◯月▽日 晴れ

ルフィが連れ行かれて更に2週間がたった。日記を読んで母さんには武器の収集癖があった事が判明した。道理で武器の事になると話が止まらなくなる訳だ。昔、母さんに

 

「海軍の人達が持っている武器すごいね」

 

とまだ、無邪気だった私にその武器の特徴や弱点を嬉々として話す母さん。幼かった私でも分かったのだろう。それ以降、母さんに武器の話をした事は無かった。

その事は置いといて、船に乗っていた時の自分の武器(相棒)は槍だったらしいがそれ以外にも剣や刀・ハンマー等、刃物に限らず自分が気に入れば集めたらしい。

まぁ、船を降りる時に大半の武器はそのままか質屋に流したようだ。しかし、この間物置部屋を整理しようと色々物色していたら部屋の隅に隠れるように小さな箱が1つ。

一体なんだろうと能力で確認するとあらビックリ。慌てて箱を開けるとそこには、小刀や銃等が入っていた。旅の資金源にするつもりだったのか、護身用だったのか、はたまた手元にただ置きたかったかは今となっては分からない。呆れるような母さんらしいようななんとも言えない気持ちになった。

色々あるなぁと物色していると、気になる物を発見。引っ張り出して見るとそれは、2組の鉄扇だった。全体的に鈍い鈍色で鉄扇の長さは大体30cm、重さは多分5kg程。重いけど持てないくらいじゃない。先端は鋭く尖っていて磨けば切る事も出来そう。持ち手の部分は怪我をしないように加工され更に箱を覗けば鉄扇を仕舞えるホルダーが2つ。これからこの鉄扇を使った鍛錬も加えよう。

母さん、大事に使わせて貰います。




感想などお待ちしております。


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航海記 7ページ目

●月●日 晴れ

物置部屋から鉄扇を発見・鍛錬し、2ヶ月がたった。

まだまだ拙いが、なんとか鉄扇で能力を発動させる事が出来た。正直舐めてた。鉄扇なんて開いて扇げば良いと思ってたけど、現実は無情。鉄扇の扱いがこんなに難しいとか聞いてない。

鍛錬初日、まず鉄扇が片手で開かない。最初は錆びてて開かないのかなって思い、壊さないように両手で開いたら普通に開いた。錆びてる部分はない。もしかしてと思い片手で閉じようとしたら閉じれない。両手なら閉じれる。

その事実に愕然としたが、よくよく考えたら当然の事だった。いくら筋トレや柔軟体操、走り込み等やっていても私はまだ6歳。鉄扇の重さは1つ5kg、2つあるから合計10kg。自分の体重の約半分の重さになる。持てるだけでも地味にすごいのだ。

ただ、10分位待つと腕が痺れ、振り回すと逆に振り回される。そして、次の日は筋肉痛…。道のりはかなり険しかった。

なので、最初は鉄扇の重さに慣れることから始めた。主に走り込みの時や筋トレの時のダンベル代わりとして。最初に思い描いていたものとは大分違うけど3週間位で重さには慣れ、振り回される事は無くなった。まだ、1時間位しか保たないけど…。勿論、片手で開く練習もした。親指が何度もつって痛かった。こっちは、1ヶ月で片手で開けるようになった。出来た時の達成感が半端なかった。思わず家の中で

 

「よっしゃーっ」

 

って叫んで、慌てて周りを見渡した。次の日、心なしか村の人達の目線が気になったけど気のせいだと思いたい。

鉄扇を開けるようになってからは開いた状態での素振り。傍目から見れば、6歳児が扇子を両手に持って踊っているようにも見れるが使っている物が物なのでやっている事はかなり物騒だ。先端が尖ってるいるから木だったら簡単に刺さるし、そのまま横に引けば熊が爪で引っ掻いた様な傷が出来る。

庭先でこんな鍛錬が出来るはずもなく最近は森で鍛錬をしている。そのせいで、よく動物に襲われる様になった。主に蛇とか虎とか蛇とか熊とか蛇とか。動物達の縄張りを荒らさない様に気を付けているが蛇率が高いのは多分縄張りの意識が他の動物より低いからだろう。虎と熊には1回しか会ってないし。まぁ、そのおかげで少しは実戦的な動きが出来るようになったからいいけど…。

そんなこんなで、更に1ヶ月が過ぎ大分鉄扇を使いこなせる様になり、まだまだ拙いが鉄扇で能力を発動させる事が出来た。そんな日の昼下がり、ガープさんから

 

「近々、そっちに行くから楽しみにしとれよ」

 

と連絡があった。

次も波乱の予感しかしないのは何故だろう。

 

 

●月▲日 晴れのち曇り

あの連絡から数日経ってガープさんから

 

「今日の昼前にそっちに行くぞ」

 

と追加の連絡をもらい、慌てて丈夫な革のリュックに必要であろう荷物を入れ、鉄扇は十分油で磨き入念に準備した。ホルダーを付けるためのベルトも村の服屋で購入。ホルダーがベルトから外れないか、走る時には能力も使って確認した。

ようやく準備が終わり、朝に連絡して作ってもらった昼食のサンドイッチをマキノさんから大人数分受け取った。ホントすいません、連絡が急で。全部ガープさんの所為なのになんで私が謝ってるのか不思議。

あれから大急ぎで帰宅し、リュックを背負いホルダーに入っている鉄扇を確認、手にはお弁当。港が騒がしくなってきたからそろそろ来たんだろと思い港へ向かった。

港へ向かうとガープさんと無事合流。海軍の部下の人達とは別れ、2人で目的地に向かう。道すがらガープさんから

 

「海軍に入らないか」

 

と何度もお誘いを受けたが断った。出生を知った今では海軍なんかに入った日には秘密裏に消されそうで怖いし、天竜人を守ろうって気にもなれない。赤犬もコワイ。全体的に海軍や世界政府は闇が深すぎて怖い。一部そうじゃない人もいるけど…。

そんな感じで歩いていると森を抜けコルボ山のダダン一家の家に到着。

到着そうそうダダン一家が総出でお出迎え。

 

「また、ガキを預かるんですか!!」

 

とダダンさんが騒いでいた。なんか、預かる方向に話がいってるんですけど…。私が来たことに気づいたルフィが引っ付いてくるが無視してダダンさんに

 

「私家に帰ります、ここでは暮らしません」

 

と言った。あからさまに安心したように息をつくダダン一家。下でルフィがなんだか駄々を捏ねてるけどお弁当のサンドイッチを口に突っ込んで黙らせる。なんだか周りが引いてるけど気にしない。気にしない。

どうやら今回の目的は、私にルフィ達との模擬戦をやらせる為だったらしい。だったら先に連絡しとけよと思ったが、ガープさんだし仕方ない。昼食を手早く済ませ、さっさと模擬戦を開始する。だって、さっきから視線が痛いんだよ。視線の先には2人の男の子、エースとサボ。特にエースの雰囲気がやばい。多分、ルフィが引っ付いているからだろう。私の所為じゃないのに、チクショー。

あれから1時間経ち、模擬戦は今の所私の全勝。最初の模擬戦の内容はルフィは自滅。エースとサボには能力と鉄扇使って頑張った。超頑張った。

勝ったし、そのまま帰ろうしたら結果が気に入らなかったエースとサボに止められ数えるのも嫌になるくらい模擬戦中。2人共本気で鉄棒を振り下ろしてくるからわざと負けることも出来ない。

つーか、この2人私が6歳の少女だって忘れてるよね?

私今日中に帰れるかな…。

 

 




感想などお待ちしてます。


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航海記 8ページ目

遅くなってすいません。
別視点がなかなかまとまらないのでこっちを進めていきます。



●月◾️日 曇りのち雨

結局、模擬戦が終わったのは夜。取り敢えず模擬戦は全部勝った。全力で鉄パイプを6歳児に振り下ろす方が悪い。あんなの受けたら最悪死ぬし痛いのは嫌です。ガープさんとの鬼ごっこをしてて助かった。じゃなかったら、スタミナ切れで早々に鉄パイプの餌食になってた。ガープさんにもお礼を言っておこうかなって思い辺りを見渡したら…いない。慌てて、能力使って探したけどいない。ガープさんの事だから勝手に帰ったんだろうな。私を忘れて…。

 

「あの野郎(じじぃ)。」

 

と大声で叫んだ私は悪くない。みんなビックリしてこっち向いてるけど気にしない。

もう、夜も遅いって事でダダン一家の家に泊めてもらいました。ただで泊まるのは申し訳ないので夜ご飯を作った。後ろで最初は心配そうに作り終わった後は早くこっちに持ってこいって目で見られた。結構な量を作ったから他の人達にも配膳を手伝ってちょっと遅めの夕食。結構な量を作ったのにもうほとんど残ってない。あぁ、自分の分は早々に確保しておきましたよ。夕食のほとんどはルフィとエースが先を争って食べてた。何処にあんな量が入るのか本当不思議。

いつもより騒がしかったけど、たまにはこんな日も悪くないなか?

 

 

●月◆日 晴れ

次の日、3人に模擬戦を頼まれ渋々付き合い、お昼頃にようやくお家に着きました。もちろん3人には勝った。3人には

 

「次は絶対に勝つからまた明日来いよ。絶対だからな。」

 

とかなり念を押された。よっぽど年下に負けたのが気に入らなかったらしい。特にエースとサボは私の歳を聞いてすごく落ち込んでた。

ルフィは目をキラキラさせながら

 

「どうしたら、そんなに強くなれるんだ?」

 

と聞いてきたので当たり障りなく

 

「自分に合った鍛錬をする事。」

 

と言っておいた。取り敢えずガープさんとの鬼ごっこを逃げ切れる様になれば嫌でも強くなると思う。

疲れて帰ってきた為、家に帰っても料理を作る気になれずマキノさんの酒場にご飯を食べに行った。

今日のマキノさんオススメはオムライス。ふわっふわの卵にトマトの酸味がアクセントになっているソース。チキンライスの味も均等でムラがなく、中に入っている玉ねぎと人参の自然な甘さとチキンの塩気が絶妙。たまに、なんでマキノさんがこんな片田舎で酒場を開いてるか不思議に思う。でも、マキノさんが何処かに行くとこの料理が食べられなくなるので何も言わない。

ご飯を食べ終え、久しぶりに家でのんびり過ごそうかなと思ったら、マキノさんから手紙をもらった。マキノさんにお礼を言い、そのまま家に帰る。家に着いて手紙を見る。

差出人は…ガープさんか。一瞬捨ててもいいかなって思ったけど、そんな事して余計に話がこじれるのも嫌だったから、中身を見てみると昨日の模擬戦の事と3人とこれからも仲良くしてくれ的な事。

そして、今度こっちに来たら自分とも模擬戦をする様にと書いてあった。見間違いかなっと思って何度も見たけど文章は変わらない。

もう、泣いてもいいですか?




感想などお待ちしてます。


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航海記 9ページ目

お気に入りが500を超えました。
ありがとうございます。
これも読んでくださる皆様のおかげです。
亀更新にはなりますがこれからもよろしくお願いします。



●月★日 曇り

ルフィ達との模擬戦をした次の日から、毎日の日課に自分の家からダダン一家までの往復と模擬戦が加わった。時々、ガープさんとの組手もある。最初の頃は往復と模擬戦で疲れてランニングは休んでだけど、今は慣れて再開してる。

流石にガープさんとの組手後はやらないけど…。なんでこっちは1人でルフィ達(あっち)は3人なんだよ。お陰で捕まらないように逃げる事しか出来ないじゃん。衝撃波使って攻撃しても笑いながら拳で相殺する相手と組手とかマジ無理。

 

「慣れれば、この位朝飯前じゃなぁ」

 

って言いながら、その拳をこっちに向けないで欲しい。死んじゃうから、私まだ6歳だから。ルフィ達も煽らないで欲しい。こっちは拳の風圧受けただけで吹っ飛びそうなんだから。どっかでエースとサボが

 

「こんな状況でも顔色一つ変えないのか…」

「どんたけ肝が座ってるんだよ。本当に6歳か?アイツ」

 

とかそんな感じな事言ってたけど、表情筋が仕事してないだけで内心いっぱいいっぱいだからね。そんでこんな状況になったのは君らが煽った所為もあるからね。

まぁ、お陰で大分体力付いたし、能力も上がりましたけどね。まとめると、

・超音波の出せる範囲は…

口から前方のみ5mだったのが10mに。

手で叩くのは自分を中心に半径1mだったのが半径3mに。

足で叩くのは自分の足を中心に半径1mだったのが半径3mに。

・衝撃波は威力は前は太さが20㎝位の木や大きさが10㎝位の石を壊せるくらいだったが、太さが50㎝位の木や大きさが30㎝位の石なら壊せる様になった。

・超音波の威力は調節する事で特に人体に影響を出さない範囲から人が頭痛になって動けなくなる範囲まで出来るようなった。今更だけど、クラクラの実の能力って妨害とか周りを補助する方が正しい使い方なのかなと思ったり…。うん、気にしない。

あぁ、そういえば前に一度だけ、ヘビに対して中に直接衝撃波を当てたらどうなるのかと思ってやってみた。あれは酷かった。目の前でヘビの頭がボッンっと音を立てて飛び散った。人に使うのは最終手段にしようと決めた。

模擬戦や組手のお陰で全体的に強くなった。けど、ガープさんを焚きつけて良い筈は無い。また明日、絶対勝ってやる。

 

●月♠︎日 曇りのち晴れ

ルフィ達と模擬戦を通して仲良くなった頃、突然エースに呼び出された。最近は視線も大分マシになったのに、なんか気に入らない事でもしたかなぁと呼び出された場所に行ってみると、エースが真剣にこっちを見て、

 

「お前は、海賊王の子供が居たらどう思う」

 

って聞いてきた。思わず

 

「別に?」

 

と答えた。だって、私の母さん元海賊で父さん四皇だし。あぁ、叔父さんが海賊王だ。出生の面倒臭さなら、私も同じだよなぁ。

一瞬、エースは驚きながらこっちを見てそれでも、

 

「海賊王の子供だぞ。生まれて来る事も生きる事も許されない奴なんだぞ」

 

と言ってきた。そんな事言われたら私だってそうだし。つーか、ガープさん子育て下手すぎる。原作のエースもそうだけど、幼少期の傷が全然癒されてない。溜息がでる。

 

「親が何であれ、子供は子供でしょ。その子が海賊王じゃ無いんだし。それに、その子にだってその子を大事に思ってくれる人がいるはずでしょ」

 

といつ渡そうかと持っていた手紙をエースに押し付けてその場からいなくなる。全く、こんなの柄じゃなくて家に帰った後、恥ずかし過ぎてベッドの上で悶えた。

次の日、手紙を持ったエースに問い詰められた。

 

「なんで、お前がこの手紙を持ってんだよ‼︎」

 

って、そうですよね。ちゃんと言ったよ、エースと私は従兄妹同士だって。エースは私を離して小さい声で

 

「従兄妹?従兄妹…」

 

と呟いてた。心配になって声をかけようとしたら、急にガバッと顔を上げて

 

「なぁ、お前は俺に生きてて欲しいか」

 

って聞いてきた。そんな不安そうな顔されると私が虐めてるみたいだからやめて欲しい…。

 

「これ以上、家族に死んでほしく無いよ」

 

と言ったら、すごい力で抱きしめられて泣かれた。思わず、頭を撫でたら余計に強くなった。あの時は中身が出るんじゃないかって位、苦しかった。

そして、こんな時も私の表情筋は仕事をしなかった。こんな時位、空気読んで仕事しろよ、コンチクショー。

 

 

 

 




感想などお待ちしております。


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航海記 10ページ目

お気に入り登録、1000を超えました。
本当にありがとうございます。
友人から書いてもらった主人公の絵(6歳児バージョン)を載せますので興味がある人見てください。


【挿絵表示】



●月〓日 晴れ

エースに従兄妹とカミングアウトした日、ルフィとサボにもバレました。しかも、エースが私を思いっきり抱きしめながら、泣いてる現場ごと…。いや、2人共一応空気を読んで木の間から顔を出して窺う感じで見てきたけど…あ、ルフィはエースと私に大声で声を掛けようとしてサボに口塞がれて引き戻されてたから違うか。

うん、何はともあれ居た堪れない。エースからは見えてないけどルフィとサボが顔を覗かせながらなんか小声で小突きながら話してるの見えるし。エースは未だに抱きしめてるから気付いてないし。そろそろ、抱きしめられるのが辛くなってきたから声を掛けるか、気付くかして欲しい。本気で中身が出そう…何がとは言わないけど。

結局、ルフィとサボは声を掛けるか・掛けないかで揉めてたし、エースも全然気付かなかったから教えました。こー、肩をちょんちょんと突いて。突いたら、エースが急に顔を上げたのでそのまま、ルフィとサボの方を指差し、エースの顔も釣られてそっちを見る。見られたルフィとサボはニヤニヤしながら

 

「よっ」

 

なんて手を上げて返事してたけど、さっさと逃げた方いいんじゃないないかなぁ。エースの顔が真っ赤だったし。

 

「エース、顔真っ赤だぞ」

 

っと、わざわざ指摘してルフィはやっぱりアホだ。指摘したからエースがルフィに狙いを定め、駆け出した。今日の鍛錬には鬼ごっこ(武器あり)が追加された。

 

●月◉日 曇り後晴れ

 3人がいつもの様に高町で食い逃げをし逃げている途中、サボの父親に見つかったらしい。私がいる前で2人がサボを問い詰めた。私が原作で知っているサボの父親・母親も大分好きになれない親だったけど、此処でもそうらしい。つーか、せっかく親を思って描いた絵をその場で破り捨てたり、凶器を向けられて怪我しそうになった自分の子供よりその相手の方を心配するとかどうなの…。いや、まぁやった相手が王族で格差社会の弊害もあるだろうけど。こう、家に帰ったら心配するとかしないの普通。そのくせ、サボには自分達に楽をさせらるような頑張りなさいとかどんだけだよ…。そりゃぁ、息苦しくもなって家出もするさ。

そんな事を考えてたら、3人共自分の船に乗る様に言い合っていた。

 

「ん?アスターはどうなんだ。お前も俺の船に乗れよ‼︎」

 

と、ルフィが唐突に言った。ルフィの質問を皮切りにエースとサボからも一緒の船に乗ろうと誘う。

その様子が本当の兄弟みたいでついつい楽しくなって、おもいっきり笑った。あんなに笑ったのは今世で初めてじゃないかなぁ。3人共すんごく口開けてびっくりしてたし。

その後、お互いにふざけて、ちょっぴり喧嘩して、思わず吹き出して笑って…私達は兄妹の盃を交わした。

 




大分、変更しました。
感想などあればよろしくお願いします。


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《元貴族の少年Sの旅立ち》

今回はサボ視点です。大分長くなりますがよろしくお願いします。


少年S視点

俺の名前はサボ。ゴア王国の貴族に生まれた。最初は両親の期待に応えようと頑張った。けど、両親は俺が好きだったわけじゃなかった。両親(あいつら)が好きなのは地位と財産を守っていく誰かだった。それに気付いてからは何処にいても息が詰まって、俺は大人の目を盗んでゴミ山に逃げ込んだ。ゴミ山に来て最初はその臭いに悩まされた。次はその日の食事の確保が大変だった。慣れてからは海賊とかに襲われたりして大変だったけど、何処までも自由で何より生きている実感が出来た。そして、大事な兄妹が出来た。

俺は4人でいる時間が好きで、こんな日が毎日続くとばかり思っていた。中心街で父親(あいつ)に見つかって今まで黙っていた事を3人に話し、アスターから

 

「そういう人ってかなりしつこいはずだから、気を付けなよ」

 

と注意を受けて、最初の頃は警戒もしていた。けど、何日も経ってその警戒心も薄れていた時、父親(あいつ)が海賊『ブルージャム』を連れて俺とエース、ルフィを襲った。相手は大人数でいくら俺たちでもその数に敵わず俺は捕まった。最初は戻るきなんてなかった。けど、ブルージャムが

 

「この2人が二度と坊ちゃんに近づけねェ様に始末しときます」

 

父親(あいつ)に言っているのを聞いて理解した。こいつらは本気で俺の兄弟を殺す気だと。ここで父親(あいつ)の所に行かなければ俺の兄弟は死んでしまうと。だから、俺は

 

「お父さんもういいよ、わかった。何でも言う通りにするよ…‼︎言う通りに生きるから!!!この2人を傷つけるのだけは…やめてくれ‼︎」

 

とお父さんに願った。そして、逃げられないように周りを囲まれてそのまま、歩く。

 

「…おい…!⁉︎行くなよ!!!振り切れ‼︎俺達なら大丈夫だ!!!一緒に自由になるだろう!⁉︎これで終わる気か!⁉︎」

 

と後ろでエースが叫んでるいる声が聞こえる。目から涙が溢れ、周りを振り切って2人の下に行きたくなる。でも、ここで振り返っちゃいけない。そうすれば2人はもっと傷付けられる。もしかしたら、ここに居ないアスターにも危険が及ぶかもしれない。だから、俺は涙をそのままに高町に向かった。

 

高町にある家に着くと知らない子供(やつ)がいた。『ステリー』と名乗った奴は俺がいない間に迎え入れた養子らしい。父親(あいつ)は途中ではぐらかしたが要するに俺が人生を失敗した(あいつらの思い通りにならなかった)時の保険だ。息が詰まる。みんなといた時は感じなかったのに此処に来ると実感してしまう。これ以上父親(あいつ)の声を聞きたくなくて早々に割り当てられた部屋に戻る。

部屋に戻るとステリーって奴が意気揚々と入ってくる。奴は散々俺をバカにした後こう言った。

 

「明日の夜は可燃ゴミの日だ。ゴミ山にいたら死んでただろうな」

 

と。嫌な予感がして問い詰めると

 

「この国の汚点は全部燃やすって言ったろ」

 

と奴は言った。それがゴミ山に住む人も含まれているのに気付いた。バカげた話だと思った。あそこにはたくさんの人間が住んでいて、暮らしているに。確証が欲しくて怪し場所を探る。窓から飛び出した時に後ろから煩い声が微かに聞こえていたがそんな事に構っている暇はなかった。

 

月灯りが照らす真夜中、ガスマスクを着けている兵隊達が集まって会議をしている場所があった。窓から話を聞くと明日の夜の話だった。聞こえてくる話からこんなバカげた話が本当だと確信した。時間も遅くあまり深追いせずに一度戻った。

朝になり周り人を観察したがあまりにも普通過ぎて昨日の事が嘘みたいだった。此処に居ても情報が少な過ぎて屋敷から抜け出して外に出た。

外に出て周りの人に火事の事を聞く。周りがあまりにも普通過ぎるから皆知らないのかと思っていた。

けど、現実は違かった。皆知っていた。これから人が死ぬと知っていてもメシを食い、勉強しろと言ってくる。この町はイカレてる。この国の人間達は今夜、ゴミ山を焼き捨てる気だ。

兄妹にエースとルフィ、アスターにこの事を伝える為に端町に急ぐ。後ろから追いかけてくる足音を振り切って走る。

追っ手を振り切り端町に着いた時には、グレイ・ターミナルの方では轟々と音を立てて炎が立ち昇っていた。そこに居るであろう兄妹に届くよう逃げろと大声を張り上げる。その度に近くにいる軍隊に放り出される。何度も何度も大声を張り上げては放り出される。それを繰り返すうちに1人のおっさんが通り足を止めて話しかけてきた。そいつが誰かは知らなかった。誰でも良かった。俺は自分が思っていた事を全部話した。

 

「…この町はゴミ山よりもイヤな臭いがする…!!!人間の腐ったイヤな臭いがする!!!…ここにいても…‼︎おれは自由になれない…!!! 」

「サボ‼︎」

 

そう話している途中で俺の知っている声がした。いるはずがないと思った。俺よりも年下のくせに強くていつでも冷静でいざって時には頼りになる。でも、その声を信じたくて急いで辺りを見回す。

すると、今までそこには何もいなかったはずなのに急に周りが揺らめき始め、俺の知っているアスターの形になった 。

急に現れたアスターに驚いたが、アスターに

 

「良かった、アスター無事だったんだな。エースとルフィはどうなったんだ‼︎」

 

と急いで聞く。アスターからは

 

「2人とは別行動だけど2人共ちゃんと生きてる」

 

と言われた。2人も生きてる。その事実で今までの不安が少し軽くなる。おもむろにアスターを見ると、さっきのおっさんに土下座していた。驚いて辞めさせようとするとアスターはおっさんに言った。

 

「サボを海に連れて行ってください」

 

と。急な話に俺もおっさんも困惑していたが、アスターは畳み掛ける。

 

「このまま、サボが此処に残れば絶対に近いうち1人で海にでる。そうなったら、この国を目指して来ている天竜人の目に止まる。多分、話に聞くような天竜人だったらサボが殺される。近くの島で良い。私の兄をルフィの兄をエースの兄弟を助けてください」

 

と。近いうちに海に出るなんて皆には言ってなかった。ただ、このまま此処に居れば俺は俺でなくなるような気がした。だから、これが終わったら近くにある船で出港しようとしてた。歳下のくせに何処までも読んでんだよと思う。それじゃあ、どっちが上か分かんないだろう。自分の事を思ってくれる嬉しさと気恥ずかしさで頭ん中がぐちゃぐちゃになる。アスターをジッと見るおっさんはおもむろに答えた。

 

「…。君の気持ちはわかった。サボ、君が良ければ船に乗せよう。その間は、船の雑用もやってもらう事になるがいいかな」

 

ボソリとおっさんは呟く。

 

「「お願いします」」

 

とアスターと俺の声が重なる。どちらも涙声で、酷い顔をしていたけど、確かな笑顔がそこにあった。

 

アスターから

 

父親(あいつ)の事はこっちに任せていいから」

 

と言われロケットペンダントを俺に渡して早々にその場を立ち去った。急な別れで少しだけ不安になる。気を紛らわせたくて見るロケットペンダント。中には俺達兄妹の写真が入っていた。完璧な不意打ちで目に涙が溜まる。流すまいと我慢するも写真の隣に書いてあった言葉で涙が溢れる。

 

「次はグランドラインで」

 

何度も何度も拭いても涙が溢れる。そして、安心もした。アスターがいればエースもルフィも大丈夫だと。

周りの炎が船を避けるように道を開ける。

 

「出港だ‼︎」

 

誰かの声が響く。

 

そして、俺の航海が始まった。

 




書きたい事を書いたら大分長くなりました。
次はも別視点で書きたいと思っています。
今回の勘違いはサボに主人公が完璧超人だと思われております。
主人公は完璧超人ではありません。とりあえず、そこだけ否定しておきます。
誤字・脱字、感想等お待ちしております。


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《コボル山の悪童Aの決意》

今回はエース視点です。
よろしくお願いします。


少年A視点

俺の名前はポートガス・D・エース。ガープ(ジジイ)にまだ赤ん坊の時、コボル山の山賊ダダンの元に預けられた。ダダンが言うには母さんは俺を守る為に無茶をして死んだと、親父…ゴール・D・ロジャーの事を鬼と言った。どうしてそんな事を言うのか分からず町に出て親父の事を聞くと

 

「アレは生まれて来なきゃ良かった人間なんだ」

「とんでもねェクズ野郎さ‼︎」

「世界最低のゴミだ!!!」

 

っと言ってきた。無性に腹が立ってそう言ってきた奴はボコボコにしてきた。

 

「ロジャーに子供がいたら⁇そんな奴がいたら困るなァ!!!」

「そいつは生まれて来る事も生きる事も許されねェ。鬼だ‼︎」

 

言われては殴るを繰り返す。その度に何かが壊れる音がする。そして、壊れたその隙間に奴らの言葉が張り付いて取れなくなる。その内に、自分が生まれてきて良かったのか分からなくなった。

 

あれから何年かたち、俺に兄妹が出来た。

 

「1人で死に急ぐのをやめろ」

 

と言われた。生きてて欲しいかと聞いたら

 

「当たり前だ‼︎」

 

と言われた。親が残した手紙を渡され

 

「これ以上、家族に死んで欲しくない」

 

と言われた。あいつらに、兄妹に言われた言葉が嬉しかった。自分は生まれてきて良かったんだと実感出来た。だから、このまま4人でいるのが当たり前だと思っていた。

中心街でサボの父親に見つかって、サボから今まで秘密にしていた事を聞かされ、アスターから

 

「そういう人ってかなりしつこいはずだから、気を付けなよ」

 

と注意を受け、警戒していた筈だった。ただ、サボの父親が連れてきたのは海賊ブルージャム。手下も大勢いて袋叩きにされ、サボも捕まった。どんな事をされても逃げる気は無かった。サボの為に戦うつもりだった。けど、サボは

 

「お父さんもういいよ、わかった。何でも言う通りにするよ…‼︎言う通りに生きるから!!! この2人を傷つけるのだけは…やめてくれ‼︎」

 

と言った。最初は何を言っているか分からなかった。その内、サボは周りを囲まれ高町へと歩いていく。俺は咄嗟に

 

「…おい…!⁉︎行くなよ!!! 振り切れ‼︎俺達なら大丈夫だ!!! 一緒に自由になるだろう!⁉︎これで終わる気か!⁉︎」

 

と叫んだ。だが、結局サボは後ろを振り向かず行ってしまった。その後、俺とルフィはブルージャムの拠点に連れて行かれた。サボを侮辱され怒鳴ったが、俺にはサボの幸せが何かわからなかった。サボは俺と違って貴族の出だ。もしかしたら、そこにいる事が幸せなんじゃないかと思った。

ブルージャムの拠点から少し離れた所で小型の電伝虫を使い、アスターに連絡を取った。アスターに今までの事をありのままに話した。すると、アスターから

 

「サボの様子を見て来る」

 

と一言言われて通話を切られる。慌てて、掛け直したが通じない。ルフィが心配そうな顔でこっちを見てきた。ルフィは

 

「…サボがいねェとイヤだ。俺」

 

と言ってきた。俺は

 

「…俺だってそうだ。様子を見よう。あいつは強い‼︎本当に嫌ならまた必ず戻って来るさ。それにアスターがサボの様子を見に行ったから帰ってきたら聞けばいいだろう」

 

と言った。そのまま、ブルージャムの仕事を引き受け今日一日が終わった。

次の日、ブルージャムの所に行くと奴からとんでもない事を聞かされた。ゴミ山を燃やす…。なんでだと騒ぐ俺達をブルージャムの手下達が取り押さえる。そして、ブルージャムは聞いてきた。

 

「おめェら…どこかに財宝を貯め込んでやしねェか?」

 

と。俺もルフィも口を割らなかった。ブルージャムは

 

「だったら、おめェらに用はねェ。ここで火事に巻かれて死ね」

 

と、拠点にある柱に2人で縛り付けられた。

 

漸く縛り付けられた紐を切った時には、辺りが轟々と音を立てて炎が立ち昇り周りは火の海だった。泣き言を言うルフィを怒鳴りながらなんとか脱出出来る場所を探す。すると、

 

「誰が逃げていいと言った悪ガキ共がァ!!!」

 

と怒鳴り散らすブルージャムが前方から来た。ブルージャムが何か話しているが、そんな事はどうでもよく逃げようと駆け出すが、手下達が邪魔をする。ブルージャムはこんな時でも財宝のありかを言えと言ってくる。これ以上此処にいれば逃げ場はなくなる。だから、財宝のありかを教えた。ルフィの…俺達に命を守るにはこれしか方法がなかった。

ブルージャムに財宝のありかを教えこれで逃げられると思った。けれど、ブルージャムは俺達にも付いて来いと言ってきた。俺は

 

「フザけんな。そんな事やってる内に逃げ場がなくなる‼︎お前ら勝手に行けよ!!!」

 

と怒鳴った。だが、ブルージャムは銃を俺に突きつけてきた。その内、サボの事まで悪く言ってきた。

 

「腹ん中じゃお前らを見下して鼻をつまんで笑ってたのさ!!!」

「それ以上サボを悪く言うな!!!」

「そうだ‼︎サボは自由になりてェだけだ!!!」

 

そうブルージャムに言われ、俺もルフィも我慢の限界だった。ルフィが捕まっている相手の腕を思いっきり噛んで脱出をはかる。だが、手下は怯むどころか逆上し剣でルフィを切った。痛みにうめくルフィにとどめを刺そうと手下が剣を振るかざす。

 

「ルフィに手を出すなア〜〜〜〜!!!」

 

咄嗟だった。このままじゃ、ルフィが目の前で殺される。今出せる精一杯の大声を張り上げた。すると、周りの奴らは急にバタバタと倒れていく。ルフィが無事だったのに安心して油断した。

 

「何をしやがった!!!胡散臭ェガキめ!!!」

 

とブルージャムが足で俺の体を押さえつけ銃を向ける。俺は此処で死ぬのか…と思った。声が聞こえた。来る筈がないと思っていた奴が来た。

 

「やめねェか海坊主!!!エースを放しなァ!!!」

 

ブルージャムの攻撃を止め、逃げれる隙を作った。ダダンはそのまま、逃げようとしたがそれじゃダメだと俺は思った。このまま、一緒に逃げたら何か大事なものを…ルフィを失う気がする。だから、

 

「俺は逃げない!!!」

 

と言った。周りは反対する。だが、ダダンの鶴の一声により俺達以外はみんな逃げた。ブルージャムはニヤニヤ嗤う。女と子供に何が出来るのかと。周りの炎が立ち込める中負けられない戦いが始まった。

 

周りの温度は高く、ただそこにいるだけで火傷しそうになる中、俺とダダンはなんとかブルージャムに勝つことが出来た。しかし、周りは火で道が塞がれて一刻を争う状態だった。そんな時、

 

「エース、ダダン無事!!!」

 

と急に火が道を開け、アスターが現れた。突然の事に俺もダダンも驚いていいるのを尻目にアスターは手持ちの薬で俺達の応急処置をしていく。昨日の事で色々言いたい事があったのにうまく言葉が出ない。

 

「サボは無事なのか…」

 

言いたい事はもっとあった。でも、考えが纏まらず今はそれしか出てこない。

 

「サボは無事。だけど、このまま親の所にいると自分が自分でなくなるって言って、さっきこの国を出港した。」

 

サボは無事。その言葉に笑みが零れる。

 

「今、私の能力で火が来ないようにしてるけど、時間もないから行くよ」

 

とアスターが急かす。アスターの後を追う様に走る。警戒はしていたがすでに、ブルージャムは倒してあり、安堵があった。

しかし、それが油断だった。気絶していた部下が1人だけ意識を取り戻していた。それに気づいた時には、相手は鉄棒を振り切った後で、咄嗟に相手が振りかぶってきた鉄棒の痛みに耐えようと体を丸める。ガンッとイヤな音がするもの一向に痛みがやってこない。

ゆっくりと前を見るとアスターが俺を庇い手下を吹き飛ばしていた。慌ててアスターを見ると目尻から右頬にかけて酷い火傷を負っていた。俺とダダンはアスターの傷を見て慌てて薬を付け処置をした。俺とダダンの表情でどうなってるか察しがついたのだろう。アスターは俺に

 

「エースのせいじゃない。これは私がエースを守りたかっただけ」

 

と言った。妹にこんな事を言わせる自分の弱さが悔しかった。

 

アスターの応急処置が終わり中間の森の近くに着いた頃、アスターから

 

「最後の仕事がある」

 

と言われ、こっちの話を聞かず炎の中を戻っていくアスター。戻って来いと大声を張り上げる中、ダダンから

 

「この火の中、あたしらは行けないんだ。大丈夫、きっとアイツは無事に帰ってくる」

 

と言われ渋々その場を後にした。アスターの応急処置のお陰でルフィ達とも合流し、そのまま寝た。

 

次の日。森の奥からおぼつかない足取りこちらに来る人影、アスターの姿が見えた。ルフィや他の奴らにも教えその人を待つ。そいつは俺達が全員で出迎えた事に驚いていたが、俺らの顔を見るとそのまま、倒れる。慌てて駆け寄ると気を失った様で急いで家の中に運ぶ。

顔の右半分に包帯を巻かれ、酷い火傷を負った妹。剣で切られあちこち傷だらけの弟。俺はもっと、もっと強くなる。絶対に守ってみせる。それを俺は今日、誓った。

 

 




エース視点でした。
一応、口調とか気をつけたいつもりですがこんなんエースじゃないとか思われて方がいたらすいません。
誤字・脱字、感想等お待ちしております。


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航海記 11ページ目

一応、今回で幼少期編は終わりになります。
では、よろしくお願いします。


●月⌘日 晴れ

コボル山に着いた途端、気を失い2日たった朝。漸く目を覚ました私を見てルフィは大号泣、エースも薄っすら目に涙を浮かべて小突いてくる。ダダン一家の皆さんも凄い良い笑顔だった。

ダダンから私が倒れた後の話を聞くと、只でさえ酷い火傷を負い体を休めないといけないのに、無理を押して動いたせいで結構な高熱が出てたらしい。うん、今回は大分無理をした。反省しているのでチクチク小言を言うのをやめて下さいお願いします。エースから

 

「どうやって、サボの所に行ったんだ」 

 

等、色々根掘り葉掘り聞かれたのでちゃんと答えました。

あの時、エースに貸した小電伝虫から連絡があり、バッグに色々役立ちそうなのを入れ、能力を使って他人から私が見えなくなる様にして高町に侵入。

侵入後、壁づたいにサボの気配を探したけど、人が多く気配が混じり過ぎて見つけるのに凄く時間掛かり、見つけた時にはゴミ山の方では轟々と音を立てて炎が立ち昇っている状態。

なんとか門の近くでサボを見つけ合流。合流する時にサボが

 

「ここにいても自由になれない」

 

っと言っていたから、最近手配書で見た革命家『ドラゴン』が近くにいたのでサボを連れて行けないか交渉。サボの出航を見送りダダンとエースを見つけ合流。

その後、高町に戻り、そこにある漁船の1つにサボが被っている帽子によく似た帽子と上着とズボンを履いた案山子を置き、天竜人が来るタイミングで船を海に出す。後は、天竜人と周りの人達に乗っているのが案山子ではなくサボと誤認させ、天竜人に船を攻撃してもらう。

天竜人が船を粉々にした事を確認してまた、能力を使い他人から私が見えなくなる様にしてコボル山に戻ってきた。

 

ここまで、長々話す事も無いから疲れた。エースとダダン一家が頭抱えて

 

「6歳の子供が考える事じゃ無い」

 

とか唸ってたけど知らんし。ただ改めて、思い返すと随分無茶した。反省はしてるけど後悔はしてない。あそこで出来る最善を尽くした。

けど、正直舐めてた。能力(超音波)があるからすぐに見つけられるかと思ってたからなぁ。サボの出航も予定してなかったし。近くにドラゴンいて本当ビックリした。慌てて、高町で材料調達して案山子作ったし。

ただ、一番驚いたのはエースが倒した筈の手下がいきなり襲って来た事かな。焦った所為でそのまま、エースの前に飛び出しちゃったし。目の周りだけ衝撃波で守ったけど。

さっき、傷がどんな感じか見た。火傷自体は大分良いけど跡は残るみたいだし皮膚が所々ボコボコしてた。私自身はあの時にある程度覚悟をしてた。まぁ、あまり人に見られたくも無いしガープさんに頼んで隠す物を用意してもらった。用意はしてもらった…。確かに右半分を覆える様な奴って言ったけど…、鉄仮面ってどうなの…。特殊な金属だから雨に濡れても大丈夫で熱くなりにくいとか無駄に高性能のとこがムカつく。

これ、被らないきゃいけないのかなぁ。仮面被らない方がまだ目立たない気がするんだけど…。




誤字・脱字、感想等お待ちしております。


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原作開始 イーストブルー編
航海記 12ページ目


ここからは原作編になります。
よろしくお願いします。


△月◯日 晴れ

あれから、10年。髪も大分伸びて後ろで1つ結びをする様になった。ガープさんから貰った鉄仮面はちゃんと使っている。もう、10年も付けているからそんなに気にしなくなった。初めて見る人には驚かれるけど…。やっぱり、インパクトが強いのかなぁ。あぁ、身長も伸びた。ルフィやエースには負けるけど。身体能力も上がり能力(超音波)も強くなり、できる事も増えた。

 

超音波の出せる範囲は…

 口から前方のみ10mだったのが10kmに。

 手で叩くのは自分を中心に半径3mだったのが半径3kmに。

 足で叩くのは自分の足を中心に半径3mだったのが半径3kmに。

 衝撃波の威力は、前は太さが50㎝位の木や大きさが30㎝位の石を壊せるくらいだったが、太さが5m位の木や大きさが3m位の岩なら壊せる様になった。

 

ただ超音波を出すだけだったらもっと遠くまで出せるけど自分でコントロールできる範囲はこの位。超音波・衝撃波の制御も上達した。

エース・ルフィとの組手は今までずっと続けてたから、自分で思っていたより強くなったと思う。まぁ、エースとルフィも原作より強くなってんじゃないかなぁ。私が10歳になった時から中々勝てなくなってきたし…。成長速度はやすぎんだよ、あの2人。エースとルフィに初めて負けた時、2人とも凄い喜んでたなぁ。その後、調子に乗って来るから次の組手の時はボコボコにしたけど…。

そんなエースも3年前に海に出て海賊に、サボはドラゴンの思想に感銘を受けたらしく革命軍に入ったみたい。ニュース・クーを見る限り2人共元気に暴れまわってる。

ちなみに私とルフィは…絶賛航海中。一緒に行く気は無かったんだけどね…。エースが海に出る時、ルフィに

 

「アスターを頼む」

 

的な事を言ってたみたいでルフィの中では一緒に海に出るのは既に決定事項だったらしい。最初は、断ってたけどそんな事でルフィが諦めるはずもなく…。

取り敢えず、あの大渦に巻き込まれない様に気をつけよう。

 

△月△日 曇りのち晴れ

あまり、威力の強くない衝撃波を水面に発射して、大渦に巻き込まれない様に船を進めて2日。原作より1日早く『アルビダ』がいる小さい孤島についた。これでなんとかご飯が食べられる。船には1週間分の食料を2人分積んでたはずなのにもう底をついた。取り敢えず、ルフィの頭を叩いた私は悪くない。本人には全然効いてないけど…。

 

「腹減った‼︎」

 

って騒いでるし。私の方がお腹すいたっての。今度から食料の周りを薄く衝撃波で覆って食べられない様にしよう。

島の海岸に趣味の悪いアヒルの頭が付いた船が見えた。ルフィの目がヤバイ、マジで肉になってる。早く、食料とアルビダが持ってる貴金属類を譲って貰おう。

 

 




ちなみに主人公の身長は165cmくらいです。前半の海の時のナミよりも少し小さいくらいです。
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航海記 13ページ目

大分遅くなりました。
読んで頂ければ幸いです。


△月□日 晴れ

海賊船から見えない場所に船を止めた瞬間、ルフィが

 

「飯ー‼︎」

 

っと叫びながら倉庫っぽい所に突撃していった。思わず深いため息が出たのはしょうがない。追いかけようとした瞬間

 

「さぼってんじゃないよ!!!」

 

と海賊船から金棒が風をきりながら倉庫に飛んでいき

ドゴォン!!

と音を立てて倉庫が崩れる。崩れた倉庫にはルフィはいない。何処にいるか探ると森の方に誰かと一緒にいるみたいだ。多分『コビー』なんだろうなと思いながら軽く走ってルフィを追いかけた。

 

「おれがなるって決めたんだから、その為に戦って死ぬなら別にいい」

 

ちょうど、ルフィを見つけるとコビーにそんな言葉を投げかけていた。相変わらずため息が出る。ルフィがこっちに気づき

 

「おっ‼︎アスター」

 

と笑顔で手を振っていた。そのまま、コビーに軽く挨拶をして近づきルフィにデコピンをする。いきなりの事でこっちに文句を言ってくるが

 

「みすみす、死なせるわけがないでしょ」

 

と私が言うとルフィは一瞬驚き、鼻をこすりながら満面の笑みを浮かべながら笑う。

その後、改めてコビーと自己紹介をした。その時にコビーは自分が作った船と自分の夢を語った。海軍に入り悪い奴を捕まえる。自分が小さい時から憧れていた夢を。

 

「誰を捕まえるって!!?」

 

その直後にアルビダが来襲。金棒でコビーが作った、つぎはぎの船を破壊する。アルビダを見て思った。体型・顔・化粧・性格、どれを見てもイカついおばさんにしか見えない。

これが悪魔の実を食べて美女になるとかどんだけだと思っているとコビーがアルビダに逆らいルフィとアルビダの戦闘が始まった。

ルフィの戦闘も気にはなったが、こっちはこっちで手下が多数襲ってきた。流石に数が多い相手に対してコビーを守りながら一人一人相手するのは危険なのでちょっと強めに衝撃波を当てて、何人かまとめて遠くに吹き飛ばす。相手が全滅するのに時間はそれほどかからなかった。

その後、アルビダの船から食料や水、アルビダ自身が身につけていた宝石類を…譲り受け、自分達が乗って来た船にコビーを乗せて出航する。

海に出て渡してもいない肉を食べながらルフィは言う。

 

「海軍基地に捕まってるって奴、いい奴だったら仲間にしよう」

 

…とりあえず、ルフィ。それ以上肉禁止ね。

 

△月▽日 曇り

海軍基地にがある町に航海中、コビーはしきりに『ロロノア・ゾロ』を仲間にするのをやめるようルフィに訴える。

 

「いわく、血に飢えた野犬」

「人の姿をかりた魔獣」

 

どんなにルフィに言ってもその言葉は響かない。困ったようにこちらに視線を何度も向けるから仕方なくコビーに言った。

 

「コビーとルフィじゃ、悪い奴の基準が違う。それに、ルフィは自分の目で見て相手を判断するから何を言っても聞かないよ」

 

コビーは困惑しながら

 

「悪い奴の基準が違う?」

 

と呟いた。

 

「私達も海賊だ。世間一般からしてみたら十分悪い奴でしょ」

 

私の言葉にハッとしながらコビーは何かを考えるように黙り込む。

 

それぞれの思いを抱えて船は目的地にたどり着く。

 

 



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航海記 14ページ目

△月◎日 晴れ

町に着いた後、ルフィ達とは別れて店で買い物をしつつ町の人達から情報収集した。町の人達は大分鬱憤が溜まっていたみたいで声を潜めながらも色々教えてくれた。

 

「この町では『モーガン』大佐に逆らえば、誰であっても死刑にされる」

「貢物と称して多額の税金を取られる」

「モーガン大佐の息子『ヘルメッポ』は、何かにつけては大佐に言いつけるとやりたい放題」

「海軍に捕まったロロノア・ゾロだって、本当は息子が飼っていた迷惑な狼から女の子を守っただけ」

 

等々、あげればきりがない。教えてくれた人達にお礼をしつつルフィ達と合流する。合流するなりルフィは

 

「アスター。俺はゾロを仲間にするぞ」

 

と真剣な表情で言ってきた。何でお前はいつも説明を省いて結論しか言わない。ちゃんと説明しろ、と意味を込めて頬を思いっきり引っ張った私は悪くない。

これまでの経緯をルフィとコビーから聞き出し、3人でゾロが吊るされている磔場に向かった。ゾロを見つけるやいなや、ルフィは断られても何度も勧誘をする。最終的にはゾロの刀を取り戻し、それを返して仲間にするつもりらしい。自分の時もそうだっが、ああなるとルフィはしつこい。相手が了解の返事をするまで絶対に諦めない。海軍基地に乗り込んだルフィを見ながらその事をゾロに伝えると、こちらに同情の視線を送り深いため息をついた。ついでに、1ヶ月の約束が嘘だった事もゾロに教えた。驚きの声をあげるとコビーがゾロの縄を外そうとする。

ゾロの事はコビーに任せ海軍基地の方を見ると、こちらに銃を向けていた。急いで鉄扇を取り出し周囲に衝撃波の壁を作る。

パン!

と乾いた破裂音が聞こえたが、銃弾は衝撃波の壁に阻まれ、こちらには一切ダメージはない。コビーは銃声に驚き辺りを見回し、ゾロは何をしたのかとこちらをいぶかしめにこちらを見る。それを無視して周囲を確認すれば、すでに磔場の周りは海兵に囲まれていた。原作よりちょっと早くないかなぁと思いつつ、2人を後ろにして鉄扇を構え直す。2人が怪訝そうな顔を浮かべるが海兵が銃口をこちらに向け迫っているのを見て、こちらに何か言ってくる。今更危ないと言われてもなぁ。ガープさんの拳骨の方がよっぽど危ないし。そう思いながら、銃弾を壊すために衝撃波の壁を周囲に作る。壁が出来たのと同時に

ズドドドドド

と銃弾の雨がこちらを襲う。別に大丈夫ではあったがここでルフィが乱入。銃弾をその身に受け弾き返す。ルフィの問いかけに、ゾロが仲間になる事を了承した。後は、私の衝撃波で縄だけを切り、ルフィが刀を渡す。襲いかかってくる海兵を刀で押さえ込んだ後の決意表明。どうやら、ルフィ共々認められたらしい。何故か副船長として。

訂正する間も無く戦闘が再開される。原作と違った事と言えば海兵達はモーガンから自害を言い渡される前に全員気絶させておいたくらいかなぁ。

その後、ルフィとゾロは無事にモーガンとヘルメッポを撃退。何日も食事をしてなかったゾロが倒れたとか、コビーと別れたとか、出航する時に海軍から敬礼で見送りがあったとか色々あったけど…お前ら、とりあえず肉と酒を置いて正座な?

 

 

 




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《見習い海兵、少年Kの分岐点》

今回はコビー視点で書きました。
今回もよろしくお願いします。


海兵見習いの少年K視点

 

僕の名前はコビー。今はシェルズタウンにある海軍基地で海兵見習いをしている。僕が今ここで幼い頃から夢だった、海兵になれたのはある人達のおかげだった。

 

僕にとってそれは運命の日だった。ただ、釣りに行こうとしただけだったのに、間違って乗り込んでしまったのが海賊船。船長は賞金50万ベリーの賞金首、金棒のアルビダ。周りには気性激しい船員達。どう頑張ったって敵う相手ではなかった。殺されないかわりに突きつけられた条件は、航海士兼雑用係として働く事。

それからは、毎日が辛く苦しかった。何かあればアルビダに蹴られ、殴られる。苦しい顔をすれば気に入らないと余計に痛めつけられた為、意味もないのに笑う様になった。痛めつけてくるのはアルビダだけじゃない。この船で1番力が弱い僕は、船員達からも事あるごとに暴力を振るわれた。

何度も何度も痛めつけられ2年。周りの目を盗み、ここを逃げ出す為に作った船。何度も逃げようとしたけど、もしも見つかったらと考えると足がすくみ動かない。

 

どうせ、一生雑用の運命。自分の夢は叶える事は出来ない。そう思うようになったのはいつからだろう。

そんなある日、ルフィさんとアスターさんに出会い、全てが変わった。ルフィさんからは本当の覚悟を、誰に言われても諦めない心を教えてくれた。アスターさんからは自分の目で見て、判断する事の大切さを教えられた。

なにより、2人に命を救われた。海賊に海軍に襲われ、その度に守られた。アルビダやモーガンと戦うとなって、死を覚悟した事もあったが2人は何てないように跳ね除けた。その強さに憧れた。力の強さだけじゃなく自分の意思を貫き通す強さ、誰かを思いやる強さに。

だからこそ、その背中を見続けるのではなく隣に立ちたいと思った。

あれから、海軍に入隊し雑用と勉強の日々。今でもあの日、ルフィさんが倉庫に突撃してきた事を覚えています。あの日こそが僕の分岐点。戦う事から逃げ続けた僕が初めて戦った時。僕の夢を応援してくれる人達が出来た時。最後の最後までルフィさん達に頼ってしまった不甲斐なさ。海軍将校になると誓った決意。今でも、昨日の事のように覚えています。

今はまだ、ルフィさんやアスターさんの足元にも及ばないくらい弱い僕ですが、いつか必ず強くなって2人に追いついて見せます。敵同士ではあるけれど、僕の事を友達だと言ってくれた2人に恥じないように。

今度会う時は、偉大なる航路(グランドライン)。また会いましょう。ルフィさん、アスターさん。

 

 




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航海記 15ページ目

お気に入り登録が1200人を超えました。
本当にありがとうございます。
拙い文章ではありますが、よろしくお願いします。


△月◁日 晴れ

なんとか食料を守りつつ、次の町に着いた。原作だと食料がなくなりルフィが飛んでいた鳥に手を出して連れ去られ、ゾロが追いかけるという展開だったがなくなった。

ただし、『ナミ』に騙され海を漂っていた『道化のバギー』一味の3人組を拾った。船に乗った直後、こちらに襲いかかってきたがルフィとゾロにすぐにボコボコにされてたけど。

その後、ゾロが何故海で漂流していたのか聞いた。船を漕がせながら。3人はしきりにナミの事を言っていたがこっちとしてはバギーの事が聴きたい。私はバギーがバラバラの実の能力者だと知っているが、どうして知っているかルフィとゾロに説明するのが面倒臭い。3人に話すように促すが歯切れが悪く、肝心の能力の事は話さない。

どうしたもんかと悩んでいると突然、海の中からウツボに似た大型の魚が襲ってきた。ルフィとゾロがヤル前に衝撃波をデコピンで発射し撃退する。ルフィとゾロは面白くなさそうにこちらを見るが、3人は目が飛び出すんじゃないかというくらい驚いていた。再度、私が聴くとさっきとは打って変わって饒舌にバギーの事を話す3人。

おかげでバギーの能力とか色々わかったけど、町に着くまで終始怯えていた。…何故?

 

町に着いたはいいけど人が全然いなかった。3人に聞けばこの町でバギー一味が略奪中らしい。町の人達は町から避難していないと言われた。

3人とは別れ、町の中を歩いていると大声で怒鳴り散らす荒くれ達と追われる女性、『ナミ』に遭遇。ナミはこっちを見て

 

「み、みんな助けに来てくれたのね。ありがとう」

 

と言い、私達に荒くれ達を押し付けようとしたので腕を掴み逃げられないようにして確保しておく。そちらを見ると、追いついた荒くれ達は既にルフィとゾロにやられていた。なんとか抜け出そうと暴れているナミだが、簡単には逃がさん。

そのまま、近くの家に避難しお互いに自己紹介からのこれまでの事情をナミから聞いた。ルフィはナミの航海技術に興味があったようで航海士に誘っている。ナミは海賊なんかにならないとお互い平行線。

その後、ナミの提案で手を組む事にはなりルフィ達はバギーの所へ。私は食料補充の為に別行動となった。私が行こうとするとナミがこいつもか的な目で見てくるから

 

「あっちに人がいるみたいだから交渉して食料を分けてもらうだけだよ」

 

と言ってお金を見せた。ナミは信じられないような、でも、バツが悪そうな顔で謝った。謝罪を聞き流し、超音波で位置を探りながら町の人達が避難している場所に向かった。

町の大分ハズレの所に来て漸く町の人達に会えた。海賊である事は伏せて食料の交渉をする。町の町長『ブードル』さんから

 

「ここにあるのは自分達の分で余裕がなく渡さないが、わしの家にある保存食でよかったら」

 

とのことだった。ありがたく申し出を了承。2人で町にある町長の家に行き、保存食を頂きお金を渡す。ブードルさんはお金をもらう事を最初は渋ったが、これから何かと入り用になるだろうからと言うとしぶしぶ受け取ってもらえた。

また、隣のお店にいた『シュシュ』の事も紹介してもらえた。ブードルさんにお礼を言い一旦船に荷物を降ろしルフィ達の方に向かう。

このまま走るのも時間がかかるので、足から衝撃波を出して飛ぶように目的地に走った。

 

目的地の上空に着くとゾロがバギーを切った所だった。ルフィは何故か檻の中にいる。ちょっと目を離しただけでどうしてそうなったと思わず目眩がして目測を誤り、バラバラになっていたバギーの背中に着地。下から

 

「ぐぇ‼︎」

 

と潰れた声が聞こえたが…知らん。ついでにゾロを刺そうとしてたナイフも手から離れたしなんの問題もない。まぁ、急に空から降って来た私にバギー一味とナミは驚いたり、ゾロは自分が刺されそうになっていた事に気付き悔しそうに顔を歪め、ルフィはここから出せと暴れていた。んー、中々のカオス。取り敢えず、ルフィに

 

「流石に鉄を切るのは集中力がいるから、今は無理」

 

と答えるとルフィが笑顔で逃げろと言う。困惑しているナミを置いて、ゾロは正しく意味を理解したらしい。まだ、出会って間もないのによく分かったな。ゾロとアイコンタクトで確認し、私が下っ端を吹き飛ばす。その間にゾロが大砲の向きを変えて私が逃げた事を確認し点火。原作であればここでバギーが邪魔をしてくるが、思いっきり背中を踏んだから気絶中。

相手が混乱している中、ゾロが檻を担ぎ私が先導しながら場所を移動する。とりあえず、シュシュがいるお店まで行けば大丈夫かな?

 

 

 




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航海記 16ページ目

△月▷日 晴れ

あれから、シュシュがいる店に到着。そばにいたブードルさんにルフィ達の自己紹介をし事情を説明、ルフィが入っている檻を道に置かせてもらう。その後、衝撃波を飛ばす方向に誰もいない事を確認し衝撃波を纏わせた鉄扇を切るようスライドさせ衝撃波を飛ばす。衝撃波により檻の柵が切れたのでルフィは笑顔で脱出する。みんな驚いてるけど、大分タメが必要な技だし、制御もまだ甘いから飛びすぎるんだよね…。今も遠くの方で悲鳴が聞こえるし。うん、聞かなかった事にしよう。みんなも頷いでるし。

 

 改めて、なんでルフィが檻に入っていたのか聴くと、バギーの所に行く途中でゾロが迷子になり、その隙にナミに縛られバギーに檻の中に入れられたらしい。

色々ピンチだったみたいだけど、ゾロは刺されなかったし、みんな無事だから良いかな?と思っているとナミから怒られた。なんでも、檻の鍵を取って来たけど壊せるなら必要なかったじゃないとの事。 

 うん、根は悪い子じゃないんだよねと思いつつ、猛獣使いの『モージ』が来ないか周囲を探るが誰も近づいて来ない。不思議に思って超音波で探してみるとさっきの衝撃波の餌食になってたらしい。あの様子だと死んでないないけど参戦は出来ないだろう。まぁ、シュシュの大事なお店は守られたし結果オーライだろきっと…。

 ルフィも無事脱出したので、ブードルさんにバギー達の所に行く事を告げる。ブードルさんは原作の様に暴走はしなかったが悔しそうに下を向いていた。

 

バギー達の所に着くとルフィが早速バギーを挑発。キレたバギーが大砲を撃ち、ゾロとナミが慌てるがルフィがそれを跳ね返す。ナミが

 

「あんたら一体なんなのよっ!!」

 

と怒鳴って来たのでルフィと私が能力者である事を告げる。バギーと一緒にされかけたのでそこは拒否した。

その後、ゾロは『カバジ』と戦った。原作の様な傷はおってないので無傷で勝利。途中でバギーの横槍が入ろうとしたがそこはルフィが止めた。

 そして、ルフィ対バギー。あらかじめ、ルフィの帽子は預かっている。最初はバギーのトリッキーな動きに苦戦していたが徐々にルフィがバギーを追い詰める。ただ戦っていた最中、宝をナミから取り返そうと襲ってきたのには驚いた。どんだけ宝物に執着してんだ。危ないので私が間に入って衝撃波でルフィのいる所まで飛ばし更にルフィが蹴り飛ばす。一時的に気絶したみたいただから、起きる前にバラバラになっている体が逃げられない様に縛っておく。縛り終えた後、バギーが起きたが体が足りず小さいサイズに。そして、ルフィはバギーを海の方に吹っ飛ばした。後は、残っていた船員達を船に押し込んで海に流した。

 

 その後、中々戻らないブードルさんを心配した町の人達が各々手に武器を持ち警戒しながら話しかけてくる。バギー一味を倒した事を説明しようとしたがルフィが

 

「俺達は海賊だ。」

 

と言った。一瞬の間があり、ルフィの襟首を掴み2人に

 

「行くよ‼︎」

 

と声を掛け全力で逃げた。後ろからいろんな人の怒鳴り声と追いかけてくる音がする。

 町民に追いかけられる(こんな)状況を作った本人に文句を言おうとするとルフィは笑っていた。この町はいい町だと。町長の為にみんなが怒っていると。

…取り敢えず、振り切るから私の腕か服にしっかり捕まってなよゾロとナミに言い空を駆けて船に急いだ。

 

 なんとか町民達を振り切り出航すると走ってきたブードルさんが海岸から

「すまん。恩にきる」

と眼に涙を浮かべながら言う。それに対してルフィは

「気にすんな。楽に行こう!!」

と笑顔で答える。

 その後、ナミが奪った宝の半分が町に置いてきたと知られて張り倒されるのは…ある意味お約束なのかな?

 




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